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特表2024-527069流体開口部を含むソーカー領域を識別するための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】流体開口部を含むソーカー領域を識別するための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61M25/00 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505078
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 IB2022056837
(87)【国際公開番号】W WO2023007347
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/226,384
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】キリオン・ジョン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】チチョッキ・ジュニア・フランク・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】チェン・カオユアン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267BB02
4C267BB63
4C267FF01
(57)【要約】
カテーテルを作製する方法は、中空チューブを取得することを含み、中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、細長い導管と、細長い内腔と流体連通している中空チューブの遠位部分に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する。方法は、細長い内腔内にマンドレルを挿入することと、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部において、中空チューブの外面上に第1の可視マーカーを位置付けることと、第1の可視マーカーを完全に覆うように第1の可視マーカー上に犠牲材料を配置することと、を含む。犠牲材料を収縮させ、これにより次に、第1の可視マーカーを中空チューブの外面に押し付け、かつ第1の可視マーカーを少なくとも部分的に溶融させて、第1の可視マーカーを中空チューブの外面に融着させるために熱が加えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルを作製する方法であって、前記カテーテルは、前記カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための可視マーカーを有し、前記方法は、
中空チューブを取得することであって、前記中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分から前記遠位部分まで前記中空チューブを通って延在する細長い導管と、前記細長い内腔と流体連通している前記中空チューブの前記遠位部分の壁に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する、取得することと、
前記中空チューブの前記細長い内腔内にマンドレルを挿入することと、
前記中空チューブの前記近位部分と前記遠位部分との接合部において、前記中空チューブの外面上に第1の可視マーカーを位置付けることと、
前記第1の可視マーカー上に犠牲材料を配置し、これにより、前記第1の可視マーカーが前記犠牲材料によって完全に覆われるようにすることと、
前記犠牲材料を収縮させて、前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に押し付け、かつ前記第1の可視マーカーを少なくとも部分的に溶融させて、前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に融着させるために、前記犠牲材料、前記第1の可視マーカー、及び前記中空チューブに熱を加えることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に融着させた後、前記犠牲材料を除去して、前記第1の可視マーカーを完全に露出させることと、
前記中空チューブの前記細長い内腔から前記マンドレルを除去することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の可視マーカーが、第1の長さを有する可視マーカーカラーを含み、
前記犠牲材料が、前記第1の長さよりも大きい第2の長さを有する犠牲チューブを含み、
前記中空チューブが、前記第2の長さよりも大きい第3の長さを有することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記熱を加えている間、前記中空チューブがその長手方向軸に沿って収縮し、半径方向に拡張するのを防止するために、前記可視マーカーカラーの前記第1の長さを超えて位置する、前記中空チューブの1つ又は2つ以上の部分を少なくとも部分的に拘束することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記中空チューブ及び前記第1の可視マーカーが、同じポリマー材料で作製されており、前記犠牲材料が、PTFEを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の可視マーカーが、第1の色を規定する染料又は顔料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記中空チューブが、半透明又は透明な材料で作製されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記中空チューブが、前記第1の可視マーカーの前記第1の色と対照をなす第2の色を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の可視マーカーが、前記中空チューブの外面の周りに延在する可視マーカーカラーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記中空チューブが、外径を有し、前記チューブ状カラーが、前記中空チューブの前記外径に等しいか又はそれよりもわずかに大きい内径を規定する中央開口部を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記中空チューブの前記細長い内腔内に第2の可視マーカーを配設することであって、前記第2の可視マーカーが、前記中空チューブの前記近位部分と前記遠位部分との前記接合部と、前記中空チューブの遠位端との間に延在する、配設することと、
前記第2の可視マーカーの遠位端を前記中空チューブの前記遠位端に固設することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記マンドレルが、前記中空チューブを支持し、かつ前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に融着させるときに前記中空チューブが内向きに潰れるのを防止するために、前記中空チューブの前記細長い内腔の内径に厳密に一致する外径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記中空チューブの近位端に針を取り付けることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記中空チューブの前記遠位部分を患者の体内に植え込むことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記熱が、190~220℃の温度範囲内で約4~16秒間加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記熱が、205℃で約10秒間加えられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
熱を加えるステップが、前記犠牲材料を第1のヒータブロック及び第2のヒータブロックの対向する放熱面の間に配設することを更に含み、前記対向する放熱面が、約1.5~3.0mmの距離だけ互いに離隔されている、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の可視マーカーが、ポリマー材料を含み、前記熱が、前記第1の可視マーカーの前記ポリマー材料の融点から約+/-15℃の温度範囲内で約4~16秒間加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記熱が、前記第1の可視マーカーの前記ポリマー材料の前記融点から約+/-1.0℃の温度範囲内で約10秒間加えられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
カテーテルを作製する方法であって、前記カテーテルは、前記カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための可視マーカーを有し、前記方法は、
中空チューブを取得することであって、前記中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分から前記遠位部分まで前記中空チューブを通って延在する細長い導管と、前記中空チューブの前記遠位部分の壁に形成されており、前記細長い内腔と流体連通している1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する、取得することと、
前記中空チューブの内径を支持し、かつ前記中空チューブが前記細長い内腔内に内向きに潰れるのを防止するために、前記中空チューブの前記細長い内腔内にマンドレルを挿入することと、
前記中空チューブの前記近位部分と前記遠位部分との接合部において、前記中空チューブの外面上に可視マーカーカラーを位置付けることと、
前記可視マーカーカラー上に犠牲チューブを配置することであって、前記犠牲チューブは、前記可視マーカーカラーが前記犠牲チューブによって完全に覆われるように、前記可視マーカーカラーよりも大きい長さを有する、配置することと、
前記犠牲チューブを収縮させて、前記可視マーカーカラーを前記中空チューブの前記外面に押し付け、かつ前記可視マーカーカラーを少なくとも部分的に溶融させて、前記可視マーカーカラーを前記中空チューブの前記外面に融着させるために、前記犠牲チューブ、前記可視マーカーカラー、及び前記中空チューブに熱を加えることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本特許出願は、2021年7月28日に出願された米国特許仮出願第63/226,384号の利益を主張し、本出願と同日に出願され、「CATHETERS HAVING VISIBLE MARKERS FOR IDENTIFYING SOAKER REGIONS CONTAINING FLUID OPENINGS FOR INFUSING AND DRAINING FLUIDS FROM PATIENTS」(代理人整理番号ETH6123USNP1)と題された同一出願人による米国特許出願第__________号に関連しており、これらの出願の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本特許出願は、概して、医療デバイスに関し、より具体的には、患者に流体を注入し、かつ患者から流体を排出するために患者に植え込まれるカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療治療プロトコルは、治療用流体を患者の身体の選択されたエリアに注入することを含む。患者を治療するために医師によって典型的に用いられる治療用流体には、麻酔薬、抗生物質、抗菌剤、化学療法剤、及び成長因子が含まれる。
