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特表2024-527318自律システムのナビゲーションのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】自律システムのナビゲーションのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/24 20240101AFI20240717BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240717BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240717BHJP
   G05D 1/633 20240101ALI20240717BHJP
【FI】
G05D1/24
G05D1/43
G01C21/26 A
G05D1/633
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580558
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2022056018
(87)【国際公開番号】W WO2023275760
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21305893.6
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21305894.4
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21305895.1
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21305896.9
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515334773
【氏名又は名称】ユニベルシテ ドゥ カーン ノルマンディ
(71)【出願人】
【識別番号】506310061
【氏名又は名称】セントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・サイエンティフィーク・セエヌアールエス
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE CNRS
(71)【出願人】
【識別番号】521366931
【氏名又は名称】エコール ナシオナル シュペリウール ダンジェニユール ドゥ カーン
【氏名又は名称原語表記】ECOLE NATIONALE SUPERIEURE D’INGENIEURS DE CAEN
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムアディブ,アブデル-イラーフ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンピエール,ローラン
【テーマコード(参考)】
2F129
5H301
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA11
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD53
2F129DD57
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE95
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD15
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG14
5H301GG17
5H301HH01
5H301HH02
5H301HH04
5H301LL01
5H301LL06
(57)【要約】
自律システムのためのナビゲーション経路を生成するためのシステム及び方法。本方法は、エンティティの特性を含むデータを受信することであって、エンティティは、自律システムが動作するように構成される環境を画定する、受信することと、自律システムに環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、自律システムが目的地に到達するために辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成することであって、ウェイポイントは、エンティティの特性に基づいて生成され、セグメント経路を画定する、生成することと、自律システムにナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行することと、第1のウェイポイントから第2のウェイポイントにナビゲートする際に、対応するセグメント経路の近傍に位置するエンティティの特性の更新にアクセスし、第2の情報に基づいて第1のウェイポイントと第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成し、サブ経路に沿ってナビゲートして第2のウェイポイントに到達することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律システムのためのナビゲーション経路を生成するための方法であって、前記自律システムは、前記自律システムがナビゲートするように構成されている環境を観測するように構成された1つ以上の検知デバイスと、前記方法を実行するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記方法は、
前記プロセッサによって、前記環境を画定するエンティティの特性を含む第1のデータを受信することと、
前記プロセッサによって、前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、
前記自律システムの現在位置から前記目的地に到達するために前記自律システムが辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成することであって、前記ウェイポイントは、セグメント経路を画定し、各ウェイポイントは、前記自律システムが前記ウェイポイントに位置する場合の前記自律システム及びその周囲のエンティティの安全性を示すロケーションコストに関連付けられ、前記ロケーションコストは、前記第1のデータに基づいて決定され、前記ナビゲーション経路を前記生成することは、グローバルコストを計算することを含み、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの前記ロケーションコストの組み合わせである、生成することと、
前記プロセッサによって、前記自律システムに前記ナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行することと、
対応するセグメント経路に沿った前記ウェイポイントのうちの第1のウェイポイントから前記ウェイポイントのうちの第2のウェイポイントへの前記自律システムのナビゲーション中に、
前記プロセッサによって、対応するセグメント経路の近傍に位置する前記エンティティの前記特性の更新を含む、前記自律システムのナビゲーション中に前記1つ以上の検知デバイスによって生成された第2のデータにアクセスし、
前記プロセッサによって、前記第2のデータ及び前記対応するセグメント経路に基づいて、前記自律システムの現在位置と前記ウェイポイントのうちの前記第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成し、
前記プロセッサによって、前記第2のウェイポイントに到達するために、前記自律システムに前記サブ経路に沿ってナビゲートさせる第3の命令を実行することと、を含む、
方法。
【請求項2】
所与のウェイポイントと連続するウェイポイントとの間の各セグメント経路は、前記自律システムが前記セグメント経路に沿って前記所与のウェイポイントから前記連続するウェイポイントにナビゲートしているときの前記自律システム及びその周囲のエンティティの安全性を示すロケーションコストに関連付けられ、前記セグメント経路の前記ロケーションコストは、前記第1のデータに基づいて決定され、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの前記ロケーションコスト及びセグメント経路の前記ロケーションコストに更に依拠している、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のデータに基づいて、前記自律システムが前記ウェイポイントのうちの前記第2のウェイポイントに位置していることが周囲のエンティティ又は前記自律システムにとって安全でないことに対応するという判定が行われた場合、前記ウェイポイントのうちの前記第2のウェイポイントのロケーションは、前記自律システムのナビゲーション中に調整される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記グローバルコストを計算することは、前記グローバルコストを最小化することを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、前記ヒューマンエンティティのうちの1つの特性は、前記ヒューマンエンティティのフォーメーション、前記ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、前記ヒューマンエンティティの前記人間の配向、前記ヒューマンエンティティのロケーション、前記ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信すると、前記方法は、
前記第1の命令に基づいて、前記自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が行われた場合、
前記ヒューマンエンティティの特性にアクセスすることと、
前記ヒューマンエンティティの前記特性に基づいて、前記ヒューマンエンティティの近傍における目的地を決定することと、を更に含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒューマンエンティティの近傍における目的地を決定することは、前記ヒューマンエンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に更に基づいている、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェイポイントのロケーションは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて決定され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、前記ウェイポイントの各々のロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、各セグメント経路は、ロケーションコストに関連付けられ、前記ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを最小化することを含み、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの各々及び各セグメント経路の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記自律システムの前記現在位置と前記第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成することは、
前記連続するウェイポイントに到達するために、前記自律システムが辿る1つ以上のサブウェイポイントを生成することを含み、前記サブウェイポイントは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて生成され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのサブウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、前記サブ経路を生成することは、サブコストを計算することを含み、前記サブコストは、前記1つ以上のサブウェイポイントの各々の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記サブコストを計算することは、前記サブ経路を生成するために前記サブコストを最小化することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティに関連付けられ、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティに関連付けられる、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサによって、前記自律システムに前記ナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行するのと同時に、
