IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クーリー・コーヒー・カンパニーの特許一覧

特表2024-527381飲料抽出システムのためのシステム及び方法
<>
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図1
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図2
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図3
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図4
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図5
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図6
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図7
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図8
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図9
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図10
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図11
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図12
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図13
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図14
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図15
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図16
  • 特表-飲料抽出システムのためのシステム及び方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】飲料抽出システムのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/057 20060101AFI20240717BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240717BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A47J31/057 103
A47J31/44 170
A47J31/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501201
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022036588
(87)【国際公開番号】W WO2023283465
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/219,569
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524011373
【氏名又は名称】クーリー・コーヒー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイリフ、テッド
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA12
4B104BA16
4B104BA21
4B104BA23
4B104BA40
4B104BA53
4B104CA06
4B104EA09
4B104EA30
(57)【要約】
飲料抽出システムは、ケースと、リザーバと、ポンプと、加熱要素と、ホルダとを含む。ケースは、カップを受容するためのカップ受容ベイと、カップ受容ベイの上方に配置されたノズルアセンブリとを画定する。リザーバは、流体を収容するためにケース内に配置される。ポンプは、流体をリザーバからノズルアセンブリに圧送するためにケース内に配置される。加熱要素は、流体がノズルアセンブリに圧送されるときに流体を加熱するためにケース内に配置される。ホルダは、飲料前駆体を受容するように構成された開口部を有するプアオーバーバッグを保持する。ノズルアセンブリは、流体を開口部を通してプアオーバーバッグに注ぎ、流体は、飲料前駆体を通り、プアオーバーバッグを通って、カップ受容ベイ内に配置されたカップへと流れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
流体を収容するために前記ケース内に配置されたリザーバと、
前記流体を前記リザーバからノズルアセンブリに移動させるために前記ケース内に配置されたポンプと、
前記流体を加熱するために前記ケース内に配置された加熱要素と、
前記ノズルアセンブリの下にプアオーバーバッグを保持するためのホルダと、
を備える飲料抽出システムであって、前記プアオーバーバッグは、飲料前駆体を受容するように構成された開口部を有し、前記プアオーバーバッグは、前記開口部が前記ノズルアセンブリに向かって配向された状態で前記ホルダに掛けられ、前記ノズルアセンブリは、前記流体を前記開口部を通して前記プアオーバーバッグに注ぎ、前記流体は、前記飲料前駆体を通り、前記プアオーバーバッグを通って、前記プアオーバーバッグの下に配置されたカップへと流れる、飲料抽出システム。
【請求項2】
前記プアオーバーバッグ内の前記流体の液面を検出するための第1の液面検出器を更に備える、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項3】
前記第1の液面検出器は、少なくとも1つの赤外線温度検出器を備える、請求項2に記載の飲料抽出システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの赤外線温度検出器は、前記プアオーバーバッグの上部に近接して配置され、前記ノズルアセンブリが前記流体を前記プアオーバーバッグに注ぐときに前記プアオーバーバッグの温度を検出するように構成され、前記少なくとも1つの赤外線温度検出器は、前記プアオーバーバッグの前記温度が第1の所定の温度を超えたときに前記ポンプをオフにするように構成されている、請求項3に記載の飲料抽出システム。
【請求項5】
少なくとも1つの赤外線温度検出器は、第1の赤外線温度検出器を備え、前記第1の液面検出器は、前記プアオーバーバッグの底部に近接して配置され、かつ前記ノズルアセンブリが前記流体を前記プアオーバーバッグに注ぐときに前記プアオーバーバッグの前記温度を検出するように構成された第2の赤外線温度検出器を更に備え、前記第2の赤外線温度検出器は、前記プアオーバーバッグの前記温度が第2の所定の温度より下に減少したときに前記ポンプをオンにするように構成されている、請求項4に記載の飲料抽出システム。
【請求項6】
前記第1の赤外線温度検出器は、前記ホルダの上方に配置されている、請求項5に記載の飲料抽出システム。
【請求項7】
