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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】高調波磁場駆動モーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/22 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H02K21/22 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506877
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2022113443
(87)【国際公開番号】W WO2023020597
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110955002.6
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524045297
【氏名又は名称】寧波恒帥股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO HENGSHUAI CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 399 Tongning Road, Jiangbei Industrial Zone, Ningbo, Zhejiang 315032, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 建民
(72)【発明者】
【氏名】賀 海亮
(72)【発明者】
【氏名】許 寧寧
(72)【発明者】
【氏名】劉 培海
【テーマコード(参考)】
5H621
【Fターム(参考)】
5H621GA04
5H621HH01
(57)【要約】
A、ステータ積層片にいくつかの歯溝が設けられ、溝数はZであり、B、ステータの円周360°機械空間で、所定の接続規律に従ってステータ巻線がm相に分けられ、C、巻線を有するステータユニット(2)が自由空間に個別に設けられ、何れか1相の巻線に直流定電流を流し、ステータの円周360°機械空間に形成される相巻線磁場の極対数はPmであり、D、各相巻線に含まれるパッケージ数はk=n×Pm(n=1、2、3…)であり、E、円周方向で、永久磁石体ロータ磁石鋼(13)はN極、S極という順序に従って順に配列され、ロータの円周360°機械空間に沿って、形成されるロータ磁石鋼の極対数はPrであり、F、ステータ及びロータの円周360°機械空間で、組み合わせた空間内にモーターエアギャプが形成される構造を含む高調波磁場駆動モーターであって、高調波磁場駆動モーターのロータ磁石鋼の極対数Prは、Pr=Z±Pmを満たさなければならず、高調波磁場駆動モーターのステータ溝数ZはZ=2×m×kである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A、ステータ積層片にいくつかの歯溝が設けられ、溝数はZであり、
B、ステータの円周360°機械空間で、所定の接続規律に従ってステータ巻線がm相に分けられ、
C、巻線を有するステータユニットが自由空間に個別に設けられ、何れか1相の巻線に直流定電流を流し、ステータの円周360°機械空間に形成される相巻線磁場の極対数はPmであり
D、各相巻線に含まれるパッケージ数はk=n×Pm(n=1、2、3…)であり、
E、円周方向で、永久磁石体ロータ磁石鋼はN極、S極という順序に従って順に配列され、ロータの円周360°機械空間に沿って、形成されるロータ磁石鋼の極対数はPrであり、
F、ステータ及びロータの円周360°機械空間で、組み合わせた空間内にモーターエアギャプが形成される構造を含む高調波磁場駆動モーターであって、前記高調波磁場駆動モーターのロータの磁極対数PrはPr=Z±Pmを満たさなければならず、高調波磁場駆動モーターのステータ溝数ZはZ=2×m×kであることを特徴とする高調波磁場駆動モーター。
【請求項2】
