(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費装置および電池セルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240717BHJP
H01M 10/0583 20100101ALI20240717BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240717BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20240717BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
H01M10/052
H01M50/538
H01M50/586
H01M50/591 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500389
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2021132477
(87)【国際公開番号】W WO2023092289
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】肖海河
(72)【発明者】
【氏名】張小文
(72)【発明者】
【氏名】彭爽娟
(72)【発明者】
【氏名】黄亜萍
(72)【発明者】
【氏名】李白清
(72)【発明者】
【氏名】金海族
(72)【発明者】
【氏名】周錫根
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB04
5H028CC05
5H028CC08
5H028CC15
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL07
5H029BJ02
5H029BJ15
5H029CJ03
5H029DJ04
5H029DJ05
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA14
5H043EA06
5H043HA02E
5H043KA45E
5H043LA21E
(57)【要約】
本願は、電池分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電力消費装置、および電池セルの製造方法に関する。本願の電池セルは、ハウジングと、電極アセンブリとを含む。電極アセンブリは、ハウジングに設置され、かつ第1極板および第1極板と極性が逆である第2極板を含み、第1極板は第1方向に沿って往復して折り畳み、それにより第1極板は順に接続されかつ積み重ねられた複数枚の第1積層シートを含み、第2極板は第2方向に沿って1回折り畳み、それにより、第2極板は互いに接続された2枚の第2積層シートを含み、第2方向は第1方向に垂直又は平行であり、第2積層シートは第1積層シートと順に交互に積み重ねられ、第2極板の折り曲げ部はハウジングの内壁に接触する。これにより、積層電池の性能を効果的に向上させることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セル(20)であって、
ハウジング(202)と、
電極アセンブリ(201)であって、前記ハウジング(202)に設置され、かつ第1極板(1)および前記第1極板(1)と極性が逆である第2極板(2)を含み、前記第1極板(1)は第1方向(X)に沿って往復して折り畳み、それにより前記第1極板(1)は順に接続されかつ積み重ねられた複数枚の第1積層シート(11)を含み、前記第2極板(2)は第2方向(Y)に沿って1回折り畳み、それにより、前記第2極板(2)は互いに接続された2枚の第2積層シート(21)を含み、前記第2方向(Y)は前記第1方向(X)に垂直又は平行であり、前記第2積層シート(21)は前記第1積層シート(11)と順に交互に積み重ねられ、前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)は前記ハウジング(202)の内壁に接触する、電極アセンブリ(201)とを含むことを特徴とする電池セル(20)。
【請求項2】
前記第1極板(1)のタブ(15)は、前記第1極板(1)の折り曲げ部(25)以外の縁部に位置し、および/または、前記第2極板(2)のタブ(15)は、前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)以外の縁部に位置することを特徴とする請求項1に記載の電池セル(20)。
【請求項3】
前記第2方向(Y)は、前記第1方向(X)に垂直であり、前記第1極板(1)のタブ(15)は、前記第1極板(1)の折り曲げ部(25)に隣接する縁部に位置し、前記第2極板(2)のタブ(15)は、前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)から離れた端部に位置し、または、前記第2方向(Y)は、前記第1方向(X)に平行であり、前記第1極板(1)のタブ(15)は、前記第1極板(1)の折り曲げ部(25)に隣接する縁部に位置し、前記第2極板(2)のタブ(15)は、前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)に隣接する縁部に位置することを特徴とする請求項2に記載の電池セル(20)。
【請求項4】
前記第1極板(1)のタブ(15)および前記第2極板(2)のタブ(15)は、同じ側または対向する両側にあることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項5】
前記第1極板(1)のタブ(15)および前記第2極板(2)のタブ(15)は、同じ側に位置し、前記第1極板(1)のタブ(15)および前記第2極板(2)のタブ(15)は、前記第1方向(X)にずらして配置されることを特徴とする請求項4に記載の電池セル(20)。
【請求項6】
前記第2極板(2)の2枚の前記第2積層シート(21)の少なくとも1枚は、タブ(15)を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項7】
前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)と、前記ハウジング(202)の内壁との間は絶縁しまたは導電することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項8】
前記第2極板(2)の前記第1極板(1)から離れた折り曲げ部(25)の表面は、重力方向に向けられることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項9】
前記第2極板(2)は、前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)を含む不活性領域(26)を有し、前記不活性領域(26)は、活物質(29)で塗布されていないことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項10】
前記第2極板(2)の前記第1極板(1)に面する不活性領域(26)の表面には、絶縁物質(27)が設置されることを特徴とする請求項9に記載の電池セル(20)。
【請求項11】
前記第1極板(1)および/または前記第2極板(2)には、前記第1極板(1)および/または前記第2極板(2)の折り畳みを案内する折り畳み案内部(28)が設置されることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項12】
前記折り畳み案内部(28)は、折り目(282)または刻み目(281)を含むことを特徴とする請求項11に記載の電池セル(20)。
【請求項13】
前記折り畳み案内部(28)は、前記第1極板(1)および/または前記第2極板(2)の幅方向に平行であるか、または、前記折り畳み案内部(28)は、前記第2極板(2)の幅方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項11または12に記載の電池セル(20)。
【請求項14】
前記電極アセンブリ(201)はセパレータ(3)を含み、前記セパレータ(3)は前記第1極板(1)と前記第2極板(2)を隔て、同じ前記第2極板(2)の厚さ方向の対向する両側に位置する2枚の前記セパレータ(3)はいずれも折り返されかつ前記第2極板(2)のタブ(15)が設けられていない縁部を被覆することを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項15】
前記第1極板(1)は、負極板(14)であり、前記第2極板(2)は、正極板(24)であることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の電池セル(20)。
【請求項16】
包装ボックス(30)を含む電池(10)であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池セル(20)をさらに含み、前記電池セル(20)は、前記包装ボックス(30)内に設置されることを特徴とする電池(10)。
【請求項17】
本体(105)を含む電力消費装置(100)であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池セル(20)、又は請求項16に記載の電池(10)をさらに含み、前記電池セル(20)は前記本体(105)に電気エネルギを提供することを特徴とする電力消費装置(100)。
【請求項18】
電池セル(20)の製造方法であって、
第1極板(1)を提供し、前記第1極板(1)を第1方向(X)に沿って往復して折り畳み、それにより前記第1極板(1)は順に接続されかつ積み重ねられた複数枚の第1積層シート(11)を含むことと、
前記第1極板(1)と極性が逆の第2極板(2)を提供し、前記第2極板(2)を第2方向(Y)に沿って1回折り畳み、それにより前記第2極板(2)は互いに接続された2枚の第2積層シート(21)を含み、前記第2方向(Y)は前記第1方向(X)に垂直又は平行であることと、
前記第2極板(2)を前記第1極板(1)に挿入して、前記第2積層シート(21)と前記第1積層シート(11)とを順に交互に積み重ねることと、
前記第1極板(1)と前記第2極板(2)を含む電極アセンブリ(201)を取得することと、
前記電極アセンブリ(201)をハウジング(202)内に収容し、前記第2極板(2)の折り曲げ部(25)を前記ハウジング(202)の内壁に接触させることとを含むことを特徴とする電池セル(20)の製造方法。
【請求項19】
前記第2極板(2)を前記第2方向(Y)に1回折り曲げる前に、前記第2極板(2)の厚さ方向の対向する両側に2枚のセパレータ(3)をさらに設置し、同じ前記第2極板(2)の厚さ方向の対向する両側に位置する2枚の前記セパレータ(3)をいずれも折り返して、タブ(15)が設けられていない前記第2極板(2)の縁部を被覆することを特徴とする請求項18に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電力消費装置、および電池セルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電池は、応用がますます広くなり、水力、火力、風力、太陽光発電所などのエネルギ貯蔵電源システムに応用されるのみならず、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動交通機関、軍事用装備、航空・宇宙飛行などの多くの分野で広く応用されている。
【0003】
積層電池は重要な電池タイプであるが、積層電池の性能の改善はまだ必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、積層電池の性能を改善するために、電池セル、電池、電力消費機器および電池セルの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願が提供する電池セルは、
ハウジングと、
電極アセンブリであって、ハウジングに設置され、かつ第1極板および第1極板と極性が逆である第2極板を含み、第1極板は第1方向に沿って往復して折り畳み、それにより第1極板は順に接続されかつ積み重ねられた複数枚の第1積層シートを含み、第2極板は第2方向に沿って1回折り畳み、それにより、第2極板は互いに接続された2枚の第2積層シートを含み、第2方向は第1方向に垂直または平行であり、第2積層シートは第1積層シートと順に交互に積み重ねられ、第2極板の折り曲げ部はハウジングの内壁に接触する、電極アセンブリとを含む。