前記第2の赤外線温度検出器は、前記ホルダの下方に配置されている、請求項5に記載の飲料抽出システム。
【請求項8】
前記第1の赤外線温度検出器及び前記第2の赤外線温度検出器の少なくとも一方は、サーモパイル赤外線センサを備える、請求項5に記載の飲料抽出システム。
【請求項9】
前記ノズルアセンブリは、移動可能な出口ノズルと、前記移動可能な出口ノズルに取り付けられたカムシステムとを備え、前記カムシステムは、前記飲料前駆体を前記流体で均一に覆うために、前記移動可能な出口ノズルが前記流体を前記開口部を通して前記プアオーバーバッグに注ぐときに、前記プアオーバーバッグの前記開口部の上で前記移動可能な出口ノズルを揺動させる、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項10】
前記ノズルアセンブリは、固定出口パイプと、前記固定出口パイプに取り付けられたノズルとを備え、前記ノズルは、前記ノズルが前記流体を前記開口部を通して前記プアオーバーバッグに注ぐときに前記飲料前駆体を前記流体で均一に覆うためのパターンで配列された複数の出口を備える、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項11】
出口ノズルの下の前記カップを検出するために前記ケース内に配置されたカップ検出器を更に備える、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項12】
カップを受容するためのカップ受容ベイと、前記カップ受容ベイの上方に配置されたノズルアセンブリとを画定するケースを更に備え、前記カップ受容ベイ内の前記カップを検出するために前記カップ受容ベイ内に配置されたカップ検出器を更に備える、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項13】
前記カップ内の前記流体の液面を検出するための第2の液面検出器を更に備える、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項14】
前記第2の液面検出器は、少なくとも1つの赤外線温度検出器を備える、請求項13に記載の飲料抽出システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの赤外線温度検出器は、前記カップの上部に近接して配置され、前記ノズルアセンブリが前記流体を前記プアオーバーバッグ及び前記カップに注ぐときに前記カップの温度を検出するように構成され、前記少なくとも1つの赤外線温度検出器は、前記カップの前記温度が第3の所定の温度を超えたときに前記ポンプをオフにするように構成されている、請求項14に記載の飲料抽出システム。
【請求項16】
前記プアオーバーバッグは、生分解性、堆肥化可能、及び/又は再使用可能である、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項17】
定量吐出された流体の体積を測定するための流量計を更に備える、請求項1に記載の飲料抽出システム。
【請求項18】
前記流量計は、インライン流量計を備える、請求項17に記載の飲料抽出システム。
【請求項19】
前記流量計は、前記リザーバ内の前記流体の液面を測定し、前記測定された液面に基づいて、前記定量吐出された流体の体積を決定するように構成されている、請求項17に記載の飲料抽出システム。
【請求項20】
前記流量計は、前記リザーバから前記流体が流れる時間を計時し、前記測定された時間に基づいて、前記定量吐出された流体の体積を決定するように構成されている、請求項17に記載の飲料抽出システム。
【請求項21】
前記流量計は、前記ホルダを計量し、前記測定された重量に基づいて、前記定量吐出された流体の体積を決定するように構成されている、請求項17に記載の飲料抽出システム。
【請求項22】
飲料抽出システムを用いて飲料を抽出する方法であって、
前記飲料抽出システム内にカップを配置することと、ここで、前記飲料抽出システムは、前記カップの上方に配置されたノズルアセンブリと、前記カップの上方に配置されたホルダと、リザーバと、ポンプと、加熱要素とを備え、
プアオーバーバッグを前記ホルダに掛けることと、ここにおいて、前記プアオーバーバッグは、飲料前駆体を収容しており、前記ノズルアセンブリに向かって配向された開口部を有し、
流体を圧送することによって、又は前記リザーバを前記リザーバ内の空気圧で加圧することによって、前記ポンプを用いて前記流体の流れを前記リザーバから前記ノズルアセンブリに圧送することと、
前記加熱要素を用いて前記流体の前記流れを加熱することと、
前記ノズルアセンブリを用いて、前記流体の前記流れを前記開口部を通して前記プアオーバーバッグに注ぐことと、
前記流体の前記流れを前記飲料前駆体及び前記プアオーバーバッグを通して前記カップに浸出させることと、
を備える、方法。
【請求項23】
前記ポンプを用いて流体の流れを前記リザーバから前記ノズルアセンブリに圧送することは、前記流体を圧送することによって、又は前記リザーバを前記リザーバ内の空気圧で加圧することによって、前記ポンプを用いて前記流体の最初の流れを前記リザーバから前記ノズルアセンブリに圧送することを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記飲料前駆体を膨張させるために前記流体の前記最初の流れを一時停止することと、
前記ポンプを用いて前記流体の第2の流れを前記リザーバから前記ノズルアセンブリに圧送することと、
を更に備え、前記流体の前記第2の流れは、所定の流量を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1の液面検出器を使用して前記プアオーバーバッグ内の前記流体の液面を検出することと、ここにおいて、前記第1の液面検出器は、少なくとも1つの赤外線温度検出器を備え、
前記流体の前記液面が所定の温度を超えたときに前記ポンプをオフにすることと、
を更に備える、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、2021年7月8日出願の米国仮特許出願第63/219,569号の優先権及び利益を主張する国際特許出願であり、該出願の開示は、その全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示は、概して、飲料抽出システムに関し、より具体的には、シングルサーブの使い捨てのプアオーバー(pour over)飲料抽出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 単回使用の飲料抽出機は、典型的には、コーヒー又は茶などの1つ又は複数の飲料を、コーヒー粉又は茶葉などの予めパッケージにされた飲料前駆体(beverage precursor)を使用して抽出する。飲料前駆体は、典型的には、飲料前駆体から飲料が引き出されるまで、流体、典型的には水に浸される。飲料前駆体は、典型的には、飲料抽出機に挿入される密封パッケージに保管されており、飲料抽出機は、密封パッケージにアクセスして飲料を抽出する。しかしながら、パッケージが密封されているので、ユーザは、飲料を抽出するために使用される飲料前駆体の量を制御することができない。更に、密封パッケージにより、ユーザは、異なる飲料風味プロファイルをもたらし得る、プアオーバー法などの異なる抽出方法を使用して飲料を抽出することが妨げられる。