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特表2024-527504がんを処置するための方法および組成物
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  • 特表-がんを処置するための方法および組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】がんを処置するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240718BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240718BHJP
   A61K 31/10 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K39/395 T
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577973
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022033657
(87)【国際公開番号】W WO2022266240
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/211,070
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/211,071
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523473534
【氏名又は名称】オンコノヴァ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フラクトマン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】パリス, マシュー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG02
4C085GG08
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA19
4C206KA01
4C206KA12
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA72
4C206MA86
4C206NA05
4C206ZB26
4C206ZC75
(57)【要約】
RASタンパク質は、ヒトがんにおいて変異することが多い。本明細書では、RASエフェクターを妨害し、Ras/RafrMEK/ERK経路シグナル伝達を阻害する化合物が開示される。さらに本明細書では、がんを処置するために化合物をチェックポイント阻害剤と組み合わせて使用する方法が開示される。本開示は、本明細書で開示される化合物、例えば、リゴセルチブとチェックポイント阻害剤との組合せを提供する。本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤は、例えば、PD-1を遮断するニボルマブであり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態を処置する方法であって、前記方法は、前記状態の処置を必要とする対象に、
a)治療有効量の式:
【化11】
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンであって、式中、
- 各R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11a、R11b、R12、およびR13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-SR、-NR、-NRC(O)R、-OC(O)R、もしくは-SiR(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R、R、およびRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオン、ならびに
b)治療有効量のチェックポイント阻害剤
を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記状態ががんである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記がんがKRAS変異を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記KRAS変異がG12Vである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記KRAS変異がG12Dである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記KRAS変異がG12Cである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記KRAS変異がI46Tである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記がんがG12C KRAS変異を含まない、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記状態が非小細胞肺癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記状態が肺腺癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物を前記投与することが静脈内のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物を前記投与することが経口のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物の前記治療有効量が約100mg~約3,000mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約560mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約840mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,120mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,200mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,500mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,800mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が1日1回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物が1日2回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物の第1の治療有効量が、1日のうち朝に前記対象に投与され、前記化合物の第2の治療有効量が、1日のうち午後に前記対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記化合物の第1の治療有効量が、1日のうち朝に前記対象に投与され、前記化合物の第2の治療有効量が、1日のうち夕方に前記対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の治療有効量および前記第2の治療有効量が同じである、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の治療有効量および前記第2の治療有効量が異なる、請求項22または23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の治療有効量が前記第2の治療有効量よりも多い、請求項22または23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の治療有効量が前記第2の治療有効量よりも少ない、請求項22または23に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物を前記投与することが1日3回行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記化合物を前記投与することが、前記対象が食物を消費する少なくとも1時間前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記化合物を前記投与することが、前記対象が食物を消費してから少なくとも1時間後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物を前記投与することが、前記対象が飲物を消費する少なくとも1時間前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物を前記投与することが、前記対象が飲物を消費してから少なくとも1時間後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
各R、R、およびRが、独立して、ORである、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
各Rが、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
各Rが、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~6アルキルである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
各Rが、独立して、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているCアルキルである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
各Rが、独立して、メチルである、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
各R、R、R、R、およびR10が、独立して、水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
各R11aおよびR11bが、独立して、水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
各R12およびR13が、独立して、水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記化合物が、式:
【化12】
を有し、式中、
- 各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルであり、
- 各R14およびR15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である、
請求項1に記載の方法。
【請求項42】
各R1a、R3a、R5a、およびR8aが、独立して、メチルである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
14が水素である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
15が、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているCアルキルである、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
15がCHCOOHである、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸ナトリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記チェックポイント阻害剤を前記投与することが静脈内のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記チェックポイント阻害剤を前記投与すること経口のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記チェックポイント阻害剤が細胞表面チェックポイント阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記チェックポイント阻害剤がCTLA-4阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
前記チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
前記チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
前記チェックポイント阻害剤が細胞内チェックポイント阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
前記チェックポイント阻害剤がサイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH)である、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
前記チェックポイント阻害剤がペムブロリズマブである、請求項1に記載の方法。
【請求項58】
前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項1に記載の方法。
【請求項59】
前記チェックポイント阻害剤がアテゾリズマブである、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約100mg~約1,000mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約240mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約480mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約2mg/kg~約12mg/kgである、請求項1に記載の方法。
【請求項64】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約2mg/kgである、請求項1に記載の方法。
【請求項65】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約3mg/kgである、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約10mg/kgである、請求項1に記載の方法。
【請求項67】
前記チェックポイント阻害剤が30分間にわたって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
前記チェックポイント阻害剤が60分間にわたって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
前記チェックポイント阻害剤が、2週間毎に1回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項70】
前記チェックポイント阻害剤を前記投与することが、4週間毎に1回行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項71】
前記化合物を前記投与することが、28日サイクルのうち21日間連続して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記チェックポイント阻害剤を前記投与することが、28日サイクルの1日目および15日目に行われる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2021年6月16日出願の米国仮特許出願第63/211,070号および2021年6月16日出願の米国仮特許出願第63/211,071号の継続出願であり、それらのそれぞれは、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
肺腺癌の大部分は、主な遺伝的ドライバーとしてKRAS変異を有している。KRASに変異を有している腫瘍は、KRAS野生型腫瘍よりも予後が悪いことがある。したがって、KRAS経路を標的にすることができる治療は、KRAS変異を有するがんの患者に有益となり得る。
【0003】
参照による組込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により具体的に個別に組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
本明細書では、状態を処置する方法であって、この方法は、状態の処置を必要とする対象に、a)治療有効量の次式の化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオン
[式中、
- 各R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11a、R11b、R12、およびR13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-SR、-NR、-NRC(O)R、-OC(O)R、もしくは-SiR(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R、R、およびRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである]、ならびに
b)治療有効量のチェックポイント阻害剤
を投与することを含む、方法が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本明細書で開示される化合物の用量漸増研究の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
Rasは、変異することが最も多い、がんを引き起こす遺伝子である。非小細胞肺がん(NSCLC)を有する患者のおよそ40%が、RAS、最も多くはKRASの変異を有している。本明細書で開示される化合物、例えば、リゴセルチブの作用機構は、変異したRAS経路を下方調節することである。RAS経路のこの調整により、細胞増殖に関与するタンパク質であるERKの生成を少なくすることができる。ERKが過剰発現すると、ERKは、細胞に増殖の利点をもたらしかねず、したがってがんに至る。KRASが変異したNSCLCは、例えば、チェックポイント阻害剤を用いて管理することができる。
【0007】
リゴセルチブ((E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオン)は、RASカスケードを遮断し、腫瘍表面上での新規な抗原の発現を促進することができる。この過程は、宿主リンパ球によって取り囲まれていないコールドな腫瘍を、宿主リンパ球によって取り囲まれるホットな腫瘍に変化させることができる。チェックポイント遮断と組み合わされた腫瘍微小環境(TME)のこの調整は、宿主免疫系が腫瘍制御に寄与するように促進することができる。宿主リンパ球は、チェックポイント阻害剤に曝露されると腫瘍制御に寄与することができる。
【0008】
本開示は、本明細書で開示される化合物、例えば、リゴセルチブとチェックポイント阻害剤との組合せを提供する。本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤は、例えば、PD-1を遮断するニボルマブであり得る。
【0009】
一部の実施形態では、リゴセルチブは、排尿障害および血尿をはじめとする尿生殖器毒性を引き起こすことがある。一部の実施形態では、リスク緩和戦略は、これらの効果を最小限に抑えることができる。
【0010】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤の組合せパートナーの用量は、FDAラベルに従う用量である。一部の実施形態では、患者の安全性には、ラベル用量からの逸脱が必要である。
【0011】
本開示の化合物
一部の実施形態では、本明細書において、次式の化合物
【化2】
[式中、
- 各R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11a、R11b、R12、およびR13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-SR、-NR、-NRC(O)R、-OC(O)R、もしくは-SiR(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R、R、およびRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである]
またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンが開示される。
【0012】
