(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】減圧装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579173
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022069767
(87)【国際公開番号】W WO2023285608
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397070118
【氏名又は名称】ティージェイ スミス アンド ネフュー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、アダム、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー、ベンジャミン、ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルナ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マドリッツ、カミロ、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】スチュワード、ダニエル、リー
(72)【発明者】
【氏名】トムソン、リアム、ブラッドリー、ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ワード、リアーナ
(72)【発明者】
【氏名】ウィードン、フレイザー、ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA39
4C267BB06
4C267BB13
4C267BB24
4C267BB62
4C267CC06
4C267GG05
4C267GG06
4C267GG08
4C267JJ02
4C267JJ06
4C267JJ09
4C267JJ14
(57)【要約】
本明細書では、創傷被覆材内に統合された電子構成要素を有する創傷治療装置の実施形態が開示される。一部の実施形態では、創傷被覆材装置は、創傷被覆材を備え得る。創傷被覆材は、吸収材料と、陰圧源を備える電子ユニットであって、創傷被覆材内で一体化され、可撓性フィルムの一つ以上の層によって少なくとも部分的に封入された電子ユニットと、を備え得る。可撓性フィルムの層の少なくとも一つは、吸収材料と陰圧源との間の流体連通を許容するように構成された窓またはアパーチャを備え得る。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷被覆材装置であって、
創傷をカバーし、創傷上にシールを形成するように構成されたカバー層と、
電子組立品であって、
陰圧源を含む電子ユニットであって、前記陰圧源が、本体部分と、前記本体部分から延在する入口と、を備え、前記入口が、第二の端部の反対側の第一の端部を備え、前記第二の端部が、前記本体部分に取り付けられる、電子ユニット、および、
複数の可撓性フィルム層を含むハウジングであって、前記電子ユニットが、前記複数の可撓性フィルム層内に少なくとも部分的に囲い込まれ、前記複数の可撓性フィルム層が、第一の可撓性フィルム層および第二の可撓性フィルム層を含み、前記第一および第二の可撓性フィルム層が、前記第一および第二の可撓性フィルム層の各々の周囲に沿って一緒に接合されて、前記第一および第二の可撓性フィルム層の間に前記電子ユニットを少なくとも部分的に囲い込み、前記第一の可撓性フィルム層が、前記入口を受容し、前記入口の周りに密封シールを形成して、創傷滲出液が前記電子ユニット内に入るのを防止するように構成されたアパーチャを備える、ハウジング、を備える、電子組立品と、を含み、
前記カバー層が、前記電子組立品を受容するように構成された開口部を含む、創傷被覆材装置。
【請求項2】
前記入口の前記第一の端部が第一の直径を備え、前記入口の前記第二の端部が第二の直径を備える、請求項1に記載の創傷被覆材装置。
【請求項3】
前記第二の端部の前記第二の直径が、前記入口が前記第二の端部から前記第一の端部に先細りするように、前記第一の端部の前記第一の直径よりも大きい、請求項2に記載の創傷被覆材装置。
【請求項4】
近位の創傷に面する面および遠位面を含む創傷接触層であって、前記近位の創傷に面する面が、前記創傷と接触して位置付けられるように構成された創傷接触層と、
前記創傷接触層上の少なくとも一つの吸収層と、をさらに備え、
前記カバー層が、前記創傷接触層と前記少なくとも一つの吸収層とをカバーし、それらの上にシールを形成するよう構成され、
前記少なくとも一つの吸収層が、前記電子組立品を受容するように構成された凹部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の創傷被覆材装置。
【請求項5】
前記電子ユニットが、
前記陰圧源の出口上に位置付けられた出口または排気機構であって、前記陰圧源から排出される空気を排出するように構成されたベント開口部を備える、出口または排気機構と、
可撓性回路基板であって、センサ、スイッチ、通気孔、および/または、光もしくはLEDインジケータのうちの一つ以上を備える可撓性回路基板と、をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の創傷被覆材装置。
【請求項6】
前記第一の可撓性フィルム層が、前記回路基板上の前記センサと整列するように構成された第二のアパーチャを備え、前記センサが、前記陰圧源の前記入口からの圧力を測定するように構成される、請求項5に記載の創傷被覆材装置。
【請求項7】
前記第二のアパーチャと前記第一のセンサとの間に位置付けられるように構成されたフィルタをさらに備える、請求項6に記載の創傷被覆材装置。
【請求項8】
前記第一の可撓性フィルム層および前記第二の可撓性フィルム層が、防水および/または気密フィルム材料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の創傷被覆材装置。
【請求項9】
前記第一の可撓性フィルム層および前記第二の可撓性フィルム層が、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、エチレンビニルアセテート、またはポリエチレンを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の創傷被覆材装置。
【請求項10】
前記第一の可撓性フィルム層および前記第二の可撓性フィルム層が、蒸気が前記第一および第二の可撓性フィルム層を通過することを可能にするように構成された透湿性を有する材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の創傷被覆材装置。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記電子組立品用のラベルを形成する材料層を含む上部ハウジング部分をさらに備え、前記上部ハウジング部分が、第一の創傷に面する側および反対側の第二の側を備え、前記第二の可撓性フィルム層が、前記上部ハウジング部分の前記第一の側に接合される、請求項1~10のいずれか一項に記載の創傷被覆材装置。
【請求項12】
創傷被覆材装置であって、
創傷をカバーし、創傷上にシールを形成するように構成されたカバー層と、
電子組立品であって、
陰圧源を含む電子ユニット、および
ハウジングであって、
第一の創傷に面する表面および反対側の第二の表面を含む、下部可撓性フィルム層と、
第一の創傷に面する表面および反対側の第二の表面を含む上部ハウジング部分であって、前記上部ハウジング部分の前記第一の表面の周縁部に沿ったコーティングを含む、上部ハウジング部分と、を含み、
前記電子ユニットが、前記可撓性フィルム層および前記上部ハウジング部分内に少なくとも部分的に囲い込まれ、
前記可撓性フィルム層が、前記可撓性フィルム層の周縁部に沿って前記上部ハウジング部分の前記コーティングに接合されて、前記可撓性フィルム層と前記上部ハウジング部分との間に前記電子ユニットを少なくとも部分的に囲い込む、ハウジング、を含む、電子組立品と、を備え、
前記カバー層が、前記電子組立品を受容するように構成された開口部を含む、創傷被覆材装置。
【請求項13】
前記可撓性フィルム層が、熱および/または圧力を通して前記上部ハウジング部分の前記コーティングに接合される、請求項12に記載の創傷被覆材装置。
【請求項14】
排気孔と、第一の創傷に面する表面と、反対側の第二の表面と、を備える回路基板を、さらに備える、請求項12~13に記載の創傷被覆材装置。
【請求項15】
前記上部ハウジング部分の前記コーティングが、第一のコーティングを備え、前記回路基板が、前記回路基板の前記第二の表面の周縁部に沿って第二のコーティングを備え、前記第一のコーティングが、前記可撓性フィルム層の周縁部、および前記回路基板上の前記第二のコーティングに接合または封止される、請求項14に記載の創傷被覆材装置。
【請求項16】
前記上部ハウジング部分の前記コーティングが、第一のコーティングを備え、前記上部ハウジング部分が、前記上部ハウジング部分の前記第一の表面上に第二のコーティングを備え、前記第二のコーティングが、前記上部ハウジング上部の排気孔を囲み、前記回路基板が、前記回路基板の前記第二の表面上に第三のコーティングを備え、前記第三のコーティングが、前記回路基板の前記排気孔を囲み、前記上部ハウジング部分の前記第二のコーティングが、前記回路基板上の前記第三のコーティングに接合される、請求項14に記載の創傷被覆材装置。
【請求項17】
前記上部ハウジング部分の前記コーティングが、第一のコーティングを備え、前記上部ハウジング部分が、前記上部ハウジング部分の前記第一の表面上に第二のコーティングを備え、前記第二のコーティングが、前記上部ハウジング部分の排気孔を囲み、前記回路基板が、前記回路基板の前記第二の表面上に第三のコーティングを備え、前記第三のコーティングが、前記回路基板の前記排気孔を囲み、前記回路基板が、前記回路基板の前記第二の表面の周縁部に沿って第四のコーティングを備え、前記上部ハウジング部分の前記第二のコーティングが、前記回路基板上の前記第三のコーティングに接合され、前記第一のコーティングが、前記可撓性フィルム層の周縁部および前記回路基板の前記第四のコーティングに接合される、請求項14に記載の創傷被覆材装置。
【請求項18】
前記陰圧源が、本体部分と、前記本体部分から延在する入口と、を備え、前記入口が、第二の端部の反対側の第一の端部を備え、前記第二の端部が、前記本体部分に取り付けられる、請求項12~17のいずれかに記載の創傷被覆材装置。
【請求項19】
前記可撓性フィルム層が、前記入口を受容し、前記入口の周りに密封シールを形成して、創傷滲出液が前記電子ユニット内に入るのを防止するように構成されたアパーチャを備える、請求項18に記載の創傷被覆材装置。
【請求項20】
前記コーティングが、分散コーティングを含む、請求項12~19のいずれかに記載の創傷被覆材装置。
【請求項21】
前記コーティングが、ポリウレタン(PU)分散コーティングを含む、請求項12~20のいずれかに記載の創傷被覆材装置。
【請求項22】
請求項1~21のいずれかに記載の創傷被覆材装置を使用または操作する方法。
【請求項23】
上記の説明に記載された特徴のうちの一つ以上を含む、創傷被覆材装置。
【請求項24】
上記の説明に記載された一つ以上の特徴を含む、創傷被覆材装置を使用または操作する方法。
【請求項25】
上記の説明に記載された特徴のうちの一つ以上を含む、電子組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月16日に出願された、「REDUCED PRESSURE APPARATUSES AND METHODS」と題された、英国特許出願第2110240.5号に対する優先権を主張するものであり、この英国特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本開示の一部をなす。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、例えば、陰圧創傷療法と組み合わせて被覆材を使用する、創傷を治療する装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
