(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置
(51)【国際特許分類】
B21B 31/08 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
B21B31/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024503938
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 EP2022069139
(87)【国際公開番号】W WO2023001599
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021207948.2
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ツェッチェ・ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ベレンデス・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ボンガース・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】デーリング・トーマス
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロール2の交換のためのロール交換装置1に関し、このロール交換装置1が、ロール交換車両3を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロール2が輸送され得る。そのようなロール交換装置を、ロール交換車両の、容易化されたもしくは確実な荷積みおよび荷降ろしを保証するように、改良するために、本発明は、前記ロール交換装置1が、1つのカセット4を備えており、このカセットが、解離可能に、前記ロール交換車両3内において配置され得、前記カセット4が、前記ロール2のための収容スペース5を備えていることを意図する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロール(2)の交換のためのロール交換装置(1)であって、
このロール交換装置(1)が、ロール交換車両(3)を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロール(2)が輸送され得る、上記ロール交換装置において、
前記ロール交換装置(1)が、少なくとも1つのカセット(4)を備えており、
このカセットが、解離可能に、前記ロール交換車両(3)内において配置され得、
前記カセット(4)が、前記ロール(2)のための収容スペース(5)を備えている、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記カセット(4)は、ロール(2)のための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペース(5)を有していることを特徴とする請求項1に記載のロール交換装置。
【請求項3】
前記カセット(4)は、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のロール交換装置。
【請求項4】
前記カセット(4)は、2つ基礎構造部材から成る、
即ち、前記ロール(2)のための前記収容スペース(5)を有する前記基礎本体(7)と、この基礎本体(7)と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバー(8)とから成る、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のロール交換装置。
【請求項5】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えていることを特徴とする請求項4に記載のロール交換装置。
【請求項6】
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、
前記クレーンクロスメンバー(8)は、前記基礎本体(7)を、少なくとも、この基礎本体(7)の外側(9)の一部において囲繞することを特徴とする請求項4または5に記載のロール交換装置。
【請求項7】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、垂直方向に延在する複数の支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする請求項6に記載のロール交換装置。
【請求項8】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする請求項7に記載のロール交換装置。
【請求項9】
前記基礎本体(7)は、長手方向延在(L)を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロール(2)の軸線に相応し、
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱(10、12)が、前記基礎本体(7)の、前記長手方向延在(L)に関して軸線方向の端部領域(13、14)において配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載のロール交換装置。
【請求項10】
前記ロール交換装置は、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載のロール交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置に関し、
このロール交換装置が、ロール交換車両を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロールが輸送され得る。
【背景技術】
【0002】
この様式のロール交換装置は、例えば、特許文献1内において開示されている。そこで記載されている装置は、6重式圧延スタンドにおける迅速なロール交換のために利用され、その際、ロール交換車両が使用される。類似する、並びに、更に別の解決策を、特許文献2、3、4、および、5が示している。
【0003】
従来、ワークロールもしくは中間ロールの交換の際に、個々のロールが、別個に、圧延スタンドとロール交換車両との間、もしくは、ロール交換車両とロール整備場との間で輸送されるように処置される。
【0004】
その際、ロールの交換のプロセスが、自動化が難しいことは欠点である。更に、交換のために、個々のロールを輸送するためにこのクレーン装置が圧延設備において配置されている、クレーン装置の高い動作性が必要である。
【0005】
ロールの交換の際の、圧延設備の近傍における相応する多数の手動の関与によって、同様に安全性の問題も存在し、従って、安全な作業のために、比較的に高い経費が費やされねばならない。特別の問題は、ロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしを行う人員が、クレーン動作の間じゅう、部分的に、ロール離脱に対して十分に保護されていないことにある。
【0006】
ロールの交換、および、特にロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしは、これに伴って、時間的な浪費、および、人員的な浪費であり、且つ、相応して費用がかさむ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0 911 089 B1号明細書
【特許文献2】欧州特許第1 136 143 B1号明細書
【特許文献3】欧州特許第2 150 361 B1号明細書
【特許文献4】欧州特許第3 167 975 B1号明細書
【特許文献5】特開平07-108305A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式のロール交換装置を、ロール交換車両の、容易化されたもしくは確実な荷積みおよび荷降ろしを保証するように、改良することである。この工程は、更により迅速に実現され得るべきであり、従って、より経済的な作業が可能である。要するに、安全性の条件は改善され得るべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による、この課題の解決策は、
前記ロール交換装置が、少なくとも1つのカセットを備えており、
このカセットが、解離可能に、前記ロール交換車両内において配置され得、
前記カセットが、前記ロールのための収容スペースを備えていることによって特徴付けられている。
【発明の効果】
【0010】
前記カセットは、有利には、ロールのための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペースを有している。
【0011】
前記カセットが、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段を備えていることは可能である。
【0012】
