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特表2024-527047血液がんの処置のためのIL15/IL15Rアルファヘテロ二量体FC融合タンパク質
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】血液がんの処置のためのIL15/IL15Rアルファヘテロ二量体FC融合タンパク質
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240711BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20240711BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20240711BHJP
   C07K 16/18 20060101ALN20240711BHJP
   C07K 14/54 20060101ALN20240711BHJP
   C07K 14/715 20060101ALN20240711BHJP
【FI】
A61K39/395 T
A61K39/395 Y
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K39/395 E
A61K38/20
C07K19/00 ZNA
C07K16/18
C07K14/54
C07K14/715
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504956
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 US2022074179
(87)【国際公開番号】W WO2023010031
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/226,359
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510089100
【氏名又は名称】ゼンコア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウンゲウィッケル, アレクサンダー ヨアヒム ポール
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA44
4C084DA12
4C084MA02
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB36
4C085BB42
4C085CC22
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG04
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA02
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、IL15タンパク質-Fcドメイン融合物を含む第1のモノマーとIL15Rαタンパク質-Fcドメイン融合物を含む第2のモノマーとを含むヘテロ二量体タンパク質を投与することによって、多発性骨髄腫などの血液がんを処置する方法を提供する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質の前記スシドメインが前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
【請求項2】
血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質の前記スシドメインが前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
【請求項3】
血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質の前記スシドメインが前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
【請求項4】
血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質の前記スシドメインが前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
【請求項5】
血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質の前記スシドメインが前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
【請求項6】
前記第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236delおよびS267Kを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含み、前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み、前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換K246Tをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記IL-15タンパク質が、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
IL-15Rαタンパク質の前記スシドメインが、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して前記第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、前記IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のリンカーおよび/または第2のリンカーが、独立して、可変長Gly-Serリンカーである、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のリンカーおよび/または前記第2のリンカーが、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)、および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)からなる群から選択されるリンカーを独立して含み、nが1~5の整数である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、前記IL-15Rαタンパク質が前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
【請求項21】
血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、前記IL-15Rαタンパク質が前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
【請求項22】
血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、前記IL-15Rαタンパク質が前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
【請求項23】
血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、前記IL-15Rαタンパク質が前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
【請求項24】
血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を前記対象に投与することを含み、前記ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、前記IL-15タンパク質が、前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、前記IL-15Rαタンパク質が前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
【請求項25】
前記第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるG236R/L328R;
E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;
E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;
E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;
E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;および
E233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、前記Fcドメインが、IgG1またはIgG3のFcドメインに由来する、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるL328R;S239K;およびS267Kからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、前記FcドメインがIgG2のFcドメインに由来する、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるG236R/L328R;
E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;
E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;
E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;
E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;および
E233P/F234V/L235A/G236delから選択されるアミノ酸置換をさらに含み、前記FcドメインがIgG4のFcドメインに由来する、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記IL-15タンパク質が、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65DおよびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記IL-15タンパク質および前記IL-15Rαタンパク質が、それぞれE87C:65DPC;E87C:65DCA;V49C:S40C;L52C:S40C;E89C:K34C;Q48C:G38C;E53C:L42C;C42S:A37CおよびL45C:A37Cから選択される、一組のアミノ酸置換または付加を含む、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記IL-15タンパク質が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む、請求項20~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記IL-15Rαタンパク質が、配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む、請求項20~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のFcドメインが、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;前記第2のFcドメインが、アミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み;前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;前記IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;前記IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のFcドメインが、アミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;前記第2のFcドメインが、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;前記IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;前記IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のFcドメインが、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;前記第2のFcドメインが、アミノ酸置換K246T、S364KおよびE357Qを含み;前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;前記IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;前記IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のFcドメインが、アミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;前記第2のFcドメインが、アミノ酸置換K246T、L368DおよびK370を含み;前記第1のFcドメインおよび前記第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;前記IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;前記IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して前記第1のFcドメインのN末端に共有結合している、請求項20~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、請求項20~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して前記第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、前記IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して前記第2のFcドメインのN末端に共有結合している、請求項20~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のリンカーおよび/または第2のリンカーが、独立して、可変長Gly-Serリンカーである、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のリンカーおよび/または前記第2のリンカーが、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)、および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)からなる群から選択されるリンカーを独立して含み、nが1~5の整数である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ヘテロ二量体タンパク質が、XENP22822、XENP23504、XENP24045、XENP24306、XENP22821、XENP23343、XENP23557、XENP24113、XENP24051、XENP24341、XENP24052、XENP24301、およびXENP32803タンパク質からなる群から選択される、請求項20~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のモノマーが配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、前記第2のモノマーが配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~5および20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のモノマーが配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、前記第2のモノマーが配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~5および20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記ヘテロ二量体タンパク質が、XENP24306、XENP32803、またはそれらの組み合わせである、請求項1~5および20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質との組み合わせが、前記対象に投与される、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のヘテロ二量体タンパク質が、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含み、前記第2のヘテロ二量体タンパク質が、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質が同時に投与される、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質が連続的に投与される、請求項46または47に記載の方法。
【請求項50】
前記血液がんが、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群から選択される、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記血液がんが多発性骨髄腫である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記多発性骨髄腫が、再発性または難治性多発性骨髄腫である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記血液がんがB細胞非ホジキンリンパ腫である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記血液がんが慢性リンパ性白血病である、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記対象が、以前に1以上の処置を投与されたことがある、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記以前の処置が、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤または抗CD38モノクローナル抗体である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記免疫調節薬が、レナリドミド、サリドマイドおよびポマリドミドからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブおよびイキサゾミブからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記抗CD38モノクローナル抗体が、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブおよびフェルザルタマブからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、約0.0025mg/kg、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.015mg/kg、約0.02mg/kg、約0.025mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.08mg/kg、約0.1mg/kg、約0.12mg/kg、約0.16mg/kg、約0.2mg/kg、約0.24mg/kgおよび約0.32mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.04mg/kg、および約0.06mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、0.025mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.08mg/kg、0.10mg/kg、0.16mg/kg、0.20mg/kg、0.24mg/kgおよび0.32mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.04mg/kg、および0.06mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
抗CD38モノクローナル抗体を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記抗CD38モノクローナル抗体が、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブおよびフェルザルタマブからなる群から選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記抗CD38モノクローナル抗体がダラツムマブである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記ヘテロ二量体タンパク質および前記抗CD38モノクローナル抗体が同時に投与される、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記ヘテロ二量体タンパク質および前記抗CD38モノクローナル抗体が連続的に投与される、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記ヘテロ二量体タンパク質が、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5WおよびQ6Wからなる群から選択される頻度で投与される、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記ヘテロ二量体タンパク質が、Q1Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記ヘテロ二量体タンパク質が、Q2Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記ヘテロ二量体タンパク質が、Q4Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記抗CD38モノクローナル抗体が、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5WおよびQ6Wからなる群から選択される頻度で投与される、請求項64~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記抗CD38モノクローナル抗体がQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記抗CD38モノクローナル抗体がQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記抗CD38モノクローナル抗体がQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記ヘテロ二量体タンパク質がQ2Wの頻度で投与され、前記抗CD38モノクローナル抗体がQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記ヘテロ二量体タンパク質がQ2Wの頻度で投与され、前記抗CD38モノクローナル抗体がQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項79】
前記ヘテロ二量体タンパク質がQ4Wの頻度で投与され、前記抗CD38モノクローナル抗体がQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記ヘテロ二量体タンパク質が静脈内投与される、請求項1~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記抗CD38モノクローナル抗体が皮下投与される、請求項64~68のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月28日に出願された米国仮出願第63/226,359号の優先権および利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、IL15-IL15Rヘテロ二量体Fc融合タンパク質を使用する、多発性骨髄腫などの血液がんの処置の分野に関する。
【0003】
配列表
本出願は、XML形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年7月27日に作成された、当該XMLコピーは、000218-0046-WO1_SL.xmlという名前であり、サイズは60,483バイトである。
【背景技術】
【0004】
背景
ほとんどの血液がん(または血液学的がん)は、骨髄で発症し、制御不能に成長する異常な血球に起因し、感染を撃退する正常な血球の機能を中断し、新しい血球を産生する。血液がんの一種である多発性骨髄腫(MM)は、骨髄における悪性形質細胞の増殖および蓄積を特徴とする不治の新生物であり、大部分の対象の血液または尿中において、検出可能なモノクローナルタンパク質(Mタンパク質)の過剰産生をもたらす。米国では毎年約30,000人が罹患していると診断され(Siegelら、2019)、世界では毎年約160,000人がMMと診断されている(Brayら、2018)。MMに起因する終末器官損傷には、高カルシウム血症、腎機能不全、貧血、および溶解性骨病変が含まれる。MMは、処置の進歩にもかかわらず依然として不治であり、自己幹細胞移植(ASCT)などの積極的な処置治療によっても、標準リスクでは生存期間中央値は8~10年、高リスク骨髄腫では生存期間中央値は2~3年であると推定されている(Mikhaelら、2013)。ボルテゾミブ(Velcade(登録商標)U.S.Package Insert[USPI])などのプロテアソーム阻害剤(PI)、レナリドミド(Revlimid(登録商標)USPI)などの免疫調節薬(IMiD)、およびダラツムマブ(Darzalex(登録商標)USPI、Darzalex-Faspro(商標)USPI)などのモノクローナル抗体の導入により、生存期間の延長が達成されている。MMの処置について米国食品医薬品局の承認を受けた新規な作用機序を有する他の薬剤としては、核外輸送阻害剤であるSelinexor(Xpovio(商標)USPI)およびベランタマブマホドチン-blmf(Blenrep USPI)が挙げられる。
【0005】
処置選択肢の著しい進歩にもかかわらず、ほとんどのMM患者は最終的に再発する。再発性/難治性多発性骨髄腫(R/R MM)は依然として、満たされていない重大な医療ニーズを構成しており、抗CD38モノクローナル抗体に対して難治性の疾患を有する対象において、全生存期間の中央値は1年未満である(Chariら、2019;Ghandiら、2019)。悪性形質細胞を標的として破壊するようにヒト免疫系に指示するいくつかのアプローチが、T細胞係合二重特異性抗体およびキメラ抗原受容体[CAR]T細胞を含む臨床状況において現在研究されている。これらの薬剤を使用した臨床試験からの新たなデータにより、対象の免疫系を操作することがR/R MMの処置のための潜在的に有望なアプローチであることが示唆されている(Moreauら、2019;Caraccioら、2020)。
【発明の概要】
【0006】
概要
第1の態様では、本開示は、血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、当該IL-15タンパク質が当該第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質の当該スシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが当該第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、当該IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法を提供する。
【0007】
第2の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、当該IL-15タンパク質が当該第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質の当該スシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが当該第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、当該IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法を提供する。
【0008】
第3の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、当該IL-15タンパク質が当該第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質の当該スシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが当該第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、当該IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法を提供する。
【0009】
第4の態様では、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、当該IL-15タンパク質が当該第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質の当該スシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが当該第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、当該IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法を提供する。
【0010】
第5の態様では、血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、当該IL-15タンパク質が当該第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質の当該スシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが当該第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、当該IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態では、当該第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236delおよびS267Kを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含み、当該第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含む、。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換K246Tをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質のスシドメインは、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合している。
【0017】
いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している。
【0018】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、IL-15Rαタンパク質は、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび/または第2のリンカーは、独立して、可変長Gly-Serリンカーである。いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび/または第2のリンカーは、独立して、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)、および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)からなる群から選択されるリンカーを含み、nは1~5の整数である。
【0020】
第6の態様では、本開示は、血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0021】
第7の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0022】
第8の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0023】
第9の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0024】
第10の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0025】
第11の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0026】
第12の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0027】
いくつかの態様では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、独立して、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、独立して、EUナンバリングによるG236R/L328R;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインは、IgG1またはIgG3のFcドメインに由来する。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、独立して、EUナンバリングによるL328R;S239K;およびS267Kからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインは、IgG2のFcドメインに由来する。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、独立して、EUナンバリングによるG236R/L328R;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/F234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインは、IgG4のFcドメインに由来する。
【0031】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65DおよびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質およびIL-15Rαタンパク質は、それぞれE87C:65DPC;E87C:65DCA;V49C:S40C;L52C:S40C;E89C:K34C;Q48C:G38C;E53C:L42C;C42S:A37CおよびL45C:A37Cから選択される、一組のアミノ酸置換または付加を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、配列番号1および配列番号2からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインは、アミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインは、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインは、アミノ酸置換K246T、S364KおよびE357Qを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインは、アミノ酸置換K246T、L368DおよびK370を含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合している。いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、IL-15Rαタンパク質は、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび/または第2のリンカーは、独立して、可変長Gly-Serリンカーである。いくつかの実施形態では、第2のリンカーは、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)、および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)からなる群から選択されるリンカーを独立して含み、nは1~5の整数である。
【0041】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP22822、XENP23504、XENP24045、XENP24306、XENP22821、XENP23343、XENP23557、XENP24113、XENP24051、XENP24341、XENP24052、XENP24301、およびXENP32803タンパク質からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2のモノマーは、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、第2のモノマーは、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、第2のモノマーは、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP24306、XENP32803、またはそれらの組み合わせである。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質との組み合わせが、対象に投与される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含み、第2のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質は、連続的に投与される。
