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特表2024-527048優れた押出加工性および再利用の可能な押出吹込樹脂およびこれを含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】優れた押出加工性および再利用の可能な押出吹込樹脂およびこれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/16 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
C08G63/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504959
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2022010686
(87)【国際公開番号】W WO2023008826
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0099148
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ ヒュンウ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨジン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ダヨン
【テーマコード(参考)】
4J029
【Fターム(参考)】
4J029AA03
4J029AD06
4J029AD10
4J029AE01
4J029BA03
4J029BD06A
4J029BD07A
4J029BF30
4J029CA02
4J029CA04
4J029CA05
4J029CA06
4J029CB05A
4J029CB05B
4J029CB06A
4J029CC06A
4J029CD03
(57)【要約】
本発明は、優れた押出加工性を有し再利用の可能な押出吹込樹脂であるポリエステル樹脂およびこれを含む組成物を提供しようとするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸あるいはその誘導体から誘導された酸部分およびジオールから誘導されたジオール部分が繰り返される構造を含み、
下記数式1を満足する、ポリエステル樹脂:
[数式1]
20<(X*Y)/(Z*100)<160
上記数式1中、
Xは前記ポリエステル樹脂の溶融点(単位:℃)であり、
Yは前記ポリエステル樹脂の冷却結晶化温度(単位:℃)であり、
Zは前記ポリエステル樹脂の半結晶化時間(単位:分)である。
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂は、全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分を0.1~3モル%で含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項3】
前記ポリエステル樹脂は、全体ジオール部分に対してシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分を8~16モル%で含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項4】
前記ポリエステル樹脂組成物は、全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分およびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の合計を9~17モル%で含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項5】
前記ジカルボン酸成分の残基は、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸およびその誘導体から構成される群より選択されるいずれか一つ以上の残基を含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項6】
前記ポリエステル樹脂は、3以上の官能基を有する分岐剤から誘導された残基を含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項7】
前記ポリエステル樹脂組成物は、前記3以上の官能基を有する分岐剤から誘導された残基を全体ジオール部分100重量部に対して1重量部以下で含む、請求項6に記載のポリエステル樹脂。
【請求項8】
前記ポリエステル樹脂組成物の溶融点は200~230℃である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項9】
前記ポリエステル樹脂組成物の冷却結晶化温度は130~150℃である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項10】
前記ポリエステル樹脂組成物の半結晶化時間は1~15分である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項11】
請求項1~10のうちのいずれか一項のポリエステル樹脂;および
ポリエチレンテレフタレートを含む、
ポリエステル樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2021年7月28日付韓国特許出願第10-2021-0099148号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、優れた押出加工性を有し再利用の可能な押出吹込樹脂およびこれを含む組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
海洋汚染の約70%を占める廃プラスチックは最近深刻な社会問題として台頭しており、これにより各国は使い捨てプラスチックの使用を規制すると同時に廃プラスチックの再使用を図っている。現在廃プラスチックは廃プラスチックを収去、粉砕および洗浄した後に溶融押出して再ペレット化した後、これを原料として使用して再使用されている。しかし、廃プラスチック内の異物によって良好な品質の製品を提供することが非常に難しい。これにより、廃プラスチックから良好な品質のプラスチック製品を生産するための研究が切実な状況である。
【0004】
また、既存ポリエチレンテレフタレート樹脂は低廉な価格および優れた物理/化学的性質によって商業的に広く使用されているが、ポリエチレンやポリプロピレンに比べて相対的に低い粘度を有していて押出吹込み成形時成形温度を非常に低く調節する必要がある。これにより、ポリエチレンテレフタレートを使用すれば単一または多重ヘッド方式で一定のパリソンを製造するのに限界がある。
【0005】
したがって、ポリエステル樹脂においてイソソルビドを単量体として含み、優れた押出加工性を有しながら再利用の可能な押出吹込樹脂であるポリエステルの開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、優れた押出加工性を有し再利用の可能な押出吹込樹脂およびこれを含む組成物を提供するためのものである。具体的には、前記押出吹込樹脂はイソソルビドを単量体として含むポリエステル樹脂およびこれを含む組成物であってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は下記のポリエステル樹脂を提供する:
ジカルボン酸あるいはその誘導体から誘導された酸部分およびジオールから誘導されたジオール部分が繰り返される構造を含み、
下記数式1を満足する、ポリエステル樹脂:
[数式1]
20<(X*Y)/(Z*100)<160
上記数式1中、
Xは前記ポリエステル樹脂の溶融点(単位:℃)であり、
Yは前記ポリエステル樹脂の冷却結晶化温度(単位:℃)であり、
Zは前記ポリエステル樹脂の半結晶化時間(単位:分)である。
【0008】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】
本明細書で、‘残基’は、特定の化合物が化学反応に参加した時、その化学反応の結果物に含まれ前記特定化合物に由来した一定の部分または単位を意味する。具体的には、前記ジカルボン酸成分の‘残基’またはジオール成分の‘残基’それぞれは、エステル化反応または縮重合反応で形成されるポリエステル樹脂においてジカルボン酸成分に由来した部分またはジオール成分に由来した部分を意味する。
【0010】
ポリエステル樹脂
本発明によるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸あるいはその誘導体とジオールが重合されて、ジカルボン酸あるいはその誘導体から誘導された酸部分(acid moiety)およびジオールから誘導されたジオール部分(diol moiety)が繰り返される構造を有する。本明細書で、酸部分およびジオール部分は、ジカルボン酸あるいはその誘導体およびジオールが重合されてこれらから水素、ヒドロキシ基またはアルコキシ基が除去されて残った残基(residue)を言う。前記ジカルボン酸あるいはその誘導体およびジオールは以下でより詳しく説明するが、例えばジカルボン酸あるいはその誘導体は主にテレフタル酸あるいはその誘導体であってもよく、前記ジオールは主にエチレングリコールであってもよい。
【0011】
前記ポリエステル樹脂は、下記数式1を満足することができる。
【0012】
[数式1]
20<(X*Y)/(Z*100)<160
上記数式1中、
Xは前記ポリエステル樹脂の溶融点(単位:℃)であり、
Yは前記ポリエステル樹脂の冷却結晶化温度(単位:℃)であり、
Zは前記ポリエステル樹脂の半結晶化時間(単位:分)である。
【0013】