【0004】
歴史的に、治療用流体は、治療期間中に治療用流体を送達するために患者に一時的に植え込まれるカテーテルを使用して患者に送達される。治療期間の終了時に、カテーテルは患者から除去される。
【0005】
カテーテルはまた、患者から流体を排出するために使用される。手術後、体液が手術部位のエリア内及び創傷の周りに蓄積する。カテーテルは、治癒及び回復を高めるために患者から体液を排出するために使用される。
【0006】
典型的には、カテーテルは、カテーテルの長さに沿って延在する内腔を有する細長い中空チューブを含む。細長い中空チューブは、カテーテルの内腔と連通する複数の流体開口部を有する外壁を有する。注入処置の間、治療用流体が内腔内に向けられ、周囲の組織を治療用流体で浸すために流体開口部を通過する。排出処置の間、体液は、患者から除去されるために、流体開口部を通して内腔内に引き込まれ得る。
【0007】
カテーテルは、典型的には、縫合糸又は他の固定デバイス(例えば、ステープル)を使用して定位置に保持される。
【0008】
カテーテルはまた、バーブを使用して定位置に保持され得る。例えば、Cilag GmbH Internationalに譲渡され、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Cichockiらの米国特許出願公開第2021/0077776号は、治療用流体を患者に送達するための、吸収性の生体適合性バーブ付きマイクロカテーテルを教示している。バーブ付きマイクロカテーテルは、中空チューブであって、中空チューブの近位端と遠位端との間に延在する細長い内腔を有する、中空チューブと、中空チューブから突出する複数のバーブと、細長い内腔と流体連通している、中空チューブに形成された複数の流体出口開口部と、を含む。流体出口開口部は、中空チューブの長さに沿って互いに均等に離隔されている。アンカーは中空チューブの近位端に固設されており、外科用針は中空チューブの遠位端に固設されている。
【0009】
患者に流体を注入し、又は患者から流体を排出するために使用することができるカテーテル上の場所を識別することは重要である。多くの場合、カテーテル内の流体開口部は、カテーテルの全長に沿って位置しないが、カテーテルの特定の部分にのみ位置する。例えば、カテーテルの第1の部分が流体開口部を有していない場合があり、カテーテルの第2の部分が流体開口部を有し得る。
【0010】
カテーテルが患者の体内に植え込まれた後、カテーテルの長さに沿ってカテーテルの流体開口部がどこに位置するかを医療関係者が判定することは困難な場合がある。注入及び排出処置のために、医療関係者が患者の体内の特定の場所に流体開口部を位置付けることができることが重要である。
【0011】
残念ながら、従来のカテーテルは、流体を排出及び注入するために使用される流体開口部の場所を容易に識別するために医療関係者によって利用され得る可視マーカーを有していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の欠点及び要件を考慮して、流体を注入又は排出するために使用され得るカテーテル上の場所を識別するために医療関係者によって使用され得る可視インジケータを組み込んだ、改良されたカテーテルが引き続き必要である。可視インジケータを有するカテーテルの必要性は、マイクロカテーテルなどのより直径の小さいカテーテルについて特に深刻である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態では、カテーテルは、患者に流体を注入するか、又は患者から流体を排出するために使用され得るカテーテルの場所又は部分を識別するために医療関係者によって利用され得る、1つ又は2つ以上の可視マーカーを有する。
【0014】
一実施形態では、カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、中空チューブを取得することを含み、中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、近位部分及び遠位部分を通って延在する細長い導管と、細長い内腔と流体連通する中空チューブの遠位部分に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する。
【0015】
一実施形態では、本方法は、中空チューブの細長い内腔内にマンドレルを挿入することを含んでもよい。マンドレルは、好ましくは、中空チューブの内径を支持し、可視マーカーが中空チューブに固設されるときに中空チューブが圧縮され、かつ/又は内向きに潰れるのを防止する。
【0016】
一実施形態では、本方法は、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部において、中空チューブの外面上に第1の可視マーカー(例えば、可視マーカーチューブ、可視マーカーカラー)を位置付けることを含んでもよい。一実施形態では、第1の可視マーカーは、カテーテルの遠位部分からカテーテルの近位部分を分割する場所に配置されてもよい。
【0017】
一実施形態では、本方法は、好ましくは、第1の可視マーカーが犠牲材料によって完全に覆われるように、第1の可視マーカー上に犠牲材料(例えば、犠牲チューブ、犠牲カラー)を配置することを含む。
【0018】
一実施形態では、犠牲材料を収縮させ、これにより次に、第1の可視マーカーをカテーテルの中空チューブの外面に押し付けるために、犠牲材料、第1の可視マーカー、及び中空チューブに熱が加えられてもよい。加えて、熱は、カテーテルの中空チューブの外面に第1の可視マーカーを融着、溶着、及び/又は固設するために、第1の可視マーカーを少なくとも部分的に溶融するために第1の可視マーカーに到達するように、犠牲材料を通して伝導してもよい。
【0019】
一実施形態では、熱は、190~220℃の温度範囲内で約4~16秒間加えられてもよい。
【0020】
一実施形態では、熱は約205℃で約10秒間加えられてもよい。
【0021】
一実施形態では、熱を加えるステップは、犠牲材料を第1のヒータブロック及び第2のヒータブロックの対向する放熱面の間に配設することを含むことができる。対向する放熱面は、熱を放出し、これにより次に、犠牲材料を加熱する。一実施形態では、それぞれの第1のヒータブロック及び第2のヒータブロックの対向する放熱面は、約1.5~3.0mmの距離だけ互いに離隔されてもよい。
【0022】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、ポリマー材料を含むことができ、熱は、第1の可視マーカーのポリマー材料の融点から約+/-15℃の温度範囲内で約4~16秒間加えられる。
【0023】
一実施形態では、熱は、第1の可視マーカーのポリマー材料の融点から約+/-1.0℃の温度範囲内で約10秒間加えられる。
【0024】
一実施形態では、可視マーカー(例えば、可視マーカーチューブ)を作製するために使用される材料(例えば、ポリマー、MONOCRYL)は、押出成形されてもよい。一実施形態では、可視マーカー材料を押出成形するために利用される方法は、材料のポリマー配向に影響を及ぼす可能性があり、これが次に、可視マーカーをカテーテル又は中空チューブに結合及び/又は融着するために可視マーカー材料が加熱されるときの可視マーカー材料の長さの収縮及び/又は半径方向膨張の量に影響を及ぼす可能性がある。
【0025】
本特許出願は、動作のいかなる特定の理論によっても限定されないが、高度に配向されており(例えば、高ポリマー配向)、かつ/又は高い引張強度を有する可視マーカー材料は、加熱されると、その長さに沿ってより大きい収縮を示し、外径のより大きい増加(すなわち、半径方向膨張)も示すと考えられる。加熱すると、可視マーカー材料は弛緩する(すなわち、配向しない)傾向があり、その結果、可視マーカー材料の長さに沿って収縮し、外径が膨張する。可視マーカー材料の配向の程度が大きいほど、可視マーカー材料はより大きく、可視マーカー材料の長さに沿って収縮し、かつ半径方向に膨張することが観察されている。
【0026】
実験。加熱時に、可視マーカーチューブを、長さの収縮及び外径の膨張について評価した。より低いポリマー配向を有する第1の可視マーカーチューブは、長さ収縮率が約10~12%であり、外径が1.07mmであった。(第1の可視マーカーチューブよりも)より高いポリマー配向を有する第2の可視マーカーチューブは、長さ収縮率が約30~40%であり、外径が1.27mmであった。
【0027】
したがって、一実施形態では、可視マーカー材料が加熱されてカテーテル又は中空チューブに接合/融着されるときに、長さの収縮を最小限に抑え、かつ/又は半径方向膨張を最小限に抑えるように、可視マーカー(例えば、可視マーカーチューブ)を作製するために使用される材料の配向を最小限に抑え、かつ/又は可能な限り低減することが好ましい場合がある。
【0028】
一実施形態では、第1の可視マーカーを中空チューブの外面に融着、溶着及び/又は固設した後、犠牲材料を除去して(例えば、剥がして)、第1の可視マーカーを完全に露出させ、マンドレルを中空チューブの細長い内腔から除去することができる。
【0029】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、第1の長さを有する可視マーカーチューブ又はカラーであってもよく、犠牲材料は、可視マーカーチューブの第1の長さよりも大きい第2の長さを有する犠牲チューブであってもよい。一実施形態では、カテーテルの中空チューブは、犠牲チューブの第2の長さよりも大きい第3の長さを有することが望ましい。
【0030】
一実施形態では、熱を加えるステップの間、可視マーカーカラーの第1の長さを超えて位置する、中空チューブの1つ又は2つ以上の部分は、中空チューブがその長手方向軸に沿って収縮するのを防止し、それと同時に中空チューブが半径方向に膨張するのを防止するために、少なくとも部分的に拘束されてもよい。
【0031】
一実施形態では、中空チューブ及び第1の可視マーカーは、モノクリル又はポリジオキサノン(PDS)等のポリマー材料から作製されてもよい。一実施形態では、中空チューブ及び第1の可視マーカーは、同じポリマー材料(例えば、モノクリルポリマー)から作製されてもよい。
【0032】
一実施形態では、第1の可視マーカーを覆う犠牲材料は、PTFEであってもよい。
【0033】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、中空チューブの外面の周りに延在する可視マーカーカラーである。一実施形態では、第1の可視マーカーは、第1の色を規定する染料又は顔料を含む。一実施形態では、第1の可視マーカーは、染色されたモノクリルカラー又はチューブである。一実施形態では、染色されたモノクリルカラー又はチューブは、紫色を有する。一実施形態では、染色されたモノクリルカラー又はチューブは、連邦規則集21CFR74.1602に定義されるように、約0.04~0.05%のD&C Violet2を有する。一実施形態では、可視マーカーチューブは、放射線不透過性材料を含んでもよい。
【0034】
一実施形態では、カテーテルの中空チューブは、半透明又は透明な材料で作製される。
【0035】
一実施形態では、中空チューブは、第1の可視マーカーの第1の色と対照をなす第2の色を有することができる。
【0036】
一実施形態では、中空チューブは外径を有し、可視マーカーカラーは、中空チューブの外径に等しいか又はそれよりもわずかに大きい内径を規定する中央開口部を有する。
【0037】
一実施形態では、本方法は、中空チューブの細長い内腔内に第2の可視マーカーを配設することを含んでもよい。第2の可視マーカーは、好ましくは、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部と、中空チューブの遠位端との間に延在する。一実施形態では、第2の可視マーカーの遠位端は、第2の可視マーカーを中空チューブ内の定位置に固定するために、中空チューブの遠位端に固設されてもよい。
【0038】
