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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】電動車両及びその熱管理器
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20240717BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240717BHJP
   B60L 58/24 20190101ALI20240717BHJP
【FI】
B60K11/04 G
B60L3/00 H
B60L58/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577823
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2022093210
(87)【国際公開番号】W WO2023045358
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111138848.7
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】522450233
【氏名又は名称】浙江聯控技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIANKONG TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 818 2nd Binhai Road, Hangzhou Bay New District, Ningbo, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 炳榮
(72)【発明者】
【氏名】許 俊波
(72)【発明者】
【氏名】李 貴賓
(72)【発明者】
【氏名】戴 海江
(72)【発明者】
【氏名】薛 強
【テーマコード(参考)】
3D038
5H125
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC22
5H125AA01
5H125AC12
5H125CD06
5H125CD09
5H125FF22
5H125FF24
5H125FF27
(57)【要約】
本願は、電動車両及びその熱管理器を提供し、熱管理器はケースを備え、ケース内に複数群の伝熱管群が収容されており、各群の伝熱管群はデバイスと接続するために用いられ、ケースの前表面にバルブアセンブリが設けられており、バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられており、各バルブポートはいずれも少なくとも1本の伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の伝熱枝管はそれぞれ、異なるバルブポートと連通され、バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なるバルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる。電動車両は、モーター、バッテリー、放熱器、及び上記の熱管理器を備える。本願により提供される電動車両及びその熱管理器は、電動車両の熱管理部分の組立効率を向上させ、熱管理部分が占める電動車内の空間を減少させるという利点がある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースを備える電動車両の熱管理器であって、前記ケース内に複数群の伝熱管群が収容されており、各群の前記伝熱管群はいずれも2本の伝熱枝管を備え、同群の第1本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつデバイスの給水端を連結するために用いられ、同群の第2本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつ同一の前記デバイスの排水端を連結するために用いられ、
前記ケースの前表面にバルブアセンブリが設けられており、前記バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられており、各前記バルブポートはいずれも少なくとも1本の前記伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の前記伝熱枝管はそれぞれ、異なる前記バルブポートと連通し、
前記バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なる前記バルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる、ことを特徴とする電動車両の熱管理器。
【請求項2】
前記バルブアセンブリは第1側及び第2側を備え、前記第1側において、上下に配置された第1モーターバルブポートと第2モーターバルブポートとを設けており、前記第2側において、上下に配置された第1バッテリーバルブポートと第2バッテリーバルブポートとを設けており、
複数群の前記伝熱管群はモーター群及びバッテリーパックを備え、前記バッテリーパックは前記モーター群と同じ層に設けられており、前記モーター群は第1モーター枝管及び第2モーター枝管を備え、前記第1モーター枝管は前記第1モーターバルブポートをモーターの排水端と連通するために用いられ、前記第2モーター枝管は第2モーターバルブポートをモーターの給水端と連通するために用いられ、
前記バッテリーパックは第1バッテリー枝管及び第2バッテリー枝管を備え、前記第1バッテリー枝管は前記第1バッテリーバルブポートをバッテリーの排水端と連通するために用いられ、前記第2バッテリー枝管は第2バッテリーバルブポートをモーターの給水端と連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項3】
前記第1側において、上下に配置された第1放熱バルブポートと第2放熱バルブポートとをさらに設けており、2つの放熱バルブポートは2つのモーターバルブポート間に位置し、
複数群の前記伝熱管群は前記モーター群と同じ層に設けられている放熱群をさらに備え、前記放熱群は第1放熱枝管及び第2放熱枝管を備え、2本の放熱枝管は2本のモーター枝管間に位置し、前記第1放熱枝管は第1放熱バルブポートを放熱器の給水端と連通するために用いられ、前記第2放熱枝管は前記第2放熱バルブポートを放熱器の排水端と連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項4】
前記第1側において、前記第1放熱バルブポートと前記第2放熱バルブポートとの間に位置する中継バルブポートをさらに設けており、前記中継バルブポートは中継管を介して前記第2放熱バルブポートと連通され、前記中継管は前記放熱群と同じ層に設けられており、
前記バルブアセンブリは、放熱器が作動するとき、前記第1モーターバルブポートと前記第1放熱バルブポートとを連通するために用いられ、前記バルブアセンブリは、放熱器が作動しないとき、前記中継バルブポートと前記第1モーターバルブポートとを連通するためにさらに用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項5】
前記ケースの表面に水冷式凝縮器をさらに設けており、複数群の前記伝熱管群は凝縮群をさらに備え、
前記凝縮群は第1凝縮枝管を備え、前記第1凝縮枝管は、前記第1モーター枝管の後側に位置し、かつ前記第1凝縮枝管は第1端が前記水冷式凝縮器の排水端と連通され、前記第1モーターバルブポート、前記第1モーター枝管の第2端、及び前記第1凝縮枝管の第2端は、前後に対向するように順次連通し、及び/又は、
前記ケースの前表面に、前記バルブアセンブリの第1側に位置するモーター水ポンプを設けており、前記モーター水ポンプは給水端が前記第2モーター枝管と前後に対向するように連通され、前記モーター水ポンプは第1モーター水ポンプ排水端及び第2モーター水ポンプ排水端を有し、前記第1モーター水ポンプ排水端はモーターの給水端と連結するために用いられ、
前記第1側において、第1凝縮バルブポートと第2凝縮バルブポートとを設けており、前記凝縮群は、第2凝縮枝管、第3凝縮枝管、及び第4凝縮枝管を備え、前記第2凝縮枝管と前記第3凝縮枝管とは、前記モーター群と同じ層に設けられており、前記第4凝縮枝管は前記モーター群の後側に位置し、前記第2凝縮枝管は前記第1凝縮バルブポートを前記第2モーター水ポンプ排水端と連通するために用いられ、前記第2凝縮バルブポート、前記第3凝縮枝管、及び前記第4凝縮枝管は、前後に対向するように順次連通し、かつ前記第4凝縮枝管は前記水冷式凝縮器の給水端と連通され、
前記バルブアセンブリは、前記水冷式凝縮器が放熱器によって放熱するとき、前記第1凝縮バルブポートと第2凝縮バルブポートとを連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項6】
前記第2側において、第1熱交換バルブポートと第2熱交換バルブポートとをさらに設けており、
前記ケースの後表面にバッテリー冷却器を設けており、複数群の前記伝熱管群は水平層群及び熱交換群をさらに備え、前記水平層群は前記モーター群と同じ層にあり、前記水平層群は第1水平層枝管及び第2水平層枝管を備え、前記熱交換群は前記モーター群の後側に位置し、前記熱交換群は第1熱交換枝管と第2熱交換枝管とを備え、前記第1熱交換バルブポート、前記第1水平層枝管、及び前記第1熱交換枝管は、前後に対向するように順次連通され、前記第2熱交換バルブポート、前記第2水平層枝管、及び前記第2熱交換枝管は、前後に対向するように順次連通され、前記第1熱交換枝管は前記バッテリー冷却器の給水端と連通され、前記第2熱交換枝管は前記バッテリー冷却器の排水端と連通される、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項7】
前記第1水平層枝管は、前記第1熱交換バルブポートと制御器の排水端とを連結するために用いられ、前記水平層群は第3水平層枝管をさらに備え、前記第3水平層枝管は第1端が前記第1バッテリー枝管の前記第1バッテリーバルブポートから離れた一端と連通され、前記第3水平層枝管は第2端が前記制御器の給水端と連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項8】
前記第2側において、第1電気加熱バルブポート及び第2電気加熱バルブポートをさらに設けており、
複数群の前記伝熱管群は電気加熱群をさらに備え、前記電気加熱群は、第1電気加熱枝管、第2電気加熱枝管、及び第3電気加熱枝管を備え、前記第1電気加熱枝管は前記第1電気加熱バルブポートを電気加熱器に連通する排水端と連通するために用いられ、前記第2電気加熱枝管は前記第2電気加熱バルブポートをヒーターコアの給水端と連通するために用いられ、前記第3電気加熱枝管はヒーターコアの給水端と電気加熱器の給水端とを連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項9】
前記第1熱交換バルブポートは前記第1バッテリーバルブポートと前記第2バッテリーバルブポートとの間に位置し、前記第2熱交換バルブポートは前記第2モーターバルブポートの下方に位置し、前記第2側において、第3バッテリーバルブポートをさらに設けており、前記第3バッテリーバルブポート、前記第1電気加熱バルブポート、及び前記第2電気加熱バルブポートは、上から下へ前記第2熱交換バルブポートの下方に順次設けられており、
前記第1熱交換枝管は第1熱交換排水端及び第2熱交換排水端を有し、前記第1熱交換排水端は前記バッテリー冷却器の給水端と連通され、前記第2熱交換排水端は電気加熱器の給水端と連通され、前記第2水平層枝管は垂直方向に沿って設けられており、前記第2水平層枝管は第1端が前記第2熱交換バルブポートと前後に対向するように連通され、前記第2水平層枝管は第2端が前記第3バッテリーバルブポートと前後に対向するように連通され、
前記バルブアセンブリは、バッテリーが電気加熱によって加熱されるとき、前記第1電気加熱バルブポートと第3バッテリーバルブポートとを、前記第1電気加熱バルブポートと第2電気加熱バルブポートとを連通して、前記第1電気加熱バルブポートから前記第3バッテリーバルブポートと前記第2電気加熱バルブポートとに流入する比率を割り当てるために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項10】
前記第3電気加熱枝管は前記モーター群の後側に設けられており、前記ケースの前表面に電気加熱水ポンプをさらに設けており、前記第3電気加熱枝管は前記第1熱交換枝管の第2熱交換排水端と並列に連結されて前記電気加熱水ポンプの給水口に接続され、前記電気加熱水ポンプは排水口が前記電気加熱器の給水端と連通され、及び/又は、
前記第1電気加熱枝管は第1部分及び第2部分を備え、前記第1部分は、前記モーター群の後側に位置し、前記第2部分は、前記モーター群と同じ層にあり、かつ前記第2部分は前記第1部分と前後に対向するように連通され、前記第2部分は前記第1電気加熱バルブポートと前後に対向するように連通される、ことを特徴とする請求項9に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項11】
前記ケース内に貯水エリアをさらに設けており、前記貯水エリアは、前記伝熱管群の上方に位置し、かつ前記伝熱管群に水を補給するために用いられ、及び/又は、
前記ケースにおいて、気液分離器、空調管路の一部、止め弁、及び膨張弁をさらに設けている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項12】
モーター、バッテリー、放熱器、及び請求項1~11のいずれか1項に記載の熱管理器を備える、ことを特徴とする電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、熱管理技術の分野に関し、特に、電動車両及びその熱管理器に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両は動力源としてバッテリーを利用しているため、電動車両は、省エネ、環境にやさしいといった利点がある。現在、電動車両は市場に普及しつつあり、実用化の場面において、電動車両の熱管理システムは、通常、電動車両のバッテリーパック、駆動群などの熱管理対象を熱管理して、これらの管理対象の温度を正常に動作可能な動作温度範囲内に維持する必要がある。
【0003】
関連技術において、熱管理システムは、バッテリーパックの昇温又は降温に用いられるバッテリー循環管路及び駆動群の降温に用いられる動力循環管路を備える。水、不凍液などの伝熱媒体はバッテリー循環管路及び動力循環管路の中に循環する。
【0004】
しかしながら、この2つの循環管路は互いに独立して、かつ各循環管路にそれぞれ、バルブ、水ポンプ、膨張タンクなどのデバイスが配置されている。作業者は、組み立てる際に各循環管路及び各循環管路上のデバイスをそれぞれ組み立てる必要があるため、当該熱管理システムの組み立てが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、関連技術の熱管理システムの組み立てが困難であるという問題を解決するための電動車両及びその熱管理器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本願は、次の技術的解決手段を提供する。
【0007】
本願の実施例の一態様は、ケースを備える電動車両の熱管理器を提供し、前記ケース内に複数群の伝熱管群が収容されており、各群の前記伝熱管群はいずれも2本の伝熱枝管を備え、同群の第1本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつデバイスの給水端を連結するために用いられ、同群の第2本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつ同一の前記デバイスの排水端を連結するために用いられ、前記ケースの前表面にバルブアセンブリが設けられており、前記バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられており、各前記バルブポートはいずれも少なくとも1本の前記伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の前記伝熱枝管はそれぞれ、異なる前記バルブポートと連通し、前記バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なる前記バルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる。