一部の実施形態では、R、R、およびRは同じである。一部の実施形態では、R、R、R、およびRは同じである。一部の実施形態では、各R、R、およびRは、独立して、ORである。一部の実施形態では、各R、R、R、およびRは、独立して、ORである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各Rは、独立して、水素である。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されていないC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、メチルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、エチルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されているC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているCアルキルである。
【0013】
一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、R10は水素である。
【0014】
一部の実施形態では、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、OR、またはNRである。一部の実施形態では、RはNRである。一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているCアルキルである。一部の実施形態では、RはCHCOOHである。
【0015】
一部の実施形態では、各R11aおよびR11bは、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各R11aおよびR11bは、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各R11aおよびR11bは、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各R12およびR13は、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各R12およびR13は、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各R12およびR13は、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R11aは水素である。一部の実施形態では、R11bは水素である。一部の実施形態では、R12は水素である。一部の実施形態では、R13は水素である。
【0016】
一部の実施形態では、本明細書において、次式の化合物
【化3】
が開示される。
【0017】
一部の実施形態では、化合物は、次式
【化4】
を有する。
【0018】
一部の実施形態では、各R、R、R、およびRは、独立して、ORである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各Rは、独立して、水素である。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されていないC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、メチルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、エチルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されているC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立して、置換されているメチルである。
【0019】
一部の実施形態では、各R14およびR15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である。一部の実施形態では、R14はHである。一部の実施形態では、R15はHである。一部の実施形態では、R15は、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているCアルキルである。一部の実施形態では、R15はCHCOOHである。
【0020】
一部の実施形態では、化合物は、次式
【化5】
を有する。
【0021】
一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは同じである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは異なる。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないアルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないCアルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、メチルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、エチルである。
【0022】
一部の実施形態では、各R14およびR15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である。一部の実施形態では、R14はHである。一部の実施形態では、R15はHである。一部の実施形態では、R15は、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているCアルキルである。一部の実施形態では、R15はCHCOOHである。
【0023】
一部の実施形態では、化合物は、次式
【化6】
を有する。
【0024】
一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないアルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルである。一部の実施形態では、R1aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R3aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R5aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R8aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R1aは、メチルである。一部の実施形態では、R3aは、メチルである。一部の実施形態では、R5aは、メチルである。一部の実施形態では、R8aは、メチルである。
【0025】
一部の実施形態では、R15は、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているCアルキルである。一部の実施形態では、R15はCHCOOHである。
【0026】
一部の実施形態では、本明細書において、次式の化合物
【化7】
(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンが開示される。一部の実施形態では、化合物は、
【化8】
(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸ナトリウムである。一部の実施形態では、本明細書で開示される化合物は、ナトリウム塩である。
【0027】
任意選択の置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボキシアルデヒド基、イミン基、アルキル基、ハロ-アルキル基、アルケニル基、ハロ-アルケニル基、アルキニル基、ハロ-アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロシクリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバメート基、アミド基、ウレイド基、エポキシ基、およびエステル基が挙げられる。
【0028】
アルキルおよびアルキレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルキルおよびアルキレン基が挙げられる。アルキルまたはアルキレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。一部の実施形態では、アルキルまたはアルキレンは、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルまたはC1~8アルキレンである。一部の実施形態では、アルキルまたはアルキレンは、置換されているかまたは置換されていないC1~6アルキルまたはC1~6アルキレンである。一部の実施形態では、アルキルまたはアルキレンは、置換されているかまたは置換されていないC1~3アルキルまたはC1~3アルキレンである。
【0029】
直鎖状アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられる。
【0030】
分枝状アルキル基は、任意の数のアルキル基で置換された、任意の直鎖状アルキル基を含む。分枝状アルキル基の非限定的な例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルが挙げられる。
【0031】
置換アルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、アミノメチル、1-クロロエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジフルオロエチル、および3-カルボキシプロピルが挙げられる。
【0032】
環状アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(cycloheptlyl)、およびシクロオクチル基が挙げられる。環状アルキル基としては、縮合、架橋、およびスピロビシクル、ならびに高次縮合、架橋、およびスピロ系も挙げられる。環状アルキル基は、任意の数の直鎖状、分枝状、または環状アルキル基で置換されていてもよい。環状アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、2-メチル-シクロプロパ-1-イル、シクロプロパ-2-エン-1-イル、シクロブチル、2,3-ジヒドロキシシクロブタ-1-イル、シクロブタ-2-エン-1-イル、シクロペンチル、シクロペンタ-2-エン-1-イル、シクロペンタ-2,4-ジエン-1-イル、シクロヘキシル、シクロヘキサ-2-エン-1-イル、シクロヘプチル、シクロオクタニル、2,5-ジメチルシクロペンタ-1-イル、3,5-ジクロロシクロヘキサ-1-イル、4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-イル、3,3,5-トリメチルシクロヘキサ-1-イル、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ-1H-インデニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イル、デカヒドロアズレニル、ビシクロ-[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3-ジメチル[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、およびビシクロ[3.3.3]ウンデカニルが挙げられる。
【0033】
アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基のオレフィン(単数または複数)は、例えば、E、Z、シス、トランス、末端、またはエキソ-メチレンであり得る。アルケニルまたはアルケニレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、エテニル、プロパ-1-エン-1-イル、イソプロペニル、ブタ-1-エン-4-イル、2-クロロエテニル、4-ヒドロキシブテン-1-イル、7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-4-エン-2-イル、および7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-3,5-ジエン-2-イルが挙げられる。
【0034】
アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルキニル基が挙げられる。アルキニル(alkylnyl)またはアルキニレン基の三重結合は、内部にあっても末端にあってもよい。アルキニルまたはアルキニレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、エチニル、プロパ-2-イン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、および2-メチル-ヘキサ-4-イン-1-イル;5-ヒドロキシ-5-メチルヘキサ-3-イン-1-イル、6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタ-3-イン-2-イル、および5-ヒドロキシ-5-エチルヘプタ-3-イン-1-イルが挙げられる。
【0035】
ハロ-アルキル基は、任意の数のハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子で置換された、任意のアルキル基であり得る。ハロ-アルケニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された、任意のアルケニル基であり得る。ハロ-アルキニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された、任意のアルキニル基であり得る。
【0036】
アルコキシ基は、例えば、任意のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基で置換された酸素原子であり得る。エーテルまたはエーテル基は、アルコキシ基を含む。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびイソブトキシが挙げられる。
【0037】
アリール基は、複素環式であっても非複素環式であってもよい。アリール基は、単環式であっても多環式であってもよい。アリール基は、本明細書に記載される任意の数の置換基、例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、アルコキシ基、およびハロゲン原子で置換されていてもよい。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、トルイル、ナフチル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、チオフェニル、およびフリルが挙げられる。置換アリール基の非限定的な例としては、3,4-ジメチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-シクロプロピルフェニル、4-ジエチルアミノフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-(ジフルオロメトキシ)-フェニル、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-ヨードフェニル、3-ヨードフェニル、4-ヨードフェニル、2-メチルフェニル、3-フルオロフェニル、3-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,3,4-トリフルオロフェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,3,6-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,3,4-トリクロロフェニル、2,3,5-トリクロロフェニル、2,3,6-トリクロロフェニル、2,4,5-トリクロロフェニル、3,4,5-トリクロロフェニル、2,4,6-トリクロロフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,3,4-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチルフェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、2,4,5-トリメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-エチルフェニル、3-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,3-ジエチルフェニル、2,4-ジエチルフェニル、2,5-ジエチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、3,4-ジエチルフェニル、2,3,4-トリエチルフェニル、2,3,5-トリエチルフェニル、2,3,6-トリエチルフェニル、2,4,5-トリエチルフェニル、2,4,6-トリエチルフェニル、2-イソプロピルフェニル、3-イソプロピルフェニル、および4-イソプロピルフェニルが挙げられる。
【0038】
置換アリール基の非限定的な例としては、2-アミノフェニル、2-(N-メチルアミノ)フェニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、2-(N-エチルアミノ)フェニル、2-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、3-アミノフェニル、3-(N-メチルアミノ)フェニル、3-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、3-(N-エチルアミノ)フェニル、3-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-エチルアミノ)フェニル、および4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニルが挙げられる。
【0039】
複素環は、炭素でない環原子、例えば、N、O、S、P、Si、B、または任意の他のヘテロ原子を含有する、任意の環であってよい。複素環は、任意の数の置換基、例えば、アルキル基およびハロゲン原子で置換されていてもよい。複素環は、芳香族(ヘテロアリール)であっても非芳香族であってもよい。複素環の非限定的な例としては、ピロール、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、スクシンアミド、マレイミド、モルホリン、イミダゾール、チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ピラン、およびテトラヒドロピランが挙げられる。
【0040】
複素環の非限定的な例としては、1つまたは複数のヘテロ原子を含有する単一の環を有する複素環式単位(その非限定的な例としては、ジアジリニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、オキサチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、ヒダントイニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン-2-オニル、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-アゼピニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドール、および1,2,3,4-テトラヒドロキノリンが挙げられる)、ならびにii)2つまたはそれよりも多くの環を有し、これらの環のうちの1つが複素環式環である複素環式単位(その非限定的な例としては、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-インドリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、およびデカヒドロ-1H-シクロオクタ[b]ピロリルが挙げられる)が挙げられる。
【0041】
ヘテロアリールの非限定的な例としては、i)単一の環を含有するヘテロアリール環(その非限定的な例としては、1,2,3,4-テトラゾリル、[1,2,3]トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾリル、トリアジニル、チアゾリル、1H-イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピリミジニル、2-フェニルピリミジニル、ピリジニル、3-メチルピリジニル、および4-ジメチルアミノピリジニルが挙げられる)、ならびにii)2つまたはそれよりも多くの縮合した環を含有し、これらの縮合した環のうちの1つがヘテロアリール環であるヘテロアリール環(その非限定的な例としては、7H-プリニル、9H-プリニル、6-アミノ-9H-プリニル、5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジニル、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル、ピリド[2,3-d]ピリミジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1-H-インドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、8-ヒドロキシ-キノリニル、およびイソキノリニルが挙げられる)が挙げられる。
