(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】アーク経路形成部およびこれを含む直流リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/16 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H01H50/16 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505338
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 KR2022017914
(87)【国際公開番号】W WO2023090795
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159323
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハス
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨンジュン
(57)【要約】
本発明は、発生したアークを外部に向かって効果的に誘導できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーにおいて、アークチャンバーの外側およびフレームの内側の間に配置されて互いに異なる第1ホルダおよび第2ホルダを含む磁石ホルダ部および前記磁石ホルダ部のアークチャンバーに向かう一面に付着して前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、前記第1ホルダおよび前記第2ホルダはそれぞれ所定の角度で折り曲げられて延びて両端に磁石部が付着して、磁石部で形成された磁場は直流リレーに通電する電流とともに電磁力を形成してアークを固定接触子から遠ざかる方向に誘導する、アーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数個の固定接触子および可動接触子が収容されるアークチャンバー;
前記アークチャンバーの外側に配置され、互いに異なる第1ホルダおよび第2ホルダを含む磁石ホルダ部;および
前記磁石ホルダ部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着されて前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、
前記第1ホルダおよび第2ホルダは、
それぞれ所定の角度で折り曲げられて延び、互いに離隔するものの、前記複数個の固定接触子の配列方向と交差する方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向するように配置され、
前記磁石部は、
前記第1ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第1ホルダの一端または他端から前記第1ホルダの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;
前記第2ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第2ホルダの一端または他端から前記第2ホルダの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石;および
前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含む、アーク経路形成部。
【請求項2】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と並んで形成される、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項3】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と交差する、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項4】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1磁石と前記第3磁石の間の最短経路と交差する、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項5】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第2磁石と前記第4磁石の間の最短経路と交差する、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項6】
前記第1磁石、第2磁石、第3磁石、第4磁石および補助磁石は、
すべて同一の平面上に配置される、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項7】
前記磁石部は、
前記第1磁石および第3磁石が互いに対向するように配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向するように配置される、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項8】
前記第1磁石は、
前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され、
前記第3磁石は、
前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向するように配置される、請求項7に記載のアーク経路形成部。
【請求項9】
前記第1磁石および第2磁石は、
前記複数個の固定接触子の中心点を基準としてそれぞれ前記第3磁石および第4磁石と互いに対向せずにずれるように配置される、請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項10】
前記第1磁石は、
前記第3磁石との最短経路が前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり、
前記第2磁石は、
前記第4磁石との最短経路が前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なる、請求項9に記載のアーク経路形成部。
【請求項11】
前記第1磁石は、
前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向せずにずれるように配置され、
前記第3磁石は、
前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向せずにずれるように配置される、請求項9に記載のアーク経路形成部。
【請求項12】
前記第1磁石は、
前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され、
前記第3磁石は、
前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向するように配置される、請求項9に記載のアーク経路形成部。
【請求項13】
複数個備えられて、一方向に互いに離隔して位置する固定接触子;
前記固定接触子に接触したり離隔する可動接触子;
内部に前記固定接触子および前記可動接触子が収容される空間が形成されるアークチャンバー;
前記アークチャンバーを囲むフレーム;
前記アークチャンバーの外側および前記フレームの内側の間に配置され、互いに異なる第1ホルダおよび第2ホルダを含む磁石ホルダ部;および
前記磁石ホルダ部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着されて前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、
前記第1ホルダおよび第2ホルダは、
それぞれ所定の角度で折り曲げられて延び、互いに離隔するものの、前記複数個の固定接触子の配列方向と交差する方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向するように配置され、
前記磁石部は、
前記第1ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第1ホルダの一端または他端から前記第1ホルダの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;
前記第2ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第2ホルダの一端または他端から前記第2ホルダの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石;および
前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含む、直流リレー。
【請求項14】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と並んで形成される、請求項13に記載の直流リレー。
【請求項15】
前記補助磁石は、
その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と交差する、請求項13に記載の直流リレー。
【請求項16】
前記磁石部は、
前記第1磁石および第3磁石が互いに対向するように配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向するように配置され、
前記第1磁石は、
前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され、
前記第3磁石は、
前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向するように配置される、請求項13に記載の直流リレー。
【請求項17】
前記第1磁石および第2磁石は、
前記複数個の固定接触子の中心点を基準としてそれぞれ前記第3磁石および第4磁石と互いに対向せずにずれるように配置される、請求項13に記載の直流リレー。
【請求項18】
前記磁石部は、
前記第1磁石、第2磁石、第3磁石および第4磁石のうち少なくとも二つは互いに異なる大きさで形成される、請求項13に記載の直流リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーに関し、より具体的には、発生したアークを外部に向かって効果的に誘導できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
直流リレー(Direct current relay)とは、電磁石の原理を利用して機械的な駆動または電流信号を伝達する装置を意味する。直流リレーは電磁開閉器(Magnetic switch)とも言われ、電気的な回路開閉装置に分類されるのが一般的である。
【0003】
直流リレーは固定接点および可動接点を含む。固定接点は外部の電源および負荷と通電可能に連結される。固定接点と可動接点は互いに接触したり、離隔し得る。
【0004】
固定接点と可動接点の接触および離隔によって、直流リレーを通じての通電が許容または遮断される。前記移動は、可動接点に駆動力を印加する駆動部によって達成される。
【0005】
固定接点と可動接点が離隔すると、固定接点と可動接点間にはアーク(arc)が発生する。アークは高圧、高温の電流の流れである。したがって、発生したアークは予め設定された経路を通じて直流リレーから速かに排出されなければならない。
【0006】
アークの排出経路は直流リレーに備えられる磁石によって形成される。前記磁石は固定接点と可動接点が接触される空間の内部に磁場を形成する。形成された磁場および電流の流れによって発生した電磁力によってアークの排出経路が形成され得る。
【0007】
従来の直流リレーは、一部の固定接点に作用する電磁力が内側、すなわち可動接点の中央部分に向かって形成される。したがって、該当位置で発生したアークは直ちに外側に排出されなくなる。
【0008】
直流リレーの中央部分、すなわち、各固定接点間の空間には可動接点を上下方向に駆動させるための種々の部材が備えられる。一例として、シャフト、シャフトに貫通挿入されるスプリング部材などが前記位置に備えられる。
【0009】
したがって、発生したアークが中央部分に向かって移動される場合、また、中央部分に移動されたアークが直ちに外部に移動できない場合、前記位置に備えられる種々の部材がアークのエネルギーによって損傷する恐れがある。
【0010】
また、従来の直流リレーの内部で形成される電磁力はその方向が固定接点に通電する電流の方向に依存する。すなわち、各固定接点で発生する電磁力のうち内側に向かう方向に形成される電磁力の位置が電流の方向により異なる。
【0011】
すなわち、使用者は直流リレーを使うたびに電流の方向に考慮しなければならない。これは直流リレーの使用に不便な点を招き得る。また、使用者の意図にかかわらず、操作未熟などで直流リレーに印加される電流の方向が変わる状況も排除できない。
【0012】
この場合、発生したアークによって直流リレーの中央部分に備えられた部材が損傷する恐れがある。これに伴い、直流リレーの耐久年限が減少することはもちろん、安全事故が発生する恐れがある。
【0013】
韓国登録特許文献第10-1696952号は直流リレーを開示する。具体的には、複数個の永久磁石を利用して、可動接点の移動を防止できる構造の直流リレーを開示する。
【0014】
ところが、このような類型の直流リレーは複数個の永久磁石を利用して可動接点の移動を防止することはできるものの、アークの排出経路の方向を制御するための方案に対する考察がないという限界がある。
【0015】
韓国登録特許文献第10-1216824号は直流リレーを開示する。具体的には、減衰磁石を利用して可動接点と固定接点間の任意離隔を防止できる構造の直流リレーを開示する。
【0016】
しかし、このような類型の直流リレーは可動接点と固定接点の接触状態を維持するための方案のみを提示する。すなわち、可動接点と固定接点が離隔する場合に発生するアークの排出経路を形成するための方案を提示できないという限界がある。
【特許文献1】韓国登録特許文献第10-1696952号(2017.01.16.)