前記環境内のエンティティの前記特性の更新が、前記プロセッサによって受信され、
前記ウェイポイントの前記ロケーションが、エンティティの前記特性の前記更新に基づいて調整される、
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
システムによって実行されると、前記システムに請求項1~12のいずれか1項に記載の方法を実施させるコンピュータ可読命令を含む、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
環境内でナビゲートするように構成された自律システムであって、
前記自律システムが動作するように構成されている前記環境を観測するように構成された1つ以上の検知デバイスと、
少なくとも1つのプロセッサと、複数の実行可能命令を記憶するメモリと、を備えるプロセッサと、を備え、前記複数の実行可能命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記環境内のエンティティの特性を含む第1のデータを受信することと、
前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、
前記自律システムの現在位置から前記目的地に到達するために前記自律システムが辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成することであって、前記ウェイポイントは、セグメント経路を画定し、各ウェイポイントは、前記自律システムが前記ウェイポイントに位置する場合の前記自律システム及びその周囲のエンティティの安全性を示すロケーションコストに関連付けられ、前記ロケーションコストは、前記第1のデータに基づいて決定され、前記ナビゲーション経路を前記生成することは、グローバルコストを計算することを含み、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの前記ロケーションコストの組み合わせである、生成することと、
前記自律システムに前記ナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせることと、
対応するセグメント経路に沿った前記ウェイポイントのうちの第1のウェイポイントから前記ウェイポイントのうちの第2のウェイポイントへの前記自律システムのナビゲーション中に、
対応するセグメント経路の近傍に位置する前記エンティティの前記特性の更新を含む、前記自律システムのナビゲーション中に前記1つ以上の検知デバイスによって生成された第2のデータにアクセスし、
前記第2のデータ及び前記対応するセグメント経路に基づいて、前記自律システムの現在位置と前記ウェイポイントのうちの前記第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成し、
前記サブ経路を辿って前記第2のウェイポイントに到達することと、を行わせる、
自律システム。
【請求項15】
所与のウェイポイントと連続するウェイポイントとの間の各セグメント経路は、前記自律システムが前記セグメント経路に沿って前記所与のウェイポイントから前記連続するウェイポイントにナビゲートしているときの前記自律システム及びその周囲のエンティティの安全性を示すロケーションコストに関連付けられ、前記セグメント経路の前記ロケーションコストは、前記第1のデータに基づいて決定され、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの前記ロケーションコスト及びセグメント経路の前記ロケーションコストに更に依拠している、
請求項14に記載の自律システム。
【請求項16】
前記第2のデータに基づいて、前記自律システムが前記ウェイポイントのうちの前記第2のウェイポイントに位置していることが周囲のエンティティ又は前記自律システムにとって安全でないことに対応するという判定が行われた場合、前記ウェイポイントのうちの前記第2のウェイポイントのロケーションは、前記自律システムのナビゲーション中に調整される、
請求項14又は15に記載の自律システム。
【請求項17】
前記グローバルコストを計算することは、前記グローバルコストを最小化することを含む、
請求項14又は15に記載の自律システム。
【請求項18】
ネットワークに通信可能に接続され、前記エンティティの前記特性及び前記エンティティの前記特性の前記更新を受信するように構成されたネットワークデバイスと、
前記自律システムの前記近傍の前記エンティティの前記特性及び前記特性の前記更新を提供するように構成された知覚ユニットと、を更に備える、
請求項14~17のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項19】
前記ウェイポイントのロケーションは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて決定され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、各セグメント経路は、ロケーションコストに関連付けられ、前記ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを最小化することを含み、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの各々及び各セグメント経路の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項14~18のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項20】
前記第1のウェイポイントと前記連続するウェイポイントとの間のサブ経路を生成すると、前記プロセッサは、
前記連続するウェイポイントに到達するために、前記自律システムが辿る1つ以上のサブウェイポイントを生成するように更に構成され、前記サブウェイポイントは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて生成され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのサブウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、前記サブ経路を生成することは、サブコストを最小化することを含み、前記サブコストは、前記1つ以上のサブウェイポイントの各々の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項14~19のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項21】
エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、前記ヒューマンエンティティのうちの1つの特性は、前記ヒューマンエンティティのフォーメーション、前記ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、前記ヒューマンエンティティの前記人間の配向、前記ヒューマンエンティティのロケーション、前記ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択される、
請求項14~21のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項22】
前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信すると、前記プロセッサは、
前記第1の命令に基づいて、前記自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が行われた場合、
前記ヒューマンエンティティの特性にアクセスすることと、
前記ヒューマンエンティティの前記特性と前記社会的及び物理的規範とに基づいて、前記人間の近傍における目的地を決定することと、を行うように更に構成されている、
請求項21に記載の自律システム。
【請求項23】
エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティに関連付けられ、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティに関連付けられる、
請求項14~22のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項24】
自律システムのためのナビゲーション経路を生成するための方法であって、前記自律システムは、プロセッサを備え、前記方法は、
前記プロセッサによって、エンティティの特性を含む第1のデータを受信することであって、前記エンティティは、前記自律システムが動作するように構成されている環境を画定する、受信することと、
前記プロセッサによって、前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、
前記自律システムの現在位置から前記目的地に到達するために前記自律システムが辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成することであって、前記ウェイポイントは、前記エンティティの前記特性に基づいて生成され、セグメント経路を画定する、生成することと、
前記プロセッサによって、前記自律システムに前記ナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行することと、
第1のウェイポイントから第2のウェイポイントへの前記自律システムのナビゲーション時に、
前記プロセッサによって、対応するセグメント経路の近傍に位置する前記エンティティの前記特性の更新を含む第2のデータにアクセスし、
前記プロセッサによって、第2の情報に基づいて前記第1のウェイポイントと前記第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成し、
前記プロセッサによって、前記第2のウェイポイントに到達するために、前記自律システムに前記サブ経路に沿ってナビゲートさせる第3の命令を実行することと、を含む、
方法。
【請求項25】
エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、前記ヒューマンエンティティのうちの1つの特性は、前記ヒューマンエンティティのフォーメーション、前記ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、前記ヒューマンエンティティの前記人間の配向、前記ヒューマンエンティティのロケーション、前記ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択される、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信すると、前記方法は、
前記第1の命令に基づいて、前記自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が行われた場合、
前記ヒューマンエンティティの特性にアクセスすることと、
前記ヒューマンエンティティの前記特性に基づいて、前記ヒューマンエンティティの近傍における目的地を決定することと、を更に含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ヒューマンエンティティの近傍における目的地を決定することは、前記ヒューマンエンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に更に基づいている、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ウェイポイントのロケーションは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて決定され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、前記ウェイポイントの各々のロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、各セグメント経路は、ロケーションコストに関連付けられ、前記ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを最小化することを含み、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの各々及び各セグメント経路の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項24~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のウェイポイントと前記第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成することは、