【0042】
本明細書におけるいずれの化合物も精製されてよい。本明細書における化合物は、少なくとも1%純粋、少なくとも2%純粋、少なくとも3%純粋、少なくとも4%純粋、少なくとも5%純粋、少なくとも6%純粋、少なくとも7%純粋、少なくとも8%純粋、少なくとも9%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも11%純粋、少なくとも12%純粋、少なくとも13%純粋、少なくとも14%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも16%純粋、少なくとも17%純粋、少なくとも18%純粋、少なくとも19%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも21%純粋、少なくとも22%純粋、少なくとも23%純粋、少なくとも24%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも26%純粋、少なくとも27%純粋、少なくとも28%純粋、少なくとも29%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも31%純粋、少なくとも32%純粋、少なくとも33%純粋、少なくとも34%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも36%純粋、少なくとも37%純粋、少なくとも38%純粋、少なくとも39%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも41%純粋、少なくとも42%純粋、少なくとも43%純粋、少なくとも44%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも46%純粋、少なくとも47%純粋、少なくとも48%純粋、少なくとも49%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも51%純粋、少なくとも52%純粋、少なくとも53%純粋、少なくとも54%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも56%純粋、少なくとも57%純粋、少なくとも58%純粋、少なくとも59%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも61%純粋、少なくとも62%純粋、少なくとも63%純粋、少なくとも64%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも66%純粋、少なくとも67%純粋、少なくとも68%純粋、少なくとも69%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも71%純粋、少なくとも72%純粋、少なくとも73%純粋、少なくとも74%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも76%純粋、少なくとも77%純粋、少なくとも78%純粋、少なくとも79%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも81%純粋、少なくとも82%純粋、少なくとも83%純粋、少なくとも84%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも86%純粋、少なくとも87%純粋、少なくとも88%純粋、少なくとも89%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、少なくとも99.1%純粋、少なくとも99.2%純粋、少なくとも99.3%純粋、少なくとも99.4%純粋、少なくとも99.5%純粋、少なくとも99.6%純粋、少なくとも99.7%純粋、少なくとも99.8%純粋、または少なくとも99.9%純粋であり得る。
【0043】
一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約85%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約90%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約95%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約98%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約99%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約99.5%純粋である。
【0044】
薬学的に許容される塩。
本明細書に開示される方法は、本明細書に記載される任意の化合物の薬学的に許容される塩の使用を提供する。薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。本化合物に添加されて酸付加塩を生じる酸は、有機酸であっても無機酸であってもよい。本化合物に添加されて塩基付加塩を生じる塩基は、有機塩基であっても無機塩基であってもよい。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は金属塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩はナトリウム塩である。
【0045】
金属塩は、本明細書に開示される化合物への無機塩基の添加から生じ得る。無機塩基は、例えば、水酸化物、炭酸、重炭酸、またはリン酸などの塩基性対イオンと対になった金属カチオンからなる。この金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属(main group metal)であり得る。一部の実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
【0046】
一部の実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
【0047】
酸付加塩は、本明細書に開示される化合物への酸の添加から生じ得る。一部の実施形態では、この酸は有機である。一部の実施形態では、この酸は無機である。一部の実施形態では、この酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸(gentisinic acid)、グルコン酸、グルカロン酸(glucaronic acid)、サッカリン酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、またはマレイン酸である。
【0048】
一部の実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate salt)、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate salt)、サッカリン酸塩(saccarate salt)、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、またはマレイン酸塩である。
【0049】
本開示の医薬組成物
本明細書に開示される化合物の医薬組成物は、本明細書に記載される任意の医薬化合物の、他の化学成分、例えば担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、または賦形剤との組合せ物であってもよい。この医薬組成物は、本化合物を生物に投与することを容易にする。医薬組成物は、例えば、静脈内、硝子体内、鼻腔内、吸入、鼻吸入、口吸入、気管内、肺内、経粘膜、皮下、筋肉内、経口、直腸、エアロゾル、非経口、眼部、肺、経皮、膣、耳、鼻、および局所投与をはじめとする種々の経路および形態によって、医薬組成物として治療有効量で投与され得る。
【0050】
医薬組成物は、例えば、任意選択でデポもしくは持続放出製剤において、化合物を器官に直接注入することによって、局所または全身様式で投与することができる。医薬組成物は、高速放出製剤の形態で、徐放製剤の形態で、または中間放出製剤の形態で提供されてもよい。高速放出形態は、即時放出をもたらすことができる。徐放製剤は、制御放出または持続遅延放出をもたらすことができる。
【0051】
経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせることによって製剤化され得る。かかる担体は、対象による経口摂取のための錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、または懸濁物を製剤化するために使用され得る。
【0052】
経口使用のための医薬調製物は、1種または複数種の固体賦形剤を、本明細書に記載される1つまたは複数の化合物と混合し、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望に応じて好適な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得ることができる。コアには、好適なコーティングを提供することができる。この目的では、賦形剤、例えばアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる濃縮糖溶液を使用することができる。例えば、活性化合物の用量の異なる組合せを識別するまたは特徴付けるために、色素または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0053】
経口で使用することができる医薬調製物には、ゼラチンから作製されたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから作製された密封軟カプセルが挙げられる。一部の実施形態では、カプセルは、薬学的な牛ゼラチンおよび植物ゼラチンの1種または複数種を含む硬ゼラチンカプセルを含む。ゼラチンはアルカリ処理することができる。プッシュフィットカプセルは、フィラー、例えばラクトース、結合剤、例えばデンプン、または滑沢剤、例えばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム、および安定剤との混合物に活性成分を含有することができる。軟カプセル中で、活性化合物は、好適な液体、例えば脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁することができる。安定剤を添加することができる。経口投与のためのすべての製剤が、かかる投与に好適な投与量で提供される。
【0054】
頬側または舌下投与のために、組成物は、錠剤、ロゼンジ、またはゲルであり得る。
【0055】
非経口注射は、ボーラス注入または連続注入のために製剤化され得る。医薬組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の滅菌懸濁物、溶液、またはエマルションとして、非経口注入に好適な形態であってもよく、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含有していてもよい。非経口投与のための医薬品製剤としては、水溶性形態における活性化合物の水溶液が挙げられる。活性化合物の懸濁物は、油性注入懸濁物として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁物は、懸濁物の粘度を増大する物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランを含有することができる。懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするため、好適な安定剤、または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水での構成のために、粉末形態であってもよい。
【0056】
活性化合物は局所投与されてもよく、溶液、懸濁物、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック(medicated stick)、バーム、クリーム、および軟膏などの多様な局所投与可能な組成物に製剤化することができる。かかる医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、等張性増進剤、緩衝液、および保存剤を含有していてもよい。
【0057】
活性化合物の経皮投与に好適な製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを用いることができ、ポリマーまたは接着剤に溶解または分散した親油性エマルションまたは緩衝水溶液であり得る。かかるパッチは、医薬化合物の連続的、拍動的、またはオンデマンド型の送達のために構築することができる。経皮送達は、イオン導入パッチによって達成することができる。さらに、経皮パッチは、制御送達をもたらすことができる。吸収速度は、律速膜を使用することによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに捕捉することによって減速され得る。それとは逆に、吸収促進剤を使用して、吸収を増大することができる。吸収促進剤または担体には、皮膚への通過に役立つ薬学的に許容される吸収性溶媒が挙げられ得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物および担体を含有するリザーバー、化合物を長期間にわたって制御された所定の速度で対象の皮膚に送達するための律速バリア、ならびにデバイスを皮膚または目に固定するための接着剤を含む、包帯の形態であり得る。
【0058】
吸入による投与のために、活性化合物は、エアロゾル、蒸気、ミスト、または粉末としての形態であり得る。吸入は、鼻送達、経口送達、またはそれらの両方によって行われ得る。鼻または鼻腔内投与は、鼻を介する化合物の吹送、例えば、点鼻薬および鼻スプレーを伴う。この投与経路は、局所および/または全身効果をもたらすことができる。吸入器または吹送器デバイスは、本明細書に記載される化合物の鼻から肺への送達のために使用することができる。
【0059】
本化合物は、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤、ならびにポリビニルピロリドンおよびPEGなどの合成ポリマーを含有する、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または停留浣腸などの直腸組成物において製剤化することもできる。本組成物の坐剤形態では、脂肪酸グリセリドの混合物またはカカオバターなどの低融点ワックスを使用してもよい。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、PEGを含む。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、PEG-400を含む。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、PEG-4000を含む。
【0060】
本明細書において提供される処置の方法または使用を実践する際、本明細書に記載される治療有効量の化合物が、処置すべき疾患または状態を有する対象に医薬組成物中で投与される。一部の実施形態では、対象は、ヒトなどの哺乳動物である。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効能、ならびに他の要因に応じて大きく異なり得る。化合物は、単独で使用されても、混合物の成分として1種または複数種の治療剤との組合せにおいて使用されてもよい。
【0061】
医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用され得る調製物に加工することを容易にする、賦形剤および補助剤を含む、1種または複数種の生理学的に許容される担体を使用して製剤化されていてもよい。製剤は、選択される投与経路に応じて改変してもよい。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、封入、捕捉、または圧縮のプロセスによって製造することができる。
【0062】
医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤、および遊離塩基または薬学的に許容される塩形態としての本明細書に記載される化合物を含むことができる。本明細書に記載される方法および医薬組成物は、結晶形(多形としても公知)、および同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物の使用を含む。
【0063】
本明細書に記載の化合物を含む組成物の調製方法は、1種または複数種の不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体とともに本化合物を製剤化して、固体、半固体、または液体の組成物を形成することを含む。固体組成物としては、例えば、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ剤および坐剤が挙げられる。液体組成物としては、例えば、化合物が溶解した溶液、化合物を含むエマルション、または本明細書に記載の化合物を含むリポソーム、ミセル、もしくはナノ粒子を含有する溶液が挙げられる。半固体組成物としては、例えば、ゲル、懸濁物、およびクリームが挙げられる。この組成物は、液体溶液もしくは懸濁物、使用前に液体に溶解もしくは懸濁するのに好適な固体形態、またはエマルションであってもよい。これらの組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および他の薬学的に許容される添加剤といった無毒の少量の補助物質を含有していてもよい。
【0064】
本明細書で開示される方法で使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、飼料、食物、ペレット、ロゼンジ、液体、エリキシル剤、エアロゾル、吸入剤、スプレー、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、ゲル、ジェルタブ、ナノ懸濁物、ナノ粒子、ミクロゲル、坐剤 トローチ、水性または油性の懸濁物、軟膏、パッチ、ローション、歯磨剤、エマルション、クリーム、点滴薬、分散性粉末または顆粒、硬または軟ゲルカプセル中のエマルション、シロップ、フィトシューティカル(phytoceutical)、ニュートラシューティカル(nutraceutical)、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0065】
本明細書で開示される方法で使用するのに好適な薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、流動促進剤(glidant)、接着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、ガム、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗微生物剤、植物セルロース性材料、および球形化剤(spheronization agent)、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0066】
本明細書に開示される化合物の組成物は、例えば、即時放出形態または制御放出製剤であり得る。即時放出製剤は、化合物を迅速に作用させるように製剤化されていてもよい。即時放出製剤の非限定的な例としては、易溶解性の製剤が挙げられる。制御放出製剤は、薬物放出速度および薬物放出プロファイルが生理学および時間治療学の要件に適合し得るように適応されているか、あるいは、プログラムされた速度で薬物の放出をもたらすように製剤化されている、医薬品製剤であり得る。制御放出製剤の非限定的な例としては、顆粒、遅延放出顆粒、ヒドロゲル(例えば、合成または天然起源のもの)、他のゲル化剤(例えば、ゲル形成食物繊維)、マトリックスベースの製剤(例えば、少なくとも1種の活性成分が分散しているポリマー材料を含む製剤)、マトリックス内の顆粒、ポリマー混合物、および顆粒塊が挙げられる。
【0067】
開示される組成物は、必要に応じて、体積により約0.001重量%~約0.005重量%の薬学的に許容される保存剤を含むことができる。
【0068】
場合により、制御放出製剤は、遅延放出形態である。遅延放出形態は、化合物の作用を長期間にわたって遅延させるように製剤化されていてもよい。遅延放出形態は、1種または複数種の化合物の有効用量の放出を、例えば、約4、約8、約12、約16、または約24時間にわたって遅延させるように製剤化されていてもよい。
【0069】
制御放出製剤は、持続放出形態であってもよい。持続放出形態は、例えば、化合物の作用を長期間にわたって持続させるように製剤化されていてもよい。持続放出形態は、約4、約8、約12、約16、または約24時間にわたって、本明細書に記載される任意の化合物の有効用量をもたらす(例えば、生理学的に有効な血液プロファイルをもたらす)ように製剤化されていてもよい。
