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特表2024-527325棋力調整方法、装置、デバイス、記憶媒体及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】棋力調整方法、装置、デバイス、記憶媒体及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/67 20140101AFI20240717BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20240717BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20240717BHJP
【FI】
A63F13/67
A63F13/80 A
A63F13/798
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580725
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2021123480
(87)【国際公開番号】W WO2023273009
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110733601.3
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】321006888
【氏名又は名称】ベイジン・センスタイム・テクノロジー・デベロップメント・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】李文哲
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼▲樂▼▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】蒲雪
(72)【発明者】
【氏名】李▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼白
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼殿▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲藺▼▲穎▼
(72)【発明者】
【氏名】唐明勇
(57)【要約】
本開示の実施例は、棋力調整方法、装置、デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供する。前記棋力調整方法は、調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得することと、前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む。一実施形態では、対局データから、対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することの前に、方法は、対局者の指し手に対局した知能棋士の履歴的指し手に基づいて、履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定することと、少なくとも1つの履歴的推薦指し手をプリセット指し手として決定することと、をさらに含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスによって実行される棋力調整方法であって、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得することと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む、棋力調整方法。
【請求項2】
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することの前に、前記方法は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定することと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することは、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定することと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定することと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定することと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定することと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得ることと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定することと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、
前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定することと、
前記対局結果と前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることは、
前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得ること、又は、
前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得ることを含むことを特徴とする
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することの後、前記方法は、
前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出することと、
前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の局面の初期棋力レベルとすることと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
棋力調整装置であって、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第2決定モジュールと、を備える、棋力調整装置。
【請求項11】
前記装置は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定するように構成される第3決定モジュールと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定するように構成される第4決定モジュールと、をさらに備えることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1決定モジュールは、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定するように構成される第1決定サブモジュールと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第2決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2確定モジュールは、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定するように構成される第3決定サブモジュールと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定するように構成される第4決定サブモジュールと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第5決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする
請求項10~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第5決定サブモジュールは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整ユニットと、を含むことを特徴とする
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1調整ユニットは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得るように構成される第1決定サブユニットと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定するように構成される第2決定サブユニットと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整サブユニットと、を含むことを特徴とする
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1調整サブユニットは、さらに、
前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定し、前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得るように構成されることを特徴とする
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1調整サブユニットは、さらに、
前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得るように構成され、又は、前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得るように構成されることを特徴とする
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、
前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出するように構成される第1検出モジュールと、
前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の局面の初期棋力レベルとするように構成される第5決定モジュールと、をさらに備えることを特徴とする
