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特表2024-5271823次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法及びそのためのコンピューティング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-22
(54)【発明の名称】3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法及びそのためのコンピューティング装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 15/04 20110101AFI20240712BHJP
   G06T 7/521 20170101ALI20240712BHJP
   G06T 7/593 20170101ALI20240712BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20240712BHJP
   G06V 20/64 20220101ALI20240712BHJP
   G06V 10/56 20220101ALI20240712BHJP
   G06V 10/54 20220101ALI20240712BHJP
   G06T 17/20 20060101ALI20240712BHJP
   G06T 11/00 20060101ALI20240712BHJP
   H04N 1/62 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G06T15/04
G06T7/521
G06T7/593
G06T7/90 D
G06V20/64
G06V10/56
G06V10/54
G06T17/20
G06T11/00 110
H04N1/62
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571767
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 KR2022018576
(87)【国際公開番号】W WO2023128289
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193901
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519025987
【氏名又は名称】スリーアイ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】3I INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ケン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジ ウク
(72)【発明者】
【氏名】フダイベルガノブ、パルホド ルスタム ウクリ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミハイル
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096AA09
5L096CA05
5L096DA02
5L096EA22
5L096EA33
5L096FA46
5L096GA40
(57)【要約】
本出願の一つの技術的な側面による3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法は、室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-に基づいて3次元仮想モデルを生成するコンピューティング装置において行うことが可能な方法であって、前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成するステップと、前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップと、前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別するステップ、及び前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定するステップを含んでいてもよい。
【選択図】図2



【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-に基づいて3次元仮想モデルを生成するコンピューティング装置において行うことが可能な方法であって、
前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成するステップと、
前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップと、
前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別するステップと、
前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定するステップと、
を含む、
3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項2】
前記3次元メッシュモデルを生成するステップは、
前記複数の撮影地点を複数の3次元基準座標として設定するステップと、
前記複数の撮影地点において生成された前記色相画像のデータ及び前記深度画像のデータを前記3次元基準座標に反映して3次元空間に設定された複数のポイントを含むポイントクラウドデータを生成するステップと、
前記複数のポイントのうちから少なくとも一部を選定して複数のバーテックスを設定するステップと、
を含む、請求項1に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項3】
前記複数のバーテックスは、前記3次元メッシュモデルを構成し、
それぞれのバーテックスは、
それと関連付けられた色相画像のデータに基づいて設定される色相データを含む、請求項2に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項4】
前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップは、
各フェイスに対して、それと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して複数の重み付け値要素を算定し、算定された複数の重み付け値要素に基づいて前記連関性を決定していずれか一枚の色相画像を選別するステップと、
選別されたいずれか一枚の色相画像のうち、当該フェイスに対応するローカル領域を当該フェイスにマッピングしてテキスチャーリングを行うステップと、
を含む、請求項1に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項5】
前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップは、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該フェイスに対する方向ベクトルに基づいて方向性の連関性に対する第1の重み付け値要素を算定するステップと、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該色相画像の解像度に対する第2の重み付け値要素を算定するステップと、
前記第1の重み付け値要素及び前記第2の重み付け値要素に基づいて前記連関性を計算するステップと、
一番高い連関性を有する一枚の色相画像を選別するステップと、
を含む、請求項4に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項6】
前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップは、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該フェイスに対する方向ベクトルに基づいて方向性の連関性に対する第1の重み付け値要素を算定するステップと、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、カラーノイズに基づく第3の重み付け値要素を算定するステップと、
前記第1の重み付け値要素及び前記第3の重み付け値要素に基づいて前記連関性を計算するステップと、
一番高い連関性を有する一枚の色相画像を選別するステップと、
を含む、請求項4に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項7】
前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップは、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該フェイスに対する方向ベクトルに基づいて方向性の連関性に対する第1の重み付け値要素を算定するステップと、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該色相画像の解像度に対する第2の重み付け値要素を算定するステップと、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、カラーノイズに基づく第3の重み付け値要素を算定するステップと、
前記第1の重み付け値要素から前記第3の重み付け値要素に基づいて前記連関性を計算するステップと、
一番高い連関性を有する一枚の色相画像を選別するステップと、
を含む、請求項4に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項8】
前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定するステップは、
