(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】コヒーレントビーム結合システムのための補正光学素子、並びに、これを使用するコヒーレントビーム結合のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/32 20060101AFI20240717BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20240717BHJP
G02B 6/27 20060101ALI20240717BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G02B6/32
G02B6/42
G02B6/27
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500146
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 IL2022050732
(87)【国際公開番号】W WO2023281513
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492495
【氏名又は名称】エルビット システムズ エレクトロ-オプティックス-エロップ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シッファー,ジーヴ
(72)【発明者】
【氏名】リーヴィ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マロム,ラン ツヴィ
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA13
2H137AB06
2H137BA07
2H137BA16
2H137BB02
2H137BB17
2H137BC00
2H137BC07
2H137BC08
2H137BC41
2H137BC71
2H137EA01
2H137EA04
2H137EA05
2H137EA11
2H137HA13
(57)【要約】
複数の光ファイバを含むファイバアレイ、及びファイバアレイを通じて誘導された対応する光ビームのアレイをコヒーレントに結合するための複数のコリメートレンズを含む単一コリメーションアレイを使用する、多チャンネル・コヒーレントビーム結合(CBC)システムのための補正光学素子(COE)である。このCOEは、少なくとも対応する各光ファイバのL
ij出力端と対応するコリメートレンズL
ijの中心との間の位置ずれによって生じるコリメーションに基づく光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされるように構成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバを含むファイバアレイ、及びファイバアレイを通じて誘導された対応する光ビームのアレイをコヒーレントに結合するための複数のコリメートレンズを含む単一コリメーションアレイを使用する、多チャンネル・コヒーレントビーム結合(CBC)システムのための補正光学素子(COE)であって、
前記コリメーションアレイのコリメートレンズと前記ファイバアレイの対応する光ファイバとの各ペアは、チャンネルijを画定し、
前記COEは、補正セグメントのアレイを有することによって、特定の単一CBCシステムの光学収差をセグメントで補正するようにカスタム製造され、各補正セグメントCS
ijは、コリメーションレンズL
ijと対応する光ファイバF
ijとの対応する各ペアから出力される対応する出力光ビームB
ijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するべく位置及び構成がカスタマイズされ、
前記COEは、少なくとも対応する各光ファイバのL
ij出力端と対応するコリメートレンズL
ijの中心との間の位置ずれによって生じるコリメーションに基づく光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされるように構成され、
前記システムのすべてのチャンネルの光学収差の補正は、前記COEによって光学的に同時に行われ、
前記COEは、前記COE及びコリメーションアレイの位置に関して近傍場でコリメート及び補正された光ビームのアレイを最初に達成することによって前記コヒーレントビーム結合が行われるように、前記コリメーションアレイの前又は後に配置される、COE。
【請求項2】
前記COEは、各出力光ビームB
ijについて、指示誤差、フォーカス/コリメーション誤差、波面収差、高次三次元収差、空間分布誤差、コマ収差、像面湾曲収差、円筒収差、スマイル誤差、製造誤差、前記コリメーションアレイのコリメートレンズ間のスペースの誤差、のうちのいずれか1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成される、請求項1に記載のCOE。
【請求項3】
前記COEのセグメントは、エンボス加工、湾曲加工、スパッタリング、蒸発、エングレービング、プリンティング、イオンビーム蒸着のうちの1つ以上を用いることによって、前記COEの少なくとも片面上に形状設定される、請求項1乃至2のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項4】
前記COEは、前記それぞれのチャンネルijの対応する出力光ビームB
ijの1つ以上の収差を補正するためにその各補正セグメントCS
ijが異なるカスタム形状を有するように、カスタマイズされたモノリシック部品で作製される、請求項1乃至3のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項5】
前記COEの各セグメントは、前記出力光ビームB
ijの光学収差を回折補正するように構成された1つ以上のウェッジを備える、請求項1乃至4のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項6】
前記光ファイバがエンドキャップ素子の入力面に接続されるCBCシステム用にさらに設計される、請求項1乃至5のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項7】
前記COEは、前記コリメーションアレイの出力面上に一体に接続又は構成され、前記出力湾曲面は、レンズ形湾曲バルジを備え、各バルジは、エンドキャップ素子の出力面を出る前記光ビームのそれぞれがコリメート及び補正されるように、カスタム設計の補正エンボス加工又はエッチングを有する、請求項6に記載のCOE。
【請求項8】
前記COEは、前記コリメーションアレイの入力面に一体に又は非一体に接続され、前記コリメーションアレイのレンズのバルジは、前記COEの出力面を形成し、カスタム形状の補正セグメントは、前記エンドキャップ素子の出力面に面している前記COEの入力面上に配置されている、請求項6乃至7のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項9】
前記COEは、前記コリメーションアレイの入力面に一体に接続されたエンドキャップ素子の出力面と、各光ビームのカスタマイズされるセグメントでのコリメーション及び収差補正を組み合わせて実行するためにその上にエンボス加工又はデボス加工された補正3D設計を有するコリメーションアレイの出力面とを有することによって、前記CBCシステムのコリメーションアレイ及びエンドキャップ素子に組み込まれ、単一のモノリシックコヒーレントビーム結合・エンドキャッピング・補正要素を形成する、請求項6乃至7のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項10】
前記CBCシステムの光ファイバは、0.4~2.5μmの範囲の帯域幅の光を案内するように構成される、請求項1乃至9のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項11】
前記COEは、前記特定のCBCシステムの一部として組み込まれる、請求項1乃至10のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項12】
前記COEは、高出力ファイバレーザ又はファイバ増幅器を使用して、多チャンネルCBCシステムの光学収差を補正するように構成される、請求項1乃至11のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項13】
光ファイバのアレイであるファイバアレイ、入力側で光ファイバのアレイに接続されるエンドキャップ素子、及び前記エンドキャップ素子によって出力された入力光ビームのアレイをコヒーレントに結合するための複数のコリメートレンズを含むコリメーションアレイを使用する、チャンネルのアレイを有する多チャンネル・コヒーレントビーム結合(CBC)システムのための補正光学素子(COE)を製造するための方法であって、前記方法は、
それぞれの光ファイバF
ijに接続されるコリメーションアレイのそれぞれのレンズL
ijから出力された各チャンネルCijの各出力光ビームB
ijの波面の特徴の測定に基づいて、前記CBCシステムのチャンネルのアレイの各チャンネルijの1つ以上の光学収差A
ijを測定することと、
製造されるCOEの各セグメントCS
ijについて、特定のCBCシステム及び製造されるCOEの特定の位置及び位置決めに関して、前記それぞれの補正セグメントCS
ijのすべての測定される光学収差を補正するために必要な補正設計を決定することと、
各々に必要な補正設計に従って前記COEの各セグメントを構成することによって、セグメントのアレイを有するCOEを製造することと、
前記COEの各補正セグメントCS
ijが前記出力光ビームB
ijに関して最適な位置に配置されるように、最適な収差補正のための決定された位置に前記COEを配置することと、
前記CBCシステムのすべてのセグメントの光学収差を同時に補正するべく前記COEを使用することと、
を含み、
前記COEは、それぞれの光ファイバの出力端と前記特定のCBCシステムのコリメーションアレイの対応するコリメートレンズレットL
ijの中心との間の位置ずれによって生じる光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされるように構成され、
前記COEは、前記COE及びコリメーションアレイの位置に関して近傍場でコリメート及び補正された光ビームのアレイを最初に達成することによって前記コヒーレントビーム結合が行われるように、前記コリメーションアレイの前又は後に配置される、方法。
【請求項14】
前記COEは、各出力光ビームB