【0006】
上記設置によって、積層電池の生産効率と放熱性能を効果的に向上させることができ、積層電池の性能に対する効果的な改善を実現する。
【0007】
いくつかの実施例では、第1極板のタブは、第1極板の折り曲げ部以外の縁部に位置し、および/または、第2極板のタブは、第2極板の折り曲げ部以外の縁部に位置する。第1極板および/または第2極板のタブが折り曲げ部以外の縁部に位置する場合、タブは折り畳み過程によって破損しにくく、構造的確実性が高い。
【0008】
いくつかの実施例では、第2方向は、第1方向に垂直であり、第1極板のタブは、第1極板の折り曲げ部に隣接する縁部に位置し、第2極板のタブは、第2極板の折り曲げ部から離れた端部に位置する。これにより、第1極板と第2極板は直交「Z+U」形積層方式で第2極板の折り畳み方向に沿うタブ延出方式を採用し、組み立てが容易である。
【0009】
いくつかの実施例では、第2方向は、第1方向に平行であり、第1極板のタブは、第1極板の折り曲げ部に隣接する縁部に位置し、第2極板のタブは、第2極板の折り曲げ部に隣接する縁部に位置する。これにより、第1極板と第2極板は直交「Z+U」形積層シート方式で第2極板の折り畳み方向に垂直するタブ延出方式を採用し、第1極板と第2極板は第1極板の縦方向の同側または異側でタブを容易に延出するようにし、正負極端子が同側または異側に設置される電池セルの設計要件を満たす。
【0010】
いくつかの実施例では、第1極板のタブおよび第2極板のタブは、同じ側または対向する両側にある。第1極板のタブと第2極板のタブが同じ側に位置する時、第2極板の折り曲げる部位がハウジングに接触することを容易にし、正負極端子が同じ側に設置される電池セルの設計要件を満たすことを容易にする。第1極板のタブと第2極板のタブが対向する両側に位置する時、負極端子が対向する両側に設置される電池セルの設計要件を満たすことを容易にする。
【0011】
いくつかの実施例では、第1極板のタブおよび第2極板のタブは、同じ側に位置し、第1極板のタブおよび第2極板のタブは、第1方向にずらして配置される。これにより、正負タブを効率よく隔てることができ、同じ側にある正負タブ同士が干渉するのを防止することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、第2極板の2枚の第2積層シートの少なくとも1枚は、タブを有する。第2極板の2枚の第2積層シートのうち、1枚のみがタブを有する場合、構造は比較的簡単である。第2極板の2枚の第2積層シートがいずれもタブを有する場合、電気エネルギの伝達効率はより高く、動作確実性はより高くなる。
【0013】
いくつかの実施例では、第2極板の折り曲げ部と、ハウジングの内壁との間は絶縁しまたは導電して、安全性を高め、または放熱性を改善する。
【0014】
いくつかの実施例では、第1極板から離れた第2極板の折り曲げ部の表面は、重力方向に向けられる。このように、第2極板は重力の作用で容易にハウジングの内壁と十分に接触でき、より良い放熱効果を実現する。
【0015】
いくつかの実施例では、第2極板は、第2極板の折り曲げ部を含む不活性領域を有し、不活性領域は、活物質で塗布されていない。これにより、負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさを制御することが容易となる。
【0016】
いくつかの実施例では、第1極板に面する第2極板の不活性領域の表面には、絶縁物質が設置される。これにより、第1極板と第2極板との間の絶縁性を改善し、安全性能を向上させることに有利である。
【0017】
いくつかの実施例では、第1極板および/または第2極板には、第1極板および/または第2極板の折り畳みを案内する折り畳み案内部が設置される。折り畳み案内部の案内作用により、第1極板および/または第2極板はより容易に折り畳むことができ、これは積層電池の生産効率をさらに向上させるのに有利である。
【0018】
いくつかの実施例では、折り畳み案内部は、刻み目または折り目を含む。設置される刻み目または折り目は、いずれも折り畳み案内作用を効果的に果たし、折り畳みを容易にする。
【0019】
いくつかの実施例では、折り畳み案内部は、第1極板および/または第2極板の幅方向に平行であるか、または、折り畳み案内部は、第1極板および/または第2極板の幅方向に対して傾斜している。ここでは、折り畳み案内部は、第1極板および/または第2極板の幅方向と平行である場合、折り畳み案内部の加工が容易となる。折り畳み案内部が、第1極板および/または第2極板の幅方向に対して傾斜していると、リチウム析出リスクを低減し、安全性能を向上させるのに有利である。
【0020】
いくつかの実施例では、電極アセンブリは、第1極板と第2極板とを隔てるセパレータを含み、同じ第2極板の厚さ方向の対向する両側に位置する2枚のセパレータは、いずれも折り返され、タブが設けられていない第2極板の縁部を被覆する。これにより、短絡リスクが軽減され、安全性能が向上することができる。
【0021】
いくつかの実施例では、第1極板は、負極板であり、第2極板は、正極板である。これにより、負極板の面積を正極板の面積よりも大きくすることが容易となり、リチウム析出現象の発生を効果的に防止することができる。
【0022】
本願で提供される電池は、包装ボックスを含み、本願の実施例の電池セルをさらに含み、電池セルは、包装ボックス内に設置される。電池セルの放熱性能が向上することにより、電池セルを含む電池の放熱性能が向上する。
【0023】
本願が提供する電力消費装置は、本体を含み、本願の実施例の電池セルまたは電池をさらに含み、電池セルは、本体に電気エネルギを提供する。これにより、電力消費装置の放熱性能を効果的に向上させることができる。
【0024】
本願が提供する電池セルの製造方法は、
第1極板を提供し、第1極板を第1方向に沿って往復して折り畳み、それにより第1極板は順に接続されかつ積み重ねられた複数枚の第1積層シートを含むことと、
第1極板と極性が逆の第2極板を提供し、第2極板を第2方向に沿って1回折り畳み、それにより第2極板は互いに接続された2枚の第2積層シートを含み、第2方向は第1方向に垂直または平行であることと、
第2極板を第1極板に挿入して、第2積層シートと第1積層シートを順に交互に積み重ねることと、
第1極板と、第2極板とを含む電極アセンブリを取得することと、
電極アセンブリをハウジング内に収容し、第2極板の折り曲げ部をハウジングの内壁に接触させることとを含む。
【0025】
上記方法を採用して電池セルを製造することは、効率が高く、かつ製造した電池セルは、放熱性能がよい。
【0026】
いくつかの実施例では、第2極板を第2方向に1回折り曲げる前に、第2極板の厚さ方向の対向する両側に2枚のセパレータをさらに設置し、同じ第2極板の厚さ方向の対向する両側に位置する2枚のセパレータをいずれも折り返して、タブが設けられていない第2極板の縁部を被覆する。
【0027】
第2極板を折り畳む前に、2枚のセパレータを利用して第2極板のタブが設置されていない縁部に二重オーバーラッピングを行い、第2極板の折り畳みを容易にする状況において、電池セルの安全性能を効果的に向上させる。
【0028】
本願において、電極アセンブリの第1極板はZ形折り畳み方式を採用して折り畳み、第2極板はU形中折り方式で折り畳み、折り畳まれた第2極板は第1極板に挿入し、このような積層方式は、個片積層方式と比較して、効率が高く、積層電池の生産効率を向上させることに有利である。かつ、第2極板の折り曲げ部はハウジングの内壁に接触して、効率的に放熱することができ、したがって、積層電池の放熱性能の改善に有利で、積層電池の動作安全性を向上させる。
【0029】
このように、本願の提供する電池セルは、生産効率が高いだけでなく、放熱性能も良好であり、したがって、積層電池の性能を効果的に改善することができる。
【0030】
上記の説明は、本願の技術案の概要に過ぎず、本願の技術的手段をより明確に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるようにし、本願の上記および他の目的、特徴および利点をより明らかで理解しやすいようにするために、以下、本願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
ここで説明された図面は、本願のさらなる理解を提供するためのものであり、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例およびその説明は、本願を解釈するためのものであり、本願の不適切な限定を構成しない。図面において、
【
図1】本願の実施例における電力消費装置の模式図である。
【
図3】本願の第1実施例における電池セルの斜視模式図である。
【
図4】本願の第1実施例における電池セルの縦方向の断面図である。
【
図5】本願の第1実施例における電極アセンブリの正面図である。
【
図6】本願の第2実施例における第1極板と第2極板の積層過程を示す模式図である。
【
図9】本願の第1実施例における電極アセンブリの側面図である。
【
図12】本願の第1実施例における電極アセンブリとケーシングとの接触箇所の部分拡大模式図である。
【
図13】本願の第2実施例における電極アセンブリの斜視図である。
【
図14】本願の第2実施例における第1極板と第2極板との積層過程を示す模式図である。
【
図15】本実施例における、折り畳み案内部が設置される第2極板が展開状態にあるときの斜視図である。
【
図17】
図16に示すにおける刻み目箇所での第2極板の部分拡大模式図である。
【
図23】本願の実施例におけるセパレータが第2極板を包む模式図である。
【
図24】本願の実施例における電極アセンブリの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を結び付けながら本願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本願の保護範囲が制限されるものではない。
【0033】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、本願の当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本願を制限することを意図するものではない。本願の明細書と特許請求の範囲および上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語およびそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0034】
本願の実施例の説明では、用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別する目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示または示唆する、または指示された技術的特徴の数、特定の順序または主副関係を暗黙的に示すと理解されない。本願の実施例の説明では、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」は二つ以上を意味する。
【0035】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造または特性が本願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立したまたは代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的および暗黙的に理解することができる。
【0036】
本願の実施例の説明において、用語「および/または」は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、Aおよび/またはBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本明細書における「/」という文字は、一般的には前後関連対象が「または」の関係であることを表す。
【0037】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数のグループ」は、2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を指し、「複数枚」は、2以上枚(2枚を含む)を指す。
【0038】
本願の実施例の説明において、技術用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づき、本願の実施例の説明の便宜または説明の簡略化を図るためのものであり、言及された装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造および操作される必要があることを指示または暗示するものではなく、本願の実施例を限定するものと理解されるべきでない。
