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特表2024-527244少なくとも2つの層を含む平らなタバコ物品及びそのような物品を備えたエアロゾル生成装置
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  • 特表-少なくとも2つの層を含む平らなタバコ物品及びそのような物品を備えたエアロゾル生成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】少なくとも2つの層を含む平らなタバコ物品及びそのような物品を備えたエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240717BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20240717BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575807
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2022068185
(87)【国際公開番号】W WO2023275318
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21182878.5
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】宮谷 康洋
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC06
4B162AC13
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AD32
(57)【要約】
平らな両面ヒータの少なくとも一部分を受け入れるように構成された平らな形状をしたタバコ物品、及びそのような物品を含むエアロゾル生成アセンブリ。本発明は、第1の加熱部分(81)及びこの第1の加熱部分(81)に平行に配置されるように設計された第2の加熱部分(82)を含む平らな形状をしたタバコ物品(12)に関し、第1の加熱部分(81)はタバコ基材を含む基材層(91)を含み、第2の加熱部分(82)は蒸気形成剤及びこの蒸気形成剤を保持する形成剤保持体を含む保持体層(92)を含み、平らな形状をしたタバコ物品(12)は、第1及び第2の加熱部分(81、82)の間にエアロゾル生成装置の平らな両面ヒータ(47)の少なくとも一部分を受け入れて、加熱部分(81、82)の各々を同時に加熱するように構成されている。第1の加熱部分(81)及び第2の加熱部分(82)の上記基材層(91、94A)及び保持体層(92,93C)はそれぞれ、平らなヒータ(47)の対応する面によって直接的に加熱されるように配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の加熱部分(81)と、前記第1の加熱部分(81)に平行に配置されるように設計された第2の加熱部分(82)と、を含む平らな形状をしたタバコ物品(12)であって、
前記第1の加熱部分(81)は、タバコ基材を含む基材層(91、94A)を含み、
前記第2の加熱部分(82)は、蒸気形成剤と、前記蒸気形成剤を保持する形成剤保持体と、を含む保持体層(92、93C)を含み、
前記平らな形状をしたタバコ物品(12)は、前記第1及び前記第2の加熱部分(81、82)の間にエアロゾル生成装置(11)の平らな両面ヒータ(47)の少なくとも一部分を受け入れて、前記加熱部分(81、82)の各々を同時に加熱するように構成され、謹んで前記第1の加熱部分(81)及び前記第2の加熱部分(82)の前記基材層(91、94A)及び前記保持体層(92、93C)は、前記平らなヒータ(47)の対応する面によって直接的に加熱されるように配置される、
平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項2】
前記形成剤保持体は、
-不織布、
-綿、
-紙、
からなる群内で選択される、請求項1に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項3】
前記蒸気形成剤は、
-ソルビトール、グリセロールなどのポリオール、
-プロピレングリコール又はトリエチレングリコールなどのグリコール、
-1価アルコールなどの非ポリオール、
-乳酸、グリセロール誘導体などの酸、
-トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル、グリセリン、又は植物性グリセリンなどのエステル、
-前述の要素の任意の混合物、
からなる群内で選択される、請求項1又は2に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項4】
前記第1の加熱部分(81)は、前記基材層(94A)に平行に配置された少なくとも1つの保持体層(94B)を更に含む、請求項1~3の何れか1項に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項5】
前記第1の加熱部分(81)の前記保持体層(94B)は、対応する基材層(94A)を介して加熱されるように配置される、請求項4に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項6】