前記ホールフェイスの頂点に対応する複数のバーテックスを前記複数の連関バーテックスとして設定するステップと、
前記複数の連関バーテックスの色相データをそれぞれ確認するステップと、
前記複数の連関バーテックスの色相データを色相補間して前記ホールフェイスの色相を設定するステップと、
を含む、請求項3に記載の3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法。
【請求項9】
コンピューティング装置であって、
一つ以上のインストラクションを記憶するメモリーと、
前記メモリーに記憶された前記一つ以上のインストラクションを実行する少なくとも一つのプロセッサーと、
を備え、
前記少なくとも一つのプロセッサーは、前記一つ以上のインストラクションを実行することにより、
室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-を用意し、
前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成し、
前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行い、
前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別し、
前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定する、コンピューティング装置。
【請求項10】
前記コンピューティング装置は、
前記複数の撮影地点を複数の3次元基準座標として設定し、
前記複数の撮影地点において生成された前記色相画像のデータ及び前記深度画像のデータを前記3次元基準座標に反映して3次元空間に設定された複数のポイントを含むポイントクラウドデータを生成し、
前記複数のポイントのうちから少なくとも一部を選定して複数のバーテックスを設定する、請求項9に記載のコンピューティング装置。
【請求項11】
前記複数のバーテックスは、前記3次元メッシュモデルを構成し、
それぞれのバーテックスは、
それと関連付けられた色相画像のデータに基づいて設定される色相データを含む、請求項10に記載のコンピューティング装置。
【請求項12】
前記コンピューティング装置は、
各フェイスに対して、それと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して複数の重み付け値要素を算定し、算定された複数の重み付け値要素に基づいて前記連関性を決定していずれか一枚の色相画像を選別し、
選別されたいずれか一枚の色相画像のうち、当該フェイスに対応するローカル領域を当該フェイスにマッピングしてテキスチャーリングを行う、請求項9に記載のコンピューティング装置。
【請求項13】
前記コンピューティング装置は、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該フェイスに対する方向ベクトルに基づいて方向性の連関性に対する第1の重み付け値要素を算定し、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該色相画像の解像度に対する第2の重み付け値要素を算定し、
前記第1の重み付け値要素及び前記第2の重み付け値要素に基づいて前記連関性を計算するステップと、
一番高い連関性を有する一枚の色相画像を選別する、請求項12に記載のコンピューティング装置。
【請求項14】
前記コンピューティング装置は、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該フェイスに対する方向ベクトルに基づいて方向性の連関性に対する第1の重み付け値要素を算定し、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、カラーノイズに基づく第3の重み付け値要素を算定し、
前記第1の重み付け値要素及び前記第3の重み付け値要素に基づいて前記連関性を計算し、
一番高い連関性を有する一枚の色相画像を選別する、請求項12に記載のコンピューティング装置。
【請求項15】
前記コンピューティング装置は、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該フェイスに対する方向ベクトルに基づいて方向性の連関性に対する第1の重み付け値要素を算定し、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、当該色相画像の解像度に対する第2の重み付け値要素を算定し、
各フェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のそれぞれに対して、カラーノイズに基づく第3の重み付け値要素を算定し、
前記第1の重み付け値要素から前記第3の重み付け値要素に基づいて前記連関性を計算し、
一番高い連関性を有する一枚の色相画像を選別する、請求項12に記載のコンピューティング装置。
【請求項16】
前記コンピューティング装置は、
前記ホールフェイスの頂点に対応する複数のバーテックスを前記複数の連関バーテックスとして設定し、
前記複数の連関バーテックスの色相データをそれぞれ確認し、
前記複数の連関バーテックスの色相データを色相補間して前記ホールフェイスの色相を設定する、請求項11に記載のコンピューティング装置。
【請求項17】
コンピューターにて読み取り可能なインストラクション(instructions)を記憶している記憶媒体において、
前記インストラクションは、コンピューティング装置により実行されるとき、前記コンピューティング装置をして、
室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-を用意する動作と、
前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成する動作と、
前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行う動作と、
前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別する動作と、
前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定する動作と、
を行わしめる、記憶媒体。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、室内空間に対する3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法及びそのためのコンピューティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近頃では、実際の空間に対応するオンライン上の仮想空間の提供を受けることにより、ユーザーが自ら実際の空間に訪問せずともあたかも実際の空間にいるかのような体験をすることが可能な仮想空間の実現技術の開発への取り組みが盛んに進められている。このような現実の空間に基づく仮想技術は、デジタルツインまたはメタバース(metaverse)の実現のための技術であって、多種多様な開発が行われている。
【0003】
このような仮想空間を実現するためには、実現しようとする実際の空間を対象として撮影された平面画像を取得し、これに基づいて立体的な仮想画像、すなわち、3次元仮想モデルを生成して仮想空間を提供する過程が必要である。
【0004】
このような3次元仮想モデルは、室内空間の内部の複数の地点から撮影されたデータに基づいて生成される。このような場合、3次元仮想モデルを構成するために、室内空間の複数の地点から360°にて取得された色相及び距離データを収集し、これに基づいて3次元仮想モデルを生成する。
【0005】
このような3次元仮想モデルは、室内空間に対する撮影に基づいて生成されることから、撮影に際してカメラの死角地域に対しては画像データを有することができないため穴(ホール)が生じてしまうという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の一つの技術的な側面は、上述した従来の技術の問題を解消するために案出されたものであって、本出願に開示される一実施形態によれば、撮影に際してカメラの死角地域によって生じるホールフェイスを効果的に埋めることを目的とする。
【0007】
本出願に開示される一実施形態によれば、室内の複数の地点において生成された複数枚の画像のうちから3次元モデルのフェイスに適した画像を効果的に選択することを目的とする。
【0008】
本出願に開示される一実施形態によれば、室内の複数の他の地点の間の異なる撮影条件によって生じる色ムラをより一層正確に補償することを目的とする。
【0009】
本出願の課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記の記載から当業者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願の一つの技術的な側面は、3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を提案する。前記3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法は、室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-に基づいて3次元仮想モデルを生成するコンピューティング装置において行うことが可能な方法であって、前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成するステップと、前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行うステップと、前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別するステップと、前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定するステップと、を含んでいてもよい。
【0011】