前記連続するウェイポイントに到達するために、前記自律システムが辿る1つ以上のサブウェイポイントを生成することを含み、前記サブウェイポイントは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて生成され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのサブウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、前記サブ経路を生成することは、サブコストを最小化することを含み、前記サブコストは、前記1つ以上のサブウェイポイントの各々の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項24~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティに関連付けられ、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティに関連付けられる、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記プロセッサによって、前記自律システムに前記ナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行するのと同時に、
前記環境内のエンティティの前記特性の更新が、前記プロセッサによって受信され、
前記ウェイポイントの前記ロケーションが、エンティティの前記特性の前記更新に基づいて調整される、
請求項24~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
環境内でナビゲートするように構成された自律システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、複数の実行可能命令を記憶するメモリと、を備えるプロセッサを備え、前記複数の実行可能命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記環境内のエンティティの特性を含む第1のデータを受信することであって、前記エンティティは、前記自律システムが動作するように構成されている環境を画定する、受信することと、
前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、
前記自律システムの現在位置から前記目的地に到達するために前記自律システムが辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成することであって、前記ウェイポイントは、前記エンティティの前記特性に基づいて生成され、2つの連続するウェイポイント間のセグメント経路を画定する、生成することと、
前記自律システムに前記ナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせることと、
第1のウェイポイントから第2のウェイポイントへの前記自律システムのナビゲーション時に、
対応するセグメント経路の近傍に位置する前記エンティティの前記特性の更新を含む第2のデータにアクセスし、
第2のデータに基づいて、前記第1のウェイポイントと前記第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成し、
前記サブ経路を辿って前記第2のウェイポイントに到達することと、を行わせる、
自律システム。
【請求項33】
ネットワークに通信可能に接続され、前記エンティティの前記特性及び前記エンティティの前記特性の前記更新を受信するように構成されたネットワークデバイスと、
前記自律システムの近傍の前記エンティティの前記特性及び前記特性の前記更新を提供するように構成された知覚ユニットと、を更に備える、
請求項32に記載の自律システム。
【請求項34】
前記ウェイポイントのロケーションは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて決定され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、各セグメント経路は、ロケーションコストに関連付けられ、前記ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを最小化することを含み、前記グローバルコストは、前記ウェイポイントの各々及び各セグメント経路の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項32又は33に記載の自律システム。
【請求項35】
前記第1のウェイポイントと前記連続するウェイポイントとの間のサブ経路を生成すると、前記プロセッサは、
前記連続するウェイポイントに到達するために、前記自律システムが辿る1つ以上のサブウェイポイントを生成するように更に構成され、前記サブウェイポイントは、前記エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて生成され、前記社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのサブウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、前記サブ経路を生成することは、サブコストを最小化することを含み、前記サブコストは、前記1つ以上のサブウェイポイントの各々の前記ロケーションコストの組み合わせを含む、
請求項32~34のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項36】
エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、前記ヒューマンエンティティのうちの1つの特性は、前記ヒューマンエンティティのフォーメーション、前記ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、前記ヒューマンエンティティの前記人間の配向、前記ヒューマンエンティティのロケーション、前記ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択される、
請求項32~35のいずれか1項に記載の自律システム。
【請求項37】
前記自律システムに前記環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信すると、前記プロセッサは、
前記第1の命令に基づいて、前記自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が行われた場合、
前記ヒューマンエンティティの特性にアクセスすることと、
前記ヒューマンエンティティの前記特性と前記社会的及び物理的規範とに基づいて、前記人間の近傍における目的地を決定することと、を行うように更に構成されている、
請求項36に記載の自律システム。
【請求項38】
エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティに関連付けられ、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティに関連付けられる、
請求項32~37のいずれか1項に記載の自律システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年6月29日に出願された欧州特許出願第21305893.6号、2021年6月29日に出願された欧州特許出願第21305894.4号、2021年6月29日に出願された欧州特許出願第21305895.1号、及び2021年6月29日に出願された欧州特許出願第21305896.9号の優先権を主張するものであり、これらの内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、ロボット車両に関し、具体的には、人口密集環境における自律システムのナビゲーションのための経路を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の技術を使用して、ロボット車両のためのナビゲーション経路を提供することができる。これらのシステムは、他の技術の中でもとりわけ、全地球測位システム(GPS)又はSLAM技術など、コンピュータビジョンアルゴリズム、及び/又は人工知能を使用することができる。人口密集環境における支援システムとしてのロボット車両の配備は、それらの技術の成熟度及び能力の増大のために、最近、より多くの関心を集めている。空港内の誘導ロボット、サーバロボット、掃除ロボット、及び高齢者又は病人用の支援ロボットは、支援システムのほんの数例である。
【0004】
しかしながら、かかる自律システムは、その周囲の人々との調和した共存を提供するために、環境内のそれらのナビゲーション経路を適合させることによって、社会的及び物理的規範を尊重する必要があり得る。
【0005】
上記で特定された最近の開発が利益を提供し得るとしても、依然として改善が望まれている。
【0006】
背景技術の節で考察された主題は、単に背景技術の節で言及したことの結果として先行技術であると想定されるべきではない。同様に、背景技術の節で言及された問題、又は背景技術の節の主題に関連する問題は、従来技術において以前に認識されていたと想定されるべきではない。背景技術の節における主題は、単に異なる手法を表すものである。
【発明の概要】
【0007】
本技術の実施形態は、従来技術に関連する欠点についての開発者の認識に基づいて開発されている。
【0008】
特に、かかる欠点は、(1)電力消費及び時間消費アルゴリズム、(2)人間及び人間のグループとの対話の不変性、及び/又は(3)自律システムが人間と対話する必要があるか否かに応じた目的地の画定を含み得る。
【0009】
本技術の第1の広範な態様では、自律システムのためのナビゲーション経路を生成するための方法が提供され、自律システムは、プロセッサを備える。
【0010】
本方法は、プロセッサによって、エンティティの特性を含む第1のデータを受信することであって、エンティティは、自律システムが動作するように構成される環境を画定する、受信することと、プロセッサによって、自律システムに環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、自律システムの現在位置から目的地に到達するために自律システムが辿るウェイポイントを含むグローバルナビゲーション経路を生成することと、を含む。ウェイポイントは、エンティティの特性に基づいて生成され、セグメント経路を画定する。
【0011】
本方法は、プロセッサによって、自律システムにナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行することを含む。
【0012】
本方法は、第1のウェイポイントから第2のウェイポイントへの自律システムのナビゲーション時に、対応するセグメント経路の近傍に位置するエンティティの特性の更新を含む第2のデータにアクセスすることを含む。
【0013】
本方法は、プロセッサによって、第2のデータに基づいて第1のウェイポイントと第2のウェイポイントとの間のローカルサブ経路を生成することと、プロセッサによって、第2のウェイポイントに到達するために、自律システムにサブ経路に沿ってナビゲートさせる第3の命令を実行することと、を含む。
【0014】
本方法の一部の実施形態では、第1のデータ及び第2のデータは、2つの別個のデータソースによって提供される。
【0015】
本方法の一部の実施形態では、エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、ヒューマンエンティティのうちの1つの特性は、ヒューマンエンティティのフォーメーション、ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、ヒューマンエンティティの人間の配向、ヒューマンエンティティのロケーション、ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択される。
【0016】
本方法の一部の実施形態では、自律システムに環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信すると、本方法は、第1の命令に基づいて、自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるかどうかを判定することを更に含む。
【0017】
本方法は、自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が第1の命令に基づいて行われた場合、ヒューマンエンティティの特性にアクセスすることと、ヒューマンエンティティの特性に基づいてヒューマンエンティティの近傍の目的地を決定することと、を含む。
【0018】
