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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】電気伝送ラインケーブル
(51)【国際特許分類】
   A01K 79/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
A01K79/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579051
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022034883
(87)【国際公開番号】W WO2022272048
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,692
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】523478609
【氏名又は名称】リールビュー フィッシング, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アリンガー, ダスティン
【テーマコード(参考)】
2B105
【Fターム(参考)】
2B105PA01
(57)【要約】
動画魚釣りシステムにおける魚釣りライン等を含む様々な用途のために好適である電気伝送ラインケーブル。電気伝送ラインケーブルは、電気伝送ラインを形成する第1の導体および第2の導体と第1の導体と、第2の導体とを含むジャケットと、第1の導体と第2の導体とを分離する伝送ラインの一次誘電要素であって、一次誘電要素は、織編糸、繊維糸、またはモノフィラメントのうちの少なくとも1つである、伝送ラインの一次誘電要素とを有する。電気伝送ラインは、平衡構成または非平衡構成にあり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性魚釣りラインであって、前記導電性魚釣りラインは、
電気伝送ラインを形成する第1の導体および第2の導体と、
前記第1の導体および前記第2の導体を含むジャケットと、
前記第1の導体と前記第2の導体とを分離する伝送ラインの一次誘電要素と
を備え、
前記一次誘電要素は、織編糸、繊維糸、またはモノフィラメントのうちの少なくとも1つである、導電性魚釣りライン。
【請求項2】
前記電気伝送ラインは、平衡構成である、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項3】
前記電気伝送ラインは、非平衡構成である、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項4】
前記第1の導体および前記第2の導体は、前記一次誘電要素の周りに捻じられている、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項5】
前記第1の導体および前記第2の導体は、前記一次誘電要素の周りに捻じられていない、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項6】
電力が、高電圧および低電流の組み合わせを使用して前記魚釣りラインによって伝送される、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項7】
少なくとも1つの二次誘電要素をさらに備えている、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項8】
前記少なくとも1つの二次誘電要素は、前記一次誘電要素の周りに捻じられている、請求項7に記載の魚釣りライン。
【請求項9】
前記少なくとも1つの二次誘電要素は、前記一次誘電要素の周りに捻じられていない、請求項7に記載の魚釣りライン。
【請求項10】
約0.97~約2.0の比重を有する、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項11】
近位端と遠位端とを有し、前記近位端および前記遠位端の各々におけるコネクタを備えている、請求項1に記載の魚釣りライン。
【請求項12】
動画魚釣りシステムであって、前記動画魚釣りシステムは、
防水カメラモジュールと、
基地局モジュールと、
前記防水カメラモジュールと前記基地局モジュールとを接続している前記請求項のいずれかに記載の導電性魚釣りラインと
を備えている、動画魚釣りシステム。
【請求項13】
前記防水カメラモジュールは、魚釣り疑似餌であるように構成されている、請求項12に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項14】
前記基地局モジュールは、魚釣りロッドまたはリールに統合されている、請求項12に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項15】
前記カメラモジュールは、パノラマビュー画像を生成するための複数の画像センサを有する、請求項12に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項16】
前記魚釣りラインと前記カメラモジュールまたは前記基地局モジュールのうちの少なくとも一方との間に電気安全機構を含む、請求項12に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項17】
データが、前記魚釣りラインによって伝送される、請求項12に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項18】
データが、10Base-T1L、直交周波数分割多重、または電力ラインモデム信号通信を使用して伝送される、請求項17に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項19】
電気伝送ラインケーブルであって、前記電気伝送ラインケーブルは、
電気伝送ラインを形成する第1の導体および第2の導体と、
前記第1の導体および前記第2の導体を含むジャケットと、
前記第1の導体と前記第2の導体とを分離する伝送ラインの一次誘電要素と
を備え、
前記一次誘電要素は、織編糸、繊維糸、またはモノフィラメントのうちの少なくとも1つである、電気伝送ラインケーブル。
【請求項20】
前記電気伝送ラインは、平衡構成である、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項21】
前記電気伝送ラインは、非平衡構成である、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項22】
前記第1の導体および前記第2の導体は、前記一次誘電要素の周りに捻じられている、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項23】
前記第1の導体および前記第2の導体は、前記一次誘電要素の周りに捻じられていない、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項24】
電力が、高電圧および低電流の組み合わせを使用して前記電気伝送ラインケーブルによって伝送される、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項25】
データが、前記電気伝送ラインケーブルによって伝送される、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項26】
データが、10Base-T1L、直交周波数分割多重、または電力ラインモデム信号通信を使用して伝送される、請求項25に記載の伝送ライン。
【請求項27】
少なくとも1つの二次誘電要素をさらに備えている、請求項19に記載の伝送ライン。
【請求項28】
前記少なくとも1つの二次誘電要素は、前記一次誘電要素の周りに捻じられている、請求項27に記載の伝送ライン。
【請求項29】
前記少なくとも1つの二次誘電要素は、前記一次誘電要素の周りに捻じられていない、請求項27に記載の伝送ライン。
【請求項30】
平衡電気伝送ライン構造であって、誘電要素が、ケーブル強度部材としても使用され、前記伝送ライン構造は、編組されていない、平衡電気伝送ライン構造。
【請求項31】
電気魚釣りラインを利用する動画魚釣りシステムであって、前記電気魚釣りラインは、前記34AWGまたはより小さいサイズの電気導体を含み、高電圧および低電流の組み合わせを使用して前記電気魚釣りラインによって電力を送る、動画魚釣りシステム。
【請求項32】
前記電気魚釣りラインにおける前記電圧および/または電流を統制する電気安全機構を含む、請求項31に記載の動画魚釣りシステム。
【請求項33】
電気魚釣りラインを利用する動画魚釣りシステムであって、前記電気魚釣りラインは、34AWGまたはより小さいサイズの電気導体を含み、10Base-T1L、直交周波数分割多重、または電力ラインモデム信号通信のいずれかを使用して前記電気魚釣りラインによってデータを送信する、動画魚釣りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示全体が本明細書に記載されている場合と同様に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2021年6月24日に出願された米国仮出願第63/214,692号の利益および優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本明細書に説明される実施形態は、多目的電気伝送ラインケーブルに関し、より具体的に、限定ではないが、動画魚釣りシステムおよび他のデータおよび電力伝送用途における使用のために好適である電気伝送ラインケーブルに関する。
【背景技術】
【0003】
無線電磁気通信システム(例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標))が、水中環境において範囲の劇的な低減に悩まされることが、広く理解されている。これらのシステムが水中において受ける著しい信号減衰に起因して、範囲は、最良でも数インチまたは数フィートに限定される。音響通信方法は、水中において(最大数キロメートルにも及ぶ)かなりの範囲を達成することができるが、それらのチャネル容量(50kbpsまたはそれ未満)は、エンコードされた動画のリアルタイム伝送のために要求されるそれより数桁下回る。加えて、水中音響通信は、かなりの電力を要求し、それは、魚釣り等の遊興用途における水中音響通信の使用のために、水中音響通信を好適ではないものにする。無線光学水中通信は、エンコードされる動画(1~5Mbps)のリアルタイム伝送のために要求されるデータ率を達成することができ、水の条件に応じて1~15メートルの範囲を達成することができるが、それらのコスト、サイズ、電力消費量、および指向性要件が、それらを魚釣り等の遊興用途における使用のために、完全に不適当にし得る。
【0004】
これらの無線技術の欠点を所与として、電気的または光学式のいずれかである有線アプローチが、多くの場合、水中環境のために必要である。シリカコアまたはポリマー系のいずれかである光ファイバが、典型的な魚釣り設定において使用される距離にわたる、エンコードされた動画伝達のために必要なデータ率を達成することができ、動画圧縮が不必要であるように十分に高いデータ率さえ達成し得る。電力も、光ファイバによって送信されることができるが、そのような技術の伝達効率は、あまりにも不十分であり、極めて高い入力電力がファイバの中に送り込まれることを必要とするであろうカメラモジュールへの必要な量の電力を送達することは、可能でない。ファイバの中に送信されるそのような大きい入力電力は、重大な安全性リスクを提示し、そのようなシステムはまた、法外に高価であろう。加えて、低い伝達効率は、システムのバッテリ寿命を厳しく限定し、および/または基地局内に不合理に大きいバッテリを要求するであろう。現実的に、バッテリは、カメラモジュールの内側に要求され、それは、そのサイズおよび浮力に深刻な影響を及ぼす。最後に、おそらく最も重要なこととして、光ファイバは、あまりにも壊れ易く、魚釣り等の遊興用途の過酷さに耐えることができない。
【0005】
