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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】外科用器具及びそのための作動装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20240711BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/29
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504545
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2022070823
(87)【国際公開番号】W WO2023006678
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119534.9
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500023831
【氏名又は名称】カール シュトルツ エスエー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ラングレ
(72)【発明者】
【氏名】ヤヌシュ シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン ステファン
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン アクセル グルーナー
【テーマコード(参考)】
4C130
4C160
【Fターム(参考)】
4C130AA32
4C130AA44
4C130AA50
4C160GG22
(57)【要約】
本発明は、外科用器具(1)用の作動装置(10)及びそれに対応する外科用器具(1)を提供し、外科用器具(1)が、シャフト(2)の遠位端(5)にツール(6)を有する中空シャフト(2)を備え、ツール(6)が、少なくとも2つの顎部(7)を有し、作動装置(10)が、シャフト(2)の近位端(3)に配置され、作動ロッド(8)に動作接続され、作動ロッド(8)が、顎部(7)を開閉するために、シャフト(2)の長手方向軸(A)の方向で、軸方向で移動可能にシャフト(2)に取り付けられる。作動装置(10)は、湾曲トラック(12)を有するカムホイール(11)と、スキャナピン(13)とを有し、スキャナピン(13)が、連動セクション(13.1)で湾曲トラック(12)内で案内され、接続セクション(13.2)で作動ロッド(8)に動作接続し、作動装置(10)が、長手方向軸(A)に沿ったスキャナピン(13)の強制案内を提供するベアリング装置(20)を備え、長手方向軸(A)に対して垂直に延びるカムホイール(11)の回転軸(B)を中心とするカムホイール(11)の回転時に、湾曲トラック(12)内で案内されるスキャナピン(13)、及びスキャナピン(13)に動作接続されている作動ロッド(8)の、長手方向軸(A)に沿った直線運動が提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具(1)用の作動装置(10)であって、前記外科用器具(1)が、シャフト(2)の遠位端(5)にツール(6)を有する中空シャフト(2)を備え、前記ツール(6)が、少なくとも2つの顎部(7)を有し、前記作動装置(10)が、前記シャフト(2)の近位端(3)に配置され、作動ロッド(8)に動作接続され、前記作動ロッド(8)が、前記顎部(7)を開閉するために、前記シャフト(2)の長手方向軸(A)の方向で、軸方向で移動可能に前記シャフト(2)に取り付けられる、作動装置(10)において、
前記作動装置(10)が、湾曲トラック(12)を有するカムホイール(11)と、スキャナピン(13)とを有し、前記スキャナピン(13)が、連動セクション(13.1)で前記湾曲トラック(12)内で案内され、接続セクション(13.2)で前記作動ロッド(8)に動作接続し、前記作動装置(10)が、前記長手方向軸(A)に沿った前記スキャナピン(13)の強制案内を提供するベアリング装置(20)を備え、前記長手方向軸(A)に対して垂直に延びる前記カムホイール(11)の回転軸(B)を中心とする前記カムホイール(11)の回転時に、前記湾曲トラック(12)内で案内される前記スキャナピン(13)、及び前記スキャナピン(13)に動作接続されている前記作動ロッド(8)の、前記長手方向軸(A)に沿った直線運動が提供されることを特徴とする、作動装置(10)。
【請求項2】
前記カムホイール(11)が、少なくとも所定の円周部分に沿って駆動リムを有し、前記駆動リムが、モータ(18)によって作動可能な駆動要素に動作接続されることを特徴とする請求項1に記載の作動装置(10)。
【請求項3】
前記駆動リムが歯車ギヤ(15)であり、前記歯車ギヤ(15)と係合する駆動要素がピニオン(16)である、
又は
前記駆動リム及び前記駆動要素が、牽引手段によって動作接続されている牽引手段プーリによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の作動装置(10)。
【請求項4】
前記湾曲トラック(12)が、前記回転軸(B)を中心としたアルキメデスの螺旋に沿った一部分にわたって延び、又は可変勾配を有し、前記回転軸(B)を中心とした前記カムホイール(11)の反対の回転方向が、前記長手方向軸(A)に沿った前記スキャナピン(13)の反対の直線運動を提供することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
