(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】特種な内側形状のボウルを有する水洗便器
(51)【国際特許分類】
E03D 11/08 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
E03D11/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506137
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2022069900
(87)【国際公開番号】W WO2023011889
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514194613
【氏名又は名称】ゲベリット インテルナツィオナール アーゲー
【氏名又は名称原語表記】GEBERIT INTERNATIONAL AG
【住所又は居所原語表記】Schachenstr. 77, CH-8645 Jona (CH)
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス,ロルフ
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC02
2D039DB05
(57)【要約】
本発明は、ボウル内側形状が水面(8)の周りを回転し、それによって下降し、そして流入段部(18)によって終端される第1の流路(10)を有する水洗便器に関する。この流入段部(18)は、洗浄水流の一部を内側に水面8の中央領域に迂回させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウルを有する水洗便器(1)において、前記ボウルが上方を向くボウル開口部(2)と、前記ボウル内に水を流入させるための流入開口部(17)と、を有し、
ボウル内側形状が外側の第1の凹状エッジ(11)と内側の第1の凸状エッジ(12)との間に画成された第1の流路(10)を有する、
水洗便器(1)であって、
前記ボウルが流出開口部を備えた流出部を有し、
前記第1の流路(10)が前記流出開口部の周囲を循環し、循環するにつれて下降するようになっており、
前記第1の流路(10)がその下端で流入段部(18)に接し、前記流入段部(18)が第1の凹状エッジ(11)の一部と第2の凸状エッジ(13)との間に前記第1の流路(10)に対向する側で前記第1の凹状エッジ(11)から前記第2の凸状エッジ(13)に向かって上昇するように区画され、
前記流入段部(18)が洗浄水を前記流出開口に転向させるように設計され、
前記流出開口部内の水面(8)に近接する流入段部の端部が、外側縁部の3分の2の領域において、上から見て前記水面(8)の外側縁部に向けられている、
水洗便器(1)。
【請求項2】
前記流入段部(18)の近位端は前記外側縁部と少なくとも30°の角度をなす、請求項1に記載の水洗便器(1)。
【請求項3】
前記流入段部(18)が、前記第1の凹状エッジ(11)と前記第2の凸状エッジ(13)との間で少なくとも部分的に高さが10mmである、請求項1または2に記載の水洗便器(1)。
【請求項4】
前記第1の凹状エッジ(11)と前記第2の凸状エッジ(13)との間で、前記流入段部(18)が少なくとも75°の水平面への上昇角に達する、請求項1から3のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項5】
前記流入段部(18)が、円弧状、前記第1の流路(10)から見て凹状である、請求項1から4のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項6】
前記第1の流路(10)とは反対側の前記流入段部(18)上に第2の流路(14)が設けられ、前記第2の流路(14)が前記第2の凸状エッジ(13)と第2の凹状エッジ(15)との間に画成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項7】
前記第2流路(14)が、上方から見て少なく1つ、および好ましくは正確に3つのコーナー部を有する、請求項6に記載の水洗便器(1)。
【請求項8】
前記第2の流路(14)が、前記水洗便器(1)の長手方向に対して横切る方向に、前後から少なくとも幅が30mmである、請求項6または7に記載の水洗便器(1)。
【請求項9】
前記第1の流路(10)が前記水面(8)の中心から見て少なくとも160°の角度で循環する、請求項1から8のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項10】
前記第1の流路(10)が、排水口の周囲を循環する際に単調に、好ましくは厳密に単調に下降する、請求項1から9のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項11】
前記ボウルが、前記ボウル開口部(2)の下方に、前記第1の流路(10)と前記流入段部(18)とを含む一体の内側形状を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項12】
