(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】カプシドバリアント及びそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
C07K 14/015 20060101AFI20240718BHJP
C12N 15/35 20060101ALI20240718BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20240718BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240718BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240718BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240718BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C07K14/015 ZNA
C12N15/35
C12N15/864 100Z
A61K35/76
A61K31/7088
A61K48/00
A61P27/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577586
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 US2022034057
(87)【国際公開番号】W WO2022266483
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523455013
【氏名又は名称】ダイノ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン・ラパン
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・レヴィティン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084MA58
4C084MA66
4C084NA13
4C084ZA33
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA58
4C086MA66
4C086NA13
4C086ZA33
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087MA58
4C087MA66
4C087NA13
4C087ZA33
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA01
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、一部には、ペイロードを送達するために使用することができるバリアントカプシドポリペプチドを対象とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%又は100%の同一性を有するポリペプチドを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項2】
前記バリアントが、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4(AAV2)のポリペプチドと同じ血清型である、請求項1に記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項3】
前記バリアントが、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4(AAV2)のポリペプチドと比較して異なる血清型である、請求項1に記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項4】
前記ポリペプチドが、配列番号1のバリアントを含み、前記バリアントカプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、585、586、587、588、589、590、591、593、597、600、608の1つ以上の位置における変異に対応する変異を含み、任意選択的に、前記変異が、挿入、欠失、又は置換を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項5】
前記カプシドポリペプチドが、
配列番号1と比較して位置585における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置586における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置587における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置588における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置589における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置590における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置591における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置593における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置597における変異に対応する変異、
配列番号1と比較して位置600における変異に対応する変異、又は
配列番号1と比較して位置608における変異に対応する変異を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項6】
前記カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、位置585、588、589、590、593、597、及び608における変異に対応する1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は全ての変異)を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項7】
前記カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、位置585、586、587、588、589、590、591、593、及び600における変異に対応する1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は全ての変異)を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項8】
前記カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、位置585、588、590、591、及び597における変異に対応する1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は全ての変異)を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項9】
前記カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、R585V、R588T、Q589G、A590P、A593G、T597I、及びD608Nの1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は全ての変異)を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項10】
前記カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、R585S、G586S、N587I、R588T、Q589A、A590P、A591G、A593G、及びV600Cの1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は全ての変異)を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項11】
前記カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、R585N、R588T、A590P、A591T、及びT597Hの1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は全ての変異)を含む、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項12】
バリアントカプシドポリペプチドであって、(a)配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4のうちのいずれか1つのポリペプチド、(b)配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4のうちのいずれか1つのVP2若しくはVP3配列、(c)それに対して(例えば、(a)若しくは(b)のポリペプチドに対して)少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、配列番号1に対して、配列番号2~配列番号4のうちのいずれかに関連する変異のうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、若しくはそれより多く、例えば、全て)を含む、ポリペプチド、又は(d)(a)若しくは(b)のポリペプチドに対して、少なくとも1個であるが、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、3個以下、若しくは2個以下のアミノ酸変異を有するポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、配列番号1に対して、配列番号2~配列番号4のうちのいずれかに関連する変異のうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、若しくはそれより多く、例えば、全て)を含む、ポリペプチドを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項13】
各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドに対して少なくとも、又は約95、96、97、98又は99%同一であり、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項14】
各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約20個の変異を有し、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項15】
各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約10個の変異を有し、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項16】
各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約5個の変異を有し、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項17】
配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2又はVP3配列を含む、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項18】
配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2又はVP3配列からなる、バリアントカプシドポリペプチド。
【請求項19】
前記バリアントカプシドポリペプチドが、VP1ポリペプチド、VP2ポリペプチド又はVP3ポリペプチドである、先行請求項のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチドをコードする、核酸分子。
【請求項21】
前記核酸分子が、配列番号5、6、7の配列、その断片、又はそれらに対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、若しくは100%の配列同一性を有するそれらのバリアントを含む、請求項20に記載の核酸分子。
【請求項22】
前記その断片が、VP2カプシドポリペプチド又はVP3カプシドポリペプチドをコードする、請求項21に記載の核酸分子。
【請求項23】
請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含むか、又は請求項20~22のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、ウイルス粒子(例えば、アデノ随伴ウイルス(「AAV」)粒子)。
【請求項24】
ペイロード(例えば、異種導入遺伝子)及び1つ以上の調節要素を含む核酸を含む、請求項23に記載のウイルス粒子。
【請求項25】
前記ウイルス粒子が、例えば、本明細書に記載のように、例えば、マウス又はNHPにおいて測定される場合、野生型AAV2(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むか、又は配列番号8によってコードされる、ウイルス粒子)に対して、増加した眼形質導入を示す、請求項23又は24に記載のウイルス粒子。
【請求項26】
前記増加した眼形質導入が、増加した網膜形質導入である、請求項25に記載のウイルス粒子。
【請求項27】
前記増加した眼形質導入が、全身(例えば静脈内)投与の後に示される、請求項25又は26に記載のウイルス粒子。
【請求項28】
前記核酸分子が、二本鎖又は一本鎖であり、前記核酸分子が、直鎖又は環状であり、例えば、前記核酸分子が、プラスミドである、請求項20~22のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項29】
バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子を生成する方法であって、前記方法が、請求項20~22又は28のいずれか一項に記載の核酸分子を細胞(例えば、HEK293細胞)に導入することと、それらから前記ウイルス粒子を回収することと、を含む、方法。
【請求項30】
細胞にペイロード(例えば、核酸)を送達する方法であって、前記細胞を、(a)請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチド及びペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子、又は(b)請求項24~27のいずれか一項に記載のウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
【請求項31】
前記細胞が、眼細胞である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記眼細胞が、網膜内にある、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
対象にペイロード(例えば、核酸)を送達する方法であって、前記対象に、請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチド及び前記ペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を投与すること、又は前記対象に、請求項24~27のいずれか一項に記載のウイルス粒子を投与することを含む、方法。
【請求項34】
前記ウイルス粒子が、前記ペイロードを眼に送達する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ウイルス粒子が、前記ペイロードを網膜に送達する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ウイルス粒子が、全身(例えば、静脈内)投与によって、又は眼動脈への直接的な静脈内投与によって投与される、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ウイルス粒子(例えば、前記バリアントカプシドポリペプチドを含む前記ウイルス粒子)が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、前記眼の1つ以上の領域における増加した形質導入を伴って、前記ペイロードを前記眼に送達する、請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチド、請求項33~37のいずれか一項に記載のウイルス粒子、又は請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記眼の前記1つ以上の領域が、前記網膜であり、前記網膜が、非黄斑網膜を含む、請求項37に記載のバリアントカプシドポリペプチド、ウイルス粒子、又は方法。
【請求項39】
前記ウイルス粒子(例えば、前記バリアントカプシドポリペプチドを含む前記ウイルス粒子)が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、前記眼の1つ以上の領域における増加した形質導入を伴って、前記ペイロードを前記眼に送達し、前記形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、150倍、200倍、又は250倍大きい、請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチド、請求項23~27のいずれか一項に記載のウイルス粒子、又は請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ウイルス粒子(例えば、前記バリアントカプシドポリペプチドを含む前記ウイルス粒子)が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、前記眼の1つ以上の領域における増加した形質導入特異性を伴って、前記ペイロードを前記眼に送達し、前記形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、200倍、500倍、又は1000倍大きく、前記形質導入の増加が、非黄斑網膜に特異的である、請求項1~19のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチド、請求項23~27のいずれか一項に記載のウイルス粒子、又は請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記対象への前記投与が、全身(例えば、静脈内)投与を介して、又は前記眼動脈への直接的な静脈内投与による、請求項29~40のいずれか一項に記載のバリアントカプシドポリペプチド、ウイルス粒子、又は方法。
【請求項42】
対象における疾患又は状態を治療する方法であって、前記対象に、前記疾患又は状態を治療するのに有効な量でディペンドパルボウイルス粒子を投与することを含み、前記ディペンドパルボウイルス粒子が、請求項1~19のいずれか一項に記載のカプシドポリペプチドを含むか、若しくは請求項20、21、若しくは28のいずれか一項に記載の核酸によってコードされる、ウイルス粒子であるか、又は請求項23~27のいずれか一項に記載のウイルス粒子である、方法。
【請求項43】
対象におけるCNS及び/又は眼の疾患若しくは状態を治療する方法であって、前記対象に、前記疾患又は状態を治療するのに有効な量でディペンドパルボウイルス粒子を投与することを含み、前記ディペンドパルボウイルス粒子が、請求項1~19のいずれか一項に記載のカプシドポリペプチドを含むか、若しくは請求項20、21、若しくは28のいずれか一項に記載の核酸によってコードされる、ウイルス粒子であるか、又は請求項23~27のいずれか一項に記載のウイルス粒子であり、任意選択的に、前記疾患又は状態が、神経セロイドリポフスチン症(NCL)である、方法。
【請求項44】
請求項1~27又は37~41のいずれか一項に記載のカプシドポリペプチド、核酸分子、又はウイルス粒子を含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系。
【請求項45】
ディペンドパルボウイルス(例えば、アデノ随伴ディペンドパルボウイルス(AAV)粒子を作製する方法であって、
請求項20~22又は28のいずれかに記載の核酸を含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を提供することと、
前記ディペンドパルボウイルス粒子の生成に好適な条件下で、前記細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を育成することと、を含み、
それによって、前記ディペンドパルボウイルス粒子を作製する、方法。
【請求項46】
前記細胞、無細胞系、又は他の翻訳系が、第2の核酸分子を含み、前記第2の核酸分子が、前記ディペンドパルボウイルス粒子にパッケージングされ、前記第2の核酸が、ペイロード、例えば、治療生成物をコードする異種核酸配列を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
請求項20~22若しくは38のいずれかに記載の核酸が、請求項20~22若しくは28のいずれかに記載の核酸を含まないディペンドパルボウイルス粒子の生成を媒介する、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
請求項20~22若しくは38のいずれかに記載の核酸が、配列番号1をコードする核酸分子によって媒介される生成レベルの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、若しくは少なくとも100%、又は配列番号1をコードする核酸分子によって媒介される生成レベルよりも少なくとも10%大きく、少なくとも20%大きく、少なくとも50%大きく、又は少なくとも100%大きいレベルでディペンドパルボウイルス粒子の生成を媒介する、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
請求項23~27若しくは37~41のいずれか一項に記載のウイルス粒子、又は請求項29若しくは45~48のいずれか一項に記載の方法によって生成されるウイルス粒子と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物、例えば、薬学的組成物。
【請求項50】
対象における疾患又は状態を治療する際に使用するための、請求項1~19のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド、請求項20~22若しくは28のいずれかに記載の核酸分子、又は請求項23~27若しくは37~41のいずれかに記載のウイルス粒子。
【請求項51】
対象における疾患又は状態を治療する際に使用するための医薬の製造に使用するための、請求項1~19のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド、請求項20~22若しくは28のいずれかに記載の核酸分子、又は請求項23~27若しくは37~41のいずれかに記載のウイルス粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、2021年6月18日に出願された米国仮出願第63/202,639号に対する優先権を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出されている配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年6月15日に作成された当該ASCIIコピーは、257394_001102_ST25.txtという名称であり、81,512バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
ディペンドパルボウイルス、例えば、アデノ随伴ディペンドパルボウイルス、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)は、ヒト対象を含む細胞に様々なペイロードを送達するためのベクターとして興味深いものである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、一部には、改善されたバリアントディペンドパルボウイルスカプシドタンパク質(例えば、AAV2のバリアント)、例えば、VP1、VP2及びVP3カプシドタンパク質、ディペンドパルボウイルスを生成する方法、それにおいて使用するための組成物、並びにそれらによって生成されるウイルス粒子を提供する。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子は、カプシドタンパク質中に変異を含まないウイルス粒子と比較して、増加した眼生体内分布及び/又は形質導入を有する。本開示は、バリアントカプシドポリペプチド、並びに静脈内投与後に眼組織(例えば、網膜組織)を驚くほど形質導入し、特に、本明細書に記載の変異を含まない他の類似のウイルス粒子よりも、静脈内投与後に眼組織をはるかに高いレベルの程度で形質導入する、そのようなバリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子を更に提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に提供されるバリアントカプシドタンパク質をコードする配列を含む核酸を対象とする。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルスは、アデノ随伴ディペンドパルボウイルス(AAV)である。いくつかの実施形態では、AAVは、AAV2、例えば、AAV2のバリアントである。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載のカプシドポリペプチドを対象とする。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸を含むディペンドパルボウイルス粒子を対象とする。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸を含むベクター、例えば、プラスミドを対象とする。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸(例えば、カプシドポリペプチド、例えば、VP1をコードする配列を含む核酸を含むディペンドパルボウイルス粒子であって、コード配列が、本明細書に提供される電荷又は変異を含む、ディペンドパルボウイルス粒子を対象とする。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%又は100%の同一性を有するポリペプチドを含むバリアントカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子を対象とする。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、配列番号5、配列番号6、又は配列番号7、その断片を含むか、又はそれらに対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、若しくは100%の配列同一性を有するそれらのバリアントを含む、核酸分子を対象とする。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸、例えば、カプシドポリペプチド、例えば、VP1ポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含むベクターであって、コード配列が、本明細書に提供される電荷又は変異を含む、ベクターを対象とする。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸若しくはベクターを含み、例えば、VP1などのカプシドポリペプチドをコードする配列を含み、カプシドポリペプチドコード配列が、コード配列において本明細書に提供される電荷又は変異を含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を対象とする。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を含み、例えば、本粒子は、カプシドポリペプチド、例えば、VP1ポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含み、コード配列が、本明細書に提供される電荷又は変異を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載のポリペプチドを含み、ポリペプチドコード配列が、本明細書に提供される電荷又は変異を含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を対象とする。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を含み、例えば、本粒子は、VP1ポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含み、VP1コード配列が、本明細書に提供されるような対応する電荷又は変異を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、細胞にペイロードを送達する方法であって、細胞を、本明細書に記載の核酸を含むディペンドパルボウイルス粒子と接触させることを含む、方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、細胞にペイロードを送達する方法であって、細胞を、本明細書に記載のカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子と接触させることを含む、方法を対象とする。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法であって、本明細書に記載の核酸(例えば、本明細書に提供されるAAV2カプシドバリアントをコードする配列を含む核酸)を含む細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を提供することと、ディペンドパルボウイルス粒子の生成に好適な条件下で、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を育成することと、を含み、それによって、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する、方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法を対象とする。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法であって、本明細書に記載のポリペプチドを含む細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を提供することと、ディペンドパルボウイルス粒子の生成に好適な条件下で、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を育成することと、を含み、それによって、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する、方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法を対象とする。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系で作製されたディペンドパルボウイルス粒子であって、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系が、本明細書で提供されるカプシドバリアントを含むディペンドパルボウイルスをコードする核酸を含む、ディペンドパルボウイルス粒子を対象とする。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、対象における疾患又は状態を治療する方法であって、対象に、疾患又は状態を治療するのに有効な量で本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を投与することを含む、方法を対象とする。
【0020】
以下の付番された実施形態を参照しながら、本発明が更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】眼の各領域で採取された組織の図。網膜(左及び中央の図)では、網膜の上部、鼻、下部、及び側頭部の領域のそれぞれからの末梢部及び中央の網膜試料を別々に採取し、黄斑も別々に採取した。各領域では、神経網膜及び脈絡膜/RPE層(中央の図)を別々に採取した。TM/SC領域(右の図)では、上部、側頭部、鼻、及び下部の試料を別々に採取した。
【
図2A】代表的な参照カプシドVP1ポリペプチドの多重配列アラインメント。そのようなアラインメントを使用して、異なる参照カプシドポリペプチド内の位置に対応するアミノ酸位置を決定することができる。
【
図2B】代表的な参照カプシドVP1ポリペプチドの多重配列アラインメント。そのようなアラインメントを使用して、異なる参照カプシドポリペプチド内の位置に対応するアミノ酸位置を決定することができる。
【
図2C】代表的な参照カプシドVP1ポリペプチドの多重配列アラインメント。そのようなアラインメントを使用して、異なる参照カプシドポリペプチド内の位置に対応するアミノ酸位置を決定することができる。
【0022】
列挙される実施形態
1.配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%又は100%の同一性を有するポリペプチドを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
2.バリアントが、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4(AAV2)のポリペプチドと同じ血清型である、実施形態1に記載のバリアントカプシドポリペプチド。
3.バリアントが、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4(AAV2)のポリペプチドと比較して異なる血清型である、実施形態1に記載のバリアントカプシドポリペプチド。
4.ポリペプチドが、配列番号1のバリアントを含み、バリアントカプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、585、586、587、588、589、590、591、593、597、600、608の1つ以上の位置における変異に対応する変異を含み、任意選択的に、変異が、挿入、欠失、又は置換を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
5.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置585における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
6.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置586における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
7.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置587における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
8.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置588における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
9.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置589における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
10.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置590における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
11.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置591における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
12.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置593における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
13.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置597における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