第2の可視マーカーは、モノクリル繊維などの繊維であってもよい。一実施形態では、第2の可視マーカーは、染色されたモノクリル繊維(例えば、21CFR74.1602によって定義される約0.04~0.05%のD&C Violet2を有する染色されたモノクリル繊維)である。一実施形態では、第2の可視マーカーは、放射線不透過性材料を含んでもよい。一実施形態では、カテーテルの中空チューブの遠位端及び染色されたモノクリル繊維は、超音波溶着を介して封止される。溶着は、染色されたモノクリル繊維の遠位端を固設し、遠位端をカテーテルの中空本体の細長い内腔内の定位置に固定する。
【0039】
一実施形態では、マンドレルは、好ましくは、中空チューブを支持し、第1の可視マーカーを中空チューブの外面に融着、溶着、及び/又は固設するときに中空チューブが内向きに潰れるのを防止するために、中空チューブの細長い内腔の内径に厳密に一致する外径を有する。
【0040】
一実施形態では、湾曲した縫合針などの針が、中空チューブの遠位端に取り付けられてもよい。針は、マンドレルが細長い内腔から除去された後、中空チューブの近位端に取り付けられてもよい。
【0041】
一実施形態では、中空チューブの遠位部分は、患者に流体を注入するか、又は患者から流体を排出するために、患者の体内に植え込まれてもよい。針は、カテーテルを患者に植え込むために使用されてもよい。
【0042】
一実施形態では、カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、中空チューブを取得することであって、中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、近位部分及び遠位部分を通って延在する細長い導管と、細長い内腔と流体連通している中空チューブの遠位部分に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する、取得することと、中空チューブの内径を支持し、かつ中空チューブが細長い内腔内に内向きに潰れるのを防止するために、中空チューブの細長い内腔内にマンドレルを挿入することと、を含む。
【0043】
一実施形態では、本方法は、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部において、中空チューブの外面上に可視マーカーカラー又はチューブを位置付けることと、可視マーカーカラー上に犠牲チューブを配置することであって、それによって、犠牲チューブは、可視マーカーカラーが犠牲チューブによって完全に覆われるように、可視マーカーカラーよりも大きい長さを有する、配置することと、を含んでもよい。
【0044】
一実施形態では、本方法は、犠牲チューブを収縮させ、これにより次に、可視マーカーカラーを中空チューブの外面に押し付けるために、犠牲チューブ、可視マーカーカラー、及び中空チューブに熱を加えることを含んでもよい。熱は、好ましくは、可視マーカーカラーを中空チューブの外面に融着、溶着及び/又は固設するために、犠牲チューブを通過して可視マーカーカラーに入り、可視マーカーカラーを少なくとも部分的に溶融させる。
【0045】
一実施形態では、可視マーカーカラーを中空チューブの外面に固設した後、犠牲チューブは、可視マーカーカラーを完全に露出させるように除去され(例えば、切り取られ、剥離され)てもよく、マンドレルは、中空チューブの細長い内腔から除去されてもよい。
【0046】
一実施形態では、中空チューブは外径を有し、可視マーカーカラーは、中空チューブの外径に等しいか又はそれよりもわずかに大きい内径を規定する中央開口部を有する。
【0047】
一実施形態では、可視マーカーフィラメントなどの第2の可視マーカーが、中空チューブの細長い内腔内に配設されてもよい。一実施形態では、可視マーカーフィラメントは、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部(例えば、分割線)と、中空チューブの遠位端との間に延在する。
【0048】
一実施形態では、可視マーカーフィラメントの遠位端は、超音波溶着などを使用することによって、中空チューブの遠位端に固設されてもよい。
【0049】
一実施形態では、中空チューブからマンドレルを除去した後、針が中空チューブの近位端に取り付けられてもよい。
【0050】
一実施形態では、流体を送達するためのカテーテルは、好ましくは、近位部分と、遠位部分と、中空チューブの近位部分及び遠位部分を通って延在する細長い内腔と、を有する中空チューブを含む。
【0051】
一実施形態では、カテーテルは、ポリマー材料から作製され、カテーテルの長さに沿って延在する縦軸を有する。一実施形態では、カテーテルのポリマー材料は、延伸比が4を超える長手方向の分子配向を示す。延伸比という用語が本明細書で使用される場合、延伸される前(すなわち、未延伸)の材料の長さに対する、延伸された材料の長さを意味する。例えば、1フィートの初期長さ及び4フィートの延伸長さを有するポリマー材料は、延伸比が4である。
【0052】
本特許出願は、いかなる特定の動作理論によっても限定されないが、ポリマー材料(例えば、MONOCRYLポリマー)から作製され、延伸比が少なくとも4であるカテーテルを提供することは、カテーテルが粘着性であること、及び/又は加工が過度に困難であることを防止すると考えられる。
【0053】
一実施形態では、カテーテルは、好ましくは、中空チューブの細長い内腔と流体連通している中空チューブの遠位部分に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部を含む。
【0054】
一実施形態では、第1の可視マーカー(例えば、可視マーカーチューブ)が、中空チューブの外面に固設されている。一実施形態では、第1の可視マーカーは、中空チューブの外面の周りに延在するチューブ又はカラーの形状を有する。
【0055】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部に位置する。
【0056】
一実施形態では、カテーテルの中空チューブ及び第1の可視マーカーは、同じポリマー材料(例えば、モノクリル)から作製されている。
【0057】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、第1の色を規定する染料又は顔料を含む。一実施形態では、染色された第1の可視マーカーは、21 CFR 74.1602に定義されるように、約0.04~0.05%のD&C Violet2を有する。
【0058】
一実施形態では、カテーテルの中空チューブは、半透明又は透明な材料で作製される。
【0059】
一実施形態では、カテーテルの中空チューブは、第1の可視マーカーの第1の色と対照をなす第2の色を有する。
【0060】
一実施形態では、中空チューブは外径を有し、可視マーカーチューブは、中空チューブの外径に等しいか、又はそれよりもわずかに大きい内径を規定する中央開口部を有する。
【0061】
一実施形態では、第2の可視マーカー(例えば、繊維、モノクリル繊維)が、中空チューブの細長い内腔内に配設されており、中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部と、中空チューブの遠位端との間に延在する。
【0062】
一実施形態では、中空チューブの遠位端は、(例えば、超音波溶着によって、圧着によって)封止されており、第2の可視マーカーの遠位端は、中空チューブの封止された遠位端に固設されている。
【0063】
一実施形態では、中空チューブ、第1の可視マーカー、及び第2の可視マーカーは、ポリマー材料から作製されている。
【0064】
一実施形態では、中空チューブ、第1の可視マーカー、及び第2の可視マーカーは、同じポリマー材料から作製されている。
【0065】
一実施形態では、第1の可視マーカー及び第2の可視マーカーは、同じ色である。一実施形態では、第1の可視マーカー及び第2の可視マーカーの各々は、連邦規則集21CFR74.1602に定義されているように、約0.04~0.05%のD&C Violet2を含む。
【0066】
一実施形態では、カテーテルは、その近位端から遠位端まで延在する外壁を有する中空チューブを含むことが好ましい。一実施形態では、中空チューブは、円形又は楕円形を規定する断面形状を有してもよい。一実施形態では、中空チューブの外壁は、好ましくは、中空チューブの近位端と遠位端との間で中空チューブの長さに沿って延在する細長い内腔を取り囲む外面及び内面を有する。細長い内腔は、好ましくは、患者から排出される流体又は患者に注入される流体などの流体が内腔を通って流動することを可能にするように構成される。
【0067】
一実施形態では、中空チューブの遠位部分は、中空チューブの外壁を通過する1つ又は2つ以上の流体開口部を含むことが望ましい。1つ又は2つ以上の流体開口部は、望ましくは、細長い内腔から中空チューブの外壁の外面まで延在する。1つ又は2つ以上の流体開口部は、好ましくは、細長い内腔と流体連通している。
【0068】
一実施形態では、1つ又は2つ以上の開口部を有する中空チューブの遠位部分は、カテーテルの「ソーカー領域」と称される場合がある。
【0069】
一実施形態では、ソーカー領域は、細長い内腔及び中空チューブの外壁に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部を介して、患者に流体を注入するために利用することができる。一実施形態では、流体は、中空チューブの近位端で細長い内腔内に向けられてもよく、その結果、流体は、細長い内腔を通って中空チューブの遠位端に向かって遠位方向に流動し、中空チューブの遠位部分に設けられた1つ又は2つ以上の流体開口部を通過する。
【0070】
一実施形態では、カテーテルのソーカー領域は、内腔及び中空チューブの外壁に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部を介して、患者から流体(例えば、創傷の周りに蓄積する体液)を排出するために利用されてもよい。一実施形態では、患者から体液を排出するために、1つ又は2つ以上の流体開口部を通して細長い内腔内に体液を引き込むために、細長い内腔内に真空が生成されてもよい。排出された流体は、患者から除去されるために、細長い内腔を通って中空チューブの近位端に向かって流動することが好ましい。
【0071】
一実施形態では、カテーテルは、医療関係者が中空チューブの近位部分を中空チューブの遠位部分から区別することを可能にするために、中空チューブに貼り付けられた第1の可視マーカーを含んでもよく、それによって、遠位部分は、流体を排出又は注入するための1つ又は2つ以上の流体開口部を有する。
【0072】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、カテーテルの中空チューブの近位部分と遠位部分との接合部において中空チューブに固設されてもよい。一実施形態では、第1の可視マーカーは、カテーテルのソーカー領域(すなわち、1つ又は2つ以上の流体開口部を有する中空チューブの部分)が始まる場所の視覚的インジケータを提供してもよい。
【0073】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、カテーテルの中空チューブの外壁の外面上に固設(例えば、融着、溶着)されたカラー又はチューブ状構成要素を含んでもよい。第1の可視マーカーは、色(例えば、紫色、赤色、青色)を有してもよい。一実施形態では、第1の可視マーカーは、ポリマー材料から作製されてもよい。一実施形態では、中空チューブ及び第1の可視マーカーは、同じポリマー材料(例えば、モノクリル)から作製されてもよい。
【0074】
一実施形態では、カテーテルの中空チューブは、カテーテルのソーカー領域を識別するために医療関係者によって利用される第2の可視マーカーを含んでもよい。一実施形態では、第2の可視マーカーは、カテーテルの遠位部分の長さに沿って延在することが好ましい。一実施形態では、第2の可視マーカーは、中空チューブの細長い内腔内に位置付けられた細長いフィラメントを含むことができる。一実施形態では、細長いフィラメントは、細長い内腔内の中心に位置し、細長い内腔の中心軸に沿って延在してもよい。一実施形態では、細長いフィラメントは、カテーテルの透明又は半透明の中空チューブを通して見える色(例えば、紫色、赤色、青色)を有してもよい。