請求項10~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令が実行された後、請求項1~9のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現できる、コンピュータ記憶媒体。
【請求項20】
メモリとプロセッサとを備え、前記メモリにはコンピュータ実行可能命令が記憶され、前記プロセッサが前記メモリでのコンピュータ実行可能命令を実行する場合、請求項1~9のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現できる、電子デバイス。
【請求項21】
コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが電子デバイスで実行される場合、前記電子デバイスのプロセッサが請求項1~9のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現するために実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本特許出願は、2021年6月30日に提出された、中国特許出願番号が202110733601.3であり、出願者が北京市商湯科技開発有限公司であり、出願名称が「棋力調整方法、装置、デバイス及び記憶媒体」である特許出願に基づいて優先権を主張し、当該出願の全ての内容が引用により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施例は、データ処理分野に関し、棋力調整方法、装置、デバイス、記憶媒体及びプログラムに関するがそれらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、オンラインマンマシン対局棋力は、予め設定されたロボットの棋力レベルであり、ロボットの棋力レベルは、複数のレベルに従って設定されている。このように、ユーザは、システムによって設定された棋力レベルに機械的に従うことのみができるため、体験感が良くない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は、棋力調整方法、装置、デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供する。
【0005】
本開示の実施例の技術案は、以下のように実現される。
【0006】
本開示の実施例は、棋力調整方法を提供する。前記棋力調整方法は、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得することと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む。
【0007】
このように、対局者の指し手とプリセット局面との間の棋力格差を決定し、局面情報と組み合わせることにより、人工知能(AI:Artificial Intelligence)棋士の棋力を自己適応調整することができ、このように、AI棋士の棋力を動的に調整することにより、局面を勝負バランスの状態に達させ、棋士の体験感を向上させることができる。
【0008】
一部の実施例では、前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することの前に、前記方法は、前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定することと、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定することと、をさらに含む。このように、推奨指し手をプリセット指し手とすることにより、対局者の指し手とプリセット指し手との間に格差があることを正確に判断することができる。
【0009】
一部の実施例では、前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することは、前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定することと、前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、を含む。このように、知能棋士の指し手を自己適応調整することにより、知能棋士が出力する指し手は、当該対局者の指し手の棋力と同等になる。
【0010】
一部の実施例では、前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定することと、前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定することと、前記調整対象局面での各対局指し手と前記局面情報に基づいて、前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む。このように、知能棋士の棋力を全体的に調整し、それを目標棋力レベルに達させ、さらに知能棋士の棋力レベルを対局者の棋力レベルより少し高くすることにより、対局への対局者の興味を高めることができる。
【0011】
一部の実施例では、前記調整対象局面での各対局指し手と前記局面情報に基づいて、前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定することと、前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含む。このように、局面の対局結果に応じて、当該初期棋力レベルを全体的に調整することにより、対局者と知能棋士は、複数の局面で勝負バランスの状態に達することができる。
【0012】
一部の実施例では、前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得ることと、前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定することと、前記対局結果及び前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含む。このように、対局者の各指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を分析することにより、対局者の棋力レベルを決定し、当該局面の対局結果と対局者の棋力レベルに基づいて、より合理的な知能棋士の目標棋力レベルを設定することができる。
【0013】
一部の実施例では、前記対局結果及び前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定することと、前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることと、を含む。このように、知能棋士の棋力レベルをより正確で全体的に調整し、知能棋士と対局者の棋力を同等にすることができる。
【0014】
一部の実施例では、前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることは、前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得ること、又は、前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得ることを含む。このように、知能棋士の棋力を全体的に調整し、複数の局面の勝負をバランスにすることにより、対局者の興味をそそることができる。
【0015】
一部の実施例では、前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することの後、前記方法は、前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出することと、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の棋力の初期棋力レベルとすることと、をさらに含む。このように、対局者が同じ棋士である場合、前の局面での調整後の目標棋力レベルを次の局面の初期棋力レベルとすることにより、対局者に良好な対局体験を提供することができる。
【0016】
本開示の実施例は、棋力調整装置を提供する。前記棋力調整装置は、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第2決定モジュールと、を備える。
【0017】
それに応じて、本開示の実施例は、コンピュータ実行可能命令を記憶し、当該コンピュータ実行可能命令が実行された後、上記棋力調整方法を実現できる、コンピュータ記憶媒体を提供する。
【0018】
本開示の実施例は、メモリとプロセッサとを備え、前記メモリにはコンピュータ実行可能命令が記憶され、前記プロセッサが前記メモリでのコンピュータ実行可能命令を実行する場合、上記棋力調整方法を実現することができる、電子デバイスを提供する。
【0019】
本開示の実施例は、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが電子デバイスで実行される場合、前記電子デバイスのプロセッサが上記棋力調整方法を実現するために実行する、コンピュータプログラムを提供する。
【0020】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は例示的及び解釈的なものだけであり、本開示を制限できないと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】本開示の実施例による棋力調整方法の実現プロセスの概略図である。
【0022】
図1B】本開示の実施例による棋力調整方法のシステムアーキテクチャの概略図である。
【0023】
図2】本開示の実施例による棋力調整方法の別の実現プロセスの概略図である。
【0024】
図3】本開示の実施例による棋力調整方法の別の実現プロセスの概略図である。
【0025】
図4】本開示の実施例によるAI局面の勝負バランスのポリシーの実現プロセスの概略図である。
【0026】
図5】本開示の実施例によるAI棋力の自己適応評価の実現プロセスの概略図である。
【0027】
図6】本開示の実施例による棋力調整装置の概略構成図である。
【0028】
図7】本開示の実施例による電子デバイスの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここでの添付図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に一致する実施例を示し、且つ明細書と共に本開示の原理を解釈することに用いられる。