14.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置600における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
15.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して位置608における変異に対応する変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
16.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、位置585、588、589、590、593、597、及び608における変異に対応する1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は全ての変異)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
17.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、位置585、586、587、588、589、590、591、593、及び600における変異に対応する1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は全ての変異)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
18.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、位置585、588、590、591、及び597における変異に対応する1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は全ての変異)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
19.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、R585V、R588T、Q589G、A590P、A593G、T597I、及びD608Nの1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、又は全ての変異)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
20.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、R585S、G586S、N587I、R588T、Q589A、A590P、A591G、A593G、及びV600Cの1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、又は全ての変異)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
21.カプシドポリペプチドが、配列番号1と比較して、R585N、R588T、A590P、A591T、及びT597Hの1つ以上の変異(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は全ての変異)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
22.バリアントカプシドポリペプチドであって、(a)配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4のうちのいずれか1つのポリペプチド、(b)配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4のうちのいずれか1つのVP2若しくはVP3配列、(c)それに対して(例えば、(a)若しくは(b)のポリペプチドに対して)少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含むポリペプチドであって、当該ポリペプチドが、配列番号1に対して、配列番号2~配列番号4のうちのいずれかに関連する変異のうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、若しくはそれより多く、例えば、全て)を含む、ポリペプチド、又は(d)(a)若しくは(b)のポリペプチドに対して、少なくとも1個であるが、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、3個以下、若しくは2個以下のアミノ酸変異を有するポリペプチドであって、当該ポリペプチドが、配列番号1に対して、配列番号2~配列番号4のうちのいずれかに関連する変異のうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、若しくはそれより多く、例えば、全て)を含む、ポリペプチドを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
23.各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドに対して少なくとも、又は約95、96、97、98又は99%同一であり、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
24.各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約20個の変異を有し、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
25.各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約10個の変異を有し、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
26.各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約5個の変異を有し、VAR-1~VAR-3のうちのいずれかの全ての変異差を含む、VP1、VP2若しくはVP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む、バリアントカプシドポリペプチド。
27.配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2又はVP3配列を含む、バリアントカプシドポリペプチド。
28.配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2又はVP3配列からなる、バリアントカプシドポリペプチド。
29.バリアントカプシドポリペプチドが、VP1ポリペプチド、VP2ポリペプチド又はVP3ポリペプチドである、先行する実施形態のいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド。
30.実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチドをコードする、核酸分子。
31.核酸分子が、配列番号5、6、7の配列、その断片、又はそれらに対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、若しくは100%の配列同一性を有するそれらのバリアントを含む、実施形態30に記載の核酸分子。
32.その断片が、VP2カプシドポリペプチド又はVP3カプシドポリペプチドをコードする、実施形態31に記載の核酸分子。
33.実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントAAV2カプシドポリペプチドを含むか、又は実施形態30~32のうちのいずれか1つに記載の核酸分子によってコードされる、ウイルス粒子(例えば、アデノ随伴ウイルス(「AAV」)粒子)。
34.導入遺伝子(例えば、ペイロード)及び1つ以上の調節要素を含む核酸を含む、実施形態33に記載のウイルス粒子。
35.当該ウイルス粒子が、例えば、本明細書に記載のように、例えば、マウス又はNHPにおいて測定される場合、野生型AAV2(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むか、又は配列番号8によってコードされる、ウイルス粒子)に対して、増加した眼形質導入を示す、実施形態33又は34に記載のウイルス粒子。
36.増加した眼形質導入が、増加した網膜形質導入である、実施形態35に記載のウイルス粒子。
37.増加した眼形質導入が、全身(例えば静脈内)投与の後に示される、実施形態35又は36に記載のウイルス粒子。
38.核酸分子が、二本鎖又は一本鎖であり、核酸分子が、直鎖又は環状であり、例えば、核酸分子が、プラスミドである、実施形態30~32のうちのいずれか1つに記載の核酸分子。
39.バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子を生成する方法であって、当該方法が、実施形態30~32又は38のうちのいずれか1つに記載の核酸分子を細胞(例えば、HEK293細胞)に導入することと、それらから当該ウイルス粒子を回収することと、を含む、方法。
40.細胞にペイロード(例えば、核酸)を送達する方法であって、細胞を、(a)実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチド及びペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子、又は(b)実施形態34~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
41.細胞が、眼細胞である、実施形態40に記載の方法。
42.眼細胞が、網膜内にある、実施形態41に記載の方法。
43.対象にペイロード(例えば、核酸)を送達する方法であって、対象に、実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチド及びペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を投与すること、又は対象に、実施形態34~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子を投与することを含む、方法。
44.ウイルス粒子が、ペイロードを眼に送達する、実施形態43に記載の方法。
45.ウイルス粒子が、ペイロードを網膜に送達する、実施形態44に記載の方法。
46.ウイルス粒子が、全身(例えば、静脈内)投与によって投与される、実施形態40~45のうちのいずれか1つに記載の方法。
47.ウイルス粒子(例えば、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子)が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、眼の1つ以上の領域における増加した形質導入を伴って、ペイロードを眼に送達する、実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチド、実施形態33~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子、又は実施形態40~46のうちのいずれか1つに記載の方法。
48.眼の1つ以上の領域が、網膜である、実施形態47に記載のバリアントカプシドポリペプチド、ウイルス粒子、又は方法。
49.網膜が、非黄斑網膜を含む、実施形態48に記載のバリアントカプシドポリペプチド、ウイルス粒子、又は方法。
50.ウイルス粒子(例えば、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子)が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、眼の1つ以上の領域における増加した形質導入を伴って、ペイロードを眼に送達し、形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、150倍、200倍、又は250倍大きい、実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチド、実施形態33~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子、又は実施形態40~46のうちのいずれか1つに記載の方法。
51.ウイルス粒子(例えば、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子)が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、眼の1つ以上の領域における増加した形質導入特異性を伴って、ペイロードを眼に送達し、形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、200倍、500倍、又は1000倍大きく、形質導入の増加が、非黄斑網膜に特異的である、実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチド、実施形態33~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子、又は実施形態40~46のうちのいずれか1つに記載の方法。
52.対象への投与が、全身(例えば、静脈内)投与を介する、実施形態39~51のうちのいずれか1つに記載のバリアントカプシドポリペプチド、ウイルス粒子、又は方法。
53.対象における疾患又は状態を治療する方法であって、対象に、疾患又は状態を治療するのに有効な量でディペンドパルボウイルス粒子を投与することを含み、ディペンドパルボウイルス粒子が、実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のカプシドポリペプチドを含むか、若しくは実施形態30、31、若しくは38のうちのいずれか1つに記載の核酸によってコードされる、ウイルス粒子であるか、又は実施形態33~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子である、方法。
54.対象におけるCNS及び/又は眼の疾患若しくは状態を治療する方法であって、対象に、疾患又は状態を治療するのに有効な量でディペンドパルボウイルス粒子を投与することを含み、ディペンドパルボウイルス粒子が、実施形態1~29のうちのいずれか1つに記載のカプシドポリペプチドを含むか、若しくは実施形態30、31、若しくは38のうちのいずれか1つに記載の核酸によってコードされる、ウイルス粒子であるか、又は実施形態33~37のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子であり、任意選択的に、疾患又は状態が、神経セロイドリポフスチン症(NCL)である、方法。
55.実施形態1~37又は47~52のうちのいずれか1つに記載のカプシドポリペプチド、核酸分子、又はウイルス粒子を含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系。
56.ディペンドパルボウイルス(例えば、アデノ随伴ディペンドパルボウイルス(AAV)粒子を作製する方法であって、
実施形態30~32又は38のうちのいずれかに記載の核酸を含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を提供することと、
ディペンドパルボウイルス粒子の生成に好適な条件下で、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を育成することと、を含み、
それによって、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する、方法。
57.細胞、無細胞系、又は他の翻訳系が、第2の核酸分子を含み、当該第2の核酸分子が、ディペンドパルボウイルス粒子にパッケージングされる、実施形態56に記載の方法。
58.第2の核酸が、ペイロード、例えば、治療用生成物をコードする異種核酸配列を含む、実施形態57に記載の方法。
59.実施形態30~32若しくは38のうちのいずれかに記載の核酸が、実施形態30~32若しくは38のうちのいずれかに記載の核酸を含まないディペンドパルボウイルス粒子の生成を媒介する、実施形態56~58のうちのいずれか1つに記載の方法。
60.実施形態30~32若しくは38のうちのいずれかに記載の核酸が、配列番号1をコードする核酸分子によって媒介される生成レベルの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%、又は配列番号1をコードする核酸分子によって媒介される生成レベルよりも少なくとも10%大きく、少なくとも20%大きく、少なくとも50%大きく、又は少なくとも100%大きいレベルでディペンドパルボウイルス粒子の生成を媒介する、実施形態56~59のうちのいずれか1つに記載の方法。
61.実施形態33~37若しくは47~52のうちのいずれか1つに記載のウイルス粒子、又は実施形態39若しくは56~60のうちのいずれか1つに記載の方法によって生成されるウイルス粒子と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物、例えば、薬学的組成物。
62.対象における疾患又は状態を治療する際に使用するための、実施形態1~29のうちのいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド、実施形態30~32若しくは38のうちのいずれかに記載の核酸分子、又は実施形態33~37及び47~52のうちのいずれかに記載のウイルス粒子。
63.対象における疾患又は状態を治療する際に使用するための医薬の製造に使用するための、実施形態1~29のうちのいずれかに記載のバリアントカプシドポリペプチド、実施形態30~32若しくは38のうちのいずれかに記載の核酸分子、又は実施形態33~37及び47~52のうちのいずれかに記載のウイルス粒子。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、一部には、ディペンドパルボウイルス粒子を生成するために使用することができるバリアントカプシドポリペプチドを対象とする。いくつかの実施形態では、粒子は、バリアントカプシドポリペプチドを含まないディペンドパルボウイルス粒子と比較して、眼においてより高い形質導入効率で、眼に目的の導入遺伝子又は分子を送達するために使用することができる、増加した眼形質導入を有する。したがって、バリアントカプシドポリペプチド、それをコードする核酸分子、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子、及びそれを使用する方法が本明細書に提供される。
【0024】
定義
1つの(a)、1つの(an)、その(the):本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明白に別途指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0025】
約、およそ:本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、概して、測定の性質又は精度を考慮して、測定された量についての許容可能な程度の誤差を意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の15パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
【0026】
ディペンドパルボウイルスカプシド:本明細書で使用される場合、「ディペンドパルボウイルスカプシド」という用語は、ディペンドパルボウイルスポリペプチドを含む組み立てられたウイルスカプシドを指す。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルスカプシドは、機能性ディペンドパルボウイルスカプシドであり、例えば、完全に折り畳まれ、かつ/又は組み立てられ、標的細胞に感染する能力を有するか、又は少なくとも閾値時間にわたって安定したままである(例えば、折り畳まれ/組み立てられ、かつ/又は標的細胞に感染する能力を有する)。
【0027】
ディペンドパルボウイルス粒子:本明細書で使用される場合、「ディペンドパルボウイルス粒子」という用語は、例えば、ペイロード、ディペンドパルボウイルスゲノム(例えば、全ディペンドパルボウイルスゲノム)の1つ以上の成分、又はその両方を含む、ディペンドパルボウイルスポリペプチド及びパッケージングされた核酸を含む、組み立てられたウイルスカプシドを指す。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、機能性ディペンドパルボウイルス粒子であり、例えば、所望のペイロードを含み、完全に折り畳まれ、かつ/又は組み立てられ、標的細胞に感染する能力を有するか、又は少なくとも閾値時間にわたって安定したままである(例えば、折り畳まれ/組み立てられ、かつ/又は標的細胞に感染する能力を有する)。
【0028】
ディペンドパルボウイルスX粒子/カプシド:本明細書で使用される場合、「ディペンドパルボウイルスX粒子/カプシド」という用語は、天然に存在するディペンドパルボウイルスX種に由来する核酸配列をコードする少なくとも1つのポリペプチド又はポリペプチドを含む、ディペンドパルボウイルス粒子/カプシドを指す。例えば、ディペンドパルボウイルスB粒子は、天然に存在するディペンドパルボウイルスB配列に由来する核酸配列をコードする少なくとも1つのポリペプチド又はポリペプチドを含む、ディペンドパルボウイルス粒子を指す。本文脈で使用される場合、~に由来するとは、問題にしている配列に対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有することを意味する。これに対応して、本明細書で使用される場合、AAVX粒子/カプシドは、天然に存在するAAV X血清型に由来する核酸配列をコードする少なくとも1つのポリペプチド又はポリペプチドを含むAAV粒子/カスピド(caspid)を指す。例えば、AAV2粒子は、天然に存在するAAV2配列に由来する核酸配列をコードする少なくとも1つのポリペプチド又はポリペプチドを含む、AAV粒子を指す。
【0029】
外因性:本明細書で使用される場合、「外因性」という用語は、当該状況で自然に生じない状況(例えば、核酸、ポリペプチド、又は細胞)に存在する特徴、配列、又は成分を指す。例えば、変異体カプシドポリペプチドを含む核酸配列又はそれをコードする核酸分子は、カプシドポリペプチドを含み得る。このようにして外因性という用語を使用することは、この位置に問題としている変異を含むポリペプチドをコードするポリペプチド又は核酸分子が天然に存在せず、例えば、AAV2に存在せず、例えば、配列番号1に存在しないことを意味する。
【0030】
機能性:ディペンドパルボウイルスカプシド(例えば、Cap(例えば、VP1、VP2、及び/若しくはVP3)又はRep)のポリペプチド成分への言及において本明細書で使用される場合、「機能性」という用語は、そのポリペプチド成分の天然に存在するバージョン(例えば、宿主細胞中に存在する場合)の活性の少なくとも50、60、70、80、90、又は100%を提供するポリペプチドを指す。例えば、機能性VP1ポリペプチドは、安定して折り畳まれ、ディペンドパルボウイルスカプシド(例えば、パッケージング及び/又は分泌に適合する)へと組み立てられ得る。ディペンドパルボウイルスカプシド又は粒子への言及において本明細書で使用される場合、「機能性」は、所望のペイロードを含み、完全に折り畳まれ、かつ/又は組み立てられ、標的細胞に感染する能力を有するか、又は少なくとも閾値時間にわたって安定したままである(例えば、折り畳まれ/組み立てられ、かつ/又は標的細胞に感染する能力を有する)という生成特徴のうちの1つ以上を含むカプシド又は粒子を指す。
【0031】
核酸:本明細書で使用される場合、その最も広い意味で、「核酸」という用語は、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれているか、又は組み込まれ得る任意の化合物及び/若しくは物質を指す。いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれているか、又は組み込まれ得る化合物及び/又は物質である。文脈から明らかになるように、いくつかの実施形態では、「核酸」は、個々の核酸モノマー(例えば、ヌクレオチド及び/又はヌクレオシド)を指し、いくつかの実施形態では、「核酸」は、個々の核酸モノマーを含むオリゴヌクレオチド鎖、又は多くの個々の核酸モノマーを含む、より長いポリヌクレオチド鎖を指す。いくつかの実施形態では、「核酸」は、RNAであるか、又はRNAを含み、いくつかの実施形態では、「核酸」は、DNAであるか、又はDNAを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然核酸残基であるか、1つ以上の天然核酸残基を含むか、又は1つ以上の天然核酸残基からなる。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の核酸類似体であるか、1つ以上の核酸類似体を含むか、又は1つ以上の核酸類似体からなる。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の修飾された、合成の、若しくは天然に存在しないヌクレオチドであるか、それらを含むか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、核酸類似体は、ホスホジエステル骨格を利用しない点において核酸と異なる。例えば、いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の「ペプチド核酸」であるか、それらを含むか、又はそれらからなり、当該技術分野で既知であり、骨格内のホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有し、本発明の範囲内であるとみなされる。代替的に、又は追加的に、いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合ではなく、1つ以上のホスホロチオエート結合及び/又は5’-N-ホスホラミダイト結合を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、RNA又はタンパク質などの機能的遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、部分的又は完全に一本鎖であり、いくつかの実施形態では、核酸は、部分的又は完全に二本鎖である。
【0032】
バリアント:本明細書で使用される場合、「バリアントカプシドポリペプチド」は、参照配列(例えば、配列番号1)とは異なるポリペプチドを指す。バリアントは、例えば、変異(例えば、置換、欠失、又は挿入)を含み得る。いくつかの実施形態では、バリアントは、参照配列に対して約、又は少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一である。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号1を含むポリペプチドである。
【0033】
カプシドポリペプチド及びそれをコードする核酸
本開示は、一部には、参照配列と比較して変異(挿入、欠失、又は置換)を含むバリアントカプシドポリペプチドをコードする配列を含む核酸を対象とする。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号1である。本開示は、一部には、配列番号1と比較して、1つ以上の変異を有する配列番号1を含むバリアントカプシドポリペプチドを対象とする。本開示は、一部には、本明細書に記載の変異に対応する1つ以上の変異で修飾された配列番号1以外の参照配列を含むバリアントカプシドポリペプチドを更に対象とする。変異は、例えば、参照配列と比較して、挿入、欠失、又は置換であり得る。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号1である。
【0034】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、表2から選択される変異を含む。いくつかの実施形態では、表2から選択される変異は、置換、例えば、配列番号1と比較して、585~608の間の位置における置換に対応する少なくとも2個以上の残基、例えば、少なくとも6~10個の残基、例えば、少なくとも7~10個の残基、例えば、少なくとも8~10個の残基、例えば、少なくとも9~10個の残基、例えば、少なくとも10個の残基の置換である。
【0035】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1による位置585、586、587、588、589、590、591、593、597、600、608、又はそれらの任意の組み合わせにおける変異に対応する変異を含み、任意選択的に、変異は、挿入、欠失、又は置換を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置585における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置586における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置587における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置588における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置589における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置590における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置591における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置593における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置597における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置600における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置608における変異に対応する変異を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置588及び590における変異に対応する変異を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、位置585に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、バリン、セリン、又はアスパラギンである。いくつかの実施形態では、位置585における置換は、バリン、例えば、R585Vである。いくつかの実施形態では、位置585における置換は、セリン、例えば、R585Sである。いくつかの実施形態では、位置585における置換は、アスパラギン、例えば、R585Nである。
【0038】
いくつかの実施形態では、位置586に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、セリンである。いくつかの実施形態では、位置586における置換は、セリン、例えば、G586Sである。
【0039】
いくつかの実施形態では、位置587に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、イソロイシンである。いくつかの実施形態では、位置587における置換は、イソロイシン、例えば、N587Iである。
【0040】
いくつかの実施形態では、位置588に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、トレオニンである。いくつかの実施形態では、位置588における置換は、トレオニン、例えば、R588Tである。
【0041】
いくつかの実施形態では、位置589に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、アラニン又はグリシンである。いくつかの実施形態では、位置589における置換は、アラニン、例えば、Q589Aである。いくつかの実施形態では、位置589における置換は、グリシン、例えば、Q589Gである。
【0042】
いくつかの実施形態では、位置590に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、プロリンである。いくつかの実施形態では、位置590における置換は、プロリン、例えば、A590Pである。
【0043】
いくつかの実施形態では、位置591に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、トレオニン又はグリシンである。いくつかの実施形態では、位置591における置換は、トレオニン、例えば、A591Tである。いくつかの実施形態では、位置591における置換は、グリシン、例えば、A591Gである。
【0044】
いくつかの実施形態では、位置593に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、グリシンである。いくつかの実施形態では、位置593における置換は、グリシン、例えば、A593Gである。
【0045】
いくつかの実施形態では、位置597に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、イソロイシン又はヒスチジンである。いくつかの実施形態では、位置597における置換は、イソロイシン、例えば、T591Iである。いくつかの実施形態では、位置597における置換は、ヒスチジン、例えば、T591Hである。
【0046】
いくつかの実施形態では、位置600に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、システインである。いくつかの実施形態では、位置600における置換は、システイン、例えば、V600Cである。
【0047】
いくつかの実施形態では、位置608に対応する変異は、置換である。いくつかの実施形態では、置換は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、置換は、アスパラギンである。いくつかの実施形態では、位置608における置換は、アスパラギン、例えば、D608Nである。
【0048】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して位置585、588、589、590、593、597、及び608における変異に対応する変異を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して、位置585、586、587、588、589、590、591、593、及び600における変異に対応する変異を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して、位置585、588、590、591、及び597における変異に対応する変異を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して、R585V、R588T、Q589G、A590P、A593G、T597I、及びD608N変異に対応する変異を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して、R585S、G586S、N587I、R588T、Q589A、A590P、A591G、A593G、及びV600C変異に対応する変異を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して、R585N、R588T、A590P、A591T、及びT597H変異に対応する変異を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1と比較して、R588T、及びA590P変異に対応する変異を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、核酸分子が提供される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、表2から選択される配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号5~7の配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号5の配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号6の配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号7の配列を有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、表2から選択される変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、表2から選択される変異は、置換、例えば、配列番号1と比較して、585~608の間の位置における置換に対応する少なくとも2個以上の残基、例えば、少なくとも6~10個の残基、例えば、少なくとも7~10個の残基、例えば、少なくとも8~10個の残基、例えば、少なくとも9~10個の残基、例えば、少なくとも10個の残基の置換である。