本発明の有利な実施形態は、前記カセットが、2つ基礎構造部材から成る、即ち、前記ロールのための前記収容スペースを有する前記基礎本体と、この基礎本体と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバーとから成ることを意図している。
有利には、その際、前記クレーンクロスメンバーは、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段を備えている。
【0013】
前記基礎本体と前記クレーンクロスメンバーとが互いに結合されている場合、前記クレーンクロスメンバーが、その際、カセットの前記基礎本体を、少なくとも、この基礎本体の外側の一部において囲繞することは可能である。
前記クレーンクロスメンバーは、その際、有利には、垂直方向に延在する複数の支柱を有しており;且つ、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱が設けられていることは可能である。
【0014】
更なる構成に従い、前記基礎本体は、長手方向延在を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロールの軸線に相応し、
前記基礎本体と前記クレーンクロスメンバーとが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱が、前記基礎本体の、前記長手方向延在に関して軸線方向の端部領域において配置されていることが意図されている場合、輸送安全保護性の確立の目的で特に有利である。
【0015】
前記ロール交換装置は、有利には、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素である。
【0016】
提案されたコンセプトは、これに伴って、ロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしのために、輸送可能な(別個の)カセットを設けることを目指しており、このカセットが、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロールの装着の後、このロール交換車両内において位置決めされ得、且つ、このロール交換車両によって輸送され得る。
【0017】
ワークロール及び/または中間ロールの交換の際に、それに応じて、カセットは、個々のロールを装着され、且つ、この装着されたカセットが、次いで、室内クレーンを用いて、ロール交換車両内へと持ち上げられる。有利には、しかしながら強制的ではなく、その際、カセット内において設けられている、ロールのための全ての収容スペースが利用される。
【0018】
適当なクレーン設備(室内クレーン)によって、交換カセットは、自動的に、交換車両の上に設置され得、且つ、この交換車両から、同様に再び取り出され得る。適当な装置によって、カセットは、ロール整備場内において、自動的に荷積みおよび荷降ろしされ得る。
【0019】
記載されたロール交換装置の使用のための有利な作動方法は、従って、圧延スタンドにおける、もしくは、ロール整備場内における、(ロール交換車両から取り出された状態における)カセットが、ロールを装着している、もしくは、これらロールが、カセットから取り出されることを意図している。カセットが装着されている場合、このカセットは、ロール交換車両の上に、(クレーンを用いて)載置される。
【0020】
ロールの交換は、従って、圧延スタンドとカセットとの間、もしくは、カセットとロール整備場との間で行われ、その際、このカセットが、ロール交換車両の上に配置されていない。
【0021】
上述されているように、カセットが、1つの部材から成るように、または、(基礎本体とクレーンクロスメンバーとから)2つの部材から成るように形成されていることは可能である。上述のうち後者の場合、従って、カセットの基礎本体は、カスタマイズされた(massgefertigten)クレーンクロスメンバー(負荷懸吊装置)によって囲繞される。
【0022】
クレーンクロスメンバーは、この場合において、カセット内におけるロールの輸送安全保護性を引き受けることが可能であり、即ち、ロールが、その場合に、カセットの基礎本体内において、これらロールの長手方向軸線の方向における移動に対して保護されている。このことは、新しい、もしくは、再生されたロールが輸送されるべき場合、同様に極めて有利である。何故ならば、このことによって、圧延スタンドへの輸送の際の損傷が、回避され得るからである。
【0023】
ロールが、中断無しに隔離され得ること、即ち、熱的な応力のためのロール離脱が、操作従業員を危険に曝す可能性がないことは、更に有利である。
【0024】
カセットの簡単な且つコストの安い構造(このことは、特に上述された2つの部材から成るような実施形態の際に有効である)によって、本発明に従う提案は、安いコストで実現され得る。
【0025】
更に、提案されたコンセプトの使用の際に、ロール交換の後、極めて迅速に、改めてのロール交換のための準備状態が与えられていることは有利である。
【0026】
カセットの装着は、同様にロール整備場内においても自動的に行われ得、即ち、ロール整備場内におけるカセットの手動での装着が回避され得、このことは、時間の浪費、精確性、並びに、安全性に関して有利である。
【0027】
カセットは、同様に、ロール整備場内におけるロール支承位置としても使用され得る。
【0028】
これに伴って、総じて、圧延設備における高い安全性と、ロールの荷積みおよび荷降ろしの際のクレーン動作性と、および、ロール交換の間じゅうの操作従業員についての節減可能性とが与えられる。
【0029】
圧延スタンド内における、ロールの交換の際の、処置方法に関して、明確に、上述された出願人の特許文献1が引き合いに出される。ここで、特に、どのように、捕捉車両の使用のもとで、「サイドシフター」によって、交換されるべきロールの取り扱いが行われるかが説明されている。
【0030】
図内において、本発明の実施例が図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】透視図における、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置の図であり、その際、ロール交換車両が図示されており、このロール交換車両内に、交換されるべきロールの収容のためのカセットが装入されている。
【
図2】透視図における、
図1に従う配置の図であり、その際、カセットが、ロール交換車両から持ち上げて出されている。
【
図3】透視図における、収容されたロールを有するカセットの図である。
【
図4】透視図における、カセットの基礎本体の図である。
【
図5】
図4に従うカセットの基礎本体の前方からの眺望における図である。
【
図6】透視図における、ロールの、相互に重なり合って配置され積み重ねられた、2つの基礎本体の図である。
【
図7】クレーンによって輸送の間じゅうの、ロールを有するカセットの図であり、その際、水平方向軸線を中心として旋回されたカセットの位置が図示されている。
【
図8】透視図における、
図2に対して類似する配置の図であり、その際、ここで、カセットが、他の実施形態において実現されている。
【
図9】ロールを有するカセットの荷積みもしくは荷降ろしの工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1内において、ロール交換装置1が見て取れ得、このロール交換装置が、基本的に、ロール交換車両3と、少なくとも1つのカセット4から成り、このカセットが、荷積み、もしくは、荷降ろしするロール2の収容のために利用される。これらロール2は、圧延スタンド内において必要とされる、ワークロールまたは中間ロールである。
これに伴って、ロール交換装置1は、少なくとも1つのカセット4を備えており、このカセットが、解離可能にロール交換車両3内において配置されていることは可能である。カセット4は、ロール2のための収容スペース5(
図5を参照)を備えている。
【0033】
これに伴って、先ず第一に、(図示されていない)圧延スタンドにおいて、カセット4にロール2を荷積みすること、および、次いで、荷積みされたカセットを、室内クレーンを用いて、ロール交換車両3内に装入することの可能性が存在する。
このことは、
図2内において図解されており、ここで、カセット4が、未だに、ロール交換車両3内における、このカセットの収容スペース内において配置されていないことが認識され得る。室内クレーンを用いてのカセットの取り扱いもしくは輸送は、カセット4に配置されている荷物引っ掛け手段6によって許容される。
【0034】
(
図1から7に従う)有利な実施形態が、その際、カセット4が基本的に2つの部材として形成されていることは意図されている。これらカセットは、一方では基礎本体7を、および、他方ではクレーンクロスメンバー8を備えており;このことは、特に
図3から読み取れる。
ここで、特に、
図4と5との統合した観点において、基本的に直方体形状の基礎幾何学的形状を有する基礎本体7が長手方向延在Lを有しており、この長手方向延在が、収容されるロール2の回転軸線に相応していることは見て取れ得る。これに伴って、基礎本体7の軸線方向の端部領域13および14が与えられる。
【0035】
