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特表2024-527240改善された封止接続を有するモータ組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】改善された封止接続を有するモータ組立体
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20240717BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20240717BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K7/14 A
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575418
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022065272
(87)【国際公開番号】W WO2022258544
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/098949
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】21198210.3
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リン フ‐ラング
(72)【発明者】
【氏名】グ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ビング
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】タン リーチャン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ウェイチョン
【テーマコード(参考)】
3B211
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
3B211CA02
3B211CC00
5H607AA05
5H607BB01
5H607BB09
5H607BB14
5H607BB17
5H607FF04
5H607JJ10
5H611AA03
5H611BB01
5H611BB08
5H611TT01
5H611UA04
5H611UB01
(57)【要約】
本開示の実施形態は、モータ組立体に関する。モータ組立体は、モータ部品12と、モータ部品12に電気的に接続されるとともにモータ部品12を駆動するようになっているドライバ16と、モータ部品12を支持するように構成されるとともに、モータ組立体における空間を、大気と連通する第1のキャビティ50と、封止される第2のキャビティ60とに分割するように構成された、モータ底板14であって、モータ部品12が第1のキャビティ50内に設置され、ドライバ16が第2のキャビティ60内に設置される、モータ底板14とを含み、モータ底板14は、モータ部品12のワイヤをドライバ16に密封的且つ電気的に接続する封止接続構成を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ部品と、前記モータ部品に電気的に接続されるとともに前記モータ部品を駆動するドライバと、モータ底板とを含むモータ組立体であって、
前記モータ底板は、前記モータ部品を支持するとともに、前記モータ組立体の空間を、大気と連通する第1のキャビティと、封止される第2のキャビティとに分割し、前記モータ部品が前記第1のキャビティ内に設置され、前記ドライバが前記第2のキャビティ内に設置され、
前記モータ底板は、前記モータ部品のワイヤを前記ドライバに密封的且つ電気的に接続する封止接続構成部を有する、モータ組立体。
【請求項2】
前記封止接続構成部は、中空キャビティを有するピンと、前記中空キャビティを満たすシーラント接着剤とを含む、請求項1に記載のモータ組立体。
【請求項3】
前記ピンは、前記第1のキャビティの側にテーパ状開口を含む、請求項2に記載のモータ組立体。
【請求項4】
前記ピンは、導電性金属ピンであり、インサート射出成形によって前記モータ底板と一体的に形成される、請求項2又は3に記載のモータ組立体。
【請求項5】
前記ピンは、前記ピンの周側壁に沿ってウェッジ状リング溝を含む、請求項4に記載のモータ組立体。
【請求項6】
前記ピン及び前記モータ底板は両方とも、プラスチックから作製され、互いと一体的に形成される、請求項2又は3に記載のモータ組立体。
【請求項7】
前記ピンの前記中空キャビティは、止まり穴として形成される、請求項2から6のいずれか一項に記載のモータ組立体。
【請求項8】
前記ピンの前記中空キャビティは、通り穴として形成される、請求項2から6のいずれか一項に記載のモータ組立体。
【請求項9】
前記第2のキャビティの前記側における前記中空キャビティの開口が、はんだによって封止される、請求項8に記載のモータ組立体。
【請求項10】
前記ドライバは、ドライバ基板を含み、前記ドライバ基板は、前記第2のキャビティの前記側において前記モータ底板に固定される、請求項1から9のいずれか一項に記載のモータ組立体。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のモータ組立体と、
前記モータ底板の第1の側において前記第1のキャビティを画定する第1のハウジングと、
