(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】山火事の時間的境界
(51)【国際特許分類】
G01W 1/00 20060101AFI20240718BHJP
G06F 16/53 20190101ALI20240718BHJP
G01W 1/08 20060101ALI20240718BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240718BHJP
G06V 20/13 20220101ALI20240718BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20240718BHJP
【FI】
G01W1/00 Z
G06F16/53
G01W1/08 P
G06T7/00 640
G06V20/13
G06T7/60 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577281
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2022018651
(87)【国際公開番号】W WO2022271217
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】コーワン,エリオット ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】コーワン,エイブリー ノーム
【テーマコード(参考)】
5B175
5L096
【Fターム(参考)】
5B175DA02
5B175HB03
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA04
5L096DA01
5L096DA03
5L096FA16
5L096FA32
5L096FA33
5L096FA35
5L096FA54
5L096GA30
5L096GA40
5L096GA41
5L096GA51
5L096GA55
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】 火災の時間範囲を生成するための、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラムを含む、方法、システム、及び装置。
【解決手段】 いくつかの実装形態では、サーバは、領域内で火災が発生した日付を取得する。サーバは、火災が発生した日付より前のその領域の衛星画像を取得する。サーバは、衛星画像から第1の統計的分布を生成する。サーバは、第1の統計的分布を使用して火災の開始日を判定する。サーバは、開始日より前及び開始日より後のその領域の第2の衛星画像を取得する。サーバは、開始日より前の第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択する。サーバは、画像の第2のセットから第2の統計的分布を生成する。サーバは、第2の統計的分布を使用して火災の終了日を判定する。サーバは、出力のために開始日及び終了日を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実施されるコンピュータ実装方法であって、
サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記地理的領域の第1の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記第1の衛星画像から、画像の第1のセットを選択することと、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットから第1の統計的分布を生成することと、
前記サーバによって、前記第1の衛星画像と前記第1の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の開始日を判定することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した判定された前記開始日より前及び判定された前記開始日より後の前記地理的領域の第2の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択することであって、前記画像の第2のセットの量が、前記画像の第1のセットの量より少ない、前記画像の第2のセットを選択することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記画像の第2のセットから、第2の統計的分布を生成することと、
前記サーバによって、前記開始日より後に発生した前記第2の衛星画像と前記第2の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の終了日を判定することと、
前記サーバによる出力のために、前記地理的領域内の前記火災の前記開始日及び前記火災の前記終了日を含む範囲を提供することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付を取得することが、
前記サーバによって、前記地理的領域を記述するロケーションを取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付を取得することであって、前記日付が、前記火災の前記開始日、前記火災の前記終了日、又は前記範囲内の別の日付に対応し得る、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付を取得することと、を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記地理的領域の前記第1の衛星画像を取得することが、
前記サーバによって、前記火災が発生した前記地理的領域を記述する前記ロケーション、及び前記火災が発生した前記日付を衛星画像データベースに提供することと、
前記ロケーション及び前記日付を提供することに応答して、前記サーバによって、前記日付より前の期間からの前記地理的領域を示す前記第1の衛星画像を取得することと、を含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記第1の衛星画像から、前記画像の第1のセットを選択することが、
前記サーバによって、前記第1の統計的分布を生成するための期間を識別することであって、前記期間が、前記日付より前の期間に対応する、前記第1の統計的分布を生成するための期間を識別することと、
前記サーバによって、前記期間に基づいて、前記第1の衛星画像から前記画像の第1のセットを選択することと、
前記サーバによって、選択された前記画像の第1のセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指示を判定することと、
前記サーバによって、火災を示す前記1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、選択された前記画像の第1のセットを調整することと、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記画像の第1のセットから前記第1の統計的分布を生成することが、
選択された前記画像の第1のセットを調整することに応答して、前記サーバによって、前記第1の統計的分布の1つ以上のパラメータを、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットの各日における火災を示すピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットの各日における火災を示す前記ピクセルの数の平均を判定することと、
前記サーバによって、判定された前記平均を前記1つ以上のパラメータに設定することによって前記第1の統計的分布を生成することと、によって生成することを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記第1の衛星画像と前記第1の統計的分布との前記比較に基づいて、前記火災の前記開始日を判定することが、
前記サーバによって、前記火災が発生した前記日付より前の日に対応する前記第1の衛星画像から衛星画像を識別することと、
前記サーバによって、前記日の識別された前記衛星画像から、火災を示すように見えるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記第1の統計的分布、及び火災を示すように見える判定された前記ピクセルの数に基づいて、前記第1の衛星画像からの前記衛星画像が火災の指示を含む尤度を生成することと、
前記サーバによって、前記尤度を閾値と比較することと、
前記尤度が前記閾値を超えていないと判定することに応答して、前記開始日を判定するために、前記サーバによって、前記火災が発生した前記日付より前の別の日に対応する前記第1の衛星画像からの別の衛星画像を取得することと、を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
特定の日について前記尤度が前記閾値を超えていると判定することに応答して、前記方法が、
前記サーバによって、前記特定の日より前の所定の日数の間の追加の衛星画像を取得することと、
前記所定の日数の各日について、
前記サーバによって、その日の前記追加の衛星画像からの活発な火災ピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記第1の統計的分布、及び火災を示すように見える判定された前記ピクセルの数に基づいて、その日の前記追加の衛星画像が指示を含まない尤度を生成することと、
前記サーバによって、前記所定の日数の各日が前記火災を示さないと判定することに応答して、識別された前記衛星画像に対応する前記日が前記火災の前記開始日に対応すると判定することと、を含むこと、を更に含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記地理的領域内で前記火災が発生した判定された前記開始日より前及び判定された前記開始日より後の前記地理的領域の前記第2の衛星画像を取得することが、
前記サーバによって、前記火災が発生した前記地理的領域を記述するロケーション、及び前記火災が発生した前記開始日を衛星画像データベースに提供することと、
前記ロケーション及び前記開始日を提供することに応答して、前記サーバによって、前記開始日より前及び前記開始日より後の期間からの前記地理的領域を示す前記第2の衛星画像を取得することと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記第2の衛星画像から、前記画像の第2のセットを選択することであって、前記画像の第2のセットの前記量が、前記画像の第1のセットの前記量より少ない、前記画像の第2のセットを選択することは、
前記サーバによって、前記第2の統計的分布を生成するための期間を識別することであって、前記期間が、前記開始日より前の期間に対応する、前記第2の統計的分布を生成するための期間を識別することと、
前記サーバによって、前記期間に基づいて、前記第2の衛星画像から前記画像の第2のセットを選択することと、
前記サーバによって、選択された前記画像の第2のセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指示を判定することと、
前記サーバによって、火災を示す前記1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、選択された前記画像の第2のセットを調整することと、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記画像の第2のセットから、前記第2の統計的分布を生成することが、
選択された前記画像の第2のセットを調整することに応答して、前記サーバによって、前記第2の統計的分布の1つ以上のパラメータを、
前記サーバによって、前記画像の第2のセットの各日における火災を示すピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記画像の第2のセットの各日における火災を示す前記ピクセルの数の平均を判定することと、
前記サーバによって、判定された前記平均を前記1つ以上のパラメータに設定することによって前記第2の統計的分布を生成することと、によって生成することを含む、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記開始日より後に発生した前記第2の衛星画像と前記第2の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の前記終了日を判定することが、
前記サーバによって、前記開始日より後の日に対応する前記第2の衛星画像から衛星画像を識別することと、
前記サーバによって、前記日の識別された前記衛星画像から、火災を示すように見えるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記第2の統計的分布、及び火災を示すように見える判定された前記ピクセルの数に基づいて、前記第2の衛星画像からの前記衛星画像が火災の指示を含む尤度を生成することと、
前記サーバによって、前記尤度を閾値と比較することと、
前記尤度が前記閾値を超えていると判定することに応答して、前記終了日を判定するために、前記サーバによって、前記火災が発生した前記日付より後の別の日に対応する前記第1の衛星画像からの別の衛星画像を取得することと、を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
特定の日について前記尤度が前記閾値を超えていると判定することに応答して、前記方法が、
前記サーバによって、前記特定の日より後の所定の日数の間の追加の衛星画像を取得することと、
前記所定の日数の各日について、
前記サーバによって、その日の前記追加の衛星画像からのピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記第2の統計的分布、及び火災を示すように見える判定された前記ピクセルの数に基づいて、その日の前記追加の衛星画像が指示を含まない尤度を生成することと、
前記サーバによって、前記所定の日数の各日が前記火災を示さないと判定することに応答して、識別された前記衛星画像に対応する前記日が前記火災の前記終了日に対応すると判定することと、を含むこと、を更に含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記第1の統計的分布及び前記第2の統計的分布が、異なるポアソン分布である、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
システムであって、
1つ以上のコンピュータと、命令を記憶する1つ以上の記憶デバイスと、を備え、前記命令が、前記1つ以上のコンピュータによって実行されるときに、前記1つ以上のコンピュータに、
サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記地理的領域の第1の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記第1の衛星画像から、画像の第1のセットを選択することと、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットから第1の統計的分布を生成することと、
前記サーバによって、前記第1の衛星画像と前記第1の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の開始日を判定することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した判定された前記開始日より前及び判定された前記開始日より後の前記地理的領域の第2の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択することであって、前記画像の第2のセットの量が、前記画像の第1のセットの量より少ない、前記画像の第2のセットを選択することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記画像の第2のセットから、第2の統計的分布を生成することと、
前記サーバによって、前記開始日より後に発生した前記第2の衛星画像と前記第2の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の終了日を判定することと、
前記サーバによる出力のために、前記地理的領域内の前記火災の前記開始日及び前記火災の前記終了日を含む範囲を提供することと、を含む動作を実施させる、システム。
【請求項15】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付を取得することが、
前記サーバによって、前記地理的領域を記述するロケーションを取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付を取得することであって、前記日付が、前記火災の前記開始日、前記火災の前記終了日、又は前記範囲内の別の日付に対応し得る、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付を取得することと、を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記地理的領域の前記第1の衛星画像を取得することが、
前記サーバによって、前記火災が発生した前記地理的領域を記述する前記ロケーション、及び前記火災が発生した前記日付を衛星画像データベースに提供することと、
前記ロケーション及び前記日付を提供することに応答して、前記サーバによって、前記日付より前の期間からの前記地理的領域を示す前記第1の衛星画像を取得することと、を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記第1の衛星画像から、前記画像の第1のセットを選択することが、
前記サーバによって、前記第1の統計的分布を生成するための期間を識別することであって、前記期間が、前記日付より前の期間に対応する、前記第1の統計的分布を生成するための期間を識別することと、
前記サーバによって、前記期間に基づいて、前記第1の衛星画像から前記画像の第1のセットを選択することと、
前記サーバによって、選択された前記画像の第1のセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指示を判定することと、
前記サーバによって、火災を示す前記1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、選択された前記画像の第1のセットを調整することと、を含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記画像の第1のセットから前記第1の統計的分布を生成することが、
選択された前記画像の第1のセットを調整することに応答して、前記サーバによって、前記第1の統計的分布の1つ以上のパラメータを、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットの各日における火災を示すピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットの各日における火災を示す前記ピクセルの数の平均を判定することと、