【0039】
本願の実施例の説明において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語「装着」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、または一体化されてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通または両素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0040】
エレクトロニクス製品や電気車両などの電力消費装置の急速な発展に伴い、電池はますます広く応用されており、水力、火力、風力、太陽光発電所などのエネルギ貯蔵電力システムだけでなく、電動自転車、電動バイク、電動自動車などの電気交通機関および軍事装備、航空宇宙など様々な分野で幅広く使用されるようになってきている。動力電池の応用分野の拡大に伴い、その市場の需要量も絶えず拡大し、電池の生産効率に対してより高い要求を提出した。
【0041】
積層電池は、重要な電池タイプであり、巻回電池と比較して、構造がより自由で開放的であり、内部空間の利用率が高く、エネルギ密度が高いため、非常に普及させる価値のある構造形態である。しかしながら、積層電池の性能は、改善および改良が必要である。
【0042】
現在、積層電池は生産過程において、電極板を1枚ずつ積層する必要があり、積層電池の生産効率が低い。また、積層電池の電極板と積層電池のハウジングとの間には、通常、絶縁トレイが設置されるので、隔てられ、直接接触しない。ここでは、絶縁トレイは、電極板を含む電極アセンブリを支え、通常、高分子材料などの絶縁材料で作られており、この場合、電極アセンブリから発生する熱が迅速に放散されにくく、熱がハウジング内に蓄積され、過熱爆発などの安全事故を引き起こしやすい。
【0043】
このように、積層電池の改良が必要である。
【0044】
本願は、積層電池の性能を改善するために、電力消費装置、電池、電池セルおよびその製造方法を提供する。
【0045】
図1~
図24は、本願のいくつかの実施例における電力消費装置、電池、電池セル、およびその製造方法を示す。
【0046】
【0047】
図1は、電力消費装置100の構造を例示的に示す図である。
【0048】
図1に示すように、電力消費装置100は、電池セル20を電源として使用する装置であり、電池セル20と本体105とを備え、電池10は本体105に設けられ、本体105に電気エネルギを提供する。あるいは、電力消費装置100は、本体105と、本体105に設けられた電池セル20を含む電池10と、を備え、電池10の電池セル20は、本体105に電気エネルギを提供する。
【0049】
ここで、電力消費装置100は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、電池車、電気自動車、汽船、宇宙航空機などの様々な電力消費機器であってもよい。ここで、電動玩具は、固定型または移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具および電気飛行機玩具などを含んでもよい。宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などを含んでもよい。
【0050】
電力消費装置100は、動力源を含み、動力源は、電池10を含み、電池10は、電力消費装置100に駆動力を提供する。いくつかの実施例では、電力消費装置100の駆動力は全て電気エネルギであり、このとき、動力源は、電池10のみを含む。別のいくつかの実施例では、電力消費装置100の駆動力は電気エネルギと他のエネルギ(例えば、機械的エネルギ)を含み、このとき、動力源は、電池10とエンジンなどの他の機器を含む。
【0051】
電力消費装置100が車両101である場合を例にとって説明する。
図1を参照すると、いくつかの実施例では、電力消費装置100は、純電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンダー自動車などの新エネルギ車であり、それは、電池10、コントローラ102およびモータ104などの動力機器103を含み、電池10は、コントローラ102を介してモータ104などの動力機器103に電気的に接続され、それによって電池10がコントローラ102による制御で、モータ104などの動力機器103に給電することができる。
【0052】
これから分かるように、電池10およびその電池セル20は、電力消費装置100の重要な構成部分である。
【0053】
【0054】
図2を参照すると、電池10は、包装ボックス30と包装ボックス30の中に設置された電池セル20を含む。包装ボックス30は、ボックス本体301と、ボックスカバー302とを備える。ボックス本体301とボックスカバー302は、互いに係合し、包装ボックス30の内部には、電池セル20を収容する密閉された収容空間が形成される。包装ボックス30内の電池セル20の個数は、少なくとも2つ以上であってもよく、それにより、より多くの電気エネルギを提供し、より高い電力需要を満たすことができる。電池10における各電池セル20は直列、並列、または直並列接続されることにより電気的に接続され、大きい容量または電力を実現することができる。なお、
図2では、電池セル20を簡略化して描いている。
【0055】
このように、電池セル20は、電気エネルギを提供するための最小の電池ユニットであり、それは、電池10および電力消費装置100の中核的な構成要素であり、その性能は電池10および電力消費装置100の性能に直接影響を与え、同時に、その生産効率は、電力消費装置100および電池10の生産効率に直接影響する。電池セル20の生産効率および性能の向上は、電力消費装置100と電池10の生産効率および性能の向上に寄与する。
【0056】
電池セル20は、リチウムイオン電池などの様々な電池セルであってもよく、形状は、角形または円筒形など、様々な形状であってもよい。
【0057】
【0058】
図3~23を参照すると、電池セル20は、ハウジング202、電極アセンブリ201、アダプタ205と電極端子206を含む。
【0059】
ここで、ハウジング202は、ハウジング202の内部に位置する部材(例えば、電極アセンブリ201およびアダプタ205)を収容して、ハウジング202の内部に位置する部材を保護する働きをする。ハウジング202は、ケーシング203とエンドキャップ204とを含む。エンドキャップ204は、ケーシング203の端部開口に被せられ、ハウジング202の内部に電極アセンブリ201等を収容する密閉空間が形成される。
【0060】
電極アセンブリ201は電気エネルギを生成するために用いられ、それはハウジング202の内部に設置され、ハウジング202に注入された電解質と電気化学的に反応して電気エネルギを提供する。電極アセンブリ201は、電極板を含み、組み合わせられた第1極板1と第2極板2の2種類の電極板を含む。第1極板1と第2極板2は、極性が逆の電極板であり、一方が負極板14(陽極板ともいう)である場合、他方は正極板24(陰極板ともいう)である。第1極板1と第2極板2の厚さは、0.05~2mmである。第1極板1と第2極板2とを組み合わせた後、積層構造を形成し、第1極板1と第2極板2との短絡を防止するために、セパレータ3によって隔てられる。第1極板1および第2極板2は、いずれもタブ15を有し、電極アセンブリ201によって生成された電気エネルギは、タブ15を介して外部に伝達される。第1極板1および第2極板2のタブ15は、便宜上、それぞれ第1タブ12および第2タブ22と呼ばれる。
【0061】
タブ15は、電極アセンブリ201の正負極板の活物質29が塗布されていない部分であり、正負極板の活物質29が塗布された部分から外側に延び、アダプタ205および電極端子206を介して外部回路と電気的に接続され、電気エネルギの外部への伝達を可能にする。なお、負極板14のタブ15を負タブ13と呼び、正極板24のタブ15を正タブ23と呼ぶ。
【0062】
アダプタ205は、ハウジング202内に設けられ、電極アセンブリ201のタブ15と電極端子206との間に配置され、電極アセンブリ201と電極端子206との間の電気接続を行い、電極アセンブリ201によって生成された電気エネルギを電極端子206に伝達する。ここで、正タブに対応するアダプタ205を正アダプタと呼び、負タブに対応するアダプタ205を負アダプタと呼ぶ。
【0063】
電極端子206は、アダプタ205を介して電極アセンブリ201と電気的に接続され、外部回路と接続して、電極アセンブリ201で発生した電気エネルギを電池セル20の外部に伝達する。ここでは、負タブ13に対応する電極端子206を負極端子20aと称し、正タブ23に対応する電極端子206を正極端子20bと称する。
【0064】
電極アセンブリ201は、電池セル20の重要な構成部分であり、電池セル20が電気エネルギを提供することができる鍵であることが分かる。
【0065】
電極アセンブリ201における第1極板1と第2極板2との組み合せ方式は主に2種類あり、それぞれ巻回方式と積層方式である。ここでは、第1極板1と第2極板2とを巻回方式で組み合わせる場合、対応する電池セル20は巻回電池と呼ばれる。一方、第1極板1と第2極板2とを積層方式で組み合わせる場合、対応する電池セル20は積層電池と呼ばれる。積層電池は巻回電池の角がなく、構造がより自由に開放的であり、かつ内部空間の利用率が高く、エネルギ密度が高いため、良好な応用見通しを有する。
【0066】
しかしながら、積層電池の現在の発展は、生産効率が低いという問題で大きく制約されている。
【0067】
積層電池の電極アセンブリ201は、巻回電池の電極アセンブリ201のように迅速に巻回成形することができず、関連技術において、積層電池の電極アセンブリ201は、個片積層方式、すなわち、切断された第1極板1と第2極板2を1枚ずつ積み重ねて、第1極板1と第2極板2とを順に交互に積み重ね、セパレータ3によって隔てられるという方式しか使用できない。この個片積層方式では、個々の電極板が切断される必要があるため、切断された金属縁部は、必然的に金属バリおよび金属屑を生じ、これらの金属バリまたは屑が、第1極板1および第2極板2の積層の内部に入ると、極板が突き通され、短絡するリスクがある。また、積層する際には、1枚ずつ積み重ねる必要があるため、生産効率が低いという問題がある。一方、従来技術において、電極アセンブリ201と電極アセンブリ201を収容するハウジング202との間には、通常、絶縁トレイが設置され、絶縁トレイによって離隔され、直接接触しない。ここでは、絶縁トレイは電極アセンブリ201を支持するが、通常、高分子材料などの絶縁材料で作られ、熱伝導性能が劣っている。この場合、電極アセンブリ201から発生した熱が迅速に放散されにくく、熱がハウジング202内に蓄積され、過熱爆発などの安全事故を起こしやすく、積層電池の性能に影響を与える。
【0068】
そこで、本願は、電池セル20の構造および製造方法を改良したものである。
【0069】
図3~
図23は、電池セル20およびその電極アセンブリ201の構造を例示的に示す。
【0070】
図3~
図23に示すように、本願において、電極アセンブリ201は、第1極板1および第2極板2を含む。第1極板1は、第1極板1が順次接続されて積み重ねられた複数枚の第1積層シート11を含むように、第1方向Xに沿って往復的に折り畳まれる。第2極板2は、第1極板1と逆の極性を有し、第2極板2が互いに接続された2枚の第2積層シート21を含むように、第2方向Yに1回折り畳まれる。第2方向Yは第1方向Xに垂直または平行であり、第2積層シート21は、第1積層シート11と順に交互に積み重ねられる。
【0071】
第1極板1は第1方向Xに沿って往復して折り畳むため、Z形(またはS形)折り畳み方式であり、第2極板2は第2方向Yに沿って1回折り畳むU形二重折方式であるため、上記設置方式において、電極アセンブリ201は「Z+U」形の積層方式を採用する。
【0072】
「Z+U」形の積層方式では、電極板を1枚ずつ積層する必要がなく、第1極板1をZ形折りし、複数の第2極板2をそれぞれU形中折りした後、中折りした複数の第2極板2を直接第1極板1に挿入して、第2積層シート21と第1積層シート11とを順に交互に積層することができるので、個片積層方式に比べて、電極アセンブリ201、電池セル20、電池10および電力消費装置100の生産効率を効果的に向上させることができる。
【0073】