前記流入段部(18)が、前記排水開口部内の水面(8)から距離を置いた端部において、上から見てこの距離を置いた端部の延長線が、前記ボウル内側形状の上縁部とその前方部で合致する、請求項1から11のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項13】
洗浄水用の流入開口部(17)をちょうど1つ有する、請求項1から12のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【請求項14】
前記第1の流路(10)が請求項1に規定した前記流入開口部(17)に接続され、流入する洗浄水によって洗われる、請求項1から11のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊な内側形状のボウルを備えた水洗便器に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗便器は、古くから知られており、ボウル内部を水で洗い流すという特徴がある。この水は、例えば一定の下降勾配を有して、または流入開口部の洗浄弁および洗浄導管を介する導管圧によってボウルに供給することができる。従来の水洗便器では、水はリングシャワー状にいわゆる昔から用いられている洗浄リムを介してボウルの上縁部の周りに分配され、多数の流入開口部を通って下方に流れ、ボウル内をその内側形状に沿って下方の排水開口部に達するようされている。これに代わるものとして、洗浄のためにボウル内側形状内を循環する様々な形態の水流が知られており、広く使用されている。このために洗浄水は、少なくとも1つの流入開口部を介して入口のほぼ接線方向にボウル内に導かれ、循環と排水方向の動きの組合せでボウル内を流れる。
【0003】
特許文献1には、ボウル内側形状が非対称である例について記載されている。ここでは洗浄水流入開口部に外側の凹状エッジと内側の凸状エッジとの間に画定された流路が接続されており、この流路は一方では排水開口部の周りを循環し、他方ではこの循環中に降下し、循環および下降する洗浄水の水流の組合せを助成し、比較的大きな「スイング」で洗浄水を排水開口部にもたらす。
【0004】
さらに特許文献2を参照すると、ここではさらに第2の流路が限られた角度範囲(ボウル開口部の平面から見て)にわたって設けられ、これにより特にボウルのアンダーカットのない上部内側エッジにおいて飛散の危険を防止することができるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2604761号明細書
【特許文献2】欧州特許第3412840号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0289947号明細書
【特許文献4】欧州特許第3444408号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに基づいて本発明は、さらに最適化されたボウル内側形状を備えた水洗便器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、ボウルを有する水洗便器において、ボウルが上方を向くボウル開口部と、ボウル内に水を流入させるための流入開口部とを有し、ボウル内側形状が外側の第1の凹状エッジと内側の第1の凸状エッジとの間に画成された第1の流路を有し、ボウルは流出開口部を備えた流出部を有し、第1の流路は流出開口部の周囲を循環し、循環するにつれて下降するようになっており、第1の流路はその下端で流入段部に接し、この流入段部は第1の凹状エッジの一部と第2の凸状エッジとの間に第1の流路に対向する側で第1の凹状エッジから第2の凸状エッジに向かって上昇するように区画され、これにより洗浄水を流出開口に転向させるように設計され、流出開口部内の水面に近接する流入段部の端部が、外側縁部の3分の2の領域において、上から見て水面の外側縁部に向けられるようにしたボウル付き水洗便器により解決される。
【0008】
また本発明によれば、本発明による水洗便器のボウル形状は、引用された特許文献と同様の(「第1の」)流路を有する。外側の「第1の」凹状エッジおよび内側の「第1の」凸状エッジは、外側から内側へ(排水開口部内の水面の中心に向かって)垂直切断面において生じる湾曲極値(凹面または凸面に応じての最大値および最小値)のラインとして定義される。このような極値から、極値のラインまたはエッジが可能な垂直切断の多様性によって生じる。換言すればエッジは、ボウル内側形状(外側から内側に見た)のプロファイル形状に関連して、最大曲率のラインである。
【0009】
対応する第1の流路は循環形状をしているが、ここで言う「循環」という用語は、排水開口部、具体的にはその中の水面に関するものである。引用された特許文献と同様に、第1の流路は循環中に降下する。この降下は、流路の形状が重力によりそれでなくとも避けがたく洗浄作用に対しても望ましい水流の下向傾向を助成または換言すれば対処することを意味する。特にこのことは、便器を中心で左右の半分に分割する垂直面(いわば便器に座っている使用者を同様に想像上中央で分割し壁面に設置している場合には壁面に垂直である)に対して、第1の流路の深いところにある側面と高いところにある側面とを区別することができることを意味する。
【0010】