ijについて、指示誤差、フォーカス/コリメーション誤差、波面収差、高次三次元収差、空間分布誤差、コマ収差、像面湾曲収差、円筒収差、スマイル誤差、製造誤差、コリメーションアレイのコリメートレンズ間のスペースの誤差、のうちの1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
それぞれの1つ以上の収差を求めるために測定される出力ビームB
ijのそれぞれは、各光ファイバF
ijから前記エンドキャップ素子を通って前記コリメーションアレイのそれぞれのレンズレットL
ijを通るように誘導され、これにより、前記それぞれのチャンネルijの光学収差の測定が、前記CBCシステムのコリメーションアレイを出るコリメートされた出力ビームのセグメントから検出される収差に対して行われる、請求項13乃至14のいずれか1つ以上に記載の方法。
【請求項16】
それぞれの1つ以上の収差を求めるために測定される各出力光ビームB
ijは、それぞれの光ファイバF
ijから前記エンドキャップ素子を通って前記COEの補正入力面に向かうように誘導され、前記コリメーションアレイは、前記COEの出力面として形成される、請求項13乃至14のいずれか1つ以上に記載の方法。
【請求項17】
1つ以上の光スプリット要素を使用して、単一の光源から出射する光を前記ファイバアレイに誘導することをさらに含む、請求項13乃至16のいずれか1つ以上に記載の方法。
【請求項18】
前記CBCシステムのすべてのチャンネルについて、各チャンネルijの1つ以上の光学収差は、前記CBCシステムの各チャンネルijに必要な補正を決定するべく、1つ以上の光検出器及び前記1つ以上の光検出器によって出力された出力データを受信及び分析するように構成された処理・制御ユニットを使用して、同時に又はチャンネルごとに個別に測定される、請求項13乃至17のいずれか1つ以上に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の光検出器は、カメラ、電荷結合素子(CCD)、フォトダイオード又は光検出器のアレイ、各チャンネルijの1つ以上の光学収差を含む光学特性を個別に測定するための異なる集束レンズ又はレンズレットにそれぞれ結合されたM×Nの光検出器のうちの1つ以上を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記COEを配置することは、前記出力ビームが伝播する光学平面に対して前記COEを光学的に位置合わせすることによって行われる、請求項13乃至19のいずれか1つ以上に記載の方法。
【請求項21】
前記各補正セグメントCS
ijの設計は、前記1つ以上の光検出器を使用して各ビームB
ijの1つ以上の波面特性を測定し、前記波面特性に基づいて前記それぞれのチャンネルijの補正セグメントCS
ijの三次元モデルを生成することによって決定される、請求項18乃至20のいずれか1つ以上に記載の方法。
【請求項22】
前記各補正セグメントCS
ijの3D設計は、前記対応するチャンネルijのビームB
ijの波面の3D鏡像である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
コヒーレントビーム結合(CBC)のためのシステムであって、
少なくとも、
狭い波長帯の光を照射するための少なくとも1つの光源と、
入力光ビームを形成する少なくとも1つの光源から出射する光を案内するように構成された光ファイバのアレイであるファイバアレイと、
前記ファイバアレイからの入力光ビームをコヒーレントに結合するためのコリメートレンズのアレイであるコリメーションアレイと、
前記特定のCBCシステムの光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされ、補正セグメントのアレイを含む、補正光学素子(COE)と、
を備え、各補正セグメントCS
ijは、それぞれのijチャンネルの対応する光ファイバF
ijから出射する対応する出力ビームB
ijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するように構成され、
前記COEは、少なくともそれぞれの光ファイバの出力端と前記特定のCBCシステムのコリメーションアレイの対応するコリメートレンズL
ijの中心との間の位置ずれによって生じる光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされるように構成され、
すべてのチャンネルの光学収差の補正は光学的に同時に行われ、
前記COEは、前記COE及びコリメーションアレイの位置に関して近傍場でコリメート及び補正された光ビームのアレイを最初に達成することによって前記コヒーレントビーム結合が行われるように、前記コリメーションアレイの前又は後に配置される、CBCシステム。
【請求項24】
各光ファイバF
ijから出る各光ビームがエンドキャップ素子の出力面の対応するセグメントから出るように、前記エンドキャップ素子の入力面で前記ファイバアレイの出力端に接続されるエンドキャップ素子をさらに含む、請求項23に記載のCBCシステム。
【請求項25】
前記コリメーションアレイによって結合され、前記COEによって補正されている、コヒーレント結合出力ビームの光学特性を検出するように配置及び構成された1つ以上の光検出器と、
前記1つ以上の光検出器から出力データを受信し、1つ以上のCBCシステムのパフォーマンス特性を測定するべく、前記受信した出力データを分析するように構成された処理・制御サブシステム(PCS)と、
をさらに含む、請求項23乃至24のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項26】
すべてのチャンネルのすべての位相及び/又は偏波が、対応する位相シフタのアレイを含む位相同期モジュール及び/又は偏波コントローラのアレイを含む偏波同期モジュールを使用して同期されるように、各チャンネルijの位相及び/又は偏波を同期するための同期モジュールをさらに含む、請求項25に記載のCBCシステム。
【請求項27】
前記COEは、各出力光ビームB
ijについて、指示誤差、フォーカス/コリメーション誤差、波面収差、高次三次元収差、空間分布誤差、コマ収差、像面湾曲収差、円筒収差、スマイル誤差のいずれか1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成される、請求項23乃至26のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項28】
前記COEのセグメントは、エンボス加工、湾曲加工、スパッタリング、蒸発、エングレービング、プリンティング、イオンビーム蒸着のうちの1つ以上を用いることによって、前記COEの少なくとも片面上に形状設定される、請求項23乃至27のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項29】
前記COEは、前記それぞれのチャンネルijの対応する光ビームB
ijのそれぞれの収差を補正するためにその各補正セグメントCS
ijが異なるカスタム形状を有するように、カスタマイズされたモノリシック部品で作製される、請求項23乃至27のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項30】
前記COEの各セグメントは、前記それぞれの出力光ビームB
ijの光学収差を回折補正するように構成された1つ以上のウェッジを備える、請求項23乃至29のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項31】
前記COEは、前記コリメーションアレイの出力面上に一体に接続又は構成され、前記出力湾曲面は、レンズ形湾曲バルジのアレイを備え、各バルジは、前記エンドキャップ素子の出力面を出る光ビームのそれぞれがCOEによってコリメート及び補正されるように、カスタム設計の補正付加物を有する、請求項23乃至30のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項32】
前記COEは、前記コリメーションアレイの入力面に一体に又は非一体に接続され、前記コリメーションアレイのレンズのバルジは、前記COEの出力面を形成し、カスタム形状の補正セグメントは、前記エンドキャップ素子の出力面に面しているCOEの入力面上に配置されている、請求項23乃至31のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項33】
前記COEは、前記CBCシステムのコリメーションアレイ及びエンドキャップ素子に組み込まれ、前記コリメーションアレイの入力面に一体に接続されたエンドキャップ素子の出力面と、各光ビームのカスタマイズされるセグメントでのコリメーション及び収差補正を組み合わせて実行するためにその上にエンボス加工又はデボス加工された補正3D設計を有するコリメーションアレイの出力面とを有することによって、モノリシックコヒーレントビーム結合・エンドキャッピング・補正要素を形成する、請求項23乃至32のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【請求項34】
前記CBCシステムの光ファイバは、該光ファイバを通して0.4~2.5μmの範囲の波長帯域幅の光を案内するように構成される、請求項23乃至33のいずれか1つ以上に記載のCOE。
【請求項35】
前記COEは、高出力ファイバレーザ又はファイバ増幅器のアレイを使用して、多チャンネルCBCシステムの収差を補正するように構成される、請求項23乃至34のいずれか1つ以上に記載のCBCシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、光学収差を補正するための光学素子に関し、より具体的には、多チャンネル光学系の光学収差を補正するために用いられる補正光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅ファイバレーザ(ファイバ増幅器)などの近回折限界高出力レーザは、様々な科学及び産業に実装されており、高出力の光信号の実現を可能にする。
【0003】
重なる又は同一の波長又は狭い波長帯の複数の光ビーム(チャンネル)を単一の出力ビームに結合するために、コヒーレントビーム結合(CBC)が用いられる。
【0004】
CBCシステムは、それぞれが別個の入射光ビームをコリメートする、コリメータのアレイ(レンズレットアレイ)を使用する、フェーズドアレイCBC(「サイドバイサイドCBC」としても知られている)を使用することによって実装される場合がある。CBCの他の技術には、1つ以上の回折格子素子(「フィールドアパーチャ技術」としても知られている)が含まれる。
【0005】
図面は、本明細書で説明される様々な実施形態を、限定としてではなく例として一般的に示している。
