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特表2024-527056生物活性組成物およびそれを使用する方法
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  • 特表-生物活性組成物およびそれを使用する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】生物活性組成物およびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240711BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20240711BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/175
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505011
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022038567
(87)【国際公開番号】W WO2023009655
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/203,644
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/226,057
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523360256
【氏名又は名称】ピーエックス・アイエヌジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】パーピュラ,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ジャガー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,カイリン
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB03
4B018LB04
4B018LB07
4B018LB08
4B018MD18
4B018MD19
4B018ME14
(57)【要約】
本開示の組成物、システムおよび方法は、ヒトが消費するための栄養補助食品に関するものであり、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せおよび任意に、パラキサンチンとチロシンおよび/タウリンとの組合せの効果を調節するその他化合物を含む。さらに、持久能力、気分、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力および/または食欲低下のうち少なくとも1つを増強するための、前述の組成物を使用する方法が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラキサンチンとチロシンとが約1:4から約1:30までの比で存在する、パラキサンチンとチロシンとを含む栄養補助食品。
【請求項2】
没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、オルニチン、シトルリン、ピルベート、Eleutherococcus senticosus、D-リボース、乳清タンパク質、トリメチルグリシン、アルギニン、HMB(β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート)、乳タンパク質、Schisandra chinensis、ロイシン、ベタレイン、ロイシン酸、L-カルニチン、炭酸水素ナトリウム、アラキドン酸、β-アラニン、ブラシノステロイド、麻タンパク質、アラニルグルタミン、Rhaponticum carthamoides、カゼイン、エクジステロイド、クレアチン、分枝鎖アミノ酸、ビートルート、コーヒー、ニトレート、Panax ginseng、クレンブテロール、α-GPC、バリン、初乳、Trichopus zeylanicus、アシュワガンダ、Terminalia arjuna、卵、ウルソール酸、イソロイシン、中鎖トリグリセリド、グルタミン、亜鉛、ビタミンD、マカ、マツブサ属、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、外因性ケトン、エルゴチオネイン、ベルベリン、ジヒドロベルベリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるさらなる活性成分をさらに含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項3】
パラキサンチンおよびチロシン同族体の組合せ、またはパラキサンチンおよびチロシン類似体の組合せをさらに含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項4】
チロシン同族体または類似体が、N-アセチル-L-チロシン、グリシル-L-チロシン、N-アセチル-L-チロシンエチルエステルまたはN-アセチル-L-チロシンメチルエステルである、請求項3に記載の栄養補助食品。
【請求項5】
チロシンが多量体型で存在し、前記多量体型が、ジチロシン(Tyr-Tyr)、トリチロシン(Tyr-Tyr-Tyr)、テトラチロシン(Tyr-Tyr-Tyr-Tyr)、またはこれらを含有するペプチドである、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項7】
チロシンが、リシルチロシンまたはロイシン-チロシンとして存在する、請求項5に記載の栄養補助食品。
【請求項8】
チロシンが、L-Tyr-X(式中、Xはアミノ酸である)の構造を有するジペプチドの形態で存在する、請求項5に記載の栄養補助食品。
【請求項9】
対象における運動遂行能力またはエネルギーのための方法であって、有効量のパラキサンチンとチロシンとを含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項10】
パラキサンチンおよびタウリンの投与が、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、前記対象における運動遂行能力またはエネルギーの相乗的な増加をもたらす、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パラキサンチンが約25mgから約400mgまでの量で提供され、チロシンが前記対象の体重1kg当たり100~150mgの量で提供される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、持久力の増加または筋力の増加を経験する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象に投与されるパラキサンチンとチロシンとの量の比が約1:10から約1:30までである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物がカフェインを実質的に含まない、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
対象における認知機能を増強する方法であって、有効量のパラキサンチンとチロシンとを含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項16】
認知機能の増強が、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記対象に投与されるパラキサンチンとチロシンとの量の比が約1:10から約1:30までである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記対象への前記組成物の投与が、前記対象における気分を強化する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物でのパラキサンチンおよびチロシンの投与が、パラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、前記対象における認知機能の相乗的な強化をもたらす、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
対象におけるエネルギーまたは気分を強化する方法であって、有効量のパラキサンチンとタウリンとを含む組成物を前記対象に投与するステップを含み、前記対象に投与されるパラキサンチンの量が約25mgから約800mgまでであり、前記対象に投与されるタウリンの量が約100mgから約6000mgまでであり、前記組成物でのパラキサンチンおよびタウリンの投与が、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、前記対象におけるエネルギーおよび/または気分の相乗的な強化をもたらす、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2021年7月27日出願の「パラキサンチンとチロシンとの組合せをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/203,644号、および、2021年7月27日出願の「パラキサンチンとタウリンとの組合せをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/226,057号の優先権を主張するものであり、これらの文献はそれぞれ、35U.S.C.§119(e)に基づき、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002]本開示の技術は、一般的には、パラキサンチン、チロシンおよび/またはタウリンの組合せを含有する組成物の投与を通じて筋肉および/または認知機能を強化するための組成物、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[003]カフェインは、苦味を有する白色の結晶性プリン、メチルキサンチンアルカロイドであり、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)のアデニンおよびグアニン塩基と化学的に類縁性がある。カフェインは、アフリカ、東アジアおよび南米を原産地とするいくつかの植物の種子、実または葉において見出され、これらの部位の捕食昆虫からの保護および近接する種子の発芽の防止に役立っている。最もよく知られているカフェイン源はコーヒー豆であるが、コーヒー豆とはコーヒーノキ属(Coffea)の植物の種子が誤ってそう呼ばれているものである。
【0004】
[004]コーヒー飲料におけるカフェイン濃度は、かなりばらついていることがある。コーヒーの標準的な1杯はカフェイン100mgを含むとされることが多いが、米国内のコーヒーショップで購入された14種類の異なるスペシャルティコーヒーについての最近の分析では、いれた状態のコーヒー約240ml(8オンス)中のカフェインの量には72~130mgの幅があることが見出された(McCusker,R.R.、Goldberger,B.A.およびCone,E.J.、2003、Caffeine content of specialty coffees.、J.Anal.Toxicol.、27:520~522.)。エスプレッソコーヒーにおけるカフェインには、シングルショットで58~76mgの幅があった。興味深いことに、別々の6日間に同一の店舗から購入された同タイプのコーヒーのカフェイン含有量は、1杯約240ml(8オンス)当たり130mgから282mgまで変動があった。多くの人がカフェイン摂取による睡眠、不安および/または神経過敏の問題を経験するが、これらの問題は、予想外の高用量により深刻化するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[005]したがって、当技術分野においては、利益を提供しうる代替的な化学化合物およびその混合物を同定することが必要とされている。また、濃度を変化させることによりさまざまな利益をもたらすように使用でき、したがって原材料の生産をより少なく済ませられる、化学化合物およびその混合物を提供することも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[006]本明細書においては、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとを含む組成物ならびにそれを使用する方法が開示される。一定の態様において、パラキサンチンとチロシンとは、約1:4から約1:30までの比で存在する。
【0007】
[007]一定の実施形態において、本開示の組成物は、さらなる活性成分を含む。
