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特表2024-527580着用式非侵入型マイクロニードルセンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】着用式非侵入型マイクロニードルセンサ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500459
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022036424
(87)【国際公開番号】W WO2023283385
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/219,325
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】506138351
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テウラニ,ファーシャド
(72)【発明者】
【氏名】テイモリアン,ハズィール
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KX01
4C038KY01
4C038KY04
(57)【要約】
本明細書では、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチプラットフォームを使用してバイオマーカを連続的に監視するための装置、システム、および方法が開示される。いくつかの態様において、装着型非侵入型マイクロニードルセンサデバイスは、電子機器ユニットに結合可能なマイクロニードルセンサユニットを含み、マイクロニードルセンサユニットは基板と、電気化学センサ電極として構成されたスパイクマイクロニードル構造のアレイと、スパイクマイクロニードル構造の下部を包み込むベース構造のアレイと、バイオ流体中の1つまたは複数のバイオマーカに関連する検出可能な信号を処理するために、電極を電子機器ユニットに電気的に結合する電気的相互接続とを備える。
【選択図】図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用可能な非侵入性のマイクロニードルセンサデバイスであって、
マイクロニードルセンサユニットであって、
電気絶縁性材料を有する基板、
前記基板上に配置されたスパイクマイクロニードル構造のアレイであって、前記スパイクマイクロニードル構造のアレイの少なくともいくつかは、前記スパイクマイクロニードル構造のアレイに対して曝露された生体流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出する電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は、化学層によって機能化されて、前記生体流体中の前記標的分析物と相互作用し、前記少なくとも1つの電気化学センサ電極において前記電気信号を生成し、前記スパイクマイクロニードル構造のアレイの各スパイクマイクロニードル構造は本体領域と先端領域とを含み、前記本体領域は、前記本体領域の少なくとも一部の周りに巻き付く螺旋突起を有する円筒形状を有し、前記先端領域は円錐形状を有する、スパイクマイクロニードル構造のアレイ、
電気絶縁体材料を含むベース構造のアレイであって、各ベース構造は、対応するスパイクマイクロニードル構造の前記本体領域の下部を包み込む、ベース構造のアレイ、
前記基板内または前記基板上に配置された複数の電気相互接続であって、前記電気化学センサ電極として構成された前記スパイクマイクロニードル構造のうちの1つまたは複数に対して、および前記基板上の接触終端構造に対して、前記電気相互接続の各々が結合される、複数の電気相互接続、
を備えるマイクロニードルセンサユニット、
前記複数の電気的相互接続と電気的に通信する電子ユニットであって、前記電子ユニットは、回路基板と、前記回路基板上に構成された信号処理回路と、前記信号処理回路と電気的に通信する電源と、複数の導電性ピンとを備え、前記導電性ピンは、前記導電性ピンの細長い領域と、対応する電気的相互接続の前記終端領域との間の接触を可能にすることによって、前記マイクロニードルセンサユニットを前記電子ユニットに対して電気的に結合する、電子ユニット、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記マイクロニードルセンサユニットはさらに、前記基板と結合するためのカバーユニットを備え、前記カバーユニットは、前記基板上の前記スパイクマイクロニードル構造のアレイと整列するように構成された開口のアレイを有する電気絶縁材料から形成されたセンサカバー部品を備え、これにより、前記スパイクマイクロニードルの前記本体領域の前記先端領域および前記本体領域の少なくとも遠位部分が前記カバーユニットの前記センサカバー部品の前記開口のアレイを通過し、前記センサカバー部品は、前記デバイスを汚染する望ましくない物質から前記マイクロニードルセンサユニットの下にある構造を保護するように構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記マイクロニードルセンサユニットおよび前記カバーユニットは、単位標的検体を連続的に監視するために使用される装着型非侵入型の前記マイクロニードルセンサデバイスのユーザによる少なくとも最初の使用後に使い捨て可能であるように構成され、前記電子ユニットは少なくとも前記最初の使用後に再使用可能であるように構成される、請求項2記載のデバイス。
【請求項4】
前記カバーユニットは、光架橋されるべき前記基板の下または表面上に配置されたマイクロ流体チャネルに対して硬化性ポリマー樹脂を供給するように構成された開口部を含み、これにより、前記基板ベースおよび前記スパイクマイクロニードル構造の一部を特定の高さに電気的に絶縁するように動作可能な、前記電気絶縁体材料を備える前記ベース構造のアレイを形成する、請求項2記載のデバイス。
【請求項5】
前記カバーユニットの前記センサカバー部品は、内部領域を囲む側壁を含むとともに、前記カバーユニットが前記基板と結合されたとき前記基板の側面を包囲するように構成され、前記カバーユニットは背面カバー部品を有し、前記背面カバー部品は、前記センサカバー部品の前記側壁と接続するとともに、前記基板の背面と接触するように構成されている、請求項2記載のデバイス。
【請求項6】
前記カバーユニットはさらに、前記カバーユニットの前記側壁に結合する周辺側壁を有するホルダを有し、前記ホルダは開口を有することにより、前記ホルダが前記マイクロニードルセンサユニットの前記側壁に対して結合されると、前記スパイクマイクロニードル構造のアレイが前記開口を越えて外側に拡張する、請求項5記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスはさらに、
前記カバーユニットの前記ホルダに対して接続し、前記ホルダの前記開口部を越えて前記スパイクマイクロニードル構造のアレイを露出させながら、前記電子ユニットおよび前記マイクロニードルセンサユニットを収容するように構成された、外側ケーシングを備える、請求項6記載のデバイス。
【請求項8】
各前記スパイクマイクロニードル構造は、前記先端領域の少なくとも頂点から前記本体領域の前記下部までを連続的に覆う導電層によって少なくとも部分的に被覆された電気絶縁性コアを有し、これにより、前記スパイクマイクロニードル構造の前記導電層は、対応する前記電気相互接続と接触する、請求項1記載のデバイス。
【請求項9】
前記電気絶縁コアはPMMAを含む、請求項8記載のデバイス。
【請求項10】
前記導電層は、白金、金、銀、クロム、炭素、その他の導電性金属もしくは合金、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8記載のデバイス。
【請求項11】
前記螺旋突起は、少なくとも20°の螺旋角度を有し、および/または、前記螺旋突起は、前記本体領域から少なくとも25μM突出する高さを有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項12】
前記螺旋突起は、下方に向けられて前記螺旋突起上に相互係止縁部を形成する外側終端部を有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項13】
前記前記スパイクマイクロニードル構造のアレイのうちの少なくともいくつかの前記先端領域は、40°~85°の範囲の前記先端領域の頂点における角度を有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項14】