【0006】
説明を単純且つ明確にするために、図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。例えば、要素のうちのいくつかの寸法は、提示を明確にするために他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、対応する又は類似する要素を示すために、図面間で参照符号が繰返し用いられる場合がある。前に提示した要素への言及は、それらが登場する図面又は説明を必ずしもさらに引用することなく含意している。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1A~
図1Cは、いくつかの実施形態に係る、CBCシステムのレンズレットアレイの出力面に面している、カスタム設計のセグメント化されたエンボス加工を有する補正光学素子を使用する、コヒーレントビーム結合(CBC)システムを示しており、
図1Aは、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示しており、
図1Bは、CBCシステムの複数の光ファイバに入力光ビームを提供するための照射ユニットを含む、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示しており、
図1Cは、補正光学素子の正面図を示している。
【
図2】
図2A~
図2Bは、いくつかの実施形態に係る、CBCシステムのレンズレットアレイの出力面に面している、カスタム設計のセグメント化されたエンボス加工、彫刻、又はエッチング入力面を有する補正光学素子を使用する、コヒーレントビーム結合(CBC)システムを示しており、
図2Aは、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示しており、
図2Bは、CBCシステムの複数の光ファイバに入力光ビームを提供するための照射ユニットを含む、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示している。
【
図3】
図3A~
図3Bは、セグメント化されたエンボス加工又はエッチングを含む補正光学素子の入力面と、コリメートレンズレットアレイとして用いられるバルジを有する補正光学素子の出力面とを有することによってCBCシステムのレンズレットアレイと一体化される補正光学素子を使用する、コヒーレントビーム結合(CBC)システムを示しており、
図3Aは、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示しており、
図3Bは、CBCシステムの複数の光ファイバに入力光ビームを提供するための照射ユニットを含む、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示している。
【
図4】
図4A~
図4Bは、いくつかの実施形態に係る、その出力面上にカスタム設計のセグメント化されたエンボス加工又はエッチングを有する補正光学素子を使用する、コヒーレントビーム結合(CBC)システムを示しており、補正光学素子は、レンズレットアレイ、及びその入力面で光ファイバの出力端に接続されるエンドキャップ素子と一体化され、モノリシックに一体化されたエンドキャッピング・コリメーション(結合)・補正要素として作用する。
図4Aは、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示しており、
図4Bは、CBCシステムの複数の光ファイバに入力光ビームを提供するための照射ユニットを含む、CBCシステムの少なくとも一部の側面図を示している。
【
図5】いくつかの実施形態に係る、カスタマイズされた補正光学素子を使用するCBCのための方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図6】いくつかの実施形態に係る、カスタマイズされた補正光学素子を使用するCBCシステムの図を示している。
【
図7】いくつかの実施形態に係る、CBCシステムの各チャンネルに必要な補正を決定するための、多チャンネルCBCシステムの各チャンネルの収差を検出するための検出システムを示している。
【
図8】いくつかの実施形態に係る、補正光学素子の表面上に湾曲加工又はエンボス加工された3×3の補正セグメントの図を示している。
【
図9】
図9A及び
図9Bは、CBCレンズレットアレイの1つのレンズレットによってコリメートされた単一チャンネルの測定画像を示しており、
図9Aは、収差なしのセグメントを示しており、
図9Bは、角度指示誤差収差を示している。
【
図10】
図10A及び
図10Bは、CBCレンズレットアレイの1つのレンズレットによってコリメートされた単一チャンネルの測定画像を示しており、
図10Aは、収差なしのセグメントを示しており、
図10Bは、特定のチャンネルの特定のレンズの曲率半径の不正確さに起因して生じる焦点はずれ収差を示している。
【
図11】
図11A及び
図11Bは、CBCレンズレットアレイの1つのレンズレットによってコリメートされた単一チャンネルの測定画像を示しており、
図11Aは、収差なしのセグメントを示しており、
図11Bは、ファイバとレンズの接続の不正確さ(例えば、コマ収差及び他の波面収差を生じ得るチャンネルのファイバとレンズの軸外スプライシング)によって生じる収差を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示される実施形態の態様は、特定のコヒーレントビーム結合(CBC)システム用にカスタマイズされた補正光学素子(COE)に関係しており、このCBCシステムは、少なくともM×Nの光ファイバと、M×Nのコリメートレンズレットアレイと、その平坦な入力面でM×Nの光ファイバの出力端に(例えば融着接続を介して)接続されるエンドキャップ素子とを使用して、対応するM×Nの光ビーム(「チャンネル」)をコヒーレントに結合する。ここで、M及びNは、1以上の整数である(N≧1、M≧1)。CBCシステムに特有の収差をカスタマイズされた様態で補正すると、例えば、FFエネルギー分布、結合ビームの空間コヒーレンスなどの点で、CBCシステムの遠方場(FF)性能が劇的に改善される可能性がある。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、COEは、M×Nの補正セグメントを有することによって、COEが用いられる特定の単一CBCシステムの固有の特定の光学収差をセグメントで補正するようにカスタム製造され、各補正セグメントCSijは、CBCシステムの各チャンネル「ij」から出力される対応する出力ビームBijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するべく位置及び構成がカスタマイズされ、ここで、「i」は、1からMまでの行番号を表す整数であり、「j」は、1乃至Nの列番号を表す整数である。
【0010】
いくつかの実施形態では、COEは、例えば、それぞれの光ファイバの出力端と特定のCBCシステムのレンズレットアレイの対応するコリメートレンズLij(例えばマイクロレンズ)の中心との間の相対位置の不正確さによって生じる、特定のCBCシステムのコヒーレントビーム結合性能に影響を及ぼす光学収差をセグメントで補正するように構成することができる。
【0011】
すべてのセグメントのすべての収差の補正は、M×Nのすべてのチャンネルに光学的に同時に行うことができる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、COEは、各出力光ビームBijについて、
【0013】
指示誤差、
【0014】
フォーカス/コリメーション誤差、
【0015】
波面収差、
【0016】
横方向のビーム位置ずれ誤差、
【0017】
結合出力ビーム全体及び/又は各入射ビームBijの空間分布誤差、
【0018】
コマ収差、
のいずれか1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成することができる。
【0019】
開示される実施形態の態様は、M×Nの光ファイバ、入力側でM×Nの光ファイバに接続されるエンドキャップ素子、及びエンドキャップ素子によって出力され、M×Nの光ファイバの出力端から出射するM×Nの光ビームをコヒーレントに結合するためのM×Nのコリメートレンズレットアレイを使用し得る、特定のコヒーレントビーム結合(CBC)システム用のカスタマイズされた補正光学素子(COE)を製造するための方法であって、その方法は、少なくとも、
【0020】
各光ファイバFijから出射する各出力ビームBij又はチャンネルijの1つ以上の光学収差Aijを測定するステップ(ここで、Aijは、特定のチャンネルijの1つ以上の光学収差を表し得る)と、
【0021】
COEの各セグメントCSijについて、特定のCBCシステム及び製造されるCOEの特定の位置及び位置決めに関して、それぞれのチャンネルijの測定される光学収差のすべて又は少なくともいくつかを補正するために必要な補正設計を決定する(結果的に完全なCOE設計データが得られる)ステップと、
【0022】
各々に必要な補正設計に従って(例えば、COE設計データに従って)COEの各セグメントを構成することによって、特定のCBCシステム用のM×Nのセグメントを有するCOEを製造するステップと、
【0023】
COEの各セグメントCEijが出力光ビームBijに関して最適な位置に配置されるように、最適な収差補正のための決定された位置にCOEを配置するステップと、
【0024】
特定のCBCシステムの光学収差を同時に補正するべくCOEを使用するステップと、
を含み得る方法に関係している。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、各セグメントの光学収差を測定することは、設計するCOEによって補正される前に、FF結合ビームの全体的な空間分布を測定することによって、及び/又は、各出力ビームを個別に又はCBCシステムの結合出力ビームの各チャンネルをセグメントで測定することによって行われ得る。
【0026】
光学収差を測定することはさらに、すべてのCBCに必要な部品を使用して行われ得る。
【0027】
開示される実施形態の態様は、コヒーレントビーム結合(CBC)のためのシステムであって、
【0028】
狭い波長帯(WB)の光を照射するための少なくとも1つの光源と、
【0029】
少なくとも1つの光源から出射する光を案内するように構成されたM×Nの光ファイバと、
【0030】
M×Nの光ファイバからのM×Nの光ビームをコヒーレントに結合するためのM×Nのコリメートレンズレットアレイと、
【0031】
特定の単一CBCシステムの光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされた補正光学素子(COE)と、
