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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ステータの製造方法およびステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/085 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H02K15/085
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504952
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022070637
(87)【国際公開番号】W WO2023006612
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119414.8
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524033423
【氏名又は名称】アディティブ | ドライブス ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Pforzheimer Str. 7A, 01189 Dresden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オエテル、マルクス
【テーマコード(参考)】
5H615
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB02
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP14
5H615QQ02
5H615QQ12
5H615QQ27
5H615SS00
5H615SS04
5H615SS09
5H615SS17
5H615TT14
5H615TT15
(57)【要約】
電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータを製造する方法であって、巻線ベース体(13)をステータスロットに導入、特に挿入するステップと、特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームでの照射によってビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)の少なくとも1つの部分を付加的に造形するステップとを備える方法、およびステータ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータを製造する方法であって、
巻線ベース体(13)をステータスロットに導入、特に挿入するステップと、
特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、前記ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームでの照射によって前記ビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)の少なくとも1つの部分を付加的に造形するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記巻線ベース体(13)の少なくとも1つはU字形であり、および/または前記巻線ベース体(13)の少なくとも1つはI字形である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
片方の巻線ヘッド(11、12)のみ、または両方の巻線ヘッドは、付加的な造形によって、特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、前記ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームの照射によって前記ビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって少なくとも部分的に生成される、請求項1~2の1項に記載の方法。
【請求項4】
前記巻線ベース体(13)は、端部において、特にスロットライナのすぐ隣で散開され、特に前記付加的な造形の前に、端部において、特にスロットライナのすぐ隣で散開される、請求項1~3の1項に記載の方法。
【請求項5】
前記巻線ベース体(13)は、ブランクを引き出すこと、および/または任意選択的に引き出されたブランクを形成すること、および/または付加製造プロセスによって生成される、請求項1~4の1項に記載の方法。
【請求項6】
前記巻線は、特に前記巻線ヘッド(11、12)のエリアにおいて、変化する断面を有する、請求項1~5の1項に記載の方法。
【請求項7】
異なる巻線ヘッドが設けられたいくつかの同一のステータブランク(10)が生成される、請求項1~6の1項に記載の方法。
【請求項8】
前記巻線ベース体(13)の端部は、特にフライス加工によって平坦にされ、および/または前記付加的な造形の前に洗浄される、請求項1~7の1項に記載の方法。
【請求項9】
前記巻線ベース体(13)をステータブランク(10)のステータスロットに導入、特に挿入することが行われ、前記ステータブランク(10)は、特に積層シートパッケージおよび/または巻線支持体である、またはそれらを備える、請求項1~8の1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ステータブランク(10)、特に前記積層シートパッケージは、一体に生成され、および/または、溶接点および/またはセグメントを有さない、請求項1~9の1項に記載の方法。
【請求項11】
特に所定の励磁電流を受けた場合のトルクおよび/または回転速度に関して異なる挙動を有する電気機械、特に電気モータまたは発電機が、所定のステータブランク(10)を用いて異なる相互接続によって生成される、請求項1~10の1項に記載の方法。
【請求項12】
特に構造セットの意味で、複数の異なる電気モータが1つのステータブランク(10)に基づいて生成され、前記同じステータブランクは、異なる付加的に造形された、特にプリントされた巻線ヘッド(11、12)と組み合わせられる、請求項1~11の1項に記載の方法。
【請求項13】
前記巻線ベース体(13)の異なる相互接続は、特に前記付加的な造形または前記付加的な造形の決定に関するデータセットの変動によって、および/または物理的工具を使用せず、専らデジタルで生成される、請求項1~12の1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ステータスロットは、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)に向かって、および/またはステータブランク(10)の内側および/または全ての側面に向かって少なくとも部分的に閉じている、請求項1~13の1項に記載の方法。
【請求項15】
前記巻線ヘッド(11、12)の接続要素の、前記巻線ベース体(13)の前記端部への直接の付加的な造形が行われ、特に、前記巻線ベース体の前記端部と前記接続要素との間の接触抵抗が低減または最小化される、請求項1~14の1項に記載の方法。
【請求項16】
前記巻線ヘッド(11、12)全体が、特に付加的に、好適には前記巻線ヘッドの構成要素の連続的な造形または形成による制限が回避されるように、単一の作業ステップで造形される、請求項1~15の1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ステータのアクティブエリアの部分が全高または全長に対して増加され、前記アクティブエリアは、特に前記ステータブランク(10)、巻線支持体、または積層シートパッケージ(10)内の空間にある、請求項1~16の1項に記載の方法。
【請求項18】
前記電気モータまたは発電機はインランナであり、内部走行ロータは、受動電機子として設計される、請求項1~17の1項に記載の方法。
【請求項19】
前記巻線ベース体(13)は、原材料から曲げることによって、または付加的プロセスによって直接生成される、請求項1~18の1項に記載の方法。
【請求項20】
前記巻線ベース体(13)はヘアピンであり、またはヘアピンを備える、請求項1~19の1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ヘアピンまたは巻線ベース体は、導入前にバスケットを形成するように組み合わせられ、および/または、前記ヘアピンは、個々のワイヤから曲げられ、前記バスケットを形成するように互いに接合される、請求項1~20の1項に記載の方法。
【請求項22】
前記ステータの前記ヘアピンまたは巻線ベース体は全て、単一の付加的作業ステップで生成され、その後、まとめて前記巻線支持体に挿入され、特に、その後、第2の作業ステップにおいて、前記巻線ヘッド、好適には第2の巻線ヘッドが付加的に造形される、請求項1~21の1項に記載の方法。
【請求項23】
前記巻線ベース体(13)は、前記巻線支持体、ステータブランク、または積層シートパッケージの少なくとも1つの前面と同一平面上、または少なくとも略同一平面上を端部とするように、前記巻線支持体、前記ステータブランク、または前記積層シートパッケージ(10)に挿入され、その後、前記巻線ヘッド(11、12)が付加的に造形される、請求項1~22の1項に記載の方法。
【請求項24】
全く同じまたは同じ原材料を用いて、第1の電気特性および/または断面を有する第1のステータと、その直後、前記第1の電気特性および/または断面とは異なる第2の電気特性および/または断面を有する第2のステータとが生成される、請求項1~23の1項に記載の方法。
【請求項25】
アルミニウム材料またはアルミニウム粉末、銅材料または銅粉末、特に純銅、純アルミニウム、アルミニウム合金、または銅合金が、原材料、特に前記ビルドアップ材料として用いられる、請求項1~24の1項に記載の方法。
