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特表2024-527458調整可能な解剖学的平面を有する画像
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】調整可能な解剖学的平面を有する画像
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240718BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20240718BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20240718BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20240718BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20240718BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G06T7/00 612
G06T7/00 350C
G06V10/82
G06T7/11
G06F3/04815
G06F3/04845
A61B8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573042
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022064686
(87)【国際公開番号】W WO2022258426
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】21178479.8
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】オルサヌ エリザ テオドラ
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー フランク ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ネイホフ ニールス
(72)【発明者】
【氏名】ウェーゼ ロルフ ユルヘン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘッフェン ミヘル
(72)【発明者】
【氏名】ファベル アルベルト ルーウ
【テーマコード(参考)】
4C601
5E555
5L096
【Fターム(参考)】
4C601BB02
4C601BB03
4C601DD15
4C601EE11
4C601JC09
4C601JC33
4C601LL33
5E555AA04
5E555AA27
5E555BA01
5E555BA22
5E555BA83
5E555BB01
5E555BB22
5E555BC17
5E555CA02
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB20
5E555CB45
5E555CB46
5E555CC05
5E555CC22
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC19
5E555DC24
5E555DC45
5E555DD06
5E555DD11
5E555EA11
5E555FA00
5L096AA03
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA21
5L096EA16
5L096FA62
5L096FA67
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
本発明は調整可能な解剖学的平面の画像データを提供することに関する。データ入力部、データプロセッサ、ユーザインタフェース、および出力インタフェースを有する、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置が提供される。データ入力部は、対象の関心領域の3D画像データを受信する。データプロセッサは、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立し、識別された解剖学的基準位置に基づいて基準座標系を生成し、アンカポイントを規定し、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、選択された解剖学的撮像面として観察面を計算する。ユーザインタフェースは、ユーザによって、選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータを入力する。出力インタフェースは、選択された解剖学的撮像面内のビューの表現を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力部と、
データプロセッサと、
ユーザインタフェースと、
出力インタフェースと、
を有する、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置において、
前記データ入力部は、対象の関心領域の3D画像データを受信するように構成され、
前記データプロセッサは、前記3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立し、前記識別された解剖学的基準位置に基づいて基準座標系を生成し、アンカポイントを定義し、前記アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、選択された解剖学的撮像面として観察面を計算するように構成され、前記データプロセッサは、前記確立された解剖学的知識を使用して前記アンカポイントを設定するように構成され、
前記ユーザインタフェースは、ユーザによって前記選択された解剖学的撮像面として前記観察面を決定するために前記少なくとも1つの平面関連パラメータを入力するように構成され、
前記出力インタフェースは、前記選択された解剖学的撮像面内のビューの表現を提供するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記データプロセッサは、前記アンカポイントとして予め設定された点を提供するように構成され、
前記ユーザインタフェースは、前記アンカポイントを調整するためにユーザエントリを入力するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出力インタフェースは、前記選択された平面を表示するように構成されたディスプレイを有し、
前記ユーザインタフェースは、前記表示された平面の位置を調整するように構成された調整制御要素を有し、前記データプロセッサは、前記調整をリアルタイムで提供するように構成される、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ディスプレイは、前記解剖学的コンテキスト内の前記選択された平面の前記空間的位置を示す制御画像を表示するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記アンカポイントは、前記ユーザが前記平面を回転させたときに全ての可能な平面において可視となる点を規定し、及び/又は
前記少なくとも1つの平面関連パラメータは、角度、視線方向、1つまたは複数の画像線、および1つまたは複数の画像点のグループのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
解剖学的コンテキストを確立するために、前記データプロセッサは、