大きすぎて自然には閉じられない、もしくはそうでなければ、創傷の部位への陰圧の適用では治癒しない、開放創または慢性創傷の治療は、当該技術分野ではよく知られている。当該技術分野において現在既知である陰圧創傷療法(「NPWT」)システムは、創傷の上に流体に対して不透過性または半透過性のカバーを配置することと、創傷を囲む患者の組織に対してカバーを封止する、様々な手段を使用することと、陰圧をカバーの真下に作り出し維持するような手法で、陰圧源(真空ポンプなど)をカバーに接続することと、を伴う。このような陰圧は、創傷部位における肉芽組織の形成を促進し、かつ人体の通常の炎症プロセスを補助しながら、同時に有害なサイトカインおよび/または細菌を含有し得る過剰な流体を除去することにより、創傷の治癒を促進すると考えられている。しかしながら、治療の便益を完全に実現するには、NPWTのさらなる改良が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、創傷治療のための装置および方法に関する。本明細書に記載の創傷治療装置のうちのいくつかは、創傷に陰圧をかけるための陰圧源またはポンプシステムを含む。また、創傷治療装置は、本明細書に記載の陰圧源およびポンプ組立品と組み合わせて使用され得る創傷被覆材を含み得る。一部の実施形態では、創傷被覆材および陰圧源が、創傷被覆材および陰圧源を同時に患者の創傷に適用する、不可欠な、または一体化した創傷被覆材構造の一部であるよう、陰圧源が創傷被覆材装置内に組み込まれる。陰圧源および/または電子構成要素は、創傷被覆材の創傷接触層とカバー層との間に位置付けられ得る。電子組立品は、一つまたは複数の可撓性フィルムによって少なくとも部分的に形成される保護筐体内に組み込むことができる。これらの、および、本明細書に記載のその他の実施形態は、陰圧源および/または電子構成要素を創傷被覆材内に組み込むことに関する特定の問題点を克服することを対象とする。
【0005】
一態様では、創傷被覆材装置が、創傷をカバーし、創傷上にシールを形成するように構成されたカバー層と、陰圧源を備える電子ユニットを備える電子組立品であって、陰圧源が、本体部分と、本体部分から延在する入口と、を備え、入口が、第二の端部の反対側の第一の端部を備え、第二の端部が、本体部分に取り付けられる、電子組立品と、複数の可撓性フィルム層を含むハウジングであって、電子ユニットが、複数の可撓性フィルム層内に少なくとも部分的に囲い込まれ、複数の可撓性フィルム層が、第一の可撓性フィルム層および第二の可撓性フィルム層を含み、第一および第二の可撓性フィルム層が、第一および第二の可撓性フィルム層の各々の周囲に沿って一緒に接合されて、第一および第二の可撓性フィルム層の間に電子ユニットを少なくとも部分的に囲い込み、第一の可撓性フィルム層が、入口を受容し、入口の周りに密封シールを形成して、創傷滲出液が電子ユニットに入るのを防止するように構成されたアパーチャを備える、ハウジングと、を備え、カバー層が、電子組立品を受容するように構成された開口部を備える。
【0006】
先行段落のいずれかの創傷被覆材装置、および/または本明細書に開示される装置、システム、もしくはデバイスのいずれかは、以下の特徴のうちの一つ以上を含み得る。入口の第一の端部は第一の直径を備えてもよく、入口の第二の端部は第二の直径を備える。第二の端部の第二の直径は、入口が第二の端部から第一の端部へと先細りするように、第一の端部の第一の直径よりも大きくてもよい。創傷被覆材装置は、創傷に面する近位面および遠位面を備える創傷接触層であって、創傷に面する近位面が創傷に接触して位置付けられるよう構成される創傷接触層と、創傷接触層の上の少なくとも一つの吸収層と、をさらに備え、カバー層が、創傷接触層および少なくとも一つの吸収層を覆ってシールを形成するよう構成され、少なくとも一つの吸収層が、電子組立品を受容するように構成された凹部を備える。電子ユニットは、陰圧源の出口上に位置付けられた出口または排気機構をさらに備えることができ、出口または排気機構が、陰圧源から排出される空気を排出するように構成されたベント開口部と、可撓性回路基板とを含み、可撓性回路基板は、センサ、スイッチ、通気孔、および/または、光またはLEDインジケータのうちの一つ以上を含む。第一の可撓性フィルム層は、回路基板上のセンサと整列するように構成された第二のアパーチャを備えてもよく、センサは、陰圧源の入口からの圧力を測定するように構成される。創傷被覆材装置は、第二のアパーチャと第一のセンサとの間に位置付けられるように構成されたフィルタをさらに備えることができる。第一の可撓性フィルム層および第二の可撓性フィルム層は、防水および/または気密フィルム材料を含むことができる。第一の可撓性フィルム層および第二の可撓性フィルム層は、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、エチレンビニルアセテート、またはポリエチレンを含み得る。第一の可撓性フィルム層および第二の可撓性フィルム層は、蒸気が第一および第二の可撓性フィルム層を通過することを可能にするように構成された透湿性を有する材料を含み得る。ハウジングは、電子組立品用のラベルを形成する材料層を含む上部ハウジング部分をさらに備えることができ、上部ハウジング部分は、第一の創傷に面する側および反対側の第二の側を備え、第二の可撓性フィルム層は、上部ハウジング部分の第一の側に接合される。
【0007】
一態様では、創傷被覆材装置が、創傷をカバーし、創傷上にシールを形成するように構成されたカバー層と、電子組立品であって、陰圧源を備える電子ユニット、およびハウジングであって、第一の創傷に面する表面および反対側の第二の表面を含む下部可撓性フィルム層と、第一の創傷に面する表面および反対側の第二の表面を含む上部ハウジング部分であって、上部ハウジング部分の第一の表面の周縁部に沿ったコーティングを備える上部ハウジング部分と、を備え、電子ユニットが、可撓性フィルム層および上部ハウジング部分内に少なくとも部分的に囲い込まれ、可撓性フィルム層が、可撓性フィルム層の周縁部に沿った上部ハウジング部分のコーティングに接合されて、可撓性フィルム層と上部ハウジング部分との間に電子ユニットを少なくとも部分的に囲い込む、ハウジング、を備える電子組立品と、を備え、カバー層が、電子組立品を受容するように構成された開口部を備える。
【0008】
先行段落のいずれかの創傷被覆材装置、および/または本明細書に開示される装置、システム、もしくはデバイスのいずれかは、以下の特徴のうちの一つ以上を含み得る。可撓性フィルム層は、熱および/または圧力を通して上部ハウジング部分のコーティングに接合され得る。創傷被覆材装置は、排気孔と、第一の創傷に面する表面と、反対側の第二の表面と、を備える回路基板をさらに備え得る。上部ハウジング部分のコーティングは、第一のコーティングを備えることができ、回路基板は、回路基板の第二の表面の周縁部に沿った第二のコーティングを備え、第一のコーティングは可撓性フィルム層の周縁部、および回路基板上の第二のコーティングに接合または封止される。上部ハウジング部分のコーティングは、第一のコーティングを備えることができ、上部ハウジング部分が、上部ハウジング部分の第一の表面上に第二のコーティングを備え、第二のコーティングが、上部ハウジング上部の排気孔を囲み、回路基板が、回路基板の第二の表面上に第三のコーティングを備え、第三のコーティングが、回路基板の排気孔を囲み、上部ハウジング部分の第二のコーティングが、回路基板上の第三のコーティングに接合される。上部ハウジング部分のコーティングは、第一のコーティングを備えることができ、上部ハウジング部分が、上部ハウジング部分の第一の表面上に第二のコーティングを備え、第二のコーティングが、上部ハウジング部分の排気孔を囲み、回路基板が、回路基板の第二の表面上に第三のコーティングを備え、第三のコーティングが、回路基板の排気孔を囲み、回路基板が、回路基板の第二の表面の周縁部に沿って第四のコーティングを備え、上部ハウジング部分の第二のコーティングが、回路基板上の第三のコーティングに接合され、第一のコーティングが可撓性フィルム層の周縁部と回路基板の第四のコーティングとに接合される。陰圧源は、本体部分と、本体部分から延在する入口とを備え得、入口は、第二の端部の反対側の第一の端部を備え、第二の端部は、本体部分に取り付けられる。可撓性フィルム層は、入口を受容し、入口の周りに密封シールを形成して、創傷滲出液が電子ユニットに入るのを防止するように構成されたアパーチャを備え得る。コーティングは、分散コーティングを含み得る。コーティングは、ポリウレタン(PU)分散コーティングを含み得る。
【0009】
以下に開示されるポンプの実施形態のいずれも、および、陰圧創傷療法の実施形態のいずれも含むがこれらに限定されない、本出願に開示された配置または実施形態のいずれかの特徴、構成要素、または詳細のいずれも、新しい配置および実施形態を形成するよう本明細書に開示された配置または実施形態のいずれかのその他の特徴、構成要素、または詳細のいずれとも相互に組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1A、
図1B、および
図1Cは、陰圧源を組み込んだ創傷被覆材および/または創傷被覆材内の他の電子構成要素を図示する。
【0011】
【0012】
【
図3】
図3は、ハウジング内に電子ユニットを囲い込む電子組立品の分解斜視図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【
図5A】
図5Aは、創傷被覆材層内に電子組立品を組み込んだ創傷被覆材の分解図である。
【0016】
【
図5B】
図5Bは、被覆材内に電子組立品を組み込んだ創傷被覆材の材料層の断面レイアウトを図示する。
【0017】
【
図6】
図6は、ハウジング内に電子ユニットを囲い込む電子組立品の別の構成の分解斜視図である。
【0018】
【
図7A】
図7Aは、
図6に示す電子組立品の可撓性フィルム層およびフィルタの分解斜視図である。
【0019】
【
図7B】
図7Bは、
図7Aに示す電子組立品の可撓性フィルム層およびフィルタの斜視図である。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【
図9E】
図9Eは、ラベルが部分的に取り除かれた、
図6に示す電子組立品の上面斜視図である。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【
図18】
図18は、ハウジング内に電子ユニットを囲い込む電子組立品の別の構成の分解斜視図である。
【0041】
【
図19】
図19は、電子組立品と共に使用できるラベルの例を図示する。
【0042】
【0043】
【0044】
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書に開示された実施形態は、陰圧源および創傷被覆材構成要素および装置を含む、減圧によって創傷を治療する装置および方法に関する。創傷オーバーレイ、裏打ち層、カバー層、ドレープ、封止層、スペーサ層、吸収層、透過層、創傷接触層、包装材料、充填剤、および/または流体コネクタを含むが、これらに限定されない、これらの装置および構成要素は、本明細書では、集合的に被覆材と称されることがある。
【0046】
