(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】物体表面温度の測定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01K 3/10 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
G01K3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504572
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 CN2022107002
(87)【国際公開番号】W WO2023005788
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110851896.4
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519428937
【氏名又は名称】吉林省中▲イン▼高科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JILIN ZHONG YING HIGH TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1801, Unit 1, Building 13, Wanlonglishuiwan (One) Chaofan Street, High-Tech Development Zone, Changchun, Jilin 130000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チャオ
(57)【要約】
物体表面温度の測定方法及び装置を提供し、方法は、被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得すること(101)と、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定すること(102)と、温度補償因子の修正因子を取得すること(103)と、静的修正因子を取得すること(104)と、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定すること(105)と、を含む。被測定物体を破壊することなく被測定物体の温度を正確に測定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体表面温度の測定方法であって、
被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が、被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得することと、
現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することと、
温度補償因子の修正因子を取得することと、
静的修正因子を取得することと、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定することと、
を含むことを特徴とする物体表面温度の測定方法。
【請求項2】
現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することは、
温度センシング装置の比熱容量、温度センシング装置の密度、温度センシング装置の体積、温度センシング装置の中心と被測定物体の表面との距離、温度センシング装置と被測定物体との接触面積のうちの1つ又は複数に基づいて、第1因子を決定することと、
第1因子及び熱伝導係数のうちの1つ又は複数に基づいて、第2因子を決定することと、
第2因子、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻と現在時刻の前の時刻との間の時間間隔のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の物体表面温度の測定方法。
【請求項3】
被測定物体と温度センシング装置との間に、被測定物体及び温度センシング装置の表面にそれぞれ伝導的に接触する媒体が存在する場合、媒体の修正因子を取得することと、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子、静的修正因子及び媒体の修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定することとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の物体表面温度の測定方法。
【請求項4】
温度センシング装置のADC収集精度は、少なくとも8ビットであることを特徴とする請求項1に記載の物体表面温度の測定方法。
【請求項5】
物体表面温度の測定装置であって、
被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が、被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得するための測定温度取得モジュールと、
現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定するための温度補償因子決定モジュールと、
温度補償因子の修正因子を取得するための第1修正因子取得モジュールと、
静的修正因子を取得するための第2修正因子取得モジュールと、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定するための物体表面温度取得モジュールと、
を含むことを特徴とする物体表面温度の測定装置。
【請求項6】
温度補償因子決定モジュールは、
温度センシング装置の比熱容量、温度センシング装置の密度、温度センシング装置の体積、温度センシング装置の中心と被測定物体の表面との距離、温度センシング装置と被測定物体との接触面積のうちの1つ又は複数に基づいて、第1因子を決定し、
第1因子及び熱伝導係数のうちの1つ又は複数に基づいて、第2因子を決定し、
第2因子、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻と現在時刻の前の時刻との間の時間間隔のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することを特徴とする請求項5に記載の物体表面温度の測定装置。
【請求項7】
被測定物体と温度センシング装置との間に、被測定物体及び温度センシング装置の表面にそれぞれ伝導的に接触する媒体が存在する場合、媒体の修正因子を取得するための第3修正因子取得モジュールをさらに含み、
物体表面温度取得モジュールは、さらに、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子、静的修正因子及び媒体の修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定することを特徴とする請求項5に記載の物体表面温度の測定装置。
【請求項8】
温度センシング装置のADC収集精度は、少なくとも8ビットであることを特徴とする請求項5に記載の物体表面温度の測定装置。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行される時、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法が実現されることを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラムが記憶されたことを特徴とするコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2021年07月27日に提出され、出願番号が202110851896.4であり、発明の名称が「物体表面温度の測定方法及び装置」である中国特許出願の優先権を主張し、当該特許出願の全ての内容は全てここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、センサ測定技術分野に関し、特に、物体表面温度の測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
すべての被測定物体は、いずれも対応する耐えられる温度範囲を有し、この範囲内であるこそ、被測定物体の正常な特性が確保され、多くの場合、被測定物体自体は破壊されてはならないため、物体表面の温度から物体の温度を反映せざるを得ず、被測定物体自体が様々な温度に耐えることができることとしても、周囲の生命、被測定物体、環境などの安全を確保するために、温度に対する正確な監視も非常に重要であり、物体が大きな温度勾配を受けている場合、温度に対する正確な監視の難易度が大幅に増加し、したがって、被測定物体自体が破壊されることなく被測定物体の温度を正確に監視することを確保して、不必要な危害の発生を防止するように、物体の表面温度を正確に測定する方法が至急に必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例は、被測定物体が破壊されることなく被測定物体の温度を正確に測定するための物体表面温度の測定方法であって、