【0008】
本願の実施例の他の態様は、モーター、バッテリー、放熱器、及び上記のいずれか1項に記載の熱管理器を備える電動車両を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本願により提供される電動車両及びその熱管理器は、ケースを設け、複数群の伝熱管群をケース内に配置し、バルブアセンブリをケースの前表面に配置し、同群の2本の伝熱枝管の第1端が、それぞれケースを貫通するように設けられてかつ同一デバイスの給水端及び排水端と連結し、バルブアセンブリの各前記バルブポートをすべて少なくとも1本の伝熱枝管の第2端と対向させるように連通し、同群の2本の前記伝熱枝管のそれぞれを異なる前記バルブポートと連通することにより、熱管理器がモード切り替えを行う際、バルブアセンブリは、異なるバルブポートを連通して、異なるデバイスが配置された回路の連通と遮断を実現することができる。このように、バルブアセンブリと異なる伝熱管群とをケースに集積配置することで、各管路とバルブとを個別に取り付けることを避け、電動車両の熱管理部分の組立効率の向上に有利であり、熱管理部分が占める電動車内の空間の減少に有利である。
【0010】
以上に説明している本願の実施例によって解決される技術的問題、技術的解決手段を構成する技術的特徴、及びこれらの技術的解決手段の技術的特徴によって実現される有益な効果に加えて、本願の実施例によって解決され得る他の技術的問題、技術的解決手段に含まれる他の技術的特徴、及びこれらの技術的特徴によって実現される有益な効果は、発明を実施するための形態においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本願に適した実施例を示しており、本明細書とともに本願の原理を説明するために使用される。
図1】本願の実施例により提供される熱管理器の原理図である。
図2】本願の実施例により提供される熱管理器の正面図である。
図3図2に示される熱管理器の斜視図である。
図4図2に示される熱管理器から第1基体を取り外したものの正面図である。
図5図2に示される熱管理器の第1基体及び第1基体に設けられた伝熱管群の概略図である。
図6図2に示される熱管理器の第2基体及び第2基体に設けられた伝熱管群の概略図である。
図7図2に示される熱管理器の上面図である。
図8図7のA-Aにおける断面図である。
図9図7のB-Bにおける断面図である。
図10図7のC-Cにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の図面を用いて、本願の具体的な実施例を示しているが、より詳細な説明は後述する。これらの図面及び文字説明は、いかなる手段によって本願の構想の範囲を限定するためのものではなく、特定の実施例を参照することによって、当業者に本願の概念を説明するためのものである。
【0013】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本願の実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0014】
図1は、本願の実施例により提供される熱管理器の原理図である。本願の実施例により提供される熱管理器は、図1の二点鎖線で囲まれる部分である。図1を参照して、当該熱管理器は、空調部及び伝熱部を備えることができる。
【0015】
空調部は、空調管路及び空調循環管路に設けられたデバイスを備えることができる。図1の中空矢印は、空調管路内のフロンなどの冷媒の流れ方向を表す。空調部は、圧縮機82、内部凝縮器84、及び内部蒸発器83と連通することができる。空調管路における止め弁85及び膨張弁86を選択的に開閉することで、異なる空調循環回路を形成し、乗員室の冷房及び暖房を実現する。
【0016】
具体的に、乗員室とは、電動車両の運転手及び乗客を乗せるための空間を指す。内部凝縮器84及び内部蒸発器83は、乗員室と熱交換して、乗員室の温度を調整することができる。空調管路に設けられたデバイスとして、止め弁85、膨張弁86、水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、同軸管54、気液分離器53が挙げられる。これらのデバイス間の連結手段は図1を参照することができる。図2を参照して、後述する第2基体12の前表面に、気液分離器53を取り付けるための第3取付点531を設けることができる。当該気液分離器53は、水冷式凝縮器51の第1管路と連通するように、水冷式凝縮器51の左側に設けられることができる。乗員室が冷房モードにある場合には、圧縮機82、内部蒸発器83、及び水冷式凝縮器51は、空調管路によって連通され得る。乗員室が暖房モードにある場合には、圧縮機82、内部凝縮器84、及びバッテリー冷却器52は、空調管路によって連通され得る。
【0017】
また、熱管理器は、伝熱部が伝熱管路及び伝熱管路に設けられたデバイスを備えることができる。図1の中実矢印は、伝熱管路内の水、冷却液、不凍液などの伝熱媒体の流れ方向を表す。伝熱部は、モーター91、バッテリー92、放熱器81などのデバイスと連通して、異なる伝熱循環回路を形成し、さらに、モーター91、バッテリー92などのデバイスに対する熱管理を実現することができる。伝熱管路に設けられたデバイスとして、水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、バルブアセンブリが挙げられる。
【0018】
なお、水冷式凝縮器51は、空調管路と連通する第1管路及び伝熱管路と連通する第2管路を備える。第1管路中の冷媒は、第2管路中の伝熱媒体と熱交換することができる。乗員室が冷房モードにある場合には、第1管路中の熱は、第2管路を経由して伝熱循環回路へ放出することができる。つまり、乗員室が冷房モードにある場合には、第2管路は第1管路の熱を吸収する。ここで、第2管路中の熱は、伝熱部と連通する放熱器81によって発散され得る。第1管路が配置された空調管路は遮断される場合には、熱は、第1管路から第2管路へ放出しなくなる。
【0019】
同様に、バッテリー冷却器52は、第1管路及び第2管路を備えてもよい。第1管路は空調管路と連通し、第2管路は伝熱管路と連通する。第1管路中の冷媒は、第2管路中の伝熱媒体と熱交換することができる。乗員室が暖房モードにある場合には、第1管路は第2管路中の熱を吸収することができる。この場合には、バッテリー92が比較的高温であれば、バッテリー92上の熱は、伝熱循環回路を経由して空調循環回路へ発散することができる。また、第1管路が配置された空調管路は遮断される場合には、第1管路は第2管路の熱を吸収しなくなる。この場合には、バッテリー92の熱は、伝熱循環回路を経由して放熱器81へ発散することができる。
【0020】
また、乗員室を冷房するかまたは暖房するかということ、すなわち、乗員室の温度の調整制御は、乗員室内に乗っている人によって決定されることである。例えば、バッテリー92、モーター91などのデバイスの温度の調整制御は、電気制御部分がデバイスの温度に応じて自動的に行うことである。バッテリー92の温度の調整制御を例にする場合、温度検出器はバッテリー92の温度をリアルタイムで監視することができ、温度検出器により検出されたバッテリー92の実際の温度が所定値よりも大きい場合に、バッテリー92と放熱器81が配置された伝熱循環回路をオンにすることができ、もしくは、乗員室が暖房モードにある場合に、バッテリー92とバッテリー冷却器52が配置された伝熱循環回路をオンにすることができる。上記した2つの手段のいずれかを用いてもバッテリー92の温度を、バッテリー92の実際の温度が所定値よりも低いように、下げることができる。
【0021】
なお、前述した電気制御部分は、温度センサなどの温度検出器、バルブアセンブリの制御部を備えることができる。本願の実施例に係る熱管理器は、電気制御部分を備えてもよいし、電気制御部分を備えなくてもよい。
【0022】
また、バッテリー92の外側に、バッテリー92と熱交換して、バッテリー92の温度の調整制御を実現できるバッテリー管路が設けられることができる。放熱器81は、放熱管路を備え、放熱管路は風冷によって放熱できる。バッテリー管路は、本願の実施例により提供される熱管理器の伝熱部の伝熱管路と連通し、放熱管路も伝熱管路と連通する。前述した「バッテリー92と放熱器81が配置された伝熱循環回路をオンにする」ことは実際に、モーター91の管路と放熱管路とを伝熱管路によって連通し、バッテリー92の放熱循環回路を形成することを指す。同様に、後述する伝熱管路と連通するモーター91/制御器95は、実際に、モーター91の外側に設けられたモーター91の管路/制御器95の外側に設けられた制御管路を指す。
【0023】
作業者が熱管理器を電動車両に組み立てることを容易にするために、熱管理器に係る伝熱管路及びデバイスを可能な限りケース1に集積するべきであるが、伝熱管路とデバイスとのケース1における配置方式は、伝熱管路の数が少なく、伝熱管路の伝熱経路が短く、組み立てが容易であり、熱管理器が占める空間が小さいようにするといった原則に従って設計され得る。
【0024】
図1を参照して、ケース1に設けられた伝熱管路は、ケース1に集積されている水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、バルブアセンブリなどのデバイスと連通する必要があるだけでなく、伝熱管路は、ケース1に集積されていないモーター91、バッテリー92、放熱器81などのデバイスと連通する必要もあることを理解することができる。
【0025】
伝熱管路とケース1に集積されたデバイスとの間の流動経路を短縮させるために、伝熱管路と水冷式凝縮器51とを、伝熱管路とバッテリー冷却器52とを、伝熱管路とバルブアセンブリとをすべて前後に対向するように連通することができる。
【0026】
図2は、本願の実施例により提供される熱管理器の正面図であり、図3は、図1に示される熱管理器の斜視図である。図2及び図3を参照して、ケース1は、第1基体11及び第2基体12を備えることができる。図4は、図1に示される熱管理器から第1基体11を取り外したものの正面図である。図2図4を参照して、伝熱管路は、第1基体11と第2基体12とが前後に向かい合うように形成されたケース1の内部に取り付けられ得る。水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、バルブアセンブリなどは、ケース1の前表面又は後表面に取り付けられ得る。ケース1の表面に集積されているデバイスを配置するとき、まず、バルブアセンブリの位置を決定して、そして、バルブアセンブリの周りのその他のデバイスを配置することができる。
【0027】
本明細書では、図面における矢印Xで示される方向を熱管理器の前側とする場合には、その反対する方向を熱管理器の後側とし、矢印Yで示される方向を熱管理器の左側とする場合には、その反対する方向を熱管理器の右側とし、矢印Zで示される方向を熱管理器の上側とする場合には、その反対する方向を熱管理器の下側とする。
【0028】
例示的に、第1基体11は前壁及び側壁を備え、第1基体11は側壁が第1基体11の前壁の外周と連結してかつ後側に向かって延びる。第2基体12は後壁及び側壁を備え、第2基体12は側壁が第2基体12の後壁の外周と連結してかつ前側に向かって延びる。第1基体11は、伝熱管路を収納するための空間が形成されるように、側壁が第2基体12の側壁と前後に向かい合うように連結している。
【0029】
熱管理器を、モーター91やバッテリー92などのデバイスと連結するとき、組み立てを容易にするために、モーター91と放熱器81との間、バッテリー92と放熱器81との間の伝熱管路をケース1にも集積することができる。つまり、熱管理器を電動車両に取り付けるとき、バッテリー92に熱管理器を、モーター91に熱管理器を連結すればよい。熱管理器の外側に管路を追加して配置することでモーター91とバッテリー92とを連結する必要がない。
【0030】
図1を参照して、伝熱管路は複数群の伝熱管群を備え、各群の伝熱管群はいずれも2本の伝熱枝管を備える。同群の第1本の伝熱枝管は第1端がケース1を貫通するように設けられておりかつデバイスの給水端を連結するために用いられる。同群の第2本の伝熱枝管は第1端がケース1を貫通するように設けられておりかつ同一のデバイスの排水端を連結するために用いられる。
【0031】
バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられている。各バルブポートはいずれも少なくとも1本の伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の伝熱枝管はそれぞれ、異なるバルブポートと連通する。バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なるバルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる。
【0032】
具体的に、バルブアセンブリは第1個のバルブポートが伝熱枝管を介して第1デバイスの給水端と連通することができ、第2個のバルブポートが伝熱枝管を介して第1デバイスの排水端と連通する。このように、第1個のバルブポートと第2個のバルブポートとの間の連通と遮断をバルブアセンブリで制御するだけで、当該第1デバイスが配置された伝熱循環回路の連通と遮断を制御することができる。また、バルブアセンブリは第3個のバルブポートが伝熱枝管を介して第2デバイスの給水端と連通することができ、第4個のバルブポートが伝熱枝管を介して第2デバイスの排水端と連通することができる。第1デバイスと第2デバイスとを連通する必要がある場合に、第2個のバルブポートと第3個のバルブポートとを、第4個のバルブポートと第1個のバルブポートとを連通することができる。
【0033】
また、前述した「前後に対向するように連通する」ことは、図2及び図4を参照して説明され得る。なお、図2及び図4にバルブアセンブリが示されていない。容易に理解するために、各伝熱管路とバルブアセンブリのバルブポートとを連結しているすべての箇所において角枠を描いており、当該角枠内に、対応するバルブポートの番号を付けている。図2では、バルブアセンブリは、第1バルブアセンブリ取付点26及び第2バルブアセンブリ取付点34によって第1基体11の前表面に取り付けられ得る。バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられ得る。伝熱分岐路は第1基体11と第2基体12とで合わせて囲まれた収容空間内に設けられている。つまり、バルブアセンブリは伝熱分岐路の前側に設けられている。各伝熱分岐路はいずれも、そのうちの1つのバルブポートに対向する開口が設けられ得る。対向することは、第1基体11の前表面におけるバルブポートの投影が、第1基体11の前表面における当該開口の投影と重なり合う部分を有することを指す。対応するバルブポートと開口との間に、第1基体11を貫通するように設けられておりかつ対応するバルブポートと開口とを連通する連通管が設けられることができる。前後に対向するように連通することで、バルブアセンブリのバルブポートと伝熱枝管との間の流動経路を短縮させることができる。
【0034】
図5は、図2に示される熱管理器の第1基体11及び第1基体11に設けられた伝熱管群の概略図であり、図6は、図2に示される熱管理器の第2基体12及び第2基体12に設けられた伝熱管群の概略図であり、図7は、図2に示される熱管理器の上面図であり、図8は、図7のA-Aにおける断面図であり、図9は、図7のB-Bにおける断面図である。
【0035】