前記湾曲トラック(12)が、閉じた湾曲トラック(12)を形成する少なくとも2つのセクションにわたって延び、第1のセクションが、所定の回転方向での前記回転軸(B)を中心とする前記カムホイール(11)の回転時に、前記長手方向軸(A)に沿った第1の方向での前記スキャナピン(13)の前記直線運動のために構成され、第2のセクションが、前記所定の回転方向での前記回転軸(B)を中心とする前記カムホイール(11)の回転時に、前記長手方向軸(A)に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向での前記スキャナピン(13)の前記直線運動のために構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項5】
前記スキャナピン(13)が、前記湾曲トラック(12)に支承されて案内され、好ましくは、前記スキャナピン(13)の前記連動セクション(13.1)に、少なくとも2つのベアリング(14)が配置され、前記ベアリング(14)を介して前記スキャナピン(13)が前記湾曲トラック(12)に支承され、特に好ましくは、前記連動セクション(13.1)が、シャフト段差部によって両側で画定され、前記シャフト段差部が、前記2つのベアリング(14)のためのそれぞれ1つのストッパを提供することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項6】
前記作動ロッド(8)が通って延びる長手方向穴(23)と、長手方向穴(23)に垂直な、前記スキャナピン(13)の前記接続セクション(13.2)が収容される連動穴(24)とを有する前記ベアリング装置(20)が、前記長手方向軸(A)に沿ってベアリング開口部(28)を有する案内ブロック(27)内に、前記長手方向軸(A)に沿って軸方向に移動可能に配置され、前記案内ブロック(27)が、好ましくは、ベアリング開口部(28)内で、ベアリング装置(20)の滑り支承を提供することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項7】
前記ベアリング装置(20)が、少なくとも2つのハウジング部分(21、22)を有し、前記ハウジング部分(21、22)が、前記長手方向軸(A)に垂直な平面内で、互いに対向する端面で互いに接続され、前記互いに対向する端面に、前記長手方向穴(23)と同軸に収容開口部が構成され、前記収容開口部が、クランプディスク軸受装置(30)用のそれぞれ1つの軸受座部(25、26)を提供し、前記軸受座部(25、26)が、好ましくは、前記作動ロッド(8)に接続されたクランプディスク(31)と、2つのアキシャルベアリング(35)とを備え、前記アキシャルベアリング(35)が、前記軸受座部(25、26)内に配置され、好ましくは2つのフランジ(32)の間に配置される前記クランプディスク(31)が、前記アキシャルベアリング(35)の間に支承されることを特徴とする請求項7に記載の作動装置(10)。
【請求項8】
シャフト(2)の遠位端(5)にツール(6)を有する中空シャフト(2)を備える外科用器具(1)であって、前記ツール(6)が、少なくとも2つの顎部(7)を有し、作動装置(10)が、前記シャフト(2)の近位端(3)に配置され、作動ロッド(8)に動作接続され、前記作動ロッド(8)が、前記顎部(7)の開閉のために、前記シャフト(2)の長手方向軸(A)の方向で、軸方向で移動可能に前記シャフト(2)に取り付けられる、外科用器具(1)において、
前記作動装置(10)が、請求項1~8のいずれか一項に記載の作動装置(10)であることを特徴とする外科用器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具、及び外科用器具のツール先端部にあるツールの顎部を開閉するための外科用器具用の作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手動又はロボットによって案内することができ、中空のシャフトを有し、シャフトの遠位端にはツールを有するツール先端部があり、シャフトの近位端にはハンドル又は作動ユニットが配置されている外科用器具が従来技術から知られている。ツール先端部にあるツールは、少なくとも2つの把持又は切断要素(まとめて顎部と呼ぶ)を有する把持又は切断ツールでよく、外科用器具は、顎部を開閉するために作動機構を備え、作動機構は通常、軸方向でシャフト内に取り付けられた作動要素を含み、作動要素は、近位側で作動ユニットに動作接続されている。
【0003】
米国特許第10105128号明細書に開示されている手術システムは、そのような顎部を開閉するための作動機構を述べている。このために、ローププーリが使用され、プルロープが作動要素を形成する。この作動機構は、ツール先端部に開放部材及び閉鎖部材を必要とし、それらの部材にそれぞれ1つのプルケーブルが固定される。このとき、顎部の開放及び閉鎖は、割り当てられたプルロープを用いて、開放部材又は閉鎖部材を他方の部材に対してシャフトの方向で後退させることによってそれぞれ行われる。
【0004】
他の作動機構は、作動要素としてプル/プッシュロッドを使用し、プル/プッシュロッドは、プルロープに比べて安定しており、プル運動とプッシュ運動の両方を伝達することができ、組立てが簡単である。さらに、プル/プッシュロッドを使用して回転運動を伝達することもできる。
【0005】