前記第2の加熱部分(82)は、この加熱部分の前記保持体層(93C)に平行に配置された基材層(93B)を更に含む、請求項1~5の何れか1項に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項7】
前記第2の加熱部分(82)は、2つの保持体層(93A、93C)を含み、前記基材層(93B)は、これらの2つの保持体層(93A、93C)の間に配置される、請求項6に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項8】
前記第2の加熱部分(82)の前記2つの保持体層(93A、93C)は異なる厚さを有し、且つ/又は異なる蒸気形成剤を含み、且つ/又は異なる形成剤保持体を含む、請求項7に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項9】
前記第2の加熱部分(82)は、前記第1の加熱部分(81)の層組成とは異なる層組成を有する、請求項1~8の何れか1項に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項10】
各加熱部分(81、82)は、別々の包装体(83、84)に包まれている、請求項1~9の何れか1項に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項11】
前記加熱部分又はそれらの延長部を互いに取り付けるための取り付け手段(85)を更に含む、請求項1~10の何れか1項に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項12】
各加熱部分(81、82)は、フィルタ部分(16)によって延長され、好ましくは両方の加熱部分(81、82)が、マウスピース部分(15)の同じ部分を共有する、請求項1~11の何れか1項に記載の平らな形状をしたタバコ物品(12)。
【請求項13】
エアロゾル生成アセンブリ(10)であって、
-平らな両面ヒータ(47)を含むエアロゾル生成装置(11)と、
-前記ヒータ(47)によって加熱されてエアロゾルを生成するように意図された平らな形状をしたタバコ物品(12)であって、請求項1~12の何れか1項に記載の、平らな形状をしたタバコ物品(12)と、
を含む、エアロゾル生成アセンブリ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平らな両面ヒータの少なくとも一部分を受け入れるように構成された平らな形状のタバコ物品に関する。
【0002】
本発明はまた、そのような物品、及びこの物品と共に動作するように構成されたエアロゾル生成装置、を備えるエアロゾル生成アセンブリにも関する。タバコ物品は、例えば、加熱されるとエアロゾルを形成することができる固体基材を含む。従って、加熱非燃焼式装置としても知られる、物品と共に動作するように構成されたエアロゾル生成装置は、伝導、対流、及び/又は放射により、基材を燃やすのではなく加熱して、吸入のためのエアロゾルを発生させるように適合される。
【背景技術】
【0003】
(気化器としても知られる)リスク低減装置又はリスク修正装置の人気及び使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及び巻きタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めることを望む常習的喫煙者を支援するための補助として、ここ数年で急速に成長している。従来のタバコ製品においてタバコを燃やすのとは対照的に、気化可能物質を加熱又は加温する様々な装置及びシステムが入手可能である。
【0004】
一般的に入手可能なリスク低減装置又はリスク修正装置は、基材加熱式エアロゾル生成装置又は加熱非燃焼式装置である。このタイプの装置は、そのようなタイプの装置で使用可能なタバコ物品に含まれるエアロゾル基材を加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル基材は、通常、典型的には150℃~350℃の範囲の温度までの湿った葉タバコ又は他の好適な気化可能材料を含む。エアロゾル基材を、燃焼させるか又は燃やすのではなく、加熱することにより、ユーザが求める成分を含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある副生成物を含まないエアロゾルが放出される。更に、タバコ又は他の気化可能材料を加熱することによって生成されるエアロゾルは、典型的には、ユーザにとって不快となり得る、燃焼及び燃やすことに起因する焦げた味又は苦味を含まない。従って、基材は、煙及び/又は蒸気をユーザにとってより口当たりのよいものにするためにそのような材料に典型的に添加される糖及び他の添加物を必要としない。
【0005】
