(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】無生物表面を処理するためのノーリンスフレッシュニング組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 33/12 20060101AFI20240718BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20240718BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240718BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20240718BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A01N33/12 101
A61L9/01 J
A61L9/01 H
A01P3/00
A01P1/00
A61L2/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578963
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022073100
(87)【国際公開番号】W WO2022272274
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】シュトラーセマイヤー、カテリーネ・アン
(72)【発明者】
【氏名】石田 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】小西 篤子
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
4H011
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB07
4C058CC02
4C058CC08
4C058JJ08
4C180AA02
4C180AA10
4C180AA18
4C180CB01
4C180EA52Y
4C180EB03X
4C180EB05X
4C180EB06X
4C180EB13X
4C180EB15X
4C180EB16X
4C180EB24X
4C180EB29X
4C180EB34X
4C180GG07
4C180GG11
4C180MM02
4C180MM06
4H011AA02
4H011AA04
4H011BB04
4H011BC06
(57)【要約】
無生物表面又は物品を処理するための、ノーリンスフレッシュニング組成物。フレッシュニング組成物は、
a)フレッシュニング組成物の少なくとも85重量%の水と、
b)カルボン酸と、
c)クエン酸の塩と、
d)第1及び第2の抗菌剤の混合物と、を含み、第1及び第2の抗菌剤の各々は、式(I)
【化1】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)によるものであり、
組成物は、室温で3~6の未希釈pHを有し、カルボン酸及びクエン酸の塩の総量と、第1及び第2の抗菌剤の混合物との重量比は、1:1~10:1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無生物表面又は物品を処理するためのノーリンスフレッシュニング組成物であって、
a)前記フレッシュニング組成物の少なくとも85重量%の水と、
b)カルボン酸と、
c)クエン酸の塩と、
d)第1及び第2の抗菌剤の混合物と、を含み、前記第1及び第2の抗菌剤の各々が、式(I)
【化1】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)によるものであり、
前記フレッシュニング組成物が、室温で3~6の未希釈pHを含み、前記カルボン酸及び前記クエン酸の塩の総量と、前記第1及び第2の抗菌剤の前記混合物との重量比が、1:1~10:1である、ノーリンスフレッシュニング組成物。
【請求項2】
前記pHが3~5、好ましくは4~5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カルボン酸が、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、トリカルボン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記カルボン酸が、トリカルボン酸であり、より好ましくは、前記トリカルボン酸が、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記カルボン酸が、前記フレッシュニング組成物の0.1重量%~2.3重量%、好ましくは0.15重量%~2重量%の量にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記クエン酸の塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸第二鉄、クエン酸マグネシウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記クエン酸の塩がクエン酸ナトリウムである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記クエン酸の塩が、前記フレッシュニング組成物の0.25重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~1重量%の量にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1の抗菌剤又は前記第2の抗菌剤が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドが、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロリド、ジイソデシルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1及び第2の抗菌剤が、異なる四級アンモニウム化合物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記第1及び第2の抗菌剤の一方が、C8~C12ジアルキル四級アンモニウム化合物のブレンドであり、好ましくは、前記ブレンドが、前記フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%~0.3重量%、より好ましくは0.1重量%~0.2重量%の量にある、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記第1及び第2の抗菌剤の各々が、前記フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%~0.3重量%、より好ましくは0.1重量%~0.2重量%の量にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
悪臭中和剤を更に含み、前記悪臭中和剤が、ポリオール、シクロデキストリン及びその誘導体、アミン官能性ポリマー、アルデヒド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記悪臭中和剤がシクロデキストリンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記無生物表面又は物品が、透過性軟質表面、透過性硬質表面、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記透過性軟質表面が、布地、乾式壁、織布、天然ポリマー、合成ポリマー、無機材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記透過性硬質表面が、仕上げ積層体及び木材、素木、塗装木材、プラスチック、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、少なくとも20分の期間の終了時に、前記無生物表面上に付着した少なくとも1つのエンベロープウイルス及び少なくとも1つの非エンベロープウイルスに対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗ウイルス活性値を含み、好ましくは、前記エンベロープウイルスが、インフルエンザA型ウイルス(H3N2)ATCC VR-1679からなる群から選択され、前記非エンベロープウイルスが、ネコカリシウイルス(FCV)、ロタウイルスからなる群から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、少なくとも20分の期間の前記終了時に、前記無生物表面上に付着した少なくとも1つの細菌に対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗菌活性値を含み、好ましくは、前記細菌が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 6538、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)ATCC 7002、大腸菌(E.coli)NBRC 3972、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)NBRC 13277、エンテロコッカス・ヒラエ(E.hirae)ATCC 10541、緑膿菌(P.aeruginosa)ATCC 15442、大腸菌(E.coli)ATCC 10536、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)ATCC 13048、サルモネラ菌(S.enterica)ATCC 10708、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ATCC 4352からなる群から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記フレッシュニング組成物が、詰め替え可能パッケージ、スプレーパッケージ、包装容器、及びワイプからなる群から選択される製品形態で提供される、請求項1~17のいずれか一項に記載のフレッシュニング組成物を含む、製品。
【請求項19】
無生物表面上のウイルス活性及び細菌活性を低減するためのノーリンス抗菌フレッシュニング組成物の有効性を実証する方法であって、
a)請求項1~17のいずれか一項に記載のフレッシュニング組成物を提供することと、
b)無生物表面上に付着した、少なくとも1種のウイルス及び少なくとも1種の細菌を有する前記無生物表面の少なくとも一部分を、前記フレッシュニング組成物で少なくとも20分間処理することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無生物表面を処理するための、水性担体中にカルボン酸、クエン酸の塩、及び少なくとも1つの四級アンモニウム化合物を有するノーリンスフレッシュニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの健康に関わる微生物及びそれらの代謝産物が、内部環境、衣類の表面上及び/又は皮膚上に存在することは、湿疹、皮膚刺激、インフルエンザ、呼吸器及び消化器感染の拡散、並びに疾患を悪化させることを含むがこれらに限定されない健康リスクをもたらし得る。健康リスクの一部は、細菌感染及び/又はウイルス感染によって引き起こされる。
【0003】
ヒトの健康に関わる微生物のタイプは、無細胞微生物であるウイルスであり、インフルエンザウイルスに代表されるエンベロープを有するエンベロープウイルスと、ヒトノロウイルスのような非エンベロープウイルスとに分類することができる。ヒトノロウイルスは、世界中の急性胃腸炎の主な原因である。非エンベロープウイルスによって引き起こされる疾患もまた、我々の日常生活において一般的であり、このような疾患は、無生物の硬質表面及び軟質表面を介して患者から健康な人々に広がることが多い。
【0004】
特に、人々は、感染者の咳及びくしゃみからの液滴の吸入を介して、又は液滴を有する無生物表面との接触を介してウイルスに感染し得る。例えば、ウイルスを含有する液滴は、カーペット布、車両座席内装材などの表面上に堆積する可能性があり、ウイルス含有液滴を有するそのような表面は、二次ウイルス源になる。ウイルス含有液滴はまた、追加又は代替の二次微生物源を作り出すために、壁紙を含む壁などの壁表面上に堆積し得る。