ロール2を荷積みされた基礎本体7に、次いで、クレーンクロスメンバー8が載置され、且つ、このクレーンクロスメンバーが、この基礎本体7と固着される。この目的のために、クレーンクロスメンバーの(図示されていない)係合するフックが使用されることは可能であり、これらフックが、基礎本体7内における相応する切欠き部内へと係合する。
ロールを装着されたカセット4は、次いで、荷物引っ掛け手段6を用いて、室内クレーンによって輸送され得、且つ、ロール交換車両3へと移動され得る。
【0036】
図3から、クレーンクロスメンバー8が、複数の支柱10、11、12を有しており、これら支柱が、垂直方向(これは、この装置の規定通りの使用の際の、垂直方向が理解されるべきである)に延在し、その際、このクレーンクロスメンバー8が基礎本体7の上に載置され且つこの基礎本体と結合される場合、支柱10、11、12が、基礎本体7の外側9(特に
図5を参照)に配置されることは見て取れる。
これら支柱が、問題の無く、基礎本体7に載置され得るために、支柱10、11、12は、その際、垂直方向に、クロスメンバーの、上側に配置された部分を起点として下方へと延在しており、且つ、ここで自由である。このことは、ロールを装着された基礎本体7を、クレーンクロスメンバー8と連結すること、および、従って輸送のために完成することを特に容易にする。
【0037】
この関連において、支柱10が一方の軸線方向の端部領域13内において、および、支柱12が他方の軸線方向の端部領域14内において位置することとなることは指摘され得る。このようにして、有利な方法において、輸送安全保護性が確立され得、このことは、
図7から明らかである。
ここで、輸送の間じゅうのカセット4の位置が図示されており、その際、このカセットは、不都合な方法での輸送の際に、垂直方向Vに対して或る角度において位置することとなる。上記のことに応じて、ロール2が、長手方向延在Lの方向に、カセット4内において移動する可能性がある。この移動は、しかしながら、支柱10もしくは12によって制限され、且つ、これに伴って、ロール2が、カセット4から落下するのを阻止される。
【0038】
図5内において、ロール2のための、異なる収容スペース5が示唆されている。
図6から、複数の基礎本体7が積み重ねられ得ることが読み取れ、このことは、格納に関して有利である。
【0039】
図8内において、カセット4の選択的な実施形態が見て取れ得、その際、ここで、他の構成が設けられている。同様にここでも設けられているクレーンクロスメンバー8は、ここで、基礎本体7の上側の端部領域内においてグリップしている。
この図内において、同様に保護フード15も図示されており、この保護フードが、全ての実施形態の変形例において設けられていることは可能であり、且つ、この保護フードがロール破裂(Walzenplatzern)の場合における保護を提供する。
【0040】
図9内において、ロール2がカセット4内へと荷積みされるかまたはこのカセットから荷降ろしされる際に、どのようにカセット4が取り扱われるのかが図解されている。この目的のために、押込みもしくは引出し装置16が設けられており、これら押込みもしくは引出し装置によって、個々のロール2が、相前後して、長手方向延在L内において、カセット4から押し出され得、または、このカセット内へと引き入れられ得る。
昇降装置17は、カセットを、その垂直方向位置において押込みもしくは引出し装置16がロール2のための相応する収容スペース5内に係合可能である、該垂直方向位置に移動する。
図9内において図示された取り扱いは、圧延スタンドおよびロール整備場内において使用可能である。
【0041】
提案されたコンセプトは、個々のロールの改善された追跡を許容する以下の構成によって補足され得る:即ち、
【0042】
カセット4の自動化された荷積みの際のロール追跡は、ロール整備場内において可能である。それぞれのロール2は、この目的のために、識別素子、例えば無線周波数識別チップ(RFID-Chip)を備えている。このチップは、カセット4の荷積みの際に、ロール整備場内における荷積みユニットにおける適当な読取機器の使用によって読み取られる。
それに加えて、それぞれのカセット4は、そのような識別素子、例えば無線周波数識別チップを備えている。これに伴って、それぞれのロール2と、交換カセット4内におけるこれらロールの位置とが周知されることは保証されている。
【0043】
ロール交換車両3は、カセット4の停止位置において、同様に、このカセット4を検出する読取機器を備えている。これに伴って、どのロール2がどの位置において位置しているか、および、どの位置を、このロール2が、ロール交換の後に、スタンド内において場所を占めるかが周知されている。
【0044】
ロール選択は、ロールショップマネジメントシステム(Roll-Shop-Management-System)への接続によって実施され得、このロールショップマネジメントシステムが、例えば、デジタルメンテナンスシステム(Digital-Maintenance-System)(メンテナンス処置の管理のためのシステム)のデータ、もしくは、情報を与えられる。
このようにして、それぞれの生産計画に応じて、カセット4は、状況的に構成されて、装着され得る。
【0045】
カセット4内において、同様に、少ない数だけの(少なくとも2つの)ロールが収容され得るのに対して、全く同様に、カセット4を、4重式圧延スタンドまたは6重式圧延スタンドの場合における全部揃ったロールセットの収容のために構成することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ロール交換装置
2 ワークロール/中間ロール
3 ロール交換車両
4 カセット
5 ロールのための収容スペース
6 荷物引っ掛け手段
7 カセットの基礎本体
8 カセットのクレーンクロスメンバー
9 基礎本体の外側
10 支柱
11 支柱
12 支柱
13 基礎本体の軸線方向の端部領域
14 基礎本体の軸線方向の端部領域
15 保護フード
16 押込み-/引出し装置
17 昇降装置
L 基礎本体の長手方向延在
V 垂直方向
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置に関し、
このロール交換装置が、ロール交換車両を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロールが輸送され得、
前記ロール交換装置が、少なくとも1つのカセットを備えており、および、前記カセットが、前記ロールのための収容スペースを備えている。
【背景技術】
【0002】
この様式のロール交換装置は、特許文献1内において開示されている。交換のために取り付けられるべきロールは、ここで、先ず第一に、ロール積荷ステーションにより、ロール交換車両へと移動され、このロール交換車両が、これらロールを収容するためのカセットを担持している。ロール積荷ステーションからロール交換車両内へのロールの積み替えの後、次いで、これらロールの交換が行われる。類似の解決策は、特許文献2が示している。
他のロール交換装置は、特許文献3内において開示されている。そこで記載されている装置は、6重式圧延スタンドにおける迅速なロール交換のために利用され、その際、ロール交換車両が使用される。類似する、並びに、更に別の解決策を、特許文献4、5、6、7、および、8が示している。
【0003】
従来、ワークロールもしくは中間ロールの交換の際に、個々のロールが、別個に、圧延スタンドとロール交換車両との間、もしくは、ロール交換車両とロール整備場との間で輸送されるように処置される。
【0004】
その際、ロールの交換のプロセスが、自動化が難しいことは欠点である。更に、交換のために、個々のロールを輸送するためにこのクレーン装置が圧延設備において配置されている、クレーン装置の高い動作性が必要である。
【0005】
ロールの交換の際の、圧延設備の近傍における相応する多数の手動の関与によって、同様に安全性の問題も存在し、従って、安全な作業のために、比較的に高い経費が費やされねばならない。特別の問題は、ロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしを行う人員が、クレーン動作の間じゅう、部分的に、ロール離脱に対して十分に保護されていないことにある。
【0006】
ロールの交換、および、特にロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしは、これに伴って、時間的な浪費、および、人員的な浪費であり、且つ、相応して費用がかさむ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第32 44 200A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第5 887 472 A号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 911 089 B1号明細書
【特許文献4】欧州特許第1 136 143 B1号明細書
【特許文献5】欧州特許第2 150 361 B1号明細書
【特許文献6】欧州特許第3 167 975 B1号明細書
【特許文献7】特開平07-108305A号公報
