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特表2024-527231エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法、装置、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/17 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
G01T1/17 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573365
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2022116502
(87)【国際公開番号】W WO2023245867
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202210697329.2
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523446745
【氏名又は名称】上海市計量測試技術研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】趙超
(72)【発明者】
【氏名】唐方東
(72)【発明者】
【氏名】何林鋒
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188BB04
2G188BB05
2G188BB06
2G188CC11
2G188EE12
2G188FF04
(57)【要約】
本願は、エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法、装置、電子機器及び記憶媒体を開示し、該方法は、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて、それぞれが少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定することと、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定することと、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて、それぞれが少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することと、を含む、
エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法。
【請求項2】
前記した、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することは、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記保留エネルギスペクトルセクションを区画し、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得て、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することと、
プリセットパーティショニング終了条件が満たされる場合、前記更新後の標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすることと、
プリセットパーティショニング終了条件が満たされない場合、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻ることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記した、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記標記エネルギスペクトルセクションを保留エネルギスペクトルセクションとすること、
又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第1のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを前記標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得ること、
又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第2のプリセット数のチャンネルアドレスを前記標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得ることを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数エネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することと、
すべての組替えエネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が前記参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れる場合、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻ることと、
すべての組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が前記参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れない場合、前記参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとすることと、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションの複数のエネルギスペクトルパーティションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記ウィンドウ位置決め指標がプリセット参照条件を満たすエネルギスペクトルパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとし、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション数がプリセットパーティション数閾値よりも大きい場合、前記保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第3のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを前記保留エネルギスペクトルセクションから除去し、参照エネルギスペクトルセクションを得ることと、
前記参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第4のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて組合せ待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクションと前記組合せ待ちエネルギスペクトルセクションとを合併し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得ることと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとし、前記参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第5のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて除去待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクションにおける前記除去待ちエネルギスペクトルセクションを除去し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得ることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
各組替えエネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数と前記参照エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数との差値がプリセット差値閾値を超えない場合、前記標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすることをさらに含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションにおける複数のエネルギスペクトルパーティションの組合せをトラバースし、それぞれが2つ又は2つ以上の連続して配列されるエネルギスペクトルパーティションの組合せで得られる少なくとも1つの組合せエネルギスペクトルセクションを得ることと、
前記複数のエネルギスペクトルパーティション及び前記少なくとも1つの組合せエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することと、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションを区画し、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得ることは、
チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、前記保留エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ分布に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、プリセットされたランダムアルゴリズムに基づいて前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける複数のエネルギスペクトルパーティションの数及び複数のエネルギスペクトルパーティションに対応するチャンネルアドレスセグメントの配列情報に応じて再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定し、前記再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを区画し、前記再パーティショニングエネルギスペクトルセクションの区画結果に応じて前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得ることを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける複数のエネルギスペクトルパーティションの数及び複数のエネルギスペクトルパーティションに対応するチャンネルアドレスセグメントの配列情報に応じて再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第1のプリセット数閾値に到達しない場合、前記保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとすることと、
前記保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第2のプリセット数閾値に到達する場合、前記保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第6のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとすることと、を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プリセットパーティショニング終了条件は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける前記標記エネルギスペクトルセクション以外のエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値に到達すること、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの更新回数がプリセット回数閾値に到達すること、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションが連続的にプリセット回数更新される場合、毎回の更新後に前記標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標の変化がプリセット変化量を超えないこと、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がプリセットウィンドウ位置決め指標閾値よりも優れていること、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記した、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定することは、
各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ又は各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及びすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エネルギスペクトルデータは、試料計数、バックグラウンド計数、測定時間、チャンネルアドレス及びエネルギのうちの少なくとも1項を含み、前記測定試料データは、測定試料のアクティビティ、体積及び質量のうちの少なくとも1項を含み、前記測定環境データは、測定環境における温度、湿度、粒子計数、粉塵及び電磁測定のうちの少なくとも1項を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて、それぞれが少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定するように構成されるエネルギスペクトル区画モジュールと、
前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定するように構成されるエネルギスペクトルセクション標記モジュールと、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定するように構成される計数ウィンドウ決定モジュールと、を備える、
エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め装置。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~13のいずれか1項に記載のエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器。
【請求項16】
プロセッサにより実行されると、請求項1~13のいずれか1項に記載のエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実現するためのコンピュータ命令が記憶された、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年06月20日に中国専利局に提出され、出願番号が202210697329.2である中国特許出願の優先権を主張し、該出願のすべての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、エネルギスペクトル測定の技術分野に関し、例えばエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
核子及び核放射測定計器において、γスペクトロメータ、αスペクトロメータ及び液体シンチレーションカウンタは、いずれもよく見られるエネルギスペクトル型測定計器であり、それらにより測って得られる放射性エネルギスペクトルは、一般的にチャンネルアドレスと計数とが対応している一連のデータとして表される。
【0004】
特定の放射性同位元素について、そのエネルギスペクトルにおいて寄与する計数は、一般的に相応するチャンネルアドレス領域に集中して分布し、エネルギスペクトルの分析時にこの領域の計数のみを考慮するので、領域外のバックグラウンド及び他の同位元素の寄与する計数の干渉を回避でき、従って、この領域が計数ウィンドウと呼ばれる。
【0005】
液体シンチレーションカウンタにより測定されたエネルギスペクトルに対して、業界内にはよい計数ウィンドウ自動位置決め方法が未だなく、これは主に、液体シンチレーションカウンタが、エネルギが連続スペクトルであるβ線を測定するためによく使用され、且つ液体シンチレーションカウンタの測定時に往々にしてクエンチング効果が存在しているため、エネルギスペクトルに異なる程度の変形及び移動があり、それにより測定されたエネルギスペクトルは通常、鋭い正規分布を呈しないばかりか、平坦であり、既存の自動ピークサーチ技術を使い続けることができないからである。全ての可能な計数ウィンドウの性能指数(Figure of merit、FOM)をトラバースして、FOM値の大きさを比較することにより計数ウィンドウを位置決めし、このような方法は、効率が低く、実用性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、エネルギスペクトルの計数ウィンドウを正確に位置決めしにくいという問題を解決し、エネルギスペクトルの計数ウィンドウの自動的な位置決め、時間複雑度の低減を実現するためのエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて、それぞれが少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することと、を含むエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を提供する。
【0008】
処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて、それぞれが少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定するように構成されるエネルギスペクトル区画モジュールと、
前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定するように構成されるエネルギスペクトルセクション標記モジュールと、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定するように構成される計数ウィンドウ決定モジュールと、を備えるエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め装置を提供する。