本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。創傷という用語は、広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。したがって、創傷は、流体が生成されるか、またはされない場合がある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。このような創傷の例としては、腹部創傷、あるいは手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、または他の条件のいずれかの結果としての他の大規模なもしくは切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、圧迫潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本開示の実施形態は、概して、NPWTまたは局所陰圧(「TNP」)療法システムにおける使用に適用可能であることが理解されよう。手短に言えば、陰圧創傷療法は、組織の浮腫を低減させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを支援し、細菌負荷(および、したがって感染リスク)を低減させ得る。加えて、この療法により、創傷の障害を少なくし、より迅速な治癒につなげることができる。TNP治療システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援し得る。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片およびフラップにおいて見出すことができる。
【0048】
本明細書で使用される場合、-XmmHgなどの減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psi、1013.25mbarなど)に対応することができる、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。加えて、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低い)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、気圧からより離れた圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高い)。
【0049】
一部の事例では、局所的な周囲気圧は、基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。陰圧範囲は、およそ-80mmHg、または約-20mmHg~-200mmHgであり得る。これらの圧力は、760mmHgであり得る、平常の周囲気圧に対して相対的であることには留意されたい。したがって、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。一部の事例では、圧力範囲は、約-40mmHg~-150mmHgであり得る。代替的に、-75mmHg以下、-80mmHg以下、または-80mmHg超の圧力範囲を使用することができる。また、一部の事例では、-75mmHgを下回る圧力範囲も使用することができる。代替的に、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲を、陰圧装置により供給することができる。
創傷被覆材
【0050】
陰圧源(ポンプ等)および、電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(例えばボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン)などといった、TNPシステムのいくつかまたは全ての他の構成要素は、創傷被覆材と一体になり得る。
【0051】
材料層は、創傷接触層、一つ以上の吸収層、一つ以上の透過層またはスペーサ層、および一つ以上の吸収層および透過層またはスペーサ層をカバーする裏当て層またはカバー層を含むことができる。創傷被覆材は、創傷の上に配置し、ポンプおよび/または創傷被覆材内のカバー層の下に含まれる他の電子構成要素で創傷に封止することができる。
【0052】
被覆材は、全ての創傷被覆材要素(ポンプを含む)が事前取り付けされ、単一のユニットに一体化された、単一の物品として提供することができる。創傷接触層の周辺は、
図1A、
図1B、および
図1Cに図示するように、全ての創傷被覆材要素を囲い込むカバー層の周辺に取り付けられ得る。
【0053】
ポンプおよび/または他の電子構成要素が依然として、患者に適用される単一の物品の一部であるように、ポンプおよび/または他の電子構成要素は、吸収層および/または透過層に隣接して、またはそれらの隣に位置付けられるよう構成することができる。ポンプおよび/または他の電子機器は、創傷部位から離れて位置付けることができる。
【0054】
本明細書に開示される特定の特徴は、ポンプおよび/または他の電子構成要素が、創傷被覆材内に、またはその上に位置付けられる、陰圧創傷療法システムの動作を制御するためのシステムおよび方法に関連するものとして記載され得るが、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、任意の陰圧創傷療法システムまたは任意の医療機器に適用可能である。
【0055】
図1A、
図1B、および
図1Cは、陰圧源を組み込んだ創傷被覆材および/または創傷被覆材内の他の電子構成要素を図示する。
図1A、
図1B、および
図1Cは、ポンプおよび/または他の電子機器が創傷部位から離れて位置付けられた創傷被覆材100を図示する。創傷被覆材は、電子機器エリア161と、吸収エリア160と、を含むことができる。被覆材は、創傷接触層110(
図1Aおよび
図1Bには図示せず)、ならびに接触層および他の被覆材の層の上に位置付けられた水蒸気透過性フィルム、カバー層または裏当て層113を備えることができる。創傷被覆材層、ならびに電子機器エリアおよび吸収エリアの構成要素は、
図1A、
図1Bおよび
図1Cに示されるように、一つの連続したカバー層113によってカバーすることができる。
【0056】
多孔質材料の層111は、創傷接触層110の上方に位置することができる。本明細書で使用される際、多孔質材料、スペーサ、および/または、透過層という用語は、被覆材内で、創傷エリア全体において陰圧を分配するよう構成された材料の層を指すために交換可能に使用することができる。この多孔質層または透過層111により、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。特に、透過層111は、好ましくは、吸収層が相当量の滲出液を吸収しても創傷エリアの上に陰圧を伝達するように、外気チャネル(open air channel)を維持することができることを確実にする。層111は、好ましくは、上述の通り、陰圧創傷療法時に適用されることになる通常の圧力の下で開放されたままになるべきであり、それによって、創傷部位全体が等しい陰圧を受ける。層111は、三次元構造を有する材料から形成され得る。例えば、編みもしくは織りスペーサ布(例えば、Baltex 7970の横編ポリエステル)、または不織布が使用され得る。
【0057】
さらに、創傷から吸引された滲出液を吸収および保持するための一つ以上の吸収層(層122、151など)を利用することができる。超吸収性材は、吸収層122、151に使用することができる。吸収材料の一つ以上の層122、151は、透過層111の上方に提供され得る。使用中、吸収層の各々は陰圧を経験するため、このような状況下で液体を吸収するように、吸収層の材料を選ぶことができる。吸収層122、151は、超吸収性粉末、セルロースなどの繊維材料、および結合繊維を含む複合材を含み得る。複合材は、エアレイドの、熱的に接合された複合材とすることができる。
【0058】
電子機器エリア161は、陰圧源(ポンプ等)および、電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(例えばボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン)などといった、創傷被覆材と一体になり得るTNPシステムのいくつかまたは全てのその他の構成要素を含み得る。例えば、電子機器エリア161は、ボタンまたはスイッチを含むことができる(プルタブによってカバーされるように、
図1Aおよび
図1Bに示される)。ボタンまたはスイッチはポンプを動作させるために使用され得る(ポンプオン、オフなど)。
【0059】
被覆材の電子機器エリア161は、透過もしくはスペーサ材料および/または吸収材料の一つ以上の層を備えることができ、電子構成要素は、透過もしくはスペーサ材料および/または吸収材料の一つ以上の層内に埋め込むことができる。透過材料または吸収材料の層は、崩壊を防止するための構造を提供しつつ、電子構成要素を内部に埋め込むための凹部または切り欠き部を有することができる。
図1Cに示されるように、凹部128および129は、それぞれ、吸収層151および122に提供することができる。
【0060】
本明細書で使用される場合、上部層、最上層、または上方の層とは、被覆材が使用中で、創傷の上に位置付けられている間、皮膚または創傷の表面から最も遠い層を指す。したがって、下面、下部層、最下層、または下方の層とは、被覆材が使用中で、創傷の上に位置付けられている間、皮膚または創傷の表面に最も近い層を指す。さらに、層は、皮膚または創傷に最も近い層の側面または表面を指す近位の創傷に面する面と、皮膚または創傷から最も遠い層の側面または表面を指す遠位面とを有することができる。
【0061】
カバー層は、吸収層122内のアパーチャ128の少なくとも一部分の上に位置付けられて、下に位置付けられた吸収層122および151、透過層111、ならびに創傷接触層110の少なくとも一部分へのアクセスおよび流体連通を可能にする切り欠き部172を含み得る。以下に説明されるような電子組立品は、第一および第二の吸収材料151および122ならびにカバー層113のアパーチャ128、129、および172内に位置付けられ得る。電子組立品は、
図3および
図4Aならびに
図4Bを参照して説明されるように、ポンプ、電源、およびプリント回路基板を含むことができる。
【0062】
使用前に、被覆材は、創傷接触層の底面に接着された一つ以上の送達層146を含むことができる。送達層146は、創傷接触層110の底面上の接着剤またはアパーチャをカバーすることができる。送達層146は、被覆材に支持を提供することができ、滅菌および患者の創傷および皮膚の上に被覆材を適切に配置することを補助することができる。送達層146は、被覆材を患者の創傷および皮膚に適用する前に、ユーザが送達層146を創傷接触層110から分離するために使用することができるハンドルを含むことができる。
【0063】
創傷被覆材内に組み込まれた電子組立品
図2Aおよび
図2Bは、創傷被覆材内に組み込まれることのできる電子ユニット267を図示する。
図2Aは、電子ユニットの上面図を図示する。
図2Bは、電子ユニットの底面または創傷に面する表面を図示する。電子ユニット267は、ポンプ272およびバッテリなどの一つ以上の電源268を含むことができる。電子ユニット267は、ポンプ272および/または電源268と電気的に通信するように構成された回路基板276を含むことができる。回路基板276は、可撓性または実質的に可撓性とすることができる。
【0064】
図2Aに示されるように、電子ユニット267は、ユニットの上面上に単一のボタンまたはスイッチ265を含むことができる。単一のボタンまたはスイッチ265を、オン/オフボタンまたはスイッチとして使用して、ポンプおよび/または電子構成要素の操作を停止および開始することができる。電子ユニット267はまた、ポンプから排気された空気を排出するための一つ以上の通気孔または排気アパーチャ264を回路基板276上に含むことができる。
図2Bに示されるように、ポンプ出口排気機構274(ポンプ排気機構またはポンプ出口機構と称される場合もある)をポンプ272の出口に取り付けることができる。
【0065】
電子ユニット267は、
図2Bに示されるように、吸収エリアに最も近い電子ユニットの部分上に位置付けられ、ポンプ272の入口と整列されたポンプ入口保護機構280を含むことができる。ポンプ入口保護機構280は、ポンプ入口と被覆材の吸収エリアまたは吸収層との間に位置付けられる。ポンプ入口保護機構280(または、開示される入口保護機構のいずれか)は、流体がポンプ272に入るのを防止するために、疎水性材料を含むことができる。ポンプ入口保護機構280(または本明細書に開示される入口保護機構のいずれか)は、フィルタを含むことができる。
【0066】