ここでは、第1極板1はZ形折り畳み方式を採用し、各第1積層シート11は一体に接続され、第1極板1を予め1枚ずつの第1積層シート11に切断する必要がなく、かつ、第2極板2はU形中折りの折り畳み方式を採用し、2枚の第2積層シート21は一体に接続され、第2極板2を2枚の第2積層シート21に切断する必要がなく、したがって、対応する切断ステップを省略することができ、切断過程に必要な時間を短縮し、それにより生産効率を向上させる。
【0074】
また、第2極板2はU形中折りの折り畳み方式を採用し、積層過程において、数十枚の第2極板2を同時に操作して第1極板1に挿入し、第1極板1との組み立てを完成することを容易にし、第2積層シート21を1枚ずつ第1積層シート11に積層する必要がなく、この角度から言えば、生産効率の向上にも有利である。
【0075】
本願が採用した「Z+U」形の積層方式は、切断過程の時間を短縮し、積層効率を高めることによって、積層電池の生産効率を効果的に向上させることができることが分かる。
【0076】
また、「Z+U」形の積層方式では、第1極板1の各第1積層シート11の間、および第2極板2の2枚の第2積層シート21の間は、いずれも切断する必要がないため、個片積層方式において、各積層シート同士が互いに分断され、切断口がある場合と比較して、切断口の数を効果的に減らすことができ、切断口の数の減少は、バリの生成確率を低減し、短絡リスクを低減し、動作安全性を向上させるのに有利である。切断口が多ければ多いほど、バリが発生する確率が高くなり、バリがセパレータ3を突き破りやすくなり、第1極板1と第2極板2とが短絡するため、短絡リスクが高いほど、動作の安全性は低い。本願では、第1積層シート11と第2積層シート21は、いずれも3辺で切断すればよく、4辺で切断する必要がなく、第1積層シート11と第2積層シート21の切断口がいずれも少なくなるため、短絡リスクは低減し、動作安全性は向上する。
【0077】
以上から分かるように、本願は、「Z+U」形積層方式で成形される電極アセンブリ201を提供することによって、積層電池の生産効率を効果的に向上させることができるだけでなく、積層電池の動作安全性を効果的に向上させることもできる。
【0078】
また、本願で採用される「Z+U」形積層方式は、電池セル20の放熱性能を改善することを容易にする。例えば、
図3~
図12を参照すると、いくつかの実施例では、第2極板2の折り曲げ部25は、ハウジング202の内壁と接触する。
【0079】
折り曲げ部25は、電極板の折り畳みが発生する部位であることは容易に理解できる。具体的には、第1極板1の折り曲げ部25は、第1極板1の折り畳みが発生する部分であり、あるいは、第1極板1が折り畳まれた後、隣り合う2枚の第1積層シート11が互いに接続される部分である。第2極板2の折り曲げ部25は、第2極板2の折り畳みが発生する部分であり、あるいは、第2極板2が折り畳まれた後、2枚の第2積層シート21が互いに接続される部分である。
図8を参照すると、いくつかの実施例では、第2極板2の折り曲げ部25は、第2極板2が全体として略U形となるように、円弧状である。いくつかの実施例では、第1極板1の折り曲げ部25は、第1極板1が全体として略S字形となるように、円弧状である。
【0080】
関連技術において電極アセンブリ201とハウジング202との間に絶縁トレイを設ける場合と異なり、上記実施例では、電極アセンブリ201とハウジング202との間に、絶縁トレイを設ける代わりに、電極アセンブリ201のU形中折りの折り畳み方式を採用する第2極板2の折り曲げ部25をハウジング202の内壁に接触させ、このように、第2極板2は、通常、金属材料などの熱伝導性の良い材料で作られるとともに、電極アセンブリ201を収容するためのハウジング202は、通常、金属材料(例えば、アルミニウム)などの熱伝導性の良い材料で作られ、しかも、第2極板2の数が多く、すべての第2極板2の折り曲げ部25がハウジング202の内壁に接触し、接触総面積が大きいので、第2極板2の折り曲げ部25をハウジング202の内壁に接触させることにより、電極アセンブリ201とハウジング202との間の高熱伝導率かつ大面積の直接接触放熱過程を実現でき、電極アセンブリ201から発生した熱を迅速にハウジング202の外に放出し、したがって、電池セル20の放熱性能を効果的に改善し、熱の蓄積による安全事故のリスクを低減し、動作の安全性を高める。
【0081】
以上から分かるように、第2極板2の折り曲げ部25をハウジング202の内壁に接触させることにより、電極アセンブリ201とハウジング202との間の高効率な接触伝熱過程を実現でき、電極アセンブリ201から発生した熱を迅速に放出し、電池セル20の放熱性能を効果的に改善し、積層電池の安全性能を向上させ、電池セル20、電池10と電力消費装置100の性能に対する効果的な改善を実現する。
【0082】
ここで、第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202の内壁との間は、絶縁または導電可能である。第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202の内壁との間は絶縁されると、電極アセンブリ201とハウジング202との間は短絡しにくくなり、安全性能がより良好となる。第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202の内壁との間に導電すると、導電材料が一般に、熱伝導性が一層優れているため、より良好な放熱に有利である。
【0083】
さらに、
図3~
図12を参照すると、いくつかの実施例では、第2極板2の折り曲げ部25の、第1極板1から離れた表面は、重力方向に向けられる。これにより、第2極板2の折り曲げ部25は、重力作用によりハウジング202の内壁とより十分に接触し、より効率的に熱を伝達することができるため、電池セル20の放熱性能をさらに改善するのに有利である。
【0084】
引き続き
図3~
図12を参照すると、いくつかの実施例では、第2極板2の折り曲げ部25がハウジング202の内壁と接触するとき、第2極板2のタブ15は第2極板2の折り曲げ部25以外の縁部に設置され、これにより、ハウジング202と接触する第2極板2の折り曲げ部25は、タブ15を有さず、第2極板2のタブ15が、折り曲げ部25が位置する縁部以外の他の縁部に位置することは、このようなタブ15が設けられていない折り曲げ部25と、ハウジング202との接触を容易にする一方、折り曲げ部25とハウジング202との接触がタブ15とアダプタ205および電極端子206との電気的接続に影響を与えないという利点を有する。
【0085】
以上から分かるように、第2極板2のタブ15は第2極板2の折り曲げ部25以外の縁部に位置し、かつ第2極板2の折り曲げ部25はハウジング202の内壁に接触することにより、第2極板2の電気エネルギ伝送機能の実現に影響しない前提で、電極アセンブリ201とハウジング202との間の効率的な放熱を実現することができ、電池セル20の放熱性能を効果的に改善し、積層電池の安全性を向上させ、電池セル20、電池10および電力消費装置100の性能に対する効果的な改善を実現する。
【0086】
以上を総合すると、第1極板1と第2極板2とを「Z+U」形積層方式とし、U形中折りをする第2極板2の折り曲げ部25をハウジング202の内壁に接触させることにより、積層電池の生産効率を向上させることができるとともに、積層電池の放熱性能を効果的に改善することができ、したがって、積層電池の性能を効果的に改善することができる。
【0087】
上述したように、本願では、第1極板1と第2極板2は極性が逆である電極板である。いくつかの実施例では、第1極板1は、正極板24であり、第2極板2は、負極板14である。他のいくつかの実施例では、第1極板1は、負極板14であり、第2極板2は、正極板24である。第1極板1と第2極板2とがそれぞれ負極板14と正極板24である場合、第1極板1はZ形折り畳み方式を採用し、第2極板2はU形中折りの折り畳み方式を採用するため、第1極板1の面積は便宜的に、第2極板2の面積より大きく設計することができ、したがって、負極板14の面積を正極板24の面積より大きくすることが容易であり、このように、負極板14はリチウムイオンを受け入れるための十分な位置を有することができ、したがって、リチウム析出現象の発生を防止するのに有利である。
【0088】
ここで、リチウム析出現象とは、負極板にリチウムイオンを受け入れる位置がなくて、負極板表面にリチウムイオンが析出する現象を指す。
【0089】
リチウムイオン電池の充放電過程は、リチウムイオンが正負極板に吸蔵・放出され、エネルギの吸収と放出を伴う過程である。リチウムイオン電池を充電する時、リチウム電池の正極板にリチウムイオンが生成され、生成されたリチウムイオンは電解液によって負極板まで移動し、電子と結合して負極板の活物質内に吸蔵され、吸蔵されたリチウムイオンが多ければ多いほど、充電容量が高くなる。リチウムイオン電池を放電すると、負極板に吸蔵されたリチウムイオンが放出され、また移動して正極板に戻る。正極に戻るリチウムイオンが多いほど、放電容量は高くなる。しかし、負極板にリチウムイオンを受け入れる位置がないと、リチウムイオンが負極板表面に析出(リチウム析出)して、リチウムデンドライトが形成され、一旦リチウムデンドライトがセパレータを突き破って正極板と接触すると、電池が短絡し、発火ひいては爆発事故の発生に至る。明らかに、リチウム析出現象の発生は、リチウムイオン電池の安全性能に影響を与える。
【0090】
負極板14がZ形折り畳み方式を採用し、かつ正極板24がU形中折りの折り畳み方式を採用する場合、負極板14の面積を正極板24の面積より容易に大きくすることができ、リチウム析出現象の発生を防止することができ、したがって、積層電池の動作安全性をさらに改善することに有利である。
【0091】
また、積層時に、第1極板1および第2極板2の折り畳み方向は、垂直または平行であってもよく、すなわち、第1方向Xおよび第2方向Yは、垂直または平行であってもよい。
【0092】
ここで、第1方向Xと第2方向Yが垂直である場合、第1極板1と第2極板2の折り畳み方向は垂直であり、このときの積層方式は、直交「Z+U」形積層方式と呼ぶことができる。この直交「Z+U」形積層方式では、
図6~
図7に示すように、第2極板2を中折りし、折り畳んだ第1極板1に挿入した後、第2極板2の折り曲げ部25が、折り曲げ部25に隣接する第1極板1の一つの縁部をまたがって包み、第2極板2の折り曲げ部25が、第2極板2の折り畳み方向(すなわち、第2方向Y)に第1極板1に対してある程度の位置制限作用を果たすことができる一方、第1極板1の折り曲げ部25が、第2極板2の自身の折り曲げ部25に隣接する縁部を包み込むことができ、第1極板1の折り畳み方向(すなわち、第1方向X)に第2極板2に対してある程度の位置制限作用を果たすと同時に、第1極板1の2つの隣り合う第1積層シート11が第2極板2の一つの第2積層シート21を挟み、また、第1方向Xおよび第2方向Yの両方に対して垂直な第3方向Z(各第1積層シート11の積層方向)において、第2極板2にある程度の位置制限作用を果たすことができる。直交「Z+U」形積層方式を採用する場合、第1極板1と第2極板2は互いに位置制限することができ、かつ、両者の間は多くの方向に位置制限を実現でき、位置制限の確実性が高いことが分かる。
【0093】
第1方向Xと第2方向Yとが平行である場合、第1極板1と第2極板2の折り畳み方向は平行であり、このときの積層方式は平行「Z+U」形積層方式と呼ぶことができる。この平行「Z+U」形積層方式では、
図13~
図14に示すように、第2極板2が中折りされ、折り畳まれた第1極板1内に挿入された後、第2極板2の折り曲げ部25は、第1極板1の折り曲げ部25にまたがって包み込み、第2極板2の折り畳み方向(すなわち、第2方向Y)に第1極板1に対してある程度の位置制限作用を果たすことができ、しかも、第1極板1の2つの隣り合う第1積層シート11が、第2極板2の一つの第2積層シート21を挟むことは、各第1積層シート11の積層方向(すなわち、第3方向Z)に第2極板2に対して、ある程度の位置制限作用を果たすことができる。第1極板1および第2極板2は、平行「Z+U」形積層方式を採用する場合、互いに位置制限可能であることが分かる。同時に、この平行「Z+U」形積層方式は、組み立ても容易である。
【0094】
「Z+U」形積層方式を採用する場合、第1方向Xと第2方向Yが垂直である場合の直交積層方式であっても、第1方向Xと第2方向Yが平行である場合の平行積層方式であっても、第1極板1と第2極板2は互いに位置制限可能であり、このような第1極板1と第2極板2との間の相互位置制限作用は、電極アセンブリ201の構造的確実性の向上に有利であり、さらに、負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさに対する制御を実現し、さらに積層電池の安全性能を改善することに有利である。