【0009】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサが本願のいずれかの実施例に記載のエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、電子機器を提供する。
【0010】
プロセッサにより実行されると、本願のいずれかの実施例に記載のエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実現するためのコンピュータ命令が記憶された、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下、実施例の説明で使用する必要がある図面について簡単に紹介し、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を行わない前提で、これらの図面に従って他の図面をさらに取得できることは明らかである。
【0012】
図1】本願の実施例1に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法のフローの模式図である。
図2】本願の実施例2に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法のフローの模式図である。
図3】本願の実施例3に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法のフローの模式図である。
図4】本願の実施例4に係る処理待ちエネルギスペクトルの模式図である。
図5】本願の実施例4に係る1回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。
図6】本願の実施例4に係る2回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。
図7】本願の実施例4に係る3回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。
図8】本願の実施例4に係る4回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。
図9】本願の実施例4に係る5回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。
図10】本願の実施例4に係る6回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。
図11】本願の実施例7に係るエネルギスペクトルの計数ウィンドウ装置の構造模式図である。
図12】本願の実施例8に係る電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術態様を説明するが、説明される実施例は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属すべきである。
【0014】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は前後順序を説明するために使用される必要はなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用されるデータは、適切な場合に置換え可能であり、これにより、ここで説明される本願の実施例が、ここで図示又は説明されるもの以外の順序で実施できることを理解すべきである。また、用語「含む」及び「有する」並びにこれらの如何なる変形も、排他的ではない包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットの過程、方法、システム、製品又は機器を含み、必ずしも明確に挙げられたそれらのステップ又はユニットに限定されず、明確に挙げられていない又はこれらの過程、方法、製品又は機器にとって固有である他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0015】
実施例1
図1は、本願の実施例1に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法のフローの模式図である。本実施例は、エネルギスペクトルの計数ウィンドウを自動的に位置決めする場合に適用可能であり、該方法は、エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め装置により実行可能であり、該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの方式を採用して実現可能であり、該装置は、電子機器、例えばPC端、サーバなどに配置可能である。図1に示すように、該方法は、以下のようなステップを含む。
【0016】
S110において、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0017】
処理待ちエネルギスペクトルは、核子及び核放射測定計器に基づいて測って得られるデータであってもよい。エネルギスペクトルパーティションは、処理待ちエネルギスペクトルをプリセットルールに従って区画した後に得られるエネルギスペクトル領域であってもよく、そのうち、プリセットルールは、限定せず、実際のニーズに応じて決定されてもよい。各候補エネルギスペクトルセクションは、少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含み、各エネルギスペクトルパーティションをそれぞれ1つの候補エネルギスペクトルセクションとして決定してもよいし、隣り合う少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションを1つの候補エネルギスペクトルセクションとして決定してもよい。
【0018】
なお、エネルギスペクトル型測定計器により測って得られる放射性エネルギスペクトルは一般的に、表1に示すように、チャンネルアドレスと計数とが対応している一連のデータとして表される。チャンネルアドレスは、通常、エネルギと正の相関関係を呈し、そのうち、線形関係又は対数関係がよく見られ、チャンネルアドレスiは計数Nに対応し、その物理的意味は、該核子及び核放射測定計器が該チャンネルアドレスに対応するエネルギでN個の計数を記録したことである。
【0019】
【0020】
核子及び核放射測定計器に基づいて処理待ちエネルギスペクトルを取得し、又は予め測定して記憶された処理待ちエネルギスペクトルを取得することができる。プリセットルールに応じて、処理待ちエネルギスペクトルをチャンネルアドレスに従って区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションを得る。少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションの組合せに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定することができる。好ましくは、各候補エネルギスペクトルセクションに2つ又は2つ以上のエネルギスペクトルパーティションが含まれる場合、2つ又は2つ以上のエネルギスペクトルパーティションは連続して配列される。
【0021】
例示的に、エネルギスペクトルパーティションに1、2、3及び4が含まれれば、エネルギスペクトルパーティション1、2、3及び4をそれぞれ1つの候補エネルギスペクトルセクションとしてもよいし、隣り合う2つのエネルギスペクトルパーティション、例えばエネルギスペクトルパーティション1及び2、エネルギスペクトルパーティション2及び3、並びにエネルギスペクトルパーティション3及び4を1つの候補エネルギスペクトルセクションとしてもよいし、隣り合う3つのエネルギスペクトルパーティション、例えばエネルギスペクトルパーティション1~3及びエネルギスペクトルパーティション2~4を1つの候補エネルギスペクトルセクションとしてもよく、勿論、エネルギスペクトルパーティション1~4を1つの候補エネルギスペクトルセクションとしてもよい。
【0022】
本実施例を踏まえ、下記任意の1つの方式によりチャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画することができる。
【0023】
方式1において、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数に従って、処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0024】
実際のニーズに従ってエネルギスペクトルパーティションに含まれるべきチャンネルアドレス数を予め設定し、該チャンネルアドレス数及びチャンネルアドレスの総数に応じて処理待ちエネルギスペクトルを区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションを得ることができる。チャンネルアドレスの総数が予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数の整数倍でなければ、残りのチャンネルアドレスを単独に1つのエネルギスペクトルパーティションとしてもよいし、残りのチャンネルアドレスを最後の1つのエネルギスペクトルパーティションに追加してもよい。
【0025】
例示的に、チャンネルアドレスの総数は256であり、予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が64であれば、1~64、65~128、129~192及び193~256を4つのエネルギスペクトルパーティションとすることができ、予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が80であれば、1~80、81~160、161~240及び241~256を4つのエネルギスペクトルパーティションとするか又は1~80、81~160、161~256を3つのエネルギスペクトルパーティションとすることができる。
【0026】
方式2において、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数に従って、処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0027】
実際のニーズに従ってエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数を予め設定し、該パーティション数及びチャンネルアドレスの総数に応じて処理待ちエネルギスペクトルを区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションを得ることができる。
【0028】
例示的に、チャンネルアドレスの総数は256であり、予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数が8であれば、1~32、33~64、65~96、97~128、129~160、161~192、193~224及び225~256を8つのエネルギスペクトルパーティションとすることができる。
【0029】
方式3において、処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータの分布に従って、処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0030】
エネルギスペクトルデータの分布は、振幅値分布などであってもよい。処理待ちエネルギスペクトルに応じてエネルギスペクトルデータの分布状況を決定することができ、該分布状況で処理待ちエネルギスペクトルを区画し、例えば計数値がプリセット閾値に到達すると1つのエネルギスペクトル領域に区画したりすることができることを理解できる。
【0031】
プリセットパーティション値アルゴリズムに基づいて処理待ちエネルギスペクトルにおける各チャンネルアドレスに対応するパーティション値を計算し、各チャンネルアドレスに対して、前記各チャンネルアドレスのパーティション値及び前記各チャンネルアドレスに近接するプリセット数のチャンネルアドレスのパーティション値の平均値を計算し、複数のチャンネルアドレスのパーティション値の平均値に応じて処理待ちエネルギスペクトルをチャンネルアドレスに従って少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画するというものであってもよい。
【0032】
プリセットパーティション値アルゴリズムは、
であり、
Pは、各チャンネルアドレスのパーティション値であり、iは、チャンネルアドレス番号であり、Nは、チャンネルアドレスiに対応する試料測定スペクトル計数であり、Bは、チャンネルアドレスiに対応するバックグラウンド測定スペクトル計数であり、Tは、試料測定スペクトルの測定ライブタイムであり、Tは、バックグラウンド測定スペクトルの測定ライブタイムである。
【0033】
前記各チャンネルアドレスのパーティション値及び前記各チャンネルアドレスに近接するプリセット数のチャンネルアドレスのパーティション値の平均値を計算することで、各チャンネルアドレスのパーティション値を平滑化処理することができる。前記各チャンネルアドレスの両端の15個のチャンネルアドレスのパーティション値を採用して該チャンネルアドレスの対応する平均値
を計算する
であってもよい。
nは、平均値の計算のためのチャンネルアドレスの実際総数であり、iは、計算待ち平均値のチャンネルアドレスのチャンネルアドレス番号であり、jは、平均値の計算のためのチャンネルアドレスのチャンネルアドレス番号である。nは、一般的な場合で31を取るが、チャンネルアドレスiがエネルギスペクトルのエッジに近い時、チャンネルアドレスjが無効である場合を差し引く必要がある。
【0034】
各チャンネルアドレスのパーティション値の平均値に応じて処理待ちエネルギスペクトルをチャンネルアドレスに従って少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画することは、各チャンネルアドレスの対応する平均値に応じて各チャンネルアドレスのパーティション番号を決定し、パーティション番号が一致して連続するチャンネルアドレスを1つのパーティションに区画するということであってもよい。
【0035】
例示的に、以下のような数式に従って各チャンネルアドレスのパーティション番号Mを計算することができる。
【0036】
S120において、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0037】
ウィンドウ位置決め指標は、計数ウィンドウの優劣程度を衡量するための少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ又は少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び他のデータに応じて決定された指標データであってもよい。標記エネルギスペクトルセクションは、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのうちの1つの候補エネルギスペクトルセクション又は連続する複数の候補エネルギスペクトルセクションであってもよく、標記エネルギスペクトルセクションは、現在区画して得られる計数ウィンドウが最適なエネルギスペクトルセクションである。
【0038】
ウィンドウ位置決め指標の計算方式に応じて、それぞれ各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定することができる。ウィンドウ位置決め指標が最適な1つの候補エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとして決定してもよい。最適な1つの候補エネルギスペクトルセクション、最適な1つの候補エネルギスペクトルセクションと左側に隣り合う候補エネルギスペクトルセクション、最適な1つの候補エネルギスペクトルセクションと右側に隣り合う候補エネルギスペクトルセクション、及び最適な1つの候補エネルギスペクトルセクションと両側に隣り合う候補エネルギスペクトルセクションに対してウィンドウ位置決め指標の計算を行って、最適な組合せ方式で組合わせられた最適なウィンドウ位置決め指標を有する候補エネルギスペクトルセクションを、標記エネルギスペクトルセクションとして決定しもよい。
【0039】
なお、本願の実施例において、ウィンドウ位置決め指標が最適であるか否かはその計算方式に関連し、ここではその取り値を限定しない。例えば、最適なウィンドウ位置決め指標は、ウィンドウ位置決め指標における最大値である可能性があり、ウィンドウ位置決め指標における最小値である可能性もあり、また、ウィンドウ位置決め指標における設定値に最も近い値である可能性もあり、また、ウィンドウ位置決め指標における中間値などである可能性もある。
【0040】
好ましくは、ウィンドウ位置決め指標は、当分野の学界により提出される性能指数(Figure of merit、FOM)であり、その定義は、通常、検出効率の二乗とバックグラウンド計数率との比であり、FOM値が大きいほど、指標効果が優れ、計数ウィンドウの効果がよくなる。
【0041】
好ましくは、ウィンドウ位置決め指標は、
として定義され、
F(R)は、候補エネルギスペクトルセクションRのウィンドウ位置決め指標であり、iは、候補エネルギスペクトルセクションR内のチャンネルアドレス番号であり、Nは、チャンネルアドレスiに対応する試料測定スペクトル計数であり、Bは、チャンネルアドレスiに対応するバックグラウンド測定スペクトル計数であり、Tは、試料測定スペクトルの測定ライブタイムであり、Tは、バックグラウンド測定スペクトルの測定ライブタイムである。
【0042】
好ましくは、ウィンドウ位置決め指標は、
として定義され、
F(R)は、候補エネルギスペクトルセクションRのウィンドウ位置決め指標であり、iは、候補エネルギスペクトルセクションR内のチャンネルアドレス番号であり、Nは、チャンネルアドレスiに対応する試料測定スペクトル計数であり、Bは、チャンネルアドレスiに対応するバックグラウンド測定スペクトル計数であり、Tは、試料測定スペクトルの測定ライブタイムであり、Tは、バックグラウンド測定スペクトルの測定ライブタイムである。
【0043】
好ましくは、ウィンドウ位置決め指標は、
として定義され、
F(R)は、候補エネルギスペクトルセクションRのウィンドウ位置決め指標であり、iは、候補エネルギスペクトルセクションR内のチャンネルアドレス番号であり、Lは、候補エネルギスペクトルセクションRの幅(即ちそれに含まれるチャンネルアドレス数)であり、Nは、チャンネルアドレスiに対応する試料測定スペクトル計数であり、Bは、チャンネルアドレスiに対応するバックグラウンド測定スペクトル計数であり、Tは、試料測定スペクトルの測定ライブタイムであり、Tは、バックグラウンド測定スペクトルの測定ライブタイムである。
【0044】
上記した、ウィンドウ位置決め指標を決定する複数の方式は、例示的な説明に過ぎず、ウィンドウ位置決め指標の計算方式を制限するものではなく、ウィンドウ効果の評価、計算に使用可能な如何なる指標も、すべてウィンドウ位置決め指標とされることが可能であり、本実施例において限定しない。
【0045】
