(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】超音波センシングを使用する距離分析システム及び技術
(51)【国際特許分類】
G01S 11/14 20060101AFI20240718BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G01S11/14
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580516
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022035245
(87)【国際公開番号】W WO2023278395
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517263697
【氏名又は名称】オールステイト インシュアランス カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110003258
【氏名又は名称】弁理士法人北澤・小泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイザック、イマード
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB20
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
本開示の態様は、超音波又は他のタイプの信号を使用して、送信機と一又は複数のモバイルデバイスとの間の距離を決定することに関する。距離は、徒歩又は車両での移動を容易にするために使用することが可能である。開示される一の態様は、車両内のモバイルデバイスに関連付けられた超音波センシングデータを信号送信機から受信することが可能なコンピューティングプラットフォームを提供する。モバイルデバイスの固有識別子を決定することが可能である。超音波センシングデータ及び固有識別子にもとづいて、信号送信機から車両内の各モバイルデバイスまでの相対距離を決定することが可能である。コンピューティングプラットフォームは、機械学習分類器を使用して、相対距離にもとづいて、特定の乗員が車両内のドライバであると判別することが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスにより且つ車両内の信号送信機から、前記車両内の複数のモバイルデバイスに関連付けられた超音波センシングデータを受信することであって、前記複数のモバイルデバイスは、前記車両内の複数の乗員に関連付けられている、受信することと、
前記コンピューティングデバイスにより、前記複数のモバイルデバイスのそれぞれに関連付けられた固有識別子を決定することと、
前記超音波センシングデータ及び前記固有識別子にもとづいて、前記信号送信機から前記車両内の前記複数のモバイルデバイスのそれぞれまでの相対距離を決定することと、
前記信号送信機から前記複数のモバイルデバイスのそれぞれまでの前記相対距離を比較することにより、前記車両内の前記複数の乗員から、特定の乗員が前記車両のドライバであると判別することと、を含むことを特徴とするコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスにより、前記車両に関連付けられたセンサアレイからセンサデータを受信することと、
機械学習分類器を使用して且つ前記超音波センシングデータ及び前記センサデータにもとづいて、前記特定の乗員が前記車両の前記ドライバであると判別することと、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサアレイは、赤外線センサ、音センサ、圧力センサ及びモーションセンサを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械学習分類器は、教師あり機械学習分類器及び教師なし機械学習分類器を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記機械学習分類器を使用して、前記特定の乗員が前記車両の前記ドライバであると判別することは、
前記機械学習分類器の使用に先立ち、前記車両内の一組の乗員に関連する複数の予め定義されたラベルを含む訓練データを使用して、前記車両に関連する複数の乗員に対する複数の予測ラベルを出力するために、前記機械学習分類器を訓練することと、
訓練済みの前記機械学習分類器への入力として、前記センサデータ及び前記超音波センシングデータを提供することと、
訓練済みの前記機械学習分類器からの出力として且つ前記センサデータ及び前記超音波センシングデータにもとづいて、前記特定の乗員が前記車両の前記ドライバであるか否かを示す前記特定の乗員の役割ラベルを受信することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記機械学習分類器を訓練することは、
前記機械学習分類器を使用して、第1のセットの予測ラベルを生成することと、
前記第1のセットの予測ラベルに対応する信頼度スコアが閾値を下回ると判定することと、
前記機械学習分類器を使用して、第2の組の予測ラベルを再生成することと、を含み、
前記第2の組の予測ラベルは、前記閾値を上回る信頼度スコアを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記信号送信機は、高周波超音波送信機を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記信号送信機から、複数の周波数に関連付けられた前記超音波センシングデータを受信すること、を更に含み、
各周波数は、前記車両内の前記複数のモバイルデバイスの一つに対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
各周波数は、前記信号送信機と、前記複数のモバイルデバイスの対応する前記一つと、の間の通信チャネルに対応することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
センシングデータベースに、特定のモバイルデバイスに関連付けられた周波数シグネチャを格納すること、を更に含み、
前記周波数シグネチャは、前記特定のモバイルデバイスの識別子と、前記信号送信機が前記特定のモバイルデバイスとの通信に使用した特定の周波数と、の間のマッピングを示すことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
一又は複数のプロセッサと、
複数の命令を記憶するメモリと、を含むコンピューティングデバイスであって、
前記複数の命令は、前記一又は複数のプロセッサにより実行されると、前記コンピューティングデバイスに、
車両内の信号送信機から、前記車両内の複数のモバイルデバイスに関連付けられた超音波センシングデータを受信する処理であって、前記複数のモバイルデバイスは、前記車両内の複数の乗員に関連付けられている、受信する処理と、
前記複数のモバイルデバイスのそれぞれに関連付けられた固有識別子を決定する処理と、
前記超音波センシングデータ及び前記固有識別子にもとづいて、前記信号送信機から前記車両内の前記複数のモバイルデバイスのそれぞれまでの相対距離を決定する処理と、
前記信号送信機から前記複数のモバイルデバイスのそれぞれまでの前記相対距離を比較することにより、前記車両内の前記複数の乗員から、特定の乗員が前記車両内のドライバであると判別する処理と、を実行させることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【請求項12】
ユーザに関連付けられたモバイルデバイスにより且つ横断歩道に位置する信号送信機から、前記横断歩道の位置を示す超音波信号を受信することと、
前記モバイルデバイスにより且つ前記超音波信号にもとづいて、前記モバイルデバイスから前記横断歩道までの距離を監視することと、
前記距離にもとづいて、前記ユーザが前記横断歩道の所定の近傍内にいると判定後、前記ユーザが前記横断歩道に近接していることを示すアラートを生成することと、
前記距離にもとづいて、前記ユーザが前記横断歩道に進入したと判定後、前記横断歩道における交通パターンを示すべく前記アラートを更新することと、を含むことを特徴とするコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記横断歩道におけるゲートウェイデバイスに、前記モバイルデバイスに関連付けられた識別子を送信することと、
前記ゲートウェイデバイスから且つ前記モバイルデバイスから前記横断歩道までの前記距離にもとづいて、前記ユーザに関連付けられたプロモーションコンテンツを受信することと、を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アラートを生成することは、
前記横断歩道にユーザの注意を向けるべく、前記アラートに関連付けられた音、振動、ティッカー、光、バナー、ポップアップメッセージを生成すること、を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記距離にもとづいて、前記ユーザが前記横断歩道に進入したと判定後、前記モバイルデバイス又は前記モバイルデバイスの画面表示をオフにすること、を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記交通パターンは、交通信号灯の変化又は近づいてくる車両を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記超音波信号にもとづいて、前記横断歩道に対するユーザの移動に関連付けられた方向情報を決定することと、
前記方向情報にもとづいて前記アラートを生成することと、を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記モバイルデバイスにより、複数の横断歩道に関連付けられた複数の超音波信号を受信することであり、前記複数の超音波信号のそれぞれは、前記複数の横断歩道のうち対応する一つの位置を示す、受信することと、
前記複数の超音波信号にもとづいて、前記モバイルデバイスから前記複数の横断歩道までの複数の距離を監視することと、
前記複数の距離にもとづいて、前記ユーザが特定の横断歩道の近傍内にいると判定後、前記ユーザが前記特定の横断歩道に近接していることを示す第1のアラートを生成することと、
前記複数の距離にもとづいて、前記ユーザが前特定の横断歩道に進入したと判定後、前記特定の横断歩道における第1の交通パターンを示すべく、前記第1のアラートを更新することと、を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の超音波信号を受信することは、複数の通信チャネルを介して前記複数の超音波信号を受信することを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の超音波信号のそれぞれは、特定の信号送信機に関連付けられたシグネチャ周波数に対応することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記モバイルデバイスにより且つ前記特定の横断歩道に対応付けられたゲートウェイデバイスに、応答信号を送信すること、を更に含み、
