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特表2024-527063アーク経路形成部およびこれを含む直流リレー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】アーク経路形成部およびこれを含む直流リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/16 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H01H50/16 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505055
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2022017913
(87)【国際公開番号】W WO2023090794
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159322
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハス
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨンジュン
(57)【要約】
本発明は、発生したアークを外部に向かって効果的に誘導できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーであって、アークチャンバーの外側およびフレームの内側の間に配置され、互いに異なる第1ホルダーおよび第2ホルダーを含む磁石ホルダー部および前記磁石ホルダー部のアークチャンバーに向かう一面に付着され、前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、前記第1ホルダーおよび前記第2ホルダーは、それぞれ所定の角度に折り曲げられて延び、両端に磁石部が付着され、磁石部で形成された磁場は、直流リレーに通電する電流とともに電磁気力を形成し、アークを固定接触子から遠ざかる方向に誘導する、アーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数個の固定接触子および可動接触子が収容されるアークチャンバー;
前記アークチャンバーの外側に配置され、互いに異なる第1ホルダーおよび第2ホルダーを含む磁石ホルダー部;および
前記磁石ホルダー部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着され、前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、
前記第1ホルダーおよび第2ホルダーは、
それぞれ所定の角度に折り曲げられて延び、互いに離隔し且つ前記複数個の固定接触子の配列方向と並んだ方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向して配置され、
前記磁石部は、
前記第1ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第1ホルダーの一端または他端から前記第1ホルダーの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;および
前記第2ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第2ホルダーの一端または他端から前記第2ホルダーの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石を含み、
前記第1磁石および前記第2磁石は、N極とS極のうちいずれか1つの極性で磁化し、前記第3磁石および前記第4磁石は、N極とS極のうち他の1つの極性で磁化する、アーク経路形成部。
【請求項2】
前記磁石部は、
前記第1磁石および第3磁石が互いに対向して配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向して配置される、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項3】
前記第1磁石は、
前記第3磁石の延長方向と並んだ方向に延び、
前記第2磁石は、
前記第4磁石の延長方向と並んだ方向に延びる、請求項2に記載のアーク経路形成部。
【請求項4】
前記第1磁石および第2磁石は、
それぞれの延長方向が互いに交差する、請求項3に記載のアーク経路形成部。
【請求項5】
前記第1磁石は、
前記第2磁石と前記固定接触子の配列方向に沿って延びる仮想の線を挟んで互いに対向して配置され、
前記第3磁石は、
前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向して配置される、請求項2に記載のアーク経路形成部。
【請求項6】
前記磁石部は、
前記第1磁石と前記第2磁石間の最短距離が、前記第3磁石と前記第4磁石間の最短距離と同一に形成される、請求項5に記載のアーク経路形成部。
【請求項7】
前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なっており、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含む、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項8】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と並んで形成される、請求項7に記載のアーク経路形成部。
【請求項9】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と交差する、請求項7に記載のアーク経路形成部。
【請求項10】
前記補助磁石は、
前記第1ホルダーに向かう第1面が第1磁石および第2磁石と同じ極性で磁化し、前記第2ホルダーに向かう第2面が第3磁石および第4磁石と同じ極性で磁化する、請求項9に記載のアーク経路形成部。
【請求項11】
前記補助磁石は、
前記第1ホルダーに向かう第1面が第1磁石および第2磁石と反対の極性で磁化し、前記第2ホルダーに向かう第2面が第3磁石および第4磁石と反対の極性で磁化する、請求項9に記載のアーク経路形成部。
【請求項12】
前記第1磁石、第2磁石、第3磁石および第4磁石は、
その幅方向および幅方向の長さがそれぞれ互いに対応する、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項13】
前記第1ホルダーは、
前記第2ホルダーと対応する形状に形成され、前記複数個の固定接触子の中心点を基準として前記第2ホルダーと互いに対称となる、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項14】
複数個設けられ、一方向に互いに離隔して位置する固定接触子;
前記固定接触子に接触したり離隔する可動接触子;
内部に前記固定接触子および前記可動接触子が収容される空間が形成されるアークチャンバー;
前記アークチャンバーを囲むフレーム;
前記アークチャンバーの外側および前記フレームの内側の間に配置され、互いに異なる第1ホルダーおよび第2ホルダーを含む磁石ホルダー部;および
前記磁石ホルダー部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着され、前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、
前記第1ホルダーおよび第2ホルダーは、
それぞれ所定の角度に折り曲げられて延び、互いに離隔し且つ前記固定接触子の配列方向と並んだ方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向して配置され、
前記磁石部は、
前記第1ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第1ホルダーの一端または他端から前記第1ホルダーの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;および
前記第2ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第2ホルダーの一端または他端から前記第2ホルダーの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石を含み、
前記第1磁石および前記第2磁石は、N極とS極のうちいずれか1つの極性で磁化し、前記第3磁石および前記第4磁石は、N極とS極のうち他の1つの極性で磁化する、直流リレー。
【請求項15】
前記磁石部は、
前記第1磁石および第3磁石が互いに対向して配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向して配置される、請求項14に記載の直流リレー。
【請求項16】
前記第1磁石は、
前記第3磁石の延長方向と並んだ方向に延び、
前記第2磁石は、
前記第4磁石の延長方向と並んだ方向に延び、その延長方向が前記第1磁石の延長方向と互いに交差する、請求項15に記載の直流リレー。
【請求項17】
前記第1磁石は、
前記第2磁石と前記固定接触子の配列方向に沿って延びる仮想の線を挟んで互いに対向して配置され、
前記第3磁石は、
前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向して配置される、請求項14に記載の直流リレー。
【請求項18】
前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なっており、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含む、請求項14に記載の直流リレー。
【請求項19】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と並んで形成される、請求項18に記載の直流リレー。
【請求項20】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と交差する、請求項18に記載の直流リレー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク経路形成部およびこれを含む直流リレーに関し、より具体的には、発生したアークを外部に向かって効果的に誘導できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
直流リレー(Direct current relay)とは、電磁石の原理を用いて機械的な駆動または電流信号を伝達する装置を意味する。直流リレーは、電磁開閉器(Magnetic switch)とも言い、電気的な回路開閉装置に分類されることが一般的である。
【0003】
直流リレーは、固定接点および可動接点を含む。固定接点は、外部の電源および負荷と通電可能に連結される。固定接点と可動接点は、互いに接触したり、離隔していてもよい。
【0004】
固定接点と可動接点の接触および離隔によって、直流リレーを介した通電が許容または遮断される。前記移動は、可動接点に駆動力を印加する駆動部によって達成される。
【0005】
固定接点と可動接点が離隔すると、固定接点と可動接点との間には、アーク(arc)が発生する。アークは、高圧、高温の電流の流れである。したがって、発生したアークは、既定の経路を介して直流リレーから迅速に排出されなければならない。
【0006】
アークの排出経路は、直流リレーに設けられる磁石によって形成される。前記磁石は、固定接点と可動接点が接触する空間の内部に磁場を形成する。形成された磁場および電流の流れによって発生した電磁気力によってアークの排出経路を形成することができる。
【0007】
従来の直流リレーは、一部の固定接点に作用する電磁気力が内側、すなわち可動接点の中央部分に向かって形成される。したがって、当該位置で発生したアークは、直ちに外側に排出されない。
【0008】
直流リレーの中央部分、すなわち、各固定接点間の空間には、可動接点を上下方向に駆動させるための様々な部材が設けられる。一例として、シャフト、シャフトに貫挿されるばね部材等が前記位置に設けられる。
【0009】
したがって、発生したアークが中央部分に向かって移動する場合、また、中央部分に移動したアークが直ちに外部に移動しない場合、前記位置に設けられる様々な部材がアークのエネルギーによって損傷する恐れがある。
【0010】
また、従来の直流リレーの内部で形成される電磁気力は、その方向が固定接点に通電される電流の方向に依存する。すなわち、各固定接点で発生する電磁気力のうち内側に向かう方向に形成される電磁気力の位置が電流の方向によって異なっている。
【0011】
すなわち、ユーザは、直流リレーを使用するたびに電流の方向に考慮しなければならない。これは、直流リレーの使用に不便さを招くことができ。また、ユーザの意図と関係なく、不適切な操作などで直流リレーに印加される電流の方向が変わる状況も排除することができない。
【0012】
この場合、発生したアークによって直流リレーの中央部分に設けられた部材が損傷する恐れがある。これによって、直流リレーの耐久年限が減少することはもちろん、安全事故が発生する恐れがある。
【0013】
韓国登録特許第10-1696952号公報は、直流リレーを開示する。具体的には、複数個の永久磁石を用いて、可動接点の移動を防止できる構造の直流リレーを開示する。
【0014】
ところで、このような類型の直流リレーは、複数個の永久磁石を用いて可動接点の移動を防止することはできるが、アークの排出経路の方向を制御するための方案に対する考察がないという限界がある。
【0015】
韓国登録特許第10-1216824号公報は、直流リレーを開示する。具体的には、減衰磁石を用いて可動接点と固定接点間の任意離隔を防止できる構造の直流リレーを開示する。
【0016】
しかしながら、このような類型の直流リレーは、可動接点と固定接点の接触状態を維持するための方案のみを提示する。すなわち、可動接点と固定接点が離隔する場合に発生するアークの排出経路を形成するための方案を提示していないという限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1696952号公報(2017.01.16.)