例示的に、合わせて8つの候補エネルギスペクトルセクションがあり、候補エネルギスペクトルセクション4に対応するウィンドウ位置決め指標は、8つの候補エネルギスペクトルセクションのうちの最適な1つであり、この時、候補エネルギスペクトルセクション4、候補エネルギスペクトルセクション3~4、候補エネルギスペクトルセクション4~5及び候補エネルギスペクトルセクション3~5のウィンドウ位置決め指標を計算することができ、候補エネルギスペクトルセクション4に対応するウィンドウ位置決め指標が最適であれば、候補エネルギスペクトルセクション4を標記エネルギスペクトルセクションとし、候補エネルギスペクトルセクション3~4に対応するウィンドウ位置決め指標が最適であれば、拡張し、候補エネルギスペクトルセクション3~4、候補エネルギスペクトルセクション2~4、候補エネルギスペクトルセクション3~5及び候補エネルギスペクトルセクション2~5に対応するウィンドウ位置決め指標を決定し、最適セクション及び拡張セクションを順次決定して標記エネルギスペクトルセクションを決定し、候補エネルギスペクトルセクション4~5又は候補エネルギスペクトルセクション3~5のウィンドウ位置決め指標が最適であれば、標記エネルギスペクトルセクションを決定する方式は、候補エネルギスペクトルセクション3~4に対応するウィンドウ位置決め指標が最適である場合に類似し、ここでは繰り返し説明しない。
【0046】
S130において、標記エネルギスペクトルセクションに応じて処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定する。
【0047】
標記エネルギスペクトルセクションが決定された後、標記エネルギスペクトルセクションが現在の区画ルールで最適なエネルギスペクトルセクションであると考えられる。この場合、標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとしてもよい。標記エネルギスペクトルセクションを区画し続け、即ち、標記エネルギスペクトルセクションを基準にパーティショニングを行い、区画後のエネルギスペクトルパーティションに対して計算及び比較を行い、処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定してもよい。
【0048】
本願の実施例の技術態様は、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画して、処理待ちエネルギスペクトルの初歩的パーティショニングを行い、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定し、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定して、計数ウィンドウを初歩的に選別し、標記エネルギスペクトルセクションに応じて処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することで、計数ウィンドウの決定時に計算効率が低く、実用性が低いという問題を解決し、エネルギスペクトルの計数ウィンドウの自動的な位置決め、時間複雑度の低減、実用性の向上という技術効果を実現する。
【0049】
実施例2
図2は、本願の実施例2に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法のフローの模式図である。本実施例は、上記実施例を踏まえ、標記エネルギスペクトルセクションに応じて処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定する具体的な実施形態については本実施例の技術態様を参照することができる。上記複数の実施例と同じ又は相応する用語の解釈は、ここで繰り返し説明しない。図2に示すように、該方法は、以下のようなステップを含む。
【0050】
S210において、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0051】
S220において、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0052】
本実施例を踏まえ、下記任意の1つの方式により各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定することができる。
【0053】
方式1において、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ又は各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及びすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータに応じて各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定する。
【0054】
各候補エネルギスペクトルセクションに対しては、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよいし、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び該候補エネルギスペクトルセクションと隣り合う候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよい。
【0055】
好ましくは、エネルギスペクトルデータは、試料計数、バックグラウンド計数、測定時間、チャンネルアドレス及びエネルギのうちの少なくとも1項を含む。
【0056】
方式2において、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータに応じて、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定する。
【0057】
各候補エネルギスペクトルセクションに対しては、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよいし、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、該候補エネルギスペクトルセクションと隣り合う候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよい。
【0058】
方式3において、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データに応じて、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定する。
【0059】
測定試料データは、測定試料を衡量するための測定待ちの試料に関連するデータである。好ましくは、測定試料データは、測定試料のアクティビティ、体積及び質量のうちの少なくとも1項を含む。
【0060】
各候補エネルギスペクトルセクションに対しては、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよいし、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、該候補エネルギスペクトルセクションと隣り合う候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよい。
【0061】
方式4において、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定する。
【0062】
測定環境データは、核子及び核放射測定計器を使用して測定を行う時の環境状況を衡量するために使用可能である。
【0063】
好ましくは、測定環境データは、測定環境における温度、湿度、粒子計数、粉塵及び電磁測定のうちの少なくとも1項を含む。
【0064】
各候補エネルギスペクトルセクションに対しては、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよいし、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、該候補エネルギスペクトルセクションと隣り合う候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよい。
【0065】
方式5において、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定する。
【0066】
各候補エネルギスペクトルセクションに対しては、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよいし、該候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、該候補エネルギスペクトルセクションと隣り合う候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、該候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を計算して決定してもよい。
【0067】
S230において、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0068】
保留エネルギスペクトルセクションは、次回の区画及び計算時に使用されるエネルギスペクトルセクションとして理解できる。
【0069】
標記エネルギスペクトルセクションが決定された後、標記エネルギスペクトルセクションを保留エネルギスペクトルセクションとして決定してもよいし、標記エネルギスペクトルセクション及び標記エネルギスペクトルセクションの左右両端の一定数のエネルギスペクトルパーティション又はチャンネルアドレスを保留エネルギスペクトルパーティションとしてもよい。
【0070】
好ましくは、下記任意の1つの方式により標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定することができる。
【0071】
方式1において、標記エネルギスペクトルセクションを保留エネルギスペクトルセクションとする。
【0072】
例示的に、標記エネルギスペクトルセクションがエネルギスペクトルパーティション3及び4であれば、保留エネルギスペクトルセクションも、エネルギスペクトルパーティション3及び4である。
【0073】
方式2において、標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第1のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得る。
【0074】
例示的に、第1のプリセット数が1で、標記エネルギスペクトルセクションがエネルギスペクトルパーティション3及び4であれば、標記エネルギスペクトルセクションの両端のエネルギスペクトルパーティションに近接する第1のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションは、エネルギスペクトルパーティション2及びエネルギスペクトルパーティション5である。この時、保留エネルギスペクトルセクションは、エネルギスペクトルパーティション2~5である。
【0075】
なお、第1のプリセット数が設定された後、標記エネルギスペクトルセクションの左端又は右端に近接するエネルギスペクトルパーティションを標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得てもよいし、標記エネルギスペクトルセクションの左端及び右端に近接するエネルギスペクトルパーティションを標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得てもよく、そのうち、左端で合併されたエネルギスペクトルパーティション数及び右端で合併されたエネルギスペクトルパーティション数は、同じであっても異なってもよい。
【0076】
方式3において、標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第2のプリセット数のチャンネルアドレスを標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得る。
【0077】
例示的に、第2のプリセット数が10で、標記エネルギスペクトルセクションがエネルギスペクトルパーティション3及び4であれば、エネルギスペクトルパーティション3の左端の10個のチャンネルアドレス、エネルギスペクトルパーティション3~4及びエネルギスペクトルパーティションの右端の10個のチャンネルアドレスを保留エネルギスペクトルセクションとして決定する。
【0078】
なお、第2のプリセット数が設定された後、標記エネルギスペクトルセクションの左端又は右端に近接するチャンネルアドレスを標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得てもよいし、標記エネルギスペクトルセクションの左端及び右端に近接するチャンネルアドレスを標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得てもよく、そのうち、左端で合併されたチャンネルアドレス数及び右端で合併されたチャンネルアドレス数は、同じであっても異なってもよい。
【0079】
なお、さらに、第1のプリセット数及び第2のプリセット数は、いずれも実際の使用ニーズに応じて設定されてもよく、大きさは、本実施例において限定しない。
【0080】
S240において、保留エネルギスペクトルセクションを区画し、保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得て、保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションに応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新する。
【0081】
保留エネルギスペクトルセクションを区画し、保留エネルギスペクトルセクションを区画した後に得られる複数のエネルギスペクトルパーティションに対して分析又は組合せ分析などを行う。複数のエネルギスペクトルパーティションの分析結果に応じて新たな標記エネルギスペクトルセクションを更新するように決定することができる。
【0082】
好ましくは、下記任意の1つの方式により保留エネルギスペクトルセクションを区画し、保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得ることができる。
【0083】
方式1において、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数に従って、保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0084】
実際のニーズに従ってエネルギスペクトルパーティションに含まれるべきチャンネルアドレス数を予め設定し、該チャンネルアドレス数及びチャンネルアドレスの総数に応じて保留エネルギスペクトルセクションを区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションを得ることができる。チャンネルアドレスの総数が予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数の整数倍でなければ、残りのチャンネルアドレスを単独に1つのエネルギスペクトルパーティションとしてもよいし、残りのチャンネルアドレスを最後の1つのエネルギスペクトルパーティションに追加してもよい。
【0085】
方式2において、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数に従って、保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0086】
実際のニーズに従ってエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数を予め設定し、該パーティション数及びチャンネルアドレスの総数に応じて保留エネルギスペクトルセクションを区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションを得ることができる。
【0087】
方式3において、保留エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ分布に従って、保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0088】
保留エネルギスペクトルセクションに応じてエネルギスペクトルデータの分布状況を決定することができ、該分布状況で保留エネルギスペクトルセクションを区画し、例えば計数値がプリセット閾値に到達すると1つのエネルギスペクトル領域に区画したりすることができる。
【0089】
方式4において、プリセットされたランダムアルゴリズムに基づいて保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画する。
【0090】
プリセットされたランダムアルゴリズムに基づいて保留エネルギスペクトルセクションをランダムな数のエネルギスペクトルパーティションに分けることができ、各エネルギスペクトルパーティションにおけるチャンネルアドレス数もランダムである。
【0091】
方式5において、保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションの数及び少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションに対応するチャンネルアドレスセグメントの配列情報に応じて再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定し、再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを区画し、再パーティショニングエネルギスペクトルセクションの区画結果に応じて保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得る。
【0092】
再パーティショニングエネルギスペクトルセクションは、保留エネルギスペクトルセクションにおける後続で再度区画されるセクションであってもよく、そのため、再パーティショニングエネルギスペクトルセクションは、全部又は一部の保留エネルギスペクトルセクションであってもよい。配列情報は、エネルギスペクトルパーティションにおける少なくとも1つのチャンネルアドレスセグメントの位置関係、及び所属するエネルギスペクトルパーティションなどを含んでもよい。
【0093】
