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特表2024-526980充放電制御方法、充電機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】充放電制御方法、充電機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H02J7/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504168
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2022104904
(87)【国際公開番号】W WO2023001009
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110839708.6
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524029323
【氏名又は名称】チャンチュン ジェティ オートモーティブ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チャオ
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503FA06
(57)【要約】
本発明は、充放電制御方法、充電機器100及び記憶媒体を提供する。該方法は、充電回路がオフにされた後、出力端11の残留電圧を取得することと、前記出力端11と並列接続されている放電負荷13を制御して放電回路を形成することと、前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことにより、前記放電回路の放電速度を速くすることとを含む。上記により、充電回路がオフにされた後、充電機器側の残留電圧を迅速かつ安全に解放することを実現できる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を取得することと、
前記出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することと、
前記放電回路の放電速度を速くするように、前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことと、を含む、
ことを特徴とする充放電制御方法。
【請求項2】
前記出力端の残留電圧を取得することは、
前記出力端の連続する複数の周期における電圧サンプリング値を取得して、電圧サンプリング値系列を生成することと、
前記電圧サンプリング値系列の中間部分の平均値を算出して前記出力端の残留電圧とすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御方法。
【請求項3】
前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことは、
残留電圧のパルス周波数を大きく調整することと
前記パルス周波数が周波数上限に調整されていても残留電圧が所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のパルス幅を小さく調整することと、
前記パルス幅が幅下限に調整されていても残留電圧が前記所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のデッドタイムを小さく調整することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御方法。
【請求項4】
前記残留電圧のパルス周波数を大きく調整することは、
所定周波数調整範囲内で、比例調整によって残留電圧のパルス周波数を大きく調整することを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の充放電制御方法。
【請求項5】
前記残留電圧のパルス幅を小さく調整することは、
第1の幅調整範囲内で、残留電圧の現在のパルス幅及び電圧誤差値に基づいて、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整することを含み、
前記電圧誤差値は、残留電圧の現在の電圧値と前記所定電圧値との差である、
ことを特徴とする請求項3に記載の充放電制御方法。
【請求項6】
前記残留電圧のデッドタイムを小さく調整することは、
第2の幅調整範囲内で、残留電圧の現在のパルス幅及び電圧誤差値に基づいて、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整することで、残留電圧のデッドタイムを調整することを含み、
前記電圧誤差値は、残留電圧の現在の電圧値と前記所定電圧値との差である、
ことを特徴とする請求項3に記載の充放電制御方法。
【請求項7】
前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことは、
前記放電回路の電流値が電流閾値を超えた場合に、前記放電回路をオフにすることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の充放電制御方法。
【請求項8】
前記出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することは、
前記出力端の残留電圧が電圧閾値に達したか否かを判断することと、
前記出力端の残留電圧が電圧閾値に達した場合に、前記出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御方法。
【請求項9】
前記放電負荷の抵抗値は、充電機器のメイン回路の等価抵抗値より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御方法。
【請求項10】
充電過程において充電信号に対して定電流制御と定電圧制御を行うことをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の充放電制御方法。
