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特表2024-527470聾唖者または聴覚障害者の言葉のコミュニケーションを容易にするためのコミュニケーション機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】聾唖者または聴覚障害者の言葉のコミュニケーションを容易にするためのコミュニケーション機器
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20240718BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240718BHJP
   G09B 21/04 20060101ALI20240718BHJP
   G10L 15/25 20130101ALI20240718BHJP
   G10L 13/02 20130101ALI20240718BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G09B21/00 F
G06F3/16 690
G06F3/16 620
G06F3/16 650
G06F3/16 610
G09B21/00 D
G09B21/04
G10L15/25
G10L13/02 110Z
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575511
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 IB2022054623
(87)【国際公開番号】W WO2022259065
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021000015347
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】523457202
【氏名又は名称】ハガ2 エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】HAGA2 S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Badia n.115, 84012 Angri (SA) (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラッシーニ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA13
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE08
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB64
5E555CB66
5E555CC01
5E555DA09
5E555DA23
5E555DB41
5E555EA22
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
コミュニケーション機器は、ユーザが目の高さに装着するようになされた支持構造体(2,102,202)と、支持構造体(2,102,202)と一体の第1合成装置(3,103,203)であって、ユーザが生成した唇を検出して対応する文言に変換するのに適した1つまたは複数のセンサが設けられた、第1合成装置(3,103,203)と、再生手段(4,104,204)であって、第1合成装置(3,103,203)が発した文言に対応する音声および/またはデータを再生するのに適した、再生手段(4,104,204)と、第2合成装置(5,105,205)であって、再生手段(4,104,204)が生成および/外部から受信した音声および/またはデータを音声処理および/または文言処理に変換するのに適した、第2合成装置(5,105,205)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニケーション機器であって、
支持構造体(2,102,202)であって、ユーザが目の高さに装着するように設計された、支持構造体(2,102,202)と、
前記支持構造体(2,102,202)と一体の第1合成装置(3,103,203)であって、ユーザが生成した入力を検出して対応する文言に変換するのに適した1つまたは複数のセンサが設けられた、第1合成装置(3,103,203)と、
再生手段(4,104,204)であって、前記第1合成装置(3,103,203)が発した前記文言に対応する音声および/またはデータを再生するようになされた、再生手段(4,104,204)と、