【0057】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1による位置585、586、587、588、589、590、591、593、597、600、608、又はそれらの任意の組み合わせにおける変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードし、任意選択的に、変異は、挿入、欠失、又は置換を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置585における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置586における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置587における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置588における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置589における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置590における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置591における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置593における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置597における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置600における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置608における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0059】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置588及び590における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0060】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置585、588、589、590、593、597、及び608における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0061】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置585、586、587、588、589、590、591、593、及び600における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0062】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、位置585、588、590、591、及び597における変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0063】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、R585V、R588T、Q589G、A590P、A593G、T597I、及びD608N変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0064】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、R585S、G586S、N587I、R588T、Q589A、A590P、A591G、A593G、及びV600C変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0065】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、R585N、R588T、A590P、A591T、及びT597H変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0066】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号1と比較して、R588T、及びA590P変異に対応する変異を含むカプシドポリペプチドをコードする。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する変異差の少なくとも1個を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する変異差に対応する少なくとも1個の変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも2つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する2つの変異差に対応する少なくとも2つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも3つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する3つの変異差に対応する少なくとも3つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも4つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する4つの変異差に対応する少なくとも4つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも5つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する5つの変異差に対応する少なくとも5つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも6つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する6つの変異差に対応する少なくとも6つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも7つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する7つの変異差に対応する少なくとも7つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも8つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する8つの変異差に対応する少なくとも8つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する少なくとも9つの変異差を含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する9つの変異差に対応する少なくとも9つの変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。複数の態様では、本開示は、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する変異差の全てを含むか、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する変異差の全てに対応する変異を含む、カプシドポリペプチド(及び当該カプシドポリペプチドをコードする核酸)を提供する。
【0068】
上述の態様のいずれかでは、表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドに関連する変異差、又は表1の任意のバリアントカプシドポリペプチドの変異差に対応する変異差の数が特定されている上述のバリアントカプシドポリペプチドにおいて、変異は、そのバリアントカプシドポリペプチドに関連する変異差のうちのいずれかから選択され得ることが理解されよう。したがって、例えば、VAR-3の変異差(変異差R585N、R588T、A590P、A591T、T597Hを有する)に関して、バリアントカプシドが、変異差のうちの1つを含む場合、それは、R585N、R588T、A590P、A591T又はT597Hであり得る。同様に、バリアントカプシドが、変異差のうちの2つを含む場合、それらの2つは、R585N及びR588T、R585N及びA590P、R585N及びA591T、R585N及びT597H、R588T及びA590P、R588T及びA591T、R588T及びT597H、A590P及びA591T、A590P及びT597H、又はA591T及びT579Hであり得る。同様に、バリアントカプシドが、変異差のうちの3つを含む場合、それらの3つは、R585N及びR588T及びA590P、R585N及びR588T及びA591T、R585N及びR588T及びT597H、R585N及びA590P及びA591P、R585N及びA590P及びT597H、R585N及びA591T及びT597H、R588T及びA590P及びA591T、R588T及びA590P及びT597H、R588T及びA591T及びT597H、又はA590P及びA591T及びT597Hであり得る。同様に、バリアントカプシドが、変異差のうちの4つを含む場合、それらの4つは、R585N及びR588T及びA590P及びA591T、R585N及びR588T及びA590P及びT597H、R588T及びA590P及びA591T及びT597H、R585N及びR588T及びA591T及びT597H、又はR585N及びA590P及びA591T及びT597Hであり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、R588T変異及びA590P変異(配列番号1に従う番号付け)を含むカプシドポリペプチドが本明細書に開示される。複数の実施形態では、カプシドポリペプチドは、A593G変異(配列番号1に従う番号付け)を更に含む。複数の実施形態では、これらの変異を含むカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、又は少なくとも15個の追加の変異を含み、配列番号1に対して35個未満、34個未満、33個未満、32個未満、31個未満、30個未満、29個未満、28個未満、27個未満、26個未満、25個未満、24個未満、23個未満、22個未満、21個未満、又は20個未満の追加の変異を含む、配列を含む。複数の実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1に対して0~14個の追加の変異を含む配列を含む。複数の実施形態では、これらの変異を含むカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一な配列を含む。複数の実施形態では、当該カプシドポリペプチドは、VP1カプシドポリペプチドである。複数の実施形態では、当該カプシドポリペプチドは、VP2カプシドポリペプチドである。複数の実施形態では、当該カプシドポリペプチドは、VP3カプシドポリペプチドである。
【0070】
表1の各バリアントカプシドポリペプチドについての2~9個の変異差(最大で表1のそのバリアントカプシドポリペプチドについての変異差の総数まで)の可能な組み合わせの表は、通常の技術を使用して生成されてもよく、VAR-1~VAR-3の各々についてのそのような表は、その全体が本明細書に組み込まれることが当業者によって理解されるであろう。そのような表は、例えば、Pythonの「itertools」パッケージから「組み合わせ(combinations)」方法を使用して生成することができ、そのような方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0071】
複数の実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、表1に記載されるような、又は表1に記載されるような1つ以上の変異差に対応する、1つ以上の変異差を含む。複数の実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、表1に記載されるような、又は表1に記載されるような変異差に対応する、変異差を除き、本明細書に記載の参照AAV血清型に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。複数の実施形態では、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、そのようなカプシドポリペプチド内に含まれる表1の変異差、又は表1の変異差に対応する変異差を除き、配列番号1のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のVP1、VP2又はVP3配列)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。複数の実施形態では、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、そのようなカプシドポリペプチド内に含まれる表1の変異差、又は表1の変異差に対応する変異差を除き、配列番号9のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号9のVP1、VP2又はVP3配列)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。複数の実施形態では、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、そのようなカプシドポリペプチド内に含まれる表1の変異差、又は表1の変異差に対応する変異差を除き、配列番号11のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号11のVP1、VP2又はVP3配列)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。複数の実施形態では、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、そのようなカプシドポリペプチド内に含まれる表1の変異差、又は表1の変異差に対応する変異差を除き、配列番号13のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号13のVP1、VP2又はVP3配列)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。複数の実施形態では、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、そのようなカプシドポリペプチド内に含まれる表1の変異差、又は表1の変異差に対応する変異差を除き、配列番号15のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号15のVP1、VP2又はVP3配列)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。複数の実施形態では、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、そのようなカプシドポリペプチド内に含まれる表1の変異差、又は表1の変異差に対応する変異差を除き、配列番号16のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号16のVP1、VP2又はVP3配列)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。
【0072】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、(a)配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4のうちのいずれか1つのポリペプチド、(b)配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4のうちのいずれか1つのVP2若しくはVP3配列、(c)それに対して(例えば、(a)若しくは(b)のポリペプチドに対して)少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の同一性を有する配列を含むポリペプチドであって、当該ポリペプチドが、配列番号1に対して、配列番号2~配列番号4のうちのいずれかに関連する変異のうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、若しくはそれより多く、例えば、全て)を含む、ポリペプチド、又は(d)(a)若しくは(b)のポリペプチドに対して、少なくとも1個であるが、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、3個以下、若しくは2個以下のアミノ酸変異を有するポリペプチドであって、当該ポリペプチドが、配列番号1に対して、配列番号2~配列番号4のうちのいずれかに関連する変異のうちの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、若しくはそれより多く、例えば、全て)を含む、ポリペプチドを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドに対して各々少なくとも、又は約95、96、97、98又は99%同一である、VP1、VP2 VP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約20個の変異を有する、VP1、VP2、VP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約10個の変異を有する、VP1、VP2、VP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、各々が配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のポリペプチドと比較して約1~約5個の変異を有する、VP1、VP2、VP3、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2又はVP3配列を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のVP1、VP2又はVP3配列からなる。
【0079】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に提供されるカプシドポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に提供されるカプシドポリペプチドに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるカプシドポリペプチドをコードする。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるカプシドポリペプチドに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるカプシドポリペプチドを含むカプシドポリペプチドが提供される。
【0081】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号2、3、又は4の配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号2の配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号3の配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号4の配列を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号5、6、又は7のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号6のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号2、3、又は4の配列をコードする配列番号5、6、又は7のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号2の配列をコードする配列番号5のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号3の配列をコードする配列番号6のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子、又は%同一性の目的のための参照核酸分子は、配列番号4の配列をコードする配列番号7のヌクレオチド配列を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号5、6、又は7のヌクレオチド配列によってコードされる、配列番号2、3、又は4の配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号5のヌクレオチド配列によってコードされる、配列番号2の配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号6のヌクレオチド配列によってコードされる、配列番号3の配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチド、又は%同一性の目的のための参照ポリペプチドは、配列番号7のヌクレオチド配列によってコードされる、配列番号4の配列を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載の核酸分子に対して、例えば、配列番号5~配列番号7のうちのいずれか1つに対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一である配列を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、VAR-1~VAR-3(例えば、表1に示されるような)のうちのいずれか1つに関連する変異のうちの1個、2個、3個、4個、5個、6個(存在する場合)、7個(存在する場合)、8個(存在する場合)、又は9個(存在する場合)を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、VAR-1~VAR-3(例えば、表1に示されるような)のうちのいずれか1つに関連する変異に対応する1個、2個、3個、4個、5個、6個(存在する場合)、7個(存在する場合)、8個(存在する場合)、又は9個(存在する場合)の変異を含む配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、それ以外の場合、例えば、本明細書に記載されるように、参照カプシドポリペプチド配列に対して、例えば、配列番号1に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一である。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、それ以外の場合、例えば、本明細書に記載されるように、参照カプシドポリペプチド配列に対して、例えば、配列番号1に対して、100%同一である。
【0087】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、VAR-1~VAR-3(例えば、表1に示されるような)のうちのいずれか1つに関連する全ての変異差を含む配列を含み、更に、配列番号1に対して、30個以下、20個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の追加の変異を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、VP1カプシドポリペプチドである。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、VP2カプシドポリペプチドである。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、VP3カプシドポリペプチドである。参照配列の配列番号1に関して、VP1カプシドポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸1~724を含む。参照配列の配列番号1に関して、VP2カプシドポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸138~724を含む。参照配列の配列番号1に関して、VP3カプシドポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸203~724を含む。
【0089】
表1は、当該非限定的な例示的なバリアントの眼形質導入特性及び生成特徴に関する、バリアントカプシドを含む核酸を含む例示的なバリアントディペンドパルボウイルス粒子に関する情報を列挙する。カプシドポリペプチド及びそれをコードする核酸分子の例示的な配列を、表2に提供する。
【0090】
表1.実施例1に記載されるライブラリ実験からのバリアントカプシドポリペプチドを含む例示的なバリアントディペンドパルボウイルス(例えば、AVV)粒子の形質導入(静脈内(「IV」)投与後)及びウイルス生成。置換は、n###Nとして表記され、ここで、「N」は、最終アミノ酸であり、「n」は、参照アミノ酸であり、「###」は、配列番号1の参照アミノ酸位置であり、欠失は、n###-として表記され、ここで、「-」は、参照配列の配列番号1の位置「###」での「n」の欠失を示し、挿入は、###_Naa_###_(n)yとして表記され、ここで、「###」は、その間に挿入が生じる参照配列の配列番号1内のアミノ酸位置であり、「Naa」は、挿入の長さ(「N」アミニオ酸(aminio acid)を有する)を指し、「(n)y」は、挿入の配列を提供する)。それぞれの個々の変異差(例えば、行内で、列7の引用符(‘’)内の各変異)及びそのような個々の変異差の組み合わせは、本明細書において「VAR-Xに関連する変異」と称されることがあり、ここで、VAR-Xは、「名称列」に列挙されたバリアント識別子である。
【表1】
【0091】
表4~6.野生型AAV2のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチド)を含む比較ウイルス粒子に対して、又は肝臓特性の場合には、野生型AAV2のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチド)若しくは野生型AAV5のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号9のカプシドポリペプチド)を含む比較ウイルス粒子に対して、実施例2に従って非ヒト霊長類への硝子体内(IVT)投与(表4)又は静脈内(IV)投与(表5;眼領域/表6;肝臓)後の指示されたバリアントのカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の測定された眼領域及び肝臓の生体内分布及び形質導入。全ての値は、同じ投与経路によって送達される示された比較対照に対してのlog2である。「脈絡膜」は、全ての網膜及び黄斑組織試料から採取された統合試料からの脈絡膜層を指す。「網膜」は、全ての網膜及び黄斑組織試料から採取された統合試料からの神経網膜層を指す。「非黄斑網膜」は、全ての網膜から採取されたが、黄斑組織試料からは採取されない、統合試料からの神経網膜層を指す。
【表2】
【表3】
【表4】
【0092】
表7.実施例2に記載されるように、非ヒト霊長類への静脈内投与後のバルク脳組織試料における相対的形質導入速度。全ての値は、野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子について観察された形質導入速度に対するlog2である。標準偏差は、各バリアントに関連する8つの独自のバーコードの測定における標準偏差である。
【表5】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【0093】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、表2に提供されるVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号2のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号3のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号4のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号2~4の配列を有する。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号2の配列を有する。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号3の配列を有する。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号4の配列を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、表2に提供されるVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有するカプシドポリペプチドをコードし、任意選択的に、表2のバリアントカプシドポリペプチドのうちの1つに関連する変異の少なくとも1つ、例えば、全てを含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号2のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有するカプシドポリペプチドをコードし、任意選択的に、表2のVAR-1に関連する変異の少なくとも1つ、例えば、全てを含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号3のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有するカプシドポリペプチドをコードし、任意選択的に、表2のVAR-2に関連する変異の少なくとも1つ、例えば、全てを含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号4のVP1、VP2、又はVP3配列に対して少なくとも85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、又は100%の同一性を有するカプシドポリペプチドをコードし、任意選択的に、表2のVAR-2に関連する変異の少なくとも1つ、例えば、全てを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1などの参照カプシド配列、及びVAR-1、VAR-2、又はVAR-3の表1の変異差の列に示されるような、変異(挿入、欠失、又は置換)の少なくとも、又は約80%、85%、90%、又は95%、又は100%を含む。いくつかの実施形態では、参照カプシド配列は、変異(挿入、欠失、又は置換)の少なくとも、約、又は正確に80%を含む。いくつかの実施形態では、参照カプシド配列は、変異(挿入、欠失、又は置換)の少なくとも、約、又は正確に85%を含む。いくつかの実施形態では、参照カプシド配列は、変異(挿入、欠失、又は置換)の少なくとも、約、又は正確に90%を含む。いくつかの実施形態では、参照カプシド配列は、変異(挿入、欠失、又は置換)の少なくとも、約、又は正確に95%を含む。いくつかの実施形態では、参照カプシド配列は、変異(挿入、欠失、又は置換)の100%を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1などの参照カプシド配列、及び以下の変異群のうちの1つの少なくとも、又は約、又は正確に、80%、85%、90%、又は95%、又は100%を含む(これらの変異群についての用語は、上の表1の凡例に提供される)。
[’R585V’,’R588T’,’Q589G’,’A590P’,’A593G’,’T597I’,’D608N’];
[’R585S’,’G586S’,’N587I’,’R588T’,’Q589A’,’A590P’,’A591G’,’A593G’,’V600C’];又は
[’R585N’,’R588T’,’A590P’,’A591T’,’T597H’]。
【0098】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1などの参照カプシド配列、及び[’R585V’,’R588T’,’Q589G’,’A590P’,’A593G’,’T597I’,’D608N’]の少なくとも、又は約、又は正確に、80%、85%、90%、又は95%、又は100%を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、[’R585V’,’R588T’,’Q589G’,’A590P’,’A593G’,’T597I’,’D608N’]の変異の少なくとも6個、又は全てを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1などの参照カプシド配列、及び[’R585S’,’G586S’,’N587I’,’R588T’,’Q589A’,’A590P’,’A591G’,’A593G’,’V600C’]の少なくとも、又は約、又は正確に、80%、85%、90%、又は95%、又は100%を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、[’R585S’,’G586S’,’N587I’,’R588T’,’Q589A’,’A590P’,’A591G’,’A593G’,’V600C’]の変異の少なくとも8個、又は全てを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号1などの参照カプシド配列、及び[’R585N’,’R588T’,’A590P’,’A591T’,’T597H’]の少なくとも、又は約、又は正確に、80%、85%、90%、又は95%、又は100%を含む。いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、[’R585N’,’R588T’,’A590P’,’A591T’,’T597H’]の変異の少なくとも4個、又は全てを含む。
【0101】
複数の実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドをコードする配列を含む。
【0102】
バリアントカプシド(対応する位置)
本明細書に記載のカプシドポリペプチド配列への変異は、参照配列(例えば、配列番号1)内の位置及び/又は位置におけるアミノ酸に関連して記載される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカプシドポリペプチドは、参照配列(例えば、配列番号1)のバリアントカプシドポリペプチドであり、例えば、参照カプシドポリペプチド配列(例えば、参照カプシドポリペプチドVP1、VP2、及び/又はVP3配列)、例えば、配列番号1(又はそれに含まれるVP2若しくはVP3配列)に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を含むカプシドポリペプチドを含み、本明細書に記載の変異、例えば、表1によるVAR-1~VAR-3のうちのいずれか1つに関連する変異のうちの1つ以上、例えば、全てを更に含む。
【0103】
当業者によって、理論によって拘束されるものではないが、参照配列内の各アミノ酸位置は、異なる血清型を有するディペンドパルボウイルスに由来するカプシドポリペプチドなどの他のカプシドポリペプチドの配列内の位置に対応することが理解されるであろう。そのような対応する位置は、当該技術分野で既知の配列アラインメントツールを使用して特定される。特に好ましい配列アラインメントツールは、Clustal Omega(Sievers F.,et al.,Mol.Syst.Biol.7:359,2011,DOI:10.1038/msb.2011.75、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)である。例示的な参照カプシドポリペプチドのアラインメントを
図2A~2Cに示す。したがって、いくつかの実施形態では、本発明のバリアントカプシドポリペプチドは、異なる参照カプシドポリペプチドに関連して本明細書に記載される変異の位置に対応する位置に、そのような参照カプシドポリペプチド内に本明細書に記載の1つ以上の変異を含む参照カプシドポリペプチドのバリアントを含む。したがって、例えば、配列番号1に対してXnnnYとして記載される変異(ここで、Xは、配列番号1の位置nnnに存在するアミノ酸であり、Yは、例えば、本明細書に記載されるその位置におけるアミノ酸変異である)、本開示は、配列番号1以外の参照カプシドポリペプチド配列(例えば、参照カプシドポリペプチドVP1、VP2及び/若しくはVP3配列)(又はその中に含まれるVP2若しくはVP3配列)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一性を含み、配列番号1の位置nnnに対応する位置に開示された変異を更に含む(例えば、配列番号1の位置nnnに対応する新しいバリアントカプシドポリペプチド配列内の位置にYを含む)、バリアントカプシドポリペプチドを提供する。上述のように、そのような対応する位置は、例えば、上述のクラスタルオメガツールなどの配列アラインメントツールを使用して決定される。例示的な公知のAAV血清型の対応するアミノ酸位置の例が、