前記サーバによって、判定された前記平均を前記1つ以上のパラメータに設定することによって前記第1の統計的分布を生成することと、によって生成することを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の衛星画像と前記第1の統計的分布との前記比較に基づいて、前記火災の前記開始日を判定することが、
前記サーバによって、前記火災が発生した前記日付より前の日に対応する前記第1の衛星画像から衛星画像を識別することと、
前記サーバによって、前記日の識別された前記衛星画像から、火災を示すように見えるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記第1の統計的分布、及び火災を示すように見える判定された前記ピクセルの数に基づいて、前記第1の衛星画像からの前記衛星画像が火災の指示を含む尤度を生成することと、
前記サーバによって、前記尤度を閾値と比較することと、
前記尤度が前記閾値を超えていないと判定することに応答して、前記開始日を判定するために、前記サーバによって、前記火災が発生した前記日付より前の別の日に対応する前記第1の衛星画像からの別の衛星画像を取得することと、を含む、請求項14~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
1つ以上のコンピュータによって実行可能な命令を含むソフトウェアを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、かかる実行時に、前記1つ以上のコンピュータに、
サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記地理的領域の第1の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記日付より前の前記第1の衛星画像から、画像の第1のセットを選択することと、
前記サーバによって、前記画像の第1のセットから第1の統計的分布を生成することと、
前記サーバによって、前記第1の衛星画像と前記第1の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の開始日を判定することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した判定された前記開始日より前及び判定された前記開始日より後の前記地理的領域の第2の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択することであって、前記画像の第2のセットの量が、前記画像の第1のセットの量より少ない、前記画像の第2のセットを選択することと、
前記サーバによって、前記地理的領域内で前記火災が発生した前記開始日より前の前記画像の第2のセットから、第2の統計的分布を生成することと、
前記サーバによって、前記開始日より後に発生した前記第2の衛星画像と前記第2の統計的分布との比較に基づいて、前記火災の終了日を判定することと、
前記サーバによる出力のために、前記地理的領域内の前記火災の前記開始日及び前記火災の前記終了日を含む範囲を提供することと、を含む動作を実施させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、コンピュータシミュレーションに関し、1つの特定の実装形態は、統計的分布及び衛星画像を使用して山火事の時間範囲を生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
山火事は、森林火災、野地火災、田舎火災などを含むことができ、様々な地理的地域で発生し得る。山火事は、1つの地理的領域から生じ、ある期間にわたって別の地理的領域に広がる場合がある。山火事は、いくつかの例を挙げると、気候、植生、更には人間の活動などの要因によって引き起こされ得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で説明する技法は、地理的領域にわたる履歴的な山火事の時間範囲を生成する。特に、サーバは、地理的領域におけるその空間的境界を与えられた山火事の開始日及び終了日と、地理的領域において山火事が発生した日付とを含む時間範囲を生成することができる。開始日は、山火事が生じた日に対応する。終了日は、山火事が終わった日に対応する。
【0004】
山火事の時間範囲を生成するための技法は、この範囲が他の用途によって利用され、必要とされ得るので、重要である。例えば、サーバは、火災の時間の長さを予測するための機械学習又は別の機械学習モデルパイプラインのためのトレーニングデータとして時間範囲を提供することができる。別の例では、サーバは、生成された時間範囲を、山火事の広がり及び時間の長さを表示することができるグラフィカルユーザインターフェースに提供することができる。他の例では、サーバは、生成された時間範囲を、現在燃えている山火事の開始日を識別しようとするプロセスに提供することもできる。他の例では、個人は、山火事が発生する前及び山火事が発生した後の他の感知データを分析したい場合がある。山火事の開始日及び終了日を自動的に検出することは、これらの調査を完了するのに役立ち得る。例えば、分析者は、山火事に起因する特定のエリアにおける年間の木死数を概算しようと試みている間に、山火事の時間的境界を必要とする場合がある。
【0005】
いくつかの実装形態では、サーバは、地理的領域内で山火事が発生した日付を受信することができる。この日付は、開始日、終了日、又は開始日と終了日との間の何らかの日付であり得る。地理的領域は、例えば、経度座標及び緯度座標並びにこれらの位置座標を取り囲む領域又はエリアを含むことができるロケーションデータによって画定することができる。
【0006】
サーバは、衛星画像データベースと通信して、様々な地理的領域の衛星画像を取得することができる。衛星画像データベースは、様々な期間にわたる地球の様々な地理的領域の、赤外線及び他の衛星データなどの衛星画像を記憶することができる。衛星画像はまた、他の加工された衛星画像製品、例えば、MODIS MCD45A1を含むことができ、これは、ピクセルごとの燃焼及び品質保証情報を含む。衛星画像データベースは、いくつかの要因、例えば、ロケーションデータ、時間、日、及び地理的エリアの境界領域によって衛星画像にインデックスを付けることができる。
【0007】
サーバは、地理的領域と関連付けられたロケーションデータ、及び火災が発生した入力日を使用して、衛星画像を識別し、読み出すことができる。特に、サーバは、ロケーションデータ及び入力日を衛星画像データベースに提供し、提供された入力日より前の期間からの衛星画像を受信することができる。いくつかの実装形態では、サーバは、ロケーションデータ及び入力日を衛星画像データベースに提供し、提供された入力日より前及び提供された入力日より後の期間からの衛星画像を受信することができる。
【0008】
いくつかの実装形態では、サーバは、入力日より前の期間からの特定の地理的領域の取得された衛星画像に基づいて、統計的分布を生成することができる。以下で更に説明するように、サーバは、入力日より前の期間に対応する衛星画像のベースラインを生成することができ、ベースライン内の各画像は、定義された期間にわたる地理的領域を示す。サーバが統計的分布を生成すると、サーバは、山火事の開始日を識別することができる。
【0009】
いくつかの実装形態では、サーバは、衛星画像を統計的分布と比較することによって、山火事の開始日を判定することができる。サーバは、入力日より前の地理的領域の期間、例えば、入力日より3ヶ月前の地理的領域の期間に対応する衛星画像を取得することができる。入力日より3ヶ月前は、統計的分布が火災ピクセルがなく、含まないことを確実にするために選択される。更に、サーバは、衛星画像を、山火事の最小の既知の周囲内でフィルタリングすることができる。これについて以下で更に説明する。サーバは、衛星画像を統計的分布と比較して、山火事の開始日を識別することができる。
【0010】
いくつかの実装形態では、サーバは、追加の統計的分布を生成することによって、山火事の終了日を判定することができる。サーバは、判定された開始日より前の期間からの特定の地理的領域の取得された衛星画像に基づいて、第2の統計的分布を生成することができる。例えば、サーバは、取得された衛星画像を、地理的領域内の山火事の最新の既知の周囲内でフィルタリングする。以下で更に説明するように、サーバは、提供された入力日ではなく判定された開始日を用いて追加の統計的分布を生成することによって、終了日を識別する精度を向上させることができる。第2の統計的分布を生成する際に、サーバは、判定された開始日より前の期間に対応する衛星画像の別のベースラインを生成することができ、ベースライン内の各画像は、定義された期間にわたる地理的領域を示す。サーバが第2の統計的分布を生成すると、サーバは、山火事の終了日を識別することができる。
【0011】
いくつかの実装形態では、サーバは、衛星画像を第2の統計的分布と比較することによって、山火事の終了日を判定することができる。サーバは、判定された開始日より後の地理的領域の期間に対応する衛星画像を取得することができる。判定された開始日の期間より後の衛星画像の選択は、終了日を判定するために必要であり、提供された入力日の期間より前の衛星画像の選択は、開始日を判定するために必要である。
【0012】
次いで、サーバは、出力のために、山火事の時間範囲、例えば、山火事の判定された開始日及び終了日を提供することができる。出力は、接続されたクライアントデバイス、ディスプレイ、又は1つ以上の他のアプリケーションに対するものであってもよい。
【0013】
1つの一般的な態様では、方法はサーバによって実施される。本方法は、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付を取得することと、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付より前の地理的領域の第1の衛星画像を取得することと、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付より前の第1の衛星画像から、画像の第1のセットを選択することと、サーバによって、画像の第1のセットから第1の統計的分布を生成することと、サーバによって、第1の衛星画像と第1の統計的分布との比較に基づいて、火災の開始日を判定することと、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した判定された開始日より前及び判定された開始日より後の地理的領域の第2の衛星画像を取得することと、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した開始日より前の第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択することであって、画像の第2のセットの量が、画像の第1のセットの量より少ない、画像の第2のセットを選択することと、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した開始日より前の画像の第2のセットから、第2の統計的分布を生成することと、サーバによって、開始日より後に発生した第2の衛星画像と第2の統計的分布との比較に基づいて、火災の終了日を判定することと、サーバによる出力のために、地理的領域内の火災の開始日及び火災の終了日を含む範囲を提供することと、を含む。
【0014】
この他の実施形態及び本開示の他の態様は、コンピュータ記憶デバイス上に符号化された、この方法のアクションを実施するように構成された対応するシステム、装置、及びコンピュータプログラムを含む。1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実施させる、システム上にインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによってそのように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実施させる命令を有する特長によってそのように構成されることができる。
【0015】
上記及び他の実施形態は、各々が、以下の特徴のうちの1つ以上を単独で又は組み合わせて任意選択で含むことができる。例えば、一実施形態は、以下の全ての特徴を組み合わせて含む。
【0016】
いくつかの実装形態では、本方法は、地理的領域内で火災が発生した日付を取得することが、サーバによって、地理的領域を記述するロケーションを取得することと、サーバによって、地理的領域内で火災が発生した日付を取得することと、を含み、日付が、火災の開始日、火災の終了日、又は範囲内の別の日付に対応し得ること、を含む。
【0017】
いくつかの実装形態では、本方法は、地理的領域内で火災が発生した日付より前の地理的領域の第1の衛星画像を取得することが、サーバによって、火災が発生した地理的領域を記述するロケーション、及び火災が発生した日付を衛星画像データベースに提供することと、ロケーション及び日付を提供することに応答して、サーバによって、日付より前の期間からの地理的領域を示す第1の衛星画像を取得することと、を含むこと、を含む。
【0018】
いくつかの実装形態では、本方法は、地理的領域内で火災が発生した日付より前の第1の衛星画像から、画像の第1のセットを選択することが、サーバによって、第1の統計的分布を生成するための期間を識別することであって、期間が、日付より前の期間に対応する、第1の統計的分布を生成するための期間を識別することと、サーバによって、期間に基づいて、第1の衛星画像から画像の第1のセットを選択することと、サーバによって、選択された画像の第1のセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指示を判定することと、サーバによって、火災を示す1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、選択された画像の第1のセットを調整することと、を含むこと、を含む。
【0019】
いくつかの実装形態では、本方法は、画像の第1のセットから第1の統計的分布を生成することが、選択された画像の第1のセットを調整することに応答して、サーバによって、第1の統計的分布の1つ以上のパラメータを、サーバによって、画像の第1のセットの各日における火災を示すピクセルの数を判定することと、サーバによって、画像の第1のセットの各日における火災を示すピクセルの数の平均を判定することと、サーバによって、判定された平均を1つ以上のパラメータに設定することによって第1の統計的分布を生成することと、によって生成することを含むこと、を含む。
【0020】
いくつかの実装形態では、本方法は、第1の衛星画像と第1の統計的分布との比較に基づいて、火災の開始日を判定することが、サーバによって、火災が発生した日付より前の日に対応する第1の衛星画像から衛星画像を識別することと、サーバによって、日の識別された衛星画像から、火災を示すように見えるピクセルの数を判定することと、サーバによって、第1の統計的分布、及び火災を示すように見える判定されたピクセルの数に基づいて、第1の衛星画像からの衛星画像が火災の指示を含む尤度を生成することと、サーバによって、尤度を閾値と比較することと、尤度が閾値を超えていないと判定することに応答して、開始日を判定するために、サーバによって、火災が発生した日付より前の別の日に対応する第1の衛星画像からの別の衛星画像を取得することと、を含むこと、を含む。
【0021】
いくつかの実装形態では、本方法は、特定の日について尤度が閾値を超えていると判定することに応答して、本方法が、サーバによって、特定の日より前の所定の日数の間の追加の衛星画像を取得することと、所定の日数の各日について、サーバによって、その日の追加の衛星画像からの活発な火災ピクセルの数を判定することと、サーバによって、第1の統計的分布、及び火災を示すように見える判定されたピクセルの数に基づいて、その日の追加の衛星画像が指示を含まない尤度を生成することと、サーバによって、所定の日数の各日が火災を示さないと判定することに応答して、識別された衛星画像に対応する日が火災の開始日に対応すると判定することと、を含むこと、を更に含む。
【0022】
いくつかの実装形態では、本方法は、地理的領域内で火災が発生した判定された開始日より前及び判定された開始日より後の地理的領域の第2の衛星画像を取得することが、サーバによって、火災が発生した地理的領域を記述するロケーション、及び火災が発生した開始日を衛星画像データベースに提供することと、ロケーション及び開始日を提供することに応答して、サーバによって、開始日より前及び開始日より後の期間からの地理的領域を示す第2の衛星画像を取得することと、を含むこと、を含む。
【0023】
いくつかの実装形態では、本方法は、地理的領域内で火災が発生した開始日より前の第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択することであって、画像の第2のセットの量が、画像の第1のセットの量より少ない、画像の第2のセットを選択することは、サーバによって、第2の統計的分布を生成するための期間を識別することであって、期間が、開始日より前の期間に対応する、第2の統計的分布を生成するための期間を識別することと、サーバによって、期間に基づいて、第2の衛星画像から画像の第2のセットを選択することと、サーバによって、選択された画像の第2のセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指示を判定することと、サーバによって、火災を示す1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、選択された画像の第2のセットを調整することと、を含むこと、を含む。
【0024】
いくつかの実装形態では、本方法は、地理的領域内で火災が発生した開始日より前の画像の第2のセットから、第2の統計的分布を生成することが、選択された画像の第2のセットを調整することに応答して、サーバによって、第2の統計的分布の1つ以上のパラメータを、サーバによって、画像の第2のセットの各日における火災を示すピクセルの数を判定することと、サーバによって、画像の第2のセットの各日における火災を示すピクセルの数の平均を判定することと、サーバによって、判定された平均を1つ以上のパラメータに設定することによって第2の統計的分布を生成することと、によって生成することを含むこと、を含む。
【0025】
いくつかの実装形態では、本方法は、開始日より後に発生した第2の衛星画像と第2の統計的分布との比較に基づいて、火災の終了日を判定することが、サーバによって、開始日より後の日付に対応する第2の衛星画像から衛星画像を識別することと、サーバによって、日の識別された衛星画像から、火災を示すように見えるピクセルの数を判定することと、サーバによって、第2の統計的分布、及び火災を示すように見える判定されたピクセルの数に基づいて、第2の衛星画像からの衛星画像が火災の指示を含む尤度を生成することと、サーバによって、尤度を閾値と比較することと、尤度が閾値を超えていると判定することに応答して、終了日を判定するために、サーバによって、火災が発生した日付より後の別の日に対応する第1の衛星画像からの別の衛星画像を取得することと、を含むこと、を含む。
【0026】
いくつかの実装形態では、本方法は、特定の日について尤度が閾値を超えていると判定することに応答して、本方法が、サーバによって、特定の日より後の所定の日数の間の追加の衛星画像を取得することと、所定の日数の各日について、サーバによって、その日の追加の衛星画像からのピクセルの数を判定することと、サーバによって、第2の統計的分布、及び火災を示すように見える判定されたピクセルの数に基づいて、その日の追加の衛星画像が指示を含まない尤度を生成することと、サーバによって、所定の日数の各日が火災を示さないと判定することに応答して、識別された衛星画像に対応する日が火災の終了日に対応すると判定することと、を含むこと、を更に含む。