[008]該さらなる活性成分は、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリン(bioperine)の共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体(specialized,small lipid pro-resolving epoxide derivative))、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(avocado-soybean unsapponifiable fraction:アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属(Arnica)、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド(flavenoid)、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属(rhodiola)、アシュワガンダ、朝鮮人参(ginseng)、ginkgo biloba、エゾウコギ(siberian ginseng)、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム(Dendrobium)属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、オルニチン、シトルリン、ピルベート、Eleutherococcus senticosus、D-リボース、乳清タンパク質、トリメチルグリシン、アルギニン、HMB(β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート)、乳タンパク質、Schisandra chinensis、ロイシン、ベタレイン、ロイシン酸、L-カルニチン、炭酸水素ナトリウム、アラキドン酸、β-アラニン、ブラシノステロイド、麻タンパク質、アラニルグルタミン、Rhaponticum carthamoides、カゼイン、エクジステロイド、クレアチン、分枝鎖アミノ酸、ビートルート、コーヒー、ニトレート、Panax ginseng、クレンブテロール、α-GPC、バリン、初乳、Trichopus zeylanicus、アシュワガンダ、Terminalia arjuna、卵、ウルソール酸、イソロイシン、中鎖トリグリセリド、グルタミン、亜鉛、ビタミンD、マカ、マツブサ属(Schizandra)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、外因性ケトン、エルゴチオネイン、ベルベリン、ジヒドロベルベリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。
【0008】
[009]一定の実施形態において、該組成物は、パラキサンチンおよびチロシン同族体の組合せ、またはパラキサンチンおよびチロシン類似体の組合せを含む。例示的な実装形態において、チロシン同族体または類似体は、N-アセチル-L-チロシン、グリシル-L-チロシン、N-アセチル-L-チロシンエチルエステルまたはN-アセチル-L-チロシンメチルエステルである。さらなる実装形態では、チロシンは、多量体型で存在し、該多量体型は、ジチロシン(Tyr-Tyr)、トリチロシン(Tyr-Tyr-Tyr)、テトラチロシン(Tyr-Tyr-Tyr-Tyr)、またはこれらを含有するペプチドである。またさらなる実装形態では、チロシンは、リシルチロシン(Lysyltyrosine)またはロイシン-チロシンとして存在する。またさらなる実装形態では、チロシンは、L-Tyr-X(式中、Xはアミノ酸である)の構造を有するジペプチドの形態で存在する。
【0009】
[010]さらに、本明細書においては、対象における運動遂行能力(athletic performance)またはエネルギーのための方法であって、有効量のパラキサンチンとチロシンとを含む組成物を該対象に投与することによる方法が開示される。一定の実施形態において、パラキサンチンおよびタウリンの投与は、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、対象における運動遂行能力またはエネルギーの相乗的な増加をもたらす。一定の実装形態において、パラキサンチンは約25mgから約400mgまでの量で提供され、チロシンは、対象の体重1kg当たり100~150mgの量で提供される。一定の実施形態によれば、対象は、持久力の増加または筋力の増加を経験する。
【0010】
[011]一定の実装形態において、対象に投与されるパラキサンチンとチロシンとの量の比は、約1:10から約1:30までである。さらなる実装形態では、対象に投与されるパラキサンチンとチロシンとの量の比は、約1:10から約1:10までである。
【0011】
[012]さらなる実施形態では、該組成物はカフェインを実質的に含まない。
[013]さらに、本明細書においては、対象における認知機能を増強する方法であって、有効量のパラキサンチンとチロシンとを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、対象における認知機能の増強は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御(inhibitory response control)、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習(delayed reinforcement learning)、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される。一定の実施形態において、対象への該組成物の投与は、該対象における気分を強化する。さらなる実施形態では、パラキサンチンおよびチロシンの投与は、パラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、対象における認知機能の相乗的な強化をもたらす。
【0012】
[014]さらに、本明細書においては、対象におけるエネルギーまたは気分を強化する方法であって、有効量のパラキサンチンとタウリンとを含む組成物を該対象に投与するステップを含み、該対象に投与されるパラキサンチンの量が約25mgから約800mgまでであり、該対象に投与されるタウリンの量が約100mgから約6000mgまでであり、該組成物でのパラキサンチンおよびタウリンの投与が、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、該対象におけるエネルギーおよび/または気分の相乗的な強化をもたらす、方法が開示される。
【0013】
[015]多数の実施形態を開示してあるが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の組成物、システムおよび方法の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるであろうが、本開示の組成物、システムおよび方法は、多様な自明の態様において、すべて本開示の精神および範囲から逸脱することなく変形を行うことが可能である。したがって、図面および詳細な説明は、限定的ではなく例証的な性質のものとして受け取られたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[016]ある本開示の組成物がマウスの前肢筋力に及ぼす効果を実証する例示的なデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[017]本発明の1つ以上の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に記載された、または図面に示された構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態をとること、ならびに、多様な方式で実行および実施されることが可能である。また、本明細書において用いられる表現および用語は説明を目的としたものであって限定的なものと解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0016】
[018]本明細書では、範囲が、「約」一方の特定の値からおよび/または「約」他方の特定の値まで、という形で表されることがある。そのような範囲が表されている場合、さらなる態様は、書かれた一方の特定の値からおよび/または書かれた他方の特定の値までを包含する。同様に、値が先行詞「約」の使用により近似値として表されている場合は、書かれた特定の値がさらなる態様を形成することは理解されよう。それぞれの範囲の両端点は、他方の端点と関係した形でも他方の端点から独立した形でも有意であることは、さらに理解されよう。また、本明細書にはいくつもの値が開示されていること、および、それぞれの値は、その特定の値そのものだけでなく、「約」その特定の値としても本明細書において開示されていることについても理解されたい。例を挙げると、「10」という値が開示されている場合は、「約10」も開示されている。また、2つの特定のユニット値(unit)間にある各ユニット値も開示されていることについても理解されたい。例を挙げると、10および15が開示されている場合は、11、12、13および14も開示されている。
【0017】
[019]本明細書で使用される場合、用語「対象」は、投与ターゲット、例えば動物を指す。したがって、本明細書に開示の方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長動物、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯動物でありうる。この用語は、特定の年齢または性別を表さない。したがって、成体および新生児/仔の対象ならびに胎児/仔は、男女/雄雌を問わず網羅されるものとする。一態様において、対象は、哺乳動物である。患者とは、疾患または障害を患っている対象を指す。本明細書で使用される場合、用語「処置」は、疾患、病的状態または障害の治癒、改善、安定化または予防を目的とした、患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的処置、つまり、疾患、病的状態または障害を快方に向かわせることを具体的に目的とした処置を包含し、さらに、原因処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の原因を取り除くことを目的とした処置を包含する。加えて、この用語は、姑息的処置、つまり、疾患、病的状態または障害の治癒ではなく症状緩和のためにデザインされた処置;予防的処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の発現を最小化することまたは部分的もしくは完全に阻害することを目的とした処置;および支持的処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害を快方に向かわせることを目的とした別の特定の療法を補うために用いられる処置を包含する。さまざまな態様において、この用語は、哺乳動物(例えばヒト)を包含する対象の処置一切を網羅し、(i)疾患の素因を有する可能性があるが罹患しているとは未だ診断されていない対象において当該疾患の発症を予防すること、(ii)疾患を阻害すること、すなわち、その発現を阻止すること、または(iii)疾患を緩和すること、すなわち、当該疾患の退縮を生じさせることを包含する。一態様において、対象は哺乳動物、例えば霊長動物であり、さらなる態様において、対象はヒトである。
【0018】
[020]用語「対象」は、さらに、飼い馴らされた動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、および実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエなど)も包含する。
【0019】
[021]本明細書で使用される場合、用語「有効量」および「有効な量」は、望ましい結果を達成するのにまたは望ましくない状態に効果を及ぼすのに十分な量を指す。例えば、「治療有効量」は、望ましい治療結果を達成するのにまたは望ましくない症状に効果を及ぼすのには十分であるが、許容できない有害な副作用を引き起こすには一般的に不十分である、量を指す。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、さまざまな因子に依存することになろう。そのような因子としては、処置対象となる障害および障害の重症度;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食生活;投与回数;投与経路;用いられる具体的な化合物の排出速度;処置の継続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは併用の形で使用される薬物など、医学分野で周知の因子が挙げられる。例えば、化合物の用量を、望ましい治療効果を達成するために必要とされるレベルより低いレベルで開始し、望ましい効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の技能の範囲内である。所望により、有効な1日用量は、複数回投与のための用量に分けられてもよい。結果的に、1回用量の組成物は、1日用量である当該量、または合わせて1日用量になるその約量(submultiple)を含有することができる。用法用量は、禁忌の場合は個々の医師による調節が可能である。用法用量は変化させることが可能であり、1日1回または複数回の投与を1日または数日にわたって行う形での投与が可能である。所与のクラスの医薬製品の適切な用法用量については、文献にガイダンスを見出すことができる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、「予防有効量」で、つまり、疾患または状態の予防に有効な量で、投与することができる。