図2A~2Cに提供される。
【0104】
したがって、複数の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の変異に対応する1つ以上の変異を含む、配列番号1以外の参照配列、例えば、本明細書に記載の配列番号1以外の参照配列のバリアントである、カプシドポリペプチド配列を提供する。複数の実施形態では、そのようなバリアントは、表1に従うVAR-1~VAR-3のうちのいずれか1つに関連する変異の全てに対応する変異を含む。
【0105】
本明細書で使用される場合、アミノ酸又は核酸配列などの配列内の位置への言及において使用される「~に対応する」という用語は、VP1、VP2、及びVP3ポリペプチドを含むカプシドポリペプチドの全長配列、又はそれをコードする核酸分子などのカプシドポリペプチド全長配列などの全カプシドポリペプチド又はポリヌクレオチド配列、あるいはそれをコードする核酸分子への言及において使用され得る。いくつかの実施形態では、「~に対応する」という用語は、カプシドポリペプチドの領域又はドメインへの言及において使用され得る。例えば、参照カプシドポリペプチドのVP1セクション内の位置に対応する位置は、バリアントカプシドポリペプチドのポリペプチドのVP1部分に対応し得る。したがって、ある位置が別の位置に対応するかどうかを決定するために2つの配列をアラインメントするとき、全長ポリペプチドを使用することができるか、又はドメイン(領域)を使用して、ある位置が特定の位置に対応するかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、領域は、VP1ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、領域は、VP2ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、領域は、VP3ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドが特定の血清型のAAVの野生型配列(例えば、全長又は領域)である場合、バリアントポリペプチドは、参照配列(例えば、全長又は領域)と比較して、そのような対応する位置で作製された変異を有する同じ血清型のものであり得る。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、参照配列と比較して異なる血清型である。
【0106】
本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドは、任意選択的に、当該技術分野で既知の参照カプシド血清型のバリアント(例えば、参照カプシドポリペプチドを含む)である。このような参照AAV血清型(及び関連する参照カプシドポリペプチド)の非限定的な例としては、AAV1、AAVrh10、AAV-DJ、AAV-DJ8、AAV5、AAVPHP.B(PHP.B)、AAVPHP.A(PHP.A)、AAVG2B-26、AAVG2B-13、AAVTH1.1-32、AAVTH1.1-35、AAVPHP.B2(PHP.B2)、AAVPHP.B3(PHP.B3)、AAVPHP.N/PHP.B-DGT、AAVPHP.B-EST、AAVPHP.B-GGT、AAVPHP.B-ATP、AAVPHP.B-ATT-T、AAVPHP.B-DGT-T、AAVPHP.B-GGT-T、AAVPHP.B-SGS、AAVPHP.B-AQP、AAVPHP.B-QQP、AAVPHP.B-SNP(3)、AAVPHP.B-SNP、AAVPHP.B-QGT、AAVPHP.B-NQT、AAVPHP.B-EGS、AAVPHP.B-SGN、AAVPHP.B-EGT、AAVPHP.B-DST、AAVPHP.B-DST、AAVPHP.B-STP、AAVPHP.B-PQP、AAVPHP.B-SQP、AAVPHP.B-QLP、AAVPHP.B-TMP、AAVPHP.B-TTP、AAVPHP.S/G2A12、AAVG2A15/G2A3(G2A3)、AAVG2B4(G2B4)、AAVG2B5(G2B5)、PHP.S、AAV2、AAV2G9、AAV3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV7、AAV7.2、AAV8、AAV9.11、AAV9.13、AAV9、AAV9 K449R(又はK449R AAV9)、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t 19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.10、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74(AAVrh74とも称される)、AAVrh8R、AAVrh8R A586R変異体、AAVrh8R R533A変異体、AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV-PAEC、AAV-LK01、AAV-LK02、AAV-LK03、AAV-LK04、AAV-LK05、AAV-LK06、AAV-LK07、AAV-LK08、AAV-LK09、AAV-LK10、AAV-LK11、AAV-LK12、AAV-LK13、AAV-LK14、AAV-LK15、AAV-LK16、AAV-LK17、AAV-LK18、AAV-LK19、AAV-PAEC2、AAV-PAEC4、AAV-PAEC6、AAV-PAEC7、AAV-PAEC8、AAV-PAEC11、AAV-PAEC12、AAV-2-pre-miRNA-101、AAV-8h、AAV-8b、AAV-h、AAV-b、AAV SM 10-2、AAV Shuffle 100-1、AAV Shuffle 100-3、AAV Shuffle 100-7、AAV Shuffle 10-2、AAV Shuffle 10-6、AAV Shuffle 10-8、AAV Shuffle 100-2、AAV SM 10-1、AAV SM 10-8、AAV SM 100-3、AAV SM 100-10、BNP61 AAV、BNP62 AAV、BNP63 AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4-8/rh.64、AAVLG-9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、トゥルータイプ(true type)AAV(ttAAV)、UPENN AAV 10、Japanese AAV 10血清型、
AAV CBr-7.1、AAV CBr-7.10、AAV CBr-7.2、AAV CBr-7.3、AAV CBr-7.4、AAV CBr-7.5、AAV CBr-7.7、AAV CBr-7.8、AAV CBr-B7.3、AAV CBr-B7.4、AAV CBr-E1、AAV CBr-E2、AAV CBr-E3、AAV CBr-E4、AAV CBr-E5、AAV CBr-e5、AAV CBr-E6、AAV CBr-E7、AAV CBr-E8、AAV CHt-1、AAV CHt-2、AAV CHt-3、AAV CHt-6.1、AAV CHt-6.10、AAV CHt-6.5、AAV CHt-6.6、AAV CHt-6.7、AAV CHt-6.8、AAV CHt-P1、AAV CHt-P2、AAV CHt-P5、AAV CHt-P6、AAV CHt-P8、AAV CHt-P9、AAV CKd-1、AAV CKd-10、AAV CKd-2、AAV CKd-3、AAV CKd-4、AAV CKd-6、AAV CKd-7、AAV CKd-8、AAV CKd-B1、AAV CKd-B2、AAV CKd-B3、AAV CKd-B4、AAV CKd-B5、AAV CKd-B6、AAV CKd-B7、AAV CKd-B8、AAV CKd-H1、AAV CKd-H2、AAV CKd-H3、AAV CKd-H4、AAV CKd-H5、AAV CKd-H6、AAV CKd-N3、AAV CKd-N4、AAV CKd-N9、AAV CLg-F1、AAV CLg-F2、AAV CLg-F3、AAV CLg-F4、AAV CLg-F5、AAV CLg-F6、AAV CLg-F7、AAV CLg-F8、AAV CLv-1、AAV CLv1-1、AAV Clv1-10、AAV CLv1-2、AAV CLv-12、AAV CLv1-3、AAV CLv-13、AAV CLv1-4、AAV Clv1-7、AAV Clv1-8、AAV Clv1-9、AAV CLv-2、AAV CLv-3、AAV CLv-4、AAV CLv-6、AAV CLv-8、AAV CLv-D1、AAV CLv-D2、AAV CLv-D3、AAV CLv-D4、AAV CLv-D5、AAV CLv-D6、AAV CLv-D7、AAV CLv-D8、AAV CLv-E1、AAV CLv-K1、AAV CLv-K3、AAV CLv-K6、AAV CLv-L4、AAV CLv-L5、AAV CLv-L6、AAV CLv-M1、AAV CLv-M11、AAV CLv-M2、AAV CLv-M5、AAV CLv-M6、AAV CLv-M7、AAV CLv-M8、AAV CLv-M9、AAV CLv-R1、AAV CLv-R2、AAV CLv-R3、AAV CLv-R4、AAV CLv-R5、AAV CLv-R6、AAV CLv-R7、AAV CLv-R8、AAV CLv-R9、AAV CSp-1、AAV CSp-10、AAV CSp-11、AAV CSp-2、AAV CSp-3、AAV CSp-4、AAV CSp-6、AAV CSp-7、AAV CSp-8、AAV CSp-8.10、AAV CSp-8.2、AAV CSp-8.4、AAV CSp-8.5、AAV CSp-8.6、AAV CSp-8.7、AAV CSp-8.8、AAV CSp-8.9、AAV CSp-9、AAV.hu.48R3、AAV.VR-355、AAV3B、AAV4、AAV5、AAVF1/HSC1、AAVF11/HSC11、AAVF12/HSC12、AAVF13/HSC13、AAVF14/HSC14、AAVF15/HSC15、AAVF16/HSC16、AAVF17/HSC17、AAVF2/HSC2、AAVF3/HSC3、AAVF4/HSC4、AAVF5/HSC5、AAVF6/HSC6、AAVF7/HSC7、AAVF8/HSC8、及び/又はAAVF9/HSC9、7m8、Spark100、AAVMYO、並びにそれらのバリアントが挙げられる。
【0107】
いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、AAV2配列を含む。いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、AAV5配列を含む。いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、AAV8配列を含む。いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、AAV9配列を含む。いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、AAVrh74配列を含む。理論に拘束されることを望まないが、参照AAVカプシド配列がVP1領域を含むことが理解される。特定の実施形態では、参照AAVカプシド配列は、VP1、VP2、及び/若しくはVP3領域、又はそれらの任意の組み合わせを含む。参照VP1配列は、参照AAVカプシド配列と同義であるとみなされ得る。
【0108】
配列番号1の代替の例示的な参照配列(野生型AAV2)は、以下の通りである。
【化1】
【0109】
特に明記しない限り、配列番号1は、参照配列である。上の配列では、VP1、VP2、及びVP3に見られる配列には下線が引かれ(例えば、VP3カプシドポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸203~735に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなり)、VP1及びVP2の両方に見られる配列は太字であり(例えば、VP2カプシドポリペプチドは、例えば、配列番号1のアミノ酸138~735に対応する配列を含み、例えば、それらからなり)、下線が引かれていないか、又は太字でない配列は、VP1にのみ見られる(例えば、VP1カプシドポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸1~735に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなる)。
【0110】
配列番号1をコードする例示的な核酸配列は、配列番号8である。
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACACTCTCTCTGAAGGAATAAGACAGTGGTGGAAGCTCAAACCTGGCCCACCACCACCAAAGCCCGCAGAGCGGCATAAGGACGACAGCAGGGGTCTTGTGCTTCCTGGGTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGAGAGCCGGTCAACGAGGCAGACGCCGCGGCCCTCGAGCACGACAAAGCCTACGACCGGCAGCTCGACAGCGGAGACAACCCGTACCTCAAGTACAACCACGCCGACGCGGAGTTTCAGGAGCGCCTTAAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGACGAGCAGTCTTCCAGGCGAAAAAGAGGGTTCTTGAACCTCTGGGCCTGGTTGAGGAACCTGTTAAGACGGCTCCGGGAAAAAAGAGGCCGGTAGAGCACTCTCCTGTGGAGCCAGACTCCTCCTCGGGAACCGGAAAGGCGGGCCAGCAGCCTGCAAGAAAAAGATTGAATTTTGGTCAGACTGGAGACGCAGACTCAGTACCTGACCCCCAGCCTCTCGGACAGCCACCAGCAGCCCCCTCTGGTCTGGGAACTAATACGATGGCTACAGGCAGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAGGGCGCCGACGGAGTGGGTAATTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGATGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAACAAATTTCCAGCCAATCAGGAGCCTCGAACGACAATCACTACTTTGGCTACAGCACCCCTTGGGGGTATTTTGACTTCAACAGATTCCACTGCCACTTTTCACCACGTGACTGGCAAAGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGACCCAAGAGACTCAACTTCAAGCTCTTTAACATTCAAGTCAAAGAGGTCACGCAGAATGACGGTACGACGACGATTGCCAATAACCTTACCAGCACGGTTCAGGTGTTTACTGACTCGGAGTACCAGCTCCCGTACGTCCTCGGCTCGGCGCATCAAGGATGCCTCCCGCCGTTCCCAGCAGACGTCTTCATGGTGCCACAGTATGGATACCTCACCCTGAACAACGGGAGTCAGGCAGTAGGACGCTCTTCATTTTACTGCCTGGAGTACTTTCCTTCTCAGATGCTGCGTACCGGAAACAACTTTACCTTCAGCTACACTTTTGAGGACGTTCCTTTCCACAGCAGCTACGCTCACAGCCAGAGTCTGGACCGTCTCATGAATCCTCTCATCGACCAGTACCTGTATTACTTGAGCAGAACAAACACTCCAAGTGGAACCACCACGCAGTCAAGGCTTCAGTTTTCTCAGGCCGGAGCGAGTGACATTCGGGACCAGTCTAGGAACTGGCTTCCTGGACCCTGTTACCGCCAGCAGCGAGTATCAAAGACATCTGCGGATAACAACAACAGTGAATACTCGTGGACTGGAGCTACCAAGTACCACCTCAATGGCAGAGACTCTCTGGTGAATCCGGGCCCGGCCATGGCAAGCCACAAGGACGATGAAGAAAAGTTTTTTCCTCAGAGCGGGGTTCTCATCTTTGGGAAGCAAGGCTCAGAGAAAACAAATGTGGACATTGAAAAGGTCATGATTACAGACGAAGAGGAAATCAGGACAACCAATCCCGTGGCTACGGAGCAGTATGGTTCTGTATCTACCAACCTCCAGAGAGGCAACAGACAAGCAGCTACCGCAGATGTCAACACACAAGGCGTTCTTCCAGGCATGGTCTGGCAGGACAGAGATGTGTACCTTCAGGGGCCCATCTGGGCAAAGATTCCACACACGGACGGACATTTTCACCCCTCTCCCCTCATGGGTGGATTCGGACTTAAACACCCTCCTCCACAGATTCTCATCAAGAACACCCCGGTACCTGCGAATCCTTCGACCACCTTCAGTGCGGCAAAGTTTGCTTCCTTCATCACACAGTACTCCACGGGACAGGTCAGCGTGGAGATCGAGTGGGAGCTGCAGAAGGAAAACAGCAAACGCTGGAATCCCGAAATTCAGTACACTTCCAACTACAACAAGTCTGTTAATGTGGACTTTACTGTGGACACTAATGGCGTGTATTCAGAGCCTCGCCCCATTGGCACCAGATACCTGACTCGTAATCTGTAA(配列番号:8)。
【0111】
野生型AAV5、配列番号9(野生型AAV5)の例示的な参照配列は、以下の通りである。
【化2】
【0112】
上の配列では、VP1、VP2、及びVP3に見られる配列には下線が引かれ(例えば、VP3カプシドポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸193~725に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなり)、VP1及びVP2の両方に見られる配列は太字であり(例えば、VP2カプシドポリペプチドは、例えば、配列番号9のアミノ酸137~725に対応する配列を含み、例えば、それらからなり)、下線が引かれていないか、又は太字でない配列は、VP1にのみ見られる(例えば、VP1カプシドポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸1~725に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなる)。
【0113】
配列番号9をコードする例示的な核酸配列は、配列番号10である。
ATGTCTTTTGTTGATCACCCTCCAGATTGGTTGGAAGAAGTTGGTGAAGGTCTTCGCGAGTTTTTGGGCCTTGAAGCGGGCCCACCGAAACCAAAACCCAATCAGCAGCATCAAGATCAAGCCCGTGGTCTTGTGCTGCCTGGTTATAACTATCTCGGACCCGGAAACGGGCTCGATCGAGGAGAGCCTGTCAACAGGGCAGACGAGGTCGCGCGAGAGCACGACATCTCGTACAACGAGCAGCTTGAGGCGGGAGACAACCCCTACCTCAAGTACAACCACGCGGACGCCGAGTTTCAGGAGAAGCTCGCCGACGACACATCCTTCGGGGGAAACCTCGGAAAGGCAGTCTTTCAGGCCAAGAAAAGGGTTCTCGAACCTTTTGGCCTGGTTGAAGAGGGTGCTAAGACGGCCCCTACCGGAAAGCGGATAGACGACCACTTTCCAAAAAGAAAGAAGGCTCGGACCGAAGAGGACTCCAAGCCTTCCACCTCGTCAGACGCCGAAGCTGGACCCAGCGGATCCCAGCAGCTGCAAATCCCAGCCCAACCAGCCTCAAGTTTGGGAGCTGATACAATGTCTGCGGGAGGTGGCGGCCCATTGGGCGACAATAACCAAGGTGCCGATGGAGTGGGCAATGCCTCGGGAGATTGGCATTGCGATTCCACGTGGATGGGGGACAGAGTCGTCACCAAGTCCACCCGAACCTGGGTGCTGCCCAGCTACAACAACCACCAGTACCGAGAGATCAAAAGCGGCTCCGTCGACGGAAGCAACGCCAACGCCTACTTTGGATACAGCACCCCCTGGGGGTACTTTGACTTTAACCGCTTCCACAGCCACTGGAGCCCCCGAGACTGGCAAAGACTCATCAACAACTACTGGGGCTTCAGACCCCGGTCCCTCAGAGTCAAAATCTTCAACATTCAAGTCAAAGAGGTCACGGTGCAGGACTCCACCACCACCATCGCCAACAACCTCACCTCCACCGTCCAAGTGTTTACGGACGACGACTACCAGCTGCCCTACGTCGTCGGCAACGGGACCGAGGGATGCCTGCCGGCCTTCCCTCCGCAGGTCTTTACGCTGCCGCAGTACGGTTACGCGACGCTGAACCGCGACAACACAGAAAATCCCACCGAGAGGAGCAGCTTCTTCTGCCTAGAGTACTTTCCCAGCAAGATGCTGAGAACGGGCAACAACTTTGAGTTTACCTACAACTTTGAGGAGGTGCCCTTCCACTCCAGCTTCGCTCCCAGTCAGAACCTGTTCAAGCTGGCCAACCCGCTGGTGGACCAGTACTTGTACCGCTTCGTGAGCACAAATAACACTGGCGGAGTCCAGTTCAACAAGAACCTGGCCGGGAGATACGCCAACACCTACAAAAACTGGTTCCCGGGGCCCATGGGCCGAACCCAGGGCTGGAACCTGGGCTCCGGGGTCAACCGCGCCAGTGTCAGCGCCTTCGCCACGACCAATAGGATGGAGCTCGAGGGCGCGAGTTACCAGGTGCCCCCGCAGCCGAACGGCATGACCAACAACCTCCAGGGCAGCAACACCTATGCCCTGGAGAACACTATGATCTTCAACAGCCAGCCGGCGAACCCGGGCACCACCGCCACGTACCTCGAGGGCAACATGCTCATCACCAGCGAGAGCGAGACGCAGCCGGTGAACCGCGTGGCGTACAACGTCGGCGGGCAGATGGCCACCAACAACCAGAGCTCCACCACTGCCCCCGCGACCGGCACGTACAACCTCCAGGAAATCGTGCCCGGCAGCGTGTGGATGGAGAGGGACGTGTACCTCCAAGGACCCATCTGGGCCAAGATCCCAGAGACGGGGGCGCACTTTCACCCCTCTCCGGCCATGGGCGGATTCGGACTCAAACACCCACCGCCCATGATGCTCATCAAGAACACGCCTGTGCCCGGAAATATCACCAGCTTCTCGGACGTGCCCGTCAGCAGCTTCATCACCCAGTACAGCACCGGGCAGGTCACCGTGGAGATGGAGTGGGAGCTCAAGAAGGAAAACTCCAAGAGGTGGAACCCAGAGATCCAGTACACAAACAACTACAACGACCCCCAGTTTGTGGACTTTGCCCCGGACAGCACCGGGGAATACAGAACCACCAGACCTATCGGAACCCGATACCTTACCCGACCCCTTTAA(配列番号:10)。
【0114】
野生型AAV8、配列番号11(野生型AAV8)の例示的な参照配列は、以下の通りである。
【化3】
【0115】
上の配列では、VP1、VP2、及びVP3に見られる配列には下線が引かれ(例えば、VP3カプシドポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸204~735に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなり)、VP1及びVP2の両方に見られる配列は太字であり(例えば、VP2カプシドポリペプチドは、例えば、配列番号11のアミノ酸138~735に対応する配列を含み、例えば、それらからなり)、下線が引かれていないか、又は太字でない配列は、VP1にのみ見られる(例えば、VP1カプシドポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸1~739に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなる)。
【0116】
配列番号11をコードする例示的な核酸配列は、配列番号12である。
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGCGCTGAAACCTGGAGCCCCGAAGCCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACGACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTGCAGGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAACCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAGAAGCGGGTTCTCGAACCTCTCGGTCTGGTTGAGGAAGGCGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAGAGACCGGTAGAGCCATCACCCCAGCGTTCTCCAGACTCCTCTACGGGCATCGGCAAGAAAGGCCAACAGCCCGCCAGAAAAAGACTCAATTTTGGTCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTTCCAGACCCTCAACCTCTCGGAGAACCTCCAGCAGCGCCCTCTGGTGTGGGACCTAATACAATGGCTGCAGGCGGTGGCGCACCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACGGGACATCGGGAGGAGCCACCAACGACAACACCTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGACTTTAACAGATTCCACTGCCACTTTTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCCAAGAGACTCAGCTTCAAGCTCTTCAACATCCAGGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTCACCAGCACCATCCAGGTGTTTACGGACTCGGAGTACCAGCTGCCGTACGTTCTCGGCTCTGCCCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTGTTCATGATTCCCCAGTACGGCTACCTAACACTCAACAACGGTAGTCAGGCCGTGGGACGCTCCTCCTTCTACTGCCTGGAATACTTTCCTTCGCAGATGCTGAGAACCGGCAACAACTTCCAGTTTACTTACACCTTCGAGGACGTGCCTTTCCACAGCAGCTACGCCCACAGCCAGAGCTTGGACCGGCTGATGAATCCTCTGATTGACCAGTACCTGTACTACTTGTCTCGGACTCAAACAACAGGAGGCACGGCAAATACGCAGACTCTGGGCTTCAGCCAAGGTGGGCCTAATACAATGGCCAATCAGGCAAAGAACTGGCTGCCAGGACCCTGTTACCGCCAACAACGCGTCTCAACGACAACCGGGCAAAACAACAATAGCAACTTTGCCTGGACTGCTGGGACCAAATACCATCTGAATGGAAGAAATTCATTGGCTAATCCTGGCATCGCTATGGCAACACACAAAGACGACGAGGAGCGTTTTTTTCCCAGTAACGGGATCCTGATTTTTGGCAAACAAAATGCTGCCAGAGACAATGCGGATTACAGCGATGTCATGCTCACCAGCGAGGAAGAAATCAAAACCACTAACCCTGTGGCTACAGAGGAATACGGTATCGTGGCAGATAACTTGCAGCAGCAAAACACGGCTCCTCAAATTGGAACTGTCAACAGCCAGGGGGCCTTACCCGGTATGGTCTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCACACGGACGGCAACTTCCACCCGTCTCCGCTGATGGGCGGCTTTGGCCTGAAACATCCTCCGCCTCAGATCCTGATCAAGAACACGCCTGTACCTGCGGATCCTCCGACCACCTTCAACCAGTCAAAGCTGAACTCTTTCATCACGCAATACAGCACCGGACAGGTCAGCGTGGAAATTGAATGGGAGCTGCAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCCGAGATCCAGTACACCTCCAACTACTACAAATCTACAAGTGTGGACTTTGCTGTTAATACAGAAGGCGTGTACTCTGAACCCCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGTAATCTGTAA(配列番号:12)。
【0117】
野生型AAV9、配列番号13(野生型AAV9)の例示的な参照配列は、以下の通りである。
【化4】
【0118】
上の配列では、VP1、VP2、及びVP3に見られる配列には下線が引かれ(例えば、VP3カプシドポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸203~737に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなり)、VP1及びVP2の両方に見られる配列は太字であり(例えば、VP2カプシドポリペプチドは、例えば、配列番号13のアミノ酸138~737に対応する配列を含み、例えば、それらからなり)、下線が引かれていないか、又は太字でない配列は、VP1にのみ見られる(例えば、VP1カプシドポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸1~737に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなる)。
【0119】
配列番号13をコードする例示的な核酸配列は、配列番号14である。
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTTAGTGAAGGTATTCGCGAGTGGTGGGCTTTGAAACCTGGAGCCCCTCAACCCAAGGCAAATCAACAACATCAAGACAACGCTCGAGGTCTTGTGCTTCCGGGTTACAAATACCTTGGACCCGGCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCGGTCAACGCAGCAGACGCGGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCAAGGCCGGAGACAACCCGTACCTCAAGTACAACCACGCCGACGCCGAGTTCCAGGAGCGGCTCAAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGAGCAGTCTTCCAGGCCAAAAAGAGGCTTCTTGAACCTCTTGGTCTGGTTGAGGAAGCGGCTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAGAGGCCTGTAGAGCAGTCTCCTCAGGAACCGGACTCCTCCGCGGGTATTGGCAAATCGGGTGCACAGCCCGCTAAAAAGAGACTCAATTTCGGTCAGACTGGCGACACAGAGTCAGTCCCAGACCCTCAACCAATCGGAGAACCTCCCGCAGCCCCCTCAGGTGTGGGATCTCTTACAATGGCTTCAGGTGGTGGCGCACCAGTGGCAGACAATAACGAAGGTGCCGATGGAGTGGGTAGTTCCTCGGGAAATTGGCATTGCGATTCCCAATGGCTGGGGGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGAACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAATCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACAGCACATCTGGAGGATCTTCAAATGACAACGCCTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGACTTCAACAGATTCCACTGCCACTTCTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCTAAGCGACTCAACTTCAAGCTCTTCAACATTCAGGTCAAAGAGGTTACGGACAACAATGGAGTCAAGACCATCGCCAATAACCTTACCAGCACGGTCCAGGTCTTCACGGACTCAGACTATCAGCTCCCGTACGTGCTCGGGTCGGCTCACGAGGGCTGCCTCCCGCCGTTCCCAGCGGACGTTTTCATGATTCCTCAGTACGGGTATCTGACGCTTAATGATGGAAGCCAGGCCGTGGGTCGTTCGTCCTTTTACTGCCTGGAATATTTCCCGTCGCAAATGCTAAGAACGGGTAACAACTTCCAGTTCAGCTACGAGTTTGAGAACGTACCTTTCCATAGCAGCTACGCTCACAGCCAAAGCCTGGACCGACTAATGAATCCACTCATCGACCAATACTTGTACTATCTCTCAAAGACTATTAACGGTTCTGGACAGAATCAACAAACGCTAAAATTCAGTGTGGCCGGACCCAGCAACATGGCTGTCCAGGGAAGAAACTACATACCTGGACCCAGCTACCGACAACAACGTGTCTCAACCACTGTGACTCAAAACAACAACAGCGAATTTGCTTGGCCTGGAGCTTCTTCTTGGGCTCTCAATGGACGTAATAGCTTGATGAATCCTGGACCTGCTATGGCCAGCCACAAAGAAGGAGAGGACCGTTTCTTTCCTTTGTCTGGATCTTTAATTTTTGGCAAACAAGGAACTGGAAGAGACAACGTGGATGCGGACAAAGTCATGATAACCAACGAAGAAGAAATTAAAACTACTAACCCGGTAGCAACGGAGTCCTATGGACAAGTGGCCACAAACCACCAGAGTGCCCAAGCACAGGCGCAGACCGGCTGGGTTCAAAACCAAGGAATACTTCCGGGTATGGTTTGGCAGGACAGAGATGTGTACCTGCAAGGACCCATTTGGGCCAAAATTCCTCACACGGACGGCAACTTTCACCCTTCTCCGCTGATGGGAGGGTTTGGAATGAAGCACCCGCCTCCTCAGATCCTCATCAAAAACACACCTGTACCTGCGGATCCTCCAACGGCCTTCAACAAGGACAAGCTGAACTCTTTCATCACCCAGTATTCTACTGGCCAAGTCAGCGTGGAGATCGAGTGGGAGCTGCAGAAGGAAAACAGCAAGCGCTGGAACCCGGAGATCCAGTACACTTCCAACTATTACAAGTCTAATAATGTTGAATTTGCTGTTAATACTGAAGGTGTATATAGTGAACCCCGCCCCATTGGCACCAGATACCTGACTCGTAATCTGTAA(配列番号:14)。
【0120】
野生型AAVrh74、配列番号15(野生型AAVrh74)の例示的な参照配列は、以下の通りである。
【化5】
【0121】
配列番号16の代替の例示的な参照配列(代替の野生型AAVrh74)は、以下の通りである。
【化6】
【0122】