【特許文献2】韓国登録特許文献第10-1216824号(2012.12.28.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の一目的は、通電していた電流が遮断されることによって発生するアークを速かに消弧および排出できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することである。
【0018】
本発明の他の一目的は、発生したアークを誘導するための力の大きさを強化できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することである。
【0019】
本発明のさらに他の一目的は、発生したアークによって通電のための構成要素の損傷が防止され得るアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の一目的は、複数個の位置で発生したアークが互いに出会わないように進行し得るアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することである。
【0021】
本発明のさらに他の一目的は、過度に多い設計変更なしでも前述した目的を達成できるアーク経路形成部およびこれを含む直流リレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するために、前記目的を達成するために、本発明の実施例に係るアーク経路形成部は、内部に複数個の固定接触子および可動接触子が収容されるアークチャンバー;前記アークチャンバーの外側に配置され、互いに異なる第1ホルダおよび第2ホルダを含む磁石ホルダ部;および前記磁石ホルダ部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着されて前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、前記第1ホルダおよび第2ホルダは、それぞれ所定の角度で折り曲げられて延び、互いに離隔するものの、前記複数個の固定接触子の配列方向と交差する方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向するように配置され、前記磁石部は、前記第1ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第1ホルダの一端または他端から前記第1ホルダの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;前記第2ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第2ホルダの一端または他端から前記第2ホルダの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石;および前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含む。
【0023】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と並んで形成され得る。
【0024】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と交差し得る。
【0025】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1磁石と前記第3磁石の間の最短経路と交差し得る。
【0026】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第2磁石と前記第4磁石の間の最短経路と交差し得る。
【0027】
また、前記第1磁石、第2磁石、第3磁石、第4磁石および補助磁石は、すべて同一の平面上に配置され得る。
【0028】
また、前記磁石部は、前記第1磁石および第3磁石が互いに対向するように配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向するように配置され得る。
【0029】
また、前記第1磁石は、前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され、前記第3磁石は、前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され得る。
【0030】
また、前記第1磁石および第2磁石は、前記複数個の固定接触子の中心点を基準としてそれぞれ前記第3磁石および第4磁石と互いに対向せずにずれるように配置され得る。
【0031】
また、前記第1磁石は、前記第3磁石との最短経路が前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり、前記第2磁石は、前記第4磁石との最短経路が前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり得る。
【0032】
また、前記第1磁石は、前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向せずにずれるように配置され、前記第3磁石は、前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向せずにずれるように配置され得る。
【0033】
また、前記第1磁石は、前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され、前記第3磁石は、前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され得る。
【0034】
また、本発明は、複数個備えられて、一方向に互いに離隔して位置する固定接触子;前記固定接触子に接触したり離隔する可動接触子;内部に前記固定接触子および前記可動接触子が収容される空間が形成されるアークチャンバー;前記アークチャンバーを囲むフレーム;前記アークチャンバーの外側および前記フレームの内側の間に配置され、互いに異なる第1ホルダおよび第2ホルダを含む磁石ホルダ部;および前記磁石ホルダ部の前記アークチャンバーに向かう一面に付着されて前記アークチャンバーに磁場を形成する磁石部を含み、前記第1ホルダおよび第2ホルダは、それぞれ所定の角度で折り曲げられて延び、互いに離隔するものの、前記複数個の固定接触子の配列方向と交差する方向に配列され、それぞれの凹部が互いに対向するように配置され、前記磁石部は、前記第1ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第1ホルダの一端または他端から前記第1ホルダの前記一面に沿って延びる第1磁石および第2磁石;前記第2ホルダの前記アークチャンバーに向かう一面に隣接するように配置され、前記第2ホルダの一端または他端から前記第2ホルダの前記一面に沿って延びる第3磁石および第4磁石;および前記複数個の固定接触子の中心点と前記可動接触子の運動方向に重なり、前記アークチャンバーに磁場を形成する補助磁石を含む、直流リレーを提供する。
【0035】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と並んで形成され得る。
【0036】
また、前記補助磁石は、その延長方向が前記第1ホルダおよび第2ホルダの配列方向と交差し得る。
【0037】
また、前記磁石部は、前記第1磁石および第3磁石が互いに対向するように配置され、前記第2磁石および第4磁石が互いに対向するように配置され、前記第1磁石は、前記第2磁石と前記複数個の固定接触子の中心点および前記第1ホルダおよび第2ホルダの凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され、前記第3磁石は、前記第4磁石と前記仮想の線を挟んで互いに対向するように配置され得る。
【0038】
また、前記第1磁石および第2磁石は、前記複数個の固定接触子の中心点を基準としてそれぞれ前記第3磁石および第4磁石と互いに対向せずにずれるように配置され得る。
【0039】
また、前記磁石部は、前記第1磁石、第2磁石、第3磁石および第4磁石のうち少なくとも二つは互いに異なる大きさで形成され得る。
【発明の効果】
【0040】
本発明の多様な効果のうち、前述した解決手段を通じて得ることができる効果は次の通りである。
【0041】
まず、アーク経路形成部は磁石部を含む。磁石部はそれぞれアーク経路形成部の内部に磁場を形成する。形成された磁場はアーク経路形成部に収容される固定接触子および可動接触子に通電していた電流とともに電磁力を形成する。
【0042】
この時、発生したアークは各固定接触子から遠ざかる方向に形成される。固定接触子と可動接触子が離隔して発生したアークは、前記電磁力によって誘導され得る。
【0043】
したがって、発生したアークがアーク経路形成部および直流リレーの外部に速かに消弧および排出され得る。
【0044】
また、磁石部は複数個の磁石を具備することができる。複数個の磁石は各固定接触子付近で形成される電磁力の強度を強化するように形成される。すなわち、互いに異なる磁石によって、同一の固定接触子付近で形成されるアーク経路形成部は互いに同じ方向に形成される。
【0045】
したがって、各固定接触子付近で形成される磁場の強度および磁場の強度に依存する電磁力の強度も強化され得る。その結果、発生したアークを誘導する電磁力の強度が強化されて、発生したアークが効果的に消弧および排出され得る。
【0046】
また、磁石部が形成する磁場および固定接触子と可動接触子に通電していた電流が形成する電磁力の方向は、中心部から遠ざかる方向に形成される。
【0047】
さらに、前述した通り、磁石部によって磁場および電磁力の強度が強化されるので、発生したアークが中心部から遠ざかる方向に速かに消弧および移動され得る。
【0048】
したがって、直流リレーの作動のために中心部付近に備えられる各種構成要素の損傷が防止され得る。
【0049】
また、多様な実施例において、固定接触子は複数個備えられ得る。アーク経路形成部に備えられる磁石部は各固定接触子付近に互いに異なる方向の磁場を形成する。したがって、各固定接触子付近で発生したアークの経路は互いに異なる方向に向かって進行する。
【0050】
したがって、各固定接触子付近で発生したアークが互いに出会わなくなる。これに伴い、互いに異なる位置で発生したアークの衝突によって発生し得る誤動作または安全事故などが予防され得る。
【0051】
また、磁石部および磁石ホルダ部はアークチャンバーを囲むフレームの内側に位置する。すなわち、磁石部および磁石ホルダ部はフレームの内側およびアークチャンバーの外側の間に位置する。
【0052】
したがって、磁石部および磁石ホルダ部をアークチャンバーの外部に配置するための別途の設計変更が要求されない。
【0053】
したがって、過度に多い設計変更なしでも本発明の多様な実施例に係るアーク経路形成部が直流リレーに備えられ得る。さらに、本発明の多様な実施例に係るアーク経路形成部が適用されるための時間および費用などが節減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の実施例に係る直流リレーを図示する正断面図である。
【
図2】
図1の直流リレーを図示する平断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例に係るアーク経路形成部を図示する概念図である。
【
図4】
図3のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図5】
図3のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図6】
図3のアーク経路形成部に備えられる磁石部の他の例を図示する概念図である。
【
図7】
図6のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図8】
図6のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図9】
図3のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図10】
図9のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図11】
図9のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図12】
図3のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図13】
図12のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図14】
図12のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図15】本発明の第2実施例に係るアーク経路形成部を図示する概念図である。
【
図16】
図15のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図17】
図15のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図18】
図15のアーク経路形成部に備えられる磁石部の他の例を図示する概念図である。
【
図19】
図18のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図20】
図18のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図21】
図15のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図22】
図21のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図23】
図21のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図24】
図15のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図25】
図24のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図26】
図24のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図27】本発明の第3実施例に係るアーク経路形成部を図示する概念図である。
【
図28】
図27のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図29】
図27のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図30】
図27のアーク経路形成部に備えられる磁石部の他の例を図示する概念図である。
【
図31】
図30のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図32】
図30のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図33】
図27のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図34】
図33のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図35】
図33のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図36】
図27のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図37】
図36のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図38】
図36のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図39】本発明の第4実施例に係るアーク経路形成部を図示する概念図である。
【
図40】
図39のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図41】
図39のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図42】
図39のアーク経路形成部に備えられる磁石部の他の例を図示する概念図である。
【
図43】
図42のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図44】
図42のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図45】
図39のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図46】
