(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】機能安全に対する検査を有する監視領域を監視するための光学検出デバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20240711BHJP
G01S 7/4863 20200101ALI20240711BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20240711BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/4863
G01S17/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504890
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 EP2022070281
(87)【国際公開番号】W WO2023006528
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119239.0
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘン、シェンク
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン、ニース
(72)【発明者】
【氏名】フランク、ゼルプマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス、アプル
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ、ホフマン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB01
5J084AB07
5J084AC02
5J084AC03
5J084AC04
5J084AC07
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA34
5J084BA36
5J084BA40
5J084CA10
5J084CA20
5J084CA65
5J084EA19
5J084EA22
5J084EA29
(57)【要約】
光学検出デバイス(12)、検出デバイス(12)及び少なくとも1つの検出デバイス(12)を有する車両(10)を制御する方法が記述される。前記方法では、少なくとも1つの発光素子(40)が、少なくとも1つの光信号(42)を送信するように作動される。少なくとも1つの反射された光信号(60)が、少なくとも1つの受信器(52)の少なくとも2つの受信領域を使用して受信される。少なくとも1つの受信変数(54)は少なくとも1つの受信した光信号(42)を使用して決定される。前記検出デバイス(12)の機能安全が少なくとも断続的に検査される。前記光信号(42)の各々の前記送信の持続時間が、指定された送信時間間隔に制限される。前記検出デバイス(12)の眼の安全性を達成するために、少なくとも1つの測定受信領域を使用して、測定時間感覚中に補足された光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信領域が生成される。少なくとも1つの試験受信領域を使用して試験時間間隔中に補足された光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信領域が生成される。試験時間間隔は測定時間間隔よりも長く、試験時間間隔は送信時間間隔よりも長い。試験受信量が所定の許容量を超えて測定された受信量によって特徴付けられる光の量よりも大きい光の量を特徴付ける場合、障害状態が生成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの監視領域(14)を監視するために設けられた光学検出デバイス(12)を動作させるための方法であって、前記光学検出デバイス(12)において、
少なくとも1つの発光素子(40)が、少なくとも1つの光信号(42)を送信するように作動され、
少なくとも1つの反射された光信号(60)が、少なくとも1つの受信器(52)の少なくとも2つの受信領域(56)を使用して受信され、
少なくとも1つの受信した光信号(42)を使用して少なくとも1つの受信変数(54)を決定し、
前記検出デバイス(12)の機能安全が少なくとも断続的に検査される、方法において、
前記光信号(42)の各々の前記送信の持続時間が、前記検出デバイス(12)の眼の安全性を達成するために、指定された送信時間間隔(TS)に制限され、
前記検出デバイス(12)の前記眼の安全性が、
前記受信領域(56)の少なくとも1つを測定受信領域(56
M)として構成し、前記受信領域(56)の少なくとも1つを試験受信領域(56
T)として構成することによって検査され、
少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)において少なくとも1つの測定受信領域(56
M)を使用して捕捉された光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を生成することによって検査され、
少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)において少なくとも1つの試験受信領域(56
T)を使用して捕捉された光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数(54
T)を生成することによって検査され、
前記少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)は、前記少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)よりも長く、前記少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)は、前記送信時間間隔(TS)よりも長く、
少なくとも1つの試験受信変数(54
T)が、前記少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を使用して特徴付けられた前記光の量よりも、指定された許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、障害状態が生成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)及び/若しくは少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)及び/若しくは送信時間間隔(TS)が、少なくとも部分的に時間的に重複するように実現され、
並びに/又は、少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)及び/若しくは少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)及び/若しくは送信時間間隔(TS)が同時に開始される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
空間的に隣接する受信領域(56)の少なくとも1つの試験受信変数(54
T)及び少なくとも1つの測定受信変数(54
M)が決定され、
並びに/又は、少なくとも2つの空間的に隣接する測定受信領域(56
M)のそれぞれの測定受信変数(54
M)が決定され、
並びに/又は、少なくとも2つの空間的に隣接する試験受信領域(56
T)のそれぞれの試験受信変数(54
T)が決定される
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)が、前記送信時間間隔(TS)と略同じ長さを有するものとして指定され、
及び/又は、前記少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)が、少なくとも1つの送信時間間隔(TS)よりも長い長さを有さないものとして指定される
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
眼の安全性に関する少なくとも1回の検査が、前記検出デバイス(12)の通常動作中に実行され、
及び/又は、眼の安全性に関する少なくとも1回の検査が、前記検出デバイス(12)の通常動作外で実行される
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの発光素子(40)が変調光信号(42)を送信するために使用されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
生成された前記障害状態が、少なくとも前記少なくとも1つの発光素子(40)、少なくとも1つのエラー信号、少なくとも1つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的出力信号などの停止であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの監視領域(14)を監視するための光学検出デバイス(12)であって、
光信号(42)を送信するための少なくとも1つの発光素子(40)を有し、