【0020】
[022]本明細書で使用される場合、用語「相乗効果」またはその文法的変化形は、2つ以上の活性化合物の組合せにおいて見られる協調作用を意味し、包含する。この協調作用では、2つ以上の活性化合物が組み合わされることで生じる活性は、各活性化合物単独の活性の総和を超える。
【0021】
[023]用語「相乗的に有効な量」は、本明細書で使用される場合、先に定義した相乗効果をもたらす2つ以上の活性化合物の量を意味し、包含する。
[024]本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、作用、性質、特性、状態、構造、項目または結果の程度または度合いが完全またはほぼ完全であることを指す。例えば、「実質的に」封入されている物体、といえば、その物体が完全に封入されているかまたはほぼ完全に封入されていることを意味することになろう。絶対的な完全性からの逸脱についての厳密な許容度は、場合によっては特定の文脈に依存しうる。しかし一般的には、完全に近いということは、絶対的かつ総合的な完全が得られた場合と同様の全体的結果が得られるほどの近さにあるということであろう。「実質的に」の使用は、作用、性質、特性、状態、構造、項目または結果が完全にまたはほぼ完全に欠如していることを指すための否定的な意味合いで使用される場合にも等しく適用可能である。例えば、粒子を「実質的に含まない組成物は、粒子を完全に欠いているか、または、粒子をほぼ完全に欠いていることから、その効果は当該組成物が粒子を完全に欠いていた場合と同様であることになろう。換言すれば、ある成分または要素を「実質的に含まない組成物は、当該成分または要素の測定可能な効果が認められない限り、これらを実際には含有したままでもよい。
【0022】
[025]本明細書で使用される場合、「認知機能」は、それぞれ学習および/または記憶に関与するあらゆる高次の知的な脳プロセスまたは脳状態を指し、例として、限定されるものではないが、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、および、周囲の環境およびセルフケアへの関心を示すこと、処理スピード、推論ならびに問題解決ならびに社会的認知が挙げられる。
組成物
[026]パラキサンチンとチロシンとの組合せを含む組成物およびその関連する使用が開示される。さらに、本明細書においては、パラキサンチンとタウリンとの組合せを含む組成物およびその関連する使用が開示される。パラキサンチンは、合成的に生産されてもよく、または、天然源からもしくは発酵を経て単離されてもよい。そのような入手源から単離されたパラキサンチンは、純度95%以上に精製されうる。場合により、パラキサンチンの組合せが原材料の50%またはそれよりさらに低い割合を占めるような低精製が用いられてもよい。いくつかの実施形態においては、パラキサンチン源において典型的に見出される他のパラキサンチン同族体を包含しうる天然源から単離されたパラキサンチンを利用することが好ましい場合がある。
【0023】
[027]一定の実施形態において、該組成物は、1回分が、約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)のパラキサンチンを含有するように製剤化される。
【0024】
[028]チロシンの化学式はC11NOであり、その分子量は181.19である。チロシンは、食餌性アミノ酸である。チロシンは、フェニルアラニンまたはフェニルエチルアミンから体内でも合成される。エネルギー基質としての、および、タンパク質合成における価値を有することに加え、チロシンは、多数の生体アミンおよび神経伝達物質の前駆物質でもある。チロシンは、血液脳関門を越え、ニューロンに入り、そこで代謝されて神経伝達物質のカテコールアミンとなる。一定の実施形態において、チロシンの入手源は天然源である。さらなる実施形態では、チロシンの入手源は合成源である。またさらなる実施形態では、チロシンは発酵を経て生産される。
【0025】
[029]さらなる実施形態によれば、チロシンは、エステル(例えば、L-チロシンエチルエステル、L-チロシンメチルエステルなど)として存在する。またさらなる実施形態では、チロシンは、チロシン誘導体(例えば、N-アセチル-L-チロシンおよび/またはグリシル-L-チロシンなど)を通じて供給される。またさらなる実施形態では、チロシン誘導体はエステル(例えば、N-アセチル-L-チロシンエチルエステルおよびN-アセチル-L-チロシンメチルエステルなど)として存在する。またさらなる実施形態では、チロシンは多量体型で存在する。例としては、限定されるものではないが、ジチロシン(Tyr-Tyr)、トリチロシン(Tyr-Tyr-Tyr)、テトラチロシン(Tyr-Tyr-Tyr-Tyr)、またはこれらを含有するペプチドが挙げられる。
【0026】
[030]さらなる実施形態によれば、チロシンは、L-Tyr-X(式中、Xはアミノ酸である)の構造を有するジペプチドの形態で存在する。例示的な実装形態では、チロシンは、リシルチロシンまたはロイシン-チロシンの形態で存在する。
【0027】
[031]タウリンの化学式はCNOSであり、その分子量は125.14である。タウリンは、システインから天然に誘導される。哺乳動物のタウリン合成は、システインスルフィン酸経路を介して膵臓で行われる。この経路において、システインは、まず、酸化されてそのスルフィン酸となるが、その際、酵素システインジオキシゲナーゼにより触媒される。このシステインスルフィン酸が、今度はスルフィノアラニンデカルボキシラーゼによりカルボキシル基を除去されてヒポタウリンを形成する。ヒポタウリンは、ヒポタウリンデヒドロゲナーゼにより酵素的に酸化されて、タウリンとなる。合成タウリンは、イセチオン酸(2-ヒドロキシエタンスルホン酸)のアンモノリシスにより得られるが、イセチオン酸(2-ヒドロキシエタンスルホン酸)については、酸化エチレンと亜硫酸水素ナトリウム水溶液との反応によって得られる。直接的なアプローチには、アジリジンを亜硫酸と反応させることが含まれる。タウリンは、心血管機能、および、骨格筋、網膜および中枢神経系の発達および機能にとって必須である。一定の実施形態において、タウリンの入手源は天然源である。さらなる実施形態では、タウリンの入手源は合成源である。またさらなる実施形態では、タウリンは発酵を経て生産される。
【0028】
[032]一定の実施形態において、タウリンは、約500から約6000mgまでの範囲の量(例えば、約500mg、約1000mg、約1,500mg、約2,000mg、約2,500mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,0000mg、約4,500mg、約5,000mg、約5,500mgもしくは約6000mgなど、またはその中の任意の範囲または値)で存在する。
【0029】
[033]一定の実施形態では、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、対象において複数のプラス効果をもたらすために1つまたは複数の他の化学化合物(例えば、他の活性成分)と組み合わされてもよい。パラキサンチンとチロシンとの組合せおよび/またはそれと組み合わされる化学化合物の投与量を変えることにより、目的とされる多様な生理学的効果が選択されうる。該組成物は、単一の利益を主として提供するものであってもよく、または、多数の利益を同時に提供するものであってもよい。一定の実施形態において、パラキサンチンとチロシンとの組合せは、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属(cordyceps)、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ(Kanna)、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の付加的な活性成分と組み合わされる。
【0030】
[034]一定の実施形態において、パラキサンチンとチロシンとは、ほぼ等しい量で存在する。このような実施形態において、パラキサンチンおよびチロシンはそれぞれ、w/v基準で、組成物内のパラキサンチンとチロシンとを合わせた重量の約50%を占める。一定のさらなる実施形態では、この範囲はそれぞれ、パラキサンチンが少なくとも10%から90%まで、チロシンが90%から10%でありうる。
【0031】
[035]さらなる実施形態において、パラキサンチンとチロシンとは、1:4から約1:30までの比で存在する。またさらなる実施形態では、パラキサンチンとチロシンとは、約1:4から約1:10までの比で存在する。
【0032】
[036]一定の実施形態において、チロシンは、対象の体重1kg当たり約100~150mgの範囲の用量で該対象に投与される。
[037]一定の実施形態において、パラキサンチンとタウリンとは、ほぼ等しい量で存在する。このような実施形態において、パラキサンチンとタウリンとはそれぞれ、w/v基準で、組成物内のパラキサンチンとタウリンとを合わせた重量の約50%を占める。一定のさらなる実施形態では、この範囲はそれぞれ、パラキサンチンが少なくとも10%から90%まで、タウリンが90%から10%でありうる。さらなる実施形態において、タウリンとパラキサンチンとは約4:1~約1:4の比で存在する。
【0033】
[038]一定の実施形態において、該組成物は、1回分が、約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)のパラキサンチンを含有するように製剤化される。
【0034】
[039]一定の実施形態において、該組成物は、1回分が、約500から約13,500mgまでの範囲(例えば、約500mg、約1000mg、約1,500mg、約2,000mg、約2,500mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,0000mg、約4,500mg、約5,000mg、約7,500mg、10,000、約13,500mgなど、またはその中の任意の範囲または値)のチロシンを含有するように製剤化される。
【0035】
[001]処置される対象および投与経路に応じて、本発明の化合物は、さまざまな用量で投与されうる。用量は対象ごとに異なることになろうが、適当な1日用量は、単回または複数回用量での投与として一対象当たり約1から約1000mgの範囲内(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)である。
【0036】
[002]一定の実施形態において、該組成物は、1回分が、約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)のパラキサンチンと、400から約3000mgまでの範囲(例えば、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1500mg、約2000mg、約2500mg、もしくは約3000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)のタウリンとをそれぞれ含有するように製剤化される。
栄養補助製品(nutritional supplement)
[003]本開示の組成物は、栄養補助食品(dietary supplement)の形態をとることが可能であり、または、それ自体が栄養補助食品と組み合わせて使用されることが可能である。栄養補助食品は本明細書においては補助食品(food supplement)とも呼ばれる。
【0037】
[004]栄養補助製品は、多くの形態、例えば、錠剤、カプセル、ソフトゲル、ゲルカプセル、液体または粉末の形態のものがありうる。栄養補助食品の中には、必須栄養素の十分な食事摂取量の確保を助けることが可能なものもあれば、疾患リスクの低減を助けることができるものもある。
食品製品
[005]本開示の組成物は、食品製品の形態をとりうる。ここで、用語「食品」は広義に使用され、ヒト用の食品および飲み物、ならびに動物用の食品および飲み物(すなわち飼料)を網羅する。好ましくは、食品製品は、ヒトが消費するのに適しており、そのためにデザインされている。
