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特表2024-527135ブリスタおよび作動プッシャを備えるブリスタ開封システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ブリスタおよび作動プッシャを備えるブリスタ開封システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20240711BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20240711BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01N35/02 B
G01N37/00 101
G01N35/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506457
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022071169
(87)【国際公開番号】W WO2023012021
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】21382743.9
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518066507
【氏名又は名称】クレガナ・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Creganna Unlimited Company
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス レデスマ,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】リョベラ アダン,アンドレウ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレラ レニス,イレーネ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア デ マディナベイチア メリノ,パブロ
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC08
2G058DA07
2G058DA09
(57)【要約】
本発明は、支持面(1’’’)の上に配置されるブリスタ本体(1)と、推進面(2’)を備えるヘッダ(2)であって、前記ヘッダ(2)は、ブリスタ本体(1)に対して相対移動可能であり、押圧方向(3)において推進面(2’)を介してブリスタ本体(1)に対して押圧力を伝達する、ヘッダ(2)と、ブリスタ本体(1)に流体接続される流体出口チャネル(4)とを備えるブリスタ開封システムに関する。システムは、推進面(2’)が、ヘッダ(2)とブリスタ本体(1)との間の相対位置において、押圧方向(3)および支持面(1’’’)が90°とは実質的に異なる相対角度(5)をなすように配置されることを特徴とする。ブリスタ本体(1)に対する推進面(2’)の押圧力が、流体出口チャネル(4)に対してブリスタ本体(1)の反対側における気体封入容積(1’’)を形成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスタ開封システムであって、
前記ブリスタ開封システムは、
● 支持面(1’’’)の上に配置されるブリスタ本体(1)であって、前記ブリスタ本体(1)は、押圧力で圧潰可能であり、液体容積(1’)を格納するように構成されている、ブリスタ本体(1)と、
● 推進面(2’)を備えるヘッダ(2)であって、前記ヘッダ(2)は、前記ブリスタ本体(1)に対して相対移動可能であり、前記相対移動により、押圧方向(3)において前記推進面(2’)を介して前記ブリスタ本体(1)に対して押圧力を伝達するように構成されている、ヘッダ(2)と、
● 前記ブリスタ本体(1)に流体接続され、前記ヘッダ(2)により前記ブリスタ本体(1)に対して押圧力が及ぼされたときに前記液体容積(1’)が前記ブリスタ本体(1)から流体出口チャネル(4)に向かって流れることが可能であるように構成されている流体出口チャネル(4)と
を備え、

前記システムは、前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)が、少なくとも前記ヘッダ(2)と前記ブリスタ本体(1)との間の相対位置において、
前記押圧方向(3)および前記支持面(1’’’)が90°とは実質的に異なる相対角度(5)をなし、
前記ブリスタ本体(1)に対する前記推進面(2’)の押圧力が、前記ブリスタ本体(1)における気体封入容積(1’’)を形成し、前記気体封入容積(1’’)が、前記流体出口チャネル(4)に対して前記ブリスタ本体(1)の実質的に反対側に配置される
ように配置されていることを特徴とする、
ブリスタ開封システム。
【請求項2】