前記先端領域は、5μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を有し、または前記先端領域は、2μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項15】
前記先端領域は複数の細孔を有し、前記先端領域の前記複数の細孔は、前記少なくとも1つの電気化学センサ電極上に構成されて、1つまたは複数の化学化合物を固定して、前記バイオ流体中の前記標的分析物と相互作用するように構成された前記化学層を生成する、請求項1記載のデバイス。
【請求項16】
前記本体領域は、前記本体領域の下部に、前記本体領域の前記下部と前記上部との間の境界まで延びる複数のチャネルを有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項17】
前記本体領域の前記複数のチャネルは、垂直チャネルまたは傾斜チャネルのうちの少なくとも1つを含む、請求項16記載のデバイス。
【請求項18】
前記本体領域の前記複数のチャネルは、前記硬化性ポリマー樹脂が前記複数のチャネル内にあるときに光架橋されるように動作可能である前記基板上または前記基板内の1つまたは複数のマイクロ流体チャネルから硬化性ポリマー樹脂を流して、電気絶縁材料を形成し、対応するマイクロニードル構造の前記本体領域の前記下部を包むベース構造のアレイを作成するように構成される、請求項16記載のデバイス。
【請求項19】
前記スパイクマイクロニードル構造のうちの少なくともいくつかが、4:1~20:1の範囲の高さ対厚さのアスペクト比を有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項20】
単位マイクロニードルセンサユニットの前記基板は、前記基板の表面内または表面上に配置された複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルのうちの少なくともいくつかは、前記複数の電気相互接続によって少なくとも部分的に充填される、請求項1記載のデバイス。
【請求項21】
前記スパイクマイクロニードル構造のアレイは、前記アレイのスパイクマイクロニードル構造の2つ以上のサブグループに区分され、前記スパイクマイクロニードル構造の第1サブグループは前記バイオ流体中の第1標的分析物と相互作用する第1化学層を含み、前記スパイクマイクロニードル構造の第2サブグループは前記バイオ流体中の第2標的分析物と相互作用する第2化学層を含み、前記複数のチャネルは、スパイクマイクロニードル構造の前記第1サブグループに対応する電気的相互接続の第1サブグループと、スパイクマイクロニードル構造の前記第2サブグループに対応する電気的相互接続の第2サブグループとを提供するように構成される、請求項20記載のデバイス。
【請求項22】
前記第1標的分析物は前記第2標的分析物とは異なり、前記第1標的分析物および前記第2標的分析物は、グルコース、ケトン体、乳酸塩、塩イオン、またはアルコールのうちの少なくとも1つを含む、請求項21記載のデバイス。
【請求項23】
それぞれ電気的相互接続に結合する前記接触終端構造は、導電性かつ機械的摩擦接触パッドを含む前記基板内の孔内に構造化され、これにより、前記電子ユニットからの導電性ピンの前記細長い領域は、対応する電気的相互接続の前記終端領域の前記導電性かつ機械的摩擦接触パッドと接触する、請求項1記載のデバイス。
【請求項24】
前記複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは剛性金属導電性ピンを含み、または、前記複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは可撓性高分子ベースの導電性ピンを含み、または、前記複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは剛性金属導電性ピンを含むとともに前記複数の導電性ピンのうちの少なくとも別の導電性ピンは可撓性高分子ベースの導電性ピンを含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項25】
前記電子ユニットは、前記信号調整ユニットと通信するデータ処理ユニットをさらに備え、前記データ処理ユニットは、プロセッサおよびメモリを備えるとともに、前記電気信号を、前記標的分析物の1つまたは複数のパラメータを表すデータとして処理するように構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項26】
前記信号調整ユニットは、前記電気信号を増幅すること、前記電気信号をフィルタリングすること、または前記電気信号をアナログからデジタルに変換することのうちの1つまたは複数によって前記電気信号を処理するように構成され、前記データ処理ユニットは、前記信号調整ユニットによる処理後に前記電気信号を処理するように構成される、請求項25記載のデバイス。
【請求項27】
前記電子ユニットは、前記信号調整ユニットおよび前記データ処理ユニットの一方または両方と通信する無線通信ユニットをさらに備え、前記無線通信ユニットは、前記電気信号および前記データの一方または両方を外部コンピューティングデバイスに対して少なくとも送信するための無線送信機または無線トランシーバを備える、請求項25記載のデバイス。
【請求項28】
前記標的分析物は、代謝産物、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、または薬物のうちの1つまたは複数を含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項29】
前記標的分析物は、酵素、ペプチドベースのアプタマー、抗体、またはホルモンのうちの1つ以上のタンパク質を含む、請求項28記載のデバイス。
【請求項30】
前記標的分析物は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドベースのアプタマー、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはその一部、またはリボ核酸(RNA)もしくはその一部のうちの1つ以上の核酸を含む、請求項28記載のデバイス。
【請求項31】
前記スパイクマイクロ構造のうちの少なくとも1つは、酵素、イオノフォア、抗体、ペプチド核酸(PNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または細胞のうちの1つ以上の生物学的または化学的認識要素を含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項32】
前記デバイスは、皮下生物学的流体のいずれかを含む、前記生体液中の前記標的分析物を測定するように構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項33】
前記皮下生物学的流体は、間質液、細胞外液、脳脊髄液、または血液を含む、請求項32記載のデバイス。
【請求項34】
装着可能で非侵入的なマイクロニードルセンサパッチデバイスであって、
電気絶縁性材料を含む基板、
前記基板上に配置され、本体領域および先端領域を備えるマイクロニードル構造のアレイであって、前記本体領域は、前記本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起を有する、マイクロニードル構造のアレイ、
を備え、
前記マイクロニードル構造のうち少なくともいくつかは、前記マイクロニードル構造のアレイに対して曝露されたバイオ流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出する電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの前記電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、前記バイオ流体中の前記標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの前記電気化学センサ電極において電気信号を生成する、
デバイス。
【請求項35】
前記マイクロニードル構造の前記本体領域の少なくとも前記上部の周りに巻き付く前記突起は、螺旋突起を含む、請求項34記載のデバイス。
【請求項36】
前記螺旋突起は少なくとも20°のらせん角度を有し、および/または、前記螺旋突起は前記本体領域から少なくとも25μM突出する高さを有する、請求項35記載のデバイス。
【請求項37】