【0038】
[006]食品は、用途および/または適用様式および/または投与様式に応じて、液体、固体または懸濁液の形態のものでありうる。
[007]食品製品の形態のものである場合、該組成物は、栄養学的に許容される担体、栄養学的に許容される希釈剤、栄養学的に許容される賦形剤、栄養学的に許容されるアジュバント、栄養学的に活性のある成分のうち1つまたは複数を含むか、または、これらのうち1つまたは複数と一緒に使用されることが可能である。
【0039】
[008]例として、本開示の組成物は、フルーツジュース、乳清タンパク質を含む飲料:健康もしくはハーブ茶、ココアドリンク、コーヒードリンク、ヨーグルトおよび/もしくは飲むヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、デザート、菓子、ビスケット、ケーキ、ケーキミックスもしくはケーキフィリング、スナックフード、フルーツフィリング、ケーキ用もしくはドーナツ用アイシング、即席のパン用フィリングクリーム、クッキー用フィリング、即時使用可能なパン用フィリング、低カロリーフィリング、成人用栄養飲料、酸味の付いた(acidified)大豆/ジュース飲料、栄養もしくは健康バー、飲料粉末、エナジードリンク、舌下錠、グミ、カルシウム強化豆乳またはカルシウム強化コーヒー飲料のうち1つの形態をとりうる。
食品成分
[009]本開示の組成物は、食品成分および/または飼料成分の形態をとりうる。
【0040】
[010]本明細書で使用される場合、用語「食品成分」または「飼料成分」は、ヒトおよび動物用の栄養および/もしくは健康補助製品としての機能性食品もしくは食物に添加されているまたは添加されることが可能な組成物を包含する。
【0041】
[011]食品成分は、用途および/または適用様式および/または投与様式に応じて、液体、懸濁液または固体の形態のものでありうる。
機能性食品
[012]本開示の組成物は、機能性食品の形態をとりうる。本明細書で使用される場合、用語「機能性食品」は、栄養学的効果をもたらすことが可能なだけでなく、さらなる有益な効果を消費者に届けることも可能な食品を意味する。
【0042】
[013]したがって、機能性食品とは、純粋に栄養学的な効果以外に特定の機能、例えば医学的または生理学的利益などを当該食品に賦与する構成要素または成分(本明細書に記載されているものなど)が組み込まれている、普通の食品である。
【0043】
[014]機能性食品の法的な定義はないが、この分野に関心のある関係者の大半は、機能性食品とは、基本的な栄養学的効果を超える特定の健康効果を有するものとして市販されている食品である、との認識で一致している。
【0044】
[015]機能性食品としては、ニュートラシューティカルがある。ここで、用語「ニュートラシューティカル」は、栄養学的効果および/または味覚的満足をもたらすことが可能なだけでなく治療的な(または他の有益な)効果を消費者に届けることも可能な食品を意味する。「ニュートラシューティカル」は、食品と医薬とを分ける従来の境界線を越えるものである。
医療用食品
[016]本開示の組成物は、医療用食品の形態をとりうる。「医療用食品」とは、医師の監督の元にまたはそれなしで消費または投与されるように処方されており、一般に認められた科学的原理に基づく特徴的な栄養所要量が医学的評価により確立されている特定の食事管理または状態を対象としている、食品を意味する。
使用方法
[017]一定の実施形態では、パラキサンチンは、対象において複数のプラス効果をもたらすために、チロシンおよび/またはタウリンと、さらに、一定の実施形態では1つまたは複数の他の化学化合物(例えば、他の活性成分)と、組み合わされてもよい。パラキサンチンおよび/またはパラキサンチンと組み合わされる化学化合物の投与量を変えることにより、目的とされる多様な生理学的効果が選択されうる。該組成物は、単一の利益を主として提供するものであってもよく、または、多数の利益を同時に提供するものであってもよい。処置される対象および投与経路に応じて、本発明の化合物は、さまざまな用量で投与されうる。用量は対象ごとに異なることになろうが、適当な1日用量は、単回または複数回用量での投与として一対象当たり約1~約14,500mgの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1,500mg、約2,000mg、約2,500mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,0000mg、約4,500mg、約5,000mg、約7,500mg、10,000、約13,500mg、約14,000、もしくは約14,5000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)である。
【0045】
[018]一定の実施形態において、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとは、単一の組成物の一部として、対象に投与されうる。さらなる実施形態では、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとは、別々の組成物として、同時または逐次的に投与される。
【0046】
[019]有利には、本開示の組成物は、1回用量が例えば1日1回もしくはそれより低い頻度で投与される形で、または、1日の総投与量が1日2回、3回もしくは4回の分割用量で投与される形で、投与されうる。一定の実施形態において、該組成物は、必要に応じて(例えば、対象がエネルギー、運動遂行または認知能力などの強化を必要とするときに)投与される。
運動遂行能力
[020]さらに、本明細書においては、対象における遂行能力またはエネルギーを強化する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。本明細書で使用される場合、用語「遂行能力を強化する」は、遂行能力を増強すること一切を意味するものとする。遂行能力は、任意の方式でアセスメントすることが可能である。ある種の強化は、容易に測定される。例えば、タイムを競う競技では、タイムの向上により、遂行能力の強化をアセスメントすることができる。ある種の遂行能力強化特性は、競技者もしくは実施者または観察者により主観的に判定されることが可能である。このような場合において、遂行能力の強化とは、遂行能力が、強化されている、増大されている、高速化している、良くなっているなどと主観的に知覚されたことを意味する。一定の実施形態において、本開示の方法は、運動遂行能力を強化するために使用される。「運動遂行能力」は、任意の専門的または娯楽的活動力を指し、ここで、実施者、例えば競技者は、身体的行為、例えばランニング、水泳、ゴルフ、ボウリング、アーチェリー、フットボール、野球、バスケットボール、サッカー、ハイキング、サイクリング、ダンスなどを行う。一定の実施形態において、運動遂行能力は、対象における持久力の増強を通じて増強される。換言すれば、本開示の組成物の投与は、対象の持久力レベルを増強し、それにより該対象の運動遂行能力を強化する。さらなる実施形態において、対象への該組成物の投与は、認知能力を増加させ、それにより運動遂行能力を増強する。
【0047】
[021]一定の実施形態において、該組成物が投与されると、対象は、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する。
【0048】
[022]さらなる実施形態において、対象に継続投与される場合、該組成物は、継続使用が中止されても対象における依存性および/または対象における離脱効果を生じさせない。
【0049】
[023]さらに、本明細書においては、対象における運動持久力を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態において、対象に投与される組成物は、パラキサンチンとチロシンとを含む。例示的な実装形態では、パラキサンチンおよびチロシンの投与は、パラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす。
【0050】
[024]さらに、本明細書においては、対象における運動持久力を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態において、対象に投与される組成物は、パラキサンチンとチロシンとを含む。例示的な実装形態では、パラキサンチンおよびタウリンの投与は、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす。
【0051】
[025]さらなる実施形態によれば、対象への本開示の組成物の投与は、該対象のエネルギーレベル知覚(perceived level of energy)を増加させる。例示的な実装形態では、対象は、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する。一定の実施形態によれば、投与される組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチンおよびn-アセチルチロシン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分を(パラキサンチンならびに/またはチロシンおよび/もしくはタウリンに加え)さらに含む。
【0052】
[026]一定の実施形態において、対象のエネルギーレベル知覚は、約2%から約50%までの間で増加する。さらなる実施形態において、対象のエネルギーレベル知覚は、約5%から約30%までの間で増加する。またさらなる実施形態では、対象のエネルギーレベル知覚は、約10%から約25%までの間で増加する。
筋機能
[027]さらに、本明細書においては、対象における筋機能を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の態様では、本明細書において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて筋成長を促進する方法が開示される。一定のさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋タンパク質合成(MPS)レベルの増加をもたらす。またさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋増加(muscle accretion)の増強をもたらす。
【0053】
[028]一定の態様では、本明細書において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて筋成長を促進する方法が開示される。一定のさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋タンパク質合成(MPS)レベルの増加をもたらす。またさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋増加の増強をもたらす。
【0054】
[029]一定の実施形態によれば、本明細書に開示の組成物は、筋力トレーニングレジメと併用して投与されうる。当業者には理解されるであろうが、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋力の増強および運動遂行能力/エルゴジェネシス(ergogenesis)の増強をもたらす。
【0055】
[030]一態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害する。さらなる態様において、本開示の化合物は、筋量を増加させる。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋肥大を誘導する。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害し、筋量を増加させる。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害し、筋肥大を誘導する。さらなる態様において、筋萎縮の阻害は、対象におけるものである。またさらなる態様において、筋量の増加は、対象におけるものである。またさらなる態様において、対象は哺乳動物である。またさらなる態様において、哺乳動物はヒトである。
【0056】
[031]一定の態様において、本開示の組成物の投与は、加齢に関係する筋萎縮またはサルコペニアを予防または処置する際に有効である。さらなる態様において、本開示の組成物の投与は、筋肉固定に関連する筋萎縮、例えば、骨折骨にギプスをはめた場合に高頻度に生じるような筋萎縮を予防または処置する際に有効である。さらなる態様において、本開示の組成物の投与は、悪液質としても知られるがんなどの疾患に関連する筋萎縮を予防または処置する際に有効である。
【0057】
[032]一定の態様によれば、該組成物は、サルコペニアを有する対象に投与される。さまざまな態様において、該組成物は、治療有効量で投与される。さらなる態様において、該組成物は、予防有効量で(例えば、サルコペニア、悪液質、または固定化誘発性の萎縮を発症するリスクがある対象に)投与される。