【0095】
負極板が正極板からはみ出す部分はオーバーハンとも呼ばれ、主にリチウムイオン電池の安全性能を高めるために提案された概念である。
【0096】
前述の通り、リチウムイオン電池は、充電中に、負極板がリチウムイオンを受け入れる面積が不足するとリチウムが析出し、また、リチウム析出によるデンドライトがセパレータを突き刺すと、電池セルが短絡し、爆発や発火の原因となるため、リチウムイオン電池の安全性が向上するように、負極板がリチウムイオンを受け入れるには十分な面積を有するために、通常、負極板は過剰設計され、すなわち、負極板の面積は、正極板の面積よりも大きくする必要があり、そのため、負極板の縁部は、通常、正極板の縁部をはみ出しており、負極板の正極板からはみ出す部分は、オーバーハンと呼ばれる。
【0097】
明らかに、負極板が正極板からはみ出す部分は、負極板を正極板からはみ出させる寸法差設計であり、このような寸法差設計は、正負極間の物理的隔離を形成することができ、リチウムイオンは負極板の表面で析出して、リチウムデンドライトを形成することを避け、正負極間の短絡リスクを低下させ、したがって、リチウムイオン電池の安全性能を効果的に向上させることができる。
【0098】
しかしながら、負極板が正極板からはみ出す部分の設計過程において、負極板の正極板からはみ出す部分の面積の大きさを制御することが困難であるという問題がずっと存在している。極板の数が多いため、異なる層の正極板同士および異なる層の負極板同士が揃いにくく、加えて、正負極板間の相対位置は、ペーストが緩むなどの原因で変化しやすいため、負極板の正極板からはみ出す部分の面積の制御が困難である。一方、負極板の正極板からはみ出す部分の面積の大きさを効果的に制御できないと、負極板の正極板からはみ出す部分の面積が過小または過大となりやすく、電池性能に悪影響を及ぼす。例えば、正極板から負極板がはみ出す部分の面積が小さすぎると、正負極板がずれた際に正極板から負極板がはみ出す部分の領域が消失しやすくなり、短絡防止効果が無効になる。また、例えば、正極板から負極板がはみ出す部分の面積が大きすぎると、負極板がリチウム電池の内部空間を占有しすぎて、空間の浪費になりやすく、空間利用率が低くなり、エネルギ密度の向上に影響する。
【0099】
このように、負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさを如何に効果的に制御するかは、比較的に重要であるが、同時に比較的に困難な問題である。
【0100】
一方、本願「Z+U」形積層方式では、第2極板2の折り曲げ部25の第1極板1に対する位置制限作用により、負極板の正極板からはみ出す部分の面積の大きさを容易に制御することができる。
【0101】
例えば、
図6~
図12を参照すると、いくつかの実施例では、第1極板1と第2極板2は、それぞれ負極板14と正極板24として構成され、第2極板2は、第2極板2の折り曲げ部25を含む不活性領域26を備えて構成され、かつ不活性領域26は、活物質29で塗布されていない。ここで、例えば、第2方向Yにおける不活性領域26の寸法(不活性領域26の展開状態における幅の半分)は、1~18mmであり、例えば、いくつかの実施例では、第2方向Yにおける不活性領域26の寸法は、3~4mmである。
【0102】
第2極板2の不活性領域26は、活物質29が塗布されていないため、第2極板2の不活性領域26は不活性領域を形成し、充放電過程における電気化学的反応に参与しない。この場合、第1極板1が対応する不活性領域26内に伸びる部分は、第2極板2からはみ出す部分であり、また、このとき、第1極板1と第2極板2は、それぞれ負極板14と正極板24であるため、第1極板1が対応する不活性領域26内に伸びる部分、すなわち負極板14が正極板24からはみ出す部分であり、それはリチウム析出が生じず、負極板が正極板からはみ出す部分を構成することができる。この場合、対応する負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさは、不活性領域26の面積の大きさに依存するので、第2極板2の折り曲げ部25の一端における活物質29が塗布されない領域の大きさを制御するだけで、すなわち、不活性領域26の面積の大きさを制御するだけで、負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさを効果的に制御でき、簡単かつ容易であるだけでなく、制御精度も高い。具体的に組み立てる時、不活性領域26のすでに加工された第2極板2を第1極板1の所定箇所に挿入するだけで、負極板14の正極板24からはみ出す部分の大きさを制御でき、さらに負極板の正極板からはみ出す部分の面積の大きさに対する比較的精確な制御を容易に実現する。
【0103】
なお、
図9および
図11~
図12において、第2極板2の折り曲げ部25と第1極板1の端部との間の空白領域は、実際には、セパレータ3によって充填されているが、対応するセパレータ部分は図示されていない。つまり、第2極板2が第1極板1に挿入される過程で、第2極板2は、直接底まで挿入されており、第2極板2の折り曲げ部25が位置する縁部と、第2極板2の折り曲げ部25に包まれた第1極板1の縁部との間の距離は、ほぼセパレータ3の厚さまたはセパレータ3の厚さの倍数にすぎない。
【0104】
また、上記第2極板2の不活性領域26によって、負極板の正極板からはみ出す部分の面積の大きさを制御しやすくするだけでなく、第1極板1と第2極板2との間の絶縁確実性を改善することも容易になる。例えば、
図12を参照すると、いくつかの実施例では、第2極板2の不活性領域26の、第1極板1に面する表面に、絶縁物質27が設けられる。一例として、絶縁物質27は、セラミックコーティングまたは絶縁ペースト(例えば、絶縁性コーティングペーストまたは絶縁性トッピングゴム)である。
【0105】
第2極板2が正極板24であっても、負極板14であっても、第2極板2の不活性領域26の第1極板1に面する表面に絶縁物質27が設けられていると、不活性領域26と第1極板1との間は、セパレータ3によって絶縁されるだけでなく、絶縁物質27によって絶縁されることもできるので、第1極板1と第2極板2との間の絶縁性がより良好となり、短絡事故の発生をより確実に防止することができ、動作安全性のさらなる向上に寄与する。不活性領域26には活物質29が設けられていないため、不活性領域26に絶縁物質27が設けられ、絶縁物質27は正常な電気化学的反応に影響を及ぼさない。第2極板2の不活性領域26の第1極板1に面する表面に絶縁物質27を設けることは、正常な電気化学的反応に影響せず、第1極板1と第2極板2との間の絶縁性をさらに改善し、より効果的に動作安全性を向上させることが分かる。
【0106】
本願において、第1極板1と第2極板2とのタブ延出方式は多様である。
【0107】
例えば、
図3~
図14を参照すると、いくつかの実施例では、第1極板1のタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25以外の縁部に位置する。このとき、第1極板1のタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25に位置せず、折り畳みにより破損しにくいため、第1極板1のタブ15が第1極板1の折り曲げ部25に位置する場合に比べて確実性が高い。
【0108】
別の例として、
図3~
図14を参照すると、いくつかの実施例では、第2極板2のタブ15は、第2極板2の折り曲げ部25以外の縁部に位置する。このとき、第2極板2のタブ15は、第2極板2の折り曲げ部25に位置せず、折り畳みにより破損しにくいため、第2極板2のタブ15が第2極板2の折り曲げ部25に位置する場合よりも確実性が高い。一方、前述したように、第2極板2のタブ15が、折り曲げ部25に位置する代わりに、折り曲げ部25以外の縁部に位置する場合、第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202の内壁との接触伝熱も容易となる。また、第2極板2のタブ15は、第2極板2の折り曲げ部25に位置せず、第2極板2の折り曲げ部25によって第1極板1を位置制限することも容易である。タブ15は、通常、延出長さが長く、硬度が比較的軟らかいため、第2極板2のタブ15が折り曲げ部25に位置すると、折り曲げ部25が長く延出し、硬度が軟らかい必要性があることを意味し、この場合、第2極板2の折り曲げ部25は、第1極板1に対して効果的な位置制限作用を果すことが無理になる。
【0109】
別の例として、
図3~
図14を参照すると、いくつかの実施例では、第1極板1および第2極板2のタブ15は、いずれも折り曲げ部25以外の縁部に位置する。この場合、第1極板1および第2極板2のタブがいずれも折り畳みによって破損しにくくなるので、確実性がより高い。
【0110】
第1極板1および第2極板2のタブ15が、いずれも折り曲げ部25以外の縁部に位置する例として、
図3~
図12を参照すると、第2方向Yは、第1方向Xと垂直であり、第1極板1のタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25に隣接する縁部に位置し、第2極板2のタブ15は、第2極板2の折り曲げ部25から離れた端部に位置する。
【0111】
上述の例では、第2方向Yは第1方向Xと垂直であるため、第1極板1と第2極板2との間は、直交「Z+U」形積層方式を採用している。一方、第1極板1のタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25に隣接する縁部に位置し、第2極板2のタブ15は、第2極板2の折り曲げ部25から離れた端部に位置するため、第1極板1および第2極板2のタブ15の延出方向(タブ延出方向と略称)は、いずれも第2極板2の折り畳み方向(第2方向Y)に沿っている。このように、上記の例の電極アセンブリ201は、その第1極板1と第2極板2が直交「Z+U」形積層方式での第2極板2の折り畳み方向に沿うタブ延出方式を採用し、この場合、第1極板1と第2極板2は第2方向Yにおける同側または異側にタブを延出することができ、正負極端子が同側または異側に設置される電池セルの設計要件を満たすことを容易にする。
【0112】
第1極板1および第2極板2のタブ15がいずれも折り曲げ部25以外の縁部に位置する他の例として、
図13~
図14を参照すると、第2方向Yは、第1方向Xと平行であり、第1極板1のタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25に隣接する縁部に位置し、第2極板2のタブ15は、第2極板2の折り曲げ部25に隣接する縁部に位置する。
【0113】
上記の例では、第2方向Yは第1方向Xと平行であるため、第1極板1と第2極板2との間に平行「Z+U」形積層方式を採用している。同時に、第1極板1のタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25に隣接する縁部に位置し、かつ第2極板2のタブ15は、折り曲げ部25に隣接する第2極板2の縁部に位置するので、第1極板1および第2極板2のタブ延出方向は、いずれも第2極板2の折り畳み方向(すなわち、第2方向Y、該例では第1方向Xでもある)に垂直である。以上から分かるように、上記の例の電極アセンブリ201は、その第1極板1と第2極板2が平行「Z+U」形積層方式で第2極板2の折り畳み方向に垂直なタブ延出方式を採用し、この場合、第1極板1と第2極板2は第2方向Y(該例では第2方向Yは第1方向Xと一致する)と第3方向Zに垂直な方向に同側または異側のタブ延出を行うことができ、正負極端子が同側または異側に設置される電池セルの設計要件を満たすことを容易にする。
【0114】
直交「Z+U」形積層方式であれ、平行「Z+U」形積層方式であれ、第1極板1のタブ15と第2極板2のタブ15はいずれも同じ側または対向する両側に位置することができ、すなわち、第1極板1と第2極板2はいずれも同側または異側のタブ延出を行うことができ、これにより、正負極端子が同側または異側に設置される電池セルの設計要件を満たすことを容易にする。
【0115】
ここでは、第1極板1のタブ15と第2極板2のタブ15とが同じ側に位置するとき、第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202の内壁との接触伝熱が容易であり、このとき、第1極板1のタブ15と第2極板2のタブ15とを第1方向Xにずらして配置して、正負タブの相互干渉を防止することができる。
【0116】