具体的には、前記[数式1]は20超過、30超過、40超過、50超過、60超過または70超過であり、160未満、150未満、140未満、130未満、120未満、110未満、100未満、90未満または80未満であってもよい。
【0014】
前記数式1の値が20以下である場合には、ポリエステル樹脂の結晶性が低いため、結晶化速度を改善させる効果が劣位なことがある。これにより製造された製品はエタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、△Tmが10℃以上であり延伸比が非常に低くてPETとブレンドして再利用が不可能な問題があることがある。
【0015】
反面、数式1の値が160以上である場合には、むしろ結晶性が過度に高くて加工性が低下し、押出吹込みされた物品の重量が軽くて厚さの厚い製品への成形が困難な問題があることがあり、延伸比が過度に高く示されてEBM(extrusion blow molding)時にheavy-blowが不可能な問題があることがある。また、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示すことがある。
【0016】
前記ポリエステル樹脂組成物の溶融点(T)は200~230℃であってもよい。具体的には、溶融点は200℃以上、205℃以上または210℃以上であり、230℃以下、225℃以下または220℃以下であってもよい。
【0017】
また、前記ポリエステル樹脂組成物の冷却結晶化温度(Tmc)は130~150℃であってもよい。具体的には、冷却結晶化温度は130℃以上、135℃以上、または140℃以上であり、150℃以下、または145℃以下であってもよい。
【0018】
また、前記ポリエステル樹脂組成物の半結晶化時間(T1/2)は1~15分であってもよい。具体的には、半結晶化時間は1分以上、2分以上、3分以上、または4分以上であり、15分以下、14分以下、13分以下、12分以下、11分以下、10分以下、9分以下、8分以下、7分以下または6分以下であってもよい。
【0019】
前記溶融点、冷却結晶化温度、半結晶化時間は、前記ポリエステル樹脂組成物が最大結晶化度を有する場合の溶融点、冷却結晶化温度、半結晶化時間であってもよい。具体的には、前記実施例および比較例で製造したポリエステル樹脂に対して二軸押出機(twin-screw extruder)を用いて230~250℃内外の温度で結晶化剤を10~100ppm比率で混練する過程を経て、当該組成で最大結晶化度を有するように前処理させた後の溶融点、冷却結晶化温度、半結晶化時間であってもよい。
【0020】
前記ポリエステル樹脂は前述のパラメータ数式1を充足するために、エチレングリコールおよび共単量体を含むジオールから誘導されたジオール部分を含み、全体ジオール部分に対して前記共単量体から誘導されたジオール部分が9~17モル%であってもよい。本発明のポリエステル樹脂は共単量体から誘導されたジオール部分として必須的にイソソルビドから誘導されたジオール部分を含み、このような構造によってポリエチレンテレフタレートと混合する場合、再使用が可能で持続的に使用可能なプラスチックを提供することができる。
【0021】
前記共単量体から誘導されたジオール部分はイソソルビド(isosorbide、1,4:3,6-dianhydroglucitol)から誘導されたジオール部分およびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分を含むことができる。
【0022】
即ち、前記ポリエステル樹脂はイソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の総含量が9~17モル%であってもよい。具体的には、イソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の総含量は9モル%以上、10モル%以上、11モル%以上、または12モル%以上であり、17モル%以下、16モル%以下、15モル%以下または14モル%以下であってもよい。
【0023】
前記共単量体であるイソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分が9モル%未満であれば、数式1の値が160以上で結晶性が過度であって加工性が改善されない側面があり、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、延伸比が高く示されてEBM(extrusion blow molding)時にheavy-blowが不可能な問題があることがある。
【0024】
また、共単量体から誘導されたジオール部分が17モル%超過であれば、数式1の値が20以下で結晶性が低くて結晶化速度を改善する効果が劣位であり、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、△Tmが10℃以上でPETとブレンドして再利用が不可能な問題があることがある。
【0025】
前記ポリエステル樹脂はイソソルビドから誘導されたジオール部分を全体ジオール部分に対して0.1~3モル%で含むことができる。具体的には、イソソルビドから誘導されたジオール部分は全体ジオール部分に対して0.1モル%以上、0.5モル%以上、または1モル%以上であり、3モル%以下、2.5モル%以下、または2モル%以下であってもよい。イソソルビドから誘導されたジオール部分を0.1モル%未満または一切含まない場合には[数式1]の値が160以上で結晶性が過度であって加工性が改善されない側面があり、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、延伸比が高く示されてEBM(extrusion blow molding)時にheavy-blowが不可能な問題があることがある。反面、ジオール部分を3モル%超過して含む場合には溶融点が測定されないか、測定されるとしても結晶性が低くて[数式1]の値が20以下で結晶化速度を改善する効果が劣位であり、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、△Tmが10℃以上でPETとブレンドして再利用が不可能な問題があることがある。
【0026】
また、前記イソソルビド以外のジオール部分共単量体としては、シクロヘキサンジメタノールを追加的に含むことができる。前記シクロヘキサンジメタノールは全体ジオールに対してこれから誘導されたジオール部分を8~16モル%で含まれて、前記数式1を満足するポリエステル樹脂を提供することができる。具体的には、シクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分は全体ジオール部分に対して8モル%以上、9モル%以上、または10モル%以上であり、16モル%以下、15モル%以下、14モル%以下、13モル%以下または12モル%以下であってもよい。前記シクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分が8モル%未満である場合には数式1の値が160以上で結晶性が過度であって加工性が改善されない側面があり、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、延伸比が高く示されてEBM(extrusion blow molding)時にheavy-blowが不可能な問題があることがある。反面、前記シクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分が16モル%を超過する場合には[数式1]の値が20以下で結晶化速度を改善する効果が劣位であり、エタノール浸漬後、Hazeが5%以上と示されて劣位な耐化学性特性を示し、△Tmが10℃以上でPETとブレンドして再利用が不可能な問題があることがある。
【0027】
前記ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸あるいはその誘導体とジオールのエステル化反応またはエステル交換反応段階;および前記エステル化またはエステル交換反応生成物の縮重合反応段階を通じて製造できる。
【0028】
前記エステル化反応またはエステル交換反応では触媒が使用できる。このような触媒としては、ナトリウム、マグネシウムのメチラート(methylate);Zn、Cd、Mn、Co、Ca、Baなどの酢酸塩、ホウ酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩;金属Mg;Pb、Zn、Sb、Geなどの酸化物などが挙げられる。
【0029】
前記エステル化反応またはエステル交換反応はバッチ(batch)式、半連続式または連続式で行うことができ、それぞれの原料は別途に投入することができるが、ジオールにジカルボン酸あるいはその誘導体を混合したスラリー形態で投入することが好ましい。
【0030】
前記エステル化反応またはエステル化交換反応開始前スラリーに、あるいは反応完了後生成物に重縮合触媒、安定剤、呈色剤、結晶化剤、酸化防止剤、 分岐剤などを添加することができる。
【0031】
しかし、前述の添加剤の投入時期がこれに限定されるのではなく、ポリエステル樹脂の製造段階のうちの任意の時点に投入されてもよい。前記重縮合触媒としては、通常のチタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズ系化合物などを一つ以上適切に選択して使用することができる。有用なチタン系触媒としては、テトラエチルチタネート、アセチルトリプロピルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ポリブチルチタネート、2-エチルヘキシルチタネート、オクチレングリコールチタネート、ラクテートチタネート、トリエタノールアミンチタネート、アセチルアセトナートチタネート、エチルアセトアセティックエステルチタネート、イソステアリルチタネート、チタンジオキシド、チタンジオキシド/シリコンジオキシド共重合体、チタンジオキシド/ジルコニウムジオキシド共重合体などを例示することができる。また、有用なゲルマニウム系触媒としては、ゲルマニウムジオキシドおよびこれを用いた共重合体などがある。前記安定剤としては、一般にリン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのリン系化合物を使用することができ、その添加量はリン元素量を基準にして最終ポリマー(ポリエステル樹脂)の重量に対して10~200ppmである。前記安定剤の添加量が10ppm未満であれば、安定化効果が不十分で、ポリマーの色が黄色く変わる恐れがあり、200ppmを超過すれば、所望の高重合度のポリマーを得ることができない恐れがある。