したがって、水中環境内でのデータおよび電力の送達のための改良された装置および方法の必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、詳細な説明の節において下記にさらに説明される一連の概念を単純化された形態で紹介するために提供される。本概要は、請求される主題の重要となる特徴または不可欠な特徴を識別することまたは除外すること、または請求される主題の範囲を決定することにおける支援として使用されることのいずれも意図していない。
【0007】
一側面によると、本明細書における実施形態は、電気伝送ラインを形成する第1の導体および第2の導体と、第1の導体と第2の導体とを含むジャケットと、第1の導体と第2の導体とを分離する伝送ラインの一次誘電要素であって、一次誘電要素は、織編糸、繊維糸、またはモノフィラメントのうちの少なくとも1つを含む、伝送ラインの一次誘電要素とを有する導電性魚釣りラインに関する。
【0008】
いくつかの実施形態において、電気伝送ラインは、平衡構成である。
【0009】
いくつかの実施形態において、電気伝送ラインは、非平衡構成である。
【0010】
いくつかの実施形態において、第1の導体および第2の導体は、一次誘電要素の周りに捻じられる。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1の導体および第2の導体は、一次誘電要素の周りに捻じられない。
【0012】
いくつかの実施形態において、電力が、高電圧および低電流の組み合わせを使用して魚釣りラインによって伝送される。
【0013】
いくつかの実施形態において、魚釣りラインは、少なくとも1つの二次誘電要素を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの二次誘電要素は、一次誘電要素の周りに捻じられ得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの二次誘電要素は、一次誘電要素の周りに捻じられない。
【0014】
いくつかの実施形態において、魚釣りラインは、約0.97~約2.0の比重を有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、魚釣りラインは、近位端と遠位端とを有し、近位端および遠位端の各々にコネクタが、存在する。
【0016】
別の側面では、本明細書における実施形態は、防水カメラモジュールと、基地局モジュールと、防水カメラモジュールと基地局モジュールとを接続する先行請求項のいずれかに記載の導電性魚釣りラインとを有する動画魚釣りシステムに関する。
【0017】
いくつかの実施形態において、防水カメラモジュールは、魚釣り疑似餌であるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、基地局モジュールは、魚釣りロッドまたはリールに統合される。
【0019】
いくつかの実施形態において、カメラモジュールは、パノラマビュー画像を生成するための複数の画像センサを有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、動画魚釣りシステムは、魚釣りラインとカメラモジュールまたは基地局モジュールのうちの少なくとも一方との間に電気安全機構を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、データが、魚釣りラインによって伝送される。データは、10Base-T1L、直交周波数分割多重、または電力ラインモデム信号通信を使用して伝送され得る。
【0022】
さらに別の側面では、本明細書における実施形態は、電気伝送ラインを形成する第1の導体および第2の導体と、第1の導体と第2の導体とを含むジャケットと、第1の導体および第2の導体を分離する伝送ラインの一次誘電要素であって、一次誘電要素は、織編糸、繊維糸、またはモノフィラメントのうちの少なくとも1つを含む、伝送ラインの一次誘電要素とを有する電気伝送ラインケーブルに関する。
【0023】
いくつかの実施形態において、電気伝送ラインは、平衡構成である。
【0024】
いくつかの実施形態において、電気伝送ラインは、非平衡構成である。
【0025】
いくつかの実施形態において、第1の導体および第2の導体は、一次誘電要素の周りに捻じられる。
【0026】
いくつかの実施形態において、第1の導体および第2の導体は、一次誘電要素の周りに捻じられない。
【0027】
いくつかの実施形態において、電力が、高電圧および低電流の組み合わせを使用して電気伝送ラインケーブルによって伝送される。
【0028】
いくつかの実施形態において、データが、電気伝送ラインケーブルによって伝送される。データは、10Base-T1L、直交周波数分割多重、または電力ラインモデム信号通信を使用して伝送され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、伝送ラインは、少なくとも1つの二次誘電要素を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの二次誘電要素は、一次誘電要素の周りに捻じられる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの二次誘電要素は、一次誘電要素の周りに捻じられない。
【0030】
なおも別の側面では、本明細書における実施形態は、平衡電気伝送ライン構造であって、誘電要素が、ケーブル強度部材としても使用され、伝送ライン構造は、編組されていない、平衡電気伝送ライン構造に関する。
【0031】
さらに別の側面では、本明細書における実施形態は、電気魚釣りラインを利用する動画魚釣りシステムであって、電気魚釣りラインは、34AWGまたはより小さいサイズの電気導体を含み、高電圧および低電流の組み合わせを使用して電気魚釣りラインによって電力を送る、電気魚釣りラインを利用する動画魚釣りシステムに関する。いくつかの実施形態において、動画魚釣りシステムは、電気魚釣りラインにおける電圧および/または電流を統制する電気安全機構を含む。
【0032】
なおも別の側面では、本明細書における実施形態は、電気魚釣りラインを利用する動画魚釣りシステムであって、電気魚釣りラインは、34AWGまたはより小さいサイズの電気導体を含み、10Base-T1L、直交周波数分割多重、または電力ラインモデム信号通信のいずれかを使用して電気魚釣りラインによってデータを送信する、電気魚釣りラインを利用する動画魚釣りシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の非限定的かつ非包括的な実施形態が、以下の図を参照して説明され、同様の参照番号は、別様に規定されない限り、種々の図面全体を通して同様の部分を指す。
【0034】
図1図1は、一実施形態による非平衡電気伝送ラインケーブルの3D図および断面図を描写する。
【0035】
図2図2は、別の実施形態によるシールドされた平衡電気伝送ラインケーブルの3D図および断面図を描写する。
【0036】
図3図3は、さらに別の実施形態によるシールドされていない平衡電気伝送ラインケーブルの3D図および断面図を描写する。
【0037】
図4図4は、なおも別の実施形態による動画魚釣りシステムにおいて使用される電気アーキテクチャのシステムレベルブロック図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
種々の実施形態が、本明細書の一部を形成し、具体的な例示的実施形態を示す付随の図面を参照して下記により完全に説明される。しかしながら、本開示の概念は、多くの異なる形態で実装され得、本明細書に述べられる実施形態に限定されるように解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底的かつ完全な開示の一部として提供され、当業者に本開示の概念、技法、および実装の範囲を完全に伝達する。実施形態は、方法、システム、またはデバイスとして実践され得る。故に、実施形態は、ハードウェア実装、完全なソフトウェア実装、またはソフトウェアおよびハードウェア側面を組み合わせる実装の形態をとり得る。以下の詳細な説明は、したがって、限定的意味で捉えられるべきではない。
【0039】
本明細書における「one embodiment(一実施形態)」または「an embodiment(ある実施形態)」の言及は、その実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示による、少なくとも1つの例示的実装または技法の中に含まれることを意味する。本明細書内の種々の場所における語句「in one embodiment(一実施形態では)」の表出は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0040】
加えて、本明細書において使用される文言は、主として、読み易さおよび教示的目的のために選択されており、開示される主題を規定または制限するために選択されていないこともある。故に、本開示は、本明細書に議論される概念の範囲を例証しているものであり、それを限定するものではないことが意図される。
【0041】
本発明の実施形態は、ジャケット内に平衡構成または非平衡構成において配置された複数の導体を有する電気伝送ラインケーブルに関する。織編糸、繊維糸、またはモノフィラメントのうちの少なくとも1つを有する誘電要素が、導体を分離し、誘電要素は、いくつかの実施形態において、ケーブル強度部材であることができる。
【0042】
本発明の追加の実施形態は、動画魚釣りシステムに関する。
(電気伝送ラインケーブル)
【0043】
種々の実施形態において、電気伝送ラインケーブルは、互いに電気的に絶縁された2つ以上の電気導体から構成される。導体は、同軸のツイストペアまたは非ツイストペア構成において配置されるが、他の構成も、可能である。箔、および/または螺旋状、および/または編組状のいずれかである電磁金属シールドが、導体の周囲に存在し得る。導体に加えて、電気伝送ラインの内側に、軸方向力に耐えるための1つ以上の強度部材が、存在する。1つ以上の外側ジャケットが、導体および強度部材を包囲し、保護および防水性を提供し、ラインの内部構成を含まれ、正しく配置された状態に保ち得る。(下記に議論される)コネクタが含まれる場合、それは、取り付けの手段、および防水性および頑丈なシールを提供するために、電気伝送ライン上にオーバーモールドされる可能性が最も高いが、他のシール方法も、可能である。
【0044】
ライン直径を減らしながら、わずかに負の浮力に対して中立であることも達成することに役立つために、電気導体の重量を減らしながら、依然として適正な伝導率を提供することが、有利であり得る。導体重量を減らすために、その優れた伝導率対密度比により、電気導体のための材料として、銅ではなく、アルミニウムを使用することが、有利であり得る。アルミニウムに関する伝導率対密度比は、銅に関する約6,700S×m/gと比較して、約14,000S×m/gである。ワイヤの端部へのはんだ付けの容易さを増加させるために、銅被覆アルミニウムが、導体材料のための良好な選択肢である。しかしながら、多くの設計では、導体材料として銅を使用しながら、所望の浮力を達成することが、依然として可能である。
【0045】
銅被覆鋼が、伝導率を犠牲にして、銅のそれに対するその優れた強度および靭性に起因して、選定され得る。屈曲寿命および可撓性を増加させるために、金属覆または金属ドープ繊維、またはある銅合金が、使用され得る。カーボンナノチューブ糸も、実質的に増加させられた屈曲寿命および可撓性をもたらすことができ、コストが許すとき、良好な選択肢であり得る。
【0046】
電気伝送ラインは、導体および誘電体の幾何学形状および材料特性によって特徴付けられる。同軸ラインにおける誘電体は、内側導体と外側導体との間の材料の環状物である。ツイストペア伝送ラインにおける誘電体は、2つの導体間の材料であり、典型的に、各ワイヤを包囲する絶縁ジャケットである。より低い相対的誘電率(絶縁定数としても公知である)を伴う誘電材料を選択することは、伝送ラインの減衰を減らし、信号がより長い長さのラインによって正常に伝送されることを可能にするであろう。
【0047】