この意味で第1の流路は深いところにある部分に下端を有し、本発明はこの下端に接するいわゆる流入段部を提案するものである。この流入段部は、実施例が示すように、言わば第1の流路の下端に生じる「バリア」であり、ここで上述した凹状および凸状のエッジと区別するために、ここでは「エッジ」という用語は使用しない。
【0011】
このバリアまたは流入段部は、凸状エッジと凹状エッジとの間に画成され、凹状エッジはいずれにせよ、第1の流路と流入段部とが互いに接する箇所で第1の流路を外部に対して区切る第1の凹状エッジとなり、一方では流入段部をさらに画定する「第2の」凸状エッジは、それに応じて流入段部の第1の流路とは反対側に位置することになる。
【0012】
したがって流入段部とは、(流路の外側凹状および内側凸状エッジとは異なり)外側の凸状および内側の凹状エッジとも呼ぶことができる。この場合流入段部(バリアという意味で)は、凹状エッジからから凸状エッジに向かって上昇する。流入段部は第1流路上を流れる洗浄水を偏向するように設計されている。したがって以下により詳細に説明するように、流入段部は外側から内側に排水開口部に向かって延在する。
【0013】
この流入段部の排水開口部、具体的に言えばその水面への方向付けは、上から見て、すなわち上からの垂直方向の投影による。したがって、水面の近くに流入段部の端部が存在することになる。この近位端部は、同様に上から見て水面の外縁に向かって前方の3分の2の領域に向けられるべきである。「前方」とは、使用者の視点から、すなわち便器の前に使用者が立っている場合には使用者の前方に、または便器に座っている場合には使用者の膝に隣接していることを意味する。したがって通常は「前方」とは、便器が設置されている、または設置されるべき壁から離れた方向性を意味する。
【0014】
この「放向性」は、近位端が水面の外縁に合致するか、または流入段部が外縁を越えて延びている場合には、それと交差するか、または流入段部がそれより前にある場合には、近位端の延長部が外縁に合致することを意味する。
【0015】
一方では水面は、実際には排水開口部に水が存在していなければならないことを意味すると理解されるべきではない。むしろ通常の臭気トラップを備えたトイレは、「休止状態」での取付け位置において、すなわち洗浄水の流れがないときに、ある程度の(最大)水位が排水開口部に存在するように設計されている。これには、若干低い水面につながる可能性のある蒸発損失は含まれていない。通常水面は、臭気トラップの反対側、すなわち下水道に面する側のオーバーフローエッジによって決定される。
【0016】
特に好ましくは、上記の記述は、前述の水面の3分の2の領域の前部だけでなく、前半部にも適用され、特に好ましくは3分の1の前部にも適用される。この実施例では、流入段部の外側への衝突点は、ほぼ3:1の分割比、すなわち前方の4分の1の縁部にある。
【0017】
流入段部が水面の外縁より上で終わり、この外縁にもはや到達しなくなる(好ましくないがその可能はある)場合も考えてみた。この場合は前述の定義の意味で、(上からの投影で)流入段部の縁部の近位の端部は、その局所的方向の意味で拡張されると想定すべきである。同様に、流入段部が実施例とは異なり第1の流路の外側凹状エッジ(すなわち「第1の」凹状エッジ)の直接的連続であるような下側のエッジによって境界されていない場合も、同様に想定することができる。この場合にも水面の外端から遠い流入段部の端部と第1の流路の凹状エッジとの間にいわば遠方端部の延長において(その垂直方向における局所的方向において)中間部分を想定することができる。この中間部分は、先端側の延長部(垂直突起でその局所的な方向)にあった。用語の概念及び説明を簡略化するために、このような場合にも流入段部の下側凹状エッジはこれと第1の流路の外側凹状エッジとの間にギャップが存在しても、「第1」の凹状エッジとみなされるべきである。この意味では、第1の流路は、流入段部で「終わる」かまたは流入段部は流路の下端を形成する。
【0018】
流入段部の近位端の前方の3分の2の領域への上述の位置合わせは、流入段部によって偏向された洗浄水部分を、それが排水開口部に、より正確には水面に完全に「後方」に到達しないように(前記の意味において)位置合わせするようにするのに役立つ。一方、第1の流路に沿って、またはその近傍(特に、第1の凹状エッジを越えて急峻な壁部分上でわずかに外側)を流れる洗浄水の別の部分は、それに沿って排水開口部に流れる代わりに、流入段部を越えて通過することができる。この部分はその後、さらに後部の排水開口部に当たる。したがって単純化すれば、洗浄水流の少なくとも2つの部分を想像することができ、そのうちの1つは、他の部分よりも流入段部によって排水開口部内に僅かに前方に向けられる。
【0019】
既に引用された先行文献、特に特許文献1においてすでに説明されているように、第1の流路は渦状に、一方では回転しながら、他方では下降しながら排水開口部に流れる洗浄水の流れを助成し、これに応じて、排水開口部内で同様に回転をもたらし、先行文献に記載のようにできるだけ「スイングのある」洗浄水の流れを形成する。しかしこのような回転流のような「目」には、浮遊物、例えばトイレットペーパーが集まり、そのほかの点では非常に効率的な(特に排泄物に関して)洗浄水流にもかかわらず洗浄されない、もしくは迅速に洗浄されないことが起こり得る。しかしこの流入段部により洗浄水流の一部が排水開口部におけるこの回転流を避けながらさらに前方に排水開口部に向けられるので、このような現象は低減または防止され得る。