【0075】
一実施形態では、カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための第1の可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、近位部分及び遠位部分を有する中空チューブを取得することを含む。一実施形態では、中空チューブは、好ましくは、ポリマー材料などの透明又は半透明の材料から作製される。一実施形態では、中空チューブは、その近位端と遠位端との間に延在する細長い内腔を有する。一実施形態では、中空チューブの遠位部分は、細長い内腔と流体連通している1つ又は2つ以上の流体開口部を有する。好ましくは、中空チューブのソーカー領域内に位置する1つ又は2つ以上の流体開口部は、患者に流体を注入するか、又は患者から流体を排出するために使用することができる。
【0076】
一実施形態では、第1の可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、中空チューブの細長い内腔内にマンドレルを挿入することを含む。一実施形態では、マンドレル(例えば、細長いロッド)は、好ましくは、中空チューブを支持し、第1の可視マーカーをカテーテルの中空チューブの外面に固設するときに中空チューブが内向きに潰れるのを防止するために、カテーテルの中空チューブの細長い内腔の内径に厳密に一致する外径を有する。
【0077】
一実施形態では、本方法は、望ましくは、カテーテルの中空チューブの外面上に第1の可視マーカー(例えば、ポリマーチューブ又はカラー)を位置付けることを含む。第1の可視マーカーは、中空チューブの近位部分を中空チューブの遠位部分から分割する場所に位置付けられることが好ましい。
【0078】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、中空チューブ又はカラーの形状を有し、第1の可視マーカーの内径は、好ましくは、カテーテルの中空チューブの外径と同じであるか、又はそれよりもわずかに大きい。
【0079】
一実施形態では、本方法は、好ましくは、第1の可視マーカーが犠牲チューブによって完全に覆われるように、PTFEで作製されたポリマーチューブ又はカラーなどの犠牲チューブを第1の可視マーカー上に配置することを含む。一実施形態では、犠牲チューブは、犠牲チューブが第1の可視マーカーの端部を完全に覆うように、第1の可視マーカーの長さよりも大きい長さを有する。
【0080】
一実施形態では、本方法は、犠牲チューブ、第1のマーカー、及び中空チューブのアセンブリに、所定の期間にわたって、所定の温度範囲内で熱を加えることを含んでもよい。犠牲チューブに熱を加えることによって、犠牲チューブの直径を小さくするために犠牲チューブのサイズを収縮させる。犠牲チューブが収縮すると、犠牲チューブは、第1の可視マーカーをカテーテルの中空チューブの外面に押し付ける。
【0081】
アセンブリに加えられた熱は、犠牲チューブを通過して第1の可視マーカーに伝わり、第1の可視マーカーのポリマー材料を少なくとも部分的に溶融させて、第1の可視マーカーをカテーテルの中空チューブの外面に融着させる。
【0082】
一実施形態では、可視マーカーが少なくとも部分的に溶融され、カテーテルの中空チューブの外面に融着された後、犠牲チューブを剥がして、カテーテルの中空チューブの外面に融着及び/又は溶着された第1の可視マーカーを露出させることなどによって、犠牲チューブを除去することができる。
【0083】
一実施形態では、第1の可視マーカーがカテーテルの中空チューブの外面に溶着及び/又は融着された後、マンドレルは、カテーテルの中空チューブの細長い内腔から除去されてもよい。
【0084】
一実施形態では、第1の可視マーカーチューブは、カテーテルの中空本体及び犠牲チューブの両方よりも長さが短い。
【0085】
一実施形態では、第1の可視マーカーは第1の長さを有し、犠牲チューブは、第1の可視マーカーの第1の長さよりも大きい第2の長さを有する。
【0086】
一実施形態では、犠牲チューブは、カテーテルの中空チューブの長さよりも短い。
【0087】
一実施形態では、第1の可視マーカーは、染料又は顔料を含むことが好ましい。
【0088】
一実施形態では、カテーテルの中空チューブは、好ましくは透明若しくは半透明であるか、又は第1の可視マーカーに組み込まれた染料若しくは顔料(例えば、0.04~0.05%のD&C Violet2)の色と対照をなす色を有する。
【0089】
一実施形態では、カテーテルを作製する方法は、カテーテルの中空チューブの細長い内腔の内側に、可視マーカーフィラメントなどの第2の可視マーカーを配設することと、細長い内腔内に第2の可視マーカーを貼り付けることとを含んでもよい。一実施形態では、可視マーカーフィラメントは、可視マーカーフィラメントの遠位端をカテーテルの中空チューブの遠位端に圧着することによってカテーテルに固定されてもよい。
【0090】
一実施形態では、第1の可視マーカー(例えば、マーカーチューブ又はカラー)及び第2の可視マーカー(例えば、可視マーカーフィラメント)は、カテーテルの中空チューブと同じ材料から作製されてもよい。
【0091】
一実施形態では、カテーテルは、互いに隣接する1つ又は2つ以上の可視境界又は可視マーカーを含んでもよい。
【0092】
一実施形態では、湾曲した縫合針などの針が、カテーテルの中空チューブの近位端に取り付けられてもよい。
【0093】
一実施形態では、本方法は、好ましくは、カテーテルの中空本体の外面上に第1の可視マーカー(例えば、染色されたモノクリルチューブ)を配置することと、第1の可視マーカーをカテーテルのソーカー領域が始まる部分を規定する場所に位置付けることと、を含む。
【0094】
一実施形態では、本方法は、好ましくは、第1の可視マーカー上に、熱収縮材料(例えば、PTFE)で作製された犠牲チューブを配置することと、犠牲チューブに熱を加えて犠牲チューブの熱収縮材料を圧縮することと、を含む。熱は、加熱ダイ又はレーザを介して加えられてもよい。
【0095】
一実施形態では、熱が加えられると、犠牲チューブの熱収縮材料が第1の可視マーカー(例えば、染色されたモノクリルカラー)上に押し付けられ、熱エネルギーが第1の可視マーカーをカテーテルの中空チューブの外面に結合及び/又は融着させる。
【0096】
一実施形態では、第1の可視マーカーがカテーテルの中空チューブの外面に融着及び/又は溶着された後、犠牲層が除去されてもよく(例えば、第1の可視マーカー及びカテーテルの中空チューブから剥離されてもよく)、それにより、カテーテルの中空チューブの外面に固設された第1の可視マーカーが残る。一実施形態では、マンドレルは、カテーテルの細長い内腔から除去されてもよい。
【0097】
一実施形態では、カテーテルのソーカー領域を指定するための1つ又は2つ以上の可視境界を有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、可視マーカーフィラメント(例えば、染色されたモノクリル繊維)をカテーテルの中空チューブの遠位端(すなわち、針の反対端)に挿入することを含み、その結果、可視マーカーフィラメントは、細長い内腔内でカテーテルの中空チューブの長さに沿って延在する。一実施形態では、可視マーカーフィラメントは、約2~8インチの長さ、より好ましくは約2.5インチ、5インチ、及び8インチの任意の長さを有してもよい。
【0098】
一実施形態では、中空チューブの遠位端は、可視マーカーフィラメントの遠位端に係合し、可視マーカーフィラメントをカテーテルの中空チューブの細長い内腔内の定位置に固定するために、超音波溶着を使用することなどによって、封止及び/又は圧着されてもよい。
【0099】
1つ又は2つ以上の可視マーカーを有するカテーテルを提供することの1つの利点は、医療関係者(例えば、外科医)が、カテーテルの近位部分がどこで終わり、ソーカー領域を含むカテーテルの遠位部分がどこから始まるかを直ちに識別することができることである。
【0100】
一実施形態では、カテーテルは、カテーテルのソーカー領域が始まる部分を指定するために、可視マーカーチューブ又はカラーなどの第1の可視マーカーを含むことができる。一実施形態では、カテーテルの中空チューブ及び第1の可視マーカー(例えば、マーカーチューブ、マーカーカラー)の両方は、カテーテルが患者から除去される必要がないように、患者において同時に吸収する吸収性材料から作製される。
【0101】
一実施形態では、カテーテルは、カテーテルのソーカー領域が始まる部分を指定するために、可視マーカーフィラメントなどの第2の可視マーカーを含むことができる。
【0102】
一実施形態では、カテーテルは、カテーテルのソーカー領域が始まる部分を指定するために、第1の可視マーカー(例えば、可視マーカーチューブ)及び第2の可視マーカー(例えば、可視マーカーフィラメント)の両方を含んでもよい。
【0103】
一実施形態では、カテーテルは、カテーテルのソーカー領域が始まる部分を指定するための可視マーカーフィラメントを含んでもよい。
【0104】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
図1A】本特許出願の一実施形態による、流体を排出及び注入するために使用されるカテーテルの一部分の上面図であり、カテーテルは、中空チューブの長さに沿って離隔された流体開口部を有する中空チューブを含む。
図1B図1Aに示されるカテーテルの中空チューブの断面図である。
図2A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第1の段階を示す。
図2B図2Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図3A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第2の段階を示す。
図3B図3Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図4A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第3の段階を示す。
図4B図4Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図5A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第4の段階を示す。
図5B図5Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図6A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第5の段階を示す。
図6B図6Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図7A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第6の段階を示す。
図7B図7Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図8A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第7の段階を示す。
図8B図8Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図9A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第8の段階を示す。
図9B図9Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図10A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分を示すための可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法の第9の段階を示す。
