IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロレックス・ソシエテ・アノニムの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】時計部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/04 20060101AFI20240711BHJP
   G04B 19/10 20060101ALI20240711BHJP
   G04B 15/14 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G04B19/04 B
G04B19/10 Z
G04B15/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506449
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2022071254
(87)【国際公開番号】W WO2023012035
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】21189052.0
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラム, フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ムルトン, ザビエル
(57)【要約】
【解決手段】
時計部品の製造用金型の製造方法であって、
基板(20)の上面(21)から生じる凹部を作成する(E1)ステップであって、基板(20)の上面(21)がその中で延長する平面(P1)に対して傾斜した少なくとも1つの表面(31)により区切られる凹部(30)を形成するステップ、
金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する(E3)ステップであって、任意で導電層及びまたは反射防止層(22)により被覆された、基板(20)の表面の少なくとも一部に素材を堆積する(E31)ことからなるステップを含む、ステップ、
を含み、
素材の少なくとも1つの側壁(41)と、凹部(30)の少なくとも1つの傾斜面(31)と、任意で基板(20)の上面(21)の少なくとも一部とにより少なくとも部分的に区切られた金型を形成する、
金型の製造方法。
【選択図】 図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計部品の製造用金型の製造方法であって、
少なくとも1つの基板(20,20’)の上面(21)から生じる凹部を形成する(E1)ステップであって、前記基板(20,20’)の前記上面(21)がその中で延長する平面(P1)に対して傾斜した少なくとも1つの表面(31)により区切られる凹部(30,30’)を形成するステップ、
前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する(E3)ステップであって、任意で導電層(22)及びまたは反射防止層(22)により被覆された、前記基板(20,20’)の前記上面(21)及びまたは前記凹部(30,30’)の少なくとも一部に素材を堆積する(E31)ことからなるサブステップを含む、ステップ、
を含み、
前記素材の少なくとも1つの側壁(41)と、前記凹部(30,30’)の前記少なくとも1つの傾斜面(31)と、任意で前記基板(20,20’)の前記上面(21)の少なくとも一部とにより少なくとも部分的に区切られた金型を形成する、
金型の製造方法。
【請求項2】
前記基板(20,20’)の前記上面(21)及びまたは前記凹部(30,30’)の一部に樹脂(40)を堆積することからなる、前記金型の少なくとも1つの側壁を形成することからなるステップ(E3)は、
前記基板(20,20’)の前記上面(21)及びまたは前記凹部(30、30’)上の少なくとも一部に、感光性樹脂(40)の層を堆積する(E31)サブステップ、
前記感光性樹脂(40)に、所定のパターンに応じて、特にマスク(5)を通じて、照射放射線(45)を照射する(E32)サブステップ、その後
前記樹脂(40)を現像する(E33)サブステップ、
を含む、
請求項1に記載の金型の製造方法。
【請求項3】
前記素材または前記樹脂(40)は、前記基板(20,20’)の前記表面(21)と前記凹部(30)との間の境界面(4)と一致して、前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する、及びまたは前記素材または前記樹脂(40)は、前記凹部(30,30’)内に前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する、及びまたは前記素材または前記樹脂(40)は、前記基板の前記上面(21)上で、前記凹部(30,30’)外に前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する、
請求項1または2に記載の金型の製造方法。
【請求項4】
凹部(30,30’)を作成する(E1)ことからなる前記ステップは、前記基板(20,20’)の前記上面(21)に対して10から80度の間の角度を形成する傾斜を有する、前記少なくとも1つの傾斜面(31)を形成する、特に丸みを帯びた、または平坦な、または多数の小平面で形成される、または少なくとも1つの鋭い縁を含む、及びまたは凹形または凸形である、少なくとも1つの傾斜面(31)を形成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
【請求項5】
凹部(30,30’)を作成する(E1)ことからなる前記ステップは、2光子重合またはグレイスケールフォトリソグラフィまたは光造形法技術を用いる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
【請求項6】
前記方法は、前記感光性樹脂を照射するのに用いられる前記照射放射線(45)の反射を防ぐために、感光性樹脂(40)の層を堆積する(E31)ことからなる前記ステップの前に、前記基板(20,20’)に反射防止処理を適用する(E2)、特に前記基板(20,20’)に、少なくとも前記樹脂を照射することが意図される入射照射放射線(45)に垂直でない前記基板(20,20’)の前記表面の少なくとも一部に、特に前記凹部(30,30’)の前記少なくとも1つの傾斜面(31)の少なくとも一部に、反射防止層(25)を堆積することからなる中間ステップを含む、
請求項2に記載の、または請求項2を引用する請求項3から5のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
【請求項7】
反射防止処理を適用する(E2)ことからなる前記中間ステップは、反射防止層(25)を、スピン・コーティング、または吹き付けコーティング、または浸漬被覆、または化学的蒸着(CVD)、または物理的気相成長法(PVD)、または原子層成長法(ALD)、またはパルスレーザ堆積法(PLD)により堆積することを含む、
請求項6に記載の金型の製造方法。
【請求項8】
前記方法は、照射放射線による前記感光性樹脂を現像する(E33)ことからなる前記ステップ後に、反射防止層(25)の部分的または完全な除去(E4)のステップを含む、
請求項6または7に記載の金型の製造方法。
【請求項9】