国際公開第2014/004242号パンフレットには、ツール先端部にあるツールの顎部を開閉するための軸方向に移動可能なプルロッドを備えた外科用器具が記載されている。プルロッド用の作動機構は、可動駆動ブラケットを備え、可動駆動ブラケットは、一方の側ではプルロッドの近位端に接続され、他方の側では駆動コイルに動作接続され、コイルの作動により、保持ブラケットの動き、したがってプルロッドの軸方向変位がもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来技術に基づいて、本発明の課題は、外科用器具の遠位ツール先端部にあるツールの顎部を開閉するための改良された作動機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴を備えた作動装置によって解決される。
【0008】
改良された作動機構を備えた外科用器具を提供するというさらなる課題が、独立請求項9の特徴を備えた外科用器具によって解決される。
【0009】
発展形態/好ましい実施形態が、従属請求項に記載されている。
【0010】
外科用器具用に提供されて構成された作動装置であって、外科用器具が、シャフトの遠位端にツールを有する中空シャフトを備え、ツールが、少なくとも2つの顎部を有する、本発明による作動装置の第1の実施形態によれば、作動装置は、シャフトの近位端に配置される。作動装置は、作動ロッドに動作接続され、作動ロッドが、顎部を開閉するために、シャフトの長手方向軸の方向で、軸方向で移動可能にシャフトに取り付けられる。ここで、本発明によれば、作動装置が、湾曲トラックを有するカムホイールと、スキャナピンとを有することが企図される。スキャナピンは連動セクション及び接続セクションを備え、カムホイールの回転軸に平行に延びるスキャナピンが、連動セクションで湾曲トラック内で案内され、接続セクションで作動ロッドに動作接続し、作動ロッドが、垂直に、すなわちカムホイールの回転軸に対して直角に延びる。さらに、作動装置は、長手方向軸に沿ってスキャナピンの強制案内を提供するベアリング装置を備える。ここで、「強制案内」とは、スキャナピンの移動性が1自由度、すなわち長手方向軸に沿った前後運動のみにされる、ベアリング装置によるスキャナピンの機械的な案内を意味する。したがって、カムホイールがその回転軸を中心として回転するとき、湾曲トラック内で案内されるスキャナピン、したがってスキャナピンに動作接続された作動ロッドの直線運動が長手方向軸に沿って提供される。したがって、作動ロッドに対するカムホイールの適切な配置によって、スキャナピンに動作接続する作動ロッドの直線運動が達成される。このようにして、駆動モータの回転運動が作動ロッドの直線運動に変換され、作動ロッドの前進及び後退により、開閉のために顎部を作動させることができる。
【0011】
顎部機構の高い閉鎖力を達成するために、本発明によれば、駆動モータと顎部との間の伝達比をできるだけ高く選択することができ、これは、本発明による作動装置の好ましい実施形態において、カムホイールが、少なくとも所定の円周部分に沿って駆動リムを有し、この駆動リムが、駆動シャフトを介してモータによって作動可能な駆動要素に動作接続されることが企図されることによって行われる。駆動要素に対する駆動リムの設計は、器具のそれぞれの用途に適合された、作動ロッドを動かすための力及び速度の伝達の調整が達成されるように選択することができる。
【0012】
本発明による作動装置の好ましい実施形態では、駆動リアは歯車リアでよく、それと係合する駆動要素はピニオンでよく、伝達比は、ピニオンと歯車リアとの直径又は歯数の比によって所望の高さに設定することができる。歯付きリムは、平歯車リム、かさ歯車リム、又はウォーム歯車リムでよく、対応する平歯車、かさ歯車、又はウォームシャフトがピニオンとして提供される。
【0013】
しかし、「駆動リム」という用語は、ここでは歯付きリムに限定して理解されるべきではなく、同様の機能を有する駆動変形形態、例えば牽引手段プーリも含み、牽引手段プーリは、同様に牽引手段プーリとして構成された駆動要素と牽引手段によって動作接続し、伝達比は、牽引手段プーリの直径の選択によって調整することができる。
【0014】
本発明による作動装置のさらなる実施形態は、湾曲トラックが、回転軸を中心としたアルキメデスの螺旋に沿った一部分にわたって延び、カムホイールの回転時の反対の回転方向が、長手方向軸に沿ったスキャナピンの反対の直線運動、したがって作動ロッドの前後運動をもたらすことが企図される。
【0015】
アルキメデスの螺旋では、半径は回転運動時の回転角に比例して増加する、すなわち勾配(回転角に応じた半径増加)が一定であるため、そのように形成された湾曲トラックで案内されるスキャナピンは、一様に直線的に移動する。したがって、直線運動の範囲及び速度は、曲線の長さ及び勾配によって決まる。カムホイールが第1の回転方向に移動されると、湾曲トラック内で案内されるスキャナピンが長手方向軸に沿って第1の方向に直線的に移動され、それにより、例えば作動ロッドが前進されて、外科用器具の顎部を開く。それ対応して、顎部の閉鎖は、この例では、スキャナピンを長手方向軸に沿って第1の方向とは反対の第2の方向に直線的に移動させることによって、作動ロッドの後退により行われ、これは、この実施形態では、第1の回転方向と反対の第2の回転方向にカムホイールの回転方向を変えることによって行われる。当然、作動機構は、逆に、作動ロッドの後退によって顎部を開き、作動ロッドの前進によって顎部を閉じることも企図することができる。この実施形態では、湾曲トラック内で案内されるスキャナピンの移動範囲がカムホイールの完全な1回転を必要としない場合には、駆動リムを全周にわたって構成しなくてよいこともある。
【0016】