【特許文献2】韓国登録特許第10-1216824号公報(2012.12.28.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の一目的は、通電した電流が遮断されることにより発生するアークを迅速に消弧および排出できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、発生したアークを誘導するための力の大きさを強化できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、発生したアークによって通電のための構成要素の損傷を防止することができるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することにある。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、複数個の位置で発生したアークが互いに会わないように進行することができるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、大幅な設計変更なしで前述の目的を達成できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態によるアーク経路形成部は、内部に複数個の固定接触子および可動接触子が収容されるアークチャンバー;前記アークチャンバーの外側に配置され、互いに異なる第1ホルダーおよび第2ホルダーを含む磁石ホルダー部;および前記磁石ホルダー部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着され、前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、前記第1ホルダーおよび第2ホルダーは、それぞれ所定の角度に折り曲げられて延び、互いに離隔し且つ前記複数個の固定接触子の配列方向と並んだ方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向して配置され、前記磁石部は、前記第1ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第1ホルダーの一端または他端から前記第1ホルダーの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;および前記第2ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第2ホルダーの一端または他端から前記第2ホルダーの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石を含み、前記第1磁石および前記第2磁石は、N極とS極のうちいずれか1つの極性で磁化し、前記第3磁石および前記第4磁石は、N極とS極のうち他の1つの極性で磁化する。
【0024】
また、前記磁石部は、前記第1磁石および第3磁石が互いに対向して配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向して配置されてもよい。
【0025】
また、前記第1磁石は、前記第3磁石の延長方向と並んだ方向に延び、前記第2磁石は、前記第4磁石の延長方向と並んだ方向に延びてもよい。
【0026】
また、前記第1磁石および第2磁石は、それぞれの延長方向が互いに交差してもよい。
【0027】
また、前記第1磁石は、前記第2磁石と前記固定接触子の配列方向に沿って延びる仮想の線を挟んで互いに対向して配置され、前記第3磁石は、前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向して配置されてもよい。
【0028】
また、前記磁石部は、前記第1磁石と前記第2磁石間の最短距離が、前記第3磁石と前記第4磁石間の最短距離と同一に形成されてもよい。
【0029】
また、前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なっており、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含んでもよい。
【0030】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と並んで形成されてもよい。
【0031】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と交差してもよい。
【0032】
また、前記補助磁石は、前記第1ホルダーに向かう第1面が第1磁石および第2磁石と同じ極性で磁化し、前記第2ホルダーに向かう第2面が第3磁石および第4磁石と同じ極性で磁化してもよい。
【0033】
また、前記補助磁石は、前記第1ホルダーに向かう第1面が第1磁石および第2磁石と反対の極性で磁化し、前記第2ホルダーに向かう第2面が第3磁石および第4磁石と反対の極性で磁化してもよい。
【0034】
また、前記第1磁石、第2磁石、第3磁石および第4磁石は、その幅方向および幅方向の長さがそれぞれ互いに対応してもよい。
【0035】
また、前記第1ホルダーは、前記第2ホルダーと対応する形状に形成され、前記複数個の固定接触子の中心点を基準として前記第2ホルダーと互いに対称になってもよい。
【0036】
また、本発明は、複数個設けられ、一方向に互いに離隔して位置する固定接触子;前記固定接触子に接触したり離隔する可動接触子;内部に前記固定接触子および前記可動接触子が収容される空間が形成されるアークチャンバー;前記アークチャンバーを囲むフレーム;前記アークチャンバーの外側および前記フレームの内側の間に配置され、互いに異なる第1ホルダーおよび第2ホルダーを含む磁石ホルダー部;および前記磁石ホルダー部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着され、前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、前記第1ホルダーおよび第2ホルダーは、それぞれ所定の角度に折り曲げられて延び、互いに離隔し且つ前記固定接触子の配列方向と並んだ方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向して配置され、前記磁石部は、前記第1ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第1ホルダーの一端または他端から前記第1ホルダーの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;および前記第2ホルダーの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接して配置され、前記第2ホルダーの一端または他端から前記第2ホルダーの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石を含み、前記第1磁石および前記第2磁石は、N極とS極のうちいずれか1つの極性で磁化し、前記第3磁石および前記第4磁石は、N極とS極のうち他の1つの極性で磁化する、直流リレーを提供する。
【0037】
また、前記磁石部は、前記第1磁石および第3磁石が互いに対向して配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向して配置されてもよい。
【0038】
また、前記第1磁石は、前記第3磁石の延長方向と並んだ方向に延び、前記第2磁石は、前記第4磁石の延長方向と並んだ方向に延び、その延長方向が前記第1磁石の延長方向と互いに交差してもよい。
【0039】
また、前記第1磁石は、前記第2磁石と前記固定接触子の配列方向に沿って延びる仮想の線を挟んで互いに対向して配置され、前記第3磁石は、前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向して配置されてもよい。
【0040】
また、前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なっており、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含んでもよい。
【0041】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と並んで形成されてもよい。
【0042】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの配列方向と交差してもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明の様々な効果のうち、前述の解決手段によって得ることができる効果は、次のとおりである。
【0044】
まず、アーク経路形成部は、磁石部を含む。磁石部は、それぞれアーク経路形成部の内部に磁場を形成する。形成された磁場は、アーク経路形成部に収容される固定接触子および可動接触子に通電した電流とともに電磁気力を形成する。
【0045】
この際、発生したアークは、各固定接触子から遠ざかる方向に形成される。固定接触子と可動接触子が離隔して発生したアークを前記電磁気力によって誘導することができる。
【0046】
したがって、発生したアークをアーク経路形成部および直流リレーの外部に迅速に消弧および排出することができる。
【0047】
また、磁石部は、複数個の磁石を設けてもよい。複数個の磁石は、各固定接触子付近で形成される電磁気力の強さを強化して形成される。すなわち、互いに異なる磁石によって、同じ固定接触子付近で形成されるアーク経路形成部は、互いに同じ方向に形成される。
【0048】
したがって、各固定接触子付近で形成される磁場の強さおよび磁場の強さに依存する電磁気力の強さを強化することができる。結果的に、発生したアークを誘導する電磁気力の強さを強化し、発生したアークを効果的に消弧および排出することができる。
【0049】
また、磁石部が形成する磁場および固定接触子と可動接触子に通電した電流が形成する電磁気力の方向は、中心部から遠ざかる方向に形成される。
【0050】
さらには、前述のように、磁石部によって磁場および電磁気力の強さが強化されるので、発生したアークが中心部から遠ざかる方向に迅速に消弧および移動することができる。
【0051】
したがって、直流リレーの作動のために中心部付近に設けられる各種構成要素の損傷を防止することができる。
【0052】
また、様々な実施形態において、固定接触子は、複数個設けられてもよい。アーク経路形成部に設けられる磁石部は、各固定接触子付近に互いに異なる方向の磁場を形成する。したがって、各固定接触子付近で発生したアークの経路は、互いに異なる方向に向かって進行される。
【0053】
したがって、各固定接触子付近で発生したアークが互いに会わなくなる。これによって、互いに異なる位置で発生したアークの衝突によって発生しうる誤動作または安全事故等を予防することができる。
【0054】
また、磁石部および磁石ホルダー部は、アークチャンバーを囲むフレームの内側に位置する。すなわち、磁石部および磁石ホルダー部は、フレームの内側およびアークチャンバーの外側の間に位置する。
【0055】
したがって、磁石部および磁石ホルダー部をアークチャンバーの外部に配置するための別途の設計変更が要求されない。
【0056】
したがって、大幅な設計変更なしで本発明の様々な実施形態によるアーク経路形成部を直流リレーに設けることができる。さらには、本発明の様々な実施形態によるアーク経路形成部が適用されるための時間および費用等を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1は、本発明の実施形態による直流リレーを示す正断面図である。
図2図2は、図1の直流リレーを示す平断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態によるアーク経路形成部を示す概念図である。
図4図4は、図3のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