従って、ベイピングセッション全体を通して基材からエアロゾルを生成することは、難しい問題を提示することが明らかである。例えば、場合によっては、エアロゾル基材は、セッションの開始時に蒸気を生成することができ、終了時には使い果たされていることがある。従って、セッション中に生成される蒸気の量が大幅に変化することがあり、これにより、望ましくないユーザエクスペリエンスが引き起こされることがある。更に、エアロゾル生成装置によっては、ヒータから基材への熱伝達が最適ではない。この場合には、熱が浪費されるか、又は熱放散を回避するために大量の断熱材料が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ベイピングセッション全体の間、より良いユーザエクスペリエンスを提供することができる加熱非燃焼式装置と共に使用するためのタバコ物品を提案することを目的とする。特に、本発明は、タバコ物品が加熱非燃焼式装置と共に使用されるときに、タバコ物品により保証されるエアロゾルの生成を強化し、ベイピングセッション全体に渡って生成を継続させることを目的とする。更に、本発明は、熱の浪費又は大量の断熱物の使用を回避するように、ヒータからタバコ物品への最適な熱伝達を確保する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、第1の加熱部分と、この第1の加熱部分に平行に配置されるように設計された第2の加熱部分と、を含む平らな形状をしたタバコ物品に関し、
第1の加熱部分は、タバコ基材を含む基材層を含み、
第2の加熱部分は、蒸気形成剤と、この蒸気形成剤を保持する形成剤保持体と、を含む保持体層を含み、
平らな形状をしたタバコ物品は、第1の加熱部分と第2の加熱部分との間にエアロゾル生成装置の平らな両面ヒータの少なくとも一部分を受け入れて、それらの加熱部分の各々を同時に加熱するように構成されている。
【0008】
これらの特徴のおかげで、熱を浪費したり又は大量の断熱物を使用したりすることなく、熱がタバコ物品に実質的に完全に伝達されるように、平らな両面ヒータはタバコ物品によって完全に取り囲まれる。更に、本発明は、異なる組成を有してもよいヒータ加熱部分の対向する面に関連することを提案する。従って、蒸気の生成中に所望の効果を得られるように、これらの加熱部分の応答時間を適合させることが可能である。特に、「応答時間」という用語によって、加熱されたときに所望の効果を提供するために、対応する層又は加熱部分にとって必要な時間が理解されるべきである。所望の効果とは、蒸気の生成であり得る。応答時間が異なることは、ベイピングセッションの少なくとも幾つかの瞬間において、各加熱部分内の対応する層の温度が異なることを含意する。これらの層を使用して、タバコ基材から、蒸気形成剤の少なくとも一部分を離して貯蔵することができる。各加熱部分内のこれらの層の特性、組成、及びそれぞれの配置を適合させることにより、ベイピングセッションの異なる瞬間における蒸気の生成を強化することが可能になる。例えば、ベイピングセッションの早い段階(即ち、予熱段階)での、又は対照的にベイピングセッションの終了時の、蒸気生成を強化することが可能である。
【0009】
本発明によれば、タバコ基材は、刻まれた且つ/又は圧縮されたタバコ葉を呈することがある。基材層は、そのようなタバコ基材を結合材料と共に含む。従って、基材層は、適切な態様で平らにされ切断された生地を呈していてもよい。幾つかの実施形態では、基材層は、蒸気形成剤を含まなくてもよい。幾つかの他の実施形態では、基材層は、1種又は複数種の蒸気形成剤を含む。
【0010】
幾つかの実施形態によれば、形成剤保持体は、不織布、綿、及び紙からなる群内で選択される。
【0011】
これらの特徴のおかげで、蒸気形成剤を保持し、ベイピングセッションの適切な瞬間において適切な温度まで蒸気形成剤を加熱するように適合された適切な形成剤保持体を、選択することができる。
【0012】
幾つかの実施形態によれば、蒸気形成剤は、以下からなる群内で選択される:
-ソルビトール、グリセロールなどのポリオール、
-プロピレングリコール又はトリエチレングリコールなどのグリコール、
-1価アルコールなどの非ポリオール、
-乳酸、グリセロール誘導体などの酸、
-トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル、グリセリン、又は植物性グリセリンなどのエステル、
-前述の要素の任意の混合物。
【0013】
これらの特徴のおかげで、ベイピングセッションの適切な瞬間において適切な温度まで加熱されたときに蒸気を放出するように適合された適切な蒸気形成剤を、選択することができる。
【0014】
幾つかの実施形態によれば、第1の加熱部分は、基材層に平行に配置された少なくとも1つの保持体層を更に含む。
【0015】
これらの特徴のおかげで、第1の加熱部分内の保持体層を使用することができる。この保持体層は、例えば、第2の加熱部分内で使用されている保持体層の応答時間とは異なる応答時間を有してもよい。従って、ベイピングセッション全体を通してエアロゾルの生成を調節して、所望の効果を得ることができる。
【0016】
幾つかの実施形態によれば、第1の加熱部分の上記保持体層は、平らなヒータの対応する面によって直接的に加熱されるように配置される。
【0017】
これらの特徴のおかげで、第1の加熱部分の保持体層を、基材層よりも高い温度まで加熱することができる。従って、場合によっては、基材層に含まれるタバコ基材を燃やすことなく、保持体層のより高い加熱温度を確保することが可能になる。
【0018】
幾つかの実施形態によれば、第1の加熱部分の上記保持体層は、対応する基材層を介して加熱されるように配置される。
【0019】
幾つかの実施形態によれば、第2の加熱部分は2つの保持体層を含み、基材層はこれらの2つの保持体層の間に配置される。
【0020】
幾つかの実施形態によれば、第2の加熱部分の上記2つの保持体層は異なる厚さを有し、且つ/又は異なる蒸気形成剤を含み、且つ/又は異なる形成剤保持体を含む。