保留エネルギスペクトルセクションが決定された後、保留エネルギスペクトルパーティションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの数、及び各エネルギスペクトルパーティションにおけるチャンネルアドレスセグメントの配列情報を決定することができる。保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション数が多ければ、保留エネルギスペクトルセクションの中間領域は改めてパーティショニングされない領域であると考えられ、ひとまず区画されず、このような場合、チャンネルアドレスセグメントの配列情報に従って、中間領域以外の再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定することができ、保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション数が少なければ、全部の保留エネルギスペクトルセクションが再パーティショニングエネルギスペクトルセクションであると考えられる。再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを区画し、保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得る。
【0094】
好ましくは、保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第1のプリセット数閾値に到達しなければ、保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとする方式により、再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定することができる。
【0095】
保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第1のプリセット数閾値に到達しなければ、現在の保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションが少ないことを示し、全部の保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとすればよい。
【0096】
例示的に、第1のプリセット数閾値は5であり、保留エネルギスペクトルセクションにエネルギスペクトルパーティション4~7が含まれ、エネルギスペクトルパーティションの総数が4で、第1のプリセット数閾値の5よりも小さければ、保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとし、即ちエネルギスペクトルパーティション4~7を再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとする。
【0097】
保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第2のプリセット数閾値に到達すれば、保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第6のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとする。
【0098】
保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第2のプリセット数閾値に到達すれば、現在の保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションが多いことを示し、直接、保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとすると、再パーティショニング後の各エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションが多く、計算量が大きい。そのため、後続で再パーティショニングするように保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第6のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとし、残りの部分を、後続の再パーティショニングを行わずに保留するか又は1つのパーティションとして合併する。
【0099】
なお、第6のプリセット数が設定された後、保留エネルギスペクトルセクションの左端又は右端に位置する少なくとも1つの各エネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとしてもよいし、保留エネルギスペクトルセクションの左端及び右端に位置する少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとしてもよく、そのうち、左端から決定されたエネルギスペクトルパーティション数及び右端から決定されたエネルギスペクトルパーティション数は、同じであっても異なってもよい。
【0100】
例示的に、保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションは4~10であり、第2のプリセット数閾値は5であり、保留エネルギスペクトルセクションの左端に対応する第6のプリセット数は2であり、且つ保留エネルギスペクトルセクションの右端に対応する第6のプリセット数は3である。この時、エネルギスペクトルパーティションの総数の7が第2のプリセット数閾値の5に到達したので、保留エネルギスペクトルセクションの左端に位置する2つのエネルギスペクトルパーティション及び右端に位置する3つのエネルギスペクトルパーティション、即ちエネルギスペクトルパーティション4~5及びエネルギスペクトルパーティション8~10を、再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとする。
【0101】
なお、第1のプリセット数閾値は、第2のプリセット数閾値よりも小さいか又は等しくてもよく、第1のプリセット数閾値が第2のプリセット数閾値よりも小さければ、保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第1のプリセット数閾値には到達したものの第2のプリセット数閾値に到達していないと、任意の1つの方式を採用して再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定することができ、本実施例において限定しない。
【0102】
好ましくは、下記複数のステップにより保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションに応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新することができる。
【0103】
ステップ1において、保留エネルギスペクトルセクションにおける複数のエネルギスペクトルパーティションの組合せをトラバースし、少なくとも1つの組合せエネルギスペクトルセクションを得る。
【0104】
組合せエネルギスペクトルセクションは、2つ又は2つ以上の連続して配列されるエネルギスペクトルパーティションの組合せで得られる。
【0105】
保留エネルギスペクトルセクションにおける任意の2つ又は2つ以上のエネルギスペクトルパーティションは、一緒に組み合わせることができ、そのうちの複数のエネルギスペクトルパーティションが連続している組合せを組合せエネルギスペクトルセクションとして選別する。
【0106】
例示的に、保留エネルギスペクトルセクションにエネルギスペクトルパーティション1~4が含まれれば、組合せエネルギスペクトルセクションは、エネルギスペクトルパーティション1~2、1~3、1~4、2~3、2~4及び3~4を含む。
【0107】
ステップ2において、複数のエネルギスペクトルパーティション及び複数の組合せエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新する。
【0108】
各エネルギスペクトルパーティション及び各組合せエネルギスペクトルセクションに対しては、それぞれウィンドウ位置決め指標を計算して、複数のウィンドウ位置決め指標を比較し、比較結果に応じて最適なウィンドウ位置決め指標に対応するエネルギスペクトルパーティション又は組合せエネルギスペクトルセクションを新たな標記エネルギスペクトルセクションとして決定することができる。
【0109】
例示的に、再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを区画することは、再パーティショニングエネルギスペクトルセクション内の全てのパーティション幅(チャンネルアドレス数)が1ではないエネルギスペクトルパーティションを2つのエネルギスペクトルパーティション、又はチャンネルアドレス数の差が1である2つのエネルギスペクトルパーティションに等分するということであってもよい。
【0110】
S250において、プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、更新後の標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとし、プリセットパーティショニング終了条件が満たされなければ、S230の実行に戻る。
【0111】
プリセットパーティショニング終了条件は、予め設定された、再パーティショニングの停止を判断するための条件であってもよい。目標計数ウィンドウは、最終的に決定される測定待ちの放射性同位元素のエネルギスペクトルにおいて寄与する計数が集中して分布するチャンネルアドレス領域であってもよい。
【0112】
プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、この時、パーティション及び計算の反復を停止して、現在の保留エネルギスペクトルセクションにおける標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすることができることを示す。
【0113】
好ましくは、プリセットパーティショニング終了条件は、以下の任意の1つであってもよい。
【0114】
1つ目は、保留エネルギスペクトルセクションにおける標記エネルギスペクトルセクション以外のエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が、第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値に到達することである。
【0115】
第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値は、標記エネルギスペクトルセクション以外のエネルギスペクトルパーティションがさらに分けられることが可能であるか否かを判断するためのチャンネルアドレス数であってもよく、第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値は通常、1であり、実際のニーズに応じて設定されてもよい。
【0116】
例示的に、第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値は2であり、保留エネルギスペクトルセクションにおける標記エネルギスペクトルセクション以外のエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が1又は2であれば、プリセットパーティショニング終了条件が既に満たされたことを示す。
【0117】
2つ目は、標記エネルギスペクトルセクションの更新回数がプリセット回数閾値に到達することである。
【0118】
プリセット回数閾値は、標記エネルギスペクトルセクションの更新反復回数がニーズを満たすか否かを判断するための数であってもよく、数値は、実際のニーズに応じて設定されてもよい。
【0119】
例示的に、更新反復回数は8であり、現在の標記エネルギスペクトルセクションの更新回数が8回目であれば、プリセットパーティショニング終了条件が既に満たされたことを示す。
【0120】
3つ目は、標記エネルギスペクトルセクションが連続的にプリセット回数更新される場合、毎回の更新後に標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標の変化がプリセット変化量を超えないことである。
【0121】
連続的に更新されるプリセット回数は、3つ目のプリセットパーティショニング終了条件を実施するための条件である予め設定された更新回数であってもよい。プリセット変化割合は、ウィンドウ位置決め指標の変化状況が十分に大きいか否かを判断するための割合であってもよい。なお、ウィンドウ位置決め指標の変化は、2回の更新におけるウィンドウ位置決め指標の相対変化量であってもよいし、2回の更新におけるウィンドウ位置決め指標の絶対変化量であってもよい。
【0122】
例示的に、連続的に更新されるプリセット回数が3で、プリセット変化割合が1%で、現在の更新回数が3であれば、3回目の更新及び2回目の更新のウィンドウ位置決め指標の変化割合は5%であり、この時、プリセットパーティション条件が満たされず、次回の更新を行う。4回目の更新及び3回目の更新のウィンドウ位置決め指標の変化割合、5回目の更新及び4回目の更新のウィンドウ位置決め指標の変化割合並びに6回目の更新及び5回目の更新のウィンドウ位置決め指標の変化割合がいずれも1%よりも小さいと、プリセットパーティショニング終了条件が満たされる。
【0123】
4つ目は、標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がプリセットウィンドウ位置決め指標閾値よりも優れていることである。
【0124】
プリセットウィンドウ位置決め指標閾値は、ウィンドウ位置決め指標がニーズを満たすか否かを判断する数値であってもよい。
【0125】
例示的に、プリセットウィンドウ位置決め指標閾値はaであり、ウィンドウ位置決め指標は数値が大きいほど優れており、現在の反復において、標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標はbであり、b>aであれば、プリセットパーティショニング条件が満たされ、b≦aであれば、プリセットパーティショニング終了条件が満たされない。
【0126】
プリセットパーティショニング終了条件が満たされなければ、保留エネルギスペクトルセクションに対して再パーティショニング処理を行う必要がある。この時、後続でパーティショニングして目標計数ウィンドウを再決定するように、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻る。
【0127】
本願の実施例の技術態様は、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画して、処理待ちエネルギスペクトルの初歩的パーティショニングを行い、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定し、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定して、計数ウィンドウを初歩的に選別し、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定し、保留エネルギスペクトルセクションを区画し、保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得て、保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションに応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新し、プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとし、プリセットパーティショニング終了条件が満たされなければ、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻ることで、計数ウィンドウの決定時に計算効率が低く、実用性が低いという問題を解決し、エネルギスペクトルの計数ウィンドウの自動的な位置決め、時間複雑度の低減、実用性の向上という技術効果を実現する。
【0128】
実施例3
図3は、本願の実施例3に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法のフローの模式図である。本実施例は、上記実施例を踏まえ、標記エネルギスペクトルセクションの更新の具体的な実施形態については本実施例の技術態様を参照することができる。上記複数の実施例と同じ又は相応する用語の解釈は、ここで繰り返し説明しない。図3に示すように、該方法は、以下のようなステップを含む。
【0129】
S310において、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0130】
S320において、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0131】
S330において、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する。
【0132】
S340において、保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、参照エネルギスペクトルセクション及び参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する。
【0133】
すべての組替えエネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、S360を実行し、S360を実行し終えた後、引き続きS340を実行し、すべての組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がいずれも参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れなければ、S350を実行する。
【0134】
参照エネルギスペクトルセクションは、後続の分析の基準としてのエネルギスペクトルセクションであってもよい。組替えエネルギスペクトルセクションは、参照エネルギスペクトルセクションと参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションとの異なる組合せにより得られるエネルギスペクトルセクションであってもよい。
【0135】
保留エネルギスペクトルセクションの複数のエネルギスペクトルパーティションのうち、ウィンドウ位置決め指標がプリセット参照条件を満たすエネルギスペクトルパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとして決定してもよいし、標記エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションの数がプリセットパーティション数閾値よりも大きいか否かを判断し、エネルギスペクトルパーティションの数がプリセットパーティション数閾値よりも大きければ、保留エネルギスペクトルセクションの両端に位置する一定数のエネルギスペクトルパーティションを除去し、残りの部分を参照エネルギスペクトルセクションとして決定してもよいし、保留エネルギスペクトルセクション全体を参照エネルギスペクトルセクションとしてもよい。参照エネルギスペクトルセクション及び参照エネルギスペクトルセクションの両端と隣り合うエネルギスペクトルパーティション(左端、右端及び左右両端のエネルギスペクトルパーティション)をそれぞれ組み合わせて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得てもよいし、参照エネルギスペクトルセクションにおける参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティション(左端、右端及び左右両端のエネルギスペクトルパーティション)をそれぞれ除去して少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得てもよい。