本出願の他の一つの技術的な側面は、コンピューティング装置を提案する。前記コンピューティング装置は、一つ以上のインストラクションを記憶するメモリー及び前記メモリーに記憶された前記一つ以上のインストラクションを実行する少なくとも一つのプロセッサーを備え、前記少なくとも一つのプロセッサーは、前記一つ以上のインストラクションを実行することにより、室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-を用意し、前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成し、前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行い、前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別し、前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定してもよい。
【0012】
本出願のさらに他の一つの技術的な側面は、記憶媒体を提案する。前記記憶媒体は、コンピューターにて読み取り可能なインストラクション(instructions)を記憶している記憶媒体である。前記インストラクションは、コンピューティング装置により実行されるとき、前記コンピューティング装置をして、室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像及び深度画像を含む-を用意する動作と、前記室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成する動作と、前記3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて前記3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングを行う動作と、前記連関性が設定されないため穴(Hole)として示されるホールフェイスを識別する動作と、前記ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを確認し、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定する動作と、を行わしめてもよい。
【0013】
上記の課題の解決手段は、本出願の特徴をいずれも列挙したものではない。本出願の課題の解決のための多種多様な手段は、以下の詳細な説明の欄の具体的な実施形態を参照してより一層詳しく理解することができる筈である。
【発明の効果】
【0014】
本出願によれば、下記のような効果が一つもしくはそれ以上得られる。
【0015】
本出願に開示される一実施形態によれば、ポイントクラウドのポイントの色相を用いてホールフェイスを埋めることにより、ホールフェイスを効率よいリソースにて正確に埋めることができるという効果がある。
【0016】
本出願に開示される一実施形態によれば、3次元モデルのフェイスに適した画像を効果的に選択することにより、室内において互いに離れている複数の地点から撮影される画像に基づく3次元生成環境下でもより一層正確なテキスチャーリングを提供することができるという効果がある。
【0017】
本出願に開示される一実施形態によれば、室内の複数の異なる地点の間の異なる撮影条件によって生じる色ムラを正確に補償して、仮想の室内空間の各面に対して異質感を極力抑え、実際の空間との類似度がさらに高い仮想空間のテキスチャーを提供することができるという効果がある。
【0018】
本出願の効果は上述した効果に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の効果は特許請求の記載から当業者にとって明確に理解できるものであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を提供するシステムを説明するための一つの例示図である。
図2】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を説明する手順図である。
図3】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を説明する手順図である。
図4】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の取得例を説明する図である。
図5】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の取得例を説明する図である。
図6】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の取得例を説明する図である。
図7】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の取得例を説明する図である。
図8】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のための色相画像の選定方法を説明する手順図である。
図9】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の選定例を説明する図である。
図10】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の選定例を説明する図である。
図11】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の選定例を説明する図である。
図12】本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の選定例を説明する図である。
図13】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのアンシーンフェイスの設定方法を説明する手順図である。
図14】本出願に開示される一実施形態に係るアンシーンフェイスの設定例を説明する図である。
図15】本出願に開示される一実施形態に係るアンシーンフェイスの設定例を説明する図である。
図16】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のための色相の補正方法を説明する手順図である。
図17】本出願に開示される一実施形態に係る色相の補正例を説明する図である。
図18】本出願に開示される一実施形態に係る色相の補正例を説明する図である。
図19】本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのアンシーン領域のテキスチャーリング方法を説明する手順図である。
図20】本出願に開示される一実施形態に係るアンシーン領域のテキスチャーリング例を説明する図である。
図21】本出願に開示される一実施形態に係るコンピューティング装置を説明するブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づいて、本出願の好適な実施形態について説明する。
【0021】
しかしながら、このような実施形態は本発明の技術的思想をいずれも代弁するものではないため、この開示の実施形態の多種多様な変更(modifications)、均等物(equivalents)、及び/又は代替物(alternatives)を含むものと理解されるべきである。
【0022】
この開示を説明するに当たって、関連する公知の機能もしくは構成についての具体的な説明がこの開示の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合、その詳細な説明は省略する。この開示において用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明の権利範囲を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈からみて明らかに他の意味を有さない限り、複数の言い回しを含む。
【0023】
この開示において、「有する」、「有していてもよい」、「含む」、「含んでいてもよい」、「備える」、「備えていてもよい」などの言い回しは、当該特徴(例えば、数字、機能、動作、もしくは部品などの構成要素)の存在を示し、さらなる特徴の存在を排除しない。
【0024】
図面の説明と関連して、類似のもしくは関連する構成要素に対しては類似の参照符号が付されることができる。アイテムに対応する名詞の単数型は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、前記アイテムの一つ又は複数を含むことができる。本出願において、「A又はB」、「A及びBのうちの少なくとも一方」、「A又はBのうちの少なくとも一方」、「A、B又はC」、「A、B及びCのうちの少なくとも一つ」及び「A、B、又はCのうちの少なくとも一つ」のような語句のそれぞれは、それらの語句のうちの相当する語句に一緒に書き並べられた項目のうちのいずれか一つ、又はそれらのあらゆる可能な組み合わせを網羅することができる。
【0025】
「第1の」、「第2の」、又は「第1番目の」、「第2番目の」などの言い回しは、単に当該構成要素を他の構成要素と互いに区別するために用いられるものに過ぎず、それらの言い回しにより当該構成要素の他の側面(例えば、重要性又は順番または順序)などが限定されることはない。
【0026】
ある(例えば、第1の)構成要素が他の(例えば、第2の)構成要素に、「機能的に」又は「通信的に」という用語とともに、又はこれらの用語なしに、「結合された」とか、「接続された」とか、「連結された」とか、と言及された場合、それは、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に、又は第3の構成要素を挟んで結合、接続又は連結されることができるということを意味する。
【0027】
