(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】曲げの方法、および曲げの方法を実行するための曲げ機械
(51)【国際特許分類】
B21D 7/12 20060101AFI20240717BHJP
B21D 7/024 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B21D7/12
B21D7/024 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579836
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2022056145
(87)【国際公開番号】W WO2023275840
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】102021000017384
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598056098
【氏名又は名称】ビーエッレエンメ エッセ.ピ.ア.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ・カプロッティ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・バラルド
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ・ポンティ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・バシュッタ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニ・フェレッティ
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA04
4E063AA08
4E063BC05
4E063LA02
4E063LA07
4E063MA02
(57)【要約】
a)計算ユニット(12)を用いて管状金属物品(2)の曲げシーケンスを決定するステップと、b)ステップa)の実行中に決定された曲げシーケンスに従って管状金属物品(2)を曲げるステップとを少なくとも含む、管状金属物品(2)の曲げのための方法が説明される。ステップa)中、計算ユニット(12)により、少なくとも以下のサブステップ、すなわち、a1)管状金属物品(2)の初期構成(20)、および曲りの数Nにより初期構成(20)とは異なる管状金属物品(2)の最終構成(21)を画定するサブステップと、a2)初期構成(20)および最終構成(21)に応じて1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を決定するサブステップであって、各予備曲げシーケンス(22)がコスト(F)を有する、サブステップと、a3)最小コストを有する少なくとも1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を決定された曲げシーケンスとして提案するサブステップと、が行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲り管状物品(2’)を得るために、具体的には金属ワイヤまたは金属管(2)である管状金属物品(2)を曲げる方法であって、少なくとも、
a)計算ユニット(12)により前記管状金属物品(2)の曲げシーケンスを決定するステップと、
b)前記ステップa)の実行中に決定された前記曲げシーケンスに従って前記管状金属物品(2)を曲げるステップと、
を含み、
前記ステップa)中、前記計算ユニット(12)により、少なくとも以下のサブステップ、すなわち、
a1)前記管状金属物品(2)の初期構成(20)、および、曲げの数Nにより前記初期構成(20)とは異なる前記管状金属物品(2)の最終構成(21)を画定するサブステップと、
a2)前記初期構成(20)および前記最終構成(21)に応じて1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を決定するサブステップであって、各予備曲げシーケンス(22)が、エネルギーおよび/または時間の観点から曲げコストに応じたコスト(F)を有する、サブステップと、
a3)前記決定された曲げシーケンスとして、最小コストを有する少なくとも1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を提案するサブステップと、
が実行される、方法。
【請求項2】
各曲げが、少なくとも、前記管状金属物品(2)と少なくとも1つの曲げヘッド(3)との間の相対位置が修正される位置合わせのステップと、前記曲げヘッド(3)が前記管状金属物品(2)の局所的な曲げを実行する曲線化のステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各曲げのコストが、それぞれの前記位置合わせのステップを実行するのに必要な前記エネルギーおよび/または前記時間に応じて決定され、好ましくはそれだけに応じて判定され、また好ましくは、前記各曲げのコストが、それぞれの前記曲線化のステップを実行するのに必要な前記エネルギーおよび/または前記時間に応じて判定されない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置合わせのステップ中、以下の運動、すなわち、
i)第1の軸線(A)に沿った前記管状金属物品(2)の直線運動(Δx)、
ii)前記第1の軸線(A)の周りでの前記管状金属物品(2)の回転(Δθ)
が実行されることになり、
前記各曲げのコストが、前記管状金属物品(2)の前記直線運動(Δx)および前記管状金属物品(2)の前記回転(Δθ)に比例する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第2の軸線(B)が、前記第1の軸線(A)に直角であり、第3の軸線(C)が、前記第1の軸線(A)および前記第2の軸線(B)に直角であり、
前記位置合わせのステップ中、以下の運動、すなわち、
iii)前記第2の軸線(B)の周りでの前記曲げヘッド(3)の回転(ΔΩ)、
iv)前記第3の軸線(C)に沿った前記曲げヘッド(3)の直線運動(Δz)、
v)前記第1の軸線(A)に沿った前記曲げヘッド(3)の直線運動(Δx
a)
のうちの1つまたは複数も実行されることになり、
前記各曲げのコストがまた、前記曲げヘッド(3)の前記回転(ΔΩ)、および/または前記第3の軸線(C)に沿った前記曲げヘッド(3)の前記直線運動(Δz)、および/または前記第1の軸線(A)に沿った前記曲げヘッド(3)の前記直線運動(Δx
a)に比例する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップa2)中、前記初期構成(20)から前記最終構成(21)までの1つまたは複数の経路が画定され、
各経路が、前記管状金属物品(2)の複数の中間構成を提供し、
各中間構成が、曲りにより後続の中間構成に接続され、