図5図5は、本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部を示す概念図である。
図6図6は、図5のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
図7図7は、図5のアーク経路形成部に設けられる磁石部の他の例を示す概念図である。
図8図8は、図7のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
図9図9は、図7のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
図10図10は、本発明のさらに他の実施形態によるアーク経路形成部を示す概念図である。
図11図11は、図10のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
図12図12は、図10のアーク経路形成部に設けられる磁石部の他の例を示す概念図である。
図13図13は、図12のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
図14図14は、図12のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、本発明の実施形態によるアーク経路形成部100、200、300およびこれを含む直流リレー1を図面を参照してより詳細に説明する。
【0059】
以下の説明では、本発明の特徴を明確にするために、一部の構成要素に関する説明を省略してもよい。
【0060】
本明細書においては、互いに異なる実施形態であっても、同じ構成に対しては同じ参照番号を付与し、これに関する繰り返しの説明を省略する。
【0061】
添付の図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されない。
【0062】
単数の表現は、門脈上明白に異なること意味しない限り、複数の表現を含む。
【0063】
1.本発明の実施形態による直流リレー1の説明
以下では、図1および図2を参照して本発明の実施形態による直流リレー1について説明する。
【0064】
本発明の実施形態による直流リレー1は、フレーム部10、開閉部20、コオブ30および可動接触子部40を含む。また、直流リレー1は、アーク経路形成部100、200、300を含む。
【0065】
アーク経路形成部100、200、300は、発生したアークの排出経路を形成することができる。
【0066】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態による直流リレー1の構成を説明するが、フレーム部10、開閉部20、コア部30、可動接触子部40およびアーク経路形成部100、200、300は、別項で説明する。
【0067】
以下で説明される様々な実施形態によるアーク経路形成部100、200、300は、直流リレー1に設けられることを前提にして説明される。ただし、アーク経路形成部100、200、300は、電磁接触器、電磁開閉器等のように固定接点および可動接点の接触および離隔によって外部と通電および通電解除可能な形態の装置に適用できることが分かる。
【0068】
(1)フレーム部10の説明
フレーム部10は、直流リレー1の外側を形成する。フレーム部10の内部には、所定の空間が形成される。前記空間には、直流リレー1が外部から伝達される電流を印加または遮断するための機能を行う様々な装置を収容することができる。すなわち、フレーム部10は、一種のハウジング41として機能する。
【0069】
一実施形態において、フレーム部10は、合成樹脂等の絶縁性素材で形成され、フレーム部10の内部と外部が任意に通電することを防止することができる。
【0070】
図示の実施形態において、フレーム部10は、上部フレーム11、下部フレーム12、絶縁プレート13および支持プレート14を含む。
【0071】
上部フレーム11は、フレーム部10の上側を形成する。上部フレーム11の内部には、所定の空間が形成される。
【0072】
上部フレーム11の内部空間には、開閉部20および可動接触子部40を収容することができる。また、上部フレーム11の内部空間には、アーク経路形成部100、200、300を収容することができる。
【0073】
上部フレーム11の一側、図示の実施形態において上側には、開閉部20の固定接触子22が位置する。固定接触子22は、上部フレーム11の上側に一部が露出し、外部の電源または負荷と通電可能に連結することができる。このために、上部フレーム11の一側には、固定接触子22が貫通結合する貫通孔を形成することができる。
【0074】
下部フレーム12は、フレーム部10の下側を形成する。下部フレーム12の内部には、所定の空間が形成される。下部フレーム12の内部空間には、コア部30を収容することができる。
【0075】
下部フレーム12は、上部フレーム11と結合することができる。下部フレーム12と上部フレーム11との間の空間には、絶縁プレート13および支持プレート14を設けることができる。
【0076】
絶縁プレート13は、上部フレーム11と下部フレーム12の間に位置する。
【0077】
絶縁プレート13は、上部フレーム11と下部フレーム12を電気的に離隔させる。このために、絶縁プレート13は、合成樹脂等の絶縁性素材で形成されることが好ましい。
【0078】
絶縁プレート13によって、上部フレーム11の内部に収容された開閉部20、可動接触子部40およびアーク経路形成部100、200、300と下部フレーム12の内部に収容されたコア部30間の任意通電を防止することができる。
【0079】
絶縁プレート13の中心部には、貫通孔(不図示)が形成される。前記貫通孔には、可動接触子部40のシャフト44が上下方向に移動可能に貫通結合する。
【0080】
絶縁プレート13の下側には、支持プレート14が位置する。
【0081】
支持プレート14は、絶縁プレート13の下側を支持する。
【0082】
支持プレート14は、上部フレーム11と下部フレーム12との間に位置する。
【0083】
支持プレート14は、上部フレーム11と下部フレーム12を物理的に離隔させる。
【0084】
支持プレート14は、磁性体で形成されてもよい。したがって、支持プレート14は、ヨーク33とともに磁路(magnetic circuit)を形成することができる。前記磁路によって、コア部30の可動コア32が固定コア31に向かって移動するための駆動力を形成することができる。
【0085】
支持プレート14の中心部には、貫通孔(不図示)が形成される。前記貫通孔には、シャフト44が上下方向に移動可能に貫通結合する。
【0086】
したがって、可動コア32が固定コア31に向かう方向または固定コア31から離隔する方向に移動する場合、シャフト44およびシャフト44に連結された可動接触子43も、同じ方向に一緒に移動することができる。
【0087】
(2)開閉部20の説明
開閉部20は、コア部30の動作によって電流の通電を許容したり遮断する。具体的には、開閉部20は、固定接触子22および可動接触子43が接触したり離隔することによって、電流の通電を許容したり遮断することができる。
【0088】
開閉部20は、上部フレーム11の内部空間に収容される。開閉部20は、絶縁プレート13および支持プレート14によりコア部30から電気的および物理的に離隔することができる。
【0089】
図示の実施形態において、開閉部20は、アークチャンバー21、固定接触子22およびシール部材23を含む。
【0090】
アークチャンバー21は、固定接触子22および可動接触子43が離隔して発生するアーク(arc)を内部空間で消弧(extinguish)する。これより、アークチャンバー21は、「アーク消弧部」とも称される。
【0091】
アークチャンバー21は、固定接触子22と可動接触子43を密閉して収容する。すなわち、固定接触子22と可動接触子43は、アークチャンバー21の内部に収容される。したがって、固定接触子22と可動接触子43が離隔して発生するアークは、外部に任意に流出されない。
【0092】
アークチャンバー21の内部には、消弧用ガスを充填することができる。消弧用ガスは、発生したアークが消弧され、既定の経路を介して直流リレー1の外部に排出されるようにすることができる。このために、アークチャンバー21の内部空間を囲む壁体には、連通孔(不図示)を貫通形成することができる。
【0093】
一実施形態において、アークチャンバー21は、絶縁性素材で形成されてもよい。他の実施形態において、アークチャンバー21は、高い耐圧性および高い耐熱性を有する素材で形成されてもよい。これは、発生するアークが高温高圧の電子の流れであることに起因する。例えば、アークチャンバー21は、セラミック素材で形成されてもよい。
【0094】
アークチャンバー21の上側には、複数個の貫通孔を形成することができる。前記貫通孔それぞれには、固定接触子22が貫通結合する。
【0095】
図示の実施形態において、固定接触子22は、第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bを含んで2個で設けられる。これによって、アークチャンバー21の上側に形成される貫通孔も、2個で形成されてもよい。
【0096】
前記貫通孔に固定接触子22が貫通結合すると、前記貫通孔は密閉される。すなわち、固定接触子22は、前記貫通孔に密閉結合する。これによって、発生したアークは、前記貫通孔を介して外部に排出されない。
【0097】
アークチャンバー21の下側は、開放されてもよい。アークチャンバー21の下側には、絶縁プレート13およびシール部材23が接触する。すなわち、アークチャンバー21の下側は、絶縁プレート13およびシール部材23により密閉される。
【0098】
これによって、アークチャンバー21は、上部フレーム11の外側空間から電気的、物理的に離隔していてもよい。
【0099】
アークチャンバー21で消弧されたアークは、既定の経路を介して直流リレー1の外部に排出される。一実施形態において、消弧されたアークを前記連通孔を介してアークチャンバー21の外部に排出することができる。
【0100】
アークチャンバー21の外側には、アーク経路形成部100、200、300を設けることができる。アーク経路形成部100、200、300は、アークチャンバー21の内部で発生したアークの経路A.Pを形成するための磁場を形成することができる。これに関する詳細な説明は後述する。
【0101】
固定接触子22は、可動接触子43と接触したり離隔することによって、直流リレー1の内部と外部の通電を印加したり遮断する。
【0102】
具体的には、固定接触子22が可動接触子43と接触すると、直流リレー1の内部と外部が通電できる。一方で、固定接触子22が可動接触子43から離隔すると、直流リレー1の内部と外部の通電が遮断される。
【0103】
名称から分かるように、固定接触子22は移動しない。すなわち、固定接触子22は、上部フレーム11およびアークチャンバー21に固定結合する。したがって、固定接触子22と可動接触子43の接触および離隔は、可動接触子43の移動によって達成される。
【0104】
固定接触子22の一側の端部、図示の実施形態において上側の端部は、上部フレーム11の外側に露出する。前記一側の端部には、電源または負荷がそれぞれ通電可能に連結される。
【0105】
固定接触子22は、複数個設けられてもよい。図示の実施形態において、固定接触子22は、左側の第1固定接触子22aおよび右側の第2固定接触子22bを含み、全体2個で設けられる。
【0106】
第1固定接触子22aは、可動接触子43の長さ方向の中心から一側、図示の実施形態において左側に偏って位置する。また、第2固定接触子22bは、可動接触子43の長さ方向の中心から他側、図示の実施形態において右側に偏って位置する。
【0107】
第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bのうちいずれか1つには、電源が通電可能に連結されてもよい。また、第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bのうち他の1つには、負荷が通電可能に連結されてもよい。