本方法の一部の実施形態では、ヒューマンエンティティの近傍における目的地を決定することは、ヒューマンエンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に更に基づく。
【0019】
本方法の一部の実施形態では、ウェイポイントのロケーションは、エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて決定され、社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、各セグメント経路は、ロケーションコストに関連付けられ、ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを最小化することを含み、グローバルコストは、ウェイポイントの各々及び各セグメント経路のロケーションコストの組み合わせを含む。
【0020】
本方法の一部の実施形態では、第1のウェイポイントと第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成することは、連続するウェイポイントに到達するために、自律システムが辿る1つ以上のサブウェイポイントを生成することを含み、サブウェイポイントは、エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて生成され、社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのサブウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、サブ経路を生成することは、サブコストを最小化することを含み、サブコストは、1つ以上のサブウェイポイントの各々のロケーションコストの組み合わせを含む。
【0021】
本方法の一部の実施形態では、社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティに関連付けられ、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティに関連付けられる。
【0022】
本方法の一部の実施形態では、本方法は、自律システムにナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令をプロセッサによって実行することと同時に、環境内のエンティティの特性を更新することがプロセッサによって受信され、エンティティの特性の更新に基づいてウェイポイントのロケーションを調整することを含む。
【0023】
本方法の一部の実施形態では、自律システムは、自律システムの近傍のエンティティの特性をプロセッサに提供するように構成される知覚ユニットを備え、第2のデータは、知覚ユニットによって提供される。
【0024】
本技術の第2の広範な態様では、環境内でナビゲートするように構成された自律システムが提供される。自律システムは、少なくとも1つのプロセッサを備えるプロセッサと、複数の実行可能命令を記憶するメモリと、を備え、複数の実行可能命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、環境内のエンティティの特性を含む第1のデータを受信させ、エンティティは、自律システムが動作するように構成される環境を画定する。
【0025】
システムは、自律システムに環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信し、自律システムの現在位置から目的地に到達するために自律システムが辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成するように構成される。
【0026】
ウェイポイントは、エンティティの特性に基づいて生成され、2つの連続するウェイポイント間のセグメント経路を画定する。プロセッサは、自律システムにナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせるように構成される。プロセッサは、第1のウェイポイントから第2のウェイポイントへの自律システムのナビゲーション時に、対応するセグメント経路の近傍に位置するエンティティの特性の更新を含む第2のデータにアクセスし、第2のデータに基づいて第1のウェイポイントと第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成し、サブ経路を辿って第2のウェイポイントに到達するように構成される。
【0027】
システムの一部の実施形態では、システムは、ネットワークに通信可能に接続され、エンティティの特性及びエンティティの特性の更新を受信するように構成されたネットワークデバイスと、自律システムの近傍のエンティティの特性及び特性の更新を提供するように構成された知覚ユニットと、を備える。
【0028】
システムの一部の実施形態では、ウェイポイントのロケーションは、エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて決定され、社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、各セグメント経路は、ロケーションコストに関連付けられ、ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを最小化することを含み、グローバルコストは、ウェイポイントの各々及び各セグメント経路のロケーションコストの組み合わせを含む。
【0029】
システムの一部の実施形態では、第1のウェイポイントと連続するウェイポイントとの間のサブ経路を生成すると、プロセッサは、連続するウェイポイントに到達するために、自律システムが辿る1つ以上のサブウェイポイントを生成するように更に構成され、サブウェイポイントは、エンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づいて生成され、社会的及び物理的規範は、ロケーションコストを定義し、1つのサブウェイポイントの各ロケーションは、ロケーションコストに関連付けられ、サブ経路を生成することは、サブコストを最小化することを含み、サブコストは、1つ以上のサブウェイポイントの各々のロケーションコストの組み合わせを含む。
【0030】
システムの一部の実施形態では、エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、ヒューマンエンティティのうちの1つの特性は、ヒューマンエンティティのフォーメーション、ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、ヒューマンエンティティの人間の配向、ヒューマンエンティティのロケーション、ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択される。
【0031】
システムの一部の実施形態では、自律システムに環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信すると、プロセッサは、第1の命令に基づいて、自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が行われた場合、ヒューマンエンティティの特性にアクセスし、ヒューマンエンティティの特性と社会的及び物理的規範とに基づいて人間の近傍における目的地を決定するように更に構成される。
【0032】
システムの一部の実施形態では、エンティティは、ヒューマンエンティティと非ヒューマンエンティティとに区分され、社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティに関連付けられ、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティに関連付けられる。
【0033】
本技術の第3の広範な態様では、自律システムのためのナビゲーション経路を生成するための方法が提供され、自律システムは、自律システムがナビゲートするように構成される環境を観測するように構成された1つ以上の検知デバイスと、方法を実行するように構成されたプロセッサと、を備える。
【0034】
本方法は、プロセッサによって、環境を画定するエンティティの特性を含む第1のデータを受信することと、プロセッサによって、自律システムに環境内の目的地を識別させる第1の命令を受信することと、自律システムの現在位置から目的地に到達するために自律システムが辿るウェイポイントを含むナビゲーション経路を生成することと、を含み、ウェイポイントは、セグメント経路を画定する。
【0035】
各ウェイポイントは、自律システムが当該ウェイポイントに位置する場合の自律システム及びその周囲のエンティティの安全性を示すロケーションコストに関連付けられ、ロケーションコストは、第1のデータに基づいて決定され、ナビゲーション経路を生成することは、グローバルコストを計算することを含み、グローバルコストは、ウェイポイントのロケーションコストの組み合わせである本方法は、プロセッサによって、自律システムにナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる第2の命令を実行することと、対応するセグメント経路に沿ったウェイポイントのうちの第1のウェイポイントからウェイポイントのうちの第2のウェイポイントへの自律システムのナビゲーション中に、プロセッサによって、対応するセグメント経路の近傍に位置するエンティティの特性の更新を含む、自律システムのナビゲーション中に1つ以上の検知デバイスによって生成された第2のデータにアクセスすることと、プロセッサによって、第2のデータ及び対応するセグメント経路に基づいて、自律システムの現在位置とウェイポイントのうちの第2のウェイポイントとの間のサブ経路を生成することと、プロセッサによって、自律システムにサブ経路に沿ってナビゲートさせて第2のウェイポイントに到達させる第3の命令を実行することと、を更に含む。
【0036】
本方法の一部の実施形態では、所与のウェイポイントと連続するウェイポイントとの間の各セグメント経路は、自律システムがセグメント経路に沿って所与のウェイポイントから連続するウェイポイントにナビゲートしているときの自律システム及びその周囲のエンティティの安全性を示すロケーションコストに関連付けられ、セグメント経路のロケーションコストは、第1のデータに基づいて決定され、グローバルコストは、ウェイポイントのロケーションコスト及びセグメント経路のロケーションコストに更に依拠する。
【0037】
本方法の一部の実施形態では、第2のデータに基づいて、自律システムがウェイポイントのうちの第2のウェイポイントに位置していることが周囲のエンティティ又は自律システムにとって安全でないことに対応するという判定が行われた場合、ウェイポイントのうちの第2のウェイポイントのロケーションは、自律システムのナビゲーション中に調整される。
【0038】
本方法の一部の実施形態では、グローバルコストを計算することは、グローバルコストを最小化することを含む。
【0039】
第4の態様では、本技術の種々の実装形態は、自律システムによって実行されるアクションストラテジを生成するためのシステムを提供し、システムは、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、システムに方法を実施させる命令を記憶するように構成される、メモリと、を備える。
【0040】
第5の態様では、本技術の種々の実装形態は、命令を実行すると、コンピュータに方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータ可読サポートを提供する。
【0041】
本明細書の文脈では、明示的に別段の定めをした場合を除き、コンピュータシステムは、限定はしないが、「電子デバイス」、「オペレーティングシステム」、「システム」、「コンピュータベースのシステム」、「コントローラユニット」、「監視デバイス」、「制御デバイス」、及び/又は当面の関連タスクに適したそれらの任意の組み合わせを指すことができる。
【0042】
本明細書の文脈において、明示的に別段の定めをした場合を除き、「コンピュータ可読媒体」及び「メモリ」という表現は、任意の性質及び種類の媒体を含むことが意図されており、その非限定的な例には、RAM、ROM、ディスク(CD-ROM、DVD、フロッピーディスク、ハードディスクドライブなど)、USBキー、フラッシュメモリカード、ソリッドステートドライブ、及びテープドライブが含まれる。更に、本明細書の文脈において、「1つの(a)」コンピュータ可読媒体及び「その(the)」コンピュータ可読媒体は、同じコンピュータ可読媒体であると解釈されるべきでない。反対に、適切な場合にはいつでも、「1つの(a)」コンピュータ可読媒体及び「その(the)」コンピュータ可読媒体は、第1のコンピュータ可読媒体及び第2のコンピュータ可読媒体と解釈することもできる。
【0043】