前記1つまたは複数の経路のそれぞれに対するそれぞれの関連コストが判定され、前記関連コストが、前記それぞれの曲りのコストに依存し、
最小関連コストに対応する前記1つまたは複数の経路の前記それぞれの曲りが、前記ステップa3)中に提案されることになる前記1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を画定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa2)中、前記最小関連コストに対応する前記1つまたは複数の経路が、グラフ検索アルゴリズム、具体的にはA
*アルゴリズムを用いて判定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップa2)中、1つまたは複数の経路が、以下のサブステップ、すなわち、
a2i)前記初期構成(20)を開始構成として設定するサブステップ、
a2ii)前記初期構成(20)から後続の中間構成までの曲げコストの和(G)に比例して、および前記後続の中間構成から前記最終構成(21)までの残りの経路の曲げコスト(H)の推定に応じて前記開始構成から前記後続の中間構成までのコスト(F)を判定するサブステップ、
a2iii)他の前記後続の中間構成のうちの1つまたは複数のために前記サブステップa2ii)を繰り返すサブステップ、
a2iv)前記最小コストを有する1つまたは複数の前記後続の中間構成を選択するサブステップ、
a2v)各選択された後続の中間構成に対して、前記後続の中間構成を新たな開始構成として設定し、前記最終構成(21)によって画定された前記後続の中間構成に達するまで前記サブステップa2ii)からa2v)を繰り返すサブステップ
の実行によって検討される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記初期構成(20)が、前記曲り管状物品(2’)の構成に対応し、前記最終構成(21)が、曲がっていない前記管状金属物品(2)に対応し、
前記ステップb)中、前記曲げシーケンスが、逆順に行われることになる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
信号伝達のステップa5)をさらに含み、前記信号伝達のステップa5)中、前記サブステップa3)中に提案された複数の予備曲げシーケンス(22)が、ヒューマンマシンインターフェース(11)によって表示され、および前記信号伝達のステップa5)中、オペレータが、前記ヒューマンマシンインターフェース(11)を通じて、前記予備曲げシーケンス(22)のうちの1つを前記ステップa)中に使用されることになる前記曲げシーケンスとして選択する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップa)がまた、サブステップa4)を含み、前記サブステップa4)中、前記曲げシーケンスおよび/または前記1つもしくは複数の予備曲げシーケンスの実行可能性を検証するために、前記曲げシーケンスおよび/または前記予備曲げシーケンス(22)のうちの1つもしくは複数に従って3次元シミュレーションが実行される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップb)が、曲げ機械(1、1’、1”)を用いて実行され、
前記サブステップa4)中、前記曲げシーケンスおよび/または前記1つもしくは複数の予備曲げシーケンス(22)の実行可能性を検証するために、前記曲げシーケンスおよび/または前記1つもしくは複数の予備曲げシーケンス(22)に対して、前記管状金属物品(2)が前記曲げ機械(1、1’、1”)の1つもしくは複数の部分および/またはそれ自体に干渉する可能性があるかどうか、具体的には打ち付ける可能性があるかどうかがシミュレーションされる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの繰返しステップが実行され、前記繰返しステップ中、前記ステップb)が、新たな管状金属物品(2)を用いて、前記ステップa)の実行中に決定された前記曲げシーケンスに基づいて、ステップa)が再度行われることなしに繰り返される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、具体的には金属ワイヤまたは金属管(2)である管状金属物品(2)の曲げのための曲げ機械(1、1’、1”)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照によりその全開示が本明細書に組み込まれている、2021年7月1日に出願した伊国特許出願第102021000017384号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、特定の曲り管状物品を得るための、具体的には金属ワイヤまたは金属管である管状金属物品を曲げる方法に関する。具体的には、本発明は、曲げのシーケンスの決定の改善を伴う、管状金属物品を曲げる方法に関する。
【0003】
有利には、本発明はまた、管状金属物品の曲げのための、具体的にはワイヤ曲げ機械または管曲げ機械である、曲げ機械に関する。
【背景技術】
【0004】
曲げ機械は、金属ワイヤの曲げまたは金属管の曲げで知られている。
【0005】
そのような機械は、曲りワイヤまたは曲り管をそれぞれ得るための一連の曲げを実行するように構成される。
【0006】
これらの機械は、曲げを行うための1つまたは複数の曲げ群(bending group)を有する少なくとも1つの曲げヘッドと、曲げヘッドとワイヤまたは管との間の相対運動を行うための作動装置とを備えることも、知られている。
【0007】
作動装置は、曲げ群のうちの少なくとも1つがそれぞれの曲げを行うことができるように、ワイヤまたは管と前述の曲げ群との間の相対位置を得ることを可能にする。
【0008】
作動装置は、軸線に沿ってあるいは軸線の周りで曲げヘッドを移動および/もしくは回転させかつ/あるいはワイヤまたは管を前進および/もしくは回転させるように構成され得ることが、知られている。
【0009】
典型的な曲げ群は、ワイヤまたは管に接触するようにそれぞれが構成された1つまたは複数の係合要素を有するタレットと、タレットに連結され、かつ、ワイヤまたは管を曲げるために軸線の周りでまた軸線に沿ってタレットを回転および並進させるように構成された、アクチュエータと、を備える。
【0010】
典型的には、各ワイヤまたは管は、それぞれの曲げワイヤまたはそれぞれの所望の曲り管を得るために、曲げ自体(曲線化(curving)のステップ)に関する情報およびワイヤまたは管の位置決め(曲げヘッドとワイヤまたは管との間の相対位置を変化させるための位置合わせのステップ)に関する情報の両方を提供する方法により、曲げシーケンスを受ける。
【0011】
曲げシーケンスは、曲げシーケンスの実行中のいかなる時でもワイヤもしくは管が曲げ機械の部品および/またはそれ自体に干渉することがないように、選択されなければならない。
【0012】