前記3D画像データの少なくとも一部のセグメンテーションを提供するために前記3D画像データをセグメント化し、
前記セグメンテーションに基づいて前記3D画像データ内の前記解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立する、
ように構成され、
i)前記3D画像データをセグメント化するために、前記データ入力部は、解剖学的モデルを受信するように構成され、前記データプロセッサは、前記モデルを前記3D画像データに適合させ、前記セグメント化を前記適合されたモデルに基づかせるように構成され、及び/又は
ii)解剖学的コンテキストを確立するために、前記データプロセッサは、ボクセルを分類する、またはランドマークを検出するために、機械学習、ディープラーニング、および畳み込みニューラルネットワークのグループのうちの少なくとも1つを有する機械学習アプローチを提供するように構成される、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記基準座標系の生成のために、前記データプロセッサは、
i)前外側僧帽弁交連および後内側僧帽弁交連のグループのうちの少なくとも1つを有する、僧帽弁交連の位置と、
ii)僧帽弁平面に垂直な方向と、
iii)僧帽弁の中心を表す点と、
のグループのうちの少なくとも1つを提供するように構成される、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記僧帽弁平面に垂直な方向を決定するために、前記データプロセッサは、前記僧帽弁輪のすべての頂点の少なくとも一部を通してフィットする、または前記僧帽弁交連の前後端を接続するベクトルと前外側端および後内側端を接続するベクトルとの間の外積をとることによって、回帰平面を決定するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記データプロセッサは、前記僧帽弁平面法線に沿った第1の方向と、前記前外側および後内側方向に沿った第2の方向と、それに応じて変更される第3の方向とによって、前記基準系を規定するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記データプロセッサは、平面位置を設定するために、実際の高い逆流フローの位置に関する情報を使用するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の調節可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置と、
対象の関心領域の画像を提供するための撮像装置と、
を有する介入計画のためのシステムにおいて、
前記撮像装置は、前記対象物の画像データを生成し、前記画像データを前記装置に供給して、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するように構成される、
システム。
【請求項12】
前記撮像装置は、3D超音波データを提供するように構成された超音波撮像装置であり、
前記超音波撮像装置は、前記選択された解剖学的撮像面に従って2D超音波画像を取得するように構成される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための方法において、
対象の関心領域の3D画像データを受信するステップと、
前記3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立するステップと、
前記識別された解剖学的基準位置に基づいて基準座標系を生成するステップと、
観察面のアンカポイントを確立するステップであって、前記アンカポイントは、前記確立された解剖学的知識を使用して設定される、ステップと、
ユーザによって、選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータを入力するステップと、
前記アンカポイントおよび前記少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、前記選択された解剖学的撮像面としての観察面を計算するステップと、
前記選択された解剖学的撮像面の表現を提供するステップと、
を有する、方法。
【請求項14】
コンピュータによって実行されるときに、請求項13に記載の方法をコンピュータに実行させる命令を有するコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置、介入計画のためのシステム、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための方法、並びに調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するためのコンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一例として、僧帽弁への介入中に、医師は、その構造を撮像するために3D超音波を使用し得る。解剖学的構造を理解するために、または関連する解剖学的パラメータを推定するために、または介入を計画/ガイドするために、医師は、特定の位置における標的構造を評価する必要がある。一例では、関連情報が可視である3Dボリューム内に、事前設定されたビュー平面が、作成される。手動設定は、面倒なプロセスである可能性がある。別の例では、ビュー平面は、モデル内で符号化され、セグメント化の後、事前符号化された平面が、取り出されることができる。しかしながら、モデル内の潜在的に関連するすべての平面を符号化することは困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、選択された観察面における画像のよりユーザフレンドリな方法を提供する必要があるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。本発明の以下に説明する態様は、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置、介入計画のためのシステム、および調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための方法にも適用されることに留意されたい。
【0005】
本発明によれば、調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための装置が、提供される。この装置は、データ入力部と、データプロセッサと、ユーザインタフェースと、出力インタフェースとを有する。データ入力部は、対象の関心領域の3D画像データを受信するように構成される。データプロセッサは、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立するように構成される。データプロセッサは、また、識別された解剖学的基準位置に基づいて基準座標系を生成するように構成される。データプロセッサは、アンカポイント(anchor point)を規定するようにさらに構成される。データプロセッサは、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、選択された解剖学的撮像面として観察面を計算するようにさらに構成される。データプロセッサは、確立された解剖学的知識を使用してアンカポイントを設定するように構成される。ユーザインタフェースは、ユーザによって選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータを入力するように構成される。出力インタフェースは、選択された解剖学的撮像面内のビューの表現を提供するように構成される。