【0030】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本開示の実施例における図面を参照しながら発明の具体的な技術案をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本開示を説明するためのものであるが、本開示の範囲を制限するためのものではない。
【0031】
以下の説明では、「一部の実施例」が言及され、それは、全ての可能な実施例のサブセットを説明するが、「一部の実施例」は、全ての可能な実施例の同じ又は異なるサブセットであってもよく、且つ衝突せずに互いに組み合わせられてもよいことが理解できる。
【0032】
以下の説明では、係る用語「第1/第2/第3」は、類似したオブジェクトを区別するためのものだけであり、オブジェクトの特定の順序を表すものではなく、当然のことながら、第1/第2/第3」は、ここで説明される本開示の実施例がここで図示又は記載されたもの以外の順序で実施されることができるように、許可される場合で特定の順序又は順番が交換できることが理解可能である。
【0033】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語及び科学用語は、本開示の技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、本開示の実施例を説明する目的のためだけのものであり、本開示を限定することを意図していない。
【0034】
本開示の実施例をさらに詳細に説明する前に、本開示の実施例に係る名詞及び用語を説明する。本開示の実施例に係る名詞又は用語は、次のような解釈に適用可能である。
1)人工知能棋士は、オンラインマンマシン対局のプロセスにおいて、棋士としての参加者に対局するロボット棋士である。当該ロボット棋士には、一定のレベルの棋力が人工知能の方式によって書き込まれる。
2)棋士の棋力は、当該棋士が棋をさすスキルを指し、一定の棋力は、一定のレベルに対応する。
【0035】
以下、本開示の実施例による棋力調整デバイスの例示的な適用を説明する。ここで、本出願の実施例によって提供されるデバイスは、データ処理機能を備えたノートブックコンピュータ、対局ロボット、他のオンラインチェススキル対局チプラットフォーム、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、モバイルデバイス(例えば、パーソナルデジタルアシスタント、専用メッセージングデバイス、ポータブルゲームデバイス)などの様々なタイプの電子デバイスとして実施されてもよい。
【0036】
以下、棋力調整デバイスが電子デバイスとして実施される場合の例示的な適用を説明する。
【0037】
図1Aは本開示の実施例による棋力調整方法の実現プロセスの概略図である。図1Aに示すように、図1Aに示すステップを参照して説明する。
【0038】
ステップS101において、調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得する。
【0039】
一部の実施例では、調整対象局面は、現在対局している局面であってもよいし、いずれかの局面であってもよい。ここで、対局者は、ロボット棋士であってもよいし、自然人棋士であってもよい。知能棋士は、様々な棋力レベルが人工知能によって書き込まれるロボット、又は対局者と対話できる任意のデバイスであってもよい。対局と知能棋士との間の対局データには、現在の時点の対局者が行っている指し手、及びこの局面おける履歴的時点で対局者と知能棋士が行った指し手などが含まれる。
【0040】
ステップS102において、前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定する。
【0041】
一部の実施例では、プリセット指し手は、少なくとも1つの指し手を含むことができ、プリセット指し手は、知能棋士が自分の履歴的指し手に基づいて決定した様々な指し手であってもよく、例えば、当該対局者の指し手が現在の指し手である場合、知能棋士は、当該現在の指し手に対局する知能棋士の前の指し手に基づいて、当該前の指し手に対局する様々な推奨指し手を生成し、そうすると、当該様々な推奨指し手は、プリセット指し手である。プリセット指し手が少なくとも1つの指し手である場合、対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差は、対局者の指し手と当該少なくとも1つの指し手のうちの最適な指し手と間の格差であってもよいし、対局者の指し手と当該少なくとも1つの指し手のうちの各指し手との間の格差であってもよいし、対局者の指し手と当該少なくとも1つの指し手のうちの最も悪い指し手との間の格差であってもよいし、対局者の指し手と当該少なくとも1つの指し手のうちのいずれか一つの指し手との間の格差であってもよい。
【0042】
一部の可能な実施形態では、知能棋士としてのAIエンジンは、対局者の指し手を取得することにより、当該指し手に対局する様々な推奨指し手を得て、それによって対局者の指し手と推奨指し手との間の棋力格差を決定する。即ち、上記ステップS102は、以下のステップS121からステップS124(図示せず)により実現されてもよい。
【0043】
ステップS121において、前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定する。
【0044】
一部の実施例では、当該履歴的指し手は、対局者の指し手に対局する一つの指し手であり、例えば、対局者の指し手が現在の指し手である場合、当該現在の指し手に対局する当該知能棋士の指し手は、当該履歴的指し手である。1つの具体的な例では、知能棋士は、AIエンジンであり、当該AIエンジンは、1つの指し手を出力した後、その自体が出力した指し手に基づいて、当該指し手に対局する様々な推奨指し手を生成し、つまり、少なくとも1つの履歴的推薦指し手を得る。
【0045】
ステップS122において、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定する。
【0046】
一部の可能な実施形態では、当該少なくとも1つの履歴的推薦指し手のうちの最適な履歴的推薦指し手をプリセット指し手とし、又は当該少なくとも1つの履歴的推薦指し手のうちの最後の履歴的推薦指し手をプリセット指し手とし、又は当該少なくとも1つの履歴的推薦指し手のうちの各履歴的推薦指し手をプリセット指し手とする。
【0047】
上記のステップS121及び1222では、プリセット指し手を決定するための方式が示され、この方式では、AIエンジンは、対局者の指し手に基づいて、当該指し手に対局する様々な推奨指し手を自動的に生成し、当該推奨指し手をプリセット指し手とすることにより、対局者の指し手とプリセット指し手の間に格差があることを正確に判断することができる。
【0048】
ステップS123において、前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定する。
【0049】
一部の実施例では、AIエンジンは、複数の履歴的推薦指し手を生成した後、まず、これらの複数の履歴的推薦指し手を棋力の高い順にソートする、次に、当該対局者の指し手の棋力を決定し、最後に、ソートされた複数の履歴的推薦指し手における当該対局者の指し手の棋力の棋力ランキングを決定する。
【0050】
ステップS124において、前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定する。
【0051】
一部の実施例では、当該棋力ランキングは、これらの複数の履歴的推薦指し手における対局者の指し手の優先ランキングを説明することができ、例えば、当該棋力ランキングが第1位であると、当該対局者の棋力が非常に高く、既にプリセット指し手のうちの複数の履歴的推薦指し手を完全に超えていることを示し、これに基づいて、当該対局者の指し手と複数の履歴的推薦指し手の最適な指し手との間の棋力格差を対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差として決定し、そして、当該棋力ランキングが最後であると、当該対局者の棋力が比較的低いことを示し、この場合、当該対局者の指し手と複数の履歴的推薦指し手のうちの最後の指し手との間の棋力格差を対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差として決定することができ、また、当該対局者の指し手と複数の履歴的推薦指し手のうちの最適な指し手との間の棋力格差を対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差として決定することができる。一部の可能な実施形態では、当該棋力ランキングに基づいて、対局者の指し手と各列の当該対局者の指し手の前にある履歴的推薦指し手との間の棋力格差を決定することができる。
【0052】
上記ステップS123及び124において、対局者の指し手の知能棋士の、複数の履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定することにより、対局者の指し手と履歴的推薦指し手との間の棋力格差を正確に判断することができるため、当該対局者の各指し手の棋力格差に基づいて、知能棋士の指し手を自己適応調整し、それにより、知能棋士が出力する指し手の棋力は、当該対局者の指し手の棋力と同等になる。
【0053】
ステップS103において、前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定する。
【0054】
一部の実施例では、調整対象局面の局面情報には、当該局面の対局結果、及び対局プロセス全体において当該棋力での、対局者と知能棋士がそれぞれ勝った指し手などのデータが含まれる。対局者の指し手と知能棋士の履歴的推薦指し手との間の棋力格差を分析することにより、当該指し手に対局する知能棋士の棋力をタイムリーに調整することができ、これにより、知能棋士は、対局指し手を対局者の棋力より少し高くするように出力することができる。各指し手の棋力格差と当該局面全体の局面情報とを比較し、当該対局者に対局する当該知能棋士の棋力を全体的に調整することにより、対局者に対局する知能棋士の目標棋力レベルを決定する。
【0055】
本開示の実施例では、まず、対局者の指し手とプリセット局面との間の棋力格差を決定することにより、当該対局者に対局する知能棋士の指し手の棋力をタイムリーに調整することができ、次に、対局者の各指し手の棋力格差と調整対象局面全体の局面情報とを組み合わせ、当該知能棋士の棋力レベルを全体的に調整し、このように、対局者の指し手に従って知能棋士の棋力を動的に調整することにより、局面を勝負バランスの状態に達させ、棋士の体験感を向上させることができる。