これらの問題を回避するために、オペレータは、曲げシーケンスを手作業で決定しなければならない。これらの動作は、かなりの時間を要し、最終的な曲りワイヤまたは管の複雑さが増すにつれてますます困難かつ時間のかかるものになる。
【0013】
さらに、そのような動作の決定は、オペレータの高度な経験のみならず高い基本技能をも必要とすることが、考慮されるべきである。熟練工が不足している国々では、これらの側面は問題になり得る。さらに、オペレータの離職率が高いという背景において、欠点が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、知られた欠点のうちの少なくとも1つを解決することを可能にする曲げの方法および/または曲げ機械のさらなる改善の必要性が、当部門において感じられている。
【0015】
具体的には、曲げシーケンスの決定に必要とされる時間の減少を可能にする曲げの方法および/または曲げ機械の必要性が、当部門において感じられている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、独立請求項において定められる管状金属物品を曲げる方法に関するので、前述の目的は、本発明によって達成される。代替的な好ましい実施形態が、それぞれの従属請求項において保護される。
【0017】
本発明は、請求項15に記載の機械に関するので、前述の目的はまた、本発明によって達成される。
【0018】
本発明のより良い理解のために、単に限定的ではない例として添付の図面を参照しながら、3つの好ましい実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】明瞭さのために部品が取り外された本発明による曲げ機械の第1の実施形態を概略的にかつ部分的に示す図である。
【
図2】明瞭さのために部品が取り外された
図1の曲げ機械の詳細を、曲り管と共に拡大図においてまた等長写像において示す図である。
【
図3】初期構成から最終構成を得るための3つの可能な曲げシーケンスを示す図である。
【
図4】本発明による方法の一部を概略的に示す図である。
【
図5】明瞭さのために部品が取り外された
図1による機械の詳細を、拡大図においてまた等長写像において示す図である。
【
図6】明瞭さのために部品が取り外された本発明による曲げ機械の第2の実施形態を概略的にかつ部分的に示す図である。
【
図7】明瞭さのために部品が取り外された本発明による曲げ機械の第3の実施形態を概略的にかつ部分的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1では、1は、曲り管状金属物品を得るための管状金属物品の曲げのための(自動)曲げ機械を全体として示す。
【0021】
具体的には、管状金属物品は、金属ワイヤまたは金属管2であり得る。
【0022】
いくつかの限定的ではない実施形態によれば、管状金属物品は、円形、卵円形、長方形、正方形、楕円形、または任意の他の形状の横断面を有し得る。
【0023】
いくつかの限定的ではない実施形態によれば、管状金属物品は、中空または中実であり得る。
【0024】
いくつかの限定的ではない実施形態によれば、管状金属物品は、少なくとも1種類の金属材料を含む。いくつかの限定的ではない変形形態によれば、金属物品は、例えば複合材料またはプラスチック材料などの少なくとも1種類の非金属材料も含み得る。
【0025】
以下、限定されることなしに、曲り管2を得るための金属管2の曲げの例が言及される。しかし、以下の説明は、それぞれの管状金属物品を得るための金属ワイヤなどの他の管状金属物品の曲げにも適用される。
【0026】
さらに、金属管2の曲げのための曲げ機械1が、限定する意図を伴わずに以下で詳細に説明される。しかし、以下の説明は、例えば金属ワイヤなどの管状金属物品の曲げのための曲げ機械1にも適用され得る。
【0027】
図1および
図2を特に参照すると、曲げ機械1は、少なくとも、
- 曲げ機械1自体の動作を制御するように構成された制御ユニットと、
- 特に制御ユニットに動作可能に接続され、かつ、特に曲げステーションにおいて管2を曲げるように構成された、曲げヘッド3と、
- 特に制御ユニットに動作可能に接続され、かつ、曲げヘッド3と管2との間の相対運動を制御および/または実行するように構成された、作動装置と、
を備える。
【0028】
より詳細には、曲げヘッド3は、示された特定の事例では2つである、1つまたは複数の曲げ群4を備え、各曲げ群4は、管2を選択的に曲げるように構成されている。言い換えれば、各曲げ群4は、管2を曲げるように構成されている。
【0029】
さらに詳細には、各曲げ群4は、少なくとも、
- 特に曲げヘッド3のそれぞれのハウジング座内に移動可能に挿入された、それぞれのタレット5と、
- それぞれのタレット5と一体の1つまたは複数の係合要素6と、
- 特に制御ユニットに動作可能に接続され、かつ、それぞれのタレット5に連結され、かつ、タレット5の角運動および/または並進をもたらすように構成された、第1の作動デバイス(それ自体知られているので図示せず)と、
を備える。
【0030】
さらに、制御ユニットは、タレット5の角運動および/または並進、したがって係合要素6の相対変位により曲げ動作を決定するために、各第1の作動デバイスを制御するように構成される。
【0031】
この特定の事例では、各第1の作動デバイスは、それぞれのタレット5の角運動を決定しかつ/もしくはもたらすための少なくとも1つの(電気)モータ、および/または、それぞれのタレット5の並進を決定するための例えば空気圧式アクチュエータである線形アクチュエータを備える。
【0032】
より詳細には、また、
図5を参照すると、作動装置は、管2を第1の軸線Aに沿って移動させかつ/または第1の軸線Aの周りで回転させるように構成され得る。さらに、作動装置は、曲げヘッド3を第2の軸線Bの周りで回転させるように構成され得る。
【0033】
さらに詳細には、作動装置は、管2を第1の軸線Aに沿って移動させるようにおよび/または管2を第1の軸線Aの周りで回転させるように構成された1つまたは複数の第2の作動デバイスを備え得る。
【0034】
あるいは、またはさらに、作動装置は、少なくとも曲げヘッド3を第2の軸線Bの周りで回転させるように構成された1つまたは複数の第3の作動デバイスを備え得る。
【0035】
示された限定的ではない実施形態によれば、作動装置は、順々に配置された前進車(advancement wheel)7の第1の群と、順々に配置された前進車8の第2の群とを備える。具体的には、各前進車7は、前進車7および前進車8が管2の両側に作用するように、それぞれの前進車8に面する。
【0036】
具体的には、第1の群および第2の群は、曲げヘッド3の上流に配置される。
【0037】
さらに、曲げ機械1、具体的には曲げヘッド3は、管2を切断するように構成された切断ユニットを備え得る。
【0038】
図1を特に参照すると、曲げ機械1は、(曲げられていない)管2を収容する貯蔵デバイス9をさらに備え得る。具体的には、作動装置は、管2を貯蔵デバイス9から曲げヘッド3に向かって前進させるように構成され得る。
【0039】
より詳細には、貯蔵デバイス9は、管2をロールの形態で収容するように構成される。
【0040】
