(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-22
(54)【発明の名称】人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20240712BHJP
A61M 11/02 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
A61M16/00 375
A61M11/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553304
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 KR2022004025
(87)【国際公開番号】W WO2022231134
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0053453
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514120807
【氏名又は名称】ボディテックメド インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BODITECHMED. INC
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ドゥヨン
(57)【要約】
本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、第1空気を排出する空気清浄装置(1)と、第1空気を検知して検知信号を発生させる吸気呼吸検知器(10)と、第1空気の温度と湿度を調節した第2空気を排出する加温加湿装置(3)と、検知信号が入力されるときにのみ作動して第2空気に薬物を微粒子状に噴霧する薬物微粒子生成装置(30)と、一方側がT管(20)に接続され、他方側がマスク又はマウスピースに接続されたY管(5)と、一方側がY管(5)に接続され、他方側が空気清浄装置(1)に接続されて吸気呼吸空気が流れるようにするリターンチューブ(6)と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素濃度、圧力及び速度が設定された第1空気を排出する空気清浄装置(1)と、
前記空気清浄装置(1)に接続され、前記第1空気を検知して検知信号を発生させる吸気呼吸検知器(10)と、
前記吸気呼吸検知器(10)に接続され、前記第1空気が移動するようにする第1チューブ(2)と、
前記第1チューブ(2)に接続され、前記第1空気の温度と湿度を調節して第2空気を生成し、前記第2空気を排出する加温加湿装置(3)と、
前記加温加湿装置(3)に接続され、前記第2空気が移動するようにする第2チューブ(4)と、
直管(22)の一方側に分岐管(24)が形成され、前記第2チューブ(4)に前記直管(22)が接続されて前記第2空気を通過させるT管(20)と、
前記分岐管(24)に設置され、前記検知信号が入力されるときにのみ作動して前記第2空気に薬物を微粒子状に噴霧する薬物微粒子生成装置(30)と、
一方側が前記T管(20)に接続され、他方側がマスク又はマウスピースに接続されたY管(5)と、
一方側が前記Y管(5)に接続され、他方側が前記空気清浄装置(1)に接続されて呼気呼吸空気が流れるようにするリターンチューブ(6)と、を含む、人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置。
【請求項2】
前記検知信号が、
1)患者の胸部に胸部センサが設置され、患者の胸部が拡張するときを検出するもの、
2)患者が呼吸するときに発生する特定の脳波信号であるもの、
3)マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気流れを検出するもの、
4)マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気圧力を検出するもの、及び
5)マスク又はマウスピースに設置され、呼気呼吸の場合に空気温度を検出するもののうちのいずれかに置き換えられることを特徴とする、請求項1に記載の人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置。
【請求項3】
前記薬物微粒子生成装置(30)は、
前記分岐管(24)に組み立てられる挿管(32)と、
前記挿管(32)の上部に配置され、薬物を微粒子状に生成させる微粒子生成素子(34)と、
前記微粒子生成素子(34)の上部に配置され、薬物が貯蔵される薬筒(36)と、
前記薬筒(36)に被せられたカバー(40)と、
前記カバー(40)に設置され、伸縮性を有するパッキン(52)が配置されたパッキンクロージャ(50)と、を含み、
注射針を前記パッキン(52)に刺して前記薬筒(36)に薬物を注入するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工呼吸器で処理された空気にエアロゾル状態の薬物を含むようにし、患者が吸気呼吸するときに薬物が気道を経て肺器官まで伝達できるようにする人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自発呼吸が困難な患者は、人工呼吸器に頼って呼吸する。また、医師の判断に基づいて薬物を処方することができ、その薬物は人工呼吸器からの処理済みの空気に含まれるようにして患者に提供することができる。薬物は、患者の体の状態に応じて様々であり、例えば肺機能が悪い場合には、肺が機能するのを助ける薬物であり得る。
【0003】
一般的な人工呼吸器の構成は、
図1を参照して説明する。
図1は、人工呼吸器の構成を説明するための図である。
【0004】
一般的な人工呼吸器は、空気清浄装置1、第1チューブ2、加温加湿装置3、第2チューブ4、Y管5、及びリターンチューブ6を含んで構成される。
【0005】
空気清浄装置1は、空気を清浄にし、適切な酸素濃度を調節し、圧力と速度を設定する。
【0006】
第1空気は、前記空気清浄装置1で処理されて排出されることにより、第1チューブ2に沿って加温加湿装置3に到達する。