第3に、飲料前駆体への水の水送達機構が空間的に制限されている場合が多く、これにより、前駆体のばらばらの限られた部分しか高温水にさらされなくなり、風味の引き出しが制限される。第4に、密封パッケージは、飲料前駆体の風味や香りを保つために、非生分解性材料から作られている場合がある。したがって、単回使用の飲料抽出システムは、代替の抽出方法よりも、操作性の柔軟性が低い場合があり、環境的に持続可能でない場合がある。最後に、密封パッケージは、飲料の消費者に望ましくない健康への影響がある恐れのある滲出性成分を有し得る石油系プラスチックから構成されている場合が多い。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の1つの態様は、飲料抽出システムを対象とする。飲料抽出システムは、ケースと、リザーバと、ポンプと、加熱要素と、ホルダとを含む。ケースは、カップを受容するためのカップ受容ベイと、カップ受容ベイの上方に配置されたノズルアセンブリとを画定する。リザーバは、流体を収容するためにケース内に配置される。ポンプは、流体をリザーバからノズルアセンブリに圧送するためにケース内に配置される。加熱要素は、流体がノズルアセンブリに圧送されるときに、又はボイラータンク内の流体を予熱することによって、流体を正確な温度設定点まで加熱するためにケース内に配置される。ホルダは、ノズルアセンブリの下にプアオーバーバッグを保持する。プアオーバーバッグは、流体を受容するように構成された開口部を有する。プアオーバーバッグは、開口部がノズルアセンブリに向かって配向された状態でホルダから掛けられる。ノズルアセンブリは、流体を開口部を通してプアオーバーバッグに注ぎ、流体は、プアオーバーバッグ内の飲料前駆体を通り、プアオーバーバッグを通って、カップ受容ベイ内に配置されたカップへと流れる。
【0005】
[0005] 本開示の別の態様は、飲料抽出システムを用いて飲料を抽出する方法に関する。本方法は、飲料抽出システムのカップ受容ベイ内にカップを配置することを含む。飲料抽出システムは、カップの上方に配置されたノズルアセンブリと、カップの上方に配置されたホルダと、リザーバと、ポンプと、加熱要素とを含む。本方法はまた、プアオーバーバッグをホルダに掛けることを含む。プアオーバーバッグは、飲料前駆体を収容しており、ノズルアセンブリに向かって配向された開口部を有する。本方法は更に、ポンプを用いて流体の流れをリザーバからノズルアセンブリに圧送することを含む。本方法はまた、加熱要素を用いて流体の流れを加熱すること、又はボイラータンク内の流体を予熱することを含む。本方法は更に、ノズルアセンブリを用いて、流体の流れを開口部を通してプアオーバーバッグに注ぐことを含む。本方法はまた、流体の流れを飲料前駆体及びプアオーバーバッグを通してカップに浸出させることを含む。本方法の重要な要素は、飲料前駆体を温度制御された流体に完全にさらすことを確実にするための、バッグのノズルに対する移動、又はノズルのバッグに対する移動である。本方法の別の要素は、飲料前駆体に流体をさらすこと及び全体的な引き出しを改善するために、飲料前駆体成分の旋回又は混合を生じさせるようにフィルタバッグを移動(例えば、揺動(oscillate))させることである。
【0006】
[0006] 上記は、以下に続く詳細な説明をより理解することができるように、本開示に係る例の特徴及び技術的利点をやや広く概説したものである。追加の特徴及び利点について以下で説明する。開示される概念及び具体的な例は、本開示と同じ目的を実施するために他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得る。そのような同等の構造は、添付の特許請求の範囲の要旨及び範囲から逸脱しない。本明細書に開示される概念に特有であると考えられる特徴は、それらの構成と動作の方法の両方及び関連する利点に関して、添付の図に関連して勘案されると以下の説明からより理解される。これらの図の各々は、例示及び説明の目的のためだけに提供されており、特許請求の範囲の限定の定義として提供されるものではない。
【0007】
[0007] 実施形態の性質及び利点の更なる理解は、以下の図面を参照することによって実現され得る。添付図面において、同様の構成要素又は特徴は、同じ参照ラベルを有する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008] 本開示の原理による飲料を抽出するための例示的な飲料抽出システムの正面図を例示する。
図2】[0009] 本開示に係る、内部構成要素が破線で例示された例示的な飲料抽出システムの側面図を例示する。
図3】[0010] 本開示に係る、内部構成要素が破線で例示された例示的な飲料抽出システムの一部分の別の側面図を例示する。
図4】[0011] 本開示に係る例示的な揺動機構の上面図を例示する。
図5】[0012] 本開示に係る揺動機構の例示的なモータの側面図を例示する。
図6】[0013] 本開示に係る飲料抽出システムの内部構成要素の概略図である。
図7】[0014] 本開示に係る飲料抽出システムの内部構成要素の概略図である。
図8】[0015] 本開示に係る第1の平坦な構成における例示的なプアオーバーバッグの側面図を例示する。
図9】[0016] 本開示に係る第2の拡張構成における例示的なプアオーバーバッグの斜視図である。
図10】[0017] 本開示に係る第2の拡張構成における例示的なプアオーバーバッグの上面図である。
図11】[0018] 本開示に係る第2の拡張構成における例示的なプアオーバーバッグの側面図である。
図12】[0019] 本開示に係る第2の拡張構成における例示的なプアオーバーバッグの別の側面図である。
図13】[0020] 本開示に係る第1の平坦な構成における代替のプアオーバーバッグの側面図を例示する。
図14】[0021] 本開示に係る第2の拡張構成における図13に例示されたプアオーバーバッグの斜視図である。
図15】[0022] 本開示に係る図13及び図14に例示されたプアオーバーバッグの一部分の側面図である。
図16】[0023] 本開示に係る製造プロセス中の第1の平坦な構成における図13図15に例示された複数のプアオーバーバッグの側面図である。
図17】[0024] 本開示に係る飲料抽出システムを用いて飲料を抽出する例示的な方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0025] 本明細書に記載の実施形態は、様々な修正形態及び代替形態が可能であるが、具体的な実施形態が、図面において例として示されており、本明細書で詳述される。しかしながら、本明細書に記載の例示的な実施形態は、開示された特定の形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての修正物、均等物、及び代替物を網羅する。
【0010】
[0026] 本説明は、例を提供するものであり、本発明の範囲、適用可能性、又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ、次の説明は、本発明の実施形態を実現することを可能にする説明を当業者に提供する。要素の配置及び機能に様々な変更を行うことができる。
【0011】