【0136】
好ましくは、下記複数のステップにより参照エネルギスペクトルセクション及び少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することができる。
【0137】
ステップ1において、保留エネルギスペクトルセクションの複数のエネルギスペクトルパーティションのウィンドウ位置決め指標を決定し、ウィンドウ位置決め指標がプリセット参照条件を満たすエネルギスペクトルパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとし、又は、標記エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション数がプリセットパーティション数閾値よりも大きければ、保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第3のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを保留エネルギスペクトルセクションから除去し、参照エネルギスペクトルセクションを得る。
【0138】
プリセット参照条件は、予め設定されたウィンドウ位置決め指標に対応する条件、例えば、ウィンドウ位置決め指標が最も大きく、ウィンドウ位置決め指標がプリセット閾値に到達するなどであってもよい。プリセットパーティション数閾値は、予め設定された、パーティション数がエネルギスペクトルセクションの除去というニーズを満たすか否かを判断するための数値であってもよい。
【0139】
保留エネルギスペクトルセクションの複数のエネルギスペクトルパーティションのウィンドウ位置決め指標を計算し、複数のエネルギスペクトルパーティションのウィンドウ位置決め指標がプリセット参照条件を満たすか否かを判断することにより、プリセット参照条件を満たすエネルギスペクトルパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとしてもよい。標記エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルパーティション数がプリセットパーティション数閾値よりも大きい場合、保留エネルギスペクトルセクションから保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第3のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを除去し、残りの部分を参照エネルギスペクトルパーティションとしてもよい。
【0140】
なお、第3のプリセット数が設定された後、保留エネルギスペクトルセクションの左端又は右端に位置するエネルギスペクトルパーティションを保留エネルギスペクトルセクションから除去し、参照エネルギスペクトルセクションを得てもよいし、保留エネルギスペクトルセクションの左端及び右端に位置するエネルギスペクトルパーティションを保留エネルギスペクトルセクションから除去し、参照エネルギスペクトルセクションを得てもよく、左端で除去されたエネルギスペクトルパーティション数及び右端で除去されたエネルギスペクトルパーティション数は、同じであっても異なってもよい。
【0141】
ステップ2において、参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第4のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて組合せ待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、参照エネルギスペクトルセクションと組合せ待ちエネルギスペクトルセクションとを合併し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得る。
【0142】
組合せ待ちエネルギスペクトルセクションは、参照エネルギスペクトルセクションと隣り合う第4のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションであってもよい。
【0143】
参照エネルギスペクトルセクション以外の、参照エネルギスペクトルセクションと隣り合う、参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第4のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションをいずれも組合せ待ちエネルギスペクトルセクションとする。参照エネルギスペクトルセクションと少なくとも1つの組合せ待ちエネルギスペクトルセクションとを組み合わせて、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得る。
【0144】
なお、第4のプリセット数が設定された後、参照エネルギスペクトルセクションの左端又は右端に近接するエネルギスペクトルパーティションに応じて組合せ待ちエネルギスペクトルセクションを決定してもよいし、参照エネルギスペクトルセクションの左端及び右端に近接するエネルギスペクトルパーティションに応じて組合せ待ちエネルギスペクトルセクションを決定してもよく、そのうち、左端で決定されたエネルギスペクトルパーティションの数及び右端で決定されたエネルギスペクトルパーティションの数は、同じであっても異なってもよい。
【0145】
好ましくは、下記方式により参照エネルギスペクトルセクション及び少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定してもよい。
【0146】
保留エネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとし、参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第5のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて除去待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、参照エネルギスペクトルセクションにおける除去待ちエネルギスペクトルセクションを除去し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得る。
【0147】
除去待ちエネルギスペクトルセクションは、参照エネルギスペクトルセクションにおける、両端のうちの少なくとも一端に位置する第5のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションであってもよい。
【0148】
保留エネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとし、参照エネルギスペクトルセクションにおける、両端のうちの少なくとも一端に位置する第5のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを除去待ちエネルギスペクトルセクションとし、少なくとも1つの除去待ちエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションから除去することで、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得ることができる。
【0149】
なお、第5のプリセット数が設定された後、参照エネルギスペクトルセクションにおける左端又は右端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて除去待ちエネルギスペクトルセクションを決定してもよいし、参照エネルギスペクトルセクションにおける左端及び右端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて除去待ちエネルギスペクトルセクションを決定してもよく、そのうち、左端で決定されたエネルギスペクトルパーティションの数及び右端で決定されたエネルギスペクトルパーティションの数は、同じであっても異なってもよい。
【0150】
組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ効果が参照エネルギスペクトルセクションよりも優れていることを示し、そのため、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、且つ参照エネルギスペクトルセクション及び参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻って、現在の参照エネルギスペクトルセクションが最適であるか否かを判断し、組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がいずれも参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れなければ、参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ効果が組替えエネルギスペクトルセクションよりも優れていることを示し、更新する必要がなく、この時、参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとすることができる。
【0151】
S350において、参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとする。
【0152】
S360において、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとして更新する。
【0153】
S370において、プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、更新後の標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとし、プリセットパーティショニング終了条件が満たされなければ、S330の実行に戻る。
【0154】
好ましくは、下記方式により目標計数ウィンドウを決定することができる。
【0155】
組替えエネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数と参照エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数との差値がプリセット差値閾値を超えなければ、更新後の標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとする。
【0156】
プリセット差値閾値は、組替えエネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション及び参照エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションの大きさを比較して改めて決定することに再び戻る必要があるか否かを判断するために使用可能である。
【0157】
先に組替えエネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数、及び参照エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数を計算し、両者の間の差値をプリセット差値閾値と比較し、差値がプリセット差値閾値を超えなければ、組替えエネルギスペクトルセクションと参照エネルギスペクトルセクションとの間のチャンネルアドレス数の差分が小さいことを示し、保留エネルギスペクトルセクションを改めて決定する操作に再び戻る必要がなく、直接、標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすればよい。
【0158】
本願の実施例の技術態様は、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画して、処理待ちエネルギスペクトルの初歩的パーティショニングを行い、少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定し、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定して、計数ウィンドウを初歩的に選別し、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定し、保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、参照エネルギスペクトルセクション及び参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定し、すべての組替えエネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、参照エネルギスペクトルセクション及び参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻り、すべての組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れなければ、参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとして、標記エネルギスペクトルセクションを更新して決定し、すべての組替えエネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、参照エネルギスペクトルセクション及び参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻り、すべての組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れなければ、参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとすることで、計数ウィンドウの決定時に計算効率が低く、実用性が低いという問題を解決し、エネルギスペクトルの計数ウィンドウの自動的な位置決め、時間複雑度の低減、実用性の向上という技術効果を実現する。
【0159】
実施例4
本願の実施例の技術態様を紹介する前に、先に技術的背景を紹介する。
【0160】
放射性同位元素から放出されるγ線及びα線は単一エネルギ又は複数の単一エネルギであり、γスペクトロメータで測定されるγ線エネルギスペクトルとαスペクトロメータで測定されるα線エネルギスペクトルは、一般的に鋭い正規分布の計数ピークに近似し、業界内には、対応する同位元素の計数ウィンドウとして、計数ピークの位置及びその境界を自動的に見つける成熟したアルゴリズムが既にある。しかし、液体シンチレーションカウンタにより測定されたエネルギスペクトルに対して、業界内にはよい計数ウィンドウ自動位置決め方法が未だない。これは主に、液体シンチレーションカウンタが、エネルギが連続スペクトルであるβ線を測定するためによく使用され、且つ液体シンチレーションカウンタの測定時に往々にしてクエンチング効果が存在しているため、エネルギスペクトルに異なる程度の変形及び移動があり、その測定エネルギスペクトルは通常、鋭い正規分布を呈しないばかりか、平坦であり、既存の自動ピークサーチ技術を使い続けることができないからである。
【0161】
液体シンチレーションカウンタの測定エネルギスペクトルの計数区間の最適選択の問題について、学界には、全ての候補の計数ウィンドウにおいて、FOM値が最適なウィンドウを最適選択の計数ウィンドウとして選択し、FOM値が通常、検出効率の二乗とバックグラウンド計数率との商として定義され、その数値が大きいほど優れているという性能指数(FOM、figure of merit)最適化原則が提出されている。しかし、性能指数最適化原則は、1つの指導性原則として、実現方法が欠けている。全ての可能な計数ウィンドウをトラバースし、それらの対応する性能指数の大きさを比較して、計数ウィンドウの最適選択を実現することは1つの容易に想到される方法であるが、この方法は、効率が低過ぎて、実用的ではない。今まで、工業界において、全ての液体シンチレーションカウンタのメーカは、いずれも計器内に何種類かのよく見られる同位元素(例えばH、14C、32P)の一定条件で(例えばクエンチング効果を看過できる場合で)の計数ウィンドウがプリセットされてきた。被測定同位元素がプリセット範囲内になく、又はエネルギスペクトルがクエンチングで顕著に変化している場合、計器は、適正な計数ウィンドウを与えることができないため、エネルギスペクトルの分析が困難になる。
【0162】
本願の実施例4は、エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を提供する。上記複数の実施例と同じ又は相応する用語の解釈は、ここで繰り返し説明しない。本願の実施例4に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法は、以下のようなステップを含む。
【0163】
a)処理待ちエネルギスペクトルをチャンネルアドレスに従って複数のパーティション(例えば8~15個の連続パーティション、即ちエネルギスペクトルパーティション)に区画する。
【0164】
なお、エネルギスペクトル幅がLであり、即ち処理待ちエネルギスペクトルに含まれるチャンネルアドレスの総数がLであり、Lが2≦L<2k+1を満たすと仮定すると、各パーティション幅は、2k-3を取り、パーティションに収められていない残りのチャンネルアドレスが存在すれば、それらを最後の1つのパーティションに組み込む。エネルギスペクトル幅が8よりも小さければ、各エネルギスペクトル幅が1であるエネルギスペクトル領域を1つのエネルギスペクトルパーティションとする。
【0165】
例示的に、エネルギスペクトル幅が256である処理待ちエネルギスペクトル(256=2のため、この時、k=8である)に対しては、各パーティション幅が32(2=32)を取り、合計で8つのパーティションに区画される。
【0166】
b)各パーティション自体を候補エネルギスペクトルセクションとし、それらのウィンドウ位置決め指標を計算し、ウィンドウ位置決め指標が最も大きい候補エネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとする。
【0167】
ウィンドウ位置決め指標Fは、
として定義され、該ウィンドウ位置決め指標が大きいほど優れ、
