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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20240717BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240717BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
F25D19/00 522Z
F25D11/00 101A
F25D23/00 307
F25D19/00 520Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504012
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022101182
(87)【国際公開番号】W WO2023000922
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202121712468.5
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524020135
【氏名又は名称】フェァフェイ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HEFEI HAIER REFRIGERATOR CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No. 22 Ziyun Road, Hefei Economic and Technological Development Area, Hefei, Anhui 230601, China
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ シャンシャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジェンチュェン
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャンヂー
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045PA04
(57)【要約】
本発明は、冷凍機器の技術分野に関し、具体的には冷蔵庫を提供する。既存の冷蔵庫の冷蔵室のトップカバーが、冷蔵庫の使用過程において、上方に膨らみやすいという問題を解決するために、冷蔵室トップカバー、蒸発器、貯蔵室、および貯蔵室の下方に位置する冷蔵室を備え、冷蔵室の上壁の少なくとも一部は、冷蔵室トップカバー上に形成され、蒸発器が、冷蔵室内に配置されて吊り下げモードで冷蔵室トップカバーに固定された冷蔵庫を提供する。この冷蔵庫は、蒸発器を吊り下げモードで冷蔵室トップカバーの下方に吊り下げることで、冷蔵室トップカバーが蒸発器の重力の作用下で下向きの力を有し、冷蔵室トップカバーが上方に膨らむ現象を回避する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室、および貯蔵室の下方に位置する冷蔵室を備える冷蔵庫であって、
冷蔵室トップカバーであって、前記冷蔵室の上壁の少なくとも一部が前記冷蔵室トップカバー上に形成されている冷蔵室トップカバーと、
前記冷蔵室内に配置されて吊り下げモードで前記冷蔵室トップカバーに固定された蒸発器と、を備える、冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵庫は、前記冷蔵室トップカバーと前記蒸発器との間に配置された保温部材をさらに備え、前記保温部材は前記冷蔵室トップカバーおよび前記蒸発器にそれぞれ固定され、前記保温部材の上面は前記冷蔵室トップカバーに当接し、前記保温部材の底面は前記蒸発器に当接している、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷蔵室トップカバーの底側に係合フックが設けられ、前記係合フックは前記保温部材の周縁部を引っ掛けて前記保温部材が前記冷蔵室トップカバーの底側に固定されている、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記冷蔵室トップカバーの底側に位置決めリブがさらに設けられ、前記保温部材上に位置決め溝が設けられ、前記位置決めリブは前記位置決め溝内に嵌め込まれて前記保温部材の水平方向上の移動を防止する、請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記蒸発器は固定部を有し、前記固定部は、ねじ、ボルトまたは係合によって前記保温部材上に固定されている、請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