前記推進面(2’)は、前記ブリスタ本体(1)を押圧して、前記流体出口チャネル(4)を通して前記ブリスタ本体(1)内に格納されている前記液体容積(1’)の少なくとも80%を吐出するように構成されている、請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項3】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、前記相対角度(5)の余角で前記支持面(1’’’)に対して実質的に傾斜している、請求項1または2に記載のブリスタ開封システム。
【請求項4】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、前記支持面(1’’’)に実質的に平行である、請求項1または2に記載のブリスタ開封システム。
【請求項5】
前記ブリスタ本体(1)は、前記推進面(2’)に接触するように構成されているブリスタ面(6)を備え、前記ブリスタ面(6)は、前記相対角度(5)の余角で前記支持面(1’’’)に対して実質的に傾斜している、請求項4に記載のブリスタ開封システム。
【請求項6】
前記ヘッダ(2)は、プランジャまたはプッシャを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項7】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、実質的に平坦である、請求項1から6のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項8】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、1つまたは複数の窪みおよび/または凹部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項9】
前記ヘッダ(2)は、前記流体出口チャネル(4)に隣接して配置されているノッチ(2’’)、突出部または窪みを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項10】
前記推進面(2’)は、少なくとも前記ヘッダ(2)が前記ブリスタ本体(1)に押圧力を及ぼす位置において、前記推進面(2’)が前記流体出口チャネル(4)を塞ぎ、一方で前記ブリスタ本体(1)の少なくとも一部分が前記気体封入容積(1’’)内の気体容積(1’)を格納するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項11】
前記ヘッダ(2)は、少なくとも2つの位置の間で切り替え可能であるように構成され、第1の位置において、前記推進面(2’)は前記流体出口チャネル(4)を塞ぎ、第2の位置において、前記推進面(2’)は前記流体出口チャネル(4)を開いたままにする、請求項10に記載のブリスタ開封システム。
【請求項12】
ブリスタ本体(1)を配置するためのブリスタ台座(9’’’)を少なくとも有するように構成されているホルダ(8)、および、作動手段(7)をさらに備え、

前記作動手段(7)は、
- ピストン(7’)、および回転カムシャフト(7’’’)に接続されている渦状カム(7’’)を備える機械装置と、
- 前記回転カムシャフト(7’’’)を作動し、それにより前記ピストン(7’)の変位を引き起こすためのステッパモータと
を備え、

前記ピストン(7’)は、カムシャフト(7’’’)の回転の方向、角度、および速度に応じて前記ヘッダ(2)に押圧力を伝達する、
請求項1から11のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項13】
以下の場合、すなわち、
前記ピストン(7’)が所定の最大移動量または所定の位置に達する場合、
前記ヘッダ(2)が前記ブリスタ本体(1)と接触する場合
のうちの1つにおいて、前記機械装置の回転を止めるように構成されているスイッチ
をさらに備える、請求項12に記載のブリスタ開封システム。
【請求項14】
前記流体出口チャネル(4)に流体接続されているブリスタ計測デバイス(9)をさらに備え、前記ブリスタ計測デバイス(9)は、前記流体出口チャネル(4)を通して吐出される前記液体容積(1’)および気体容積を測定するように構成されている、請求項12または13に記載のブリスタ開封システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体力学の技術分野に属する。より具体的には、本発明は、作動プッシャおよびブリスタを備えるブリスタ開封システムに関し、流体試薬を格納し、マイクロ流体回路内に流体試薬を放出するために用いられる。ブリスタ開封システムは、試薬を放出するときにマイクロ流体回路への気泡の注入を回避するように有利に構成される。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体アプリケーションにおいて用いられる既知の試薬格納ブリスタのほとんどは、ドーム形状の本体を呈する。それらのブリスタを開封しその試薬を放出するために、円筒形プッシャがブリスタの上に垂直に配置され、ブリスタ表面に押圧力を及ぼすように操作される。それにより、ブリスタの容積(体積)を効果的に低減させ、試薬をマイクロ流体回路へと流出させる。これらのブリスタおよびプッシャの一例として、米国特許第9,610,579(B2)号は、推進面(impelling surface)を有するように構成されたドーム形状ヘッダを備える円筒形プッシャにより操作される塑性変形可能なリザーバを備えるマイクロ流体ブリスタのいくつかの実施形態を開示している。前記のタイプのヘッダの一例が、本出願の図1に示されている。