図45のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図47】
図45のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図48】
図39のアーク経路形成部に備えられる磁石部のさらに他の例を図示する概念図である。
【
図49】
図48のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【
図50】
図48のアーク経路形成部によって形成される磁場およびアークの経路を図示する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の実施例に係るアーク経路形成部100、200、300、400およびこれを含む直流リレー1を図面を参照してより詳細に説明する。
【0056】
以下の説明では本発明の特徴を明確にするために、一部の構成要素に対する説明が省略され得る。
【0057】
本明細書では互いに異なる実施例であっても、同じ構成に対しては同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0058】
添付された図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されない。
【0059】
単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0060】
1.本発明の実施例に係る直流リレー1の説明
以下では、
図1~
図2を参照して本発明の実施例に係る直流リレー1について説明する。
【0061】
本発明の実施例に係る直流リレー1はフレーム部10、開閉部20、コア部30および可動接触子部40を含む。また、直流リレー1はアーク経路形成部100、200、300、400を含む。
【0062】
アーク経路形成部100、200、300、400は発生したアークの排出経路を形成することができる。
【0063】
以下では、添付された図面を参照して本発明の実施例に係る直流リレー1の構成を説明するものの、フレーム部10、開閉部20、コア部30、可動接触子部40およびアーク経路形成部100、200、300、400は別項で説明する。
【0064】
以下で説明される多様な実施例に係るアーク経路形成部100、200、300、400は直流リレー1に備えられることを前提にして説明される。ただし、アーク経路形成部100、200、300、400は電磁接触器、電磁開閉器などの固定接点および可動接点の接触および離隔によって外部と通電および通電解除され得る形態の装置に適用され得ることが理解できるであろう。
【0065】
(1)フレーム部10の説明
フレーム部10は直流リレー1の外側を形成する。フレーム部10の内部には所定の空間が形成される。前記空間には直流リレー1が外部から伝達される電流を印加したり遮断するための機能を遂行する多様な装置が収容され得る。すなわち、フレーム部10は一種のハウジング41として機能する。
【0066】
一実施例において、フレーム部10は合成樹脂などの絶縁性素材で形成され、フレーム部10の内部と外部が任意に通電することが防止され得る。
【0067】
図示された実施例において、フレーム部10は上部フレーム11、下部フレーム12、絶縁プレート13および支持プレート14を含む。
【0068】
上部フレーム11はフレーム部10の上側を形成する。上部フレーム11の内部には所定の空間が形成される。
【0069】
上部フレーム11の内部空間には開閉部20および可動接触子部40が収容され得る。また、上部フレーム11の内部空間にはアーク経路形成部100、200、300、400が収容され得る。
【0070】
上部フレーム11の一側、図示された実施例で上側には開閉部20の固定接触子22が位置する。固定接触子22は上部フレーム11の上側に一部が露出されて、外部の電源または負荷と通電可能に連結され得る。このために、上部フレーム11の一側には固定接触子22が貫通結合される貫通孔が形成され得る。
【0071】
下部フレーム12はフレーム部10の下側を形成する。下部フレーム12の内部には所定の空間が形成される。下部フレーム12の内部空間にはコア部30が収容され得る。
【0072】
下部フレーム12は上部フレーム11と結合され得る。下部フレーム12と上部フレーム11の間の空間には絶縁プレート13および支持プレート14が備えられ得る。
【0073】
絶縁プレート13は上部フレーム11と下部フレーム12の間に位置する。
【0074】
絶縁プレート13は上部フレーム11と下部フレーム12を電気的に離隔させる。このために、絶縁プレート13は合成樹脂などの絶縁性素材で形成されることが好ましい。
【0075】
絶縁プレート13によって、上部フレーム11の内部に収容された開閉部20、可動接触子部40およびアーク経路形成部100、200、300、400と下部フレーム12の内部に収容されたコア部30間の任意通電が防止され得る。
【0076】
絶縁プレート13の中心部には貫通孔(図示されず)が形成される。前記貫通孔には可動接触子部40のシャフト44が上下方向に移動可能に貫通結合される。
【0077】
絶縁プレート13の下側には支持プレート14が位置する。
【0078】
支持プレート14は絶縁プレート13の下側を支持する。
【0079】
支持プレート14は上部フレーム11と下部フレーム12の間に位置する。
【0080】
支持プレート14は上部フレーム11と下部フレーム12を物理的に離隔させる。
【0081】
支持プレート14は磁性体で形成され得る。したがって、支持プレート14はヨーク33とともに磁路(magnetic circuit)を形成することができる。前記磁路によって、コア部30の可動コア32が固定コア31に向かって移動されるための駆動力が形成され得る。
【0082】
支持プレート14の中心部には貫通孔(図示されず)が形成される。前記貫通孔にはシャフト44が上下方向に移動可能に貫通結合される。
【0083】
したがって、可動コア32が固定コア31に向かう方向または固定コア31から離隔する方向に移動される場合、シャフト44およびシャフト44に連結された可動接触子43も同じ方向に一緒に移動され得る。
【0084】
(2)開閉部20の説明
開閉部20はコア部30の動作により電流の通電を許容したり遮断する。具体的には、開閉部20は固定接触子22および可動接触子43が接触したり離隔して電流の通電を許容したり遮断することができる。
【0085】
開閉部20は上部フレーム11の内部空間に収容される。開閉部20は絶縁プレート13および支持プレート14によりコア部30と電気的および物理的に離隔し得る。
【0086】
図示された実施例において、開閉部20はアークチャンバー21、固定接触子22およびシーリング部材23を含む。
【0087】
アークチャンバー21は固定接触子22および可動接触子43が離隔して発生するアーク(arc)を内部空間で消弧(extinguish)する。したがって、アークチャンバー21は「アーク消弧部」と指称されてもよいであろう。
【0088】
アークチャンバー21は固定接触子22と可動接触子43を密閉収容する。すなわち、固定接触子22と可動接触子43はアークチャンバー21の内部に収容される。したがって、固定接触子22と可動接触子43が離隔して発生するアークは外部に任意に流出しなくなる。
【0089】
アークチャンバー21の内部には消弧用ガスが充填され得る。消弧用ガスは発生したアークが消弧されて予め設定された経路を通じて直流リレー1の外部に排出されるようにする。このために、アークチャンバー21の内部空間を囲む壁体には連通孔(図示されず)が貫通形成され得る。
【0090】
一実施例において、アークチャンバー21は絶縁性素材で形成され得る。他の実施例において、アークチャンバー21は高い耐圧性および高い耐熱性を有する素材で形成され得る。これは、発生するアークが高温高圧の電子の流れであることに起因する。例えば、アークチャンバー21はセラミック素材で形成され得る。
【0091】
アークチャンバー21の上側には複数個の貫通孔が形成され得る。前記貫通孔それぞれには固定接触子22が貫通結合される。
【0092】
図示された実施例において、固定接触子22は第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bを含んで2個で備えられる。これに伴い、アークチャンバー21の上側に形成される貫通孔も2個で形成され得る。
【0093】
前記貫通孔に固定接触子22が貫通結合されると、前記貫通孔は密閉される。すなわち、固定接触子22は前記貫通孔に密閉結合される。これに伴い、発生したアークは前記貫通孔を通じて外部に排出されない。
【0094】
アークチャンバー21の下側は開放され得る。アークチャンバー21の下側には絶縁プレート13およびシーリング部材23が接触される。すなわち、アークチャンバー21の下側は絶縁プレート13およびシーリング部材23により密閉される。
【0095】
これに伴い、アークチャンバー21は上部フレーム11の外側空間と電気的、物理的に離隔し得る。
【0096】
アークチャンバー21で消弧されたアークは予め設定された経路を通じて直流リレー1の外部に排出される。一実施例において、消弧されたアークは前記連通孔を通じてアークチャンバー21の外部に排出され得る。
【0097】
アークチャンバー21の外側にはアーク経路形成部100、200、300、400が備えられ得る。アーク経路形成部100、200、300、400はアークチャンバー21の内部で発生したアークの経路A.Pを形成するための磁場を形成することができる。これに対する詳細な説明は後述することにする。
【0098】
固定接触子22は可動接触子43と接触したり離隔して、直流リレー1の内部と外部の通電を印加したり遮断する。
【0099】
具体的には、固定接触子22が可動接触子43と接触すると、直流リレー1の内部と外部が通電され得る。反面、固定接触子22が可動接触子43と離隔すると、直流リレー1の内部と外部の通電が遮断される。
【0100】
名称から分かるように、固定接触子22は移動しない。すなわち、固定接触子22は上部フレーム11およびアークチャンバー21に固定結合される。したがって、固定接触子22と可動接触子43の接触および離隔は可動接触子43の移動によって達成される。
【0101】
固定接触子22の一側端部、図示された実施例で上側端部は上部フレーム11の外側に露出される。前記一側端部には電源または負荷がそれぞれ通電可能に連結される。
【0102】
固定接触子22は複数個で備えられ得る。図示された実施例において、固定接触子22は左側の第1固定接触子22aおよび右側の第2固定接触子22bを含み、総2個で備えられる。
【0103】
第1固定接触子22aは可動接触子43の長さ方向の中心から一側、図示された実施例で左側に偏るように位置する。また、第2固定接触子22bは可動接触子43の長さ方向の中心から他側、図示された実施例で右側に偏るように位置する。
【0104】
第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bのうちいずれか一つには電源が通電可能に連結され得る。また、第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bのうち他の一つには負荷が通電可能に連結され得る。
【0105】
本発明の実施例に係る直流リレー1は、固定接触子22に連結される電源または負荷の方向にかかわらずアークの経路A.Pを形成することができる。これはアーク経路形成部100、200、300、400によって達成されるが、これに対する詳細な説明は後述する。
【0106】
固定接触子22の他側端部、図示された実施例で下側端部は可動接触子43に向かって延びる。
【0107】
可動接触子43が固定接触子22に向かう方向、図示された実施例で上側に移動されると、前記下側端部は可動接触子43と接触される。これに伴い、直流リレー1の外部と内部が通電され得る。
【0108】
固定接触子22の前記下側端部はアークチャンバー21の内部に位置する。
【0109】
制御電源が遮断される場合、可動接触子43は復帰スプリング36の弾性力によって固定接触子22から離隔する。
【0110】
この時、固定接触子22と可動接触子43が離隔することにより、固定接触子22と可動接触子43の間にはアークが発生する。発生したアークはアークチャンバー21の内部の消弧用ガスに消弧され、アーク経路形成部100、200、300、400により形成された経路に沿って外部に排出され得る。
【0111】
シーリング部材23はアークチャンバー21と上部フレーム11の内部の空間の任意連通を遮断する。
【0112】
シーリング部材23は絶縁プレート13および支持プレート14とともにアークチャンバー21の下側を密閉する。具体的には、シーリング部材23の上側はアークチャンバー21の下側と結合される。また、シーリング部材23の放射状内側は絶縁プレート13の外周と結合され、シーリング部材23の下側は支持プレート14に結合される。
【0113】
したがって、アークチャンバー21で発生したアークおよび消弧用ガスによって消弧されたアークは上部フレーム11の内部空間で任意に流出しなくなる。
【0114】
また、シーリング部材23はシリンダ37の内部空間とフレーム部10の内部空間の任意連通を遮断するように構成され得る。
【0115】
(3)コア部30の説明
コア部30は制御電源の印加により可動接触子部40を上側に移動させる。また、制御電源の印加が解除される場合、コア部30は可動接触子部40を再び下側に移動させる。
【0116】
コア部30は外部の制御電源(図示されず)と通電可能に連結され、制御電源の印加を受けることができる。
【0117】
コア部30は開閉部20の下側に位置する。また、コア部30は下部フレーム12の内部に収容される。コア部30と開閉部20は絶縁プレート13および支持プレート14により電気的および物理的に離隔し得る。
【0118】
コア部30と開閉部20の間には可動接触子部40が位置する。可動接触子部40はコア部30が印加する駆動力によって移動され得る。これに伴い、可動接触子43と固定接触子22が接触して直流リレー1が通電され得る。
【0119】
図示された実施例において、コア部30は固定コア31、可動コア32、ヨーク33、ボビン34、コイル35、復帰スプリング36およびシリンダ37を含む。
【0120】
固定コア31はコイル35で発生する磁場によって磁化されて電磁的斥力を発生させる。前記電磁的斥力によって、可動コア32が固定コア31から遠ざかる方向に移動される。
【0121】
固定コア31は移動しない。すなわち、固定コア31は支持プレート14およびシリンダ37に固定結合される。
【0122】
固定コア31は磁場によって磁化されて電磁力を発生させることができる任意の形態で備えられ得る。一実施例において、固定コア31は永久磁石または電磁石などで備えられ得る。
【0123】
固定コア31はシリンダ37の下側を部分的に収容する。また、固定コア31の内周はシリンダ37の外周に接触される。
【0124】
固定コア31の中心部には貫通孔(図示されず)が形成される。前記貫通孔にはシャフト44が上下移動可能に貫通結合される。
【0125】
可動コア32は制御電源が印加されると固定コア31が生成する電磁的斥力によって固定コア31から遠ざかる方向に移動される。
【0126】
可動コア32の移動により、可動コア32に結合されたシャフト44が固定コア31から遠ざかる方向、図示された実施例で上側に移動される。また、シャフト44が移動されることによって、シャフト44に結合された可動接触子部40も上側に移動される。
【0127】
これに伴い、固定接触子22と可動接触子43が接触して直流リレー1が外部の電源または負荷と通電され得る。
【0128】
可動コア32は電磁力による斥力を受けることができる任意の形態で備えられ得る。一実施例において、可動コア32は磁性体素材で形成されたり、永久磁石または電磁石などで備えられ得る。
【0129】
可動コア32はシリンダの内部に収容される。また、可動コア32はシリンダ37の内部でシリンダ37の長さ方向、図示された実施例で上下方向に移動され得る。
【0130】
具体的には、可動コア32は固定コア31に向かう方向および固定コア31から遠ざかる方向に移動され得る。
【0131】
可動コア32はシャフト44と結合される。可動コア32はシャフト44と一体に移動され得る。可動コア32が上側または下側に移動されると、シャフト44も上側または下側に移動される。これに伴い、可動接触子43も上側または下側に移動される。
【0132】
可動コア32は固定コア31の上側に位置する。可動コア32は固定コア31と所定距離だけ離隔し得る。前記所定距離は可動コア32が上下方向に移動され得る距離と定義され得るであろう。
【0133】
可動コア32は長さ方向に延長形成される。可動コア32の内部には長さ方向に延びる中空部が所定距離だけ陥没形成される。前記中空部には復帰スプリング36および復帰スプリング36に貫通結合されたシャフト44の下側が部分的に収容される。
【0134】
