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特表2024-527028抗LIGHT抗体を用いて潰瘍性大腸炎を治療する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】抗LIGHT抗体を用いて潰瘍性大腸炎を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240711BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240711BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20240711BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61K39/395 D
A61P1/04
C07K16/28 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504831
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022074106
(87)【国際公開番号】W WO2023009979
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/225,675
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522384547
【氏名又は名称】アヴァロ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ニール, ギャリー エー.
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB17
4C085EE01
4C085GG04
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
(57)【要約】
本開示は、抗LIGHT抗体を用いて潰瘍性大腸炎を治療する方法に関する。本開示は、潰瘍性大腸炎を治療するための抗LIGHT抗体の投与前、投与中、又は投与後に遊離LIGHTをアッセイすることにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、前記抗LIGHT抗体は、以下のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセット:
(a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
(b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
(c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
(d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
(e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
(f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
(g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
(h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
(i)配列番号52、53、54、55、56、及び57、のうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含む、方法。
【請求項2】
潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、それを必要とする前記対象が、承認された治療用量の抗TNFαモノクローナル抗体による治療に失敗し、この場合、初期応答がないか、誘導に対する初期応答があり、その後応答が消失しており、前記抗LIGHT抗体は、以下:
(a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
(b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
(c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
(d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
(e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
(f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
(g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
(h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
(i)配列番号52、53、54、55、56、及び57、のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含む、方法。
【請求項3】
潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、前記抗LIGHT抗体は、以下:
(a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
(b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
(c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
(d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
(e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
(f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
(g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
(h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
(i)配列番号52、53、54、55、56、及び57、のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含み、
前記抗LIGHT抗体は14日ごとに1.0mg/kg又は3.0mg/kgの用量で投与される、方法。
【請求項4】
潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、それを必要とする前記対象が、承認された治療用量の抗TNFαモノクローナル抗体による治療に失敗し、この場合、初期応答がないか、誘導に対する初期応答があり、その後応答が消失しており、前記抗LIGHT抗体は、以下:
(a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
(b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
(c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
(d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
(e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
(f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
(g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
(h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
(i)配列番号52、53、54、55、56、及び57、のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含み、
前記抗LIGHT抗体は14日ごとに1.0mg/kg又は3.0mg/kgの用量で投与される、方法。
【請求項5】
前記抗LIGHT抗体は、皮下投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記抗LIGHT抗体の投与前、投与中、又は投与後に遊離LIGHTをアッセイすることを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記対象は、遊離LIGHTを上昇させた、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象は、ヒトである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記対象は、成人である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記対象は、小児対象である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体は、配列番号84のアミノ酸配列を含む可変重鎖(VH)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体は、配列番号85のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(VL)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記抗LIGHT抗体の投与により、前記対象の内視鏡メイヨースコアが減少する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記抗LIGHT抗体の投与により、前記対象の合計メイヨースコアが減少する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記抗LIGHT抗体の投与により、前記対象のIBD-Qスコアが増加する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記抗LIGHT抗体の投与により、前記対象の血清遊離LIGHTが減少する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年7月26日に出願された米国仮出願第63/225,675号の優先権の利益を主張し、その内容はあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本願は、XML形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年7月6日に作成されたこのXMLコピーは「01118-0054-00PCT_ST26.xml」という名前で、サイズは109,180バイトである。