回転軸を中心とするアルキメデスの螺旋に沿った一部分に対応する湾曲トラックの形状の代替として、湾曲トラックは、可変勾配を有する螺旋の一部分に基づいていてもよく、すなわち回転角度に応じて可変の半径増加を有し、回転軸を中心とするカムホイールの反対の回転方向によって、長手方向軸に沿ったスキャナピンの反対の直線運動が引き起こされる。非限定的な例には、対数螺旋、双曲螺旋、又はフェルマーの螺旋が含まれるが、クロソイド、又はアルキメデスの螺旋を含めた上記すべての組合せも含まれる。ここでの「組合せ」とは、湾曲トラックを2つ以上のセクションに分割することができ、それらのセクションが、異なる勾配関数を有する異なる螺旋タイプに基づくことができることを意味する。湾曲トラックの可変勾配により、直線運動の速度及び力-距離比を個別に制御することができる。湾曲トラックの勾配により、調整速度、並びに分配力又は伝達比に影響が及ぼされることがある。湾曲トラックの平らな勾配は、(カムホイールの回転速度が一定の場合に)より大きな力でよりゆっくりとした直線運動をもたらす。湾曲トラックの勾配が大きいほど、直線運動が速くなり、力が小さくなる。一定でない勾配を有する螺旋を使用する場合、例えば、一定の回転運動で、最初は大きな螺旋勾配で速い直線運動を生成し、最後の領域では平坦な螺旋勾配でゆっくりとした直線運動で、しかし高い閉鎖力を生成することができるように調整することができる。しかし、逆向きの方向まで、湾曲トラックの勾配の他の形態も考えられる。
【0017】
前述した実施形態の代替として、カムホイールの回転方向を変えずに、作動ロッドを前進及び後退させるための長手方向軸に沿ったスキャナピンの前進及び後退を提供するように構成することもできる。このために、本発明による作動装置のさらなる実施形態では、湾曲トラックは少なくとも2つのセクションにわたって延び、それらのセクションは、異なる勾配を有し、閉じた湾曲トラックを形成する。ここで、第1のセクションが、所定の回転方向での回転軸を中心とするカムホイールの回転時に、長手方向軸に沿った第1の方向でのスキャナピンの直線運動のために構成される。第2のセクションは、所定の回転方向での回転軸を中心とするカムホイールのさらなる回転時に、長手方向軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向でのスキャナピンの直線運動のために構成される。ここでも、少なくとも1つのセクションがアルキメデスの螺旋に沿って延びることができ、及び/又は湾曲トラックの可変勾配によって直線運動の速度及び力-距離比を個別に制御することができ、したがって、例えば、顎部の閉鎖動作に関して、作動ロッドの移動によって、開放動作とは別の速度及び別の力-距離比を選択することができる。
【0018】
スキャナピンが湾曲トラック内で滑らかに案内され、回転運動を行わないように、本発明による作動装置のさらなる実施形態では、スキャナピンが湾曲トラック内で支承されて案内されることが企図される。このために、スキャナピンの連動セクションに、1つ又は複数の(ラジアル)ベアリング、例えば転がり軸受を配置することができ、それを介して、スキャナピンが湾曲トラックに支承される。好ましくは、連動セクションは、2つのベアリングに関してそれぞれ1つのストッパを提供するために、シャフト段差部によって両側で画定することができる。代替として、適切な材料の組合せによって、スキャナピンを湾曲トラック内で滑り支承で案内することもできる。
【0019】
基本的には、本発明による作動装置の一実施形態において、直線運動を伝達するためのスキャナピンが作動ロッドに直接接続、例えばねじ止め、溶接、又は一体成形されることが考えられ、スキャナピン及び/又は作動ロッド、作動装置のベアリング装置が長手方向軸に沿った強制案内を保証する。本発明による作動装置のさらなる実施形態は、スキャナピンと作動ロッドとの動作接続がベアリング装置によって提供され、ベアリング装置が、作動ロッドが通って延びる長手方向穴と、長手方向穴に垂直な、スキャナピンの接続セクションが収容される連動穴とを有することが企図される。
【0020】
ここで、ベアリング装置は、長手方向軸に沿ってベアリング開口部を有する案内ブロック内で、長手方向軸に沿って軸方向に移動可能に配置されている。好ましくは、案内ブロックは、ベアリング開口部内で、ベアリング装置の滑り支承を提供することができる。長手軸方向での移動のために、ベアリング装置と案内ブロックのベアリング開口部とは、互いに対応して、長手方向軸に平行な側面を備えた円筒形又は角柱形に形成され、案内ブロックは、ベアリング開口部と連通して長手方向軸と平行に延びるスキャナピン用の通過開口部又は案内溝を有する。このようにして、ベアリング装置は、長手軸方向での前後運動を除くすべての自由度に関して固定されている。さらに、長手方向軸を中心とするベアリング装置の回転を妨げる、ベアリング装置とベアリング開口部との円形ではない対応する断面形状は、案内ブロックの通過開口部又は案内溝での案内によって長手方向軸を中心とする回転を妨げるスキャナピンが径方向の連動穴に固定されていない代替実施形態を可能にする。
【0021】
