(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】流体を分注するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
B05B 7/24 20060101AFI20240717BHJP
F04C 5/00 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B05B7/24
F04C5/00 321
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577353
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2022062229
(87)【国際公開番号】W WO2022234056
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517408070
【氏名又は名称】ペー・エス・ゲー ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】PSG Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ-パンクハースト, リチャード ポール
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ, ケン
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033QA01
4F033QA05
4F033QE06
4F033QF04X
4F033QF08X
4F033QK02X
4F033QK16X
(57)【要約】
流体を分注するための、再利用可能流体分注器(100)と、再利用可能流体分注器(100)との併用のための使い捨て可能流体パック(200)とが、提供される。複数の異なる使い捨て可能流体パック(200)が、複数の異なる流体が流体の相互汚染を伴うことなく複数の異なる流量において分注され得るように、同一の再利用可能流体分注器(100)と置換可能に併用され得る。再利用可能流体分注器(100)は、筐体(102)と、モータ(106)と、コントローラ(114)と、電力供給源(104)と、デコーダ(110)およびレンズアレイ(116)とを備える。使い捨て可能流体パック(200)は、流体リザーバ(202)と、ポンプ(204)と、エンコーダ(206)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用可能流体分注器との併用のための使い捨て可能流体パックであって、前記使い捨て可能流体パックは、
流体で充填されるように構成される流体リザーバと、
ポンプであって、前記ポンプは、前記流体リザーバと流体連通する入口と、出口と、ロータとを備え、前記ロータは、モータ駆動シャフトと結合する動力伝達部を形成するように構成され、前記ポンプは、前記流体を、前記流体リザーバから第1の方向において前記出口の外に圧送するように構成される、ポンプと、
エンコードされたデータを備えるエンコーダであって、前記エンコードされたデータは、前記ロータの少なくとも1つの停止位置と、前記流体リザーバから前記流体を圧送するための前記ロータの回転速さとを定義し、前記エンコーダは、事前定義された位置において前記ロータに結合され、前記ロータとともに回転するように構成される、エンコーダと
を備える、使い捨て可能流体パック。
【請求項2】
前記エンコーダデータは、複数の離間されたマーキングとして前記回転速さを定義する、請求項1に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項3】
前記少なくとも1つの停止位置は、2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置を含む、請求項1または請求項2に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項4】
前記少なくとも1つの停止位置は、2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置を含み、前記複数の離間されたマーキングは、前記2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置のそれぞれの間で繰り返される、請求項2に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項5】
前記2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置のそれぞれは、前記ロータの対応する特徴と整合される、請求項3または請求項4に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項6】
前記複数の離間されたマーキングは、角速度および/または加速度プロファイルおよび減速度プロファイルを定義する、請求項2-5のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項7】
前記エンコーダデータはさらに、パック情報を定義する、請求項1-6のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項8】
前記エンコーダデータはさらに、回転の方向を定義する、請求項1-7のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項9】
前記エンコーダは、前記ロータの上に印刷される、またはその上にエッチングされる、またはそれに取り付けられる、請求項1-8のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項10】
前記ポンプはさらに、前記第1の方向に対向する第2の方向において前記流体を圧送するように構成される、請求項1-9のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項11】
前記出口は、ノズルに結合される、請求項1-10のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項12】
前記出口は、注入ラインに結合される、請求項1-10のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項13】
前記出口は、医療デバイスまたは医療機器に結合される、請求項1-10のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項14】
前記ポンプは、希釈剤ポンプを含み、前記使い捨て可能流体パックはさらに、前記希釈剤ポンプに結合される希釈剤入口を備え、前記希釈剤入口は、希釈剤を受容するように構成され、前記希釈剤ポンプは、前記希釈剤と前記流体リザーバからの前記流体を混合し、混合物を前記出口の外に圧送するように構成される、請求項1-13のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項15】
耐久機器の物品内で使用されるように構成される、請求項1-14のいずれか1項に記載の使い捨て可能流体パック。
【請求項16】
流体を分注するための使い捨て可能流体パックとの併用のための再利用可能流体分注器であって、前記再利用可能流体分注器は、
駆動シャフトを備えるモータであって、前記駆動シャフトは、前記使い捨て可能流体パックのポンプのロータと結合する動力伝達部を形成するように構成される、モータと、
前記使い捨て可能流体パックのエンコーダからエンコーダデータを読み出すように構成されるデコーダおよびレンズアレイと、
コントローラであって、前記コントローラは、前記デコーダから前記エンコーダデータを受信し、前記モータに、前記駆動シャフトをある回転速さにおいて回転させ、前記エンコーダデータによって定義される1つまたはそれを上回る所定の停止位置のうちのいずれか1つにおいて前記駆動シャフトを停止させるように命令するように構成される、コントローラと、
前記コントローラ、前記モータ、および前記デコーダに結合される電力供給源と、
筐体であって、前記モータ、前記デコーダ、前記レンズアレイ、および前記コントローラは、前記筐体内に配置される、筐体と
を備える、再利用可能流体分注器。
【請求項17】
前記デコーダは、前記エンコーダにおいて光を発光するように構成される光エミッタと、前記エンコーダから反射される光を受光するように構成される光センサとを備える、請求項16に記載の再利用可能流体分注器。
【請求項18】
前記レンズアレイは、前記光エミッタから発光される前記光を前記エンコーダの上に集束させ、前記エンコーダから反射される前記光を前記光センサの上に集束させるように構成される、請求項17に記載の再利用可能流体分注器。
【請求項19】
前記光センサは、前記エンコーダが回転しているとき、前記エンコーダに提供される複数の離間されたマーキングから反射される前記光を検出するように構成され、前記複数の離間されたマーキングは、前記駆動シャフトの回転速さと、前記駆動シャフトの1つまたはそれを上回る所定の停止位置とを定義する、請求項17または請求項18に記載の再利用可能流体分注器。
【請求項20】