さらに詳細には、貯蔵デバイス9は、管2をロールの形態で担持する支持体10を備え、具体的には、支持体10は、ロールの形態で配置された管2の繰出しを可能にするように設計される。
【0041】
図1を特に参照すると、曲げ機械1は、オペレータが曲げ機械1に、具体的には制御ユニットに命令を送信することおよび/または曲げ機械1から情報を受信することを可能にするように構成されたヒューマンマシンインターフェース11をさらに備え得る。
【0042】
有利には、曲げ機械1は、曲り管2’を得るために管2の曲げシーケンスを決定するように構成された、具体的には制御ユニットに動作可能に接続された、計算ユニット12を備える。具体的には、計算ユニット12は、局所的にかつ/または遠隔的に配置され得る。
【0043】
使用中、曲げ機械1は、(決定された)曲り管2’を得るために管2を曲げる。
【0044】
具体的には、曲り管2’の形状(構成)は、曲げの方法が行われる前に画定される。より具体的には、制御ユニットは、曲り管2’に関する情報を含む。
【0045】
具体的には、曲り管2’は、曲げの数Nにより管2と区別される。
【0046】
より詳細には、曲げ機械1は、決定された曲げシーケンスに従って管2を曲げる。具体的には、決定された曲げシーケンスは、N個の曲げを含む。
【0047】
管2の曲げシーケンスの決定は、曲げ機械1による曲げシーケンスの実行に先立って行われる。
【0048】
より詳細には、曲げの方法の実行中、以下のステップ、すなわち、
a)計算ユニット12により管状金属物品2の曲げシーケンスを決定するステップ、および、
b)ステップa)の実行中に決定された曲げシーケンスに従って管2を曲げるステップ
が行われる。
【0049】
より具体的には、曲げシーケンスは、複数の実行のステップ(複数の曲げ)、具体的にはN個の実行のステップを画定し、それらのステップは、順々に実行され、また、各実行のステップは、それぞれの位置合わせのステップと、それぞれの曲線化のステップとを有し、曲線化のステップは、具体的には、それぞれの位置合わせのステップの実行に続いて実行される。
【0050】
各位置合わせのステップ中、管2と曲げヘッド3、具体的には1つまたは複数の曲げ群4との間の相対位置が修正され、各曲線化のステップ中、曲げヘッド3、具体的には曲げ群4のうちの少なくとも1つ、さらに具体的にはタレット5のうちの少なくとも1つは(少なくとも1つの係合要素6により)、管2の局所的な曲げを行う。
【0051】
より詳細には、各曲線化のステップの実行後、管2は、(新たな)中間構成を提示する。
【0052】
さらに詳細には、第1の曲線化のステップの実行に先立って、管2は、(実質的に)直線的な構成を提示する(管2は、長手軸線に沿って、具体的には第1の軸線Aに平行に、さらに具体的には第1の軸線Aと同軸に、延在する)。最後の曲線化のステップの実行後、管2は、曲り管2’に一致する。
【0053】
さらに詳細には、各曲線化のステップ中、管2のそれぞれの曲げは、それぞれの曲げ群4、具体的にはそれぞれのタレット5を作動させることによって得られ、管2の第2の部分14に対する管2の第1の(自由)部分が曲げられ(
図2参照)、例えば、この第2の部分14は、それぞれの曲げのステップの実行中に動かないように保持されている。具体的には、各曲線化のステップ中、第1の部分13と第2の部分14との間に画定された角度が得られる。さらに具体的には、少なくとも第1の部分13の特定の形状は、曲線化のステップによって異なり、および/または、画定される角度は、曲線化のステップ間で異なってもよい。
【0054】
さらに、各曲線化のステップ中、第1の作動デバイスのうちの少なくとも1つが、それぞれの曲げ群4、具体的にはそれぞれのタレット5を作動させて、管2のそれぞれの曲げを実行する。
【0055】
各曲線化のステップ中、管2は引き締められることが好ましく、すなわち、管2は、第1の軸線Aに沿って並進することもできなければ、第1の軸線Aの周りで回転することもできないことが好ましい。
【0056】
より具体的には、位置合わせのステップ中、特定の曲げ群4が正しい曲げを行うことができるように、すなわち、特定の曲げ群4が正しい曲線化のステップを行うことができるように、特定の曲げ群4に対する管2の正しい位置決めが得られる。
【0057】
さらに詳細には、各位置合わせのステップ中、第2の作動デバイスは、管2を第1の軸線Aに沿って移動させかつ/もしくは管2を第1の軸線Aの周りで回転させ、および/または、1つもしくは複数の第3の作動デバイスが、少なくとも曲げヘッド3を第2の軸線Bの周りで回転させる。
【0058】
さらに、本方法中、ならびにステップa)およびステップb)の実行前、初期設定ステップが行われ、この初期設定ステップ中に曲り管2’の形状が画定される。
【0059】
より具体的には、初期設定ステップ中、曲り管2’の形状は、制御ユニットによって書き込まれかつ/または読み取られかつ/または読み出される。具体的には、曲り管2’の形状は、デジタル的に提供され、かつ、曲り管2’の3次元構成を説明する。
【0060】
さらに詳細には、曲り管2’の形状は、1つまたは複数のソフトウェアシステムにより制御ユニットに提供されてもよく、1つまたは複数のソフトウェアシステムは、コンピュータ支援設計(CAD)および/もしくはコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェア、ならびに/または監視および統括管理のための分散型コンピュータシステム(SCADAとしても知られる)に基づいてもよい。
【0061】
切断のステップもまた、本方法中に行われ得ることが好ましく、切断のステップ中、曲り管2’または管2は切断される。具体的には、切断のステップは、曲げシーケンスの実行前、実行中、または実行後に行われ得る。
【0062】
1回または複数回の繰返しステップが実行されることが好ましく、繰返しステップ中、ステップb)が、新たな管2を用いて、ステップa)の実行中に決定された曲げシーケンスに基づいて(また、ステップa)が再度行われることなしに)繰り返される。このようにして、大量生産が達成される。
【0063】
より詳細には、また、
図2から
図5を参照すると、ステップa)中、計算ユニット12により、少なくとも、
a1)管2の初期構成20および最終構成21(例えば、
図4参照)を画定するサブステップであって、最終構成21が、曲げの数Nにより初期構成とは異なる、サブステップと、
a2)初期構成20および最終構成21に応じて1つまたは複数の予備曲げシーケンス22を決定するサブステップであって、各予備曲げシーケンス22が、エネルギーおよび/または時間の観点から曲げコストに応じるコストを有する、サブステップと、
a3)決定された曲げシーケンスとして特に他の可能な曲げシーケンスと比較して最小限のコストを有する少なくとも1つまたは複数の予備曲げシーケンス22を提案するサブステップと、
が実行される。
【0064】
具体的には、計算ユニット12は、曲り管2’の形状に関する情報を制御ユニットから受信する。
【0065】
図3および