【0006】
効果として、ユーザは、特定のニーズに対してカスタマイズされることができる異なる観察面を達成するための、容易であり、面倒でない方法を提供される。
【0007】
別の請求されるオプションでは、調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための装置が、提供される。この装置は、データ入力部と、データプロセッサと、ユーザインタフェースと、出力インタフェースとを有する。データ入力部は、対象の関心領域の3D画像データを受信するように構成される。データプロセッサは、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立するように構成される。データプロセッサは、また、識別された解剖学的基準位置に基づいて基準座標系を生成するように構成される。データプロセッサは、アンカポイントを規定するようにさらに構成される。データプロセッサは、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、選択された解剖学的撮像面として観察面を計算するようにさらに構成される。ユーザインタフェースは、ユーザによって選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータを入力するように構成される。出力インタフェースは、選択された解剖学的撮像面内のビューの表現を提供するように構成される。
【0008】
一例によれば、出力インタフェースは、選択された平面を表示するように構成されたディスプレイを有する。追加または代替のオプションとして、ユーザインタフェースは、表示された平面の位置を調整するように構成された調整制御要素を有する。データプロセッサは、調整をリアルタイムで提供するように構成される。
【0009】
一例によれば、ディスプレイは、解剖学的コンテキスト内の選択された平面の空間位置を示す制御画像を表示するように構成される。
【0010】
一例によれば、アンカポイントは、ユーザが平面を回転させる場合に全ての可能な平面において可視である点であって、例えば、その周りでビュー平面が回転される点を規定する。
【0011】
代替的にまたは追加的に提供される、オプションとして、少なくとも1つの平面関連パラメータは、角度、視線方向、1つまたは複数の画像線、および1つまたは複数の画像点のグループのうちの少なくとも1つを有する。
【0012】
一態様によれば、アンカポイントは、前外側交連と後内側交連との間の中間点など、予め規定される。アンカポイントは、(観察)面が回転される点を確立するために設けられる。一例では、ユーザは、アンカポイントを、ユーザによって規定されることができるAL-PM方向に垂直に沿ってデフォルト位置からシフトさせる。アンカポイントが規定された後、ユーザは、例えば、特定の値によって、またはスライダを使用してのいずれかで、角度を規定し、この角度は、実際の平面を観察面として決定する角度である。角度は、AL-PM方向に対する垂直方向からの偏差として提供されてもよい。一例として、角度は、0のときに実際の垂直な方向である。
【0013】
一例によれば、解剖学的コンテキストを確立するために、データプロセッサは、3D画像データの少なくとも一部のセグメンテーションを提供するために3D画像データをセグメント化するように構成される。データプロセッサは、また、セグメンテーションに基づいて3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立するように構成される。
【0014】
オプションでは、3D画像データをセグメント化するために、データ入力部は、解剖学的モデルを受信するように構成される。データプロセッサは、モデルを3D画像データに適合させ、セグメント化を適合されたモデルに基づかせるように構成される。
【0015】
解剖学的コンテキストを確立するための追加のまたは代替のオプションでは、データプロセッサは、ボクセルを分類するまたはランドマークを検出するために、機械学習、ディープラーニング、および畳み込みニューラルネットワークのグループのうちの少なくとも1つを有する機械学習アプローチを提供するように構成される。
【0016】
一例によれば、データプロセッサは、僧帽弁面法線に沿った第1の方向と、前外側および後内側方向に沿った第2の方向と、それに応じて変更される第3の方向とによって、基準系を規定するように構成される。
【0017】
一例では、データプロセッサは、複数の介入のためにユーザ選択された観察面を適用するように構成される。複数の介入は、予め選択された介入として提供されることができる。介入は、専用介入と称されることもできる。
【0018】
本発明によれば、介入計画のためのシステムも、提供される。システムは、先行する請求項のうちの1つに記載の、調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための装置を有する。システムは、また、対象物の関心領域の画像を提供するための撮像装置を有する。撮像装置は、対象物の画像データを生成し、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するために、画像データを装置に供給するように構成される。
【0019】
一例によれば、撮像装置は、3D超音波データを提供するように構成された超音波撮像装置である。
【0020】
オプションでは、超音波撮像装置は、選択された解剖学的撮像面に従って2D超音波画像を取得するように構成される。
【0021】
本発明によれば、調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供する方法も、提供される。この方法は、以下のステップを有する。
-第1のステップでは、対象の関心領域の3D画像データが、受信される。
-第2のステップでは、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストが、確立される。
-第3のステップでは、基準座標系は、識別された解剖学的基準位置に基づいて生成される。
-第4のステップでは、観察面のアンカポイントが、確立される。アンカポイントは、確立された解剖学的知識を使用して設定される。
-第5のステップでは、選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータが、ユーザによって入力される。
-第6のステップでは、選択された解剖学的撮像面としての観察面が、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて計算される。
-第7のステップでは、選択された解剖学的撮像面の表現が、提供される。
【0022】
別の請求されるオプションでは、調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための方法が、提供される。本方法は、以下のステップを有する。第1のステップにおいて、対象の関心領域の3D画像データが、受信される。第2のステップでは、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストが、確立される。第3のステップでは、基準座標系は、識別された解剖学的基準位置に基づいて生成される。第4のステップでは、観察面のアンカポイントが、確立される。第5のステップでは、選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータが、ユーザによって入力される。第6のステップでは、選択された解剖学的撮像面としての観察面が、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて計算される。第7のステップでは、選択された解剖学的撮像面の表現が、提供される。