【0046】
いくつかの実施形態では、血液がんは、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群から選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、血液がんは多発骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性または難治性多発性骨髄腫である。
【0048】
いくつかの実施形態では、血液がんはB細胞非ホジキンリンパ腫である。
【0049】
いくつかの実施形態では、血液がんは慢性リンパ性白血病である。
【0050】
いくつかの実施形態では、対象は、以前に1以上の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、以前の処置は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤または抗CD38モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、レナリドミド、サリドマイドおよびポマリドミドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブおよびイキサゾミブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体は、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブおよびフェルザルタマブからなる群から選択される。
【0051】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、約0.0025mg/kg、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.015mg/kg、約0.02mg/kg、約0.025mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.08mg/kg、約0.1mg/kg、約0.12mg/kg、約0.16mg/kg、約0.2mg/kg、約0.24mg/kgおよび約0.32mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される。
【0052】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.04mg/kg、および約0.06mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される。
【0053】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、0.025mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.08mg/kg、0.10mg/kg、0.16mg/kg、0.20mg/kg、0.24mg/kgおよび0.32mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.04mg/kg、および0.06mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される。
【0055】
いくつかの態様では、方法は、対象にCD38結合アンタゴニストを投与することをさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体は、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブおよびフェルザルタマブからなる群から選択される。
【0057】
いくつかの実施態様では、抗CD38モノクローナル抗体はダラツムマブである
【0058】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質および抗CD38モノクローナル抗体は同時に投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質および抗CD38モノクローナル抗体は連続的に投与される。
【0059】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5WおよびQ6Wからなる群から選択される頻度で投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q1Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q2Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q4Wの頻度で1サイクル以上投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体は、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5WおよびQ6Wからなる群から選択される頻度で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される。
【0061】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q2Wの頻度で投与され、抗CD38モノクローナル抗体はQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q2Wの頻度で投与され、抗CD38モノクローナル抗体はQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、Q4Wの頻度で投与され、抗CD38モノクローナル抗体はQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は静脈内投与される。
【0063】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、皮下投与される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1Aおよび図1Bは、XENP24306(約82%)およびXENP32803(約18%)の組み合わせが、ヒトPBMCにおいてヒトNK細胞(図1A)およびCD8T細胞(図1B)の用量依存的な増殖を促進することを示す。22名の個別のヒトドナー由来のPBMCを、示された総濃度のXENP24306(約82%)およびXENP32803(約18%)の組み合わせで4日間処置し、CD3CD56NK細胞(図1A)またはCD3CD8CD16T細胞(図1B)について、Ki67(細胞増殖のマーカー)の頻度を、フローサイトメトリーによって測定した(図1B)。各点は、22名のドナーの平均値を表し、エラーバーはSEMを表す。曲線あてはめを、最小二乗法を使用して生成した。EC50値は、可変勾配(4パラメータ)式を使用するアゴニスト対応答を用いる非線形回帰解析により決定した。[CD=分化のクラスター;NK=ナチュラルキラー;PBMC=末梢血単核細胞]。
【0065】
図2図2は、ヒトPBMCにおけるXENP24306(約82%)とXENP32803(約18%)との組み合わせ、組換え野生型IL-15(rIL15)および野生型IL-15/野生型IL-15Rαヘテロ二量体Fc融合(XENP22853)によって誘導されたCD8末端エフェクターT細胞増殖の比較を示す。[EC50=半数効果濃度]。
【0066】
図3A-3D】図3A~3Dは、XENP24306(約82%)とXENP32803(約18%)との組み合わせの反復投与および種々の用量(0;0.03mg/kg;0.2mg/kgおよび0.6mg/kg)で処置したカニクイザルの全血中のCD8βT細胞(図3A(雄)および図3B(雌))およびNK細胞(図3C(雄)および図3D(雌))の絶対数を表すグラフを示す。カニクイザル由来の全血を、抗体で染色し、CD8T細胞をCD45CD3CD8βCD4CD16として、およびNK細胞をCD45CD3CD16として同定した。各データ点は、1つのグループにつき3~5匹のカニクイザルの平均値を表し;エラーバーはSDを示す。
【0067】
図4図4は、合計3回の用量のヘテロ二量体タンパク質のQ2Wでの静脈内投与(0.03mg/kgの用量;0.2mg/kgおよび0.6mg/kg)後のカニクイザル(雄および雌を合わせた)における平均(±SD)ヘテロ二量体タンパク質(XENP24306(約82%)およびXENP32803(約18%)の組み合わせの血清濃度(ng/mL)対時間(日)プロファイルを表すグラフである。
【0068】
図5図5は、IL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(例えば、XENP24306、XENP32803、またはXENP24306(約82%)とXENP32803(約18%)との組み合わせ)およびダラツムマブの組み合わせ試験の概略図であり、用量漸増段階および拡大段階の2つの段階に登録された対象およびこれらの2つの段階の詳細を示す。DL=用量レベル;DLT=用量制限毒性;MAb=モノクローナル抗体;MAD=最大投与量;MTD=最大耐量;RP2D=推奨第II相用量;SC=皮下;TBD=決定される。この試験における安全性データの蓄積に基づいて、代替的なIL15/IL15Rα投与スケジュールを考慮し得る。ダラツムマブSCの投与スケジュールについては図6を参照されたい。安全性閾値は、所与のコホートにおけるDLT評価ウィンドウ中の少なくとも2名の対象における別の明確に特定可能な原因に起因しない1名の対象のDLTまたは2を超えるグレードの主要臓器有害事象として定義される。
【0069】
図6図6は、IL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(例えば、XENP24306、XENP32803、またはダラツムマブ(抗CD38抗体)と組み合わせたXENP24306(約82%)およびXENP32803(約18%)の組み合わせの併用療法の試験スキーマであり、投与スケジュールを示す図である。SC=皮下;IV=静脈内;TBD=決定される;C=サイクル;Q1W=毎週;Q2W=2週間毎;Q4W=4週間毎;wk=週。対象は、試験処置中止の基準を満たすか、試験を中止するか、または試験の提供者が試験を終了するまで、IL15/IL15Rαによる処置を受け続け得る。
【0070】
図7図7は、XENP24306モノマー1(配列番号9)、XENP24306モノマー2(配列番号10)、XENP32803モノマー1(配列番号9)およびXENP32803モノマー2(配列番号16)のアミノ酸配列を提供する。モノマー1の配列では、IL15部分には下線が引かれており、リンカーはスラッシュでオフセットされて、太字かつ下線で示されている。Fc部分は2番目のスラッシュの後ろにあり、いずれのフォーマッティングも含まない。モノマー2の配列では、IL15Rα部分に下線が引かれており、リンカーはスラッシュでオフセットされて、太字かつ下線で示されている。Fc部分は2番目のスラッシュの後ろにあり、いずれのモーマッティングも含まない。
【0071】
図8A-8B】図8Aおよび図8Bは、ヒトIL-15前駆体タンパク質(完全長ヒトIL-15)(配列番号2)、成熟型または切断型ヒトIL-15タンパク質(配列番号1)、完全長ヒトIL-15Rαタンパク質(配列番号3)、ヒトIL-15Rαタンパク質の細胞外ドメイン(配列番号54)、ヒトIL-15Rαタンパク質のスシドメイン(配列番号4)、完全長ヒトIL-15Rβタンパク質(配列番号55)およびヒトIL-15Rβタンパク質の細胞外ドメイン(配列番号56)についてのアミノ酸配列を提供する。
【0072】
図9A-9G】図9A図9Gは、XENP22853野生型IL-15-Fcwの第1のモノマー(配列番号:11)、XENP22822タンパク質(配列番号:19および配列番号:20)、XENP23504タンパク質(配列番号:29および配列番号:30)、XENP24045タンパク質(配列番号:23および配列番号:24)、XENP22821タンパク質(配列番号:17および配列番号:18)、XENP23343タンパク質(配列番号:31および配列番号:32)、XENP23557タンパク質(配列番号:21および配列番号:22)、XENP24113タンパク質(配列番号:33および配列番号:34)、XENP24051タンパク質(配列番号:25および配列番号:26)、XENP24341タンパク質(配列番号:35および配列番号:36)、XENP24052タンパク質(配列番号:27および配列番号:28)、およびXENP24301タンパク質(配列番号:37および配列番号:38)についてのアミノ酸配列を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0073】
詳細な説明
概要
本明細書に記載される方法の実施、ならびに組成物の調製および使用には、別途指示がない限り、分子生物学、生化学、クロマチン構造と分析、計算化学、細胞培養、組換えDNAおよび関連分野における、当分野の技術の範囲内の一般的な技術が用いられる。これら技術は文献で十分に説明されている。例えば、Sambrookら MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第4版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,2012;Ausubelら,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John WileyおよびSons,New York,1987-2010および定期更新されるものをされたい。
【0074】
「本明細書」という用語は、明細書全体を意味する。
【0075】
本明細書に記載される実施形態のいずれもが、本開示の異なる態様および明細書の異なる部分(実施例にのみ記載される実施形態を含む)に記載されるものを含め、明確に否定されるかまたは不適切であると明記されない限り、本明細書に記載される1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができると理解すべきである。実施形態の組み合わせは、複数の従属項により特許請求される特定の組み合わせに限定されない。
【0076】
本明細書において言及されるいずれの出版物、特許、および公開済み特許出願も、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。矛盾する場合は、その特異的定義を含む本明細書が優先する。
【0077】
本明細書を通して、「含む(comprise)」という単語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は、「含む(including)」、「含有する(containing)」もしくは「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法の工程を排除しない。
【0078】
本明細書を通して、組成物が特定の成分を有する、含む、または備える(またはその変形)と記載される場合、組成物が言及された成分から本質的になっても、またはそのような成分からなってもよいと考慮される。同様に、方法または過程が特定の工程段階を有する、含む、または備えると記載される場合、その過程は、言及された工程段階から本質的になっても、またはそのような工程段階からなってもよい。さらに、本明細書に記載される組成物および方法が作用可能である限り、工程の順序または特定の動作を実施する順序は重要でないと理解すべきである。さらに、2つ以上の工程または動作を同時に実行し得る。
【0079】
「からなる(consisting of)」という用語は、具体的に列挙されていない要素、工程、または成分を除外する。
【0080】
「から本質的になる」という用語は、本開示の範囲を、指定された材料または工程、ならびに本開示の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
【0081】
「例えば」という用語に続く1つ以上の例は、排他的または限定的であることを意味しない。
【0082】
冠詞(“a”および“an”)は、本明細書では、冠詞の文法的対象の1つまたは、2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(「element」)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0083】
本明細書において使用される場合、本開示の方法に用いられる組成物の成分、パラメータ、計算、または測定値の数量を修飾する、「約」という用語は、例えば、実世界において単離されたポリペプチドまたは医薬組成物を作製するために使用される一般的な測定および液体取り扱い手順により;これら手順の不注意による誤差により;組成物を作製するかまたは方法を実行するために用いられる成分の製造、供給源、または純度の差などにより;本開示の組成物または方法の化学的または物理的属性に実質的な影響を及ぼすことなく生じうる数量の変動を指す。そのような変動は、典型的には、所与の値または範囲の10%以内、より典型的にはさらに5%以内であり得る。「約」という用語は、特定の初期混合物に起因する組成物の異なる平衡条件により異なる量も包含する。「約」という用語によって修飾されているかどうかに関わらず、パラグラフは、その数量に相当するものを含む。本明細書における「約」に続く値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。例えば、「約X」に言及する記載には、「X」の記載が含まれる。数値範囲は、その範囲を規定する数値を包含する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、文脈上そうでないことが明白でない限り、「および/または」を意味すると理解されるべきである。
【0085】
本開示の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。さらに、本明細書に記載される全ての範囲は、そこに含まれる全ての下位範囲を包含すると理解されたい。例えば、「1~10」と記述される範囲は、最小値1と最大値10の間の全ての下位範囲(1および10を含む);すなわち、1以上の最小値で始まる全ての下位範囲、例えば、1~6.1、および10以下の最大値で終わる全ての下位範囲例えば、5.5~10を含むと考えるべきである。範囲の開示は、その範囲の端点の開示としても考慮されるべきである。
【0086】
例示的方法および材料が以下に記載されるが、本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料も、本出願の実施または試験に使用し得る。材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定を意図しない。
【0087】
定義
以下の用語は、別途指示がない限り、以下の意味を有するものと理解すべきである:
【0088】
本明細書で使用される場合、「アブレーション」という用語は、活性の低下または除去を指す。したがって、例えば、「FcγR結合をアブレートする」は、Fc領域アミノ酸バリアントが、特異的バリアントを含まないFc領域と比較して、50%未満の開始結合を有し、70%未満、80%未満、90%未満、95%未満または98%未満の活性喪失が好ましく、一般に、活性は、BIACORE(登録商標)アッセイ(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,SwedenおよびPiscataway,N.J.)において検出可能な結合のレベルを下回ることを意味する。別途明記されない限り、本明細書に記載されるFcドメインは、FcRn受容体への結合を保持する。
【0089】
対象に対して物質、化合物もしくは薬剤「を投与すること」、または対象への物質、化合物もしくは薬剤「の投与」は、その物質、化合物もしくは薬剤の、対象または対象の細胞、組織、器官または体液への接触を指す。このような投与は、当業者に既知の様々な方法のうちの1つを使用して実行し得る。例えば、化合物または薬剤は、静脈内または皮下に投与し得る。投与は、例えば、1回、複数回、および/または1つ以上の延長期間にわたっても実施し得る。いくつかの実施形態では、投与には、自己投与を含む直接投与と、薬物の処方行為を含む間接投与との両方が含まれる。例えば、本明細書で使用される場合、対象に薬物を自己投与するように指示する、または別の者に薬物を投与させるように指示する、および/または対象に薬物の処方箋を提供する医師は、対象に薬物を投与することになる。
【0090】
本明細書で使用される場合、分子の「親和性」という用語は、分子と結合パートナー、例えば受容体、リガンド、または抗原との間の相互作用の強度を指す。分子のその結合パートナーに対する親和性は、典型的には、特定の相互作用の結合親和性平衡解離定数(K)として表され、Kが低いほど親和性が高い。K結合親和性定数は、例えばBIACORE(登録商標)システム(Pharmacia Biosensor AB、ウプサラ、スウェーデン、およびピスタカウェイ、ニュージャージー州)を使用して、表面プラズモン共鳴により測定し得る。また、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、Jonssonら、Ann.Biol.Clin.51:19 26(1993);Jonssonら、Biotechniques 11:620 627(1991);Jonssonら、J.Mol.Recognit.8:125 131(1995);Johnssonら、Anal.Biochem.198:268 277(1991);Hearty Sら、Methods Mol Biol.907:411-42(2012)をも参照されたい。Kは、KinExA(登録商標)システム(Sapidyne Instruments、ハノーファー、ドイツ、およびボイシ、アイダホ州)を使用して測定してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のIL-15バリアントは、野生型IL-15と比較して、IL-2/IL-15βγ受容体に対する結合親和性が低下した。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質の第1のおよび/または第2のFcバリアントは、ヒト、カニクイザル、およびマウスFcγ受容体に対する親和性が低下した。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質の第1のFcバアントおよび/または第2のFcバリアントは、ヒト、カニクイザル、およびマウスFcγ受容体に結合しない。
【0091】
本明細書において使用される場合、「アミノ酸」および「アミノ酸同一性」という用語は、DNAおよびRNAによってコードされる20個の天然に存在するアミノ酸のうちの1つを指す。
【0092】
本明細書において使用される場合、「アミノ酸置換」または「置換」という用語は、親ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸の異なるアミノ酸での置き換えを指す。特に、いくつかの実施形態では、置換は、特定の位置に天然には存在せず、生物内または任意の生物内に天然には存在しないアミノ酸に対するものである。例えば、置換E272Yは、272位のグルタミン酸がチロシンで置き換えられているバリアントポリペプチド、この場合はFcバリアントを指す。明確にするために、核酸コード配列を変更するが、開始アミノ酸を変更しない(例えば、宿主生物の発現レベルを増加させるためにCGG(アルギニンをコードする)をCGA(依然としてアルギニンをコードする)に交換する)ように操作されたタンパク質は、「アミノ酸置換」ではない。すなわち、同じタンパク質をコードする新しい遺伝子が生成されたにもかかわらず、タンパク質が、開始位置である特定の位置に同じアミノ酸を有する場合、それはアミノ酸置換とは考慮されない。
【0093】
本明細書において使用される場合、「アミノ酸挿入」、「アミノ酸付加」または「付加」または「挿入」という用語は、親ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸配列の付加を指す。例えば、-233E、_233Eまたは233Eは、233位の後で234位の前のグルタミン酸の挿入を示す。さらに、-233ADE、_233ADEまたは233ADEは、233位の後で234位の前のAlaAspGluの挿入を示す。
【0094】
本明細書において使用される場合、「アミノ酸欠失」または「欠失」という用語は、親ポリペプチド配列の特定の位置におけるアミノ酸配列の除去を指す。例えば、E233-またはE233#、E233()、E233_またはE233delは、233位におけるグルタミン酸の欠失を示す。さらに、EDA233-、EDA233_またはEDA233#は、233位で始まる配列GluAspAlaの欠失を示す。
【0095】
本明細書において使用される場合、「抗体」または「Ab」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する特異的な標的または抗原、例えば炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどを認識して少なくとも1つの抗原認識部位を通して結合し得る、免疫グロブリン分子(例えば、完全抗体、抗体断片または修飾抗体)を指す。本明細書において使用される場合、「抗体」という用語は、あらゆる種類の抗体を含み得、所与の抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、操作された抗体(ヒト化抗体、完全ヒト抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、人工的に選択された抗体、CDR-付与抗体などを含む)が挙げられるが、これらに限定さない。いくつかの実施形態では、「抗体」および/または「免疫グロブリン」(Ig)は、場合によりジスルフィド結合により相互接続した、少なくとも2つの重(H)鎖(約50-70kDa)と2つの軽(L)鎖(約25kDa)とを含むポリペプチドを指す。軽鎖には、λおよびκの2種類がある。ヒトにおいて、λおよびκ軽鎖は類似しているが、各抗体には1種類のみが存在する。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ、またはイプシロンとして分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして定義する。概説として、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.編.第2版Raven Press,N.Y.(1989))を参照されたい(参照によりその全体が組み込まれる)。本明細書に記載される方法、使用および使用のための組成物は、IgG抗体を利用する。
【0096】
本明細書において使用される場合、「チェックポイント阻害剤」という用語は、チェックポイントタンパク質を標的としてブロックする化合物を指す。チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質とそのパートナータンパク質との間の相互作用を妨害する。チェックポイント阻害剤の例としては、限定されないが、PD-1/PD-L1軸を標的とする薬剤、およびCTLA-4を標的とする薬剤が挙げられる。
【0097】
本明細書で使用される場合、「サイクル」という用語は、定期的に繰り返される一連の投与工程における各投与事象を指す。例えば、治療薬(例えば、本開示のヘテロ二量体タンパク質)が2週間に1回投与される場合(Q2W)、第1サイクルは1日目に開始し、14日目に終了し、第2サイクルは15日目に開始し、28日目に終了し、第3サイクルは29日目に開始し、42日目に終了する、などである。サイクルの途中で測定を行い、併用療法を投与してもよい。サイクルの途中の事象は、サイクルおよびそれらが発生するサイクルの日によって定義し得、例えば、1週間から2週間のサイクルに行われる測定は、サイクル1、8日目(またはC1D8)と番号付けし得る。併用療法の場合、サイクルは、投与パターンが繰り返されるのにかかる期間によって定義される。例えば、第1の治療薬がQ2Wで投与され、第2の治療薬がQ1Wで投与される場合、サイクルは2週間のサイクルである。そのような場合、両方の薬剤がC1D1に投与される場合、第2の薬剤の第2の用量はC1D8に投与され、第2の薬剤の第3の用量と併用した第1の薬剤の第2の用量は、第2のサイクルを開始するために1週間後に投与される(すなわち、C2D1)。第1の治療薬がQ1Wで投与され、第2の治療薬が3日毎(Q3D)に投与される場合、投与パターンが繰り返されるのに3週間かかるので、サイクルは3週間のサイクルとなり、第1の薬剤の3回の投与および第2の薬剤の7回の投与を含む。
【0098】
本明細書において使用される場合、「エフェクター機能」という用語は、抗体のFc領域と、Fc受容体または別のエフェクター分子(例えば、Fc受容体様(FcRL)分子、補体成分C1q、および3分裂モチーフ含有タンパク質21(TRIM21))との相互作用に起因する生化学的事象を指す。エフェクター機能としては、限定されないが、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性食作用(ADCP)および補体依存性細胞傷害(CDC)が挙げられる。本明細書で使用される用語「ADCC」または「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」は、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を指す。ADCCはFcγRIIIaへの結合と相関し、FcγRIIIaへの結合の増加は、ADCC活性の増加をもたらす。本明細書で論じるように、本開示の多くの実施形態は、ADCC活性を完全にアブレートする。本明細書において使用される場合、「ADCP」または抗体依存性細胞媒介性食作用」という用語は、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の食作用を引き起こす細胞媒介反応を意味する。本明細書において使用される場合、「CDC」または「補体依存性細胞傷害」という用語は、古典的補体経路の活性化をもたらすエフェクター機能を指し、これは、抗体の、標的細胞上の抗原への結合によって引き起こされ、血中に補体関連タンパク質群を含む一連のカスケードを活性化する。
【0099】
本明細書において使用される場合、「Fc」、「Fc領域」または「Fcドメイン」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、いくつかの事例では、第1の定常領域の免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1)またはその一部分を除外する抗体の定常領域を含むポリペプチドを指し、いくつかの事例ではヒンジの一部を指す。IgGの場合、Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCγ2およびCγ3(Cγ2およびCγ3)ならびにCγ1(Cγ1)とCγ2(Cγ2)との間の下側ヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態では、Fcは、免疫グロブリンの切断型CH1ドメインと、CH2およびCH3を指す。Fc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、そのカルボキシル末端に残基E216またはC226またはP230を含むと定義され、番号付けはEUナンバリングに従う。いくつかの実施形態では、本明細書にさらに詳細に記載されるように、例えば1つ以上のFcγR受容体またはFcRn受容体に対する結合を変更するために、アミノ酸修飾がFc領域に対して行われる。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1重鎖のFcドメインに由来している。いくつかの実施形態では、FcドメインはヒトIgG2重鎖Fcドメインに由来する。「Edelmanに規定されるEUフォーマット」または「EUナンバリング」または「EUインデックス」は、Edelman GMら(参照により本明細書に全体が組み込まれるProc.Natl.Acad.USA(1969),63,78-85)に記載されるヒトFcドメインの残基の番号付けを指す。
【0100】
本明細書において使用される場合、「Fc融合タンパク質」および「イムノアドヘシン」という用語は、交換可能に使用され、一般に、(場合により本明細書に記載されるリンカー部分を通して)本明細書に記載される異なるタンパク質に、例えばIL-15および/またはIL-15Rに結合された、Fc領域を含むタンパク質を指す。いくつかの例では、2つのFc融合タンパク質は、ホモ二量体Fc融合タンパク質またはヘテロ二量体Fc融合タンパク質を形成し得、後者が好ましい。
【0101】
本明細書において使用される場合、「Fcバリアント」または「バリアントFc」という用語は、Fcドメインにアミノ酸修飾を含むタンパク質を指す。本発明のFcバリアントは、それらを構成するアミノ酸修飾に従って定義される。したがって、例えば、N434Sは、親Fcポリペプチドに対して434位に置換セリンを有するFcバリアントであり、番号付けはEUインデックスに従う。同様に、M428L/N434Sは、親Fcポリペプチドと比較して置換M428LおよびN434Sを有するFcバリアントを定義する。抗体に関連する本発明で論じられる全ての位置について、別途記載のない限り、アミノ酸位置の番号付けはEUインデックスに従う。修飾は、付加、欠失、または置換であり得る。置換は、天然に存在するアミノ酸、および場合によっては合成アミノ酸を含み得る。例としては、限定されないが、米国特許第6,586,207号;国際公開第98/48032号;国際公開第03/073238号;米国特許出願公開第2004-0214988号;国際公開第05/35727A2号;国際公開第05/74524A2号;J.W.Chinら(2002),Journal of the American Chemical Society 124:9026-9027;J.W.Chin,およびP.G.Schultz,(2002),ChemBioChem 11:1135-1137;J.W.Chin,ら(2002)、PICAS United States of America 99:11020-11024;ならびにL.Wang,およびP.G.Schultz,(2002),Chem.1-10が挙げられ、これは全て参照により全体が組み込まれる。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸のみを含む。いくつかの実施形態では、置換は合成アミノ酸を含まない。
【0102】
本明細書において使用される場合、「Fcガンマ受容体」、「FcγR」および「FcガンマR」という用語は、交換可能に使用され、IgG抗体のFc領域に結合するタンパク質のファミリーのいずれかのメンバーを指し、FcγR遺伝子によってコードされる。FcγRは、任意の生物由来のものでよい。いくつかの実施形態では、FcγRはヒトFcγRである。ヒトでは、このファミリーとしては、限定されないが、アイソフォームFcγRIa、FcγRIbおよびFcγRIcを含むFcγRI(CD64);アイソフォームFcγRIIa(アロタイプH131およびR131を含む)、FcγRIIb(FcγRIIb-1およびFcγRIIb-2を含む)、およびFcγRIIcを含むFcγRII(CD32);アイソフォームFcγRIIIa(アロタイプV158およびF158を含む)およびFcγRIIIb(アロタイプFcγRIIb-NA1およびFcγRIIb-NA2を含む)を含むFcγRIII(CD16)(Jefferisら、2002,Immunol Lett 82:57-65(参照により全体が組み込まれる))、ならびに、任意の未発見のヒトFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが挙げられる。
【0103】
本明細書において使用される場合、「FcRn」または「新生児Fc受容体」は、IgG抗体Fc領域に結合し、FcRn遺伝子によって少なくとも部分的にコードされるタンパク質を指す。FcRnは、任意の生物に由来するものでよい。いくつかの実施形態では、FcRnは、ヒトFcRnである。当技術分野で知られているように、機能性FcRnタンパク質は、多くの場合重鎖および軽鎖と呼ばれる2つのポリペプチドを含む。軽鎖はベータ2ミクログロブリンであり、重鎖はFcRn遺伝子によってコードされる。本明細書で別途明記されない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、FcRn重鎖とベータ2ミクログロブリンとの複合体を指す。様々なFcRnバリアントを使用して、FcRn受容体への結合を増加させ、場合によっては血清半減期を増加させ得る。一般に、別途明記されない限り、本明細書に記載されるFcモノマーは、FcRn受容体への結合を保持する(かつ、以下に述べるように、FcRn受容体への結合を増加させるアミノ酸バリアントを含み得る)。
【0104】
本明細書において使用される場合、「修飾」という用語は、ポリペプチド配列におけるアミノ酸置換、挿入、および/もしくは欠失またはタンパク質に化学的に結合している部分への変更を指す。例えば、修飾は、タンパク質に結合した改変された炭水化物またはPEG構造であり得る。本明細書において「アミノ酸修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入および/または欠失を意味する。明確にするために、別途明記されない限り、アミノ酸修飾は常に、DNAによってコードされるアミノ酸、例えば、DNAおよびRNAにコドンを有する20個のアミノ酸に言及している。
【0105】
「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、線形または円形コンホメーション、かつ一本鎖または二本鎖形態の、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これら用語は、ポリマーの長さに関する限定と解釈されない。これら用語は、天然ヌクレオチド、ならびに塩基部分、糖部分および/またはホスフェート部分において修飾されたヌクレオチドの既知の類似体(例えば、ホスホロチオエート骨格)を包含し得る。一般に、特定のヌクレオチドの類似体は、同じ塩基対合特異性を有する;すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対合するであろう。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、天然ヌクレオチドのみを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、天然ヌクレオチドのいかなる類似体も含まない。