【0005】
上述の二次微生物源は、内部空間における感染の伝播サイクルを作り出すことができ、内部空間の外側への感染の伝播を促進し得る。家庭用抗菌組成物は、上記の問題を考慮して表面を処理するために開発されてきたが、このような組成物は、一般に、エンベロープウイルスの感染性を低減するための単一の抗ウイルス効果に向けられている。これは、このような製品をエンベロープウイルス及び非エンベロープウイルスの両方に対して有効にするために使用される塩素漂白剤、アルコール、四級アンモニウム化合物などの抗菌活性物質が、製品中に多量に使用された場合に家庭表面上に残留物及び/又は染みを残すなどの欠点を有するためである。更に、このような活性物質は臭気がある場合があり、このような成分のレベルの上昇は、処理された表面上に悪臭を発生させる場合があり、特に、ユーザが内部空間において頻繁に接触するが、洗浄が困難である家庭用品、例えば、ソファ、カーテン、壁紙などの表面上で、ユーザのフレッシュさ及び知覚経験に影響を及ぼす場合がある。このような化学物質の固有の臭気を隠すために香料を添加してもよいが、悪臭は、ユーザによって検出可能であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、処理された表面上の残留物及び/又は染みを最小限に抑えながら、抗菌活性物質のレベルを増加させる必要なく、無生物表面若しくは物品上の細菌及び/又はウイルス活性を低減するという第2の利益を提供しながら、悪臭除去、無生物表面のフレッシュニングのためのフレッシュニング組成物を開発することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無生物表面又は物品を処理するためのノーリンスフレッシュニング組成物であって、
a)フレッシュニング組成物の少なくとも85重量%の水と、
b)カルボン酸と、
c)クエン酸の塩と、
d)第1及び第2の抗菌剤の混合物と、を含み、第1及び第2の抗菌剤の各々が、式(I)
【0008】
【化1】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)によるものであり、
フレッシュニング組成物が、室温で3~6の未希釈pHを含み、カルボン酸及びクエン酸の塩の総量と、第1及び第2の抗菌剤の混合物との重量比は、1:1~10:1である、ノーリンスフレッシュニング組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、高濃度の水、カルボン酸、クエン酸の塩、及び低pHで比較的低濃度の抗菌剤の混合物を含む本発明のフレッシュニング組成物が、無生物表面に対する抗菌及び抗ウイルス効果を改善しながら、フレッシュさの利益を提供することができ、それによって無生物表面を処理するための改善されたフレッシュニング組成物を提供するという驚くべき発見に基づく。
【0010】
フレッシュニング組成物は、室温で3~6の未希釈pHを含む。抗菌剤の混合物は、第1及び第2の抗菌剤を含み、第1及び第2の抗菌剤の各々は、式(I)
【0011】
【化2】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)によるものである。
【0012】
カルボン酸及びクエン酸の塩の総量と、第1及び第2の抗菌剤の混合物との重量比は、1:1~10:1である。室温は、人々が屋内環境について言及する空気温度の範囲であり、20~25℃であり得る。特に、フレッシュニング組成物は、20~25℃、20~22℃、又は上記の上限温度及び下限温度の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の数の組み合わせの範囲内の温度で、3~6の未希釈pHを含む。
【0013】
理論に束縛されることを望むものではないが、低pH環境を含むフレッシュニング組成物(すなわち、室温で3~6の未希釈pHを含む組成物)中に抗菌剤の混合物を配合することの技術的利益は、それにより、フレッシュニング製品の使用中に顕著に特徴付けられる個々の成分の特徴的な臭気なしに、無香性又は芳香性フレッシュニング製品がフレッシュニング及び悪臭除去の利益を表面に送達することを可能にすることである。悪臭除去の利益を提供することに加えて、混合物を有するフレッシュニング製品は、無生物表面上のウイルス活性及び細菌活性を測定可能に減少させることができ(例えば、以下の実施例に記載される結果において実証されるインビトロ微生物学試験による)、それによって、臭気を引き起こす細菌種によって引き起こされる悪臭を除去する。理論に束縛されることを望むものではないが、抗菌剤の混合物に室温で3~6のpHを付与することは、より高濃度のプロトンを有する低pH環境を提供して抗菌剤の混合物の性能を高め、フレッシュさ、並びに特定のエンベロープウイルス及び非エンベロープウイルスの活性を低減する抗ウイルス効果並びに特定の細菌種の活性を低減する抗菌効果の複数の二次的利益を提供する。結果として、抗菌剤のレベルは、フレッシュニング製品の香りプロファイルに影響を与えることなく、抗ウイルス及び抗菌効果を提供するために、低レベルで配合することができる。
【0014】
フレッシュニング組成物は、スプレー可能であり、各スプレーにおいて香りのフレッシュさを一貫して送達する相安定性フレッシュニング組成物である。
【0015】
以下の説明では、記載される組成物は、布地フレッシュニング組成物である。しかしながら、無生物表面上又は空気中にフレッシュさを提供するために様々な用途で使用するために組成物を構成し得ることが企図される。
【0016】
本発明を詳細に説明するのに先立ち、説明を分かりやすくために以下の用語を定義する。定義されない用語には、関連する技術分野の当業者によって理解される通常の意味が与えられるべきである。
【0017】
用語「フレッシュニング」又は「フレッシュさ」は、本明細書で使用するとき、香りのフレッシュさの利益を提供すること、及び/又は悪臭を低減若しくは排除することを指す。
【0018】
用語「フレッシュニング組成物」は、本明細書で使用するとき、無生物表面を含む表面上にフレッシュさを提供するための組成物を指す。
【0019】
用語「無生物表面」は、本明細書で使用するとき、布地、カーペット、調理台などの家庭表面、床、ゴミ箱、天井、壁、カーペットパッド、エアフィルタなどを含むがこれらに限定されない表面を指す。
【0020】
「透過性材料」という用語は、液体又は気体が通過することを可能にする任意の材料を指し、限定されるものではないが、乾式壁、壁紙、木材、ビニル、プラスチック、プラスタ、ウォールボード、布地、内装材、紙、織布、天然ポリマー、合成ポリマー及び無機材料、並びにこれらの混合物が挙げられる。透過性材料はまた、任意の無生物表面上に形成された残留物を含んでもよく、無生物表面上の粉塵粒子又はグリースを含むが、これらに限定されない。
【0021】
用語「不透過性材料」は、液体又は気体を通過させない任意の材料を指し、金属、ガラス、セラミック、磁器タイルなどを含むが、これらに限定されない。
【0022】
用語「ClogP」は、本明細書で使用するとき、香料原材料(以下、「perfume raw material、PRM」)のlogP計算値(「ClogP」)を指す。PRMのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中及び水中におけるその平衡濃度間の比である。フレッシュニング組成物において使用されるPRMの分配係数は、より簡便には、底が10の対数の形態であるLogPで示すことができる。ClogPは、分子構造に直接基づいて、一般的な有機分子についてのオクタノール-水分配係数(logP又はlogKow)を計算するモデルによって求められる。LogPは、2つの不混和性液相であるオクタノールと水との間の溶質の分布の尺度であり、溶質の疎水性の相対的尺度として一般に使用される。PRMのLogPを計算する1つの方式は、Advanced Chemistry Development,Inc.製のACD/Labs LogPソフトウェアモジュールを使用している。logPの計算の詳細は、ACD/Labsウェブサイト(https://www.acdlabs.com/products/percepta/predictors/logp/)で見出すことができる。ACD/LabsLogPソフトウェアモジュールを使用して計算するPRMのLogP値及びPRMのLogP値は、以下の実施例に記載される本発明において有用なPRMの選択に使用される。しかしながら、LogPを測定する別の好適な方式は、BioByteCorp製の「ClogP」プログラム(例えば、ClogPバージョン4.0及びマニュアル1999)を使用することであることが理解されるであろう。CLOG P USER GUIDE、バージョン4.0、BioByteCorp(1999)(http://www.bio-byte.com/bb/prod/clogp40.html)。LogPを測定する更なる好適な方式は、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Alison Viejo,CA)製のCLOGPプログラムを使用する。CLOGP Reference manual,Daylight Version 4.9,Release Date 02/1/2008。
【0023】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列挙されている成分に関するとき、そのような重量は全て、活性レベルに基づき、このため、別途指定されない限り、市販の材料に含まれている可能性のある溶媒又は副生成物を含まない。「重量パーセント」という用語は、本明細書では「重量%」として表示されてもよい。本明細書で使用される場合、全ての分子量は、別途指定されない限り、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0024】
フレッシュニング組成物
本発明によるフレッシュニング組成物は、組成物の少なくとも85重量%の濃度の水と、カルボン酸と、クエン酸の塩と、第1及び第2の抗菌剤の混合物と、を含み、フレッシュニング組成物は、室温、約20~25℃で3~6のpHを有する。フレッシュニング組成物は、3~5、好ましくは4~5、又は上記の上限及び下限pH値の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の数値の組み合わせのpHを含んでもよい。3~6の範囲内のpHの技術的利益は、実施例に示されるように、抗ウイルス及び抗菌効果が、抗菌剤の濃度を増加させることなく増加することである。
【0025】
フレッシュニング組成物は、1:1~10:1の、カルボン酸及びクエン酸の塩の総量と、第1及び第2の抗菌剤の混合物との重量比を含んでもよい。
【0026】
フレッシュニング組成物は、組成物の少なくとも85重量%の水を含んでもよい。水は、組成物の85重量%~99.5重量%、90重量%~99.5重量%、95重量%~99.5重量%、95重量%、又は上記の上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの量にあってもよい。水は、蒸留水、脱イオン水又は水道水であってもよい。高濃度の水を有することにより、布地物品における任意の目に見える残留物及び/又は染みを最小限に抑えながら、スプレー可能なフレッシュニング組成物を可能にすることができる。
【0027】
フレッシュニング組成物は、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、トリカルボン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるカルボン酸を含んでもよい。上記の所望のpHを維持するために、カルボン酸を組成物において使用してもよい。ジカルボン酸は、マレイン酸を含み得るが、これに限定されない。ポリカルボン酸は、ポリアクリル酸を含み得るが、これに限定されない。マレイン酸、ポリアクリル酸、及びこれらの組み合わせのうちの1つを含むフレッシュニング組成物は、長期の貯蔵寿命を有する安定したフレッシュニング組成物を提供することが見出されている。
【0028】
