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特表2024-527494自律的作物乾燥、調整、および貯蔵管理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】自律的作物乾燥、調整、および貯蔵管理
(51)【国際特許分類】
   A01F 25/00 20060101AFI20240718BHJP
   B65D 88/74 20060101ALI20240718BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20240718BHJP
【FI】
A01F25/00 E
B65D88/74
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577577
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022033499
(87)【国際公開番号】W WO2022266149
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】17/347,941
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/728,889
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】523470223
【氏名又は名称】ハーバー テクノロジーズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Haber Technologies,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ハーウェガー,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ハード,ディロン
【テーマコード(参考)】
2B100
3E170
5L050
【Fターム(参考)】
2B100AA02
2B100AA07
2B100BC04
2B100DA02
2B100DA08
2B100DA11
2B100GA01
2B100GA12
2B100GA21
2B100GA23
2B100GA25
2B100GB19
3E170AA21
3E170AB13
3E170CA01
3E170CA04
3E170CA05
3E170CA06
3E170CA10
3E170CB10
3E170EA10
3E170WE10
5L050CC01
(57)【要約】
乾燥および/または貯蔵される農作物の条件を調節する、収穫後作物管理プラットフォームが提供される。プラットフォームは、農作物に近接して位置付けられるかまたは農作物に埋め込まれたセンサから収集したデータを利用し、プラットフォームの複数のセクションに貯蔵された作物に影響を与える、選択された作物特性を分析する。プラットフォームは、農作物における所望の作物特性レベルを達成することに関するパラメータを識別し、貯蔵作物の複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを生成し、各セクションにおいて所望の作物特性レベルを達成する流体フローパターンの適用をモデル化する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物に近接して位置付けられるかまたは前記作物に埋め込まれ、前記作物を収容するコンテナの内部にあるかまたは前記コンテナに近接する、前記コンテナ内の前記作物の複数のセクションにおける相対湿度および温度のうち少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを少なくとも含む、複数のセンサから収集した情報を、入力データとして受信することと、
1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに複数のデータ処理要素を実行させて、前記コンテナ内に位置付けられた複数のスタックでマルチスタックアセンブリが構成された、前記作物の前記複数のセクションにおける選択された作物特性を調節する、前記1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、前記複数のデータ処理要素において前記入力データを分析することであって、
前記コンテナ内の流出物から取った相対湿度の少なくとも1つを測定すること、または各セクションにおける前記作物の温度を測定すること、および少なくとも測定された前記相対湿度および測定された前記温度に基づいて、前記作物の所望の作物特性レベルを達成する1つまたは複数のパラメータを識別することによって、前記作物の条件をサンプリングすること、
前記作物の各セクションに対する前記選択された作物特性の値を計算して、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションにわたる前記選択された作物特性のプロファイルを表すサンプリング行列を作成すること、
前記サンプリング行列から前記作物の前記複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された、質量モデルの1つまたは複数の入力を生成すること、ならびに
前記1つまたは複数の質量フローに基づいて前記作物の各セクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用を決定して、前記所望の作物特性レベルを達成する、前記作物の前記複数のセクションに対する流体フローの少なくとも1つのシーケンスを決定すること、によって、前記複数のデータ処理要素において前記入力データを分析することと、
前記作物の少なくとも1つのセクションにわたって前記所望の作物特性レベルを達成する、前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスを適用して、前記マルチスタックアセンブリを駆動することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記入力データが、前記作物に関する1つまたは複数のユーザ入力をさらに含み、前記1つまたは複数のユーザ入力が、予想開始作物特性レベルを含む初期含水量値、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値、作物収穫日、および前記作物収穫日を越える前記作物の貯蔵に対する時間的限界を規定する予想作物販売日を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプリング行列に基づいて前記選択された作物特性をマッピングすることをさらに含み、前記選択された作物特性が、前記作物の含水量、前記作物の温度、前記作物の圧力、前記作物中の二酸化炭素のガス放出のうち1つまたは複数である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流体フローが、少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから前記作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、前記少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのゲートおよび前記少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプリング行列から前記作物の前記複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された前記質量モデルが、前記乾燥パラメータを表す1つまたは複数の動的ブロックを含むブロック指向モデルを供給する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ブロック指向モデルにおける動的ブロックの出力、および前記作物中で実施される実際の乾燥プロセスからの経験的データが、前記質量モデルに対する入力である1つまたは複数のニューラルネットワークにおける乾燥パラメータを自動的に計算し更新するように適用される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数の流体フローパターンの前記適用が複数のアルゴリズムによって実行され、前記複数のアルゴリズムが、
システムチェックプロトコル、前記マルチスタックアセンブリのベントおよびゲートアセンブリを開閉して、機能性をチェックしデブリを噴出させること、掃引オージェに応答して前記スタックを上下させること、およびプレナムチャンバを空にして、プレナムを通して前記作物まで流体送達できるようにすることのうち少なくとも1つを実施することによって、前記作物を充填する前記コンテナを準備すること、
前記作物を事前乾燥して、前記作物の中心セクションおよび前記作物の頂部セクションを含む、前記作物の前記セクションのうち1つまたは複数の、前記流体フローに対する抵抗を低減すること、
前記作物を乾燥して、前記作物の前記複数のセクションに対して、前記選択された作物特性を前記所望の作物特性レベルに変更すること、
前記選択された作物特性が前記所望の作物特性レベルに達すると、前記作物を通気して、前記コンテナ内の前記作物の各セクションにわたって前記所望の作物特性レベルを均等化し維持すること、ならびに
前記作物の貯蔵または輸送のための作物特性から、前記作物が前記コンテナから除去される前の市場配置にとって所望の作物特性へと前記作物を再調整して、前記作物の価値を最大限にすること、のうち少なくとも1つを実施するように構成された
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記システムチェックプロトコルが、前記マルチスタックアセンブリの校正、前記センサのうち1つまたは複数の校正、前記マルチスタックアセンブリの自己治癒、および前記1つまたは複数のセンサの自己治癒のうち少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数の流体フローパターンの前記適用が、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを前記作物へと方向付けて、前記選択された作物特性を調節することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記入力データが、前記コンテナが位置する地理的位置に対する、履歴圃場レベル天候データおよび拡張範囲天候予報データのうち一方または両方を含む気象情報をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンテナ内の作物の複数のセクションにおける選択された作物特性を調節するシステムであって、
前記作物に近接して位置付けられるかまたは前記作物に埋め込まれ、前記作物を収容するコンテナの内部にあるかまたは前記コンテナに近接する、前記コンテナ内の前記作物の複数のセクションにおける相対湿度および温度のうち少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを少なくとも含む、複数のセンサから収集した情報で構成される入力データを受信するように構成されたデータ収集要素と、
1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに複数のデータ処理要素を実行させるように構成された、作物特性および流体フローモデル化要素であって、
前記コンテナ内の流出物から取った相対湿度の少なくとも1つを測定すること、または各セクションにおける前記作物の温度を測定すること、および少なくとも測定された前記相対湿度および測定された前記温度に基づいて、前記作物の所望の作物特性レベルを達成する1つまたは複数のパラメータを識別することによって、前記作物の条件をサンプリングし、
前記コンテナの各セクションに対する前記選択された作物特性の値を計算して、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションにわたる前記選択された作物特性のプロファイルを表すサンプリング行列を作成し、
前記サンプリング行列から前記作物の前記複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された、質量モデルの1つまたは複数の入力を生成し、ならびに
前記1つまたは複数の質量フローに基づいて前記作物の各セクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用を決定して、前記所望の作物特性レベルを達成する、前記作物の前記複数のセクションに対する流体フローの少なくとも1つのシーケンスを決定する、作物特性および流体フローモデル化要素と、
前記コンテナ内に位置付けられた複数のスタックで構成されるマルチスタックアセンブリを駆動して、前記作物の少なくとも1つのセクションにわたって前記所望の作物特性レベルを達成する、前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスを適用するように構成された、スタック駆動要素と
を備えるシステム。
【請求項12】
前記入力データが、前記作物に関する1つまたは複数のユーザ入力をさらに含み、前記1つまたは複数のユーザ入力が、予想開始作物特性レベルを含む初期含水量値、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値、作物収穫日、および前記作物収穫日を越える前記作物の貯蔵に対する時間的限界を規定する予想作物販売日を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記作物特性および流体フローモデル化要素が、前記サンプリング行列に基づいて前記選択された作物特性をマッピングするようにさらに構成され、前記選択された作物特性が、前記作物の含水量、前記作物の温度、前記作物の圧力、前記作物中の二酸化炭素のガス放出のうち1つまたは複数である、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体フローが、少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから前記作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、前記少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのゲートおよび前記少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記サンプリング行列から前記作物の前記複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された前記質量モデルが、前記乾燥パラメータを表す1つまたは複数の動的ブロックを含むブロック指向モデルを供給する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ブロック指向モデルにおける動的ブロックの出力、および前記作物中で実施される実際の乾燥プロセスからの経験的データが、前記質量モデルに対する入力である1つまたは複数のニューラルネットワークにおける乾燥パラメータを自動的に計算し更新するように適用される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つまたは複数の流体フローパターンの前記適用が複数のアルゴリズムによって実行され、前記複数のアルゴリズムが、
システムチェックプロトコル、前記マルチスタックアセンブリのベントおよびゲートアセンブリを開閉して、機能性をチェックしデブリを噴出させること、掃引オージェに応答して前記スタックを上下させること、およびプレナムチャンバを空にして、プレナムを通して前記作物まで流体送達できるようにすることのうち少なくとも1つを実施することによって、前記作物を充填する前記コンテナを準備すること、
前記作物を事前乾燥して、前記作物の中心セクションおよび前記作物の頂部セクションを含む、前記作物の前記セクションのうち1つまたは複数の、前記流体フローに対する抵抗を低減すること、
前記作物を乾燥して、前記作物の前記複数のセクションに対して、前記選択された作物特性を前記所望の作物特性レベルに変更すること、
前記選択された作物特性が前記所望の作物特性レベルに達すると、前記作物を通気して、前記コンテナ内の前記作物の各セクションにわたって前記所望の作物特性レベルを均等化し維持すること、ならびに
前記作物の貯蔵または輸送のための作物特性から、前記作物が前記コンテナから除去される前の市場配置にとって所望の作物特性へと前記作物を再調整して、前記作物の価値を最大限にすること、のうち少なくとも1つを実施するように構成された
請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムチェックプロトコルが、前記マルチスタックアセンブリの校正、前記センサのうち1つまたは複数の校正、前記マルチスタックアセンブリの自己治癒、および前記1つまたは複数のセンサの自己治癒のうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つまたは複数の流体フローパターンの前記適用が、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを前記作物へと方向付けて、前記選択された作物特性を調節することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記入力データが、前記コンテナが位置する地理的位置に対する、履歴圃場レベル天候データおよび拡張範囲天候予報データのうち一方または両方を含む気象情報をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、機能を実施するための複数のデータ処理要素を実行させ、前記機能が、
作物に近接して位置付けられるかまたは前記作物に埋め込まれ、前記作物を収容するコンテナの内部にあるかまたは前記コンテナに近接する、前記コンテナ内の前記作物の複数のセクションにおける相対湿度および温度のうち少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを少なくとも含む、複数のセンサから収集した入力データを分析することによって、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用をモデル化して、前記作物の前記複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを展開することであって、
前記コンテナ内の流出物から取った相対湿度の少なくとも1つを測定し、または各セクションにおける前記作物の温度を測定し、および少なくとも測定された前記相対湿度および測定された前記温度に基づいて、前記作物の所望の作物特性レベルを達成する1つまたは複数のパラメータを識別すること、
前記作物の各セクションに対する前記選択された作物特性の値を計算することによって、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションにわたる前記選択された作物特性のプロファイルを表すサンプリング行列を作成すること、
前記サンプリング行列から生成された1つまたは複数の入力を有する、前記作物の前記複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析する質量モデルを構成すること、ならびに
前記質量モデルを適用して、1つまたは複数の質量フローに基づいて前記作物の各セクションに適用する1つまたは複数の流体フローパターンを識別し、前記所望の作物特性レベルを達成する、前記作物の前記複数のセクションに対する流体フローの少なくとも1つのシーケンスを決定すること、によって、前記選択された作物特性のプロファイルを展開することと、
前記コンテナ内に位置付けられた少なくとも1つのスタックで構成されるマルチスタックアセンブリを駆動することによって、前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスを適用する際に前記選択された作物特性レベルを調節して、前記作物の少なくとも1つのセクションにわたって前記所望の作物特性レベルを達成することと、で構成される
方法。
【請求項22】
前記入力データが、前記作物に関する1つまたは複数のユーザ入力をさらに含み、前記1つまたは複数のユーザ入力が、予想開始作物特性レベルを含む初期含水量値、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値、作物収穫日、および前記作物収穫日を越える前記作物の貯蔵に対する時間的限界を規定する予想作物販売日を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記作物の前記複数のセクションに対する前記1つまたは複数の流体フローパターンの前記適用を前記モデル化することが、前記サンプリング行列に基づいて前記選択された作物特性をマッピングすることをさらに含み、前記選択された作物特性が、前記作物の含水量、前記作物の温度、前記作物の圧力、前記作物中の二酸化炭素のガス放出のうち1つまたは複数である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記流体フローが、少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから前記作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、前記少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのゲートおよび前記少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記質量モデルが、前記乾燥パラメータを表す1つまたは複数の動的ブロックを含むブロック指向モデルを供給する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記ブロック指向モデルにおける動的ブロックの出力、および前記作物中で実施される実際の乾燥プロセスからの経験的データが、前記質量モデルに対する入力である1つまたは複数のニューラルネットワークにおける乾燥パラメータを自動的に計算し更新するように適用される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記作物の各セクションに適用するための前記1つまたは複数の流体フローパターンが複数のアルゴリズムによって実行され、前記複数のアルゴリズムが、
システムチェックプロトコル、前記マルチスタックアセンブリのベントおよびゲートアセンブリを開閉して、機能性をチェックしデブリを噴出させること、掃引オージェに応答して前記スタックを上下させること、およびプレナムチャンバを空にして、プレナムを通して前記作物まで流体送達できるようにすることのうち少なくとも1つを実施することによって、前記作物を充填する前記コンテナを準備すること、
前記作物を事前乾燥して、前記作物の中心セクションおよび前記作物の頂部セクションを含む、前記作物の前記セクションのうち1つまたは複数の、前記流体フローに対する抵抗を低減すること、
前記作物を乾燥して、前記作物の前記複数のセクションに対して、前記選択された作物特性を前記所望の作物特性レベルに変更すること、
前記選択された作物特性が前記所望の作物特性レベルに達すると、前記作物を通気して、前記コンテナ内の前記作物の各セクションにわたって前記所望の作物特性レベルを均等化し維持すること、ならびに
前記作物の貯蔵または輸送のための作物特性から、前記作物が前記コンテナから除去される前の市場配置にとって所望の作物特性へと前記作物を再調整して、前記作物の価値を最大限にすること、のうち少なくとも1つを実施するように構成された
請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記システムチェックプロトコルが、前記マルチスタックアセンブリの校正、前記センサのうち1つまたは複数の校正、前記マルチスタックアセンブリの自己治癒、および前記1つまたは複数のセンサの自己治癒のうち少なくとも1つを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記選択された作物特性レベルを前記調節することが、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを前記作物へと方向付けて、前記選択された作物特性を調節することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記入力データが、前記コンテナが位置する地理的位置に対する、履歴圃場レベル天候データおよび拡張範囲天候予報データのうち一方または両方を含む気象情報をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
作物を収容するコンテナ内の前記作物の複数のセクションにおける作物条件を規定する、複数の作物特性を表す作物特性データを受信することと、
1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに複数のデータ処理要素を実行させて、前記コンテナ全体にわたる前記作物の前記複数のセクションとの間での空気の移動において、前記コンテナ全体にわたる前記作物の前記複数のセクション内における前記作物条件の選択された作物特性を調節する、前記1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、前記複数のデータ処理要素において前記作物特性データを分析することであって、
前記作物特性データからの、前記作物の少なくとも1つのセクションに対する含水量、温度、湿度、および圧力のうち少なくとも1つを表す複数の入力を有する質量モデルにおいて、前記作物の前記複数のセクションのうち少なくとも1つのセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析して、前記作物の前記複数のセクションとの間での気流の少なくとも1つのシーケンスで、前記作物の前記複数のセクションにわたる質量移動をモデル化して、前記作物条件を所望の作物特性レベルに適応させること、
前記質量モデルが前記所望の作物特性レベルの異なる成果をモデル化するように構成された、前記気流の少なくとも1つのシーケンスの1つまたは複数の適用から得られる前記作物の前記複数のセクションにわたる前記質量移動から、前記所望の特性レベルを予測すること、ならびに
前記作物条件を前記所望の特性レベルに適応させる、前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスに対する特定の気流の活動を選択すること、によって、前記複数のデータ処理要素において前記作物特性データを分析することと、