【0070】
薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、Pa.: Mack Publishing Company、1995年);Hoover, John E.、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975年;Liberman, H.A.およびLachman, L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980年;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版(Lippincott Williams & Wilkins、1999年)に見出すことができ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0071】
本明細書で開示される方法は、例えば、本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と組み合わせて投与することを含む。担体は、活性成分の任意の分解を最小限にし、対象における任意の有害な副作用を最小限にするように選択することができる。
【0072】
本明細書で開示される化合物または本明細書で開示されるその薬学的に許容される塩は、好都合には、1種または複数種の薬学的に許容される担体から構成された医薬組成物に製剤化することができる。例えば、本明細書に記載される化合物の製剤の調製と併せて使用することができる医薬組成物を調製する担体および方法を開示しており、本明細書に参照により組み込まれる、E.W. Martin Mack Pub. Co., Easton, PAによるRemington's Pharmaceutical Sciences最新版を参照されたい。かかる医薬品は、生理的pHの滅菌水、食塩水、および緩衝溶液などの溶液をはじめとする、ヒトおよび非ヒトへの組成物の投与のための標準的な担体であり得る。他の組成物は、標準手順に従って投与することができる。例えば、医薬組成物は、1種または複数種のさらなる活性成分、例えば抗微生物剤、抗炎症剤、および麻酔剤を含むこともできる。
【0073】
薬学的に許容される担体の非限定的な例としては、食塩溶液、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。さらなる担体としては、本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する固体疎水性ポリマーの半透明マトリックスなどの持続放出調製物が挙げられ、ここでマトリックスは、成形品、例えばフィルム、リポソーム、微粒子、およびマイクロカプセルの形態である。
【0074】
本明細書で開示される方法は、本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を医薬組成物の一部として投与することに関する。種々の実施形態では、本明細書で開示される化合物の組成物は、溶液、懸濁物、またはそれらの両方に活性剤を含む液体を含むことができる。液体組成物には、ゲルが含まれ得る。一実施形態では、液体組成物は、水性である。あるいは、組成物は、軟膏の形態をとることができる。別の実施形態では、組成物は、その場でゲル化可能な水性組成物である。一部の実施形態では、組成物は、その場でゲル化可能な水溶液である。
【0075】
医薬製剤は、本明細書で開示される化合物に加えて、さらなる担体、ならびに増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存剤、および表面活性剤を含むことができる。医薬製剤はまた、抗微生物剤、抗炎症剤、および麻酔剤などの1種または複数種のさらなる活性成分を含むことができる。
【0076】
賦形剤は、不活性フィラーとして単純で直接的な役割を果たすことができ、または賦形剤は、本明細書で使用される場合、胃に対して安全な成分の送達を保証するためにpH安定化系もしくはコーティングの一部であってもよい。
【0077】
本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、鼻、喉、または気管支通路などの体腔に、活性治療剤をエアロゾル形態で送達するための液体、エマルション、または懸濁物中に存在することもできる。
【0078】
意図される投与方式に応じて、本明細書で開示される方法の一部として投与される医薬組成物は、例えば、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形における、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル、粉末、液体、懸濁物、ローション、クリーム、ゲルなどの、固体、半固体、または液体剤形の形態であり得る。組成物は、前述の通り、有効量の本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含有することができ、加えて、他の医用薬剤、医薬剤、担体、アジュバント、希釈剤などを含むことができる。
【0079】
一部の実施形態では、医薬組成物は、約7~約12、約9~約13、約3~約4、約4~約5、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、約9~約10、約10~約11、約11~約12、約12~約13、または約13~約14のpHを有し得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、または少なくとも約13のpHを有し得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、または約13のpHを有し得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、最大約4、最大約5、最大約6、最大約7、最大約8、最大約9、最大約10、最大約11、最大約12、または最大約13のpHを有し得る。
【0080】
本明細書に記載される化合物は、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、約45mg~約50mg、約50mg~約55mg、約55mg~約60mg、約60mg~約65mg、約65mg~約70mg、約70mg~約75mg、約75mg~約80mg、約80mg~約85mg、約85mg~約90mg、約90mg~約95mg、約95mg~約100mg、約100mg~約125mg、約125mg~約150mg、約150mg~約175mg、約175mg~約200mg、約200mg~約225mg、約225mg~約250mg、または約250mg~約300mgの範囲で組成物中に存在し得る。
【0081】
本明細書に記載される化合物は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、または約300mgの量で組成物中に存在し得る。
【0082】
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約25mg/mL~約3000mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約25mg/mL~約50mg/mL、約50mg/mL~約100mg/mL、約100mg/mL~約250mg/mL、約250mg/mL~約500mg/mL、約500mg/mL~約750mg/mL、約750mg/mL~約1000mg/mL、約1000mg/mL~約1500mg/mL、約1500mg/mL~約2000mg/mL、約2000mg/mL~約2500mg/mL、または約2500mg/mL~約3000mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、少なくとも約25mg/mL、少なくとも約50mg/mL、少なくとも約100mg/mL、少なくとも約250mg/mL、少なくとも約500mg/mL、少なくとも約750mg/mL、少なくとも約1000mg/mL、少なくとも約1250mg/mL、少なくとも約1500mg/mL、少なくとも約1750mg/mL、少なくとも約2000mg/mL、少なくとも約2250mg/mL、少なくとも約2500mg/mL、少なくとも約2750mg/mL、または少なくとも約3000mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約25mg/mL、約50mg/mL、約100mg/mL、約250mg/mL、約500mg/mL、約750mg/mL、約1000mg/mL、約1250mg/mL、約1500mg/mL、約1750mg/mL、約2000mg/mL、約2250mg/mL、約2500mg/mL、約2750mg/mL、または約3000mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、最大約25mg/mL、最大約50mg/mL、最大約100mg/mL、最大約250mg/mL、最大約500mg/mL、最大約750mg/mL、最大約1000mg/mL、最大約1250mg/mL、最大約1500mg/mL、最大約1750mg/mL、最大約2000mg/mL、最大約2250mg/mL、最大約2500mg/mL、最大約2750mg/mL、または最大約3000mg/mLの量の化合物を含み得る。
【0083】
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約35mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約70mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約75mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約140mg/mLの量の化合物を含み得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、約280mg/mLの量の化合物を含み得る。
【0084】
本明細書に記載される医薬組成物は、精確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。単位剤形において、製剤は、1種または複数種の化合物の適切な分量を含有する単位用量に分割されている。単位投与量は、別個の分量の製剤を含有するパッケージの形態であってもよい。非限定的な例は、パッケージングされた注射剤、バイアル、またはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単一用量の再閉鎖不可能な容器内にパッケージングされていてもよい。複数用量の再閉鎖可能な容器を、例えば、保存剤と組み合わせて、または組み合わせずに使用してもよい。非経口注射用の製剤は、単位剤形で、例えばアンプル内に、また保存剤とともに複数用量容器内に提供されてもよい。
【0085】
静脈内(IV)製剤:一部の実施形態では、本開示の化合物または医薬組成物は、静脈内投与され得る。一部の実施形態では、本明細書で開示される製剤は、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液の使用によってpH7~13またはpH12~13に調整された、ポリエチレングリコール(PEG)400の液体ビヒクル中、約75mg/mLの濃度の医薬活性成分(API)の溶液の非経口製剤であり得る。溶液は、テフロン(登録商標)コーティングされたゴムストッパーで密封されたクリアガラスバイアルにパッケージされた、クリアで無色から薄黄色の無菌の保存剤不含溶液であり得る。本明細書で開示されるバイアルは、例えば、非経口製剤24mLを含有する30mLのクリアガラスバイアルであり得る。非経口製剤がIV投与される場合、IV食塩水での希釈が必要になることがある。
【0086】
経口カプセル製剤:一部の実施形態では、本開示の化合物または医薬組成物は、経口投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物または医薬組成物は、1)PEG400中、約70mg/mLの化合物溶液、または2)PEG400およびPEG4000中、約280mg/mLの化合物懸濁物の2種の強度で、軟ゼラチンカプセルとして製剤化することができる。70mgカプセルは、70mg/mLの化合物または医薬組成物溶液1mLを含有し、例えば、クリアで透明な楕円形であり得る。280mgカプセルは、280mg/mLの化合物または医薬組成物溶液1mLを含有し、例えば、不透明な黄色からオレンジ色であり得る。
【0087】
投薬
本開示は、最大耐用量(MTD)の本明細書で開示される化合物を、チェックポイント阻害剤と組み合わせて提供する。
【0088】
一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1mg~約3000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1mg~約250mg、約250mg~約500mg、約500mg~約750mg、約750mg~約1000mg、約1000mg~約1250mg、約1250mg~約1500mg、約1500mg~約1750mg、約1750mg~約2000mg、約2000mg~約2250mg、約2250mg~約2500mg、約2500mg~約2750mg、または約2750mg~約3000mgの量であり得る。
【0089】
一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約10mg、少なくとも約15mg、少なくとも約20mg、少なくとも約25mg、少なくとも約30mg、少なくとも約35mg、少なくとも約40mg、少なくとも約45mg、少なくとも約50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mg、少なくとも約100mg、少なくとも約125mg、少なくとも約150mg、少なくとも約175mg、少なくとも約200mg、少なくとも約250mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約350mg、少なくとも約400mg、少なくとも約450mg、少なくとも約500mg、少なくとも約550mg、少なくとも約600mg、少なくとも約650mg、少なくとも約700mg、少なくとも約750mg、少なくとも約800mg、少なくとも約850mg、少なくとも約900mg、少なくとも約950mg、少なくとも約1000mg、少なくとも約1050mg、少なくとも約1100mg、少なくとも約1150mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1250mg、少なくとも約1300mg、少なくとも約1350mg、少なくとも約1400mg、少なくとも約1450mg、少なくとも約1500mg、少なくとも約1550mg、少なくとも約1600mg、少なくとも約1650mg、少なくとも約1700mg、少なくとも約1750mg、少なくとも約1800mg、少なくとも約1850mg、少なくとも約1900mg、少なくとも約1950mg、少なくとも約2000mg、少なくとも約2050mg、少なくとも約2100mg、少なくとも約2150mg、少なくとも約2200mg、少なくとも約2250mg、少なくとも約2300mg、少なくとも約2350mg、少なくとも約2400mg、少なくとも約2450mg、少なくとも約2500mg、少なくとも約2550mg、少なくとも約2600mg、少なくとも約2650mg、少なくとも約2700mg、少なくとも約2750mg、少なくとも約2800mg、少なくとも約2850mg、少なくとも約2900mg、少なくとも約2950mg、または少なくとも約3000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約280mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、約1800mg、約1850mg、約1900mg、約1950mg、約2000mg、約2050mg、約2100mg、約2150mg、約2200mg、約2250mg、約2300mg、約2350mg、約2400mg、約2450mg、約2500mg、約2550mg、約2600mg、約2650mg、約2700mg、約2750mg、約2800mg、約2850mg、約2900mg、約2950mg、または約3000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約1mg、最大約2mg、最大約3mg、最大約4mg、最大約5mg、最大約10mg、最大約15mg、最大約20mg、最大約25mg、最大約30mg、最大約35mg、最大約40mg、最大約45mg、最大約50mg、最大約55mg、最大約60mg、最大約65mg、最大約70mg、最大約75mg、最大約80mg、最大約85mg、最大約90mg、最大約95mg、最大約100mg、最大約125mg、最大約150mg、最大約175mg、最大約200mg、最大約250mg、最大約280mg、最大約300mg、最大約350mg、最大約400mg、最大約450mg、最大約500mg、最大約550mg、最大約600mg、最大約650mg、最大約700mg、最大約750mg、最大約800mg、最大約850mg、最大約900mg、最大約950mg、最大約1000mg、最大約1050mg、最大約1100mg、最大約1150mg、最大約1200mg、最大約1250mg、最大約1300mg、最大約1350mg、最大約1400mg、最大約1450mg、最大約1500mg、最大約1550mg、最大約1600mg、最大約1650mg、最大約1700mg、最大約1750mg、最大約1800mg、最大約1850mg、最大約1900mg、最大約1950mg、最大約2000mg、最大約2050mg、最大約2100mg、最大約2150mg、最大約2200mg、最大約2250mg、最大約2300mg、最大約2350mg、最大約2400mg、最大約2450mg、最大約2500mg、最大約2550mg、最大約2600mg、最大約2650mg、最大約2700mg、最大約2750mg、最大約2800mg、最大約2850mg、最大約2900mg、最大約2950mg、または最大約3000mgの量であり得る。
【0090】
一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、280mgの増分であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約280mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約560mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約840mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1120mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1200mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1400mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1500mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1680mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1800mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約1960mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約2000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約2200mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約2240mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約2500mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約2520mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約2800mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約3000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、少なくとも約3080mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約280mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約560mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約840mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1120mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1200mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1500mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約1800mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約2000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約2200mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約2500mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約2800mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、約3000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約280mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約560mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約840mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約1120mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約1200mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約1500mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約1800mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約2000mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約2200mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約2500mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約2800mgの量であり得る。一部の実施形態では、対象に投与される個別の用量は、最大約3000mgの量であり得る。
