(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】メタルアーチファクト低減による改善されたモーションアーチファクト補償
(51)【国際特許分類】
A61B 6/12 20060101AFI20240711BHJP
A61B 6/51 20240101ALI20240711BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B6/12
A61B6/51 500
A61B6/03 550F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505064
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022067560
(87)【国際公開番号】W WO2023006314
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】モール、スザンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヒュルスブッシュ、マルクス
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA13
4C093DA05
4C093FD07
4C093FD09
4C093FE12
(57)【要約】
本発明は、歯科分野におけるDVT撮像の幾何学的較正のための方法に関し、本方法は、以下のステップ、すなわち、(S1)初期投影ジオメトリを用いてサイノグラムから第1のボリューム(1)を再構成するステップと、(S2)サイノグラム中のメタル領域を検出するステップと、(S3)サイノグラム中のメタル領域を補正するステップと、(S4)初期投影ジオメトリまたは変更された投影ジオメトリを用いて、ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムから第2のボリューム(2)を再構成するステップと、(S5)投影ジオメトリを変更することによって幾何学的に較正し、再構成された第2のボリューム(2)のシミュレーションされたサイノグラムと前記サイノグラムまたは補正されたサイノグラムとの間の類似性指標によって評価するステップとを備え、ここにおいて、シミュレーションされたサイノグラムは、変更された投影ジオメトリを使用して再構成された第2のボリューム(2)から計算され、ここにおいて、以下のデータ、すなわち、(a)ステップ(S1)からのサイノグラムと、(b)ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムと、(c)シミュレーションされたサイノグラムと、(d)前記サイノグラム(a)~(c)のうちの少なくとも1つから導出される類似性指標を計算するための中間結果との少なくとも部分的領域は、類似性指標の計算中にデータの残りの領域とは異なるように評価され、前記部分的領域は、ステップ(S2)からのメタル領域を含む、ことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科分野におけるDVT撮像の幾何学的較正のための方法であって、
(S1)初期投影ジオメトリを用いてサイノグラムから第1のボリューム(1)を再構成するステップと、
(S2)前記サイノグラム中のメタル領域を検出するステップと、
(S3)前記サイノグラム中の前記メタル領域を補正するステップと、
(S4)前記初期投影ジオメトリまたは変更された投影ジオメトリを用いて、ステップ(S3)からの前記補正されたサイノグラムから第2のボリューム(2)を再構成するステップと、
(S5)前記投影ジオメトリを変更することによって幾何学的に較正し、前記再構成された第2のボリューム(2)のシミュレーションされたサイノグラムと前記サイノグラムまたは前記補正されたサイノグラムとの間の類似性指標によって評価するステップと
を備え、
ここにおいて、前記シミュレーションされたサイノグラムは、前記変更された投影ジオメトリを使用して前記再構成された第2のボリューム(2)から計算され、ここにおいて、以下のデータ、すなわち、
(a)ステップ(S1)からのサイノグラムと、
(b)ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムと、
(c)シミュレーションされたサイノグラムと、
(d)前記サイノグラム(a)~(c)のうちの少なくとも1つから導出される前記類似性指標を計算するための中間結果との少なくとも部分的領域は、前記類似性指標の前記計算中に前記データの残りの領域とは異なるように評価され、前記部分的領域は、ステップ(S2)からのメタル領域を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップ(S5)の後に、ステップ(S4)から(S5)を繰り返すステップ(S6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(S5)の後に、ステップ(S2)から(S5)またはステップ(S2)から(S6)を繰り返すステップ(S7)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(S5)の後に、前記推定された投影ジオメトリを考慮に入れ、メタルアーチファクト補正を適用することによって、第3のボリューム(3)を再構成するステップ(S8)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(S2)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記検出は、
