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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】容器の閉止キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/16 20060101AFI20240711BHJP
   B65D 55/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B65D43/16 300
B65D55/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505543
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 ES2022070509
(87)【国際公開番号】W WO2023007055
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】U202131582
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524038587
【氏名又は名称】ゴンサレス サンチェス、ホセ フランシスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴンサレス サンチェス、ホセ フランシスコ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084BA01
3E084DB02
3E084DC03
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084GB06
3E084LB02
3E084LD01
(57)【要約】
本発明は、容器、特にねじ部が設けられたネックを備えた容器の閉止キャップに関し、容器のネックに結合可能な下側リングと、ネックの外側ねじ部に結合可能なねじ部が内部に設けられた上側キャップ(2)とを備え、上側キャップ(2)と下側リング(1)とは、一緒に回転することができるように互いに結合されている。上側キャップ(2)と下側リング(1)との連結は、互いに直径方向に対向する2つの可撓性延長部(3)によってなされ、可撓性延長部(3)は下側リングに存在する厚肉部によって形成され、溝部を含む。上側キャップの本体の下縁は段部を有し、延長部が位置する凹部を画定する。閉止状態では、2つの延長部(3)が下側リング(1)の本体の上側で平行に配置され、一方、閉止キャップの開放位置では、延長部(3)の上側の端がヒンジ領域として作用して、上側キャップ(2)を回転させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用の閉止キャップであって、特に、外側ねじ部が設けられたネックに開口部を有する容器用であって、容器のネックに結合されるように構成された下側リングと、その内側面に容器ネックの外側ねじ部に結合されるように構成されたねじを有する上側キャップ(2)と、を備え、前記上側キャップ(2)及び前記下側リング(1)は、一緒に回転することができるように互いに結合され、前記上側キャップ(2)と前記下側リング(1)との間の接続が、互いに直径方向に対向する一定の度合いの可撓性を有する2つの延長部(3)によって成されることを特徴とし、2つの延長部のそれぞれが前記下側リングに存在する厚肉部から形成され、前記下側リングは溝部を備え、前記2つの延長部は前記溝部の上に形成され、前記2つの延長部は前記厚肉部の外径と同じ外径を有し、前記上側キャップの本体の下縁は凹部を形成する段部を有し、前記段部の中に前記延長部が位置し、閉止状態で前記2つの延長部(3)が前記下側リングの本体に対して上側で平行に配置され、閉止キャップの開放状態で前記延長部(3)の上端はヒンジ領域として機能して前記上側キャップ(2)が回転可能で、前記下側リング(1)の内部は、容器のネック上に存在する周囲突出部に作用するように意図された保持手段を含み、前記保持手段は前記下側リング(1)の本体の内径に沿って部分的に存在して、前記延長部の各々が前記下側リング(1)から発生する位置と高さ方向に揃えられた領域には前記保持手段を欠いている、容器用の閉止キャップ。
【請求項2】
前記上側キャップ(2)は停止手段を含み、閉止位置での前記上側キャップ(2)の配置に対して、逆位置に前記上側キャップ(2)を固定されたままにすることを前記停止手段が意図することを特徴とする、請求項1記載の容器用の閉止キャップ。
【請求項3】
前記停止手段は、前記下側リング(1)から突出する突起(4)を備え、前記突起は、前記上側キャップ(2)の下縁から横方向に突出するタブ(5)と高さ方向に一直線に並び、開放状態では、前記タブは、前記突起(4)の下面に当接し、前記タブ(5)は、前記下側リングの曲率半径に適合可能な湾曲部を有することを特徴とする、請求項2に記載の容器用の閉止キャップ。
