(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】車両及びスライドドア制御モジュール
(51)【国際特許分類】
B60J 5/06 20060101AFI20240717BHJP
E05F 15/659 20150101ALI20240717BHJP
【FI】
B60J5/06 A
E05F15/659
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503514
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2021124139
(87)【国際公開番号】W WO2023060568
(87)【国際公開日】2023-04-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】523218452
【氏名又は名称】吉利汽車研究院(寧波)有限公司
【氏名又は名称原語表記】GEELY AUTOMOBILE RESEARCH INSTITUTE (NINGBO) CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【氏名又は名称】柳元 八大
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】石 紅偉
(72)【発明者】
【氏名】張 広勇
(72)【発明者】
【氏名】林 貞亮
(72)【発明者】
【氏名】盧 云
(72)【発明者】
【氏名】呂 広偉
(72)【発明者】
【氏名】李 潤国
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052BA01
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC01
2E052GC01
2E052GC05
2E052GD00
2E052KA12
2E052KA14
2E052LA02
2E052LA04
(57)【要約】
本発明は、車両及びスライドドア制御モジュールを提供し、特に、車両電子制御の分野に関し、当該車両は、車体と、スライドドアと、スイッチと、ドア制御モジュールとを含む。車体は、内部には主電源と車体コントローラが設けられ、スライドドアは、車体に取り付けられ、スイッチは、スライドドアと車体とが接触する位置に設けられ、スライドドアが閉じているときにスライドドアと車体との回路を接続し、ドア制御モジュールは、スライドドアに設けられ、統合されたバックアップ電源及びコントローラを含み、バックアップ電源は、スライドドアの各電気部品に電気的に接続され、コントローラは、スライドドアの制御する必要がある各部品に電気的に接続され、車体コントローラと通信し、また、バックアップ電源とコントローラは、スライドドアが開いているときに、それぞれスライドドアの各部品に電力サポート及び制御サポートを提供する。本発明は、車両がワイヤーハーネスで接続することなくスライドドアの正常な動作を維持することができ、構造が簡単で、汎用性及び統合度が高いという利点を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に主電源と車体コントローラが設けられた車体と、
前記車体に取り付けられたスライドドアと、
前記スライドドアと車体とが接触する位置に設けられ、前記スライドドアが閉じているときに前記スライドドアと前記車体との回路を接続し、前記スライドドアが開いているときに前記スライドドアと前記車体との回路を切断するスイッチと、
前記スライドドアに設けられ、統合されたバックアップ電源とコントローラとを含むドア制御モジュールと、を含み、
前記バックアップ電源は、前記スライドドアの各電気部品に電気的に接続され、前記コントローラは、前記スライドドアの制御する必要がある各部品に電気的に接続され、車体コントローラと通信し、
前記バックアップ電源とコントローラは、前記スライドドアが開いているときに、それぞれ前記スライドドアの各部品に電力サポート及び制御サポートを提供する、
ことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記スライドドア内には、ドア中央制御室が設けられ、前記ドア中央制御室には、電源室及びコントローラ室が更に設けられ、前記電源室は、前記バックアップ電源を配置し、前記コントローラ室は、前記コントローラを配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記スライドドアには、サブメーターパネルが更に設けられ、前記サブメーターパネルは、前記ドア中央制御室のパネルキャビティに設けられ、前記パネルキャビティは、開放式キャビティであり、前記ドア中央制御室の前記車体内部に近接する側に設けられ、かつ前記車体内部側に向かって開放される、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記スイッチは、第1接点と第2接点とを含む接点式スイッチであり、前記第1接点は、前記車体が前記スライドドアと接触する位置に設けられ、回路によって前記主電源及び車体コントローラに電気的に接続され、前記第2接点は、前記第1接点の前記車体における位置に対応して