本明細書の文脈では、明示的に別段の定めをした場合を除き、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの語は、それらが修飾する名詞を互いに区別することを可能にする目的のみのために形容詞として使用されており、それらの名詞間の任意の特定の関係を説明する目的のためではない。
【0044】
本明細書の文脈では、「情報」という表現は、データベースに記憶することができる任意の性質又は種類の情報を含む。したがって、情報は、オーディオビジュアル作品(画像、映画、音声記録、プレゼンテーションなど)、データ(ロケーションデータ、数値データなど)、テキスト(意見、コメント、質問、メッセージなど)、文書、スプレッドシートなどを含むが、これらに限定されない。
【0045】
本技術の実装形態は、それぞれ、上述の目的及び/又は態様のうちの少なくとも1つを有するが、必ずしもそれらの全てを有するとは限らない。上述の目的を達成しようとする試みから生じた本技術の一部の態様は、この目的を満足させない場合があり、かつ/又は本明細書に具体的に列挙されていない他の目的を満足させる場合があることを理解されたい。
【0046】
本技術の実装形態の追加及び/又は代替の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本技術、並びに本技術の他の態様及び更なる特徴をよりよく理解するために、添付の図面と併せて使用される以下の説明を参照する。
【0048】
図1】本技術の一部の実施形態による使用に好適なコンピュータシステムを示す図である。
図2】本技術の一部の実施形態による、自律システムの略図である。
図3】本技術の一部の実施形態による、人口密集環境内でナビゲートする自律システムを例示する。
図4】本技術の一部の実施形態による、自律システムのナビゲーション経路を例示する。
図5】本技術の一部の実施形態による、サブ経路に沿って第1のウェイポイントから第2のウェイポイントにナビゲートする自律システムを例示する。
図6】本技術の一部の実施形態による、別のサブ経路に沿って第1のウェイポイントから第2のウェイポイント520にナビゲートする自律システムを例示する。
図7A】本技術の一部の実施形態による、異なるヒューマンエンティティのプライベートエリアを例示する。
図7B】本技術の一部の実施形態による、異なるヒューマンエンティティのプライベートエリアを例示する。
図7C】本技術の一部の実施形態による、異なるヒューマンエンティティのプライベートエリアを例示する。
図7D】本技術の一部の実施形態による、異なるヒューマンエンティティのプライベートエリアを例示する。
図8】本技術の一部の実施形態による、自律システムのためのナビゲーション経路を生成するための方法の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本明細書に列挙される例及び条件付き言語は、主に、読者が本技術の原理を理解するのを助けることを意図しており、その範囲をかかる具体的に列挙された例及び条件に限定することを意図していない。当業者は、本明細書に明示的に説明又は図示されていないが、本技術の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれるにもかかわらず、種々の配置を考案し得ることを理解するであろう。
【0050】
更に、理解を助けるものとして、以下の説明は、本技術の比較的簡略化された実装形態を説明し得る。当業者が理解するように、本技術の種々の実装形態は、より複雑であり得る。
【0051】
場合によっては、本技術に対する修正の有用な例であると考えられるものも記載され得る。これは、単に理解を助けるために行われるものであり、やはり、本技術の範囲を定義するものでも、本技術の境界を示すものでもない。これらの修正は網羅的なリストではなく、当業者は、それでもなお本技術の範囲内に留まりながら他の修正を行うことができる。更に、修正の例が記載されていない場合、修正が可能でないこと、及び/又は記載されているものが本技術のその要素を実装する唯一の様式であることを解釈すべきではない。
【0052】
更に、本技術の原理、態様、及び実装形態、並びにそれらの特定の例を列挙する本明細書の全ての記述は、それらが現在知られているか、又は将来開発されるかにかかわらず、それらの構造的均等物と機能的均等物の両方を包含するものとする。したがって、例えば、本明細書における任意のブロック図は、本技術の原理を具現化する例示的な回路の概念図を表すことが当業者によって理解されるであろう。
【0053】
同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ可読媒体において実質的に表され、したがって、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、かかるコンピュータ又はプロセッサによって実行され得る種々のプロセスを表すことが理解されよう。
【0054】
「プロセッサ」とラベル付けされた任意の機能ブロックを含む、図に示される種々の要素の機能は、専用ハードウェア、並びに適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することが可能なハードウェアの使用を通じて提供され得る。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又はそのうちの一部が共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。
【0055】
更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、限定はしないが、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び不揮発性ストレージを暗黙的に含み得る。従来型及び/又はカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。
【0056】
ソフトウェアモジュール、又は単にソフトウェアであることが暗示されるモジュールは、本明細書では、プロセスステップ及び/又はテキスト記述の実施を示すフローチャート要素又は他の要素の任意の組み合わせとして表され得る。かかるモジュールは、明示的又は暗示的に示されるハードウェアによって実行され得る。
【0057】
これらの基礎を適所に置いて、次に、本技術の態様の種々の実装形態を例示するために、一部の非限定的な例を検討する。
【0058】
図1を参照すると、本技術の少なくとも一部の実施形態による使用に好適なコンピュータシステム100が示されている。コンピュータシステム100は、従来のパーソナルコンピュータ、ネットワークデバイス、及び/又は電子デバイス(モバイルデバイス、タブレットデバイス、サーバ、コントローラユニット、制御デバイスなどであるが、それらに限定されない)、及び/又は当面の関連タスクに適切なそれらの任意の組み合わせのうちのいずれかによって実装されてもよい。
【0059】
一部の実施形態では、コンピュータシステム100は、プロセッサ110によって集合的に表される1つ以上のシングル又はマルチコアプロセッサ、ソリッドステートドライブ120、ランダムアクセスメモリ130、及び入力/出力インターフェース150を含む、種々のハードウェア構成要素を備える。コンピュータシステム100は、機械学習アルゴリズム(MLA)を動作させるように特に設計されたコンピュータとすることができる。コンピュータシステム100は、汎用コンピュータシステムであり得る。コンピュータシステム100は、ロボット車両に統合されてもよく、かつ/又はロボット車両を制御するように構成されてもよい。
【0060】
一部の実施形態では、コンピュータシステム100は、上に列挙したシステムのうちの1つのサブシステムであり得る。一部の他の実施形態では、コンピュータシステム100は、「既製の(off-the-shelf)」汎用コンピュータシステムであり得る。一部の実施形態では、コンピュータシステム100はまた、複数のシステム間に分散されてもよい。コンピュータシステム100はまた、本技術の実装形態に特に専用であってもよい。本技術の当業者が理解し得るように、本技術の範囲から逸脱することなく、コンピュータシステム100がどのように実装されるかに関する複数の変形形態が想定され得る。
【0061】
当業者は、プロセッサ110が概して処理能力を表すことを理解するであろう。一部の実施形態では、1つ以上の従来の中央処理装置(CPU)の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の特殊処理コアが、提供されてもよい。例えば、1つ以上のグラフィック処理ユニット111(GPU)、テンソル処理ユニット(TPU)、及び/又は他のいわゆる加速プロセッサ(又は処理アクセラレータ)が、1つ以上のCPUに加えて、又はその代わりに提供されてもよい。
【0062】
システムメモリは、典型的には、ランダムアクセスメモリ130を含むことになるが、より一般的には、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、又はそれらの組み合わせなど、任意のタイプの非一時的システムメモリを包含することが意図される。ソリッドステートドライブ120は、大容量ストレージデバイスの一例として示されているが、より一般的には、かかる大容量ストレージは、データ、プログラム、及び他の情報を記憶し、データ、プログラム、及び他の情報を、システムバス160を介してアクセス可能にするように構成された任意のタイプの非一時的ストレージデバイスを備え得る。例えば、大容量ストレージは、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、及び/又は光ディスクドライブのうちの1つ以上を備え得る。
【0063】
コンピュータシステム100の種々の構成要素間の通信は、種々のハードウェア構成要素が電子的に結合される1つ以上の内部バス及び/又は外部バス(例えば、PCIバス、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394「ファイアワイヤ」バス、SCSIバス、シリアルATAバス、ARINCバスなど)を備えるシステムバス接続160によって可能にされ得る。
【0064】
入力/出力インターフェース150は、有線又は無線アクセスなどのネットワーキング能力を提供することができる。一例として、入力/出力インターフェース150は、限定はしないが、ネットワークポート、ネットワークソケット、ネットワークインターフェースコントローラなどのネットワーキングインターフェースを含み得る。ネットワーキングインターフェースがどのように実装され得るかの複数の例が、本技術の当業者には明らかになるであろう。
【0065】
例えば、ネットワーキングインターフェースは、イーサネット、ファイバチャネル、Wi-Fi又は任意の他の無線データリンクプロトコル、トークンリング又はシリアル通信プロトコルのような特定の物理層及びデータリンク層標準を実装することができる。特定の物理層及びデータリンク層は、完全なネットワークプロトコルスタックのためのベースを提供することができ、同じローカルエリアネットワーク(LAN)上のコンピュータの小グループ間の通信、及びインターネットプロトコル(IP)などのルーティング可能なプロトコルを介した大規模ネットワーク通信を可能にする。
【0066】
入力/出力インターフェース150は、タッチスクリーン190に、並びに/あるいは1つ以上の内部及び/又は外部バス160に結合され得る。タッチスクリーン190は、ディスプレイの一部であり得る。一部の実施形態では、タッチスクリーン190はディスプレイである。タッチスクリーン190は、同様にスクリーン190と称されることがある。
【0067】
図1に例示する実施形態では、タッチスクリーン190は、タッチハードウェア194(例えば、ユーザとディスプレイとの間の物理的相互作用の検出を可能にする、ディスプレイの層内に埋め込まれた感圧セル)と、ディスプレイインターフェース140並びに/又は1つ以上の内部及び/若しくは外部バス160との通信を可能にする、タッチ入力/出力コントローラ192と、を備える。
【0068】
一部の実施形態では、入力/出力インターフェース150は、タッチスクリーン190に加えて、又はその代わりに、キーボード(図示せず)、マウス(図示せず)、トラックパッド(図示せず)、音声ヒューマンマシンインターフェース(HMI)(図示せず)、及び/又はユーザがコンピュータシステム100と対話することを可能にするのに好適な任意の他のデバイスに接続されてもよい。
【0069】
本技術の一部の実装形態によれば、ソリッドステートドライブ120は、本明細書で説明する1つ以上の方法の行為を実行するために、ランダムアクセスメモリ130にロードされ、プロセッサ110によって実行されるのに好適なプログラム命令を記憶する。例えば、プログラム命令の少なくとも一部は、ライブラリ又はアプリケーションの一部であってもよい。
【0070】
