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特表2024-527050高圧プランジャポンプおよび高圧プランジャポンプの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】高圧プランジャポンプおよび高圧プランジャポンプの使用
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/06 20060101AFI20240711BHJP
   F04B 41/06 20060101ALI20240711BHJP
   F04B 53/10 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
F04B49/06 331Z
F04B41/06
F04B53/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504963
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2022062195
(87)【国際公開番号】W WO2023006270
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119690.6
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517326486
【氏名又は名称】ハンメルマン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルミッヒ, ブルクハルト
【テーマコード(参考)】
3H071
3H076
3H145
【Fターム(参考)】
3H071AA06
3H071BB01
3H071BB12
3H071CC17
3H071DD01
3H071DD06
3H071DD12
3H071DD13
3H071DD32
3H071DD35
3H076AA02
3H076AA37
3H076BB31
3H076CC07
3H076CC13
3H076CC31
3H076CC41
3H076CC46
3H076CC81
3H076CC92
3H076CC93
3H076CC98
3H145AA03
3H145AA14
3H145AA25
3H145CA02
3H145CA03
3H145DA47
3H145EA04
3H145EA13
3H145EA34
3H145EA45
(57)【要約】
本発明は、作動室(31)および作動室(31)内で軸方向に往復動するように配置されたプランジャ(32)を有する少なくとも1つのプランジャアセンブリ(3)と、少なくとも1つの高圧ライン(41)および少なくとも1つの低圧ライン(42)を有する弁ハウジング(4)に接続された少なくとも1つの第1制御弁(5)および少なくとも1つの第2制御弁(6)と、を備え、高圧ライン(41)は、封止可能な態様で第1制御弁(5)を介して作動室(31)に接続され、低圧ライン(42)は、封止可能な態様で第2制御弁(6)を介して作動室(31)に接続され、弁ハウジング(4)は、高圧ライン(41)に開口する高圧接続部(43)を有し、少なくとも1つの第1制御弁(5)および少なくとも1つの第2制御弁(6)は、弁ハウジング(4)の高圧接続部(43)を介して供給された高圧状態の流体が、作動室(31)に供給され、プランジャ(32)の駆動後に少なくとも1つの吸込弁(6)の低圧接続部(61)を介して排出され得るように、制御部(7)を介して駆動可能であり、少なくとも1つのプランジャ(32)は、駆動シャフトを介して発電機(11)に接続されている、高圧プランジャポンプ(2)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動室(31)および前記作動室(31)内で軸方向に往復動するように構成されたプランジャ(32)を有する少なくとも1つのプランジャ装置(3)と、
少なくとも1つの高圧ライン(41)および少なくとも1つの低圧ライン(42)を有する弁ハウジング(4)に接続された少なくとも1つの第1制御弁(5)および少なくとも1つの第2制御弁(6)と、
を備え、
前記高圧ライン(41)は、封止可能な態様で前記第1制御弁(5)を介して前記作動室(31)に接続され、
前記低圧ライン(42)は、封止可能な態様で前記第2制御弁(6)を介して前記作動室(31)に接続され、
前記弁ハウジング(4)は、前記高圧ライン(43)に開口する高圧接続部(43)を有し、
前記少なくとも1つの第1制御弁(5)および前記少なくとも1つの第2制御弁(6)は、前記弁ハウジング(4)の前記高圧接続部(43)を介して供給された高圧状態の流体が、前記第1制御弁(5)が開いた状態で前記作動室(31)に供給され、前記プランジャ(32)の駆動後に前記少なくとも1つの第2制御弁(6)の低圧接続部(61)を介して排出され得るように、制御部(7)を介して駆動可能であり、