【0058】
[033]一定の態様において、該組成物は、筋肉の強さ、サイズ、および/または筋機能をさらに強化するための1つまたは複数の付加的な活性成分をさらに含む。一定の実施形態において、1つまたは複数の付加的な活性成分はアミノ酸である。一定の実施形態によれば、アミノ酸は、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを非限定的に含む分子鎖アミノ酸(BCAA)の群から選択される。さらなる実施形態において、アミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファンおよびバリンを非限定的に含む必須アミノ酸の群から選択される。またさらなる実施形態では、アミノ酸は、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、エルゴチオネインおよびチロシンを非限定的に含む条件付き必須アミノ酸の群から選択される。一定の実施形態によれば、条件付き必須アミノ酸はチロシンである。またさらなる実施形態では、アミノ酸は、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、セレノシステインおよびピロリシンを非限定的に含む非必須アミノ酸の群から選択される。またさらなる実施形態では、アミノ酸誘導体は、クレアチン、カルニチン、β-アラニン、タウリン、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート、L-アルギニン、ω-3脂肪酸、ビタミンD、乳清タンパク質、BAIBA、および、動物、植物または発酵源由来のその他タンパク質抽出物の群から選択される。
【0059】
[034]これらの実施形態の例示的な態様によれば、該組成物は、疲労を軽減し、エネルギーを増強し、可動性を向上させ、警戒力を増強することができる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、心保護を目的に行われる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、筋収縮および筋性能を増強する。これらの実施形態の例示的な態様において、筋性能は、骨格筋中へのカリウム(K+)輸送を増加させることを通じて強化される。さらなる態様において、筋性能は、細胞内カルシウムを増加させることを通じて(例えば、リアノジン受容体(RyR)の活性化によって)強化される。
【0060】
[035]該組成物が有効量のチロシンとパラキサンチンとを含む前述の実施形態の一定の態様において、パラキサンチンおよびチロシンの投与は、パラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、対象における筋肉のサイズおよび/または機能の相乗的な増加をもたらす。
【0061】
[036]該組成物が有効量のタウリンとパラキサンチンとを含む前述の実施形態の一定の態様において、パラキサンチンおよびタウリンの投与は、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、対象における筋肉のサイズおよび/または機能の相乗的な増加をもたらす。
認知機能
[037]本明細書においては、対象における認知機能を強化する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、認知機能の増強は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御(inhibitory response control)、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習(delayed reinforcement learning)、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される。
【0062】
[038]一定の実施形態において、本開示の組成物の投与は、作業記憶を増大させる。
[039]さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、注意力を増大させる。
[040]一定の実施形態によれば、認知機能を強化する本開示の方法の組成物は、N-アセチルチロシン、タウリン、フペルジンA、アセチル-l-カルニチン、CDPコリン、α-GPC、コリンビトレート(choline bitrate)、クエン酸コリン、B12、カフェイン、メチルリベリン、テアクリン、パラキサンチン、テオブロミン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、ルテイン、ゼアキサンチン、魚油、クレアチン、朝鮮人参、ヤマブシタケ、ナイアシン、ノムシタケ属、テアニン、ビタミンB群、GABA、スルブチアミン、ビンポセチン、アデノシン三リン酸、イノシトール、強化されたケイ酸アルギニン、ニトレート、電解質、ヘスペリジンおよびヘスペリジン誘導体、ならびに/またはバコパをさらに含む。
【0063】
[041]一定の実施形態において、対象は、加齢関連認知低下を経験している。例示的な実装形態では、対象への該組成物の投与は、該対象におけるBDNFレベルを増加させる。一定の実施形態によれば、対象への該組成物の投与は、該対象における脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルを増加させる。例示的な実装形態において、BDNFレベルは、約5%から約40%まで増加される。さらなる実施形態では、BDNFレベルは、少なくとも約15%増加される。さらなる実施形態において、対象への該組成物の投与は、他の神経栄養因子、例えばニューロン成長因子(NGF)などを増加させる。またさらなる実施形態において、対象への該組成物の投与は、CNSにおけるmTORレベルを増加させる。
処置の方法
[042]さらに、本明細書においては、ある状態の処置を必要とする対象において該状態を処置する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、状態は、ナルコレプシー、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害(cognitive deficit disorder)、麻痺、制御されない怒り(uncontrolled anger)、偏頭痛、薬物乱用・依存症(substance abuse addiction)、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症から選択される。
【0064】
[043]さらに、本明細書においては、気分障害を処置する方法であって、気分障害の処置を必要とする対象に本明細書に開示の組成物を投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、気分障害は、臨床的うつ病、産後うつ病もしくは分娩後うつ病、周産期うつ病、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性大うつ病、緊張病性うつ病、季節性情動障害、気分変調症、二重うつ病、抑うつ性パーソナリティー障害、反復性短期うつ病、小うつ病性障害、双極性障害もしくは躁うつ性障害、慢性の医学的状態が原因で生じるうつ病、併存うつ病、治療抵抗性うつ病、難治性うつ病、自殺傾向、自殺念慮または自殺行動から選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抑うつ(例えば、中等度または重度うつ病)に罹患している対象に治療効果をもたらす。いくつかの実施形態において、気分障害は、本明細書に記載されている疾患または障害に関連する。
【0065】
[044]一定の実施形態において、気分障害は、抑うつである。例示的な実装形態において、対象は、抑うつまたは抑うつリスクありと診断されている。
[045]さらに、本明細書においては、不安障害の処置を必要とする対象においてそれを処置する方法であって、本明細書に開示の組成物を該障害の処置を必要とする対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、不安障害は、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、恐怖症、心的外傷後ストレス障害)から選択される。当業者には理解されるであろうが、不安障害とは、異常かつ病的な恐怖および不安についてのいくつかの異なる形態を網羅する包括的な用語である。
【0066】
[046]一定の実施形態によれば、該組成物は治療有効量で投与される。さらなる実施形態では、該組成物は予防有効量で投与される。
[047]一定の実施形態において、気分障害または不安障害を処置する方法において使用される該組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、マクナ(macuna)、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよび/またはフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
【0067】
[048]さらに、本明細書においては、加齢関連認知低下の処置または予防を必要とする対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、該組成物の投与は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数を増加させる。
【0068】
[049]一定の実施形態によれば、本明細書に開示の組成物は、1つまたは複数の医学的状態の処置を必要とする対象において、その処置の際に使用される。一定の実装形態では、本開示の組成物は、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸および交代勤務睡眠障害、不眠症、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害、麻痺、制御されない怒り、偏頭痛、薬物乱用・依存症、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、パーキンソン病、アルツハイマー病ならびに/または認知症に罹患している対象に投与される。
【0069】
[050]一定の態様において、本開示の組成物は、神経保護剤である。一定の実施形態において、本開示の組成物を必要とする対象へのその投与は、神経保護を目的に行われる。これらの実施形態の例示的な態様において、この神経保護は、ドパミン作動性細胞死からの保護の形をとる。
【0070】
[051]さらなる実施形態によれば、本開示の組成物は、老年期うつ病の処置に有用である。例示的な実施形態において、該組成物は、原因が本態性、血管性または外傷性である老年期うつ病、および高齢者にみられる精神荒廃を患っている対象の処置において有効である。
【0071】
[052]対象への本開示の組成物の投与は、対象に医薬調製物を提供するあらゆる方法を包含しうる。そのような方法は当業者には周知であり、限定されるものではないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、経眼投与、耳内投与、脳内投与、経直腸投与、舌下投与、皮内投与、口腔投与、ならびに、注射剤投与を包含する非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋内投与および皮下投与などが挙げられる。投与は、連続的でも間欠的でもよい。さまざまな態様において、調製物は、治療的に投与されうる。つまり、既存の疾患または状態を処置するために投与されうる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、予防的に投与されうる。つまり、疾患または状態を予防するために投与されうる。
【0072】
[053]別の実施形態において、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、より低い投与量レベルで、および/または、その活性を調節もしくはその活性と拮抗する化合物と一緒に、使用されうる。そのような組成物は、持久能力、気分、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力および/または食欲低下の増強を誘導しうる。
【0073】