【特許文献8】特開平09-10844A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式のロール交換装置を、ロール交換車両の、容易化されたもしくは確実な荷積みおよび荷降ろしを保証するように、改良することである。この工程は、更により迅速に実現され得るべきであり、従って、より経済的な作業が可能である。要するに、安全性の条件は改善され得るべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による、この課題の解決策は、
前記カセットが、解離可能に、前記ロール交換車両内において配置され得、
前記カセットが、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段を備えており、および、
前記カセットが、2つ基礎構造部材から成る、
即ち、前記ロールのための前記収容スペースを有する前記基礎本体と、この基礎本体と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバーとから成る、
ことによって特徴付けられている。
【発明の効果】
【0010】
前記カセットは、有利には、ロールのための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペースを有している。
【0011】
有利には、その際、前記クレーンクロスメンバーは、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段を備えている。
【0012】
前記基礎本体と前記クレーンクロスメンバーとが互いに結合されている場合、前記クレーンクロスメンバーが、その際、カセットの前記基礎本体を、少なくとも、この基礎本体の外側の一部において囲繞することは可能である。
【0013】
前記クレーンクロスメンバーは、その際、有利には、垂直方向に延在する複数の支柱を有しており;且つ、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱が設けられていることは可能である。
【0014】
更なる構成に従い、前記基礎本体は、長手方向延在を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロールの軸線に相応し、
前記基礎本体と前記クレーンクロスメンバーとが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱が、前記基礎本体の、前記長手方向延在に関して軸線方向の端部領域において配置されていることが意図されている場合、輸送安全保護性の確立の目的で特に有利である。
【0015】
前記ロール交換装置は、有利には、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素である。
【0016】
提案されたコンセプトは、これに伴って、ロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしのために、輸送可能な(別個の)カセットを設けることを目指しており、このカセットが、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロールの装着の後、このロール交換車両内において位置決めされ得、且つ、このロール交換車両によって輸送され得る。
【0017】
ワークロール及び/または中間ロールの交換の際に、それに応じて、カセットは、個々のロールを装着され、且つ、この装着されたカセットが、次いで、室内クレーンを用いて、ロール交換車両内へと持ち上げられる。有利には、しかしながら強制的ではなく、その際、カセット内において設けられている、ロールのための全ての収容スペースが利用される。
【0018】
適当なクレーン設備(室内クレーン)によって、交換カセットは、自動的に、交換車両の上に設置され得、且つ、この交換車両から、同様に再び取り出され得る。適当な装置によって、カセットは、ロール整備場内において、自動的に荷積みおよび荷降ろしされ得る。
【0019】
記載されたロール交換装置の使用のための有利な作動方法は、従って、圧延スタンドにおける、もしくは、ロール整備場内における、(ロール交換車両から取り出された状態における)カセットが、ロールを装着している、もしくは、これらロールが、カセットから取り出されることを意図している。カセットが装着されている場合、このカセットは、ロール交換車両の上に、(クレーンを用いて)載置される。
【0020】
ロールの交換は、従って、圧延スタンドとカセットとの間、もしくは、カセットとロール整備場との間で行われ、その際、このカセットが、ロール交換車両の上に配置されていない。
【0021】
上述されているように、カセットが、1つの部材から成るように、または、(基礎本体とクレーンクロスメンバーとから)2つの部材から成るように形成されていることは可能である。上述のうち後者の場合、従って、カセットの基礎本体は、カスタマイズされた(massgefertigten)クレーンクロスメンバー(負荷懸吊装置)によって囲繞される。
【0022】
クレーンクロスメンバーは、この場合において、カセット内におけるロールの輸送安全保護性を引き受けることが可能であり、即ち、ロールが、その場合に、カセットの基礎本体内において、これらロールの長手方向軸線の方向における移動に対して保護されている。このことは、新しい、もしくは、再生されたロールが輸送されるべき場合、同様に極めて有利である。何故ならば、このことによって、圧延スタンドへの輸送の際の損傷が、回避され得るからである。
【0023】
ロールが、中断無しに隔離され得ること、即ち、熱的な応力のためのロール離脱が、操作従業員を危険に曝す可能性がないことは、更に有利である。
【0024】
カセットの簡単な且つコストの安い構造(このことは、特に上述された2つの部材から成るような実施形態の際に有効である)によって、本発明に従う提案は、安いコストで実現され得る。
【0025】
更に、提案されたコンセプトの使用の際に、ロール交換の後、極めて迅速に、改めてのロール交換のための準備状態が与えられていることは有利である。
【0026】
カセットの装着は、同様にロール整備場内においても自動的に行われ得、即ち、ロール整備場内におけるカセットの手動での装着が回避され得、このことは、時間の浪費、精確性、並びに、安全性に関して有利である。
【0027】
カセットは、同様に、ロール整備場内におけるロール支承位置としても使用され得る。
【0028】
これに伴って、総じて、圧延設備における高い安全性と、ロールの荷積みおよび荷降ろしの際のクレーン動作性と、および、ロール交換の間じゅうの操作従業員についての節減可能性とが与えられる。
【0029】
圧延スタンド内における、ロールの交換の際の、処置方法に関して、明確に、上述された出願人の特許文献3が引き合いに出される。ここで、特に、どのように、捕捉車両の使用のもとで、「サイドシフター」によって、交換されるべきロールの取り扱いが行われるかが説明されている。新しい
【0030】
図内において、本発明の実施例が図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】透視図における、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置の図であり、その際、ロール交換車両が図示されており、このロール交換車両内に、交換されるべきロールの収容のためのカセットが装入されている。
【
図2】透視図における、
図1に従う配置の図であり、その際、カセットが、ロール交換車両から持ち上げて出されている。
【
図3】透視図における、収容されたロールを有するカセットの図である。
【
図4】透視図における、カセットの基礎本体の図である。
【
図5】
図4に従うカセットの基礎本体の前方からの眺望における図である。
【
図6】透視図における、ロールの、相互に重なり合って配置され積み重ねられた、2つの基礎本体の図である。
【
図7】クレーンによって輸送の間じゅうの、ロールを有するカセットの図であり、その際、水平方向軸線を中心として旋回されたカセットの位置が図示されている。
【
図8】透視図における、
図2に対して類似する配置の図であり、その際、ここで、カセットが、他の実施形態において実現されている。
【
図9】ロールを有するカセットの荷積みもしくは荷降ろしの工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1内において、ロール交換装置1が見て取れ得、このロール交換装置が、基本的に、ロール交換車両3と、少なくとも1つのカセット4から成り、このカセットが、荷積み、もしくは、荷降ろしするロール2の収容のために利用される。これらロール2は、圧延スタンド内において必要とされる、ワークロールまたは中間ロールである。
これに伴って、ロール交換装置1は、少なくとも1つのカセット4を備えており、このカセットが、解離可能にロール交換車両3内において配置されていることは可能である。カセット4は、ロール2のための収容スペース5(
図5を参照)を備えている。
【0033】