第2合成装置(5,105,205)であって、前記再生手段(4,104,204)が生成した前記音声および/またはデータ並びに/或いは外部から受信した音声および/またはデータを音声処理および/または文言処理に変換するのに適した、第2合成装置(5,105,205)と、
を備え、
前記1つまたは複数のセンサは、ユーザの唇を検出して対応する文言に変換するようになされている、コミュニケーション機器。
【請求項2】
ディスプレイ(6,206)であって、使用中、ユーザの少なくとも片方の目の前に配されるような位置で前記支持構造体(2,202)に固定されて前記文言処理を視覚的に再生する、ディスプレイ(6,206)を備える、請求項1に記載のコミュニケーション機器。
【請求項3】
前記ディスプレイ(6,206)には、プリズムスクリーンが設けられており、使用中、ユーザの目の前に置かれるような位置で前記支持構造体(2,202)に配される、請求項2に記載のコミュニケーション機器。
【請求項4】
前記支持構造体(102,202)は、眼鏡フレームのような形状とされており、2つのレンズ(118,218)が設けられている、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項5】
前記ディスプレイは、前記レンズ(118,218)の少なくとも1つに一体化されている、請求項4に記載のコミュニケーション機器。
【請求項6】
前記第1合成装置(3,103,203)は、スピーチ合成装置である、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項7】
前記再生手段(4,104,204)は、音声を発出するようになされ、前記第1合成装置(3,103,203)が発した前記文言を再生するようになされたスピーカ(14,114,214)を備えており、外部音源からの音声を受信するのに適したマイク(15)も設けられている、請求項6に記載のコミュニケーション機器。
【請求項8】
前記マイク(15)は、前記第2合成装置(5,105,205)と接続されて、音声処理および/または文言処理に変換すべき音声を転送する、請求項7に記載のコミュニケーション機器。
【請求項9】
前記再生手段(4,104,204)は、前記1つまたは複数のセンサが検出した入力をデータフローに変換し、前記データフローを異なるコミュニケーション機器(1,100,200)の第2合成装置(5,105,205)に送るようになされている、請求項1から請求項8の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項10】
前記再生手段(4,104,204)は、前記データフローの暗号化(encrypting)/復号化(decrypting)または暗号化(encipher)/復号化(decipher)に適している、請求項9に記載のコミュニケーション機器。
【請求項11】
前記支持構造体(2,102,202)は、ユーザが額に装着するのに適したフレームであって、ユーザのそれぞれのこめかみに配されるようになされた横方向イヤピース(7,107,207)と、前記横方向イヤピース(7,107,207)を接続する中央部(8,108,208)と、を有する、フレームを備える、請求項1から請求項10の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項12】
前記支持構造体(2,102,202)は、第1アーム(10)であって、前記横方向イヤピース(7,107,207)の1つにヒンジ固定された第1端と、前記第1合成装置(3,103,203)が設けられた第2自由端と、を有する、第1アーム(10)を備える、請求項11に記載のコミュニケーション機器。
【請求項13】
前記第1アーム(10,110,210)は、伸縮自在なまたは折り畳み可能な構造を有する、請求項12に記載のコミュニケーション機器。
【請求項14】
前記第1合成装置(3,103,203)は、少なくとも1つの回転軸周りに方向付け可能な様式で前記アーム(10,110,210)の前記第2端に拘束されている、請求項12または請求項13に記載のコミュニケーション機器。
【請求項15】
前記第2合成装置(5,105,205)には、同時言語変換用のソフトウェアが設けられている、請求項1から請求項14の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項16】
前記第2合成装置(5,105,205)には、同時言語変換アプリケーションが設けられた電子機器に接続するための手段が設けられている、請求項1から請求項15の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項17】
1つまたは複数のビデオカメラ(119,219)であって、画像および/またはデータの取得、並びに、それらの前記ディスプレイ(206)に再生すべき音声および/または画像への変換のためのソフトウェアが装備された、1つまたは複数のビデオカメラ(119,219)を備える、請求項1から請求項16に記載のコミュニケーション機器。