被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が、被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得することと、
現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することと、
温度補償因子の修正因子を取得することと、
静的修正因子を取得することと、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定することとを含む物体表面温度の測定方法を提案する。
【0005】
本発明の実施例は、被測定物体が破壊されることなく被測定物体の温度を正確に測定するための物体表面温度の測定装置であって、
被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得するための測定温度取得モジュールと、
現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定するための温度補償因子決定モジュールと、
温度補償因子の修正因子を取得するための第1修正因子取得モジュールと、
静的修正因子を取得するための第2修正因子取得モジュールと、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定するための物体表面温度取得モジュールとを含む物体表面温度の測定装置を提案する。
【0006】
本発明の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器であって、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行される時、上記の物体表面温度の測定方法が実現されるコンピュータ機器をさらに提案する。
【0007】
本発明の実施例は、上記の物体表面温度の測定方法を実行させるコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取り可能な記憶媒体をさらに提案する。
【0008】
本発明の実施例において、被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得し、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定し、温度補償因子の修正因子を取得し、静的修正因子を取得し、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定する。上記プロセスにおいて、まず、現在時刻の温度補償因子を決定するとともに、温度補償因子の修正因子、静的修正因子を用いて、複数回の修正により、物体表面温度の測定に対するキャリブレーション調整を実現でき、温度勾配が大きくなっても±3℃の正確度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここで説明される図面は、本発明に対するさらなる理解を提供するためのものであり、本願の一部を構成するものの、本発明を限定するものではない。
【
図1】本発明の実施例における物体表面温度の測定方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例における温度測定の原理図である。
【
図3】本発明の実施例における物体表面温度の測定装置の模式図である。
【
図4】本発明の実施例におけるコンピュータ機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確かつ理解しやすくするために、図面を参照しながら本発明の実施例をさらに詳細に説明する。ここで、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであるが、本発明を限定するものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施例における物体表面温度の測定方法のフローチャートであり、
図1に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0012】
ステップ101:被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得する。
【0013】
ステップ102:現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定する。
【0014】
ステップ103:温度補償因子の修正因子を取得する。
【0015】
ステップ104:静的修正因子を取得する。
【0016】
ステップ105:現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定する。
【0017】
本発明の実施例において、まず、現在時刻の温度補償因子を決定するとともに、温度補償因子の修正因子、静的修正因子を用いて、複数回の修正により、物体表面温度の測定に対するキャリブレーション調整を実現でき、温度勾配が大きくなっても±3℃の正確度を確保できる。
【0018】
ステップ101において、温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得し、前記被測定物体は、閉鎖空間に温度センシング装置と同時に配置され、前記温度センシング装置は、被測定物体の表面に完全に接触し、ここで、被測定物体と温度センシング装置は、狭い閉鎖空間に囲まれて、創造的な温度測定室を形成し、これは温度測定の第1前提条件である。
【0019】
温度測定の第2前提条件として、温度センシング装置が被測定物体の表面に完全に接触し、且つ接触面が変化しないように確保する必要があり、温度センシング装置と被測定物体との接触面積が大きければ大きいほどよいということであり、
図2は、本発明の実施例における温度測定の原理図であり、温度センシング装置の表面積は被測定物体の表面積より小さく、このように、温度センシング装置の表面積を十分に利用して算出することができ、且つ温度センシング装置は比較的規則的な直方体であり、その体積の算出が比較的容易である。通常、温度センシング装置は、温度センシング装置の移動による測定精度への影響を防止するように、一般的にブラケットで固定する必要がある。
【0020】
温度測定の第3前提条件として、一定時間内の物体の温度上昇が温度センシング装置に完全に伝達可能であることを確保するように、温度センシング装置のハウジングの熱伝導性能が良好であるということである。
【0021】
一実施例において、温度センシング装置のADC(Analog Digital Converter、アナログデジタル変換)収集精度は、少なくとも8ビットである。これも温度測定の第4前提条件である。
【0022】
一実施例において、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することは、
温度センシング装置の比熱容量、温度センシング装置の密度、温度センシング装置の体積、温度センシング装置の中心と被測定物体の表面との距離、温度センシング装置と被測定物体との接触面積のうちの1つ又は複数に基づいて、第1因子を決定することと、
第1因子及び熱伝導係数のうちの1つ又は複数に基づいて、第2因子を決定することと、
第2因子、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻と現在時刻の前の時刻との間の時間間隔のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することとを含む。
【0023】
温度センシング装置の測定が静的状態にある場合、温度補償因子は0にほぼ等しいと考えられるため、静的修正因子を導入することができ、静的修正因子は大量のシミュレーション実験により得られることができ、温度センシング装置によって測定された温度をさらに補正し、物体表面温度の正確度をさらに向上させることで、温度勾配が大きくなっても±3℃の正確度を確保できる。
【0024】
一実施例において、前記方法は、
被測定物体と温度センシング装置との間に、被測定物体及び温度センシング装置の表面にそれぞれ伝導的に接触する媒体が存在する場合、媒体の修正因子を取得することと、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子、静的修正因子及び媒体の修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定することとをさらに含む。
【0025】
上記実施例において、媒体が存在する別の測定方法に関するものであり、この時、温度伝導速度と絶縁性能を確保するように、中間の媒体が良好な熱伝導係数を有することを確保する必要がある。
【0026】
媒体の修正因子も大量のシミュレーション実験により決定されるものであり、媒体の修正因子が導入されることによって、媒体の存在による測定誤差を修正し、被測定物体の表面温度の正確度をさらに向上できる。