前記ステータ積層片の溝数Z=12であり、ロータ磁石鋼の極対数Pr=13であり、各相パッケージの極対数Pm=1であり、各相パッケージ数k=2であることを特徴とする請求項1に記載の高調波磁場駆動モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモーターに関わり、特に高調波磁場駆動モーターに関わっている。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギーを回転力学的エネルギーに変換する装置として、モーターは人々がより良い生活を追求するための不可欠の重要なデバイスになっている。永久磁石モーターは、体積が小さく、効率が高いなどの利点を備えるため、各業界に大幅に適用され、特に希土類永久磁石材料は高い磁気エネルギー積を具備するという著しい利点を備えるため、ブラシレスDCモーター(以下、BLDCと略称される)及び永久磁石同期モーター(以下、PMSMと略称される)の分野に大幅に適用され、モーターの主流をガイドする発展方向及び傾向になっている。希土類永久磁石材料は再生不能資源であるため、如何に材料の利用率を十分に向上するかということは、世界各国の主な研究テーマになっている。従って、従来のモーターに対して、出力パワーが同様である条件で、モーターの体積が小さくなり、相応的に、その重量も同期に低減し、モーター材料の使用コスト、特に希土類永久磁石材料のコストを明らかに節約でき、製品の競争優位性を大幅に向上する高調波磁場駆動モーターを設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術問題は、上記従来技術の欠陥に対して、体積が小さくなり、パワー密度を向上する高調波磁場駆動モーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記欠陥を解決するために、本発明が採用する技術的解決策は以下の通りである:高調波磁場駆動モーターであって、ロータユニット、ステータユニット、制御モジュール及びハーネスを含み、前記ハーネスと制御モジュールとは溶接によって接続され、制御モジュールは位置決め柱及び弾性固定係合子によって前記ステータユニットに固定され、ハーネスはステータユニットに設けられる径方向孔を通って軸方向孔から引き出され、ステータユニットに設けられる柱形軸受はロータユニットに対して支持及び位置決め作用を発揮し、高調波磁場駆動モーターが通電されると、ロータユニットは円周方向に沿って回転し、その主な構造は以下の通りである:
A.ステータ積層片にいくつかの歯溝が設けられ、溝数はZである;
B.ステータの円周360°機械空間で、所定の接続規律に従ってステータ巻線はm相に分けられる;
C.巻線を有するステータユニットは自由空間に個別に設けられ(モーターに組み立てられていない)、何れか1相の巻線に直流定電流を流し、ステータの円周360°機械空間に形成される相巻線磁場の極対数はPmである;
D.各相巻線に含まれるパッケージ数はk=n×Pm(n=1、2、3…)である;
E.円周方向で、永久磁石体ロータ磁石鋼はN極、S極という順序に従って順に配列され、ロータの円周360°機械空間に沿って、形成されるロータ磁石鋼の極対数はPrである;
F.ステータ及びロータの円周360°機械空間で、組み合わせた空間内にはモーターエアギャプが形成される。
【0005】
本発明の実施例は、ステータ溝数Z=12であり、ロータ磁石鋼の極対数Pr=13であり、各相パッケージの極対数Pm=1であり、 各相パッケージ数k=2であるように設計される。
【0006】
より具体的に、本発明の高調波磁場駆動モーターをさらに説明する:
高調波磁場駆動モーターの原理は以下の通りである:A.BLDCとして制御しても、それともPMSMとして制御しても、モーターのロータ回動の必要条件は、モーターエアギャプにおいてステータ巻線から生じた磁場の極対数がロータ永久磁石体の極対数に等しいことである;B.ステータ巻線が通電された後、モーターエアギャプには基本波起磁力が生じ、ステータ歯溝による透磁作用で、エアギャプ空間に沿って一連の高調波磁場が分布される;C.特定のエアギャプ高調波磁場の極対数が永久磁石体ロータの極対数Prに等しくなった場合、安定な電磁トルクを出力する。
【0007】
高調波磁場駆動モーターの原理を満たすために、以下の条件を満たさなければならない。
A.高調波磁場駆動モーターのロータ磁極対数PrはZ±Pm=Prを満たさなければならず、その具体的な表現は以下の通り:
1)アンペールの法則によれば、ΣH×L=W×I=Fであり、そのうち、Hは磁場強度であり、Lは磁路の長さであり、Wはコイル巻数であり、Iはコイル電流であり、Fは起磁力である。
2)モーター磁場閉回路において、主に強磁性物質によってモーターエアギャプと閉回路を形成するため、モーターアンペールの法則は、H(δ)×L(δ)+H(強磁性)×L(強磁性)=W×I=Fとして示され、強磁性物質において、H(強磁性)は非常に小さく、ほぼゼロに等しいため、H(δ)×L(δ)=W×I=Fである。
3)磁気誘導強度Bと磁場強度Hとの関係はB=μ×Hであり、そのうち、μは比透磁率である。
4)従って、F=WI=B(δ)×L(δ)/μ0であり、そのうち、μ0は空気比透磁率である。
5)モーターエアギャプ磁気誘導強度はB(δ)=F×μ0/L(δ)=F×Λ(δ)として示され、そのうち、Λ(δ)はモーターエアギャプ透磁率であり、エアギャプが小さいほど、透磁率が大きい。