【0003】
本開示は、抗LIGHT抗体を用いて潰瘍性大腸炎を治療する方法に関する。本開示は、潰瘍性大腸炎を治療するための抗LIGHT抗体の投与前、投与中、又は投与後に遊離LIGHTをアッセイすることにも関する。
【背景技術】
【0004】
炎症性腸疾患(IBD)には、クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)の2つの主要な形態がある。(Wang et al.,The critical role of LIGHT in promoting intestinal inflammation and Crohn’s disease,J.Immunol.,2005:174;8173-82)。CD及びUCを含むIBDは、胃腸管の慢性再発炎症を特徴とする。同上。
【0005】
UCは、最も一般的には血便と下痢を伴う。(Ungaro et al.,Ulcerative colitis,Lancet,2017:389;1756-1770)。症状は、尿意切迫感、失禁、疲労、排便回数の増加、粘液の排出、夜間の排便、腹部の不快感などを含み得る。同上。治療の主な目標は、障害、結腸切除、結腸直腸がんの予防という長期目標に合わせて寛解を誘導し維持することである。同上。寛解の潜在的な目標は、直腸出血の停止と排便習慣の改善として定義される臨床症状の解消、及び内視鏡による治癒である。同上。
【0006】
遺伝学、環境因子、管腔因子、粘膜免疫調節不全などの複数の因子が、UCの発症に関与することが示唆される。同上。潰瘍性大腸炎の発生率と有病率は、世界中で時間の経過とともに増加している。同上。潰瘍性大腸炎を治療するための新しく改良された方法が強く求められている。
【0007】
TNFSF14(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14)としても知られるLIGHT(「リンホトキシンに相同で、誘導性発現を示し、Tリンパ球上に発現する受容体であるHVEM(ヘルペスウイルス侵入メディエーター)への結合に関してHSV糖タンパク質Dと競合する」の頭字語)は、重要な調節サイトカインである。
【0008】
LIGHT(TNFSF14)は、腫瘍壊死因子スーパーファミリーに属し、活性化T細胞、単球マクロファージ、及びその他の種類の抗原提示細胞によって発現される。LIGHTは、免疫システムの「マスターレギュレーター」の1つと考えられており、免疫応答を制御する通信システムにおいて重要な役割を果たす。LIGHTには二重の作用メカニズムがあり、T細胞とB細胞の両方を活性化し、他の炎症性サイトカインを上方制御することによってその効果を発揮する。
【0009】
LIGHTは、肺上皮細胞に発現する2つの重要な受容体、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)とリンホトキシンβ受容体(LTβR)を活性化する。感染の初期に、好中球とマクロファージから放出されたLIGHTが細胞受容体に結合し、炎症性細胞浸潤を引き起こし、高レベルのTNFと追加の炎症誘発性サイトカインを放出する。 LIGHTは、炎症促進効果や組織損傷効果を促進するT細胞の活性化において共刺激の役割もある。(Ware,C.F.Advances in experimental medicine and biology 647,146-155(2009);Ware,C.F.Immunological reviews 223,186-201(2008))。従って、LIGHTは、クローン病、IBD、関節リウマチ、線維症などの多くの免疫介在性病態において役割を果たす。LIGHTの追加の受容体はデコイ受容体(コインDCR3)であり、LIGHTに結合し、受容体結合と競合することでその活性を妨害する。(Steinberg,M.W.,et al.,M.Seminars in immunopathology 31,207-221(2009);Wroblewski,V.J.et al.Biochemical pharmacology 65,657-667(2003))。過剰な炎症及びサイトカインストームの状態では、DcR3が圧倒される可能性が高く、DCR3を含まない(活性な)LIGHTが高く生成される。
【0010】
LIGHTは、粘膜炎症及び炎症性腸疾患(IBD)の発症における重要なメディエーターとしての役割を果たす(Cohavy et al.,LIGHT expression by mucosal T cells may regulate IFN-gamma expression in the intestine,J.Immunol.,2004;173(1):251-8;Ware,CF,Network Communications:Lymphotoxins,LIGHT and TNF,Annual Rev.Immunol.,2005:23:787-819;Cohavy et al.,LIGHT is constitutively expressed on T and NK cells in the human gut and can be induced by CD2-mediated signaling,J.Immunol.,2005:174:646-53;Wang et al.,The critical role of LIGHT in promoting intestinal inflammation and Crohn’s disease,J.Immunol.,2005:174;8173-82)。ヒトLIGHT遺伝子は、IBDの発症に関与すると考えられる領域である染色体19p13.3にマッピングされる。同上。LIGHTが細胞性免疫応答中に重要な炎症誘発性シグナルを提供するという概念は、IBD患者を対象とした研究によって強化される。LIGHTメッセンジャーリボ核酸(RNA)は、小腸の炎症領域からの生検で上方制御される(Cohavy et al.,LIGHT is constitutively expressed on T and NK cells in the human gut and can be induced by CD2-mediated signaling,J.Immunol.,2005:174:646-53)。更に、健康な対象と比較して、UC対象ではLIGHTが高いレベルで存在する。(Moraes et al.,Systemic inflammatory protein profiles distinguish Irritable Bowel Syndrome (IBS) and Ulcerative Colitis,irrespective of inflammation or IBS-like symptoms,Inflammatory Bowel Disease,2020:26:874-884)。更に、LIGHTの過剰発現はマウスの腸炎症を増加させ、抗LIGHT抗体は潰瘍性大腸炎のマウスモデルにおいて腸炎症の兆候を軽減することが示される。(Jungbeck et al.,Neutralization of LIGHT ameliorates acute dextran sodium sulphate-induced intestinal inflammation,Immunology,2009:128:451-58;Shaikh et al.,Constitutive expression of LIGHT on T cells leads to lymphocyte activation, inflammation,and tissue destruction,J.Immunol.,2001:167:6330-6337)。一部のモデルでは、LIGHT(又はそのリガンド、HVEM)遺伝子のノックアウトにより、腸の炎症が軽減される。(Schaer et al.,HVEM Signalling Promotes Colitis,PLoS One,2011:6(4):e18495)。
【0011】
デコイ受容体3はTNFスーパーファミリー(TNFRSF6B)に属する(Yu et al.,A newly identified member of tumor necrosis factor receptor superfamily (TR6) suppresses LIGHT-mediated apoptosis,J.Biol.Chem.,1999:274(20):13733-6)。それは、リガンド結合に関してデスレセプターと競合するデコイ受容体として作用し、Fasリガンド(FasL)及びLIGHT媒介の細胞死及びT細胞活性化の抑制において調節的役割を果たすとともに、TNF様リガンド1A(TL1A)の中和を介して血管新生を誘導すると仮定される(Yu et al.1999)。最近、DcR3の欠陥変異体が小児発症型IBD患者で観察されており、これは更に、潜在的にTNFとLIGHTの効果を緩和することによるDcR3(Cardinale et al.,Targeted resequencing identifies defective variants of decoy receptor 3 in pediatric-onset inflammatory bowel disease,Genes Immun.2013:Oct;14(7):447-52)の重要な保護的役割を示唆する。
上述した、IBDの発症におけるLIGHT及びDcR3の役割は、DcR3の機能喪失型変異の有無にかかわらず、UC患者における抗LIGHTモノクローナル抗体の研究の理論的根拠を提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Wang et al.,The critical role of LIGHT in promoting intestinal inflammation and Crohn’s disease,J.Immunol.,2005:174;8173-82