前記スライドドアに設けられ、回路によって前記コントローラ、バックアップ電源及び前記スライドドアの各部品に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記スライドドアが閉じているとき、前記第1接点と第2接点とが接触して前記接点式スイッチがオンになり、前記第1接点の前記車体側の回路と前記第2接点の前記スライドドア側の回路とが接続され、前記スライドドアが開いているとき、前記第1接点と第2接点との接触が解除されて前記接点式スイッチがオフになり、前記第1接点の前記車体側の回路と前記第2接点の前記スライドドア側の回路とが切断される、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記スライドドアが閉じているとき、車両の主電源と車体コントローラは、前記接点式スイッチによって前記スライドドアの各電気部品に接続され、前記主電源は、前記スライドドアの各部品に電力を供給し、前記車体コントローラは、前記スライドドアの制御する必要がある各部品の動作を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記スライドドアには、電動ドアロックが設けられ、前記コントローラは、前記電動ドアロックに電気的に接続されて、前記スライドドアが開状態又は閉状態にあることを検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記ドア制御モジュールには、前記バックアップ電源の電気量を監視する電気量検出器が更に統合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項9】
前記スライドドアが閉じて、かつ電気量検出器が前記バックアップ電源の電気量が設定された電気量値よりも低いことを検出した場合、前記主電源は、前記バックアップ電源を充電する、
ことを特徴とする請求項6又は8に記載の車両。
【請求項10】
スライドドア内に設けられたスライドドア制御モジュールであって、
前記スライドドア内に設けられ、前記スライドドアの制御する必要がある各部品に電気的に接続され、車体コントローラと通信するコントローラと、
前記スライドドア内に設けられ、前記スライドドアの各電気部品に電気的に接続されるバックアップ電源と、を含み、
前記コントローラとバックアップ電源は、1つのモジュールに統合され、前記スライドドアが開いているときに、それぞれ前記スライドドアの各部品に電力サポート及び制御サポートを提供する、
ことを特徴とするスライドドア制御モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両電子制御の分野に関し、特に、車両及びスライドドア制御モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車ドアは、様々な開け方があるが、より広いスペース、より大きな積載量、車から降りる際の利便性及び積み降ろしスペースの向上などの、ユーザの増え続けるニーズに応えるため、自動車でのスライドドアの使用頻度がますます高くなっている。一般的なスライドドア電気システムは、スライドドアの電気的機能を実現するために、電気を供給し続ける装置、即ち、スライドドアワイヤーハーネスで接続する必要があるが、このようなシステムは、専用のスライドドアワイヤーハーネスを設ける必要があり、全車種共通で使用することができず、また、スライドドアワイヤーハーネスをシールドするための内装パネルも必要となり、構造が複雑となる。したがって、上記従来技術における欠陥を解決するために、構造が簡単で汎用性が高く、かつ複雑なマッチング構造設計を必要としないスライドドア電子制御システムを車内に設ける、スライドドア電子制御システム搭載車両の開発が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の従来技術の欠点に鑑み、本発明の目的は、車両及びスライドドア制御モジュールを提供することであり、当該車両に取り付けられたスライドドア電子制御システムは、従来技術における、スライドドア電子制御システムがスライドドアワイヤーハーネスによって車体に接続される必要があり、車両のスライドドアワイヤーハーネスの構造が複雑で汎用性が低いという技術的課題を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的及び他の関連目的を実現するために、本発明は、車体、スライドドア、スイッチ及びドア制御モジュールを含む車両を提供する。
【0005】
車体は、内部には主電源と車体コントローラが設けられ、スライドドアは、車体に取り付けられ、スイッチは、スライドドアと車体とが接触する位置に設けられ、前記スライドドアが閉じているときに前記スライドドアと前記車体との回路を接続し、前記スライドドアが開いているときに前記スライドドアと前記車体との回路を切断し、ドア制御モジュールは、前記スライドドアに設けられ、統合されたバックアップ電源とコントローラとを含み、前記バックアップ電源は、前記スライドドアの各電気部品に電気的に接続され、前記コントローラは、前記スライドドアの制御する必要がある各部品に電気的に接続され、車体コントローラと通信し、前記バックアップ電源とコントローラは、前記スライドドアが開いているときに、それぞれ前記スライドドアの各部品に電力サポート及び制御サポートを提供する。