【0021】
これらの特徴のおかげで、同じ加熱部分内で、異なる応答時間を有する2つの保持体層を使用することが可能になる。
【0022】
幾つかの実施形態によれば、第2の加熱部分は、この加熱部分の保持体層に平行に配置された基材層を更に含む。
【0023】
幾つかの実施形態によれば、第2の加熱部分の上記基材層は、平らなヒータの対応する面によって直接的に加熱されるように配置される。
【0024】
これらの特徴のおかげで、第2の加熱部分内で基材層を使用して、ベイピングセッション中のユーザエクスペリエンスを向上させることも可能になる。更に、異なる基材層は、異なるタバコ基材(タバコの性質、ブレンド、香料等)を含むことができる。
【0025】
幾つかの実施形態によれば、第2の加熱部分は、第1の加熱部分と同じ層組成を有する。
【0026】
これらの特徴のおかげで、タバコ物品は、対称的な構造を有することができる。従って、平らな形状をしたヒータを、この構造の中心に受け入れ、これらの層全体にわたって均一な熱伝達を保証することができる。
【0027】
幾つかの実施形態によれば、第2の加熱部分は、第1の加熱部分の層組成とは異なる層組成を有する。
【0028】
幾つかの実施形態によれば、各加熱部分は、別々の包装体の中に包まれる。
【0029】
これらの特徴のおかげで、平らな形状をしたヒータを、容易にタバコ物品の中に挿入し、そこから取り出すことができる。
【0030】
幾つかの実施形態によれば、上記加熱部分又はそれらの延長部分を互いに取り付けるための、取り付け手段を含むこと。
【0031】
これらの特徴のおかげで、タバコ物品は、ユーザが簡単に操作することができる唯一の部品を呈することができる。
【0032】
幾つかの実施形態によれば、各加熱部分は、フィルタ部によって延長され、好ましくは両方の加熱部分が、マウスピース部の同じ部分を共有する。
【0033】
これらの特徴のおかげで、各加熱部分内で生成されたエアロゾルをフィルタリングし、有利にもユーザの口及び/又は唇に届く前に冷却することができる。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、その若しくは少なくとも1つの基材層及び/又はその若しくは少なくとも1つの保持体層は、平らなヒータの対応する面によって直接的に加熱されるように配置される。
【0035】
これらの特徴のおかげで、熱伝達を更に向上させることができる。
【0036】
本発明は、また、エアロゾル生成アセンブリであって、
-平らな両面ヒータを含むエアロゾル生成装置と、
-上記で規定したような、ヒータによって加熱されてエアロゾルを生成するように意図された平らな形状をしたタバコ物品と、を含むエアロゾル生成アセンブリにも関する。
【0037】
本発明及びその利点は、非限定的な例としてのみ挙げられ添付の図面を参照して記述される以下の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明によるエアロゾル生成アセンブリの斜視図であり、エアロゾル生成アセンブリは、エアロゾル生成装置及び平らな形状をしたタバコ物品を含む。
図2図1の平らな形状をしたタバコ物品の斜視図である。
図3図1のエアロゾル生成装置の加熱チャンバの斜視図であり、加熱チャンバは、平らな形状をしたタバコ物品を受け入れている。
図4】平面IVに沿った図2の断面図である。
図5図4の例とは異なる例による、平らな形状をしたタバコ物品のヒータ部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明について説明する前に、本発明は、以下の説明で記述される構造の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明が、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行され得ることは、本開示の利益を享受する当業者には明らかであろう。
【0040】
本明細書で使用する場合、「エアロゾル生成装置」又は「装置」という用語は、以下で更に詳細に解説するヒータ要素を用いて、ベイピングのためのエアロゾルを含めて、ユーザにエアロゾルを送達するためのベイピング装置を含んでもよい。装置は、携帯用であってもよい。「携帯用」とは、ユーザが保持しながら使用する装置を指してもよい。装置は、例えば、可変の時間量にわたってヒータ要素を作動させることにより、(定量のエアロゾルとは対照的に)可変量のエアロゾルを発生させるように適合されてもよく、その発生は、トリガによって制御することができる。トリガは、ベイピングボタン及び/又は吸入センサなど、ユーザが作動させるものであってもよい。吸入センサは、(タバコ、葉巻、又はパイプなどの従来の可燃性喫煙物品の喫煙効果を模倣するように)可変量の蒸気を提供することを可能にするために、吸入強度及び吸入継続時間に対する感度が高いものであってもよい。装置は、ヒータ及び/又は加熱されたエアロゾル生成物質(エアロゾル前駆体)の温度を特定の目標温度まで駆動し、その後、その温度をエアロゾルの効率的な生成を可能にするその目標温度に維持するための温度調節制御部を含んでもよい。
【0041】
本明細書で使用する場合、「エアロゾル」という用語は、固体粒子、液滴、気体のうちの1つ以上として気化性材料の浮遊物を含んでもよい。上記浮遊物は、空気を含む気体の状態であってもよい。本明細書のエアロゾルは、一般に、蒸気を指してもよい/含んでもよい。エアロゾルは、気化性材料の1つ以上の成分を含んでいてもよい。