【0020】
この問題は特許文献3において既に問題とされており、ここでは洗浄水流を2つの開口によって2つの部分流に分割し、そのうちの1つの流れを強くし、比較的深い後面(
図12の符号42)によって部分的にして、3つの部分流を最終的に作るようにしている。この場合1つの部分流は上述の後面に対し、他の方向への偏向の意味ではなく、多くの方向に分布する混合の意味で影響を与えるべきである。これは、排水開口部の渦を破壊し、できるだけ統計的に均一な排水開口部の速度分布を達成することを目的としている。したがってこの構想は、排水開口部の直前の回転洗浄水流のいわば準カオス的擾乱の方向に向けられている。
【0021】
これとは異なり本発明は、ボウル内側形状にできるだけ多くの「スイング」を持たせるとともに、流れをできるだけ少なく乱し、「スイング」を産むという構想を追求する方針をとるものである。
【0022】
好ましい実施形態によれば、流入段部の近位端またはその水面の外縁上の延長部の入射角はあまり小さくせず、すなわち、少なくとも30°、好ましくは少なくとも40°、50°、60°またはさらに70°とする。したがって流入段部は、上記の効果をさらに促進するために外縁に対して好適には接線ではないようにする。
【0023】
好ましくは流入段部は、一定の最小高さが例えば10mm、好ましくは少なくとも12mmまたは14mmとする。逆に高さは、好ましくは30mm、28mm、26mm、更には24mm未満とされる。実施例ではこの値は約20mmである。
【0024】
流入段部は、もちろんその全長に亘って上記の最小高さを有するべきではなく、少なくともその最高箇所限られるべきである。
【0025】
さらに流入段部を弓形形状にすることも好適であり、これは、第1の流路に沿って流入する水の観点から凹状であるべきである。これについてまず指摘すべきことは、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも大部分について(すなわち上から見て)、この意味で凹形であるべきであり、特に好ましくは部分的にも凸状でなく、特に好ましくは全体にわたって凹状とする。好ましくは凹状の弓形形状は全体として、少なくとも30°、好ましくは少なくとも40°またはさらに少なくとも50°または60°の角度を有するようにする。この実施例ではほぼ90°である。流入段部の遠位端の定義については、以下でさらに論じる。これと近位端は角度特徴の決定的なものである。
【0026】
流入段部によって分流されない洗浄水の一部は、この段部を越えて異なる形態で排水開口部に入り、特にさらに後部に入ることができることは、既に説明した。この関連において、流入段部のいわば「他方の側面」の領域は好適には別の流路として、すなわち第2の流路として形成される。この第2の流路を区切るエッジは、一方では流入段部と関連して既に論じられている第2の凸状エッジであり、他方では流入段部とは反対を向いている第2の流路の側面上の第2の凹状エッジである。好ましくは、この形態での流路は次いで水面の近くに直接延在するか、またはその中に導かれる(水面の上方に凸状の極値線が依然として発生するかどうかに依存する)。
【0027】
第1の流路と同様に、この第2の流路は、一般的に望ましい洗浄水の回転流および下降流のためのボウル内側形状の好ましい領域を形成する。したがって第2の流路は、典型的には排水開口部の円周およびその中の水面に関して第1の流路よりもはるかに少なく延び、したがって典型的には、より小さい高さ差を生じるとしても好ましくは下方に傾斜する。
【0028】
上述の第2の流路は、特許文献2で参照される第2の流路と、混同しないようにすべきである。この文献による別の流路は本実施例にも存在し、この関連において本発明の好ましい特徴である。しかしこの流路は、第2の流路よりも流入段部に殆んど接続されていないので、これに応じて「第3の」流路とも呼ばれる。この第3の流路は引用文献と同様の機能及び形状を有しているので、詳細についてはこれを参照することができる。
【0029】
この第3の流路(例えば実施例による)とは異なり第2の流路は、好適には少なくとも、特に好ましくは、正確に3つの尖った端部を有する(同様に上からの投影において)が、この場合すでに説明したように、代替的に水面に近接する凸状エッジまたは水面自体が境界線を形成するようにする。具体的には実施例の図を参照する。また図からは、第3の流路が正確に2つの尖った端部を有し、高さ寸法を考慮すると(すなわち垂直方向の投影だけでなく)、水面に隣接することもこれに特に接近することもないことも分かる。特に第3の流路はその下におよび実施例ではそれ自体と第2の流路との間に流入段部と同様に定義することができる段部を有する。この段部は流入段部よりも著しく大きい高さ、すなわち実施例では約60mm(好ましくは少なくとも40mm、好ましくは少なくとも45mmまたは50mm)の高さである。
【0030】
加えて第2の流路は、比較的幅広で(および第3の流路は比較的狭幅である。それぞれ垂直方向に見て)、すなわち水洗便器の長手方向に直角の方向に、すなわち便器幅方向に、少なくとも30mm、好ましくは少なくとも35mmまたは40mm(実施例では45mmである)であってもよい。
【0031】