【0108】
本発明の実施形態による直流リレー1は、固定接触子22に連結される電源または負荷の方向と関係なく、アークの経路A.Pを形成することができる。これは、アーク経路形成部100、200、300によって達成されるが、これに関する詳細な説明は後述する。
【0109】
固定接触子22の他端部、図示の実施形態において下端部は、可動接触子43に向かって延びる。
【0110】
可動接触子43が固定接触子22に向かう方向、図示の実施形態において上側に移動すると、前記下端部は、可動接触子43と接触する。これによって、直流リレー1の外部と内部が通電可能である。
【0111】
固定接触子22の前記下端部は、アークチャンバー21の内部に位置する。
【0112】
制御電源が遮断される場合、可動接触子43は、戻しばね36の弾性力によって固定接触子22から離隔する。
【0113】
この際、固定接触子22と可動接触子43が離隔するにつれて、固定接触子22と可動接触子43の間にはアークが発生する。発生したアークは、アークチャンバー21内部の消弧用ガスに消弧され、アーク経路形成部100、200、300により形成された経路に沿って外部に排出することができる。
【0114】
シール部材23は、アークチャンバー21と上部フレーム11内部の空間の任意連通を遮断する。
【0115】
シール部材23は、絶縁プレート13および支持プレート14とともにアークチャンバー21の下側を密閉する。具体的には、シール部材23の上側は、アークチャンバー21の下側と結合する。また、シール部材23の放射状内側は、絶縁プレート13の外周と結合し、シール部材23の下側は、支持プレート14に結合する。
【0116】
したがって、アークチャンバー21で発生したアークおよび消弧用ガスによって消弧されたアークは、上部フレーム11の内部空間に任意に流出されない。
【0117】
また、シール部材23は、シリンダー37の内部空間とフレーム部10の内部空間の任意連通を遮断するように構成されてもよい。
【0118】
(3)コア部30の説明
コア部30は、制御電源の印加によって可動接触子部40を上側に移動させる。また、制御電源の印加が解除される場合、コア部30は、可動接触子部40を再び下側に移動させる。
【0119】
コア部30は、外部の制御電源(不図示)と通電可能に連結され、制御電源を印加され得る。
【0120】
コア部30は、開閉部20の下側に位置する。また、コア部30は、下部フレーム12の内部に収容される。コア部30と開閉部20は、絶縁プレート13および支持プレート14により電気的および物理的に離隔することができる。
【0121】
コア部30と開閉部20の間には、可動接触子部40が位置する。可動接触子部40は、コア部30が印加する駆動力によって移動することができる。これによって、可動接触子43と固定接触子22が接触し、直流リレー1が通電可能である。
【0122】
図示の実施形態において、コア部30は、固定コア31、可動コア32、ヨーク33、ボビン34、コイル35、戻しばね36およびシリンダー37を含む。
【0123】
固定コア31は、コイル35で発生する磁場によって磁化し、電磁気的斥力を発生させる。前記電磁気的斥力によって、可動コア32が固定コア31から遠ざかる方向に移動する。
【0124】
固定コア31は、移動しない。すなわち、固定コア31は、支持プレート14およびシリンダー37に固定結合する。
【0125】
固定コア31は、磁場によって磁化し、電磁気力を発生させることができる任意の形態で設けられてもよい。一実施形態において、固定コア31は、永久磁石または電磁石等で設けられてもよい。
【0126】
固定コア31は、シリンダー37の下側を部分的に収容する。また、固定コア31の内周は、シリンダー37の外周に接触する。
【0127】
固定コア31の中心部には、貫通孔(不図示)が形成される。前記貫通孔には、シャフト44が上下移動可能に貫通結合する。
【0128】
可動コア32は、制御電源が印加されると、固定コア31が生成する電磁気的斥力によって固定コア31から遠ざかる方向に移動する。
【0129】
可動コア32の移動によって、可動コア32に結合したシャフト44が固定コア31から遠ざかる方向、図示の実施形態において上側に移動する。また、シャフト44が移動するにつれて、シャフト44に結合した可動接触子部40も、上側に移動する。
【0130】
これによって、固定接触子22と可動接触子43が接触し、直流リレー1が外部の電源または負荷と通電可能である。
【0131】
可動コア32は、電磁気力による斥力を受けることができる任意の形態で設けられてもよい。一実施形態において、可動コア32は、磁性体素材で形成されたり、永久磁石または電磁石等で設けられてもよい。
【0132】
可動コア32は、シルリーダーの内部に収容される。また、可動コア32は、シリンダー37の内部でシリンダー37の長さ方向、図示の実施形態において上下方向に移動することができる。
【0133】
具体的には、可動コア32は、固定コア31に向かう方向および固定コア31から遠ざかる方向に移動することができる。
【0134】
可動コア32は、シャフト44と結合する。可動コア32は、シャフト44と一体に移動することができる。可動コア32が上側または下側に移動すると、シャフト44も、上側または下側に移動する。これによって、可動接触子43も、上側または下側に移動する。
【0135】
可動コア32は、固定コア31の上側に位置する。可動コア32は、固定コア31から所定距離で離隔することができる。前記所定距離は、可動コア32が上下方向に移動することができる距離と定義することができる。
【0136】
可動コア32は、長さ方向に延設される。可動コア32の内部には、長さ方向に延びる中空部が所定距離で凹設される。前記中空部には、戻しばね36および戻しばね36に貫通結合したシャフト44の下側が部分的に収容される。
【0137】
前記中空部の下側には、貫通孔が長さ方向に貫通形成される。前記中空部と前記貫通孔は、連通する。前記中空部に挿入されたシャフト44の下端部は、前記貫通孔に向かって進行することができる。
【0138】
可動コア32の下端部には、空間部が所定距離で凹設される。前記空間部は、前記貫通孔と連通する。前記空間部には、シャフト44の下側ヘッド部が位置する。
【0139】
ヨーク33は、制御電源が印加されるにつれて磁路を形成する。ヨーク33が形成する磁路は、コイル35が形成する磁場の方向を調節するように構成されてもよい。
【0140】
これによって、制御電源が印加されると、コイル35は、可動コア32が固定コア31から遠ざかる方向に移動するように磁場を生成することができる。
【0141】
一実施形態において、ヨーク33は、通電可能な導電性素材で形成されてもよい。
【0142】
ヨーク33は、下部フレーム12の内部に収容される。ヨーク33は、コイル35を囲む。コイル35は、ヨーク33の内周面から所定距離で離隔するようにヨーク33の内部に収容されてもよい。ヨーク33の内部には、ボビン34が収容される。すなわち、下部フレーム12の外周から放射状内側に向かう方向にヨーク33、コイル35およびコイル35が巻き取られるボビン34が順に配置される。
【0143】
ヨーク33の上側は、支持プレート14に接触する。また、ヨーク33の外周は、下部フレーム12の内周に接触したり、下部フレーム12の内周から所定距離で離隔するように位置してもよい。
【0144】
ボビン34には、コイル35が巻き取られる。
【0145】
ボビン34は、ヨーク33の内部に収容される。
【0146】
ボビン34は、平板状の上部および下部と、長さ方向に延設し、前記上部と下部を連結する円筒形の柱部と、を含んでもよい。すなわち、ボビン34は、糸巻き(bobbin)形状である。
【0147】
ボビン34の上部は、支持プレート14の下側と接触する。ボビン34の柱部には、コイル35が巻き取られる。コイル35が巻き取られる厚さは、ボビン34の上部および下部の直径と同じか、さらに小さく構成されてもよい。
【0148】
ボビン34の柱部には、長さ方向に延びる中空部が貫通形成される。前記中空部には、シリンダー37を収容することができる。ボビン34の柱部は、固定コア31、可動コア32およびシャフト44のような中心軸を有するように配置されてもよい。
【0149】
コイル35は、印加された制御電源によって磁場を発生させる。コイル35が発生させる磁場によって固定コア31が磁化し、可動コア32に電磁気的斥力が印加され得る。
【0150】
コイル35は、ボビン34に巻き取られる。具体的には、コイル35は、ボビン34の柱部に巻き取られ、前記柱部の放射状外側に積層される。コイル35は、ヨーク33の内部に収容される。
【0151】
制御電源が印加されると、コイル35は、磁場を生成する。この際、ヨーク33によりコイル35が生成する磁場の強さまたは方向等を制御することができる。コイル35が生成した磁場によって固定コア31が磁化してもよい。
【0152】
固定コア31が磁化すると、可動コア32は、固定コア31から遠ざかる方向への電磁気力、すなわち、斥力を受ける。これによって、可動コア32は、固定コア31に向かう方向、図示の実施形態において上側に移動する。
【0153】
戻しばね36は、可動コア32が固定コア31から遠ざかる方向に移動した後、制御電源の印加が解除されると、可動コア32が元の位置に復帰するための復元力を提供する。
【0154】
戻しばね36は、可動コア32が固定コア31に向かって移動するにつれて圧縮され、復元力を記憶する。この際、記憶される復元力は、固定コア31が磁化し、可動コア32に及ぼす電磁気的斥力より小さいことが好ましい。制御電源が印加される間には、可動コア32が戻しばね36により任意に元の位置に復帰することを防止するためである。
【0155】
制御電源の印加が解除されると、可動コア32は、戻しばね36による復元力を受ける。もちろん、可動コア32の自重(empty weight)による重力も、可動コア32に作用することができる。これによって、可動コア32は、固定コア31から遠ざかる方向に移動し、原位置に復帰することができる。
【0156】
戻しばね36は、形状が変形されて復元力を記憶し、本来の形状に戻し、復元力を外部に伝達できる任意の形態で設けられてもよい。一実施形態において、戻しばね36は、コイル35ばねで設けられてもよい。
【0157】
戻しばね36には、シャフト44が貫通結合する。シャフト44は、戻しばね36が結合した状態で戻しばね36の形状変形と関係なく、上下方向に移動することができる。
【0158】
戻しばね36は、可動コア32の上側に凹設された中空部に収容される。
【0159】
シリンダー37は、可動コア32、戻しばね36およびシャフト44を収容する。可動コア32およびシャフト44は、シリンダー37の内部から上側および下側方向に移動することができる。
【0160】
シリンダー37は、ボビン34の柱部に形成された中空部に位置する。シリンダー37の側面は、ボビン34の柱部の内周面に接触する。
【0161】
シリンダー37の上端部は、支持プレート14の下面に接触する。
【0162】
シリンダー37の下面は、固定コア31に接触することができる。
【0163】
(4)可動接触子部40の説明
可動接触子部40は、可動接触子43および可動接触子43を移動させるための構成を含む。可動接触子部40により、直流リレー1は、外部の電源または負荷と通電可能である。
【0164】
可動接触子部40は、上部フレーム11の内部空間に収容される。また、可動接触子部40は、アークチャンバー21の内部に上下移動可能に収容される。
【0165】
可動接触子部40の上側には、固定接触子22が位置する。可動接触子部40は、固定接触子22に向かう方向および固定接触子22から遠ざかる方向に移動可能にアークチャンバー21の内部に収容される。
【0166】
可動接触子部40の下側には、コア部30が位置する。可動接触子部40の前記移動は、可動コア32の移動によって達成することができる。
【0167】
図示の実施形態において、可動接触子部40は、ハウジング41、カバー42、可動接触子43、シャフト44および弾性部45を含む。
【0168】