電子ユニット267の上面は、ポンプの状態および/または被覆材内の圧力レベルを示すための一つ以上のインジケータ266を含むことができる。インジケータは、小さい発光ダイオード(LED)またはインジケータ上の被覆材構成要素または被覆材構成要素の貫通孔を通して見える他の光源とすることができる。インジケータは、緑、黄、赤、橙、または任意の他の色とすることができる。例えば、一つの緑の灯および一つの橙の灯の二つの灯があり得る。緑の灯は、デバイスが適切に動いていることを示すことができ、橙の灯は、ポンプに何らかの問題があること(例えば、漏れ、被覆材の飽和レベル、ポンプ下流の遮断、排気の遮断、バッテリ残量の低下など)を示すことができる。
【0067】
電源268は、回路基板276と電気的に通信することができる。一つ以上の電源接続が、回路基板276の表面に接続される。回路基板276は、中に組み込まれた他の電子機器を有することができる。例えば、回路基板276は、一つ以上の圧力センサ、温度センサ、光学センサおよび/もしくはカメラ、ならびに/または飽和インジケータを含むが、これらに限定されない、様々なセンサをサポートし得る。
【0068】
図3は、ハウジング内に電子ユニット303を囲い込む電子組立品300を図示する。
図3に図示されるように、電子組立品300のハウジングは、中に電子ユニット303を囲い込むプレート301および可撓性フィルム302を含むことができる。電子ユニット303は、ポンプ305、入口保護機構310、ポンプ排気機構306、電源307、および回路基板309を含むことができる。回路基板309は、可撓性または実質的に可撓性とすることができる。
【0069】
図示されるように、ポンプ排気機構306は、チャンバなどの筐体とすることができる。電子ユニット303およびポンプ305は、入口保護機構310なしで使用することができる。しかしながら、ポンプ排気機構306およびポンプ305は、拡張されたケーシング316内に着座することができる。
【0070】
可撓性フィルム302は、プレート301に取り付けられて、電子構成要素の周りに流体密封シールおよび筐体を形成することができる。可撓性フィルム302は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、プレートの周縁部でプレートに取り付けられ得る。
【0071】
可撓性フィルム302は、アパーチャ311を含むことができる。アパーチャ311は、入口保護機構310が創傷被覆材の吸収層および/または透過層と流体連通することを可能にすることができる。可撓性フィルム303のアパーチャ311の周縁部は、入口保護機構310に封止されるか、または入口保護機構310に取り付けられて、入口保護機構310の周りに流体密封シールおよび筐体を形成することができ、電子構成要素303を被覆材内の流体から保護されたままにすることができる。可撓性フィルム302は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、入口保護機構310の周縁部において入口保護機構310に取り付けられ得る。入口保護機構310は、創傷からの、および創傷被覆材の吸収エリア160内に収集された創傷滲出液または液体が、電子組立品300のポンプおよび/または電子構成要素に入ることを防止することができる。
【0072】
図3に図示される電子組立品300は、本明細書に記載のように、被覆材が患者の体に適用されると、被覆材内からの空気が入口保護機構310を通過して、ケーシング316および回路基板309のアパーチャと連通するポンプ排気機構306に向かってポンプ圧送されることができるように、創傷被覆材内に組み込むことができる。
【0073】
図4Aおよび
図4Bは、
図3を参照した説明と同様に、可撓性フィルム402の外部に封止されたポンプ入口保護機構410を含む電子組立品400を図示する。排気機構306と同様とすることができる排気機構406も示されている。
【0074】
図4Aは、電子組立品400の創傷に面する下面を示す。
図4Bは、電子組立品400のプレート401(患者またはユーザに面することができる)の上面を示す。プレート401の上面は、オン/オフスイッチもしくはボタンカバー443(プルタブとして示されている)、インジケータ444、および/または一つ以上の通気孔442を含むことができる。プルタブ443の取り外しは、電源から電子組立品への電力の提供など、電子組立品400の起動を引き起こす可能性がある。プルタブ443の動作のさらなる詳細は、2018年10月30日に出願された、「SAFE OPERTATION OF INTEGRATED NEGATIVE PRESSURE WOUND TREATMENT APPARATUSES」と題された、PCT国際出願第PCT/EP2018/079745号に記述されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
フィルム402から延在し、フィルム402に封止されているポンプ入口保護機構410を有する電子組立品400は、
図1Cに示されように、カバー層113および吸収層(122、151)のアパーチャ172内に位置付けられ得る。電子組立品400の周縁部は、
図1Cに示され、本明細書において
図5Aおよび
図5Bを参照してより詳細に説明されるように、カバー層113のアパーチャ172の外周の上部表面に封止することができる。電子組立品400は、シーラントガスケット、接着剤、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術を用いてカバー層113に封止することができる。電子組立品400は、カバー層113に永久的に封止することができ、被覆材を破壊することなくカバー層から取り外すことができない。
【0076】
電子組立品400は、単一の被覆材で利用され、被覆材とともに廃棄することができる。一部の事例では、電子組立品400は、一連の被覆材で利用することができる。
【0077】
図5Aは、電子組立品500を、創傷被覆材層590内に組み込んだ、
図1Cの一つなどの、創傷被覆材を示す。
図5Bは、
図5Aの電子組立品を組み込む創傷被覆材の断面を図示する。電子組立品500は、カバー層内のアパーチャ172、ならびに第一および第二の吸収層122、151のアパーチャ129および128内に提供することができる。電子組立品500は、カバー層のアパーチャ172の外周に封止することができる。被覆材は、創傷接触層110、および被覆材の接触層110と他の層との上に位置付けられた水蒸気透過性フィルム、カバー層または裏当て層113を備えることができる。多孔質材料の層111は、創傷接触層110の上方に位置することができる。本明細書で使用される際、多孔質材料、スペーサ、および/または、透過層という用語は、被覆材内で、創傷エリア全体において陰圧を分配するよう構成された材料の層を指すために交換可能に使用することができる。この多孔質層または透過層111により、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。さらに、創傷から吸引された滲出液を吸収および保留するための一つ以上の吸収層(層122、151など)を利用することができる。吸収材料の一つ以上の層122、151は、透過層111の上方に提供され得る。小さいアパーチャの吸収層151および大きいアパーチャの吸収層122があり得る。小さいアパーチャの吸収層151は、大きいアパーチャの吸収層122の上に位置付けることができる。一部の事例では、小さいアパーチャの吸収層151は、大きいアパーチャの吸収層122の下方に位置付けることができる。使用前に、被覆材は、創傷接触層の底面に接着された一つ以上の送達層146を含むことができる。送達層146は、創傷接触層110の底面上の接着剤またはアパーチャをカバーすることができる。
【0078】
図6は、
図3、
図4A、
図4B、
図5A、および
図5Bに図示され、かつそれらに関連して説明される電子組立品300、400、500の構成と類似した電子組立品600の別の構成を図示する。同じまたは実質的に同じ特徴の参照番号は、同じ最後の二桁を共有してもよい。一部の構成では、電子組立品600の電子ユニット603は、
図2Aおよび
図2Bに図示され、かつそれらに関連して説明される電子ユニット267の構成と類似し得る。
【0079】
電子組立品600は、ハウジング内に少なくとも部分的に囲い込まれた電子ユニット603を含み得る。例えば、ハウジングは、複数の可撓性フィルム層602a、602bを含み得る。図示した構成では、複数の可撓性フィルム層602a、602bは、第一または底部可撓性フィルム層602aおよび第二または上部可撓性フィルム層602bを含む。第一および第二の可撓性フィルム層602a、602bは、電子構成要素の周りに流体密封シールおよび筐体を形成するように取り付けられ得る。例えば、可撓性フィルム層602a、602bは、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、可撓性フィルム層602a、602bの周縁部で取り付けられ得る。複数の可撓性フィルム層602a、602bは、ポリウレタンなどのポリマー材料、紙材料、または任意の他の好適な材料を含み得る。一部の事例では、可撓性フィルム層602a、602bは、防水および/または気密フィルム材料であり得る。一部の事例では、可撓性フィルム層602a、602bは、ポリウレタン材料(熱可塑性ポリウレタンなど)、ポリエステル、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、および/または任意の他の好適な材料で作製され得る。有利なことに、複数の可撓性フィルム層602a、602bは、使用時に電子ユニット603を保護しながら、被覆材を可撓性かつ適合可能にし得る。一部の構成では、複数の可撓性フィルム層602a、602bは、複数の可撓性フィルム層602a、602b内の容積の凝縮を防止するように構成され得る。例えば、複数の可撓性フィルム層602a、602bは、蒸気が複数の可撓性フィルム層602a、602bを通過するように、透湿性評価(MVP)を有する材料を含み得る。
【0080】
電子組立品のハウジングはまた、上部ハウジング部分またはラベル601を含み得る。上部ハウジング部分は、電子組立品用のラベルを形成する材料層を含み得る。本明細書で使用される場合、ラベルまたはプレート(ラベル601およびプレート301、401など)という用語は、上部ハウジング部分と交換可能に使用することができ、ラベルおよびプレートという用語は、被覆材内の電子組立品が創傷の上に位置付けられたときに、創傷から最も遠い最上部構成要素、または層もしくは構成要素を提供する上部ハウジング部分を形成する電子組立品の同一または類似の部分を指す。
図6の分解斜視図に示すように、上部ハウジング部分またはラベル601は、印、窓、エンボス加工が施された特徴、またはユーザに情報を通信する、もしくはユーザが電子組立品の電子機器と通信することを可能にするユーザインターフェースまたはその他の特徴を提供する任意の他の構成要素を含み得る。
【0081】
図7Aおよび
図7Bに示すように、第一の可撓性フィルム層602aは、一つ以上のアパーチャ611a、611bを含み得る。図示した構成では、一つ以上のアパーチャ611a、611bは、第一のアパーチャ611aおよび第二のアパーチャ611bを含む。第一のアパーチャ611aは、ポンプ605が創傷被覆材の吸収層および/または透過層と流体連通することを可能にすることができる。例えば、ポンプ605は、
図6に示すように、本体部分605a、および本体部分605aから延在する入口605bを含み得る。入口605bは、入口605bが第一の可撓性フィルム層602aの外部にあり得るように、第一のアパーチャ611aを通って延在してもよく、一方、本体部分605aは、第一および第二の可撓性フィルム層602a、602b内に囲い込まれ得る。一部の構成では、入口605bは、本体部分605aからノズル605bの端部まで先細りにすることができるノズル605bを含み得る。例えば、本体部分605aに隣接するノズル605bの部分(すなわち、ノズル605bの基部部分)は、ノズル605bの端部よりも大きな直径を有し得る。第一のアパーチャ611aは、ノズル605bの周りに密封および/または流体密封シールを形成して、創傷滲出液が第一および第二の可撓性フィルム層602a、602b内の容積に入るのを防止するように構成され得る。例えば、