前記応答信号は、前記モバイルデバイスに関連付けられたシグネチャ周波数に対応することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
一又は複数のプロセッサと、
複数の命令を記憶するメモリと、を含むコンピューティングデバイスであって、
前記複数の命令は、前記一又は複数のプロセッサにより実行されると、前記コンピューティングデバイスに、
横断歩道に位置する信号送信機から、前記横断歩道の位置を示す超音波信号を受信する処理と、
前記超音波信号にもとづいて、前記コンピューティングデバイスから前記横断歩道までの距離を監視する処理と、
前記距離にもとづいて、前記コンピューティングデバイスに関連付けられたユーザが前記横断歩道の所定の近傍内にいると判定後、前記ユーザが前記横断歩道に近接していることを示すアラートを生成する処理と、
前記距離にもとづいて、前記ユーザが前記横断歩道に進入したと判定後、前記横断歩道における交通パターンを示すべく、前記アラートを更新する処理と、を実行させることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年6月28日出願の米国非仮特許出願第17/360,550号及び2021年6月28日出願の米国非仮特許出願17/360,361号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願の内容は、全て、本明細書に取り込まれている。
【技術分野】
【0002】
本開示の態様は、一般的に、ビッグデータの処理及び管理に関する。特に、本開示の態様は、センシングデータを使用するドライバの役割や横断歩道の検出に関する。
【背景技術】
【0003】
人々がグループでドライブ旅行に出かける場合、車両には複数の乗員がいる可能性が有り、各乗員が一又は複数のモバイルデバイスを携帯している可能性が有る。運転パターンを追跡し、トリップ(移動)についての洞察を提供するために、中央局のサーバが、車両のドライバのモバイルデバイスとの通信を試みる可能性が有る。しかしながら、従来のシステムでは、どの乗員が車両のドライバであるかを容易に特定できない可能性が有り、特に、車両内部の狭い限られたスペースに複数のモバイルデバイスが同時に存在する場合には、その特定が困難となる可能性が有る。場合によっては、車両が横断歩道を含む一又は複数の交差点を横断する可能性が有る。ユーザが混雑した横断歩道を渡りながら、携帯メールを打ったり、電話をかけたり、音楽を聴いたりすると、モバイルデバイスが注意散漫の原因となる可能性が有る。従来のシステムでは、ユーザの地理的位置を頼りにユーザの居場所を決定している場合が有る。その結果、従来のシステムでは、ユーザが横断歩道に近づく際に十分なタイミングで検出し、モバイルデバイスにより引き起こされる注意散漫を軽減すべく適切な警告を提供することができない可能性が有る。本明細書に記載の態様は、これらの問題やその他の問題に対処することが可能であり、一般的に、ドライバ検出の質、効率及び性能を改善し、横断歩道検出の適時性及びリスクの軽減のみならず、車両の乗員についての洞察をも提供することが可能となる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載される様々な態様の簡略化された概要は、以下の通りである。この概要は、広範囲に及ぶ要約ではなく、必要な要素又は重要な要素を特定することや、特許請求の範囲を画定することを意図するものではない。下記の概要は、以下に提供されるより詳細な記載への序章として、単に簡略化された形態でいくつかの概念を提示するものにすぎない。
【0005】
本明細書に記載される態様は、超音波センシング技術を使用するドライバ同乗者検知に向けられている。一又は複数の実施の形態によれば、コンピューティングデバイスは、車両の内部又は外部に取り付けられた信号送信機から、様々なモバイルデバイスに関連付けられた超音波センシングデータを受信することが可能である。信号送信機は、高周波超音波送信機を含むことが可能である。複数のモバイルデバイスは、車両内の異なる乗員に関連付けられることが可能である。コンピューティングデバイスは、各モバイルデバイスに関連付けられた固有識別子を決定することが可能である。超音波センシングデータと固有識別子とにもとづいて、信号送信機から車両内の各モバイルデバイスまでの相対距離を決定することが可能である。従って、コンピューティングデバイスは、信号送信機から各モバイルデバイスまでの相対距離を比較することにより、特定の乗員が当該車両のドライバであると判別することが可能である。
【0006】
一又は複数の実施例において、コンピューティングデバイスは、車両に関連付けられたセンサアレイからセンサデータを受信することが可能である。センサアレイは、赤外線センサ、音センサ、圧力センサ及びモーションセンサを含むことが可能である。超音波センシングデータ及びセンサデータにもとづいて、コンピューティングデバイスは、機械学習分類器を使用して特定の乗員が車両のドライバであると判別することができる。機械学習分類器は、教師あり機械学習分類器及び教師なし機械学習分類器を含むことが可能である。
【0007】
多くの態様において、機械学習分類器は、複数の予め定義されたラベルを含む訓練データを用いて訓練されることが可能であり、機械学習分類器は、車両に関連する複数の乗員に対する複数の予測ラベルを出力することが可能である。センサデータ及び超音波センシングデータは、その後、訓練済み機械学習分類器への入力として提供されることが可能である。訓練済み機械学習分類器は、特定の乗員が車両のドライバであるか同乗者であるかを示す当該特定の乗員の役割ラベルを出力することが可能である。
【0008】
多くの態様において、コンピューティングデバイスは、対応する信頼度スコアが閾値を下回る第1のセットの予測ラベルを決定することが可能である。機械学習分類器は、第2のセットの予測ラベルを再生成することが可能であり、第2のセットの予測ラベルは、閾値を上回る信頼度スコアを有することが可能である。
【0009】
多くの態様において、コンピューティングデバイスは、複数の周波数に関連付けられた超音波センシングデータを信号送信機から受信することが可能である。各周波数は、車両内のモバイルデバイスに対応することが可能である。或いは、各周波数は、信号送信機及び対応するモバイルデバイス間の通信チャネルに対応することが可能である。コンピューティングデバイスは、特定のモバイルデバイスに関連付けられた周波数シグネチャを、センシングデータベースシステムに格納することが可能である。周波数シグネチャは、特定のモバイルデバイスの識別子と、信号送信機が当該特定のモバイルデバイスとの通信に使用した特定の周波数と、の間のマッピング(対応付け)を示すことが可能である。
【0010】
本明細書に記載の態様は、高周波送信機を使用する横断歩道検出に向けられている。一又は複数の実施の形態によれば、ユーザに関連付けられたモバイルデバイスは、横断歩道に位置する信号送信機から、当該横断歩道の位置を示す超音波信号を受信することが可能である。モバイルデバイスは、超音波信号にもとづいて、当該モバイルデバイスから横断歩道までの距離を監視することが可能である。距離にもとづいて、ユーザが横断歩道の所定の近傍内にいると判定した後、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道に近接していることを示すアラート(警告)を生成することが可能である。距離にもとづいて、ユーザが横断歩道に進入したと判定した後、モバイルデバイスは、横断歩道における交通パターンを示すべくアラートを更新することが可能である。
【0011】
一又は複数の実施例において、モバイルデバイスは、当該モバイルデバイスに関連付けられた識別子を、横断歩道におけるゲートウェイデバイスへ送信することが可能である。例えば、識別子は、モバイルデバイスの電話番号、IPアドレス、又はメディアアクセスコントロール(MAC)アドレスを含むことが可能である。モバイルデバイスは、その後、距離にもとづいて、ゲートウェイデバイスから、ユーザに関連付けられたプロモーションコンテンツ又は情報コンテンツを受信することが可能である。
【0012】
多くの態様において、ユーザが横断歩道の所定の近傍内にいる場合、モバイルデバイスは、ユーザの注意を横断歩道に向けるべく、アラートに関連付けられた音、振動、ティッカー、光、バナー、ポップアップメッセージ、又はアナウンスを生成することが可能である。ユーザが横断歩道に進入した場合、モバイルデバイスは、交通信号灯の変化や横断歩道への車両の進入等の交通パターンを示すべく、アラートを更新することが可能である。また、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道を渡りきるまで、モバイルデバイスのディスプレイ画面をオフにすることも可能である。モバイルデバイスは、ユーザの移動に関する方向情報(例えば、ユーザが横断歩道に近づいていっているのか、或いは横断歩道から遠ざかっていっているのか)を決定することが可能であり、方向情報にもとづいてアラートが生成されることが可能である。
【0013】
多くの態様において、モバイルデバイスは、複数の横断歩道に関連付けられた様々な信号送信機から複数の超音波信号を受信することが可能であり、各超音波信号は、対応する横断歩道の位置を示すことが可能である。モバイルデバイスは、超音波信号にもとづいて、当該モバイルデバイスから複数の横断歩道までの複数の距離を監視することが可能である。ユーザが特定の横断歩道の近傍内にいると判定した後、モバイルデバイスは、ユーザが当該特定の横断歩道に近接していることを示す第1のアラートを生成することが可能である。ユーザが特定の横断歩道に進入したと判定した後、モバイルデバイスは、第1のアラートを更新して、当該特定の横断歩道における第1の交通パターンを示すことが可能である。
【0014】
多くの態様において、複数の通信チャネルから複数の超音波信号を受信することが可能である。各超音波信号は、横断歩道における信号送信機に関連付けられたシグネチャ周波数に対応することが可能である。或いは、モバイルデバイスは、特定の横断歩道に関連付けられたゲートウェイデバイスに応答信号を送信することが可能である。応答信号は、モバイルデバイスに関連付けられたシグネチャ周波数に対応することが可能である。
【0015】
これらの特徴は、他の多くの特徴とともに、以下で更に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、添付の図面に例示的に示されるが、これらに限定されるものではない。また、図中において、同様の参照番号が類似の要素を示す。
【0017】
【
図1】ドライバ同乗者検出システムの一例を示す図である。
【
図2】本開示の一又は複数の態様に係る超音波検知を使用するドライバ同乗者検出のための例示的な方法を示す図である。
【