前記突起は、下方に向けられて前記突起上に相互係止縁部を形成する外側終端部を有する、請求項34~36のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項38】
前記先端領域は5μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を有し、または、前記先端領域は2μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を有する、請求項34記載のデバイス。
【請求項39】
前記先端領域は複数の孔を有する、請求項34記載のデバイス。
【請求項40】
前記先端領域の前記複数の細孔は、前記少なくとも1つの電気化学センサ電極上に構成されて、1つまたは複数の化合物を固定して、前記バイオ流体中の前記標的分析物と相互作用するように構成された前記化学層を生成する、請求項39記載のデバイス。
【請求項41】
前記本体領域は、前記本体領域の下部に、前記本体領域の前記下部と前記上部との間の境界まで延びる複数のチャネルを有する、請求項34記載のデバイス。
【請求項42】
前記本体領域の前記複数のチャネルは垂直チャネルを含む、請求項41記載のデバイス。
【請求項43】
前記本体領域の前記複数のチャネルは、前記硬化性ポリマー樹脂が前記複数のチャネル内にあるときに光架橋されるように動作可能である前記基板上または前記基板内の1つまたは複数のマイクロ流体チャネルから硬化性ポリマー樹脂を流して、電気絶縁材料を形成し、対応するマイクロニードル構造の前記本体領域の前記下部を包み込むベース構造のアレイを作成するように構成される、請求項41記載のデバイス。
【請求項44】
前記本体領域は少なくとも2つのセグメントを有する円筒形状を有し、前記マイクロニードル構造の前記本体領域の下部セグメントは、電気絶縁性ベース構造によって包まれるとともに、複数の垂直に整列したマイクロ流体チャネルを有し、前記マイクロニードル構造の前記本体領域の上部セグメントは、前記突起が配置される前記本体領域の前記上部を有する、請求項34記載のデバイス。
【請求項45】
前記マイクロニードル構造のアレイは、電気絶縁体材料を含むベース構造のアレイを有し、各ベース構造は、対応するマイクロニードル構造の前記本体領域の下部を包み込む、請求項34記載のデバイス。
【請求項46】
前記デバイスはさらに、
前記基板上の複数の接触終端構造と、前記基板内または前記基板上に配置された複数の電気相互接続とを備え、前記電気相互接続の各々は、前記電気化学センサ電極として構成された前記マイクロニードル構造のうちの1つまたは複数と結合されるとともに、前記複数の接触終端構造のうちの少なくとも1つの接触終端構造と結合される、請求項34記載のデバイス。
【請求項47】
各前記マイクロニードル構造は、少なくとも前記先端領域の頂点を前記本体領域の下部まで連続的に覆う導電層によって少なくとも部分的に被覆される電気絶縁コアを有し、前記マイクロニードル構造の前記導電層が、前記複数の電気相互接続の対応する電気相互接続に接触する、請求項46記載のデバイス。
【請求項48】
前記マイクロニードル構造のアレイは、前記マイクロニードル構造のアレイの2つ以上のサブグループに区分され、前記マイクロニードル構造の第1サブグループは前記バイオ流体中の第1標的分析物と相互作用するための第1化学層を有し、前記マイクロニードル構造の第2サブグループは前記バイオ流体中の第2標的分析物と相互作用するための第2化学層を有する、請求項34記載のデバイス。
【請求項49】
前記デバイスはさらに、
前記基板と結合するカバーユニットであって、前記基板上の前記マイクロニードル構造のアレイと整列するように構成された開口のアレイを有する電気絶縁材料から形成されたセンサカバー部品を備え、これにより、前記マイクロニードルの前記本体領域の前記先端領域および少なくとも遠位部分が、前記カバーユニットの前記センサカバー部品の開口のアレイを通過する、カバーユニットを備える、請求項34記載のデバイス。
【請求項50】
前記カバーユニットの前記センサカバー部品は、内部領域を取り囲む側壁を有するとともに、前記カバーユニットが前記基板と結合されるとき前記基板の側面を取り囲むように構成され、前記カバーユニットは、前記センサカバー部品の前記側壁と接続するように構成されるとともに前記基板の背面と接触するように構成される背面カバー部品を有する、請求項49記載のデバイス。
【請求項51】
前記カバーユニットは、前記カバーユニットの前記側壁に結合する周辺側壁を有するホルダをさらに有し、前記ホルダが開口を有することにより、前記ホルダが前記マイクロニードルセンサユニットの前記側壁に結合されると、前記マイクロニードル構造の前記アレイが前記開口を越えて外側に拡張する、請求項50記載のデバイス。
【請求項52】
前記デバイスは、前記標的分析物を連続的に監視するために使用される装着型非侵入型の前記マイクロニードルセンサデバイスのユーザによる少なくとも最初の使用後に使い捨てであるように構成される、請求項34~51のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項53】
前記標的分析物は、代謝産物、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、または薬物のうちの1つ以上を含み、前記スパイクマイクロ構造のうちの少なくとも1つは、酵素、イオノフォア、抗体、ペプチド核酸(PNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または細胞のうちの1つ以上の生物学的または化学的認識要素を含む、請求項34記載のデバイス。
【請求項54】
前記デバイスは、間質液、細胞外液、脳脊髄液、または血液のうちいずれかの皮下生物学的流体を含む、前記生体液中の前記標的分析物を測定するように構成される、請求項34記載のデバイス。
【請求項55】
装着型非侵入型の前記マイクロニードルセンサパッチデバイスは、請求項1~33のいずれか1項記載の電子ユニットとインターフェースするように構成される、請求項34~54のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項56】
着用可能な非侵入性のマイクロニードルセンサデバイスを製造するための方法であって、
基板上に配置された複数のマイクロニードル構造を備えるマイクロニードルセンサアレイのコンピュータ支援設計を作成または取得するステップであって、前記複数のマイクロニードル構造は、本体領域と、先端領域と、前記本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起とを有する、ステップ;
前記マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を生成するステップであって、前記マイクロニードルセンサアレイの前記生成された物理的構造の前記複数のマイクロニードル構造のうちの少なくともいくつかは、前記複数のマイクロニードル構造のうちの少なくともいくつかのマイクロ電極を形成するための導電性領域を有する、ステップ;
前記マイクロニードルセンサアレイの物理的構造にカバーを取り付けるステップであって、前記カバーは前記基板上の前記複数のマイクロニードル構造と整列するように構成された複数の開口部を有する電気絶縁材料を有し、これにより、前記マイクロニードル構造の前記本体領域の前記先端領域および少なくとも遠位部分は、前記カバーの前記開口部を通過する、ステップ;
を有する方法。
【請求項57】
前記マイクロニードルセンサアレイの前記物理的構造を生成するステップは、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工プロセスを開始して、刻み工程および/または切断工程のプログラムされたシーケンスを実行し、前記マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を形成するステップを有する、請求項56記載の方法。
【請求項58】
刻み工程および/または切断工程の前記プログラムされたシーケンスは、(i)50μm~1mmの範囲のドリルビットを利用すること、(ii)500~25,000rpmの範囲のスピンドル速度を適用すること、の一方または両方を含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
刻み工程および/または切断工程の前記プログラムされたシーケンスは、(i)1μm~1mmの範囲のステップサイズ、(ii)[a]500rpm~12,000rpmのスピンドル速度、[b]40~120m/分の表面速度、[c]50~1,000mm/分のプランジフィードレート、[d]1回転当たりの送り0.01~0.1mm、および/または[e]50~1,000mm/分の後退フィードレートのうちの1つまたは複数を含むパラメータを有する動作を実施する工程、の一方または両方を含む、請求項58記載の方法。