【請求項18】
前記音声を再生するようになされた1つまたは複数のスピーカ(14,114,214)を備える、請求項1から請求項17の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【請求項19】
1つまたは複数の充電可能な電源電圧蓄電池を備え、前記支持構造体(2)には、前記1つまたは複数の蓄電池を充電手段に接続するためのUSBポート等のような充電ポート(17)が設けられている、請求項1から請求項18の何れか一項に記載のコミュニケーション機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総じて、コミュニケーション機器の分野に適用され、特に、聾唖者または聴覚障害者の言葉のコミュニケーション、更には異なる言語を話す健聴者の言葉のコミュニケーションを容易にするのに適したコミュニケーション機器に関する。
【背景技術】
【0002】
聾唖者または聴覚障害者の間の言葉のコミュニケーションを可能にするように設計された既知の解決策は、基本的に、電子機器を使用して手話の言語を介したこれらの主体の交流やコミュニケーションを容易にすることを目的とする機器およびアプリケーションの使用を含むが、良く知られている通り、手話は手のジェスチャに基づいていても社会学的な観点からは実質の言語を表している。他の解決策は、電子機器に表示されたテキストを音声に変換するように設計された音声合成装置の使用を含む。
【0003】
しかしながら、これらの解決策は、コミュニケーション中に「聴覚障害のない人」と「聴覚障害者」とを隔てる障壁を克服可能にすることはなく、これらの主体の間のコミュニケーションを可能にはするものの、聴覚障害のない人々の間の言葉のコミュニケーションに類似したものにすることのない部分的な解決策でしかない。
【0004】
加えて、現在、世界には300近くの手話があり、実際、聴覚障害者の間のコミュニケーションには更に明白な障壁が伴うことにも、留意する必要がある。
【0005】
大切なことが最後になったが、母国語が異なる健常者の間の口頭コミュニケーションの分野では、現在、機器(通常はスマートフォン)に存在する音声合成装置が再生した1つの文章またはごく短いピリオドを、選択した言語に変換するのに適したアプリケーションが改良されているに過ぎない。
【0006】
これらの機器は、自身の1つの対話の変換物を受信した後に他の主体に聞かせ、関連する応答が同様に処理されるのを待つことが想定されている。
【0007】
このようにすれば、継続的でないコミュニケーションは実現されるが、これは簡単な情報交換の目的のみに役立つものであって、代わりに流暢で継続的な会話を可能にするものではない。
【0008】
米国特許第6240392号明細書は、請求項1の前文に含まれる特徴のほぼ全てを本発明と共有する、聾唖者または聴覚障害者が使用するように設計されたコミュニケーション機器を開示する。
【0009】
しかしながら、再生すべき文言を挿入する機能は、専らパソコンやタブレット等のような電子機器に委ねられており、これらが外部からの音声を捕捉したり短い書込みを挿入したりして合成装置で認識可能な音声に転化し、次いで合成装置がユーザの目の高さに置かれたディスプレイで視認可能な文言や記号に変換する。
【0010】
この解決策が、人々の間の流暢なコミュニケーションを可能にするのには適さず、特定の緊急解決策における補助としてのみ聴覚障害のある人々の役に立つことは明白である。
【0011】
米国特許出願公開第2002/194005号明細書は音声認識装置を開示しており、この音声認識装置は、唇を取得するためにマイクの両側に置かれた2つ以上のカメラを使用して唇の位置と動きを記録および再生する機能を有し、マイク音の取得が不完全な場合に、唇の位置の像がビデオ書込みとその後のプリントにおけるスピーチの完全な再生を容易にしてマイクによる音声取得に見出された欠陥を穴埋めするが、取り込んだものを音声に変換可能とするものではない。
【0012】
少なくとも、聾唖者または聴覚障害者の間および健常者の間の両方で使用でき、コミュニケーションの機密性を保つためにデータ交換によるコミュニケーションを可能にする、コミュニケーション機器の必要性が感じられる。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、手話の言語と言葉の言語のような異なる言語の使用に起因する一般的なコミュニケーション障壁を克服して聾唖者または聴覚障害者の間の言葉のコミュニケーションを可能にするコミュニケーション機器を実現することにより、上記の欠点を克服することである。
【0014】