その低絶縁定数および高強度に起因して、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)(または、その多くが、高強度および低絶縁定数を示す、Zylon、Vectran、Kevlar等の他の「スーパー繊維」)が、電気伝送ラインケーブル内の強度部材および伝送ライン誘電材料の両方として使用されることができる。UHMWPEの低い密度(比重=0.97)は、電気伝送ラインケーブルの浮力を増加させることに役立つ。加えて、UHMWPEを含む大半のスーパー繊維糸は、実際に、非常に細いフィラメント(フィラメントの直径は、約ミクロンである)の束であるので、それらは、優れた屈曲寿命および可撓性をもたらす。UHMWPEが、それがそれを魚釣りラインとしての使用のために好適にする多くの機械的特性を有するので、編組魚釣りラインにおいて使用される材料であることに留意されたい。比強度(「強度対重量比」としても公知である)も、既に説明されたように、材料の密度が重要であるので、電気ケーブル強度部材のための重要な設計パラメータである。UHMWPE、Zylon、Vectran、および他のスーパー繊維の全ては、今日利用可能である任意の材料の最も高い比強度のうちのいくつかを示す(例えば、チタンより大幅に高い)。本明細書に示される構築物では、UHMWPEは、強度部材および伝送ライン誘電体としてのみならず、浮力向上材として、および、そうでなければケーブルの内部内の空隙であろう場所を占有するケーブル充填材としての役割も果たす。同じ設計および構築原理が、任意の他のスーパー繊維、または従来的繊維、または任意の合成繊維、例えば、ナイロン、繊維ガラス、または任意の天然繊維、例えば、綿と共に使用され得る。
【0048】
電気伝送ラインケーブルにおいて使用される繊維に関して考慮すべき特性は、強度、密度、フィラメントサイズ、可撓性、屈曲寿命、摩滅抵抗、切断抵抗、靭性、弾性係数、絶縁定数、誘電損失正接、誘電破壊強度、摩擦係数、UV抵抗、耐薬品性、耐カビ性、吸湿性、疎水性、破断時伸び、融解温度、分解温度、およびその他である。
【0049】
図1は、一実施形態による非平衡電気伝送ラインケーブル100の3D図および断面図を描写する。示されるように、導体104、104’は、剥き出しの銅または磁石ワイヤから成り、導体104、104’は、同軸に配置され、導体104は、内側伝送経路を形成し、導体104’は、外側伝送経路を形成する。超高分子量ポリエチレンから作製されるいくつかの織編糸108が、電気伝送ラインの誘電要素として使用される。外側ジャケット112は、導体104、104’と、織編糸108とを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、中心導体104は、1本の周囲に6本の構成で捻じられた7本の個々の約45AWGの磁石ワイヤから成る撚線ワイヤである。45AWGワイヤは、約0.05mmの直径を有する。中心導体104は、約0.15mmの直径を有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、織編糸108は、UHMWPEの約150デニールの糸であり、糸の各々は、それらに約0.15mmの直径を有する円形断面を与えるように捻じられている。
【0052】
いくつかの実施形態において、外側導体104は、多くの約45AWG磁石ワイヤから成る。45AWGワイヤは、約0.05mmの直径を有する。
【0053】
いくつかの実施形態において、外側ジャケット112は、約0.25mmの壁厚を有するジャケットである。
【0054】
いくつかの実施形態において、非平衡電気伝送ラインケーブル100は、約1.05mmの直径を有する。
【0055】
図2は、別の実施形態によるシールドされた平衡電気伝送ラインケーブル200の3D図および断面図を描写する。示されるように、導体204、204’は、シールドされたツイストペア配置(STP)において配置される。超高分子量ポリエチレンから作製される織編糸が、電気伝送ラインの一次誘電要素208として使用され、追加の織編糸212が、一次要素208を包囲し、構造的支持を提供する。織編糸224の追加の層が、第1の層の織編糸212を包囲する。外側ジャケット216は、導体204、204’と、織編糸208、212、224とを含む。箔220は、電磁シールドとして機能する。
【0056】
いくつかの実施形態において、中心糸208は、UHMWPEの約100デニールの糸であり、糸は、それに約0.13mmの直径を有する円形断面を与えるように捻じられている。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1の層の外側糸212は、UHMWPEの約20デニールの糸であり、糸の各々は、それらに約0.06mmの直径を有する円形断面を与えるように捻じられている。
【0058】
いくつかの実施形態において、導体204および204’は、約0.06mmの直径を有する44AWG磁石ワイヤである。
【0059】
いくつかの実施形態において、第2の層の外側糸224は、UHMWPEの約30デニールの糸であり、糸の各々は、それらに約0.07mmの直径を有する円形断面を与えるように捻じられている。
【0060】
いくつかの実施形態において、箔シールド220は、約0.01mmの厚さを有する。
【0061】
いくつかの実施形態において、外側ジャケット216は、約0.08mmの壁厚を有するジャケットである。
【0062】
いくつかの実施形態において、シールドされた平衡電気伝送ラインケーブル200は、約0.57mmの直径を有する。
【0063】
図3は、さらに別の実施形態によるシールドされていない平衡電気伝送ラインケーブル300の3D図および断面図を描写する。示されるように、導体304、304’は、シールドされていないツイストペア配置(UTP)において配置される。高分子量ポリエチレンから作製される織編糸が、電気伝送ラインの一次誘電要素308として使用され、追加の織編糸312が、一次要素308を包囲し、構造的支持を提供する。外側ジャケット316は、導体304、304’と、織編糸308、312とを含む。図2の実施形態とは異なり、図3の実施形態は、シールドを欠いている。
【0064】
いくつかの実施形態において、中心糸308は、UHMWPEの約100デニールの糸であり、糸は、それに約0.13mmの直径を有する円形断面を与えるように捻じられている。
【0065】
いくつかの実施形態において、外側糸312は、UHMWPEの約20デニールの糸であり、糸の各々は、それらに約0.06mmの直径を有する円形断面を与えるように捻じられている。
【0066】
いくつかの実施形態において、導体304および304’は、約0.06mmの直径を有する44AWG磁石ワイヤである。
【0067】
いくつかの実施形態において、外側ジャケット316は、約0.08mmの壁厚を有するジャケットである。
【0068】
いくつかの実施形態において、シールドされていない平衡電気伝送ラインケーブル300は、約0.41mmの直径を有する。
【0069】
UHMWPEが、これらの図面内では斜線が付けられた円として表されるが、実際に、各斜線が付けられた円が、数十または数百本のより細いフィラメントから構成されることに留意されたい。それらのフィラメントは、束にされ、時として一緒に捻じられ、異なるデニールの糸を形成する。デニールは、繊維製品産業において使用される測定の単位である。これは、線形質量密度の尺度であり、糸の9,000メートルあたりの(グラム単位)質量に等しい。
【0070】
3つの概念全てが導体のための剥き出しの銅または磁石ワイヤを示すが、フッ素ポリマーまたは他の絶縁ジャケットを用いてこれらのワイヤを絶縁し、外側ジャケットに加えて、保護の二次層を提供すること(但し、磁石ワイヤ上のエナメル質コーティングは、すでに、保護の層を提供している)が可能であることにも留意されたい。
【0071】
測定および実験が、STP設計におけるシールドが、典型的に、必要ではないことを示している。同軸概念およびSTP概念の両方は、生産することが高価であり得る。UTP設計は、それが、捻じりと、ケーブル配線と、単一の被覆動作とを伴い、これらの生産動作の全てが高速で実行され得るので、生産するために非常にコスト効率的であることができる。
【0072】
スーパー繊維糸は、典型的に、多くのより細いフィラメントを一緒に束ねることによって作製される。フィラメントのこれらの束は、捻じられることも、捻じられないこともあるが、糸が(例えば、糸の半径方向の剛性を増加させるために)円形形状を有し、それを維持ことを促進するために、かつ製造中の処理能力を増加させるために捻じられることができる。
【0073】
ツイストペア設計(UTPおよびSTPおよび平行ペアの両方)では、スーパー繊維糸208、308が、断面の中心に配置される。2つ以上の導体204、304が、複数のスーパー繊維糸212、312に加えて、中心糸208、308の周囲に円形方式において配置される。理想的に、導体204、304は、中心糸の周りに互いに正反対にあるが、利用可能な糸サイズの限定は、それらが完全に正反対からわずかにオフセットされることを要求し得る。
【0074】
導体および包囲糸は、螺旋方式(ツイストペア配置)において中心糸の周りに螺旋状に巻かれる可能性が最も高いが、捻じりなしであり得る(平行ペア配置)。導体の捻じりは、電磁適合性および性能の観点から多数の利点を有することが広く理解されており、この技法は、1880年代におけるAlexander Graham Bellによるその発明以来、広く使用されている。包囲糸は、最終の電気伝送ラインケーブルが主に円形形状を有するであろうように束全体が主に円形断面を有することを促進するために、直径において導体に類似する可能性が高い。包囲糸および/または中心糸は、電気伝送ラインケーブルに課される力に耐えるための強度部材としての機能を果たす。糸は、電気伝送ラインの分布静電容量を形成する誘電材料としての機能も果たす。糸212、312が、図面では、真円であり、互いの間にある空隙を有するものとして示されるが、実際には、糸フィラメントのある程度の圧密化および再配置が存在するであろうこと、および空隙が少なくとも部分的に充填されるであろうことに留意されたい。実際に、包囲糸が中心糸の周りに捻じられるにつれて空隙が充填されることを促進するように包囲糸が互いにある程度の重複を有するように設計することが、有利であり得る。中心糸が、包囲糸と同じサイズであることも要求されず、包囲糸が全て、互いに同じサイズであることが要求されているわけでもないことに留意されたい。
【0075】
図2を参照すると、中心糸208は、強度部材、かつツイストペア伝送ライン200の2つの導体204、204’間の導体スペーサおよび一次誘電要素としての両方の機能を果たす。それは、電場強度の大部分が、中心糸208が配置された2つの導体204、204’間の領域に直接配置されるので、一次誘電要素である。
【0076】
ツイストペアの2つの導体204、204’間の距離が、伝送ラインの電気特性にかなりの影響を及ぼすことが、広く理解されている。導体204、204’の間隔をさらに離れるように空けることは、伝送ラインの減衰を減らし、望ましい。何故なら、それが、受信機が信号を正常に受信し得ることを下回るレベルまで信号が減衰させられる前、より長い長さのケーブルを横断した信号の伝送を可能にするからである。イーサネット(登録商標)ケーブルにおいて使用されるそれら等の従来のツイストペアでは、導体間隔は、典型的に、導体の周囲の絶縁の壁厚によって設定されるが、ここで提示される設計では、間隔は、中心糸の直径によって設定される。電気伝送ラインケーブル内の導体が剥き出しの銅、エナメル処理された、または「磁石」ワイヤであること、または、ツイストペアにおいて典型的であるようにポリマーを用いて絶縁され得ることに留意されたい。磁石ワイヤが使用される場合、ポリアミドまたは他の非伝導性材料の薄いコーティングが、導体を包囲する。磁石ワイヤコーティングは、中心糸の厚さよりかなり薄く、従って、伝送ラインの誘電特性に最小の影響を及ぼす。導体がポリマーを用いて絶縁される場合、絶縁が電気伝送ラインケーブルにいかなる利益も提供しないので、すなわち、それが強度部材ではなく、それが負の浮力を持つ可能性が最も高いので、絶縁厚を可能な限り小さく保つことが、有利である。導体がポリマーを用いて絶縁される場合、伝送ラインの特性は、絶縁ポリマーおよび中心糸の両方の誘電特性によって決定されるであろう。しかしながら、電気伝送ラインケーブルの全体的サイズを縮小するために、導体絶縁を完全に排除すること(または、磁石ワイヤ上で使用されるエナメル質コーティング等の非常に薄いコーティングを使用すること)が、有利である。