【請求項11】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムとを備える充電機器であって、
前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時に、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法の命令が実行される、
ことを特徴とする充電機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムが充電機器のプロセッサによって実行される時に、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法の命令が実行される、
ことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【請求項13】
コンピュータプログラムを含み、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時に、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法の命令が実行される、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2021年7月23日に提出された出願番号が202110839708.6であり、発明名称が「充放電制御方法、充電機器及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電気自動車の充電機器の技術分野に関し、特に、充放電制御方法、充電機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
充電時間コストの節約を目的とした、ユーザによる電気自動車の急速充電への要望を可能な限り満たすために、充電機器の充電電力は一般的に大きく設定される。この場合、充電機器は通常容量性素子を備えるため、充電機器の充電回路がオフにされた後、充電機器側の充電電圧をすぐに解放することができず、即ち、充電機器側に残留電圧が発生しやすく、人身や充電機器に危害を及ぼす可能性がある。従って、充電回路がオフにされた後、どのように充電機器側の残留電圧を迅速かつ安全に解放するかは、現在解決すべき技術問題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例は、充電回路がオフにされた後、充電機器側の残留電圧を迅速かつ安全に解放することを実現できる充放電制御方法、装置、機器及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、一態様では、本発明の実施例は、充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を取得することと、前記出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することと、前記放電回路の放電速度を速くするように、前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことと、を含む充放電制御方法を提供する。
【0006】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記出力端の残留電圧を取得することは、前記出力端の連続する複数の周期における電圧サンプリング値を取得して、電圧サンプリング値系列を生成することと、前記電圧サンプリング値系列の中間部分の平均値を算出して前記出力端の残留電圧とすることと、を含む。
【0007】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことは、残留電圧のパルス周波数を大きく調整することと、前記パルス周波数が周波数上限に調整されていても残留電圧が所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のパルス幅を小さく調整することと、前記パルス幅が幅下限に調整されていても残留電圧が前記所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のデッドタイムを小さく調整することと、を含む。
【0008】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記残留電圧のパルス周波数を大きく調整することは、所定周波数調整範囲内で、比例調整によって残留電圧のパルス周波数を大きく調整することを含む。
【0009】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記残留電圧のパルス幅を小さく調整することは、第1の幅調整範囲内で、残留電圧の現在のパルス幅及び電圧誤差値に基づいて、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整することを含み、前記電圧誤差値は、残留電圧の現在の電圧値と前記所定電圧値との差である。
【0010】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記残留電圧のデッドタイムを小さく調整することは、第2の幅調整範囲内で、残留電圧の現在のパルス幅及び電圧誤差値に基づいて、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整することで、残留電圧のデッドタイムを調整することを含み、前記電圧誤差値は、残留電圧の現在の電圧値と前記所定電圧値との差である。
【0011】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことは、前記放電回路の電流値が電流閾値を超えた場合に、前記放電回路をオフにすることをさらに含む。
【0012】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することは、前記出力端の残留電圧が電圧閾値に達したか否かを判断することと、前記出力端の残留電圧が電圧閾値に達した場合に、前記出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することと、を含む。