前記特定の気流の活動を送達して、初期含水量から貯蔵含水量まで前記作物を乾燥させること、前記貯蔵含水量を市場含水量まで上昇させること、および前記作物の少なくとも1つのセクションにおいて前記作物条件を前記所望の作物特性レベルに適応させるように、熱源レベルを適応させることのうち1つまたは複数を実施することと
を含む、方法。
【請求項32】
前記所望の作物特性レベルが、予想開始作物特性レベル、腐敗しにくい作物特性レベル、および販売に適した市場作物特性レベルのうち少なくとも1つである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記所望の作物特性レベルを継続的にモニタリングして、前記作物条件が前記所望の作物特性レベルを表す値の範囲外にあるか否かを決定することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記所望の作物特性レベルを継続的にモニタリングして、前記コンテナ内における作物ホットスポットの発生を防止するように前記作物条件をさらに適応させることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記作物条件に基づいて1つまたは複数の警告を生成することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記コンテナ内の前記作物の少なくとも1つのセクションにわたって、前記作物の相対湿度、前記作物の温度、前記作物の圧力、および前記作物の二酸化炭素レベルのうち少なくとも1つを測定して、前記作物の特定のセクションにおいて前記所望の作物特性レベルを達成する前記作物条件の適応を決定することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記作物とまだ接触していない流入空気および前記作物と接触している流出空気の条件を読み取る、1つまたは複数のセンサによって測定された前記作物の条件をサンプリングし、前記質量モデルに対する1つまたは複数の入力が前記プロファイルから生成されることによって、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションのうち少なくとも1つのセクションにわたる、前記選択された作物特性のプロファイルを作成することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスに対する前記特定の気流の活動が、前記コンテナ内に位置付けられた少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから前記作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、前記少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのゲートおよび前記少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記作物の前記複数のセクションにわたる前記質量移動から前記所望の特性レベルを前記予測することが、前記作物において実施される実際の乾燥プロセスの経験的データから導き出される乾燥パラメータを表す動的入力に前記質量モデルを適応させることをさらに含み、前記質量モデルが、1つまたは複数のニューラルネットワークにおいてリアルタイムで前記乾燥パラメータを自動的に計算し更新して、前記質量モデルの1つまたは複数の成果を適応させる、1つまたは複数のニューラルネットワークで構成される、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを前記作物へと方向付けて、前記選択された作物特性を調節することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、機能を実施するための複数のデータ処理要素を実行させ、前記機能が、
コンテナ内の作物の複数のセクションにおける作物条件を規定する複数の作物特性を表す、作物特性データをモデル化して、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションに気流の少なくとも1つのシーケンスを送達する1つまたは複数の気流の活動を識別することであって、
前記作物特性データからの、前記作物の少なくとも1つのセクションに対する含水量、温度、湿度、および圧力のうち少なくとも1つを表す複数の入力を有する質量モデルにおいて、前記作物の前記複数のセクションのうち少なくとも1つのセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析して、前記作物の前記複数のセクションとの間での前記気流の少なくとも1つのシーケンスで、前記作物の前記複数のセクションにわたる質量移動をモデル化して、前記作物条件を所望の作物特性レベルに適応させること、
前記質量モデルが前記所望の作物特性レベルの異なる成果をモデル化するように構成された、前記気流の少なくとも1つのシーケンスの1つまたは複数の適用から得られる前記作物の前記複数のセクションにわたる前記質量移動から、前記所望の特性レベルを予測すること、ならびに
前記作物条件を前記所望の特性レベルに適応させる、前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスに対する特定の気流の活動を選択すること、によって、1つまたは複数の気流の活動を識別することと、
前記特定の気流の活動を送達して、初期含水量から貯蔵含水量まで前記作物を乾燥させること、前記貯蔵含水量を市場含水量まで上昇させること、および前記作物の少なくとも1つのセクションにおいて前記作物条件を前記所望の作物特性レベルに適応させるように、熱源レベルを適応させることのうち1つまたは複数を実施することによって、前記作物の前記複数のセクションとの間の空気の移動において、前記コンテナ全体にわたる前記作物の前記複数のセクション内における前記作物条件を調節することと、で構成される
方法。
【請求項42】
前記所望の作物特性レベルが、予想開始作物特性レベル、腐敗しにくい作物特性レベル、および販売に適した市場作物特性レベルのうち少なくとも1つである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記所望の作物特性レベルを継続的にモニタリングして、前記作物条件が前記所望の作物特性レベルを表す値の範囲外にあるか否かを決定することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記所望の作物特性レベルを継続的にモニタリングして、前記コンテナ内における作物ホットスポットの発生を防止するように前記作物条件をさらに適応させることをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記作物条件に基づいて1つまたは複数の警告を生成することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記コンテナ内の前記作物の少なくとも1つのセクションにわたって、前記作物の相対湿度、前記作物の温度、前記作物の圧力、および前記作物の二酸化炭素レベルのうち少なくとも1つを測定して、前記作物の特定のセクションにおいて前記所望の作物特性レベルを達成する前記作物条件の適応を決定することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記作物とまだ接触していない流入空気および前記作物と接触している流出空気の条件を読み取る、1つまたは複数のセンサによって測定された前記作物の条件をサンプリングし、前記質量モデルに対する1つまたは複数の入力が前記プロファイルから生成されることによって、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションのうち少なくとも1つのセクションにわたる、前記作物条件のプロファイルを作成することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスに対する前記特定の気流の活動が、前記コンテナ内に位置付けられた少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから前記作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、前記少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのゲートおよび前記少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記作物の前記複数のセクションにわたる前記質量移動から前記所望の特性レベルを前記予測することが、前記作物において実施される実際の乾燥プロセス経験的データから導き出される乾燥パラメータを表す動的入力に前記質量モデルを適応させることをさらに含み、前記質量モデルが、1つまたは複数のニューラルネットワークにおいてリアルタイムで前記乾燥パラメータを自動的に計算し更新して、前記質量モデルの1つまたは複数の成果を適応させる、1つまたは複数のニューラルネットワークで構成される、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記作物条件を前記調節することが、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを前記コンテナ内の前記作物へと方向付けることをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
コンテナ内の作物の複数のセクションにおける作物条件を調節するシステムであって、
作物を収容するコンテナ内の前記作物の複数のセクションにおける作物条件を規定する、複数の作物特性を表す作物特性データを受信するように構成されたデータ収集要素と、
1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに複数のデータ処理要素を実行させるように構成された、流体フローモデル化要素であって、
前記作物特性データからの、前記作物の少なくとも1つのセクションに対する含水量、温度、湿度、および圧力のうち少なくとも1つを表す複数の入力を有する質量モデルにおいて、前記作物の前記複数のセクションのうち少なくとも1つのセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析して、前記作物の前記複数のセクションとの間での気流の少なくとも1つのシーケンスで、前記作物の前記複数のセクションにわたる質量移動をモデル化して、前記作物条件を所望の作物特性レベルに適応させ、
前記質量モデルが前記所望の作物特性レベルの異なる成果をモデル化するように構成された、前記気流の少なくとも1つのシーケンスの1つまたは複数の適用から得られる前記作物の前記複数のセクションにわたる前記質量移動から、前記所望の特性レベルを予測し、ならびに
前記作物条件を前記所望の特性レベルに適応させる、前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスに対する特定の気流の活動を選択する、流体フローモデル化要素と、を備え、
初期含水量から貯蔵含水量まで前記作物を乾燥させること、前記貯蔵含水量を市場含水量まで上昇させること、および前記作物の少なくとも1つのセクションにおいて前記作物条件を前記所望の作物特性レベルに適応させるように、熱源レベルを適応させることのうち1つまたは複数を実施するため、前記特定の気流の活動が前記コンテナ内の前記作物に送達される
システム。
【請求項52】
前記所望の作物特性レベルが、予想開始作物特性レベル、腐敗しにくい作物特性レベル、および販売に適した市場作物特性レベルのうち少なくとも1つである、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記所望の作物特性レベルを継続的にモニタリングして、前記作物条件が前記所望の作物特性レベルを表す値の範囲外にあるか否かが決定される、請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
前記所望の作物特性レベルを継続的にモニタリングして、前記コンテナ内における作物ホットスポットの発生を防止するように前記作物条件がさらに適応される、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記作物条件に基づいて1つまたは複数の警告が生成される、請求項51に記載のシステム。
【請求項56】
前記コンテナ内の前記作物の少なくとも1つのセクションにわたって、作物の相対湿度、作物の温度、作物の圧力、および前記作物の二酸化炭素レベルのうち少なくとも1つを測定して、前記作物の特定のセクションにおいて前記所望の作物特性レベルを達成する前記作物条件の適応が決定される、請求項51に記載のシステム。
【請求項57】
前記作物とまだ接触していない流入空気および前記作物と接触している流出空気の条件を読み取る、1つまたは複数のセンサによって測定された前記作物の条件をサンプリングし、前記質量モデルに対する1つまたは複数の入力が前記プロファイルから生成されることによって、前記コンテナ内の前記作物の前記複数のセクションのうち少なくとも1つのセクションにわたる、前記作物条件のプロファイルが作成される、請求項51に記載のシステム。
【請求項58】
前記流体フローの少なくとも1つのシーケンスに対する前記特定の気流の活動が、前記コンテナ内に位置付けられた少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから前記作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、前記少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのゲートおよび前記少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項51に記載のシステム。
【請求項59】
前記流体フローモデル化要素が、前記作物において実施される実際の乾燥プロセス経験的データから導き出される乾燥パラメータを表す動的入力に前記質量モデルを適応させるようにさらに構成され、前記質量モデルが、1つまたは複数のニューラルネットワークにおいてリアルタイムで前記乾燥パラメータを自動的に計算し更新して、前記質量モデルの1つまたは複数の成果を適応させる、1つまたは複数のニューラルネットワークで構成される、請求項51に記載のシステム。
【請求項60】
大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つが、前記コンテナ内の前記作物への前記特定の気流の活動の送達において前記作物へと方向付けられる、請求項51に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密農業に関する。具体的には、本発明は、1つまたは複数の自律的作物乾燥、調整、および貯蔵管理機能で、作物貯蔵コンテナ内のセンサから収集した農作物に関するデータを分析し、かかるコンテナに貯蔵されたセクションごとに、作物の特性、および空気または他の流体を作物に送達するフローパターンの特性の両方をモデル化して、所望の作物および/または貯蔵特性を達成することに関する。
【背景技術】
【0002】
大規模および/またはバルク穀物コンテナに適用されているほとんどの既存の市販穀物乾燥システムでは、貯蔵作物中の条件は、コンテナの下部から大気を押し込むことによって調節されるが、これは、貯蔵作物を乾燥する際に加熱されることがある。しかしながら、これにより、貯蔵作物のすべてのセクションにわたって不均一な乾燥がもたらされ、コンテナ内の作物の様々なセクションを通して、一貫しない、または別の意味で望ましくない水分および温度条件が作り出される。
【0003】
かかる問題は、少なくとも、コンテナ内部で作物がどのように載置されるかという物理的性質に起因して起こる。例えば、穀物は、コンテナの中心セクションでははるかに密に詰め込まれ、周囲セクションまたはヘッドスペースもしくは頂部付近では、詰込みの密度ははるかに低くなる。同様に、プレナムと呼ばれるコンテナの底部エリアから熱が加えられる従来の穀物乾燥システムの機構は、貯蔵作物のうちかかる熱源により近いセクションがより多くの熱を受け取ることを意味する。かかる従来システムでは、大気、加熱空気、または冷却空気のいずれであっても、作物のセクションを貫通する能力が減少し、熱源から遠くなるほど、水分および温度などの穀物特性に影響を及ぼす。
【0004】
かかる問題は、経時的に貯蔵作物に対して、また特に、販売のためにコンテナから取り出されるときの作物の品質に対して、多数の悪影響を有し得る。例えば腐敗による損傷は、乾燥不足によるコンテナ内の湿度過多条件によって起こる場合が多く、かかる損傷は、栽培者または販売者にとって深刻な損失を引き起こす場合がある。乾燥不足は、貯蔵作物の頂部および中心コア内で起こる場合が多い。反対に、コンテナ内の作物の過乾燥は、応力亀裂をもたらすことがあり、また空気源および熱源に近いコンテナの底部で起こることが多い、熱損傷によって悪化することがある。
【0005】
セクションごとに貯蔵中の穀物条件に対処しようとするものであって、さらに、プレナム以外のエリアから流体(加熱空気、大気、ガス、液体、または作物に適用される他の任意の処理にかかわらない)を適用する既存の市販の穀物乾燥システムは存在しない。加えて、流体を送達するとともに、セクションごとのアプローチで流体の送達を適応させ、従来システムで生じる場合が多い損失の可能性を最小限に抑えるため、乾燥が行われている間にセクションごとに貯蔵作物内の条件をリアルタイムで評価する高度な分析モデルを適用する、コンテナ内乾燥システムは存在しない。さらにまた、将来の作物条件を予測し、かかる予測に基づいてセクションごとのアプローチで流体の送達を決定し適応させるため、乾燥が行われている間にセクションごとに貯蔵作物内の条件をリアルタイムで評価する、かかる高度な分析モデル内に機械学習および人工知能の要素を含む、コンテナ内乾燥システムは存在しない。
【0006】
加えて、かかるセクションごとのアプローチをマルチスタックアセンブリに採用し、同じスタックに沿ってか、または貯蔵作物の異なるセクションのコンテナ内に位置付けられた異なるスタックにわたってかにかかわらず、異なる流体を開放ベント間で移動させる、穀物乾燥システム向けの既存のアセンブリは存在しない。さらにまた、例えば、空気を押し出して穀物に送り込む、スタック内への空気の経路を設ける、またはそれら両方、ならびに貯蔵作物内に高圧および低圧のセクションを作り出して、内部の気流を改善し、コンテナ内作物条件をセクションごとに調節することによって、かかるセクションごとのアプローチをマルチスタックアセンブリに採用して、ベント周囲の気流に影響を与えるとともに、機械学習および人工知能またはその他の要素とともに適用されるか否かにかかわらずかかる高度分析モデルを適用して、リアルタイム評価を実施し、マルチスタックアセンブリを駆動して、コンテナ内条件を調節し、将来の時点で標的作物特性を達成する、穀物乾燥システム向けの既存のアセンブリは存在しない。
【0007】
大気(および加熱空気)がプレナムを押し通され、貯蔵作物が単一の穀物質量として乾燥および調整のために処理される、数千の従来システムが、今日も世界中で設置され使用され続けていることにより、貯蔵作物に対する非効率および損傷が少なくとも継続している。したがって、穀物乾燥システムの既存の分野では、これらの課題および問題を克服し、排出および販売の時点まで貯蔵作物の品質および価値を保つ形で、貯蔵作物の乾燥をもたらすことが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、本明細書では、農作物、貯蔵作物、または単に作物と集合的に呼ばれることがある、穀物および他の作物がコンテナ内で貯蔵される、精密農業の状況に適用可能である。本発明は、コンテナ全体の異なるレベルおよびセクションで作物の含水量、温度、または他の特性を評価し、大気、補助熱、ガス、または他の流体を効率的に加えることによって作物を乾燥させ、通気し、調整し、移動し、品質を管理する、収穫後作物管理プラットフォーム内で、自律的作物乾燥、調整、および貯蔵管理を実施する。収穫後作物管理プラットフォームは、本発明の一実施形態にしたがって、コンテナ内に構成された1つまたは複数のスタックで構成されるアセンブリと併せて、セクションごとの方式でコンテナ全体の内部条件の調節を実施する。あるいは、本発明は、あらゆる特定のハードウェアアセンブリから独立して、スタンドアロン型ソフトウェアアプリケーションとして実施されてもよい。
【0009】
収穫後作物管理プラットフォームは、ユーザ入力、作物に近接して位置付けられるか作物中に埋め込まれた複数のセンサ、および作物を保持するコンテナ内部または近傍の複数のセンサのうち少なくとも1つから収集されたデータを利用し、少なくともこのデータを分析して、作物の複数のセクションに影響を及ぼす1つまたは複数の選択された作物特性を調節する。これは、作物の条件をサンプリングして、所望の作物特性レベルに対するパラメータを識別し、コンテナ内の作物の複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを生成し、所望の作物特性レベルを達成する、コンテナの各セクションにわたる作物に対する流体フローパターンの適用をモデル化し、適切な流体フローパターンを実施し適用する形でマルチスタックアセンブリを駆動するコマンドを実行することによって遂行される。かかるモデル化はさらに、少なくとも1つのサンプリング行列から導き出される1つまたは複数の入力に基づいて、作物の複数のセクションにわたる質量移動を少なくとも予測するように構成された、機械学習を適用することを含んでもよい。作物貯蔵管理プラットフォームは、本発明の一態様では、任意の作物を乾燥し、貯蔵し、さらに調整するための、fill,set and forget(商標)(および/または単にfill-and-forget(商標))システムと考えてもよい。かかるfill,set and forget(商標)/fill-and-forget(商標)システムは、穀物、マメ、種子、ナッツ、葉、茎、花、または他の任意のタイプのいずれであるかにかかわらず、植物から得られる任意の農産物に適用可能である。
【0010】
かかるfill,set and forget(商標)/fill-and-forget(商標)システムには、主要な問題として農作物の貯蔵があるが、本発明の作物貯蔵管理プラットフォームは、より広範には、自律的圃場(または農場作業)活動をともに構成する複数の他のシステムと簡単に統合される、ならびに例えば、協同組合環境ならびに輸送および配送業界など、単なる圃場および農場を超えて広がる他の自律的作業および活動と簡単に統合される、さらにまた、保険および金融などの派生要素に簡単に統合される、精密農業生態系内の要素と理解すべきである。したがって、作物貯蔵管理プラットフォームは、本発明に対する入力および本発明に対する出力の両方として作用する、他の精密農業手段と接続し通信する。加えて、本発明の作物貯蔵管理プラットフォーム自体は、他の精密農業システムに対する、また農業分野外の他のシステムに対する入力のセットとしての役割を果たしてもよく、他のかかるシステムに対する出力使用例の一部であってもよい。
【0011】
本発明はさらに、本発明の別の態様において、コンテナ全体を通して作物品質に影響を及ぼす課題に対するより深い理解を達成するため、作物特性がセグメント化されて、またはさらには微視的に分析される、作物貯蔵に対する「全コンテナ」アプローチを適用するものとしてみなされてもよい。かかる全コンテナアプローチは、異なる要因が作物の異なるセクションにおける作物条件に影響を与えること、ならびにかかる要因をモデル化するパラメータが各セクションで、また異なる時間で異なり得ることの理解を通して、作物特性をモデル化する。したがって、かかる全容器アプローチは、コンテナが普遍的に同じである条件としてみなすのではなく、同じコンテナ内のより小さく多様な生態系の集合体として、複数のセグメントにしたがって作物を検査することによって、コンテナ全体を査定する。
【0012】
本発明の1つの目的は、農作物の1つまたは複数の選択された特性を調節するシステムおよび方法を提供することである。本発明の別の目的は、コンテナ内の農作物の条件をサンプリングしモデル化することによって、農作物の1つまたは複数の選択された特性を調節するシステムおよび方法を提供することである。本発明の別の目的は、所望の作物特性レベルを達成する、流体を農作物に送達する流体フローパターンをモデル化するシステムおよび方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、所望の作物特性レベルを達成する、かかるコンテナ内に構成されたマルチスタックアセンブリを駆動するシステムおよび方法を提供することである。本発明のさらなる別の目的は、コンテナに貯蔵された農作物の各セクションにわたって所望の作物特性レベルを達成する、かかるマルチスタックアセンブリを自律的に駆動するシステムおよび方法を提供することである。本発明のさらにまた別の目的は、精密農業セクタにおける自律的圃場または農場作業および活動をともに構成する複数の他のシステムと簡単に統合される、農作物の1つまたは複数の選択された特性を調節するソフトウェアシステムを提供することである。
【0013】
本発明およびその実施形態の他の目的、実施形態、特徴、および利点は、実施形態の以下の説明を、例として本発明の原理を例証する添付図面と併せ読むことにより、明白となるであろう。
【0014】
本明細書に組み込まれその一部を成す添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を例証し、明細書と併せて本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1A図1Bは、本発明の収穫後作物管理プラットフォームの要素を示すシステム図である。
図2図2A図2Bは、本発明の一実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム内の適応予測コントローラモデルの要素を示すブロック図およびフローチャートである。
図3図3は、本発明の別の実施形態による、作物貯蔵管理プラットフォームを実施するプロセスのステップを示すフローチャートである。
図4図4A図4Eは、本発明の別の実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォームにおいて1つまたは複数の制御アルゴリズムを実行することによってマルチスタックアセンブリから送達される流体フローパターンの一例を示す図である。