上の配列(配列番号15又は配列番号16)では、VP1、VP2、及びVP3に見られる配列には下線が引かれ(例えば、VP3カプシドポリペプチドは、配列番号15のアミノ酸204~739に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなり)、VP1及びVP2の両方に見られる配列は太字であり(例えば、VP2カプシドポリペプチドは、例えば、配列番号15のアミノ酸137~739に対応する配列を含み、例えば、それらからなり)、下線が引かれていないか、又は太字でない配列は、VP1にのみ見られる(例えば、VP1カプシドポリペプチドは、配列番号15のアミノ酸1~739に対応するアミノ酸を含み、例えば、それらからなる)。
【0123】
配列番号15をコードする例示的な核酸配列は、配列番号17である。
ATGGCTGCCGATGGTTATCTTCCAGATTGGCTCGAGGACAACCTCTCTGAGGGCATTCGCGAGTGGTGGGACCTGAAACCTGGAGCCCCGAAACCCAAAGCCAACCAGCAAAAGCAGGACAACGGCCGGGGTCTGGTGCTTCCTGGCTACAAGTACCTCGGACCCTTCAACGGACTCGACAAGGGGGAGCCCGTCAACGCGGCGGACGCAGCGGCCCTCGAGCACGACAAGGCCTACGACCAGCAGCTCCAAGCGGGTGACAATCCGTACCTGCGGTATAATCACGCCGACGCCGAGTTTCAGGAGCGTCTGCAAGAAGATACGTCTTTTGGGGGCAACCTCGGGCGCGCAGTCTTCCAGGCCAAAAAGCGGGTTCTCGAACCTCTGGGCCTGGTTGAATCGCCGGTTAAGACGGCTCCTGGAAAGAAGAGGCCGGTAGAGCCATCACCCCAGCGCTCTCCAGACTCCTCTACGGGCATCGGCAAGAAAGGCCAGCAGCCCGCAAAAAAGAGACTCAATTTTGGGCAGACTGGCGACTCAGAGTCAGTCCCCGACCCTCAACCAATCGGAGAACCACCAGCAGGCCCCTCTGGTCTGGGATCTGGTACAATGGCTGCAGGCGGTGGCGCTCCAATGGCAGACAATAACGAAGGCGCCGACGGAGTGGGTAGTTCCTCAGGAAATTGGCATTGCGATTCCACATGGCTGGGCGACAGAGTCATCACCACCAGCACCCGCACCTGGGCCCTGCCCACCTACAACAACCACCTCTACAAGCAAATCTCCAACGGGACCTCGGGAGGAAGCACCAACGACAACACCTACTTCGGCTACAGCACCCCCTGGGGGTATTTTGACTTCAACAGATTCCACTGCCACTTTTCACCACGTGACTGGCAGCGACTCATCAACAACAACTGGGGATTCCGGCCCAAGAGGCTCAACTTCAAGCTCTTCAACATCCAAGTCAAGGAGGTCACGCAGAATGAAGGCACCAAGACCATCGCCAATAACCTTACCAGCACGATTCAGGTCTTTACGGACTCGGAATACCAGCTCCCGTACGTGCTCGGCTCGGCGCACCAGGGCTGCCTGCCTCCGTTCCCGGCGGACGTCTTCATGATTCCTCAGTACGGGTACCTGACTCTGAACAATGGCAGTCAGGCTGTGGGCCGGTCGTCCTTCTACTGCCTGGAGTACTTTCCTTCTCAAATGCTGAGAACGGGCAACAACTTTGAATTCAGCTACAACTTCGAGGACGTGCCCTTCCACAGCAGCTACGCGCACAGCCAGAGCCTGGACCGGCTGATGAACCCTCTCATCGACCAGTACTTGTACTACCTGTCCCGGACTCAAAGCACGGGCGGTACTGCAGGAACTCAGCAGTTGCTATTTTCTCAGGCCGGGCCTAACAACATGTCGGCTCAGGCCAAGAACTGGCTACCCGGTCCCTGCTACCGGCAGCAACGTGTCTCCACGACACTGTCGCAGAACAACAACAGCAACTTTGCCTGGACGGGTGCCACCAAGTATCATCTGAATGGCAGAGACTCTCTGGTGAATCCTGGCGTTGCCATGGCTACCCACAAGGACGACGAAGAGCGATTTTTTCCATCCAGCGGAGTCTTAATGTTTGGGAAACAGGGAGCTGGAAAAGACAACGTGGACTATAGCAGCGTGATGCTAACCAGCGAGGAAGAAATAAAGACCACCAACCCAGTGGCCACAGAACAGTACGGCGTGGTGGCCGATAACCTGCAACAGCAAAACGCCGCTCCTATTGTAGGGGCCGTCAATAGTCAAGGAGCCTTACCTGGCATGGTGTGGCAGAACCGGGACGTGTACCTGCAGGGTCCCATCTGGGCCAAGATTCCTCATACGGACGGCAACTTTCATCCCTCGCCGCTGATGGGAGGCTTTGGACTGAAGCATCCGCCTCCTCAGATCCTGATTAAAAACACACCTGTTCCCGCGGATCCTCCGACCACCTTCAATCAGGCCAAGCTGGCTTCTTTCATCACGCAGTACAGTACCGGCCAGGTCAGCGTGGAGATCGAGTGGGAGCTGCAGAAGGAGAACAGCAAACGCTGGAACCCAGAGATTCAGTACACTTCCAACTACTACAAATCTACAAATGTGGACTTTGCTGTCAATACTGAGGGTACTTATTCCGAGCCTCGCCCCATTGGCACCCGTTACCTCACCCGTAATCTGTAA(配列番号:17)。
【0124】
本開示は、カプシド(Cap)遺伝子によってコードされる構造カプシドタンパク質(VP1、VP2、及びVP3を含む)を指す。これらのカプシドタンパク質は、AAVなどのウイルスベクターの外側タンパク質構造シェル(すなわち、カプシド)を形成する。Capポリヌクレオチドから合成されたVPカプシドタンパク質は、一般に、ペプチド配列中の第1のアミノ酸としてメチオニン(Met1)を含み、これが、対応するCapヌクレオチド配列中の開始コドン(AUG又はATG)と会合する。しかしながら、第1のメチオニン(Met1)残基、又は一般に任意の第1のアミノ酸(AA1)が、Met-アミノペプチダーゼなどのタンパク質処理酵素によるポリペプチド合成の間又はその最中に切断されることが一般的である。この「Met/AA-クリッピング」プロセスは、多くの場合、ポリペプチド配列中の第2のアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、セリン、トレオニンなど)の対応するアセチル化と相関する。Met-クリッピングは、一般に、VP1及びVP3カプシドタンパク質で生じるが、VP2カプシドタンパク質でも生じ得る。Met/AA-クリッピングが不完全である場合、ウイルスカプシドを含む1つ以上(1つ、2つ、又は3つ)のVPカプシドタンパク質の混合物を生成することができ、そのうちのいくつかが、Met1/AA1アミノ酸(Met+/AA+)を含み、そのうちのいくつかが、Met/AA-クリッピング(Met-/AA-)の結果として、Met1/AA1アミノ酸を欠いている。カプシドタンパク質におけるMet/AA-クリッピングに関する更なる考察については、Jin,et al.Direct Liquid Chromatography/Mass Spectrometry Analysis for Complete Characterization of Recombinant Adeno-Associated Virus Capsid Proteins.Hum Gene Ther Methods.2017 Oct.28(5):255-267、Hwang,et al.N-Terminal Acetylation of Cellular Proteins Creates Specific Degradation Signals.Science.2010 February 19.327(5968):973-977を参照されたい(それらの内容は、各々その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。本開示によれば、カプシドポリペプチドへの言及は、クリッピングされた(Met-/AA-)又はクリッピングされていない(Met+/AA++)のいずれかに限定されず、文脈において、独立したカプシドポリペプチド、カプシドタンパク質の混合物から構成されるウイルスカプシド、及び/又は本開示のカプシドポリペプチドをコードするか、記述するか、生成するか、又はもたらすポリヌクレオチド配列(又はその断片)も指す。「カプシドポリペプチド」(VP1、VP2、又はVP3など)への直接的な言及は、Met1/AA1アミノ酸(Met+/AA+)、及びMet/AAクリッピングの結果としてMet1/AA1アミノ酸を欠く(Met-/AA-)対応するVPカプシドポリペプチドを含む、VPカプシドタンパク質も含む。更に、本開示によれば、それぞれ、Met1/AA1アミノ酸を含む(Met+/AA+)1つ以上のカプシドポリペプチドを含むか、又はコードする特定の配列番号(タンパク質であるか、又は核酸であるかによらず)への言及は、配列のレビュー時に、Met1/AA1アミノ酸を欠くVPカプシドポリペプチドを教示することが理解されるべきであり、第1の列挙されたアミノ酸(Met1/AA1であるか否かにかかわらず)を単に欠く任意の配列は、容易に明らかである。非限定的な例として、長さが736アミノ酸であり、AUG/ATG開始コドンによってコードされる「Met1」アミノ酸を含む(Met+)VP1ポリペプチド配列への言及は、長さが735アミノ酸であり、736アミノ酸Met+配列の「Met1」アミノ酸を含まない(Met-)VP1ポリペプチド配列も教示すると理解される。第2の非限定的な例として、長さが736アミノ酸であり、任意のNNNイニシエーターコドンによってコードされる「AA1」アミノ酸を含む(AA1+)VP1ポリペプチド配列への言及は、長さが735アミノ酸であり、736アミノ酸AA1+配列の「AA1」アミノ酸を含まない(AA1-)VP1ポリペプチド配列も教示すると理解され得る。VPカプシドタンパク質から形成されるウイルスカプシドへの言及(例えば、特定のAAVカプシド血清型への言及)は、Met1/AA1アミノ酸を含む(Met+/AA1+)VPカプシドタンパク質、Met/AA1クリッピングの結果としてMet1/AA1アミノ酸を欠く(Met-/AA1-)対応するVPカプシド、及びそれらの組み合わせ(Met+/AA1+及びMet-/AA1-)を組み込むことができる。非限定的な例として、AAVカプシド血清型は、VP1(Met+/AA1+)、VP1(Met-/AA1-)、又はVP1(Met+/AA1+)及びVP1(Met-/AA1-)の組み合わせを含んでいてもよい。AAVカプシド血清型はまた、VP3(Met+/AA1+)、VP3(Met-/AA1-)、又はVP3(Met+/AA1+)及びVP3(Met-/AA1-)の組み合わせを含んでいてもよく、同様の任意選択的なVP2(Met+/AA1)及びVP2(Met-/AA1-)の組み合わせも含んでいてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、上述のこれらのいずれかに対して50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、参照AAVカプシド配列は、上述のこれらのいずれかに対して50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。特定の実施形態では、参照配列は、AAVカプシド配列ではなく、代わりに、異なるベクター(例えば、レンチウイルス、プラスミドなど)である。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示の核酸(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドタンパク質をコードする)は、核酸(例えば、当該核酸を含むプラスミドベクター)でトランスフェクトされた、又は当該核酸を含むウイルスに感染した細胞において転写、翻訳、及び/又は発現を可能にするような方式で核酸分子に作動可能に連結される従来の制御要素又は配列を含む。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結される」配列には、目的の遺伝子と連続する発現制御配列、及び目的の遺伝子を制御するためにトランスで、又は離れて作用する発現制御配列の両方が含まれる。
【0128】
発現制御配列は、スプライシング及びポリアデニル化(ポリA)シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;適切な転写開始配列、終結配列、プロモーター配列及びエンハンサー配列;細胞質mRNAを安定化する配列;タンパク質安定性を増強する配列;翻訳効率を増強する配列(例えば、コザックコンセンサス配列);並びにいくつかの実施形態では、コードされた導入遺伝子産物の分泌を増強する配列を含む。天然の、構成的、誘導性、及び/又は組織特異的プロモーターを含む、発現制御配列は、当該技術分野で既知であり、本明細書に開示する組成物及び方法とともに利用することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子の天然プロモーターを使用してもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、天然プロモーターは、導入遺伝子の天然発現を模倣してもよく、時間的、発達的、若しくは組織特異的な発現、又は特異的な転写刺激に応答した発現を提供してもよい。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、例えば、天然の発現を模倣するために、エンハンサー要素、ポリアデニル化部位、又はコザックコンセンサス配列などの他の天然の発現制御要素に作動可能に連結し得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、組織特異的プロモーターに作動可能に連結される。
【0131】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を担持するベクター(例えば、プラスミド)はまた、選択可能なマーカー又はレポーター遺伝子を含み得る。そのような選択可能なレポーター又はマーカー遺伝子を使用して、細菌細胞中のベクター、例えばプラスミドの存在をシグナル伝達することができる。ベクターの他の成分、例えば、プラスミドは、複製起点を含み得る。これら及び他のプロモーター並びにベクター要素の選択は、従来から行われており、多くのそのような配列が利用可能である(例えば、Sambrook et al及びその中に引用されている参考文献を参照のこと)。
【0132】
いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼における形質導入を増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、網膜における形質導入を増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、黄斑及び小柱網に対して、非黄斑網膜における形質導入を増加させる。いくつかの実施形態において、ウイルス粒子は、静脈内に投与される。
【0133】
いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を少なくとも1倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を少なくとも2倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を4倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を6倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を8倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を10倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を15倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を16倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を32倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を64倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を100倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を150倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を200倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を500倍増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、例えば、参照カプシドポリペプチド、例えば、野生型カプシドポリペプチド(配列番号1)を有するウイルス粒子と比較して、眼形質導入を1000倍増加させる。複数の実施形態では、増加した眼形質導入は、バリアントウイルス粒子にパッケージングされた核酸から産生される標的組織(例えば、標的組織の細胞又は細胞集合体)におけるmRNAのレベルを、参照ウイルス粒子にパッケージングされた(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むカプシドにパッケージングされた)核酸から産生される標的組織(例えば、標的組織の細胞又は細胞集合体)におけるmRNAのレベルと比較することによって測定される。
【0134】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、単離又は精製されたポリペプチドである(例えば、細胞、他の生物学的成分、又は汚染物質から単離又は精製された)。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、例えば、本明細書に記載される、ディペンドパルボウイルス粒子内に存在する。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、例えば、本明細書に記載される、細胞、無細胞系、又は翻訳系内に存在する。
【0135】
いくつかの実施形態では、カプシドポリペプチドは、ディペンドパルボウイルスB(例えば、AAV2)粒子中に存在する。いくつかの実施形態では、カプシド粒子は、増加した眼形質導入を有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に提供されるアミノ酸配列(例えば、配列番号2~4)に対して少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドは、本明細書に提供されるバリアントカプシドポリペプチドのアミノ酸配列とは30個以下、29個以下、28個以下、27個以下、26個以下、25個以下、24個以下、23個以下、22個以下、21個以下、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、11個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、追加の変化は、ディペンドパルボウイルス粒子の生成特徴又はそれを作製する方法を改善する。いくつかの実施形態では、追加の変化は、ディペンドパルボウイルス粒子の別の特徴、例えば、向性を改善するか、又は変化させる。
【0138】
VP1核酸及びポリペプチド
本開示は更に、一部には、本明細書で提供されるディペンドパルボウイルス(例えば、ディペンドパルボウイルスB、例えば、AAV2)ポリペプチドをコードする配列を含む核酸、及びそれによってコードされるVP1ポリペプチドを対象とする。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2、3、又は4の配列を含む。
【0139】
ディペンドパルボウイルス粒子
本開示はまた、一部には、本明細書に記載されるか、又は本明細書に記載の方法によって生成される核酸又はバリアントカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子(例えば、機能性ディペンドパルボウイルス粒子)を対象とする。
【0140】
ディペンドパルボウイルスは、特定の機能が、例えば、同時感染ヘルパーウイルスによって提供される、細胞内でのみ成長する一本鎖DNAパルボウイルスである。アデノ随伴ウイルス(AAV)として当該技術分野で既知の血清型を含む、ディペンドパルボウイルスA及びディペンドパルボウイルスBを含む、いくつかの種のディペンドパルボウイルスが既知である。特徴付けられている少なくとも13種類のAAVの血清型。AAVの一般的な情報及び概説は、例えば、Carter,Handbook of Parvoviruses,Vol.1,pp.169-228(1989)、及びBerns,Virology,pp.1743-1764,Raven Press,(New York,1990)で見出され得る。AAV血清型、及びある程度まで、ディペンドパルボウイルス種は、構造的及び機能的に有意に相互に関連している。(例えば、Blacklowe,pp.165-174 of Parvoviruses and Human Disease,J.R.Pattison編集(1988)、及びRose,Comprehensive Virology 3:1-61(1974)を参照されたい)。例えば、全てのAAV血清型が、相同rep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明白に示し、全てが、3つの関連するカプシドタンパク質を有する。加えて、ヘテロ二本鎖分析は、ゲノムの長さに沿った血清型間の広範な交差ハイブリダイゼーションを明らかにし、相互関連性を更に示唆する。ディペンドパルボウイルスゲノムはまた、「逆位末端反復配列」(ITR)に対応する末端に、自己アニーリングセグメントを含む。
【0141】
天然に存在するディペンドパルボウイルス、例えばAAV血清型のゲノム編成は、非常に似ている。例えば、AAVのゲノムは、およそ5,000ヌクレオチド(nt)長以下である直鎖一本鎖DNA分子である。逆位末端反復(ITR)は、非構造複製(Rep)タンパク質及び構造カプシド(Cap)タンパク質に固有のコードヌクレオチド配列に隣接している。3種類の異なるウイルス粒子(VP)タンパク質は、カプシドを形成する。末端の145ntは、自己相補的であり、T字形のヘアピンを形成するエネルギー的に安定した分子内二本鎖が形成され得るように組織化される。これらのヘアピン構造は、ウイルスDNA複製の起源として機能し、細胞DNAポリメラーゼ複合体のプライマーとしての役割を果たす。Rep遺伝子は、Rep78、Rep68、Rep52、及びRep40といったRepタンパク質をコードする。Rep78及びRep68は、p5プロモーターから転写され、Rep52及びRep40は、p19プロモーターから転写される。cap遺伝子は、VPタンパク質であるVP1、VP2、及びVP3をコードする。cap遺伝子は、p40プロモーターから転写される。
【0142】
いくつかの実施形態では、本開示のディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に提供されるカプシドポリペプチドを含む核酸を含む。いくつかの実施形態では、粒子は、本明細書に提供されるバリアントカプシドポリペプチドを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、本開示のディペンドパルボウイルス粒子は、AAV2粒子又はそのバリアントであってもよい。いくつかの実施形態では、AAV2粒子は、本明細書に提供されるカプシドポリペプチド、及び/又はそれをコードする核酸分子を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含むカプシドを含む。複数の実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に記載されるバリアントカプシドポリペプチドと、核酸分子と、を含む。複数の実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に記載されるバリアントカプシドポリペプチドと、1つ以上の逆位末端反復配列(ITR)、例えば、AAV2ディペンドパルボウイルスに由来するITR、1つ以上の調節要素(例えば、プロモーター)、及びペイロード(例えば、本明細書に記載されるような)を含む核酸分子と、を含む。いくつかの実施形態では、ITRのうちの少なくとも1つが修飾される。複数の実施形態では、核酸分子は、一本鎖である。複数の実施形態では、核酸分子は、自己相補的である。
【0145】
増加した眼形質導入特徴(眼の標的化)
本開示は、一部には、参照配列のカプシドポリペプチドを有する、例えば、配列番号1の野生型配列を有する、ウイルス粒子と比較して、増加した眼形質導入(例えば、網膜形質導入)を有するウイルス粒子を生成するための核酸、ポリペプチド、細胞、無細胞系、翻訳系、ウイルス粒子、それらを作製することに関連する組成物及び方法を対象とする。複数の実施形態では、そのような増加した眼形質導入は、ウイルス粒子又はその組成物の静脈内投与の後に示される。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、眼における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらし、したがって、眼における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、網膜における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらし、したがって、網膜における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、非黄斑網膜における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらし、したがって、非黄斑網膜における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、黄斑における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらし、したがって、黄斑における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、小柱網における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらし、したがって、小柱網における導入遺伝子の発現をもたらす。複数の実施形態では、増加した眼形質導入は、静脈内投与時に達成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、硝子体液の前方の構造を含む、眼の前方3分の1における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらす。硝子体液の前方の構造の例としては、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、小柱網、及びシュレム管が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、小柱網、若しくはシュレム管、又はそれらの任意の組み合わせにおける導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、水晶体に対して後方、例えば、前部硝子体膜及びその背後にある全ての光学構造、例えば、硝子体液、網膜、脈絡膜若しくは視神経、又はそれらの任意の組み合わせにおける導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらす。したがって、いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、前部硝子体膜及びその背後にある全ての光学構造、例えば、硝子体液、網膜、脈絡膜若しくは視神経、又はそれらの任意の組み合わせにおける導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、眼の前方3分の1及び硝子体液の前方における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらす。
【0147】
いくつかの実施形態では、眼形質導入の増加は、log2スケールで、参照配列カプシドポリペプチドを有する(例えば、配列番号1の野生型カプシドポリペプチドを有する)ウイルス粒子よりも約1~10倍良好(例えば、約2~5倍良好、例えば、約3~5倍良好、例えば、約7~9倍良好、例えば、約8倍良好)である。例えば、形質導入に関してlog2スケールで別のウイルス粒子よりも8倍良好であるウイルス粒子は、したがって、参照配列を有するウイルス粒子と比較して、形質導入において256倍の改善を示す。複数の実施形態では、増加した形質導入は、静脈内投与時に達成される。
【0148】
いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して、眼におけるバリアントカプシドポリペプチドの生体内分布を増加させることなく、形質導入を増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して、網膜におけるバリアントカプシドポリペプチドの生体内分布を増加させることなく、形質導入を増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して、小柱網におけるバリアントカプシドポリペプチドの生体内分布を増加させることなく、形質導入を増加させる。複数の実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、野生型AAV2及び/又は野生型AAV5カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対してそれぞれの場合に、眼の1つ以上の領域(例えば、脈絡膜、網膜、黄斑、非黄斑網膜、又は小柱網)における形質導入を増加させるが、肝臓における形質導入を減少させる。複数の実施形態では、肝臓形質導入の減少は、AAV2又はAAV5のいずれかに対して少なくとも約4分の1であり、複数の実施形態では、野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子よりも少なくとも約16分の1低い。本発明の例示的なバリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の相対形質導入値(野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対するlog2)は、表1及び表4~6に提供される。上述の実施形態のいずれかを含む複数の実施形態では、形質導入は、例えば、実施例1に記載されるように、目的の組織の細胞から単離されたウイルスRNAの定量的NGS配列決定によって測定される通りである。上述の実施形態のいずれかを含む複数の実施形態では、形質導入は、例えば、実施例1に記載されるように、目的の組織から単離されたウイルスDNAの定量的NGS配列決定によって測定される通りである。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して、眼におけるバリアントカプシドポリペプチドの生体内分布を増加させることなく、形質導入を増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して、網膜におけるバリアントカプシドポリペプチドの生体内分布を増加させることなく、形質導入を増加させる。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、配列番号1に対して、小柱網におけるバリアントカプシドポリペプチドの生体内分布を増加させることなく、形質導入を増加させる。
【0149】
増加したCNS形質導入特徴(CNS標的化及び二重CNS/眼標的化)
本開示は、一部には、参照配列のカプシドポリペプチドを有する、例えば、配列番号1の野生型配列を有する、ウイルス粒子と比較して、増加した中枢神経系(「CNS」)形質導入(例えば、脳全体、小脳及び/又は中脳)形質導入を有するウイルス粒子を生成するための核酸、ポリペプチド、細胞、無細胞系、翻訳系、ウイルス粒子、それらを作製することに関連する組成物及び方法を対象とする。複数の実施形態では、そのような増加したCNS形質導入は、ウイルス粒子又はその組成物の静脈内投与の後に示される。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、脳の1つ以上の領域における導入遺伝子の増加した形質導入をもたらし、したがって、そのような脳の1つ以上の領域における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、中脳における導入遺伝子の増加した形質導入をもたらし、したがって、中脳における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、小脳における導入遺伝子の増加した形質導入をもたらし、したがって、小脳における導入遺伝子の発現をもたらす。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の使用は、CNSの1つ以上の領域(例えば、小脳及び/又は中脳)における導入遺伝子の増加した形質導入をもたらし、眼の1つ以上の領域(例えば、網膜、黄斑、脈絡膜、及び/又は小柱網)における導入遺伝子の増加した眼形質導入をもたらし、したがって、そのような組織の組み合わせにおける導入遺伝子の発現をもたらす。複数の実施形態では、増加したCNS又はCNS及び眼の形質導入は、静脈内投与時に達成される。
【0150】
いくつかの実施形態では、CNS形質導入の増加は、log2スケールで、参照配列カプシドポリペプチドを有する(例えば、配列番号1の野生型カプシドポリペプチドを有する)ウイルス粒子よりも約1~10倍良好(例えば、約2~8倍良好、例えば、約3~8倍良好、例えば、約5~8倍良好、例えば、約若しくは少なくとも8倍良好)である。例えば、形質導入に関してlog2スケールで別のウイルス粒子よりも8倍良好であるウイルス粒子は、したがって、参照配列を有するウイルス粒子と比較して、形質導入において256倍の改善を示す。複数の実施形態では、増加した形質導入は、静脈内投与時に達成される。
【0151】
減少した肝臓形質導入特徴(肝臓脱標的化)
複数の実施形態では、ウイルス粒子中に存在するカプシドポリペプチドは、野生型AAV2及び/又は野生型AAV5カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対してそれぞれの場合に、眼の1つ以上の領域(例えば、脈絡膜、網膜、黄斑、非黄斑網膜、又は小柱網)及び/又はCNSの1つ以上の領域における形質導入を増加させるが、肝臓における形質導入を減少させる。複数の実施形態では、肝臓形質導入の減少は、野生型AAV2又は野生型AAV5のいずれかに対して少なくとも約4分の1であり、複数の実施形態では、野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子よりも少なくとも約16分の1低い。
【0152】
複数の実施形態では、本明細書に記載のカプシドポリペプチド及び当該カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子であって、当該(本明細書に記載の)カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子が、野生型AAV2のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチド)を含む比較ウイルス粒子に対して、(1)1つ以上の眼組織(例えば、神経網膜、黄変及び/若しくは網膜の神経網膜層、脈絡膜及び/又は小柱網)における形質導入を増加させ、(2)1つ以上のCNS組織(例えば、中脳及び/又は小脳)における形質導入を増加させ、(3)1つ以上の肝臓組織における形質導入を減少させた、カプシドポリペプチド及び上述のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子が本明細書に提供される。複数の実施形態では、1つ以上の眼組織に対する増加した形質導入は、野生型AAV2のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチド)を有するそれ以外は同一のウイルス粒子によって示される形質導入の少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、又は少なくとも100倍のレベルであり、1つ以上のCNS組織に対する増加した形質導入は、野生型AAV2のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチド)を有するそれ以外は同一のウイルス粒子によって示される形質導入の少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも100倍、少なくとも150倍、又は少なくとも300倍のレベルであり、1つ以上の肝臓組織に対する減少した形質導入は、野生型AAV2のカプシドポリペプチド(例えば、配列番号1のカプシドポリペプチド)を有するそれ以外は同一のウイルス粒子によって示される形質導入の25%以下、又は5%以下のレベルである。複数の実施形態では、形質導入は、例えば、哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類への全身(例えば、静脈内)投与後に測定される。複数の実施形態では、形質導入は、例えば、実施例1に記載されるように、目的の組織から単離されたウイルスRNAの定量的NGS配列決定によって測定される通りである。