すでに説明したように、第1の流路は排水開口部に、具体的には水面の周囲に延在する。この水面が前後方向に長手中心軸をもって(以前に定義されたように)、およびこれを中央で心に垂直に分割する横方向中心軸でもって軸の交差点、したがって中心点を規定する場合、この中心点から出発して、循環に関する定量的な最小策を行うことができる。このために第1の流路は、第1の凸状エッジと第1の凹状との間の中心線(垂直投影における)によって表すことができる。中心線上の点とまだ定義されていない中心点との間のそれぞれの接続ラインは、好ましくは少なくとも160°、170°、180°、または190°をカバーする。
【0032】
循環中の第1の流路内の落ち込みによって、第1の流路の高い側からより低い側を区別することができるようになることは、すでに説明した。この意味で「循環」とは、洗浄水が第1の流路に続く限り最終的に高さを失い、そのため局所的な偏倚が必ずしも排除されないことも意味する。しかし好ましくは、第1の流路は単調に(数学的な意味で、すなわちその間の上昇を伴わずに)、好ましくは厳密に単調に(すなわち水平方向の中間領域も伴わずに)下降すべきである。そのためには、ちょうど定義されている中心線を基準線として再使用する必要がある。
【0033】
これまでに説明したボウル内側形状の幾何学的特徴は、一体設計で、例えばワンピースのプラスチック成形部品またはセラミック部品で実現することが好ましい。したがってボウルはその開口部の下側で、好ましくは第1の流路と流入段部を含む一体のボウル内側形状を有する。この場合はもちろん、別個の供給ラインを洗浄水の流入開口部に接続することもできる。しかしながらボウル内側形状には追加の別々の要素、例えば別の部品として接着される流入段部を載置することは除外される。その代わりこの設計では、流入段部をボウル材料自体にモールド成形する必要がある。
【0034】
さらに好ましい変形例によれば、水面の遠位側の流入段部の端部は、この遠位端部の延長ラインが局所的方向(上から見て)で、このボウル内側形状の上縁部に後者の前半部で、好ましくは前方の4分の1で当たるように方向付けされ、配置されることになる。したがって、流入段部は、若干前方に始まり、流入段部が出現する急峻な壁領域に対して小さいまたは消失する角度を有し、それによって、流入段部の偏向関数を特に良好に移項できるようにされる。この実施例では、急峻な壁領域へのこの移行は、接線方向である。
【0035】
また水面は、長手方向(前から後ろ)に関してボウル開口部の後方2/3に位置することが好ましく、この実施例のように後半部に位置することが好ましい。このために(一方では水面の、もう一方ではボウル開口部の)長手方向軸に合わせられる。
【0036】
流入段部の遠位端は、流入段部を区切る第1の凹状エッジが、第1の流路のみを外側で区切る領域に連続的に移行する場合に、第2の流路の最先端によって画定される(実施例を参照のこと)。凹状エッジの継ぎ目のない移行によって、一方では流入段部を、他方では第2の流路を区切る第2の凸状エッジの剥離を定義に使用しなければならない。凹状エッジのこのような継目のない遷移がない場合、すなわち第1の流路の境界として第1の凹状エッジと流入段部の境界として区別することが可能である場合、流入段部の領域における第1の凹状エッジの前方端部を遠位端として理解することができる。この実施例はこの関係を明確化する。
【0037】
加えて流入段部は、好ましくはある程度の最小急峻性、すなわち少なくとも75°、好ましくは少なくとも80°または更に85°の水平に対する立ち上がり角度を達成すべきである。これは、2つの制限エッジ間、すなわち第2の凸状エッジと第1の凹状エッジとの間で達成される。
【0038】
従来知られている洗浄水の循環流を有する便器の多くは、洗浄水のための複数の流入開口部を使用している(例えば特許文献3参照)。対照的に本発明は、少なくとも水面の上流で、洗浄水用の単一の流入開口部のみを利用することが好ましい。それにもかかわらず、ボウルの好ましい内側形状は、ボウル全体を覆う洗浄効率の良い洗浄作用を可能にし、本発明によれば、水面の内側部領域に浮遊する物体もともに洗浄する。
【0039】
後者の場合、ちなみに上記の第3の流路は、排水開口部の周囲を完全に、すなわち連続的に流れるように設計することもできる。これは、特に少量の洗浄水の場合に、洗浄水をボウルの内側全域に分配するのに役立つ。
【0040】
第1の流路は、そこから流入する洗浄水によって流入され、この洗浄水がさらに分配されるという意味で、流入開口部に隣接することが好ましい。これは洗浄水全体が第1の流路に沿って流れることを必ずしも意味しておらず、むしろ規則的にその一部は第1の凹状エッジの外側、すなわち速度上ボウル壁のより急峻な領域において、さらに一部が第1の凸状エッジを介してさらに内側に流れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下に本発明を実施形例によってより詳細に説明するが、各請求項の枠内における個々の特徴は他の組み合わせにおいても本発明にとって必須なものある。
【0042】
【
図4】
図4のような平面図を示すが、凹状エッジと凸状エッジを示すためにほかの線も使用している。
【
図6】水面の縁部におけるアスペクト比を示すために追加の線を有する
図6の変形図を示す。
【
図7】2つの高さを示すために
