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  • 特表-ラウンドスリング 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】ラウンドスリング
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/12 20060101AFI20240717BHJP
   D03D 11/00 20060101ALI20240717BHJP
   D03D 15/283 20210101ALI20240717BHJP
   D03D 1/04 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B66C1/12 B
D03D11/00 Z
D03D15/283
D03D1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500605
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022068584
(87)【国際公開番号】W WO2023280849
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021003473.2
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524008247
【氏名又は名称】シュパン・ゼット・ゲゼルシャフト・フュア・トランスポルトジュステーメ・ウント・テヒニシェ・ベンダー・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ホムバッハ・フォルカー
【テーマコード(参考)】
3F004
4L048
【Fターム(参考)】
3F004LB04
3F004LB05
3F004LB06
4L048AA20
4L048AA26
4L048AA48
4L048AA49
4L048AC09
4L048AC10
4L048BA11
4L048BB04
4L048DA34
(57)【要約】
本発明は、荷物を受ける内側の非交織構造と、半径方向の自由度を有して、内側の非交織構造を取り囲むテキスタイルの保護スリーブの形態での保護カバーとからなる、荷物を吊り上げるためのラウンドスリングに関するものである。その際、前記内側の非交織構造は、基本的に互いに平行に延在する複数の支持糸の無端の巻回ループから形成され、前記保護スリーブは、たて糸とよこ糸とから織られた織物製品であり、前記織物製品は多層織物からなり、この多層織物の織物層はそれぞれ、保護スリーブの長手方向(L)又は長手延伸方向へ延在するたて糸が、このたて糸の高い抗張力と比べて低い延伸能力をもつ繊維又は糸からなり、かつ長手方向に対して横方向に延在するよこ糸が、このよこ糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有し、多層織物の織物層は、長手方向に対して横に延在する別のよこ糸を備え、前記よこ糸は、この連結糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を受ける内側の非交織構造と、半径方向の自由度を有して、内側の非交織構造を取り囲むテキスタイルの保護スリーブの形態での保護カバーとからなるラウンドスリングであり、
前記内側の非交織構造は、基本的に互いに平行に延在する複数の支持糸の無端の巻回ループから形成され、
前記保護スリーブは、たて糸(3)とよこ糸(1)とから織られた織物製品であり、
前記織物製品は多層織物からなり、
この多層織物の織物層はそれぞれ、保護スリーブの長手方向(L)又は長手延伸方向へ延在するたて糸(3)が、このたて糸の高い抗張力と比べて低い延伸能力をもつ繊維又は糸からなり、かつ長手方向に対して横方向、横断方向(Q)に延在するよこ糸(1)が、このよこ糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有し、
多層織物の織物層は、長手方向に対して横に延在する別のよこ糸(5)によって互いに連結されていて、前記別のよこ糸は、このよこ糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有する、
ラウンドスリング。
【請求項2】
連結糸としての別のよこ糸(5)は、前記多層織物のたて糸(3)と交差するように前記多層織物のたて糸(3)を連結する、
請求項1に記載のラウンドスリング。
【請求項3】
連結糸としての別のよこ糸(5)は、多層織物の各々のたて糸(3)と交差するように前記多層織物のたて糸(3)を連結する、
請求項1に記載のラウンドスリング。
【請求項4】
前記2つの織物層が、前記保護スリーブの非対称構造の場合、異なる数の別のよこ糸(5)を有するが結合反復毎に少なくとも1つの別のよこ糸(5)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項5】
前記多層織物は2つ以上の層からなる、
請求項1~4のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項6】
別のよこ糸(5)は、前記2つの織物層の2つ以上のたて糸(3)の上を、別のよこ糸(5)が前記織物層と交差する前に浮く、