更なる目的は、異なる言葉の言語を使用する健常者の間、または異なる手話の言語を使用する聴覚障害者の間でも使用できるコミュニケーション機器を提供することによって、上記の欠点を克服することである。
【0015】
特定の一目的は、聴覚障害者の間および聴覚障害者と健常者の間の両方で、そしてまた母国語の異なる健常者の間でも、自然な方法での会話を可能にするコミュニケーション機器を提供することである。
【0016】
これらの目的は、以下でより明白になる他の目的と同様に、コミュニケーション機器であって、請求項1によれば、ユーザが目の高さに装着するのに適した支持構造体と、第1音声合成装置であって、前記支持構造体と一体でありユーザの唇を検出して対応する文言に変換するようになされたセンサが設けられた、第1音声合成装置と、音声を発出するための発出手段であって、前記第1合成装置が発した文言を再生するようになされた、発出手段と、第2合成装置であって、前記発出手段が生成した音声を文言処理(word processing)に変換するようになされた、第2合成装置と、任意選択により可能なディスプレイであって、ユーザの少なくとも一方の目の前に配されるような位置で前記支持構造体に固定されて前記ワードプロセッサを視覚的に再生する、ディスプレイと、を備える、コミュニケーション機器によって達成される。
【0017】
このようにすれば、ユーザは、聾唖者であろうが聴覚障害であろうが健常者であろうが、対話者が表現したものを即座にそして流暢に自身の言語で読み、コミュニケーション障壁のない状態で簡単かつ十分に会話し得る。
【0018】
そのように設計された機器は、聾唖者または聴覚障害者が他の対話者(聴覚障害者であろうが健常者であろうが)と話をするためにも、そしてまた、健聴者が異なる言語を話す他の人々と話をするためにも、使用され得る。
【0019】
機器はまた、聴覚障害者がオーディオ機器および/またはオーディオ-ビデオ機器が発出する音声メッセージを受信するのにも、並びに、通常の聴覚を持つ人が自身の言語ではない言語の音声メッセージを理解するのにも、使用され得る。
【0020】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に従って得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の目的の更なる特徴と利点は、添付の図面表の助けを借りて非限定的な実施例として示された、本発明によるコミュニケーション機器の好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明に照らして、より明らかになるであろう。
【0022】
図1図1は、第1構成によるコミュニケーション機器の、第1使用モードにおける斜視図である。
図2図2は、図1のコミュニケーション機器の、第2使用モードにおける斜視図である。
図3図3は、図1のコミュニケーション機器の上面図である。
図4図4は、第2構成によるコミュニケーション機器の、不使用または部分的のみ使用の構成における斜視図である。
図5図5は、図4のコミュニケーション機器の、最も完全な使用状態における斜視図である。
図6図6は、第3構成のコミュニケーション機器の、不使用または部分的のみ使用の構成における斜視図である。
図7図7は、図6のコミュニケーション機器の、最も完全な使用状態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明によるコミュニケーション機器の、好ましいが排他的でない第1構成を示し、全体が1で示され、ユーザが目の高さで顔に装着するのに適している。
【0024】
機器1は、独自の支持構造体が設けられていてもよいし、ユーザが既に利用可能な眼鏡フレームに一体化されていてもよい。
【0025】
コミュニケーション機器1は、基本的に、ユーザが目の高さに装着するのに適した支持構造体2と、支持構造体2と一体の第1合成装置3であって、ユーザの唇を検出して対応する文言に変換するのに適したセンサが設けられた、第1合成装置3と、音声および/またはデータを発出するための再生手段4であって、第1合成装置3が発した文言を再生するのに適した、再生手段4と、第2合成装置5であって、前記再生手段4が生成した音声を文言処理に変換するのに適した、第2合成装置5と、を備えている。
【0026】
排他的ではないが好ましくは、第1合成装置3は、スピーチ合成装置であろう。
【0027】
第2合成装置5は、ユーザの少なくとも片方の目の前に配されるような位置で支持構造体2に固定されてワードプロセッサを視覚的に再生するディスプレイ6に、接続されるであろう。
【0028】
このようにすれば、ユーザは、対話者が話した文言をリアルタイムで、または、対話者の唇に対応する文言をほぼリアルタイムで、読むことができる。
【0029】