ハウジング41は、可動接触子43および可動接触子43を弾性支持する弾性部45を収容する。
【0169】
図示の実施形態において、ハウジング41は、一側およびそれに対向する他側が開放される。前記開放された部分には、可動接触子43が貫挿されてもよい。ハウジング41の開放されていない側面は、収容された可動接触子43を取り囲むように構成されてもよい。
【0170】
ハウジング41の上側には、カバー42が設けられる。
【0171】
カバー42は、ハウジング41に収容された可動接触子43の上面を覆う。
【0172】
ハウジング41およびカバー42は、意図しない通電を防止するように絶縁性素材で形成されることが好ましい。一実施形態において、ハウジング41およびカバー42は、合成樹脂等で形成されてもよい。
【0173】
ハウジング41の下側は、シャフト44と連結される。シャフト44と連結された可動コア32が上側または下側に移動すると、ハウジング41およびこれに収容された可動接触子43も、上側または下側に移動することができる。
【0174】
ハウジング41とカバー42は、任意の部材によって結合することができる。一実施形態において、ハウジング41とカバー42は、ボルト、ナット等の締結部材(不図示)により結合することができる。
【0175】
可動接触子43は、制御電源の印加によって固定接触子22と接触し、直流リレー1を外部の電源および負荷と通電する。また、可動接触子43は、制御電源の印加が解除される場合、固定接触子22から離隔し、直流リレー1を外部の電源および負荷と通電しない。
【0176】
可動接触子43は、固定接触子22に隣接して位置する。
【0177】
可動接触子43の上側は、カバー42により部分的に覆われる。一実施形態において、可動接触子43の上面の一部は、カバー42の下面と接触することができる。
【0178】
可動接触子43の下側は、弾性部45により弾性支持される。可動接触子43が下側に任意に移動しないように、弾性部45は、所定距離で圧縮された状態で可動接触子43を弾性支持することができる。
【0179】
可動接触子43は、長さ方向、図示の実施形態において左右方向に延設する。すなわち、可動接触子43の長さは、幅より長く形成される。したがって、ハウジング41に収容された可動接触子43の長さ方向の両端部は、ハウジング41の外側に露出する。
【0180】
前記両端部から上側に所定距離で突出形成された接触突出部が形成されてもよい。前記接触突出部には、固定接触子22が接触する。
【0181】
前記接触突出部は、各固定接触子22に対応する位置に形成されてもよい。これによって、可動接触子43の移動距離が減少し、固定接触子22と可動接触子43の接触信頼性が向上することができる。
【0182】
可動接触子43の幅は、ハウジング41の各側面が互いに離隔する距離と同一であってもよい。すなわち、可動接触子43がハウジング41に収容されると、可動接触子43の幅方向の両側面は、ハウジング41の各側面の内面に接触していてもよい。これによって、可動接触子43がハウジング41に収容された状態を安定的に維持することができる。
【0183】
シャフト44は、コア部30が作動するにつれて発生する駆動力を可動接触子部40に伝達する。具体的には、シャフト44は、可動コア32および可動接触子43と連結される。可動コア32が上側または下側に移動する場合、シャフト44により可動接触子43も、上側または下側に移動することができる。
【0184】
シャフト44は、長さ方向、図示の実施形態において上下方向に延設される。
【0185】
シャフト44の下端部は、可動コア32に挿入結合する。可動コア32が上下方向に移動すると、シャフト44は、可動コア32とともに上下方向に移動することができる。
【0186】
シャフト44の胴体部には、戻しばね36が貫通結合する。
【0187】
シャフト44の上端部は、ハウジング41に結合する。可動コア32が移動すると、シャフト44およびハウジング41が共に移動することができる。
【0188】
シャフト44の上端部および下端部は、シャフト44の胴体部に比べて大きい直径を有するように形成されてもよい。これによって、シャフト44がハウジング41および可動コア32と安定的に結合状態を維持することができる。
【0189】
弾性部45は、可動接触子43を弾性支持する。可動接触子43が固定接触子22と接触する場合、電磁気的反発力によって可動接触子43は、固定接触子22から離隔しようとする傾向を有する。この際、弾性部45は、可動接触子43を弾性支持して、可動接触子43が固定接触子22から任意に離隔することを防止する。
【0190】
弾性部45は、形状の変形によって復元力を記憶し、記憶した復元力を他の部材に提供できる任意の形態で設けられてもよい。一実施形態において、弾性部45は、コイル35ばねで設けられてもよい。
【0191】
可動接触子43に向かう弾性部45の一端部は、可動接触子43の下側に接触する。また、前記一端部に対向する他端部は、ハウジング41の上側に接触する。
【0192】
弾性部45は、所定距離で圧縮されて復元力を記憶した状態で可動接触子43を弾性支持することができる。これによって、可動接触子43と固定接触子22の間で電磁気的反発力が発生しても、可動接触子43が任意に移動しない。
【0193】
弾性部45の安定した結合のために、可動接触子43の下側には、弾性部45に挿入される突出部(不図示)が突出形成されてもよい。同様に、ハウジング41の上側にも、弾性部45に挿入される突出部(不図示)が突出形成されてもよい。
【0194】
2.本発明の一実施形態によるアーク経路形成部100の説明
以下では、図3および図4を参照して本発明の一実施形態によるアーク経路形成部100について説明する。
【0195】
アーク経路形成部100は、アークチャンバー21の内部に磁場を形成する。直流リレー1に通電する電流と形成された磁場によって、アークチャンバー21の内部には、電磁気力が形成される。
【0196】
固定接触子22と可動接触子43が離隔するにつれて発生したアークは、形成された電磁気力によってアークチャンバー21の外部に移動する。具体的には、発生したアークは、形成された電磁気力の方向に沿って移動する。これによって、アーク経路形成部100は、発生したアークが流動される経路であるアークの経路A.Pを形成しているといえる。
【0197】
アーク経路形成部100は、上部フレーム11の内部に形成された空間に位置する。アーク経路形成部100は、アークチャンバー21を囲むように配置される。すなわち、アークチャンバー21は、アーク経路形成部100の内部に位置する。
【0198】
アーク経路形成部100の内部には、固定接触子22および可動接触子43が位置する。固定接触子22と可動接触子43が離隔して発生したアークをアーク経路形成部100により形成された電磁気力によって誘導することができる。
【0199】
本実施形態によるアーク経路形成部100は、磁石ホルダー部110および磁石部120を含む。
【0200】
磁石ホルダー部110は、アーク経路形成部100の骨格を形成し、後述する磁石部120をアークチャンバー21の外側に固定させる。
【0201】
磁石ホルダー部110は、アークチャンバー21の外側と上部フレーム11の内側に配置される。
【0202】
磁石ホルダー部110の放射状内側には、固定接触子22および可動接触子43が位置する。固定接触子22および可動接触子43の中央部分は、中心部Cと定義することができる。図示の実施形態において、磁石ホルダー部110は、その中心が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと対応するように配置される。
【0203】
中心部Cは、第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bの間に位置する。また、中心部Cの垂直下方には、可動接触子部40の中心部分が位置する。すなわち、中心部Cの垂直下方には、ハウジング41、カバー42、可動接触子43、シャフト44および弾性部45等の中心部分が位置する。
【0204】
したがって、発生したアークが中心部Cに向かって移動する場合、前記構成の損傷が発生することがある。これを防止するために、本実施形態によるアーク経路形成部100は、磁石部120を含む。これに関する詳細な説明は、磁石部120に対する説明と共に後述する。
【0205】
一実施形態において、磁石ホルダー部110は、電気伝導性素材で形成されてもよい。前記実施形態において、磁石ホルダー部110は、隣接する複数個の磁石と同じ極性で磁化してもよい。
【0206】
磁石ホルダー部110は、複数個のホルダーを設けてもよい。それぞれのホルダーは、複数個の磁石と結合してもよい。一実施形態において、1つのホルダーに付着した複数個の磁石は、いずれも、同じ極性で磁化する。
【0207】
図示の実施形態において、磁石ホルダー部110は、第1ホルダー111および第2ホルダー112等のよう全2個のホルダーを含む。
【0208】
第1ホルダー111および第2ホルダー112は、互いに離隔して配置される。すなわち、第1ホルダー111と第2ホルダー112の間には、空いた空間が形成される。前記空間は、アークチャンバー21で発生したアークが排出される通路として機能することができる。
【0209】
また、第1ホルダー111および第2ホルダー112は、複数個の固定接触子22の配列方向と並んだ方向に配列される。
【0210】
第1ホルダー111および第2ホルダー112は、それぞれ所定の角度に折り曲げられて延びる。また、第1ホルダー111および第2ホルダー112の折り曲げ部は、その角が面取り(taper)されていてもよい。一実施形態において、前記所定の角度は、直角であってもよい。
【0211】
第1ホルダー111および第2ホルダー112は、上部フレーム11の内周面に接触または固定結合してもよい。これによって、第1ホルダー111および第2ホルダー112は、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成されることが好ましい。
【0212】
第1ホルダー111および第2ホルダー112は、各折り曲げ部の凹状部分が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを挟んで対向して配置される。
【0213】
また、第1ホルダー111および第2ホルダー112は、互いに対応する形状に形成される。図示の実施形態において、第1ホルダー111および第2ホルダー112は、複数個の固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを基準として互いに対称となる構造で形成される。
【0214】
第1ホルダー111は、第1外側面111aおよび第1内側面111bを含む。
【0215】
第1外側面111aは、固定接触子22および可動接触子43と反対になる第1ホルダー111の一面に位置する。また、第1外側面111aは、上部フレーム11の内周面と互いに隣接して配置される。一実施形態において、第1外側面111aは、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成される。
【0216】
第1内側面111bは、第1ホルダー111の第1外側面111aと反対側の他面に位置する。また、第1内側面111bは、第1磁石121および第2磁石122を挟んでアークチャンバー21の外周面と互いに対向して配置される。一実施形態において、第1内側面111bは、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成される。
【0217】
第1内側面111bは、後述する磁石部120の第1磁石121および第2磁石122と結合する。
【0218】
第2ホルダー112は、第2外側面112aおよび第2内側面112bを含む。
【0219】
第2外側面112aは、固定接触子22および可動接触子43と反対になる第2ホルダー112の一面に位置する。また、第2外側面112aは、上部フレーム11の内周面と互いに隣接して配置される。一実施形態において、第2外側面112aは、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成される。