【0032】
また、ポリマーの色を向上させるために添加される呈色剤としては、コバルトアセテート、コバルトプロピオネートなどの通常の呈色剤を例示することができ、その添加量はコバルト元素量を基準にして最終ポリマー(ポリエステル樹脂)の重量に対して10~200ppmである。必要によって、有機化合物呈色剤としてアントラキノン(Anthraquionone)系化合物、ペリノン(Perinone)系化合物、アゾ(Azo)系化合物、メチン(Methine)系化合物などを使用することができ、市販される製品としてはClarient社のPolysynthren Blue RLSあるいはClarient社のSolvaperm Red BBなどのトナーを使用することができる。前記有機化合物呈色剤の添加量は最終ポリマー重量に対して0~50ppmに調節できる。万一、呈色剤を前記範囲外の含量で使用すれば、ポリエステル樹脂の黄色を十分に遮ることができないか物性を低下させることがある。
【0033】
前記結晶化剤としては、結晶核剤、紫外線吸収剤、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂などを例示することができる。前記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤あるいはこれらの混合物などを例示することができる。
【0034】
前記エステル化反応は、200~300℃あるいは230~280℃の温度および0~10.0kgf/cm(0~7355.6mmHg)、0~5.0kgf/cm(0~3677.8mmHg)あるいは0.1~3.0kgf/cm(73.6~2206.7mmHg)の圧力条件で実施できる。そして、前記エステル交換反応は150~270℃あるいは180~260℃の温度および0~5.0kgf/cm(0~3677.8mmHg)あるいは0.1~3.0kgf/cm(73.6~2206.7mmHg)の圧力条件で実施できる。ここで、括弧の外に記載された圧力はゲージ圧力を意味し(kgf/cm単位で記載される)、括弧の中に記載された圧力は絶対圧力を意味する(mmHg単位で記載される)。
【0035】
前記反応温度および圧力が前記範囲を逸脱する場合、ポリエステル樹脂の物性が低下する恐れがある。前記反応時間(平均滞留時間)は通常1~24時間あるいは2~8時間であり、反応温度、圧力、使用するジカルボン酸あるいはその誘導体に対するジオールのモル比によって変わることがある。
【0036】
前記エステル化またはエステル交換反応を通じて得られた生成物は、重縮合反応を通じてより高い重合度のポリエステル樹脂に製造できる。一般に、前記重縮合反応は、150~300℃、200~290℃あるいは260~290℃の温度および400~0.01mmHg、100~0.05mmHgあるいは10~0.1mmHgの減圧条件で行われる。ここで、圧力は絶対圧力の範囲を意味する。前記400~0.01mmHgの減圧条件は、重縮合反応の副生成物であるグリコールなどと未反応物であるイソソルビドなどを除去するためのものである。したがって、前記減圧条件が前記範囲を逸脱する場合、副生成物および未反応物の除去が不充分な恐れがある。また、前記重縮合反応温度が前記範囲を逸脱する場合、ポリエステル樹脂の物性が低下する恐れがある。前記重縮合反応は、所望の固有粘度に到達するまで必要な時間、例えば、平均滞留時間1~24時間実施される。
【0037】
ポリエステル樹脂内に残留するイソソルビドなどの未反応物の含量を減少させる目的でエステル化反応あるいはエステル交換反応末期あるいは重縮合反応初期、即ち、樹脂の粘度が十分に高くない状態で真空反応を意図的に長く維持して未反応の原料を界外に流出させることができる。樹脂の粘度が高まれば、反応器内残留している原料が界外に抜け出にくくなる。一例として、重縮合反応前エステル化反応あるいはエステル交換反応を通じて得られた反応生成物を約400~1mmHgあるいは約200~3mmHg減圧条件で0.2~3時間放置してポリエステル樹脂内に残留するイソソルビドなどの未反応物を効果的に除去することができる。この時、前記生成物の温度は、エステル化反応あるいはエステル交換反応温度と重縮合反応温度と同じかあるいはその間の温度に調節できる。
【0038】
重縮合反応後、ポリマーの固有粘度は0.30~1.0dl/gであることが適当である。固有粘度が0.30dl/g未満である場合、固相反応での反応速度が顕著に低まることになり、固有粘度が1.0dl/gを超過する場合、溶融重合中に溶融物の粘度が上昇するにつれ攪拌機と反応器の間でのせん断応力(ShearStress)によってポリマーが変色する可能性が増加し、アセトアルデヒドのような副反応物質も増加することになる。
【0039】
前記一実施形態によるポリエステル樹脂は、必要によって、重縮合反応後に固相反応を追加的に行って、より高い重合度を有することができる。
【0040】
具体的には、重縮合反応を通じて得られたポリマーを反応器の外に吐出して粒子化する。粒子化する方法は、Strand状に押出後、冷却液で固化後、カッターで切断するStrand cutting法や、ダイホールを冷却液に浸漬させて、冷却液中に直接押出してカッターで切断するunderwater cutting法を使用することができる。一般に、Strand cutting法では、冷却液の温度を低く維持して、Strandがよく固化されてこそカッティングに問題がない。Underwater cutting法では冷却液の温度をポリマーに合うように維持して、ポリマーの形状が均一なようにすることが良い。しかし、結晶性ポリマーの場合、吐出中に結晶化を誘導するためにわざと冷却液の温度を高く維持することもできる。
【0041】
粒子化されたポリマーの水洗浄を通じてイソソルビドなどの未反応の原料のうちの水に溶解される原料の除去が可能である。粒子が小さいほど粒子の重量に対する表面積が広くなるため、粒子の大きさは小さいほど有利である。このような目的を達成するために粒子は約15mg以下の平均重量を有するように製造できる。一例として、前記粒子化されたポリマーはポリマーのガラス転移温度と同じかあるいは約50~100℃程度温度の水に5分~10時間放置して水洗浄できる。
【0042】
粒子化されたポリマーは、固相反応中に融着されることを防止するために結晶化段階を経る。大気、不活性ガス、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気または溶液中で進行が可能であり、110℃~210℃あるいは120℃~210℃で結晶化処理を行う。温度が低ければ粒子の結晶が生成される速度が過度に遅くなり、温度が高ければ結晶が作られる速度より粒子の表面が溶融される速度が速いため粒子同士がついて融着を発生させる。粒子が結晶化されるにつれて粒子の耐熱度が上昇することになるので、結晶化を複数の段階に分けて段階別に温度を上昇させて結晶化することも可能である。
【0043】
固相反応は、窒素、二酸化炭素、アルゴンなど不活性ガス雰囲気下または400~0.01mmHgの減圧条件および180~220℃の温度で平均滞留時間1~150時間行うことができる。このような固相反応を通じて分子量が追加的に上昇し、溶融反応で反応せずに残存している原料物質と反応中に生成された環状オリゴマー、アセトアルデヒドなどが除去できる。
【0044】
前記結晶化されたポリマーは150℃のオルトクロロフェノールに0.12重量%の濃度で溶解させて35℃で測定した固有粘度が0.65dl/g以上、0.70dl/g以上、0.75dl/g以上あるいは0.80dl/g以上の値に到達するように固相重合できる。
【0045】
一方、前記一実施形態によるポリエステル樹脂は、厚さ6mmの試片に対してASTM D1003-97によって測定されたヘイズ(Haze)が5%以下、4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下、2.5%以下、2%以下あるいは1%以下で高透明性を示すことができる。理論的に、ヘイズは0%であることが最も好ましいので、下限は0%以上であってもよい。
【0046】
また、前記一実施形態によるポリエステル樹脂は、延伸比が1~5であってもよい。具体的には、延伸比は1以上、または2以上であり、5以下、4以下または3以下であってもよい。
【0047】
押出吹込み成形(Extrusion Blow Molding;EMB)工法では、成形機のスクリュー内部の高いせん断応力区間では低い粘度を維持し、せん断応力が低いパリソン形成区間では高い粘度を示すせん断流動化特性が必要である。このようなせん断流動化特性は、スクリュー内部で発生するせん断応力摩擦による発生熱を最少化し、パリソン自体の温度を低めることによって成形機に設定した成形温度より高い温度で摩擦熱が発生することを防止する。
【0048】
また、さらに高いせん断応力を受けるマルチヘッド押出吹込み成形工法の場合、一つのスクリューで複数のパリソンを作り、高い押出量のためにスクリューのRPMがさらに高まってさらに高いせん断応力を受けることになってより優れたせん断流動化特性が要求される。
【0049】
前記ポリエステル樹脂は、前述の数式1を満足するにつれて向上したせん断流動化特性を示し押出吹込み成形工法によって高品質の成形品を提供することができる。
【0050】
ジカルボン酸あるいはその誘導体