【0042】
本明細書で使用する場合、「気化性材料」又は「前駆体」という用語は、例えば、ニコチン又はタバコ及び蒸気形成剤を含むことがある喫煙可能材料を指してもよい。タバコは、様々な材料の形態、例えば刻みタバコ、粒状タバコ、タバコ葉、及び/又は再構成タバコの形態を取ってもよい。気化性材料は、ゲル化剤、結合剤、安定剤、及び湿潤剤のうちの少なくとも1つも含んでもよい。
【0043】
本明細書で使用する場合、「蒸気形成剤」又は「エアロゾル形成剤」又は「エアロゾルフォーマ」という用語は、ソルビトール、グリセロールなどのポリオール、及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコールなどのグリコール、一価アルコールなどの非ポリオール、乳酸、グリセロール誘導体などの酸、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル、グリセリン、又は植物性グリセリンなどのエステル、を指してもよい。幾つかの実施形態では、エアロゾル生成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールとの混合物であってもよい。蒸気形成剤は、前述の要素の任意の混合物を指してもよい。
【0044】
図1は、エアロゾル生成装置11と、エアロゾル生成装置11に挿入された平らな形状をしたタバコ物品12とを含むエアロゾル生成アセンブリ10を示す。この平らな形状をしたタバコ物品12は、図2により詳細に示されている。
【0045】
図2を参照すると、以降ではタバコ物品12と呼ばれる、平らな形状をしたタバコ物品12は、例えば、長手方向軸Xに沿って延びており且つ外形寸法がL×W×Dである平らな形状の直方体である。典型的な例では、長手方向軸Xに沿った物品の長さLは、実質的に33mmに等しく、幅W及び深さDは、実質的にそれぞれ12mm及び3.5mmに等しい。異なる例によると、値L、W、及びDは、例えば、±40%の範囲内で選択することができるが、本発明の平らな形状をしたタバコ物品の寸法は、特定の範囲に限定されない。タバコ物品12の深さDは、以降では物品側壁13A、13Bと呼ぶ一対の平行な壁13A、13Bによって形成され、タバコ物品12の幅Wは、以降では物品接触壁14A、14Bと呼ぶ一対の平行な壁14A、14Bによって形成される。物品壁13A、13B、14A、14Bは、タバコ物品12の外側表面の2つの平行な対を形成する。本発明の他の例によれば、タバコ物品12は、任意の他の適切な平らな形状及び/又は外形寸法を有することができる。一般的な場合、タバコ物品の平らな形状とは、長手方向の寸法及び/又は横方向の寸法の各々よりも、例えば、少なくとも5倍、有利には少なくとも10倍、より有利には少なくとも15倍小さい深さを有する形状として理解されるべきである。更に、以下で更に詳細に説明するように、タバコ物品12の少なくとも一部分の深さDは、タバコ物品12がエアロゾル生成装置11に受け入れられたときに、変化してもよい。
【0046】
タバコ物品12は、長手方向軸Xに沿って配置されたヒータ部分15及びマウスピース部分16を含む。実施形態によっては、タバコ物品12は、ヒータ部分15のみを含んでもよい。ヒータ部分15は、例えば、マウスピース部分16よりもわずかに長くてもよい。例えば、長手方向軸Xに沿ったヒータ部分15の長さL2は、実質的に18mmに等しくてもよく、長手方向軸Xに沿ったマウスピース部分16の長さL1は、実質的に15mmに等しくてもよい。ヒータ部分15は、物品12の当接端部18を規定し、マウスピース部分16は、物品12の口端部20を規定する。以下で更に詳細に説明するように、ヒータ部分15及びマウスピース部分16は、長手方向軸Xの周りに延在する唯一の包装体によって、又は異なる複数の包装体を使用して、互いに固定されてもよい。包装体又は各包装体は、例えば、紙、及び/又は不織布、及び/又はアルミニウムを含んでもよい。包装体又は各包装体は、多孔性又は空気不透過性であってもよい。包装体又は各包装体は、当接端部18と口端部20との間で物品12の内部に延びる複数の空気流チャネルを形成する。
【0047】
ヒータ部分15は、ヒータによって加熱されるように意図されており、少なくとも1つの基材層及び少なくとも1つの保持体層を含む。これらの層については、本発明の異なる例による、図4図5に示すタバコ物品12の断面図を参照しながら、より詳細に説明する。
【0048】
図1の例によれば、マウスピース部分16は、エアロゾル生成装置11のマウスピースの内部に受け入れられるように意図されている。本発明の他の例によれば、マウスピース部分16は、それ自体で、ユーザの口及び/又は唇に接触するように意図されたマウスピースを形成する。マウスピース部分16は、例えば、フィルタのように機能するコア17を含む。コア17は、例えば、発泡体、又は束ねられたより糸若しくは繊維であってもよい。コア17は、押し出し及び/又は圧延プロセスによって安定した形状に形成されてもよい。物品は、1つ以上の空気流チャネルを提供するように成形されてもよい。図2の特定の例では、マウスピース部分16は、例えば、長手方向軸Xに垂直な2つの軸に沿ってマウスピース部分16の全周に沿って配置された複数の通気孔22を規定する。言い換えると、この例によれば、通気孔22は、物品側壁13A、13B及び物品接触壁14A、14Bの中の物品の各壁上に配置されている。別の例によれば、通気孔22は、物品接触壁14A、14Bの上にのみ、又は好ましくは、物品接触壁14A、14Bのうちの一方の上にのみ配置される。両方の例において、通気孔22は、タバコ物品12の対応する壁又は各対応する壁上に長手方向軸Xに対して垂直に整列されていてもよく、同じ距離だけ間隔をあけられていることがある。通気孔22により、新鮮な空気がタバコ物品12の内部に入って特定のベイピング効果/味覚効果を実現することができる。
