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特表2024-527563無線通信システムに用いられる電子機器、方法、記憶媒体、装置及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】無線通信システムに用いられる電子機器、方法、記憶媒体、装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/51 20230101AFI20240718BHJP
   H04W 72/512 20230101ALI20240718BHJP
   H04W 28/24 20090101ALI20240718BHJP
【FI】
H04W72/51
H04W72/512
H04W28/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500104
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2022102285
(87)【国際公開番号】W WO2023280032
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202110756858.0
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
2.PYCHARM
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳巍
(72)【発明者】
【氏名】呉俊杰
(72)【発明者】
【氏名】胡少領
(72)【発明者】
【氏名】王曉雪
(72)【発明者】
【氏名】孫晨
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示内容は、無線通信システムに用いられる電子機器、方法及び記憶媒体に関するものである。無線通信システムにおいて、分散型機械学習を利用した様々な実施例について説明した。一実施例では、制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信し、ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器から受信した数量情報に基づいて割り当てられ、制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザ機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信し、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、
制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードするように構成される、電子機器。
【請求項2】
前記処理回路システムは、さらに、
ユーザ機器と基地局との距離を示す距離情報を制御エンティティに送信するように構成され、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きく、且つ距離情報によって示される距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって前記複数のユーザ機器からの数量情報と距離情報とに基づいて割り当てられる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、制御エンティティが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記非遅延敏感型トラフィックがeMBBトラフィックである、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御エンティティと前記複数のユーザ機器は共同でフェデレーションラーニングを実現し、前記制御エンティティは基地局である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
ローカルモデルのパラメータのアップロードは、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記処理回路システムは、さらに、
制御エンティティから前記次のグローバルモデルのパラメータを受信してローカルモデルのパラメータを更新するように構成され、
前記次のグローバルモデルのパラメータの伝送は、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記所定の5QI値は、
リソースタイプが保証ビットレートGBRであること、
デフォルト優先度レベルが70であること、
パケット遅延バジェットが10msであること、
パケット誤り率が10-6であること、
デフォルト平均ウィンドウが2000msであることのうちの少なくとも1つを定義する、請求項7又は8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記5QI値は、87である、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
無線通信システムにおけるネットワーク機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信し、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、
次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信するように構成される、電子機器。
【請求項12】
前記処理回路システムは、さらに、
ユーザ機器からの、ユーザ機器と基地局との距離を示す距離情報を受信するように構成され、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きく、且つ距離情報によって示される距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって前記複数のユーザ機器からの数量情報と距離情報とに基づいて割り当てられる、請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースを含む、請求項11に記載の電子機器。
【請求項14】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、前記処理回路システムが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含む、請求項11に記載の電子機器。
【請求項15】
前記非遅延敏感型トラフィックがeMBBトラフィックである、請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記電子機器と前記複数のユーザ機器は共同でフェデレーションラーニングを実現し、前記電子機器は基地局である、請求項11に記載の電子機器。
【請求項17】
ローカルモデルのパラメータのアップロードは、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項11に記載の電子機器。
【請求項18】
前記処理回路システムは、さらに、
前記次のグローバルモデルのパラメータをユーザ機器に送信してユーザ機器にローカルモデルのパラメータを更新させるように構成され、
前記次のグローバルモデルのパラメータの伝送は、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項11に記載の電子機器。
【請求項19】
前記所定の5QI値は、
リソースタイプが保証ビットレートGBRであること、
デフォルト優先度レベルが70であること、
パケット遅延バジェットが10msであること、
パケット誤り率が10-6であること、
デフォルト平均ウィンドウが2000msであることのうちの少なくとも1つを定義する、請求項17又は18に記載の電子機器。
【請求項20】
前記5QI値は、87である、請求項19に記載の電子機器。
【請求項21】
無線通信システムに用いられる方法であって、
制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信することと、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信することであって、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、
制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードすることとを含む、方法。
【請求項22】
無線通信システムに用いられる方法であって、
ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信することと、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信することであって、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、
次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信することとを含む、方法。
【請求項23】
電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、当該電子機器に請求項21又は22に記載の方法を実行させる1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
請求項21又は22に記載の方法の動作を実行するための部材を含む、無線通信システムに用いられる装置。
【請求項25】
無線通信システムにおけるユーザ機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測し、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示し、
前記情報を基地局に通知し、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知し、基地局に、当該タイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信させるように構成される、電子機器。
【請求項26】
前記処理回路システムは、さらに、
基地局から送信された予測を開始するためのトリガコマンドを受信するように構成され、
前述した、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測することは、
トリガコマンドを受信したことに応答して、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測することをさらに含む、請求項25に記載の電子機器。
【請求項27】
前述した、基地局から送信された予測を開始するためのトリガコマンドを受信することは、
基地局が、ユーザ機器に送信すべきデータが現れることに応答してユーザ機器に送信した予測を開始するためのトリガコマンドを受信することを含む、請求項26に記載の電子機器。
【請求項28】
前記情報は、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが第1の閾値を上回る全てのタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々の相対的なチャネルゲインと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインとのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の電子機器。
【請求項29】
前記情報が、前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインである場合、前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインを、ディープニューラルネットワークによって構築された圧縮モデルを介して基地局に送信する、請求項28に記載の電子機器。
【請求項30】
前述した、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知することは、
利用可能な上りリンクリソースが第2の閾値を下回ると決定する場合、又は、上りリンクフィードバックチャネル品質が第3の閾値を下回ると決定する場合、当該タイムスロットにおけるチャネル品質指示のみを基地局に通知し、前記複数の将来のタイムスロットのうちの他のタイムスロットにおけるチャネル品質指示を通知しないことを含む、請求項25に記載の電子機器。
【請求項31】
無線通信システムにおける基地局側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
ユーザ機器から、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットにおけるチャネルゲインに関する情報を受信し、前記情報は、ユーザ機器が現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて予測したものであり、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示し、
ユーザ機器から、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を受信し、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信するように構成される、電子機器。
【請求項32】
前記処理回路システムは、さらに、
予測を開始するためのトリガコマンドをユーザ機器に送信するように構成される、請求項31に記載の電子機器。
【請求項33】
前述した、予測を開始するためのトリガコマンドをユーザ機器に送信することは、
ユーザ機器に送信すべきデータが現れることに応答して、ユーザ機器に予測を開始するためのトリガコマンドを送信することを含む、請求項32に記載の電子機器。
【請求項34】
前記情報は、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが第1の閾値を上回る全てのタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々の相対的なチャネルゲインと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインとのうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の電子機器。
【請求項35】
前記情報が、前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインである場合、各タイムスロットの前記チャネルゲインは、ディープニューラルネットワークによって構築された圧縮モデルを介してユーザ機器から受信される、請求項34に記載の電子機器。
【請求項36】
前述した、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示をユーザ機器から受信することは、
利用可能な上りリンクリソースが第2の閾値を下回ると決定する場合、又は、上りリンクフィードバックチャネル品質が第3の閾値を下回ると決定する場合、当該タイムスロットにおけるチャネル品質指示のみをユーザ機器から受信し、前記複数の将来のタイムスロットのうちの他のタイムスロットにおけるチャネル品質指示を受信しないことを含む、請求項31に記載の電子機器。
【請求項37】
無線通信システムに用いられる方法であって、
現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測することであって、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示すことと、
前記情報を基地局に通知することと、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知して、基地局に、当該タイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信させることとを含む、方法。
【請求項38】
無線通信システムに用いられる方法であって、
ユーザ機器から、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットにおけるチャネルゲインに関する情報を受信することであって、前記情報は、ユーザ機器が現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて予測したものであり、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示すことと、
ユーザ機器から、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を受信することと、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信することとを含む、方法。
【請求項39】
電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、当該電子機器に請求項37又は38に記載の方法を実行させる1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
請求項37又は38に記載の方法の動作を実行するための部材を含む、無線通信システムに用いられる装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年7月5日に提出された、出願番号が202110756858.0である中国特許出願の優先権を主張しており、同出願は、全体が本明細書に記載されるように、参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
本開示は、無線通信分野に関し、より具体的には、分散型機械学習を利用する際に採用される技術に関し、さらにデータ伝送に用いられる技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワーク及び人工知能が発展するにつれて、ネットワークは次第にインテリジェント化する傾向にある。現在猛烈な勢いで発展している5G技術であろうと、将来の次世代の無線ネットワーク技術であろうと、無線ネットワークのインテリジェント化は、その発展の重要な方向の1つとなる。具体的には、フェデレーションラーニング(Federated Learning、FL)は、データプライバシー・セキュリティと法的コンプライアンスの確保において独自の利点を有し、且つ複数の機器によって共同でモデリングして機械学習モデルの効果を向上させることができるため、現在非常に重要な分散型人工知能フレームワーク又は分散型機械学習フレームワークになり、それと無線ネットワークとの組み合わせは、将来の無線ネットワークインテリジェント化応用の主な内容の1つとなる。したがって、どのようにFLを無線ネットワーク技術と有効に連携させて設計するかは、将来の人工知能の応用に重要な影響を与える。
【0004】
FLの応用の特徴により、FLは、無線ネットワークのQoSに対してより高い要求を出す。例えば、FLのデータトラフィックは、遅延敏感特性を有する。そのため、FLに対して生成されたデータトラフィックを、超高信頼低遅延通信(Ultra-Reliable Low-Latency Communications、URLLC)シナリオを採用して伝送する必要がある。具体的には、FLにおけるローカルモデルとグローバルモデルのパラメータの伝送は、URLLCのサポートを必要とする。しかしながら、多数のユーザ機器に同時にURLLCのデータ伝送サービスを提供すると、無線ネットワークに甚大な負担をかけ、また、通信コストを大幅に増加させる。したがって、無線ネットワークがフェデレーションラーニングにおけるモデルパラメータ伝送のサービス要件を満たすために、現行の無線ネットワーク規格に相応な補足を行うことにより、FLが無線ネットワークにおいて成功に動作できるようにする必要がある。より好ましくは、FLが低コスト、高効率で無線ネットワークにおいて動作できるようにして、FL応用が無線ネットワークに過度の負担をかけることを回避し、トレーニングされたグローバルモデルの誤差を最小化できるようにする。