実施例に示されるように、カルボン酸は、トリカルボン酸である。トリカルボン酸は、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸(aconitric acid)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、好ましくはクエン酸であり得る。
【0029】
カルボン酸は、フレッシュニング組成物の重量基準で、少なくとも0.1%~2.3%、0.15%~2%の量、又は上記の上限パーセンテージ及び下限パーセンテージの異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの量にあってもよい。
【0030】
フレッシュニング組成物は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸第二鉄、クエン酸マグネシウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択されるクエン酸の塩を含んでもよく、好ましくは、クエン酸の塩はクエン酸ナトリウムである。
【0031】
クエン酸の塩は、フレッシュニング組成物の重量基準で、少なくとも0.25%~5%、0.25%~1%、又は上記の上限パーセンテージ及び下限パーセンテージの異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの量にあってもよい。
【0032】
クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含むフレッシュニング組成物は、保存寿命の延長した、安定なフレッシュニング組成物を実現することが見出されている。
【0033】
本発明のフレッシュニング組成物は第1及び第2の抗菌剤の混合物を、フレッシュニング組成物の重量基準で、0.05%~0.7%、0.1%~0.5%、0.2%~0.4%、又は上記の上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の整数の組み合わせの量で含んでもよい。
【0034】
具体的には、混合物は、第1の抗菌剤及び第2の抗菌剤を含む。第1及び第2の抗菌剤の各々は、式(I)
【0035】
【化3】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)による構造を含んでもよい。
【0036】
第1の抗菌剤又は第2の抗菌剤は、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択されてもよい。
【0037】
ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドは、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロリド、ジイソデシルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択されてもよい。
【0038】
第1及び第2の抗菌剤は、異なる四級アンモニウム化合物を含んでもよい。
【0039】
第1及び第2の抗菌剤のうちの1つは、C8~C12ジアルキル四級アンモニウム化合物のブレンドであってもよく、好ましくは、ブレンドは、フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、0.1重量%~0.3重量%、0.1重量%~0.2重量%、又は上記の上限及び下限のパーセンテージの異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の整数の組み合わせの量にある。上記のより低いレベルでブレンドを使用することの技術的効果は、ブレンドの特徴である臭気を、消費者にあまり望ましくない香り経験を経験させ得る組成物において顕著に特徴となることを最小限に抑えることである。
【0040】
フレッシュニング組成物は、香料を可溶化するための溶媒を含み得る。具体的には、組成物は、フレッシュニング組成物の10重量%未満、0.01重量%~5重量%、0.01重量%~3重量%、0.01重量%~1重量%、0.01重量%~0.05重量%、又は上記の上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの溶媒を含み得る。溶媒は、アルコール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。溶媒は、低分子量の一価アルコール(例えば、エタノール、メタノール、及びイソプロパノール、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのポリオール)を含み得る。
【0041】
フレッシュニング組成物は、実質的に溶媒を含まなくてもよく、好ましくはアルコールを含まなくてもよく、より好ましくはエタノールを含まなくてもよく、更により好ましくは、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールを含まなくてもよく、更により好ましくはジエチレングリコールを含まなくてもよい。
【0042】
フレッシュニング組成物は、任意の過剰な疎水性有機物質、特に任意のPRM、また、組成物に添加することはできるが、組成物に容易には溶解しない任意選択成分(例えば、昆虫忌避剤、酸化防止剤など)を可溶化して、透明な溶液を形成するために、界面活性剤を含有していてもよい。フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物の3.5重量%未満、0.01重量%~3重量%、0.01重量%~1重量%、0.01重量%~0.05重量%、又は上記の上限及び下限の割合の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの界面活性剤を含み得る。好適な界面活性剤は、非発泡性又は低発泡性界面活性剤である。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。非イオン性界面活性剤は、部分的又は完全に水素化された、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、若しくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル、又はこれらの混合物を更に含んでいてもよい。これらのエトキシレートは、以下の式を有する。
【0043】
【0044】
これらのエトキシレートは、単独で又はそれらの任意の混合物で使用することができる。これらのエトキシレートの平均エチレンオキシド付加モル数(すなわち、上記式中の1+m+n+x+y+z)は、一般に、約7~約100、約20~約80、又は上記の上限及び下限の整数の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数nの組み合わせである。
【0045】
例示的な非イオン性界面活性剤としては、商品名HCO40及びHCO60でNikkoから、商品名Cremophor RH40、RH60、及びCO60、Basophor ELH60でBASFから、商品名Tergitol(商標)ECO-20、Tergitol(商標)ECO-36、及びTergitol(商標)ECO-40でThe Dow Chemical Companyから市販されているヒマシ油界面活性剤を挙げることができる。
【0046】
非イオン性界面活性剤の更なる例としては、3~30モルのエチレンオキシドと8~22個の炭素原子の脂肪族アルコールとの縮合物、5~30モルのエチレンオキシドとアルキルフェノールとの縮合物を挙げることができ、アルキルは、9~15個の炭素原子及びC8~C22アルキルジメチルアミンオキシドを含有する。例示的な非イオン性界面活性剤は、The Dow Chemical Companyから入手可能なTergitol(商標)15-Sとして知られている二級アルコールエトキシレートであってもよい。
【0047】
両性及び双性イオン性界面活性剤の例は、米国特許第3,929,678号、Laughlinら、1975年12月30日発行、第19欄、38行目~第22欄、48行目に見られる。カチオン性界面活性剤の例は、8~22個の炭素原子の少なくとも1つのアルキル鎖を有し、他のアルキル基が1~22個の炭素原子を含有してもよく、アニオン性対イオンが硫酸エチル又は硫酸メチルハロゲンである、テトラアルキル四級アンモニウム塩である。
【0048】
本発明のフレッシュニング組成物は、悪臭結合ポリマーを含み得る。悪臭結合ポリマーは、悪臭成分を中和する親和性を有する利用可能な官能基(例えば、アミン)を有するポリマーである。悪臭成分を中和する親和性を有する利用可能な官能基を有するモノマーも企図される。アミン系化合物の場合、アミンがアルデヒドの悪臭に対する親和性を有することになる。このアミンは、アルデヒドの悪臭と反応して、臭気性ではないアミノール、イミン、又はエナミンのような新たな化合物を形成することができる。
【0049】
悪臭結合ポリマーは、アミン系化合物、例えば、モノアミン、アミノ酸、ポリエチレンイミンポリマー(polyethyleneimine polymer、PEI)、変性PEI、置換PEI;アクリル酸ポリマー、例えば、ポリアクリレートコポリマー(例えば、Rohm&Haas製のAcumer(商標)9000)、ポリアクリル酸ポリマー(例えば、Rohm&Haas製のAcusol(商標))、及び変性アクリレートコポリマー(例えば、Rohm&Haas製のAculyn(商標));並びに変性メタクリレートコポリマー(例えば、Salvona Technologies製のHydroSal(商標));又はそれらの混合物を含み得る。
【0050】
1.アミン系化合物
悪臭結合ポリマーは、100ダルトン超の分子量を有するアミン系化合物であってもよく、そのアミン基の少なくとも10%が一級アミンである。アミン系化合物は、150ダルトン超の分子量を有するポリアミンであってもよく、そのアミン基の15%~80%が一級アミンである。悪臭結合ポリマーは、1000ダルトン超の分子量を有するアミン系化合物であってもよく、そのアミン基の0%~約10%又は10%未満が一級アミンである。
【0051】
本発明で有用な一級アミン化合物の一般構造は、以下の通りである:
B-(NH2)n
式中、Bは、担体材料であり、nは、少なくとも1の値の指数である。好適なB担体は、無機及び有機担体部分の両方を含む。「無機担体」とは、非炭素系又は実質的に非炭素系の骨格で構成される担体を意味する。
【0052】
二級アミン基を含有する化合物は、1つ以上の-NH-基並びに-NH2基を含むことを除いて、上記と同様の構造を有する。この一般的なタイプのアミン化合物は、比較的粘稠な材料であってもよい。
【0053】
例示的なアミン系化合物は、モノアミン、アミノアリール誘導体、ポリアミン及びその誘導体、ポリアミノ酸及びそのコポリマー、グルカミン、デンドリマー、PEI、置換アミン及びアミドモノアミン、又はこれらの混合物から選択されるものである。
【0054】
a.モノアミン
本発明ではモノアミンを利用してもよい。本発明で使用するのに好適なモノアミンの非限定的な例としては、ヒドロキシ及び/又はアルコキシ官能基、例えば、2-ヒドロキシアミン及び/又は3-ヒドロキシアミンも含有する一級アミン;特にモノアミンが有益剤と相互作用しているときに、官能基を有しないモノアミンと比較してモノアミンの付着を強化する官能基も含有する一級アミン又は二級アミンが挙げられるが、これらに限定されない。一級モノアミンは、本明細書では、二級モノアミンと組み合わせて使用されてもよい。しかしながら、十分な濃度の一級モノアミンを使用して、このような組み合わせ内の全アミン基の少なくとも10%を一級アミン基として提供しなければならない。
【0055】
b.アミノアリール誘導体
例示的なアミノアリール誘導体は、4-アミノベンゾエート化合物のアルキルエステル、エチル-4-アミノベンゾエート、フェニルエチル-4-アミノベンゾエート、フェニル-4-アミノベンゾエート、4-アミノ-N’-(3-アミノプロピル)-ベンズアミド、又はこれらの混合物を含むアミノベンゼン誘導体である。
【0056】
c.ポリアミン