前記基板(20,20’)は、特にステンレス鋼といった金属製ウエハの形状を取る、導電材料製である、または前記基板(20,20’)は、特にシリコン、ガラスまたはセラミックウエハの形状をとる、またはポリマー、または複合材料製である、非導電材料製である、そして任意で、方法は、前記少なくとも1つの傾斜面を含む、非導電材料製の前記基板上に金属層を堆積するステップを含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の金型の製造方法に対応する第一段階と、前記金型の全部または一部を部品の素材(10)で充填する(E5)ことからなるステップを含む、時計部品(1)を形成する第二段階とを含む、
時計部品(1)の製造方法。
【請求項11】
前記金型を充填する(E5)ことからなる前記ステップは、電着、電鋳、電気めっき、鋳込成形、熱成形のステップ、または前記部品の素材(10)を鋳込みにより充填する(E5)ステップを含む、
請求項10に記載の時計部品の製造方法。
【請求項12】
前記方法は、前記金型を充填する(E5)ことからなる前記ステップにより得られた前記時計部品(1)を、前記金型から取り外す(E6)ことからなるステップを含み、任意で、前記金型と接触しない前記時計部品(1)の前記面(3)を、特にその平坦性を保証するため、研磨または研削することからなる、及びまたは物理的気相成長法(PVD)、化学的蒸着(CVD)、原子層成長法(ALD)、またはパルスレーザ堆積法(PLD)を用いてコーティングを堆積することで、前記時計部品の前記表面の少なくとも一部の色またはトライボロジー特性を変更することからなる、仕上げステップを含む、
請求項10または11に記載の時計部品の製造方法。
【請求項13】
前記部品の素材(10)は、とりわけニッケルまたは金または銅に基づく、またはセラミックに基づく、金属または金属合金、または複合材料である、
請求項10から12のいずれか一項に記載の時計部品の製造方法。
【請求項14】
前記時計部品(1)は、はめ細工、または針といった、外部時計部品、またはがんぎ車、レバー、またはばねといった前記ムーブメントの部品である、
請求項10から13のいずれか一項に記載の時計部品の製造方法。
【請求項15】
時計部品の製造用金型であって、
前記金型は、上面(21)と、前記上面(21)から生じて形成される少なくとも1つの凹部(30,30’)を含む、基板(20,20’)を含み、前記凹部(30,30’)は、前記基板(20,20’)の前記上面(21)がその中で延長する平面(P1)に対して傾斜する少なくとも1つの表面(31)を含み、前記金型は、前記基板(20,20’)の前記上面(21)及びまたは前記凹部(30,30’)の少なくとも一部に堆積され、前記基板の少なくとも1つの側壁(41)の少なくとも一部を形成する、樹脂(40)といった素材を含み、前記基板(20,20’)の前記凹部(30,30’)の前記傾斜面(31)は、前記金型の底部の少なくとも一部を形成する、
時計部品の製造用金型。
【請求項16】
樹脂(40)といった前記素材は、前記凹部(30,30’)と前記基板(20,20’)の前記上面(21)との境界面(4)と一致して前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する、及びまたは樹脂(40)といった前記素材は、前記凹部(30,30’)内に前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する、及びまたは樹脂(40)といった前記素材は、前記基板(20,20’)の前記上面(21)上で、前記凹部(30,30’)外に前記金型の少なくとも1つの側壁(41)を形成する、及びまたは前記基板(20,20’)の前記凹部(30,30’)の前記少なくとも1つの傾斜面(31)は、前記基板(20,20’)の前記上面(21)に対して、前記上面(21)と前記凹部(30,30’)との間の前記境界面(4)における前記上面(21)を見做して測定される角度である、10から80度の間の角度を形成する傾斜を有し、特に前記少なくとも1つの傾斜面は、丸みを帯びた、または多数の小平面で形成される、または少なくとも1つの鋭い縁を含む、及びまたは特に凹形または凸形である、
請求項15に記載の時計部品の製造用金型。
【請求項17】
請求項10から14のいずれか一項に記載の製造方法で得られた時計部品であって、前記時計部品は、主として一体成形であり、第一表面と、前記第一表面に対して傾斜した第二表面であって、特にドーム形、及びまたは凹形及びまたは凸形、及びまたは面取りされた、及びまたは少なくとも1つの鋭い縁部を含む、第二表面を含む、
時計部品。
【請求項18】
前記時計部品は、主として、ニッケルまたは金または銅に基づく、金属または金属合金製である、または前記時計部品は、主として、セラミックまたは複合材料製である、
請求項17に記載の時計部品。
【請求項19】
前記時計部品は、はめ細工または針といった外部時計部品、またはがんぎ車、またはレバー、またはばねといった前記ムーブメントの部品である、
請求項17または18に記載の時計部品。
【請求項20】
前記時計部品は、審美的または機能的インサートを含む、
請求項17から19のいずれか一項に記載の時計部品。
【請求項21】
前記時計部品は、少なくとも1つの鋭い縁部、及び任意で研磨または構造化された表面の、特に「クル・ド・パリ」パターンを含む表面、を含む、
請求項17から20のいずれか一項に記載の時計部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計部品の製造用金型の製造方法に関する。本発明はまた、当該金型を用いた、時計部品の製造方法に関する。本発明はまた、当該方法を用いて得られた、時計部品そのものに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の時計部品の製造方法は、複雑な形状を有する、即ち、例えば「クル・ド・パリ」タイプのパターンを形成する、または面取り、斜角、角度を含む、傾斜面を含む、部品を製造するには十分ではない、または不適切である。これらは、時として特定の複雑な形状を達成することに成功するが、それは事後機械加工といった骨の折れるステップを用いてしか得られない。一般に、時計部品を製造するための既存の製造方法は、十分な精密さをもって複雑な形状を製造することを可能にしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3670441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明は、時計部品を製造するための既知の製造方法を改善する、とりわけ複雑な形状の時計部品を、簡単且つ高度な精密さをもって、製造することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明は、時計部品の製造用金型の製造方法であって、
基板の上面から生じる凹部を作成するステップであって、前記基板の前記上面がその中で延長する前記平面に対して傾斜した少なくとも1つの表面により区切られる凹部を形成するステップ、
前記金型の少なくとも1つの側壁を形成するテップであって、任意で導電層及びまたは反射防止層により被覆された、前記基板の前記上面及びまたは前記凹部の少なくとも一部に素材を堆積することからなるステップを含む、ステップ、
を含み、
前記素材の少なくとも1つの側壁と、前記凹部の前記少なくとも1つの傾斜面と、任意で前記基板の前記上面の少なくとも一部とにより少なくとも部分的に区切られた金型を形成する、金型の製造方法に基づく。
【0006】