【請求項26】
前記銅材料または前記銅粉末は、99.5%より高い純度を有する、請求項1~25の1項に記載の方法。
【請求項27】
前記付加的に造形されたビルドアップ材料の引張強度は少なくとも170MPaであり、および/または降伏強度は少なくとも120MPaであり、および/または引き裂かれ時の伸長は20%より大きい、請求項1~26の1項に記載の方法。
【請求項28】
前記巻線ベース体(13)は、異なる導体タイプを備え、特に、第1の巻線ベース体は第1の導体タイプから形成され、第2の巻線ベース体は、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成される、請求項1~27の1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の巻線ベース体および前記第2の巻線ベース体は、前記ステータの中心軸(A)に対して径方向に、および/または軸方向に隣接して導入される、請求項1~28の1項に記載の方法。
【請求項30】
巻線ベース体は、第1の部分において第1の導体タイプから形成され、前記ステータの前記軸方向または長手方向(A)に前記第1の部分に隣接する第2の部分において、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成される、請求項1~29の1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の導体タイプが第1の導電率を有し、前記第2の導体タイプが、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導電率を有することにより、特に、前記電気機械の動作中の損失が低減される、請求項1~30の1項に記載の方法。
【請求項32】
前記巻線ベース体および/または導体タイプの少なくとも1つは、少なくとも1つの部分において付加製造プロセスによって生成され、断面において、少なくとも第2のエリアは、第1のエリアよりも低い導電率を有する、請求項1~31の1項に記載の方法。
【請求項33】
前記ステータのアクティブエリア内の少なくとも1つの導体タイプの断面は、前記ステータのそれぞれのスロットまたは前記スロットの意図された部分を完全またはほぼ完全に埋めるように設計される、請求項1~32の1項に記載の方法。
【請求項34】
前記巻線ベース体は、端部の少なくとも一方が互いに対し、または互いに向かって散開され、特に、前記散開した巻線ベース体(13)は、端部において互いに少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1.0mmの距離(20)を有する、請求項1~33の1項に記載の方法。
【請求項35】
前記巻線ベース体(13)が互いに対し、または互いに向かって散開している前記巻線ベース体部分は、前記ステータの前記軸方向(A)に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの高さ(21)を有する、請求項1~34の1項に記載の方法。
【請求項36】
前記巻線ベース体(13)が互いに対し、または互いに向かって散開していない巻線ベース体部分は、前記ステータブランクまたは積層シートパッケージ(10)に対して、前記ステータの前記軸方向(A)に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの突起(22)を有する、請求項1~35の1項に記載の方法。
【請求項37】
前記巻線ベース体(13)は、前記ステータブランクまたは積層シートパッケージに対して、前記ステータの前記軸方向(A)に少なくとも10mm、好適には少なくとも20mmの突起(23)を有する、請求項1~36の1項に記載の方法。
【請求項38】
請求項1~37の1項に記載の方法に従って製造された、電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械、特に電気モータまたは発電機のためのステータを製造する方法、ならびに対応するステータに関する。
【背景技術】
【0002】
【発明の概要】
【0003】
電気機械用のステータを製造する方法は一般的に知られている。例えば、いわゆるヘアピン技術を用いて、積層シートパッケージにソリッド銅線(例えばフラット銅線)を導入することが知られている。
【0004】
ヘアピンは、例えばニードル巻線などの従来の巻線プロセスを用いて生成された巻線の代わりに用いられ得る。特に、ヘアピンは、異なる形状および/または種類の巻線を表す。特に、ヘアピンは、例えばソリッド銅線などのワイヤを用いて、および/またはワイヤを再成形することによって生成され得る。
【0005】
ステータを製造するための既知の方法は、基本的に改良の必要があると考えられている。特に、既知の方法は、特に必要な成形作業および/または成形工具の種類、数、および/または範囲によって比較的複雑であると考えられ、および/または、特に設置空間、熱特性および/または電気特性に関して、ステータに課される要件を望まれる形で満たしていない。
【0006】
一般に、ステータに伴う目的は、特に設置空間、熱特性および/または電気特性に関するパラメータをさらに最適化することであり、それらを柔軟に設計することでもある。これは、電気モータが、特に例えばエネルギ効率、柔軟性、および/または必要な設置空間の制限および/または削減など、それらに課される要件をさらなる範囲まで満たすことができれば、より幅広く使用されるという事実によるものでもある。
【0007】
特に、改良された特性を有するステータを迅速に提供することは、ステータの製造において生じつつある、および/または生じ得る目的である。特に、ステータの製造に必要な成形作業および/または成形工具の種類、数、および/または範囲を低減することが本発明の目的である。
【0008】
したがって、本発明の目的は、電気機械、特に電気モータまたは発電機のためのステータを製造する方法であって、製造の労力が可能な限り低く、および/または、それでもなお動作中のステータまたは対応する電気機械の比較的高い効率および/または使い易さが達成される方法を提案することである。
【0009】
特に、本発明の目的は、ステータにおける熱損失および/または電力損失を低減すること、および/またはステータのために必要な設置空間を最小限にすることである。
【0010】
これらの目的の少なくとも1つは、請求項1に記載の主題事項によって解決される。
【0011】
特に、少なくとも1つの目的は、電気機械、特に電気モータまたは発電機のための少なくとも1つの巻線、好適には少なくとも1つのヘアピン巻線を備えるステータを製造する方法によって解決され、この方法は、
巻線ベース体をステータスロットに導入、特に挿入(または他の方法で導入)するステップと、
特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームでの照射によってビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって、少なくとも1つの巻線ヘッドの少なくとも1つの部分を付加的に造形するステップと
を備える。
【0012】
特に、少なくとも1つの目的は、特に電気モータまたは発電機のためのステータを製造するための方法によって解決され、この方法は少なくとも、
巻線ベース体をステータスロット、特に巻線支持体またはステータブランクに導入、特に挿入、付加的に導入、付加的に製造、または他の方法で導入するステップと、
少なくとも1つの巻線ヘッドの少なくとも1つの部分を巻線ベース体に付加的に造形するステップ、特に、1つのみ、または少なくとも1つの巻線ヘッド、または2つの巻線ヘッドを、特に単一の作業ステップで付加的に造形するステップと
を備える。
【0013】
好適には、少なくとも1つの巻線ヘッドまたは1または複数の巻線ヘッドの少なくとも1つの部分は、少なくとも1つの巻線がステータ内に形成されるような方法で造形される。
【0014】
特に、少なくとも1つの目的は、特に電気モータまたは発電機のためのステータを製造する方法によって解決され、この方法は少なくとも、
巻線ベース体を、特に単一の作業ステップで、および/または第1の巻線ヘッドとともに付加的に製造するステップと、
巻線ベース体をステータスロット、特に巻線支持体またはステータブランクに、特に単一の作業ステップで導入、特に挿入、または他の方法で導入するステップと、
少なくとも1つの巻線ヘッドの少なくとも1つの部分を巻線ベース体に付加的に造形するステップ、特に、少なくとも1つの巻線ヘッド、好適には第2の巻線ヘッドを、特に単一の作業ステップで付加的に造形するステップと
を備える。
【0015】
本発明に係る方法によって、特にステータにおける熱損失および/または電力損失が低減され、および/またはステータのための設置空間が低減または最小化され得る。また、高速で柔軟かつ効率的な生成が可能である。
【0016】
特に、巻線ヘッドは、付加的プロセスによって、特に巻線ベース体への直接の付加的な造形によって生成され、いずれの場合も、巻線ヘッドの高さおよび/または設置空間が最小化および/または低減されるような方法で第1および第2の巻線ベース体を接続する接続要素を有してよい。
【0017】
好適には、少なくとも1つの接続要素は、基本的に三角形の形状で形成され、および/または、巻線ベース体の長手方向に対して120°を超える角度、および/または60°~80°の角度に延びる。
【0018】
好適には、少なくとも1つの巻線ヘッドは、全体が付加的な造形によって製造または生成される。
【0019】
付加的な造形または製造は、特に、3Dプリント、特に3D銅プリント、および/または付加的なプリントプロセスおよび/またはマスタ成形プロセスによる製造を意味すると理解される。したがって、巻線ヘッドの要素および/または接続部は、好適には、特にビルドアップ材料を層状に塗布し、好適には例えばレーザビームなどの作用ビームを用いて、好適には選択的に凝固させることによって、一体的かつ直接的に最終形状に生成される。
