(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物
(51)【国際特許分類】
C04B 18/20 20060101AFI20240718BHJP
C04B 18/14 20060101ALI20240718BHJP
C04B 28/04 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C04B18/20 ZAB
C04B18/14 Z
C04B28/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576106
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 SK2022000005
(87)【国際公開番号】W WO2022260606
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SK
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SK
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523462974
【氏名又は名称】テラティコ, イェットノデゥチェイ スポロチノスティ ナ アクティエ
【氏名又は名称原語表記】TERRATICO, J.S.A.
【住所又は居所原語表記】Postova 3049/1, 010 08 Zilina, Slovakia
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】オットー ナギュ
(72)【発明者】
【氏名】オットー ナギュ
【テーマコード(参考)】
4G112
【Fターム(参考)】
4G112PA28
4G112PA32
4G112PC03
(57)【要約】
セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物は、18重量%~24重量%のプラスチック屑と、20重量%~26重量%のポルトランドセメントと、20重量%~26重量%の断片0.2~0.8mmのケイ砂と、2.7重量%~3.1重量%の流動化剤と、2.0重量%~2.7重量%のシリカヒューム(マイクロシリカ)SiO2と、100重量%までの追加量での分画0/4の砂利と、を含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
18重量%~24重量%のプラスチック屑と、
20重量%~26重量%のポルトランドセメントと、
20重量%~26重量%の断片0.2~0.8mmのケイ砂と、
2.7重量%~3.1重量%の流動化剤と、
2.0重量%~2.7重量%のシリカヒューム(マイクロシリカ)SiO
2と、
残りを補う分画0/4の砂利と、
を含有する、セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物であって、
前記乾燥混合物について、上記の全ての構成要素が一緒になって合計100%になることを特徴とする、セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物。
【請求項2】
ポルトランドセメント 32.5 CEM Iを含有することを特徴とする、請求項1に記載のセメントプラスチックスクリードの乾燥混合物。
【請求項3】
Melment 10/40などの、粉末状流動化剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のセメントプラスチックスクリードの乾燥混合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設において使用できるセメントプラスチックスクリードの乾燥混合物に関する。本発明は、建設の分野に入る。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばテラゾなどのセメント、ケイ砂及び石、花崗岩又は大理石屑をベースとする製品は、建設及び石造物の分野において一般に公知である。テラゾは、所定の位置に注がれた又はプレキャストされた、複合材料であり、それは、床及び壁処理のために使用される。それは、セメント質バインダー(化学結合のための)、高分子(物理結合のための)、又は両方の組合せと一緒に注がれた、大理石、石英、花崗岩、ガラス、又は他の好適な材料の切り屑を含む。
【0003】
特許文献1(ロシア国特許第2739910 C1号明細書)が先行技術において公知であり、この特許は、ポルトランドセメント、高分子バインダー、砂、ガラス繊維及び改質剤を含有するポリマー-セメント乾燥建設混合物を記載している。この高分子バインダーは、再分散性ポリ酢酸ビニルポリマー粉末又はポリ酢酸ビニルコポリマーである。
【0004】
二成分速硬化性プラスチックセメントも、特許文献2(中国特許第112063160 A号明細書)から公知であり、この特許で、第1の成分は、ポリエーテルポリオール、硬化剤、表面ヒドロキシル化変性パラフィン、増粘剤及び固体充填材である。第2の成分は、ポリエーテルポリオール、触媒、架橋剤、表面ヒドロキシル基によって変性されたパラフィン、増粘剤及び固体である。一定のヒドロキシル含有量を持ったパラフィンがこれらの2つの成分中へ導入されている。
【0005】
嵩密度を下げる、断熱性を上げる及び水不浸透性を確保するために、特許文献3(スロバキア国実用新案第1692 U号明細書)の場合のように、アクリレートゴムアスファルトをセメントに混ぜ込む傾向もあった。
【0006】
セメント及び紙パルプを含むビルディングミックスも、特許文献4(スロバキア国実用新案第4239 U号明細書)に記載されているように、公知であり、この実用新案は、生産コストを削減し、且つ製品の重量を低下させる。
【0007】
しかしながら、上記の製品のどれも、床スクリードの創出に好適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