(a)前記第1のボリューム(1)中の前記メタル領域の検出と、
(b)前記検出されたメタル領域の前記サイノグラムへの投影と
からなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(S2)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記検出は、
(a’)前記第1のボリューム(1)のシミュレーションされたサイノグラムを生成することと、
(b’)ステップ(S2)(a)の前記シミュレーションされたサイノグラム中の前記メタル領域を検出し、前記検出されたメタル領域を前記サイノグラムに転送することと
からなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(S4)の後に、(a)前記サイノグラム中の前記検出されたメタル領域を使用して、前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を決定するステップを備えることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(S4)の後に、(b)前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を補正するステップを備え、前記ステップ(b)は、(b1)前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を、前記再構成された第1のボリューム(1)からの値または前記メタル領域を示す人工的な値で充填するステップと、(b2)重み付けしながら、ステップ(S4)(b1)からの値を前記第2のボリューム(2)からの値と混合するステップとのうちの1つまたは複数からなることを特徴とする、請求項5または7に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(S3)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記補正は、(a)前記補正されたサイノグラム中の前記メタル領域を新しい画素値で充填するステップと、前記ステップは、隣接する画素から計算されるか、または人工的な画素値に対応するかのいずれかである、(b)ステップ(S3)(a)からの前記新しい画素値を前記サイノグラムの前記画素値と重み付けしながら混合するステップとのうちの1つまたは複数からなることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(S5)における前記類似性指標の前記計算中の前記データの少なくとも部分的領域の前記異なる評価は、好ましくは0から1の値の範囲内にある画素ごとの重み付けを備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(S5)における前記類似性指標の前記計算中の前記データの少なくとも部分的領域の前記異なる評価は、ローカルフィルタリングを備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ支援DVTシステム(1)によって実行されたとき、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法の前記方法ステップを前記コンピュータ支援DVTシステム(1)に実行させる、コンピュータ可読コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項13】
X線デバイス(2)と、請求項12に記載の前記コンピュータプログラムを実行するように構成された計算ユニット(8)とを備える、コンピュータ化されたDVTシステム。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法によって提供される視覚化のためのデータセットの使用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)のための方法に関する。詳細には、本発明は、DVT撮像におけるモーションアーチファクトの低減に関する。
【背景技術】
【0002】
DVT撮像では、撮像構成要素であるX線源およびX線検出器は、互いに対向し、患者の周りを回転する。サイノグラムを形成するX線投影画像のシーケンスが生成される。投影ジオメトリを知ることにより、サイノグラムからボリュームが再構成される。投影ジオメトリは、DVTデバイスの幾何学的特性および照射中のその軌跡について説明する。それは、射影行列によって表され得る。
【0003】
DVT撮像では、メタルなどのX線不透過構造体は、再構成されたボリューム内に画像アーチファクトをもたらす。画像アーチファクトは、X線検出器の感度が、X線減衰を物理的に十分正確に撮像するのに十分でないときに生じる。これは、特に、ノイズが優勢であるメタルなどの高吸収性構造体の背後で問題を引き起こす。これは、メタル領域の周りのフリンジアーチファクトと、メタル領域における不正確な吸収値と、ボリュームにおける不正確に撮像されたメタル輪郭とによってしばしば表される、再構成手順における一貫性のない値をもたらす。