を含み、前記COEはM×Nの補正セグメントを備え、各補正セグメントCSijは、それぞれのijチャンネルの対応する光ファイバFijから出射する対応する出力ビームBijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するべく位置及び構成がカスタマイズされる、
システムに関係している。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、CBCシステムはまた、少なくとも1つの光源から出射する光を光ファイバの入力端(「入力ポート」)にスプリット及び/又は誘導するための光学手段を含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、CBCシステムはさらに、遠方場(FF)性能を改善するべく、例えば、特定の要件(最適な/最大のFF空間コヒーレンス、すなわち、最大パワーインバケット(PIB)、90%エネルギーの発散角[θdiv]、ピーク強度(PI)など)を満たす特定のFF分布を得るべく、M×Nのすべてのチャンネルのすべてのビームの位相及び/又は偏波をロック/適応/同期するための手段を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、CBCシステムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許出願番号IL275783に記載の、M×Nの光検出器からの信号に基づく位相/偏波ロックフィードバックループを使用するCBCシステムのうちの1つと同様又は同一であり得る。
【0035】
本明細書では、「光ビーム」及び「ビーム」という用語は、交換可能に用いられ得ることに留意されたい。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、光ファイバは、高出力ファイバレーザ、赤外(IR)、近赤外(NIR)、紫外(UV)、近紫外(NUV)、及び/又は可視(VIS)範囲などの光学範囲の狭帯域の光を案内するように構成されたファイバ増幅器のうちの1つ以上を含み得る。
【0037】
所与のファイバレーザCBCを実現する動作中心波長は0.4~2.5μm(マイクロメートル)の範囲内であり得るが、いずれの場合も波長は数GHz(ギガヘルツ)程度の典型的な狭い線幅で固定される。
【0038】
開示される実施形態の態様は、複数の光ファイバを含むファイバアレイ、及びファイバアレイを通じて誘導された対応する光ビームのアレイをコヒーレントに結合するための複数のコリメートレンズを含む単一コリメーションアレイを使用する、多チャンネル・コヒーレントビーム結合(CBC)システムのための補正光学素子(COE)に関係している。
【0039】
コリメーションアレイのコリメートレンズとファイバアレイの対応する光ファイバとの各ペアは、チャンネルijを画定し得る。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、COEは、補正セグメントのアレイを有することによって、特定の単一CBCシステムの光学収差をセグメントで補正するようにカスタム製造することができ、各補正セグメントCSijは、コリメーションレンズLijと対応する光ファイバFijとの対応する各ペアから出力される対応する出力光ビームBijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するべく位置及び構成がカスタマイズされる。
【0041】
COEは、少なくとも対応する各光ファイバのLij出力端と対応するコリメートレンズLijの中心との間の位置ずれによって生じるコリメーションに基づく光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされるように構成することができ、システムのすべてのチャンネルの光学収差の補正は、COEによって光学的に同時に行われ、COEは、COE及びコリメーションアレイの位置に関して近傍場でコリメート及び補正された光ビームのアレイを最初に達成することによってコヒーレントにビーム結合が行われるように、コリメーションアレイの前又は後に配置され得る。
【0042】
ここで、いくつかの実施形態に係る、6×6チャンネルの光学収差を補正するために別個の補正光学素子(COE)150を使用するコヒーレントビーム結合(CBC)システム100を示す
図1A~
図1Cを参照する。このCBCシステム100は、
【0043】
例えば、列1の1F11、1F21、1F31、1F41、1F51、及び1F61などの1F11~1F66の6×6の光ファイバを含む、光ファイバのアレイ110と、
【0044】
6×6の光ファイバ110に入力面121で接続されるエンドキャップ素子120と、
【0045】
エンドキャップ素子120の出力面122に面している平坦な入力面131と、これとは反対側の、エンドキャップ素子120の出力面122から出てきたビームをコリメートするための6×6のバルジを有する出力面132とを有し、その第1の列は一体に接続されたレンズ1L11~1L61を含む、レンズレットアレイ要素130と、
【0046】
レンズレットアレイ130のバルジ付きの出力面132に面している入力面151と、光ファイバ110から出射するすべてのビームが最終的に組み合わされ補正されコヒーレントに結合された出力ビーム105として出る平らな出力面152とを有し、その第1の列は一体に接続された補正セグメント1CS11~1CS61を含み、各CSijは、例えば、その上にエンボス加工、湾曲加工、コーティング、又はエッチングされた1つ以上のプリズム形(例えばピラミッド形)のウェッジを有する、セグメント化されたCOE150と、
を含む。
【0047】
図1Bに示すように、光ファイバ110は、光ファイバ110の各光ファイバを照射するべく、例えば、複数の発光ダイオード(LED)、又は1つ以上の光分割手段を使用してM×Nの部分にスプリットされる単一の発光ダイオード(LED)を含む照射ユニット101を介して、1つ以上の狭帯域の光源に接続することができる。
【0048】
図1Cに概略的に示すように、COE150は6×6のセグメント1CS
11~1CS
66を有し、各補正セグメントCS
ijは、対応するチャンネルijのそれぞれのビームB
ijの光学収差を補正するために、異なる単一のカスタマイズされたウェッジのエンボス加工/エッチング/コーティング/成形を有する。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、COE150は、少なくとも、それぞれの光ファイバの出力端と特定のCBCシステムのレンズレットアレイの対応するコリメートレンズLijの中心との間の相対位置の不正確さ、及び/又は各要素内の及び/又は互いに対する表面のアラインメントの不正確さ、及び/又は相対位置の不正確さ(例えば、エンドキャップ素子120の入力面及び出力面の平行度レベルの不正確さ、エンドキャップ素子120とレンズレットアレイ130との間の位置ずれ、エンドキャップ素子120の入力面121への接続点での光ファイバ110のうちの1つ以上の配置、レンズレットアレイ130のレンズ間のスペースの不正確さなど)によって生じる収差を光学的に自動的に補正するように設計される。
【0050】
すべてのチャンネル11~66は、同時に光学的にコリメート及び補正される。
【0051】
図1A、
図1Bに示すように、エンドキャップ素子120、レンズレットアレイ130、及びCOE150は、セグメンテーションレイアウトがx軸に垂直なyz平面に平行な平面上に配置されるように、光軸xに関して互いに位置合わせすることができる。
【0052】
ここで、他の実施形態に係る、COE250を使用するコヒーレントビーム結合(CBC)システム200を示す
図2A、
図2Bを参照する。
【0053】
図2Aに示すように、エンドキャップ素子は、レンズレットアレイと一体に結合されて、レンズレットアレイ220の平坦な入力面221に接続(例えば、接合)されたモノリシック結合レンズレットアレイ220を形成しており、光ファイバ110から出射するビームは、レンズレットアレイ220の反対側の平行な出力面222のレンズ形のバルジによってコリメートされる。
【0054】
COE250の入力面251は、レンズレットアレイ220のバルジ付きの出力面222に面しており、光ファイバ110から出射するすべてのビームは、COE250の平らな出力面252から出る、最終的に結合され補正された出力ビーム205(
図2B参照)として出ていく。
【0055】
図2Bに示すように、光ファイバセット210の光ファイバは、光ファイバセット210の各光ファイバを照射するべく、例えば、複数の発光ダイオード(LED)又は1つ以上の光分割手段を使用してM×Nの部分にスプリットされる単一のLEDを含む照射ユニット201を介して、1つ以上の狭帯域の光源に接続することができる。
【0056】
図1Cに概略的に示すように、COE150は6×6のセグメント1CS
11~1CS
66を有し、各補正セグメントCS
ijは、対応するチャンネルijのそれぞれのビームB
ijの光学収差を補正するために、異なる単一のカスタマイズされたウェッジのエンボス加工/エッチング/コーティングを有する。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、ウェッジのエンボス加工/エッチングは、入射ビームの収差を補正するべく入射ビームを回折するように設計することができる。
【0058】
図1A~
図1C及び
図2A~
図2Bに示されている例では、COE150/250のセグメント補正エンボス加工/エッチングは、レンズレットアレイ130/220の出力面132/222に面するCOE150/250の入力面151/251に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、COEのセグメント補正エンボス加工/エッチングは、レンズレットアレイの出力面に面するCOEの入力面が平らであればCOEの反対側の出力面に配置されてもよい。
【0059】
図2A~
図2Bに示すように、組み合わされるレンズレットアレイ220とCOE250は、セグメントテーションレイアウトがx軸に垂直なyz平面に平行な平面上に配置されるように、光軸xに関して互いに位置合わせすることができる。
【0060】
ここで、いくつかの実施形態に係る、CBCシステム300のレンズレットアレイと一体化されたCOE350を使用するコヒーレントビーム結合(CBC)システム300を示す
図3A、
図3Bを参照する。
【0061】