【0005】
無線ネットワークにおけるリソースの有限性により、FLのような分散型機械学習に参加している全てのユーザ機器が何れもローカルモデルのパラメータをアップロードできるようにするには不十分であり得る。ローカルモデルパラメータの欠失により、アグリゲートして得られたグローバルモデルの誤差が大きくなり、満足のいく分散型機械学習の効果が得られ難くなるおそれがある。
【0006】
したがって、無線ネットワークにおいて分散型機械学習を応用する際にグローバルモデルの誤差を低減できる手法が提供されることが望ましい。
【0007】
一方、5G通信は、その優れたデータ伝送性能により、注目されており、研究が盛んになってきている。5G通信の中核的な応用シナリオの1つであるURLLCは、信頼性と遅延性に対して極めて厳しい性能要求がある。具体的には、URLLCは、99.999%の信頼性と、1msの遅延に達することが要求される。さらに、無線ネットワークの世代交代、アップグレードにつれて、多くの新型な応用が登場し、これらの応用は、遅延性と信頼性に対してより厳しい要求がある可能性がある。例えば、ファクトリーオートメーション(Factory automation)は、セブンナイン(99.99999%)よりも高い信頼性と、1ms未満の遅延を要求する。次世代の無線通信(B5G又は6G)は、遅延性と信頼性に対する要求がより高く、より厳しく、信頼性はナインナインと高く、遅延性は0.1ms未満になることが予想される。
【0008】
URLLCのような遅延性と信頼性に対する要求が高い通信では、次のような問題がある。第一に、例えば、ショートパケット伝送、許可不要伝送、短い時間間隔伝送や、時間、周波数、空間ダイバーシチのような現在開発・使用されている多くの技術は、信頼性の向上や遅延の短縮に寄与するが、チャネル状態が急激に変化するなどの異常事態が発生すると、現在の技術では、これら異常事態に対応するために、往々にして多数のリソースを消費する必要があり、無線伝送環境への適応性に欠け、スケジューリングの柔軟性に欠ける。第二に、既存のネットワークは、URLLCのような低遅延高信頼通信を実現するために、多数のリソースを消費してチャネルの検出及び推定を行う必要があり、オーバーヘッドが大きくなり、しかも異常事態が発生した場合に、より正確なチャネル情報を提供することが困難になる。第三に、無線チャネルのリアルタイム変化により、基地局がスケジューリングを行う際に参照するチャネルサンプリング情報が時機に後れて歪んでおり、システムに対するスケジューリング価値を完全に又は部分的に失い、情報を適時且つ有効に伝送することを確保することが困難になる。
【0009】
したがって、基地局が柔軟に現在のチャネル状態に応じてより適切なリソースで下りリンクデータを送信できるようにすることで、下りリンクデータの伝送性能を向上させる手法が提供されることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の1つの側面は、無線通信システムにおけるユーザ機器側に用いられる電子機器に関するものである。1つの実施例によれば、当該電子機器は、処理回路システムを含んでもよい。当該処理回路システムは、制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信し、ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、且つ、制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードするように構成されてもよい。
【0011】
本開示の1つの側面は、無線通信システムにおけるネットワーク機器側に用いられる電子機器に関するものである。1つの実施例によれば、当該電子機器は、処理回路システムを含む。当該処理回路システムは、ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信し、ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、且つ、次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信するように構成されてもよい。
【0012】
本開示の別の側面は、無線通信システムに用いられる方法に関するものである。一実施例では、当該方法は、制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信することと、ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードすることとを含んでもよい。
【0013】
本開示の別の側面は、無線通信システムに用いられる方法に関するものである。一実施例では、当該方法は、ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信することと、ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信することとを含んでもよい。
【0014】
本開示のさらに別の側面は、1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体に関するものである。幾つかの実施例では、当該1つ又は複数の命令は、電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、電子機器に本開示の各種の実施例による方法を実行させることができる。
【0015】
本開示のさらに別の側面は、本開示の実施例による各方法の動作を実行する部材又はユニットを含む様々な装置に関するものである。
【0016】
上記概要は、本明細書に記載された主題の様々な態様に対する基本的な理解を提供するために、幾つかの例示的な実施例を要約するために提供される。したがって、上記の特徴は単なる例であり、決して本明細書に記載される主題の範囲又は要旨を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載される主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の図面と併せて説明する発明を実施するための形態から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の内容のより良い理解は、図面と併せて実施例の以下の具体的な説明を考慮することによって得ることができる。なお、全ての図面において、同一又は類似する部品を同一又は類似する符号で示している。全ての図面は以下の具体的な説明と共に本明細書に含まれ明細書の一部として構成されており、例を挙げることにより本開示の実施例を説明し、本開示の原理とメリットを解釈する。図面において、
【0018】
図1図1は、本開示の実施例による無線ネットワークにおいて分散型機械学習を用いたシナリオの概略図である。
図2図2は、本開示の実施例による無線ネットワークにおいて分散型機械学習を用いたシステムアーキテクチャの概略図である。
図3図3は、本開示の実施例による無線ネットワークにおいて分散型機械学習を応用した方法のフローチャートである。
図4図4は、本開示の実施例による分散型機械学習の毎回の反復の過程を示し、制御エンティティとしての基地局が一時的に占有し得るeMBBリソースをさらに示す図である。
図5図5は、本開示の実施例による制御エンティティとユーザ機器との間のやり取り過程を示す図である。
図6図6は、本開示の実施例による分散型機械学習のモデルパラメータの伝送に採用可能な5QI値を示す図である。
図7図7は、本開示の実施例による基地局がユーザ機器にデータを送信するシステムアーキテクチャの概略図である。
図8図8は、本開示の実施例によるデータ伝送に用いられる方法のフローチャートである。
図9図9は、本開示の実施例による機械学習モデルをトレーニングする概略図である。
図10図10は、本開示の実施例による第1の予測モードで機械学習モデルをトレーニングする概略図である。
図11A図11Aは、本開示の実施例による予測されたチャネルゲインを伝送するアーキテクチャの概略図である。
図11B図11Bは、本開示の実施例による図11Aにおけるアーキテクチャを用いて予測されたチャネルゲインを伝送するシーケンス図である。
図12A図12Aは、本開示の実施例による基地局がユーザ機器にデータを送信する通信過程のフローチャートである。
図12B図12Bは、本開示の実施例によるユーザ機器が基地局からデータを受信する通信過程のフローチャートである。
図13図13は、本開示の実施例による図12A図12Bに示す通信過程に対応するシーケンス図である。
図14A図14Aは、本開示の実施例による基地局がユーザ機器にデータを送信する別の通信過程のフローチャートである。
図14B図14Bは、本開示の実施例によるユーザ機器が基地局からデータを受信する別の通信過程のフローチャートである。
図15図15は、本開示の実施例による図14A図14Bに示す通信過程に対応するシーケンス図である。
図16図16は、本開示の実施例による図8に示す方法を採用してシミュレーションを行って得られたグラフでる。
図17図17は、本開示の実施例において採用可能な情報処理機器であるパソコンの例示的な構成を示すブロック図である。
図18図18は、本開示の技術を応用できるgNBの例示的な配置の第1の例を示すブロック図である。
図19図19は、本開示の技術を応用できるgNBの例示的な配置の第2の例を示すブロック図である。
図20図20は、本開示の技術を応用できるスマートフォンの例示的な配置の例を示すブロック図である。
図21図21は、本開示の技術を応用できるカーナビゲーション装置の例示的な配置の例を示すブロック図である。
【0019】
本開示内容に説明された実施例は、修正及び代替形態を受け入れることができるが、その具体的な実施例は、添付の図面に例として示され、且つ本明細書で詳細に説明される。しかしながら、理解すべきことは、添付の図面及びそれに対する詳細な説明は、実施例を本開示の特定の形態に限定するものではなく、逆に特許請求の範囲の要旨及び範囲内に入る全ての変更、等同物、及び代替形態を含む。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示による機器及び方法に関する様々な態様における代表的な応用を説明する。これらの例は、単に、コンテキストを追加し、説明されている実施例の理解を助けるために説明されているものである。したがって、以下に説明する実施例が、特定の詳細の一部及び全部がなくても実施できることは、当業者にとっては明らかである。他の場合、説明された実施例を不必要に曖昧にすることを避けるように、周知のプロセスステップは詳細に説明されない。他の用途も可能であり、本開示の技術案は、これらの例に限定されない。
【0021】
まず、図1を参照して、本開示の実施例による無線ネットワーク100において分散型機械学習を用いたシナリオの概略図について説明する。
【0022】
図1に示すように、無線ネットワーク100は、複数のユーザ機器(UE)120-1~120-nと、基地局(BS)110とを含む。無線ネットワーク100は、LTE(長期的進化)、LTE-A、NR(ニューラジオ)のような既存のネットワークであってもよいし、将来現れる新しい無線ネットワークであってもよい。基地局110は、コアネットワークに接続され、ノードB、eNodeB、HeNBのような様々な5G基地局であってもよいし、ユーザ機器に無線アクセスサービスを提供する他のアクセス機器であってもよい。ユーザ機器120-1~120-nの各々は、携帯電話、スマートフォン、タブレットパソコン、ラップトップパソコン、ノートパソコン、デジタルテレビ、サーバのような様々な端末機器であってもよい。ユーザは、ユーザ機器を使用することにより、幅広いネットワークサービスを受けることができる。図1の例では、3つのユーザ機器120-1、120-2及び120-3のみが示されているが、当業者が理解できるように、1つの基地局と通信するユーザ機器の数量は、より多くても少なくてもよい。説明の便宜上、異なるユーザ機器を区別する必要がない場合、以下、ユーザ機器をユーザ機器120と呼ぶ。
【0023】
分散型機械学習の無線ネットワーク100における使用により、ユーザ機器120-1~120-3は共同で1つの分散型機械学習グループを構成する。グループにおける各ユーザ機器120に1つのローカルモデルがあり得る。基地局110には1つのグローバルモデルがあり得る。ユーザ機器120は、そのローカルデータを収集することによって、そのローカルモデルをトレーニングして、ローカルモデルのパラメータを得ることができる。例えば、ユーザ機器120-1は、そのローカルデータを収集することによって、トレーニングに用いられるデータサンプル
【数1】
を得ることができる。ユーザ機器120-2のローカルモデルのトレーニングデータは、ユーザ機器120-2が収集したデータサンプル
【数2】
であり、ユーザ機器120-3のローカルモデルのトレーニングデータは、ユーザ機器120-3が収集したデータサンプル
【数3】
である。これらのデータサンプルは、各ユーザ機器によって履歴処理情報及び/又は記憶情報に基づいて得られてもよいし、管理者によってユーザ機器に入力されてもよい。
【0024】
これらのデータサンプルを、各ユーザ機器におけるモデルをトレーニングするための既存のプログラム(例えば、Pycharm)に入力することによって、モデルのパラメータをフィッティングすることができる。このようなモデルは、様々な機械学習モデル又は人工知能(AI)モデルであってもよく、ユーザの要求に応じて既存の様々なニューラルネットワークなどで構成されてもよい。もっと広くいえば、パラメータによって表すことができる任意の数学モデルを、ローカルモデルとグローバルモデルとすることができる。本開示の実施例で採用される分散型機械学習において、統一されたローカルモデルとグローバルモデルの具体的な構成及び実現できる機能は、特に限定されない。
【0025】
ユーザ機器120は、現在の反復でトレーニングされたローカルモデルを基地局110にアップロードしてもよい。ローカルモデルのアップロードとは、ローカルモデルのパラメータのアップロード(以下、モデルアップロードとモデルパラメータアップロードは同じ意味を持つ)、例えば、モデルの各階層ノードが持つパラメータなどのアップロードを意味する。ユーザ機器は、遅延と信頼性のニーズを満たすために、URLLCトラフィックリソースを採用してモデルパラメータをアップロードしてもよい。基地局110は、各ユーザ機器がアップロードしたモデルパラメータに基づいて、アグリゲートしてグローバルモデルを得ることができ、且つグローバルモデルのパラメータを各ユーザ機器にダウンロードして、例えば、URLLCトラフィックリソースを介して伝送することができる。さらに、ユーザ機器は、基地局と他のデータトラフィックの伝送を行う場合もあり、例えば、ユーザ機器は、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)トラフィックリソースを介して基地局と大きなファイルの転送を行う場合がある。
【0026】
無線ネットワーク100において使用される分散型機械学習は、フェデレーションラーニングであってもよい。当業者が想到できるように、様々な機械学習は、機器のローカルで、集中型方式で実現される他、分散型方式で複数のノードによって共同で完成されてもよい。したがって、無線ネットワークにおいて分散型方式で機械学習を行うシナリオは、全て本開示の実施例を応用でき、本開示の実施例は、分散型機械学習の具体的なタイプを特に限定されず、ユーザ機器が基地局にローカルモデルのパラメータをアップロードでき、基地局がユーザ機器にグローバルモデルのパラメータを送信できればよい。説明の便宜上、以下、フェデレーションラーニング(FL)が分散型機械学習である場合を例にして本開示の技術案について説明する。当業者が理解できるように、他の分散型機械学習を応用する場合、本開示の実施例は依然として適用可能である。
【0027】
無線ネットワーク100においてフェデレーションラーニングが応用されるとき、各通信エンティティ間のやり取りは、図2に示すように、具体的に以下のV1~V4という4つのタイプに分けられてもよい。注意すべきことは、図2において、ユーザ機器UE A、UE B、UE C及び基地局を含む他、機能エンティティとしてのフェデレーションラーニングコントローラ(FLCF)をさらに含む。FLCFは、各ユーザ機器からのローカルモデルのパラメータを受信してアグリゲートしてグローバルモデルを得て、グローバルモデルのパラメータを、基地局を介して各ユーザ機器に送信する。さらに、FLCFはまた、ユーザ機器からの状態情報と使用可能な無線リソース情報を基地局から受信して、異なるユーザ機器に対してどのようにそれにモデルアップロードのための上りリンクリソースを割り当てるかを決定する。FLCFが所在する位置は、フェデレーションラーニングにおける制御エンティティが誰であるかを決定する。例えば、FLCFは、基地局内に位置してもよいし、基地局と通信できる別個のサーバ内に位置してもよく、基地局と通信できるコアネットワークにおけるネットワークエレメント内に位置してもよい。それに応じて、制御エンティティは、それぞれ基地局、サーバ、コアネットワークネットワークエレメントである。図1において、FLCFは基地局内に位置するので、基地局は、フェデレーションラーニングの制御エンティティである。FLCFが他の機器に位置すれば、図1における基地局を対応機器に置き換えればよい。
【0028】
引き続き図2を参照すると、UE A、UE B及びUE Cは、何れもFLアプリケーションを含み、FLCFは、FLアプリケーションサーバを含む。UE A、UE BとUE Cは、エアインターフェースLTE-Uuを介して基地局とインターフェースする。UE A、UE BとUE Cの間のV1は、ユーザ側エッジ情報のやり取りを表す。FLアプリケーションとFLアプリケーションサーバとの間のV2は、フェデレーションラーニングフレームワークでのモデルの要求、配信、アップロード及びダウンロードを表す。FLCFが基地局に位置しない場合、V2に含まれる過程の情報伝送は、基地局を介して転送される必要がある。UE A、UE B及びUE Cと基地局との間のV2は、ユーザ機器が基地局にユーザ機器の状態情報、例えば、ユーザ機器がローカルモデルをトレーニングするために使用するサンプル数量、ユーザ機器と基地局との距離などを送信することを表す。基地局とFLCFとの間のV3は、基地局が、上りリンクリソース割り当てにおいて必要な情報、例えば、V2で受信された状態情報、及びローカルモデルアップロード段階で使用可能な無線リソース(例えば、モデルアップロードに専用の有限の所与の上りリンクリソース及び一時的に占有され得る上りリンクリソース)をFLCFに提供することを表す。V3はまた、FLCFが基地局にフェデレーションラーニングのQoS要求(例えば、フェデレーションラーニングのパラメータ伝送に固有の5QI値)を提供し、基地局にモデルアップロードのための上りリンクリソース割り当て命令を送信することにより、基地局が当該上りリンクリソース割り当て命令に基づいて各ユーザ機器に相応な上りリンクリソースを割り当ててモデルアップロードを行うようにすることを表し得る。
【0029】
無線リソースの有限性により、フェデレーションラーニングに専用の無線リソースは、ローカルモデルを全てアップロードできないので、グローバルモデルの誤差が大きくなる可能性がある。本開示の実施例は、異なるユーザ機器におけるローカルモデルがグローバルモデルにとって異なる重要度を有し得ることを考慮して、より重要なローカルモデルを優先的にアップロードできれば、グローバルモデルの誤差が低減され得ることを想定する。この考えに基づいて、上述のV2とV3を導入した。以下、図3に示す方法300のフローチャートを参照して、V2とV3について具体的に説明する。方法300の実行により、ローカルモデルパラメータをアップロードするための上りリンクリソースは、異なるユーザ機器により合理的に割り当てられることができるため、グローバルモデルの誤差を低減することができる。
【0030】
S310では、ユーザ機器は、制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信する。
【0031】
フェデレーションラーニングのような分散型機械学習のフレームワークでは、現在のトレーニングサンプルの実際の状況などにより良くマッチングして、より高い精度を有するように、複数回の反復によってローカルモデルのパラメータを持続的に更新する必要がある。毎回の反復において、ユーザ機器は、収集したトレーニングサンプルに基づいて、そのローカルモデルをトレーニングする。トレーニング過程において、ユーザ機器は、当該トレーニングに全部で使用するトレーニングサンプルの数量を決定し、その数量を、メッセージ(例えば、シグナリング)を介して制御エンティティにフィードバックする。