【0049】
再び図1を参照すると、エアロゾル生成装置11は、少なくとも1つの側壁40を形成する装置ボディ30を含む。装置ボディ30は、図1に示す軸Yに従って連続的に配置されたマウスピース32及びハウジング34を備える。本発明の異なる例によれば、マウスピース32及びハウジング34は、2つの異なる部品か又は単一の部品を形成することができる。特に、2つの異なる部品の場合、マウスピース32は、ハウジング34の端部のうちの1つに形成された挿入開口部に固定されるか、又は挿入開口部内に受け入れられるように、設計される。
【0050】
各断面において、ハウジング34は、例えば、縁が丸みを帯びた実質的に矩形の形状を形成してもよい。この場合、マウスピース32を有するハウジング34は、少なくとも4つの側壁40を形成する。他の例によれば、ハウジング34は、丸い断面形状をしていることがある。この場合、ハウジング34は、マウスピース32と共に、1つの側壁40のみを形成することができる。ハウジング34は、アルミニウム又はプラスチックのような任意の適切な材料でできた単一部品又は複数の組み立てられた部品から形成することができる。幾つかの実施形態では、ハウジング34の材料は、熱伝導性の材料であり得る。幾つかの他の実施形態では、この材料は、熱絶縁性の材料であり得る。実施形態によっては、ハウジング34は、装置側壁40の対応する部分に、制御要素及び/又は視覚的要素を配置するのに適した1つ又は複数の開口部を形成することができる。例えば、そのような要素は、制御ボタン、タッチパネル、スクリーン、LED等を含んでもよい。特に、図1の例では、ハウジング34は、例えば、装置11の少なくともON状態を示すLEDを受け入れるスロット開口部42を形成する。これは、例えば、バッテリーの規定状態、エラー状態等も示すことができる。
【0051】
幾つかの例では、ハウジング34及び/又はマウスピース32は、装置11の内部の空気流路と流体連通している空気入口43を形成してもよい。図1に示すように、この空気入口43は、例えば側壁40上に、例えば、マウスピース32とハウジング34との間の移行ゾーン内に、形成されることがある。別の例によれば、空気入口は、ハウジング34の挿入開口部とは反対側の、ハウジング34の底壁に形成されることがある。
【0052】
マウスピース32は、装置11内部の空気流路と流体連通している空気出口44を形成する。特に、空気出口44は、装置11内部で形成されたエアロゾルをユーザに送達するように構成される。幾つかの例では、空気出口44は、タバコ物品12を装置11内部に装填するためにも使用されてもよい。幾つかの他の例では、タバコ物品12は、マウスピース32がハウジング34から取り外されたときに、装置11の内部に装填されることがある。
【0053】
ハウジング34は、装置11の異なる機能を実行するように設計された様々な要素を受け入れる装置11の内部空間を区切る。この内部空間は、例えば、装置11に給電するためのバッテリー、装置11の動作を制御するための制御モジュール、タバコ物品12を受け入れるための加熱チャンバ45、タバコ物品12のヒータ部分15を加熱するためのヒータ47、を受け入れることができる。これらの要素の中で、加熱チャンバ45及びヒータ47についてのみ、図3及び図4を参照して更に詳細に説明する。
【0054】
図3を参照すると、加熱チャンバ45は、近位端部70と遠位端部71との間で軸Yに沿って延びるカップ状の加熱チャンバを形成する。加熱チャンバ45は、タバコ物品12のヒータ部分15を受け入れるように設計されている。この目的のために、加熱チャンバ45は、タバコ物品12と実質的に同じ断面形状を規定する。特に、図3の例では、加熱チャンバ45は、2つの平行なチャンバ側壁73A、73B、及び2つの平行なチャンバ接触壁74A、74Bを有する矩形の断面形状を規定する。加熱チャンバ45は、軸Yに垂直に配置された遠位壁75も規定する。特に、遠位壁75は、壁73A、73B、74A、74Bの各々に隣接する。
【0055】
加熱チャンバ45は、長手方向軸Xが軸Yと一致し、物品側壁13A、13Bが、それぞれのチャンバ側壁73A、73Bに面し、物品接触壁14A、14Bが、それぞれのチャンバ接触壁74A、74Bに面するように、少なくともタバコ物品12のヒータ部分15を受け入れるように適合されている。
【0056】