【0106】
本明細書において使用される場合、「天然に存在しない修飾」という用語は、アイソタイプでないアミノ酸修飾を指す。例えば、IgGのいずれも434位にセリンを含まないので、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4(またはそれらのハイブリッド)における置換434Sは、天然に存在しない修飾と考えられる。
【0107】
「患者」、「対象」および「個体」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、処置を必要とするヒトまたは非ヒト動物を指す。これら用語には、哺乳動物、例えばヒト、および霊長類(例えば、サル)が含まれる。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、多発性骨髄腫などの血液がんの処置を必要とする。本明細書において使用される場合、「処置すること」および「処置」は、症状の重症度および/または頻度の低下、症状および/またはその原因の排除、症状の発生および/またはその原因の予防、ならびに損傷の改善または修復を指す。
【0108】
本明細書において使用される場合、タンパク質配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列同一性最大パーセントが得られるように、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後に、いかなる保存的置換も配列同一性の部分として考慮せずに、特定の(親)配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のための整列は、当該技術分野における技術の範囲内にある種々の方法において、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを用いて達成され得る。当業者であれば、比較されている配列の完全長にわたって最大の整列を達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、整列を測定するための適切なパラメータを決定し得る。1つの特定のプログラムは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20160244525号の段落[0279]~[0280]に概説されているALIGN-2プログラムである。
【0109】
本明細書において使用される場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、交換可能に使用され、アミノ酸残基のポリマーを指す。この用語は、1つ以上のアミノ酸が対応する天然に存在するアミノ酸の化学類似体または修飾された誘導体であるアミノ酸ポリマーにも適用される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸のみを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、対応する天然のアミノ酸の化学的類似体または修飾誘導体を含まない。細胞における融合タンパク質の発現は、融合タンパク質の細胞への送達に起因するか、または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの細胞への送達により生じさせることができ、ポリヌクレオチドは転写され、転写物が翻訳されて、融合タンパク質が生成される。トランススプライシング、ポリペプチド切断およびポリペプチドライゲーションも、細胞におけるタンパク質の発現に関与している可能性がある。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチド送達のための方法は従来技術に既知である。
【0110】
本明細書において使用される場合、「位」という用語は、タンパク質の配列中の位置を指す。位置は、連続的に、または確立されたフォーマット、例えば抗体番号付けのためのEUインデックスに従って、番号付けされ得る。位置は、参照配列に対して定義され得る。このような場合、基準配列は、比較目的で提供され、本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはその一部分)は、参照配列に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはその一部分)は、参照配列に対するいかなる追加的アミノ酸変更も含まない。
【0111】
本明細書において使用される場合「残基」という用語は、タンパク質中の位置およびそれに関連付けられるアミノ酸同一性を指す。例えば、アスパラギン297(Asn297またはN297とも呼ばれる)は、特定のタンパク質中の297位における残基である。
【0112】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」および「有効量」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、処置される状態の1つ以上の症状をある程度軽減する、単剤として、または1つ以上の追加の薬剤と組み合わせて投与される治療薬の量を指す。いくつかの実施形態では、治療的有効量は、有効なまたは所望の臨床結果をもたらすために十分な量である。がんの処置に関して、治療有効量は、多発性骨髄腫などの血液がんの進行(および/またはそれに関連する症状)を緩和し、改善し、安定化し、逆転させ、予防し、遅らせ、または遅延させる効果の少なくとも1つを有する量を指す。本開示において使用され得る有効量は、投与方式、対象の年齢、体重、および健康全般に応じて変化する。適切な量および投薬レジメンは、当技術分野で常套的なスキルを使用して決定し得る。例えば、有効性は、International Myeloma Working Group(IMWG)Uniform Response Criteriaを用いて決定し得る。
【0113】
「野生型」または「WT」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、対立遺伝子の変種を含め、天然に見られるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を指す。WTタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列を有するか、または意図的に修飾されていないヌクレオチド配列によってコードされている。
【0114】
概要
本開示は、血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量の、IL-15およびIL-15受容体アルファ(IL-15Rα)タンパク質ドメインを含むヘテロ二量体タンパク質(またはヘテロ二量体Fc融合タンパク質の組み合わせ)を対象に投与することを含む、方法に関する。本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞および/またはNK細胞の増殖を誘導するための、または血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量の、IL-15およびIL-15受容体アルファ(IL-15Rα)タンパク質ドメインを含むヘテロ二量体タンパク質(またはヘテロ二量体Fc融合タンパク質の組み合わせ)を対象に投与することを含む、方法に関する。Fcドメインは、IgG Fcドメイン、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のFcドメインから得ることが可能である。
【0115】
IL15-IL15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質
開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0118805号に開示されるIL15-IL15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質のいずれか、またはそれらの組み合わせが、本明細書に記載される方法に使用され得る。これらとしては、特に、Fcバリアント、例えば立体バリアント(例えば、「ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-holes)」、「スキュー(skew)」、「静電ステアリング(electro staticsteering)」、「荷電対(charged pair)」変形例)、pI変異体、アイソタイプ変異体、FcγR変異体およびアブレーション変異体(例えば、「FcγRアブレーションバリアント」または「Fcノックアウト(FcKOまたはKO)」バリアント)、ならびにそれらに開示される様々なIL-15およびIL15Rαタンパク質が挙げられる。
【0116】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法において有用なヘテロ二量体タンパク質は、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が第1のFcドメインのN末端に共有結合している第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、それぞれ、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;{1>L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Qの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S364K/E357Q:L368D/K370Sの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、L368D/K370S:S364Kの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、L368E/K370S:S364Kの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、T411E/K360E/Q362E:D401Kの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、L368D/K370S:S364K/E357Lの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、K370S:S364K/E357Qの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370Sの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、L368D/K370S:S364K/E357Qの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S364K:L368D/K370Sの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S364K:L368E/K370Sの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、D401K:T411E/K360E/Q362Eの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S364K/E357L:L368D/K370Sの一組のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、S364K/E357Q:K370Sの一組のアミノ酸置換を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々は、独立して、EUナンバリングによるQ295E、N384D、Q418EおよびN421D、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるQ295E、N384D、Q418EおよびN421D、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるQ295E、N384D、Q418EおよびN421D、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、EUナンバリングによるQ295E、N384D、Q418EおよびN421D、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる220位に遊離システインを含まない。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220Sを含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる220位に遊離システインを含まない。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる220位に遊離システインを含まない。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの両方は、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220Sを含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、E233P、L234V、L235A、G236del、G236R、S239K、S267K、A327GおよびL328Rまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236del、およびS267Kをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、E233P、L234V、L235A、G236del、G236R、S239K、S267K、A327GおよびL328Rまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236del、およびS267Kをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは各々は、EUナンバリングによるアミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236del、およびS267Kを含む。
【0121】
様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)中の対応する位置を基準としている。野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含んでもよい。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、異なる野生型ヒトIgG1の対立遺伝子に由来するものでもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)に対するいかなる追加のアミノ酸変更も含まない。当業者であれば、IgG2、IgG3またはIgG4のFcドメインに由来するFcドメインにおける対応する置換を決定し得るであろう。例えば、当業者であれば、残基E233、L234、L235およびG236が、IgG1またはIgG3のFcドメインに由来するFcドメイン中に存在することがわかるであろう。いくつかの実施形態では、様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG3のFcドメイン(配列番号14)中の対応する位置を基準にしている。野生型IgG3のFcドメイン(配列番号14)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG3のFcドメイン(配列番号14)に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含んでもよい。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、異なる野生型ヒトIgG3対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG3のFcドメインと比較していかなる追加のアミノ酸変化も含まない(配列番号14)。
【0122】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々は、独立して、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインは、IgG1またはIgG3のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG1またはIgG3のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG1またはIgG3のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/L234V/L235A/G236del(からなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG1またはIgG3のFcドメインに由来する。
【0123】
当業者であれば、IgG2のFcドメインに由来するFcドメインにおける対応する残基はP233、V234、およびA235であり、IgG2に由来するFcドメインが残基G236に対応する残基を欠くことも理解するであろう。したがって、当業者であれば、FcドメインがIgG2のFcドメイン(すなわち、野生型IgG2中に存在するPVA-配列)である場合、本明細書におけるE233P、L234V、L235A、およびG236delへの言及が、P233、V234、A235および-236への言及であることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG2Fcドメインにおける対応する位置(配列番号13)を基準とする。野生型IgG2のFcドメイン(配列番号13)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のFc部分は、野生型IgG2のFcドメイン(配列番号13)に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含んでもよい。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、種々の野生型ヒトIgG2対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG2Fcドメインと比較していかなる追加のアミノ酸変化も含まない(配列番号13)。
【0124】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々は、独立して、EUナンバリングによるL328R;S239K;S267K;S239K/A327G;およびS267K/A327Gからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG2のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、L328R;S239K;S267K;S239K/A327G;およびS267K/A327Gからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG2のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、L328R;S239K;S267K;S239K/A327G;およびS267K/A327Gからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG2のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、L328R;S239K;S267K;S239K/A327G;およびS267K/A327Gからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG2のFcドメインに由来する。
【0125】
当業者であれば、IgG4に由来するFcドメインでは、残基234がフェニルアラニンであることも理解するであろう。したがって、当業者であれば、FcドメインがIgG4のFcドメインに由来している場合、本明細書におけるL234(例えば、L234V)への言及が、F234(例えば、F234V)への言及であることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG4Fcドメインにおける対応する位置(配列番号15)を基準とする。野生型IgG4Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号15)は、比較目的のために提供される例示的な配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG4Fcドメイン(配列番号15)と比較して追加のアミノ酸変化(例えば、置換、挿入および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、種々の野生型ヒトIgG4対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG4Fcドメインと比較していかなる追加のアミノ酸変化も含まない(配列番号15)。
【0126】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々は、独立して、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/F234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインは、IgG4のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/F234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG4のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/F234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインはIgG4のFcドメインに由来する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、G236R/L328R;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/F234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインは、IgG4のFcドメインに由来する。
【0127】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428LまたはN434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428Lをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換N434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428LまたはN434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428Lをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換N434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428LおよびN434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428LおよびN434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428LおよびN434Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428Lをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによるアミノ酸置換N434Sをさらに含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換K246Tをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換K246Tをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換K246Tをさらに含む。K246T置換は、第2のFcドメインに出現すると、第2のモノマーのアミノ酸番号付け(例えば、配列番号10および16参照)に基づいてK100T変異とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換K246Tをさらに含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含む(全てEUナンバリングによる)。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含む(全てEUナンバリングによる)。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み(全てEUナンバリングによる)、IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み(全てEUナンバリングによる)、IL-15タンパク質はアミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換K246T、S364KおよびE357Qを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含む(全てEUナンバリングによる)。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換K246T、L368DおよびK370Sを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含む(全てEUナンバリングによる)。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換K246T、S364KおよびE357Qを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み(全てEUナンバリングによる)、IL-15タンパク質はアミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインはアミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインはアミノ酸置換K246T、L368DおよびK370Sを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み(全てEUナンバリングによる)、IL-15タンパク質はアミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は配列番号4を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の第1のFcドメインは、配列番号6に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の第2のFcドメインは、配列番号7に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の第2のFcドメインは、配列番号8に示される配列を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるFcバリアントドメインのアミノ酸置換のいずれか1つは、モノマーの1つまたは両方のモノマー上にある(例えば、第1のFcドメイン上;第2のFcドメイン上または両方のFcドメイン上)。
【0133】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG1に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG2に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG3に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG4に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG1に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG2に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG3に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG4に由来する。
【0134】
本明細書において使用される場合、「IL-15」、「IL15」または「インターロイキン15」は、交換可能に使用し得、サイトカインのファミリーに属する4-α-ヘリックスタンパク質を指す。IL-15は、IL-2/IL-15受容体β(IL-15Rβ)(CD122)サブユニットで構成される受容体複合体を通してシグナル伝達する。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、配列番号2(完全長ヒトIL-15)に示されるポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、配列番号1(切断型または成熟ヒトIL-15)に示されるポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、配列番号1および配列番号2からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーのIL-15タンパク質は、野生型IL-15タンパク質(配列番号1)とは異なるアミノ酸配列を有するIL-15タンパク質バリアントである。いくつかの実施形態では、IL-15バリアントは、急性毒性を低下させることにより忍容性を向上させて薬物動態を拡大させることを目標として、IL-2/IL-15βγ受容体複合体に対して低下した結合親和性(野生型IL-15と比較して)を有し、CD8T細胞およびNK細胞上でのIL-15媒介性シグナル伝達を介して最終的に抗腫瘍免疫を促進するように操作される。特定の実施形態では、第1のモノマーのIL-15タンパク質バリアントの配列は、野生型IL-15配列タンパク質(配列番号1)と比較して、少なくとも1つの(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くの)アミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、IL-15Rおよび/またはIL-2/IL-15βγ受容体複合体と相互作用するIL-15のドメインに、アミノ酸置換または欠失のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、野生型IL-15の親和性と比較して、IL-2/IL-15βγ受容体複合体に対する結合親和性の低下を引き起こす、IL-15タンパク質のドメインにおけるアミノ酸置換または欠失のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65DおよびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、当該IL15タンパク質は、E87C、V49C、L52C、E89C、Q48C、E53C、C42SおよびL45Cからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。本明細書に記載されるIL-15タンパク質のアミノ酸置換は、野生型IL-15(成熟形態;配列番号1)に対するものである。野生型IL-15(成熟形態;配列番号1)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、野生型IL-15に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、種々の野生型ヒトIL-15対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、野生型IL-15と比較していかなる追加のアミノ酸変更も含まない。いくつかの実施形態では、第1のモノマー中に存在するIL-15タンパク質バリアントは、配列番号5(XENP24306/XENP32803)に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、以下のアミノ酸置換を含む:N4DおよびN65D。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、以下のアミノ酸置換を含む:D30NおよびN65D。いくつかの実施形態では、第1のモノマー中に存在するIL-15タンパク質は、N65Dアミノ酸置換およびN4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー中に存在するIL-15タンパク質は、N65Dアミノ酸置換およびN4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー中に存在するIL-15タンパク質は、N65Dアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換N4D、D30N、E64Qからなる。本明細書に記載されるIL-15タンパク質のアミノ酸置換は、野生型IL-15(配列番号1)に対するものである。野生型IL-15(配列番号1)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、野生型IL-15に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、種々の野生型ヒトIL-15対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、野生型IL-15と比較していかなる追加のアミノ酸変更も含まない。
【0137】
IL-15Rαタンパク質は、小胞体(ER)から細胞質を通したIL-15の輸送、および細胞表面上でのIL-15/IL-15Rα複合体の提示を促進する、IL-15に対する極めて高い親和性を有する膜貫通タンパク質である。本明細書において使用される場合、「IL-15Rαのスシドメイン」という用語は、IL-15Rαまたは組換えヒトIL-15受容体αの切断型細胞外領域を指す。いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、配列番号3(完全長ヒトIL-15Rα)のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、配列番号4(ヒトIL-15Rαのスシドメイン)のポリペプチド配列を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、当該IL15Rαタンパク質は、残基65(65DPCまたはD96/P97/C98、65DCAまたはD96/C97/A98)、S40C、K34C、G38C、L42CおよびA37Cの後のDPCまたはDCA挿入からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸変化を含む。IL-15Rαタンパク質のこれらアミノ酸置換の番号付けは、ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)に対するものである。ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、種々の野生型ヒトIL-15Rα対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)に対するいかなる追加のアミノ酸変更も含まない。
【0139】
いくつかの実施形態では、IL15タンパク質およびIL15Rαタンパク質は、それぞれ、E87C:65DPC(残基65またはD96/P97/C98の後のDPC挿入);E87C:65DCA(残基65またはD96/C97/A98後のDCA挿入);V49C:S40C;L52C:S40C;E89C:K34C;Q48C:G38C;E53C:L42C;C42S:A37C;およびL45C:A37Cからなる群から選択される、一組のアミノ酸置換または付加を含む。IL-15Rαタンパク質のこれらアミノ酸置換のナンバリングは、ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)に対するものである。ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαは、種々の野生型ヒトIL-15α対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、ヒトIL-15Rαのスシドメイン(配列番号4)に対するいかなる追加のアミノ酸変更も含まない。
【0140】
いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、配列番号3(完全長ヒトIL-15Rα)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、配列番号4(ヒトIL-15Rαのスシドメイン)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質は、配列番号4(ヒトIL-15Rαのスシドメイン)を含む。
【0141】