【0032】
トレーニングサンプルの数量は、ユーザ機器のローカルモデルの重要度をある程度反映している。ユーザ機器がローカルモデルをトレーニングする際に使用するトレーニングサンプルの数量が多いほど、当該モデルのパラメータは、より多くのデータの情報を反映できることを表すので、より高い信頼度を有し、それにより、当該モデルが予測する結果はより正確であり、当該モデルはより重要になる。
【0033】
制御エンティティは、図2におけるFLCFが所在するネットワーク機器(例えば、基地局、サーバ、及びコアネットワークネットワークエレメント)であってもよく、分散型機械学習グループ(例えば、フェデレーションラーニンググループ)における各ユーザ機器におけるローカルモデルパラメータからグローバルモデルを得て、グローバルモデルのパラメータをユーザ機器に送信するために用いられる。制御エンティティは、さらに、グループにおける各ユーザ機器のためにモデルアップロードに用いられる上りリンクリソース割り当てを決定するために用いられる。
【0034】
S320では、ユーザ機器は、ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信する。ここで、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられる。
【0035】
同じフェデレーションラーニンググループに位置する各ユーザ機器は、現在の反復においてローカルモデルをトレーニングする際に使用するトレーニングサンプルの数量情報を制御エンティティに提供する必要がある。制御エンティティは、各ユーザ機器が使用するトレーニングサンプル数量に基づいて、数量の大小関係を決定することができる。トレーニングサンプル数量が多いユーザ機器を用いるほど、トレーニングされたローカルモデルは、一般的には、より多くのデータ情報を含むので、より正確である(又はより重要である)。このため、制御エンティティは、サンプル数量が多いユーザ機器に、ローカルモデルパラメータをアップロードするのに十分な上りリンクリソースを割り当てることにより、より重要なローカルモデルがアップロードできることを確保することができる。特に、無線リソースが限られている場合、より重要なローカルモデルがアップロードできることを優先的に確保することは、グローバルモデルの誤差を低減するのに重要な役割を果たす。具体的な上りリンクリソース割り当て方式については後述する。
【0036】
制御エンティティが上りリンクリソースを割り当てた後、割り当てられた上りリンクリソースに関する情報は、ユーザ機器に通知されてもよい。それにより、ユーザ機器は、割り当てられた上りリンクリソースでモデルパラメータを送信することができる。
【0037】
S330では、ユーザ機器は、制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードする。
【0038】
ユーザ機器は、自身に割り当てられた上りリンクリソースでローカルモデルのパラメータを制御エンティティに送信する。制御エンティティは、異なるユーザ機器がアップロードしたパラメータに基づいて、既存の技術(例えば、フェデレーションラーニングにおけるアグリゲート技術)にしたがってグローバルモデルを得ることができる。グローバルモデルを得た後、制御エンティティは、グローバルモデルのパラメータをユーザ機器に送信してもよい。それにより、ユーザ機器は、ローカルモデルを更新して、次の反復において新しいトレーニングデータを用いて更新後のローカルモデルをトレーニングし続け得る。
【0039】
上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースであってもよい。これにより、パラメータのアップロードが低遅延と高信頼性を有することを確保することができ、グローバルモデル誤差の低減に寄与する。しかしながら、無線システムにおいては、無線リソースは往々にして限られているため、モデルアップロードに専用の上りリンクリソース(例えば、URLLCリソース)は、全てのユーザ機器が何れもアップロードできるようにするには不十分であり得る。この場合、一時的に何らかのリソースを占有してモデルのアップロードに用いることが考えられる。例えば、フェデレーションラーニンググループにおける全てのユーザ機器がモデルアップロード段階で行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソース、例えば、eMBBトラフィックの上りリンクリソースは、一時的に占有され得る。このとき、占有され得る上りリンクリソースは、元のトラフィックによってリリースされ、上りリンクリソースが欠けているユーザ機器に割り当てられてモデルパラメータをアップロードする。これにより、より多くのモデルパラメータが制御エンティティにアップロードされてアグリゲートできることを確保し、グローバルモデルの誤差をさらに低減する。アップロード段階において、所与の有限数のURLLCトラフィック上りリンクリソース(その数量は、一般的にはユーザ機器の数量よりも少ない)を使用することにより、且つ、ランダムな若干の占有に利用可能なeMBBトラフィック上りリンクリソースを使用することが可能であるため、上りリンクリソースをより適宜スケジューリングし、モデルアップロードのニーズを満たすことができる。
【0040】
図2におけるRLCFが所在する位置によって、S310からS330は、異なる機器に繋がる。例えば、図2におけるFLCFが基地局内に位置する場合、制御エンティティは基地局である。このとき、S310とS330は、ユーザ機器と基地局との間の通信に繋がり、S320の上りリンクリソース情報は、基地局により直接決定され、ユーザ機器に送信される。また、例えば、図2におけるFLCFが基地局の外部のネットワーク機器(例えば、サーバ又はコアネットワークネットワークエレメント)内に位置し得る場合、制御エンティティは、サーバ又はコアネットワークネットワークエレメントである。このとき、S310でユーザ機器により送信された数量情報と、S330でユーザ機器により送信されたモデルパラメータは、基地局を介して制御エンティティに転送される必要があり、S320でユーザ機器により受信された上りリンクリソース情報は、まず制御エンティティにより基地局に送信され、そして基地局によりユーザ機器に転送される必要がある。制御エンティティが基地局に送信する上りリンクリソース情報と、基地局がユーザ機器に転送する上りリンクリソース情報の具体的な形態は、異なってもよいが、何れも同じ上りリンクリソースを指している。両者とも同じ上りリンクリソースを指しているので、両者は実質的に同一であると考えてよい。好ましくは、FLCFは基地局内にあり、それにより、基地局は制御エンティティである。このように、モデルパラメータのやり取り遅延をより小さくし、且つ、より安定で確実なものとすることができる。また、好ましくは、無線ネットワークにおいて使用される分散型機械学習は、フェデレーションラーニングである。
【0041】
上記の技術案によれば、ローカルモデルをトレーニングするために使用されるトレーニングサンプル数量情報を制御エンティティ(例えば、基地局)に送信することにより、制御エンティティは、異なるユーザ機器が報告したサンプル数量に基づいて、異なるユーザ機器におけるローカルモデルの重要度を決定することができる。それにより、より多くのトレーニングサンプルを利用してより重要なローカルモデルが制御エンティティにアップロードされる機会が増え、グローバルモデルのアグリゲートは、より重要なローカルモデルに基づくことができ、グローバルモデルの誤差を低減することができる。
【0042】
本開示の実施例によれば、ユーザ機器は、制御エンティティに数量情報を送信する他、それと基地局との距離情報を制御エンティティに送信してもよい。当該距離情報は、ユーザ機器と基地局との間の物理的距離、例えば、信号伝送の直線距離などを反映し得る。距離情報をアップロードする理由は、制御エンティティが上りリンクリソースを割り当てる際に、基地局からの距離がより近いユーザ機器を優先的に満足させることにより、分散型機械学習グループにおけるユーザ機器のエネルギー消費を最適化するためである。
【0043】
ユーザ機器の動作には電池の電力を消費する必要があり、電池容量は限られている。ユーザ機器がより長い持続時間を有することを可能にするために、フェデレーションラーニングの過程において、個々のユーザ機器がモデルパラメータを伝送するために消費する総エネルギーが過大にならないように、フェデレーションラーニンググループにおける全てのユーザ機器に総電力制約を設定してもよい。総電力制約は、平均電力制約に基づいて決定されてもよい。平均電力は、フェデレーションラーニングに参加する全てのユーザ機器のデータ送信電力の平均値を指し、基地局によって、ユーザ機器から受信された信号強度に基づいて決定されてもよい。電力制約は、制御エンティティが上りリンクリソースを割り振る際に考慮に入れるように、制御エンティティに提供され得る。
【0044】
制御エンティティが、ユーザ機器がローカルモデルをトレーニングするために使用するサンプル数量を知っているだけでなく、ユーザ機器と基地局との距離も知っている場合、制御エンティティは、サンプル数量が大きく、且つ距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるようにすることができる。使用するトレーニングサンプル数量が大きいほど、対応するローカルモデルがより重要であることを意味する。基地局からの距離が小さいほど、ユーザ機器がローカルモデルをアップロードするために消費するエネルギーが小さいことを意味し、エネルギー消費の点で有利である。このように、より重要なローカルモデルがアップロードされることを確保できるだけでなく、より重要で、且つアップロードするために消費するエネルギーが小さいローカルモデルほど、アップロードされることが優先的に確保される。
【0045】
図4は、本開示の実施例による分散型機械学習の毎回の反復の過程を示し、その中、モデルアップロードに専用の上りリンクリソース以外に、一時的に占有され得るリソースは、図4の例ではeMBB上りリンクリソースである。
【0046】
図4に示すように、第n回の反復と、第n+1回の反復は、同じ反復過程を有するが、毎回の反復で一時的に占有され得るeMBBリソースは異なる。毎回の反復は、3つの段階を含む。段階1は、ユーザ機器のローカルモデルトレーニング段階であり、段階2は、ユーザ機器の状態情報アップロード段階であり、段階3は、制御エンティティのリソース割り当て、ユーザ機器のローカルモデルアップロード、及び制御エンティティのグローバルモデル送信段階である。図4の例では、制御エンティティは基地局であり、分散型機械学習はフェデレーションラーニングである。
【0047】
フェデレーションラーニンググループは、ユーザ機器1、ユーザ機器2、・・・、ユーザ機器Uを含み、全部でU個のユーザ機器がある。各ユーザ機器は、ユーザ機器がローカルで収集したトレーニングサンプルに応じて、段階1(例えば、A1~A2、B1~B2)でトレーニングされるローカルモデルを有する。段階2(例えば、A2~A3、B2~B3)において、各ユーザ機器iは、各々の、モデルをトレーニングするために使用するサンプル数量K(n)を含む状態情報を基地局に送信する。状態情報は、ユーザ機器iと基地局との距離d(n)をさらに含んでもよい。基地局がグループにおける全てのユーザ機器の状態情報を受信すると、反復過程は段階3(例えば、A3~B1、B3~次の反復がローカルモデルをトレーニングすることを開始するタイミング)に進む。段階3が開始されるタイミング(例えば、A3とB3)において、基地局は、それとグループにおける全てのユーザ機器が行っているeMBBトラフィックを決定してもよい。これら行っているeMBBトラフィックの上りリンクリソースは、ローカルモデルパラメータをアップロードするために現在の反復が占有し得るリソースである。
【0048】
図4では、A3において、2つのeMBBトラフィックが現れ、これら2つのeMBBトラフィックの上りリンクリソースは、ローカルモデルパラメータを伝送するために一時的に占有され得るリソースである。B3では、1つのeMBBトラフィックが現れ、このeMBBトラフィックの上りリンクリソースは、ローカルモデルパラメータを伝送するために一時的に占有され得るリソースである。一時的に占有されたeMBBトラフィックの上りリンクリソースは、当該eMBBトラフィックのリソースがどのユーザ機器からのものであるかにかかわらず、グループにおける、ローカルモデルをアップロードする必要がある任意のユーザ機器に割り当てられてもよい。
【0049】
図5には、本開示の実施例による制御エンティティとユーザ機器との間のやり取り過程500が示される。図5では、制御エンティティが基地局505である場合を例にして説明する。当業者が理解できるように、制御エンティティが他のネットワーク機器である場合、似た過程を行ってもよい。
【0050】
図5に示すように、分散型機械学習の第n回の反復の開始から終了までの時間長はT0であり、第n回の反復の終了の時刻は、次回(第n+1回)の反復が開始される時刻である。分散型機械学習グループにおけるユーザ機器iは、第n回の反復が開始されると、ローカルで収集したトレーニングサンプルによりローカル機械学習モデル(ローカルモデルと略称する)のトレーニングを開始する。S510において、ユーザ機器iは、ローカルモデルをトレーニングするために使用されるトレーニングサンプルの数量K(n)と、ユーザ機器iと基地局505との距離d(n)とを基地局505に送信し、例えば、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を介して基地局505に送信する。K(n)とd(n)は、同時に送信されてもよいし、別々に送信されてもよい。
【0051】
S520では、基地局505は、グループにおける全てのユーザ機器から受信したK(n)とd(n)に基づいて、ユーザ機器iに割り当てる必要がある上りリンクリソースX(n)を決定する。具体的なリソース割り当て方式については後述する。上りリンクリソースX(n)は、モデルアップロードに専用のURLLCリソースであってもよいし、基地局がグループにおける全てのユーザ機器のK(n)とd(n)を受信したとき、これらユーザ機器と基地局505との間で行われている非遅延敏感型トラフィックのリソース、例えば、eMBBリソースであってもよい。非遅延敏感型トラフィックのリソースが、モデルパラメータを伝送するために占有される必要があるとき、当該リソースは、基地局505と相応なユーザ機器によって完全にリリースされ、全てモデルパラメータを伝送するために用いられる。
【0052】
S530では、基地局505は、リソース割り当て結果X(n)をユーザ機器iに通知する。
【0053】
S540では、ユーザ機器iは、X(n)によって示される上りリンクリソースでローカルモデルのパラメータω(n)を基地局505にアップロードする。
【0054】
S550では、基地局505は、受信したグループにおけるユーザ機器からのローカルモデルに基づいて、アグリゲートしてグローバル機械学習モデル(グローバルモデルと略称する)を得て、グローバルモデルのパラメータg(n)をユーザ機器iに送信する。それにより、ユーザ機器iは、g(n)を利用してローカルモデルを更新する。
【0055】
次に、ユーザ機器iは、第n+1回の反復を開始し、更新されたローカルモデルをトレーニングし、S560において、ローカルモデルをトレーニングするために使用されるトレーニングサンプルの数量K(n+1)と、ユーザ機器iと基地局505との距離d(n+1)を基地局505に送信する。ユーザ機器iが静止しているとき、距離d(n+1)は、送信されなくてもよい。その後、S520~S550と同様に、基地局505は、引き続き、新たな状態情報に基づいて上りリンクリソースを割り当て、リソース割り当て結果をユーザ機器iに通知する。ユーザ機器iは、ローカルモデルパラメータをアップロードし、基地局505は、グローバルモデルパラメータを送信する。これにより、一巡する新しい反復を完成させる。反復プロセスは、継続的に行われてもよい。これにより、各ユーザ機器における機械学習モデルは、より多くのトレーニングサンプルにマッチングすることができ、より正確になる。
【0056】
以下では、フェデレーションラーニングを例にして、制御エンティティが、ユーザ機器が送信した数量情報と距離情報を含む状態情報に基づいて上りリンクリソース割り当てを行う過程を説明するが、フェデレーションラーニングに用いられる上りリンクリソースは、モデルアップロードに専用のURLLCトラフィックリソースに加えて、一時的に占有され得るeMBBリソースをさらに含む。
【0057】
制御エンティティが、フェデレーションラーニンググループにおける各ユーザ機器から、現在の反復においてローカルモデルをトレーニングするために使用されるトレーニングサンプルの数量情報と、ユーザ機器と基地局との距離情報を受信すると、制御エンティティは、ローカルモデルがアップロードされるように、上りリンクリソースをリアルタイムに動的に割り当てることができる。具体的には、一態様では、制御エンティティは、ユーザ機器がローカルモデルをトレーニングするために使用するサンプル数量情報を考慮して、ユーザ機器がトレーニングするローカルモデルの重要度を判断してもよい。別の態様では、制御エンティティは、平均電力制限を満たすように、ユーザ機器と基地局との距離情報を考慮してもよい。さらに別の態様では、フェデレーションラーニングに専用の無線リソースの数量がグループにおけるユーザ機器の数量よりも少ないことを考慮して、制御エンティティは、リソースの有限性を決定してもよい。モデルの重要度、電力制限、及び/又は無線リソース制限に基づいて、制御エンティティは、ユーザ機器間の無線リソース割り当てを決定して、グローバルモデルの誤差を最小化するという要望を実現することができる。
【0058】
エネルギー消費コスト、無線リソースコスト、及び機械学習効果の最適化を可能な限り同時に実現するために、発明者らは、上りリンクリソース割り当てが考慮すべき要素を以下のように設計した:
【数4】
式(1)中の各変数は、以下のように定義される:
g(n):第n回の反復後、フェデレーションラーニングで得られたグローバルモデル。
:最適なグローバルモデル。
F(g):モデルgの誤差関数。その具体的な形態は、モデルの特定の表現に依存する。
U:フェデレーションラーニングに参加しているユーザ機器の総数。即ち、フェデレーションラーニンググループにおけるユーザ機器の総数。
L(n):フェデレーションラーニングに専用のURLLCトラフィックの上りリンクリソース割り当て
【数5】
ここで、L(n)=0又は1となる。L(n)=0は、ユーザ機器iにフェデレーションラーニングに専用のURLLCトラフィックリソースが割り当てられていないことを示し、L(n)=1は、ユーザ機器iにフェデレーションラーニングに専用のURLLCトラフィックリソースが割り当てられていることを示す。
(n):ユーザ機器iが占有するeMBBトラフィックの上りリンクリソース割り当て。ここで、A(n)=0又は1となる。A(n)=0は、ユーザ機器iにフェデレーションラーニングに一時的に使用されるeMBBトラフィックリソースが割り当てられていないことを示し、A(n)=1は、ユーザ機器iにフェデレーションラーニングに一時的に使用されるeMBBトラフィックリソースが割り当てられていることを示す。
(n):ユーザ機器iと基地局との距離。
ηとμ:比例因子。例えば、ラグランジュ乗数。
E(.):算術的期待値。
【数6】
:0ノルム。計算結果は、ベクトルのうち0より大きい成分の数である。
【数7】
:特性関数。括弧内のイベントが真である場合、関数値が1であり、そうでない場合、関数値が0になる。
【0059】
式(1)において、上りリンクリソース割り当てに考慮すべき要素は3つの部分に分けられる。第1の部分E(F(g(n+1))-F(g))は、第n回の反復アグリゲート後のグローバルモデル誤差の期待を表し、機械学習の効果又は人工知能(AI)トレーニング効果に対応する。第2の部分
【数8】
は、第n回の反復においてローカルモデルがアップロードされる際に使用されるフェデレーションラーニングに専用のURLLCトラフィックリソースを表し、無線リソースコストに対応する。第3の部分
【数9】
は、第n回の反復においてローカルモデルがアップロードされる際の無線信号の経路損失を表し、エネルギー消費コストに対応する。無線リソースコスト及びエネルギー消費コストが制限されている場合にグローバルモデル誤差を最小化するために、最適化目標は以下のように確立される:
【数10】
s.t.