これに伴って、先ず第一に、(図示されていない)圧延スタンドにおいて、カセット4にロール2を荷積みすること、および、次いで、荷積みされたカセットを、室内クレーンを用いて、ロール交換車両3内に装入することの可能性が存在する。
このことは、
図2内において図解されており、ここで、カセット4が、未だに、ロール交換車両3内における、このカセットの収容スペース内において配置されていないことが認識され得る。室内クレーンを用いてのカセットの取り扱いもしくは輸送は、カセット4に配置されている荷物引っ掛け手段6によって許容される。
【0034】
(
図1から7に従う)有利な実施形態が、その際、カセット4が基本的に2つの部材として形成されていることは意図されている。これらカセットは、一方では基礎本体7を、および、他方ではクレーンクロスメンバー8を備えており;このことは、特に
図3から読み取れる。
ここで、特に、
図4と5との統合した観点において、基本的に直方体形状の基礎幾何学的形状を有する基礎本体7が長手方向延在Lを有しており、この長手方向延在が、収容されるロール2の回転軸線に相応していることは見て取れ得る。これに伴って、基礎本体7の軸線方向の端部領域13および14が与えられる。
【0035】
ロール2を荷積みされた基礎本体7に、次いで、クレーンクロスメンバー8が載置され、且つ、このクレーンクロスメンバーが、この基礎本体7と固着される。この目的のために、クレーンクロスメンバーの(図示されていない)係合するフックが使用されることは可能であり、これらフックが、基礎本体7内における相応する切欠き部内へと係合する。
ロールを装着されたカセット4は、次いで、荷物引っ掛け手段6を用いて、室内クレーンによって輸送され得、且つ、ロール交換車両3へと移動され得る。
【0036】
図3から、クレーンクロスメンバー8が、複数の支柱10、11、12を有しており、これら支柱が、垂直方向(これは、この装置の規定通りの使用の際の、垂直方向が理解されるべきである)に延在し、その際、このクレーンクロスメンバー8が基礎本体7の上に載置され且つこの基礎本体と結合される場合、支柱10、11、12が、基礎本体7の外側9(特に
図5を参照)に配置されることは見て取れる。
これら支柱が、問題の無く、基礎本体7に載置され得るために、支柱10、11、12は、その際、垂直方向に、クロスメンバーの、上側に配置された部分を起点として下方へと延在しており、且つ、ここで自由である。このことは、ロールを装着された基礎本体7を、クレーンクロスメンバー8と連結すること、および、従って輸送のために完成することを特に容易にする。
【0037】
この関連において、支柱10が一方の軸線方向の端部領域13内において、および、支柱12が他方の軸線方向の端部領域14内において位置することとなることは指摘され得る。このようにして、有利な方法において、輸送安全保護性が確立され得、このことは、
図7から明らかである。
ここで、輸送の間じゅうのカセット4の位置が図示されており、その際、このカセットは、不都合な方法での輸送の際に、垂直方向Vに対して或る角度において位置することとなる。上記のことに応じて、ロール2が、長手方向延在Lの方向に、カセット4内において移動する可能性がある。この移動は、しかしながら、支柱10もしくは12によって制限され、且つ、これに伴って、ロール2が、カセット4から落下するのを阻止される。
【0038】
図5内において、ロール2のための、異なる収容スペース5が示唆されている。
図6から、複数の基礎本体7が積み重ねられ得ることが読み取れ、このことは、格納に関して有利である。
【0039】
図8内において、カセット4の選択的な実施形態が見て取れ得、その際、ここで、他の構成が設けられている。同様にここでも設けられているクレーンクロスメンバー8は、ここで、基礎本体7の上側の端部領域内においてグリップしている。
この図内において、同様に保護フード15も図示されており、この保護フードが、全ての実施形態の変形例において設けられていることは可能であり、且つ、この保護フードがロール破裂(Walzenplatzern)の場合における保護を提供する。
【0040】
図9内において、ロール2がカセット4内へと荷積みされるかまたはこのカセットから荷降ろしされる際に、どのようにカセット4が取り扱われるのかが図解されている。この目的のために、押込みもしくは引出し装置16が設けられており、これら押込みもしくは引出し装置によって、個々のロール2が、相前後して、長手方向延在L内において、カセット4から押し出され得、または、このカセット内へと引き入れられ得る。
昇降装置17は、カセットを、その垂直方向位置において押込みもしくは引出し装置16がロール2のための相応する収容スペース5内に係合可能である、該垂直方向位置に移動する。
図9内において図示された取り扱いは、圧延スタンドおよびロール整備場内において使用可能である。
【0041】
提案されたコンセプトは、個々のロールの改善された追跡を許容する以下の構成によって補足され得る:即ち、
【0042】
カセット4の自動化された荷積みの際のロール追跡は、ロール整備場内において可能である。それぞれのロール2は、この目的のために、識別素子、例えば無線周波数識別チップ(RFID-Chip)を備えている。このチップは、カセット4の荷積みの際に、ロール整備場内における荷積みユニットにおける適当な読取機器の使用によって読み取られる。
それに加えて、それぞれのカセット4は、そのような識別素子、例えば無線周波数識別チップを備えている。これに伴って、それぞれのロール2と、交換カセット4内におけるこれらロールの位置とが周知されることは保証されている。
【0043】
ロール交換車両3は、カセット4の停止位置において、同様に、このカセット4を検出する読取機器を備えている。これに伴って、どのロール2がどの位置において位置しているか、および、どの位置を、このロール2が、ロール交換の後に、スタンド内において場所を占めるかが周知されている。
【0044】
ロール選択は、ロールショップマネジメントシステム(Roll-Shop-Management-System)への接続によって実施され得、このロールショップマネジメントシステムが、例えば、デジタルメンテナンスシステム(Digital-Maintenance-System)(メンテナンス処置の管理のためのシステム)のデータ、もしくは、情報を与えられる。
このようにして、それぞれの生産計画に応じて、カセット4は、状況的に構成されて、装着され得る。
【0045】
カセット4内において、同様に、少ない数だけの(少なくとも2つの)ロールが収容され得るのに対して、全く同様に、カセット4を、4重式圧延スタンドまたは6重式圧延スタンドの場合における全部揃ったロールセットの収容のために構成することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ロール交換装置
2 ワークロール/中間ロール
3 ロール交換車両
4 カセット
5 ロールのための収容スペース
6 荷物引っ掛け手段
7 カセットの基礎本体
8 カセットのクレーンクロスメンバー
9 基礎本体の外側
10 支柱
11 支柱
12 支柱
13 基礎本体の軸線方向の端部領域
14 基礎本体の軸線方向の端部領域
15 保護フード
16 押込み-/引出し装置
17 昇降装置
L 基礎本体の長手方向延在
V 垂直方向
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロール(2)の交換のためのロール交換装置(1)であって、
このロール交換装置(1)が、ロール交換車両(3)を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロール(2)が輸送され
得、
前記ロール交換装置(1)が、少なくとも1つのカセット(4)を備えており
、および、前記カセット(4)が、前記ロール(2)のための収容スペース(5)を備えている、
上記ロール交換装置において、
前記カセットが、解離可能に、前記ロール交換車両(3)内において配置され得、
前記カセット(4)が、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えており、および、
前記カセット(4)が、2つ基礎構造部材から成る、
即ち、前記ロール(2)のための前記収容スペース(5)を有する前記基礎本体(7)と、この基礎本体(7)と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバー(8)とから成る、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記カセット(4)は、ロール(2)のための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペース(5)を有していることを特徴とする請求項1に記載のロール交換装置。
【請求項3】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えていることを特徴とする
請求項1または2に記載のロール交換装置。
【請求項4】
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、
前記クレーンクロスメンバー(8)は、前記基礎本体(7)を、少なくとも、この基礎本体(7)の外側(9)の一部において囲繞することを特徴とする