本発明で使用されるジカルボン酸成分は、ジオール成分と共にポリエステル樹脂を構成する主要単量体を意味する。本発明の‘ジカルボン酸あるいはその誘導体’は、ジカルボン酸とジカルボン酸の誘導体のうちから選択される1種以上の化合物を意味する。そして、‘ジカルボン酸の誘導体’は、ジカルボン酸のアルキルエステル(モノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルまたはジブチルエステルなど炭素数1~4の低級アルキルエステル)あるいはジカルボン酸の無水物を意味する。これにより、例えば、テレフタル酸あるいはその誘導体は、テレフタル酸;モノアルキルあるいはジアルキルテレフタレート;およびテレフタル酸無水物のようにジオールと反応してテレフタロイル部分(terephthaloyl moiety)を形成する化合物を一まとめにして呼ぶものである。
具体的には、本発明の前記ジカルボン酸成分の残基は、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸およびその誘導体から構成される群より選択されるいずれか一つ以上の残基を含むことができる。
【0051】
また、前記ポリエステル樹脂は、テレフタル酸あるいはその誘導体以外に他の共単量体から誘導された酸部分を含むことができる。具体的には、前記共単量体は、炭素数8~14の芳香族ジカルボン酸あるいはその誘導体、および炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸あるいはその誘導体からなる群より選択された1種以上であってもよい。前記炭素数8~14の芳香族ジカルボン酸あるいはその誘導体には、イソフタル酸、ジメチルイソフタレート、フタル酸、ジメチルフタレート、フタル酸無水物、2,6-ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、ジメチル2,6-ナフタレンジカルボキシレートなどのジアルキルナフタレンジカルボキシレート、ジフェニルジカルボン酸などポリエステル樹脂の製造に通常使用される芳香族ジカルボン酸あるいはその誘導体が含まれてもよい。前記炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸あるいはその誘導体には、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸などのシクロヘキサンジカルボン酸、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、ジメチル1,3-シクロヘキサンジカルボキシレートなどのシクロヘキサンジカルボキシレート、セバシン酸、コハク酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸などポリエステル樹脂の製造に通常使用される線状、枝状または環状脂肪族ジカルボン酸あるいはその誘導体が含まれてもよい。前記共単量体は、全体ジカルボン酸あるいはその誘導体に対して0~50モル%、0モル%~30モル%、0~20モル%あるいは0~10モル%で使用できる。
【0052】
ジオール成分
本発明で使用されるジオール成分は、前述のジカルボン酸成分と共にポリエステル樹脂を構成する主要単量体を意味する。特に、前記ジオール成分は、エチレングリコール以外に共単量体としてイソソルビド、およびシクロヘキサンジメタノールを含む。
【0053】
前記イソソルビドは、製造されるポリエステル樹脂の加工性を向上させるために使用される。前述のシクロヘキサンジメタノールのジオール成分によってポリエステル樹脂の透明性と耐衝撃強度が向上するが、加工性のためにせん断流動化特性が改善されなければならず結晶化速度が遅延されなければならないが、シクロヘキサンジメタノールのみではその効果を達成し難い。よって、ジオール成分としてイソソルビドを含む場合、透明性と耐衝撃強度が維持されながらもせん断流動化特性が改善され結晶化速度が遅延されることによって、製造されるポリエステル樹脂の加工性が改善される。好ましくは、前記ポリエステル樹脂の全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分は0.1~3モル%で含まれる。イソソルビドから誘導されたジオール部分の含量範囲に関する具体的な説明は、前記ポリエステル樹脂部分で説明した通りである。
【0054】
前記シクロヘキサンジメタノール(例えば、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノールまたは1,4-シクロヘキサンジメタノール)は、製造されるポリエステル樹脂の透明性と耐衝撃強度の向上に寄与する成分である。好ましくは、前記ポリエステル樹脂の全体ジオール部分に対してシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分は8~16モル%で含まれる。シクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の含量範囲に関する具体的な説明は前記ポリエステル樹脂部分で説明した通りである。
【0055】
また、前記ポリエステル樹脂組成物は、全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分およびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の合計を9~17モル%で含む。前記イソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分総含量範囲に関する具体的な説明は前記ポリエステル樹脂部分で説明した通りである。
【0056】
前記エチレングリコール以外のジオール部分を提供する共単量体には、前述の単量体以外にポリエステル樹脂の製造に通常使用されるジオールが含まれてもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートに使用できるジオール単量体があり得る。しかし、ジオール部分を提供する共単量体としてはイソソルビドであるか、あるいはイソソルビドとシクロヘキサンジメタノールを組み合わせたものが本発明で収得しようとする物性を充足することに有利である。
【0057】
分岐剤
一方、本発明のポリエステル樹脂は、その重合時に3以上の官能基を有する分岐剤を添加することによって前記2以上の官能基を有する分岐剤から誘導された残基を含むことができる。理論的に制限されるわけではないが、前記3以上の官能基を有する分岐剤はポリエステル樹脂の主鎖に側鎖を導入するか、あるいはポリエステル樹脂をグラフト重合させてポリエステル樹脂が複雑な鎖構造を有するようにすることによって前記数式1を満足するようにすることができる。前記分岐剤は3個の官能基を有する分岐剤であって、例えば、ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸(トリメリット酸(trimellitic acid))、ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸アンヒドリド(無水トリメリット酸(trimellitic anhydride))、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸アンヒドリドあるいはこれらの混合物などを例示することができる。
【0058】
前記3以上の官能基を有する分岐剤から誘導された残基は全体ジオール部分100重量部に対して1重量部以下で含まれる。
【0059】
ポリエステル樹脂を含む組成物
本発明一実施形態によるポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートと配合されて加工性が向上して高品質の押出吹込み成形品を提供する組成物を形成することができる。
【0060】
これにより、前記ポリエチレンテレフタレートの種類は特に限定されない。非制限的な例として、前記ポリエチレンテレフタレートはジカルボン酸あるいはその誘導体とジオールが重合されて製造されたもので、前記ジカルボン酸あるいはその誘導体は主にテレフタル酸あるいはその誘導体であってもよく、前記ジオールは主にエチレングリコールであってもよい。
【0061】
前記一実施形態によるポリエステル樹脂はバージン(virgin)ポリエチレンテレフタレートの物性を補完することができるだけでなく、再使用(recycled)ポリエチレンテレフタレートの低下した物性も非常に優れた水準で補完することができる。
【0062】
再使用ポリエチレンテレフタレートは、使用された後収去されたポリエチレンテレフタレートあるいはこれから得られたものを全て併せる意味として理解できる。具体的には、前記再使用ポリエチレンテレフタレートは、収去された廃プラスチックを一定基準によって分離し、粉砕および洗浄した後に溶融押出して再ペレット化したものであるか、あるいは収去された廃プラスチックを単量体水準で解重合(depolymerization)した後、これを再重合して得たものであってもよい。このような再使用ポリエチレンテレフタレートは、加工方法により再ペレット化した後に結晶化して使用されるか、あるいは結晶化した後に固体状態で追加的に重縮合された後使用できる。
【0063】
廃プラスチックを単量体水準で解重合して再重合した再使用ポリエチレンテレフタレートは、バージンポリエチレンテレフタレートと区別が容易でない程度に良好な物性を示すことができる。しかし、廃プラスチックを再ペレット化したものはバージンポリエチレンテレフタレートに比べて全般的に低下した物性を有するため、再使用ポリエチレンテレフタレート単独で、あるいはバージンポリエチレンテレフタレートと混合しても押出吹込み成形工法で高品質の容器を製作することが難しい。しかし、一実施形態によるポリエステル樹脂はこのような再使用ポリエチレンテレフタレートとも優れた混和性を示し、その加工性を向上させることができる。特に、一実施形態によるポリエステル樹脂は再使用ポリエチレンテレフタレートとの混和性が非常に優れるためその他の添加剤なくても表面に流れ縞(flow-mark)がない成形品を提供することができる。