図10B図10Aに示されるサブアセンブリの断面図である。
図11】本特許出願の一実施形態による、近位部分と、ソーカー領域を有する遠位部分と、カテーテルのソーカー領域が始まる部分の視覚的表示を提供するために、近位部分と遠位部分との接合部にある可視マーカーチューブと、を有する中空チューブを含むカテーテルの斜視図である。
図12図11に示されるカテーテル及び可視マーカーチューブの断面図である。
図13A】本特許出願の一実施形態による、カテーテルの中空チューブの外面に固設された可視マーカーチューブと、カテーテルの内腔内に配設されており、カテーテルの中空チューブの封止された遠位端に固設されている可視マーカーフィラメントとを含む、カテーテルのソーカー領域の概略図である。
図13B図13Aに示されるカテーテル、可視マーカーチューブ、及び可視マーカーフィラメントの断面図である。
図14】本特許出願の一実施形態による、近位部分と、ソーカー領域を有する遠位部分と、カテーテルの中空チューブの外面に固設された可視マーカーチューブと、カテーテルの細長い内腔内に配設されており、カテーテルのソーカー領域が始まる部分を示す2つの可視マーカーを提供するためにカテーテルの中空チューブの遠位端に固設されている可視マーカーフィラメントと、を有するカテーテルの斜視図である。
図15A】本特許出願の一実施形態による、カテーテルの細長い内腔内に配設された可視マーカーフィラメントを含むカテーテルのソーカー領域の概略図であり、可視マーカーフィラメントは、カテーテルの中空チューブの遠位端に固設された遠位端を有する。
図15B図15Aに示されるカテーテル及び可視マーカーフィラメントの断面図である。
図16】本特許出願の一実施形態による、近位部分と、ソーカー領域を有する遠位部分と、カテーテルのソーカー領域が始まる部分の視覚的表示を提供するために、カテーテルの中空チューブの細長い内腔内に配設されており、カテーテルの中空チューブの遠位端に固設されている可視マーカーフィラメントと、を有する中空チューブを含むカテーテルの斜視図である。
図17A】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分の視覚的インジケータを提供するために、カテーテルの中空チューブの外面に可視マーカーチューブを融着する方法の第1段階中の加熱システムを示す。
図17B】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分の視覚的インジケータを提供するために、カテーテルの細長い本体の外面に可視マーカーチューブを融着する方法の第2の段階中の加熱システムを示す。
図17C】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分の視覚的インジケータを提供するために、カテーテルの細長い本体の外面に可視マーカーチューブを融着する方法の第3の段階中の加熱システムを示す。
図17D】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分の視覚的インジケータを提供するために、カテーテルの細長い本体の外面に可視マーカーチューブを融着する方法の第4の段階中の加熱システムを示す。
図17E】本特許出願の一実施形態による、カテーテルのソーカー領域が始まる部分の視覚的インジケータを提供するために、カテーテルの細長い本体の外面に可視マーカーチューブを融着する方法の第5の段階中の加熱システムを示す。
図18】本特許出願の一実施形態による、カテーテル上のソーカー領域が始まる部分の視覚的インジケータを提供するために、カテーテルの細長い本体の外面に可視マーカーチューブを融着するために使用される加熱システムの断面図である。
図19A】本特許出願の一実施形態による、中空チューブの外壁に形成された離隔されたスリットを有する中空チューブを含むカテーテルの一部の上面図であり、離隔されたスリットは、流体を排出及び注入するように構成されている。
図19B図19Aに示される離隔されたスリットを有するカテーテルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1A及び図1Bを参照すると、一実施形態では、カテーテル100の一部分は、好ましくは、外面106と、カテーテル100の長さに沿って延在する細長い内腔110を取り囲む内面108とを有する外壁104を含む中空チューブ102を含む。一実施形態では、流体は、患者から流体(例えば、体液)を排出するかつ/又は患者に流体(例えば、治療用流体)を注入するために、細長い内腔110を通過してもよい。
【0107】
一実施形態では、マイクロカテーテル100は、望ましくは、カテーテルが吸収され、治療期間の終わりに患者から除去される必要がないように、吸収性の生体適合性ポリマーで作製される。
【0108】
一実施形態では、カテーテル100はチューブ状であり得る。一実施形態では、カテーテル100は、可撓性チューブを含み得る。一実施形態では、断面視したときに、カテーテル100の外壁104は、円又は楕円の形状を有してもよい。
【0109】
一実施形態では、カテーテル100の中空チューブ102は、外壁104を通って延在する複数の流体開口部112を含むことが好ましい。一実施形態では、流体開口部112は、細長い内腔110と流体連通している。一実施形態では、流体開口部は、外壁104の内面108から外面106まで延在する。一実施形態では、流体開口部112は、好ましくは、カテーテル100の長さに沿って互いに離隔され得る。流体開口部のサイズは、カテーテルの長さに沿って変化してもよい。
【0110】
一実施形態では、流体開口部112は、カテーテル100の中空チューブ102の長さに沿って互いに位置合わせされてもよく、又はカテーテル100の中空チューブ102の外壁104の周りに沿って互いに離隔されてもよい。一実施形態では、流体開口部112は、中空チューブ102の長さに沿ってランダムパターンで離隔されてもよい。
【0111】
一実施形態では、流体開口部112の各々は、好ましくは、流体が流体開口部112を通って細長い内腔内に排出されることを可能にするために、かつ/又は内腔110内に向けられた流体を患者に注入するために流体が流体開口部112を通過することを可能にするために、細長い内腔110と流体連通している。
【0112】
一実施形態では、カテーテル100は、患者の体外に位置するように構成された近位部分と、流体を排出するかつ/又は流体を注入するために患者の体内に残るように構成された遠位部分と、を有することができる。一実施形態では、離隔された流体開口部112は、患者の体内に留まるように適合されたカテーテル100の遠位部分のみに位置し得る。一実施形態では、流体開口部112を有するカテーテルの遠位部分は、カテーテルの「ソーカー領域」と称される場合がある。
【0113】
一実施形態では、カテーテル100は、好ましくは、約10~40インチ、より好ましくは約24インチの全長を有する。
【0114】
一実施形態では、隣接する離隔された流体開口部112の間の距離Dは、約4~25ミリメートル、より好ましくは約4~12ミリメートルであり得る。一実施形態では、離隔された流体開口部は、同じサイズ(すなわち、同じ直径)であり得る。一実施形態では、離隔された流体出口開口部は、異なるサイズ(すなわち、異なる直径)を有し得る。
【0115】
一実施形態では、流体開口部のサイズは、中空チューブ102の遠位端と近位端との間で大きくなる。流体開口部のサイズは、中空チューブの長さに沿って徐々に大きくなる(例えば、中空チューブの近位端と遠位端との間で徐々に大きくなる)場合があり、流体開口部からの流体の一定の流れを維持するために、流体源の近くの開口部はより小さく、流体源からより遠くに離れた開口部はより大きい。
【0116】
図1Bを参照すると、一実施形態では、中空チューブ102の外壁104の外面106は、好ましくは、約0.8ミリメートルの外径ODを規定している。一実施形態では、中空チューブ102の外壁104の内面108は、好ましくは、約0.5ミリメートルの内径IDを規定している。一実施形態では、中空チューブ102の外壁104によって規定された外径ODは、中空チューブ102の外壁104の内面108によって規定された内径IDよりも約1.5~2倍大きい。一実施形態では、中空チューブ102の外壁104は、好ましくは、約0.100~0.150ミリメートル、より好ましくは約0.140ミリメートルの厚さTを有する。
【0117】
一実施形態では、流体開口部112は、中空チューブ102の外壁104の厚さTを完全に通過しており、それにより、流体開口部は、中空チューブの長さに沿って延在する細長い内腔110と流体連通している。一実施形態では、カテーテル100は、組織に植え込まれ得、治療用流体などの流体は、中空チューブ102の細長い内腔110内に導入され得、その後、流体は、中空チューブを取り囲む組織を浸すために流体開口部112を通過する。
【0118】
一実施形態では、流体開口部を有するカテーテルは、好ましくは、吸収性の生体適合性ポリマー材料から作製される。吸収性ポリマーとしては、ラクチド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、グリコリド、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、これらのコポリマー及びこれらのブレンドなどの、従来の生体適合性ポリマーが挙げられ得る。
【0119】
上記のように、明確にするために、図1A及び図1Bは、カテーテルの1つの部分のみを示す。カテーテルの中空チューブは、図1Aに示されるカテーテル部分の左及び/又は右に延在してもよい。一実施形態では、全長を有するカテーテルは、望ましくは、中空チューブ102の外壁を通過する1つ又は2つ以上の流体開口部を有する近位部分及び遠位部分を含む。一実施形態では、カテーテルの近位部分は流体開口部を有しておらず、カテーテルの遠位部分は1つ又は2つ以上の流体開口部を有する。
【0120】
一実施形態では、湾曲した縫合針などの針が、カテーテルの近位部分の近位端に取り付けられてもよい。針は、患者の体内にカテーテルを植え込むために使用されてもよい。
【0121】
一実施形態では、1つ又は2つ以上の可視マーカー及び/又は可視境界が、カテーテル上に提供され、かつ/又はカテーテルと組み立てられ、カテーテルの特定の区分(例えば、ソーカー領域)が始まる場所の1つ又は2つ以上の視覚的表示を提供してもよい。1つ又は2つ以上の可視境界は、好ましくは、外科職員が、ソーカー領域が始まり、かつ/又は流体開口部112(図1A)が位置するカテーテルの場所を識別することができるように、外科手術関係者に1つ又は2つ以上の視覚的インジケータを提供する。
【0122】
図2A及び図2Bを参照すると、一実施形態では、1つ又は2つ以上の可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、中空チューブ202を含むカテーテル200を取得することを含む。中空チューブ202は、好ましくは、外面206と、中空チューブ202の長さに沿って延在する細長い内腔210を規定する内面208と、を有する外壁204を含む。図2A及び図2Bには示されていないが、一実施形態では、カテーテル200は、好ましくは、カテーテルの長さに沿って延在する複数の離隔された開口部を含み、これらの開口部は、図1A及び図1Bに示され上述された離隔された開口部112と同様であってもよい。
【0123】
図3A及び図3Bを参照すると、一実施形態では、1つ又は2つ以上の可視マーカーを有するカテーテル200を作製する方法は、好ましくは、カテーテル200の中空チューブ202の細長い内腔210(図2B)にマンドレル214を挿入することを含む。
【0124】
一実施形態では、カテーテル200の細長い内腔210(図2B)は、好ましくは、内径IDを規定し、マンドレル214は、カテーテル200の内腔の内径IDに実質的に一致する外径ODを有する。一実施形態では、マンドレル214は、好ましくは、中空チューブ202の外壁204を支持して、1つ又は2つ以上の可視マーカーがカテーテルに組み付けられるときにカテーテルが内向きに潰れるのを防止する。