[054]本開示の組成物を使用する利点は、化学組成物を用いた人がこれに対する耐性を生じにくいことである。つまり、ある人に対して誘導された効果に対するその人の感受性は低下しない可能性がある。一定の態様によれば、本開示のパラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せを含有する組成物は、同程度の用量のカフェインを含有する組成物を投与した場合に比べて、以下の明確な利点を少なくとも有する。パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せの方が、毒性が実質的に低い。パラキサンチンとチロシンとの組合せの方が、安定性が高い(例えば、時間が経過してもカフェインほどには効力を失わない)。パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せを含有する組成物の方が、より強力な覚醒促進剤である(一定の実施形態において、アデノシン受容体拮抗作用による)。さらに、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せを含有する組成物は、線条体ドパミントーン(striatal dopaminergic tone)を強化する。またさらに、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、睡眠反跳を生じさせない。さらに、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、使用が中止された際、カフェインの場合に生じるほど高頻度には離脱効果を生じさせない。またさらに、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、不安を増大させない。またさらに、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、苦味がカフェインより弱い。さらには、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、カフェインの場合より大規模な集団に対して有効である。別の実施形態において、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、より高い投与量レベルで、および/または、相乗作用のある化合物と一緒に、使用されうる。
【0074】
[055]これらの組成物は、個体の基礎/安静時代謝率を上昇させ、熱産生を増加させ、食欲を低下させ、認知能力を向上させ、α波帯域脳活動(Alpha wave brain activity)を増加させ、および/または幸福感を誘導することができる。理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、より高い投与量レベルでは、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せを含有する組成物は、ノルアドレナリン作動性およびドパミン作動性を示すことができ、アデノシン受容体阻害の増加を呈することができると考えている。
【0075】
[056]別の実施形態において、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとは、エフェドリン、カフェイン、サリチル酸などと組み合わされる。前述の組合せは、パラキサンチンとチロシンとの組合せの刺激効果との相乗効果をもたらしうる。例えば、一定の実施形態において、パラキサンチンとチロシンとは、カフェインの過剰な刺激効果を調節し、それにより心拍数および他の代謝活性を安定化させる目的で、はるかに少ない量のカフェインと組み合わされうる。つまり、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとカフェインとを組み合わせる結果、カフェインにより誘導される集中力およびエネルギーの増加は賦与するが、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せによりカフェインの効果が調節されるおかげで心拍数および血圧は上昇させない、組成物を得ることができる。したがって、この組合せを用いる結果、カフェインが原因で生じるおそれのある興奮状態を伴うことなく、覚醒および落ち着きを高めることができる。
【0076】
[057]別の実施形態において、パラキサンチンとチロシンとの組合せは、皮膚を明るくする、皮膚にハリをもたらす、および/または皮膚の弾力性を高めることを目的としたクリームまたはローションを生産するために、ボディークリームまたはローション中に組み込むための局所剤として使用されうる。パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せを含有する局所剤は、限局部位の経皮的な脂肪消失を促進するために使用されてもよい。さらに、そのような組成物は、限局部位の代謝強化および/または熱産生強化を促進するためのクリームまたはローションに使用されてもよい。
【0077】
[058]さらなる実施形態によれば、パラキサンチンとチロシンとは、鎮痛剤および/または抗炎症剤のうち1つまたは複数と組み合わされうる。例示的な実装形態では、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとは、イブプロフェン、サリチル酸、抗炎症剤、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性誘導体)、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcateおよび/またはトリテルペノイドと組み合わされる。
【0078】
[059]パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せの投与量は、約100mgから約3000mgまでの範囲でありうる。別の実施形態では、この範囲は、約500mgから約2500mgまででありうる。さらなる実施形態では、パラキサンチンとチロシンとを合わせた用量は約600mgである。別の実施形態では、この範囲はそれぞれ、パラキサンチンが少なくとも10%から90%まで、タウリンが90%から10%でありうる。
【0079】
[060]一定の実施形態において、該組成物は、パラキサンチンとチロシンとを約1:5の比で含む。一定の実施形態において、提供されるパラキサンチンの量は約2mg~約800mgであり、提供されるチロシンの量は約500mg~約2000mgである。
【0080】
[061]例示的な実装形態では、該組成物は、パラキサンチン約100mgおよびチロシン約500mgの用量で投与される。
[062]別の実施形態において、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せは、1つまたは複数のバイオアベイラビリティー・エンハンサーと組み合わされる。例示的な実施形態において、バイオアベイラビリティー・エンハンサーとしては、限定されるものではないが、バイオペリン、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4阻害剤)、フラボノイド(ヘスペリジン、ナリンギン、タンゲリチン(tangeritin)、ケルセチンおよびノビレチンを包含する。別個でも組合せでもよい)、プテロスチルベン、フィセチン、ナノカプセル化、マイクロカプセル化、リポソームおよび/またはフィトソームが挙げられる。パラキサンチンとチロシンとの組合せと組み合わされるエンハンサーは、パラキサンチンとチロシンおよび/またはタウリンとの組合せのどの性質が特定の使用に要求されるかに依存しうる。
【0081】
[063]別の実施形態において、パラキサンチンとチロシンとの組合せは、1つまたは複数の送達方法を用いて投与されうる。送達方法としては、例えば、経皮パッチ剤および/もしくはクリーム剤、用時混合粉末剤(ready to mix powder)、静注法、カプセル剤、錠剤、液剤(他の飲料と混合して用いるタイプの液剤を包含する)、ソフトゲル剤、ショット剤様式(shot format)、ならびに/または、石鹸、ローションおよびシャンプーなどの化粧料としての適用が挙げられる。パラキサンチンとチロシンとの組合せが持つ抗炎症性は、さまざまな局所適用に要求される可能性がある。
【0082】
[064]対象への本開示の組成物の投与は、対象に医薬調製物を提供するあらゆる方法を包含しうる。そのような方法は当業者には周知であり、限定されるものではないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、経眼投与、耳内投与、脳内投与、経直腸投与、舌下投与、皮内投与、口腔投与、ならびに、注射剤投与を包含する非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋内投与および皮下投与などが挙げられる。投与は、連続的でも間欠的でもよい。さまざまな態様において、調製物は、治療的に投与されうる。つまり、既存の疾患または状態を処置するために投与されうる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、予防的に投与されうる。つまり、疾患または状態を予防するために投与されうる。
【0083】
[065]本発明の多様な態様および実施形態は、番号の付いた下記の項により定義される。
第1項 パラキサンチンとチロシンとを含む組成物。
第2項 没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、N-アセチル-、グルクロノラクトン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、オルニチン、シトルリン、ピルベート、Eleutherococcus senticosus、D-リボース、乳清タンパク質、トリメチルグリシン、アルギニン、HMB(β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート)、乳タンパク質、Schisandra chinensis、ロイシン、ベタレイン、ロイシン酸、L-カルニチン、炭酸水素ナトリウム、アラキドン酸、β-アラニン、ブラシノステロイド、麻タンパク質、アラニルグルタミン、Rhaponticum carthamoides、カゼイン、エクジステロイド、クレアチン、分枝鎖アミノ酸、ビートルート、コーヒー、ニトレート、Panax ginseng、クレンブテロール、α-GPC、バリン、初乳、Trichopus zeylanicus、アシュワガンダ、Terminalia arjuna、卵、ウルソール酸、イソロイシン、中鎖トリグリセリド、グルタミン、亜鉛、ビタミンD、マカ、マツブサ属、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、外因性ケトン、エルゴチオネイン、ベルベリン、ジヒドロベルベリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の活性成分をさらに含む、第1項に記載の組成物。
第3項 パラキサンチンおよびチロシン同族体の組合せ、またはパラキサンチンおよびチロシン類似体の組合せをさらに含む、第1項に記載の組成物。
第4項 パラキサンチン同族体または類似体の組合せが、カフェイン、1-メチルキサンチン、パラキサンチンと7-メチルキサンチンとの組合せ、パラキサンチン、テオブロミン、テオフィリン、リベリン、メチルリベリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、第3項に記載の組成物。
第5項 パラキサンチン同族体または類似体がカフェインである、第4項に記載の組成物。
第6項 カフェインの有効用量が、パラキサンチンとチロシンとの組合せを含まない組成物におけるカフェインの有効用量より低い、第5項に記載の組成物。
第7項 チロシン同族体または類似体が、N-アセチル-L-チロシン、グリシル-L-チロシン、N-アセチル-L-チロシンエチルエステルまたはN-アセチル-L-チロシンメチルエステルである、第3項に記載の組成物。
第8項 チロシンが多量体型で存在する、第1項に記載の組成物。
第9項 チロシンが、ジチロシン(Tyr-Tyr)、トリチロシン(Tyr-Tyr-Tyr)、テトラチロシン(Tyr-Tyr-Tyr-Tyr)、またはこれらを含有するペプチドとして存在する、第8項に記載の組成物。
第10項 チロシンが、リシルチロシンまたはロイシン-チロシンとして存在する、第8項に記載の組成物。
第11項 チロシンが、L-Tyr-X(式中、Xはアミノ酸である)の構造を有するジペプチドの形態で存在する、第8項に記載の組成物。
第12項 パラキサンチンとチロシンとが約1:4から約1:30までの比で存在する、第1項から第11項のいずれか一項に記載の組成物。
第13項 パラキサンチンとチロシンとが約1:4から約1:10までの比で存在する、第12項に記載の組成物。
第14項 パラキサンチンとタウリンとを含む組成物。