図5図5A図5Fは、本発明の別の実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォームにおいて1つまたは複数の制御アルゴリズムを実行することによってマルチスタックアセンブリから送達される流体フローパターンの別の一例を示す図である。
図6図6A図6Lは、本発明の別の実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォームにおいて1つまたは複数の制御アルゴリズムを実行することによってマルチスタックアセンブリから送達される流体フローパターンの別の一例を示す図である。
図7図7A図7Bは、本発明の別の実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォームにおいて1つまたは複数の制御アルゴリズムを実行することによってマルチスタックアセンブリから送達される流体フローパターンの別の一例を示す図である。
図8図8A図8Dは、本発明のさらなる実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォームにおいて1つまたは複数の制御アルゴリズムを実行することによって、例示の流体フローパターンがマルチスタックアセンブリから送達される、コンテナモードの要素を示すブロック図およびフローチャートである。
図9図9は、本発明のさらなる実施形態による、収穫後作物管理プラットフォーム内の機械状態としての動作モードを実行する制御アルゴリズムを表す、かかる動作モードを示すブロック図およびフローチャートである。
図10図10A図10Dは、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム内で実施される分析、ならびにその特定の機能としての品質および価値分析の実施を示すブロック図およびフローチャートである。
図11図11A図11Bは、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム内で実施される分析、ならびにその出力使用例としての価格推定および容器チェックの実施を示すブロック図およびフローチャートである。
図12図12は、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム内で実施される分析、ならびにその出力使用例としての天候推奨の生成を示すブロック図およびフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の以下の記載では、本発明の原理および本発明がどのように実践されるかを示す例示的実施形態を参照する。本発明を実践するために他の実施形態が利用され、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対して構造上および機能上の変更が行われる。
【0017】
初めに、本発明は、本明細書では収穫後作物管理プラットフォームと呼ばれることがあるが、本発明が、自律的圃場もしくは農場作業活動を構成するか、またはかかる圃場もしくは農場作業活動を超えて広がる他の自律的作業および活動が関与する他のシステムの一部であるか否かにかかわらず、あるいは本発明が自己完結型であるか否かにかかわらず、かかるプラットフォームの他の多くの属性が可能であることが理解されるべきである。したがって、収穫後作物管理プラットフォームは、貯蔵作物の少なくとも乾燥および再調整を管理してもよく、したがって、この詳細な説明、添付図面、または特許請求の範囲のいずれも、かかるプラットフォームによる作物の収穫後管理のいずれか1つのタイプに限定されるものではない。
【0018】
さらにまた、収穫後作物管理プラットフォームは、上述したようなスタンドアロン型ソフトウェアアプリケーションとして、またはコンテナ102内に設置されるかもしくは別の形でコンテナ102とともに構成されるものなどのハードウェア要素と併せて実施されてもよい、組み合わされた実現例として、具体化されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、本明細書に記載する1つまたは複数の実施形態におけるマルチスタックアセンブリ106の駆動を含んでもよいが、収穫後作物管理プラットフォームはいずれのハードウェアとも独立している。ハードウェア要素によって実施される場合、本発明は、かかるハードウェアに関して不可知論的であるため、収穫後作物管理プラットフォームは、複数のスタックで構成されるか、単一のスタックで構成されるか、またはスタックをまったく有さないかにかかわらず、任意のハードウェア実現例によって実施されてもよい。
【0019】
本発明は、一態様では、本明細書に詳細に記載するような複数の自律的作物乾燥、調整、および貯蔵管理機能の一部として、コンテナ102内の作物120の貯蔵に影響を及ぼす作物特性を調節する、1つまたは複数のシステムおよび方法において提供される、収穫後作物管理プラットフォーム100である。収穫後作物管理プラットフォーム100は、本発明の一態様では、コンテナ102内の作物120の特性152をマッピングするとともに、少なくとも部分的に、作物120に近接するかまたは作物120に埋め込まれた異なるタイプのセンサ130から収集された、入力データ110を使用して、マッピングされた特性152および適応予測コントローラモデル200に基づいて、流体パターン162を展開する、適応予測コントローラモデル200を含む複数のアルゴリズムを実行する複数の要素およびレイヤで構成されたモデル化フレームワークを含む。
【0020】
収穫後作物管理プラットフォーム100は、農作物または農産物データ112、および1つまたは複数のかかるセンサ130から収集されたセンサデータ114の両方を含む入力データ110、ならびにユーザ入力115として提供されるか、または例えば天候および気象データ118など、第三者によって提供されるかもしくは追加のデータソースから収集された、他の関連情報を処理する。この入力データ110を分析するモデル化フレームワークは、作物特性モデル化レイヤ150、流体フローモデル化レイヤ160、および本発明のいくつかの実施形態では、選択された作物特性116のプロファイル158を改良し、コンテナ102内の作物120の貯蔵に影響を及ぼす選択された作物特性116を調節するため、かかるプロファイル158に基づいて展開された流体フローパターン162を改善する、機械学習の独自技術を適用する1つまたは複数の機械学習レイヤ170を含む。
【0021】
図1A図1B、および図2A図2B
図1A図1Bは、本発明の一態様による、収穫後作物管理プラットフォーム100を構成する様々な要素を示す、系統的上位ブロック図である。収穫後作物管理プラットフォーム100は、1つまたは複数のプロセッサ142ならびに複数のソフトウェアおよびハードウェア構成要素も含むコンピューティング環境140内の構成要素である、複数のデータ処理要素144において実施される、1つもしくは複数のシステムおよび/または方法内で具体化される。1つまたは複数のプロセッサ142ならびに複数のソフトウェアおよびハードウェア構成要素は、本明細書に記載のモジュール、構成要素、およびデータ処理機能を実施し、複数のデータ処理要素144内で具体化される、プログラム命令またはルーチンを実行するように構成される。
【0022】
収穫後作物管理プラットフォーム100は、分析されるべき貯蔵作物120に関連する多くのタイプの情報を含む入力データ110を取り込むか、受け取るか、要求するか、または別の形で取得するように構成された、1つまたは複数のアルゴリズムにおいて具体化されるデータ収集要素146を含む。この入力データ110は、上述したように、作物120を規定する農作物関連または産物関連データ112、センサデータ114、コンテナ特性104などのコンテナ特有データ、天候および気象データ118、ならびにユーザ入力115として提供されるか、様々なセンサ120または他のモノのインターネット(IoT)デバイスによって収集されるか(例えば、搭載収穫または他の農場機器もしくは機械類に設置されたデバイスから収集されるデータ)、あるいは追加の第三者によって提供されるかまたは追加のデータソースから取得される、他の情報を含む。これらのソースはそれぞれ、異なるタイプの情報を含み、収穫後作物管理プラットフォーム100で、コンテナ102内の作物120の複数のセクションを分析し、流体フローパターン162をモデル化し、複数のスタック184を有するマルチスタックアセンブリ182を駆動して、コンテナ102内の複数のセクションにおける作物の貯蔵に影響を及ぼす条件を調節して所望の作物特性レベル117を達成するのに使用される。
【0023】
分析されるべき選択された作物特性116は、上述したように、ユーザ入力115として提供されてもよい。他のユーザ入力115は、1つまたは複数の追加のパラメータ、例えば、作物120の貯蔵に対する時間的期限を規定する予想作物取出しまたは販売日、および所望の作物特性レベル117に対するパラメータを含んでもよい。かかるパラメータは、例えば選択された作物特性116が含水量である場合、初期含水量値または予想開始作物特性レベル、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、および販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値など、1つまたは複数の含水量セットポイントを含んでもよい。さらにまた、ユーザ入力115は、収穫した作物120の量などの情報を含んでもよい。ユーザ入力115はまた、上述したように、作物または産物データ112と、天候および気象データ118とを含んでもよい。含まれる情報のタイプにかかわらず、ユーザ入力115は、例えば決定サポートツール148を使用して、ユーザによって生成されてもよく、あるいは収穫後作物管理プラットフォーム100内のモデル化フレームワークに提供された他の入力のうち1つまたは複数から自動的に決定されてもよい。
【0024】
作物および/または産物データ112は、作物120を規定する多くのタイプの情報を含む。かかる情報は、本質的に過去のもの(以前の栽培期もしくは農閑期のもの)、または本質的に現在のもの(現在の栽培期もしくは農閑期のもの)の両方であってもよい。かかる情報は、作物タイプ121、植付け情報122、および収穫情報123を含んでもよい。さらに、例えば、作物を育てた圃場または管理区域の地理的位置座標、ならびに特定の圃場または管理区域およびかかる場所の任意の関連特性を識別する他の任意の情報など、作物120の場所124を含んでもよい。さらにまた、作物および/または産物データ112は、種子年齢を含む種子タイプまたは品種125、ならびに栽培期の前、最中、もしくは後のいずれかに作物または土壌に適用された任意の処理または栄養素、および作物120を植え付けた土壌の土壌特性などの情報を含んでもよい。処理および栄養素は、植物、作物、土壌、または圃場に対する影響を有する、天然もしくは合成どちらかの、任意の有機または無機産物を含んでもよい。作物データ112はまた、例えば、輪作情報、耕作活動、灌漑情報、および栄養素レベルなどのかかる情報に対する任意の時間的要素にかかわらず、同じもしくは類似の圃場で育てた農閑期作物に関する情報、ならびに他の農場および圃場管理情報を含んでもよい。
【0025】
作物120が維持され貯蔵されるコンテナ102は、穀物容器(grainware)と呼ばれる場合が多く、作物120を大量に保持する、即ち倉庫に入れるように構成された、任意のタイプの構造を含んでもよい。コンテナ102の例としては、容器、タワーサイロ、バンカーサイロ、ホッパー、パイル、サイロバッグ、およびバルクバッグが挙げられ、多くのタイプの材料で作られるとともに、多くの形状およびサイズを有してもよい。コンテナ102はさらに、固定または静止構造および移動構造の両方を含んでもよく、収穫後作物管理プラットフォーム100(およびそれと連通しているマルチスタックアセンブリ106)は、任意のかかる固定または移動構造内に構成されてもよい。例えば、本発明は、トラック用の陸上コンテナもしくは列車用の鉄道コンテナなど、配送に使用される、または遠洋、海上、もしくは他の水路配送用の一般商船のバルク保持タンクに使用される、コンテナ102とともに構成されてもよい。コンテナ102の多くの例が可能であり、したがって、作物120が中に保持されてもよい任意のタイプのコンテナ102が本発明の範囲内であり、本明細書または特許請求の範囲のいずれも、本明細書で考察するコンテナ102の任意の特定のタイプに限定されないものとすることが理解されるべきである。
【0026】
コンテナ102は、閉鎖型または半閉鎖型のどちらかであってもよく、硬質構造、軟質構造、または両方を有してもよい。コンテナ102は一般的に、底部および壁を含み、屋根、つまり蓋などの頂部を含んでもよく、かかる屋根は円錐形状を有してもよく、それらにかかわらず、コンテナ102は、中に作物120を貯蔵するのに適した、任意の構成および任意の形状を有してもよいことが理解されるべきである。構造物の材料、サイズ、および形状などの特性は、コンテナ102内の貯蔵条件に影響を与えることがあり、したがって、入力データ110はコンテナ102の特性104も含んでもよい。かかる特性104は、上述したように、コンテナタイプ、コンテナの構築に使用される材料、ならびに高さ、幅、形状、および他の寸法などの構成情報を含んでもよい。他のコンテナ特性104は、コンテナに設置されたファンの数、位置、保守管理状態、速度、およびタイプ、ならびに装填および排出の速度、タイプ、および構成などのオージェ特性、換気特性、コンテナ容量、洗浄履歴、コンテナの地理的場所、ならびに中の作物120の維持および貯蔵に関連し得る他の特性104を含んでもよい。
【0027】
上述したように、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100においてセンサデータ114を収集し提供するのに、多くの異なるタイプのセンサ130が利用されてもよく、これらのセンサ130は、中に貯蔵された作物120内、その近傍、またはそれとは別個に、コンテナ102全体を通して多くの異なる位置に配置されてもよい。センサ130は、相対湿度センサ131、温度センサ132、圧力センサ133、二酸化炭素(CO)センサ134、赤外線センサ135、ソナー/距離センサ136、天候センサ137、および作物120内もしくはコンテナ102内または両方の中の条件を判別するのに利用することができる他の任意のセンサ138を含んでもよい。
【0028】
かかるセンサは、作物120またはコンテナ102内に、任意の場所および任意の時点で配置されてもよい。例えば、相対湿度センサ131および温度センサ132はそれぞれ、コンテナ102の流入スペースまたはプレナム、作物120自体、およびコンテナ102の流出エリアまたはヘッドスペースのいずれかで位置付けられてもよい。COセンサ134、および赤外線センサ135はそれぞれ、流出エリアまたはヘッドスペースに位置付けられてもよく、圧力センサ133は、流入スペースまたはプレナムに位置付けられてもよい。センサ130はまた、これらのエリアのいずれかに隣接または近接して配置されてもよい。
【0029】
他のセンサ138は、ハードウェア特有の情報を本発明のモデル化フレームワークに提供する、センサを含んでもよい。例えば、センサ130は、マルチスタックアセンブリ106を駆動する空気圧制御システムの健全性および性能をモニタリングするのに、特定のインライン圧力センサを含んでもよい。例えば、供給圧力センサは、アセンブリの圧縮機がオンになっていて稼働していることを示し、供給はバルブが開放されているかを判断する助けとなるので、マルチスタックアセンブリ106の供給圧力をモニタリングするのに利用されてもよい。供給圧力は指定範囲内であるべきであり、圧力が迅速に安定化されない場合、圧縮機が修理または交換または変更を必要としているかも知れないという指示とともに、警告が生成されてもよい。また、マルチスタックアセンブリ106においてシリンダが適正に機能していることを担保するのに、排気圧センサが利用されてもよい。排気圧は、システムテストが成功している間見られる解放圧の平均である、正常値を有するはずである。異常読取り値はコンテナ102内でデシカントの変更が必要であり得ることを提案しており、かかる変更を提案する警告が生成されてもよい。流体フロー圧力、およびスタック自体に対する圧力をモニタリングする、他のセンサ138が本発明に含まれてもよい。
【0030】
他のセンサ138はまた、マルチスタックアセンブリ106を駆動する空気圧制御システムの健全性および性能をモニタリングするのにやはり有用であってもよい、アンペア数センサを含んでもよい。アンペア数センサは、給気圧および排気圧の読取り値のエラーをチェックできるようにする、圧縮機のアンペア数をモニタリングするセンサを含んでもよい。圧縮機のアンペア数はまた、制御ボックスアンペア数センサのように、コンテナ102に貯蔵された作物120の1ブッシェルまたは1セクションを乾燥させるコストを計算できるようにする。さらに別のセンサは、ソレノイドをオンにしたときに引き出されるアンペアを読み取って、電気的に機能しているかを確認するのに、ソレノイドのアンペア数をモニタリングする。さらなる他のセンサは、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、またはマルチスタックアセンブリ106を駆動することに関与する他のプロセッサのアンペア数をモニタリングする。さらに別のセンサは、流入またはプレナムの圧力センサを用いて決定し確認する、1つまたは複数のファンのアンペア数をモニタリングして、コンテナ102に貯蔵された作物120の1ブッシェルまたは1セクションを乾燥させるコストをさらに計算できるようにしてもよい。
【0031】
天候および気象データ118も、多くの異なるタイプの情報を含む。例えば、収穫後作物管理プラットフォーム100に取り込まれた天候および気象データ118は、特定の地理的エリアに(例えば、(例えば、コンテナ特性104で提供される)コンテナ102の場所を表す地理的位置座標に、またはより広範に規定される地理的エリアに対して)局所化された天候条件の評価を表す、リアルタイム(現在)、履歴(過去)、および予報または予測(将来)の圃場レベルデータを含んでもよい。天候条件の評価を表すかかる圃場レベルデータは、現在の圃場レベル天候データ、履歴天候データ、予報または予測天候データ(予測天候モデルからの長期気候および/または気象予報で提供される情報など)、ならびにインシチューおよび遠隔感知の観測プラットフォームの両方からのデータなどの観測天候データを提供する、気象データの多くの異なるソースによって作成されるか、あるいは天候センサ137によって提供されてもよい。天候情報はまた、例えば、既存の天候予測モデルまたは履歴データから、天候レーダーシステムおよび衛星からのデータと組み合わされて、分析されるべき任意の特定のエリアに対する現在または過去の天候条件を再構築してもよい。本発明は、公的もしくは私的に提供されるか、または内部で展開されるか否かにかかわらず、天候および気象データ118を多くのソースから取り込むように構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0032】
入力データ110はまた、モノのインターネット環境(または、農場のインターネット(Internet-of-Farms)、植物のインターネット(Internet-of-Plants)、作物のインターネット(Internet-of-Crops)、および圃場のインターネット(Internet-of-Fields)など、同様の名前を有する他の同様のパラダイムもしくはアプローチ)において、特定の物体に固着もしくは結合されるか、または特定のエリア内もしくは付近に位置付けられるかにかかわらず、センサ130または他のデバイスから収集されたデータなどの他の情報を含んでもよい。例えば、農業車両に結合されたセンサ130は、作物120が収穫または輸送されている際の条件に関する作物関連および圃場関連データを収集し、その情報を収集および処理のために送信してもよく、情報は、収穫後作物管理プラットフォーム100に入力データ110として取り込まれてもよい。他の例としては、土壌センサ、Bluetooth(商標)構成要素、および収穫された(もしくは収穫されようとしている)作物120の条件を評価することに関連してもよい、局所化された情報を獲得することができる他のデバイスが挙げられる。入力データ110はまた、クラウドソーシング観測、グラウンドトゥルースデータ、および例えば、スマートまたはモバイルコンピューティングデバイス上の専用アプリケーションを使用する、他のユーザ生成または個人生成情報から収集されたデータを含んでもよい。
【0033】
さらに他のタイプの入力データ110が可能であり、本発明の範囲内にある。これらは、衛星システムによって収集されるもの、ドローンと一般に呼ばれる遠隔操縦車両によって、または圃場内センサを使用するものなど、圃場レベル画像を生成するように構成された圃場ベースのロボットによってキャプチャされた写真もしくはビデオなどの、画像データを含んでもよい。有人および無人空中偵察機も、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100内で処理する画像データを獲得するのに使用されてもよい。画像データは、例えば、圃場利用、および作物と植物の成長、健全性、ならびに作物120の収穫に後で影響する、経時的にそれらの任意の変化を判別し評価するため、処理され利用されてもよい。例えば、衛星システムで構成されたセンサが、異なるスペクトル帯のデータをキャプチャしサンプリングする、多重スペクトル機器イメージングシステムを含む場合、画像データは、少なくとも部分的に、電磁スペクトルに沿った異なる範囲の周波数を表すピクセル状の情報で構成されてもよい。
【0034】
本発明は、上述したように、その一態様では、コンテナ102内の選択された作物特性116をマッピングするプロセスにおいて、またマッピングされた特性152から流体フローパターン162をモデル化する際に有用な、1つまたは複数のシステムおよび方法で提供される収穫後作物管理プラットフォーム100である。収穫後作物管理プラットフォーム100はさらに、マルチスタックアセンブリ106を駆動することによって、作物特性を所望の作物特性レベル117に調節するのにこのマッピングを適用する、1つまたは複数のシステムおよび方法を含む。
【0035】
複数のデータ処理要素144は、適用可能な場合、図1A図1Bでも、下記に示すような特定のそれぞれの参照番号によって示されることが理解されるべきである。さらに、これらの要素は、より大型のコンピューティング環境140の構成要素であり、収穫後作物管理プラットフォーム100内の特定の機能を実行するように具体的に構成された、アルゴリズム、ルーチン、サブルーチンなどの、1つもしくは複数の構造、ハードウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはソフトウェアを構築することが理解されるべきである。加えて、データ処理要素144、およびこれらの具体的に構成された構成要素をともに構成する本発明のそれぞれの要素は、「構成要素」、「モジュール」、「アルゴリズム」(適切な場合)、「エンジン」、「ネットワーク」、および特定のデータ処理機能を実施する要素を示すことが意図される他の任意の同様の用語で交換可能に呼ばれてもよいことが理解されるべきである。
【0036】
データ処理要素144は、上述したように、入力データ110を取り込むか、受け取るか、要求するか、または別の形で取得し、他のデータ処理要素144で実施される機能に備えて、様々なタイプの入力データ110を構文分析し初期化するように構成された、データ収集要素146を含む。初期化された入力データ110は次に、選択された作物特性116を調節するために、コンテナ102内の作物120の複数のセクション、およびコンテナ102自体の複数のエリアを分析するのに、収穫後作物管理プラットフォーム100のモデル化フレームワークに渡される。
【0037】
作物特性モデル化レイヤ150は、1つまたは複数の選択された作物特性116を評価する1つまたは複数のサンプリングサイクルを実行することによって、作物120の複数のセクションのこの分析を実施する。選択された作物特性116は、含水量、温度、圧力、二酸化炭素(CO)のガス放出または排出(例えば、COを放出する昆虫が存在することによる)、ならびにコンテナ102内の作物120の貯蔵に影響を及ぼす他の任意の特性を含んでもよいことが理解されるべきであり、さらに、これらの特性を分析するサンプリングサイクルは、本明細書に記載するモデル化フレームワークの実施が様々なデータ処理要素144間でのデータの送信または他の転送を伴うように、流体フローモデル化レイヤ160の専門制御アルゴリズム164と併せて実施されることが理解されるべきである。それにかかわらず、作物特性モデル化レイヤ150は、1つまたは複数の数学関数、アルゴリズム、機械学習技法、およびコンテナ102内の作物120の複数のセクションにおける選択された作物特性116をマッピングし、選択された作物特性116のプロファイル158を生成するように構成された、適応予測コントローラモデル200(図2A図2Bに関してさらに考察するようなもの)における他の分析アプローチを適用する。
【0038】
選択された作物特性116のマッピングは、センサデータ114を分析することによって、コンテナ102内の作物120の複数のセクションにおける条件をサンプリングすることを含む。例えば、選択された作物特性116が含水量である場合、作物特性モデル化レイヤ150は、コンテナ102の各セクションが満杯または部分的に満杯のときの、作物120の含水量を測定する。含水量は、本明細書でさらに記載するように、相対湿度センサ131および温度センサ132の出力によって得られる測定値から計算される。
【0039】
収穫後作物管理プラットフォーム100は、サイクル全体の各テストについてマルチスタックアセンブリ106に関して、ファンをオンにし、すべてのベントおよびゲート108について開位置および閉位置をセットする、サンプリングサイクルを実施することによって、これらのセンサ130から測定値を得る。収穫後作物管理プラットフォーム100は、作物120の各セクションについて相対湿度および温度を記録し、各セクションの平均実含水量を計算し、この情報をローカルのコントローラもしくはプロセッサに、またはクラウドコンピューティング環境内に記録する。収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、大気温度および相対湿度をサンプリングし、コンテナ102内の各セクションについて計算された含水量値を報告し、各スタック周囲のセクションに対するテストに加えて各テストについてサンプリングサイクル行列156を構築する。例えば、6スタック3バルブのアセンブリシステムの場合、少なくとも24セクションの相対湿度記録が存在し得る。この行列は、選択された作物特性116のプロファイル158として、ならびに流体フローモデル化レイヤ160の各乾燥サイクル167への入力としての役割を果たす。
【0040】