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【0060】
上記式は、式(3)~(6)に制限されている場合、式(2)が最小であるように、A(n)とL(n)を探すことを意味する。ここで、A(n)は、フェデレーションラーニンググループにおけるユーザ機器が占有するeMBBトラフィックの上りリンクリソース割り当であり、
【数15】
は、式(1)中の意味と同じである。また、式(2)~式(6)において、式(1)と同じ記号は同じ意味を有し、ここではこれ以上説明せず、式(1)と異なる記号の意味についてのみ説明する。
th:フェデレーションラーニングに専用のURLLC上りリンクリソースの最大値であり、無線リソースコスト制約を表す。この値は基地局によって決定されてもよい。例えば、当該値は、基地局が合計で利用可能なURLLC上りリンクリソースの所定のパーセンテージであってもよく、例えば、5%、10%、20%などである。当該値は、ユーザによって基地局に設定されてもよいし、所定の規則に従って配置されてもよい。制御エンティティが基地局でない場合、当該値は、基地局によって制御エンティティに送信される。
th:フェデレーションラーニングに用いられるユーザ機器の最大総エネルギー消費であり、エネルギー消費コスト制約を表す。この値は、基地局によって、フェデレーションラーニンググループにおけるユーザ機器のデータ送信電力の平均値に基づいて決定されてもよい。例えば、この値は、平均値にグループにおけるユーザ機器総数を乗じた値であってもよいし、ユーザが予め基地局に設定したエネルギー消費に関する閾値であってもよい。制御エンティティが基地局でない場合、当該値は、基地局によって制御エンティティに送信される。
ω(n):第n回の反復において、ユーザ機器iがトレーニングしたローカルモデルのパラメータ。
(n):第n回の反復において、ユーザ機器iがローカルモデルをトレーニングする際に使用するトレーニングサンプルの数量。
C(n):第n回の反復において、ローカルモデルがアップロードされる時に、占有され得るeMBBトラフィックリソースの総量。この値は、基地局によって、それがグループにおけるユーザ機器のK(n)とd(n)を受信したときに基地局とグループにおけるユーザ機器との間で行われているeMBBトラフィックに基づいて決定される。例えば、この値は、行われているeMBBトラフィックの上りリンクリソースの総量に等しくてもよいし、当該総量の所定のパーセンテージ、例えば、50%、70%などに等しくてもよい。
【0061】
上記の最適化問題は多目的最適化問題であり、解を求めることが複雑であるため、上記多目的最適化問題を単一目的の最適化問題に変換することが望ましい。多目的の線形重み付けを最小化することによって、多目的最適化問題を単一目的の最適化問題に変換することができる。式(7)~(9)に示すように、上記の最適化問題は、以下のように変換される:
【数16】
s.t.
【数17】
【数18】
上記式は、式(8)~(9)に制限されている場合、式(7)が最小であるように、A(n)とL(n)を探すことを意味する。その中、式(7)~式(9)において、式(2)~式(6)と同じ記号は同じ意味を有し、ここではこれ以上説明しない。
【0062】
上記の最適化問題の難点は、目的関数の第1の部分E(F(g(n+1))-F(g))の表現にある。この期待値の結果は、一般的には、明示的ではなく、且つその正確な結果は、具体的なAIモデルによって決まるので、正確な式によって決定されることは困難である。幸いにも、M.Chen、Z.Yang、W.Saad、C.Yin、H.V.PoorとS.Cuiが2021年1月にIEEE Transactions on Wireless Communications、第20巻、第1号、第269~283頁に発表したタイトルが「A Joint Learning and Communications Framework for Federated Learning Over Wireless Networks」である非特許文献には、当該期待値の上限が与えられ、この非特許文献は、参照として本明細書に取り込まれる。この期待値の前記上限は、以下の通りである:
【数19】
式(7)におけるE(F(g(n+1))-F(g))の代わりに、不等式における第1項
【数20】
を用いることができる。上記不等式における第2項
【数21】
は定数であり、最適化問題の求解に影響を与えず、式(7)に代入する必要がない。
【0063】
第1項
【数22】
における各記号の意味は、以下の通りである:
パラメータξ、L、Aは、特定の機械学習モデルに関し、最適化問題において定数である。パラメータKは、現在の反復において全てのユーザ機器がローカルモデルをトレーニングするために使用するサンプル数量の和であり、即ち、
【数23】
である。ここで、パラメータKは、ユーザ機器iが現在の反復においてローカルモデルをトレーニングするために使用するサンプルデータ量の大きさを表す。パラメータ
【数24】
は、ユーザ機器iのローカルモデルがアップロードされたか否かを表す。この最適化問題では、
【数25】
となる。ユーザ機器iのローカルモデルがまだアップロードされていない場合、
【数26】
となる。そうでない場合、
【数27】
関数q(r,P)は、ユーザ機器iが無線ネットワークを介してローカルモデルをアップロードする符号誤り率を表す。現在の例において、フェデレーションラーニングに専用の上りリンクリソースはURLLCトラフィックリソースであるので、その符号誤り率は定数10-5に設定され得る。
【0064】
式(7)におけるE(F(g(n+1))-F(g))の代わりに、上記第1項を用いた後、式(7)における最適化問題の求解を開始する。ηとμの値を設定することで、式(7)を最小化するA(n)とL(n)を得ることができる。A(n)が式(6)の制約を満たさない場合、且つ/又は、L(n)が式(3)の制約を満たない場合、ηとμの値を調整して、式(7)を最小化するA(n)とL(n)を再び探す。得られたA(n)とL(n)が共に式(6)及び式(3)の制約を満たす場合、得られたA(n)とL(n)は、各ユーザ機器に割り当てるべき上りリンクリソースに対応する。例えば、
【数28】
であれば、ユーザ機器1及び2には、フェデレーションラーニングに専用のURLLC上りリンクリソースが割り当てられ、ユーザ機器3には上りリンクリソースが割り当てられておらず、ユーザ機器4及び5には、現在利用可能なeMBB上りリンクリソースが割り当てられる。得られたA(n)とL(n)が依然として共に式(6)と(3)の制約を満たさない場合、式(6)と(3)の制約を満たすA(n)とL(n)を見出すまで、引き続きηとμの値を調整する。毎回の反復において、ηとμを再決定して、式(7)の解を再び求める必要がある。
【0065】
ηとμを調整することによって、フェデレーションラーニング過程におけるエネルギー消費、無線リソース、及びAIモデル誤差の最適なトレードオフ関係を実現することができ、それにより、エネルギー消費コスト及び無線リソースコストを動的に調整して、異なる程度のトレーニング効果を得ることができる。上記式(7)の求解により、無線リソース及びエネルギー消費が制限されている場合に、モデルをアップロードするための合理的な上りリンクリソースを各ユーザ機器に割り当てることができる。それにより、より重要なローカルモデルに優先的に上りリンクリソースが割り当てられ、基地局からの距離が近いユーザ機器にも優先的に上りリンクリソースが割り当てられることができる。
【0066】
ユーザ機器に上りリンクリソースを割り当てた後、制御エンティティが基地局ではない場合、制御機器は、基地局を介してユーザ機器に情報を送信して、対応する上りリンクリソースを割り当てることができる。制御エンティティが基地局である場合、基地局は、式(7)の解を求めることによって得られた割り当て情報に基づいて、対応する上りリンクリソースをユーザ機器に割り当てる。ユーザ機器は、割り当てられた上りリンクリソースでローカルモデルのパラメータを送信する。
【0067】
ローカルモデルパラメータの伝送は、特定のサービス品質(QoS)要求を満たすことができる。当該QoS要求は、所定の5QI値によって指定されてもよい。例えば、5QI値は、図6に示す形態を有してもよい。
【0068】
図6に示すように、当該5QI値は、現在使用されていない値、例えば87を採用してもよい。5QI値に関連するQoS特性は、リソースタイプ、デフォルト優先度レベル、パケット遅延バジェット(PDB)、パケット誤り率(PER)、デフォルト平均ウィンドウ、デフォルト最大データバースト量のうちの少なくとも1つを含んでもよい。分散型機械学習(例えば、フェデレーションラーニング)のモデルパラメータ伝送のシナリオでは、リソースタイプは、保証ビットレート(GBR)であってもよく、デフォルト優先度レベルは70であってもよく、パケット遅延バジェットは10msであってもよく、パケット誤り率は10-6であってもよく、デフォルト平均ウィンドウは2000msであってもよく、デフォルト最大データバースト量は定義されなくてもよい。このようなQoS要求を定義することにより、モデルパラメータの伝送に良好な遅延と信頼性を持たせることができ、分散型機械学習の精度をより高めることができる。
【0069】
この5QI値は、ユーザ機器に配置されてもよく、例えば、ユーザ機器がモデルアップロードにおいて対応するQoS要求を採用するように、ユーザ、コアネットワーク機器、又は基地局によってユーザ機器に設置される。
【0070】
ローカルモデルアップロードがこの5QI値が規定するQoS要求を満たす必要がある他、グローバルモデルの送信も、この5QI値が規定するQoS要求を満たす必要がある。例えば、基地局がグローバルモデルのパラメータを送信する際に対応するQoS要求を満たすように、この5QI値は、コアネットワーク機器、管理者、基地局で動作するプログラムによって基地局に配置されてもよい。
【0071】
以上は、無線通信ネットワークにおいて、分散型機械学習を利用するときに採用される技術について説明した。次に、無線通信ネットワークにおいてデータを伝送する際に使用される技術について説明する。
【0072】
まず、図7を参照して、本開示の実施例による基地局がユーザ機器にデータを送信するシステムアーキテクチャ700の概略図について説明する。
【0073】
図7に示すように、送信側である基地局は、無線チャネルで受信側であるユーザ機器に下りリンクデータを送信する。図7における基地局及びユーザ機器は、図1における基地局及びユーザ機器と同じであってもよい。説明の便宜上、ここではそれらをそれぞれ同一の符号によって表す。
【0074】
あるネットワークサービスによる遅延に対する要求を満たすために、当該ネットワークサービスのデータパケットa[n]は、最大で、Ta時間ごとに基地局110の送信キューq[n]に到着することができる。ここで、Taは、各データパケットが許容できる最大遅延である。基地局110は、Th時間ごとにチャネル状態をサンプリングしてもよい。チャネルのサンプリング間隔Thは、各データパケットの許容遅延Taよりも遥かに小さい。基地局110がキューq[n]にあるデータパケットを送信するとき、基地局110は、ユーザ機器120によってフィードバックされたチャネル品質インジケータ(CQI)によって表されるチャネル品質に対応する電力で、無線チャネルを介してデータパケットをユーザ機器120に送信する。
【0075】
ユーザ機器120は、基地局110からのデータパケットを受信する他、履歴チャネル状態に基づいて将来のチャネル状態を予測的に分析して、複数の将来のタイムスロットのうち、チャネル状態が最も良いタイムスロットを示すことができる情報を得てもよい。このような情報を基地局110にフィードバックすることで、基地局110は、どのタイムスロットで伝送すべきデータパケットを送信するかを決定することができる。さらに、ユーザ機器120は、予測されたチャネル状態が最も良いタイムスロットにおいて測定されたCQIを基地局110にフィードバックしてもよい。当該CQIは、基地局110の電力割り当てを決定することができる。このように、基地局110は、チャネル状態の良いタイムスロットにおいて、そのタイムスロットの実CQIにマッチングする電力を用いてデータを伝送することで、チャネル状態の良くないタイムスロットの使用を回避しつつ、電力を合理的に割り当てることができ、下りリンクデータの伝送がより合理的となり、リソースの使用がより効率的となる。また、下りリンクデータの正確な伝送は、後でエラー訂正に起因するリソースのオーバーヘッドや無駄を回避できる。
【0076】
ユーザ機器120によって実行される予測的分析は、ネットワークのスケジューリング決定に重要な役割を果たし、この予測的分析は、ディープニューラルネットワーク(DNN)などに基づいて実現されてもよい。予測的分析は、ユーザ機器120による最適なタイムスロットにおけるCQIに対するフィードバックと組み合わされ、下りリンクデータ伝送性能の向上に寄与する。以下、図8を参照して、ユーザ機器120によって実行されるデータ伝送に用いられる方法800のフローチャートについて具体的に説明する。
【0077】
S810において、ユーザ機器は、現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測する。前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示す。
【0078】
ユーザ機器は、収集した多数のチャネル状態情報をトレーニングデータとして用いて機械学習モデルをトレーニングすることにより、予測的分析に用いられる予測モデルを得ることができる。この予測モデルは、過去の若干のタイムスロットのチャネル状態から将来の若干のタイムスロットのチャネル状態を予測する機能を有してもよい。前記機能の実現は、機械学習モデルをトレーニングする既存の方式を採用してもよい。例えば、ニューラルネットワークの作成及びトレーニングに専用の開発ソフトウェアパッケージ、例えば、Pycharm開発プラットフォームを採用する。Pycharm開発プラットフォームに基づき、tensorflowモジュール構築モデルを利用してトレーニングすることにより、対応する機能を実現できるモデルを得ることができる。
【0079】
多数の既知のトレーニングサンプルが収集された後、モデルをトレーニングするための多数の入力データ及び出力データのペアを得るために、トレーニングサンプルをラベル付けする必要がある。ある時刻tより前の過去のN個のタイムスロットのチャネル状態を、それぞれのチャネルゲインでラベル付けし、共同でDNNの入力データx[t]=[h[t-N-1],…,h[t-1],h[t]]とし、ここで、h[x]は、時刻xに対応するタイムスロットのチャネルゲインである。そして、この時刻tより後の将来のM個のタイムスロットのチャネル状態を、以下の4つの方式のうちの少なくとも1つでラベル付けし、共同でDNNの出力データy[t]とする。y[t]は、M個の要素を有し、そのうちの第1の要素は、時間tの後の第1のタイムスロットに対応し、第2の要素は、時間tの後の第2のタイムスロットに対応し、これによって類推すればよろしい。NとMは、同じ又は異なる1より大きい正整数であり、例えば、Nは、8、10、16などに等しくてもよく、Mは、3、5、8などに等しくてもよい。次に、ラベル付けされた多数の対応関係を有するDNN入力データとDNN出力データを共に既存のDNNトレーニングプログラムに入力し、DNNにおける各パラメータをフィッティングすることによって、将来のタイムスロットのチャネル状態を予測できる予測モデルを得る。
【0080】
トレーニング過程において、異なる方式でDNN出力データをラベル付けすることで、異なる予測モードを得ることができる。以下では、4つの異なる予測モードを得るために、4つの異なるラベル付け方式が与えられる。これら4つの異なる予測モードは、同時に使用される必要はない。これは、1つの通信システムが、そのうちの1つ又は複数の予測モードを使用することもできるし、全ての予測モードを使用することもできることを意味する。異なる通信システムが使用する予測モードは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。1つの通信システムが複数の予測モードを使用できる場合、予測の度にどの予測モードを使用するかを選択してもよいし、管理者によってどの予測モードを使用するかを配置してもよい。ある予測モードを用いて予測を行うと、そのモードに対応する予測結果が得られる。これら4つの予測モードは、第1の予測モード、第2の予測モード、第3の予測モード、及び第4の予測モードを含む。DNNトレーニング期間において、これら4つの予測モードは、何れも上述したようなDNN入力データx[t]を有しており、以下、その出力データについてそれぞれ説明する。
【0081】
第1の予測モードでは、DNNトレーニング期間において、将来のタイムスロットのチャネル状態のうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットは、1とラベル付けされ、他のタイムスロットは、0とラベル付けされ、共同でDNNの出力データとされる。複数のタイムスロットのチャネルゲインが同じで最も高い場合、これら複数のタイムスロットのうち、最も古いタイムスロットは1とラベル付けされ、これら複数のタイムスロットのうち、他のタイムスロット及びチャネルゲインが最も高くないタイムスロットは共に0とラベル付けされ、共同でDNNの出力データとされる。このようにトレーニングされたDNNは、N個の過去のタイムスロットのチャネルゲインを受信し、M個の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが最も高いタイムスロットを出力する。例えば、このようなDNNを使用することにより、ユーザ機器120は、現在時刻tより前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインから、出力データy[t]=[0,1,0]を求め、将来の3つのタイムスロットのうち、第2のタイムスロットのチャネル状態が最も良いと決定することができる。
【0082】
第2の予測モードでは、DNNトレーニング期間において、将来のタイムスロットのチャネル状態のうち、チャネルゲインが予め設定された閾値を超えるタイムスロットは、1とラベル付けされ、他のタイムスロットは、0とラベル付けされ、共同でDNNの出力データとされる。このようにトレーニングされたDNNは、N個の過去のタイムスロットのチャネルゲインを受信し、M個の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが閾値を上回る全てのタイムスロットを出力する。例えば、このようなDNNを使用することにより、ユーザ機器120は、現在時刻tより前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインから、出力データy[t]=[0,1,1]を求めると、将来の第2及び第3のタイムスロットにおけるチャネルゲインが設定された閾値を上回って許容できるチャネル品質を有し、将来の第1のタイムスロットでは、チャネルゲインの予測結果が悪くてデータ送信に使用できないと決定することができる。このようなy[t]情報を受信した基地局は、第2及び第3のタイムスロットを、共に最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットと見なし、それにおいてデータを送信するように選択することができる。
【0083】