第15項 没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、オルニチン、シトルリン、ピルベート、Eleutherococcus senticosus、D-リボース、乳清タンパク質、トリメチルグリシン、アルギニン、HMB(β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート)、乳タンパク質、Schisandra chinensis、ロイシン、ベタレイン、ロイシン酸、L-カルニチン、炭酸水素ナトリウム、アラキドン酸、β-アラニン、ブラシノステロイド、麻タンパク質、アラニルグルタミン、Rhaponticum carthamoides、カゼイン、エクジステロイド、クレアチン、分枝鎖アミノ酸、ビートルート、コーヒー、ニトレート、Panax ginseng、クレンブテロール、α-GPC、バリン、初乳、Trichopus zeylanicus、アシュワガンダ、Terminalia arjuna、卵、ウルソール酸、イソロイシン、中鎖トリグリセリド、グルタミン、亜鉛、ビタミンD、マカ、マツブサ属、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、外因性ケトン、エルゴチオネイン、ベルベリン、ジヒドロベルベリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の活性成分をさらに含む、第14項に記載の組成物。
第16項 パラキサンチンとタウリンとが約1:5の比で存在する、第14または第15項に記載の組成物。
第17項 パラキサンチン同族体および/またはパラキサンチン類似体の組合せをさらに含む、第14から第16項のいずれか一項に記載の組成物。
第18項 パラキサンチン同族体または類似体の組合せが、カフェイン、1-メチルキサンチン、パラキサンチンと7-メチルキサンチンとの組合せ、パラキサンチン、テオブロミン、テオフィリン、リベリン、メチルリベリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、第17項に記載の組成物。
第19項 パラキサンチン同族体または類似体がカフェインである、第18項に記載の組成物。
第20項 カフェインの有効用量が、パラキサンチンとタウリンとの組合せを含まない組成物におけるカフェインの有効用量より低い、第19項に記載の組成物。
第21項 粉末である、第1から第20項のいずれか一項に記載の組成物。
第22項 該組成物が栄養補助食品であり、該補助製品が固体経口剤形のものである、第1から第21項のいずれか一項に記載の組成物。
第23項 局所投与用に製剤化される、第1項から第22項のいずれか一項に記載の組成物。
第24項 カフェインを実質的に含まない、第5および第6項ならびに第19および第20項を除く第1から第23項のいずれか一項に記載の組成物。
第25項 対象におけるエネルギーを増強する方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第26項 該組成物が投与されると、該対象が、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する、第25項に記載の方法。
第27項 該対象に継続投与される場合、該組成物は、継続使用が中止されても該対象における依存性および/または該対象における離脱効果を生じさせない、第26項に記載の方法。
第28項 提供されるパラキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第25項に記載の方法。
第29項 提供されるチロシンの量が約250mgから約13,500mgまでである、第25項に記載の方法。
第30項 提供されるチロシンの量が、該対象の体重1kg当たり約100~150mgである、第25項に記載の方法。
第31項 該対象が、疲労の少なくとも約6パーセントの低減を経験する、第25項に記載の方法。
第32項 該対象が、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する、第25項に記載の方法。
第33項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第25項に記載の方法。
第34項 対象における運動持久力を増加させる方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第35項 該組成物が第1から第11項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよびチロシンの投与が、パラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して該対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす、第34項に記載の方法。
第36項 提供されるチロシンの量が約250mgから約13,500mgまでである、第35項に記載の方法。
第37項 提供されるチロシンの量が、該対象の体重1kg当たり約100~150mgである、第35項に記載の方法。
第38項 該組成物が第12から第18項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよびタウリンの投与が、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、該対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす、第34項に記載の方法。
第39項 ある状態の処置を必要とする対象において該状態を処置する方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第40項 該状態が、ナルコレプシー、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害、麻痺、制御されない怒り、偏頭痛、薬物乱用・依存症、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、脳震とう、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症から選択される、第39項に記載の方法。
第41項 該状態が気分障害である、第39項に記載の方法。
第42項 該気分障害が抑うつである、第41項に記載の方法。
第43項 該対象が、抑うつまたは抑うつリスクありと診断されている、第42項に記載の方法。
第44項 該状態が不安障害である、第40項に記載の方法。
第45項 該組成物が治療有効量で投与される、第40項に記載の方法。
第46項 該組成物が予防有効量で投与される、第40項に記載の方法。
第47項 該組成物がパラキサンチンを約2mgから約800mgまでの量で含む、第40項に記載の方法。
第48項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよび/またはフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第39項に記載の方法。
第49項 注意力の強化を必要とする対象においてそれを強化する方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第50項 作業記憶の増強を必要とする対象においてそれを増強する方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第51項 対象における認知能力を増強する方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第52項 認知機能の増強が、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される、第51項に記載の方法。
第53項 対象における筋機能を増加させる方法であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第54項 該組成物が、イソロイシン、ロイシンおよびバリン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、クレアチン、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、カルニチン、β-アラニンならびにβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレートからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第53項に記載の方法。
第55項 筋肉の強さ、筋肉のサイズおよび/または筋機能を増強するための栄養補助製品であって、第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を含む栄養補助製品。
第56項 粉末またはカプセルである、第55項に記載の栄養補助製品。
第57項 機能性食品である、第55項に記載の栄養補助製品。
第58項 該機能性食品が飲料、栄養バー、ヨーグルトまたはシリアルである、第57項に記載の栄養補助製品。
第59項 イソロイシン、ロイシンおよびバリン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、クレアチン、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、カルニチン、β-アラニン、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート、L-アルギニン、ω-3脂肪酸、ビタミンD、乳清タンパク質、ならびに、動物、植物または発酵源由来のその他タンパク質抽出物からなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第55項に記載の栄養補助製品。
第60項 対象における筋肉のサイズを増加させる方法であって、筋肉のサイズの増加を必要とする対象に有効量の第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第61項 該組成物が第1から第11項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよびチロシンの投与が、パラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、該対象における筋肉のサイズの相乗的な増加をもたらす、第60項に記載の方法。
第62項 提供されるチロシンの量が約250mgから約13,500mgまでである、第61項に記載の方法。
第63項 提供されるチロシンの量が、該対象の体重1kg当たり約100~150mgである、第61項に記載の方法。
第64項 該組成物が第12から第18項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよびタウリンの投与が、パラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、該対象における筋肉のサイズの相乗的な増加をもたらす、第60項に記載の方法。
第65項 対象におけるエネルギーを増加させる方法であって、エネルギーの増加を必要とする対象に有効量の第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第66項 投与されるパラキサンチンの量が約25mgから約800mgまでである、第65項に記載の方法。
第67項 該対象がエネルギー知覚の少なくとも約5%の増加を経験する、第65項に記載の方法。
第68項 該対象が、不安、疲労、努力知覚および/または疼痛知覚のうち少なくとも1つの低減を経験する、第65項に記載の方法。
第69項 該組成物が、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含む、第65項に記載の方法。
第70項 該組成物が第1から第11項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよびチロシンの投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、該対象におけるエネルギー知覚の相乗的な増加をもたらす、第69項に記載の方法。
第71項 提供されるチロシンの量が約250mgから約13,500mgまでである、第70項に記載の方法。
第72項 提供されるチロシンの量が、該対象の体重1kg当たり約100~150mgである、第70項に記載の方法。
第73項 該組成物が第12から第18項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよびタウリンの投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、該対象におけるエネルギー知覚の相乗的な増加をもたらす、第69項に記載の方法。
第74項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第65項に記載の方法。
第75項 該組成物がカフェインを実質的に含まない、第65項に記載の方法。