【0091】
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、約0.1mg/kg~約500mg/kg、約1mg/kg~約500mg/kg、約0.1mg/kg~約300mg/kg、約1mg/kg~約300mg/kg、または約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で対象に投与され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、対象の約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、約100mg/kg、約120mg/kg、約150mg/kg、約160mg/kg、約180mg/kg、約200mg/kg、約240mg/kg、約250mg/kg、約300mg/kg、約350mg/kg、約360mg/kg、約400mg/kg、約450mg/kg、約500mg/kg、または約600mg/kgの量で対象に投与される。
【0092】
一部の実施形態では、用量漸増は、本明細書で開示される状態を処置するための有効用量に達するように70mgの増分で実施することができる。一部の実施形態では、最大生物学的効果を有する本明細書で開示される用量を、それを必要とする対象に投与することができる。
【0093】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、静脈内投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、約30日間、約31日間、約32日間、約33日間、約34日間、約35日間、約36日間、約37日間、約38日間、約39日間、または約40日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約7日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約14日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約21日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約28日間連続して投与することができる。
【0094】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、28日サイクルのうち約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、28日サイクルのうち約7日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、28日サイクルのうち約14日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、28日サイクルのうち約21日間連続して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、28日サイクルのうち約28日間連続して投与することができる。
【0095】
本明細書で開示される化合物は、皮下または静脈内注射により投与することができる。注射の体積は、約0.1mL、約0.2mL、約0.3mL、約0.4mL、約0.5mL、約0.6mL、約0.7mL、約0.8mL、約0.9mL、約1mL、約1.1mL、約1.2mL、約1.3mL、約1.4mL、約1.5mL、約1.6mL、約1.7mL、約1.8mL、約1.9mL、約2mL、約2.1mL、約2.2mL、約2.3mL、約2.4mL、約2.5mL、約2.6mL、約2.7mL、約2.8mL、約2.9mL、または約3mLであり得る。
【0096】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回560mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回840mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回1120mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回1400mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回1680mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回1960mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回2240mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回2520mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回2800mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回3080mgの用量で投与され得る。
【0097】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した560mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した840mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した1120mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した1400mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した1680mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した1960mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した2240mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した2520mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した2800mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日を通して2つの用量に分割した3080mgの用量で投与され得る。
【0098】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、朝または午後早くに第1の用量で、および午後または夕方に第2の用量で投与することができる。一部の実施形態では、第1の用量は、約280mg、約560mg、約840mg、約1120mg、約1400mg、約1680mg、約1960mg、約2240mg、約2520mg、約2800mg、または約3080mgである。一部の実施形態では、第2の用量は、約280mg、約560mg、約840mg、約1120mg、約1400mg、約1680mg、約1960mg、約2240mg、約2520mg、約2800mg、または約3080mgである。
【0099】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、隔週で2~5日間、約800mgの用量で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、隔週で3~6日間、約650mg~約1700mgの用量で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、3週間にわたって週2日間、約800mg~約1500mgの用量で投与することができ、続いて1週間処置は行われない。一部の実施形態では、本開示の化合物は、隔週で3日間、1日約1800mgの用量で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1週間にわたって1日1回、約70mg、約140mg、約280mg、約560mg、または約700mgの用量で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、21日サイクルの最初の14日間にわたって、1日当たり約70mg、約140mg、約280mg、約560mg、約700mg、または約1120mgの用量で、1日2回投与することができる。
【0100】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、約560mgの用量で朝に1回および夕方に約280mgで、2週間投与することができ、続いて1週間の休薬期間が設けられる。一部の実施形態では、化合物は、絶食状態で、食事の約1~2時間前に、または食事の約1~2時間後に投与される。
【0101】
化合物の静脈内投与のための投薬レジメンは、例えば1,800mg/日で、14日サイクルの1~3日目に8サイクルにわたって与えられ、次にその後の28日サイクルの1~3日目毎に与えられるものであり得る。ニボルマブの用量との組合せにおいて、RP2D(第2相推奨用量)を見出すために、3+3用量漸増を組み込むことができる。用量漸増コホートは、総用量のニボルマブを受けることができ、最初に低減用量のリゴセルチブ、例えば1,200mg/日、次に1500mg/日、次に1800mg/日を14日サイクルの1~3日目に8サイクルにわたって、次にその後の28日サイクルの1~3日目毎に与えられる。骨髄毒性のリスクが少ない固形腫瘍研究では、3+3用量漸増に従ってMTDおよびRP2Dが確立されるまで、用量を2,100mg/日、2,400mg/日に、徐々にさらに増大することができる。
【0102】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、朝食のおよそ1~2時間前に投与される約840mgの第1の用量で、続いて昼食の約2時間後または第1の用量の約6~8時間後に投与される約280mgの第2の用量で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、朝食のおよそ1~2時間前に投与される約560mgの第1の用量で、続いて昼食の約2時間後または第1の用量の約6~8時間後に投与される約280~560mgの第2の用量で投与することができる。
【0103】
本明細書で開示される投薬レジメンは、例えば、朝に経口リゴセルチブ840mgおよび午後に560mgの1用量であり得る。用量漸増は、観察された用量制限毒性(DLT)の数に応じて継続することができる。本明細書で開示される投薬レジメンは、例えば、840mgを1日2回、次に朝に1,120mg、次に午後に840mgであり得る。用量漸増は、例えば、280mgの増分によって継続することができる。例えば、朝の用量を、280mg増大することができ、次に午後の用量を、280m増大することができる。
【0104】
用量漸増は、2つまたはそれよりも多くのDLTが単一コホートで観察されるまで継続することができる。その時点で、以前の用量コホートを、患者6人まで拡大することができ、2つ未満のDLTがそれらの患者6人において生じる場合には、その用量をMTDとみなすことができる。
【0105】
あるいは、用量漸増は、70mgの増分で行うことができる。さらに、総1日用量のうちのはるかに大きいパーセンテージを朝の用量で投与し、より低いパーセンテージを午後の用量で投与することができる(すなわち、午前に1,400mgおよび午後に560mg)。
【0106】
一部の実施形態では、対象は、1日当たり少なくとも2Lの流体を飲むように推奨される。一部の実施形態では、対象は、特に尿pHが約7.5未満の場合、650mgの炭酸水素ナトリウムを1日3回摂取するように助言される。
【0107】
投与方法
本明細書に記載される化合物は、疾患または状態の発生前、その間、またはその後に投与してもよく、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは様々であり得る。例えば、化合物は、予防薬として使用されてもよく、疾患または状態の発生の見込みを低下または低減させるために、状態または疾患の傾向を有する対象に継続的に投与されてもよい。化合物および組成物は、対象に症状の発症中に投与されても、発症後可能な限り早くに投与されてもよい。化合物の投与は、症状の発症から最初の48時間以内、症状の発症から最初の24時間以内、症状の発症から最初の6時間以内、または症状の発症から3時間以内に開始されてもよい。初回投与は、本明細書に記載される任意の製剤を使用した、実践的な任意の経路によるもの、例えば、本明細書に記載される任意の経路によるものであり得る。
【0108】
化合物は、疾患または状態の発症が検出されるかまたは疑われてから実践的である限りすぐに、そして例えば、約1か月から約3か月など、疾患の処置に必要な時間の長さにわたって投与され得る。一部の実施形態では、化合物が投与され得る時間の長さは、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1か月間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2か月間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3か月間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4か月間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5か月間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約1年間、約13か月間、約14か月間、約15か月間、約16か月間、約17か月間、約18か月間、約19か月間、約20か月間、約21か月間、約22か月 約23か月間、約2年間、約2.5年間、約3年間、約3.5年間、約4年間、約4.5年間、約5年間、約6年間、約7年間、約8年間、約9年間、約10年間、約11年間、約12年間、約13年間、約14年間、約15年間、約16年間、約17年間、約18年間、約19年間、約20年間、約21年間、約22年間、約23年間、約24年間、または約25年間であり得る。処置の長さは対象毎に異なり得る。
【0109】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日1回投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回投与することができる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日3回投与することができる。一部の実施形態では、化合物の吸収は、食物によって妨げられることがある。一部の実施形態では、投薬は、食事から少なくとも約15分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、少なくとも約1.5時間、少なくとも約2時間、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約5.5時間、または少なくとも約6時間隔てられる。一部の実施形態では、投薬は、食事から少なくとも約30分間隔てられる。一部の実施形態では、投薬は、食事から少なくとも約1時間隔てられる。一部の実施形態では、投薬は、食事から少なくとも約2時間隔てられる。一部の実施形態では、化合物は、対象が食物を消費する前に投与される。一部の実施形態では、化合物は、対象が食物を消費した後に投与される。一部の実施形態では、化合物は、対象が飲物を消費する前に投与される。一部の実施形態では、化合物は、対象が飲物を消費した後に投与される。
【0110】
一部の実施形態では、化合物の朝の用量は、一晩絶食した後、朝食の1時間前に摂取される。一部の実施形態では、化合物の午後の用量は、昼食の2時間後および夕食または他の食物の1時間前に摂取される。一部の実施形態では、化合物の第1の治療有効量は、1日のうち朝に対象に投与され、化合物の第2の治療有効量は、1日のうち午後に対象に投与される。一部の実施形態では、化合物の第1の治療有効量は、1日のうち朝に対象に投与され、化合物の第2の治療有効量は、1日のうち夕方に対象に投与される。一部の実施形態では、第1の治療有効量および第2の治療有効量は同じである。一部の実施形態では、第1の治療有効量および第2の治療有効量は異なる。一部の実施形態では、第1の治療有効量は、第2の治療有効量よりも多い。一部の実施形態では、第1の治療有効量は、第2の治療有効量よりも少ない。
【0111】
静脈内リゴセルチブは、血管外遊出のリスクを回避するために、大口径の静脈内カテーテルを介して与えることができる。IV注入は、72時間にわたって連続的(CIV)であり得、3つの別個の注入バッグで標準注入ポンプによりそれぞれ24時間送達される。
【0112】
尿生殖器の有害事象のリスクを軽減するために、本明細書で開示される化合物の第2の用量を、午後に投与することができ、本明細書で開示される対象には、睡眠前に水分を経口摂取するように指導することができ、本明細書で開示される対象には、睡眠前に排尿を済ませるように指導することができ、またはそれらを組み合わせて指導することができる。
【0113】
本明細書で開示される対象の尿pHをモニタリングすることができる。尿pHが酸性の場合、対象には、経口炭酸水素塩を投与することができる。本明細書で開示される対象から得られた尿試験紙は、顕微鏡的血尿の証拠についてさらにモニタリングすることができる。
【0114】
本明細書に記載される化合物の投与のための投薬スケジュールには、それらに限定されないが、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)、1日4回(QID)、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1か月に1回、1か月に2回、および2か月毎に1回が含まれる。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日1回投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日2回投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日3回投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1日4回投与される。
【0115】
他の種に存在するデータに基づいて概算用量を予測または決定することができる。一部の実施形態では、アロメトリックスケーリング(allometric scaling)を使用して、体表面積への用量の正規化に基づいて薬物用量を交換することができる。アロメトリックスケーリングは、体表面積に基づいて個々の種のサイズを考慮するものであり、これは、動物のサイズへの動物の進化的適応により確立される、動物の代謝速度に関する。最初に、動物種において無毒性量(no observed adverse effect level)(NOAEL)が決定され、そのNOAELが、ヒト等価用量(HED)に変換され、適切な動物種が選択され、安全係数が適用され、薬理学的に活性な用量が決定される。