本発明は、より具体的には、請求項で定義される。
【0007】
本発明の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられる、特定の実施形態についての以下の説明において、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの、模式図である。
図2図2aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図2bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図3図3aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図3bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図4図4aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図4bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図5図5aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図5bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図6図6aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図6bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図7図7aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図7bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図8図8aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図8bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図9図9aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図9bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図10図10aは、本発明の第一実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図であり、図10bは、本発明の第二実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図である。
図11図11は、本発明の一実施形態にかかる針の上部からの斜視図である。
図12図12は、本発明の実施形態にかかる針の一端の、横断面図である。
図13図13は、本発明の実施形態にかかる針の製造用金型の、横断面図である。
図14図14は、本発明の実施形態にかかる金型により針を製造するステップの、横断面図である。
図15図15は、本発明の一実施形態にかかる針の変形例の、上面からの斜視図である。
図16図16は、本発明の実施形態にかかる針の変形例の一端の、横断面図である。
図17図17は、本発明の実施形態にかかる針の変形例の製造用金型を製造するため、基板に凹部を形成するステップの、横断面図である。
図18図18は、本発明の実施形態にかかる針の変形例の製造用金型を製造するため、基板に凹部を形成するステップの、横断面図である。
図19図19は、本発明の実施形態にかかる針の変形例の製造用金型の、横断面図である。
図20図20は、本発明の実施形態にかかる金型により針の変形例を製造するステップの、横断面図である。
図21図21は、本発明の一実施形態にかかるはめ細工の上面からの斜視図である。
図22図22は、本発明の実施形態にかかるはめ細工の製造用金型の製造ステップの、横断面図である。
図23図23は、本発明の実施形態にかかる金型によりはめ細工を製造するステップの、横断面図である。
図24図24は、本発明の第三実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの、断面図を示す。
図25図25は、本発明の第三実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの、断面図を示す。
図26図26は、本発明の第三実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの、断面図を示す。
図27図27は、本発明の第三実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの、断面図を示す。
図28図28は、本発明の第三実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの、断面図を示す。
図29図29は、図28の変形例全体の断面図である。
図30図30は、本発明の第四実施形態にかかる時計部品の製造方法のステップの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、特定の金型内での単純な成形により、複雑な形状を有する時計部品を得るために、複雑な形状を有する当該特定の金型の中間製造を通じて、目的を達成する。
【0010】
本発明は、まず、時計部品の製造用金型の製造方法を含む。本発明は次に、時計部品の製造方法そのものを含み、図1に模式的に示すように、その第一段階Ph1は、金型の製造方法を実施することからなり、その第二段階Ph2は、時計部品そのものを製造するための当該金型の使用である。
【0011】
理解を助ける実例として選択された、特定の実施形態にかかる時計部品の製造用金型の製造方法を、まず、図2aから図10a、図2bから図10b、そしてまた図24から30を参照して説明する。
【0012】
方法は、2つの第一実施形態によれば、潜在的に実質的に平行な上面21と下面23を含み、数百ミクロンから数ミリメートルの厚さの、薄く、実質的に平坦な形状を取る、基板20を得ることからなる事前ステップを含む。上面21は、通常は平坦である。変形例として、上面は平坦ではなく、例えばドーム型であってもよい、及びまたは1以上の凹部を有してもよい。いずれにせよ、説明を単純化するため、当該上面21がその中で延長する、平面P1について説明するが、詳細を後述するように、表面が完全に平坦ではない場合には、当該平面P1は接平面である。下面23も同様に平面P3内で延長する。基板20の厚さは、2つの平面P1とP3間の距離である。
【0013】
更に、基板20は、ステンレス鋼といった、金属または金属合金といった、導電材料から製造されてもよく、または例えばウエハまたはブロックの形状の、シリコン、ガラス、またはセラミック、またはポリマー、または複合材料といった非導電材料から製造されてもよい。基板は、好ましくは、低い粗度を有する。基板は、有利には、脱脂、洗浄、そして任意でその不動態化及びまたは活性化を含む、従来の準備ステップを経ることができる。加えて、基板は、正確に方向を合わせることができるように、マーカーが設けられてもよい。
【0014】