【0020】
したがって、付加的な造形は、好適には、溶接接合部を用いることなく、特に2つ以上の既成の構成要素間の溶接接合部、および/または成形工具、および/または一般に工具を用いることなく、既存の既成構成要素上に構成要素を層状に造形することを意味すると理解される。層状の造形とは、特に、別の既存の構成要素に層状に造形することによる構成要素の生成または製造を意味する。
【0021】
巻線ヘッドは、好適には、単一の製造、作業、またはプロセスステップによって生成される。
【0022】
好適には、付加的な造形は、それぞれの幾何学的形状を定めるデータセットに基づいて実行される。これらのデータセットは、好適には、設計において、および/またはCADまたはCAEプログラムによって生成される。これらのデータレコードは、その後、ビルドアップ材料を付加的に、特に層状に塗布し、好適にはそれを選択的に凝固させることにより、少なくとも1つの巻線ヘッドおよび/または積層シートパッケージの少なくとも1つの部分を生成する3Dプリントシステムを制御する。
【0023】
ステータは、好適には、2段階プロセスで製造される。
【0024】
したがって、特に第1段階において、巻線支持体およびステータスロット、第1の巻線ヘッド、およびステータスロットを通って延びる巻線ベース体を有する、ステータのアクティブエリアが生成される。したがって、第1段階において、好適にはステータスロットを有するステータ積層シートパッケージが製造され、巻線ベース体は、ステータスロット内に導入され、または、ステータ積層シートパッケージとしてステータと同時に付加製造される。特に、巻線ベース体は、少なくとも部分的にステータスロット内で付加製造され得る。巻線ベース体は、好適には、第1の巻線ヘッドも形成する。
【0025】
第2段階において、第1の巻線ヘッドに対向する第2の巻線ヘッドが、巻線ベース体への付加的な造形によって生成され、これにより、特に巻線ベース体が相互接続され得る。
【0026】
1つの実施形態において、ステータの製造の第1段階および第2段階の両方が付加的プロセスによって実行され、またはそのようなプロセスを備える。
【0027】
1つの実施形態において、ステータの製造の第1段階および第2段階の両方が付加的プロセスを備え、第1段階において、巻線ベース体が特に付加的に製造され、その後、軸方向に巻線支持体に挿入される。あるいは、巻線ベース体および巻線支持体は、ともに付加的プロセスで製造されてもよい。
【0028】
本発明の1つの概念は、一方では、プロセスの観点から巻線ヘッドの生成を対応する巻線ベース体の生成から分離し、他方では、付加的な造形(または付加製造プロセス、例えばレーザ焼結やレーザ溶融)によって巻線ヘッドを生成することによって、特にステータ全体の特性を改善することである。
【0029】
特に、本発明の1つの概念は、少なくとも1つの巻線ヘッドを、特に巻線ベース体に直接造形することによって、少なくとも基本的には成形なしで生成することである。これにより、特に成形の結果生じる、または生じ得る、巻線ヘッドの壁厚さ、スプリングバック、伸長、および/または材料の流れの不所望の変化が回避または低減され得る。特に、巻線ヘッドの特に上部のエリアにおける曲げ加工は必要ではない。特に、巻線ヘッドの特に上部および/または下部のエリアにおける、および/または巻線ヘッドを接続するためのねじり、集束、および/またはねじりは必要ではない。
【0030】
特に巻線ヘッドの上部のエリアで曲げ加工および/またはねじり加工が必要でないという事実により、製造コストおよび時間をさらに削減することができ、同時に、接続要素の経路の公差および導電率の低下の点で曲げ加工および/またはねじり加工に伴う不利益が低減または回避されるか、あるいは低減または回避可能である。
【0031】
また、巻線ヘッドにおける接続要素の半径を最小化、またはゼロまたはほぼゼロに設定することができ、および/または、断面、距離、および/または層ジャンプは、付加的な造形によって具体的かつ正確に適合され得る。さらに、製造中の公差は、特に接続要素の経路および断面に関して低減される。
【0032】
本発明のさらなる概念は、積層シートパッケージの溶接点および/またはセグメント化を省くことである。特に、これにより、積層シートパッケージの電気および磁気特性が改善され、電気機械全体の電気および磁気特性も改善され得る。例えば、特に巻線ベース体を接続するための巻線ヘッドのエリア内の溶接点を省くことにより、巻線ヘッドのエリアにおける導電率がさらに改善され得る。
【0033】
特に付加的な造形をせず、積層シートパッケージのセグメント化のみによる、すなわち積層シートパッケージを部分的に生成し、その後それらを接続することによる従来の製造で達成され得る効果は、好適には保持される。特に、例えば、積層シートパッケージ内のステータスロットの断面は、ステータの径方向および/または軸方向に変化し得るので、これらは、内部を通る導体よりも少なくとも部分的に小さな断面を有する。また、他の導体部分よりも大きな断面を必要とする移行点、例えば接続部は、積層シートパッケージ内、特にスロット内に実現され得る。
【0034】
特に、これによって、溶接によって生じる材料変化および接触の問題が低減または回避され得る。ただし、同時に、特に経路および/または断面に関して巻線ベース体を変化させ、それらを巻線ヘッドと可変的に結合するための柔軟性が保持される。特に、「溶接」とは、熱および/または圧力を用いて、それぞれ既存の構成要素、例えば導電体を分離不可能に接合することを意味すると理解される。対照的に、「付加的な造形」とは、特に、例えばレーザビームなどの作用ビームを用いて選択的に凝固されるビルドアップ材料を層状に塗布することと理解される。したがって、好適には、「溶接」の場合は2つの既存の構成要素が接合されるが、付加的な造形の場合、特に、第2の構成要素が既存の第1の構成要素に層状に造形され、その結果、好適には、特にデータセットによる凝固の制御に基づいて、その上に新たに生成される。この点に関して、この意味で「溶接」とは、特に、付加製造プロセスとして理解すべきではない。
【0035】
本発明は、プロトタイピングの分野および/または連続生産において特に適用される。
【0036】
特に、(例えば、Uピンの場合には場合によっては形成され、Iピンの場合には形成されなくてよい巻線ブランクからの製造による)従来の製造と、(例えばレーザ焼結またはレーザ溶融による)付加製造との組み合わせが行われる。
【0037】
1つの実施形態において、巻線ベース体の少なくとも1つまたはいくつかまたは全ては、好適には、ワイヤ、特に銅線を成形し、および/またはワイヤ、特に銅線から引き出すことによって、部分的または全体的に付加製造プロセスによって製造されない。
【0038】
(それぞれの)巻線ベース体の導入は、巻線ベース体がスロットの外側で既に組み立てられており、および/または最初にスロット内で構成されないような方法で行われ得る。
【0039】
特に、巻線ベース体は、I字形またはU字形であってよい。
【0040】
好適には、従来の閉塞ステータブランクは、巻線ヘッド(または両方の巻線ヘッド)をプリントすることによって相互接続され得る。特に、巻線ブランクは、ステータ積層シートパッケージ内に組み立てられ、化合物充填され、(特に一次絶縁によって)絶縁された導体を備えてよい。
【0041】
したがって、異なる相互接続により、1つの同じステータブランクは、(例えばトルクおよび/または回転速度などに関して)異なる挙動を与えられ得る。これにより、1つのステータブランクに基づいて(同じステータブランクを異なるプリント巻線ヘッドと組み合わせることによって)複数の異なる電気モータを生成することができる構成セットを開発することが可能になる。この異なる相互接続は、好適には、設計において、特に付加的な造形のためのデータセットの変動によって、および/または物理的工具を使用せず、専らデジタルに行われる。データセットは、好適には、CADまたはCAEプログラムを用いて生成される。
【0042】
また、巻線ベース体は、例えば特定の周波数挙動に関してステータを最適化させるために、特に適合され、組み合わせられ、および/または変化してよい。
【0043】
1つの実施形態において、個々の巻線ベース体の断面積は、低周波数のために最大化されてもよい。例えば、ステータスロットは、軸方向に互いに隣り合って延びるセグメントに分割されてよく、各巻線ベース体は、少なくとも基本的に完全にそれぞれのセグメントを埋める。好適には、実施形態において、ステータは、最大10kHzの巻線ベース体を流れる電流の動作周波数のために提供される。
【0044】
1つの実施形態において、高周波数のために、特に、例えば表皮効果によって生じる導体内部の電流変位を低減することによって渦電流損失を低減するために、各巻線ベース体の断面は、互いに電気的に絶縁された少なくとも2つまたは少なくとも3つの部分断面に分割され得る。好適には、実施形態において、ステータは、少なくとも100kHzの巻線ベース体を流れる電流の動作周波数のために設計される。
【0045】
全体として、比較的単純でありながらも、付加製造ステップの特定の利点を(少なくとも部分的に)利用するプロセスが実現される。
【0046】
特に、本発明は、ステータの製造における以下の改善を可能にし、または可能にすることができる。
【0047】
設置空間の最小化。特に、少なくとも1つの巻線ヘッドまたは両方の巻線ヘッドの付加的な造形により、巻線ベース体へのビルドアップ材料の正確および/またはコンパクトな塗布が可能である。巻線ヘッドにおける接続要素は、それ自体の経路および他の接続要素に対する経路に関して正確またはより正確に、かつ小さな公差および/または距離で画定され得る。
【0048】
損失の低減。特に巻線ヘッドの接続のために、溶接点や積層シートパッケージのセグメント化、または曲げ加工やねじり加工が必要ではないため、好適には、ステータにおける電気損失および/または熱損失が低減され得る。また、導体断面は、電流密度を低減するために必要な箇所で具体的かつ正確に適合または増大され得る。さらに、導体断面は、ステータで使われる周波数に適合され得る。