本発明の目的のために少なくとも1つの一級アミン基を含有する好適なアミノ官能性ポリマーの例は、300~2.10E6ダルトンのMWを有するポリビニルアミン(例えば、BASFから入手可能なLupamineシリーズ1500、4500、5000、9000);≧600ダルトンのMW及び少なくとも0.5のエトキシル化度を有するアルコキシル化されたポリビニルアミン;ポリビニルアミンビニルアルコール-モル比2:1、ポリビニルアミンビニルホルムアミド-モル比1:2、及びポリビニルアミンビニルホルムアミド-モル比2:1;トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン;ビス-アミノプロピルピペラジン;400~300,000ダルトンの範囲のMWを有するアミノ置換ポリビニルアルコール;例えばSigmaから入手可能なポリオキシエチレンビス[アミン];例えばSigmaから入手可能なポリオキシエチレンビス[6-アミノヘキシル];N,N’-ビス-(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン直鎖状又は分岐鎖状(N,N'-bis-(3-aminopropyl)-1,3-propanediamine linear or branched、TPTA);N,N’-ビス-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;ビス(アミノアルキル)アルキルジアミン、直鎖状又は分岐鎖状;並びに1,4-ビス-(3-アミノプロピル)ピペラジン(1,4-bis-(3-aminopropyl)piperazine、BNPP)である。
【0057】
d.ポリアミノ酸
好適なアミン系化合物としてはポリアミノ酸が挙げられる。ポリアミノ酸は、アミノ酸又は化学修飾アミノ酸からなる。アミノ酸は、システイン、ヒスチジン、イソロイシン、チロシン、トリプトファン、ロイシン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、アルギニン、アスパラギン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、ヒスチジン、スレオニン、メチオニン、バリン、及びこれらの混合物から選択されてもよい。アミノ酸誘導体は、チロシンエチレート、グリシンメチレート、トリプトファンエチレート、又はこれらの混合物;アミノ酸のホモポリマー;ヒドロキシアミン;ポリアミノ酸;又はそれらの混合物であり得る。
【0058】
化学修飾アミノ酸では、そのアミノ酸のアミン又は酸性官能基が化学試薬と反応している。これは、後続反応においてアミノ酸のこれら化学的アミン及び酸性官能基を保護する目的、又は、溶解度の向上のような特別な特性をアミノ酸に付与する目的で行うことが多い。このような化学修飾体の例は、ベンジルオキシカルボニル、アミノ酪酸、ブチルエステル、及びピログルタミン酸である。アミノ酸及びアミノ酸の小断片の一般的な修飾の更なる例は、Bachem、1996、Peptides and Biochemicals Catalogに見出すことができる。
【0059】
1つのポリアミノ酸は、ポリリジン、あるいはポリリジン又はアミノ酸の50%超がリジンであるポリアミノ酸であるが、これは、リジンの側鎖における一級アミン官能基が、全てのアミノ酸のうちの最も反応性の高いアミンであるためである。1つのポリアミノ酸は、500~10,000,000、あるいは2000~25,000の分子量を有する。
【0060】
ポリアミノ酸は架橋することができる。架橋は、例えば、リジンのようなアミノ酸の側鎖におけるアミン基とアミノ酸のカルボキシル官能基との縮合、又はPEG誘導体のようなタンパク質架橋剤との縮合によって得ることができる。この架橋ポリアミノ酸には、中和に備えて、遊離した一級及び/又は二級アミノ基がまだ残っている必要がある。架橋ポリアミノ酸は、20,000~10,000,000、あるいは200,000~2,000,000の分子量を有する。
【0061】
ポリアミノ酸又はアミノ酸は、例えば、酸、アミド、塩化アシル、アミノカプロン酸、アジピン酸、エチルヘキサン酸、カプロラクタム、又はこれらの混合物のような他の試薬と共重合させることができる。これらのコポリマーで使用されるモル比は、1:1(試薬/アミノ酸(リジン))~1:20、あるいは1:1~1:10の範囲である。ポリリジンのようなポリアミノ酸は、必要な量の一級アミンがポリマー中に残っていれば、エトキシル化しないことも、部分的にエトキシル化することもできる。
【0062】
e.デンドリマー
また、有用なアミン系化合物は、ポリプロピレンイミンデンドリマー、及び市販されているDendritech製のStarburst(登録商標)ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー、0~10世代、及びDSM製のデンドリマーAstromols(登録商標)、1~5世代(ジアミノブタンポリアミンDAB(PA)xデンドリマー(x=2<n>×4であり、nは一般に0~4を含む))である。
【0063】
f.PEI
一実施形態では、悪臭結合ポリマーはPEIである。pHが約4~約8、あるいは5超~約8、あるいは7のアミン系ポリマーがアミン系の臭気を中和することができることが驚くべきことに発見されている。PEIは下記の一般式を有する。
-(CH2-CH2-NH)n-;n=10~105
ホモポリマーPEIは、特定の割合の一級、二級、及び三級アミン官能基を有する分岐球状ポリアミンである。ホモポリマーPEIは、下記の部分的構造式で最も分かりやすく説明される。
【0064】
【0065】
ホモポリマーPEIの化学構造は、1つのアミン官能基-2つの炭素という簡潔な原則に従っている。
【0066】
フレッシュニング組成物は、約800~約2,000,000、あるいは約1,000~約2,000,000、あるいは約1,200~約25,000、あるいは約1,300~約25,000、あるいは約2,000~約25,000、あるいは約10,000~約2,000,000、あるいは約25,000~約2,000,000、あるいは約25,000の分子量を有するホモポリマーポリエチレンイミンを含み得る。代表的なホモポリマーPEIとしては、BASFからLupasol(登録商標)という商品名で市販されているものが挙げられる。Lupasolの製品は一般に、エチレンイミンモノマーを重合することによって得られる。このエチレンイミンモノマーは、ポリマーマトリックスで全て反応している。好適なLupasol製品としては、Lupasol FG(MW800)、G20wfv(MW1300)、PR8515(MW2000)、WF(MW25,000)、FC(MW800)、G20(MW1300)、G35(MW1200)、G100(MW2000)、HF(MW25,000)、P(MW750,000)、PS(MW750,000)、SK(MW2,000,000)、SNA(MW1,000,000)が挙げられる。
【0067】
フレッシュニング組成物は、Lupasol HF又はWF(MW25,000)、P(MW750,000)、PS(MW750,000)、SK(MW2,000,000)、G20wfv(MW1300)、若しくはPR1815(MW2000)、又はEpomin SP-103、Epomin SP-110、Epomin SP-003、Epomin SP-006、Epomin SP-012、Epomin SP-018、Epomin SP-200、又はAldrich製の80%エトキシル化されたポリエチレンイミンのような部分的にアルコキシル化されたポリエチレンイミンを含み得る。フレッシュニング組成物は、Lupasol WF(MW25,000)を含み得る。
【0068】
また、フレッシュニング組成物において使用するのに好適なアミン系化合物は、変性PEI、部分的にアルキル化されたポリエチレンポリマー、ヒドロキシル基を有するPEI、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,3ペンタンジアミン、3-ジメチルプロパンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリプロピレンテトラアミン、ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、ジプロピレントリアミン、トリス(2-アミノエチルアミン)、テトラエチレンペンタミン、ビスヘキサメチレントリアミン、ビス(3-アミノプロピル)1,6-ヘキサメチレンジアミン、3,3’-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(2-アミノエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(3-アミノプロピル)-1,4-ブタンジアミン、ペンタエチルヘキサミン、1,3-ジアミノ-2-プロピル-tert-ブチルエーテル、イソホロジアミン、4,4’、-ジアミノジシクロヒルメタン、N-メチル-N-(3-アミノプロピル)エタノールアミン、スペルミン、スペルミジン、1-ピペラジンエタンアミン、2-(ビス(2-アミノエチル)アミノ)エタノール、エトキシル化N-(タローアルキル)トリメチレンジアミン、ポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、α-(2-アミノメチル-エトキシ)-(=C.A.S番号9046-10-0);ポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、α-ヒドロ-)-ω-(2-アミノメチルエトキシ)-、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールとのエーテル(=C.A.S番号39423-51-3);商品名Jeffamine T-403、D-230、D-400、D-2000で市販;2,2’,2”-トリアミノトリエチルアミン;2,2’-ジアミノ-ジエチルアミン;3,3’-ジアミノ-ジプロピルアミン、Mitsubishiから市販されている1,3ビスアミノエチルシクロヘキサン、及びC12 Sternamin(プロピルアミン)n(n=3/4)のようなClariantから市販されているC12 Sternamineである。
【0069】
悪臭結合ポリマーの好適な濃度は、フレッシュニング組成物の約0.01重量%~約2重量%、あるいは約0.01重量%~約1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.8重量%、あるいは約0.01重量%~約0.6重量%、あるいは約0.01重量%~約0.1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.07重量%、あるいは約0.07重量%である。悪臭結合ポリマーの量が多い組成物ほど、布地が汚れの影響を受けやすくなる場合があり、かつ/又は溶液が布地から蒸発すると、許容不可の目に見える染みが布地上に残る場合がある。
【0070】
フレッシュニング組成物は、1つ以上の悪臭中和剤を利用してもよい。悪臭中和剤としては、臭気化合物の蒸気圧を低下させる、悪臭化合物を可溶化させる、臭いを物理的に捕捉(例えば、凝集又は封入)する、臭いを物理的に結合させる、又は臭いが無生物表面に結合するのを物理的に防ぐ成分を含み得る。例えば、脂肪族アルデヒドは、魚及びタバコの臭いなどのアミン臭気と反応する。悪臭結合ポリマーと組み合わせて使用される場合、フレッシュニング組成物は、より広範な悪臭を中和し、ひいては空気中又は無生物表面上の悪臭を更に低減させる物質を生じさせ得る。
【0071】
具体的には、フレッシュニング組成物は、悪臭中和剤を含んでもよく、悪臭中和剤は、ポリオール、シクロデキストリン及びその誘導体、アミン官能性ポリマー、アルデヒド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。悪臭中和剤は、シクロデキストリンであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「シクロデキストリン」は、6~12個のグルコース単位を含有する非置換シクロデキストリン、特にα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及び/若しくはこれらの誘導体、並びに/又はこれらの混合物などの既知のシクロデキストリンのいずれかを含む。
【0072】