【請求項4】
前記保持手段は、前記上側キャップの下縁に平行に延びる、互いに整列し等距離に配置された複数の突起部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の容器用の閉止キャップ。
【請求項5】
前記上側キャップ(2)と前記下側リング(1)との間に不正開封防止シールを含むことを特徴とする、請求項1記載の容器用の閉止キャップ。
【請求項6】
前記不正開封防止シールは、前記上側キャップ(2)の下縁と前記下側リング(1)の上縁との間のスロットに分布する複数の破断点(6)で構成されることを特徴とする、請求項5に記載の容器用の閉止キャップ。
【請求項7】
前記閉止キャップは、射出成形可能または圧縮成形されるプラスチック材料の単一ピースから構成されることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の容器用の閉止キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の目的は、容器の閉止キャップを提供することである。
【0002】
より具体的には、本発明は、容器ネック上のキャップのねじ込みおよび/またはねじ外しの間に分離しないような形で、互いに取り付けられた上側キャップおよび下側リングを備えたキャップの開発を提案する。
【背景技術】
【0003】
食品(固体、液体、粘性物質など)を包装する分野では、プラスチック材料から作られた閉止キャップが長年にわたって使用されており、容器自体のネックに形成されたカットに螺合可能な内ねじを備えたキャップが設けられており、ミネラルウォーター、ソフトドリンクなどの飲料に使用されるタイプのビンの場合、例えば容器内部の中身を気密状態に保つことが可能となっている。
【0004】
従来技術においては、容器用の閉止キャップが知られており、特に、容器は、外側ねじ部分を備えたネックに開口部を有する容器用のキャップであり、容器のネックに結合されるように構成された下側リングと、容器ネックの外側ねじ部分に結合されるように構成されたねじ山をその内面に有する上側キャップとを備えている。上側キャップと下側リングとは、ヒンジ部分によって互いにヒンジ結合されており、上側キャップがネックのねじ部に沿って上昇することができるように、その一方で、下側リングは、容器自体に対して容器の閉止システムを分離しないように、元の位置に留まっている。この種のキャップの一例は、文書番号ES 1247151及び文書番号ES 1237189に開示されている。
【0005】
しかしながら、同心のリングの設計及びヒンジ付き部分の設計のために、比較的複雑な注入鋳型及び他のキャップのそれよりも多い注入サイクルを必要とする。特に一旦注入された鋳型からピースを除去するためのプロセスの複雑さのために、製造サイクルの間に作用する多数の可動機構及びスライダーを有することが必要である。その結果、このタイプのキャップの製造コストはより高価になる。そこで、提起された課題を解決する容器用キャップの開発が求められている。
【0006】
同様のキャップは、一方のリングが他方のリング上に位置する2つのリングによって形成される場合も知られており、その結果、このタイプのキャップを容器内に組み込むことにより、ネックの高さを減らすことができず、その結果、容器の製造のための材料の量を減らすことができず、材料の減少は環境の目的のためにこの分野で現在望まれている面である。さらに、この高さは、改ざん有無のシールとして作用する破断点の配置によっても負の影響を受け、下側リングの高さを大きくすることを助長する。
【0007】
さらに、出願人は、現在、本明細書に記載された全ての特徴を有するような発明を知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、適用分野内の新規性として構成され、かつ前述の欠点を解決する閉止キャップを提供することを目的として開発されたものであり、以下の説明から明らかとなる他の追加的利点にさらに寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の目的は、容器の閉止キャップを提供することであり、特に、外側ねじ部分が設けられたネック内の開口を有し、容器のネックに結合されるように構成された下側リングと、容器ネックの外側ねじ部分に結合されるように構成されたねじをその内側面に有する上側キャップとを備え、上側キャップと下側リングとが、一緒に回転することができるように接合されるタイプの容器を提供することである。
【0010】