ベアリング装置が作動ロッドにしっかりと接続されている場合、スキャナピンと作動ロッドとの直接接続の場合と同様に、作動ロッドは、顎部を開閉するための直線運動のみを提供することができる。したがって、追加の作動機構としての作動ロッドの回転運動を有利にはさらに可能にする本発明による作動装置の好ましい実施形態では、長手方向穴と、それに垂直な連動穴とを有するベアリング装置が、少なくとも2つのハウジング部分から構成され、ハウジング部分は、長手方向軸に垂直な平面内で、互いに対向する端面が互いに接続されることが企図される。ここで、長手方向穴と同軸の互いに対向する端面に収容開口部が形成され、収容開口部は、クランプディスク軸受装置用のそれぞれ1つの軸受座部を提供し、軸受座部は、スキャナピンの直線運動を作動ロッドに伝達するために軸方向で固定したとき、ベアリング装置内での作動ロッドの回転可能な支承を提供する。このために、好ましい実施形態では、クランプディスク軸受装置はクランプディスクを備え、クランプディスクは、作動ロッドに接続され、したがって長手方向軸を中心として回転可能である。さらに、クランプディスク軸受装置は、それらの間に配置されたクランプディスクをベアリング装置から回転可能に切り離すために、2つのアキシャルベアリングを備え、アキシャルベアリングは、ハウジング部分の収容開口部内の軸受座部に配置される。したがって、クランプディスクは、ベアリング装置内で軸方向で固定され、好ましくは2つのフランジの間に配置することができ、フランジはそれぞれ、クランプディスクに面するアキシャルベアリングのベアリングのための軸受座部を提供する。
【0022】
中空シャフトを備える外科用器具であって、中空シャフトにおいて、遠位端に、少なくとも2つの顎部を有するツールが配置され、近位端に作動装置が配置され、作動装置が作動ロッドに動作接続され、作動ロッドが、顎部の開閉のために、シャフトの長手方向軸の方向で、軸方向で移動可能にシャフトに取り付けられる、本発明による外科用器具は、本発明による実施形態での作動装置を備える。
【0023】
さらなる実施形態、並びにこれら及びさらなる実施形態に関連する利点のいくつかは、添付図面を参照した以下の詳細な説明によって明確になり、より良く理解されよう。本質的に同一又は同様である対象又はその一部には、同じ参照番号が付されていることがある。これらの図は、本発明の一実施形態の単なる概略図である。図面、本明細書、及び特許請求の範囲は、多くの特徴を組み合わせて含んでいる。当業者は適宜、特徴を個別に検討し、有意なさらなる組合せで組み合わせられよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】外科用器具の概略斜視側面図である。
図2】顎部が開いた状態でのツール先端部の斜視図、及び本発明による作動装置の斜視断面図である。
図3】顎部が閉じた状態での図2に対応する図である。
図4図2の本発明による作動装置の拡大斜視断面図である。
図5】案内ブロックでの図2の本発明による作動装置の部分断面斜視図である。
図6】本発明による作動装置の斜視詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、中空シャフト2と、シャフト2の近位端3に配置されたハンドル又は作動ユニット4(概略的にのみ示されている)と、ここでは把持ツールとして構成されている2つの顎部7を有する、シャフトの遠位端5に配置されたツール6とを備えた外科用器具1を概略的に示す。
【0026】
2つの顎部7が把持ツールを形成する図1図3に示されるツール6の代替として、本発明による外科用器具のツールの顎部は、例えば切断用に構成することもできる。さらに、把持用のツールが、2つよりも多くの顎部、例えば3つ以上の顎部を有することもできることが考えられ、これらの顎部は、互いに距離を取ることによって開き、互いに近づけることによって閉じることができる。
【0027】
作動機構(ここでは述べない)を備えたシャフト2の長手方向軸Aに対して関節機構9によってさらに旋回可能であるツール6は、長手方向軸Aの方向で軸方向に摺動可能にシャフト2に取り付けられた作動ロッド8を介して作動可能であり、作動ロッド8は、近位側で、作動装置10を介して作動ユニット4に動作接続されている。
【0028】
作動ユニット4は、好ましくはロボットの用途で設計することができ、したがって、手動介入なしでも作動可能な構造ユニットとすることができる。これは、作動の再現性にとって有利である。ここでは2つの顎部7からなるツール6を作動させるための、軸方向で摺動可能にシャフト2に取り付けられた作動ロッド8は、プル/プッシュロッドとして構成される。
【0029】
図2では、本発明による作動装置10によって作動ロッド8が後退させられたことにより、ツール6の顎部7がシャフト2の遠位端で開かれており、図3では、本発明による作動装置10によって作動ロッド8が前進した後、ツール6の顎部7がシャフト2の遠位端で閉状態である。ここで「後退」とは、作動ロッド8が近位方向(図の右側)に動くことを意味し、一方、「前進」とは、作動ロッド8が遠位方向(図の左側)に動くことを意味する。
【0030】
例示的実施形態での本発明による作動装置10の基本概念が、図6に示されている。作動装置10は、湾曲トラック12を有するカムホイール11を備え、湾曲トラック12は、カムホイール11の回転軸Bを中心としてアルキメデスの螺旋の一部分に沿って延び、回転軸Bは、外科用器具の長手方向軸Aに対して垂直に延びる。スキャナピン13が湾曲トラック12内で案内され、スキャナピン13は、カムホイール11の回転軸Bと平行に延び、湾曲トラック12内のベアリング14を介して湾曲トラック12内の連動セクション13.1に取り付けられる。湾曲トラック12の長さ及び勾配は、作動ロッド8に提供される変位経路及び所望の変位速度に依存し、それに応じて容易に計算可能である。
【0031】