本開示のヘテロ二量体タンパク質は、IL-15/IL-15Rα-Fcヘテロ二量体融合タンパク質である。ヘテロ二量体Fcドメインの一方の側のN末端は、IL-15タンパク質のC末端に共有結合し、他方の側は、IL-15Rαのスシドメイン(切断型細胞外領域)に共有結合する。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質およびIL-15Rα(スシドメイン)は、IL-15およびIL-15RαのC末端と、Fc領域の各々のN末端との間に、可変長リンカーを有しうる。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合している。いくつかの実施形態では、IL-15Rαタンパク質は、第2のリンカーを使用して第2のFcドメインのN末端に共有結合している。いくつかの実施形態では、IL-15タンパク質は、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、IL-15Rαタンパク質は、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している。本明細書において使用される用語「リンカー」は、2つ以上のドメインを結合するポリペプチド配列を指す。リンカーの特性および特定の目的のためのそれらの安定性は、当技術分野において既知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Chenら.Adv Drug Deliv Rev.October 15;65(10):1357-1369(2013)(様々なタイプのリンカー、それらの特性、ならびに関連するリンカー設計ツールおよびデータベースを開示する)を参照されたい。いくつかの実施形態では、リンカーは、柔軟性であるか、剛性であるか、またはインビボで切断可能である。いくつかの実施形態では、リンカーは柔軟性である。いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび/または第2のリンカーは、独立して、可変長Gly-Serリンカーである。柔軟性のリンカーは、典型的には、小さな非極性アミノ酸(例えばGly)または極性アミノ酸(例えば、SerまたはThr)を含む。本開示に使用することのできる柔軟性リンカーの例は、主にGlyおよびSer残基のストレッチ(「GS」リンカー)からなる配列である。いくつかの実施形態では、柔軟性リンカーは、4つのGlyおよびSer残基の反復を含む。いくつかの実施形態では、柔軟性リンカーは、5つのGlyおよびSer残基の1-5の反復を含む。柔軟性リンカーの非限定的な例としては、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)が挙げられ、式中、nは1~5の任意の整数であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、5~25のアミノ酸残基長である。いくつかの実施形態では、柔軟性リンカーは、5、10、15、20、または25の残基を含む。他の適切なリンカーは、AS(配列番号43)、AST(配列番号44)、TVAAPS(配列番号45)、TVA(配列番号46)、ASTSGPS(配列番号47)、KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号48)、EGKSSGSGSESKST(配列番号49)、(Gly)6(配列番号50)、(Gly)8(配列番号51)、およびGSAGSAAGSGEF(配列番号52)からなる群から選択され得る。一般に、柔軟性リンカーは、良好な柔軟性および溶解度を提供し、機能ドメイン間の距離を保つための受動的リンカーとして機能し得る。柔軟性リンカーの長さは、適正なフォールディングを可能にするか、または融合タンパク質の最適な生物活性を達成するために調整し得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser;配列番号53)を含む。いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、同じ配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、配列番号53に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のリンカーおよび第2のリンカーは、配列番号53に示される配列からなる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法において有用なヘテロ二量体タンパク質は、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインは、第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は独立して、EUナンバリングによる、アミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236del、およびS267Kを含み;IL-15タンパク質は、N65Dアミノ酸置換およびN4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)中の対応する位置を基準としている。野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)に対して追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含んでもよい。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、異なる野生型ヒトIgG1の対立遺伝子に由来するものでもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG1のFcドメイン(配列番号12)に対するいかなる追加のアミノ酸変更も含まない。本明細書に記載されるIL-15タンパク質のアミノ酸置換は、野生型IL-15(成熟形態;配列番号1)に対するものである。野生型IL-15(成熟形態;配列番号1)のアミノ酸配列は、比較目的で提供される例示的配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、野生型IL-15に対する追加のアミノ酸変更(例えば、置換、挿入、および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、種々の野生型ヒトIL-15対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15タンパク質は、野生型IL-15と比較していかなる追加のアミノ酸変更も含まない。
【0143】
当業者であれば、IgG2、IgG3またはIgG4のFcドメインに由来するFcドメインにおける対応する置換を決定し得るであろう。例えば、当業者であれば、残基E233、L234、L235、G236およびA327が、IgG1またはIgG3のFcドメインに由来するFcドメイン中に存在することが分かるであろう。いくつかの実施形態では、様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG3のFcドメイン(配列番号14)中の対応する位置を基準にしている。野生型IgG3Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号14)は、比較目的のために提供される例示的な配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、野生型IgG3Fcドメイン(配列番号14)と比較してさらなるアミノ酸変化(例えば、置換、挿入および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、異なる野生型ヒトIgG3対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG3Fcドメインと比較していかなる追加のアミノ酸変化も含まない(配列番号14)。したがって、当業者は、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、FcドメインがIgG1またはIgG3のFcドメインに由来しているとき、アミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236del、およびS267K(EU番号付けによる)を独立して含むことを理解するであろう。
【0144】
当業者であれば、IgG2のFcドメインに由来するFcドメイン中の対応する残基がP233、V234、A235およびG327であり、IgG2に由来するFcドメインが残基G236に対応する残基を欠くことも理解するであろう。したがって、当業者は、FcドメインがIgG2のFcドメイン(すなわち、野生型IgG2中に存在するPVA-配列)である場合、本明細書におけるE233P、L234V、L235A G236delおよびA327Gへの言及が、P233、V234、A235、-236への言及であり、残基327における置換でないことを理解するであろう。いくつかの実施形態では、様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG2Fcドメインにおける対応する位置(配列番号13)を基準とする。野生型IgG2Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号13)は、比較目的のために提供される例示的な配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、野生型IgG2Fcドメイン(配列番号13)と比較してさらなるアミノ酸変化(例えば、置換、挿入および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、種々の野生型ヒトIgG2対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG2Fcドメインと比較していかなる追加のアミノ酸変化も含まない(配列番号13)。したがって、当業者は、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、FcドメインがIgG2のFcドメインに由来しているとき、EUナンバリングによる、アミノ酸置換S267Kを独立して含むことを理解するであろう。
【0145】
当業者であれば、IgG4に由来するFcドメインでは、残基234がフェニルアラニンであり、残基327がグリシンであることも理解するであろう。したがって、当業者であれば、FcドメインがIgG4Fcドメインに由来している場合、本明細書におけるL234(例えば、L234V)およびA327(例えば、A327G)への言及は、それぞれF234(例えば、F234V)への言及であり、残基327における置換でないことを理解するであろう。いくつかの実施形態では、様々なFcドメイン置換の位置は、野生型IgG4Fcドメインにおける対応する位置(配列番号15)を基準とする。野生型IgG4Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号15)は、比較目的のために提供される例示的な配列であり、ヘテロ二量体タンパク質のIL-15Rαタンパク質は、野生型IgG4Fcドメイン(配列番号15)と比較してさらなるアミノ酸変化(例えば、置換、挿入および欠失)を含み得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、種々の野生型ヒトIgG4対立遺伝子に由来し得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質のFcドメインは、野生型IgG4Fcドメインと比較していかなる追加のアミノ酸変化も含まない(配列番号15)。したがって、当業者であれば、FcドメインがIgG4のFcドメインに由来しているとき、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、アミノ酸置換E233P、F234V、L235A、G236del、およびS267K(EU番号付けによる)を独立して含むことを理解するであろう。
【0146】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、より低いpH(6.0)で全身曝露をさらに延長し、FcRn結合の強化を通して半減期を延ばすように独立して操作される。いくつかの実施形態では、Fc領域に対する追加の操作により、本開示のヘテロ二量体タンパク質はエフェクターを持たなくなり(すなわちFcγ受容体への結合を無効にする)、T細胞およびNK細胞の抗体媒介性CLが排除される。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、ホモ二量体化形成よりヘテロ二量体化形成を促すように独立して操作される。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、改善されたPKを有するように独立して操作される。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、2つのモノマー間のpI差を増大させることにより、ヘテロ二量体からのホモダイマーの精製を可能にするように、独立して操作される。一部の実施形態では、Fcバリアントドメインは、(1)ジスルフィド結合の形成、(2)選択された宿主細胞との不適合性(3)選択された宿主細胞での発現時の末端不均一性N末端不均一性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)新生児受容体以外のFc受容体への結合、(7)抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、もしくは(8)抗体依存性細胞食作用(ADCP)に影響するか、またはそれに関わる1つまたは複数のナイーブFcアミノ酸残基を欠く分子または配列をさらに含み得る。Fcバリアントは、以下でさらに詳細に説明される。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示の第1のFcドメインまたは第2のFcドメインは、「スキュー」バリアント(例えば、米国特許第10,259,887号の図1A~1Cに示される一組のアミノ酸置換;これらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を含み得る。スキューバリアントは、ホモ二量体化の形成よりもヘテロ二量体化の形成を促す。いくつかの実施形態では、スキューバリアントは、EUナンバリングによる、(第1のFcドメイン上の)S364K/E357Q:(第2のFcドメイン上の)L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含み、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含む。いくつかの態様では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含む。
【0148】
ヘテロ二量体タンパク質(例えば、二重特異性抗体またはヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を生成する他の方法は当技術分野で公知であり、「ノブス・イントゥ・ホール」技術およびDuoBody(登録商標)技術が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、全体が、参照により本明細書に組み込まれる、Liuら.「Fc Engineering for Developing Therapeutic Bispecific Antibodies and Novel Scaffolds,」Front.Immunol.2017 vol.8,article 38;Ridgwayら.「Knobs-into-holes’engineering of antibody CH3 domains for heavy chain heterodimerization,」Protein Eng.1996,vol.9(7):617-21;Atwellら.「Stable heterodimers from remodeling the domain interface of a homodimer using a phage display library,」J Mol Biol.1997 vol.270:26-35;Merchantら.「An efficient route to human bispecific IgG,」Nat Biotechnol.1998 vol 16:677-81;米国特許第8,216,805等;Gramerら.「Production of stable bispecific IgG1 by controlled Fab-arm exchange」,mAbs5(6):962-973(2013);Labrijnら.「Efficient generation of stable bispecific IgG1 by controlled Fab-arm exchange」PNAS110(13):5145-5150(2013);Labrijnら.「Controlled Fab-arm exchange for the generation of stable bispecific IgG1」Nature Protocols9(10):2450-63(2014);Labrijnら.「Efficient Generation of Bispecfic Murine Antibodies for Pre-Clinical Investigations in Syngeneic Rodent Models」Scientific Reports 7(1):1-14(2017);および van den Bremerら.「Cysteine-SILAC Mass Spectrometry Enabling the Identification and Quantitation of Scrambled Interchain Disulfide Bonds:Preservation of Native Heavy-Light Chain Pairing in Bispecific IgGs Generated by Controlled Fab-arm Exchange」Analytical Chemistry89(20),10873-10882(2017)を参照されたい。任意のそのような技術を使用して、本開示のヘテロ二量体タンパク質を生成し得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるQ295E、N384D、Q418EおよびN421D、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、Q295E、N384D、Q418EおよびN421D、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換のうちのいずれか1つをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、EUナンバリングによる、Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dからなる群から選択されるアミノ酸置換のいずれか1つ、またはそれらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる220位に遊離システインを含まない。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220Sを含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる220位に遊離システインを含まない。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる220位に遊離システインを含まない。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換C220Sを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、本開示の第1のFcドメインまたは第2のFcドメインは、改善されたPKのためのアミノ酸置換(Xtend置換)を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、独立して、EUナンバリングによる、アミノ酸置換M428Lおよび/またはN434Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換M428LまたはN434Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換M428LおよびN434Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換M428Lを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、アミノ酸置換N434Sを含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、アミノ酸置換M428LまたはN434Sを含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、アミノ酸置換M428LおよびN434Sを含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、アミノ酸置換M428Lを含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、アミノ酸置換N434Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、アミノ酸置換M428Lを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、アミノ酸置換N434Sを含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインはそれぞれ、アミノ酸置換M428LおよびN434Sを含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換K246Tをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換K246Tをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換K246Tをさらに含む。K246T置換は、第2のFcドメインに出現すると、第2のモノマーのアミノ酸ナンバリング(例えば、配列番号10および16参照)に基づいてK100T変異とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換K246Tをさらに含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の第1のFcドメインは、配列番号6に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の第2のFcドメインは、配列番号7に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の第2のFcドメインは、配列番号8に示される配列を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるFcバリアントドメインのアミノ酸置換のうちのいずれか1つは、モノマーの一方または両方のモノマー上(例えば、第1のFcドメイン上;第2のFcドメイン上または両方のFcドメイン上)にある。
【0155】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG1に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG2に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG3に由来する。いくつかの実施形態では、第1のモノマーのFcドメインは、IgG4に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG1に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG2に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG3に由来する。いくつかの実施形態では、第2のモノマーのFcドメインは、IgG4に由来する。
【0156】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは以下のアミノ酸置換を含む:EUナンバリングによる、C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、L368D、K370S、M428LおよびN434S。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、以下のアミノ酸置換を含む:C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、S364K、E357Q、M428LおよびN434S。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは以下のアミノ酸置換を含む:EUナンバリングによる、C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、L368D、K370S、M428LおよびN434S。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは以下のアミノ酸置換を含む:EUナンバリングによるC220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、S364K、E357Q、M428LおよびN434S。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、野生型IgGのFcドメインと比較して、いかなる追加のアミノ酸変更も含まない。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、野生型IgG1のFcドメインと比較して、いかなる追加のアミノ酸変更も含まない。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、配列番号12と比較して、いかなる追加のアミノ酸変更も含まない。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、野生型IgGのFcドメインと比較して、いかなる追加のアミノ酸変更も含まない。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、野生型IgG1のFcドメインと比較して、いかなる追加のアミノ酸変更も含まない。いくつかの実施形態では、第2のFcドメインは、配列番号12と比較して、いかなる追加のアミノ酸変更も含まない。
【0157】
いくつかの実施形態では、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々は、独立して、EUナンバリングによる、G236R、S239K、L328RおよびA327Gからなる群から選択される、一組の追加のアミノ酸置換を含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質の野生型スシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み;第1のFcドメインは、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、Q295E、L368D、K370S、N384D、Q418E、N421D、M428L、およびN434Sを含み、第2のFcドメインは、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、E357Q、S364K、M428L、およびN434Sを含み;IL-15タンパク質は、野生型IL-15タンパク質(配列番号1)と比較して、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)野生型IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み;第1のFcドメインは、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、Q295E、E357Q、S364K、N384D、Q418E、N421D、M428L、およびN434Sを含み;第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、L368D、K370S、M428L、および434Sを含み;IL-15タンパク質は、野生型IL-15タンパク質(配列番号1)と比較して、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)野生型IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み;第1のFcドメインは、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、Q295E、L368D、K370S、N384D、Q418E、N421D、M428L、およびN434Sを含み、第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、K246T、S267K、E357Q、S364K、M428L、およびN434Sを含み;IL-15タンパク質は、野生型IL-15タンパク質(配列番号1)と比較して、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)野生型IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み;第1のFcドメインは、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、Q295E、E357Q、S364K、N384D、Q418E、N421D、M428L、およびN434Sを含み;第2のFcドメインは、EUナンバリングによる、アミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、K246T、S267K、L368D、K370S、M428L、およびN434Sを含み;IL-15タンパク質は、野生型IL-15タンパク質(配列番号1)と比較して、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、第2のモノマーは、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、第2のモノマーは、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、(1)IL-15と、(2)配列番号6に示される配列を含む第1のFcドメインとを含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーは、(1)IL-15Rαと、(2)配列番号7に示される配列を含む第2のFcドメインとを含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質中に存在するアミノ酸置換は、米国特許出願公開第2018/0118805号に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0165】
本明細書において参照される配列は、以下の表1に示される。Fc含有タンパク質のプロセシングおよび発現中に、C末端リジンが切断され得ることは当技術分野で公知である(当技術分野ではC末端リジンクリッピングとしても知られている)。したがって、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、C末端リジンを含まない対応する配列(すなわち、C末端リジン切断産物)も企図される。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、C末端リジンを含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、C末端リジンを欠く。いくつかの実施形態では、第2のモノマーは、C末端リジンを含む。いくつかの実施形態では、第2のモノマーは、C末端リジンを欠く。
【0166】
C末端切断プロセスが不正確であり、さらなるC末端残基が切断されることも当技術分野で公知である。したがって、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、2つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、3つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、4つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、5つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、6つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、7つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、8つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、9つのC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、10個のC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、11個のC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、12個のC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、13個のC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、14個のC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、C末端リジンを含む本明細書に記載される各配列について、15個のC末端残基を含まない対応する配列も企図される。いくつかの実施形態では、欠けているC末端残基は、操作の結果である(例えば、C末端残基の1つ以上をコードするヌクレオチド配列を欠くポリヌクレオチドを発現させる工程)。
【表1】
【0167】
いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、XENP20818、XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21475、XENP21476、XENP21477、XENP21988、XENP21989、XENP21990、XENP21991、XENP21992、XENP22013、XENP22014、XENP22015、XENP22017、XENP22815、XENP22816、XENP22817、XENP22818、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP22822、XENP22823、XENP22824、XENP22825、XENP22826、XENP22827、XENP22828、XENP22829、XENP22830、XENP22831、XENP22832、XENP22833、XENP22834、XENP23343、XENP23472、XENP23504、XENP23554、XENP23555、XENP23557、XENP23559、XENP23560、XENP23561、XENP24017、XENP24018、XENP24019、XENP24020、XENP24043、XENP24044、XENP24046、XENP24051、XENP24052、XENP24113、XENP24301、XENP24306、XENP24341、およびXENP32803のヘテロ二量体タンパク質からなる群から選択され、その配列は米国特許第10,501,543号の図104A~104AYに開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0168】
いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、XENP22822、XENP23504、XENP24045、XENP24306、XENP22821、XENP23343、XENP23557、XENP24113、XENP24051、XENP24341、XENP24052、XENP24301、およびXENP32803のヘテロ二量体タンパク質からなる群から選択され、これらは以下の表2に記載される。XENP22822、XENP23504、XENP24045、XENP24306、XENP22821、XENP23343、XENP23557、XENP24113、XENP24051、XENP24341、XENP24052、およびXENP24301の配列は、米国特許出願公開第2018/0118805号にも示されており、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、XENP24306である。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、XENP32803である。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP24306、XENP32803、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、本開示の2つ以上(例えば、2、3、4、5など)のヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、本明細書に記載される方法に使用される。いくつかの実施形態では、本開示の2つのヘテロ二量体タンパク質の組み合わせ(すなわち、本開示の第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質)が、本明細書に記載される方法で使用される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含み、第2のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含む。いくつかの実施形態では、XENP24306とXENP32803との組み合わせは、本明細書に記載される方法に使用される。
【0169】
いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、または約5%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約85%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約84%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約83%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約82%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約81%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約80%を占める。