第3の予測モードでは、DNNトレーニング期間において、将来のタイムスロットのチャネル状態のうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットは、1とラベル付けされ、他のタイムスロットは、当該タイムスロットのチャネルゲインの最も高いチャネルゲインに対する割合値とラベル付けされ、共同でDNNの出力データとされる。このようにトレーニングされたDNNは、N個の過去のタイムスロットのチャネルゲインを受信し、M個の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインの相対的な大きさを出力する。例えば、このようなDNNを使用することにより、ユーザ機器120は、現在時刻tより前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインから、出力データy[t]=[0.5,1,0.8]を求めると、将来の3つのタイムスロットのうち、第2のタイムスロットにおけるチャネルゲインが最も高く、第1のタイムスロットにおけるチャネルゲインが第2のタイムスロットにおけるチャネルゲインの0.5であり、第3のタイムスロットにおけるチャネルゲインが第2のタイムスロットにおけるチャネルゲインの0.8であると決定することができる。このようなy[t]情報を受信した基地局は、将来の第2のタイムスロットのチャネル状態が最も良いと決定することができ、それにおいてデータを送信するように選択することができる。
【0084】
第4の予測モードでは、DNNトレーニング期間において、将来のタイムスロットの各々は、そのタイムスロットのチャネルゲインの値でラベル付けされて、共同でDNNの出力データとされる。このようにトレーニングされたDNNは、N個の過去のタイムスロットのチャネルゲインを受信し、M個の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインを出力する。例えば、このようなDNNを使用することにより、ユーザ機器120は、現在時刻tより前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインから、出力データy[t]=[0.1,0.4,0.5]を求めると、h[t+1]=0.1,h[t+2]=0.4,h[t+3]=0.5と決定することができる。
【0085】
機械学習モデルの例としてDNNを用いて予測モデルのトレーニング及び使用を説明したが、当業者が想到できるように、他の機械学習モデル、例えば、リカレントニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワークなどを用いて予測モデルをトレーニングすることもでき、DNNは本開示に対する限定にならない。
【0086】
ユーザ機器は、上記予測モードのうちの1つのみを使用してチャネル状態の予測を行ってもよいし、上記予測モードのうちの複数を使用してチャネル状態の予測を行ってもよい。ユーザ機器が複数の予測モードを使用できる場合、これら複数の予測モードを同時に使用してもよいし、ユーザ又はシステムの選択又は設定に応じて、ある期間内に特定の1つを使用してもよい。ユーザ機器がどの予測モードを使用するかにかかわらず、予測して得られる結果を基地局にフィードバックする必要がある。それにより、基地局は、リソーススケジューリング及びデータ伝送を容易に行うことができる。
【0087】
図9には、機械学習モデルをトレーニングする概略図が示される。ユーザ機器120は、基地局110との通信中に、チャネル推定によってチャネル状態情報を収集してトレーニング用のサンプルデータとする。上記4つの予測モードの各々に対して、サンプルデータをラベル付けして多数のx[t]及びy[t]ペアを得て、これらx[t]及びy[t]ペアを、既存の開発プラットフォームで構築された機械学習モデルに入力してトレーニングすることにより、チャネル状態を予測できる予測モデルを得る。どの形式のx[t]とy[t]を採用してモデルをトレーニングすれば、当該モデルを使用する過程においてx[t]に基づいて相応なy[t]を得ることができる。
【0088】
より具体的には、図10には、第1の予測モードで機械学習モデルをトレーニングする概略図が示される。現在時刻は0と表され、時刻-5から時刻0までのチャネルゲインは、共同でx[t]を構成し、将来時刻1~3は、y[t]=[0,1,0]とラベル付けされる。x[t]における各要素は、モデルの入力端の各ノードに入力され、y[t]における各要素は、モデルの出力端の各ノードに設定される。多数のx[t]とy[t]ペアをモデルに入力して演算することにより、履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、将来最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを予測できるモデルをトレーニングすることができる。当業者が理解できるように、他の予測モードについても、当該予測モードが実現する機能に応じて入力データ及び出力データのラベル付けを行ってトレーニングを行うことによって、この機能を実現する予測モデルを得ることができる。
【0089】
予測モデルがトレーニングされた後、ユーザ機器120は、現在時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインをリアルタイムで予測モデルに入力して、相応な予測結果を得ることができる。ユーザ機器120が上記のどの予測モードを使用しても、予測結果は何れも将来のタイムスロットのチャネルゲインに関するものであり、予測結果から将来のタイムスロットのうち最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを決定することができる。
【0090】
さらに、ユーザ機器が予測モデルを使用して行う予測動作は、基地局によって送信された予測を開始するためのトリガコマンドに応答して開始されてもよい。例えば、ユーザ機器120に送信すべきデータが基地局110に到着し、又は基地局110によって生成されると、基地局110は、ユーザ機器120にトリガコマンドを送信してもよい。トリガコマンドを受信したことに応答して、ユーザ機器120は、予測動作を開始してもよい。また、ユーザ機器120の予測動作を必要に応じて設定してもよい。例えば、無線リソースが不十分である場合、無線チャネルが不安定である場合、極端な天候がある場合など、ユーザ機器120が常にチャネル予測を行える状態にあるようにしてもよい。
【0091】
S820では、ユーザ機器は、予測された情報を基地局に通知する。
【0092】
ユーザ機器120が予測モデルを使用して予測結果を得た後、ユーザ機器120は、直ちに予測結果を基地局110にフィードバックしてもよく、例えば、モデルの出力結果y[t]を基地局110に送信してもよい。具体的には、ユーザ機器120が第1の予測モードを使用して予測を行う場合、ユーザ機器120は、複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを基地局に通知する。ユーザ機器120が第2の予測モードを使用して予測を行う場合、ユーザ機器120は、複数の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが第1の閾値を上回る全てのタイムスロットを基地局に通知する。ユーザ機器120が第3の予測モードを使用して予測を行う場合、ユーザ機器120は、複数の将来のタイムスロットのうちの各々の相対的なチャネルゲインを基地局に通知する。ユーザ機器120が第4の予測モードを使用して予測を行う場合、ユーザ機器120は、複数の将来のタイムスロットのうちの各々のチャネルゲインを基地局に通知する。予測結果を、上述したトリガコマンドに応答したメッセージ(例えば、フィードバックシグナリング)に載せて送信してもよい。
【0093】
一般的には、予測の度に、上記の4つの予測モードのうち、1つのモードのみが使用されるので、ユーザ機器120は、基地局110に1種類の予測結果のみをフィードバックしてもよい。複数の予測モードが同時に使用される場合、これら複数の予測モードの予測結果を全て基地局にフィードバックしてもよい。例えば、計算の複雑さの観点から、第1の予測モードを使用することが好ましい。基地局により多くのチャネル状態情報を提供して基地局が各タイムスロットのチャネル状況をより良く了解するという観点から、第4の予測モードを使用することが好ましい。
【0094】
ユーザ機器120が第4の予測モードに基づく各将来のタイムスロットのチャネルゲインを基地局110にフィードバックする必要があるとき、ユーザ機器120は、予測された各将来のタイムスロットのチャネルゲインをディープニューラルネットワークによって構築された圧縮モデルを介して基地局110に送信してもよい。
【0095】
図11Aには、予測モデルが予測するのは複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインである場合、予測されたチャネルゲインを基地局に伝送するアーキテクチャの概略図が示される。図11Bは、図11Aに対応するシーケンス図である。
【0096】
予測DNN1110及び圧縮DNN1120は、ユーザ機器120内に位置してもよく、伸張DNN1130は、基地局110内に位置してもよい。予測DNN1110は、現在の時刻より前の若干の過去のタイムスロットのチャネルゲインから、現在の時刻より後の若干の将来のタイムスロットのチャネルゲインを予測するために用いられる。予測されたチャネルゲインは、圧縮DNN1120の処理により中間データを得る。中間データは、無線チャネルを介して伸張DNN1130に送信される。伸張DNN1130は、受信した中間データを処理することによって、伸張データを得る。これらの伸張データは、復元された予測チャネルゲインであり、予測DNN1110が得たチャネルゲインと同じである。圧縮DNN1120及び伸張DNN1130は、共同で、予測されたチャネルゲインの圧縮・伸張処理を実現し、それによって、無線チャネルを介して伝送されるデータ量を、予測されたチャネルゲインのデータ量と比較して大幅に減少させ、予測結果を伝送するリソース消費を低減し、システム効率を向上させる。
【0097】
圧縮DNN1120及び伸張DNN1130は、共同で1つの機械学習モデルとしてトレーニングされてもよい。当該モデルのために、1つの入力層、所定数の隠れ層、及び1つの出力層を構築し、各隠れ層におけるノード数は、入力層のノード数及び出力層のノード数よりも明らかに小さい。また、当該モデルのために、同じ入力データと出力データが設定されている。機械学習開発プラットフォーム(例えば、Pycharm)がこのように設定された入力、出力データを使用して、構築されたモデルを収束させる場合、隠れ層におけるいずれか一つの層(以下、当該層を中間層と呼ぶ)から当該モデルを2つの部分に分割し、一方が圧縮DNN1120を構成して、ユーザ機器に配置され、他方が伸張DNN1130を構成して基地局に配置される。このように、機械学習モデルを構築することにより圧縮・伸張処理を実現できるため、全く新しい圧縮方式でチャネルゲインの圧縮伝送を実現し、圧縮効率を向上させ、無線リソース消費を低減することができる。
【0098】
図11Aでは、DNNを例にしてユーザ機器における圧縮モジュール及び基地局における伸張モジュールが説明されたが、当業者が理解できるように、他の機械学習モジュールを使用して圧縮モジュール及び伸張モジュールを構築してもよく、無線チャネルで伝送されるデータ量が、予測されたチャネルゲインのデータ量よりも明らかに少なければよい。
【0099】
図11Bには、予測モデル(例えば、予測DNN1110)がチャネルゲインを予測する場合、ユーザ機器がチャネルゲインを基地局に伝送するときの信号シーケンス図1100が示される。
【0100】
S1110では、基地局は、ユーザ機器にCSI-RS(チャネル状態情報参照信号)シグナリングを送信して、ユーザ機器がチャネル品質を測定してフィードバックするように指示する。
【0101】
S1120では、ユーザ機器は、複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、第4の予測モードによって、複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインを予測して、複数の将来のタイムスロットのうちの各々のチャネルゲインを得る。
【0102】
S1130では、ユーザ機器における圧縮DNNは、予測された複数のチャネルゲインを処理し、中間層の中間ノードから出力された、圧縮DNNに入力された複数のチャネルゲインよりも少ないデータ量の中間データを得る。
【0103】
S1140では、中間ノードが出力する中間データを量子化し、フィードバックする。
【0104】
S1150では、基地局における伸張DNNは、受信した中間データを処理して、ユーザ機器によって予測された複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインを回復する。これらのチャネルゲインに基づいて、基地局は、将来の最適な送信タイムスロットを決定することができる。
【0105】
S1160では、基地局は、将来の最適な送信タイムスロットにおいて、下りリンクデータをユーザ機器に送信するように選択する。
【0106】
図8に戻ると、S830では、ユーザ機器は、予測された情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知し、基地局に、そのタイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信させる。
【0107】
基地局110は、一般的には、チャネル品質測定を行うためのシグナリングをユーザ機器120に周期的に送信する。例えば、基地局110は、各タイムスロットにおいてユーザ機器120にCSI-RSシグナリングを送信してもよい。CSI-RSシグナリングを受信したことに応答して、ユーザ機器120は、基地局110に現在のCQIをフィードバックしてもよい。
【0108】
しかしながら、ユーザ機器120が利用可能な上りリンクリソースが第2の閾値を下回る(当該閾値は、上りリンクリソースが不足していることを示す)と決定した場合、限られた上りリンクリソースをより合理的に使用するために、ユーザ機器120は、CSI-RSシグナリングを受信する度にCQIをフィードバックせず、予測情報によって示される最適なタイムスロットを待ち、そのタイムスロットにおいてのみチャネルを測定し、その最適なタイムスロットの実CQIを基地局110にフィードバックしてもよい。当業者が理解できるように、基地局が、例えば、記録されたリソース使用状況、ユーザ機器が報告した情報などから、利用可能な上りリンクリソースがある閾値を下回ると決定すると、ユーザ機器にメッセージを送信して、ユーザ機器が最適なタイムスロットにおいてのみCQIをフィードバックするようにしてもよい。
【0109】
さらに、ユーザ機器120が、上りリンクフィードバックチャネル品質が第3の閾値を下回る(当該閾値は、上りリンクフィードバックチャネル品質が悪いことを示す)と決定した場合、品質の悪い上りリンクフィードバックチャネルによりCQIをフィードバックすることが失敗して、送信電力とリソースを浪費するという問題を回避するために、ユーザ機器120は、全てのCSI-RSシグナリングに応答するのではなく、予測情報によって示される最適なタイムスロットを待ち、そのタイムスロットにおいてのみ、基地局110にその最適なタイムスロットの実CQIをフィードバックしてもよい。当業者が理解できるように、基地局が、例えば、以前のデータ復号動作などから、上りリンクフィードバックチャネル品質がある閾値を下回ると決定すると、ユーザ機器にメッセージを送信して、ユーザ機器が最適なタイムスロットにおいてのみCQIをフィードバックするようにしてもよい。
【0110】
上記2つの状況は、1つの実施例に同時に存在してもよいし、異なる実施例に別々に存在してもよい。上記閾値は、実際の必要に応じて適宜設定してもよく、リソースを合理的に利用し、且つ/又はリソースを節約する目的を達成できればよい。
【0111】
さらに、基地局がより適切な電力で最適なタイムスロットにおいて下りリンクデータを送信することを可能にするために、ユーザ機器は、基地局がCSI-RSシグナリングを送信するか否かにかかわらず、最適なタイムスロットでそのタイムスロットの実CQIを能動的にフィードバックしてもよい。最適なタイムスロットの実CQIを受信した基地局は、関連技術のように、CQIに基づいて、適切な電力割り当てを行い、適切な電力で最適なタイムスロットにおいて下りリンクデータを送信してもよい。
【0112】
ユーザ機器は、以下の2つの方式を採用して基地局にCQIをフィードバックしてもよい。第1の方式は、図12A、12B、及び13に示され、このような方式では、ユーザ機器は、最適なタイムスロットのCSI-RSシグナリングのみに応答して、最適なタイムスロットにおいて基地局に当該最適なタイムスロットのCQIをフィードバックする。第2の方式は、図14A、14B、及び15に示され、このような方式では、ユーザ機器は、あるタイムスロットにおいてCSI-RSシグナリングを受信すると、そのタイムスロットにおいて基地局にそのタイムスロットのCQIをフィードバックする。次に、図12図15について説明する。
【0113】
第1の方式に対応して、図12Aは、基地局によって実行されるデータ伝送方法1200-Tのフローチャートを示し、図12Bは、ユーザ機器によって実行されるデータ伝送方法1200-Rのフローチャートを示す。
【0114】
図12Aに示すように、方法1200-Tが開始する。S1210-Tでは、ユーザ機器に送信すべきデータパケットが到達し、基地局は、ユーザ機器にトリガコマンドを送信して、ユーザ機器に予測を開始させる。S1220-Tでは、基地局は、ユーザ機器から予測情報を含むフィードバックを受信する。前記フィードバックは、複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有する最適なタイムスロットを示す。S1230-Tでは、基地局は、最も高いチャネルゲインを有する最適なタイムスロットを待つ。S1240-Tでは、基地局は、最適なタイムスロットのCQIに基づいて、ユーザ機器にデータパケットを送信する。次いで、方法1200-Tは終了する。
【0115】
図12Bに示すように、方法1200-Rが開始する。S1205-Rでは、ユーザ機器は、基地局から送信されたCSI-RSを受信し続け、各タイムスロットのチャネルゲインを得る。このステップは、他のステップと特定のシーケンス関係を有さず、常に実行されている。S1210-Rでは、ユーザ機器は、基地局から予測を開始するためのトリガコマンドを受信する。S1220-Rでは、ユーザ機器は、現在の時刻より前の複数の過去のタイムスロットのチャネルゲインに基づいて、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測する。当該情報は、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示す。この例では、第1の予測モードが採用され、予測結果は、最も高いチャネルゲインを有する最適なタイムスロットである。S1230-Rでは、ユーザ機器は、予測された最適なタイムスロットを基地局にフィードバックする。S1240-Rでは、ユーザ機器は、予測された最適なタイムスロットを待ち、そのタイムスロットのCQIを基地局にフィードバックする。S1250-Rでは、ユーザ機器は、基地局が最適なタイムスロットで送信したデータパケットを受信する。次いで、方法1200-Rは終了する。
【0116】
図13は、図12A図12Bに示す方法に対応するシーケンス図を示す。
【0117】
S1310では、基地局は、各タイムスロットにおいてユーザ機器にCSI-RSシグナリングを送信する。このステップはS1310でのみ説明されたが、このステップは、他のステップの実行順序とは特に関係無く、常に周期的に実行される。
【0118】
S1320では、ユーザ機器は、受信したデータに基づいてチャネル推定を行い、チャネル状態情報、例えば、各タイムスロットのチャネルゲインを得る。このステップはS1320でのみ説明されたが、このステップも、他のステップの実行順序とは特に関係無く、常に実行される。
【0119】
S1330では、ユーザ機器に送信される新たなデータパケットが基地局に到達する。
【0120】
S1340では、基地局は、予測を開始するためのトリガコマンドをユーザ機器に送信する。
【0121】
S1350では、ユーザ機器は、予測された最適なタイムスロットを基地局にフィードバックする。
【0122】
S1360では、ユーザ機器は、当該最適なタイムスロットの到来を待つ。
【0123】
S1370では、ユーザ機器は、当該最適なタイムスロットのCQIを測定し、当該CQIを基地局にフィードバックする。
【0124】