この場合、例えば、アレイの第1の列が光ファイバ311、312、313、314、315、及び316を含む、6×6の光ファイバのアレイ310は、エンドキャップ素子320の入力面321に接続され、組み合わされるCOE350は、エンドキャップ素子320の出力面322に面している入力面351を有し、COEの入力面351は、エンドキャップ素子320の出力面322から出てきたビームの光学収差を補正するために、その上にセグメント補正エンボス加工/エッチングを有する。COE350の出力面352は、光ビームをセグメントでコリメートするためのレンズレットアレイを形成するバルジ付きである。したがって、この場合のCOE350は、入射ビームの光学収差補正とレンズアレイによるコリメーションとを組み合わせて、最適に補正されコリメートされた結合出力ビーム305を生成する。
【0062】
図3Bに示すように、光ファイバ310は、光ファイバ310の各光ファイバを照射するべく、例えば、複数の発光ダイオード(LED)、又は1つ以上の光分割手段を使用してM×Nの部分にスプリットされる単一のLEDを含む照射ユニット301を介して、1つ以上の狭帯域の光源に接続することができる。
【0063】
ここで、入力側/入力面451で光ファイバのアレイ410にすべてが単一のモノリシック素子で直接接続される、エンドキャップ素子、コリメートレンズレットアレイ、及び光学収差補正器として用いられる、組み合わされるCOE450を使用するコヒーレントビーム結合(CBC)システム400を示す
図4A、
図4Bを参照する。結合された光ビーム405が出ていくCOE450の出力面452は、ビームを結合する及び各レンズ(バルジ)でセグメント補正して対応する光学収差のセグメント補正を可能にするためのレンズレットアレイとして作用するように、エンボス加工/コーティング/彫刻が施されたバルジを有する。照射ユニット401は、光ファイバ410に光を制御可能に供給するために用いられ得る。
【0064】
これらの実施形態によれば、COE450の入力面451は、それに光ファイバ410の出力端を容易に接続(スプライシング)できるように平坦にされており、バルジ付き出力面452の各レンズ形のバルジは、カスタマイズされた補正エンボス加工/エッチング/コーティングを有し、FFにおいて高ビーム品質の結合出力光ビーム405を生成する。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、CBCシステム100、200、300、又は400などの上記の例のいずれかのCBCシステムはまた、
【0066】
結合出力光ビームを集束させるための集束手段と、
【0067】
M×Nの光ファイバのすべてのチャンネルのビームの位相を同時に(例えばマッチングによって)同期させるための位相同期手段と、
のいずれか1つ以上を含み得る。
【0068】
ここで、いくつかの実施形態に係る、カスタマイズされた補正光学素子を使用するCBCのための方法を概略的に示すフローチャートを示す
図5を参照する。この方法は、少なくとも、
【0069】
各光ファイバFijから出射する各出力ビームBij又はチャンネルijの1つ以上の収差Aijを測定するステップ51と、
【0070】
特定のCBCシステム用に製造されるCOEの各補正セグメントCSijについて、特定のCBCシステム及び製造されるCOEの特定の位置及び位置決めに関して、それぞれの補正セグメントCSijのすべての測定される光学収差を補正するために必要な1つ以上の補正設計を決定するステップ52と、
【0071】
各々に必要な補正設計に従ってCOEの各セグメントを構成することによって、特定のCBCシステム用のM×Nのセグメント(CBCシステムのM×Nのチャンネルに対応する)を有するCOEを製造するステップ53と、
【0072】
(例えば、光ファイバの出力ビームが伝播する光学平面に対してCOEを光学的に位置合わせすることによって)最適な収差補正のための決定された位置にCOEを配置するステップ54と、
【0073】
CBCシステムのM×Nのすべてのビーム/チャンネルの光学収差を同時に補正するべくCOEを使用するステップ55と、
を含み得る。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、各チャンネルijの収差は、チャンネルごとの収差の検出を含む測定プロセスで、チャンネルのそれぞれの光ファイバFijのみを通るように照射を作動させる(他のすべてのファイバを通る光を非アクティブ(オフ)にする)ことによって個別に測定することができる。各セグメントCSijのセグメント補正は、各チャンネルの収差の測定後に又はすべてのチャンネルの測定後に計算することができる。
【0075】
他の実施形態では、すべてのチャンネル又はその一部は、セグメント収差検出のために同時に測定される。
【0076】
ここで、カスタマイズされたCOEを使用するM×Nのチャンネル用のCBCシステム600を示す
図6を参照する。いくつかの実施形態によれば、このCBCシステム600はさらに、位相及び/又は偏波を同期/ロックするように構成される。
【0077】
このCBCシステム600は、
【0078】
LED光源などの光源601と、
【0079】
M×Nの光ファイバを含むM×Nの光ファイバのアレイ610と、
【0080】
光源601の光をM×Nの個別の入力光ビーム(本明細書では「入力ビーム」)にスプリットし、各入力ビームをそのCBC用の光ファイバ610の個別の光ファイバに誘導し、複数の入力ビームが互いに及び第1の光軸xに実質的に平行に光ファイバ610のアレイを出るようにするための、光分割デバイス602と、
【0081】
例えば、光源601からの光を、その出力端に存在するエンドキャップ604a及び/又は可動ホルダ604bを介して、参照ビームBrefとして作用するように送達するための参照光ファイバ603と(参照光ファイバ603は、そこから出て随意的にコリメータ605によってコリメートされる参照ビームBrefが、参照ビームBrefとM×Nの入力ビームとの間の干渉を引き起こすような軸x(例えば、入力ビームの伝播方向に垂直)に対して実質的に角度をなす(例えば、垂直な)光軸yに平行な伝播方向に沿って誘導されるように配置される)、
【0082】
例えば、すべてのチャンネルを同時に同期するために位相シフタ及び/又は偏光子のM×Nのセットを使用して、M×Nのすべての入力ビームの位相及び/又は偏波を同期するための同期サブシステム615と、
【0083】
その出力面上にカスタマイズされた補正エッチング又はエンボス加工を有することでCOEと随意的に結合される、結合レンズレットアレイ(アレイの各レンズの出力面上に補正エンボス加工/彫刻を有することでCOEと一体に結合されるレンズレットアレイ)650と、
(結合レンズレットアレイ650は、入力ビームを結合して結合出力ビーム609にし、例えば、レンズレットアレイのレンズの頂点間のスペース、光ファイバ610間のスペースにおける不正確さ、及び/又は例えば平行度の精度に影響を及ぼす、光ファイバ610によって出力された入力ビーム間の角度関係における不正確さから生じる光学収差を同時に補正するように配置及び構成される)
【0084】
結合出力ビーム609の経路に配置され、結合出力ビーム609を、角度をなす(例えば、垂直)方向に伝播する2つのビームにスプリットするように構成されたビームスプリッタ607と、
(結合出力ビーム609の第1の部分は、x軸に沿ったその元の伝播方向に平行に誘導され、第2の部分は、参照ビームBrefに平行に通過するサンプル光ビーム(本明細書では「サンプルビーム」とも呼ばれる)Bsamp信号として作用するように元の伝播方向に対して角度をなして誘導され、参照ビームBrefとサンプルビームBsampは光学的に干渉して干渉光信号を生じ、干渉光信号は、M×Nのセグメントに分割し、各セグメントijの強度などの光学特性を検出することによってセグメントで対処することができる)
【0085】
フィードバックループベースの位相/偏波ロックを可能にして、FFビームの品質及びCBCシステム600の性能をさらに改善するべく、各セグメントの各干渉光信号OISijの強度、パワー、振幅などの光学特性を検出するように配置及び構成された、M×Nの光検出器のアレイ640と、
【0086】
同期サブシステム615及びM×Nの光検出器640と動作可能に関連付けられ、すべての光検出器640から出力データ/信号を受信し、チャンネルijのそれぞれの位相/偏波を同時に調整し、受信した検出器の出力データの分析に基づいてM×Nのすべてのチャンネルの位相/偏波をリアルタイムで同期するための、処理・制御サブシステム670と、
を含む。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、
図6に示すように、CBCシステム600はさらに、参照光ファイバ603によって出力された参照ビームをコリメートするように構成及び配置されたコリメータ605、及び/又は結合され出力された出力ビーム609をコリメート/集束させるように構成及び配置されたコリメータ又は集束レンズ608などの、さらなるコリメート及び/又は集束手段を含み得る。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、
図6に示すように、CBCシステム600はさらに、サンプリングビームB
sampから各光検出器640上に光をセグメントで集束させるためのM×Nの集束レンズのアレイ630を含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、CBCシステム600はさらに、光ファイバ610の出力端に接続可能なエンドキャップ素子620などの1つ以上のエンドキャップ素子を含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、CBCシステム600は、各チャンネルの光学収差を求め、それに基づいて各チャンネルijに必要なセグメント補正設計を決定することを可能にするべく、結合レンズレットアレイ650がCOEとしても作用するようにエンボス加工/エッチングされる前に又は別個のCOEを追加する前に、例えば
図6に示すのと同じシステム構成を使用して、チャンネルごとの固有の特定の光学収差を測定するために用いることができる。各セグメントに必要な補正が決定され、セグメントの構成設計が生成/計算されると、レンズレットアレイ上に、又は別個のCOEを製造するために別個の部品(例えば、シリコン片)上に、補正セグメントをエッチング/エンボス加工することができる。
【0091】
各チャンネルijの1つ以上の光学収差OAijを測定するために、処理・制御サブシステム670はさらに、各チャンネルijのタイプ、1つ以上の関連する特性のパラメータ値、位置などの光学収差の特性を検出するべく、M×Nの光検出器640から受信した出力データを分析し、分析結果(各チャンネルijの各光学収差の決定された特性を含む)に基づいて、製造されるCOEの各セグメントのエンボス加工/エッチング/コーティング設計を含むCOE構成設計を生成するように構成することができる。COE構成設計は、例えば、任意の1つ以上の製造マシン(例えば自動製造用)の製造命令のセット、幾何学的モデルを示すデータを含み得る。