【0013】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記放電負荷の抵抗値は、充電機器のメイン回路の等価抵抗値より小さい。
【0014】
本発明の1つの好ましい実施例において、充電過程において充電信号に対して定電流制御と定電圧制御を行うことをさらに含む。
【0015】
別の態様では、本発明の実施例は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムとを備える充電機器であって、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時に、上記方法の命令が実行される充電機器を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが充電機器のプロセッサによって実行される時に、上記の方法の命令が実行されるコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明の実施例は、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時に、上記の方法の命令が実行されるコンピュータプログラム製品を提供する。
【0018】
以上の本発明の実施例に係る技術案から分かるように、本発明の実施例において、充電回路がオフにされた後、充電機器は、出力端の残留電圧を取得し、出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することにより、放電回路を介して残留電圧を放出することができる。この過程において、充電機器は、残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行って、放電回路の放電速度を速くすることで、出力端の残留電圧を迅速かつ安全に放出することを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例又は従来技術の説明に用いる図面を簡単に説明する。以下で説明する図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずに、これらの図面を基にして他の図面を取得することができるのは明らかである。
図1】本発明の幾つかの実施例に係る充電機器の模式図である。
図2】本発明の幾つかの実施例に係る充電機器の回路ブロック図である。
図3】本発明の幾つかの実施例に係る充放電制御方法のフローチャートである。
図4】本発明の幾つかの実施例に係る充電過程における充電信号に対する定電圧制御のフローチャートである。
図5】本発明の幾つかの実施例に係る充電過程における充電信号に対する定電流制御のフローチャートである。
図6】本発明の他の幾つかの実施例に係る充放電制御方法のフローチャートである。
図7】本発明の幾つかの実施例に係る充電機器の構造ブロック図である。
【符号の説明】
【0020】
100 充電機器
11 出力端
12 充電機器のメイン回路
13 放電負荷
14 制御可能なスイッチ
702 充電機器
704 プロセッサ
706 メモリ
708 ドライブ機構
710 入力/出力インタフェース
712 入力機器
714 出力機器
716 提示機器
718 グラフィカルユーザインタフェース
720 ネットワークインタフェース
722 通信リンク
724 通信バス
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解できるように、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を以下で明確かつ完全に説明する。説明する実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に属する。例えば、幾つかの説明において、第1部材の上方に第2部材を形成することは、第1部材と第2部材とが直接的に接触するように形成された実施例を含んでもよく、第1部材と第2部材とが間接的に接触するように形成された実施例(即ち、第1部材と第2部材との間に追加部材をさらに備える)などを含んでもよい。
【0022】
なお、説明を容易にするために、本発明の幾つかの実施例では、「上にある」、「下にある」、「頂部」、「下方」などの空間的位置を示す用語を使用して、実施例の各図面に示される1つの素子又は部材と別の(又は別の幾つかの)素子又は部材との間の関係を説明する。なお、空間的位置を示す用語は、図面において説明される方位以外に、装置の使用又は動作時における異なる方位を含むことを意図するものである。例えば、図面における装置が反転されると、他の素子又は部材の「下方」又は「下」に「ある」と記載された素子又は部材は、それに伴い、他の素子又は部材の「上方」又は「上」に「ある」と位置決めされることなる。
【0023】
本発明の実施例に係る電気自動車の充電機器は、充電スタンドなどと通称される。従来技術において充電回路がオフにされた後に充電機器側の残留電圧を迅速かつ安全に解放することが困難であるという問題を解決するために、本発明の実施例は、改善された充電機器を提供する。
【0024】
図1に示すように、本発明の幾つかの実施例では、充電機器100には、1つ又は複数の出力端11を備えられる。出力端11は、電気自動車を充電するように、電気自動車の充電ポートに接続されてもよい。図2に示すように、充電機器のメイン回路12には、残留電圧を放出するように、放電負荷13(例えば、放電抵抗などの純抵抗回路)が並列接続されていてもよく、放電負荷13は、制御可能なスイッチ14と直列接続されてもよい。制御可能なスイッチ14は、充電機器のプロセッサ(又はコントローラ)により制御され、即ち、制御可能なスイッチ14の開閉を制御するために、充電機器のプロセッサから制御可能なスイッチ14に制御信号が送信されてもよい。具体的には、制御信号がオン信号である場合、制御可能なスイッチ14がオンされ、放電負荷13によって放電回路が形成されることで、残留電圧が放電回路を介して放出されることになる。制御信号がオフ信号である場合、制御可能なスイッチ14がオフされ、放電負荷13が開放されるため、残留電圧が放電負荷13を介して放出されないことになる。