図7Aおよび
図7Bに示すように、第一のアパーチャ611aは、第一のアパーチャ611aが伸張してノズル605bの周りにシールを形成するように、ノズル605bの基部部分のより大きな直径よりも小さい直径を含み得る。このシールは、被覆材内の電子ユニット603流体を保護し得る。
【0082】
一部の構成では、第二のアパーチャ611bは、電子組立品600が被覆材と組み立てられるときに、入口605bの上方に(すなわち、創傷床からより遠くに、または創傷床と反対側に)位置付けられ得る。回路基板609は、一つ以上の圧力センサ、温度センサ、光学センサおよび/もしくはカメラ、ならびに/または飽和インジケータを含むが、これらに限定されない、様々なセンサを支持し得る。例えば、
図6に示すように、回路基板609は、圧力センサ609aを含み得る。第二のアパーチャ611bは、圧力センサ609aが使用時に入口605bからの圧力を測定することができるように、圧力センサ609aと整列することができる。一部の構成では、電子ユニット604は、第一の圧力センサ609aおよび第二の圧力センサ(図示せず)を含み得る。この代替的な構成では、第二の圧力センサは、第一の可撓性フィルム層602aの外側に位置付けられ、創傷部位での圧力を測定するように構成され得る。
図6、
図7A、および
図7Bに示すように、一部の構成では、フィルタ613は、第二のアパーチャ611bと圧力センサ609aとの間に位置付けられ得る。例えば、フィルタ613は、第一の可撓性フィルム層602aに接着され得る。他の構成では、第二のアパーチャ611bは、フィルタ613を受容するように構成され得る。フィルタ613は、粒子、創傷滲出液、および/または流体が圧力センサ609aと接触するのを防止するように構成され得る。
【0083】
入口保護機構610は、創傷からの、および創傷被覆材の吸収エリア内に収集された創傷滲出液または液体が、電子組立品600のポンプ605および/または電子ユニット603に入ることを防止することができる。ポンプ入口保護機構610は、流体がポンプ605に入るのを防止するために、疎水性材料を含むことができる。一部の構成では、入口保護機構610は、入口605bに取り外し可能に結合することができる。例えば、入口保護機構610は、機械的嵌合(例えば、押し込み嵌合、摩擦嵌合)を介して入口605bに結合することができる。入口保護機構610は、機械的嵌合を介して、接着剤なしで、入口605b上に流体密封シールを形成するように構成され得る。他の実施形態では、入口保護機構は、入口605bに接着され得るか、または取り付けられ得る。例えば、入口保護機構は、グルーまたは他の接着剤で入口605bに接着され得る。入口保護機構610は、接着剤(両面接着剤、ホットメルト接着剤、スクリーン印刷接着剤、またはグルー)を含むがこれらに限定されない他の機構を介して、第一の可撓性フィルム層602aおよび/またはポンプ605に固定され得る。入口保護機構610は、入口保護機構610が入口605bに結合されたときに、第一および第二の可撓性フィルム層602a、602b内の容積の外部に位置付けられ得る。一部の構成では、入口保護機構610は、入口保護機構610が入口605bに結合されたときに、アパーチャ611bおよび/またはフィルタ613を囲い込むことができる。
【0084】
図8Aおよび
図8Bは、
図3、
図4Aおよび
図6に図示され、かつそれらに関連して説明される入口保護機構310、410、610の構成と類似した入口保護機構710の別の構成を図示する。同じまたは実質的に同じ特徴の参照番号は、同じ最後の二桁を共有してもよい。入口保護機構710は、第一の部分710aおよび第二の部分710bを含み得る。第一の部分710aは、内側フィルタ要素710aを含み得る。第二の部分710bは、外側キャップ710bを含み得る。図示した構成では、内側フィルタ要素710aは、第一の可撓性フィルム層602aの第二のアパーチャ611bの上に位置付けられ得、ポンプ605に取り付けられ得る。外側キャップ710bは、内側フィルタ要素710aの上に位置付けられ得る。外側キャップ710bは、接着剤(例えば、両面接着剤、ホットメルト接着剤、スクリーン印刷接着剤、またはグルー)を介して第一の可撓性フィルム層602aに固定され得る。外側キャップ710bは、内側フィルタ要素710aとは異なる一つまたは複数の材料からなることができる。例えば、内側フィルタ要素710aは、接着剤が内側フィルタ要素710aに接着しない場合があってもよいように、疎水性材料を含んでもよい。したがって、外側キャップ710bは、第一の可撓性フィルム層602aに接着するように構成された一つまたは複数の材料を含み得る。接着剤に接着することができる材料から外側キャップ710bを作製することによって、外側キャップ710bは、内側フィルタ要素710aをポンプ605に固定するように構成され得、第一の可撓性フィルム層602aは、流体密封シールが外側キャップ720bの周りに形成され、流体が電子組立品600に入ることを防止するように、外側キャップ720bに接着され得る。
【0085】
図6に示すように、電子組立品600は、コンフォーマルコーティング604、シム620(
図9A、
図9B、
図9C、
図9D、
図9E、
図9F、
図9G、および
図9Hを参照して以下でさらに説明される)、ボタン622、複数のガスケット614、618、624を含み得る。コンフォーマルコーティング604は、複数の可撓性フィルム層602a、602b内に位置付けられてもよく、一つ以上の電源607、ポンプ排気機構606、および/またはポンプ605を受容するように構成された複数の開口部を備え得る。コンフォーマルコーティング604は、電子組立品600の他の構成要素に機械的支持を提供し、一つ以上の電源607、ポンプ排気機構606、および/またはポンプ605を定位置に保持するように構成され得る。一部の構成では、コンフォーマルコーティング604は、適合する、ヒートシンクとして作用する、および/または耐湿性であるように構成され得る。一部の構成では、コンフォーマルコーティング604は、回路基板609の周縁部全体をカバーすることができる。一部の構成では、コンフォーマルコーティング604は、コンフォーマルコーティング604の外縁に沿ってより厚くなって、空気および/または液体の侵入を防止または低減することができる。
図6に示すように、ボタン622は、オン/オフボタンまたはスイッチとして使用され、ポンプ605および/または電子ユニット603の動作を停止および開始し得る。
図11に示すように、ボタン622は、ユーザがボタン622を押すことによって電子ユニット603を起動できるように、第二の可撓性フィルム層602bおよび/またはラベルガスケット624の一つまたはアパーチャによって受容され得る。
【0086】
図6に示すように、複数のガスケット614、618、624は、ポンプ排気ガスケット614、一つ以上の電源ガスケット618、および/またはラベルガスケット624を含み得る。ガスケット614、618、624は、両面接着剤であり得る。複数のガスケット614、618、624は、電子組立品600の異なる構成要素を回路基板609に固定するように構成され得る。例えば、ポンプ排気ガスケット614は、ポンプ排気機構606を回路基板609に接着するように構成され得る。一つ以上の電源ガスケット618は、一つ以上の電源607を回路基板609に接着するように構成され得る。ラベルガスケット624は、第二の可撓性フィルム層602bを回路基板609に接着するように構成され得る。
【0087】
図9A、
図9B、
図9C、
図9D、および
図9Eは、ラベル601、第二の可撓性フィルム層602b、シム620、ラベルガスケット624、およびオン/オフスイッチまたはボタンカバー643(プルタブとして示される)の異なる図を示す。
図9Aは、ラベル601、第二の可撓性フィルム層602b、ラベルガスケット624、およびプルタブ643の拡大図を示す。
図9Bは、ラベル601、第二の可撓性フィルム層602b、ラベルガスケット624、およびプルタブ643を、組み立てられた形態で図示する。一部の構成では、ラベル601は、熱接着、両面接着剤、PU分散体および熱接着、ホットメルト接着剤、スクリーン印刷接着剤、ラベルアートワークに用いられるインクに混合された接着剤もしくはポリマー分散体、または任意の好適な方法によって、第二の可撓性フィルム層602bに接合され得る。一部の構成では、ラベル601は、第二の可撓性フィルム層602bとラベル601との間の接合を強化するための表面添加剤を含み得る。例えば、ラベル601および第二の可撓性フィルム層602bに対して熱を加える前に、ラベル601をプラズマ(例えば、酸素または大気)で処理することによって、ラベル601の下面全体を第二の可撓性フィルム層602bに接合することができる。有利なことに、ラベル601のプラズマ処理は、ラベル601と第二の可撓性フィルム層602bとの間の接合の接合強度を増加させ得る。
【0088】
図9Cおよび
図9Dはそれぞれ、ラベル601、第二の可撓性フィルム層602b、シム620、およびラベルガスケット624の組立品とは別個のプルタブ643の底面図および上面図を図示する。プルタブ643は、ユーザインターフェース部分643aおよび起動部分643bを含み得る。例えば、プルタブ643がユーザインターフェース部分643aを介して引かれると、起動部分643bが回路基板609に対して押され、それによって電子組立品600を起動することができる。一部の構成では、プルタブ643は、プルタブ643が引かれた後に、シム620がプルタブ643の起動部分643bを回路基板609に対して押すことができるように、シム620と回路基板609との間に位置付けられ得る。例えば、シム620は、プルタブ643が引かれた後に、プルタブ643の起動部分643bが回路基板609に接触することを確実にし得る。一部の構成では、シム620は、第二の可撓性フィルム層602bおよびラベルガスケット624と同じまたは類似の厚さであり得る。例えば、シム620は、第二の可撓性フィルム層602bおよび/またはラベルガスケット624と同じ材料を含み得る。
【0089】
図10は、
図9A、
図9B、
図9C、
図9D、および
図9Eに図示され、かつそれらに関連して説明されるラベル601の構成と類似したラベル1101の別の構成を図示する。同じまたは実質的に同じ特徴の参照番号は、同じ最後の二桁を共有してもよい。ラベル1101は、少なくとも一つのエンボス加工された部分1101aを含み得る。エンボス加工された部分1101aは、電子組立品600の内部に向かって(例えば、第二の可撓性フィルム層601bに向かって)延在し得る。エンボス加工された部分1101aは、プルタブ643が引かれた後に、プルタブ643の起動部分643bを回路基板609に対して押すように構成され得る。例えば、エンボス加工された部分1101aは、プルタブ643が引かれた後に、プルタブ643の起動部分643bが回路基板609に接触することを確実にし得る。
【0090】
図11に示すように、電子組立品600は、一つ以上のインジケータ644を含む。一つ以上のインジケータ644は、本明細書に記載されるインジケータ266、444のいずれかと同一または類似であり得る。前述のように、一つ以上のインジケータ644は、電子ユニット603の上面上に位置付けられ得る。例えば、一つ以上のインジケータ644は、回路基板609の上面上に位置付けられ得る。一部の構成では、回路基板609は、一つ以上のインジケータ644を受容するように構成された一つ以上の穴を含み得る。一つ以上のインジケータ644が回路基板609の一つ以上の穴に位置付けられているとき、接着剤(例えば、光接着剤)を一つ以上の穴に適用して、使用時に一つ以上の穴を通した漏れを防止することができる。
【0091】
図12A、
図12B、
図12C、
図12D、および
図12Eは、未印刷ラベル601の異なる図を示す。ラベル601は、複数のエンボス加工された部分601a、601b、601cを含み得る。複数のエンボス加工された部分601a、601b、601cは、電子組立品600が組み立てられたときに、第二の可撓性フィルム層602bから離れるように延在し得る。一部の構成では、複数のエンボス加工された部分は、第一のエンボス加工された部分601a、第二のエンボス加工された部分601b、および第三のエンボス加工された部分601cを含み得る。