【0004】
DVT取得中に患者が動いた場合、または装置較正が古くなった場合、再構成手順において誤った投影ジオメトリが適用される。これは、一貫性のないデータを考慮に入れることによって、再構成されたボリュームにおいてモーションアーチファクトをもたらす。モーションアーチファクト補償(MAC:motion artifact compensation)手順、または画像の幾何学的較正は、所与の患者画像から投影ジオメトリを推定することができる。メタルアーチファクトは、MACが、再構成されたボリュームのシミュレーションされたサイノグラムと、測定されたサイノグラムとの間の類似性指標に基づいて投影ジオメトリの推定を実行するので、MACの収束および/または精度を妨げる。シミュレーションされたサイノグラムは、アーチファクトの影響を受けたボリュームを投影することによって生成される。メタルアーチファクトは、強いデータ不一致をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、メタルアーチファクト低減(MAR:metal artifact reduction)を通して改善されたモーションアーチファクト補償(MAC)を提供することができる、歯科分野におけるデジタルボリュームトモグラフィ(DVT)撮像の幾何学的較正のための方法を提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。従属クレームの主題は、さらなる発展および好ましい実施形態に関する。
【0007】
本発明による方法は、歯科分野におけるDVT撮像の幾何学的較正に使用される。本方法は、以下のステップ、すなわち(S1)初期投影ジオメトリを用いてサイノグラムから第1のボリュームを再構成するステップと、(S2)サイノグラム中のメタル領域を検出するステップと、(S3)サイノグラム中のメタル領域を補正するステップと、(S4)初期投影ジオメトリまたは変更された投影ジオメトリを用いて、ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムから第2のボリュームを再構成するステップと、(S5)投影ジオメトリを変更することによって幾何学的に較正し、前記再構成された第2のボリュームのシミュレーションされたサイノグラムと前記サイノグラムまたは補正されたサイノグラムとの間の類似性指標によって評価するステップとを備え、ここにおいて、シミュレーションされたサイノグラムは、変更された投影ジオメトリを使用して再構成された第2のボリュームから計算され、ここにおいて、以下のデータ、すなわち、(a)ステップ(S1)からのサイノグラムと、(b)ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムと、(c)シミュレーションされたサイノグラムと、(d)前記サイノグラム(a)~(c)のうちの少なくとも1つから導出される類似性指標を計算するための中間結果との少なくとも部分的領域は、類似性指標の計算中にデータの残りの領域とは異なるように評価され、前記部分的領域は、ステップ(S2)からのメタル領域を含む。
【0008】
本発明の重要な特徴は、MACにおいて使用されるボリュームを再構成するためのメタルアーチファクト補正の使用と、類似性指標の計算中のメタル領域の特別な処理、好ましくは、そのメタル領域のフィルタリング/重み付けによるMACの改善とである。本発明の別の重要で有益な効果は、MACの改善された精度およびより高速な収束である。
【0009】
以下の説明では、例示的な実施形態を参照し、図面を参照しながら、本発明がより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による、歯科領域におけるDVT撮像の幾何学的較正のための方法の概要を示す図。
【
図6】本発明による方法が実行され得る、コンピュータ支援DVTシステムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に示される参照番号は、例示的な実施形態の以下の説明において言及される、以下に列挙される要素を示す。
1.DVTシステム
2.X線デバイス
3.X線源
4.X線検出器
5.制御ユニット
6.頭部固定具
7.バイト
8.コンピュータ
9.ディスプレイ
定義
I1,I2:投影画像
【0012】
【0013】
:画像Iの平均値
N:投影画像における画素数
I(u,v):位置(u,v)における投影画像Iの画素値
s(I
1,I
2):投影画像の類似性指標
MSE(I
1,I
2):平均二乗誤差
MAD(I
1,I
2):平均絶対値差
NCC1(I
1,I
2):正規化された相互相関
NCC2(I
1,I
2):画素ベースの正規化された相互相関
GC1(I
1,I
2):勾配相関1
GC2(I
1,I
2):勾配相関2
GI1(I
1,I
2):勾配情報
GI2(I
1,I
2):線形スケーリングを用いた勾配情報
GO(I
1,I
2):勾配方向
LoG:ガウシアンとラプラシアンとの組合せ
MI(A,B):相互情報
本発明による方法は、歯科分野におけるDVT撮像の幾何学的較正に使用される。