この開示において用いられた言い回しの「~するように構成された(又は、設定された)(configured to)」は、場面や状況に応じて、例えば、「~に適した(suitable for)」、「~する能力を有する(having the capacity to)」、「~するように設計された(designed to)」、「~するように変更された(adapted to)」、「~するように作られた(made to)」、又は「~をすることができる(capable of)」に書き替えられてもよい。言い回しの「~するように構成された(又は、設定された)」は、必ずしもハードウェア的に「特別に設計された(specifically designed to)」もののみを意味するとは限らない。
【0028】
その代わりに、ある状況では、「~するように構成された装置」という言い回しは、その装置が他の装置又は部品とともに「~することができる」ということを意味することがある。例えば、語句「A、B、及びCを行うように構成された(又は、設定された)プロセッサー」は、当該動作を行うための専用プロセッサー(例:埋め込みプロセッサー)、又はメモリー装置に記憶された一つ以上のソフトウェアプログラムを実行することにより、当該動作を行うことが可能な汎用プロセッサー(generic-purpose processor)(例:CPU又はアプリケーションプロセッサ―)を意味することがある。
【0029】
実施形態において、「モジュール」もしくは「部」は、少なくとも一つの機能や動作を行い、ハードウェア又はソフトウェアにより実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより具現されてもよい。また、複数の「モジュール」もしくは複数の「部」は、特定のハードウェアにより実現される必要がある「モジュール」もしくは「部」を除いては、少なくとも一つのモジュールとして一体化されて少なくとも一つのプロセッサーにより実現されてもよい。
【0030】
本出願の多種多様な実施形態は、機器(machine)-例えば、ユーザー端末500やコンピューティング装置300-により読み取り可能な記憶媒体(storage medium)に記憶された一つ以上のコマンドを含むソフトウェア(例えば、プログラム)として実現されてもよい。例えば、プロセッサー330は、記憶媒体から記憶された一つ以上のコマンドのうちの少なくとも一つのコマンドを呼び出し、それを実行することができる。これは、装置が前記呼び出された少なくとも一つのコマンドに従って少なくとも一つの機能を行うように運営されることを可能にする。前記一つ以上のコマンドは、コンパイラーにより生成されたコード又はインタープリーターにより実行可能なコードを含んでいてもよい。機器にて読み取り可能な記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体の形態で提供されてもよい。ここで、「非一時的」は、記憶媒体が有形の(tangible)装置であり、信号(signal)(例えば、電磁気波)を含まないということを意味するものに過ぎず、この言い回しは、データが記憶媒体に半永久的に記憶される場合と一時的に記憶される場合とを区別しない。
【0031】
本出願の実施形態を説明するために多種多様な手順図が開示されているが、これは、各ステップ又は動作の説明のしやすさのためのものであって、必ずしも手順図に描かれている順序に従って各ステップが行われるとは限らない。すなわち、手順図における各ステップは、互いに同時に行われてもよいし、手順図に描かれている順序の通りに行われてもよいし、又は手順図における順序とは逆の順序に従って行われてもよい。
【0032】
図1は、本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を提供するシステムを説明するための一つの例示図である。
【0033】
3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を提供するシステムは、画像取得装置100と、コンピューティング装置300、及びユーザー端末500を備えていてもよい。
【0034】
画像取得装置100は、球状の仮想画像を生成するのに用いられる色相画像及び深度マップ(デプスマップ)画像を生成する装置である。
【0035】
図示の例において、画像取得装置100は、距離測定装置と、図示の例における深度スキャナーと、カメラと、を備えていてもよい。
【0036】
カメラは、撮影機能を提供する機器であって、被写領域(撮像領域)に対して色相にて表現される色相画像を生成する。
【0037】
この出願明細書において、色相画像は、色相により表現される画像をいずれも包括するものであって、特定の表現方式に制限されるものではない。したがって、色相画像は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)により表現されるRFG画像のみならず、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key Plate(ブラック)により表現されるCMYK画像など多種多様な標準に適用可能である。
【0038】
一例として、カメラは、携帯電話、スマートフォン(smart phone)、ノートパソコン(laptop computer)、個人用デジタル情報端末(PDA:personal digital assistants)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultrabook)、ウェアラブル撮影デバイス(wearable device、例えば、メガネ型ウェアラブル端末であるスマートグラス(smart glass))などが用いられてもよい。
【0039】
深度スキャナーは、被写空間-すなわち、被撮影領域-に対して深度情報を生成して深度マップ画像を生成することが可能な装置である。
【0040】
この出願明細書において、深度マップ画像は、被写空間に関する深度情報を含む画像である。例えば、深度マップ画像における各ピクセルは、撮像地点から撮影された被写空間の各地点-各ピクセルに対応する地点-までの距離情報であってもよい。
【0041】
深度スキャナーは、このような深度マップ画像を生成し、距離の測定のための所定のセンサー、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging(光による検知と測距))センサー、赤外線センサー、超音波センサーなどを備えていてもよい。あるいは、深度スキャナーは、センサーに取って代わって距離情報を測定することが可能なステレオカメラ(stereo camera)、ステレオスコピック(立体視)カメラ(stereo scopic camera)、3次元深度カメラ(3D depth camera)などを備えていてもよい。
【0042】
カメラは、被写空間に対する色相画像を生成し、深度スキャナーは、被写空間に対する深度マップ(Depth map)画像を生成する。カメラによって生成された色相画像と深度スキャナーによって生成された深度マップ画像は、同一の被写空間に対して同一の条件(例えば、解像度など)を対象として生成されることができ、その結果、互いに1:1にてマッチングできる。
【0043】
このような色相画像及び深度マップ画像は、360°パノラマ画像であってもよい。深度スキャナーとカメラは、実際に存在する室内空間に対して360°パノラマ画像の形態、すなわち、それぞれ360°深度マップパノラマ画像と360°色相パノラマ画像を生成することができ、これをコンピューティング装置300に与えることができる。あるいは、実施形態に応じて、コンピューティング装置300が深度スキャナー及びカメラから受信されたデータに基づいて360°深度マップパノラマ画像と360°色相パノラマ画像を生成してもよい。
【0044】
深度スキャナーとカメラは、実際に存在する室内空間に対して360°パノラミック画像の形態、すなわち、それぞれ360°深度マップパノラミック画像と360°色相パノラミック画像を生成することができ、これをコンピューティング装置300に与えることができる。
【0045】
深度スキャナーは、このような360°の撮影が行われた室内の複数の地点のそれぞれに関する距離情報を生成することができる。このような距離情報は、撮影地点を基準とする相対的な距離情報であってもよい。例えば、深度スキャナーは、室内空間に対する平面図を備え、ユーザーの入力に応じて平面図内における最初の開始の室内地点の入力を受けることができる。次いで、深度スキャナーは、画像解析及び/又は移動感知センサー-例えば、3軸加速度センサー及び/又はジャイロセンサーなど-に基づいて相対的な距離移動情報を生成することができる。例えば、開始の室内地点からの相対的な距離移動情報に基づいて第2の室内地点に関する情報を生成し、第2の室内地点からの相対的な距離移動情報に基づいて第3の室内地点に関する情報を生成することができる。あるいは、このような距離情報の生成は、カメラによって行われてもよい。
【0046】
一実施形態において、深度スキャナーとカメラは、一台の画像取得装置として実現されることが可能である。例えば、画像取得装置100は、画像の取得のためのカメラと距離の測定のためのLiDARセンサーを備えるスマートフォンであってもよい。実施形態に応じて、このようなスマートフォンが据え置かれてスマートフォンの制御に従いスマートフォンを360°回転駆動するクレードル装置とスマートフォンとが一台の画像取得装置として実現されてもよい。
【0047】
深度スキャナー又はカメラは、撮影の高さに関する情報を記憶してコンピューティング装置300に与えることができる。このような撮影高さ情報は、コンピューティング装置300において3次元仮想モデルを生成するのに用いられてもよい。
【0048】
深度マップ画像と色相画像は、360°画像を与えるための好適な形態のパノラマ画像、例えば、正距円筒図法によるパノラマ画像であってもよい。但し、説明のしやすさのために、以下では、これらを特に区別せず、深度マップ画像及び色相画像とまとめて称する。
【0049】