反射された光信号(42)を受信するための少なくとも2つの受信領域(56)を有し、
受信した光信号(42)から受信変数(54)を決定するための少なくとも1つの手段(52)を有し、
前記光学検出デバイス(12)を制御し、受信変数(54)を処理するための少なくとも1つの手段(38)を有し、
前記検出デバイス(12)の機能安全を検査するための少なくとも1つの手段(62,63)を有する、
光学検出デバイス(12)において、
前記検出デバイス(12)が、眼の安全性を達成するために、光信号(42)の前記送信の持続時間を指定された送信時間間隔(TS)に制限するための少なくとも1つの安全手段(36,47)と、前記少なくとも1つの安全手段(36,47)のための少なくとも1つの検査デバイス(38,62,63)とを有し、
前記検査デバイス(38,62,63)が、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)において少なくとも1つの測定受信領域(56
M)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を測定受信領域(56
M)として構成するための手段と、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)において少なくとも1つの試験受信領域(56
T)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数(54
T)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を試験受信領域(56
T)として構成するための手段と、
前記受信変数(54)の少なくともいくつかを評価するための手段と、
少なくとも1つの試験受信変数(54
T)が、少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を使用して特徴付けられた光の量よりも大きい、許容変数外の光の量を特徴付ける場合、少なくとも1つの障害状態を生成するための手段と
を有することを特徴とする、光学検出デバイス(12)。
【請求項9】
少なくとも1つの測定受信領域(56
M)及び少なくとも1つの試験受信領域(56
T)が、同じタイプの受信領域(56)から形成され、
並びに/又は、少なくとも1つの測定受信領域(56
M)及び/若しくは少なくとも1つの試験受信領域(56
T)が、異なる時間間隔(TE
M,TE
T)で受信変数(54)を記録するように別々に構成可能である
ことを特徴とする、請求項8に記載の検出デバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの受信器(52)が、それぞれの受信領域(56)を生成するために使用される複数のポイントセンサ、少なくとも1つのラインセンサ、及び/又は少なくとも1つのエリアセンサを有することを特徴とする、請求項9又は10に記載の検出デバイス。
【請求項11】
少なくとも1つの監視領域(14)を監視するための少なくとも1つの検出デバイス(12)を有する車両(10)であって、前記少なくとも1つの検出デバイス(12)が、
光信号(42)を送信するための少なくとも1つの発光素子(40)と、
反射された光信号(42)を受信するための少なくとも2つの受信領域(56)と、
受信した光信号(42)から受信変数(54)を決定するための少なくとも1つの手段(52)と、
前記光学検出デバイス(12)を制御し、受信変数(54)を処理するための少なくとも1つの手段(38)と、
前記検出デバイス(12)の機能安全を検査するための少なくとも1つの手段(62,63)と
を有する、車両(10)において、
前記検出デバイス(12)が、眼の安全性を達成するために、光信号(42)の前記送信の持続時間を指定された送信時間間隔(TS)に制限するための少なくとも1つの安全手段(36,47)と、前記少なくとも1つの安全手段(36,47)のための少なくとも1つの検査デバイス(38,62,63)とを有し、
前記検査デバイス(38,62,63)が、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)において少なくとも1つの測定受信領域(56
M)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を測定受信領域(56
M)として構成するための手段と、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)において少なくとも1つの試験受信領域(56
T)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数(54
T)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を試験受信領域(56
T)として構成するための手段と、
前記受信変数(54)の少なくともいくつかを評価するための手段と、
少なくとも1つの試験受信変数(54
T)が、少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を使用して特徴付けられた光の量よりも、許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、少なくとも1つの障害状態を生成するための手段と
を有することを特徴とする、車両(10)。
【請求項12】
前記車両(10)が少なくとも1つの運転者支援システム(20)を有することを特徴とする、請求項11に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも監視領域を監視するために設けられた光学検出デバイスを動作させるための方法であって、
少なくとも1つの発光素子が、少なくとも1つの光信号を送信するように作動され、
少なくとも1つの反射された光信号が、少なくとも1つの受信器の少なくとも2つの受信領域を使用して受信され、
少なくとも1つの受信した光信号を使用して少なくとも1つの受信変数を決定し、
検出デバイスの機能安全が少なくとも断続的に検査される、
方法に関する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つの監視領域を監視するための光学検出デバイスであって、
光信号を送信するための少なくとも1つの発光素子を有し、
反射された光信号を受信するための少なくとも2つの受信領域を有し、
受信した光信号から受信変数を決定するための少なくとも1つの手段を有し、
光学検出デバイスを制御し、受信変数を処理するための少なくとも1つの手段を有し、
検出デバイスの機能安全を検査するための少なくとも1つの手段を有する、
光学検出デバイスに関する。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも1つの監視領域を監視するための少なくとも1つの検出デバイスを有する車両であって、少なくとも1つの検出デバイスが、
光信号を送信するための少なくとも1つの発光素子と、
反射された光信号を受信するための少なくとも2つの受信領域と、
受信した光信号から受信変数を決定するための少なくとも1つの手段と、
光学検出デバイスを制御し、受信変数を処理するための少なくとも1つの手段と、
検出デバイスの機能安全を検査するための少なくとも1つの手段と
を有する、車両に関する。
【背景技術】
【0004】
光学走査システムを較正するための方法が、独国特許出願公開第102017223618号明細書から知られている。この方法は、光学送信ユニットがレーザ線を送信するステップから開始され、レーザ線は暗相中にハウジングの後部領域に送信される。言い換えれば、光学走査システムは、光学線に対して不透過性であるハウジングの後部又は後部領域に放射する。後続のステップでは、レーザ線は、ハウジングの後部領域に配置された反射器ユニットを使用して方向転換される。これは、反射器ユニットが、レーザ線が光学受信ユニットによって直ちに、すなわちハウジングの外側の周囲からの物体と相互作用することなく受信又は捕捉されるように、レーザ線を方向転換させることを意味する。後続のステップでは、反射器ユニットによって方向転換又は偏向されたレーザ線が受信ユニットによって受信される。後続のステップでは、レーザ線の向きが決定され、後続のステップでは、レーザ線の向きに基づいて、光学受信ユニットの検出器ユニットが較正される。検出器ユニットが較正されるステップの代替として、又は追加的に、1つのステップは、方向転換されたレーザ線に基づいてレーザ出力を決定することを含むことができる。任意選択的に、レーザ線の向きが決定されるステップに続く別個のステップは、方向転換されたレーザ線に基づいて眼の安全性を決定することと、方向転換されたレーザ線、又は光学走査システムの機能安全に基づいて個々のレーザダイオードを監視することとを含むことができる。
【0005】
本発明は、検出デバイスの機能安全が改善された上記のタイプの方法、検出デバイス、及び車両を設計する目的に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017223618号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明は、
光信号の各々の送信の持続時間が、検出デバイスの眼の安全性を達成するために、指定された送信時間間隔に制限され、