【0116】
有意な有害効果を引き起こさない最高用量レベルであるNOAELは、安全開始用量を決定するために動物実験から得られた、安全性についての典型的指数である。NOAEL値は、体表面積補正係数に基づいて、動物種からの適切な換算係数を使用してHEDに変換することができる。表1は、体表面積に基づくHED計算指針の一覧である。HEDは、等式:
HED(mg/kg)=動物のNOAEL(mg/kg)×(体重動物[kg]/体重ヒト[kg])(1~0.67)
を使用して決定される。
【0117】
ヒトの初回用量の安全性を増大するために、HEDを係数値10で割る。安全係数は、ヒトと動物種との間の生理的および生物学的過程の差異を説明することができる。
【0118】
補正係数(K)は、ある種の平均体重(kg)をその種の体表面積(m)で割ることによって推定される。表1の種々の動物種のK係数値を使用して、HEDを以下の通り推定する。
HED(mg/kg)=動物用量(mg/kg)×(動物K/ヒトK)、または
HED(mg/kg)=動物用量(mg/kg)×K
【表1】
【0119】
表2は、体表面積に基づく動物等価用量(AED)計算指針を提供する。動物等価用量(AED)は、体表面積に基づいて、ヒト用量(mg/kg)を表2に提供されるK比で割るか、またはK比を掛けるかのいずれかによって計算することもできる。AEDは、以下の等式を使用して計算することができる。
AED(mg/kg)=ヒト用量(mg/kg)×K
【表2】
【0120】
非経口投与について、HED変換(mg/kg)はまた、体表面積正規化に基づく。変換は、適切な種のNOAELを変換係数で割ることによって行うことができる。表3は、最大注入体積についての指針を、種、部位の位置、およびゲージサイズによって提供する。非経口製剤の注入体積は、以下の等式によって計算される。
注入体積(mL)=[動物体重(kg)×動物用量(mg/kg)]/濃度(mg/kg)
【表3】
【0121】
チェックポイント阻害剤
一部の実施形態では、本明細書において、免疫調節剤を投与することによってがんを処置する方法が開示される。一部の実施形態では、本明細書において、本開示の化合物およびがん免疫療法を投与することによってがんを処置する方法が開示される。一部の実施形態では、がん免疫療法は、免疫チェックポイントを標的にする。一部の実施形態では、がん免疫療法は、阻害チェックポイントを遮断し、免疫系機能を修復することができる。一部の実施形態では、本明細書において、本開示の化合物および抗体を投与することによってがんを処置する方法が開示される。一部の実施形態では、本明細書において、本開示の化合物および生物製剤(biologic)を投与することによってがんを処置する方法が開示される。
【0122】
免疫チェックポイントは、免疫系に固有の共刺激および阻害要素である。免疫チェックポイントは、自己免疫寛容を維持し、生理的免疫応答の持続期間および大きさをモジュレートして、免疫系が病原性感染に応答するときの組織への傷害を低減する一助になる。免疫応答はまた、T細胞が、腫瘍細胞に独特の抗原(例えば、非自己抗原もしくは腫瘍ネオ抗原)または腫瘍細胞に特徴的な抗原(例えば、腫瘍関連抗原(TAA))を認識すると開始され得る。T細胞からの免疫応答を制御するために使用される共刺激シグナルと阻害シグナルとの平衡は、免疫チェックポイントタンパク質によってモジュレートすることができる。T細胞が成熟し、胸腺において活性化した後、T細胞は、炎症および傷害部位に移動して、修復機能を発揮することができる。T細胞機能は、直接作用により、または免疫系に関与するサイトカインおよび膜リガンドの動員により生じることができる。T細胞の成熟、活性化、増殖、および機能に関与するステップは、共刺激および阻害シグナルにより、すなわち免疫チェックポイントタンパク質により調節され得る。腫瘍は、免疫耐性機構としてのチェックポイントタンパク質機能を調節不全にし得る。したがって、チェックポイントタンパク質のモジュレーターの開発は、治療的価値を有することができる。免疫チェックポイント分子の非限定的な例としては、LAG3、BTLA、KIR、CTLA4、ICOS、TIM3、A2aR、PD-1、PD-L1、PD-L2、CD40L、OX40L、CD137L、CD47、B7-H3、およびB7-H4が挙げられる。これらのチェックポイント分子は、経路のIL-2上流を操作することができる。
【0123】
チェックポイント分子は、自己に向けられた望ましくない有害な免疫系活性化(自己免疫)に対して防御する。これらの分子は、自己免疫の抑制の一助に必要であるが、親細胞と同じ一連の表面分子を主に呈する悪性自己細胞を標的にすることを目的とした免疫療法を妨げることがある。特に阻害チェックポイントを遮断することによってこれらの末梢性免疫寛容機構を克服することを目的とした治療は、単剤療法として、または免疫系への腫瘍エピトープの提示を直接的もしくは間接的に増強する他の治療との組合せで、抗腫瘍活性を生じる潜在可能性を提供する。
【0124】
免疫チェックポイントは、阻害シグナル伝達経路を調節する分子(例えば、LAG3、CTLA4、PD-1、およびTIM3)または刺激シグナル伝達経路を調節する分子(例えば、ICOSによって)であり得る。広範囲な免疫グロブリンスーパーファミリーの中のいくつかのタンパク質は、免疫チェックポイントのためのリガンドであり得る。免疫チェックポイントリガンドタンパク質の非限定的な例としては、B7-H4、ICOSL、PD-L1、PD-L2、CD40L、OX40L、CD86、およびCD137Lが挙げられる。
【0125】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、細胞表面チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、またはPD-L1阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、細胞内チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH)である。
【0126】
PD-1は、CD28/CTLA4ファミリーに属する阻害性受容体であり、活性化されたTリンパ球、B細胞、単球、DC、NK細胞、およびTregsの表面上に発現する。PD-1の主な役割は、CTLA4とは対照的に、感染に対して炎症応答が生じた時点で末梢組織におけるT細胞の活性化を制限し、自己免疫を制限することである。慢性的な抗原曝露は、持続的に高いレベルのPD-1発現をもたらし得る。この発現は、抗原特異的T細胞の枯渇またはアネルギー状態を誘導し得る。この状態は、PD-1の遮断によって少なくとも部分的に逆転させることができる。
【0127】
PD-1の2種のリガンドであるPD-L1およびPD-L2は、T細胞、APC、および悪性細胞上に発現する。それらのリガンドは、自己反応性リンパ球を抑制し、TAA特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)のエフェクター機能を阻害するように機能する。したがって、PD-1、PD-L1、またはPD-L2を標的にする治療は、TAA特異的T細胞の細胞傷害活性を修復する潜在可能性を有する。
【0128】
PD-1は、リガンドの係合時に、ホスファターゼであるSHP2を介して、T細胞活性化に関与するキナーゼを阻害することができる。PD-1は、感染に対して炎症応答が生じた時点で末梢組織におけるT細胞の活性化を制限し、自己免疫を制限することができる。T細胞増殖が低下すると、IL-2分泌の低下が生じ得る。PD-1はまた、Tregs上に高度に発現することができ、それによって、免疫抑制機能を有することができ、さらにはTregsの増殖を増大することができる。腫瘍には、Tregsが高度に浸潤することができ、したがって、PD-1の遮断は、腫瘍内Tregsの免疫抑制機能を減少させることができる。
【0129】
PD-1はまた、広範な発現パターンにより、腫瘍または組織のNK活性を増強することができる。PD-1は、PD-1B細胞を介して抗体産生を増大することができる。ウイルス感染およびがんにおいて観察される慢性的な抗原曝露は、持続的なPD-1活性化および同族の抗原特異的T細胞の中でのT細胞のアネルギーをもたらし得る。このアネルギー状態は、PD-1の遮断により逆転させることができる。
【0130】
PD-1はまた、多くの腫瘍型において腫瘍浸潤リンパ球(TIL)上に発現することができる。CD4細胞のPD-1発現の増強は、腫瘍内の制御性T細胞上のPD-1の高度発現を反映し得る。PD-1は、CD8細胞上にも高度に発現することができ、アネルギー状態を反映し得る。多くの腫瘍からのリンパ球上のPD-1の発現増大と一致して、PD-1のリガンドも、腫瘍細胞表面上に高度に発現することができる。PD-L1は、例えば、黒色腫、卵巣がん、肺がん、および腎臓がん細胞上に高度に発現することができる。PD-L2は、例えば、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞細胞B細胞リンパ腫、およびホジキンリンパ腫上に高度に発現することができる。抗PD-1抗体は、結腸、腎臓、肺、および黒色腫をはじめとするいくつかの腫瘍型の退行を誘導することができる。PD-1を直接的に標的にするか、またはPD-1とリガンドとの相互作用を標的にする治療としては、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、およびAMP-224が挙げられる。
【0131】
一部の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。一部の実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。一部の実施形態では、抗PD-1抗体は、ピディリズマブである。抗PD-1抗体の非限定的な例としては、AGEN-2034、AMP-224、BCD-100、BGBA-317、BI-754091、CBT-501、CC-90006、セミプリマブ、デュルバルマブ+MEDI-0680、GLS-010、IBI-308、JNJ-3283、JS-001、MEDI-0680、MGA-012、MGD-013、パゾパニブ塩酸塩+ペムブロリズマブ、PDR-001、PF-06801591、REGN-2810、SHR-1210、TSR-042、LZM-009、およびABBV-181が挙げられる。
【0132】
一部の実施形態では、抗PD-Ll抗体は、例えば、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、CX-072、BMS-936559、SHR-1316、M-7824、LY-3300054、FAZ-053、KN-035、CA-170、CK-301、CS-1001、HLX-10、MCLA-145、MSB-2311、またはMEDI-4736である。
【0133】
LAG3(リンパ球活性化遺伝子3)は、活性化された抗原特異的細胞傷害性T細胞上に発現し、制御性T細胞の機能を増強し、独立してCD8+エフェクターT細胞活性を阻害することができる。LAG3は、一部の上皮がん上で上方調節されるMHCクラスIIとの高親和性結合部位を有している、T細胞の増殖およびホメオスタシスに対する耐性をもたらすCD-4様の負の制御性タンパク質である。LAG-3-IG融合タンパク質を使用してLAG-3/クラスIIの相互作用を遮断すると、抗腫瘍性免疫応答が増強される。LAG3を標的にする治療剤としては、IMP321および他のモノクローナル抗体が挙げられる。
【0134】
BTLA(B-およびT-リンパ球アテニュエーター)は、リガンドとしてのHVEM(ヘルペスウイルス侵入メディエーター)と会合すると、T細胞を阻害することができる。HVEMは、黒色腫および内皮がん細胞上に発現することができる。BTLAレベルは、黒色腫を有する対象のTIL上で高いことがあり、BTLA発現T細胞は、HVEMの存在下で阻害され得る。
【0135】
KIR(キラー免疫グロブリン様受容体)は、ナチュラルキラー(NK)細胞およびTリンパ球のサブセットによって発現される。KIRは、大部分が、ヒト白血球抗原(HLA)クラスI分子の対立形質形態に特異的な細胞表面阻害性受容体である。KIRは、HLAクラスI分子と係合すると、NK細胞の活性化および機能を遮断する。KIRが遮断されると、NK細胞の活性化および機能が遮断され得る。
【0136】
CTLA4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)は、CD152(表面抗原分類152)としても公知である。CTLA4は、共刺激分子CD28と配列相同性およびリガンド(CD80/B7-1およびCD86/B7-2)を共有するが、受容体としてCTLA4を発現するT細胞に阻害シグナルを送達するという点が異なっている。CTLA4は、両方のリガンドに対してかなり高い全体的親和性を有しており、リガンド密度が制限されると、結合に関して競合してCD28を打ち負かすことができる。
【0137】
CTLA4は、CD8+エフェクターT細胞の表面上に発現し、ナイーブT細胞およびメモリーT細胞の両方の初期活性化段階において機能的役割を果たす。CTLA4は、T細胞活性化の初期段階中、CD80およびCD86に対する親和性の増大により、CD28の活性に対抗する。CTLA4の主な機能には、ヘルパーT細胞のダウンモジュレーションおよび制御性T細胞の免疫抑制活性の増強が含まれる。CTLA4の重要性についての証拠は、Ctla4-/-マウスにおける致死性の全身免疫過剰活性化表現型により実証することができる。
【0138】
CTLA4はまた、IL-2産生およびIL-2受容体発現の阻害により、免疫系機能を下方調節することができる。CTLA4は、IL-2のCD28依存性上方調節を阻害することができ、IL-2産生の阻害は、細胞周期停止をもたらし得る。IL-2の低減およびその後の細胞周期停止は、CTLA4の存在下で観察されるT細胞増殖の低下の原因になり得る。
【0139】
CTLA4は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質尾部を含む。様々なアイソフォームをコードする代替転写スプライスバリアントが存在する。膜結合アイソフォームは、ジスルフィド結合によって相互接続されたホモ二量体として機能することができ、可溶性アイソフォームは、単量体として機能することができる。CTLA4の変異は、例えば、インスリン依存性真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状腺炎、セリアック病、全身性エリテマトーデス、甲状腺関連眼窩疾患、および他の自己免疫疾患と関連し得る。
【0140】
CTLA4を標的にする治療は、腫瘍耐性機構を回避するように開発することができる。CTLA4の阻害は、ヘルパーT細胞に依存する免疫応答の広範な増強をもたらし得る。したがって、CTLA4を遮断することを目的とした治療薬は、腫瘍細胞耐性機構を逃れるのに役立つことができる。CTLA4を標的にする治療の例としては、CTLA4を標的にすることができるモノクローナル抗体であるイピリムマブおよびトレメリムマブが挙げられ、それらを、例えば黒色腫の処置に使用することができる。治療は、自己免疫疾患の処置のためにCTLA4の活性を増大することに向けることもできる。CTLA4および抗体の融合タンパク質は、例えば、関節リウマチを有する患者、またはエプスタイン-バーウイルス(EPV)に感作された、腎臓移植を受けている患者の免疫応答を増大し得る。
【0141】
CD278としても公知のICOS(誘導性T細胞共刺激分子)は、活性化T細胞上に発現するCD28-スーパーファミリー共刺激分子である。CD40およびCD134は、さらなる共刺激分子の例である。
【0142】
A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)としても公知のTIM3(T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有タンパク質3)は、マクロファージ活性化を調節するTh1特異的細胞表面タンパク質である。TIM3は、TIM3リガンドであるガレクチン9との会合により、ヘルパーT細胞応答を阻害することができる。ガレクチン9は、乳がんをはじめとする種々のタイプのがんにおいて上方調節され得る。TIM3は、腫瘍特異的CD8+T細胞上にPD-1と同時発現することができ、両方の分子を阻害することにより、T細胞の増殖およびサイトカイン産生を著しく増強することができる。
【0143】
アデノシン受容体の4つのタイプ、すなわちA1、A2A、A2B、およびA3受容体は、免疫細胞の表面上に発現する。T細胞上で発現する主なサブタイプは、A2Aアデノシン受容体(A2aR)である。A2aR受容体による免疫抑制シグナル伝達は、NK細胞のサイトカイン分泌パターンを制御し、免疫細胞による過度の損傷から炎症組織を保護するように機能することができる。A2aR受容体は、CD4+T細胞がFOXP3(フォークヘッドボックスP3)を発現するように駆動することによって、T細胞応答を阻害する。次に、FOXP3は、CD4+T細胞を制御性T細胞に発達させることができる。A2aRが欠失すると、感染に対する病理学的炎症応答が生じ得る。
【0144】
B7-H3は、CD4+およびCD8+T細胞の両方の増殖を同時刺激し、細胞傷害性T細胞の誘導を増強し、T細胞受容体シグナル伝達の存在下でインターフェロンγ(IFN-γ)産生を選択的に刺激することができる。B7-H3受容体は、樹状細胞および単球において発現することができる。
【0145】
B7S1またはB7xとしても公知のB7-H4は、好中球媒介性自然免疫応答を負に調節するB7ファミリーの共抑制メンバーである。B7-H4受容体は、B細胞および抗原提示細胞において発現することができる。B7-H4受容体は、乳房、卵巣、肺がん、および他の固形腫瘍において過剰発現することもできる。
【0146】
本明細書で開示される免疫療法には、チェックポイント分子またはチェックポイントタンパク質をモジュレートするものが含まれる。チェックポイント分子またはチェックポイントタンパク質をモジュレートする薬剤の非限定的な例としては、サイトカイン、免疫毒素、組換えタンパク質、抗体、モノクローナル抗体、腫瘍特異的モノクローナル抗体、抗体-薬物コンジュゲート、免疫毒素、ならびにLAG3、BTLA、KIR、CTLA4、ICOS、TIM3、A2aR、PD-1、B7-H3、B7-H4、ICOSL、PD-L1、PD-L2、CD40L、OX40L、CD47、CD86、およびCD137Lの1つまたは複数をモジュレートする、上方調節する、下方調節する、刺激する、拮抗する、阻害する、または誘導する任意の薬剤が挙げられる。一部の実施形態では、免疫毒素治療は、CD5、CD7、CD19、CD22、CD25(T-NHL)、CD30、およびCD38(B-NHL)の1つまたは複数に対する治療である。一部の実施形態では、免疫療法は、イピリムマブ、ニボルマブ、トレメリムマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、AMP-224またはResimmune(商標)(A-dmDT390-bisFv(UCHT1)とも呼ばれる)である。薬剤は、本明細書に記載される化合物と同じ単位剤形で、または別個の剤形で任意の順序でもしくは同時に投与することができる。
【0147】
その活性が併用療法によってモジュレートされ得る細胞の非限定的な例としては、内皮細胞;B細胞;CD4;CD8;赤血球および白血球細胞をはじめとする血液細胞;樹状抗原提示細胞をはじめとする樹状細胞;白血球;マクロファージ;メモリーB細胞;メモリーT細胞;単球;NK細胞;好中球顆粒細胞;ヘルパーT細胞;ならびに細胞傷害性T細胞が挙げられる。
【0148】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、またはセミプリマブである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペムブロリズマブである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、アベルマブである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。
【0149】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約0.1mg/kg~約10mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約0.1mg/kg~約0.5mg/kg、約0.5mg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約1.5mg/kg、約1.5mg/kg~約2mg/kg、約2mg/kg~約2.5mg/kg、約2.5mg/kg~約3mg/kg、約3mg/kg~約3.5mg/kg、約3.5mg/kg~約4mg/kg、約4mg/kg~約4.5mg/kg、約4.5mg/kg~約5mg/kg、約5mg/kg~約5.5mg/kg、約5.5mg/kg~約6mg/kg、約6mg/kg~約6.5mg/kg、約6.5mg/kg~約7mg/kg、約7mg/kg~約7.5mg/kg、約7.5mg/kg~約8mg/kg、約8mg/kg~約8.5mg/kg、約8.5mg/kg~約9mg/kg、約9mg/kg~約9.5mg/kg、または約9.5mg/kg~約10mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約0.1mg/kg~約0.5mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約0.5mg/kg~約1mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約1mg/kg~約1.5mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約1.5mg/kg~約3mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約3mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。