【0049】
相互接続の柔軟性。巻線ヘッドの付加的な造形により、特に、ステータスロットの異なる径方向層間の層ジャンプを用いることによって、巻線ベース体の柔軟な相互接続が可能である。また、特に少なくとも部分的に閉じたステータスロット、またはいくつかの少なくとも部分的に閉じたステータスロットにおいて、溶接点または積層シートパッケージのセグメント化を用いずに無端巻線の形成が可能である。特に、ステータスロットは、完全におよび/または専ら閉じているのではなく、例えば、断面が径方向に、特に内向きに狭められている。ただし、例えば、ステータスロットの径方向内側開口部が導体断面よりも小さい場合、径方向への挿入は、付加製造なしには不可能である。開口スロットのみがこれを可能にするが、これらは、電気特性の点で好ましくない。したがって、付加製造は、この点でも、所望の電磁特性を維持しながら、少なくともより効率的な生成を可能にする。
【0050】
巻線ベース体の柔軟な使用。電気特性を既存のパラメータ、例えば動作周波数に特に適合させるために、ステータにおいて異なる巻線ベース体が組み合わせられ得る。また、異なる巻線ベース体は、互いに柔軟に置換え可能である。
【0051】
第1の巻線ベース体および第2の巻線ベース体は、無端ループおよび/または無端巻線を形成するために、接続要素を介して接続され得る。
【0052】
少なくとも1つの巻線ベース体は、少なくとも部分的に閉じたステータスロット内に配置され得る。
【0053】
特に、ステータスロットは、少なくとも1つの巻線ヘッドに向かって、および/または内側および/または全側面に向かって少なくとも部分的に閉じられ得る。
【0054】
特に、ステータは、円筒形巻線支持体または積層シートパッケージの第1の前面にプリントされた、第1の付加的に造形された巻線ヘッドを備えてよい。対向する前面には、好適には、第2の付加的に造形された巻線ヘッドが配置され、これも好適には巻線支持体にプリントされる。
【0055】
あるいは、ステータは、円筒形巻線支持体または積層シートパッケージの第1または第2の前面において巻線ベース体にプリントされた、単一の付加的に造形された巻線ヘッドを備えてよい。対向する前面には、好適には、特に基本的にU字形またはV字形のアークを有する巻線ベース体によって第2の巻線ヘッドが形成される。これらの巻線ベース体は、好適には、その脚部が異なるステータスロットを通って延びることにより、これらは、第2の巻線ヘッドにおいて、対向する前面でそれぞれのアークに移行する。
【0056】
巻線支持体、ステータブランク、または積層シートパッケージは、好適には、特に軸方向に好適には巻線支持体または積層シートパッケージの円周に沿って延びるいくつかのステータスロットを備える。巻線ベース体は、ステータスロット内で異なる径方向位置に配置され得る。
【0057】
特に、巻線ヘッドの接続要素の、巻線ベース体の端部への直接の付加的な造形が行われる。このようにすると、溶接点または曲げ加工やねじり加工が必要ではないので、巻線ベース体の端部と接続要素との間の接触抵抗を低減または最小化することができ、同時に、接続断面および接続角度の両方を柔軟に設定することができる。
【0058】
また、巻線ヘッドにおける接続要素の経路は、柔軟かつ小さな公差で設定され得る。
【0059】
特に、巻線ヘッド全体を単一の作業ステップで、特に付加的に造形することが可能であるため、巻線ヘッドの構成要素の連続的な造形または形成による制限が回避される。
【0060】
必要な設置空間は、軸方向および径方向の両方で低減され得る。したがって、本発明に係る巻線ヘッドまたはステータにおいて、特に、接続要素間の公差および距離を小さくすることおよび/または断面の適合によって、設置高さならびに径方向厚さの両方を低減し、および/または特定の要件に適合することができる。
【0061】
また本発明は、ステータのアクティブエリア部分を全高または全長に対して増加させることも可能にする。特に、アクティブエリアとは、巻線支持体または積層シートパッケージ内の空間であると理解される。ステータの全長は、巻線ヘッドの長さまたは高さと活動長さとのバランスまたは合計である。活動長さとは、特に、アクティブエリアの軸方向への長さであると理解される。
【0062】
関連する電気モータまたは発電機は、特にインランナであってよく、これにより、内部走行ロータは、受動電機子として設計され得る。あるいは、関連する電気モータまたは発電機は、アウトランナであってもよい。
【0063】
特に、巻線ベース体は、いわゆるヘアピンであってよい。これらは、原材料から曲げることによって、または付加的プロセスによって直接製造することができ、これにより、好適には、基本的に直線状かつ互いに平行であり、設置された場合にステータのアクティブエリアを通って延びる2つの脚部を有する。
【0064】
付加的プロセスによる製造は、それぞれの断面の特定の要件に標的化された適合を可能にする。例えば、アクティブエリア内の断面は、基本的にそれぞれのスロットまたはスロットの意図された部分を完全に埋めるように設計され得る。また、2つの脚部間の接続エリアは、異なる、例えば平坦な断面で形成され得る。
【0065】
好適には、ステータの全てのヘアピンは、単一の付加的作業ステップで生成され、その後、まとめて巻線支持体に挿入され得る。その後、第2の巻線ヘッドは、第2の作業ステップで付加的に造形され得る。
【0066】
あるいは、ヘアピンは、バスケットを形成するように組み合わせられてよく、ヘアピンは、個々のワイヤから曲げられ、バスケットを形成するように互いに接合され得る。
【0067】
巻線ベース体は、好適には、後に巻線ヘッドを付加的に造形することができるように、一方の前側面でほぼ同一平面上を端部とするように、巻線支持体、ステータブランク、または積層シートパッケージに挿入される。
【0068】
また本発明は、急な要件の変化にステータ内の断面を適合させることも可能にする。特に、全く同じまたは同じ、特に同一の原材料、特に原材料タイプを用いて、第1の電気特性および/または断面を有する第1のステータと、その直後、第2の電気特性および/または断面を有する第2のステータとが生成され得る。
【0069】
特に、アルミニウム材料またはアルミニウム粉末、銅材料または銅粉末、特に純銅、純アルミニウム、アルミニウム合金、または銅合金が原材料として使用される。好適には、使用される銅材料または銅粉末は、99.5%より高い純度を有する。
【0070】
高純度銅および/または高純度アルミニウムは、好適には、良好な電気および熱伝導性を提供する。好適には、引張強度は少なくとも170MPaであり、および/または降伏強度は少なくとも120MPaであり、および/または引き裂かれ時の伸長は20%より大きい。
【0071】
特に、付加製造プロセスによる巻線ヘッドの両面造形の場合、巻線ベース体の少なくとも1つはU字形(またはUピン)であってよい。U字形巻線ベース体は、開口端が少なくとも基本的に同じ側に配置された巻線ベース体として理解される。
【0072】
代替または追加として、巻線ベース体の少なくとも1つ(場合によってはいくつか、または全ての巻線ベース体)は、好適には両側に付加的な造形によって巻線ヘッドが生成または製造される場合、I字形(またはIピン)であってよい。対応する巻線ベース体のI字形設計は、好適には、(接続前の)開口端が対向側面に配置された巻線ベース体として理解される。巻線ベース体は、直線状である必要はない(直線状でもよい)。
【0073】
特に、巻線ベース体は、少なくとも1つの導体タイプ、特に異なる導体タイプを備えてよい。
【0074】
第1の巻線ベース体は、第1の導体タイプから形成され、第2の巻線ベース体は、第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成され得る。
【0075】
第1の巻線ベース体および第2の巻線ベース体は、ステータの中心軸に対し径方向および/または軸方向に隣接して導入され得る。
【0076】
巻線ベース体は、第1の部分において第1の導体タイプから形成され、軸方向/長手方向に第1の部分に隣接する第2の部分において、第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成され得る。
【0077】
第1の導体タイプが第1の導電率を有し、第2の導体タイプが第2の導電率を有するので、導電率の適切な変化により、電気機械の動作中の抵抗損失が低減される。
【0078】
第1の導体タイプは、第1の断面/断面外形を有してよく、第2の導体タイプは、第2の断面/断面外形を有してよいので、高電流が流れる部分における電気機械の動作中の熱損失および/または電気損失は、目標とするように低減される。
【0079】
第1の導体タイプは、第1の数の並行ストランド/導体を有してよく、第2の導体タイプは、第2の数の並行ストランド/導体を有してよいので、好適には、必要な部分における高周波数での電気機械の動作中の損失が低減される。
【0080】
接続要素は、少なくとも部分的に、第3の導電率、断面/断面外径、および/または並行ストランド/導体の数を有してよいので、好適には、電気機械の動作中の損失が低減される。
【0081】
導体タイプの1つは、特に、より線であってよい。代替または追加として、巻線ベース体の少なくとも1つは、少なくとも1つの部分により線を備えてよく、巻線ベース体は、特に互いに、および/または少なくとも1層のワニスによって絶縁され、いずれの場合も特に少なくとも0.1mmまたは少なくとも0.5mmの径を有する、特に複数、特に少なくとも30の、薄い、好適には丸みを帯びた、長手方向に延びる個々のワイヤまたはコアから形成される。
【0082】
代替または追加として、巻線ベース体および/または導体タイプの少なくとも1つは、少なくとも1つの部分において、付加製造プロセスによって生成されてよく、少なくとも第2のエリアの断面において、少なくとも第1のエリアよりも低い導電率を有する。
【0083】
第2のエリアは、特に直線および/または平面に沿って、断面を横方向に、および/または巻線ベース体を長手方向に通って延びる少なくとも1つの間隙、中間空間、または空洞を備えてよく、それによって巻線ベース体は、少なくとも2つの部分的巻線ベース体に分割される。