【0056】
図1Bは本開示の実施例による棋力調整方法のシステムアーキテクチャの概略図である。図1Bに示すように、当該システムアーキテクチャには、データ取得端末11、ネットワーク12及び棋力調整端末13が含まれる。1つの例示的なアプリケーションへのサポートを実現するために、データ取得端末11と棋力調整端末13は、ネットワーク12を介して通信接続を確立し、データ取得端末11は、ネットワーク12を介して棋力調整端末13に取得した対局データを報告し、棋力調整端末13は、対局データから、対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差と調整対象局面の局面情報とに基づいて、対局者に対局する知能棋士の目標棋力レベルを決定する。最後に、棋力調整端末13は、目標棋力レベルをネットワーク12にアップロードし、ネットワーク12を介してそれをデータ取得端末11に送信する。
【0057】
例として、データ取得端末11は、画像収集デバイスを含むことができ、棋力調整端末13は、視覚情報処理機能を備えた視覚処理デバイス又はリモートサーバーを含むことができる。ネットワーク12は、有線又は無線の接続方式を採用することができる。ここで、棋力調整端末13が視覚処理デバイスである場合、データ取得端末11は、有線接続の方式により視覚処理デバイスと通信接続し、例えば、バスを介してデータ通信を行うことができ、棋力調整端末13がリモートサーバーである場合、データ取得端末11は、無線ネットワークを介してリモートサーバーとのデータインタラクションを行うことができる。
【0058】
又は、幾つかのシーンでは、データ取得端末11は、ビデオ収集モジュール付き視覚処理デバイスであってもよいし、カメラ付きホストであってもよい。この場合、本開示の実施例の視覚的測位方法は、データ取得端末11によって実行されてもよく、上記システムアーキテクチャには、ネットワーク12と棋力調整端末13が含まれなくてもよい。
【0059】
一部の実施例では、知能棋士の棋力レベルを目標棋力レベルに調整した後、当該目標棋力レベルを用いて知能棋士を次の局面で初期化し、つまり、次の局面で、当該目標棋力レベルに基づいて、知能棋士の指し手を動的に調整し、即ち、ステップS103の後、前記方法は、次のステップをさらに含む。
【0060】
ステップの1において、前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出する。
【0061】
ここで、次のチェススキームが開始する際に、まず、当該局面の対局者が調整対象局面の対局者と同じ棋士であるか否かを判断し、例えば、対局者のアカウントが同じアカウントであるか否かを分析することにより、同じ棋士であるか否かを決定し、又は、顔識別により同じ棋士であるか否かを決定する。次に、判断結果に基づき、どの棋力レベルを用いて当該知能棋士を初期化するかを決定する。
【0062】
ステップの2において、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の局面の初期棋力レベルとする。
【0063】
ここで、次の局面の対局者が調整対象局面での対局者である場合、即ち、次の局面の対局者と調整対象局面の対局者が同じ棋士である場合、知能棋士の初期化を迅速に実現するために、調整対象局面で決定された目標棋力レベルを当該次の局面の知能棋士の初期棋力レベルとする。このように、対局者が同じ棋士である場合、前の局面での調整後の目標棋力レベルを次の局面の初期棋力レベルとすることにより、対局者に良好な対局体験を提供することができる。
【0064】
一部の実施例では、調整対象局面での知能棋士の各指し手のさす方を分析することにより、局面全体での知能棋士の目標棋力レベルを決定する。即ち、上記ステップS103は、図2に示すステップにより実現されてもよく、図2は本開示の実施例による棋力調整方法の別の実現プロセスの概略図である。図2を参照しながら当該実現プロセスについて説明する。
【0065】
ステップS201において、前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定する。
【0066】
一部の実施例では、知能棋士は、碁盤から対局者の指し手を読み取っており、当該指し手に基づいて当該指し手に対局する様々な推奨のさす方、即ち少なくとも1つの将来的推奨指し手を生成する。
【0067】
ステップS202において、前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定する。
【0068】
一部の実施例では、当該棋力格差に基づいて、少なくとも1つの将来的推奨指し手から、対局者の棋力と同等になる指し手を対局指し手として選択する。例えば、当該棋力格差が、対局者の指し手が履歴的推薦指し手のうちの最も悪い指し手よりはるかに悪いことを示す場合、当該少なくとも1つの将来的推奨指し手のうちの棋力が最も悪い指し手を対局指し手とする。又は、棋力格差が、対局者の指し手が履歴的推薦指し手のうちの最適な指し手よりはるかに高いことを示す場合、当該少なくとも1つの将来的推奨指し手のうちの最適な指し手を対局指し手とする。又は、棋力格差が、対局者の指し手が履歴的推薦指し手の中間位置にあることを示す場合、当該少なくとも1つの将来的推奨指し手から棋力が当該対局者の指し手より少し高い指し手を対局指し手として選択する。
【0069】
他の実施例では、前の幾つかの指し手、対局者と知能棋士との対局結果を分析することにより、現在の指し手を対局者の棋力より高く又は低くする必要があるか否かを設定することができる。例えば、1つの局面では、連続する5つの指し手で知能棋士の棋力が対局者の棋力より高い場合、対局への対局者の興味を高めるために、6番目の指し手で知能棋士の棋力を適切に下げて、対局者の棋力を知能棋士より高くする。
【0070】
ステップS203において、前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定する。
【0071】
一部の実施例では、調整対象局面での各対局指し手及び局面情報に基づいて、当該各対局指し手の棋力が対局者の棋力より高いか否かを決定することができるため、当該知能棋士が目標棋力レベルに達するように知能棋士の現在の棋力レベルを全体的に調整する。例えば、当該棋力格差が、対局者の指し手が履歴的推薦指し手のうちの最も悪い指し手よりはるかに悪いことを示す場合、当該少なくとも1つの将来的推奨指し手のうちの棋力が最も悪い指し手を対局指し手とし、それと同時に、局面全体の局面情報と組み合わせて、知能棋士の棋力レベルを適切に下げる。棋力格差が、対局者の指し手が履歴的推薦指し手のうちの最適な指し手よりはるかに高いことを示す場合、当該少なくとも1つの将来的推奨指し手のうちの最適な指し手を対局指し手とし、それと同時に、局面全体の局面情報と組み合わせて、知能棋士の棋力レベルを適切に上げる。
【0072】
本開示の実施例では、局面情報を組み合わせて局面全体での各対局指し手と対局者の指し手との勝負関係を分析することにより、知能棋士の棋力を全体的に調整し、それを目標棋力レベルに達させ、さらに、知能棋士の棋力レベルを対局者の棋力レベルより少し高くし、対局への対局者の興味を高めることができる。
【0073】
一部の実施例では、局面全体の知能棋士の対局指し手により、当該知能棋士の現在の初期棋力レベルを評価し、対局結果と局面情報とを組み合わせて知能棋士の当該局面での棋力を調整する。即ち、上記ステップS203は、以下のステップS231及び232(図示せず)により実現されてもよい。
【0074】
ステップS231において、前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定する。
【0075】
一部の実施例では、各対局指し手の棋力を統計し、当該知能棋士の当該局面での現在の棋力レベル、即ち初期棋力レベルを決定する。
【0076】
ステップS232において、前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得る。
【0077】
一部の実施例では、調整対象局面が終了する場合、当該調整対象局面の対局結果を取得する。局面全体の局面情報に含まれる対局者と知能棋士との各指し手の勝負関係を局面全体の対局結果と組み合わせて、知能棋士の棋力係数を全体的に調整し、即ち、初期棋力レベルを調整してそれを対局者の棋力レベルより少し高い目標棋力レベルに達させる。このように、各対局指し手により調整対象局面での調整すべき棋士の初期棋力レベルを評価し、そして、局面の対局結果に応じて当該初期棋力レベルを全体的に調整することにより、対局者と知能棋士は、複数の局面で勝負バランスの状態に達することができる。
【0078】
一部の可能な実施形態では、知能棋士が目標棋力レベルに達するように、以下のステップによって知能棋士の棋力レベルを全体的に調整することができる。
【0079】
ステップの1において、前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得る。
【0080】
ここで、局面情報には当該調整対象局面の各指し手が含まれるため、まず、局面情報における対局者の各指し手、及び当該指し手に対応する知能棋士の複数の履歴的推薦指し手を取得することができ、次に、対局者の各指し手と複数の履歴的推薦指し手のうちの最適な指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得ることができる。
【0081】
ステップの2において、前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定する。
【0082】
ここで、当該棋力格差集合により、各棋力格差に対応する最適な指し手の棋力レベルと組み合わせることで、対局者の当該局面での棋力レベル、即ち対局棋力レベルを全体的に決定することができる。
【0083】
ステップの3において、前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得る。
【0084】
ここで、対局結果に基づいて、知能棋士の初期棋力レベルを上げるか、下げるかを決定し、そして、対局者の対局棋力レベルに基づいて、初期棋力レベルの調整が必要な調整量を決定することができるため、知能棋士の棋力レベルは、目標棋力レベルに達する。このように、対局者の各指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を分析することにより対局者の棋力レベルを決定し、そして、当該局面の対局結果と対局者の棋力レベルに基づいて、より合理的な知能棋力の目標棋力レベルを設定することができる。