図1及び図4図9を参照して、バルブアセンブリは第1側及び第2側を備えることができる。第1側に第1モーターバルブポート21と第2モーターバルブポート21’とを設けることができる。第2側に第1バッテリーバルブポート22と第2バッテリーバルブポート22’とを設けることができる。なお、図5及び図6にバルブアセンブリを示していない。容易に理解するために、各伝熱管路とバルブアセンブリのバルブポートとを連結しているすべての箇所において角枠を描いており、当該角枠内に、対応するバルブポートの番号を付けている。図8及び図9の角枠は、バルブアセンブリのバルブポートを表し、角枠内の番号はバルブポートの番号である。
【0036】
図1及び図4図9を引き続き参照して、複数群の伝熱管群はモーター群及びバッテリーパックを備えることができ、バッテリーパックはモーター群と同じ層に設けられ得る。モーター群は第1モーター枝管411及び第2モーター枝管412を備えることができる。第1モーター枝管411は、第1モーターバルブポート21をモーター91の排水端と連通するために用いられ、第2モーター枝管412は、第2モーターバルブポート21’をモーター91の給水端と連通するために用いられる。
【0037】
バッテリーパックは第1バッテリー枝管421及び第2バッテリー枝管422を備え、第1バッテリー枝管421は、第1バッテリーバルブポート22をバッテリー92の排水端と連通するために用いられ、第2バッテリー枝管422は、第2バッテリーバルブポート22’をモーター91の給水端と連通するために用いられる。
【0038】
具体的に、モーター群とバッテリーパックはケース1内に収容されており、かつモーター群とバッテリーパックとの前表面は第1基体11の前壁に固定され、モーター群とバッテリーパックとの後表面は同一の垂直面にある。すなわち、モーター群とバッテリーパックとは、前後方向の厚さが同じである。
【0039】
モーター群を対応するバルブポートと連通するときも、バッテリーパックを対応するバルブポートと連通するときも、前後に対向するように連通する形態を採用する。
【0040】
モーター91とバッテリー92とをそれぞれ電動車両の異なる方位に配置しているため、管路を交差して配置することを避けるために、2つのモーター91のバルブポートを第1側に、2つのバッテリー92のバルブポートを第2側に設けることができる。
【0041】
また、第1モーターバルブポート21と第2モーターバルブポート21’とを、第1モーター枝管411と第2モーター枝管412とを連通すれば、モーター91が配置された伝熱管路を導通させることができる。第1バッテリーバルブポート22と第2バッテリーバルブポート22’とを、第1バッテリー枝管421と第2バッテリー枝管422とを連通すれば、バッテリー92が配置された伝熱管路を導通させることができる。第2バッテリーバルブポート22’と第1モーターバルブポート21とを、第1バッテリーバルブポート22と第2モーターバルブポート21’とを連通すれば、バッテリー92が配置された伝熱管路とモーター91が配置された伝熱管路とは直列に接続される。
【0042】
選択的に、2つのモーター枝管をケース1から引き出してモーター91と連通するために、ケース1に図3に示されるモーター継手を貫通させて設けることができる。例示的に、図3及び図4を参照して、第1モーター枝管411の第1モーターバルブポート21から離れた一端をモーター出口継手413と連通し、第2モーター枝管412の第2モーターバルブポート21’ から離れた一端をモーター入口継手414と連通することができる。モーター91を電動車両の前端に配置しているため、モーター入口継手414とモーター出口継手413とを前に向かって延ばせることができる。
【0043】
同様に、ケース1内にある第1バッテリー枝管421と第2バッテリー枝管422とをケース1から引き出してバッテリー92と連通するために、図3に示されるバッテリー出口継手424とバッテリー入口継手423とをケース1に貫通させて設けることができる。バッテリー水ポンプ62に取り付け用空間を提供するために、バッテリー入口継手423とバッテリー出口継手424とを右に向かって延ばせることができる。図4図5、及び図8を参照して、第1モーターバルブポート21と第2モーターバルブポート21’とを上下に配置することができる。第1側において、上下に配置された第1放熱バルブポート23と第2放熱バルブポート22’とを設けることができる。2つの放熱バルブポートを2つのモーター91のバルブポート間に配置することができる。
【0044】
選択的に、図2図5に示すように、モーター水ポンプ61をケース1にも集積することができる。モーター水ポンプ61は、通常、体積が大きいため、モーター水ポンプ61はケース1の表面に設けられている。モーター水ポンプ61とケース1内にある伝熱管路とを前後に対向するように連通してもよい。具体的に、第1基体11の前表面にモーター水ポンプ61の取付座を設け、当該モーター水ポンプ61の取付座の後表面に給水口を設け、給水口に図4及び図5に示される水ポンプ給水管64を連通することができる。第1基体11を貫通してかつ第2モーター枝管412と連通するように水ポンプ給水管64を設けることができる。また、第2モーター枝管412とモーター水ポンプ61との間の伝熱経路を短縮させるために、モーター水ポンプ61をバルブアセンブリの第1側に配置することができる。同様に、バルブアセンブリの第2側にもバッテリー水ポンプ62を設けることができる。バッテリー水ポンプ62と第2バッテリー枝管422とを前後に対向させて連通するように連通することもできる。
【0045】
図1及び図4図8を参照して、複数群の伝熱管群は放熱群をさらに備えることができ、放熱群はモーター群と同じ層に設けられ得る。2本の放熱枝管は2本のモーター枝管間に配置され得る。放熱群は第1放熱枝管431及び第2放熱枝管432を備えることができる。第1放熱枝管431により第1放熱バルブポート23と放熱器81の給水端とを連通し、第2放熱枝管432により第2放熱バルブポート22’と放熱器81の排水端とを連通することができる。
【0046】
具体的に、放熱枝管とバルブアセンブリの放熱バルブポートとを前後に対向させるように連通することで連通することができる。また、モーター91は主に放熱器81によって放熱しており、かつモーター91は放熱器81とともに電動車両の前端に配置されているため、経路を短縮させるために、モーター91のバルブポートと放熱器81のバルブポートとをバルブアセンブリの第1側に設けることができる。図4及び図5を参照して、モーター水ポンプ61と水冷式凝縮器51とをバルブアセンブリの第1側に設ける必要があるため、バルブアセンブリの第1側における各デバイスの配置を容易にするために、モーター水ポンプ61を最下方又は最上方に設けることができる。図4では、モーター水ポンプ61を最下方に設ける場合を例にして示している。しかしながら、第2モーターバルブポート21’、第1放熱バルブポート23、及び第2放熱バルブポート22’はすべて第1基体11の中部に設けられている。第1放熱枝管431と第2モーター枝管412との交差配置、第2放熱枝管432と第2モーター枝管412との交差配置を避けるために、2本の放熱枝管を2本のモーター枝管間に設け、2つの放熱バルブポートを2つのモーター91のバルブポート間に設けることができる。
【0047】
また、図3及び図4を参照して、2本の放熱枝管をケース1から引き出して放熱器81と連通するために、図3に示される放熱入口継手433と放熱出口継手434とをケース1に貫通させるように設けることができる。当該放熱入口継手433と放熱出口継手434とを前に向かって延ばせることができる。
【0048】
図1図4図5、及び図8を引き続き参照して、第1側に中継バルブポート24をさらに設けることができる。中継バルブポート24を第1放熱バルブポート23と第2放熱バルブポート22’との間に設けることができる。中継バルブポート24と第2放熱バルブポート22’とを中継管44を介して連通することができる。中継管44を放熱群と同じ層に設けられ得る。バルブアセンブリは、放熱器81が作動するとき、第1モーターバルブポート21と第1放熱バルブポート23とを連通するために用いられ、バルブアセンブリは、放熱器81が作動しないとき、中継バルブポート24と第1モーターバルブポート21とを連通するためにさらに用いられる。
【0049】
具体的に、熱管理器は、モーター91の温度が所定範囲内にあるとき、放熱器81によってモーター91を放熱しなくなる。このとき、モーター91と放熱器81との間の伝熱管路を遮断することができる。そのため、中継バルブポート24を設ける必要がある。ここで、中継バルブポート24と中継管44とをも積層させて連通することで連通している。
【0050】
なお、中継バルブポート24と第2放熱バルブポート22’とは、バルブアセンブリのバルブ動作によって連通される方式に代わって、中継管44を介して連通されている原因は、次の通りである。図1を参照して、バルブアセンブリの内部に内部管路を設け、バルブアセンブリを使用して2つのバルブポート間の内部管路をバルブ動作によって連通することができる。各バルブポートはそれぞれ、第1端と第2端を有し、第1端は伝熱管路と連通し、第2端は内部管路と連通する。伝熱媒体の伝熱管路と内部管路とにおける流れ方向は定められている。
【0051】
例示的に、図1では、伝熱媒体は、第1モーター枝管411を経由して第1モーターバルブポート21の第1端に流入して、バルブアセンブリのバルブ動作によって形成された内部管路を経由して第1放熱バルブポート23又は中継バルブポート24へ流れることができる。第1モーターバルブポート21と第1放熱バルブポート23とを内部管路を介して連通するとき、伝熱媒体は、第1放熱枝管431を経由して第1放熱バルブポート23から流出することができる。伝熱媒体は、放熱器81を通過した後第2放熱枝管432を経由して第2放熱バルブポート22’に流入して、そして、第2放熱バルブポート22’は内部管路を介してその他のバルブポートと連通される。
【0052】
同様に、第1モーターバルブポート21と中継バルブポート24とを内部管路を介して連通するとき、伝熱媒体は、中継管44を経由して中継バルブポート24から流出して第2放熱バルブポート22’に入ることができ、そして、第2放熱バルブポート22’は内部管路を介してその他のバルブポートと連通される。
【0053】
図1及び図2を参照して、ケース1の前表面に水冷式凝縮器51を設けることができ、複数群の伝熱管群は凝縮群をさらに備える。水冷式凝縮器51は放熱器81によって放熱する必要があるため、ケース1内の伝熱管路が交差することを避けるために、水冷式凝縮器51と連通するバルブアセンブリのバルブポートも第1側に設ける。流動経路を短縮させるために、水冷式凝縮器51をバルブアセンブリの第1側に設けることができる。
【0054】
水冷式凝縮器51とモーター91とは放熱器81によって放熱するため、水冷式凝縮器51とモーター91とを並列に連結して熱管理器内に接続することができる。熱管理器のバルブポート数及び伝熱管路の数を削減するために、水冷式凝縮器51とモーター91とにバルブアセンブリのバルブポートを共用させることができる。
【0055】
図4図8を参照して、選択的に、凝縮群は第1凝縮枝管451を備え、第1凝縮枝管451は第1モーター枝管411の後側にあり、かつ第1凝縮枝管451は第1端が水冷式凝縮器51の排水端と連通し、第1モーターバルブポート21、第1モーター枝管411の第2端、及び第1凝縮枝管451の第2端は順次積層して連通される。
【0056】
具体的に、第1凝縮枝管451と第1モーター91の管路とを並列に連結してバルブアセンブリの第1モーターバルブポート21内に接続する。図4図6、及び図8を参照して、第1凝縮枝管451を第2基体12の後壁に設けることができる。第1モーター枝管411は第1凝縮枝管451の前側に位置することができる。第1モーター枝管411にはそれを貫通する排水口が設けられている。第1モーターバルブポート21と第1モーター枝管411の排水口と第1凝縮枝管451の排水口との第2基体12における投影は重なり合い、かつ第1モーターバルブポート21と、第1モーター枝管411の排水口と、第1凝縮枝管451の排水口とは、前から後へ順次連通されている。つまり、水冷式凝縮器51とモーター91とは第1モーターバルブポート21を共用することができる。
【0057】
上記の説明から明らかなように、伝熱媒体は、第2モーターバルブポート21’を出てから第2モーター枝管412を経由してモーター水ポンプ61に入るようになっている。水ポンプの数を削減するために、水冷式凝縮器51の伝熱管路とモーター91の伝熱管路とに1つの水ポンプを共用させることができる。図4図8を参照して、選択的に、モーター水ポンプ61は、第1モーター水ポンプ61の排水端及び第2モーター水ポンプ61の排水端を有することができる。第1モーター水ポンプ61の排水端は、モーター入口継手414を介してモーター91の給水端と連結することができる。
【0058】
第2モーター水ポンプ61の排水端は水冷式凝縮器51の給水端と連結することができる。具体的に、バルブアセンブリの第1側に第1凝縮バルブポート31と第2凝縮バルブポート31’とをさらに設けることができる。凝縮群は、第2凝縮枝管452、第3凝縮枝管453、及び第4凝縮枝管454を備えることができる。第2凝縮枝管452と第3凝縮枝管453とをすべてモーター群とともに同じ層に設けることができ、第4凝縮枝管454はモーター群の後側に位置することができる。第2凝縮枝管452を使用して第1凝縮バルブポート31と第2モーター水ポンプ61の排水端とを連通することができる。第2凝縮バルブポート31’と第3凝縮枝管453と第4凝縮枝管454とを順次積層させて連通し、かつ第4凝縮枝管454と水冷式凝縮器51の給水端とを連通することができる。バルブアセンブリは、水冷式凝縮器51が放熱器81によって放熱するとき、第1凝縮バルブポート31と第2凝縮バルブポート31’とを連通することができる。
【0059】
具体的に、モーター水ポンプ61の取付座の側壁に排水口を設けることができ、当該モーター水ポンプ61の排水口に双方向パイプ612を設けることができ、双方向パイプ612をその前端にモーター入口継手414と連通し、双方向パイプ612をその後端に第2凝縮枝管452を介して第1凝縮バルブポート31と連通することができる。モーター水ポンプ61をバルブアセンブリの第1側に設けているため、モーター水ポンプ61は排水口がバルブアセンブリの第1側に設けられるようになっている。当該モーター水ポンプ61の排水口とバルブアセンブリのバルブポートとの間に一定の距離があるので、第2凝縮枝管452を第2側に向かって延ばせることができる。
【0060】
ここで、第2モーターバルブポート21’から流出した伝熱媒体は、第2モーター枝管412を経由してモーター水ポンプ61に入り、モーター水ポンプ61の取付座の側壁の排水口から双方向パイプ612に流入するようにモーター水ポンプ61によって導かれて、双方向パイプ612において二股に分かれることができる。その一方は、モーター入口継手414を経由してモーター91の給水端へ流れ、他方は、第2凝縮枝管452を経由して第1凝縮バルブポート31に入る。水冷式凝縮器51を放熱する必要があるとき、第1凝縮バルブポート31と第2凝縮バルブポート31’とを連通し、伝熱媒体は、内部管路を経由して第2凝縮バルブポート31’に入り、第3凝縮枝管453と第4凝縮枝管454とを順次通過して水冷式凝縮器51の給水端に入る。ここで、第4凝縮枝管454の右側に第3凝縮枝管453と対向するように連通する開口を設け、第4凝縮枝管454の左側に水冷式凝縮器51の第2管路の給水端と対向するように連通する開口を設ける。
【0061】
第1凝縮枝管451と水冷式凝縮器51とを連通する方式、及び第4凝縮枝管454と水冷式凝縮器51とを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することができる。例示的に、第1基体11の前表面において図2に示される4つの第1取付点511を設けることができ、当該第1取付点511を介して水冷式凝縮器51を第1基体11の前表面に取り付けることができる。水冷式凝縮器51の第2管路の排水端に対応する第1開口を第1凝縮枝管451に設けることができる。水冷式凝縮器51の第2管路の排水端に連通管が連通されており、連通管は第1基体11を貫通して第1開口と連通することができる。このように、水冷式凝縮器51の第2管路の排水端と第1凝縮枝管451との間には、第1基体11の前表面に垂直な方向に沿った流動通路が形成できる。水冷式凝縮器51の第2管路の給水端に対応する第2開口を第4凝縮枝管454に設けることができる。水冷式凝縮器51の第2管路の給水端に連通管を連通することができ、連通管は第1基体11を貫通して第2開口と連通することができる。このように、水冷式凝縮器51の第2管路の給水端と第4凝縮枝管454との間には、伝熱媒体の流動経路が短縮できるように、第1基体11の前表面に垂直な方向に沿った流動通路が形成できる。