方法は、基板の上面がその中で延長する平面P1に対して傾斜した少なくとも1つの表面31により区切られた凹部30を形成するため、基板20の上面21から生じる凹部30を作成するE1の第一ステップを含む。当該平面P1は、凹部を除き、即ち、境界面4において連続する上面と考慮され、凹部30と基板20の上面21との間の境界面4にあると見做される。当該境界面は、縁を形成する。上述のように、当該平面は、基板の上面21全体が平坦でないときに、基板の上面21の接線方向の平面である。同様に、凹部30の傾斜面31は、傾斜面が平坦ではないときに、傾斜面の接線方向の平面Piに対して検討される。一般に、凹部30は、基板の20の上面21の平面P1に非垂直または非平行な少なくとも1つの接平面Piを含む場合に、少なくとも1つの傾斜面を含む。
【0015】
有利には、傾斜面31は、上面21と凹部30との間の境界面4において、上面21(すなわち平面P1)に対して、10から80度の間の角度を形成する、傾斜を有する。
【0016】
図2aは、湾曲し、丸みを帯びた、連続且つ凹形の表面を有する、凹部30の第一実施例を示す。凹部は、全体として丸みを帯びたU字型を形成する湾曲形状の横断面を、即ち平面P1に垂直な平面上の断面を有する。当該例において、凹部30は、実質的に全面上に、傾斜面31を有する。
【0017】
図2bは、V字型の横断面を形成する、円錐状表面の形状を有する、凹部30の第二実施例を示す。変形例として、凹部は、三角形状であり、同じV字型横断面を有してもよい。Vの各アームは、凹部30の傾斜面31の直線的部分を形成する。
【0018】
もちろん、本発明は、凹部30の形状そのものに関連するものではなく、図示した2つの実施形態に限定されるものではない。凹部30は、その全面の、小区分のみに傾斜面を含んでもよい。傾斜面は、多数の平坦及びまたは湾曲した小平面により形成されてもよく、そのそれぞれは、潜在的に最終的に上で画定した傾斜面である。また、凹部は、凹形または凸形形状であってもよい。一般に、傾斜面は、基板20の上面21の平面P1に対して0°以外のまたは90°以外の角度をなす表面と定義される。傾斜面31は、連続でも非連続でもよい。傾斜面が平面P1となす角度は、一定であってもなくてもよい。傾斜面は、平坦であっても湾曲してもよい。湾曲面の場合、上述の角度は、例えば、傾斜面上の所定の点における接線が平面P1となす角度により特徴づけられてもよく、当該角度は、傾斜面の輪郭に応じて変化する。傾斜面が平面P1となす角度は、より具体的には、平面P1に垂直な平面を通過する断面の、すなわち上で定義した横断面の図で見ることができる。非平坦上面21の場合、当該角度は、境界面4における上面21の接線方向の平面に対して測定されることを注記する。加えて、1以上の凹部30を基板20に形成してもよい。凹部30は、1以上の傾斜面31を含んでもよい。
【0019】
加えて、凹部30は、従来の機械的加工、レーザ加工、レーザエッチング、化学エッチング、または電気化学的溶解といった、当業者に既知のあらゆる手段で形成されてよい。変形例として、凹部は、特定の機械加工ステップで形成されず、上面21が局所的に非平坦である基板20の製造から直接得られてもよい。全ての場合において、凹部30は、基板20の上面21に対して窪んだ表面の形状を取り、凹部は、所定の深さdまで基板20の厚み内に延長する。
【0020】
図24から28で示す第三実施形態によれば、基板20は、少なくとも部分的に層またはブロックの形状を示し、ここで少なくとも1つの凹部30は、特にTPPの頭字語で知られる2光子重合技術を用いて、窪んだ区域の形状で形成され、当該基板20は、樹脂、または2光子重合を用いて構築することが可能なあらゆる素材(例えば、特定のオルモサー、感光性複合材料、及び特定のガラスセラミック)製である。当該基板20は、図24に示すように、支持部70上に配置される。図示しない変形例において、2光子重合に曝される基板20は、上述の最初の2つの実施形態の基板の形状に類似する形状の、プレートの形状を取ってもよい。
【0021】
当該第三実施形態で用いられる2光子重合技術は、例えば、突き出して重ね合わされた区域、または非連続構造、または波型形状といった多数の実行可能な複雑な形状を含む、多数の利点を提供することを注記する。当該技術はまた、100nmより小さい精細度、及び10nmより小さい粗度Raという、非常に高いレベルの精密さを達成することを可能にする。当該技術はまた、広い照射体積にわたる実施を可能にする。当該技術は、例えば、局所的に湾曲した及びまた角度を有する傾斜側壁を作成可能にする。
【0022】
代替的に、樹脂またはその他の互換性を有する素材製の基板20は、精密さに劣り形状が制限される、光造形法またはグレイスケールフォトリソグラフィ技術を用いて、凹部と共に形成可能である。
【0023】
凹部30の深さdは、基板20の上面21の平面P1と、平面P1に平行で、凹部30上の平面P1から最も遠い点を通過する、平面P2との間で測定される距離に対応する。深さdは、平面P1及びP2に垂直な、即ち基板20の上面21に垂直な方向に測定される。好ましくは、凹部の深さdは、1000μm以下である、または500μm以下である、または400μm以下である。深さdはまた、好ましくは、10μm以上である、または50μm以上である、または80μm以上である、または100μm以上である。
【0024】
以降で明らかになるように、凹部30は、時計部品製造用金型として、少なくとも部分的に作動する。凹部は、より具体的には、追加の機械加工ステップを必要とせず、当該部品を単純な金型成形によって有利に製造可能にするため、時計部品の複雑な形状を画定するために用いられる。このため、当該凹部は、当該凹部内で成形される時計部品の当該部分の将来的な脱金型に適した形状を有することを注記する。この目的のため、一例示的実施形態によれば、基板の上面21がその中で延長する平面P1に平行な平面に沿った、凹部の断面積の面積は、あらゆる深さにおいて、凹部の開口断面の、即ち凹部30と基板20の上面21との間の境界面4における断面よりも小さい。他の例示的実施形態によれば、基板の上面21がその中で延長する平面P1に平行な、凹部30の断面積は、当該平面P1から距離が遠ざかるにつれて、減少する。基板20は、時計部品の製造用金型の一部を形成するという単一の機能を有し、基板は、将来的な時計部品に属さないことを注記する。図24から29に記載の第三実施形態は、金型の表面や、将来的な時計部品の一部を形成しない、支持部70を用いることを注記する。
【0025】
図示しないが任意で、基板20の上面21の全部または一部に、そして凹部30に少なくとも部分的に、特にその傾斜面に、導電層を堆積してもよい。このような導電層は、以下に詳細に説明するように、基板が導電材料製ではない場合であり、製造の第二段階が、導電性の金型を必要とする場合に必要となる。当該導電層は、とりわけ、時計部品上に将来の金属層を成長させることが意図される、電鋳、電着または電気めっきステップを開始するための電極として作動するのに適している。既知のように、当該開始導電層は、金または銅の層で被覆された、クロム、ニッケル、またはチタンのサブ層を含んでもよく、このため多層構造を示してもよい。当該導電層は、物理的気相成長法(PVD)、または化学的蒸着(CVD)、または原子層成長法 (ALD)、またはパルスレーザ堆積法(PLD)の方法を用いて、熱蒸発を用いて、または当業者に既知のあらゆる手段を用いて、堆積されてもよい。
【0026】