【0125】
図4A及び図4Bを参照すると、一実施形態では、1つ又は2つ以上の可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、カテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206上に、可視マーカーチューブ216などの第1の可視マーカーを位置付けることを含む。可視マーカーチューブ216は、好ましくは、カテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206の外径ODよりもわずかに大きく、かつ/又はそれに一致する内径IDを規定する開口部を有する。
【0126】
一実施形態では、第1の可視マーカー及びカテーテルの中空チューブは、ポリマー材料を含む。一実施形態では、第1の可視マーカー及びカテーテルの中空チューブは、同じポリマー材料(例えば、モノクリルポリマー)を含む。
【0127】
一実施形態では、可視マーカーチューブ216は、中空チューブ202の近位部分225と遠位部分235との接合部215に位置することが好ましい。したがって、接合部における可視マーカーチューブ216の位置は、好ましくは、外科手術関係者が、(離隔された流体開口部を有する)遠位部分235が始まる細長いチューブ上の場所を識別することを可能にする。
【0128】
図4A及び図4Bに示されるように、一実施形態では、マンドレル214は、中空チューブ202の外壁204の内面208を支持し続け、中空チューブがカテーテル200の長さに沿って延在する細長い内腔210(図2B)内へ内向きに潰れることを防止する。
【0129】
図5A及び図5Bを参照すると、一実施形態では、1つ又は2つ以上の可視マーカーを有するカテーテルを作製する方法は、好ましくは、可視マーカーチューブ216及びカテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206の両方の上に犠牲チューブ218などの犠牲材料を配置することを含む。犠牲チューブ218は、PTFEなどの、熱に曝されると収縮する材料から作製され得る。一実施形態では、可視マーカーチューブ216は、長さLを有することが好ましく、犠牲チューブ218は、可視マーカーチューブの第1の長さLよりも大きい長さLを有することが好ましい。犠牲チューブ218は、望ましくは、より大きな相対長さを有するので、好ましくは、可視マーカーチューブ216の長さを包含し、望ましくは、可視マーカーチューブ216の2つの端部を越えて延在する。
【0130】
図6A及び図6Bを参照すると、一実施形態では、図5A及び図5Bに示すアセンブリは、加熱システム220などからの熱に曝されることが望ましい。一実施形態では、加熱システム220は、犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216を加熱する。犠牲チューブ218は、熱に曝されると収縮する材料(例えば、PTFE)から作製される。したがって、熱に反応して、犠牲チューブ218は、可視マーカーチューブ216を中空チューブ202の外面206に押し付けるためにサイズが収縮する。加えて、熱は、好ましくは、可視マーカーチューブを少なくとも部分的に溶融して、可視マーカーチューブ216をカテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206に融着する、溶着する、かつ/又は取り付けるために、犠牲チューブ218を通して伝導され、可視マーカーチューブ216に伝達される。
【0131】
上述のように、一実施形態では、犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216に加えられる熱は、第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bを含む加熱アセンブリ220によって発生してもよい。
【0132】
一実施形態では、第1のヒータブロック222Aは、好ましくは、それぞれの犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216の第1の側(例えば、上側)に向かって熱を向ける内面224Aを有し、犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216は、カテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206の周りに延在する。
【0133】
一実施形態では、第2のヒータブロック222Bは、それぞれの犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216のそれぞれの第2の側(例えば、下側)に向かって熱を向ける内面224Bを有し、犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216は、カテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206の周りに延在する。
【0134】
一実施形態では、それぞれの第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの内面224A、224Bは、互いに対向しており、約60~120ミル、又は約1.5~3.0mmの距離Dだけ互いから離隔されてもよい。一実施形態では、犠牲チューブ218、可視マーカーチューブ216、及び中空チューブ202の一部分は、それぞれの第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの対向する内面224A、224Bの間に配設されている。
【0135】
一実施形態では、それぞれの第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの各々は、望ましくは、可視マーカーチューブ216の長さL図5A)よりも大きいが、犠牲チューブ218の長さL図5A)よりも小さい幅W(図6A)を有する。したがって、第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの幅Wは、可視マーカーチューブ216の全長L図5A)を包含するが、犠牲チューブ218の長さL図5A)は、望ましくは、第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの境界を越えて延在する。
【0136】
図7A及び図7Bを参照すると、一実施形態では、第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bが犠牲チューブ218及び可視マーカーチューブ216に熱を向けると、第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの境界内に概ね位置合わせされた犠牲チューブ218の中央領域245は、カテーテル200の中心軸Aに向かって内側に収縮する。一実施形態では、第1のヒータブロック222A及び第2のヒータブロック222Bの境界の外側に位置する犠牲チューブ218の外周領域は、中央領域245よりも少ない熱に曝されるので、中央領域245のように収縮しない。犠牲チューブ218が内向きに収縮すると、犠牲チューブは、可視マーカーチューブ216をカテーテル200の中空チューブ202の外面206に押し付ける。
【0137】
一実施形態では、ヒータブロック222A、222Bによって発生した熱は、好ましくは、熱エネルギーを可視マーカーチューブ216に加えるために、犠牲チューブ218を通過して可視マーカーチューブ216に到達する。熱は、可視マーカーチューブをカテーテル200の中空チューブ202の外壁204の外面206に溶着するために、可視マーカーチューブ216の外側領域を少なくとも部分的に溶融する。
【0138】
図8A及び図8Bを参照すると、一実施形態では、犠牲チューブの中央領域245を収縮させ、これにより次に、可視マーカーチューブをカテーテル200の中空チューブ202の外面206に溶着するために可視マーカーチューブ216を内向きに圧縮するために、犠牲チューブ218に熱が加えられた後、更なる製造ステップを行うためにカテーテルアセンブリを加熱アセンブリ220から除去することができる。
【0139】
図8A及び図8Bを参照すると、一実施形態では、可視マーカーチューブ216が中空チューブ202の外面206に溶着された後、犠牲チューブ218が除去及び/又は剥離されてもよい。図8A及び図8Bは、犠牲チューブ218を剥離する前のアセンブリを示す。図9A及び図9Bは、犠牲チューブ218(図8A及び8B)が除去された後のアセンブリを示す。
【0140】
図9A及び図9B並びに図10A及び図10Bを参照すると、可視マーカーチューブ216がカテーテル200の中空チューブ202の外面206に溶着された後、中空チューブ202が細長い内腔内に内向きに潰れないように支持しているマンドレル214を細長い内腔から除去することができる。図9A及び図9Bは、マンドレル214を取り外す前のアセンブリを示す。図10A及び図10Bは、マンドレルが内腔210から除去された後のカテーテルアセンブリを示す。マンドレルが除去された後、カテーテルアセンブリ200は、好ましくは、中空チューブ202と、中空チューブ202の外面206に溶着された可視マーカーチューブ216と、を含む。内腔210(図10B)は、好ましくは、カテーテル200の長さに沿って延在する。
【0141】
図11を参照すると、一実施形態では、カテーテル300は、好ましくは、近位端330及び遠位端332を有する中空チューブ302を含む。カテーテル300は、図2A図10Bに示され、上述された方法の1つ又は2つ以上のステップを使用することなどによって、中空チューブ302の外面に溶着された可視マーカーチューブ316を含むことが好ましい。カテーテル300は、好ましくは、可視マーカーチューブ316と中空チューブ302の遠位端332との間に延在する遠位部分334を含む。一実施形態では、カテーテルのソーカー領域とも称される場合がある遠位部分334は、好ましくは、可視マーカーチューブ316と中空チューブ302の遠位端332との間に位置する複数の離隔された流体開口部112(図1A)を含む。流体は、離隔された流体開口部を介して、患者から排出されるか、又は患者に注入されてもよい。
【0142】
一実施形態では、カテーテル300は、好ましくは、可視マーカーチューブ316と中空チューブ302の遠位端330との間に延在する近位部分336を含む。一実施形態では、カテーテルの近位部分336は、好ましくは、離隔された流体開口部を有しておらず、これは、カテーテル300の中空チューブ302の遠位部分334内に位置する、位置する流体開口部とは対照的である。
【0143】
一実施形態では、組織アンカー(図示せず)は、中空チューブ302の端部(例えば、遠位端)に固設されてもよい。
【0144】
図12を参照すると、一実施形態では、可視マーカーチューブ316は、カテーテル300の中空チューブ302の外面306に溶着され、かつ/又は取り付けられることが望ましい。可視マーカーチューブ316に熱を加えると、可視マーカーチューブを作製するために使用される材料の組成が変化することが望ましい。図12において、可視マーカーチューブ316の断面は、熱リング340を示し、これは、可視マーカーチューブ316の内部領域内の材料が、カテーテル300の中空チューブ302の外壁304の外面306への可視マーカーチューブの固設を促進するために、どのように熱によって変換されるかを示す。
【0145】