【0084】
(それぞれの)第2のエリアは、少なくとも部分的に、(好適には充填、例えばガス充填、および/または液体および/または固体材料で充填された)空洞または中間空間によって形成され得る。
【0085】
(それぞれの)第2のエリアは、例えば第1の材料を供給することによってそれぞれの第1のエリア(複数も可)が設けられ、異なる材料、例えば導電率が低い材料を供給することによってそれぞれの第2のエリア(複数も可)が設けられるように、マルチ材料加工によって付加製造中に導入され得る。
【0086】
好適には、少なくとも1つの第2のエリア(場合によってはいくつかまたは全ての第2のエリア)は、電気絶縁性に形成され、さらに好適には、少なくとも部分的に電気絶縁性材料によって形成され、および/または少なくとも部分的に(例えばガス充填または空気充填された)空洞によって形成される。空洞は、粉末形状のままのビルドアップ材料を除去することによって作られ得る。この目的のため、および/または他の理由により、開口部が設けられてよく、端部エリアは(そうでない場合は)任意選択的に完全に閉じられる(特に焼結される)。
【0087】
(それぞれの)第2のエリアは、非露出または異なる露出の結果、生じ得る。第2のエリアは、エリアの少なくとも特定の部分が重なり合って連続した空洞(間隙)が生じるように、1つの層平面から次の層平面まで延びる。少なくとも1つの第2の(場合によってはいくつかまたは全ての第2の)エリア(複数も可)は、導体(または巻線)の長さの少なくとも0.5cm、好適には少なくとも1.0cmまたは少なくとも2.0cmにわたって延びてよい。
【0088】
部分的巻線ベース体は、巻線ヘッドのみによって互いに電気的に接続され得る。
【0089】
比較される第1のエリアおよび少なくとも1つの第2のエリアの導電率は、好適には、20℃の温度で決定されるべきである。少なくとも1つの第2のエリア(場合によってはいくつかまたは全ての第2のエリア)の導電率は、好適には少なくとも0.1×10 S/m、さらに好適には少なくとも1.0×10 S/m、さらに好適には少なくとも20×10 S/m、および/または最大200×10 S/mまたは最大100×10 S/mである、少なくとも(場合によってはいくつかまたは全ての)第1のエリアの導電率よりも、好適には最大0.5倍、さらに好適には最大0.1倍、またさらに好適には最大0.001倍、または最大0.001倍大きい。少なくとも1つの第2のエリア(場合によってはいくつかまたは全ての第2のエリア)の導電率は、最大1×10 S/m、場合によっては最大0.1×10 S/m、さらに代替的に最大1.0×10 S/m、さらに代替的に最大1.0 S/m、さらに代替的に最大1.0×10-3 S/m、さらに代替的に最大1.0×10-6 S/m、さらに代替的に最大1.0×10-9 S/m、および/または少なくとも1.0×10-20 S/m、代替的に少なくとも1.0×10-15 S/mであってよい。
【0090】
導体タイプは、特に固体銅、導波管、および/またはヘアピンであってよい。代替または追加として、巻線ベース体の少なくとも1つは、少なくとも1つの部分において固体銅、ヘアピン、および/または導波管から形成されてよく、これにより、巻線ベース体は、特に、(円形の)丸みを帯びたおよび/または平坦および/または長方形断面を有し、および/または平坦なワイヤとして、および/または少なくとも1.0mmの外径および/または少なくとも0.5mmの内径を有する、長手方向に沿って延びる単一の銅コアから形成され得る。
【0091】
導体タイプは、特に、転位導体(Roebelstab)であってよい。代替または追加として、巻線ベース体の少なくとも1つは、少なくとも1つの部分において転位導体(Roebelstab)を備えてよく、巻線ベース体は、特に、好適には螺旋状、特に少なくとも0.4mmの径を有する、特に互いに絶縁され、特に層状にされた、長手方向に沿って延びる複数、少なくとも10の細い個々のワイヤまたはコアから形成される。
【0092】
実施形態において、(特にU字形巻線ベース体の場合)1つの巻線ヘッドのみが付加的な造形(生成)によって実現され得る。あるいは、両方の巻線ヘッドが、少なくとも部分的に、付加的な造形によって、特にI字形巻線ベース体の場合、特にビルドアップ材料を層状に塗布し、ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームによる照射によってビルドアップ材料を付加的に凝固させることによって生成されてもよい。
【0093】
巻線ベース体は、好適には、(特にステータスロット内に配置されたスロットライナまたは絶縁紙(またはスロット絶縁体)に直接隣接する)端部において(互いに対し)散開している。
【0094】
散開は、対応するスロット内に配置された後、(互いに対し)散開し、または互いに離れるように散開するように巻線ベース体がモールド内で既に生成されることで実現され得る。代替または追加として、巻線ベース体は、(別のステップにおいて、ステータスロットへの配置/挿入の後、特に対応する巻線ヘッドの付加的な造形の前に)(特にスロットライナに直接隣接する)端部において散開してよい。このように散開させること(または導体端部を互いに離れるように散開させること)によって、巻線ヘッドの付加製造が単純化され得る。例えば、隣接する導体部分(銅導体部分)が、付加製造プロセス中のエネルギ入力から保護され得る。さらに、接合ゾーンに揺らぎが生じた場合、一定の公差補償が保証され得る。また、(例えば表面処理および/または絶縁の場合)アクセス性の向上によって任意選択的な後処理ステップが容易になり得る。
【0095】
好適には、散開は、可能であれば、特に可能な限り巻線ヘッドの高さを失わないように、スロットライナ(またはそれぞれのスロットライナの一端)に直接隣接して始まる。散開は、製造プロセス中(例えば巻線ベース体の付加製造プロセス中)に直接、または(ステータスロットへの導入の前または後に)機械成形によって作ることができる。スロットライナは、特に、絶縁紙またはスロット絶縁体として理解され得る。スロットライナは、特に、積層シートパッケージを巻線ベース体から電気的に絶縁することが意図される。
【0096】
1つの実施形態において、巻線ベース体は、少なくとも端部の一方において、互いに対し、または互いに向かって散開している。好適には、互いに対し、または互いに向かって散開している巻線ベース体は、端部において互いに少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1.0mmの距離を有する。
【0097】
1つの実施形態において、巻線ベース体が互いに対し、または互いに向かって散開している巻線ベース体部分は、軸方向に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの高さを有する。
【0098】
1つの実施形態において、巻線ベース体が互いに対し、または互いに向かって散開していない巻線ベース体部分は、ステータブランクまたは積層シートパッケージに対して少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの軸方向への突起を有する。
【0099】
1つの実施形態において、巻線ベース体は、ステータブランクまたは積層シートパッケージに対し、少なくとも10mm、好適には少なくとも20mmの軸方向への突起を有する。
【0100】
一般に、巻線ベース体は、ブランクの引出しおよび/または場合によっては引き出されたブランクの成形、および/または付加製造プロセスによって生成され得る。一部がブランクの成形によって、一部が付加製造プロセスによって巻線ベース体が生成される組み合わせも考えられる。また、少なくとも1つの巻線ベース体が(従来の)成形によって生成され、少なくとも1つの巻線体が付加製造プロセスによって生成されることも考えられる。
【0101】
好適には、巻線(特に巻線ヘッドのエリア内)は、変化する断面を有する。例えば、断面は、(少なくとも部分的に)大きくなり、および/または(少なくとも部分的に)小さくなり、および/または(少なくとも部分的に)形状を変え得る。特に好適には、断面積は一定に保たれるが、断面の形状は変化する。あるいは、断面形状は一定に保たれ得るが、断面積は変化する。またあるいは、断面積および断面形状の両方が変化し得る。特に、これにより、個々の導体部分の間に空間を得ることができ、例えば必要な成形作業が少なくなる。したがって、導体(または巻線全体)の寸法は、有利に調整され得る。
【0102】
また、付加的な造形により、中間層のジャンプを伴う一度に1つの層に沿ったコネクタの経路も可能である。
【0103】
1つの実施形態において、異なる巻線ヘッドが設けられた、いくつかの少なくとも基本的に同一のステータブランクが生成され得る。これにより、好適には特定の用途のために最適化された異なるステータ構造またはステータタイプが比較的簡単な方法で生成され得る。
【0104】
巻線ベース体の端部は、特にフライス加工によって平らにされ(または共通平面にされ)、および/または付加的な造形の前に洗浄され得る。これにより、後続する巻線ヘッド構造の付加的な造形は、特に簡単な方法で行われ得る。
【0105】
巻線ベース体の端部の位置および/または拡張または形状は、付加的な造形の前に、例えば光学測定デバイスによって決定され得る。これにより、正確な付加製造プロセスが簡単な方法で可能である。
【0106】
上述した目的は、特に、上述した方法に従って製造された、電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータによっても解決される。
【0107】
上述した目的は、特に、上記ステータを備える電気機械、特に電気モータまたは発電機によってさらに解決される。更なる実施形態は、従属請求項に由来する。
【0108】
この目的は、特に電気モータまたは発電機のためのステータによって特に解決され、このステータは、
巻線ベース体および/または巻線を導入および/または支持するためのステータスロットを有する巻線支持体と、