【0027】
いくつかの実装形態では、本方法は、第1及び第2の統計的分布が、異なるポアソン分布であることを含む。
【0028】
本明細書の主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の明細書に記載される。本主題の他の特徴、態様、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】山火事の時間範囲を生成するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【
図2A】衛星画像を受信し、衛星画像から山火事の時間範囲を生成するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【
図2B】山火事の時間範囲を判定するときに統計的分布を生成するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【
図3】山火事の時間範囲を生成するためのプロセスの一例を示す流れ図である。
【0030】
様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。ここで示されるコンポーネント、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、例に過ぎず、本明細書で記載及び/又は特許請求される実装形態を限定すると意図されない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、山火事の時間範囲を生成するためのシステム100の一例を示すブロック図である。システム100は、画像サーバシステム102、衛星画像データベース104、時間データベース106、及び空間データベース108を含む。システム100はまた、表示し、ユーザが画像サーバシステム102と対話することを可能にするために、画像サーバシステム102に接続されたモニタ126を含む。簡単に言うと、システム100は、山火事が発生した日付及び山火事の対応するロケーションから識別された山火事の時間範囲を生成することができる。システム100は、複数の統計的分布を生成することができ、取得された衛星画像を、生成された統計的分布と比較して、山火事の時間範囲、例えば、開始日及び終了日を識別する。
【0032】
システム100は、典型的には、山火事の開始日及び終了日が火災情報を記憶しているデータベースから欠落していることが多いので、山火事の時間範囲を生成しようとする。この情報を生成して記憶することによって、システム100は、山火事の全体的なモデル化及び監視に対して追加及び改善することができる。この情報は、以下で説明されるように、様々な山火事用途にも有用であり得る。
【0033】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、ローカルに又はネットワークを介して接続された1つ以上のサーバ又はコンピュータを含み得る。システム100は、例えば、ローカルネットワーク、Wi-Fiネットワーク、イントラネット、インターネット接続、Bluetooth接続、又は画像サーバシステム102が様々なデータベース及び様々なコンピュータと通信すること、例えば、送信及び受信することを可能にする何らかの他の接続であり得るネットワークを含むことができる。
図1は、示された順序又は別の順序で実施され得る、段階(A)~(J)における様々な動作を示す。
【0034】
画像サーバシステム102はまた、衛星ネットワークを介して衛星と通信することもできる。衛星は、地球の地理的領域のメディア、例えば、画像及びビデオをキャプチャし得る。画像サーバシステム102は、衛星と通信して、地球の様々な地理的領域のキャプチャされたメディアを要求し、受信することができる。これは以下で更に説明される。
【0035】
いくつかの実装形態では、衛星画像データベース104は、地球の1つ以上の地理的領域を示す衛星画像を記憶する1つ以上のデータベースを含むことができる。衛星画像は、高品質の衛星画像、中品質の衛星画像、ノイズの多い衛星画像、及び他の衛星画像を含み得る。更に、衛星画像データベース104は、ある期間にわたる地球の1つ以上の地理的領域を示す衛星画像を記憶することができる。例えば、衛星画像は、現在の時間から過去1年間、5年間、10年間、15年間、又はそれ以上にわたる地球の特定の地理的領域のメディア、例えば、画像及びビデオを含むことができる。衛星画像データベース104は、過去の期間にわたる各日の衛星画像を含むことができる。場合によっては、衛星画像データベース104は、地理的領域の各日からの複数の画像又は複数のビデオを含むことができる。
【0036】
衛星画像データベース104は、様々な期間にわたる地球の複数の地理的領域の衛星メディアを記憶することができる。例えば、衛星画像データベース104は、地理的領域1から地理的領域Nまでの衛星画像を記憶し、それらの地理的領域の各々について様々な期間の衛星画像を記憶することができる。これらの例では、衛星画像データベース104は、地理的領域1について過去10年間の各日の衛星画像を記憶し、地理的領域2について過去20年間の各日の衛星画像を記憶することができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、衛星画像の寸法は、衛星上で利用されるカメラと、衛星の位置ロケーションとに対応し得る。衛星は、地球から特定の距離で地球の周囲を航行し、その距離から地球の画像をキャプチャすることができる。例えば、衛星は、地球から800キロメートル(km)又は497.097マイルの距離で地球の周りの低軌道を航行することができる。いくつかの実装形態では、衛星と関連付けられたカメラは、ズーム能力を有し得る。
【0038】
いくつかの実装形態では、衛星カメラの解像度は、全ての衛星画像の均一性を確実にするために、標準解像度に設定され得る。例えば、カメラの解像度は、地球の地理的領域をキャプチャするとき、水平及び垂直に375メートルに設定され得る。他の実装形態では、異なる衛星は異なる解像度能力を有し得る。したがって、衛星カメラは、衛星の各々からの衛星画像にわたって解像度が均一であることを確実にするために、それらのズーム能力を調整することができる。
【0039】
いくつかの実装形態では、時間データベース106は、衛星によってキャプチャされ、衛星画像データベース104に記憶された衛星画像の期間を記憶する1つ以上のデータベースを含むことができる。期間は、例えば、定義された日付、日付範囲、及び時間範囲を含むことができる。例えば、時間データベース106は、2018年1月1日~2019年1月1日までの時間範囲、又は2018年1月1日午後12:00~2019年1月1日午後12:01までの時間範囲を記憶することができる。
【0040】
更に、時間データベース106は、更なる特定の日付範囲を記憶することができる。より具体的な日付範囲は、時間及び分の範囲に至るまでの特異性を含むことができる。例えば、時間データベース106は、2018年1月1日午後12:00~2019年1月1日午後12:30までの時間範囲を記憶することができる。
【0041】
いくつかの実装形態では、衛星は、衛星画像をメタデータと共に衛星画像データベース104に提供することができる。メタデータは、衛星画像がキャプチャされた地理的領域のロケーションデータ、衛星画像がキャプチャされた衛星を識別するデータ、衛星画像がキャプチャされた日時、及び衛星画像をキャプチャしたときに衛星が宇宙空間のどこに位置していたかを示すロケーションデータを含むことができる。例えば、衛星がサンディエゴの地理的領域の画像をキャプチャした場合、衛星は、以下のメタデータを画像と関連付けることができる:(1)32.7515、-117.1364としての地理的領域のロケーションデータ、(2)衛星画像がキャプチャされたときの2019年5月19日午後12:05PTの日付、(3)画像がキャプチャされた衛星の名前及びモデルを示すデータ、例えば、衛星111及びモデル1、(4)32.7515、-117.1364のロケーション座標の800km上など、画像がキャプチャされたときの衛星のロケーションデータ。衛星画像データベース104は、画像サーバシステム102によって提供された山火事の日付及びロケーションを衛星画像のメタデータと照合して、要求された衛星画像を識別することができる。
【0042】
画像サーバシステム102は、それに応じて、メタデータをシステム100内のデータベースの各々に配信することができる。例えば、衛星が衛星画像を画像サーバシステム102に提供するとき、画像サーバシステム102は、衛星画像及びメタデータを記憶目的で衛星画像データベース104に提供することができる。加えて、画像サーバシステム102は、メタデータから時間データを抽出し、時間データを時間データベース106に提供することができる。時間データは、衛星画像が衛星によってキャプチャされた日時を示すことができる。加えて、画像サーバシステム102は、メタデータから地理的領域のロケーションデータを抽出し、ロケーションデータを空間データベース108に提供することができる。画像サーバシステム102は、衛星から取得された各衛星画像に対して、この抽出及び配信プロセスを実施することができる。
【0043】
いくつかの実装形態では、空間データベース108は、衛星によってキャプチャされ、衛星画像データベース104に記憶された衛星画像において識別されたロケーションのロケーションデータを記憶する1つ以上のデータベースを含むことができる。ロケーションデータは、例えば、緯度及び経度座標、住所、陸標の名前、及び市、州、郡を識別する日付、並びに地球上のロケーションを識別する他のデータを含むことができる。
【0044】
空間データベース108は、どこで山火事が開始したかを示すエリアのロケーション、例えば、地理的領域又は座標を示す1つ以上の境界ボックスを含むことができる。境界ボックスは、例えば、山火事が始まる地理的領域又は火災が始まる地理的領域の周りのエリアを示すポリゴンを含み得る。境界ボックスは、画像サーバシステム102が火災ピクセルをどこでカウントするかを判定することができるように、衛星画像に適用され得る。例えば、以下で更に説明するように、画像サーバシステム102は、衛星画像に適用された境界ボックス内の火災ピクセルの数をカウントすることができる。
【0045】
ポリゴン内には、1つ以上の地理的特徴及び山火事の1つ以上の特徴が含まれ得る。例えば、山火事の1つ以上の特徴は、火災が発生していない1つ以上の領域、活発に火災中である1つ以上の領域、最近火災が発生した1つ以上の燃焼領域、及び火災に起因する1つ以上の瘢痕領域を含むことができる。空間データベース108は、画像サーバシステム102又は別の外部サービスによってポピュレートされ得る。
【0046】
画像サーバシステム102は、画像サーバシステム102が衛星画像を取得することに応答して、データを時間データベース106及び空間データベース108に記憶することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、衛星画像のメタデータからの時間データ及び空間データを記憶して、衛星画像データベース104が、要求されたときに適切な衛星画像を提供することができることを確実にすることができる。この場合、画像サーバシステム102が、時間データベース106及び空間データベース108内に含まれるデータ外の衛星画像を要求した場合、衛星画像データベース104は、要求されたデータが衛星画像範囲外であることを示すエラーメッセージを返し得る。
【0047】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102の外部のプロセスが、衛星画像データベース104、時間データベース106、及び空間データベース108のポピュレーションを実施することができる。この場合、画像サーバシステム102は、時間データベース106、空間データベース108、及び衛星画像データベース104にアクセスすることによって、山火事の時間範囲を判定することに関連するプロセスを実施することができる。
【0048】
段階(A)中、画像サーバシステム102は、山火事が発生した入力日110を受信することができる。システム100に示されるように、入力日110は、2019年7月5日に対応する。いくつかの実装形態では、外部プロセスが、時間データベース106にアクセスし、入力日110を画像サーバシステム102に提供することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102と対話するユーザが、山火事の時間範囲を要求し、入力日110を画像サーバシステム102に提供することができる。加えて、入力データは、例えば、火災メタデータデータベースによって提供され得る。入力日110は、山火事が発生した日を示すことができ、加えて、衛星画像データベース104が、対応する地理的ロケーションにおける山火事の衛星画像を含むという指示を、画像サーバシステム102に提供することができる。他の実装形態では、画像サーバシステム102は、特定の地理的ロケーションにおいて山火事が発生した日付を返すようにとの要求を時間データベース106に提供することができる。
【0049】
段階(B)中、画像サーバシステム102は、山火事の入力日110に基づいて、山火事が発生したロケーション112を受信することができる。システム100に示されるように、山火事のロケーションは、例えば、33.8121N、-117.91899Eなどのロケーション座標に対応することができる。ロケーション112はまた、例えば、陸標の名前、市の名前、地理的地域の名前、又は特定の住所など、他の記述子を含むこともできる。
【0050】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、山火事が最初に始まった場所を示すポリゴンを空間データベース108から取り出すことができる。画像サーバシステム102は、入力日110及びロケーション112に基づいて、ポリゴンを取得することができる。画像サーバシステム102によって実施される処理量を制限するために、画像サーバシステム102は、衛星画像データベース104から衛星画像を取り出した後に、取得されたポリゴンを取得された衛星画像に適用することができる。この場合、ポリゴンは、衛星画像内で画像サーバシステム102によって検索される数ピクセルを空間的に制限することができる。
【0051】
たとえ入力日110が実際に山火事の開始日又は終了日であっても、入力日110は、イメージャサーバシステム102に山火事の開始日又は終了日を必ずしも示すわけではない。むしろ、入力日110は、山火事が活発であったか又は進行中であったときの、開始日と終了日との間の日などの別の日付に対応し得る。画像サーバシステム101は、以下で更に説明するように、プロセスを継続することによって、入力日110が山火事の時間範囲内のどこに入るかを判定することができる。
【0052】
段階(C)中、画像サーバシステム102は、山火事が発生した入力日110及び山火事が発生したロケーション112を衛星画像データベース104に提供することができる。画像サーバシステム102は、入力日110及びロケーション112を衛星画像データベース104に提供して、入力日110より前のロケーション及び期間範囲における衛星画像を取得することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、衛星画像を取得するために、入力日110より前の期間を衛星画像データベース104に示すことができる。期間は、例えば、入力日110より1年前、入力日110より2年前、入力日110より5年前、又は統計的分布を構築するのに十分である入力日110より前の何らかの他の期間を含むことができる。例えば、画像サーバシステム102は、統計的分布を構築するために入力日110より前の少なくとも1年の衛星画像を必要とし、その結果、衛星画像データベース104に、入力日110より2年以上前の衛星画像を要求することがある。
【0053】
いくつかの実装形態では、衛星画像データベース104は、その記憶された衛星画像をロケーションによってインデックスを付けることができる。例えば、画像サーバシステム102は、加えて、ロケーション112を衛星画像データベース104に提供することができ、衛星画像データベース104は、その視野内のロケーション112、例えば、ロケーション座標又は別の地理的若しくはロケーション的記述を含む衛星画像にアクセスすることができる。衛星画像データベース104は、衛星画像のメタデータを分析することによって、対応する衛星画像の視野内のロケーション112を判定することができる。
【0054】
次いで、衛星画像データベース104は、時間範囲によって、ロケーション112を含む画像をフィルタリングすることができる。例えば、衛星画像データベース104は、入力日110より後のタイムスタンプ及び日付を有し、入力日110より前の期間外に存在する衛星画像を除外又はフィルタリングすることができる。例えば、画像サーバシステム102は、2019年7月5日の日付より2年前、例えば2017年7月5日~2019年7月5日までのロケーション112を示す全ての衛星画像を提供するように衛星画像データベース104に指示することができる。画像サーバシステム102は、2017年7月5日の日付より前及び2019年7月5日の日付より後のロケーション112を示す全ての衛星画像を除外することができる。
【0055】
衛星画像データベース104は、画像サーバシステム102の基準を満たし、画像サーバシステム102に戻す衛星画像114を識別し、提供することができる。システム100に示されるように、衛星画像114は、ロケーション112を含む衛星画像の1つ以上の画像又はビデオを含むことができ、入力日110より2年前から入力日110までの時間範囲内に含まれるタイムスタンプを有することができる。いくつかの例では、衛星画像114は、2017年7月5日~2019年7月5日までの各日の衛星画像を含み得るか、又は2017年7月5日~2019年7月5日までの各日の複数の衛星画像又はビデオを含み得る。場合によっては、2017年7月5日~2019年7月5日の間の日のうちの1つ以上は、衛星がそれらの日にロケーション112の周りの画像をキャプチャしなかった場合、衛星画像を含まないことがある。
【0056】
いくつかの実装形態では、衛星画像114の各メディアは、指定された解像度を含むことができる。例えば、上述したように、各メディアは、水平方向に325メートル、垂直方向に325メートルの解像度を含むことができる。この解像度により、画像サーバシステム102は、ロケーション112だけでなく、ロケーション112の周辺エリアも視覚的に検査することができる。山火事は特定のロケーションから生じ、別のロケーションに移動する可能性があるので、ロケーション112の周りの境界ボックス内など、ロケーション112に近接する広いエリアを閲覧することによって、画像サーバシステム102は、山火事の開始日及び終了日のその判定を改善することができる。例えば、境界ボックス又はポリゴンは、山火事を包含するエリアを示す衛星画像内のエリアに対応することができる。境界ボックスは、衛星画像内の山火事をカバーする最小エリア、又は山火事と山火事の外側の両方を包含するエリアを含むことができる。
【0057】