図13A及び図13Bを参照すると、一実施形態では、細長いカテーテル400は、好ましくは、図2A図10Bに示され、上述された方法を使用することなどによって、中空チューブ402の外面406に固設された可視マーカーチューブ416を含む。加えて、カテーテル400は、好ましくは、カテーテル400の細長い内腔410内に配設された可視マーカーフィラメント425(例えば、染色されたポリマー繊維)を含む。中空チューブ402の遠位端432は、カテーテルの中空チューブの遠位端を封止するために圧着される。圧着された遠位端は、可視マーカーフィラメントを中空チューブ402の遠位端432に固設するために可視マーカーフィラメント425の遠位端に係合することが好ましく、それによって、可視マーカーフィラメント425がカテーテル400の中空チューブ202の細長い内腔410内の定位置に固定されることを確実にする。一実施形態では、可視マーカーフィラメント425は、細長い内腔410内の中心に位置し得る。
【0146】
一実施形態では、可視マーカーフィラメント425は染色されたポリマーである。一実施形態では、可視マーカーチューブ416及び可視マーカーフィラメントは、同じ色(例えば、紫色)に染色される。一実施形態では、可視マーカーフィラメント425及び可視マーカーチューブ416は、21CFR74.1602に規定されているように、約0.04~0.05%のD&C Violet2を有する染色されたモノクリルポリマーを含む。
【0147】
図14は、図13A及び図13Bに示され、上述されたカテーテル400の斜視図を示す。カテーテル400は、好ましくは、近位端430及び封止されている遠位端432を有する中空チューブ402を含む。カテーテルは、医療関係者がカテーテルの遠位部分434と近位部分436とを区別することを可能にし、カテーテル400の遠位部分434が始まる部分(すなわち、ソーカー領域)を識別するために、中空チューブ402の外面406(図13B)に溶着された可視マーカーチューブ416を含むことが好ましい。
【0148】
カテーテルの近位部分436は、可視マーカーチューブ416と中空チューブ402の近位端430との間に延在する。一実施形態では、カテーテル400の近位部分432は、中空チューブ402の外壁を通って延在する離隔された開口部を有しておらず、したがって、近位部分432は、患者から流体を排出するかつ/又は患者に流体を注入するために使用されなくてもよい。
【0149】
一実施形態では、カテーテルの遠位部分434は、好ましくは、中空チューブ402の外壁に形成されており、可視マーカーチューブ416と中空チューブ402の圧着された遠位端432との間に延在する複数の離隔された開口部112(図1A)を含む。更に、カテーテル400は、好ましくは、カテーテルの遠位部分434内に延在する可視マーカーフィラメント425(図13A及び図13B)を含む。したがって、図14に示される実施形態は、医療関係者がカテーテルの遠位部分434(すなわち、ソーカー領域)が始まる部分、すなわち、可視マーカーチューブ416及び可視マーカーフィラメント425を位置特定することを可能にする2つの視覚的インジケータを有する。
【0150】
図15A及び図15Bを参照すると、一実施形態では、カテーテル500は、好ましくは、その長さに沿って延在する細長い内腔510を有する中空チューブ502を含む。カテーテル500は、細長い内腔510内に配設された可視マーカーフィラメント525を含むことが好ましい。一実施形態では、中空チューブ502の遠位端532は、可視マーカーフィラメント525の遠位端を中空チューブ502の遠位端532に固設するために圧着される。中空チューブ502の遠位端532を圧着することは、好ましくは、可視マーカーフィラメント525の遠位端を中空チューブ502に固定し、マーカーフィラメント525がカテーテル500の細長い内腔510内で自由に浮動することを防止する。
【0151】
一実施形態では、可視マーカーフィラメント525は、モノクリル又はポリジオキサノン(PDS)などのポリマー材料で作られる。一実施形態では、可視マーカーフィラメント525は、21CFR74.1602に規定されるように、約0.04~0.05%のD&C Violet2を有する染色されたモノクリルポリマーを含む。
【0152】
図16を参照すると、一実施形態では、カテーテル500は、好ましくは、近位端530及び遠位端532を有する中空チューブ502を含む。一実施形態では、可視マーカーフィラメント525は、医療関係者が中空チューブ502のソーカー領域が始まる部分を位置特定することを可能にするように、カテーテル500の遠位部分534内に配設されている。加えて、可視マーカーフィラメント525は、望ましくは、カテーテル500のソーカー領域の長さの視覚的インジケータを提供し、ソーカー領域は、上述されたように、患者から流体を排出するかつ/又は患者に流体を注入するための離隔された開口部(図1A)を有するカテーテルの部分である。
【0153】
一実施形態では、中空チューブ502の遠位端532は、可視マーカーフィラメント525がカテーテル500の遠位端に固定されるように、中空チューブ502の細長い内腔内に可視マーカーフィラメント525を固設するために圧着及び/又は封止されてもよい。
【0154】
一実施形態では、針535(例えば、湾曲した縫合針)は、カテーテル500の中空チューブ502の近位端530に固設されてもよい。針535は、カテーテルを患者に植え込むためにカテーテルを患者に通すために使用されてもよい。
【0155】
一実施形態では、治療用流体を組織に送達する方法は、針を使用して、創傷の第1の端部に第1の組織開口部を形成することと、組織アンカーが創傷の第1の端部の組織に当接するまで中空チューブを第1の組織開口部を通して完全に引っ張ることと、を含み得る。
【0156】
一実施形態では、治療用流体を組織に送達する方法は、望ましくは、針及び中空チューブの近位端が患者の外側に位置するように、針を患者の皮膚層に通すことを含む。
【0157】
一実施形態では、治療用流体を組織に送達する方法は、中空チューブから針を取り外すために中空チューブの近位端を切断することと、治療用流体が細長い内腔内に流入し、組織(例えば、創傷)に治療用流体を注入するためにカテーテルのソーカー領域内に位置する流体開口部を通過するように、中空チューブの切断された近位端に治療用流体を導入することと、を含み得る。
【0158】
整形外科インプラントに関連する感染症は、患者にとって悲惨であり、しばしば再手術、切断、又は死を含む重大な結果をもたらす可能性がある。大用量での感染した部位への局所抗生物質などの治療用流体の送達は、全身的に送達される場合に有害であるが、局所的に送達されると安全であり、本明細書に開示されるカテーテルを使用して達成することができる。
【0159】
手術不可能な腫瘍は、多くの場合、限定された選択肢を患者に残す。腫瘍に対する直接の高用量化学療法剤又は免疫療法(例えば、改変T細胞)の送達は、これまでにない利益を提供し得る。本明細書に開示される生体吸収性カテーテルは、このタイプの治療用流体の局所送達を提供するために使用され得る。
【0160】
オピオイドを用いた術後の疼痛管理は、依存症、重度の便秘、及び認知障害のリスクを含むいくつかの理由で理想的ではないことが多い。本明細書に開示されるカテーテルを用いた創傷部位への局所麻酔薬の直接送達は、好ましくは、患者の疼痛及び苦痛を最小限に抑えながら、オピオイド使用を低減するための機序を提供する。
【0161】
一実施形態では、本明細書に開示されるカテーテルは、バクテリアコロニー形成を防止するための抗菌剤をコーティングするかつ/又は含浸させることができる。一実施形態では、好ましい抗菌剤はトリクロサンである。一実施形態では、ポリジオキサノン又はポリカプロラクトンで作製されたポリマー製のカテーテルなどのカテーテルにトリクロサン抗菌剤を適用するために蒸気プロセスを使用し得る。一実施形態では、カテーテルに使用される抗菌剤には、トリクロサン、クロロヘキシジン、ポビドンヨード、及び/又は銀化合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0162】
図17Aを参照すると、一実施形態では、加熱アセンブリ620は、カテーテル600の中空チューブ602の外面に可視マーカーチューブを固設するための熱を発生させて加えるために利用されてもよい。上述のように、可視マーカーチューブは、カテーテルの遠位部分(すなわち、ソーカー領域)が始まる部分を指定するために利用され得る。一実施形態では、マンドレル614は、カテーテル600の中空チューブ602の細長い内腔を通過する。一実施形態では、第1のクランプ650Aが、カテーテル600の第1の端部を固定するために利用され、第2のクランプ650Bが、カテーテル600の第2の部分を固定するために利用されてもよい。第1のクランプ650A及び第2のクランプ650Bは、張力下で中空チューブ602を保持してもよい。
【0163】
一実施形態では、加熱アセンブリ620は、好ましくは、中空チューブ602の外面上に組み立てられた可視マーカーチューブ216及び犠牲チューブ218(図7A)を含むアセンブリの領域を加熱するように適合された第1のヒータブロック622A及び第2のヒータブロック622Bを含む。
【0164】
ヒータブロック622A、622Bの各々は、アルミニウム製加熱ブロックに埋め込まれた加熱要素を含むことが好ましい。加熱要素のうちの1つは、第1のヒータブロック622A内に位置し、加熱要素のうちの1つは、第2のヒータブロック622B内に位置する。アルミニウム製加熱ブロックに埋め込まれたそれぞれの加熱要素は、導線675A、675B(赤色で示される)を介して制御システムに電気的に接続される。ヒータアセンブリ620は、2つのアルミニウム製加熱ブロックの各々に埋め込まれた100kサーミスタを使用する温度フィードバックループを含むことが好ましい。
【0165】
各ヒータブロック622A、622Bは、好ましくは、安全のため(例えば、火傷を防止するため)及び熱保持のために定位置にある絶縁シリコーンケース685を含む。絶縁シリコーンケースは、ヒータブロックの外部のみにあり、ヒータブロックの対向面間に位置する間隙内にはない。カテーテルは、好ましくは、カテーテルの中空チューブの外面に可視マーカーチューブを固設するために、間隙内に位置付けられている。
【0166】
一実施形態では、ヒータブロック622A、622Bは、Amazon.com:3D Printer Parts Ender 3 Hotend Assembled Ender 3 Pro Extruder Kit 24V 40W for Creality Ender 3/Ender 3 Pro with Silicon Cover and 0.4mm Nozzles:Industrial & Scientificにおいて商品名RICHOOSEで部品番号Ender 3-Extruderとして販売されている。
【0167】
図17B及び図17Cを参照すると、一実施形態では、ヒータアセンブリ620は、好ましくは、ステップモータ652を含み、ステップモータ652は、第1のヒータブロック622A及び第2のヒータブロック622Bを犠牲チューブ及び可視マーカーチューブと整列するように移動させ、犠牲チューブ及び可視マーカーチューブは、カテーテルの遠位部分及び/又はソーカー領域が始まる部分を指定する場所に位置付けられる。
【0168】
図17Cを参照すると、一実施形態では、第1のヒータブロック622A及び第2のヒータブロック622Bは、犠牲チューブを収縮させるために犠牲チューブ及び可視マーカーチューブに向けられる熱を発生させ、それにより、犠牲チューブが、可視マーカーチューブをカテーテル600の中空チューブ602の外面に押し込む。一実施形態では、第1のヒータブロック622A及び第2のヒータブロック622Bは、約6~14秒間、約190~220℃の範囲内の熱をアセンブリに加えるように構成されている。より好ましい実施形態では、第1のヒータブロック622A及び第2のヒータブロック622Bは、約10秒間、約205℃の温度でアセンブリに熱を加えるように構成される。一実施形態では、熱は、好ましくは、可視マーカーチューブをカテーテルの中空チューブの外面に固設するために可視マーカーチューブを少なくとも部分的に溶融するために、犠牲チューブ及び可視マーカーチューブの外側領域を通過する。
【0169】
一実施形態では、第1の可視マーカー(例えば、可視マーカーカラー)は、モノクリルから作製されてもよく、熱は、190~220℃の温度範囲内で約4~16秒間、より好ましくは205℃で約10秒間加えられる。
【0170】