【0062】
なお、水冷式凝縮器51と連通する第1凝縮枝管451と第2凝縮枝管452とをモーター群の後側に設ける原因は、次の通りである。まず、図4から明らかなように、第2モーター枝管412は下方に向かって延び、第4凝縮枝管454と第2モーター枝管412とが同じ層に設けられた場合、第2モーター枝管412と第4凝縮枝管454とが交差するようになるため、第4凝縮枝管454を第2モーター枝管412よりも後側の層に設けている。一方、第2凝縮バルブポート31’と第4凝縮枝管454とを連通するために、モーター群と同じ層にある第3凝縮枝管453を設けている。また、一致性を維持するために、第1凝縮枝管451も第1モーター枝管411よりも後側の層に設けている。また、図2及び図4を参照して、水冷式凝縮器51をバルブアセンブリの左側に配置しているので、水冷式凝縮器51を避けるために、第1モーター枝管411を右上方に向かって延ばせている。
【0063】
図1及び図4図9を引き続き参照して、第2側において第1熱交換バルブポート25と第2熱交換バルブポート25’とをさらに設けることもできる。ケース1の後表面にバッテリー冷却器52を設けることができる。複数群の伝熱管群は、水平層群及び熱交換群をさらに備えることができ、水平層群はモーター群と同じ層にあり、水平層群は第1水平層枝管461及び第2水平層枝管462を備え、熱交換群はモーター群の後側に位置し、熱交換群は第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とを備え、第1熱交換バルブポート25と第1水平層枝管461と第1熱交換枝管463とは、順次積層して連通されており、第2熱交換バルブポート25’と第2水平層枝管462と第2熱交換枝管464とは、順次積層して連通されており、第1熱交換枝管463はバッテリー冷却器52の給水端と連通され、第2熱交換枝管464はバッテリー冷却器52の排水端と連通されている。
【0064】
具体的に、水平層群と熱交換バルブポートとを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することができ、水平層群と熱交換群とを連通する方式としても、前後に対向するように連通する方式を採用することができる。バッテリー冷却器52と熱交換群とを連結する方式としても、前後に対向するように連通する方式を採用することができる。また、図2を参照して、第1基体11の前表面において、水冷式凝縮器51、バルブアセンブリ、バッテリー水ポンプ62、及びモーター水ポンプ61を配置した後、第1基体11の前表面において、バッテリー冷却器52を放置するための空間がほとんど残されていないため、バッテリー冷却器52を第2基体12の後表面に配置することができる。図6に示すように、第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とを第2基体12の後壁に配置することができる。
【0065】
なお、バッテリー冷却器52と連通する第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とをモーター群の後側に設けている原因は、次の通りである。図2及び図3から明らかなように、バッテリー水ポンプ62をバッテリー92のバルブアセンブリの右側に配置している。図4から明らかなように、第1バッテリー枝管421、第2バッテリー枝管422、及び第1モーター枝管411をバルブアセンブリの右側に設けているので、バルブアセンブリの右側には、バッテリー冷却器52を取り付けるための空間が残されておらず、バッテリー冷却器52を第2基体12の後表面に取り付けている。また、伝熱管路の長さを短くするために、第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とを第2基体12の後壁にも設けている。すなわち、熱交換群をモーター群の後側に配置している。したがって、第1熱交換バルブポート25と第1熱交換枝管463とを連通するために、モーター群と同じ層にある第1水平層枝管461を設けており、第2熱交換バルブポート25’と第2熱交換枝管464とを連通するために、モーター群と同じ層にある第2水平層枝管462を設けている。
【0066】
図10は、図7のC-Cにおける断面図である。図1及び図4図10を参照して、熱管理器の集積度を向上させるために、熱管理器において、電気加熱器93とヒーターコア94とを連通するための伝熱管路をさらに集積することもできる。選択的に、バルブアセンブリの第2側に、第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とをさらに設けている。複数群の伝熱管群は電気加熱群をさらに備える。電気加熱群は、第1電気加熱枝管、第2電気加熱枝管473、及び第3電気加熱枝管474を備える。第1電気加熱枝管は、第1電気加熱バルブポート32を電気加熱器93と連通する排水端と連通するために用いられ、第2電気加熱枝管473は、第2電気加熱バルブポート32’をヒーターコア94の給水端と連通するために用いられ、第3電気加熱枝管474は、ヒーターコア94の給水端と電気加熱器93の給水端とを連通するために用いられる。
【0067】
具体的に、バッテリー92又は乗員室を電気加熱器93とヒーターコア94とによって加熱することができる。ケース1に電気加熱水ポンプ63をさらに設けることができる。図2に示すように、電気加熱水ポンプ63を電気加熱水ポンプ63の取付座によって第1基体11の前表面に取り付けることができる。電気加熱群と電気加熱バルブポートとを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することができ、電気加熱群と電気加熱水ポンプ63とを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することもできる。
【0068】
選択的に、電気加熱群をケース1から引き出して電気加熱器93又はヒーターコア94と連通するために、図3に示すように、電気加熱入口継手475、ヒーター入口継手476、及びヒーター出口継手477をケース1に貫通させるように設けることができる。
【0069】
図1及び図4図10を引き続き参照して、バッテリーパックと熱交換群と電気加熱群との配置を容易にするために、選択的に、第1熱交換バルブポート25は、第1バッテリーバルブポート22と第2バッテリーバルブポート22’との間に位置するようにすることができる。第2熱交換バルブポート25’は第2モーターバルブポート21’の下方に位置するようにすることができる。第2側に第3バッテリーバルブポート33をさらに設けている。第3バッテリーバルブポート33と第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とは、上から下へ第2熱交換バルブポート25’の下方に順次設けられることができる。
【0070】
図1及び図6を参照して、第1熱交換枝管463は、第1熱交換排水端と第2熱交換排水端とを有することができる。第1熱交換排水端をバッテリー冷却器52の給水端と連通し、第2熱交換排水端を電気加熱器93の給水端と連通する。第2水平層枝管462は垂直方向に沿って設けられており、第2水平層枝管462は第1端が第2熱交換バルブポート25’と積層して連通し、第2水平層枝管462は第2端が第3バッテリーバルブポート33と積層して連通する。
【0071】
バルブアセンブリは、バッテリー92が電気加熱によって加熱されるとき、第1電気加熱バルブポート32と第3バッテリーバルブポート33とを、第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とを連通して、第1電気加熱バルブポート32から第3バッテリーバルブポート33と第2電気加熱バルブポート32’とに流入した比率を割り当てるために用いられる。
【0072】
具体的に、図6を参照して、第1熱交換枝管463は、給水口が第1熱交換枝管463の中部に設けられることができ、第1熱交換枝管463は、第1熱交換排水端が左下方に向かって延び、第1熱交換枝管463は、第2熱交換排水端が右上方に向かって延びる。つまり、図1及び図6を参照して、第1熱交換バルブポート25は第1熱交換枝管463と前後に対向するように連通され、第1熱交換バルブポート25から流出した伝熱媒体は、その一部はバッテリー冷却器52に入り、第2熱交換枝管464を経由して第2熱交換バルブポート25’に逆流する。その他の部分として、第1熱交換バルブポート25から出てきた伝熱媒体は、電気加熱器93に入り、第1電気加熱枝管を経由して第1電気加熱バルブポート32に流入する。電気加熱器93が循環してバッテリー92を加熱するとき、第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とは連通されている。伝熱媒体は、第2電気加熱バルブポート32’に流入して、第2電気加熱枝管473を経由してヒーターコア94に入り、第3電気加熱枝管474を経由して電気加熱器93に入る。
【0073】
このように、電気加熱器93は、バッテリー冷却器52と並列に連結されてバルブアセンブリの第1熱交換バルブポート25内に接続されており、第1熱交換枝管463は第2熱交換排水端が第3熱交換枝管と並列に連結されて電気加熱器93の給水端内に接続されている。
【0074】
図2及び図3を参照されたい。電気加熱器93の伝熱管路に関与する電気加熱器93の水ポンプも熱管理器に集積することができる。選択的に、モジュール化した取り付けのために、電気加熱水ポンプ63を第1基体11の前表面に取り付けることができる。管路を簡素化してかつ管路間の干渉を避けるために、電気加熱水ポンプ63をバルブアセンブリの右上方に設けることができる。図6を参照して、第1熱交換枝管463の第2熱交換排水端と第3熱交換枝管とを並列に連結して電気加熱器93の給水端に接続させるために、第3電気加熱枝管474をモーター群の後側に設けている。電気加熱水ポンプ63の給水口に給水管を設けることができ、第1熱交換枝管463の第2熱交換排水端と第3熱交換枝管とを当該電気加熱水ポンプ63の給水管と連通することができ、図3に示される電気加熱入口継手475を介して電気加熱水ポンプ63の排水端を電気加熱器93と連通することができる。
【0075】
第1電気加熱枝管は、容易に配置されるように、第1部分471及び第2部分472を備え、第1部分471はモーター群の後側に位置し、第2部分472はモーター群と同じ層にあり、かつ第2部分472は第1部分471と積層して連通され、第2部分472は第1電気加熱バルブポート32と積層して連通されている。
【0076】
図1及び図4図9を引き続き参照して、第1水平層枝管461は、第1熱交換バルブポート25と制御器95の排水端とを連結するために使用され得る。水平層群は、第3水平層枝管465をさらに備えることができる。第3水平層枝管465は第1端が第1バッテリー枝管421の第1バッテリーバルブポート22から離れた一端と連通することができる。第3水平層枝管465は、制御器95がバッテリー92と並列に連結されるように、第2端が制御器95の給水端と連通され得る。
【0077】
選択的に、ケース1内に貯水エリア7をさらに設けており、貯水エリア7は、伝熱管群の上方に位置し、かつ伝熱管群に水を補給するために用いられる。具体的に、貯水エリア7内の水が高所から低所へ流動するようにするために、貯水エリア7を伝熱管群の上方に放置している。
【0078】
前述したバルブアセンブリによって実現される機能に基づいて、バルブアセンブリは、上下に配置された9方向弁2及び5方向弁3を備えることができ、9方向弁2は、第1モーターバルブポート21、第2モーターバルブポート21’、第1バッテリーバルブポート22、第2バッテリーバルブポート22’、第1放熱バルブポート23、第2放熱バルブポート22’、中継バルブポート24、第1熱交換バルブポート25、第2熱交換バルブポート25’という9つのバルブポートをそれぞれ有する。5方向弁3は、第1凝縮バルブポート31、第2凝縮バルブポート31’、第1電気加熱バルブポート32、第2電気加熱バルブポート32’、第3バッテリーバルブポート33という5つのバルブポートをそれぞれ有する。
【0079】
実施例2
【0080】
モーター91、バッテリー92、放熱器81、及び上記の実施例に記載の熱管理器を備える電動車両である。
【0081】
当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。下記の実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。
【0082】
「上」、「下」などの用語は、図面における各構造の相対的な位置関係を説明するために使用され、本願が実施可能な範囲を限定するために使用されるものではなく、説明の明瞭化を容易にするためにのみ使用され、その相対的な関係の変更又は調整は、技術的内容に実質的な変更がない限り、本願が実施可能な範囲とみなされる。
【0083】
なお、本願では、特に明記されていない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接接触していること、または第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触していることを意味することができる。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」、及び「上」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、または単に第1特徴のレベルの高さが第2特徴よりも高いことを意味することができる。さらに、第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」、及び「下」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあるか、または単に第1特徴のレベルの高さが第2特徴よりも低いことを意味することができる。
【0084】
また、本願では、特に明記されていない限り、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」、「固定する」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、または一体化されていてもよく、直接的に連結してもよいし、中間媒介を介して間接的に連結してもよいし、2つの構成要素内部の連通又は2つの構成要素間の相互作用関係でもよい。当業者にとって、本願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0085】
本明細書の説明において、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などの用語を参照している記述は、実施形態又は例に関連して説明される具体的な特徴、構造、材料、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、または特徴は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で組み込まれることができる。
【0086】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
【0087】
本願は、2021年9月27日に中国特許局に提出した、出願番号が202111138848.7で、発明の名称が「電動車両及びその熱管理器」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【符号の説明】
【0088】
1、ケース
11、第1基体
12、第2基体
2、9方向弁
21、第1モーターバルブポート
21’、第2モーターバルブポート
22、第1バッテリーバルブポート
22’、第2バッテリーバルブポート
23、第1放熱バルブポート