特に、本発明は、上側キャップと下側リングとの間の接続が、互いに直径方向に対向する一定のフレキシビリティを有する2つの延長部によって行われ、その各々は下側リングの厚肉部から形成され、下側リングは溝部を有し、延長部は溝部の上に形成され、2つの延長部が下側リングの厚肉部の外径と同じ外径を有し、上側キャップの下縁が、延長部が位置する凹部を画定する段部を有し、閉じた状態では両延長部が下側リングの本体の上方に平行に配置され、一方、閉止キャップの開いた位置では、延長部の上端が、キャップが回転できるようにヒンジ領域として作用することを特徴とする。
【0011】
先に定義された配置により、キャップは、大きな移動の自由度を有することができ、ねじ外しの間、ネックのねじを切った部分に沿って容易に上昇することができ、反対方向の抵抗を受けることがない。同様に、閉止キャップの開放位置では、横方向の延長部は、容器ネックの外側ねじ部から離れたままであり、いかなる種類のストレスもなく、キャップに大きな移動の自由度を提供し、容器口上のキャップの位置決めおよび中心合わせをユーザが容易に行うことを可能にして、これは容器を閉止する動作中にキャップを適切にねじ込むために必要である。
【0012】
この新しい構成では、閉止キャップの下側リングを製造するのに必要な材料の量を減らすことも可能であり、一旦ネジを外してもコンテナに接合されたままにするために開発されたキャップのリングよりも低い高さを有することが可能であり、これは製造コストの低減を意味する。
【0013】
他方では、従来技術の他のキャップが有するヒンジ領域が排除されているので、
一定の複雑さのスライダ及び取外しシステムが必要とされない射出成形金型を使用することによっても、製造プロセスが強化される。注目すべきは、より単純な製造手段を使用することは、射出サイクルを減少させるのに役立つということである。
【0014】
さらに、本発明の閉止キャップのもう一つの重要な態様は、上キャップおよび下リングによって規定される直径を有するキャップの部分が突出しないので、容器への自動配置の間にキャップ供給ラインにおける問題(キャップと、循環するチャネルの側壁との摩擦など)を生じないことである。
【0015】
さらに、この設計により、延長部の可撓領域を、下側リングに水平カットを施したときに生じる屈曲領域よりも大きな高さにすることができ、その結果、キャップが従わなければならないねじ外し経路がより短くなり、ユーザはより少ない取扱い時間を必要とする。
【0016】
本発明の別の態様によれば、停止手段が設けられ、これは、閉止位置の間に上キャップが取る配置に対して逆位置に上キャップを固定することを意図している。
【0017】
好ましくは、停止手段は、下側リングから突出する突起を備え、この突起は、上側キャップの下縁から横方向に突出するタブと高さ方向に整列され、これにより、開いた状態では、タブが突起の下側表面に当接し、この部分では、タブは、下側リングの曲率半径に適合させることができる湾曲した部分を有する。
【0018】
下側リングの内部は、コンテナネック上に存在する周囲突出部に作用するように意図された保持手段を含み、このような保持手段は下側リングの本体の内径に沿って部分的に存在し、下側リングから延長部の各々が生成される位置に高さ方向に整列した領域を保持手段が避けて配置される。このようにして、垂直方向の動きが、前記保持手段がない下側リングの領域内に提供され、延長部に発生する応力を減少させ、特にユーザーがキャップを容器にねじ戻したいときに、垂直方向の動きの自由と閉止キャップの使用を支援する。
【0019】
好ましくは、保持手段は、整列し、互いに等距離にある複数の突起部を備え、これらの突起部は、上キャップの下縁に平行に延びている。
【0020】
さらに、本発明の閉止キャップは、上側キャップと下側リングとの間に不正開封防止シールを含むことができる。
【0021】
好ましくは、不正開封防止シールは、上側キャップの下縁と下側リングの上縁との間のスロットに分配された複数の破断点から構成される。
【0022】
本発明の別の有利な局面によれば、閉止キャップは、射出成形可能なまたは圧縮成形されたプラスチック材料の単一ピースから作られる。このキャップは、成形領域を完全に仕上げられることができ、それ以上の加工を必要としないので、製造コストと時間を削減することができる。
【0023】
このように、記載された閉止キャップは、その意図された目的のために今まで未知であった構造的及び構成的特徴を有する革新的な構造を表しており、その有用性と共に、それは要求された排他性特権を得るための十分な根拠を与えるものである。
【0024】
本発明の目的の容器用閉止キャップの他の特徴および利点は、添付の図面において非限定的な例として図示されている、好適であるが排他的ではない実施形態の説明に照らして明白であろう:
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による閉止キャップの実施形態の側面立面図である。