検出デバイスの眼の安全性が、
受信領域の少なくとも1つを測定受信領域として構成し、受信領域の少なくとも1つを試験受信領域として構成することによって検査され、
少なくとも1つの測定時間間隔において少なくとも1つの測定受信領域を使用して捕捉された光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数を生成することによって検査され、
少なくとも1つの試験時間間隔において少なくとも1つの試験受信領域を使用して捕捉された光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数を生成することによって検査され、
少なくとも1つの試験時間間隔は、少なくとも1つの測定時間間隔よりも長く、少なくとも1つの試験時間間隔は、送信時間間隔よりも長く、
少なくとも1つの試験受信変数が、少なくとも1つの測定受信変数を使用して特徴付けられた光の量よりも、指定された許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、障害状態が生成される
という点で、本方法のこの目的を達成する。
【0008】
本発明によれば、光信号の送信を制限することによって、検出デバイスに対する眼の安全性が達成される。この目的のために、光信号の送信の持続時間は、各場合の指定された送信時間間隔に制限される。送信時間間隔の持続時間にわたって送信される光信号の場合、送信時間間隔が長いほど、送信される光の量が多くなる。送信時間間隔に対して送信される光の量を制限することによって、検出デバイスに対する眼の安全性が達成される。送信時間間隔は、特に送信される光信号のタイプに基づいて、眼の安全性が確実に達成されるように指定される。
【0009】
本発明の意味の範囲内での検出デバイスの眼の安全性は、検出デバイスを動作させるときに特に法的に規定された眼の安全限界が遵守されることを保証する検出デバイスの機能及び/又は特性である。眼の安全性は、検出デバイスの機能安全である。
【0010】
有利には、少なくとも1つの安全手段を使用して光信号の送信の持続時間を制限することは、特にソフトウェア及び/又はハードウェアによって実行することができる。
【0011】
有利には、少なくとも1つの送信時間間隔は、光信号の送信が眼の安全限界を大幅に下回るように指定することができる。これにより、眼の安全限界が安全に遵守されることが保証される。
【0012】
少なくとも1つの受信器の受信領域は、エコー信号と呼ぶことができる反射された光信号を受信し、それらを受信変数に変換するために使用される。有利には、受信領域は、少なくとも1つの監視領域から、特に物体によって反射された光信号を受信するために使用することができる。受信変数は、監視領域に関する情報、特に検出デバイスに対する物体の距離、速度及び/又は方向などの物体情報を決定するために使用することができる。
【0013】
さらに、少なくとも1つの受信変数は、検出デバイスに対する眼の安全性を検査するための基礎として取得することができる。これは、少なくとも1つの監視領域から来るエコー信号に由来する受信変数を使用することを含むことができる。代替的又は追加的に、検出デバイス内で反射された光信号からの受信変数が使用され得る。
【0014】
特に少なくとも1つの安全手段の誤動作は、送信時間間隔の終了後に光信号が依然として送信されることにつながる可能性がある。これにより、眼の安全性が損なわれる可能性がある。
【0015】
検出デバイスの眼の安全性、特に少なくとも1つの安全手段の機能を検査するために、反射された光信号は、少なくとも2つの受信領域、すなわち少なくとも1つの測定受信領域及び少なくとも1つの試験受信領域を使用して受信され、それぞれの受信変数に変換される。反射された光信号は、少なくとも1つの測定時間間隔の持続時間にわたって、少なくとも1つの測定受信領域を使用して捕捉される。少なくとも1つの試験受信領域は、少なくとも1つの試験時間間隔の持続時間にわたって、光信号を捕捉するために使用される。
【0016】
少なくとも1つの試験時間間隔は、送信時間間隔よりも長い。このようにして、少なくとも1つの試験受信領域は、少なくとも1つの発光素子を使用して少なくとも1つの測定時間間隔の終了を超えて送信される光信号を捕捉するために使用することができる。
【0017】
少なくとも1つの試験時間間隔は、少なくとも1つの測定時間間隔及び送信時間間隔よりも長い。このようにして、少なくとも1つの試験受信領域は、少なくとも1つの測定受信領域よりも長い期間にわたって光信号を受信及び変換するために使用することができる。
【0018】
このようにして、少なくとも1つの測定受信領域及び少なくとも1つの測定時間間隔は、眼の安全性が機能している、特に安全手段が機能しているという仮定に基づいて、発光に関する目標状態を特徴付けるために使用することができる。少なくとも1つの試験受信領域及び少なくとも1つの試験時間間隔は、眼の安全性のための、特に少なくとも1つの安全手段のための発光に関する実際の状態を特徴付けるために使用することができる。
【0019】
少なくとも1つの試験受信変数を使用して特徴付けられた光の量が、少なくとも1つの測定受信変数を使用して特徴付けられる光の量よりも、指定された許容限界外で大きい場合、すなわち、発光に関する実際の状態が目標状態から許容限界外に逸脱する場合、少なくとも1つの試験受信領域は、少なくとも1つの測定時間間隔の終了と少なくとも1つの試験時間間隔の終了との間の期間に、少なくとも1つの発光素子を使用して送信された光信号に由来するエコー信号を捕捉し続けていると結論付けられる。このことから、光信号の送信の制限に誤りがあると結論付けられる。次いで、検出デバイスの眼の安全性を脅かさないように、障害状態が生成される。
【0020】
試験受信変数と測定受信変数との比較のための許容限界は、特に生産ラインの終了において有利に指定することができる。許容限界は、有利には0とすることができる。
【0021】
測定受信領域及び試験受信領域は、有利には、同じタイプの受信領域とすることができる。眼の安全性、特に少なくとも1つの安全手段の機能を検査するために、受信領域のいくつかは、測定受信領域として構成することができ、受信領域の他の例は、試験受信領域として構成することができる。
【0022】
有利には、少なくとも1つの発光素子は、特にパルスレーザ信号の形態で光信号を送信するために使用することができる。レーザ信号は、簡単かつ正確に生成することができる。
【0023】
有利には、検出デバイスは、信号飛行時間法、特に信号パルス飛行時間法に従って動作することができる。信号パルス飛行時間法に従って動作する検出デバイスは、飛行時間(TOF)システム、光検出及び測距(LiDAR)システム、レーザ検出及び測距(LaDAR)システムなどとして設計及び参照することができる。
【0024】
有利には、検出デバイスは、走査システムとして設計することができる。これに関連して、監視領域は、光信号を使用してサンプリングする、すなわち走査することができる。この目的のために、光信号の伝播方向は、監視領域上で変更することができ、特に旋回させることができる。これは、少なくとも1つの信号偏向デバイス、特に走査デバイス、偏向ミラーデバイスなどを使用することを含むことができる。あるいは、検出デバイスは、いわゆるフラッシュシステム、特にフラッシュLiDARとして設計することができる。適切に拡散された光信号は、監視領域の比較的大きな部分又は監視領域全体を同時に照射することができる。
【0025】
有利には、検出デバイスは、レーザベースの距離測定システムとして設計することができる。レーザベースの距離測定システムは、信号源としてレーザ、特にダイオードレーザを含むことができる。レーザは、特にパルスレーザ信号を送信するために使用することができる。レーザを使用して、人間の目に見える又は見えない波長範囲の光信号を放出することができる。したがって、検出デバイスの受信器は、センサ、特にポイントセンサ、ラインセンサ及び/又はエリアセンサ、特に(アバランシェ)フォトダイオード、フォトダイオードライン、CCDセンサ、アクティブピクセルセンサ、特にCMOSセンサなどを有するか、又はそれらから構成することができ、これらは送信される光信号の波長に対して設計される。レーザベースの距離測定システムは、有利には、レーザスキャナとして設計することができる。レーザスキャナを使用して、特にパルスレーザ信号、特にレーザビームで監視領域を走査することができる。
【0026】
本発明は、車両、特に自動車に有利に使用することができる。本発明は、陸上車両、特に乗用車、トラック、バス、オートバイなど、航空機、特にドローン、及び/又は船舶に有利に使用することができる。本発明はまた、自律的又は少なくとも半自律的に動作することができる車両に使用することができる。しかしながら、本発明は車両に限定されない。本発明はまた、静止動作、ロボット工学及び/又は機械、特にクレーン、掘削機などの建設又は輸送機械において使用することができる。
【0027】
検出デバイスは、有利には、車両又は機械の少なくとも1つの電子制御デバイス、特に運転者支援システム及び/又はシャーシ制御システム及び/又は運転者情報デバイス及び/又は駐車支援システム及び/又はジェスチャ認識システムなどに接続され得るか、又はそれらの一部とすることができる。このようにして、車両又は機械の機能の少なくともいくつかは、自律的又は半自律的に実施することができる。