【0077】
図2に示されるように、包囲糸の第2の層224が、包囲糸の第1の層212を包囲し得る。これらの第2の層の糸224はまた、中心コア208の周りに螺旋状に捻じられてもよく、螺旋の方向は、必ずしもそうではないが、捻じられた糸によって発生させられる正味内部トルクを最小にするために、第1の捻じり層212のそれの反対である可能性が最も高い。この内部トルクは、電気伝送ラインに「自己的に丸まらせる」、またはそれ自体、自然に円形形状にシフトさせる傾向にあるであろう。加えて、糸自体の捻じり方向(すなわち、束にされたフィラメントは、束の中心の周りに時計回りまたは反時計回りのいずれかに捻じられる)は、内部トルクを最小にするために交互に入れ替えられ得る。任意の数の追加の糸層が、第2の層の外側に存在し得る。
【0078】
全ての糸および導体の外側において、電磁シールド(例えば、図2の220)が、電磁適合性および性能を改良するために含まれ得る。このシールドは、螺旋状に巻かれる箔テープおよび/または個々に螺旋状に巻かれる(または編組される)ワイヤの形態をとり得る(例えば、図1の104’)。電磁シールドに加えて、またはその代わりに、水膨潤性テープが、水にさらされたときに電気伝送ラインケーブルの外側ジャケット内に発現する任意の裂傷または孔を塞ぐために、使用され得る。糸自体も、同じ目標を達成するために水膨潤性コーティングでコーティングされ得る。
【0079】
図1の同軸設計では、中心部材104は、2つの導体のうちの一方である。中心導体104は、強度部材および伝送ライン誘電体の両方としての機能を果たす複数のスーパー繊維糸108によって包囲される。同軸設計の外側導体104’は、螺旋状に巻かれる箔テープ、または個々に螺旋状に巻かれる(または編組される)ワイヤ、または両方の形態をとり得る。外側導体に加えて、水にさらされたときに電気伝送ラインケーブルの外側ジャケット内に発現する任意の裂傷または孔を塞ぐために使用される水膨潤性テープが、存在し得る。糸自体も、同じ目標を達成するために水膨潤性コーティングでコーティングされ得る。
【0080】
電気伝送ラインケーブルの外側ジャケットが、導体、糸、および任意のシールドおよび/またはテープの外側にある(例えば、図2の216)。電気伝送ラインケーブルの外側ジャケットの目的は、水の流入を防止することによって、水中環境から導体、糸、および任意のシールドおよび/またはテープを保護し、電気伝送ラインケーブルが使用の過酷さに耐えるために十分に頑丈であるように、一般的な保護ジャケットを電気伝送ラインケーブルに提供することである。追加の程度の保護を提供するための複数の外側ジャケットが、存在し得る。外側ジャケットおよび内部材料(導体、糸、テープ、またはシールド)の色が、特に、異なって着色された内側材料を見せることによって外側ジャケット内の障害の明白な視覚的指示をユーザに提供するために、選定され得る。
【0081】
外側ジャケットのために利用可能な多くの材料選択肢、および材料を選択するときに考慮すべき多くの要因、すなわち、密度、靭性、最小製造可能壁厚、UV抵抗、摩滅抵抗、切断抵抗、強度、摩擦係数、製造処理温度、弾性係数、吸湿性、疎水性、耐カビ性、耐薬品性、およびその他が、存在する。水没のために設計されるケーブルは、多くの場合、外側ジャケット材料のために種々のポリウレタンまたはフッ素ポリマーのいずれかを使用する。他の潜在的材料選択肢は、熱可塑性エラストマ、シリコーン、またはその他である。ポリウレタンは、適切に低い密度(比重1.0~1.2)を有するが、それを適用するために要求される製造プロセスに起因して、典型的に、少なくとも10ミル(0.25mm)の壁厚を要求する。このジャケットの厚さは、全体的電気伝送ラインケーブルサイズにかなりの影響を及ぼす。PTFE、PFA、FEP、およびETFE等のフッ素ポリマーは、より高い密度(比重1.6~2.5)を有するが、最低1.5ミル(0.04mm)の壁厚と同程度に薄い、はるかにより薄い壁を用いて適用されることができる。壁厚を可能な限り多く減らすことは、電気伝送ラインケーブルを小さく、したがって、従来の魚釣りラインにサイズが類似している状態に保つことに役立つ。
【0082】
これらの電気伝送ラインケーブル設計の全てに関して、繊維糸および/または導体のサイズおよび/または数および/または材料は、電気伝送ラインケーブルの最大軸方向破壊力および全体的直径、および最大達成可能データ伝送および電力伝送長を増加または減少させるように調節され得る。40AWG磁石ワイヤ導体、50デニールのUHMWPEの中心糸、および6本の50デニールのUHMWPEの包囲糸を使用し、0.005インチの厚さを有するフッ素ポリマージャケットを伴う例示的UTP電気伝送ラインケーブルは、約20ミル(0.50mm)の全体的直径と、約30ポンドの破壊力とを有し、それは、直径および破壊強度が30ポンド試験の従来のモノフィラメント魚釣りラインのそれに類似する。その比重は、使用される外側ジャケット材料に応じて1.9~2.3の範囲内であり、それは、従来のフッ化炭素魚釣りラインのそれに類似する。
【0083】
代替実施形態(図示せず)では、中心糸は、存在せず、代わりに、導体および1つ以上の糸が、一緒に束にされ、捻じられる。例えば、2つの導体および1本の糸が、一緒に捻じられ、捻じられた三重体を形成し得るか、または、2つの導体が、2本の糸と束にされ、捻じられた四重体を形成し得る。このアプローチは、コスト的に有利であり得るが、それらの減衰を低く保つために2つの導体間に適正な間隔を提供することは、それに対してある程度の厚さを有するワイヤ上の絶縁材料を要求するであろう。既に述べられたように、この絶縁材料は、導体に対して絶縁および保護を提供するが、強度部材または浮力向上材としての機能を果たさず、したがって、この設計は、全体としてあまり望ましいものではないが、よりコスト効率的であり得る。
【0084】
導体は、中実コアまたは撚線構築物のいずれかであり得る。撚線構築物は、冗長性の利益をもたらし、屈曲寿命および/または可撓性の増加を示し得る。しかしながら、撚線構築物は、より高いコストに悩まされる。代替として、導体は、一緒に束にされた(おそらく捻じられた)いくつかのより小径の磁石ワイヤから成り得る。磁石ワイヤの導体は、純銅、銅被覆金属、または望ましい機械的特性、例えば、屈曲寿命を伴う合金から作製され得る。
【0085】
代替実施形態において、糸および導体は、上で提示される同心層状配置以外の他の配置において配置され得る。
【0086】
加えて、低密度充填材材料が、ケーブル構築物内で使用され、その浮力を増加させ得る。例えば、0.83の比重を有するポリメチルペンテン(TPX)等の低密度材料が、中心部材または非中心部材として含まれ得る。2.12のその低絶縁定数が、そが中心部材である場合、それを良好な伝送ライン誘電体にする。
【0087】
いくつかの実施形態において、個々の糸の捻じり方向および中心または内側部材まわり糸の捻じり方向は、糸自体が、導体が存在するケーブルの内部の中への水の流入を防止する水耐久性シールを形成するように選択され得る。個々の糸の捻じり率または中心まわりの糸の捻じり率も、この水耐久性シール機構が形成することを促進するように選択または調節され得る。これらの構築物では、ケーブルの端部をクランプ締めするか、またはそうでなければ結び付け、これらの糸のよりが戻ることを防止することが必要であり得るか、または、外側ジャケットが、糸のよりが戻ることを防止する役割を果たし得る。これらの構築物は、航海ロープ文献において「ケーブル撚り」または「水撚り」構築物として公知である。糸自体が水耐久性シールを形成する場合、外側ジャケットは、完全に不必要であり得るか、または、外側ジャケットは、水流入を防止する冗長方法であり得る。
【0088】
加えて、糸が個々に捻じられる場合、それらの単位長あたりの捻じり率は、構築物内に理想的な導体間隔を達成または維持するように選択され得る。例えば、中心糸は、それが圧密化に対してより耐久性であり、したがって、導体が互いに適正に間隔を置かれたままであり、したがって、2つの導体が中心糸の周りに互いに正反対にあるままであるように、包囲糸より高い単位長あたりの捻じり値を有し得る。代替として、中心糸が捻じられ得る一方、包囲糸の一部または全てが、捻じられていないか、または、すべてが捻じられている。包囲糸の一部または全てを捻じられていないままにすることの利点は、それらが、空隙を充填するために必要に応じて非円形の不規則的断面形状を示し、構築物に対して全体的な真円度を促進する可能性がさらに高くなり得ることである。糸の一部または全てを個々に捻じることなしでは、糸圧密化の可能性が高く、導体は、断面内で望ましくない構成に遊走することが可能となり得、それは、伝送ラインおよび電磁適合性特性に悪影響を及ぼすであろう。
【0089】
加えて、捻じり構造全体の捻じり率(「撚り長」とも称される)は、捻じられる導体ペアの電磁適合性および性能を最適化するように、または電気伝送ラインケーブルのよじれ抵抗を向上させるように、または単位長あたりのケーブルの全体重量を減らすように調節され得る。例えば、より長い撚り長は、電気伝送ラインケーブルの単位長あたりの銅ワイヤの全体量を減らすであろう。
【0090】
上記に概説されるケーブル設計は、小さく、強力かつ軽量の電気伝送ラインケーブルを要求する任意の用途(例えば、繋がれる航空車両または繋がれる水中車両)に非常に好適であり得る。誘電体および強度部材としての織編糸の使用は、小さく、軽量かつ強力である電気伝送ラインケーブルの構築物を可能にする価値があるアプローチである。
(動画魚釣りシステム)
【0091】
図4は、なおも別の実施形態による動画魚釣りシステムにおいて使用される電気アーキテクチャのシステムレベルブロック図を描写する。
【0092】
動画魚釣りシステムの電気アーキテクチャを構成する、4つの主要構成要素:基地局404、カメラモジュール408、ディスプレイ412、および随意の電気餌416が、ある。基地局404およびカメラモジュール408は、電気魚釣りライン400によって接続される。
【0093】
基地局404は、データを電気魚釣りライン400によってカメラモジュール408に、およびそれから送信するための通信電子機器420を含む。電気魚釣りライン400によって、必ずしもそうではないが、最も高い可能性として、データ伝達のために使用される同じ2つの導体によって、電力を送ることを促進するために、基地局404は、DC電力信号をACデータ信号と組み合わせるために、フィルタリング構成要素と他の回路構成要素424とを含み得る。DC電力信号は、昇圧電圧コンバータ428によって発生させられる。この昇圧コンバータ428は、基地局404および/またはディスプレイ412内の他の構成要素によって要求される電圧レベルを提供するために必要に応じて他の電圧昇圧コンバータ、降圧コンバータ、または昇圧/降圧コンバータを含み得る。電圧コンバータに入力される電力は、例えば、随意に、含まれるバッテリまたは別のDC電圧源432からのDC、または、例えば、主要配線436からのACであり得る。電気魚釣りライン400によって電力を伝送するために使用される昇圧コンバータ428は、安全性の理由のために高電圧バスに取り付けられる静電容量の量を限定しながら、通信信号に干渉し得る出力リップルを減らすための静電容量倍増器を含み得る。それは、安全性の理由のために出力電流限定回路網(図示せず)も含み得る。基地局404内の通信電子機器420は、電気魚釣りラインによるデータ伝達を促進する。このデータは、追加の処理のために基地局404内のプロセッサ440、および/またはディスプレイ412、および/または無線ブロードキャスティング装置444に向かって送信され得る。追加のセンサ448(例えば、屋外空気温度センサ、周囲光、地理的位置)が、基地局プロセッサ440に接続し、釣り人に提供するための有用な情報を捕捉し得る。データは、将来のアクセスのために(例えば、将来において動画を視聴またはダウンロードするために)メモリ内に記憶するためにデータ記憶デバイス452にも送信され得る。基地局404はまた、オーディオを捕捉するためのマイクロホン(図示せず)を含み得る。基地局404は、場所を決定するためのGPSセンサも含み得る。基地局404は、システムに給電するために、またはシステムのバッテリ432を再充電するために、リールのスピン運動からエネルギーを収穫し得るエネルギー収穫システム(図示せず)(すなわち、発電器)を含み得る。