前記少なくとも1つのプランジャ(32)は、第1駆動シャフトを介して発電機(11)に接続されている、高圧プランジャポンプ(2)。
【請求項2】
それぞれが1つのプランジャ(32)を有する少なくとも3つ、好ましくは5つの前記プランジャ装置(3)を備え、
各前記プランジャは、第1制御弁(5)および第2制御弁(6)に対応している、請求項1に記載の高圧プランジャポンプ(2)。
【請求項3】
前記制御弁(5,6)は、前記制御部(7)によって、入口弁および出口弁の両方として調整可能な態様で動作可能である、請求項1または2に記載の高圧プランジャポンプ。
【請求項4】
前記発電機(11)は、モータとしても動作可能である、請求項3に記載の高圧プランジャポンプ。
【請求項5】
前記制御弁(5,6)は、空気圧によって、電気によって、または流体圧によって駆動可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載の高圧プランジャポンプ。
【請求項6】
前記制御部(7)は、1つ以上のセンサに接続され、
前記1つ以上のセンサの各々は、前記高圧プランジャポンプの1つ以上の動作パラメータデータ、特に前記第1駆動シャフトの回転位置、前記高圧ライン(41)および/または前記低圧ライン(42)における流体圧力を提供する、請求項1~5のいずれか1項に記載の高圧プランジャポンプ。
【請求項7】
前記制御部(7)は、特に前記高圧プランジャポンプの上流の処理アセンブリの、外部動作パラメータデータを記録するための少なくとも1つのデータインタフェースを有する、請求項6に記載の高圧プランジャポンプ。
【請求項8】
作動室(310)および前記作動室(310)内で軸方向に往復動するように構成されたプランジャ(320)を有する第2プランジャ装置(300)と、
少なくとも1つの高圧ライン(410)および少なくとも1つの低圧ライン(420)を有する弁ハウジング(400)に接続された少なくとも1つの圧力弁(500)および少なくとも1つの吸込弁(600)と、
をさらに備え、
前記高圧ライン(410)は、封止可能な態様で前記圧力弁(500)を介して前記作動室(310)に接続され、
前記低圧ライン(420)は、封止可能な態様で前記吸込弁(600)を介して前記作動室(310)に接続され、
前記少なくとも1つのプランジャ(320)は、第2駆動シャフトを介して第3駆動シャフト(9)に接続され、
前記第3駆動シャフト(9)は、前記第1駆動シャフトに接続されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の高圧プランジャポンプ。
【請求項9】
流体圧処理アセンブリにおける圧力調整のための請求項1~8のいずれか1項に記載の高圧プランジャポンプの使用であって、
前記高圧プランジャポンプは、前記処理アセンブリに対して、
ポンピング動作では、前記高圧プランジャポンプが、前記処理アセンブリに所定の高圧で流体を供給する中、前記制御弁(5,6)が、モータ駆動される駆動シャフトによって前記少なくとも1つのプランジャ(32)が駆動されるように前記制御部(7)を介して制御され、
前記高圧プランジャポンプのモータ動作では、前記流体が、前記高圧ライン(41)を介して前記所定の高圧で供給され、かつ前記制御弁(5,6)が、前記少なくとも1つのプランジャ(32)によって前記駆動シャフト(9)が駆動されるように前記制御部(7)を介して制御される中、前記駆動シャフトが、前記発電機(11)に接続されて電力が生成される、
ように接続される、高圧プランジャポンプの使用。
【請求項10】
流体圧処理アセンブリにおける圧力制御のための請求項1~8のいずれか1項に記載の高圧プランジャポンプの使用であって、
前記高圧プランジャポンプは、前記処理アセンブリに対して、
前記高圧プランジャポンプに、前記高圧ライン(41)を介して、前記流体圧処理アセンブリによって所定の高圧で流体が供給され、かつ前記制御弁(5,6)が、前記少なくとも1つのプランジャ(32)によって前記駆動シャフト(9)が駆動されるように前記制御部(7)を介して制御される中、前記駆動シャフトが、発電機(11)に接続されて電力が生成される、
ように接続される、高圧プランジャポンプの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係る高圧プランジャポンプ、およびそのような高圧プランジャポンプの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、独国特許出願公開第102016124422号明細書から、一般的な高圧プランジャポンプが知られている。
【0003】