前記デコーダは、使用あたりの検出された1つまたはそれを上回る所定の停止位置の数をカウントするように構成され、前記コントローラは、前記検出された1つまたはそれを上回る所定の停止位置のカウントされた数に基づいて、使用あたりの前記再利用可能流体分注器によって送達された流体の量を決定するように構成される、請求項16-19のいずれか1項に記載の再利用可能流体分注器。
【請求項21】
前記使い捨て可能流体パックのポンプを前記再利用可能流体分注器に解放可能に取り付け、前記モータがアクティブ化されるときに生成されるトルクに対抗するための解放可能取付手段をさらに備える、請求項16-20のいずれか1項に記載の再利用可能流体分注器。
【請求項22】
前記モータは、ステッパモータまたは直流モータを含み、前記ステッパモータまたは直流モータは、シャフトエンコーダと、別のデコーダとを備え、前記別のデコーダは、使用の間に前記駆動シャフトの回転の速さを測定するように構成され、前記コントローラはさらに、前記使い捨て可能流体パックのエンコーダによって定義される前記回転速さと、測定された回転速さを比較するように構成される、請求項16-21のいずれか1項に記載の再利用可能流体分注器。
【請求項23】
流体を分注するための使い捨て可能流体パックとの併用のための再利用可能流体分注器であって、前記再利用可能流体分注器は、
駆動シャフトを備えるモータであって、前記駆動シャフトは、前記使い捨て可能流体パックのポンプのロータと結合する動力伝達部を形成するように構成され、前記モータは、シャフトエンコーダと、デコーダとを備えるステッパモータ、またはシャフトエンコーダと、デコーダとを備える直流モータを含み、前記シャフトエンコーダは、前記駆動シャフトの回転速さを定義する、モータと、
前記使い捨て可能流体パックのエンコーダからエンコーダデータを読み出すように構成される第2のデコーダおよびレンズアレイと、
コントローラであって、前記コントローラは、前記シャフトエンコーダによって定義される前記回転速さにおいて前記駆動シャフトを回転させ、前記第2のデコーダから前記エンコーダデータを受信し、前記回転速さと、前記エンコーダデータによって測定された回転速さを比較するように構成される、コントローラと、
前記コントローラ、前記モータ、および前記デコーダに結合される電力供給源と、
筐体であって、前記モータ、前記デコーダ、および前記コントローラは、前記筐体内に配置される、筐体と
を備える、再利用可能流体分注器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技法は、流体を分注するためのデバイスに関する。より具体的には、本技法は、流体を分注するための、再利用可能流体分注器と、再利用可能流体分注器との併用のための使い捨て可能流体パックとに関する。
【背景技術】
【0002】
塗料、清浄製品、殺虫剤、油、脱脂流体等の流体を噴霧するための公知の噴霧デバイスは、所定の流量または圧力において流体をリザーバから流体ノズルの外に運搬するためのモータと、ポンプとを有する。使用の後、噴霧デバイスは、それらが将来において同一のタイプまたは異なるタイプの流体のいずれかとともに併用され得るために、徹底的に清浄にされることが要求される。しかしながら、そのようなデバイスのノズル、流体リザーバ、および相互接続管を徹底的に清浄にすることは、多くの場合、困難である。他の噴霧デバイスは、ガス圧力がハンドポンプによって導入される、またはリザーバが流体を周囲温度において液体状態に保つ圧力下で流体で予め充填される、加圧されたリザーバを使用する。
【0003】
また、例えば、リンゴ果汁濃縮物、コーラ香味料等の濃縮物が、取り付けられた無線周波数識別(RFID)タグを伴うパック内に提供され得る、商業的飲食産業において、モータとの併用のための異なる流体パックを提供することも、公知である。RFIDリーダが、パック内のRFIDタグを識別し、また、製品タイプ、その希釈比率、すなわち、濃縮物が水と混合されるべき比率、および流体を分注するための流量等のデータを通信する。RFIDリーダは、適切な流量において、水と混合された濃縮物を圧送する、流体分注器のモータのモータコントローラによって読み取られる。しかしながら、RFIDタグおよびリーダは、高価であり、したがって、家庭用市場のためのもの等、より小型の噴霧デバイスにおける使用のためには望ましくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の実施形態によると、再利用可能流体分注器との併用のための使い捨て可能流体パックが、提供される。使い捨て可能流体パックは、流体で充填されるように構成される、流体リザーバと、流体リザーバと流体連通する入口と、出口と、ロータとを備える、ポンプであって、ロータは、モータ駆動シャフトと結合する動力伝達部を形成するように構成され、ポンプは、流体を、流体リザーバから第1の方向において出口の外に圧送するように構成される、ポンプと、エンコードされたデータを備える、エンコーダであって、エンコードされたデータは、ロータの少なくとも1つの停止位置と、流体リザーバから流体を圧送するためのロータの回転速さとを定義し、事前定義された位置においてロータに結合され、ロータとともに回転するように構成される、エンコーダとを備える。
【0005】
別の実施形態によると、エンコーダデータは、複数の離間されたマーキングとして回転速さを定義する。
【0006】
別の実施形態によると、少なくとも1つの停止位置は、2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置を含む。
【0007】
別の実施形態によると、少なくとも1つの停止位置は、2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置を含み、複数の離間されたマーキングは、2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置のそれぞれの間で繰り返される。
【0008】
別の実施形態によると、2つまたはそれを上回る均等に離間された停止位置はそれぞれ、ロータの対応する特徴と整合される。
【0009】
別の実施形態によると、複数の離間されたマーキングは、角速度および/または加速度プロファイルおよび減速度プロファイルを定義する。
【0010】
別の実施形態によると、エンコーダデータはさらに、パック情報を定義する。
【0011】
別の実施形態によると、エンコーダデータはさらに、回転の方向を定義する。
【0012】
別の実施形態によると、エンコーダは、ロータの上に印刷される、またはその上にエッチングされる、またはそれに取り付けられる。
【0013】
別の実施形態によると、ポンプはさらに、第1の方向に対向する、第2の方向において流体を圧送するように構成される。
【0014】
別の実施形態によると、出口は、ノズルに結合される。
【0015】
別の実施形態によると、出口は、注入ラインに結合される。
【0016】
別の実施形態によると、出口は、医療デバイスまたは医療機器に結合される。
【0017】
別の実施形態によると、ポンプは、希釈剤ポンプを含み、使い捨て可能流体パックはさらに、希釈剤ポンプに結合される、希釈剤入口を備え、希釈剤入口は、希釈剤を受容するように構成され、希釈剤ポンプは、希釈剤と流体リザーバからの流体を混合し、混合物を出口の外に圧送するように構成される。
【0018】
別の実施形態によると、使い捨て可能流体パックは、耐久機器の物品内で使用されるように構成される。
【0019】
別の実施形態によると、エンコーダは、ロータに取り付けられる、エンコーダディスクを備える。
【0020】
別の実施形態によると、エンコーダは、ロータに取り付けられる、エンコーダスリーブまたはエンコーダドラムを備える。
【0021】
別の実施形態によると、ポンプは、2ボーラス回転ポンプを含み、さらに、ロータが、ロータとポンプ筐体との間に2つのチャンバを形成するようにポンプ筐体内に配置される、ポンプ筐体を備える。
【0022】
別の実施形態によると、ポンプは、3ボーラス回転ポンプを含み、さらに、ロータが、ロータとポンプ筐体との間に3つのチャンバを形成するようにポンプ筐体内に配置される、ポンプ筐体を備える。
【0023】
別の実施形態によると、ポンプは、4ボーラス回転ポンプを含み、さらに、ロータが、ロータとポンプ筐体との間に4つのチャンバを形成するようにポンプ筐体内に配置される、ポンプ筐体を備える。
【0024】
別の実施形態によると、ポンプは、5ボーラス回転ポンプを含み、さらに、ロータが、ロータとポンプ筐体との間に5つのチャンバを形成するようにポンプ筐体内に配置される、ポンプ筐体を備える。
【0025】
別の実施形態によると、ノズルは、複数の退出孔を備える。
【0026】
別の実施形態によると、ノズルは、複数の異なるサイズの退出孔を備える。
【0027】
別の実施形態によると、使い捨て可能流体パックはさらに、第1の端部においてポンプ出口に取り付けられるように構成される、除去可能な中空ワンドを備え、ワンドは、その第2の端部において、それを通して流体が退出する、ノズルを備える。
【0028】
別の実施形態によると、ロータは、使い捨て可能流体パックが再利用可能流体分注器に接続されると、再利用可能流体分注器のモータのモータ駆動シャフトと結合する、動力伝達部を形成し、モータ駆動シャフトは、ロータを駆動し、流体を流体リザーバから出口の外に圧送するように構成される。
【0029】
別の実施形態によると、出口は、発泡ノズルを備える。
【0030】
別の実施形態によると、流体リザーバは、濃縮流体を備える。