図2に示されるように、本方法は、以下のステップ、すなわち(S1)初期投影ジオメトリを用いてサイノグラムから第1のボリューム(1)を再構成するステップと、(S2)サイノグラム中のメタル領域を検出するステップと、(S3)サイノグラム中のメタル領域を補正するステップと、(S4)初期投影ジオメトリまたは変更された投影ジオメトリを用いて、ステップ(3)からの補正されたサイノグラムから第2のボリューム(2)を再構成するステップと、(S5)投影ジオメトリを変更することによって幾何学的に較正し、再構成された第2のボリューム(2)のシミュレーションされたサイノグラムと前記サイノグラムまたは補正されたサイノグラムとの間の類似性指標によって評価するステップとを備え、シミュレーションされたサイノグラムは、変更された投影ジオメトリを使用して再構成された第2のボリューム(2)から計算され、ここにおいて、以下のデータ、すなわち、(a)ステップ(S1)からのサイノグラムと、(b)ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムと、(c)シミュレーションされたサイノグラムと、(d)前記サイノグラム(a)~(c)のうちの少なくとも1つから導出される類似性指標を計算するための中間結果との少なくとも部分的領域は、類似性指標の計算中にデータの残りの領域とは異なるように評価され、前記部分的領域は、ステップ(S2)からのメタル領域を含む。
【0014】
メタルまたは人工的なX線不透過構造体は、サイノグラムにおいて明確な輪郭を形成する。シミュレーションされたサイノグラムにおいて、これらの輪郭は、通常、再構成手順における不正確な投影ジオメトリと、メタル領域における欠落した物理情報と、再構成されたボリュームにおけるメタルアーチファクトとに起因して不明瞭であるかまたは歪んでいる。ステップ(S2)~(S4)においてメタルアーチファクト低減(MAR)を使用することによって、再構成されたボリュームにおけるメタルアーチファクトは低減され得るが、通常は完全にまたは物理的に正しく復元されない。これらの一貫性のないメタル領域は、幾何学的較正またはモーションアーチファクト補正(MAC)の収束を妨げる。類似性指標の計算中にメタル領域を異なるように評価することによって、幾何学的較正の収束は、改善され得、多くの場合、加速され得、その精度が高められる。ステップ(S5)における部分的領域は、メタル領域のエッジにおけるアーチファクトも検出され得るように、好ましくは、ステップ(S2)からの検出されたメタル領域よりも大きい。ステップ(S3)におけるサイノグラム中のメタル領域の補正はまた、ステップ(S2)におけるメタル領域の検出の不正確性を補償するために、より大きい領域に対して実行され得る。
【0015】
図3は、本方法が、ステップ(S5)の後に、ステップ(S4)~(S5)を繰り返すステップ(S6)を備える好ましい実施形態を示す。これは、MACの反復的な改善のためである。反復は、終了基準または収束基準に達したときに終了する。可能な終了基準は、a)投影ジオメトリの変化がしきい値よりも小さいかどうか、b)最終ボリュームの変化がしきい値よりも小さいかどうか、c)反復ステップの数がしきい値よりも大きいかどうか、d)計算時間がしきい値よりも大きいかどうかである。
【0016】
別の好ましい実施形態では、ステップ(S5)の後に、本方法は、ステップ(S2)~(S5)またはステップ(S2)~(S6)を繰り返すステップ(S7)を備える。これは、MACの中間結果を使用することによってMARを反復的に改善するのに役立つ。これはまた、MACの反復的な改善を意味する。反復は、第2の終了基準または収束基準に達したときに終了する。可能な第2の終了基準は、a)投影ジオメトリの変化がしきい値よりも小さいかどうか、b)最終ボリュームの変化がしきい値よりも小さいかどうか、c)反復ステップの数がしきい値よりも大きいかどうか、d)計算時間がしきい値よりも大きいかどうか、e)ボリュームまたはサイノグラム中のメタルの量がしきい値よりも大きいかどうかである。
図4は、前の好ましい実施形態と組み合わされたこの実施形態を示す。
【0017】
さらなる好ましい実施形態において、本方法は、ステップ(5)の後に、推定された投影ジオメトリを考慮に入れながら第3のボリューム(3)を再構成し、メタルアーチファクト補正を適用するステップ(S8)を備える。第3のボリュームは、MARおよびMAC補正方法の結果を考慮に入れる。
図5は、他の好ましい実施形態と組み合わされたこの実施形態を示す。
【0018】
別の好ましい実施形態では、ステップ(S2)におけるサイノグラム中のメタル領域の検出は、(a)第1のボリューム(1)中のメタル領域を検出することと、(b)検出されたメタル領域をサイノグラム中に投影することとを備える。ボリューム中のメタル領域の検出は、通常、サイノグラム中のメタル領域の直接検出よりもロバストであるか、または実装することが容易であるという利点を有する。投影ジオメトリまたは推定された投影ジオメトリを適用することによって、検出されるメタル領域は、サイノグラムに変換され得る。ボリューム中で検出されるメタル領域は、メタル領域の不正確な投影ジオメトリおよび/または不正確な検出を補償するために拡大され得る。
【0019】
別の好ましい実施形態では、ステップ(2)におけるサイノグラム中のメタル領域の検出は、(a’)第1のボリューム(1)のシミュレーションされたサイノグラムを生成することと、(b’)ステップ(S2)(a)からのシミュレーションされたサイノグラム中のメタル領域を検出し、検出されたメタル領域をサイノグラムに転送することとを備える。シミュレーションされたサイノグラム中のメタル領域の検出は、シミュレーションされたサイノグラムを生成するとき、重ね合わされた構造体の簡略化された表現が可能であるので、サイノグラム中のメタル領域の検出よりも容易である。シミュレーションされたサイノグラム中で検出されたメタル領域は、サイノグラムに関して推定された投影ジオメトリがシミュレーションされたサイノグラムの生成において使用されるので、サイノグラムに転送され得る。