【0006】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スライドドア内には、ドア中央制御室が設けられ、前記ドア中央制御室には、電源室及びコントローラ室が更に設けられ、前記電源室は、前記バックアップ電源を配置し、前記コントローラ室は、前記コントローラを配置する。
【0007】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スライドドアには、サブメーターパネルが更に設けられ、前記サブメーターパネルは、前記ドア中央制御室のパネルキャビティに設けられ、前記パネルキャビティは、開放式キャビティであり、前記ドア中央制御室の前記車体内部に近接する側に設けられ、かつ前記車体内部側に向かって開放される。
【0008】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スイッチは、第1接点と第2接点とを含む接点式スイッチであり、前記第1接点は、前記車体が前記スライドドアと接触する位置に設けられ、回路によって前記主電源及び車体コントローラに電気的に接続され、前記第2接点は、前記第1接点の前記車体における位置に対応して前記スライドドアに設けられ、回路によって前記コントローラ、バックアップ電源及び前記スライドドアの各部品に電気的に接続される。
【0009】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スライドドアが閉じているとき、前記第1接点と第2接点とが接触して前記接点式スイッチがオンになり、前記第1接点の前記車体側の回路と前記第2接点の前記スライドドア側の回路とが接続され、前記スライドドアが開いているとき、前記第1接点と第2接点との接触が解除されて前記接点式スイッチがオフになり、前記第1接点の前記車体側の回路と前記第2接点の前記スライドドア側の回路とが切断される。
【0010】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スライドドアが閉じているとき、車両の主電源と車体コントローラは、前記接点式スイッチによって前記スライドドアの各電気部品に接続され、前記主電源は、前記スライドドアの各部品に電力を供給し、前記車体コントローラは、前記スライドドアの制御する必要がある各部品の動作を制御する。
【0011】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スライドドアには、電動ドアロックが設けられ、前記コントローラは、前記電動ドアロックに電気的に接続されて、前記スライドドアが開状態又は閉状態にあることを検出する。
【0012】
本発明に係る車両の一実施例では、前記ドア制御モジュールには、前記バックアップ電源の電気量を監視する電気量検出器が更に統合されている。
【0013】
本発明に係る車両の一実施例では、前記スライドドアが閉じて、かつ前記電気量検出器が前記バックアップ電源の電気量が設定された電気量値よりも低いことを検出した場合、前記主電源は、前記バックアップ電源を充電する。
【0014】
本発明は、スライドドア内に設けられ、コントローラ及びバックアップ電源を含むスライドドア制御モジュールをさらに提供する。
【0015】
コントローラは、前記スライドドア内に設けられ、前記スライドドアの制御する必要がある各部品に電気的に接続され、車体コントローラと通信し、バックアップ電源は、前記スライドドア内に設けられ、前記スライドドアの各電気部品に電気的に接続され、前記コントローラとバックアップ電源は、1つのモジュールに統合され、前記スライドドアが開いているときに、それぞれ前記スライドドアの各部品に電力サポート及び制御サポートを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る車両には、車両のスライドドアがワイヤーハーネスで接続する必要がなく正常な動作を維持できるように、スライドドア電子制御システムが取り付けられており、当該スライドドア電子制御システムは、車体とスライドドアとの接触位置にスイッチを設けることにより、車体とスライドドアとの回路がワイヤーハーネスで接続する必要がなく、スライドドアが閉じているときに接続することができ、かつスライドドアにバックアップ電源及びコントローラを設けることにより、スライドドアが開いているときにスライドドアの正常な動作を維持する。以上より、本発明に係る車両は、スライドドア電子制御システムを設けることにより、ワイヤーハーネスの接続設計がない場合にスライドドアの正常な動作を維持することができ、かつ当該電子制御システムは、構造が簡単で、汎用性が高く、統合度が高いという利点を有し、他のスライドドア部材と自由に組み合わせて設計することができ、車両のスライドドアのコストを効果的に低減する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0018】
【