6)起磁力Fのモーターエアギャプにおける空間分布は矩形波であり、フーリエ級数に基づいて、以下のように示される:
F(α)=(2/π)×F×[sin(Pm×α)+(1/3)×sin(3×Pm×α)+…+(1/n)×sin(n×Pm×α)]
そのうち、n=1、2、3...であり、αはエアギャプの円周方向に沿う機械空間の角度であり、このように、起磁力の基本波振幅が最も大きく、基本波起磁力の表現式は以下の通り:
F1(α)=(2/π)×F×sin(Pm×α)=(2×WI/π)×sin(Pm×α) 。
7)モーターエアギャプ歯透磁率Λδの空間分布は矩形波に近似し、フーリエ級数に基づいて以下のように示される:
Λδ(α)=Λ0+Λ1×cos(Z×α)+Λ2×cos(2×Z×α)+…+Λn×cos(n×Z×α)
そのうち、n=1、2、3...であり、基本波透磁率振幅が最も大きく、その表現式はΛδ1(α)=Λ0+Λ1×cos(Z×α)である。
8)ステータ歯透磁率による変調でステータ巻線基本波起磁力はモーターエアギャプにおいて、空間分布に沿って生じた磁気誘導強度の表現式はB(α)=F×Λ(δ)=(2×WI/π)×sin(Pm×α)×[Λ0+Λ1×cos(Z×α)]=Bm0×sin(Ps×α)+Bm1×sin(Pm×α)×cos(Z×α)であり、そのうち、Bm0=2×WI×Λ0/π、Bm1=2×WI×Λ1/πであり、三角関数定理であるsin(a)×cos(b)=[sin(a+b)+sin(a-b)]/2に従って、上記式を変更して、以下を取得する:
B(α)=Bm0×sin(Pm×α)+(Bm1/2)×sin[(Z+Pm)×α]+(Bm1/2)×sin[(Z-Pm)×α]
上記式から分かるように、ステータ相巻線が通電されることで、生じた基本波起磁力はモーターエアギャプにおいて、以下の3つの磁場を生成する:
a.極対数がPmである基本波起磁力磁場であって、当該磁場の性質は、ステータには溝が開けられていないため、形成される磁場に相当する;
b.極対数が(Z+Pm)である歯高調波透磁率磁場であって、当該磁場の性質は、基本波起磁力がステータ歯溝によって変調された後、形成される磁場に相当する;
c.極対数が(Z-Pm)である歯高調波透磁率磁場であって、当該磁場の性質は、基本波起磁力がステータ歯溝によって変調された後、形成される磁場に相当する。
9)高調波磁場駆動モーターのロータ磁極対数Prの選択について:
a.モーター運転の基本原理に基づいて、ロータ磁極対数とステータコイルに形成される磁極対数とが等しい場合に限り、モーターは安定な電磁トルクを出力する;
b.上記原理に基づいて、高調波磁場駆動モーターのロータ磁極対数Prは、Z+Pm=Pr又はZ-Pm=Prを満たさなければならない。
【0008】
B.高調波磁場駆動モーターのステータ溝数Zの選択は2×m×k=Zであり、具体的に、以下のように表現する:
各パッケージは、上下の2つのアクティブエッジを有し、各相巻線はk個のパッケージを含み、モーターはm相に分けられると、モーターのステータ溝数Zは2×k×m=Zを満たさなければならない。
【0009】
C.高調波磁場駆動モーターの各相パッケージ数kと、各相パッケージに形成される磁極対数Pmとの関係は、k=n×Pmであり、そのうち、n=1、2、3…であり、具体的に、以下のように表現する:
電磁場原理から分かるように、1つのパッケージは1つの対極磁場のみを形成できるため、パッケージ数k≧パッケージ磁極極対数Pmである。モーターエアギャプ円周360°機械空間で、エアギャプ磁場振幅が対称であるという原則を考えると、1つの対極を形成するパッケージ数は1,2,3,…であり、2つの対極を形成するパッケージ数は2,4,6,…であり、3つの対極を形成するパッケージ数は3,6,9,…であり、Pm個の対極を形成するパッケージ数はk=n×Pmであり、そのうち、n=1、2、3…である。
【0010】
原理条件に基づいて、三相(m=3)巻線構造を採用する場合、高調波磁場駆動モーターのステータ溝数/ロータ磁石鋼の極対数/各相パッケージ数の組み合わせについて、以下のテーブルを参照すればよい。
【0011】
【0012】
高調波磁場駆動モーターの制御方式について:BLDC制御方式及びPMSM制御方式に適用され、BLDCは方形波電圧(電流)駆動方式であり、PMSMは正弦波電圧(電流)駆動方式である。
【0013】
高調波磁場駆動モーターがパワー密度を向上する原理について:
A.永久磁石モーターの基本的な評価指標:モーターは回転機械装置として、その振動騒音の発生は不可避であり、モーター歯溝トルクリップルはモーターの振動騒音を起こす重要な原因であり、従って、モーターの振動騒音が合理的な範囲内にあることを保証するために、モーターはパワー密度(W/L)を極限まで追求するとともに、歯溝トルクリップルを低減しなければならず、そうすれば、パワー密度の向上は実際意味を具備する;