【0020】
さらなる好ましい実施形態では、本方法は、ステップ(S4)の後に、(a)サイノグラム中の検出されたメタル領域を使用して、第2のボリューム(2)中のメタル領域を決定するステップを備える。第2のボリューム中のメタル領域の決定は、投影ジオメトリまたは推定された投影ジオメトリを使用してサイノグラム中の検出されたメタル領域を逆投影または再構成することによって実行される。このステップは、シミュレーションされたサイノグラム中のメタル領域の検出が実行された場合に必要とされる。
【0021】
さらに好ましい実施形態では、本方法は、ステップ(S4)の後に、(b)第2のボリューム(2)中のメタル領域を補正するステップを備え、このステップ(b)は、(b1)第2のボリューム(2)中のメタル領域を、再構成された第1のボリューム(1)からの値またはメタル領域を示す人工的な値で充填するステップと、(b2)重み付けしながら、ステップ(S4)(b1)からの値を第2のボリューム(2)からの値と混合するステップとのうちの1つまたは複数を備える。これは、ステップ(S5)におけるシミュレーションされたサイノグラム中のメタル領域が、サイノグラムとの比較と類似性指標の計算とにより適しているという利点を有する。
図5は、他の好ましい実施形態と組み合わされたこの実施形態を示す。
【0022】
さらなる好ましい実施形態では、ステップ(S3)におけるサイノグラム中のメタル領域の補正は、(a)補正されたサイノグラム中のメタル領域を新しい画素値で充填するステップと、このステップは、隣接する画素から計算されるか、または人工的な画素値に対応するかのいずれかである、(b)ステップ(S3)(a)からの新しい画素値をサイノグラムの画素値と重み付けしながら混合するステップとのうちの1つまたは複数を備える。サイノグラム中のメタル領域は、強い吸収に起因して物理的に正確に測定され得ない。それらをもっともらしい画素値で置き換えることによって、再構成中のメタルアーチファクトの発生が回避され得る。新しいもっともらしい画素値は、人工的な値であることができ、またはサイノグラム中の隣接する画素から計算され得る。新しい画素値を元の画素値と重み付けしながら混合することは、不確実な物理情報の一部を保存する。
【0023】
さらなる好ましい実施形態では、ステップ(S5)における類似性指標の計算中の前記データのうちの少なくとも1つにおける部分的領域の異なる評価は、好ましくは0から1の値範囲内にある画素ごとの重み付けを備える。これは、メタル領域とそれらの周囲とが類似性指標の計算に、より弱く含まれ、したがって、MACの収束を妨げないか、またはそれをあまり妨げないという利点を有する。
【0024】
さらなる好ましい実施形態では、ステップ(S5)における類似性指標の計算中の前記データの少なくとも1つにおける部分的領域の異なる評価は、局所フィルタリングを備える。これは、メタル領域とそれらの周囲とが類似性指標の計算に、より弱く含まれ、したがって、MACの収束を妨げないか、またはそれをあまり妨げないという利点を有する。
【0025】
さらなる好ましい実施形態では、患者頭部に対するDVT撮像の投影ジオメトリまたは推定された投影ジオメトリは、幾何学的パラメータによって記述される。投影ジオメトリは、好ましくは、内的パラメータおよび外的パラメータによって記述され、ここにおいて、内的パラメータは、X線源とX線検出器との間の相対位置と、それらの解像度とを備え、外的パラメータは、投影画像およびボリュームの選択されたサブ領域ごとの回転および並進からなる変換を備える。
【0026】
さらなる好ましい実施形態では、画像データに加えて、たとえば、デバイス較正からのデータの形態の初期投影ジオメトリが、入力データとしてジオメトリ較正手順に提供され得る(ステップS5)。
【0027】
本発明による方法は、コンピュータ実装可能な方法であり、コンピュータ化されたDVTシステム(1)上で実行され得る。
図6は、DVTシステム(1)の一実施形態の例を示す。この点に関して、本発明は、コンピュータ可読コードを有するコンピュータプログラムも含む。コンピュータプログラムは、データ記憶デバイス上に設けられ得る。コンピュータ化されたDVTシステム(1)は、患者の撮像を実行するためのX線デバイス(2)を備え、それによりサイノグラムが生成される。X線デバイス(2)は、X線源(3)とX線検出器(4)とを有し、これらは、照射中に患者の頭部の周りを回転する。照射中のX線源(3)およびX線検出器(4)の軌道は、円形経路を描き得る。代替的に、軌道は、それから外れた形状を仮定してもよい。いくつかのアクチュエータが同時に制御される場合、純粋な円形経路から外れる患者の頭部の周りのデバイス軌道が達成され得る。患者の頭部は、バイト(7)および頭部固定具(6)を用いてX線デバイス内に配置される。コンピュータ化されたDVTシステム(1)は、制御ユニット(5)、好ましくは、X線デバイス(2)に接続可能なコンピュータ(8)または計算ユニットと、好ましくは、とりわけデータセットを視覚化するためのディスプレイ(9)とを備える。コンピュータ(8)は、ローカルエリアネットワーク(図示せず)を介してまたは代替的にインターネットを介してX線デバイス(2)に接続され得る。コンピュータ(8)は、クラウドの一部であってよい。代替的に、コンピュータ(8)は、X線装置(2)に統合されてよい。計算は、代替的に、クラウドにおいて行なわれてよい。コンピュータ(8)は、コンピュータプログラムを実行し、ディスプレイ(9)上の視覚化を含むデータセットを提供する。ディスプレイ(9)は、X線デバイス(2)から空間的に分離され得る。好ましくは、コンピュータ(8)はまた、X線デバイス(2)を制御し得る。代替的に、制御および再構成のために、別個のコンピュータが使用されてよい。