【0007】
加温加湿装置3は、前記第1空気に湿度を高め、加熱して温度を高める。温度は、一般的に体温に似た温度、例えば摂氏36度~37度に設定することができる。
【0008】
加温加湿装置3で処理された第2空気は、第2チューブ4に沿ってY管5に到達する。
【0009】
前記Y管5は、第2空気が流入する流入口、マスク又はマウスピースに連結される出入口、及び呼気空気が排出される排気口が形成される。
【0010】
Y管5は、吸気と呼吸によって空気の流れが変わりうる。例えば、患者が吸気呼吸するときは、第2空気が流入口を通過して出入口へ流れ得る。Y管5は、患者が呼気呼吸するときは出入口から排気口へ空気流れが形成される。
【0011】
Y管5の排気口にリターンチューブ6が接続され、前記リターンチューブ6は前記空気清浄装置1に接続され、空気清浄装置1は呼気呼吸の空気を処理する。
【0012】
一方で、前記患者の状態に応じて薬物を処方することができ、その薬物を投薬するために、一般に加温加湿装置3と第2チューブ4との間にT管を挿入し、そのT管に薬物を注入している。
【0013】
このT管は、ジェット方式で薬物をエアロゾル状態に変換することができるが、このようなジェット方式は、空気流れが速いときに圧力が低くなると、低い圧力は薬物を吸い込み、その後ジェット気流で薬物を微粒子状に生成するのである。
【0014】
しかし、従来使用するジェット方式は、処理された第1空気又は処理された第2空気の物理的性質を変化させることができる。ジェット方式を用いるためには、外部から高圧の空気をさらに供給しなければならないが、この過程で酸素濃度が低くなり、空気の圧力が高くなるか或いは空気の流速が速くなるという問題がある。
【0015】
特に、患者の肺機能に合わせて酸素濃度を設定したにも拘らず、実際に患者に提供される空気には酸素濃度が低いため、酸素不足現象で深刻な問題を引き起こす可能性がある。
【0016】
一方で、患者に提供される空気の圧力が高いか速度が速いと、呼吸が不便であり、自然な呼吸ができないという問題がある。
【0017】
他方で、従来は、T管に薬物を投入し、第2空気が過ぎながら薬物をエアロゾル状態で含ませるが、これにより、患者の呼吸状態に関係なく薬物を消費し続けるという問題がある。特に患者が呼気呼吸するときは、薬物が患者の肺器官に到達せずにすぐに排出されて薬物を無駄にするという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1301163号明細書
【特許文献2】韓国公開特許第10-2021-0018306号明細書
【特許文献3】韓国公開特許第10-2020-0026879号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
そこで、本発明の目的は、人工呼吸器に頼る患者に肺器官機能を助けるために薬物を投与するとき、患者の呼吸が吸気である場合に薬物を正確に噴霧することができるようにし、処理された第1、第2空気の酸素濃度、圧力、速度などの物理的性質が保たれるようにする人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するための本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、酸素濃度、圧力及び速度が設定された第1空気を排出する空気清浄装置1と、前記空気清浄装置1に接続され、前記第1空気を検知して検知信号を発生させる吸気呼吸検知器10と、前記吸気呼吸検知器10に接続され、前記第1空気が移動するようにする第1チューブ2と、前記第1チューブ2に接続され、前記第1空気の温度と湿度を調節して第2空気を生成し、前記第2空気を排出する加温加湿装置3と、前記加温加湿装置3に接続され、前記第2空気が移動するようにする第2チューブ4と、前記直管22の一方側に分岐管24が形成され、前記第2チューブ4に前記直管22が接続されて前記第2空気を通過させるT管20と、前記分岐管24に設置され、前記検知信号が入力されるときにのみ作動して前記第2空気に薬物を微粒子状に噴霧する薬物微粒子生成装置30と、一方側が前記T管20に接続され、他方側がマスク又はマウスピースに接続されたY管5と、一方側が前記Y管5に接続され、他方側が前記空気清浄装置1に接続されて呼気呼吸空気が流れるようにするリターンチューブ6と、を含む。
【0021】
また、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、前記検知信号が、1)患者の胸部に胸部センサが設置され、患者の胸部が拡張するときを検出するもの、2)患者が呼吸するときに発生する特定の脳波信号であるもの、3)マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気流れを検出するもの、4)マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気圧力を検出するもの、及び5)マスク又はマウスピースに設置され、呼気呼吸の場合に空気温度を検出するもののうちのいずれかに置き換えられてもよい。
【0022】
また、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置の前記薬物微粒子生成装置30は、前記分岐管24に組み立てられる挿管32と、前記挿管32の上部に配置され、薬物を微粒子状に生成させる微粒子生成素子34と、前記微粒子生成素子34の上部に配置され、薬物が貯蔵される薬筒36と、前記薬筒36に被せられたカバー40と、前記カバー40に設置され、伸縮性を有するパッキン52が配置されたパッキンクロージャ50と、を含み、注射針を前記パッキン52に刺して前記薬筒36へ薬物を注入するようにしてもよい。
【0023】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0024】