図1に類似した斜視図を示す。
【
図8】
図4~6に対応する視点での実施例における実際の水流の写真図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、水洗便器1、具体的にはセラミック製の便器本体を示しており、便器のボウル2は正面左側に明確に認識可能である。
【0044】
ボウル内側形状を以下に説明する。
図1の右側および他の図でも示されている洗浄水および排水用の接続短管については、従来技術である特許文献4を参照する。また接続方法は以下の説明では重要ではない。
【0045】
図1~3はボウル内側形状を写真の明暗で示し、その他の図では線で示している。
【0046】
図3は、水洗便器1の縦断面を示す。特に後で説明するいくつかの詳細は別として、ボウルの左側の内側形状の比較的急峻な壁領域3が見られるが、これは
図1および2に示すように、ボウルの周囲を走り、ボウル内側形状の上方を上側縁部4で画定している。
【0047】
さらに右側の短管6で排水導管に接続される膝状の旧来の臭気トラップ5が示されており、その下のすぐ上流側に見ることができるエッジ領域7が、左側に示された水面8を規定している。臭気トラップ5内に実際に水が存在するかどうかにかかわらず、水面8は想定することができる。水面は、
図4の水洗便器右側面の垂直方向に、すなわち設置位置においてジオメトリ自体から上部の水平方向に生じる。水面8の上方には、若干の高さにわたり排水開口部9の入口領域として、ボウル内側形状の円周方向に急峻な領域が設けられる。
【0048】
その左側に、そして上述の排水開口部9の入口領域と同様に上述した急峻な壁部3との間の中間領域として、明細書の前半で述べた第1の流路10がその最先部(便器の長手方向に見て)で縦断面で示されている。流路は両側にXマークが付いた最も曲率の強いポイントで、左側では凹型の曲面で、右側では凸型の曲面で限定される。この形態によりそれぞれ水面の中心線により任意の数の垂直切断面を想定することができ(
図5~7を参照)、その結果Xマークで示された点からの種々の線が生じる。このような極値の線は、
図5~7に、すなわち一点鎖線で示されている。
【0049】
これらは、第1の流路10の第1の(外側の)凹状エッジ11と、第1の流路10の第1の内側の凸状エッジ12と、後に詳述する第2の流路14の第2の凸状エッジ13と、第2の流路14の第2の凹状エッジ15とで構成されている。
図4はまた第1の流路10の中心線16、すなわち第1の流路10を規定するエッジ11と12との間の中心に位置する線(上方から見て)を示す。
【0050】
これに対し
図3は、(CADプログラムの)一連の符号をつけない補助線を示しており、これらの補助線は、種々の形状を有する面領域を、例えば急峻な壁領域3のような大部分が円筒形であるか、断面が(以下のように)湾曲しているものから互いに分離している。これらの補助線は、
図4~6の一点鎖線のエッジと混同しないようにすべきであるが、
図1と組み合わせることで、ジオメトリを視覚化しやすくする。
【0051】
さらに
図2、4~6は、洗浄水接続短管18に図示しない方法で接続される洗浄水用の流入開口部17も示している。この流入開口部17から、水洗便器1の洗浄の場合に、洗浄水はこの流入開口部17からほぼ接線方向(上方から見て)およびその他の場合はほぼ水平な主流方向に、便器のボウル2に流入する。洗浄水が第1の流路10(
図5)の最大面積に当たることは明らかであり、このために流路は流入開口部17に接続している。一方では、第1の流路10の一部は流入開口部17の隣りにも反時計回りに存在するため(上から見て)、流入した洗浄水に直ちに捕捉されることはない。厳密に言えば、この領域は後方、すなわち第1の流路が図に示されるように消滅する箇所で、すなわち
図4および
図5にその中心を規定するために水面8に書き込んだ座標系の垂直部分の交点で、開始するものである。
【0052】
この開始から、第1の流路10は連続的に、厳密に言えば特にその中心線16で単調に減少し、その際(同様に中心線16を基準として)水面8を回周する。上述の後部領域におけるその開始における第1の流路10の準漸近的な狭まりにより、ボウル内側形状の最後部ポイントを実際に数学的な意味での開始ポイントとして使用することができ、その結果水面8を回周する角度(その中に記入された中心点および中心線16から画定される)は好適には230°になる。最初は殆ど認識できなかったのに、第1の流路10の存在によりこの流路が(
図5の水面8を通る垂直線に対して)30°ではっきりと認識できる幅で「後に」(時計の針回りに)開始すれば、これにより依然として約200°の角度が生じる。
【0053】
外側の凹状エッジ、いわゆる第1の凹状エッジ11は、第1の流路10の上記の周回の間にほぼボウル内側形状の既述の急峻な壁領域3の下縁に延在する(例えば
図3の左側のXマーク、さらには勿論
図4も参照のこと)。このことは、時計の針回りに「後方」から始まって「より低い」ところまで、そして少し更にもう少し先まで適用される。その後外側の凹状エッジは連続的に、弓形状に、さらに内側に凹むように伸び、
図5に示すようにエッジと急峻な壁領域3との間に付加的な構造が形成される。これは、すでに述べた第2の凸状エッジ13と第2の凹状エッジ15およびこれらの間に規定される第2の流路14である。このことは、