【非特許文献2】Ungaro et al.,Ulcerative colitis,Lancet,2017:389;1756-1770
【非特許文献3】Ware,C.F.Advances in experimental medicine and biology 647,146-155(2009)
【非特許文献4】Ware,C.F.Immunological reviews 223,186-201(2008)
【非特許文献5】Steinberg,M.W.,et al.,M.Seminars in immunopathology 31,207-221(2009)
【非特許文献6】Wroblewski,V.J.et al.Biochemical pharmacology 65,657-667(2003)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示は、例えば、以下の実施形態のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0014】
実施形態1.潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、抗LIGHT抗体は、以下:
a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
i)配列番号52、53、54、55、56、及び57から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含む。
【0015】
実施形態2.潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、それを必要とする前記対象が、承認された治療用量の抗TNFαモノクローナル抗体による治療に失敗し、この場合、初期応答がないか、誘導に対する初期応答があり、その後応答が消失しており、抗LIGHT抗体は、以下:
a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
i)配列番号52、53、54、55、56、及び57から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含む。
【0016】
実施形態3.潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、抗LIGHT抗体は:
a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
i)配列番号52、53、54、55、56、及び57から選択される以下のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含み、
【0017】
抗LIGHT抗体は14日ごとに1.0mg/kg又は3.0mg/kgの用量で投与される。
【0018】
実施形態4.潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含み、それを必要とする前記対象が、承認された治療用量の抗TNFαモノクローナル抗体による治療に失敗し、この場合、初期応答がないか、誘導に対する初期応答があり、その後応答が消失しており、抗LIGHT抗体は、以下:
a)配列番号2、3、4、5、6、及び7、
b)配列番号10、11、12、13、14、及び15、
c)配列番号16、17、18、19、20、及び21、
d)配列番号22、23、24、25、26、及び27、
e)配列番号28、29、30、31、32、及び33、
f)配列番号34、35、36、37、38、及び39、
g)配列番号40、41、42、43、44、及び45、
h)配列番号46、47、48、49、50、及び51、ならびに
i)配列番号52、53、54、55、56、及び57から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3のアミノ酸配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖及び軽鎖を含み、
【0019】
抗LIGHT抗体は14日ごとに1.0mg/kg又は3.0mg/kgの用量で投与される。
【0020】
実施形態5.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、抗LIGHT抗体は、皮下投与される。
【0021】
実施形態6.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、該方法は、抗LIGHT抗体の投与前、投与中、又は投与後に遊離LIGHTをアッセイすることを更に含む。
【0022】
実施形態7.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、対象は、遊離LIGHTを上昇させた。
【0023】
実施形態8.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、対象は、ヒトである。
【0024】
実施形態9.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、対象は、成人である。
【0025】
実施形態10.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、対象は、小児対象である。
【0026】
実施形態11.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、抗体は、配列番号84のアミノ酸配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0027】
実施形態12.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、抗体は、配列番号85のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(VL)を含む。
【0028】
実施形態13.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0029】
実施形態14.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0030】
実施形態15.実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法では、抗LIGHT抗体の投与により、前記対象の内視鏡メイヨースコアが減少する。
【0031】
実施形態16.実施形態1~15のいずれか一項に記載の方法では、抗LIGHT抗体の投与により、前記対象の合計メイヨースコアが減少する。
【0032】
実施形態17.実施形態1~16のいずれか一項に記載の方法では、抗LIGHT抗体の投与により、前記対象のIBD-Qスコアが増加する。
【0033】
実施形態18.先行実施形態のいずれか一項に記載の方法では、抗LIGHT抗体の投与により、対象の血清遊離LIGHTが減少する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の定義は、本発明の理解を容易にするために提供される。それらは、決して本発明を限定しない。
【0035】
定義
本発明の目的上、「1つ(a)」又は「1つ(an)」エンティティは、1つ以上のそのエンティティを指し、例えば、「1つのcDNA」は、1つ以上のcDNA、又は少なくとも1つのcDNAを指す。従って、「1つ(a)」又は「1つ(an)」という用語、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書では互換的に使用することができる。「含む」、「備える」、及び「有する」という用語は互換的に使用できることにも留意されたい。更に、「からなる群から選択される」化合物は、2つ以上の化合物の混合物(すなわち組み合わせ)を含む、以下のリスト中の1つ以上の化合物を指す。本発明によれば、「単離された」又は「生物学的に純粋な」分子は、その自然環境から取り出された化合物である。従って、「単離された」及び「生物学的に純粋な」という用語は、化合物がどの程度精製されるかを必ずしも反映するものではない。本発明の単離された化合物は、その天然源から得ることができ、実験室合成技術を使用して生成することができ、又は任意のそのような化学合成経路によって生成することができる。
【0036】
本明細書における「LIGHT」又は「TNFSF14」は、活性化T細胞、単球マクロファージ及び更なる種類の抗原提示細胞によって発現される腫瘍壊死因子スーパーファミリーの特定のメンバータンパク質を指す。「LIGHT」は、「リンホトキシンに相同で、誘導性発現を示し、Tリンパ球上に発現する受容体であるHVEM(ヘルペスウイルス侵入メディエーター)への結合に関してHSV糖タンパク質Dと競合する」の頭字語である。
【0037】
本明細書における「遊離LIGHT」又は「遊離(活性)LIGHT」は、LIGHTの活性型である非結合型LIGHT(例えば、DcR3に結合したLIGHT)を指す。ヒトでは、遊離LIGHTは、TNFRスーパーファミリーのユニークな可溶性メンバーであるDcR3によって中和(不活化)され、DcR3は高親和性でLIGHTに結合し、2つのTNF受容体(HVEM及びLTβR)との相互作用を阻害する。「結合したLIGHT」などは、天然リガンドに結合したLIGHTを指し、場合により天然リガンドはHVEM、LTβR、又はDcR3である。「総LIGHT」などは、遊離LIGHT及び結合したLIGHTの総量を指す。
【0038】
本明細書で使用される「遊離LIGHTの上昇」は、対象において検出される遊離LIGHTのレベルが正常対照よりも高いことを指す。通常の制御は、特定の状況に適用できるものとして当業者によって決定され得る。場合によっては、正常対照は、LIGHT関連状態のない個人に典型的なレベル又はレベル範囲であるとして当業者によって合意された業界標準である。場合によっては、正常対照は、ある時点で採取された同じ個人からのLIGHTの参照レベルであり、対象のLIGHTが上昇したかどうかは、異なる、通常は後の時点で採取された同じ個人からのサンプルに基づいて決定される。
【0039】