【0092】
さらに又は代替的に、各チャンネルijの光学収差を測定するために、例えば、結合出力ビーム609の1つ以上の特徴を測定するように構成された、セグメント化された、ピクセル化された、又は任意の他のタイプの光学FF検出器680を使用して、結合出力ビーム609のFF画像の特性を検出及び分析することができる。
【0093】
例えば、FF検出器680の出力データは、それぞれのチャンネルの各光学収差に対するFFの感度レベルを判定するために、光検出器640のアレイから来る検出器データと組み合わせて使用することができる。別の妥当な手法は、曲率センサ又はシャックハルトマンセンサ又は検出システムなどの波面感知装置を使用して、光学収差のタイプを決定すること、又は異なるタイプの収差、特性、及び随意的にその原因などを区別することであり得る。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、各CBCシステム用のCOE自体の製造は、エンボス加工、カービング、スパッタリング、蒸発、エングレービング、プリンティング、ナノリソグラフィ、イオンビーム蒸着などの技術のうちの1つ以上を使用して行われ得る。
【0095】
COEを製造するために、(例えば、シリコン素子の表面上の反射防止(AR)コーティングの薄層のナノエッチングによって)COEの各セグメントのウェッジを形成するために、例えば、三次元(3D)プリンタ、スパッタリング、コーティング、及び蒸着/ナノエッチングなどのためのマシン/デバイスなどの任意の1つ以上のデバイス、マシン、及び/又はシステムを使用することができる。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、製造されるCBCシステムのCOEを設計する方法は、CBCシステム間の収差がどの程度大きく異なるかに応じて、主にCBCシステムの各光ファイバとそれが接続/接合されるレンズとの間の間の位置ずれ/位置、CBCシステムの他の光学素子に対するレンズレットアレイの位置ずれ、レンズレットアレイ、集束素子などの光学素子の製造誤差及び欠陥の影響に応じて、COEをカスタムフィットさせる特定のCBCシステムの特定の収差を測定するのではなく、標準CBCシステム(「CBCシステムモデル」として用いられる他のCBCシステム用のCOEを製造するための光学収差の測定に用いられる)を用いることによって実行され得る。場合によっては、特定のCBCシステムの光学収差の差異により、カスタマイズされたCOE設計及び製造のみが必要とされ、高いFFビーム品質(例えば、ビームの無駄が少なく、高い空間コヒーレンス)などの高いシステムのパフォーマンスが可能となる。
【0097】
ここで、いくつかの実施形態に係る、CBCシステムの各チャンネルに必要な補正を決定するための、CBCシステムの各チャンネルijの収差を検出するための検出システムを概略的に示す
図7を参照する。この検出システムは、エンドキャップ素子120に接続されたM×Nの光ファイバのアレイ110、及び
図1Aについて説明した要素/部品と同様の別個のレンズレットアレイ130などの、後でCBCのために用いられるCBCシステムの部品を含み得る。各チャンネルijは、それぞれのチャンネルijのすべての収差を検出し、それぞれのijセグメントの補正設計を計算(決定する)ためのコンピューティングデバイス75などの1つ以上のコンピューティングデバイスに関連付けられた波面分析器(WFA)サブシステム70によって個別に測定することができる。
【0098】
例えば、チャンネル11又はチャンネル41の収差を検出するために、コリメートレンズ1L
11又は1L
41から出力されたファイバF
11又はF
41の光が(例えば、同時に又は1つずつ)検出される。WFAサブシステム70は、レンズレットアレイ130のそれぞれのコリメートレンズ1L
11又は1L
41から出力された波面の光学特性のセグメント検出を可能にするために、光検出器(ピクセル化された電荷結合素子(CCD)又はフォトダイオードのアレイなど)を含むことができる、又はそこからデータを受信するCBCシステムの検出手段を使用することができる。収差は、セグメント/チャンネルごとに異なる特性をもっている可能性が高く、したがって、
図7に示すような異なる収差補正設計が必要になり、
図7は、チャンネル11が1CS
11に示されている補正設計を必要とし、チャンネル41が1CS
41に示されている異なる補正設計を必要とする様子を示している。
【0099】
チャンネルごとの波面特性を検出することによって(例えば、一度に測定するチャンネルのみを通して光を伝送することによって)、波面の3D補正モデルを含み得る三次元(3D)鏡像(反対の方向を有する波面分布が等しい)を使用して、チャンネルの関連セグメントの補正を計算又は設計することができる。
【0100】
いくつかの実施形態によれば、(各セグメントのサイズに関して)正しい比率で波面をミラーリングできるようにするために、光検出手段(例えば、CCDカメラ又はM×Nのフォトダイオードのアレイ)の位置決めは、それらの位置決めが、製造されるCOEの位置に関して同じアラインメント及び距離で行われることを必要とし得る、又は、COEセグメントの設計はまた、レンズレットアレイ130に対するCOEの所望のアラインメント及び位置決めされる距離に対応し得る。
【0101】
特定のCBCシステム用に製造されるそれぞれのCOEのすべてのセグメントの補正設計が決定される(例えば、その3Dモデルをコンピュータストレージユニットに記憶させる)と、(例えばイオンビーム蒸着プロセスを使用して)COEセグメントを製造することができる。
【0102】
図8は、いくつかの実施形態に係る、補正光学素子の表面上に湾曲加工又はエンボス加工された3×3の補正セグメントの図を示している。
【0103】
ここで、異なる収差のない波面イメージングと異なるタイプの収差が検出される波面イメージングの画像を示す
図9A~
図11Bを参照する。
【0104】
図9A及び
図9Bは、CBCレンズレットアレイの1つのレンズレットによってコリメートされた単一チャンネルの測定画像を示しており、
図9Aは、収差なしのセグメントを示しており、
図9Bは、角度指示誤差収差を示している。
【0105】
図10A及び
図10Bは、CBCレンズレットアレイの1つのレンズレットによってコリメートされた単一チャンネルの測定画像を示しており、
図10Aは、収差なしのセグメントを示しており、
図10Bは、特定のチャンネルの特定のレンズの曲率半径の不正確さに起因して生じる焦点はずれ収差を示している。
【0106】
図11A及び
図11Bは、CBCレンズレットアレイの1つのレンズレットによってコリメートされた単一チャンネルの測定画像を示しており、
図11Aは、収差なしのセグメントを示しており、
図11Bは、ファイバとレンズの接続の不正確さ(例えば、コマ収差及び他の波面収差を生じ得るチャンネルのファイバとレンズの軸外スプライシング)によって生じる収差を示している。
【0107】
例
【0108】
例1は、少なくともM×Nの光ファイバ、及びM×Nの光ファイバを通して伝送されるM×Nの光ビームをコヒーレントに結合するためのM×Nのコリメートレンズレットアレイを使用する、多チャンネル・コヒーレントビーム結合(CBC)システムのための補正光学素子(COE)であって、M×Nの補正セグメントを有することによって、特定の単一CBCシステムの光学収差をセグメントで補正するようにカスタム製造され、各補正セグメントCSijは、例えばCBCシステムのM×Nのすべてのセグメントの光学収差を補正するために、CBCシステムのM×Nのチャンネルの各チャンネル「ij」から出力される対応する出力ビームBijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するべく位置及び構成がカスタマイズされ、COEは、少なくともそれぞれの光ファイバの出力端と特定のCBCシステムのレンズレットアレイの対応するコリメートレンズLijの中心との間の相対位置の不正確さによって生じる光学収差をセグメントで補正するように構成され、M×Nのすべてのセグメントの光学収差の補正は、COEによって光学的に同時に行われることを特徴とするCOEである。
【0109】
例2において、例1の主題は、COEは、各出力光ビームBijについて、指示誤差、フォーカス/コリメーション誤差、波面収差、高次三次元収差、空間分布誤差、コマ収差、像面湾曲収差、円筒収差、スマイル誤差のいずれか1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成されることを含み得る。
【0110】
例3において、例1乃至例2のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEのセグメントは、エンボス加工、湾曲加工、スパッタリング、エングレービング、プリンティング、蒸発、イオンビーム蒸着のうちの1つ以上を用いることによって、COEの少なくとも片面上に形状設定されることを含み得る。
【0111】
例4において、例1乃至例3のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、それぞれのチャンネルijの対応する光ビームBijのそれぞれの収差を補正するためにその各セグメントCSijが異なるカスタム形状を有するように、カスタマイズされたモノリシック部品で作製されることを含み得る。
【0112】
例5において、例1乃至例4のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEの各セグメントは、それぞれの出力光ビームBijの光学収差を回折補正するように構成された1つ以上のウェッジを備えることを含み得る。
【0113】
例6において、例1乃至例5のいずれか1つ以上に記載の主題は、光ファイバがエンドキャップ素子の入力面に接続されるCBCシステム用にさらに設計されることを含み得る。
【0114】
例7において、例6の主題は、COEは、レンズレットアレイの出力面上に一体に接続又は構成され、出力湾曲面は、M×Nのレンズ形湾曲バルジを備え、各バルジは、エンドキャップ素子の出力面を出るM×Nの光ビームのそれぞれがCOEによってコリメート及び補正されるように、カスタム設計の補正エンボス加工又はエッチングを有することを含み得る。
【0115】
例8において、例6乃至例7のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、レンズレットアレイの入力面に一体に又は非一体に接続され、レンズレットアレイのレンズレットのバルジは、COEの出力面を形成し、カスタム形状の補正セグメントは、エンドキャップ素子の出力面に面しているCOEの入力面上に配置されていることを含み得る。