図3】本開示の一又は複数の態様に係る機械学習分類器を訓練するための例示的な方法を示す図である。
【
図4】横断歩道検出システムの一例を示す図である。
【
図5】本開示の一又は複数の態様に係る横断歩道検出のための例示的な方法を示す図である。
【
図6A】本開示の一又は複数の態様に係るアラートを生成するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一例を示す図である。
【
図6B】本開示の一又は複数の態様に係るアラートを生成するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一例を示す図である。
【
図7】本明細書に記載の一又は複数の態様に係るコンピューティングデバイスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の様々な例示的な実施の形態の説明においては、添付図面が参照される。この添付図面は本明細書の一部を形成するものであり、添付図面には本開示の態様を実施可能な様々な実施の形態が例示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施の形態が利用されてもよく、構造的及び機能的な変更がなされてもよいことを理解されたい。
【0019】
一般的な導入として、本明細書に記載の態様は、高周波超音波送信機及び信号を使用してユーザの移動を検出し、横断歩道におけるモバイルデバイスによる注意散漫により引き起こされるリスクを軽減することを目指している。一部の態様では、超音波送信機を使用して、車両内の乗員が当該車両のドライバであるか否かを判別することが可能である。
【0020】
本明細書で使用される語句及び用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。むしろ、本明細書で使用される語句及び用語は、それらの最も広い解釈及び意味が与えられるべきである。「を含む」及び「からなる」とその変形との使用は、その後に列挙された項目及びその等価物、ならびに追加の項目及びその等価物を包含することを意図している。「接続された」、「結合された」、及び同様の用語の使用は、直接的接続及び間接的接続の両方や、直接的結合及び間接的結合の両方等を含むことを意図している。コンピュータソフトウェア、ハードウェア、及びネットワークは、特に、スタンドアロン環境、ネットワーク環境、リモートアクセス環境(リモートデスクトップ環境としても知られる)、仮想化環境、及び/又はクラウドベース環境等、様々な異なるシステム環境において利用することができる。
【0021】
図1は、一又は複数の例示的な実施の形態に係る超音波センシング(感知)を使用するドライバ同乗者検出のための例示的なシステム100を示す。
図1を参照すると、一又は複数のコンピュータシステムを含むコンピューティング環境が示されている。例えば、システム100は、ネットワーク160を介して通信する一又は複数の信号送信機110、一又は複数のモバイルデバイス120、一又は複数のセンサアレイ130、ドライバ検出サーバ140及び検知データベースシステム150を含むことが可能である。図示のネットワーク接続は例示であり、複数のコンピュータ間の通信リンクを確立する任意の手段を使用可能であることが理解されるであろう。TCP/IP、イーサネット、FTP、HTTP等の様々なネットワークプロトコルと、GSM、CDMA、WiFi、LTE等の様々な無線通信技術と、の何れかの存在が仮定され、本明細書に記載の様々なコンピューティングデバイスは、これらのネットワークプロトコル又は技術の何れかを使用して通信するように構成されてもよい。本明細書に記載のデバイス及びシステムの何れもが、
図7に関して記載される一又は複数のコンピューティングデバイスを使用して、全体的又は部分的に実装されることが可能である。
【0022】
信号送信機110は、車両の内部又は外部に配置されるように構成することが可能である。例えば、信号送信機110は、車両のミラーに取り付けられてもよい。信号送信機110は、特定の周波数を有する超音波信号を発することが可能であり、この超音波信号は、車両内の乗員のモバイルデバイス等のデバイスにより検出することが可能である。信号送信機110は、高周波数波(例えば、短波長)の超音波信号を発することが可能である。所与の距離に対する疎密波(圧縮波及び希薄波)の数を増加させることにより、波の伝播の軸平面に沿った2つの別個の構造をより正確に識別することが可能である。例えば、信号送信機110は、10メガヘルツ(MHz)を超える周波数を有する超音波信号を使用してもよい。信号送信機110は、特定の信号送信機の周波数シグネチャとして機能することが可能な特定の周波数を使用してもよい。信号送信機110は、特定の通信チャネルを使用して、特定のモバイルデバイスと通信を行ってもよい。
【0023】
信号送信機110は、車両の内部等の予め定義された半径内にあるモバイルデバイスのグループに超音波信号をブロードキャストすることが可能である。超音波センシング及び送信を使用して、システム100は、複数のモバイルデバイスに固有コードを送信して、車両内の他のモバイルデバイスから特定のモバイルデバイスを一意に特定することが可能である。信号送信機110は、固有コード及び/又は特定の周波数を使用して、特定のモバイルデバイスと通信することが可能である。システム100は、この固有コードにもとづいてモバイルデバイスを特定し、信号送信機110から対応するモバイルデバイスまでの相対距離を測定することが可能である。信号送信機110は、相対距離の測定値を、システム100内のサーバ、例えばドライバ検出サーバ140に送信することが可能である。
【0024】
モバイルデバイス120(a)、120(b)、120(c)又は120(d)(モバイルデバイス120と総称する)のそれぞれは、車両の乗員の所有物である(乗員に属する)任意のデバイスであってもよい。乗員は、ドライバ検出システム100を使用するためにモバイルデバイス120を事前に設定する必要はなくてもよく、モバイルデバイス120を車両内のブルートゥースデバイスとペアリングする必要もなくてもよい。モバイルデバイス120は、モバイルデバイス120上の超音波センサを介して、信号送信機110からの超音波信号を受信することが可能である。モバイルデバイス120は、例えば赤外線信号や音信号等の他の信号を受信してもよい。モバイルデバイス120は、赤外線センサ、音センサ、圧力センサ又はモーションセンサを含むことも可能である。モバイルデバイス120のそれぞれは、信号送信機110からプローブ信号(探知信号)を受信し、当該モバイルデバイスを特定する固有コード又は識別子を有する応答を送信することが可能である。モバイルデバイス120のそれぞれは、特定の周波数を使用して及び/又は特定の通信チャネルを介して、信号送信機110と通信することが可能である。このような特定の周波数を変調して、モバイルデバイス及び対応する乗員の周波数シグネチャとして機能させることが可能である。
【0025】
モバイルデバイス120は、スマートフォンやタブレット等のコンピューティングデバイスを含むことが可能である。一部の例によれば、モバイルデバイス120は、当該モバイルデバイス120をネットワーク160に直接接続可能にするハードウェア及びソフトウェアを含むことが可能である。或いは、モバイルデバイス120は、ゲートウェイデバイスやサーバ、他のコンピューティングデバイス等、ネットワーク160に接続するローカルデバイスに接続してもよい。
【0026】
センサアレイ130は、赤外線センサ、音センサ、圧力センサ及び/又はモーションセンサを含むことが可能である。センサアレイ130は、車両の内部又は外部に配置することが可能である。赤外線センサは、周囲のある特性を感知するために使用される電子機器であってもよい。赤外線センサは、赤外線を放射することも可能であり、赤外線放射を検出することも可能である。赤外線センサは、また、物体から放射されている熱の測定及び動きの検出が可能であってもよい。例えば、赤外線センサは、赤外線信号の送信を介して障害物検出器として使用することが可能であり、この赤外線信号は、物体の表面から跳ね返ることが可能であり、その信号は、赤外線受信機で受信することが可能である。このように、赤外線センサは、車両内の乗員やモバイルデバイス等の物体の存在や位置を検出することが可能である。
【0027】
様々な実施の形態において、音センサは、環境の音響強度を検出することが可能であり、マイクロフォンを含むことが可能である。圧力センサは、気体又は液体の圧力を測定可能なデバイス又は機器であってもよい。圧力センサは、圧力が印加されていることを判別可能な感圧素子と、その情報を出力信号に変換するコンポーネントと、を含んでいてもよい。例えば、圧力センサは、圧力をアナログ電気信号に変換することが可能であり、圧力変換器及び圧力スイッチを使用して圧力を電気的に測定することが可能である。モーションセンサは、センサを利用して近くの動きを検出する電気デバイスであってもよい。モーションセンサは、光(例えば、レーザビーム)を照射してもよく、物体が光を遮るとセンサが作動してもよい。例えば、受動型(パッシブ)モーションセンサは、体温により発せられる赤外線信号を捕捉することが可能である。受動型モーションセンサが赤外線エネルギーを検知すると、モーション検出器が作動してもよい。モーション検出器は、ドップラーレーダーの原理により動きを検出することが可能である。ドップラーレーダーの原理では、連続波のマイクロ波放射が発せられ、受信機に近づく又は受信機から遠ざかる物体の動きによる反射マイクロ波の位相シフトが、低音周波数でのヘテロダイン信号をもたらす。モーションセンサは、乗員の動きを検出するために、超音波信号等の他のタイプの信号を使用することが可能であり、ビデオカメラソフトウェア又はジェスチャーセンサを使用することも可能である。センサアレイ130内の様々なセンサにより、センサデータを生成することが可能であり、これらを組み合わせて、車両内の乗員の存在及び位置の判定を検証又は補完することも可能である。
【0028】
ドライバ検出サーバ140は、車両内のモバイルデバイスに関連付けられた超音波センシングデータを、信号送信機110から受信することが可能である。ドライバ検出サーバ140は、各モバイルデバイスに関連付けられた固有識別子又は固有コード、例えば、モバイルデバイスの電話番号や、モバイルデバイスに関連付けられたIPアドレス又はMACアドレス等を決定することが可能である。超音波センシングデータ及び固有識別子にもとづいて、ドライバ検出サーバ140は、信号送信機から車両内の各モバイルデバイスまでの相対距離を決定することが可能である。ドライバ検出サーバ140は、信号送信機から各モバイルデバイスまでの相対距離を比較することにより、特定の乗員が車両のドライバであるか否かを判断することが可能である。或いは、ドライバ検出サーバ140は、機械学習分類器を使用して、乗員の役割が車両のドライバであるか否かを、複数の相対距離にもとづいて判断してもよい。
【0029】