【0085】
一部の実施例では、対局者と知能棋士との棋力レベルの差分値を決定することにより、知能棋士の初期棋力レベルを定量的に調整することができ、即ち、上記ステップの3は、以下のプロセスにより実現されてもよい。
【0086】
まず、前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定する。
【0087】
ここで、対局者の対局棋力レベルが決定された後、現在の局面での当該対局棋力レベルと知能棋士の初期棋力レベルとの間の差分値、即ち2つの棋力レベルのレベル差をさらに決定することができる。局面が終了する際に対局者の対局棋力レベル及び当該差分値を決定してもよいし、局面が過半を行った際に対局者の対局棋力レベル及び当該差分値を決定してもよい。
【0088】
次に、前記対局結果と前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得る。
【0089】
ここで、当該差分値で調整量を設定し、知能棋士が目標棋力レベルに達するように、対局結果に従って初期棋力レベルを上げる、又は下げる。このように、知能棋士の棋力レベルをより正確で全体的に調整し、知能棋士と対局者との棋力を同等にすることができる。
【0090】
一部の可能な実施形態では、対局結果について知能棋士の棋力レベルを全体的に調整することにより、複数の対局の勝率をバランスにする。
【0091】
例えば、前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて、前記目標棋力レベルを得る。
【0092】
ここで、対局結果が前記対局者の勝ちである場合、当該差分値に基づいて第1調整量を設定し、当該第1調整量に基づいて初期棋力レベルを上げることにより、知能棋士の棋力レベルは、対局者の対局棋力レベルより高くなる。連続する2つの局面の対局結果が対局者の勝ちである場合、3番目の局面で知能棋士が対局者に着実に勝ちように第1調整量を比較的大きい値に設定することにより、対局への対局者の興味をそそることになる。
【0093】
対局結果が対局者が引き分けである場合、当該差分値に基づいて、第2調整量を設定し、当該第2調整量に基づいて初期棋力レベルを少し上げることにより、知能棋士の棋力レベルは、対局者の対局棋力レベルより少し高くなる。ここで、第2調整量は、第1調整量より小さい。
【0094】
又は、前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得る。
【0095】
ここで、対局結果が前記対局者の負けである場合、当該差分値に基づいて第3調整量を設定し、当該第3調整量に基づいて初期棋力レベルを下げることにより、知能棋士の棋力レベルは、対局者の対局棋力レベルより少し高くなる。連続する2つの局面の対局結果が知能棋士の勝ちである場合、対局者が3番目の局面で勝つように第3調整量を比較的大きい値に設定し、つまり知能棋士の棋力レベルを比較的低いレベルに下げることにより、対局への対局者の興味をそそることになる。
【0096】
本開示の実施例では、1つ又は複数の対局結果を組み合わせて知能棋士の棋力レベルを全体的に調整することにより、複数の対局で対局者と知能棋士の勝率をバランスにすることができるため、対局者の対局体験を向上させる。
【0097】
以下、オンライン棋力の対局プロセスにおける棋力の動的評価を例として、本開示の実施例の1つの実際の適用シーンにおける例示的な適用について説明する。
【0098】
関連技術では、オンラインマンマシン棋力対局は、予め設定されたロボットの棋力レベルである。ロボットの棋力レベルは、初級/中級/上級などの複数のレベルに応じて設定されており、参加者にとっては、マンマシンの棋力が同等であり、且つうまく行ける状況でマシンと棋をさすために、一般的に一定の局面に精通する必要があり、そうすると、参加者は、自分がどのレベルの棋力対局に適するかを知ることができる。
【0099】
関連技術における棋力レベルを設定する方式は、ユーザ体験の観点から機械的設定モードに属し、ユーザは、自分に適する適切な棋力レベルに達するために繰り返し体験する必要がある。このように、ユーザは、システムによって設定された棋力レベルに機械的に従うことのみができ、この場合、その棋力レベルが高すぎたり、低すぎたりすることがある。しかしながら、ヒューマンマシン対局のプロセスにおいて、持続的に遊ぶことができる対局局面での両者の棋力が同等であり、単一の局面での対局双方の棋力レベルが同等であり、そして、複数の局面の対局プロセスにおいて対局双方の勝率のバランスが取られることは重要であり、そうすると、棋力レベルが同等である相手に会うことは、ユーザにとって比較的良い体験である。
【0100】
本開示の実施例で提供される棋力調整方法は、参加者とAIエンジン(上記の実施例における知能棋士に対応する)が楽で且つ同等のレベルである状況に棋をさすことを実現し、そして参加者の棋力の自動評価を自動的に実現し、AIエンジンによる棋のさす方を自己適応調整し、このように、参加者とAIエンジンの間の局面全体の勝負を全体的に評価することにより、勝負バランスの状態に達することができる。
【0101】
図3は本開示の実施例による棋力調整方法の別の実現プロセスの概略図である。図3を参照しながら当該実現プロセスを説明する。
【0102】
ステップの1において、対局フロントエンド301及びAI棋力エンジン302からそれぞれ対局双方の局面状況/局面情報303を取得する。
【0103】
ここで、対局双方の局面状況/局面情報303は、対局者と知能棋士との間の対局データを含む。
【0104】
ステップの2において、取得した対局双方の局面状況/局面情報303をAI棋力自己適応評価モジュール304とAI局面勝負バランスポリシーモジュール305に入力する。
【0105】
ステップの3において、AI棋力自己適応評価モジュール304により、対局双方の局面状況及び局面情報に基づいて、AIエンジン棋力306をリアルタイムで調整し、AI局面勝負バランスポリシーモジュール305により、対局双方の局面状況及び局面情報に基づいて、AI棋力レベル307を全体的に調整する。
【0106】
ステップの4において、リアルタイムで調整されたAIエンジン棋力と全体的に調整されたAIエンジン棋力レベルに基づいて、新たな棋力ポリシー308を実行し、当該実行後の新たな棋力ポリシーをステップの1の対局フロントエンド301とAI棋力エンジン302に入力する。
【0107】
ここで、新たな棋力ポリシー308を実行することは、知能棋士が目標棋力レベルを実行することを指す。
【0108】
一部の実施例では、上記AI局面勝負バランスポリシーモジュール305の実現プロセスは、図4に示す通りである。図4は本開示の実施例によるAI局面勝負バランスのポリシーの実現プロセスの概略図である。図4に示すステップを参照しながら当該実現プロセスについて説明する。
【0109】
ステップS401において、棋力の対局が開始する。
【0110】
ステップS402において、開始した局面でインタラクティブな対局を行う。
【0111】
ここで、開始した局面でインタラクティブな対局を行う同時に、AIエンジンの棋力をリアルタイムで調整するステップS41を行う。このように、AIエンジンの棋力は、対局者の棋力と同等になる。
【0112】
ステップS403において、局面の対局が終了する場合、当該局面の対局結果を取得する。
【0113】
一部の実施例では、局面の対局結果がAIエンジンの勝ちであるとステップS411に進み、局面の対局結果が対局の引き分けであるとステップS421に進み、局面の対局結果がAIエンジンの負けであるとステップS431に進む。
【0114】
ステップS411において、AIエンジンが勝った場合、AI棋力調整係数を決定する。
【0115】
ステップS412において、AI棋力調整係数を下げる。
【0116】
ステップS412でAI棋力調整係数を下げた後、ステップS404に進む。
【0117】
ステップS421において、対局が引き分けである場合、AI棋力調整係数を決定する。
【0118】
ここで、AI棋力係数を適切に上げるようにAI棋力調整係数を決定する。
【0119】
ステップS422において、AI棋力係数を少し上げる。
【0120】
ステップS422でAI棋力調整係数を上げた後、ステップS404に進む。
【0121】
ステップS431において、AIエンジンが負けた場合、AI棋力調整係数を決定する。
【0122】
ここで、AI棋力係数を適切に上げるようにAI棋力調整係数を決定する。
【0123】
ステップS432において、AI棋力係数を大幅に上げる。
【0124】
ステップS432でAI棋力調整係数を上げた後、ステップS404に進む。
【0125】
ステップS404において、調整されたAI棋力係数を次の棋力係数に推奨する。
【0126】
ステップS405において、次の局面を行う際に棋力係数を初期化する。
【0127】
ここで、初期化された棋力係数は、対局者が次の局面でインタラクティブな対局を行うために、ステップS402にフィードバックされる。
【0128】
一部の実施例では、AI棋力自己適応評価モジュール304の実現プロセスは、図5に示示す通りである。図5は本開示の実施例によるAI棋力の自己適応評価の実現プロセスの概略図である。図5に示すステップを参照しながら当該実現プロセスについて以下のように説明する。
【0129】
ステップS501において、現在の局面を取得する。
【0130】
ステップS502において、現在の局面で棋を手動でさすデータを取得する。
【0131】
ここで、棋を手動でさすデータをAIエンジンに送信し、ステップS531に進む。
【0132】
ステップS503において、現在の局面をAIエンジンに送信する。
【0133】
ステップS504において、AIエンジンの現在の推奨指し手を取得する。
【0134】
上記のステップS501からステップS504は、棋を手動でさす段階51で実現される。
【0135】
ステップS505において、棋を手動でさす指し手、及びAIエンジンでの推奨指し手を記憶する。
【0136】
ステップS506において、手動のさす方とAIエンジンの推奨指し手とを比較する。
【0137】
ステップS507において、比較結果に基づいて、AIエンジンでの推奨指し手における手動のさす方のランキングを決定する。
【0138】
ステップS508において、当該ランキングに基づいて、手動のさす方とAIエンジンの推奨指し手との格差レベルを決定する。
【0139】
ここで、当該格差レベルは、手動のさす方とAIエンジンの推奨指し手との格差レベルを表す。
【0140】
ステップS509において、当該局面で、各手動のさす方に対応する格差レベルを記録する。
【0141】