【0028】
本発明によれば、上記の実施形態によって生成されたデータセットは、視覚化のために、特に診断目的で、好ましくはディスプレイ(9)またはプリントアウトによって医師に提示され得る。
類似性指標
以下では、類似性指標s(I1,I2)について詳細に説明される。類似性指標は、2つの投影画像I1、I2間の類似性を記述するスカラ量である。類似性指標の代わりに、負の差指標も使用され得る。類似性指標は、2つのクラス、すなわち、画素ベースの類似性指標と、ヒストグラムベースの類似性指標とに分割され得る。
画素ベースの類似性指標の例:
a)平均二乗誤差
【0029】
【0030】
b)平均絶対値差
【0031】
【0032】
c)正規化された相互相関
【0033】
【0034】
d)画素ベースの正規化された相互相関
【0035】
【0036】
e)勾配相関1
【0037】
【0038】
f)勾配相関2
【0039】
【0040】
g)勾配情報
【0041】
【0042】
【0043】
および
【0044】
【0045】
h)線形スケーリングを用いた勾配情報
【0046】
【0047】
【0048】
および
【0049】
【0050】
であり、αはスケーリング係数である。
【0051】
ここで、g(u,v)およびθ(u,v)は、サイノグラムa)~c)のうちの少なくとも1つから導出された類似性指標を計算するための中間結果の例である。ここにおいて、a)はステップ(S1)からのサイノグラムを示し、b)はステップ(S3)からの補正されたサイノグラムを示し、c)はシミュレーションされたサイノグラムを示す。
【0052】
i)勾配方向
【0053】
【0054】
ここで、
【0055】
【0056】
であり、C1、t1、t2はスカラ定数である。
【0057】
j)ガウシアンとラプラシアンとの組合せ
【0058】
【0059】
ここで、
【0060】
【0061】
であり、ガウスカーネルの幅σを有する。
ヒストグラムベースの類似性指標の例:
k)相互情報
【0062】
【0063】
ここで、p(a)は入力画像l1における値aの発生の確率であり、p(b)は入力画像l2における値bの発生の確率であり、p(a,b)は、入力画像l1およびl2における値a、bの発生の条件付き確率である。
【0064】
たとえば、類似性指標の計算中のステップ(S5)における部分的領域の異なる評価は、次のように実装され得る。
【0065】
a’)MSE(wI1,wI2)
ここで、wは画素ごとの重み付けであり、部分的領域ではw≦1であり、残りの領域ではw=1である。
【0066】
a’’)
【0067】
【0068】
ここで、w1およびw2は画素ごとの重みであり、各画素についてw1+w2=1であり、f11、f12、f21、およびf22はローカルフィルタリングである。
【0069】
g’)
【0070】
【0071】
ここで、wは画素ごとの重み付けであり、部分的領域ではw≦1であり、残りの領域では=1である。
【0072】
k’)相互情報計算において、p(a)は(wI1)から計算され、p(b)は(wI2)から計算され、ここで、wは画素ごとの重み[0,1]である。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科分野におけるDVT撮像の幾何学的較正のための方法であって、
(S1)初期投影ジオメトリを用いてサイノグラムから第1のボリューム(1)を再構成するステップと、
(S2)前記サイノグラム中のメタル領域を検出するステップと、
(S3)前記サイノグラム中の前記メタル領域を補正するステップと、
(S4)前記初期投影ジオメトリまたは変更された投影ジオメトリを用いて、ステップ(S3)からの前記補正されたサイノグラムから第2のボリューム(2)を再構成するステップと、
(S5)前記投影ジオメトリを変更することによって幾何学的に較正し、前記再構成された第2のボリューム(2)のシミュレーションされたサイノグラムと前記サイノグラムまたは前記補正されたサイノグラムとの間の類似性指標によって評価するステップと
を備え、
ここにおいて、前記シミュレーションされたサイノグラムは、前記変更された投影ジオメトリを使用して前記再構成された第2のボリューム(2)から計算され、ここにおいて、以下のデータ、すなわち、
(a)ステップ(S1)からのサイノグラムと、
(b)ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムと、
(c)シミュレーションされたサイノグラムと、