【0003】
しかしながら、これらの既知のドーム形状ヘッダは、ブリスタの内容物を放出するために使用されると、大量の気泡を注入する傾向がある。これは主に、常にブリスタの内部容積の一部に空気が封入されることに起因する。プッシャがドームの頂面を徐々に変形させることに伴い、この空気が下方にかつブリスタの縁部に向かって移動する。気泡がマイクロ流体回路に流入することを回避するための解決策として、ドーム形状ブリスタの頂面を取り囲むリブにより、その制御された折りたたみが確実になり、これは、それにより画定される構造に空気を封入することを目的とする。しかしながら、変形が大きすぎる場合、この構造も崩壊し、その結果、マイクロ流体回路への望ましくない空気の注入が生じる。
【0004】
他の従来技術の代替例は、空気の注入を回避するように有利に構成され、同時に、(格納容積、試薬が特定の方向に流れるように漏れ止めシールを実現する能力等に関して)ブリスタの機能性を損なわないブリスタプッシャを開示している。例として、米国特許第8,083,716(B2)号は、リザーバから放出される流体媒体中の気泡の存在を制限するような形状である流体リザーバ内のプランジャヘッドを開示している。この目的で、プランジャヘッドは、凹状領域を有する形状であり、それにより気泡トラップ領域を形成する。しかしながら、これらのプッシャは、形成された気泡の一部が依然としてトラップから漏れてマイクロ流体回路に流入する場合があるという課題を有する。
【0005】
マイクロ流体システムにおける気泡を排出するための他の代替例は、透過膜の使用を含む(例えば米国特許第9,962,698(B2)号およびLiuら、「A membrane based,high-efficiency,microfluidic debubbler」、Lab on a Crip、11(9)、1688~1693(2011)を参照)。これらのプッシャもまた、ブリスタが液体試薬を放出するときに少量の気泡をマイクロ流体回路に注入するという欠点を呈する。これらはまた、他の代替例よりも複雑であり、より大量生産に不向きである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、通気膜または他の同等手段を必要とすることなく気泡の注入を回避する新規なプッシャおよびブリスタの設計を備えるブリスタ開封システムにより、上記の技術的課題に対する解決策を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の目的は、以下を備えるブリスタ開封システムに関する。
支持面の上に配置されるブリスタ本体。前記ブリスタ本体は、押圧力で圧潰可能であり、液体容積を格納するように構成される。
推進面を備えるヘッダ。前記ヘッダは、ブリスタ本体に対して相対移動可能であり、前記相対移動により、押圧方向において推進面を介してブリスタ本体に対して押圧力を伝達するように構成される。
ブリスタ本体に流体接続され、ヘッダによりブリスタ本体に対して押圧力が及ぼされたときに液体容積がブリスタ本体から流体出口チャネルに向かって流れることが可能であるように構成される前記流体出口チャネル。
【0008】
本発明において有利な点として、ヘッダの推進面は、少なくともヘッダとブリスタ本体との間の相対位置において、以下のように構成される。
押圧方向および支持面は、90°とは実質的に異なる相対角度をなす。
ブリスタ本体に対する推進面の押圧力は、ブリスタ本体における気体封入容積を形成し、前記気体封入容積は、流体出口チャネルに対してブリスタ本体の実質的に反対側に配置される。
【0009】
本発明の好適な実施形態において、ヘッダの推進面は、ブリスタ本体を押圧して、流体出口チャネルを通して前記ブリスタ本体内に格納される液体容積の少なくとも80%を吐出するように構成される。
【0010】
本発明の好適な実施形態において、ヘッダの推進面は、押圧方向および支持面により画定される相対角度の余角で支持面に対して実質的に傾斜する。
【0011】
本発明の代替的実施形態において、ヘッダの推進面は、支持面に実質的に平行である。より好ましくは、それらの実施形態において、ブリスタ本体は、推進面に接触するように構成されるブリスタ面を備え、前記ブリスタ接触面は、押圧方向および支持面により画定される相対角度の余角で支持面に対して実質的に傾斜する。
【0012】
本発明のさらなる好適な実施形態において、ブリスタ開封システムのヘッダは、作動手段により作動されるプランジャまたはプッシャを備える。
【0013】
本発明のさらなる好適な実施形態において、ヘッダは、流体出口チャネルに隣接して配置され、それにより逆流を最小化するための手段を提供するノッチ、突出部または窪みを備える。より好ましくは、ヘッダの推進面は、1つまたは複数の窪みおよび/または凹部を備える。