スキャナピン13の接続セクション13.2は、長手方向軸Aに沿って延びる作動ロッド8(図6には示されていないが、図6の詳細を断面図で含む図2図5に示されている)に動作接続されている。ベアリング装置20によって長手方向軸Aに関してスキャナピン13を固定することにより、カムホイール11が湾曲トラック12の回転軸Bを中心として回転するときに、スキャナピン13はそれに従って、長手方向軸Aに沿った直線運動を行う。カムホイール11の回転は、駆動要素、ここでは平歯車ピニオン16によって生成され、平歯車ピニオン16は、駆動シャフト17を介してモータ18によって駆動され、カムホイール11の周囲に形成された平歯付きリム15と係合する。歯付きリム15とピニオン16との間の高い伝達比は、作動ロッドを移動させるための高いトルクを保証し、したがって顎部機構の高い閉鎖力を保証する。
【0032】
さらなる駆動設計(図示せず)は、モータ18の調整運動をカムホイール11に伝達するために、例えば駆動リムとしてかさ歯車リム又はウォームギヤリムを含み、これに対応して、駆動要素はかさ歯車又はウォームシャフトである。代替として、駆動リム及び駆動要素は、歯付きベルト又はチェーンなどの牽引手段によって動作接続された、ベルトプーリ又は歯付きプーリなどの牽引手段プーリによって形成することもできる。
【0033】
図2図6に示されるカムホイール11において、湾曲トラック12が一部分に沿って辿るアルキメデスの螺旋は、上から見ると右回りであり、すなわち螺旋の半径が時計回りに増加し、湾曲トラック12の第1の端部12.1(図6)はより回転軸Bに近く、第2の端部12.2はより湾曲トラック12の円周に近い。当然、代替実施形態(図示せず)では、本発明による作動装置の湾曲トラックは左回りに延びていてもよく、螺旋の半径は反時計回りに増加する。
【0034】
図示される湾曲トラック12は、カムホイール11が第1の回転方向に回転するときに、スキャナピン13を長手方向軸Aに沿って第1の方向に直線的に移動させ、ベアリング36内に回転可能に取り付けられたカムホイール11が第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転するときに、スキャナピン13が長手方向軸Aに沿って第1の方向とは逆の第2の方向に直線的に移動されるように構成されている。図4及び図6にも示されているようにスキャナピン13が湾曲トラック12の円周に近い第2の端部12.2にあるとき、スキャナピン13に動作接続された作動ロッド8は、図示される例では、ツール6の顎部7を開くために後退されている(図2)。ここでカムホイール11が回転軸Bを中心として時計回りに駆動される場合、作動ピン13は、軸に近い第1の端部12.1の方向へ湾曲トラック12を辿り、ここで、長手方向軸Aに沿った(図では左への)直線運動を行い、作動ピン13に動作接続された作動ロッド8(図3を参照)が前進され、それにより、ツール6の顎部7が器具のツール先端部で閉じられる。当然、本発明による外科用器具の修正形態(図示せず)では、逆に、作動ロッドの後退によって顎部を閉じ、作動ロッドの前進によって顎部を開くこともできる。
【0035】
回転軸Bを中心とするアルキメデスの螺旋の一部分に対応する図2図4に示される湾曲トラック12とは異なり、直線運動の速度及び力-距離比を個別に制御するために、可変勾配を有する代替実施形態(図示せず)に従って作動装置の湾曲トラックを構成することもできる。
【0036】
さらに、閉じた湾曲トラックを有する変形形態も考えられ、これにより、長手方向軸Aに沿った両方向へのスキャナピンの直線運動、したがって、カムホイールの回転方向の変更がない作動ロッドの前進及び後退が可能になる。
【0037】
図4での作動装置10の詳細図で特によく見ることができるように、スキャナピン13は、図示される例では連動セクション13.1を備え、連動セクション13.1は、シャフト段差部によって両側で画定され、シャフト段差部は、円柱形スキャナピン13の直径の対応する変化に従って形成され、したがって、連動セクション13.1は、シャフト段差部間でより大きい直径を有する。このようにして、シャフト段差部は、スキャナピン13の連動セクション13.1で、それぞれ1つのラジアルベアリング14のためのそれぞれ1つのストッパを形成し、ラジアルベアリング14によってスキャナピン13が湾曲トラック12に支承され、スキャナピン13は、カムホイール11の回転時に湾曲トラック12を通って動くときに回転運動を行わない。代替として、単一の転がり軸受若しくは2つ以上の転がり軸受を備える軸受変形形態、又は滑り軸受としての実施形態も考えられる。
【0038】
スキャナピン13と作動ロッド8との動作接続は、図2図4及び図6に示される例では、連動セクション13.1に続く接続セクション13.2によって提供され、接続セクション13.2によってスキャナピンがベアリング装置20と接続され、ベアリング装置20は、作動ロッド8用の中央長手方向穴23と、それに垂直な連動穴24とを有し、連動穴24に、スキャナピン13の接続セクション13.2が好ましくは遊びなく収容される。図示される例では、連動穴24は、ベアリング装置20の第1のハウジング部分21の直径を完全に貫通し、作動ロッド8が延びる長手方向穴23と交差する。ここで、作動ピン13の接続セクション13.2は、ベアリング装置20での長手方向穴23内で作動ロッド8が長手方向軸Aを中心として回転可能に配置されているので、せいぜい長手方向穴23までしか延びず、作動ロッド8には接触しないような寸法である。
【0039】
したがって、図示されていない代替形態では、図示されている例とは異なり、連動穴がベアリング装置20を部分的にのみ通って延び、例えば長手方向穴で、又はその前で終端することも可能である。
【0040】