【0064】
前記ポリエステル樹脂は再使用ポリエチレンテレフタレートと混合されて再使用ポリエチレンテレフタレートの結晶化速度を効果的に調節することができ、可溶に容易な融点を有するポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
【発明の効果】
【0065】
前述の本発明によって数式1を満足するポリエステル樹脂およびこれを含む組成物は加工性が向上し、特に押出吹込み成形工法での成形性が大きく向上できる。
【0066】
また、本発明によるポリエステル樹脂およびこれを含む組成物は再利用が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、これによって本発明の内容が限定されるのではない。
【実施例
【0068】
実施例1
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(terephthalic acid;3127.9g)、EG(ethylene glycol;1320.1g)、CHDM(1,4-cyclohexanedimethanol;379.9g)、およびISB(isosorbide;82.5g)を投入し、触媒としてGeO(9.9g)を投入した。
【0069】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より1.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、260℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を260℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0070】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を280℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇によって攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.80dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。
【0071】
粒子化以後、70℃の水で5時間保管して水洗浄し、その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了して、ポリエステル樹脂を製造した。
【0072】
実施例2
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3429.9g)、EG(1588.5g)、CHDM(238.0g)、およびISB(90.5g)を投入し、触媒としてGeO(10.6g)、安定剤としてリン酸(1.46g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.016g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.004g)を投入した。
【0073】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より0.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、260℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を260℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0074】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を275℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇によって攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.65dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるようにした。
【0075】
前記粒子を150℃で1時間放置して結晶化した後、20L容積の固相重合反応器に投入した。その後、前記反応器に窒素を50L/min速度で流した。この時、反応器の温度を常温から140℃まで40℃/時間の速度で上げ、140℃で3時間維持した後、205℃まで40℃/時間の速度で昇温して205℃を維持した。前記固相重合反応は反応器内の粒子の固有粘度(IV)が0.85dl/gになるまで行って、ポリエステル樹脂を製造した。
【0076】
実施例3
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(4135.1g)、EG(1652.5g)、CHDM(573.9g)、およびISB(72.7g)を投入し、触媒としてGeO(13.1g)を投入した。
【0077】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より1.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、250℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を250℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0078】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を265℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.85dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了してポリエステル樹脂を製造した。
【0079】
実施例4
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3275.5g)、EG(1101.0g)、CHDM(284.1g)、およびISB(144.0g)を投入し、触媒としてGeO(10.2g)を投入した。
【0080】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より2.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、255℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を255℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0081】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を285℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.75dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了してポリエステル樹脂を製造した。
【0082】
実施例5
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3062.1g)、EG(1269.5g)、CHDM(371.9g)、およびISB(134.7g)を投入し、触媒としてGeO(9.7g)を投入した。
【0083】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、250℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を250℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0084】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を270℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.80dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了してポリエステル樹脂を製造した。
【0085】
実施例6
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3439.6g)、EG(1541.6g)、CHDM(328.2g)、およびISB(121.0g)を投入し、触媒としてGeO(10.8g)、安定剤としてリン酸(1.46g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.013g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.004g)を投入した。
【0086】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より1.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、265℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を265℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0087】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を275℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.79dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了してポリエステル樹脂を製造した。