フレッシュニング組成物は、所望のpHを維持するために緩衝剤を更に含んでもよい。緩衝剤は、酸性緩衝剤であってもよい。本フレッシュニング組成物に好適な他の緩衝剤は、生物学的緩衝剤を含む。いくつかの例は、窒素含有物質、3-(N15489モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)又はN-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)のようなスルホン酸緩衝剤であり、これらは中性付近の6.2~7.5のpKaを有し、中性pHにおいて十分な緩衝能を提供する。他の例は、リジンのようなアミノ酸、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン若しくはメチルジエタノールアミン又はそれらの誘導体のような低級アルコールアミンである。他の窒素含有緩衝剤は、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tri(hydroxymethyl)amino methane、HOCH2)5 3CNH3(TRIS)、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパノール、グルタミン酸二ナトリウム、N-メチルジエタノールアミド、2-ジメチルアミノ-2-メチルプロパノール(2-dimethylamino-2-methylpropanol、DMAMP)、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、1,3-ジアミノ-プロパノール、N,N’-テトラ-メチル-1,3-ジアミノ-2-プロパノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、及びN-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)である。上記のいずれの混合物も許容可能である。
【0073】
フレッシュニング組成物は、二級又は三級アミンを含み得る。本フレッシュニング組成物は、組成物の少なくとも約0重量%、あるいは少なくとも約0.001重量%、あるいは少なくとも約0.01重量%の緩衝剤を含んでもよい。組成物はまた、組成物の約2重量%以下、あるいは約0.75重量%以下、あるいは約0.5重量%以下の緩衝剤を含んでもよい。
【0074】
フレッシュニング組成物は、組成物をポリエステル及びナイロンのような疎水性表面上に容易かつより均一に広げることを可能にする、低い表面張力をもたらす湿潤剤を任意選択で含んでもよい。本フレッシュニング組成物は、このような湿潤剤を使用しない場合、十分には広がらないことが見出されている。組成物を広げると、組成物を迅速に乾燥させることもまた可能となり、その結果、処理された材料は直ちに使える状態になる。更に、湿潤剤を含有する組成物は、改善された悪臭中和のために、疎水性の油性汚れによりよく浸透することができる。湿潤剤を含有する組成物は、「衣服着用中」の静電気制御性を向上させることもできる。濃縮組成物では、湿潤剤は、濃縮フレッシュニング組成物中の抗菌活性物質及び香料などの多くの活性物質の分散を促進する。湿潤剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーが挙げられる。好適なブロックポリオキシエチレン-ポリプロピレンポリマー界面活性剤としては、初期の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。初期化合物とC12~18脂肪族アルコールなどの単一の反応性水素原子との連続エトキシル化及びプロポキシル化により作製されるポリマー化合物は、一般に、シクロデキストリンと相溶性ではない。BASF-Wyandotte Corp.(Wyandotte,Michigan)によってPluronic(商標)及びTetronic(商標)と命名された特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、容易に入手することができる。
【0075】
この種のシクロデキストリン相溶性湿潤剤の非限定な例は、米国特許第5,714,137号に記載されており、Momentive Performance Chemical(Albany,New York)から入手可能なSILWET(商標)界面活性剤が挙げられる。例示的なSILWET(商標)界面活性剤は、以下の表1に示す通りである。しかしながら、以下の界面活性剤の混合物を本発明で使用してもよいことが理解されるであろう。
【0076】
【0077】
フレッシュニング組成物中の界面活性剤(例えば、可溶化剤、湿潤剤)の総量は、組成物の0重量%~約3重量%若しくは3重量%以下、あるいは0重量5%~1重量%若しくは1重量%以下、あるいは0重量%~約0.9重量%若しくは0.9重量%以下、あるいは0重量%~約0.7重量%若しくは0.7重量%以下、あるいは0重量%~約0.5重量%若しくは0.5重量%以下、あるいは0重量%~0.3重量%若しくは約0.3重量%以下である。濃度の高い組成物ほど、布地が汚れの影響を受けやすくなり得、かつ/又は溶液が蒸発すると、許容不可の目に見える染みが布地上に残り得る。硫黄含有プロ香料と総界面活性剤との重量比は、約1:1~1:250、又は約1:1~約1:60、又は約1:1~約1:30であってもよい。
【0078】
製造方法
フレッシュニング組成物は、当該技術分野において既知の任意の好適な様式で作製することができる。成分の全てを単に、一緒に混合することができる。特定の実施形態では、プレミックスなどの成分の濃縮混合物を作製し、組成物を空気中又は無生物表面上に分散させる前に、この濃縮混合物を水性担体に添加することによって希釈することが望ましい場合がある。
【0079】
全ての材料を完全に分散し、見た目に溶解するまで添加する。別の容器内で、可溶化材料(界面活性剤及び溶媒)及び香料を均質になるまで混合する。次いで、可溶化材料の溶液及び香料を第1の混合容器に加え、均質になるまで混合する。
【0080】
使用方法
本フレッシュニング組成物は、散布することによって、例えば、スプレーディスペンサなどのディスペンサに本フレッシュニング組成物を入れ、有効量を空気中、又は所望の無生物表面若しくは物品上に噴霧することによって使用することができる。「有効量」とは、フレッシュニング組成物の量に関連して使用される場合、処理された空気、表面、又は物品にフレッシュ感又は香りを少なくとも約4時間、又は少なくとも約6時間、又は少なくとも約8時間、又は少なくとも約24時間、供給するのに十分であるが、物品又は表面に液体が染みこむ又は液体の水溜りができ、乾いたときに目視で容易に認識可能な堆積物が存在するほどではない量を意味する。悪臭低減成分が含まれている場合、「有効量」とは、フレッシュニング組成物の量に関して使用される場合、前述の事項を提供し、また、ヒトの臭覚によって認識できない濃度まで悪臭を中和するが、物品又は表面に染みこむ又は液体の水溜りができ、乾いたときに目視で容易に認識可能な堆積物が存在するほどではない量を意味する。分散は、スプレーデバイス、ローラ、パッド、又は以下に記載する他の製品形態などを使用することにより達成することができる。
【0081】
本発明はまた、無生物表面上のウイルス活性及び細菌活性を低減するためのノーリンス抗菌フレッシュニング組成物の有効性を実証する方法であって、
a)フレッシュニング組成物を提供することと、
b)無生物表面上に付着した、少なくとも1種のウイルス及び少なくとも1種の細菌を有する無生物表面の少なくとも一部分を、フレッシュニング組成物で少なくとも20分間処理することと、を含む、方法に関する。
【0082】
組成物は、少なくとも20分の期間の終了時に、無生物表面上に付着した少なくとも1つのエンベロープウイルス及び少なくとも1つの非エンベロープウイルスに対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗ウイルス活性値を含んでもよい。エンベロープウイルスは、インフルエンザA型ウイルス(H3N2)ATCC VR-1679からなる群から選択されてもよく、非エンベロープウイルスは、ネコカリシウイルス(Feline calicivirus、FCV)、ロタウイルスからなる群から選択されてもよい。
【0083】
組成物は、少なくとも20分の期間の終了時に、無生物表面上に付着した少なくとも1つの細菌に対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗菌活性値を含んでもよい。細菌は、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 6538、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)ATCC 7002、大腸菌(E.coli)NBRC 3972、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)NBRC 13277、エンテロコッカス・ヒラエ(E.hirae)ATCC 10541、緑膿菌(P.aeruginosa)ATCC 15442、大腸菌(E.coli)ATCC 10536、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)ATCC 13048、サルモネラ菌(S.enterica)ATCC 10708、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ATCC 4352からなる群から選択されてもよい。
【0084】
無生物表面又は物品は、透過性軟質表面、透過性硬質表面、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。透過性軟質表面は、布地、乾式壁、織布、天然ポリマー、合成ポリマー、無機材料、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。透過性硬質表面は、仕上げ積層体及び木材、素木、塗装木材、プラスチック、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0085】
製品形態
フレッシュニング組成物は、詰め替え可能パッケージ、スプレーパッケージ、包装容器、及びワイプからなる群から選択される製品形態で提供されてもよい。
【0086】
ワイプ
本発明のフレッシュニング組成物は、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国再発行特許第38505号、米国再発行特許第38105号、及び米国特許第6,936,330号に考察される基材などの市販の基材に含浸させてもよい。一実施形態では、基材は、無生物の家庭表面を含む複数の表面を脱臭、消毒、又は洗浄するための不織布ウェットワイプであってもよい。
【0087】
包装容器
本発明のフレッシュニング組成物は、親水性香料相溶性材料で構築されたプラスチック容器内に収容することができる。これらの材料は、プラスチック容器による吸収及び/又は透過が最小限に抑えられるように、親水性香料成分との錯化を回避する。好適な親水性香料相溶性材料は、ガスクロマトグラフィ分析によって平均親水性香料損失を求めることによって容易に同定することができる。親水性香料相溶性材料は、元々存在する個々の親水性香料成分の約50%未満、あるいは約20%未満、あるいは約15%未満、あるいは約10%未満の平均親水性香料成分損失をもたらす。
【0088】
相当量の親水性香料成分を含有するフレッシュニング組成物は、周囲温度で8週間、少なくとも80%の親水性香料相溶性材料で構築されたプラスチック容器内に保管することができる。保管後、ガスクロマトグラフィ分析を使用して、水性組成物中に残っている様々な香料成分の量を求め、元々存在する各成分の量に基づいて近似的な損失を計算する。
【0089】
本発明に好適な親水性香料相溶性材料の有効量は、容器の少なくとも約80重量%、あるいは約80重量%~約100重量%、あるいは約90重量%~約100重量%、あるいは100重量%である。親水性香料相溶性材料の非限定的な例は、高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)、低密度ポリエチレン(low density polyethylene、LDPE)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール(EVOH)、Aclar(登録商標)などのフッ素化ポリマー、Barex(登録商標)などのアクリロニトリル-メチルアクリレートコポリマー、又はこれらの混合物の任意の樹脂である。代替的に、HDPEを本発明で利用する。
【0090】