【0116】
例9において、例6乃至例7のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、レンズレットアレイの入力面に一体に接続されたエンドキャップ素子の出力面と、各光ビームのカスタマイズされるセグメントでのコリメーション及び収差補正を組み合わせて実行するためにその上にエンボス加工又はデボス加工された補正3D設計を有するレンズレットアレイの出力面とを有することによって、CBCシステムのレンズレットアレイ及びエンドキャップ素子に組み込まれ、単一のモノリシックコヒーレントビーム結合・エンドキャッピング・補正要素を形成することを含み得る。
【0117】
例10において、例1乃至例9のいずれか1つ以上に記載の主題は、CBCシステムの光ファイバは、0.4~2.5μmの範囲の帯域幅の光を案内するように構成されることを含み得る。
【0118】
例11において、例1乃至例10のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、特定のCBCシステムの一部として組み込まれることを含み得る。
【0119】
例12において、例1乃至例11のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、M×Nの高出力ファイバレーザ又はファイバ増幅器を使用して、多チャンネルCBCシステムの収差を補正するように構成されることを含み得る。
【0120】
例13は、M×Nの光ファイバ、入力側でM×Nの光ファイバに接続されるエンドキャップ素子、及びエンドキャップ素子によって出力されたM×Nの光ビームをコヒーレントに結合するためのM×Nのコリメートレンズレットアレイを使用する、M×Nのチャンネルを有する、多チャンネル・コヒーレントビーム結合(CBC)システムのための補正光学素子(COE)を製造するための方法であって、その方法は、
【0121】
それぞれの光ファイバFijに接続されるレンズレットアレイのそれぞれのレンズLijから出力された対応する各チャンネルijの各出力光ビームBijの波面の特性の測定に基づいて、CBCシステムのM×Nのチャンネルの各チャンネルijの1つ以上の光学収差Aijを測定することと、
【0122】
製造されるCOEの各セグメントCSijについて、特定のCBCシステム及び製造されるCOEの特定の位置及び位置決めに関して、それぞれの補正セグメントCSijのすべての測定される光学収差を補正するために必要な補正設計を決定することと、
【0123】
各々に必要な補正設計に従ってCOEの各セグメントを構成することによって、M×Nのセグメントを有するCOEを製造することと、
【0124】
COEの各補正セグメントCSijが出力光ビームBijに関して最適な位置に配置されるように、最適な収差補正のための決定された位置にCOEを配置することと、
【0125】
CBCシステムのM×Nのすべてのセグメントの光学収差を同時に補正するべくCOEを使用することと、
を含み、
【0126】
COEは、それぞれの光ファイバの出力端と特定のCBCシステムのレンズレットアレイの対応するコリメートレンズレットLijの中心との間の相対位置の不正確さによって生じる、コヒーレントビーム結合性能に影響を及ぼす光学収差をセグメントで補正するように構成される、
方法である。
【0127】
例14において、例13の主題は、COEは、各出力光ビームBijについて、指示誤差、フォーカス/コリメーション誤差、波面収差、高次三次元収差、空間分布誤差、コマ収差、像面湾曲収差、円筒収差、スマイル誤差のいずれか1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成されることを含み得る。
【0128】
例15において、例13乃至例14のいずれか1つ以上に記載の主題は、それぞれの1つ以上の収差を求めるために測定される出力ビームBijのそれぞれは、各光ファイバFijからエンドキャップ素子を通ってレンズレットアレイのそれぞれのレンズレットLijを通るように誘導され、これにより、それぞれのチャンネルijの光学収差の測定が、CBCシステムのレンズレットアレイを出るコリメートされた出力ビームのセグメントから検出される収差に対して行われることを含み得る。
【0129】
例16において、例13乃至例14のいずれか1つ以上に記載の主題は、それぞれの1つ以上の収差を求めるために測定される出力ビームBijのそれぞれは、それぞれの光ファイバFijからエンドキャップ素子を通ってCOEの補正入力面に向かうように誘導され、レンズレット領域は、COEの出力面として形成されることを含み得る。
【0130】
例17において、例13乃至例16のいずれか1つ以上に記載の主題は、1つ以上の光スプリット要素を使用して、単一の光源から出射する光をM×Nの光ファイバに誘導することをさらに含むことを含み得る。
【0131】
例18において、例13乃至例17のいずれか1つ以上に記載の主題は、CBCシステムのM×Nのすべてのチャンネルについて、各チャンネルijの1つ以上の収差は、CBCシステムの各チャンネルijに必要な補正を決定するべく、1つ以上の光検出器及び前記1つ以上の光検出器によって出力された出力データを受信及び分析するように構成された処理・制御ユニットを使用して、同時に又はチャンネルごとに個別に測定されることを含み得る。
【0132】
例19において、例18の主題は、1つ以上の光検出器は、カメラ、電荷結合素子(CCD)、M×Nのフォトダイオード又は光検出器、各チャンネルijの1つ以上の光学収差を含む光学特性を個別に測定するための異なる集束レンズ又はレンズレットにそれぞれ結合されたM×Nの光検出器のうちの1つ以上を含むことを含み得る。
【0133】
例20において、例13乃至例19のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEを配置することは、光ファイバの出力ビームが伝播する光学平面に対してCOEを光学的に位置合わせすることによって行われることを含み得る。
【0134】
例21において、例18乃至例20のいずれか1つ以上に記載の主題は、各補正セグメントCSijの設計は、1つ以上の光検出器を使用して各ビームBijの1つ以上の波面特性を測定し、測定した波面特性に基づいてそれぞれのチャンネルijの補正セグメントCSijの三次元モデルを生成することによって決定されることを含み得る。
【0135】
例21において、例21の主題は、各補正セグメントCSijの3D設計は、対応するチャンネルijのビームBijの波面の3D鏡像であることを含み得る。
【0136】
例23は、コヒーレントビーム結合(CBC)のためのシステムであって、少なくとも、
【0137】
狭い波長帯の光を照射するための少なくとも1つの光源と、
【0138】
少なくとも1つの光源から出射する光を案内するように構成されたM×Nの光ファイバと、
【0139】
M×Nの光ファイバからのM×Nの光ビームをコヒーレントに結合するためのM×Nのコリメートレンズレットアレイと、
【0140】
特定の単一CBCシステムの光学収差をセグメントで補正するようにカスタマイズされた補正光学素子(COE)と、
を含み、前記COEはM×Nの補正セグメントを備え、各補正セグメントCSijは、それぞれのijチャンネルの対応する光ファイバFijから出射する対応する出力ビームBijの特定の予め測定された1つ以上の光学収差を補正するべく位置及び構成がカスタマイズされ、
【0141】
COEは、それぞれの光ファイバの出力端と特定のCBCシステムのレンズレットアレイの対応するコリメートレンズLijの中心との間の相対位置の不正確さによって生じる、コヒーレントビーム結合性能に影響を及ぼす光学収差をセグメントで補正するように構成され、
【0142】
すべてのセグメントのすべての収差の補正は光学的に同時に行われる、
CBCシステムである。
【0143】
例24において、例23の主題はさらに、CBCシステムは、各光ファイバFijから出てくる光ビームがエンドキャップ素子の出力面の異なるセグメントから出るように、その入力面でM×Nの光ファイバの出力端に接続されるエンドキャップ素子をさらに備えることを含み得る。
【0144】
例25において、例23乃至例24のいずれか1つ以上に記載の主題は、CBCシステムは、少なくとも、
【0145】
レンズレットアレイによって結合され、COEによって補正されている、コヒーレント結合出力ビームの光学特性を検出するように配置及び構成された1つ以上の光検出器と、
【0146】
1つ以上の光検出器からデータを受信し、1つ以上のCBCシステムのパフォーマンス特性を測定するべく、受信したデータを分析するように構成された処理・制御サブシステム(PCS)と、
をさらに備えることを含み得る。
【0147】
例26において、例25の主題は、CBCシステムは、対応するM×Nの位相シフタを含む位相同期モジュール及び/又はM×Nの偏波コントローラのアレイを含む偏波同期モジュールのアレイを使用して、M×Nのすべてのチャンネルのすべての位相及び/又は偏波が同期されるように、各チャンネルijの位相及び/又は偏波を同期するための同期モジュールをさらに備えることを含み得る。
【0148】
例27において、例23乃至例26のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、各出力光ビームBijについて、指示誤差、フォーカス/コリメーション誤差、波面収差、高次三次元収差、空間分布誤差、コマ収差、像面湾曲収差、円筒収差、スマイル誤差のいずれか1つ以上の光学収差をセグメントで補正するように構成されることを含み得る。
【0149】
例28において、例23乃至例27のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEのセグメントは、エンボス加工、湾曲加工、スパッタリング、蒸発、エングレービング、プリンティング、イオンビーム蒸着のうちの1つ以上を用いることによって、COEの少なくとも片面上に形状設定されることを含み得る。
【0150】
例29において、例23乃至例27のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、それぞれのチャンネルijの対応する光ビームBijのそれぞれの収差を補正するためにその各セグメントCSijが異なるカスタム形状を有するように、カスタマイズされたモノリシック部品で作製されることを含み得る。
【0151】
例30において、例23乃至例29のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEの各セグメントは、それぞれの出力光ビームBijの光学収差を回折補正するように構成された1つ以上のウェッジを備えることを含み得る。
【0152】