【0088】
実施例7
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、DMT(dimethyl terephthalate;3684.4g)、EG(2684.7g)、CHDM(273.5g)、およびISB(332.7g)を投入し、触媒としてGeO(9.9g)を投入した。
【0089】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、240℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を240℃で維持しながらエステル化反応を行った。この過程でカラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0090】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を265℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.82dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了してポリエステル樹脂を製造した。
【0091】
比較例1
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3232.0g)、EG(1062.3g)、CHDM(196.3g)、およびISB(1279.2g)を投入し、触媒としてGeO(9.9g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.017g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.006g)を投入した。
【0092】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より0.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、260℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を260℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0093】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から100mmHgに下げて1時間維持させた。その後、5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を280℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.75dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了して、ポリエステル樹脂を製造した。
【0094】
比較例2
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(2561.1g)、EG(994.8g)、CHDM(399.9g)、およびISB(405.5g)を投入し、触媒としてGeO(9.9g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.010g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.003g)を投入した。
【0095】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力が常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、260℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を260℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0096】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を270℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.82dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後、150℃で1時間放置して結晶化を完了して、ポリエステル樹脂を製造した。
【0097】
比較例3
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3260.1g)、EG(1400.3g)、CHDM(198.0g)、およびISB(86.0g)を投入し、触媒としてGeO(10.0g)、安定剤としてリン酸(1.46g)を投入した。
【0098】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、270℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を270℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0099】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を275℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.60dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。
【0100】
前記粒子を150℃で1時間放置して結晶化した後、20L容積の固相重合反応器に投入した。その後、前記反応器に窒素を50L/min速度で流した。この時、反応器の温度を常温から140℃まで40℃/時間の速度で上げ、140℃で3時間維持した後、200℃まで40℃/時間の速度で昇温して200℃を維持した。前記固相重合反応は反応器内の粒子の固有粘度(IV)が0.75dl/gになるまで行って、ポリエステル樹脂を製造した。
【0101】
比較例4
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3118.2g)、EG(1211.2g)、CHDM(459.8g)およびISB(109.7g)を投入し、触媒としてGeO(10.0g)を投入した。
【0102】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、270℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を270℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0103】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を275℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.85dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化してポリエステル樹脂を製造した。
【0104】
比較例5
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3238.8g)、EG(1318.5g)、CHDM(337.1g)、およびISB(256.4g)を投入し、触媒としてGeO(10.3g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.014g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.006g)を投入した。
【0105】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、250℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を250℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0106】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を280℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.82dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化してポリエステル樹脂を製造した。
【0107】
比較例6
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3002.1g)、EG(997.9g)、CHDM(468.8g)、およびISB(211.2g)を投入し、触媒としてGeO(9.7g)を投入した。
【0108】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より2.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、255℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を255℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0109】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を285℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.78dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化してポリエステル樹脂を製造した。