ステータスロットに導入、特に挿入(または他の方法で導入)される巻線ベース体と、
少なくとも1つの付加的に造形された部分を有する少なくとも1つの巻線ヘッド、特に少なくとも1つの付加的に造形された巻線ヘッドまたは2つの付加的に造形された巻線ヘッドと
を備える。
【0109】
好適には、少なくとも1つの巻線ヘッド、または1または複数の巻線ヘッドの少なくとも1つの部分は、それによって少なくとも1つの巻線がステータに形成されるように造形される。
【0110】
本発明は、図面を参照してより詳細に説明される実施例を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1】ステータの実施形態の概略図(部分的な分解図)である。
図2】ステータのさらなる実施形態の概略図(部分的な分解図)である。
図3】ステータブランクの断面図(巻線ヘッドは省略)である。
図4】ステータブランクのさらなる断面図(巻線ヘッドは省略)である。
図5】巻線ベース体の概略図である。
図6】巻線ヘッドを有するステータの概略斜視図である。
図7】1つの実施形態に係る導体の第1の側面図の概略図である。
図8図7に係る導体の第2の側面図である。
図9】単一コイルの概略図(部分的な分解図)である。
図10図9に係る単一コイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
以下の説明において、同一の部品および同一に機能する部品には同じ参照番号が使用される。
【0113】
図1は、1つの実施形態に係るステータの概略図を示す。これは、第1の巻線ヘッド11を有する(場合によっては従来通りに製造された)ステータブランク10を有する。ステータブランク10自体は、第2の巻線ヘッドを有さない。第2の巻線ヘッド12は、付加製造プロセス(特にレーザ焼結)によって(図1に示すように)プリントされるのみである。
【0114】
概ね同様の解決策が図2に示される。ただし、図1とは対照的に、第1の巻線ヘッド11および第2の巻線ヘッド12の両方がステータブランク10に(両面)プリントされる。
【0115】
図3において、ステータブランク10の断面が、(この製造段階における)巻線ベース体13の開口端部とともに示される(図5も参照)。これらは、特に図4および図5に示されるように、(1または複数の巻線ヘッドを付加的に造形するステップの前に)散開されているか、または散開される。図6において、プリントされた巻線ヘッド(または複数の巻線ヘッド)を有するステータブランクが示される。
【0116】
実施形態において、散開は、スロットライナ(図では見えない)または絶縁紙に直接隣接して(上または下で)始まる。例えば、拡散部は、付加製造プロセス(3Dプリント)または機械成形によって直接生成され得る。
【0117】
1つの実施形態において、端部において互いに対し、または互いに向かって広がっている巻線ベース体13は、端部において互いに少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1.0mmの距離20を有する。
【0118】
1つの実施形態において、巻線ベース体13が互いに対して、または互いに向かって散開している巻線ベース体部分は、軸方向に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの高さ21を有する。
【0119】
1つの実施形態において、巻線ベース体13が互いに対して、または互いに向かって散開していない巻線ベース体部分は、ステータブランクまたは積層シートパッケージ10に対して軸方向に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの突起22を有する。
【0120】
1つの実施形態において、巻線ベース体13は、ステータブランクまたは積層シートパッケージに対して軸方向に少なくとも10mm、好適には少なくとも20mmの突起23を有する。
【0121】
ステータブランク10または巻線ベース体13の(開口)端部は、好適には、(必要であれば含浸後に)それぞれの巻線ヘッドをプリントするために可能な限り平坦な表面を実現するためにフライス加工される。その後、接合ゾーンに内包物が生じるのを防ぐために洗浄が行われ得る。その後、AM装置またはAM機械(AMは付加製造の略)において較正が行われ得る。
【0122】
さらに、巻線ベース体13および/または巻線ヘッドは、導体、特に銅導体を備える。特に、導体は、付加製造され得る。
【0123】
導体測定値は、特に個々の導体間に空間を得て、その結果、必要な成形作業を少なくするために、(有利に)影響を与えられ得る。
【0124】
従来のワイヤは、製造プロセスによって一定の断面を有する。付加製造プロセスによると、銅導体の外側寸法が変えられ得る(または断面が変えられ得る)。その結果、断面積は、一定に保たれ、大きくなり、または小さくなり得る。断面積が一定に保たれる(ただし必須ではない)が断面の形状および位置が変化する例が、図7および図8に示される。例えば(図7を参照)、(図面の平面において下から上への)導体30の断面は、(変形ゾーン内で)第1の側から見ると小さくなり得る。同時に(またはあるいは)、導体30は、湾曲および/または角度またはねじれも有し得る。さらに、同じ導体30は、第2の側(90°回転した側面図)からは一方向に(図面の平面において下から上に)大きくなり得るので、断面積全体が一定に保たれる。あるいは、断面積は、任意選択的に変化してもよい。
【0125】
図9および図10は、以下のように製造され得る単一コイルを(図9では部分的に分解図で)示す。最初に、複数の巻線ベース体13が製造または提供される。巻線ベース体13は、好適には、ここでは(特にU字形の)シートとして形成される。第2の巻線ヘッド12のエリアで巻線ベース体13の接続(相互接続)が、好適には付加製造プロセス(特にレーザ焼結)によって行われる。具体的には、(例えばカット)シートが組み立てられ、その後、相互接続がプリントされ得る。
【0126】
ここまで、上記で説明された全ての部品、特に図面に示す細部は、個々に見た場合も、任意の組み合わせで見た場合も、本発明に不可欠なものであることが主張されることに留意すべきである。これらに対する改良は、当業者には周知である。
【0127】
さらに、可能な限り最も広い保護範囲が求められることが指摘される。この点に関して、特許請求の範囲において定義された本発明は、さらなる特徴とともに説明される特徴によって(これらのさらなる特徴が必ずしも含まれない場合でも)規定することもできる。丸括弧および「特に」という用語は、それぞれの文脈における特徴の任意性を強調することを意図したものである(逆に、そのような識別のない対応する文脈において特徴が必須であるとみなされることを意味するものではない)ことが明確に指摘される。
【符号の説明】
【0128】
10 ステータブランク
11 第1の巻線ヘッド
12 第2の巻線ヘッド
13 巻線ベース体
20 距離
21~23 高さ
30 導体
A 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータを製造する方法であって、
巻線ベース体(13)をステータスロットに導入、特に挿入するステップと、
特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、前記ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームでの照射によって前記ビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)の少なくとも1つの部分を付加的に造形するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記巻線ベース体(13)の少なくとも1つはU字形であり、および/または前記巻線ベース体(13)の少なくとも1つはI字形である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
片方の巻線ヘッド(11、12)のみ、または両方の巻線ヘッドは、付加的な造形によって、特に、前記ビルドアップ材料を層状に塗布し、前記ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームの照射によって前記ビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって少なくとも部分的に生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記巻線ベース体(13)は、端部において、特にスロットライナのすぐ隣で散開され、特に前記付加的な造形の前に、端部において、特にスロットライナのすぐ隣で散開される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記巻線ベース体(13)は、ブランクを引き出すこと、および/または任意選択的に引き出されたブランクを形成すること、および/または付加製造プロセスによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記巻線は、特に前記巻線ヘッド(11、12)のエリアにおいて、変化する断面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
異なる巻線ヘッドが設けられたいくつかの同一のステータブランク(10)が生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記巻線ベース体(13)の端部は、特にフライス加工によって平坦にされ、および/または前記付加的な造形の前に洗浄される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記巻線ベース体(13)をステータブランク(10)のステータスロットに導入、特に挿入することが行われ、前記ステータブランク(10)は、特に積層シートパッケージおよび/または巻線支持体である、またはそれらを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ステータブランク(10)、特に前記積層シートパッケージは、一体に生成され、および/または、溶接点および/またはセグメントを有さない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