【0153】
本発明の例示的なバリアントカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子の相対形質導入値(野生型AAV2(肝臓の場合には、野生型AAV5)カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対するlog2)は、表1及び表4~7に提供される。上述の実施形態のいずれかを含む複数の実施形態では、形質導入は、例えば、実施例1に記載されるように、目的の組織の細胞から単離されたウイルスRNAの定量的NGS配列決定によって測定される通りである。上述の実施形態のいずれかを含む複数の実施形態では、生体内分布は、例えば、実施例1に記載されるように、目的の組織から単離されたウイルスDNAの定量的NGS配列決定によって測定される通りである。
【0154】
本明細書に記載の組成物を作製する方法
本開示は、一部には、本明細書に記載のカプシドポリペプチド、又はディペンドパルボウイルス粒子、例えば、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法は、本明細書で提供されるバリアントカプシドポリペプチド、又は本明細書で提供されるポリペプチド(例えば、バリアントカプシドポリペプチド)をコードする本明細書に記載の核酸を含む細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を提供することと、ディペンドパルボウイルス粒子の生成に好適な条件下で、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を育成することと、を含み、それによって、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核酸を含む細胞を提供することは、核酸を細胞に導入すること、例えば、細胞を核酸でトランスフェクト又は形質転換することを含む。本開示の核酸は、宿主細胞、例えば、裸のDNA、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、エピソーム、非ウイルス送達ビヒクル(例えば、脂質ベースの担体)中のタンパク質、その上に担持される配列を導入するウイルスなどに送達され得る任意の遺伝子要素(ベクター)の一部として位置し得る。そのようなベクターは、トランスフェクション、リポソーム送達、エレクトロポレーション、膜融合技術、ウイルス感染、高速DNAコーティングペレット、及びプロトプラスト融合を含む、任意の好適な方法によって送達され得る。当業者は、本発明の任意の実施形態を構築するための核酸操作における知識及び技能を有し、当該技能は、遺伝子工学、組換え工学、及び合成技術を含む。例えば、Sambrook et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NYを参照されたい。
【0156】
いくつかの実施形態では、本開示のベクターは、本明細書に提供されるようなディペンドパルボウイルスバリアントカプシドポリペプチドをコードする配列、又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、本開示のベクターは、ディペンドパルボウイルスrepタンパク質をコードする配列、又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、かかるベクターは、ディペンドパルボウイルスcap(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチド)及びrepタンパク質の両方をコードする配列を含み得る。AAVのrep及びcapの両方が提供されるベクターでは、ディペンドパルボウイルスrep配列及びディペンドパルボウイルスcap配列は、両方とも同じディペンドパルボウイルス種又は血清型起源のもの(例えば、AAV2)であり得る。代替的に、本開示はまた、rep配列が、cap配列の由来となるものとは異なるディペンドパルボウイルス種又は血清型由来であるベクターを提供する。いくつかの実施形態では、rep配列及びcap配列は、別個の供給源(例えば、別個のベクター、又は宿主細胞ゲノム及びベクター)から発現される。いくつかの実施形態では、rep配列は、異なるディペンドパルボウイルス種又は血清型のcap配列にインフレームで融合され、キメラディペンドパルボウイルスベクターを形成する。いくつかの実施形態では、本発明のベクターは、ペイロード、例えば、ディペンドパルボウイルス5’ITR及びディペンドパルボウイルス3’ITRに隣接する、選択された導入遺伝子(例えば、本明細書に記載のペイロード)を含むミニ遺伝子を更に含有する。
【0157】
本明細書に記載のベクター、例えば、プラスミドは、様々な目的に有用であるが、ディペンドパルボウイルス配列又はその断片、及びいくつかの実施形態では、ペイロードを含む組換えディペンドパルボウイルス粒子の生成における使用に特に十分に適している。
【0158】
いくつかの実施形態では、本開示は、ディペンドパルボウイルス粒子(例えば、ディペンドパルボウイルスB粒子、例えば、AAV2粒子、若しくは本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む粒子)、又はその一部分を作製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に提供されるディペンドパルボウイルスバリアントカプシドタンパク質をコードする核酸配列、又はその断片、機能性rep遺伝子、ペイロード(例えば、本明細書に記載されるような)、例えば、ディペンドパルボウイルス逆位末端反復(ITR)及び導入遺伝子を含むミニ遺伝子、任意選択的にプロモーターなどの調節要素(例えば、プロモーター)の制御下で、並びにペイロード、例えば、ミニ遺伝子をディペンドパルボウイルスカプシドにパッケージングするのを促進するのに十分なヘルパー機能を含有する宿主細胞を培養することを含む。ペイロード、例えば、ミニ遺伝子をディペンドパルボウイルスカプシドにパッケージングするために宿主細胞中で培養される必要がある成分は、トランスで宿主細胞に提供され得る。いくつかの実施形態では、必要な成分(例えば、ペイロード(例えば、ミニ遺伝子)、rep配列、cap配列、及び/又はヘルパー機能)のうちの任意の1つ以上は、当業者に既知の方法を使用して、必要な成分のうちの1つ以上を安定的に含むように操作されている宿主細胞によって提供され得る。いくつかの実施形態では、必要な成分を安定的に含むように操作された宿主細胞は、それを誘導性プロモーターの制御下に含む。いくつかの実施形態では、必要な成分は、構成的プロモーターの制御下にあり得る。好適な誘導性及び構成的プロモーターの例を本明細書に提供し、更なる例は、当業者に既知である。いくつかの実施形態では、1つ以上の成分を安定的に含むように操作された選択された宿主細胞は、構成的プロモーターの制御下にある成分と、1つ以上の誘導性プロモーターの制御下にある別の成分と、を含み得る。例えば、必要な成分を安定的に含むように操作された宿主細胞は、1つ以上の誘導性プロモーターの制御下にあるrep及び/又はcapタンパク質を含む、293細胞(例えば、構成的プロモーターの制御下にあるヘルパー機能を含む)から生成され得る。
【0159】
本開示のディペンドパルボウイルス粒子の生成に必要なペイロード(例えば、ミニ遺伝子)、rep配列、cap配列、及びヘルパー機能は、(例えば、ベクター又はベクターの組み合わせにおいて)その上に運ばれる配列を導入する任意の遺伝子要素の形態でパッケージング宿主細胞に送達され得る。遺伝子要素は、本明細書に記載されるものを含む任意の好適な方法によって送達され得る。本開示の遺伝子要素、ベクター、及び他の核酸を構築するために使用される方法は、当業者に既知であり、遺伝子工学、組換え工学、及び合成技術を含む。例えば、Sambrook et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NYを参照されたい。同様に、rAAVビリオンを生成する方法は周知であり、好適な方法の選択は、本発明を限定するものではない。例えば、K.Fisher et al,J.Virol,70:520-532(1993)及び米国特許第5,478,745号を参照されたい。別途指定されない限り、ディペンドパルボウイルスITR、及び本明細書に記載の他の選択されたディペンドパルボウイルス成分は、任意のディペンドパルボウイルス種及び血清型、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV9の中から容易に選択され得る。ITR又は他のディペンドパルボウイルス成分は、当業者に利用可能な技術を使用して、ディペンドパルボウイルス種又は血清型から容易に単離され得る。ディペンドパルボウイルス種及び血清型は、学術的、商業的、又は公的資源(例えば、American Type Culture Collection,Manassas,VA)から単離又は取得することができる。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス配列は、文献又はデータベース(例えば、GenBank、PubMedなど)で利用可能であるような公開された配列を参照することによって、合成又は他の好適な手段を通して取得され得る。
【0160】
本開示のディペンドパルボウイルス粒子(例えば、バリアントカプシドポリペプチド及び例えば、ペイロードを含む)は、ディペンドパルボウイルス又は生物学的産物の生成を可能にする任意の無脊椎動物細胞型を用いて生成することができ、培養物中で維持することができる。いくつかの実施形態では、昆虫細胞は、本明細書に記載の組成物の生成において、又は本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法において使用され得る。例えば、使用される昆虫細胞は、Spodoptera frugiperda由来のもの、例えば、Sf9、SF21、SF900+、ショウジョウバエ細胞株、蚊細胞株、例えば、Aedes albopictus由来の細胞株、カイコ細胞株、例えば、Bombyxmori細胞株、Trichoplusia ni細胞株、例えば、High Five細胞、又はLepidoptera細胞株、例えば、Ascalapha odorata細胞株であり得る。いくつかの実施形態では、昆虫細胞は、バキュロウイルス感染に感受性であり、High Five、Sf9、Se301、SeIZD2109、SeUCR1、SP900+、Sf21、BTI-TN-5B1-4、MG-1、Tn368、HzAml、BM-N、Ha2302、Hz2E5及びAo38を含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、ディペンドパルボウイルスの複製又は生物学的産物の生成を可能にし、かつ培養液中で維持することができる、任意の哺乳動物細胞型を用いて実行することができる。いくつかの実施形態では、使用される哺乳動物細胞は、HEK293、HEK293T、HeLa、CHO、NS0、SP2/0、PER.C6、Vero、RD、BHK、HT 1080、A549、Cos-7、ARPE-19、又はMRC-5細胞であり得る。いくつかの実施形態では、培養物は、付着細胞培養物である。いくつかの実施形態では、培養物は、懸濁液細胞培養物である。
【0162】
昆虫細胞においてタンパク質(例えば、組換え又は異種タンパク質、例えば、ディペンドパルボウイルスポリペプチド)を発現させる方法は、十分に文書化されており、核酸、例えばベクター、例えば昆虫細胞適合性ベクターをそのような細胞に導入する方法、及びそのような細胞を培養液中で維持する方法などである。例えば、METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,ed.Richard,Humana Press,N J(1995)、O’Reilly et al.,BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS,A LABORATORY MANUAL,Oxford Univ.Press(1994)、Samulski et al.,J.Vir.63:3822-8(1989)、Kajigaya et al.,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 88:4646-50(1991)、Ruffing et al.,J.Vir.66:6922-30(1992)、Kirnbauer et al.,Vir.219:37-44(1996)、Zhao et al.,Vir.272:382-93(2000)、及びSamulski et al.,米国特許第6,204,059号を参照されたい。いくつかの実施形態では、昆虫細胞においてディペンドパルボウイルスポリペプチド(例えば、ディペンドパルボウイルスゲノム)をコードする核酸構築物は、昆虫細胞適合性ベクターである。本明細書で使用される場合、「昆虫細胞適合性ベクター」は、昆虫又は昆虫細胞の生成的形質転換又はトランスフェクションが可能な核酸分子を指す。例示的な生物学的ベクターとしては、プラスミド、直鎖核酸分子、及び組換えウイルスが挙げられる。任意のベクターが、昆虫細胞適合性である限り用いられ得る。ベクターは、昆虫細胞のゲノムに組み込むことができるか、又は染色体外に存在し続けることができる。ベクターは、永続的又は一過性に、例えば、エピソームベクターとして存在し得る。ベクターは、当該技術分野で知られている任意の方法によって導入され得る。かかる手段には、細胞の化学的処理、エレクトロポレーション、又は感染が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、ベクターは、バキュロウイルス、ウイルスベクター、又はプラスミドである。
【0163】
いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルスポリペプチドをコードする核酸配列は、Sf9又はHEK細胞などの特定の細胞型における発現のために調節発現調節配列に作動可能に連結される。昆虫宿主細胞又は哺乳動物宿主細胞において外来遺伝子を発現するための、当業者に公知の手法が、本開示の組成物及び方法とともに使用され得る。昆虫細胞におけるポリペプチドの分子操作及び発現のための方法は、例えば、Summers and Smith.A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Culture Procedures,Texas Agricultural Experimental Station Bull.No.7555,College Station,Tex.(1986)、Luckow.1991.In Prokop et al.,Cloning and Expression of Heterologous Genes in Insect Cells with Baculovirus Vectors’ Recombinant DNA Technology and Applications,97-152(1986)、King,L.A.and R.D.Possee,The baculovirus expression system,Chapman and Hall,United Kingdom(1992)、O’Reilly,D.R.,L.K.Miller,V.A.Luckow,Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual,New York(1992)、W.H.Freeman and Richardson,C.D.,Baculovirus Expression Protocols,Methods in Molecular Biology,volume 39(1995)、米国特許第4,745,051号、US2003/148506、及びWO03/074714に記載される。ディペンドパルボウイルスポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の転写に適したプロモーターとしては、多面体、p10、p35、又はIE-1プロモーターが挙げられ、上述の参考文献に記載される更なるプロモーターも企図される。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸を含む細胞を提供することは、核酸を含む細胞を取得することを含む。
【0165】
細胞、無細胞系、及び他の翻訳系を育成する方法は、当業者に既知である。いくつかの実施形態では、細胞を育成することは、細胞に適切な培地を提供することと、細胞及び培地を、ウイルス粒子生成を達成するのに適切な時間インキュベートすることと、を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法は、1つ以上の他の成分(例えば、細胞又は培地成分)からディペンドパルボウイルス粒子を単離することを含む精製工程を更に含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子の生成は、ディペンドパルボウイルス粒子を生成するための、ディペンドパルボウイルスポリペプチドの発現、ディペンドパルボウイルスカプシド(例えば、本明細書に提供されるバリアントカプシドポリペプチドを含むカプシド)の組み立て、ディペンドパルボウイルスゲノムの発現(例えば、複製)、及びディペンドパルボウイルスカプシドへのディペンドパルボウイルスゲノムのパッケージングのうちの1つ以上(例えば、全て)を含む。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子の生成は、ディペンドパルボウイルス粒子の分泌を更に含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、及び本明細書の他の箇所に記載されるように、バリアントカプシドポリペプチドをコードする核酸分子が、ディペンドパルボウイルスゲノム内に配置される。いくつかの実施形態では、及び本明細書の他の箇所に記載されるように、バリアントカプシドポリペプチドをコードする核酸分子は、本明細書に記載されるディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法の一部として、ディペンドパルボウイルスゲノムとともにディペンドパルボウイルス粒子内にパッケージングされる。他の実施形態では、バリアントカプシドポリペプチドをコードする核酸分子は、本明細書に記載される方法によって作製されるディペンドパルボウイルス粒子内にパッケージングされない。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法は、ペイロード(例えば、本明細書に記載のペイロード)及びバリアントカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子を生成する。いくつかの実施形態では、ペイロードは、(例えば、ディペンドパルボウイルスゲノムに加えて)第2の核酸を含み、ディペンドパルボウイルス粒子の生成は、第2の核酸をディペンドパルボウイルス粒子にパッケージングすることを含む。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法において使用するための細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、第2の核酸を含む。いくつかの実施形態では、第2の核酸は、外因性配列(例えば、ディペンドパルボウイルス、細胞に対して外因性、又はディペンドパルボウイルス粒子を投与される標的細胞若しくは対象に対して外因性)を含む。いくつかの実施形態では、外因性配列は、外因性ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、外因性配列は、治療用生成物をコードする。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸又はポリペプチドは、当業者に知られている方法によって生成される。本開示の核酸、ポリペプチド、及びそれらの断片は、組換え生成、化学合成、又は他の合成手段を含む任意の好適な手段によって生成され得る。このような生成方法は、当業者の知識の範囲内であり、本発明を限定するものではない。
【0171】
用途
本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸、ポリペプチド、又は粒子を含む組成物を対象とする。本開示は、一部には、本明細書に記載の組成物、核酸、ポリペプチド、又は粒子を利用する方法を更に対象とする。本開示に基づいて明らかになるように、本明細書に開示される核酸、ポリペプチド、粒子、及び方法は、様々な有用性を有する。
【0172】
本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸、例えば、バリアントカプシドポリペプチドをコードする核酸を含むベクターを対象とする。多くの種類のベクターは、当業者に公知である。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドを含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、単離されたベクター、例えば、細胞又は他の生物学的成分から除去された単離されたベクターである。
【0173】
本開示は、一部には、本明細書に記載の核酸又はベクター、例えば、バリアントカプシドポリペプチドをコードする核酸分子を含む核酸又はベクターを含む、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系を対象とする。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、バリアントカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子を生成することができる。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、バリアントカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子の生成を促進するのに十分な、ディペンドパルボウイルスゲノム又はディペンドパルボウイルスゲノムの成分を含む核酸を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、ディペンドパルボウイルス粒子の生成及び/又は分泌を促進する1つ以上の非ディペンドパルボウイルス核酸配列を更に含む。当該配列は、本明細書においてヘルパー配列と称される。いくつかの実施形態では、ヘルパー配列は、別のウイルス、例えば、アデノウイルス又はヘルペスウイルス由来の1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、ヘルパー配列の存在は、ディペンドパルボウイルス粒子の生成及び/又は分泌に必要である。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、1つ以上のヘルパー配列を含むベクター、例えば、プラスミドを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、第1の核酸及び第2の核酸を含み、第1の核酸は、1つ以上のディペンドパルボウイルス遺伝子(例えば、Cap遺伝子、Rep遺伝子、又は完全なディペンドパルボウイルスゲノム)をコードする配列、及びヘルパー配列を含み、第2の核酸は、ペイロードを含む。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、第1の核酸及び第2の核酸を含み、第1の核酸は、1つ以上のディペンドパルボウイルス遺伝子(例えば、Cap遺伝子、Rep遺伝子、又は完全なディペンドパルボウイルスゲノム)をコードする配列、及びペイロードを含み、第2の核酸は、ヘルパー配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、第1の核酸及び第2の核酸を含み、第1の核酸は、ヘルパー配列及びペイロードを含み、第2の核酸は、1つ以上のディペンドパルボウイルス遺伝子(例えば、Cap遺伝子、Rep遺伝子、又は完全なディペンドパルボウイルスゲノム)をコードする配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞、無細胞系、又は他の翻訳系は、第1の核酸、第2の核酸、及び第3の核酸を含み、第1の核酸は、1つ以上のディペンドパルボウイルス遺伝子(例えば、Cap遺伝子、Rep遺伝子、又は完全なディペンドパルボウイルスゲノム)をコードする配列を含み、第2の核酸は、ヘルパー配列を含み、第3の核酸は、ペイロードを含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、第1の核酸、第2の核酸、及び任意選択的に第3の核酸は、別個の分子、例えば、別個のベクター、又はベクター及びゲノムDNA中に位置する。いくつかの実施形態では、第1の核酸、第2の核酸、及び任意選択的に第3の核酸のうちの1つ、2つ、又は全てが、細胞のゲノム内に組み込まれる(例えば、安定的に組み込まれる)。
【0177】
本開示の細胞は、適切な細胞を本明細書に記載の核酸でトランスフェクトすることによって生成され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるバリアントカプシドポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法、又はディペンドパルボウイルス粒子を作製する方法を改善することは、本明細書に記載の細胞を提供することを含む。いくつかの実施形態では、細胞を提供することは、好適な細胞を、本明細書に記載の1つ以上の核酸でトランスフェクトすることを含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、バリアントカプシドを含むウイルス粒子は、同じ生成細胞型、例えば、HEK293細胞、例えば、HEK293細胞の付着培養物からのwtAAV2の生成レベルの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%のレベルで生成される。いくつかの実施形態では、バリアントカプシドを含むウイルス粒子は、同じ生成細胞型、例えば、HEK293細胞、例えば、HEK293細胞の付着培養物からのwtAAV2の生成レベルの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、又はそれより大きいレベルで生成される。
【0179】
本明細書に記載の核酸及びベクターとともに使用するのに好適な細胞の多くの型及び種類は、当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、不死化細胞又は当該技術分野で公知の細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、HEK293細胞である。
【0180】
ウイルス粒子、及びペイロードを送達する方法
本開示は、一部には、ペイロードを細胞、例えば、対象内又は試料内の細胞に送達する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、ペイロードを細胞に送達する方法は、細胞を、バリアントカプシドポリペプチド(例えば、本明細書に記載のもの)を含み、ペイロード(例えば、本明細書に記載のもの)を含むディペンドパルボウイルス粒子と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子であり、本明細書に記載のペイロードを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、眼細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、CNS細胞である。いくつかの実施形態では、眼細胞は、網膜、黄斑、又は小柱網内にある。いくつかの実施形態では、眼細胞は、網膜内にある。いくつかの実施形態では、眼細胞は、黄斑内にある。いくつかの実施形態では、眼細胞は、小柱網内にある。いくつかの実施形態では、細胞は、小脳細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、中脳細胞である。いくつかの実施形態では、本開示は、一部には、CNS細胞及び眼細胞、例えば、対象又は試料中の細胞にペイロードを送達する方法であって、細胞を、バリアントカプシドポリペプチド(例えば、本明細書に記載のもの)を含み、ペイロード(例えば、本明細書に記載のもの)を含むディペンドパルボウイルス粒子と接触させることを含み、ペイロードが、CNS細胞及び眼細胞の両方に送達される、方法を対象とする。複数の実施形態では、ペイロードは、他の細胞型、例えば、肝臓細胞に対してよりも、CNS及び/又は眼細胞に対して、より高い効率で送達される。
【0181】
いくつかの実施形態では、眼細胞は、眼の前方3分の1内にあり、これは、硝子体液の前方の構造を含む。硝子体液の前方の構造の例としては、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、小柱網、及びシュレム管が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、細胞は、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、小柱網、若しくはシュレム管、又はそれらの任意の組み合わせ内にある。
【0182】
いくつかの実施形態では、眼細胞は、水晶体に対して後方、例えば、前部硝子体膜及びその背後にある全ての光学構造、例えば、硝子体液、網膜、脈絡膜若しくは視神経、又はそれらの任意の組み合わせ内にある。したがって、いくつかの実施形態では、細胞は、前部硝子体膜及びその背後にある全ての光学構造、例えば、硝子体液、網膜、脈絡膜若しくは視神経、又はそれらの任意の組み合わせ内にある。
【0183】
本開示は、一部には、本明細書に記載のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子を更に対象とする。複数の実施形態では、ウイルス粒子は、本明細書に記載のカプシドポリペプチドと、核酸発現構築物と、を含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸発現構築物は、ペイロードを含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、目的のポリペプチド、RNA(例えば、miRNA若しくはsiRNA)、又は他の産物をコードする導入遺伝子に隣接するベクター配列に対して異種の核酸配列である。導入遺伝子の核酸は、宿主細胞中で導入遺伝子の転写、翻訳、及び/又は発現を促進するのに十分な様式で調節成分に作動可能に連結され得る。
【0185】
導入遺伝子は、任意のポリペプチド又はRNAコード配列であってよく、選択される導入遺伝子は、想定される使用に依存する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、発現時に検出可能なシグナルを生成するレポーター配列を含む。かかるレポーター配列としては、限定されないが、比色レポーター(例えば、β-ラクタマーゼ、β-ガラクトシダーゼ(LacZ)、アルカリホスファターゼ)、細胞分裂レポーター(例えば、チミジンキナーゼ)、蛍光又は発光レポーター(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)又はルシフェラーゼ)、耐性輸送配列(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT))、又はそれらを対象とする高親和性抗体が存在するか、又は従来の手段、例えば、抗原タグ、例えば、ヘマグルチニン又はMycを含むことによって生成され得る膜結合タンパク質をコードするDNA配列が含まれる。
【0186】
いくつかの実施形態では、それらの発現を駆動する調節要素と作動可能に連結されたレポーター配列は、酵素アッセイ、放射線撮影アッセイ、比色アッセイ、蛍光アッセイ、又は他のスペクトログラフィーアッセイ、蛍光活性化細胞選別アッセイ、並びに酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び免疫組織化学を含む免疫学的アッセイを含む従来の手段によって検出可能なシグナルを提供する。
【0187】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、RNA、タンパク質、ペプチド、酵素、ドミナントネガティブ変異体などの、生物学及び医学において有用な産物をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、tRNA、リボソームRNA、dsRNA、触媒RNA、低分子ヘアピンRNA、siRNA、トランススプライシングRNA、及びアンチセンスRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNAは、治療される対象(例えば、ヒト又は動物の対象)において標的の核酸配列の発現を阻害するか、又は無効にする。
【0188】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を使用して、遺伝子欠損を修正又は改善し得る。いくつかの実施形態では、遺伝子欠損には、正常な遺伝子が正常レベル未満で発現される欠損、又は機能性遺伝子産物が発現されない欠損が含まれる。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、宿主細胞で発現される治療用タンパク質又はポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、複数の導入遺伝子を更に含むか、又は送達して、例えば、マルチサブユニットタンパク質によって引き起こされる遺伝子欠損を修正又は改善し得る。いくつかの実施形態では、異なる導入遺伝子(例えば、各々が異なるディペンドパルボウイルス粒子に、又は単一のディペンドパルボウイルス粒子に位置する/送達される)を使用して、例えば、タンパク質サブユニットをコードするDNAのサイズが大きい場合、例えば、免疫グロブリン、血小板由来成長因子、又はジストロフィンタンパク質について、タンパク質の各サブユニットをコードするか、又は異なるペプチド若しくはタンパク質をコードし得る。いくつかの実施形態では、タンパク質の異なるサブユニットは、同じ導入遺伝子、例えば、内部リボザイム進入部位(IRES)又は酵素的に切断可能な配列(例えば、フリン切断部位)によって分離された各サブユニットのDNAを有する各サブユニットをコードする単一の導入遺伝子によってコードされ得る。いくつかの実施形態では、翻訳後事象において自己切断する2Aペプチドをコードする配列によってDNAが分離されていてもよい。例えば、Donnelly et al,J.Gen.Virol.,78(Pt 1):13-21(January 1997)、Furler,et al,Gene Ther.,8(11):864-873(June 2001)、Klump et al.,Gene Ther 8(10):811-817(May 2001)を参照されたい。
【0189】
いくつかの実施形態では、ゲノムを含むウイルス粒子が提供され、ゲノムは、核酸発現構築物を含む。核酸発現構築物は、ペイロード、例えば、異種導入遺伝子及び1つ以上の調節要素を含むペイロードを含み得る。
【0190】
いくつかの実施形態では、粒子は、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、眼の1つ以上の領域における増加した形質導入を伴って、ペイロードを眼に送達し、形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、150倍、200倍、250倍、又は500倍大きい。
【0191】