一般的な高圧プランジャポンプは、4000バールに達する作動圧力を生成するために使用される。このために、高圧プランジャポンプは、1つ以上の往復動可能なプランジャを備えており、各プランジャは、吸込弁として設計された制御弁を介して、プランジャポンプの作動室に所定量の流体を引き込み、それを高圧状態で出口弁から吐出する。プランジャは、駆動装置、例えば電気モータで駆動され得る駆動シャフトによって駆動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような高圧プランジャポンプは、実際的な信頼性が認められている。
【0005】
本発明の目的は、一般的な高圧プランジャポンプをさらなる用途分野に適用することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を備えた高圧プランジャポンプによって達成される。
【0007】
本発明に係る高圧プランジャポンプは、作動室と、作動室内で軸方向に往復動するように構成されたプランジャとを有する少なくとも1つのプランジャ装置を備える。
【0008】
また、高圧プランジャポンプは、少なくとも1つの第1制御弁および少なくとも1つの第2制御弁を備えており、当該2つの制御弁は、少なくとも1つの高圧ラインおよび少なくとも1つの低圧ラインを有する弁ハウジングに接続されている。
【0009】
高圧ラインは、封止可能な態様で第1制御弁を介して作動室に接続されている。低圧ラインは、封止可能な態様で第2制御弁を介して作動室に接続されている。弁ハウジングは、高圧ラインに開口する高圧接続部を有する。
【0010】
少なくとも1つの第1制御弁および少なくとも1つの第2制御弁は、弁ハウジングの高圧接続部を介して供給された高圧状態の流体が、第1制御弁が開いた状態で作動室に供給され、プランジャの駆動後に少なくとも1つの第2制御弁の低圧接続部を介して排出され得るように、制御部を介して駆動可能であり、少なくとも1つのプランジャは、駆動シャフトを介して発電機に接続されている。
【0011】
本発明に係る高圧プランジャポンプによると、制御部を介して個別に制御可能な制御弁としての制御弁の設計により、高圧プランジャポンプをエネルギー回収に利用することが可能となる。
【0012】
高圧状態の流体を供給することに代えてまたは加えて、本発明に係る制御弁の制御は、高圧プランジャポンプの動作モードを実質的に逆転させるために活用されてもよく、その場合、高圧状態の流体は、高圧ラインを介して高圧プランジャポンプの作動室に供給され得、それにより少なくとも1つのプランジャが駆動され、当該プランジャは駆動シャフトを介して発電機に接続されており、それを介して降圧プロセス中に生成される膨張エネルギーの少なくとも一部が回収され得る。
【0013】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0014】
有利な実施形態によると、それぞれが少なくとも1つのプランジャを有する少なくとも3つ、特に5つのプランジャ装置が設けられ、各プランジャは、第1制御弁および第2制御弁に対応している(あるいは、割り当てられている)。
【0015】
個別制御可能な制御弁を有する少なくとも3つのプランジャ装置の構成によると、発電機を駆動するための高圧プランジャポンプのシンプルかつ高信頼な動作を実現できる。
【0016】
別の実施形態によると、少なくとも1つの第1制御弁および少なくとも1つの第2制御弁は、制御部によって、入口弁および出口弁の両方として動作可能である。発電機は、好ましくは、モータとしても動作可能である。
【0017】
これにより、高圧プランジャポンプを、例えば、圧力調整システムにおいて使用することができ、その場合、高圧プランジャポンプが作動流体に必要な作動圧力を生成して処理アセンブリに供給し、次に、当該処理アセンブリからの過大圧力を吸収し、排出弁を介して利用されない膨張エネルギーを外部に放出する代わりに、膨張エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
【0018】
有利な実施形態によると、制御弁は、空気圧によって、電気によって、または流体圧によって駆動可能である。
【0019】
好ましい実施形態によると、制御部は、1つ以上のセンサに接続され、当該1つ以上のセンサの各々は、高圧プランジャポンプの1つ以上の動作パラメータデータ、特に駆動シャフトの回転位置、高圧ラインおよび/または低圧ラインにおける流体圧力を提供する。
【0020】
これらの動作パラメータを提供することで、制御部による制御弁の制御を改善することができる。
【0021】
好ましい実施形態によると、制御部は、特に高圧プランジャポンプの上流の処理アセンブリの、外部動作パラメータデータを記録するための少なくとも1つのデータインタフェースを有する。
【0022】