【0094】
防水性の耐深度カメラモジュール408が、電気魚釣りラインの遠位端に配置される。電気魚釣りライン400は、釣り人の魚釣りラインと、電気導管との両方としての役割を果たし、電気導管は、カメラモジュール408から(釣り人の近傍に配置される)基地局モジュール404に、および逆にも同様にデータを伝達するために、かつ基地局モジュール404からカメラモジュール408に電力を送るために使用される。釣り人は、所望に応じて、魚釣りロッドまたはリール上の物理的制御部から、または無線で連結される制御部からカメラモジュール408にコマンドを送信し、カメラモジュールの種々の機能性を制御すること(例えば、目的物の照明のためにライトを作動させること)が可能である。
【0095】
カメラモジュール408は、データを電気魚釣りライン400によって基地局404に、およびそれから送信するための通信電子機器456を含む。電気魚釣りライン400によって、必ずしもそうではないが、最も高い可能性として、データ伝達のために使用される同じ2つの導体によって、電力を受信することを促進するために、カメラモジュール408は、ACデータ信号からDC電力信号を分離するために、フィルタリング構成要素と、他の回路構成要素460とを含み得る。DC電力信号は、電圧降圧コンバータ464の入力に接続する。DC電力信号は、1つ以上のダイオード、またはフルブリッジ整流器を通して通過し得、それらは、安全性の理由のために、降圧コンバータの入力静電容量が電気魚釣りライン400の中に放電することを防止するために含まれる。降圧コンバータ464は、カメラモジュールおよび/または電気餌内の他の構成要素によって要求される電圧レベルを提供するために必要に応じて、他の降圧コンバータ、昇圧コンバータ、または昇圧/降圧コンバータを含み得る。カメラモジュール408は、カメラモジュール408および/または電気餌416内の構成要素に電力の一部または全てを提供するために、バッテリまたは他の電源468を含み得る。それは、一時的な大きい電力スパイクを要求し得る電気構成要素、例えば、フィンを作動させるためのモータにバースト電力を提供するために使用される追加のエネルギー貯蔵デバイス(図示せず)も含み得る。カメラモジュール408は、1つ以上の画像センサ472を含み、目的物の照明のためのLEDまたは他の光発生デバイスを含み得る。カメラモジュール408は、画像センサ472からデータを受信し、それにデータを送信するプロセッサ476も含む。プロセッサ476は、画像および/または動画のエンコーディングを実施し、データのサイズを縮小し、電気魚釣りライン400を横断した伝送を促進し得る。追加のセンサ480、480’が、釣り人に提供するための種々の興味のあるデータ、例えば、水温、水深、水中塩分、周囲光を収集するために、カメラモジュール408内に含まれ得る。これらのセンサ480、480’は、カメラモジュールプロセッサ476にデータを送信し、それからデータを受信し得、画像センサ472および/または画像処理設定を調節し、画質を改良するために使用され得る。カメラモジュール408は、センサまたは動画または写真データを記憶するためのデータ記憶デバイス484も含み得る。カメラモジュール408は、オーディオを捕捉するためのマイクロホンおよび/または水中聴音器(図示せず)も含み得る。
【0096】
有線電気アプローチは、典型的な魚釣り設定において使用される距離にわたって必要なデータ率を達成することができ(カメラモジュール408内での動画圧縮を仮定して)、電力も、高効率においてラインによって送信され、カメラモジュール408内のバッテリの必要性を不要にし得る追加された利益を伴う。バッテリがなければ、カメラモジュール自体は、並はずれて小さく、軽量であり(理想的に、ほぼまたは厳密に中立の浮力を持つか、または、異なる魚釣り技法の必要性を満たすための調節可能な浮力を伴う)、ほぼ口紅のケース大のサイズであることができる。カメラは、魚釣り体験に有害なまたは著しい影響を及ぼさないほど十分に小さく、軽量であるべきであり(特に、釣り人が、カメラモジュールを水の中にキャスティングしている場合)、バッテリがカメラモジュールの内側に要求されない場合、これを達成することは、可能である。加えて、データを伝達するために使用される同じ導体も、電力を伝達するために使用されることができ、それは、導体の数を最小に保つことによって、より小さいサイズの電気魚釣りラインを達成することに役立つ。ラインのサイズおよび重量は、魚釣りをしているときのキャスト性および使い易さに影響を及ぼす。有線電気アプローチは、釣り人に従来的な釣りとほぼ同じ体験を提供する動画魚釣りシステムを生成する包括的な目標を達成するための1つの方法である。故に、実施形態は、電気魚釣りライン、すなわち、魚釣りライン、通信リンク、および電力供給源導管としての機能を果たす単一のケーブルを使用する。
【0097】
随意に、電気餌416が、追加の長さの電気魚釣りライン400’を通してカメラモジュール408に接続し得、電気魚釣りライン400’は、取り外しおよび取り付けを容易にするためのコネクタまたは他の装置を含むもとも、含まないこともある。この電気餌416は、データ収集、および/または電気餌内での使用の機能性(例えば、魚を引き付けるための照明または振動、目的物の照明等)を促進するための画像センサ、他のセンサ、プロセッサ、または他の構成要素を含み得る。電気餌は、オーディオを捕捉するためのマイクロホンまたは水中聴音器も含み得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、カメラモジュール408および餌/疑似餌416は、単一の「カメラ疑似餌」装置に組み合わせられる。カメラ疑似餌は、カメラモジュール(動画捕捉部、データ捕捉部等)および疑似餌(魚の掛りを誘導するためのパターンおよび/または色、掛り後に疑似餌上に魚を保持するためのフック等)の機能性を組み合わせる。
【0099】
基地局モジュール404に接続されるディスプレイ412は、情報提供および/または娯楽目的のためのカメラモジュール408および/または電気餌416からの動画および他のデータのリアルタイムまたは事後の視認を可能にする。ディスプレイ412は、魚釣りロッド上に搭載されるか、または他所に配置され、釣り人および/または他の観察者を可能にし得る(ローカルまたは遠隔のいずれか、例えば、ウェブ上でのライブストリーミングプラットフォーム上)。ディスプレイ412は、ワイヤを通して基地局404に接続し、動画および/または電力接続を促進し得るか、または、それは、無線であり得る。ディスプレイ412は、専用のモニタまたはユーザのパーソナルデバイス、例えば、電話、タブレット、ラップトップの形態をとり得る。
【0100】
動画魚釣りシステムはまた、電気魚釣りラインの健全性の状態を査定するための診断試験を実施するための機能性を含み得る。これらのケーブル診断試験は、時間領域反射率測定または類似の技法を使用し、電気魚釣りライン内の障害を位置特定し得る。この診断情報は、問題解決フィードバックを提供するために、または差し迫るケーブル電気的障害または電気的障害までの推定時間を通知するために、動画魚釣りシステムのユーザに通信され得る。
【0101】
加えて、動画魚釣りシステムは、電気魚釣りライン内の導体のDC抵抗が測定され得るように、カメラモジュールおよび/または基地局内の電圧および電流測定を含み得る。導体のDC抵抗を測定することは、基地局とカメラモジュールとの間に接続される魚釣りラインの長さの正確な推定を可能にし、それは、釣り人に提供すべき価値がある情報である。
【0102】
そのようなシステムは、魚釣り以外の活動、例えば、水中環境の探査、海洋研究、水中機器の検査、偵察等のためにも有用であり得る。
(電気魚釣りライン)
【0103】
一実施形態において、電気伝送ラインケーブルは、釣り人が、その(生きている、または人工的のいずれかの)餌および/または水中環境をリアルタイムで観察することを可能にする動画魚釣りシステム内の電気魚釣りライン(例えば、図4の400)として展開される。
【0104】
従来の魚釣りラインを綿密に模倣するために、電気魚釣りラインは、浮力、サイズ、破壊力、強度、摩滅抵抗、吸湿性、疎水性、UV抵抗、可撓性、屈曲寿命、弾性係数、耐薬品性、耐カビ性、および他の性質の観点から従来のラインに可能な限り類似する。典型的なモノフィラメント、フッ化炭素、および編組魚釣りラインは、0.97~2.0の範囲内の比重を有し、従って、電気魚釣りラインの浮力は、この範囲内にあるべきである。電気魚釣りラインのための1つの目標は、それが、例えば、キャストアンドリトリーブ、垂直ジギング、流し釣り、底釣り、磯キャスティング、毛針釣り等の種々の様式の魚釣りのために同じ様式において使用され得るように、これを従来の魚釣りラインに可能な限り類似させることである。より高密度の魚釣りラインは、より高い沈下率を有し、それは、魚釣りのいくつかの様式に関して問題となり、従って、比重を約2.5を下回るように保つことは、使い易さのために重要であり得る。「流し釣り」として公知である魚釣り技法を実践するとき、一般的に、非常に高い密度を伴うリードコアまたは別のコア材料を用いて作製される非常に高密度の魚釣りラインを有することが、望ましくあり得ることに留意されたい。高密度魚釣りラインを使用するための動機は、流し釣りを行う間に、ラインおよび餌が水を通して引っ張られるにつれて、餌を水面を優に下回って浮遊された状態に保つための十分な沈下力を提供することである。高密度を伴う電気魚釣りラインを作製するために、より大きい導体またはより高密度の金属から作製される導体が、使用され得る。より高密度の金属は、銅より低い伝導率を有し得るが、増加させられるサイズは、ラインの電気性能が十分であろうように、増加させられる抵抗率を相殺する以上のものである可能性が高いであろう。
【0105】
いくつかのタイプの毛針釣りラインが、典型的に、水上に浮くように(1未満の比重)設計され、典型的に、他の魚釣りラインタイプより大きい直径を有することに留意されたい。毛針ラインを正の浮力を持つように作製するために使用される同じ設計技法を使用して浮く電気魚釣りラインを生成することが、可能である。これは、ラインのコアを低密度材料、例えば、発泡されたポリマーで包囲することによって達成されることができる。
【0106】
電気魚釣りラインは、任意の長さを有し得るが、典型的に、大半の従来の魚釣り設定がこの範囲内のライン長を有するので、50~500メートルの長さを有するであろう。許容可能な品質のエンコードされたデジタル動画の伝送は、典型的に、秒あたり30フレームにおける1,080p分解能のために少なくとも1Mbpsのデータ率を要求し、より高いデータ率は、分解能、フレーム率、および画質の向上を可能にする。有線媒体によってこれらのデータ率を達成することは、最大少なくとも数百kHz~数MHzの電磁スペクトルの使用を要求する。データは、少なくとも高kHz~低MHz範囲内の信号通信を使用して通信されるであろうから、ワイヤが信号の周波数の波長のほぼ1/20の伝送ライン挙動を示し始めるので、電気魚釣りラインがその長さに起因して伝送ラインとしての機能を果たすであろうことが、知られている。500kHzの信号周波数を前提とすると、波長は、600メートルであり、従って、波長の1/20は、30メートルであり、それは、ワイヤが長さにおいて30メートルより長い場合、それが伝送ラインとしてモデル化されるべきことを意味する。
【0107】
電気魚釣りラインは、従来の魚釣りラインのための代替物である。それは、典型的魚釣りラインと同じ方法において魚釣りリールの巻き取り機上に巻かれる。電気魚釣りラインの近位端は、魚釣りリールに接続し、魚釣りリールは、基地局モジュールに電気的に接続される。基地局モジュールは、魚釣りロッド上またはその近傍のいずれかに配置され得るか、または、釣ロッドまたはリールの中に完全に統合され得る。電気魚釣りラインの遠位端は、カメラモジュールに接続する。
【0108】