特に所定の励磁電流を受けた場合のトルクおよび/または回転速度に関して異なる挙動を有する電気機械、特に電気モータまたは発電機が、所定のステータブランク(10)を用いて異なる相互接続によって生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
特に構造セットの意味で、複数の異なる電気モータが1つのステータブランク(10)に基づいて生成され、同じステータブランクは、異なる付加的に造形された、特にプリントされた巻線ヘッド(11、12)と組み合わせられる、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記巻線ベース体(13)の異なる相互接続は、特に前記付加的な造形または前記付加的な造形の決定に関するデータセットの変動によって、および/または物理的工具を使用せず、専らデジタルで生成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステータスロットは、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)に向かって、および/またはステータブランク(10)の内側および/または全ての側面に向かって少なくとも部分的に閉じている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記巻線ヘッド(11、12)の接続要素の、前記巻線ベース体(13)の端部への直接の付加的な造形が行われ、特に、前記巻線ベース体の前記端部と前記接続要素との間の接触抵抗が低減または最小化される、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記巻線ヘッド(11、12)全体が、特に付加的に、好適には前記巻線ヘッドの構成要素の連続的な造形または形成による制限が回避されるように、単一の作業ステップで造形される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ステータのアクティブエリアの部分が全高または全長に対して増加され、前記アクティブエリアは、特に前記ステータブランク(10)、巻線支持体、または積層シートパッケージ(10)内の空間にある、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記電気モータまたは発電機はインランナであり、内部走行ロータは、受動電機子として設計される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記巻線ベース体(13)は、原材料から曲げることによって、または付加的プロセスによって直接生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記巻線ベース体(13)はヘアピンであり、またはヘアピンを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記ヘアピンまたは前記巻線ベース体は、導入前にバスケットを形成するように組み合わせられ、および/または、前記ヘアピンは、個々のワイヤから曲げられ、前記バスケットを形成するように互いに接合される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ステータの前記ヘアピンまたは前記巻線ベース体は全て、単一の付加的作業ステップで生成され、その後、まとめて巻線支持体に挿入され、特に、その後、第2の作業ステップにおいて、前記巻線ヘッド、好適には第2の巻線ヘッドが付加的に造形される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記巻線ベース体(13)は、巻線支持体、ステータブランク、または積層シートパッケージの少なくとも1つの前面と同一平面上、または少なくとも略同一平面上を端部とするように、前記巻線支持体、前記ステータブランク、または前記積層シートパッケージ(10)に挿入され、その後、前記巻線ヘッド(11、12)が付加的に造形される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
全く同じまたは同じ原材料を用いて、第1の電気特性および/または断面を有する第1のステータと、その直後、前記第1の電気特性および/または断面とは異なる第2の電気特性および/または断面を有する第2のステータとが生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
アルミニウム材料またはアルミニウム粉末、銅材料または銅粉末、特に純銅、純アルミニウム、アルミニウム合金、または銅合金が、原材料、特に前記ビルドアップ材料として用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記銅材料または前記銅粉末は、99.5%より高い純度を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記付加的に造形された前記ビルドアップ材料の引張強度は少なくとも170MPaであり、および/または降伏強度は少なくとも120MPaであり、および/または引き裂かれ時の伸長は20%より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記巻線ベース体(13)は、異なる導体タイプを備え、特に、第1の巻線ベース体は第1の導体タイプから形成され、第2の巻線ベース体は、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の巻線ベース体および前記第2の巻線ベース体は、前記ステータの中心軸(A)に対して径方向に、および/または軸方向に隣接して導入される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記巻線ベース体は、第1の部分において前記第1の導体タイプから形成され、前記ステータの前記軸方向または長手方向(A)に前記第1の部分に隣接する第2の部分において、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の導体タイプが第1の導電率を有し、前記第2の導体タイプが、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導電率を有することにより、特に、前記電気機械の動作中の損失が低減される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記巻線ベース体および/または導体タイプの少なくとも1つは、少なくとも1つの部分において付加製造プロセスによって生成され、断面において、少なくとも第2のエリアは、第1のエリアよりも低い導電率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記ステータのアクティブエリア内の少なくとも1つの導体タイプの断面は、前記ステータのそれぞれのスロットまたは前記スロットの意図された部分を完全またはほぼ完全に埋めるように設計される、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記巻線ベース体は、端部の少なくとも一方が互いに対し、または互いに向かって散開され、特に、散開した前記巻線ベース体(13)は、端部において互いに少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1.0mmの距離(20)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記巻線ベース体(13)が互いに対し、または互いに向かって散開している前記巻線ベース体部分は、前記ステータの軸方向(A)に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの高さ(21)を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記巻線ベース体(13)が互いに対し、または互いに向かって散開していない巻線ベース体部分は、前記ステータブランクまたは積層シートパッケージ(10)に対して、前記ステータの軸方向(A)に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの突起(22)を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項37】
前記巻線ベース体(13)は、前記ステータブランクまたは積層シートパッケージに対して、前記ステータの軸方向(A)に少なくとも10mm、好適には少なくとも20mmの突起(23)を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項38】
請求項1~37の1項に記載の方法に従って製造された、電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
さらに、可能な限り最も広い保護範囲が求められることが指摘される。この点に関して、特許請求の範囲において定義された本発明は、さらなる特徴とともに説明される特徴によって(これらのさらなる特徴が必ずしも含まれない場合でも)規定することもできる。丸括弧および「特に」という用語は、それぞれの文脈における特徴の任意性を強調することを意図したものである(逆に、そのような識別のない対応する文脈において特徴が必須であるとみなされることを意味するものではない)ことが明確に指摘される。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータを製造する方法であって、