本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、これらに限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含む様々な抗体構造を包含する。本明細書で使用される場合、この用語は、重鎖の少なくとも相補性決定領域(CDR)1、CDR2、及びCDR3、ならびに軽鎖の少なくともCDR1、CDR2、及びCDR3を含み、抗原に結合することができる分子を指す。抗体という用語は、Fv、単鎖Fv(scFv)、Fab、Fab’、及び(Fab’)などの抗原に結合できる断片を含むが、これらに限定されない。抗体という用語は、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、及びマウス、カニクイザルなどの様々な種の抗体も含むが、これらに限定されない。
【0040】
「重鎖」という用語は、リーダー配列の有無にかかわらず、少なくとも重鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、重鎖は、重鎖定常領域の少なくとも一部を含む。「全長重鎖」という用語は、リーダー配列の有無にかかわらず、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
【0041】
「重鎖可変領域」という用語は、重鎖の重鎖相補性決定領域(CDR)1、フレームワーク領域(FR)2、CDR2、FR3、及びCDR3を含む領域を指す。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部及び/又はFR4の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態では、重鎖CDR1は、Kabat残基31~35に対応し、重鎖CDR2は、Kabat残基50~65に対応し、重鎖CDR3は、Kabat残基95~102に対応する。例えば、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987 and 1991,NIH,Bethesda,Md.)を参照のこと。
【0042】
「軽鎖」という用語は、リーダー配列の有無にかかわらず、少なくとも軽鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、軽鎖は、軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む。「全長軽鎖」という用語は、リーダー配列の有無にかかわらず、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。「軽鎖可変領域」という用語は、軽鎖CDR1、FR2、HVR2、FR3、及びHVR3を含む領域を指す。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、FR1及び/又はFR4も含む。いくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は、Kabat残基24~34に対応し、軽鎖CDR2は、Kabat残基50~56に対応し、軽鎖CDR3は、Kabat残基89~97に対応する。例えば、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987 and 1991,NIH,Bethesda,Md.)を参照のこと。
【0043】
「キメラ抗体」は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の供給源又は種に由来し、一方、重鎖及び/又は軽鎖の残りの部分が異なる供給源又は種に由来する抗体を指す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、第1種(マウス、ラット、カニクイザルなど)由来の少なくとも1つの可変領域と、第2種(ヒト、カニクイザルなど)由来の少なくとも1つの定常領域とを含む抗体を指す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、少なくとも1つのマウス可変領域と、少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、少なくとも1つのカニクイザル可変領域と、少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体の全ての可変領域は、第1種に由来し、キメラ抗体の全ての定常領域は、第2種に由来する。
【0044】
「ヒト化抗体」とは、非ヒト可変領域のフレームワーク領域内の少なくとも1つのアミノ酸がヒト可変領域の対応するアミノ酸で置換された抗体を指す。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つのヒト定常領域又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体はFab、scFv、(Fab’)などである。
【0045】
本明細書で使用される「ヒト抗体」は、ヒトで産生される抗体、XenoMouse(登録商標)などのヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物で産生される抗体、及びファージディスプレイなどのインビトロ法を使用して選択される抗体を指し、抗体レパートリーはヒト免疫グロブリン配列に基づいている。
【0046】
「リーダー配列」という用語は、哺乳動物細胞からのポリペプチドの分泌を促進する、ポリペプチドのN末端に位置するアミノ酸残基の配列を指す。リーダー配列は、哺乳動物細胞からポリペプチドが輸送される際に切断され、成熟タンパク質を形成する可能性がある。リーダー配列は天然でも合成でもよく、それらが結合するタンパク質に対して異種でも同種でもよい。
【0047】
ペプチド、ポリペプチド、又は抗体配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」及び「相同性」は、特定のペプチド又はポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一である、候補配列内のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義され、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入して最大の配列同一性パーセントを達成した後、配列同一性の一部として保存的置換を考慮しない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のための整列は、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN又はMEGALIGNTM(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用する、当業者の技術分野内である様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大の整列を達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、整列を測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0048】
「阻害」又は「阻害する」という用語は、任意の表現型特性の減少もしくは停止に対する何らかの事象(タンパク質のリガンド結合など)の減少もしくは停止、又はその特性の発生率、程度、もしくは可能性の減少もしくは停止を指す。「低減する」又は「阻害する」は、参照と比較して、活性、機能、及び/又は量を減少させる、低下させる、又は停止させることを意味する。阻害又は低減が完全である必要はない。例えば、特定の実施形態では、「低減する」又は「阻害する」は、全体として20%以上の減少を引き起こす能力を意味する。別の実施形態では、「低減する」又は「阻害する」は、全体として50%以上の減少を引き起こす能力を意味する。更に、別の実施形態では、「低減する」又は「阻害する」は、75%、85%、90%、95%、又はそれ以上の全体的な減少を引き起こす能力を意味する。
【0049】
「サンプル」又は「対象サンプル」又は「生物学的サンプル」は、一般に、特定の分子について試験され得るサンプルを指す。サンプルは、細胞、血液、血清、血漿、尿、唾液、便、涙、胸膜液などを含む体液を含むが、これらに限定されない。
【0050】
「薬剤」及び「試験化合物」という用語は、本明細書では互換的に使用され、化合物、化合物の混合物、生物学的高分子、あるいは細菌、植物、真菌、又は動物(特に哺乳類の動物)の細胞もしくは組織などの生物学的材料から作られた抽出物を指す。生体高分子は、siRNA、shRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、ペプチド/DNA複合体、及び本明細書に記載のSNP含有核酸又はそれらにコードされるタンパク質の活性を調節する能力を示す任意の核酸ベースの分子を含む。薬剤は、以下に記載するスクリーニングアッセイに含めることによって、潜在的な生物学的活性について評価される。
【0051】
「対象」は哺乳類の動物であり得る。対象を含む実施形態のいずれか一項においても、対象はヒトであり得る。対象を含む実施形態のいずれか一項において、対象は、ウシ、ブタ、サル、ヒツジ、イヌ、ネコ、魚、又は家禽であり得る。
【0052】
本明細書における「小児」対象は18歳未満のヒトであるが、「成人」対象は18歳以上である。
【0053】
「治療」又は「治療する」は、治療的処置及び予防的又は防止的手段の両方を指す。治療が必要な対象は、すでにその障害を有する対象、その障害にかかりやすい対象、又はその障害を予防すべき対象も含む。本発明の目的のために、有益又は所望の臨床結果としては、限定されないが、検出可能であるか、検出不可能であるかにかかわらず、症状の軽減、疾患の程度の低下、疾患の安定した(すなわち、悪化しない)状態、疾患の進行の遅延又は遅れ、疾患の状態の改善もしくは緩和、及び寛解(部分的又は完全な)が挙げられる。「治療」はまた、治療を受けていない場合に予想される生存と比較して、生存を延長することを意味し得る。治療が必要な対象は、すでにその状態もしくは障害を有する対象、その状態もしくは障害にかかりやすい対象、又はその状態もしくは障害を予防すべき対象も含む。
【0054】
「有効量」又は「治療有効量」という用語は、1つ以上の症状を部分的又は完全に軽減するなど、対象における疾患又は障害の治療に有効な薬物の量を指す。いくつかの実施形態では、有効量は、所望の治療又は予防結果を達成するために必要な用量及び期間で有効な量を指す。