[0027] したがって、様々な実施形態は、適宜、様々な手順又は構成要素を省略、置き換え、又は追加し得る。例えば、方法を説明された順序とは異なる順序で行ってもよく、様々なステップを追加、省略、又は組み合わせてもよいことを理解されたい。また、特定の実施形態に関して説明された態様及び要素を様々な他の実施形態において組み合わせてもよい。また、以下のシステム、方法、及びデバイスは、個々に又は集合的に、他の手順がそれらの適用に優先し得るか又は別様にそれらの適用を修正し得る、より大きいシステムの構成要素であり得ることも理解されたい。
【0012】
[0028] 本明細書における例示的な実施形態の詳細な説明は、例示的な実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの例示的な実施形態は、当業者が本開示を実施することができるほどに十分詳細に説明されるが、他の実施形態が実現されてよいこと、並びに本開示の要旨及び範囲から逸脱することなしに、本開示及び本明細書での教示にしたがって、設計及び構造における論理的な変更及び適応が行われてよいことを理解されたい。したがって、本明細書の詳細な説明は、限定ではなく例示のみを目的として提示される。
【0013】
[0029] 図1は、飲料を抽出するための飲料抽出システム100の正面図を例示する。図2は、内部構成要素が破線で例示された飲料抽出システム100の側面図を例示する。図3は、内部構成要素が破線で例示された飲料抽出システム100の一部分の別の側面図を例示する。図4は、飲料抽出システム100の揺動機構の上面図を例示する。図5は、飲料抽出システム100の揺動機構のモータの側面図を例示する。図6は、飲料抽出システム100の内部構成要素の概略図である。図7は、飲料抽出システム100の内部構成要素の概略図である。飲料抽出システム100は、プアオーバー法を使用して飲料を抽出する。具体的には、飲料抽出システム100は、飲料前駆体を収容するプアオーバーバッグ102に加熱流体を注ぐ。流体は、飲料前駆体に染み込み、コーヒー又は茶などの飲料を抽出する。プアオーバーバッグ102は、コーヒー粉又はルースリーフティーなどの飲料前駆体を収容しており、そして流体は、飲料前駆体及びプアオーバーバッグ102を通って浸出する。プアオーバーバッグ102は、抽出された飲料流体を飲料前駆体から分離し、抽出された飲料流体をカップ104に滴下する。プアオーバーバッグ102は、ユーザが飲料前駆体をプアオーバーバッグ102に挿入することを可能にし、かつ流体がプアオーバーバッグ102に注がれることを可能にするために、プアオーバーバッグ102の上部108に開口部106を画定している。更に、プアオーバーバッグ102は、従来の単回使用の抽出システムよりも環境に良好であり得る生分解性又は堆肥化可能な材料から作られている。したがって、飲料抽出システム100は、プアオーバー飲料を抽出するプロセスを自動化し、より環境に優しい。また、プアオーバーバッグは、特に高温流体にさらすことを伴う用途において望ましくない健康への影響がある恐れのある石油系プラスチックもない。
【0014】
[0030] 飲料抽出システム100は、カップ104を受容するためのカップ受容ベイ112と、カップ受容ベイ112及びカップ104の上方に配置されたノズルアセンブリ114とを画定するケース110を含む。飲料抽出システム100は、流体を収容するためにケース110内に配置されたリザーバ116と、流体をリザーバ116からノズルアセンブリ114に圧送するためにケース110内に配置されたポンプ118と、流体がノズルアセンブリ114に圧送されるときに流体を加熱するためにケース110内に配置された加熱要素120とを含む。飲料抽出システム100は、プアオーバーバッグ102を保持するためにカップ受容ベイ112内でカップ104の上方かつノズルアセンブリ114の下方に配置されたホルダ122も含む。飲料抽出システム100は更に、飲料抽出システム100を制御するためにケース110内に配置されたコンピューティングデバイス124と、ユーザが飲料抽出システム100を制御することを可能にする、ケース110に取り付けられたインターフェースモジュール126とを含む。代替の実施形態では、飲料抽出システム100は、リザーバ116を含まない。より正確にいえば、飲料抽出システム100は、飲料抽出システム100が流体を定量吐出するときに飲料抽出システム100に流体を送達する流体の供給源(水道システムなど)に接続される。別の代替の実施形態では、飲料抽出システム100は、リザーバ116を含み、飲料抽出システム100が流体を定量吐出するときにリザーバ116に流体を送達する流体の供給源(水道システムなど)に接続される。
【0015】
[0031] 操作中、ユーザは、プアオーバーバッグ102をホルダ122に取り付ける。この実施形態では、プアオーバーバッグ102には、飲料前駆体が予め充填されている。代替の実施形態では、飲料抽出システム100は、飲料前駆体を挽き、プアオーバーバッグ102に飲料前駆体を充填するグラインダ(図示せず)を含んでもよい。別の代替の実施形態では、ユーザは、プアオーバーバッグ102に飲料前駆体を充填し、プアオーバーバッグ102をホルダ122に取り付ける。次いで、ユーザは、カップ104に流体を充填し、流体をカップ104からリザーバ116に注ぐ。代替の実施形態では、飲料抽出システム100が流体を定量吐出するときに、流体の供給源が飲料抽出システム100に接続される。ユーザは、カップ104をプアオーバーバッグ102下に配置し、ユーザが望む飲料のタイプをインターフェースモジュール126を使用して選択する。飲料抽出システム100は、選択された飲料を自動的に抽出する。具体的には、コンピューティングデバイス124は、選択された飲料を抽出するために、ポンプ118、加熱要素120、及びノズルアセンブリ114を制御する。ポンプ118は、流体をリザーバ116から加熱要素120を通して圧送する。いくつかの実施形態では、ポンプ118は、流体をリザーバ116から直接圧送する。代替の実施形態では、ポンプ118は、加圧空気でリザーバ116を加圧し、加圧空気は、流体を加熱要素120を通して移動させる。加熱要素120は、流体の温度を所定の飲料温度まで正確に上昇させ、加熱流体は、ノズルアセンブリ114に圧送される。ノズルアセンブリ114は、加熱流体を、開口部106を通して飲料前駆体上に注ぎ、その間バッグは、分散を高めるためにノズル下で揺動される。ノズルには、流体分散を更に高めるために、流体を分岐方向に分割する流体分割装置が装備され得る。加熱流体は、飲料前駆体に染み込み、プアオーバーバッグ102を通ってカップ104に滴下する。カップ104が充填されると、飲料抽出システム100は、流体をノズルアセンブリ114に圧送するのを停止し、ユーザは、カップ104をカップ受容ベイ112から取り出す。
【0016】
[0032] 抽出プロセスを制御するために、飲料抽出システム100は、液面検出システム128を含み得る。液面検出システム128は、プアオーバーバッグ102及びカップ104の少なくとも一方の中の流体の液面を検出するための少なくとも1つの液面検出器を含む。いくつかの実施形態では、液面検出システム128は、プアオーバーバッグ102内の流体の液面のみを検出する。他の実施形態では、液面検出システム128は、カップ104内の流体の液面のみを検出する。更なる実施形態では、液面検出システム128は、プアオーバーバッグ102及びカップ104両方の中の流体の液面を検出する。代替の実施形態では、プアオーバーバッグ102内の水の量を決定するために、リザーバ116及びカップ104内の水位が使用されてもよい。代替の実施形態では、飲料前駆体への厳密な流体送達を測定するために、ノズルの前に流量センサが配置される。