例31において、例23乃至例30のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、レンズレットアレイの出力面上に一体に接続又は構成され、出力湾曲面は、M×Nのレンズ形湾曲バルジを備え、各バルジは、エンドキャップ素子の出力面を出るM×Nの光ビームのそれぞれがCOEによってコリメート及び補正されるように、カスタム設計の補正付加物を有することを含み得る。
【0153】
例32において、例23乃至例31のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、レンズレットアレイの入力面に一体に又は非一体に接続され、レンズレットアレイのレンズレットのバルジは、COEの出力面を形成し、カスタム形状の補正セグメントは、エンドキャップ素子の出力面に面しているCOEの入力面上に配置されていることを含み得る。
【0154】
例33において、例23乃至例32のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、レンズレットアレイの入力面に一体に接続されたエンドキャップ素子の出力面と、各光ビームのカスタマイズされるセグメントでのコリメーション及び収差補正を組み合わせて実行するためにその上にエンボス加工又はデボス加工された補正3D設計を有するレンズレットアレイの出力面とを有することによって、CBCシステムのレンズレットアレイ及びエンドキャップ素子に組み込まれ、単一のモノリシックコヒーレントビーム結合・エンドキャッピング・補正要素を形成することを含み得る。
【0155】
例34において、例23乃至例33のいずれか1つ以上に記載の主題は、CBCシステムの光ファイバは、0.4~2.5μmの範囲の帯域幅の光を案内するように構成されることを含み得る。
【0156】
例35において、例23乃至例34のいずれか1つ以上に記載の主題は、COEは、M×Nの高出力ファイバレーザ又はファイバ増幅器を使用して、多チャンネルCBCシステムの収差を補正するように構成されることを含み得る。
【0157】
上記の説明は、本発明の限られた数の例示的な実施形態を開示しているが、これらの実施形態は、本発明の範囲にいかなる制限も課すものではなく、むしろ本発明を実装することができる様態のいくつかの例示として考えられるべきである。
【0158】
本明細書に記載の方法及び/又はプロセスは、任意の1つ以上のソフトウェア、及び/又はハードウェア、要素装置、デバイス、機構、電子及び/又はデジタルコンピュータ化システム、ユニット、処理モジュール、デバイス、マシン、エンジンなどによって実装され得る。
【0159】
システム、モジュール、ユニット、デバイスなど、又はその一部は、本明細書で開示される1つ以上の方法又はプロセスを実装することができるプログラム可能なハードウェア及び/又はソフトウェアベースの実行モジュールから、コンピュータで読み取り可能且つ実行可能な命令、ルール、条件などに従って特定の機能を実行するようにプログラムすることができ、したがって、事実上、開示された各方法/プロセスの実施形態に特有の「専用コンピュータ」を開示しているとみなすことができる。
【0160】
さらに又は代替的に、本明細書で開示された方法及び/又はプロセスは、専用コンピュータで読み出し可能な信号媒体によって有形又は無形に具体化され得るコンピュータプログラムとして実装することができる。コンピュータで読み出し可能な信号媒体は、例えばベースバンドで又は搬送波の一部として、その中で具体化されるコンピュータで読み出し可能なプログラムコードを有する伝播されるデータ信号を含み得る。このような伝播される信号は、電磁気、光、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態のいずれかをとり得る。コンピュータで読み出し可能な信号媒体は、一時的でないコンピュータ又は機械可読記憶装置ではない、本明細書で説明する装置、システム、プラットフォーム、方法、動作、及び/又はプロセスによって又はそれらに関連して使用するためのプログラムを通信する、伝搬する又は移送することができる、任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0161】
「一時的でないコンピュータで読み出し可能な記憶装置」及び「一時的でない機械可読記憶装置」という用語ははまた、本明細書で開示される方法の実施形態を実装するコンピュータプログラムによって後で読み出すために記憶することができる配布媒体、中間記憶媒体、コンピュータの実行メモリ、及び任意の他の媒体又はデバイスを含み得る。コンピュータプログラム製品は、1つのサイトにある1つのコンピュータ又は複数のコンピュータで実行されるように配置する、又は複数のサイトに分散させ、1つ以上の通信ネットワークによって相互接続することができる。
【0162】
コンピュータで読み出し可能及び実行可能な命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスにロードし、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータで実施されるプロセスを生成することができ、これにより、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実施する。
【0163】
モジュール、デバイス、機構、ユニット、及び/又はサブシステムは、それぞれ、1つ以上のマシンで実行可能な命令(例えばコマンド)を備えることができる。モジュールは、本明細書で開示される方法、プロセス、及び/又は動作をシステムに実施させるようにプログラムされた回路又はコントローラによって具体化され得る。例えば、モジュールは、例えば、カスタム超大規模集積(VLSI)回路又はゲートアレイ、特定用途向け集積回路(ASIC)、ロジックチップ、トランジスタ、及び/又は他の個別のコンポーネントなどの既製の半導体を備えるハードウェア回路として実装され得る。モジュールはまた、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラム可能なハードウェアデバイスで実装され得る。
【0164】
上記の開示では、特に明記しない限り、本発明の実施形態の1つ以上の特徴を特徴付ける条件又は関係性を明示する「実質的に」、「約」、「およそ」などの用語は、その条件又は特性が、意図される用途に関する実施形態の動作について許容できる許容範囲内で定義されることを意味すると理解されるべきである。
【0165】
上記の明細書で開示された方法/プロセス及び/又はシステム/デバイス/サブシステム/装置などは、図面で提供されるフローチャート及び/又は図に狭義に限定されるものではないことに留意することが重要である。例えば、方法は、図面に記載されているよりも多くの又は少ないプロセス又はステップを含み得る。さらに、方法の実施形態は、本明細書で図示され説明されるような時系列的順序に必ずしも限定されない。
【0166】
「処理する」、「コンピューティング」、「計算する」、「決定する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」、「推定する」、「導出する」、「選択する」、「推論する」、「識別する」、「検出する」などの用語は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理(例えば、電子信号又は光信号)量として表されるデータを、動作及び/又はプロセスを実行するための命令を記憶できるコンピュータのレジスタ及び/又はメモリ又は他の情報記憶媒体内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換する、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを指し得ることに留意されたい。
【0167】
単数形で用いられる用語はまた、明示的に別段の記載がある場合、又は文脈上別段の必要がある場合を除き、複数形の範囲も含むものとする。
【0168】
本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、及び「有する」という動詞、及びその活用形のそれぞれは、動詞の1つ以上の目的語が必ずしも動詞の1つ以上の主語の構成要素、要素、又は部分の完全なリストではないことを示すために用いられる。
【0169】
特に明記しない限り、選択のための選択肢のリストの少なくとも2つのメンバー間の「及び/又は」という表現の使用は、リストに挙げた選択肢のうちの1つ以上の選択が適切である、すなわち、指定された選択肢のうちの1つ以上のすべての可能な組み合わせが可能となり得ることを示す。さらに、「及び/又は」という表現の使用は、「以下の少なくとも1つ」、「以下のいずれか1つ」、又は「以下の1つ以上」という表現と交換可能に用いられ、その後に様々な選択肢のリストが続く。
【0170】
明確にするために別個の実施形態又は例に関連して説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることがわかる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態、例、及び/又は選択肢に関連して説明される本発明の様々な特徴はまた、別々に、又は任意の適切なサブの組み合わせで、又は本発明の任意の他の説明された実施形態、例、又は選択肢において適切に提供され得る。様々な実施形態、例、及び/又は随意的な実装に関連して説明される特定の特徴は、実施形態、例、及び/又は随意的な実装がこれらの要素なしでは動作しない場合を除き、これらの実施形態の必須の特徴とはみなされない。
【0171】
「いくつかの実施形態において」、「いくつかの実施形態によれば」、「本発明のいくつかの実施形態によれば」、「例えば」、「例として」、「例せば」、及び「随意的に」という用語は、本明細書では交換可能に用いられ得ることに留意されたい。
【0172】
図面に示される要素の数は、決して限定するものとして解釈されるべきではなく、例示することのみを目的としている。
【0173】
「するように動作可能な」という用語は、「するように修正又は構成された」という用語の意味を包含し得ることに留意されたい。言い換えれば、タスクを実行する「ように動作可能な」マシンは、いくつかの実施形態では、その機能を実行するための単なる能力(例えば、「修正された」)を包含し、他のいくつかの実施形態では、その機能を実行するように実際に作製された(例えば、「構成された」)マシンを包含し得る。
【0174】
第1の表示番号から第2の表示番号までの「範囲」という文言と、第1の表示番号「乃至」第2の表示番号の「範囲」という文言は、本明細書では交換可能に用いられ、第1の表示番号と第2の表示番号、及びそれらの間のすべての小数及び整数を含むことを意味する。
【国際調査報告】