【請求項60】
刻み工程および/または切断工程の前記プログラムされたシーケンスは、[a]CNCビットフラット2~4フルート、[b]500~15,000rpmのスピンドル速度、および/または[c]20~100mm/分の送り速度のうちの1つまたは複数を使用することを含む刻み工程のための、2Dまたは3D適応またはポケット手順を含む微細刻みプロセスを含む、請求項58記載の方法。
【請求項61】
前記マイクロニードルセンサアレイの前記物理的構造を生成するステップは、
ベース上に配置された前記複数のマイクロニードル構造の物理的構造を有する、コンピュータ支援設計による、前記マイクロニードルセンサアレイのためのマスタ構造を作成するステップ;
前記マイクロニードルセンサアレイの前記マスタ構造に基づく型を作成するステップ;
前記作成された型内に少なくとも1つの材料をキャスティングしてマイクロニードルセンサアレイの前記物理的構造を形成するステップ;
請求項56記載の方法。
【請求項62】
前記マイクロニードルセンサアレイの前記マスタ構造を生成するステップは、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工プロセスを開始して、前記マイクロニードルセンサアレイの物理的モデルを形成する刻み工程および/または切断工程のプログラムされたシーケンスを実行すること、またはフォトリソグラフィ技術を開始することを含む、請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記マイクロニードルセンサアレイの前記マスタ構造は前記マイクロニードル構造の超高解像度特徴を含み、前記マイクロニードルセンサアレイの前記マスタ構造を生成するステップは、超高解像度3D印刷技術、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工プロセス、または2光子リソグラフィ技術を使用することを含む、請求項61記載の方法。
【請求項64】
前記型を作成するステップは、前記マスタ構造上および/または前記マスタ構造内に成形材料を堆積させることと、前記成形材料を前記マスタ構造上/前記マスタ構造内で脱気および熱処理して、前記型を作成することと、前記作成された型から前記マスタ構造を除去することとを含む、請求項61記載の方法。
【請求項65】
前記キャスティングは、ポリマー材料を含む前記少なくとも1つの材料を堆積させることと、前記ポリマー材料を硬化させて、前記基板と、前記基板上に配置された前記複数のマイクロニードル構造とを形成することとを含む、請求項61記載の方法。
【請求項66】
前記マイクロニードルセンサアレイの前記物理的構造を生成するステップは、
電気的に絶縁性の第1材料を用いて、前記基板と、前記基板上に配置された前記複数のマイクロニードル構造とを形成するステップ;
前記複数のマイクロニードル構造上および前記基板上に導電性領域を生成して、それぞれ、前記マイクロ電極および電気相互接続線を生成するステップ;
を有する、請求項56記載の方法。
【請求項67】
前記導電性領域を形成するステップは、
前記マイクロニードル構造の特定の部分上に導電性材料を薄膜堆積させて第1コーティングを形成するステップ;
作用電極および/または対電極として指定される前記マイクロニードル構造の少なくとも1つの上の前記導電性材料の少なくとも一部をエッチングするステップ;
基準電極として指定される前記マイクロニードル構造の少なくとも別の1つの上の前記導電性材料の少なくとも一部を準備するステップ;
を有する、請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記方法はさらに、前記マイクロニードルの前記本体領域の下部にベース構造を形成するステップを有する、請求項56記載の方法。
【請求項69】
前記ベース構造を作成するステップは、
前記マイクロニードル構造体の前記本体領域の底部に近接して配置された前記基板の表面上または表面下の複数のマイクロ流体チャネルを通って樹脂材料を流すステップであって、前記樹脂材料は、毛管力を介して前記マイクロ流体チャネルを通って流れる、ステップ;
前記本体領域の下部に上向きに流れる前記樹脂材料を硬化させることにより、前記マイクロニードル構造の前記本体領域の前記下部に封止されたベース構造を形成するステップ;
を有する、請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記封止されたベース構造は、前記マイクロニードルセンサアレイの前記物理的構造において、前記マイクロニードル構造の前記本体領域の非被覆部分を含む感知領域を画定する、請求項69記載の方法。
【請求項71】
前記樹脂材料は、非イオン性界面活性剤および熱処理で変性されて粘性特性が0.01~0.5 Pa・sである高分子を含む、請求項69記載の方法。
【請求項72】
前記樹脂材料は、アクリレートおよびメタクリレート系モノマーおよびオリゴマーの混合物と、光開始剤としてのベンジルケタール化合物とから構成される生物医学グレードポリマーを含む、請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記生物医学グレードポリマーは、熱処理を介して前記非イオン性界面活性剤によって低下される5 Pa・sの初期粘性を有する、請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記樹脂材料は、500nm未満の解像度サイズを有するように構成される、請求項69記載の方法。
【請求項75】
前記樹脂材料を硬化させるステップは、光エネルギーを適用して、前記樹脂材料内で光架橋を引き起こし、固体電気絶縁材料を形成して、前記封止されたベース構造を形成することを含む、請求項69記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本特許文献は、「WEARABLE、NON-INTRUSIVE MICRONEEDLE SENSOR」と題し、2021年7月7日に出願された米国仮出願第63/219,325号の優先権および利益を主張する。前述の特許出願の全内容は、この特許文献の開示の一部として参照により組み込まれる。
【0002】
本特許文書は、バイオセンサ装置、システム、および方法、特にマイクロニードルセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
バイオセンサは、生物における生理学的物質およびプロセスのリアルタイム検出を提供することができる。バイオセンサは、形質導入要素と結合された生物学的検出コンポーネントを使用して、化学物質、物質、または生物体を検出し、これにより、検出事象を処理および/または表示のための信号に変換することができる分析ツールである。バイオセンサは、生物学的検出コンポーネントとして、例えば、酵素、抗体、核酸などを含む生体分子、ならびに生細胞などの生物学的材料を使用することができる。例えば、分子バイオセンサは、特定の化学的特性または分子認識機構を使用して標的物質を同定するように構成することができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、着用可能な非侵入性スパイクマイクロニードルセンサパッチプラットフォームを使用して、信頼性があり正確かつ連続的にISFバイオマーカを監視するための装置、システム、および方法が開示される。
【0005】