様々な実施の形態において、ドライバ検出サーバ140は、センサアレイ130からセンサデータを受信することが可能である。ドライバ検出サーバ140は、機械学習分類器を使用して、超音波センシングデータ及びセンサデータにもとづき特定の乗員の役割を判別することが可能である。センサデータは、また、車両内の乗員の存在及び位置と、特定の乗員の役割と、の判別を検証又は補完するために使用されてもよい。
【0030】
様々な実施の形態において、ドライバ検出サーバ140は、複数の周波数に関連付けられた超音波センシングデータを受信することが可能であり、その場合、各周波数は、車両内の1台のモバイルデバイスに対応していてもよい。各周波数は、また、信号送信機と対応するモバイルデバイスとの間の通信チャネルに対応していてもよい。このような周波数は、モバイルデバイスのシグネチャとして機能することが可能である。ドライバ検出サーバ140は、特定のモバイルデバイスに関連付けられた周波数シグネチャを、センシングデータベースシステム150に格納することが可能である。
【0031】
センシングデータベースシステム150は、モバイルデバイスの周波数シグネチャに関連するデータレコードを記憶することが可能である。データレコードは、特定のモバイルデバイスの識別子と、信号送信機が当該特定のモバイルデバイスと通信するために使用した特定の周波数との間のマッピング(対応付け)を含むことが可能である。センシングデータベースシステム150は、信号送信機110により収集された超音波センシングデータを記憶することが可能である。センシングデータベースシステム150は、また、センサアレイ130により収集されたセンサデータを記憶することも可能である。センシングデータベースシステム150は、周波数シグネチャ、超音波センシングデータ又はセンサデータに関連するレコードの記憶、更新又は取得の要求を、ドライバ検出サーバ140から受信することが可能である。
【0032】
信号送信機110、モバイルデバイス120、センサアレイ130、ドライバ検出サーバ140、及びセンシングデータベースシステム150は、特定の認証セッションに関連付けられることが可能である。ドライバ検出サーバ140は、本明細書に記載されるように、様々な周波数シグネチャ、識別子又は固有コード、超音波センシングデータ、センサデータ、及び/又はマッピング情報を、センシングデータベースシステム150とともに、受信、処理、及び/又は記憶することが可能である。しかしながら、システム100内の任意のデバイスが、本明細書に記載される処理の何れかを実行することが可能であり、及び/又は任意のデータを記憶することが可能であることに留意されたい。本明細書に記載されるデータの一部又は全てが、一又は複数のデータベースを使用して記憶されてもよい。データベースは、リレーショナル(関係型)データベース、階層型データベース、分散型データベース、インメモリ(メモリ内)データベース、フラットファイル(カード型)データベース、XMLデータベース、NoSQLデータベース、グラフ(図形)データベース、及び/又はそれらの組み合わせを含むことが可能であるが、これらに限定されない。ネットワーク160は、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線通信ネットワーク、及び/又は他の通信ネットワーク若しくはそれらの組み合わせを含むことが可能である。
【0033】
システム100内の様々なコンピューティングデバイスとの間で(コンピューティングデバイスへ及びコンピューティングデバイスから)転送されるデータには、機密文書、顧客個人識別情報、アカウントデータ等のセキュアで機密性の高いデータが含まれる可能性が有る。したがって、セキュア(安全)なネットワークプロトコル及び暗号化を使用して、そのようなデータの送信(伝送)を保護すること、及び/又は様々なコンピューティングデバイス上に格納(記憶)される際にデータの完全性を保護することが望ましい場合が有る。様々なコンピューティングデバイス間でデータを送信するために、ファイルベースの統合スキーム又はサービスベースの統合スキームを利用することが可能である。データは、様々なネットワーク通信プロトコルを使用して送信されることが可能である。ファイル転送プロトコル(FTP)、セキュアファイル転送プロトコル(SFTP)、及び/又はプリティグッドプライバシー(PGP)暗号化等(ただし、これらに限定されない)、データの完全性を保護するために、セキュアデータ送信プロトコル及び/又は暗号化を、ファイル転送において使用することが可能である。多くの実施の形態において、一又は複数のウェブサービスが、様々なコンピューティングデバイス内に実装されることが可能である。ウェブサービスは、データ共有システム内の様々なコンピューティングデバイス間のデータの入力、抽出、及び操作をサポートするために、権限を与えられた外部デバイス及びユーザによりアクセスされてもよい。個別の(個人の)ディスプレイシステムをサポートするために構築されたウェブサービスは、クロスドメイン及び/又はクロスプラットフォームであってもよく、企業での使用のために構築されていてもよい。データは、セキュアソケットレイヤ(SSL)又はトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルを使用して送信され、コンピューティングデバイス間のセキュアな接続を提供することが可能である。ウェブサービスは、WSセキュリティ標準を使用して実装され、XML暗号化を使用してセキュアなSOAPメッセージを提供することが可能である。セキュアなウェブサービスを提供するために、専用のハードウェアが使用されてもよい。セキュアなネットワークアプライアンスは、ハードウェアアクセラレーテッド(ハードウェア加速された)SSL及びHTTPS、WSセキュリティ、及び/又はファイアウォール等の組み込み機能を含むことが可能である。このような専用のハードウェアは、システム100において一又は複数のコンピューティングデバイスの前に設置され、設定されることが可能であり、これにより、任意の外部デバイスが当該専用のハードウェアと直接通信することが可能となる。
【0034】
ドライバ検出システム100は、超音波信号を使用して、信号送信機から乗員が車両内に携帯するモバイルデバイスまでの相対距離を決定することが可能である。複数の相対距離と他のタイプのセンサデータとにもとづいて、機械学習分類器を使用して、乗員の役割に関する洞察を提供することが可能である。
【0035】
図2は、本開示の一又は複数の態様に係るドライバ同乗者検出のための例示的な方法を示す。処理200のステップの一部又は全ては、本明細書に記載される一又は複数のコンピューティングデバイスを使用して実行することが可能である。様々な実施の形態において、以下に記載されるステップの一部又は全てが、必要に応じて組み合わせられてもよく、及び/又は複数のサブステップに分割されてもよい。
【0036】
ステップ210において、ドライバ検出サーバ等のコンピューティングデバイスは、車両内の複数のモバイルデバイスに関連付けられた超音波センシングデータを受信することが可能である。超音波センシングデータは、超音波信号を発することが可能な信号送信機により送信されることが可能である。信号送信機は、車両の内部に配置されるように構成されてもよいし、ミラー等、車両の外部に取り付けられるように構成されてもよい。信号送信機は、高周波の超音波信号を発することにより、特に車両内に複数のモバイルデバイスが存在する場合に、無線周波数信号、セルラー信号、WiFi信号、又はブルートゥース信号等の他の技術を使用するよりも、物体までの相対距離をより正確に決定することが可能である。
【0037】
車両には複数の乗員が乗っている場合が有り、信号送信機は、各乗員が携帯するモバイルデバイスに超音波信号を送信することが可能である。ある実施の形態では、モバイルデバイスは携帯電話であってもよい。モバイルデバイスは、信号送信機から超音波信号を受信することが可能である。モバイルデバイスは、携帯電話のバックグラウンドで動作するアプリケーションを介して、又は携帯電話のオペレーティングシステムを介して、超音波信号を検出することが可能である。携帯電話は、超音波信号を受信するセンサを含んでいてもよい。例えば、4人のグループが1台のレンタカーでいっしょに旅行(トリップ)に出かける場合がある。各乗員は、少なくとも1台のモバイルデバイスを携帯していてもよい。モバイルデバイスは、ブルートゥースを介してレンタカーと容易にペアリングされない可能性が有ることから、コンピューティングデバイスは、どのモバイルデバイスが車両のドライバの所有物であるかを認識できない可能性が有る。
【0038】
様々な実施の形態において、コンピューティングデバイスは、赤外線センサ、音センサ、圧力センサ及びモーションセンサ等の様々なセンサを含むことが可能なセンサアレイからセンサデータを受信することが可能である。センサアレイから収集されたセンサデータは、超音波センシングデータを検証又は補完するために使用されてもよい。例えば、1台のレンタカーに4人が乗車しているが、信号送信機が車内に5台のモバイルデバイスが存在することを検出する場合が有る。コンピューティングデバイスは、座席に取り付けられた圧力センサを使用して、実際に4人の乗員がいると判断することが可能である。1人の乗員が1台以上のモバイルデバイスを携帯している可能性が有る。
【0039】
ステップ220において、コンピューティングデバイスは、各モバイルデバイスに関連付けられた固有識別子を決定することが可能である。信号送信機は、例えば超音波信号を介して、モバイルデバイスにプローブを送信することが可能であり、モバイルデバイスは、モバイルデバイスの電話番号、又はモバイルデバイスに関連付けられたIPアドレス若しくはMACアドレス等、モバイルデバイスに関連付けられた固有コード又は固有識別子により応答することが可能である。コンピューティングデバイスは、また、赤外線センサを使用して、モバイルデバイスにプローブ信号を送信してもよい。コンピューティングデバイスは、超音波信号と赤外線信号との両方をプローブ信号として使用してもよい。例えば、信号送信機又は赤外線センサは、レンタカー内の5台のモバイルデバイスのそれぞれにプローブ信号を送信し、5つの固有コード又は固有識別子を受信してもよい。
【0040】
様々な実施の形態において、信号送信機は、固有のシーケンスを使用して、各モバイルデバイスと通信することが可能である。例えば、信号送信機は、周波数F1を使用して第1のモバイルデバイスと通信し、固有識別子ID1を受信してもよい。信号送信機は、周波数F2を使用して第2のモバイルデバイスと通信し、固有識別子ID2を受信してもよい。信号送信機は、周波数F3を使用して第3のモバイルデバイスと通信し、固有識別子ID3を受信してもよく、その他同様である。コンピューティングデバイスは、シグネチャ周波数F1を対応する識別子ID1とともにセンシングデータベースシステムに格納してもよい。同様に、周波数シグネチャF2-F5も、それぞれID2-ID5とともにセンシングデータベースシステムに格納されてもよい。
【0041】