【0170】
いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約75%、約70%、約65%、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%または約1%を占める。いくつかの実施形態において、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約15%を占める。いくつかの実施形態において、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約16%を占める。いくつかの実施形態において、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約17%を占める。いくつかの実施形態において、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約18%を占める。いくつかの実施形態において、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約19%を占める。いくつかの実施形態において、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約20%を占める。
【0171】
いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約50~100%、約70~95%、約80~90%、または約80~85%を占める。本明細書に記載される方法のいずれかの、いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約1~50%、約5~30%、約10~20%、または約15~20%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約85%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約15%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約84%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約16%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約83%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約17%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約82%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約18%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約81%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約19%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約80%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約20%を占める。
【0172】
いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の85%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の84%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の83%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の82%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の81%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の80%を占める。
【0173】
いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の95%、90%、85%、80%、75%、70%、75%、70%、65%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%を占める。いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の15%を占める。いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の16%を占める。いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の17%を占める。いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の18%を占める。いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の19%を占める。いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の20%を占める。
【0174】
いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の50~100%、70~95%、80~90%、または80~85%を占める。本明細書に記載される方法のいずれかの、いくつかの実施形態では、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の1~50%、5~30%、10~20%、または15~20%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の85%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の15%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の84%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の16%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の83%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の17%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の82%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の18%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の81%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の19%を占める。いくつかの実施形態では、XENP24306タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の80%を占め、XENP32803タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の20%を占める。
【表2】
【0175】
一態様では、本開示は、血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む方法を提供する。
【0176】
別の態様では、本開示は、血液がんの処置を必要とする対象において血液がんの処置に使用するための、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを提供する。
【0177】
別の態様では、本開示は、血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置するための医薬の製造における、治療有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
【0178】
血液がんは、血液細胞(例えば、白血球)の異常なまたは過剰な産生を指す。本明細書に記載される方法および使用によって処置される血液がんの例としては、白血病、リンパ腫および骨髄腫が挙げられるが、これらに限定されない。そのような血液がんのより具体的な非限定的な例としては、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫が挙げられる。いくつかの実施形態では、血液がんは再発性または難治性である。いくつかの実施形態では、血液がんは、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんは成人急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんは慢性リンパ性白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液がんはB細胞非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは再発性または難治性の多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは、標準的な治療法が存在しないか、無効もしくは忍容性がないことが証明されているか、または不適切であると考えられるか、または治験薬の臨床試験が認識された標準治療である血液がんである。
【0179】
いくつかの実施形態では、2つ以上(例えば、2、3、4、5、6など)のヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、本明細書に記載される方法に使用される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質との組み合わせが、対象に投与される。
【0180】
いくつかの実施形態では、第一のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第一のモノマーと、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む第二のモノマーとを含み、第二のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第一のモノマーと、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む第二のモノマーとを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、または約5%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約85%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約84%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約83%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約82%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約81%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約80%を占める。
【0182】
いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせの約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約75%、約70%、約65%、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%または約1%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約15%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約16%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約17%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約18%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約19%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約20%を占める。
【0183】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約50~約100%、約70~約95%、約80~約90%、または約80~約85%を占める。本明細書に記載される方法のいずれかの、いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約1~約50%、約5~約30%、約10~約20%、または約15~約20%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約85%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約15%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約84%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約16%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約83%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約17%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約82%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約18%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約81%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約19%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約80%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の約20%を占める。
【0184】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の85%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の84%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の83%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の82%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の81%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の80%を占める。
【0185】
いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせの95%、90%、85%、80%、75%、70%、75%、70%、65%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の15%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の16%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の17%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の18%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の19%を占める。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の20%を占める。
【0186】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の50~100%、70~95%、80~90%、または80~85%を占める。本明細書に記載される方法のいずれかの、いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の1~50%、5~30%、10~20%、または15~20%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の85%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の15%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の84%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の16%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の83%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の17%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の82%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の18%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の81%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の19%を占める。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の80%を占め、第2のヘテロ二量体タンパク質は、組み合わせたヘテロ二量体タンパク質の20%を占める。
【0187】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質は、連続的に投与される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質は、第2のヘテロ二量体タンパク質の前に投与される。いくつかの実施形態では、第2のヘテロ二量体タンパク質は、第1のヘテロ二量体タンパク質の前に投与される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質とは、同じ組成物中において投与される。いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質とは、別々の組成物中において投与される。
【0188】
本明細書に記載される方法および使用は、そのような効果をもたらすために、対象に対し、治療的有効量の、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれか、もしくはそれらの組み合わせ、または本明細書に記載される組成物を投与することを含む。そのような処置を必要とする対象の同定は、対象または医療専門家の判断において行われてよく、主観的(例えば意見)でも客観的(例えば試験または診断方法によって測定可能な)でもよい。そのような処置は、血液がんに罹患している、血液がんを有する、血液がんに罹患しやすい、または血液がんのリスクがある対象に適切に投与される。
【0189】
別の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導する方法であって、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0190】
別の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導する方法であって、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0191】
別の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導する方法であって、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含み、NK細胞の増殖応答が、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせの投与時のCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖応答よりも強い、方法を提供する。
【0192】
別の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導する方法であって、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、有効量の、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせの投与時に、NK細胞の増殖応答がCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖応答より強い。
【0193】
別の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてCD4エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導する方法であって、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0194】
別の態様では、本開示は、血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量の本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む方法を提供する。
【0195】
ヘテロ二量体タンパク質(またはそれらの組み合わせ)は、非経口的に投与され得る。いくつかの実施形態では、非経口投与は静脈内投与である。
【0196】
いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、全身投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、薬学的に許容されるバッファーを含む組成物として投与される。適切な担体およびその製剤は、例えば、E.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、非経口(例えば、静脈内)投与経路に適した剤形で提供される。
【0197】
ヘテロ二量体タンパク質を含む組成物は、単位投与形態(例えば、単回用量のアンプル、シリンジまたはバッグ)で提供され得る。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、複数の用量を含むバイアルで提供される。適切な防腐剤が、組成物に添加されてもよい(以下参照)。組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、点滴デバイス、またはインプラント術用の送達装置の形態であっても、または使用前に水または別の適切なビヒクルで再構成される乾燥粉末として提示されてもよい。本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質とは別に、組成物は、許容される適切な担体および/または添加物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、非経口投与に適している。1つ以上のヘテロ二量体タンパク質は、放出制御のための、ミクロスフェア、マイクロカプセル、ナノ粒子、またはリポソームなどに組み込み得る。さらに、組成物は、懸濁剤、溶解補助剤、安定剤、pH調節剤、等張性調節剤、および/または分散剤を含み得る。
【0198】
ヘテロ二量体タンパク質を含む薬学的組成物は、滅菌注射に適した形態でもよい。このような組成物を調製するために、タンパク質は、非経口的に許容される液体ビヒクルに溶解または懸濁される。用い得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、適当な量の塩酸の付加により適切なpHに調節された水、水酸化ナトリウムまたは適切なバッファー、1,3-ブタンジオール、リンゲル液、ならびに等張食塩水およびデキストローズ溶液がある。水性製剤は、1つ以上の防腐剤(例えば、メチル、エチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエート)を含んでもよい。
【0199】
投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質の量は、投与の形式、患者の年齢および体重、ならびに処置されるがんの臨床症状に応じて変動する。ヒトへの投与量は、マウスまたは非ヒト霊長類に使用されるタンパク質の量から推定することにより決定し得る。特定の実施形態では、投与量は、約0.0001mgタンパク質/kg体重~約5mgタンパク質/kg体重、または約0.001mg/kg体重~約4mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約1mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約0.3mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約0.2mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約0.02mg/kg体重の間で変動し得る。いくつかの実施形態では、この用量は、約0.0001、約0.00025、約0.0003、約0.0005、約0.001、約0.003、約0.005、約0.008、約0.01、約0.015、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.12、約0.135、約0.15、約0.16、約0.2、約0.2025、約0.24、約0.25、約0.3、約0.32、約0.35、約0.4、約0.45、約0.5、約0.55、約0.6、約0.65、約0.7、約0.75、約0.8、約0.85、約0.9、約0.95、約1、約1.1、約1.15、約1.2、約1.25、約1.3、約1.35、約1.4、約1.45、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、または約5mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、約0.0025mg/kg、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.015mg/kg、約0.02mg/kg、約0.025mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.08mg/kg、約0.1mg/kg、約0.12mg/kg、約0.16mg/kg、約0.2mg/kg、約0.24mg/kgおよび約0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.0025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.01mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.015mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.02mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.03mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.04mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.06mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.08mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.09mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.12mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.135mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.16mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.2025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.24mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、これら投与量に従ってIV点滴により投与される。
【0200】
特定の実施形態では、投与量は、0.0001mgタンパク質/kg体重~5mgタンパク質/kg体重、または0.001mg/kg体重~4mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~1mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~0.3mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~0.2mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~0.02mg/kg体重の間で変動し得る。いくつかの実施形態では、この用量は、0.0001、0.0003、0.0005、0.001、0.003、0.005、0.008、0.01、0.015、0.02、0.03、0.05、0.08、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、0.025mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.08mg/kg、0.09mg/kg、0.10mg/kg、0.12mg/kg、0.135mg/kg、0.16mg/kg、0.20mg/kg、0.2025mg/kg、0.24mg/kgおよび0.32mg/kg体重からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、投与量は、0.0025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.01mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.015mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.02mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.03mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.04mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.06mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.08mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.09mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.12mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.135mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.16mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.2025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.24mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質は、これら投与量に従ってIV点滴により投与される。
【0201】
特定の実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の組み合わせの投与量は、約0.0001mgタンパク質/kg体重~約5mgタンパク質/kg体重、または約0.001mg/kg体重~約4mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約1mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約0.3mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約0.2mg/kg体重、または約0.005mg/kg体重~約0.02mg/kg体重の間で変動し得る。いくつかの実施形態では、この用量は、約0.0001、約0.0003、約0.0005、約0.001、約0.003、約0.005、約0.008、約0.01、約0.015、約0.02、約0.03、約0.05、約0.08、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45、約0.5、約0.55、約0.6、約0.65、約0.7、約0.75、約0.8、約0.85、約0.9、約0.95、約1、約1.1、約1.15、約1.2、約1.25、約1.3、約1.35、約1.4、約1.45、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、または約5mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、約0.0025mg/kg、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.015mg/kg、約0.02mg/kg、約0.025mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.08mg/kg、約0.10mg/kg、約0.12mg/kg、約0.16mg/kg、約0.20mg/kg、約0.24mg/kgおよび約0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.0025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.01mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.015mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.02mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.03mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.04mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.06mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.08mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.09mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.12mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.135mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.16mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.2025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.24mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、約0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、これら投与量に従ってIV点滴により投与される。
【0202】