請求項1~5のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項7】
別のよこ糸(5)の延伸能力は、前記多層織物のよこ糸(1)の延伸能力以下である、
請求項1~6のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項8】
よこ糸(1)及び/又は別のよこ糸(5)の高い延伸能力は、伸縮性の範囲内で1.8~2.5倍である、
請求項1~7のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項9】
前記よこ糸(1)及び/又は前記別のよこ糸(5)が、ポリエステルで巻かれたエラスタン繊維からなり、伸縮性の繊維で紡糸された高性能繊維からなる、
請求項1~8のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項10】
前記ラウンドスリングの前記保護スリーブの前記織物地の延伸挙動が、前記別のよこ糸(5)の取り込み頻度に依存する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を吊り上げるためのラウンドスリングに関する。ラウンドスリングは、荷物を受ける内側の非交織構造を有する。心体とも呼ばれる内側の非交織構造は、複数の平行な支持糸のエンドレスループから形成され、そして半径方向の自由度を有して、内側の非交織構造を取り囲むテキスタイルのスリーブの形態での保護カバーを備える。
【背景技術】
【0002】
保護スリーブの伸縮性を改善するため、特許文献1に開示されているように、抗張力と比べて高い延伸能力をもつ繊維成分又は糸を有する織物製品、いわゆる伸縮糸が過去に使用されていた。
【0003】
この場合、保護スリーブを形成する織物製品も公知であり、保護スリーブは、たて糸とよこ糸から織られた織物製品である。その際、保護スリーブの長手方向(L)または長手延伸方向へ延びるたて糸が、この織物製品の高い抗張力と比べて低い延伸能力をもつ繊維又は糸からなり、このよこ糸は、この織物製品の抗張力と比べて高い延伸能力を有する。それらは、例えば、特許文献2及び特許文献3にも開示されているような伸縮性の繊維又は伸縮性の糸からなる。
【0004】
吊り具としてのラウンドスリングが機能的に使用される場合、このラウンドスリングが引張力を受けながら、例えば、荷物、荷物持ち上げ装置、または荷物フックなどの担持装置に掛けられると、非交織構造は、長手方向(L)に対して横に膨張する。スリーブ材料の量を増やす必要性は、以前に圧縮された織物から、たて糸の結合又はずらした状態でのよこ糸の延伸によって提供される。したがって、従来の単層で伸縮性のスリーブ状の織物の必要に応じて高い延伸能力では、閉じた織物表面を維持するために必要なたて糸の結合は、特定の延伸超えると不可能である。その結果、織物中のたて糸を容易にずらすことができ、そしてスリーブは穴を形成しやすい。これらの織物が広がる又は織物に穴が開くことは、とりわけ、異物又は類似の物体が保護スリーブに入り込むことができるという、欠点がある。また、外部の影響により、露出した糸が織物から離れる場合もあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011052号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011052146号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第2959223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上述のような保護スリーブにおいて、負荷がかかる場合に、織物が広がる又は織物に穴が開くことという欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項1に記載のラウンドスリングによって解決される。その際、従属請求項は、本発明のより有利な更なる実施形態を含む。したがって、本発明に係るラウンドスリングは、以下の特徴を有する。
【0008】
ラウンドスリングは、荷物を受ける内側の非交織構造と、半径方向の自由度を有して、内側の非交織構造を取り囲むテキスタイルの保護スリーブの形態での保護カバーとからなり、前記内側の非交織構造は、基本的に互いに平行に走る複数の支持糸、いわゆる糸の巻回ループである無端の巻回ループから形成され、前記保護スリーブは、たて糸とよこ糸から織られた織物製品であり、前記織物製品は多層織物からなり、この織物層はそれぞれ、保護スリーブの長手延伸方向とも呼ばれる長手方向(L)に延びるたて糸が、このたて糸の高い抗張力と比べて低い延伸能力をもつ繊維又は糸からなり、かつ基本的には長手方向に対して横方向、横断方向Qに、したがって、たて糸に対して横にも延在するよこ糸が、このよこ糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有し、多層織物の織物層は、長手方向に対して横(横方向Q)に延在する別のよこ糸、いわゆる連結糸によって互いに連結されていて、この連結糸は、連結糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有する。本発明の範囲内において、多層織物は、2枚以上の層からできる。