【0031】
別の実施形態によると、回転速さは、流体リザーバ内の流体に応じて選択される。
【0032】
別の実施形態によると、使い捨て可能流体パックはさらに、ポンプの出口をノズルに接続する、管を備える。
【0033】
別の実施形態によると、使い捨て可能流体パックはさらに、ポンプの入口を流体リザーバに接続する、管を備える。
【0034】
第2の実施形態によると、流体を分注するための、使い捨て可能流体パックとの併用のための再利用可能流体分注器が、提供される。再利用可能流体分注器は、駆動シャフトを備える、モータであって、駆動シャフトは、使い捨て可能流体パックのポンプのロータと結合する、動力伝達部を形成するように構成される、モータと、使い捨て可能流体パックのエンコーダからエンコーダデータを読み出すように構成される、デコーダおよびレンズアレイと、デコーダからエンコーダデータを受信し、モータに、駆動シャフトをある回転速さにおいて回転させ、エンコーダデータによって定義される、1つまたはそれを上回る所定の停止位置のうちのいずれか1つにおいて駆動シャフトを停止させるように命令するように構成される、コントローラと、コントローラ、モータ、およびデコーダに結合される、電力供給源と、筐体であって、モータ、デコーダ、レンズアレイ、およびコントローラは、筐体内に配置される、筐体とを備える。
【0035】
別の実施形態によると、デコーダは、エンコーダにおいて光を発光するように構成される、光エミッタと、エンコーダから反射される光を受光するように構成される、光センサとを備える。
【0036】
別の実施形態によると、レンズアレイは、光エミッタから発光される光をエンコーダの上に集束させ、エンコーダから反射される光を光センサの上に集束させるように構成される。
【0037】
別の実施形態によると、光センサは、エンコーダが回転しているとき、エンコーダに提供される、複数の離間されたマーキングから反射される光を検出するように構成され、複数の離間されたマーキングは、駆動シャフトの回転速さと、駆動シャフトの1つまたはそれを上回る所定の停止位置とを定義する。
【0038】
別の実施形態によると、デコーダは、使用あたりの検出された1つまたはそれを上回る所定の停止位置の数をカウントするように構成され、コントローラは、検出された1つまたはそれを上回る所定の停止位置のカウントされた数に基づいて、使用あたりの再利用可能流体分注器によって送達された流体の量を決定するように構成される。
【0039】
別の実施形態によると、再利用可能流体分注器はさらに、使い捨て可能流体パックのポンプを再利用可能流体分注器に解放可能に取り付け、モータがアクティブ化されるときに生成されるトルクに対抗するための解放可能取付手段を備える。
【0040】
別の実施形態によると、モータは、ステッパモータまたは直流モータを含み、ステッパモータまたは直流モータは、シャフトエンコーダと、デコーダとを備え、デコーダは、使用の間にモータシャフトの回転の速さを測定するように構成され、コントローラはさらに、使い捨て可能流体パックのエンコーダによって定義される回転速さと、測定された回転速さを比較するように構成される。
【0041】
別の実施形態によると、再利用可能流体分注器はさらに、希釈剤入口を備え、希釈剤入口は、希釈剤源に接続されるように構成される、第1の端部と、使い捨て可能流体パックのポンプに提供される、希釈剤入口に接続されるように構成される、第2の端部とを備える。
【0042】
別の実施形態によると、再利用可能流体分注器はさらに、アクチュエータを備え、アクチュエータのアクティブ化は、電力供給源からコントローラ、モータ、およびデコーダに電力を提供する。
【0043】
別の実施形態によると、電力供給源は、主電力供給源を含む。
【0044】
別の実施形態によると、電力供給源は、バッテリを含む。
【0045】
別の実施形態によると、電力供給源はまた、筐体内に配置される。
【0046】
別の実施形態によると、再利用可能流体分注器は、ハンドヘルド式の再利用可能流体分注器を含む。
【0047】
第3の実施形態によると、流体を分注するための、使い捨て可能流体パックとの併用のための再利用可能流体分注器が、提供される。再利用可能流体分注器は、駆動シャフトを備える、モータであって、駆動シャフトは、使い捨て可能流体パックのポンプのロータと結合する、動力伝達部を形成するように構成される、モータであって、モータは、シャフトエンコーダと、デコーダとを備える、ステッパモータ、またはシャフトエンコーダと、デコーダとを備える、直流モータを含み、シャフトエンコーダは、駆動シャフトの回転速さを定義する、モータと、使い捨て可能流体パックのエンコーダからエンコーダデータを読み出すように構成される、第2のデコーダおよびレンズアレイと、シャフトエンコーダによって定義される回転速さにおいて駆動シャフトを回転させ、第2のデコーダからエンコーダデータを受信し、回転速さと、エンコーダデータによって測定された回転速さを比較するように構成される、コントローラと、コントローラ、モータ、およびデコーダに結合される、電力供給源と、筐体であって、モータ、デコーダ、およびコントローラは、筐体内に配置される、筐体とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0048】
実施形態が、ここで、付随の図を参照して説明されるであろう。
【0049】
【
図1】
図1は、流体を分注するためのデバイスの分解図を図示する。
【
図2】
図2は、流体を分注するためのデバイスの代替分解図を図示する。
【
図3】
図3は、使い捨て可能流体パックのエンコーダおよび再利用可能流体分注器のデコーダの拡大図を図示する。
【
図4】
図4は、ノズルとしてオリフィスを有する、流体を分注するためのデバイスを図示する。
【
図5】
図5は、ノズルとしてのオリフィスの拡大図を図示する。
【
図6A】
図6Aは、2ボーラス回転ポンプを図式的に図示する。
【
図6B】
図6Bは、3ボーラス回転ポンプを図式的に図示する。
【
図7】
図7は、複数のエンコーダディスクを図示する。
【
図8】
図8は、エンコーダスリーブまたはエンコーダドラムを図示する。
【
図9】
図9は、再利用可能流体分注器を使い捨て可能流体パックに取り付けるための取付手段を図示する。
【
図10】
図10は、希釈剤入口を備える、再利用可能流体分注器を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
詳細な説明
その実施例が付随の図に図示される、実施形態が、ここで、詳細に参照されるであろう。以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細が、関連のある教示の徹底的な理解を提供するために、実施例として述べられる。しかしながら、本教示が、これらの具体的な詳細を用いることなく実践され得ることが、当業者に明白となるであろう。
【0051】
再利用可能流体分注器と、再利用可能流体分注器との併用のための使い捨て可能流体パックとを備える、流体を分注するためのデバイスが、提供される。複数の異なる使い捨て可能流体パックが、複数の異なる流体が、再利用可能流体分注器を汚染すること、または異なる使い捨て可能流体パック間の相互汚染を伴うことなく、同一または複数の異なる流量において分注され得るように、同一の再利用可能流体分注器と併用され得る。再利用可能流体分注器は、筐体と、モータと、電力供給源と、モータコントローラプリント回路基板(PCB)等のコントローラと、デコーダと、レンズアレイとを備える。使い捨て可能流体パックは、流体リザーバと、ポンプと、エンコーダとを備える。使用時、再利用可能流体分注器のモータは、使い捨て可能流体パックのポンプに結合され、流体を流体リザーバからポンプの出口を通して外に圧送する。流体は、再利用可能流体分注器の構成要素に接触せず、異なる流体間の相互汚染を防止する。各使い捨て可能流体リザーバのエンコーダは、少なくとも1つの停止位置と、リザーバ内の流体に関する分注流量とを定義する、エンコーダデータを備える。再利用可能流体分注器のデコーダは、使い捨て可能流体パックが再利用可能流体分注器に接続されると、エンコーダからエンコーダデータを読み出し、モータに、エンコーダデータ内で定義される回転速さにおいて使い捨て可能流体パックのポンプを回転させ、標的流量を送達するように命令する。いかなる高価なRFIDまたは類似の構成要素も、使用されていないため、本デバイスは、家庭用市場における販売のために好適であり、かつ商業的市場におけるRFIDベースのシステムに対する低コストの代替物である。
【0052】
図1および2は、流体を分注するためのデバイス1の代替分解図を図示する。デバイス1は、再利用可能流体分注器100と、使い捨て可能流体パック200とを備える。再利用可能流体分注器100は、筐体102と、電力供給源104と、モータ106と、モータコントローラPCB等のコントローラ114と、デコーダ110と、レンズアレイ116とを備える。筐体102は、モータ106、コントローラ114、デコーダ110、およびレンズアレイ116が、筐体102内に配置されるように構成される。
図1および2に図示される実施形態では、電力供給源104もまた、筐体102内に配置される。しかしながら、電力供給源104は、筐体102内に配置されることに限定されない。