前記モータ底板の、前記第1の側とは反対側の第2の側において、前記第2のキャビティを画定する第2のハウジングと、
を含む、ファン組立体であって、前記モータ組立体のロータが、前記ファン組立体のファンブレードを形成する、ファン組立体。
【請求項12】
請求項11に記載のファン組立体を備える、動力付きマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、モータ組立体に関し、詳細には、改善された耐塵性、耐汚れ性又は耐湿性設計を有するモータ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 空気汚染によって引き起こされる危険性をなくすために、日常生活において動力付きマスクが使用されることが増えてきている。動力付きマスクは一般に、ファンのブレードを動かすモータ部品と、モータ部品に動力を与えるとともにモータ部品を駆動するドライバとを備える。モータ部品とドライバとの間に電気的接続がもたらされる。しかしながら、そのような電気的接続は、動力付きマスクの使用中に故障を被る。動力付きマスクの信頼度を向上させる必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 上記に鑑み、本開示の実施形態の目的のうちの一つは、従来技術に存在する前述の技術的課題のうちの1つ又は複数を少なくとも解決することができる、モータ組立体、ファン組立体、及び動力付きマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示の一態様によれば、モータ組立体が提供される。モータ組立体は、モータ部品と、モータ部品に電気的に接続されるとともにモータ部品を駆動するようになっているドライバと、モータ部品を支持するように構成されるとともに、モータ組立体の空間を、大気と連通する第1のキャビティと、封止される第2のキャビティとに分割するように構成されたモータ底板とを含み、モータ部品が第1のキャビティ内に設置され、ドライバが第2のキャビティ内に設置され、モータ底板は、モータ部品のワイヤをドライバに密封的且つ電気的に接続する封止接続構成部を有する。
【0005】
[0005] 本開示の実施形態によれば、封止接続構成部が提供される。したがって、塵、汚れ又は湿気がモータ側からドライバ側に入ることが防止される。したがって、モータ組立体の寿命が高められる。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、封止接続構成部は、中空キャビティを有するピンと、中空キャビティを満たすシーラント接着剤とを含む。このようにして、モータ部品とドライバとの間に封止を形成するために、余分な構成要素がいっさい必要とされず、この封止の形成は、モータ底板の構造を簡単に変更することによって達成できることで、プロセスが短縮するとともにコストが低減した、費用効率の高いものとなる。
【0007】
[0007] ピンがモータ底板に設けられることにより、モータ部品とドライバとの間の電気的接続を容易にもたらすことができる。また、ピンにより、キャビティを満たすために使用されるシーラント接着剤の量は、十分に制御され、したがって、所定の量に制限することができる。また、シーラント接着剤により、第1のキャビティにおける異物(湿気など)が第2のキャビティに入ることが防止される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、ピンは、第1のキャビティの側にテーパ状開口を含む。テーパ状開口により、シーラント接着剤が容易且つ便宜的に満たすことができる。また、封止性能がさらに高まることができる。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、ピンは、導電性金属ピンであり、インサート射出成形によってモータ底板と一体的に形成される。導電性金属ピンにより、モータ部品とドライバとの間の電気的接続を容易にもたらすことができる。また、封止構成の構造がさらに単純化される。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、ピンは、ピンの周側壁に沿ってウェッジ状リング溝を含む。ウェッジ状リング溝により、ピンは、例えばインサート成形によって、モータ底板を製造する場合に落下することを防止され得る。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、ピン及びモータ底板は両方とも、プラスチックから作製され、互いと一体的に形成される。プラスチックピンにより、封止構成を形成するための金型がさらに単純化される。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、ピンの中空キャビティは、止まり穴として形成される。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、ピンの中空キャビティは、通り穴として形成される。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、第2のキャビティの側における中空キャビティの開口が、はんだによって封止される。はんだにより、異物がドライバ側に入ることをさらに防止することができる。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、ドライバは、ドライバ基板を含み、ドライバ基板は、第2のキャビティの側においてモータ底板に固定される。