請求項1から3のいずれか一つに記載のロール交換装置。
【請求項5】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、垂直方向に延在する複数の支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする
請求項4に記載のロール交換装置。
【請求項6】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする
請求項5に記載のロール交換装置。
【請求項7】
前記基礎本体(7)は、長手方向延在(L)を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロール(2)の軸線に相応し、
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱(10、12)が、前記基礎本体(7)の、前記長手方向延在(L)に関して軸線方向の端部領域(13、14)において配置されていることを特徴とする
請求項5または6に記載のロール交換装置。
【請求項8】
前記ロール交換装置は、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素であることを特徴とする請求項1
から7のいずれか一つに記載のロール交換装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置に関し、
このロール交換装置が、ロール交換車両を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロールが輸送され得、
前記ロール交換装置が、少なくとも1つのカセットを備えており、および、前記カセットが、前記ロールのための収容スペースを備えている。
【背景技術】
【0002】
この様式のロール交換装置は、特許文献1内において開示されている。交換のために取り付けられるべきロールは、ここで、先ず第一に、ロール積荷ステーションにより、ロール交換車両へと移動され、このロール交換車両が、これらロールを収容するためのカセットを担持している。ロール積荷ステーションからロール交換車両内へのロールの積み替えの後、次いで、これらロールの交換が行われる。類似の解決策は、特許文献2が示している。
他のロール交換装置は、特許文献3内において開示されている。そこで記載されている装置は、6重式圧延スタンドにおける迅速なロール交換のために利用され、その際、ロール交換車両が使用される。類似する、並びに、更に別の解決策を、特許文献4、5、6、7、および、8が示している。
【0003】
従来、ワークロールもしくは中間ロールの交換の際に、個々のロールが、別個に、圧延スタンドとロール交換車両との間、もしくは、ロール交換車両とロール整備場との間で輸送されるように処置される。
【0004】
その際、ロールの交換のプロセスが、自動化が難しいことは欠点である。更に、交換のために、個々のロールを輸送するためにこのクレーン装置が圧延設備において配置されている、クレーン装置の高い動作性が必要である。
【0005】
ロールの交換の際の、圧延設備の近傍における相応する多数の手動の関与によって、同様に安全性の問題も存在し、従って、安全な作業のために、比較的に高い経費が費やされねばならない。特別の問題は、ロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしを行う人員が、クレーン動作の間じゅう、部分的に、ロール離脱に対して十分に保護されていないことにある。
【0006】
ロールの交換、および、特にロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしは、これに伴って、時間的な浪費、および、人員的な浪費であり、且つ、相応して費用がかさむ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第32 44 200A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第5 887 472 A号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 911 089 B1号明細書
【特許文献4】欧州特許第1 136 143 B1号明細書
【特許文献5】欧州特許第2 150 361 B1号明細書
【特許文献6】欧州特許第3 167 975 B1号明細書
【特許文献7】特開平07-108305A号公報
【特許文献8】特開平09-10844A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式のロール交換装置を、ロール交換車両の、容易化されたもしくは確実な荷積みおよび荷降ろしを保証するように、改良することである。この工程は、更により迅速に実現され得るべきであり、従って、より経済的な作業が可能である。要するに、安全性の条件は改善され得るべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による、この課題の解決策は、
前記カセットが、解離可能に、前記ロール交換車両内において配置され得、
前記カセットが、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段を備えており、および、
前記カセットが、2つ基礎構造部材から成る、
即ち、前記ロールのための前記収容スペースを有する前記基礎本体と、この基礎本体と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバーとから成る、
ことによって特徴付けられている。
【発明の効果】
【0010】
前記カセットは、有利には、ロールのための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペースを有している。
【0011】
有利には、その際、前記クレーンクロスメンバーは、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段を備えている。
【0012】
前記基礎本体と前記クレーンクロスメンバーとが互いに結合されている場合、前記クレーンクロスメンバーが、その際、カセットの前記基礎本体を、少なくとも、この基礎本体の外側の一部において囲繞することは可能である。
【0013】
前記クレーンクロスメンバーは、その際、有利には、垂直方向に延在する複数の支柱を有しており;且つ、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱が設けられていることは可能である。
【0014】
更なる構成に従い、前記基礎本体は、長手方向延在を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロールの軸線に相応し、
前記基礎本体と前記クレーンクロスメンバーとが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱が、前記基礎本体の、前記長手方向延在に関して軸線方向の端部領域において配置されていることが意図されている場合、輸送安全保護性の確立の目的で特に有利である。
【0015】
前記ロール交換装置は、有利には、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素である。
【0016】
提案されたコンセプトは、これに伴って、ロール交換車両の荷積みおよび荷降ろしのために、輸送可能な(別個の)カセットを設けることを目指しており、このカセットが、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロールの装着の後、このロール交換車両内において位置決めされ得、且つ、このロール交換車両によって輸送され得る。
【0017】
ワークロール及び/または中間ロールの交換の際に、それに応じて、カセットは、個々のロールを装着され、且つ、この装着されたカセットが、次いで、室内クレーンを用いて、ロール交換車両内へと持ち上げられる。有利には、しかしながら強制的ではなく、その際、カセット内において設けられている、ロールのための全ての収容スペースが利用される。
【0018】
適当なクレーン設備(室内クレーン)によって、交換カセットは、自動的に、交換車両の上に設置され得、且つ、この交換車両から、同様に再び取り出され得る。適当な装置によって、カセットは、ロール整備場内において、自動的に荷積みおよび荷降ろしされ得る。
【0019】
記載されたロール交換装置の使用のための有利な作動方法は、従って、圧延スタンドにおける、もしくは、ロール整備場内における、(ロール交換車両から取り出された状態における)カセットが、ロールを装着している、もしくは、これらロールが、カセットから取り出されることを意図している。カセットが装着されている場合、このカセットは、ロール交換車両の上に、(クレーンを用いて)載置される。
【0020】
ロールの交換は、従って、圧延スタンドとカセットとの間、もしくは、カセットとロール整備場との間で行われ、その際、このカセットが、ロール交換車両の上に配置されていない。
【0021】