上述したように構成された本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、Y管の入口に薬物微粒子生成装置を配置し、薬物微粒子生成装置は、超音波振動のため薬物を微粒子として生成させるようにすることにより、エアロゾル状態の薬物が生成された位置からマスク又はマウスピースまでの距離を最大限短く構成することができ、空気清浄装置と加温加湿装置から処理された第1、第2空気の酸素濃度、圧力、速度を維持することができるため、患者はより自然に呼吸することができる。
【0025】
また、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、吸気呼吸検知器から生成された信号に応じて薬物微粒子生成装置を作動させることにより、薬物が消費される時点に正確に噴霧することができ、これにより薬物の無駄を著しく低減することができる。
【0026】
また、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、薬筒内部露出を最小限に抑えるか、或いは薬筒内部露出を根本的に遮断することができ、これにより薬筒の汚染を防止することができる。さらに、患者は、より清潔な環境で生活できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】人工呼吸器の構成を説明するための図である。
【
図2】本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置を説明するための図である。
【
図3】本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置の主要構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の利点、特徴、及びそれらの達成方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照することにより明らかになるであろう。
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なるように様々に変形実施できることが理解されるべきであろう。ただし、本発明を説明しながら、関連する公知の機能又は構成要素についての詳細な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断された場合、その詳細な説明及び具体的な図示を省略する。また、添付図面は、発明の理解を助けるために、実際の縮尺で図示せず、一部の構成要素の大きさを誇張して図示することもある。
【0030】
一方、「第1」、「第2」などの用語は、様々な構成要素を説明するのに使用できるが、それらの構成要素はそれらの用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなく、第1の構成要素を第2の構成要素と命名でき、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名できる。
【0031】
他方、後述する用語は、本発明での機能を考慮して設定された用語であり、これは、生産者の意図または慣例に応じて変わり得るので、その定義は、本明細書全体にわたった内容に基づいて行われるべきである。
【0032】
明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。
【0033】
以下、
図2及び
図3を参照して、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置について説明する。
図2は本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置を説明するための図である。
図3は本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置の主要構成を説明するための図である。
【0034】
本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、吸気呼吸検知器10、T管20、カバー40及びパッキンクロージャ50を含んで構成することができる。
【0035】
空気清浄装置1は、酸素濃度、圧力及び速度が設定された第1空気を排出する。酸素濃度は、患者の肺機能能力に応じて設定することができ、例えば、肺機能が正常人の半分レベルであれば、酸素濃度は約40%に設定することができる。
【0036】
吸気呼吸検知器10は、前記空気清浄装置1に接続でき、前記第1空気が吸気呼吸検知器10から排出されるとき、前記第1空気を検知して検知信号を発生させることができる。
【0037】
第1チューブ2は、前記吸気呼吸検知器10に接続され、前記第1空気が移動するようにする。
【0038】
加温加湿装置3は、前記第1チューブ2に接続され、前記第1空気の温度と湿度を調節して第2空気を生成することができ、前記第2空気を排出する。
【0039】
前記第2チューブ4は、前記加温加湿装置3に接続され、前記第2空気が移動するようにする。
【0040】
T管20は、前記直管22の一方側に分岐管24が形成され、前記第2チューブ4に前記直管22が接続されて前記第2空気を通過させることができる。
【0041】
前記薬物微粒子生成装置30は、前記分岐管24に設置され、前記検知信号が入力されるときにのみ作動して前記第2空気に薬物を微粒子状に噴霧することができる。
【0042】
Y管5は、一方側が前記T管20に接続され、他方側がマスク又はマウスピースに接続されてもよい。
【0043】
リターンチューブ6は、一方側が前記Y管5に接続され、他方側が前記空気清浄装置1に接続されて呼気呼吸空気が流れるようにする。
【0044】
上述したように構成された本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、Y管5の入口に薬物微粒子生成装置30を配置し、薬物微粒子生成装置30は、超音波振動のために薬物を微粒子として生成させるようにすることにより、エアロゾル状態の薬物が生成された位置からマスク又はマウスピースまでの距離を最大限短く構成することができる。すなわち、微粒子状の薬物が移動する経路が非常に短いものであって、薬物を少量微粒子に状態変化させても薬物効果を良好に期待することができる。
【0045】