そのような外部動作パラメータデータは、例えば、上流プロセスのシステム圧力であってもよい。
【0023】
高圧プランジャポンプの別の実施形態によると、高圧プランジャポンプは、作動室および作動室内で軸方向に往復動するように構成されたプランジャを有する第2プランジャ装置と、少なくとも1つの高圧ラインおよび少なくとも1つの低圧ラインを有する弁ハウジングに接続された少なくとも1つの圧力弁および少なくとも1つの吸込弁と、を備える。
【0024】
高圧ラインは、封止可能な態様で圧力弁を介して作動室に接続され、低圧ラインは、封止可能な態様で吸込弁を介して作動室に接続され、少なくとも1つのプランジャは、第2駆動シャフトを介して第3駆動シャフトに接続され、第3駆動シャフトは、第1駆動シャフトに接続されている。
【0025】
このような設計の高圧プランジャポンプによると、作動流体の圧力が、使用時に第2プランジャ装置によって増大され得、ここで、第2プランジャ装置のプランジャを駆動するためのエネルギーの少なくとも一部または全部が、第1プランジャ装置に導入される高圧作動流体の膨張から得られ、それにより第1駆動シャフトが駆動され、第3駆動シャフトを介した接続によって第2駆動シャフトに伝達され得る。
【0026】
流体圧処理アセンブリにおける圧力調整のための本発明に係る高圧プランジャポンプの使用では、高圧プランジャポンプが、先述の請求項の1つにしたがって設計され、高圧プランジャポンプは、処理アセンブリに対して、ポンピング動作では、高圧プランジャポンプが、処理アセンブリに所定の高圧で流体を供給する中、制御弁が、モータ駆動される駆動シャフトによって少なくとも1つのプランジャが駆動されるように制御部を介して制御されるように接続される。
【0027】
高圧プランジャポンプのモータ動作では、流体が、高圧ラインを介して所定の高圧で供給され、かつ制御弁が、少なくとも1つのプランジャによって駆動シャフトが駆動されるように制御部を介して制御される中、駆動シャフトが、発電機に接続されて電力が生成される。
【0028】
流体圧処理アセンブリにおける圧力制御のための高圧プランジャポンプの別の使用では、高圧プランジャポンプが、上述のように設計され、高圧プランジャポンプは、処理アセンブリに対して、高圧プランジャポンプに、高圧ラインを介して、流体圧処理アセンブリによって所定の高圧で流体が供給され、かつ制御弁が、少なくとも1つのプランジャによって駆動シャフトが駆動されるように制御部を介して制御される中、駆動シャフトが、発電機に接続されて電力が生成されるように接続される。
【0029】
そのような使用は、例えば、圧力リリーフ弁を置き換えるものとして提供され、ここで、そのような圧力リリーフ弁における過大圧力は、利用されないで外部に解放される一方、高圧プランジャポンプの使用は、この過大圧力が高圧プランジャポンプを介したエネルギー回収に利用されることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、高圧プランジャポンプを備えるエネルギー回収装置の概略的な等角投影図である。
図2図2は、個別制御可能な制御弁を有する弁ハウジングが設けられたプランジャ装置の等角投影図である。
図3図3は、プランジャ装置の断面図である。
図4図4は、別設計の実施形態に係る高圧プランジャポンプの概略的な等角投影図である。
図5図5は、図4に示す高圧プランジャポンプのプランジャ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、好ましい例示的な実施形態について、添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0032】
以下の図面を参照した説明において、頂部、底部、左、右、前、後などの語は、もっぱら、各図で指定される高圧プランジャポンプ、プランジャ、作動室、弁ハウジング、制御弁、発電機などの例示的な表示や位置に言及するものである。これらの語は限定的に解釈されるべきではない。すなわち、別の動作位置や鏡面対称設計などにより、これらの参照は変わり得る。
【0033】
図1において、参照符号1は、一実施形態に係るエネルギー回収装置を示すために用いられる。
【0034】
このエネルギー回収装置1の中心的な構成要素は、高圧プランジャポンプ2であり、第1駆動シャフトを介して発電機11に接続されており、好ましくはクラッチ12が介在している。エネルギー回収装置1のフレーム13は、高圧プランジャポンプ2、クラッチ12、および発電機11を固定する機能を有する。
【0035】
図示の例示的な実施形態では、高圧プランジャポンプ2は、5つのプランジャ装置3を備えており、その各々は、図3に断面視で例示するように、作動室31と、作動室31内で軸方向に往復動するように構成されたプランジャ32とを有する。
【0036】