上述されているように、カセットが、1つの部材から成るように、または、(基礎本体とクレーンクロスメンバーとから)2つの部材から成るように形成されていることは可能である。上述のうち後者の場合、従って、カセットの基礎本体は、カスタマイズされた(massgefertigten)クレーンクロスメンバー(負荷懸吊装置)によって囲繞される。
【0022】
クレーンクロスメンバーは、この場合において、カセット内におけるロールの輸送安全保護性を引き受けることが可能であり、即ち、ロールが、その場合に、カセットの基礎本体内において、これらロールの長手方向軸線の方向における移動に対して保護されている。このことは、新しい、もしくは、再生されたロールが輸送されるべき場合、同様に極めて有利である。何故ならば、このことによって、圧延スタンドへの輸送の際の損傷が、回避され得るからである。
【0023】
ロールが、中断無しに隔離され得ること、即ち、熱的な応力のためのロール離脱が、操作従業員を危険に曝す可能性がないことは、更に有利である。
【0024】
カセットの簡単な且つコストの安い構造(このことは、特に上述された2つの部材から成るような実施形態の際に有効である)によって、本発明に従う提案は、安いコストで実現され得る。
【0025】
更に、提案されたコンセプトの使用の際に、ロール交換の後、極めて迅速に、改めてのロール交換のための準備状態が与えられていることは有利である。
【0026】
カセットの装着は、同様にロール整備場内においても自動的に行われ得、即ち、ロール整備場内におけるカセットの手動での装着が回避され得、このことは、時間の浪費、精確性、並びに、安全性に関して有利である。
【0027】
カセットは、同様に、ロール整備場内におけるロール支承位置としても使用され得る。
【0028】
これに伴って、総じて、圧延設備における高い安全性と、ロールの荷積みおよび荷降ろしの際のクレーン動作性と、および、ロール交換の間じゅうの操作従業員についての節減可能性とが与えられる。
【0029】
圧延スタンド内における、ロールの交換の際の、処置方法に関して、明確に、上述された出願人の特許文献3が引き合いに出される。ここで、特に、どのように、捕捉車両の使用のもとで、「サイドシフター」によって、交換されるべきロールの取り扱いが行われるかが説明されている。新しい
【0030】
図内において、本発明の実施例が図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】透視図における、圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロールの交換のためのロール交換装置の図であり、その際、ロール交換車両が図示されており、このロール交換車両内に、交換されるべきロールの収容のためのカセットが装入されている。
【
図2】透視図における、
図1に従う配置の図であり、その際、カセットが、ロール交換車両から持ち上げて出されている。
【
図3】透視図における、収容されたロールを有するカセットの図である。
【
図4】透視図における、カセットの基礎本体の図である。
【
図5】
図4に従うカセットの基礎本体の前方からの眺望における図である。
【
図6】透視図における、ロールの、相互に重なり合って配置され積み重ねられた、2つの基礎本体の図である。
【
図7】クレーンによって輸送の間じゅうの、ロールを有するカセットの図であり、その際、水平方向軸線を中心として旋回されたカセットの位置が図示されている。
【
図8】透視図における、
図2に対して類似する配置の図であり、その際、ここで、カセットが、他の実施形態において実現されている。
【
図9】ロールを有するカセットの荷積みもしくは荷降ろしの工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1内において、ロール交換装置1が見て取れ得、このロール交換装置が、基本的に、ロール交換車両3と、少なくとも1つのカセット4から成り、このカセットが、荷積み、もしくは、荷降ろしするロール2の収容のために利用される。これらロール2は、圧延スタンド内において必要とされる、ワークロールまたは中間ロールである。
これに伴って、ロール交換装置1は、少なくとも1つのカセット4を備えており、このカセットが、解離可能にロール交換車両3内において配置されていることは可能である。カセット4は、ロール2のための収容スペース5(
図5を参照)を備えている。
【0033】
これに伴って、先ず第一に、(図示されていない)圧延スタンドにおいて、カセット4にロール2を荷積みすること、および、次いで、荷積みされたカセットを、室内クレーンを用いて、ロール交換車両3内に装入することの可能性が存在する。
このことは、
図2内において図解されており、ここで、カセット4が、未だに、ロール交換車両3内における、このカセットの収容スペース内において配置されていないことが認識され得る。室内クレーンを用いてのカセットの取り扱いもしくは輸送は、カセット4に配置されている荷物引っ掛け手段6によって許容される。
【0034】
(
図1から7に従う)有利な実施形態が、その際、カセット4が基本的に2つの部材として形成されていることは意図されている。これらカセットは、一方では基礎本体7を、および、他方ではクレーンクロスメンバー8を備えており;このことは、特に
図3から読み取れる。
ここで、特に、
図4と5との統合した観点において、基本的に直方体形状の基礎幾何学的形状を有する基礎本体7が長手方向延在Lを有しており、この長手方向延在が、収容されるロール2の回転軸線に相応していることは見て取れ得る。これに伴って、基礎本体7の軸線方向の端部領域13および14が与えられる。
【0035】
ロール2を荷積みされた基礎本体7に、次いで、クレーンクロスメンバー8が載置され、且つ、このクレーンクロスメンバーが、この基礎本体7と固着される。この目的のために、クレーンクロスメンバーの(図示されていない)係合するフックが使用されることは可能であり、これらフックが、基礎本体7内における相応する切欠き部内へと係合する。
ロールを装着されたカセット4は、次いで、荷物引っ掛け手段6を用いて、室内クレーンによって輸送され得、且つ、ロール交換車両3へと移動され得る。
【0036】
図3から、クレーンクロスメンバー8が、複数の支柱10、11、12を有しており、これら支柱が、垂直方向(これは、この装置の規定通りの使用の際の、垂直方向が理解されるべきである)に延在し、その際、このクレーンクロスメンバー8が基礎本体7の上に載置され且つこの基礎本体と結合される場合、支柱10、11、12が、基礎本体7の外側9(特に
図5を参照)に配置されることは見て取れる。
これら支柱が、問題の無く、基礎本体7に載置され得るために、支柱10、11、12は、その際、垂直方向に、クロスメンバーの、上側に配置された部分を起点として下方へと延在しており、且つ、ここで自由である。このことは、ロールを装着された基礎本体7を、クレーンクロスメンバー8と連結すること、および、従って輸送のために完成することを特に容易にする。
【0037】
この関連において、支柱10が一方の軸線方向の端部領域13内において、および、支柱12が他方の軸線方向の端部領域14内において位置することとなることは指摘され得る。このようにして、有利な方法において、輸送安全保護性が確立され得、このことは、
図7から明らかである。
ここで、輸送の間じゅうのカセット4の位置が図示されており、その際、このカセットは、不都合な方法での輸送の際に、垂直方向Vに対して或る角度において位置することとなる。上記のことに応じて、ロール2が、長手方向延在Lの方向に、カセット4内において移動する可能性がある。この移動は、しかしながら、支柱10もしくは12によって制限され、且つ、これに伴って、ロール2が、カセット4から落下するのを阻止される。
【0038】
図5内において、ロール2のための、異なる収容スペース5が示唆されている。
図6から、複数の基礎本体7が積み重ねられ得ることが読み取れ、このことは、格納に関して有利である。
【0039】
図8内において、カセット4の選択的な実施形態が見て取れ得、その際、ここで、他の構成が設けられている。同様にここでも設けられているクレーンクロスメンバー8は、ここで、基礎本体7の上側の端部領域内においてグリップしている。
この図内において、同様に保護フード15も図示されており、この保護フードが、全ての実施形態の変形例において設けられていることは可能であり、且つ、この保護フードがロール破裂(Walzenplatzern)の場合における保護を提供する。
【0040】
図9内において、ロール2がカセット4内へと荷積みされるかまたはこのカセットから荷降ろしされる際に、どのようにカセット4が取り扱われるのかが図解されている。この目的のために、押込みもしくは引出し装置16が設けられており、これら押込みもしくは引出し装置によって、個々のロール2が、相前後して、長手方向延在L内において、カセット4から押し出され得、または、このカセット内へと引き入れられ得る。
昇降装置17は、カセットを、その垂直方向位置において押込みもしくは引出し装置16がロール2のための相応する収容スペース5内に係合可能である、該垂直方向位置に移動する。
図9内において図示された取り扱いは、圧延スタンドおよびロール整備場内において使用可能である。