特定の実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質の組み合わせの投与量は、0.0001mgタンパク質/kg体重~5mgタンパク質/kg体重、または0.001mg/kg体重~4mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~1mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~0.3mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~0.2mg/kg体重、または0.005mg/kg体重~0.02mg/kg体重の間で変動し得る。いくつかの実施形態では、この用量は、0.0001、0.0003、0.0005、0.001、0.003、0.005、0.008、0.01、0.015、0.02、0.03、0.05、0.08、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、0.025mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.08mg/kg、0.10mg/kg、0.12mg/kg、0.16mg/kg、0.20mg/kg、0.24mg/kgおよび0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.0025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.01mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.015mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.02mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.03mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.04mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.06mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.08mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.09mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.12mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.135mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.16mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.2025mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.24mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投与量は、0.32mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質の組み合わせは、これら投与量に従ってIV点滴により投与される。
【0203】
いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質、またはそれらの組み合わせは、毎日、すなわち、24時間毎に投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、毎週、すなわち、1週間に1回(Q1W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、2週間に1回、すなわ、14日に1回(Q2W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、3週間に1回、すなわち、21日に1回(Q3W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、4週間に1回、すなわち、28日に1回(Q4W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、5週間に1回(Q5W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは6週間に1回(Q6W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、7週間に1回(Q7W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、8週間に1回(Q8W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、9週間に1回(Q9W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、10週間に1回(Q10W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、11週間に1回(Q11W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、12週間に1回(Q12W)投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、1か月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、2カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、3カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、4カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、5か月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、6カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、7カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、8か月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、9カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、10カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、11か月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、12カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、1年に1回投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはそれらの組み合わせは、本明細書に記載される頻度に従ってIV点滴により投与される。
【0204】
いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、上記頻度のいずれかで1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、上記頻度のいずれかで1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q1Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q1Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q2Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q2Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q3Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q3Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q4Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、Q4Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。
【0205】
いくつかの実施形態では、対象は、血液がんの処置のために、以前に1以上の処置または薬剤を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に1回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に2回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に3回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に4回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に5回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象に投与される以前の処置は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、対象に投与される以前の処置は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、レナリドミド、サリドマイドおよびポマリドミドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、レナリドミドである。いくつかの態様では、免疫調節薬はサリドマイドである。いくつかの態様では、免疫調節薬はポマリドミドである。いくつかの態様において、対象に投与される以前の処置はプロテアソーム阻害剤である。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブおよびイキサゾミブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤はイキサゾミブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、対象に投与される以前の処置は抗CD38モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブ(TAK-079)およびフェルザルタマブ(MOR202)からなる群から選択される。いくつかの実施態様では、抗CD38モノクローナル抗体はダラツムマブであるいくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はイサツキシマブである。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体はメザギタマブである。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体はフェルザルタマブである。
【0206】
併用療法としてのIL15-IL15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗CD38抗体による処置方法
本開示の別の態様は、血液がんの処置を必要とする対象において本明細書に記載される血液がんを処置する方法であって、有効量の(a)本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質(すなわち、IL15-IL15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質)のいずれかまたはそれらの組み合わせ、および(b)抗CD38抗体またはその抗原結合断片を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体はモノクローナル抗体である。ヘテロ二量体タンパク質は、本明細書に記載される方法のいずれかに従って投与され得る。ヘテロ二量体タンパク質は、本明細書に記載される組成物のいずれかで投与され得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のうちの2つ以上が対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のうちの3つ以上が対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のうちの4つ以上が対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質のうちの5つ以上が対象に投与される。
【0208】
いくつかの実施形態では、第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質との組み合わせが、対象に投与される。いくつかの実施形態では、第一のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第一のモノマーと、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む第二のモノマーとを含み、第二のヘテロ二量体タンパク質は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第一のモノマーと、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む第二のモノマーとを含む。
【0209】
分化クラスター38(CD38)は、様々な造血および非造血組織および細胞上に発現するII型膜貫通糖タンパク質である。造血細胞上のCD38の発現レベルは、細胞の成熟および活性化の段階で変化する。腫瘍細胞(例えば、白血病細胞および多発性骨髄腫細胞)は、正常リンパ系および骨髄系細胞と比較してより高いレベルでCD38を発現する。CD38の過剰発現は、いくつかの血液がんを有する患者における予後不良と関連している。CD38経路の中断は、腫瘍特異的T細胞免疫を再活性化するための魅力的な戦略であり、実際、CD38の複数の阻害剤による、多発性骨髄腫および慢性リンパ性白血病を含む広範囲の腫瘍型において臨床的有効性または有望な抗腫瘍活性が実証されており、現在までに選択された適応症の処置のためのいくつかの抗CD38抗体(例えば、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブ(TAK-079)およびフェルザルタマブ(MOR202))の承認がもたらされた。
【0210】
CD38に特異的に結合する抗体は当技術分野で公知であり、例えば、de Weersら.J Immunol.2011;186(3):1840-1848、Martinら.Blood;126(23):509、Fedykら.British J.of Clin.Pharm.2020;86(7):1314-1325、Boxhammerら.Blood.2015;126(23):3015;国際公開第2006/099875号、国際公開第2011/154453号、国際公開第2008/047242号、国際公開第2007/042309号、国際公開第2012/092612号、国際公開第2012/092616号、国際公開第2019/186273号、米国特許第7,829,673号、米国特許第9,187,565号、米国特許第9,249,226号、米国特許第9,944,711号、米国特許第8,153,765号、米国特許第8,263,746B2号、米国特許第9,758,590号、米国特許第8,088,896号、米国特許第8,486,894B2号、米国特許第9,193,799号、米国特許第10,184,005号、米国特許第9,102,744号、米国特許第8,362,211号、米国特許第8,926,969号、米国特許第9,790,285号、米国特許第9,676,869号、米国特許第10,336,833号、米国特許第10,494,444号、米国特許出願公開第2009/0148449号、米国特許出願公開第2011/0099647号、米国特許出願公開第2020/0283542号、米国特許出願公開第2013/0209355号、米国特許出願公開第2016/0237161号、米国特許出願公開第2009/0304710号、米国特許出願公開第2020/0408765号、米国特許出願公開第2010/0285004号、米国特許出願公開第2011/0268726号、米国特許出願公開第2016/0096901号、米国特許出願公開第2009/0252733号、米国特許出願公開第2012/0052078号、米国特許出願公開第2013/273072号、米国特許出願公開第2016/0075796号、米国特許出願公開第2019/0077877号、米国特許出願公開第2014/0155584号、米国特許出願公開第2012/0201827号、米国特許出願公開第2013/0171154号、米国特許出願公開第2015/0203587号、米国特許出願公開第2015/0291702号、米国特許出願公開第2018/0016349号、米国特許出願公開第2018/0066069号、米国特許出願公開第2020/0031951号、米国特許出願公開第2020/0040105号、欧州特許出願公開第1866338号、欧州特許出願公開第2567976号、欧州特許出願公開第3153525号、欧州特許出願公開第2580243号、欧州特許出願公開第3613774号、欧州特許出願公開第3498735号、欧州特許出願公開第2860192号、欧州特許出願公開第3284755号、欧州特許出願公開第3284754号、欧州特許出願公開第3798231号、欧州特許出願公開第2658870号、欧州特許出願公開第3789404号、および欧州特許出願公開第2648871に記載されている。本開示の方法に有用な抗CD38抗体の例としては、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブ(TAK-079)およびフェルザルタマブ(MOR202)が挙げられるが、これらに限定されない。ダラツムマブは、国際公開第2006/099875号およびde Weersら、J Immunol.2011;186(3):1840-1848に記載されているIgGk1モノクローナル抗CD38抗体である。イサツキシマブは、国際公開第2008/047242号およびMartinら、Blood;126(23):509に開示されているモノクローナル抗CD38抗体である。メザギタマブは、国際公開第2012/092612号、国際公開第2012/092616号および/または国際公開第2019/186273号、ならびにFedykら.British J.of Clin.Pharm.2020;86(7):1314-1325に記載に記載されているCD38を標的とする抗体である。フェルザルタマブは、米国特許第8,263,746号、または国際公開第2007/042309号、およびBoxhammerら.Blood.2015;126(23):3015に記載されているCD38を標的とする抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD-38抗体はダラツムマブである。いくつかの実施形態では、抗CD-38抗体はイサツキシマブである。いくつかの実施形態では、抗CD-38抗体は、メザギタマブ(TAK-079)である。いくつかの実施形態では、抗CD-38抗体は、フェルザルタマブ(MOR202)である。
【0211】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片はXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ダラツムマブは、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ダラツムマブは、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ダラツムマブは、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ダラツムマブまたはその抗原結合断片は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ダラツムマブまたはその抗原結合断片は、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ダラツムマブまたはその抗原結合断片は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イサツキシマブは、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イサツキシマブは、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イサツキシマブは、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの態様では、イサツキシマブまたはその抗原結合断片は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イサツキシマブまたはその抗原結合断片は、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、イサツキシマブまたはその抗原結合断片は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、メザギタマブ(TAK-079)は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、メザギタマブ(TAK-079)は、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、メザギタマブ(TAK-079)は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、メザギタマブ(TAK-079)またはその抗原結合断片は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、メザギタマブ(TAK-079)またはその抗原結合断片は、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、メザギタマブ(TAK-079)またはその抗原結合断片は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、フェルザルタマブ(MOR202)は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、フェルザルタマブ(MOR202)は、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、フェルザルタマブ(MOR202)は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、フェルザルタマブ(MOR202)またはその抗原結合断片は、XENP24306と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、フェルザルタマブ(MOR202)またはその抗原結合断片は、XENP32803と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、フェルザルタマブ(MOR202)またはその抗原結合断片は、XENP24306およびXENP32803と組み合わせて投与される。
【0212】
抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、非経口投与され得る。いくつかの実施形態では、非経口投与は皮下投与である。いくつかの実施形態では、非経口投与は静脈内投与である。
【0213】
本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはそれらの組み合わせ)と組み合わせて投与される抗CD38抗体またはその抗原結合断片の量は、投与様式、患者の年齢および体重、ならびに処置されるがんの臨床症状に応じて変化する。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、その承認された投与量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、その承認された投与量未満で投与される。医師は、本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて投与するための抗CD38抗体またはその抗原結合断片の適切な投与量を決定し得るであろう。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は約1800mg/30,000Uの組換えヒトPH20ヒアルロニダーゼ(rHuPH20)である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は、毎週約1800mg/30,000UのrHuPH20である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は、2週間毎に約1800mg/30,000UのrHuPH20である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は、3週間毎に約1800mg/30,000UのrHuPH20である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は、4週間毎に約1800mg/30,000UのrHuPH20である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体の投与量は、5週間毎に約1800mg/30,000UのrHuPH20である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は毎週約1800mgである。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は2週間毎に約1800mgである。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は3週間毎に約1800mgである。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は4週間毎に約1800mgである。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の投与量は5週間毎に約1800mgである。
【0214】
本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、抗CD38抗体またはその抗原結合断片と同時に、または連続的に投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせ、および抗CD38抗体またはその抗原結合断片を同時に投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせ、および抗CD38抗体またはその抗原結合断片を連続的に投与する。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、ヘテロ二量体タンパク質(またはその組み合わせ)を投与した後に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、ヘテロ二量体タンパク質(またはその組み合わせ)を投与する前に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせ、および抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、同じ組成物で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせは、抗CD38抗体またはその抗原結合断片とは別々の組成物で投与される。
【0215】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、毎日、すなわち、24時間毎に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、毎週、すなわち、週に1回(Q1W)投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、2週間に1回、すなわち、14日に1回(Q2W)投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、3週間に1回、すなわち、21日に1回(Q3W)投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、4週間に1回、すなわち、28日に1回(Q4W)投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、5週間に1回投与される(Q5W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、6週間に1回投与される(Q6W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、7週間に1回投与される(Q7W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、8週間に1回投与される(Q8W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、9週間に1回投与される(Q9W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、10週間に1回投与される(Q10W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、11週間に1回投与される(Q11W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、12週間に1回投与される(Q12W)。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は毎月1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は2カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は3カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は4カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は5カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は6カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は7カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は8カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、CD38抗体またはその抗原結合断片は9カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は10カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は11カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は12カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は毎年1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、本明細書中に記載される頻度に従って皮下投与される。
【0216】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、上記頻度のいずれかで1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、上記頻度のいずれかで、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q1Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q1Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q2Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q1Wの頻度で4サイクル投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q2Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体はQ2Wの頻度で8サイクル投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q3Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q3Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q4Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、Q4Wの頻度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20サイクル投与される。
【0217】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの1日目および8日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの1日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各28日間のサイクルの1日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはそれらの組み合わせ)は、各14日間のサイクルの1日目に固定用量で静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはそれらの組み合わせ)は、各14日間サイクルの2日目に固定用量で静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはそれらの組み合わせ)は、各28日間サイクルの1日目に固定用量で静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、本開示のヘテロ二量体タンパク質(またはそれらの組み合わせ)は、各28日間サイクルの2日目に固定用量で静脈内注入によって投与される。
【0218】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目および8日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの1日目および8日目に固定用量で皮下投与され、本開示のヘテロ二量体タンパク質と共に連続的に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの1日目および8日目に固定用量で皮下投与され、本開示のヘテロ二量体タンパク質と同時に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの1日目に静脈内投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目および8日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの2日目に静脈内投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目および8日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの1日目に静脈内投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各14日間のサイクルの2日目に静脈内投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各28間のサイクルの1日目に静脈内投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各28日間のサイクルの1日目に固定用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、各28間のサイクルの2日目に静脈内投与される本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各28日間のサイクルの1日目に固定用量で皮下投与される。
【0219】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質はQ2Wの頻度で投与され、抗CD38抗体またはその抗原結合断片はQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質はQ2Wの頻度で投与され、抗CD38抗体またはその抗原結合断片はQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質はQ4Wの頻度で投与され、抗CD38抗体またはその抗原結合断片はQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される。
【0220】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、約1800mgの用量で、14日間の各サイクルの1日目に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、約1800mgの用量で、14日間の各サイクルの1日目および8日目に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、約1800mgの用量で、28日間の各サイクルの1日目に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目に約1800mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各14日間のサイクルの1日目および8日目に約1800mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、本開示のヘテロ二量体タンパク質と組み合わせて、各28日間のサイクルの1日目に約1800mgの用量で投与される。いくつかの態様では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、承認された投与計画を使用して投与される。
【0221】