そのうち、F(R)は、エネルギスペクトルセクションRのウィンドウ位置決め指標であり、iは、候補エネルギスペクトルセクションR内のチャンネルアドレス番号であり、Nは、チャンネルアドレスiに対応する試料測定スペクトル計数であり、Bは、チャンネルアドレスiに対応するバックグラウンド測定スペクトル計数であり、Tは、試料測定スペクトルの測定ライブタイムであり、Tは、バックグラウンド測定スペクトルの測定ライブタイムである。
【0168】
c)参照エネルギスペクトルセクションに応じて、(i)参照エネルギスペクトルセクションをその左側に隣り合うパーティションと合併して得られるセクション、(ii)参照エネルギスペクトルセクションをその右側に隣り合うパーティションと合併して得られるセクション、(iii)参照エネルギスペクトルセクションをその両側に隣り合うパーティションと合併して得られるセクション、という3つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する(参照エネルギスペクトルセクション及び組替えエネルギスペクトルセクションがいずれも候補エネルギスペクトルセクションに属する)。組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、ステップc)を繰り返して実行し、組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がいずれも参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れなければ、ステップd)を実行する。
【0169】
d)参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとする。
【0170】
e)標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定し、保留エネルギスペクトルセクションを改めて区画し、改めて区画されたパーティションに応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新する。
【0171】
e.1)標記エネルギスペクトルセクションに2つ又はそれ以下のパーティションしか含まなければ、標記エネルギスペクトルセクション及び標記エネルギスペクトルセクション外の隣り合う2つのパーティションを保留エネルギスペクトルセクションとして合併し、ステップa)を参照して保留エネルギスペクトルセクションを8~15個の連続パーティションに改めて区画し、そして、ステップb)~d)を実行して標記エネルギスペクトルセクションを更新する。
【0172】
e.2)標記エネルギスペクトルセクションに3つ又はそれ以上のパーティションが含まれれば、(i)標記エネルギスペクトルセクション内の最も左のパーティション及び最も右のパーティションを除去した後に残ったエネルギスペクトルセクション、(ii)標記エネルギスペクトルセクション内の最も左のパーティションと標記エネルギスペクトルセクション外の左隣のパーティションとを合併して得られるエネルギスペクトルセクション、(iii)標記エネルギスペクトルセクション内の最も右のパーティションと標記エネルギスペクトルセクション外の右隣のパーティションとを合併して得られるエネルギスペクトルセクション、の3つのセクションからなるセクションを保留エネルギスペクトルセクションとし、
保留エネルギスペクトルセクションの区画方法は、エネルギスペクトルセクション(i)を1つのパーティションとして合併し、エネルギスペクトルセクション(ii)及びエネルギスペクトルセクション(iii)を、それぞれステップa)を参照してそれぞれ4~7つの連続パーティション(各パーティション幅が2k-2-2を取る)に区画し、そして、エネルギスペクトルセクション(i)が合併されて得られるパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとし、ステップc)~d)を実行して標記エネルギスペクトルセクションを更新するものである。
【0173】
f)e.1)前記保留エネルギスペクトルセクションの区画パーティション幅が1であるというプリセットパーティショニング終了条件、又はe.2)前記保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルセクション(ii)及びエネルギスペクトルセクション(iii)の区画パーティション幅が1であるというプリセットパーティショニング終了条件が満たされるまで、ステップe)を繰り返して実行し、標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとする。
【0174】
下記例示で本願の実施例の目標計数ウィンドウを決定する過程を説明する。
【0175】
図4は、処理待ちエネルギスペクトルの模式図であり、計数ウィンドウ自動位置決め待ちの測定エネルギスペクトルを展示しており、そのうち、太線は、試料測定スペクトルを表し、細線は、バックグラウンド測定スペクトルを表す。
【0176】
図5は、1回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図であり、図5に示すように、エネルギスペクトル全体は、チャンネルアドレスに従って8つの等幅のパーティションに分けられ、各パーティション幅が32である。
【0177】
表2は、1回目のパーティショニング時の各パーティションの境界チャンネルアドレス及びそれらのウィンドウ位置決め指標を示しており、そのうち、2番のパーティションは、最も大きいウィンドウ位置決め指標の0.4232を有し、初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定される。
【0178】
【0179】
表3は、1回目のパーティショニング時の標記エネルギスペクトルセクションの更新過程を示しており、表では、パーティション番号で標記エネルギスペクトルセクションを表し、例えば、エネルギスペクトルセクション2は、パーティション2で単独に構成されたエネルギスペクトルセクションを表し、エネルギスペクトルセクション1~3は、パーティション1、2、3で共同に構成されたエネルギスペクトルセクションを表す。前には、パーティション2が既に初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定され、その後、エネルギスペクトルセクション2、1~2、2~3、1~3の各々のウィンドウ位置決め指標を計算し、そのうち、エネルギスペクトルセクション1~3は、最も大きいウィンドウ位置決め指標を有し、そのため、参照エネルギスペクトルセクションをエネルギスペクトルセクション1~3に更新してから、エネルギスペクトルセクション1~3及び1~4のウィンドウ位置決め指標を計算し(1番のパーティションが既に最も左側のパーティションであるため、左側に隣り合うパーティションと合併して得られるセクションを考慮しない)、エネルギスペクトルセクション1~3は、依然として最も大きいウィンドウ位置決め指標を有し、そのため、1回目のパーティショニングエネルギスペクトルセクション1~3は、最終的な参照エネルギスペクトルセクションであり、標記エネルギスペクトルセクションとして更新される。表5、7、9、11、13は順次、その後の毎回のパーティショニング後の参照エネルギスペクトルセクションの更新過程を表す。
【0180】
【0181】
次に、図6は、2回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。1回目のパーティショニングは、エネルギスペクトルセクション1~3が標記エネルギスペクトルセクションであり、3つのパーティションを含むことが決定されたため、e.2)に従ってパーティショニングし、元のエネルギスペクトルセクション1(チャンネルアドレス1~32)を4つのパーティションに区画し、元のエネルギスペクトルセクション2(チャンネルアドレス33~64)を1つのパーティションに区画し、初期の参照エネルギスペクトルセクションとし、元のエネルギスペクトルセクション3~4(チャンネルアドレス65~128)を4つのパーティションに区画する。
【0182】
表4は、2回目のパーティショニング時の各パーティションの境界チャンネルアドレス及びそれらのウィンドウ位置決め指標を示している。
【0183】
【0184】
表5は、2回目のパーティショニング時の標記エネルギスペクトルセクションの更新過程を示しており、前には、パーティション5が既に初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定され、その後、2回目のパーティショニングエネルギスペクトルセクション2~6を最終的な参照エネルギスペクトルセクションとして決定し、標記エネルギスペクトルセクションとして更新する。
【0185】
【0186】
次に、図7は、3回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。2回目のパーティショニングは、エネルギスペクトルセクション2~6が標記エネルギスペクトルセクションであり、5つのパーティションを含むことが決定されたため、e.2)に従ってパーティショニングし、元のエネルギスペクトルセクション1~2(チャンネルアドレス1~16)を4つのパーティションに区画し、元のエネルギスペクトルセクション3~5(チャンネルアドレス17~64)を1つのパーティションに区画し、初期の参照エネルギスペクトルセクションとし、元のエネルギスペクトルセクション6~7(チャンネルアドレス65~96)を4つのパーティションに区画する。
【0187】
表6は、3回目のパーティショニング時の各パーティションの境界チャンネルアドレス及びそれらのウィンドウ位置決め指標を示している。
【0188】
【0189】
表7は、3回目のパーティショニング時の標記エネルギスペクトルセクションの更新過程を示しており、前には、パーティション5が既に初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定され、その後、3回目のパーティショニングエネルギスペクトルセクション3~7を最終的な参照エネルギスペクトルセクションとして決定し、標記エネルギスペクトルセクションとして更新する。
【0190】
【0191】
次に、図8は、4回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。3回目のパーティショニングは、エネルギスペクトルセクション3~7が標記エネルギスペクトルセクションであり、5つのパーティションを含むことが決定されたため、e.2)に従ってパーティショニングし、元のエネルギスペクトルセクション2~3(チャンネルアドレス5~12)を4つのパーティションに区画し、元のエネルギスペクトルセクション4~6(チャンネルアドレス13~72)を1つのパーティションに区画し、初期の参照エネルギスペクトルセクションとし、元のエネルギスペクトルセクション7~8(チャンネルアドレス73~88)を4つのパーティションに区画する。
【0192】
表8は、4回目のパーティショニング時の各パーティションの境界チャンネルアドレス及びそれらのウィンドウ位置決め指標を示している。
【0193】
【0194】
表9は、4回目のパーティショニング時の標記エネルギスペクトルセクションの更新過程を示しており、前には、パーティション5が既に初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定され、その後、4回目のパーティショニングエネルギスペクトルセクション2~8を最終的な参照エネルギスペクトルセクションとして決定し、標記エネルギスペクトルセクションとして更新する。
【0195】
【0196】
次に、図9は、5回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。4回目のパーティショニングは、エネルギスペクトルセクション2~8が標記エネルギスペクトルセクションであり、7つのパーティションを含むことが決定されたため、e.2)に従ってパーティショニングし、元のエネルギスペクトルセクション1~2(チャンネルアドレス5~8)を4つのパーティションに区画し、元のエネルギスペクトルセクション3~7(チャンネルアドレス9~80)を1つのパーティションに区画し、初期の参照エネルギスペクトルセクションとし、元のエネルギスペクトルセクション8~9(チャンネルアドレス81~88)を4つのパーティションに区画する。
【0197】
表10は、5回目のパーティショニング時の各パーティションの境界チャンネルアドレス及びそれらのウィンドウ位置決め指標を示している。
【0198】
【0199】
表11は、5回目のパーティショニング時の標記エネルギスペクトルセクションの更新過程を示しており、前には、パーティション5が既に初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定され、その後、5回目のパーティショニングエネルギスペクトルセクション4~7を最終的な参照エネルギスペクトルセクションとして決定し、標記エネルギスペクトルセクションとして更新する。
【0200】
【0201】
次に、図10は、6回目のパーティショニングのエネルギスペクトルの模式図である。5回目のパーティショニングは、エネルギスペクトルセクション4~7が標記エネルギスペクトルセクションであり、4つのパーティションを含むことが決定されたため、e.2)に従ってパーティショニングし、元のエネルギスペクトルセクション3~4(チャンネルアドレス7~8)はパーティション幅が1で、区画する必要がなく、元のエネルギスペクトルセクション5~6(チャンネルアドレス9~82)を1つのパーティションに区画し、初期の参照エネルギスペクトルセクションとし、元のエネルギスペクトルセクション7~8(チャンネルアドレス83~86)を4つのパーティションに区画する。
【0202】
表12は、6回目のパーティショニング時の各パーティションの境界チャンネルアドレス及びそれらのウィンドウ位置決め指標を示している。
【0203】
【0204】
表13は、6回目のパーティショニング時の標記エネルギスペクトルセクションの更新過程を示しており、前には、パーティション3が既に初期の参照エネルギスペクトルセクションとして決定され、その後、6回目のパーティショニングエネルギスペクトルセクション2~5を最終的な参照エネルギスペクトルセクションとして決定し、標記エネルギスペクトルセクションとして更新する。
【0205】
【0206】
6回目のパーティショニングは、プリセットパーティショニング終了条件を満たすため、今回のパーティショニングの標記エネルギスペクトルセクション2~5(チャンネルアドレス8~84)を取って目標計数ウィンドウとする。
【0207】
本願の実施例の技術態様は、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、各エネルギスペクトルパーティションをぞれぞれ1つの候補エネルギスペクトルセクションとして決定し、複数の候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に基づいて標記エネルギスペクトルセクションを決定し、標記エネルギスペクトルセクションを新たな候補エネルギスペクトルセクションに拡張して、ウィンドウ位置決め指標に応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新し、標記エネルギスペクトルセクションが変化しなくなるまで、標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定し、保留エネルギスペクトルセクションを改めて区画し、改めて区画されたパーティションに応じて標記エネルギスペクトルセクションを更新し、プリセットパーティショニング終了条件が満たされると、更新後の標記エネルギスペクトルセクションを処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすることで、計数ウィンドウの決定時に計算効率が低く、実用性が低いという問題を解決し、放射性エネルギスペクトルの計数ウィンドウの自動的な位置決め、時間複雑度の低減、実用性の向上という技術効果を実現する。
【0208】
実施例5
図11は、本願の実施例5に係るエネルギスペクトルの計数ウィンドウ装置の構造模式図である。図11に示すように、該装置は、エネルギスペクトル区画モジュール710、エネルギスペクトルセクション標記モジュール720及び計数ウィンドウ決定モジュール730を備える。
【0209】
エネルギスペクトル区画モジュール710は、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに応じて、それぞれが少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定するように構成され、エネルギスペクトルセクション標記モジュール720は、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定するように構成され、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定するように構成される。
【0210】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定し、前記保留エネルギスペクトルセクションを区画し、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得て、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新し、プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、前記更新後の標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとし、プリセットパーティショニング終了条件が満たされなければ、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻るように構成される。
【0211】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記標記エネルギスペクトルセクションを保留エネルギスペクトルセクションとし、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第1のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを前記標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得て、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第2のプリセット数のチャンネルアドレスを前記標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得るように構成される。