加えて、ロケーション112が衛星画像114のエッジ上にある場合、衛星画像データベース104は、エッジ付きの衛星画像内のロケーション112に隣接する衛星画像を提供することもできる。この場合、画像サーバシステム102は、衛星画像内に示されるロケーション112が衛星画像の例えば垂直又は水平のエッジ上にある場合であっても、ロケーション112が画像のエリア、例えば画像解像度によって常に囲まれることを確実にすることができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、ロケーション112の周りの境界領域又はエリアを衛星画像データベース104に示すことができる。次に、衛星画像データベース104が画像サーバシステム102の基準を満たす衛星画像を識別すると、衛星画像データベース104は、最初に識別された衛星画像が境界領域又はエリアの基準内に含まれない場合に提供すべき追加の衛星画像を識別することができる。
【0058】
いくつかの実装形態では、衛星画像データベース104は、識別された衛星画像114を、ネットワークを介して画像サーバシステム102に提供することができる。他の実装形態では、衛星画像データベース104は、衛星画像114の取り出しを実施するために、識別された衛星画像114のインデックスを画像サーバシステム102に提供することができる。場合によっては、衛星画像データベース104はまた、画像サーバシステム102による迅速な取り出しのために、識別された衛星画像114へのリンクを提供することができる。リンクは、例えば、zipファイル、クラウドストレージへのアクセス、又は衛星画像114のダウンロードのための何らかの他の形態を含むことができる。
【0059】
段階(D)中、画像サーバシステム102は、識別された衛星画像114に基づいて統計的分布を生成することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、衛星画像内の山火事の尤度を判定するために衛星画像と比較するための統計的分布を生成することができる。特に、統計的分布は、ある期間にわたる特定の地理的領域における衛星ノイズの頻度モデルに対応する。いくつかの例では、統計的分布は、ポアソン分布、ガウス分布、又は正規分布を用いてモデル化され得る。
【0060】
いくつかの実装形態では、衛星画像114は、様々な陸標、建物、道路、及び他の地理的特徴を示すことができる。他の地理的特徴は、例えば、川、海、湖、丘、平地を含むことができる。衛星画像114はまた、人々、車両、動物、及び地理的領域において一般的に見られる他の特徴を示すことができる。衛星画像114はまた、画像サーバシステム102が山火事をノイズから区別することを困難にし得る、グレア、閃光、及び歪んだピクセルなどのノイズ特性を含むことができる。
【0061】
いくつかの実装形態では、衛星画像は、様々な火災の領域を示すことができる。これらの領域は、例えば、火災が発生していない1つ以上の領域、活発に火災中である1つ以上の領域、最近火災が発生した1つ以上の燃焼領域、及び火災に起因する1つ以上の瘢痕領域を含むことができる。火災が発生していない領域は、火災が発生していないもう1つの地理的領域を示すことができる。活発に燃焼している領域は、例えば、活発な火、煙、又は残り火を示す領域を含むことができる。最近火災が発生した燃焼領域は、火が一度燃え上がったがもはや活発ではない地理的領域を示すことができるが、それらの地理的領域は、依然として熱く危険である。瘢痕領域は、一度燃え上がったがもはや活発ではない地理的領域を示すことができ、それらの地理的領域は、もはや熱くも危険でもない。
【0062】
画像サーバシステム102は、衛星画像内で進行中の山火事の検出の精度を向上させるために、統計的分布を生成して利用することができる。特に、画像サーバシステム102は、まず、山火事を示すように見える衛星画像114内のピクセルの数を識別することによって、衛星画像を生成された統計的分布と比較するプロセスを開始することができる。識別されたピクセルのいくつかは、山火事を示さず、むしろノイズの多いピクセルを示すことがある。この問題を軽減するために、画像サーバシステム102は、山火事を示すように見える衛星画像114内の識別されたピクセルの数を、生成された統計的分布と比較して、ノイズ特性を有する画像をフィルタリングして除去することができる。
【0063】
そのような比較を行うことができるように、画像サーバシステム102は、進行中の山火事を示さないロケーション112と同じロケーションを示す衛星画像データベース104から取得された履歴的な衛星画像を用いて、統計的分布を構築することができる。例えば、画像サーバシステム102は、最初に、山火事を示さない取得された衛星画像114内で、入力日110より前の期間を識別しなければならない。対応する衛星画像において山火事が発見されないことを確実にする入力日110より3ヶ月前の日付を識別することに加えて、画像サーバシステム102は、履歴的な天気予報及び他の気象データベースを識別して、衛星画像において識別された地理的領域などの特定の地理的領域に火災が存在したかどうかを確認することができる。衛星画像ベースラインを生成することによって、画像サーバシステム102は、ベースラインのノルムの外側にある衛星画像内の任意のピクセルを識別し、対応する衛星画像が山火事を示すように見えることを示すことができる。この場合、画像サーバシステム102は、最初に、入力日110より3ヶ月前の日付を判定する。システム100の例では、入力日110より3ヶ月前の日付は、2019年4月5日である。
【0064】
画像サーバシステム102は、一般に、山火事は3ヶ月より長く続かないので、入力日110より3ヶ月前の日付を判定することができる。入力日110より3ヶ月前の日付を識別することによって、画像サーバシステム102は、入力日110及びロケーション112によって識別された同じ山火事が、対応する衛星画像、例えば、入力日110より3ヶ月前の日付の衛星画像において活発でない、又は火がついていないと安全に仮定することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102が、入力日110より3ヶ月前の日付に衛星画像114内で依然として発生している山火事を識別した場合、画像サーバシステム102は、更に早い日付を識別することができる。場合によっては、画像サーバシステム102は、入力日110と入力日110より3ヶ月前の日付との間の期間中に1つ以上の他の山火事が活発であったかどうかを識別することができる。1つ以上の他の山火事は、異なる起源を有し、入力日110によって識別された山火事を引き起こさなかった山火事に対応することができる。画像サーバシステム102は、別の山火事がこの時間ウィンドウ中に活発であったかどうかを判定するために、1つ以上の公開山火事データベースにアクセスすることができる。しかしながら、入力日110によって識別された山火事と同じ地理的領域内で活発である別の山火事の発生は稀である。
【0065】
例えば、画像サーバシステム102は、日付を、2019年4月5日から1ヶ月前、例えば2019年3月5日に戻し得る。画像サーバシステム102が、2019年3月5日に衛星画像114内に山火事を示すように見えるピクセルがないと判定した場合、画像サーバシステム102は、統計的分布を構築するための時間範囲の終了日として2019年3月5日を設定することができる。画像サーバシステム102は、時間範囲の終了日を識別するプロセスを反復的に実施することができ、例えば、山火事のない開始日が対応する衛星画像内に示されるまで、1日、1ヶ月、又は1週間遡り続けることができる。この場合、画像サーバシステム102は、この判定された終了日を山火事の実際の開始日として設定することができず、なぜなら、山火事は、例えば、終了日後の1日、1週間、又は1ヶ月の間、実際に活発にならない可能性があるからである。
【0066】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、時間範囲について判定された終了日より1年前の日付を判定することができる。時間範囲の判定された終了日より1年前の日付は、時間範囲の開始日として知られる。画像サーバシステム102は、衛星画像を識別して統計的分布を構築するための時間範囲の開始日及び終了日を識別することができる。システム100の例を続けると、画像サーバシステム102は、時間範囲の開始日を、2018年4月5日、例えば、2019年4月5日の終了日の1年前であると判定することができる。
【0067】
しかしながら、画像サーバシステム102が開始日を2018年4月5日に設定するために、画像サーバシステム102は、ロケーション112を示す衛星画像が開始日(例えば、2018年4月5日)と終了日(例えば、2019年4月5日)との間に活発な山火事を示していないことを確実にするために、履歴的な火災の外部データベースからのデータを使用することができる。画像サーバシステム102が、例えば、2018年4月5日~2019年4月5日まで地理的領域において山火事が存在したか又は活発であったことを示すデータを、履歴的な火災の外部データベースから識別した場合、画像サーバシステム102は、それに応じて開始日又は終了日を調整することができる。画像サーバシステム102が衛星画像内で進行中の山火事を検出又は識別する様式は、以下で更に説明される。
【0068】
時間範囲内の衛星画像が進行中の山火事を示すかどうかを判定するために、画像サーバシステム102は、衛星画像内の火災ピクセルの数を識別し、火災ピクセルの数を閾値と比較することができる。例えば、画像サーバシステム102は、いくつのピクセルが火災を含むかを判定するために、衛星画像に対して火災検出アルゴリズムを実行することができる。火災検出アルゴリズムは、例えば、活発な火災検出アルゴリズムを含むことができる。衛星画像内の火災ピクセルの数が閾値未満である場合、画像サーバシステム102は、特定の衛星画像が火災を含まないことを示すことができる。
【0069】
例えば、画像サーバシステム102は、衛星画像114から、両端値を含めて2018年4月5日~2019年4月5日までの間の衛星画像のサブセットを選択することができる。画像サーバシステム102は、その時間範囲内の各日からの各画像又はビデオを処理し、山火事を示すように見えるピクセルを検索することができる。画像サーバシステム102が、2018年4月8日に山火事を示すように見えるピクセルを検出した場合、例えば、ピクセルの数が閾値より大きく、他の日には検出しなかった場合、画像サーバシステム102は、時間範囲を2018年4月9日~2019年4月5日に調整することができる。代替的に、画像サーバシステム102が、2019年4月1日に山火事を示すように見えるピクセルを検出した場合、例えば、ピクセルの数が閾値より大きい場合、画像サーバシステム102は、時間範囲を2018年4月5日~2019年3月31日に調整することができる。
【0070】
場合によっては、画像サーバシステム102が、2018年12月1日又は2018年11月1日など、時間範囲の中央で山火事を示すように見えるピクセルを検出した場合、例えば、ピクセルの数が閾値より大きい場合、画像サーバシステム102は、それらの日を時間範囲から除外し、時間範囲を複数の連続サブ時間範囲に調整することができる。例えば、連続サブ時間範囲は、2018年4月5日~2018年10月31日から2018年11月2日~2018年11月31日から2018年12月2日~2019年4月5日を含むことができる。したがって、画像サーバシステム102は、衛星画像分布を構築するために、単一の連続時間範囲又は複数の連続サブ時間範囲を作成することができる。
【0071】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、入力日110より3ヶ月前の日付の9ヶ月前の日付を判定することができる。例えば、画像サーバシステム102が、2019年4月5日の日付の衛星画像が山火事を示すように見えないと判定した場合、画像サーバシステム102は、時間範囲の開始のために2019年4月5日の日付より9ヶ月前の日付を識別することができる。時間範囲の終了日は2019年4月5日となる。2019年4月5日の9ヶ月前の日付は、2018年7月5日に対応する。したがって、画像サーバシステム102は、2018年7月5日~2019年4月5日までの時間範囲に基づいて、統計的分布を構築することができる。
【0072】
画像サーバシステム102は、統計的分布をより短い9ヶ月の時間範囲、例えば、2018年7月5日~2019年4月5日に基礎とする場合、画像サーバシステム102は、統計的分布をより迅速に生成し、処理速度/電力を節約することができる。しかしながら、画像サーバシステム102は、統計的分布をより長い1年の時間範囲、例えば、2018年4月5日~2019年4月5日に基礎とする場合、画像サーバシステム102は、ロケーション112のより正確で代表的な統計的分布を生成することができる。いくつかの例では、典型的には、山火事は、8月及び9月頃から始まる標準的な3ヶ月の火災シーズン中に、特定の地域、例えば、カリフォルニア地域で発生し得る。この火災シーズン中に発生する火災については、ベースライン分布において前年の火災シーズンからの山火事を偶発的に含む衛星画像が選択される尤度を減少させるために、1年ウィンドウの代わりに9ヶ月ウィンドウを選択することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、時間範囲又はベースライン分布内に火災が偶発的に含まれる可能性を低減するために、衛星画像から、時間範囲に対応する火災シーズンを除去することができる。
【0073】
衛星画像114から識別された時間範囲内の衛星画像を識別することに応答して、画像サーバシステム102は、識別された衛星画像内の各日における山火事を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、2018年4月5日~2019年4月5日までの識別された時間範囲の間の各日における衛星画像を分析し、各日における火災ピクセルの数を判定することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、空間データベース108から取り出されたポリゴンを、識別された衛星画像に適用することができる。識別された衛星画像をポリゴンにクロッピングすることによって、画像サーバシステム102は、識別された衛星画像にわたって検索されるピクセルの量を低減することができる。この場合、画像サーバシステム102は、取り出されたポリゴン内の識別された衛星画像内のピクセルにわたって検索することができる。
【0074】
画像サーバシステム102は、例えば、2018年4月5日に10個の火災ピクセルをカウントし、4月6日に11個の火災ピクセルをカウントし、2019年4月5日まで各日に衛星画像をカウントし続けることができる。同じプロセスは、1年間の時間範囲、又は複数の連続サブ時間範囲を有する時間範囲の衛星画像を分析する場合も同様である。
【0075】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、各日に検出された火災ピクセルの数を正規化することができる。例えば、画像サーバシステム102は、2018年4月5日に1つの衛星画像を分析し、2018年4月6日に50個の衛星画像を分析し、2018年4月7日に10個の衛星画像を分析することができる。画像サーバシステム102は、各日に検出された火災ピクセルの平均数を除算して、検出を正規化することができる。正規化する理由は、生成された統計的分布が滑らかな曲線を生成することを確実にするためである。値が正規化されていない場合、生成された分布の曲線は、ギザギザのエッジを含み、確率予測を歪める可能性がある。
【0076】
いくつかの実装形態では、識別された時間範囲の衛星画像内又は衛星画像のポリゴン内の各日の火災ピクセルの数を判定した後、画像サーバシステム102は、統計的分布を生成することができる。例えば、画像サーバシステム102は、進行中の山火事を示すように見える衛星画像内の識別されたピクセルの数の頻度ヒストグラムを生成することができる。頻度ヒストグラムは、X軸に日数、Y軸に火災ピクセル数のグラフ表現で示すことができる。
【0077】
次いで、画像サーバシステム102は、頻度ヒストグラムの平均を判定し、平均又は標準偏差などの他のデータ記述子を統計的分布に当てはめることができる。例えば、画像サーバシステム102は、頻度ヒストグラムの平均をポアソン分布又は別の統計的分布に当てはめることができる。ポアソン分布では、平均は分散と等価である。システム100の場合、所与の時間間隔、例えば1年間における山火事を示すように識別されたピクセルの平均数は、ポアソン分布の分散と等価である。
【0078】
いくつかの実装形態では、かなりの数の山火事事象が意図せずにベースライン分布に含まれる場合、ベースライン分布は、もはや等価な平均及び分散を有しないことがある。言い換えれば、ベースライン分布は、もはやポアソン分布に従わないことがある。この場合、画像サーバシステム102は、ベースライン分布、例えば、統計的分布の平均及び分散が等価であるかどうかを判定するテストを実施することができる。テストは、例えば、統計的分布におけるサンプルの平均を分析し、サンプルの分散を分析することによって実施される。画像サーバシステム102が、統計的分布の平均及び分散が等価でないことを検出した場合、画像サーバシステム102は、時間範囲及び対応する衛星画像を調整し、調整された時間範囲からの衛星画像に基づいて新しい統計的分布を構築することができる。画像サーバシステム102は、等価な平均及び分散を有する統計的分布が構築されるまで、このプロセスを繰り返すことができる。統計的分布が構築されると、山火事を示すように見えるピクセルの平均数などのただ1つのパラメータが、事象の確率を判定するために必要となる。以下の式は、ポアソンランダム変数の確率分布関数を示す。
【0079】
【0080】
ポアソン分布を示す上記の式1において、値λは、ベースラインから山火事を示すように見えるピクセルの平均数に対応する。値kは、ランダム変数又は事象が発生する回数、例えば、入力画像から山火事を示すように見えるピクセルの数に対応する。結果として得られる値、f(k;λ)は、ポアソン確率分布関数を表す確率に対応する。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、値λが判定されると、ポアソン分布116を返すことができる。
【0081】
ポアソン分布116は、入力画像との比較中に結果として生じる値を提供することができ、結果として生じる値は、事象が所与の期間内に発生する尤度を示す。特に、ポアソン分布116の確率密度関数(probability density function、PDF)は、k個のカウントされたピクセルを有する特定の日がノイズの分布から自然に発生した確率を返すことができる。したがって、PDFによって出力される値が低いほど、外力、例えば山火事がk値のカウントに寄与した可能性がより高くなる。代替的に、PDFによって出力された値が高いほど、外力がk値のカウントに寄与した可能性がより低くなり、画像がベースライン分布からの画像により密接に類似していることを示す。例えば、確率が0.01などの低い値に対応する場合、画像サーバシステム102は、画像が山火事を示す可能性が高いと判定することができる。代替的に、確率が0.90などの高い値に対応する場合、画像サーバシステム102は、画像が進行中の山火事を示さない可能性が高いと判定することができる。
【0082】
段階(E)中、画像サーバシステム102は、生成された統計的分布及び衛星画像114に基づいて、山火事の開始日を判定することができる。例えば、システム100に示されるように、画像サーバシステム102は、段階(D)中に統計的分布116を生成することができる。次いで、画像サーバシステム102は、2019年7月5日の入力日110から始まる衛星画像114の各々を、生成された統計的分布116と比較する。
【0083】