【0027】
上述したように、本発明の実施例による方法において、被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が、被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得し、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定し、温度補償因子の修正因子を取得し、静的修正因子を取得し、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定する。上記プロセスにおいて、まず、現在時刻の温度補償因子を決定するとともに、温度補償因子の修正因子、静的修正因子を用いて、複数回の修正により、物体表面温度の測定に対するキャリブレーション調整を実現でき、温度勾配が大きくなっても±3℃の正確度を確保できる。
【0028】
本発明の実施例は、物体表面温度の測定装置をさらに提案し、その原理は、物体表面温度の測定方法と類似し、ここではこれ以上繰り返して説明しない。
【0029】
図3は、本発明の実施例における物体表面温度の測定装置の模式図であり、
図3に示すように、
被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得するための測定温度取得モジュール301と、
現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定するための温度補償因子決定モジュール302と、
温度補償因子の修正因子を取得するための第1修正因子取得モジュール303と、
静的修正因子を取得するための第2修正因子取得モジュール304と、
現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定するための物体表面温度取得モジュール305とを含む。
【0030】
一実施例において、温度補償因子決定モジュールは、具体的に、
温度センシング装置の比熱容量、温度センシング装置の密度、温度センシング装置の体積、温度センシング装置の中心と被測定物体の表面との距離、温度センシング装置と被測定物体との接触面積のうちの1つ又は複数に基づいて、第1因子を決定し、
第1因子及び熱伝導係数のうちの1つ又は複数に基づいて、第2因子を決定し、
第2因子、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻と現在時刻の前の時刻との間の時間間隔のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定することに用いられる。
【0031】
一実施例において、前記装置は、
被測定物体と温度センシング装置との間に、被測定物体及び温度センシング装置の表面にそれぞれ伝導的に接触する媒体が存在する場合、媒体の修正因子を取得するための第3修正因子取得モジュール306をさらに含み、
物体表面温度取得モジュール305は、さらに、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子、静的修正因子及び媒体の修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定することに用いられる。
【0032】
一実施例において、温度センシング装置のADC収集精度は、少なくとも8ビットである。
【0033】
上述したように、本発明の実施例による装置において、被測定物体の表面に伝導的に接触する温度センシング装置が被測定物体の表面に所定の時間長さ接触された後、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度を取得し、現在時刻及び現在時刻の前の時刻に温度センシング装置によって測定された温度に基づいて、現在時刻の温度補償因子を決定し、温度補償因子の修正因子を取得し、静的修正因子を取得し、現在時刻に温度センシング装置によって測定された温度、現在時刻の温度補償因子、温度補償因子の修正因子及び静的修正因子のうちの1つ又は複数に基づいて、現在時刻の被測定物体の表面温度を決定する。上記プロセスにおいて、まず、現在時刻の温度補償因子を決定するとともに、温度補償因子の修正因子、静的修正因子を用いて、複数回の修正により、物体表面温度の測定に対するキャリブレーション調整を実現でき、温度勾配が大きくなっても±3℃の正確度を確保できる。
【0034】
本願の実施例は、コンピュータ機器をさらに提供し、
図4は、本発明の実施例におけるコンピュータ機器の模式図であり、当該コンピュータ機器は、上記実施例における物体表面温度の測定方法の全てのステップを実現することができ、前記コンピュータ機器は、具体的に、プロセッサ(processor)401と、メモリ(memory)402と、通信インタフェース(Communications Interface)403と、通信バス404とを含み、
ここで、前記プロセッサ401、メモリ402、及び通信インタフェース403は、前記通信バス404を介して互いに通信し、前記通信インタフェース403は、サーバ側機器、検出機器、及びユーザ側機器などの関連機器間の情報伝送を実現することに用いられ、
前記プロセッサ401は、前記メモリ402内のコンピュータプログラムを呼び出すことに用いられ、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行される時、上記実施例における物体表面温度の測定方法の全てのステップが実現される。
【0035】
本願の実施例は、上記実施例における物体表面温度の測定方法の全てのステップを実現できるコンピュータ読取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記実施例における物体表面温度の測定方法の全てのステップが実現される。
【0036】
本発明の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供される可能であることは、当業者であれば自明である。したがって、本発明は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用してもよい。また、本発明は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用してもよい。
【0037】
本発明は、本発明の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明したものである。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又は各ブロック、ならびにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム指令によって実現可能であることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、エンベデッドプロセッサ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサに提供されて1つのマシンを創出することで、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサによって実行される指令により、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するための装置を創出してもよい。
【0038】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器が特定の方式で動作するように指示することができるコンピュータ読取り可能なメモリに記憶されることで、当該コンピュータ読取り可能なメモリに記憶された指令により、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現する指令装置を含む製造品を創出してもよい。
【0039】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器にローディングされ、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で一連の動作及びステップが実行されて、コンピュータによって実現される処理を生成させることで、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で実行される指令により、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供してもよい。
【0040】
上記に記載された具体的な実施例は、本発明の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳細に説明したが、上記の説明は、本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の技術思想及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきであることを理解すべきである。
【国際調査報告】