前記中空部の下側には貫通孔が長さ方向に貫通形成される。前記中空部と前記貫通孔は連通する。前記中空部に挿入されたシャフト44の下側端部は前記貫通孔に向かって進行し得る。
【0135】
可動コア32の下側端部には空間部が所定距離だけ陥没形成される。前記空間部は前記貫通孔と連通する。前記空間部にはシャフト44の下側ヘッド部が位置する。
【0136】
ヨーク33は制御電源が印加されることによって磁路を形成する。ヨーク33が形成する磁路はコイル35が形成する磁場の方向を調節するように構成され得る。
【0137】
これに伴い、制御電源が印加されるとコイル35は可動コア32が固定コア31から遠ざかる方向に移動されるように磁場を生成することができる。
【0138】
一実施例において、ヨーク33は通電可能な伝導性素材で形成され得る。
【0139】
ヨーク33は下部フレーム12の内部に収容される。ヨーク33はコイル35を囲む。コイル35はヨーク33の内周面と所定距離だけ離隔するようにヨーク33の内部に収容され得る。ヨーク33の内部にはボビン34が収容される。すなわち、下部フレーム12の外周から放射状内側に向かう方向にヨーク33、コイル35およびコイル35が巻き取られるボビン34が順に配置される。
【0140】
ヨーク33の上側は支持プレート14に接触される。また、ヨーク33の外周は下部フレーム12の内周に接触するか、下部フレーム12の内周から所定距離だけ離隔するように位置され得る。
【0141】
ボビン34にはコイル35が巻き取られる。
【0142】
ボビン34はヨーク33の内部に収容される。
【0143】
ボビン34は平板状の上部および下部と、長さ方向に延長形成されて前記上部と下部を連結する円筒状の柱部を含むことができる。すなわち、ボビン34は糸巻き(bobbin)状である。
【0144】
ボビン34の上部は支持プレート14の下側と接触される。ボビン34の柱部にはコイル35が巻き取られる。コイル35が巻き取られる厚さはボビン34の上部および下部の直径と同じであるかさらに小さく構成され得る。
【0145】
ボビン34の柱部には長さ方向に延びる中空部が貫通形成される。前記中空部にはシリンダ37が収容され得る。ボビン34の柱部は固定コア31、可動コア32およびシャフト44のような中心軸を有するように配置され得る。
【0146】
コイル35は印加された制御電源によって磁場を発生させる。コイル35が発生させる磁場によって固定コア31が磁化され、可動コア32に電磁的斥力が印加され得る。
【0147】
コイル35はボビン34に巻き取られる。具体的には、コイル35はボビン34の柱部に巻き取られ、前記柱部の放射状外側に積層される。コイル35はヨーク33の内部に収容される。
【0148】
制御電源が印加されると、コイル35は磁場を生成する。この時、ヨーク33によりコイル35が生成する磁場の強度または方向などが制御され得る。コイル35が生成した磁場によって固定コア31が磁化され得る。
【0149】
固定コア31が磁化されると、可動コア32は固定コア31から遠ざかる方向への電磁力、すなわち、斥力を受けることになる。これに伴い、可動コア32は固定コア31に向かう方向、図示された実施例で上側に移動される。
【0150】
復帰スプリング36は可動コア32が固定コア31から遠ざかる方向に移動した後、制御電源の印加が解除されると、可動コア32が本来の位置に復帰するための復原力を提供する。
【0151】
復帰スプリング36は可動コア32が固定コア31に向かって移動されるにつれて圧縮されて復原力を貯蔵する。この時、貯蔵される復原力は固定コア31が磁化されて可動コア32に及ぼす電磁的斥力より小さいことが好ましい。制御電源が印加される間には可動コア32が復帰スプリング36により任意に元の位置に復帰することを防止するためである。
【0152】
制御電源の印加が解除されると、可動コア32は復帰スプリング36による復原力を受けることになる。もちろん、可動コア32の自重(empty weight)による重力も可動コア32に作用され得る。これに伴い、可動コア32は固定コア31から遠ざかる方向に移動されて元の位置に復帰され得る。
【0153】
復帰スプリング36は形状が変形されて復原力を貯蔵し、本来の形状に復帰しながら復原力を外部に伝達できる任意の形態で備えられ得る。一実施例において、復帰スプリング36はコイル35スプリングで備えられ得る。
【0154】
復帰スプリング36にはシャフト44が貫通結合される。シャフト44は復帰スプリング36が結合された状態で復帰スプリング36の形状変形にかかわらず上下方向に移動され得る。
【0155】
復帰スプリング36は可動コア32の上側に陥没形成された中空部に収容される。
【0156】
シリンダ37は可動コア32、復帰スプリング36およびシャフト44を収容する。可動コア32およびシャフト44はシリンダ37の内部で上側および下側方向に移動され得る。
【0157】
シリンダ37はボビン34の柱部に形成された中空部に位置する。シリンダ37の側面はボビン34の柱部の内周面に接触される。
【0158】
シリンダ37の上側端部は支持プレート14の下側面に接触される。シリンダ37の下側面は固定コア31に接触され得る。
【0159】
(4)可動接触子部40の説明
可動接触子部40は可動接触子43および可動接触子43を移動させるための構成を含む。可動接触子部40により、直流リレー1は外部の電源または負荷と通電され得る。
【0160】
可動接触子部40は上部フレーム11の内部空間に収容される。また、可動接触子部40はアークチャンバー21の内部に上下移動可能に収容される。
【0161】
可動接触子部40の上側には固定接触子22が位置する。可動接触子部40は固定接触子22に向かう方向および固定接触子22から遠ざかる方向に移動可能にアークチャンバー21の内部に収容される。
【0162】
可動接触子部40の下側にはコア部30が位置する。可動接触子部40の前記移動は可動コア32の移動によって達成され得る。
【0163】
図示された実施例において、可動接触子部40はハウジング41、カバー42、可動接触子43、シャフト44および弾性部45を含む。
【0164】
ハウジング41は可動接触子43および可動接触子43を弾性支持する弾性部45を収容する。
【0165】
図示された実施例において、ハウジング41は一側およびそれに対向する他側が開放される。前記開放された部分には可動接触子43が貫通挿入され得る。ハウジング41の開放されていない側面は、収容された可動接触子43を囲むように構成され得る。
【0166】
ハウジング41の上側にはカバー42が備えられる。
【0167】
カバー42はハウジング41に収容された可動接触子43の上側面を覆う。
【0168】
ハウジング41およびカバー42は意図しない通電が防止されるように絶縁性素材で形成されることが好ましい。一実施例において、ハウジング41およびカバー42は合成樹脂等で形成され得る。
【0169】
ハウジング41の下側はシャフト44と連結される。シャフト44と連結された可動コア32が上側または下側に移動されると、ハウジング41およびこれに収容された可動接触子43も上側または下側に移動され得る。
【0170】
ハウジング41とカバー42は任意の部材によって結合され得る。一実施例において、ハウジング41とカバー42はボルト、ナットなどの締結部材(図示されず)により結合され得る。
【0171】
可動接触子43は制御電源の印加により固定接触子22と接触して、直流リレー1が外部の電源および負荷と通電するようにする。また、可動接触子43は制御電源の印加が解除される場合に固定接触子22と離隔して、直流リレー1が外部の電源および負荷と通電されないようにする。
【0172】
可動接触子43は固定接触子22に隣接するように位置する。
【0173】
可動接触子43の上側はカバー42により部分的に覆われる。一実施例において、可動接触子43の上側面の一部はカバー42の下側面と接触され得る。
【0174】
可動接触子43の下側は弾性部45により弾性支持される。可動接触子43が下側で任意移動しないように、弾性部45は所定距離だけ圧縮された状態で可動接触子43を弾性支持することができる。
【0175】
可動接触子43は長さ方向、図示された実施例で左右方向に延長形成される。すなわち、可動接触子43の長さは幅より長く形成される。したがって、ハウジング41に収容された可動接触子43の長さ方向の両側端部はハウジング41の外側に露出する。
【0176】
前記両側端部から上側に所定距離だけ突出形成された接触突出部が形成され得る。前記接触突出部には固定接触子22が接触される。
【0177】
前記接触突出部は各固定接触子22に対応する位置に形成され得る。これに伴い、可動接触子43の移動距離が減少し、固定接触子22と可動接触子43の接触信頼性が向上し得る。
【0178】
可動接触子43の幅はハウジング41の各側面が互いに離隔する距離と同一であり得る。すなわち、可動接触子43がハウジング41に収容されると、可動接触子43の幅方向の両側面はハウジング41の各側面の内面に接触され得る。これに伴い、可動接触子43がハウジング41に収容された状態が安定的に維持され得る。
【0179】
シャフト44はコア部30が作動することによって発生する駆動力を可動接触子部40に伝達する。具体的には、シャフト44は可動コア32および可動接触子43と連結される。可動コア32が上側または下側に移動される場合、シャフト44により可動接触子43も上側または下側に移動され得る。
【0180】
シャフト44は長さ方向、図示された実施例で上下方向に延長形成される。
【0181】
シャフト44の下側端部は可動コア32に挿入結合される。可動コア32が上下方向に移動されると、シャフト44は可動コア32とともに上下方向に移動され得る。
【0182】
シャフト44の胴体部には復帰スプリング36が貫通結合される。
【0183】
シャフト44の上側端部はハウジング41に結合される。可動コア32が移動されると、シャフト44およびハウジング41が共に移動され得る。
【0184】
シャフト44の上側端部および下側端部はシャフト44の胴体部に比べて大きい直径を有するように形成され得る。これに伴い、シャフト44がハウジング41および可動コア32と安定的に結合状態を維持することができる。
【0185】
弾性部45は可動接触子43を弾性支持する。可動接触子43が固定接触子22と接触する場合、電磁的反発力によって可動接触子43は固定接触子22から離隔しようとする傾向を有することになる。この時、弾性部45は可動接触子43を弾性支持して、可動接触子43が固定接触子22から任意離隔することを防止する。
【0186】
弾性部45は形状の変形によって復原力を貯蔵し、貯蔵された復原力を他の部材に提供できる任意の形態で備えられ得る。一実施例において、弾性部45はコイル35スプリングで備えられ得る。
【0187】
可動接触子43に向かう弾性部45の一側端部は可動接触子43の下側に接触される。また、前記一側端部に対向する他側端部はハウジング41の上側に接触される。
【0188】
弾性部45は所定距離だけ圧縮されて復原力を貯蔵した状態で可動接触子43を弾性支持することができる。これに伴い、可動接触子43と固定接触子22の間で電磁的反発力が発生しても、可動接触子43が任意に移動しなくなる。
【0189】
弾性部45の安定した結合のために、可動接触子43の下側には弾性部45に挿入される突出部(図示されず)が突出形成され得る。同様に、ハウジング41の上側にも弾性部45に挿入される突出部(図示されず)が突出形成され得る。
【0190】
2.本発明の第1実施例に係るアーク経路形成部100の説明
以下では、
図3~
図14を参照して本発明の第1実施例に係るアーク経路形成部100について説明する。
【0191】
アーク経路形成部100はアークチャンバー21の内部に磁場を形成する。直流リレー1に通電する電流と形成された磁場によって、アークチャンバー21の内部には電磁力が形成される。
【0192】
固定接触子22と可動接触子43が離隔することにより発生したアークは、形成された電磁力によってアークチャンバー21の外部に移動される。具体的には、発生したアークは形成された電磁力の方向に沿って移動される。したがって、アーク経路形成部100は発生したアークが流動される経路であるアークの経路A.Pを形成していると言えるであろう。
【0193】
アーク経路形成部100は上部フレーム11の内部に形成された空間に位置する。アーク経路形成部100はアークチャンバー21を囲むように配置される。すなわち、アークチャンバー21はアーク経路形成部100の内部に位置する。
【0194】
アーク経路形成部100の内部には固定接触子22および可動接触子43が位置する。固定接触子22と可動接触子43が離隔して発生したアークは、アーク経路形成部100により形成された電磁力によって誘導され得る。
【0195】
本実施例に係るアーク経路形成部100は磁石ホルダ部110、磁石部120および補助磁石130を含む。
【0196】
磁石ホルダ部110はアーク経路形成部100の骨格を形成し、後述する磁石部120をアークチャンバー21の外側に固定させる。
【0197】
磁石ホルダ部110はアークチャンバー21の外側と上部フレーム11の内側に配置される。
【0198】
磁石ホルダ部110の放射状内側には固定接触子22および可動接触子43が位置する。固定接触子22および可動接触子43の中央部分は中心部Cと定義され得る。図示された実施例において、磁石ホルダ部110はその中心が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと対応するように配置される。
【0199】
中心部Cは第1固定接触子22aおよび第2固定接触子22bの間に位置する。また、中心部Cの垂直下方には可動接触子部40の中心部分が位置する。すなわち、中心部Cの垂直下方にはハウジング41、カバー42、可動接触子43、シャフト44および弾性部45等の中心部分が位置する。
【0200】
したがって、発生したアークが中心部Cに向かって移動される場合、前記構成の損傷が発生し得る。これを防止するために、本実施例に係るアーク経路形成部100は磁石部120を含む。これに対する詳細な説明は磁石部120に対する説明と共に後述する。
【0201】
一実施例において、磁石ホルダ部110は電気伝導性素材で形成され得る。前記実施例で、磁石ホルダ部110は隣接する複数個の磁石と同じ極性に磁化され得る。
【0202】
磁石ホルダ部110は複数個のホルダを具備することができる。それぞれのホルダは複数個の磁石と結合され得る。一実施例において、一つのホルダに付着された複数個の磁石はすべて同じ極性に磁化される。
【0203】
図示された実施例において、磁石ホルダ部110は第1ホルダ111および第2ホルダ112など、総2個のホルダを含む。
【0204】
第1ホルダ111および第2ホルダ112は互いに離隔するように配置される。すなわち、第1ホルダ111と第2ホルダ112の間には空いた空間が形成される。前記空間はアークチャンバー21で発生したアークが排出される通路として機能し得る。
【0205】
また、第1ホルダ111および第2ホルダ112は複数個の固定接触子22の配列方向と交差する方向に配列される。
【0206】
第1ホルダ111および第2ホルダ112はそれぞれ所定の角度で折り曲げられて延びる。また、第1ホルダ111および第2ホルダ112の折り曲げ部はその角が面取り(taper)され得る。一実施例において、前記所定の角度は直角であり得る。
【0207】
第1ホルダ111および第2ホルダ112は上部フレーム11の内周面に接触または固定結合され得る。これに伴い、第1ホルダ111および第2ホルダ112は上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成されることが好ましい。
【0208】
第1ホルダ111および第2ホルダ112は各折り曲げ部の凹んでいる部分が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを挟んで対向するように配置される。
【0209】
また、第1ホルダ111および第2ホルダ112は互いに対応する形状で形成される。図示された実施例において、第1ホルダ111および第2ホルダ112は複数個の固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを基準として互いに対称となる構造で形成される。
【0210】
第1ホルダ111は第1外側面111aおよび第1内側面111bを含む。
【0211】
第1外側面111aは固定接触子22および可動接触子43と反対となる第1ホルダ111の一面に位置する。また、第1外側面111aは上部フレーム11の内周面と互いに隣接するように配置される。一実施例において、第1外側面111aは上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成される。
【0212】
第1内側面111bは第1ホルダ111の第1外側面111aと反対となる他面に位置する。また、第1内側面111bは第1磁石121および第2磁石122を挟んでアークチャンバー21の外周面と互いに対向するように配置される。一実施例において、第1内側面111bはアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成される。