【0017】
[0033] 図3に例示される、別の可能な実施形態では、液面検出システム128は、プアオーバーバッグ102及びカップ104両方の中の流体の液面を検出する。具体的には、例示された実施形態では、液面検出システム128は、プアオーバーバッグ102内の流体の液面を検出するための第1の液面検出器130と、プアオーバーバッグ102内の流体の液面を検出するための第2の液面検出器132と、カップ104内の流体の液面を検出するための第3の液面検出器134とを含む。より具体的には、第1の液面検出器130は、プアオーバーバッグ102の開口部106近くのプアオーバーバッグ102内の流体の液面を検出するために、プアオーバーバッグ102の上部108に近接してカップ受容ベイ112内に配置される。第2の液面検出器132は、プアオーバーバッグ102の底部136近くのプアオーバーバッグ102内の流体の液面を検出するために、プアオーバーバッグ102の底部136に近接してカップ受容ベイ112内に配置される。第3の液面検出器134は、カップ104の上部138近くのカップ104内の流体の液面を検出するために、カップ104の上部138に近接してカップ受容ベイ112内に配置される。すべての検出器又は個々の検出器のみを有する多数の構成を想定することができる。
【0018】
[0034] 例示された実施形態では、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、赤外線検出器(サーモパイル)である。具体的には、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134の各々は、プアオーバーバッグ102又はカップ104のいずれかの温度を検出するために配置される。流体がプアオーバーバッグ102及びカップ104に注がれると、プアオーバーバッグ102及びカップ104の温度が上昇する。実験データ及び選択された飲料に基づいて、プアオーバーバッグ102又はカップ104のいずれかの温度が所定の温度を超えたとき、流体は、プアオーバーバッグ102又はカップ104のいずれかの中で所定の液面に到達している。したがって、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、プアオーバーバッグ102及びカップ104内の流体の液面を決定するために、プアオーバーバッグ102及びカップ104の温度を検出するように配置及び構成される。
【0019】
[0035] 例えば、第1の液面検出器130は、プアオーバーバッグ102の上部に近接して配置される。第1の液面検出器130は、プアオーバーバッグ102の上部108の温度を監視及び検出する。第1の液面検出器130は、プアオーバーバッグ102の温度が第1の所定の温度を超えたときにポンプ118をオフにするように構成される。プアオーバーバッグ102の上部108の温度が第1の所定の温度を超えたとき、流体の液面は、プアオーバーバッグ102の上部108に近接している。プアオーバーバッグ102に流体が過剰充填されるのを防止するために、コンピューティングデバイス124は、プアオーバーバッグ102の上部108の温度が第1の所定の温度より下に減少し、流体の液面がプアオーバーバッグ102の上部108より下にあることを示すまで、ポンプ118をオフにする。したがって、第1の液面検出器130は、コンピューティングデバイス124が抽出プロセスを制御し、プアオーバーバッグ102に流体が過剰充填されるのを防止することを可能にする。
【0020】
[0036] 液面検出システム128は、第2の液面検出器132も含み得る。第2の液面検出器132は、プアオーバーバッグ102の底部136に近接して配置される。第2の液面検出器132は、プアオーバーバッグ102の底部136の温度を監視及び検出する。第2の液面検出器132は、プアオーバーバッグ102の温度が第2の所定の温度より下に減少したときにポンプ118をオンにするように構成される。プアオーバーバッグ102の底部136の温度が第2の所定の温度より下に減少したとき、流体の液面は、プアオーバーバッグ102の底部136に近接しており、プアオーバーバッグ102は、更なる流体を受容することができ、コンピューティングデバイス124は、ポンプ118をオンにして、更なる流体を開口部106へと、そして飲料前駆体上に注ぐ。したがって、第2の液面検出器132は、コンピューティングデバイス124が抽出プロセスをより良好に制御し、プアオーバーバッグ102に流体が過剰充填されるのを防止することを可能にする。
【0021】
[0037] 液面検出システム128は、第3の液面検出器134も含み得る。第3の液面検出器134は、カップ104の上部138に近接して配置される。第3の液面検出器134は、カップ104の上部138の温度を監視及び検出する。第3の液面検出器134は、カップ104の上部138の温度が第3の所定の温度を超えたときにポンプ118をオフにするように構成される。カップ104の上部138の温度が第3の所定の温度を超えたとき、流体の液面はカップ104の上部138に近接しており、コンピューティングデバイス124は、ポンプ118をオフにし、抽出プロセスが完了したことをインターフェースモジュール126を介してユーザに示す。したがって、第3の液面検出器134は、コンピューティングデバイス124が抽出プロセスをより良好に制御し、カップ104に流体が過剰充填されるのを防止することを可能にする。
【0022】
[0038] 代替の実施形態では、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、プアオーバーバッグ102又はカップ104内の流体の液面を検出する任意のタイプの検出器であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、音波式、超音波式、光学式、静電容量式、及び/又は電気インピーダンス式の液面検出器であり得る。更に、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、他の間接的な方法によって、プアオーバーバッグ102又はカップ104内の流体の液面を検出し得る。例えば、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、プアオーバーバッグ102又はカップ104内の流体の重量を検出し、その重量に基づいてプアオーバーバッグ102又はカップ104内の流体の液面を計算する重量検出器であり得る。第1、第2、及び第3の液面検出器130~134は、飲料抽出システム100が本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意の方法を使用して、プアオーバーバッグ102又はカップ104内の液面を検出し得る。更に、代替の実施形態では、飲料抽出システム100は、第1、第2、及び第3の液面検出器130~134を含まない。より正確にいえば、飲料抽出システム100は、流体の流量に基づいてプアオーバーバッグ102又はカップ104内の流体の液面を制御する飲料抽出システム100によって定量吐出された流体の体積を測定する流量計を含む。代替の実施形態では、液面検出器は、流体送達の正確な制御を達成するために、代替の方法(流量計など)と共に使用されてもよい。
【0023】