一実施形態では、第1の可視マーカー(例えば、可視マーカーカラー)は、ポリマー材料(例えば、PDS)から作製されてもよく、熱は、第1の可視マーカーのポリマー材料の融点(又は溶融ピーク温度)から約+/-15℃の温度範囲内で約4~16秒間、より好ましくは、第1の可視マーカーのポリマー材料の融点(又は溶融ピーク温度)から約+/-1.0℃の温度範囲内で約10秒間加えられる。
【0171】
図17D及び図17Eを参照すると、カテーテル600の中空チューブ602の外面に可視マーカーチューブを固設するために犠牲チューブ及び可視マーカーチューブに適切なレベルの熱が加えられた後、ステップモータ652が、好ましくは、第1のヒータブロック622A及び第2のヒータブロック622Bを後退させ、それによって、カテーテルの中空チューブ602に固設された可視マーカーチューブを有するカテーテル600が、第1のクランプ650Aと第2のクランプ650Bとの間の固定位置から除去され得る。第1のクランプ650A及び第2のクランプ650Bは、加熱器システムのクランプからカテーテルアセンブリを除去するために、緩められても、かつ/又は開かれてもよい。一実施形態では、カテーテル600がクランプ650A、650Bから除去される前又は後に、マンドレル614は、カテーテル600の中空本体602の細長い内腔から除去されてもよい。
【0172】
図18を参照すると、一実施形態では、カテーテル700の細長い本体702の外面706に可視マーカーチューブ716を融着するための加熱システム720は、カテーテル700の上側に重なる第1のヒータブロック722Aと、カテーテル700の底部の下に重なる第2のヒータブロック722Bと、カテーテル700の側面に熱を向ける第3のヒータブロック722Cと、を含むことができる。3つのヒータブロック722A~722Cは、好ましくは、可視マーカーチューブ716上に位置付けられた熱収縮材料(例えば、PTFE)で作製された犠牲チューブ718に熱を向ける。犠牲チューブ718に熱が加えられると、犠牲チューブは内向きに可視マーカーチューブ716上に押し付けられる。加えて、熱は、可視マーカーチューブ716をカテーテル700の中空チューブ702の外面706に固設するように、可視マーカーの材料を少なくとも部分的に溶融するために可視マーカーチューブの材料内に伝わる。
【0173】
図20A及び図20Bを参照すると、一実施形態では、カテーテル800は、流体を排出するかつ/又は注入するために使用されてもよい。カテーテル800は、望ましくは、カテーテル800の長さに沿って延在する細長い内腔810を取り囲んでいる外面806及び内面808を有する外壁804を有する中空チューブ802を含む。一実施形態では、カテーテル800は、中空チューブ800の外壁804に形成された複数の離隔された細長いスリット812を含むことが好ましい。一実施形態では、幅よりも大きいそれぞれの長さを有する細長いスリット812。離隔された細長いスリット812は、好ましくは、外面806から内面808まで外壁804を完全に通過して延在しており、それによって、中央内腔810を通って流動する流体は、患者に注入されるように離隔された細長いスリット812を通過し得る。一実施形態では、細長いスリット812は、患者から流体を排出するために使用されてもよく、排出された流体は、内腔810を介して除去されてもよい。
【0174】
図20Aに示されるカテーテル800は、ソーカー領域内にあるカテーテルの一部のみを描写している。カテーテル800の全長は示されていない。一実施形態では、細長いスリット812は、図11の遠位部分334によって示されるように、カテーテルの遠位部分に位置する。
【0175】
上記の説明は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の及び更なる実施形態が考案され得、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明では、本明細書に記載されるか、又は本明細書に参照により組み込まれる実施形態のうちのいずれかに示される特徴のうちのいずれも、本明細書に記載されるか、又は本明細書に参照により組み込まれる他の実施形態のうちのいずれかに示される特徴のうちのいずれかとともに組み込まれ、かつ本発明の範囲内に依然として含まれ得ることが企図されている。
【0176】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルを作製する方法であって、前記カテーテルは、前記カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための可視マーカーを有し、前記方法は、
中空チューブを取得することであって、前記中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分から前記遠位部分まで前記中空チューブを通って延在する細長い導管と、前記細長い内腔と流体連通している前記中空チューブの前記遠位部分の壁に形成された1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する、取得することと、
前記中空チューブの前記細長い内腔内にマンドレルを挿入することと、
前記中空チューブの前記近位部分と前記遠位部分との接合部において、前記中空チューブの外面上に第1の可視マーカーを位置付けることと、
前記第1の可視マーカー上に犠牲材料を配置し、これにより、前記第1の可視マーカーが前記犠牲材料によって完全に覆われるようにすることと、
前記犠牲材料を収縮させて、前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に押し付け、かつ前記第1の可視マーカーを少なくとも部分的に溶融させて、前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に融着させるために、前記犠牲材料、前記第1の可視マーカー、及び前記中空チューブに熱を加えることと、を含む、方法。
(2) 前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に融着させた後、前記犠牲材料を除去して、前記第1の可視マーカーを完全に露出させることと、
前記中空チューブの前記細長い内腔から前記マンドレルを除去することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記第1の可視マーカーが、第1の長さを有する可視マーカーカラーを含み、
前記犠牲材料が、前記第1の長さよりも大きい第2の長さを有する犠牲チューブを含み、
前記中空チューブが、前記第2の長さよりも大きい第3の長さを有することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記熱を加えている間、前記中空チューブがその長手方向軸に沿って収縮し、半径方向に拡張するのを防止するために、前記可視マーカーカラーの前記第1の長さを超えて位置する、前記中空チューブの1つ又は2つ以上の部分を少なくとも部分的に拘束することを更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記中空チューブ及び前記第1の可視マーカーが、同じポリマー材料で作製されており、前記犠牲材料が、PTFEを含む、実施態様1に記載の方法。
【0177】
(6) 前記第1の可視マーカーが、第1の色を規定する染料又は顔料を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記中空チューブが、半透明又は透明な材料で作製されている、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記中空チューブが、前記第1の可視マーカーの前記第1の色と対照をなす第2の色を有する、実施態様6に記載の方法。
(9) 前記第1の可視マーカーが、前記中空チューブの外面の周りに延在する可視マーカーカラーを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記中空チューブが、外径を有し、前記チューブ状カラーが、前記中空チューブの前記外径に等しいか又はそれよりもわずかに大きい内径を規定する中央開口部を有する、実施態様9に記載の方法。
【0178】
(11) 前記中空チューブの前記細長い内腔内に第2の可視マーカーを配設することであって、前記第2の可視マーカーが、前記中空チューブの前記近位部分と前記遠位部分との前記接合部と、前記中空チューブの遠位端との間に延在する、配設することと、
前記第2の可視マーカーの遠位端を前記中空チューブの前記遠位端に固設することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記マンドレルが、前記中空チューブを支持し、かつ前記第1の可視マーカーを前記中空チューブの前記外面に融着させるときに前記中空チューブが内向きに潰れるのを防止するために、前記中空チューブの前記細長い内腔の内径に厳密に一致する外径を有する、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記中空チューブの近位端に針を取り付けることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記中空チューブの前記遠位部分を患者の体内に植え込むことを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記熱が、190~220℃の温度範囲内で約4~16秒間加えられる、実施態様1に記載の方法。
【0179】
(16) 前記熱が、205℃で約10秒間加えられる、実施態様15に記載の方法。
(17) 熱を加えるステップが、前記犠牲材料を第1のヒータブロック及び第2のヒータブロックの対向する放熱面の間に配設することを更に含み、前記対向する放熱面が、約1.5~3.0mmの距離だけ互いに離隔されている、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記第1の可視マーカーが、ポリマー材料を含み、前記熱が、前記第1の可視マーカーの前記ポリマー材料の融点から約+/-15℃の温度範囲内で約4~16秒間加えられる、実施態様1に記載の方法。
(19) 前記熱が、前記第1の可視マーカーの前記ポリマー材料の前記融点から約+/-1.0℃の温度範囲内で約10秒間加えられる、実施態様18に記載の方法。
(20) カテーテルを作製する方法であって、前記カテーテルは、前記カテーテルの近位部分と遠位部分とを区別するための可視マーカーを有し、前記方法は、
中空チューブを取得することであって、前記中空チューブは、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分から前記遠位部分まで前記中空チューブを通って延在する細長い導管と、前記中空チューブの前記遠位部分の壁に形成されており、前記細長い内腔と流体連通している1つ又は2つ以上の流体開口部と、を有する、取得することと、
前記中空チューブの内径を支持し、かつ前記中空チューブが前記細長い内腔内に内向きに潰れるのを防止するために、前記中空チューブの前記細長い内腔内にマンドレルを挿入することと、
前記中空チューブの前記近位部分と前記遠位部分との接合部において、前記中空チューブの外面上に可視マーカーカラーを位置付けることと、
前記可視マーカーカラー上に犠牲チューブを配置することであって、前記犠牲チューブは、前記可視マーカーカラーが前記犠牲チューブによって完全に覆われるように、前記可視マーカーカラーよりも大きい長さを有する、配置することと、
前記犠牲チューブを収縮させて、前記可視マーカーカラーを前記中空チューブの前記外面に押し付け、かつ前記可視マーカーカラーを少なくとも部分的に溶融させて、前記可視マーカーカラーを前記中空チューブの前記外面に融着させるために、前記犠牲チューブ、前記可視マーカーカラー、及び前記中空チューブに熱を加えることと、を含む、方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18
図19A
図19B
【国際調査報告】