ステップ240において、超音波センシングデータ及び固有識別子にもとづいて、コンピューティングデバイスは、信号送信機から車両内の各モバイルデバイスまでの相対距離を決定することが可能である。信号送信機は、モバイルデバイスから例えばミラーに取り付けられた信号送信機までの相対距離を決定してもよい。信号送信機は、モバイルデバイスへ送信され、信号送信機まで跳ね返された超音波信号を使用して、距離を測定することが可能である。信号送信機は、赤外線信号、音信号、又は光信号等、他のタイプの信号を使用して、距離を測定してもよい。これらの他のタイプの信号は、また、超音波信号からの測定値を検証するために使用されてもよい。信号送信機は、複数の相対距離に関連する情報をコンピューティングデバイス(例えば、ドライバ検出サーバ)に送信することが可能である。
【0042】
ステップ260において、コンピューティングデバイスは、複数の相対距離にもとづいて、特定の乗員が車両のドライバであると判別することが可能である。様々な実施の形態において、コンピューティングデバイスは、複数の相対距離の比較にもとづいてドライバを判別することが可能である。例えば、信号送信機が運転席のサイドミラーに取り付けられており、コンピューティングデバイスが、モバイルデバイスID1-ID5にそれぞれ対応する5つの相対距離D1-D5を受信する場合がある。その際、コンピューティングデバイスが、これらの相対距離が以下の関係D1<D2<D3=D4<D5を有すると判断する場合がある。このとき、コンピューティングデバイスは、相対距離D1を有するモバイルデバイスID1が、信号送信機に近接しているため、車両のドライバにより携帯されている可能性が有ると判別することが可能である。ID2-ID5は、車両の同乗者により携帯されている可能性が有り、ある同乗者は、2台のモバイルデバイスID3及びID4を携帯している可能性が有る。
【0043】
様々な実施の形態において、コンピューティングデバイスは、機械学習分類器を使用して、複数の相対距離にもとづき車両のドライバを判別することが可能である。機械学習分類器は、乗員のラベル又は役割(例えば、ドライバ又は同乗者)を予測するうえで、より高性能である可能性が有る。例えば、小型車の車内では、各モバイルデバイスの位置に対する相対距離の差には僅かな変動しかない可能性が有る一方、バンやバスの車内では、各モバイルデバイスの位置に対する相対距離の差にはより実質的な変動がみられる可能性が有る。機械学習分類器は、より正確な予測を行うために、相対距離に加えて、車両のサイズ又は寸法、車両のメーカ及びモデル、又は信号送信機の位置等の入力を考慮に入れることが可能である。
【0044】
様々な実施の形態において、コンピューティングデバイスは、機械学習分類器を使用して、超音波センシングデータ及びセンサアレイからの他のタイプのセンサデータにもとづき、車両のドライバを判別することが可能である。例えば、赤外線センサは、乗員の存在及び相対位置を決定することが可能である。圧力センサは、乗員の存在と彼らの相対的な体重とを決定することが可能である。モーションセンサは、ビデオカメラのソフトウェアを使用して、車両内での乗員の姿勢と彼らの相対位置とを決定することが可能である。音センサは、当該センサに対する複数の乗員の相対距離を決定することが可能である。機械学習分類器は、様々なセンサからのこれらの情報の一部又は全てを入力として取り込み、より正確な予測を行うことが可能である。機械学習分類器は、教師あり機械学習分類器又は教師なし機械学習分類器を含むことが可能である。機械学習分類器の訓練(トレーニング)については、
図3において更に説明する。
【0045】
決定木、k近傍法、サポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワーク(NN)、リカレント(回帰型)ニューラルネットワーク(RNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、確率的ニューラルネットワーク(PNN)、トランスフォーマモデル等を含む(ただし、これらに限定されない)様々な機械学習分類器アーキテクチャを利用できることは、当業者には一目瞭然であろう。RNNは更に、完全リカレント(完全回帰型)ネットワーク、ホップフィールドネットワーク、ボルツマンマシン、自己組織化マップ(写像)、学習ベクトル量子化、単純リカレント(単純回帰型)ネットワーク、エコーステートネットワーク、長短期記憶ネットワーク、双方向RNN、階層型RNN、確率的ニューラルネットワーク、及び/又は遺伝的スケールRNNを含むことが可能である(ただし、これらに限定されない)。多数の実施の形態において、複数の機械学習分類器の組み合わせを利用することができ、利用可能な場合にはより特定の機械学習分類器を利用することにより、他の場合には一般的な機械学習分類器を利用することにより、予測の精度を更に高めることができる。
【0046】
図3は、本開示の一又は複数の態様に係る機械学習分類器を訓練するための例示的な方法を示す。処理300のステップの一部又は全ては、本明細書に記載されるように、一又は複数のコンピューティングデバイスを使用して実行することが可能である。様々な実施に形態において、以下に記載されるステップの一部又は全てが、必要に応じて組み合わせられてもよく、及び/又は複数のサブステップに分割されてもよい。
【0047】
ステップ310において、機械学習分類器は、様々な車両内の一組(1セット)の乗員に関連する予め定義されたラベルを含む訓練データ(トレーニングデータ)を使用して訓練されることが可能である。予め定義されたラベルは、ドライバの役割又は同乗者の役割を含むことが可能である。訓練データには、また、車両の年式/モデルや、車両のサイズ又は寸法等の車両関連データを含むことも可能である。訓練データには、信号送信機及びセンサアレイの位置や、センサのタイプ等のセンサ関連データを含むことも可能である。特定のタイプのセンサに、重み係数を割り当てることが可能である。例えば、超音波信号を使用する信号送信機には相対的に大きな重みが割り当てられ、音センサには相対的に小さな重みが割り当てられてもよい。訓練データには、車両内の乗員の数や、乗員が車両内に携帯しているモバイルデバイスの台数等の乗員関連データを含むことが可能である。乗員とモバイルデバイスとは1対1の関係であってもよく、1対多数の関係であってもよい。
【0048】
様々な実施の形態において、機械学習分類器は、訓練データにもとづく予測ラベルを出力することが可能である。機械学習分類器は、訓練データ及び対応する重み係数にもとづいて、乗員に関する第1のセット(組)の予測ラベルを決定することが可能である。各予測ラベルは、機械学習分類器が正しく予測したラベルに対応する信頼度スコアを有することが可能である。対応する信頼度スコアが閾値(例えば95%)を下回った場合、機械学習分類器は、調整された重み及び訓練データを使用してラベルを再生成してもよい。数回繰り返し反復した後、信頼度スコアが閾値、例えば95%に達するまで、機械学習分類器は訓練されてもよい。機械学習分類器は、信頼度スコアに対応する重み係数の最適なセットを特定することが可能である。
【0049】
ステップ320において、訓練済み機械学習分類器は、車両内の乗員に関するセンサデータ及び超音波センシングデータを入力として取り込むことが可能である。ステップ330において、訓練済み機械学習分類器は、センサデータ及び超音波センシングデータにもとづいて、特定の乗員が車両のドライバであるか否かを示す当該特定の乗員の役割ラベルを決定することが可能である。
【0050】
様々な実施の形態において、特にタバコやアルコール等の高価値製品又は管理製品について、貨物の保管及び移動を追跡するために、超音波センシングを使用することが可能である。超音波センサを貨物パレットに取り付けてもよく、信号送信機を倉庫のゲートに取り付けてもよい。貨物が倉庫から搬出されると台帳が作成されてもよく、流通過程の管理に関する情報をその台帳に記録してもよい。
【0051】
ドライバ検出のために超音波センシングデータを介する距離測定を使用することが一例として提供されているが、このような距離測定は、徒歩又は車両での移動を容易にするための任意の適切なプロセスに使用することが可能である。例えば、一部の態様では、超音波センシングデータを使用して、モバイルデバイスの横断歩道までの距離を決定することが可能である。
図4に関してより詳細に説明するように、この距離を使用して、ユーザが横断歩道の近くにいることを判定することが可能であり、これにもとづいて、ユーザが横断歩道に近づいていることを認識するように、一又は複数のアラート(警告)を当該ユーザに送信することが可能である。
【0052】
図4は、一又は複数の例示的な実施の形態に係る高周波送信機を使用する横断歩道検出システム400を示す。
図4を参照すると、一又は複数のコンピュータシステムを含むコンピューティング環境が示されている。例えば、システム400は、ネットワーク160を介して通信する一又は複数の信号送信機410、一又は複数のモバイルデバイス120、一又は複数のゲートウェイデバイス430、周波数シグネチャデータベース440、及びコンテンツサーバ450を含むことが可能である。図示されたネットワーク接続は例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する任意の手段が使用され得ることが理解されるであろう。TCP/IP、イーサネット、FTP、HTTP等の様々なネットワークプロトコルと、GSM、CDMA、WiFi、LTE等の様々な無線通信技術と、の何れかが存在することが推定され、本明細書に記載の様々なコンピューティングデバイスは、これらのネットワークプロトコル又は技術の何れかを使用して通信するように構成することが可能である。本明細書に記載のデバイス及びシステムの何れもが、
図2に関して説明される一又は複数のコンピューティングデバイスを使用して、全体的又は部分的に実装されることが可能である。
【0053】
信号送信機410は、横断歩道に又は横断歩道の近くに位置するように配置され、特定の周波数を有する超音波信号を発することが可能である。この超音波信号は、モバイルデバイス等のユーザデバイスにより検出することが可能である。信号送信機410は、高周波数波(例えば、短波長)の超音波信号を発することが可能である。所与の距離に対する疎密波(圧縮波及び希薄波)の数を増加させることにより、波の伝播の軸平面に沿った2つの別個の構造をより正確に識別することが可能である。例えば、信号送信機410は、10メガヘルツ(MHz)を超える周波数を有する超音波信号を使用してもよい。信号送信機410は、特定の信号送信機の周波数シグネチャとして機能することが可能な特定の周波数を使用してもよい。信号送信機410は、特定の信号送信機に固有の特定の通信チャネルを使用してもよい。
【0054】
信号送信機410は、横断歩道の予め定義された半径内にあるユーザデバイスのグループに超音波信号をブロードキャストすることが可能である。超音波センシング及び送信を使用して、システム400は、複数のユーザデバイスから固有コードを受信して、横断歩道に近づく他のユーザデバイスから特定のユーザデバイスを一意に特定することが可能である。システム400は、固有コード及び/又は特定の周波数を使用して、特定のユーザデバイスと通信することが可能である。信号送信機410は、この固有コードにもとづいてユーザデバイスを特定することが可能であり、信号送信機410からユーザデバイス等の近づいてくる物体又は遠ざかっていく物体までの距離を測定することが可能である。信号送信機410は、距離の測定値を、対応するユーザデバイスに送信することが可能である。