S1380では、基地局は、フィードバックされたCQIに基づいて、当該最適なタイムスロットでユーザ機器にデータパケットを送信する。
【0125】
第2の方式に対応して、図14Aは、基地局によって実行されるデータ伝送方法1400-Tのフローチャートを示し、図14Bは、ユーザ機器によって実行されるデータ伝送方法1400-Rのフローチャートを示す。
【0126】
データ伝送方法1400-Tは、上記データ伝送方法1200-Tとほぼ同じであり、ステップS1410-T~S1440-Tは、ステップS1210-T~S1240-Tとほぼ一致するため、ここではこれ以上説明しない。
【0127】
図14Bに示すように、方法1400-Rが開始する。S1405-Rでは、ユーザ機器は、基地局から送信されたCSI-RSを受信し続け、各タイムスロットのチャネルゲインを得る。S1409-Rでは、ユーザ機器は、CSI-RSに応答して測定した各タイムスロットのCQIを基地局にフィードバックし続ける。ステップS1405-RとS1409-Rは、他のステップと特定のシーケンス関係を有さず、常に実行されている。ステップS1410-RからS1430-Rは、ステップS1210-RからS1230-Rとほぼ同じである。S1440-Rでは、ユーザ機器は、基地局が最適なタイムスロットで送信したデータパケットを受信する。次いで、方法1400-Rは終了する。
【0128】
図15は、図14A図14Bに示す方法に対応するシーケンス図を示す。
【0129】
S1510は、S1310とほぼ同じである。S1515では、ユーザ機器は、各タイムスロットで基地局にCQIをフィードバックする。S1510、S1515の動作は、1回だけ実行され、図15の先頭から実行されるように示されているが、S1510、S1515は、各タイムスロットにおいて常に実行され、他のステップの実行順序とは特に関係ない。S1520からS1560は、S1320からS1360とほぼ同じである。ユーザ機器が最適なタイムスロットが到来するのを待っている間、基地局も最適なタイムスロットが到来するのを待ってそれにおいてデータパケットを送信する。S1570では、基地局は、最適なタイムスロットのCQIに基づいて、最適なタイムスロットでユーザ機器にデータパケットを送信する。
【0130】
図8に示す上記技術案によれば、履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて将来のタイムスロットのチャネルゲインを予測することにより、基地局は、チャネルゲインが最も高い将来のタイムスロットを決定することができる。これにより、チャネル品質が相対的に良いタイムスロットにおいて、当該タイムスロットのチャネル品質指示にマッチングする電力で下りリンクデータを送信することができる。これにより、現在のチャネル状態に応じて、より適切な伝送リソースを柔軟に決定し、チャネル品質が悪いタイムスロットにおいてデータを伝送して電力とリソースを浪費する問題を緩和し、下りリンクデータの伝送性能を向上させることができる。
【0131】
上記方法は、基地局が下りリンクデータを送信するタイムスロットを予測することができる。他のシナリオでは、過去のデータパケットの到着遅延、データパケットのサイズを利用して、これから到着するデータ流量を予測してみてもよい。
【0132】
図16には、本開示の実施例によるデータ伝送に用いられる方法を使用して得られたシミュレーション結果が示される。シミュレーション過程では、チャネルがレイリーフェージングチャネルであり、チャネルゲインが指数分布
【数29】
に従い、指数分布の平均値が
【数30】
であると仮定する。シャノンの公式に従って電力
【数31】
を求める。各データパケットの長さはl=4ビットである。基地局は、ユーザ機器が予測した将来のTaタイムスロットにおける最も良いチャネルを選択してデータパケットを送信する。ここで、TaはMとThの積より大きく、Mは予測した将来のタイムスロットの数であり、Thはチャネルサンプリング周期であり、ユーザ機器が予測したチャネルの将来の時間の範囲、及び基地局が選択したデータを送信するタイムスロットは、何れもデータパケットが許容できる遅延範囲内にある。
【0133】
シミュレーション図において、Ta=1は、何ら予測もせず、データパケットが到達した後、直ちに基地局によって次のタイムスロットで送信されることを示す。Ta=2は、将来の2つのタイムスロットにおいて最適なタイムスロットを予測することを表し、Ta=3は、将来の3つのタイムスロットにおいて最適なタイムスロットを予測することを表し、これによって類推すればよろしい。シミュレーション結果から、何ら予測もせずデータパケットを直ちに送信すると、基地局の平均消費電力は最大となり、予測を採用すると、基地局の平均消費電力は急激に低下することが分かる。予測可能なタイムスロット数が多くなるにつれて(予測可能なタイムスロット数が、データパケットが許容できる最大遅延を超えてはならない)、基地局の平均消費電力は徐々に小さくなる。このシミュレーション結果は、基地局がユーザ機器の予測結果に基づいてスケジューリング及び電力割り当てを行う場合、消費電力を大幅に低減できることを示す。
【0134】
以上、本開示の実施例による各例示的な電子機器及び方法についてそれぞれ説明した。理解すべきことは、これら電子機器の動作又は機能は、説明されたものよりも多い又は少ない動作又は機能を実現するために、互いに組み合わされてもよい。各方法の動作ステップは、説明されるよりも多くの又は少ない動作を同様に実現するために、任意の適切な順序で互いに組み合わされてもよい。
【0135】
理解すべきことは、本開示の実施例による機器可読な記憶媒体又はプログラム製品における機器が実行可能な指令は、上記機器及び方法の実施例に対応する動作を実行するように構成されてもよい。上記機器及び方法の実施例を参考する際、機器可読な記憶媒体又はプログラム製品の実施例は、当業者にとって明らかであるので、これ以上説明しない。上記機器が実行可能な命令を載置又は含んでいる機器可読な記憶媒体又はプログラム製品も本開示の範囲に含まれる。このような記憶媒体は、フロッピィディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリスティックなどを含むが、これらに限定されない。
【0136】
また、理解すべきことは、上記一連の処理と機器は、ソフトウェア及び/又はファームウェアによって実現されてもよい。ソフトウェア及び/又はファームウェアによって実現される場合に、記憶媒体又はネットワークから専用ハードウェア構成を有するコンピュータ、例えば図17に示す通用パソコン1300へ、このソフトウェアを構成するプログラムをインストールし、このコンピュータは、様々なプログラムがインストールされた時、様々な機能などを実行することができる。図17は、本開示の実施例において採用可能な情報処理機器であるパソコンの例示的な構成を示すブロック図である。1つの例において、当該パソコンは、本開示による上記例示的な端末機器に対応することができる。
【0137】
図17において、中央処理ユニット(CPU)1301は、リードオンリーメモリ(ROM)1302に記憶されたプログラム又はストレージ1308からランダムアクセスメモリ(RAM)1303へロードしたプログラムに基づいて、様々な処理を実行する。RAM1303においても、必要に応じて、CPU1301が様々な処理などを実行する時に必要なデータを記憶する。
【0138】
CPU1301、ROM1302とRAM1303はバス1304を介して互いに接続される。入力/出力インターフェース1305もバス1304に接続される。
【0139】
キーボード、マウスなどを含む入力部1306と、ディスプレイ、例えば陰極管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などと、スピーカなどとを含む出力部1307と、ハードディスクなどを含むストレージ1308と、ネットワークインターフェースカード、例えばLANカード、モデムなどを含む通信部1309とは、入力/出力インターフェース1305に接続される。通信部1309は、ネットワーク、例えばインターネットを介して通信処理を実行する。
【0140】
必要に応じて、ドライブ1310も入力/出力インターフェース1305に接続される。リムーバブルメディア1311、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどは、必要に応じてドライブ1310にインストールされ、それから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じてストレージ1308にインストールされる。
【0141】
ソフトウェアによって上記一連処理を実現する場合に、ネットワーク、例えばインターネット、又は、記憶媒体、例えばリムーバブルメディア1311から、ソフトウェアを構成するプログラムをインストールする。
【0142】
当業者が理解すべきことは、このような記憶媒体は、図17に示すプログラムが記憶される、機器と分離され配布されてユーザへプログラムを提供するリムーバブルメディア1311に限定されない。リムーバブルメディア1311の例は、磁気ディスク(フロッピィディスク(登録商標)を含み)、光ディスク(光ディスクリードオンリーメモリ(CD‐ROM)とデジタルバーサタイルディスク(DVD)を含み)、光磁気ディスク(ミニディスク(MD)(登録商標)を含み)と半導体メモリを含む。又は、記憶媒体は、ROM1302、ストレージ1308に含まれるハードディスクなどであってもよく、そのうちにプログラムが記憶されており、且つそれらを含む機器と共にユーザに配布される。
【0143】
本開示の技術は、様々な製品に応用されることができる。例えば、本開示に言及した基地局は、任意のタイプの、例えばマクロgNBとスモールgNBのような進化型ノードB(gNB)として実現されてもよい。スモールgNBは、マクロセルより小さいセルをカバーするgNB、例えば、ピコgNB、マイクロgNBや家庭(フェムト)gNBであってもよい。代わりに、基地局は、他の任意のタイプの基地局、例えばNodeBと基地局発受信台(Base Transceiver Station、BTS)として実現されてもよい。基地局は、無線通信を制御するように構成される主体(基地局機器とも呼ばれる)及び主体と異なる位置に設けられる1つ又は複数の遠隔無線ヘッド(Remote Radio Head、RRH)を含んでもよい。また、後述する様々なタイプの端末は、基地局機能を一時的又は半永久的に実行することによって、基地局として動作できる。
【0144】
例えば、本開示に言及した端末機器は、幾つかの例において、ユーザ機器とも呼ばれ、携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレットパーソナルコンピューター(PC)、ノートPC、ポータブルゲーム端末、ポータブル/ドングルモバイルルーター、及びデジタル撮像装置)又は車載端末(例えば、カーナビゲーション装置)として実現されてもよい。ユーザ機器はマシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(マシンタイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)として実現され得る。なお、ユーザ機器は、上記端末のそれぞれに搭載された無線通信モジュール(例えば単一チップを含む集積回路モジュール)であってもよい。
【0145】
以下、図18から図21を参照して本開示の応用の例を説明する。
【0146】
[基地局についての応用例]
理解すべきことは、本開示における基地局は、その通常の意味の全幅を持っており、且つ、通信を行うように、少なくとも無線通信システム又はラジオシステムの一部である無線通信局を含む。基地局の例として、例えば、基地局はGSM(登録商標)システムにおける基地局送受信機(BTS)と基地局コントローラ(BSC)のうちの一方又は両方であってもよく、WCDMA(登録商標)システムにおけるラジオネットワークコントローラ(RNC)とNode Bのうちの一方又は両方であってもよく、LTEとLTE‐AdvancedシステムにおけるeNBであってもよく、又は未来通信システムにおける対応するネットワークノード(例えば5G通信システムにおいて現れる可能性があるgNB、eLTE eNBなど)であってもよいが、これらに限定されない。本開示の基地局中の一部の機能は、D2D、M2M及びV2V通信シナリオで通信に対して制御機能を有するエンティティとして実現されてもよく、又はコグニティブラジオ通信シナリオでスペクトル調整の機能としてのエンティティとして実現されてもよい。
【0147】
(第1の応用例)
図18は、本開示内容の技術を応用可能なgNBの例示的な配置の第1例を示すブロック図である。gNB1400は、複数のアンテナ1410及び基地局機器1420を含む。基地局機器1420と各アンテナ1410はRFケーブルを介して互いに接続することができる。1つの実現形態において、ここでのgNB1400(又は基地局機器1420)は、上記電子機器300A、1300A及び/又は1500Bに対応することができる。
【0148】
アンテナ1410のそれぞれは、1つ又は複数のアンテナ素子(例えば多入力多出力(MIMO)アンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、且つ基地局機器1420が無線信号を送信、受信するために用いられる。図18に示すように、gNB1400は、複数のアンテナ1410を含んでもよい。例えば、複数のアンテナ1410は、gNB1400が使用する複数の周波数帯域と互換性があることができる。
【0149】
基地局機器1420は、コントローラ1421、メモリ1422、ネットワークインターフェース1423及び無線通信インターフェース1425を含む。
【0150】
コントローラ1421は、例えばCPU又はDSPであって、且つ、基地局機器1420の上位層の様々な機能を動作させることができる。例えば、コントローラ1421は、無線通信インターフェース1425で処理された信号におけるデータに基づいてデータパケットを生成し、ネットワークインターフェース1423を介して、生成したパケットを伝送する。コントローラ1421は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドルして、バンドルパケットを生成し、生成されたバンドルパケットを伝送することができる。コントローラ1421は以下のような制御を実行する論理機能を有してもよく、当該制御は例えば、無線リソース制御、無線ベアラ制御、モビリティ管理、受入制御、スケジューリングなどである。この制御は、付近のgNB又はコアネットワークノードを結んで実行されることができる。メモリ1422は、RAMとROMを含み、且つコントローラ1421によって実行されるプログラムと様々なタイプの制御データ(例えば端末リスト、伝送パワーデータ及びスケジューリングデータ)を記憶する。
【0151】
ネットワークインターフェース1423は、基地局機器1420をコアネットワーク1424に接続するための通信インターフェースである。コントローラ1421は、ネットワークインターフェース1423を介してコアネットワークノード又は他のgNBと通信を行うことができる。この場合に、gNB1400とコアネットワークノード又は他のgNBとは、ロジックインターフェース(例えばS1インターフェースとX2インターフェース)によって相互に接続されることができる。ネットワークインターフェース1423は、有線通信インターフェース又は無線バックホール回線に用いられる無線通信インターフェースであることもできる。ネットワークインターフェース1423が無線通信インターフェースであれば、無線通信インターフェース1425によって使用される周波数帯域と比べて、ネットワークインターフェース1423は、より高い周波数帯域を使用して無線通信に用いることができる。
【0152】
無線通信インターフェース1425は、任意のセルラー通信方式(例えば、Long Term Evolution(LTE)とLTE‐Advanced)をサポートし、アンテナ1410を介してgNB1400に位置するセルにおける端末への無線接続を提供する。無線通信インターフェース1425は通常、例えばベースバンド(BB)プロセッサ1426とRF回路1427を含むことができる。BBプロセッサ1426は、例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/多重化解除を実行するとともに、レイヤー(例えばL1、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、パケットデータアグリゲーションプロトコル(PDCP))の様々なタイプの信号処理を実行することができる。コントローラ1421の代わりに、BBプロセッサ1426は、上記した論理機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ1426は、通信制御プログラムが記憶されるメモリであってもよく、或いは、プログラムを実行するように構成されるプロセッサと関連回路を含むモジュールであってもよい。プログラムの更新は、BBプロセッサ1426の機能を変更させることができる。このモジュールは、基地局機器1420のスロットに挿入されるカードやブレッドであってもよい。その代わりに、このモジュールは、カードやブレッドに搭載されるチップであってもよい。同時に、RF回路1427は、例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ1410を介して無線信号を送受信することができる。図18には1つのRF回路1427と一本のアンテナ1410とが接続されている例が示されているが、本開示はこの図示に限定されておらず、1つのRF回路1427が同時に複数本のアンテナ1410に接続されてもよい。
【0153】
図18に示すように、無線通信インターフェース1425は、複数のBBプロセッサ1426を含んでもよい。例えば、複数のBBプロセッサ1426は、gNB1400が使用する複数の周波数帯域と互換性があることができる。図18に示すように、無線通信インターフェース1425は、複数のRF回路1427を含んでもよい。例えば、複数のRF回路1427は複数のアンテナ素子と互換性があることができる。図18には、無線通信インターフェース1425に複数のBBプロセッサ1426と複数のRF回路1427が含まれる例が示されているが、無線通信インターフェース1425は、単一のBBプロセッサ1426又は単一のRF回路1427を含んでもよい。
【0154】
(第2の応用例)
図19は、本開示内容の技術を応用可能なgNBの例示的な配置の第2例を示すブロック図である。gNB1530は複数のアンテナ1540と、基地局機器1550と、RRH1560とを含む。RRH1560と各アンテナ1540は、RFケーブルを介して相互に接続されることができる。基地局機器1550とRRH1560は光ファイバケーブルのような高速回線を介して互いに接続することができる。1つの実現形態において、ここでのgNB1530(又は基地局機器1550)は、上記電子機器300A、1300A及び/又は1500Bに対応することができる。
【0155】
アンテナ1540のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナに含まれた複数のアンテナ素子)を含んで、RRH1560の無線信号の送受信に使用される。図19に示すように、gNB1530は、複数のアンテナ1540を含んでもよい。例えば、複数のアンテナ1540は、gNB1530が使用する複数の周波数帯域と互換性があることができる。
【0156】
基地局機器1550は、コントローラ1551と、メモリ1552と、ネットワークインターフェース1553と、無線通信インターフェース1555と、接続インターフェース1557とを含む。コントローラ1551、メモリ1552、ネットワークインターフェース1553は、図18を参照して説明したコントローラ1421、メモリ1422、ネットワークインターフェース1423と同様である。
【0157】