図12Bおよび
図12Cは、第一および第二のエンボス加工された部分601a、601bの断面図を示す。第一および第二のエンボス加工された部分601a、601bは、回路基板609の一つ以上のインジケータ(例えば、LEDライトまたは他の光源)と整列することができる。
図12Dおよび
図12Eは、第三のエンボス加工された部分601cの断面図を図示する。第三のエンボス加工された部分601cは、オン/オフボタン622が中央のエンボス加工されていない部分と整列するように、エンボス加工されていない部分の周りに円を形成することができる。例えば、第三のエンボス加工された部分601cは、エンボス加工されていない部分の周りに隆起したリングを形成することができる。
【0092】
図13A、
図13B、
図13C、
図13D、および
図13Eは、
図12A、
図12B、
図12C、
図12D、および
図12Eに図示され、かつそれらに関連して説明されるラベル601の構成と類似したラベル1001の別の構成の異なる図を示す。同じまたは実質的に同じ特徴の参照番号は、同じ最後の二桁を共有してもよい。
図13Bおよび
図13Cは、第一および第二のエンボス加工された部分1001a、1001bの断面図を示す。
図13Dおよび
図13Eは、第三のエンボス加工された部分1001cの断面図を図示する。第三のエンボス加工された部分1001cは、円形形状、またはオン/オフボタン622と整列することができる任意の形状(例えば、長方形、三角形)を含み得る。例えば、第三のエンボス加工された部分1001cは、オン/オフボタン622と整列した完全に隆起した形状(例えば、円)を含み得る。有利なことに、第三のエンボス加工された部分1001cは、ユーザがラベル1001を介してオン/オフボタン622を押した後、ラベル1001がラベル1001の元の位置に戻るように構成され得る。
【0093】
図14A、
図14B、
図15A、および
図15Bは、ポンプ排気機構606の様々な図を示す。例えば、ポンプ排気機構606は、傘形弁630を含み得る。前述したように、被覆材が患者の体に適用されると、被覆材内からの空気が入口保護機構610を通過して、拡張ケーシング616および回路基板609のアパーチャと連通するポンプ排気機構606に向かってポンプ圧送され得る。ポンプ排気機構606は、空気がポンプ排気機構606を通って被覆材に向かって漏れるのを防止または低減するように構成された一つ以上の弁630を含み得る。例えば、ポンプ排気機構606は、傘形弁630を含み得る。一部の事例では、一つ以上の弁630は、ポンプ排気機構の通気孔または排気孔に位置付けられてもよく、それによって、ポンプ排気機構の通気孔または排気開口部をカバーする、または閉じる。一つ以上の弁630は、大気からの空気がポンプ排気機構を通って被覆材に向かって漏れるのを防止するが、空気がポンプ排気機構から大気へと出ることは可能にする、一方向弁であり得る。
【0094】
一つ以上の弁630は、ポンプ605の効率を増加させるように構成され得る。一部の構成では、一つ以上の弁630は、ポンプ排気機構606を通って流れる空気によって生成される任意のヒューヒューいう音または他のノイズを低減または排除するように構成され得る。一部の構成では、一つ以上の弁630は、ノイズを生成するように構成され得る。例えば、ノイズは、ポンプ排気機構606に漏れがあることをユーザに警告し得る。
【0095】
図16A、
図16B、
図16C、
図16D、
図16E、
図16F、
図16G、および
図16Hは、電子組立品600を製造するためのプロセスの一部分を図示する。
図16Aおよび
図16Bは、電子組立品600を組み立てるために使用される整列治具800を図示する。整列治具800は、基部802、第一の整列構成要素804、第二の整列構成要素806、および第三の整列構成要素808を含み得る。基部802は、電子組立品600、第一の整列構成要素804、および第二の整列構成要素806の構成要素を受容するように構成された中央陥凹部810を含み得る。第一の整列構成要素804は、第二の整列構成要素806を受容するように構成された中央アパーチャ812を含み得る。第二の整列構成要素806は、第一のアパーチャ814および第二のアパーチャ816を含み得る。第二のアパーチャ816は、第三の整列構成要素808を受容するように構成され得る。
【0096】
図16Cに示すように、第二の可撓性フィルム層602bに接合されたラベル601は、基部802の中央凹部810内に配置され得る。
図16Dに示すように、ラベルガスケット624は、第二の可撓性フィルム層602bの上に配置されてもよく、第一の整列構成要素804は、ラベルガスケット624の上に位置付けられてもよい。
図16Eに示すように、第二の整列構成要素806は、ラベルガスケット624の上に位置付けられてもよく、シム620は、第二の整列機構806の第二のアパーチャ816を通して位置付けられてもよい。
図16Eおよび
図16Fに示すように、第三の整列構成要素808は、第二の整列機能806の第二のアパーチャ816内に、かつシム620の上に位置付けられ得る。
図16Gに示すように、ラベル601、第二の可撓性フィルム層602b、ラベルガスケット624、およびシム620を含み得るラベル組立品は、整列治具800から取り外され得る。一部の構成では、ラベル601、第二の可撓性フィルム層602b、ラベルガスケット624、およびシム620を含むラベル組立品は、整列治具800内に留まることができ、プルタブ643はラベル組立品内に挿入することができる。プルタブ643は、起動部分643bがシム620の下に位置付けられるまで、ラベル組立品の穴を通して挿入することができる。
【0097】
図16Hに示すように、シム620を有するラベル組立品は、基部802内に再挿入することができ、回路基板609は、ラベルガスケット624上に位置付けられ得る。ポンプ605、ポンプ排気機構606、および/または電源607は、回路基板609に取り付けられ得る。一部の構成では、コンフォーマルコーティング604(図示せず)は、回路基板609の上に、かつ基部802内に位置付けられ得る。第一の整列構成要素804は、回路基板609の上に位置付けられて、回路基板609をラベルガスケット624に接着することができる。一部の構成では、第一の整列構成要素804は取り除かれてもよく、コンフォーマルコーティング604(図示せず)は、回路基板609の上に位置付けられてもよい。
【0098】
図17は、電子組立品600を製造するためのプロセスの別の一部分を図示する。電子組立品600は、ポンプ605の入口605bが第一の可撓性フィルム層602aの第一のアパーチャ611aを通って位置付けられ、入口保護機構610が入口605b上に位置付けられた状態で、密封ツール900内に位置付けられ得る。保持リング902は、第一の可撓性フィルム層602aの上に位置付けられ得る。保持リング902は、第一の可撓性フィルム層602aが第二の可撓性フィルム層602b(図示せず)に接合されたときに、第一の可撓性フィルム層602aのしわを最小化するように構成され得る。保持リング902は、第一の可撓性フィルム層602aの縁部を再配置して、例えば、第一の可撓性フィルム層602a全体を再配置する必要なく、接合中にしわとなる可能性のあるスポットを除去することを可能にするように構成され得る。一部の構成では、ナイロンシートを電子組立品800の上に配置して、接合中のしわをさらに低減することができる。有利なことに、第一および第二の可撓性フィルム層602a、602bを接合することは、囲い込まれた電子ユニット603に機械的安定性を提供し得る。前述したように、第一および第二の可撓性フィルム層602a、602bは、両面接着剤、ホットメルト接着剤、スクリーン印刷接着剤、または任意の好適な接合手段を含むが、これらに限定されない、任意の手段を介して接合され得る。
【0099】
本明細書に記載されるように、電子組立品600は、液体が電子組立品600の内部に入ることを許さない方法で組み立てられ、封止され、電子組立品600内の電子機器およびプリント回路基板を保護し得る。
図18は、
図6に示す電子組立品600と類似した電子組立品1800を図示する。同じまたは実質的に同じ特徴の参照番号は、同じ最後の二桁を共有してもよい。しかしながら、
図18に示す電子組立品1800のハウジングは、ラベル1801の下面または創傷に面する表面上に提供される第二の可撓性フィルム層を含まない。
図6を参照して説明するように、本明細書で使用されるラベル(ラベル1801、2001、2101、および2201など)は、電子組立品のハウジングの上部ハウジング部分を指す。本明細書に記載されるように、層または構成要素の下面は、電子組立品が創傷の上の被覆材に位置付けられたとき、創傷に面する表面である。一部の事例では、
図18に示すように、ラベルガスケット1824は、電子組立品が組み立てられたとき、ラベル1801の下面と接触し得る。他の事例において、ラベルガスケット1824が使用されない場合、電子組立品が組み立てられたとき、回路基板1809がラベルの下面と接触し得る。一部の事例において、ラベルガスケット1824が使用される場合、回路基板1809は、ラベルガスケット1824の周縁部を越えて延在してもよく、回路基板1809の外周は、ラベル1801の下面に追加的に接触してもよい。
【0100】
電子組立品1800内の電子構成要素は、ラベル1801に接合されて電子構成要素およびその他の部品のための完全な筐体を形成する、可撓性フィルム層1802aを利用し得る。電子組立品1800は、可撓性フィルム層1802aを含み得る。可撓性フィルム層1802aは、可撓性フィルム層に関して本明細書に記載される材料から形成されてもよく、例えば、可撓性フィルム層1802aは、ポリウレタンなどのポリマー材料、紙材料、または任意の他の好適な材料を含み得る。一部の事例では、可撓性フィルム層1802aは、防水および/または気密フィルム材料であり得る。一部の事例では、可撓性フィルム層1802aは、ポリウレタン材料(熱可塑性ポリウレタンなど)、ポリエステル、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、および/または任意の他の好適な材料で作製され得る。
【0101】
一部の事例では、可撓性フィルム層1802aおよびラベル1801の下面は、周縁部の周りに接合または封止され得る。例えば、可撓性フィルム層1802aおよびラベル1801の下面は、周縁部の周りに熱および/または圧力を介して接合または封止することができ、または二つの構成要素を一緒に溶融または溶接してシールを形成することができる。一部の事例では、可撓性フィルム層1802aおよびラベル1801の下面は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、可撓性フィルム層1802aおよびラベル1801の下面の周縁部で取り付けられ得る。
図18は、可撓性フィルム層1802aの周りに延在する線として、可撓性フィルム層1802aの周縁部1842を図示する。
図18は、ラベル1801の周縁部の周りに延在する線として、ラベル1801の周縁部1844を図示する。一部の事例では、ラベル1801の材料は、可撓性フィルム層1802aがラベル1801に接着されることを困難にし得る。一部の事例では、ラベル1801または上部ハウジング部分は、可撓性フィルム層との接着または封止を可能にする材料でコーティングまたは処理され得る。
【0102】
図19は、
図18に記載された電子組立品と共に使用できるラベル1801の例を図示する。
図19に示すように、コーティング1854は、ラベル1801の下側のラベル1801の周縁部1844の一部分に適用され得る。コーティング1854は、被覆材の周縁部に沿って延在する線として
図19に示される。一部の事例では、コーティング1854は、