図2図1に示す閉止キャップの別の側面立面図である。
図3】本発明による閉止キャップの平面図である。
図4】内側部分が示された本発明による閉止キャップの斜視図である。
図5】容器上に装着され、部分的に開いた状態にある閉止キャップの斜視図である。
図6】閉止状態の閉止キャップの斜視図である。
図7】部分的に開いた状態の閉止キャップの斜視図である。
図8】完全に開いた状態の閉止キャップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述の図に照らして、および採用した番号に従って、本発明の好適な例示的実施形態を観察することができ、それは、以下に詳細に示され説明される部品および要素を含む。
【0027】
さらに、明細書及びクレーム中の第1、第2、第3等の用語は、類似の項目間を区別するために使用され、必ずしも順次又は時系列順を記述するものではない。これらの用語は、適切な状況下で交換することができ、本発明の実施形態は、本明細書で説明または図示したもの以外のシーケンスで動作することができる。
【0028】
さらに、説明及びクレーム中の上、下、頂部、底等の用語は、記述目的のために使用され、必ずしも相対的な位置を記述するものではない。
【0029】
図からわかるように、容器用閉止キャップは、外側ねじ部を設けたネック(100)に開口部を有する容器を対象としている。前記キャップは、容器のネック部に結合されるように構成された下側リング(1)と、その内面に容器ネック部(100)の外側ねじ部(101)に結合されるように構成されたねじ部(21)を有する上側キャップ(2)とによって形成され、上側キャップ(2)と下側リング(1)は、容器ネック部の周囲で一緒に回転することができるように互いに結合される。この閉止キャップは、射出成形可能または圧縮成形されるプラスチック材料の単一ピースから作られる。容器のネックは、以下に述べる閉止キャップを用いることによって、より低い高さを有することができることに言及すべきである。
【0030】
上側キャップ(2)の本体によって画定される横方向の外側面は、非平滑面(22)、特に、図1乃至図8に見られるように、上側のキャップ(2)の本体の上側部分から下側部分まで延在して半径方向に分布する複数のリブによって形成される刻み目付き面を有する。
【0031】
上側キャップ(2)と下側リング(1)との接続は、一定の可撓性を有し一定の断面を有する、互いに直径方向に対向する2つの延長部(3)によって行われる。これらの延長部が溝部(7)を含み下側リングに存在する肉厚部から形成され、延長部が溝部(7)の上方に形成されるように、2つの延長部(3)が肉厚部の外径と同じ外径を有する。上側のキャップ(2)の本体の下縁が段部(20)を備え段部(20)は、延長部(3)が位置する凹部を規定し、閉止キャップの開放位置において、これらの延長部(3)の上端部が、上側のキャップ(2)が回転可能となるようにヒンジ領域として作用する。
【0032】
さらに、キャップは、閉止位置で上側キャップ(2)によって取られた配置に対して逆位置に上側キャップ(2)を固定したままにすることを意図した停止手段を含む。
【0033】
特に、これらの停止手段は、下側リング(1)から突出する突起(4)を備え、これは、上側キャップ(2)の下縁から横方向に突出するタブ(5)と高さ方向に整列され、これにより、開いた状態(図8)では、タブが突起(4)の下面に当接し、この状態では、タブ(5)は、下側リングの曲率半径に適合することができる湾曲した形状の表面(50)を有する。
【0034】
下側リング(1)の内部は、容器のネック上に存在する周囲突出部に作用するように意図された保持手段(以下に説明する)を含み、保持手段は、下側リング(1)の本体の内径に沿って部分的に存在して、下側リング(1)から各延長部(3)が生成される位置と高さ方向に位置合わせされた領域(11)には保持手段はない。
【0035】
前述の保持手段を参照すると、それらは、上キャップ(2)の下縁に平行に延びる、互いに一直線に且つ等距離に配置された複数の突起部(8)を備える。
【0036】
閉止キャップを含む容器が不正開封されていないことをユーザが確実にするために、閉止キャップは、上側キャップ(2)と下側リング(1)との間に位置する不正開封防止シールを含む。このシールは、互いに離間し、かつ上側キャップ(2)の下部と下側リング(1)の上縁との間に位置する複数の破断点(6)で構成される。
【0037】
本発明の閉止キャップを製造するために使用される詳細、形状、寸法および他の付属要素は、以下に含まれる特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱しない他のものに好適に置換することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】