水平方向において、前記固定部と前記係合フックとの間の距離が予め設定された距離よりも小さい、請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記保温部材と前記蒸発器とに囲まれて霜保持空間が形成され、前記霜保持空間の気流に面する一端に開口が形成される、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記冷蔵庫は、前記冷蔵室トップカバーと前記保温部材との間に配置された反射フィルムをさらに備える、請求項2~7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記冷蔵室トップカバーは、前記蒸発器に対応する水平部、および前記蒸発器の背面側に位置する傾斜部を含み、前記傾斜部は、前記水平部から離れるほど徐々に上方に位置するように傾斜し、
前記冷蔵庫は、前記傾斜部の底側に貼着された断熱層をさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記冷蔵庫は、前記蒸発器の底側に固定された蒸発器底板をさらに備え、前記蒸発器底板に排水用の開口が設けられている、および/または、
前記冷蔵庫は、前記蒸発器上に配置された霜取り装置をさらに備えている、請求項1~7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機器の技術分野に属し、具体的に冷蔵庫を提供する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の貯蔵室の長手方向の空間を大きくするために、先行技術では、通常、冷蔵庫の冷蔵室を貯蔵室の下方に設置し、蒸発器を冷蔵室の底壁に固定している。加工誤差、熱と冷気の交互作用等により、冷蔵庫の長期使用中に冷蔵室(cooling chamber)のトップカバーが上方に膨らむことが多く、深刻な場合には冷蔵室の密閉性能に影響を及ぼすことさえある。
【発明の概要】
【0003】
先行技術における上記の問題を解決するために、すなわち、既存の冷蔵庫の冷蔵室のトップカバーが冷蔵庫の使用過程中、上方に膨らみやすいという問題を解決するために、本発明は新規な冷蔵庫を提供する。
【0004】
本発明の1つの目的は、蒸発器を冷蔵室トップカバーの下方に吊り下げることで、冷蔵室トップカバーが蒸発器の重力作用下で下向きの力を有し、冷蔵室トップカバーが上方に膨らむ現象を回避することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、
貯蔵室、および貯蔵室の下方に位置する冷蔵室を備え、
冷蔵室トップカバーであって、前記冷蔵室の上壁の少なくとも一部が前記冷蔵室トップカバー上に形成されている冷蔵室トップカバーと、
前記冷蔵室内に配置されて吊り下げモードで前記冷蔵室トップカバーに固定された蒸発器と、を備える。
【0006】
選択的に、前記冷蔵庫は、前記冷蔵室トップカバーと前記蒸発器との間に配置された保温部材をさらに備え、前記保温部材は前記冷蔵室トップカバーおよび前記蒸発器にそれぞれ固定され、前記保温部材の上面は前記冷蔵室トップカバーに当接し、前記保温部材の底面は前記蒸発器に当接している。
【0007】
選択的に、前記冷蔵室トップカバーの底側に係合フックが設けられ、前記係合フックが前記保温部材の周縁部を引っ掛けて前記保温部材が前記冷蔵室トップカバーの底側に固定されている。
【0008】
選択的に、前記冷蔵室トップカバーの底側に位置決めリブがさらに設けられ、前記保温部材上に位置決め溝が設けられ、前記位置決めリブは前記位置決め溝内に嵌め込まれて前記保温部材の水平方向上の移動を防止する。
【0009】
選択的に、前記蒸発器は固定部を有し、前記固定部は、ねじ、ボルトまたは係合によって前記保温部材上に固定される。
【0010】
選択的に、水平方向において、前記固定部と前記係合フックとの間の距離が予め設定された距離よりも小さい。
【0011】
選択的に、前記保温部材と前記蒸発器とに囲まれて霜保持空間が形成され、前記霜保持空間の気流に面する一端に開口が形成される。
【0012】
選択的に、前記冷蔵庫は、前記冷蔵室トップカバーと前記保温部材との間に配置された反射フィルムをさらに備える。
【0013】
選択的に、前記冷蔵室トップカバーは、前記蒸発器に対応する水平部、および前記蒸発器の背面側に位置する傾斜部を含み、前記傾斜部は、前記水平部から離れるほど徐々に上方に位置するように傾斜し、前記冷蔵庫は、前記傾斜部の底側に貼着された断熱層をさらに備える。
【0014】
選択的に、前記冷蔵庫は、前記蒸発器の底側に固定された蒸発器底板をさらに備え、前記蒸発器底板に排水用の開口が設けられている、および/または、前記冷蔵庫は、前記蒸発器上に配置された霜取り装置をさらに備える。
【0015】
以上の説明から、当業者であれば、本発明に記載の技術的解決策において、蒸発器を吊り下げモード(吊り下げ方式)で冷蔵室トップカバーに固定されることにより、冷蔵室トップカバーが蒸発器の重力作用下で下向きの力を有し、冷蔵室トップカバーが上方に膨らむ現象を回避することができる。
【0016】