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、がんのための確立された治療法であり、投与計画へのヘテロ二量体タンパク質処置の追加は、患者に対する治療効果を改善する。このような改善は、患者一人当たりの応答増加または患者集団における応答増加として測定し得た。本明細書中に記載されるヘテロ二量体タンパク質またはその組み合わせ、および抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、相乗作用し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヘテロ二量体タンパク質、またはその組み合わせは、単剤療法として投与されるときのその治療的有効用量より少ない投与量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体またはその抗原結合断片は、単剤療法として投与される場合、その治療有効用量未満の用量で投与され得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、対象は、血液がんを処置するための薬剤を以前に投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、血液がんの処置のための1つ以上の処置を以前に投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に1回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に2回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に3回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に4回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、以前に5回の処置を投与されたことがある。いくつかの実施形態では、対象に投与される以前の処置は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、対象に投与される以前の処置は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、レナリドミド、サリドマイドおよびポマリドミドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、レナリドミドである。いくつかの態様では、免疫調節薬はサリドマイドである。いくつかの態様では、免疫調節薬はポマリドミドである。いくつかの態様において、対象に投与される以前の処置はプロテアソーム阻害剤である。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブおよびイキサゾミブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブからなる群から選択される。いくつかの態様において、プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブからなる群から選択される。いくつかの態様において、プロテアソーム阻害剤はイキサゾミブからなる群から選択される。いくつかの態様において、対象に投与される以前の処置は抗CD38モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体は、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブ(TAK-079)およびフェルザルタマブ(MOR202)からなる群から選択される。いくつかの実施態様では、抗CD38モノクローナル抗体はダラツムマブであるいくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はイサツキシマブである。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はメザギタマブである。いくつかの実施形態では、抗CD38モノクローナル抗体はフェルザルタマブである。
【0223】
本開示のヘテロ二量体タンパク質、抗CD38抗体またはその抗原結合断片の組み合わせによって処置される血液がんの例としては、白血病、リンパ腫および骨髄腫が挙げられるが、これらに限定されない。そのような血液がんのより具体的な非限定的な例としては、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫が挙げられる。いくつかの実施形態では、血液がんは再発性または難治性である。いくつかの実施形態では、血液がんは、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんは成人急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんは慢性リンパ性白血病である。いくつかの実施形態では、血液がんはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液がんはB細胞非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは再発性または難治性の多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、血液がんは、標準的な治療法が存在しないか、無効もしくは忍容性がないことが証明されているか、または不適切であると考えられるか、または治験薬の臨床試験が認識された標準治療である血液がんである。
【0224】
併用療法はまた、より低頻度の用量またはより低頻度の用量の抗CD38抗体またはその抗原結合断片で改善された応答を提供し、より良好な忍容性の処置計画をもたらし得る。例えば、ヘテロ二量体タンパク質と抗CD38抗体またはその抗原結合断片との併用療法は、増強されたADCC、ADCP、および/またはNK細胞、T細胞、好中球もしくは単球細胞レベルまたは免疫応答を含む様々な機構を介して増強された臨床活性を提供し得る。
【0225】
例示的な実施形態
本開示の特定の実施形態は、以下の番号付き実施形態に示される。
1.血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
2.血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
3.血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
4.血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
5.血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL--15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質のスシドメインおよび第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質のスシドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、IL-15タンパク質が、N65Dアミノ酸置換と、N4D、D30N、E64Qからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換とを含む、方法。
6.第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換E233P、L234V、L235A、G236delおよびS267Kを含む、実施形態1~5のいずれか一項に記載の方法。
7.第1のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含み、第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含む、実施形態1~6のいずれか一項に記載の方法。
8.第1のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み、第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換L368DおよびK370Sをさらに含む、実施形態1~6のいずれか一項に記載の方法。
9.第1のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
10.第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
11.第2のFcドメインが、EUナンバリングによるアミノ酸置換K246Tをさらに含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法。
12.IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含む、実施形態1~11のいずれか一項に記載の方法。
13.IL-15タンパク質が、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~12のいずれか一項に記載の方法。
14.IL-15Rαタンパク質のスシドメインが、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~13のいずれか一項に記載の方法。
15.IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合している、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
16.IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している、実施形態1~15のいずれか一項に記載の方法。
17.IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している、実施形態1~16のいずれか一項に記載の方法。
18.第1のリンカーおよび/または第2のリンカーが、独立して、可変長Gly-Serリンカーである、実施形態15~17のいずれか1項記載の方法。
19.第1のリンカーおよび/または第2のリンカーが、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)、および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)からなる群から選択されるリンカーを独立して含み、nが1~5の整数である、実施形態18に記載の方法。
20.血液がんの処置を必要とする対象において血液がんを処置する方法であって、治療有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
21.血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
22.血液がんに罹患している対象においてNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
23.血液がんに罹患している対象においてCD8エフェクターメモリーT細胞およびNK細胞の増殖を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
24.血液がんに罹患している対象においてIFNγ産生を誘導するための方法であって、有効量のヘテロ二量体タンパク質を対象に投与することを含み、ヘテロ二量体タンパク質が、(i)IL-15タンパク質および第1のFcドメインを含む第1のモノマーであって、IL-15タンパク質が、第1のFcドメインのN末端に共有結合している、第1のモノマーと、(ii)IL-15Rαタンパク質および第2のFcドメインを含む第2のモノマーであって、IL-15Rαタンパク質が第2のFcドメインのN末端に共有結合している、第2のモノマーとを含み、第1のFcドメインおよび第2のFcドメインが、EUナンバリングによる、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q;S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411E/K360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L;K370S:S364K/E357Q;S267K/S364K/E357Q:S267K/L368D/K370S;L368D/K370S:S364K/E357Q;S364K:L368D/K370S;S364K:L368E/K370S;D401K:T411E/K360E/Q362E;S364K/E357L:L368D/K370S;およびS364K/E357Q:K370Sからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を含む、方法。
25.第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるアミノ酸置換Q295E、N384D、Q418EおよびN421Dをさらに含む、実施形態20~24のいずれか一項に記載の方法。
26.第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるG236R/L328R;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K;E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、Fcドメインが、IgG1またはIgG3のFcドメインに由来する、実施形態20~25のいずれか一項に記載の方法。
27.第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるL328R;S239K;およびS267Kからなる群から選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインがIgG2のFcドメインに由来する、実施形態20~25のいずれか一項に記載の方法。
28.第1のFcドメインおよび/または第2のFcドメインの各々が、独立して、EUナンバリングによるG236R/L328R;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K;E233P/F234V/L235A/G236del/S239K/A327G;E233P/F234V/L235A/G236del/S267K/A327G;およびE233P/F234V/L235A/G236delから選択されるアミノ酸置換をさらに含み、FcドメインがIgG4のFcドメインに由来する、実施形態20~25のいずれか一項に記載の方法。
29.IL-15タンパク質が、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65DおよびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む、実施形態20~28のいずれか一項に記載の方法。
30.IL-15タンパク質およびIL-15Rαタンパク質が、それぞれE87C:65DPC;E87C:65DCA;V49C:S40C;L52C:S40C;E89C:K34C;Q48C:G38C;E53C:L42C;C42S:A37CおよびL45C:A37Cから選択される、一組のアミノ酸置換または付加を含む、実施形態20~28のいずれか一項に記載の方法。
31.IL-15タンパク質が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む、実施形態20~30のいずれか一項に記載の方法。
32.IL-15Rαタンパク質が、配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるポリペプチド配列を含む、実施形態20~31のいずれか一項に記載の方法。
33.第1のFcドメインが、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインが、アミノ酸置換S364KおよびE357Qをさらに含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、実施形態20~24のいずれか一項に記載の方法。
34.第1のFcドメインが、アミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインが、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、実施形態20~24のいずれか一項に記載の方法。
35.第1のFcドメインが、アミノ酸置換L368DおよびK370Sを含み;第2のFcドメインが、アミノ酸置換K246T、S364KおよびE357Qを含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、実施形態20~24のいずれか一項に記載の方法。
36.第1のFcドメインが、アミノ酸置換S364KおよびE357Qを含み;第2のFcドメインが、アミノ酸置換K246T、L368DおよびK370を含み;第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々が、EUナンバリングによるアミノ酸置換C220S、E233P、L234V、L235A、G236del、S267K、M428LおよびN434Sをさらに含み;IL-15タンパク質が、アミノ酸置換D30N、E64QおよびN65Dを含み;IL-15Rαタンパク質が配列番号4を含む、実施形態20~24のいずれか一項に記載の方法。
37.IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合している、実施形態20~36のいずれか一項に記載の方法。
38.IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している、実施形態20~37のいずれか一項に記載の方法。
39.IL-15タンパク質が、第1のリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合しており、IL-15Rαタンパク質が、第2のリンカーを介して第2のFcドメインのN末端に共有結合している、実施形態20~38のいずれか一項に記載の方法。
40.第1のリンカーおよび/または第2のリンカーが、独立して、可変長Gly-Serリンカーである、実施形態37~39のいずれか一項に記載の方法。
41.第1のリンカーおよび/または第2のリンカーが、(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(配列番号39)、(Ser-Ser-Ser-Ser-Gly)n(配列番号40)、(Gly-Ser-Ser-Gly-Gly)n(配列番号41)、および(Gly-Gly-Ser-Gly-Gly)n(配列番号42)からなる群から選択されるリンカーを独立して含み、nが1~5の整数である、実施形態40に記載の方法。
42.ヘテロ二量体タンパク質が、XENP22822、XENP23504、XENP24045、XENP24306、XENP22821、XENP23343、XENP23557、XENP24113、XENP24051、XENP24341、XENP24052、XENP24301、およびXENP32803タンパク質からなる群から選択される、実施形態20~41のいずれか一項に記載の方法。
43.第1のモノマーが配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、第2のモノマーが配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~5および20~24のいずれか一項に記載の方法。
44.第1のモノマーが配列番号9に示されるアミノ酸配列を含み、第2のモノマーが配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~5および20~24のいずれか一項に記載の方法。
45.ヘテロ二量体タンパク質が、XENP24306、XENP32803、またはそれらの組み合わせである、実施形態1~5および20~24のいずれか一項に記載の方法。
46.第1のヘテロ二量体タンパク質と第2のヘテロ二量体タンパク質との組み合わせが、対象に投与される、実施形態1~45のいずれか一項に記載の方法。
47.第1のヘテロ二量体タンパク質が、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含み、第2のヘテロ二量体タンパク質が、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む第1のモノマーと、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む第2のモノマーとを含む、実施形態46に記載の方法。
48.第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質が同時に投与される、実施形態46または47に記載の方法。
49.第1のヘテロ二量体タンパク質および第2のヘテロ二量体タンパク質が連続的に投与される、実施形態46または47に記載の方法。
50.血液がんが、白血病、急性骨髄性白血病、成人急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群から選択される、実施形態1~49のいずれか一項に記載の方法。
51.血液がんが多発性骨髄腫である、実施形態50に記載の方法。
52.多発性骨髄腫が、再発性または難治性多発性骨髄腫である、実施形態51に記載の方法。
53.血液がんがB細胞非ホジキンリンパ腫である、実施形態50に記載の方法。
54.血液がんが慢性リンパ性白血病である、実施形態50に記載の方法。
55.対象が、以前に1以上の処置を投与されたことがある、実施形態1~54のいずれか一項に記載の方法。
56.以前の処置が、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤または抗CD38モノクローナル抗体である、実施形態55に記載の方法。
57.免疫調節薬が、レナリドミド、サリドマイドおよびポマリドミドからなる群から選択される、実施形態56に記載の方法。
58.プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブおよびイキサゾミブからなる群から選択される、実施形態56に記載の方法。
59.抗CD38モノクローナル抗体が、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブおよびフェルザルタマブからなる群から選択される、実施形態56に記載の方法。
60.ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、約0.0025mg/kg、約0.005mg/kg、約0.01mg/kg、約0.015mg/kg、約0.02mg/kg、約0.025mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.08mg/kg、約0.1mg/kg、約0.12mg/kg、約0.16mg/kg、約0.2mg/kg、約0.24mg/kgおよび約0.32mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法。
61.ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.04mg/kg、および約0.06mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、実施形態60に記載の方法。
62.ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、0.025mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.08mg/kg、0.10mg/kg、0.16mg/kg、0.20mg/kg、0.24mg/kgおよび0.32mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、実施形態1~61のいずれか一項に記載の方法。
63.ヘテロ二量体タンパク質またはヘテロ二量体タンパク質の組み合わせが、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.04mg/kg、および0.06mg/kg体重からなる群から選択される用量で投与される、実施形態62に記載の方法。
64.抗CD38モノクローナル抗体を対象に投与することをさらに含む、実施形態1~63のいずれか一項に記載の方法。
65.抗CD38モノクローナル抗体が、ダラツムマブ、イサツキシマブ、メザギタマブおよびフェルザルタマブからなる群から選択される、実施形態64に記載の方法。
66.抗CD38モノクローナル抗体がダラツムマブである、実施形態65に記載の方法。
67.ヘテロ二量体タンパク質および抗CD38モノクローナル抗体が同時に投与される、実施形態64~66のいずれか一項に記載の方法。
68.ヘテロ二量体タンパク質および抗CD38モノクローナル抗体が連続的に投与される、実施形態64~66のいずれか一項に記載の方法。
69.ヘテロ二量体タンパク質が、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5WおよびQ6Wからなる群から選択される頻度で投与される、実施形態1~68のいずれか一項に記載の方法。
70.ヘテロ二量体タンパク質が、Q1Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態69に記載の方法。
71.ヘテロ二量体タンパク質が、Q2Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態69に記載の方法。
72.ヘテロ二量体タンパク質が、Q4Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態69に記載の方法。
73.抗CD38モノクローナル抗体が、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5WおよびQ6Wからなる群から選択される頻度で投与される、実施形態64~72のいずれか一項に記載の方法。
74.抗CD38モノクローナル抗体がQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態73に記載の方法。
75.抗CD38モノクローナル抗体がQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態73に記載の方法。
76.抗CD38モノクローナル抗体がQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態73に記載の方法。
77.ヘテロ二量体タンパク質がQ2Wの頻度で投与され、抗CD38モノクローナル抗体がQ1Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態73に記載の方法。
78.ヘテロ二量体タンパク質がQ2Wの頻度で投与され、抗CD38モノクローナル抗体がQ2Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態73に記載の方法。
79.ヘテロ二量体タンパク質がQ4Wの頻度で投与され、抗CD38モノクローナル抗体がQ4Wの頻度で1サイクル以上投与される、実施形態73に記載の方法。
80.ヘテロ二量体タンパク質が静脈内投与される、実施形態1~79のいずれか一項に記載の方法。
81.抗CD38モノクローナル抗体が皮下投与される、実施形態64~68のいずれか一項に記載の方法。
【実施例
【0226】
実施例1:XENP24306の非臨床薬理試験
以下に詳述するように、IL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(XENP24306(約82%)とXENP32803(約18%)(「XENP24306+XENP32803」))との組み合わせを、複数のインビトロおよびインビボの試験において評価し、非臨床薬理学特性を特徴付けた。インビトロ試験は、IL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質の組み合わせがヒトおよびカニクイザルのIL-2/IL-15βγ受容体複合体(CD122/CD132)への結合を示し、ヒトおよびカニクイザルのCD8T細胞およびNK細胞に活性を有するが、げっ歯類の細胞(マウスおよびラット)において不活性であることを実証した。XENP24306+XENP32803は、新生児Fc受容体(FcRn)結合(pH6.0)の増加を示したが、抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)の媒介という点ではエフェクター機能を有していなかった。インビトロおよびインビボの両試験は、XENP24306+XENP32803が、好ましくはCD8T細胞およびNK細胞を拡大し、CD4Tヘルパーリンパ球の拡大に中程度の影響を与えるが、Treg集団およびサイトカイン放出症候群(CRS)関連サイトカインの拡大に対する影響は最小である。
【0227】
インビトロ試験
XENP24306およびXENP32803のIL-15成分は、3つのアミノ酸置換(D30N、E64Q、およびN65D)を含む。これら置換は、IL-15の効力低下をもたらす。ヒトおよびカニクイザルのIL-2/IL-15βγ受容体複合体(CD122/CD132)に対する結合親和性XENP24306+XENP32803を、表面プラズモン共鳴により決定した。同様の結合キネティクスおよび親和性を、2つの種の間で観察し、薬理学および毒性試験用の前臨床動物種としてのカニクイザルの関連性を確立した。
【0228】
XENP24306およびXENP32803は、エフェクターレスであり、FcγRおよびヒト補体成分1q(C1q)に対する結合の欠如によって示され、ADCCまたはCDC機序を介した標的細胞の死滅を誘導することは期待されない。具体的には、Fc領域XENP24306およびXENP32803は、ヒト、カニクイザル、およびマウスFcγRに対する結合を除去するように操作され;バイオレイヤーインターフェロメトリー(BLI)法により結合相互作用は検出されなかった。また、補体系を開始するC1複合体の重要な成分であるヒトC1qに対するXENP24306+XENP32803の結合がBLIを使用して評価され、結合は観察されなかった。
【0229】
さらに、XENP24306およびXENP32803のFc領域を、XENP24306の半減期を延長する目的で、より低いpH(6.0)でFcRnへの結合を増強するように操作した。ヒト、カニクイザル、およびマウスFcRnとの結合相互作用がBLI方法によって決定され、これら受容体に対するXENP24306+XENP32803の親和性が、エンドソーム輸送に関して生理学的に関連性のあるpHであるpH6.0で有意に強化された。
【0230】
XENP24306+XENP32803種の選択性を、ホスホ-STAT5アッセイを使用して評価した。CD122/CD132発現リンパ球に対するIL-15/IL-15Rα受容体複合体の結合は、ヤヌスキナーゼシグナルトランスデューサーの活性化および転写シグナル伝達経路の活性化因子につながり、それはSTAT5のリン酸化と、それに続く細胞増殖をもたらした。XENP24306+XENP32803は、マウスまたはラットのCD8T細胞にSTAT5のリン酸化を誘導せず、それにより、毒性試験のためのげっ歯類の使用または抗腫瘍活性に関するXENP24306+XENP32803の評価のための同系マウスモデルの使用が排除された。
【0231】
XENP24306+XENP32803の効力を、インビトロ細胞増殖アッセイにおいて評価した。ヒトCD8T細胞およびNK細胞は、XENP24306+XENP32803処置に対して強い増殖応答を示した。これらの2つの標的細胞集団の中で、XENP24306+XENP32803は、NK細胞(最大半量有効濃度[EC50]:1.2μg/mL)に対してCD8T細胞(EC50:12.7μg/mL)増殖よりも比較的高い効力を示した(図1Aおよび1B)。CD8T細胞およびNK細胞の増殖に加えて、XENP24306+XENP32803はヒトPBMCにもIFNγ生成を誘導した。XENP24306+XENP32803はまた、カニクイザルPBMCにおいてNK細胞(EC50:0.5μg/mL)およびCD8T細胞(EC50:3.8μg/mL)の増殖を促進し、カニクイザルを薬理学および毒性研究のための非臨床動物種として検証した。
【0232】
XENP24306およびXENP32803は、IL-15/IL-15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質として設計された、効力の低下した組換えヒトIL-15である。CD8末端エフェクターT細胞で示されるように、XENP24306+XENP32803は、組換え野生型IL-15よりも約900倍低い効力を示し、同様のフォーマットの組換え野生型IL-15(rIL15)よりも約400倍低い効力(野生型IL-15/野生型IL-15Rαヘテロ二量体Fc融合物;XENP22853と命名;配列番号11(野生型IL-15-Fc第一モノマー)および配列番号7(IL-15Rα-Fc第二モノマー))を示した(図2)。XENP24306+XENP32803の効力を、種々のヒト免疫細胞サブセットで評価した。具体的には、ヒトPBMCを、漸増濃度のXENP24306+XENP32803、組換え野生型IL15、または野生型IL-15/野生型IL-15Rαヘテロ二量体Fc融合(XENP22853)で4日間処置し、細胞周期タンパク質Ki67の細胞内染色により増殖についてフローサイトメトリーによりアッセイした。図2は、CD3CD8CD45RACCR7CD28CD95集団のゲーティングにより定義されたCD8ターミナルエフェクターT細胞の結果を示している。曲線あてはめを、最小二乗法を使用して生成した。EC50値は、アゴニスト対応答および可変勾配(4パラメータ)式を使用する非線形回帰解析により決定した。XENP24306+XENP32803は、細胞増殖マーカーKi67と細胞活性化マーカーCD69およびCD25とを発現するこれら細胞サブセットの頻度の上昇により示されるように、エフェクターメモリーCD8およびCD4T細胞とNK細胞の活性化を強化した。XENP24306は、未処置のCD8またはCD4T細胞に対する影響が最小限であった。
【0233】
2つの追加のインビトロ毒性試験:(1)ヒト原形質膜タンパク質細胞アレイを使用したXENP24306+XENP32803の結合プロファイルの評価、および(2)XENP24306+XENP32803により誘導されるサイトカイン放出の評価を実施し、可溶型および固定化XENP24306+XENP32803のサイトカイン生成を誘導する能力を比較した。最適化した濃度のXENP24306+XENP32803(20μg/mL)を使用した複数の実験のデータは、XENP24306+XENP32803について同定された説得力のあるオフターゲット結合相互作用がないことを示した。XENP24306+XENP32803によるサイトカイン放出症候群(CRS)の潜在的リスクを、非刺激ヒトPBMCを使用してインビトロで調査した。XENP24306+XENP32803がCRSに関連付けられるサイトカインの生成を誘導する可能性を評価するために、インビトロでのヒトPBMCの刺激を、推奨されるFIH用量(0.01mg/kg))濃度のXENP24306+XENP32803で血中10および20μg/mL(予想されるCmax(0.23μg/mL)の43倍および87倍)で実施した。XENP24306+XENP32803の両方の固定化された可溶型フォーマットが、IFNγの生成を誘導した。XENP24306によるIFNγ誘導の大きさ(ビヒクル対照と比較して9~14倍)は、陽性対照として使用した抗CD28抗体(ビヒクル対照と比較して393倍)または抗CD3抗体(ビヒクル対照と比較して1605倍)で観察されたものよりも何倍も低かった。IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12p70、IL-13、またはTNFといった他のいずれのサイトカインの誘導も観察されなかった。XENP24306+XENP32803は、IL-6およびTNFなどのCRSに関与することが知られている炎症性サイトカインを誘導せず、このことは、XENP24306+XENP32803がCRSを誘導するリスクが低いことを示している。
【0234】
インビボ試験
免疫応答を、カニクイザルにおいてXENP24306+XENP32803の単回または反復投与の後で評価した。XENP24306+XENP32803のIV投与の後で、IL-6、腫瘍壊死因子-α(TNFα)、およびIFNγなどの炎症性サイトカインの明らかな上昇は観察されなかった。IP-10、MCP-1(単球化学誘引物質タンパク質-1)、MIP-1α(マクロファージ炎症性タンパク質-1α)、MIP-1β(マクロファージ炎症性タンパク質-1β)、TARC(胸腺および活性化調節ケモカイン)、およびエオタキシンといった他のサイトカインおよびケモカインの一過性の上昇が観察され、PD活性が示された。これらサイトカインおよびケモカインは、投与から1日以内にピーク血清濃度に到達し、15日目までに処置前のレベルに戻った。可溶型CD25の血清濃度は、処置後約4日目にピークに達し、15日目までに処置前のレベルに戻った。
【0235】
XENP24306+XENP32803処置は、末梢血中のCD8T細胞およびNK細胞の数を拡大し、予想される免疫細胞集団の標的化が妥当であることを確認するものであった。おそらくは辺縁趨向に起因する血液リンパ球の最初の減少に続き、CD8T細胞およびNK細胞は、処置前のレベルを上回る用量依存性の拡大を呈した。血中のピーク応答は投与の1週間後に達成され、細胞数は、2週間後に処置前のレベル近くに戻るように見えた。セントラルおよびエフェクターメモリー、ターミナルエフェクター、ならびに幹細胞メモリー細胞を含むCD8メモリーT細胞サブセットは拡大したが、ナイーブCD8T細胞は拡大しなかった。CD4T細胞、Tregs、B細胞、および顆粒球は、最小の拡大を示すか、またはXENP24306+XENP32803に応答しなかった。Ki67発現(細胞増殖マーカー)の頻度の一過性および用量依存性の上昇は、これら標的細胞集団の中にも観察され、絶対細胞数の拡大と一貫していた。XENP24306+XENP32803(0.03、0.2、および0.6mg/kg、Q2W)の反復投与は、各投与後のサイトカインおよびケモカイン応答の一過性の増大を示した。XENP24306+XENP32803に対する応答は用量依存性であり、サイトカイン、ケモカイン、およびsCD25のレベルで可逆的であった。反復用量の毒性試験は、末梢血中のCD8T細胞およびNK細胞の拡大(概ね中用量で6倍および高用量で14~17倍)が各投与後に一過性であり、反復されるXENP24306+XENP32803処置(図3)後にピーク数の減少が観察された。末梢CD8T細胞およびNK細胞の数は、4週間の回復期間後に処置前のレベルに戻った。
【0236】
多発性骨髄腫または白血病を有する対象は、幹細胞移植で処置され得るが、ドナーのT細胞(移植片)が対象の健康な細胞(宿主)を攻撃する場合、移植片対宿主病(GVHD)を含む合併症が生じる可能性がある。XENP24306+XENP32803が白血球の増殖およびエフェクター活性を強化する能力を、マウス移植片対宿主病(GVHD)モデルでの反復用量試験において試験した。XENP24306+XENP32803(0、7、14、および21日目に投与される4つの用量レベル:0.01、0.03、0.1、または0.3mg/kg)は、単剤としてヒトPBMCを移植した非肥満糖尿病/重症複合免疫不全ガンマ(NSG)マウスにおいて評価した。この試験では、GVHDの臨床徴候(すなわち、体重減少および死亡率)により測定可能なマウス宿主に対する免疫応答、および免疫モニタリング評価、例えば末梢ヒトCD8T細胞およびNK細胞数の増加と血清IFNγ濃度の上昇をモニタリングした。用量依存性のGVHD-誘導活性が、0.3mg/kgのXENP24306+XENP32803で処置したマウスに見られる有意な体重減少に観察され、CD8T細胞およびNK細胞の数の有意な増加と血清IFNγ濃度の有意な上昇が、より低い用量で観察された。CD8T細胞およびNK細胞の数に時間(7、14、21日目)および用量依存性の増加が観察された。CD4T細胞の拡大は、試験した2つの最高用量レベルで14日目にのみ観察された。NK細胞の拡大増強により明らかになった最小の薬理学的活性用量は0.01mg/kgであり、CD8T細胞および血清IFNγの有意な強化を示すためにはより高い用量が必要であった。したがって、XENP24306+XENP32803は、GVHDに貢献するCD8T細胞およびNK細胞の増殖とエフェクター強化を促進した。