【0213】
第1内側面111bは後述する磁石部120の第1磁石121および第2磁石122と結合される。
【0214】
第2ホルダ112は第2外側面112aおよび第2内側面112bを含む。
【0215】
第2外側面112aは固定接触子22および可動接触子43と反対となる第2ホルダ112の一面に位置する。また、第2外側面112aは上部フレーム11の内周面と互いに隣接するように配置される。一実施例において、第2外側面112aは上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成される。
【0216】
第2内側面112bは第2ホルダ112の第2外側面112aと反対となる他面に位置する。また、第2内側面112bは第3磁石123および第4磁石124を挟んでアークチャンバー21の外周面と互いに対向するように配置される。一実施例において、第2内側面112bはアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成される。
【0217】
第2内側面112bは後述する磁石部120の第3磁石123および第4磁石124と結合される。
【0218】
磁石部120は固定接触子22および可動接触子43が収容されるアークチャンバー21の内部に磁場を形成する。また、磁石部120の放射状内側には固定接触子22および可動接触子43が位置する。図示された実施例において、磁石部120はその中心が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと対応するように配置される。
【0219】
磁石部120は自体的に、また、相互間で磁場を形成することができる。磁石部120が形成する磁場は、固定接触子22および可動接触子43に通電する電流とともに電磁力を形成する。形成された電磁力は固定接触子22と可動接触子43が離隔する場合に発生するアークを誘導する。
【0220】
この時、アーク経路形成部100は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cから遠ざかる方向の電磁力を形成する。これに伴い、アークの経路A.Pも固定接触子22および可動接触子43の中心部Cから遠ざかる方向に形成される。
【0221】
その結果、直流リレー1に備えられる各構成要素が発生したアークによって損傷しなくなる。さらに、発生したアークがアークチャンバー21の外部に速かに排出され得る。
【0222】
磁石部120は磁石ホルダ部110の内側面111b、112bと結合される。一実施例において、磁石部120と磁石ホルダ部110の内側面111b、112bの結合のために、締結部材(図示されず)が備えられ得る。
【0223】
磁石部120は複数個の磁石を具備することができる。
【0224】
本実施例で、磁石部120は第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124など、総4個の磁石を含む。
【0225】
第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124はそれぞれ磁化されてアークチャンバー21の内部に磁場を形成できる任意の形態で備えられ得る。また、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124はすべて幅方向の極性を有するように形成される。
【0226】
第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は互いに離隔するように配置される。すなわち、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の間には空いた空間が形成される。また、第1磁石121と第4磁石124の間空間または第2磁石122と第3磁石123の間空間はアークチャンバー21で発生したアークが排出される通路として機能し得る。
【0227】
第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124はアークチャンバー21の外周面に接触または固定結合され得る。これに伴い、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124はアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成されることが好ましい。
【0228】
一実施例において、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124は互いに対応する形状で形成され得る。具体的には、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124はその幅方向および幅方向の長さがそれぞれ互いに対応する形状で形成され得る。
【0229】
第1磁石121は第1ホルダ111の第1内側面111bと結合される。また、第1磁石121は第1ホルダ111の一端から第1内側面111bに沿って延びる。一実施例において、第1磁石121は第1ホルダ111の第1内側面111bに対応する形状で形成される。
【0230】
第1磁石121は第1対向面121aおよび第1反対面121bを含む。
【0231】
第1対向面121aは固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第1磁石121の一面に位置する。また、第1対向面121aはアークチャンバー21の外周面と互いに隣接するように配置される。一実施例において、第1対向面121aはアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成される。
【0232】
第1反対面121bは第1磁石121の第1対向面121aと反対となる他面に位置する。また、第1反対面121bは第1ホルダ111を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向するように配置される。一実施例において、第1反対面121bは上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成される。
【0233】
第2磁石122は第1ホルダ111の第1内側面111bと結合される。また、第2磁石122は第1磁石121と反対となる第1ホルダ111の他端から第1内側面111bに沿って延びる。一実施例において、第2磁石122は第1ホルダ111の第1内側面111bに対応する形状で形成される。
【0234】
第2磁石122はその延長方向が第1磁石121の延長方向と互いに交差する。これは第1磁石121および第2磁石122と結合された第1ホルダ111が所定の角度で折り曲げられて延びることに起因する。
【0235】
第2磁石122は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cおよび第1ホルダ111および第2ホルダ112の凹部を連結する仮想の線を挟んで第1磁石121と互いに対向せずにずれるように配置される。
【0236】
第2磁石122は第2対向面122aおよび第2反対面122bを含む。
【0237】
第2対向面122aは固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第2磁石122の一面に位置する。また、第2対向面122aはアークチャンバー21の外周面と互いに隣接するように配置される。一実施例において、第2対向面122aはアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成される。
【0238】
第2反対面122bは第2磁石122の第2対向面122aと反対となる他面に位置する。また、第2反対面122bは第1ホルダ111を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向するように配置される。一実施例において、第2反対面122bは上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成される。
【0239】
第3磁石123は第2ホルダ112の第2内側面112bと結合される。また、第3磁石123は第2ホルダ112の第2磁石122に向かう一端から第2内側面112bに沿って延びる。一実施例において、第3磁石123は第2ホルダ112の第2内側面112bに対応する形状で形成される。図示された実施例において、第3磁石123は第1磁石121の延長方向と並んでいる方向に延びる。
【0240】
第3磁石123は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを基準として第1磁石121と互いに対向せずにずれるように配置される。
【0241】
第3磁石123は第3対向面123aおよび第3反対面123bを含む。
【0242】
第3対向面123aは固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第3磁石123の一面に位置する。また、第3対向面123aはアークチャンバー21の外周面と互いに隣接するように配置される。一実施例において、第3対向面123aはアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成される。
【0243】
第3反対面123bは第3磁石123の第3対向面123aと反対となる他面に位置する。また、第3反対面123bは第2ホルダ112を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向するように配置される。一実施例において、第3反対面123bは上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成される。
【0244】
第4磁石124は第2ホルダ112の第2内側面112bと結合される。また、第4磁石124は第3磁石123と反対となる第2ホルダ112の第1磁石121に向かう他端から第2内側面112bに沿って延びる。一実施例において、第4磁石124は第2ホルダ112の第2内側面112bに対応する形状で形成される。図示された実施例において、第4磁石124は第2磁石122の延長方向と並んでいる方向に延びる。
【0245】
第4磁石124はその延長方向が第3磁石123の延長方向と互いに交差する。これは第3磁石123および第4磁石124と結合された第2ホルダ112が所定の角度で折り曲げられて延びることに起因する。
【0246】
第4磁石124は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cおよび第1ホルダ111および第2ホルダ112の凹部を連結する仮想の線を挟んで第3磁石123と互いに対向せずにずれるように配置される。
【0247】
第4磁石124は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cを基準として第2磁石122と互いに対向せずにずれるように配置される。
【0248】
一実施例において、第3磁石123と第4磁石124の間の最短距離は第1磁石121と第2磁石122の間の最短距離と同一に形成される。
【0249】
第4磁石124は第4対向面124aおよび第4反対面124bを含む。
【0250】
第4対向面124aは固定接触子22および可動接触子43の中心部Cに向かう第4磁石124の一面に位置する。また、第4対向面124aはアークチャンバー21の外周面と互いに隣接するように配置される。一実施例において、第4対向面124aはアークチャンバー21の外周面に対応する形状で形成される。
【0251】
第4反対面124bは第4磁石124の第4対向面124aと反対となる他面に位置する。また、第4反対面124bは第2ホルダ112を挟んで上部フレーム11の内周面と互いに対向するように配置される。一実施例において、第4反対面124bは上部フレーム11の内周面に対応する形状で形成される。
【0252】
一実施例において、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各対向面121a、122a、123a、124aはすべて同じ極性に磁化される。第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各反対面121b、122b、123b、124bは各対向面121a、122a、123a、124aと互いに反対となる極性に磁化されるところ、同様にすべて同じ極性に磁化される。
【0253】
他の実施例において、第1磁石121および第2磁石122の各対向面121a、122aはN極とS極のうちいずれか一つの極性に磁化され、第3磁石123および第4磁石124の各対向面123a、124aはN極とS極のうち他の一つの極性に磁化される。
【0254】
また、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各対向面121a、122a、123a、124aから固定接触子22および可動接触子43の中心部Cまでの最短距離はすべて同一に形成され得る。
【0255】
また、第1磁石121と第3磁石123の間の最短経路および第2磁石122と第4磁石124の間の最短経路は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと可動接触子43の運動方向に重なる。
【0256】
補助磁石130は固定接触子22および可動接触子43が収容されるアークチャンバー21の内部に磁場を形成する。
【0257】
補助磁石130は磁石ホルダ部110の放射状内側に位置する。すなわち、補助磁石130は第1ホルダ111および第2ホルダ112の間に位置する。一実施例において、補助磁石130は第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124とすべて同一の平面上に配置され得る。
【0258】
補助磁石130は固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと可動接触子43の運動方向に重なる。図示された実施例において、補助磁石130はその中心が固定接触子22および可動接触子43の中心部Cと対応するように配置される。
【0259】
補助磁石130は自体的に、また磁石部120との関係で磁場を形成することができる。補助磁石130で形成する磁場は、固定接触子22および可動接触子43に通電する電流とともに電磁力を形成する。形成された電磁力は固定接触子22と可動接触子43が離隔する場合に発生するアークを誘導する。
【0260】
補助磁石130は第1ホルダ111および第2ホルダ112の配列方向と並んでいる方向に延びる。
【0261】
一実施例において、補助磁石130は第1磁石121と第3磁石123の間の最短経路と交差する方向に延長され得る。他の実施例において、補助磁石130は第2磁石122と第4磁石124の間の最短経路と交差する方向に延長され得る。
【0262】
一実施例において、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各対向面121a、122a、123a、124aから補助磁石230の中心までの最短距離はすべて同一に形成され得る。
【0263】
図示された実施例において、補助磁石130は幅方向の極性を有するように形成される。
【0264】
補助磁石130は第1面131および第2面132を含む。
【0265】
第1面131は第1磁石121および第4磁石124に向かう補助磁石130の一面に位置する。また、第2面132は補助磁石130の第1面131と反対となる他面に位置する。第1面131および第2面132は一つの補助磁石130の互いに異なる面に形成されるところ、互いに反対となる極性に磁化されることが理解され得るであろう。
【0266】
図3~
図5を参照すると、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各対向面121a、122a、123a、124aはすべてN極に磁化され、各反対面121b、122b、123b、124bはすべてS極に磁化される。これに伴い、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0267】
また、補助磁石130の第1面131はN極に磁化され、第2面132はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石130の第1面131と第1磁石121の第1対向面121aおよび第4磁石124の第4対向面124aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石130の第2面132と第2磁石122の第2対向面122aおよび第3磁石123の第3対向面123aの間には、第2対向面122aおよび第3対向面123aから第2面132に向かう方向の磁場が形成される。