また、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、外部の空気をさらに投入しないようにすることにより、空気清浄装置と加温加湿装置から処理された第1、第2空気の酸素濃度、圧力、速度を維持することができ、これにより、患者はより自然に呼吸することができる。
【0046】
また、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、吸気呼吸検知器から生成された信号に応じて薬物微粒子生成装置を作動させることにより、薬物が消費される時点に正確に噴霧することができ、これにより薬物の浪費を著しく低減することができる。
【0047】
本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置では、薬物微粒子生成装置30を作動させるための検知信号は、空気清浄機1から排出される第1空気を検出すること以外にも、以下に提示したように多様化することができる。
【0048】
1)前記検知信号は、患者の胸部に胸部センサが設置され、患者の胸部が拡張するときを検出するものであり得る。患者が呼吸するとき、胸が上がってから下がることが繰り返し行われるが、そのような動きを検知して検知信号として用いることができる。
【0049】
2)前記検知信号は、患者が呼吸するときに発生する特定の脳波信号であり得る。肺器官が動作するときに脳で特定の脳波が生成されるが、その脳波を検出して検知信号として用いることができる。
【0050】
3)前記検知信号は、マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気流れを検出することができる。吸気と呼気は空気流れの方向に差異があり、このような差異を検出して検知信号として用いることができる。
【0051】
4)前記検知信号は、マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気圧力を検出することができる。吸気呼吸時の圧力と呼気呼吸時の圧力との間には差異があり、そのような差異を検出して検知信号として用いることができる。
【0052】
5)前記検知信号は、マスク又はマウスピースに設置され、吸気呼吸の場合に空気温度を検出することができる。吸気時の温度と呼気時の温度との間には差異があり、そのような差異を検出して検知信号として用いることができる。
【0053】
すなわち、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、吸気呼吸検知器10で発生させる検知信号を、前述した様々な例示の1つに置き換えることができ、或いは前述した様々な例示の全てを適用していずれか一つの検知信号が発生すると、薬物微粒子生成装置を作動させることができる。
【0054】
前記薬物微粒子生成装置30は、
図3に示すように、挿管32、微粒子生成素子34、薬筒36、カバー40及びパッキンクロージャ50を含んで構成することができる。
【0055】
前記挿管32は、前記分岐管24に組み立てられてもよい。
【0056】
前記微粒子生成素子34は、前記挿管32の上部に配置でき、薬物を微粒子状に生成させることができ、例えば超音波振動を用いて薬物の状態を微粒子状に変化させることができ、このような技術は、公知の技術を利用するものであって、より詳細な説明は省略する。
【0057】
薬筒36は、前記微粒子生成素子34の上部に配置されて薬物が貯蔵される。
【0058】
カバー40は、前記薬筒36に被せられ、これにより、薬筒36に貯蔵された薬物が外部に露出しないようにする。
【0059】
前記パッキンクロージャ50は、前記カバー40に設置でき、伸縮性を有するパッキン52が配置できる。より詳細には、前記パッキン52は軟質ゴムで形成でき、これにより、注射針を刺すと、注射針がパッキン52を貫通して入ることができ、注射針を抜き出すと、注射針の刺され跡がパッキン52の自体伸縮性のために直ちに埋められる。これにより、前記薬筒36は外部から常に断絶できる。
【0060】
すなわち、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、注射針を前記パッキン52に刺して前記薬筒36に薬物を注入することができる。
【0061】
これにより、本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、薬筒36の内部露出を根本的に遮断することができ、これにより薬筒の汚染を防止することができ、患者は、より清潔な環境で生活することができる。
【0062】
また、薬筒36の内部露出を防止することにより、人工呼吸器の回路全体区間、特に空気清浄装置1からマスク又はマウスピースまで接続されたチューブ全区間が外部に露出することを厳しく防止することができる。
【0063】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の属する技術分野における当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解することができるだろう。
【0064】
したがって、以上で説明した実施形態は、すべての面で例示であり、限定的なものではないと理解されるべきであり、本発明の範囲は、後述する請求の範囲によって示され、請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導出される全ての変更又は変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の実施形態による人工呼吸器用薬物エアロゾル供給装置は、患者に人工呼吸器から処理済みの空気を提供するとき、処理された空気に薬物をエアロゾル状態で含むようにすることに利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 空気清浄装置
2、4、6 第1、第2、第3チューブ
3 加温加湿装置
5 Y管
10 吸気呼吸検知器
20 T管
22 直管
24 分岐管
30 薬物微粒子生成装置
32 挿管
34 微粒子生成素子
36 薬筒
40 カバー
50 パッキンクロージャ
52 パッキン
【国際調査報告】