第76項 対象における運動遂行能力を増強する方法であって、有効量の第1から第24項のいずれか一項に記載の組成物を含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第77項 投与されるパラキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第75項に記載の方法。
第78項 運動遂行能力が少なくとも約10%増加される、第76項に記載の方法。
第79項 該対象が、持久力の増加を経験する、第76項に記載の方法。
第80項 該組成物が第1から第11項のいずれか一項に記載の組成物であり、対象への該組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたはチロシンの単独での投与と比較して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす、第76項に記載の方法。
第81項 該組成物が第12から第18項のいずれか一項に記載の組成物であり、対象への該組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたはタウリンの単独での投与と比較して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす、第76項に記載の方法。
第82項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチンおよびn-アセチルチロシン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの作用剤をさらに含む、第76項に記載の方法。
【実施例
【0084】
[066]以下の実施例は、本明細書において特許請求する化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法を作製および評価する方法の一部の例の完全な開示および説明を当業者に提供する目的で提示するものであり、本発明を純粋に例示することを意図したものであって、本発明者らが自身の発明と考えるものの範囲を限定することを意図したものではない。ただし、当業者は、本開示に照らせば、開示されている特定の実施形態に多くの変更を施すことが可能であり、その場合でも本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることが可能であることを理解すべきである。
【0085】
実施例1
パラキサンチン+チロシン
認知、記憶、学習
1.1.方法
[067]Cookの登り棒(Cook’s poles)テストを用いることにより、マウスに行動試験を実施して、学習および記憶能力を調べた。
【0086】
[068]8週齢、雄のSwiss Albinoマウス32匹を、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0087】
[069]1週間の順化の後、動物を体重別に4群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続7日間行うこととした。処置の内容は、(1)ビヒクル対照、または(2)パラキサンチン、または(3)チロシン、または(4)チロシン+パラキサンチンのいずれかとした。マウスに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:パラキサンチン100mg(ENFINITY(登録商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)、または、チロシン500mg(マウス用量:体重1kg当たり102.75mg/日)、または、チロシン500mg(マウス用量:体重1kg当たり102.75mg/日)+パラキサンチン100mg(ENFINITY(登録商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。
1.2.Cookの棒登りテスト
[070]ショックを回避するには30秒以内に登り棒(ショックのないゾーン)を登らなければならないような形でマウスを訓練した。ショックに先行してブザーが鳴り、15秒間鳴り続けるようになっていた。ブザーの音が鳴ったら登り棒を登るように動物を訓練した(条件回避反応)。各動物には一定の間隔をおいて20回の試行を行い、ショック回避回数および失敗回数のアベレージを記録した。訓練を施した動物を条件回避反応によりアッセイした。
1.3.健忘の誘導
[071]スコポラミン注射を使用することにより健忘を誘導した。スコポラミンは、抗コリン性であり、抗健忘薬候補の作用の判別に用いるのに魅力的な健忘剤である。スコポラミンは非選択的なシナプス後ムスカリン受容体遮断剤であり、齧歯動物およびヒトのCNSにおけるACHの有効性を減少させることを通じて動物およびヒトに認知障害を引き起こすことが可能である。スコポラミンは、行動テストの際に認知能力の有意な欠損を誘導することが可能であり、このため、認知的欠損を誘導するための妥当な薬理学的モデルとなる。認知的効果を評価するための本試験では、マウスにスコポラミンを腹腔内注射して記憶欠損を誘導した。
2.結果
[072]パラキサンチンで処置したマウスは、スコポラミンにより誘導された健忘の回復傾向ならびに記憶および学習の改善を示した。パラキサンチンとチロシンとの組合せは、パラキサンチンまたはチロシン単独の場合を超える相乗効果を示した。
2.1.補給がCookの棒登りテストに及ぼす効果
[073]パラキサンチン群の逃避潜時(16.38±2.33秒)は、対照群(6.38±1.41秒)より46.3%短かった。チロシン群の逃避潜時(8.25±1.04秒)は、対照群より30.6%短く、パラキサンチン群より29.3%遅かった。パラキサンチン+チロシン群の逃避潜時(5.88±0.83秒)は、対照群より50.5%短く、パラキサンチン単独群より7.8%短く、チロシン単独群より28.7%短かった。
【0088】
実施例2
パラキサンチン+チロシン
スポーツおよびアクティブ栄養、運動遂行能力、筋力、エネルギー、気分
1.1.方法
[074]8週齢、雄のSwiss Albinoマウス32匹を、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0089】
[075]1週間の順化の後、動物を体重別に4群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続28日間行うこととした。処置の内容は、(1)ビヒクル対照、または(2)パラキサンチン、または(3)チロシン、または(4)チロシン+パラキサンチンのいずれかとした。マウスに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:パラキサンチン100mg(ENFINITY(登録商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)、または、チロシン500mg(マウス用量:体重1kg当たり102.75mg/日)、または、チロシン500mg(マウス用量:体重1kg当たり102.75mg/日)+パラキサンチン100mg(ENFINITY(登録商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。
1.2.前肢握力テスト
[076]第0日および第28日にステンレス製グリル(grill)を用いて前肢握力を測定することにより、筋肉の強さをアセスメントした(Orchid Scientific&Innovative India Pvt Ltd、インド)。握力は、処置の1時間後に測定した。簡潔に説明すると、まず、各マウスを検査室に10分間置いて順化させた。次いで、各マウスを握力測定計のグリッドの先端に配置して、マウスに四肢すべてでグリッドを握らせた。マウスをグリッド上で押し付けずに尾の根元で保持した。次いで、握力測定装置(grip strength measurement)の軸に沿って尾を引っ張ることにより、グリッドから離れるように動物を後肢方向に静かに引っ張った。スピードは、引っ張る力に対する抵抗をマウスに生じさせるだけ十分に遅くし、マウスがグリッドを放した時点で、握力測定装置のスクリーンに表示されたスコア(gf)を記録した。各動物について3回の独立試行を実施し、3回の試行の平均を算出し、記録した。
1.3.運動課題訓練
[077]処置期間中、適度な室温で15分間、水泳槽で訓練を遂行した。処置期間中、週に5日、投与実施後に1日1時間、動物をこの手順に順応させた。それぞれ対応する処置の28日目に、すべての動物を強制水泳テストに供した。動物は、15cmの深さまで新鮮な水を満たした高さ20cm、直径10cmのガラス製広口瓶の中で室温にて30分間、1匹ずつ強制的に泳がせた。測定するパラメーターは、能動的水泳に費やされる総時間(実験期間を通じた動物の泳ぎの総持続時間)であった。
2.結果
[078]図1に示すように、パラキサンチンで処置したマウスは、対照群を超える筋力の増強を示した。チロシンはより低い度合いで筋力を増強したが、パラキサンチンとチロシンとの組合せは、パラキサンチンまたはチロシン単独の場合を超える相乗効果を示した。
2.1.補給が前肢握力に及ぼす効果
2.2.補給がエネルギーおよび気分に及ぼす効果
[079]パラキサンチンで処置したマウスは、エネルギーおよび気分の増強を示した。パラキサンチンとチロシンとの組合せは、パラキサンチンおよびチロシン単独の場合を超える相乗的な利益を示した。
【0090】
[080]可動/能動的水泳の持続時間は、パラキサンチンとチロシンとの組合せ群(9.38±1.30分)では、対照群(8.75±1.39分)、チロシン群(8.88±1.46分)およびパラキサンチン群(8.63±1.92分)に比して相乗的に長く、対対照比は+7.2%であった。
【0091】
実施例3
パラキサンチン+タウリン
エネルギー、気分
1.1.方法
[081]8週齢、雄のSwiss Albinoマウス24匹を、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC、Institutional Animal Ethical Committee)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0092】
[082]1週間の順化の後、動物を体重別に3群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続28日間行うこととした。処置の内容は、(1)パラキサンチン、または(2)タウリン、または(3)タウリン+パラキサンチンのいずれかとした。マウスに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:パラキサンチン100mg(ENFINITY(登録商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)、または、タウリン500mg(マウス用量:体重1kg当たり102.75mg/日)、または、タウリン500mg(マウス用量:体重1kg当たり102.75mg/日)+パラキサンチン100mg(ENFINITY(登録商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。
1.2.運動課題訓練
[083]処置期間中、適度な室温で15分間、水泳槽で訓練を遂行した。処置期間中、週に5日、投与実施後に1日1時間、動物をこの手順に順応させた。それぞれ対応する処置の28日目に、すべての動物を強制水泳テストに供した。動物は、15cmの深さまで新鮮な水を満たした高さ20cm、直径10cmのガラス製広口瓶の中で室温にて30分間、1匹ずつ強制的に泳がせた。測定するパラメーターは、能動的水泳に費やされる総時間(実験期間を通じた動物の泳ぎの総持続時間)および無動の持続時間(動物が無動の状態にある総時間)であった。
2.結果
[084]パラキサンチンとタウリンとの組合せで処置したマウスは、パラキサンチンまたはタウリン単独の場合を超える相乗効果を示した。
2.1.補給がエネルギーおよび気分に及ぼす効果
[085]可動/能動的水泳の持続時間は、パラキサンチンとタウリンとの組合せ群(8.75±1.04分)では、タウリン群(8.50±2.20分)およびパラキサンチン群(8.63±1.92分)に比して相乗的に長かった。
【0093】
[086]無動の持続時間は、パラキサンチンとタウリンとの組合せ群(21.25±1.04分)では、タウリン群(21.50±2.20分)およびパラキサンチン群(21.38±1.92分)に比して相乗的に短かった。
【0094】
[087]多数の実施形態を開示してあるが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の組成物、システムおよび方法の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるであろうが、本開示の組成物、システムおよび方法は、多様な自明の態様において、すべて本開示の精神および範囲から逸脱することなく変形を行うことが可能である。したがって、図面および詳細な説明は、限定的ではなく例証的な性質のものとして受け取られたい。
図1
【国際調査報告】