【0268】
また、第1ホルダ111および第2ホルダ112も磁石部120によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0269】
図4に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0270】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則(Fleming′s rule)を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0271】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の左側に向かうように形成される。
【0272】
図5に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0273】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の左側に向かうように形成される。
【0274】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0275】
図6~
図8を参照すると、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の各対向面121a、122a、123a、124aはすべてS極に磁化され、各反対面121b、122b、123b、124bはすべてN極に磁化される。これに伴い、第1磁石121、第2磁石122、第3磁石123および第4磁石124の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0276】
また、補助磁石130の第1面131はN極に磁化され、第2面132はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石130の第1面131と第1磁石121の第1対向面121aおよび第4磁石124の第4対向面124aの間には、第1面131から第1対向面121aおよび第4対向面124aに向かう方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石130の第2面132と第2磁石122の第2対向面122aおよび第3磁石123の第3対向面123aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0277】
また、第1ホルダ111および第2ホルダ112も磁石部120によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0278】
図7に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0279】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0280】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0281】
図8に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0282】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の右側に向かうように形成される。
【0283】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0284】
図9~
図11を参照すると、第1磁石121および第2磁石122の各対向面121a、122aはすべてN極に磁化され、第3磁石123および第4磁石124の各対向面123a、124aはすべてS極に磁化される。
【0285】
これに伴い、第1磁石121と第2磁石122の間および第3磁石123と第4磁石124の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石121と第3磁石123および第4磁石124の間には、第1磁石121から第3磁石123および第4磁石124に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石122と第3磁石123および第4磁石124の間には、第2磁石122から第3磁石123および第4磁石124に向かう方向の磁場が形成される。
【0286】
また、補助磁石130の第1面131はN極に磁化され、第2面132はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石130の第1面131と第1磁石121の第1対向面121aの間および補助磁石130の第2面132と第3磁石123の第3対向面123aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0287】
反対に、補助磁石130の第1面131と第2磁石122の第2対向面122aの間には、第2対向面122aに向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石130の第2面132と第4磁石124の第4対向面124aの間には、第2面132に向かう方向の磁場が形成される。
【0288】
また、第1ホルダ111および第2ホルダ112も磁石部120によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0289】
図10に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0290】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0291】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0292】
図11に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0293】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0294】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0295】
図12~
図14を参照すると、第1磁石121および第2磁石122の各対向面121a、122aはすべてN極に磁化され、第3磁石123および第4磁石124の各対向面123a、124aはすべてS極に磁化される。
【0296】
これに伴い、第1磁石121と第2磁石122の間および第3磁石123と第4磁石124の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石121と第3磁石123および第4磁石124の間には、第1磁石121から第3磁石123および第4磁石124に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石122と第3磁石123および第4磁石124の間には、第2磁石122から第3磁石123および第4磁石124に向かう方向の磁場が形成される。
【0297】
また、補助磁石130の第1面131はS極に磁化され、第2面132はN極に磁化される。これに伴い、補助磁石130の第1面131と第4磁石124の第4対向面124aの間および補助磁石130の第2面132と第2磁石122の第2対向面122aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0298】
反対に、補助磁石130の第1面131と第1磁石121の第1対向面121aの間には、第1面131に向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石130の第2面132と第3磁石123の第3対向面123aの間には、第3対向面123aに向かう方向の磁場が形成される。
【0299】
また、第1ホルダ111および第2ホルダ112も磁石部120によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0300】
図13に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0301】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0302】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0303】
図14に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0304】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0305】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0306】
したがって、本実施例に係るアーク経路形成部100は磁石部120の極性または直流リレーに通電する電流の方向にかかわらず、電磁力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0307】
これに伴い、中心部Cに隣接するように配置される直流リレー1の各構成要素の損傷が防止され得る。さらに、発生したアークが速かに外部に排出され得、直流リレー1の作動信頼性が向上し得る。
【0308】
3.本発明の第2実施例に係るアーク経路形成部200の説明
以下では、
図15~
図26を参照して本発明の第2実施例に係るアーク経路形成部200について説明する。
【0309】
本実施例に係るアーク経路形成部200は磁石ホルダ部210、磁石部220および補助磁石230を含む。
【0310】
本実施例に係る磁石ホルダ部210および補助磁石230は前述した実施例に係る磁石ホルダ部110および補助磁石130とその構造および機能が同一である。ただし、本実施例に係る磁石部220は第1磁石221および第3磁石223がそれぞれ第2磁石222および第4磁石224と固定接触子22および可動接触子43の中心部Cおよび第1ホルダ211および第2ホルダ212の凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置される点で前述した実施例に係る磁石部120と差がある。
【0311】
したがって、磁石ホルダ部210および補助磁石230に対する説明は前述した実施例に係る磁石ホルダ部110および補助磁石130に対する説明で代替し、磁石部220は前述した実施例に係る磁石部120との相違点を中心に説明する。
【0312】
本実施例に係る磁石部220は第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224を含む。
【0313】
第1磁石221は第2磁石222と固定接触子22および可動接触子43の中心部Cおよび第1ホルダ211および第2ホルダ212の凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置される。
【0314】
第3磁石223は第4磁石224と固定接触子22および可動接触子43の中心部Cおよび第1ホルダ211および第2ホルダ212の凹部を連結する仮想の線を挟んで互いに対向するように配置される。
【0315】
一実施例において、第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224の各対向面221a、222a、223a、224aから補助磁石230の中心までの最短距離はすべて同一に形成され得る。
【0316】
図15~
図17を参照すると、第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224の各対向面221a、222a、223a、224aはすべてN極に磁化され、各反対面221b、222b、223b、224bはすべてS極に磁化される。これに伴い、第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0317】
また、補助磁石230の第1面231はN極に磁化され、第2面232はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石230の第1面231と第1磁石221の第1対向面221aおよび第4磁石224の第4対向面224aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石230の第2面232と第2磁石222の第2対向面222aおよび第3磁石223の第3対向面223aの間には、第2対向面222aおよび第3対向面223aから第2面232に向かう方向の磁場が形成される。
【0318】
また、第1ホルダ211および第2ホルダ212また磁石部220によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0319】
図16に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0320】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0321】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0322】
図17に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0323】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の左側に向かうように形成される。
【0324】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の左側に向かうように形成される。
【0325】
図18~
図20を参照すると、第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224の各対向面221a、222a、223a、224aはすべてS極に磁化され、各反対面221b、222b、223b、224bはすべてN極に磁化される。これに伴い、第1磁石221、第2磁石222、第3磁石223および第4磁石224の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0326】
また、補助磁石230の第1面231はN極に磁化され、第2面232はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石230の第1面231と第1磁石221の第1対向面221aおよび第4磁石224の第4対向面224aの間には、第1面231から第1対向面221aおよび第4対向面224aに向かう方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石230の第2面232と第2磁石222の第2対向面222aおよび第3磁石223の第3対向面223aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0327】
また、第1ホルダ211および第2ホルダ212また磁石部220によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0328】
図19に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0329】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0330】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の左側に向かうように形成される。
【0331】
図20に図示された実施例において、第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の左側に向かうように形成される。
【0332】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0333】
図21~
図23を参照すると、第1磁石221および第2磁石222の各対向面221a、222aはすべてN極に磁化され、第3磁石223および第4磁石224の各対向面223a、224aはすべてS極に磁化される。
【0334】
これに伴い、第1磁石221と第2磁石222の間および第3磁石223および第4磁石224の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石221と第3磁石223および第4磁石224の間には、第1磁石221から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石222と第3磁石223および第4磁石224の間には、第2磁石222から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。