(d)前記サイノグラム(a)~(c)のうちの少なくとも1つから導出される前記類似性指標を計算するための中間結果との少なくとも部分的領域は、前記類似性指標の前記計算中に前記データの残りの領域とは異なるように評価され、前記部分的領域は、ステップ(S2)からのメタル領域を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップ(S5)の後に、ステップ(S4)から(S5)を繰り返すステップ(S6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(S5)の後に、ステップ(S2)から(S5)またはステップ(S2)から(S6)を繰り返すステップ(S7)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(S5)の後に、前記推定された投影ジオメトリを考慮に入れ、メタルアーチファクト補正を適用することによって、第3のボリューム(3)を再構成するステップ(S8)を備えることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(S2)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記検出は、
(a)前記第1のボリューム(1)中の前記メタル領域の検出と、
(b)前記検出されたメタル領域の前記サイノグラムへの投影と
からなることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(S2)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記検出は、
(a’)前記第1のボリューム(1)のシミュレーションされたサイノグラムを生成することと、
(b’)ステップ(S2)(a)の前記シミュレーションされたサイノグラム中の前記メタル領域を検出し、前記検出されたメタル領域を前記サイノグラムに転送することとからなることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(S4)の後に、(a)前記サイノグラム中の前記検出されたメタル領域を使用して、前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を決定するステップを備えることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(S4)の後に、(b)前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を補正するステップを備え、前記ステップ(b)は、(b1)前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を、前記再構成された第1のボリューム(1)からの値または前記メタル領域を示す人工的な値で充填するステップと、(b2)重み付けしながら、ステップ(S4)(b1)からの値を前記第2のボリューム(2)からの値と混合するステップとのうちの1つまたは複数からなることを特徴とする、請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(S3)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記補正は、(a)前記補正されたサイノグラム中の前記メタル領域を新しい画素値で充填するステップと、前記ステップは、隣接する画素から計算されるか、または人工的な画素値に対応するかのいずれかである、(b)ステップ(S3)(a)からの前記新しい画素値を前記サイノグラムの前記画素値と重み付けしながら混合するステップとのうちの1つまたは複数からなることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(S5)における前記類似性指標の前記計算中の前記データの少なくとも部分的領域の前記異なる評価は、好ましくは0から1の値の範囲内にある画素ごとの重み付けを備えることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(S5)における前記類似性指標の前記計算中の前記データの少なくとも部分的領域の前記異なる評価は、ローカルフィルタリングを備えることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ支援DVTシステム(1)によって実行されたとき、請求項1
または2に記載の方法の前記方法ステップを前記コンピュータ支援DVTシステム(1)に実行させる、コンピュータ可読コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項13】
X線デバイス(2)と、請求項12に記載の前記コンピュータプログラムを実行するように構成された計算ユニット(8)とを備える、コンピュータ化されたDVTシステム。
【請求項14】
請求項1
または2に記載の方法によって提供される視覚化のためのデータセットの使用法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
k’)相互情報計算において、p(a)は(wI1)から計算され、p(b)は(wI2)から計算され、ここで、wは画素ごとの重み[0,1]である。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
歯科分野におけるDVT撮像の幾何学的較正のための方法であって、
(S1)初期投影ジオメトリを用いてサイノグラムから第1のボリューム(1)を再構成するステップと、