電気魚釣りラインの遠位端において、動画魚釣りシステムを組み立てること、または分解すること、または必要に応じて電気魚釣りラインを変更することをより容易にするために、ラインからのカメラモジュールの接続解除を可能にするためのコネクタが、存在し得る。電気魚釣りラインの近位端においても、動画魚釣りシステムを組み立てる、または分解すること、または必要に応じて電気魚釣りラインを変更することをより容易にするために、魚釣りリールからの電気魚釣りラインの接続解除を可能にするためのコネクタが、存在し得る。これらのコネクタは、データおよび電力の伝達を可能にするための電気接続を作成し、電気魚釣りラインに沿った力の伝達を可能にするための機械接続も形成する。電気魚釣りラインの遠位端におけるコネクタは、カメラモジュールに直接、またはカメラモジュールに恒久的に取り付けられる電気魚釣りラインの短いピグテールに篏合する。電気魚釣りラインの近位端におけるコネクタは、魚釣りリールに直接、または魚釣りリールに恒久的に取り付けられる電気魚釣りラインの短いピグテールに篏合する。
【0109】
カメラモジュールの外に電気魚釣りラインのピグテールが存在する場合、潜在的な魚の噛付または他の損傷源からこれを保護するために、ラインのこの区分に装甲を施すことが、有利であり得る。
【0110】
代替として、電気魚釣りラインは、機械的および電気的の両方で、カメラモジュール筐体の内側において終端し得る。このアプローチでは、電気魚釣りラインは、例えば、ラインの外側ジャケットの周囲でのOリングの使用を通して、カメラモジュールの中への水の進入を防止するために、シールされる様式においてカメラモジュール筐体の中に入る。電気魚釣りラインの強度部材が、次いで、ある方法、例えば、糸結び、圧着等においてカメラモジュール筐体に定着させられ、カメラモジュールから魚釣りラインへの力の伝達を可能にする。電気魚釣りラインの内側における導体は、次いで、カメラモジュールに接続され、電気接続部を形成する。電気魚釣りラインをカメラモジュールに、およびその内側にシール、定着、および接続するこのプロセスは、現場または自宅のいずれかにおいて動画魚釣りシステムのエンドユーザによって実行され得る。エンドユーザは、例えば、損傷を受けた電気魚釣りラインの長さを切り離し、カメラモジュールのラインの残りの損傷を受けていない長さを再度終端することを所望し得る。類似のアプローチが、基地局への電気魚釣りラインの接続のために使用され得る。
【0111】
餌において終端する典型的な魚釣りラインまたは電気魚釣りラインのいずれかである別のラインが、カメラモジュールの遠位端から延びている。この終端ライン(魚釣りの専門語において「リーダライン」と呼ばれる)が、電気魚釣りラインである場合、電力および/またはデータが、電気餌内の種々の電気的および/または機械的機能(例えば、餌の照明または閃光発光、または餌の機械振動または運動)が作動させられることを可能にするために、電気魚釣りラインを横断してカメラモジュールから電気餌に、または逆も同様に通信され得る。そのような電気餌機能は、魚が電気餌に掛る可能性を増加させるために、釣り人によって作動させられ得る。
【0112】
ライン破断の発生の場合のカメラモジュール喪失のリスクを減らすために、リーダラインは、電気魚釣りラインより弱くあることができる。この設定を用いると、餌が引っ掛かった場合、または、引っ掛けられた魚がリーダラインを破断させるために十分に強力および/または大きい場合、リーダラインが、電気魚釣りラインの前に切れるであろう。餌は、喪失されるであろうが、カメラモジュールは、回収されるであろう。
【0113】
電気魚釣りラインは、各端部上にコネクタを伴う複数のより短い長さの電気魚釣りラインからも組み立てられ得る。これらのコネクタは、それらがユーザ体験に対する大きいまたは有害な影響を伴うことなく、魚釣りリール上に巻き取られ得るために十分に小さい。このように複数のより短い電気魚釣りラインからより長い電気魚釣りラインを形成する利点は、ライン障害の発生の場合、ライン全体が、交換される必要がないであろうということである。むしろ、単純に、機能しなくなった電気魚釣りラインのセグメントは、交換されるであろう。この設定は、特に長い魚釣りライン、例えば、400メートル以上のものを使用した任意の魚釣り技法のために特に有利であろう。そのような設定では、4つの別個の100メートルの電気魚釣りラインを直列に一緒に接続することによって、単一の400メートルの電気魚釣りラインが、組み立てられ得る。
(インラインスリップリング)
【0114】
いくつかの餌が、魚を引き付けるために、意図的にまたは非意図的に、それらが水を通して移動されるにつれて、魚釣りラインの長軸の周りにスピンするであろうことが広く理解されている。回転を可能にするように設計されるスイベルまたは他の構成要素の存在を伴うことなく、これは、魚釣りラインがその長軸の周りに捻じられるライン捻じりとして公知である一般的現象につながり得る。ライン捻じりは、ラインを恒久的に変形、損傷、または破壊し得る。この問題を防止するために、スイベル要素が、典型的に、魚釣りラインと一直線に、すなわち、通常、主ラインとリーダラインとの間に、または餌とラインとの間に直接設置される。
【0115】
電気魚釣りラインのための同じライン捻じり補償機構を提供するための1つのアプローチは、インライン電気スリップリングを伴う。スリップリングは、スリップリングの片側が他側に対して回転する間でも、スリップリングの両側の2つの導体間の電気接触を維持する。スリップリングは、カメラモジュールと電気魚釣りラインの遠位端との間のコネクタに、またはその中に配置され得るか、または、カメラモジュールの外のピグテール上に配置され得るか、または、カメラモジュール自体に統合され得る。スリップリングは、電気魚釣りラインに沿った任意の場所にも配置され得る。スリップリング(または追加のスリップリング)は、電気餌が、使用される場合、カメラモジュールとそのような電気餌との間にも配置され得る。スリップリングは、魚釣り技法または餌の提示に悪影響を及ぼさないように、防水性であり、中立的に、またはほぼ中立的に浮揚性であるように設計される。
(魚釣りリールスリップリング)
【0116】
大半の魚釣りリールが、魚釣りラインが釣り人に対して回転するように設計されるので、電気スリップリングは、魚釣りリールにおいて必要である可能性が最も高い。「スピニング」リール(「固定巻き取り機」リールとも呼ばれる)は、「ドラッグ」条件下で、すなわち、ラインが魚によってリールから引き離されているとき、ラインを破断から防ぐように、魚釣りロッドの長軸に対して平行な軸の周りに回転する巻き取り機を有する。「餌キャスティング」リールは、通常の条件下、すなわち、キャスティングまたはレトリービングするとき、魚釣りロッドの長軸に対して直角の軸の周りに回転する巻き取り機を有する。電気スリップリングは、回転するリールに対して固定される可能性が最も高い、基地局間の電気的導通を維持しながら、巻き取り機の回転を可能にする。電気スリップリングは、リール自体に統合される可能性が最も高い。電気スリップリングは、2つ以上の導体を有する。それは、AC通信信号、DC電力信号、または両方の信号を通すように電気的に配置され得る。
(カメラモジュール)
【0117】
カメラモジュールは、電気魚釣りラインの遠位端に配置され、ユーザに水中環境のリアルタイムのビューを提供する。それは、動画魚釣りユーザ体験が、従来の釣りに可能な限り類似するように、釣り体験に可能な限り影響を及ぼさないように設計される。これを達成するために、カメラモジュールは、可能な限り小さく、かつ中立またはほぼ中立の浮力を伴うように作製される。カメラモジュールのサイズを縮小することは、それが水を通して引っ張られているとき、発生させる抗力を減らす。カメラモジュールを中立の浮力に調節することは、それが、餌に正または負の揚力を与えないことを確実にし、それによって、餌は、カメラが存在しないときに移動する同じ方法において水を通して移動する。カメラモジュールは、カメラモジュールが水を通して引っ張られるときの動的安定性を確実にするための安定化フィンも含み得る。これらの安定化フィンは、調節可能であり得、それによって、釣り人は、その現在の魚釣り技法、餌、または環境条件のために泳動動態を改良するためカメラを最良に調節し得る。これらのフィンの仰角は、電気作動機構を通して受動的にユーザ調節可能または能動的にユーザ調節可能であり得る。カメラモジュールは、主として、餌が水を通して引っ張られる動的魚釣り技法(例えば、キャストアンドリトリーブ、流し釣り)のために設計されるが、それは、餌およびカメラが静止状態である静的技法(例えば、浮き釣り、底釣り)に対しても非常に好適である。加えて、カメラは、それが岩または沈められた木または他の構造物等の水中構造物上に引っ掛かった状態になる可能性が低くなるように、流線形状を有するように設計される。カメラモジュール形状は、低い流体力学的抗力も有するように設計される。
【0118】
カメラモジュール内の構成要素は、カメラモジュールに、その浮心の下方にある重心を与えるような方法において位置付けられる可能性が高い。この特徴を用いると、カメラモジュールは、水中で自然に自己復元し、捕捉された動画が直立状態であるように、直立状態のままである傾向にあろう。これは、潜水したとき、それらを直立状態に保つために潜水艦によって採用される同じ原理である。追加のバラストが、この特性をさらに向上させるためにカメラモジュール内またはその下方に含まれ得る。加えて、カメラモジュール内に配置されるプリント回路基板(PCB)は、それが低い重心を有することを促進するように設計され得る。例えば、回路基板上の最も高密度の構成要素(例えば、インダクタ)は、それらがカメラモジュール内に低く置かれるように、基板の底部上に配置され得る。
【0119】
カメラモジュールは、以下の電気構成要素、すなわち、1つ以上の画像センサ、画像信号処理および動画および画像のエンコーディングが可能であるホストプロセッサ、通信電子機器、電力受信電子機器、逆放電保護ダイオード、および追加のセンサのうちのいくつかまたは全てを含む。それは、可視光LEDまたは赤外線LED等の餌および/または水中環境の照明のための電子機器も含み得る。それは、1つ以上のIRカットフィルタも含み得る。それは、各画像センサのためのレンズも含み得る。それは、バッテリまたは他のエネルギー貯蔵デバイスも含み得るが、これは、中立的に浮揚性の小さいカメラモジュールを達成する実行可能性に影響を及ぼすであろう。バッテリまたはエネルギー貯蔵デバイスは、その目的が時間の100%においてカメラモジュール全体に給電することではなく、必要であるときにバースト電力要件を提供することである小さいデバイスであり得る。バースト電力要件を含むであろうアーキテクチャの例は、釣り人によってコマンドされるとフィンの仰角を調節するために使用される電気作動である。別の例は、ユーザによってトリガされる餌照明機能性である。それらの高電力密度に起因して、スーパーコンデンサが、その目的が状況によってバースト電力を提供することであるエネルギー貯蔵デバイスのための良好な選択肢であり得る。バースト電力エネルギー貯蔵デバイスは、これらのコマンドされる機能性が必要に応じてトリガされ得るように、導体によって送られる電力から入手可能である余剰電力を使用して定期的に再充電されるであろう。
【0120】
カメラモジュールは、電気魚釣りラインが接続される一次ポートを含む。代替として、一次電気魚釣りラインのためのポートは、カメラモジュールに取り付けられる短いピグテールの端部におけるコネクタであり得る。一次ポートは、以下の機能:力がカメラモジュールからラインに伝達され得るような、カメラモジュールへの電気魚釣りラインの機械的取り付けおよび/または定着、データおよび/または電力がカメラモジュールとラインとの間で伝送され得るような電気接続、およびカメラモジュールおよび/またはラインの中への水の流入を防止するようなシールのうちのいくつかまたは全てを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、一次ポートは、カメラモジュールおよび/または電気魚釣りラインの中への水の流入を防止するためのシールのために使用され、機械定着部および電気接続部は、カメラモジュールの内側に配置される。
【0121】
カメラモジュールは、リーダ長の追加の電気魚釣りラインが接続する二次電気ポート、または二次ピグテールも有し得る。この二次ポートは、前に説明されたように、電気的に給電される特徴との餌の接続および通信を可能にする。二次ポートは、餌をカメラモジュールに機械的および電気的に接続し、力、通信、および電力の伝達を可能にする役割を果たす。
【0122】