図4は、ステップa)に従って少なくとも1つの曲げシーケンスを決定するための例を示す。例では、管2’は、N=3の曲り(1、2、および3と番号付けされた曲り)の存在において、初期の管2とは異なる。理論的には、最終構成は、初期構成から始まって6つの異なる経路(経路a)からf)を参照)を辿ることによって得ることができる。
【0066】
より詳細には、ステップa2)中に、初期構成20から最終構成21までの1つまたは複数の経路(理論的には6つの経路a)からf))が画定される。各経路は、管2の複数の可能な中間構成を提示する。
【0067】
さらに詳細には、各中間構成は、曲りにより(すなわち、それぞれの実行のステップの実施により)、後続の中間構成に接続される。
【0068】
さらに、ステップa2)中に、1つまたは複数の経路のそれぞれに対するそれぞれの関連コストが決定され、この関連コストは、それぞれの曲りのコスト、すなわちそれぞれの実行のステップのコストに依存する。
【0069】
最小関連コストに対応する1つまたは複数の経路のそれぞれの曲りは、ステップa3)中に提案されることになる1つまたは複数の予備曲げシーケンス22を画定することが好ましい。
【0070】
さらに、ステップa)中に、利用可能でない中間構成は、例えばそれらが曲げ機械1の一部分に接触するという理由で、除外される。
【0071】
例えば、
図3に示された特定の事例では、ステップa)中に、経路d)およびf)には最小コストがかかる一方で、経路a)、b)、c)、およびe)はあまり好ましいものではなく、具体的には除外されるべきものであることが、判定される。
【0072】
さらに、出願人は、曲り管2’を初期構成20として画定し、非曲り管2を最終構成21として画定することが、特に計算時間の観点から有利であることを見出した。言い換えれば、計算ユニット12を使用して、曲り管2’から開始すること、および、非曲り管2を得ることができ、また他の可能な曲げシーケンスと比較して最小限のコストを有する1つまたは複数の曲げシーケンスを画定することにより、1つまたは複数の曲げシーケンスを決定することが、有利である。
【0073】
そのような実施形態によれば、ステップb)中に行われることになる曲げシーケンスは、ステップa)中、具体的にはサブステップa2)中に決定された曲げシーケンスの逆順に相当する。
【0074】
図3および
図4における例を参照すると、ステップa)中、計算ユニット12は、最小コストを有する2つの予備曲げシーケンス、具体的には曲げシーケンス0-2-3-1(経路d))または0-3-2-1(経路f))を決定した。他の可能な曲げシーケンス(経路a)、b)、c)、およびe))は、より高いコストを伴い、そのようなコストは、それらの曲げシーケンスを、望ましくないものまたは不可能なものにする。次いで、ステップb)中、管2は、曲げシーケンス1-3-2または1-2-3に従って、具体的にはオペレータによって選択される曲げシーケンスに従って、曲げられる。
【0075】
図5を参照しながら、ステップa)の、具体的にはサブステップa2)の実行を、より詳細に説明する。
図4は、経路0-2-1-3(経路e))を特に例示するが、この経路は、最終的に、経路0-2-3-1および0-3-2-1よりも高いコストを有する結果になる。曲り管2’は、曲り2においてその後続の中間構成とは異なり、引き続いて、曲り1において後続の中間構成とは異なり、引き続いて、曲り3においてその後続の中間構成(すなわち、管2)とは異なることが示され得る。したがって、それぞれの予備曲げシーケンス22のコストは、曲り2、1、および3のシーケンスのコストによって決定される。
【0076】
有利には、ステップa)中にサブステップa4)(シミュレーション)も行われ、このサブステップa4)中、曲げシーケンスおよび/または1つもしくは複数の予備曲げシーケンスの実行可能性を検証するために、曲げシーケンスおよび/または1つもしくは複数の予備曲げシーケンスに従って計算ユニット12により3次元シミュレーションが実行される。具体的には、サブステップa4)中、曲げシーケンスおよび/または1つもしくは複数の予備曲げシーケンスの実行可能性を検証するために、曲げシーケンスおよび/または1つもしくは複数の予備曲げシーケンスに対して、管2(なおも部分的に曲がっている)または管2’が曲げ機械1の1つまたは複数の部分(部品)に干渉する可能性があるかどうか、具体的には打ち付ける可能性があるかどうかがシミュレーションされる。
【0077】
具体的には、ステップb)中、管2、部分的に曲がった管2、または曲り管2’が曲げ機械1の部分に干渉し得る危険性を作り出さないはずの予備曲げシーケンス22のみが考慮される。しかし、いかなる危険性をも排除するには、ステップa4)を行うことが有利である。
【0078】
より詳細には、ステップa4)中、全体としてのまたは部分的な曲げ機械1の3次元モデルおよび管2の3次元モデルがシミュレーションされ、また、実行のステップ、具体的にはそれぞれの位置合わせのステップおよびそれぞれの曲線化のステップがシミュレーションされ、シミュレーション中、管2および(最終的に)曲り管2’の中間構成が得られる。ステップa4)中、実行の(曲げの)ステップのうちの少なくとも1つの実施が曲げ機械1の一部分との管2の接触をもたらすことを実行のシミュレーションが判定した場合には、それぞれの予備曲げシーケンス22は廃棄されて、ステップa3)中に提案されない。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、信号伝達のステップa5)も行われ、この信号伝達のステップa5)中、サブステップa3)中に提案された複数の予備曲げシーケンスが、ヒューマンマシンインターフェース11によって表示される。オペレータが、予備曲げシーケンス22のうちの1つをステップa)中に使用されることになる曲げシーケンスとしてヒューマンマシンインターフェース11を用いて選択することが、好ましい。これは、オペレータがその選択において曲げ機械1自体の動作に厳密に結び付けられない追加的な態様を考慮することができるので、有利であり得る。これらの態様は、以下のうちの1つまたは複数であり得る:
- 管2’の曲げの完了に続く、曲げ機械1からの管2’の取外しなどの、曲げ機械1が存在するプラントにおいて行われることになるプロセスステップ、
- ステップa)の完了後に曲げヘッド3が特定の構成にあることを所望すること、
- 工場における曲げ機械1の特定の配置。
【0080】
より詳細には、ステップa2)中、各曲げの(各実行のステップの)コストが、少なくともそれぞれの位置合わせのステップ中に必要なエネルギーおよび/または必要な時間に応じて判定される。
【0081】
優先的には、各曲げのコストは、それぞれの位置合わせのステップ、具体的には各位置合わせのステップに関連するそれぞれの位置合わせコストEだけに従って判定される(言い換えれば、位置合わせコストEは、種々の予備曲げシーケンスのそれぞれの位置合わせのステップを実行するためのエネルギーのおよび/または時間のコストである)。言い換えれば、各曲げのコストは、それぞれの曲線化のステップに従って判定されるのではなく、具体的には、各曲げのコストは、それぞれの曲線化のステップを実行するのに必要なエネルギーおよび/または必要な時間に応じて判定されるのではない。