【0055】
モバイルデバイス120等のユーザデバイスは、横断歩道検出システム400を使用するようにモバイルデバイス120を設定することが可能なユーザの所有物である(ユーザに属する)任意のデバイスであってもよい。モバイルデバイス120は、モバイルデバイス120上の超音波センサを介して、信号送信機410から超音波信号を受信することが可能である。モバイルデバイス120は、また、信号送信機410からの距離に関する情報を受信することが可能である。モバイルデバイス120は、超音波信号と受信した距離に関する情報とにもとづいて、当該モバイルデバイスから横断歩道までの距離を監視することが可能である。モバイルデバイス120は、超音波信号及び距離にもとづいて、ユーザが横断歩道の所定の近傍内にいると判定することが可能である。例えば、所定の近傍は、横断歩道の半径10フィート以内又は100フィート以内であってもよい。モバイルデバイス120は、ユーザが横断歩道に近接していることを示すアラートをディスプレイ画面に表示してもよい。例えば、モバイルデバイス120は、ユーザが横断歩道の半径10フィート以内にいると判定すると、「横断歩道に近づいています。下記をクリックして確認して下さい。」と表示してもよい。モバイルデバイス120は、また、ユーザの注意を横断歩道に向けるために、音、振動、ティッカー、光、バナー、ポップアップメッセージ、又はアナウンスを、アラートと共に生成してもよい。モバイルデバイス120は、距離にもとづいて、ユーザが横断歩道に進入したと判定することが可能であり、モバイルデバイス120は、横断歩道における交通パターンを示すために、更新されたアラートを表示することが可能である。例えば、アラートは、「近づいてくる車に注意して下さい」又は「信号が赤に変わりました」と表示してもよい。モバイルデバイス120は、また、ユーザが横断歩道を安全に渡りきるまで、ディスプレイ画面をオフにしてもよい。
【0056】
モバイルデバイス120は、ユーザが横断歩道に近づいていっているのか、横断歩道から遠ざかっていっているのかに関するユーザの移動の方向情報を判別又は受信することが可能である。アラートは、ユーザが横断歩道に近づいていっている場合に生成されてもよい。モバイルデバイス120は、例えば、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット等のコンピューティングデバイスを含むことが可能である。一部の例によれば、モバイルデバイス120は、ネットワーク160に直接接続することを可能にするハードウェア及びソフトウェアを含んでいてもよい。或いは、モバイルデバイス120は、ネットワーク160に接続するローカルデバイス、例えば、一又は複数のゲートウェイデバイス430、サーバ、又は他のコンピューティングデバイスに接続してもよい。
【0057】
一又は複数のゲートウェイデバイス430は、横断歩道に又は横断歩道の近くに位置するように配置されることが可能である。システム400は、互いに又はバックホールチャネルを介して相互接続されることが可能な一又は複数のゲートウェイデバイス430を含むことが可能である。ゲートウェイデバイス430は、ネットワーク160に直接接続されてもよく、バックホールチャネルを介して接続されてもよい。ゲートウェイデバイス430は、モバイルデバイスの電話番号や、ユーザデバイスに関連付けられたIPアドレス又はMACアドレス等、ユーザデバイスの固有コードにもとづいて、特定のユーザデバイスを特定することが可能である。ゲートウェイデバイス430は、モバイルデバイス120をプローブ(探知)することが可能であり、固有コード又は識別子を含む応答信号をモバイルデバイス120から受信することが可能である。ゲートウェイデバイス430は、コンテンツサーバ450からユーザに関連付けられたプロモーションコンテンツ又は情報コンテンツを取得し、関連するコンテンツをモバイルデバイス120に送信することが可能である。
【0058】
ゲートウェイデバイス430は、信号送信機410又はモバイルデバイス120の周波数シグネチャを管理することが可能である。第1の横断歩道における信号送信機410は、第1の周波数を使用して超音波信号を発してもよい。第2の横断歩道における信号送信機410は、第2の周波数を使用して超音波信号を発してもよい。一又は複数のゲートウェイデバイス430は、周波数シグネチャと対応する信号送信機とを、周波数シグネチャデータベース440に格納することが可能である。信号送信機410は、第3の周波数を使用して、第1のモバイルデバイスの識別子にもとづき第1のモバイルデバイスと通信してもよい。信号送信機410は、第4の周波数を使用して、第2のモバイルデバイスの識別子にもとづき第2のモバイルデバイスと通信してもよい。一又は複数のゲートウェイデバイス430は、第1及び第2のモバイルデバイスに関連付けられた周波数シグネチャを、周波数データベース440に格納することが可能である。
【0059】
一又は複数のゲートウェイデバイス430は、建物内又は街中のモバイルデバイスを検出することが可能である。一又は複数のゲートウェイデバイス430は、超音波センシングを使用して、歩行又は移動パターンを決定することが可能である。このようなパターンを使用して、歩行者の通行の流れ(動線)の管理、通勤経路の提案、イベントの計画、又はパンデミック時の社会的距離の管理に関連する推奨事項を生成することが可能である。
【0060】
周波数シグネチャデータベース440は、周波数シグネチャと対応する信号送信機又はモバイルデバイスとの間のマッピングに関連するデータレコードを記憶することが可能である。周波数シグネチャデータベース440は、一又は複数のゲートウェイデバイス430から要求を受信し、信号送信機又はモバイルデバイスに対応する周波数シグネチャを取得することが可能である。周波数シグネチャデータベース440は、一又は複数のゲートウェイデバイス430から要求を受信し、信号送信機又はモバイルデバイスに対応する周波数シグネチャを更新することが可能である。
【0061】
システム400は、一又は複数のコンテンツサーバ450を含むことが可能であり、コンテンツサーバ450は、適切なユーザに配信するために、広告等のプロモーションコンテンツ又は店舗運営情報等の情報コンテンツをホストすることが可能である。ゲートウェイデバイス430は、特定のユーザ又はユーザのグループに合わせられたプロモーションコンテンツ又は情報コンテンツをコンテンツサーバ450から取得し、これらのユーザに関連付けられたモバイルデバイスに送信することが可能である。
【0062】
信号送信機410、モバイルデバイス120、一又は複数のゲートウェイデバイス430、周波数シグネチャデータベース440、及びコンテンツサーバ450は、特定の認証セッションに関連付けられることが可能である。一又は複数のゲートウェイデバイス430は、本明細書に記載されるように、様々な周波数シグネチャ、識別子又は固有コード、プロモーションコンテンツ又は情報コンテンツ、及び/又はマッピング情報を、周波数シグネチャデータベース440及びコンテンツサーバ450とともに受信、処理、及び/又は記憶することが可能である。しかしながら、システム400内の任意のデバイスが、本明細書に記載されるように、処理の何れかを実行し、及び/又は任意のデータを記憶することが可能であることに留意されたい。本明細書に記載のデータの一部又は全ては、一又は複数のデータベースを使用して記憶されることが可能である。データベースは、リレーショナルデータベース、階層型データベース、分散型データベース、インメモリデータベース、フラットファイルデータベース、XMLデータベース、NoSQLデータベース、グラフデータベース、及び/又はそれらの組み合わせを含むことが可能であるが、これらに限定されない。ネットワーク160は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線通信ネットワーク、及び/又は任意の他の通信ネットワークもしくはそれらの組み合わせを含むことが可能である。
【0063】
システム400における様々なコンピューティングデバイスとの間で転送されるデータは、機密文書、顧客個人識別情報、アカウントデータ等のセキュアで機密性の高いデータが含まれる可能性が有る。したがって、セキュアなネットワークプロトコル及び暗号化を使用して、そのようなデータの送信を保護すること、及び/又は様々なコンピューティングデバイスに格納される際にデータの完全性を保護することが望ましい場合が有る。様々なコンピューティングデバイス間でデータを送信するために、ファイルベースの統合スキーム又はサービスベースの統合スキームを利用することが可能である。データは、様々なネットワーク通信プロトコルを使用して送信されることが可能である。ファイル転送プロトコル(FTP)、セキュアファイル転送プロトコル(SFTP)、及び/又はプリティグッドプライバシー(PGP)暗号化等(ただし、これらに限定されない)、データの完全性を保護するために、セキュアデータ転送プロトコル及び/又は暗号化を、ファイル転送において使用することが可能である。多くの実施の形態において、一又は複数のウェブサービスが、様々なコンピューティングデバイス内に実装されることが可能である。ウェブサービスは、データ共有システム内の様々なコンピューティングデバイス間のデータの入力、抽出、及び操作をサポートするために、権限を与えられた外部デバイス及びユーザによりアクセスされてもよい。個別の(個人の)ディスプレイシステムをサポートするために構築されたウェブサービスは、クロスドメイン及び/又はクロスプラットフォームであってもよく、企業での使用のために構築されてもよい。データは、セキュアソケットレイヤ(SSL)又はトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルを使用して伝送され、コンピューティングデバイス間のセキュアな接続を提供することが可能である。ウェブサービスは、WSセキュリティ標準を使用して実装され、XML暗号化を使用してセキュアなSOAPメッセージを提供することが可能である。セキュアなウェブサービスを提供するために、専用のハードウェアが使用されてもよい。セキュアなネットワークアプライアンスは、ハードウェアアクセラレーテッド(ハードウェア加速された)SSL及びHTTPS、WSセキュリティ、及び/又はファイアウォール等の組み込み機能を含むことが可能である。このような専用のハードウェアは、システム400において一又は複数のコンピューティングデバイスの前に設置され、設定されることが可能であり、これにより、任意の外部デバイスが当該専用のハードウェアと直接通信することが可能となる。
【0064】
横断歩道検出システム(例えば、システム400)は、横断歩道におけるモバイルデバイスにより引き起こされる注意散漫に関連するリスクを軽減することが可能である。本システムは、信号送信機から発せられる超音波信号を介して、特定のユーザから横断歩道までの距離を検出し、ユーザが横断歩道に近づくにつれて様々な警告を生成することが可能である。本システムは、建物や都市における多数のユーザの歩行パターンや移動パターンを検出し、社会的距離の維持及び歩行者の通行の流れ(動線)の管理に関する意思決定を支援することが可能である。