23’、第2放熱バルブポート
24、中継バルブポート
25、第1熱交換バルブポート
25’、第2熱交換バルブポート25’
26、第1バルブアセンブリ取付点
3、5方向弁
31、第1凝縮バルブポート
31’、第2凝縮バルブポート31’
32、第1電気加熱バルブポート
32’、第2電気加熱バルブポート32’
33、第3バッテリーバルブポート
34、第2バルブアセンブリ取付点
411、第1モーター枝管
412、第2モーター枝管
413、モーター出口継手
414、モーター入口継手
421、第1バッテリー枝管
422、第2バッテリー枝管
423、バッテリー入口継手
424、バッテリー出口継手
431、第1放熱枝管
432、第2放熱枝管
433、放熱入口継手
434、放熱出口継手
44、中継管
451、第1凝縮枝管
452、第2凝縮枝管
453、第3凝縮枝管
454、第4凝縮枝管
456、第1開口
457、第2開口
461、第1水平層枝管
462、第2水平層枝管
463、第1熱交換枝管
464、第2熱交換枝管
465、第3水平層枝管
466、第1入口継手
467、第1出口継手
471、第1部分
472、第2部分
473、第2電気加熱枝管
474、第3電気加熱枝管
475、電気加熱入口継手
476、ヒーター入口継手
477、ヒーター出口継手
51、水冷式凝縮器
511、第1取付点
52、バッテリー冷却器
53、気液分離器
531、第3取付点
54、バッテリー冷却器
55、同軸管
61、モーター水ポンプ
611、モーター水ポンプ取付座
612、双方向パイプ
62、バッテリー水ポンプ
621、バッテリー水ポンプ取付座
63、電気加熱水ポンプ
631、電気加熱水ポンプ取付座
64、水ポンプ給水管
7、貯水エリア
81、放熱器
82、圧縮機
83、内部蒸発器
84、内部凝縮器
85、止め弁
86、膨張弁
91、モーター
92、バッテリー
93、電気加熱器
94、ヒーターコア
95、制御器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、熱管理技術の分野に関し、特に、電動車両及びその熱管理器に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両は動力源としてバッテリーを利用しているため、電動車両は、省エネ、環境にやさしいといった利点がある。現在、電動車両は市場に普及しつつあり、実用化の場面において、電動車両の熱管理システムは、通常、電動車両のバッテリーパック、駆動群などの熱管理対象を熱管理して、これらの管理対象の温度を正常に動作可能な動作温度範囲内に維持する必要がある。
【0003】
関連技術において、熱管理システムは、バッテリーパックの昇温又は降温に用いられるバッテリー循環管路及び駆動群の降温に用いられる動力循環管路を備える。水、不凍液などの伝熱媒体はバッテリー循環管路及び動力循環管路の中に循環する。
【0004】
しかしながら、この2つの循環管路は互いに独立して、かつ各循環管路にそれぞれ、バルブ、水ポンプ、膨張タンクなどのデバイスが配置されている。作業者は、組み立てる際に各循環管路及び各循環管路上のデバイスをそれぞれ組み立てる必要があるため、当該熱管理システムの組み立てが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、関連技術の熱管理システムの組み立てが困難であるという問題を解決するための電動車両及びその熱管理器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本願は、次の技術的解決手段を提供する。
【0007】
本願の実施例の一態様は、ケースを備える電動車両の熱管理器を提供し、前記ケース内に複数群の伝熱管群が収容されており、各群の前記伝熱管群はいずれも2本の伝熱枝管を備え、同群の第1本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつデバイスの給水端を連結するために用いられ、同群の第2本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつ同一の前記デバイスの排水端を連結するために用いられ、前記ケースの前表面にバルブアセンブリが設けられており、前記バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられており、各前記バルブポートはいずれも少なくとも1本の前記伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の前記伝熱枝管はそれぞれ、異なる前記バルブポートと連通し、前記バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なる前記バルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる。
【0008】
本願の実施例の他の態様は、モーター、バッテリー、放熱器、及び上記のいずれか1項に記載の熱管理器を備える電動車両を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本願により提供される電動車両及びその熱管理器は、ケースを設け、複数群の伝熱管群をケース内に配置し、バルブアセンブリをケースの前表面に配置し、同群の2本の伝熱枝管の第1端が、それぞれケースを貫通するように設けられてかつ同一デバイスの給水端及び排水端と連結し、バルブアセンブリの各前記バルブポートをすべて少なくとも1本の伝熱枝管の第2端と対向させるように連通し、同群の2本の前記伝熱枝管のそれぞれを異なる前記バルブポートと連通することにより、熱管理器がモード切り替えを行う際、バルブアセンブリは、異なるバルブポートを連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現することができる。このように、バルブアセンブリと異なる伝熱管群とをケースに集積配置することで、各管路とバルブとを個別に取り付けることを避け、電動車両の熱管理部分の組立効率の向上に有利であり、熱管理部分が占める電動車内の空間の減少に有利である。
【0010】
以上に説明している本願の実施例によって解決される技術的問題、技術的解決手段を構成する技術的特徴、及びこれらの技術的解決手段の技術的特徴によって実現される有益な効果に加えて、本願の実施例によって解決され得る他の技術的問題、技術的解決手段に含まれる他の技術的特徴、及びこれらの技術的特徴によって実現される有益な効果は、発明を実施するための形態においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本願に適した実施例を示しており、本明細書とともに本願の原理を説明するために使用される。
図1】本願の実施例により提供される熱管理器の原理図である。
図2】本願の実施例により提供される熱管理器の正面図である。
図3図2に示される熱管理器の斜視図である。
図4図2に示される熱管理器から第1基体を取り外したものの正面図である。
図5図2に示される熱管理器の第1基体及び第1基体に設けられた伝熱管群の概略図である。
図6図2に示される熱管理器の第2基体及び第2基体に設けられた伝熱管群の概略図である。
図7図2に示される熱管理器の上面図である。
図8図7のA-Aにおける断面図である。
図9図7のB-Bにおける断面図である。
図10図7のC-Cにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の図面を用いて、本願の具体的な実施例を示しているが、より詳細な説明は後述する。これらの図面及び文字説明は、いかなる手段によって本願の構想の範囲を限定するためのものではなく、特定の実施例を参照することによって、当業者に本願の概念を説明するためのものである。
【0013】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本願の実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0014】
図1は、本願の実施例により提供される熱管理器の原理図である。本願の実施例により提供される熱管理器は、図1の二点鎖線で囲まれる部分である。図1を参照して、当該熱管理器は、空調部及び伝熱部を備えることができる。
【0015】
空調部は、空調管路及び空調管路に設けられたデバイスを備えることができる。図1の中空矢印は、空調管路内のフロンなどの冷媒の流れ方向を表す。空調部は、圧縮機82、内部凝縮器84、及び内部蒸発器83と連通することができる。空調管路における止め弁85及び膨張弁86を選択的に開閉することで、異なる空調循環回路を形成し、乗員室の冷房及び暖房を実現する。
【0016】
具体的に、乗員室とは、電動車両の運転手及び乗客を乗せるための空間を指す。内部凝縮器84及び内部蒸発器83は、乗員室と熱交換して、乗員室の温度を調整することができる。空調管路に設けられたデバイスとして、止め弁85、膨張弁86、水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、同軸管54、気液分離器53が挙げられる。これらのデバイス間の連結手段は図1を参照することができる。図2を参照して、後述する第2基体12の前表面に、気液分離器53を取り付けるための第3取付点531を設けることができる。当該気液分離器53は、水冷式凝縮器51の第1管路と連通するように、水冷式凝縮器51の左側に設けられることができる。乗員室が冷房モードにある場合には、圧縮機82、内部蒸発器83、及び水冷式凝縮器51は、空調管路によって連通され得る。乗員室が暖房モードにある場合には、圧縮機82、内部凝縮器84、及びバッテリー冷却器52は、空調管路によって連通され得る。
【0017】
また、熱管理器は、伝熱部が伝熱管路及び伝熱管路に設けられたデバイスを備えることができる。図1の中実矢印は、伝熱管路内の水、冷却液、不凍液などの伝熱媒体の流れ方向を表す。伝熱部は、モーター91、バッテリー92、放熱器81などのデバイスと連通して、異なる伝熱循環回路を形成し、さらに、モーター91、バッテリー92などのデバイスに対する熱管理を実現することができる。伝熱管路に設けられたデバイスとして、水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、バルブアセンブリが挙げられる。
【0018】
なお、水冷式凝縮器51は、空調管路と連通する第1管路及び伝熱管路と連通する第2管路を備える。第1管路中の冷媒は、第2管路中の伝熱媒体と熱交換することができる。乗員室が冷房モードにある場合には、第1管路中の熱は、第2管路を経由して伝熱循環回路へ放出することができる。つまり、乗員室が冷房モードにある場合には、第2管路は第1管路の熱を吸収する。ここで、第2管路中の熱は、伝熱部と連通する放熱器81によって発散され得る。第1管路が配置された空調管路は遮断される場合には、熱は、第1管路から第2管路へ放出しなくなる。
【0019】
同様に、バッテリー冷却器52は、第1管路及び第2管路を備えてもよい。第1管路は空調管路と連通し、第2管路は伝熱管路と連通する。第1管路中の冷媒は、第2管路中の伝熱媒体と熱交換することができる。乗員室が暖房モードにある場合には、第1管路は第2管路中の熱を吸収することができる。この場合には、バッテリー92が比較的高温であれば、バッテリー92上の熱は、伝熱循環回路を経由して空調循環回路へ発散することができる。また、第1管路が配置された空調管路は遮断される場合には、第1管路は第2管路の熱を吸収しなくなる。この場合には、バッテリー92の熱は、伝熱循環回路を経由して放熱器81へ発散することができる。
【0020】
また、乗員室を冷房するかまたは暖房するかということ、すなわち、乗員室の温度の調整制御は、乗員室内に乗っている人によって決定されることである。例えば、バッテリー92、モーター91などのデバイスの温度の調整制御は、電気制御部分がデバイスの温度に応じて自動的に行うことである。バッテリー92の温度の調整制御を例にする場合、温度検出器はバッテリー92の温度をリアルタイムで監視することができ、温度検出器により検出されたバッテリー92の実際の温度が所定値よりも大きい場合に、バッテリー92と放熱器81が配置された伝熱循環回路をオンにすることができ、もしくは、乗員室が暖房モードにある場合に、バッテリー92とバッテリー冷却器52が配置された伝熱循環回路をオンにすることができる。上記した2つの手段のいずれかを用いてもバッテリー92の温度を、バッテリー92の実際の温度が所定値よりも低いように、下げることができる。
【0021】
なお、前述した電気制御部分は、温度センサなどの温度検出器、バルブアセンブリの制御部を備えることができる。本願の実施例に係る熱管理器は、電気制御部分を備えてもよいし、電気制御部分を備えなくてもよい。
【0022】
また、バッテリー92の外側に、バッテリー92と熱交換して、バッテリー92の温度の調整制御を実現できるバッテリー管路が設けられることができる。放熱器81は、放熱管路を備え、放熱管路は風冷によって放熱できる。バッテリー管路は、本願の実施例により提供される熱管理器の伝熱部の伝熱管路と連通し、放熱管路も伝熱管路と連通する。前述した「バッテリー92と放熱器81が配置された伝熱循環回路をオンにする」ことは実際に、モーター91の管路と放熱管路とを伝熱管路によって連通し、バッテリー92の放熱循環回路を形成することを指す。同様に、後述する伝熱管路と連通するモーター91/制御器95は、実際に、モーター91の外側に設けられたモーター91の管路/制御器95の外側に設けられた制御管路を指す。
【0023】
作業者が熱管理器を電動車両に組み立てることを容易にするために、熱管理器に係る伝熱管路及びデバイスを可能な限りケース1に集積するべきであるが、伝熱管路とデバイスとのケース1における配置方式は、伝熱管路の数が少なく、伝熱管路の伝熱経路が短く、組み立てが容易であり、熱管理器が占める空間が小さいようにするといった原則に従って設計され得る。
【0024】
図1を参照して、ケース1に設けられた伝熱管路は、ケース1に集積されている水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、バルブアセンブリなどのデバイスと連通する必要があるだけでなく、伝熱管路は、ケース1に集積されていないモーター91、バッテリー92、放熱器81などのデバイスと連通する必要もあることを理解することができる。
【0025】
伝熱管路とケース1に集積されたデバイスとの間の流動経路を短縮させるために、伝熱管路と水冷式凝縮器51とを、伝熱管路とバッテリー冷却器52とを、伝熱管路とバルブアセンブリとをすべて前後に対向するように連通することができる。
【0026】
図2は、本願の実施例により提供される熱管理器の正面図であり、図3は、図に示される熱管理器の斜視図である。図2及び図3を参照して、ケース1は、第1基体11及び第2基体12を備えることができる。図4は、図に示される熱管理器から第1基体11を取り外したものの正面図である。図2図4を参照して、伝熱管路は、第1基体11と第2基体12とが前後に向かい合うように形成されたケース1の内部に取り付けられ得る。水冷式凝縮器51、バッテリー冷却器52、バルブアセンブリなどは、ケース1の前表面又は後表面に取り付けられ得る。ケース1の表面に集積されているデバイスを配置するとき、まず、バルブアセンブリの位置を決定して、そして、バルブアセンブリの周りのその他のデバイスを配置することができる。
【0027】
本明細書では、図面における矢印Xで示される方向を熱管理器の前側とする場合には、その反対する方向を熱管理器の後側とし、矢印Yで示される方向を熱管理器の左側とする場合には、その反対する方向を熱管理器の右側とし、矢印Zで示される方向を熱管理器の上側とする場合には、その反対する方向を熱管理器の下側とする。
【0028】
例示的に、第1基体11は前壁及び側壁を備え、第1基体11は側壁が第1基体11の前壁の外周と連結してかつ後側に向かって延びる。第2基体12は後壁及び側壁を備え、第2基体12は側壁が第2基体12の後壁の外周と連結してかつ前側に向かって延びる。第1基体11は、伝熱管路を収納するための空間が形成されるように、側壁が第2基体12の側壁と前後に向かい合うように連結している。
【0029】