【0220】
第2内側面112bは、第2ホルダー112の第2外側面112aと反対側の他面に位置する。また、第2内側面112bは、第3磁石123および第4磁石124を挟んでアークチャンバー21の外周面と互いに対向して配置される。一実施形態において、第2内側面112bは、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成される。
【0221】
第2内側面112bは、後述する磁石部120の第3磁石123および第4磁石124と結合する。
【0222】
磁石部120は、固定接触子22および可動接触子43が収容されるアークチャンバー21の内部に磁場を形成する。また、磁石部120の放射状内側には、固定接触子22および可動接触子43が位置する。図示の実施形態において、磁石部120は、その中心が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと対応するように配置される。
【0223】
磁石部120は、それ自体で、また、相互間に磁場を形成することができる。磁石部120が形成する磁場は、固定接触子22および可動接触子43に通電する電流とともに電磁気力を形成する。形成された電磁気力は、固定接触子22と可動接触子43が離隔する場合に発生するアークを誘導する。
【0224】
この際、アーク経路形成部100は、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cから遠ざかる方向の電磁気力を形成する。これによって、アークの経路A.Pも、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cから遠ざかる方向に形成される。
【0225】
結果的に、直流リレー1に設けられる各構成要素が発生したアークによって損傷しない。さらには、発生したアークをアークチャンバー21の外部に迅速に排出することができる。
【0226】
磁石部120は、磁石ホルダー部110の内側面111b、112bと結合する。一実施形態において、磁石部120と磁石ホルダー部110の内側面111b、112bの結合のために、締結部材(不図示)を設けることができる。
【0227】
磁石部120は、複数個の磁石を設けてもよい。
【0228】
本実施形態において、磁石部120は、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124等のように全4個の磁石を含む。
【0229】
第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、それぞれ磁化し、アークチャンバー21の内部に磁場を形成できる任意の形態で設けられてもよい。また、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、いずれも、幅方向の極性を有するように形成される。
【0230】
第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、互いに離隔して配置される。すなわち、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の間には、空いた空間が形成される。また、第1磁石121と第4磁石124の間の空間または第2磁石122と第3磁石123の間の空間は、アークチャンバー21で発生したアークが排出される通路として機能することができる。
【0231】
第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、アークチャンバー21の外周面に接触または固定結合してもよい。これによって、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成されることが好ましい。
【0232】
一実施形態において、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、互いに対応する形状に形成されてもよい。具体的には、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は、その幅方向および幅方向の長さがそれぞれ互いに対応する形状に形成されてもよい。
【0233】
第1磁石121は、第1ホルダー111の第1内側面111bと結合する。また、第1磁石121は、第1ホルダー111の一端から第1内側面111bに沿って延びる。一実施形態において、第1磁石121は、第1ホルダー111の第1内側面111bに対応する形状に形成される。
【0234】
第1磁石121は、第1対向面121aおよび第1反対面121bを含む。
【0235】
第1対向面121aは、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第1磁石121の一面に位置する。また、第1対向面121aは、アークチャンバー21の外周面と互いに隣接して配置される。一実施形態において、第1対向面121aは、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成される。
【0236】
第1反対面121bは、第1磁石121の第1対向面121aと反対側の他面に位置する。また、第1反対面121bは、第1ホルダー111を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向して配置される。一実施形態において、第1反対面121bは、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成される。
【0237】
第2磁石122は、第1ホルダー111の第1内側面111bと結合する。また、第2磁石122は、第1磁石121と反対側の第1ホルダー111の他端から第1内側面111bに沿って延びる。一実施形態において、第2磁石122は、第1ホルダー111の第1内側面111bに対応する形状に形成される。
【0238】
第2磁石122は、その延長方向が第1磁石121の延長方向と互いに交差する。これは、第1磁石121および第2磁石122と結合した第1ホルダー111が所定の角度に折り曲げられて延びることから起因する。
【0239】
第2磁石122は、複数個の固定接触子22の配列方向に沿って延びる仮想の線を挟んで第1磁石121と互いに対向して配置される。
【0240】
第2磁石122は、第2対向面122aおよび第2反対面122bを含む。
【0241】
第2対向面122aは、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第2磁石122の一面に位置する。また、第2対向面122aは、アークチャンバー21の外周面と互いに隣接して配置される。一実施形態において、第2対向面122aは、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成される。
【0242】
第2反対面122bは、第2磁石122の第2対向面122aと反対側の他面に位置する。また、第2反対面122bは、第1ホルダー111を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向して配置される。一実施形態において、第2反対面122bは、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成される。
【0243】
第3磁石123は、第2ホルダー112の第2内側面112bと結合する。また、第3磁石123は、第2ホルダー112の一端から第2内側面112bに沿って延びる。一実施形態において、第3磁石123は、第2ホルダー112の第2内側面112bに対応する形状に形成される。図示の実施形態において、第3磁石123は、第1磁石121の延長方向と並んだ方向に延びる。
【0244】
第3磁石123は、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを挟んで第1磁石121と互いに対向して配置される。すなわち、第1磁石121、中心部Cおよび第3磁石123は、所定の方向に沿って並んで配列される。
【0245】
第3磁石123は、第3対向面123aおよび第3反対面123bを含む。
【0246】
第3対向面123aは、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第3磁石123の一面に位置する。また、第3対向面123aは、アークチャンバー21の外周面と互いに隣接して配置される。一実施形態において、第3対向面123aは、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成される。
【0247】
第3反対面123bは、第3磁石123の第3対向面123aと反対側の他面に位置する。また、第3反対面123bは、第2ホルダー112を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向して配置される。一実施形態において、第3反対面123bは、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成される。
【0248】
第4磁石124は、第2ホルダー112の第2内側面112bと結合する。また、第4磁石124は、第3磁石123と反対側の第2ホルダー112の他端から第2内側面112bに沿って延びる。一実施形態において、第4磁石124は、第2ホルダー112の第2内側面112bに対応する形状に形成される。図示の実施形態において、第4磁石124は、第2磁石122の延長方向と並んだ方向に延びる。
【0249】
第4磁石124は、その延長方向が第3磁石123の延長方向と互いに交差する。これは、第3磁石123および第4磁石124と結合した第2ホルダー112が所定の角度に折り曲げられて延びることから起因する。
【0250】
第4磁石124は、複数個の固定接触子22の配列方向に沿って延びる仮想の線を挟んで第3磁石123と互いに対向して配置される。
【0251】
第4磁石124は、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを挟んで第2磁石122と互いに対向して配置される。すなわち、第2磁石122、中心部Cおよび第4磁石124は、所定の方向に沿って並んで配列される。前記所定の方向は、第1磁石121、中心部Cおよび第3磁石123の配列方向と互いに交差する。
【0252】
一実施形態において、第3磁石123と第4磁石124間の最短距離は、第1磁石121と第2磁石122間の最短距離と同一に形成される。
【0253】
第4磁石124は、第4対向面124aおよび第4反対面124bを含む。
【0254】
第4対向面124aは、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第4磁石124の一面に位置する。また、第4対向面124aは、アークチャンバー21の外周面と互いに隣接して配置される。一実施形態において、第4対向面124aは、アークチャンバー21の外周面に対応する形状に形成される。
【0255】
第4反対面124bは、第4磁石124の第4対向面124aと反対側の他面に位置する。また、第4反対面124bは、第2ホルダー112を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向して配置される。一実施形態において、第4反対面124bは、上部フレーム11の内周面に対応する形状に形成される。
【0256】
第1磁石121および第2磁石122の各対向面121a、122aは、N極とS極のうちいずれか1つの極性で磁化し、第3磁石123および第4磁石124の各対向面123a、124aは、N極とS極のうち他の1つの極性で磁化する。
【0257】
また、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各反対面121b、122b、123b、124bは、各対向面121a、122a、123a、124aと互いに反対の極性で磁化する。