【0028】
検出デバイスは、静止若しくは移動物体、特に車両、人、動物、植物、障害物、道路の不規則性、特に窪み若しくは岩石、道路境界、交通標識、空きスペース、特に駐車スペース、降雨など、及び/又は動き及び/又はジェスチャを検出するために使用することができる。
【0029】
本方法の1つの有利な構成では、
少なくとも1つの測定時間間隔及び/若しくは少なくとも1つの試験時間間隔及び/若しくは送信時間間隔は、少なくとも部分的に時間的に重複するように実現することができ、
並びに/又は少なくとも1つの測定時間間隔及び/若しくは少なくとも1つの試験時間間隔及び/若しくは送信時間間隔は、同時に開始することができる。このようにして、少なくとも1つの測定受信領域及び少なくとも1つの試験受信領域を使用して、同じ光信号を少なくとも断続的に受信することができる。これにより、それぞれの決定された受信変数をより効果的に互いに比較することが可能になる。さらに、測定受信変数及び試験受信変数は、時間節約的に同時に決定することができる。
【0030】
時間間隔を同時に開始することにより、ギャップを回避することが可能になる。これにより、測定受信変数と試験受信変数とをより効果的に比較することが可能になる。
【0031】
代替的又は追加的に、少なくとも1つの測定時間間隔及び少なくとも1つの試験時間間隔は、重複せず連続して開始することができる。このようにして、測定受信変数の決定及び試験受信変数の決定は、連続して実施することができる。
【0032】
本方法のさらなる有利な構成では、
空間的に隣接する受信領域の少なくとも1つの試験受信変数及び少なくとも1つの測定受信変数を決定することができ、
及び/又は少なくとも2つの空間的に隣接する測定受信領域のそれぞれの測定受信変数を決定することができ、
及び/又は少なくとも2つの空間的に隣接する試験受信領域のそれぞれの試験受信変数を決定することができる。このようにして、関与する受信領域を使用して、同じ光信号を受信することができる。これにより、決定された受信変数の比較可能性をさらに改善することが可能になる。
【0033】
有利には、少なくとも2つの空間的に隣接する測定受信領域のそれぞれの測定受信変数を決定することができる。代替的又は追加的に、少なくとも2つの空間的に隣接する試験受信領域のそれぞれの試験受信変数を決定することができる。このようにして、光信号を捕捉するときに、空間分解能がさらに獲得され得る。これにより、特に、光信号が来る方向において決定することが可能になる。有利には、複数の測定受信領域及び/又は複数の試験受信領域は、行列形式及び/又は行に配置することができる。
【0034】
本方法のさらなる有利な構成では、
少なくとも1つの測定時間間隔は、送信時間間隔と略同じ長さを有するものとして指定することができ、
及び/又は、少なくとも1つの測定時間間隔は、少なくとも1つの送信時間間隔よりも長い長さを有さないものとして指定することができる。このようにして、眼の安全性が機能している、特に少なくとも1つの安全手段が機能しているという仮定に基づいて、少なくとも1つの測定受信領域を使用して、発光に関する目標状態がより正確に特徴付けられ得る。
【0035】
有利には、少なくとも1つの測定時間間隔は、少なくとも1つの送信時間間隔よりも長い長さを有さないものとして指定することができる。このようにして、少なくとも1つの測定受信領域を少なくとも1つの測定時間間隔の間に使用して、眼の安全性が機能しているとき、特に安全手段が機能しているときに、少なくとも1つの発光素子を使用して送信時間間隔の間に送信された最大光量を捕捉することができる。
【0036】
本方法のさらなる有利な構成では、
眼の安全性に関する少なくとも1回の検査が、検出デバイスの通常動作中に実行され、
及び/又は、眼の安全性に関する少なくとも1回の検査が、検出デバイスの通常動作外で実行される。
【0037】
通常動作中に眼の安全性を検査する場合、安全停止は、より頻繁に検査され得る。
【0038】
通常動作外で眼の安全性を検査する場合、すべての受信領域は、通常動作中に代わって、測定受信領域として使用され得る。
【0039】
有利には、眼の安全性の検査は、検出デバイスがオンに切り替えられた後に実行することができる。このようにして、通常動作が始まる前に、誤動作が検出され得る。
【0040】
本方法のさらなる有利な構成では、少なくとも1つの発光素子が、変調光信号を送信するために使用され得る。このようにして、少なくとも1つの監視領域に関する情報、特に監視領域内の検出された物体の距離、速度及び/又は方向が、より効果的に、特により容易に、及び/又はより正確に決定され得る。
【0041】
有利には、変調光信号は、光パルスの形態で送信することができる。このようにして、検出デバイスは、特に飛行時間法に従って動作することができる。代替的又は追加的に、変調光信号は、連続波信号として送信することができる。
【0042】
有利には、少なくとも1つの光電素子は、光信号を送信するために、特に電気トリガ信号によって作動され得る。トリガ信号は、検出デバイス、特に制御デバイス及び/又はドライバデバイスの適切な手段を使用して生成することができる。
【0043】
本方法のさらなる有利な構成では、生成される障害状態は、少なくとも1つの光電素子、少なくとも1つのエラー信号、少なくとも1つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的出力信号などの停止であり得る。
【0044】
少なくとも1つの光電素子を停止させることにより、光信号のさらなる送信を確実にすることが可能になる。
【0045】
エラー信号を使用して、検出デバイスの誤りのある状態、特に検出デバイスの眼の安全性に関する情報を出力することができる。エラー信号は、特に自動的に処理され得る。
【0046】
視覚的、聴覚的及び/又は触覚的出力信号を使用して、検出デバイスのユーザ及び/又は検出デバイスの保守要員に障害の存在を直接通知することができる。
【0047】
さらに、本発明は、
検出デバイスが、眼の安全性を達成するために、光信号の送信の持続時間を指定された送信時間間隔に制限するための少なくとも1つの安全手段と、少なくとも1つの安全手段のための少なくとも1つの検査デバイスとを有し、
検査デバイスが、
少なくとも1つの受信した光信号から、少なくとも1つの測定時間間隔において少なくとも1つの測定受信領域を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域を測定受信領域として構成するための手段と、
少なくとも1つの受信した光信号から、少なくとも1つの試験時間間隔において少なくとも1つの試験受信領域を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域を試験受信領域として構成するための手段と、
受信変数の少なくともいくつかを評価するための手段と、
少なくとも1つの試験受信変数が、少なくとも1つの測定受信変数を使用して特徴付けられた光の量よりも、許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、少なくとも1つの障害状態を生成するための手段と
を有する
という点で、本検出デバイスの本目的を達成する。
【0048】
本発明によれば、検出デバイスは、光信号の送信を制限するための少なくとも1つの安全手段を検査するための少なくとも1つの検査デバイスを有する。検査デバイスは、少なくとも1つの安全手段が正しく機能しているかどうかを検査するために使用することができる。少なくとも1つの安全手段の機能は、光信号の送信の持続時間を制限することである。このようにして、少なくとも1つの安全手段を使用して眼の安全性を達成することができる。したがって、少なくとも1つの検査デバイスを使用して、検出デバイスの眼の安全性を検査することができる。
【0049】
少なくとも1つの検査デバイスは、少なくとも1つの安全手段が、誤動作のために指定された送信時間間隔の後に光信号の送信を停止しない場合を判定するために使用することができる。この場合、検査デバイスの手段を使用して障害状態を生成することができる。障害状態は、適切な手段を含むことができる。特に、少なくとも1つの発光素子が停止され得る。代替的又は追加的に、少なくとも1つのエラー信号及び/又は少なくとも1つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的出力信号が生成され得る。
【0050】
有利な一実施形態では、
少なくとも1つの測定受信領域及び少なくとも1つの試験受信領域は、同じタイプの受信領域から形成されてもよく、
及び/又は、少なくとも1つの測定受信領域及び/又は少なくとも1つの試験受信領域は、異なる時間間隔で受信変数を記録するように別々に構成可能であってもよい。
【0051】
少なくとも1つの測定受信領域及び/又は少なくとも1つの試験受信領域は、同じタイプの受信領域から形成されてもよい。このようにして、少なくとも1つの受信器の受信領域は、測定受信領域又は試験受信領域のいずれかとして構成することができる。
【0052】
代替的又は追加的に、少なくとも1つの測定受信領域及び/又は少なくとも1つの試験受信領域は、異なる時間間隔で受信変数を記録するために別々に作動可能であってもよい。このようにして、測定受信領域及び試験受信領域は、異なる時間間隔にわたってアクティブ化することができる。