図1および2に図示される実施形態では、電力供給源104は、バッテリである。しかしながら、主電力供給源が、利用され得、その場合には、主電力供給源への好適な接続部が、バッテリと対照的に、筐体102内に提供される。代替として、電力供給源104は、電動手工具の技術分野において公知であるような再充電可能バッテリと同様に、筐体102に除去可能に取り付けられるが、その外に突出するように構成されてもよい。代替として、再利用可能流体分注器100は、バッテリ電力供給源および主電力供給源のいずれかまたは両方を利用するように構成されてもよい。
【0053】
電力供給源104によって給電され、コントローラ114によって制御されるモータ106は、駆動シャフト108を備える。駆動シャフト108は、筐体102の外に突出し、使い捨て可能流体パック200のポンプ204に除去可能に接続され、ポンプ204のロータと結合する動力伝達部を形成するように構成される。
図1-3に図示されるように、使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続されると、モータ106が、使い捨て可能流体パック200のポンプ204を駆動するための回転トルクを伝達し得るように、モータ駆動シャフト108は、非円形の外形を有し、ポンプ204のロータも、対応する非円形の外形を有する。一実施形態では、モータ駆動シャフト108が、ポンプ204に接続されると、スプライン/溝が、突出部/ローブと整合するように、モータ駆動シャフト108の外形は、複数のスプライン/溝を備え、ポンプ204は、対応する突出部/ローブ外形を有する。しかしながら、モータ駆動シャフト108とポンプ204との間を結合する動力伝達部を形成する、他の対応する外形も、利用され得る。
【0054】
図1、2、および3は、使い捨て可能流体パック200のデコーダ110とエンコーダ206との間に提供される、レンズアレイ116を図示する。レンズアレイ116は、1つまたはそれを上回るレンズを備え、好ましくは、
図3Aに図示されるように、2つのレンズを備える。レンズアレイ116は、デコーダ110によって発光される光の波長に対して透過性であるプラスチック材料から成型されてもよく、好ましくは、赤色に色合いを付けられたポリカーボネートから成型される。
図1および2では、レンズアレイ116は、光学的にクリアな隔壁112に統合され、再利用可能流体分注器100のデコーダ110は、筐体102内に提供される。隔壁112は、レンズアレイ116が、隔壁と一体型であるとき、光学的にクリアである。しかしながら、他の配列では、隔壁は、不透過性であってもよい。他の配列では、デコーダ110はまた、隔壁112に取り付けられてもよい、および/またはレンズアレイ116は、筐体102内に提供されてもよい。隔壁112は、駆動シャフト108に近接してモータに接続されてもよい。隔壁112は、デコーダ110および/またはレンズアレイ116を定置する1つのみの公知の方法であり、再利用可能流体分注器100にデコーダ110および/またはレンズアレイ116を取り付ける他の手段もまた、利用され得る。
【0055】
図示されないが、デコーダ110は、電力供給源104およびコントローラ114に接続される。一実施形態によると、デコーダ110およびコントローラ114は、同一のPCBを共有してもよい。
図1-3に図示されるように、デコーダ110は、モータ駆動シャフト108の軸と、デコーダ110と、レンズアレイ116との間の幾何学的関係が固定されるように、モータ駆動シャフト108の軸に対して固定された位置に提供される。加えて、使い捨て可能流体リザーバ200のエンコーダ206は、ポンプ204上の突出部/ローブのうちの一方等のロータ上の特徴またはある他の事前定義された特徴に結合され、それと恒久的に整合される。したがって、使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続されると、駆動シャフト108に対するロータの半径方向および軸方向位置が整合されるように、駆動シャフト108上のスプラインは、使い捨て可能流体パック200のポンプ204上の突出部/ローブと整合する。デコーダ110、レンズアレイ116、およびエンコーダ206も、同様に整合された状態になる。エンコーダ206の軸方向位置は、モータ駆動シャフト108の上へのロータの整合によって保存される。
【0056】
デコーダ110は、使い捨て可能流体パック200のエンコーダ206からエンコーダデータを読み出し、モータに、駆動シャフト108をエンコーダデータによって定義される回転速さにおいて回転させるように命令するように構成される。デコーダ110は、エンコーダ206が回転しているときに、エンコーダ206を読み取る。電力が、モータ106に伝達されると、これは、駆動シャフト108を回転させ始め、エンコーダ206の回転をもたらす。デコーダ110は、次いで、回転するエンコーダ206からエンコーダデータを読み出すことが可能であり、これをコントローラ114に伝送し、コントローラ114は、モータに、駆動シャフト108を定義される回転速さにおいて回転させるように命令する。再利用可能流体分注器100が、非アクティブ化されると、モータ106は、即座に停止せず、代わりに、コントローラ114は、次または最近傍の停止位置においてモータを停止させる。コントローラ114は、デコーダから受信された信号を処理し、回転の速さ、数等を決定してもよい。
【0057】
図3は、使い捨て可能流体パック200のエンコーダ206および再利用可能流体分注器100のデコーダ110の一実施形態の拡大図を図示する。デコーダ110は、光エミッタ110Bと、光センサ110Aとを備える。レンズアレイ116は、デコーダ110とエンコーダ206との間に位置付けられる。エンコーダ206からエンコーダデータを読み出すために、レンズアレイ116の第1のレンズが、光エミッタ110Bからの光を集束させ、集束光をエンコーダ206の上に指向するように構成される。エンコーダ206から反射された光が、レンズアレイ116の第2のレンズによって集光され、光センサ110Aの上に集束される。デコーダ110は、エンコーダデータをモータコントローラ114に伝送する。
【0058】
図3から分かり得るように、デコーダ110は、どの時点においてもエンコーダ206の一部のみを視認するように整合される。エンコーダ206は、デコーダ110によって視認されるエンコーダ206の部分が、回転の間に変化するようにロータに結合され、ロータとともに回転するように構成される。これは、RFIDがロータへの物理的接続を有していない、公知のRFIDシステムと対照的である。
【0059】
コントローラ114は、使い捨て可能流体パック200が再利用可能流体分注器100に接続されている/接続されていないかどうかを決定してもよい。光エミッタ110Bは、変調された光を発光する。その結果、光が、使い捨て可能流体パック200が存在しないときに光センサ110Aによって検出される場合でも、コントローラ114は、感知された光が所定の閾値を下回るかどうかを決定することが可能である。使い捨て可能流体パック200が再利用可能流体分注器100に接続されていないときに検出される、太陽光または別の源からの光は、所定の閾値を下回るであろう。したがって、コントローラ114は、使い捨て可能流体パック200が接続されておらず、モータがアクティブ化されることを防止し得ることを決定することができる。
【0060】
加えて、光センサ110Aは、エンコーダ206上に提供される黒色マーキングによっても、光エミッタ110Bから反射されたある程度の光を検出し得る。しかしながら、光は、変調されているため、コントローラ114は、本光が、反射光であり、太陽光または別の源からの光ではないことを決定し、使い捨て可能流体パック200が再利用可能流体分注器100に接続されていることを確認することができる。
【0061】
再利用可能流体分注器100は、異なる使い捨て可能流体パック200と複数回併用されるように設計される。その結果、モータ106、コントローラ114、およびデコーダ110等のより「高価」であり、あまり「再生利用可能」ではない構成要素が、再利用可能流体分注器100内に提供される一方、公知のRFIDシステムと比較して比較的に安価な構成要素である、エンコーダ204等の「より安価」な構成要素が、再利用可能流体分注器100内に提供される。加えて、再利用可能流体分注器100は、異なる使い捨て可能流体パック200と併用されるように設計されるため、それを通して流体が退出するオリフィス208と、ポンプ204とが、使い捨て可能流体パック200の一部として提供される。したがって、流体は、再利用可能流体分注器100の構成要素を通して流動せず、異なる使い捨て可能流体パック200が同一の再利用可能流体分注器100と併用されるときには、いかなる相互汚染も、存在しない。加えて、使い捨て可能流体パック200は、いったん流体リザーバ202が空になると廃棄され得るため、使用間でオリフィス208および流体リザーバ202を清浄にする必要性は、存在しない。
【0062】
使い捨て可能流体パック200は、流体で予め充填される、流体リザーバ202を備える。オリフィス208(
図4および5にノズルとして図示される)が、オリフィス208が流体リザーバ202と流体連通するように、ポンプ204の出口に接続される。加えて、ロータを備えるポンプ204が、使い捨て可能流体パック200が再利用可能流体分注器100に取り付けられると、流体を流体リザーバ202から第1の方向においてオリフィス208の外に圧送するように構成される。ポンプは、一方向ポンプ204であってもよい。代替として、ポンプは、双方向ポンプであってもよく、また、流体を第2の方向において圧送することが可能であってもよく、第2の方向は、第1の方向に対して反対方向である。ポンプを逆に、すなわち、ポンプ出口からポンプ入口に稼働させるための能力が、各使用後にノズルを清浄にするために使用されてもよい。