図1においてより明確に示されており、これによれば第1の凹状エッジ11が急峻な壁領域3を離れることにより、言わばこの急峻な壁領域3から段部、すなわち流入段部18が分岐されることになる。この流入段部18は、凹状に弓形状にさらに内側に延び、水面8のわずかに上方で排水開口部の入口領域内で終わる。特に
図4~6に示すように、流入段部18は、ボウル開口部2の前半部において比較的前方、すなわちこれから離れて開始する。(
図4~6ではエッジ11と13の間の中央線として実線で描かれ、流入段部を示すために18の符号が付けられている)。
【0054】
図1は、流入段部18が第1の流路10の高さを一段変位させることを明確に示しており、その後はその定性的な形状、すなわち
図4に示すように流入段部18を越えて時計の針回り方向に、例えば特許文献1,2と同様の方法で継続している。しかしながら流路は、外側の凹状エッジと内側の凸状エッジとの間にあるものと定義されているので、第1の流路10は、流入段部18の結果として内向きに走る第1の凹状エッジ11の形状によって終端され、したがって
図4の中心線16も明らかに内向きに屈曲する経過を取ると考えるのが論理的である。
【0055】
同様に第2の凸状エッジ13および第2の凹状エッジ15は、それらの間に第2の流路14を画定し、
図4に示すように最も強い凸状曲率がそこに生じるため、第2の凸状エッジ13は流出開口の縁部の直前で曲がる。同時に第2の凹状エッジ15は、
図1および
図4~6に示すように流入段部18によって生じる高さのずれとは別に、ある意味で第1の凹状エッジ11の続きを形成する。このように第2の流路14は、上方から見て前後に尖った端部と、ほぼ中央にある別のエッジとを有している。
【0056】
なお第2の流路14は第3の流路19よりも幅が大きく、すなわちほぼ45mmである。これは、
図4~6に示すように横方向、すなわち第2の流路14の内側角部で最も広い点を指す。
【0057】
図面から容易に分かるように、流入開口部17から流出する洗浄水は、最初に第1の流路10を介して大半が時計の針回り方向に流れ、また遠心力のために僅かにその外側にも流れるが、洗浄水流は、次いで流入段部18の領域に入り、その一部はほぼ水面8の中心まで、流入段部18によって内側に向かい、別の部分は第2の流路14を介して流入段部18を越えて少なくともほぼ元の循環流を継続する。後者の部分は、流入段部18は除き(これまでまたこれから再び)第2の流路14を介して高さが落ちる。この点においてこれは、既に引用された特許文献に記載されているように、流出開口部内にも勢いよく回転する洗浄水流を確保する。ここで流入段部18は付加的に流れの一部を流出開口内の回転流の目となる部分にほぼ導く。
【0058】
図8は、他の図に似た例の写真で上術したばかりの水の流れを示している。斜視図は、
図4~6の平面図に対応する。水には色がついており、暗い色合い、特に下部の色合いを説明する。残りの点については上記の説明を参照する。
【0059】
特にこの実施例はまた、今まで抽象的に説明してきた第3の流路19を示しており、この流路は上から見ると、流入段部18に対して時計の針回り方向にわずかにずれている。この第3の流路19に関しては特許文献2を参照することができ、ここには詳細に扱われている。重要なことはこの流路が、最初は第1の流路10の外側を走行するが、遠心力により急峻な壁領域3上を走行する回転洗浄水流の一部を一定の高さに保つことである。一方この部分は、特に
図4のボウル内側形状の下部を流れ、遠心力の増加に関連する曲率半径が増加した後に、多少降下し過ぎるのを阻止される。これにより、このようにして降下する洗浄水と、例えば第2の流路14との衝突の結果として、洗浄水がボウル開口部2から飛散するのを防止する。一方ではボウル開口部2の最後部(
図4では頂部)を通過した後、頂部に保持されているこのような洗浄水の流れの一部は、第3の流路19を介して第1の流路10の初期領域に移送され、これも濡らす。
【0060】
図5には2つの破線20および21が見られる。破線20は水面8の外縁に対する接線であり、破線21はこの縁部までの流入段部18の近位端の延長線である。両方の破線20および21は、ちょうど90°の角度でぶつかる。ここで破線21は水面8のほぼ中央に向けられている。破線21と水面8の縁部との交点は、前後の長手方向に関する限り、
図6に示すように明らかに水面8の中心長手軸の最前の3分の1内に、すなわちほぼ4分の3(したがって3:1の比でこの中心長手軸を分割する)にある。この限りにおいて、流入段部18によって偏向された洗浄水流部分は、水面8のほぼ中心に向けられているものの、洗浄水流の元の主流方向からあまり強く偏向されておらず、したがって、元の「スイング」(すなわち運動エネルギーおよびインパルス)の実質的な部分を依然として保持することができる。これと関連して排水開口部、およびひいては水面8がボウル開口部2の後部領域に明確に配置されていることも有利である。
【0061】
図5および6は、破線21の方向、すなわちその内側端部における流入段部18の局所的方向が、その外側端部における流入段部18の局所的方向に対してほぼ90°回転されること、すなわち外側で消失するか、または急峻な壁領域3(エッジ13および15が