本発明の異なる例によれば、加熱チャンバ45の遠位端部71は、封止されていてもよく、又は、少なくとも1つの開口部を規定してもよい。第1の場合には、チャンバ45の近位端部70は、あそびを伴ってタバコ物品12を受け入れるように構成された、チャンバ45の唯一の開口部を形成してもよい。特に、この場合、空気流チャネルを、物品12及びチャンバ45の側壁13A、73A、及び13B、73Bの各対の間に形成することができ、一方、対応する接触壁14A、74A、及び14B、74Bを、互いに接触させることができる。図3に示すように、装置11を使用している間、この場合、空気流路が、空気入口43から、側壁の対応する対の間に形成された空気流チャネルを通って、加熱チャンバ45内部で「U」ターンした後、タバコ物品12を通って空気出口44まで延びることができる。第2の場合には、タバコ物品12の壁の全てを、加熱チャンバ45の対応する壁と接触させることができる。この場合には、装置11を使用している間、空気流路が、空気入口43から遠位端部71内に形成された開口部を通って、次いでタバコ物品12を通って空気出口44まで延びることができる。他の例によれば、加熱チャンバ45は、例えばその側壁又は接触壁内に他の開口部を形成して、タバコ物品12を通る空気流路を形成してもよい。
【0057】
図4に示すように、ヒータ47は、加熱チャンバ45の内部に配置され、例えば遠位壁75から、他のチャンバ壁73A、73B、74A、74Bの実質的に長さ全体に沿って延びる。本発明の一実施形態によれば、ヒータ47は、遠位壁75の中心から延びる。別の実施形態によれば、ヒータ47は、遠位壁75の中心とチャンバ側壁73A、73Bのうちの一方との間に配置される。前の実施形態と組み合わせることができる更に別の実施形態によれば、ヒータ47は、遠位壁75の中心とチャンバ接触壁74A、74Bのうちの一方との間に配置される。
【0058】
本発明によれば、ヒータ47は、物品12が加熱チャンバ45に挿入されたときに、タバコ物品12のヒータ部分15の中に貫通するように構成された、平らな両面ヒータである。特に、ヒータ47は、タバコ物品12の対応する部分に熱を伝達するように構成された、2つの対向面を規定する。この目的のために、ヒータ47は、例えば加熱ブレードとして、例えば唯一の加熱要素を備えてもよい。この加熱要素は、装置11の制御モジュールに接続され、この制御モジュールにより1つ又は複数の加熱プロファイルに従って動作するように構成される。別の実施形態によれば、ヒータ47は平らな支持体を含み、この支持体は、その面の各々の上に加熱要素を受け取る。この場合、各加熱要素は、例えば、ポリイミド膜のような膜からできていることがある。更に、幾つかの実施形態では、両方の加熱要素とも、同じ加熱プロファイルに従って、制御モジュールにより動作させることができる。他の実施形態によれば、それらの加熱要素は、例えば異なる加熱プロファイルに従って、制御モジュールにより別々に動作される。これらの加熱プロファイルは、例えば、ヒータ47の対応する面に接触しているタバコ物品の部分に応じて、且つ/又はベイピングセッションの段階(予熱、加熱、等)に応じて、選択されることがある。
【0059】
幾つかの実施形態では、ヒータ47の異なる面は、同じコーティング又は異なるコーティングによって覆われていることがある。この最後の場合には、それらのコーティングは、少なくともベイピングセッションの幾つかの段階において、例えばこれらの面上で異なる加熱温度を得るために異なる熱伝達特性を保証するように、選択することができる。これらのコーティングを、例えば、ヒータ47が唯一の加熱要素を含む場合に使用することができる。
【0060】
図4は、タバコ物品12が加熱チャンバ45の内部に部分的に挿入されたときの、タバコ物品12の断面図を示す。この図4の例によれば、タバコ物品12のヒータ部分15は、平らなヒータ47の異なる面に接触するように意図された第1の加熱部分81及び第2の加熱部分82を含む。言い換えると、タバコ物品12のヒータ部分15は、加熱部分81と82との間にヒータ47を受け入れるように構成されている。幾つかの実施形態では、各加熱部分81、82は、それらの間にヒータ47が挿入されると、少なくともわずかに圧縮されるように構成されている。この場合には、圧縮されていないとき、タバコ物品12の深さDは、実質的にチャンバ接触壁74Aと74Bとの間の距離に相当することがある。更に、加熱部分81、82は、同じ厚さであっても、又は異なる厚さであってもよい。第1の場合には、ヒータ47は、チャンバ接触壁74Aと74Bとの間の中心に有利にも配置され、第2の場合には、ヒータ47は、この中心からオフセットされて配置されてもよい。更に、第2の場合には、タバコ物品12は例えば唯一の挿入方向を規定してもよい。この挿入方向は、例えば、物品12の外部表面上に示されているか、若しくは、物品12の特定の形状によって規定されるか、且つ/又は加熱チャンバ45が他の方向に従ったタバコ物品12の挿入を防止することがある。
【0061】
各加熱部分81、82は、対応する包装体で包まれていることがある。更に、同じ包装体を使用して、タバコ物品12のマウスピース部分16の対応する部分を包むことができる。従って、図4の例では、第1の包装体83を使用して、ヒータ部分15の第1の加熱部分81と、第1の加熱部分81をマウスピース部分16まで連続的に延ばすマウスピース部分16の部分とを包むことができる。同様に、第2の包装体84を使用して、ヒータ部分15の第2の加熱部分82と、第2の加熱部分82をマウスピース部分16まで連続的に延ばすマウスピース部分16の部分とを包むことができる。従って、この例では、マウスピース部分16は、異なる包装体81、82に包まれた2つの別個の部分に分割される。更に、この場合、マウスピース部分16のこれらの部分は、糊、クリップ、ワイヤ等のような適切な取り付け手段85を使用して、それらの間に取り付けることができる。変形例では、第1及び第2の加熱部分81、82のみが、異なる包装体で包まれている。この場合、これらの加熱部分81、82は、マウスピース部分16の分割されていない同じ部分を共有することができる。更に別の変形例によれば、タバコ物品12は、外部包装体のみを有し、加熱部分81、82は、層又は任意の他の適切な手段によって分割されることがある。