【0041】
提案されたコンセプトは、個々のロールの改善された追跡を許容する以下の構成によって補足され得る:即ち、
【0042】
カセット4の自動化された荷積みの際のロール追跡は、ロール整備場内において可能である。それぞれのロール2は、この目的のために、識別素子、例えば無線周波数識別チップ(RFID-Chip)を備えている。このチップは、カセット4の荷積みの際に、ロール整備場内における荷積みユニットにおける適当な読取機器の使用によって読み取られる。
それに加えて、それぞれのカセット4は、そのような識別素子、例えば無線周波数識別チップを備えている。これに伴って、それぞれのロール2と、交換カセット4内におけるこれらロールの位置とが周知されることは保証されている。
【0043】
ロール交換車両3は、カセット4の停止位置において、同様に、このカセット4を検出する読取機器を備えている。これに伴って、どのロール2がどの位置において位置しているか、および、どの位置を、このロール2が、ロール交換の後に、スタンド内において場所を占めるかが周知されている。
【0044】
ロール選択は、ロールショップマネジメントシステム(Roll-Shop-Management-System)への接続によって実施され得、このロールショップマネジメントシステムが、例えば、デジタルメンテナンスシステム(Digital-Maintenance-System)(メンテナンス処置の管理のためのシステム)のデータ、もしくは、情報を与えられる。
このようにして、それぞれの生産計画に応じて、カセット4は、状況的に構成されて、装着され得る。
【0045】
カセット4内において、同様に、少ない数だけの(少なくとも2つの)ロールが収容され得るのに対して、全く同様に、カセット4を、4重式圧延スタンドまたは6重式圧延スタンドの場合における全部揃ったロールセットの収容のために構成することも可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロール(2)の交換のためのロール交換装置(1)であって、
このロール交換装置(1)が、ロール交換車両(3)を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロール(2)が輸送され得る、上記ロール交換装置において、
前記ロール交換装置(1)が、少なくとも1つのカセット(4)を備えており、
このカセットが、解離可能に、前記ロール交換車両(3)内において配置され得、
前記カセット(4)が、前記ロール(2)のための収容スペース(5)を備えている、
ことを特徴とする装置。
2. 前記カセット(4)は、ロール(2)のための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペース(5)を有していることを特徴とする上記1に記載のロール交換装置。
3. 前記カセット(4)は、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えていることを特徴とする上記1または2に記載のロール交換装置。
4. 前記カセット(4)は、2つ基礎構造部材から成る、
即ち、前記ロール(2)のための前記収容スペース(5)を有する前記基礎本体(7)と、この基礎本体(7)と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバー(8)とから成る、
ことを特徴とする上記1から3のいずれか一つに記載のロール交換装置。
5. 前記クレーンクロスメンバー(8)は、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えていることを特徴とする上記4に記載のロール交換装置。
6. 前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、
前記クレーンクロスメンバー(8)は、前記基礎本体(7)を、少なくとも、この基礎本体(7)の外側(9)の一部において囲繞することを特徴とする上記4または5に記載のロール交換装置。
7. 前記クレーンクロスメンバー(8)は、垂直方向に延在する複数の支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする上記6に記載のロール交換装置。
8. 前記クレーンクロスメンバー(8)は、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする上記7に記載のロール交換装置。
9. 前記基礎本体(7)は、長手方向延在(L)を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロール(2)の軸線に相応し、
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱(10、12)が、前記基礎本体(7)の、前記長手方向延在(L)に関して軸線方向の端部領域(13、14)において配置されていることを特徴とする上記7または8に記載のロール交換装置。
10. 前記ロール交換装置は、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素であることを特徴とする上記1から9のいずれか一つに記載のロール交換装置。
【符号の説明】
【0046】
1 ロール交換装置
2 ワークロール/中間ロール
3 ロール交換車両
4 カセット
5 ロールのための収容スペース
6 荷物引っ掛け手段
7 カセットの基礎本体
8 カセットのクレーンクロスメンバー
9 基礎本体の外側
10 支柱
11 支柱
12 支柱
13 基礎本体の軸線方向の端部領域
14 基礎本体の軸線方向の端部領域
15 保護フード
16 押込み-/引出し装置
17 昇降装置
L 基礎本体の長手方向延在
V 垂直方向
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延スタンドのワークロール及び/または中間ロール(2)の交換のためのロール交換装置(1)であって、
このロール交換装置(1)が、ロール交換車両(3)を備えており、このロール交換車両によって、交換のために取り付けられるべきまたは交換のために取り外されるべき前記ロール(2)が輸送され得、
前記ロール交換装置(1)が、少なくとも1つのカセット(4)を備えており、および、前記カセット(4)が、前記ロール(2)のための収容スペース(5)を備えている、
上記ロール交換装置において、
前記カセットが、解離可能に、前記ロール交換車両(3)内において配置され得、
前記カセット(4)が、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えており、および、
前記カセット(4)が、2つ基礎構造部材から成る、
即ち、前記ロール(2)のための前記収容スペース(5)を有する前記基礎本体(7)と、この基礎本体(7)と解離可能に結合され得るクレーンクロスメンバー(8)とから成る、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記カセット(4)は、ロール(2)のための、相互に重なり合って配置された複数の収容スペース(5)を有していることを特徴とする請求項1に記載のロール交換装置。
【請求項3】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、クレーンフックの係合のための荷物引っ掛け手段(6)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のロール交換装置。
【請求項4】
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、
前記クレーンクロスメンバー(8)は、前記基礎本体(7)を、少なくとも、この基礎本体(7)の外側(9)の一部において囲繞することを特徴とする
請求項1に記載のロール交換装置。
【請求項5】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、垂直方向に延在する複数の支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする請求項4に記載のロール交換装置。
【請求項6】
前記クレーンクロスメンバー(8)は、4つと8つとの間の、有利には6つの、垂直方向に延在する前記支柱(10、11、12)を有していることを特徴とする請求項5に記載のロール交換装置。
【請求項7】
前記基礎本体(7)は、長手方向延在(L)を有しており、この長手方向延在が、収容された前記ロール(2)の軸線に相応し、
前記基礎本体(7)と前記クレーンクロスメンバー(8)とが互いに結合されている場合、それぞれに、少なくとも1つの支柱(10、12)が、前記基礎本体(7)の、前記長手方向延在(L)に関して軸線方向の端部領域(13、14)において配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載のロール交換装置。
【請求項8】
前記ロール交換装置は、冷間平板圧延機または熱間平板圧延機の構成要素であることを特徴とする請求項
1または2に記載のロール交換装置。
【国際調査報告】