[0039] 最良品質の飲料を抽出するために、ノズルアセンブリ114は、流体が開口部106へと飲料前駆体上に注がれるときにホルダ122の全部又は一部を揺動させる揺動機構140を含み得る。流体が開口部106に注がれるときにホルダ122を揺動させることにより、流体が飲料前駆体をより完全に覆い、流体が飲料前駆体の少なくとも実質的にすべてに染み込むことが確実になる。例えば、ホルダ122が静止式の場合、染み込みプロセス中に飲料前駆体の一部が流体と接触しない場合がある。したがって、揺動機構140により、最高品質の飲料が抽出されることが確実になる。代替の実施形態では、流体送達の改善を同様に達成するために、ノズルアセンブリ(流体送達システム)が、飲料前駆体に対して揺動されてもよい。
【0024】
[0040] 揺動機構140は、モータ142と、モータ142に取り付けられたクランク144と、クランク144に取り付けられたクランクシャフト146とを含む。ホルダ122は、クランクシャフト146に取り付けられる。揺動機構140の上面図を例示する図4に示すように、クランク144は、円形基部150と、円形基部150から延在する揺動ピン152と、円形基部150の中心156から延在するモータピン154とを有する。揺動ピン152は、中心から外れた位置で円形基部150に取り付けられている。クランクシャフト146は、流体が開口部106に注がれている間にホルダ122が揺動するようにクランク144と連結(interface)するようなサイズ及び形状にされている。具体的には、クランクシャフト146は、クランク144に取り付けられた第1の端部158と、ホルダ122に取り付けられた第2の端部160とを含む。第1の端部158は、揺動ピン152を受容するためのスロット162を画定する。第2の端部160は、ホルダ122を少なくとも部分的に画定する。
【0025】
[0041] 動作中、揺動機構140は、流体が飲料前駆体を完全に覆い、高品質の飲料を抽出することを確実にするために、モータ142の回転運動をホルダ122の直線往復運動に変換する。具体的には、モータ142は、揺動ピン152を含むクランク144を回転させる。揺動ピン152が円形基部150上に中心から外れた位置で配置されているので、揺動ピン152は円形基部150の中心156の周りを回転する。揺動ピン152は、揺動ピン152がクランクシャフト146の第1の端部158に摺動可能に取り付けられるように、スロット162内に移動可能に配置されている。揺動ピン152が円形基部150の中心156の周りを回転するときに、揺動ピン152はスロット162内を摺動し、クランクシャフト146の第1の端部158を揺動させる。クランクシャフト146の第1の端部158の揺動は、クランクシャフト146の第2の端部160及びホルダ122も揺動させる。ホルダ122が左右に揺動するときに、流体は開口部106へと、そしてすべての飲料前駆体上に注がれ、流体が飲料前駆体を完全に覆い、流体がすべての飲料前駆体に染み込むことが確実になる。したがって、揺動機構140は、飲料抽出システム100によって抽出される飲料の品質を高める。
【0026】
[0042] 代替の実施形態では、揺動機構140は、ホルダ122及び/又はノズルアセンブリ114の出口管148を揺動させる任意の機構であってもよい。例えば、代替の実施形態では、揺動機構140は、トレッドルリンク機構(treadle linkage)、ペグ及びスロットリンク機構、ラック及びピニオンギア、クランク、リンク、及びスライダシステム、カム及びフォロアシステム、並びに/又はホルダ122及び/若しくは出口管148の直線往復運動を発生させる任意の機構を含み得る。更に、別の代替の実施形態では、出口管148は、流体が開口部106を通してプアオーバーバッグ102に注がれるときに飲料前駆体を均一に覆うように設計されていてもよい。例えば、出口管148は、流体が開口部106を通してプアオーバーバッグ102に注がれるときに、流体をより均一に分散させ、及び/又は飲料前駆体を流体で覆うためのパターンで配列された複数の出口を含み得る。
【0027】
[0043] ホルダ122は、カップ受容ベイ112内でケース110から延在する第1のアーム164及び第2のアーム166を含む。第1のアーム164及び第2のアーム166の各々は、ノズルアセンブリ114に向かって上向きに延在するピン168を含む。ピン168は、飲料が抽出されるときに、プアオーバーバッグ102をカップ104の上方に配置するようにプアオーバーバッグ102と連結するようなサイズ及び形状にされている。具体的には、ピン168は、プアオーバーバッグ102をカップ104の上方かつノズルアセンブリ114の下方の適所に維持するために、プアオーバーバッグ102の一部分の中へと延びる円錐形状を有する。代替の実施形態では、第1のアーム164及び第2のアーム166並びにピン168は、飲料が抽出されるときに、第1のアーム164及び第2のアーム166並びにピン168がプアオーバーバッグ102の位置をカップ受容ベイ112内に維持することを可能にする任意の形状を有してもよい。
【0028】
[0044] 図6及び図7に示すように、リザーバ116は、リザーバ116内の流体の液面を検出するための液面検出器161を含む。いくつかの実施形態では、液面検出器161は、リザーバ116内の流体の液面を検出するIRセンサである。例示された実施形態では、液面検出器161は、リザーバ116内に配置されたフロート163と、リザーバ116内のフロート163を検出するためにリザーバ116に近接して配置された検出器165とを含む。具体的には、リザーバ116は、透明材料で作られており、検出器165は、リザーバ116内のフロート163及び流体の液面を光学的に検出する光学検出器である。フロート163は、リザーバ116内の流体に浮かんでおり、フロート163は、光学検出器165が検出するマーカ又は他のインジケータ167を有する。光学検出器165は、流体の液面をコンピューティングデバイス124に送信し、コンピューティングデバイス124は、流体の液面をインターフェースモジュール126に送信する。インターフェースモジュール126は、流体の液面をユーザに表示してもよいし、又は流体の液面が低いときにその旨を示してもよい。代替の実施形態では、液面検出器161は、飲料抽出システム100が本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意の液面検出デバイスであってもよい。
【0029】
[0045] 図8は、第1の平坦な構成におけるプアオーバーバッグ102の側面図を例示する。図9は、第2の拡張構成におけるプアオーバーバッグ102の斜視図である。図10は、第2の拡張構成におけるプアオーバーバッグ102の上面図である。図11は、第2の拡張構成におけるプアオーバーバッグ102の側面図である。図12は、第2の拡張構成におけるプアオーバーバッグ102の別の側面図である。プアオーバーバッグ102は、フィルタ部分170と、フィルタ部分170の第1の側面174に取り付けられた第1のハンガー172と、フィルタ部分170の第2の側面178に取り付けられた第2のハンガー176とを含む。図8に示すように、第1の平坦な構成では、プアオーバーバッグ102は、フィルタ部分170並びに第1のハンガー172及び第2のハンガー176が保管のために実質的に平坦になるように折り畳まれている。図9図12に示すように、第2の拡張構成では、プアオーバーバッグは、フィルタ部分170が開口部106を画定し、かつ第1のハンガー172及び第2のハンガー176がフィルタ部分170の第1の側面174及び第2の側面178から延びるように拡張される。具体的には、第1のハンガー172及び第2のハンガー176は、フィルタ部分170の第1の側面174及び第2の側面178から実質的に垂直に延びるように構成される。