収穫後作物管理プラットフォーム100は、各テストに対して行列を作成し、測定値が得られたときのそれぞれのベントおよびゲート位置を識別するデータを含む。セクションは、空気を作物120から特定の各コンテナ102内のセンサへと運ぶのに利用されているバルブに最も近い作物120のエリアとみなされる。これはまた、複数のバルブが複数のセンサに空気を運ぶように構成されてもよく、これは1つのセクションとして作用するものとみなされるが、複数のバルブを有する上記セクションは、そのサンプルサイクルに対して各バルブが空気を運ぶ前または後のどちらかに複数のセクションとして作用することができる。
【0041】
より具体的には、収穫後作物管理プラットフォーム100は、各スタックの頂部もしくはその付近、または排気部に取り付けられた相対湿度センサ131からの相対湿度を記録する。相対湿度センサ131を通り抜ける空気は、バルブのセットが開いているセクションにある作物120から出ている空気であると仮定される。コントローラまたはプロセッサは、このセクションからの相対湿度のログを取り、例えば修正Chung-Pfost方程式など、1つまたは複数の数学的プロセスにおけるセクションの温度と組み合わせて、そのセクションの含水量を計算する。
【0042】
相対湿度および温度の測定値は、作物タイプ121、種子タイプ125、作物120を育てた圃場124の地理的場所、およびコンテナ102の地理的場所などのパラメータに応答して変更されてもよいいくつかの係数とともに、かかる修正Chung-Pfost方程式に適用される。修正Chung-Pfost方程式は、含水量の解を求めるのに使用され、次式のように導き出される。
【0043】
式中、A、B、およびCは上述したような係数であり、含水量MCは乾燥基準で測定される。相対湿度はERH、温度はTである。
【0044】
修正Chung-Pfost方程式は、一般に貯蔵される作物タイプ121、高頻度で使用される種子品種125、ならびに圃場124および/またはコンテナ102の既知の場所に関する係数、また相対湿度および温度両方の予期される測定値または履歴測定値に基づいて、ルックアップテーブルにデータを投入するのに使用されてもよい。これらの入力はまた、例えば、モノのインターネット(IoT)環境における、ユーザ入力115、または収穫もしくは他の農業機器と連携しているデバイスによって収集されたデータとして、電子的および/または自動的に提供されてもよい。それにかかわらず、本発明は、修正Chung-Pfost方程式を各インスタンスで適用することに加えて、またはその代わりに、ルックアップテーブルに格納された値を、各セクションの含水量の推定値に利用してもよい。
【0045】
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、コンテナ102内の条件の視覚的表現の形で、相対湿度、温度、および含水量のうち1つまたは複数のマップを生成し報告してもよい。それにかかわらず、サンプリングサイクル、およびサンプリングサイクル行列156の構築は、さらに後述する乾燥サイクル167の前、最中、もしくは後に、または作物120がコンテナ102内にある任意のサイクルの後に実施されてもよいことが理解されるべきである。
【0046】
収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、選択された作物特性116のプロファイル158を得て、モデル化フレームワークの流体フローモデル化レイヤ160における流体フローパターン162の展開に進む。これは、適応予測コントローラモデル200(図2A図2Bに関してさらに考察するようなもの)において、マルチスタックアセンブリ106の様々なハードウェア要素を駆動して、指定された期間にわたって所望の作物特性レベル117を達成する、1つまたは複数の手法をモデル化することによって行われる。適応予測コントローラモデル200は、考え得る流体フローパターン162を分析し、実施される特定のサイクルに応じて、マルチスタックアセンブリ106の各スタックの複数のベントおよびゲート108を駆動することによって、流体フローパターン162を作物120に送達する1つまたは複数のサイクルを実行する、複数の専門制御アルゴリズム164を構成する。
【0047】
1つまたは複数のサイクルは、コンテナ102内に貯蔵されている間の作物120中の条件を調節するのに(またはかかる調節を容易にするのに)、収穫後作物管理プラットフォーム100の適応予測コントローラモデル200によって適用され、様々な要因に基づいて異なる時間に適用される。これらの要因は少なくとも、作物特性モデル化レイヤ150またはその出力サンプリング行列156によって決定され、選択された作物特性116のプロファイル158によって表される、コンテナ102の充填とコンテナ102からの作物120の除去との間で入力データ110によって指定される時間周期に対する現在の時間周期を含む。
【0048】
図2A図2Bは、収穫後作物管理プラットフォーム100の適応予測コントローラモデル200の構成要素、ならびにそのデータフローを示す、ブロック図およびフローチャートである。適応予測コントローラモデル200は1つまたは複数のモノのインターネット(IoT)デバイスを統合して、1つまたは複数の乾燥ステップにおけるコンテナ102内の大気条件を制御するように構成された適応コントローラとする、少なくとも1つのゲートウェイまたはエッジコンピュータによって実施されるプロセスである。適応予測コントローラモデル200は、乾燥パラメータを見つけ出すように構成された仮想コンテナモデル210、および少なくとも1つのゲートウェイまたはエッジコンピュータで稼働するローカルコンテナモデル220を組み合わせて、仮想コンテナモデル210によって識別された乾燥パラメータを、本明細書で考察するような1つまたは複数の機械学習技法を使用して微調整し更新することができる質量バランスモデルとともに使用して、乾燥時間を局所的に計算する。仮想コンテナモデル210は、クラウドベースモデルとして、またはオンサイトもしくは他のローカルマシンとして、例えば種子会社の商品の特性をモデル化する専用のものとして実施されてもよい。
【0049】
適応予測コントローラモデル200は、ステップ230で、図8A図8Dに関して本明細書で考察するような1つまたは複数の調整モードに入り、所望の作物特性レベル117がセットされたとき、コンテナ102に作物120が充填された後、および充填モード800が実施された後に開始されてもよい。図2A図2Bは、選択された作物特性116を含水量として、作物120を穀物として例示的に参照しているが、適応予測コントローラモデル200は任意の選択された作物特性116に適用され、任意の作物タイプ121がコンテナ102内で調整および/または貯蔵されることが理解されるべきである。
【0050】
ステップ232で、適応予測コントローラモデル200は、作物120の初期条件をサンプリングし、これらの条件を、上述したように初期条件に基づいて乾燥パラメータを識別する、仮想コンテナモデル210に提供し、これらをローカルコンテナモデル220に提供する。併せて、仮想コンテナモデル210およびローカルコンテナモデル220は、少なくとも、所望の質量移動に到達して選択された作物特性116を達成する、図2A図2Bに示されるプロセス内の利得を分析することによって、各乾燥ステップ中のかかるプロセスにおける乾燥時間を計算する。
【0051】
適応予測コントローラモデル200は、図2A図2BにXL1およびXLmとして表される、作物120を乾燥する(または所望の作物特性レベル117に達する質量移動をもたらす)のに必要な時間に影響を及ぼす外部変数である外乱Lの効果xを説明し、ブロック202および204でかかる外乱からもたらされる利得を計算する。外乱としては、局所的な気象現象、コンテナの欠陥、ファン性能の乱れ、および乾燥時間に影響することがあり、したがってコンテナ102内の作物120の乾燥または再調整に必要な時間を増加もしくは減少させる、他の任意の要因が挙げられる。ブロック202および204で計算された利得は、ローカルコンテナモデル220に提供され、ブロック234でフィードバック制御としてフィードバックXFBの効果を評価するのに必要なフィードバック時間として、適応予測コントローラモデル200 Gによって生成される利得に対して、f(V)として表されるフィードフォワード出力に追加される。
【0052】
ローカルコンテナモデル220は、モデル化または予測されたプロセスおよび実際のプロセスの両方に基づいて、フィードフォワード制御に必要な利得を計算し、どちらもクラウドコンピューティング環境内で訓練されてもよい、人工ニューラルネットワークまたはブロック指向モデルなどの機械学習要素に基づく。ローカルコンテナモデル220は、センサ130から収集されたデータなど、実容器入力236から利得を評価し、この情報を乾燥パラメータとともにモデル化して、ブロック237で、予測xに達する、予測フィードフォワード質量移動Mと、フィードフォワード制御からの利得とを計算する。質量移動に対するフィードバックの効果を組み合わせて、バルブGvalves238からの利得が計算される。適応予測コントローラモデル200は次に、予測利得Gpを追加して、ブロック240で、予測フィードフォワード質量移動Mを達成する時間およびバルブ構成を予測し、それをコンテナ102の履歴および物理的寸法を説明する1つまたは複数のモデル246と組み合わせて、ブロック242で、乾燥サイクル167または再調整サイクル169 f(v)の効果が評価される。適応予測コントローラ200は次に、ブロック244で、所望の作物特性117に達する質量移動が達成されているか否かを判断し、ブロック244で達成されていない場合は、適応予測コントローラモデル200は調整モード252に戻る。達成されている場合、適応予測コントローラモデル200は次に、ブロック245で、コンテナ102全体の作物120の各セクションが所望の特性レベル117であるか否かを判断し、所望の特性レベルである場合、適応予測コントローラモデル200は貯蔵モード248に進む。所望の特性レベルでない場合、適応予測コントローラモデル200は次の乾燥ステップ250に戻る。
【0053】
ローカルコンテナモデル220は、少なくとも適応予測コントローラモデル200内の仮想コンテナモデル210と併せて、またいくつかの実施形態では、1つまたは複数の機械学習レイヤ170およびその様々な要素と併せて、収穫後作物管理プラットフォーム100内の複数の機能を実施する、適応予測フィードバックおよびフィードフォワードコントローラとしての役割を果たす。
【0054】
適応予測コントローラモデル200は、例えば1つまたは複数のセンサ120を介して、作物120およびコンテナ102内の初期条件の読取り値を得る。これらの読取り値は、仮想コンテナモデル210を構成するのに使用される。仮想コンテナモデル210は、流体フローパターン162でマルチスタックアセンブリ106によって適用されるべき、異なる作物120の乾燥構成すべてに対する流量の基礎を提供する乾燥パラメータを識別する。これらの乾燥パラメータは、後述するようなさらなる処理のため、ローカルコンテナモデル220に送られる。
【0055】
ローカルコンテナモデル220は、本発明の一実施形態では、質量バランスモデル化および質量移動モデル化の要素を組み合わせ、またいずれの場合も、経験則に基づくとともに作物120およびコンテナ102の特性から導き出される、異なるデータ入力を表す動的ブロックを有する、質量モデルを使用する。
【0056】
かかる質量モデルは、所望の特性の量、この例ではシステムに追加された、またはシステムから除去された水の量を決定するのに、一般会計方程式(universal accounting equation)の形態を使用する。この例では、ファンを越えてシステムに入り、プレナムを通ってシステムのヘッドスペースに出る空気の相対湿度が記録され、パーセンテージではなく空気中の水の質量である絶対湿度に変換される。システムに入る空気中の水の質量とシステムを出るものとを対比することによって、システム内の水の蓄積量が分かる。システムから出るときの方がシステムに入るときよりも空気中の水が多い場合、水がシステムから除去されていることが分かる。この同じ質量バランス方程式が、作物120中に埋め込まれたセンサに適用されて、各セクションまたはセクションのグループをシステム自体と同様に処理する。作物または穀物質量内からの絶対湿度のサンプリングはまた、サンプリング行列として作用するように構成されたスタックおよびバルブを用いて実施されて、空気を所望の場所から引き出し、どこかに位置するセンサに通してもよい。このように、各セクションもしくはグループに追加された、またはそこから除去された水分の量を決定することができる。この同じ原理を異なる所望の特性に適用することができる。作物中の水分の絶対量は、湿度がシステムから除去される相対速度によって決定することができ、またそのため、修正Chung-Pfost方程式などの他の方法を補足または置換することができる。例えば、含水量がより高い作物は、既に乾燥している作物よりも速い速度で乾燥する傾向がある。これはまた、コンバインの内蔵含水量分析器から水分初期含水量が得られるであろう、コンバインからのデータによって補足することができる。
【0057】
したがって、ローカルコンテナモデル220は、本発明の一実施形態では、かかる質量モデルに動的ブロック指向モデル178を適用するものである。ローカルコンテナモデル220は、天気予報などの他のデータと組み合わせて、乾燥パラメータをこの質量モデルに適用して、質量移動における1つまたは複数の質量フローを分析して、経時的に様々な条件に対する乾燥サイクル167における必要な乾燥を達成する。ローカルコンテナモデル220は、これら1つまたは複数の質量フローを読み取り、動的ブロック指向モデル178の出力として、ある指定された将来の時間における作物120に対して、選択された作物特性116の所望の条件を達成する質量フローを予測する。これらの予測質量フローは、将来のある時間において所望の作物特性レベル117を達成する、流体フローパターン162を展開するための基礎としての役割を果たす。
【0058】
次に乾燥サイクル167がセットされ、マルチスタックアセンブリ106を駆動して、モデル化された流体フローパターン162が作物120に適用されて、所望の作物特性レベル117が達成される。システムは、マルチスタックアセンブリ106のファンおよびバルブアセンブリを駆動して、乾燥サイクル167を実施するとともに流体フローパターン162を適用し、センサ120に、乾燥サイクル167を実施するプロセスの間に経験する条件を識別させ測定させる。これらの条件は次に、ローカルコンテナモデル220へとフィードバックされる。
【0059】
次に、ローカルコンテナモデル220からの利得を、所望の作物特性レベル117の所望の状態に達するように適応させ、ローカルコンテナモデル220は、乾燥サイクル167の実施中に収集されたデータに基づいて、予測条件を適応させる。
【0060】
したがって、本明細書に記載する質量モデルは、ローカルコンテナモデル220が、現在時間および将来の時間両方に対して、含水量などの作物120の特性を、乾燥サイクル167の実施中に動的に決定するのに使用する基盤としての役割を果たす。加えて、動的ブロック指向モデル178により生成された予測条件は、ローカルコンテナモデル220が1つまたは複数の機械学習レイヤ170の複数の要素のアプリケーションであるように、ニューラルネットワーク176の1つまたは複数のノードに対する1つまたは複数の入力としての役割を果たしてもよい。
【0061】
1つまたは複数のニューラルネットワーク176は、実施される実際のプロセスからのデータ、および質量モデルにおける動的ブロックの出力からのデータの両方を使用して、1つまたは複数の動的ブロック方程式中の乾燥パラメータを自動的に計算し更新してもよい。これにより、収穫後作物管理プラットフォーム100が、動的ブロック方程式中の乾燥パラメータを、ニューラルネットワーク176などの非動的機械学習要素で自動的に更新することが可能になる。このように、質量モデルの予測は、1つまたは複数のニューラルネットワーク176の入力としての役割を果たしてもよく、その出力にも同様に適用されてもよい。これにより、機械学習が提供することができる適応可能性および自動微調整能力によって可能になる経験則ベースのモデルによって駆動される、動的でロバストな性能が可能になる。これにより、適応可能性を失わずに動的システムに適用することができる、予測モデルがもたらされる。
【0062】
図1A図1Bに戻ると、1つまたは複数のサイクルは、充填が始まる前、充填が行われている間、または充填の後に特定の活動を実施する1つもしくは複数のルーチンを実行することによって、作物120が充填されるべきコンテナ102を準備するように構成される、事前充填サイクル165を含む1つまたは複数のシステム作動サイクルを含んでもよい。これらとしては、コンテナ102およびマルチスタックアセンブリ106内のすべてのシステムの使用適合性を判断する、システムチェックプロトコルを自動的に実行することが挙げられる。別の特定の活動は、別の方法では一旦充填されたシステムから除去することが困難であろう、蓄積材料のスタックを空にするため、ベントおよびゲート両方のアセンブリを自動的に開閉するものである。これは、充填が行われている間、または充填中に実施されてもよく、作物120のレベルがコンテナ102内で各スタックに沿って上昇するにつれて、各スタックの高さを上げる効果を有してもよい。コンテナ102の相当な部分が充填されると、事前充填サイクル165の別の特定の活動により、プレナムチャンバの掃除口または一連の掃除口を自動的に開放して、プレナムを通って作物120およびスタックに至る空気の送達を最適化してもよい。事前充填サイクル165のこの態様の必要性は、上述したように、コンテナ102の流入エリアまたはプレナムの圧力を測定するように構成されてもよい、圧力センサ133によって示されてもよく、それにより、圧力がプリセットレベルまたは正常レベルを超えて上昇している場合、プレナム内またはプレナムとファンとの間の移行部において掃除口が自動的に始動される。かかるプリセットレベルまたは正常レベルは、ユーザ入力115として提供されるか、または例えば1つもしくは複数の機械学習レイヤ170によって、モデル化フレームワーク内で自動的に決定されてもよい。
【0063】
したがって、かかる事前充填サイクル165は、マルチスタックアセンブリ106全体をテスト(合格/不合格)して、容器に作物120を充填する前に設計されたように機能していることを確認する、活動のシーケンスを実施してもよい。例えば、事前充填またはシステム作動サイクル165は、各プレナムファンを独立してオンオフし、プリセットシーケンスに対してそれぞれ稼働させる、システム作動活動を開始してもよい。事前充填サイクル165はまた、各バルブおよび各ゲートを開閉し、プリセットシーケンスに対してそれらをそれぞれ開放したまま保持してもよい。事前充填またはシステム作動サイクル165はまた、センサ130のうち1つまたは複数をテストしてもよい。例えば、事前充填サイクル165は、各スタックと関連付けられた(またはヘッドスペースもしくはプレナム内の)各温度センサ132について読取り値を記録し、周囲温度のx度内の読取り値を確認してもよい。事前充填サイクル165は各温度に対して読取り値を記録してもよい。加えて、事前充填サイクル165は、各スタックと関連付けられた(またはヘッドスペースもしくはプレナム内の)各相対温度センサについて読取り値を記録し、各スタックの1つのセンサについて読取り値を記録し、周囲相対湿度のx度内の読取り値を確認してもよい。事前充填サイクル165はまた、充填前に流入またはプレナム圧力センサについて読取り値を記録することによって圧力センサをテストして、後で予期値を読み取る際にゼロまたはゼロに近い読取り値になることを確認してもよい。事前充填またはシステム作動サイクル165はさらに、各スタックおよびバルブ構成の間に各圧力について読取り値を記録し、作物の高さおよびしたがって目に見える抵抗を決定するのに距離測定センサを使用してもよい流体フローモデル化レイヤ160に基づいて、予期範囲内の読取り値を確認することによって、圧力センサをテストしてもよい。収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、例えば合格/不合格インジケータとして、出力データ190として、テストした各アイテムの報告193を生成する。
【0064】
さらになお、事前充填サイクル165はまた、プレナムおよびヘッドスペースにおけるCOセンサ読取り値をテストしてもよい。ファン出力も、事前充填またはシステム作動サイクル165の間に、また空気圧、気流、および電気使用量も測定されてもよい。報告193はまた、事前充填またはシステム作動サイクル165のこれらの態様に関する情報に対して生成されてもよい。
【0065】
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、ファン、バーナー、スタック、バルブなどの機器の存在および場所を確認する、他の任意のサイクルに先立って、システム作動サイクルを適用してもよい。システム作動サイクルは、実施される各システム作動テストについて行列を作成して、シーケンス全体に対してベントおよびゲート位置を示す。システム作動サイクルは、例えばサイズ、直径、ひさしにおける高さ、ブッシェル、および他のパラメータなどのコンテナ特性104、ならびに例えばスタックの数、スタックまたはセンサごとのバルブアセンブリの数、および付属機器とそれらそれぞれの場所など、コンテナ102に設置されているマルチスタックアセンブリ106の特定の設計特性に基づいた、各コンテナ102の初期セットアッププロトコルである。
【0066】
事前充填サイクル165はまた、例えば相対湿度、温度、または圧力センサなど、特定のセンサ130が校正を必要としているかを判断するのに使用されてもよい。相対湿度および温度センサの校正は、単にシステムがファンを動作させて、相対湿度および温度をそれに対して校正してもよい定常状態を作り出すことによって実施されてもよい。これが2回以上行われて、校正が改善されてもよい。圧力センサの校正は、例えば、ファンがオフ位置にある状態で読取り値をゼロにセットし、充填してから校正中に読取り値を「高」にセットすることによって行われてもよい。かかる活動では、収穫後作物管理プラットフォーム100は、テストに「合格」するように各センサ読取り値の予期出力を規定し、センサ校正および自己治癒に関する推奨192、報告193、または警告を生成することを含んでもよい。さらになお、その収穫後作物管理プラットフォーム100は、動作の充足性を確認するかまたは動作不足を示すのに使用されてもよい視覚または可聴インジケータを生成し、ならびに/あるいは、例えば特定のゲートが開放されると電力スパイクまたは圧力低下が起こる場合など、データ報告が各活動に対して生成されていることを表示するかまたは別の形で警告してもよい。
【0067】
1つまたは複数のサイクルはまた、作物120の中心セクションおよび頂部セクションの少なくとも1つを含む、作物120のセクションのうち1つまたは複数の抵抗を低減する、モデル化された流体フローパターン162が作物120に適用される、事前乾燥または事前調整サイクル166を含んでもよい。
【0068】
1つまたは複数のサイクルはまた、特定の活動を実施する1つまたは複数のルーチンを実行することによって、作物120の複数のセクションについて選択された作物特性116を所望の作物特性レベル117に変更するように構成された、乾燥または調整サイクル166を含んでもよい。かかるサイクルでは、この所望の作物特性レベル117は、貯蔵に適したレベルと一致してもよい。含水量が選択された作物特性116である場合、コンテナ102内で長期貯蔵するために作物120を準備するのに可能な一般的に最も速い形で、作物または穀物の質量にわたって均等に作物120を乾燥させる、1つまたは複数の乾燥サイクル166が適用される。
【0069】
乾燥サイクル166の1つの例示的な実施において、やはり含水量が選択された作物特性116である場合、収穫後作物管理プラットフォーム100は、作物タイプ121、プリセットされた含水量セットポイント、ファンを動作させることができる利用可能な乾燥力(コンテナ特性104中の穀物容器パラメータのさらなる例)、および上述したサンプリングサイクルによって生成される選択された作物特性116のプロファイル内で含水量のマップを表すサンプリングサイクル行列などの入力を検査する。
【0070】
所望の作物特性レベル117を達成するため、収穫後作物管理プラットフォーム100は、流体フローモデル化レイヤ160で展開された流体フローパターン162を適用し、作物120が含水量セットポイントに達するように、一般的には可能な限り迅速に所望の作物特性レベル117に達するため、調整を必要としている作物120のセクションにしたがって各スタックのベントおよびゲート108を開閉することによって、少なくとも選択された作物特性116のプロファイル158に応じて、異なるシーケンスで流体フローを作物120に方向付けるようにマルチスタックアセンブリ106を駆動する命令を発行し、選択された作物特性116がサンプリングサイクルおよび関連する行列156によって実施されるマッピングを表す選択された作物特性116の修正されたプロファイル158によって、ルーチンの最初に戻り、含水量セットポイントが再び得られるまで、所望のシーケンスに対してルーチンを繰り返す。
【0071】
収穫後作物管理プラットフォーム100は、出力データ190の別の要素として、コンテナ102内の作物120の相対湿度、周囲温度、および含水量を表す、利用可能な乾燥力行列を作成してもよい。かかる利用可能な乾燥力行列は、モデル化フレームワークの特定の出力として生成されてもよい。この乾燥力行列は、どのセクションを流入空気で乾燥させてもよいかを決定するため、また次いで空気をそれらのセクションに向けるためだけに、サンプリング行列と比較されてもよい。
【0072】
例えば、以下の値は、トウモロコシに対する下記のような利用可能な乾燥力のマップである行列にデータを投入してもよい。周囲温度40度、含水量26%の場合、乾燥力は作物120の相対湿度98%以下の動作に対して利用可能である。含水量24%では、乾燥力は作物120の相対湿度97.5%以下の動作に対して利用可能である。含水量22%では、乾燥力は作物120の相対湿度95%以下の動作に対して利用可能である。含水量20%では、乾燥力は作物120の相対湿度91%以下の動作に対して利用可能である。含水量18%では、乾燥力は作物120の相対湿度85%以下の動作に対して利用可能である。含水量16%では、乾燥力は作物120の相対湿度75%以下の動作に対して利用可能である。含水量15%では、乾燥力は作物120の相対湿度68%以下の動作に対して利用可能である。含水量14%では、乾燥力は作物120の相対湿度62%以下の動作に対して利用可能である。含水量12%では、乾燥力は作物120の相対湿度45%以下の動作に対して利用可能である。
【0073】