【0023】
一例によれば、ALとPMとの間の中間点など、予め設定された/既に規定されたアンカポイントが、提供され、すなわち、利用可能であり、次いで、AL-PM方向に対する法線に沿って調整/変更されることができる。予め設定された/既に規定されたアンカポイントは、システム自体によって提供されてもよく、ユーザ入力によって調整されてもよい。
【0024】
一例として、アンカポイントは、システムによって設定される。オプションとして、位置は、交連の間、または僧帽弁の中心である。オプションでは、システムは、システムからの解剖学的知識および意図された処置に関する知識を使用して、アンカポイントを設定する。
【0025】
別の例として、アンカポイントに対するさらなる調整が、システムまたはユーザによってなど、可能である。
【0026】
アンカポイントが設定された後、潜在的な観察面の規定は、視野角のような、1自由度で残される。これは、図6に示されるように、潜在的な面を提供する。さらに、残りの潜在的な面のうちの正確に1つを選択するために、可能な入力、例えば、 i)スライダによって潜在的に制御される、数値角度値、またはii)最大逆流の点、またはiii)モデル/セグメンテーションから導出される別の解剖学的点、例えばA1、A2、A3、P1、P2、P3と称される、例えば僧帽弁の異なる領域に関連する位置の推定値、またはiv)3Dモデル上でユーザによってクリックされた点が、提供される。
【0027】
一態様によれば、調整可能な解剖学的平面を用いた撮像は、解剖学的特徴に基づいて基準系を確立することによって提供される。撮像面に対して1自由度を提供することによって、ユーザは、直観的な方法で観察面を適応させ、現在の介入およびユーザのニーズに対しても表現を調整することができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【0029】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための装置の一例を概略的に示す。
図2図1の調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための装置の一例を用いた介入計画のためのシステムの一例を示す。
図3】調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための方法のステップの一例を示す。
図4】調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供する処置の例示的なステップを示す。
図5】提供されるグラフィカルユーザインタフェースの例を示す。
図6】提供されるグラフィカルユーザインタフェースのさらなる例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、特定の実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。以下の説明では、同様の図面参照番号が、異なる図面においても、同様の要素に対して使用される。詳細な構成及び要素のような、本明細書で規定される事項は、例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。また、周知の機能又は構成は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にするので、詳細には説明されない。更に、「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素のリストに先行する場合、要素のリスト全体を修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。
【0032】
図1は、調整可能な解剖学的観察面の画像データを提供するための装置10の一例を概略的に示す。装置10は、データ入力部12、データプロセッサ14、ユーザインタフェース16、および出力インタフェース18を有する。データ入力部12は、対象の関心領域の3D画像データを受信するように構成される。データプロセッサ14は、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立するように構成される。データプロセッサ14は、また、識別された解剖学的基準位置に基づいて基準座標系を生成するように構成される。データプロセッサ14は、アンカポイントを規定するようにさらに構成される。データプロセッサ14は、さらに、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、選択された解剖学的撮像面として観察面を計算するように構成される。データプロセッサ14は、確立された解剖学的知識を使用してアンカポイントを設定するように構成される。ユーザインタフェース16は、ユーザによって選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータを入力するように構成される。出力インタフェース18は、選択された解剖学的撮像面内のビューの表現を提供するように構成される。
【0033】
第1の矢印24は、例えばデータベース又は撮像装置からの、対象の関心領域の3D画像データの入力を示す。第2の矢印26は、選択された解剖学的撮像面におけるビューの表現の出力を示す。
【0034】
フレーム28は、データ入力部12、データプロセッサ14、ユーザインタフェース16、および出力インタフェース18が、共通のハウジングまたは構造内に配置されることができることを示す。別のオプションでは、データ入力部12、データプロセッサ14、ユーザインタフェース16、および出力インタフェース18は、互いにデータ接続された別個のコンポーネントとして提供される。
【0035】
図2は、介入計画のためのシステム100の例を示す。システム100は、図1の調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置10の一例を有する。システム100は、また、対象物の関心領域の画像を提供するための撮像装置102を有する。撮像装置102は、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するために、対象物の画像データを生成し、画像データを装置に供給するように構成される。
【0036】
オプションでは、撮像装置102は、3D超音波データを提供するように構成された超音波撮像装置である。対象物106を撮像するためのモバイル超音波トランスデューサ104が、示される。任意選択的に、超音波撮像装置は、選択された解剖学的撮像面に従って2D超音波画像を取得するように構成される。
【0037】
図2は、また、対象支持体108のそばに制御パネル110を有する、テーブルのような対象支持体108を示す。さらに、天井に取り付けられたレール構造から吊り下げられた調整可能な照明機器112は、示される。さらに、天井に取り付けられたレール構造から吊り下げられたモニタ装置114も、提供される。
【0038】
画像データを提供するための装置10は、右前景に示される、操作コンソールまたは制御構成の文脈で提供されてもよい。ディスプレイ116は、キーボード118、マウス120、制御パネル122、およびグラフィックタブレット124と共に示されている。撮像装置102は、接続線124で示されるように、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置10とデータ接続される。