実施形態にかかる方法は、次に、基板に反射防止処置を適用することからなる任意であってよいステップE2を含み、その機能は以下に説明される。実施形態によれば、当該ステップは、以下で説明する後続ステップで実施される、樹脂の照射に適した入射照射放射線に垂直ではない、基板20の少なくとも上面21の及びまたは凹部30の一部にわたり、反射防止層25を堆積することからなるステップの形で実施される。反射防止層25の適用は、基板20の上面21がその中で延長する平面P1に垂直に、照射放射線を適用することが一般的に好ましいと仮定すると、凹部30の傾斜面31に特に関連する。反射防止層25は、図3a及び3bに示すように、基板20の上面21の及びまたは凹部30の全部または一部にわたり、または図25に示すように、追加で支持部70の一部にわたり、延長してもよい。
【0027】
好ましくは、反射防止層は、照射放射線、特にUV(紫外線)照射の反射を、98%より多く、または99%より多く、または99.9%より多く、減衰させることを可能にする。反射防止層は、当業者に既知のあらゆる化学的性質のものであってもよい。反射防止層は、有機素材を含んでもよい。特に、反射防止層は、AZ(登録商標)-BARLi(登録商標)IIの商品名で知られる素材の層であってもよい。
【0028】
反射防止処理は、スピン・コーティングまたは吹き付けコーティングまたは浸漬被覆によって、または化学的蒸着(CVD)または物理的気相成長法(PVD)によって、または原子層成長法(ALD)またはパルスレーザ堆積法(PLD)によって、または当業者に既知のあらゆる技術を用いて、反射防止層25を堆積することを含んでもよい。変形例として、基板に反射防止処理を適用するE2からなるステップは、基板20の上面21の及びまたは凹部30の、または支持部70の表面の、特別な構造化を含んでもよい。このような基板の上面21の物理的構造化は、とりわけ、例えばレーザを用いた、サンドブラストにより達成されてもよい。
【0029】
実施形態にかかる方法は、その後、樹脂と基板の一部との組み合わせで形成される金型を完成させるために、基板の上面及びまたは凹部30に、素材を、特に樹脂を堆積するE31ことで、金型の少なくとも1つの側壁を形成することからなるステップE3を含む。有利には、素材を堆積するE31からなるサブステップは、製造金型の側壁を形成するようにするものであり、側壁は、金型の底部の全部または一部を形成する基板を、特に基板の凹部の全部または一部を補完する。変形例として、金型を形成するのに樹脂以外の素材を、例えばシリコンポリマー(PDMS)のようなポリマーを、またはナノインプリントリソグラフィにより構造化可能なあらゆる素材、またはあらゆるレーザ構造化ポリマー、または変形例として、糊付け(接着を含む)により保持される、シリコンといった他の素材を、使用してもよい。
【0030】
この実施形態によれば、樹脂は、当該ステップ中に、フォトリソグラフィ技術を用いて堆積され、ステップは、以下で詳細に説明するように、複数のサブステップを含む。
【0031】
最初に、当該ステップは、図4a及び4b及び26に示すように、基板20の上面21の及びまたは凹部30の、そして場合により(上述のように任意で導電層及びまたは反射防止層25により被覆された)支持部70の、全部または一部上に、特に凹部30の、特に凹部30の傾斜面31の少なくとも一部に、感光性樹脂40の層を堆積するE31からなるサブステップを含む。
【0032】
感光性樹脂は、ネガでもポジでもよい。ネガの場合、感光性樹脂は、照射放射線の作用下で、現像液内で不溶または溶けにくくなるように設計される(即ち、露光された区域が現像に耐える)一方、ポジの場合、感光性樹脂は、照射放射線の作用下で、現像液内で溶けるように設計されるが、放射線に露光されない部分は、不溶または溶けにくいままである。
【0033】
方法は次に、図5a及び5b及び27に示すように、マスク5を通じて入射照射放射線45により感光性樹脂40を照射するE32からなるサブステップを含む。パターンに対応する開口及び不透明区域を有するマスク5によって画定されるパターンに従って感光性樹脂40を照射するため、照射放射線45はUV照射であってもよい。代替的に、照射は、レーザまたは電子ビームを用いた、所定のパターンの直接描画(このためマスクを必要としない)により実施されてもよい。照射放射線45は、X線、UV、可視光、IR(赤外線)放射線、または電子ビームであってもよい。
【0034】
有利な一実施形態によれば、使用される照射放射線45は、マスク5がその中で延長する平面に垂直または実質的に垂直であり、マスク自身は、マスク5に形成された開口と一致して位置づけられる感光性樹脂40の区域のみが照射されるように、基板20の上面21の平面P1に平行である。照射区域は、平面P1に垂直または実質的に垂直な側壁により画定される。これら側壁は、定義により「直立側壁」と称される。変形例として、照射放射線45は、基板20の平面P1に対して傾斜してもよく、このような入射放射線は、樹脂の傾斜した側壁を画定する。
【0035】
樹脂を堆積することからなるステップは、次に、変形実施形態により、図6a、6b、7a、7b、8a、8b、28、29に示すように、樹脂を現像するE33からなるサブステップを含む。図29は、第三実施形態の図28の全体変形例を図示し、変形例は、前述のステップE32に続き、基板20の樹脂40が重合される間、入射放射線に対して傾斜され回転される、現像により得られた結果であることを注記する。樹脂がネガ樹脂の場合、現像は、例えば化学物質内で溶かすことにより、またはプラズマ処理により、照射されていない樹脂の区域を除去することからなる。ポジ感光性樹脂が使用される場合、照射された区域は、現像中に除去され、照射されていない区域は基板上に維持される。現像後、樹脂が除去された場所において基板20は露出される。樹脂の残留部分は、金型の側壁を画定し、金型の側壁により外接された基板の部分は、金型の底部を画定する。このように、基板の一部と樹脂製の部分との組み合わせにより、金型が形成される。
【0036】
上述のように、マスク5は、照射されたまたはされてはならない樹脂の区域を画定することを可能にし、究極的には金型の樹脂壁と金型の形状を画定することを可能にする。十分な金型精度を達成するため、あらゆる迷照射を、すなわち樹脂へ到達しかねないあらゆる望まない照射放射線を制限、または防止することが重要である。このような迷照射放射線46は、基板20の反射防止処理がない場合には、図5a及び5bで生じかねない。迷照射放射線46は、基板20の表面から反射する照射放射線45から生じる場合もあり、望まれない区域の樹脂に反射した照射が到達することにつながりかねない。特に、迷照射放射線は、将来の金型の側壁を形成することが意図される樹脂の区域に到達可能である場合があり、これにより樹脂側壁に凹凸を含む金型を形成しかねず、これは当該金型で最終的に製造される時計部品の側壁における、小さなキャビティ(または樹脂のタイプによっては小さな突出物)の存在につながりかねないため、望ましくない。
【0037】
迷照射放射線の現象は、特に凹部30の傾斜面31により起因してもよい。変形例として、このような迷反射構成はまた、基板20に、特に平坦ではない場合にその上面21に、垂直ではない入射照射放射線45の場合に生じかねない。迷照射放射線の存在は、選択した構造の形状に依拠するため、比較的予見可能である。迷照射放射線の危険性がある場合、基板に反射防止処理を適用するE2からなる任意ステップは、好ましくは、上述のように実施され、このような迷照射放射線の出現を完全にまたは部分的に除去し、これによりマスク5が画定する金型の正確な形成を保証する。
【0038】