【0212】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、さらに、前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定し、前記少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを前記参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻り、前記少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れなければ、前記参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとするように構成される。
【0213】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記保留エネルギスペクトルセクションの複数のエネルギスペクトルパーティションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記ウィンドウ位置決め指標がプリセット参照条件を満たすエネルギスペクトルパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとし、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション数がプリセットパーティション数閾値よりも大きければ、前記保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第3のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを前記保留エネルギスペクトルセクションから除去し、参照エネルギスペクトルセクションを得て、前記参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接する第4のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて組合せ待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクションと前記組合せ待ちエネルギスペクトルセクションとを合併し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得るように構成される。
【0214】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記保留エネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとし、前記参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第5のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて除去待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクションにおける前記除去待ちエネルギスペクトルセクションを除去し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得るように構成される。
【0215】
好ましくは、前記装置は、各組替えエネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数と前記参照エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数との差値がプリセット差値閾値を超えなければ、前記標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとするように構成される判断決定モジュールをさらに備える。
【0216】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける複数のエネルギスペクトルパーティションの組合せをトラバースし、それぞれが2つ又は2つ以上の連続して配列されるエネルギスペクトルパーティションの組合せで得られる少なくとも1つの組合せエネルギスペクトルセクションを得て、複数のエネルギスペクトルパーティション及び少なくとも1つの組合せエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新するように構成される。
【0217】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、又は、チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、又は、前記保留エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ分布に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、又は、プリセットされたランダムアルゴリズムに基づいて前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、又は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける複数のエネルギスペクトルパーティションの数及び複数のエネルギスペクトルパーティションに対応するチャンネルアドレスセグメントの配列情報に応じて再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定し、前記再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを区画し、前記再パーティショニングエネルギスペクトルセクションの区画結果に応じて前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する複数のエネルギスペクトルパーティションを得るように構成される。
【0218】
好ましくは、計数ウィンドウ決定モジュール730は、前記保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第1のプリセット数閾値に到達しなければ、前記保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとし、前記保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第2のプリセット数閾値に到達すれば、前記保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第6のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとするように構成される。
【0219】
好ましくは、前記プリセットパーティショニング終了条件は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける前記標記エネルギスペクトルセクション以外のエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値に到達すること、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの更新回数がプリセット回数閾値に到達すること、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションが連続的にプリセット回数更新される場合、毎回の更新後に前記標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標の変化がプリセット変化量を超えないこと、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がプリセットウィンドウ位置決め指標閾値よりも優れていること、を含む。
【0220】
好ましくは、エネルギスペクトルセクション標記モジュール720は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ又は各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及びすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データ、又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、並びにすべての候補エネルギスペクトルセクションのうちの少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、前記各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定するように構成される。
【0221】
好ましくは、前記エネルギスペクトルデータは、試料計数、バックグラウンド計数、測定時間、チャンネルアドレス及びエネルギのうちの少なくとも1項を含み、前記測定試料データは、測定試料のアクティビティ、体積及び質量のうちの少なくとも1項を含み、前記測定環境データは、測定環境における温度、湿度、粒子計数、粉塵及び電磁測定のうちの少なくとも1項を含む。
【0222】
本願の実施例の技術態様は、処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画して、処理待ちエネルギスペクトルの初歩的パーティショニングを行い、エネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定し、各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定して、計数ウィンドウを初歩的に選別し、標記エネルギスペクトルセクションに応じて処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することで、計数ウィンドウの決定時に計算効率が低く、実用性が低いという問題を解決し、エネルギスペクトルの計数ウィンドウの自動的な位置決め、時間複雑度の低減、実用性の向上という技術効果を実現する。
【0223】
本願の実施例に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め装置は、本願の任意の実施例に係るエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実行可能であり、方法の実行に対応する機能モジュールを備える。
【0224】
実施例6
図12には、本願の実施例を実施するために使用可能な電子機器10の構造模式図が示されている。電子機器は、様々な形式のデジタルコンピュータ、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータを表すように意図される。電子機器は、様々な形式の移動装置、例えば、パーソナルデジタル処理、セルラーフォン、スマートフォン、ウェアラブルデバイス(ヘルメット、メガネ、時計など)及び他の類似するコンピューティング装置をさらに表すことができる。本明細書に示す部品、これらの接続と関係、及びこれらの機能は例示的なものに過ぎず、本明細書で説明及び/又は要求される本願の実現を限定することを意図するものではない。
【0225】
図12に示すように、電子機器10は、少なくとも1つのプロセッサ11、及び少なくとも1つのプロセッサ11に通信接続されるメモリ、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)12、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)13などを備え、そのうち、メモリには、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムが記憶されており、プロセッサ11は、ROM12に記憶されたコンピュータプログラム又は記憶ユニット18からRAM13にロードされたコンピュータプログラムに応じて、様々な適切な動作及び処理を実行可能である。RAM13には、電子機器10の操作に必要となる様々なプログラム及びデータがさらに記憶されている。プロセッサ11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して互いに接続されている。入力/出力(Input/Output、I/O)インタフェース15もバス14に接続されている。
【0226】
I/Oインタフェース15には、例えばキーボード、マウス等の入力ユニット16と、例えば様々なタイプのディスプレイ、スピーカ等の出力ユニット17と、例えば磁気ディスク、光ディスク等の記憶ユニット18と、例えばネットワークカード、モデム、無線通信送受信機等の通信ユニット19と、を備える電子機器10における複数の部品が接続される。通信ユニット19は、電子機器10が例えばインターネットのコンピュータネットワーク及び/又は様々な電気通信ネットワークを介して、他のデバイスと情報/データを交換することを可能にする。
【0227】
プロセッサ11は、様々な、処理及び計算能力を有する汎用及び/又は専用処理構成要素であってもよい。プロセッサ11のいくつかの例には、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)、グラフィック処理ユニット(Graphics Processing Unit、GPU)、様々な専用の人工知能(Artificial Intelligence、AI)計算チップ、様々な、機械学習モデルのアルゴリズムを実行するプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等が含まれるが、これらに限定されない。プロセッサ11は、上記に説明された各方法及び処理、例えばエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実行する。
【0228】
いくつかの実施例において、エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法は、コンピュータプログラムとして実現可能であり、これはコンピュータ可読記憶媒体、例えば記憶ユニット18に有形的に含まれる。いくつかの実施例において、コンピュータプログラムは、一部又は全部がROM12及び/又は通信ユニット19を介して電子機器10にロード及び/又はインストールされることができる。コンピュータプログラムがRAM13にロードされてプロセッサ11によって実行されると、上記したエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法の1つ又は複数のステップを実行可能である。好ましくは、他の実施例において、プロセッサ11は、他の任意の適切な方式によって(例えば、ファームウェアによって)、エネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実行するように構成される。
【0229】
本明細書において、上記したシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gata Array、FPGA)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、特殊用途向け汎用品(Application Specific Standard Parts、ASSP)、システムオンチップ(System on Chip、SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device、CPLD)、コンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はこれらの組合せで実現可能である。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムに実施されることを含んでもよく、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムに実行及び/又は解釈されることができ、該プログラマブルプロセッサは、メモリシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信して、データ及び命令を該メモリシステム、該少なくとも1つの入力装置、及び該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる専用又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよい。
【0230】
本願の方法を実施するためのコンピュータプログラムは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せを採用して書かれてもよい。これらのコンピュータプログラムは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供可能であり、これにより、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図で規定された機能/操作が実施される。コンピュータプログラムは、完全に機器で実行されても、部分的に機器で実行されてもよく、独立ソフトウェアパッケージとして、部分的に機器で実行され且つ部分的にリモート機器で実行され、又は、完全にリモート機器又はサーバで実行されてもよい。
【0231】
本願のコンテキストにおいて、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置又は機器に使用され、又は命令実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用されるコンピュータプログラムを含むか又は記憶することができる有形的な媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体には、電子的なもの、磁気的なもの、光学的なもの、電磁的なもの、赤外線的なもの、又は半導体システム、装置又は機器、又は上記の内容の任意の適切な組合せが含まれてもよいが、これらに限定されない。好ましくは、コンピュータ可読記憶媒体は、機器読取可能な信号媒体であってもよい。機械可読記憶媒体の例は、1つ又は複数のラインによる電気的な接続、可搬型コンピュータディスク、ハードディスク、RAM、ROM、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable Programmable Read-Only Memory、EPROM)又はフラッシュメモリ、光ファイバ、可搬型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、光メモリデバイス、磁気メモリデバイス、又は上記の内容の任意の適切な組合せを含む。
【0232】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明されるシステム及び技術は電子機器で実施されることができ、該電子機器は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)又は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)モニター)、及びキーボードやポインティング装置(例えば、マウス又はトラックボール)を有し、ユーザは、該キーボードや該ポインティング装置によって入力を電子機器に提供することができる。他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供することに使用可能であり、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、且つ、ユーザからの入力を任意の形式(音入力、音声入力又は触感入力を含む)で受信することができる。