図2は、本技術の少なくとも一部の実施形態による自律システム200の図を例示している。自律システム200は、人間又は人間のグループの発見及び/又は誘導、人間又は人間のグループとの対話、商品の配達などの種々の支援目的のために環境230内をナビゲートするように構成された車両であり得る。自律システム200は、自動運転車両であってもよく、かつ/又は人間のオペレータによって遠隔又はローカルで制御されてもよい。自律システム200は、シャーシ及び車輪を備える陸上車両、ドローンなどの航空車両、並びに/又は、水、雪、砂、及び/若しくは任意の他の表面(若しくは表面の組み合わせ)を横切って移動するための車両であり得る。
【0071】
自律システム200は、コンピュータシステム210を備え得る。コンピュータシステム210は、コンピュータシステム100であってもよく、かつ/又はコンピュータシステム100の構成要素の一部又は全部を含んでもよい。コンピュータシステム210は、自律システム200のためのナビゲーション経路又は単に「経路」を決定し、自律システム200にナビゲーション経路に沿って移動させることなどによって、自律システム200の種々の態様を制御することができるプロセッサを備える。
【0072】
コンピュータシステム210は、ナビゲーション経路及び/又は任意の他の情報をメモリ206に記憶することができる。メモリ206は、SSD又はフラッシュメモリなどの任意のタイプの記憶媒体であり得る。コンピュータシステム210は、自律システム200上のライト、自律システム200のスピーカ、自律システム200の速度など、自律システム200の任意の態様を制御することができる。
【0073】
環境230は、壁、ドア、店舗、オフィス、机、テーブル、プラント、人間、人間のグループなどのエンティティを含み得る。したがって、エンティティは、「ヒューマンエンティティ」と「非ヒューマンエンティティ」とに区分され得る。ヒューマンエンティティは、人間又は人間のグループであり得る。
【0074】
自律システム200は、任意の数の車輪を含む、かつ/又はそれに接続され得る、シャーシ208を備え得る。シャーシ208は、連続軌道、スキー、レール上を移動するための機構、及び/又は環境230内でナビゲートするための任意の他の好適な機構など、自律システム200を移動させるための6つの3軸線車輪又は任意の他の好適な機構を備え得る。
【0075】
自律システム200は、知覚ユニット202を備え得る。知覚ユニット202は、画像センサ、電荷結合素子(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、デジタルカメラ、光検出及び測距(LiDAR)センサ、レーダセンサ、飛行時間(TOF)3Dカメラ、2つ以上のカメラを備える立体視センサ、3Dソナー、例えば3D超音波センサ、構造化光3Dカメラ及び/又はスキャナ、及び/又は任意の他のタイプのセンサを含み得る。知覚ユニット202は、コンピュータシステム210と通信可能に接続されてもよく、環境230に関するデータを収集するように構成されてもよい。知覚ユニット202は、例えば、限定するものではないが、自律システム200の上部に取り付けられた専用筐体内に取り付けられてもよい。
【0076】
知覚ユニット202は、環境230の画像及び/又はビデオを取り込むように構成された1つ以上のカメラを含み得る。カメラは、自律システム200の進行方向における環境230の90度ビュー又は180度ビューなどの、自律システム200を取り囲む環境230の一部分を取り込むように構成され得る。知覚ユニット202は、1つ以上の光検出及び測距(LiDAR)センサ及び/又は1つ以上の電波検出及び測距(レーダ)センサを備え得る。レーダセンサは、長距離、中距離、及び/又は短距離レーダセンサを含み得る。知覚ユニット202は、ロボット車両200の適応走行制御、自動緊急制動、及び前方衝突警告、駐車支援、交差交通警報、交差点支援、死角検出、及び/又は他の機能のために使用されてもよい。知覚ユニット202は、CCD/CMOSセンサ及び/又は他のセンサを備え得る。
【0077】
知覚ユニット202は、超音波ソナーセンサ、加速度計及びジャイロスコープを含む走行距離センサ、機械的傾斜センサ、及び/又は磁気コンパスを備え得る。
【0078】
シャーシコントローラ220は、コンピュータシステム210に通信可能に接続され得る。シャーシコントローラ220は、コンピュータシステム210からナビゲーション経路及び/又は他の命令を受信することができる。シャーシコントローラ220は、コンピュータシステム210からの命令に基づいてシャーシ208を制御することができる。例えば、シャーシコントローラ220は、コンピュータシステム210からナビゲーション経路を受信し、シャーシ208を制御して、自律システム200にナビゲーション経路に従って環境230内をナビゲートさせることができる。
【0079】
環境230のマップは、メモリ206に記憶されてもよく、かつ/又はコンピュータシステム210によってアクセスされてもよい。マップは、環境230内の自律システム200の現在のロケーションを決定するためにコンピュータシステム210によって使用されてもよい。自律システム200は、マップを使用して環境230内の自律システム200のロケーションを決定するための全地球測位システム(GPS)センサ、SLAMアルゴリズム、及び/又は他の測位技術を含み得る。
【0080】
自律システム200は、ネットワーキングシステム212を備え得る。ネットワーキングシステム212は、1つ以上の遠隔サーバ及び/又は他のデバイスと通信するために、コンピュータシステム210によって使用され得る。ネットワーキングシステム212は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)などのワイヤレス接続、非ローカルネットワーク(WAN)、及び/又は任意の他のタイプのネットワークと通信することができる。
【0081】
ネットワーキングシステム212は、Wi-Fi、セルラーネットワーク、及び/又は任意の他のタイプのネットワークを介して通信することができる。コンピュータシステム210は、ネットワーキングシステム212を使用して、環境230のマップの更新、命令、目的地の指示、及び/又は任意の他の情報をダウンロードすることができる。
【0082】
ネットワーキングシステム212は、ロボット車両200の現在位置、ロボット車両200の速度、ロボット車両の生成されたナビゲーション経路、知覚ユニット202によって測定されたデータ、及び/又は自律システム200に関する任意の他の情報をアップロードするために使用されてもよい。コンピュータシステム210は、ネットワーキングシステム212を使用して自律システム200を管理するサーバに情報をアップロードするように構成され得る。
【0083】
環境230のマップは、環境230の表現及び/又は環境230のエンティティの指示を含み得る。マップは、複数の層を含むことができ、各層は、異なるタイプの情報を提供する。例えば、マップの第1の層は、廊下、階段、ドアなどの環境230の構造を含み得、第2の層は、ベンチ、プラント、テーブルなどの障害物の特性を含み得、第3の層は、環境230中のヒューマンエンティティの特性を含み得る。
【0084】
マップの異なる層は、異なる解像度及び/又は詳細のレベルを提供することができる。コンピュータシステム210は、知覚ユニット202を使用してマップの1つ以上の層を更新することができる。例えば、コンピュータユニットは、知覚ユニット202に基づいて、自律システム200の近傍に位置する非ヒューマンエンティティ及び/又はヒューマンエンティティの特性を決定し、環境230のマップを更に更新してもよい。
【0085】
非ヒューマンエンティティの特性は、当該非ヒューマンエンティティのロケーション又は任意の他の情報を含み得る。ヒューマンエンティティの特性は、当該非ヒューマンエンティティのロケーション、配向、ビジネスのレベル、又は任意の他の情報を含み得る。コンピュータシステム210は、ネットワーキングシステム212から情報を受信して、環境230の非ヒューマンエンティティの特性及び/又はヒューマンエンティティの特性を更新することができ、知覚ユニット202の検出範囲外にある場合がある。
【0086】
コンピュータシステム210は、ナビゲーション経路を生成することができる。ナビゲーション経路は、環境230のマップと、メモリ206に記憶され得る社会的及び物理的規範とに基づいて決定され得る。社会的及び物理的規範は、自律システム200の動作前又は動作中に、自律システム200のオペレータによってメモリ206にポピュレートされ得る。
【0087】
社会的及び物理的規範は、環境230に関連付けられ得る社会的ルールに従って自律システム200をナビゲートさせるコンピュータ可読ルール及び/命令の1つ以上のセットを含み得る。社会的及び物理的規範は、オペレータによって送信され、ネットワーキングデバイス212によって受信された命令に基づいて、コンピュータシステム210によってポピュレート及び/又は更新され得る。
【0088】
したがって、社会的及び物理的規範は、環境230に対して調整され得る。社会的及び物理的規範を調整することは、自律システム200が環境230のナビゲーション基準でシームレスにナビゲートすることを可能にし得る。特に、社会的及び物理的規範を調整することで、環境230のヒューマンエンティティに迷惑をかけ、悩ませ、又は邪魔することなく、自律システムを環境230内でナビゲートさせることができる。
【0089】
例えば、社会的及び物理的規範は、自律システムにヒューマンエンティティの背後に近すぎるか、又は人間のグループの中間でナビゲートしないようにさせる命令を含み得る。したがって、ナビゲーション経路は、人口密集環境における経路を自律システムに提供するために社会的及び物理的規範を考慮に入れるため、「社会的ナビゲーション経路」であると言うことができる。
【0090】
したがって、社会的及び物理的規範は、社会的人間相互作用及び回避のためのルールを含む。社会的及び物理的規範はまた、自律システム200が、例えば、自律システム200に、壁、ドア、アングル、障害物などから妥当な距離でナビゲートさせる場合、安全を保証することができる。社会的及び物理的規範は、環境230のエンティティに関連付けられ得る。
【0091】
例えば、社会的及び物理的規範の第1のセットは、ヒューマンエンティティと関連付けられてもよく、社会的及び物理的規範の第2のセットは、非ヒューマンエンティティと関連付けられてもよい。
【0092】
ナビゲーション経路は、目的地に到達するために自律システム200によって移動される経路を画定することができる。ナビゲーション経路は、一連の座標のフォーマット、一連の命令、及び/又は任意の他の好適なフォーマットの1つ以上のウェイポイントを含み得る。1つ以上のウェイポイントのロケーションを判断することについては、以下でより詳細に説明する。
【0093】
コンピュータシステム210は、ロケーションに関連付けられたヒューマンエンティティと対話するための命令を受信することができる。この状況では、コンピュータシステム210は、環境のマップ230並びに社会的及び物理的規範に基づいて、ヒューマンエンティティの近傍の目的地を決定することができる。
【0094】
ナビゲーション経路は、メモリ206に記憶されてもよく、かつ/又はシャーシコントローラ220に伝送されてもよい。コンピュータシステム210は、ナビゲーション経路に基づいてシャーシコントローラ220のための命令を生成することができる。
【0095】
図3は、本技術の少なくとも一部の実施形態による、目的地50に到達するために、人口密集環境230、例えば、モール内をナビゲートする自律システム200を例示している。自律システム200上に例示される矢印は、自律システム200の現在の進行方向を示している。環境230は、1人以上の人間10を含むことができ、それによって、1つ以上のヒューマンエンティティを画定する。環境230は、自律システム200がナビゲートすることができない可能性があるアクセス不能エリア30(例えば、閉店したモール)を含み得る。ナビゲーション経路20は、コンピュータシステム210によって生成され、自律システム200に目的地50に到着させ、人間10の第1の範囲内でナビゲートすることを回避させることができる。
【0096】
図4は、本技術の少なくとも一部の実施形態による自律システム200のナビゲーション経路を例示している。環境230のマップに基づいて、コンピュータシステム210は、環境230内の人間10のロケーションにアクセスすることができる。社会的及び物理的規範は、コンピュータシステム210に、人間10に関連付けられたプライベートエリア12及び14を決定させることができる。
【0097】
プライベートエリア12及び14は、人間10を妨害しないために自律システム200がナビゲートすることができない環境230のエリアを画定することができる。プライベートエリアは、人間10の特性に基づいて決定され得る。例えば、図3の例示的な実施形態では、環境230は3人の人間10を含む。プライベートエリア12に位置する1人の人間は、円形のプライベートエリア12に関連付けられる。プライベートエリア12の半径は、社会的及び物理的規範に基づいて決定され得る。
【0098】