【0016】
[0016] 本開示の第2の態様によれば、ファン組立体が提供される。ファン組立体は、第1の態様のいずれか一つに記載のモータ組立体であって、モータ組立体のロータが、ファン組立体のファンブレードを形成する、モータ組立体と、モータ底板の第1の側において第1のキャビティを画定する第1のハウジングと、モータ底板の、第1の側とは反対側の第2の側において、第2のキャビティを画定する第2のハウジングとを含む。
【0017】
[0017] 本開示の第3の態様によれば、動力付きマスクが提供される。フェイスマスクが、本開示の第2の態様によるファン組立体を備える。
【0018】
[0018] ここで、本開示の実施形態を添付の図面を参照しながら単に例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0019] 本開示の一実施形態による動力付きマスクの概略的な全体図である。
図2】[0020] ファン組立体の主要部品を示す、本開示の一実施形態による動力付きマスクの分解図である。
図3】[0021] 本開示の一実施形態によるファン組立体の別の分解図である。
図4】[0022] 図3における組み立てられたファン組立体の断面図である。
図5】[0023] 本開示の一実施形態によるモータ組立体の断面図である。
図6a】[0024] 本開示の種々の実施形態のうちの1つによるピンの概略図である。
図6b】本開示の種々の実施形態のうちの1つによるピンの概略図である。
図7】[0025] 本開示の別の実施形態によるモータ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0026] 図面において、種々の図の全体を通じて同様の/同じ参照符号は概して、同様の/同じ部品を表す。図面は必ずしも縮尺通りではない。そうではなくむしろ、本発明の原理の例示を重要視している。
【0021】
[0027] 本開示の実施形態を、図面を参照しながらより詳細に説明する。図面は本開示のいくつかの実施形態を示すが、本開示は、様々なやり方で実施することができ、本明細書において説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではないことを理解されたい。それに対し、実施形態は、より徹底的且つ完全に本開示を理解するために提供される。本開示の図面及び実施形態は、本開示の保護範囲を限定するのではなく単に例示のためのものであることを理解されたい。
【0022】
[0028] 本開示の実施形態の説明において、「備える、有する」、「含む」、「持つ」という用語及びそれらの変形語は、「含むが、~に限定されない」を意味するオープンエンド用語と解釈されるべきである。「~に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に~に基づく」と解釈されるべきである。「一実施形態」及び「この実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈されるべきである。以下の本文もまた、他の明示的な定義及び暗示的な定義を含み得る。
【0023】
[0029] 本開示の実施形態を、図と併せて説明する。本開示による発明的着想は、動力付きマスクを一例としてみなすことによって示されるが、この発明的着想は、モータ組立体を用いる任意の他のデバイスにおいて使用することができる動力付きマスクに限定されないことを理解されたい。
【0024】
[0030] 図1は、本開示の一実施形態による動力付きマスクの概略的な全体図を示す。図1に示すように、動力付きマスク100は、ファン組立体10及びマスク本体20を備える。ファン組立体10は、様々な方法を用いてマスク本体20に取り付けられる。使用中、ファン組立体10は、着用者の顔とマスク本体20との間に形成されたキャビティから空気を周囲環境へ空気を引き出す又は周囲環境から空気をキャビティへ引き出すように動作することができる。空気流路に例えばフィルタを配置することができる。このようにして、着用者は、ひどく汚染された環境に着用者がいる場合であっても清浄な空気を吸って健康に保つことができる。いくつかの実施形態では、ファン組立体10は、所定のパターンに従ってファン組立体10を動作させる命令を含むコントローラ(図示せず)によって制御される。これらの構成要素は当該技術において知られているため、それらの詳細な説明は省略する。
【0025】
[0031] 図2は、本開示の一実施形態による動力付きマスク100の分解図を示し、図3は、本開示の一実施形態によるファン組立体の分解図を示す。図2及び図3に示すように、ファン組立体10は、第1のハウジング30と、第2のハウジング40と、第1のハウジング30と第2のハウジング40との間に配置されたモータ組立体とを含む。
【0026】
[0032] 図4は、図3における組み立てられたファン組立体の断面図である。図4に示すように、また、図2及び図3と併せて、モータ組立体は、モータ部品12と、モータ部品12に電気的に接続されるとともにモータ部品12を駆動するようになっているドライバ16と、モータ部品12を支持するように構成されたモータ底板14とを含む。
【0027】