【0025】
放電回路の放電速度が放電安全と負の相関関係となっていることに鑑みて、放電負荷13が過熱して危険をもたらさないように、放電回路の放電速度が過度に大きくならないようにすることが好ましい。従って、本発明の実施例において、充電機器のプロセッサは、充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を取得し、放電負荷を制御して放電回路を形成するとともに、残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことで、放電回路の放電速度を速くし、残留電圧を迅速かつ安全に放出する目的を達成することができる。なお、残留電圧に対する周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整の具体的な実現については後述する。
【0026】
好ましくは、本発明の他の幾つかの実施例では、残留電圧を迅速に放出するために、放電負荷13の抵抗値は、充電機器のメイン回路12の等価抵抗値より小さいものとしてもよい。
【0027】
図3に示すように、本発明の幾つかの実施例では、充電機器の充放電制御方法は、以下のステップを含み得る。
【0028】
S301:充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を取得する。
【0029】
S302:出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成する。
【0030】
S303:放電回路の放電速度を速くするように、残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行う。
【0031】
本発明の実施例において、充電機器は、充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を取得し、出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することにより、放電回路を介して残留電圧を放出することができる。この過程において、充電機器は、残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことにより、放電回路の放電速度を速くし、出力端の残留電圧を迅速かつ安全に放出することを実現することができる。
【0032】
本発明の幾つかの実施例では、出力端の残留電圧を取得することは、以下のステップを含み得る。
【0033】
1)出力端の連続する複数の周期における電圧サンプリング値を取得して、電圧サンプリング値系列を生成する。
【0034】
ここで、周期とは、出力端の電圧信号の周期を指す。充電機器の電圧信号は、一般に、パルス幅変調(Pulse width modulation、PWM)信号などの周期信号である。充電機器には電圧サンプリングモジュールと電流サンプリングモジュールが設けられてもよい。従って、電圧サンプリングモジュールによって出力端の連続する複数の周期における電圧サンプリング値を取得することができる。
【0035】
2)電圧サンプリング値系列の中間部分の平均値を算出し、平均値を出力端の残留電圧とする。
【0036】
電圧サンプリング過程において、電磁ノイズなどの問題が存在する可能性があるため、電圧サンプリング値系列の中間部分の平均値を出力端の残留電圧としてもよく、正確な残留電圧値の取得に有利である。このようにして、残留電圧のサンプリング及びフィルタリングが実現される。
【0037】
例えば、一例示的な実施例において、10個の周期における出力端の電圧値を連続的に収集し、大きさの順に並べ替えをすることにより、電圧サンプリング値系列を生成し、電圧サンプリング値系列から中間部分における4-6個の電圧サンプリング値を抽出してその平均値を算出し、出力端の現在の残留電圧値とすることができる。
【0038】
本発明の幾つかの実施例において、残留電圧に対し周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行うことは、以下のステップを含み得る。
【0039】
1)残留電圧のパルス周波数を大きく調整する。
【0040】
残留電圧のパルス周波数を大きく調整(即ち、増大調整)する目的は、放電速度を速くするように、放電電流を増大させるためである。幅調整(即ち、パルス幅調整)及びデッドタイム調整に比べ、周波数調整は、放電信号波形をより安定させることができ、即ち、より安全で効果的であるため、残留電圧を調整する際に、残留電圧の周波数を優先して調整対象とすることが好ましい。
【0041】
本発明の幾つかの実施例では、残留電圧のパルス周波数を大きく調整することは、所定周波数調整範囲(充電機器の具体的な状況に応じて決定され得る)内で、比例調整によって残留電圧のパルス周波数を大きく調整することを含み得る。例えば、一例示的な実施例において、ある充電機器について、その周波数調整範囲は85KHz-165KHzとされており、つまり、85KHz-165KHzの範囲内で、残留電圧のパルス周波数を大きく調整するようにしてもよい。
【0042】
本発明の幾つかの実施例では、上記の周波数調整を行う過程において、放電回路の電流値をリアルタイムに検出し、電流閾値を超えるか否かをリアルタイムに判断するようにしてもよい。放電回路の電流値が電流閾値を超えた場合、該放電回路を一時的にオフする、これにより、放電負荷の損傷を防止し、残留電圧の放出の安全性の向上に有利である。
【0043】
2)パルス周波数が周波数上限に調整されていても残留電圧が所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のパルス幅を小さく調整する。
【0044】
パルス周波数が周波数の上限に調整されていても、残留電圧が所定電圧値(実際の必要に応じて設定されてもよく、例えば36Vなど)まで降下していない場合、残留電圧のパルス幅を小さく調整(即ち、低減調整)するようにしてもよい。その目的は、幅調整により放電速度をさらに速くするためである。周波数調整に比べ、幅調整の波形安定性がやや劣るものの、デッドタイム調整よりも優れているため、周波数調整によって残留電圧を所定電圧値まで降下させることが困難な場合には、次善の策として、幅調整によって調整し続けることで、放電速度をより速くするようにしてもよい。