【0053】
さらなる有利な実施形態では、
少なくとも1つの受信器は、それぞれの受信領域を生成するために使用される複数のポイントセンサ、少なくとも1つのラインセンサ、及び/又は少なくとも1つのエリアセンサを有することができる。
【0054】
ポイントセンサは、特定の受信領域を実装するために使用される。複数のポイントセンサの使用により、複数の受信領域を生成することが可能になる。ポイントセンサは、特にフォトダイオードなどであってもよい。
【0055】
ラインセンサの場合、複数の受信領域が行に配置される。ラインセンサは、互いに隣接して配置された単一のポイントセンサよりもコンパクトに製造することができ、及び/又はより容易に読み取ることができる。ラインセンサは、有利には、ダイオードリニアアレイ又はエリアセンサ、特にCCDセンサ、アクティブピクセルセンサなどの行として実現することができる。
【0056】
エリアセンサの場合、複数の受信領域が2次元に、特に行列の形態で配置される。エリアセンサは、有利には、CCDセンサ、アクティブピクセルセンサなどとして実現することができる。
【0057】
さらに、ラインセンサ及びエリアセンサは、空間分解測定にも使用することができる。
【0058】
さらに、本発明は、
検出デバイスが、眼の安全性を達成するために、光信号の送信の持続時間を指定された送信時間間隔に制限するための少なくとも1つの安全手段と、少なくとも1つの安全手段のための少なくとも1つの検査デバイスとを有し、
検査装置が、
少なくとも1つの受信した光信号から、少なくとも1つの測定時間間隔において少なくとも1つの測定受信領域を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域を測定受信領域として構成するための手段と、
少なくとも1つの受信した光信号から、少なくとも1つの試験時間間隔において少なくとも1つの試験受信領域を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域を試験受信領域として構成するための手段と、
受信変数の少なくともいくつかを評価するための手段と、
少なくとも1つの試験受信変数が、少なくとも1つの測定受信変数を使用して特徴付けられた光の量よりも、許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、少なくとも1つの障害状態を生成するための手段と
を有する
という点で、本車両の本目的を達成する。
【0059】
本発明によれば、車両は、眼の安全限界を遵守する少なくとも1つの検出デバイスを有する。少なくとも1つの検出デバイスは、特に物体について、車両の外側及び/又は車両の内側の少なくとも1つの監視領域を監視するために使用することができる。
【0060】
有利な実施形態では、車両は、少なくとも1つの運転者支援システムを有することができる。運転者支援システムは、車両を自律的又は半自律的に動作させるために使用することができる。
【0061】
有利には、少なくとも1つの検出デバイスは、少なくとも1つの運転者支援システムに機能的に接続され得る。このようにして、監視領域に関する情報、特に少なくとも1つの検出デバイスを使用して決定された物体情報は、車両の自律的又は半自律的な動作を制御するための少なくとも1つの運転者支援システムで使用され得る。
【0062】
さらに、本発明による方法、本発明による検出デバイス、及び本発明による車両に関連して示された特徴及び利点、並びにそれらのそれぞれの有利な構成は、相互に対応する様式で適用され、逆もまた同様である。個々の特徴及び利点は、当然、互いに組み合わせることができ、個々の効果の総和を超えるさらなる有利な効果が生じ得る。
【0063】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、本発明の例示的な実施形態が図面を参照してより詳細に説明される以下の説明から明らかになるであろう。当業者はまた好都合に、図面、明細書及び特許請求の範囲において組み合わせて開示されている特徴を個々に考慮し、それらを組み合わせて意味のあるさらなる組み合わせを形成するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】車両の前方の進行方向の物体を検出するための運転者支援システム及びLiDARシステムを有する車両の正面図を示す。
【
図2】
図1の運転者支援システム及びLiDARシステムを有する車両の機能図を示す。
【
図3】2次元に配置された複数の受信領域を有する、
図1及び
図2のLiDARシステムの受信器からの詳細の平面図を示す。
【
図4】上から下に、
図1及び
図2のLiDARシステムのレーザを制御するためのトリガ出力信号のためのトリガ入力信号、トリガ出力信号、
図3の受信器の測定受信領域を作動させるための測定積分信号、及び受信器の試験受信領域を作動させるための試験積分信号の時間特性を示し、LiDARシステムの安全手段は、送信時間間隔後にレーザを使用したレーザ信号の送信を終了するために使用される。
【
図5】
図3の受信器の受信領域を含む列に沿って、それぞれの受信領域の積分時間にわたって積分されたレーザエコー信号から生成された受信変数の強度/受信領域グラフを示し、受信領域は、それぞれの積分信号を使用して測定受信領域及び試験受信領域として交互に作動され、LiDARシステムの安全手段は、送信時間間隔後にレーザを使用したレーザ信号の送信を終了するために使用される。
【
図6】上から下に、
図4と同様の時間特性を示し、レーザを使用した送信信号の送信は、送信時間間隔後に終了されていない。
【
図7】
図5と同様に受信変数の強度/受信領域グラフを示し、レーザを使用した送信信号の送信は、送信時間間隔後に終了されていない。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図面において、同一の要素には同一の参照符号が付されている。
【0066】
図1は、例えば乗用車の形態の車両10の正面図を示す。
【0067】
車両10は、例えばLiDARシステム12の形態の光学検出デバイスを有する。LiDARシステム12は、レーザスキャナとして設計されている。例えば、LiDARシステム12は、近接場レーザスキャナ(NFL)とすることができる。
図2は、LiDARシステム12を有する車両10の機能図を示す。
【0068】
例として、LiDARシステム12は、車両10のフロントフェンダに配置される。LiDARシステム12は、物体18について、車両10の前方の進行方向16の監視領域14を監視するために使用することができる。LiDARシステム12はまた、車両10上の別の点に配置することができ、異なる向きにすることができる。LiDARシステム12はまた、内部を監視するために車両10に配置することができる。LiDARシステム12は、物体情報、例えば、それぞれ車両10に対する、若しくはLiDARシステム12に対する物体18の距離、方向及び速度、又は対応する特性変数を決定するために使用することができる。
【0069】
物体18は、静止又は移動物体、例えば他の車両、人、動物、植物、障害物、道路の不規則性、例えば窪み又は岩石、道路境界、交通標識、空きスペース、例えば駐車スペース、降雨などであり得る。人のジェスチャも、LiDARシステム12を使用して検出することができる。
【0070】
LiDARシステム12は、車両10の運転者支援システム20に接続される。運転者支援システム20は、車両10を自律的又は半自律的に動作させるために使用することができる。
【0071】
LiDARシステム12は、例えば、例えばNFLセンサの形態のセンサユニット22と、制御ユニット24とを備える。センサユニット22は、インターフェース26、例えば低電圧差動信号(LVDS)インターフェース、例えばFPD-Link IIIを介して制御ユニット24に接続される。インターフェース26を生成するために、センサユニット22はシリアライザ28を有し、制御ユニット24はデシリアライザ30を有する。
【0072】
センサユニット22は、送信デバイス32と、受信デバイス34と、ドライバ及び安全デバイス36と、シリアライザ28とを備える。
【0073】
制御ユニット24は、制御及び評価デバイス38と、デシリアライザ30とを備える。
【0074】
インターフェース26は、受信デバイス34から制御及び評価デバイス38にデータを転送するために使用することができる。さらに、インターフェース26は、戻りチャネルを有する。戻りチャネルは、例えばI2Cプロトコルを使用して受信デバイス34と通信するために、制御及び評価デバイス38によって使用され得る。
【0075】
送信デバイス32は、信号源として、例えばレーザ40、例えばダイオードレーザを有する。レーザ40は、例えばパルスレーザ信号42を送信するために使用することができる。送信デバイス32は、必要に応じて、生成されたレーザ信号42に影響を与える、例えば拡散及び/又は集束させるために使用することができる少なくとも1つの光学システム、例えば少なくとも1つの光学レンズを任意選択的に有することができる。LiDARシステム12は、走査LiDARシステム又はフラッシュLiDARシステムとして設計することができる。
【0076】