【0055】
抗LIGHT抗体を用いて潰瘍性大腸炎を治療する方法
いくつかの実施形態では、潰瘍性大腸炎又は潰瘍性大腸炎に関連する炎症性疾患を有する対象を治療する方法が提供され、該方法は、それを必要とする対象に抗LIGHT抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象者は、承認された治療用量の抗TNFαモノクローナル抗体による治療に失敗し、この場合、初期応答がないか、誘導に対する初期応答があり、その後応答が消失している。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、14日ごとに約1.0mg/kg~約3.0mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、14日ごとに1.0mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、14日ごとに3.0mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、皮下投与される。いくつかの実施形態では、該方法は、抗LIGHT抗体の投与前、投与中、又は投与後に遊離LIGHTをアッセイすることを更に含む。いくつかの実施形態では、対象は、遊離LIGHTを上昇させた。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、成人である。いくつかの実施形態では、対象は、小児対象である。
【0056】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与により、対象の血清遊離LIGHTが減少する。
【0057】
メイヨースコアは、UCの疾患活動性の指標として最もよく知られている。これは、0~12のスケールでスコア付けされる複合機器で、排便回数(スコア0~3)、直腸出血(スコア0~3)、医師による全体的な評価(スコア0~3)、S状結腸鏡/内視鏡による評価(スコア0~3)を含む。(Peyrin-Biroulet et al.,Defining disease severity in inflammatory bowel diseases:current and future directions,Clinical Gastroenterology and Hepatology 2016:14:348-354;Lewis et al.,Use of the non-invasive components of the Mayo Score to assess clinical response in ulcerative colitis,Inflammatory Bowel Disease,2008:14(12):1660-1666)。内視鏡メイヨースコアなど、メイヨースコアの一部を単独で使用することもできる。(Ungaro et al.,Ulcerative colitis,Lancet,2017:389;1756-1770)。
【0058】
患者が報告する転帰は、健康状態のあらゆる側面について患者から直接得られる測定値であり、UCの治療エンドポイントとなる可能性がある。この病気に対する患者の見方を評価するために、炎症性腸疾患質問票(IBD-Q)などのいくつかのスケールが使用される。(Peyrin-Biroulet 2016)。
【0059】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与は、抗LIGHT抗体投与前の対象の内視鏡メイヨースコアと比較して、又は抗LIGHT抗体を投与されない対象と比較して、対象の内視鏡メイヨースコアを減少させる。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与は、抗LIGHT抗体投与前の対象の合計メイヨースコアと比較して、又は抗LIGHT抗体を投与されない対象と比較して、対象の合計メイヨースコアを減少させる。
【0060】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与は、例えば、抗LIGHT抗体の投与前の対象のIBD-Qスコアと比較して、又は抗LIGHT抗体を投与されない対象と比較して、対象のIBD-Qスコアを増加させる。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与により、対象のIBD-Qスコアは170以上になる。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与により、対象のIBD-Qスコアが少なくとも16ポイント増加する。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体の投与により、対象のIBD-Qスコアが少なくとも32ポイント増加する。
【0061】
抗LIGHT抗体
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、検出/診断及び治療の両方の目的、ならびに本明細書に記載のアッセイに利用される。検出又は診断目的で使用される抗LIGHT抗体は、治療目的で使用される抗体と(同じ対象であっても)異なる場合もあり、同じ場合もある。
【0062】
いくつかの実施形態では、治療目的に有用な抗LIGHT抗体は、WO2008/027338ならびにUS8,058,402B2、US8,461,307B2、及びUS8,974,787B2に提供されるE1、E13、E63、F19、又はF23抗体のCDR配列を含み得、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、検出/診断目的に有用な抗LIGHT抗体は、治療目的に使用されるものと同じではない。
【0063】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号2、3、及び4のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号5、6、及び7のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号2、3、及び4のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号5、6、及び7のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号84、又は配列番号84に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変領域配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号85、又は配列番号85に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変領域配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号84、又は配列番号84に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む重鎖可変領域配列と、配列番号85、又は配列番号85に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変領域配列とを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号8、又は配列番号8に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号9、又は配列番号9に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む軽鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号8、又は配列番号8に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む重鎖と、配列番号9、又は配列番号9に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含む軽鎖との両方を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号10、11、及び12のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号13、14、及び15のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号10、11、及び12のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号13、14、及び15のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号16、17、及び18のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号19、20、及び21のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号16、17、及び18のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号19、20、及び21のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号22、23、及び24のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号25、26、及び27のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号22、23、及び24のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号25、26、及び27のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号28、29、及び30のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号31、32、及び33のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号28、29、及び30のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