図1】本発明に係る車両におけるスライドドア電子制御システムの一実施例における回路構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、特定の具体的な実施例により本発明の実施形態を説明するが、当業者であれば、本発明の他の利点及び効果を本明細書に開示された内容から容易に理解することができる。本発明は、更に、他の異なる実施形態により実施又は応用されてもよく、本明細書における各詳細に対して、異なる観点及び応用に基づいて、本発明の精神から逸脱することなく様々な修飾又は変更を行うことができる。なお、以下の実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせてもよい。また、本発明の実施例で使用される用語は、特定の具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。以下の実施例では具体的な条件が明記されていない試験方法は、通常の条件に従って、又は各メーカーが提案した条件に従っている。
【0020】
なお、
図1に示すように、本明細書の図面に示す構造、比率、大きさなどは、いずれも明細書に開示された内容と組み合わせて、当業者が理解し、読むためのものであり、本発明の実施可能な限定条件を限定するためのものではないので、技術的に実質的な意義を有するものではなく、いかなる構造の修飾、比率関係の変更又は大きさの調整は、本発明の効果及び達成可能な目的に影響を与えない限り、いずれも本発明に開示された技術内容がカバーできる範囲内に含まれるべきである。また、本明細書に記載された「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「1つ」などの用語は、説明の便宜上のものに過ぎず、本発明の実施可能な範囲を限定するものではなく、その相対関係の変更又は調整は、技術内容を実質的に変更することなく、本発明の実施可能な範囲とみなされる。
【0021】
実施例が数値範囲を示す場合、本発明において特に明記しない限り、各数値範囲の2つの端点及び2つの端点の間の任意の数値も選択可能であることを理解されたい。特に定義されない限り、本発明において使用される全ての技術的及び科学的用語並びに当業者による従来技術の把握及び本発明の記載は、本発明の実施例に記載された方法、装置、材料と類似又は同等の従来技術の任意の方法、装置及び材料を使用して本発明を実現することもできる。
【0022】
図1に示すように、本発明の目的は、車両及びスライドドア制御モジュールを提供することであり、当該車両に取り付けられたスライドドア電子制御システムは、従来技術におけるスライドドア電子制御システムがスライドドアワイヤーハーネスによって車体に接続する必要があり、車両のスライドドアワイヤーハーネスの構造が複雑で汎用性が低いという技術的課題を改善することができる。
【0023】
図1は、本発明に係る車両のスライドドア電子制御システムの回路構造の概略図である。上記車両におけるスライドドア電子制御システムは、車両の車体電気モジュール1とスライドドア電気モジュール2に設けられ、車体とスライドドアとの間の接触位置にスイッチ3及びスライドドアヒンジ4を設けることにより、スライドドア電気モジュール2と車体電気モジュール1との間のワイヤーハーネスなしの接続を実現し、かつスライドドア電気モジュール2にドア制御モジュール21を設けることにより、スライドドアが開いているときに正常に動作することを維持する。上記内容から分かるように、本発明の車両は、車体と、複数のスライドドアと、スイッチ3と、ドア制御モジュール21とを含むことができる。
【0024】
図1に示すように、本発明に係る車両の車体には、車体電気モジュール1が設けられ、車体電気モジュール1の回路には、主電源11及び車体コントローラ12が設けられ、上記主電源11は、車両における電気部品、例えば、電動ドアロック23、ガラスモータ24及びガラス窓スイッチなどの部品に電力サポートを提供し、上記車体コントローラ12は、車両の制御する必要がある部品、例えば、電動ドアロック23、ガラスモータ24及びガラス窓スイッチなどの部品に制御サポートを提供する。
【0025】
また、車両の複数のスライドドアが上記車体に取り付けられ、スライドドアと車体とが互いに接触する位置にスイッチ3が設けられ、スイッチ3の設置位置は、限定されなくてもよく、本発明の一実施例では、スイッチ3の設置位置は、スライドドアと車体とが接触するガイドレールにある。スイッチ3は、スライドドアが閉じているときに車体電気モジュール1とスライドドア電気モジュール2との回路を接続するためのものであり、スイッチ3は、接点式スイッチであり、2つの部分に分けられ、一方の部分がスライドドアに設けられ、他方の部分が車体に設けられ、スライドドアが閉じているときに、スイッチ3のスライドドアにおける一方の部分が車体における他方の部分と接触して車体とスライドドアが常に接続状態を保持するスライドドアヒンジ4の回路と協働して、車体電気モジュール1とスライドドア電気モジュール2との回路を接続する。また、スライドドアが開いているときに、スイッチ3のスライドドアにおける一方の部分と車体における他方の部分との接触が解除されて、車体電気モジュール1とスライドドア電気モジュール2との回路を切断する。
【0026】