【0110】
比較例7
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3207.0g)、EG(1233.7g)、CHDM(194.7g)、およびISB(423.1g)を投入し、触媒としてGeO(10.1g)、安定剤としてリン酸(1.46g)を投入した。
【0111】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.0kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、265℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を265℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0112】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を270℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.84dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化してポリエステル樹脂を製造した。
【0113】
比較例8
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(3456.2g)、EG(1574.9g)およびISB(395.2g)を投入し、触媒としてGeO(10.6g)、安定剤としてリン酸(1.46g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.012g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.004g)を投入した。
【0114】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、270℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を270℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0115】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を275℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.75dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化して、ポリエステル樹脂を製造した。
【0116】
比較例9
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(2641.8g)、EG(552.5g)、CHDM(1260.4g)、およびISB(92.9g)を投入し、触媒としてGeO(9.7g)、安定剤としてリン酸(1.46g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.015g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.003g)を投入した。
【0117】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、260℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を260℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0118】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を285℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.80dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化して、ポリエステル樹脂を製造した。
【0119】
比較例10
段階1)エステル化反応
カラムと、水によって冷却の可能なコンデンサが連結されている10L容積の反応器に、TPA(2422.3g)、EG(389.0g)、CHDM(1512.9g)、およびISB(106.5g)を投入し、触媒としてGeO(9.5g)、安定剤としてリン酸(1.46g)、ブルートナーとしてPolysynthren Blue RLS(Clarient社、0.016g)、およびレッドトナーとしてSolvaperm Red BB(Clarient社、0.005g)を投入した。
【0120】
その次に、反応器に窒素を注入して反応器の圧力を常圧より1.5kgf/cmだけ高い加圧状態にした。そして、反応器の温度を220℃まで90分にわたって上げ、220℃で2時間維持した後、275℃まで2時間にわたって上げた。その後、反応器内の混合物を肉眼で観察して混合物が透明になるまで反応器の温度を275℃で維持しながらエステル化反応を245分間行った。この過程で、カラムとコンデンサを経て副生成物が流出した。エステル化反応が完了すると、加圧状態の反応器内の窒素を外部に排出して反応器の圧力を常圧に下げた後、反応器内の混合物を真空反応の可能な7L容積の反応器に移送させた。
【0121】
段階2)重縮合反応
前記7L容積の反応器の圧力を常圧状態から5Torr(絶対圧力:5mmHg)まで30分にわたって下げ、同時に反応器の温度を280℃まで1時間にわたって上げ、反応器の圧力を1Torr(絶対圧力:1mmHg)以下で維持しながら重縮合反応を実施した。重縮合反応の初期には攪拌速度を速く設定するが、重縮合反応が進行するにつれて反応物の粘度上昇により攪拌力が弱まるかまたは反応物の温度が設定した温度以上に上がる場合、攪拌速度を適切に調節することができる。前記重縮合反応は、反応器内の混合物(溶融物)の固有粘度(IV)が0.80dl/gになるまで行った。反応器内の混合物の固有粘度が所望の水準に到達すれば、混合物を反応器外部に吐出してストランド(strand)化し、これを冷却液で固化後、平均重量が12~14mg程度になるように粒子化した。その後150℃で1時間放置して結晶化を完了し、ポリエステル樹脂を製造した。
【0122】
前記実施例1~実施例7および比較例1~比較例8のポリエステル樹脂の物性を下記の方法で測定して表1に示した。
【0123】
残基組成(ジオール残基モル比率確認方法)
ポリエステル樹脂内の酸およびジオール由来の残基組成(mol%)は、試料をCDCl溶媒に3mg/mLの濃度で溶解した後、核磁気共鳴装置(JEOL、600MHz FT-NMR)を用いて25℃で得られた1H-NMRスペクトルを通じて確認した。また、TMA残基はEthanolysisを通じてエタノールがTMAと反応して生成されたベンゼン-1,2,4-トリエチルカルボキシレートの含量をガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies、7890B)を用いて250℃で測定したスペクトルを通じて定量分析して確認し、全体ジオール部分モル数に対する含量(モル%)で確認した。
【0124】
固有粘度(IV)
固有粘度(IV)は、150℃オルトクロロフェノール(OCP、o-chlorophenol)に0.12%濃度で製造されたポリエステル樹脂を溶解させた後、35℃の恒温槽でウベローデ型粘度計を使用して固有粘度を測定した。具体的には、溶媒(solvent)が粘度管の特定内部区間の間を通過することにかかる時間(efflux time)tと溶液(solution)が通過することにかかる時間tを求めた。その後、t値とt値を式1に代入して比粘度(specific viscosity)を算出し、算出された比粘度値を式2に代入して固有粘度を算出した。
【0125】
【数1】
【0126】
融点(Melting point、T
製造されたポリエステル樹脂の融点は、DSC(differential scanning calorimetry)を通じて測定した。測定装置としてはMettler toledo社のDSC1装備を用いた。具体的には、前記実施例および比較例で製造したポリエステル樹脂に対して二軸押出機(twin-screw extruder)を用いて230~250℃内外の温度で結晶化剤を10~100ppm比率で混練する過程を経て、当該組成で最大結晶化度を有するように前処理後、窒素下1分当り+10℃の昇温速度で溶融点を測定した。
【0127】
冷却結晶化温度(Tmc
冷却結晶化温度は、Mettler toledo社のDSC1装備を用いた。具体的には、前記実施例および比較例で製造したポリエステル共重合体を当該組成で最大結晶化度を有するように前記融点測定時のように前処理して、完全に溶融させた後、窒素下1分当り-2℃の減温速度で冷却結晶化温度を測定した。
【0128】
半結晶化時間(t1/2
半結晶化時間は、Mettler toledo社のDSC1装備を用いて、前記実施例および比較例で製造したポリエステル共重合体を当該組成で最大結晶化度を有するように前記融点測定時のように前処理して、完全に溶融させた後、窒素下160℃で60分間維持し、この時結晶化しながら発熱する全体発熱量の半分の発熱量が現れる時間(分)を測定した。
【0129】
耐化学性評価法(Haze測定)
射出成形したポリエステル試片を容器に入れ、試片が十分に浸かる程度のエタノール65%に担持後、試片およびエタノールが含まれている容器を50℃熱風オーブンに1日間保管した。その後、ASTM D1003-97測定法でMinolta社のCM-3600A測定器を用いて前記試片のHazeを測定した。Hazeが5%以下であるほど耐化学性に優れる。
【0130】
延伸比