いくつかの実施形態では、粒子は、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、眼の1つ以上の領域における増加した形質導入特異性を伴って、ペイロードを眼に送達し、形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、200倍、500倍、又は1000倍大きく、形質導入の増加が、網膜組織に対して、非黄斑網膜に特異的である。いくつかの実施形態では、粒子は、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、眼の1つ以上の領域における増加した形質導入特異性を伴って、ペイロードを眼に送達し、形質導入の増加が、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と比較して、少なくとも2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、100倍、200倍、500倍、又は1000倍であり、形質導入の増加が、小柱網組織に対して、非黄斑網膜に特異的である。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む)は、例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、増加した網膜形質導入、例えば、少なくとも200倍、又は少なくとも250倍増加した網膜形質導入を示し、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%の生成レベルまで生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む)は、例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも200倍増加した網膜形質導入である増加した網膜形質導入を示し、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%の生成レベルまで生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む)は、例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも250倍増加した網膜形質導入である増加した網膜形質導入を示し、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%の生成レベルまで生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む)は、例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、増加した網膜形質導入、例えば、少なくとも200倍、又は少なくとも250倍増加した網膜形質導入を示し、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%の生成レベルまで生成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む)は、(1)例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、増加した網膜形質導入、例えば、少なくとも200倍、少なくとも250倍、又はそれより大きく増加した網膜形質導入を示し、(2)例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、増加したCNS(例えば、中脳及び/又は小脳)形質導入、例えば、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、又はそれより大きく増加したCNS(例えば、中脳及び/又は小脳)を示し、(3)配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%の生成レベルまで生成される。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子(例えば、本明細書に記載のバリアントカプシドポリペプチドを含む)は、(1)例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、増加した網膜形質導入、例えば、少なくとも200倍、少なくとも250倍、又はそれより大きく増加した網膜形質導入を示し、(2)例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、増加したCNS(例えば、中脳及び/又は小脳)形質導入、例えば、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、又はそれより大きく増加したCNS(例えば、中脳及び/又は小脳)を示し、(3)例えば、静脈内投与の後、配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、減少した肝臓形質導入、例えば、少なくとも3分の1、少なくとも10分の1、又は少なくとも30分の1に減少した肝臓形質導入を示し、(4)配列番号1のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%の生成レベルまで生成される。
【0194】
上述の実施形態のいずれかでは、増加した形質導入又は生体内分布は、本明細書で実施例1に記載されるように測定される通りである(例えば、形質導入に関して、試験物品中のそのウイルス粒子の有病率に対して正規化された目的のバルク組織、例えば、NHP組織から単離されたウイルスcDNAの定量化によって測定されるような、また、生体内分布に関して、試験物品中のそのウイルス粒子の有病率に対して正規化された目的のバルク組織、例えば、NHP組織から単離されたウイルスDNAの定量化によって測定されるような)。
【0195】
いくつかの実施形態では、ウイルス粒子の核酸は、プロモーターを含む調節要素を含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞、例えば目的のヒト細胞型において活性なユビキタス又は構成的プロモーターである。
いくつかの実施形態では、細胞型は、眼細胞、例えば、神経網膜細胞、光受容性網膜神経節細胞、双極細胞、水平細胞、無軸索細胞、光受容体(例えば、桿体又は錐体細胞)、内皮細胞(例えば、網膜色素上皮細胞)、及び内皮様細胞などである。ユビキタスプロモーターの例としては、限定されないが、CAGプロモーター(サイトメガロウイルス早期エンハンサー要素由来のハイブリッド、ニワトリ-ベータアクチンプロモーター、例えば、ニワトリベータアクチン遺伝子の第1のエキソン及び第1のイントロン、並びに任意選択的にウサギベータグロビン遺伝子のスプライスアクセプター)、ニワトリ-ベータアクチンプロモーター、CBAプロモーター、CMVプロモーター、ヒトPGKプロモーター、ユビキチンプロモーター、ヒトEF1-アルファプロモーター、及びそれらの断片が挙げられる。いくつかの実施形態では、プロモーターは、組織特異的プロモーター、例えば、眼組織又は眼の細胞に特異的なプロモーターである。眼組織特異的プロモーターの例としては、限定されないが、TBGプロモーター、hAATプロモーター、CK8プロモーター及びSPc5-12プロモーター、桿体において活性であるrhoプロモーター、錐体において活性であるオプシンプロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、調節要素は、光受容体細胞特異的調節要素(例えば、プロモーター)、例えば、ロドプシンプロモーター;ロドプシンキナーゼプロモーター;ベータホスホジエステラーゼ遺伝子プロモーター;網膜色素変性症遺伝子プロモーター;光受容体間レチノイド結合タンパク質(IRBP)遺伝子エンハンサー;IRBP遺伝子プロモーター、オプシン遺伝子プロモーター、レチノスキシン遺伝子プロモーター、CRXホメオドメインタンパク質遺伝子プロモーター、グアニンヌクレオチド結合タンパク質アルファ形質導入活性ポリペプチド1(GNAT1)遺伝子プロモーター、神経網膜特異的ロイシンジッパータンパク質(NRL)遺伝子プロモーター、ヒト錐体アレスチン(hCAR)プロモーター、並びにPR2.1、PR1.7、PR1.5、及びPR1.1プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、網膜色素上皮(RPE)細胞特異的調節要素(例えば、RPE特異的プロモーター)、例えば、RPE細胞において作動的に連結される遺伝子の選択的発現を与える調節要素、例えば、RPE65遺伝子プロモーター、細胞レチンアルデヒド結合タンパク質(CRALBP)遺伝子プロモーター、網膜色素上皮由来因子(PEDF、別名セルピンF1)遺伝子プロモーター、及び卵黄様黄斑ジストロフィー(VMD2)プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、グリア細胞に特異的なプロモーター、例えば、網膜グリア細胞において作動可能に連結されるペイロードの選択的発現を与える調節要素、例えば、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターを含む。いくつかの場合では、調節要素は、双極細胞に特異的であるプロモーター(例えば、双極特異的プロモーター)、例えば、双極細胞において作動可能に連結されるペイロードの選択的発現を与える調節要素、例えば、GRM6プロモーターを含む。複数の実施形態では、プロモーター配列は、100~1000ヌクレオチド長である。複数の実施形態では、プロモーター配列は、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、又は約1000ヌクレオチド長である。前述の文で使用される場合、「約」は、列挙された長さの50ヌクレオチド以内の値を指す。好適な調節要素、例えば、プロモーターは、限定されないが、本明細書に記載されるものなど、当業者によって容易に選択され得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、核酸発現構築物は、イントロンを含む。イントロンは、プロモーターと異種導入遺伝子との間に配置されてもよい。いくつかの態様では、イントロンは、発現構築物上の異種導入遺伝子に対して5’に、例えば、異種導入遺伝子に対して5’にすぐに、又は異種導入遺伝子に対して5’の100ヌクレオチド以内に配置される。いくつかの態様では、イントロンは、ヒトb-グロビン及びIg重鎖に由来するキメライントロン(b-グロビンスプライスドナー/免疫グロビン重鎖スプライスアクセプターイントロン、又はb-グロビン/IgGキメライントロンとしても知られる、Reed,R.,et al.Genes and Development,1989、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)である。他の態様では、イントロンは、VH4イントロン又はSV40イントロンである。
【0197】
本明細書に提供されるように、いくつかの実施形態では、ペイロードを含むウイルス粒子であって、ペイロードが、異種導入遺伝子を含む核酸を含む、ウイルス粒子が提供される。いくつかの実施形態では、異種導入遺伝子は、RNA干渉剤、例えば、siRNA、shRNA、又は他の干渉核酸をコードする。
【0198】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、治療用ポリペプチドをコードする異種導入遺伝子を含む。いくつかの態様では、異種導入遺伝子は、ヒト遺伝子又はその断片である。いくつかの態様では、治療用ポリペプチドは、ヒトタンパク質である。いくつかの実施形態では、ウイルス粒子の異種導入遺伝子は、疾患の治療に有用な分子をコードし、ウイルス粒子は、当該疾患を治療するためにそれを必要とする患者に投与される。本開示による疾患(及び異種導入遺伝子又は当該異種導入遺伝子によってコードされる分子)の例としては、MPSI(アルファ-L-イズロニダーゼ(IDUA));MPS II-ハンター症候群(イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS));セロイドリポフスチン症(すなわち、神経セロイドリポフスチン症)-バッテン病(CLN1、CLN2、CLN10、CLN13、CLN5、CLN11、CLN4、CNL14、CLN3、CLN6、CLN7、CLN8、CLN12);MPS Illa-サンフィリポA型症候群(ヘパリン硫酸スルファターゼ(N-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)とも呼ばれる);MPS IIIB-サンフィリポb型症候群(N-アセチル-アルファ-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU));MPS VI-マロトー・ラミー症候群(アリールスルファターゼB);MPS IV A-モルキオ症候群A型(GALNS);MPS IV B-モルキオ症候群B型(GLB1);骨形成不全症I型、II型、III型、又はIV型(COL1Al及び/又はCOL1A2);遺伝性血管性浮腫(SERPING1、C1NH);骨形成不全症V型(IFITM5);骨形成不全症VI型(SERPINF1);骨形成不全症VII型(CRTAP);骨形成不全症VIII型(LEPRE1及び/又はP3H1);骨形成不全症IX型(PPIB);ゴーシェ病I型、II型及びIII型(グルコセレブロシダーゼ;GBAl);パーキンソン病(グルコセレブロシダーゼ;GBAl及び/又はドーパミンデカルボキシラーゼ);ポンペ(酸マルターゼ;GAA;hGAA);異染性白質ジストロフィー(アリールスルファターゼA);MPS VII-スライ症候群(ベータ-グルクロニダーゼ);MPS VIII(グルコサミン-6-硫酸スルファターゼ);MPS IX(ヒアルロニダーゼ);メープルシロップ尿症(BCKDHA、BCKDHB、及び/又はDBT);ニーマン・ピック病(スフィンゴミエリナーゼ);パーキンソン病(抗アルファシヌクレインRNAi);アルツハイマー病(抗変異体APP RNAi);スフィンゴミエリナーゼ欠損症を伴わないニーマン・ピック病(コレステロール代謝酵素をコードするNPC1又はNPC遺伝子);テイ-サックス病(ベータ-ヘキソサミニダーゼのアルファサブユニット);サンドホフ病(ベータ-ヘキソサミニダーゼのアルファ及びベータサブユニットの両方);ファブリー病(アルファ-ガラクトシダーゼ);フコシドーシス(フコシダーゼ(FUCAl));アルファ-マンノシドーシス(アルファ-マンノシダーゼ);ベータ-マンノシドーシス(ベータ-マンノシダーゼ);ウォルマン病(コレステロールエステルヒドロラーゼ);ドラベ症候群(SCN1A、SCN1B、SCN2A、GABRG2);パーキンソン病(ニュールツリン);パーキンソン病(グリア由来成長因子(GDGF));パーキンソン病(チロシンヒドロキシラーゼ);パーキンソン病(グルタミン酸デカルボキシラーゼ;FGF-2;BDGF);脊髄性筋萎縮症(SMN、SMN1又はSMN2を含む);フリードライヒ運動失調症(フラタキシン);筋萎縮性側索硬化症(ALS)(SOD1阻害剤、例えば、抗SOD1 RNAi);糖原病Ia型(グルコース-6-ホスファターゼ);XLMTM(MTMl);クリグラー・ナジャー(UGTlAl);CPVT(CASQ2);脊髄小脳変性症(ATXN2;ATXN3又は他のATXN遺伝子;抗変異体マシャド・ジョセフ病/SCA3対立遺伝子RNAi);レット症候群(MECP2又はその断片);色覚異常(CNGB3、CNGA3、GNAT2、PDE6C);コロイデレミア(CDM);ダノン病(LAMP2);嚢胞性線維症(CFTR又はその断片);デュシェンヌ型筋ジストロフィー(ミニ-/マイクロ-ジストロフィン遺伝子);SARS-Cov-2感染(抗SARS-Cov-2 RNAi、SARS-Cov-2ゲノム断片又はSタンパク質(バリアントを含む));肢帯型筋ジストロフィー2C型-ガンマ-サルコグリカノパチー(ヒト-アルファ-サルコグリカン);進行性心不全(SERCA2a);関節リウマチ(TNFR:Fc融合;抗TNF抗体又はその断片);レーベル先天性黒内障(GAA);X連鎖性副腎白質ジストロフィー(ABCD1);肢帯型筋ジストロフィー2C型-ガンマ-サルコグリカノパチー(ガンマ-サルコグリカン);アンジェルマン症候群(UBE3A);網膜色素変性症(hMERTK);加齢黄斑変性(sFLT01);フェラン-マクダーミド症候群(SHANK3;22q13.3置換);ベッカー型筋ジストロフィー及び封入体筋炎(huFollistatin344);パーキンソン病(GDNF);異染性白質ジストロフィー-MLD(cuARSA);C型肝炎(抗HCV RNAi);肢帯型筋ジストロフィー2D型(hSGCA);ヒト免疫不全ウイルス感染;(PG9DP);急性間欠性ポルフィリン症(PBGD);レーベル遺伝性視神経症(PIND4v2);アルファ-1アンチトリプシン欠乏症(alphaIAT);X連鎖性網膜分離症(RS1);コロイデレミア(hCHM);巨大軸索ニューロパチー(GAN);血友病B(第IX因子);ホモ接合性FH(hLDLR);遠位型ミオパチー(DYSF);色覚異常(CNGA3又はCNGB3);進行性核上性麻痺(MAPT;抗Tau;抗MAPT RNAi);オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症(OTC);血友病A(第VIII因子);加齢黄斑変性(AMD)、ウェット型AMD(抗VEGF抗体又はRNAi);X連鎖性網膜色素変性(RPGR);筋強直性ジストロフィー1型(DMPK;抗DMPK RNAi、抗CTGトリヌクレオチドリピートRNAiを含む);筋強直性ジストロフィー2型(CNBP);顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(D4Z4 DNA);眼咽頭型筋ジストロフィー(PABPN1;変異したPABPN1阻害剤(例えば、RNAi));ムコ多糖症VI型(hARSB);レーベル遺伝性視神経症(ND4);X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(MTMl);クリグラー・ナジャー症候群(UGTlAl);網膜色素変性(hPDE6B);ムコ多糖症3B型(hNAGLU);デュシェンヌ型筋ジストロフィー(GALGT2);アルツハイマー病(NGF;ApoE4;ApoE2;ApoE3;抗ApoE RNAi);家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症(LPL);アルファ-1アンチトリプシン欠乏症(hAAT);レーベル先天性黒内障2(hRPE65v2);バッテン病;後期乳児神経リポフスチン症(CLN2);ハンチントン病(HTT;抗HTT RNAi);脆弱X症候群(FMR1);レーベル遺伝性視神経症(PlND4v2);芳香族アミノ酸脱炭酸酵素欠損症(hAADC);網膜色素変性(hMERKTK);及び網膜色素変性(RLBP1)が挙げられる。
【0199】
いくつかの態様では、異種導入遺伝子は、抗体又はその断片(例えば、抗体軽鎖、抗体重鎖、Fab、又はscFv)をコードする。異種導入遺伝子によってコードされる抗体又はその断片の例としては、限定されないが、及び抗Ab抗体(例えば、ソラネズマブ、GSK933776、及びレカネマブ)、抗ソルチリン(例えば、AL-001)、抗Tau(例えば、ABBV-8E12、UCB-0107、及びNI-105)、抗SEMA4D(例えば、VX15/2503)、抗アルファシヌクレイン(例えば、プラシネズマブ、NI-202、及びMED-1341)、抗SOD1(例えば、NI-204)、抗CGRP受容体(例えば、エプチネズマブ、フレマネズマブ、又はガルカネズマブ)、抗VEGF(例えば、セバシズマブ、ラニビズマブ、ベバシズマブ、及びブロルシズマブ)、抗EpoR(例えば、LKA-651、)、抗ALKl(例えば、アスクリンバクマブ)、抗C5(例えば、テシドルマブ、ラブリズマブ、及びエクリズマブ)、抗CD105(例えば、カロツキシマブ)、抗CClQ(例えば、ANX-007)、抗TNFa(例えば、アダリムマブ、インフリキシマブ、及びゴリムマブ)、抗RGMa(例えば、エレザヌマブ)、抗TTR(例えば、NI-301及びPRX-004)、抗CTGF(例えば、パムレブルマブ)、抗IL6R(例えば、サトラリズマブ、トシリズマブ、及びサリルマブ)、抗IL6(例えば、シルツキシマブ、クラザキズマブ、シルクマブ、オロキズマブ、及びゲリリムズマブ)、抗IL4R(例えば、デュピルマブ)、抗IL17A(例えば、イキセキズマブ及びセクキヌマブ)、抗IL5R(例えば、レスリズマブ)、抗IL-5(例えば、ベンラリズマブ及びメポリズマブ)、抗IL13(例えば、トラロキヌマブ)、抗IL12/IL23(例えば、ウステキヌマブ)、抗CD19(例えば、イネビリズマブ)、抗IL31RA(例えば、ネモリズマブ)、抗ITGF7 mAb(例えば、エトロリズマブ)、抗SOST mAb(例えば、ロモソズマブ)、抗IgE(例えば、オマリズマブ)、抗TSLP(例えば、ネモリズマブ)、抗pKal mAb(例えば、ラナデルマブ)、抗ITGA4(例えば、ナタリズマブ)、抗ITGA4B7(例えば、ベドリズマブ)、抗BLyS(例えば、ベリムマブ)、抗PD-1(例えば、ニボルマブ及びペムブロリズマブ)、抗RANKL(例えば、デノスマブ)、抗PCSK9(例えば、アリロクマブ及びエボロクマブ)、抗ANGPTL3(例えば、エビナクマブ*)、抗OxPL(例えば、E06)、抗fD(例えば、ランパリズマブ)、又は抗MMP9(例えば、アンデカリキシマブ)が挙げられ、任意選択的に、重鎖(Fab及びFc領域)並びに軽鎖が、自己切断フリン(F)/F2A又はフリン(F)/T2A、IRES部位、又は可撓性リンカーによって分離され、例えば、等量の重鎖及び軽鎖ポリペプチドの発現を確実にする。
【0200】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、眼の障害に連結された遺伝子産物をコードする核酸、又はその断片を含む。眼の障害に連結する例示的な遺伝子産物としては、例えば、ADP-リボース化因子様6(ARL6);BBSome相互作用タンパク質1(BBIP1);BBSomeタンパク質1(BBS1);BBSomeタンパク質2(BBS2);BBSomeタンパク質4(BBS4);BBSomeタンパク質5(BBS5);BBSomeタンパク質7(BBS7);BBSomeタンパク質9(BBS9);BBSomeタンパク質10(BBS10);BBSomeタンパク質12(BBS12);中心体タンパク質290kDa(CEP290);繊毛内輸送タンパク質172(IFT172);繊毛内輸送タンパク質27(IFT27);イノシトールポリリン酸-5-ホスファターゼE(INPP5E);内向き整流カリウムチャネルサブファミリーJメンバー13(KCNJ13);ロイシンジッパー転写因子様-1(LZTFL1);McKusick-Kaufman症候群タンパク質(MKKS);メッケル症候群1型タンパク質(MKS1);ネフロン癆3タンパク質(NPHP1);血清学的に定義された結腸がん抗原8(SDCCAG8);三者モチーフ含有タンパク質32(TRIM32);テトラトリコペプチドリピートドメイン8(TTC8);バッテン病タンパク質(CLN3);シトクロムP450 4V2(CYP4V2);Rabエスコートタンパク質1(CHM);PR(正の調節)ドメイン含有13タンパク質(PRDM13);RPE-網膜Gタンパク質結合受容体(RGR);TEAドメインファミリーメンバー1(TEAD1);アリール炭化水素相互作用受容体タンパク質様1(AIPL1);錐体-桿体otx様光受容体ホメオボックス転写因子(CRX);グアニル酸シクラーゼ活性化タンパク質1A(GUCA1A);網膜特異的グアニル酸シクラーゼ(GUCY2D);ホスファチジルイノシトール輸送膜関連ファミリーメンバー3(PITPNM3);プロミニン1(PROM1);ペリフェリン(PRPH);ペリフェリン2(PRPH2);調節性シナプス膜エキソサイトーシスタンパク質1(RIMS1);セマフォリン4A(SEMA4A);C.elegans unc119タンパク質(UNC119)のヒトホモログ;ATP結合カセット輸送体-網膜(ABCA4);ADAMメタロペプチダーゼドメイン9(ADAM9);活性化転写因子6(ATF6);染色体21オープンリーディングフレーム2(C21orf2);染色体8オープンリーディングフレーム37(C8orf37);カルシウムチャネル;電位依存性;アルファ2/デルタサブユニット4(CACNA2D4);カドヘリン関連ファミリーメンバー1(プロトカドヘリン21)(CDHR1);セラミドキナーゼ様タンパク質(CERKL);錐体光受容体cGMPゲート陽イオンチャネルアルファサブユニット(CNGA3);錐体環状ヌクレオチドゲート陽イオンチャネルベータ3サブユニット(CNGB3);サイクリンM4(CNNM4);グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質);アルファ形質導入活性ポリペプチド2(GNAT2);カリウムチャネルサブファミリーVメンバー2(KCNV2);ホスホジエステラーゼ6C(PDE6C);ホスホジエステラーゼ6H(PDE6H);セントリオール1中心体タンパク質Bのプロテオーム(POC1B);RASがん遺伝子ファミリーのRAB28メンバー(RAB28);網膜及び前部神経フォールドホメオボックス2転写因子(RAX2);11-cisレチノールデヒドロゲナーゼ5(RDH5);RP GTPase調節相互作用タンパク質1(RPGRIP1);チューブリンチロシンリガーゼ様ファミリーメンバー5(TTLL5);L型電位依存性カルシウムチャネルアルファ-1サブユニット(CACNA1F);網膜色素変性症GTPase調節因子(RPGR);椎体トランスデュシンアルファサブユニット(GNAT1);椎体cGMPホスホジエステラーゼベータサブユニット(PDE6B);ロドプシン(RHO);カルシウム結合タンパク質4(CABP4);Gタンパク質共役受容体179(GPR179);ロドプシンキナーゼ(GRK1);代謝型グルタミン酸受容体6(GRM6);ロイシンリッチリピート免疫グロブリン様膜貫通ドメインタンパク質3(LRIT3);アレスチン(s-抗原)(SAG);溶質キャリアファミリー24(SLC24A1);一過性受容器電位陽イオンチャネル、サブファミリーM、メンバー1(TRPM1);ニクタロピン(NYX);緑色錐体オプシン(OPN1LW);赤色錐体オプシン(OPN1MW);青色錐体オプシン(OPN1SW);フラタキシン(FXN);イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ1(IMPDH1);オーソデンティクルホメオボックス2タンパク質(OTX2);crumbsホモログ1(CRB1);デスドメイン含有タンパク質1(DTHD1);成長分化因子6(GDF6);繊毛内輸送140 Chlamydomonasホモログタンパク質(IFT140);IQモチーフ含有Bタンパク質(IQCB1);レベルシリン(LCA5);レシチンレチノールアシルトランスフェラーゼ(LRAT);ニコチンアミドヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ1(NMNAT1);RD3タンパク質(RD3);レチノールデヒドロゲナーゼ12(RDH12);網膜色素上皮特異的65kDタンパク質(RPE65);精子形成関連タンパク質7(SPATA7);tubby様タンパク質1(TULP1);ミトコンドリア遺伝子(KSS、LHON、MT-ATP6、MT-TH、MT-TL1、MT-TP、MT-TS2、ミトコンドリア的にコードされたNADHデヒドロゲナーゼ[MT-ND]);ベストロフィン1(BEST1);C1q及び腫瘍壊死関連タンパク質5コラーゲン(C1QTNF5);EGF含有フィブリリン様細胞外マトリックスタンパク質1(EFEMP1);非常に長い脂肪酸タンパク質の伸長(ELOVL4);網膜ファシンホモログ2、アクチンバンドリングタンパク質(FSCN2);グアニル酸シクラーゼ活性化タンパク質1B(GUCAB);ヘミセンチン1(HMCN1);光受容体間マトリックスプロテオグリカン1(IMPG1);網膜色素変性症1様タンパク質1(RP1L1);メタロプロテイナーゼ-3の組織阻害剤(TIMP3);補体因子H(CFH);補体因子D(CFD);補体因子2(C2);補体因子3(C3);補体因子B(CFB);DNA損傷調節オートファジー調節因子2(DRAM2);コンドロイチン硫酸プロテオグリカン2(VCAN);ミトフシン2(MFN2);核受容体サブファミリー2グループFメンバー1(NR2F1);視神経萎縮1(OPA1);膜貫通タンパク質126A(TMEM126A);内側ミトコンドリア膜トランスロカーゼ8ホモログA(TIMM8A);炭酸脱水酵素IV(CA4);ヘキソキナーゼ1(HK1);kelch様7タンパク質(KLHL7);核受容体サブファミリー2グループE3(NR2E3);神経網膜ロイシンジッパー(NRL);嗅覚受容体ファミリー2サブファミリーWメンバー3(OR2W3);pre-mRNAプロセシング因子3(PRPF3);pre-mRNAプロセシング因子4(PRPF4);pre-mRNAプロセシング因子6(PRPF6);pre-mRNAプロセシング因子8(PRPF8);pre-mRNAプロセシング因子31(PRPF31);網膜外側セグメント膜タンパク質1(ROM1);網膜色素変性症タンパク質1(RP1);PIM-キナーゼ関連タンパク質1(RP9);核内低分子リボ核タンパク質200kDa(SNRNP200);分泌ホスホタンパク質2(SPP2);トポイソメラーゼI結合アルギニン/セリンリッチタンパク質(TOPORS);ADP-リボース化因子様2結合タンパク質(ARL2BP);染色体2オープンリーディングフレーム71(C2orf71);クラリン-1(CLRN1);桿体cGMPゲートチャネルアルファサブユニット(CNGA1);桿体cGMPゲートチャネルベータサブユニット(CNGB1);シトクロムP450 4V2(CYP4V2);デヒドロドリチル二リン酸シンセターゼ(DHDDS);DEAHボックスポリペプチド38(DHX38);ER膜タンパク質複合体サブユニット1(EMC1);アイシャット/スペースメーカーホモログ(EYS);配列類似性161メンバーAを有するファミリー(FAM161A);タンパク質共役受容体125(GPR125);ヘパラン-アルファ-グルコサミニド N-アセチルトランスフェラーゼ(HGSNAT);NAD(+)特異性イソクエン酸デヒドロゲナーゼ3ベータ(IDH3B);光受容体間マトリックスプロテオグリカン2(IMPG2);KIAA1549タンパク質(KIAA1549);kizuna中心体タンパク質(KIZ);雄生殖細胞関連キナーゼ(MAK);c-merプロトオンコジーン受容体チロシンキナーゼ(MERTK);メバロン酸キナーゼ(MVK);NIMA(有糸分裂には決して存在しない遺伝子A(never in mitosis gene A))関連キナーゼ2(NEK2);神経分化タンパク質1(NEUROD1);cGMPホスホジエステラーゼアルファサブユニット(PDE6A);ホスホジエステラーゼ6G cGMP特異的桿体ガンマ(PDE6G);進行性桿体-錐体変性タンパク質(PRCD);レチノール結合タンパク質3(RBP3);レチナールデヒド結合タンパク質1(RLBP1);溶質キャリアファミリー7メンバー14(SLC7A14);ウシェリン(USH2A);ジンクフィンガータンパク質408(ZNF408);ジンクフィンガータンパク質513(ZNF513);口顔指症候群1タンパク質(OFD1);網膜色素変性症2(RP2);レチノスキシン(RS1);アブヒドロラーゼドメイン含有タンパク質12(ABHD12);カドヘリン様遺伝子23(CDH23);中心体タンパク質250kDa(CEP250);カルシウム及びインテグリン結合ファミリーメンバー2(CIB2);ワーリン(whirlin)(DFNB31);単一遺伝子聴原発作感受性1ホモログ(GPR98);ヒスチジル-tRNAシンセターゼ(HARS);ミオシンVIIA(MYO7A);プロトカドヘリン15(PCDH15);ハーモニン(USH1C);アンキリンリピート及びSAMドメインを含有するマウス足場タンパク質のヒトホモログ(USH1G);ジストロフィン(DMD);ノリン(NDP);ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK1);カルパイン5(CAPN5);frizzled-4 Wnt受容体ホモログ(FZD4);膜内在性タンパク質2B(ITM2B);低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5(LRP5);マイクロRNA 204(MIR204);網膜芽細胞腫タンパク質1(RB1);テトラスパニン12(TSPAN12);染色体12オープンリーディングフレーム65(C12orf65);カドヘリン3(CDH3);膜型frizzled関連タンパク質(MFRP);オルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT);ホスホリパーゼA2グループV(PLA2G5);レチノール結合タンパク質4(RBP4);G-タンパク質シグナル伝達の調節因子9(RGS9);G-タンパク質シグナル伝達9結合タンパク質の調節因子(RGS9BP);ARMS2;切除修復交差相補げっ歯類修復欠損相補群6タンパク質(ERCC6);フィブリン5(FBLN5);HtrAセリンペプチダーゼ1(HTRA1);toll様受容体3(TLR3);及びtoll様受容体4(TLR4)、オプシン;ロドプシン;チャネルロドプシン;ハロロドプシンなどが挙げられる。
【0201】
いくつかの実施形態では、ウイルス粒子は、ゲノム編集系をコードする異種導入遺伝子を含む。例としては、CRISPRゲノム編集系(例えば、ガイドRNA分子及び/又はCas9、Cpf1などのCas酵素などのRNA誘導ヌクレアーゼなど、例えば、CRISPRゲノム編集系の1つ以上の成分)、ジンクフィンガーヌクレアーゼゲノム編集系、TALENゲノム編集システム、又はメガヌクレアーゼゲノム編集系が挙げられる。複数の実施形態では、ゲノム編集系は、哺乳動物、例えば、ヒトのゲノム標的配列を標的とする。複数の実施形態では、ウイルス粒子は、標的化可能な転写調節因子をコードする異種導入遺伝子を含む。例としては、CRISPRベースの転写調節因子(例えば、CRISPRベースの転写調節因子の1つ以上の成分、例えば、ガイドRNA分子及び/又は酵素的に不活性なRNA誘導ヌクレアーゼ/転写因子(「TF」)融合タンパク質、例えば、dCas9-TF融合、dCpf1-TF融合などの)、ジンクフィンガー転写因子融合タンパク質、TALEN転写調節因子又はメガヌクレアーゼ転写調節因子が挙げられる。
【0202】
いくつかの実施形態では、治療用分子又は系の成分は、1つより多い独自のウイルス粒子(例えば、1つより多い独自のウイルス粒子を含む集合体)によって送達される。他の実施形態では、治療用分子、又は治療用分子若しくは系の成分は、単一の独自のウイルス粒子(例えば、単一の独自のウイルス粒子を含む集合体)によって送達される。
【0203】
導入遺伝子はまた、任意の生物学的に活性な産物又は他の産物(例えば、研究に望ましい産物)をコードすることができる。好適な導入遺伝子は、限定されないが、本明細書に記載されるものなど、当業者によって容易に選択され得る。
【0204】
導入遺伝子によってコードされるタンパク質の他の例としては、限定されないが、コロニー刺激因子(CSF);β-グロビン、ヘモグロビン、組織プラスミノーゲン活性化因子、及び凝固因子などの血液因子;インターロイキン;可溶性受容体、例えば、可溶性TNF-α受容体、可溶性VEGF受容体、可溶性インターロイキン受容体(例えば、可溶性IL-1受容体及び可溶性II IL-1受容体)、又は可溶性受容体のリガンド結合断片;成長因子、例えば、ケラチノサイト成長因子(KGF)、幹細胞因子(SCF)、又は線維芽細胞成長因子(FGF、例えば、塩基性FGF及び酸性FGF);酵素;ケモカイン;酵素活性化因子、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子;血管新生薬剤、例えば、血管内皮成長因子、グリオーマ由来成長因子、アンギオゲニン、又はアンギオゲニン-2;抗血管新生薬剤、例えば、可溶性VEGF受容体;タンパク質ワクチン;神経活性ペプチド、例えば、神経成長因子(NGF)又はオキシトシン;血栓溶解剤;組織因子;マクロファージ活性化因子;メタロプロテイナーゼの組織阻害剤;又はIL-1受容体アンタゴニストが挙げられる。
【0205】
したがって、本明細書に提供されるのは、(a)配列番号2のVP1、VP2若しくはVP3配列、(b)VAR-1の変異セットを含み、かつ配列番号1に対して80%より大きく(例えば、90%より大きく、91%より大きく、92%より大きく、93%より大きく、94%より大きく、95%より大きく、96%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、99%より大きい)同一性を有する、VP1、VP2若しくはVP3配列、又は(c)VAR-1の変異セットを含み、かつ配列番号1に対して少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個の追加の変異を有するが、40、39、38、37、36、35、34、33、32若しくは31個より少ない追加の変異を有する、VP1、VP2若しくはVP3配列を含む、カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子である。複数の実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号2のVP1、VP2及びVP3配列を含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子は、異種導入遺伝子、例えば、眼障害を対象とする産物をコードする異種導入遺伝子を含む核酸分子を含む。複数の実施形態では、異種導入遺伝子は、抗VEGF抗体若しくは抗体断片、抗VEGF RNA阻害分子、RPE65(例えば、ヒトRPE65)タンパク質、ABCA4(例えば、ヒトABCA4)タンパク質若しくはその断片、RLBP1(例えば、ヒトRLBP1)タンパク質若しくはその断片、PDE6B(例えば、ヒトPDE6B)タンパク質若しくはその断片、RPGR(例えば、ヒトRPGR)タンパク質若しくはその断片、又はACHM3A若しくはACHM3B(例えば、ヒトACHM3A若しくはヒトACHM3B)タンパク質若しくはその断片をコードする。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸分子は、1つ以上の調節要素を更に含み、例えば、プロモーター、例えば、異種導入遺伝子に作動可能に連結され、かつ目的の組織における異種導入遺伝子からの発現を調節するプロモーターを含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸分子は、(a)ディペンドパルボウイルスITR、(b)イントロン、(c)エンハンサー又はリプレッサー配列、(d)スタッファー配列、及び(e)ポリA配列のうちの1つ以上を更に含む。
【0206】