[0033] モータ部品12は、コイル及びロータを含む。例示の実施形態では、ロータは、ファンブレードを含む。例えば、ファンブレードは、ロータと一体的に形成される。代替的に、ファンブレードは、ロータに取り付けられてもよい。コイルは、ドライバ16に電気的に接続され、ファンブレードを動かすように励磁され得る。ドライバ16は、ドライバ基板を含む。ドライバ基板は、モータ底板14に取り付けられる。コントローラなど、様々な電気的構成要素をドライバ基板に配置することができる。モータ底板14は、モータのシャフトを機械的に支持するように構成される。コイルが励磁されると、シャフトが回転する。モータ底板14は、モータを機械的に支持する。
【0028】
[0034] いくつかの実施形態では、図4に示すように、モータ底板14は、ファン組立体における空間を、大気と連通する第1のキャビティ50と、第2のキャビティ60とに分割する。モータ部品12は、第1のキャビティ50に設置され、ドライバ16は第2のキャビティ60に設置される。したがって、モータ底板14は、モータ部品12をドライバ16から離隔する。このようにして、電気デバイスをモータ部品12から物理的に離隔することができる。このことは、モータ組立体が動力付きマスクにおいて用いられる場合に特に有用である。動力付きマスクの動作中、モータ部品12は、例えば、着用者による呼気によって生じる高温及び高湿に晒される。モータ部品12における湿気は、ドライバ16に損傷を与えやすい可能性がある。モータ底板14の使用により、第1のキャビティ50における湿気が第2のキャビティ60に侵入することを防ぐことができる。
【0029】
[0035] 図4に示すように、ファン組立体の動作中、空気は、矢印Pによって示すように、第1のハウジング30に設けられた開口を通って第1のキャビティ50に引き込まれることができ、次いで、(矢印によって示すように)周方向開口を通って第1のキャビティ50から出る。上記の動作により、空気は、マスク本体によって形成されたキャビティから周囲環境に放出されることができる。他方で、空気は、大気からマスク本体によって形成されたキャビティに引き込まれることもできる。したがって、ファン組立体が動作すると、第1のキャビティ50が大気と連通して、使用者のマスクと周囲環境との間で空気を交換する。
【0030】
[0036] モータ部品12、例えば、第1のキャビティ50におけるコイルが、第2のキャビティ60におけるドライバ16に電気的に接続される。一実施形態では、モータ部品12のリード線が、モータ部品12をドライバ16に電気的に接続するようにモータ底板14に設けられた穴を通る。しかしながら、第1のキャビティ50における湿気がその穴を通ってモータ部品12に侵入することがある。これが起こると、ドライバの電気的構成要素が損傷を受けやすい可能性がある。特に、モータ組立体が動力付きマスクとして用いられる場合、動力付きマスクの使用中、着用者からの呼気ガスが製品の信頼性に大幅に影響を及ぼしかねない。第1のキャビティ50が、高湿及び高温を有する。第1のキャビティ50における湿気がドライバ側に侵入し、ドライバ側にある電気的構成要素の故障を引き起こす。
【0031】
[0037] 一実施形態によれば、モータ底板14は、モータ部品12のワイヤをドライバ16に密封的且つ電気的に接続する封止接続構成部を有する。一例の実施形態(図示せず)では、封止接続構成部は、穴に配置されるウェッジ部材と、ウェッジ部材と穴との間に挟まれる封止リングとを含む。モータ部品12のリード線は、ドライバ16の構成要素に接続するように穴を通る。ウェッジ部材と穴との間に挟まれた封止リングにより、湿気、塵、汚れなどの異物が第2のキャビティ60に入り込むことを防ぐことができる。したがって、ドライバ側にある電気的構成要素を湿気などの異物から十分に保護することができる。
【0032】
[0038] 封止接続構成は、様々な実施態様を含み得る。
【0033】
[0039] 図5は、本開示の一実施形態によるモータ組立体の断面図である。図5に示すように、封止接続構成は、中空キャビティ145を有するピン142を含む。中空キャビティ145にモータ部品12のリード線122を受け入れることができる。中空キャビティ145は、リード線122を通すための経路を提供する。シーラント接着剤144がさらに設けられる。一例の実施形態では、リード線122が中空キャビティ145を通った後、シーラント接着剤144が中空キャビティ145をさらに満たす。シーラント接着剤144は防水であり、したがって、耐湿性である。
【0034】
[0040] ピン142により、封止接続構成部は、より少ない構成要素で形成することができる。例えば、モータ底板14がプラスチックから作製される場合、ピン142はモータ底板14と一体的に形成することができる。したがって、封止リング及びウェッジ部材などの追加構成要素を設ける必要がない。このようにして、余分な複雑な構成要素がいっさい使用されないが、モータ底板14の構造をほんの僅か変更することで、プロセスが短縮するとともにコストが低減した、費用効率の高いものとなる。
【0035】
[0041] シーラント接着剤144により、第1のキャビティ50における異物(湿気など)が第2のキャビティ60に入ることが防止される。ピン142により、キャビティを満たすために使用されるシーラント接着剤144の量は、所定の量に制限することができる。このように、シーラント接着剤144の流れは、シーラント接着剤144が自由に流れることができないように十分に制御することができる。これにより、シーラント接着剤144の使い過ぎを減らすことができる。また、それにより、製品の品質を向上させることができる。