図19に示すように、被覆材の縁部から周縁部に沿ってオフセットされ得る。一部の事例では、周縁部1844上のコーティング1854は、ポリウレタン(PU)分散コーティングであり得る。一部の事例では、周縁部1844上のコーティング1854は、ポリウレタン(PU)分散コート、または熱および/もしくは圧力の適用を通した分散コーティングによって、可撓性フィルムの材料が接着または封止することを可能にする他の分散コーティングであり得る。周縁部1844上のコーティング1854は、コーティング1854のエリアに沿って、可撓性フィルム1802aの周縁部1842(
図18に示す)とラベル1801の周縁部1844との結合を可能にすることができる。一部の事例では、可撓性フィルム1802aの周縁部1842は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、コーティング1854のエリアに沿って、ラベル1801の周縁部1844に取り付けられ得る。
【0103】
一部の事例では、ラベル1801の周縁部に沿ったコーティングは、
図6の電子組立品600で使用される第二の可撓性フィルム602bに取って代わることができる。これは、組み立てられる層および構成要素を低減するので、電子組立品の複雑さを低減することができる。
【0104】
一部の事例では、コーティングのエリアは、ラベルの境界に限定することができ、約5~10mmの幅とすることができる。一部の事例では、コーティングエリアの幅は、2mm~14mm(約2mm~14mm)、4mm~12mm(約4mm~12mm)、5mm~10mm(約5mm~10mm)、または6mm~8mm(約6mm~8mm)とすることができる。コーティングは、スクリーン印刷、スプレーコーティング、接着剤転写、および/または他のコーティング適用技術などのコーティング適用方法を通して、ラベル1801材料に適用され得る。コーティングは、熱および圧力の適用を通して、可撓性フィルム層のラベルへの結合または封止を可能にすることができる。
【0105】
図20Aおよび
図20Bは、ラベル2001の下側(
図20A)および回路基板2009の上側(
図20B)の構成を、それらの周縁部の周りのコーティングとともに図示する。ラベル2001は、ラベル2001の周縁部2044上にコーティング2054を含み得る。コーティング2054は、
図20Aのラベルの周縁部の周りの線として示されている。回路基板2009は、回路基板2009の周縁部の周りの線によって、
図20Bに示すように、回路基板2009の周縁部2046上にコーティング2056を含み得る。
【0106】
コーティング2054およびコーティング2056は、
図18および
図19を参照して説明したコーティング1854と同一または類似し得る。コーティング2054は、
図18に示す可撓性フィルム層1802aの周縁部エリア1842の上面と結合するラベル2001の周縁部(
図20Aの周縁部の周りに黒色の線で示す)、および
図20Bに示す回路基板2009の周縁部上のコーティング2056(回路基板の縁をたどる黒色の線として示す)をコーティングすることができる。一部の事例では、可撓性フィルム1802aの周縁部1842およびコーティング2056は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、コーティング2054に取り付けられ得る。
【0107】
一部の事例では、ラベル2001、および回路基板2009の周縁部に沿ったコーティング2054、2056は、
図6の電子組立品600で使用される第二の可撓性フィルム602bに取って代わることができ、それによって、電子組立品の複雑さを低減することができる。
図20Aに示すように、ラベル2001のコーティング2054のコーティングエリアは、ラベル2001の周縁部に沿った境界に限定することができ、幅15~20mmであり得る。一部の事例では、コーティングエリアの幅は、5mm~30mm(約5mm~30mm)、10mm~25mm(約10mm~25mm)、または15~20mm(約15mm~20mm)とすることができる。
【0108】
図21Aおよび
図21Bは、ラベル2101の下側(
図21A)および回路基板2109の上側(
図21B)の構成を図示する。ラベル2101は、ラベル2101の周縁部2144上の第一のコーティング2154と、ラベル2101の排気孔の周りのラベルの下面上の第二のコーティング2157とを含み得る。
図21Aにおいて、第一のコーティング2154は、ラベルの周縁部の周りの線として示され、第二のコーティング2157は、ラベルの排気孔の周りの線として示されている。回路基板2109は、回路基板2109の排気孔の周りに延在する線によって、
図21Bに示すように、プリント回路基板2109の排気孔の周りの上面上にコーティング2158を含み得る。
【0109】
コーティング2154、2157、および2158は、
図18および
図19を参照して説明したコーティング1854と同一または類似し得る。コーティング2154は、
図18に示す可撓性フィルム層1802aの周縁部エリア1842の上面と結合するラベル2101の周縁部(
図21Aのラベルの周りに黒色の線として示される)をコーティングすることができる。一部の事例では、コーティング2154は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、可撓性フィルム1802aの周縁部エリア1842の上面に取り付けられ得る。
【0110】
図21Bに示す、プリント回路基板2109の排気孔の周りの上面上のコーティング2158(排気孔の周りの黒色の線として示される)は、
図21Aに示す、ラベル2101の排気孔の周りのラベル2101の下面上のコーティング2157(排気孔の周りの黒色の線として示される)に結合され得る。一部の事例では、コーティング2158は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、コーティング2157に取り付けられ得る。
【0111】
一部の事例では、ラベル2101の周縁部に沿ったコーティング2154、およびラベル2101の排気孔の周りのコーティング2157、および2158、および回路基板2109は、
図6の電子組立品600で使用される第二の可撓性フィルム602bに取って代わることができ、それによって、電子組立品の複雑さを低減することができる。
図21Aに示すように、ラベル2101のコーティング2154のコーティングエリアは、ラベル2101の周縁部に沿った境界に限定することができ、幅約5~10mmであり得る。一部の事例では、コーティングエリアの幅は、2mm~14mm(約2mm~14mm)、4mm~12mm(約4mm~12mm)、5mm~10mm(約5mm~10mm)、または6mm~8mm(約6mm~8mm)とすることができる。
【0112】
図22Aおよび
図22Bは、ラベル2201の下側(
図22A)および回路基板2209の上側(
図22B)の構成を図示する。ラベル2101は、ラベル2201の周縁部2244上の第一のコーティング2254と、ラベル2201の排気孔の周りのラベル上の第二のコーティング2257とを含み得る。第一のコーティング2254は、ラベルの周縁部の周りの線として示され、第二のコーティング2257は、
図22Aのラベルの排気孔の周りの線として示されている。回路基板2209は、
図22Bの回路基板の周りの線として示される、回路基板2209の周縁部に沿った第一のコーティング2256、および回路基板2209の排気孔の周りに延在する線によって
図22Bに示される、プリント回路基板2209の排気孔の周りの第二のコーティング2258を含み得る。
【0113】
コーティング2254、2257、2256、および2258は、
図18および
図19を参照して説明したコーティング1854と同一または類似し得る。コーティング2254は、
図18に示す可撓性フィルム層1802aの周縁部エリア1842の上面と結合するラベル2201の周縁部(
図22Aにラベルの周縁部の周りに黒色の線として示す)、および
図22Bに示す回路基板2209の周縁部上のコーティング2256(回路基板の縁に続く黒色の線として示す)をコーティングすることができる。一部の事例では、コーティング2254は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、可撓性フィルム1802aの周縁部エリア1842の上面、およびコーティング2256に取り付けられ得る。
【0114】
図22Bに示す、プリント回路基板2209の排気孔の周りの上面上のコーティング2258(排気孔の周りの黒色の線として示される)は、
図22Aに示す、ラベル2201の排気孔の周りのラベル2201の下面上のコーティング2257(排気孔の周りの黒色の線として示される)に結合され得る。一部の事例では、コーティング2258は、熱溶接、接着剤接合、超音波溶接、RF溶接、または任意の他の取り付けもしくは接合技術によって、コーティング2257に取り付けられ得る。
【0115】
一部の事例では、ラベル2201の周縁部に沿ったコーティング2254、2256、および回路基板2209、およびラベル2201の排気孔の周りのコーティング2257、2258、および回路基板2109は、
図6の電子組立品600で使用される第二の可撓性フィルム602bに取って代わることができ、それによって、電子組立品の複雑さを低減することができる。
図22Aに示すように、ラベル2201のコーティング2254のコーティングエリアは、ラベル2001の周縁部に沿った境界に限定することができ、幅15~20mmであり得る。一部の事例では、コーティングエリアの幅は、5mm~30mm(約5mm~30mm)、10mm~25mm(約10mm~25mm)、または15~20mm(約15mm~20mm)とすることができる。
【0116】
一部の事例では、回路基板の周縁部に沿ったコーティングおよび/または回路基板の排気孔の周縁部に沿ったコーティングは、回路基板と周縁部の周りおよび排気孔の周りのラベルとの間の封止をコーティングが可能にし得るため、ラベルガスケットの必要性を排除することができる。
【0117】
他の変形例
本明細書に記載される特定の実施形態は、陰圧源が被覆材によって支持される、一体化された陰圧創傷療法システムに関するが、本明細書に記載のシステムおよび方法は、任意の陰圧創傷療法システムまたは医療システムに適用可能である。例えば、動作を制御するための本明細書に記載のシステムおよび方法は、耐流体性(例えば、防水性)の陰圧創傷療法システムまたは医療システムで使用することができる。このようなシステムは、例えば、耐流体性筐体に位置付けられた陰圧源および/または電子機器など、創傷被覆材の外部にある陰圧源および/または電子機器で構成することができる。追加的に、このようなシステムは、超音波送達デバイス、外部電源によって電力供給される陰圧デバイス、別個のポンプを有する陰圧デバイス、および概して医療デバイス内で使用されるように構成することができる。
【0118】