まとめると、入射照射放射線の方向が、照射されるべき樹脂が堆積された表面に垂直でない場合、及びまたは基板が入射照射放射線の方向に垂直ではない傾斜表面を含む場合、入射照射放射線により直接照射される区域外の樹脂の、迷照射のリスクにつながりかねない。このような迷照射は、照射されるべきではない樹脂の区域を横方向に照射することで、金型の画定を損なう。例えば、平坦且つ研磨された上面21を有する基板20の場合、図5a及び5bに示すように、平面P1に垂直な方向にポジ樹脂40に入射する照射放射線45は、基板20に生成された凹部30の傾斜面31から反射され、平面P1に垂直ではない迷照射放射線46を形成する迷反射を生成する。
【0039】
変形実施例によれば、金型の一部を形成する樹脂側壁は、少なくとも上述の従来のフォトリソグラフィに基づく1つのステップと、少なくとも2光子重合技術、従って本発明の第三実施形態で基板20の樹脂に凹部を形成するのに用いられたのと同じ技術に基づく1つのステップとを組み合わせる、特許文献1に記載の方法で、作成されてもよい。
【0040】
前述のステップは、図25から28に模式的に示すように、図24に図示する実施形態にも同様に適用可能であるが、これ以上詳細な説明は行わない。
【0041】
更に、樹脂金型部分は、第一開口を含む第一樹脂層と、第二開口を含む硬質膜製の第二樹脂層とで、従来のフォトリソグラフィに基づく少なくとも1つのステップを伴うことで、多層化されてもよい。
【0042】
変形例として、ステップE1とE3の順番を逆にしてもよい。
【0043】
凹部を作成するE1と金型の少なくとも1つの側壁を形成するE3からなるステップの結果、上述のように、基板と素材(樹脂40)の組み合わせにより金型が形成される。基板20は、特に上で画定する少なくとも1つの傾斜面31を有する凹部30は、製造される時計部品の複雑な形状を画定可能にする。樹脂40といった素材は、特に基板20から形成する完全に画定された側壁41は、製造される時計部品の壁を画定する。
【0044】
樹脂40の側壁41の、基板20上の配置について、複数の構成が予見できることを注記する。
【0045】
図6aと6bに示す第一構成によれば、樹脂の側壁41は、凹部30と基板の上面21との間の境界面4と一致して形成されてもよい。この場合、側壁は、凹部30の端部に、すなわち凹部30の外縁に形成された縁部において、基板の上面がその中で延長する平面に垂直に延長する。
【0046】
金型の製造の品質は、当該金型内で製造される時計部品に直接影響を与える。上述の凹部30の外縁を画定する縁部と一致して樹脂の側壁41を正確に位置決めすることは、簡単ではないことが明らかである。樹脂側壁41との接点における、あらゆるずれは、金型に欠陥を、そして製造される時計部品に、例えば突起等の、欠陥を発生しかねない。
【0047】
当該危険性を減少させるため、図7a、7b、28、及び29に示す第二構成は、境界面4での正確な位置決めの必要を排除するため、凹部30内に少なくとも1つの側壁41を生成することからなる。このようなアプローチを用いることで、凹部30は、凹部内に位置決めされる側壁41により区切られる前に、製造される時計部品よりも大きな形状に形成される。
【0048】
図8aと8bに示す第三構成によれば、感光性樹脂は、当該凹部の外に少なくとも1つの側壁41を形成する、即ち樹脂側壁は、凹部30との境界面4の外で、基板の上面21から延長する。
【0049】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例として、図30は、最初の2つの実施形態のうちの1つを、第三実施形態と組み合わせる、第四実施形態にかかる金型の製造を図示する。具体的には、金型は、まず、最初の2つの実施形態を参照して説明された方法と類似の方法を適用することで、第一基板20に形成された、少なくとも1つの凹部30と、本発明の第三実施形態を適用することで、第一基板20上に位置決めされた第二基板20’に形成された、少なくとも1つの凹部30’を含む。当該第四実施形態において、第一基板20は、第二基板20’を支持する役割も果たす。
【0050】
もちろん、特に図30に類似のアプローチを用いることで、他の実施形態も予見可能であり、凹部は異なる技術を用いて形成されてもよい。
【0051】
最後に、金型の製造方法は、図示しない、例えば照射放射線を用いて感光性樹脂を現像することからなるサブステップの後に、反射防止層25の部分的または完全除去の、任意ステップE4を含んでもよいが、これはもちろん反射防止処理を適用するE2からなるステップが実施された場合である。反射防止層25のこうした除去は、全ての場合において必須ではない。実施されると、このような除去は、時計部品の製造用金型に属する基板20に、すなわち樹脂側壁41の間に、適用される。当該除去は、機械的または化学的に、例えば剥ぎ取りまたはプラズマ処理により、実施されてもよい。
【0052】
最後に、上述のように、方法は、底部が、基板20の少なくとも1つの凹部30の全部または一部により、また任意で基板の上面21の一部により形成され、その側面は、樹脂側壁41により少なくとも部分的に画定される、金型を形成可能である。基板20と少なくとも1つの凹部30は、金型の一部を形成し、いかなる場合であっても、将来的に製造される時計部品に属することはない。
【0053】
特定の金型変形例において、金型は、樹脂側壁41なくして、基板の凹部30全体からなることもでき、その場合ステップE3は実施されない。
【0054】
一実施形態によれば、少なくとも1つの凹部は、素材除去技術、とりわけ機械加工により形成される。他の実施形態によれば、少なくとも1つの凹部は、または金型の側壁は、完全にまたは部分的に、2光子重合またはグレイスケールフォトリソグラフィまたは光造形法技術により得られる。
【0055】
本発明はまた、方法の第一段階Ph1が上述の金型の製造方法の実施からなる、時計部品の製造方法そのものに関する。製造方法の第二段階Ph2は、当該金型を用いて、時計部品そのものを製造することに基づく。当該第二段階の一実施例を以下に説明する。
【0056】
製造方法の第二段階は、まず、図9a及び9bで示すように、第一段階から得られた当該金型の全部または一部を、部品の素材10と称される、当該時計部品の素材で充填するE5からなるステップを含む。金型を充填するE5からなるステップは、電着、電鋳、電気めっき、鋳込成形、または熱成形のステップ、または鋳込みにより部品の素材を充填するステップを含んでもよい。
【0057】
このため、有利な一実施形態によれば、当該充填ステップは、金属素材の電鋳により実施されてもよい。この場合、金型内の時計部品の将来的な金属素材の成長を鑑み、金型が開始の電極としての役割を果たせるよう、金型の少なくとも一部を導電材料で製造する必要がある。このため、基板が導電材料製ではない場合、上述のように、金型の製造の第一段階において、基板に導電層が追加される。
【0058】
変形例において、金型は、セラミック時計部品を得るために、鋳込成形のために用いられてもよい。他の変形例によれば、複合材料またはガラス状合金を、金型内へ流し込むまたは金型内で成形することができる。
【0059】
方法は、次に、図10a及び10bで示すように、先行ステップにおいて得られた時計部品1を、金型から取り外すE6(換言すれば脱金型する)からなるステップを含む。脱金型ステップにおいて、基板20と少なくとも1つの凹部30は、自身を時計部品1の脱金型に適したものにする性質を示す。加えて、金型の一部を形成する樹脂は溶解される。当該溶解は、化学溶解、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)、またはレーザアブレーションといった、当業者に既知のあらゆる手段を用いて達成されてもよい。加えて、任意で、部品は、基板から取り外されてもよい。
【0060】