さらに、冷蔵室トップカバーと蒸発器との間に保温部材を設け、保温部材を冷蔵室トップカバーおよび蒸発器にそれぞれ固定することにより、蒸発器が冷蔵室トップカバーを介して冷気を貯蔵室に直接伝達し、ひいては貯蔵室内の温度が過度に低くなる事態も回避される。
【0017】
またさらに、冷蔵室トップカバーの底側に係合フックを設け、冷蔵室トップカバーが該係合フックを介して保温部材の縁部を引っ掛けることが可能となり、冷蔵室トップカバーと保温部材との間の取付が容易となる。
【0018】
添付図面と併せて以下に本発明の具体的な実施例を詳細に説明することにより、本発明の上記および他の目的、利点および特徴が当業者にとってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の技術的解決策をより明確に説明するために、添付図面を参照しながら以下に本発明の一部の実施例を説明する。当業者であれば、同一の符号は異なる添付図面において同じまたは類似の部材または部分を示し、本発明の添付図面は必ずしも互いに縮尺通りに描かれるわけではないことを理解することができる。
【0020】
図1】本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫の各室分布を示す概略図である。
図2】本発明のいくつかの実施例の冷蔵室トップカバー、蒸発器およびその関連構造の組立状態を示す概略図である。
図3図2に示す構造の構造分解図である。
図4】本発明のいくつかの実施例の蒸発器およびその関連構造の軸側の図である。
図5】本発明のいくつかの実施例の冷蔵室トップカバーおよびその関連構造の軸側の図である。
図6図5におけるA部の拡大図である。
図7図2に示す構造の断面図である。
図8】本発明のいくつかの実施例の冷蔵室トップカバー、蒸発器およびその関連構造の構造原理を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者であれば、以下で説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、本発明のすべての実施例ではなく、該一部の実施例は本発明の技術原理を解釈するものであり、本発明の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。本発明が提供する実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0022】
なお、本発明の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「上部」「底部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの方向または位置関係を示す用語は、添付図面に示す方向または位置関係に基づくものであり、説明の目的でのみ使用され、前記装置またはデバイスが必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構造および操作されることを指示または暗示するものではなく、本発明の限定として理解されない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示または暗示するものとして理解されない。
【0023】
さらに、本発明の説明において、特に明示的に規定および限定されない限り、「取付」、「連結」、「接続」という用語は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定してもよく、着脱可能に接続してもよく、または一体的に接続してもよく、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接に連結してもよく、中間媒体を介して間接に連結してもよく、2つのデバイスの内部連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解すればよい。
【0024】
さらに、本発明の冷蔵庫は空冷式冷蔵庫であることに留意されたい。
【0025】
図1は、本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫の各室の分布状況を示す。いくつかの実施例では、冷蔵庫は庫体1を備え、該庫体1は貯蔵室11、冷蔵室12および圧縮機室13から構成される。ここで、貯蔵室11は冷蔵室12の上方に位置し、貯蔵物を貯蔵するために使用される。該貯蔵物は食材、飲料、医薬品などであってもよい。さらに、当業者は、実際のニーズに応じて、貯蔵室11を実現可能な任意の数に設定してもよく、貯蔵物の貯蔵要求に応じて庫体1に冷凍室、冷蔵室および/または温度可変室などの複数の貯蔵室を設定してもよい。
【0026】
さらに、冷蔵室12は蒸発器を配置するためのものである。圧縮機室13は、圧縮機、凝縮器、水受け皿などを配置するためのものである。
【0027】