ステップS510において、各手動のさす方に対応する格差レベルに基づいて、現在の局面での全てのさす方の対局レベルを決定する。
【0142】
ステップS511において、当該全てのさす方の対局レベルに基づいて、格差レベルの範囲を決定する。
【0143】
ステップS512において、当該格差レベルの範囲に基づいて、対局者の棋力レベルを決定する。
【0144】
上記ステップS505からステップS512は、棋士棋力レベルの評価段階52で実現される。
【0145】
ステップS531において、ステップS502での棋を手動でさす指し手をAIエンジンに送信することにより、AIで棋をさす。
【0146】
ステップS532において、AIエンジンは、推奨のさす方のランキングを取得する。
【0147】
ステップS533において、ステップS509で決定された格差レベルに基づいて、様々な推奨のさす方から目標指し手を決定する。
【0148】
ステップS534において、AIエンジンは、手動の指し手に対局する合理的な指し手を出力する。
【0149】
本開示の実施例では、1回の対局で、対局者のさす方に従って対局者の各指し手の棋力レベルを自動的に評価し、そして、複数回の対局により勝率バランスを調整することで、オンライン棋力のユーザ体験を向上させることができる。
【0150】
本開示の実施例は、棋力調整装置を提供する。図6は本開示の実施例による棋力調整装置の概略構造図である。図6に示すように、前記棋力調整装置600は、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得するように構成される第1取得モジュール601と、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第1決定モジュール602と、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第2決定モジュール603と、を備える。
【0151】
一部の実施例では、前記装置は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定するように構成される第3決定モジュールと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定するように構成される第4決定モジュールと、をさらに備える。
【0152】
一部の実施例では、前記第1決定モジュール602は、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定するように構成される第1決定サブモジュールと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第2決定サブモジュールと、を含む。
【0153】
一部の実施例では、前記第2決定モジュール603は、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定するように構成される第3決定サブモジュールと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定するように構成される第4決定サブモジュールと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第5決定サブモジュールと、を含む。
【0154】
一部の実施例では、前記第5決定サブモジュールは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整ユニットと、を含む。
【0155】
一部の実施例では、前記第1調整ユニットは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得るように構成される第1決定サブユニットと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定するように構成される第2決定サブユニットと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整サブユニットと、を含む。
【0156】
一部の実施例では、前記第1調整サブユニットは、さらに、前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定し、前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得るように構成される。
【0157】
一部の実施例では、前記第1調整サブユニットは、さらに、前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げ、前記目標棋力レベルを得るように構成され、又は、前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得るように構成される。
【0158】
一部の実施例では、前記装置は、
前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出するように構成される第1検出モジュールと、
前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の局面の初期棋力レベルとするように構成される第5決定モジュールと、をさらに備える。
【0159】
なお、上記装置の実施例の説明は、上記方法の実施例の説明と同様であり、方法の実施例と同様の有益な効果を有する。本開示の装置の実施例で開示されない技術的詳細について、本開示の方法の実施例の説明を参照して理解する。
【0160】
なお、本開示の実施例では、上記棋力調整方法は、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され且つ独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本開示の実施例における技術案は、本質的に又は従来技術に寄与する部分がソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、電子デバイス(端末、サーバーなどであってもい)に本開示の各実施例に記載される方法の全て又は一部のステップを実行させるための幾つかの命令を含む。上述した記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、モバイルハードドライブ、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。このように、本開示の実施例は、いかなる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0161】
それに応じて、本出願の実施例は、コンピュータ実行可能命令を含み、当該コンピュータ実行可能命令が実行された後、本開示の実施例によって提供される棋力調整方法のステップを実現できるコンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【0162】
それに応じて、本出願の実施例は、コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサに実行される場合、上記実施例で提供される棋力調整方法のステップを実現するコンピュータ記憶媒体をさらに提供する。
【0163】
それに応じて、本開示の実施例は電子デバイスを提供する。図7は本出願の実施例による電子デバイスの構成図である。図7に示すように、前記電子デバイス700は、1つのプロセッサ701、少なくとも1つの通信バス、通信インターフェース702、少なくとも1つの外部通信インターフェース及びメモリ703を備える。ここで、通信インターフェース702は、これらのコンポーネント間の接続通信を実現するように構成あれる。ここで、通信インターフェース702は、ディスプレイスクリーンを含むことができ、外部通信インターフェースは、標準の有線インターフェース及び無線インターフェースを含むことができる。ここで、前記プロセッサ701は、上記実施例で提供される棋力調整方法を実現するために、メモリ内の画像処理プログラムを実行するように構成される。
【0164】
上記の棋力調整装置、電子デバイス及び記憶媒体の実施例の説明は、上記方法の実施例の説明と同様であり、対応する方法の実施例と同様の技術的説明及び有益効果を有し、紙面スペースの制限により、上記の方法の実施例の記載に従うことができるため、ここで説明を省略する。本開示の棋力調整装置、電子デバイス及び記憶媒体の実施例で開示されない技術的詳細については、本開示の方法の実施例の説明を参照して理解する。
【0165】
明細書全体にわたって言及する「1つの実施例」又は「一実施例」が実施例と関連する特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味することを理解すべきである。したがって、本明細書を通して使用される「1つの実施例において」又は「一実施例で」は、必ずしも同じ実施例を意味するわけではない。また、これらの特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施例に任意の適切な方式で組合わせられてもよい。本開示の様々な実施例では、上記の各プロセスの番号の大きさが実行順序を意味せず、各プロセスの実行順序は、その機能と内部論理で決定されるべきであり、本開示の実施例の実施プロセスのいかなる限定を構成すべきではないことを理解すべきである。上記の本開示の実施例番号は、説明のためのものだけであり、実施例の優劣を表すものではない。なお、本出願では、用語「包括」、「包含」又はそのいかなる変形が非排他的な包含をカバーすることを図るため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素だけでなく、明確に示されない他の要素を含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置の固有な要素を含む。更なる制限がない場合、語句「1つ......を含む」によって限定された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素も存在することを排除するものではない。
【0166】