一実施形態では、Plastipak Packaging Inc.(Champaign,Ill.)製のHDPEボトルを使用して、本発明の水性組成物を収容する。HDPEボトルは、当該技術分野において既知の任意の吹込み成形、射出成形、及び熱成形プロセスによって作製することができる。例えば、吹込み成形されたボトルの場合、熱軟化したHDPEを中空管として成形型のキャビティ内に押し出し、加圧空気によって冷たい成形型キャビティの壁に対して押し付けてボトルを形成する。ボトルは冷却によって固化する。
【0091】
約3未満のClogPを有する香料組成物は、PP及びHDPEなどの親水性香料相溶性材料に完全には吸収されない及び/又は透過しないことが見出されている。したがって、これは、プラスチック容器を通じた香料成分の透過を防止するのに役立ち、ひいては、消費者に顕著なより長寿命の芳香を提供する。
【0092】
親水性香料相溶性材料のいずれかを、非晶質炭素、シリコーン酸化物、又はこれらの混合物、及び金属化コーティングを含む1つ以上のバリア材料と併用してもよい。
【0093】
フレッシュニング製品
フレッシュニング組成物は、任意の好適なパッケージに包装されて、フレッシュニング製品を形成することができる。パッケージは、スプレーディスペンサの形態であってもよく、フレッシュニング製品は、フレッシュニング噴霧器製品であってもよい。本フレッシュニング組成物がフレッシュニング製品の外側から可視であるか、又は少なくとも部分的に可視であるように、スプレーディスペンサは透明又は半透明とすることができる。
【0094】
スプレーディスペンサは、様々な量のフレッシュニング組成物を保持することができる。スプレーディスペンサは、約20p.s.i.g~約140psig、あるいは約80~約130p.s.i.gの範囲の内圧に耐えることができ得る。全組成物出力及びスプレー液滴/粒径分布は、粒子除去効果を支援するが、表面が湿るという問題を回避するように選択され得る。全出力は、スプレーディスペンサから放出されるときの組成物の流速によって決定される。最小限の表面湿潤を生じさせるスプレープロファイルを得るために、低い流速及び小さい5つのスプレー液滴を有することが望ましい。
【0095】
スプレーディスペンサから放出される組成物の流速は、約0.0001グラム/秒(g/s)~約2.5グラム/秒とすることができる。代替的に、流速は、約0.001グラム/秒~約2.5グラム/秒、又は約0.01グラム/秒~約2.0グラム/秒であってもよい。エアロゾル噴霧器について、流量は、任意の60秒間の使用のためにスプレーディスペンサによって排出される組成物の速度を測定することによって決定される。
【0096】
スプレー液滴のザウタ平均粒径は、約10μm~約100μm、あるいは約20μm~約60μmの範囲であってもよい。スプレー液滴の少なくとも一部のサイズは、少なくとも約10分間、一部の例では少なくとも約15分間、又は少なくとも約30分間にわたって空気中に浮遊するように十分に小さい。スプレーが広い円錐角で分注されるときに、小さい粒子を効率的に作り出すことができる。所与のノズル構成要素及び送達管に関して、送達管のノズルの挿入深さを変更することによって円錐角を修正することができる。この円錐角は、約20度超、又は約30度超、又は約35度超、又は約40度超、又は約50度超とすることができる。
【0097】
スプレーディスペンサは、容器の基部に平行な角度と容器の基部に垂直な角度との間の角度でフレッシュニング組成物をスプレーするように構成され得る。スプレー液滴の所望のサイズは、狭い範囲の液滴サイズを提供するように設定することができる他のタイプのスプレーディスペンサによって送達することができる。このような他のスプレーディスペンサは、噴霧器、超音波ネブライザ、静電噴霧器、及び回転ディスク噴霧器を含むが、これらに限定されない。スプレーディスペンサは、プラスチック、金属、ガラス、又はそれらの組み合わせを含む、様々な材料から構成されることができる。スプレーディスペンサは、加圧式であってもよく、非加圧式であってもよく、非エアゾールであってもよい。
【0098】
非エアゾールスプレーディスペンサは、事前圧縮トリガー噴霧器を含み得る。
【0099】
1つの好適な非エアゾールスプレーディスペンサは、プラスチック製の非エアゾールディスペンサである。ディスペンサは、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate、「PET」)、酢酸ビニル、ゴムエラストマー、及びこれらの組み合わせで構築され得る。スプレーディスペンサは、透明なPETで作製され得る。別の好適なスプレーディスペンサには、Afa Dispensing Group製のFLAIROSOL(商標)ディスペンサなど連続動作式噴霧器が挙げられる。FLAIROSOL(商標)ディスペンサは、事前圧縮スプレーエンジンを備えたバッグ・イン・バッグ又はバッグ・イン・缶型容器、及びフレッシュニング組成物のエアゾール様圧縮器を含む。FLAIROSOL(商標)ディスペンサの例は、米国特許第8,905,271(B2)号に記載されている。
【0100】
加圧スプレーディスペンサは、噴射剤を含んでもよい。様々な噴射剤が使用されてもよい。噴射剤は、炭化水素;窒素、二酸化炭素、空気などの圧縮ガス;液化ガス又はヒドロフルオロオレフィン(hydrofluoro olefin、「HFO」);並びにそれらの混合物から選択されてもよい。好ましくは、製品は、圧縮空気、圧縮窒素、及びこれらの組み合わせなどの圧縮ガスからなる群から選択される噴射剤を含む。米国連邦官報30 49C.F.R.§1.73.115、第2部、2.2項に列挙されている噴射剤が、許容可能であると考えられる。噴射剤は、特に、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン、及び任意選択でCAS番号1645-83-6のガスを含むことができる。このような噴射剤は、これらが不燃であるという利益を提供するが、フレッシュニング組成物は不燃噴射剤に限定されない。1つのこのような噴射剤は、Honeywell International(Morristown,New Jersey)から商品名HFO-5 1234ze又はGWP-6で市販されている。所望の場合、噴射剤は、凝縮性であり得る。「凝縮性」とは、スプレーディスペンサ内及び使用中に生じる圧力下において、噴射剤が、ガス状の物質から液体状の物質へと変化することを意味する。一般に、最高圧力は、スプレーディスペンサにフレッシュニング組成物が充填された後であるが、ユーザがフレッシュニング組成物を最初に分散させる前に生じる。凝縮性噴射剤は、使用中にフレッシュニング組成物が枯渇するにつれて、減圧曲線がより平坦化する利益をもたらす。
【0101】
加圧スプレーディスペンサは、炭化水素噴射剤を含まなくてもよい。フレッシュニング組成物は、流れを制御し、スプレーディスペンサ内にフレッシュニング組成物を密封するための弁、ボタンアクチュエータ、及び環境にフレッシュニング組成物を分散させるためのノズルを含むが、これらに限定されない送達構成要素を含むスプレーディスペンサから送達され得る。フレッシュニング組成物は、バック・イン・缶型プラスチック製スプレーディスペンサに収容され得る。
【0102】
以下の実施例は、本発明をより完全に説明することを意図しており、本発明の範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。本明細書における全ての部、パーセンテージ及び比率は、別途指定されない限り、重量パーセントとして表される。
【実施例】
【0103】
試験機器/材料及び試験フレッシュニング組成物を、まず見出し「材料」の下において説明し、次いで、「試験方法」を示し、最後に結果を考察する。本発明のフレッシュニング組成物が、フレッシュさの利益と、内部環境における無生物表面に対する改善された抗ウイルス効果、改善された抗菌効果の二次的利益とを有することを実証するデータが提供される。
【0104】
以下の実施例では、評価されるフレッシュニング組成物は、無生物表面上の細菌活性低減及びウイルス活性低減、フレッシュニング、悪臭除去などの様々な利益をもたらすために、内部空間の軟質表面をフレッシュニングするための布地フレッシュニング製品などの消費者製品として設計される。しかしながら、フレッシュニング組成物は、様々な用途における使用のために構成されて、フレッシュさの一次的利益と、無生物表面に対する改善された抗ウイルス及び抗菌効果の二次的利益とを提供し得ることが企図される。
【0105】
材料
表2に、評価を行う本発明の組成物及び比較組成物を記載する。本発明の組成物及び比較組成物の各々は、以下のステップに従って従来の方法及び機器を使用して調製される: 1)オーバーヘッド混合/磁気撹拌子機器IKA/RW20VWR/58947-128(試料に使用される量に応じて様々な撹拌子を使用する-これは使用可能な一例である)を使用して上記成分を混合して、フレッシュニング組成物を形成するステップ;
2)pHメーター(pHメーターの一例は、Thermo Scientific/EO8212である)を使用して、フレッシュニング組成物のpHを求めるステップ。
【0106】
本発明の組成物#1、#2及び#3は、四級アンモニウム化合物、四級アンモニウム化合物のブレンド、トリカルボン酸及びクエン酸の塩、並びに異なるレベルのpHを有する。比較組成物#4、#5、#6は、クエン酸ナトリウムを有さず、組成物の0.015重量%の量のクエン酸を有する。
【0107】
【表2】
*他の成分として、湿潤性界面活性剤、溶媒、悪臭中和剤が含まれる。
【0108】
I.フレッシュニング組成物の抗菌効果を評価するための試験方法
この試験方法は、例えば、布製のソファを有するリビングルームなどの室内環境において、透過性の軟質表面上での細菌増殖を低減する際の、フレッシュニング組成物の抗菌効果を評価するためのものである。
【0109】
1.グリセロールストックから下記の試験細菌を、TSAプレートに継代培養し(トランスファ#1)、35±2℃で24±4時間インキュベートする。
2.1日目からTSAプレートを別のTSAプレートに継代培養し(トランスファ#2)、35±2℃で24±4時間インキュベートする。
3.ループを使用して試験接種菌液を準備し、プレートからコロニーを取り除き、生理食塩水に細菌懸濁液を作製する。
4.上記の細菌懸濁液9部と滅菌0.3%BSA溶液1部とを混合する。
5.オートクレーブ処理して乾燥させた35×35mmの布地担体を各試料及び対照について3枚用意し、それらの各々を滅菌ペトリ皿に入れる。
6.対照を含む各布地担体上に、それぞれの接種菌液を50μLずつ接種する。接種菌液が接種されている間、鉗子を使用して布地担体の一端を保持する。接種菌液が布地担体全体を覆うようにした後、ペトリ皿に戻す。
7.接種した布を35±2℃で30分間乾燥させる。
8.試験は、接種した布地に2.0mlの製品をピペットで移す。対照として、布地担体1つ当たり0.85%(w/v)生理食塩水中の0.05%(v/v)Tween80を2.0mL接種する。
9.処理した布地担体を周囲条件で20分間乾燥させる。ペトリ皿にカバーをしない。
10.インキュベーション後、各布地担体を20mLのMLBTの入った50mLチューブに無菌的に移し、30秒間ボルテックスする。布地担体を少なくとも5分間中和して、プレーティングのための段階希釈を行う。
11.接種菌液の場合は最大10-8、対照の場合は最大10-5、試料の場合は最大10-4の10倍段階希釈を実行する。接種菌液の10-6、10-7、及び10-8、対照の10-3、10-4、及び10-5に対して溶融TSA(約48℃)を使用して、試料に対して無希釈~10-4で1mLを2回使用して、注入プレーティングを実行した。
12.プレートを35±2℃で48±2時間インキュベートする。
13.目標希釈は、30~300CFUを含むプレートを有する。
【0110】
II.フレッシュニング組成物の抗ウイルス効果を評価するための殺ウイルス試験方法 この試験方法は、例えば、布製のソファを有するリビングルームなどの室内環境において、透過性の軟質表面上での細菌増殖を低減する際の、フレッシュニング組成物の抗ウイルス効果を評価するためのものである。試験方法は、以下に記載される以下のサブ方法A、B、C、D及びEに従って行われる。
【0111】
A.宿主細胞の継代培養
1. 顕微鏡下で細胞のコンフルエントな増殖を確認した後、フラスコの余分な増殖培地を排出する。
2. 5mlの0.01mol/Lリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline、PBS)を加え、フラスコの底の増殖した細胞の表面を溶液で洗浄し、加えたPBSを排出する。この洗浄手順を3回繰り返す。