【0258】
一実施形態において、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各対向面121a、122a、123a、124aから固定接触子22および可動接触子43の中心部Cまでの最短距離は、いずれも、同一に形成されてもよい。
【0259】
図3および図4を参照すると、第1磁石121および第2磁石122の各対向面121a、122aは、全部N極で磁化し、第3磁石123および第4磁石124の各対向面123a、124aは、全部S極で磁化する。
【0260】
これによって、第1磁石121と第2磁石122の間および第3磁石123と第4磁石124の間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石121と第3磁石123および第4磁石124の間には、第1磁石121から第3磁石123および第4磁石124に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石122と第3磁石123および第4磁石124の間には、第2磁石122から第3磁石123および第4磁石124に向かう方向の磁場が形成される。
【0261】
また、第1ホルダー111および第2ホルダー112も、磁石部120によって共に磁化し、付随的な磁場を形成する。
【0262】
図4に示された実施形態において、電流の方向は、第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向または第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0263】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則(Fleming’s rule)を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、下方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも、下方の左側に向かうように形成される。
【0264】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、上方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、上方の右側に向かうように形成される。
【0265】
したがって、本実施形態によるアーク経路形成部100は、磁石部120の極性または直流リレーに通電する電流の方向と関係なく、電磁気力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0266】
これによって、中心部Cに隣接して配置される直流リレー1の各構成要素の損傷を防止することができる。さらには、発生したアークを迅速に外部に排出することができ、直流リレー1の作動信頼性が向上することができる。
【0267】
3.本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部200の説明
以下では、図5図9を参照して本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部200について説明する。
【0268】
本実施形態によるアーク経路形成部200は、磁石ホルダー部210、磁石部220および補助磁石230を含む。
【0269】
本実施形態による磁石ホルダー部210および磁石部220は、前述の実施形態による磁石ホルダー部110および磁石部120とその構造および機能が同一である。ただし、本実施形態によるアーク経路形成部200は、補助磁石230を設ける点から、前述の実施形態によるアーク経路形成部100と異なっている。
【0270】
これによって、磁石ホルダー部210および磁石部220に関する説明は、前述の実施形態による磁石ホルダー部110および磁石部120に関する説明に置き換え、補助磁石230を中心に説明する。
【0271】
補助磁石230は、固定接触子22および可動接触子43が収容されるアークチャンバー21の内部に磁場を形成する。
【0272】
補助磁石230は、磁石ホルダー部210の放射状内側に位置する。すなわち、補助磁石230は、第1ホルダー211および第2ホルダー212の間に位置する。
【0273】
補助磁石230は、固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと可動接触子43の運動方向に重なっている。図示の実施形態において、補助磁石230は、その中心が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと対応するように配置される。
【0274】
補助磁石230は、それ自体で、また、磁石部220との関係から磁場を形成することができる。補助磁石230で形成する磁場は、固定接触子22および可動接触子43に通電する電流とともに電磁気力を形成する。形成された電磁気力は、固定接触子22と可動接触子43が離隔する場合に発生するアークを誘導する。
【0275】
補助磁石230は、第1ホルダー211および第2ホルダー212の配列方向と並んだ方向に延びる。
【0276】
一実施形態において、第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224の各対向面221a、222a、223a、224aから補助磁石230の中心までの最短距離は、全部同一に形成されてもよい。
【0277】
図示の実施形態において、補助磁石230は、幅方向の極性を有するように形成される。
【0278】
補助磁石230は、第1面231および第2面232を含む。
【0279】
第1面231は、第1磁石221および第4磁石224に向かう補助磁石230の一面に位置する。また、第2面232は、補助磁石230の第1面231と反対側の他面に位置する。第1面231および第2面232は、1つの補助磁石230の互いに異なる面に形成されるところ、互いに反対の極性で磁化することが分かる。
【0280】
図5および図6を参照すると、第1磁石221および第2磁石222の各対向面221a、222aは、全部N極で磁化し、第3磁石223および第4磁石224の各対向面223a、224aは、全部S極で磁化する。
【0281】
これによって、第1磁石221と第2磁石222の間および第3磁石223および第4磁石224の間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石221と第3磁石223および第4磁石224の間には、第1磁石221から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石222と第3磁石223および第4磁石224の間には、第2磁石222から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。
【0282】
また、補助磁石230の第1面231は、N極で磁化し、第2面232は、S極で磁化する。これによって、補助磁石230の第1面231と第1磁石221の第1対向面221aの間および補助磁石230の第2面232と第3磁石223の第3対向面223aの間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0283】
反対に、補助磁石230の第1面231と第2磁石222の第2対向面222aの間には、第2対向面222aに向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石230の第2面232と第4磁石224の第4対向面224aの間には、第2面232に向かう方向の磁場が形成される。
【0284】
また、第1ホルダー211および第2ホルダー212も、磁石部220によって共に磁化し、付随的な磁場を形成する。
【0285】
図6に示された実施形態において、電流の方向は、第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向または第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0286】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、下方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも、下方の左側に向かうように形成される。
【0287】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、上方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、上方の右側に向かうように形成される。
【0288】
図7図9を参照すると、第1磁石221および第2磁石222の各対向面221a、222aは、全部N極で磁化し、第3磁石223および第4磁石224の各対向面223a、224aは、全部S極で磁化する。
【0289】
これによって、第1磁石221と第2磁石222の間および第3磁石223および第4磁石224の間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石221と第3磁石223および第4磁石224の間には、第1磁石221から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石222と第3磁石223および第4磁石224の間には、第2磁石222から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。
【0290】
また、補助磁石230の第1面231は、S極で磁化し、第2面232は、N極で磁化する。これによって、補助磁石230の第1面231と第4磁石224の第4対向面224aの間および補助磁石230の第2面232と第2磁石222の第2対向面222aの間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0291】
反対に、補助磁石230の第1面231と第1磁石221の第1対向面221aの間には、第1面231に向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石230の第2面232と第3磁石223の第3対向面223aの間には、第3対向面223aに向かう方向の磁場が形成される。
【0292】
また、第1ホルダー211および第2ホルダー212も、磁石部220によって共に磁化し、付随的な磁場を形成する。
【0293】
図8に示された実施形態において、電流の方向は、第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0294】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、下方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも、下方の左側に向かうように形成される。
【0295】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、上方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、上方の右側に向かうように形成される。
【0296】
図9に示された実施形態において、電流の方向は、第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0297】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、上方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは、上方の左側に向かうように形成される。
【0298】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、下方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、下方の右側に向かうように形成される。