【0062】
図4の例によれば、第1の加熱部分81は、基材層91である唯一の層を含む。特に、基材層91は、例えば刻みタバコ、粒状タバコ、タバコ葉、及び/又は再構成タバコとして、タバコ基材を含む。幾つかの例によれば、基材層91は、タバコ基材に取り込まれた蒸気形成剤を更に含むことがある。
【0063】
同じ例では、第2の加熱部分82も、唯一の層を含む。第1の加熱部分とは対照的に、第2の加熱部分82のこの唯一の層は、保持体層92である。この保持体層92は、蒸気形成剤が含浸された形成剤保持体を含む。形成剤保持体は、例えば、以下を含む群内で選択される:
-不織布
-綿
-紙。
【0064】
形成剤保持体には、任意の適切な製造プロセスを使用して、液体又は気体の蒸気形成剤が含浸されることがある。例えば、これは、保持体層92を形成している間に行うことができる。含浸させた後、形成剤保持体は、その内部構造を実質的に変化させずに維持し、蒸気形成剤をこの内部構造の異なるセグメントの間に、例えば液滴の形態で貯蔵する。
【0065】
有利にも、保持体層92は、上記蒸気形成剤が含浸された上記形成剤保持体からなる。言い換えると、この場合には、保持体層92は上記要素のみを含み、とりわけタバコ又はニコチン含有基材は含まない。
【0066】
有利にも、基材層91が蒸気形成剤も含む場合、この蒸気形成剤は、各層91、92の応答時間に基づいて、保持体層92に含まれる蒸気形成剤と異なって又は実質的に同じに選択されてもよい。
【0067】
図4の例によれば、層91、92の各々は、ヒータ47によって直接的に加熱されるように意図されている。特に、本明細書で使用する場合。タバコ物品12の層は、この層とヒータ47との間にタバコ物品12の他の層が無い場合、ヒータ47によって直接的に加熱されるとみなされる。しかしながら、包装体83、84又はヒータ47のコーティングのような他の要素が、この層とヒータ47との間に介在してもよい。
【0068】
図5は、各加熱部分81、82の内部に異なる層配置を有するヒータ部分15の一例を示す。
【0069】
特に、この図5の例では、第2の加熱部分82は、2つの保持体層93A、93C及び1つの基材層93Bを含む。基材層93Bは、上記で説明した基材層91と似ており、例えば、保持体層93A、93Cの間に配置されてもよい。保持体層93A、93Cの各々は、上記で説明した保持体層92に似ていることがある。保持体層93A、93Cは、同じ蒸気形成剤及び/若しくは形成剤保持体、又は、異なる蒸気形成剤及び/若しくは形成剤保持体を含むことができる。更に、保持体層93A、93Cは、同じ厚さ又は異なる厚さを有することができる。この最後の場合、保持体層93Cは、保持体層93Aよりも厚いことがある。最後に、図5に示すように、保持体層93Cは、ヒータ47の対応する面によって直接的に加熱されるように意図されている。
【0070】
ヒータ部分15の第1の部分81も、複数の層を含むことができる。従って、同じ図5の例によれば、第1の部分81は、1つの基材層94A及び1つの保持体層94Bを含む。基材層94Aは、例えば、上記で説明した基材層93Bに似ており、例えば、ヒータ47の対応する面によって直接的に加熱されるように意図されている。保持体層94Bも、上記で説明した保持体層93A、93Cに似ていることがあり、同じ蒸気形成剤及び/若しくは形成剤保持体、又は、これらの保持体層93A、93Cの少なくとも一方のものとは異なる蒸気形成剤及び/若しくは形成剤保持体を含んでもよい。更に、層94A、94Bは、同じ厚さ又は異なる厚さを有することができる。例えば、保持体層94Bは、基材層94Aよりも厚いことがある。
【0071】
当然ながら、加熱部分81、82の各々の内部での層配置の多数の他の例が可能である。この配置は、上記で説明した層の任意の組み合わせに対応することができる。幾つかの例によれば、加熱部分81、82は、同じ層組成を有することができる。更に、当業者には、保持体層の数及び/又はそれらの配置及び/又はそれらの厚さ及び/又はそれらの組成は、この層の各々の所望の応答時間に基づいて適合させることができることが明らかである。
【0072】
添付の図4及び図5の図は、本発明の平らな形状をしたタバコ物品の非限定的な例であり、添付の特許請求の範囲内に依然として含まれる本発明の多数の修正形態及び変形形態が存在する。例えば、図4及び図5の平らな形状をしたタバコ物品12は、加熱チャンバ45に挿入される前に、加熱部分81と82との間に形成された隙間を有することができる。そのような隙間は、ヒータ47に対応した形状を有することがあり、従って、例えば、加熱チャンバ45への平らな形状をしたタバコ物品12の挿入を容易にし、且つ/又はヒータ47の挿入に起因する加熱部分81、82の圧縮を低減することができる。更に、図2図3図4、及び図5の図とは異なり、加熱部分81、82を、互いから分離した部材として提供することもでき、それらの部材を加熱チャンバ45に挿入して、それぞれヒータ47の対向する面と接触させることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】