本願では、第2極板2の2枚の第2積層シート21のうちの少なくとも1枚がタブ15を有し、すなわち、第2極板2の2枚の第2積層シート21のうちの1枚の第2積層シート21のみがタブ15を有するか、または、第2極板2の2枚の第2積層シート21はいずれもタブ15を有する。ここでは、第2極板2の2枚の第2積層シート21のうち、1枚の第2積層シート21のみがタブ15を有する場合、2枚の第2積層シート21の間は折り曲げ部25によって互いに接続されているため、2枚の第2積層シート21は1つのタブ15を共用して外部へ電気エネルギを伝達することができ、ここでは、タブ15が設けられていない1枚の第2積層シート21は、折り曲げ部25によって、タブ15が設けられた第2積層シート21に電気エネルギを伝達し、タブ15が設けられた第2積層シート21のタブ15によって外部へ伝達することができる。この場合、第2極板2は1つのタブ15だけで、電気エネルギの外部への伝達を完成できるので、構造が簡単である。第2極板2の2枚の第2積層シート21がいずれもタブ15を有する場合、第2極板2は2つのタブ15によって外部に電気エネルギを伝達することができ、電気エネルギの伝達効率はより高くなり、同時に、2枚の第2積層シート21のタブ15は互いに予備品として、そのうち1枚の第2積層シート21のタブ15が故障する時、第2極板2はもう1枚の第2積層シート21のタブ15によって電気エネルギを正常に伝送することができ、したがって、第2極板2、電極アセンブリ201、電池セル20、電池10および電力消費装置100の動作確実性を効果的に向上させることができる。
【0117】
前述の各実施例では、第1極板1と第2極板2は、互いに組み立てる前に折り畳む必要がある。第1極板1および/または第2極板2の折り畳みを容易にするために、
図15~
図22を参照すると、いくつかの実施例では、第1極板1および/または第2極板2には、第1極板1および/または第2極板2の折り畳みを案内する折り畳み案内部28が設けられている。
【0118】
折り畳み案内部28の案内作用により、第1極板1および/または第2極板2はより容易に折り畳むことができ、これは積層電池の生産効率をさらに向上させるのに有利である。
【0119】
なお、折り畳み案内部28の構造の種類は多様であってもよい。例えば、
図15~
図22を参照すると、いくつかの実施例では、折り畳み案内部28は、刻み目281または折り目282を含む。設置された刻み目281または折り目282は、いずれも効果的に折り畳み案内作用を果たし、第1極板1および/または第2極板2が対応する刻み目281または折り目282に沿って折り畳むことができ、迅速に折り畳みを完成し、かつ折り畳み位置がずれにくい。当然のことながら、刻み目281は刻まれた痕であり、刻まれた表面から下方に凹んで、ある深さを有する脆弱部となる。折り目282は、折られた表面から下方に凹まず、深さがない、折られた痕である。
【0120】
なお、折り畳み案内部28の形状は多様であってもよい。例えば、
図15~
図22を参照すると、いくつかの実施例では、折り畳み案内部28は、連続線型または不連続線型を呈する。
【0121】
ここでは、折り畳み案内部28が連続線型を呈する場合、折り畳み案内部28の構造が簡単であり、加工が容易である。例示的に、連続線型の折り畳み案内部28は、連続直線または連続曲線である。
【0122】
折り畳み案内部28が不連続線型を呈する場合、折り畳み案内部28の占用面積は比較的に小さく、電極板の折り畳みを容易にすると同時に、できるだけ電極板の構造強度を向上させるのに有利である。例示的に、不連続線型の折り畳み案内部28は、破線型を呈し、例えば
図18~
図21を参照すると、いくつかの実施例では、折り畳み案内部28は、点状破線型または線状破線型を呈する。破線は、他の種類の不連続線型よりも加工が容易であり、特に、点状破線および線状破線の加工が容易である。
【0123】
上記各実施例では、設置される折り畳み案内部28は、第1極板1および/または第2極板2の幅方向と平行であり、あるいは、第1極板1および/または第2極板2の幅方向に対して傾斜していてもよい。第1極板1および/または第2極板2の幅方向とは、第1極板1および/または第2極板2の縦方向に垂直な、第1極板1および/または第2極板2の横方向とも呼ばれる、第1積層シート11および/または第2積層シート21の厚さ方向に垂直な面の短辺の延伸方向を意味することを理解できる。第1極板1および/または第2極板2の縦方向は、第1積層シート11および/または第2積層シート21の厚さ方向に垂直な面の長辺の延長方向である。第1極板1については、その幅方向は、折り曲げ部25に隣接する第1積層シート11の2つの縁部の延伸方向でもある。また、第2極板2については、その幅方向は、折り曲げ部25に隣接する第2積層シート21の2つの縁部の対向配置方向でもある。
【0124】
ここで、
図15~
図21を参照すると、折り畳み案内部28が電極板の位置する幅方向と平行である場合、折り畳み案内部28の加工が容易になる。
【0125】
一方、
図22に示すように、折り畳み案内部28が、その位置する電極板の幅方向に対して傾斜すると、折り畳み案内部28は偏向角度を有し、折り畳んでから得られた隣り合う2枚の積層シートの間が幅方向にずれるように、電極板を偏向して中折りするように案内できる。このような偏向された折り畳み案内部28が正極板24の第2極板2に設けられた場合、正極板24の2枚の第2積層シート21を幅方向にずらすことができ、これにより、2枚の第2積層シート21が完全に揃って密着されていないため、第2極板2を第1極板1に挿入するのが容易である一方、第2極板2を第1極板1に挿入した後、第1極板1との相対位置関係を制御することを容易にし、正極板24の2枚の第2積層シート21を、負極板14の非連続端からできるだけ遠ざけて、負極板14の連続端にできるだけ近づけ、すなわち正極板24の2枚の第2積層シート21を負極板14の折り曲げ部25にできるだけ近づけて、負極板14の開放端から遠ざけるようにすることで、正極板24は幅方向に負極板14からはみ出しにくくなり、正極板24が幅方向に負極板14からはみ出すことによるリチウム析出問題を防止するのに有利である。これにより、動作安全性をさらに高めることができる。
【0126】
前述したように、第1極板1と第2極板2との間には、第1極板1と第2極板2との間の短絡を防止するために、第1極板1と第2極板2とを隔てるセパレータ3が設けられている。しかし、実際の動作過程では、セパレータ3が異物(例えば、電極板切断中に発生した縁部バリまたは脱落した縁部ドレッシング、および充電中に成長したデンドライト)によって突き破られ、短絡を引き起こす可能性がある。例えば、充電中に正極板24からリチウムイオンが脱出して負極板14に入り、負極板14がリチウムイオンを吸収した後に膨張するとともに、正極板24がリチウムイオンを脱出した後にも膨張するため、充電中に正負極板が膨張して正負極板間のセパレータ3が圧迫され、この場合、正負極板に位置する異物がセパレータを刺し通しやすくなり、短絡して安全事故を引き起こす。
【0127】
安全性能をさらに向上させるために、
図23を参照すると、いくつかの実施例では、同じ第2極板2の厚さの対向する両側に位置する2枚のセパレータ3は、いずれも折り返され、タブ15が設けられていない第2極板2の縁部を被覆する。
【0128】
従来技術では、セパレータ3は、隣り合う2枚の電極板の厚さ方向に垂直な表面の間にのみ位置し、電極板の縁部を包まないため、この場合、電極板の縁部箇所の異物で短絡問題を引き起こしやすい。本願の実施例はセパレータ3によって第2極板2の縁部を包むことにより、セパレータ3を利用して縁部の異物で正負極を電気的に導通させることを遮断し、それにより縁部異物による短絡事故のリスクを効果的に低減することができる。
【0129】
また、本願の実施例では、第2極板2の縁部を1枚のみのセパレータ3で包む代わりに、第2極板2の厚さ方向両側の2枚のセパレータ3がいずれも第2極板2の縁部を包み込んでいるため、第1極板1および/または第2極板2の縁部の異物が縁部に包まれた1層のセパレータ3を突き破ったとしても、縁部に包まれたもう1層のセパレータ3で受け止めるので、短絡をより確実に防止することができ、安全性能をより効果的に向上させることができる。
【0130】
同時に、セパレータ3で電極板の縁部を包み、セパレータ3は、電池セル20が本来備わっている構造であるため、電極板の縁部を包むために別途の構成部品を追加する必要がないので、構造が簡単である。さらに重要なことに、電極板の縁部を他の構成部品で包むと、他の構成部品がリチウムイオンの正常な輸送に影響を与えやすく、包まれた領域のリチウムイオンの輸送が阻止され、電極アセンブリ201と電池セル20の全体容量が損失し、また、他の構成部品が正極板の縁部を包む際に、包まれた領域の縁部のリチウムが正常に脱離するため、対応する負極板領域にリチウムが堆積するリスクがあるため、安全リスクも引き起こしやすい。本願では、セパレータ3を利用して電極板の縁部を包るため、対応する問題を効果的に解決することができ、なぜなら、セパレータ3がリチウムイオンの輸送を阻止しないため、電極アセンブリ201と電池セル20の全体容量の損失を引き起こさず、リチウム堆積のリスクも増加せず、逆に、セパレータ3が正極板24の縁部を包んだ後、正極板24の縁部の包まれた領域のリチウムイオンの輸送速度を遅くすることができ、縁部領域のリチウムイオンの蓄積量を減少し、これによって、縁部のリチウム析出リスクを低減するのに有利であるからである。
【0131】
また、本願では、第1極板1をZ形折り畳み方式とし、第2極板2をU形中折りの折り畳み方式とているので、セパレータ3で第1極板1の縁部を包む場合に比べて、セパレータ3で第2極板2の縁部を包むことは、より簡単かつ容易である。
【0132】
同時に、2枚のセパレータ3によって包まれた第2極板2の縁部は第2極板2のタブ15を設置していない縁部であるため、第2極板2の正常なタブ延出に影響を及ぼさない。
【0133】
このように、同じ第2極板2の厚さ方向の対向両側に位置する2枚のセパレータ3をいずれも折り返して、第2極板2のタブ15が設けられていない縁部を被覆することにより、比較的簡単な構成で、全体容量の発揮に影響を与えず、リチウム析出リスクを増加させない上で、縁部の異物による短絡事故の発生をより確実に阻止し、安全性能をより効果的に向上させることができる。
【0134】
ここでは、2枚のセパレータ3が第2極板2の縁部を包む時、第2極板2のタブ15が設置されていないすべての縁部を包み、それにより第2極板2のタブ15が位置する縁部以外の他の縁部が、いずれも二層のセパレータ3のフランジ31で包まれることができ、各第2積層シート21の全ての自由縁部の全密閉包みを実現し、それにより安全性能をさらに補強する。
【0135】
セパレータ3と第2極板2を組み合わせる時、熱圧着または接着などの方式で、セパレータ3を第2極板2に複合して、包みの強固性を補強する。かつ、熱圧着または接着のプロセス調整によって、電極板縁部のリチウムイオンの吸蔵放出程度を制御することができる。
【0136】
第2極板2の折り畳みを容易にするために、いくつかの実施例では、セパレータ3は、第2極板2が折り畳まれる前に、タブ15が設けられていない第2極板2の縁部を包む。
【0137】
【0138】
以下の説明では、説明の簡略化および理解を容易にするために、
図3の上下左右に基づいて上下左右を定義するが、ここで、
図3の上下左右は、電池セル20および電池10が車両に通常設置されているときの方位および位置関係に符合し、ここでは、上は重力方向と反対する方向であり、下は重力方向と同じ方向である。
【0139】
さらに、第1極板1と第2極板2との関係を明確に示すために、図面の一部、例えば、
図6~
図7および
図13~
図14には、セパレータ3は示されていないことに留意されたい。
【0140】
【0141】
図3~
図12に示すように、該第1実施例では、電池セル20は、電極アセンブリ201が直交「Z+U」形積層方式をとり、かつ頂部においてタブおよび電極端子を延出する方式をとる角形の積層電池である。
【0142】
具体的には、
図3~
図5から分かるように、該実施例では、電池セル20のハウジング202は、角形で、1つのエンドキャップ204だけが着脱可能に取り付けられ、該エンドキャップ204は、ケーシング203の頂端に着脱可能に取り付けられている。2つの電極端子206、すなわち、負極端子20aおよび正極端子20bは、いずれも、該頂部のエンドキャップ204上に設置され、該頂部エンドキャップ204からハウジング202の外部に上向きに延出している。具体的には、負極端子20aは、頂部エンドキャップ204の左寄りの部分に位置し、正極端子20bは、頂部エンドキャップ204の右寄りの部分に位置する。
【0143】
頂部の2つの電極端子206との電気的接続を達成するために、