基本的に、そのようなプランジャ装置3を1つのみ備える高圧プランジャポンプ2も想定可能である。
【0037】
各プランジャ装置3に対応して、第1制御弁5および第2制御弁6が設けられており、それらは弁ハウジング4に接続されている。
【0038】
弁ハウジング4は、各第1制御弁5に対応する高圧ライン41と、各第2制御弁6に対応する低圧ライン42とを有する。
【0039】
高圧ライン41と低圧ライン42は、各制御弁5,6から遠い側の端部においてプランジャ装置3の作動室31に接続されている。
【0040】
また、弁ハウジング4は、高圧ライン41に開口しかつ高圧状態の流体の供給または排出に使用される高圧接続部43を有する。
【0041】
図1図3に示すように、各第2制御弁6には別の流体接続部61が設けられる。
【0042】
少なくとも1つの第1制御弁5および少なくとも1つの第2制御弁6は、弁ハウジング4の高圧接続部43を介して供給された高圧流体が、作動室31に供給され、プランジャ32の駆動後に少なくとも1つの第2制御弁6の低圧接続部61を介して排出され得るように、制御部7によって駆動されてもよい。
【0043】
少なくとも1つのプランジャ32は、上述のように、駆動シャフト9を介して発電機11に接続されている。
【0044】
また、高圧プランジャポンプ2は、制御弁5,6が、入口弁および出口弁の両方として制御部7により動作され得ることを特徴とする。
【0045】
このため、高圧プランジャポンプ2は、エネルギーの回収にも高圧流体の供給にも利用可能である。
【0046】
制御弁5,6は、好ましくは、空気圧で駆動可能である。電気的または流体的な駆動部を用いて制御弁5,6を駆動することも考えられる。
【0047】
入口弁および出口弁の両方として制御可能な制御弁5,6を高圧プランジャポンプ2に設けることで、高圧プランジャポンプ2をエネルギー回収に利用することが可能となる。
【0048】
この種のエネルギー回収は、現在、例えば、水力発電所や揚水発電所で使用されるタービンのため、あるいは海水逆浸透システムで使用されるアキシャルピストンモータのために知られている。これらの上述した適用は、通常、100バールまでの圧力範囲で実施される。
【0049】
そのようなポンプシステムは、200バール超のより高い圧力での使用には適さない。
【0050】
制御弁5,6の動作を改善するために、制御部7は、好ましくは、1つ以上のセンサに接続されており、各センサは、高圧プランジャポンプ2の1つ以上の動作パラメータ、特に、駆動シャフト9の回転位置、高圧ライン41および/または低圧ライン42における流体圧力を提供する。
【0051】
好ましい別の態様では、制御部7は、外部動作パラメータデータを記録するための少なくとも1つのデータインタフェースを有する。そのような外部動作パラメータデータは、高圧プランジャポンプ2の上流の処理アセンブリからのデータである。
【0052】
そのような処理アセンブリにおいて加圧流体の膨張が必要である場合、当該加圧流体は、高圧接続部43を介して高圧プランジャポンプ2に供給されてもよい。
【0053】
上流処理アセンブリ内のセンサは、制御部7に信号を送り、それから制御部7は、高圧状態の流体が高圧ライン41を介してプランジャ32の作動室31に流入し、そこでプランジャ32を圧縮位置から膨張位置へ押すように、制御弁5を開く。
【0054】
同時に、発電機11に接続された第1駆動シャフトが回転され、そのためプランジャ装置3の作動室31への高圧流体の導入によって発電機における発電、ひいてはエネルギー回収がなされる。
【0055】
例えば第1駆動シャフトに、センサを設けることによって、制御部7による各制御弁5,6の制御がさらに改善される。
【0056】
よって、複数のプランジャ装置3を備える高圧プランジャポンプ2において、駆動シャフト8の回転位置は、エネルギー回収信号が出された後、複数のプランジャ装置3のうちポンプ動作における最適な圧縮位置に対応する駆動位置にある装置のプランジャ32を正確に加圧できるよう、どの第1制御弁5を最初に開くかを決定するために検出されてもよい。
【0057】
以下、そのような高圧プランジャポンプ2を使用するための2つの用途について説明する。
【0058】
液圧処理アセンブリにおける圧力調整のための高圧プランジャポンプ2の第1の使用において、高圧プランジャポンプは、ポンピングモードで、すなわち高圧プランジャポンプ2が従来的な態様で使用されるときに、高圧プランジャポンプ2が当該処理アセンブリに所定の高圧で流体を供給するように、処理アセンブリに接続される。
【0059】
これは、発電機11でプランジャ32を駆動することで実行される。発電機11は、モータとして、つまりプランジャ32を駆動するエネルギー源としても動作可能である。
【0060】