上述の方法の結果、本発明にかかる金型と直接接して形成された時計部品1の全面2は、脱金型後、追加操作を必要とすることなく、完璧な最終形状を有する。このため、本発明は、特に凹部30とその傾斜面(複数の傾斜面)31とに対応する、複雑な形状の時計部品1を、非常に簡単に製造可能にする。時計部品1は、少なくとも局所的に、時計部品の他の表面と、とりわけ相互に平行な2つの主平面と垂直ではなく及び平行ではなく、または特定の金型の底部により形成された部品の表面に対して傾斜した、少なくとも1つの傾斜面を含む。
【0061】
任意で、金型の底部に対向する面3であって、本発明にかかる方法で得られた金型により直接形成されない面に、仕上げステップが行われてもよい。当該仕上げステップは、時計部品の対向する面3を、例えばその平坦性を保証するために、研磨または研削することからなってもよい。加えてまたは変形例として、当該仕上げステップは、物理的気相成長法 (PVD)、化学的蒸着(CVD)、原子層成長法(ALD)またはパルスレーザ堆積法(PLD)により形成されたコーティングの堆積により、時計部品の表面の少なくとも一部の色またはトライボロジー特性を変更することからなってもよい。当該仕上げステップは、金型と直接接触しない、時計部品の対向する面3に適用されることを注記する。このため、仕上げステップは、金型から時計部品を取り外すE6からなるステップの前または後に実施可能である。変形例として、仕上げステップ、具体的には着色ステップが、時計部品の全体に適用されてもよい。
【0062】
他の実施形態によれば、時計部品の素材は、とりわけニッケルまたは金または銅に基づく、金属または金属合金である。他の実施形態によれば、部品の素材は、セラミックに基づく、または複合材料に基づく、すなわちセラミックまたは複合素材を完全にまたは部分的に含む、有利にはセラミックまたは複合材料を少なくとも50重量%含んでもよい。このため、結果として得られる時計部品は、主として例えばニッケルまたは金または銅に基づく、金属または金属合金製、または主としてセラミックまたは複合材料製である。
【0063】
上述の時計部品の製造方法は、多数の異なる時計部品の製造に適している。例として、時計部品は、はめ細工または針といった外部時計部品、またはがんぎ車、レバー、ばねといったムーブメントの部品であってもよい。
【0064】
本発明はまた、時計部品そのものに関する。特に、本発明の主たる利点は、これまでは製造できなかった、複雑な形状の時計部品の製造を可能にすることである。
【0065】
特に、本発明は、好ましくは時計部品が一体として製造された、主として一体部品である、時計部品の製造を可能にする。時計部品は、第一面に延長する第一表面と、上で画定した金型の1以上の凹部の1以上の傾斜面に対応する、第一表面に対して傾斜した、とりわけドーム形及びまたは凹形及びまたは凸形及びまたは面取りされた、及びまたは少なくとも1つの鋭い縁部を含む、第二表面を含む、本発明の金型により形成された表面を含んでもよい。当該傾斜面は、任意で研磨されたまたは構造化された表面を有する、例えば「クル・ド・パリ」タイプのパターンの形成における、少なくとも1つの鋭い縁部を含んでもよい。傾斜面は、とりわけさざ波の形状を示す輪郭を含む、複数の傾斜部分を含む表面の形状を取ってもよい。傾斜面はまた、鋭い縁部及びまたは面取り及びまたは斜角及びまたは角度を含んでもよい。このような傾斜面は、所定の粗度を示してもよい。
【0066】
変形実施形態によれば、時計部品は、1以上の審美的または機能的インサートを含んでもよい。この目的のため、製造方法は、金型を部品の素材で充填するステップの前に、少なくとも1つのインサートに部品の素材を固定することを伴う、少なくとも1つのインサートを製造金型に配置することからなる、中間ステップを含んでもよい。このようなインサートは、装飾的宝石または石であってもよい。
【0067】
更に、有利には、時計部品は、任意のインサートを例外として、一体部品として、または一体として製造される。代替として、時計部品または時計は、少なくとも2つの関連する別個のパーツであって、そのうちの少なくとも1つは本発明にかかる製造方法に由来するパーツからなってもよい。
【0068】
本発明はまた、本発明にかかる少なくとも1つの時計部品を含む、時計に関する。
【0069】
本発明はまた、時計部品の製造用金型に関し、金型は、少なくとも上面及びまたは凹部30の一部が金型の底部を形成する基板を含み、金型の底部と同じ高さの基板の上面から生じて形成される凹部の少なくとも1つの傾斜面を含み、金型は、金型の側壁の少なくとも一部を形成する、基板上に堆積された樹脂、特に感光性樹脂により、少なくとも部分的に区切られる。
【0070】
樹脂は、基板の凹部の外縁と一致する、金型の少なくとも1つの側壁を形成可能である、及びまたは樹脂は、凹部内及びまたは凹部外に、基板の上面から生じる金型の少なくとも1つの側壁を形成可能である。樹脂は、金型の側壁の全部または一部を形成可能である。
【0071】
基板内の凹部の少なくとも1つの傾斜面は、上面と凹部との間の境界面で検討される、基板の上面に対して10から80度の間の角度を形成する傾斜を有してもよい。当該傾斜面は、丸みを帯びてもよい、または多数の平面状小平面で形成されてもよく、1以上の鋭い縁部を有してもよく、とりわけ凹形または凸形であってもよい。
【0072】
このように、本発明は所望の目的を達成し、より一般的には以下の利点を提供する。
- 製造方法は、実施が簡単であり、低価格である。
- 製造方法は、複雑な形状の時計部品を得ることを可能にする。
【0073】
本発明は以下に、非限定的例として選択された特定の時計部品のいくつかの実際の製造の観点で説明される。
【0074】
第一実施例として、時計部品は、図11に示す、複雑な可視面を有する端部を含む、特に周囲の平坦な上面51に対してドーム型の傾斜部分52を含む、針50である。当該傾斜部分52は、図12の線I-Iに沿った横断面図で、より具体的に見ることができる。傾斜部分は、針50の平面P1に垂直な回転軸Aを有する、突出する球状キャップを形成する。
【0075】
当該針50の製造方法は、上述の実施形態にかかるステップを実施する。方法を、以下に簡単に説明する。
【0076】
第一ステップE1において、方法は、グレイフォトリソグラフィを活用して、シリコン基板20上に、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)方法を用いて凹部30を作成することからなる。ここで、凹部の形状は、球状キャップの形状のドーム形表面に対応する。凹部の深さdは、50μmである。凹部30が製造されると、基板20上に導電層22が堆積される。
【0077】
樹脂40製の金型の側壁41は、その後、第三ステップE3で形成される。このため、以下のサブステップが実施される。
【0078】
- 導電層22の表面上に、従来のフォトリソグラフィに適した、感光性樹脂40であるSU-8であって、UV照射の作用下で架橋結合するエポキシ系ネガ樹脂が堆積される。
- その後、感光性樹脂40は、マスクにより画定されるパターンに樹脂を架橋結合するため、マスクを通じて、UV照射放射線に曝される。ここでは、パターンは、針50の外周に対応する。使用される照射放射線は、基板20がその中で延長する平面に垂直であり、マスクに形成された開口と一致して存在し、金型を形成するために保持される樹脂部分に対応する樹脂40の領域のみが照射される。これら領域は、このように、すなわち基板20の平面P1に垂直である、垂直側壁41により画定される。これら直立樹脂側壁は、針の側面を形成する、針の面に対応する。針の形状とネガ樹脂の使用により、凹部30の境界に存在する領域を入射照射放射線の迷反射により照射不可能であるため、基板20上の反射防止層25の存在は、ここでは必要ないことを注記する。