ユーザー端末500は、ユーザーがコンピューティング装置300に接続して室内空間に対応する仮想の3次元モデルを体験することが可能な電子機器であって、例えば、携帯電話、スマートフォン(smart phone)、ノートパソコン(laptop computer)、デジタル放送用端末、個人用デジタル情報端末(PDA:personal digital assistants)、ポータブルマルチメディアプレーヤー(PMP:portable multimedia player)、ナビゲーション、パソコン(PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultrabook)、ウェアラブルデバイス(wearable device、例えば、スマートウォッチ(smartwatch)、スマートグラス(smart glass)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:head mounted display))などを網羅する。しかしながら、これらの他にも、ユーザー端末500は、仮想現実(VR:Virtual Reality)、拡張現実(AR:Augmented Reality)に用いられる電子機器を備えていてもよい。
【0050】
コンピューティング装置300は、室内の複数の地点においてそれぞれ生成された色相画像と深度マップ画像を用いて、室内空間に対応する3次元仮想空間である3次元仮想モデルを生成することができる。
【0051】
コンピューティング装置300は、現実の空間に対応する仮想空間であって、室内の複数の撮影地点において生成された色相画像及び深度マップ画像(Depth map image)に基づいて3次元モデルを生成することができる。3次元モデルは、深度情報が反映された仮想モデルであって、実際のものと同等の立体的な空間を提供することができる。
【0052】
コンピューティング装置300は、室内空間の複数の撮影地点においてそれぞれ生成される複数のデータセット-前記データセットは、色相画像、深度画像及び各地点の位置情報を含む-に基づいて、3次元の上に複数のポイント集合-例えば、ポイントクラウド-を生成し、このようなポイント集合に基づいて3次元メッシュモデルを生成することができる。3次元メッシュモデルは、ポイントクラウドに基づいて選定された複数のバーテックスに基づいて、複数のフェイス(face)-又は、ポリゴン(polygon)-を設定して作られるメッシュモデルであってもよい。一例として、隣り合う3つのバーテックス(vertex)を基準として一つのフェースを生成することができ、それぞれのフェースは、3つの頂点として設定される平らな三角形であってもよい。
【0053】
3次元メッシュモデルにおいてそれぞれのフェイスが決定されれば、コンピューティング装置300は、それぞれのフェイスと関連付けられた色相画像に基づいてそれぞれのフェイスの色相値を設定することができる。フェイスと関連付けられた色相画像は、フェイスに垂直な方向ベクトルを基準として設定されてもよい。
【0054】
コンピューティング装置300は、それぞれのフェイスの色相値を設定するために一枚の色相画像を選択してもよく、このために、それぞれの色相画像に対して複数の重み付け値要素を算出した後、これに基づいて重み付け値を算定することができる。コンピューティング装置300は、重み付け値に基づいていずれか一枚の色相画像を選択することができる。
【0055】
コンピューティング装置300は、アンシーンフェイスへの色入れ・色埋めを行うことができる。アンシーン(Unseen)フェイスとは、撮像画像に表示されていないフェイスのことをいう。例えば、撮影地点よりも高い平面-例えば、冷蔵庫の上面など-の場合、カメラによって撮影されないためアンシーンフェイスとして設定される。コンピューティング装置300は、バーテックスのカラー情報に基づいてこのようなアンシーンフェイスを色で埋める(フィリング、filling)ことができる。
【0056】
コンピューティング装置300は、それぞれのフェイスへの色入れ・色埋めが完了して生成される3次元モデルに対して色相補正を行うことができる。本出願において同一のカメラにて撮影するとしても、室内空間の複数の地点における撮影条件は互いに異なる。明るさの度合い、さらなる光源、光源の色相など、たとえ同一の室内空間であるとしても室内空間の各地点における撮影条件が異なる。例えば、窓際の室内の撮影地点においては、太陽による自然光が追加され、照明が消えた室内の撮影地点においては照度が低くなるため、カメラの撮影条件が変更されることがある。このように、室内空間の複数の地点は撮影条件が異なるため、同一の被写体に対しても各色相画像は互いに異なる色相値を有することになる。したがって、一つの被写体が複数のフェイスを有し、それぞれのフェイスが互いに異なる色相画像に基づいてテキスチャーリングされるとすれば、一つの被写体の色相の表現にムラが生じてしまう虞がある。コンピューティング装置300は、このようなムラを補償するために色相補正を行うことができる。このような色相補正は、室内空間の複数の撮影地点の間の差による要素を反映して行われることができる。
【0057】
以上述べたように、本出願の発明における3次元モデルは、室内空間に対応する仮想空間を生成するための条件によって特殊な環境を有する。すなわち、室内空間に対する色相画像及び深度画像を取得することが求められ、このために、室内の複数の撮影地点において色相画像及び深度画像を取得することになる。一方、画像を取得する室内地点が多ければ多いほど、3次元モデルに対するデータ量がさらに多くなるため、3次元モデルの表現が向上するが、本出願の実施形態においては、コンピューティング装置300における処理に伴い、このような3次元モデルの表現、例えば、テキスチャーリングを向上させることができ、それにより、室内画像の取得のための室内の撮影地点の数を適正な数に設定しても高い品質の3次元モデルを取得するようにする。
【0058】
以下、図2から図15を参照して、このようなコンピューティング装置300についてさらに詳しく説明する。
【0059】
図2は、3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を説明する手順図である。
【0060】
図2を参照すると、コンピューティング装置300は、画像取得装置100から複数の室内空間の各室内地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットの提供を受ける(S201)。複数のデータセットは、実際に存在する室内空間の各室内地点においてそれぞれ生成されるものであって、例えば、360°色相画像及び360°深度画像を含んでいてもよい。
【0061】
コンピューティング装置300は、複数のデータセットに基づいて3次元メッシュモデルを生成することができる(S202)。
【0062】
コンピューティング装置300は、室内空間の複数の撮影地点を3次元座標系に投影して、複数の撮影地点のそれぞれに対応する複数の3次元基準座標を設定することができる。一例として、複数のデータセットには色相画像、深度画像に加えて、位置情報を含めてもよく、コンピューティング装置300は、このような位置情報を用いて複数の撮影地点のそれぞれに対応する複数の3次元基準座標を設定することができる。一実施形態において、このような位置情報は、以前の撮影地点から現在の撮影地点までの相対的な距離情報であってもよく、最初の開始の室内地点を基準として相対的な距離情報を反映して複数の撮影地点のそれぞれに対応する複数の3次元基準座標を設定することができる。コンピューティング装置300は、複数の撮影地点に対する3次元基準座標を基準として、各撮影地点において生成された色相画像及び深度画像を反映して3次元空間にポイントクラウドを生成することができる。例えば、コンピューティング装置300は、複数の撮影地点において生成された色相画像のデータ及び深度画像のデータを3次元基準座標に反映して3次元空間に設定された複数のポイントを含むポイントクラウドデータを生成することができる。コンピューティング装置300は、ポイントクラウドを構成する複数のポイントのうちから少なくとも一部を選定して複数のバーテックスを設定することができる。このようにして選定された複数のバーテックスに基づいて3次元メッシュモデルが構成されることが可能になる。
【0063】
すなわち、3次元メッシュモデルは、3次元空間において座標として表現される複数のバーテックスと、そのようなバーテックスを用いて定義される多角形の面であるフェイス-又は、ポリゴン-と、により表現されることができる。ここで、それぞれのバーテックスは、それぞれ固有の3次元座標を有し、かつ、それぞれ色相データを有することができる。すなわち、それぞれのバーテックスと関連付けられる色相画像のデータに基づいて各バーテックスの色相が設定できる。例えば、ポイントは、3次元基準座標を基準として、色相画像の色相と深度画像における距離を反映して3次元空間上においてそれぞれ固有の3次元座標と色相を有する。例えば、色相画像と深度画像は、同一の撮影基準に従い生成されて互いに1:1にて対応することができ、色相画像の各ピクセルは色相値を、かつ深度画像の各ピクセルは深度値を有することができる。コンピューティング装置300は、基準座標においてこのような色相値と深度値を反映してポイントクラウドを形成することができる。バーテックスは、このようなポイントクラウドに基づいて選択されたものであって、同様に3次元座標値と色相値を有することができる。
【0064】
一実施形態において、コンピューティング装置300は、3次元ポイントクラウドを所定の単位空間に分割し、単位空間に含まれている複数のポイントを代表する一つのポイントを設定し、これに基づいてバーテックスを設定することができる。コンピューティング装置300は、所定の単位空間-例えば、1cm-に含まれる複数のポイントを一つのポイントとして設定してもよく、一例として、所定の単位空間に含まれる複数のポイントの平均の色相値と平均の座標値に基づいて一つのポイントを設定することができる。他の例として、所定の単位空間に含まれる複数のポイントの中央の色相値と中央の座標値に基づいて一つのポイントを設定することができる。このような例において、コンピューティング装置300は、同一のポイントの正規化を行った後、このようなポイントに基づいて所定の面を形成する頂点を選別してバーテックスとして決定することができる。
【0065】