いくつかの態様において、装着型非侵入型マイクロニードルセンサデバイスは、電子機器ユニットに対して結合可能なマイクロニードルセンサユニットを有し、マイクロニードルセンサユニットは、基板と、センサ電極を含むスパイクマイクロニードル構造のアレイと、スパイクマイクロニードル構造の下部を包み込むベース構造のアレイと、センサ電極を電子機器ユニットに対して電気的に結合してバイオ流体中の1つまたは複数のバイオマーカに関連する検出可能な信号を処理する電気的相互接続とを含む。いくつかの実施形態において例えば、マイクロニードルセンサユニットは、電気絶縁材料を含む基板;基板上に配置されたスパイクマイクロニードル構造体のアレイ;を備え、スパイクマイクロニードル構造体の少なくともいくつかは、スパイクマイクロニードル構造体のアレイに対して曝露されたバイオ流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出する電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、バイオ流体中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成し、スパイクマイクロニードル構造体のアレイの各スパイクマイクロニードル構造体は本体領域と先端領域とを含み、本体領域は本体領域の少なくとも一部の周りに巻き付く螺旋突起を有する円筒形状を含み、先端領域は円錐形状を含む。マイクロニードルセンサユニットはさらに、電気絶縁体材料を含むベース構造体のアレイを備え、各ベース構造体は、対応するスパイクマイクロニードル構造体の本体領域の下部を包み込む。マイクロニードルセンサユニットはさらに、基板内または基板上に配置された複数の電気的接続を備え、各電気的接続は、電気化学センサ電極として構成されたスパイクマイクロニードル構造体の1つ以上に対しておよび基板上の接触端子構造に対して接続される。いくつかの実施形態において例えば、電子機器ユニットは複数の電気相互接続と電気通信するように構成され、電子機器ユニットは回路基板と、回路基板上に構成された信号処理回路と、信号処理回路と電気通信する電源と、導電性ピンの細長い領域と対応する電気相互接続の終端領域との間の接触を可能にすることによってマイクロニードルセンサユニットを電子機器ユニットに対して電気的に結合する複数の導電性ピンとを含む。スパイクマイクロニードル構造のいくつかの実施形態において、例えば、スパイクマイクロニードル構造の先端領域は複数の微小孔(例えば、0.5μM~20μMサイズの微小孔)を有する微小孔性先端領域を含む。スパイクマイクロニードル構造のいくつかの実施形態において例えば、本体領域は、少なくとも2つのセグメントを有する円筒形状を含み、下部セグメントはベース構造によって包まれた本体領域の下部を含み、複数の垂直に整列したマイクロ流体チャネルを含み、上部セグメントは螺旋状突起が配置される本体領域の上部を含む。
【0006】
いくつかの態様において、着用可能非侵入マイクロニードルセンサ装置は、マイクロニードルセンサユニットと、マイクロニードルセンサユニットと電気的に通信する電子機器ユニットを含む。マイクロニードルセンサユニットは以下を備える:(i)電気的に絶縁性の材料を含む基板;(ii)スパイクマイクロニードル構造アレイであって、スパイクマイクロニードル構造の少なくともいくつかは、スパイクマイクロニードル構造のアレイに対して曝されたバイオ流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、バイオ流体中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成し、スパイクマイクロニードル構造のアレイの各スパイクマイクロニードル構造は本体領域と先端領域とを含み、本体領域は本体領域の少なくとも一部の周りに巻き付く螺旋突起を有する円筒形状を含み、先端領域は円錐形状を含む、スパイクマイクロニードル構造アレイ;(iii)電気絶縁体材料を含むベース構造のアレイであって、各ベース構造は対応するスパイクマイクロニードル構造の本体領域の下部を包む、ベース構造アレイ;(iv)基板内または基板上に配置された電気的相互接続部であって、各電気相互接続部は、電気化学センサ電極として構成されたスパイクマイクロニードル構造のうちの1つまたは複数と接続されるとともに、基板上の接触終端構造と結合される、相互接続部。電子機器ユニットは複数の電気相互接続部と電気的に通信し、電子機器ユニットは、回路基板と、回路基板上に構成された信号処理回路と、信号処理回路と電気的に通信する電源と、導電性ピンの細長い領域と対応する電気相互接続部の終端領域との間の接触を可能にすることによってマイクロニードルセンサユニットを電子機器ユニットに対して電気的に結合する複数の導電性ピンとを備える。
【0007】
いくつかの態様において、着用可能非侵入マイクロニードルセンサ装置は、マイクロニードルセンサユニットと、マイクロニードルセンサユニットと電気的に通信する電子機器ユニットを含む。マイクロニードルセンサユニットは以下を備える:(i)電気絶縁材料を含む基板;(ii)基板上に配置され、本体領域および先端領域を有する、マイクロニードル構造アレイであって、本体領域は本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起を含み、マイクロニードル構造の少なくともいくつかは、マイクロニードル構造のアレイに対して曝露された生体液中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、生体液中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成する、マイクロニードル構造アレイ。電子機器ユニットはマイクロニードルセンサユニットと電気的に通信し、電子機器ユニットは、回路基板と、導電性ピンの細長い領域とマイクロニードルセンサユニットの導電性部分との間の接触を可能にすることによってマイクロニードルセンサユニットを電子機器ユニットの回路基板に対して電気的に結合する複数の導電性ピンとを備える。
【0008】
いくつかの態様において、ウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイスは、電気絶縁材料を含む基板と、基板上に配置され、本体領域および先端領域を含むマイクロニードル構造のアレイとを有し、本体領域は本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起を含み、マイクロニードル構造の少なくともいくつかは、マイクロニードル構造のアレイに対して曝露された生体液中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、生体液中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成する。
【0009】
いくつかの態様において、ウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサデバイスを製造するための方法は以下を有する:基板上に配置された複数のマイクロニードル構造を含むマイクロニードルセンサアレイのコンピュータ支援設計を作成または取得するステップであって、複数のマイクロニードル構造は、本体領域と、先端領域と、本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突出部と、を備える、ステップ;マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を生成するステップであって、マイクロニードルセンサアレイの生成された物理的構造のうちの少なくともいくつかが、複数のマイクロニードル構造のうちの少なくともいくつかのマイクロ電極を形成する導電性領域を含む、ステップ;マイクロニードルセンサアレイの物理的構造にカバーを取り付けるステップであって、カバーは、基板上の複数のマイクロニードル構造と整列するように構成された複数の開口部を有する電気絶縁材料を含み、これにより、マイクロニードル構造の先端領域および少なくとも本体領域の遠位部分がカバーの開口部を通過するようにする、ステップ。
【0010】
本特許文書に記載される主題は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を提供する特定の方法で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本技術による、装着型非侵入表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的実施形態を描写する、図および画像を示す。
図1B】本技術による、装着型非侵入表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的実施形態を描写する、図および画像を示す。
図1C】本技術による、装着型非侵入表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的実施形態を描写する、図および画像を示す。
図1D】本技術による、装着型非侵入表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的実施形態を描写する、図および画像を示す。
図1E】本技術による、装着型非侵入表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的実施形態を描写する、図および画像を示す。
図1F】本技術による、装着型非侵入表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的実施形態を描写する、図および画像を示す。