検出した音声を文言処理に変換するのに適した第2合成装置5が存在していることにより、オーディオ機器またはオーディオ-ビデオ機器が送信した任意の音声メッセージを理解したり、唇を検出できない場合に人が話した文言を理解したりすることも、可能になるであろう。
【0030】
この意味で、機器1の可能な変形例は、第1合成装置3がないものや、第1合成装置3を使用しないものも想定される。
【0031】
実際のところ、この構成は、音声を発することができない聴覚障害者の間のコミュニケーションには適さないが、いずれにせよ、聴覚障害者ユーザと健常者の間、または聴覚障害者ユーザと聴覚障害者であるが文言に対応する音声を発出できる対話者の間のコミュニケーションには有用である。
【0032】
同様に、聴覚障害者が音声メッセージを理解するために、或いはまた、異なる言語でコミュニケーションをとる健常者の間のコミュニケーションのためにも、使用され得る。
【0033】
図の好ましいが排他的ではない構成によれば、支持構造体2は、ユーザが額に装着するのに適したフレームであって、それぞれのこめかみに配されるのに適した1対の横方向イヤピース7と、鼻に載せるための1つまたは複数の鼻パッド9を備え得る中央セクション8と、を有する、フレームを備える。
【0034】
ディスプレイ6は、使用中、一方の目の前に置かれるように、また恐らくは調整可能な様式で、中央部8に置かれるか、または横方向イヤピース7の一方の端に置かれるであろう。
【0035】
加えて、ディスプレイ6は、目の近くに置かれている間ワードプロセッサを簡単に読むことができるように設計されたプリズムスクリーンを備えるであろう。
【0036】
支持構造体2はまた、横方向イヤピース7の1つにヒンジ固定された第1端11と、第1合成装置3が設けられた第2自由端12と、を有するアーム10を備えるであろう。
【0037】
このようにすれば、図2からも分かるように、アーム10を回転させて第1合成装置3の位置を調整し、自身の唇を検出させるのに最も適した位置に置くことができる。
【0038】
この目的のため、アーム10は、図のように伸縮自在な構造を有してもよく、および/または、第1合成装置3は、少なくとも1つの回転軸周りに方向付け可能な様式でアーム10の第2端12に拘束されていてもよい。
【0039】
アーム10にはまた、これを押すとアームの回転が可能となる解除ボタン13が設けられていてもよい。
【0040】
図3からより明瞭に分かるように、音声を発出するのに適した再生手段4は、第1合成装置3が発した文言を再生するのに適したスピーカ14を備える。
【0041】
外部から来る文言、或いは、例えば別の対話者が装着した本明細書に説明する型式の別のコミュニケーション機器のスピーカ14が発出した文言やユーザが選択した他の語源が発出した文言、の両方を受信するために、マイク15も設けられている。
【0042】
マイク15は、第2合成装置5に接続されており、文言処理に変換すべき音声をこれに転送する。
【0043】
第2合成装置5には、同時言語変換のための独自のソフトウェアが設けられていてもよいし、言語の同時変換のためのアプリケーションが設けられた電子機器に接続するための手段が設けられていてもよい。
【0044】
例えば、電子機器は、同時変換のための適切なソフトウェアアプリケーションを備えたスマートフォンであってもよく、第1合成装置との接続は、例えばBluetooth(登録商標)を介して無線で行われても、またはUSBやマイクロUSB等の接続ポートを介して接続されたケーブルを介して行われてもよい。
【0045】
電源は、1つまたは複数の蓄電池、支持構造体2に作られた特別な区画16に収容され図には見えない好ましくは充電式の蓄電池によって、提供されてもよい。
【0046】
この目的のため、支持構造体2には、蓄電池を充電手段に接続するためのUSBポート等のような充電ポート17が設けられ、同時変換用のソフトウェアアプリケーションが設けられた電子機器との接続にも使用され得るであろう。
【0047】
図4は、コミュニケーション機器の第2構成を示し、全体が100で示されているが、これは第1に支持構造体102の構成が先のものとは異なっており、ここでは眼鏡フレームとして設計されているために、横方向イヤピース107および中央部108の他に、2つのレンズ118も設けられているが、度付である必要はない。
【0048】
この構成では、1つまたは両方のレンズ118にディスプレイ106が内蔵されて、ユーザが検出した音声および/または話した文言(唇を通してのみであっても)に対応するテキストまたは画像を、或いは、第2合成装置105が検出した音声に対応するテキストまたは画像を、再生し得る。
【0049】