本開示で提供される一部の実施例では、開示されるデバイス及び方法が他の方式により実現されてもよいことを理解すべきである。上述したデバイスの実施例は、例示的なものだけであり、例えば、前記ユニットの区分は、論理機能的区分だけであり、実際に実現する時に他の区分方式もあり得て、例えば複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせられてもよく、又は他のシステムに統合されてもよく、又は幾つかの特徴は無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、示されるか、又は議論される各コンポーネントの間の相互結合、又は直接結合、又は通信接続は、幾つかのインターフェース、デバイス又はユニットを介す間接的結合又は通信接続であってもよいし、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0167】
分離部材として説明された前記ユニットは、物理的に分離するものであってもよく又は物理的に分離するものでなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的ユニットであってもよく又は物理的ユニットでなくてもよく、即ち1つの位置に配置されてもよいし、複数のネットワークユニットに分布してもよく、実際のニーズに応じてその中の一部又は全てのユニットを選択して本実施例の解決策の目的を達成することができる。
【0168】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、全て1つの処理ユニットに統合されてもよいし、個々のユニットは、単独で1つのユニットとして機能してもよく、2つ又は2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよく、上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェア機能の組み合わせの形で実現されてもよい。当業者は、上記方法の実施例の全部又は一部のステップがプログラムにより関連するハードウェアを指令することにより完了されてもよいことを理解でき、前記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行される場合、上記方法の実施例のステップが実行されるが、前記記憶媒体は、モバイル記憶デバイス、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0169】
又は、本開示では上記の統合されたユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され且つ独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本開示の実施例における技術案は、本質的に又は従来技術に寄与する部分がソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、電子デバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー、又はネットワークデバイスなどであってもよい)に本開示の各実施例に記載される方法の全て又は一部のステップを実行させるための幾つかの命令を含む。前記記憶媒体は、モバイル記憶デバイス、ROM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。上記は、本開示の具体的な実施形態だけであるが、本開示の保護範囲は、これに制限されず、当業者が本開示で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化又は入れ替わりは、全て本開示の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の保護範囲に準拠するべきである。
【0170】
(産業上の利用可能性)
本開示の実施例は、棋力調整方法、装置、デバイス、記憶媒体及びプログラムを提供する。前記棋力調整方法は、調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得することと、前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスによって実行される棋力調整方法であって、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得することと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む、棋力調整方法。
【請求項2】
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することの前に、前記方法は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定することと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することは、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定することと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定することと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定することと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定することと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得ることと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定することと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含み、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、
前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定することと、
前記対局結果と前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることと、を含み
前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることは、
前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得ること、又は、
前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得ることを特徴とする
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
棋力調整装置であって、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第2決定モジュールと、を備える、棋力調整装置。
【請求項8】
前記装置は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定するように構成される第3決定モジュールと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定するように構成される第4決定モジュールと、をさらに備えることを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1決定モジュールは、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定するように構成される第1決定サブモジュールと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第2決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記第2確定モジュールは、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定するように構成される第3決定サブモジュールと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定するように構成される第4決定サブモジュールと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第5決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記第5決定サブモジュールは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整ユニットと、を含むことを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1調整ユニットは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得るように構成される第1決定サブユニットと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定するように構成される第2決定サブユニットと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整サブユニットと、を含み、
前記第1調整サブユニットは、さらに、
前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定し、前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得るように構成され、
前記第1調整サブユニットは、さらに、
前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得るように構成され、又は、前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得るように構成されることを特徴とする
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令が実行された後、請求項1~のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現できる、コンピュータ記憶媒体。
【請求項14】
メモリとプロセッサとを備え、前記メモリにはコンピュータ実行可能命令が記憶され、前記プロセッサが前記メモリでのコンピュータ実行可能命令を実行する場合、請求項1~のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現できる、電子デバイス。
【請求項15】
コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが電子デバイスで実行される場合、前記電子デバイスのプロセッサが請求項1~のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現するために実行する、コンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は例示的及び解釈的なものだけであり、本開示を制限できないと理解すべきである。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
電子デバイスによって実行される棋力調整方法であって、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得することと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含む、棋力調整方法。
(項目2)
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することの前に、前記方法は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定することと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定することと、をさらに含むことを特徴とする
項目1に記載の方法。
(項目3)
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定することは、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定することと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定することと、を含むことを特徴とする
項目2に記載の方法。
(項目4)
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定することと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定することと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することと、を含むことを特徴とする
項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定することと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
項目4に記載の方法。
(項目6)
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得ることと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定することと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
項目5に記載の方法。
(項目7)
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得ることは、
前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定することと、
前記対局結果と前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることと、を含むことを特徴とする
項目6に記載の方法。
(項目8)
前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得ることは、
前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得ること、又は、
前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得ることを含むことを特徴とする
項目7に記載の方法。
(項目9)
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定することの後、前記方法は、
前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出することと、
前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の局面の初期棋力レベルとすることと、をさらに含むことを特徴とする
項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
棋力調整装置であって、
調整対象局面における対局者と知能棋士との間の対局データを取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記対局データから、前記対局者の指し手とプリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記棋力格差と前記調整対象局面の局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第2決定モジュールと、を備える、棋力調整装置。
(項目11)
前記装置は、
前記対局者の指し手に対局した前記知能棋士の履歴的指し手に基づいて、前記履歴的指し手に対局する少なくとも1つの履歴的推薦指し手を決定するように構成される第3決定モジュールと、
前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手を前記プリセット指し手として決定するように構成される第4決定モジュールと、をさらに備えることを特徴とする
項目10に記載の装置。
(項目12)
前記第1決定モジュールは、
前記対局者の指し手の、前記少なくとも1つの履歴的推薦指し手における棋力ランキングを決定するように構成される第1決定サブモジュールと、
前記棋力ランキングに基づいて、前記対局者の指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定するように構成される第2決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする
項目11に記載の装置。
(項目13)
前記第2確定モジュールは、
前記対局者の指し手に基づいて、前記対局者の指し手に対局する少なくとも1つの将来的推奨指し手を決定するように構成される第3決定サブモジュールと、
前記棋力格差に基づいて、前記少なくとも1つの将来的推奨指し手から前記対局者の指し手に対局する前記知能棋士の対局指し手を決定するように構成される第4決定サブモジュールと、
前記調整対象局面での各対局指し手及び前記局面情報に基づいて、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを決定するように構成される第5決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする
項目10~12のいずれか一項に記載の装置。
(項目14)
前記第5決定サブモジュールは、
前記各対局指し手に基づいて、前記知能棋士の前記調整対象局面での初期棋力レベルを決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記調整対象局面の対局結果と前記局面情報に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整ユニットと、を含むことを特徴とする
項目13に記載の装置。
(項目15)
前記第1調整ユニットは、
前記局面情報に基づいて、前記対局者の各指し手と前記プリセット指し手との間の棋力格差を決定し、棋力格差集合を得るように構成される第1決定サブユニットと、
前記棋力格差集合に基づいて、前記対局者の対局棋力レベルを決定するように構成される第2決定サブユニットと、
前記対局結果と前記対局棋力レベルに基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記対局者に対局する前記知能棋士の目標棋力レベルを得るように構成される第1調整サブユニットと、を含むことを特徴とする
項目14に記載の装置。
(項目16)
前記第1調整サブユニットは、さらに、
前記初期棋力レベルと前記対局棋力レベルとの間の差分値を決定し、前記対局結果及び前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを調整し、前記目標棋力レベルを得るように構成されることを特徴とする
項目15に記載の装置。
(項目17)
前記第1調整サブユニットは、さらに、
前記対局結果が前記対局者の勝ち、又は対局の引き分けである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを上げて前記目標棋力レベルを得るように構成され、又は、前記対局結果が前記知能棋士の勝ちである場合、前記差分値に基づいて、前記初期棋力レベルを下げて前記目標棋力レベルを得るように構成されることを特徴とする
項目16に記載の装置。
(項目18)
前記装置は、
前記調整対象局面の次の局面で、前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であるか否かを検出するように構成される第1検出モジュールと、
前記次の局面の対局者が前記調整対象局面での対局者であることに応答して、前記目標棋力レベルを前記次の局面の初期棋力レベルとするように構成される第5決定モジュールと、をさらに備えることを特徴とする
項目10~17のいずれか一項に記載の装置。
(項目19)
コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令が実行された後、項目1~9のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現できる、コンピュータ記憶媒体。
(項目20)
メモリとプロセッサとを備え、前記メモリにはコンピュータ実行可能命令が記憶され、前記プロセッサが前記メモリでのコンピュータ実行可能命令を実行する場合、項目1~9のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現できる、電子デバイス。
(項目21)
コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが電子デバイスで実行される場合、前記電子デバイスのプロセッサが項目1~9のいずれか一項に記載の棋力調整方法を実現するために実行する、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】