【0012】
図2A】本技術によるスパイクマイクロニードル構造の例示的な実施形態を示す画像および図を示す。
図2B】本技術によるスパイクマイクロニードル構造の例示的な実施形態を示す画像および図を示す。
【0013】
図3】基板上のスパイクマイクロニードルの例示的な配置および基板の例示的な下部構造を含む、マイクロニードルセンサユニットの様々な例を示す画像のパネルおよび図を示す。
【0014】
図4A】スパイクマイクロニードル構造およびベース構造およびアレイ構成の例を含む、本技術によるスパイクマイクロニードルセンサユニットの例の様々な態様を示す例示的な図を示す。
【0015】
図4B】本技術による、スパイクマイクロニードル構造体のベース支持構造体を製造するための自律的毛細管封止/絶縁方法の例示的なプロセスを示す断面図を示す。
【0016】
図4C】本技術による、例示的な電気導管相互接続を有するスパイクマイクロニードル構造および基板下部構造の例示的な実施形態を示す断面図を示す。
【0017】
図5】本技術による、マイクロニードルセンサユニットの下部構造および電子機器ユニットの電気的相互接続の例示的実施形態を描写する図を示す。
【0018】
図6】グルコース/乳酸塩およびグルコース/アルコールの連続モニタリングにおいて特定の分析物パラメータを測定するための多重化センサ設計を示す図を示す。
【0019】
図7】本技術によるマイクロCNC製造方法の例示的な実施によって製造された中間および最終成分を示す画像を示す。
【0020】
図8図1B図1Dに示される、完全に統合された、非侵入型の、ワイヤレスで操作される、着用可能なマイクロニードルセンサパッチデバイスの例示的な実施形態の図を示す。
【0021】
図9図8に示される例示的な装着型マイクロニードルセンサパッチデバイスの使い捨てセンサ構成要素および再使用可能な電子機器ユニットの例示的な実施形態を示す概略図および画像を示す。
図10図8に示される例示的な装着型マイクロニードルセンサパッチデバイスの使い捨てセンサ構成要素および再使用可能な電子機器ユニットの例示的な実施形態を示す概略図および画像を示す。
図11図8に示される例示的な装着型マイクロニードルセンサパッチデバイスの使い捨てセンサ構成要素および再使用可能な電子機器ユニットの例示的な実施形態を示す概略図および画像を示す。
【0022】
図12A図8~11に示される例示的な実施形態による、単一の分析物センサを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイスの例示的なオンボディ性能実装形態からの図およびデータプロットを示す。
図12B図8~11に示される例示的な実施形態による、単一の分析物センサを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイスの例示的なオンボディ性能実装形態からの図およびデータプロットを示す。
【0023】
図13図8図11に示される例示的な実施形態による、複数の分析物センサを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイスの例示的なオンボディ性能実装からの図およびデータプロットを示す。
【0024】
図14】分解された、図8に示される、完全に統合された、非侵入型の、ワイヤレスで操作される、着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実施形態の画像を示す。
【0025】
図15】本技術による装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実装形態において使用される例示的な電子サブシステムのためのワイヤレス再充電ハードウェアの画像を示す。
【0026】
図16】本技術による装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの電子機器ユニットの例示的な実施形態の電力最適化実装の例示的なデータを示す。
【0027】
図17】本技術による装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実施形態のソフトウェア特徴に関連する図およびデータプロットを示す。
【0028】
図18】CWSボード電子システムと従来のポテンショスタットとの比較研究に関連する図およびデータプロットを示す。
【0029】
図19】本技術によるスパイクマイクロニードルセンサアレイの製造方法の例示的な実施形態の例示的なフロー図を示す。
【0030】
図20】本技術による着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実装のための、WE/CE/RE比研究に関連する図および例示的なデータを提示する図を示す。
【0031】
図21】例示的な個々の使い捨てスパイクマイクロニードルアレイ(例えば、5×5スパイクマイクロニードルを有する)を個々の対象の皮膚に対して適用することの視覚的影響を示す一連の画像を示す。
【0032】
図22】本技術による装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実装形態における、例示的なセンサ滅菌プロセスおよび細胞毒性研究からの例示的なデータを示す。
【0033】
図23A】例示的なインビトロ研究においてグルコース、乳酸塩、およびアルコールを測定するように構成された、本技術によるスパイクマイクロニードルアレイセンサデバイスの例示的な実施形態の図を示す。
【0034】
図23B図23Aに示されるスパイクマイクロニードルアレイセンサデバイスの例を使用したインビトロ研究からのデータの例のデータプロットを示す。
【0035】
図24】本技術による装着型スパイク付きマイクロニードルアレイセンサデバイスのための特徴を制御し、データを表示するためのソフトウェアアプリケーション(アプリ)の例示的な実施形態のための例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の図を示す。
【0036】
図25】例示的な使い捨てセンサ構成要素および例示的な再使用可能構成要素が組み立てられ、対象の腕に配置され、その後信号品質試験が実施されることを示す画像を示す。
【0037】
図26】対象の皮膚に対してセンサを適用した後に実施するための例示的な信号品質試験ページを示す、ソフトウェアアプリケーション(アプリ)の例示的な実施形態のための例示的なGUIの図を示す。
【0038】
図27】本技術による、例示的な装着型非侵襲性電気化学センサパッチデバイスの模式図を示す。
【0039】
図28A】使用者の皮膚に対して挿入された、着用可能な非侵入型電気化学センサパッチの一例のスパイク付きマイクロニードルのアレイの図を示す。
【0040】
図28B】対象の皮膚のISFにおける乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体、および/またはナトリウムの例示的な実施形態のモニタリングからの、例示的な装着型非侵入型電気化学センサパッチの画像を示す。
【0041】
図28C】特定のバイオマーカに対するセンサの感度を可能にする、特定のスパイクマイクロニードル上に堆積することができる例示的な感知層を示す図を示す。
【0042】
図29図28A図28Bに示される例示的な装着型非侵入型電気化学センサ装置を使用した、グルコース、乳酸塩、およびアルコールの連続モニタリングのための例示的なヒト試験結果を示すデータプロットを示す。
【0043】
図30図28A~28Bの例示的な着用可能な非侵入型電気化学センサパッチを使用して、2人のヒト被験体におけるグルコースおよび乳酸またはアルコールについての例示的なオンボディ多重感知を示すデータプロットを示す。
【0044】
図31図28A~28Bの例示的な装着型非侵入型電気化学センサパッチを使用して、検証データを用いてケトン体を連続的にモニタリングするための例示的なヒト試験結果を示すデータプロットを示す。
【0045】
図32図28A~28Bの例示的な着用可能な非侵入型電気化学センサパッチを使用して、(ナトリウムイオンレベルのモニタリングを介して)身体の水和レベルの連続モニタリングのための例示的なヒト試験結果を示すデータプロットを示す。
【0046】
図33A】本技術によるスパイクマイクロニードルセンサアレイの微細加工のための製造方法の例示的な実施形態の例示的なフロー図を示す。
【0047】
図33B】本技術によるスパイクマイクロニードルセンサアレイのマイクロ製造のための製造方法の例示的な実施形態の例示的なフロー図を示す。
【0048】
図34A】本技術によるスパイクマイクロニードル構造の例示的な実施形態の様々な態様を示す例示的な図を示す。