B.永久磁石モーターのパワー密度を向上するための主な方法について:a.モーター磁路を最適化する:その向上効果が有限である;b.より高い磁気エネルギー積を有する永久磁石材料を使用する:製造コストが明らかに高くなる;c.モーターステータとロータとの間のエアギャプ値を小さくする:基本的に、エアギャプ磁場振幅がエアギャプ値に反比例するため、向上効果が著しい;
C.モーターエアギャプ値の、モーター歯溝トルクリップルへの悪影響を低減する:歯溝トルク振幅がエアギャプ磁場振幅の平方に正比例するため、モーターエアギャプ値を小さくすると、モーターの歯溝トルクリップルが明らかに増えて、モーターの振動騒音も明らかに増える;
D.モーターの歯溝トルクリップル振幅を低減するための効果的な方法:
a.固定のモーターエアギャプ値を維持する条件で、 理論的研究によると、モーターの歯溝トルクリップルを低減するための効果的な方法は、モーターの歯溝トルクリプル周期数(ロータが1周回転するごとに、歯溝トルクリップルの周期数)を増やすことであり、リップル周期数は、ステータ溝数とロータ極数との最小公倍数に等しい;
b. 同様なステータ溝数の条件で、高調波磁場駆動モーターと従来のモーターとのリップル周期数の比較について、以下のテーブルを参照すればよい:
【0014】
比較結果から分かるように、ステータ溝数が同様である場合、従来の永久磁石モーターに対して、高調波磁場駆動モーターの歯溝トルクリプル周期数が大幅に増える。
【0015】
好ましくは、前記ロータ積層片に設けられる内弧面、あり溝左斜面及びあり溝右斜面と、磁石鋼に設けられる外弧面、左斜面及び右斜面とはそれぞれ係合するように、磁石鋼の径方向及び円周方向の位置決めを行って、磁石鋼の位置決め精度を向上して、高調波磁場駆動モーターの運転の安定性を向上する。
【0016】
好ましくは、前記ステータユニットのモーター軸には径方向孔及び軸方向孔が設けられることで、ハーネスは径方向孔を通って、軸方向孔から貫通し、ハーネスの引き出しを実現する。
【0017】
好ましくは、前記ステータユニットには弾性固定係合子及び位置決め柱が設けられことで、制御モジュールの位置決め精度を向上して、その固定がより堅牢且つ確実になる。
【0018】
さらに、前記ロータユニットの磁石鋼とハウジングとはロータ積層片及びあり溝の構造で位置決めされず、表面実装の方式で接続され、磁石鋼の接着過程は補助工具を使用して位置決めし、磁石鋼に対して同等の位置決め効果を発揮すればよい。
【0019】
さらに、前記磁石鋼について、その加工過程の便利さを配慮して、1本の磁石鋼を複数段の構造に分けて、本特許の高調波磁場駆動モーターの性能及び効果に影響することがない。
【0020】
さらに、異なる用途に基づいて、前記高調波磁場駆動モーターは外ステータ+内ロータの構造に設計され、同じように、本特許の実施例の外ロータ+内ステータの構造と同等の性能及び効果を達成できる。
【0021】
さらに、前記高調波磁場駆動モーターは外ステータ+内ロータの構造に設計され、前記ロータユニットの磁石鋼の接着方式に対して表面実装方式又は表面埋込方式を採用してもよく、同じように、同等の性能及び効果を達成できる。
【0022】
さらに、前記高調波磁場駆動モーターは外ステータ+内ロータの構造に設計され、PMSM制御方式を採用し、前記ロータユニットの磁石鋼は内埋込方式を使用し、同じように、同等の性能及び効果を達成できる。
【発明の効果】
【0023】
従来技術に比べると、本発明の利点は以下の通り、高調波磁場駆動モーターは所定のステータの溝数とロータ磁石鋼の極数との組み合わせによって、歯溝トルクリプル周期数を大幅に向上し、高調波磁場駆動モーターのエアギャプ値を小さくするとともに、高調波磁場駆動モーターの歯溝トルクリップル振幅を維持し又は低減でき、所定のステータ巻線方式で、ステータから生じた高調波磁場の極対数がロータ磁石鋼の極対数に等しくなり、安定な電磁トルク出力を形成し、小さな高調波磁場駆動モーターのエアギャプ設計を採用することで、エアギャプの磁場強度を大幅に向上し、高調波磁場駆動モーターの出力パワーが正比例的に高まって、高調波磁場駆動モーターのパワー密度も同期に正比例的に高まっている。従来のモーターに比べると、出力パワーが同様である条件で、高調波磁場駆動モーターの体積が半分以上小さくなり、相応的に、その重量も半分以上低減し、モーター材料の使用コスト、特に希土類永久磁石材料のコストを明らかに節約でき、製品の市場における競争優位性を大幅に向上する。当該高調波磁場駆動モーター構造は従来のBLDC及びPMSMモーター制御モジュールに合わせることができ、その制御は強い汎用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例の高調波磁場駆動モーターの斜視図である。