流体フローパターン162を作物120に送達するために流体フローモデル化レイヤ160によってモデル化された1つまたは複数のサイクルはさらに、所望の作物特性レベル117に達すると、コンテナ102内の農作物102の各セクションにわたって所望の作物特性レベル117を均等化し持続するように、作物120を維持する通気サイクル167を含んでもよい。1つまたは複数の通気サイクル167は、作物120の各セクションにおける選択された特性116の所望のレベル117を維持するように、流体を必要に応じて適用することによって、作物120を特定の状態で保持して産物の品質を維持するために適用される。
【0074】
やはり含水量を例示的な作物特性として使用して、作物質量がユーザ指定の含水量セットポイントに達すると、収穫後作物管理プラットフォーム100は通気サイクル167に切り替わって、指定の期間の間、作物品質を含水量セットポイントで維持する。
【0075】
含水量がユーザによって入力データ110として提供される含水量セットポイントに達していることを判断するサンプリングサイクルが完了すると、通気サイクル167が開始する。収穫後作物管理プラットフォーム100は、ファンをオンにし、作物120の各セクションについて、各スタックのすべてのベントおよびゲート108の開放/閉止位置をセットし、各セクションの相対湿度および温度センサ測定値を記録することによって、作物120の様々な属性を測定し、通気サイクル行列を作成する。収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、各セクションの含水量を計算し記録し、また大気温度および相対湿度をサンプリングし記録する。収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、含水量(またはモデリングされている他の特性)がプリセットレベルで維持されることを担保するように設計された流体フローパターン162で、流体を作物120に送達する。含水量の報告はまた、コンテナ102内の各セクションに対する出力データ190として生成され提供されてもよい。この出力はまた、指定された期間にわたって作物120の品質を維持するためのプリセット限界を超えて含水量が上昇した場合、さらなる乾燥サイクル167を開始するための入力としての役割を果たしてもよい。
【0076】
事前乾燥サイクル166および乾燥サイクル167の全体的な目的である、最も短い時間量で水分のほとんどの量を除去するのとは反対に、通気サイクル168は、作物の品質を維持することが注目されるべきである。作物120は一般的に、事前乾燥または乾燥中のように集中的な気流を必要としないので、通気サイクル168は一般的に、事前乾燥サイクル166または乾燥サイクル167のような個々のセクションの代わりに、作物120の全セクションを一度に標的とする異なる流体フローパターン162を利用する。
【0077】
1つまたは複数のサイクルはまた、作物120を貯蔵もしくは輸送にとってより一般的または好適な作物特性から市場配置にとって望ましい作物特性に戻して、作物120がコンテナ102から取り出される前に作物120の価値を最大限にするため、1つまたは複数の専門制御アルゴリズム164を適用することである、再調整サイクル169を含んでもよい。他のサイクルと同様に、収穫後作物管理プラットフォーム100は、ファンをオンにし、作物120の各セクションについて、各スタックのすべてのベントおよびゲート108の開放/閉止位置をセットし、各セクションの相対湿度および温度センサ測定値を記録することによって、作物120の様々な属性を測定し、再調整サイクル行列を作成する。収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、各セクションのピーク含水量を計算し記録し、また大気温度および相対湿度をサンプリングし記録する。収穫後作物管理プラットフォーム100は次に、含水量(またはモデリングされている他の特性)がプリセットレベルに戻されることを担保するように設計された流体フローパターン162で、流体を作物120に送達する。含水量の報告はまた、コンテナ102内の各セクションに対する出力データ190として生成され提供されてもよい。
【0078】
流体フローモデル化レイヤ160が、所望の作物特性レベル117を達成す流体フローパターン162を展開すると、命令がスタック駆動要素180に渡されて、マルチスタックアセンブリ106を駆動し(182)、作物120の様々なセクションとの間を行き来する流体フローを放出するかまたは受け入れる(186)、複数の専門制御アルゴリズム164が実行される。本明細書に記載するサイクルは、すべてが収穫後作物管理プラットフォーム100によって実施されないことがあり、本明細書に記載するすべてのサイクルが毎回、またはそのインスタンス化ごとに、収穫後作物管理プラットフォーム100によって実施される必要がなくてもよいことが理解されるべきである。したがって、1つまたは複数のサイクル内の個々のサイクルは、モデル化フレームワーク内で決定されたように、または他の任意の順序で実施されてもよい。
【0079】
上述したように、「流体」という語ならびに「流体フロー」および「流体フローパターン」という語は、作物120に送達または適用される任意の材料または組成物を含んでもよく、流体は、液体、懸濁された固体、およびガスなど、任意の状態で存在してもよいことが理解されるべきである。流体としては、大気、加熱空気、他のガス、液体、または作物120に適用される他の任意の物質を挙げることができるがそれらに限定されない。さらに、流体は、本明細書では「気流」という語と互換可能に使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0080】
図3
図3は、本発明の別の実施形態による、収穫後作物管理プラットフォーム100を実施する一般化されたプロセス300のステップのフローチャートである。プロセス300は、ステップ310で、コンテナ102に貯蔵された作物120に対するセンサデータ114などの入力データ110を、ならびに作物120を説明する作物データ112、およびコンテナ特性104などのコンテナ関連データなどの他のデータを、取り込むことによって開始されてもよい。ステップ320で、この入力データ110は、作物120の貯蔵に影響を及ぼす選択された作物特性116を調節するように構成された、複数のアルゴリズム的アプローチで分析される。
【0081】
プロセス300は、ステップ330で、サンプリング行列156の形で作物条件をサンプリングして、作物120の各セクションについて、選択された作物特性116のプロファイル158を生成する。ステップ340で、プロセス300は、コンテナ102内の作物120のすべてのセクションにわたって、選択された作物特性116のマップ152を生成する。ステップ350で、プロセス300は次に、選択された作物特性116のプロファイル158およびマップ152に基づいて、流体フローパターン162をモデル化する。
【0082】
ステップ360で、プロセス300は、1つまたは複数の専門制御アルゴリズム164を実行して、モデル化された流体フローパターン162を実行する。これは、ステップ370で、流体をコンテナ102内の作物120の様々なセクションに送達するように、後述するようなマルチスタックアセンブリ106の要素を駆動する命令を生成することによって行われる。ステップ380で、プロセス300は、1つまたは複数の専門制御アルゴリズム164にしたがって、所望の作物特性レベル117を達成するのに必要な速度および量で、コンテナ102の標的エリアに流体を方向付ける。プロセス300はまた、コンテナ102内の作物120の条件に対するさらなる出力データ190を生成する。
【0083】
マルチスタックアセンブリ
収穫後作物管理プラットフォーム100は、上述したように、本発明の一実施形態では、作物120中およびコンテナ102内に位置付けられた少なくとも1つのスタックでそれぞれ構成される、1つまたは複数のマルチスタックアセンブリ106と併せて動作する。かかるハードウェア構成を含む一実施形態によれば、各スタックは、例えば大気、加熱もしくは冷却空気、ガス、あるいは作物120への適用可能性にとって好適な他の任意の固体、液体、またはガス状物質の形態の流体が、作物120の様々なセクションを通過することを可能にするようにそれぞれ開閉する、少なくとも1つのベントおよび少なくとも1つのゲート108を有する、1つまたは複数のバルブアセンブリで構成される。
【0084】
スタックは、例えば垂直、水平、または対角など、またさらなる例では格子状のフレームワークなど、それらの任意の組み合わせで、任意の方式でコンテナ102内部に配置されてもよい。スタックは、異なる形状、サイズ、および構成を有してもよい。例示的な実施形態では、スタックは、入口、または底部、プレナムもしくはその付近に構成されたポート、および排気口、またはコンテナのヘッドスペースとともにもしくはその付近に構成されてもよい頂部ポートをそれぞれ有する、シリンダの形態であってもよく、バルブアセンブリが、コンテナ102内に貯蔵された作物120の質量中に埋め込まれる。それにかかわらず、例えば、コンテナ特性104および/または作物タイプ121に応じて、同じマルチスタックアセンブリ106内で、異なるサイズおよび構成のスタックが利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0085】
コンテナ102のプレナムは、例えば、コンテナ102の内容物を冷却するかまたは乾燥させるファンからの空気循環を容易にする、一般的には床に隣接する、容器の内容物から分離されたエリアまたはスペースである。コンテナ102は、マルチスタックアセンブリ106のための通気床部としての役割を果たす、内容物をプレナムから分離するディバイダを含んでもよい。プレナムは、例えばプレナムからデブリを一掃するため、空気、液体、または他の任意の物質が流入または流出できるようにする、1つもしくは複数のドアまたはハッチを含んでもよい。しかしながら、すべてのタイプのコンテナ102がプレナムを含むわけではなく、代わりに、一部のコンテナ102は、例えば、貯蔵作物が分配されるホッパー底部を有して構成され、また本発明は、プレナムを有するコンテナ102にも、本明細書で考察する構成の任意のある特定のタイプを有するコンテナ102にも限定されないことが理解されるべきである。
【0086】
各スタックは1つまたは複数のバルブアセンブリを包含し、またかかるバルブアセンブリは各々、各バルブの開口部をともに提供する少なくとも1つのベントおよび少なくとも1つのゲート108と、互いに対して離隔され、駆動(182)中にベントおよびゲート108を開放および閉止(184)することによって、そこを通して流体が放出され受け入れられてもよい(186)、各スタックの複数の開口部とを含む、バルブを形成する。ベントおよびゲート108は、任意のサイズ、形状、または構造のものであってもよく、スタックからまたはスタックへの流体のフローを放出し受け入れる(186)ことができる、任意のデバイスを含んでもよい。
【0087】
バルブ、ならびに開口部を有するベントおよびゲート108の多くの構成が可能であり、本発明の中で想起される。例示的な一実施形態では、バルブは垂直配向で配置され、頂部のバルブは作物または穀物質量の予期される頂部からある距離を有し、底部のバルブは作物または穀物質量の底部からある距離を有し、中央のバルブは間に均等に配置される。例えば、不均等に離隔されたバルブ、ならびに頂部表面または通気床部に対してそれぞれ異なる関係で離隔された頂部および底部のバルブなど、他の構成、またしたがって他の実施形態も可能であることが理解されるべきである。
【0088】
マルチスタックアセンブリ106はまた、ベントおよびゲート108を開放および閉止する(184)など、作物貯蔵管理およびモニタリングプラットフォーム100からの出力データ190として生成された命令に応答して、スタックの機械的構成要素を駆動する、1つまたは複数の空気圧アクチュエータを含んでもよい。開放および閉止位置は二値である必要はなく、つまりベントまたはゲートは、半開または間の任意の位置であってもよいことが理解されるべきである。したがって、各マルチスタックアセンブリ106は、特に本明細書に記載する流体フローモデル化に応答してマルチスタックアセンブリ106を駆動する(182)ため、1つもしくは複数のプロセッサ142との有線接続を通して、または1つもしくは複数のかかるプロセッサ142から無線で送信される、作物貯蔵管理およびモニタリングプラットフォーム100内で通信された信号を受信し処理するように構成された回路類を含む。
【0089】
各マルチスタックアセンブリ106は、作物120に送達される流体を生成し調整して、所望の作物特性レベル117を達成する、ファン、加湿器、ヒータ、または他の構成要素などの流体を生成する1つもしくは複数の機械的デバイスに結合されるかまたはそれらと通信する。かかるデバイスはまた、1つもしくは複数のプロセッサ142との有線接続を通して、または1つもしくは複数のかかるプロセッサ142から無線で送信される、作物貯蔵管理およびモニタリングプラットフォーム100内で通信される信号を受信し処理するのに、上述した回路類に結合されるかまたはそれらと通信してもよい。
【0090】
動作の際、複数のバルブアセンブリ、ならびにベントおよびゲート108は、所望の作物特性レベル117を達成するため、多くの異なる形で、流体フローをコンテナ102内の作物120の個々または複数のセクションに送達することができ、また、少なくとも部分的に、作物120の複数のセクション内のモデル化された条件、コンテナ特性104、およびセンサ130によって識別されるかまたはユーザ入力115として提供される他の特性に応じて、多くの異なる流体フローパターン162がモデル化され、作物120に送達されてもよいことが理解されるべきである。また、作物120の異なるセクションが、異なるタイプで、ならびに異なる速度、温度、および持続時間で、異なる流体フローを必要とすることがあることが理解されるべきである。例えば、作物120を貯蔵する一般的なコンテナ102では、中心セクションは一般に、より少ない気流をプレナムから受け入れる。これにより、中心セクションに位置する作物120のセクションに対する乾燥はより遅くなる。本発明は、スタックが始動すると作物120の中心セクションがより多い気流を受け入れることを担保することによって、この課題に対処する。ベントおよびゲート108のシステムからの流体フローを可能にすることに加えて、マルチスタックアセンブリ106の動作はまた、プレナムから直接新鮮な空気を導入できるようにし、作物120内部からの空気をコンテナの下半分から排気して、底部または下側セクションからの水分が、任意のスタックの任意の開放ベントを通して(または作物120自体を通して)上部のセクションを再湿潤するのを防ぐ。流体フローパターンの他の例、および適用可能な状況は、特に図4図7に関して、本明細書にさらに記載される。
【0091】
マルチスタックアセンブリ106、およびより具体的にはその構成要素の駆動は、有線または無線システムを介して操作されてもよく、したがって、ベントおよびゲート108は、収穫後作物管理プラットフォーム100からの無線信号によって操作され制御されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は無線接続能力を含んでもよく、セルラネットワーク、ブルートゥース接続、Wi-Fi(無線ローカルエリアネットワーキング)接続、DSRC(専用狭域通信)、NFC(近距離通信)、または他の形態の無線送信など、任意のタイプの無線接続プロトコルが、収穫後作物管理プラットフォーム100で利用されてもよい。
【0092】
流体フローパターン
流体フローを作物120に送達するためのマルチスタックアセンブリ106の多くの構成が存在し、多くの異なる流体フローパターンが可能であり、本発明の範囲内であることが理解されるべきである。さらに、貯蔵作物120の異なるセクションは、異なる密度を有し、したがって、所望の作物特性レベル117を達成するのに異なる要件を有することが理解されるべきである。例えば、貯蔵作物の中心セクションは、周囲または頂部よりも密度が高い場合が多い(あるいは換言すれば、内側セクションは、コンテナ102内の外側セクションまたは頂部セクションよりも密度が高い場合が多い)。
【0093】
したがって、収穫後作物管理プラットフォーム100は、大量の作物120によって、所望の作物特性レベルを達成するようにマルチスタックアセンブリを適正に駆動させるという物理的課題を考慮すべきである。図4A図4Eは、1つの例示的な乾燥サイクル166の5つのインターバル430にわたる、6つのバルブアセンブリ420を有する周囲スタック410における流体フローパターン400の一例を示している。この例では、専門制御アルゴリズム164は、作物120が所望の方式で乾燥して、他の方法では貫通することがより困難なままであろうエリアにおける、気流の拡散を拡幅することを担保する。この流体フローパターン400の第1のインターバルの間、スタック410の底部のゲートおよびベントは閉止されたまま保持され、ベントおよびゲート108の残りは開放される。流体フローパターン400の第2のインターバルの間、底部ベントは開放され、スタック410の上側にある次のセットのベントは閉止される。このプロセスは、スタック410を上に移動して継続するが、頂部ベントは含まない。
【0094】
図5A図5Fは、コンテナ102の中心である第2の標的エリアに対する、この例示的な乾燥サイクル167における流体フローパターン500を示している。図5A図5Fは、1つまたは複数の専門制御アルゴリズム164によって制御される乾燥サイクル167の6つのインターバルにわたる、6つのベント530を有する中心スタック510を示している。流体フローパターン500がこのエリアに集中しているのは、プルームの拡散を先制的に拡幅するためである。これは、中心スタック510の上から2番目のベント530から周囲スタック520へと空気を流出させることによって、コンテナ102のちょうど中心の頂部を最初に標的にすることによって遂行される。
【0095】
図6A図6Lは、モデル化フレームワークの専門制御アルゴリズム164のさらなる適用における、コンテナ102の中心である第3の標的エリアに対する、この例示的な乾燥サイクル167における流体フローパターン600を示している。専門制御アルゴリズム164のこの適用によって、流体フロー610は、各スタック620の底部から始めてセクションごとに、あらゆる残りの凝結および水分を最初にヘッドスペースから、次にコンテナ102から押し出し、その後再び戻ってヘッドスペースから押し出す。この後、頂部セクションが最後に一押しされ、再びヘッドスペースが一押しされる。図6A図6Lは、12のフレーム630におけるこの専門制御アルゴリズムの12のインターバルを示している。フレームは、左から右に、上から下に読み取られるべきである。
【0096】
各スタック上に構成されたベントおよびゲート108の両方で構成される複数のベントアセンブリを有するマルチスタックアセンブリ106において、多くの異なる流体フローパターン162が可能であることが理解されるべきである。したがって、専門制御アルゴリズム164は、多くの異なる手法で、流体フローパターン162を送達し、マルチスタックアセンブリ106を適宜駆動するように構成されてもよい。例えば、1つまたは複数の専門制御アルゴリズム164は、例えばタイマーに基づいて、一度に1つのベントアセンブリごとに、流体がコンテナ102の周りのスタックから送達されるようにして、マルチスタックアセンブリ106を駆動してもよい。かかる流体フローパターン162では、流体を送達するスタックに隣接するものはすべて、このベントから流体を受け入れる。同じスタックの2セクション上のベントも、このベントから空気を受け入れる。
【0097】
図7A図7Bは、タイマーに基づいてもよい、コンテナ102の周りの流体フローを一度に1つのベント710ごとに制御する、専門制御アルゴリズム164による流体フローパターン700を示している。気流740を放出するスタック720の隣接スタック730はすべて、このベント710から流出する空気を受け入れる。同じスタック720の1つまたは複数のベント750、例えば、図7Aに示されるような2セクション上のベント750も、このベント710から気流740を受け入れる。図7Aおよび図7Bは、中心スタック(図7A)および周囲スタック(図7B)の両方について、これがどのように動作するかを示している。図7A図7Bはまた、中心スタック(図7A)および周囲スタック(図7B)から出る気流を示す、マルチスタックアセンブリ106が5つのスタックを有する一実施形態による、マルチスタックアセンブリ106の上から見た図、即ち上面図702および704をそれぞれ示している。
【0098】
圧力の考慮
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、本発明の一態様では、例えば、空気を押し出し、また空気を入れ、高圧および低圧のセクションを作り出すことによって、作物120中のベントの周りの気流に影響するように構成される。作物120を貯蔵するコンテナ102の自然圧力勾配は、プレナムまたは底部に高圧を、ヘッドスペースまたは頂部に大気に近い圧力を有するものである。気流および圧力は逆関係なので、気流が集中しているか多いところは、より低圧であり、気流が低濃度かまたは少ないところは、より高圧である。本発明では、マルチスタックアセンブリ106のバルブが開放されたとき、コンテナ102内の乾燥前部は人工的に制御されており、コンテナ102の圧力勾配は人工的にバイパスされる。
【0099】
ベントおよびゲート108を開閉して(184)流体フローを放出し受け入れること(186)によって、大気圧以外の圧力がほとんどまたはまったくないヘッドスペースなどのエリアがコンテナの中央と接続されると、低圧のその区域がコンテナ102の中央エリアまで拡張されて、高流量エリアが作り出され、プレナムなどのエリアがコンテナ102の中央に接続されると、気流および圧力が中央エリアに導入される。これらの活動を組み合わせ、コンテナ102の異なるエリア内の圧力に影響を与えることによって、多数の効果が作り出され、作物120内の圧力の差が分かっていることを使用して、例えば作物の劣化による、ホットスポット形成を検出し、いくつかの異なる手法のうち1つでマルチスタックアセンブリ106の駆動を適応させることによって、劣化に対処してもよい。
【0100】
作物120の1つのエリアにおける圧力を、1つの状態から別の状態に変更することは、流体のプルームを制御、拡散、または狭窄して、作物120の所望のセクションへのフローを作成する効果を有する。例えば、流体がコンテナ102の中央および側部から排出され、側部の排出ベントの直上で流体がコンテナ102の中央に放出されると、側部のこの時に存在する低圧エリア、および中央のこの時は高圧であるエリアは、そのプルームを拡散させる効果を有するものとする。したがって、収穫後作物管理プラットフォーム100は、圧力差を利用して、流体のプルームをベントおよびゲート108から拡散させるのを支援して、その乾燥、通気、および再調整能力を増加させ、所望の作物特性レベル117に達するのに必要なエネルギー消費および時間の両方を低減することができる。
【0101】
この同じ配置は、コンテナ102内の空気を切り替える追加の効果を有する。プレナムから来る新鮮な空気は、作物または穀物質量を通って移動するにつれて、その乾燥能力を失う。作物を通って移動したこの空気は、周囲スタックによって排気され、開放された中心バルブから出るように経路変更され方向付けられた、プレナムからの新しい新鮮な空気に置き換えられて、空気を作物へと放出する。このパターンは、スタックまたはスタックの組み合わせのいずれかを用いて行われてもよいが、2つの隣接するスタックを用いて実施されると、効果を増幅することができる。例えば、コンテナ102の北側で形成される作物の劣化が検出された場合、本発明は、周囲スタックにおける劣化のそのエリアに近い1つまたは2つのバルブを開放し、作物120に対して放出し、中心バルブおよび残りの側部バルブの両方から排気してもよい。
【0102】
加えて、バルブを開放し、プレナムからそのエリアに空気を放出することによって、プレナムから通気床部および全体を通ってコンテナ102に入る流体フローが増加する。コンテナ102への、また開放され、空気を放出して作物に入れているバルブの下の作物へと進む、気流の著しい増加(例えば、10%~15%)は、圧力差を利用することによって実現されてもよい。さらなる例として、中心スタックの頂部または中央バルブが開放され、プレナムを作物120の頂部または中央に接続している場合、中心の底部セクションは大幅に多い流体フローを受け入れる。
【0103】
さらなる例として、劣化が中心スタックの南側で検出されるが、中心スタックまたは外側スタックのどちらかからプルームに達するには遠すぎる場合、中央の中心バルブから放出し、周囲スタックから南側に排気することができる。
【0104】
かかる中心スタックの放出は、通気床部を通るプレナムからの気流を増加させる。中心スタックの放出はまた、気流を「押しやって」プレナムから上昇して外側に向かわせる。必要な場合、南側の周囲スタックからの排気が、この同じ気流を中にではなく自身に(さらに)向かって(さらに)「引っ張り」、それによって、余分な気流がコンテナ102の中心から来て、この気流を中心の放出が押しやるとともに南側の排気が引っ張って、スタック間の所望の場所に残すという最終結果となる。このように、本発明は、いずれのスタックも直接達することができないエリアにおいて、より多くの気流を方向付けることができる。
【0105】
圧力は、他の任意の作物特性のように、収穫後作物管理プラットフォーム100内でマッピングされてもよく、また作物特性モデル化レイヤ150によって生成される他のマップおよび/または行列のように、流体フローモデル化要素160への入力として提供されてもよい。例えば、供給圧力、排気圧、流体フロー圧力、またはマルチスタックアセンブリ106の1つもしくは複数のスタックに対する圧力など、センサ120によって感知される、ならびに/あるいはセンサデータ114から導き出される任意のタイプの圧力は、作物特性モデル化レイヤ150内でマッピングされてもよい。上述したように、圧力の差が分かっていることを使用して、作物の劣化が検出され、作物120中の抵抗の測定値がマッピングされてもよいので、マッピングされる圧力のタイプにかかわらず、かかるマップはホットスポット情報を提示してもよい。例えば、特定のスタックが放出しているときの圧力が同じことを行っている他のスタックよりも高い場合、作物の劣化または余分な微粒子のどちらかを示してもよく、バルブの上方のエリアにある作物120の条件が悪いことをさらに示してもよい。反対に、同じスタックが排気しているときの圧力が同じことを行っている他のスタックよりも高い場合、作物の劣化または余分な微粒子のどちらかを示してもよく、バルブの下方のエリアにある作物120の条件が悪いことをさらに示してもよい。スタックを圧力センサの仮想センサ行列として利用することで、これらの例を組み合わせて、作物の劣化、微粒子、または条件が悪い作物のセクションを示すのに使用されてもよい、三次元圧力マップを形成する。