【0049】
図34B】例示的な単一スパイクマイクロニードル構造の画像を示す。
【0050】
図34C図34Aに示されるスパイクマイクロニードル構造体の実施形態によるスパイクマイクロニードル構造体の例示的な実施形態を示す図を示す。
【0051】
図34D図34Aに示されるスパイクマイクロニードル構造体の実施形態による例示的な単一スパイクマイクロニードル構造体およびその先端領域の画像を示し、SEM挿入画像は先端領域の頂点を描写する。
【0052】
図35】被検体の皮膚に挿入された、例示的なスパイラル突出部および平坦な身体領域を有する例示的なスパイクマイクロニードル構造アレイを含むスパイクマイクロニードル構造の例示的な実施形態からの測定されたノイズを示す比較データプロットを示す。
【0053】
図36図35Aの例示的なスパイラルボディマイクロニードルと図35Bのフラットボディマイクロニードルとを比較する、摩耗安定性研究からのデータを示すデータプロットを示す。
【0054】
図37】本技術によるスパイクマイクロニードルセンサユニットの例示的な実施形態の様々な構造態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ウェアラブル化学センサの開発は、分子レベルで生物学的システムの生理学的状態に対するリアルタイムの洞察をユーザに提供することを目的として、過去数年にわたって進歩し続けている。特に、連続グルコースモニタリング(CGM)のための経皮センサのような、着用可能な半侵襲性化学センサのクラスは、リアルタイムで患者の血中グルコースレベルについての重要な情報を患者に提供することにおいて非常に成功している。しかし、侵襲性または半侵襲性センサと同じレベルの分析物検知精度を提供する可能性を有するが、疼痛、制限、および使用者に対するその他の制限のような負の側面を有さない、着用可能な非侵襲性表皮センサの開発に向けた、多大な努力がなされてきた。
【0056】
今日まで、着用可能な非侵襲性表皮センサは、それらの感知生体液として、抽出された汗および/または逆イオントフォレーシス誘導間質液(ISF)のみに依存してきた。しかしながら、過去10年間にわたって多数の概念実証がなされているにもかかわらず、非侵襲性表皮センサは、依然として、承認された医療デバイスとして、ベンチトップから身体までを越える大きな課題に直面している。特に、これらの課題は、ユーザのバイオ流体を連続的な方法で自発的に排泄(したがって、アクセス可能性)することが欠如していること、および、センサの検出可能な信号の信頼性(特に、変動するバイオ流体の流量に対する)を含む。さらに、従来の着用可能な非侵襲性表皮センサデバイスは、ユーザの様々な皮膚パラメータ(例えば、pHおよび温度など)、天然の生体液補充の欠如、分析された生体液の試料汚染、生体液の希釈、ならびに従来のセンサプラットフォーム間の生体液と血液の両方の間の確立されていない分析物相関などのように、連続的な化学センサの現実の使用において一般に起こり得る課題を軽減するための有効な技術を欠いている。その結果、非侵入型表皮化学センサの現状は、研究コミュニティにおける単なる概念実証の境界内に限定されてきた。
【0057】
本明細書では、着用可能な非侵入性スパイクマイクロニードルセンサパッチプラットフォームを使用して、信頼性があり、正確かつ連続的にISFバイオマーカを監視するための装置、システム、および方法が開示される。着用可能な非侵入性スパイクマイクロニードルセンサパッチデバイス、システム、および方法の例示的実施形態が示され、議論され、モデルISFバイオマーカ分析物としてのグルコース、乳酸塩、アルコール、ケトン体、および塩イオンの連続モニタリングのための例示的実施形態を含み、結果は個々におよび同時に、長期間における各分析物についての標準メーターに対して良好に相関した。
【0058】
開示された非侵入スパイクマイクロニードルセンサ技術は、基板上に配置されたマイクロスケールスパイク付きニードル構造のアレイを含み、このアレイのスパイク付きマイクロニードルは、皮膚表面の下数ミクロンにしか達しないように、例えば、これによって着用者の痛みおよび/または不快感の経験を排除するように、ユーザの皮膚上に配置することができる。ここで、「スパイクドマイクロニードル」とは、先端に終端を有する延長体を有する突起構造であり、延長体は(例えば、所望の用途に応じて)形状およびサイズが変化してもよく、先端は終端頂点を有し、形状およびサイズが変化する。本明細書に開示されるスパイクマイクロニードルの様々な実施形態は、延在体の少なくとも一部分の周りに巻き付く突出構造を含み、これは、本体-先端界面から延在本体の基部に向かって螺旋として構成され得る。本明細書に開示されるスパイクマイクロニードルの様々な実施形態は、円筒形状に構成された延長本体と、円錐形状に構成された先端とを含むが、延長本体および/または先端は他の形状に構成することができる;例えば、先端は様々なピラミッド形状(例えば、三角錐、矩形ピラミッド、五角錐など)に構成できることが理解される。特に、開示されたスパイクマイクロニードルセンサ技術の構造設計は、既存のCGMセンサ(例えば、典型的には5mm~11mmの範囲であり、皮下脂肪組織に達し得る)における従来の(侵襲的)センチメートル長のニードルセンサの必要性を排除する。さらに、開示されたスパイク付きマイクロニードルセンサのミクロンスケールの性質は、身体の複数の位置へそれらを適用することを可能にし、例えば、それを、リング、イヤリング、または表皮パッチなどの異なる形態へ適応可能にする。さらに、開示されたスパイクマイクロニードルセンサ技術は、単一プラットフォーム上で物理的に分離され、独立して動作する多重化マイクロニードルアレイを提供し、電流CGM装置の限定的な単一検体検知能力を克服する。
【0059】
開示される実施形態および実装は、本技術の根底にある概念の理解を容易にするために、主に間質液(グルコース、乳酸、アルコール、ケトン体、およびナトリウムなど)中の1つまたは複数の分析物の電気化学的モニタリングに基づいて本明細書に記載されるが、開示される実施形態は他の組織、器官、および器官系に関連する他の分析物および/または生体液のモニタリングも含み得ることが理解される。
【0060】
実施形態の例
【0061】
図1A図1Fは、ユーザのISFからの1つまたは複数の検体の連続的なリアルタイム測定のための、本技術による装着型非侵入型表皮マイクロニードルアレイセンサプラットフォームの例示的な実施形態を示す図および画像を示す。
【0062】
図1Aは例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、および/または他のポータブルコンピューティングおよび/または通信デバイスなどのモバイルデバイス130とワイヤレス通信している、本技術によるウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100を示す図を示す。マイクロニードルセンサパッチデバイス100は、以下でさらに詳細に説明するように、電子回路付随装置120と電気的に通信するマイクロニードルセンサ付随装置110を含む。モバイルデバイス130は、マイクロニードルセンサパッチデバイス100によって取得された分析物データのデータ処理および/または表示を管理し、マイクロニードルセンサパッチデバイス100を装着しているユーザ(たとえば、患者)のためのユーザインターフェースを提供するように構成される、本技術のいくつかの実施形態によるソフトウェアアプリケーション(アプリ)を含む。いくつかの実施形態において、アプリのユーザインターフェースは例えば、マイクロニードルセンサパッチデバイス100によって検出された現在および/または過去の分析物値などのデータを表示することができ、ユーザが分析物データのある時点についてのユーザの健康に関連するデータを入力することを可能にし、および/または、センサパッチデバイス100の制御または機能を実装することを可能にする。
【0063】