【0014】
本発明のさらなる好適な実施形態において、ヘッダの推進面は、平坦である。そのような実施形態において、ブリスタ本体は、支持面の上に配置されることが好ましく、前記支持面は、ヘッダの推進面に対して0°とは実質的に異なる角度を画定する。押圧方向および支持面により画定される相対角度の余角である前記角度は、気体封入容積を有利に画定するための手段を提供する。
【0015】
本発明の好適な実施形態において、ヘッダの一部分(例えばノッチ)は、少なくとも2つの位置の間で切り替え可能であるように構成され、第1の位置において、推進面は流体出口チャネルを塞ぎ、第2の位置において、推進面は出口チャネルを開くことで、前記チャネルを通してマイクロ流体回路に吐出される液体量(体積量)を選択的に調節する。
【0016】
本発明のより好適な実施形態において、ブリスタ開封システムは、ブリスタ本体を配置するためのキャビティ(ブリスタ台座)と、以下を備える作動手段とを有するように構成されるホルダをさらに備える。
貫通孔を備える渦状カムに接続されるピストンを備える機械装置。渦状カムの孔は、前記回転カムシャフトにより交差される。
カムシャフトの回転を引き起こし、それによりピストンの変位をもたらすためにカムシャフトを作動するステッパモータ。このように、ピストンは、カムシャフトの回転の方向、角度、および速度に応じてヘッダに押圧力を伝達する。
【0017】
本発明のより好適な実施形態において、ブリスタ開封システムは、以下の場合、すなわち、
ピストンが所定の最大移動量または所定の位置に達する場合、または
ヘッダがブリスタ本体に接触する場合
のうちの1つにおいて、カムシャフトの回転を止めるように構成されるスイッチをさらに備える。
【0018】
本発明のより好適な実施形態において、ブリスタ開封システムのホルダは、流体出口チャネルに流体接続されるブリスタ計測デバイスをさらに備え、前記ブリスタ計測デバイスは、流体出口チャネルを通して吐出される液体および気体の量(体積量)を測定するように構成される。
【0019】
本発明の範囲内において、「0°とは実質的に異なる」という表現は、少なくとも10°として理解される。加えて、「0°に実質的に等しい」または「実質的に平行」という表現は、5°未満として理解される。また、「90°とは実質的に異なる」という表現は、90°に対して少なくとも±10°のずれとして理解される。
【0020】
最後に、「押圧方向」という表現は、ヘッダがブリスタ本体に押圧力を及ぼすときに前記ヘッダおよびブリスタ本体により画定される平面に直交する方向として定義される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】マイクロ流体アプリケーションにおいてブリスタを押圧するために一般的に用いられる従来技術のドーム形状プッシャを示す図である。
図2】それぞれ本発明に係るプッシャの好適な実施形態の上面図(図2(a))、正面図(図2(b))および右側面図(図2(c))である。
図3図2図2(a)~図2(c))のプッシャを用いる場合におけるブリスタの液体放出の模式図である。
図4図4(a)~図4(d)は、本発明に従って提案される様々なプッシャ形状を示す図である。
図5】本発明の好適な実施形態に係る、液体試薬を放出させるためのブリスタ試験(作動)用の実験装置に対応する図である。
図6】本発明に係るブリスタ計測デバイスの模式図である。より具体的には、図6(a)は、ブリスタ計測デバイスのチャネルおよびチャンバを表す。図6(b)は、図6(a)の破線ボックス内に含まれるブリスタ台座に最も近い2つのチャンバの拡大図に対応する。
図7】)50μl(図7(a))および100μl(図7(b))の2つの異なるブリスタ容積についての、カムシャフト回転速度(rpm)に対応した液体(μl)および空気(mm)の吐出量を示す図である。カムシャフト回転角度は360°であった(図6の実験装置によれば、5mmの最大変位)。
図8】200μlのブリスタについてのプッシャ設計に対応した液体(μl)および空気(mm)の吐出量を示す図である。ここでは、カムシャフト回転速度は15rpmに設定され、回転角度は270°である(3.75mmのピストン変位)。
図9】従来技術のプッシャ(P01)と比較した、本発明に係る様々なプッシャ形状(P02~P05)を用いた場合の液体および空気の吐出量をまとめた図である。
【符号の説明】
【0022】
本発明の技術的特徴のより良好な理解を提供するために、参照される図1図9には、例示的かつ非限定的な性質のものとしてここに示す、一連の参照番号が付されている。
1 ブリスタ本体
1’ 液体容積
1’’ 気体封入容積
1’’’ 支持面
2 ヘッダ(例えばプランジャまたはプッシャ)
2’ ヘッダの推進面
2’’ ノッチ
3 押圧方向
4 流体出口チャネル
5 推進面とブリスタ面との間の角度(第2の角度)
6 ブリスタ本体の面
7 作動手段
7’ ピストン
7’’ 渦状カム
7’’’ カムシャフト
8 ホルダ
9 ブリスタ計測デバイス
9’ ブリスタ計測デバイスのキャビティ