図3~5に示すように、該実施例では、電極アセンブリ201のタブ15は、電極アセンブリ201の頂部に設置される。具体的には、
図3~
図5から分かるように、負タブ13は、電極アセンブリ201の頂部左寄りに設けられ、アダプタ205を介して頂部左側に位置する負極端子20aと電気的に接続されている。また、正タブ23は、電極アセンブリ201の頂部右寄りの側に設けられ、アダプタ205を介して頂部の右側に位置する正極端子20bと電気的に接続されている。このように、電極アセンブリ201で発生した電気エネルギは、電池セル20の頂部から外部に伝達されることができる。
【0144】
図5~
図12は、該実施例における電極アセンブリ201の構造と積層過程を示す。
【0145】
図5~
図12に示すように、該実施例では、電極アセンブリ201は、第1極板1と、第2極板2と、セパレータ3とを含む。第1極板1、第2極板2およびセパレータ3は、積層方式で交互に積み重ねられて電極アセンブリ201を形成するが、この場合の電極アセンブリ201は、通常、電気コアとも呼ばれる。
【0146】
図5~
図12から分かるように、該実施例では、第1極板1および第2極板2は、それぞれ負極板14および正極板24である。この場合、第1極板1の表面に塗布される活物質29は正極活物質であり、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、ニッケルコバルトマンガン金属酸化物(NCM)の1種または複数種であり、第1極板1の活物質29を担持するための集電体はアルミニウム箔などの正極集電体であり、かつ第1極板1のタブ15は負タブ13である。また、第2極板2の表面に塗布される活物質29は黒鉛などの負極活物質であり、第2極板2の活物質29を担持するための集電体は銅箔などの負極集電体であり、第2極板2のタブ15は正タブ23である。第1極板1および第2極板2の厚さ方向の対向する両側には、いずれも活物質29が塗布されていてもよい。
【0147】
また、該実施例では、
図5~
図12に示すように、第1極板1はZ形折り畳み方式とし、第2極板2をU形中折りの折り畳み方式とし、かつZ形折り畳み方式を採用した第1極板1の折り畳み方向(すなわち、第1方向X)は左右方向に沿うとともに、U形中折りの折り畳み方式を採用した第2極板2の折り畳み方向(すなわち、第2方向Y)を上方に向けることにより、第1方向Xと第2方向Yとが直交し、直交「Z+U」形積層方式となっている。第1極板1を折り畳んで形成された複数枚の第1積層シート11と、全ての第2極板2を中折りして形成された複数枚の第2積層シート21とは、第3方向Zに沿って順に交互に積み重ねられている。第3方向Zは、各積層シートの厚さ方向に沿っており、該実施例では、第1方向Xおよび第2方向Yに対して垂直である。
【0148】
ここで、
図6~
図10から分かるように、該実施例では、負極板14として構成された第1極板1は、片側に連続してタブを延出する方式を採用しており、具体的には、第1極板1の各第1積層シート11には、それぞれ第1積層シート11ごとに1つのタブ15が設けられ、かつ、第1極板1の全てのタブ15は、それぞれが位置する第1積層シート11の頂縁部に位置する。該実施例の第1極板1は負極板14であるため、第1極板1のタブ15は負タブ13であり、第1極板1のタブ15は第1極板1の頂縁部に設置され、負タブ13と電池セル20の頂部に位置する負極端子20aとの電気的接続を容易にする。
図6~
図7に示すように、該実施例では、第1積層シート11の頂縁部は、第1極板1の折り曲げ部25に隣接する第1積層シート11の縁部であり、該実施例では、第1極板1のタブ15は、第1極板1の、折り曲げ部25に隣接する縁部に位置することが分かる。
【0149】
引き続き
図6~
図10を参照すると、該実施例では、正極板24として構成された第2極板2は、片側2シート型タブ延出方式を採用している。つまり、第2極板2の2枚の第2積層シート21には、いずれもタブ15が設けられ、かつタブ15はいずれも第2極板2の折り曲げ部25から離れた第2積層シート21の端部にそれぞれ位置する。該実施例では、第2極板2の折り畳み方向が上向きており、したがって、第2極板2の折り曲げ部25が下向きであり、第2極板2の折り曲げ部25から離れた第2積層シート21の端部が第2積層シート21の頂縁部であるので、該実施例では、第2極板2の全てのタブ15はいずれも第2極板2の頂縁部に位置する。該実施例の第2極板2は正極板24であるため、第2極板2のタブ15は正タブ23であり、第2極板2のタブ15は第2極板2の頂縁部に設置され、正タブ23と電池セル20の頂部に位置する正極端子20bとの電気的接続を容易にする。
【0150】
該実施例では、第1極板1および第2極板2のタブ15はいずれも頂部にあるので、第1極板1のタブ15および第2極板2のタブ15は、第2方向Yの同じ側に位置する。この場合、正負タブが互いに干渉しないように、
図6~
図7に示すように、該実施例では、第1極板1のタブ15と第2極板2のタブ15とを、第1極板1の折り畳み方向(すなわち、第1方向X)にずらして配置している。具体的には、
図6~7に示すように、該実施例では、第1極板1の任意の隣り合う2つの折り曲げ部25のうち、一つの折り曲げ部25近傍の縁部にのみタブ15が設けられ、もう一つの折り曲げ部25近傍の縁部にはタブ15が設けられていない。第1極板1の全てのタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25に近接して配置され、第2極板2の全てのタブ15は、第1極板1の折り曲げ部25から離れて配置されている。このように、第1極板1のタブ15と第2極板2のタブ15とが、第1方向Xに完全にずれて互いに重ならないので、正負タブが同じ側に配置される場合に、正負タブの相互干渉を効果的に防止することができる。
【0151】
正負タブは第1方向Xにずれて配置され、第1方向Xは左右方向に沿うため、
図4~5に示すように、正負タブを左右方向にずらすことができ、全ての負タブ13は頂部左側に位置し、かつ全ての正タブ23は頂部右側に位置し、正負タブをそれぞれ頂部左側の負極端子20aと頂部右側の正極端子20bとに電気的に接続することを容易にし、頂部から電極端子が出る電池セルの設計要件を満たす。
【0152】
前述したように、該実施例では、全ての第2極板2の折り曲げ部25が下向きになっているが、この場合、電極アセンブリ201および電池セル20の放熱性能を向上させるために、
図12を参照すると、該実施例では、全ての第2極板2の折り曲げ部25がいずれもハウジング202の底壁の内面に接触する。該実施例の第2極板2は垂直に配置され、第2極板2の折り曲げ部25の向きは重力方向と同じであり、正確には、第2極板2の折り曲げ部25の第1極板1から離れた表面は重力方向に向けられているので、電極アセンブリ201をハウジング202に収容した後、第2極板2は重力作用によって自然に沈み、第2極板2の折り曲げ部25がハウジング202の底壁の内面に自然に接触することを実現することができる。第2極板2の折り曲げ部25は、ハウジング202の底壁に接触した後、第1極板1から離れた折り曲げ部25の表面が円弧形状から略長方形になるように圧縮変形することができ、これにより、第2極板2の折り曲げ部25がハウジング202の底壁とより十分に接触するのを容易にする。
【0153】
第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202はいずれも金属材料で製作され、熱伝導性能が良好であり、かつ電極アセンブリ201の全ての第2極板2の折り曲げ部25とハウジング202の底壁との接触面積が大きく、ハウジング202の底壁の内面面積のほぼ半分を占めることができるため、該実施例では、電極アセンブリ201はハウジング202との間に効率的かつ十分に接触伝熱することができ、電極アセンブリ201から発生した熱を迅速にハウジング202の外部に逃がし、動作安全性を向上させる。
【0154】
また、
図6~12から分かるように、該実施例では、第2極板2の折り曲げ部25と、折り曲げ部25の両端近傍に位置する一部のストレートセグメントは、不活性領域26として構成されており、不活性領域26の第1極板1に向く表面は、活物質29が塗布されておらず、セラミックコーティング、ペーストコーティング、または絶縁性トッピングゴム等の絶縁物質27で絶縁処理されている。
【0155】
該実施例では、第2極板2は正極板24であるため、第2極板2の第1極板1を包む折り曲げ部25およびその近傍領域を不活性領域26として構成し、対応する不活性領域26にリチウムイオンを生成せず、それにより対応する不活性領域26まで伸びる第1積層シート11の部分は負極板14の正極板24からはみ出す部分となり、すなわち負極板が正極板からはみ出す部分となり、このように第2極板2の折り曲げ部25が第1極板1からはみ出すことによるリチウム析出問題を根本的に解決することができ、動作安全性を効果的に向上させる。そして、不活性領域26の面積の大きさを制御するだけで、対応する負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさを効果的に制御することができ、簡単で容易であり、負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさを制御しにくいという問題を巧みに解決することができる。
【0156】
一方、不活性領域26にさらに絶縁物質27を設けると、正負極板間の絶縁性が向上し、正負極板間の短絡がより確実に防止され、より効果的に安全性能が向上する。
【0157】
図6~
図7に示すように、該実施例では、電極アセンブリ201を組み立てる際に、第1極板1を第1方向Xに沿って往復して折り畳むとともに、複数の第2極板2を中折りし、その後、中折りした複数の第2極板2を共に、第1極板1の、折り曲げ部25に隣接しかつタブ15が設けられていない側から、第1極板1に挿入すれば、第1極板1と第2極板2との直交積層過程を完了することができる。該積層過程は簡単で容易であり、かつ前期の切断過程も比較的に簡単であるため、電極アセンブリ201、電池セル20、電池10および電力消費装置100の生産効率を効果的に向上させることができ、これは積層電池の普及応用に重要な意義を有する。
【0158】
ここでは、各第2極板2を中折りした後、その2枚の第2積層シート21は完全に密着されておらず、ある角度を開いて、第2極板2を第1極板1に挿入することを容易にする。
【0159】
次に、
図13~14に示す第3実施例をさらに説明する。
【0160】
図13~
図14に示すように、該第3実施例では、電極アセンブリ201は、直交「Z+U」形積層方式ではなく、平行「Z+U」形積層方式を採用し、すなわち、Z形折り畳みをした第1極板1の折り畳み方向(第1方向X)が、U形中折りをした第2極板2の折り畳み方向(第2方向Y)と平行である。積層完了後、各積層シートの積層方向(即ち、第3方向Z)は、第1方向X、第2方向Yおよび第1極板1の縦方向と垂直する。このとき、第1極板1の縦方向は、第2方向Y(第1方向X)および第3方向Zと垂直する。
【0161】
また、
図13~
図14に示すように、該実施例では、第1極板1と第2極板2はそれぞれ負極板14と正極板24であり、第2極板2の折り曲げ部25は第1極板1の折り曲げ部25を包み込むとともに、任意の二つの隣り合う第2極板2は第1極板1の第1方向Xの対向両側に位置し、第1極板1の異なる折り曲げ部25を包む。ここでは、2枚の第2極板2は一対で、第1極板1の2つの連続する折り曲げ部25を包み、隣接する2対の第2極板2の間は、1つの第1極板1の折り曲げ部25を介在させ、つまり、第1極板1の2つの連続する折り曲げ部25が包まれた後、1つの折り曲げ部25が包まれず、その後、さらに2つの連続する折り曲げ部25が包まれ、その後、もう1つの折り曲げ部25が包まれないように循環する。
図14では、一対の第2極板2のみが爆発処理されており、他の数対の第2極板2は、第1極板1に包まれたときの状態を示していることが理解される。
【0162】
一方、
図13~
図14に示すように、該実施例では、第1極板1と第2極板2のタブ15は、いずれも折り曲げ部25に隣り合う縁部に位置し、かつ、タブ延出方向が同じであり、いずれも第1極板1の縦方向(または長手方向)の同じ側に位置し、電池セルの同じ側でタブと電極端子を延出する設計要件を満たす。ここでは、第2極板2の2枚の第2積層シート21にはいずれも一つのタブ15が設けられ、また、第1極板1の第1積層シート11のそれぞれには、いずれも1つのタブ15が設けられる。第1極板1の全てのタブ15と、第2極板2の全てのタブ15とは、正タブと負タブとが互いに干渉しないように、第1方向Xにずらして配置されている。具体的には、該実施例では、第2極板2のタブ15がいずれも折り曲げ部25に隣接する縁部の折り曲げ部25から離れた端に位置し、第1極板1の全てのタブ15が、いずれも折り曲げ部25と連続する縁部の折り曲げ部25に近い端に位置するが、該実施例では、第2極板2の折り曲げ部25が第1極板1の折り曲げ部を包んでいるので、このように設置することにより、第1極板1の全てのタブ15と、第2極板2の全てのタブ15とを、第1方向Xにずらして配置することができる。