【0030】
[0046] 更に、第1のハンガー172及び第2のハンガー176は、第1のハンガー172及び第2のハンガー176がフィルタ部分170の第1の側面174及び第2の側面178から延びたときにピン受容穴180を画定するようなサイズ及び形状にされている。ピン受容穴180は、プアオーバーバッグ102がホルダ122から掛けられたときにピン168をその中に受容するようなサイズ及び形状にされている。例示された実施形態では、第1のハンガー172及び第2のハンガー176並びにフィルタ部分170は、ピン受容穴180を画定する。
【0031】
[0047] 例示された実施形態では、フィルタ部分170、第1のハンガー172、及び第2のハンガー176は、環境に優しい生分解性材料から作られている。例えば、例示された実施形態では、フィルタ部分170は、飲料流体をバッグを通して浸出させている間、飲料前駆体をプアオーバーバッグ102内に保つ、有機物由来のポリ乳酸(PLA)繊維、又は植物材料(例えば、アバカ、セルロース)とPLAの様々な混合物を有する繊維ブレンドなどの環境に優しいしなやかな材料から作られたバッグである。第1のハンガー172及び第2のハンガー176は、抽出プロセス中にプアオーバーバッグ102の位置をカップ104の上方に維持する、環境に優しい硬い材料から作られている。代替の実施形態では、フィルタ部分170、第1のハンガー172、及び第2のハンガー176は、プアオーバーバッグ102が本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意の材料(好ましくは、生分解性又は堆肥化可能な環境に優しいカップストック)から作られている。
【0032】
[0048] 図13は、第1の平坦な構成における代替のプアオーバーバッグ182の側面図を例示する。図14は、第2の拡張構成におけるプアオーバーバッグ182の斜視図である。図15は、プアオーバーバッグ182の一部分の側面図である。図16は、製造プロセス中の、第1の平坦な構成における複数のプアオーバーバッグ182の側面図である。プアオーバーバッグ182は、フィルタ部分184と、フィルタ部分184の第1の側面188に取り付けられた第1のハンガー186と、フィルタ部分184の第2の側面192に取り付けられた第2のハンガー190とを含む。図13に示すように、第1の平坦な構成では、プアオーバーバッグ182は、フィルタ部分184並びに第1のハンガー186及び第2のハンガー190が保管のために実質的に平坦になるように折り畳まれている。図14に示すように、第2の拡張構成では、プアオーバーバッグは、フィルタ部分184が開口部106を画定し、かつ第1のハンガー186及び第2のハンガー190がフィルタ部分184の第1の側面188及び第2の側面192から延びるように拡張される。具体的には、第1のハンガー186及び第2のハンガー190は、フィルタ部分184の第1の側面188及び第2の側面192から実質的に垂直に延びるように構成される。
【0033】
[0049] 更に、第1のハンガー186及び第2のハンガー190は、第1のハンガー186及び第2のハンガー190がフィルタ部分184の第1の側面188及び第2の側面192から延びたときにピン受容穴194を画定するようなサイズ及び形状にされている。ピン受容穴194は、プアオーバーバッグ182がホルダ122から掛けられたときにピン168をその中に受容するようなサイズ及び形状にされている。例示された実施形態では、第1のハンガー186及び第2のハンガー190並びにフィルタ部分184は、ピン受容穴194を画定する。
【0034】
[0050] 更に、第1のハンガー186及び第2のハンガー190の各々は、少なくとも1つの垂直支持部196及び少なくとも1つの水平支持部198を含む。例示された実施形態では、第1のハンガー186及び第2のハンガー190の各々は、2つの垂直支持部196及び2つの水平支持部198を含む。垂直支持部196は、第2の拡張構成におけるプアオーバーバッグ182を支持する。水平支持部198は、プアオーバーバッグ182が第2の拡張構成であるときにプアオーバーバッグ182の側面に延在し、プアオーバーバッグ182が第2の拡張構成であるときにプアオーバーバッグ182を開いた状態に保持するように構成される。
【0035】
[0051] 例示された実施形態では、フィルタ部分184、第1のハンガー186、及び第2のハンガー190は、環境に優しい生分解性又は堆肥化可能材料から作られている。例えば、例示された実施形態では、フィルタ部分184は、飲料流体をバッグを通して浸出させている間、飲料前駆体をプアオーバーバッグ182内に保つ環境に優しい材料から作られたバッグである。第1のハンガー186及び第2のハンガー190は、抽出プロセス中にプアオーバーバッグ182の位置をカップ104の上方に維持する、PLAが片面又は両面にコーティングされた、木材パルプの又はセルロース系のカップストックボードなどの環境に優しい硬い材料(又は他の環境に優しくしなやかで耐流体性の密封可能な材料)から作られている。代替の実施形態では、フィルタ部分184、第1のハンガー186、及び第2のハンガー190は、プアオーバーバッグ182が本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意の材料から作られている。
【0036】
[0052] プアオーバーバッグ182は、プアオーバーバッグ182のフィルタ部分184が円錐形状を有するがプアオーバーバッグ102のフィルタ部分170が矩形形状を有することを除いて、プアオーバーバッグ102と実質的に同様である。プアオーバーバッグ182のフィルタ部分184の円錐形状により、より多くの飲料前駆体をノズルアセンブリ114にさらすことによって、飲料前駆体を流体で覆う範囲が改善する。更に、図16に示すように、プアオーバーバッグ182のフィルタ部分184の円錐形状により、プアオーバーバッグ182のフィルタ部分184をシートとして製造し、製造プロセス中に分離することが可能になる。したがって、プアオーバーバッグ182のフィルタ部分184の円錐形状により、製造プロセスのコストを削減することができ、飲料抽出システム100によって抽出される飲料の品質を改善することができる。
【0037】
[0053] 更に、飲料抽出システム100は、コンピューティングデバイス124が抽出プロセスを制御することを可能にする複数のセンサを含み得る。例えば、飲料抽出システム100は、プアオーバーバッグ102がホルダ122上に配置されているかどうかを検出するセンサを含み得る。更に、飲料抽出システム100は、カップ受容ベイ112内にカップ104があるかを検出するためのセンサも含み得る。飲料抽出システム100は更に、加熱要素120内の流体の温度、リザーバ116がケース110から取り出し可能である場合にケース110内にリザーバ116があるか、及び/又は廃棄流体リザーバ(図示せず)内の廃棄流体を検出するためのセンサを含み得る。追加のセンサにより、飲料抽出システム100がユーザエラーケースを検出し、対処することが可能になる。
【0038】