さらに、送信デバイス32は、レーザ信号42を監視領域14内に導くために使用することができる信号偏向デバイスを任意選択的に有することができる。信号偏向デバイスは、変更可能、例えば旋回可能であり得る。このようにして、レーザ信号42の伝播方向は、旋回させることができ、監視領域14がサンプリング又は走査され得る。
【0077】
送信デバイス32は、制御接続44を介してドライバ及び安全デバイス36に接続される。制御接続44は、ドライバ及び安全デバイス36からのトリガ出力信号46でレーザ40を作動させて、レーザ信号42を送信するために、使用することができる。
図4は、経時的なトリガ出力信号46からの詳細の一例を示す。
【0078】
ドライバ及び安全デバイス36は、信号接続48を介して受信デバイス34に接続される。信号接続48は、受信デバイス34からドライバ及び安全デバイス36にトリガ入力信号50を送信するために使用することができる。
図4は、経時的なトリガ入力信号50からの詳細の一例を示す。
【0079】
ドライバ及び安全デバイス36は、信号接続48と制御接続44との間に、トリガ入力信号50を信号接続48から制御接続44に転送し、それらをトリガ出力信号46として送信デバイス32に送信するために使用することができる切断可能な接続を有する。
【0080】
ドライバ及び安全デバイス36は、信号接続48と制御接続44との間の接続を遮断するために使用することができる安全手段47を有する。安全手段47は、例えば、レーザ信号42の送信を指定された送信時間間隔TSに制限するために使用することができる。送信時間間隔TSは、送信された光信号42が眼の安全限界を下回るように指定される。したがって、LiDARシステム12を動作させるときに眼の安全性が達成され得る。
【0081】
受信デバイス34は、受信器52と、受信器52を制御し、受信変数54を生成するための電子構成部品とを有する。受信器52及び電子構成部品は、例えば、「システムオンチップ」としてのイメージセンサ、いわゆるイメージャとして実現することができる。さらに、受信デバイス34は、トリガ入力信号50を生成するために使用することができる信号生成手段を有する。
【0082】
受信器52は、例えばCCDアレイの形態のエリアセンサとして実現される。あるいは、アクティブピクセルセンサ、複数のフォトダイオードリニアアレイなどが設けられてもよい。受信器52からの詳細が、
図3に平面図で示されている。受信器52は、複数の行58に互いに隣接して配置された複数の受信領域56を有する。受信領域56は、「ピクセル」と呼ぶこともできる。
【0083】
受信領域56は、光信号、例えば監視領域14内の物体18によって反射されたレーザ信号42からのエコー信号60を、対応する電気受信信号に変換するために使用することができる。受信信号は、受信変数54を生成するために使用することができる。受信変数54は、受信エコー信号60、例えばその光の量又は光エネルギーを特徴付けるために使用することができる。
【0084】
受信領域56は、それぞれの受信変数54が到来するエコー信号60から生成され得る異なる時間間隔TEに対してアクティブ化することができる。時間間隔TEは、「積分時間」と呼ぶこともできる。例として、同じ行58に位置する受信領域56は、同じ時間間隔TEでアクティブ化することができる。
【0085】
受信デバイス34は、任意選択的に、その光学入力側に、エコー信号60を受信器52に導くために使用することができるエコー信号偏向デバイス及び/又は光学システム、例えば光学レンズを有することができる。
【0086】
受信デバイス34は、シリアライザ28及びデシリアライザ30を含むインターフェース26によって制御及び評価デバイス38に接続される。
【0087】
制御及び評価デバイス38は、受信デバイス34を使用して生成された受信変数54を処理するために使用することができる。例えば、制御及び評価デバイス38を使用して、受信変数54を取得し、そこから物体変数、例えば、LiDARシステム12に対する、又は車両10に対する検出された物体18の距離、方向及び/又は速度を特徴付ける距離変数、方向変数及び/又は速度変数を決定することができる。
【0088】
さらに、制御及び評価デバイス38は、例えばI2Cプロトコルを使用して受信器52を構成するために使用することができる。例えば、受信領域56は、それぞれの時間間隔TEに対して適切な積分信号64でアクティブ化することができる。積分信号64は、例えば、適用可能な時間間隔TEの長さを有する方形波パルスとすることができる。積分信号64の方形波パルスの立ち上がりエッジを使用して、それぞれの時間間隔TEを開始し、方形波パルスの持続時間にわたってエコー信号60を捕捉するために適用可能な受信領域56をアクティブ化することができる。
【0089】
さらに、制御及び評価デバイス38は、ドライバ及び安全デバイス36を構成するために使用することができる。例えば、レーザ40がレーザ信号42を送信するために使用される送信時間間隔TSの長さが指定され得る。さらに、制御及び評価デバイス38は、送信時間間隔TSを開始するために使用することができる。受信領域56の送信時間間隔TS及び時間間隔TEは、協調して、例えば同時に開始することができる。
【0090】
さらに、制御及び評価デバイス38は、安全停止試験手段62を有する。安全停止試験手段62は、ドライバ及び安全デバイス36の安全手段47の機能を試験し、誤動作が検出された場合、レーザ信号42のさらなる送信を防止するために使用することができる。
【0091】
この目的のために、安全停止試験手段62は、試験時間間隔TETの間のアクティブ化のための試験積分信号64Tによって、受信領域56のいくつかを試験受信領域56Tとして作動させることによって安全手段47の機能を検査するために使用することができる。受信領域56の他の例は、測定時間間隔TEMの間のアクティブ化のための測定積分信号64Mによって、測定受信領域56Mとして作動させることができる。
【0092】
測定時間間隔TEMは、例えば、送信時間間隔TSよりも僅かに短い。試験時間間隔は、測定時間間隔TEMよりも長く、送信時間間隔TSよりも長い。試験時間間隔TETは、LiDARシステム12が眼の安全限界を下回って動作するように指定される。
【0093】
さらに、安全停止試験手段62は、試験受信領域56Tによって検査中に決定された試験受信変数54Tを、測定受信領域56Mによって決定された測定受信変数54Mと比較するために使用することができる。試験受信変数54Tが、測定受信変数54Mを使用して特徴付けられる受信エコー信号60の光の量よりも大きい受信エコー信号60の光の量を特徴付ける場合、安全停止試験手段62の障害状態制御手段63を使用して障害状態を生成することができる。例えば、障害状態制御手段63は、ドライバ及び安全デバイス36の信号接続48と制御接続44との間の接続を障害状態として遮断するために使用することができる。
【0094】
制御及び評価デバイス38並びにドライバ及び安全デバイス36の機能及び構成部品は、集中的又は局所的に実装されてもよい。制御及び評価デバイス38並びにドライバ及び安全デバイス36の機能及び構成部品のいくつかはまた、送信デバイス32及び/又は受信デバイス34に統合されてもよい。制御及び評価デバイス38、ドライバ及び安全デバイス36、並びに運転者支援システム20はまた、部分的に組み合わされてもよい。制御及び評価デバイス38並びにドライバ及び安全デバイス36の機能は、ソフトウェア及びハードウェアによって実装される。
【0095】
LiDARシステム12を動作させるための方法が、以下でより詳細に説明される。最初に、監視領域14を監視するための通常動作、次いで、ドライバ及び安全デバイス36の安全手段47を検査するための試験モードが説明される。
【0096】
通常動作中、制御及び評価デバイス38は、受信デバイス34を構成し、測定を開始するために使用される。すべての受信領域56は、測定受信領域56Mとして構成され、制御及び評価デバイス38によって指定される同じ測定積分信号64Mで作動される。測定受信領域56Mは、エコー信号60を受信するために同じ測定時間間隔TEMにわたってアクティブ化される。
【0097】
受信デバイス34は、測定時間間隔TEMの持続時間にわたって、トリガ入力信号50をドライバ及び安全デバイス36に送信する。ドライバ及び安全デバイス36は、トリガ入力信号50をトリガ出力信号46として制御接続44を介して送信デバイス32に送信する。トリガ出力信号46に応答して、レーザ40は、測定時間間隔TEMの持続時間にわたって、パルスレーザ信号42を監視領域14に送信するために使用される。
【0098】
測定積分信号64Mが始まるとき、ドライバ及び安全デバイス36は、指定された送信時間間隔TSを開始するためにさらに使用される。送信時間間隔TSが経過した後、安全手段47は、信号接続48と制御接続44との間の接続を遮断するために使用され、その結果、さらなるトリガ出力信号46は送信デバイス32に送信されない。したがって、レーザ信号42の送信が終了される。これにより、例えば測定積分信号64Mを送信するときに、誤動作が発生した場合に眼の安全限界を超えることが防止される。
【0099】
送信されたレーザ信号42は、例えば監視領域14内の物体18によって、LiDARシステム12の方向に反射される。測定時間間隔TEMの間、反射されたレーザ信号42は、測定受信領域56を使用してエコー信号60として受信され、それぞれの受信変数54Mが生成される。
【0100】
受信変数54