【0163】
この
図13~
図14は、第1極板1と第2極板2とが同じ側でタブを延出する場合を例として、平行「Z+U」形積層方式を示している。しかしながら、平行「Z+U」形積層方式では、第1極板1および第2極板2のタブ延出方向は、逆であってもよく、第1極板1の縦方向の対向する両側に位置してもよいことを理解されたい。
【0164】
該実施例では、第1極板1と第2極板2のタブ15はいずれも折り曲げ部25以外の縁部に位置するため、第2極板2は依然として折り曲げ部25によってハウジング202の内壁と容易に接触することができ、良好な放熱効果を実現する。
【0165】
また、該第2実施例では、第2極板2にも、折り曲げ部25を含む不活性領域26を設け、不活性領域26にも絶縁物質27を設けて、さらに絶縁してリチウム析出を防止し、負極板の正極板からはみ出す部分の面積の大きさを効果的に制御し、安全性を高める。具体的には、第1実施例における関連する説明を参照して理解され、ここでは繰り返さない。
【0166】
図15~22は、本願における第2極板2の構造を例示的に示す。
【0167】
第2極板2は折り畳み可能であり、その折り畳み前後の状態を、それぞれ展開状態および折り畳み状態と呼ぶ。電池セル20の完成品では、第2極板2は折り畳み状態にあり、対応する折り畳み状態は
図6~
図14に既に示されている。
図15~
図22には、展開状態にある第2極板2の構造、すなわち折り畳まれていない第2極板2の構造が示されている。
【0168】
ここで、
図15は、第2極板2の第1例を示す。
図15に示すように、該例において、第2極板2には、不活性領域26が設けられ、この不活性領域26の表面上には、活物質29が設けられておらず、したがって、この不活性領域26は、実際には、活物質29によって覆われていない集電体部分である。不活性領域26の表面には絶縁物質27が設けられ、正負極板間の絶縁性が改善される。
【0169】
また、
図15に示すように、該例では、第2極板2には、第2極板2の不活性領域26内に設置され、具体的に折り目282である折り畳み案内部28が設けられている。ここで、折り目282は、第2極板2の幅方向の一方の縁部から第2極板2の幅方向の他方の縁部まで延伸し、延伸方向が第2極板2の幅方向と平行する、直線の折り目である。これにより、必要に応じて、折り目282に沿って第2極板2を中折りするだけで、第2極板2のU形中折りを完成することができ、第2極板2に折り畳み案内部28を設けない場合と比較して、折り畳み過程がより簡単で容易である。折り畳んだ後、第2極板2の2枚の第2積層シート21は、幅方向で縁部が揃えられ、偏向しない。同時に、折り目282が不活性領域26内に設置されるため、折り畳んだ後、不活性領域26は2枚の第2積層シート21を接続する折り曲げ部25を含み、不活性領域26を利用して負極板が正極板からはみ出す部分の面積の大きさを制御することを容易にし、安全性を向上させる。
【0170】
図16~
図17は、第2極板の第2例を示す。
図16に示すように、該例では、第2極板2の不活性領域26内に依然として折り畳み案内部28が設けられているが、
図15に示す第1例とは異なり、折り畳み案内部28は、折り目282ではなく、刻み目281であり、該例では、刻み目281は、第2極板2の幅方向の一方の縁部から第2極板2の幅方向の他方の縁部まで延伸し、かつ、延伸方向が第2極板2の幅方向と平行である連続直線状の刻み目である。このように、刻み目281に沿って、第2極板2を中折りするだけで、第2極板2のU形中折りを完成することができ、簡単で容易である。折り目282に比べて、刻み目281は第2極板2の厚さ方向にある深さを有するため、折り畳みの案内をより容易にし、第2極板2を刻み目281に沿って中折りすることをより正確に案内することができ、偏差が生じにくく、同時に、刻み目281は第2極板2の生産過程に直接加工し得ることができ、第2極板2を加工した後、予め折り畳むことによって得る必要がなく、したがって、刻み目281の加工過程も容易である。
【0171】
図18~
図19は第2極板の第3例を示す。
図18~
図19に示すように、該例では、第2極板2の不活性領域26内の折り畳み案内部28は依然として、第2極板2の幅方向に沿って延伸する刻み目281であるが、該例では、刻み目281は、連続直線状の刻み目ではなく、第2極板2の幅方向に間隔を空けて並んだ多数の小孔からなる点状の破線型刻み目となっている。これらの小孔は貫通孔であっても、ブラインド孔であってもよい。これにより、第2極板2の中折りも容易に行うことができる。
【0172】
図20~
図21は、第2極板の第4例を示す。
図20~
図21に示すように、該例では、第2極板2の不活性領域26に設けられるのは、第2極板2の幅方向と平行する破線型の刻み目であるが、
図18~
図19に示す第3例とは異なり、該例では、破線型の刻み目281は、点状破線型の刻み目ではなく、線状破線型の刻み目となっている。これにより、第2極板2の中折りも容易に行うことができる。
【0173】
図22は、第2極板の第5例を示す。
図22に示すように、該例は、上記した
図25~
図31に示す各例とは、折り畳み案内部28が、もはや第2極板2の幅方向に対して平行ではなく、第2極板2の幅方向に対して角度を成している点で、主に異なっている。すなわち、該例では、折り畳み案内部28は、第2極板2の幅方向に対して偏向されている。このように、折り畳んだ後、第2極板2の2枚の第2積層シート21はもはや幅方向に揃わず、偏向が発生し、第2極板2が折り畳んだ後にある角度を開き、第1極板1に挿入することを容易にするだけでなく、第2極板2を第1極板1に組み立てた後、各第2積層シート21が第1積層シート11からはみ出さないようにし、リチウム析出リスクを低減する。
【0174】
なお、
図22に示す折り畳み案内部28は、連続直線型であるが、これに代えて、この偏向する折り畳み案内部28は、点状や線状破線型等、他の構成形式としてもよく、また、この偏向する折り畳み案内部28は、折り目282であってもよいし、刻み目281であってもよい。
【0175】
図15~22を総合すると分かるように、これらの例では、第2極板2の両端にいずれもタブ15が設けられている。すなわち、第2極板2の2枚の第2積層シート21は、いずれもタブ15を有しており、第2極板2は、片側双片タブ延出方式を採用している。しかし、これは、本願への限定を構成せず、第2極板2は一端のみにタブ15が設けられ、2枚の第2積層シート21の1枚のみにタブ15が設けられている場合、第2極板2に、上述した様々な折り畳み案内部28が設けられてもよい。
【0176】
図23は、第2極板2を2枚のセパレータ3でオーバーラッピングする例である。
【0177】
図23に示すように、該実施例では、同じ第2極板2の厚さ方向の対向両側に位置する2枚のセパレータ3をいずれも折り返してフランジ31を形成し、2枚のセパレータ3のフランジ31は、いずれも第2極板2のタブ15が設けられていない全ての縁部を被覆し、これにより第2極板2のタブ15が設けられていない全ての縁部を2層のセパレータ3のフランジ31で包んでいる。フランジ31は、第2極板2の縁部近傍の1~20mmの領域を被覆する。被覆過程において、まず第2極板2の第1側に位置するセパレータ3を折り返すことができ、折り返して形成したフランジ31を対応する縁部に対応する第2極板2の表面を迂回させ、第2極板2の第2側に到達させ、かつ第2側の表面の対応する縁部に近接する1-20mm領域を覆って、内層のオーバーラッピングを形成する。次に、第2極板2の第2側に位置するセパレータ3を折り返して、折り返して形成したフランジ31が、対応する縁部に対応する第2極板2の表面を迂回させて、第2極板2の第1側に到達させ、かつ第1側面の対応する縁部近傍の1~20mmの領域を覆って、内層のオーバーラッピング外に包まれる外層オーバーラッピングを形成し、このように、セパレータの二層オーバーラッピングが得られる。ここでは、各層のセパレータオーバーラッピングが完成した後、いずれも熱圧着または接着剤による接着などの方式でセパレータオーバーラッピング領域を固定することができる。さらに、第2極板2を中折りする前またはスライスする前に、対応するオーバーラッピング過程を完了することができる。
【0178】
設置されるセパレータの二層オーバーラッピングは、全体容量の発揮に影響せず、リチウム析出リスクを増加させない基礎で、縁部異物による短絡事故の発生をより確実に阻止する。このため、セパレータ3が第2極板2をオーバーラッピングしない場合に比べて、安全性能を効果的に向上させることができる。
【0179】
図24に示すように、上記の各実施例によって、本願は、電極アセンブリの製造方法を提供し、該方法は、
第1極板1を提供し、第1極板1を第1方向に沿って往復して折り畳み、それにより第1極板1は順に接続されかつ積み重ねられた複数枚の第1積層シート11を含むステップS100と、
第1極板1と極性が逆の第2極板2を提供し、第2極板2を第2方向Yに沿って1回折り畳み、それにより第2極板2は互いに接続された2枚の第2積層シート21を含み、第2方向Yは第1方向Xに垂直又は平行であるステップS200と、
第2極板2を第1極板1に挿入して、第2積層シート21と第1積層シート11を順に交互に積み重ねるステップS300と、
第1極板1と、第2極板2とを含む電極アセンブリ201を取得するステップS400と、
電極アセンブリ201をハウジング202内に収容し、第2極板2の折り曲げ部25をハウジング202の内壁に接触させるステップS500と、を含む。
【0180】
上記方法を採用して電極アセンブリを製造し、効率が高く、電極アセンブリ、電池セル、電池と電力消費装置の生産効率を効果的に向上させることができる。
【0181】
ここでは、ステップS100とステップS200との前後順は特に限定されず、ステップS100が先行し、ステップS200が後で行われてもよいし、ステップS200が先行し、ステップS100が後で行われてもよく、あるいは、ステップS100とステップS200とが同時に行われてもよい。
【0182】
いくつかの実施例では、第2極板2を第2方向Yに1回折り曲げる前に、第2極板2の厚さ方向に沿う対向両側に2枚のセパレータ3をさらに設置し、同じ第2極板2の厚さ方向の対向する両側に位置する2枚のセパレータ3をいずれも折り返して、第2極板2のタブ15が設けられていない縁部を被覆する。
【0183】
第2極板2を折り畳む前に、2枚のセパレータ3を利用して第2極板2のタブ15が設置されていない縁部に二重オーバーラッピングを行い、第2極板2の折り畳みを容易にする状況において、電池アセンブリの安全性能を効果的に向上させることができる。
【0184】
本願の上記各保護テーマおよび各実施例における特徴は、相互に参照でき、構造が許せば、当業者は、異なる実施例における技術的特徴を柔軟に組み合わせて、より多くの実施例を形成することもできる。
【0185】
本明細書で具体的な実施例を用いて本願の原理および実施形態を記述したが、以上の実施例の説明は、本願の方法およびその中心アイデアを理解するのを助けるためのものに過ぎない。指摘すべきこととして、当業者であれば、本願の原理から逸脱しない限り、本願に若干の改良および修飾を行うことができ、これらの改良および修飾も本願の特許請求の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0186】
100 電力消費装置、101 車両、102 コントローラ、
103 動力機器、104 モータ、105 本体、
10 電池、
20 電池セル、201 電極アセンブリ、202 ハウジング、
203 ケーシング、204 エンドキャップ、205 アダプタ、
206 電極端子、20a 負極端子、20b 正極端子、
30 包装ボックス、301 ボックス本体、302 ボックスカバー、
1 第1極板、11 第1積層シート、12 第1タブ、13 負タブ、
14 負極板、15 タブ、
2 第2極板、21 第2積層シート、22 第2タブ、23 正タブ、
24 正極板、25 折り曲げ部、26 不活性領域、27 絶縁物質、
28 折り畳み案内部、281 刻み目、282 折り目、29 活物質、
3 セパレータ、31 フランジ、
X 第1方向、Y 第2方向、Z 第3方向。
【国際調査報告】