図2】本発明の実施例の高調波磁場駆動モーターの分解模式図である。
図3】本発明の実施例の高調波磁場駆動モーターの構造模式図である。
図4図3におけるA-A断面図の局所図面である。
図5図4におけるFの局所拡大図である。
図6】本発明の実施例のロータユニットの分解模式図である。
図7図6におけるWの局部回転拡大図である。
図8】本発明の実施例の磁石鋼の斜視図である。
図9】本発明の実施例のステータユニットの分解模式図である。
図10】本発明の実施例のモーター軸の断面図である。
図11】本発明の別の実施例の高調波磁場駆動モーターのロータが外部に設けられる構造模式図である。
図12】本発明の別の実施例の高調波磁場駆動モーターのロータが内部に設けられる構造模式図である。
図13】本発明の別の実施例の高調波磁場駆動モーターのロータが内部に設けられる構造模式図である。
図14】本発明の別の実施例の高調波磁場駆動モーターのロータが内部に設けられる構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面及び実施例を結合して本発明をさらに記載する。
【0026】
図1、2に示すように、高調波磁場駆動モーターはロータユニット1、ステータユニット2、制御モジュール3及びハーネス4を含む。高調波磁場駆動モーターが通電されて動作する時、ロータユニット1の回転によってトルクを出力し、電気エネルギーから力学的エネルギーへの変換を実現する。
【0027】
図3図10に示すように、前記ロータユニット1はハウジング11及び磁石鋼13から構成される。
【0028】
前記ロータ積層片12は接着剤によってハウジング11の内周面に接着される。
【0029】
前記ロータ積層片12の内周には26枚の磁石鋼(13個の対極)が均一に配置される。
【0030】
上記ロータ積層片12に設けられる内弧面1201、あり溝左斜面1202及びあり溝右斜面1203と、磁石鋼13に設けられる外弧面1301、左斜面1302及び右斜面1303とはそれぞれ係合して、磁石鋼13の径方向及び円周方向の位置決めを行って、接着剤によってN極、S極に従って交互に配列されて分布されるように、ロータ積層片12のあり溝内に接着され、これによって、高調波磁場駆動モーターの運転の安定性を向上する。
【0031】
前記ステータユニット2の積層片の外周には12個の歯溝が均一に配置され、各相パッケージの極対数は1であり、各相パッケージ数は2である。
【0032】
前記ステータユニット2の積層片の外周とロータユニット1の磁石鋼13とは高調波磁場駆動モーターエアギャプLを形成する。
【0033】
前記ハーネス4と前記制御モジュール3とは溶接によって接続される。
【0034】
前記ステータユニット2に設けられる弾性固定係合子212及び位置決め柱213によって制御モジュール3を位置決めして固定することで、制御モジュール3の固定がより堅牢且つ確実になる。
【0035】
前記ステータユニット2のモーター軸211には径方向孔2111及び軸方向孔2112が設けられることで、ハーネス4が径方向孔2111を通って軸方向孔2112から貫通し、ハーネス4の引き出しを実現する。
【0036】
前記ステータユニット2に設けられる柱形軸受23、28は前記ロータユニット1のハウジング11に固定され、ロータユニット1に対して支持及び位置決めの作用を発揮し、高調波磁場駆動モーターが通電されて動作する時、ロータユニットは円周方向に回転できる。
【0037】
前記ステータユニット2に設けられる位置制限リング25、26は柱形軸受23、28をそれぞれ固定して、ロータユニット1の軸方向位置制限を実現し、設けられる耐摩耗性ガスケット24、27は摩擦力低減の作用を発揮する。
【0038】
図11に示すように、前記ロータユニットの磁石鋼N、Sとハウジング111とはロータ積層片のあり溝によって位置決めされず、表面実装方式で接続され、磁石鋼に対して同等の位置決め効果を実現できる。
【0039】
図12及び図13に示すように、前記高調波磁場駆動モーターは外ステータ+内ロータの構造に設計され、前記ロータユニットの磁石鋼N、Sの接着方式について、表面実装方式又は表面埋込方式でロータ積層片222に接続され、同等の性能及び効果を達成できる。
【0040】
図14に示すように、前記高調波磁場駆動モーターは外ステータ+内ロータの構造に設計され、PMSM制御方式を採用し、前記ロータユニットの磁石鋼N、Sは内埋込方式を使用し、同じように、同等の性能及び効果を達成できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】