本明細書に開示される実施形態のいずれかを、本明細書に各々の全体が参照として組み込まれる、2010年8月24日に発行された、「DEVICE AND METHOD FOR WOUND THERAPY」と題した、米国特許第7,779,625号、2011年6月21に発行された、「WOUND CLEANSING APPARATUS IN SITU」と題した、 米国特許第7,964,766号、2012年8月7日に発行された、「WOUND TREATMENT APPARATUS AND METHOD」と題した、米国特許第8,235,955号、2010年7月13日に発行された、「WOUND CLEANSING APPARATUS WITH STRESS」と題した、米国特許第7,753,894号、2014年7月1日に発行された、「WOUND DRESSING」と題した、米国特許第8,764,732号、2014年8月19日に発行された、「WOUND DRESSING」と題した、米国特許第8,808,274号、2015年6月23日に発行された「WOUND DRESSING AND METHOD OF USE」と題した、米国特許第9,061,095号、2018年9月18日に発行された、「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題した、米国特許第10,076,449号、2015年1月30日に出願した、「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題した、米国公報第2015/0190286号として2015年7月9日に公開された、米国特許出願第14/418908号、2019年3月19日に発行された、「TISSUE HEALING」と題した、米国特許第10,231,878号、2012年7月12日に出願された、「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題した、PCT国際出願PCT/GB2012/000587号、2013年5月22日に出願された、「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」と題した、国際出願第PCT/IB2013/001469号、2013年7月31日に出願された、「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題した、PCT国際出願第PCT/IB2013/002102号、2013年7月31日に出願された、「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題した、PCT国際出願第PCT/IB2013/002060号、2013年3月12日に出願された、「REDUCED PRESSURE APPARATUS AND METHODS」と題した、PCT国際出願第PCT/IB2013/00084号、2016年4月26日に出願された、「REDUCED PRESSURE APPARATUSES」と題した、国際出願第PCT/EP2016/059329号、2017年4月26年に出願された、「WOUND DRESSINGS AND METHODS OF USE WITH INTEGRATED NEGATIVE PRESSURE SOURCE HAVING A FLUID INGRESS INHIBITION COMPONENT」と題した、PCT国際出願第PCT/EP2017/059883号、2017年3月6日に出願された、「WOUND TREATMENT APPARATUSES AND METHODS WITH NEGATIVE PRESSURE SOURCE INTEGRATED INTO WOUND DRESSING」と題した、PCT国際出願第PCT/EP2017/055225号、2018年9月13日に出願された、「NEGATIVE PRESSURE WOUND TREATMENT APPARATUSES AND METHODS WITH INTEGRATED ELECTRONICS」と題した、PCT国際出願第PCT/EP2018/074694号、2018年9月13日に出願された、「NEGATIVE PRESSURE WOUND TREATMENT APPARATUSES AND METHODS WITH INTEGRATED ELECTRONICS」と題した、PCT国際出願第PCT/EP2018/074701号、2018年10月25日に出願された、「NEGATIVE PRESSURE WOUND TREATMENT APPARATUSES AND METHODS WITH INTEGRATED ELECTRONICS」と題した、PCT国際出願第PCT/EP2018/079345号、2018年10月30日に出願された、「SAFE OPERTATION OF INTEGRATED NEGATIVE PRESSURE WOUND TREATMENT APPARATUSES」と題した、PCT国際出願第PCT/EP2018/ 079745号、に開示された一つ以上の特徴とともに使用できる。
【0119】
本明細書に記載の特定の実施形態は創傷被覆材に関するが、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、創傷被覆材または医療用途に限定されるものではない。本明細書で開示されるシステムおよび方法は、一般的に、一般的な電子デバイス、例えばユーザが着用またはユーザに適用できる電子デバイスに適用可能である。
【0120】
本明細書に提供される閾値、限界値、期間などのいかなる値も、絶対的な値であることを意図するものではなく、したがって、およその値であり得る。加えて、本明細書で提供される任意の閾値、制限、期間などは、自動的にまたはユーザによって、固定されるかまたは変えられ得る。さらに、本明細書で使用される場合、基準値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、基準値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の基準値を超えることは、基準値以上であることを包含することができる。その上、本明細書で使用される場合、基準値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、基準値に関連した、下にある、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。さらに、様々なプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを判定することに関して記載され得るが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に理解することができる。
【0121】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して記載される特徴、材料、特性、もしくは群は、本明細書に記載の他の任意の態様、実施形態、または実施例と矛盾しない限り、それらに適用可能であることを理解されたい。本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示される全ての特徴、または同様に開示される任意の方法もしくはプロセスの全てのステップは、このような特徴またはステップの少なくとも一部が互いに排他的である組み合わせを除いて、あらゆる組み合わせで組み合わされ得る。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護対象は、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0122】
ある特定の実施形態が説明されているが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護対象の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法およびシステムは、さまざまな他の形態で具現化され得る。さらに、本明細書に記載の方法およびシステムの形態において、様々な省略、置換、および変形がなされ得る。実施形態によっては、図示または開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップは、図に示されたステップとは異なり得ることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップまたはステップの順序は、図面に示されたものとは異なり得る。
【0123】
図に例示されるか、または本明細書に記載される様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上の、ソフトウェアまたはファームウェアとして実装され得る。ソフトウェアまたはファームウェアは、非一時的コンピューター可読メモリーに格納される指示を含み得る。指示は、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェアによって実行することができる。コントローラ、プロセッサ、ASIC、FPGAおよび類似のものなど、ハードウェアコンポーネントは論理回路を含むことができる。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴および特性は、異なる方式で組み合わされて追加の実施形態を形成し得るが、その全ては本開示の範囲内に収まる。
【0124】
本開示には、ある特定の実施形態、実施例、および用途が含まれるが、当業者であれば、本開示が、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替的な実施形態または使用ならびにその明らかな変形および同等物に及んでおり、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることを理解するであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義され得る。
【0125】
「することができる(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き文言は、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、このような条件付き文言は、概して、特徴、要素、もしくはステップが一つ以上の実施形態に多少なりとも必要とされるということ、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが任意の特定の実施形態に含まれているかどうか、もしくは任意の特定の実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず判定するためのロジックが、一つ以上の実施形態に必然的に含まれているということを示唆することを意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」などの用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で使用され、追加の要素、特性、行為、および動作などを排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用されることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、いくつか、または全てを意味することになる。加えて、「各々」という用語は、本明細書で使用される場合、その通常の意味を有することに加えて、「各々」という用語が適用される一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0126】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などという句の連言的文言は、別途具体的に記載されない限り、ある項目、用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを伝えるために一般的に用いられる文脈とともに、別途解釈されるものである。したがって、このような連言的文言は、特定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つと、を含むことを必要とするという示唆を通常意図しない。
【0127】
本明細書で使用される程度を表す文言、例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、本明細書で使用される際、依然として所望の機能を果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近似した値、量、または特性を表す。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内の量を意味し得る。
【0128】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてもしくは本明細書の他の箇所において提示されるか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義され得る。本特許請求の範囲の文言は、本特許請求の範囲で用いられている文言に基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書に記載される例または本出願の手続き中に記載される例に限定されるものではなく、それらの例は、非排他的なものとして解釈されるべきである。
【国際調査報告】