熱管理器を、モーター91やバッテリー92などのデバイスと連結するとき、組み立てを容易にするために、モーター91と放熱器81との間、バッテリー92と放熱器81との間の伝熱管路をケース1にも集積することができる。つまり、熱管理器を電動車両に取り付けるとき、バッテリー92に熱管理器を、モーター91に熱管理器を連結すればよい。熱管理器の外側に管路を追加して配置することでモーター91とバッテリー92とを連結する必要がない。
【0030】
図1を参照して、伝熱管路は複数群の伝熱管群を備え、各群の伝熱管群はいずれも2本の伝熱枝管を備える。同群の第1本の伝熱枝管は第1端がケース1を貫通するように設けられておりかつデバイスの給水端を連結するために用いられる。同群の第2本の伝熱枝管は第1端がケース1を貫通するように設けられておりかつ同一のデバイスの排水端を連結するために用いられる。
【0031】
バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられている。各バルブポートはいずれも少なくとも1本の伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の伝熱枝管はそれぞれ、異なるバルブポートと連通する。バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なるバルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる。
【0032】
具体的に、バルブアセンブリは第1個のバルブポートが伝熱枝管を介して第1デバイスの給水端と連通することができ、第2個のバルブポートが伝熱枝管を介して第1デバイスの排水端と連通する。このように、第1個のバルブポートと第2個のバルブポートとの間の連通と遮断をバルブアセンブリで制御するだけで、当該第1デバイスが配置された伝熱循環回路の連通と遮断を制御することができる。また、バルブアセンブリは第3個のバルブポートが伝熱枝管を介して第2デバイスの給水端と連通することができ、第4個のバルブポートが伝熱枝管を介して第2デバイスの排水端と連通することができる。第1デバイスと第2デバイスとを連通する必要がある場合に、第2個のバルブポートと第3個のバルブポートとを、第4個のバルブポートと第1個のバルブポートとを連通することができる。
【0033】
また、前述した「前後に対向するように連通する」ことは、図2及び図4を参照して説明され得る。なお、図2及び図4にバルブアセンブリが示されていない。容易に理解するために、各伝熱管路とバルブアセンブリのバルブポートとを連結しているすべての箇所において角枠を描いており、当該角枠内に、対応するバルブポートの番号を付けている。図2では、バルブアセンブリは、第1バルブアセンブリ取付点26及び第2バルブアセンブリ取付点34によって第1基体11の前表面に取り付けられ得る。バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられ得る。伝熱分岐路は第1基体11と第2基体12とで合わせて囲まれた収容空間内に設けられている。つまり、バルブアセンブリは伝熱分岐路の前側に設けられている。各伝熱分岐路はいずれも、そのうちの1つのバルブポートに対向する開口が設けられ得る。対向することは、第1基体11の前表面におけるバルブポートの投影が、第1基体11の前表面における当該開口の投影と重なり合う部分を有することを指す。対応するバルブポートと開口との間に、第1基体11を貫通するように設けられておりかつ対応するバルブポートと開口とを連通する連通管が設けられることができる。前後に対向するように連通することで、バルブアセンブリのバルブポートと伝熱枝管との間の流動経路を短縮させることができる。
【0034】
図5は、図2に示される熱管理器の第1基体11及び第1基体11に設けられた伝熱管群の概略図であり、図6は、図2に示される熱管理器の第2基体12及び第2基体12に設けられた伝熱管群の概略図であり、図7は、図2に示される熱管理器の上面図であり、図8は、図7のA-Aにおける断面図であり、図9は、図7のB-Bにおける断面図である。
【0035】
図1及び図4図9を参照して、バルブアセンブリは第1側及び第2側を備えることができる。第1側に第1モーターバルブポート21と第2モーターバルブポート21’とを設けることができる。第2側に第1バッテリーバルブポート22と第2バッテリーバルブポート22’とを設けることができる。なお、図5及び図6にバルブアセンブリを示していない。容易に理解するために、各伝熱管路とバルブアセンブリのバルブポートとを連結しているすべての箇所において角枠を描いており、当該角枠内に、対応するバルブポートの番号を付けている。図8及び図9の角枠は、バルブアセンブリのバルブポートを表し、角枠内の番号はバルブポートの番号である。
【0036】
図1及び図4図9を引き続き参照して、複数群の伝熱管群はモーター群及びバッテリーパックを備えることができ、バッテリーパックはモーター群と同じ層に設けられ得る。モーター群は第1モーター枝管411及び第2モーター枝管412を備えることができる。第1モーター枝管411は、第1モーターバルブポート21をモーター91の排水端と連通するために用いられ、第2モーター枝管412は、第2モーターバルブポート21’をモーター91の給水端と連通するために用いられる。
【0037】
バッテリーパックは第1バッテリー枝管421及び第2バッテリー枝管422を備え、第1バッテリー枝管421は、第1バッテリーバルブポート22をバッテリー92の排水端と連通するために用いられ、第2バッテリー枝管422は、第2バッテリーバルブポート22’をバッテリー92の給水端と連通するために用いられる。
【0038】
具体的に、モーター群とバッテリーパックはケース1内に収容されており、かつモーター群とバッテリーパックとの前表面は第1基体11の前壁に固定され、モーター群とバッテリーパックとの後表面は同一の垂直面にある。すなわち、モーター群とバッテリーパックとは、前後方向の厚さが同じである。
【0039】
モーター群を対応するバルブポートと連通するときも、バッテリーパックを対応するバルブポートと連通するときも、前後に対向するように連通する形態を採用する。
【0040】
モーター91とバッテリー92とをそれぞれ電動車両の異なる方位に配置しているため、管路を交差して配置することを避けるために、2つのモーター91のバルブポートを第1側に、2つのバッテリー92のバルブポートを第2側に設けることができる。
【0041】
また、第1モーターバルブポート21と第2モーターバルブポート21’とを、第1モーター枝管411と第2モーター枝管412とを連通すれば、モーター91が配置された伝熱管路を導通させることができる。第1バッテリーバルブポート22と第2バッテリーバルブポート22’とを、第1バッテリー枝管421と第2バッテリー枝管422とを連通すれば、バッテリー92が配置された伝熱管路を導通させることができる。第2バッテリーバルブポート22’と第1モーターバルブポート21とを、第1バッテリーバルブポート22と第2モーターバルブポート21’とを連通すれば、バッテリー92が配置された伝熱管路とモーター91が配置された伝熱管路とは直列に接続される。
【0042】
選択的に、2つのモーター枝管をケース1から引き出してモーター91と連通するために、ケース1に図3に示されるモーター継手を貫通させて設けることができる。例示的に、図3及び図4を参照して、第1モーター枝管411の第1モーターバルブポート21から離れた一端をモーター出口継手413と連通し、第2モーター枝管412の第2モーターバルブポート21’ から離れた一端をモーター入口継手414と連通することができる。モーター91を電動車両の前端に配置しているため、モーター入口継手414とモーター出口継手413とを前に向かって延ばせることができる。
【0043】
同様に、ケース1内にある第1バッテリー枝管421と第2バッテリー枝管422とをケース1から引き出してバッテリー92と連通するために、図3に示されるバッテリー出口継手424とバッテリー入口継手423とをケース1に貫通させて設けることができる。バッテリー水ポンプ62(バッテリー水ポンプ取付座上に位置する)に取り付け用空間を提供するために、バッテリー入口継手423とバッテリー出口継手424とを右に向かって延ばせることができる。図4図5、及び図8を参照して、第1モーターバルブポート21と第2モーターバルブポート21’とを上下に配置することができる。第1側において、上下に配置された第1放熱バルブポート23と第2放熱バルブポート23’とを設けることができる。2つの放熱バルブポートを2つのモーター91のバルブポート間に配置することができる。
【0044】
選択的に、図2図5に示すように、モーター水ポンプ61をケース1にも集積することができる。モーター水ポンプ61は、通常、体積が大きいため、モーター水ポンプ61はケース1の表面に設けられている。モーター水ポンプ61とケース1内にある伝熱管路とを前後に対向するように連通してもよい。具体的に、第1基体11の前表面にモーター水ポンプ取付座611を設け、当該モーター水ポンプ取付座611の後表面に給水口を設け、給水口に図4及び図5に示される水ポンプ給水管64を連通することができる。第1基体11を貫通してかつ第2モーター枝管412と連通するように水ポンプ給水管64を設けることができる。また、第2モーター枝管412とモーター水ポンプ61との間の伝熱経路を短縮させるために、モーター水ポンプ61をバルブアセンブリの第1側に配置することができる。同様に、バルブアセンブリの第2側にもバッテリー水ポンプ62を設けることができる。バッテリー水ポンプ62と第2バッテリー枝管422とを前後に対向させて連通するように連通することもできる。
【0045】
図1及び図4図8を参照して、複数群の伝熱管群は放熱群をさらに備えることができ、放熱群はモーター群と同じ層に設けられ得る。2本の放熱枝管は2本のモーター枝管間に配置され得る。放熱群は第1放熱枝管431及び第2放熱枝管432を備えることができる。第1放熱枝管431により第1放熱バルブポート23と放熱器81の給水端とを連通し、第2放熱枝管432により第2放熱バルブポート23’と放熱器81の排水端とを連通することができる。
【0046】
具体的に、放熱枝管とバルブアセンブリの放熱バルブポートとを前後に対向させるように連通することで連通することができる。また、モーター91は主に放熱器81によって放熱しており、かつモーター91は放熱器81とともに電動車両の前端に配置されているため、経路を短縮させるために、モーター91のバルブポートと放熱器81のバルブポートとをバルブアセンブリの第1側に設けることができる。図4及び図5を参照して、モーター水ポンプ61と水冷式凝縮器51とをバルブアセンブリの第1側に設ける必要があるため、バルブアセンブリの第1側における各デバイスの配置を容易にするために、モーター水ポンプ61を最下方又は最上方に設けることができる。図4では、モーター水ポンプ61を最下方に設ける場合を例にして示している。しかしながら、第2モーターバルブポート21’、第1放熱バルブポート23、及び第2放熱バルブポート23’はすべて第1基体11の中部に設けられている。第1放熱枝管431と第2モーター枝管412との交差配置、第2放熱枝管432と第2モーター枝管412との交差配置を避けるために、2本の放熱枝管を2本のモーター枝管間に設け、2つの放熱バルブポートを2つのモーター91のバルブポート間に設けることができる。
【0047】
また、図3及び図4を参照して、2本の放熱枝管をケース1から引き出して放熱器81と連通するために、図3に示される放熱入口継手433と放熱出口継手434とをケース1に貫通させるように設けることができる。当該放熱入口継手433と放熱出口継手434とを前に向かって延ばせることができる。
【0048】
図1図4図5、及び図8を引き続き参照して、第1側に中継バルブポート24をさらに設けることができる。中継バルブポート24を第1放熱バルブポート23と第2放熱バルブポート23’との間に設けることができる。中継バルブポート24と第2放熱バルブポート23’とを中継管44を介して連通することができる。中継管44を放熱群と同じ層に設けられ得る。バルブアセンブリは、放熱器81が作動するとき、第1モーターバルブポート21と第1放熱バルブポート23とを連通するために用いられ、バルブアセンブリは、放熱器81が作動しないとき、中継バルブポート24と第1モーターバルブポート21とを連通するためにさらに用いられる。
【0049】
具体的に、熱管理器は、モーター91の温度が所定範囲内にあるとき、放熱器81によってモーター91を放熱しなくなる。このとき、モーター91と放熱器81との間の伝熱管路を遮断することができる。そのため、中継バルブポート24を設ける必要がある。ここで、中継バルブポート24と中継管44とを層させて連通することで連通している。
【0050】
なお、中継バルブポート24と第2放熱バルブポート23’とは、バルブアセンブリのバルブ動作によって連通される方式に代わって、中継管44を介して連通されている原因は、次の通りである。図1を参照して、バルブアセンブリの内部に内部管路を設け、バルブアセンブリを使用して2つのバルブポート内部管路をバルブ動作によって連通することができる。各バルブポートはそれぞれ、第1端と第2端を有し、第1端は伝熱管路と連通し、第2端は内部管路と連通する。伝熱媒体の伝熱管路と内部管路とにおける流れ方向は定められている。
【0051】
例示的に、図1では、伝熱媒体は、第1モーター枝管411を経由して第1モーターバルブポート21の第1端に流入して、バルブアセンブリのバルブ動作によって形成された内部管路を経由して第1放熱バルブポート23又は中継バルブポート24へ流れることができる。第1モーターバルブポート21と第1放熱バルブポート23とを内部管路を介して連通するとき、伝熱媒体は、第1放熱枝管431を経由して第1放熱バルブポート23から流出することができる。伝熱媒体は、放熱器81を通過した後第2放熱枝管432を経由して第2放熱バルブポート23’に流入して、そして、第2放熱バルブポート23’は内部管路を介してその他のバルブポートと連通される。
【0052】
同様に、第1モーターバルブポート21と中継バルブポート24とを内部管路を介して連通するとき、伝熱媒体は、中継管44を経由して中継バルブポート24から流出して第2放熱バルブポート23’に入ることができ、そして、第2放熱バルブポート23’は内部管路を介してその他のバルブポートと連通される。
【0053】
図1及び図2を参照して、ケース1の前表面に水冷式凝縮器51を設けることができ、複数群の伝熱管群は凝縮群をさらに備える。水冷式凝縮器51は放熱器81によって放熱する必要があるため、ケース1内の伝熱管路が交差することを避けるために、水冷式凝縮器51と連通するバルブアセンブリのバルブポートも第1側に設ける。流動経路を短縮させるために、水冷式凝縮器51をバルブアセンブリの第1側に設けることができる。
【0054】
水冷式凝縮器51とモーター91とは放熱器81によって放熱するため、水冷式凝縮器51とモーター91とを並列に連結して熱管理器内に接続することができる。熱管理器のバルブポート数及び伝熱管路の数を削減するために、水冷式凝縮器51とモーター91とにバルブアセンブリのバルブポートを共用させることができる。
【0055】
図4図8を参照して、選択的に、凝縮群は第1凝縮枝管451を備え、第1凝縮枝管451は第1モーター枝管411の後側にあり、かつ第1凝縮枝管451は第1端が水冷式凝縮器51の排水端と連通し、第1モーターバルブポート21、第1モーター枝管411の第2端、及び第1凝縮枝管451の第2端は順次積層して連通される。
【0056】
具体的に、第1凝縮枝管451と第1モーター91の管路とを並列に連結してバルブアセンブリの第1モーターバルブポート21内に接続する。図4図6、及び図8を参照して、第1凝縮枝管451を第2基体12の後壁に設けることができる。第1モーター枝管411は第1凝縮枝管451の前側に位置することができる。第1モーター枝管411にはそれを貫通する排水口が設けられている。第1モーターバルブポート21と第1モーター枝管411の排水口と第1凝縮枝管451の排水口との第2基体12における投影は重なり合い、かつ第1モーターバルブポート21と、第1モーター枝管411の排水口と、第1凝縮枝管451の排水口とは、前から後へ順次連通されている。つまり、水冷式凝縮器51とモーター91とは第1モーターバルブポート21を共用することができる。