9’’ ブリスタ計測デバイスのチャネル
9’’’ ブリスタ台座
【発明を実施するための形態】
【0023】
前段で説明したように、本発明は、気泡を注入することなくブリスタ本体(1)の内容物をマイクロ流体回路に吐出するためのブリスタ開封システムに関する。前記ブリスタ開封システムは、以下を備える。
典型的には1つまたは複数の試薬を含む液体容積(1’)を格納するように構成される、押圧力で圧潰可能なブリスタ本体(1)。
ブリスタ本体(1)に対して押圧力を伝達するように構成される推進面(2’)を備えるヘッダ(2)。このヘッダ(2)は、ブリスタ本体(1)に対して相対移動することで、前記相対移動により、押圧方向(3)において推進面(2’)を介してブリスタ本体(1)に対して押圧力を伝達することができる。前記押圧方向(3)は、ヘッダ(2)がブリスタ本体(1)に押圧力を及ぼすときに前記ヘッダ(2)およびブリスタ本体(1)により画定される平面に直交する。
ブリスタ本体(1)に対して押圧力が及ぼされたときに液体容積(1’)がブリスタ本体(1)から流体出口チャネル(4)に向かって吐出され得るように、ブリスタ本体(1)に流体接続される前記流体出口チャネル(4)。
【0024】
本発明において有利な点として、押圧方向(3)および支持面(1’’’)は、90°とは実質的に異なる相対角度(5)をなす。この相対角度(5)は、押圧方向(3)および支持面(1’’’)により画定される。加えて、ブリスタ本体(1)に対する推進面(2’)の押圧力は、ブリスタ本体(1)における気体封入容積(1’’)を形成する。前記気体封入容積(1’’)は、流体出口チャネル(4)に対してブリスタ本体(1)の実質的に反対側に配置される。
【0025】
このブリスタ開封システムの意図は、気泡をマイクロ流体回路に注入することなく格納ブリスタ本体(1)からマイクロ流体回路に吐出可能な液体の体積量を最大化することである。
【0026】
図2(a)~図2(c)は、支持面(1’’’)の上に配置された、プッシャP02と称される本発明の好適な実施形態に係るプッシャを示す。支持面(1’’’)は、必ずしも平坦ではない。図2においてより詳細には、プッシャの上面図(図2(a))、正面図(図2(b))および側面図(図2(c))がそれぞれ表示されている。本発明において好ましくは、ヘッダ(2)の推進面(2’)は、支持面(1’’’)に対して一定の角度αで傾斜する。前記角度αは、押圧方向(3)および支持面(1’’’)により画定される相対角度(5)の余角である。図3においてさらに説明するように、相対角度(5)値の最適化により、ヘッダ(2)は、気泡の放出を最小化することができる。本実施形態において、ヘッダ(2)は、ノッチ(2’’)を備える。
【0027】
本発明の好適な実施形態に係る、ブリスタ本体(1)を作動させるためのプッシャP02の動作機構が、図3(a)~図3(d)に順に示されている。本実施形態において、ヘッダ(2)の推進面(2’)は、支持面(1’’’)に対して角度αを画定し、それにより、ヘッダ(2)がブリスタ本体(1)の面(6)を押し潰すまたは面(6)に接触することに伴って、ブリスタ本体(1)内に含まれる液体が流体出口チャネル(4)を通してマイクロ流体回路に放出されることが可能となる。図3(a)は、ヘッダ(2)がブリスタ本体(1)に接近しつつある初期の場合に対応する。図3(b)~図3(c)は、ヘッダ(2)の推進面(2’)が、ブリスタ本体の面(6)に接触すると、ブリスタ本体(1)内の空気体積を流体出口チャネル(4)から離れるように移動させ、それにより流体出口チャネル(4)への気泡の注入を回避する様子を示す。
図3(d)に示すように、ヘッダ(2)が流体出口チャネルにおけるブリスタ本体(1)の底部に接触したときに、最大の液体体積量(1’)の吐出が生じる。本実施形態において、ヘッダ(2)は、流体出口チャネル(4)を閉塞する側において最大高さ(H)を有し、一方で反対方向における高さ(h)はより小さくなるような形状である。この時点(図3(d)参照)において、気泡は気体封入容積(1’)においてブリスタ本体(1)内に閉塞され、結果として、流体出口チャネル(4)を通した気泡の移動が生じない。
【0028】
図2図3に示す本発明の好適な実施形態において、相対角度(5)は、支持面(1’’’)に対して傾斜した推進面(2’)を有するようにヘッダ(2)を構成させることにより実現される。代替的に、ヘッダ(2)の推進面(2’)が平坦(支持面(1’’’)に平行)である一方で、傾斜したブリスタ面(6)を設計することも可能である。したがって、押圧方向(3)と支持面(1’’’)との間の相対角度(5)、すなわち、ヘッダ(2)の推進面(2’)とブリスタ本体(1)の主面(支持面(1’’’)または傾斜したブリスタ面(6)のいずれか)との間に画定される0°とは実質的に異なる角度の存在により、ブリスタ本体(1)内の気体封入容積(1’)が実現する。
【0029】
本発明に係るヘッダ(2)のさらなる実施形態が図4に示されており、ここで、P02のプッシャが、P03、P04、P05と称される代替的なプッシャ形状と比較される。例として、プッシャP03は平坦な推進面(2’)を呈するが、この場合、ブリスタ面(6)がヘッダ(2)に対して傾斜する。