【0150】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約0.1mg/kg、少なくとも約0.5mg/kg、少なくとも約1mg/kg、少なくとも約1.5mg/kg、少なくとも約2mg/kg、少なくとも約2.5mg/kg、少なくとも約3mg/kg、少なくとも約3.5mg/kg、少なくとも約4mg/kg、少なくとも約4.5mg/kg、少なくとも約5mg/kg、少なくとも約5.5mg/kg、少なくとも約6mg/kg、少なくとも約6.5mg/kg、少なくとも約7mg/kg、少なくとも約7.5mg/kg、少なくとも約8mg/kg、少なくとも約8.5mg/kg、少なくとも約9mg/kg、少なくとも約9.5mg/kg、または少なくとも約10mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5mg/kg、約5.5mg/kg、約6mg/kg、約6.5mg/kg、約7mg/kg、約7.5mg/kg、約8mg/kg、約8.5mg/kg、約9mg/kg、約9.5mg/kg、または約10mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約1mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約2.5mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約3mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約3.5mg/kgの用量で投与され得る。
【0151】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最大約0.1mg/kg、最大約0.5mg/kg、最大約1mg/kg、最大約1.5mg/kg、最大約2mg/kg、最大約2.5mg/kg、最大約3mg/kg、最大約3.5mg/kg、最大約4mg/kg、最大約4.5mg/kg、最大約5mg/kg、最大約5.5mg/kg、最大約6mg/kg、最大約6.5mg/kg、最大約7mg/kg、最大約7.5mg/kg、最大約8mg/kg、最大約8.5mg/kg、最大約9mg/kg、最大約9.5mg/kg、または最大約10mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最大約1mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最大約2mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最大約3mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最大約4mg/kgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最大約5mg/kgの用量で投与され得る。
【0152】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、投与される用量当たり約25mg~約50mg、約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1,000mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、投与される用量当たり約50mg~約250gの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、投与される用量当たり約250mg~約500mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、投与される用量当たり約500mg~約750mgの用量で投与され得る。
【0153】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約25mg、少なくとも約50mg、少なくとも約100mg、少なくとも約150mg、少なくとも約200mg、少なくとも約250mg、少なくとも約300mg、少なくとも約350mg、少なくとも約400mg、少なくとも約450mg、少なくとも約500mg、少なくとも約550mg、少なくとも約600mg、少なくとも約650mg、少なくとも約700mg、少なくとも約750mg、少なくとも約800mg、少なくとも約850mg、少なくとも約900mg、少なくとも約950mg、または少なくとも約1,000mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約240mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約250mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約300mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約450mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約480mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約500mgの用量で投与され得る。
【0154】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1,000mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約240mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約250mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約300mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約450mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約480mgの用量で投与され得る。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約500mgの用量で投与され得る。
【0155】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約1mg/mL~約2mg/mL、約2mg/mL~約3mg/mL、約3mg/mL~約4mg/mL、約4mg/mL~約5mg/mL、約5mg/mL~約6mg/mL、約6mg/mL~約7mg/mL、約7mg/mL~約8mg/mL、約8mg/mL~約9mg/mL、または約9mg/mL~約10mg/mLの濃度で投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約9mg/mL~約10mg/mLの濃度で投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約1mg/mL、少なくとも約1.5mg/mL、少なくとも約2mg/mL、少なくとも約2.5mg/mL、少なくとも約3mg/mL、少なくとも約3.5mg/mL、少なくとも約4mg/mL、少なくとも約4.5mg/mL、少なくとも約5mg/mL、少なくとも約5.5mg/mL、少なくとも約6mg/mL、少なくとも約6.5mg/mL、少なくとも約7mg/mL、少なくとも約7.5mg/mL、少なくとも約8mg/mL、少なくとも約8.5mg/mL、少なくとも約9mg/mL、少なくとも約9.5mg/mL、または少なくとも約10mg/mLの濃度で投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、または約10mg/mLの濃度で投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約10mg/mLの濃度で投与される。
【0156】
一部の実施形態では、注入体積は、体重1kg当たり最大約5mL、最大約4.5mL、最大約4mL、最大約3.5mL、最大約3mL、最大約2.5mL、最大約2mL、最大約1.5mL、最大約1mL、または最大約0.5mLである。一部の実施形態では、注入体積は、体重1kg当たり最大約4mLである。一部の実施形態では、注入体積は、体重1kg当たり最大約3mLである。
【0157】
一部の実施形態では、全注入体積は、最大約200mL、最大約175mL、最大約150mL、最大約125mL、最大約100mL、最大約75mL、最大約50mL、または最大約25mLである。一部の実施形態では、全注入体積は、最大約160mLである。一部の実施形態では、全注入体積は、最大約125mLである。一部の実施形態では、全注入体積は、最大約100mLである。
【0158】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約240mgの用量で投与することができる。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも約480mgの用量で投与することができる。
【0159】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、経口投与される。
【0160】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、6週間毎に1回、7週間毎に1回、8週間毎に1回、9週間毎に1回、10週間毎に1回、11週間毎に1回、または12週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、週1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、週1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、2週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、ニボルマブは、4週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、6週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、8週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間毎に1回投与される。
【0161】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルにわたって1回、約2回、約3回、約4回、約5回、約6回、約7回、約8回、約9回、約10回、約11回、約12回、約13回、約14回、約15回、約16回、約17回、約18回、約19回、約20回、約21回、約22回、約23回、約24回、約25回、約26回、約27回、または約28回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルにわたって1回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルにわたって2回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルにわたって3回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルにわたって4回投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルの15日目に投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルの22日目に投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、28日サイクルの1日目および15日目に投与される。
【0162】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、約15分間、約30分間、約45分間、約60分間、約90分間、または約120分間にわたって投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、30分間にわたって投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、60分間にわたって投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、90分間にわたって投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、120分間にわたって投与される。
【0163】
一部の実施形態では、ニボルマブは、30分間にわたって投与される。一部の実施形態では、ニボルマブは、60分間にわたって投与される。一部の実施形態では、ニボルマブは、2週間毎に約240mgの用量で30分間にわたって投与される。一部の実施形態では、ニボルマブは、2週間毎に約480mgの用量で60分間にわたって投与される。一部の実施形態では、ニボルマブは、最初の16週間に4週間毎に約480mgの用量で30分間にわたって投与され、続いて4週間毎に480mgの用量で30分間にわたって投与される。
【0164】
疾患
本明細書で開示される方法は、例えば、感染性疾患、増殖性疾患、がん、固形腫瘍、液性腫瘍、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、頭頸部がん、膀胱がん、または膵臓がんを処置するために使用することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物を使用して、対象のがんを処置することができる。
【0165】
対象は、例えば、高齢成人、成人、青年、前青年期若年者(pre-adolescent)、小児、幼児、乳児、新生児、および非ヒト動物であり得る。一部の実施形態では、対象は患者である。
【0166】
本発明の化合物は、例えば、がん細胞株の増殖を減速させるか、またはがん細胞を殺傷させることができる。一部の実施形態では、がんは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の変異を含む。一部の実施形態では、がんは、1個の変異を含む。一部の実施形態では、がんは、2個の変異を含む。一部の実施形態では、がんは、3個の変異を含む。一部の実施形態では、がんは、4個の変異を含む。一部の実施形態では、がんは、5個の変異を含む。
【0167】
一部の実施形態では、がんは、KRAS変異を含む。一部の実施形態では、がんは、G12V変異を含む。一部の実施形態では、がんは、G12D変異を含む。一部の実施形態では、がんは、G12C変異を含む。一部の実施形態では、がんは、I46T変異を含む。
【0168】
本発明の化合物によって処置され得るがんの非限定的な例としては、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、例えば小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視路および視床下部神経膠腫、乳がん、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、原発不明癌、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、子宮頸がん、小児がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、ユーイング肉腫、胚細胞腫瘍、胆のうがん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓がん、喉頭がん、口唇および口腔がん、脂肪肉腫、肝臓がん、肺がん、例えば非小細胞および小細胞肺がん、リンパ腫、白血病、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん(metastatic squamous neck cancer with occult primary)、口のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、鼻腔および副鼻腔がん、上咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、膵臓がん、膵島細胞がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽腫、形質細胞新生物、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌、腎盂および尿管移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん、メルケル細胞皮膚癌、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃のがん、T細胞リンパ腫、咽喉がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、絨毛性腫瘍(妊娠性)、原発部位不明のがん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍が挙げられる。
【0169】
本明細書で開示される方法による腫瘍応答は、RECIST応答分類に基づいて測定することができる。
【実施例
【0170】
(実施例1)
対象の疾患を処置するための本明細書で開示される経口医薬組成物を評価するための研究
およそ30人の患者が、ニボルマブとの組合せにおけるリゴセルチブの用量を調査するための、非小細胞肺がんにおけるリゴセルチブ用量漸増研究に登録される。ニボルマブの用量は、2週間毎に240mgまたは4週間毎に480mgである。次のリゴセルチブ用量コホートは、朝に840mgおよび午後に560mgを、以前の食事の少なくとも2時間後およびその後のそれぞれの食事の1時間前に与えられる。用量漸増3+3研究の用量増分は、それぞれ280mgであり、次のコホートでは最初に朝の用量が増大され、次に午後の用量が増大され、例えば、840mg/560mg、次に840mg/840mg、次に1,120mg/840mg(それぞれ朝および午後)などとなる。3+3用量漸増研究毎に、DLTに基づいてMTDおよびRP2Dが決定され、RP2Dの決定の後に12人までの患者の拡大コホートが登録される。安全性および耐容性の評価に加えて、iRECISTによって評価される全奏効率によって、有効性が測定される。
【0171】
RP2Dの決定後、無作為化対照第2相研究を、リゴセルチブをニボルマブと組み合わせて実施する。およそ200人の患者が、ニボルマブ+プラセボまたはニボルマブ+リゴセルチブのいずれかを受けるために1:1比で登録される。主要転帰は、無進行生存(PFS)率の間の統計的比較であり、二次エンドポイントとして全生存(OS)を用いる。
【0172】
(実施例2)
対象の疾患を処置するための本明細書で開示される静脈内医薬組成物を評価するための研究
およそ30人の患者が、ニボルマブとの組合せにおけるMTDを決定するための、結腸直腸がんにおけるIVリゴセルチブ用量漸増研究に登録される。研究は、ラベルに従って、標準用量チェックポイント阻害と組み合わせて実施される。組み合わせて与えられるIVリゴセルチブの初期用量は、1,200mg/24時間であり、14日サイクルの1~3日目に連続注入(CIV)として与えられる。次のリゴセルチブ用量コホートは、1,500mg/24時間であり、14日サイクルの1~3日目に連続注入(CIV)として与えられる。用量漸増3+3研究の用量増分は、それぞれ300mg/24時間である(1,800mg、2,100mg、2,400mgなど)。3+3用量漸増研究毎に、DLTに基づいてMTDおよびRP2Dが決定され、RP2Dの決定の後に12人までの患者の拡大コホートがRP2Dで登録される。安全性および耐容性の評価に加えて、iRECISTによって評価される全奏効率によって、有効性が測定される。
【0173】
RP2Dの決定後、無作為化対照第2相研究を、ニボルマブとの組合せで実施する。およそ200人の患者が、ニボルマブ+プラセボまたはニボルマブ+リゴセルチブのいずれかを受けるために1:1比で登録される。主要転帰は、無進行生存(PFS)率の間の統計的比較であり、二次エンドポイントとして全生存(OS)を用いる。
【0174】
(実施例3)
対象の疾患を処置するための本明細書で開示される医薬組成物についてPK/PD結果を評価するための研究