この場合に入口として機能する第2制御弁6の低圧接続部61を介して、低圧状態の流体は、圧縮位置から膨張位置へのプランジャ32の移動によってプランジャ装置3の作動室31内に吸い込まれ、続けて外部モータ10で駆動されるプランジャ32によって排出位置へ押し戻され、高圧ライン41および高圧ライン41が開口する高圧接続部43を介して処理アセンブリへ流れ込む。
【0061】
制御弁5,6の一連の開閉はこのような態様で行われ、ポンピングモードでは、第1制御弁は出口弁として、第2制御弁6は入口弁として接続される。
【0062】
液圧処理アセンブリから圧力を解放する必要がある場合、高圧プランジャポンプ2の制御弁5,6は、高圧プランジャポンプ2がいわばモータとして機能するエネルギー回収モードに切り替えられる。
【0063】
このような高圧プランジャポンプ2のモータ動作では、高圧状態の流体が、第1制御弁5が開いている状態で、高圧接続部43および高圧ライン41を介して、所定の高圧力でプランジャ装置3の作動室31に供給される。
【0064】
これによりプランジャ32が駆動され、この駆動動作が第1駆動シャフト9に伝達され、そして、それが発電機11に接続されていることで発電機11で電力が生成される。
【0065】
高圧プランジャポンプ2の第2の使用において、それは膨張弁として、特に圧力リリーフ弁として機能する。
【0066】
この場合、高圧プランジャポンプ2は従来的なポンプとしては機能しない。
【0067】
ここでは、高圧プランジャポンプ2は、放出すべき高圧力が、高圧プランジャポンプ2のモータ動作として上述した態様で高圧プランジャポンプ2に供給されるように、いわば上流処理アセンブリに膨張弁として挿入され、それによりプランジャ32および駆動シャフト9を介した発電機11での発電によってエネルギー回収がなされる。
【0068】
制御部7を制御するための上述の入力パラメータに加えて、上流プロセスのシステム圧力、または流体が上流プロセスに流入するときの入口圧力を制御パラメータとして記録することも考えられる。
【0069】
駆動シャフト9の速度、高圧ライン41や低圧ライン42における流体の流量を検出することも考えられる。
【0070】
図4および図5に示すように、本発明の別の実施形態に係る高圧プランジャポンプは、第1プランジャ装置3に加えて、作動室310と、作動室310内で軸方向に往復動するように構成された少なくとも1つのプランジャ320とを有する第2プランジャ装置300を備える。
【0071】
好ましくは、図4および図5に示すように、特に5つのプランジャ320が設けられる。
【0072】
図5に示すように、各プランジャに対応して圧力弁500と吸込弁600が設けられており、それらは高圧ライン410および低圧ライン420を介して弁ハウジング400に接続されている。
【0073】
高圧ライン410は、圧力弁500を介して作動室310に接続され、低圧ライン420は、閉じられ得るように吸込弁600を介して作動室310に接続されている。
【0074】
少なくとも1つのプランジャ320は、第2駆動シャフトを介して第3駆動シャフト9に接続されており、第3駆動シャフト9は、第1駆動シャフトにまた接続されている。
【0075】
第3駆動シャフト9は、好ましくは、ピニオンシャフトとして構成される。第1および第2駆動シャフトは、好ましくは、クランクシャフトとして構成される。
【0076】
図4および図5に示すように第1プランジャ装置3と第2プランジャ装置300を並列に配置する他に、例えば、プランジャ装置3,300を前後に配置することも考えられる。
【0077】
第2プランジャ装置300および対応する弁は、ここでは、もっぱら作動流体の圧力を増大させるために使用され、そのため高圧プランジャポンプの当該領域はポンプとして動作し、高圧作動流体は、図4に例示する高圧接続部430において利用可能である。作動流体は、低圧接続部700を介して高圧プランジャポンプに供給される。
【0078】
この領域を動作させるのに必要なエネルギーの一部または全部は、第1プランジャ装置および対応する制御弁を有する高圧プランジャポンプの別領域を経由して3つの駆動シャフトの接続を介して供給される。
【符号の説明】
【0079】
1:エネルギー回収システム
2:高圧プランジャポンプ
3:プランジャ装置
31:作動室
32:プランジャ
4:弁ハウジング
41:高圧ライン
42:低圧ライン
43:高圧接続部
5:第1制御弁
6:第2制御弁
61:入口/出口
7:制御部
8:プランジャハウジング
9:第3駆動シャフト
11:発電機/モータ
12:連結部
13:フレーム
300:プランジャ装置
310:作動室
320:プランジャ
400:弁ハウジング
410:高圧ライン
420:低圧ライン
430:高圧接続部
500:圧力弁
600:吸込弁
700:低圧接続部
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】