【0063】
図1-5では、流体リザーバ202は、流体リザーバ202の開口部が、ポンプ204によって閉鎖され、ポンプ204の入口が、流体リザーバ202内の流体と直接流体連通するように、ポンプ204の入口に直接接続される。加えて、ポンプ204の出口は、オリフィス208に直接接続される。しかしながら、供給管が、流体リザーバ202をポンプ204の入口に接続するために提供されてもよい。代替として、または加えて、供給管は、ポンプ204の出口をオリフィス208に接続するために提供されてもよい。その結果、流体リザーバ202は、ポンプ204から遠隔に提供されてもよい、および/またはオリフィス208は、ポンプ204から遠隔に提供されてもよい。
【0064】
流体リザーバ202は、高真空能力を有するポンプ204が、流体リザーバ202から流体の全てまたは実質的に全てを引き出すことを可能にする、パウチ、バッグ、エアレス瓶、または風袋等の圧潰可能流体リザーバ202であってもよい。加えて、流体が抽出されるにつれて圧潰する、圧潰可能リザーバ流体リザーバ202は、空気の進入を防止し得、多くの流体タイプの寿命を延長させ得る。流体リザーバ202は、リジッドな外側ケーシング内に非リジッドライナを有する、リジッドな外側ケーシングを備えてもよく、非リジッドライナは、液体が外に引き出されるにつれて圧潰するように構成される。代替として、流体リザーバ202は、シリンジ/バイアル形式等の、液体が外に吸引されるにつれて栓が中に引き込まれる、リジッドな外側ケーシングを備えてもよい。
【0065】
再利用可能流体分注器100を伴う、各リザーバ202内に異なる体積の流体を有する、異なるサイズの使い捨て可能流体パック200を使用することが、可能である。
【0066】
ポンプ204は、第WO 2006/027548 A1号または第WO 2013/050491 A1号に説明されているポンプのうちの一方等のQuantex
TM単回使用ポンプであってもよい。
図6Aは、例示的な2ボーラス回転ポンプを図式的に図示する。
図6Aのポンプは、ポンプ筐体10内に締り嵌めされる、ロータ11を備える。2つのチャンバ23、24が、ロータ11とポンプ筐体10との間に形成され、各チャンバ23、24は、ロータ11がポンプ筐体10内で回転するにつれて、ポンプ筐体10の壁によって拘束される、ボーラスを生成する。ロータ11が、ポンプ筐体10内で回転するにつれて、真空が、生成され、流体リザーバ202からの流体を(入口14を介して)チャンバ23の中に吸引させ、チャンバ24内の流体を(出口15を介して)オリフィス208に搬送させる。ロータが、回転し続けるにつれて、流体の各ボーラスが、ポンプの周囲で入口14から出口15に搬送される。
【0067】
ポンプは、それぞれ、2つ、3つ、4つ、または5つのチャンバを有する、2、3、4、または5ボーラスポンプであってもよい。
図6Bは、3ボーラス回転ポンプを図式的に図示する。
図6Bのポンプはまた、ポンプ筐体10内に締り嵌めされる、ロータ11を備える。しかしながら、
図6Bのロータ11は、3つのチャンバ51a、51b、51cが、ロータ11とポンプ筐体10との間に形成されるように、湾曲した三角形状であり、各チャンバ51a、51b、51cは、ロータ11がポンプ筐体10内で回転するにつれて、ポンプ筐体10の壁によって拘束される、ボーラスを作成する。
【0068】
図6Aは、ばね手段13がその最も圧縮された状態にある、上死点(TDC)位置にある、ロータ11を図示する。2ボーラスロータを有する、ポンプ204が、2つの下死点(BDC)位置のうちのいずれか一方において停止されることになる。
図6Aを参照すると、BDCは、ばね手段13が最も圧縮されていない、ロータ11の90°のさらなる回転位置である。ゴムから作製されているばね手段13が、経時的に圧縮永久歪みを得、非使用時の間に圧縮される量が少ないほど、より良好であるため、BDCは、望ましい。
【0069】
3ボーラスロータを有する、ポンプ204は、3つのBDC位置のうちのいずれか1つにおいて停止されることになる。
図6Bを参照すると、BDCは、ばね手段59が最も圧縮されていない、ロータ11の60°のさらなる回転位置である。4ボーラスロータを有する、ポンプ204は、4つのBDC位置のうちのいずれか1つにおいて停止されることになる。5ボーラスロータを有する、ポンプ204は、5つのBDC位置のうちのいずれか1つにおいて停止されることになる。5つ超のボーラスを有するボーラスロータを有する、ポンプもまた、適切である場合、利用され得る。
【0070】
好ましくは、ポンプ204は、流体リザーバ202が圧潰可能流体リザーバ202であるとき、一貫した出力流量を維持しながら、流体リザーバ202から流体の全てまたは実質的に全てを引き出すことを可能にする、高真空能力を有する。その結果、流体の実質的に全てが、ポンプ204によって流体リザーバから引き出され得るため、廃棄物は、殆ど存在しない。
【0071】
使い捨て可能流体パック200のエンコーダ206は、1)ロータの少なくとも1つの停止位置および2)ロータの回転の速さを定義する、エンコーダデータを備える。停止位置の位置および数が、使い捨て可能流体パック200内で使用されるポンプ204のタイプに応じて選択される。ポンプ204が、1つまたはそれを上回るBDC位置を備えるとき、停止位置は、BDC位置のうちの1つと整合されるはずである。例えば、ポンプが、3ボーラスロータを備える場合、ロータが、3つの停止位置のうちのいずれか1つにおいて停止され得るように、1つの停止位置(すなわち、BDC位置のうちのいずれか1つ)が、定義されてもよい、または3つの停止位置(すなわち、BDC位置のそれぞれにおけるもの)が、定義されてもよい。TDCは、要求される場合、BDCの代わりに、停止位置として使用され得る。1つを上回る停止位置が、定義されるとき、停止位置は、均等に離間されなければならない。
【0072】
ロータが、既知の位置において停止され(そこから開始され)得るように、少なくとも1つの停止位置が、要求される。ロータが、既知の位置において停止されなかった場合、スプラインおよびローブが整合されないであろうため、別の使い捨て可能流体パック200を接続することは、困難であろう。特に、モータ106の変速機を逆駆動するために要求される、高トルクは、モータが給電されず、ポンプが筐体102によって軸方向および角度的に拘束されない限り、駆動シャフト108が回転されることを防止し得る。その結果、各新しい使い捨て可能流体パック200のポンプ204は、既知の一貫した位置に少なくとも1つの停止位置を具備する。
【0073】
ポンプ204は、既知の位置から開始されるため、流体の分注される体積と相関する、各使用において実施される旋回の数が、コントローラ114によって決定されてもよい。
【0074】
エンコーダ206において定義される回転速さは、流体リザーバ202からの流体がオリフィス208に供給され、そこから分注される流量を設定する。回転速さは、流体リザーバ202内の流体のタイプに応じて設定される。加えて、オリフィス208のタイプが、流体リザーバ202内の流体のタイプに応じて選択されてもよい。周知であるように、異なるタイプの流体が、異なる粘度と、レオロジとを有し、したがって、異なる分注流量を要求し得る。その結果、各使い捨て可能流体パック200は、異なる流体と、流体リザーバ202内の流体のタイプに応じて選択される、オリフィス208と、流体をオリフィス208を通して分注するために要求される流量を定義する、エンコーダ206とを備えてもよい。流量は、オリフィス208のサイズおよびタイプおよび流体のレオロジとともに、当技術分野において公知であるように、分注圧力を決定する。
【0075】
図4および5は、ノズルとしてのオリフィス208を図示する。しかしながら、他のタイプのオリフィスも、使用され得、例えば、デバイス1が医療分野において使用されることになるとき、オリフィス208は、ポンプの出口に結合される、注入ラインを備えてもよい。加えて、ポンプの出口は、医療デバイス/機器に結合されてもよい。一実施形態では、デバイス1が、医療分野において使用されることになるとき、デコーダからの情報が、デコーダ110またはコントローラ114から医療デバイス/機器に通信されてもよい。
【0076】
オリフィス208は、使い捨て可能流体パック200の一部として提供されるため、異なるタイプのオリフィス208が、リザーバ202内の流体に応じて提供されてもよい。オリフィス208は、複数の同一または異なるサイズのオリフィス退出孔を備えてもよい。「複数のもの」は、「1つまたはそれを上回るもの」を含む。オリフィス内の退出孔のサイズおよび/または数および/または位置は、リザーバ202内の流体に応じて改変され得る。例えば、ある流体を、微細な霧として(その場合、オリフィスは、多くの小さい退出孔を有し得る)、または発泡体として(その場合、オリフィスは、空気を流体流の中に導入し得る)分注することが、望ましくあり得る。オリフィス内の退出孔のサイズおよび/または数および/または位置は、要求される噴霧パターンに応じて選択されてもよい。さらに、オリフィス内の退出孔のサイズおよび/または数および/または位置は、リザーバ202内の流体の粘度に応じて選択されてもよい。その結果、再利用可能流体分注器100は、多数の異なる使い捨て可能流体パック200と併用され、異なるタイプの流体を異なる流量において、異なる噴霧パターンを用いて分注してもよい。