まだ十分に探究されていない、セメント混合物の課題は、プラスチック廃棄物の生態学的使用及び消費をも可能にするであろうセメント混合物のそのような組成物をデザインするように現在喚起している。この努力の結果は、本発明に記載されるセメントプラスチックスクリードの乾燥ミックスである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
セメントスクリード混合物の上述の課題は、本発明によるセメントプラスチックスクリードの提案される(乾燥)混合物によって解決される。本発明の本質は、組成物に応じて、さらにリサイクルすることができない破砕プラスチックを好ましくはそれが含有するという事実にある。好ましくは1mm~20mmの断片の、若しくはより高い断片さえの全ての種類のプラスチック、又はプラスチックペレットを除いて、刻んだプラスチックストリップを使用することが可能である。それはまた、セメント、例えば32.5MPa~52.5MPaの強度のポルトランド灰色若しくは白色、断片0.2mm~0.8mmのケイ砂、粉末状流動化剤 10/40、分画0/4の砂利及びシリカヒューム(マイクロシリカ)SiO2である。
【0010】
ポルトランド灰色及びポルトランド白色は、水硬性バインダーと同義語として用いられ得るセメントの歴史的名称を表す。
【0011】
本発明によれば、流動化剤は、メラミンホルムアルデヒドをベースとし得る若しくはそれを含み得る若しくはそれから製造され得る及び/又はEN934-2 2019+A1:2012標準を遵守し得る。
【0012】
セメントプラスチックスクリードのこの乾燥混合物は、例えば、紙袋中へ梱包することができ、使用場所で、それは水と混合されるだけである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の本質は、セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物の個別の構成要素の百分率表現によって補足される。セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物は、
18重量%~24重量%のプラスチック屑と、
20重量%~26重量%のポルトランドセメント 32.5 CEM Iと、
20重量%~26重量%の断片0.2~0.8mmのケイ砂と、
2.7重量%~3.1重量%の流動化剤Melment 10/40と、
2.0重量%~2.7重量%のシリカヒューム(マイクロシリカ)SiO2と、
残りを補う追加量での分画0/4の砂利と、
を含む。
【0014】
全ての上記の構成要素は、合計100%になる。
【0015】
本発明によるセメントプラスチックスクリードの(乾燥)混合物の利点は、その外部効果から明らかである。効果及び斬新さは、そのユニークな組成にあり、ここで、目標は、安価なインプット原材料-プラスチック廃棄物を使用すること並びに得られる生成物の重量を減らすことによって経費を節減することである。紛れもない利益は、このセメントプラスチック混合物でできたスクリードが、テラゾのように見えるという事実である。
【0016】
テラゾは、床及び壁処理のために使用される、所定の位置に注がれる又はプレキャストされる、複合材料である。それは、セメント質バインダー(化学結合のための)、高分子(物理結合のための)、又は両方の組合せと一緒に注がれる、大理石、石英、花崗岩、ガラス、又は他の好適な材料の切り屑を含む。
【0017】
この効果は、大理石屑をプラスチック廃棄物屑で置き換えることによって達成され、それは、80%までだけ経費を節減する。本発明によるセメントプラスチック混合物でできたスクリードは、より低いカーボン・フットプリントを残し、同時にプラスチック廃棄物をリサイクルする最も難しい問題の1つを解決する。数十年齢の劣化プラスチックさえも、たとえ日光に曝されたとしても、このようにして処理することができる。プラスチック屑の添加は、スクリードにその表面構造、モザイクを与え、ケイ砂の添加は、スクリードに剛性を追加する。
【0018】
本発明によるセメントプラスチックスクリードの(乾燥)混合物の個別の実施形態は、解決策の例示のために提示され、解決策の限定として提示されないことが理解される。当業者は、本発明によるセメントプラスチックスクリードの乾燥混合物の具体的な実施形態の多くの同等物を、ただの所定の実験を用いて見いだすであろうし、又は突き止めることができるであろう。そのような同等物はまた、本クレームの範囲内に入るであろう。
【0019】
セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物の個別の構成要素を任意に混合することは、当業者にとって問題ではなく、だからこれらの特徴は、詳細に取り扱われていない。
【実施例】
【0020】
本発明の具体的な実施形態のこの例において、セメントプラスチックスクリードの(乾燥)混合物が記載される。セメントプラスチックスクリードの乾燥混合物は、
21.844重量%である、22.5kgのプラスチック屑と、
24.27重量%である、25.0kgのポルトランドセメント 32.5 CEM Iと、
24.27重量%である、25.0kgの断片0.6mmのケイ砂と、
2.91重量%である、3.0kgの流動化剤 Melment 10/40と、
2.43重量%である、2.5kgのシリカヒューム(マイクロシリカ)SiO2と、
24.276重量%である、25.0kgの分画0/4の砂利と、
を含む又はそれらからなる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によるセメントプラスチックスクリードの乾燥混合物は、建設分野向けである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】ロシア国特許第2739910 C1号明細書
【特許文献2】中国特許第112063160 A号明細書
【特許文献3】スロバキア国実用新案第1692 U号明細書
【特許文献4】スロバキア国実用新案第4239 U号明細書
【国際調査報告】