カメラモジュール筐体は、カメラモジュールに内蔵される構成要素への包囲する水および深度圧力からの保護を提供する。それは、内部構成要素が使用中に受け得る魚の掛りまたは他の影響から内部構成要素を保護する。
【0123】
カメラモジュール筐体内の電子機器およびセンサは、約1気圧の圧力環境内にあり、すなわち、カメラモジュール筐体は、圧力容器としての機能を果たす。代替として、カメラモジュールは、浸水設計を採用し得、浸水設計において、水は、カメラモジュールおよび電子機器内の非占有の空間の一部または全てを充填し、センサは、コーティングされるか、または注型封入され得るか、または水からある他の方法で保護される。
【0124】
カメラモジュールは、カメラモジュールの浮力を調節するための機構を含み得、それによって、カメラモジュールは、釣り人の魚釣り技法、餌、および環境条件のための使用を最適化するように調節され得る。例えば、カメラは、カメラおよび餌が水中に沈むことを促進するために、重いように調節され得るか、または、カメラおよび餌が水中で上昇または浮くことを促進するように、軽いように調節され得る。浮力も、魚釣りされている水の密度に従って調節され得、例えば、塩水は、塩水のより高い密度に起因して、真水が与えるより大きい浮揚性力を沈められた物体に与える。
【0125】
カメラモジュールは、環境条件についてのデータを収集する追加のセンサを含み得る。このデータは、情報提供目的、教育的目的、および娯楽目的のために釣り人に提供されることができる。加えて、このデータは、カメラモジュールホストプロセッサの画像信号処理によって、画質を改良および/または調整するために使用されることができる。以下のセンサ、すなわち、深度または圧力センサ、水温センサ、水浸漬センサ、塩分センサ、水速度センサ、周囲光センサ、赤外線センサ、力センサ、機械的歪みセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、全地球測位システム(GPS)センサ、内部温度センサ、マイクロホン、および水中聴音器、およびその他が、カメラモジュール内に含まれ得る。代替実施形態は、カメラモジュール内に深度サウンディングおよび/またはソナー能力を含み得る。
【0126】
カメラモジュールによって捕捉される画像およびセンサデータも、センサ融合技法を使用して、別個のシステムから捕捉されるソナーまたは他のデータ、例えば、ボートに搭載されるソナーシステムからのデータと統合され得る。
【0127】
カメラモジュールは、2つ以上の画像センサを含み得る。例えば、それは、正面に面する画像センサと、背面に面する画像センサとを含み得、それによって、餌およびボートおよび/または釣り人の両方が、、同時に視認および/または録画され得る。代替として、それは、360度ビュー画像が画像スティッチングを用いて生産されることを可能にするように円周に配置された複数の画像センサを含み得る。代替として、いくつかのレンズが、これらのビューを提供するために下向きまたは上向きに面し得、これらのビューは、垂直ジギング等のある魚釣り技法のために有益であり得る。
(電気魚釣りラインによるデータの送信)
【0128】
デジタル動画の増大し続ける分解能およびフレーム率に起因して、デジタル動画システムによって発生させられる未加工データの量は、大きい。例えば、24ビットの典型的なカラー深度を伴う秒あたり30フレーム(fps)における1,920×1,080ピクセルの動画ストリーム(別様に、フル高解像度、すなわち、FHD分解能として公知である)は、秒あたりほぼ1.5ギガビット(Gbps)のデータを発生させる。分解能が、3,840×2,160ピクセル(4K分解能としても公知である)まで増加させられる場合、データ率は、ほぼ6Gbpsに増加する。有線媒体によってそのような高データ率を伝達することは、電力集約的かつ高価であり、高周波数において低挿入損失を伴うケーブルを使用することを要求する。10GBase-T、最大10Gbpsまで定格化されるイーサネット(登録商標)規格は、各々が250MHzにおいて31.1dB以下の挿入損失まで定格化される4つのツイストペアを含むカテゴリ6のケーブル配線の使用を要求する。その挿入損失規定を満たすことは、55メートルの最大ケーブル長において少なくとも24AWGの銅導体の使用を要求する。その大きいサイズ(約5mmの直径)に起因して、魚釣りラインとしてカテゴリ6のイーサネット(登録商標)ケーブルを使用することが実行可能ではないことは、明白である。参考のために、25ポンドの試験モノフィラメントは、直径が約0.5mmである。目的は、直径が従来の魚釣りラインに可能な限り類似するような電気魚釣りラインを作製することであるので、Gbps範囲内のデータ率が、実現可能ではないこと、および動画圧縮(動画エンコーディングとも呼ばれる)が要求されることが、明らかである。
【0129】
使用されている多くの動画エンコーディング規格、例えば、アドバンスド動画コーディング(AVC、またはH.264)および高効率動画コーディング(HEVC、またはH.265)が、ある。これらの技術は、デジタル動画のデータ率をかなり減らすために、圧縮技法を使用する。例えば、H.264エンコーディングを使用する1,080pの30fps動画は、1~5Mbpsの範囲内のデータ率を有しながら、依然として優れた画質を達成し得る。H.265を使用すると、4Kの60fps動画を10Mbpsにエンコードしながら、依然として優れた画質を達成することが、可能である。
【0130】
電気伝送ラインでは、信号周波数と減衰との間にある関係が存在することが、広く理解されている。具体的に、(より高いデータ率を可能にする)より高い周波数は、より低い周波数より厳しく減衰させられ、それは、達成可能な伝送距離を減らす。加えて、(電気魚釣りライン全体を小さく軽量に保つために望ましい)より小さい導体の使用は、より大きい導体のそれより高い減衰をもたらす。動画魚釣りシステムに関して、伝送データ率および距離に関する合理的な要件は、10Mbpsおよび100メートルである。また、電気魚釣りラインを可能な限り小さく保つことも、所望され、例えば、前に提示された40AWGツイストペアのUHMWPEは、0.50mmの外径と、30重量ポンドの破壊力とを伴う。記述する時点において、この目標、すなわち、10Base-T1Lの単一対のイーサネット(登録商標)および直交周波数分割多重(OFDM)を利用する電力ラインモデムを達成することが可能である2つの技術が、存在する。
【0131】
10Base-T1Lは、最大10Mbpsの双方向および同時データ率を伴う導体の単一の対による全二重通信リンクを確立する。10Base-T1Lの伝送距離は、18AWGケーブル配線を使用して1,000メートル以上である。しかしながら、より小さい導体が、使用される場合、この伝送距離は、前に記載されるように、減らされるであろう。10Base-T1L規格は、以下によって定義される2.4Vpp動作モードに関する挿入損失限界を規定する:
【数1】
式中、fは、MHzにおける周波数であり、0.1≦f≦20である。
【0132】
この挿入損失限界は、着目周波数帯域における所与の単位長あたりの挿入損失に関して、10Base-T1Lリンクを確立し得る電気魚釣りラインの最大長を予測するために使用されることができる。40AWGの例示的電気魚釣りラインに関して、135メートルのケーブル長が、この挿入損失限界に近いが、この範囲内に留まる。導体サイズ、間隔、および誘電材料特性を調節することは、挿入損失、したがって、最大達成可能10Base-T1L伝送距離に影響を及ぼす。もののサイズをスケールアップすることは、例えば、、10Base-T1Lリンクを達成するための破壊強度の増加、直径の増加、および最大許容長の増加を伴う電気魚釣りライン設計をもたらすであろう。言い換えると、より大きく、より強力な魚釣りラインは、より長い伝送距離を達成し得る。このように設計をスケーリングすることによって、異なる強度、長さ、およびサイズの電気魚釣りラインが、異なる魚釣り技法の必要性に対処するように生成されることができる。記述する時点において、ここに提示される40AWGの例示的設計による10Base-T1Lリンクの確立は、周知のシリコン生産業者から新たに発売される10Base-T1L集積回路を使用して、75メートルのケーブル長を用いて正常に試験および実証されている。
【0133】
ベースバンド信号通信を使用する10Base-T1Lに対する代替アプローチは、OFDMを採用する電力ラインモデムを使用することであり、それは、利用可能なスペクトルのより多くを利用する広帯域信号通信アプローチである。電力ラインモデムは、高スループットデータを伝送するための媒体として自宅、オフィス、または他の設定内で電力供給ラインを使用する通信技術である。OFDMは、利用可能なスペクトルを多くのサブキャリアに分割し、ベースバンド信号通信技法に優る増加させられたスペクトル効率を可能にする。所与のスペクトル帯域幅、挿入損失、およびノイズプロファイルに関して、電力ラインモデムは、10Base-T1Lより高いデータ率をもたらし得る。10Mbpsを上回るデータ率は、複数の画像センサの入力から形成される極めて高い分解能、フレーム率、またはスティッチングされた動画のために有用であり得る。しかしながら、記述する時点において、利用可能な電力ラインモデムデバイスは、10Base-T1Lデバイスが要求するよりかなり多くの電力を要求し、それらを遠隔で給電されるカメラモジュールを伴う動画魚釣りシステムのためにあまり魅力的ではない選択肢にする。電力は、高抵抗導体によってカメラモジュールに供給されているので、カメラモジュールにおける電力引き出しを減らすことは、重要である。例えば、典型的電力ラインモデムは、2~3Wの電力を消費する一方、10Base-T1LのPHYまたはMACおよびPHYは、130mW未満の電力を消費する。カメラモジュールにおける電力引き出しを減らすことは、より高抵抗の導体の使用を可能にし、それは、小さい直径、長さ、または両方を伴う電気魚釣りラインを可能にする。
【0134】
データの大部分が、カメラモジュールから基地局に伝達されるであろうが、双方向通信リンクは、価値を有するものである。特に、それは、カメラモジュールプロセッサ内のファームウェアの遠隔のプログラミングまたは再プログラミングを可能にし、かつ釣り人がカメラモジュール内のある機能性、例えば、照明光、振動等を作動させるためのコマンドを発行することを可能にする。
(電気魚釣りラインによる送電)
【0135】
前に議論されるように、電気魚釣りラインの導体によって電力を送ることは、カメラモジュールの内側に配置されるバッテリまたは他のエネルギー源の必要性を不要にし、それは、そのサイズおよび重量を劇的に減らす。データを伝送するためにAC信号を搬送する導体の同じ対によってDC電力を送ることによって、電気魚釣りラインの内側における導体の総数が、単一の対まで減らされることができ、それは、従来の魚釣りラインに非常に類似するより小さくより軽量の電気魚釣りラインの構築を可能にする。しかしながら、小さい導体の使用は、高DC抵抗を提示し、電力は、高DC抵抗によって伝送されなければならず、それは、課題を提示する。加えて、電気魚釣りラインが、リールの巻き取り機上に巻かれるとき、それは、この構成における熱抵抗の有効増加に起因する過熱をより受け易い。言い換えると、巻き取りされた電気魚釣りラインの内側巻線(本質的に、連続する外側巻線の下に埋められている)において発生させられた熱は、典型的に、不十分な熱伝導率を有する絶縁材料を通して伝導されなければならない。
【0136】
両方の課題に対する解決策は、高電圧および低電流におけるDC電力を伝送するのみならず、より少ない電力が電気魚釣りラインによって伝送されなければならないようにカメラモジュールの電力引き出しも減らすことによって、導体内の抵抗電力損失を減らすことである。記述する時点において、カメラモジュールによって要求される電力に関する良好な推定値は、1Wであり、それは、3つの主要構成要素:画像センサ、動画プロセッサ、および通信電子機器によって消費される。
【0137】