【0299】
したがって、本実施形態によるアーク経路形成部200は、磁石部220の極性または直流リレーに通電する電流の方向と関係なく、電磁気力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0300】
これによって、中心部Cに隣接して配置される直流リレー1の各構成要素の損傷を防止することができる。さらには、発生したアークを迅速に外部に排出することができ、直流リレー1の作動信頼性が向上することができる。
【0301】
4.本発明のさらに他の実施形態によるアーク経路形成部300の説明
以下では、図10図14を参照して本発明のさらに他の実施形態によるアーク経路形成部300について説明する。
【0302】
本実施形態によるアーク経路形成部300は、磁石ホルダー部310、磁石部320および補助磁石330を含む。
【0303】
本実施形態による磁石ホルダー部310および磁石部320は、前述の実施形態による磁石ホルダー部210および磁石部220とその構造および機能が同一である。ただし、本実施形態による補助磁石330は、その延長方向が第1ホルダー311および第2ホルダー312の配列方向と互いに交差する点から、前述の実施形態による補助磁石230と異なっている。
【0304】
これによって、磁石ホルダー部310および磁石部320に関する説明は、前述の実施形態による磁石ホルダー部210および磁石部220に関する説明に置き換え、補助磁石330は、前述の実施形態による補助磁石230との差異点を中心に説明する。
【0305】
本実施形態による補助磁石330は、磁石ホルダー部310の放射状内側に位置する。すなわち、補助磁石330は、第1ホルダー311および第2ホルダー312の間に位置する。この際、補助磁石330は、第1ホルダー311および第2ホルダー312の配列方向と交差する方向に延びる。
【0306】
図示の実施形態において、補助磁石330は、幅方向の極性を有するように形成される。
【0307】
補助磁石330は、第1面331および第2面332を含む。
【0308】
第1面331は、第1磁石321および第2磁石322に向かう補助磁石330の一面に位置する。また、第2面332は、補助磁石330の第1面331と反対側の他面に位置する。第1面331第2面332は、1つの補助磁石330の互いに異なる面に形成されるところ、互いに反対の極性で磁化することが分かる。
【0309】
図10および図11を参照すると、第1磁石321および第2磁石322の各対向面321a、322aは、全部N極で磁化し、第3磁石323および第4磁石324の各対向面323a、324aは、全部S極で磁化する。
【0310】
これによって、第1磁石321と第2磁石322の間および第3磁石323および第4磁石324の間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石321と第3磁石323および第4磁石324の間には、第1磁石321から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石322と第3磁石323および第4磁石324の間には、第2磁石322から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。
【0311】
また、補助磁石330の第1面331は、N極で磁化し、第2面332は、S極で磁化する。これによって、補助磁石330の第1面331と第1磁石321の第1対向面321aおよび第2磁石322の第2対向面322aの間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。また、補助磁石330の第2面332と第3磁石323の第3対向面323aおよび第4磁石324の第4対向面324aの間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0312】
また、第1ホルダー311および第2ホルダー312も、磁石部320によって共に磁化し、付随的な磁場を形成する。
【0313】
図11に示された実施形態において、電流の方向は、第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向または第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0314】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、下方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも、下方の左側に向かうように形成される。
【0315】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、上方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、上方の右側に向かうように形成される。
【0316】
図12図14を参照すると、第1磁石321および第2磁石322の各対向面321a、322aは、全部N極で磁化し、第3磁石323および第4磁石324の各対向面323a、324aは、全部S極で磁化する。
【0317】
これによって、第1磁石321と第2磁石322の間および第3磁石323および第4磁石324の間には、互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石321と第3磁石323および第4磁石324の間には、第1磁石321から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石322と第3磁石323および第4磁石324の間には、第2磁石322から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。
【0318】
また、補助磁石330の第1面331は、S極で磁化し、第2面332は、N極で磁化する。これによって、補助磁石330の第1面331と第1磁石321の第1対向面321aおよび第2磁石322の第2対向面322aの間には、第1面331に向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石330の第2面332と第3磁石323の第3対向面323aおよび第4磁石324の第4対向面324aの間には、第3対向面323aおよび第4対向面324aに向かう方向の磁場が形成される。
【0319】
また、第1ホルダー311および第2ホルダー312も、磁石部320によって共に磁化し、付随的な磁場を形成する。
【0320】
図13に示された実施形態において、電流の方向は、第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0321】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、上方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも、上方の左側に向かうように形成される。
【0322】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、下方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、下方の右側に向かうように形成される。
【0323】
図14に示された実施形態において、電流の方向は、第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0324】
第1固定接触子22aにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁気力は、下方の左側に向かうように形成される。これによって、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは、下方の左側に向かうように形成される。
【0325】
同様に、第2固定接触子22bにおいて電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手の法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁気力は、上方の右側に向かうように形成される。これによって、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも、上方の右側に向かうように形成される。
【0326】
したがって、本実施形態によるアーク経路形成部300は、磁石部320の極性または直流リレーに通電する電流の方向と関係なく、電磁気力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0327】
これによって、中心部Cに隣接して配置される直流リレー1の各構成要素の損傷を防止することができる。さらには、発生したアークを迅速に外部に排出することができ、直流リレー1の作動信頼性が向上することができる。
【0328】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明は、前記説明された実施形態の構成に限定されるものではない。
【0329】
また、本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が、請求範囲に記載された本発明の思想および領域を逸脱しない範囲内で様々な修正および変更を行うことができる。
【0330】
さらには、前記実施形態は、様々な変形が行われ得るように各実施形態の全部または一部を選択的に組合わせて構成することができる。
【符号の説明】
【0331】
1 直流リレー
10 フレーム部
11 上部フレーム
12 下部フレーム
13 絶縁プレート
14 支持プレート
20 開閉部
21 アークチャンバー
22 固定接触子
22a 第1固定接触子
22b 第2固定接触子
30 コア部
31 固定コア
32 可動コア
33 ヨーク
34 ボビン
35 コイル
36 戻しばね
37 シリンダー
40 可動接触子部
41 ハウジング
42 カバー
43 可動接触子
44 シャフト
45 弾性部
100 アーク経路形成部の一実施形態
110 磁石ホルダー部
111 第1ホルダー
111a 第1外側面
111b 第1内側面
112 第2ホルダー
112a 第2外側面
112b 第2内側面
120 磁石部
121 第1磁石
121a 第1対向面
121b 第1反対面
122 第2磁石
122a 第2対向面
122b 第2反対面
123 第3磁石
123a 第3対向面
123b 第3反対面
124 第4磁石
124a 第4対向面
124b 第4反対面
200 アーク経路形成部の他の実施形態
210 磁石ホルダー部
211 第1ホルダー
211a 第1外側面
211b 第1内側面
212 第2ホルダー
212a 第2外側面
212b 第2内側面
220 磁石部
221 第1磁石
221a 第1対向面
221b 第1反対面
222 第2磁石
222a 第2対向面
222b 第2反対面
223 第3磁石
223a 第3対向面
223b 第3反対面
224 第4磁石
224a 第4対向面
224b 第4反対面
230 補助磁石
231 第1面
232 第2面
300 アーク経路形成部のさらに他の実施形態
310 磁石ホルダー部
311 第1ホルダー
311a 第1外側面
311b 第1内側面
312 第2ホルダー
312a 第2外側面
312b 第2内側面
320 磁石部
321 第1磁石
321a 第1対向面
321b 第1反対面
322 第2磁石
322a 第2対向面
322b 第2反対面
323 第3磁石
323a 第3対向面
323b 第3反対面
324 第4磁石
324a 第4対向面
324b 第4反対面
330 補助磁石
331 第1面
332 第2面
A.P アークの経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】