【0065】
図5は、本開示の一又は複数の態様に係る横断歩道検出のための例示的な方法を示す。処理500のステップの一部又は全ては、本明細書に記載されるように、一又は複数のコンピューティングデバイスを使用して実行することが可能である。様々な実施の形態において、以下に記載されるステップの一部又は全てが、必要に応じて組み合わせられてもよく、及び/又は複数のサブステップに分割されてもよい。
【0066】
ステップ510において、モバイルデバイスは、信号送信機から横断歩道の位置を示す超音波信号を受信することが可能である。信号送信機は、横断歩道に又は横断歩道の近くに位置するように配置されることが可能である。信号送信機は、他の技術を使用するよりもより正確な高周波の超音波信号を発することが可能である。例えば、無線周波数信号、セルラー信号、WiFi信号、又はブルートゥース信号等を使用して横断歩道の地理的位置を決定する技術は、範囲が特定されない場合が有り、ある状況下では機能しない場合も有る。
【0067】
ユーザが横断歩道でモバイルデバイスにより注意散漫となる可能性が有る場合に、複数の高周波送信機を配置して安全上の問題に対処することが可能である。多数のユーザが、横断歩道でボタンを押し、交通信号灯が変わるのを待って、横断歩道に足を踏み入れる場合が有る。彼らは、歩いて横断歩道に入りながら、携帯電話を使用して電話をかけたり、携帯メールを打ったり、メールを読んだりする可能性が有り、事故が発生する可能性が有る。その結果、モバイルデバイスにより引き起こされる注意散漫のために、交通信号灯の変化や近づいてくる車に気づかない可能性が有る。
【0068】
モバイルデバイスは、携帯電話のバックグラウンドで実行されるアプリケーションを介して、又は携帯電話のオペレーティングシステムを介して、超音波信号を検出することが可能である。携帯電話は、超音波信号を受信するセンサを含んでいてもよい。様々な実施の形態において、信号送信機は、横断歩道において、モバイルデバイスから信号送信機までの距離を決定することが可能である。信号送信機は、モバイルデバイスへ送信され、信号送信機まで跳ね返された超音波信号を使用して、距離を測定することが可能である。信号送信機は、距離に関連する情報をモバイルデバイスに送信することが可能である。様々な実施の形態において、ユーザデバイスは、超音波センシング技術を使用して、モバイルデバイスから横断歩道までの距離を決定することが可能である。
【0069】
ステップ520において、モバイルデバイスは、超音波信号にもとづいて、当該モバイルデバイスから横断歩道までの距離を監視することが可能である。ユーザが横断歩道に向かって歩くと、或いは歩いて横断歩道から遠ざかると、距離は時間とともに変化する。モバイルデバイスは、更新された距離情報を信号送信機から受信することが可能である。モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道に近づく或いは横断歩道から離れる際に、超音波信号にもとづいて距離を監視することが可能である。
【0070】
ステップ530において、モバイルデバイスは、距離にもとづいて、横断歩道の所定の近傍内にユーザがいるか否かを判定することが可能である。答えがノーである場合、処理はステップ520に戻り、モバイルデバイスは、当該モバイルデバイスから横断歩道までの距離の監視を継続することが可能である。所定の近傍は、ユーザにより設定されてもよい。例えば、ユーザは、半径10フィート又は100フィートを横断歩道の近傍として定義することが可能である。モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道の半径10フィート内又は100フィート内にいるか否かを判定することが可能である。答えがイエスである場合、処理はステップ540に進み、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道に近接していることを示すアラートを生成することが可能である。モバイルデバイスは、「横断歩道に近づいています。確認して下さい。」と表示するアラートを生成し、表示してもよい。モバイルデバイスは、ユーザの注意を横断歩道に向けるために、音、振動、ティッカー、光、バナー、ポップアップメッセージ、又はアナウンスを生成してもよい。モバイルデバイスは、ユーザにアラートを確認するよう求めることが可能である。ユーザがアラートを無視した場合、モバイルデバイスは、確認応答が受信されるまで一時的に動作を停止することが可能である。或いは、モバイルデバイスは、ユーザの注意を引くために、音、振動、ティッカー、光、バナー、又はアナウンスの周波数、ピッチ、又は音量を上げてもよい。一部の実施の形態では、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道に近づくと、ユーザの位置及び横断歩道からのユーザの距離を示す地図を表示することが可能である。
【0071】
様々な実施の形態において、モバイルデバイスは、ユーザの移動に関連する方向情報を決定することが可能である。例えば、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道に近づいていっているのか、或いは横断歩道から遠ざかっていっているのかを判定することが可能である。ユーザが横断歩道から遠ざかっていっている場合、モバイルデバイスは、ユーザに適合するプロモーションコンテンツ又は他のコンテンツを表示することが可能である。ユーザが横断歩道に近づいていっている場合、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道の近傍内に移動した後、アラートを表示することが可能である。
【0072】
様々な実施の形態において、モバイルデバイスは、当該モバイルデバイスに関連付けられた識別子又は固有コードを、横断歩道に又は横断歩道の近くに配置されたゲートウェイデバイスへ送信することが可能である。ゲートウェイデバイスは、例えば、モバイルデバイスからの応答信号にもとづいて、ユーザのお気に入りのレストラン又は店舗がユーザのすぐ近くにあることを判定することが可能である。ゲートウェイデバイスは、コンテンツサーバから、そのレストラン又は店舗に関連するプロモーションコンテンツ又は情報コンテンツを取得することが可能である。ユーザが横断歩道から遠ざかっていっている場合、ゲートウェイデバイスは、そのようなコンテンツをユーザに送信しても安全であると判断することが可能である。ゲートウェイデバイスは、その後、プロモーションコンテンツ又は情報コンテンツをユーザのモバイルデバイスに送信することが可能である。ユーザが横断歩道に近づいていっており、ユーザが横断歩道の近傍内にいる場合、ゲートウェイデバイスは、そのようなコンテンツをユーザに送信することは安全ではないと判断することが可能である。ゲートウェイデバイスは、ユーザが横断歩道を安全に渡りきるまで、プロモーションコンテンツ又は情報コンテンツをユーザのモバイルデバイスに送信しないようにすることが可能である。
【0073】
ステップ550において、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道に進入したか否かを判断することが可能である。答えがノーである場合、処理はステップ520に戻り、モバイルデバイスから横断歩道までの距離の監視を継続することが可能である。答えがイエスである場合、処理はステップ560に進み、横断歩道における交通パターンを示すべくアラートが更新されることが可能である。例えば、交通パターンには、交通信号灯が青から赤に変わることが含まれてもよい。交通パターンには、横断歩道に近づいてくる車両を含んでもよい。また、アラートは、ユーザが横断歩道を安全に渡りきるまで、モバイルデバイスのディスプレイ画面がオフになることを示してもよい。或いは、ユーザが横断歩道に近づいていくにつれて、音、振動、ティッカー、光、バナー、ポップアップメッセージ、又はアナウンスの周波数、ピッチ、又は音量を上げるように、アラートが更新されてもよい。また、アラートには、横断歩道で顔を上げ、交通に注意を払うようにというユーザへの警告を含めることも可能である。
【0074】
様々な実施の形態において、ユーザデバイスは、異なる横断歩道における様々な信号送信機から複数の超音波信号を受信することが可能である。これらの信号送信機は、モバイルデバイスの識別子又は固有コードにもとづいて、当該モバイルデバイスを識別することが可能である。これらの信号送信機は、それぞれ、モバイルデバイスから対応する横断歩道までの距離を決定することが可能である。これらの信号送信機は、距離情報をモバイルデバイスに送信することが可能である。モバイルデバイスは、特定の横断歩道にほぼ位置していると判定し、それに応じてユーザにアラートを送信することが可能である。ユーザがその特定の横断歩道に進入すると、アラートは更新され、ユーザの移動を反映するとともに、その特定の横断歩道における交通パターンにユーザの注意を向けさせることが可能である。
【0075】
様々な実施の形態において、信号送信機の周波数シグネチャにもとづいて、モバイルデバイスは、ユーザが近づいている特定の信号送信機及び横断歩道を判別することが可能である。信号送信機は、モバイルデバイスのグループに超音波信号をブロードキャストすることが可能である。様々な実施の形態において、モバイルデバイスの周波数シグネチャにもとづいて、ゲートウェイデバイスは、特定の横断歩道に近づいてくる特定のモバイルデバイスを判別することができる。ゲートウェイデバイスは、そのモバイルデバイスにアラートを送信することが可能であり、そのようなアラートは、特定のモバイルデバイス上に表示されることが可能である。様々な実施の形態において、モバイルデバイスは、異なる通信チャネルを介して様々な信号送信機からの超音波信号を受信することが可能である。各通信チャネルは、特定の信号送信機により使用されてもよい。
【0076】
図6A-6Bは、本開示の一又は複数の態様に係るアラートを生成するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一例を示す。
図6Aに示される例では、通知610をモバイルデバイス600上に表示することが可能である。ユーザが一番街と北大通との交差点の横断歩道に近づくと、地
図620に示されるように、ユーザが横断歩道の所定の近傍内にいるという判定を実施することが可能である。ユーザが横断歩道に近づいていることを示すアラート610が表示されてもよい。アラート610は、更に、この通知を承認(確認)するようユーザに求めて、ユーザの十分な注意を引くことが可能である。ユーザが「はい」をクリックした後で、アラートが解除されてもよい。ユーザがアラートを承認しなかった場合、ユーザが承認するまでモバイルデバイスは一時的に使用不能になってもよい。或いは、モバイルデバイスは、ユーザが横断歩道の近くにいないことを確認し、アラートを解除するようユーザに求めるオプションを表示してもよい。
【0077】
図6Bにおいて、モバイルデバイス600上の地