まず、画像サーバシステム102は、衛星画像114から、2019年7月5日の衛星画像内の山火事を示すように見えるピクセルの数を判定する。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、ピクセルが山火事を示すかどうかを判定するために火災検出アルゴリズムを使用することができる。他の実装形態では、画像サーバシステム102は、ピクセルの明度を分析して、ピクセルが山火事を示すかどうかを判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、各ピクセルの明度を分析し、ピクセルの明度を閾値と比較することによって、2019年7月5日に衛星画像内で山火事を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、ピクセルの赤、青、及び緑(red,blue,and green、RGB)値を平均化することによって、ピクセルの明度を判定することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、RGB値の外側の波長を分析して、どのピクセルが火災中であるかを判定することができる。例えば、RGBの外側の波長としては赤外波長が挙げられ得る。平均が低いほど、ピクセルの輝度はより低くなり、逆もまた同様である。別の例では、画像サーバシステム102は、以下の式を使用して相対輝度値を計算することによってピクセルの明度を判定することができる。
Y=0.2126*R+0.7152*G+0.0722*B (2)
【0084】
上記の式2は、ピクセルのRGB値に基づいてピクセルの相対輝度値を計算することを示す。例えば、ピクセルの赤色値が100であり、緑色値が100であり、青色値が100である場合、相対輝度値は100である。相対輝度値が大きいほど、ピクセルの明度がより大きくなる。ピクセルの明度は、ピクセルが山火事を示すかノイズを示すかどうかを示さないが、ピクセルの明度は、ピクセルが火災中であるように見えるという指示である可能性がある。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102はまた、ピクセルの強度を分析して、ピクセル内に山火事が存在するかどうかを判定することができる。他の実装形態では、画像サーバシステム102は、外部ソースに依存して、対応するピクセルが山火事を示すかどうかを判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、NASAによって開発されたVIIRS(Visible Infrared Imaging Radiometer Suite)Active Fire Productを利用して、衛星画像からの赤外線帯域をピクセルのRGB帯域と組み合わせることによって、ピクセルが火災中であったか否かを判定することができる。通常、各衛星は、対応する機器の仕様に対して最適化される独自の検出アルゴリズムを含む。
【0085】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、空間データベース108から取得されたポリゴンを特定の日の衛星画像に適用することができる。画像サーバシステム102は、各ピクセルの明度又は強度を分析し、ピクセルの明度を閾値と比較することによって、2019年7月5日に衛星画像のポリゴン内で山火事を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。衛星画像上にポリゴンを組み込むことによって、画像サーバシステム102は、衛星画像内のより少ない量のピクセルが検索されるので、処理の複雑さを低減し、処理時間を短縮することができる。
【0086】
画像サーバシステム102は、2019年7月5日の衛星画像内の、又は2019年7月5日の衛星画像に適用されたポリゴン内の、各ピクセルの明度を計算することができる。次に、各ピクセルについて、画像サーバシステム102は、各ピクセルの明度を閾値と比較することができる。例えば、画像サーバシステム102は、50又は他の明度値の閾値を指定することができる。衛星画像の特定のピクセルが閾値より大きい場合、画像サーバシステム102は、そのピクセルがカウントに含まれるとみなすことができる。画像サーバシステム102は、衛星画像の各ピクセルについてこのプロセスを繰り返す。
【0087】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、衛星画像内の山火事を示すピクセルを識別することができる。状況に応じて、山火事を示すことができるピクセルは、ポリゴン内の領域、例えば、活発に火災中である領域、及び最近火災が発生した潜在的な燃焼領域に対応することができる。最近火災が発生した燃焼領域が、火災からの1つ以上の残り火を含む場合、画像サーバシステム102は、火災中であるピクセルとして、衛星画像内のそれらの残り火と関連付けられたピクセルを検出し、識別することができる。しかしながら、火災が発生していない領域及び火災から生じた瘢痕領域と関連付けられたピクセルは、火災を示すものとして画像サーバシステム102によって検出されない。
【0088】
次いで、画像サーバシステム102は、衛星画像内のカウントされたピクセルの数をポアソン分布116の式1のkの値に入力することができる。例えば、画像サーバシステム102は、頻度ヒストグラムをポアソン分布に当てはめ、以下の式を判定し得る。
【0089】
【0090】
式3に示されるように、値λの代わりに5という数は、各日のベースライン分布から山火事を示すように見えるピクセルの平均数に対応する。更に、値λは、ポアソン分布曲線の広さを記述することができる。式3は、ポアソン分布の確率密度関数又は連続確率密度関数を表す。値kは、山火事を示すように見える2019年7月5日の衛星画像において見出されるピクセルの数に対応する。例えば、特定の画像のピクセルカウントが6の値に対応する場合、式3は、以下の値をもたらすはずである。
【0091】
【0092】
式4に示されるように、画像サーバシステム102は、6つの火災ピクセルの事象がベースライン分布において発生する可能性が高いという14.62%の確率を計算した。更に、計算確率は、ベースライン分布から判定されるように、1年間(例えば、2018年4月5日~2019年4月5日)に発生する火災ピクセルの既知の平均割合に対して、1日(例えば、2019年7月5日)に衛星画像内に発生した事象(例えば、火災ピクセル)の数を示す。
【0093】
いくつかの実装形態では、計算された確率は、衛星画像が火災中でないという確率の代用であるメトリックに対応することができる。この代用が与えられると、画像サーバシステム102は、尤度が収まる閾値の側に応じて、衛星画像が山火事を示すかどうかを判定することができる。尤度がより大きい場合、尤度は、衛星画像が山火事を示すことを示すことができる。代替的に、尤度がより小さい場合、尤度は、衛星画像が山火事を示さないことを示すことができる。
【0094】
次いで、画像サーバシステム102は、出力された確率を閾値と比較して、2019年7月5日の衛星画像がベースライン分布と同様の数の火災ピクセルを有するかどうかを判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、閾値を5%又は0.05に設定してもよい。画像サーバシステム102は、出力確率が閾値未満であると判定した場合、画像サーバシステム102は、衛星画像が火災を示す可能性が高いと判定することができる。代替的に、画像サーバシステム102は、出力確率が閾値より大きいと判定した場合、画像サーバシステム102は、衛星画像が火災を含まないと判定することができる。
【0095】
画像サーバシステム102は、出力確率が閾値未満であると判定した場合、画像サーバシステム102は、山火事を示すように見えるピクセルの平均数を前の日と比較するプロセスを繰り返す。例えば、画像サーバシステム102は、衛星画像114から2019年7月4日の衛星画像を取得することができる。次いで、画像サーバシステム102は、例えば、火災検出アルゴリズムを用いて、山火事を示すように見える2019年7月4日の衛星画像内のピクセルの数を判定することができる。画像サーバシステム102は、その日の火災ピクセルのカウントに基づいて統計的分布から確率を判定することができる。次いで、画像サーバシステム102は、統計的分布からの確率を閾値と比較して、衛星画像が火災の尤度を含むかどうかを判定することができる。
【0096】
画像サーバシステム102は、統計的分布からの確率が閾値より大きくなるまで、このプロセスを繰り返す。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、特定の日の衛星画像が山火事を示す確率が閾値より大きいと判定した場合、画像サーバシステム102は、この衛星画像に火災がないとみなすことができる。この場合、画像サーバシステム102は、統計的分布及び閾値より大きいピクセルの数に基づいて確率を生成する衛星画像の第1の発生を識別することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、その日付を山火事が生じた日付であるとみなすことができる。システム100に示されるように、この開始日118又は山火事が生じた日付は、衛星画像は進行中の山火事を示していないが、2019年6月2日、2019年7月4日、及び2019年7月5日の衛星画像は火災を示しているので、2019年6月1日に対応する。
【0097】
他の実装形態では、画像サーバシステム102は、統計的分布が、識別された日付について閾値より大きい確率を出力すると、追加のプロセスを実施することができる。特に、画像サーバシステム102は、山火事が生じた識別された日付が実際に正確であり、エラーから判定されないという検証を実施することができる。例えば、画像サーバシステム102は、山火事が生じた識別された日付が、衛星画像内に見出される雲又は煙などのノイズによって判定されなかったと判定することができる。検証するために、画像サーバシステム102は、識別された開始日より1週間前の各日についての統計的分布116を使用して確率を計算することができる。
【0098】
例えば、画像サーバシステム102が、2019年6月1日を識別された日付として判定した場合、画像サーバシステム102は、2019年6月1日より前の各日、例えば2019年5月25日まで戻る各日について、統計的分布116を使用して確率を計算する追加の検証プロセスを実施することができる。画像サーバシステム102は、例えば、2019年5月25日~2019年5月31日までの各日の衛星画像を取得し、2019年5月25日~2019年5月31日までの各日の火災ピクセルの数をカウントすることができる。次いで、各日からのピクセルカウントについて、画像サーバシステム102は、各日からの統計的分布116を使用して、対応する確率を計算することができる。対応する各確率が閾値より大きい場合、例えば、火災なしの日として分類されるのに十分に高い確率を示す場合、画像サーバシステム102は、2019年6月1日の日を山火事が生じた真の日付とみなすことができる。そうではなく、前の週の期間内の日のうちの1つが閾値より低い確率を示している場合、例えば、これらの日のうちの1つが山火事を示している場合、画像サーバシステム102は、山火事の実際の開始日と、その後、前の週全体の「火災なし」の日とを見つけるために、逆方向に反復し続けることができる。同じプロセスは、山火事の終了日を見つけるためにも当てはまる。
【0099】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、識別された開始日又は終了日に調整を加える必要があり得る。例えば、画像サーバシステム102は、衛星が開始日の2日後まで山火事を識別することができないと判定することがある。この問題を解決するために、画像サーバシステム102は、識別された開始日から2日を減算して、正確な時間範囲検出を確実にすることができる。例えば、画像サーバシステム102が2019年6月1日を開始日として識別した場合、画像サーバシステム102は、衛星との一貫性のない検出を考慮するために、日付を2日間、例えば2019年5月30日に戻すことができる。3日間、4日間、又は5日間などの他の日も可能であり得る。
【0100】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、火災の強度の変化率に基づいて、識別された開始日を調整することができる。例えば、画像サーバシステム102が、衛星画像がある日と次の日との間で60の強度だけ変化したことに気付いた場合、画像サーバシステム102は、日付を3日間だけ、例えば、2019年5月29日に戻すことができる。画像サーバシステム102が、衛星画像がある日と次の日との間で40の強度だけ変化したことに気付いた場合、画像サーバシステム102は、日付を4日間だけ、例えば2019年5月28日に戻すことができる。典型的には、急速に拡大する火災は、ゆっくりと広がる火災より少ない調整を必要とする。このプロセスは、識別された終了日を調整する場合について同様である。
【0101】
段階(F)中、画像サーバシステム102は、山火事の開始日118を使用して第2の統計的分布を生成することができる。システム100から示されるように、山火事の開始日118は、提供された入力日110の1ヶ月と4日前に発生した。画像サーバシステム102は、第2の生成された統計的分布に基づいて、山火事の終了日124を判定することができる。
【0102】
最初に、画像サーバシステム102は、第2の統計的分布を生成するための衛星画像を取得するために、開始日118及びロケーション112を衛星画像データベース104に提供することができる。段階(F)は、日付及びロケーションが衛星画像データベース104に提供され、衛星画像データベース104がロケーションを示す衛星画像を返すという点で、段階(C)と同様である。しかしながら、段階(F)では、画像サーバシステム102は、開始日118より前と開始日118より後の両方からの衛星画像を提供するように衛星画像データベース104に指示することもできる。画像サーバシステム102は、開始日118より前の衛星画像に基づいて、第2の統計的分布を生成することができ、開始日118より後の衛星画像と第2の統計的分布との比較に基づいて、山火事の終了日124を判定することができる。
【0103】
例えば、画像サーバシステム102は、衛星画像を取得するために、開始日118の周りの期間を衛星画像データベース104に示すことができる。開始日118の周りの期間は、第2の統計的分布を構築するのに必要な時間量、例えば、開始日118より前の期間、及び終了日を識別するのに必要な時間量、例えば、開始日118より後の期間に基づいて判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、第2の統計的分布を構築するために開始日118より1年前であり、終了日124を判定するために衛星画像の開始日118より3ヶ月後である、1年及び3ヶ月の期間を識別することができる。他の例では、画像サーバシステム102は、開始日118を中心とした2年間、5年間、又はそれ以上など、大量の衛星画像を要求することができる。
【0104】
段階(G)中、衛星画像データベース104は、識別された衛星画像120a及び120bを、ネットワークを介して画像サーバシステム102に提供することができる。衛星画像データベース104は、電子メール、zipファイル、又は別のフォーマットでネットワークを介して衛星画像120a及び120bを提供することができる。いくつかの例では、衛星画像データベース104は、衛星画像120a及び120bを取り出すためのインデックスを画像サーバシステム102に送信することができる。
【0105】
例えば、衛星画像120aは、開始日118より前に取得された衛星画像に対応することができる。衛星画像120bは、開始日118より後に取得された衛星画像に対応することができる。画像サーバシステム102は、衛星画像120aに基づいて第2の統計的分布を生成することができる。加えて、画像サーバシステム102は、生成された第2の統計的分布及び衛星画像120bに基づいて、終了日124を判定することができる。
【0106】
段階(H)中、画像サーバシステム102は、識別された衛星画像120a及び判定された開始日118に基づいて、第2の統計的分布を生成することができる。段階(H)は段階(D)と同様である。しかしながら、段階(H)中、画像サーバシステム102は、開始日118が分かっているので、入力日より3ヶ月前の日付を判定する必要はない。この場合、画像サーバシステム102は、開始日118より前の時間領域を識別することができる。
【0107】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、エラー、識別された時間範囲、又はその両方を返すことができる。画像サーバシステム102は、いくつか例を挙げると、まだ現在進行中の山火事に対して終了日が要求される場合、履歴的な火災の時間及び地理的ロケーションにおいて衛星画像が利用できないか又は低品質である場合、ノイズ分布を構築するために使用される時間範囲において衛星データが利用できないか又は低品質である場合、あるいはその他の場合、エラーを返すことができる。エラーは、例えば、「不十分な衛星画像」、「まだ進行中の山火事」、又は「低品質の衛星画像」を示すことができる。他の例では、画像サーバシステム102は、ベースライン分布が、例えば、1日、数日、又は1週間以内など、現在の日に近すぎる場合、画像サーバシステム102は、それに応じて、ベースライン分布をより早い期間に移動させることができることを示すことができる。
【0108】
例えば、画像サーバシステム102は、開始日118より1年前の時間範囲を生成することができる。この例では、画像サーバシステム102は、衛星画像を取得して第2の統計的分布を構築するために、2018年6月1日~2019年6月1日までの時間範囲を生成することができる。段階(C)において行われたように、画像サーバシステム102は、この時間範囲の間に衛星画像内で山火事が活発でないことを確実にすることができる。画像サーバシステム102が、この衛星画像内で、例えば、又は衛星画像のポリゴン内で進行中の山火事があることを検出した場合、画像サーバシステム102は、それに応じて時間範囲を調整して、衛星画像が活発な山火事を示すことを回避することができる。
【0109】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、時間範囲が識別されると、第2の統計的分布122を生成することができる。特に、画像サーバシステム102は、識別された時間範囲、例えば、2018年6月1日~2019年6月1日の基準に一致する衛星画像120aのサブセットに基づいて、第2の統計的分布122を生成することができる。第2の統計的分布122はまた、いくつかの例を挙げると、ポアソン分布、正規分布、又はガウス分布の形態であり得る。場合によっては、第2の統計的分布122のための値λは、第1の統計的分布116のための値λとは異なることがある。
【0110】
段階(I)中、画像サーバシステム102は、生成された第2の統計的分布122及び衛星画像120bに基づいて、山火事の終了日124を判定することができる。段階(I)の機能は、段階(E)の機能と同様である。しかしながら、画像サーバシステム102は、2019年6月1日の開始日から始まる衛星画像120bからの衛星画像の各々を、生成された第2の統計的分布122と比較する。
【0111】
例えば、画像サーバシステム102は、衛星画像120aから2019年6月1日の衛星画像を取得することができる。次いで、画像サーバシステム102は、山火事を示すように見えるピクセルの各々をカウントすることによって、山火事を示すように見える2019年6月1日の衛星画像内のピクセルの数を判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、山火事を示すように見える2019年6月1日の衛星画像のポリゴン領域内のピクセルの数を識別することができる。画像サーバシステム102は、画像内の火災ピクセルのカウントに基づいて、第2の統計的分布122から確率を判定することができる。次いで、画像サーバシステム102は、統計的分布からの確率を閾値と比較して、衛星画像が火災の尤度を含むかどうかを判定することができる。