巻線ベース体(13)をステータスロットに導入、特に挿入するステップと、
特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、前記ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームでの照射によって前記ビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)の少なくとも1つの部分を付加的に造形するステップと
を備える方法。
[2]
前記巻線ベース体(13)の少なくとも1つはU字形であり、および/または前記巻線ベース体(13)の少なくとも1つはI字形である、請求項1に記載の方法。
[3]
片方の巻線ヘッド(11、12)のみ、または両方の巻線ヘッドは、付加的な造形によって、特に、ビルドアップ材料を層状に塗布し、前記ビルドアップ材料に作用する少なくとも1つのビームの照射によって前記ビルドアップ材料を局所選択的に凝固させることによって少なくとも部分的に生成される、請求項1~2の1項に記載の方法。
[4]
前記巻線ベース体(13)は、端部において、特にスロットライナのすぐ隣で散開され、特に前記付加的な造形の前に、端部において、特にスロットライナのすぐ隣で散開される、請求項1~3の1項に記載の方法。
[5]
前記巻線ベース体(13)は、ブランクを引き出すこと、および/または任意選択的に引き出されたブランクを形成すること、および/または付加製造プロセスによって生成される、請求項1~4の1項に記載の方法。
[6]
前記巻線は、特に前記巻線ヘッド(11、12)のエリアにおいて、変化する断面を有する、請求項1~5の1項に記載の方法。
[7]
異なる巻線ヘッドが設けられたいくつかの同一のステータブランク(10)が生成される、請求項1~6の1項に記載の方法。
[8]
前記巻線ベース体(13)の端部は、特にフライス加工によって平坦にされ、および/または前記付加的な造形の前に洗浄される、請求項1~7の1項に記載の方法。
[9]
前記巻線ベース体(13)をステータブランク(10)のステータスロットに導入、特に挿入することが行われ、前記ステータブランク(10)は、特に積層シートパッケージおよび/または巻線支持体である、またはそれらを備える、請求項1~8の1項に記載の方法。
[10]
前記ステータブランク(10)、特に前記積層シートパッケージは、一体に生成され、および/または、溶接点および/またはセグメントを有さない、請求項1~9の1項に記載の方法。
[11]
特に所定の励磁電流を受けた場合のトルクおよび/または回転速度に関して異なる挙動を有する電気機械、特に電気モータまたは発電機が、所定のステータブランク(10)を用いて異なる相互接続によって生成される、請求項1~10の1項に記載の方法。
[12]
特に構造セットの意味で、複数の異なる電気モータが1つのステータブランク(10)に基づいて生成され、前記同じステータブランクは、異なる付加的に造形された、特にプリントされた巻線ヘッド(11、12)と組み合わせられる、請求項1~11の1項に記載の方法。
[13]
前記巻線ベース体(13)の異なる相互接続は、特に前記付加的な造形または前記付加的な造形の決定に関するデータセットの変動によって、および/または物理的工具を使用せず、専らデジタルで生成される、請求項1~12の1項に記載の方法。
[14]
前記ステータスロットは、少なくとも1つの巻線ヘッド(11、12)に向かって、および/またはステータブランク(10)の内側および/または全ての側面に向かって少なくとも部分的に閉じている、請求項1~13の1項に記載の方法。
[15]
前記巻線ヘッド(11、12)の接続要素の、前記巻線ベース体(13)の前記端部への直接の付加的な造形が行われ、特に、前記巻線ベース体の前記端部と前記接続要素との間の接触抵抗が低減または最小化される、請求項1~14の1項に記載の方法。
[16]
前記巻線ヘッド(11、12)全体が、特に付加的に、好適には前記巻線ヘッドの構成要素の連続的な造形または形成による制限が回避されるように、単一の作業ステップで造形される、請求項1~15の1項に記載の方法。
[17]
前記ステータのアクティブエリアの部分が全高または全長に対して増加され、前記アクティブエリアは、特に前記ステータブランク(10)、巻線支持体、または積層シートパッケージ(10)内の空間にある、請求項1~16の1項に記載の方法。
[18]
前記電気モータまたは発電機はインランナであり、内部走行ロータは、受動電機子として設計される、請求項1~17の1項に記載の方法。
[19]
前記巻線ベース体(13)は、原材料から曲げることによって、または付加的プロセスによって直接生成される、請求項1~18の1項に記載の方法。
[20]
前記巻線ベース体(13)はヘアピンであり、またはヘアピンを備える、請求項1~19の1項に記載の方法。
[21]
前記ヘアピンまたは巻線ベース体は、導入前にバスケットを形成するように組み合わせられ、および/または、前記ヘアピンは、個々のワイヤから曲げられ、前記バスケットを形成するように互いに接合される、請求項1~20の1項に記載の方法。
[22]
前記ステータの前記ヘアピンまたは巻線ベース体は全て、単一の付加的作業ステップで生成され、その後、まとめて前記巻線支持体に挿入され、特に、その後、第2の作業ステップにおいて、前記巻線ヘッド、好適には第2の巻線ヘッドが付加的に造形される、請求項1~21の1項に記載の方法。
[23]
前記巻線ベース体(13)は、前記巻線支持体、ステータブランク、または積層シートパッケージの少なくとも1つの前面と同一平面上、または少なくとも略同一平面上を端部とするように、前記巻線支持体、前記ステータブランク、または前記積層シートパッケージ(10)に挿入され、その後、前記巻線ヘッド(11、12)が付加的に造形される、請求項1~22の1項に記載の方法。
[24]
全く同じまたは同じ原材料を用いて、第1の電気特性および/または断面を有する第1のステータと、その直後、前記第1の電気特性および/または断面とは異なる第2の電気特性および/または断面を有する第2のステータとが生成される、請求項1~23の1項に記載の方法。
[25]
アルミニウム材料またはアルミニウム粉末、銅材料または銅粉末、特に純銅、純アルミニウム、アルミニウム合金、または銅合金が、原材料、特に前記ビルドアップ材料として用いられる、請求項1~24の1項に記載の方法。
[26]
前記銅材料または前記銅粉末は、99.5%より高い純度を有する、請求項1~25の1項に記載の方法。
[27]
前記付加的に造形されたビルドアップ材料の引張強度は少なくとも170MPaであり、および/または降伏強度は少なくとも120MPaであり、および/または引き裂かれ時の伸長は20%より大きい、請求項1~26の1項に記載の方法。
[28]
前記巻線ベース体(13)は、異なる導体タイプを備え、特に、第1の巻線ベース体は第1の導体タイプから形成され、第2の巻線ベース体は、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成される、請求項1~27の1項に記載の方法。
[29]
前記第1の巻線ベース体および前記第2の巻線ベース体は、前記ステータの中心軸(A)に対して径方向に、および/または軸方向に隣接して導入される、請求項1~28の1項に記載の方法。
[30]
巻線ベース体は、第1の部分において第1の導体タイプから形成され、前記ステータの前記軸方向または長手方向(A)に前記第1の部分に隣接する第2の部分において、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導体タイプから形成される、請求項1~29の1項に記載の方法。
[31]
前記第1の導体タイプが第1の導電率を有し、前記第2の導体タイプが、前記第1の導体タイプとは異なる第2の導電率を有することにより、特に、前記電気機械の動作中の損失が低減される、請求項1~30の1項に記載の方法。
[32]
前記巻線ベース体および/または導体タイプの少なくとも1つは、少なくとも1つの部分において付加製造プロセスによって生成され、断面において、少なくとも第2のエリアは、第1のエリアよりも低い導電率を有する、請求項1~31の1項に記載の方法。
[33]
前記ステータのアクティブエリア内の少なくとも1つの導体タイプの断面は、前記ステータのそれぞれのスロットまたは前記スロットの意図された部分を完全またはほぼ完全に埋めるように設計される、請求項1~32の1項に記載の方法。
[34]
前記巻線ベース体は、端部の少なくとも一方が互いに対し、または互いに向かって散開され、特に、前記散開した巻線ベース体(13)は、端部において互いに少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1.0mmの距離(20)を有する、請求項1~33の1項に記載の方法。
[35]
前記巻線ベース体(13)が互いに対し、または互いに向かって散開している前記巻線ベース体部分は、前記ステータの前記軸方向(A)に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの高さ(21)を有する、請求項1~34の1項に記載の方法。
[36]
前記巻線ベース体(13)が互いに対し、または互いに向かって散開していない巻線ベース体部分は、前記ステータブランクまたは積層シートパッケージ(10)に対して、前記ステータの前記軸方向(A)に少なくとも5mm、好適には少なくとも10mmの突起(22)を有する、請求項1~35の1項に記載の方法。
[37]
前記巻線ベース体(13)は、前記ステータブランクまたは積層シートパッケージに対して、前記ステータの前記軸方向(A)に少なくとも10mm、好適には少なくとも20mmの突起(23)を有する、請求項1~36の1項に記載の方法。
[38]
請求項1~37の1項に記載の方法に従って製造された、電気機械、特に電気モータまたは発電機のための巻線、好適にはヘアピン巻線を備えるステータ。
【国際調査報告】