Mは、制御及び評価デバイス38に送信される。制御及び評価デバイス38は、受信器52の受信領域56
Mに沿ったエコー信号60の強度特性を特徴付ける振幅画像66を決定するために使用される。
図5は、一例として、受信器52の行58に垂直な列に沿った振幅画像66の区間を示す。
【0101】
さらに、制御及び評価デバイス38を使用して、受信変数54Mを取得し、そこから物体変数、例えば、LiDARシステム12に対する、又はそれぞれの受信領域56Mに対する検出された物体18の距離、方向及び/又は速度を特徴付ける距離変数、方向変数及び/又は速度変数を決定することができる。
【0102】
決定された物体変数は、運転者支援システム20に送信される。運転者支援システム20は、物体変数を使用して車両10を自律的又は半自律的に動作させるために使用される。
【0103】
安全停止試験手段62を使用して安全手段47を検査するための試験モードでは、制御及び評価デバイス38は、受信デバイス34を必要に応じて構成し、測定を開始するために使用される。受信領域56のいくつかは、測定受信領域56Mとして構成され、受信領域56のいくつかは、試験受信領域56Tとして構成される。例えば、受信領域56を含む行58は、測定受信領域56M及び試験受信領域56Tとして交互に構成される。測定受信領域56Mは、制御及び評価デバイス38によって指定される同じ測定積分信号64Mで作動される。測定受信領域56Mは、エコー信号60を受信するために同じ測定時間間隔TEMにわたってアクティブ化される。試験受信領域56Tは、制御及び評価デバイス38によって指定される同じ試験積分信号64Tで作動される。試験受信領域56Tは、同じ試験時間間隔TETにわたって、エコー信号60を受信する準備ができている。測定時間間隔TEMは、試験時間間隔TETと同じ時間に開始する。
【0104】
受信デバイス34は、測定時間間隔TEMの持続時間にわたって、トリガ入力信号50をドライバ及び安全デバイス36に送信する。ドライバ及び安全デバイス36は、トリガ入力信号50をトリガ出力信号46として送信デバイス32に転送する。トリガ出力信号46に応答して、レーザ40は、測定時間間隔TEMの持続時間にわたって、パルスレーザ信号42を監視領域14に送信するために使用される。
【0105】
測定積分信号64Mが始まるとき、ドライバ及び安全デバイス36は、指定された送信時間間隔TSを開始するためにさらに使用される。
【0106】
ドライバ及び安全デバイス36が正しく機能している場合、信号接続48と制御接続44との間の接続は、通常動作と同様に、送信時間間隔TSが経過した後に遮断され、その結果、トリガ出力信号46は送信デバイス32に送信されなくなる。したがって、レーザ信号42の送信が終了される。この状況の信号特性は、
図4に示されている。
【0107】
照明された測定受信領域56Mは、測定時間間隔TEMの間に、監視領域14内の物体18によってLiDARシステム12の方向に反射されたレーザ信号42をエコー信号60として受信するために使用され、それぞれの測定受信変数54Mが生成される。さらに、エコー信号60は、試験時間間隔TETの間に照明された試験受信領域56Tを使用して受信され、それぞれの試験受信変数54Tが生成される。
【0108】
測定受信変数54
M及び試験受信変数54
Tは、制御及び評価デバイス38に送信される。制御及び評価デバイス38は、受信器52の測定受信領域56
M及び試験受信領域56
Tに沿ったエコー信号60の強度特性を特徴付ける振幅画像66を決定するために使用される。
図5は、一例として受信器52の行58に垂直な列に沿った振幅画像66の区間を示し、ドライバ及び安全デバイス36はこの間正しく機能している。
【0109】
図4に示すように、送信時間間隔TSは、測定時間間隔TE
Mよりも僅かに長い。したがって、トリガ出力信号46は、測定時間間隔TE
Mの終了後に、例えばトリガ出力信号46のさらなる期間にわたってレーザ40をアクティブ化させてレーザ信号42を送信するために使用される。したがって、関連するエコー信号60の後ろの部分は、測定時間間隔TE
Mの外側ではアクティブではないため、測定受信領域56
Mを使用して受信されなくなる。しかしながら、エコー信号60の後ろの部分は、試験時間間隔TE
T内に試験受信領域56
Tを使用して受信される。結果として、試験受信領域56
Tは、測定受信領域56
Mよりも僅かに長い間、レーザ信号42のエコー信号60に曝される。したがって、適用可能な測定受信領域56
Mを使用して受信された光の量を特徴付ける測定受信変数54
Mは、
図5に示すように、それぞれの隣接する試験受信領域56
Tを使用して受信されたそれぞれの試験受信変数54
Tよりも僅かに小さい。隣接する測定受信領域56
Mの測定受信変数54
Mと、試験受信領域56
Tの試験受信変数54
Tとの間の強度差は、例えば指定された許容限界内にある。隣接する試験受信変数54
Tと測定受信変数54
Mとは、互いに比較される。強度差が許容限界内にあるため、安全停止試験手段62を使用して障害状態は生成されない。
【0110】
ドライバ及び安全デバイス36、又は安全手段47が正しく機能していない場合、送信時間間隔TSが経過した後に信号接続48と制御接続44との間の接続が遮断されないことが起こり得る。したがって、トリガ出力信号46は、依然として送信デバイス32に送信される。光信号42の送信は、送信時間間隔TSが経過した後も継続される。この状況の信号特性は、
図6に示されている。光信号42が比較的長い時間にわたって送信された場合、眼の安全性が脅かされる。
【0111】
不具合のない動作の場合と同様に、監視領域14内の物体18によってLiDARシステム12の方向に反射されたレーザ信号42は、測定時間間隔TEMの間にそれぞれの測定受信領域56Mを使用してエコー信号60として受信され、対応する測定受信変数54Mが生成される。さらに、エコー信号60は、試験時間間隔TETの間にそれぞれの試験受信領域56Tを使用して受信され、対応する試験受信変数54Tが生成される。
【0112】
ドライバ及び安全デバイス36の不具合のない動作と同様に、測定受信変数54
M及び試験受信変数54
Tは、制御及び評価デバイス38に送信される。制御及び評価デバイス38は、受信器52の受信領域56に沿ったエコー信号60の強度特性を特徴付ける振幅画像66を決定するために使用される。
図7は、
図5と同様に、受信器52の行58に垂直な列に沿った振幅画像66の区間を示し、この場合、ドライバ及び安全デバイス36は正しく機能していない。
【0113】
図6に示すように、誤動作は、送信時間間隔TSの終了後にトリガ出力信号46が継続され、レーザ信号42を送信するためにレーザ40が依然としてアクティブ化されていることを意味する。測定時間間隔TE
Mの終了後、継続されたレーザ信号42のエコー信号60の後ろの部分は、測定受信領域56
Mを使用して受信されなくなる。しかしながら、エコー信号60の後ろの部分は、試験時間間隔TE
Tの終了まで、試験受信領域56
Tを使用して受信される。結果として、試験受信領域56
Tは、測定受信領域56
Mよりもはるかに長い間、レーザ信号42に曝される。測定受信領域56
Mの測定受信変数54
Mは、
図7に示すように、
図5に示すような不具合のない動作と比較して、それぞれの隣接する試験受信領域56
Tの試験受信変数54
Tよりも著しく小さい。
【0114】
隣接する試験受信変数54Tと測定受信変数54Mとは、互いに比較される。隣接する測定受信領域56Mの測定受信変数54Mと、試験受信領域56Tの試験受信変数54Tとの間の強度差は、指定された許容限界外にあるため、安全手段47の誤動作が想定される。安全停止試験手段62は、ドライバ及び安全デバイス36の制御接続44と信号接続48との間の接続に対する遮断の形態で障害状態を生成するために使用される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの監視領域(14)を監視するために設けられた光学検出デバイス(12)を動作させるための方法であって、前記光学検出デバイス(12)において、
少なくとも1つの発光素子(40)が、少なくとも1つの光信号(42)を送信するように作動され、
少なくとも1つの反射された光信号(60)が、少なくとも1つの受信器(52)の少なくとも2つの受信領域(56)を使用して受信され、
少なくとも1つの受信した光信号(42)を使用して少なくとも1つの受信変数(54)を決定し、
前記検出デバイス(12)の機能安全が少なくとも断続的に検査される、方法において、
前記光信号(42)の各々の前記送信の持続時間が、前記検出デバイス(12)の眼の安全性を達成するために、指定された送信時間間隔(TS)に制限され、
前記検出デバイス(12)の前記眼の安全性が、
前記受信領域(56)の少なくとも1つを測定受信領域(56
M)として構成し、前記受信領域(56)の少なくとも1つを試験受信領域(56
T)として構成することによって検査され、
少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)において少なくとも1つの測定受信領域(56
M)を使用して捕捉された光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を生成することによって検査され、
少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)において少なくとも1つの試験受信領域(56