【0112】
画像サーバシステム102が、特定の日、例えば、2019年6月2日の衛星画像が山火事を示す確率が閾値未満であると判定した場合、画像サーバシステム102は、この衛星画像が火災を示すように見えるとみなすことができる。この場合、画像サーバシステム102は、衛星画像120bから将来における次の日の衛星画像、例えば、2019年6月3日の衛星画像を識別する。画像サーバシステム102は、山火事の終了日を見つけるために、時間的に前方にトラバースすることができる。特に、画像サーバシステム102は、統計的分布からの確率が閾値より大きくなり、潜在的な終了日より直後の何らかの連続した日数の確率も閾値より大きくなるまで、このプロセスを繰り返す。この日数は、いくつかの例を挙げると、6、7、8、又は何らかの他の数であってもよい。山火事の潜在的な終了日が実際に正しいことを検証するためのこのプロセスは、山火事の以前の潜在的な状態の日付が正しいことの検証と同様である。しかしながら、潜在的な開始日より1週間前の各日についての統計的分布116を使用して確率を計算する代わりに、画像サーバシステム102は、このプロセスでは、「火災なし」の日を識別するために、潜在的な終了日より1週間後の各日についての統計的分布122を使用して確率を計算する。画像サーバシステム102は、次の1週間の期間が山火事を示す1日以上の日をもたらす場合、山火事の実際の終了日を識別するために、順方向に反復し続けることができる。
【0113】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、特定の日の衛星画像が山火事を示す確率が閾値より大きいと判定した場合、画像サーバシステム102は、この衛星画像に火災がないとみなすことができる。次いで、画像サーバシステム102は、潜在的な日が実際の終了日に対応するかどうかを識別するために、統計的分布を使用して、潜在的な日より後の連続する日数、例えば、1週間などについて確率を計算するプロセスを繰り返すことができる。画像サーバシステム102が、潜在的な日付より後の各日について生成された確率が閾値より大きいと判定した場合、画像サーバシステム102は、その日付を山火事が終わった日付であるとみなすことができる。
【0114】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、最近火災が発生した1つ以上の燃焼領域及び火災に起因する1つ以上の瘢痕領域内のピクセルを分析することによって、山火事の終了日124を判定することができる。画像サーバシステム102は、衛星画像のポリゴン内のこれらの対応するピクセルが燃焼領域又は瘢痕領域に対応することを判定することができる。加えて、画像サーバシステム102は、終了日124を識別するとき、衛星画像上にオーバーレイされたポリゴン領域を拡張することができる。拡張することによって、画像サーバシステム102は、ポリゴンの最大周囲内のピクセルを識別して、山火事が衛星画像内の他の領域に広がっていないことを確実にすることができる。
【0115】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、山火事のライフスパンにわたる衛星画像内の複数の周囲ポリゴンを含むことができる。この場合、画像サーバシステム102は、統計的分布116を構築するとき、入力日110の後で衛星データに最も近いポリゴンをクロッピングすることができる。加えて、画像サーバシステム102は、統計的分布122を構築するとき、最も古いポリゴンをクロッピングすることができる。画像サーバシステム102は、開始日を判定するときのノイズを低減するために、統計的分布116に対して最も近いポリゴンを選択し、統計的分布122に対して最も古いポリゴンを選択することができる。画像サーバシステム102が、特定の日の間に山火事の結果として燃焼していないことが分かっているエリア内の衛星画像を閲覧する場合、画像サーバシステム102は、山火事を含まないノイズの多いピクセルのみをカウントする。そのため、画像サーバシステム102が火災ピクセルをカウントするだけでは、開始日予測の精度が低下する。
【0116】
システム100に示されるように、2019年6月1日の衛星画像は山火事を示すように見え、2019年6月2日の衛星画像は山火事を示すように見え、2019年8月4日の衛星画像はより小さいが山火事を示すように見え、2019年8月5日の衛星画像は山火事を示さないように見える。画像サーバシステム102が2019年8月5日より後の日数に、例えば2019年8月6日~2019年8月13日に山火事を検出しないと仮定すると、画像サーバシステム102は、終了日124又は山火事が終わった日付を2019年8月5日と定義することができる。
【0117】
段階(J)中、画像サーバシステム102は、山火事の出力時間範囲を1つ以上のパイプラインに提供することができる。システム100に示されるように、画像サーバシステム102は、第1の統計的分布116、第2の統計的分布122、及び対応する衛星画像に基づいて、山火事の時間範囲が2019年6月1日~2019年8月5日であると判定した。更に、画像サーバシステム102は、時間範囲の長さが3ヶ月未満、例えば、火災が持続する最大時間量未満であり、入力日110が時間範囲内に入るので、この時間範囲が正確であると判定することができる。
【0118】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム102は、時間範囲を1つ以上の内部又は外部パイプラインに提供することができる。内部パイプラインは、例えば、トレーニングデータとしての異なる機械学習モデルとすることができる。異なる機械学習モデルは、山火事及びその広がりの監視などのアプリケーションを実施することができる。他の内部パイプラインは、例えば、山火事の異なるグラフィカル表現、又は山火事の広がりを示すための他のユーザインターフェースを含むことができる。外部パイプラインは、例えば、山火事検出を実施する他の外部システム、山火事を消火するためのレスポンダを派遣すること、及び山火事又は他の気候災害などの危機を遠隔で監視することであり得る。画像サーバシステム102は、山火事の時間範囲を他のシステムに提供することもできる。例えば、システム100に示されるように、画像サーバシステム102は、時間範囲をレビューのためにモニタ126に出力することができる。
【0119】
画像サーバシステム102は、システム100のプロセスの真正性を検証するために、既知の開始日及び終了日を有する衛星画像を衛星画像データベース104から取得することができる。例えば、画像サーバシステム102は、識別された時間範囲の中間の日付に対応する複数の衛星画像を取得することができる。次いで、画像サーバシステム102は、複数の衛星画像からの各衛星画像を、システム100に示されるプロセスに提供して、画像サーバシステム102が同じ時間範囲、例えば、同じ開始日及び終了日を識別することができるかどうかを判定することができる。画像サーバシステム102が各衛星画像と同じ時間範囲を識別することができる場合、システム100に示されるプロセスは、適切に機能しているように見える。
【0120】
図2Aは、衛星画像を受信し、衛星画像から山火事の時間範囲を生成するためのシステム200の一例を示すブロック図である。システム200は、システム100と同様のコンポーネントを含み、同様の機能を実施する。例えば、システム200は、衛星202、画像サーバシステム204、時間データベース214、空間データベース216、及び衛星画像データベース218を含む。システム200は、衛星ネットワーク、ローカル接続、又はインターネット上の別の接続のいずれかを含むことができるネットワーク205も含む。
【0121】
段階(A)中、画像サーバシステム204は、ネットワーク205を介して衛星202に要求203を送信することができる。要求203は、地球上の地理的領域の1つ以上の衛星画像をキャプチャするように衛星202に指示することができる。要求203は、衛星202が地球の周りを航行するときに1つ以上の画像をキャプチャするために、エリアのロケーション座標、例えば緯度及び経度座標を含み得る。
【0122】
段階(B)中、衛星202は、要求203によって提供された地理的領域の1つ以上の衛星画像をキャプチャすることができる。衛星202は、衛星画像をキャプチャするための1つ以上の衛星カメラを含み得る。例えば、システム200に示されるように、地理的領域は、1つ以上の山、丘、火災、及び煙を含むことができる。他の地理的領域は、システム200に示されるものより多い、少ない、又は異なる地理的特徴を含むことができる。衛星202は、衛星202が地球を航行する際に、要求された地理的領域の衛星画像206をキャプチャすることができる。
【0123】
例えば、衛星202は、要求された地理的領域にわたって日ベースで航行することができ、したがって、要求された地理的領域の衛星画像を日ベースで提供することができる。いくつかの実装形態では、衛星202は、1日当たり複数の画像、複数のビデオ、又はその両方で地理的領域をキャプチャし得る。この場合、画像サーバシステム102は、ある日に複数の衛星画像及びビデオを閲覧し、次の日に複数の衛星画像及びビデオの異なるセットを閲覧することなどが可能であり得る。メディアのセットを提供することによって、画像サーバシステム204は、その時間範囲山火事検出の精度を向上させることができる。
【0124】
いくつかの実装形態では、衛星カメラによってキャプチャされる1つ以上の地理的領域は、山火事と関連付けられた1つ以上のロケーションを含み得る。例えば、山火事と関連付けられた1つ以上のロケーションは、火災が発生していない1つ以上の領域、活発に火災中である1つ以上の領域、最近火災が発生した1つ以上の燃焼領域、及び火災に起因する1つ以上の瘢痕領域を含むことができる。システム201に示されるように、地理的領域内の山火事と関連付けられた1つ以上のロケーションは、火災が発生していない1つ以上の領域211、活発に火災中である1つ以上の領域210、最近火災が発生した1つ以上の燃焼領域208、及び火災に起因する1つ以上の瘢痕領域212を含むことができる。
【0125】
領域208、210、211、及び212の各々は、地理的領域内で互いに隣接することができる。衛星202が要求203中のロケーションに基づいて地理的領域の1つ以上の画像をキャプチャするとき、衛星画像は、これらの領域のうちの1つ以上を含み得る。例えば、衛星202は、要求203からのロケーションを含む画像をキャプチャすることができ、画像は、活発に火災中である領域210、最近火災が発生した燃焼領域208、及び火災に起因する1つ以上の瘢痕領域212を含むことができる。他の衛星画像は、システム100に示される領域の各々などの他の領域を含むことができる。
【0126】
次いで、衛星202は、キャプチャされたメディア206を、ネットワーク205を介して画像サーバシステム204に送信することができる。いくつかの実装形態では、衛星202は、キャプチャされたメディア206を衛星画像データベース218に直接送信し、画像サーバシステム204を直接バイパスすることができる。この場合、後の時点で、画像サーバシステム204は、キャプチャされたメディア206を識別するデータを取得して、キャプチャされたメディアによって示される山火事の時間範囲を判定することができる。例えば、キャプチャされたメディア206を識別するデータは、例えば、ロケーションデータと、キャプチャされたメディア206によって示される山火事が活発であった特定の時間とを含むことができる。
【0127】
段階(C)中、画像サーバシステム204は、山火事の入力日220、及び山火事の対応するロケーション222を取得する。システム200の段階(C)は、システム100の段階(A)、(B)、及び(C)と同様である。特に、システム200に示されるように、画像サーバシステム204は、対応する山火事について、2019年7月5日の入力日220と、33.8121N、-117.91899Eのロケーション222とを取得する。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム204は、検索されるピクセルの量を低減するために、衛星画像に適用するポリゴンを取得することができる。ポリゴンは、空間データベース216から取得することができる。ポリゴンは、画像サーバシステム102によって火災ピクセルについて検索されるピクセルの数を空間的に制限することができる。例えば、画像サーバシステム204は、ポリゴン226を、取得された衛星画像224に適用することができる。対応する山火事は、衛星画像206内のキャプチャされた山火事に対応し得るが、代わりに、以前にキャプチャされ、衛星画像データベース218に記憶された衛星画像を参照し得る。
【0128】
画像サーバシステム204は、山火事が発生した日付220及び山火事が発生したロケーション222を衛星画像データベース218に提供することができる。加えて、画像サーバシステム204は、衛星画像取り出しの期間を示すことができる。例えば、画像サーバシステム204は、ロケーション222を示す2019年7月5日の日付及び2年前から始まる全ての衛星画像を提供するように衛星画像データベース218に指示することができる。画像サーバシステム204はまた、いくつかの例を挙げると、1年間、3年間、5年間、又はそれ以上などの異なる期間を有する衛星画像を衛星画像データベース218に要求することができる。これに応答して、衛星画像データベース218は、画像サーバシステム204によって指定された基準に基づいて、衛星画像224を画像サーバシステム204に返すことができる。次いで、画像サーバシステム204は、画像サーバシステム204が火災ピクセルについて検索する領域を空間的に制限するために、ポリゴン226を取得された衛星画像224に適用することができる。
【0129】
段階(D)中、画像サーバシステム204は、取得された衛星画像224に基づいて第1の統計的分布を生成することができる。システム200の段階(D)は、システム100の段階(D)と同様である。
【0130】
特に、画像サーバシステム204は、衛星画像224から衛星画像のサブセットを識別するための時間範囲を判定することができる。画像サーバシステム204は、入力日220より3ヶ月前の日付、例えば2019年4月5日を識別する。次いで、画像サーバシステム204は、衛星画像ベースラインを構築するために、1年間の時間範囲(例えば、2018年4月5日~2019年4月5日)、又は9ヶ月間の時間範囲(例えば、2019年7月5日~2019年4月5日)のいずれかを判定する。
【0131】
時間範囲の識別に応答して、画像サーバシステム204は、識別された時間範囲を使用して衛星画像224から衛星画像のサブセットを識別することができる。例えば、画像サーバシステム204は衛星画像224から、2018年4月5日~2019年4月5日までの衛星画像を識別し、この識別された衛星画像が山火事ピクセルを示さない、例えば、閾値内の衛星画像を示さないことを確実にすることができる。次いで、画像サーバシステム204は、時間範囲内の識別された衛星画像において見出された火災ピクセルの平均数を判定し、火災ピクセルの平均数を統計的分布に当てはめることによって、第1の統計的分布を生成することができる。統計的分布は、例えば、平均が分散と等価であるポアソン分布であってもよい。
【0132】
段階(E)中、画像サーバシステム204は、衛星画像224からの活発な山火事を示すように見える衛星画像内のピクセルの数を判定することができる。システム200の段階(E)は、システム100の段階(E)と同様である。特に、画像サーバシステム204は、いくつかの例を挙げると、火災検出アルゴリズムを使用して、又は明度閾値検出を使用して、検出された火災ピクセルをカウントすることによって、特定の日、例えば、2019年7月5日の山火事を示すように見える衛星画像内のポリゴン内のピクセルの数を判定することができる。
【0133】
段階(F)中、画像サーバシステム204は、検出された火災ピクセルの数を、生成された統計的分布と比較することができる。システム200の段階(F)は、システム100の段階(E)と同様である。例えば、生成された統計的分布がポアソン分布である場合、画像サーバシステム204は、特定の画像について検出された火災ピクセルの数をポアソン分布における値として提供することによって、確率を判定することができる。ポアソン分布は、事象が発生する尤度、例えば、2019年7月5日の特定の画像が山火事を示す尤度を示す確率を返すことができる。画像サーバシステム204は、確率を閾値と比較して、特定の日の衛星画像が同様の数の火災ピクセルを有するかどうかを判定することができる。
【0134】
画像サーバシステム204が、生成された統計的分布によって出力された確率が閾値未満であると判定した場合、段階(G)中に、画像サーバシステム204は、前の日の衛星画像を取得する。システム200の段階(G)は、システム100の段階(E)と同様である。例えば、画像サーバシステム204は、2019年7月4日の衛星画像を取得し、システム200の段階(E)及び(F)のプロセスを繰り返す。画像サーバシステム204は、山火事の開始日が識別されるまで、段階(E)、(F)、及び(G)のプロセスを繰り返す。したがって、画像サーバシステム204は、ロケーション222を示す対応する衛星画像が活発な又は進行中の山火事を示さなくなるまで、例えば、生成された統計的分布によって出力された確率が閾値より大きくなるまで、一度に1日付戻り続ける。
【0135】
代替的に、画像サーバシステム204が、生成された統計的分布によって出力された確率が閾値より大きいと判定した場合、段階(H)中に、画像サーバシステム204は、画像サーバシステム204が潜在的な開始日228より前の所定の日数に山火事を検出しないと仮定して、山火事の開始日228が識別されたことを示す。システム200に示されるように、山火事の開始日228は、2019年6月1日に対応する。システム200の段階(H)は、システム100の段階(F)及び(G)と同様である。
【0136】
例えば、段階(H)中に、画像サーバシステム204は、第2の統計的分布を生成するための衛星画像を取得するために、識別された開始日220及びロケーション222を衛星画像データベース218に提供することができる。ここで、画像サーバシステム204は、開始日228より前と開始日228より後の両方からの衛星画像を提供するように衛星画像データベース218に指示することもできる。例えば、画像サーバシステム204は、開始日228の周りの特定の時間枠(例えば、1年と3ヶ月間)を指定するか、又は開始日228の周りの大きい時間枠(例えば、2年間、5年間、若しくはそれ以上)を要求することができる。
【0137】
いくつかの実装形態では、衛星画像データベース218は、画像サーバシステム204によって識別された基準に基づいて、取得された衛星画像232を返すことができる。特に、衛星画像232は、例えば、第2の統計的分布を構築するための、識別された開始日228より前の衛星画像と、例えば、山火事の終了日を識別するための、識別された開始日228より後の衛星画像と、を含むことができる。
【0138】