コンピューティング装置300は、3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのそれぞれに対して、フェイスと色相画像との間の連関性に基づいて3次元メッシュモデルに含まれている前記複数のフェイスのそれぞれに対してテキスチャーリングをすることができる(S203)。
【0066】
コンピューティング装置300は、ステップS203において連関性が設定されていないホールフェイス-これは、色相データ値が選択されないため穴(Hole)として示され、これをホールフェイスと称する-を識別し(S204)、ホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスの色相に基づいて前記ホールフェイスの色相を設定することができる(S205)。
【0067】
図3は、本出願に開示される他の一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのテキスチャーリング方法を説明する手順図である。
【0068】
図3を参照すると、コンピューティング装置300は、画像取得装置100から複数の室内空間の各室内地点においてそれぞれ生成された複数のデータセットの提供を受ける(S301)。ここで、データセットは、当該地点から撮影された色相画像、深度画像及び当該室内地点に関する位置情報を含む。
【0069】
コンピューティング装置300は、複数のデータセットに基づいて、室内空間に対する3次元モデルを生成するための3次元メッシュモデルを生成する(S302)。
【0070】
3次元メッシュモデルは、各室内地点に対して、色相画像及び深度画像に基づいて生成される複数のポイント集合-例えば、ポイントクラウド-を生成し、これらを位置情報に基づいて3次元空間の上に配置することにより生成できる。
【0071】
コンピューティング装置300は、ポイントクラウドに基づいて複数のバーテックスを選定し、選定された複数のバーテックスに基づいて複数のフェイスを設定して3次元メッシュモデルを生成することができる。一例として、コンピューティング装置300は、隣り合う3つのバーテックスを基準として一つの三角形のフェイスを設定することができる。
【0072】
このような3次元メッシュモデルにおけるフェイスには色相値が設定されていない状態であるため、コンピューティング装置300は、それぞれのフェイスに対する色相値を設定するために、すなわち、テキスチャーリングを行うためにステップS303からS304までを繰り返して行う。
【0073】
コンピューティング装置300は、3次元メッシュモデルに含まれている複数のフェイスのうちのいずれか一つ(第1の)のフェイスを選択し、第1のフェイスと関連付けられた複数枚の色相画像のうち、第1のフェイスに適したいずれか一枚の第1の色相画像を選択することができる(S303)。
【0074】
ここで、第1のフェイスと関連付けられた色相画像を選定するに際して、コンピューティング装置300は、第1のフェイスに垂直な単位ベクトルを算出し、これを基づいて当該単位ベクトルに対応する撮影角度を有する少なくとも一枚の色相画像を当該フェイスと関連付けられた色相画像として選定することができる。これは、色相画像の撮影に際して、当該色相画像の撮影角度に関する情報が一緒に生成されるため、色相画像に対する撮影高さ及び撮影角度の情報に基づいて第1のフェイスと関連付けられた、すなわち、第1のフェイスが映されている色相画像を選定することができる。例えば、コンピューティング装置300は、第1のフェイスに垂直な単位ベクトルと、それと所定の角度内において対向する、すなわち、所定角度内において向かい合う撮影角度を有する色相画像を、当該フェイスと関連付けられた色相画像として選定することができる。
【0075】
コンピューティング装置300は、フェイスと関連付けられた色相画像のうち、当該フェイスに適したいずれか一枚の色相画像を選別することができる。例えば、コンピューティング装置300は、関連付けられた色相画像のそれぞれに対して複数の重み付け値要素を算出した後、これに基づいて重み付け値を算定した後、重み付け値に基づいていずれか一枚の色相画像を選択することができる。
【0076】
一例として、第1のフェイスとマッチングされる第1の色相画像は、3次元メッシュモデルと関連付けられた複数枚の色相画像のうちから、第1のフェイスに対する撮影方向、解像度及びカラーノイズを基準として評価して選別されてもよい。
【0077】
コンピューティング装置300は、選択されたいずれか一枚の色相画像から、第1のフェイスに対応するローカル領域を選択して第1のフェイスにマッピングしてテキスチャーリングを行うことができる(S304)。
【0078】
コンピューティング装置300は、それぞれの色相画像の撮影位置に関する情報を有しているため、それぞれの色相画像における各オブジェクトと3次元メッシュモデルの各オブジェクトとを互いに投影してマッピングすることができる。したがって、このような2次元色相画像と3次元メッシュモデルとの投影マッピングに基づいて、当該フェイスに対応する2次元色相画像におけるローカル領域を選択することができる。
【0079】
コンピューティング装置300は、3次元メッシュモデルのすべてのフェイスに対して、上述したステップS303からS304までを繰り返し行って、各フェイスに対して色相情報を生成してテキスチャーリングを行うことができる(S305)。このようにして生成された3次元モデルは、各色相画像の間の色相補正が行われていない状態であるため、同一の面に対してもムラが生じる虞がある。これは、前述したように、室内の各撮影地点からの撮影環境が異なるからである。
【0080】
コンピューティング装置300は、このような室内の各撮影地点からの撮影環境による色相差を補正するために、カラー調整を行うことができる(S306)。
【0081】
図2に示される一実施形態と図3に示される一実施形態とは互いに区別して説明しているが、各ステップが互いに代替されるなど、互いに組み合わせて実施されてもよい。
【0082】
図4から図7は、本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の取得例を説明する図であって、これらを参照して説明する。
【0083】
図4は、一例として、室内空間内の六面体の被写体と、これに対して室内の第1の撮影地点PP1と第2の撮影地点PP2を示す斜視図であり、図5は、図4に対応する平面図である。図6は、第1の撮影地点PP1から撮影された色相画像の一例を、図7は、第2の撮影地点PP2から撮影された色相画像の一例を示す。
【0084】
図6及び図7は、同一の被写体に対して色相画像を撮影したが、図7においては、陰影による色相の変化が生じた例を示している。
【0085】
図8は、本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のための色相画像の選定方法を説明する手順図である。図8に示される一実施形態は、コンピューティング装置300において行われるフェイスと色相画像との間の連関性を決定する実施形態に関するものである。図8においては、連関性を決定する3種類の重み付け値が開示されているが、実施形態に応じて、このような3種類の重み付け値は種々に組み合わせられて使用可能であるということはいうまでもない。
【0086】
図8に示される手順図は、第1のフェイスと関連付けられる複数枚の色相画像のうち、第1のフェイスとマッピングされるべき第1の色相画像を選択する過程に関するものである。図9から図12は、本出願に開示される一実施形態に係る色相画像の選定例を説明する図であって、これをさらに参照して説明する。
【0087】
図8を参照すると、コンピューティング装置300は、3次元メッシュモデルの第1のフェイスに対する基準ベクトル、すなわち、第1のフェイスに垂直な第1の方向ベクトルを設定することができる(S801)。
【0088】
コンピューティング装置300は、第1のフェイスと関連付けられた複数枚の色相画像に対して、第1の方向ベクトルと方向性の連関性を有する第1の重み付け値要素をそれぞれ算定することができる(S802)。
【0089】
コンピューティング装置300は、第1のフェイスと関連付けられた複数枚の色相画像の撮影方向を確認し、第1のフェイスの第1の方向ベクトルと前記撮影方向との間の方向性の連関性に基づいて第1の重み付け値要素を算定することができる。例えば、第1のフェイスの第1の方向ベクトルと撮影方向との角度が小さければ小さいほど、さらに高い重み付け値要素が算定できる。
【0090】
コンピューティング装置300は、第1のフェイスと関連付けられた複数枚の色相画像に対して、解像度に対する第2の重み付け値要素をそれぞれ算定することができる(S803)。
【0091】
一例として、コンピューティング装置300は、前記複数枚の色相画像それ自体に対する解像度を確認し、これを基づいて第2の重み付け値要素を算定することができる。すなわち、高い解像度を有するほど高い第2の重み付け値要素を有するように算定することができる。
【0092】
他の例として、コンピューティング装置300は、テキスチャーリングの対象となるオブジェクト又は当該オブジェクトの一部であるフェイスを識別し、識別されたオブジェクト又はフェイスの解像度に基づいて第2の重み付け値要素を算定することができる。このようなオブジェクト又はフェイスに対する解像度は、撮影地点におけるオブジェクトの間の距離に反比例して設定されるため、距離の側面からみて有利な色相画像に高い第2の重み付け値が与えられる。
【0093】
コンピューティング装置300は、第1のフェイスと関連付けられた複数枚の色相画像に対して、カラーノイズに対する第3の重み付け値要素をそれぞれ算定することができる(S804)。
【0094】
コンピューティング装置300は、各色相画像に対してカラーノイズを算出することができる。カラーノイズを算出するために、深層畳み込み敵対的生成ネットワーク(DCGAN:Deep Convolutional Generative Adversarial Network)を用いた教師なし学習、Enlighten GANを用いた方法など種々の方法論が適用可能である。
【0095】