【0077】
使い捨て可能流体パック200は、分注されるべき流体のタイプに応じて構成可能である。流体のために好適であるように選択される、材料およびサイズの流体リザーバ202と、流体の粘度および要求される流量および/または噴霧パターンに基づいて選択される、オリフィス208とを有する、使い捨て可能流体パック200が、構築され得る。ポンプ204は、単回使用ポンプまたは単回使用希釈ポンプ(下記にさらに詳細に議論される)であってもよい。
【0078】
デバイス1は、ポンプの出口にその第1の端部において取り付けられる、堅性管または可撓性ホース等の除去可能なワンドと併用され得る。ワンドは、それを通して流体が退出する、その第2の端部にノズルを備えてもよい。ワンドは、デバイス1が、退出流体から距離を置いて位置付けられるように、退出流体を指向するときに、本デバイスのユーザにより長い流路区間と、柔軟性とを提供する。加えて、上記に議論されるように、流体リザーバ202がポンプ204から遠隔に提供され得るように、および/または大きい/重い流体リザーバ202が使用され得るように、供給管が、流体リザーバ202をポンプ204の入口に接続するために提供されてもよい。
【0079】
エンコーダ206は、ポンプ204のロータに取り付けられる、エンコーダディスクまたはエンコーダスリーブまたはエンコーダドラムであってもよい。エンコーダは、事前定義された位置においてポンプ204のロータに結合され、ポンプ204のロータとともに回転するように構成される。
【0080】
図1、3、および7は、エンコーダディスクを図示する一方、
図8は、エンコーダスリーブまたはドラムを図示する。
図1、3、および7に図示されるように、エンコーダディスクは、ディスクの表面と同一の平面上に配列される、マーキングを備え、対照的に、
図8に図示されるように、エンコーダスリーブまたはドラムは、スリーブまたはドラムの周辺の周囲に半径方向に配列される、マーキングを備える。エンコーダドラムは、ポンプ204のロータに取り付けられる、別個の要素である一方、エンコーダスリーブは、ポンプ204のロータの拡張された部分の周囲に巻着する、印刷された巻着体である。代替として、エンコーダスリーブは、ポンプ204のロータの拡張された部分の周囲に半径方向に印刷またはエッチングされる、マーキングを備えてもよい。エンコーダディスクは、ロータに取り付けられる、別個のディスクであってもよい、またはロータの上に直接印刷またはエッチングされてもよい。エンコーダ206は、ポンプ204の製造時点、またはポンプ204を流体リザーバ202に取り付ける時点、または特定の流体で流体リザーバ202を充填する時点において、ロータに取り付けられる、またはその上に印刷またはエッチングされてもよい。エンコーダ204は、ポンプ204上のロータシャフトに取り付けられてもよい。
【0081】
上記に議論されるように、使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続されると、駆動シャフト108は、駆動シャフト108に対するロータの半径方向および軸方向位置が、整合される、例えば、駆動シャフト108のスプラインが、ポンプ204のローブと整合するように、ポンプ204と整合する。エンコーダ206は、事前定義された位置においてポンプ204のロータに取り付けられるため、使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続されると、エンコーダ206は、デコーダ110およびレンズアレイ116と整合される。
【0082】
図7は、複数の例示的エンコーダディスクを図示する。各エンコーダディスクは、印刷またはエッチングされたマーキング(エンコーダデータとも称される)を有する。マーキングは、ポンプ204のロータの下死点(BDC)/停止位置を示す、具体的な幅の区画を画定する。
図7のエンコーダディスクは、3ボーラスロータのために設計され、線300は、3つの停止位置を示す。3ボーラスロータのBDC位置は、再利用可能流体分注器100がロータ上の最近傍のBDC位置においてポンプ204を停止させることが可能であるように提供される、停止位置である。付加的なマーキングが、各エンコーダディスク上に、ロータの回転の速さを定義する、停止位置間(すなわち、対照的な線)に提供される。停止位置(すなわち、
図7のBDC位置)間のマーキングの頻度は、ループ応答が、より急速になり、それによって、速さ調整の正確度を改良するため、分解能に影響を及ぼし、すなわち、マーキングが多いほど、分解能は、より高くなる。マーキングは、各停止位置間で繰り返される。各停止位置間のマーキングは、停止位置マーキングの幅と比較して、異なる幅と、ピッチとを有し、これは、回転の速さ、回転の方向、角速度、加速度、減速度、および角距離等の情報が、エンコードされることを可能にする。角距離は、再利用可能流体分注器100に、アクチュエータの作動毎に、第1の方向(すなわち、正転)におけるX回の旋回と、第2の方向(すなわち、逆転)におけるY回の旋回とを施すように命令する。逆転方向における動作は、出口からリザーバ202に向かって戻るような流体の逆転方向の流動を引き起こす。これは、ノズル208が閉塞された状態になることを防止し得る、および/または各使用の終了時における流体の酸化を低減させ得る。これらのマーキングはまた、パック情報等の付加的な情報も提供し得る。パック情報が、要求に応じて、リザーバ内の流体のタイプ、リザーバ内の流体の体積、リザーバ内での流体の使用期限、製造日等の任意の望ましい情報を含み得る。停止位置マーキングは、中間マーキングとともに、トルクおよび供給電圧の変化から独立して一定のモータ速さを維持するためのモータループ制御のために使用される。代替として、1つまたはそれを上回る停止位置を示す、具体的な幅の区画に対して、エンコーダ206上の突出部または陥凹が、1つまたはそれを上回る停止位置を定義してもよい。
【0083】
図7に図示されるように、エンコーダディスクは、全てが異なり、それぞれが、異なる速さの回転を定義する。上記に述べられるように、回転の速さは、流体リザーバ202内の流体に応じて選択されてもよい。したがって、リザーバ202内の流体、オリフィス208、および使用されるポンプ204のタイプに応じて、適切なエンコーダ206が、使用される。また、少なくとも1つの停止位置および回転の速さが、エンコーダ206によって定義されるため、コントローラ114は、旋回の数を決定し、それによって、使用あたりの送達される用量体積を計算することができる。公知のRFIDは、パックおよびポンプタイプ(例えば、2ボーラスロータまたは3ボーラスロータ)についての情報を提供することができるが、公知のRFIDは、使用の間のロータの位置を把握せず、実行されている旋回の数をカウントすることはできない。
【0084】
エンコーダディスクまたはスリーブをポンプ204に取り付けることに対する代替策として、エンコーダ206が、ポンプの製造時点においてポンプ204に直接適用されてもよく、例えば、エンコーダマーキングが、レーザによって、ポンプ204のロータの上に直接エッチングされてもよい、またはポンプ204のロータの上に直接印刷されてもよい。
【0085】
ポンプ204は、2つまたはそれを上回るボーラスを有する、上記に説明されるようなポンプであることに限定されず、他のタイプのポンプも、使用され得る。そのような代替ポンプが、使用されるとき、エンコーダ206は、各使用において実施される旋回の数を決定するために、ロータの全回転毎に検出される、1つのみの停止位置を定義し得る。ロータの回転の速さ、加速度、減速度、およびパック情報を定義する、マーキングもまた、各エンコーダディスク上に提供される。
【0086】
使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続されると、デコーダ110が、エンコーダデータを読み取り、ポンプ204をエンコーダ206によって定義される回転の速さにおいて動作させ、ポンプを、エンコーダ206によって定義される最近傍の停止位置において停止させる。上記に議論されるように、デコーダ110は、光エミッタ110Bからの光を、
図7に図示されるもの等のエンコーダ206に指向し、光センサ110Aを使用し、反射光を測定する。光センサ110Aは、エンコーダ206のマーキングから受光された反射光を測定し、信号をコントローラ114に伝送する。デコーダ110からの信号は、コントローラ114によって、少なくとも1つの停止位置を含むエンコーダデータを抽出するように処理される。本エンコーダデータは、定義されるモータ速さを設定するために使用されてもよく、これは、加速度/減速度プロファイル、および使い捨て可能流体パック200についての識別情報を含み得る。線は、白黒または光センサ110Aと適合する波長の別の対照的な色の組み合わせであってもよい。
【0087】
使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続されると、エンコーダ206は、
図4および5に図示されるように、再利用可能流体分注器100の空洞内に提供される。空洞は、周囲光がレンズアレイ116、特に、光センサ110Aに到達することを防止するように緊密に寸法適合され、これは、そうでなければ、デバイス1の性能を低減させ得る。