【0106】
圧力差が分かっていることはまた、作物120の頂部および中心セクションの抵抗を低下させるのを支援し、それによって流体フローがより均一になり、したがって最終結果がより均一である。また、作物120を通してより多くの流体を押し出し、乾燥を加速させて、実際に正および負のフィードバック条件を作り出す助けとなる。例えば、水分が上手く迅速に除去された場合、抵抗はより低くなって、より多い気流に結び付き、圧力微分に対する正のフィードバック応答がもたらされ、抵抗がさらに低下する。反対に、水分の除去に失敗した場合、より中実の作物または穀物質量(即ち、ホットスポットもしくは作物の劣化)が形成されて、空気を押し通すことがより困難になって負のフィードバック応答が作られる。より抵抗が大きいこれらのセクションに対して十分な気流を動的にマッピングし提供できるようにすることで、正のフィードバック応答の確率が増加し、それによって次いで、コンテナへの気流全体が増加し、作物を調整するのに要する全体時間が減少する。加えて、圧力読取り値から抵抗を測定することで、コンテナ102を充填および荷空けすることによって得られるスタックに対する圧力、ならびにコンテナ102内の作物120の移動を評価できるようになり、それが、マルチスタックアセンブリ106のコンテナ102またはスタック(もしくはその構成要素部分)に対する任意の損傷を、収穫後作物管理プラットフォーム100が評価する助けとなる。
【0107】
出力データ
収穫後作物管理プラットフォーム100は、コンテナ102内の作物120の選択された作物特性116を調節するため、モデル化フレームワーク内で実施された様々な分析および活動に応答して、プラットフォームの機能から得られる出力データ190を生成する。この出力データ190は一般に、任意の形態を取り、任意のタイプの情報を提供してもよい。例えば、出力データ190は、後続の活動に対する信号を含むか、または特定の情報を備える、1つまたは複数の命令191を備えてもよい。かかる特定の情報は、選択された作物特性116に対する、作物120の任意のセクションに対する、また作物120がコンテナ102に貯蔵された任意の期間に対する特定の値など、生もしくは処理済み形態の、コンテナ条件またはコンテナ内作物条件情報192を含んでもよい。本発明はさらに、例えば、推奨および警告機能192、報告機能193、ならびにマッピング機能194などの1つまたは複数の機能で、収穫後作物管理プラットフォーム100内で実施されるデータ処理からもたらされる、後続の情報を生成するように構成されてもよい。推奨および警告機能193で生成される情報の一例は、1つまたは複数のセンサ130における、マルチスタックアセンブリ106を備えるベントまたはゲート108の1つもしくは複数における、あるいは流体フローをマルチスタックアセンブリ106に提供するのに使用されるファンにおける誤動作である。
【0108】
特定のタイプの出力データ190も想起され、本発明の範囲内にある。例えば、出力データ190は、収穫後作物管理プラットフォーム100が排出機器と統合して作物120をコンテナ102から抽出する場合、例えばかかる活動をスケジューリングするなど、装填および排出情報196を含んでもよい。出力データ190は、例えば、補助熱およびファンのモデル化または計画された使用にしたがって、機器に動力供給するのに必要なプロパンなど、材料の調達197に関連して生成されてもよい。出力データ190はまた、例えば、エラーがセンサ読取り値で検出された場合、またはセンサがセンサ誤動作を示唆する情報を返した場合、センサ校正198またはセンサ保守管理を含んでもよい。センサ校正198に対する出力は、例えば、センサ130の自己テスト、および/または他のセンサ130に対する比較に基づいて、任意の所与のセンサ130を再校正する命令を含んでもよい。
【0109】
加えて、出力データ190は、例えば、本明細書に示すような自律的圃場および農場作業および活動内のより広範な活動の一部として、他の利用のために作物管理システム199に提供されてもよい。さらになお、出力データ190は、例えば、外部の保険および金融活動に対して提供される情報など、収穫後作物管理プラットフォーム100に接続された他のシステムに対する情報を含んでもよい。
【0110】
出力データ190はさらに、例えば報告機能193の一部として、トレーサビリティ情報を含んでもよい。かかるトレーサビリティ情報は、例えば、保管物の移動までにコンテナ102を荷空けする際に、乾燥履歴を作物120の各セクションまたはレイヤと関連付けることができるように、作物120が調整されている時間スペクトル全体を通してセクションごとの基準で、作物120の乾燥履歴を含んでもよい。かかるトレーサビリティ情報は、乾燥、通気、および再調整機能を実施するのに、モデル化フレームワーク内で使用されるセンサデータ114など、他の属性と組み合わされてもよい。トレーサビリティ情報、およびすべてのタイプの出力データ190は、1つまたは複数のAPIを介して、本明細書に示されるように提供されてもよく、他の後続のシステムと適合性であるようにして生成されてもよい。
【0111】
出力データ190はまた、後述するように、収穫後作物管理プラットフォーム100内の情報を閲覧しそれと連携するように構成された、決定サポートツール148に提供されてもよい。さらに他の特定のタイプの出力データ190が、例えば、図8A図8Dに示される。
【0112】
決定サポートツール
決定サポートツール148は、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100内に組み込まれてもよく、それと併せて動作してもよい。かかる決定サポートツール148は、例えば、特定の農作物データ112の入力および/または選択、ならびに選択された作物特性116および所望の作物特性レベル117、ならびに乾燥戦略および予期される成果を指定する(例えば、最大貯蔵時間を増加するように乾燥を促進するのにエネルギーを保存する)など、他の任意のパラメータまたは変数を含むユーザ入力115など、収穫後作物管理プラットフォーム100を実施するための、様々な属性のカスタマイズされたユーザ動作および選択を可能にするように構成されてもよい。決定サポートツール148はまた、マルチスタックアセンブリ106の様々な要素の性能をモニタリングし、校正するのに使用されてもよい。さらになお、決定サポートツール148はまた、センサ130の性能をモニタリングし、センサ130を校正および再校正し、ならびに同じコンテナ102からの既知のセンサデータ112の値、および同様のコンテナからの同様の読取り値とクロスチェックし、センサ130またはマルチスタックアセンブリ106のどちらかに対して任意の診断機能を実施するのに使用されてもよい。決定サポートツール148は、ユーザインターフェースを含むことができ、また、入力データ110をカスタマイズする、ならびに例えば、専門制御アルゴリズム164を、またはさらに後述するようなニューラルネットワーク176の入力、重量、およびバイアス、または「ノブ」としての役割を果たす様々な値が利用される場合はそれらを、対話によって微調整することによって、モデル化フレームワークの性能を修正する、かかるインターフェース上(またはウェブベースもしくはアプリケーションベースのモジュール内)のプルダウンメニューを含むことができる。デスクトップ、ラップトップ、およびメインフレームのコンピューティングシステムに加えて、ユーザは、携帯電話通信、タブレット、またはウェアラブルコンピューティングデバイスに常駐しているアプリケーションを使用して、決定サポートツール148にアクセスしてもよい。
【0113】
機械学習レイヤ
本発明では、収穫後作物管理プラットフォーム100は、作物120の条件をサンプリングし、選択された作物特性116をモデル化して、少なくとも乾燥サイクル167、通気サイクル168、および再調整サイクル169がいつ動作するかを決定する、サンプリングサイクルを実施する。したがって、上述したように、モデル化フレームワークの様々な要素、つまり作物特性モデル化レイヤ150、流体フローモデル化レイヤ160、およびスタック駆動要素180はすべてともに動作して、選択された作物特性116を調節し、所望の作物特性レベル117を達成する。収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、例えば、サンプリングサイクルで生成された入力データ110およびデータを理解する際に改善して、少なくとも質量移動に関して生成される予測に関して適応予測コントローラモデル200を、ならびにそれらの予測を達成するのに必要な時間およびバルブの構成を支援するため、機械学習170の1つまたは複数のレイヤをこれらの要素の少なくとも最初の2つに適用してもよい。
【0114】
1つまたは複数の機械学習モデル化レイヤ170は、多くの異なるタイプの機械学習を含んでもよく、本明細書に記載するモデル化フレームワークの成果を改善するため、情報の分析および出力の生成に多くの異なる数学的アプローチを適用してもよい。例えば、本発明の一実施形態では、1つまたは複数の機械学習モデル化レイヤ170は、教師あり学習技法、強化学習技法、および入力データ110をさらに査定する機械学習の他のアプローチを適用して、流体フローモデル化レイヤ160において適応予測コントローラモデル200を展開し適用し、専門制御アルゴリズム164の以前の分かっている実行の成果および結果として得られた流体フローパターン162の送達を分析することによって、その精度を向上するとともにその効率を改善する、アルゴリズムで構成されてもよい。
【0115】
収穫後作物管理プラットフォーム100に適用される1つまたは複数の機械学習モデル化レイヤ170は、上述したように、いくつかの異なる数学的アプローチのいずれかで構成されてもよい。例えば、収穫後作物管理プラットフォーム100は、1つまたは複数の統計的分析172、回帰分析174、ニューラルネットワーク176、およびブロック指向モデル178、ならびに各々の多くのタイプのうちいずれかを適用してもよい。
【0116】
統計的分析および非決定論的数学的アプローチは、イベントが起こるまたは起こらない確率を計算できるようにする。数学的方程式を介して指定された統計的モデルでは、変数の一部は特定の値を有さず、代わりに確率分布を有するので、変数の一部は確率論的または無作為であり、換言すれば、かかるモデルは、無作為の現象の成果に応じて値が決まる変数が関与するアプローチを検査する。統計的分析172は、本発明では、作物120が指定された将来の時点で所望の作物特性レベル117に達する確率、一部が無作為または不確定の値を有する所与の特定の変数、例えば乾燥期間の過程で変化する周囲天候条件など、異なる将来の成果の確率を検査するために適用されてもよい。かかる無作為または不確定の性質を有する変数にかかわらず、かかる統計的分析172は、単独で、または他の機械学習アプローチと併せて適用されてもよい。統計的分析はさらに適用されてもよく、1つまたは複数の機械学習レイヤ170はさらに、センサ120をチェックし校正する、出力198として提示するセンサデータ112の中の外れ値データポイントを識別するように構成されてもよい。
【0117】
回帰分析174は、例えば、従属変数および1つまたは複数の独立変数(「予測因子」と呼ばれる場合が多い)など、関心の変数同士の関係を推定するのにモデルが使用されるタイプの統計的分析である。このタイプの機械学習は、独立変数と従属変数との因果関係を推論するのに使用され、またかかる因果関係が、実施されているモデル化全体の適用にかかる将来の状態に大きく影響する場合、成果を予測および予報するのに使用される。確率値を計算するときに対数オッズの形態の最大値の重要性を解釈するため、線形および非線形回帰、ならびに仮想容器モデル210によって識別される乾燥パラメータなどの導き出されたパラメータを使用できるようにする、ロジスティック回帰などの特定のアプローチなど、多くのタイプの回帰分析174がある。例えば、他のタイプのロジスティック関数、および他のタイプの回帰分析も、本発明において確率を計算するのに利用されてもよく、本発明の範囲内である。利用されてもよい他のアプローチとしては、決定木、ランダムフォレスト分類子、サポートベクターマシン、およびプロビットが挙げられるがそれらに限定されない。したがって、本発明および本明細書は、特に1つまたは複数の機械学習レイヤ170における適用に関して、本明細書で言及する任意の1つのタイプの数学的モデルまたは統計的プロセスに限定されないことが、さらに理解されるべきである。
【0118】
機械学習レイヤのニューラルネットワーク
かかる機械学習レイヤ170はまた、ニューラルネットワーク176のアプリケーションを含んでもよい。ニューラルネットワークは、一般に、1つまたは複数のバイアス入力/出力接続を有する計算ユニットである、ノードで構成される。かかるバイアス接続は、入力および出力を何らかの形で組み合わせる伝達(または活性化)関数として作用する。ノードは組織化されて、ニューラルネットワークを形成する複数のレイヤを成す。例に基づいてタスク特有のルールでプログラミングすることなく、モデル化時間およびバルブ構成スキームおよび流体フローパターン、ならびに適切な構成スキームおよびパターンの選択などの、タスクを実施するように「学習する」コンピューティングシステムである、多くのタイプのニューラルネットワークがある。
【0119】
ニューラルネットワークは、一般に、バイアス入力/出力接続を通じて複数レイヤ内で互いに信号を送信する、接続され集約されたノードのアレイ(つまり、「ニューロン」)に基づく。接続は、上述したように、これらのノードに「火を付け」、数学的方程式または公式にしたがって入力を組み合わせる、活性化または伝達関数である。異なるタイプのニューラルネットワークは、一般に、接続され集約されたノードのこれらのレイヤの異なる構成を有するが、レイヤは一般に、入力レイヤ、中間または「隠れ」レイヤ、および出力レイヤと説明することができる。これらのレイヤは、異なる数学的計算または関数を使用して、様々な入力に対して異なる変換を実施してもよい。信号は、入力レイヤから中間レイヤを介して出力レイヤへと、これらのレイヤの間を移動し、レイヤおよびノードを複数回通過してもよい。
【0120】
信号は接続を通じてノード間で伝達され、各ノードの出力は、そのノードに対する入力をすべて合計する非線形関数で計算される。重み行列およびバイアスは、一般的に、各ノードおよび各接続に適用され、これらの重みおよびバイアスは、ニューラルネットワークが入力を処理し、ノードおよび接続を通して伝達するのにしたがって適応される。これらの重みは、特定の接続における信号の強度の増加または減少を表す。加えて、ノードは閾値を有してもよく、そのノードの集約された出力がその閾値を外れた場合のみ信号が送られる。重みは一般に、活性化関数にかかる時間を表し、バイアスはかかる関数が始まる時間を表し、それらはともに、経時的に勾配を最小限に抑える助けとなる。少なくとも重みの場合、どのような重みであるべきか、またどのように適応させるべきかをシステムが学習するにしたがって、初期化することができ、また経時的に変化(即ち、減衰)することができる。換言すれば、ニューラルネットワークは学習するにしたがって進化し、ニューラルネットワーク設計を含む数学的公式および関数は、システム自体が改善するにつれて経時的に変化することができる。
【0121】
1つまたは複数の機械学習レイヤ170内で、またはそれと併せて実施されるモデル化の一部として、インスタンス化されるニューラルネットワーク174は、特に、コンテナ102内にある作物120の特性のモデル化に、適応予測コントローラモデル200内の乾燥パラメータを査定するのに重みを決定し割り当てることが関与する場合、作物特性モデル化レイヤ150、流体フローモデル化レイヤ160、およびスタック駆動要素180のうち1つまたは複数に適用可能であってもよい。例えば、以前の大気条件、過去年における容器の以前の使用、およびコンテナ102の物理的寸法を表す履歴記録について訓練されたニューラルネットワーク174は、時間およびバルブ構成から成るスキームを適切に構成するのに必要な、結果として得られる処理を改善し、最も適切な流体フローパターン162(またはかかる流体フローパターン162のセット)計算して、所望の作物特性117を達成するのに様々なサイクルを実施する専門制御アルゴリズム164の実行を容易にしてもよい。これは、高速で正確な応答を要する、時間の影響を受けやすい、即ち急に変化する状況で、構成スキームおよび流体フローパターン162を計算しなければならない場合、例えば周囲天候条件が急速に変化する場合に、特に重要なことがある。
【0122】
1つまたは複数の機械学習レイヤ170内におけるニューラルネットワーク176の適用は、異なる目的に対して異なるネットワークをインスタンス化することを含んでもよい。本発明は、モデル化フレームワーク全体の中で実施されるアルゴリズムを改良して、出力データ190を生成するように構成された「作成用(production)」ニューラルネットワークと、機械学習モデル化レイヤ170内で学習してきた予測または予報の以前の履歴成果に対する理由付けの改善を使用して、作成用ネットワークを訓練するように構成された「訓練用」ニューラルネットワークの両方を想起する。
【0123】
ニューラルネットワーク176はまた、一般に、モデル化フレームワークの結果をさらに改善するのに、容器モデル210およびモデル化流体フローパターン162を実施するときの、少なくとも乾燥パラメータの識別および適用における時間的依存を説明するために計算される、時間遅延、即ちフィードバックループを組み込むことができる。例えば、かかる時間遅延またはフィードバックループは、ファンを通り過ぎてプレナムに入ってそこを通過する空気と、スタックを通って移動する空気と、バルブを出る空気と、作物を横切る空気と、別のバルブを通ってスタックに戻る空気と、最終的にセンサを通り過ぎる空気との時間のずれのうち1つまたは複数を表してもよい。さらになお、かかる時間遅延またはフィードバックループは、作物からの「良い」信号が、例えば特定のセクションとの均衡に達し、次に前のデータではなくこのデータを使用するのに、かかる時間を表してもよい。それにかかわらず、さらに詳細に後述するように、これは、例えば、本明細書でさらに考察する長・短期記憶メモリ(LSTM)ニューラルネットワークなど、時間指定データシーケンスを説明する特定のタイプのニューラルネットワークによって実施されてもよい。かかるニューラルネットワークの様々な数学関数によって適用されるフィードバックループおよび他の時間遅延メカニズムは、1つまたは複数の時間関連特性、例えば、選択された作物特性116、作物特性モデル化レイヤ150、または流体フローモデル化レイヤ160のプロファイルから導き出されるものの後にモデル化され、上述したような計算された重みおよびバイアスを組み込んでもよい。収穫後作物管理プラットフォーム100は、ニューラルネットワーク設計のこれらの要素を、作成用ニューラルネットワークの出力に適用し、選択された作物特性116の調節の一部として出力データ190を生成する。
【0124】
ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークの従来のレイヤの代わりに「ブロック」として作用する、複数の対話構成要素を有するアーキテクチャにおける、より長い時間依存シーケンスの減衰の問題に対処するように構成されてもよい。これらのブロックはそれぞれ、その中間レイヤの単一のレイヤを表してもよく、または複数のレイヤを形成してもよく、それにかかわらず、各ブロックは、入力データの時間依存シーケンス分析における異なる時間ステップを表すものとして考えられてもよい。
【0125】
かかる特に注目されるニューラルネットワークの構成要素はその内部状態を形成し、ブロックのメモリ部分として作用するセルと、各ブロック内部の情報のフローを制御する、入力ゲート、出力ゲート、および忘却ゲートの3つの調節ゲートとを含む。セルは、入力シーケンスの要素間の依存性を追跡することによって、任意の時間インターバルにわたって値を記憶し、3つのゲートはセルを出入りする情報のフローを調節する。入力ゲートは、新しい値がどの程度までセルに流入するかを制御し、忘却ゲートは、値がどの程度セルに残るかを制御し、出力ゲートは、セル内の値がどの程度ブロックの出力を計算するのに使用されるかを制御する。これらのゲートの決定機能は、これらのタイプのニューラルネットワークにおけるゲートの出力をコンピューティングする、ロジスティックシグモイド関数と呼ばれる場合が多い。これらのゲートの内外への接続があり、少なくとも、訓練の間に学習させる必要があるこれらの接続の重みが、ゲートがどのように動作するかを決定する。
【0126】
ニューラルネットワークブロックの内部には、時間依存データシーケンスが適切に分析されることを担保して減衰を回避するのに必要な、活性化関数を実施する追加のレイヤがある。組み込まれてもよい1つのかかる活性化関数は、どの入力値がブロックの内部状態に追加されるかを決定することによって入力データを有効に分類するtanhレイヤである。入力ゲートは、シグモイドにより活性化するノードのレイヤであり、その出力に、tanhレイヤに先行することによって分類される入力を掛ける。これらの活性化関数の作用は、分析される問題、ならびに適用される重みおよびバイアスについて各ノードに割り当てられた値に基づいて、不要である入力の任意の要素をフィルタ処理することである。これらのノード間の接続に適用される重みは、ゼロに近い値を出力して特定の入力値をオフにするように(または逆に、他の値を通過するように)訓練することができる。ブロックの別の内部状態である忘却ゲートは、事実上、時間依存の入力データが減衰するリスクをさらに低減する、回帰のレイヤを作成するように動作するフィードバックループである。忘却ゲートは、どの状態変数を「記憶」または「忘却」すべきかをニューラルネットワークが学習する助けとなる。
【0127】
教師あり学習は、収穫後作物管理プラットフォーム100が非常に正確な出力データ190を効率的に生成することを可能にする、特定の関係または構造を内部に見出すのに入力データ110を分類する、アルゴリズムにおいて数学関数を適用するものである。教師あり学習アプローチにおいて数学関数を実施する、多くのタイプのかかるアルゴリズムがある。これらとしては、回帰分析(上述したロジスティック回帰、多項式回帰、およびその他の多くを含む)、決定木、ナイーブベイズなどのベイズアプローチ、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、異常検出などが挙げられる。
【0128】
ニューラルネットワークはまた、かかる教師あり学習アプローチの1タイプであり、また、構造内の上述のアルゴリズムにおける計算技術のうち1つまたは複数を含んでもよい。ニューラルネットワークは、回帰アプローチよりも柔軟性が高く、構造化データ(例えば、センサデータ114)および非構造化データ(例えば、ユーザ115によって提供される観測)両方の組み合わせを入力として、収穫後作物管理プラットフォーム100における所望の出力タイプを生成することを可能にする。
【0129】
リカレントニューラルネットワークは、ニューラルネットワークが時間的動的挙動をモデル化し、可変長の入力のシーケンスを処理することを可能にする、ノード間の接続が指向性の時間シーケンスにしたがうタイプのニューラルネットワークに与えられた名称である。これらのタイプのニューラルネットワークは、かかるシーケンスを認識する、ならびに/またはかかるシーケンスに作用する必要がある場合に配備される。ニューラルネットワークと同様に、一般に、多くのタイプのリカレントニューラルネットワークがある。
【0130】
リカレントアーキテクチャを有するニューラルネットワークはまた、ニューラルネットワークの直接制御下での格納を許可する内部状態を格納、即ち制御していてもよく、時間的性質を有する入力により適したものになる。この格納は、ノードまたは接続が、かかる時間的動的挙動をモデル化する時間に先立ってデータを保持するのを許容する、時間遅延またはフィードバックループとして作用する、接続またはゲートの形態であってもよい。かかる制御された内部状態は、ゲート状態またはゲートメモリと呼ばれ、異なるタイプのリカレントニューラルネットワークアーキテクチャの名前である、長・短期記憶ネットワーク(LSTM)およびゲート付き回帰型ユニット(GRU)の一部である。このタイプのニューラルネットワーク設計は、収穫後作物管理プラットフォーム100などのシステムの所望の出力が、記憶装置としてのメモリの必要性によって促進される場合、および上述したように、システムが、時間指定データシーケンスで構成される入力を処理するように設計されている場合に利用される。かかる時間指定データシーケンスの例としては、映像、音声認識、および手書き文字(処理が時間的に変化するデータの分析を要する場合)が挙げられる。本発明では、出力データ190は、作物120の予報状態の形態であり、状態に対する様々なイベントおよび感情の影響についての理解は、経時的に、より高度に正確で信頼できる予測または予報に結び付く。
【0131】
他の多くのタイプのリカレントニューラルネットワークが存在する。これらとしては、例えば、全結合リカレントニューラルネットワーク、ホップフィールドネットワーク、双方向連想メモリネットワーク、エコー状態ネットワーク、ニューラルチューニングマシン、および他の多くのものが挙げられ、それらはすべて時間的動的挙動をモデル化する能力を示す。本発明におけるかかるニューラルネットワークの任意のインスタンス化は、これらのタイプの1つまたは複数を含んでもよく、モデル化フレームワークおよび1つまたは複数の機械学習レイヤ170内で適用されるニューラルネットワーク176は、かかるタイプの異なるものを含んでもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、分析されている特定の作物120、コンテナ特性104、選択された作物特性116および/または所望の作物特性レベル117の性質、ならびに/あるいは入力データ110中の他の変数の影響に応じて、多くのタイプのニューラルネットワークが実現されてもよいことを想起する。
【0132】
ブロック指向モデル
1つまたは複数の機械学習レイヤ170はまた、一般的に、様々な順次/並列の方式で接続された線形動的および非線形静的ブロックに基づく、ブロック指向モデル178の適用を含んでもよい。ブロック指向モデルは、線形伝達関数による問題の動的学を表し、線形システムの入力および出力の非線形関数を使用して、非線形的に補足する。
【0133】
ブロック指向モデルは、システムの特定のクラスの動的挙動を説明するのに有用な数学モデルの1クラスである。これらとしては、適用の中でも特に、安定性のような重要な定性的挙動の特性決定、フィードバック制御システムの設計、経験的モデルの展開に対する有効な基礎としての役割を果たす線形モデル、ならびに線形動的モデルと静的非線形性との相互接続に基づく非線形モデルの両方が挙げられる。フィードフォワードブロック指向モデルは、線形動的モデルと静的(即ち、無記憶)非線形性との直列、並列、または直列/並列を組み合わせた相互接続で構成される、非線形モデルを表す、このクラスの非線形ブロック指向数学モデルのサブセットである。関与するブロックの特定の構成は、良く知られているHammerstein、Wiener、Hammerstein-Wiener、および一般化されたHammersteinモデルをもたらす。