コンピューティング装置300は、カラーノイズが少なければ少ないほど高い第3の重み付け値要素が与えられるようにすることができる。
【0096】
コンピューティング装置300は、第1の重み付け値要素から第3の重み付け値要素を反映して、前記複数枚の色相画像のそれぞれに対して重み付け値を算出することができる。コンピューティング装置300は、一番高い重み付け値を有する一枚の色相画像を第1のフェイスとマッピングされる第1の画像として選定することができる(S805)。
【0097】
第1の重み付け値要素から第3の重み付け値要素の反映には多種多様なアルゴリズムが適用可能である。例えば、コンピューティング装置300は、第1の重み付け値要素から第3の重み付け値要素を単に合算するか、あるいはこれらの平均を導き出すなど、種々の方式により重み付け値を算定することができる。
【0098】
上述した例においては、第1の重み付け値要素から第3の重み付け値要素をいずれも反映する場合を示しているが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。したがって、第1の重み付け値要素と第2の重み付け値要素に基づいて重み付け値を算定するか、あるいは、第1の重み付け値要素と第3の重み付け値要素に基づいて重み付け値を算定するなどの変形実施が可能である。但し、このような変形に際しても、第1の重み付け値要素を含むことがさらに高い性能を提供する要素である。
【0099】
図9は、六面体のうちの第1のフェイスFc1に垂直な第1の方向ベクトルを設定する例を示している。図9図4に示される例を参照すると、第1の撮影地点PP1が第2の撮影地点PP2よりもさらに高い第1の重み付け値を有する筈であるということが分かる。
【0100】
図10は、第1の撮影地点PP1からの色相画像における第1のフェイスに対応するローカル領域P1Fc1を、図11は、第2の撮影地点PP2からの色相画像における第1のフェイスに対応するローカル領域P2Fc1を例示している。
【0101】
図10及び図11を参照すると、図10に示される第1の撮影地点PP1からの色相画像が図11の色相画像よりもさらに高い解像度を有するため、第2の重み付け値要素がさらに高い筈であるということが分かる。
【0102】
カラーノイズは、図11に示される第2の撮影地点PP2からの色相画像においてさらに高く設定される筈であり、したがって、図10に示される第1の撮影地点PP1がさらに高い第3の重み付け値要素を有する筈である。
【0103】
したがって、第1のフェイスに対しては、第1の撮影地点PP1からの色相画像が選択される筈であり、第1の撮影地点PP1からの色相画像におけるローカル領域(P1Fc1)を第1のフェイスとマッチングして第1のフェイスに対してテキスチャーリングが行われたことを図12において示している。
【0104】
図13は、本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのアンシーンフェイスの設定方法を説明する手順図である。
【0105】
上述した過程によって各フェイスに対して色相画像のマッピング及びテキスチャーリングが行われるが、一部のフェイスの場合にはマッピングすべき画像が選択されない場合もある。このようなフェイスは、通常、アンシーンフェイスと呼ばれるが、これは、画像撮影角度の側面からみて、撮影が不可能な部分において生じる。
【0106】
図14は、このようなアンシーンフェイスが示された3次元モデルを示している。アンシーンフェイスは、青色にて表示され、ベッドの寝具の後側、洗面台の下の部分、テーブルによって隠れた部分などにアンシーンフェイスが生じるということが分かる。
【0107】
コンピューティング装置300は、このようなアンシーンフェイスに対して図13に示されるように色入れ・色埋めを行うことができる。
【0108】
図13を参照すると、コンピューティング装置300は、未撮影の領域によって生じるアンシーンフェイスを設定することができる(S1301)。コンピューティング装置300は、フェイスとマッピングされる色相画像がないフェイスをアンシーンフェイスとして設定することができる。
【0109】
コンピューティング装置300は、アンシーンフェイスと関連付けられた複数のバーテックスのそれぞれの色相値を確認する(S1302)。
【0110】
各フェイスが3つのバーテックスを有する三角形である例を挙げると、コンピューティング装置300は、アンシーンフェイスを構成する3つのバーテックスの色相値を確認することができる。一例として、バーテックスの色相値は、バーテックスを構成する深度画像のピクセルに対応する色相画像のピクセル値として決定できる。すなわち、コンピューティング装置300は、ある一つのバーテックスを決定するために位置情報を導き出すのに用いられる深度画像を選択することができ、かつ、当該深度画像と同一のデータセットを構成する色相画像を選択することができる。コンピューティング装置300は、当該深度画像からバーテックスに対応するバーテックス連関深度ピクセルを選択することができ、かつ、深度画像から選択されたバーテックス連関深度ピクセルに対応するある一つのバーテックス連関の色相ピクセルを色相画像から選択することができる。コンピューティング装置300は、バーテックス連関の色相ピクセルの色相値を当該バーテックスの色相値として設定することができる。
【0111】
コンピューティング装置300は、複数のバーテックスのそれぞれの色相値に基づいて前記アンシーンフェイスを埋めることができる。例えば、コンピューティング装置300は、各バーテックスを開始点として設定し、各バーテックスの色相値に基づいて隣り合うバーテックスの色相値とグラジエントして前記アンシーンフェイスの色相値を設定することができる(S1303)。ここで、グラジエントとは、色相グラデーション(gradation)によって設定される色彩の変更される手法のことをいうものであり、このようなグラデーション手法としては種々の方式が適用可能である。
【0112】
図15は、図14の例に対して、アンシーンフェイスが埋められた例を示しており、示されている例において、色相グラデーションに基づいてアンシーンフェイスが埋められるということが分かる。このようなグラデーションによるアンシーンフェイスのテキスチャーリングは、それ自体としては、周りの色相とやや不自然な感じが生じるものの、以下において説明する色相の補正過程によってより一層自然に補償できる。
【0113】
図16は、本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のための色相の補正方法を説明する手順図である。
【0114】
前述したように、室内の撮影地点の間の撮影環境が異なるため、同一の面に対しても互いに異なる色相にて表示される可能性がある。特に、複数のフェイスが隣り合って一つの連なった面又は曲面を形成する場合、各フェイスの色相値の差は不自然な感じを与える。
【0115】
図17は、色相の補正が行われる前の3次元モデルの一部を例示しており、図17の例においては、同一の壁面に対してかなりの色ムラが生じるということが分かる。コンピューティング装置300は、このような色歪み、すなわち、室内の撮影地点の間の撮影環境の差によって引き起こされる色歪みを補償するための処理を提供し、図16を参照して説明する。
【0116】
図16を参照すると、コンピューティング装置300は、テキスチャーリングが完了した第1の3次元モデルに対して色相画像の間の補正及び隣り合うフェイスの間の補正を行うことができる。
【0117】
コンピューティング装置300は、隣り合う撮影地点から撮影された色相画像同士を連関付けて画像サブセットを設定することができる(S1601)。このような色相画像サブセットは、複数設定されてもよい。コンピューティング装置300は、それぞれの色相画像サブセットに対して、当該色相画像サブセットと関連付けられた色相画像の間の補正重み付け値に基づいてグローバル色相補正を行うことができる(S1602)。このようなグローバル色相補正は、画像の全体に対して行われるものである。
【0118】
一例として、コンピューティング装置300は、色相画像サブセットと関連付けられた色相画像に対して主な色相を決定することができる。図17の例において、主な色相は灰色であてもよく、図17と関連付けられた色相画像に対して主な色相である灰色に対してそれぞれ主な色相重み付け値を設定することができる。主な色相重み付け値は、関連付けられた色相画像の主な色相に関する平均値に対する差から設定されてもよい。主な色相が平均値からさらに多くの差が出る色相画像であるほど、補正重み付け値が高く設定され、それぞれの色相画像に対して補正重み付け値に基づいて色相補正を行うことができる。このようにしてグローバル色相補正が行われると、色相画像それ自体に対する補正が行われたわけであるため、このような補正済みの画像に基づいてテキスチャーリングを再び行うことができる。
【0119】
その後、コンピューティング装置300は、フェイスの間の差に基づいてローカル色相補正を行うことができる。
【0120】
コンピューティング装置300は、隣り合うフェイス同士を連関付けて複数のフェイスサブセットを設定することができる(S1603)。
【0121】
コンピューティング装置300は、フェイスサブセットのそれぞれに対して、フェイスサブセットを構成するフェイスの間の色相差を平準化するように設定することで、ローカル色相補正を行うことができる(S1604)。このような色相差の平準化には様々な方式が適用可能であるため、ここでは特定の方式に何ら限定されない。
【0122】
図18は、図17の例に対してグローバル色相補正及びローカル色相補正が適用された例を示している。図17において大きな色相差を有していた部分がかなり類似の色相に補正されているということが分かる。
【0123】
実際のユーザーは、同一の面又は曲面に対して色々な色相がある場合、これがかなり不自然なもののように感じられてしまうため、実際の3次元モデルに対する実感のあふれる画像を提供するのにはこのような色相補正の役割が大きい。
【0124】
本出願においては、このような色相補正を行うに際して、グローバル補正とローカル補正とを組み合わせて行うが、これは、撮影地点がかなり離れており、それによって撮影条件の差が大きな本発明においてはこのような組み合わせの色相補正を通して3次元モデルをより一層自然に表現することができる。