図4および5においてぶつかるところ)に移行することを示す。流入段部18はその弓形形状で実質的な角度領域に及び、これはその凹状の丸みを帯びた形状のために流れにとって非常に好都合である。
【0062】
最後に
図7には、2つの垂直高さ22および23が、説明および比較のため示されている。高さ22は第1の凹状エッジ11と第2の凸状エッジ13との間の垂直方向のずれであり、したがって流入段部18の高さであり、一方高さ23は、第2の凹状エッジ15と第3の流路19の内側の凸状エッジとの間の垂直方向のずれであり、すなわち第2の流路14の上方の第3の流路19の高さである。後者は顕著に大きく、前者の約20mmに比べて約60mmである。
図7ではこれらの高さは、
図4~6に(一点鎖線)で示したエッジなしで描かれているが、これらは、特に上記した数値で参照されたい。
【0063】
流入段部は、2つのエッジ11と13との間で水平に対して約90°の傾斜に達する。
【0064】
図示の形態では、水洗便器1全体が一体のセラミック部品であり、これは特にボウル内側形状全体に適用される。
【0065】
これは、写真表現により図面と同じ明瞭さではないにもかかわらず、上述の詳細を示す
図8にも見ることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウルを有する水洗便器(1)において、前記ボウルが上方を向くボウル開口部(2)と、前記ボウル内に水を流入させるための流入開口部(17)と、を有し、
ボウル内側形状が外側の第1の凹状エッジ(11)と内側の第1の凸状エッジ(12)との間に画成された第1の流路(10)を有する、
水洗便器(1)であって、
前記ボウルが流出開口部を備えた流出部を有し、
前記第1の流路(10)が前記流出開口部の周囲を循環し、循環するにつれて下降するようになっており、
前記第1の流路(10)がその下端で流入段部(18)に接し、前記流入段部(18)が第1の凹状エッジ(11)の一部と第2の凸状エッジ(13)との間に前記第1の流路(10)に対向する側で前記第1の凹状エッジ(11)から前記第2の凸状エッジ(13)に向かって上昇するように区画され、
前記流入段部(18)が洗浄水を前記流出開口に転向させるように設計され、
前記流出開口部内の水面(8)に近接する流入段部の端部が、外側縁部の3分の2の領域において、上から見て前記水面(8)の外側縁部に向けられている、
水洗便器(1)。
【請求項2】
前記流入段部(18)の近位端は前記外側縁部と少なくとも30°の角度をなす、請求項1に記載の水洗便器(1)。
【請求項3】
前記流入段部(18)が、前記第1の凹状エッジ(11)と前記第2の凸状エッジ(13)との間で少なくとも部分的に高さが10mmである、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項4】
前記第1の凹状エッジ(11)と前記第2の凸状エッジ(13)との間で、前記流入段部(18)が少なくとも75°の水平面への上昇角に達する、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項5】
前記流入段部(18)
が、前記第1の流路(10)から見て
、円弧状であり、凹状である、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項6】
前記第1の流路(10)とは反対側の前記流入段部(18)上に第2の流路(14)が設けられ、前記第2の流路(14)が前記第2の凸状エッジ(13)と第2の凹状エッジ(15)との間に画成されている、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項7】
前記第2流路(14)が、上方から見て少なく
とも3つのコーナー部を有する、請求項6に記載の水洗便器(1)。
【請求項8】
前記第2の流路(14)が、前記水洗便器(1)の長手方向に対して横切る方向に、前後から少なくとも幅が30mmである、請求項
6に記載の水洗便器(1)。
【請求項9】
前記第1の流路(10)が前記水面(8)の中心から見て少なくとも160°の角度で循環する、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項10】
前記第1の流路(10)が、排水口の周囲を循環する際に単調
に下降する、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項11】
前記ボウルが、前記ボウル開口部(2)の下方に、前記第1の流路(10)と前記流入段部(18)とを含む一体の内側形状を有する、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項12】
前記流入段部(18)が、前記排水開口部内の水面(8)から距離を置いた端部において、上から見てこの距離を置いた端部の延長線が、前記ボウル内側形状の上縁部とその前方部で合致する、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項13】
洗浄水用の流入開口部(17)をちょうど1つ有する、請求項
1に記載の水洗便器(1)。
【請求項14】
前記第1の流路(10)が請求項1に規定した前記流入開口部(17)に接続され、流入する洗浄水によって洗われる、請求項1から
13のいずれか1項に記載の水洗便器(1)。
【国際調査報告】