【0088】
再利用可能流体分注器100は、再利用可能流体分注器100に接続される使い捨て可能流体パック200内に提供される任意の液体に関して、正しい流量を送達することが可能である。各使い捨て可能流体パック200は、再利用可能流体分注器100に、モータ106が回転するべき速さに関して命令する。これは、ポンプに回転するための速さに関して命令するのが分注器デバイスである、従来の分注器デバイスと対照的である。
【0089】
ポンプ204、エンコーダ206、およびオリフィス208は、ポンプ204、エンコーダ206、およびオリフィス208が全て、いったん流体リザーバ202が空になると使い捨て可能流体パック200の一部として廃棄されるように、流体リザーバ202と統合される。
【0090】
再利用可能流体分注器100は、使い捨て可能流体パック200に接続されるように構成される。使い捨て可能流体パック200がエンドユーザによって再利用可能流体分注器100に接続されると使い捨て可能流体パック200のロータに接続される、再利用可能流体分注器100のモータ駆動シャフト108に加えて、解放可能取付手段もまた、提供され得る。解放可能取付手段は、使い捨て可能流体パック200のポンプ204およびエンコーダ206を再利用可能流体分注器100に接続し、モータ106がアクティブ化されるときに生成されるトルクに対抗し、したがって、ポンプ204を定位置に保つように構成される、任意の解放可能取付デバイスであり得る。解放可能取付デバイスは、これがまた、再利用可能流体分注器100が別の使い捨て可能流体パック200と併用され得るように、再利用可能流体分注器100からポンプ204を接続解除するように構成されるという点において、解放可能である。
【0091】
図4および9から分かり得るように、モータ駆動シャフト108が、使い捨て可能流体パック200のロータに接続されると、ポンプ204は、流体分注器100の空洞内に位置し、流体分注器100の分岐状スロット450A、450Bが、入口204Aまたは出口204Bまたはポンプ204の両方の周囲に留付される。加えて、エンコーダ206は、事前定義された位置においてロータに取り付けられるため、これはまた、再利用可能流体分注器100の空洞内に提供される。
【0092】
解放可能取付手段が、利用可能流体分注器100および/または使い捨て可能流体パック200に提供されてもよい。
【0093】
図9はまた、その中に相補的ブラケット454が使い捨て可能流体パック200スロットにおいて提供される、再利用可能流体分注器100に提供される分岐状スロットを備える、取付手段を図示する。
図9に図示されるように、再利用可能流体分注器100および使い捨て可能流体パック200は両方とも、再利用可能流体分注器100および使い捨て可能流体パック200上の特徴によって軸方向に整合した状態に誘導される。再利用可能流体分注器100の駆動シャフト108が、動力伝達接続部が作製されるように使い捨て可能流体パック200のポンプ204のロータと係合すると、ブラケット454は、分岐状スロット452に接続される。ブラケット454および分岐状スロット452は、流体リザーバ202を保持するように提供される。上記に説明されるように、流体リザーバ202は、分岐状スロット452が利用されない本配列では、流体リザーバ202が、ある距離離れた状態にあるように、供給管を介してポンプに接続されてもよい。
【0094】
再利用可能流体分注器100はまた、筐体上に提供される、レバー、スイッチ、またはボタン等のアクチュエータを備える。アクチュエータは、押動、引動、または反転等、アクティブ化されると、電力供給源からコントローラ114、ひいては、モータ106に、電力を提供し、これは、モータ106をアクティブ化する。モータ106は、ひいては、ポンプ204のロータを回転させ、リザーバ202から流体を分注する。アクチュエータのアクティブ化はまた、デコーダ110がエンコーダ206を読み取り得るように、電力供給源からコントローラ114、ひいては、デコーダ110に電力を提供する。デコーダ110からの信号が、モータコントローラ114に、ひいては、モータ106に送信され、回転の速さ、したがって、流体流量を制御する。アクチュエータは、ユーザがアクチュエータからその指/手を除去すると、モータが停止するように、ユーザによって、再利用可能流体分注器100の使用の間にアクティブ位置に保持されるように要求されてもよい。一実施形態によると、モータは、エンコーダがコントローラ114に最近傍の停止位置を通知することではなく、使い捨て可能流体パック200が、再利用可能流体分注器100に接続され、モータが恣意的位置において停止することを防止するときのみにアクティブ化されてもよい。一実施形態によると、アクチュエータの非アクティブ化は、コントローラに、モータに、電力遮断する前に最近傍の停止位置において停止するように通知させる。一実施形態によると、アクチュエータの非アクティブ化は、コントローラ114に、モータに、電力遮断する前に、(ロータ上の空洞の数等の)定義された周期にわたって逆転方向の回転において動作し、出口からリザーバ202に向かって戻るような流体の逆転方向の流動を引き起こすように通知させる。これは、ノズル208が閉塞された状態になることを防止し得る、および/または流体の酸化を低減させ得る。
【0095】
使い捨て可能流体パック200の流体リザーバ202は、デバイス1において、水等の希釈剤と混合されることになる、濃縮物を含有してもよい。
図10は、希釈剤入口400をさらに備える、再利用可能流体分注器100を図示する。希釈剤を送達するためのホースパイプ等のパイプが、再利用可能流体分注器100の希釈剤入口400の第1の端部400Aに接続される。希釈剤入口400の他端400Bが、使い捨て可能流体パック200が再利用可能流体分注器100に接続されると、使い捨て可能流体パック200のポンプ204に提供される、希釈剤入口204Aに接続される。
図10は、ポンプ204の一部である管として、希釈剤入口204Aを図示する。希釈剤入口204Aは、希釈剤を送達するパイプと流体接続する。ポンプ204が、モータ駆動シャフト108の上に搭載され、動力伝達接続部を作製すると、流体接続部が、再利用可能流体分注器100の希釈剤入口400と使い捨て可能流体パック200の希釈剤入口204Aとの間に同時に作製され、両方の軸は、平行である。
【0096】
使用時、希釈剤は、ポンプ204を通して通過し、ポンプ204の出口内で流体リザーバ202からの流体と混合し、オリフィス208の外に退出する。その結果、希釈剤は、デバイス1の使用の間に、ポンプ204内で流体リザーバ202からの流体と混合され、混合された流体は、再利用可能流体分注器100の構成要素に接触せず、相互汚染を防止する。流体リザーバ202内に提供され得る、濃縮物の実施例は、適用に先立って水と混合されることになる、自動車シャンプーまたは殺虫剤である。流体リザーバ202内に凝集物のみを提供することによって、使い捨て可能流体パック200のサイズが、縮小され、パッケージングおよび重量を低減させる。
【0097】
図11は、本明細書に説明される使い捨て可能流体パック200内で使用され得る、例示的希釈回転ポンプを図式的に図示する。希釈回転ポンプは、前述に説明されるポンプと同一の外部幾何学形状を有する。第WO2014/135563 A1号は、希釈回転ポンプをより詳細に説明する。
図11に図示される希釈回転ポンプは、筐体70内に提供されるロータ71を備える、4ボーラスポンプである。ポンプはまた、シール72と、流体リザーバ202に接続される入口74と、オリフィス208に接続される出口75と、希釈剤入口である、第2の入口76とを備える。
図10を参照して上記で議論されるように、希釈剤を送達するためのパイプが、再利用可能流体分注器100の希釈剤入口400に接続され、これは、ひいては、希釈ポンプの第2の入口76(
図10の希釈剤入口204A)に接続される。希釈ポンプは、希釈剤を、これが流体リザーバ202からの流体の流動に衝合する、オリフィス77を介して、ポンプの出口75に通過させるように構成される。希釈剤と(流体リザーバ202からの)濃縮物の比率は、当技術分野において公知であるように、ポンプの回転速さの関数である。
【0098】
デバイス1は、希釈剤が、1と1/2バールの圧力等の既知の圧力において、希釈剤入口400に給送されるときに機能するように構成される。希釈剤の圧力は、希釈剤源に提供される、調整器を使用して設定されてもよい。いくつかの実施形態では、家庭内設定等における使用のために、デバイス1は、希釈剤入口400において標準的ホースパイプに取り付けられるように構成される。ホースパイプが、オンにされ、希釈剤入口400に水(希釈剤)を送達し、次いで、デバイス1が、アクティブ化される。産業設定における使用のために構成されるとき、デバイス1は、要求される場合、異なる圧力との併用のために構成されてもよく、コントローラは、電磁弁を動作させ、ポンプの開始および停止と連動して希釈剤の流動を開始/停止させてもよい。
【0099】
希釈剤は、既知の圧力において送達され、既知の直径のオリフィスを通して通過し、ポンプ204が、(エンコーダ206によって定義される)既知の回転速さにおいて制御されるため、流量は、既知であり、そのため、希釈剤と(リザーバ202からの)濃縮物の混合比が、正確に制御され、高精度の希釈につながることができる。本高精度の混合は、リザーバ内で使用されることになる、より高い濃度の流体が、重量およびパッケージングコストを低減させることを可能にし得る。