図640に示されるように、ユーザが交差点の横断歩道に近づくと、ユーザが横断歩道に進入したことを示すアラート630がユーザに表示されてもよい。アラートは、ユーザが横断歩道を安全に渡りきるまで携帯電話が使用不能になることを、ユーザに更に通知してもよい。モバイルデバイスと横断歩道との間の距離にもとづいて、ユーザが横断歩道を横断したと判定した後、自動的に携帯電話を再度使用可能としてもよい。
【0078】
図7は、本明細書に記載の計算システムの一又は複数と共に使用することが可能なコンピューティングデバイス700を示す。コンピューティングデバイス700は、コンピューティングデバイス700との全体的な動作を制御するためのプロセッサ703と、RAM705、ROM707、入出力デバイス709、通信インタフェース711、及び/又はメモリ715を含むプロセッサ703の関連コンポーネントと、を含むことが可能である。データバスは、プロセッサ(単数又は複数)703、RAM705、ROM707、メモリ715、入出力デバイス709、及び/又は通信インタフェース711を相互接続可能である。一部の実施の形態において、コンピューティングデバイス700は、例えば、デスクトップコンピュータと、コンピュータサーバと、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、任意の他のタイプのモバイルコンピューティングデバイス等のモバイルデバイスと、及び/又は本明細書に記載される処理及び機能を実行可能に構成される任意の他のタイプのデータ処理デバイスと、等の様々なデバイスを意味し、それらに組み込まれ、及び/又はそれらを含むことが可能である。
【0079】
入出力(I/O)デバイス709は、コンピューティングデバイス700のユーザがそれを介して入力を提供することが可能なマイクロフォン、キーパッド、タッチスクリーン、及び/又はスタイラスを含むことが可能であり、また、音声出力を提供するためのスピーカ、及びテキスト出力、視聴覚出力、及び/又はグラフィック出力を提供するためのビデオディスプレイデバイスのうちの一又は複数を含むことも可能である。ソフトウェアは、メモリ715内に記憶され、コンピューティングデバイス700が様々なアクションを実行することを可能にする複数の命令をプロセッサ703に提供することが可能である。メモリ715は、オペレーティングシステム717、アプリケーションプログラム719、及び/又は関連する内部データベース721等、コンピューティングデバイス700により使用されるソフトウェアを記憶することが可能である。メモリ715内の様々なハードウェアメモリユニットは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報の記憶のための任意の方法又は技術で実装された揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含むことが可能である。メモリ715には、一又は複数の物理的永続メモリデバイス及び/又は一又は複数の非永続メモリデバイスを含むことが可能である。メモリ715は、ランダムアクセスメモリ(RAM)705、リードオンリメモリ(ROM)707、電気的消去可能プログラム可能リードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用可能であり、プロセッサ703によりアクセス可能な任意の他の媒体を含むことが可能であるが、これらに限定されない。
【0080】
通信インタフェース711は、本明細書に記載されるように、任意のプロトコルを使用して、有線又は無線の任意のネットワークを介して通信するための一又は複数のトランシーバ、デジタル信号プロセッサ、及び/又は追加の回路及びソフトウェアを含むことが可能である。
【0081】
プロセッサ703は、シングルコア又はマルチコアプロセッサであることが可能な単一の中央処理装置(CPU)を含むことが可能であり、或いは、複数のCPUを含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)703及び関連するコンポーネントは、本明細書に記載されている処理の一部又は全ての実行するための一連のコンピュータ可読命令を、コンピューティングデバイス700により実行可能とすることが可能である。
図7には示されていないが、プロセッサ703により使用されるCPUキャッシュ、オペレーティングシステム717により使用されるページキャッシュ、ハードドライブのディスクキャッシュ、及び/又はデータベース721からのコンテンツをキャッシュするために使用されるデータベースキャッシュを含むが、これらに限定されない一又は複数のキャッシュを、メモリ715内の様々な要素、又はコンピューティングデバイス700内の他のコンポーネントが含んでいてもよい。CPUキャッシュを含む実施の形態の場合、当該CPUキャッシュは、メモリの待ち時間及びアクセス時間を短縮するために、一又は複数のプロセッサ703により使用されてもよい。プロセッサ703は、メモリ715に対する読み出し/書き込みではなく、CPUキャッシュからのデータの取得、又はCPUキャッシュへのデータの書き込みを行ってもよく、これにより、これらの動作の速度を改善することが可能である。一部の例では、データベースキャッシュが作成されてもよく、この場合、データベース721からのあるデータが、RAM705内又は別のコンピューティングデバイス上等、データベースとは別のメモリ内の別の小さいデータベースにキャッシュされる。例えば、多階層のアプリケーションにおいて、アプリケーションサーバ上のデータベースキャッシュは、バックエンドデータベースサーバとネットワークを介して通信する必要がないことにより、データ取得及びデータ操作の時間を短縮することが可能である。これらのタイプのキャッシュ及びその他を、様々な実施の形態に含めることが可能であり、本明細書に記載のデバイス、システム、及び方法のある実装例において、より速い応答時間や、データを送受信する際のネットワーク条件への依存度の低減等の潜在的な利点を提供することが可能である。
【0082】
コンピューティングデバイス700の様々なコンポーネントについて、個別に記載したが、様々なコンポーネントの機能は、本発明から逸脱することなく、組み合わせられ、及び/又は単一のコンポーネント及び/又は通信中の複数のコンピューティングデバイスにより実行されてもよい。
【0083】
本開示の一又は複数の態様は、コンピュータ使用可能データ、又は、例えば一又は複数のプログラムモジュール等、一又は複数のコンピュータ或いは他のデバイスにより実行されるコンピュータ実行可能命令に具現化されて、本明細書に記載される動作を実行することが可能である。一般的に、プログラムモジュールは、コンピュータ又は他のデータ処理デバイス内の一又は複数のプロセッサにより実行されると、特定のタスクを実行するか或いは特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含んでいる。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、取り外し可能な記憶媒体、ソリッドステートメモリ、RAM等のコンピュータ可読媒体上に、コンピュータ可読命令として記憶されることが可能である。プログラムモジュールの機能は、様々な実施の形態において、望み通りに組み合わせることや、或いは分散させることが可能である。更に、これらの機能は、集積回路や、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のファームウェア又はハードウェア等価物に、全体として或いは部分的に具現化されてもよい。特定のデータ構造は、本開示の一又は複数の態様をより効果的に実装するために使用することが可能であり、そのようなデータ構造は、本明細書に記載されるコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内にあると考えることが可能である。
【0084】
本明細書に記載される様々な態様は、方法、装置、又はコンピュータ実行可能命令を記憶する一又は複数のコンピュータ可読媒体として具現化することが可能である。したがって、それらの態様は、完全にハードウェアの実施の形態、完全にソフトウェアの実施の形態、完全にファームウェアの実施の形態、又は任意の組み合わせでソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアの態様を組み合わせた実施の形態、の形態をとることが可能である。更に、本明細書に記載されるデータ又はイベントを表す様々な信号は、金属線、光ファイバ、又は無線伝送媒体(例えば、空気又は空間)等の信号伝導媒体を通って伝わる光又は電磁波の形態で、送信元と送信先との間で転送(伝達)されてもよい。一般的に、一又は複数のコンピュータ可読媒体は、一又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体であってもよく、及び/又は、一又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0085】
本明細書に記載されるように、様々な方法及びアクションは、一又は複数のコンピューティングサーバ及び一又は複数のネットワークにわたって実施されることが可能である。機能は、任意の方法で分散されてもよく、又は単一のコンピューティングデバイス(例えば、サーバ、クライアントコンピュータ等)に配置されてもよい。例えば、代替的な実施の形態では、上述したコンピューティングプラットフォームの一又は複数が、単一のコンピューティングプラットフォームに組み合わせられてもよく、各コンピューティングプラットフォームの様々な機能が、単一のコンピューティングプラットフォームにより実行されてもよい。そのような配置構成において、コンピューティングプラットフォーム間の上述の通信の何れか及び/又は全てが、データが単一のコンピューティングプラットフォームによりアクセスされること、移動されること、修正されること、更新されること、及び/又は他の方法で使用されることに対応することが可能である。更に、又は代替的に、上述したコンピューティングプラットフォームの一又は複数が、一又は複数の物理的コンピューティングデバイスにより提供される一又は複数の仮想マシンにおいて実装されてもよい。そのような配置構成において、各コンピューティングプラットフォームの様々な機能は、一又は複数の仮想マシンにより実行されてもよく、コンピューティングプラットフォーム間の上述の通信の何れか及び/又は全ては、データが一又は複数の仮想マシンによりアクセスされること、移動されること、修正されること、更新されること、及び/又は他の方法で使用されることに対応してもよい。
【0086】
本開示の態様を、それらの例示的な実施の形態の観点から説明してきた。本開示を検討することにより、当業者は、添付の特許請求の範囲内及びその趣旨内での多数の他の実施の形態、変形例及びバリエーションに想到するであろう。例えば、例示的な図面において描かれているステップのうちの一又は複数が、記載された順序とは異なる順序で実行されてもよく、一又は複数の描かれたステップが、本開示の態様に従って、オプションとなってもよい。
【国際調査報告】