図1に示すように、上記スライドドア制御モジュール21は、スライドドア内のスライドドア電気モジュール2に設けられ、スライドドアが開いているときにスライドドア内の各部品の正常な運転を維持し、かつスライドドアが閉じているときに車体電気モジュール1内の主電源11及び車体コントローラ12から供給される電力サポート及び制御サポートを受けることができる。ドア制御モジュール21は、統合されたバックアップ電源211及びコントローラ212を含む。上記バックアップ電源211は、回路によってスライドドアの各電気部品に電気的に接続され、更に回路によってスイッチ3に電気的に接続され、上記設置方式により、バックアップ電源211は、スライドドア電気モジュール2における各電気部品に電力サポートを提供するとともに、スイッチ3によって主電源に接続されて充電することができる。上記コントローラ212は、スライドドアの制御する必要がある各部品に電気的に接続され、更に回路によってスイッチ3に電気的に接続される。コントローラ212には、無線通信モジュールが更に設けられ、回路によって車体電気モジュール1における車体コントローラ12に有線で接続されるだけでなく、無線ネットワークによって車体コントローラ12と通信することができて、スライドドアが無線状態で車体コントローラ12からの制御サポートを受けることを実現し、例えば、ドアをロックし、窓を開けるなどの動作の正常な操作及び制御を実現する。
【0027】
スライドドアが閉じているとき、スライドドア電気モジュール2の回路は、スイッチ3によって車体電気モジュール1の回路に接続され、車両の主電源11及び車体コントローラ12は、スイッチ3によってスライドドアの各電気部品及び制御する必要がある各部品に接続され、主電源11は、スライドドアの各電気部品に電力サポートを提供し、車体コントローラ12は、スライドドアの制御する必要がある各部品に制御サポートを提供し、スライドドアが開いているとき、車体電気モジュール1の回路とスライドドア電気モジュール2の回路との接続が切断され、ドア制御モジュール21に統合されたバックアップ電源211がスライドドアの各電気部品に電力サポートを提供し、バックアップ電源211とスライドドアヒンジ4は、それぞれスライドドア電気モジュール2に電源と補助接地を提供し、コントローラ212は、スライドドアの制御する必要がある各部品の動作を制御し、例えば、ガラスモータ23を制御してドア窓ガラスの昇降を実現し、電動ドアロック22のスイッチなどを制御するとともに、内蔵された無線通信モジュールによって車体コントローラ12と適時通信し、スライドドアの開閉状態を車体コントローラ12によって車両のコンビネーションメーターパネルにフィードバックして表示し、運転者にスライドドアの開状態を知らせ、ドア閉め忘れの問題の発生を回避し、また、コントローラ212は、車体コントローラ12から送信されたスリープ信号を受信すると、同期してスリープ状態に入る。
【0028】
また、本発明の一実施例では、上記スライドドア内にドア中央制御室が設けられ、ドア中央制御室は、スライドドアハンドルの底部側のドア本体に設けられる。上記ドア中央制御室内には、電源室及びコントローラ室が更に設けられ、前記電源室は、上記バックアップ電源211を取り付け、コントローラ室は、コントローラ212を配置する。
【0029】
本実施例では、スライドドアには、サブメーターパネルが更に設けられ、サブメーターパネルは、ドア制御モジュール21に統合され、バックアップ電源211及びコントローラ212に電気的に接続され、スライドドアの各部品の動作状態を表示する。サブメーターパネルは、スライドドアの車体内部に近接する側に位置し、車内のユーザは、サブメーターパネルによってスライドドアの各部品の状態を知ることができ、グラフィック操作によりサブメーターパネルとインタラクションしてスライドドアの各部品の操作を制御する。
【0030】
本実施例では、ドア中央制御室には、パネルキャビティが更に設けられ、上記パネルキャビティは、開放式キャビティであり、中央制御室の車体内部に近接する側に設けられ、車体内部側に向かって開放される。上記サブメーターパネルは、ドア中央制御室におけるパネルキャビティ内に固定される。
【0031】
図1に示すように、本発明の一実施例では、上記スイッチ3は、第1接点31と第2接点32とを含む接点式スイッチである。上記第1接点31は、車体とスライドドアとが接触する位置、例えば、スライドドアと車体とが接触するガイドレールに設けられ、上記第2接点32は、第1接点31の車体における位置に対応してスライドドアに設けられる。第1接点31は、回路によって車体における車体電気モジュール1の主電源11及び車体コントローラ12に電気的に接続され、第2接点32は、回路によってスライドドアにおけるスライドドア電気モジュール2のバックアップ電源211、コントローラ212、電動ドアロック22、ガラスモータ23などの各部品に電気的に接続される。
【0032】
また、本実施例では、スライドドアが閉じているとき、スイッチ3の第1接点31と第2接点32とが接触して接点式スイッチがオンになり、上記車体電気モジュール1とスライドドア電気モジュール2との回路がスイッチ3とスライドドアヒンジ4との協働によって接続され、スライドドアが開いているとき、スイッチ3の第1接点31と第2接点32との接触が解除されて接点式スイッチが閉じ、上記車体電気モジュール1とスライドドア電気モジュール2との回路が切断される。
【0033】