【0335】
また、補助磁石230の第1面231はN極に磁化され、第2面232はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石230の第1面231と第1磁石221の第1対向面221aの間および補助磁石230の第2面232と第3磁石223の第3対向面223aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0336】
反対に、補助磁石230の第1面231と第2磁石222の第2対向面222aの間には、第2対向面222aに向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石230の第2面232と第4磁石224の第4対向面224aの間には、第2面232に向かう方向の磁場が形成される。
【0337】
また、第1ホルダ211および第2ホルダ212また磁石部220によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0338】
図22に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0339】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0340】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0341】
図23に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0342】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0343】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0344】
図24~
図26を参照すると、第1磁石221および第2磁石222の各対向面221a、222aはすべてN極に磁化され、第3磁石223および第4磁石224の各対向面223a、224aはすべてS極に磁化される。
【0345】
これに伴い、第1磁石221と第2磁石222の間および第3磁石223および第4磁石224の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石221と第3磁石223および第4磁石224の間には、第1磁石221から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石222と第3磁石223および第4磁石224の間には、第2磁石222から第3磁石223および第4磁石224に向かう方向の磁場が形成される。
【0346】
また、補助磁石230の第1面231はS極に磁化され、第2面232はN極に磁化される。これに伴い、補助磁石230の第1面231と第4磁石224の第4対向面224aの間および補助磁石230の第2面232と第2磁石222の第2対向面222aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0347】
反対に、補助磁石230の第1面231と第1磁石221の第1対向面221aの間には、第1面231に向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石230の第2面232と第3磁石223の第3対向面223aの間には、第3対向面223aに向かう方向の磁場が形成される。
【0348】
また、第1ホルダ211および第2ホルダ212また磁石部220によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0349】
図25に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0350】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下側に向かうように形成される。
【0351】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上側に向かうように形成される。
【0352】
図26に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0353】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは上方の右側に向かうように形成される。
【0354】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0355】
したがって、本実施例に係るアーク経路形成部200は磁石部220の極性または直流リレーに通電する電流の方向にかかわらず、電磁力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0356】
これに伴い、中心部Cに隣接するように配置される直流リレー1の各構成要素の損傷が防止され得る。さらに、発生したアークが速かに外部に排出され得、直流リレー1の作動信頼性が向上し得る。
【0357】
4.本発明の第3実施例に係るアーク経路形成部300の説明
以下では、
図27~
図38を参照して本発明の第3実施例に係るアーク経路形成部300について説明する。
【0358】
本実施例に係るアーク経路形成部300は磁石ホルダ部310、磁石部320および補助磁石330を含む。
【0359】
本実施例に係る磁石ホルダ部310および磁石部320は前述した第1実施例に係る磁石ホルダ部110および磁石部120とその構造および機能が同一である。ただし、本実施例に係る補助磁石330はその延長方向が第1ホルダ311および第2ホルダ312の配列方向と互いに交差する点で前述した第1実施例に係る補助磁石130と差がある。
【0360】
したがって、磁石ホルダ部310および磁石部320に対する説明は前述した第1実施例に係る磁石ホルダ部110および磁石部120に対する説明で代替し、補助磁石330は前述した第1実施例に係る補助磁石130との相違点を中心に説明する。
【0361】
本実施例に係る補助磁石330は磁石ホルダ部310の放射状内側に位置する。すなわち、補助磁石330は第1ホルダ311および第2ホルダ312の間に位置する。この時、補助磁石330は第1ホルダ311および第2ホルダ312の配列方向と交差する方向に延びる。
【0362】
図示された実施例において、補助磁石330は幅方向の極性を有するように形成される。
【0363】
補助磁石330は第1面331および第2面332を含む。
【0364】
第1面331は第1磁石321および第2磁石322に向かう補助磁石330の一面に位置する。また、第2面332は補助磁石330の第1面331と反対となる他面に位置する。第1面331第2面332は一つの補助磁石330の互いに異なる面に形成されるところ、互いに反対となる極性に磁化されることが理解され得るであろう。
【0365】
図27~
図29を参照すると、第1磁石321、第2磁石322、第3磁石323および第4磁石324の各対向面321a、322a、323a、324aはすべてN極に磁化され、各反対面321b、322b、323b、324bはすべてS極に磁化される。これに伴い、第1磁石321、第2磁石322、第3磁石323および第4磁石324の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0366】
また、補助磁石330の第1面331はN極に磁化され、第2面332はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石330の第1面331と第1磁石321の第1対向面321aおよび第2磁石322の第2対向面322aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石330の第2面332と第3磁石323の第3対向面323aおよび第4磁石324の第4対向面324aの間には、第3対向面323aおよび第4対向面324aから第2面332に向かう方向の磁場が形成される。
【0367】
また、第1ホルダ311および第2ホルダ312また磁石部320によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0368】
図28に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0369】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0370】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0371】
図29に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0372】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の左側に向かうように形成される。
【0373】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の左側に向かうように形成される。
【0374】
図30~
図32を参照すると、第1磁石321、第2磁石322、第3磁石323および第4磁石324の各対向面321a、322a、323a、324aはすべてS極に磁化され、各反対面321b、322b、323b、324bはすべてN極に磁化される。これに伴い、第1磁石321、第2磁石322、第3磁石323および第4磁石324の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0375】
また、補助磁石330の第1面331はN極に磁化され、第2面332はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石330の第1面331と第1磁石321の第1対向面321aおよび第2磁石322の第2対向面322aの間には、第1面331から第1対向面321aおよび第2対向面322aに向かう方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石330の第2面332と第3磁石323の第3対向面323aおよび第4磁石324の第4対向面324aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0376】
また、第1ホルダ311および第2ホルダ312また磁石部320によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0377】
図31に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0378】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0379】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0380】
図32に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0381】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の右側に向かうように形成される。
【0382】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0383】
図33~
図35を参照すると、第1磁石321および第2磁石322の各対向面321a、322aはすべてN極に磁化され、第3磁石323および第4磁石324の各対向面323a、324aはすべてS極に磁化される。
【0384】
これに伴い、第1磁石321と第2磁石322の間および第3磁石323および第4磁石324の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石321と第3磁石323および第4磁石324の間には、第1磁石321から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石322と第3磁石323および第4磁石324の間には、第2磁石322から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。
【0385】
また、補助磁石330の第1面331はN極に磁化され、第2面332はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石330の第1面331と第1磁石321の第1対向面321aおよび第2磁石322の第2対向面322aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。また、補助磁石330の第2面332と第3磁石323の第3対向面323aおよび第4磁石324の第4対向面324aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0386】
また、第1ホルダ311および第2ホルダ312また磁石部320によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0387】
図34に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0388】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0389】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0390】
図35に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0391】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0392】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0393】
図36~
図38を参照すると、第1磁石321および第2磁石322の各対向面321a、322aはすべてN極に磁化され、第3磁石323および第4磁石324の各対向面323a、324aはすべてS極に磁化される。
【0394】
これに伴い、第1磁石321と第2磁石322の間および第3磁石323および第4磁石324の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石321と第3磁石323および第4磁石324の間には、第1磁石321から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石322と第3磁石323および第4磁石324の間には、第2磁石322から第3磁石323および第4磁石324に向かう方向の磁場が形成される。
【0395】
また、補助磁石330の第1面331はS極に磁化され、第2面332はN極に磁化される。これに伴い、補助磁石330の第1面331と第1磁石321の第1対向面321aおよび第2磁石322の第2対向面322aの間には、第1面331に向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石330の第2面332と第3磁石323の第3対向面323aおよび第4磁石324の第4対向面324aの間には、第3対向面323aおよび第4対向面324aに向かう方向の磁場が形成される。
【0396】
また、第1ホルダ311および第2ホルダ312また磁石部320によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0397】
図37に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0398】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0399】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0400】
図38に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0401】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは上方の右側に向かうように形成される。
【0402】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0403】
したがって、本実施例に係るアーク経路形成部300は磁石部320の極性または直流リレーに通電する電流の方向にかかわらず、電磁力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0404】
これに伴い、中心部Cに隣接するように配置される直流リレー1の各構成要素の損傷が防止され得る。さらに、発生したアークが速かに外部に排出され得、直流リレー1の作動信頼性が向上し得る。