無線通信インターフェース1555は、任意のセルラー通信方式(例えばLTEとLTE‐Advanced)をサポートし、且つRRH1560とアンテナ1540を介してRRH1560に対応するセクタに位置する端末への無線通信を提供する。無線通信インターフェース1555は、通常に、例えばBBプロセッサ1556を含んでもよい。BBプロセッサ1556が接続インターフェース1557を介してRRH1560のRF回路1564に接続されることを除いて、BBプロセッサ1556は、図18を参照して説明したBBプロセッサ1426と同じである。図19に示すように、無線通信インターフェース1555は、複数のBBプロセッサ1556を含んでもよい。例えば、複数のBBプロセッサ1556は、gNB1530が使用する複数の周波数帯域と互換性があることができる。図19に、無線通信インターフェース1555に複数のBBプロセッサ1556が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース1555は単一のBBプロセッサ1556を含んでもよい。
【0158】
接続インターフェース1557は、基地局機器1550(無線通信インターフェース1555)をRRH1560に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1557は基地局機器1550(無線通信インターフェース1555)をRRH1560に接続する上述した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0159】
RRH1560は、接続インターフェース1561と無線通信インターフェース1563を含む。
【0160】
接続インターフェース1561は、RRH1560(無線通信インターフェース1563)を基地局機器1550に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1561は上述した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0161】
無線通信インターフェース1563は、アンテナ1540を介して無線信号を送受信する。無線通信インターフェース1563は、通常、例えばRF回路1564を含んでもよい。RF回路1564は、例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ1540を介して無線信号を送受信してもよい。図19には1つのRF回路1564と一本のアンテナ1540とが接続されている例が示されているが、本開示はこの図示に限定されておらず、1つのRF回路1564が同時に複数本のアンテナ1540に接続されてもよい。
【0162】
図19に示すように、無線通信インターフェース1563は、複数のRF回路1564を含んでもよい。例えば、複数のRF回路1564は複数のアンテナ素子をサポートすることができる。図19には無線通信インターフェース1563に複数のRF回路1564が含まれる例が示されているが、無線通信インターフェース1563は、単一のRF回路1564を含んでもよい。
【0163】
[ユーザ機器に関する応用の例]
(第1の応用例)
図20は、本開示内容の技術を応用可能なスマートフォン1600の例示的な配置の例を示すブロック図である。スマートフォン1600はプロセッサ1601、メモリ1602、記憶装置1603、外部接続インターフェース1604、撮像装置1606、センサ1607、マイク1608、入力装置1609、表示装置1610、スピーカ1611、無線通信インターフェース1612、1つ又は複数のアンテナスイッチ1615、1つ又は複数のアンテナ1616、バス1617、電池1618及び補助コントローラ1619を含む。1つの実現形態において、ここでのスマートフォン1600(又はプロセッサ1601)は、上記端末機器300B及び/又は1500Aに対応することができる。
【0164】
プロセッサ1601は、例えばCPU又はシステムオンチップ(SoC)であり、スマートフォン1600のアプリケーション層と他の層の機能を制御することができる。メモリ1602は、RAMとROMを含み、データとプロセッサ1601によって実行されるプログラムを記憶する。記憶装置1603は、例えば半導体メモリとハードディスクのような記憶媒体を含んでもよい。外部接続インターフェース1604は外部装置(例えばメモリカードとユニバーサルシリアルバス(USB)装置)をスマートフォン1600に接続するためのインターフェースである。
【0165】
撮像装置1606はイメージセンサ(例えば電荷結合デバイス(CCD)と相補型金属酸化物半導体(CMOS))を含み、キャプチャ画像を生成する。センサ1607は、例えば測定センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサのような1組のセンサを含んでもよい。マイク1608はスマートフォン1600に入力された音をオーディオ信号に変換する。入力装置1609は例えば表示装置1610のスクリーン上のタッチを検出するように配置されるタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチを含み、ユーザから入力された操作又は情報を受信する。表示装置1610はスクリーン(例えば液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ)を含み、スマートフォン1600の出力画像を表示する。スピーカ1611はスマートフォン1600から出力したオーディオ信号を音に変換する。
【0166】
無線通信インターフェース1612は、任意のセルラー通信方式(例えば、LTEとLTE-Advanced)をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インターフェース1612は、通常、例えばBBプロセッサ1613とRF回路1614を含んでもよい。BBプロセッサ1613は、例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/多重化解除を実行するとともに、無線通信のための様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1614は例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ1616を介して無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース1612は、その上にBBプロセッサ1613とRF回路1614が集積化される1つのチップモジュールであってもよい。図20に示すように、無線通信インターフェース1612は、複数のBBプロセッサ1613と複数のRF回路1614を含んでもよい。図20には、無線通信インターフェース1612に複数のBBプロセッサ1613と複数のRF回路1614が含まれる例が示されているが、無線通信インターフェース1612は、単一のBBプロセッサ1613又は単一のRF回路1614を含んでもよい。
【0167】
なお、セルラー通信方式に加え、無線通信インターフェース1612は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式や無線ローカルネットワーク(LAN)方式などの別タイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース1612は、各無線通信方式に対するBBプロセッサ1613とRF回路1614を含んでもよい。
【0168】
アンテナスイッチ1615のそれぞれは、無線通信インターフェース1612に含まれる複数の回路(例えば異なる無線通信方式に使用される回路)間でアンテナ1616の接続先を切り替える。
【0169】
アンテナ1616のそれぞれは、単一又は複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれた複数のアンテナ素子)を含んで、無線通信インターフェース1612の無線信号の送受信に使用される。図20に示すように、スマートフォン1600は複数のアンテナ1616を含んでもよい。図20に、スマートフォン1600に複数のアンテナ1616が含まれる例を示したが、スマートフォン1600は単一のアンテナ1616を含んでもよい。
【0170】
なお、スマートフォン1600は各無線通信方式に対するアンテナ1616を含んでもよい。この場合に、アンテナスイッチ1615はスマートフォン1600の配置から省略されてもよい。
【0171】
バス1617は、プロセッサ1601、メモリ1602、記憶装置1603、外部接続インターフェース1604、撮像装置1606、センサ1607、マイク1608、入力装置1609、表示装置1610、スピーカ1611、無線通信インターフェース1612及び補助コントローラ1619を互いに接続する。電池1618は、給電線によって図20に示すスマートフォン1600の各ブロックに電力を提供する。給電線は図面において部分的に点線によって示される。補助コントローラ1619は例えば睡眠モードでスマートフォン1600の最少の必要な機能を操作する。
【0172】
(第2の応用例)
図21は、本開示内容の技術を応用可能なカーナビゲーション装置1720の例示的な配置の例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1720は、プロセッサ1721、メモリ1722、全球位置決めシステム(GPS)モジュール1724、センサ1725、データインターフェース1726、コンテンツプレーヤー1727、記憶媒体インターフェース1728、入力装置1729、表示装置1730、スピーカ1731、無線通信インターフェース1733、1つ又は複数のアンテナスイッチ1736、1つ又は複数のアンテナ1737及び電池1738を含む。1つの実現方式において、ここでのカーナビゲーション装置1720(又はプロセッサ1721)は、上記端末機器300B及び/又は1500Aに対応することができる。
【0173】
プロセッサ1721は、例えばCPU又はSoCであって、カーナビゲーション装置1720のナビゲーション機能と他の機能を制御することができる。メモリ1722は、RAMとROMを含み、データとプロセッサ1721によって実行されるプログラムを記憶する。
【0174】
GPSモジュール1724は、GPS衛星から受信されたGPS信号を使用してカーナビゲーション装置1720の位置(例えば、緯度、経度、高度)を測定する。センサ1725は、例えばジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどの1組のセンサを含んでもよい。データインターフェース1726は図示しない端末を介して例えば車載ネットワーク1741に接続し、車両が生成したデータ(例えば、車速データ)を取得する。
【0175】
コンテンツプレーヤー1727は、記憶媒体(例えば、CDとDVD)に記憶されたコンテンツを再生する。この記憶媒体は、記憶媒体インターフェース1728に挿入される。入力装置1729は、例えば表示装置1730のスクリーン上のタッチを検出するように配置されるタッチセンサ、ボタン又はスイッチを含み、ユーザから入力された操作又は情報を受信する。表示装置1730は、例えばLCDやOLEDディスプレイのスクリーンを含み、ナビゲーション機能の画像又は再生されたコンテンツを表示する。スピーカ1731は、ナビゲーション機能の音又は再生されたコンテンツを出力する。
【0176】
無線通信インターフェース1733は任意のセルラー通信方式(例えば、LTEとLTE-Advanced)をサポートし、無線通信を実行することができる。無線通信インターフェース1733は、通常、例えばBBプロセッサ1734とRF回路1735を含んでもよい。BBプロセッサ1734は、例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/多重化解除を実行するとともに、無線通信のための様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1735は、例えばミキサ、フィルタ、アンプを含んで、アンテナ1737を介して無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース1733は、その上にBBプロセッサ1734とRF回路1735が集積される1つのチップモジュールであってもよい。図21に示すように、無線通信インターフェース1733は、複数のBBプロセッサ1734と複数のRF回路1735を含んでもよい。図21には、無線通信インターフェース1733に複数のBBプロセッサ1734と複数のRF回路1735が含まれる例が示されているが、無線通信インターフェース1733は、単一のBBプロセッサ1734又は単一のRF回路1735を含んでもよい。
【0177】
なお、セルラー通信方式に加え、無線通信インターフェース1733は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式と無線LAN方式などの別タイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース1733は、各無線通信方式に対するBBプロセッサ1734とRF回路1735を含んでもよい。
【0178】
アンテナスイッチ1736のそれぞれは、無線通信インターフェース1733における複数の回路(例えば異なる無線通信方式に使用される回路)間でアンテナ1737の接続先を切り替える。
【0179】
アンテナ1737のそれぞれは、単一又は複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれた複数のアンテナ素子)を含んで、無線通信インターフェース1733の無線信号の送受信に使用される。図21に示すように、カーナビゲーション装置1720は、複数のアンテナ1737を含んでもよい。図21にはカーナビゲーション装置1720に複数のアンテナ1737が含まれる例が示されているが、カーナビゲーション装置1720は、単一のアンテナ1737を含んでもよい。
【0180】
なお、カーナビゲーション装置1720は、各無線通信方式に対するアンテナ1737を含んでもよい。この場合、アンテナスイッチ1736は、カーナビゲーション装置1720の配置から省略されてもよい。
【0181】
電池1738は、給電線によって図21に示すカーナビゲーション装置1720の各ブロックに電力を提供する。給電線は、図面において部分的に点線によって示される。電池1738は、車両から提供した電力を蓄積する。
【0182】
本開示内容の技術は、カーナビゲーション装置1720、車載ネットワーク1741及び車両モジュール1742のうちの1つ又は複数のブロックが含まれた車載システム(又は車両)1740として実現されてもよい。車両モジュール1742は、車両データ(例えば車速、エンジン速度、故障情報)を生成して、生成されたデータを車載ネットワーク1741に出力する。
【0183】
以上は、図面を参照して本開示の例示的な実施例について説明したが、当然ながら、本開示は、以上の例に限定されない。当業者は、添付の請求の範囲内に様々な変更と修正を得ることができ、且つこれら変更と修正は本開示の技術の範囲内に含まれると理解すべきである。
【0184】
例えば、以上の実施例において1つのユニットに含まれる複数の機能は、分離された装置によって実現されることができる。代わりに、以上の実施例において複数のユニットによって実現される複数の機能は、それぞれに分離された装置によって実現されることができる。また、以上の機能の1つは、複数のユニットによって実現されることができる。もちろん、このような配置は、本開示の技術の範囲に含まれる。
【0185】
この明細書において、フローチャートに記載されたステップは、記載の順序で時間系列的に実行される処理だけでなく、必ず時間系列でなく並行又は個別に実行される処理も含む。また、もちろん、ひいては時間系列的に処理されるステップも適当にその順序を変更してもよい。
【0186】
本開示及びその利点を詳細に説明したが、理解すべきことは、添付の請求の範囲に限定された本開示の精神と範囲外でない場合に、様々な変更、代替と変換を行うことができる。さらに、本開示の実施例の用語「含む」、「包含する」又はその任意の他の変体は、非排他的な含有を示すことで、一系列の要素を含む過程、方法、物品又は機器は、それらの要素だけでなく、明示されていない他の要素も含み、又はこのような過程、方法、物品又は機器に固有の要素も含む。さらに多い制限がない場合に、「1つの・・・を含む」によって限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は機器にほかの同じ要素も含むことを除外しない。
【0187】
本明細書の説明から、本開示の実施例は、以下のように構成され得ると認識できる。
1.無線通信システムにおけるユーザ機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信し、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、
制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードするように構成される、電子機器。
2.前記処理回路システムは、さらに、
ユーザ機器と基地局との距離を示す距離情報を制御エンティティに送信するように構成され、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きく、且つ距離情報によって示される距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって前記複数のユーザ機器からの数量情報と距離情報とに基づいて割り当てられる、条項1に記載の電子機器。
3.前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースを含む、条項1に記載の電子機器。
4.前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、制御エンティティが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含む、条項1に記載の電子機器。
5.前記非遅延敏感型トラフィックがeMBBトラフィックである、条項4に記載の電子機器。
6.前記制御エンティティと前記複数のユーザ機器は共同でフェデレーションラーニングを実現し、前記制御エンティティは基地局である、条項1に記載の電子機器。
7.ローカルモデルのパラメータのアップロードは、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、条項1に記載の電子機器。
8.前記処理回路システムは、さらに、
制御エンティティから前記次のグローバルモデルのパラメータを受信してローカルモデルのパラメータを更新するように構成され、
前記次のグローバルモデルのパラメータの伝送は、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、条項1に記載の電子機器。
9.前記所定の5QI値は、
リソースタイプが保証ビットレートGBRであること、
デフォルト優先度レベルが70であること、
パケット遅延バジェットが10msであること、
パケット誤り率が10-6であること、
デフォルト平均ウィンドウが2000msであることのうちの少なくとも1つを定義する、条項7又は8に記載の電子機器。
10.前記5QI値は、87である、条項9に記載の電子機器。
11.無線通信システムにおけるネットワーク機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信し、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、
次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信するように構成される、電子機器。
12.前記処理回路システムは、さらに、
ユーザ機器からの、ユーザ機器と基地局との距離を示す距離情報を受信するように構成され、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きく、且つ距離情報によって示される距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって前記複数のユーザ機器からの数量情報と距離情報とに基づいて割り当てられる、条項11に記載の電子機器。