【0100】
一実施形態によると、使い捨て可能流体パック200は、発泡体を分注するように構成される。本実施形態では、発泡オリフィス208が、発泡体を分注するために提供され、ポンプは、希釈剤ポンプであってもよい。発泡は、希釈剤と、流体リザーバ202からの濃縮物等の流体を混合し、次いで、混合物を、空気中に吸引し、流体を曝気し、発泡体を生成する、発泡体オリフィスを通して圧送することによって達成される。
【0101】
本明細書に説明されるデバイス1は、ハンドヘルド式のユニットであってもよいが、これは、そのような配列に限定されない。
【0102】
流体を分注するための、本明細書に説明されるデバイス1は、以下、すなわち、
住宅の手入れ-例えば、研磨剤、清浄流体、シャワーおよび窓用界面活性剤等を噴霧することと、
庭園の手入れ-例えば、殺虫剤、肥料、除草剤、木材防腐剤等を噴霧することと、
車庫の手入れ-例えば、浸透油、脱脂流体等を噴霧することと、
機関-例えば、病院およびホテルの清浄および消毒剤等を分注することと、
産業-例えば、道路および樹木マーカ塗料等を噴霧することと、
医療-例えば、静脈内、皮下、腸内注入、別の医療デバイスへの、またはその中での流体の供給と、
を含む、種々の異なる用途において使用され得る。
【0103】
医療処置設定では、流体分注器が、正しい量の流体を分注することが、極めて重要である。したがって、別の実施形態によると、再利用可能流体分注器100のモータは、シャフトエンコーダと、デコーダとを伴う、ステッパモータ、またはシャフトエンコーダと、デコーダとを伴う、直流(DC)モータを含む。上記で説明される実施形態と対照的に、ステッパモータまたはDCモータのシャフトエンコーダは、回転の速さを定義する。ステッパモータまたはDCモータが、アクティブ化されると、これは、駆動シャフトを回転させ始める。デコーダが、次いで、シャフトエンコーダを読み取り、モータの回転の速さを定義する信号を、モータコントローラ114に伝送することが可能である。使い捨て可能流体パック200もまた、上記に説明されるように、エンコーダ204を備える。使い捨て可能流体パック200のエンコーダ204は、デコーダ110によって駆動シャフト108の回転の間に読み取られ、回転の速さを測定する、フィードバックデバイスとして使用される。コントローラ114は、デコーダ110によって、既知の時間周期内に検出された回転の数をカウントし、回転の実際の速さを決定する。コントローラ114は、デコーダ110によって検出された回転の実際の速さとシャフトエンコーダによって定義された回転の速さを比較し、ステッパモータまたはDCモータ106が正しい率においてポンプを回転させていること、したがって、正しい量の流体が、分注されていることを独立して検証する。これは、ポンプが、シャフトからポンプロータに電力を伝達するようにモータ駆動シャフトと係合されていない、故障モードを軽減させる。
【0104】
さらなる実施形態では、再利用可能流体分注器100のモータは、シャフトエンコーダと、デコーダとを伴う、ステッパモータ、またはシャフトエンコーダと、デコーダとを伴う、DCモータを含む。本実施形態によると、使い捨て可能流体パック200のエンコーダ204は、上記に説明されるように、回転速さを定義する。ステッパモータまたはDCモータは、使い捨て可能流体パック200のエンコーダ204によって定義される速さにおいて回転される一方、シャフトエンコーダは、回転の速さを測定するための信号をデコーダに送信する。コントローラは、エンコーダ204によって定義される回転速さとシャフトデコーダによって決定される回転速さを比較し、エンコーダ204によって定義される回転速さが達成されていることの独立的なフィードバックを提供するように構成される。モータ駆動シャフト上のシャフトエンコーダおよびデコーダは、モータ106が、(エンコーダ204によって定義されるような)正しい率においてポンプを回転させていることを独立して検証する。これは、投与者が、薬物タイプと実質的に適合しない注入率を不正確に設定している、小数点故障モードを軽減させる。
【0105】
さらなる実施形態では、ポンプ204が、定義される回転速さ、したがって、定義される流量において制御され、動作時間が、測定される。用量体積が、次いで、流量および測定された時間から、または代替として、ロータによって送達されるポンプ空洞(ボーラス)の数をカウントすることによって計算されてもよい。
【0106】
洗濯機および食洗器が、充填サイクルの間にある用量の洗剤濃縮物を正確に追加することを要求される。洗浄サイクルの間に正しい量の洗剤を供給するために、洗剤カプセルが、提供される。
図12Aおよび12Bは、複数の洗剤カプセルを図示し、
図13Aおよび13Bは、例示的洗濯機を図示する。各洗剤カプセル500は、希釈剤との併用のための、本明細書に説明されるもの等の使い捨て可能流体パック200である。
図12Aおよび12Bに図示されるように、洗剤カプセル500はそれぞれ、流体リザーバ510(洗剤濃縮物を備える)と、入口520Aおよび出口520Bと、カプセルの一端において配列される、希釈ポンプおよびエンコーダ530とを備える。エンコーダ530は、
図12Aおよび12Bにおいてスリーブまたはドラムエンコーダとして図示されるが、ディスクエンコーダも、使用され得る。入口520Aは、ポンプへの希釈剤(すなわち、水)入口であり、出口520Bは、それを通して希釈剤および濃縮物がカプセル500から退出する、ポンプからの出口である。リザーバ510からポンプへの入口は、図示されない。ポンプは、モータの駆動シャフトが、エンコーダ530の中心内の孔525を通して通過し、洗濯機入口および出口ポートへの流体接続部が作製されるのと同時にポンプのロータへの動力伝達接続部を作製するように、ロータ軸が入口および出口520A、520Bに対して平行である状態で配列される。洗濯機出口ポートは、希釈剤入口520Aに接続し、水をカプセル500に提供し、洗濯機入口ポートは、それを通して希釈剤および濃縮物がカプセル500から退出し、洗濯機の中に入る、カプセル500の出口520Bに接続する。洗剤カプセル500は、洗濯機600または食洗器内に提供される、対応する開口610(
図13Aおよび13Bに図示される)の中に収まるように構成される。洗剤カプセル500が、開口610内に提供されると、洗濯機600または食洗器内に提供される、モータの駆動シャフトは、洗濯機600または食洗器が、再利用可能流体分注器であると見なされ得るように、孔525の中に突出する。一実施形態によると、各カプセルは、60:1において洗剤濃縮物を含有する。そのような配列は、希釈剤が、ポンプの出口を濯洗し、除去に応じて清浄なカプセルを提示することを可能にする。加えて、リザーバ510内で高濃度の洗剤を用いると、用量あたりの洗剤濃縮物の体積は、非常に小さくなり、すなわち、ポンプから洗浄チャンバへのいかなる供給管の容積よりもはるかに小さくなる。したがって、濃縮物の全てが、最終的に洗濯機または食洗器のチャンバ内に到達するように、ポンプの出口を通して洗い流すことが、重要である。
【0107】
代替として、洗剤カプセル500は、希釈剤ポンプと対向するような、ポンプを備えてもよい。本実施形態では、入口520Aは、混合チャンバに通じる、カプセル500の中への水入口であり、出口520Bは、混合チャンバから通じる、カプセルからの水出口である。ポンプ出口は、混合チャンバと連通する。
【0108】
別の代替策では、洗剤カプセル500は、希釈剤ポンプと対向するようなポンプと、それを通して洗剤がカプセル500から退出する、出口520Bのみとを備えてもよい。しかしながら、そのようなカプセルが、除去されると、濃縮された洗剤がユーザの手と接触する可能性が、存在し、これは、望ましくない。
【0109】
洗濯機および/または食洗器は、再利用可能流体分注器100であると見なされ得る、耐久機器の物品である。耐久機器、例えば、飲料分注器、またはカクテルまたはスムージ分注器等の機器の他の物品もまた、再利用可能流体分注器100であると見なされ得る。
【0110】
本明細書に説明されるデバイス1を使用するために、再利用可能流体分注器のモータの駆動シャフトが、使い捨て可能流体パックのポンプのロータに接続されるように、使い捨て可能流体パックが、再利用可能流体分注器に接続される。取付手段もまた、使い捨て可能流体パックが、使用の間に再利用可能流体分注器から接続解除しないように、使い捨て可能流体パックのポンプを再利用可能流体分注器に取り付けるために使用され得る。接続に続いて、再利用可能流体分注器のボタン(アクチュエータ)が、ユーザによってアクティブ化され、これは、再利用可能流体分注器のモータを開始させる。モータの駆動シャフトは、ポンプのロータおよびそれに取り付けられる、エンコーダを回転させ、これは、流体を、エンコーダによって決定される流量において、リザーバから使い捨て可能流体パックのオリフィスの外に圧送し始める。(アクチュエータの)非アクティブ化に続いて、モータは、ポンプを、エンコーダによって決定される停止において停止させる。第1の使い捨て可能流体パックが、空になるとき、または異なる流体が要求されるときのいずれかにおいて、使い捨て可能流体パックは、再利用可能流体分注器から接続解除され、異なる使い捨て可能流体パックが、接続されてもよい。
【0111】
多くの改良および修正が、本技法の範囲から逸脱することなく、前述の例示的実施形態に対して行われ得ることが、当業者に明白となるであろう。
【国際調査報告】