号31、32、及び33のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号34、35、及び36のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号37、38、及び39のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号34、35、及び36のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号37、38、及び39のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号40、41、及び42のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号43、44、及び45のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号40、41、及び42のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号43、44、及び45のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号46、47、及び48のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号49、50、及び51のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、配列番号46、47、及び48のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、配列番号49、50、及び51のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、US2013/0323240及びUS8,524,869 B2に記載の抗体のCDR配列を含み得、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号52、53、及び54のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号55、56、及び57のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、それぞれ配列番号52、53、及び54のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、それぞれ配列番号55、56、及び57のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号58、又は配列番号58に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるものを含む重鎖可変領域配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号59、又は配列番号59に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるものを含む軽鎖可変領域配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号58、又は配列番号58に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるものを含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号59、又は配列番号59に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるものを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、配列番号58、又は配列番号58に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるものを含む重鎖と、配列番号59、又は配列番号59に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一であるものを含む軽鎖との両方を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、US2013/0323240の配列表に記載の以下:US2013/0323240の配列番号18、19、20及び配列番号38、41、42、US2013/0323240の配列番号18、19、21及び配列番号39、41、42、US2013/0323240の配列番号18、19、22及び配列番号40、41、42、US2013/0323240の配列番号23、24、25及び配列番号43、44、45、US2013/0323240の配列番号26、27、28及び配列番号46、47、48、US2013/0323240の配列番号29、30、31及び配列番号49、50、51、US2013/0323240の配列番号32、33、34及び配列番号52、53、54、ならびにUS2013/0323240の配列番号35、36、37及び配列番号55、50、51のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3の配列のセットのうちの1つを一緒に含む重鎖および軽鎖を含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、WO2015/107331に記載の18E04、98C07、1C02、1C06、13H04、31A10、98C07、42A02、29C02、14B09、117C06、114F05、及び62C01抗体のCDR配列を含み、これも参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号60、61、及び62のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号63、64、及び65のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、それぞれ配列番号60、61、及び62のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、それぞれ配列番号63、64、及び65のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号66、67、及び68のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号69、70、及び71のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、それぞれ配列番号66、67、及び68のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、それぞれ配列番号69、70、及び71のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号72、73、及び74のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号75、76、及び77のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、それぞれ配列番号72、73、及び74のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、それぞれ配列番号75、76、及び77のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号78、79、及び80のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LIGHT抗体は、それぞれ配列番号81、82、及び83のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖と、軽鎖とを含み、重鎖は、それぞれ配列番号78、79、及び80のそれぞれを含む3つのCDR配列を含み、軽鎖は、それぞれ配列番号81、82、及び83のそれぞれを含む3つのCDR配列を含む。
【0081】
遊離LIGHT検出アッセイ
現在利用可能なアッセイのほとんどは、DcR3を含むその受容体に結合したLIGHTを含む合計LIGHTのみを測定する。合計LIGHTは、病気を引き起こすLIGHTのレベルを正確に把握できない可能性があり、これは結合されない遊離LIGHTである可能性がある。従って、該方法に遊離LIGHTの検出が含まれる場合、遊離LIGHTのみを測定するアッセイを使用することが望ましい場合がある。
【実施例
【0082】
実施例1
中等度から重度の活動性クローン病を有する成人における抗LIGHTモノクローナル抗体の安全性、忍容性、及び短期有効性を評価するための、漸増用量、非盲検、シグナル探索研究のための既存の臨床研究方案が存在し、デコイ受容体3(DcR3)の機能喪失変異の有無にかかわらず、これらの成人は、抗TNFα剤による以前の治療に失敗した。抗LIGHTモノクローナル抗体は、以下の6つのCDRを含む。配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖CDR、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖CDR、配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖CDR、配列番号5のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR、配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR、及び配列番号7のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR。いくつかの実施形態では、抗LIGHTモノクローナル抗体は、配列番号84のアミノ酸配列を有する可変重鎖(VH)及び配列番号85のアミノ酸配列を有する可変軽鎖(VL)を有する。いくつかの実施形態では、抗LIGHTモノクローナル抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖とを有する。この方案は、抗TNFα剤による以前の治療に失敗した潰瘍性大腸炎の対象を含めるように修正される。以下は、既存のクローン病方案の一部であり、現在、UCを有する研究に追加される対象に適用される。