AC信号伝送のために使用される同じ導体によってDC電力を送る技術の一般的例は、パワー・オーバー・イーサネット(登録商標)(Power over Ethernet(登録商標)、PoE)である。安全性の理由のために、PoEシステムの電圧は、それらが人に対する感電の危険を提示せず、統制規格であるIEC62368-1によってES1として分類され得るように、60V以下に限定される。抵抗器を通して負荷に送達され得る電力が、V/4R(式中、Vは、ソース電圧であり、Rは、導体の抵抗である)によって定義されることが、広く理解されている。上で提示される100メートルの長さの40AWG電気魚釣りライン設計に関して、総往復抵抗は、688オームであり、それは、負荷への1.3Wの最大電力送達を可能にするであろう。この量の電力を送達することは、43mAのDC電流を要求するであろう。
【0138】
しかしながら、前に提示される熱限界を所与として、40AWG電気魚釣りラインにおける43mAの電流は、多すぎる熱を発生させ、ラインの外側絶縁部内および上に製品の安全性および信頼性のために高すぎる温度を生産するであろう。磁石ワイヤに関して、最大許容可能電流を推定するために使用される一般的技法は、電流密度のメトリックを使用することである。磁石ワイヤを使用して巻かれる変圧器に関して、使用される一般的上限は、2.5A/mmであり、それは、40AWGワイヤに関して、25mAに置き換えられる。しかしながら、電気魚釣りラインは、構築物における他の材料(例えば、糸、外側ジャケット)の追加に起因して、純粋な巻かれた磁石ワイヤより低い熱伝導率を有するであろう。加えて、電気魚釣りラインの温度は、接触温度安全要件に起因して、この経験則が意図される変圧器巻線より低く保たれる必要があるであろう。これらの事実を所与として、導体内での少ない電力消散および電気魚釣りライン上のジャケットの内および上での低温を維持しながら、カメラモジュールへの十分な電力送達を達成するために、電気魚釣りライン電圧を60Vを超えるように増加させることが、必要である。
【0139】
電圧が、60Vを上回る場合、それは、ライン内の電流が2mA以下に限定される場合、ES1として分類されることができる。2mA未満の電流においてカメラモジュールに1Wを送達することは、500V超の電圧を要求するであろう。しかしながら、電圧をこの高レベルまで増加させることは、追加の設計課題を提示する。これらの課題のうちの第1は、電気魚釣りラインが絶縁材料の誘電破壊を経験する前に耐え得る電圧、すなわち、経時的に絶縁材料を劣化させるであろうコロナ放電効果である。2つの導体間の絶縁材料および外側ジャケットの厚さおよび材料選択は、導体を横断して存在し得る電圧の量を決定付けるであろう。これらの課題のうちの第2は、利用可能または実行可能である電圧転換電子機器の利用可能性、サイズ、および効率である。基地局モジュールが数百ボルトの範囲内の電圧源を有しておらず、カメラモジュール電子機器が高電圧において起動することが可能ではないので、電圧転換電子機器が、必要であろう。そのような高電圧に伴って提示される第3の課題は、高電圧に接続される任意の静電容量が、安全上の危険を提示することである。これに対処するために、IEC 62368-1は、所与のエネルギー源分類(すなわち、ES1、ES2、ES3)および電圧のラインに接続され得る静電容量の総量を限定する。これらの安全性要件を満たすように静電容量を限定することは、昇圧コンバータの出力、降圧コンバータの入力において必要とされる静電容量が存在するであろうから、および電気魚釣りラインによる通信を促進するために必要とされる静電容量が、存在する可能性が高いであろうから、厄介である。
【0140】
これらの課題のうちのいくつかを軽くする代替解決策は、デバイスをES2として分類することであり、それは、ライン内の許容可能な電流を25mAに増加させ、許容可能な電圧に関して、いかなる限界も課さない。例えば、250Vのバス電圧を選択することによって、ラインにおける電流は、6mAでありながら、依然として、降圧電圧転換損失およびケーブルの抵抗喪失が、考慮された後、少なくとも1Wの電力が、カメラモジュールに送達されることを可能にすることができる。250Vの電圧において、ライン上の許容可能なバス静電容量は、バス電圧が500V以上である場合、許容されるより実現可能なレベルに増加させられる。
【0141】
デバイスをES2限界内に保つように、短絡回路を含む任意の負荷条件下で、ラインの中への電流を25mA未満に限定するために実装され得るいくつかの可能である技法が、存在する。
第1は、短絡回路を含む全ての出力負荷条件下で、(ES2限界を超過することを回避するように)120Vを上回る電圧において25mA超を送達することが可能でないように、昇圧切り替えコンバータの切り替え周波数および/またはデューティサイクルおよび/またはインダクタおよび/または変圧器をし、予期される全ての入力電圧レベルも選択または限定することである。第2の技法は、一般的に、電力供給源の出力ステージ内で見出されるような電流感知抵抗器および種々のトランジスタを利用する電流限定回路を実装することである。第3の技法は、一般的に電子ヒューズとして公知である電流を限定するための能動回路保護デバイスを実装することであり能動回路保護デバイスは、、ライン内の最大電流を限定するために、電流感知回路網に加えて、電気ラインの高側または帰還側と直列に設置されるMOSFETまたは他の半導体デバイスを使用する。
【0142】
62368-1における高電圧ラインのための静電容量限界に準拠する課題を緩和するために実装され得るいくつかの可能である技法が、存在する。第1に、カメラモジュールに配置される降圧電圧コンバータの入力におけるコンデンサは、降圧コンバータに接続される2つの導体のうちの一方または両方上に1つ以上のダイオードを設置することによって、ラインの中に放電することを防止されることができる。フルブリッジ整流器が、カメラモジュール入力に設置される場合、それは、ワイヤが極性に依存しない(すなわち、電気魚釣りラインは、いずれの極性にあるカメラモジュールに接続されても、同じ結果を伴い得る)ことを可能にしながら、降圧コンバータの入力静電容量が電気魚釣りラインの中に逆放電することも防止する。これは、提示される両方の通信アーキテクチャ(10Base-T1Lおよび電力ラインモデム)も、極性に依存しないので、有益な特徴である。第2に、基地局に配置される昇圧電圧コンバータの出力におけるコンデンサは、上で提示される電流限定技法のうちの1つを使用することによって、ラインの中に放電することを防止されることができる。代替として、昇圧コンバータの出力における総静電容量は、システム内に静電容量倍増器回路を含むことによって、減らされることができる。これらの回路は、追加の電力消費を犠牲にして、信号から(切り替えモード昇圧電圧コンバータによって生産されるであろうリップル等の)リップルを除去するために、増幅器および/または半導体デバイスを使用する。静電容量倍増器回路の包含は、昇圧コンバータの出力において要求される静電容量の量の低減を可能にしながら、依然として、同じ最小リップル要件を達成する。電気魚釣りラインによって電力のためにDC電圧を供給している昇圧電圧コンバータの出力からリップルを除去することは、このリップルが通信のために使用されるAC信号通信に干渉し得るので、重要である。第3に、通信電子機器の使用を可能にするために、または改良するために含まれる任意のコンデンサが、可能な限り低い値まで減らされることができる。
【0143】
追加の安全性手段として、動画魚釣りシステムは、通信が通常の使用中に突然に停止される場合、電気魚釣りラインから高電圧供給源を除去するための機能性を含み得る。通信のそのような突然の停止は、電気魚釣りラインの機械的障害またはライン破断を示し得、その場合、高電圧部がユーザにさらされ得るので、安全性の理由のために、導体からそれを除去することが有利であり得る。加えて、デバイスは、カメラモジュールおよび/または基地局内に含まれ、いずれかが、分解状態にある(故に、ユーザにアクセス可能である)ときを検出し、自動的に高電圧供給源をオフにし得る。
(コンピュータビジョンおよび物体識別)
【0144】
カメラモジュールおよび/または基地局および/または電気餌は、コンピュータビジョンシステムを含み得る。システムは、カメラモジュールによって捕捉される画像内で魚の種類、動物、および他の着目物体を識別するであろう。これらの物体の識別は、情報提供または娯楽目的のために釣り人と即座に共有され、および/または動画および他のセンサデータに加えて、システムのメモリ内に記憶され得る。
【0145】
コンピュータビジョンシステムは、魚または他の着目アイテムが検出されていることを釣り人または他の要員にアラートするための警告をトリガするためにも使用され得る。この警告は、可聴、視覚、振動、または他の手段を使用し、釣り人または他の参加者または観察者にアラートし得る。
(オーディオの混合)
【0146】
既に述べられたように、カメラモジュールおよび基地局および電気餌は、オーディオを捕捉するためにマイクロホンおよび/または水中聴音器を含み得る。このオーディオは、情報提供または娯楽の目的のために動画およびセンサデータと同期化され得、および/または組み合わせられ得る。基地局からのオーディオは、カメラモジュールおよび/または電気餌からの動画および/またはオーディオと組み合わせられ得る。この混合技法は、例えば、基地局からのオーディオ(これは、釣り人および近傍の観察者の反応的対話を含み得る)が、カメラモジュールからの動画およびオーディオと組み合わせられ、刺激的、娯楽的、および情報提供的動画を生成することを可能にするであろう。
【0147】
上で議論される方法、システム、およびデバイスは、例である。種々の構成が、適宜、種々の手順または構成要素を省略、代用、または追加し得る。例えば、代替構成では、方法は、説明されるものと異なる順序で実施され得、その種々のステップは、追加される、省略される、または組み合わせられ得る。ある構成に関して説明される特徴も、種々の他の構成において組み合わせられ得る。構成の異なる側面および要素が、類似する様式で組み合わせられ得る。技術も、進化し、したがって、要素のうちの多くのものは、例であり、本開示または請求項の範囲を限定するものではない。
【0148】
例えば、本開示の実施形態は、本開示の実施形態による方法、システム、およびコンピュータプログラム製品のブロック図および/または動作図を参照して上で説明される。ブロック内に記載される機能/行為は、いかなるフローチャートにも示されるような順序から外れて生じ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、伴われる機能性/作用に応じて、事実上、実質的に並行して実行され得るか、または、ブロックは、時として、逆の順序で実行され得る。加えて、または代替として、任意のフローチャート内に示されるブロックの全てが、実施および/または実行される必要はない。例えば、所与のフローチャートが、機能/行為を含む5つのブロックを有する場合、5つのブロックのうちの3つのみが、実施および/または実行され得る。この例では、5つのブロックのうちの3つのうちのいずれかが、実施および/または実行され得る。
【0149】
値が第1の閾値を超過する(または、それを上回る)という叙述は、値が第1の閾値をわずかに上回る、第2の閾値を満たす、またはそれを超過するという叙述と同等であり、例えば、第2の閾値は、関連システムの分解能内の第1の閾値より高い1つの値である。値が第1の閾値を下回る(または、それ以内である)という叙述は、値が第1の閾値よりわずかに低い、第2の閾値を下回る、またはそれに等しいという叙述と同等であり、例えば、第2の閾値は、関連システムの分解能内の第1の閾値より低い1つの値である。
【0150】
具体的詳細が、(実装を含む)例示的構成の徹底的な理解を提供するために説明において与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的な詳細を伴わずに実践され得る。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成を不明瞭にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。本説明は、例示的構成を提供するにすぎず、請求項の範囲、利用可能性、または構成を限定するものではない。むしろ、構成の前述の説明は、当業者に、説明される技法を実装するための有効な説明を提供するであろう。種々の変更が、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において行われ得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】