【0125】
図19は、本出願に開示される一実施形態に係る3次元仮想モデルの生成のためのアンシーン領域のテキスチャーリング方法を説明する手順図である。
【0126】
図19を参照すると、コンピューティング装置300は、3次元メッシュモデルの複数のフェイスのうちから、好適な色相画像が選択されないため穴として示されるホールフェイスを選択することができる(S1901)。このようなホールフェイスは、撮影に際して死角に位置して生じるため、アンシーン(Unseen)領域によって生じるアンシーンホールフェイスと称する。
【0127】
コンピューティング装置300は、アンシーンホールフェイスと関連付けられた複数の連関バーテックスを選別することができる(S1902)。
【0128】
コンピューティング装置300は、選別された複数の連関バーテックスのそれぞれの色相を確認し(S1903)、確認された複数の連関バーテックスの色相に基づいて補間してアンシーンホールフェイスの色相を設定してテキスチャーリングを行うことができる(S1902)。
【0129】
図20は、本出願に開示される一実施形態に係るアンシーン領域のテキスチャーリング例を説明する図であって、図20の(a)は、アンシーン領域が生じた例を示しており、図20の(b)は、このようなアンシーン領域がテキスチャーリングされた例を示している。
【0130】
図21は、本出願に開示される一実施形態に係るコンピューティング装置を説明するブロック構成図である。図21に示されるように、この開示の一実施形態に係るコンピューティング装置300は、通信モジュール310と、メモリー320及びプロセッサー330を備えていてもよい。しかしながら、このような構成は単なる例示的なものに過ぎず、この開示を実施するに際して、このような構成要素に加えて、新たな構成要素が追加されてもよいし、一部の構成要素が省略されてもよいということはいうまでもない。
【0131】
通信モジュール310は回路を備え、外部装置(サーバーを含む)との通信を行うことができる。具体的には、プロセッサー330は、通信モジュール310を介して結ばれた外部装置から各種のデータ又は情報を受信することもできれば、外部装置に各種のデータ又は情報を伝送することもできる。
【0132】
通信モジュール310は、WiFiモジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、無線通信モジュール、及び近距離無線通信(NFC)モジュールのうちの少なくとも一つを備えていてもよく、IEEE、Zigbee(登録商標)、第三世代(3G:3rd Generation)、第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP(登録商標):3rd Generation Partnership Project)、ロングターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)、第五世代(5G:5th Generation)などといったように、多種多様な通信規格に従って通信を行うことができる。
【0133】
メモリー320には、コンピューティング装置300に関する少なくとも一つの指令が記憶されてもよい。メモリー320には、コンピューティング装置300を駆動するためのオペレーティングシステム(O/S:Operating System)が記憶されてもよい。また、メモリー320には、この開示の多種多様な実施形態に従いコンピューティング装置300が動作するための各種のソフトウェアプログラムやアプリケーションが記憶されてもよい。そして、メモリー320は、フラッシュメモリー(Flash Memory)などの半導体メモリーやハードディスク(Hard Disk)などの磁気記憶媒体などを備えていてもよい。
【0134】
具体的には、メモリー320には、この開示の多種多様な実施形態に従いコンピューティング装置300が動作するための各種のソフトウェアモジュールが記憶されてもよく、プロセッサー330は、メモリー320に記憶された各種のソフトウェアモジュールを実行してコンピューティング装置300の動作を制御することができる。すなわち、メモリー320は、プロセッサー330によりアクセスされ、プロセッサー330によるデータの読み取り/記録/修正/削除/更新などが行われてもよい。
【0135】
その他にも、この開示の目的を達成するための範囲内において必要となる多種多様な情報がメモリー320に記憶されてもよく、メモリー320に記憶された情報は、外部装置から受信されたり、ユーザーにより入力されたりすることにより更新されてもよい。
【0136】
プロセッサー330は、一つ以上のプロセッサーから構成されてもよい。
【0137】
プロセッサー330は、コンピューティング装置300の全般的な動作を制御する。具体的には、プロセッサー330は、上述したような通信モジュール310及びメモリー320を備えるコンピューティング装置300の構成と接続され、上述したようなメモリー320に記憶された少なくとも一つの指令を実行してコンピューティング装置300の動作を全般的に制御することができる。
【0138】
プロセッサー330は、多種多様な方式により実現されることが可能である。例えば、プロセッサー330は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、埋め込みプロセッサー、マイクロプロセッサー、ハードウェアコントロールロジック、ハードウェア有限状態機械(FSM:hardware Finite State Machine)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processors)のうちの少なくとも一つにより実現されてもよい。一方、この開示において、プロセッサー330という用語は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィックス処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)及び主処理装置(MPU:Main Processing Unit)などを網羅する意味として使用可能である。
【0139】
一方、上述した実施形態に係るコンピューティング装置300において行われる制御方法は、プログラムにより実現されてコンピューティング装置300に提供され得る。例えば、コンピューティング装置300の制御方法を含むプログラムは、非一時的なコンピューターにて読み取り可能な媒体(non-transitory computer readable medium)に記憶されて提供され得る。
【0140】
以上において、コンピューティング装置300の制御方法、そしてコンピューティング装置300の制御方法を実行するプログラムを含むコンピューターにて読み取り可能な記録媒体について簡略に説明したが、これは、重複する説明を省略するためのものに過ぎず、電子装置100についての様々な実施形態は、コンピューティング装置300の制御方法、そしてコンピューティング装置300の制御方法を実行するプログラムを含むコンピューターにて読み取り可能な記録媒体に対しても適用されることが可能であるということはいうまでもない。
【0141】
一方、機器にて読み取り可能な記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体の形態で提供され得る。ここで、「非一時的」は、記憶媒体が有形の(tangible)装置であり、信号(signal)(例えば、電磁気波)を含まないということを意味するものに過ぎず、この言い回しは、データが記憶媒体に半永久的に記憶される場合と一時的に記憶される場合とを区別しない。例えば、「非一時的な記憶媒体」は、データが一時的に記憶されるバッファーを備えていてもよい。
【0142】
以上において説明した本出願は、前述した実施形態及び添付図面により何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲により限定され、本出願の構成は、本出願の技術的な思想を逸脱しない範囲内においてその構成を種々に変更及び改造することができるということを本出願が属する技術分野において通常の知識を有する者は容易に理解できる筈である。
【0143】
[謝辞]
【0144】
本発明は、大韓民国政府が支援した次の研究課題の支援を受けて海外への出願が行われたものである。
【0145】
研究課題の情報
部処名:韓国観光公社
研究事業名:観光グローバル先導企業の後続支援
課題名:スマートフォン連動型人間/物事の自動認識及びトラッキング撮影機器
主管機関:(株)ツリーアイ
研究期間:2022.03.04~2022.12.31
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、ポイントクラウドのポイントの色相を用いてホールフェイスを埋めることにより、ホールフェイスを効率よいリソースにて正確に埋めることができるという効果があるので、産業上の利用可能性が高い。
【0147】
また、本発明は、3次元モデルのフェイスに適した画像を効果的に選択することにより、室内において互いに離れている複数の地点から撮影される画像に基づく3次元生成環境下でもより一層正確なテキスチャーリングを提供することができるという効果があるので、産業上の利用可能性が高い。
【0148】
さらに、本発明は、室内の複数の他の地点の間の異なる撮影条件によって生じる色ムラを正確に補償して、仮想の室内空間の各面に対して異質感を極力抑え、実際の空間とさらに高い類似度を有する仮想空間のテキスチャーを提供することができるという効果があるので、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0149】
100 画像取得装置
300 コンピューティング装置
310 通信モジュール
320 メモリー
330 プロセッサー
500 ユーザー端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】