図5は、ベアリング装置20によって提供される、長手方向軸Aに沿ったスキャナピン13の強制案内の一例を示す。このために、ここでは円形断面を有して構成されているベアリング装置20は、対応する円形断面を有する案内ブロック27のベアリング開口部28内で、長手方向軸Aに沿って滑り支承されている。図示される例では、案内ブロック27はさらに、カムホイール11を収容するための凹部29も有する。案内ブロック27の通過開口部又は案内溝は、図では見ることができないが、長手方向軸Aに平行に、図示される例ではベアリング開口部28と凹部29との間に構成されている。この通過開口部又は案内溝は、ベアリング開口部28内に収容されたベアリング装置20まで通過開口部又は案内溝を通って延びるスキャナピン13がカムホイール11の回転時に湾曲トラック12内で進む変位経路に少なくとも対応する長さを有する。このようにして、ベアリング装置20は、長手軸方向での前後運動を除くすべての自由度に関して固定されている。図示される例の代替として、ベアリング装置、及びそれに対応して構成された案内ブロックのベアリング開口部は、円形ではない例えば楕円形又は多角形の断面を有することもでき、ベアリング装置の回転はすでにその形状によって妨げられる。
【0041】
ベアリング装置20の長手方向穴23内での作動ロッド8の回転可能な配置のために、ベアリング装置20はクランプディスク軸受装置30を収容して、作動ロッド8の回転を妨げることなくスキャナピン13の直線運動を作動ロッド8に伝達する。このために、ベアリング装置20は、図示される例では2つのハウジング部分21、22を有し、これらは、長手方向軸Aに垂直な平面内で、互いに対向する端面で互いに接続されている。当然、本発明による作動装置のベアリング装置は、3つ以上のハウジング部分、及び/又は図示される例とは異なる分離又は接続面を有することもできる。
【0042】
ハウジング部分21、22の互いに対向する端面には、クランプディスク軸受装置30を収容するために、長手方向穴23と同軸に収容開口部が構成されている。ここでは連動穴24を有する第1の遠位側のハウジング部分21は、長手方向穴23と同軸の収容開口部と共に、第1のアキシャルベアリング25(図2図4ではボールベアリングとして設計されている)用の軸受座部25を提供する。同様に、第2の近位側のハウジング部分22の収容開口部は、第2のアキシャルベアリング35(ここではニードルベアリングとして設計されている)用の軸受座部26を形成する。アキシャルベアリング35の間に、それぞれ1つのフランジ32を介して、作動ロッド8と接続されているクランプディスク31が取り付けられている。ここで、フランジ32は、クランプディスク31に面するアキシャルベアリング35のベアリングシェル用の軸受座部を提供し、軸受座部により、フランジ32によって軸方向で固定されたクランプディスク31が、ベアリング装置20内で長手方向軸Aを中心として作動ロッド8と共に回転することができる。
【0043】
クランプディスク及びクランプディスク軸受装置の同様の機能を備える代替形態も容易に考えられ、保護範囲内での本発明による作動装置の明らかな修正形態を表す。
【0044】
図面、本明細書、及び特許請求の範囲は、多くの特徴を組み合わせて含んでいる。当業者は適宜、特徴を個別に検討し、有意なさらなる組み合わせで組み合わせられよう。本発明は、外科用器具1用の作動装置10及びそれに対応する外科用器具1を提供し、外科用器具1が、シャフト2の遠位端5にツール6を有する中空シャフト2を備え、ツール6が、少なくとも2つの顎部7を有し、作動装置10が、シャフト2の近位端3に配置され、作動ロッド8に動作接続され、作動ロッド8が、顎部7を開閉するために、シャフト2の長手方向軸Aの方向で、軸方向で移動可能にシャフト2に取り付けられる。作動装置10は、湾曲トラック12を有するカムホイール11と、スキャナピン13とを有し、スキャナピン13が、連動セクション13.1で湾曲トラック12内で案内され、接続セクション13.2で作動ロッド8に動作接続し、作動装置10が、長手方向軸Aに沿ったスキャナピン13の強制案内を提供するベアリング装置20を備え、長手方向軸Aに対して垂直に延びるカムホイール11の回転軸Bを中心とするカムホイール11の回転時に、湾曲トラック12内で案内されるスキャナピン13、及びスキャナピン13に動作接続されている作動ロッド8の、長手方向軸Aに沿った直線運動が提供される。
【符号の説明】
【0045】
1 外科用器具
2 シャフト
3 近位端
4 ハンドル/作動ユニット
5 遠位端
6 ツール
7 顎部
8 作動ロッド
9 関節機構
10 作動装置
11 カムホイール
12 湾曲トラック
12.1、12.2 軸に近い端部、円周に近い端部
13 スキャナピン
13.1、13.2 連動セクション、接続セクション
14 ラジアルベアリング
15 歯付きリム
16 ピニオン
17 駆動シャフト
18 モータ
20 ベアリング装置
21、22 第1、第2のハウジング部分
23、24 長手方向穴、連動穴
25、26 ハウジング座部
27 案内ブロック
28 ベアリング開口部
29 収容開口部
30 クランプディスク軸受装置
31 クランプディスク
32 フランジ
35、36 アキシャルベアリング、ラジアルベアリング
A 長手方向軸
B カムホイールの回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具(1)用の作動装置(10)であって、前記外科用器具(1)が、シャフト(2)の遠位端(5)にツール(6)を有する中空シャフト(2)を備え、前記ツール(6)が、少なくとも2つの顎部(7)を有し、前記作動装置(10)が、前記シャフト(2)の近位端(3)に配置され、作動ロッド(8)に動作接続され、前記作動ロッド(8)が、前記顎部(7)を開閉するために、前記シャフト(2)の長手方向軸(A)の方向で、軸方向で移動可能に前記シャフト(2)に取り付けられる、作動装置(10)において、