【0045】
勿論、パルス周波数が周波数上限に調整される前に、又はパルス周波数が周波数上限に調整された時に、残留電圧が所定電圧値まで降下するようにできれば、更なる調整を行うことなく、これにより、高速かつ安全な放電を実現することが可能となる。
【0046】
本発明の実施例では、上記の幅調整過程において、放電回路の電流値をリアルタイムに検出するようにしてもよい。放電回路の電流値が電流閾値を超えた場合、放電回路を一時的にオフすることで、放電負荷の損傷を防止することができ、残留電圧の放出の安全性をさらに向上させることにも有利である。
【0047】
本発明の幾つかの実施例では、残留電圧のパルス幅を小さく調整することは、第1の幅調整範囲(充電機器の具体的な状況に応じて決定され得る)内で、残留電圧の現在のパルス幅及び電圧誤差値に基づいて、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整することを含み得る。ここで、電圧誤差値は、残留電圧の現在電圧値と所定電圧値との差である。
【0048】
例えば、一例示的な実施例において、ある充電機器についての第1の幅調整範囲は30μs-500μsとされており、30μs-500μsの範囲内で、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整するようにしてもよい。
【0049】
3)パルス幅が幅下限に調整されていても残留電圧が所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のデッドタイムを小さく調整する。
【0050】
本発明の実施例において、デッドタイム(deadtime)調整とは、デッドタイムに対する調整を意味するものである。デッドタイムとは、充電機器におけるスイッチング電源のデッドタイムである。スイッチング電源は、リニア電源と異なり、スイッチング電源のトランジスタ状態の切り替えは、通常、全開モード(飽和領域)と全閉モード(オフ領域)との間で行われる。プッシュプル接続された2つ又は複数のトランジスタが同時にオンされることによる電流サージを回避するために、1つの保護期間を設ける必要がある。例えば、PWMパルス信号発生器を例として、デッドタイムとは、PWM出力時に、上下アームの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)がスイッチング速度により同時にオンされることを防止するために設けられる1つの保護期間を指すものである。通常、PWM応答時間とも言う。
【0051】
パルス幅が幅下限に調整されていても残留電圧が所定電圧値まで降下していない場合、残留電圧のデッドタイムを小さく調整することで、幅調整によって放電速度をさらに速くするようにしてもよい。周波数調整と幅調整に比べ、デッドタイム調整における波形の安定性が最も劣るものとなっているが、周波数調整と幅調整のいずれも奏功しない(即ち、残留電圧を所定電圧値まで降下させることが困難である)場合、放電速度をさらに速くするために、デッドタイム調整による更なる調整を行うようにしてもよい。
【0052】
勿論、パルス幅が第1の幅調整範囲の幅下限に調整される前に、又はパルス幅が第1の幅調整範囲の幅下限に調整される時に、残留電圧が所定電圧値まで降下するようにできれば、更なる調整を行うことなく、これにより、高速かつ安全な放電を実現することが可能となる。
【0053】
本発明の幾つかの実施例では、残留電圧のデッドタイムを小さく調整することは、第2の幅調整範囲(充電機器の具体的な状況に応じて決定され得る)内で、残留電圧の現在のパルス幅及び電圧誤差値に基づいて、比例調整によって残留電圧のパルス幅を小さく調整することで残留電圧のデッドタイムを調整することを含み得る。
【0054】
例えば、一例示的な実施例において、ある充電機器の第2の幅調整範囲は400μs-3μsとされており、400μs-3μsの範囲内で、残留電圧のパルス幅を小さく調整することで残留電圧のデッドタイムを調整するようにしてもよい。
【0055】
本発明の実施例では、上記デッドタイム調整過程において、放電回路の電流値をリアルタイムに検出するようにしてもよい。放電回路の電流値が電流閾値を超えた場合、該放電回路を一時的にオフすることで、放電負荷の損傷を防止することができ、残留電圧の放出の安全性をさらに向上させることにも有利である。
【0056】
本発明の幾つかの実施例において、出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することは、出力端の残留電圧が電圧閾値に達したか否かを判断することと、出力端の残留電圧が電圧閾値に達した場合、出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成することと、を含み得る。このように、残留電圧の電圧値が高くなる場合のみ該残留電圧を迅速かつ安全に放出して、人身や充電機器の安全を保護することができる。電圧値が比較的低い残留電圧については、それ自体が人体や充電機器に危害を与えにくいため、充電機器のメイン回路における容量性素子で自然に放出することができ、残留電圧に対する放電制御のコストの低減に有利である。
【0057】
本発明の他の幾つかの実施例では、充電機器の充放電制御方法は、充電過程において充電信号に対して定電流制御及び/又は定電圧制御を行うことをさらに含み得る。ここで、定電流制御とは、電流が一定値に維持される充電制御方式であり、定電流制御を行うことにより、電気自動車の充電速度の向上に有利である。定電圧制御とは、電圧が一定値に維持される充電制御方式であり、定電圧制御を行うことにより、電気自動車の二次電池の両端電圧を定格電圧に充電させることに有利であり、言い換えれば、定電圧制御を行うことにより、電気自動車の二次電池を満充電(即ち、満充電状態となるように充電)させることができる。好ましくは、充電過程において、まず、定電流制御方式で電気自動車の二次電池の電圧を定格電圧に近づけて、そして、電気自動車の二次電池が満充電となるまで、定電圧制御で充電を行うようにしてもよい。このようにして、電気自動車の二次電池を迅速に満充電にすることができる。