段階(I)中、画像サーバシステム204は、識別された開始日228より前の衛星画像232及び識別された開始日228に基づいて、第2の統計的分布を生成することができる。システム200の段階(I)は、システム100の段階(H)と同様である。この段階では、画像サーバシステム204は、第2の統計的分布を構築するために、開始日228より前の時間範囲を識別することができる。画像サーバシステム204は、識別された時間範囲に基づいて、衛星画像232から衛星画像のサブセットを抽出することができる。次いで、画像サーバシステム204は、衛星画像のサブセットを、ポアソン分布、正規分布、又はガウス分布などの統計的分布に当てはめることができる。
【0139】
段階(J)中、画像サーバシステム204は、開始日228より後の衛星画像232からの山火事を示すように見える衛星画像内のピクセルの数を判定することができる。システム200の段階(J)は、システム100の段階(I)と同様である。この場合、画像サーバシステム204は、各ピクセルの明度を判定することによって、又は火災検出アルゴリズムを使用することによって、特定の日、例えば2019年6月1日について山火事を示すように見える衛星画像内のピクセルの数をカウントすることができる。
【0140】
段階(K)中、画像サーバシステム204は、特定の日における特定の画像についての火災ピクセルのカウントを、生成された第2の統計的分布と比較することができる。システム200の段階(K)は、システム200の段階(F)と同様である。生成された第2の統計的分布は、事象が発生する尤度、例えば、2019年6月1日の特定の画像が山火事を示す尤度を示す確率を生成することができる。画像サーバシステム204は、確率を閾値と比較して、特定の日の衛星画像が同様の数の火災ピクセルを有するかどうかを判定することができる。
【0141】
画像サーバシステム204が、生成された第2の統計的分布によって出力された確率が閾値未満であると判定した場合、段階(L)中に、画像サーバシステム204は、次の日の衛星画像を取得する。システム200の段階(L)は、システム100の段階(I)と同様である。例えば、画像サーバシステム204は、2019年6月2日の衛星画像を取得し、システム200の段階(J)及び(K)のプロセスを繰り返す。画像サーバシステム204は、段階(J)、(K)、及び(L)のプロセスを繰り返し、山火事の終了日が識別され、画像サーバシステム204が潜在的な終了日より後の所定の日数に山火事を検出しないと仮定するまで、一度に1日付進む。
【0142】
代替的に、画像サーバシステム204が、生成された統計的分布によって出力された確率が閾値より大きいと判定した場合、段階(K)中に、画像サーバシステム204は、画像サーバシステム204が潜在的な終了日234より後の所定の日数に山火事を検出しないと仮定して、山火事の終了日234が識別されたことを示す。システム200に示されるように、山火事の終了日234は、2019年8月5日に対応する。システム200の段階(K)は、システム100の段階(I)と同様である。
【0143】
段階(M)中、画像サーバシステム204は、出力のために、山火事の時間範囲236を提供する。時間範囲236は、山火事の範囲が2019年6月1日~2019年8月5日までであることを示す。システム200の段階(M)は、システム100の段階(J)と同様である。例えば、画像サーバシステム204は、時間範囲236を1つ以上の外部又は内部パイプラインに出力することができる。
【0144】
図2Bは、山火事の時間範囲を判定するときに統計的分布を生成するためのシステム201の一例を示すブロック図である。システム201は、システム100からの段階(D)及び(H)並びにシステム200からの段階(D)及び(I)中に実施されるプロセスを示す。更に、システム201及びそのプロセスはまた、画像サーバシステム102によって実施されてもよい。
【0145】
いくつかの実装形態では、システム201は、統計的分布を生成するためのプロセスを示す。画像サーバシステム204は、いくつかの例を挙げると、ポアソン分布、正規分布、又はガウス分布である統計的分布を生成することができる。統計的分布を生成するためのプロセスは、概して、とりわけ、(i)入力日より3ヶ月前である第1の日付を識別することと、(ii)第1の日付より1年又は9ヶ月前である第2の日付を識別することと、(iii)第1の日付と第2の日付との間の時間範囲に基づいて、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することと、(iv)衛星画像のサブセットからの火災ピクセルの平均、標準偏差、及び他の統計的特性を判定することと、(v)衛星画像のサブセットからの火災ピクセルの統計的特性に基づいて、統計的分布を生成することと、を含む。
【0146】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム204は、入力日より3ヶ月前である第1の日付を識別することなく統計的分布を生成することができる。この場合、画像サーバシステム204が、入力日が、システム100において生成された開始日118などの山火事の実際の開始日に対応すると判定した場合、画像サーバシステム204は、第1の日付を識別することなく、入力日より1年前の第2の日付を識別することに進むことができる。例えば、入力日が、山火事の判定された開始日、例えば、2019年6月1日である場合、衛星画像内に山火事が存在しないことを確実にするために2019年6月1日より3ヶ月前の日付を識別する代わりに、画像サーバシステム204は、開始日より1年前の第2の日付を識別することができる。これは、2018年6月1日の第2の日付に対応する。
【0147】
その結果、例えば、画像サーバシステム204が開始日を3ヶ月だけ戻す場合、画像サーバシステム204は、2018年3月1日~2019年3月1日ではなく、2018年6月1日~2019年6月1日の時間範囲を識別することができる。場合によっては、画像サーバシステム204は、1年間の時間範囲の代わりに9ヶ月間の時間範囲、例えば、2019年9月1日~2019年6月1日を識別することができる。画像サーバシステム204は、メモリ制約のためにより短い時間範囲が必要とされる場合に9ヶ月間の範囲を識別して、いくつかの例を挙げると、履歴的な衛星画像における火災ピクセルの検出を回避することができ、又は外部ユーザがその特定の時間範囲を要求する場合に9ヶ月間の範囲を識別することができる。
【0148】
段階(A)中、画像サーバシステム204は、入力日より3ヶ月前である第1の日付242を判定することができる。例えば、画像サーバシステム204は、入力日が山火事の入力日110、例えば2019年7月5日に対応する場合、第1の日付242が2019年4月5日であると判定することができる。場合によっては、画像サーバシステム204は、入力日が山火事の判定された開始日、例えば開始日118に対応する場合、この段階をスキップする。
【0149】
段階(B)中、画像サーバシステム204は、第1の日付242より1年前である第2の日付244を判定することができる。例えば、画像サーバシステム204は、第1の日付242が2018年4月5日に対応し、入力日が山火事の入力日110に対応する場合、第2の日付244が2019年4月5日であると判定することができる。しかしながら、この例では、画像サーバシステム204は、入力日が開始日118である場合、第1の日付242が2018年6月1日であると判定する可能性がある。
【0150】
段階(C)中、画像サーバシステム204は、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することができる。システム201に示されるように、画像サーバシステム204は、山火事が発生した地理的領域のロケーション240と、ロケーション240で山火事が発生した日付238と、を取得することができる。日付は、例えば、2019年7月5日を示す文字列とすることができ、ロケーションは、33.8121N、-117.91899Eの緯度及び経度座標を示す文字列又は数字とすることができる。この段階は、システム100からの段階(A)及び(B)と同様である。
【0151】
次いで、画像サーバシステム204は、日付238、ロケーション240、及び期間237を提供することによって、衛星画像データベース218に衛星画像を要求することができる。期間237は、例えば、衛星画像を得るために、日付238より前の期間を示すことができる。例えば、期間237は、1年間、3年間、5年間、又は統計的分布を構築するのに十分な別の時間長の期間を示すことができる。
【0152】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム204は、期間237が日付228より前の期間及び日付238より後の期間に対応することを示すことができる。例えば、画像サーバシステム204が山火事の終了日を判定しようとしている場合、画像サーバシステム204は、衛星画像データベース218に対して、日付238の2年前及び日付238の5ヶ月後を識別するように指示することができる。他の期間がまた指示されてもよい。
【0153】
衛星画像データベース218は、地球の様々な地理的領域を示す衛星画像を含むことができる。例えば、衛星画像は、高解像度画像213b、ノイズの多い画像213a、並びに赤外線ビデオ及び他のメディアなどの他のタイプの画像を含み得る。
【0154】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム204は、衛星画像を取得し、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することができる。例えば、システム201に示されるように、画像サーバシステム204は、取得された衛星画像から衛星画像213cを選択することができる。衛星画像213cは、高解像度画像、ノイズの多い解像度画像、低解像度画像、衛星ビデオ、及び他の衛星メディアを示す衛星画像のセットを含むことができる。画像サーバシステム204は、システム201の段階(A)及び(B)において識別された期間、衛星画像のセットにおける火災ピクセル検出を回避する1つ以上の時間範囲、並びに他の基準に基づいて、衛星画像213cを選択することができる。
【0155】
段階(D)中、画像サーバシステム204は、識別された時間範囲にわたって各日における火災ピクセル検出を判定することができる。この段階は、システム100からの段階(D)と同様である。例えば、画像サーバシステム204は、衛星画像213cからの各衛星画像を分析し、衛星画像のセット内の各日における山火事を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。例えば、画像サーバシステム102は、2018年4月5日~2019年4月5日までの識別された時間範囲の間の各日における衛星画像113cを分析し、各日における火災ピクセルの数を判定することができる。別の例では、画像サーバシステム102は、2018年4月5日~2019年4月5日までの各日の間の衛星画像113cのポリゴン内を分析し、ポリゴン内の各日における火災ピクセルの数を判定することができる。画像サーバシステム102は、例えば、2018年4月5日に2つの火災ピクセルをカウントし、4月6日に3つの火災ピクセルをカウントし、2019年4月5日まで各日に衛星画像をカウントし続けることができる。
【0156】
段階(E)中、画像サーバシステム204は、衛星画像113c内の各日の火災ピクセルの数を判定することに応答して、統計的分布を生成することができる。例えば、画像サーバシステム204は、分布の平均及び分散など、ポアソン分布であり得る統計的分布に関する1つ以上のパラメータを生成することができる。統計的分布がポアソン分布である場合、画像サーバシステム204は、衛星画像113cのセットから、火災を示すように見えるピクセルの平均数を判定することができる。この場合、識別された時間範囲にわたって山火事を示すように見える識別されたピクセルの平均数は、例えば5であり得、この値は、ポアソン分布の分散と等価である。衛星画像内の火災ピクセル検出の平均を識別し、その平均を当てはめることに応答して、画像サーバシステム204は、様々なアプリケーションに対して統計的分布116を提供することができる。
【0157】
図3は、山火事の時間範囲を生成するためのプロセス300の一例を示す流れ図である。システム100の画像サーバシステム102及びシステム200の画像サーバシステム204は、プロセス300を実施することができる。
【0158】
画像サーバシステムは、地理的領域内で火災が発生した日付を取得する(302)。例えば、時間データベースなどの外部データベースは、画像サーバシステムに、地理的領域で山火事が発生した日を示す日付を提供することができる。日付は、月、日、年フォーマット、又は別のフォーマットで提供することができる。日付は、山火事の開始日、山火事の終了日、又は山火事の開始日と終了日との間の別の日付に対応することができる。
【0159】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステムはまた、日付に基づいて山火事が発生したロケーションを記述するロケーションを取得することができる。例えば、ロケーションは、ロケーションGPS座標、陸標の名前、市の名前、他の地理的地域の名前、特定の住所、又は他のロケーションを含むことができる。
【0160】
画像サーバシステムはまた、山火事を包含する衛星画像内の領域を示すポリゴンを取得することができる。ポリゴンは、画像サーバシステムが火災ピクセルを識別するために検索し得る衛星画像内のピクセルの数を空間的に制限することができる。本質的に、画像サーバシステムは、ポリゴンによって空間的に画定された領域内の衛星画像内の火災ピクセルについて検索して、火災ピクセルを識別するために画像サーバシステムが検索する必要があるピクセルの処理及び量を低減することができる。
【0161】
画像サーバシステムは、地理的領域内で火災が発生した日付より前の地理的領域の第1の衛星画像を取得する(304)。いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、山火事が発生した地理的領域を記述する取得されたロケーションと、山火事が発生した取得された日付とを、衛星画像データベースに提供することができる。加えて、画像サーバシステムはまた、衛星画像を取得するために、入力日より前の期間を示す時間範囲を提供することもできる。期間は、例えば、入力日より1年前、入力日より2年前、入力日より5年前、又は統計的分布を構築するのに十分である入力日より前の何らかの他の期間を含むことができる。
【0162】
衛星画像データベースは、取得された日付、取得されたロケーション、及び時間範囲を使用して、提供された基準を満たす衛星画像を識別することができる。衛星画像は、1つ以上の衛星画像、例えば、高品質の、中品質の、低品質の、ノイズが多い、及び他の衛星画像を含むことができる。衛星画像は、地球の1つ以上の地理的領域を示すことができる。いくつかの実装形態では、衛星画像データベースは、統計的分布を構築するために、基準を満たす識別された衛星画像を画像サーバシステムに提供することができる。
【0163】
画像サーバシステムは、地理的領域内で火災が発生した日付より前の第1の衛星画像から、画像の第1のセットを選択する(306)。いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、統計的分布を構築するために、第1の衛星画像から画像の第1のセットを識別することができる。最初に、画像サーバシステムは、山火事を示さない、取得された衛星画像内の入力日より前の期間を識別することができる。画像サーバシステムは、一般に、山火事は3ヶ月より長く続かないので、入力日より3ヶ月前の日付を判定することができる。入力日より3ヶ月前の日付を識別することによって、画像サーバシステムは、入力日及びロケーションによって識別された同じ山火事が、対応する衛星画像において活発でないか、又は火がついていないと安全に仮定することができる。
【0164】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、入力日より3ヶ月前である日付の1年前の日付を判定することができる。例えば、入力日が2019年7月5日に対応する場合、画像サーバシステムは、入力日より3ヶ月前の日付が2019年4月5日であると判定することができる。次に、画像サーバシステムは、2019年4月5日より1年前の日付を識別し、この日付は2018年4月5日に対応する。いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、1年前の日付の代わりに9ヶ月前の日付を使用することができる。
【0165】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、統計的分布を構築するために、この時間範囲を使用して、第1の衛星画像から衛星画像の第1のセットを識別することができる。例えば、画像サーバシステムは、両端値を含めて2018年4月5日~2019年4月5日までの日付の間の衛星画像データベースから取得された衛星画像から衛星画像を識別する。
【0166】
しかしながら、画像サーバシステムが2018年4月5日~2019年4月5日までの衛星画像の第1のセットを使用するために、画像サーバシステムは、その期間中に識別された衛星画像に履歴的な火災が存在しないことを確実にすることができる。例えば、画像サーバシステムは、履歴的な火災の外部データベースを使用して、この判定を行うことができる。履歴的な火災の外部データベースが、この時間中に火災が存在しなかったことを示す場合、画像サーバシステムは、2018年4月5日~2019年4月5日までの時間範囲内の各衛星画像に対して火災検出アルゴリズムを実行して、各画像から火災を含むピクセルの数を判定することができる。衛星画像内の火災ピクセルの数が閾値未満である場合、画像サーバシステムは、特定の衛星画像が火災を含まないことを示すことができる。代替的に、画像サーバシステムは、画像が火災を含むことを見出した場合、例えば、火災ピクセルの数が閾値より大きい場合、時間範囲を調整することができる。
【0167】
画像サーバシステムは、画像の第1のセットから第1の統計的分布を生成する(308)。第1の統計的分布を生成するために、画像サーバシステムは、統計的分布のための1つ以上のパラメータを生成することができる。例えば、画像サーバシステムは、(306)から識別された衛星画像の各日における火災を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。画像サーバシステムは、火災検出アルゴリズムを使用して、各日における火災ピクセルの数をカウントすることができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、分析される必要があるピクセルの数を低減するために、火災ピクセルをカウントする前に、識別された衛星画像内の画像の各々に対してポリゴンをクロッピングし得る。次いで、画像サーバシステムは、各画像から火災ピクセルの平均値又は平均数を判定することができる。画像サーバシステムはまた、特定の統計的分布を当てはめるために、例えば、標準偏差及び分散などの他のデータ記述子を判定してもよい。
【0168】
例えば、画像サーバシステムは、火災ピクセルの平均数の平均をポアソン分布に当てはめることができる。ポアソン分布では、平均は分散と等価である。正規分布及びガウス分布などの他の分布では、識別された衛星画像を他の分布に当てはめるのを助けるデータ記述子を判定するために、画像サーバシステムが異なるプロセスを実施することが必要である。例えば、データがポアソン分布に当てはめられると、画像サーバシステムは、取得された衛星画像を処理して、山火事の開始日を識別することができる。
【0169】