【0134】
ブロック指向モデル178は、適応予測コントローラモデル200の収穫後作物管理プラットフォーム100によって適用されて、非線形関数を使用して少なくとも様々な入力の非線形性を説明することによって、フィードフォワード利得を検査し、それらの結果を適用して線形伝達関数f(V)のフィードフォワード制御から質量移動を予測してもよい。しかしながら、その適用可能性の形式および形態にかかわらず、ブロック指向モデル178が単独で、または1つまたは複数の機械学習レイヤ170内の、本明細書で考察する他の機械学習アプローチと併せて適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0135】
図8図11
図8A図8Bは、本発明のさらなる実施形態による、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100において1つまたは複数の制御アルゴリズム164を実行することによって、流体フローパターン162がマルチスタックアセンブリ106から送達される、容器モードの要素を示すブロック図およびフローチャートである。
【0136】
図8Aは、ブロック802のユーザ入力115が、作物タイプ121、ならびに初期含水量、貯蔵含水量、市場含水量、作物販売期限、および乾燥戦略(例えば、速度対コスト対保存可能期間)を表す所望の作物特性レベル117を含む、事前充填サイクル165のすべてまたは一部を表してもよい例示的な充填モード800を示している。充填モード800は、ブロック806で作物120がコンテナ102に追加される際に、自動的に(例えば、装填機器から通信される信号により、または定位置の装填機器またはコンテナ内の作物120の変化レベルを検出するコンテナに近接する距離計など、装填動作を検出する1つもしくは複数のセンサによって通信される信号により)、あるいは例えば決定サポートツール148を介して、ユーザによって手動で、ブロック804で作物120がコンテナ102に入ると開始される。例えば、ソナー/距離センサ136は、ブロック807のように、容器に作物120が充填されていることの入力を提供するのに利用されてもよい。ユーザプロンプト803はまた、所望の作物特性レベル117のさらなるエントリ、または他のユーザ入力もしくはオーバーライドのためなど、さらなるユーザ入力115のために提供されてもよい。それにかかわらず、充填モード800は、コンテナが部分的または完全に荷空けされているか否かをチェックすること(808)によって継続する。別の充填サイクルの際に部分的にのみ荷空けされている場合、本発明は、まず新たに充填された作物を別個に処理し、設定量に達した後、次に以前の動作に戻る。完全に荷空けされている場合、噴出シーケンスでファンおよびベントを動作させることを含む充填シーケンス810を実施する。充填モード800は次に、容器チェック812を実施し、含水量分析器814を稼働させ、他のどのモードに入るかを決定する(816)。ブロック804で始まった充填動作の後にコンテナ102がまだ荷空けされていない場合、収穫後作物管理プラットフォーム100は、ブロック818で新たに追加された材料に対して水分分析器を稼働させ、ブロック820において1つまたは複数の他のモードで、新たに追加された材料を所望の作物特性レベル117に至らせる。
【0137】
図8Bは、例示的な乾燥モード830を示しており、収穫後作物管理プラットフォーム100は、最大貯蔵時間/最長保存可能期間833に対するユーザ入力、所望の販売期限などの入力に対するユーザプロンプト835、あるいは提案される乾燥戦略(例えば、エネルギー削減対積極的乾燥速度対最大貯蔵時間または寿命もしくは保存可能期間)などの入力836が提供される出力条件834によって指示される、ブロック832に示されるような最大限に乾燥する予期される乾燥日で構成される。乾燥モード830は、ブロック838の乾燥で始まり、ブロック840の事前乾燥サイクル166で始まる。乾燥モード830は、乾燥戦略842に基づいて作物120を乾燥し、所望の市場含水量849(所望の作物特性レベル117として提供される)まで乾燥する。天候情報など、ブロック844に示されるような他の入力も提供されてもよい。さらにまた、収穫後作物管理プラットフォーム100は、例えば、ブロック846の予期されるドライダウン時間、またはブロック848の予期される保存可能期間および販売期限など、特定の出力データ190を生成してもよい。
【0138】
図8Cは、乾燥モード830が、乾燥サイクル166の完了、ならびに温度制御および貯蔵のための含水量レベルの維持のために通気することによる、ブロック851の作物120を冷却する通気サイクル167の開始に関する情報を提供すると開始されてもよい、例示的な貯蔵モード850を示している。貯蔵モード850はまた、外部の平均温度が凍結を上回って上昇するときなど、温度制御することが有利な期間の間、作物120を温度制御するための通気を、コンテナ102外の周囲温度と一致させる(852)。貯蔵モード850に対する特定の入力853は、ローカル温度情報、コンテナ102内からの湿度条件、コンテナ102が位置する特定の地理的エリアの予期される天候および気象情報、ならびに特定の半径、緯度、または天候内でのコンテナ102が位置する地理的エリアの通常の天候の差および範囲を含んでもよい。貯蔵モード850は、例えばブロック854のように、マルチスタックアセンブリ106を動作させ、予期される保存可能期間856、含水量マップ858など、特定の出力データ190を生成してもよく、さらに、862で水分移行を軽減するため、または地理的エリア内で検出されたホットスポットの警告によって出力864を生成するため、水分移行のチェック860を実施してもよい。貯蔵モード800はまた、ブロック866で容器温度をモニタリングしてもよく、ブロック868で作物の劣化が検出された場合、ブロック870でさらなる通気のために作物の劣化を標的にしてもよい。他のユーザ入力115が、同様の容器で検出された作物の劣化を示す場合、ブロック870のように、通気サイクル168に対する異なる通気スケジュールに切り替える。
【0139】
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、再調整サイクル169を実施する、図8Dに示されるような再調整モード880を含んでもよい。この再調整モード880は、ブロック882の温度制御のために作物120に通気し、ブロック884で含水量マップを作成し、ブロック886で所望の含水量まで作物120を再調整する。生成されることがある出力としては、ブロック888の所望の含水量に達していることの警告、ブロック890の推奨価格、およびブロック892のコンテナ102が現在荷空けされていることの警告が挙げられる。再調整モード880はまた、ブロック894で、例えば、価格が協同組合またはエンドユーザから受信されていることなど、貯蔵モード880および再調整サイクル169の終わりを示す入力を受け取ってもよく、一旦コンテナ102が荷空けまたは部分的に荷空けされると、貯蔵モード880は荷空け後容器チェック896を実施してもよい。荷空け後容器チェック896は、コンテナ102が完全に荷空けされたときに必ずしも実施されなくてもよく、したがって、コンテナ102が部分的に荷空けされている場合に実施されてもよいことに留意されたい。それにかかわらず、1つまたは複数のサイクルはまた、1つまたは複数の専門制御アルゴリズム164を適用して、1つまたは複数の流体フローパターン162を部分的に空のコンテナ102に送達すること、または空のコンテナ102に対して他のシステムレベルルーチンを実施することである、荷空けサイクル161を含んでもよい。
【0140】
図9は、収穫後作物管理プラットフォーム100内の機械状態としての動作モードのシステム900を示す機械状態図である。これらの機械状態は、本発明のさらなる実施形態による、かかる動作モードのための制御アルゴリズム164を実行することによって実施されるサイクルを表す。システム900は、開始要素として、システム900が待機状態920のままである時間周期ゼロにおける開始システム状態910を有する。システム900は、例えば、充填もしくは装填機器がコンテナ102に接近していることまたはその定位置にあることを示す(またはユーザ入力115として提供される)、ソナーまたはLiDARなどの距離システムを使用して、農業従事者または他のユーザによって開始されてもよい、充填モード930を開始する。システム900は次に、事前乾燥モード940および1つまたは複数の事前乾燥サイクル166を通して循環し、そのモードが完了すると、乾燥モード950および1つまたは複数の乾燥サイクル167が実施される。所望の作物特性レベル117としてユーザ入力115によって示される、標的含水量960に達すると、1つまたは複数の通気サイクル168で実施される、通気/貯蔵/再調整モード970が開始される。システム900は、所望の作物特性レベル117が時間とともに変化する場合、乾燥モード950の呼出しを継続してもよい。通気/貯蔵/再調整モード970が完了し、コンテナ102が荷空けされると、システム900は空状態980に入り、ユーザまたは農業従事者が容器掃引によって空状態980を確認すると、待機状態920に戻る。
【0141】
システム900は、例えば、充填または装填動作が始まっていることをシステム900が検出した場合、乾燥モード950、通気/貯蔵/再調整モード970、または空状態980のいずれから、充填モード930に戻ってもよいことが注目されるべきである。これは、例えば上述したように、充填または装填機器がコンテナ102に接近していることまたはその定位置にあることを示す、またはユーザ入力115として提供される、LiDAR距離システムを使用して行われてもよい。
【0142】
図10A図10Dは、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100内で実施される分析、ならびにその特定の機能としての品質および価値分析の実施を示すブロック図およびフローチャートである。図10Aは、時間ずれの値、コンテナ特性104、マルチスタックアセンブリ106が設置されていないファンの容積測定スループット、およびマルチスタックアセンブリ106が設置されているファンの容積測定スループットを表す初期化入力1002が提供される、収穫後作物管理プラットフォーム100およびマルチスタックアセンブリ106の性能を評価する、品質および価値分析1000を示している。品質および価値分析1000は、センサデータ114を分析し、例えば、後述するような相対湿度モデルおよび温度モデルなど、異なるタイプのかかるセンサデータ114に基づいて、コンテナ102内の異なる作物特性をモデル化するように設計された、1つまたは複数のアルゴリズムを実行してもよい。
【0143】
品質および価値分析1000は、ブロック1010で始まり、ブロック1012での、湿度モデルを表す、コンテナ102の出入りにおける相対湿度の読取り、およびブロック1014での、温度モデルを表す、コンテナ102のすべてのセクションにおける温度値の記録に進む。温度モデルは、ブロック1016で、マルチスタックアセンブリ106を動作させ、ブロック1018で、ヘッドスペースセンサを通る流出の絶対湿度のセンサ読取り値を記録し、ヘッドスペースにおけるセンサ130からの絶対湿度読取り値および初期温度値に基づいて、容器平均および平均含水量1019を計算する。相対湿度モデルは、ブロック1020での、後ろ向きデータにおける偏差からの実験曲線の分析、ブロック1022での、ドライダウン要因に対する他の容器の産生平均に適合する、同じ地理的エリアにある容器からの実験曲線の分析、ならびにブロック1024での、他の容器平均および同じ地理的エリアからの容器と比較した、現在の容器の過去の性能からの実験曲線の分析を含む、複数のステップを実施する。相対湿度モデルはまた、ブロック1026で、コンテナ102の物理的セットアップを査定し、ブロック1028で、減衰曲線に適合する水分除去率を継続的に出力して、予期されるドライダウン速度を生み出す。
【0144】
ブロック1030で、相対湿度モデルおよび温度モデルの成果はマージされ、差は調和され、ブロック1032で、モデル化フレームワークは、収穫後作物管理プラットフォーム100の次のステップを実施する。品質および価値分析1000は次に、ブロック1034で、ヘッドスペースセンサから得た時間ずれおよび値を使用して、コンテナ102の特定のセクションの含水量除去を決定し、ブロック1036で、例えば、コンテナ102の品種、地域、またはタイプ/ブランドに対して変更してもよい、方程式の定数への適応またはその新しい値、あるいは収穫後作物管理プラットフォーム100で以前に行われた予測からの逸脱を提示してもよい、フィードバックを出力する。
【0145】
図10Bおよび図10Cはそれぞれ、収穫後作物管理プラットフォーム100およびマルチスタックアセンブリ106の性能を評価する、品質および価値分析1040および1050のさらなる実施形態を示している。図10Bの品質および価値分析1040は、COセンサ134の読取り値に基づいて作物120の分析を実施し、ブロック1042のように、容器の異なるセクションおよびサブセクションが換気される際のCOガス放出率をマッピングする。図10Bの品質および価値分析1040は、ブロック1044で、より多量のCOを排出する作物120のセクションのチェックを実施し、そのセクションを表し、したがって、容器102内の処理されるべき作物の劣化(例えば、多量のCOを出す昆虫の存在)の兆候を表す、出力データ190を提供する。
【0146】
図10Cの品質および価値分析1050は、圧力センサ133によって示されるような、コンテナ102内の作物120のセクションおよびサブセクションを空気が通る際の絶対圧力および圧力差に基づいて、作物120の分析を実施し、ブロック1052のように、作物120の異なるセクションおよびサブセクションにおける圧力をマッピングする。ブロック1054で、品質および価値分析1050は、圧力変化の軌道を追跡し、ブロック1056で、予期される平均外にあり、作物120内の劣化に相関することがある、作物120のセクションを表す出力データ190を提供し、ブロック1058で、圧力差による、容器102内の作物120の周辺と比較した作物120の中心における抵抗の低下を表す値を提供する。
【0147】
図10Dは、コンテナ102の履歴性能および物理的寸法に基づいて、水分マッピング1072、COマッピング1074、抵抗マッピング176、加圧マッピング1077、および独自モデル1078を組み合わせる、さらなる品質および価値分析1070を示す。図10Dのさらなる品質および価値分析1070は、経験的モデル1080および人工知能ベースのモデル1082の両方で、これら4つの要素をモデル化し、これらのモデルからの出力を組み合わせて等級および価値モデル1084とする。さらなる品質および価値分析1070は次に、経験的モデル1080と人工知能ベースのモデル1082との間の差1086を生成し、その差を人工知能ベースのモデル1082に返す。差1086を規定する入力1088は、作物120の等級、または品質、あるいは価値を含んでもよい。
【0148】
図11A図11Bは、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100内で実施されるさらなる分析を示すブロック図およびフローチャートである。図11Aは、価格推定分析1100を示し、図11Bは、容器チェック機能1150を示している。これらはそれぞれ、収穫後作物管理プラットフォーム100の出力使用例として実施されてもよい。
【0149】
図11Aの価格推定分析1100は、推奨価格1132に達する複数の評価を実施する。価格推定分析1100は、ブロック1102で、エリア内の同じタイプの他の作物に対する相対品質、ブロック1108で、同じエリア内の同じタイプの作物に対して受け取った価格、ブロック1104で、ローカルエリア内の同じタイプの他の作物に対する相対品質、ブロック1110で、同じローカルエリア内の同じタイプの作物に対して受け取った価格、ブロック1106で、同じ地域内の同じタイプの他の作物に対する相対品質、ブロック1112で、同じ地域内の同じタイプの作物に対して受け取った価格を評価する。価格比較モデル1118は、これらの値、ならびにブロック1114からの他の計算した変数、およびブロック1116のように、作物がコンテナ102に貯蔵される前の導き出された条件を入力する。
【0150】
比較モデル1118は次に、この情報をすべて、ハイパーローカルエリア1122、ローカルエリア1124、平均地域エリア1126、および地域エリアに将来性要因を加えたもの1128に対する入力を有してもよい、市場価格および装填/排出スケジュール1120と組み合わせ、これらの値を、品質、価値、および価格モデル1130に入力する。価格推定分析1100は次に、作物120に対する推奨価格1132を生成する。
【0151】
図11Bの容器チェック機能1150は、コンテナ102が診断機能を受けているというメッセージ1152で始まり、次に1154でマルチスタックアセンブリ106についてすべてのアクチュエータを一通り調べて容器条件を評価する。容器チェック機能1150は、ブロック1156で、すべてのアクチュエータを表す値のログを取り、予期される値の外にある値があればそれをハイライトする(1158)。容器チェック機能1150はまた、完全なログ1160をクラウドコンピューティング環境に送り、範囲の外にある値があればそれをハイライトする(1162)。時間とともに記録された感知情報、例えば容器全体のチェックの間に記録された温度は、ブロック1164でクラウドコンピューティング環境に送られ、ブロック1166でデータベースに組織化され、3シグマ範囲1168の外にある、または他の任意の予期される範囲1170の外にあるデータポイントがあればそれらが記録される。容器チェック機能1150は次に、任意のかかるデータポイントに対するトラブルシュートまたは警告メッセージ1172を開始し、修理、交換、またはトラブルシューティングの推奨1174を生成する。マルチスタックアセンブリに適正に機能していないバルブがあれば、修理または交換が行われていない場合に正しく働かない任意の構成要素を自動的に補正するのに、流体モデル化要素160の分析に対する入力として提供される。
【0152】
図12は、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100内で実施される分析、および具体的には、その出力使用例における天候推奨を生成する天候分析1200を示している。天候分析1200は、短期天候予報のための地理的データ1210、長期天候予報のための地理的データ1212、およびコンテナ102または分析されているコンテナ102の近くにある複数のコンテナから収集された局所的な天候のための地理的データ1214を組み込む。これらの入力に、予期されるドライダウン速度を補正する、過去年のドライダウン速度1216からのデータ、ローカルのドライダウン速度1218を得るための地理的データ、同じコンテナ102およびローカルコンテナ1220に対する過去年からのデータ、ならびにコンテナ102の物理的セットアップ(ファンの数、バルブの数、およびプレナム深さなど)に基づいた、また作物に関連する条件(成長条件-降雨パターン、成長度日、最大温度、作物の生育と比較した霜日、および品種など)に基づいた、独自要因1222が加えられる。
【0153】
このデータはすべて、作物120が収穫できる状態にあると仮定する、モデル1224に入力される。加えて、モデル1224は、乾燥戦略および販売日1226、ならびに天候条件1225を表す独自要因または重みに関して、ユーザ入力115を受け入れてもよい。それ以外の場合、モデルは販売期限を満たす乾燥戦略を生成する。天候分析1200は次に、利用可能な蓄積乾燥力1228を追加し、例えば、各日のまたはユーザ観測に基づいた、含水量の手動の適応1230を可能にする、さらなるユーザ入力115を可能にする。それにかかわらず、天候分析1200は次に、積極的1232(例えば、絶対湿度に基づいた日々の格付けによる)、中程度1234(例えば、ある期間にわたるプリセットされた閾値温度に基づいて収穫推奨を同期させる)、または消極的1236(暖かい低湿度の日々の後に、閾値温度値を下回る1つのプリセットされた時間周期が続く場合に警告する)のいずれかとして、天候に基づいて作物120の収穫の推奨を生成する。別の戦略は、最大の予期される乾燥能力を有する時間フレームを選択し、特定のポイントまで熱を補給し、次に比較的涼しい期間の間のみ乾燥を行って、作物を熱によって許容可能なレベルまで迅速に乾燥させて、次に比較的涼しいが許容可能な乾燥能力を有する空気で作物を乾燥することのみによって、熱が補給されてもされなくてもよい(例えば、比較的乾燥した涼しい夜を選択し、ただし非常にわずかな熱のみを補給して、乾燥能力を増加させることによる)最大貯蔵時間を可能にすることによる、最大貯蔵時間を包含してもよい。
【0154】
API要素
本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100へのアクセスは、1つまたは複数のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を通して提供されてもよい。本発明は、例えば、入力データ110の特定のフォームを取り込むことができるように、または出力データ190のカスタマイズされた使用ができるように、APIの多くのレイヤが収穫後作物管理プラットフォーム100内で利用されてもよいことを想起する。APIの1つのレイヤは、入力データ110のフィードを収穫後作物管理プラットフォーム100自体と接続するのに利用されてもよく、例えば、異なるタイプの入力データ110が、異なるフォーマットおよび内容を有する場合、または異なるソースから取り込まれる場合、異なるAPIが各タイプの入力データ110に対して提供されてもよい。APIは、例えば、特定のフォーマットまたは特定のフォーマットからの変換を要する、特定のタイプの情報を取り入れるためのデータ収集要素146の特定のサブ要素として、その各実現例に対して具体的に構成されたAPI要素によって管理されてもよく、データ収集要素142自体を、入力データ110を取り込むように構成されたAPIのレイヤと考えてもよい。
【0155】
APIのさらなるレイヤは、機械学習モデル化エンジン170の特定の部分に対する特定の情報を取り込むのに利用されてもよい。例えば、データ収集要素142は、APIを介して履歴情報を獲得してもよく、APIはこの情報を、1つまたは複数のニューラルネットワーク176によって実施される処理に直接提供し、収穫後作物管理プラットフォーム100の様々なデータ処理要素144におけるさらなる分析のため、かかる履歴データから情報を抽出する。
【0156】
APIはまた、例えば、リアルタイム動作メッセージまたは状態メッセージを通信するため、収穫後作物管理プラットフォーム100内でメッセージングできるようにするのに利用されてもよい。APIはまた、専門制御アルゴリズム164の実施中、および/またはマルチスタックアセンブリ182の駆動中に行われる活動をモニタリングするのに、また情報の、例えば動作状態のダッシュボードを作成し表示するのに利用されてもよい。
【0157】
APIのさらなるレイヤが出力データ190のために提供されてもよい。1つまたは複数のAPIは、上述した出力データ190の後続の形態を可能にするように展開されてもよい。例えば、第三者は、かかるAPIを利用して、カスタマイズされた報告を生成しエクスポートする、規制要件に準拠する、推奨、リスク評価、もしくは警告を生成する、または独自の企業固有のアプリケーションを展開するなど、出力データ190の自身の後続の使用を展開してもよい。APIはまた、サポートツール148を介して、インターフェースをカスタマイズできるように提供されてもよい。
【0158】
自律的圃場活動の他の実施形態
上述したように、本発明の収穫後作物管理プラットフォーム100は、ともに自律的圃場ならびに農業活動および動作を含む複数の他の要素と簡単に統合する、より広範な農業生態系の中の要素としてみなされてもよい。したがって、本明細書で考察する実施形態は一般に、農業生態系の他の任意の部分またはその先のもの(例えば、配送コンテナ)よりも、コンテナ102内で起こることに焦点を当てているが、本発明の他の多くの実現例が可能である。
【0159】
例えば、収穫後作物管理プラットフォーム100は、農業機器およびそれに搭載するハードウェアおよびソフトウェアの実現例(例えば、トラクター、噴霧器、コンバイン、穀物カートもしくはトラック、ドローン、灌漑システムなど)と統合して、例えば、作物タイプ121、植付け日123、収穫日125、作物準備状態、圃場内作物水分レベル、栄養素適用、圃場および土壌条件に関連する情報、ならびにかかる機器によって収集される他の任意の情報など、選択された作物特性116を調節するための、モデル化フレームワークに関連するデータを収集してもよい。
【0160】
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、コンテナ装填および排出機器と統合してもよい。例えば、コンテナ102の装填中、収穫後作物管理プラットフォーム100は、トラックもしくは湿式保存コンテナに対する開始/停止信号、オージェとして知られるコンテナを充填するためのコンベヤシステムをオン・オフするかもしくは速度を上下する信号、コンテナ102内の作物の量に関する信号(さらなる例として、特定のコンテナ内で貸与に利用可能なスペースを市場で売るのに使用されてもよい)、あるいは逆に、コンテナ102が満杯のときの警告を含む信号など、出力データ190の一部としての、1つもしくは複数の信号または命令191を生成し送信するように構成されてもよい。収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、例えば、そのときの頂部セクションのみを通気し、装填機器を新たな穀物のために圃場に戻すことによって、装填機器を動作させるシステムと統合してもよい。
【0161】
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、例えば、(「脚」(バケットエレベータもしくは他の何らかのタイプのエレベータおよび運搬システム)を使用するなどして)作物120を移動させて、周辺もしくは衛星コンテナ、または異なる乾燥能力を有する一時的トラック/パイルを充填して、所望の時間窓内で所望の作物特性レベル117に達することを担保するため、進行中の作物乾燥状態を他の機器に通信することによって、他のシステムと統合してもよい。
【0162】