【0039】
介入計画のためのシステム100は、介入ガイダンスのためのシステムとも称されることができる。
【0040】
図示されていないオプションでは、撮像装置は、CTデータなどの3D X線撮像データ提供するように構成されたX線撮像装置である。
【0041】
オプションでは、取得された2Dビューは、一度、適応されたビュー平面が提供されると、追加のステップとなる。取得された2Dビューは、いわば適応された画像平面の形態の2Dビューに加えるものであるが、より良い品質の取得された2Dビューである。
【0042】
別のオプションでは、取得された2Dビューは、適応されたビュー平面が規定されると、提供されるが、実際には提供されない。取得された2Dビューは、適応された画像平面の形態の2Dビューの代わりに、適応されたビュー平面としていわば提供されるが、取得された2Dビューは、適応された画像平面の直接提示が有するように、より良い品質を有している。
【0043】
一態様として、3D画像データ、例えば、超音波画像データが取得され、幾何学的情報に基づいて、再フォーマットが、3Dボリューム内に提供されて、さらなる超音波画像データ取得なしに、選択された平面を選択し、表示する。
一例では、超音波撮像システムは、3Dにおける画像データよりも2Dにおけるより高い超音波画像品質を提供し得る。選択され、決定された観察面に沿って2D画像を取得するオプションを提供することは、医師などのユーザが、(観察面が適合されている)特定の場所での増加された細部の度合いを有する2D画像を提供することを可能にする。3Dボリュームの再フォーマットのほかに、規定された2Dビュー平面を達成することによって、現在のユーザ選択に応じて特定の2Dビューを取得するように超音波撮像装置を制御することが提供される。
【0044】
一例では、装置が以下のステップのために構成されることが提供される。
-第一に、3Dボリュームが、取得され、分析されて、基準フレームを提供し、
-第二に、ユーザは、所望の2D観察面配向を選択する。
【0045】
それから、その位置における取得された3Dボリュームを通るスライドが示されるか、またはより高いフレームレートおよび/または画像品質を有する選択された平面をカバーするより小さいエコーボリュームが再取得される(超音波プローブが依然として同じ位置にあり、基準フレームが依然として解剖学的構造にマッチすると仮定する)かのいずれかである。再取得のためのオプションとして、幾何学的に可能である場合、すなわち、それがトランスデューサ位置と交差する場合、2Dモードで正確な平面を取得するステップ、僧帽弁輪の位置において選択された平面に可能な限り近い2Dの平面、例えば、選択された平面と僧帽弁輪平面(線を規定する)+プローブ位置(組み合わせで平面を規定する)との交差によって規定される平面を取得するステップ、およびより小さい3Dボリューム、例えば、選択された平面を完全に含む薄いスラブを取得するステップが、提供される。走査ボリュームはより小さいので、例えば、フレームレートは、より高くなることができる。
【0046】
一例では、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための装置10が、弁治療または置換処置などの心臓介入のために提供される。
【0047】
データ入力部12は、画像データをプロセッサ14に提供することに関する。したがって、画像データは、データ供給またはデータ源から受信され、データ処理に転送される。画像データは、撮像装置から直接、またはデータ記憶装置から提供されてもよい。データ入力部12は、データ画像入力部または画像データ入力ユニットまたはデータ受信モジュールとも称される。
【0048】
データプロセッサ14は、データを処理するための、すなわち、データを処理するための計算ステップのための装置に関する。データプロセッサ14は、処理ユニットまたは計算ユニットまたは処理モジュールとも称される。
【0049】
ユーザインタフェース16は、データ処理のための制御コマンドを入力するなど、ユーザインタラクションを可能にするための装置に関する。データ入力の一例は、少なくとも1つの平面関連パラメータの入力である。データ入力の別の例は、観察面又は撮像面の選択又は変更である。ユーザインタフェース16は、ユーザインタラクションユニットまたはユーザインタラクションモジュールとも称される。
【0050】
少なくとも1つの平面関連パラメータは、角度、視線方向、1つまたは複数の画像線、および1つまたは複数の画像点のグループのうちの少なくとも1つを含む。
【0051】
出力インタフェース18は、例えば表示目的のために、計算された画像平面データを提供することに関する。出力インタフェース18は、処理されたデータ供給または出力ユニットまたは出力モジュールとも称される。
【0052】
第1のオプションでは、「選択された解剖学的撮像面におけるビューの表現」が、2D観察面における3D画像データからの2D画像の生成を指す。
【0053】
追加的に又は代替的に提供される第2のオプションでは、「選択された解剖学的撮像面におけるビューの表現」が、2D観察面における2D超音波画像の目標取得を指す。
【0054】
オプションでは、ユーザインタフェース16および出力インタフェース18は、双方向ユーザインタフェース(詳細には図示せず)として一体化されて提供される。
【0055】
調整可能な解剖学的平面の画像データは、調整可能な解剖学的平面の表現と称されることもできる。
【0056】
結果として、本発明は、単一の自由度を有する介入計画のための多目的解剖学的平面を提供する。効果として、介入の間、医師は、困難かつ誤差を起こしやすい介入間の複数の測定システムに対処することを余儀なくされないので、処置に集中することができる。したがって、ユーザは、観察面が必要とされる何でも決定するオプションを提供され、これは、例えば、予め符号化された平面を精緻化するよりも、データを提供するよりユーザフレンドリな方法を意味する。
【0057】
この目的のために、情報は、特定の関連する構造に対するモデルから抽出され、最も適切なビューを達成するための残りの精緻化は、ユーザによって選択される。これは、手元の各問題に対して行われることができる。
【0058】
一例では、観察面のアンカポイントが、決定され、それぞれ規定され、すなわち、データプロセッサ14は、アンカポイントを決定または規定するようにさらに構成される。
【0059】
一例では、複数の僧帽弁介入のための共通基準フレームおよびユーザインタフェースが、提供される。セグメンテーションから、いくつかの解剖学的制約が、規定される。
【0060】
例えば、僧帽弁の法線方向と、平面が回転されるアンカポイントとが、規定される。
【0061】
例えば、僧帽弁の中心が規定され、次いで、アンカポイントは、僧帽弁の中心および法線方向に対して規定されることができる。
【0062】
スライダなどの単一の制御で、ユーザは、解剖学的に興味深い位置のセット、例えば、主に前尖から後尖方への直接的な経路上で切断する平面を覆うように平面を調整することができる。アンカポイントと、オプションとしての角度などの平面関連パラメータとの選択だけによって、本方法は、僧帽弁尖を直接的に標的とする介入、または僧帽弁輪を標的とする処置に適用されることができる。一例では、ユーザインタフェースおよび関連する解剖学的境界が、両方の処置について同じである。例えば、初期位置は、僧帽弁の中心におけるAP方向に沿った基準ビューであってもよく、スライダの特定の位置は、交連点を切断する平面に対応してもよい。さらに、一例では、外部情報が、同じ基準フレーム内に含まれ、すなわち、平面を、追跡される装置の位置、または高い逆流が検出された位置に設定する。そのような位置は、基準座標系内で符号化されることができ、その結果、ユーザ制御が、更新されることができ、医師は、そこからさらにナビゲートすることができる。