【0030】
本発明の利点を検証するために、図2図4に示す様々なプッシャ形状(P02~P05)と図1の形状(P01と称される)との比較を行った。この目的で、気泡が注入される前に流体出口チャネル(4)を介して吐出される最大の液体体積量を測定した。各プッシャ形状について、空気の体積量も測定した。空気の体積量がより小さいほど、プッシャの性能はより良好である。この試験では、作動手段(7)を用いることにより、図5に示す機械装置をブリスタの作動に適用した。前記作動手段(7)は、好ましくは以下を備える。
ピストン(7’)、および回転カムシャフト(7’’’)に接続される有孔の渦状カム(7’’)を備える機械装置。渦状カム(7’’)は、貫通孔を備え、前記孔は、前記回転カムシャフト(7’’’)により交差される。
カムシャフト(7’’’)の回転を引き起こし、それによりピストン(7’)の変位をもたらすためにカムシャフト(7’’’)を作動するステッパモータ。ピストン(7’)は、カムシャフト(7’’’)の回転の方向、角度、および速度に応じてヘッダ(2)に押圧力を伝達する。カムシャフト(7’’’)は、モータにより与えられる特定のステップ数に対応する角度で回転する。モータコントローラにより、カムシャフト(7’’’)の所望の回転速度および回転方向を設定することが可能となる。カムシャフト(7’’’)が回転すると、その軸に配置された渦状カム(7’’)も回転する。それにより、ピストン(7’)がブリスタ本体(1)に向かって制御された態様で下方に移動する。好ましくは、ピストン(7’)が最大変位値に達した場合に、制限スイッチが作動し、カムシャフトの回転(7’’’)が停止する。
【0031】
図5はまた、ブリスタ本体(1)を含むブリスタホルダ(8)または支持部を示す。
【0032】
図2図4に提示されている5つのプッシャP02~P05の最適な設計を検討するために、ブリスタ本体(1)に押圧力を及ぼすためのヘッダ(2)(ここからはプッシャとも称される)の回転速度および角度に関する最適条件を明確にする必要がある。これは、これら2つの変数がブリスタ(1)におけるプッシャの変位に関連するためである。プッシャ性能に関連する条件を、50μlおよび100μlのブリスタ本体(1)において検討した。3回転毎分(rpm)から始めて21rpmまで、ブリスタ作動用装置の動作範囲内で様々な速度を試験した。プッシャP01(図1)が標準化のために用いられ、カムシャフト(7’’’)の回転角度を360°(最大ピストン変位、5mm)とした。
【0033】
図6(a)~図6(b)は、図5の実験装置によりP01ブリスタ(図1)を試験した後のブリスタ計測デバイス(9)の模式図を示す。マイクロ流体回路として機能するブリスタ計測デバイス(9)は、以下で詳述するように、カムシャフト(7’’’)の回転速度に対応した流体の放出量および空気注入量を数値化(定量化)するために用いられる。例として、ブリスタ計測デバイス(9)は、ブリスタホルダ(8)に配置されてよい。液体放出試験の間に、顕微鏡画像を取得した。それにより、画像解析によるブリスタ計測デバイス(9)の充填されたキャビティ(9’)またはチャンバおよびチャネル(9’’)のさらなる定量化が可能となる。このように、ブリスタ本体(1)はキャビティまたはブリスタ台座(9’’’)に配置され、図5における機械装置により前記ブリスタ本体(1)に押圧力が及ぼされる。
次いで、流体出口チャネル(4)をブリスタ計測デバイス(9)と流体的に接続することにより、ブリスタの本体(1)の圧潰中に流体出口チャネル(4)を通して吐出される液体および気泡の量を測定することが可能となる。可視化の目的で、染色された水がブリスタに充填されてよく、それにより、吐出された液体をブリスタ計測デバイス(9)のキャビティ(9’)およびチャネル(9’’)の顕微鏡画像で観察することが容易になる。なお、図6(b)に示す場合では、ブリスタ台座(9’’’)に最も近いチャンバにおいて気泡が検出されるので、空気のほとんどが試験の末期に吐出される。このように、最大量の液体を放出することを目的としたブリスタの完全な圧潰は、気泡も流体出口チャネル(4)を通してマイクロ流体回路に注入されるので、機能性の点で好ましくないことが分かる。
【0034】
カムシャフト回転速度に対応した液体および空気の吐出量(体積量)を数値化(定量化)した結果を、図7に示す。図7(a)は50μl、図7(b)は100μlの場合の結果をそれぞれ示している。両方の場合で、カムシャフト回転速度が12rpm~18rpmの間で変動するときに、マイクロ流体チャネルに注入される空気の量を最少とすることができる。
【0035】
また、(図5において説明するように)カムシャフト(7’’’)の回転角度により制御されるプッシャ変位に応じて吐出された液体および空気の体積量を検討することも重要である。100μl(図8(a))および200μl(図8(b))のブリスタについて、210°~330°の間の回転角度が検討される。図7の試験に関して、カムシャフト回転速度は15rpmに設定される。ブリスタの容積が増大することに伴い、ブリスタ本体の高さも増大する。ブリスタとプッシャとの間の初期の距離が一定に保たれる場合、ブリスタ容積が増大することに伴い、同じ変位を実現するためには、カムシャフト(7’’’)の回転角度をより小さくする必要がある。よって、各ブリスタ容積について選択される角度範囲は、わずかに修正されている。