- その後、感光性樹脂40は現像される。樹脂40がネガのため、現像は、樹脂の非照射領域を除去することからなる。樹脂40のこれら領域は、PGMEA系化学製品(ポリピレングリコールメチルエーテルアセテート)により溶解することで、除去される。
【0079】
現像後、導電層22は、樹脂が除去されたところで見ることができる。樹脂40の残余部分と、基板の(導電層22で被覆された)可視基部は、図13に示すように、金型の形状を画定する。ここでは、基板20、特に凹部30が、複雑な形状の針50の傾斜可視面を画定する。
【0080】
方法の第五ステップE5は、金型を充填するため部品の素材10の電着により針を製造することからなる。ここでは、金型は電鋳された24カラットの金で充填される。図14は、ステップE5を経て充填された、図13の金型を図示する。
【0081】
方法の第六ステップE6は、金型から針50を取り外すことからなる。ここで、得られた複雑な形状の針50の可視傾斜面52は、金型の底部と要求された形状とに厳密に対応する。針は、ステップE6に続き、後処理なくして、即ち金型の基板20により画定された傾斜面52と周囲の平坦な上面51の再加工またはトライボ仕上げなくして、直接使用可能である。金型と接触しなかった、針50の対向する面53は、平坦性を保証するため、研磨される。
【0082】
第一実施例の変形例を形成する第二実施例によれば、時計部品は、図15及び16に示す、周囲のドーム形上面51に対して、針の可視上面から突出する3つのドーム形キャップの形状の、複数の別個の傾斜部分52を含む、複雑な可視表面を有する端部を含む、針50である。3つの実質的に球状のキャップは、針50の上面51に実質的に垂直な、それぞれの回転軸A1、A2、A3を有する。
【0083】
当該針50を製造する方法は、上記の実施形態にかかるステップを実施する。以下に簡単に説明する。
【0084】
図17及び18は、平坦なステンレス鋼ウエハからなる基板20内に凹部30を作成することからなる、方法の第一ステップE1を、より具体的に示す。凹部30は、2段階の電気化学溶解で形成される。第一溶解段階は、図17に示す一時的凹部30tを形成することで、針50のドーム形面をまず形成する。次に、図18に示すように、凹部30の最終形状を完成するために、事前に得られた一時的凹部30tの底部に、凹部キャップ部分の形状の3つの凹部30a、30b、30cが形成される。当該凹部30は、図16で特に見ることができる、針50の端部の複雑な形状に対応する。当該凹部30は、複数の傾斜面31を画定することを注記する。凹部の深さdは、50μmである。
【0085】
方法の第二ステップE2は、基板20上に反射防止層25を堆積することからなる。反射防止層25は、商品名AZ(登録商標)-BARLi(登録商標)IIで知られる素材製の層で形成される。層は、スピン・コーティング法を用いて堆積される。
【0086】
方法の第三ステップE3は、樹脂40から金型の側壁41を形成するステップである。当該ステップは、上述したものと類似の、いくつかのサブステップを含む。当該実施形態において、側壁41は凹部30の内側に配置されることを注記する。樹脂が照射され現像されると、樹脂40の残りの部分と可視基板20が、特に少なくとも凹部部分30が、金型を画定する。
【0087】
方法の第四ステップは、図19に示すように基板20を曝すため、樹脂の開口内の、即ち金型の底部の反射防止層25を除去するE4からなる。ここで、反射防止層は、酸素プラズマ処理により除去される。
【0088】
方法の第五ステップE5は、図20に示すように、先に得られた金型を電鋳により充填することで部品を製造することからなる。基板20が導電材料製であるため、電鋳方法は、感光性樹脂製の側壁41に沿って、導電区域において成長を開始し、継続することができる。針50は、例えば、ニッケルまたは金製である。
【0089】
方法の第六ステップE6は、複雑形状の針を金型から取り外すことからなる。針の傾斜面は、基板20に製造され、要求された形状に厳密に一致する寸法と斜面を有する、凹部30(と凹部30が含む凹部30a、30b、30c)に対応する、研磨された表面を有する。基板上の凹部30のキャビティにより画定された可視面は、当該ステップE6に続いて、事後処理なくして、即ち再加工やトライボ仕上げなくして、直接使用される。金型からの当該表面の形状は、修正がなされない。
【0090】
針の対向する面53は、電気めっき素材の成長の終了の結果である。当該対向する面53は、脱金型前または後に、研磨され、調整されてもよい。
【0091】
針は、例えば、直線状壁を有してもよく、面取り側壁を有してもよい。
【0092】
時計部品は、続いて、当業者に既知の技術(ALD、PVD、PLD、パッド印刷、等)を用いて着色されてもよい。
【0093】
第三実施例によれば、時計部品は、図21に示す、逆転したV字型の横断面を形成する2つの平坦な傾斜面62により形成された、面取りされた複雑な可視面を含む、はめ細工60である。
【0094】
方法の第一ステップE1は、平坦なステンレス鋼ウエハからなる基板20に、凹部30を作成することからなる。機械加工前の基板20の上面21は平坦であり、上で定義した平面P1に対応する。はめ細工の正中線に沿って接触し、これによりV字型断面を形成する、2つの傾斜面の形状の凹部30を作成するために、従来の機械加工が用いられる。はめ細工の正中線で測定される凹部深さdは、250μmである。
【0095】
方法の第二ステップE2は、基板20上に反射防止層25を堆積することからなる。反射防止層25は、200ナノメートルの厚さを有し、商品名AZ(登録商標)-BARLi(登録商標)で知られる商品製である。形成された反射防止層25は、基板上のUV反射を完全に減衰することを可能にする。反射防止層はまた、電気絶縁体である。
【0096】
第三ステップE3は、樹脂製の金型の側壁41を形成するステップである。当該ステップは、上述と類似の、複数のフォトリソグラフィサブステップを含む。
【0097】
当該例示的実施形態において、図22に示すように、側壁は、凹部30の境界面4と一致して位置決めされる。傾斜面31に近い側壁の位置決めのため、感光性樹脂40の架橋結合の十分な画定のために、反射防止層25の存在が強く推奨される。凹部30の境界面4に到達する入射放射線45は、上述のように、迷反射を生成しかねない。
【0098】
方法の第五ステップE5は、金型を充填するために、特にHyCeram(登録商標)の商品名で知られる、素材を鋳造し、その後最終構成を与えるために熱処理することで、パーツを製造することからなる。ステップE5の結果を、図23に示す。
【0099】
方法の第六ステップE6は、金型から複雑な形状のパーツを取り外すことからなる。結果としての、一体品、一体成形のはめ細工は、製造方法から直接得られる鏡面仕上げの表面仕上げを有し、要求された形状と厳密に対応する寸法と傾斜を有する、面取りされた傾斜面を含む。部品は、金型の底部を形成する基板と接触して得られた表面の、事後処理なくして、即ち再加工またはトライボ仕上げなくして、脱金型ステップE6に続き直接使用可能である。
【0100】
金型と接触していない、はめ細工の対向する面63は、その平坦性を保証するため、研磨される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】