【0082】
これは、計算ユニット12の計算を促進しかつ短縮するので、有利である。これに関連して、各可能な曲げシーケンスのために(種々の曲げシーケンス間で異なる順序で)同じ曲線化のステップが行われることになることが、考慮されるべきである。さらに、可能な曲げシーケンス間の違いは、曲げシーケンスによって異なる位置合わせのステップにある。したがって、ある予備曲げシーケンス22が別の予備曲げシーケンス22と比べて最小限のコストを伴うかどうかを判定するための関連コストは、(実質的に)位置合わせのステップによってのみ判定される。
【0083】
図3および
図4における例を参照すると、それぞれの曲線化1、2、および3のステップは、実質的にシーケンス自体に無関係であるが、それぞれの位置合わせのステップからもたらされるコストは、異なる。曲げシーケンス0-2-3-1の場合、それぞれの曲線化2のステップを実行することを可能にするために、第1の位置合わせのステップが実行されなければならず、続いて、それぞれの曲線化3のステップを実行するために、第2の位置合わせのステップが実行されなければならず、最後に、それぞれの曲線化1のステップを実行するために、第3の位置合わせのステップが実行されなければならない。
【0084】
曲げシーケンス0-3-2-1の場合、それぞれの曲線化3、2のステップを実行し最後に曲線化1のステップを実行するために、第1、第2、および第3の位置合わせのステップが実行されなければならない。
【0085】
同じ推論が
図3および
図4の曲げシーケンス(a)、b)、c)、およびe))に適用されるが、それらは他の場合と比較して過度にコストがかかるので、コストの観点から不利益と考えられる。
【0086】
ステップa)中に考慮されることになる運動と同様に、計算ユニット12は、各位置合わせのステップのコストを判定するために、以下のこと、すなわち、
i)第1の軸線Aに沿った管2の直線運動Δx、
ii)第1の軸線Aの周りでの管2の回転Δθ、および、
iii)第2の軸線Bの周りでの曲げヘッド3の回転ΔΩ
を考慮する。
【0087】
次いで、計算ユニット12は、それぞれのΔx、それぞれのΔθ、および/またはそれぞれのΔΩに基づいて、各位置合わせのステップの位置合わせコストEを判定する。具体的には、各位置合わせのステップの位置合わせコストEは、それぞれのΔx、それぞれのΔθ、および/またはそれぞれのΔΩに比例して判定される。
【0088】
より詳細には、計算ユニット12は、以下の式、
E=w1
*│Δx/Δxmax│+w2
*│Δθ/Δθmax│+w3
*│ΔΩ/ΔΩmax│
に従って各位置合わせのステップの位置合わせコストEを判定し、式中、w1、w2、およびw3は、それぞれの重み係数であり、Δxmax、Δθmax、およびΔΩmaxは、それぞれの最大値である。
【0089】
それぞれの最大値との関係は様々な範囲および様々な単位を考慮に入れることが、注目されるべきである。したがって、それぞれの最大値との関係は、それぞれの値をスケーリングし、かつ、a次元のコスト(a-dimensional cost)を画定する。
【0090】
さらに、各運動i)、ii)、およびiii)は、他の運動i)、ii)、およびiii)と比較して、より高速であるか、それほど高速でなくてもよく、かつ/または、エネルギーをそれほど消費しないか、より多く消費してもよい。この態様は、重み係数の選択を通じて考慮される。重み係数w1、w2、およびw3の和は、1(w1+w2+w3=1)に等しいことが好ましい。
【0091】
有利には、ステップa2)中、最小関連コストに対応する1つまたは複数の経路が、計算ユニット12によりグラフ検索アルゴリズムを用いて判定される。
【0092】
グラフ検索アルゴリズムは、A*アルゴリズムであることが好ましい。具体的には、A*アルゴリズムは、中間構成を通過する最良の経路の推定を用いて各中間構成を分類することにより、初期構成20から最終構成21に向かう経路を特定する。
【0093】
具体的には、A*アルゴリズムを使用することにより、全ての可能な経路を計算することを必要とせずに、最も有望な経路を判定することができる。
【0094】
さらに、グラフ検索アルゴリズムの実行中、利用可能でない中間構成が、例えばそれらが曲げ機械1の一部分に接触するという理由で、除外される。
【0095】
より詳細には、ステップa2)中、以下の(A*アルゴリズムの)サブステップ、すなわち、
a2i)初期構成20を開始構成として設定するサブステップ、
a2ii)初期構成20から後続の中間構成までの曲げコストの(それぞれの位置合わせのステップの)和Gおよび後続の中間構成から最終構成21までの残りの経路の曲げの(それぞれの位置合わせのステップの)コストHの(サブ)推定に比例して開始構成から後続の中間構成までのコストFを判定するサブステップ(言い換えれば、F=G+H)、
a2iii)他の後続の中間構成のうちの1つまたは複数のためにサブステップa2ii)を繰り返すサブステップ、
a2iv)最小コストを有する1つまたは複数の後続の中間構成を選択するサブステップ、
a2v)各選択された後続の中間構成に対して、後続の中間構成を新たな開始構成として設定し、最終構成21によって画定された後続の中間構成に達するまでサブステップa2ii)からa2v)を繰り返すサブステップ
の実行により、1つまたは複数の経路が検討される。
【0096】
より詳細には、コストFは、一方では、実行のステップに応じて、具体的には初期構成20から後続の中間構成までのそれぞれの位置合わせのステップおよび/または位置合わせのコストに応じて計算されるコストGから判定され、他方では、後続の中間構成から最終構成21に達するのになおも必要なコストHの推定によって判定される。
【0097】
さらに詳細には、それぞれのコストGは、それぞれのΔx、それぞれのΔθ、および/またはそれぞれのΔΩに応じて計算される。さらに、それぞれのコストHは、曲げの数N、およびすでに実行された曲げの数に応じて推定される。言い換えれば、それぞれのコストHは、それぞれの後続の中間構成から最終構成21に達するのになおも必要とされる曲げの数に依存する。
【0098】
図6を特に参照すると、数字1’は、本発明による曲げ機械の第2の実施形態を示す。曲げ機械1’は、曲げ機械1に似ており、そのため、以下に説明することは、曲げ機械1自体に対する違いのみに限られ、すでに説明した部品に等しいかまたは等価である部品は、同じ参照番号で示される。
【0099】
具体的には、曲げ機械1’は、具体的には第1の軸線Aに沿って互いに離間された2つの曲げヘッド3を備えるという点において、曲げ機械1とは異なる。
【0100】
具体的には、曲げ機械1’は、2つの自由部分13を有する管2を曲げるように構成される。さらに、各曲げヘッド3は、それぞれの自由部分13を曲げるように構成される。
【0101】
具体的には、各曲げヘッド3は、単一の曲げ群4を備える。
【0102】
さらに詳細には、各曲げヘッド3は、第1の軸線Aおよび第3の軸線Cに沿って移動可能であり、第3の軸線Cは、第1の軸線Aおよび第2の軸線Bに直角である。
【0103】