【0083】
研究の目的及びエンドポイント
この研究の主な目的は、抗腫瘍壊死因子α(抗TNFα)剤による以前の治療が失敗した中等度から重度の活動性CDを有する成人にSQ注射によって投与される抗LIGHTモノクローナル抗体の安全性と忍容性を評価することである。
【0084】
この研究の第2目的は以下のとおりである。中等度から重度の活動性CDを有する成人にSQ注射によって投与される抗LIGHTモノクローナル抗体の血漿濃度を推定し、中等度から重度の活動性CDを有する成人にSQ注射によって投与される抗LIGHTモノクローナル抗体による治療に対する応答を評価する。
【0085】
研究デザイン
これは、以前に抗TNFα治療に失敗した中等度から重度の活動性CDを有する成人における抗LIGHTモノクローナル抗体の安全性、忍容性、PK及び短期有効性を評価するための第1b相、多施設共同、非盲検、用量漸増、シグナル探索研究である。
【0086】
全ての適格基準を満たすクローン病患者4人が、2つの用量コホートのそれぞれに登録される。第1コホートには、14日ごと(q14)に抗LIGHTモノクローナル抗体1.0mg/kgのSQを投与する。
【0087】
用量漸増は、データモニタリング委員会による累積安全性、忍容性、薬物動態及び有効性データのレビューに基づいて第1コホートの完了後、及び第2コホートに進む決定がなされた後に進められる。安全性データの審査で許可されている場合、第2コホートの推定用量漸増は、14日ごとに3.0mg/kgのSQである。
【0088】
各対象の参加にはスクリーニング期間が含まれ、スクリーニング期間には、必要に応じて、生物学的治療を受けている対象、又はスクリーニング来院から12週間以内に生物学的治療を受けた対象に対する12週間の休薬期間が含まれる。ウォッシュアウトを必要とする対象の場合、必要に応じて、スクリーニング来院とウォッシュアウト期間の開始との間に任意で1~14日の期間を設ける。生物学的セルトリズマブペゴル(Cimzia)のウォッシュアウトを必要とする対象を除き、8週間のウォッシュアウト後に検出可能な生物学的レベルを持たない対象のみが、検出不可能なレベルの確認後に研究に参加することが許可され、他の全ての対象(セルトリズマブペゴル[Cimzia]の投与を受けている対象を含む)は、12週間の休薬期間を完了する必要がある。ウォッシュアウト期間は、スクリーニング来院前に受けた最後の投与からの期間を含む。生物学的休薬期間を必要としない対象は、スクリーニング時の審査及び適格性の確認後に研究に参加することが許可される。スクリーニングの後には、8週間の非盲検治療期間があり、最後の投与から約4週間後に安全性の追跡調査来院が行われる。最長研究期間は26週間である。
【0089】
治験来院は、スクリーニング時と、0、7、14、21、28、35、42、49、及び56日目に行われる。安全性の追跡調査来院は84日目に行われる。
【0090】
研究期間
この研究は、スクリーニング期間、非盲検治療期間、及び安全性の追跡調査来院を含む。1.0mg/kg用量コホートは、以下に説明する研究期間を完了する。安全性データを検討した後、決定が下される。
【0091】
対象の数
最大8人の研究対象に対して2つの計画用量コホートのそれぞれに4人の対象が登録される。3回目の投与前に途中で研究を中止した対象は、補充することが許可される。
【0092】
治療の割り当て
対象の第1コホートは、1.0mg/kg用量の抗LIGHTモノクローナル抗体に割り当てられる。対象は、第1コホートからの安全性データのDMCレビュー後、研究中止基準が満たない場合、第2用量コホートに割り当てられる。
【0093】
試験対象患者基準
以下の試験対象患者基準を全て満たす対象は、研究に登録する資格がある:
1.対象は英語を流暢に話すことができ、この研究に対して書面によるインフォームドコンセントを提供した。
2.対象は18歳以上・75歳以下の男性又は女性である。
3.対象は内視鏡検査/結腸鏡検査及び組織学的確認によってCDの文書化された診断を受けている。
4.クローン病簡易内視鏡スコア(SES-CD)スコア≧7及び組織学的確認によって証明されるように、対象は中等度から重度の活動性CDを有する。
5.対象は、以下に定義するように、承認された治療用量の抗TNFαモノクローナル抗体治療による治療が失敗し、初期応答がないか(一次非応答者)、誘導に対する初期応答があり、その後応答が消失した(二次非応答者)。
6.対象は、経口コルチコステロイド、及び/又はアザチオプリン、6-メルカプトプリン(6-MP)、あるいはメトトレキサート(MTX)による同時治療を受けることが許可される。
7.対象は、DcR3遺伝子座で遺伝子型特定されることに同意する。
【0094】
一次非応答者は、インフリキシマブ、アダリムマブ、又はセルトリズマブペゴルによる治療で不十分な初期応答が生じた対象として定義される。不十分な初期応答症状の詳細は、導入療法の最後の投与から2週間を超えて発生する。不適切な初期応答を定義するアルゴリズムを以下に示す。一次非応答者として分類された対象は、アルゴリズムの両方の部分を満たす。必要な文書は、導入療法が失敗した日付と投与量、治療する臨床医が記録した疾患活動性に関する応答の詳細の欠如などを含む。
【0095】
以下のアルゴリズムは、インフリキシマブ、アダリムマブ、又はセルトリズマブペゴルによる現在又は以前の治療に対する初期応答が不十分な場合に使用される。対象は、インフリキシマブ(5mg/kg超を2回又は3回投与)、アダリムマブ(160mgの用量の後に80mg超を投与、又は80mgの用量の後に40mg超を投与)、又はセルトリズマブペゴル(400mg以上を2回又は3回投与)のいずれかの導入投与を受け、クローン病の活動性に関連する以下の兆候又は症状の少なくとも1つの存在によって実証されるように、対象は最初はこれらの導入投与に応答しなかった。その兆候又は症状は、排便回数の改善の欠如又は悪化、毎日の腹痛の改善の欠如又は悪化、クローン病に伴う発熱の発生、改善の欠如又は悪化、以前は排液のなかった瘻孔からの再発性の排液、又は新たな排液瘻の発生、直腸出血の改善の欠如又は悪化、あるいは下痢止め薬の開始又は増量である。
【0096】
二次非応答者は、インフリキシマブ、アダリムマブ、又はセルトリズマブペゴルによる治療により初期応答が生じ、その後応答が消失した対象として定義される。応答の詳細の消失は、維持療法の最後の投与から2週間を超えて発生する。応答消失を定義するアルゴリズムを以下に説明する。二次非応答者として分類された対象は、アルゴリズムの両方の部分を満たす。必要な文書は、治療導入と維持の日付と用量、初期応答とその後の応答消失、治療する臨床医が記録した疾患活動性に関する詳細を含む。以下は、インフリキシマブ、アダリムマブ、又はセルトリズマブペゴルによる以前の治療に対する反応消失のアルゴリズムである。対象は上記の用量での導入療法に応答し、インフリキシマブ(5mg/kg超)、アダリムマブ(用量40mg超、又は小児用量として効果がなかった場合は20mg超)、又はセルトリズマブペゴル(400mg超)の維持用量を少なくとも2回投与され、クローン病の活動性に関連する以下の兆候又は症状の少なくとも1つの存在によって実証されるように、対象はこれらの維持用量に応答しなかった。その兆候又は症状は、排便回数の悪化、毎日の腹痛の悪化、クローン病に伴う発熱の発生又は悪化、以前は排液のなかった瘻孔からの再発性の排液、又は新たな排液瘻の発生、直腸出血の悪化、あるいは下痢止め薬の開始又は増量である。
【0097】
対象除外基準
以下の除外基準のいずれかを満たす対象は、研究に登録する資格がない:
1.対象は潰瘍性大腸炎(UC)又は不確定性大腸炎と診断される。
2.対象は、研究中に内視鏡検査や生検などの研究手順に耐えられないか、受けるのを望まない。
3.対象には腸閉塞の兆候又は症状があり、閉塞を裏付ける小腸画像が見られる。
4.研究者によって対象は短腸症候群であると判断された。
5.対象は現在機能性人工肛門造設術又は回腸造設術を受ける。
6.対象はスクリーニング前の過去6か月以内に外科的腸切除を受けたか、研究期間中に切除を計画している。
7.研究者の意見では、腹腔内膿瘍の臨床的疑いが存在する。
8.対象は腸異形成を併発しているか、スクリーニング前の5年間に腸異形成の病歴がある。
9.対象はC.ディフィシル感染症の既知の活動性及び/又は陽性の検査を受ける。
10.対象は、外科的切除によって治癒した癌(例えば、非黒色腫皮膚癌)を除く、あらゆる癌の病歴又は現在診断を受けている。
11.対象はリンパ腫を含むリンパ増殖性疾患の病歴、又はリンパ増殖性疾患を示唆する兆候や症状を常に有している。
12.対象は結核感染歴があるか、活動性の結核感染であるか、スクリーニング時に結核検査で陽性反応を示す。
13.対象は、既知のウイルス性肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、又は既知のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を併発する。
14.対象はナタリズマブ(TYSABRI(登録商標))で治療を受ける。
15.対象は、血液力価で免疫が証明されない限り、一次ワクチン接種シリーズ(特にB型肝炎、水痘、麻疹/おたふく風邪/風疹)を完了しない。
16.対象はベースライン来院前の3か月以内に水痘帯状疱疹、経口ポリオ、又は風疹などの弱毒生ワクチンを接種する。
17.対象は以下の異常なスクリーニング臨床検査結果のいずれかを有する。それは、臨床的に重大な心電図異常、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)又は総ビリルビンがULN超、ヘモグロビンが10g/dL未満、好中球の絶対数が1500細胞/mm未満、あるいは推定糸球体濾過速度が60mL/分間/1.73m未満である。
18.対象は、スクリーニング中(来院1)、又はベースライン来院(来院2)の登録前に異常なバイタルサインを示す。
19.対象は妊娠中又は授乳中の母親である。
20.対象は性的に活動的であるが、効果的な避妊はしない。
21.対象には薬物乱用歴があり、臨床研究への参加が妨げられる可能性がある。
22.対象は、重大かつ重度の腎疾患、肝臓疾患、血液疾患、胃腸疾患(CD又は上記の症状以外)、内分泌疾患、肺疾患、心臓疾患、又は神経疾患の現在もしくは最近の病歴(スクリーニング前6か月以内)を有する。