3. 1mlのトリプシンEDTA溶液をフラスコに加え、溶液を表面全体に広げ、余分なトリプシンEDTA溶液を排出する。
4. フラスコを37CのCO2インキュベータに10分±1分間入れて、温かく保つ。
5. 増殖した細胞が剥がれ始めたらフラスコを目視で観察し、確認されれば、フラスコの側面を軽くたたいて細胞を分散させる。
6. 5mlの増殖培地をフラスコに添加し、細胞への損傷を避けるために培地をピペッティングして穏やかな混合を十分に行う。
7. 新しいフラスコを準備し、20mlの増殖培地を加える。
8. 1mlの細胞懸濁液をピペットで加える。
9. フラスコのキャップを閉じ、フラスコを37CのCO2インキュベータに5日間入れて培養する。
【0112】
B.接種菌液:
1. インフルエンザウイルスについては培養したMDCK細胞、ネコカリシウイルスについてはCRFK細胞、及びロタウイルスについてはアカゲザル腎上皮細胞を単層で含むフラスコから増殖培地を排出する。
2. 培養した細胞の表面をEMEMで洗浄し、培地を排出する。洗浄手順を2回繰り返す。
3. 103~104PFU/mlの濃度になるように調製されたインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス、又はロタウイルス懸濁液をフラスコ内の細胞表面に接種し、表面全体に広げる。
4. フラスコを34CのCO2インキュベータに入れ、それを1時間保持してウイルスを細胞に吸収させる。
5. 1.5ppmのウシ膵臓由来トリプシンを含有するEMEMをフラスコに入れる。
6. フラスコを34CのCO2インキュベータに1頂点3日間入れて、ウイルスを増殖させる。
7. 倒立顕微鏡下で細胞変性効果を観察し、ウイルスの増殖を判定する。ウイルスの増殖が確認されれば、増殖ウイルス懸濁液を遠心分離機を使用して4Cかつ1,000gで15分間遠心分離する。
8. 遠心分離後、遠心分離管から上清懸濁液を取る。ウイルス懸濁液に最終濃度5%のFBSを添加し、これが最終ウイルス接種菌液である。
【0113】
C.試験手順
1. 布地担体(60mm×60mm)を滅菌ペトリ皿に入れる。0.05mlのウイルス接種菌液を布地担体上にピペットで移す。担体を2.0mlの試験試料又はPBS(陰性対照)で処理する。
2. 蓋を開けたペトリ皿を安全キャビネット内で20分間保持する。
3. 接触時間が完了したら、20mlの中和剤を含有する試験管に担体を直ちに移し、それらをボルテックスミキサーによって5秒間及び5回撹拌する。
4. EMEMを使用して、混合物の一連の10倍希釈液を調製する。プラークアッセイにより混合物0.1ml当たりの感染力価を測定し、布地担体当たりのウイルス感染力価を計算する。
【0114】
D.プラークアッセイ
1. 各ウェルに単層増殖細胞を有する6ウェルプレートを取り上げ、増殖した細胞のコンフルエント状態を顕微鏡下で観察する。コンフルエント状態の確認後、プレートから余分な細胞増殖培地を排出する。
2. 3mlの維持培地を加え、培地で表面を洗浄し、余分な維持培地を排出する。これを2回繰り返す。
3. 0.1mlのウイルス懸濁液及び連続希釈したウイルス懸濁液を二連で接種する。陰性対照として、0.1mlの維持培地を接種する。
4. プレートを34CのCO2インキュベータに入れ、それを1時間保持して細胞にウイルスを吸収させる。プレートを15分毎に傾け、ウイルスを細胞の全領域に吸収させる。
5. 3mlの維持培地をプレートに入れ、表面を洗浄し、次いで余分な維持培地を排出する。
6. プラークアッセイのために3mlの寒天培地を加える。蓋を閉め、室温で10分間保持する。
7. 寒天が固化したことを確認し、プレートを逆さまにし、それを34CのCO2インキュベータに入れ、それを2~3日間保持して培養する。それをCO2インキュベータから取り出した後、直立させ、細胞固定のために3mlのホルマリン溶液を加え、室温で1時間より長く保持して、細胞を固定する。
8. 寒天培地を排水し、3mlのメチレンブルー溶液を加え、室温で15分間保持して細胞を染色する。
9. 余分なメチレンブルー溶液を水道水で洗浄する。細胞の染色を確認する。
10. プラークの数を数える。
【0115】
E.計算:
平均Log10減少:
平均log10減少=20分の接触時間後のPBSを使用したウイルス感染力価の常用対数の平均(PFU/布地担体)-20分の接触時間後の試験試料を使用したウイルス感染力価の常用対数の平均(PFU/布地担体)。
【0116】
実施例I
本発明の組成物#1、#2、#3、及び比較組成物#4、#5、#6を、「試験方法」の下で前述した「フレッシュニング組成物の抗ウイルス効果を評価するための殺ウイルス試験方法」に従って評価する。以下の表2は、それぞれ、本発明の組成物1、2、3及び比較組成物4、5、6で処理した布地の個々の試料の抗ウイルス活性値を示す。
【0117】
【0118】
上記の結果に基づいて、第1及び第2の抗菌剤の混合物を有し、pHが3~5である本発明の組成物1、2、3の各々で処理された個々の布地は、6.75のpHを有する比較組成物4、5及び6で処理された布地と比較して、改善された抗ウイルス活性値を有する。
【0119】
理論に束縛されることを望むものではないが、クエン酸ナトリウムは、実施例Iの上記結果に示されるように、抗ウイルス効果を改善するキレート剤として機能すると考えられる。特に、クエン酸ナトリウム、抗菌剤の混合物及び室温で3~6のpHを有する全ての本発明の組成物は、無生物表面上に付着した少なくとも1つのエンベロープウイルス及び少なくとも1つの非エンベロープウイルスに対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗ウイルス活性値を示す。エンベロープウイルスは、インフルエンザA型ウイルス(H3N2)ATCC VR-1679からなる群から選択されてもよく、非エンベロープウイルスは、ネコカリシウイルス(FCV)、ロタウイルスからなる群から選択されてもよい。対照的に、全ての比較組成物4、5、6(クエン酸ナトリウムを含まず、6.75のpHを有する)は、少なくとも1つのエンベロープウイルス及び少なくとも1つの非エンベロープウイルスに対して改善された抗ウイルス活性値を示さない。
【0120】
特に、5のpH、並びに組成物の0.3重量%の量にあるクエン酸ナトリウム、並びに組成物の0.24重量%の量にある第1及び第2の抗菌剤の混合物を有する、本発明の組成物1は、第1及び第2の抗菌剤の同じ混合物を有するがクエン酸ナトリウムを有さず、6より大きいpH、すなわち6.75を有する比較組成物6と比較して、2つの型の非エンベロープウイルス(ネコカリシウイルス(FCV)、ロタウイルス)及びエンベロープウイルス(インフルエンザA型ウイルス(H3N2)ATCC VR-1679)に対してより高い抗ウイルス活性値を可能にする。
【0121】
実施例II
本発明の組成物#1、#2、#3、及び比較組成物#4、#5、#6を、「試験方法」の下で前述した「フレッシュニング組成物の抗菌効果を評価するための試験方法」に従って評価する。以下の表4は、それぞれ、本発明の組成物1、2、3及び比較組成物4、5、6で処理した布地の個々の試料の抗菌活性値を示す。
【0122】
【0123】
本発明の組成物1、2、3の上記結果は、3~6のpHを有し、組成物の0.24重量%のレベルで抗菌剤の混合物を含む本発明のフレッシュニング組成物が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 6538、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)ATCC 7002、大腸菌(E.coli)NBRC 3972、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)NBRC 13277、エンテロコッカス・ヒラエ(E.hirae)ATCC 10541、緑膿菌(P.aeruginosa)ATCC 15442、大腸菌(E.coli)ATCC 10536、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)ATCC 13048、サルモネラ菌(S.enterica)ATCC 10708、及びクレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ATCC 4352を含む全ての試験細菌について、試験布地上で少なくとも2の抗菌活性値を実証することを示す。比較組成物6(組成物の0.24重量%のレベルの抗菌剤の混合物を有し、pHが6.75(6より大きい)であり、クエン酸ナトリウムを含まないは、上記の全ての試験細菌に対して少なくとも2の抗菌活性値を示さない。
【0124】
一例を、以下に示す。
A.無生物表面又は物品を処理するためのノーリンスフレッシュニング組成物であって、
a)フレッシュニング組成物の少なくとも85重量%の水と、
b)カルボン酸と、
c)クエン酸の塩と、
d)第1及び第2の抗菌剤の混合物と、を含み、第1及び第2の抗菌剤の各々は、式(I)
【0125】
【化6】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)によるものであり、
フレッシュニング組成物が、室温で3~6の未希釈pHを含み、
カルボン酸及びクエン酸の塩の総量と、第1及び第2の抗菌剤の混合物との重量比は、1:1より大きく、好ましくは1:1~10:1である、ノーリンスフレッシュニング組成物。
B.pHが3~5、好ましくは4~5である、段落Aに記載の組成物。
C.カルボン酸が、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、トリカルボン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、カルボン酸が、トリカルボン酸であり、より好ましくは、トリカルボン酸が、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
D.カルボン酸が、フレッシュニング組成物の0.1重量%~2.3重量%、好ましくは0.15重量%~2重量%の量にある、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
E.クエン酸の塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸第二鉄、クエン酸マグネシウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、クエン酸の塩がクエン酸ナトリウムである、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
F.クエン酸の塩が、フレッシュニング組成物の0.25重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~1重量%の量にある、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
G.第1の抗菌剤又は第2の抗菌剤が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
H.ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドが、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロリド、ジイソデシルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、段落Gに記載の組成物。
I.第1及び第2の抗菌剤が、異なる四級アンモニウム化合物である、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
J.第1及び第2の抗菌剤の一方が、C8~C12ジアルキル四級アンモニウム化合物のブレンドであり、好ましくは、ブレンドが、フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%~0.3重量%、更により好ましくは0.1重量%~0.2重量%の量にある、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
K.第1及び第2の抗菌剤の各々が、フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%~0.3重量%、より好ましくは0.1重量%~0.2重量%の量にある、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