【0057】
上記の説明から明らかなように、伝熱媒体は、第2モーターバルブポート21’を出てから第2モーター枝管412を経由してモーター水ポンプ61に入るようになっている。水ポンプの数を削減するために、水冷式凝縮器51の伝熱管路とモーター91の伝熱管路とに1つの水ポンプを共用させることができる。図4図8を参照して、選択的に、モーター水ポンプ61は、第1モーター水ポンプ61の排水端及び第2モーター水ポンプ61の排水端を有することができる。第1モーター水ポンプ61の排水端は、モーター入口継手414を介してモーター91の給水端と連結することができる。
【0058】
第2モーター水ポンプ61の排水端は水冷式凝縮器51の給水端と連結することができる。具体的に、バルブアセンブリの第1側に第1凝縮バルブポート31と第2凝縮バルブポート31’とをさらに設けることができる。凝縮群は、第2凝縮枝管452、第3凝縮枝管453、及び第4凝縮枝管454を備えることができる。第2凝縮枝管452と第3凝縮枝管453とをすべてモーター群とともに同じ層に設けることができ、第4凝縮枝管454はモーター群の後側に位置することができる。第2凝縮枝管452を使用して第1凝縮バルブポート31と第2モーター水ポンプ61の排水端とを連通することができる。第2凝縮バルブポート31’と第3凝縮枝管453と第4凝縮枝管454とを順次積層させて連通し、かつ第4凝縮枝管454と水冷式凝縮器51の給水端とを連通することができる。バルブアセンブリは、水冷式凝縮器51が放熱器81によって放熱するとき、第1凝縮バルブポート31と第2凝縮バルブポート31’とを連通することができる。
【0059】
具体的に、モーター水ポンプ取付座611の側壁に排水口を設けることができ、当該モーター水ポンプ61の排水口に双方向パイプ612を設けることができ、双方向パイプ612をその前端にモーター入口継手414と連通し、双方向パイプ612をその後端に第2凝縮枝管452を介して第1凝縮バルブポート31と連通することができる。モーター水ポンプ61をバルブアセンブリの第1側に設けているため、モーター水ポンプ61は排水口がバルブアセンブリの第1側に設けられるようになっている。当該モーター水ポンプ61の排水口とバルブアセンブリのバルブポートとの間に一定の距離があるので、第2凝縮枝管452を第2側に向かって延ばせることができる。
【0060】
ここで、第2モーターバルブポート21’から流出した伝熱媒体は、第2モーター枝管412を経由してモーター水ポンプ61に入り、モーター水ポンプ取付座611の側壁の排水口から双方向パイプ612に流入するようにモーター水ポンプ61によって導かれて、双方向パイプ612において二股に分かれることができる。その一方は、モーター入口継手414を経由してモーター91の給水端へ流れ、他方は、第2凝縮枝管452を経由して第1凝縮バルブポート31に入る。水冷式凝縮器51放熱する必要があるとき、第1凝縮バルブポート31と第2凝縮バルブポート31’とを連通し、伝熱媒体は、内部管路を経由して第2凝縮バルブポート31’に入り、第3凝縮枝管453と第4凝縮枝管454とを順次通過して水冷式凝縮器51の給水端に入る。ここで、第4凝縮枝管454の右側に第3凝縮枝管453と対向するように連通する開口を設け、第4凝縮枝管454の左側に水冷式凝縮器51の第2管路の給水端と対向するように連通する開口を設ける。
【0061】
第1凝縮枝管451と水冷式凝縮器51とを連通する方式、及び第4凝縮枝管454と水冷式凝縮器51とを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することができる。例示的に、第1基体11の前表面において図2に示される4つの第1取付点511を設けることができ、当該第1取付点511を介して水冷式凝縮器51を第1基体11の前表面に取り付けることができる。水冷式凝縮器51の第2管路の排水端に対応する第1開口を第1凝縮枝管451に設けることができる。水冷式凝縮器51の第2管路の排水端に連通管が連通されており、連通管は第1基体11を貫通して第1開口と連通することができる。このように、水冷式凝縮器51の第2管路の排水端と第1凝縮枝管451との間には、第1基体11の前表面に垂直な方向に沿った流動通路が形成できる。水冷式凝縮器51の第2管路の給水端に対応する第2開口を第4凝縮枝管454に設けることができる。水冷式凝縮器51の第2管路の給水端に連通管を連通することができ、連通管は第1基体11を貫通して第2開口と連通することができる。このように、水冷式凝縮器51の第2管路の給水端と第4凝縮枝管454との間には、伝熱媒体の流動経路が短縮できるように、第1基体11の前表面に垂直な方向に沿った流動通路が形成できる。
【0062】
なお、水冷式凝縮器51と連通する第1凝縮枝管451と第2凝縮枝管452とをモーター群の後側に設ける原因は、次の通りである。まず、図4から明らかなように、第2モーター枝管412は下方に向かって延び、第4凝縮枝管454と第2モーター枝管412とが同じ層に設けられた場合、第2モーター枝管412と第4凝縮枝管454とが交差するようになるため、第4凝縮枝管454を第2モーター枝管412よりも後側の層に設けている。一方、第2凝縮バルブポート31’と第4凝縮枝管454とを連通するために、モーター群と同じ層にある第3凝縮枝管453を設けている。致性を維持するために、第1凝縮枝管451と第2凝縮枝管452とをも第1モーター枝管411よりも後側の層に設けている。また、図2及び図4を参照して、水冷式凝縮器51をバルブアセンブリの左側に配置しているので、水冷式凝縮器51を避けるために、第1モーター枝管411を右上方に向かって延ばせている。
【0063】
図1及び図4図9を引き続き参照して、第2側において第1熱交換バルブポート25と第2熱交換バルブポート25’とをさらに設けることもできる。ケース1の後表面にバッテリー冷却器52を設けることができる。複数群の伝熱管群は、水平層群及び熱交換群をさらに備えることができ、水平層群はモーター群と同じ層にあり、水平層群は第1水平層枝管461及び第2水平層枝管462を備え、熱交換群はモーター群の後側に位置し、熱交換群は第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とを備え、第1熱交換バルブポート25と第1水平層枝管461と第1熱交換枝管463とは、順次積層して連通されており、第2熱交換バルブポート25’と第2水平層枝管462と第2熱交換枝管464とは、順次積層して連通されており、第1熱交換枝管463はバッテリー冷却器52の給水端と連通され、第2熱交換枝管464はバッテリー冷却器52の排水端と連通されている。
【0064】
具体的に、水平層群と熱交換バルブポートとを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することができ、水平層群と熱交換群とを連通する方式としても、前後に対向するように連通する方式を採用することができる。バッテリー冷却器52と熱交換群とを連結する方式としても、前後に対向するように連通する方式を採用することができる。また、図2を参照して、第1基体11の前表面において、水冷式凝縮器51、バルブアセンブリ、バッテリー水ポンプ62、及びモーター水ポンプ61を配置した後、第1基体11の前表面において、バッテリー冷却器52を放置するための空間がほとんど残されていないため、バッテリー冷却器52を第2基体12の後表面に配置することができる。図6に示すように、第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とを第2基体12の後壁に配置することができる。
【0065】
なお、バッテリー冷却器52と連通する第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とをモーター群の後側に設けている原因は、次の通りである。図2及び図3から明らかなように、バッテリー水ポンプ62をバッテリー92のバルブアセンブリの右側に配置している。図4から明らかなように、第1バッテリー枝管421、第2バッテリー枝管422、及び第1モーター枝管411をバルブアセンブリの右側に設けているので、バルブアセンブリの右側には、バッテリー冷却器52を取り付けるための空間が残されておらず、バッテリー冷却器52を第2基体12の後表面に取り付けている。また、伝熱管路の長さを短くするために、第1熱交換枝管463と第2熱交換枝管464とを第2基体12の後壁にも設けている。すなわち、熱交換群をモーター群の後側に配置している。したがって、第1熱交換バルブポート25と第1熱交換枝管463とを連通するために、モーター群と同じ層にある第1水平層枝管461を設けており、第2熱交換バルブポート25’と第2熱交換枝管464とを連通するために、モーター群と同じ層にある第2水平層枝管462を設けている。
【0066】
図10は、図7のC-Cにおける断面図である。図1及び図4図10を参照して、熱管理器の集積度を向上させるために、熱管理器において、電気加熱器93とヒーターコア94とを連通するための伝熱管路をさらに集積することもできる。選択的に、バルブアセンブリの第2側に、第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とをさらに設けている。複数群の伝熱管群は電気加熱群をさらに備える。電気加熱群は、第1電気加熱枝管、第2電気加熱枝管473、及び第3電気加熱枝管474を備える。第1電気加熱枝管は、第1電気加熱バルブポート32を電気加熱器93排水端と連通するために用いられ、第2電気加熱枝管473は、第2電気加熱バルブポート32’をヒーターコア94の給水端と連通するために用いられ、第3電気加熱枝管474は、ヒーターコア94の給水端と電気加熱器93の給水端とを連通するために用いられる。
【0067】
具体的に、バッテリー92又は乗員室を電気加熱器93とヒーターコア94とによって加熱することができる。ケース1に電気加熱水ポンプ63をさらに設けることができる。図2に示すように、電気加熱水ポンプ63を電気加熱水ポンプ取付座631によって第1基体11の前表面に取り付けることができる。電気加熱群と電気加熱バルブポートとを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することができ、電気加熱群と電気加熱水ポンプ63とを連通する方式として、前後に対向するように連通する方式を採用することもできる。
【0068】
選択的に、電気加熱群をケース1から引き出して電気加熱器93又はヒーターコア94と連通するために、図3に示すように、電気加熱入口継手475、ヒーター入口継手476、及びヒーター出口継手477をケース1に貫通させるように設けることができる。
【0069】
図1及び図4図10を引き続き参照して、バッテリーパックと熱交換群と電気加熱群との配置を容易にするために、選択的に、第1熱交換バルブポート25は、第1バッテリーバルブポート22と第2バッテリーバルブポート22’との間に位置するようにすることができる。第2熱交換バルブポート25’は第2モーターバルブポート21’の下方に位置するようにすることができる。第2側に第3バッテリーバルブポート33をさらに設けている。第3バッテリーバルブポート33と第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とは、上から下へ第2熱交換バルブポート25’の下方に順次設けられることができる。
【0070】
図1及び図6を参照して、第1熱交換枝管463は、第1熱交換排水端と第2熱交換排水端とを有することができる。第1熱交換排水端をバッテリー冷却器52の給水端と連通し、第2熱交換排水端を電気加熱器93の給水端と連通する。第2水平層枝管462は垂直方向に沿って設けられており、第2水平層枝管462は第1端が第2熱交換バルブポート25’と積層して連通し、第2水平層枝管462は第2端が第3バッテリーバルブポート33と積層して連通する。
【0071】
バルブアセンブリは、バッテリー92が電気加熱によって加熱されるとき、第1電気加熱バルブポート32と第3バッテリーバルブポート33とを、第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とを連通して、第1電気加熱バルブポート32から第3バッテリーバルブポート33と第2電気加熱バルブポート32’とに流入した比率を割り当てるために用いられる。
【0072】
具体的に、図6を参照して、第1熱交換枝管463は、給水口が第1熱交換枝管463の中部に設けられることができ、第1熱交換枝管463は、第1熱交換排水端が左下方に向かって延び、第1熱交換枝管463は、第2熱交換排水端が右上方に向かって延びる。つまり、図1及び図6を参照して、第1熱交換バルブポート25は第1熱交換枝管463と前後に対向するように連通され、第1熱交換バルブポート25から流出した伝熱媒体は、その一部はバッテリー冷却器52に入り、第2熱交換枝管464を経由して第2熱交換バルブポート25’に逆流する。その他の部分として、第1熱交換バルブポート25から出てきた伝熱媒体は、電気加熱器93に入り、第1電気加熱枝管を経由して第1電気加熱バルブポート32に流入する。電気加熱器93の加熱が循環してバッテリー92を加熱するとき、第1電気加熱バルブポート32と第2電気加熱バルブポート32’とは連通されている。伝熱媒体は、第2電気加熱バルブポート32’に流入して、第2電気加熱枝管473を経由してヒーターコア94に入り、第3電気加熱枝管474を経由して電気加熱器93に入る。
【0073】
このように、電気加熱器93は、バッテリー冷却器52と並列に連結されてバルブアセンブリの第1熱交換バルブポート25内に接続されており、第1熱交換枝管463は第2熱交換排水端が第3熱交換枝管と並列に連結されて電気加熱器93の給水端内に接続されている。
【0074】
図2及び図3を参照されたい。電気加熱器93の伝熱管路に連通する電気加熱水ポンプ63も熱管理器に集積することができる。選択的に、モジュール化した取り付けのために、電気加熱水ポンプ63を第1基体11の前表面に取り付けることができる。管路を簡素化してかつ管路間の干渉を避けるために、電気加熱水ポンプ63をバルブアセンブリの右上方に設けることができる。図6を参照して、第1熱交換枝管463の第2熱交換排水端と第3熱交換枝管とを並列に連結して電気加熱器93の給水端に接続させるために、第3電気加熱枝管474をモーター群の後側に設けている。電気加熱水ポンプ63の給水口に給水管を設けることができ、第1熱交換枝管463の第2熱交換排水端と第3熱交換枝管とを当該電気加熱水ポンプ63の給水管と連通することができ、図3に示される電気加熱入口継手475を介して電気加熱水ポンプ63の排水端を電気加熱器93と連通することができる。
【0075】
第1電気加熱枝管は、容易に配置されるように、第1部分471及び第2部分472を備え、第1部分471はモーター群の後側に位置し、第2部分472はモーター群と同じ層にあり、かつ第2部分472は第1部分471と積層して連通され、第2部分472は第1電気加熱バルブポート32と積層して連通されている。
【0076】
図1及び図4図9を引き続き参照して、第1水平層枝管461は、第1熱交換バルブポート25と制御器95の排水端とを連結するために使用され得る。水平層群は、第3水平層枝管465をさらに備えることができる。第3水平層枝管465は第1端が第1バッテリー枝管421の第1バッテリーバルブポート22から離れた一端と連通することができる。第3水平層枝管465は、制御器95がバッテリー92と並列に連結されるように、第2端が制御器95の給水端と連通され得る。
【0077】
選択的に、ケース1内に貯水エリア7をさらに設けており、貯水エリア7は、伝熱管群の上方に位置し、かつ伝熱管群に水を補給するために用いられる。具体的に、貯水エリア7内の水が高所から低所へ流動するようにするために、貯水エリア7を伝熱管群の上方に放置している。
【0078】
前述したバルブアセンブリによって実現される機能に基づいて、バルブアセンブリは、上下に配置された9方向弁2及び5方向弁3を備えることができ、9方向弁2は、第1モーターバルブポート21、第2モーターバルブポート21’、第1バッテリーバルブポート22、第2バッテリーバルブポート22’、第1放熱バルブポート23、第2放熱バルブポート23’、中継バルブポート24、第1熱交換バルブポート25、第2熱交換バルブポート25’という9つのバルブポートをそれぞれ有する。5方向弁3は、第1凝縮バルブポート31、第2凝縮バルブポート31’、第1電気加熱バルブポート32、第2電気加熱バルブポート32’、第3バッテリーバルブポート33という5つのバルブポートをそれぞれ有する。