(S2)前記サイノグラム中のメタル領域を検出するステップと、
(S3)前記サイノグラム中の前記メタル領域を補正するステップと、
(S4)前記初期投影ジオメトリまたは変更された投影ジオメトリを用いて、ステップ(S3)からの前記補正されたサイノグラムから第2のボリューム(2)を再構成するステップと、
(S5)前記投影ジオメトリを変更することによって幾何学的に較正し、前記再構成された第2のボリューム(2)のシミュレーションされたサイノグラムと前記サイノグラムまたは前記補正されたサイノグラムとの間の類似性指標によって評価するステップと
を備え、
ここにおいて、前記シミュレーションされたサイノグラムは、前記変更された投影ジオメトリを使用して前記再構成された第2のボリューム(2)から計算され、ここにおいて、以下のデータ、すなわち、
(a)ステップ(S1)からのサイノグラムと、
(b)ステップ(S3)からの補正されたサイノグラムと、
(c)シミュレーションされたサイノグラムと、
(d)前記サイノグラム(a)~(c)のうちの少なくとも1つから導出される前記類似性指標を計算するための中間結果との少なくとも部分的領域は、前記類似性指標の前記計算中に前記データの残りの領域とは異なるように評価され、前記部分的領域は、ステップ(S2)からのメタル領域を含む、ことを特徴とする方法。
[C2]
ステップ(S5)の後に、ステップ(S4)から(S5)を繰り返すステップ(S6)を備えることを特徴とする、C1に記載の方法。
[C3]
ステップ(S5)の後に、ステップ(S2)から(S5)またはステップ(S2)から(S6)を繰り返すステップ(S7)を備えることを特徴とする、C1または2に記載の方法。
[C4]
ステップ(S5)の後に、前記推定された投影ジオメトリを考慮に入れ、メタルアーチファクト補正を適用することによって、第3のボリューム(3)を再構成するステップ(S8)を備えることを特徴とする、C1から3のいずれか一項に記載の方法。
[C5]
ステップ(S2)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記検出は、
(a)前記第1のボリューム(1)中の前記メタル領域の検出と、
(b)前記検出されたメタル領域の前記サイノグラムへの投影と
からなることを特徴とする、C1から4のいずれか一項に記載の方法。
[C6]
ステップ(S2)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記検出は、
(a’)前記第1のボリューム(1)のシミュレーションされたサイノグラムを生成することと、
(b’)ステップ(S2)(a)の前記シミュレーションされたサイノグラム中の前記メタル領域を検出し、前記検出されたメタル領域を前記サイノグラムに転送することとからなることを特徴とする、C1から4のいずれか一項に記載の方法。
[C7]
ステップ(S4)の後に、(a)前記サイノグラム中の前記検出されたメタル領域を使用して、前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を決定するステップを備えることを特徴とする、C6に記載の方法。
[C8]
ステップ(S4)の後に、(b)前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を補正するステップを備え、前記ステップ(b)は、(b1)前記第2のボリューム(2)中の前記メタル領域を、前記再構成された第1のボリューム(1)からの値または前記メタル領域を示す人工的な値で充填するステップと、(b2)重み付けしながら、ステップ(S4)(b1)からの値を前記第2のボリューム(2)からの値と混合するステップとのうちの1つまたは複数からなることを特徴とする、C5または7に記載の方法。
[C9]
ステップ(S3)における前記サイノグラム中の前記メタル領域の前記補正は、(a)前記補正されたサイノグラム中の前記メタル領域を新しい画素値で充填するステップと、前記ステップは、隣接する画素から計算されるか、または人工的な画素値に対応するかのいずれかである、(b)ステップ(S3)(a)からの前記新しい画素値を前記サイノグラムの前記画素値と重み付けしながら混合するステップとのうちの1つまたは複数からなることを特徴とする、C1から8のいずれか一項に記載の方法。
[C10]
ステップ(S5)における前記類似性指標の前記計算中の前記データの少なくとも部分的領域の前記異なる評価は、好ましくは0から1の値の範囲内にある画素ごとの重み付けを備えることを特徴とする、C1から9のいずれか一項に記載の方法。
[C11]
ステップ(S5)における前記類似性指標の前記計算中の前記データの少なくとも部分的領域の前記異なる評価は、ローカルフィルタリングを備えることを特徴とする、C1から10のいずれか一項に記載の方法。
[C12]
コンピュータ支援DVTシステム(1)によって実行されたとき、C1から11のいずれか一項に記載の方法の前記方法ステップを前記コンピュータ支援DVTシステム(1)に実行させる、コンピュータ可読コードを備えるコンピュータプログラム。
[C13]
X線デバイス(2)と、C12に記載の前記コンピュータプログラムを実行するように構成された計算ユニット(8)とを備える、コンピュータ化されたDVTシステム。
[C14]
C1から11のいずれか一項に記載の方法によって提供される視覚化のためのデータセットの使用法。
【国際調査報告】