【0036】
得られた結果から、ブリスタ容積100μlおよび200μlについてのマイクロ流体回路への空気の注入を回避するための(カムシャフト(7’’’)の回転角度により与えられる)最大のプッシャ変位を決定することが可能である。この変位は、それぞれ(240°における)3.3mmおよび(270°における)3.75mmに相当する。同様に、カムシャフト(7’’’)が固定角度(プッシャ変位を意味する)まで回転したら、手順の終了までプッシャを下側位置に保つことが好ましいことが示された。ヘッダ(2)(プッシャ)の押圧力が開放された場合、ブリスタ本体(1)の構造は、それを構成する材料の弾性に起因して、その元々の形状にごくわずかに戻る。これにより、ブリスタ本体(1)に向かっての不所望な逆流がわずかに生じる場合がある。
【0037】
図7図8に示すように、プッシャの機能性についての最適な条件(角度および回転速度)がP01プッシャについて得られると、図9にまとめたように、他のプッシャ形状P02~P05が同じ条件で試験される。選択されるカムシャフト回転速度は15rpmである。試験対象の各ブリスタ容積について選択される回転角度は、図7図8に係る事前試験において決定された最大値である。最悪の場合のシナリオにおいて、利用可能な最も大きい容積(200μl)を有するブリスタが用いられる。推進面(2’)および/または主面(6)の設計(プッシャとブリスタとの間の接触面積)は、気泡の吐出を回避するために重要である。(好適な実施形態P02としての)好適なプッシャ設計では、前記ブリスタが作動されたときに、全ての空気をブリスタ本体(1)内に格納することが可能である。
【0038】
ブリスタから取り出すことが可能な液体の総量を考えた場合、P01が最も効率が低い。さらに、P03、P04およびP05の形状では、流体出口チャネル(4)を介してマイクロ流体回路に注入される空気の量がより多くなる。このため、最適なプッシャ設計はP02であり、P02によれば、P01と比較して平均の液体吐出量を35μl増大させ、同時に付随する空気の注入を回避することが可能であった。
【0039】
P02と他の検討対象のプッシャ(P03、P04およびP05)との間の最も顕著な差異は、流体出口チャネル(4)のより近くにプッシャの最大高さ(H)(図3図4参照)を有する点であり、それにより、空気および液体を反対方向に押すことが可能となる。検証の目的で、このプッシャP02の形態は、一定の角度(α)を有するように設計されている。ただし、これは単に本発明の特定の実施形態であり、複数角度または自由形状のプッシャ推進面(2’)を含む、より複雑なトポロジも有効である。
【0040】
要約すると、従来技術のドーム形状プッシャの限界を克服するために、本発明は、新規なヘッダ(2)(プッシャ)設計を備える。特に、プッシャ形状P02が、気泡なしで吐出される液体(試薬)の量に関して有利である。図2に表示するように、プッシャ高さは、流体出口チャネル(4)に隣接する側において最大(H)であり、反対側において最小(h)である必要がある。ノッチは、プッシャがブリスタ本体(1)を押し潰し、液体がマイクロ流体回路に向かって流出しているときに、流体出口チャネル(4)が圧潰することを防止する。ノッチは、ブリスタ内に格納された液体体積量のほとんどが放出されるまで、流体出口チャネル(4)の圧潰を回避するために、加えてブリスタ本体(1)に向かっての流体の逆流を最小化するために有利である。
このように、ブリスタは、流体出口チャネル(4)が塞がれたときに完全に圧潰せず、それにより、ブリスタ本体(1)の一部分を、形成された気泡を格納するように構成することができる。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスタ開封システムであって、
前記ブリスタ開封システムは、
● 支持面(1’’’)の上に配置されるブリスタ本体(1)であって、前記ブリスタ本体(1)は、押圧力で圧潰可能であり、液体容積(1’)を格納するように構成されている、ブリスタ本体(1)と、
● 推進面(2’)を備えるヘッダ(2)であって、前記ヘッダ(2)は、前記ブリスタ本体(1)に対して相対移動可能であり、前記相対移動により、押圧方向(3)において前記推進面(2’)を介して前記ブリスタ本体(1)に対して押圧力を伝達するように構成されている、ヘッダ(2)と、
● 前記ブリスタ本体(1)に流体接続され、前記ヘッダ(2)により前記ブリスタ本体(1)に対して押圧力が及ぼされたときに前記液体容積(1’)が前記ブリスタ本体(1)から流体出口チャネル(4)に向かって流れることが可能であるように構成されている流体出口チャネル(4)と
を備え、

前記ブリスタ開封システムは、前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)が、少なくとも前記ヘッダ(2)と前記ブリスタ本体(1)との間の相対位置において、