【0237】
実施例2:動物における薬物動態と薬物代謝
XENP24306(約82%)とXENP32803(約18%)との組み合わせ(「XENP24306+XENP32803」)は、ヒトおよびカニクイザルのIL-2/IL-15βγヘテロ二量体受容体複合体に同等な親和性で結合し、ヒトおよびカニクイザル両方のCD8T細胞およびNK細胞において活性である。したがって、XENP24306+XENP32803の薬物動態(PK)を、優良実験室規範(GLP)毒性試験のための用量選択をサポートするため、ならびにファイーストインヒューマン(FIH)試験における用量の選択および用量レジメンをサポートするために、カニクイザルにおいて調査した。GLP毒性試験をサポートするために、カニクイザルの血清サンプル中のXENP24306+XENP32803を定量化するために、電気化学発光アッセイが開発され、検証された。ヤギ抗ヒトIL-15Rα抗体を捕獲として使用し、マウス抗ヒト/霊長類のIL-15ビオチン化抗体およびスルホタグ付きストレプトアビジンを、一次および二次検出試薬として使用した。定量化下限値(LLOQ)は30.0ng/mLであった。
【0238】
時間分解蛍光法は、カニクイザルの血清サンプルにおける非GLPPK/PD試験のXENP24306+XENP32803濃度を定量化するために開発された。このアッセイのLLOQは1.4ng/mLであった。
【0239】
カニクイザルにおける単回用量薬物動態
GLP試験設計の有効性を評価し、最大許容用量を規定するために設計された予備パイロット試験設計を実行した。XENP24306+XENP32803の単回用量薬物動態は、カニクイザルにおける雄では3.0mg/kgで、雌では0.6mg/kgでの2つの独立したPK/PD試験において特徴付けした。XENP24306+XENP32803は、雄カニクイザルに対する単回の3.0mg/kgのIV投与の後で、平均クリアランス(CL)が66.4mL/日/kgであり、定常状態での平均分布容積(Vss)が107mL/kgであるという多相プロファイルを示した。平均Cmaxおよび曝露(時点0から無限遠[AUC0-∞の濃度時間曲線下面積])は、それぞれ69.6μg/mLおよび45.4日・μg/mLであった。雌のカニクイザルに対する0.6mg/kgのXENP24306+XENP32803の単回IV投与の後で、平均Cmaxは11.9μg/mLであり、曝露(AUC0-∞)は11.7日・μg/mLであり、CLは52.6mL/日/kgであり、Vssは89.0mL/kgであった。表3を参照されたい。
【表3】
【0240】
カニクイザルにおける反復用量薬物動態
XENP24306+XENP32803の毒物動態試験(TK)を、カニクイザルにおける5週間のGLP反復用量毒性試験において特徴付けた。3つの用量レベル(0.03、0.2、および0.6mg/kgのXENP24306+XENP32803)を、14日間隔で合計3用量投与した。全身曝露が全ての動物において確認され、カニクイザルのXENP24306+XENP32803曝露に性別による差は観察されなかった(図4)。Cmaxは、初回用量の後、用量に比例していた。反復投与には、Cmaxが減少するわずかな傾向があった;しかしながら、範囲(平均±SD)は、初回、2回目、および3回目の用量の後にCmaxについて重複していた。AUC0-14は、初回用量後、用量比例よりわずかに下回っていた。これに加えて、曝露(AUC)は、反復XENP24306+XENP32803投与により、特に0.2mg/kgの用量(7.74~5.96日・μg g/mL、22%の減少)および0.6mg/kgの用量(21.1~14.9日・μg/mL、30%の減少;表4)で減少した。反復投与時の全身曝露(AUC)のこのような減少は、標的細胞集団の増大の結果としてのTMDDの増大に起因していると思われた。初回用量の後のXENP24306+XENP32803のCLは、18~28mL/日/kgの範囲であり、Vssは、52~86mL/kgの範囲であった。これら試験に観察されたXENP24306+XENP32803の通常より高いIgGクリアランス(典型的なIgGの場合、10mL/日/kg未満)は、TMDDの結果であると思われた。XENP24306+XENP32803については、初回用量後の用量増加に伴うCLの上昇と、反復投与後のAUC0-14における用量比例よりは小さいさらなる増加によって示されるように、複数の用量レベルにわたる時変の非線形PK挙動が観察された。同様のPK挙動がヒトのXENP24306+XENP32803に予想される。XENP24306+XENP32803の投与に応答した標的細胞集団の増大が、TMDD効果を増大させ、この試験に観察されたような時変の薬物動態をもたらすと思われた。AUC値の低下により示されるように、反復投与の後に蓄積は観察されず、初回用量と2回目の用量との間のAUC比は0.704~0.991倍であった(表4)。
【表4】
【0241】
実施例3:薬力学的影響
サイトカイン、ケモカインおよび可溶型CD25に対する影響
サイトカインを、単回用量0.6または3.0mg/kgのIL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(2つの独立したカニクイザルPK/PD試験におけるXENP24306(約82%)とXENP32803(約18%))との組み合わせ(「XENP24306+XENP32803」))の後で評価した。0.6mg/kgおよび3.0mg/kgのXENP24306+XENP32803用量の両方で、血清マーカー、ならびにサイトカインとケモカインは、投与後8~16時間以内にピークに達し、15日目までに概ね処置前のレベルに戻った。XENP24306+XENP32803処置後に上昇した血清マーカーには、エオタキシン、エオタキシン-3、IL-8、IP-10、MCP-1、MCP-4、MDC、MIP-1α、MIP-1βおよびTARCが含まれた。これらのサイトカインおよびケモカインの発現増加は、XENP24306+XENP32803によって誘導されるリンパ球増殖にさらに寄与し得る。
【0242】
2つの独立したPK/PD試験において、単回用量0.6または3.0mg/kgのXENP24306+XENP32803の後のsCD25/IL-2Rαを評価した。0.6mg/kgおよび3.0mg/kgのXENP24306+XENP32803用量群の両方で、sCD25のパターンは、投与後3~4日間に漸増を示し、これはT細胞上でのCD25発現と一致していた。
【0243】
リンパ球に対する影響
単回用量0.6mg/kgまたは3.0mg/kgのXENP24306+XENP32803の後で、リンパ球は、投与後3日まで、軽度~中程度減少した。この後、変動する用量依存性の中程度~顕著な増加が起こり、投与後7~9日でピークに達した。その後リンパ球は、試験終了までに、処置前のレベルに向かって回復または部分的に回復した。単球は、リンパ球を忠実に反映する傾向があったが、その程度はずっと小さかった。0.6mg/kg用量の動物に対して実施された血液塗抹検査により、リンパ球の多くが不定型/反応性であることが認められた。
単核細胞浸潤
単回用量0.6mg/kgのXENP24306+XENP32803の後では、肝臓の洞様毛細血管に最小~軽度の単核細胞浸潤が観察された。単回用量3.0mg/kgのXENP24306+XENP32803では、単核細胞浸潤は、肝臓、腎臓、肺、空腸、膀胱、および皮膚に認められた。
【0244】
実施例4:反復用量の毒性
2つの反復用量GLP試験を実施した:(1)本実施例に記載される4週間の回復期を伴う5週間の毒性試験、および(2)実施例5に記載される専用の心血管安全性薬理学試験。
【0245】
5週間の反復用量GLP毒性試験が、IL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(XENP24306(約82%)とXENP32803(約18%))との組み合わせ(「XENP24306+XENP32803」)の毒性、薬理学、およびTKを評価するために、雄および雌のカニクイザルにおいて実施された。動物にビヒクル(対照群)を投与するか、または0.03、0.2、もしくは0.6mg/kgのXENP24306+XENP32803をIVボーラスによって1、15、および29日目に投与し、34日目(主試験コホート)または64日目(回収コホート;対照および0.6mg/kgのXENP24306)に剖検した。XENP24306+XENP32803に関連する影響の可逆性または持続性を評価するために、30日間の回復期が設計された。
【0246】
毒性の評価は、臨床観察、体重、定量的食品検査、眼科学、ECG、臨床病理学パラメータ(血液学、凝固、臨床化学、尿検査、および尿化学)、生物分析的およびTKパラメータ、ADA、サイトカイン、フローサイトメトリー分析、重大な剖検所見、臓器重量、ならびに病理組織検査に基づいていた。
【0247】
TK分析により、試験した全ての用量レベルでXENP24306+XENP32803の全身曝露が確認された。曝露に性別による差はなかった。Cmaxは、初回用量の後、用量に比例していた。初回用量の後のAUC0-14は用量と共に増加したが、用量比例よりはやや少なく、曝露(AUC)は反復投与時に減少した。XENP24306+XENP32803は、カニクイザルにおいて、試験した用量レベルでのTMDDに起因して非線形動力学を有するように見えた(実施例2)。
【0248】
反復用量GLP毒性試験における全ての所見は、予想されるT細胞およびNK細胞の拡大の薬理的応答、および関連する炎症誘発応答を伴う活性化と一貫していた。専用の反復用量GLP毒性試験から規定されるNOAELは、0.03mg/kgのXENP24306+XENP32803と決定された。NOAELに対する0.01mg/kg、IVQ2Wの提案されるXENP24306+XENP32803のFIH用量の対応する安全マージンは、実施例5に記載される。
【0249】
実施例5:安全性薬理学試験
単回の、専用GLP安全性薬理学試験を、心血管系に対するIL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(XENP24306(約82%)とXENP32803(約18%)の組み合わせ(「XENP24306+XENP32803」))の潜在的影響を評価するために、遠隔測定機器を取り付けた雄カニクイザル(1グループあたり4匹、ビヒクルコントロールグループを含む)において実施した。XENP24306+XENP32803は、1および15日目に、IVボーラス注射により0.03、0.2、および0.6mg/kg(GLP毒性試験と同じ用量)で投与され、動物は23日目にコロニーに戻された。以下のパラメータおよびエンドポイントが評価された:臨床徴候、摂食量(定量評価)、体重、心血管評価(心収縮、拡張、およびMAP、心拍数、ならびにECG(定量評価と、RR間隔、PR間隔、QRS間隔、およびQT間隔の測定ならびに誘導された心拍数補正QT[QTca]間隔とを含む)、体温、血清アルブミン濃度、およびXENP24306+XENP32803曝露ならびにADA発生率。
【0250】
XENP24306+XENP32803は、全ての用量(0.03、0.2、および0.6mg/kg)で臨床的に良好な忍容性を示し、全ての動物は試験期間にわたって生存し、獣医の介入は不要であった。いずれの用量においても、臨床徴候、試験物に関連する摂食量の変化、体重変化、またはECG異常は観察されなかった。ECGは、カニクイザルに考えられる定性的正常であり、処置に関連するPR間隔、QRS-間隔、またはQTca間隔の変化はなかった。
【0251】
XENP24306+XENP32803の全身曝露は、全ての用量レベルで示された。試験期間中、処置に関連する体重または定性的摂食量の変化は生じなかった。
【0252】
カニクイザルにおけるGLP試験の所見の全体性に基づいて、無毒性量(NOAEL)用量は、0.03mg/kgのXENP24306+XENP32803と考慮された。XENP24306+XENP32803の免疫アゴニスト特性により、FIH用量の決定は、推定最小薬理作用量(MABEL)の手法に基づいていた。単剤としての用量0.01mg/kgのXENP24306+XENP32803、IVが、XENP24306+XENP32803のFIH用量として提案される。このFIH用量は、EC20(0.23μg/mL;20名のドナーの幾何平均)に基づいており、XENP24306+XENP32803の最も感受性の高いインビトロアッセイである、ヒトPBMC中のinvitroNK細胞(CD3CD56)増殖(Ki67を発現する細胞のパーセント)を使用して得られた。図1を参照されたい。推奨されるFIH用量である0.01mg/kgのXENP24306+XENP32803は、安全であると推定され、最小の生物学的影響を提供し、ヒトにおける治療媒介性反応のリスクが最小であると思われる。推奨されるFIH用量(すなわち、0.01mg/kg)でヒトにIV投与されるXENP24306+XENP32803のCmaxは、このEC20レベルを超えないと思われる。ヒトにおけるXENP24306+XENP32803の開始用量0.01mg/kgは、カニクイザルの5週間のGLP毒性試験におけるNOAEL用量(0.03mg/kgのXENP24306+XENP32803、Q2W)に対し、3倍の安全マージンを有する。0.01mg/kgのXENP24306+XENP32803でヒトにIV投与されるXENP24306+XENP32803のCmaxは、カニクイザルにおいてNOAEL用量で観察されるCmax(0.75±0.04μg/mL;初回用量)を3.3倍下回ると予想される。表5を参照されたい。さらに、ヒトにおける0.01mg/kgのXENP24306+XENP32803でのAUCは、カニクイザルにNOAEL用量で観察されるAUCを1.8倍下回ると予測される(表5)。すなわち、関連する非臨床GLP毒性モデル(カニクイザル)においてXENP24306+XENP32803のNOAELで観察されるCmaxおよびAUCは、MABELに基づくXENP24306+XENP32803IVの開始用量0.01mg/kgをさらに支持し、試験に十分な安全マージンを提供する(表5)。
【0253】
XENP24306+XENP32803のヒトへの投与頻度はQ2Wであり、Q2Wで投与されたときに有意な急性毒性がなく、XENP24306+XENP32803が概ね良好な耐容性を示した5週間のカニクイザルにおけるGLP毒性試験によって支持されている。ピーク末梢PD応答(NKおよびCD8T細胞といった標的細胞の拡大)は、投与の1週間後に達成され、これら末梢標的細胞数は、それらのベースラインに向かってXENP24306+XENP32803投与後2週間目の終わりまでに減少していった。さらに、PD活性を示すサイトカインおよびケモカインは、投与後8~16時間の間にピークに達し、投与から14日以内にベースラインに戻った(実施例3参照)。したがって、初期投与頻度Q2Wは、試験処置の初回サイクルを含む用量制限毒性観察期間にXENP24306+XENP32803を用いる単剤療法の用量漸増試験において適切と考えられる。
【表5】
AUC=濃度時間曲線下面積;Cmax=最大観測清濃度;GLP=優良実験室規範;IV=静脈内;NOAEL=無毒性量;Q2W=2週毎。
AUChumanは、予測AUC0-14(すなわち、用量/見積ヒトクリアランス)であり、およびAUCcynoは、カニクイザルでの5週間のGLP毒性試験におけるNOAEL(0.03mg/kg)での初回用量後の観測AUC0-14である。見積ヒトクリアランス=11.6mL/日/kg。
【0254】
実施例6:IL15/IL15Rαとダラツムマブとの併用療法、非盲検、多施設、グローバル、用量漸増試験
抗CD38抗体ダラツムマブと組み合わせたIL15/IL15Rαヘテロ二量体タンパク質(XENP24306(約82%)およびXENP32803(約18%)(「XENP24306+XENP32803」))の安全性、耐容性および薬物動態を評価するための併用療法、非盲検、多施設、グローバルな用量漸増試験を、以前の処置(例えば、免疫調節薬(IMiD)、プロテアソーム阻害剤、または抗CD38モノクローナル抗体)を受けたことがある対象で行うことになる。
【0255】
試験は、最大28日間のスクリーニング期間、処置期間、および処置後90日間の最小フォローアップ期間からなる。
【0256】
対象は、用量漸増段階および拡大段階の2段階で登録される。
【0257】
血液がん(例えば、再発性または難治性多発性骨髄腫)を有する3~9人の対象のコホートを、試験の併用療法部分の用量漸増段階に登録する。3+3+3設計(図5)に従って、漸増用量のXENP24306+XENP32803をIV注入によって投与し、1800mgのダラツムマブを皮下投与して、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306+XENP32803の最大耐量(MTD)または最大投与量(MAD)を決定する。
【0258】
MTDおよびMAD以下での暫定的なXENP24306+XENP32803の推奨第II相用量(RP2D)が用量漸増段階において確立される。RP2Dを確立した後、さらなる対象を拡張段階に登録し、RP2Dで処置する。合計で約60人の対象を、種々のグローバルな試験施設で試験に登録する。
【0259】
適格性の確認後、対象に、ダラツムマブと組み合わせてXENP24306+XENP32803を投与する。XENP24306+XENP32803を、サイクル1~12については2週間毎(Q2W)、次いでサイクル13から開始して4週間毎(Q4W)およびそれ以降はIV注入(0.01mg/kgから開始)によって投与する。ダラツムマブは、サイクル1~4については毎週(Q1W)、サイクル5~12についてはQ2W、その後、Q4Wをサイクル13から開始して、ダラツムマブSC単剤療法処方情報(例えば、Darzalex SmPCを参照されたい。)に従って毎週皮下(SC)投与する。試験処置サイクルは、サイクル1~12では2週間、サイクル13以降では4週間続く(図6)。対象は、併用処置の最初の4サイクル、およびその後の頻度は低いが、身体検査ならびに日常的な血液学的および代謝的検査モニタリングによって毎週評価される。
【0260】
全ての有害事象は、試験処置の最終用量の30日後まで、または新しい全身性抗がん療法の開始までのいずれか早い方まで報告される。重篤な有害事象、および特に興味深い有害事象は、試験処置の最終用量の90日後まで、または新しい全身性抗がん処置の開始までのいずれか早い方まで報告され続ける。有害事象はNCI CTCAE v5.0に従って類別される。
【0261】
対象は、スクリーニング時(ベースライン)および試験中の一定の間隔で疾患評価を受け、これはIMWG統一応答基準に従って測定される。対象は、IMWG統一奏効基準に従って治験責任医師によって決定された疾患進行、許容できない毒性、新しい抗がん療法の開始、または試験からの離脱まで、XENP24306+XENP32803およびダラツムマブによる処置を継続し得る。
【0262】
XENP24306+XENP32803およびダラツムマブを永続的に中止する対象は、試験処置の最終投与後30日以内に処置中止訪問のために来院する。応答評定が進行性疾患を示す来院は、処置中止来院として使用され得る。
【0263】
ダラツムマブと組み合わせたXENP24306+XENP32803の安全性、忍容性、薬物動態、活性を特徴付けるために、投与前後の様々な時点で血液サンプルを採取する。
【0264】
本試験の安全性の目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306+XENP32803の安全性忍容性を評価することである:
● 国立がん研究所有害事象共通用語規準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events,Version 5.0(NCI CTCAE v5.0)に従って判定される重症度を有する有害事象の発生率および重症度;ただし、サイトカイン放出症候群(CRS)は例外であり、これは米国移植細胞療法学会(ASTCT)に従って評価する。
● 標的とした生命徴候におけるベースラインからの変化
● 標的臨床検査結果のベースラインからの変化
● ECGパラメータのベースラインからの変化
【0265】
本試験の薬物動態(PK)の目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306+XENP32803のPKプロフィールを特徴付けることである:
● XENP24306+XENP32803の血清濃度
● ダラツムマブの血清濃度
【0266】
本試験の活性の目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせて投与した場合のXENP24306+XENP32803の活性の予備評価を行うことである:
● 客観的奏効率(ORR)は、国際骨髄腫ワーキンググループ(International Myeloma Working Group、IMWG)基準に従って決定される場合、ストリンジェントな完全奏効(sCR)、完全奏効(CR)、非常に良好な部分奏効(VGPR)または部分奏効(PR)の最良総合効果を有する対象の割合として定義される;
● 奏効期間(DOR)は、IMWG基準に従って治験責任医師が決定した、試験期間中の疾患進行または何らかの原因による死亡に対する実証された客観的奏効(sCR、CR、VGPRまたはPR)の最初の発生からの時間(試験薬の最終投与後30日以内と定義)と定義される;
● 無増悪生存期間(PFS)は、IMWG基準に従って治験責任医師が決定した、最初の試験処置から試験中の疾患進行または任意の原因による死亡が最初に発生するまでの時間(試験薬物の最終投与後30日以内と定義される)のいずれか早い方として定義される。
【0267】
本試験の免疫原性の目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306+XENP32803に対する免疫応答を評価することである:
● ベースライン時のXENP24306+XENP32803抗薬物抗体(ADA)の有病率および試験中のXENP24306+XENP32803ADAの発生率;
● 以下のエンドポイントに基づいて、XENP24306+XENP32803と組み合わせて投与した場合のダラツムマブの免疫原性を特徴付けること:ベースライン時のダラツムマブADAの罹患率および試験中のダラツムマブADAの発生率;
● 以下のエンドポイントに基づいてADAの潜在的な効果を評価すること:ADAの状態と安全性、PK、または活性エンドポイントとの関係。
【0268】
本試験のための探索的バイオマーカーの目的は、以下のエンドポイントに基づいて、XENP24306+XENP32803およびダラツムマブに対する応答を予測するバイオマーカー(すなわち、予測バイオマーカー)、活性の早期代用であるバイオマーカー、より重篤な疾患状態への進行に関連するバイオマーカー(すなわち、予後バイオマーカー)、XENP24306+XENP32803およびダラツムマブに対する獲得耐性に関連し、有害事象の発生に対する感受性に関連し、または有害事象の監視もしくは調査の改善をもたらす可能性があるバイオマーカー(すなわち、安全性バイオマーカー)、XENP24306+XENP32803およびダラツムマブ活性の証拠を提供し得るバイオマーカー(すなわち、薬力学的(PD)バイオマーカー)、または疾患生物学および薬物安全性の知識および理解を高め得るバイオマーカーを同定および/または評価することである。
● 血液および骨髄におけるバイオマーカーと、安全性、PK、活性、免疫原性、または他のバイオマーカーエンドポイントとの関係。
【0269】
実施例7:ダラツムマブと組み合わせたXENP24306の併用療法、非盲検、多施設、グローバル、用量漸増試験
抗CD38抗体ダラツムマブと組み合わせたXENP24306の安全性、忍容性および薬物動態を評価するための併用療法、非盲検、多施設、グローバル、用量漸増試験を、以前に処置(例えば、免疫調節薬(IMiD)、プロテアソーム阻害剤、または抗CD38モノクローナル抗体)を受けたことがある対象で実施する。
【0270】
試験は、最大28日間のスクリーニング期間、処置期間、および処置後90日間の最小フォローアップ期間からなる。
【0271】
対象は、用量漸増段階および拡大段階の2段階で登録される。
【0272】
血液がん(例えば、再発性または難治性多発性骨髄腫)を有する3~9人の対象のコホートを、試験の併用療法部分の用量漸増段階に登録する。ダラツムマブと組み合わせたXENP24306の最大耐量(MTD)または最大投与量(MAD)を決定するために、漸増用量のXENP24306をIV注入によって投与し、3+3+3設計後に1800mgのダラツムマブを皮下投与する(図5)。
【0273】
MTDおよびMAD以下の暫定的なXENP24306推奨第II相用量(RP2D)が用量漸増段階において確立される。RP2Dを確立した後、さらなる対象を拡張段階に登録し、RP2Dで処置する。合計で約60人の対象を、種々のグローバルな試験施設で試験に登録する。
【0274】
適格性の確認後、対象には、ダラツムマブと組み合わせてXENP24306が投与される。XENP24306を、サイクル1~12については2週間毎(Q2W)、次いでサイクル13から開始して4週間毎(Q4W)およびそれ以降はIV注入(0.01mg/kgから開始)によって投与する。ダラツムマブは、サイクル1~4については毎週(Q1W)、サイクル5~12についてはQ2W、その後、Q4Wをサイクル13から開始して、ダラツムマブSC単剤療法処方情報(例えば、Darzalex SmPCを参照されたい。)に従って毎週皮下(SC)投与する。試験処置サイクルは、サイクル1~12では2週間、サイクル13以降では4週間続く(図6)。対象は、併用処置の最初の4サイクル、およびその後の頻度は低いくなり、身体検査ならびに日常的な血液学的および代謝的検査モニタリングによって毎週評価される。
【0275】
全ての有害事象は、試験処置の最終用量の30日後まで、または新しい全身性抗がん療法の開始までのいずれか早い方まで報告される。特に興味深い重篤な有害事象および有害事象は、試験処置の最終用量の90日後まで、または新しい全身性抗がん処置の開始までのいずれか早い方まで報告され続ける。有害事象はNCI CTCAE v5.0に従って類別される。
【0276】
対象は、スクリーニング時(ベースライン)および試験中の一定の間隔で疾患評価を受け、これはIMWG統一応答基準に従って測定される。対象は、IMWG統一奏効基準に従って治験責任医師によって判断された疾患進行、許容できない毒性、新しい抗がん療法の開始、または試験からの中止まで、XENP24306およびダラツムマブによる処置を継続し得る。
【0277】
XENP24306およびダラツムマブを永続的に中止する対象は、試験処置の最終投与後30日以内に処置中止訪問のためにクリニックに来院する。応答評定が進行性疾患を示す来院は、処置中止来院として使用され得る。
【0278】
ダラツムマブと組み合わせたXENP24306の安全性、忍容性、薬物動態、活性を特徴付けるために、投与前後の様々な時点で血液サンプルを採取する。
【0279】
本試験の安全性目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306の安全性忍容性を評価することである:
● 国立がん研究所有害事象共通用語規準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events,Version 5.0(NCI CTCAE v5.0)に従って判定される重症度を有する有害事象の発生率および重症度;ただし、サイトカイン放出症候群(CRS)は例外であり、これは米国移植細胞療法学会(ASTCT)に従って評価する。
● 標的とした生命徴候におけるベースラインからの変化
● 標的臨床検査結果のベースラインからの変化
● ECGパラメータのベースラインからの変化
【0280】
本試験の薬物動態(PK)目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306のPKプロフィールを特徴付けることである:
● XENP24306の血清濃度
● ダラツムマブの血清濃度
【0281】
本試験の活性目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせて投与した場合のXENP24306の活性の予備評価を行うことである。
● 客観的奏効率(ORR)は、国際骨髄腫ワーキンググループ(International Myeloma Working Group、IMWG)基準に従って決定される場合、ストリンジェントな完全奏効(sCR)、完全奏効(CR)、非常に良好な部分奏効(VGPR)または部分奏効(PR)の最良総合効果を有する対象の割合として定義される;
● 奏効期間(DOR)は、IMWG基準に従って治験責任医師が決定した、試験期間中の疾患進行または何らかの原因による死亡に対する実証された客観的奏効(sCR、CR、VGPRまたはPR)の最初の発生からの時間(試験薬の最終投与後30日以内と定義)と定義される;
● 無増悪生存期間(PFS)は、IMWG基準に従って治験責任医師が決定した、最初の試験処置から試験中の疾患進行または任意の原因による死亡が最初に発生するまでの時間(試験薬物の最終投与後30日以内と定義される)のいずれか早い方として定義される。
【0282】
本試験の免疫原性目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP24306に対する免疫応答を評価することである:
● ベースラインでのXENP24306抗薬物抗体(ADA)の有病率および試験中のXENP24306ADAの発生率;
● 以下のエンドポイントに基づいて、XENP24306と組み合わせて投与した場合のダラツムマブの免疫原性を特徴付けること:ベースラインでのダラツムマブADAの罹患率および試験中のダラツムマブADAの発生率;
● 以下のエンドポイントに基づいてADAの潜在的な効果を評価すること:ADAの状態と安全性、PK、または活性エンドポイントとの関係。
【0283】
本試験のための探索的バイオマーカーの目的は、以下のエンドポイントに基づいて、XENP24306およびダラツムマブに対する応答を予測するバイオマーカー(すなわち、予測バイオマーカー)、活性の早期代用であるバイオマーカー、より重篤な疾患状態への進行に関連するバイオマーカー(すなわち、予後バイオマーカー)、XENP24306およびダラツムマブに対する獲得耐性に関連し、有害事象の発生に対する感受性に関連し、または有害事象のモニタリングもしくは調査の改善をもたらし得るバイオマーカー(すなわち、安全性バイオマーカー)、XENP24306およびダラツムマブ活性の証拠を提供し得るバイオマーカー(すなわち、薬力学的(PD)バイオマーカー)、または疾患生物学および薬物安全性の知識および理解を高め得るバイオマーカーを同定および/または評価することである:
● 血液および骨髄におけるバイオマーカーと、安全性、PK、活性、免疫原性、または他のバイオマーカーエンドポイントとの関係。
【0284】
実施例8:ダラツムマブと組み合わせたXENP32803の併用療法、非盲検、多施設、グローバル、用量漸増試験
抗CD38抗体、例えば、ダラツムマブと組み合わせたXENP32803の安全性、耐容性および薬物動態を評価するための併用療法、非盲検、多施設、グローバル、用量漸増試験を、以前の処置(例えば、免疫調節薬(IMiD)、プロテアソーム阻害剤および抗CD38モノクローナル抗体)を受けたことがある対象において行う。
【0285】
試験は、最大28日間のスクリーニング期間、処置期間、および処置後90日間の最小フォローアップ期間からなる。
【0286】
対象は、用量漸増段階および拡大段階の2段階で登録される。
【0287】
血液がん(例えば、再発性または難治性多発性骨髄腫)を有する3~9人の対象のコホートを、試験の併用療法部分の用量漸増段階に登録する。ダラツムマブと組み合わせたXENP32803の最大耐量(MTD)または最大投与量(MAD)を決定するために、漸増用量のXENP32803をIV注入によって投与し、3+3+3設計後に1800mgのダラツムマブを皮下投与する(図5)。
【0288】
MTDおよびMAD以下での暫定的なXENP32803推奨第II相用量(RP2D)が用量漸増段階において確立される。RP2Dを確立した後、さらなる対象を拡張段階に登録し、RP2Dで処置する。合計で約60人の対象を、種々の世界的な試験施設で試験に登録する。
【0289】
適格性の確認後、対象は、ダラツムマブと組み合わせてXENP32803を投与される。XENP32803は、サイクル1~12については2週間毎(Q2W)、次いでサイクル13から開始して4週間毎(Q4W)およびそれ以降はIV注入(0.01mg/kgから開始)によって投与される。ダラツムマブは、サイクル1~4については毎週(Q1W)、サイクル5~12についてはQ2W、その後、Q4Wをサイクル13から開始して、ダラツムマブSC単剤療法処方情報(例えば、Darzalex SmPCを参照されたい。)に従って毎週皮下(SC)投与する。試験処置サイクルは、サイクル1~12では2週間、サイクル13以降では4週間続く(図6)。対象は、併用処置の最初の4サイクル、およびその後の頻度は低くなり、身体検査ならびに日常的な血液学的および代謝的検査モニタリングによって毎週評価される。
【0290】
全ての有害事象は、試験処置の最終用量の30日後まで、または新しい全身性抗がん療法の開始までのいずれか早い方まで報告される。特に興味深い重篤な有害事象および有害事象は、試験処置の最終用量の90日後まで、または新しい全身性抗がん処置の開始までのいずれか早い方まで報告され続ける。有害事象はNCI CTCAE v5.0に従って類別される。
【0291】
対象は、スクリーニング時(ベースライン)および試験中の一定の間隔で疾患評価を受け、これはIMWG統一応答基準に従って測定される。対象は、IMWG統一奏効基準に従って治験責任医師によって決定された疾患進行、許容できない毒性、新しい抗がん療法の開始、または試験からの中止まで、XENP32803およびダラツムマブによる処置を継続し得る。
【0292】
XENP32803およびダラツムマブを永続的に中止した対象は、試験処置の最終用量後30日以内に治療中止訪問のためにクリニックに来院する。応答評定が進行性疾患を示す来院は、処置中止来院として使用され得る。
【0293】
ダラツムマブと組み合わせたXENP32803の安全性、忍容性、薬物動態、活性を特徴付けるために、投与前後の様々な時点で血液サンプルを採取する。
【0294】
本試験の安全性目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP32803の安全性忍容性を評価することである:
● 国立がん研究所有害事象共通用語規準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events,Version 5.0(NCI CTCAE v5.0)に従って判定される重症度を有する有害事象の発生率および重症度;ただし、サイトカイン放出症候群(CRS)は例外であり、これは米国移植細胞療法学会(ASTCT)に従って評価する。
● 標的とした生命徴候におけるベースラインからの変化
● 標的臨床検査結果のベースラインからの変化
● ECGパラメータのベースラインからの変化
【0295】
本試験の薬物動態(PK)目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP32803のPKプロフィールを特徴付けることである:
● XENP32803の血清濃度
● ダラツムマブの血清濃度
【0296】
本試験の活性目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせて投与した場合のXENP32803の活性の予備評価を行うことである:
● 客観的奏効率(ORR)は、国際骨髄腫ワーキンググループ(International Myeloma Working Group、IMWG)基準に従って決定される場合、ストリンジェントな完全奏効(sCR)、完全奏効(CR)、非常に良好な部分奏効(VGPR)または部分奏効(PR)の最良総合効果を有する対象の割合として定義される;
● 奏効期間(DOR)は、IMWG基準に従って治験責任医師が決定した、試験期間中の疾患進行または何らかの原因による死亡に対する実証された客観的奏効(sCR、CR、VGPRまたはPR)の最初の発生からの時間(試験薬の最終投与後30日以内と定義)と定義される;
● 無増悪生存期間(PFS)は、IMWG基準に従って治験責任医師が決定した、最初の試験処置から試験中の疾患進行または任意の原因による死亡が最初に発生するまでの時間(試験薬物の最終投与後30日以内と定義される)のいずれか早い方として定義される。
【0297】
本試験の免疫原性目的は、以下のエンドポイントに基づいて、ダラツムマブと組み合わせたXENP32803に対する免疫応答を評価することである:
● ベースラインでのXENP32803抗薬物抗体(ADA)の有病率および試験中のXENP32803ADAの発生率;
● 以下のエンドポイントに基づいて、XENP32803と組み合わせて投与した場合のダラツムマブの免疫原性を特徴付けること:ベースラインでのダラツムマブADAの罹患率および試験中のダラツムマブADAの発生率;
● 以下のエンドポイントに基づいてADAの潜在的な効果を評価すること:ADAの状態と安全性、PK、または活性エンドポイントとの関係。
【0298】
本試験のための探索的バイオマーカーの目的は、以下のエンドポイントに基づいて、XENP32803およびダラツムマブに対する応答を予測するバイオマーカー(すなわち、予測バイオマーカー)、活性の早期代用であるバイオマーカー、より重篤な疾患状態への進行に関連するバイオマーカー(すなわち、予後バイオマーカー)、XENP32803およびダラツムマブに対する獲得耐性に関連し、有害事象の発生に対する感受性に関連し、または有害事象のモニタリングもしくは調査の改善をもたらし得るバイオマーカー(すなわち、安全性バイオマーカー)、XENP32803およびダラツムマブ活性の証拠を提供し得るバイオマーカー(すなわち、薬力学的(PD)バイオマーカー)、または疾患生物学および薬物安全性の知識および理解を高め得るバイオマーカーを同定および/または評価することである。
● 血液および骨髄におけるバイオマーカーと、安全性、PK、活性、免疫原性、または他のバイオマーカーエンドポイントとの関係。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
【配列表】
2024527047000001.xml
【国際調査報告】