図2図8は、本発明のいくつかの実施例の冷蔵室トップカバー、蒸発器およびその関連構造を示す。図2図4に示すように、本発明の冷蔵庫は、冷蔵室トップカバー2、還気フード3、蒸発器4、蒸発器底板5、霜取り装置6および保温部材7をさらに備える。
【0028】
ここで、冷蔵室トップカバー2は、冷蔵室12の上壁の少なくとも一部が冷蔵室トップカバー2上に形成されるように、冷蔵室12の上方に被せられている。図2および図3から分かるように、冷蔵室トップカバー2の前端に、下方に延伸する前側板(図示せず)が設けられ、該前側板は冷蔵室12の前側壁の少なくとも一部を構成する。さらに、該前側板に換気口(図示せず)が設けられ、気流が該換気口から冷蔵室12に進入することが可能である。
【0029】
図2および図3に示すように、還気フード3は冷蔵室トップカバー2の前側に配置され、冷蔵室トップカバー2の前側板を遮蔽する。さらに、還気フード3は冷蔵室トップカバー2と、ねじ接続、係合、スナップ嵌めなどの実現可能な任意の手段によって固定される。
【0030】
図3および図4に示すように、蒸発器4、蒸発器底板5は霜取り装置6に固定されている。具体的には、蒸発器底板5は蒸発器4の底側に配置されてねじまたはボルトを介して蒸発器4に固定されている。霜取り装置6は蒸発器4に巻き付けられたり、貼り付けられたりまたは嵌め込まれたりして冷媒を流す管路である。選択的に、蒸発器4はフィン付き蒸発器であり、蒸発器4のフィンに溝が設けられ、霜取り装置6は該溝に嵌め込まれる。
【0031】
ここで、蒸発器底板5には排水用の開口51が設けられている。蒸発器4上の凝縮水および霜水が開口51を通って冷蔵室12の底壁上に落下し、さらに冷蔵室12の底壁上に設けられた水漏れ孔と該水漏れ孔に密封接続された水導管を通って圧縮機室13内の水受け皿内に流れる。
【0032】
ここで、霜取り装置6が冷蔵庫の圧縮機と直列に接続され、圧縮機から流れる高温冷媒を受け、蒸発器4は該高温冷媒によって加熱され、蒸発器4上の凝縮霜を溶かす。
【0033】
さらに、当業者は、必要に応じて、霜取り装置5を蒸発器4に巻き付けたり、貼り付けたりまたは嵌め込んだりする電気加熱装置としてもよい。電気加熱装置は、通電されると蒸発器4を加熱して蒸発器4上の凝縮霜を溶かす。
【0034】
図2および図3に示すように、冷蔵室トップカバー2は蒸発器4に対応する水平部21、および蒸発器4の背面側に位置する傾斜部22を含み、傾斜部22は水平部21から離れるほど徐々に上方に位置するように傾斜している。図示しないが、傾斜部22の下方に送風機が配置され、該送風機は貯蔵室11と冷蔵室12間で空気を循環させるために使用される。
【0035】
図5図8に示すように、保温部材7は、冷蔵室トップカバー2と蒸発器4との間に配置された板状構造部材である。保温部材7は冷蔵室トップカバー2および蒸発器4にそれぞれ固定されている。保温部材7の上面は冷蔵室トップカバー2に当接し、保温部材7の底面は蒸発器4に当接している。
【0036】
本発明において、保温部材7は実現可能な任意の保温材料から形成された部材である。保温材料は、例えば、金属系断熱保温材料、セラミック系断熱保温材料、有機系保温材料などであってもよい。さらに、保温部材7は単一の材料からなる構造であってもよく、複数の材料からなる構造であってもよく、複数の部材が互いに固定されてなる構造であってもよい。
【0037】
図3図5および図6に示すように、冷蔵室トップカバー2の底側(具体的には水平部21の底側)には、係合フック211および位置決めリブ212が設けられている。保温部材7上には、係合フック211に対応する係合溝71および位置決めリブ212に対応する位置決め溝72が設けられている。好ましくは、係合溝71および位置決め溝72はすべて保温部材7の周縁部に設けられている。
【0038】
引き続き図5および図6を参照すると、組み立てられた状態において、係合フック211は係合溝71に嵌め込まれて係合溝71の上壁に当接し、保温部材7を冷蔵室トップカバー2の下方に吊り下げる。好ましくは、保温部材7は冷蔵室トップカバー2の底面に当接している。位置決めリブ212は位置決め溝72に嵌め込まれて、保温部材7の水平方向の移動を制限する。
【0039】
図5から分かるように、冷蔵室トップカバー2の左右両側にそれぞれ係合フック211および位置決めリブ212が設けられ、保温部材7の左右両側にそれぞれ係合溝71および位置決め溝72が設けられている。両側の係合フック211および位置決めリブ212、係合溝71および位置決め溝72により、冷蔵室トップカバー2と保温部材7が完全に固定される。
【0040】
さらに、冷蔵室トップカバー2および保温部材7が完全に固定されることを前提として、当業者は、必要に応じて、保温部材7に係合溝71を設けることを省略し、係合フック211で保温部材7の底面を引っ掛けるようにしてもよい。
【0041】
または、冷蔵室トップカバー2および保温部材7が完全に固定されることを前提として、当業者は必要に応じて、位置決めリブ212および位置決め溝72を設けることを省略してもよい。
【0042】