画像サーバシステムは、第1の衛星画像と第1の統計的分布との比較に基づいて、火災の開始日を判定する(310)。いくつかの実装形態では、生成された統計的分布を使用して、生成された統計的分布のベースラインから何らかの事象が発生した確率を示すことができる。例えば、ポアソン分布の確率密度関数は、k個のカウントされたピクセルを有する特定の日がノイズの分布から自然に発生した確率を返すことができる。PDFによって出力される値が低いほど、外力、例えば山火事がk値のカウントに寄与した可能性がより高くなる。代替的に、PDFによって出力された値が高いほど、外力がk値のカウントに寄与した可能性がより低くなり、画像がベースライン分布からの画像により密接に類似していることを示す。
【0170】
画像サーバシステムは、取得した衛星画像から、山火事が発生した日付より前の日の衛星画像を識別することができる。画像サーバシステムは、火災を示すように見える、前の日からの衛星画像内のピクセルの数をカウント又は判定することができる。場合によっては、カウントされるピクセルの数は、画像サーバシステムによってクロッピングされたポリゴン領域内にあり得る。次いで、画像サーバシステムは、生成された統計的分布への入力として、その特定の日のその画像について判定された火災ピクセルの数を提供することができる。
【0171】
画像サーバシステムは、生成された統計的分布、例えば、ポアソン分布からの出力確率を、閾値と比較することができる。出力確率が閾値未満である場合、画像サーバシステムは、対応する衛星画像が火災の尤度を含むと判定することができる。代替的に、出力確率が閾値より大きい場合、画像サーバシステムは、対応する衛星画像が火災を含まないと判定することができる。画像サーバシステムは、火災が判定された場合にこのプロセスを繰り返し、山火事を示すように見えない衛星画像が見つかるまで、例えば、2019年7月4日~2019年7月3日など、時間的に遡って繰り返す。
【0172】
衛星画像が山火事を示さないと画像サーバシステムが判定することに応答して、画像サーバシステムは、取得された衛星画像から、特定の日より前の所定の日数の間の追加の衛星画像を取得する。例えば、画像サーバシステムが2019年6月1日の潜在的な開始日を判定した場合、画像サーバシステムは、2019年6月1日の8日前、例えば、2019年5月24日を識別し、それらの日の各々について衛星画像を取得することができる。画像サーバシステムは、2019年6月1日が実際の開始日であるかどうかを識別及び検証しようとし、その潜在的な開始日より前の所定の日数を分析して、それらの日に対応する衛星画像内に火災が存在しないことを判定する。それらの日に火災が存在しない場合、画像サーバシステムは、2019年6月1日が火災の実際の開始日であることを確信を持って主張することができる。
【0173】
最初に、画像サーバシステムは、2019年6月1日より前の所定の日数における各日の火災を示すように見えるピクセルの数をカウントすることができる。次いで、画像サーバシステムは、統計的分布と、各対応する日に山火事を示すように見えるピクセルの数とを使用して、各日の尤度を生成することができる。統計的分布は、各日の確率又は尤度を返すことができる。例えば、2019年5月31日については、確率は0.56であり得、2019年5月30日については、確率は0.6であり得、2019年5月29日については、確率は0.7であり得る。このプロセスは、2019年5月24日まで繰り返されるか、又は所定の日数における各日が関連する確率を有するまで繰り返される。各日の確率が閾値より大きい場合、画像サーバシステムは、2019年6月1日が火災の実際の開始日であることを確信を持って示すことができる。日の確率のうちの1つ以上が閾値未満である場合、画像サーバシステムは、逆方向に反復し続けて、山火事の実際の開始日を見出し、その後、「火災なし」の日の前の週全体を見出し得る。
【0174】
画像サーバシステムは、地理的領域内で火災が発生した判定された開始日より前及び判定された開始日より後の地理的領域の第2の衛星画像を取得する(312)。画像サーバシステムは、取得されたロケーション及び識別された開始日を衛星画像データベースに提供することができる。加えて、画像サーバシステムはまた、第2の統計的分布を構築するために、識別された開始日の周りの期間を提供することができ、例えば、第2の統計的分布を構築するために開始日より1年前であり、終了日を判定するために衛星画像の開始日より3ヶ月後である、1年及び3ヶ月の期間を提供することができる。衛星画像データベースは、基準を使用して、この基準を満たす第2の衛星画像を識別し、返すことができる。(312)は、(304)と同様の機能を含む。
【0175】
画像サーバシステムは、地理的領域内で火災が発生した開始日より前の第2の衛星画像から、画像の第2のセットを選択し、画像の第2のセットは、画像の第1のセットより少ない(314)。いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、第2の統計的分布を構築するために、第2の衛星画像から画像の第2のセットを識別することができる。画像サーバシステムは、山火事を示さない、取得された衛星画像内の開始日より前の期間を識別することができる。画像サーバシステムは、火災が生じた日が既に分かっているので、開始日より3ヶ月前の日付を判定する必要はない。したがって、第2の衛星画像についての開始日より前の期間は、3ヶ月前の期間を含んでいた衛星画像の第1のセットについて識別された期間より短くするか又はそれ未満であり得る。代わりに、画像サーバシステムは、第2の統計的分布を構築するために、開始日より1年前の日付を識別することができる。
【0176】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、第2の統計的分布を構築するために、この時間範囲を使用して、第2の衛星画像から衛星画像の第2のセットを識別することができる。例えば、画像サーバシステムは、両端値を含めて2018年6月1日~2019年6月1日までの間の衛星画像データベースから取得された衛星画像から衛星画像を識別する。加えて、画像サーバシステムは、2018年6月1日~2019年6月1日の時間範囲中、衛星画像の第2のセットにおいて山火事が活発でないことを確実にすることができる。山火事が活発である場合、画像サーバシステムは時間範囲を調整することができる。(314)は、(306)と同様の機能を含む。
【0177】
画像サーバシステムは、地理的領域内で火災が発生した開始日より前の画像の第2のセットから、第2の統計的分布を生成する(316)。(316)は、(308)と同様の機能を含む。特に、画像サーバシステムは、第2の統計的分布のための1つ以上のパラメータを生成することができる。例えば、画像サーバシステムは、(314)から識別された衛星画像の各日における火災を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。画像サーバは、火災検出アルゴリズムを使用して各日における火災ピクセルの数をカウントし、各画像から火災ピクセルの平均数を判定する。画像サーバシステムはまた、ポアソン分布などの特定の統計的分布を当てはめるために、例えば、標準偏差及び分散などの他のデータ記述子を判定してもよい。データがポアソンなどの第2の統計的分布に当てはめられると、画像サーバシステムは、取得された衛星画像を処理して、山火事の終了日を識別することができる。
【0178】
画像サーバシステムは、開始日より後に発生した第2の衛星画像と第2の統計的分布との比較に基づいて、火災の終了日を判定する(318)。(318)は、(310)と同様の機能を含む。いくつかの実装形態では、画像サーバシステムは、開始日より後の日に取得された衛星画像から衛星画像を識別することができる。画像サーバは、識別された衛星画像内の火災ピクセルの数をカウントし、判定された火災ピクセルの数を第2の統計的分布への入力として提供することができる。第2の統計的分布から出力された確率が閾値未満である場合、画像サーバシステムは、対応する衛星画像が火災の尤度を含むと判定することができる。代替的に、出力確率が閾値より大きい場合、画像サーバシステムは、対応する衛星画像が火災を含まないと判定することができる。画像サーバシステムは、このプロセスを繰り返し、山火事を示すように見えない衛星が見つかるまで、例えば、2019年6月1日~2019年6月2日から2019年6月3日など、一度に1日ずつ順方向に繰り返す。
【0179】
日付を潜在的な終了日、例えば、2019年8月5日として検出することに応答して、画像サーバシステムは、取得された衛星画像から、潜在的な終了日より後の所定の日数の間の追加の衛星画像を取得することができる。ここで、画像サーバシステムは、2019年8月5日が実際の終了日であるかどうかを識別及び検証しようとし、潜在的な終了日より後の所定の日数を分析して、それらの日に対応する衛星画像内に火災が存在しないことを判定する。それらの日に火災が存在しない場合、画像サーバシステムは、2019年8月5日が山火事の実際の終了日であることを確信を持って主張することができる。
【0180】
(310)と同様に、画像サーバシステムは、2019年8月5日より後の所定の日数における各日の山火事を示すように見えるピクセルの数をカウントすることができる。画像サーバシステムは、第2の統計的分布と、各対応する日に山火事を示すように見えるピクセルの数とを使用して、各日の尤度を生成することができる。統計的分布は、各日の確率又は尤度を返すことができる。各日の確率が閾値より大きい場合、画像サーバシステムは、2019年8月5日が火災の実際の終了日であることを確信を持って示すことができる。日の確率のうちの1つ以上が閾値未満である場合、画像サーバシステムは、時間的に順方向に反復し続けて、山火事の実際の終了日を見出し、その後、「火災なし」の日の次の週全体を見出し得る。
【0181】
画像サーバシステムは、出力のために、地理的領域内の火災の開始日及び火災の終了日を含む範囲を提供する(320)。いくつかの例では、山火事の時間範囲、例えば、判定された開始日及び終了日は、1つ以上の他のパイプラインに提供することができ、画像サーバシステムのディスプレイにも提供することができる。加えて、画像サーバシステムは、ネットワークを介して、時間範囲を要求したユーザのクライアントデバイスに時間範囲を提供することができる。
【0182】
本明細書で説明される本発明の実施形態及び機能的動作の全ては、デジタル電子回路内に、又は本明細書に開示された構造及びそれらの構造上の均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア内に、又はそれらのうちの1つ以上を組み合わせて実装され得る。本発明の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置により実行するための、又はデータ処理装置の動作を管制するための、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装され得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、機械可読記憶デバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号を引き起こす物質の組成物、又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせであり得る。「データ処理装置」という用語は、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含み得る。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、好適な受信機装置への送信のために情報を符号化するために生成された機械生成電気信号、光信号、又は電磁信号である。
【0183】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイル式又はインタープリット式言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で書かれてもよく、独立型プログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境で使用するために好適な他のユニットとして含まれる任意の形式でデプロイされ得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分内に、問題のプログラム専用の単一ファイル内に、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの一部分を記憶するファイル)内に、記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置するか若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0184】
本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を実施するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実施され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって実施され得、装置はまた、専用論理回路、例えば、FPGA又はASICとして実装され得る。
【0185】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実施するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又は1つ以上の大容量記憶デバイスからデータを受信するか若しくは1つ以上の大容量記憶デバイスにデータを転送するか、又はその両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス、例えば、ごく一部ながら例を挙げると、タブレットコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)受信機に組み込まれ得る。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスと、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROM及びDVD-ROMディスクと、を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完され得るか、又は専用論理回路に組み込まれ得る。
【0186】
ユーザとの対話を提供するために、本発明の実施形態は、コンピュータ上で実装され得、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)若しくはLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール)を有する。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供し得、例えば、ユーザに提供されたフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0187】
本発明の実施形態は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバとして)を含むか、又はミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むか、又はフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本発明の実装形態と対話し得るグラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含む、コンピューティングシステム、又は1つ以上のそのようなバックエンド、ミドルウェア、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせに実装され得る。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(local area network、「LAN」)と、ワイドエリアネットワーク(wide area network、「WAN」)、例えば、インターネットと、を含む。
【0188】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含み得る。クライアント及びサーバは概して互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0189】
いくつかの実装形態が上記で詳細に説明されてきたが、他の修正も可能である。例えば、クライアントアプリケーションはデリゲートにアクセスするものとして説明されるが、他の実装形態では、デリゲートは、1つ以上のサーバで実行されるアプリケーションなど、1つ以上のプロセッサによって実装される他のアプリケーションによって採用されてもよい。加えて、図に描写されたロジックフローは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序、又は連続した順序を必要としない。加えて、説明されたフローから他のアクションが提供され、又は説明されたフローからアクションが削除され、他のコンポーネントが説明されたシステムに追加され、又は説明されたシステムから削除されてもよい。したがって、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
【0190】
本明細書は多くの特定の実装形態の詳細を含むが、これらは、いずれの発明、又は特許請求され得る事項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書で説明されるある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、複数の実施形態で別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで実装され得る。更に、特徴は、ある特定の組み合わせで作用するものとして、かつ最初にそのように特許請求されるものとして上記で説明され得るが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形に向けられ得る。
【0191】
同様に、動作は特定の順序で図面に描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で若しくは連続的な順序で実施されること、又は全ての例示された動作が実施されることを必要とすると理解されるべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキング処理及び並列処理が有利であり得る。更に、上で説明された実施形態における様々なシステムモジュール及びコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてかかる分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品にともに一体化され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0192】
本主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、特許請求の範囲内に列挙されたアクションは、異なる順序で実施することができ、それでも所望の結果を達成することができる。一例として、添付の図面内に描写されたプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、又は連続的な順序を必ずしも必要としない。特定の実装形態では、マルチタスク処理及び並列処理が有利である場合がある。
【国際調査報告】