さらに、曲げ機械1’は、曲げヘッド3の間に間置された把持デバイス24を備え、具体的には、把持デバイス24は、曲げヘッド3に対して中心に置かれる。
【0104】
より具体的には、把持デバイス24は、曲げヘッド3の動作中に管2を保持するように構成される。把持デバイス24はまた、管2を第1の軸線Aの周りで回転させるように構成されることが好ましい。具体的には、把持デバイス24は、第2の作動デバイスを画定する。
【0105】
さらに詳細には、各位置合わせのステップ中、以下の運動、すなわち、
i)第1の軸線Aに沿った管2の直線運動Δx、
ii)第1の軸線Aの周りでの管2の回転Δθ、
iv)第3の軸線Cに沿った曲げヘッド3の直線運動Δz、および、
v)第1の軸線Aに沿った曲げヘッド3の直線運動Δxa
が実行される。
【0106】
次いで、ステップa)の実行中、計算ユニット12は、それぞれのΔx、それぞれのΔθ、それぞれのΔxa、および/またはそれぞれのΔzに応じて各位置合わせのステップの位置合わせコストEを判定する。
【0107】
より詳細には、計算ユニット12は、以下の式、
E=w1
*│Δx/Δxmax│+w2*│Δθ/Δθmax│+w4
*│Δxa/Δxa,max│+w5
*│Δz/Δzmax│
に従って各位置合わせのステップの位置合わせコストEを判定し、式中、w1、w2、w4、およびw5は、それぞれの重み係数であり、Δxmax、Δθmax、Δxa,max、およびΔzmaxは、それぞれの最大値である。
【0108】
さらに、限界ΔxmaxおよびΔzmaxは、各曲げヘッド3の到達可能な長方形領域の極限と定義することができ、Δθmaxは、2πに等しいと定義することができ、Δxa,maxは、曲げシーケンスを実行する前の管2の長さと定義することができる。重み係数w1、w2、w4、およびw5は、位置合わせのステップを実行するのに必要な時間および/またはエネルギーに基づいてスケーリングすることができ、かつ、w1+w2+w4+w5=1であるように正規化することができ、具体的には、1は、エネルギーおよび/または時間の観点から位置合わせのステップを実行するための単位コストを示す。
【0109】
さらに詳細には、それぞれのコストGは、それぞれの値Δx、Δθ、Δxa、およびΔzに応じて計算される。
【0110】
図7を特に参照すると、数字1”は、本発明による曲げ機械の第3の実施形態を示す。曲げ機械1”は、曲げ機械1’に似ており、そのため、以下に説明することは、曲げ機械1’自体に対する違いのみに限られ、すでに説明した部品に等しいかまたは等価である部品は、同じ参照番号で示される。
【0111】
具体的には、曲げ機械1”は、各曲げヘッド3が2つの曲げ群4を備えるという点において、曲げ機械1’とは異なる。
【0112】
各位置合わせのステップ中、以下の運動、すなわち、
i)第1の軸線Aに沿った管2の直線運動Δx、
ii)第1の軸線Aの周りでの管2の回転Δθ、
iii)第2の軸線Bの周りでの曲げヘッド3の回転ΔΩ、および、
v)第1の軸線Aに沿った曲げヘッド3の直線運動Δxa
が実行される。
【0113】
次いで、ステップa)の実行中、計算ユニット12は、それぞれのΔx、それぞれのΔθ、それぞれのΔxa、および/またはそれぞれのΔΩに応じて各位置合わせのステップの位置合わせコストEを判定する。
【0114】
より詳細には、計算ユニット12は、以下の式、
E=w1
*│Δx/Δxmax│+w2
*│Δθ/Δθmax│+w3
*│ΔΩ/ΔΩmax│+w4
*│Δxa/Δxa,max│+
に従って各位置合わせのステップの位置合わせコストEを判定し、式中、w1、w2、w3、およびw4は、それぞれの重み係数であり、Δxmax、Δθmax、ΔΩmax、およびΔxa,maxは、それぞれの最大値である。
【0115】
重み係数w1、w2、w3、およびw4は、位置合わせのステップを実行するのに必要な時間および/またはエネルギーに基づいてスケーリングすることができ、かつ、w1+w2+w3+w4=1であるように正規化することができ、具体的には、1は、エネルギーおよび/または時間の観点から位置合わせのステップを実行するための単位コストを示す。
【0116】
さらに詳細には、それぞれのコストGは、それぞれの値Δx、Δθ、ΔΩ、およびΔxaに応じて計算される。
【0117】
曲げ機械1、1’、および1”の特性ならびに/または本発明による方法の調査から、それによって得ることが可能とされる利点が明らかである。
【0118】
具体的には、曲げシーケンスの実行中のどの時点においても曲げ機械1、1’、および1”の部分との干渉を回避する、使用されることになる曲げシーケンスを、迅速かつ確実な態様で判定することが可能である。
【0119】
さらなる利点は、あまり訓練を受けていないオペレータによっても曲げ機械1、1’、および1”が動作され得ることである。
【0120】
別の利点は、使用されることになる曲げシーケンスを計算ユニット12によって提案される選択肢からオペレータが選択することができる可能性に見ることができる。このようにして、オペレータはまた、曲げ機械1、1’、および1”に厳密に依存しない因子に基づいて曲げシーケンスを選択することができる。
【0121】
最後に、本明細書において説明されかつ示される曲げ機械1、1’、または1”および曲げの方法に対して、特許請求の範囲によって定められる保護範囲から逸脱しない修正および変形がなされ得ることは、明らかである。
【符号の説明】
【0122】
1 曲げ機械
1’ 曲げ機械
1” 曲げ機械
2 管、管状金属物品
2’ 曲り管、曲り管状物品
3 曲げヘッド
4 曲げ群
5 タレット
6 係合要素
7 前進車
8 前進車
9 貯蔵デバイス
10 支持体
11 ヒューマンマシンインターフェース
12 計算ユニット
13 第1の(自由)部分、自由部分
14 第2の部分
20 初期構成
21 最終構成
22 予備曲げシーケンス
24 把持デバイス
A 第1の軸線
B 第2の軸線
C 第3の軸線
Δx 直線運動
Δθ 回転
Δz 直線運動
Δxa 直線運動
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲り管状物品(2’)を得るために、具体的には金属ワイヤまたは金属管(2)である管状金属物品(2)を曲げる方法であって、少なくとも、
a)計算ユニット(12)により前記管状金属物品(2)の曲げシーケンスを決定するステップと、
b)前記ステップa)の実行中に決定された前記曲げシーケンスに従って前記管状金属物品(2)を曲げるステップと、
を含み、
前記ステップa)中、前記計算ユニット(12)により、少なくとも以下のサブステップ、すなわち、
a1)前記管状金属物品(2)の初期構成(20)、および、曲げの数Nにより前記初期構成(20)とは異なる前記管状金属物品(2)の最終構成(21)を画定するサブステップと、
a2)前記初期構成(20)および前記最終構成(21)に応じて1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を決定するサブステップであって、各予備曲げシーケンス(22)が、エネルギーおよび/または時間の観点から曲げコストに応じたコスト(F)を有する、サブステップと、