バイオマーカーまたはタンパク質のレベルを、処置の開始前および処置の最後に収集したがん細胞検体で測定する。腫瘍および循環性腫瘍細胞におけるRAS変異に対するリゴセルチブの効果を、応答があった患者の免疫学的環境と共に、処置に応答しない患者と比較して研究する。薬力学的評価のための血液および組織収集についての特定の時点を、プロトコールによって決定する。薬力学的データを表にし、個々の患者によって、用量レベルによりまとめて要約する。結果の解釈に有用な場合には、グラフ表示を提供する。
【0175】
過去の遺伝子試験およびバイオマーカー試験、ならびに本明細書に記載される医薬組成物の安全性および有効性に関連するバイオマーカーについての血液および液体がん細胞試料のさらなる試験から入手可能な結果を、患者の転帰と生じる可能性がある相関について調査することができる。
【0176】
(実施例4)
RAS変異がんにおいて免疫チェックポイント阻害剤を伴うリゴセルチブの活性を試験するための動物モデル
KRASは、肺、胃腸管(結腸)、膵臓、皮膚、乳房、造血組織、婦人科、精巣、および泌尿器の腫瘍をはじめとするいくつかの腫瘍型において変異することが特定されている。変異に加えて、KRAS経路の他の撹乱が生じて、野生型KRASの増幅などの経路の活性化をもたらし得る。特異的KRASの特定により、大部分の変異が、主にG12およびG13アミノ酸で生じ、GがC(それぞれG12CおよびG13C)に変化する変異を伴うことが示される。加えて、G12D、G12V、G12RおよびG12A変異も臨床的に関連し、がん特異的であるとみなされる。
【0177】
RAS変異がんにおける、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わされたリゴセルチブの有効性を試験するために、複数のマウスモデルが用いられる。NSCLC、結腸直腸、および膵臓がん患者から得られた試料をはじめとする患者由来の異種移植(PDX)モデルが、実験のために使用される。使用される特異的PDXモデルは、患者の試料のKRAS変異状態に基づいて決定される。腫瘍は、KRAS変異、および他の公知の細胞周期または生存シグナル伝達経路における任意の他のドライバー変異または増幅を決定するために、ゲノムシークエンシングにより分析される。
【0178】
患者由来の試料は、ヒト化マウスにおいて研究される。チェックポイント阻害剤の最適な活性は、インタクトな免疫系を必要とするので、研究は、特異的な免疫応答性マウスモデルにおいて実施される。ヒト化マウスモデルには、造血幹細胞またはヒト末梢血細胞を移植された重症複合免疫不全症のマウスが日常的に使用されている。移植後、マウスにKRAS駆動型PDX株を生着させ、下記の通り処置する。
【0179】
PDXモデルを用いるヒト化モデルに加えて、リゴセルチブとチェックポイント阻害剤との組合せを、マウス同系モデルにおいて研究する。同系モデルには、拒絶反応から腫瘍が保護されている、生着されているまさにそのマウス系統に由来するKRAS駆動型腫瘍細胞の同種移植を利用する。第3のモデルには、遺伝的に規定されたKRAS変異駆動型がんも有するヒト免疫構成成分(GEMMS)を発現するように遺伝子操作されているマウスモデルを使用する。
【0180】
動物アッセイにより、チェックポイント阻害剤の活性に協同するか、または相加的に作用するリゴセルチブの能力が確立される。この研究では、リゴセルチブの種々の投薬およびスケジューリング、ならびに投薬がリゴセルチブ-チェックポイント阻害剤の組合せ処置の有効性にどのように影響を与えるかについても取り組む。
【0181】
ヒト化マウスに、患者由来の腫瘍組織を皮下または同所的に植え込む。同系マウスに、植え込みを受けるマウス系統と同一の遺伝的背景を有するKRAS活性化細胞を皮下に植え込む。腫瘍を、腫瘍体積が50mmまたはそれを超えるまで成長させる。十分な動物が類似の腫瘍体積の腫瘍を有したら、マウスをリゴセルチブおよびチェックポイント阻害剤で処置する。
【0182】
リゴセルチブは、種々の用量およびスケジュールで投与される。リゴセルチブは、経口胃管栄養によって50mg/kg(HED=243.9)、100mg/kg(HED:487.8mg)、150mg/kg(HED 731.7mg)、200mg/kg(HED=975mg)、250mg/kg(HED=1219.8mg)、または300mg/kg(HED=1463.4mg)で投与される。スケジュールは、各用量、BIDである。スケジュールを、ヒトにおけるスケジューリングを模倣し、可能性がある毒性を低減するためにさらに修正し、その結果、スケジュールは、以下の通りになる:朝に150mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、および300mg/kg、続いて午後により高用量を組み合わせる(表4)。
【表4】
【0183】
チェックポイント阻害剤を投与された動物は、臨床的に関連するスケジュールで用量を投与される。例えば、ニボルマブは、5~30mg/kgの間の用量範囲で、腹腔内注射によって週1~2回投与して試験される。ペムブロリズマブは、腹腔内注射によって3~5日毎に5~10mg/kgで投与される。同系モデルについて、マウス抗PD-1、PD-L1およびCTLA-4クローンを、最適な抗原特異的認識のために使用する。組合せ群に加えて、対照群は、リゴセルチブ単独、チェックポイント阻害剤単独、および適切なビヒクル対照からなる。
【0184】
各薬剤の増殖阻害活性の評価は、腫瘍成長および寿命延長(ILS)の2つの基準によって決定される。腫瘍成長は、腫瘍体積を決定することによってモニタリングされる。腫瘍サイズは、式W×L/2(L=長さおよびW=腫瘍の垂直幅、L>W)に従って計算される。第2の基準(白血病モデルについて使用される)により、ILSの延長を測定する。ILSは、次式:(処置群の平均生存)/(ビヒクル対照の平均生存)-1×100を使用して計算される。
【0185】
実施形態
以下の非限定的な実施形態は、本発明の説明に役立つ例を提供するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0186】
状態を処置する方法であって、前記方法は、前記状態の処置を必要とする対象に、
a)治療有効量の式:
【化9】
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンであって、式中、
- 各R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11a、R11b、R12、およびR13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-SR、-NR、-NRC(O)R、-OC(O)R、もしくは-SiR(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R、R、およびRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオン、ならびに
b)治療有効量のチェックポイント阻害剤
を投与することを含む、方法。
【0187】
実施形態2.前記状態ががんである、実施形態1に記載の方法。
【0188】
実施形態3.前記がんがKRAS変異を含む、実施形態2に記載の方法。
【0189】
実施形態4.前記KRAS変異がG12Vである、実施形態3に記載の方法。
【0190】
実施形態5.前記KRAS変異がG12Dである、実施形態3に記載の方法。
【0191】
実施形態6.前記KRAS変異がG12Cである、実施形態3に記載の方法。
【0192】
実施形態7.前記KRAS変異がI46Tである、実施形態3に記載の方法。
【0193】
実施形態8.前記がんがG12C KRAS変異を含まない、実施形態2に記載の方法。
【0194】
実施形態9.前記状態が非小細胞肺癌である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
実施形態10.前記状態が肺腺癌である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
実施形態11.前記化合物を前記投与することが静脈内のものである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態12.前記化合物を前記投与することが経口のものである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
実施形態13.前記化合物の前記治療有効量が約100mg~約3,000mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
実施形態14.前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約560mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
実施形態15.前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約840mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
実施形態16.前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,120mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
実施形態17.前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,200mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
実施形態18.前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,500mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
実施形態19.前記化合物の前記治療有効量が少なくとも約1,800mgである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
実施形態20.前記化合物が1日1回投与される、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
実施形態21.前記化合物が1日2回投与される、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
実施形態22.前記化合物の第1の治療有効量が、1日のうち朝に前記対象に投与され、前記化合物の第2の治療有効量が、1日のうち午後に前記対象に投与される、実施形態1~19または21のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
実施形態23.前記化合物の第1の治療有効量が、1日のうち朝に前記対象に投与され、前記化合物の第2の治療有効量が、1日のうち夕方に前記対象に投与される、実施形態1~19または21のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
実施形態24.前記第1の治療有効量および前記第2の治療有効量が同じである、実施形態22または23に記載の方法。
【0210】
実施形態25.前記第1の治療有効量および前記第2の治療有効量が異なる、実施形態22または23に記載の方法。
【0211】
実施形態26.前記第1の治療有効量が前記第2の治療有効量よりも多い、実施形態22または23に記載の方法。
【0212】
実施形態27.前記第1の治療有効量が前記第2の治療有効量よりも少ない、実施形態22または23に記載の方法。
【0213】
実施形態28.前記化合物を前記投与することが1日3回行われる、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
実施形態29.前記化合物を前記投与することが、前記対象が食物を消費する少なくとも1時間前に行われる、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
実施形態30.前記化合物を前記投与することが、前記対象が食物を消費してから少なくとも1時間後に行われる、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
実施形態31.前記化合物を前記投与することが、前記対象が飲物を消費する少なくとも1時間前に行われる、実施形態1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
実施形態32.前記化合物を前記投与することが、前記対象が飲物を消費してから少なくとも1時間後に行われる、実施形態1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
実施形態33.各R、R、およびRが、独立して、ORである、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
実施形態34.各Rが、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
実施形態35.各Rが、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~6アルキルである、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
実施形態36.各Rが、独立して、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているCアルキルである、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
実施形態37.各Rが、独立して、メチルである、実施形態1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
実施形態38.各R、R、R、R、およびR10が、独立して、水素である、実施形態1~37のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
実施形態39.各R11aおよびR11bが、独立して、水素である、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
実施形態40.各R12およびR13が、独立して、水素である、実施形態1~39のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
前記化合物が、式:
【化10】
を有し、式中、
- 各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルであり、
- 各R14およびR15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である、
請求項1に記載の方法。
【0227】
実施形態42.各R1a、R3a、R5a、およびR8aが、独立して、メチルである、実施形態41に記載の方法。
【0228】
実施形態43.R14が水素である、実施形態41に記載の方法。
【0229】
実施形態44.R15が、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているCアルキルである、実施形態41に記載の方法。
【0230】
実施形態45.R15がCHCOOHである、実施形態41に記載の方法。
【0231】
実施形態46.前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンである、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
実施形態47.前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸ナトリウムである、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
実施形態48.前記チェックポイント阻害剤を前記投与することが静脈内のものである、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
実施形態49.前記チェックポイント阻害剤を前記投与すること経口のものである、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
実施形態50.前記チェックポイント阻害剤が細胞表面チェックポイント阻害剤である、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0236】
実施形態51.前記チェックポイント阻害剤がCTLA-4阻害剤である、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
実施形態52.前記チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
実施形態53.前記チェックポイント阻害剤がPD-L1阻害剤である、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
実施形態54.前記チェックポイント阻害剤が細胞内チェックポイント阻害剤である、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
実施形態55.前記チェックポイント阻害剤がサイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH)である、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
実施形態56.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
実施形態57.前記チェックポイント阻害剤がペムブロリズマブである、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
実施形態58.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
実施形態59.前記チェックポイント阻害剤がアテゾリズマブである、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
実施形態60.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約100mg~約1,000mgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
実施形態61.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約240mgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
実施形態62.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約480mgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
実施形態63.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約2mg/kg~約12mg/kgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
実施形態64.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約2mg/kgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
実施形態65.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約3mg/kgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
実施形態66.前記チェックポイント阻害剤の前記治療有効量が約10mg/kgである、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
実施形態67.前記チェックポイント阻害剤が30分間にわたって投与される、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
実施形態68.前記チェックポイント阻害剤が60分間にわたって投与される、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
実施形態69.前記チェックポイント阻害剤が、2週間毎に1回投与される、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
実施形態70.前記チェックポイント阻害剤を前記投与することが、4週間毎に1回行われる、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
実施形態71.前記化合物を前記投与することが、28日サイクルのうち21日間連続して行われる、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
実施形態72.前記チェックポイント阻害剤を前記投与することが、28日サイクルの1日目および15日目に行われる、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
図1
【国際調査報告】