【0009】
有利には、別のよこ糸は、連結糸として、多層織物のたて糸と、例えば、各たて糸とも交差するように、多層織物のたて糸を連結する。
【0010】
別のよこ糸の伸張能力は、多層織物のよこ糸の伸張能力と等しいか、またはそれよりも小さい。
【0011】
よこ糸と、別のよこ糸とについて複数で言及される場合、本発明の意味において、保護スリーブを製造するための装置の巻き枠の単一のよこ糸または別のよこ糸のみを意味することもできるし、または複数の巻き枠からの糸も意味することもできる。
【0012】
延伸能力または延伸性について言及する場合、本発明の意味において、常に伸縮性の延伸能力を意味する。この点では、伸縮性の延伸のことである。
【0013】
よこ糸及び/又は別のよこ糸の長さは、伸縮性の範囲内で、例えば180パーセント以上、好ましい実施形態では250パーセントまで伸ばすことができ、これは、高い延伸能力を意味する。したがって、よこ糸及び/又は別のよこ糸の高い延伸能力は、伸縮性の範囲内で1.8~2.5倍高い。
【0014】
当業者は、保護スリーブの延伸能力もよこ糸の伸張能力によって影響され、かつよこ糸の密度、織り方の種類、例えば糸の交差の種類も、延伸性に影響されることを認識している。
【0015】
本発明の範囲内では、よこ糸及び/又は別のよこ糸が、ポリエステルで巻かれたエラスタン繊維、又は伸縮性の繊維で紡糸された高性能繊維、又はそのほかの適切な材料からなり得る。
【0016】
別の一実施形態では、保護スリーブが2つの織物層を有し、この2枚の織物層が、保護スリーブの非対称構造の場合、異なる数を有するが結合反復毎に少なくとも1つの別のよこ糸を備える。伸長挙動およびコンパクトさに関して層の異なる特性を達成し、これを保護スリーブに必要とされる特性と整合させるために、別のよこ糸としての1つ以上の連結糸を組み合わせることも、本発明の範囲内である。
【0017】
本発明による解決策は、より閉鎖的な織物構造を作り出し、その結果、負荷がかかる場合には、ラウンドスリングの保護スリーブの織物が広がる又は織物に穴が開くことが減少する。したがって、孔の形成及び異物が入り込む危険性が減少する。
【0018】
本発明は、図面を参照して2つの実施例に基づき以下でさらに説明される。この場合、本発明のさらなる利点、特徴および形態がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】弛緩状態でのラウンドスリングの保護スリーブの織物の概略図であり、別のよこ糸は、2つの織物層の各たて糸と交差する。
図1.1】張力がかけられている状態のラウンドスリングの保護スリーブの織物の概略図であり、別のよこ糸は、2つの織物層の各たて糸と交差する。
図2】弛緩状態でのラウンドスリングの保護スリーブの別の織物の概略図であり、別のよこ糸は、層と交差する前に、2つの織物層の3つのたて糸の上に浮いている。
図2.1】張力がかけられている状態のラウンドスリングの保護スリーブの別の織物の概略図であり、別のよこ糸は、層と交差する前に、2つの織物層の3つのたて糸の上に浮いている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
2つの実施例では、多層織物は、2つの織物層のみからなる。
【0021】
それぞれの伸縮性のよこ糸1及び1は、たて糸3/1~3/4と組み合わせて、第1の織物層2を形成する。伸縮性のよこ糸1’’および1’’’は、たて糸3/5~3/8を有する別の織物層4を形成する。第1の織物層2及び別の織物層4のたて糸3は、長手方向L、すなわちラウンドスリングの長手延在部の方向に延びる。よこ糸1’~1’’’は、ラウンドスリングの長手方向Lに対して横方向に、横断方向Qに延びる。第1及び別の織物層2、4は、同じく横断方向Qに延在する伸縮性の別のよこ糸5によって接続されている(図1)。
【0022】
横方向の負荷下では、第1及び別の織物層2、4が、図1.1に従って広がる。ここで、単層の横方向の伸縮性の織物の場合に通常生じる第1の織物層2のたて糸3/1~3/4の間の隙間が、別の織物層4のたて糸3/5~3/8で覆われ、したがって、完全にまたは少なくとも部分的にふさがれる。ラウンドスリングの保護スリーブの横断方向Qに延伸されると、互いに重なり合うたて糸は、別のよこ糸5の張力によって互いに隣り合うように配置しようとする(図1.1)。ラウンドスリングの保護スリーブを横断方向Qに延伸した後、たて糸3/1~3/8は、3/5、3/1、3/6、3/2、3/7、3/3、3/8および3/4の配置にある。
【0023】
図2は、本発明によるラウンドスリングの別の実施例を示し、ラウンドスリングの保護スリーブの一部は、図2図2.1、及び図1図1.2に織物製品の一部として描画される。無端の巻回ループとして長手方向Lに基本的に平行に延在する複数の支持糸から形成され、織物製品としての保護スリーブによって半径方向の自由度を有して、内側の非交織構造を取り囲み、かつ囲まれる、内側の非交織構造を有する、そのようなラウンドスリングの断面の描画は、例えば、上述の先行技術から当業者に知られているので図示されていない。
【0024】