【0058】
図4に示すように、本発明の幾つかの実施例では、充電過程において充電信号に対して定電圧制御を行うことは、以下のステップを含み得る。
【0059】
ステップS401:電圧のサンプリング及びフィルタリングを行う。
【0060】
ここでの電圧のサンプリング及びフィルタリングを行うとは、充電電圧に対するサンプリング及びフィルタリングを指し、その実施過程は、上記の残留電圧に関するサンプリング処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0061】
ステップS402:周波数調整を行う。
【0062】
定電圧制御における周波数調整及び/又は幅調整とデッドタイム調整の目的は、いずれも定電圧制御効果を達成するためであり、即ち、電気自動車の二次電池の満充電を実現することにある。
【0063】
本発明において、周波数調整とは、充電電圧に対する周波数調整を意味する。ここで、充電電圧に対する周波数調整については、上記の残留電圧に対する周波数調整の処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。相違点は、充電電圧を周波数調整する際に、比例積分調整を採用したことである。
【0064】
ステップS403:幅調整を行う。
【0065】
本発明の実施例における幅調整とは、帯電電圧に対するパルス幅調整を意味する。ここで、充電電圧に対する幅調整については、上記の残留電圧に対する幅調整の処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0066】
ステップS404、デッドタイム調整を行う。
【0067】
本発明の実施例におけるデッドタイム調整とは、充電機器におけるスイッチング電源に対するデッドタイムの調整を指す。デッドタイム調整は、上記のデッドタイム調整に関する処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0068】
本発明の実施例では、上記の定電圧制御の周波数調整及び/又は幅調整とデッドタイム調整の過程において、充電電流の電流値をリアルタイムに検出するとともに、電流値が電流閾値を超えるか否かをリアルタイムに判断するようにしてもよい。充電電流の電流値が電流閾値を超えた場合、放電負荷の損傷を防止するために充電出力を一時停止するようにしてもよく、これにより、充電安全性の更なる向上にも有利である。
【0069】
図4に示す実施例の定電圧制御において、周波数調整→幅調整→デッドタイム調整の優先順位に従って調整を行うことにより、充電過程における波形の安定性を維持することに有利であり、充電の安全性を向上させることができる。
【0070】
図5に示すように、本発明の幾つかの実施例では、充電過程において充電信号に対し定電流制御を行うことは、以下のステップを含み得る。
【0071】
ステップS501:電流のサンプリング及びフィルタリングを行う。
【0072】
ここでの電流のサンプリング及びフィルタリングとは、充電電流に対するサンプリング及びフィルタリングを指し、その実施過程について、上記の残留電圧に関するサンプリング処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。相違点は、本ステップにおいて、残留電圧ではなく、充電電流を収集対象としていることである。
【0073】
ステップS502:周波数調整を行う。
【0074】
定電流制御における周波数調整と幅調整の目的は、いずれも定電流制御効果を達成するためであり、即ち電気自動車の急速充電を実現するためである。
【0075】
本発明の実施例における周波数調整は、充電電流に対する周波数調整を指す。ここで、充電電流に対する周波数調整については、上記の残留電圧に対する周波数調整の処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。相違点は、充電電流を周波数調整する際に、比例積分調整を採用したことである。
【0076】
ステップS503:幅調整を行う。
【0077】
本発明の実施例の幅調整は、充電電流に対するパルス幅調整を指す。ここで、充電電流に対する幅調整については、上記の残留電圧に対する幅調整の処理過程を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0078】
本発明の実施例では、上記の定電流制御の周波数調整及び幅調整の過程において、充電電流の電流値が電流閾値を超えた場合、放電負荷の損傷を防止するために充電出力を一時停止するようにしてもよく、これにより、充電安全性の更なる向上にも有利である。
【0079】
図5に示す実施例の定電流制御において、周波数調整→幅調整の優先順位に従って調整を行うことにより、同様に、充電過程における波形の安定性を維持することに有利であり、充電の安全性を向上させることができる。
【0080】
本発明の他の幾つかの実施例は、充電機器側に適用可能な他の充放電制御方法をさらに提供する。図6に示すように、該充放電制御方法は、以下のステップを含み得る。
S601:充電回路をオンにする。
【0081】
図1に示すように、電気自動車を充電する場合、充電機器の出力端を取り外し、電気自動車の充電ポートに挿入して充電ドッキングを行うことができる。充電ドッキングが完了すると、充電機器は、充電回路がオンにされた状態となり、この時、充電機器において、電気自動車の二次電池を充電し始める。
【0082】
S602:定電流制御方式で電気自動車を急速充電させる。
【0083】
一般的に、電気自動車の二次電池の残量が比較的低いレベルにある時に、それを充電する必要があるため、充電過程全体は一般的に比較的長い時間を要する。充電速度を向上させ、充電時間を短縮するために、まず定電流制御方式で充電を行うようにしてもよい。
【0084】
S603:定電圧制御方式で電気自動車を満充電に充電させる。
【0085】
電気自動車の二次電池の両端の電圧がある設定値まで充電されると、電気自動車を満充電にするために、充電制御方式を定電流制御から定電圧制御に切り替えるようにしてもよい。
【0086】
S604:充電回路をオフにする。
【0087】