【0079】
本願は、モーター91、バッテリー92、放熱器81、及び上記の実施例に記載の熱管理器を備える電動車両をさらに提供する
【0080】
当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。下記の実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。
【0081】
「上」、「下」などの用語は、図面における各構造の相対的な位置関係を説明するために使用され、本願が実施可能な範囲を限定するために使用されるものではなく、説明の明瞭化を容易にするためにのみ使用され、その相対的な位置関係の変更又は調整は、技術的内容に実質的な変更がない限り、本願が実施可能な範囲とみなされる。
【0082】
なお、本願では、特に明記されていない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接接触していること、または第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触していることを意味することができる。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」、及び「上」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、または単に第1特徴のレベルの高さが第2特徴よりも高いことを意味することができる。さらに、第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」、及び「下」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあるか、または単に第1特徴のレベルの高さが第2特徴よりも低いことを意味することができる。
【0083】
また、本願では、特に明記されていない限り、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」、「固定する」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、または一体化されていてもよく、直接的に連結してもよいし、中間媒介を介して間接的に連結してもよいし、2つの構成要素内部の連通又は2つの構成要素間の相互作用関係でもよい。当業者にとって、本願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0084】
本明細書の説明において、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などの用語を参照している記述は、実施形態又は例に関連して説明される具体的な特徴、構造、材料、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、または特徴は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で組み込まれることができる。
【0085】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
【0086】
本願は、2021年9月27日に中国特許局に提出した、出願番号が202111138848.7で、発明の名称が「電動車両及びその熱管理器」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【符号の説明】
【0087】
1、ケース
11、第1基体
12、第2基体
2、9方向弁
21、第1モーターバルブポート
21’、第2モーターバルブポート
22、第1バッテリーバルブポート
22’、第2バッテリーバルブポート
23、第1放熱バルブポート
23’、第2放熱バルブポート
24、中継バルブポート
25、第1熱交換バルブポート
25’、第2熱交換バルブポー
26、第1バルブアセンブリ取付点
3、5方向弁
31、第1凝縮バルブポート
31’、第2凝縮バルブポー
32、第1電気加熱バルブポート
32’、第2電気加熱バルブポー
33、第3バッテリーバルブポート
34、第2バルブアセンブリ取付点
411、第1モーター枝管
412、第2モーター枝管
413、モーター出口継手
414、モーター入口継手
421、第1バッテリー枝管
422、第2バッテリー枝管
423、バッテリー入口継手
424、バッテリー出口継手
431、第1放熱枝管
432、第2放熱枝管
433、放熱入口継手
434、放熱出口継手
44、中継管
451、第1凝縮枝管
452、第2凝縮枝管
453、第3凝縮枝管
454、第4凝縮枝管
456、第1開口
457、第2開口
461、第1水平層枝管
462、第2水平層枝管
463、第1熱交換枝管
464、第2熱交換枝管
465、第3水平層枝管
466、第1入口継手
467、第1出口継手
471、第1部分
472、第2部分
473、第2電気加熱枝管
474、第3電気加熱枝管
475、電気加熱入口継手
476、ヒーター入口継手
477、ヒーター出口継手
51、水冷式凝縮器
511、第1取付点
52、バッテリー冷却器
53、気液分離器
531、第3取付点
54、同軸管
61、モーター水ポンプ
611、モーター水ポンプ取付座
612、双方向パイプ
62、バッテリー水ポンプ
621、バッテリー水ポンプ取付座
63、電気加熱水ポンプ
631、電気加熱水ポンプ取付座
64、水ポンプ給水管
7、貯水エリア
81、放熱器
82、圧縮機
83、内部蒸発器
84、内部凝縮器
85、止め弁
86、膨張弁
91、モーター
92、バッテリー
93、電気加熱器
94、ヒーターコア
95、制御器
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースを備える電動車両の熱管理器であって、前記ケース内に複数群の伝熱管群が収容されており、各群の前記伝熱管群はいずれも2本の伝熱枝管を備え、同群の第1本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつデバイスの給水端を連結するために用いられ、同群の第2本の伝熱枝管は第1端が前記ケースを貫通するように設けられておりかつ同一の前記デバイスの排水端を連結するために用いられ、
前記ケースの前表面にバルブアセンブリが設けられており、前記バルブアセンブリに複数のバルブポートが設けられており、各前記バルブポートはいずれも少なくとも1本の前記伝熱枝管の第2端と前後に対向するように連通され、同群の2本の前記伝熱枝管はそれぞれ、異なる前記バルブポートと連通し、
前記バルブアセンブリは、熱管理器がモード切り替えを行う際、異なる前記バルブポートを選択的に連通して、異なるデバイスが配置された伝熱回路の連通と遮断を実現するために用いられる、ことを特徴とする電動車両の熱管理器。
【請求項2】
前記バルブアセンブリは第1側及び第2側を備え、前記第1側において、上下に配置された第1モーターバルブポートと第2モーターバルブポートとを設けており、前記第2側において、上下に配置された第1バッテリーバルブポートと第2バッテリーバルブポートとを設けており、
複数群の前記伝熱管群はモーター群及びバッテリーパックを備え、前記バッテリーパックは前記モーター群と同じ層に設けられており、前記モーター群は第1モーター枝管及び第2モーター枝管を備え、前記第1モーター枝管は前記第1モーターバルブポートをモーターの排水端と連通するために用いられ、前記第2モーター枝管は第2モーターバルブポートをモーターの給水端と連通するために用いられ、
前記バッテリーパックは第1バッテリー枝管及び第2バッテリー枝管を備え、前記第1バッテリー枝管は前記第1バッテリーバルブポートをバッテリーの排水端と連通するために用いられ、前記第2バッテリー枝管は第2バッテリーバルブポートをバッテリーの給水端と連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項3】
前記第1側において、上下に配置された第1放熱バルブポートと第2放熱バルブポートとをさらに設けており、2つの放熱バルブポートは2つのモーターバルブポート間に位置し、
複数群の前記伝熱管群は前記モーター群と同じ層に設けられている放熱群をさらに備え、前記放熱群は第1放熱枝管及び第2放熱枝管を備え、2本の放熱枝管は2本のモーター枝管間に位置し、前記第1放熱枝管は第1放熱バルブポートを放熱器の給水端と連通するために用いられ、前記第2放熱枝管は前記第2放熱バルブポートを放熱器の排水端と連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項4】
前記第1側において、前記第1放熱バルブポートと前記第2放熱バルブポートとの間に位置する中継バルブポートをさらに設けており、前記中継バルブポートは中継管を介して前記第2放熱バルブポートと連通され、前記中継管は前記放熱群と同じ層に設けられており、
前記バルブアセンブリは、放熱器が作動するとき、前記第1モーターバルブポートと前記第1放熱バルブポートとを連通するために用いられ、前記バルブアセンブリは、放熱器が作動しないとき、前記中継バルブポートと前記第1モーターバルブポートとを連通するためにさらに用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項5】
前記ケースの表面に水冷式凝縮器をさらに設けており、複数群の前記伝熱管群は凝縮群をさらに備え、
前記凝縮群は第1凝縮枝管を備え、前記第1凝縮枝管は、前記第1モーター枝管の後側に位置し、かつ前記第1凝縮枝管は第1端が前記水冷式凝縮器の排水端と連通され、前記第1モーターバルブポート、前記第1モーター枝管の第2端、及び前記第1凝縮枝管の第2端は、前後に対向するように順次連通し、及び/又は、
前記ケースの前表面に、前記バルブアセンブリの第1側に位置するモーター水ポンプを設けており、前記モーター水ポンプは給水端が前記第2モーター枝管と前後に対向するように連通され、前記モーター水ポンプは第1モーター水ポンプ排水端及び第2モーター水ポンプ排水端を有し、前記第1モーター水ポンプ排水端はモーターの給水端と連通するために用いられ、
前記第1側において、第1凝縮バルブポートと第2凝縮バルブポートとを設けており、前記凝縮群は、第2凝縮枝管、第3凝縮枝管、及び第4凝縮枝管を備え、前記第2凝縮枝管と前記第3凝縮枝管とは、前記モーター群と同じ層に設けられており、前記第4凝縮枝管は前記モーター群の後側に位置し、前記第2凝縮枝管は前記第1凝縮バルブポートを前記第2モーター水ポンプ排水端と連通するために用いられ、前記第2凝縮バルブポート、前記第3凝縮枝管、及び前記第4凝縮枝管は、前後に対向するように順次連通し、かつ前記第4凝縮枝管は前記水冷式凝縮器の給水端と連通され、
前記バルブアセンブリは、前記水冷式凝縮器が放熱器によって放熱するとき、前記第1凝縮バルブポートと第2凝縮バルブポートとを連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項6】
前記第2側において、第1熱交換バルブポートと第2熱交換バルブポートとをさらに設けており、
前記ケースの後表面にバッテリー冷却器を設けており、複数群の前記伝熱管群は水平層群及び熱交換群をさらに備え、前記水平層群は前記モーター群と同じ層にあり、前記水平層群は第1水平層枝管及び第2水平層枝管を備え、前記熱交換群は前記モーター群の後側に位置し、前記熱交換群は第1熱交換枝管と第2熱交換枝管とを備え、前記第1熱交換バルブポート、前記第1水平層枝管、及び前記第1熱交換枝管は、前後に対向するように順次連通され、前記第2熱交換バルブポート、前記第2水平層枝管、及び前記第2熱交換枝管は、前後に対向するように順次連通され、前記第1熱交換枝管は前記バッテリー冷却器の給水端と連通され、前記第2熱交換枝管は前記バッテリー冷却器の排水端と連通される、ことを特徴とする請求項に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項7】
前記第1水平層枝管は、前記第1熱交換バルブポートと制御器の排水端とを連通するために用いられ、前記水平層群は第3水平層枝管をさらに備え、前記第3水平層枝管は第1端が前記第1バッテリー枝管の前記第1バッテリーバルブポートから離れた一端と連通され、前記第3水平層枝管は第2端が前記制御器の給水端と連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項8】
前記第2側において、第1電気加熱バルブポート及び第2電気加熱バルブポートをさらに設けており、
複数群の前記伝熱管群は電気加熱群をさらに備え、前記電気加熱群は、第1電気加熱枝管、第2電気加熱枝管、及び第3電気加熱枝管を備え、前記第1電気加熱枝管は前記第1電気加熱バルブポートを電気加熱器排水端と連通するために用いられ、前記第2電気加熱枝管は前記第2電気加熱バルブポートをヒーターコアの給水端と連通するために用いられ、前記第3電気加熱枝管はヒーターコアの排水端と電気加熱器の給水端とを連通するために用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項9】
前記第1熱交換バルブポートは前記第1バッテリーバルブポートと前記第2バッテリーバルブポートとの間に位置し、前記第2熱交換バルブポートは前記第2モーターバルブポートの下方に位置し、前記第2側において、第3バッテリーバルブポートをさらに設けており、前記第3バッテリーバルブポート、前記第1電気加熱バルブポート、及び前記第2電気加熱バルブポートは、上から下へ前記第2熱交換バルブポートの下方に順次設けられており、
前記第1熱交換枝管は第1熱交換排水端及び第2熱交換排水端を有し、前記第1熱交換排水端は前記バッテリー冷却器の給水端と連通され、前記第2熱交換排水端は電気加熱器の給水端と連通され、前記第2水平層枝管は垂直方向に沿って設けられており、前記第2水平層枝管は第1端が前記第2熱交換バルブポートと前後に対向するように連通され、前記第2水平層枝管は第2端が前記第3バッテリーバルブポートと前後に対向するように連通され、
前記バルブアセンブリは、バッテリーが電気加熱によって加熱されるとき、前記第1電気加熱バルブポートと第3バッテリーバルブポートとを、前記第1電気加熱バルブポートと第2電気加熱バルブポートとを連通して、前記第1電気加熱バルブポートから前記第3バッテリーバルブポートと前記第2電気加熱バルブポートとに流入する比率を割り当てるために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項10】
前記第3電気加熱枝管は前記モーター群の後側に設けられており、前記ケースの前表面に電気加熱水ポンプをさらに設けており、前記第3電気加熱枝管は前記第1熱交換枝管の第2熱交換排水端と並列に連結されて前記電気加熱水ポンプの給水口に接続され、前記電気加熱水ポンプは排水口が前記電気加熱器の給水端と連通され、及び/又は、
前記第1電気加熱枝管は第1部分及び第2部分を備え、前記第1部分は、前記モーター群の後側に位置し、前記第2部分は、前記モーター群と同じ層にあり、かつ前記第2部分は前記第1部分と前後に対向するように連通され、前記第2部分は前記第1電気加熱バルブポートと前後に対向するように連通される、ことを特徴とする請求項9に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項11】
前記ケース内に貯水エリアをさらに設けており、前記貯水エリアは、前記伝熱管群の上方に位置し、かつ前記伝熱管群に水を補給するために用いられ、及び/又は、
前記ケースにおいて、気液分離器、空調管路の一部、止め弁、及び膨張弁をさらに設けている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電動車両の熱管理器。
【請求項12】
モーター、バッテリー、放熱器、及び請求項1~10のいずれか1項に記載の熱管理器を備える、ことを特徴とする電動車両。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【国際調査報告】