[0054] 液面検出システム128及び複数のセンサは、コンピューティングデバイス124が抽出プロセスを制御することを可能にする。具体的には、コンピューティングデバイス124は、抽出プロセスを最適化するために、正確に調時された流体送達アルゴリズムを実行するように構成される。より具体的には、コンピューティングデバイス124は、プアオーバーバッグ102への最初の流体送達を制御して飲料前駆体のブルーム又は膨張を発生させるようにポンプ118を制御する。例えば、飲料前駆体がコーヒー粉であり、抽出飲料がコーヒーである場合、コンピューティングデバイス124は、流体の完全なプアオーバーの前にコーヒー粉のコーヒーブルーム又は膨張を発生させるように、プアオーバーバッグ102への最初の流体送達を制御する。更に、流体の最初の送達後、コンピューティングデバイス124は、完全なプアオーバーの前にプアオーバーバッグ102への流体の流れを一時停止して、焙煎プロセス中にコーヒー粉に閉じ込められた二酸化炭素が完全に放出される時間を与える。次いでコンピューティングデバイス124は、飲料前駆体からの風味引き出しを最適化するために、プアオーバーバッグ102へのプアオーバー流量を制御する。更に、コンピューティングデバイス124は、飲料前駆体からの風味引き出しを最適化するために、プアオーバー中に流体を飲料前駆体上に均一に分散させる。したがって、液面検出システム128、複数のセンサ、及びコンピューティングデバイス124は、飲料前駆体からの風味引き出しを最適化するために抽出プロセスを正確に制御している。
【0039】
[0055] 操作中、ユーザは、プアオーバーバッグ102を第1の平坦な構成から、開口部106を画定する第2の拡張構成に広げる。次いでユーザは、第1のハンガー172及び第2のハンガー176がフィルタ部分170の第1の側面174及び第2の側面178から実質的に垂直に延びるように第1のハンガー172及び第2のハンガー176を延ばす。例示された実施形態では、プアオーバーバッグ102には、飲料前駆体が予め充填されている。代替の実施形態では、飲料抽出システム100は、飲料前駆体を挽き、プアオーバーバッグ102に飲料前駆体を充填するグラインダ(図示せず)を含んでもよい。別の代替の実施形態では、ユーザは、飲料前駆体を開口部106に注ぎ、プアオーバーバッグ102をハンガー122に掛ける。具体的には、ユーザは、ピン168をピン受容穴180に挿入することによって、プアオーバーバッグ102をホルダ122に設置し、これにより、プアオーバーバッグ102は、ノズルアセンブリ114下でカップ104の上に第1のアーム164及び第2のアーム166から掛けられる。ユーザは、カップ104をプアオーバーバッグ102下に配置し、ユーザが望む飲料のタイプをインターフェースモジュール126を使用して選択する。飲料抽出システム100は、選択された飲料を自動的に抽出する。
【0040】
[0056] 具体的には、コンピューティングデバイス124は、選択された飲料を抽出するために、ポンプ118、加熱要素120、ノズルアセンブリ114、及び液面検出システム128を制御する。ポンプ118は、流体をリザーバ116から加熱要素120を通して圧送する。加熱要素120は、流体の温度を所定の飲料温度まで上昇させ、加熱流体は、ノズルアセンブリ114に圧送される。ノズルアセンブリ114は、上述のように、加熱流体を開口部106を通して飲料前駆体上に注ぎ、その間、揺動機構140を用いてホルダ122を揺動させる。液面検出システム128は、上述のように、プアオーバーバッグ102及びカップ104の少なくとも一方の中の流体及び/又は飲料流体の液面を検出する。加熱流体は、飲料前駆体に染み込み、プアオーバーバッグ102を通ってカップ104に滴下する。液面検出システム128が、プアオーバーバッグ102内の流体の液面がプアオーバーバッグ102の上部108に近接していることを検出した場合、コンピューティングデバイス124は、流体を飲料前駆体上に注ぐのを一時停止する。液面検出システム128が、プアオーバーバッグ102内の流体の液面がプアオーバーバッグ102の底部136に近接していることを検出した場合、コンピューティングデバイス124は、流体を飲料前駆体上に注ぐのを再開する。カップ104が充填されたら、飲料抽出システム100は、流体をノズルアセンブリ114に圧送するのを停止し、ユーザは、カップ104をカップ受容ベイ112から取り出す。
【0041】
[0057] 図17は、飲料抽出システムを用いて飲料を抽出する方法200を例示する。本方法200は、飲料抽出システムのカップ受容ベイ内にカップを配置すること202を含む。飲料抽出システムは、カップの上方に配置されたノズルアセンブリと、カップの上方に配置されたホルダと、リザーバと、ポンプと、加熱要素とを含む。本方法200はまた、プアオーバーバッグをホルダに掛けること204を含む。プアオーバーバッグは、飲料前駆体を収容しており、ノズルアセンブリに向かって配向された開口部を有する。本方法は更に、ポンプを用いて流体の流れをリザーバからノズルアセンブリに圧送すること206を含む。本方法200はまた、加熱要素を用いて流体の流れを加熱すること208を含む。本方法200は更に、ノズルアセンブリを用いて、流体の流れを開口部を通してプアオーバーバッグに注ぐこと210を含む。本方法200はまた、流体の流れを飲料前駆体及びプアオーバーバッグを通してカップに浸出させること212を含む。
【0042】
[0058] 本方法200はまた、飲料前駆体を膨張させるために流体の最初の流れを一時停止すること214を含み得る。本方法200は更に、ポンプを用いて流体の第2の流れをリザーバからノズルアセンブリに圧送すること216を含み得る。流体の第2の流れは、所定の流量を有する。本方法200はまた、第1の液面検出器を使用して、プアオーバーバッグ内の流体の液面を検出すること218を含み得る。第1の液面検出器は、少なくとも1つの赤外線温度検出器を含む。本方法200は更に、流体の液面が所定の温度を超えたときにポンプをオフにすること220を含み得る。更に、ポンプを用いて流体の流れをリザーバからノズルアセンブリに圧送すること206は、ポンプを用いて流体の最初の流れをリザーバからノズルアセンブリに圧送すること222を含み得る。本方法200はまた、飲料が抽出されるまで本方法200を繰り返すこと224を含み得る。
【0043】
[0059] 前述の記載は、説明を目的として、具体的な実施形態を参照して説明された。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であることも、本発明を開示された通りの形態に限定することも意図していない。上記教示を踏まえて、多くの修正及び変形が可能である。本システム及び方法の原理並びにそれらの実際の適用例を最良に説明し、それによって他の当業者が、本システム及び方法並びに様々な実施形態を企図される特定の使用に適し得る様々な修正を加えて最良に利用することを可能にするために、実施形態が選択及び説明された。
【0044】
別段の断りがない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される「a」又は「an」という用語は、「~のうちの少なくとも1つ」を意味するものと解釈すべきである。更に、使用しやすくするために、本明細書及び特許請求の範囲で使用される「含む」及び「有する」という語は、「備える」という語と交換可能であり、同じ意味を有する。更に、本明細書及び特許請求の範囲で使用される「~に基づいて」という用語は、「~に少なくとも基づいて」を意味するものと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】