【0063】
一例では、セグメンテーションのために、データプロセッサ14は、セグメンテーションユニットとも称されるセグメンタを有する。別の例では、基準座標系を設定するために、データプロセッサ14は、幾何学的後処理ユニットとも称される幾何学的後処理デファイナ(definer)を有する。幾何学的後処理デファイナまたは幾何学的後処理ユニットは、別個のプロセッサとして提供される、または共通のプロセッサ回路に一体化されることができる。さらに別の例では、ビュー平面の計算のために、データプロセッサ14は、ビュー平面更新ユニットとも称されるビュー平面アップデータを有する。
【0064】
図1にも示されるオプションでは、出力インタフェース18は、選択された平面を表示するように構成されたディスプレイ20を有する。
【0065】
図1にも示される別のオプションでは、ユーザインタフェース16は、ユーザインタラクションによって表示された平面の位置を調整するように構成された、スライダもしくはノブなどの調整制御要素22、またはタッチセンシティブディスプレイインタフェース上の仮想表現を有する。
【0066】
一例として、データプロセッサ14は、調整をリアルタイムで提供するように構成される。「リアルタイム」という用語は、ユーザが無視できるものとして受け入れる期間、例えば5秒未満、例えば2秒未満または1秒未満の期間内の更新を指す。
【0067】
一例では、ユーザインタフェース16は、中心方向と表示された平面との間の角度を制御するスライダ要素を有する。中心方向は、僧帽弁中心を通る交連面に対する垂直面としてさらに規定されることができる。
【0068】
一例では、ユーザインタフェース16は、表示される面の角度を制御するスライダ要素を有する。
【0069】
平面が、明確な解剖学的点、例えば、高い逆流の領域を切断することを強制することによって調整される場合、この平面位置は、規定された座標系における角度に対応し、スライダは、その角度位置に調整されることができる。次いで、ユーザは、この位置からさらに平面を操作することができる。
【0070】
一例では、可変ビュー平面ユニットは、角度値またはユーザによって選択された点のいずれかを入力として取ることができるインタフェースによって表される。これは、新しいビュー平面を計算するために使用され、後者の場合、所与の点からの角度も、計算され、更新される。一例では、ビューを修正するための対話型コンポーネントが、提供される。
【0071】
一例では、アンカポイントは、ユーザが平面を回転させる場合に、すべての可能な平面において可視である点であって、その周りで回転が行われる点を規定する。
【0072】
解剖学的コンテキストを確立するために、データプロセッサ14は、ように構成され得る。
-3D画像データの少なくとも一部のセグメンテーションを提供するために3D画像データをセグメント化し、
セグメンテーションに基づいて3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立する、
オプションとして、
i) 3D画像データをセグメント化するために、データ入力部12は、解剖学的モデルを受信するように構成され、データプロセッサ14は、モデルを3D画像データに適応させ、セグメント化を適応されたモデルに基づかせるように構成され、及び/又は
ii) 解剖学的コンテキストを確立するために、データプロセッサ14は、ボクセルを分類する、またはランドマークを検出するために、機械学習、ディープラーニング、および畳み込みニューラルネットワークのグループのうちの少なくとも1つを有する機械学習アプローチを提供するように構成される。
【0073】
第1のアプローチでは、モデルは、画像データのセグメント化のために使用される。一例では、モデルは、解剖学的ランドマークなどの所定の解剖学的特徴を示すためのラベルを有する。結果として、患者のセグメント化された画像データが、提供され、加えて、幾何学的なランドスケープランドマークも、提供されることができる。
【0074】
第2のアプローチでは、画像データ内の解剖学的構造を識別するための知識が、機械学習アルゴリズムによって提供される。
【0075】
一例では、基準座標系の生成のために、データプロセッサ14は、
i) 前外側僧帽弁交連および後内側僧帽弁交連のグループのうちの少なくとも1つを有する、僧帽弁交連の位置、
ii) 僧帽弁平面に垂直な方向、及び
iii) 僧帽弁の中心を表す点、
のグループのうちの少なくとも1つを提供するように構成される。
【0076】
一例では、僧帽弁平面に垂直な方向が、僧帽弁平面におおよそ垂直に提供される。一例として、おおよそという用語は、+/-25°まで、例えば+/-10°まで、または+/-5°までの最大の偏差に関する。
一例では、おおよそ法線方向などの僧帽弁平面に垂直な方向を決定するために、データプロセッサ14は、僧帽弁輪のすべての頂点のうちの少なくとも一部を通してフィットする、または僧帽弁交連の前後端を接続するベクトルと前外側および後内側端を接続するベクトルとの間の外積を取ることによって、回帰平面を決定するように構成される。
【0077】
一例では、データプロセッサ14は、僧帽弁平面法線に沿った第1の方向と、前外側および後内側方向に沿った第2の方向と、それに応じて変更される第3の方向とによって、基準系を規定するように構成される。
【0078】
前外側および後内側方向は、前外側交連点から後内側交連点までの方向を指す。
【0079】
データプロセッサ14は、平面位置を設定するために、実際の高い逆流フローの位置に関する情報を使用するように構成されてもよい。
【0080】
オプションとして、ディスプレイ20は、解剖学的コンテキスト内の選択された平面の空間的位置を示す制御画像を表示するように構成される。
【0081】
空間的位置という用語は、解剖学的構造に関する空間内の位置および向きを指す。
【0082】
データプロセッサ14は、複数の介入のためにユーザ選択された観察面を適用するように構成される。
【0083】
一例では、データプロセッサ14は、他の撮像モダリティにもユーザ選択観察面を適用するように構成される。
【0084】
図3は、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供するための方法200のステップの一例を示す。この方法は、以下のステップを有する。
-第1のステップ202では、対象の関心領域の3D画像データを受信することが、提供される。
-第2のステップ204では、3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストの確立が、提供される。
-第3のステップ206では、識別された解剖学的基準位置に基づく基準座標系の生成が、提供される。
-第4のステップ208において、観察面のアンカポイントを確立することが、提供される。アンカポイントは、確立された解剖学的知識を使用して設定される。
-第5のステップ210において、ユーザによって選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するための少なくとも1つの平面関連パラメータを入力することが、提供される。
-第6のステップ212では、アンカポイントおよび少なくとも1つの平面関連パラメータに基づいて、選択された解剖学的撮像面として観察面を計算することが、提供される。
-第7のステップ214では、選択された解剖学的撮像面の表現を提供することが、提供される。
【0085】
基準座標系の生成は、基準座標系の設定とも称される。
【0086】
一例では、観察面のアンカポイントが、決定され、それぞれ規定される。