収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、例えば、所望の作物特性レベル117が指定範囲内にあるとき(または作物120の予想価格が指定範囲内にあるとき)、排出機器に対する命令191または信号を通信するのにさらに使用されてもよい、推奨または警告192が、農業従事者、栽培者、または管理者に対して生成されてもよいように、容器内条件または作物120の複数のセクション内の条件をモニタリングして、価格信号を識別することによって、他のシステムと統合してもよい。さらになお、収穫後作物管理プラットフォーム100はまた、通気床部に位置する掃除オージェを自動的に始動/停止し、掃引オージェを自動的に稼働し、スタックを自動的に上下させて掃引オージェが通れるようにし、また空気圧バイブレータを稼働させて壁およびスタックをきれいにする、命令191および/または信号を通信することによって、コンテナの中身を一掃する他のシステム(例えば、通気床部)と統合してもよい。かかる命令191および/または信号はさらに、例えば、1つの掃除トラックが満杯のときは別の掃除トラックに指令するため、掃除機器と協働するように適用されてもよい。
【0163】
本明細書の態様はまた、以下の実施形態によって説明されてもよい。
【0164】
1.作物に近接して位置付けられるかまたは作物に埋め込まれ、作物を収容するコンテナの内部にあるかまたはコンテナに近接する、コンテナ内の作物の複数のセクションにおける相対湿度および温度のうち少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを少なくとも含む、複数のセンサから収集した情報を、入力データとして受信することと、
1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに複数のデータ処理要素を実行させて、コンテナ内に位置付けられた複数のスタックでマルチスタックアセンブリが構成された、作物の複数のセクションにおける選択された作物特性を調節する、1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、複数のデータ処理要素において入力データを分析することであって、
コンテナ内の流出物から取った相対湿度の少なくとも1つを測定すること、または各セクションにおける作物の温度を測定すること、および少なくとも測定された相対湿度または測定された温度に基づいて、作物の所望の作物特性レベルを達成する1つまたは複数のパラメータを識別することによって、作物の条件をサンプリングすること、
作物の各セクションに対する選択された作物特性の値を計算して、コンテナ内の作物の複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを表すサンプリング行列を作成すること、
サンプリング行列から作物の複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された、質量モデルの1つまたは複数の入力を生成すること、ならびに
1つまたは複数の質量フローに基づいて作物の各セクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用を決定して、所望の作物特性レベルを達成する、作物の複数のセクションに対する流体フローの少なくとも1つのシーケンスを決定すること、によって、複数のデータ処理要素において入力データを分析することと、
作物の少なくとも1つのセクションにわたって所望の作物特性レベルを達成する、流体フローの少なくとも1つのシーケンスを適用して、マルチスタックアセンブリを駆動することと、を含む、方法。
【0165】
2.入力データが、作物に関する1つまたは複数のユーザ入力をさらに含み、1つまたは複数のユーザ入力が、予想開始作物特性レベルを含む初期含水量値、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値、作物収穫日、および作物収穫日を越える作物の貯蔵に対する時間的限界を規定する予想作物販売日を含む、請求項1に記載の方法。
【0166】
3.サンプリング行列に基づいて選択された作物特性をマッピングすることをさらに含み、選択された作物特性が、作物の含水量、作物の温度、作物の圧力、作物中の二酸化炭素のガス放出のうち1つまたは複数である、請求項1に記載の方法。
【0167】
4.流体フローが、少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【0168】
5.サンプリング行列から作物の複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された質量モデルが、乾燥パラメータを表す1つまたは複数の動的ブロックを含むブロック指向モデルを供給する、請求項1に記載の方法。
【0169】
6.ブロック指向モデルにおける動的ブロックの出力、および作物中で実施される実際の乾燥プロセスからの経験的データが、質量モデルに対する入力である1つまたは複数のニューラルネットワークにおける乾燥パラメータを自動的に計算し更新するように適用される、請求項5に記載の方法。
【0170】
7.1つまたは複数の流体フローパターンの適用が複数のアルゴリズムによって実行され、複数のアルゴリズムが、
システムチェックプロトコル、マルチスタックアセンブリのベントおよびゲートアセンブリを開閉して、機能性をチェックしデブリを噴出させること、掃引オージェに応答してスタックを上下させること、およびプレナムチャンバを空にして、プレナムを通して作物まで流体送達できるようにすることのうち少なくとも1つを実施することによって、作物を充填するコンテナを準備すること、
作物を事前乾燥して、作物の中心セクションおよび作物の頂部セクションを含む、作物のセクションのうち1つまたは複数の、流体フローに対する抵抗を低減すること、
作物を乾燥して、作物の複数のセクションに対して、選択された作物特性を所望の作物特性レベルに変更すること、
選択された作物特性が所望の作物特性レベルに達すると、作物を通気して、コンテナ内の作物の各セクションにわたって所望の作物特性レベルを均等化し維持すること、ならびに
作物の貯蔵または輸送のための作物特性から、作物がコンテナから除去される前の市場配置にとって所望の作物特性へと作物を再調整して、作物の価値を最大限にすること、のうち少なくとも1つを実施するように構成された、請求項1に記載の方法。
【0171】
8.システムチェックプロトコルが、マルチスタックアセンブリの校正、センサのうち1つまたは複数の校正、マルチスタックアセンブリの自己治癒、および1つまたは複数のセンサの自己治癒のうち少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【0172】
9.1つまたは複数の流体フローパターンの適用が、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを作物へと方向付けて、選択された作物特性を調節することを含む、請求項1に記載の方法。
【0173】
10.入力データが、コンテナが位置する地理的位置に対する、履歴圃場レベル天候データおよび拡張範囲天候予報データのうち一方または両方を含む気象情報をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【0174】
11.コンテナ内の作物の複数のセクションにおける選択された作物特性を調節するシステムであって、
作物に近接して位置付けられるかまたは作物に埋め込まれ、作物を収容するコンテナの内部にあるかまたはコンテナに近接する、コンテナ内の作物の複数のセクションにおける相対湿度および温度のうち少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを少なくとも含む、複数のセンサから収集した情報で構成される入力データを受信するように構成されたデータ収集要素と、
1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに複数のデータ処理要素を実行させるように構成された、作物特性および流体フローモデル化要素であって、
コンテナ内の流出物から取った相対湿度の少なくとも1つを測定すること、または各セクションにおける作物の温度を測定すること、および少なくとも測定された相対湿度および測定された温度に基づいて、作物の所望の作物特性レベルを達成する1つまたは複数のパラメータを識別することによって、作物の条件をサンプリングし、
コンテナの各セクションに対する選択された作物特性の値を計算して、コンテナ内の作物の複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを表すサンプリング行列を作成し、
サンプリング行列から作物の複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された、質量モデルの1つまたは複数の入力を生成し、ならびに
1つまたは複数の質量フローに基づいて作物の各セクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用を決定して、所望の作物特性レベルを達成する、作物の複数のセクションに対する流体フローの少なくとも1つのシーケンスを決定する、作物特性および流体フローモデル化要素と、
コンテナ内に位置付けられた複数のスタックで構成されるマルチスタックアセンブリを駆動して、作物の少なくとも1つのセクションにわたって所望の作物特性レベルを達成する、流体フローの少なくとも1つのシーケンスを適用するように構成された、スタック駆動要素と、を備えるシステム。
【0175】
12.入力データが、作物に関する1つまたは複数のユーザ入力をさらに含み、1つまたは複数のユーザ入力が、予想開始作物特性レベルを含む初期含水量値、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値、作物収穫日、および作物収穫日を越える作物の貯蔵に対する時間的限界を規定する予想作物販売日を含む、請求項11に記載のシステム。
【0176】
13.作物特性および流体フローモデル化要素が、サンプリング行列に基づいて選択された作物特性をマッピングするようにさらに構成され、選択された作物特性が、作物の含水量、作物の温度、作物の圧力、作物中の二酸化炭素のガス放出のうち1つまたは複数である、請求項11に記載のシステム。
【0177】
14.流体フローが、少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項11に記載のシステム。
【0178】
15.サンプリング行列から作物の複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析するように構成された質量モデルが、乾燥パラメータを表す1つまたは複数の動的ブロックを含むブロック指向モデルを供給する、請求項11に記載のシステム。
【0179】
16.ブロック指向モデルにおける動的ブロックの出力、および作物中で実施される実際の乾燥プロセスからの経験的データが、質量モデルに対する入力である1つまたは複数のニューラルネットワークにおける乾燥パラメータを自動的に計算し更新するように適用される、請求項15に記載のシステム。
【0180】
17.1つまたは複数の流体フローパターンの適用が複数のアルゴリズムによって実行され、複数のアルゴリズムが、
システムチェックプロトコル、マルチスタックアセンブリのベントおよびゲートアセンブリを開閉して、機能性をチェックしデブリを噴出させること、掃引オージェに応答してスタックを上下させること、およびプレナムチャンバを空にして、プレナムを通して作物まで流体送達できるようにすることのうち少なくとも1つを実施することによって、作物を充填するコンテナを準備すること、
作物を事前乾燥して、作物の中心セクションおよび作物の頂部セクションを含む、作物のセクションのうち1つまたは複数の、流体フローに対する抵抗を低減すること、
作物を乾燥して、作物の複数のセクションに対して、選択された作物特性を所望の作物特性レベルに変更すること、
選択された作物特性が所望の作物特性レベルに達すると、作物を通気して、コンテナ内の作物の各セクションにわたって所望の作物特性レベルを均等化し維持すること、
作物の貯蔵または輸送のための作物特性から、作物がコンテナから除去される前の市場配置にとって所望の作物特性へと作物を再調整して、作物の価値を最大限にすること、のうち少なくとも1つを実施するように構成された、請求項11に記載のシステム。
【0181】
18.システムチェックプロトコルが、マルチスタックアセンブリの校正、センサのうち1つまたは複数の校正、マルチスタックアセンブリの自己治癒、および1つまたは複数のセンサの自己治癒のうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【0182】
19.1つまたは複数の流体フローパターンの適用が、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを作物へと方向付けて、選択された作物特性を調節することを含む、請求項11に記載のシステム。
【0183】
20.入力データが、コンテナが位置する地理的位置に対する、履歴圃場レベル天候データおよび拡張範囲天候予報データのうち一方または両方を含む気象情報をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【0184】
21.1つまたは複数のプロセッサとプログラム命令が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含むコンピューティング環境内で、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、機能を実施するための複数のデータ処理要素を実行させ、機能が、
作物に近接して位置付けられるかまたは作物に埋め込まれ、作物を収容するコンテナの内部にあるかまたはコンテナに近接する、コンテナ内の作物の複数のセクションにおける相対湿度および温度のうち少なくとも1つを感知するように構成されたセンサを少なくとも含む、複数のセンサから収集した入力データを分析することによって、コンテナ内の作物の複数のセクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用をモデル化して、作物の複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを展開することであって、
コンテナ内の流出物から取った相対湿度の少なくとも1つを測定し、または各セクションにおける作物の温度を測定し、および少なくとも測定された相対湿度および測定された温度に基づいて、作物の所望の作物特性レベルを達成する1つまたは複数のパラメータを識別すること、
作物の各セクションに対する選択された作物特性の値を計算することによって、コンテナ内の作物の複数のセクションにわたる選択された作物特性のプロファイルを表すサンプリング行列を作成すること、
サンプリング行列から生成された1つまたは複数の入力を有する、作物の複数のセクションにわたる1つまたは複数の質量フローを分析する質量モデルを構成すること、ならびに
質量モデルを適用して、1つまたは複数の質量フローに基づいて作物の各セクションに適用する1つまたは複数の流体フローパターンを識別し、所望の作物特性レベルを達成する、作物の複数のセクションに対する流体フローの少なくとも1つのシーケンスを決定すること、によって、選択された作物特性のプロファイルを展開することと、
コンテナ内に位置付けられた少なくとも1つのスタックで構成されるマルチスタックアセンブリを駆動することによって、流体フローの少なくとも1つのシーケンスを適用する際に選択された作物特性レベルを調節して、作物の少なくとも1つのセクションにわたって所望の作物特性レベルを達成することと、で構成される、方法。
【0185】
22.入力データが、作物に関する1つまたは複数のユーザ入力をさらに含み、1つまたは複数のユーザ入力が、予想開始作物特性レベルを含む初期含水量値、腐敗しにくい作物特性レベルを含む貯蔵含水量値、販売に適した作物特性レベルを含む市場含水量値、作物収穫日、および作物収穫日を越える作物の貯蔵に対する時間的限界を規定する予想作物販売日を含む、請求項21に記載の方法。
【0186】
23.作物の複数のセクションに対する1つまたは複数の流体フローパターンの適用をモデル化することが、サンプリング行列に基づいて選択された作物特性をマッピングすることをさらに含み、選択された作物特性が、作物の含水量、作物の温度、作物の圧力、作物中の二酸化炭素のガス放出のうち1つまたは複数である、請求項21に記載の方法。
【0187】
24.流体フローが、少なくとも1つのスタックに位置付けられた1つまたは複数のバルブアセンブリから作物へと方向付けられ、各バルブアセンブリが、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントで構成され、排気インターバルおよびプルームインターバルが、少なくとも1つのスタックの各ベントアセンブリにおいて、少なくとも1つのゲートおよび少なくとも1つのベントを選択的に開閉することによって達成される、請求項21に記載の方法。
【0188】
25.質量モデルが、乾燥パラメータを表す1つまたは複数の動的ブロックを含むブロック指向モデルを供給する、請求項21に記載の方法。
【0189】
26.ブロック指向モデルにおける動的ブロックの出力、および作物中で実施される実際の乾燥プロセスからの経験的データが、質量モデルに対する入力である1つまたは複数のニューラルネットワークにおける乾燥パラメータを自動的に計算し更新するように適用される、請求項25に記載の方法。
【0190】
27.作物の各セクションに適用するための1つまたは複数の流体フローパターンが複数のアルゴリズムによって実行され、複数のアルゴリズムが、
システムチェックプロトコル、マルチスタックアセンブリのベントおよびゲートアセンブリを開閉して、機能性をチェックしデブリを噴出させること、掃引オージェに応答してスタックを上下させること、およびプレナムチャンバを空にして、プレナムを通して作物まで流体送達できるようにすることのうち少なくとも1つを実施することによって、作物を充填するコンテナを準備すること、
作物を事前乾燥して、作物の中心セクションおよび作物の頂部セクションを含む、作物のセクションのうち1つまたは複数の、流体フローに対する抵抗を低減すること、
作物を乾燥して、作物の複数のセクションに対して、選択された作物特性を所望の作物特性レベルに変更すること、
選択された作物特性が所望の作物特性レベルに達すると、作物を通気して、コンテナ内の作物の各セクションにわたって所望の作物特性レベルを均等化し維持すること、ならびに
作物の貯蔵または輸送のための作物特性から、作物がコンテナから除去される前の市場配置にとって所望の作物特性へと作物を再調整して、作物の価値を最大限にすること、のうち少なくとも1つを実施するように構成された、請求項21に記載の方法。
【0191】
28.システムチェックプロトコルが、マルチスタックアセンブリの校正、センサのうち1つまたは複数の校正、マルチスタックアセンブリの自己治癒、および1つまたは複数のセンサの自己治癒のうち少なくとも1つを含む、請求項27に記載の方法。
【0192】
29.選択された作物特性レベルを調節することが、大気、加熱空気、冷却空気、エチレン、窒素、および懸濁粒子または化学物質のうち少なくとも1つを作物へと方向付けて、選択された作物特性を調節することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【0193】
30.入力データが、コンテナが位置する地理的位置に対する、履歴圃場レベル天候データおよび拡張範囲天候予報データのうち一方または両方を含む気象情報をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【0194】
本発明のシステムおよび方法は、多くの異なるコンピューティング環境140で実現されてもよい。例えば、データ処理要素144に埋め込まれた様々なアルゴリズムは、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラおよび周辺集積回路要素、ASICもしくは他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、個別素子回路などの電子もしくは論理回路類、PLD、PLA、FPGA、PAL、GPU、および他の任意の同等の手段などのプログラマブル論理デバイスもしくはゲートアレイと併せて実現されてもよい。さらにまた、本発明は、クラウドベースのデータ処理環境で、大量のデータを処理するのに1つまたは複数のタイプのサーバが使用される場合、ならびにCPU(中央処理装置)、GPU(グラフィック処理装置)、TPU(テンソル処理装置)、および他の同様のハードウェアなどの処理構成要素を使用して実現されてもよい。一般に、本明細書で例証する方法論を実現する任意の手段は、本発明の様々な態様を実現するのに使用することができる。本発明に使用することができる例示的なハードウェアとしては、コンピュータ、手持ちデバイス、電話(例えば、セルラ、インターネット対応、デジタル、アナログ、ハイブリッド、およびその他)、ならびに他のかかるハードウェアが挙げられる。これらのデバイスの一部としては、プロセッサ(例えば、単一もしくは複数のマイクロプロセッサ、または汎用処理装置)、メモリ、不揮発性ストレージ、入力デバイス、および出力デバイスが挙げられる。さらに、分散処理、並列処理、または仮想マシン処理を含むがそれらに限定されない代替のソフトウェア実装も、本明細書に記載する方法を実施するように構成することができる。
【0195】
本発明のシステムおよび方法はまた、コントローラおよびメモリと協働するプログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサなどで実行される、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納することができる、ソフトウェアの形で全体的または部分的に実現されてもよい。これらの例では、本発明のシステムおよび方法は、アプレット、JAVA.RTM、またはCGIスクリプトとして、1つもしくは複数のサーバまたはコンピュータワークステーションに常駐するリソースとして、専用測定システム、システム構成要素などに埋め込まれたルーチンとして、かかる媒体を通して、モバイルデバイスまたはパーソナルコンピュータに埋め込まれたプログラムとして実現することができる。システムはまた、システムおよび/または方法を、ソフトウェアおよび/またはハードウェアシステムに物理的に組み込むことによって実現することができる。
【0196】
加えて、本明細書に記載するデータ処理機能は、かかるメモリに格納されるかまたはそれによって実行される、1つまたは複数のプログラム命令によって実施されてもよく、さらに、それらのプログラム命令を実施するように構成された1つまたは複数のモジュールによって実施されてもよい。モジュールは、任意の知られている、または今後展開されるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、機械学習、人工知能、ファジー論理、専門システム、または本明細書に記載するデータ処理の機能性を実施することができるハードウェアとソフトウェアの組み合わせを指すものとする。
【0197】
例示的実施形態の上述の開示は、例示および説明の目的で提示してきたものである。その記載は、排他的であることを意図するものではなく、または開示する正確な形態に本発明を限定しようとするものではない。したがって、上述の教示に照らして、多くの変更、修正、および変形が可能であり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者によって、変更、修正、および変形が行われてもよい。例えば、収穫後作物管理プラットフォームは、いずれのハードウェアシステムとも独立して、スタンドアロン型ソフトウェアアプリケーションとして、またはサービスとしてのソフトウェアとして提供されてもよい。あるいは、収穫後作物管理プラットフォームは、マルチスタックアセンブリ106など、特定のハードウェアシステムと併せて実現されてもよいが、収穫後作物管理プラットフォームは任意の特定のハードウェアに依存せず、またしたがって、かかるハードウェアを備える1つまたは複数のアセンブリの構成にかかわらず、任意のタイプのハードウェアを用いて実現されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されないものとする。例えば、請求項の要素が特定の組み合わせで以下に説明されるという事実にかかわらず、本発明は、かかる組み合わせで最初に特許請求されない場合であっても上記に開示される、より少数の、より多数の、または異なる要素の他の組み合わせを含むことが、明示的に理解されるべきである。
【0198】
本発明およびその様々な実施形態を記載するのに本明細書で使用される単語は、それらの一般に定義された意味だけではなく、本明細書における特別な定義による、一般に定義された意味の範囲を越える構造、材料、または行為を含むことが理解されるべきである。したがって、本明細書の文脈において、2つ以上の意味を含むものとしてある要素を理解することができる場合、請求項におけるその使用は、本明細書および単語自体によって支持されるすべての可能な意味の総称であるものと理解されなければならない。
【0199】
したがって、以下の特許請求の範囲における単語または要素の定義は、本明細書では、逐語的に説明される要素の組み合わせだけではなく、実質的に同じ結果を得るために実質的に同じやり方で実質的に同じ機能を実施するための、等価の構造、材料、または行為のすべてを含むものと規定される。この意味では、したがって、2つ以上の要素の等価の置換が、以下の特許請求の範囲における要素のいずれに対しても行われてもよく、または単一の要素が請求項において2つ以上の要素に置き換えられてもよいことが想起される。要素は、特定の組み合わせで作用するものとして上記に記載され、さらにはそのように最初に請求されることがあるが、請求される組み合わせからの1つまたは複数の要素は、場合によっては、その組み合わせから削除される場合があり、請求される組み合わせは下位の組み合わせまたは下位の組み合わせの変形例を対象としてもよい、ということが明確に理解されるべきである。
【0200】
当業者から見た場合の、現在知られているかまたは今後改変される、請求される主題からの実体のない変更は、特許請求の範囲内で等価であるものとして明示的に想起される。したがって、当業者に現在知られているかまたは今後知られる明確な置換は、規定される要素の範囲内にあるものと規定される。
【0201】
したがって、特許請求の範囲は、上記に具体的に例証され記載されるもの、概念的に等価なもの、明確に置換できるもの、および本発明の本質的発想を本質的に組み込むものを含むと理解されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
【国際調査報告】