13.前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースを含む、条項11に記載の電子機器。
14.前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、前記処理回路システムが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含む、条項11に記載の電子機器。
15.前記非遅延敏感型トラフィックがeMBBトラフィックである、条項14に記載の電子機器。
16.前記電子機器と前記複数のユーザ機器は共同でフェデレーションラーニングを実現し、前記電子機器は基地局である、条項11に記載の電子機器。
17.ローカルモデルのパラメータのアップロードは、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、条項11に記載の電子機器。
18.前記処理回路システムは、さらに、
前記次のグローバルモデルのパラメータをユーザ機器に送信してユーザ機器にローカルモデルのパラメータを更新させるように構成され、
前記次のグローバルモデルのパラメータの伝送は、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、条項11に記載の電子機器。
19.前記所定の5QI値は、
リソースタイプが保証ビットレートGBRであること、
デフォルト優先度レベルが70であること、
パケット遅延バジェットが10msであること、
パケット誤り率が10-6であること、
デフォルト平均ウィンドウが2000msであることのうちの少なくとも1つを定義する、条項17又は18に記載の電子機器。
20.前記5QI値は、87である、条項19に記載の電子機器。
21.無線通信システムに用いられる方法であって、
制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信することと、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信することであって、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、
制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードすることとを含む、方法。
22.無線通信システムに用いられる方法であって、
ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信することと、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信することであって、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、
次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信することとを含む、方法。
23.電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、当該電子機器に条項21又は22に記載の方法を実行させる1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
24.条項21又は22に記載の方法の動作を実行するための部材を含む、無線通信システムに用いられる装置。
25.無線通信システムにおけるユーザ機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測し、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示し、
前記情報を基地局に通知し、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知し、基地局に、当該タイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信させるように構成される、電子機器。
26.前記処理回路システムは、さらに、
基地局から送信された予測を開始するためのトリガコマンドを受信するように構成され、
前述した、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測することは、
トリガコマンドを受信したことに応答して、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測することをさらに含む、条項25に記載の電子機器。
27.前述した、基地局から送信された予測を開始するためのトリガコマンドを受信することは、
基地局が、ユーザ機器に送信すべきデータが現れることに応答してユーザ機器に送信した予測を開始するためのトリガコマンドを受信することを含む、条項26に記載の電子機器。
28.前記情報は、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが第1の閾値を上回る全てのタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々の相対的なチャネルゲインと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインとのうちの少なくとも1つを含む、条項25に記載の電子機器。
29.前記情報が、前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインである場合、前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインを、ディープニューラルネットワークによって構築された圧縮モデルを介して基地局に送信する、条項28に記載の電子機器。
30.前述した、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知することは、
利用可能な上りリンクリソースが第2の閾値を下回ると決定する場合、又は、上りリンクフィードバックチャネル品質が第3の閾値を下回ると決定する場合、当該タイムスロットにおけるチャネル品質指示のみを基地局に通知し、前記複数の将来のタイムスロットのうちの他のタイムスロットにおけるチャネル品質指示を通知しないことを含む、条項25に記載の電子機器。
31.無線通信システムにおける基地局側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
ユーザ機器から、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットにおけるチャネルゲインに関する情報を受信し、前記情報は、ユーザ機器が現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて予測したものであり、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示し、
ユーザ機器から、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を受信し、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信するように構成される、電子機器。
32.前記処理回路システムは、さらに、
予測を開始するためのトリガコマンドをユーザ機器に送信するように構成される、条項31に記載の電子機器。
33.前述した、予測を開始するためのトリガコマンドをユーザ機器に送信することは、
ユーザ機器に送信すべきデータが現れることに応答して、ユーザ機器に予測を開始するためのトリガコマンドを送信することを含む、条項32に記載の電子機器。
34.前記情報は、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットのうち、チャネルゲインが第1の閾値を上回る全てのタイムスロットと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々の相対的なチャネルゲインと、
前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインとのうちの少なくとも1つを含む、条項31に記載の電子機器。
35.前記情報が、前記複数の将来のタイムスロットの各々のチャネルゲインである場合、各タイムスロットの前記チャネルゲインは、ディープニューラルネットワークによって構築された圧縮モデルを介してユーザ機器から受信される、条項34に記載の電子機器。
36.前述した、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示をユーザ機器から受信することは、
利用可能な上りリンクリソースが第2の閾値を下回ると決定する場合、又は、上りリンクフィードバックチャネル品質が第3の閾値を下回ると決定する場合、当該タイムスロットにおけるチャネル品質指示のみをユーザ機器から受信し、前記複数の将来のタイムスロットのうちの他のタイムスロットにおけるチャネル品質指示を受信しないことを含む、条項31に記載の電子機器。
37.無線通信システムに用いられる方法であって、
現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットのチャネルゲインに関する情報を予測することであって、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示すことと、
前記情報を基地局に通知することと、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を基地局に通知して、基地局に、当該タイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信させることとを含む、方法。
38.無線通信システムに用いられる方法であって、
ユーザ機器から、現在の時刻より後の複数の将来のタイムスロットにおけるチャネルゲインに関する情報を受信することであって、前記情報は、ユーザ機器が現在の時刻より前の複数の履歴タイムスロットのチャネルゲインに基づいて予測したものであり、前記情報は、前記複数の将来のタイムスロットのうち、最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットを示すことと、
ユーザ機器から、前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおけるチャネル品質指示を受信することと、
前記情報によって示される最も高いチャネルゲインを有するタイムスロットにおいて前記チャネル品質指示に基づいてデータを送信することとを含む、方法。
39.電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、当該電子機器に条項37又は38に記載の方法を実行させる1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
40.条項37又は38に記載の方法の動作を実行するための部材を含む、無線通信システムに用いられる装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザ機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信し、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、
制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードするように構成される、電子機器。
【請求項2】
前記処理回路システムは、さらに、
ユーザ機器と基地局との距離を示す距離情報を制御エンティティに送信するように構成され、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きく、且つ距離情報によって示される距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって前記複数のユーザ機器からの数量情報と距離情報とに基づいて割り当てられる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースを含み、及び/又は、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、制御エンティティが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含み、及び/又は、
前記制御エンティティと前記複数のユーザ機器は共同でフェデレーションラーニングを実現し、前記制御エンティティは基地局であり、及び/又は、
ローカルモデルのパラメータのアップロードは、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記処理回路システムは、さらに、
制御エンティティから前記次のグローバルモデルのパラメータを受信してローカルモデルのパラメータを更新するように構成され、
前記次のグローバルモデルのパラメータの伝送は、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記所定の5QI値は、
リソースタイプが保証ビットレートGBRであること、
デフォルト優先度レベルが70であること、
パケット遅延バジェットが10msであること、
パケット誤り率が10-6であること、
デフォルト平均ウィンドウが2000msであることのうちの少なくとも1つを定義する、請求項又はに記載の電子機器。
【請求項6】
前記5QI値は、87である、請求項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、制御エンティティが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含み、前記非遅延敏感型トラフィックがeMBBトラフィックである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
無線通信システムにおけるネットワーク機器側に用いられる電子機器であって、処理回路システムを含み、前記処理回路システムは、
ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信し、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信し、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられ、
次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信するように構成される、電子機器。
【請求項9】
前記処理回路システムは、さらに、
ユーザ機器からの、ユーザ機器と基地局との距離を示す距離情報を受信するように構成され、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きく、且つ距離情報によって示される距離が小さいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、前記処理回路システムによって前記複数のユーザ機器からの数量情報と距離情報とに基づいて割り当てられる、請求項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、URLLCトラフィックの上りリンクリソースを含み、及び/又は、
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、前記処理回路システムが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含み、及び/又は、
前記電子機器と前記複数のユーザ機器は共同でフェデレーションラーニングを実現し、前記電子機器は基地局であり、及び/又は、
ローカルモデルのパラメータのアップロードは、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記処理回路システムは、さらに、
前記次のグローバルモデルのパラメータをユーザ機器に送信してユーザ機器にローカルモデルのパラメータを更新させるように構成され、
前記次のグローバルモデルのパラメータの伝送は、所定の5QI値によって指定される所定のQoS要求を満たす、請求項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記所定の5QI値は、
リソースタイプが保証ビットレートGBRであること、
デフォルト優先度レベルが70であること、
パケット遅延バジェットが10msであること、
パケット誤り率が10-6であること、
デフォルト平均ウィンドウが2000msであることのうちの少なくとも1つを定義する、請求項10又は11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記5QI値は、87である、請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、前記処理回路システムが前記複数のユーザ機器からの数量情報を受信するとき、基地局と、前記複数のユーザ機器とが行っている非遅延敏感型トラフィックの上りリンクリソースを含み、前記非遅延敏感型トラフィックがeMBBトラフィックである、請求項8に記載の電子機器。
【請求項15】
無線通信システムに用いられる方法であって、
制御エンティティにユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を送信することと、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を受信することであって、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、制御エンティティによって複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、
制御エンティティが次のグローバルモデルを得るように、前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介して、ローカルモデルのパラメータを制御エンティティにアップロードすることとを含む、方法。
【請求項16】
無線通信システムに用いられる方法であって、
ユーザ機器からの、ユーザ機器がローカルモデルの現在のトレーニング期間に使用するトレーニングサンプルの数量情報を受信することと、
ローカルモデルのパラメータをアップロードするための上りリンクリソース情報を送信することであって、上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースは、数量情報によって示される数量が大きいユーザ機器ほど、ローカルモデルのパラメータをアップロードするために十分な上りリンクリソースが割り当てられる機会が増えるように、複数のユーザ機器からの数量情報に基づいて割り当てられることと、
次のグローバルモデルを得るように、ユーザ機器が前記上りリンクリソース情報によって示される上りリンクリソースを介してアップロードしたローカルモデルのパラメータを受信することとを含む、方法。
【請求項17】
電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、当該電子機器に請求項15又は16に記載の方法を実行させる1つ又は複数の命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
請求項15又は16に記載の方法の動作を実行するための部材を含む、無線通信システムに用いられる装置。
【請求項19】
電子機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、該電子機器に請求項15又は16に記載の方法を実行させる1つ又は複数の命令を含むコンピュータプログラム。
【国際調査報告】