成形可能な瓶の容量は500mL、1L、および2Lで2headで成形を行った。具体的には、Bekum EBM設備で190~250℃内外の温度でパリソンを形成して瓶を成形した。パリソンの横方向長さに対する成形された瓶の横方向長さの比を延伸比と定義した。
【0131】
Bottle重量の測定
前記実施例および比較例で製造したポリエステル共重合体樹脂を使用して瓶成形を行った。具体的には、Bekum EBM設備を用いて190~250℃内外の温度でパリソンを用いて500mLの瓶を製作した。製造された500mLの瓶の重量を測定して20g以上であれば‘O’と表示し、20g以下であるか瓶の成形が不可能であれば‘X’と表示した。
【0132】
△Tmの測定
前記Bottle重量測定で成形された瓶を粉砕してフレーク(flake)を得た。このように得られたフレークをPETフレーク(flake)と25重量%ブレンディングして二軸押出機(twin-screw extruder)を用いて250~280℃内外の温度で混練過程を経てペレット形態に得た。このように得られたペレットの融点はDSC(differential scanning calorimetry)を通じて、完全に溶融させた後、窒素下1分当り+10℃の昇温速度で溶融点を測定した。混練過程を経たペレットとPETフレークの溶融点差が10℃未満であれば‘O’と表示し、10℃以上であれば‘X’と表示した。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
上記表3で、Bottle重量が20g以上である場合には押出吹込み成形時にheavy-blowが可能であるという利点があり、△Tm<10℃を満足する場合にはPETと25重量%ブレンディングして再使用可能であるという利点がある。
【0137】
前記表3で、比較例1,3、8、10の場合には樹脂の結晶性が高くて高い押出吹込み時高い成形温度を必要とし、これは溶融物の粘度を低下させてBottle重量が20g以下であるか瓶の成形が不可能であってheavy-blow成形に適しない。
【0138】
反面、前記表2で、比較例5、6、および9の場合には結晶性が過度に低くてPET樹脂とブレンドする場合、溶融点、冷却結晶化温度および半結晶化時間測定が不可能であった。また、比較例2、4、および7も樹脂の結晶性が低くてPET樹脂とブレンドする場合、溶融点は測定されるが、その値が低くて樹脂の再利用性が低下することになる。
【0139】
反面、本発明による実施例1~7は、樹脂の結晶性が過度に高くないため成形温度を下げて厚さの厚い瓶を成形することができる。また、本発明による実施例1~7は結晶性が過度に低くないためPET樹脂とブレンドしても溶融点を大きく下げなくて再利用が可能であるのを確認することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸あるいはその誘導体から誘導された酸部分およびジオールから誘導されたジオール部分が繰り返される構造を含み、
下記数式1を満足する、ポリエステル樹脂:
[数式1]
20<(X*Y)/(Z*100)<160
上記数式1中、
Xは前記ポリエステル樹脂の溶融点(単位:℃)であり、
Yは前記ポリエステル樹脂の冷却結晶化温度(単位:℃)であり、
Zは前記ポリエステル樹脂の半結晶化時間(単位:分)である。
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂は、全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分を0.1~3モル%で含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項3】
前記ポリエステル樹脂は、全体ジオール部分に対してシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分を8~16モル%で含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項4】
前記ポリエステル樹脂、全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分およびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の合計を9~17モル%で含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項5】
前記ジカルボンあるいはその誘導体から誘導された酸部分は、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸およびその誘導体から構成される群より選択されるいずれか一つ以上の残基を含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項6】
前記ポリエステル樹脂は、3以上の官能基を有する分岐剤から誘導された残基を含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項7】
前記ポリエステル樹脂、前記3以上の官能基を有する分岐剤から誘導された残基を全体ジオール部分100重量部に対して1重量部以下で含む、請求項6に記載のポリエステル樹脂。
【請求項8】
前記ポリエステル樹脂溶融点は200~230℃である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項9】
前記ポリエステル樹脂冷却結晶化温度は130~150℃である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項10】
前記ポリエステル樹脂半結晶化時間は1~15分である、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項11】
請求項1~10のうちのいずれか一項のポリエステル樹脂;および
ポリエチレンテレフタレートを含む、
ポリエステル樹脂組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
前記ポリエステル樹脂溶融点(Tm)は200~230℃であってもよい。具体的には、溶融点は200℃以上、205℃以上または210℃以上であり、230℃以下、225℃以下または220℃以下であってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、前記ポリエステル樹脂冷却結晶化温度(Tmc)は130~150℃であってもよい。具体的には、冷却結晶化温度は130℃以上、135℃以上、または140℃以上であり、150℃以下、または145℃以下であってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、前記ポリエステル樹脂半結晶化時間(T1/2)は1~15分であってもよい。具体的には、半結晶化時間は1分以上、2分以上、3分以上、または4分以上であり、15分以下、14分以下、13分以下、12分以下、11分以下、10分以下、9分以下、8分以下、7分以下または6分以下であってもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
前記溶融点、冷却結晶化温度、半結晶化時間は、前記ポリエステル樹脂最大結晶化度を有する場合の溶融点、冷却結晶化温度、半結晶化時間であってもよい。具体的には、前記実施例および比較例で製造したポリエステル樹脂に対して二軸押出機(twin-screw extruder)を用いて230~250℃内外の温度で結晶化剤を10~100ppm比率で混練する過程を経て、当該組成で最大結晶化度を有するように前処理させた後の溶融点、冷却結晶化温度、半結晶化時間であってもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
ジカルボン酸あるいはその誘導体
本発明で使用されるジカルボン酸成分は、ジオール成分と共にポリエステル樹脂を構成する主要単量体を意味する。本発明の‘ジカルボン酸あるいはその誘導体’は、ジカルボン酸とジカルボン酸の誘導体のうちから選択される1種以上の化合物を意味する。そして、‘ジカルボン酸の誘導体’は、ジカルボン酸のアルキルエステル(モノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルまたはジブチルエステルなど炭素数1~4の低級アルキルエステル)あるいはジカルボン酸の無水物を意味する。これにより、例えば、テレフタル酸あるいはその誘導体は、テレフタル酸;モノアルキルあるいはジアルキルテレフタレート;およびテレフタル酸無水物のようにジオールと反応してテレフタロイル部分(terephthaloyl moiety)を形成する化合物を一まとめにして呼ぶものである。具体的には、本発明の前記ジカルボン酸あるいはその誘導体から誘導された酸部分は、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸およびその誘導体から構成される群より選択されるいずれか一つ以上の残基を含むことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
また、前記ポリエステル樹脂、全体ジオール部分に対してイソソルビドから誘導されたジオール部分およびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分の合計を9~17モル%で含む。前記イソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールから誘導されたジオール部分総含量範囲に関する具体的な説明は前記ポリエステル樹脂部分で説明した通りである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
前記ポリエステル樹脂は再使用ポリエチレンテレフタレートと混合されて再使用ポリエチレンテレフタレートの結晶化速度を効果的に調節することができ、可溶に容易な融点を有するポリエステル樹脂提供することができる。
【国際調査報告】