a3)前記決定された曲げシーケンスとして、最小コストを有する少なくとも1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を提案するサブステップと、
が実行される、方法。
【請求項2】
各曲げが、少なくとも、前記管状金属物品(2)と少なくとも1つの曲げヘッド(3)との間の相対位置が修正される位置合わせのステップと、前記曲げヘッド(3)が前記管状金属物品(2)の局所的な曲げを実行する曲線化のステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各曲げのコストが、それぞれの前記位置合わせのステップを実行するのに必要な前記エネルギーおよび/または前記時間に応じて決定され、好ましくはそれだけに応じて判定され、また好ましくは、前記各曲げのコストが、それぞれの前記曲線化のステップを実行するのに必要な前記エネルギーおよび/または前記時間に応じて判定されない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置合わせのステップ中、以下の運動、すなわち、
i)第1の軸線(A)に沿った前記管状金属物品(2)の直線運動(Δx)、
ii)前記第1の軸線(A)の周りでの前記管状金属物品(2)の回転(Δθ)
が実行されることになり、
前記各曲げのコストが、前記管状金属物品(2)の前記直線運動(Δx)および前記管状金属物品(2)の前記回転(Δθ)に比例する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第2の軸線(B)が、前記第1の軸線(A)に直角であり、第3の軸線(C)が、前記第1の軸線(A)および前記第2の軸線(B)に直角であり、
前記位置合わせのステップ中、以下の運動、すなわち、
iii)前記第2の軸線(B)の周りでの前記曲げヘッド(3)の回転(ΔΩ)、
iv)前記第3の軸線(C)に沿った前記曲げヘッド(3)の直線運動(Δz)、
v)前記第1の軸線(A)に沿った前記曲げヘッド(3)の直線運動(Δx
a)
のうちの1つまたは複数も実行されることになり、
前記各曲げのコストがまた、前記曲げヘッド(3)の前記回転(ΔΩ)、および/または前記第3の軸線(C)に沿った前記曲げヘッド(3)の前記直線運動(Δz)、および/または前記第1の軸線(A)に沿った前記曲げヘッド(3)の前記直線運動(Δx
a)に比例する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップa2)中、前記初期構成(20)から前記最終構成(21)までの1つまたは複数の経路が画定され、
各経路が、前記管状金属物品(2)の複数の中間構成を提供し、
各中間構成が、曲りにより後続の中間構成に接続され、
前記1つまたは複数の経路のそれぞれに対するそれぞれの関連コストが判定され、前記関連コストが、前記それぞれの曲りのコストに依存し、
最小関連コストに対応する前記1つまたは複数の経路の前記それぞれの曲りが、前記ステップa3)中に提案されることになる前記1つまたは複数の予備曲げシーケンス(22)を画定する、
請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa2)中、前記最小関連コストに対応する前記1つまたは複数の経路が、グラフ検索アルゴリズム、具体的にはA
*アルゴリズムを用いて判定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップa2)中、1つまたは複数の経路が、以下のサブステップ、すなわち、
a2i)前記初期構成(20)を開始構成として設定するサブステップ、
a2ii)前記初期構成(20)から後続の中間構成までの曲げコストの和(G)に比例して、および前記後続の中間構成から前記最終構成(21)までの残りの経路の曲げコスト(H)の推定に応じて前記開始構成から前記後続の中間構成までのコスト(F)を判定するサブステップ、
a2iii)他の前記後続の中間構成のうちの1つまたは複数のために前記サブステップa2ii)を繰り返すサブステップ、
a2iv)前記最小コストを有する1つまたは複数の前記後続の中間構成を選択するサブステップ、
a2v)各選択された後続の中間構成に対して、前記後続の中間構成を新たな開始構成として設定し、前記最終構成(21)によって画定された前記後続の中間構成に達するまで前記サブステップa2ii)からa2v)を繰り返すサブステップ
の実行によって検討される、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記初期構成(20)が、前記曲り管状物品(2’)の構成に対応し、前記最終構成(21)が、曲がっていない前記管状金属物品(2)に対応し、
前記ステップb)中、前記曲げシーケンスが、逆順に行われることになる、
請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
信号伝達のステップa5)をさらに含み、前記信号伝達のステップa5)中、前記サブステップa3)中に提案された複数の予備曲げシーケンス(22)が、ヒューマンマシンインターフェース(11)によって表示され、および前記信号伝達のステップa5)中、オペレータが、前記ヒューマンマシンインターフェース(11)を通じて、前記予備曲げシーケンス(22)のうちの1つを前記ステップa)中に使用されることになる前記曲げシーケンスとして選択する、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップa)がまた、サブステップa4)を含み、前記サブステップa4)中、前記曲げシーケンスおよび/または前記1つもしくは複数の予備曲げシーケンスの実行可能性を検証するために、前記曲げシーケンスおよび/または前記予備曲げシーケンス(22)のうちの1つもしくは複数に従って3次元シミュレーションが実行される、請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップb)が、曲げ機械(1、1’、1”)を用いて実行され、
前記サブステップa4)中、前記曲げシーケンスおよび/または前記1つもしくは複数の予備曲げシーケンス(22)の実行可能性を検証するために、前記曲げシーケンスおよび/または前記1つもしくは複数の予備曲げシーケンス(22)に対して、前記管状金属物品(2)が前記曲げ機械(1、1’、1”)の1つもしくは複数の部分および/またはそれ自体に干渉する可能性があるかどうか、具体的には打ち付ける可能性があるかどうかがシミュレーションされる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの繰返しステップが実行され、前記繰返しステップ中、前記ステップb)が、新たな管状金属物品(2)を用いて、前記ステップa)の実行中に決定された前記曲げシーケンスに基づいて、ステップa)が再度行われることなしに繰り返される、請求項
1に記載の方法。
【請求項14】
請求項
1に記載の方法を実行するように構成された、具体的には金属ワイヤまたは金属管(2)である管状金属物品(2)の曲げのための曲げ機械(1、1’、1”)。
【国際調査報告】