図2及び図2.1は、ラウンドスリングの保護スリーブの織物における別のよこ糸5の異なる配置の例を示し、その際、織物も多層化され、かつ第1及び別の織物層2、4からなり、かつ別のよこ糸5の取り込みを除いて、図1及び図1.1による第1の実施形態と同様に形成されている。
【0025】
この実施例では、伸縮性の別のよこ糸5が、織物層と交差する前に3つのたて糸3の上に浮いているので、各たて糸との交差を企図する図1の配置と比べて、結合がより弱くなり、したがって、図2.1に描画されているような、ラウンドスリングの保護スリーブの織物の横断方向Qへの延伸性をより大きくできる。ラウンドスリングの保護スリーブを横方向Qに延伸した後、たて糸3/1~3/8は、図1.1に描画され、上記で説明したように、同様の配置になる。一般的に、別のよこ糸5は、織物層と交差する前に、2つ以上のたて糸3の上に浮かせることもできる。
【0026】
したがって、ラウンドスリングの保護スリーブの織物の延伸挙動は、別のよこ糸5の取り込み頻度によっても影響され、その結果、二重のよこ糸に加えて、別のよこ糸5の取り込みを複数のよこ糸にわたって中断することも可能であり、これによって、横断方向Qにおける保護スリーブの可能な限り均一な伸長挙動を達成することができる。これは、本発明によるラウンドスリングに要求されるそれぞれの要件による。
【0027】
2つの実施例によれば、限られた数のたて糸のみが、2層の保護スリーブで利用できる。したがって、本発明による有利な効果は、横方向Qにおける保護スリーブの延伸の増加に伴って減少し、その結果、ラウンドスリングが過負荷である場合、保護スリーブの多層織物の孔が形成する広がりが予想でき、これは、過負荷の兆候を示すことができ、その結果、当業者は、そのような兆候が生じた場合にラウンドスリングの扱いを直ちに中断しなければならない。
【符号の説明】
【0028】
1 よこ糸
2 第一の織物層
3 たて糸
4 別の織物層
5 別のよこ糸
Q 横断方向
L 長手方向
図1
図1.1】
図2
図2.1】
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を受ける内側の非交織構造と、半径方向の自由度を有して、内側の非交織構造を取り囲むテキスタイルの保護スリーブの形態での保護カバーとからなるラウンドスリングであり、
前記内側の非交織構造は、基本的に互いに平行に延在する複数の支持糸の無端の巻回ループから形成され、
前記保護スリーブは、たて糸(3)とよこ糸(1)とから織られた織物製品であり、
前記織物製品は多層織物からなり、
この多層織物の織物層はそれぞれ、保護スリーブの長手方向(L)又は長手延伸方向へ延在するたて糸(3)を備え前記たて糸は、このたて糸の高い抗張力と比べて低い延伸能力をもつ繊維又は糸からなり、かつ長手方向に対して横方向、横断方向(Q)に延在するよこ糸(1)が、このよこ糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有し、
多層織物の織物層は、長手方向に対して横に延在する別のよこ糸(5)によって互いに連結されていて、前記別のよこ糸は、このよこ糸の抗張力と比べて高い延伸能力を有する、
ラウンドスリング。
【請求項2】
連結糸としての別のよこ糸(5)は、前記多層織物のたて糸(3)と交差するように前記多層織物のたて糸(3)を連結する、
請求項1に記載のラウンドスリング。
【請求項3】
連結糸としての別のよこ糸(5)は、多層織物の各々のたて糸(3)と交差するように前記多層織物のたて糸(3)を連結する、
請求項1に記載のラウンドスリング。
【請求項4】
前記2つの織物層が、前記保護スリーブの非対称構造の場合、異なる数の別のよこ糸(5)を有するが結合反復毎に少なくとも1つの別のよこ糸(5)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項5】
前記多層織物は2つ以上の層からなる、
請求項1~4のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項6】
別のよこ糸(5)は、前記2つの織物層の2つ以上のたて糸(3)の上を、別のよこ糸(5)が前記織物層と交差する前に浮く、
請求項1~5のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項7】
別のよこ糸(5)の延伸能力は、前記多層織物のよこ糸(1)の延伸能力以下である、
請求項1~6のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項8】
よこ糸(1)及び/又は別のよこ糸(5)の高い延伸能力は、伸縮性の範囲内で1.8~2.5倍である、
請求項1~7のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項9】
前記よこ糸(1)及び/又は前記別のよこ糸(5)が、ポリエステルで巻かれたエラスタン繊維からな又は伸縮性の繊維で紡糸された高性能繊維からなる、
請求項1~8のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【請求項10】
前記ラウンドスリングの前記保護スリーブの前記織物地の延伸挙動が、前記別のよこ糸(5)の取り込み頻度に依存する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
【国際調査報告】