【0087】
一例では、前外側交連と後内側交連との間の中間点などのアンカポイントは、デフォルトオプションとして、提供され、すなわち、システムによって決定される。
【0088】
別の例では、アンカポイントは、選択された解剖学的撮像面として観察面を決定するために、ユーザによって、前外側交連点から後内側交連点までの方向に垂直な方向に沿ってデフォルトオプションからシフトされる。
【0089】
一例では、少なくとも1つの平面関連パラメータとして、ユーザは、視野角を入力する。一例では、ユーザは、視線方向、または1つもしくは複数の画像線、または1つもしくは複数の画像点を入力する。例えば、ユーザは、スライダを介して、または特定の値を入力することによって、視野角または他の平面関連パラメータを入力または適応させる。
【0090】
別の例では、平面関連パラメータは、画像点である。画像点の一例は、3D画像データ内の点である。画像点の別の例は、A1またはA2解剖学的点などの解剖学的モデルから決定される点である。一例では、画像線は、画像空間内の2つの幾何学的点によって規定される。別の例では、画像コンテンツは、例えば画像勾配によって規定される、画像線について考慮される。
【0091】
アンカポイントは、ユーザが平面を回転させるときにすべての可能な平面において可視である点を規定する。以下にも説明されるように、一例では、アンカポイントは、どの処置に対して平面が提供されるかを決定する。選択されたアンカポイントが固定されている状態で、ユーザは、平面を完全に規定するために、1つの自由度、例えば、角度、クリックされた点、または高い逆流の位置を依然として有する。
【0092】
アンカポイントは、基準位置と称されることもできる。
【0093】
本方法の一例では、観察面を決定するためのアンカポイントまたは基準位置は、ユーザによって調整されることができる。
【0094】
一例では、アンカポイントの選択は、どの処置、例えば、カーディオバンド(cardioband)処置または僧帽弁輪処置に対して平面が提供されるかを決定するために使用される。
【0095】
別の例では、僧帽弁中心に対するアンカポイントのシフトが、投影された交連の間の中央で同じ垂直方向を維持しながら、可能にされる。
【0096】
一例では、アンカポイントまたは基準位置は、僧帽弁中心の代わりに別の点の角度または規定によって変更され、次いで、新しいビューが、規定される。
【0097】
一例として、角度は、例えばアンカポイントを変更しないユーザスライダによって提供される。
【0098】
一例では、画像データは、超音波画像データである。
【0099】
本方法の一例では、解剖学的コンテキストを確立するために、3D画像データの少なくとも一部のセグメント化を提供する3D画像データをセグメント化するステップが、提供される。3D画像データ内の解剖学的基準位置を識別するための解剖学的コンテキストを確立することは、セグメンテーションに基づく。
【0100】
本方法の一例では、3D画像データをセグメント化するために、解剖学的モデルが、提供される。オプションでは、モデルは、3D画像データに適合される。別のオプションでは、セグメント化は、適合されたモデルに基づく。
【0101】
一例では、画像に対するモデルの適応後に、解剖学的基準位置は、例えば、どのメッシュ三角形または頂点が解剖学的ラベルの特定のセットに沿って伝わるかを見ることによって、モデルから抽出される。例えば、これは、僧帽弁輪、弁尖、交連、または僧帽弁の中心の位置であることができる。
【0102】
本方法の一例では、解剖学的コンテキストを確立するために、ボクセルを分類する、またはランドマークを検出するためのディープラーニングおよび畳み込みニューラルネットワークのグループのうちの少なくとも1つを有する機械学習アプローチが、提供される。
【0103】
方法の一例では、基準座標系の生成のために、
i) 前外側僧帽弁交連および後内側僧帽弁交連のグループのうちの少なくとも1つを含む、僧帽弁交連の位置、
ii) 僧帽弁平面に垂直な方向、
iii) 僧帽弁の中心を表す点、
のグループのうちの少なくとも1つが、提供される。
【0104】
本方法の一例では、僧帽弁平面に垂直な方向を決定するために、回帰平面は、僧帽弁輪のすべての頂点の少なくとも一部を通してフィットするように、または僧帽弁交連の前後端を接続するベクトルと前外側端および後内側端を接続するベクトルとの間の外積を取ることによって、決定される。
【0105】
一例では、僧帽弁の中心を表す点は、全ての僧帽弁輪頂点の少なくとも一部の平均として提供される。
【0106】
本方法の一例では、基準系は、僧帽弁平面法線に沿った第1の方向と、前外側および後内側方向に沿った第2の方向と、それに応じて変更される第3の方向とによって定義される。
【0107】
一例では、第3の方向は、僧帽弁法線によって規定される平面内の前外側および後内側方向に垂直な方向である。この第3の方向は、基準方向または0°平面とも称される。
【0108】
本方法の一例では、実際の高い逆流の位置に関する情報は、平面位置を設定するのに使用される。
【0109】
例えば、別のツールにおける流れの以前の評価からの結果が、平面位置を設定するために使用される。
【0110】
別の例では、セグメンテーションからの解剖学的点が、平面位置、例えば、「P1」などの後僧帽弁尖のスカラップ(scallop)の中心を設定するために使用される。
【0111】
一例として、観察面の適応は、例えば、心臓インターベンションのための超音波印可のような、心臓インターベンションのための、介入計画を対象とする製品及びシステムのために提供される。観察面の適応は、また、クラウドベースのサービスまたはアプリケーション内で実装され得る。
【0112】
一例では、異なる平面角度における逆流ジェットの強度に関する情報は、制御スライダの内部または近傍で可視である。例えば、完全なスライダは、色分けされた陰影を有することができ、色は、流量(高流量に対する赤色、低流量に対する青色など)を表すことができる。一例では、基礎値が、平面内の最大流速として、または平面内で可視の完全な逆流ジェットにわたる積分として導出される。
【0113】
オプションでは、特定の手動で選択された平面を保存するステップが、提供され、その結果、同一のビューが、一貫性のために、平面選択ステップを繰り返す必要なく、他の対象との関係で調査されることができる。一例では、特定の手動で選択された平面の保存が、計算された角度およびアンカポイントを保存することによって提供される。
【0114】
さらなるオプションにおいて、特定の手動で選択された平面を他の撮像モダリティにも適用するステップが、提供される。
【0115】
図4は、調整可能な解剖学的平面の画像データを提供する処置の例示的なステップを示す。解剖学的構造の第1の表現300が、上段左に示される。異なる視点を有する解剖学的構造の第2の表現302は、上段右に示される。解剖学的構造の第3の表現304が、下段左に示される。解剖学的構造の第4の表現306が、下段右に示される。
【0116】
上段では、僧帽弁中心308および左側部分の僧帽弁平面に対する法線方向310が、前外側(AL)僧帽弁交連314から後内側(PM)僧帽弁交連316までの方向312とともに示されている。
【0117】
下段では、結果として得られる基準系318は、平面が規定されることができる左及び右部分に示される。基準系318は、3つの異なる軸で示される。参照番号320で示される軸の1つは、観察面を規定するために使用される基準位置である。
【0118】
図5は、解剖学的構造の第5の表現323を示す、提供されるグラフィカルユーザインタフェース322の一例を示す。前外側僧帽弁交連314は、後内側僧帽弁交連316と同様に示される。また、僧帽弁中心308が、示される。図5は、ユーザインタラクションの結果として、シフトされたアンカポイント321を示す。