図1に示すように、本発明の一実施例では、上記スライドドアには、電動ドアロック23が更に設けられ、コントローラ212は、電動ドアロック22に電気的に接続され、電動ドアロック22は、スライドドアの開閉時に、コントローラ212にアンロック信号及びロック信号を送信し、コントローラ212は、電動ドアロック22から送信されたアンロック信号及びロック信号を受信することにより、スライドドアが開状態にあるか閉状態にあるかを検出する。
【0034】
図1に示すように、本発明の一実施例では、上記スライドドアのドア制御モジュール21内に電気量検出器が更に統合され、上記電気量検出器は、バックアップ電源211とコントローラ212に電気的に接続され、バックアップ電源211の電気量を監視し、バックアップ電源211に残った電気量が設定された電気量値よりも低いことを検出した場合、電気量不足の信号を送信してコントローラ212を経由して中継されて車体コントローラ12と通信するか、又は接続された回路によって車体コントローラ12に直接送信し、最終的にコンビネーションメーターパネルによって表示し、ブザーで警報し、スライドドアが閉状態にある場合、車体電気モジュール1における主電源11は、スイッチ3により接続された回路によってバックアップ電源11を充電し、スライドドアが開状態にある場合、まず、ユーザがスライドドアを閉める必要があり、次に車体電気モジュール1における主電源11によってバックアップ電源11を充電する。
【0035】
図1に示すように、本発明に係るライドドア制御モジュールは、スライドドア内に設けられる。上記ライドドア制御モジュールは、バックアップ電源211とコントローラ212とを含む。スライドドア制御モジュールは、スライドドアが開いているときにスライドドアの各部品の正常な運転を維持し、かつスライドドアが閉じているときに車体電気モジュール1における主電源11及び車体コントローラ12から提供される電力サポート及び制御サポートを受けることができる。上記スライドドア制御モジュールは、統合されたバックアップ電源211及びコントローラ212を含む。上記バックアップ電源211は、回路によってスライドドアの各電気部品、例えば、電動ドアロック23、ガラスモータ24及びガラス窓スイッチなどの部品に電気的に接続され、更に回路によってスイッチ3に電気的に接続され、上記設置方式により、バックアップ電源211は、スライドドア電気モジュール2における各電気部品に電力サポートを提供するとともに、スイッチ3によって主電源に接続されて充電することができる。上記コントローラ212は、スライドドアの制御する必要がある各部品、例えば、電動ドアロック23、ガラスモータ24及びガラス窓スイッチなどの部品に電気的に接続され、更に回路によってスイッチ3に電気的に接続される。コントローラ212には、無線通信モジュールが更に設けられ、回路によって車体電気モジュール1における車体コントローラ12に有線で接続されるだけでなく、無線ネットワークによって車体コントローラ12と通信することができて、スライドドアが無線状態で車体コントローラ12からの制御サポートを受けることを実現し、例えば、ドアをロックし、窓を開けるなどの動作の正常な操作及び制御を実現する。
【0036】
本発明に係る車両には、車両のスライドドアがワイヤーハーネスで接続する必要がなく正常な動作を維持できるように、スライドドア電子制御システムが取り付けられており、当該スライドドア電子制御システムは、車体とスライドドアとの接触位置にスイッチ3を設けることにより、車体とスライドドアとの回路がワイヤーハーネスで接続する必要がなく、スライドドアが閉じているときに接続することができ、かつスライドドアにバックアップ電源211及びコントローラ212を設けることにより、スライドドアが開いているときにスライドドアの正常な動作を維持する。以上より、本発明に係る車両は、スライドドア電子制御システムを設けることにより、ワイヤーハーネスの接続設計がない場合にスライドドアの正常な動作を維持することができ、かつ当該電子制御システムは、構造が簡単で、汎用性が高く、統合度が高いという利点を有し、他のスライドドア部材と自由に組み合わせて設計することができ、車両のスライドドアのコストを効果的に低減する。
【0037】
以上に開示された本発明の好ましい実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎない。好ましい実施例は、全ての詳細を詳しく説明するものではなく、本発明を説明する具体的な実施形態のみに限定するものではない。当然のことながら、本明細書の内容に基づいて、多くの修正及び変更が可能である。本明細書においてこれらの実施例を選択して具体的に説明するのは、本発明の原理及び実際の応用をよりよく解釈し、当業者が本発明をよく理解して利用できるようにするためである。本発明は、特許請求の範囲及びその全範囲と均等物によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0038】
1 車体電気モジュール
11 主電源
12 車体コントローラ
2 スライドドア電気モジュール
21 ドア制御モジュール
211 バックアップ電源
212 コントローラ
22 電動ドアロック
23 ガラスモータ
24 サブメーターパネル
3 スイッチ
31 第1接点
32 第2接点
4 スライドドアヒンジ
【国際調査報告】