前記作動装置(10)が、湾曲トラック(12)を有するカムホイール(11)と、スキャナピン(13)とを有し、前記スキャナピン(13)が、連動セクション(13.1)で前記湾曲トラック(12)内で案内され、接続セクション(13.2)で前記作動ロッド(8)に動作接続し、前記作動装置(10)が、前記長手方向軸(A)に沿った前記スキャナピン(13)の強制案内を提供するベアリング装置(20)を備え、前記長手方向軸(A)に対して垂直に延びる前記カムホイール(11)の回転軸(B)を中心とする前記カムホイール(11)の回転時に、前記湾曲トラック(12)内で案内される前記スキャナピン(13)、及び前記スキャナピン(13)に動作接続されている前記作動ロッド(8)の、前記長手方向軸(A)に沿った直線運動が提供されることを特徴とする、作動装置(10)。
【請求項2】
前記カムホイール(11)が、少なくとも所定の円周部分に沿って駆動リムを有し、前記駆動リムが、モータ(18)によって作動可能な駆動要素に動作接続されることを特徴とする請求項1に記載の作動装置(10)。
【請求項3】
前記駆動リムが歯車ギヤ(15)であり、前記歯車ギヤ(15)と係合する駆動要素がピニオン(16)である、
又は
前記駆動リム及び前記駆動要素が、牽引手段によって動作接続されている牽引手段プーリによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の作動装置(10)。
【請求項4】
前記湾曲トラック(12)が、前記回転軸(B)を中心としたアルキメデスの螺旋に沿った一部分にわたって延び、又は可変勾配を有し、前記回転軸(B)を中心とした前記カムホイール(11)の反対の回転方向が、前記長手方向軸(A)に沿った前記スキャナピン(13)の反対の直線運動を提供することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項5】
前記湾曲トラック(12)が、閉じた湾曲トラック(12)を形成する少なくとも2つのセクションにわたって延び、第1のセクションが、所定の回転方向での前記回転軸(B)を中心とする前記カムホイール(11)の回転時に、前記長手方向軸(A)に沿った第1の方向での前記スキャナピン(13)の前記直線運動のために構成され、第2のセクションが、前記所定の回転方向での前記回転軸(B)を中心とする前記カムホイール(11)の回転時に、前記長手方向軸(A)に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向での前記スキャナピン(13)の前記直線運動のために構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項6】
前記スキャナピン(13)が、前記湾曲トラック(12)に支承されて案内され、好ましくは、前記スキャナピン(13)の前記連動セクション(13.1)に、少なくとも2つのベアリング(14)が配置され、前記ベアリング(14)を介して前記スキャナピン(13)が前記湾曲トラック(12)に支承され、特に好ましくは、前記連動セクション(13.1)が、シャフト段差部によって両側で画定され、前記シャフト段差部が、前記2つのベアリング(14)のためのそれぞれ1つのストッパを提供することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項7】
前記作動ロッド(8)が通って延びる長手方向穴(23)と、長手方向穴(23)に垂直な、前記スキャナピン(13)の前記接続セクション(13.2)が収容される連動穴(24)とを有する前記ベアリング装置(20)が、前記長手方向軸(A)に沿ってベアリング開口部(28)を有する案内ブロック(27)内に、前記長手方向軸(A)に沿って軸方向に移動可能に配置され、前記案内ブロック(27)が、好ましくは、ベアリング開口部(28)内で、ベアリング装置(20)の滑り支承を提供することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の作動装置(10)。
【請求項8】
前記ベアリング装置(20)が、少なくとも2つのハウジング部分(21、22)を有し、前記ハウジング部分(21、22)が、前記長手方向軸(A)に垂直な平面内で、互いに対向する端面で互いに接続され、前記互いに対向する端面に、前記長手方向穴(23)と同軸に収容開口部が構成され、前記収容開口部が、クランプディスク軸受装置(30)用のそれぞれ1つの軸受座部(25、26)を提供し、前記軸受座部(25、26)が、好ましくは、前記作動ロッド(8)に接続されたクランプディスク(31)と、2つのアキシャルベアリング(35)とを備え、前記アキシャルベアリング(35)が、前記軸受座部(25、26)内に配置され、好ましくは2つのフランジ(32)の間に配置される前記クランプディスク(31)が、前記アキシャルベアリング(35)の間に支承されることを特徴とする請求項7に記載の作動装置(10)。
【請求項9】
シャフト(2)の遠位端(5)にツール(6)を有する中空シャフト(2)を備える外科用器具(1)であって、前記ツール(6)が、少なくとも2つの顎部(7)を有し、作動装置(10)が、前記シャフト(2)の近位端(3)に配置され、作動ロッド(8)に動作接続され、前記作動ロッド(8)が、前記顎部(7)の開閉のために、前記シャフト(2)の長手方向軸(A)の方向で、軸方向で移動可能に前記シャフト(2)に取り付けられる、外科用器具(1)において、
前記作動装置(10)が、請求項1~のいずれか一項に記載の作動装置(10)であることを特徴とする外科用器具(1)。
【国際調査報告】