【0233】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックグランドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)に、又は、ミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(アプリケーションサーバなど)に、又は、フロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(図形式のユーザインタフェースやネットワークブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、該図形式のユーザインタフェースや該ネットワークブラウザを通じてここで説明されるシステム及び技術の実施形態とイントラクションをすることができる)に、又はこのようなバックグランドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含むコンピューティングシステムに実施されてもよい。システムのコンポーネントは、任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって互いに接続されてもよい。通信ネットワークの例示は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、WAN)、、ブロックチェーンネットワーク及びインターネットを含む。
【0234】
コンピューティングシステムは、クライアント端末及びサーバを含んでもよい。クライアント端末及びサーバは一般的に、互いに離れており、且つ通常、通信ネットワークを介してイントラクションをしている。相応するコンピュータでの実行、及び、互いにクライアント端末・サーバという関係を有するコンピュータプログラムにより、クライアント端末とサーバとの関係を築き上げる。サーバは、伝統的な物理ホスト及び仮想専用サーバ(Virtual Private Server、VPS)サービスに存在する管理の難度が大きく、業務展開性が弱いという欠陥を解決するための、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれる、クラウドコンピューティングサービスシステムにおける1つのホスティングプロダクトであるクラウドサーバであってもよい。
【0235】
上記に示した様々な形式のフローを使用し、ステップを並べ替えたり、追加したり、削除したりすることができることを理解すべきである。例えば、本願に記載の各ステップは、本願に係る技術態様の所望の結果が実現できれば、並行して実行されてよいし、順次実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本明細書において、ここで限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記エネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定することと、
候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することと、を含
前記した、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定することは、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記保留エネルギスペクトルセクションを区画し、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応するエネルギスペクトルパーティションを得て、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応するエネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することと、
プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、前記標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすることと、
満たされなければ、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻ることと、を含む、
ことを特徴とするエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法。
【請求項2】
前記した、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記標記エネルギスペクトルセクションを保留エネルギスペクトルセクションとすること、
又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接して位置する第1のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを前記標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得ること、
又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接して位置する第2のプリセット数のチャンネルアドレスを前記標記エネルギスペクトルセクションに合併して保留エネルギスペクトルセクションを得ることを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応するエネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することと、
前記組替えエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標が参照エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標よりも優れれば、ウィンドウ位置決め指標が最適な組替えエネルギスペクトルセクションを前記参照エネルギスペクトルセクションとして更新し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻ることと、
優れなければ、前記参照エネルギスペクトルセクションを標記エネルギスペクトルセクションとすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルパーティションのウィンドウ位置決め指標を決定し、前記ウィンドウ位置決め指標がプリセット参照条件を満たすエネルギスペクトルパーティションを参照エネルギスペクトルセクションとし、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティション数がプリセットパーティション数閾値よりも大きければ、前記保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第3のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションを前記保留エネルギスペクトルセクションから除去し、参照エネルギスペクトルセクションを得ることと、
前記参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に近接して位置する第4のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて組合せ待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクションと前記組合せ待ちエネルギスペクトルセクションとを合併し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得ることと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに応じて参照エネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクション及び前記参照エネルギスペクトルセクションの両端に位置するエネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションを参照エネルギスペクトルセクションとし、前記参照エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第5のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションに応じて除去待ちエネルギスペクトルセクションを決定し、前記参照エネルギスペクトルセクションにおける前記除去待ちエネルギスペクトルセクションを除去し、少なくとも1つの組替えエネルギスペクトルセクションを得ることを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記組替えエネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数と前記参照エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションのチャンネルアドレス数との差値がプリセット差値閾値を超えなければ、前記標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとすることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応するエネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションの組合せをトラバースし、2つ又は2つ以上の連続して配列されるエネルギスペクトルパーティションの組合せで得られる少なくとも1つの組合せエネルギスペクトルセクションを得ることと、
エネルギスペクトルパーティション及び組合せエネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新することと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションを区画し、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応するエネルギスペクトルパーティションを得ることは、
チャンネルアドレスの総数及び予め設定されたエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、チャンネルアドレスの総数及び設定されたエネルギスペクトルパーティションに対応するパーティション数に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、前記保留エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ分布に従って、前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、プリセットされたランダムアルゴリズムに基づいて前記保留エネルギスペクトルセクションを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画すること、
又は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションの数及びエネルギスペクトルパーティションに対応するチャンネルアドレスセグメントの配列情報に応じて再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定し、前記再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを区画し、前記再パーティショニングエネルギスペクトルセクションの区画結果に応じて前記保留エネルギスペクトルセクションに対応するエネルギスペクトルパーティションを得ることを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記した、前記保留エネルギスペクトルセクションにおけるエネルギスペクトルパーティションの数及びエネルギスペクトルパーティションに対応するチャンネルアドレスセグメントの配列情報に応じて再パーティショニングエネルギスペクトルセクションを決定することは、
前記保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第1のプリセット数閾値に到達しなければ、前記保留エネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとすることと、
前記保留エネルギスペクトルセクションに含まれるエネルギスペクトルパーティションの総数が第2のプリセット数閾値に到達すれば、前記保留エネルギスペクトルセクションの両端のうちの少なくとも一端に位置する第6のプリセット数のエネルギスペクトルパーティションからなるエネルギスペクトルセクションを再パーティショニングエネルギスペクトルセクションとすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記プリセットパーティショニング終了条件は、前記保留エネルギスペクトルセクションにおける前記標記エネルギスペクトルセクション以外のエネルギスペクトルパーティションに含まれるチャンネルアドレス数が第1のプリセットチャンネルアドレス数閾値に到達すること、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションの更新回数がプリセット回数閾値に到達すること、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションが連続的にプリセット回数更新される場合、毎回の更新後に前記標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標の変化がプリセット変化量を超えないこと、又は、前記標記エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標がプリセットウィンドウ位置決め指標閾値よりも優れていること、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記した、候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定することは、
各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータに応じて、それぞれ各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルのエネルギスペクトルデータに応じて、それぞれ各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ及び前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データに応じて、それぞれ各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定環境データに応じて、それぞれ各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定すること、
又は、各候補エネルギスペクトルセクションのエネルギスペクトルデータ、前記処理待ちエネルギスペクトルに対応する測定試料データ及び測定環境データに応じて、それぞれ各候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記エネルギスペクトルデータは、試料計数、バックグラウンド計数、測定時間、チャンネルアドレス及びエネルギのうちの少なくとも1項を含み、前記測定試料データは、測定試料のアクティビティ、体積及び質量のうちの少なくとも1項を含み、前記測定環境データは、測定環境における温度、湿度、粒子計数、粉塵及び電磁測定のうちの少なくとも1項を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
処理待ちエネルギスペクトルを取得し、チャンネルアドレスに従って前記処理待ちエネルギスペクトルを少なくとも2つのエネルギスペクトルパーティションに区画し、前記エネルギスペクトルパーティションに応じて少なくとも1つのエネルギスペクトルパーティションを含む少なくとも1つの候補エネルギスペクトルセクションを決定するためのエネルギスペクトル区画モジュールと、
候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標を決定し、候補エネルギスペクトルセクションのウィンドウ位置決め指標に応じて候補エネルギスペクトルセクションから標記エネルギスペクトルセクションを決定するためのエネルギスペクトルセクション標記モジュールと、
前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウを決定するための計数ウィンドウ決定モジュールと、を備え、
前記計数ウィンドウ決定モジュールはさらに、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定し、前記保留エネルギスペクトルセクションを区画し、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する各エネルギスペクトルパーティションを得て、前記保留エネルギスペクトルセクションに対応する各エネルギスペクトルパーティションに応じて前記標記エネルギスペクトルセクションを更新し、プリセットパーティショニング終了条件が満たされれば、前記標記エネルギスペクトルセクションを前記処理待ちエネルギスペクトルの目標計数ウィンドウとし、満たされなければ、前記標記エネルギスペクトルセクションに応じて保留エネルギスペクトルセクションを決定する操作の実行に戻るために使用される、
ことを特徴とするエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め装置。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~1のいずれか1項に記載のエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項15】
プロセッサにより実行されると、請求項1~1のいずれか1項に記載のエネルギスペクトル計数ウィンドウの位置決め方法を実現するためのコンピュータ命令が記憶された、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】