【0119】
図5は、平面の位置を描写及び説明するためにも示されることに留意されたい。加えて、示されるように、ユーザインタフェースは、同様の外観を提供される。
【0120】
図6は、解剖学的構造の第6の表現325を示すグラフィカルユーザインタフェース324のさらなる例を示す。再び、前外側僧帽弁交連314は、後内側僧帽弁交連316と同様に示される。また、アンカポイントは、参照番号319で示される。アンカポイントは2 つの交連の間に配置されている。中心線326は、角度によって可変画像平面を規定するための0°の角度線を示す。中心線326の右側の第1の線328は、一例として、+10°の角度線を示し、中心線326の左側の第2の線330は、一例として、-10°の角度線を示し、第3の線332は、一例として-70°の角度線を示す。二重矢印334は、角度パラメータを変化させることによる、観察面のための調整オプションを示す。
【0121】
用語「対象」は、個体とも称され得る。「対象」は、さらに、患者とも称され得るが、この用語は、任意の病気または疾患が対象に実際に存在するかどうかを示さないことに留意されたい。
【0122】
本発明の別の例示的な実施形態において、適切なシステム上で、前述の実施形態のうちの1つによる方法の方法ステップを実行するように構成されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム素子が、提供される。
【0123】
したがって、コンピュータプログラム要素は、コンピュータユニットに記憶されてもよく、または本発明の実施形態の一部であってもよい1より多いコンピュータユニットにわたって分散されてもよい。この計算ユニットは、上述の方法のステップを実行する又はその実行を誘導するように構成されてもよい。更に、それは、上述の装置の構成要素を動作させるように構成されてもよい。計算ユニットは、自動的に動作するように、及び/又はユーザのオーダを実行するように、構成されることができる。コンピュータプログラムは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされてもよい。従って、データプロセッサは、本発明の方法を実行するように構成されてもよい。
【0124】
本発明の態様は、コンピュータによって実行され得るコンピュータ可読記憶装置上に記憶されたコンピュータプログラム命令の集合であってもよい、コンピュータプログラム製品において実施されてもよい。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これらに限定されない、任意の解釈可能又は実行可能コードメカニズムあってもよい。命令は、完全な実行可能プログラム、部分的な実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば、アップデート)または既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供されることができる。さらに、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータまたはプロセッサに分散されてもよい。
【0125】
上述のように、処理ユニット、例えばコントローラは、制御方法を実施する。このコントローラは、必要とされる様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、様々な方法で実施されることができる。プロセッサは、必要とされる機能を実行するために、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを採用し得るコントローラの一例である。しかしながら、コントローラは、プロセッサを使用して又は使用せずに実施されてもよく、幾つかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(1つ以上のプログラムされるマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実施されてもよい。
【0126】
本開示の様々な実施形態に用いられ得るコントローラの構成要素の例は、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0127】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、アップデートの手段によって既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方を包含する。
【0128】
更に、コンピュータプログラム要素は、上述の方法の例示的な実施形態の手順を満たすために必要なすべてのステップを提供することができてもよい。
【0129】
本発明の更なる例示的な実施形態によれば、CD-ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、それに記憶されたコンピュータプログラム要素を有し、そのコンピュータプログラム要素は、前述のセクションによって説明される。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、または他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体またはソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶および/または配布され得るが、インターネットまたは他の有線もしくは無線電気通信システムを介してなど、他の形態で配布されてもよい。
【0130】
しかしながら、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワーク上で提示されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされることができる。本発明の更なる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードに対して利用可能にするための媒体が提供され、このコンピュータプログラム要素は、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる方法を実行するように構成される。
【0131】
本発明の実施形態は、それぞれ異なる主題を参照して説明されることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明され、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者は、上記及び下記の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせも、本出願で開示されていると見なされることを理解するのであろう。しかしながら、全ての特徴が、組み合わされて、特徴の単純な合計よりも高い相乗効果を提供することができる。
【0132】
本発明は、図面および前述の説明において図示され、詳細に説明されているが、そのような図示および説明は、例示的または典型的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解及び達成されることができる。
【0133】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項において言及されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】