図3に戻って引き続き参照すると、蒸発器4は固定部41を有しており、該固定部41はねじまたはボルトによって保温部材7に固定される。具体的に、固定部41はねじまたはボルトを通す貫通孔を有しており、保温部材7上にねじ孔が設けられ、ねじまたはボルトのねじセグメントは固定部41の貫通孔を通過した後、ねじ孔と螺合され、それによって蒸発器4が保温部材7に固定される。
【0043】
さらに、当業者は必要に応じて、係合などの実現可能な任意の他の手段により、蒸発器4と保温部材7を固定してもよい。
【0044】
さらに、水平方向において、固定部41と係合フック211が十分に近接するように、固定部41と係合フック211との間の距離が予め設定された距離よりも小さい。これにより、固定部41と係合フック211が遠く離れている場合に生じる大きなモーメントによる保温部材7の変形を回避することができ、ひいては保温部材7の信頼性を得ることができる。ここで、予め設定された距離は複数回の試験によって得られたパラメータであり、その値の大きさは保温部材7の材質、厚さなどのパラメータに依存する。該予め設定された距離は1cm、2cm、5cmなどの実現可能な任意の値であってもよい。
【0045】
本発明の他のいくつかの実施例では、当業者は必要に応じて、蒸発器4と冷蔵室トップカバー2を直接に固定してもよい。例えば、冷蔵室トップカバー2の下方にねじ孔付きの固定柱を設け、ねじまたはボルトを固定部41上の貫通孔を通過させた後固定柱に螺合することにより、蒸発器4と冷蔵室トップカバー2を固定し、保温部材7が蒸発器4と冷蔵室トップカバー2によって挟持される。または、当業者は必要に応じて、保温部材7の配置を省略してもよく、蒸発器4を冷蔵室トップカバー2に当接させ、冷蔵室トップカバー2の上側に保温層を設けてもよい。
【0046】
図3図5および図8に示すように、保温部材7の蒸発器4に面する側に開口を有する凹溝73が設けられている。保温部材7が蒸発器4に貼り付けられた後、該凹溝73の上壁、側壁および蒸発器4の上面が一体となって霜保持空間8を囲み、凹溝73の開口が霜保持空間8の開口81を構成する。
【0047】
図から容易に分かるように、開口81は霜保持空間8の気流に面する一端に形成され、これにより、気流が開口81から霜保持空間8に入り、次に蒸発器4上の通気間隙を通過して蒸発器4により冷却されるようになっている。
【0048】
好ましくは、霜保持空間8の高さは、凝縮霜が霜保持空間8の上壁(保温部材7)に当接して空気の流れを妨げるのを防止するために、蒸発器4上の凝縮霜の最大高度よりも大きい。
【0049】
図8に示すように、本発明のいくつかの実施例では、冷蔵庫は、冷蔵室トップカバー2と保温部材7との間に配置された反射フィルム9をさらに備えている。該反射フィルム9は、貯蔵室11から冷蔵室12への熱伝達を妨げるために使用される。該反射フィルム9は、冷蔵室トップカバー2の底面に貼り付けられてもよく、保温部材7の上面に貼り付けられてもよい。さらに、当業者は必要に応じて、保温部材7と蒸発器4との間にも反射フィルム9を配置してもよい。好ましくは、該反射フィルム9はアルミニウム箔である。
【0050】
引き続き図8を参照すると、本発明のいくつかの実施例では、冷蔵庫は、傾斜部22の底側に貼り付けられた断熱層10をさらに備えている。該断熱層10は、傾斜部22の底面に結露や氷結が現れるのを防止するために使用される。該断熱層10は、PE綿(ポリエチレン架橋、架橋発泡綿とも呼ばれる)、発泡ポリウレタン、ポリベンゼン(polybenzene)板などの実現可能な任意の材料からなる。
【0051】
以上の説明から、当業者であれば、本発明は、保温部材7を介して蒸発器4を冷蔵室トップカバー2の下方に吊り下げることにより、冷蔵室トップカバー2が蒸発器4の重力作用下で下向きの力を有し、冷蔵室トップカバー2が上方に膨らむ現象を回避することができることを理解することができる。同時に、蒸発器4のための別個のトップカバーが省略され、冷蔵庫の生産および製造コストが低減され得る。
【0052】
さらに、冷蔵室トップカバー2の底側に係合フック211を設けることで、冷蔵室トップカバー2が該係合フック211を介して保温部材7の縁部を引っ掛けることができ、冷蔵室トップカバー2と保温部材7の取付を容易にすることができる。具体的に、作業者は、まず保温部材7と蒸発器4を固定し、次に冷蔵室トップカバー2と保温部材7を位置合わせして冷蔵室トップカバー2を下方に押圧することで、冷蔵室トップカバー2と保温部材7を固定することができる。
【0053】
ここまで、上記の複数の実施例と併せて本発明の技術的解決策を説明したが、当業者であれば、本発明の保護範囲はこれらの具体的な実施例に限定されないことを理解することができる。本発明の技術的原理から逸脱することなく、当業者は、上記の各実施例の技術的解決策を分割して組み合わせることができ、関連技術的特徴に対して等価変更や置換を行うことができ、本発明の技術的思想および/または技術的原理内で行われる任意の変更、等価置換、改良などは、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】