【0405】
5.本発明の第4実施例に係るアーク経路形成部400の説明
以下では、
図39~
図50を参照して本発明の第4実施例に係るアーク経路形成部400について説明する。
【0406】
本実施例に係るアーク経路形成部400は磁石ホルダ部410、磁石部420および補助磁石430を含む。
【0407】
本実施例に係る磁石ホルダ部410および磁石部420は前述した第2実施例に係る磁石ホルダ部210および磁石部220とその構造および機能が同一である。ただし、本実施例に係る補助磁石430はその延長方向が第1ホルダ411および第2ホルダ412の配列方向と互いに交差する点で前述した第2実施例に係る補助磁石230と差がある。
【0408】
したがって、磁石ホルダ部410および磁石部420に対する説明は前述した第2実施例に係る磁石ホルダ部210および磁石部420に対する説明で代替し、補助磁石430は前述した第2実施例に係る補助磁石230との相違点を中心に説明する。
【0409】
本実施例に係る補助磁石430は磁石ホルダ部410の放射状内側に位置する。すなわち、補助磁石430は第1ホルダ411および第2ホルダ412の間に位置する。この時、補助磁石430は第1ホルダ411および第2ホルダ412の配列方向と交差する方向に延びる。
【0410】
図示された実施例において、補助磁石430は幅方向の極性を有するように形成される。
【0411】
補助磁石430は第1面431および第2面432を含む。
【0412】
第1面431は第1磁石421および第2磁石422に向かう補助磁石430の一面に位置する。また、第2面432は補助磁石430の第1面431と反対となる他面に位置する。第1面431第2面432は一つの補助磁石430の互いに異なる面に形成されるところ、互いに反対となる極性に磁化されることが理解され得るであろう。
【0413】
図39~
図41を参照すると、第1磁石421、第2磁石422、第3磁石423および第4磁石424の各対向面421a、422a、423a、424aはすべてN極に磁化され、各反対面421b、422b、423b、424bはすべてS極に磁化される。これに伴い、第1磁石421、第2磁石422、第3磁石423および第4磁石424の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0414】
また、補助磁石430の第1面431はN極に磁化され、第2面432はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石430の第1面431と第1磁石421の第1対向面321aおよび第2磁石422の第2対向面422aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石430の第2面432と第3磁石423の第3対向面423aおよび第4磁石424の第4対向面424aの間には、第3対向面423aおよび第4対向面424aから第2面432に向かう方向の磁場が形成される。
【0415】
また、第1ホルダ411および第2ホルダ412また磁石部420によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0416】
図40に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0417】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の右側に向かうように形成される。
【0418】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0419】
図41に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0420】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の左側に向かうように形成される。
【0421】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の左側に向かうように形成される。
【0422】
図42~
図44を参照すると、第1磁石421、第2磁石422、第3磁石423および第4磁石424の各対向面421a、422a、423a、424aはすべてS極に磁化され、各反対面421b、422b、423b、424bはすべてN極に磁化される。これに伴い、第1磁石421、第2磁石422、第3磁石423および第4磁石424の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0423】
また、補助磁石430の第1面431はN極に磁化され、第2面432はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石430の第1面431と第1磁石421の第1対向面421aおよび第2磁石422の第2対向面422aの間には、第1面331で第1対向面421aおよび第2対向面422aに向かう方向の磁場が形成される。反対に、補助磁石430の第2面432と第3磁石423の第3対向面423aおよび第4磁石424の第4対向面424aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0424】
また、第1ホルダ411および第2ホルダ412また磁石部420によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0425】
図43に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0426】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0427】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0428】
図44に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0429】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは下方の右側に向かうように形成される。
【0430】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の右側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の右側に向かうように形成される。
【0431】
したがって、本実施例に係るアーク経路形成部300は磁石部320の極性または直流リレーに通電する電流の方向にかかわらず、電磁力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0432】
これに伴い、中心部Cに隣接するように配置される直流リレー1の各構成要素の損傷が防止され得る。さらに、発生したアークが速かに外部に排出され得、直流リレー1の作動信頼性が向上し得る。
【0433】
図45~
図47を参照すると、第1磁石421および第2磁石422の各対向面421a、422aはすべてN極に磁化され、第3磁石423および第4磁石424の各対向面423a、424aはすべてS極に磁化される。
【0434】
これに伴い、第1磁石421と第2磁石422の間および第3磁石423および第4磁石424の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石421と第3磁石423および第4磁石424の間には、第1磁石421から第3磁石423および第4磁石424に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石422と第3磁石423および第4磁石424の間には、第2磁石422から第3磁石423および第4磁石424に向かう方向の磁場が形成される。
【0435】
また、補助磁石330の第1面431はN極に磁化され、第2面432はS極に磁化される。これに伴い、補助磁石430の第1面431と第1磁石421の第1対向面421aおよび第2磁石422の第2対向面422aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。また、補助磁石430の第2面432と第3磁石423の第3対向面423aおよび第4磁石424の第4対向面424aの間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。
【0436】
また、第1ホルダ411および第2ホルダ412また磁石部420によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0437】
図46に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0438】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下側に向かうように形成される。
【0439】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上側に向かうように形成される。
【0440】
図47に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0441】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも上側に向かうように形成される。
【0442】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下側に向かうように形成される。
【0443】
したがって、本実施例に係るアーク経路形成部400は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向に電流が通電する場合、電磁力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0444】
これに伴い、中心部Cに隣接するように配置される直流リレー1の各構成要素の損傷が防止され得る。さらに、発生したアークが速かに外部に排出され得、直流リレー1の作動信頼性が向上し得る。
【0445】
図48~
図50を参照すると、第1磁石421および第2磁石422の各対向面421a、422aはすべてN極に磁化され、第3磁石423および第4磁石424の各対向面423a、424aはすべてS極に磁化される。
【0446】
これに伴い、第1磁石421と第2磁石422の間および第3磁石423および第4磁石424の間には互いに押し出す方向の磁場が形成される。反対に、第1磁石421と第3磁石423および第4磁石424の間には、第1磁石421から第3磁石423および第4磁石424に向かう方向の磁場が形成される。また、第2磁石422と第3磁石423および第4磁石424の間には、第2磁石422から第3磁石423および第4磁石424に向かう方向の磁場が形成される。
【0447】
また、補助磁石430の第1面431はS極に磁化され、第2面432はN極に磁化される。これに伴い、補助磁石430の第1面431と第1磁石421の第1対向面421aおよび第2磁石422の第2対向面422aの間には、第1面431に向かう方向の磁場が形成される。また、補助磁石430の第2面432と第3磁石423の第3対向面423aおよび第4磁石424の第4対向面424aの間には、第3対向面423aおよび第4対向面424aに向かう方向の磁場が形成される。
【0448】
また、第1ホルダ411および第2ホルダ412また磁石部420によって共に磁化されて付随的な磁場を形成する。
【0449】
図49に図示された実施例において、電流の方向は第2固定接触子22bから可動接触子43を経て第1固定接触子22aに出る方向である。
【0450】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0451】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも上方の左側に向かうように形成される。
【0452】
図50に図示された実施例において、電流の方向は第1固定接触子22aから可動接触子43を経て第2固定接触子22bに出る方向である。
【0453】
第1固定接触子22aで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第1固定接触子22a付近で発生する電磁力は上方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第1固定接触子22a付近でのアークの経路A.Pは上方の左側に向かうように形成される。
【0454】
同様に、第2固定接触子22bで電流の方向および前記磁場の方向を考慮してフレミングの左手法則を適用すると、第2固定接触子22b付近で発生する電磁力は下方の左側に向かうように形成される。これに伴い、第2固定接触子22b付近でのアークの経路A.Pも下方の左側に向かうように形成される。
【0455】
したがって、本実施例に係るアーク経路形成部400は磁石部420の極性または直流リレーに通電する電流の方向にかかわらず、電磁力およびアークの経路A.Pを中心部Cから遠ざかる方向に形成することができる。
【0456】
これに伴い、中心部Cに隣接するように配置される直流リレー1の各構成要素の損傷が防止され得る。さらに、発生したアークが速かに外部に排出され得、直流リレー1の作動信頼性が向上し得る。
【0457】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、本発明は前記説明された実施例の構成に限定されるものではない。
【0458】
また、本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって、以下の請求の範囲に記載された本発明の思想および領域を逸脱しない範囲内で多様に修正および変更され得る。
【0459】
さらに、前記実施例は多様な変形がなされ得るように各実施例の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0460】
1:直流リレー
10:フレーム部
11:上部フレーム
12:下部フレーム
13:絶縁プレート
14:支持プレート
20:開閉部
21:アークチャンバー
22:固定接触子
22a:第1固定接触子
22b:第2固定接触子
30:コア部
31:固定コア
32:可動コア
33:ヨーク
34:ボビン
35:コイル
36:復帰スプリング
37:シリンダ
40:可動接触子部
41:ハウジング
42:カバー
43:可動接触子
44:シャフト
45:弾性部
100:アーク経路形成部の第1実施例
110:磁石ホルダ部
111:第1ホルダ
111a:第1外側面
111b:第1内側面
112:第2ホルダ
112a:第2外側面
112b:第2内側面
120:磁石部
121:第1磁石
121a:第1対向面
121b:第1反対面
122:第2磁石
122a:第2対向面
122b:第2反対面
123:第3磁石
123a:第3対向面
123b:第3反対面
124:第4磁石
124a:第4対向面
124b:第4反対面
130:補助磁石
131:第1面
132:第2面
200:アーク経路形成部の第2実施例
210:磁石ホルダ部
211:第1ホルダ
211a:第1外側面
211b:第1内側面
212:第2ホルダ
212a:第2外側面
212b:第2内側面
220:磁石部
221:第1磁石
221a:第1対向面
221b:第1反対面
222:第2磁石
222a:第2対向面
222b:第2反対面
223:第3磁石
223a:第3対向面
223b:第3反対面
224:第4磁石
224a:第4対向面
224b:第4反対面
230:補助磁石
231:第1面
232:第2面
300:アーク経路形成部の第3実施例
310:磁石ホルダ部
311:第1ホルダ
311a:第1外側面
311b:第1内側面
312:第2ホルダ
312a:第2外側面
312b:第2内側面
320:磁石部
321:第1磁石
321a:第1対向面
321b:第1反対面
322:第2磁石
322a:第2対向面
322b:第2反対面
323:第3磁石
323a:第3対向面
323b:第3反対面
324:第4磁石
324a:第4対向面
324b:第4反対面
330:補助磁石
331:第1面
332:第2面
400:アーク経路形成部の第4実施例
410:磁石ホルダ部
411:第1ホルダ
411a:第1外側面
411b:第1内側面
412:第2ホルダ
412a:第2外側面
412b:第2内側面
420:磁石部
421:第1磁石
421a:第1対向面
421b:第1反対面
422:第2磁石
422a:第2対向面
422b:第2反対面
423:第3磁石
423a:第3対向面
423b:第3反対面
424:第4磁石
424a:第4対向面
424b:第4反対面
430:補助磁石
431:第1面
432:第2面
A.P:アークの経路
【国際調査報告】