23.対象は、研究者の意見では、研究の結果を混乱させる可能性がある、対象の参加により更なるリスクをもたらす可能性がある、又は対象の研究完了を妨げるか妨げる可能性がある、その他の臨床的に重大な精神的もしくは身体的疾患もしくは感染症を有する。
24.研究者側には、対象の安全性、コンプライアンス、又は研究への参加に関する適合性に関して懸念がある。
【0098】
対象の治療
各用量コホートの対象は、腹部の臍から4~10cmの領域に単回SQ注射として治験薬を投与され、その後の用量ごとに注射部位が回転する。抗LIGHTモノクローナル抗体の用量は、0、14、28、及び42日目に投与される。0日目以降、注射は予定された14日間隔の±3日以内に行われる。
【0099】
第1用量コホートの対象には、8週間の非盲検治療期間全体にわたって、抗LIGHTモノクローナル抗体1.0mg/kgが投与される。このコホートからのデータは、全ての対象が治療期間とそれに関連する評価を完了した後、第2コホートが登録される前にレビューされる。被験者の最後の来院から累積安全性、忍容性、薬物動態及び有効性データの検討までには少なくとも2週間の間隔があることが予想される。
【0100】
第2用量コホートの適格な対象には、8週間の非盲検治療期間全体にわたって、抗LIGHTモノクローナル抗体3.0mg/kgが投与される。全ての対象が治療期間とそれに関連する評価を完了した後、第2コホートからのデータが検討される。
【0101】
許可された治療法
対象は、経口コルチコステロイド及び/又はアザチオプリン、6-MP、あるいはMTXによる同時治療を受けることが許可される。対象は研究中にこれらの薬剤の用量を増やすことは許可されない。許可される併用療法の用量増加が必要な場合、対象は早期終了来院手順を利用して研究から中止される。経口コルチコステロイド及び/又はアザチオプリン、6-MP、もしくはMTXによる同時治療は以下のように定義される。経口コルチコステロイドについて、プレドニゾンの用量は40mg/日を超えず、ベースライン前の少なくとも2週間は安定した用量であり、アザチオプリン又は6-MPについて、少なくとも2mg/kg/日のアザチオプリン用量又は1~1.5mg/kg/日の6-MPの用量は、最も近い使用可能な錠剤製剤に四捨五入されるか、研究者が考えている対象の最大許容用量、ベースラインの少なくとも8週間前、ベースラインの少なくとも4週間前の安定用量であり、あるいは、研究中にベースラインの少なくとも8週間前にSQ、筋肉内又は経口のいずれかで25mg/週のMTX用量を投与し、ベースラインの少なくとも4週間前は安定用量を投与した。
【0102】
これらの治療法の用量は研究中に減量することが許可され、ただし、全ての用量は上記で指定した組み合わせと用量範囲内にある。これらの変化は併用薬のeCRFに記録される。
【0103】
研究登録時にコルチコステロイドを投与される対象の場合、研究中の離脱は以下の規則に従って行われる。コルチコステロイドの用量が20mgを超え、1週間当たりの最大減量速度が10mgであり、その用量が10~20mg未満であり、1週間当たりの最大減量速度が5mgであり、又はその用量が10mg未満であり、1週間当たりの最大減量速度が2.5mgである。許可された併用療法の組み合わせ、用量範囲、又は離乳スケジュールからの逸脱が必要な場合、対象は研究への参加を取りやめる。
【0104】
禁止される治療法
アナキンラ(KINERET(登録商標)、Amgen)、アバタセプト(ORENCIA(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、又はトシリズマブ(ACTEMRA(登録商標)、Genentech)の使用を含む、研究中の生物学的治療の併用は禁止される。研究登録(来院2)前、及びスクリーニング来院から12週間以内に受けた全ての生物学的治療について来院1で実施されるスクリーニング手順による適格性の確認後、最大12週間の休薬期間が必要である。ナタリズマブ(TYSABRI(登録商標)、Biogen)による治療歴のある対象は参加から除外される。
【0105】
スクリーニングの3か月前及び研究期間中のいつでも、生ウイルス又は弱毒化ウイルスのワクチン接種は禁止される。
【0106】
ランダム化及びブラインド化
全ての対象は、抗LIGHTモノクローナル抗体を非盲検方式で投与される。
【0107】
治験薬
抗LIGHTモノクローナル抗体は、配列番号8の重鎖配列及び配列番号9の軽鎖配列を有する、この研究で使用される治験製品である。それは、150mg/mLの溶液の剤形で投与される。単位用量は1.0mg/kg又は3.0mg/kgである。投与経路は、腹部の臍から4~10cmの領域にSQ注射し、その後の投与ごとに注射部位を回転させる。無色からわずかに黄褐色の溶液である。サノフィ・アベンティスグループによって製造される。
【0108】
投与
抗LIGHTモノクローナル抗体は、腹部の臍から4~10cmの領域にSQ注射によって投与され、その後の投与ごとに注射部位が回転する。
【0109】
研究期間
全体の研究期間は約26週間である(最長14週間のスクリーニング[必要に応じて最長12週間のウォッシュアウトを含む]、56日間の非盲検治療、及び治験薬の最終投与から約28日後の追跡調査来院を含む)。
【0110】
研究期間の計画された順序と最大期間は以下のとおりである:
1.スクリーニング期間:約14週間
2.ウォッシュアウト期間(該当する場合):対象の生物学的治療の最後の投与から最大12週間
3.非盲検治療期間:56日間(0日目から始まり、14日ごとに投与)
4.追跡調査:治験薬の最後の投与から28日後。各対象の最大研究期間は約26週間である。
【0111】
各対象の最大治療期間は約56日で、SQ注射は0日目に開始し、14(±3)日ごとに42日目まで継続する。
【0112】
注記:臨床検査室の再検査期間に対応するためのスクリーニング枠の延長(生検を伴う内視鏡検査を除く)は許可されるが、合計スクリーニング期間の16週間を超えることは許可されない。
【0113】
安全性評価
安全性評価は、AEのモニタリング、臨床検査、バイタルサイン測定、身体検査(体重測定を含む)、及び12誘導ECGパラメータを含む。人口統計情報、病歴及び投薬歴は、スクリーニング来院時に取得される。
【0114】
全ての安全性評価は、適切なeCRFに記録される。
【0115】
デコイ受容体3の遺伝子型決定
遺伝子型決定用の2ミリリットルの唾液は、メーカの指示に従って、指定された収集車両に収集される。
【0116】
デオキシリボ核酸(DNA)は、各対象の唾液サンプルから単離され、タンパク質DcR3をコードするTNFRSF6Bの遺伝子変化又は少なくとも1つのDcR3ネットワーク遺伝子の変化について評価される。全ての遺伝子型決定は、検査室マニュアル(複数可)及びガイダンス(複数可)に指定されるCLIA認定検査室で行われる。残りのDNAサンプルは、将来のバイオマーカー研究のために保存される。
【0117】
LIGHT、サイトカイン、RNAシーケンシング及びフローサイトメトリーの探索的分析
探索的分析のために血液サンプルが収集される。探索的分析は、LIGHTバイオマーカー、サイトカイン(例えば、IL-1ベータ、IL-6、IL-8、TNF-α、その他の探索的サイトカイン)、リボ核酸(RNA)シーケンシング、及び末梢血白血球のフローサイトメトリーを含むが、これらに限定されない。
【0118】
生物学及び組織学を備えた内視鏡検査
研究に登録した全ての対象は、スクリーニング時と56日目(来院10)又は早期終了時に再度生検を伴う内視鏡検査を受ける。スクリーニング内視鏡検査は、内視鏡検査の前にこの研究に対する同意手順が完了していることを条件として、この方案の目的のための独立型内視鏡検査として、又は臨床的に必要な内視鏡検査として任意に実施される。
【0119】
内視鏡検査の評価には、SES-CDが使用される。SES-CDは、CD専用に開発されたシンプルで使いやすい内視鏡スコアリングシステムである。潰瘍のサイズ、潰瘍化した表面の割合、患面の割合、及び狭窄の有無の4つの変数を変数ごとに0~3のスケールで4つのカテゴリーにわたって評価する(Daperno M,D’Haens G,Van Assche G et al.Development and validation of a new,simplified endoscopic activity score for Crohn’s disease:the SES-CD.Gastroinest Endosc.2004 Oct;60(4):505-12)。スクリーニング時に採取された生検は、疾患の組織学的確認のために評価される。各対象は、研究完了後に任意に行うことができる探索パラメータ(DcR3、LIGHT、HVEM、及びLTβRを含むが、これらに限定されない)の評価のために保存されたスクリーニング及び来院10/ET生検サンプルを受ける。
【0120】
患者報告による健康状態、腹痛、排便回数の評価
研究に登録した全ての対象は、健康状態、腹痛、及び軟便や水様便を含む排便回数の毎日の評価を日記(電子又はハードコピー)で報告する。腹痛は0~3のスケールで評価され、値が高いほど痛みの重症度が高くなる。1日当たりの軟便及び/又は水様便の数を含む便頻度(ブリストル便スケールの6又は7のスコアに相当)が記録される。
【0121】
軟便は、端がギザギザになったふわふわした部分、つまりどろどろの便のことを指す。水様便は水っぽく、固形物がないものとして表現される(O’Donnell et al.,Detection of pseudodiarrhoea by simple clinical assessment of intestinal transit rate,Br.Med.J.1990;300:439-40)。
【0122】
生活の質の評価ー炎症性腸疾患に関する質問票
IBD-Qは、クローン病の生活の質を測定するために検証された32項目質問票である。IBD-Qは、腸機能、情動状態、全身症状、社会的機能の側面を評価する(Guyatt et al.,A new measure of health status for clinical trials in inflammatory bowel disease,Gastroenterol.,1989:96;804-10)。IBD-Qは、スクリーニング時(来院1)、投与前(来院2)、及び非盲検治療期間の終了時又は早期終了時(来院10/ET)に、全ての対象によって完了する。
【0123】
以下の表1は、本願で言及される配列を提供する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【配列表】
2024527028000001.xml
【国際調査報告】