更に、以下でより詳細に説明するように、プライベートエリア12は、関連する人間10の特性に基づいて異なる形状を有することができる。プライベートエリア14内に位置する2人の人間10は互いに近くにいる、すなわち、言い換えると、それらの対応するロケーションの間の距離は第1の閾値未満である。これにより、コンピュータシステム210は、プライベートエリア12内に位置する2人の人間10が互いに対話していると判定することができる。したがって、プライベートエリア14は、楕円形状を有することができ、2人の人間10を含むヒューマンエンティティを囲むことができる。
【0099】
この例示的な実施形態では、ナビゲーション経路は、1つ以上のウェイポイント52を含み、1つ以上のウェイポイント52は、マップ並びに社会的及び物理的規範に基づいてコンピュータシステム210によって決定される。ウェイポイント52のうちの1つ以上は、1つ以上のセグメント経路54を画定し、各セグメント経路は、2つの連続するウェイポイント52の間に画定される。自律システム200は、目的地50に到達するために1つ以上のセグメント経路54上でナビゲートするように構成することができる。更に、コンピュータシステム210は、セグメント経路54がプライベートエリア12及び14と交差しないように、1つ以上のウェイポイント52のロケーションを決定することができる。
【0100】
ウェイポイントのロケーションは、ネットワーキングシステム212及び/又は知覚ユニット202によって提供される情報に基づいて、コンピュータシステム210によって更新及び/又は調整されてもよい。例えば、ウェイポイント52及び/又は目的地50がプライベートエリア12及び14などのプライベートエリア内に位置するという判定が行われた場合、コンピュータシステムは、当該ウェイポイント53及び/又は目的地50のロケーションを更新することができる。ナビゲーション経路は、コンピュータシステム206によってメモリ206に記憶されてもよい。
【0101】
同じ又は別の実施形態では、各ウェイポイント54はロケーションコストに関連付けられ、ウェイポイントのロケーションコストは、自律システムが当該ウェイポイントに位置するときの自律システム200及びその周囲のエンティティの安全性の指標である。したがって、ロケーションコストは、ウェイポイントのロケーションが決定されるときのエンティティの特性に依存し得る。
【0102】
例えば、廊下の中央に位置するウェイポイントのロケーションコストは、廊下の壁の近くに位置するウェイポイントのロケーションコストよりも高い場合があるが、これは、自律システム200が廊下の中央をナビゲートすることは、人間に遭遇して干渉する可能性がより高いため、リスクがより高くなる場合があるためである。同様に、ヒューマンエンティティの近くに位置するウェイポイントのロケーションコストは、当該ヒューマンエンティティから遠くに位置するウェイポイントのロケーションコストよりも高い場合があるが、これは、自律システム200が廊下の中央をナビゲートすることは、人間に遭遇して干渉する可能性がより高いため、リスクがより高くなる場合があるためである。
【0103】
ロケーションコストは、環境230のマップに基づいてコンピュータシステム210によって決定されてもよい。代替的又は追加的に、ウェイポイント間のセグメント経路のロケーションは、エンティティを含む環境230のマップと組み合わされた社会的及び物理的規範に基づくロケーションコストに関連付けられてもよい。例えば、プライベートエリアと交差するセグメント経路は、当該プライベートエリアと交差しないセグメント経路よりも高いロケーションコストを有してもよい。
【0104】
ナビゲーション経路を決定することは、グローバルコストを最小化するウェイポイントのロケーションを決定することを含み得、グローバルコストは、各ウェイポイントのロケーションコストと各セグメント経路のロケーションコストとの組み合わせを含む。ウェイポイントのロケーションコストは、ウェイポイントのロケーション及び/又はウェイポイント間のセグメント経路のロケーションに基づいて決定され得る。
【0105】
例えば、プライベートエリア12及び14などのプライベートエリアと交差する対応するセグメント経路を有する2つの連続するウェイポイントは、高いロケーションコストに関連付けられ得る。ナビゲーション経路のグローバルコストは、ナビゲーション経路の全長に基づく長さコストを含み得る。
【0106】
図5は、本技術の少なくとも一部の実施形態による、第1のウェイポイント510から第2のウェイポイント520へナビゲートする自律システム200を例示している。図5の例示的な実施形態では、自律システムは第1のウェイポイント510に位置し、第2のウェイポイント520は、ナビゲーション経路20に従って第1のウェイポイント510に連続するウェイポイントである。
【0107】
環境230内のエンティティは、移動し得るため、1つ以上のウェイポイントの前述の決定に続いて、図5に示すように、セグメント経路54がエンティティ550のプライベートエリア16と交差することが起こり得る。より正確には、エンティティ550は、マップ上のウェイポイント510及び520の決定の時間と、当該2つのウェイポイント間の自律システム200の実際のナビゲーションの時間との間に移動している。これは、当該ウェイポイント間のセグメント経路を最終的にプライベートエリア16と交差させる可能性がある。かかる交差は、知覚ユニット202に基づいてコンピュータシステムによって決定されてもよい。
【0108】
知覚ユニット202は、自律システム200の近傍に位置するエンティティの特性の更新を提供し、それによって環境230のマップの更新を引き起こすことができる。エンティティ550の更新された特性、より正確には、この例示的な例におけるエンティティ550の更新された位置を使用して、コンピュータシステム210は、セグメント経路54がプライベートエリア16と交差すると判定することができる。
【0109】
2つの連続するウェイポイント510と520との間をナビゲートすると、コンピュータシステム210は、2つの連続するウェイポイント510と520との間のサブ経路を生成してもよく、その結果、自律システムは、セグメント経路54の近傍に位置するエンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範に従ってナビゲートする。サブ経路は、一連の座標のフォーマット、一連の命令、及び/又は任意の他の好適なフォーマットの1つ以上のサブウェイポイント515を含むことができ、コンピュータシステム210は、自律システムに1つ以上のサブウェイポイント515を辿らせて第2のウェイポイント520に到達させる。
【0110】
第2のウェイポイント520のロケーションは、プライベートエリア16などのプライベートエリア内に位置しているという判定がコンピュータシステム210によって行われた場合に、同様の様式で調整されてもよい。サブウェイポイント515は、2つの連続するサブウェイポイント515の間のセグメント経路56を画定することができる。
【0111】
同じ又は別の実施形態では、各サブウェイポイント515は、ウェイポイント54と同じ手法を使用してロケーションコストに関連付けられる。サブウェイポイント515のロケーションコストは、第1のウェイポイント510から第2のウェイポイント520へナビゲートする際に、環境230のマップに基づいてコンピュータシステム210によって決定されてもよい。サブ経路を生成することは、サブコストを最小化するサブウェイポイント515のロケーションを決定することを含んでもよく、サブコストは、第1のウェイポイント510と第2のウェイポイント520との間で決定された各サブウェイポイント515のロケーションコストの組み合わせを含む。
【0112】
サブ経路のサブコストはまた、サブ経路の全長に基づく長さコストを含み得る。したがって、この実施形態では、ウェイポイントが環境のマップ内のエンティティに基づいて最初に決定され、それによって長さ及び安全に関して経路を最適化し、サブウェイポイントが自律システム200のナビゲーション中に更に決定され、それによって連続するウェイポイント間の経路の部分を調整することによって自律システム200及びその周りのエンティティの安全を高めることを考えると、自律システム200の経路の決定は階層的であると言うことができる。本技術の開発者らは、当該調整が、限定はしないが、モール、空港、病院、倉庫、及び鉄道駅などの非常に動的な環境における自律システム200及びその周囲のエンティティの安全を向上させることを認識した。
【0113】
代替的又は追加的に、サブウェイポイント間のセグメント経路のロケーションは、エンティティを含む環境230のマップと組み合わされた社会的及び物理的規範に基づくロケーションコストに関連付けられてもよい。例えば、プライベートエリア16などのプライベートエリアと交差する対応するセグメント経路を有する2つの連続するサブウェイポイントは、高いロケーションコストに関連付けられ得る。図5の例示的な例において、サブ経路54は、サブウェイポイント515及び2つのセグメント経路56を含むサブ経路よりも高いサブコストを有し得る。
【0114】
図6は、本技術の少なくとも一部の実施形態による、第1のウェイポイント510から第2のウェイポイント520へナビゲートする自律システム200を例示している。上述したように、環境230のマップは、エンティティの特性を含み得る。特に、マップは、ヒューマンエンティティの配向を含み得る。
【0115】
図6は、プライベートエリア65に関連付けられたヒューマンエンティティ60を例示している。ヒューマンエンティティ60上に例示される矢印は、ヒューマンエンティティ60の現在の配向を示している。ヒューマンエンティティ60の配向に基づいて、コンピュータシステム210は、プライベートエリア65の形状を決定することができる。
【0116】
この例示的な実施形態では、プライベートエリア65は楕円形であるが、この態様に限定されず、プライベートエリア65の他の形状も考えられる。プライベートエリア65のより大きい部分は、ヒューマンエンティティ60がその背後でナビゲートする自律システムを有することを妨害及び/又は不便にし得るため、ヒューマンエンティティ60の背後に位置し得る。やはり、この態様は限定的ではなく、ヒューマンエンティティ60の配向に基づくプライベートエリアの可能な形状の一例にすぎない。
【0117】
この例示的な状況では、セグメント経路54はプライベートエリア65と交差しない。したがって、第1のウェイポイント510と第2のウェイポイント520との間のサブ経路は、セグメント経路54によって画定することができる。
【0118】
図7a、図7b、図7c、及び図7dは、本技術の少なくとも一部の実施形態による、異なるヒューマンエンティティのプライベートエリアを例示している。図7aは、1人の人間を含むヒューマンエンティティ710のプライベートエリア712を例示している。プライベートエリア712は、楕円形であるが、この態様に限定されない。
【0119】
プライベートエリア712の形状及び配向は、ヒューマンエンティティ710の配向に依存し得る。理想的な対話目的地714をプライベートエリア712に関連付けることができる。したがって、理想的な対話目的地714の位置は、環境のマップ内のヒューマンエンティティ710のロケーションに従って移動することができる。ヒューマンエンティティ710の配向に基づいて、コンピュータシステム210は、プライベートエリア712の形状及び理想的な対話目的地714のロケーションを決定することができる。
【0120】
コンピュータシステム210がヒューマンエンティティ710と対話するための命令を受信した場合、コンピュータシステム210は、ナビゲーション経路の目的地として理想的な対話目的地714を識別することができる。加えて、コンピュータシステム210は、理想的な対話目的地714が移動したという判定が行われた目的地の位置を更新することができる。理想的な対話目的地は、環境230のマップ内のエリアであってもよく、それによって、対話空間を画定する。
【0121】
図7bは、2人の人間を含むヒューマンエンティティ720のプライベートエリア722を例示している。「Fフォーメーション」としても知られるフォーメーションは、2人以上の人間を含むヒューマンエンティティの特徴として識別されてもよく、グループのフォーメーションは、グループの空間編成の記述を含む。
【0122】
例えば、グループのフォーメーションは、グループが「L」形状、「U」形状などを形成しているかどうかを記述することができる。ヒューマンエンティティ720に含まれる人間のロケーション及び配向に基づいて、ヒューマンエンティティ720のフォーメーションがコンピュータシステム210によって決定され得る。プライベートエリア722及び理想的な対話目的地724はまた、ヒューマンエンティティ720の特性に基づいて画定され得る。
【0123】
図7c及び図7dは、それぞれ、3人及び4人を含むヒューマンエンティティ730及び740のプライベートエリア732及び742を例示している。ヒューマンエンティティ730及び740のプライベートエリア732及び742並びに理想的な対話目的地734及び744は、それぞれ、ヒューマンエンティティ730及び740の特性に基づいて画定され得る。ヒューマンエンティティ730及び740のフォーメーションは、例示的なフォーメーションである。「L」形状フォーメーション及び「U」形状フォーメーションなどの他のフォーメーションもまた、検討されてもよい。