T)を使用して捕捉された光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数(54
T)を生成することによって検査され、
前記少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)は、前記少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)よりも長く、前記少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)は、前記送信時間間隔(TS)よりも長く、
少なくとも1つの試験受信変数(54
T)が、前記少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を使用して特徴付けられた前記光の量よりも、指定された許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、障害状態が生成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)及び/若しくは少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)及び/若しくは送信時間間隔(TS)が、少なくとも部分的に時間的に重複するように実現され、
並びに/又は、少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)及び/若しくは少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)及び/若しくは送信時間間隔(TS)が同時に開始される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
空間的に隣接する受信領域(56)の少なくとも1つの試験受信変数(54
T)及び少なくとも1つの測定受信変数(54
M)が決定され、
並びに/又は、少なくとも2つの空間的に隣接する測定受信領域(56
M)のそれぞれの測定受信変数(54
M)が決定され、
並びに/又は、少なくとも2つの空間的に隣接する試験受信領域(56
T)のそれぞれの試験受信変数(54
T)が決定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)が、前記送信時間間隔(TS)と略同じ長さを有するものとして指定され、
及び/又は、前記少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)が、少なくとも1つの送信時間間隔(TS)よりも長い長さを有さないものとして指定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
眼の安全性に関する少なくとも1回の検査が、前記検出デバイス(12)の通常動作中に実行され、
及び/又は、眼の安全性に関する少なくとも1回の検査が、前記検出デバイス(12)の通常動作外で実行される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの発光素子(40)が変調光信号(42)を送信するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
生成された前記障害状態が、少なくとも前記少なくとも1つの発光素子(40)、少なくとも1つのエラー信号、少なくとも1つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的出力信号などの停止であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの監視領域(14)を監視するための光学検出デバイス(12)であって、
光信号(42)を送信するための少なくとも1つの発光素子(40)を有し、
反射された光信号(42)を受信するための少なくとも2つの受信領域(56)を有し、
受信した光信号(42)から受信変数(54)を決定するための少なくとも1つの手段(52)を有し、
前記光学検出デバイス(12)を制御し、受信変数(54)を処理するための少なくとも1つの手段(38)を有し、
前記検出デバイス(12)の機能安全を検査するための少なくとも1つの手段(62,63)を有する、
光学検出デバイス(12)において、
前記検出デバイス(12)が、眼の安全性を達成するために、光信号(42)の前記送信の持続時間を指定された送信時間間隔(TS)に制限するための少なくとも1つの安全手段(36,47)と、前記少なくとも1つの安全手段(36,47)のための少なくとも1つの検査デバイス(38,62,63)とを有し、
前記検査デバイス(38,62,63)が、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)において少なくとも1つの測定受信領域(56
M)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を測定受信領域(56
M)として構成するための手段と、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)において少なくとも1つの試験受信領域(56
T)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数(54
T)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を試験受信領域(56
T)として構成するための手段と、
前記受信変数(54)の少なくともいくつかを評価するための手段と、
少なくとも1つの試験受信変数(54
T)が、少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を使用して特徴付けられた光の量よりも大きい、許容変数外の光の量を特徴付ける場合、少なくとも1つの障害状態を生成するための手段と
を有することを特徴とする、光学検出デバイス(12)。
【請求項9】
少なくとも1つの測定受信領域(56
M)及び少なくとも1つの試験受信領域(56
T)が、同じタイプの受信領域(56)から形成され、
並びに/又は、少なくとも1つの測定受信領域(56
M)及び/若しくは少なくとも1つの試験受信領域(56
T)が、異なる時間間隔(TE
M,TE
T)で受信変数(54)を記録するように別々に構成可能である
ことを特徴とする、請求項8に記載の検出デバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの受信器(52)が、それぞれの受信領域(56)を生成するために使用される複数のポイントセンサ、少なくとも1つのラインセンサ、及び/又は少なくとも1つのエリアセンサを有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の検出デバイス。
【請求項11】
少なくとも1つの監視領域(14)を監視するための少なくとも1つの検出デバイス(12)を有する車両(10)であって、前記少なくとも1つの検出デバイス(12)が、
光信号(42)を送信するための少なくとも1つの発光素子(40)と、
反射された光信号(42)を受信するための少なくとも2つの受信領域(56)と、
受信した光信号(42)から受信変数(54)を決定するための少なくとも1つの手段(52)と、
前記光学検出デバイス(12)を制御し、受信変数(54)を処理するための少なくとも1つの手段(38)と、
前記検出デバイス(12)の機能安全を検査するための少なくとも1つの手段(62,63)と
を有する、車両(10)において、
前記検出デバイス(12)が、眼の安全性を達成するために、光信号(42)の前記送信の持続時間を指定された送信時間間隔(TS)に制限するための少なくとも1つの安全手段(36,47)と、前記少なくとも1つの安全手段(36,47)のための少なくとも1つの検査デバイス(38,62,63)とを有し、
前記検査デバイス(38,62,63)が、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの測定時間間隔(TE
M)において少なくとも1つの測定受信領域(56
M)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を測定受信領域(56
M)として構成するための手段と、
少なくとも1つの受信した光信号(42)から、少なくとも1つの試験時間間隔(TE
T)において少なくとも1つの試験受信領域(56
T)を使用して捕捉され得る光の量を特徴付ける少なくとも1つの試験受信変数(54
T)を生成する目的で、少なくとも1つの受信領域(56)を試験受信領域(56
T)として構成するための手段と、
前記受信変数(54)の少なくともいくつかを評価するための手段と、
少なくとも1つの試験受信変数(54
T)が、少なくとも1つの測定受信変数(54
M)を使用して特徴付けられた光の量よりも、許容変数外で大きい光の量を特徴付ける場合、少なくとも1つの障害状態を生成するための手段と
を有することを特徴とする、車両(10)。
【請求項12】
前記車両(10)が少なくとも1つの運転者支援システム(20)を有することを特徴とする、請求項11に記載の車両。
【国際調査報告】