多くの場合、充電回路をオフにするとは、過充電を防止し、二次電池の使用寿命を延長できるようにするために、電気自動車の二次電池が満充電に充電された後、充電機器において、充電回路が自動的にオフされるようにすることを指すものであってもよい。この時、充電機器の出力端が依然として電気自動車の充電ポートとドッキング状態のままである可能性があるが、充電機器は充電動作が既に停止している。当然のことながら、幾つかの特殊な状況では、例えば、ユーザが今すぐ車両を利用したいと希望すること(又は他の原因)により、充電が完了していない時に人為的に終了される(即ち、充電が完了していない時に、充電機器の出力端が電気自動車の充電ポートから強制的に引き抜かれる)ことで、充電回路がオフにされることもある。
【0088】
S605:充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を取得する。
【0089】
S606:出力端と並列接続されている放電負荷を制御して放電回路を形成する。
【0090】
S607:放電回路の放電速度を速くするように、残留電圧に対して周波数調整及び/又は幅調整及び/又はデッドタイム調整を行う。
【0091】
ステップS605-S607は、上記の関連部分の説明を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0092】
このように、図6に示す充放電制御方法によれば、電気自動車の二次電池の急速満充電を可能にし、電気自動車の充電時間を短縮し、電気自動車の充電効率を向上させるだけでなく、充電回路がオフにされた後、出力端の残留電圧を迅速かつ安全に解放させることができ、人身や充電機器の安全性を向上させることができる。
【0093】
上述した処理過程のフローは、特定の順序での複数の動作を含むが、これらの処理過程は、より多くの又はより少ない動作を含んでもよく、これらの動作は、順序で実行されても、並列的に実行されてもよい(例えば、並列プロセッサ又はマルチスレッドの環境を使用)ことはいうまでもない。
【0094】
図7に示すように、本発明の幾つかの実施例では、充電機器702は、中央処理装置(CPU)やグラフィックスプロセッサ(GPU)などの1つ又は複数のプロセッサ704を含んでもよく、各処理装置により、1つ又は複数のハードウェアスレッドが実装され得る。充電機器702は、コード、設定、データなどのような任意の種類の情報を記憶するための任意のメモリ706をさらに含んでもよい。具体的な実施例において、メモリ706にはプロセッサ704で実行可能なコンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサ704によって実行される時に、上記いずれかの実施例に記載の充放電制御方法の命令が実行されるようにすることができる。非限定的に、メモリ706は、例えば、任意のタイプのRAM、任意のタイプのROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスクなどのいずれか1つ又は複数の組み合わせを含んでもよい。より一般的には、任意のメモリは、任意の技術を用いて情報を記憶することが可能である。さらに、任意のメモリは、揮発性的又は不揮発性的に情報を格納することが可能である。また、任意のメモリは、充電機器702への着脱可能な部品を指すものであってもよい。ある局面において、任意のメモリ又はメモリの組み合わせに格納された関連する命令がプロセッサ704によって実行される時、充電機器702は、関連する命令に基づく任意の動作を実行するようにしてもよい。充電機器702は、ハードディスクドライブ機構、光ディスクドライブ機構などの、任意のメモリとやり取りするための1つ以上のドライブ機構708をさらに含んでもよい。
【0095】
また、充電機器702は、各種の入力(入力機器712を介した入力)及び各種の出力(出力機器714を介した出力)を受け付ける入力/出力インタフェース710(I/O)を備えてもよい。出力機構は、具体的に、提示機器716と、関連するグラフィカルユーザインタフェース718(GUI)とを含んでもよい。他の実施例では、充電機器702は、入力/出力インタフェース710(I/O)、入力機器712、及び出力機器714を備えておらず、ネットワーク内の充電機器としてのみ使用されてもよい。充電機器702は、1つ以上の通信リンク722を介して他の装置とデータをやり取りするための1つ以上のネットワークインタフェース720をさらに含んでもよい。上述した構成要素は1つ以上の通信バス724により相互に接続されている。
【0096】
通信リンク722は、例えば、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)、ポイント・ツー・ポイント接続など、又はそれらの任意の組み合わせ等の任意の方式で実現されてもよい。通信リンク722は、任意のプロトコル又はプロトコルの組み合わせに対応可能なハードワイヤードリンク、無線リンク、ルータ、ゲートウェイ機能、ネームサーバなどの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0097】
上記の充電機器の説明では、説明の便宜上、機能ごとに各ユニットに区分してそれぞれ説明した。勿論、本発明を実施する際に、各ユニットの機能を同一又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアで実現することができる。
【0098】
本発明は、明細書の幾つかの実施例に係る方法、機器(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明された。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、ならびにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得る。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータプロセッサに提供して機器を実装することにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックでの所定機能を実現するための装置を生成するようにしてもよい。