L.悪臭中和剤を更に含み、悪臭中和剤が、ポリオール、シクロデキストリン及びその誘導体、アミン官能性ポリマー、アルデヒド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、悪臭中和剤がシクロデキストリンである、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
M.無生物表面又は物品が、透過性軟質表面、透過性硬質表面、及びこれらの混合物からなる群から選択される、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
N.透過性軟質表面が、布地、乾式壁、織布、天然ポリマー、合成ポリマー、無機材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落Mに記載の組成物。
O.透過性硬質表面が、仕上げ積層体及び木材、素木、塗装木材、プラスチック、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、段落Mに記載の組成物。
P.組成物が、少なくとも20分の期間の終了時に、無生物表面上に付着した少なくとも1つのエンベロープウイルス及び少なくとも1つの非エンベロープウイルスに対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗ウイルス活性値を含み、好ましくは、エンベロープウイルスが、インフルエンザA型ウイルス(H3N2)ATCC VR-1679からなる群から選択され、非エンベロープウイルスが、ネコカリシウイルス(FCV)、ロタウイルスからなる群から選択される、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
Q.組成物が、少なくとも20分の期間の終了時に、無生物表面上に付着した少なくとも1つの細菌に対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗菌活性値を含み、好ましくは、細菌が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 6538、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)ATCC 7002、大腸菌(E.coli)NBRC 3972、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)NBRC 13277、エンテロコッカス・ヒラエ(E.hirae)ATCC 10541、緑膿菌(P.aeruginosa)ATCC 15442、大腸菌(E.coli)ATCC 10536、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)ATCC 13048、サルモネラ菌(S.enterica)ATCC 10708、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ATCC 4352からなる群から選択される、先行段落のいずれか1つに記載の組成物。
R.フレッシュニング組成物が、詰め替え可能パッケージ、スプレーパッケージ、包装容器、及びワイプからなる群から選択される製品形態で提供される、先行段落のいずれか1つに記載のフレッシュニング組成物を含む、製品。
S.無生物表面上のウイルス活性及び細菌活性を低減するためのノーリンス抗菌フレッシュニング組成物の有効性を実証する方法であって、
a)段落A~Qのいずれか1つに記載のフレッシュニング組成物を提供することと、
b)無生物表面上に付着した、少なくとも1種のウイルス及び少なくとも1種の細菌を有する無生物表面の少なくとも一部分を、フレッシュニング組成物で少なくとも20分間処理することと、を含む、方法。
【0126】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に均等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0127】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0128】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無生物表面又は物品を処理するためのノーリンスフレッシュニング組成物であって、
a)前記フレッシュニング組成物の少なくとも85重量%の水と、
b)カルボン酸と、
c)クエン酸の塩と、
d)第1及び第2の抗菌剤の混合物と、を含み、前記第1及び第2の抗菌剤の各々が、式(I)
【化1】
(式中、
R
1は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
R
2は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
3は、直鎖状又は分岐鎖状C6~C20アルキル、ベンジル又はアルキルベンジルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐鎖状C1~C4アルキルであり、
Xは、アニオンである)によるものであり、
前記フレッシュニング組成物が、室温で3~6の未希釈pHを含み、前記カルボン酸及び前記クエン酸の塩の総量と、前記第1及び第2の抗菌剤の前記混合物との重量比が、1:1~10:1である、ノーリンスフレッシュニング組成物。
【請求項2】
前記pHが3~5、好ましくは4~5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カルボン酸が、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、トリカルボン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記カルボン酸が、トリカルボン酸であり、より好ましくは、前記トリカルボン酸が、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項4】
前記カルボン酸が、前記フレッシュニング組成物の0.1重量%~2.3重量%、好ましくは0.15重量%~2重量%の量にある、請求項
1に記載の組成物。
【請求項5】
前記クエン酸の塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸第二鉄、クエン酸マグネシウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記クエン酸の塩がクエン酸ナトリウムである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項6】
前記クエン酸の塩が、前記フレッシュニング組成物の0.25重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~1重量%の量にある、請求項
1に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1の抗菌剤又は前記第2の抗菌剤が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドが、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロリド、ジイソデシルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1及び第2の抗菌剤が、異なる四級アンモニウム化合物である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項10】
前記第1及び第2の抗菌剤の一方が、C8~C12ジアルキル四級アンモニウム化合物のブレンドであり、好ましくは、前記ブレンドが、前記フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%~0.3重量%、より好ましくは0.1重量%~0.2重量%の量にある、請求項
1に記載の組成物。
【請求項11】
前記第1及び第2の抗菌剤の各々が、前記フレッシュニング組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%~0.3重量%、より好ましくは0.1重量%~0.2重量%の量にある、請求項
1に記載の組成物。
【請求項12】
悪臭中和剤を更に含み、前記悪臭中和剤が、ポリオール、シクロデキストリン及びその誘導体、アミン官能性ポリマー、アルデヒド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記悪臭中和剤がシクロデキストリンである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項13】
前記無生物表面又は物品が、透過性軟質表面、透過性硬質表面、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項14】
前記透過性軟質表面が、布地、乾式壁、織布、天然ポリマー、合成ポリマー、無機材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記透過性硬質表面が、仕上げ積層体及び木材、素木、塗装木材、プラスチック、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、少なくとも20分の期間の終了時に、前記無生物表面上に付着した少なくとも1つのエンベロープウイルス及び少なくとも1つの非エンベロープウイルスに対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗ウイルス活性値を含み、好ましくは、前記エンベロープウイルスが、インフルエンザA型ウイルス(H3N2)ATCC VR-1679からなる群から選択され、前記非エンベロープウイルスが、ネコカリシウイルス(FCV)、ロタウイルスからなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、少なくとも20分の期間の前記終了時に、前記無生物表面上に付着した少なくとも1つの細菌に対して、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3の抗菌活性値を含み、好ましくは、前記細菌が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 6538、プロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)ATCC 7002、大腸菌(E.coli)NBRC 3972、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)NBRC 13277、エンテロコッカス・ヒラエ(E.hirae)ATCC 10541、緑膿菌(P.aeruginosa)ATCC 15442、大腸菌(E.coli)ATCC 10536、エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)ATCC 13048、サルモネラ菌(S.enterica)ATCC 10708、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae)ATCC 4352からなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項18】
前記フレッシュニング組成物が、詰め替え可能パッケージ、スプレーパッケージ、包装容器、及びワイプからなる群から選択される製品形態で提供される、請求項1~17のいずれか一項に記載のフレッシュニング組成物を含む、製品。
【請求項19】
無生物表面上のウイルス活性及び細菌活性を低減するためのノーリンス抗菌フレッシュニング組成物の有効性を実証する方法であって、
a)請求項1~17のいずれか一項に記載のフレッシュニング組成物を提供することと、
b)無生物表面上に付着した、少なくとも1種のウイルス及び少なくとも1種の細菌を有する前記無生物表面の少なくとも一部分を、前記フレッシュニング組成物で少なくとも20分間処理することと、を含む、方法。
【国際調査報告】