しかしながら、より単純なバージョンでは、コミュニケーション機器100がディスプレイを完全に欠いてもよい。このケースは、同じ言語を話さない聴覚障害者でない者の間のコミュニケーションで同時変換を実行するのに特に適しているであろう。2つの合成装置103,105が存在し、再生手段104も存在しているおかげで、先の解決策のように、対話者の一方の唇が検出され音声および/またはデータとして他の機器に送信されて、続いて特別な同時変換ソフトウェアを通して第1対話者のスピーチが第2対話者の言語で再生されるであろう。
【0050】
この構成は、コミュニケーション機能を利用しないときには通常の1対の眼鏡のように装着できるというさらなる利点を有し、必要に応じて度付レンズを装備することも可能である。
【0051】
変換物は、スピーカ114を通して、および/または、存在する場合にはディスプレイ106のスクリーンに、再生されてもよい。
【0052】
第1合成装置103は、横方向イヤピース107の1つにヒンジ固定されたアーム110に配され、図5に示すように、必要な場合だけ回転されてユーザの口の前方位置に運ばれるであろう。
【0053】
この構成では、外部から来る文言、或いは、例えば別の対話者が装着している本明細書に説明する型式の別のコミュニケーション機器のスピーカ114が発出した文言やユーザが選択した他の語源が発出した文言、の両方を受信するのに適したマイクがあってもよい。
【0054】
装置100にはまた、QRコードのようなコードを取得してこのコードに関連する音声メッセージを起動するためのソフトウェアを有するフロントカメラ119が装備されるであろう。
【0055】
この実装は、例えば、2つの横方向イヤピース107の内部に置かれたスピーカ114を通して再生すべき音声トラック、或いは、ディスプレイに再生する文言処理を起動するのに有用であり、特にこの最後の実施例では、聴覚障害者が美術館を訪れた場合に芸術作品、絵画、彫刻などに関する全ての情報を得たり、一般的には情報を受信したりすることが可能になるであろう。
【0056】
図6は、コミュニケーション機器の第3構成を示し、全体が200で示されているが、これは先のものと共通して、中央部208によって結合された1対の横方向イヤピース207を備える眼鏡構成の支持構造体202を有している。
【0057】
この解決策にも、第1合成装置203であって、横方向イヤピース207の1つにヒンジ固定されたアーム210に置かれ、ユーザの唇を検出して対応する文言に変換するのに適したセンサが設けられた、第1合成装置203と、音声および/またはデータを発出するための再生手段204であって、第1合成装置203が発した文言を再生するのに適した、再生手段204と、第2合成装置205であって、前記再生手段204が生成した音声および/またはデータを(先の構成について上述したのと略同様の様式で)音声および/または文言および/または文言処理に変換するのに適した、第2合成装置205と、がある。
【0058】
また、横方向イヤピース207の内部に位置する音声再生のための2つのスピーカ214があり、上記と同じ機能を有するマイクおよびフロントカメラ219があり得る。
【0059】
この構成にはディスプレイ206もあり、これは、レンズ218の1つに一体化されるか、或いは、好ましくはヒンジ付の第2アーム220に関連付けられるか、または好ましくは第1アーム210とは反対側の横方向イヤピース207の1つに関連付けられて、使用中、図7に示すようにレンズ218の1つの前に配置されるような位置にあってもよい。
【0060】
このようにして、第2合成装置205が取得した文言をディスプレイ206に再生してもよい。
【0061】
従って、機器200は、聴覚障害者の間のコミュニケーションに特に適しているが、異なる言語を話す人々の間でも使用され得るであろう。
【0062】
ユーザの1人が検出した唇を、同じ機器を有する別の対話者のディスプレイにビデオ書込みで再生できる非音声データとしても転送可能であるおかげで、この構成は、軍事的範囲向けの用途の場合と同じく会話を秘密にしておく必要がある全ての状況で使用するのに役立てることができる。
【0063】
このケースでは、コミュニケーション機器200にデータを暗号化/復号するための特別なソフトウェアが設けられていてもよい。
【0064】
会話は、機器200に設けられるコミュニケーション手段が例えばBluetoothプロトコルに基づく直接データ交換システムを使用する場合には、短距離データ交換を通じて、コミュニケーション手段がインターネット、衛星通信システムまたは他の遠隔通信システムに接続され得る場合には、長距離データ交換を通じて、行われ得る。
【0065】
上述したコミュニケーション機器に提供され得る更なる機能は、音声通話を送受信するのに適した機器の機能、SMS、WhatsApp等のような最も一般的なメッセージングアプリケーションを介して送信されるテキストメッセージおよび/または音声メッセージおよび/またはビデオメッセージを読み取るのに適した機器の機能であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】