【0036】
[0042] シーラント接着剤144は、任意の適切な耐湿性接着剤を有し得る。一例の実施形態では、シーラント接着剤144はUV接着剤である。UV接着剤は、UV光が適用されると迅速に硬化する。このように、製造時間を短縮することができる。
【0037】
[0043] いくつかの実施形態では(図6a及び図6bも参照すると)、ピン142は、第1のキャビティ50の側にテーパ状開口147を含む。テーパ状開口147は、シーラント接着剤144の流れを容易にし、シーラント接着剤144を容易に収集することができる。開口137の形状に関して、図示の実施形態は単に例示的であり、任意の他の適切な形状が用いられ得る。
【0038】
[0044] いくつかの実施形態では、ピン142は、導電性金属ピンである。この場合、リード線122はピン142に直接接続することができる。したがって、リード線122は必ずしも中空キャビティ145を通るとは限らない。ピン142は、例えば、インサート成形によってモータ底板14と一体的に形成することができる。
【0039】
[0045] いくつかの実施形態では(図6a及び図6bも参照すると)、ピン142は、ピン142の周側壁に沿ってウェッジ状リング溝143を含む。ウェッジ状リング溝143により、ピン142は、インサート成形中に落下することを防止され、金型に対して適切な位置を維持することができる。このように、封止接続構成は、適切且つ簡単に成形することができる。溝143は、成形プロセス(例えば、インサート成形)中にピン142が金型に対して適切に位置決めされ得る限り、任意の他の適切な形状とすることができることを理解されたい。
【0040】
[0046] いくつかの実施形態では、ピン142は、プラスチックから作製され、モータ底板14と同じ材料を有する。この場合、溝143を設ける必要性はない。ピン142及びモータ底板14は、同じ材料を有し、モータ底板14を製造するための金型の設計が単純化される。
【0041】
[0047] いくつかの実施形態では、第2のキャビティ60の側での中空キャビティ145の開口は、はんだ148によって封止される。はんだにより、封止性能がさらに高まることができる。異物が中空キャビティ145に侵入した場合であっても、異物が第2のキャビティに入ることをはんだがさらに防ぐことができる。
【0042】
[0048] 図6a及び図6bは、ピン142の2つの実施形態を示す。図6aに示すように、ピン142の中空キャビティ145は止まり穴として形成される。この場合、ピン142は、導電性金属から作製され得る。リード線144は、ピン142に電気的に接続することができ、ピン142が次いでドライバに接続される。いくつかの実施形態では、ピン142は、プラスチックから作製されてもよい。例として、ピン142がモータ底板14の底面を越えて延出し、リード線122を通すための穴がピン142の側壁に設けられる。
【0043】
[0049] 図6bに示すように、ピン142の中空キャビティ145は通り穴として形成される。この場合、ピン142は、導電性金属から作製され得る。リード線144は、ピン142に電気的に接続することができ、ピン142が次いでドライバに接続される。いくつかの実施形態では、ピン142は、プラスチックから作製されてもよい。リード線122は、通り穴を直接通ってドライバに接続することができる。
【0044】
[0050] 図7は、図5に示す実施形態と同様であるモータ組立体の一実施形態を示す。2つの実施形態間の相違は、ピン142に止まり穴が設けられていることである。一例の実施形態では、ピン142は、導電性金属ピンである。図7に示すように、モータのコイルからのリード線122がピン142に接続され、ピン142が次いでドライバに接続される。
【0045】
[0051] 図7に示すように、封止構成部はまた、中空キャビティ145を満たすシーラント接着剤144を含む。シーラント接着剤144は防水であり、したがって、湿気がドライバ側に入ることを防ぐ。
【0046】
[0052] 一例の実施形態では、ピン142はプラスチックピンである。例として、ピン142がモータ底板14の底面を越えて延出し、リード線122を通すための穴(図示せず)がピン142の側壁に設けられる。
【0047】
[0053] 上記の構成により、ピン142は、モータ底板14と一体的に形成される。したがって、封止のための余分な構成要素の必要性がない。電気的接続の封止構成部は、コストが低減した、著しく単純化されたものとなる。
【0048】
[0054] 図示の実施形態では、モータ部品12とドライバ16との間の接続は、リード線122を介する。これは単に例示的であり、リード線122は任意の他の形態をとり得ることを理解されたい。
【0049】
[0055] 開示された実施形態の他の変形が、図、本開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求の範囲に記載された本発明を実施する際に当業者によって理解及び実施され得る。請求項において、「備える、有する」という語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の要素は、複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。請求項中のいずれの参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
【国際調査報告】