【0124】
より多数の人間を含むヒューマンエンティティも検討される。コンピュータシステム210は、ヒューマンエンティティの特性、特にヒューマンエンティティに含まれる人間の数及びヒューマンエンティティのフォーメーションを識別し、プライベートエリア及びそれに関連付けられた理想的な対話目的地を決定するように構成されてもよい。
【0125】
ヒューマンエンティティに関連付けられたプライベートエリアは、環境230のマップ中にポピュレートされた複数のサブエリアを含み得る。各サブエリアは、1つ以上の対応する社会的及び物理的規範に関連付けられ得る。したがって、サブエリアと交差するセグメント経路は、それらが交差しているサブエリアに応じて、別個のロケーションコストに関連付けられ得る。サブエリアは、その対応するプライベートエリア及び/又はその対応するプライベートエリアの他のサブエリアとは異なる形状を有してもよい。
【0126】
サブエリアは、その対応するプライベートエリアの外側に延在してもよい。一例として、図7aは、別個の社会的及び物理的規範に関連付けられ得る2つのサブエリア716及び718を例示している。社会的及び物理的規範は、例えば、サブエリア718と交差するセグメント経路が、サブエリア716と交差するセグメント経路のロケーションコストよりも高いロケーションコストに関連付けられ得るように設定されてもよい。実際に、自律システム200及び/又はヒューマンエンティティ710が、サブエリア716を通るよりもサブエリア718を通ってナビゲートする自律システム200を有することは、より危険であり得る。
【0127】
ヒューマンエンティティの特性に基づくプライベートエリア及び理想的な対話目的地の定義は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月25日に公開されたDynamic proxemia modeling formal framework of social navigation and interaction(Abir Bellarbi、Abdel-illah Mouaddib、Noureddine Ouadah、及びNouara Achour)に開示されているような命令及び/又は機能として記憶され得る。当該命令及び/又は機能は、メモリ206に記憶されてもよい。
【0128】
図8は、本技術の一部の実施形態による、自律システム200などの自律システムのためのナビゲーション経路を生成するための方法800のフロー図である。1つ以上の態様では、方法800又はその1つ以上のステップは、コンピュータシステム210などのコンピュータシステムによって実施され得る。方法800又はその1つ以上のステップは、非一時的大容量ストレージデバイスなどのコンピュータ可読媒体に記憶され、メモリにロードされ、CPUによって実行されるコンピュータ実行可能命令において具現化され得る。フロー図における一部のステップ又はステップの部分は、省略されるか、又は順序が変更され得る。
【0129】
ステップ805において、環境のエンティティの特性が受信され得る。環境は、自律システム200が動作するように構成され得る環境230であり得る。エンティティは、環境230を画定することができる。自律システム200のコンピュータシステム210は、特性を受信し、環境230のマップをポピュレートすることができ、マップは特性を含む。自律システム200の現在位置は、知覚ユニット202を使用して、及び/又は、全地球測位システム(GPS)センサ及び/又は他の測位技術のような測位システムを使用して決定されてもよい。
【0130】
エンティティは、ヒューマンエンティティ又は非ヒューマンエンティティであってもよい。ヒューマンエンティティの特性は、ヒューマンエンティティのフォーメーション、ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、ヒューマンエンティティの人間の配向、ヒューマンエンティティのロケーション、ヒューマンエンティティのビジネスのレベル、又はそれらの組み合わせを含む特性のグループにおいて選択され得る。コンピュータシステム210は、受信された特性を処理し、環境230内の自律システムのロケーションを決定するように構成されてもよい。
【0131】
特性は、ネットワーキングシステム212などのネットワーキングシステムから、かつ/又は知覚ユニット202などの知覚ユニットから受信され得る。特性は、ネットワーキングシステム212及び/又は知覚ユニット202によっていつでも更新することができる。特性を含むマップは、所定の頻度で、及び/又は任意の他の間隔で、知覚ユニット202及び/又はネットワーキングシステム212からエンティティの特性に関する追加の情報などの新しい情報が受信されると更新され得る。特性及び/又は特性がポピュレートされたマップは、メモリ206などのメモリに記憶されてもよい。
【0132】
社会的及び物理的規範がメモリ206に記憶され、更にエンティティに関連付けられてもよい。社会的及び物理的規範は、コストを定義し、対応するエンティティの近くの自律システム200のナビゲーションのリスクを表す命令のコンピュータ可読セットであり得る。例えば、ヒューマンエンティティに関連付けられた社会的及び物理的規範は、プライベートエリア12、14及び16などのヒューマンエンティティの周りのプライベートエリアを画定するためにコンピュータシステム210によって使用され得る。
【0133】
ステップ810において、目的地を識別するための命令がコンピュータシステム210によって受信される。命令は、ネットワーキングシステム212を介して自律システムのオペレータによって伝送されてもよい。命令は、知覚ユニット202によって提供される情報に基づいてコンピュータシステム210によって生成されてもよい。
【0134】
自律システムがヒューマンエンティティと対話する必要があるという判定が命令に基づいて行われた場合、コンピュータシステム210は、ヒューマンエンティティの特性と、それに関連付けられた社会的及び物理的規範とに基づいて、ヒューマンエンティティの近傍における目的地を決定することができる。したがって、目的地は、ヒューマンエンティティに含まれる人間の数、人間の配向、人間のビジネスのレベルなど、ヒューマンエンティティの特性に依存し得る。
【0135】
自律システムが人間と対話する必要がないという判定が命令に基づいて行われた場合、命令は目的地を含み得る。
【0136】
ステップ815において、コンピュータシステム210は、階層的経路計画を使用してナビゲーション経路を生成することができる。ナビゲーション経路は、環境230のマップを使用して、自律システム210の現在のロケーションとステップ810で決定された目的地との間で画定されてもよい。ナビゲーション経路は、目的地に到達するために自律システム200が辿る1つ以上のウェイポイントを含み得る。各ウェイポイントは、自律システム200の現在のロケーションに対する座標を含み得る。1つ以上のウェイポイントは、2つの連続するウェイポイント間のセグメント経路を画定することができる。したがって、自律システム200は、セグメント経路上をナビゲートして目的地に到達することができる。
【0137】
1つ以上のウェイポイントのロケーションは、環境230のマップに含まれるエンティティのロケーション及び/又は配向などのエンティティの特性、並びにそれに関連する社会的及び物理的規範に基づき得る。実際に、1つ以上のウェイポイント及びセグメント経路は、エンティティの特性並びにそれに関連付けられた社会的及び物理的規範に基づくロケーションコストに関連付けられ得、環境230のマップは、ヒューマンエンティティ及び非ヒューマンエンティティの特性を示す。
【0138】
グローバルコストは、ナビゲーション経路に関連付けられ得る。グローバルコストは、1つ以上のウェイポイントのロケーションコストとセグメント経路のロケーションコストとの組み合わせを含み得る。グローバルコストは、ナビゲーション経路の長さに対応する長さコストを含み得る。ナビゲーション経路を生成すると、コンピュータシステム210は、ナビゲーション経路のグローバルコストを最小化することができる。これは、自律システム200のナビゲーションとエンティティの社会的及び物理的規範との一致を最大化することを可能にし得る。より正確には、これは、自律システム200が安全に、かつ/又は環境230のエンティティを不便にする及び/又は妨害することなくナビゲートすることを可能にし得る。
【0139】
ステップ820において、コンピュータシステム210は、自律システムにナビゲーション経路に沿ってナビゲートさせる命令を実行することができる。命令は、コンピュータシステム210によって生成され、シャーシコントローラ220などのシャーシコントローラを介してシャーシ208などの自律システム200のシャーシに更に伝送されてもよい。命令は、シャーシコントローラ220に送信されるものとして説明されているが、自律システム200を動作させる任意の他の1つ以上のシステムに送信されてもよく、かつ/又は自律システム200を動作させるためにコンピュータシステム210によって使用されてもよいことを理解されたい。
【0140】
ナビゲーション経路は、ナビゲーション中にコンピュータシステム210によって調整されてもよい。例えば、コンピュータシステム210は、ナビゲーション中にネットワークデバイス212からエンティティの特性の更新を受信し、特性並びにそれに関連付けられた社会的及び物理的規範に従って、ウェイポイントのうちの1つ以上のロケーション及び/又は目的地のロケーションを更に修正してもよい。ナビゲーション経路の調整は、以下のサブステップに従って実施されてもよい。
【0141】
サブステップ822において、第1のウェイポイントから連続するウェイポイントへの自律システム200のナビゲーション時に、コンピュータシステムは、環境230のエンティティの特性の更新を受信することができる。更新は、自律システム200の近傍に位置するエンティティに対応し得る。更新は、知覚ユニット202によって提供され得る。自律システム200の速度は、第1のウェイポイント、連続するウェイポイント、及び/又は2つの間で画定されたセグメント経路のロケーションコストに基づいて調整され得る。
【0142】
サブステップ824において、第1のウェイポイントと連続するウェイポイントとの間のサブ経路が生成され得る。コンピュータシステム210は、サブ経路を生成することができる。サブ経路は、連続するウェイポイントに到達するために、自律システム200が辿るサブウェイポイントを含み得る。サブウェイポイントは、2つの連続するサブウェイポイント間のセグメント経路を画定することができる。したがって、自律システム200は、連続するウェイポイントに到達するために、セグメント経路上をナビゲートすることができる。
【0143】
サブウェイポイントのロケーションは、エンティティのロケーション及び/又は配向、並びにそれに関連付けられた社会的及び物理的規範などのエンティティの特性の更新に基づき得る。実際に、サブウェイポイント及びサブウェイポイント間のセグメント経路は、エンティティの特性及びそれに関連付けられた社会的及び物理的規範の更新に基づいてロケーションコストに関連付けられ得る。サブコストは、サブ経路に関連付けられ得る。サブコストは、1つ以上のサブウェイポイントのロケーションコストとセグメント経路のロケーションコストとの組み合わせを含み得る。
【0144】
サブコストは、サブ経路の長さに対応する長さコストを含み得る。サブ経路を生成すると、コンピュータシステム210は、サブ経路のサブコストを最小化することができる。これは、自律システム200のナビゲーションと、第1のウェイポイントと連続するウェイポイントとの間のエンティティの社会的及び物理的規範との一致を最大化することを可能にし得る。コンピュータは、エンティティの特性及びそれに関連付けられた社会的及び物理的規範の更新に基づいて、連続するウェイポイントのロケーションを調整することができる。
【0145】
サブステップ826において、コンピュータシステム210は、自律システム200にサブ経路を辿らせ、連続的なウェイポイントに到達させることができる。コンピュータシステム210は、命令を生成し、シャーシコントローラ220を介してシャーシ208に当該命令を更に伝送することができる。サブステップ822~826は、自律システム200がナビゲーション経路の目的地に到達するまで繰り返されてもよい。
【0146】
本明細書で言及される全ての技術的効果が、本技術のありとあらゆる実施形態において享受される必要はないことが明確に理解されるべきである。
【0147】
本技術の上述の実装形態に対する修正及び改良は、当業者に明白となり得る。前述の説明は、限定ではなく例示を意図している。したがって、本技術の範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
【国際調査報告】