したがって、本明細書に提供されるのは、(a)配列番号3のVP1、VP2若しくはVP3配列、(b)VAR-2の変異セットを含み、かつ配列番号1に対して80%より大きく(例えば、90%より大きく、91%より大きく、92%より大きく、93%より大きく、94%より大きく、95%より大きく、96%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、99%より大きい)同一性を有する、VP1、VP2若しくはVP3配列、又は(c)VAR-2の変異セットを含み、かつ配列番号1に対して少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個の追加の変異を有するが、40、39、38、37、36、35、34、33、32若しくは31個より少ない追加の変異を有する、VP1、VP2若しくはVP3配列を含む、カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子である。複数の実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号3のVP1、VP2及びVP3配列を含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子は、異種導入遺伝子、例えば、眼障害を対象とする産物をコードする異種導入遺伝子を含む核酸分子を含む。複数の実施形態では、異種導入遺伝子は、抗VEGF抗体若しくは抗体断片、抗VEGF RNA阻害分子、RPE65(例えば、ヒトRPE65)タンパク質、ABCA4(例えば、ヒトABCA4)タンパク質若しくはその断片、RLBP1(例えば、ヒトRLBP1)タンパク質若しくはその断片、PDE6B(例えば、ヒトPDE6B)タンパク質若しくはその断片、RPGR(例えば、ヒトRPGR)タンパク質若しくはその断片、又はACHM3A若しくはACHM3B(例えば、ヒトACHM3A若しくはヒトACHM3B)タンパク質若しくはその断片をコードする。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸分子は、1つ以上の調節要素を更に含み、例えば、プロモーター、例えば、異種導入遺伝子に作動可能に連結され、かつ目的の組織における異種導入遺伝子からの発現を調節するプロモーターを含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸分子は、(a)ディペンドパルボウイルスITR、(b)イントロン、(c)エンハンサー又はリプレッサー配列、(d)スタッファー配列、及び(e)ポリA配列のうちの1つ以上を更に含む。
【0207】
したがって、本明細書に提供されるのは、(a)配列番号4のVP1、VP2若しくはVP3配列、(b)VAR-3の変異セットを含み、かつ配列番号1に対して80%より大きく(例えば、90%より大きく、91%より大きく、92%より大きく、93%より大きく、94%より大きく、95%より大きく、96%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、99%より大きい)同一性を有する、VP1、VP2若しくはVP3配列、又は(c)VAR-3の変異セットを含み、かつ配列番号1に対して少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個の追加の変異を有するが、40、39、38、37、36、35、34、33、32若しくは31個より少ない追加の変異を有する、VP1、VP2若しくはVP3配列を含む、カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子である。複数の実施形態では、カプシドポリペプチドは、配列番号4のVP1、VP2及びVP3配列を含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子は、異種導入遺伝子、例えば、眼障害を対象とする産物をコードする異種導入遺伝子を含む核酸分子を含む。複数の実施形態では、異種導入遺伝子は、抗VEGF抗体若しくは抗体断片、抗VEGF RNA阻害分子、RPE65(例えば、ヒトRPE65)タンパク質、ABCA4(例えば、ヒトABCA4)タンパク質若しくはその断片、RLBP1(例えば、ヒトRLBP1)タンパク質若しくはその断片、PDE6B(例えば、ヒトPDE6B)タンパク質若しくはその断片、RPGR(例えば、ヒトRPGR)タンパク質若しくはその断片、又はACHM3A若しくはACHM3B(例えば、ヒトACHM3A若しくはヒトACHM3B)タンパク質若しくはその断片をコードする。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸分子は、1つ以上の調節要素を更に含み、例えば、プロモーター、例えば、異種導入遺伝子に作動可能に連結され、かつ目的の組織における異種導入遺伝子からの発現を調節するプロモーターを含む。複数の実施形態では、ウイルス粒子の核酸分子は、(a)ディペンドパルボウイルスITR、(b)イントロン、(c)エンハンサー又はリプレッサー配列、(d)スタッファー配列、及び(e)ポリA配列のうちの1つ以上を更に含む。
【0208】
本開示は、一部には、対象、例えば、動物又はヒト対象にペイロードを送達する方法を更に対象とする。いくつかの実施形態では、ペイロードを対象に送達する方法は、例えば、ペイロードを送達するのに十分な量及び時間で、ペイロードを含むバリアントポリペプチド(例えば、本明細書に記載のもの)を含むディペンドパルボウイルス粒子を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、ディペンドパルボウイルス粒子は、本明細書に記載のディペンドパルボウイルス粒子であり、本明細書に記載のペイロードを含む。いくつかの実施形態では、粒子は、ペイロードを眼に送達する。いくつかの実施形態では、眼への送達は、バリアントカプシドポリペプチドを含まない粒子と比較して、又は野生型カプシドポリペプチドと比較して、増加する。
【0209】
治療方法
本開示は、一部には、対象、例えば、動物又はヒト対象における疾患又は状態を治療する方法を対象とする。本明細書で使用される場合、「疾患又は状態を治療すること」という用語は、例えば、対象が疾患若しくは状態の1つ以上の症状を既に患っている場合、明らかな疾患若しくは状態を治療することを指すか、又は例えば、対象が疾患若しくは状態を有すると特定されているが、疾患若しくは状態の1つ以上の症状をまだ呈していない場合、明らかになる前の疾患又は状態を治療することを指す。明らかになる前の状態は、例えば、遺伝子検査によって特定され得る。いくつかの実施形態では、対象における疾患又は状態を治療する方法は、本明細書に記載のバリアントポリペプチドを含む、例えば、本明細書に記載のペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のペイロードを含むバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子は、疾患又は状態を治療するのに有効な量及び/又は時間で投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるCNS及び/又は眼の疾患又は状態を治療する方法は、本明細書に記載のバリアントポリペプチドを含む、例えば、本明細書に記載のペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のペイロードを含むバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子は、CNS及び/又は眼の疾患又は状態を治療するのに有効な量及び/又は時間で投与される。いくつかの実施形態では、CNS及び/又は眼の疾患又は状態は、神経セロイドリポフスチン症(NCL)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のペイロードを含むバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子は、CNS及び/又は眼の疾患又は状態を治療するのに有効な量及び/又は時間で投与され、任意選択的に、疾患又は状態は、神経セロイドリポフスチン症(NCL)である。いくつかの実施形態では、対象における神経セロイドリポフスチン症(NCL)を治療する方法は、本明細書に記載のバリアントポリペプチドを含む、例えば、本明細書に記載のペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象におけるCNS疾患又は状態を治療する方法は、本明細書に記載のバリアントポリペプチドを含む、例えば、本明細書に記載のペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のペイロードを含むバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子は、CNS疾患又は状態を治療するのに有効な量及び/又は時間で投与される。いくつかの実施形態では、対象における眼の疾患又は状態を治療する方法は、本明細書に記載のバリアントポリペプチドを含む、例えば、本明細書に記載のペイロードを含むディペンドパルボウイルス粒子を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のペイロードを含むバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子は、眼の疾患又は状態を治療するのに有効な量及び/又は時間で投与される。
【0210】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、治療用生成物である。いくつかの実施形態では、ペイロードは、例えば、外因性ポリペプチドをコードする、核酸である。
【0211】
本明細書に記載の、又は本明細書に記載の方法によって生成されたバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子を用いて、様々な疾患又は障害を治療するための1つ以上の治療用タンパク質を発現することができる。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、がん、例えば、がん腫、肉腫、白血病、リンパ腫などのがん、又は自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症である。がん腫の非限定的な例としては、食道がん腫;気管支原性肺がん腫;結腸がん腫;結腸直腸がん腫;胃がん腫;肝細胞がん腫;基底細胞がん腫、扁平細胞がん腫(様々な組織);膀胱がん腫、移行細胞がん腫を含む;肺がん腫、肺の小細胞がん腫及び非小細胞がん腫を含む;副腎皮質がん腫;汗腺がん腫;皮脂腺がん腫;甲状腺がん腫;膵臓がん腫;乳がん腫;卵巣がん腫;前立腺がん腫;腺がん;乳頭がん腫;乳頭腺がん;嚢胞腺がん腫;髄様がん腫;腎細胞がん腫;子宮がん腫;精巣がん腫;骨原性がん腫;非浸潤性乳管がん腫又は胆管がん腫;絨毛がん腫;セミノーマ;胎児性がん腫;ウィルムス腫瘍;子宮頸がん腫;上皮がん腫;及び鼻咽腔がん腫が挙げられる。肉腫の非限定的な例としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、骨原性肉腫、骨肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、及び他の軟組織肉腫が挙げられる。固形腫瘍の非限定的な例としては、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、及び網膜芽細胞腫が挙げられる。白血病の非限定的な例としては、慢性骨髄増殖性症候群;T細胞CLL前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病;慢性リンパ球性白血病、B細胞CLL、有毛細胞白血病を含む;及び急性リンパ芽球性白血病が挙げられる。リンパ腫の例としては、限定されないが、B細胞リンパ腫、例えば、バーキットリンパ腫、及びホジキンリンパ腫が挙げられる。
【0212】
いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、遺伝性障害である。いくつかの実施形態では、遺伝性障害は、鎌状赤血球症、糖原病(GSD、例えば、GSD I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、及びXIV型)、嚢胞性線維症、ライソゾーム酸性リパーゼ(LAL)欠損症1、テイ-サックス病、フェニルケトン尿症、ムコ多糖症、ガラクトース血症、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、血友病、例えば、血友病A(古典的な血友病)又は血友病B(クリスマス病)、ウィルソン病、ファブリー病、ゴーシェ病遺伝性血管性浮腫(HAE)、及びアルファ1アンチトリプシン欠損症である。他の疾患又は障害の例は、上述の「ペイロードを送達する方法」において、上に提供される。
【0213】
本明細書に記載の、又は本明細書に記載の方法によって生成されたバリアントポリペプチドを含むディペンドパルボウイルス粒子を用いて、様々な疾患又は障害を治療するための1つ以上の治療用タンパク質を発現することができる。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、眼の疾患又は障害、例えば、網膜色素変性症;黄斑変性(例えば、ウェット型加齢黄斑変性)、視神経炎;レーベル先天性黒内障;レーベル遺伝性視神経症;色覚異常;X連鎖性網膜分離症;視神経炎;コロイデレミア;視神経萎縮;網膜錐体ジストロフィー;網膜症;網膜芽細胞腫;緑内障;バルデー・ビードル症候群;アッシャー症候群;無虹彩症;フリードライヒ運動失調症;卵黄様黄斑ジストロフィー;網膜芽細胞腫;スターガルト病;シャルコー・マリー・トゥース病;フックスジストロフィー;プロピオン酸血症;又は色覚異常;角膜ジストロフィー;円錐角膜;夜盲症;ドライアイ;バルデー・ビードル症候群;バッテン病;ビエッティ結晶性ジストロフィー;網脈絡膜萎縮;網脈絡膜萎縮;錐体又は錐体-桿体ジストロフィー(常染色体性優性遺伝、常染色体劣性遺伝、及びX連鎖性)、先天性停在性夜盲症(常染色体性優性遺伝、常染色体劣性遺伝、及びX連鎖性);色覚の障害、色覚異常(ACHM2、ACHM3、ACHM4、及びACHM5を含む)、1型2色覚、2型2色覚、及び3型2色覚を含む;フリードライヒ運動失調症;レーベル先天性黒内障(常染色体性優性遺伝及び常染色体劣性遺伝)、限定されないが、LCA1、LCA2、LCA3、LCA4、LCA6、LCA7、LCA8、LCA12、及びLCA15を含む;レーベル遺伝性視神経症;黄斑ジストロフィー(常染色体性優性遺伝及び常染色体劣性遺伝)、限定されないが、急性黄斑変性、ベスト卵黄様黄斑ジストロフィー、パターンジストロフィー、ノースカロライナ黄斑ジストロフィー、遺伝性ドルーゼン、Sorsby眼底ジストロフィー、マラッチアラバンタネーゼ(malattia levantanese)、及び遺伝的に決定された未熟児網膜症を含む;眼-網膜発達疾患;眼白皮症;視神経萎縮(常染色体性優性遺伝、常染色体劣性遺伝、及びX連鎖性);網膜色素変性症(常染色体性優性遺伝、常染色体劣性遺伝、及びX連鎖性、及びミトコンドリア的に遺伝した形質)、それらの例には、RP1、RP2、RP3、RP10、RP20、RP38、RP40、及びRP43が含まれる;X連鎖性網膜分離症;スターガルト病;並びに限定されないが、USH1B、USH1C、USH1D、USH1F、USH1G、USH2A、USH2C、USH2D、AND USH3を含む、アッシャー症候群である。複雑な遺伝性疾患の例としては、限定されないが、緑内障(開放隅角、閉塞隅角、低眼圧、正常眼圧、先天性、血管新生、色素性、偽落屑);黄斑変性の加齢及び他の形態、滲出型形態及び非滲出型形態の両方(常染色体性優性遺伝及び常染色体劣性遺伝)、例えば、急性黄斑変性、卵黄様黄斑ジストロフィー;未熟児網膜症;並びにVogt-小柳-原田(VKH)症候群が挙げられる。後天性疾患の例としては、限定されないが、急性黄斑神経網膜症;前部虚血性視神経症及び後部虚血性視神経症;ベーチェット病;網膜静脈分枝閉塞症;脈絡膜新生血管;糖尿病網膜症、増殖性糖尿病網膜症及び関連合併症を含む;糖尿病ぶどう膜炎;浮腫、例えば、黄斑浮腫、嚢胞様黄斑浮腫及び糖尿病黄斑浮腫;黄斑上膜障害;黄斑部毛細血管拡張症;多巣性脈絡膜炎;非網膜症糖尿病網膜機能不全;眼の腫瘍;視神経萎縮;網膜剥離;眼の障害、例えば、網膜中心静脈閉塞症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、網膜の動脈及び静脈の閉塞性疾患、血管閉塞、ぶどう膜炎網膜疾患;ぶどう膜滲出;網膜感染浸潤性疾患;視神経萎縮などの視神経疾患が挙げられる。外傷性傷害の例としては、限定されないが、ヒストプラスマ症;視神経外傷;後部の眼の部位又は位置に罹患する眼の外傷;網膜外傷;眼のウイルス感染;視神経のウイルス感染;眼のレーザ治療によって生じるか、又はそれによって影響を受ける後部の眼の状態;光線力学的療法によって生じるか、又はそれによって影響を受ける後部の眼の状態;光凝固、放射線網膜症;並びに交感性眼炎が挙げられる。
【0214】
いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドを含み、かつペイロード(例えば、導入遺伝子)を含むディペンドパルボウイルス粒子の対象への投与は、対象におけるペイロード(例えば、導入遺伝子)の発現を誘導する。いくつかの実施形態では、発現は、眼において誘導される。いくつかの実施形態では、野生型カプシドタンパク質と同様の粒子と比較して、眼における生成が増加する。対象(例えば、対象の血清)において発現されるペイロード、例えば、導入遺伝子、例えば、異種タンパク質、例えば、治療用ポリペプチドの量は、変動し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ペイロード、例えば、導入遺伝子のタンパク質又はRNA産物は、対象の血清において約5μg/ml未満の量で発現され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ペイロード、例えば、導入遺伝子のタンパク質又はRNA産物は、対象の血清において、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約50μg/ml、少なくとも約100μg/ml、少なくとも約200μg/ml、少なくとも約300μg/ml、少なくとも約400μg/ml、少なくとも約500μg/ml、少なくとも約600μg/ml、少なくとも約700μg/ml、少なくとも約800μg/ml、少なくとも約900μg/ml、又は少なくとも約1000μg/mlの量で発現され得る。いくつかの実施形態では、ペイロード、例えば、導入遺伝子のタンパク質又はRNA産物は、対象の血清において、約9μg/ml、約10μg/ml、約50μg/ml、約100μg/ml、約200μg/ml、約300μg/ml、約400μg/ml、約500μg/ml、約600μg/ml、約700μg/ml、約800μg/ml、約900μg/ml、約1000μg/ml、約1500μg/ml、約2000μg/ml、約2500μg/ml、又はこれらの値の任意の2つの間の範囲の量で発現される。
【0215】
いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドを含み、かつペイロード(例えば、導入遺伝子)を含むディペンドパルボウイルス粒子を、注射を介して対象に投与する。いくつかの実施形態では、注射は、全身注射、例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、又は皮下注射である。複数の実施形態では、注射は、静脈内注射によるものである。いくつかの実施形態では、注射は、眼への注射である。いくつかの実施形態では、注射は、硝子体内注射、眼窩内注射、眼窩後注射、脈絡膜上注射、網膜下注射、結膜下注射、又は腔内注射である。いくつかの実施形態では、注射は、硝子体内注射である。いくつかの実施形態では、注射は、眼窩内注射である。いくつかの実施形態では、注射は、眼窩後注射である。いくつかの実施形態では、注射は、脈絡膜上注射である。いくつかの実施形態では、注射は、網膜下注射である。いくつかの実施形態では、注射は、結膜下注射である。いくつかの実施形態では、注射は、腔内注射である。いくつかの実施形態では、注射は、静脈内注射である。本発明の方法で企図される静脈内注射の一例は、インターベンショナルラジオグラフィー誘導静脈内投与によるものである。複数の実施形態では、そのような投与は、眼に血流を提供する動脈に挿入された誘導カテーテルを介する(例えば、頸動脈を介する、又はそこから生じる小動脈のうちのいずれかに(例えば、眼動脈を介する))。理論に拘束されるものではないが、このような「局所」静脈内投与は、目的の部位への送達を標的にすることによって、体内に導入されるウイルス粒子の量を減少させる。
【0216】
本明細書に開示される配列は、同一性パーセントの観点から記載され得る。当業者は、そのような特徴が、2つ以上の配列のアラインメントを伴うことを理解するであろう。アラインメントは、公的又は商業的に利用可能な様々な多重配列整列プログラムのいずれか、例えば、インターネットを介して利用可能な「Clustal W」を使用して行われ得る。別の例として、核酸配列は、GCGバージョン6.1のプログラムであるFASTAを用いて比較することができる。FASTAは、照会及び検索配列の間の最良の重複領域のアラインメント及び配列同一性パーセントを提供する。例えば、核酸配列間のパーセント同一性は、GCGバージョン6.1(参照により本明細書に組み込まれる)に提供されるように、そのデフォルトパラメータを有するFASTAを使用して決定され得る。同様のプログラム、例えば、「Clustal X」プログラムが、アミノ酸配列に対して利用可能である。使用され得る更なる配列アラインメントツールは、(タンパク質配列アラインメント;(http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/))及び(核酸アラインメント;http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/nucleotide.html))によって提供される。一般的に、これらのプログラムのいずれかをデフォルト設定で使用してもよいが、当業者は、これらの設定を必要に応じて変更し得る。代替的に、当業者は、別のアルゴリズム又はコンピュータプログラムを利用することができ、参照のアルゴリズム及びプログラムによって提供されるように、少なくとも同一性又はアラインメントのレベルが提供される。本明細書に開示される配列は、編集距離に関して更に記載され得る。1つの配列を別の配列に変化させる配列編集(すなわち、単一の塩基又はヌクレオチドの付加、置換、又は欠失)の最小数は、2つの配列間の編集距離である。いくつかの実施形態では、2つの配列間の距離は、レーベンシュタイン距離として計算される。
【0217】
本明細書で引用される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の刊行物及び参考文献(例えば、配列データベース参照番号)は、それらの全体が参照により組み込まれる。例えば、本明細書、例えば、本明細書の任意の表において参照される全てのGenBank、Unigene、及びEntrez配列は、参照により組み込まれる。別途指定されない限り、本明細書の任意の表に含まれる、本明細書に指定される配列受託番号は、2020年8月21日現在のデータベースエントリを指す。1つの遺伝子又はタンパク質が複数の配列受託番号を参照する場合、配列バリアントの全てが包含される。
【0218】
本発明は、以下の実施例によって更に例示される。以下の実施例は、単なる例示の目的のために提供され、本発明の範囲又は内容を決して限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0219】
実施例1
ライブラリ作成
野生型AAV2の2.5E5カプシドバリアントのライブラリを設計し、プラスミドにクローニングして、カプシドバリアントをコードするプラスミドのライブラリを作成した。各バリアントのカプシド及び独自のカプシドバリアントバーコード識別子をコードするAAVバリアントゲノムのライブラリを、以前に記載されているように(Ogden et al.2019)、3つのITRプラスミド骨格にクローニングした。各プラスミド骨格は、異なる投与経路を介した生体内分布及び形質導入効率の分析を可能にする独自のゲノム識別子を含有していた。ライブラリは、接着性HEK293Tの一過性三重トランスフェクション、続いてイオジキサノール勾配精製によって生成された。
【0220】
ライブラリのインビトロ評価
データを、以下に記載されるように調製した。各バリアントのパッケージング効率(又は「生成」)を測定するために、プラスミド内のベクターゲノムからのバーコード及び生成されたAAVライブラリを、2ラウンドのPCRを使用したIlluminaシーケンシングのために調製した。各バリアントについて、入力プラスミドライブラリ内の存在について正規化された生成効率は、生成されたベクタープール内の各バリアントのバーコード配列決定レベルを、ベクタープールを作成するために使用される入力プラスミドライブラリ内の各バリアントのバーコード配列決定レベルと比較することによって発現される。ベクターライブラリにおけるバリアント頻度の測定はまた、入力ベクターライブラリにおけるバリアント頻度による生体内分布及び形質導入測定の下流正規化を可能にする。生成効率を表1に報告し、各報告値を、野生型AAV2の生成に対するlog2生成として報告する。
【0221】
非ヒト霊長類におけるライブラリのインビボ評価
全てのNHP実験を、施設の方針及びNIHガイドラインに従って実施した。抗AAV2中和抗体について血清陰性(インビトロNAbアッセイに基づく血清NAb力価<1:20)の2.4~2.9kgの体重の若年成体雄1匹及び若年成体雌カニクイザル(Macaca fascicularis)1匹を試験のために選択した。試験物品の投与前に、血液、房水(50μL)及び硝子体液(最大50μL)の試料を収集した。動物をケタミン及びデクスメデトミジンで麻酔し、ベクターライブラリの硝子体内注射(IVT;50μL中の4.8E11vg/眼)、前房内注射(IC;50μL中の8.5E11vg/眼)及び静脈内注射(IV;1.8~2.5E13vg/kg)を行った。生存期間中、動物を、間接眼科検査及びスリットランプ生体顕微鏡検査を介して眼の炎症の兆候について監視し、動物施設のSOP及び獣医師からの推奨に従って、必要に応じて、ステロイド(メチルプレドニゾロン、40~80mg)及び局所ステロイド(デュレゾール)、及びアトロピンの毎週のIM注射により治療した。1時間、4時間及び24時間で、並びに毎週の注射後に、血清試料を収集した。動物を注射の4週間後に安楽死させ、生体内分布及び形質導入分析のために組織を収集した。網膜及び小柱網を
図1に示すように解剖した。収集された他の組織試料のリストを表3に示す。全ての試料をRNAlater(登録商標)(Sigma-Aldrich)に収集し、室温で一晩インキュベートした後、RNAlater(登録商標)を排出し、試料を-80℃で凍結させた。加えて、房水、硝子体液、血清、及び脳脊髄液の試料を剖検で収集し、-80℃で保存した。
【表7】
【0222】
生物内分布及び形質導入分析のために、全DNA及びRNAを、トリゾール/クロロホルム及びイソプロパノール沈殿を用いて組織試料から抽出した。RNA試料をTURBO DNase(Invitrogen)により処理した。逆転写は、ベクター導入遺伝子に特異的であり、かつ独自の分子識別子(UMI)を含むプライマーを用いて、Protoscript II Reverse Transcriptase(NEB)で行った。逆転写酵素を欠く対照反応(-RT対照)も調製した。生体内分布及び形質導入の定量化は、導入遺伝子構築物に特異的なプライマー及びプローブを使用して、Luna Universal Probe qPCR Master Mix(NEB)を用いて行った。最後に、試料を、Illumina NGSプラットフォームと適合性のあるプライマーを用いて導入遺伝子バーコード領域を増幅し、NextSeq 550(Illumina)で配列決定することによって、次世代配列決定のために調製した。
【0223】
配列決定後、期待されるアンプリコン構造を有するリードからバーコードタグを抽出し、各バーコードの存在量(リード数又はUMI数)を記録した。分析は、入力プラスミド試料中に存在し、かつ入力プラスミド試料のバリアント領域を標的とする別個の配列決定アッセイによって測定されるように、バリアント配列にエラーを含有しないバーコードのセットに限定した。
【0224】
パッケージング複製物を集計するために、複製物ウイルス生成試料からのリードカウントを合計した。形質導入試料を集計するために、同じ組織からの試料からのUMIカウントを合計した。
【0225】
組織のウイルスパッケージング、生体内分布及び形質導入は、入力として、集計された生成、生体内分布及び/又は形質導入試料を用いるベイズモデルを使用して、計算した。手短に言えば、確率的プログラミング及び確率的変動推論を使用して、実際の試験ウイルス粒子とそれらの設計された配列との間の測定プロセス及びデカップリングのソース(例えば、クロスパッケージング、テンプレートスイッチング、及びDNA合成におけるエラー)をモデリングし、ウイルス生成、生体内分布及び形質導入(様々な組織試料中)、並びにエラー率を計算した。出力は、野生型(WT)AAV2に対して計算された分布のlog2変換された平均であった。したがって、正の値は、測定された特性についてWTよりも優れた性能を示し、負の値は、WTよりも悪い性能を示す。形質導入を表1に報告する。
【0226】
実施例2
表2(配列)に提供されるバリアントカプシドを含むウイルス粒子は、接着性HEK293Tの一過性三重トランスフェクション、続いてイオジキサノール勾配精製を介して個々に生成される。各バリアントカプシドは、ユビキタスプロモーターの制御下で、独自のバーコード及び蛍光性レポーター遺伝子をコードするゲノムを用いて生成される。生成効率は、上述のように評価される。各ウイルス粒子の等価量(vg)をプールし、実施例1で使用した用量で非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル又はアフリカグリーンモンキー)に注射する。例えば、実施例1に記載されるように、生体内分布及び組織形質導入を含むウイルス特性を評価する。
【0227】
表2(配列)に提供されるものを含む、カプシドの選択(およそ100の独自のバリアント及び野生型比較対照)を含むウイルス粒子を、接着性HEK293Tの一過性三重トランスフェクション、続いてイオジキサノール勾配精製を介して個々に生成した。最終的にプールされた試験物品内の個々のバリアントの表現は、可能であれば10倍の範囲内でバランスをとった。各バリアントカプシドは、ユビキタスプロモーター(cbh)の制御下で、独自のバーコード及び蛍光性レポーター遺伝子をコードするゲノムを用いて生成された。全体として、各バリアントは、8つの独自のバーコードを含む別個のゲノムで生成され、研究内の生物学的複製物の尺度を提供した。全てのNHP実験を、施設の方針及びNIHガイドラインに従って実施した。2.8~3kgの体重の2匹の若年成体雄カニクイザル(Macaca fascicularis)、1つの血清陰性(インビトロNAbアッセイに基づく血清NAb力価<1:20)、及び抗AAV2中和抗体の1つの血清陽性(1:128)を研究のために選択した。試験物品の投与前に、血液、房水(50μL)及び硝子体液(最大50μL)の試料を収集した。動物をケタミン及びデクスメデトミジンで麻酔し、ベクターライブラリの静脈内注射(IV;2E12vg/kg)、硝子体内注射(IVT;50μL中の2.63E11vg/眼)及び腔内注射(IC;50μL中の1.11E11vg/眼)を行った。本明細書に記載のバリアントは、各バリアントが各投与経路によって追跡され得るように、別々のバーコードを有するIV及びIVTライブラリの両方に含まれた。生存期間中、動物を、間接眼科検査及びスリットランプ生体顕微鏡検査を介して眼の炎症の兆候について監視し、動物施設のSOP及び獣医師からの推奨に従って、必要に応じて、ステロイド(メチルプレドニゾロン、80mg)及び局所ステロイド(デュレゾール)、及びアトロピンの毎週のIM注射により治療した。動物を注射の4週間後に安楽死させ、生体内分布及び形質導入分析のために組織を収集した。眼組織、並びに肝臓を含む末梢組織を秤量し、解剖後にドライアイス上で急速凍結させた。組織を処理し、実施例1に記載されるように生体内分布/形質導入を評価した。結果を表4~6に示し、この値は、2匹の試験動物のそれぞれから指示された臓器の少なくとも4つの組織片(合計少なくとも8つの試料)に由来していた。
【0228】
この培地スループット実験からのデータは、実施例1に記載されるライブラリ実験からの所見を確認し、VAR-1、VAR-2及びVAR-3のカプシドポリペプチドを含むものなどの本明細書に記載のウイルス粒子が、野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子に対して、静脈内送達によって、増強された眼形質導入を示すことを実証する。これらの増加は、黄斑を含むもの、及び除外するものの両方の網膜の脈絡膜及び神経網膜層で最も顕著であるが、小柱網組織の形質導入も、野生型AAV2と比較して増強される。興味深いことに、これらのバリアントは、静脈内に送達されるAAV5及びAAV2と比較して、実質的に減少した肝臓形質導入及び生体内分布を更に示し、このことは、これらのカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子が、眼組織の細胞を特異的に形質導入することを示している。興味深いことに、硝子体内注射を介して眼に直接注射されるとき、これらのバリアントのカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子は、硝子体内投与を介して注射された野生型AAV2の約2.5倍以内で眼組織を形質導入し、このことは、硝子体内空間ではなく血流を介して眼組織を形質導入する能力の優先的な増強を示している。理論に拘束されるものではないが、このことは、これらのバリアントが、血液脳関門を通過する能力を伴い得る機構を介して形質導入を達成し得ることを示唆する。したがって、これらの結果は、カプシドポリペプチド、及びこれらのカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子が、眼障害に向けられた療法のための遺伝子治療ベクターとして、又は網膜、黄斑、及び/若しくは小柱網組織を含む眼領域への選択的かつ増強された形質導入が有益である場合に、増強された有用性を有する。
【0229】
実施例3
本明細書に記載のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子が血液脳関門を通過する能力を更に調査するために、2つの脳組織試料を、抗野生型AAV2中和抗体に対して血清陰性であった実施例2に記載の1つの非ヒト霊長類、中脳からの1つの試料、及び小脳からの1つの試料から単離した。これらの試料由来の組織を処理し、前述の実施例に記載されるように、静脈内投与後のVAR-1、VAR-2及びVAR-3由来のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子について形質導入を測定した。表7は、静脈内に送達される野生型AAV2カプシドポリペプチドのみを含むウイルス粒子に対する、これらのウイルス粒子の形質導入をまとめた。その結果は、静脈内投与後、本明細書に記載のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子が、野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子からのものよりも170~372倍大きいバルク中脳組織における形質導入レベル、及び野生型AAV2カプシドポリペプチドを含むウイルス粒子からのものよりも20~46倍大きいバルク小脳組織における形質導入レベルをもたらすことを示す。ここで、野生型AAV2は、小脳試料と比較して、中脳試料においてはるかに低い形質導入を有していたことに留意されたい。バルク野生型AAV2形質導入速度は、中脳で測定可能であり、正規化ベースラインを確立するのに十分であったが、相対的な中脳形質導入速度は、全体的な低い野生型の速度に起因して、追加の不確実性を有し得る。このことは、これらのバリアントが、野生型AAV2よりも実質的に高い速度で中脳試料を形質導入するという所見に影響を及ぼさない。最後に、静脈内に送達されたAAV9(脳の細胞を標的化するために承認された臨床療法で使用されているカプシド)からの両方の脳試料における形質導入レベルと比較すると、本明細書に記載のカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子は、AAV9の32%(VAR-1)、48%(VAR-2)及び72%(VAR-3)の相対形質導入速度を達成し、このことは、治療的及び臨床的遺伝子療法によって達成されるものと同様の形質導入レベルを示している。本明細書に記載の他の結果と併せて、これらの結果は、本明細書に記載のカプシドポリペプチドが、ウイルス粒子に組み込まれると、脳全体及び眼組織の両方に高効率で形質導入及び形質導入遺伝子発現の増加したレベルを誘導することができることを示唆する。本明細書に記載のこれらのカプシドポリペプチドを含む低い相対的に観察された肝臓形質導入遺伝子療法と組み合わせることは、全身(例えば、静脈内)投与を介するCNS及び/又は眼障害の治療に特に有用である。本明細書に記載のウイルス粒子及びカプシドポリペプチドを含む遺伝子療法による治療を受け入れ可能な疾患の1つの特定のクラスは、神経セロイドリポフスチン症(NCL)、例えば、バッテン病である。
【配列表】
【国際調査報告】