【0099】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッサが特定の方式で動作するようなコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令により命令装置が生成され、該命令装置がフローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックでの所定機能を実現するようにしてもよい。
【0100】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッサにロードされてもよく、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で一連の動作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックでの所定機能を実現するためのステップを提供するものとなるようにしてもよい。
【0101】
典型的な構成では、充電機器は、1つ以上のプロセッサ(CPU)と、入力/出力インタフェースと、ネットワークインタフェースと、メモリとを備える。
【0102】
メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体における、揮発性メモリであるランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は不揮発性メモリである読み取り専用メモリ(ROM)やフラッシュメモリ(flash RAM)を含み得る。メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体の例である。
【0103】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、不揮発性及び揮発性媒体、リムーバブル及び非リムーバブル媒体を含み得る。これらの媒体は、任意の方法又は技術によって情報記憶を実現可能である。情報は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例として、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学記憶装置、カセットテープ、ディスク記憶又は他の磁気記憶装置又は他の非伝送媒体を含むが、これらに限定されず、充電機器からのアクセスが可能な情報を記憶するために用いられる。明細書における定義によれば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、変調されたデータ信号及び搬送波などの一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体(transitory media)を含むものではない。
【0104】
本発明の実施例が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることは当業者とって明らかである。従って、本発明の実施例は、完全にハードウェアにより実施されてもよく、完全にソフトウェアにより実施されてもよく、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実施されてもよい。さらに、本発明の実施例は、コンピュータ使用可能なプログラムコードが記述された1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実装されるコンピュータプログラム製品として実現され得る。
【0105】
本発明の実施例は、プログラムモジュールなど、コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストにおいて記述され得る。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実現したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。本発明の実施例は、通信ネットワークを介して接続されたリモートプロセッサによってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、記憶装置を含むローカル及びリモートコンピュータの記憶媒体に含まれてもよい。
【0106】
なお、本発明の実施例では、「及び/又は」という用語は、関連対象の関連付けを説明するためのものに過ぎない。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合の3つの関係を示すものとすることができる。
【0107】
本発明における各実施例は、いずれも漸進的な方式で説明され、各実施例間の同様な部分については互いに参照すればよく、各実施例については、他の実施例との相違点を重点的に説明した。特に、システムの実施例については、方法の実施例とほぼ類似するものであるため、説明が簡易化され、関連部分については、方法の実施例の説明部分を参照すればよい。本発明の説明において、「一実施例」、「幾つかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「幾つかの例」などの用語を用いた説明は、該実施例又は例により説明した具体的な特徴、構造、材料又は特長が本発明の実施例の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に対するものではない。また、説明した具体的な特徴、構造、材料又は特長は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例示において、適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合や組み合わせをすることが可能である。
【0108】
以上は、本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明は様々な変更及び変形が可能である。本発明の趣旨及び原理に基づいたいかなる修正、同等置換、改良などは、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】