前記押圧方向(3)および前記支持面(1’’’)が90°とは実質的に異なる相対角度(5)をなし、
前記ブリスタ本体(1)に対する前記推進面(2’)の押圧力が、前記ブリスタ本体(1)における気体封入容積(1’’)を形成し、前記気体封入容積(1’’)が、前記流体出口チャネル(4)に対して前記ブリスタ本体(1)の実質的に反対側に配置される
ように配置されていることを特徴とする、
ブリスタ開封システム。
【請求項2】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、前記ブリスタ本体(1)を押圧して、前記流体出口チャネル(4)を通して前記ブリスタ本体(1)内に格納されている前記液体容積(1’)の少なくとも80%を吐出するように構成されている、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項3】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、前記相対角度(5)の余角で前記支持面(1’’’)に対して実質的に傾斜している、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項4】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、前記支持面(1’’’)に実質的に平行である、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項5】
前記ブリスタ本体(1)は、前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)に接触するように構成されているブリスタ面(6)を備え、前記ブリスタ面(6)は、前記相対角度(5)の余角で前記支持面(1’’’)に対して実質的に傾斜している、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項6】
前記ヘッダ(2)は、プランジャまたはプッシャを備える、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項7】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、実質的に平坦である、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項8】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、1つまたは複数の窪みおよび/または凹部を備える、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項9】
前記ヘッダ(2)は、前記流体出口チャネル(4)に隣接して配置されているノッチ(2’’)、突出部または窪みを備える、
請求項1に記載のブリスタ開封システム。
【請求項10】
前記ヘッダ(2)の前記推進面(2’)は、少なくとも前記ヘッダ(2)が前記ブリスタ本体(1)に押圧力を及ぼす位置において、前記推進面(2’)が前記流体出口チャネル(4)を塞ぎ、一方で前記ブリスタ本体(1)の少なくとも一部分が前記気体封入容積(1’’)内の気体容積(1’)を格納するように構成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項11】
前記ヘッダ(2)は、少なくとも2つの位置の間で切り替え可能であるように構成され、第1の位置において、前記推進面(2’)は前記流体出口チャネル(4)を塞ぎ、第2の位置において、前記推進面(2’)は前記流体出口チャネル(4)を開いたままにする、
請求項10に記載のブリスタ開封システム。
【請求項12】
前記ブリスタ本体(1)を配置するためのブリスタ台座(9’’’)を少なくとも有するように構成されているホルダ(8)、および、作動手段(7)をさらに備え、

前記作動手段(7)は、
- ピストン(7’)、および回転カムシャフト(7’’’)に接続されている渦状カム(7’’)を備える機械装置と、
- 前記回転カムシャフト(7’’’)を作動し、それにより前記ピストン(7’)の変位を引き起こすためのステッパモータと
を備え、

前記ピストン(7’)は、カムシャフト(7’’’)の回転の方向、角度、および速度に応じて前記ヘッダ(2)に押圧力を伝達する、
請求項1からのいずれか一項に記載のブリスタ開封システム。
【請求項13】
以下の場合、すなわち、
前記ピストン(7’)が所定の最大移動量または所定の位置に達する場合、
前記ヘッダ(2)が前記ブリスタ本体(1)と接触する場合
のうちの1つにおいて、前記機械装置の回転を止めるように構成されているスイッチ
をさらに備える、
請求項12に記載のブリスタ開封システム。
【請求項14】
前記流体出口チャネル(4)に流体接続されているブリスタ計測デバイス(9)をさらに備え、前記ブリスタ計測デバイス(9)は、前記流体出口チャネル(4)を通して吐出される前記液体容積(1’)および気体容積を測定するように構成されている、
請求項12に記載のブリスタ開封システム。
【国際調査報告】