また、図1Aの図に示されるように、いくつかの任意の実施形態において、マイクロニードルセンサパッチデバイス100は、モバイルデバイス130および/またはマイクロニードルセンサパッチデバイス100と通信するコンピュータ(例えば、クラウド)のネットワーク内の1つ以上のコンピュータを含む遠隔データ処理システム140と通信し、マイクロニードルセンサパッチデバイス100および/またはモバイルデバイス130からのデータが遠隔データ処理システム140に対して転送される。同様に、遠隔データ処理システム140からのデータは、データをモバイルデバイス130(例えば、モバイルデバイス130上に常駐するアプリによる使用のため)および/またはマイクロニードルセンサパッチデバイス100に対して転送することができる。いくつかの実装形態において、遠隔データ処理システム140は、マイクロニードルセンサパッチデバイス100によって取得されたユーザに関連するデータを遠隔監視することができ、および/または、たとえば、装置100の感知パラメータまたはプロトコルの変更、モバイルデバイス130上のアプリのデータ表示または機能処理などのような、プラットフォームの態様を遠隔操作することができる。様々な実施形態において例えば、リモートデータ処理システム140は、デスクトップまたはラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどのモバイルコンピューティングデバイス、または他のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0064】
図1Bは、図1Aの装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の例示的な実施形態を示す図を示す。図1Bの左図は、マイクロニードルセンサユニット110に対して結合された電子機器ユニット120を含む例示的なマイクロニードルセンサパッチデバイス100を示し、これは、装置100の外側に突出するスパイクマイクロニードル111のアレイを含み、患者ユーザの皮膚の表皮層を最小限に穿刺し、様々な表皮感知用途のための電気化学的または電気生理学的電極として動作する。図1Bの右図は、例示的なマイクロニードルセンサパッチデバイス100の底面図を示し、以下を有する装置100の例を示す:(i)作用(検出)電極を提供するスパイクマイクロニードルセンサ111Aおよび111Bの2つのアレイを介して2つの別個の分析物を感知するように構成された2つのセンサ(センサ1およびセンサ2)、(ii)1つまたは複数の基準電極(「RE」)、(iii)1つまたは複数の対電極(「CE」)。この例においてセンサ1がグルコースを検出するように構成され、センサ2は乳酸を検出するように構成される。図1Bの下側の図は例示的なマイクロニードルセンサパッチデバイス100を断面図で示しており、スパイク付きマイクロニードル111が皮膚を貫通しているように示されている(画像は縮尺通りではない)。示されるように、スパイクマイクロニードル111は皮膚の表皮層を通って延び、スパイクマイクロニードル111の先端は真皮層の浅い領域に貫入し、下の皮下組織には貫入しない。
【0065】
図1Cは、図1Bに示される装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の例示的な実施形態の分解図を示す図を示す。この例示的な実施形態において、マイクロニードルセンサパッチデバイス100は、2つの主要構成要素となるように組み立てられるもの、すなわち、使い捨てセンサ構成要素110Cおよび再使用可能電子回路ユニット120Cを含む、別個のサブ構成要素を含むことができる。全体として、マイクロニードルセンサパッチデバイス100のこれらの別個のサブ構成要素は、外側キャップ161、ホルダまたはケース163(例えば、ここではホルダAおよびホルダBとして示される1つまたは複数のハウジング構成要素を含むことができる)、再充電コイル165、電源167(例えば、バッテリ)、電子機器インターフェースボード169(例えば、プリント回路基板(PCB))、スパイクマイクロニードルのアレイを提供する基板(例えば、「スパイクマイクロニードルアレイ基板」171)、電子機器インターフェースボード169とスパイクマイクロニードルアレイ基板171との間に位置する(任意選択で)分離カバー170、およびスパイクマイクロニードルアレイ基板171のためのカバーリング173を含む。マイクロニードルセンサパッチデバイス100のこのモジュール設計は例えば、その機能寿命に従って、低コストの使い捨てセンサ構成要素の便利な交換を可能にし、一方で、電子ユニット120を保存し、再使用する。使い捨てセンサ成分110Cおよび再使用可能な電子機器ユニット120Cを含むマイクロニードルセンサパッチデバイス100の例示的な実装形態において例えば、使用後、ホルダB163はホルダA163から分離することができ、その結果、使用されたスパイクマイクロニードルアレイ基板171は装置100から除去され、廃棄することができ、新しいスパイクマイクロニードルアレイ基板171が装置100に対して挿入され、装置100の次の使用のために再使用可能な電子機器ユニット120Cの電子インターフェースボード169とインターフェース接続することができる。いくつかの実装形態においてたとえば、カバーリング173はまた、使用済みスパイクマイクロニードルアレイ基板171とともに使い捨て可能であり(たとえば、いくつかの実施形態においてカバーリング173およびスパイクマイクロニードルアレイ基板171が貼り付けられる)、その結果、新しいカバーリング173が新しいスパイクマイクロニードルアレイ基板171に対して取り付けられるか、または貼り付けられる。
【0066】
図1Dは、図1Cに示される装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の例示的な実施形態を示す部分分解図を示し、使い捨てセンサ部品110Cとして実装され得るマイクロニードルセンサユニット110と、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の再使用可能電子回路ユニット120Cとして実装され得る電子回路ユニット120との両方を描写する。この例示的な実施形態において、マイクロニードルセンサユニット110の使い捨て部分は、スパイクマイクロニードルアレイ基板のマイクロニードル側のカバー(例えば、カバーリング)に対して結合されたスパイクマイクロニードルアレイ基板を含むことができる。また、この例示的な実施形態において、再使用可能な電子部品ユニット120は、ホルダ(例えば、図1CのホルダA163)内および任意のカバー(例えば、図1Cのカバー170)内に(少なくとも部分的に)入れられた電子部品を含むことができる。
【0067】
図1Eは、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100のマイクロニードルセンサユニット110の例示的な実施形態のブロック図を示す。この例において、マイクロニードルセンサユニット110は、基板113と、スパイクマイクロニードル111のアレイが基板113上に配置され、対応するスパイクマイクロニードル111の下側領域に結合するシールされたベース構造115のアレイとを含む。例えば、封止されたベース構造115は、下側で取り囲むそれぞれのスパイクマイクロニードル111に対して、支持および安定性を提供する。いくつかの実施形態において例えば、スパイクマイクロニードル111の少なくともいくつかは、スパイクマイクロニードル構造111のアレイに対して曝露されたバイオ流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、例えば、電気化学センサ電極のうちの1つまたは複数は、化学層によって機能化され、これにより、バイオ流体中の標的分析物と相互作用して、電気化学センサ電極において検出可能である反応に関連する電気信号を生成することができる。
【0068】
様々な実施態様では例えば、標的分析物はバイオマーカに関連する化学物質を含むことができる。例えば、標的分析物は、代謝産物、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、および/または治療薬を含むことができる。代謝産物のいくつかの例において、標的分析物はケトン体を含むことができる。タンパク質標的分析物のいくつかの例において、標的分析物は、酵素、ペプチドベースのアプタマー、抗体、またはホルモンを含み得る。核酸分子標的分析物のいくつかの例において、標的分析物は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドベースのアプタマー、デオキシリボ核酸分子(DNA)またはその一部分、および/またはリボ核酸分子(RNA)またはその一部分を含むことができる。様々な実施態様では例えば、標的分析物を含有する生体液は、間質液、経皮液、眼内液、硝子体液、脳脊髄液、細胞外液、血漿、血清、涙液、唾液、汗、粘液、および/または血液を含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、基板113は電気絶縁性材料を含み、これは様々な実施形態において例えば、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100が配置されるべき身体の場所などの所望の用途に基づいて、剛性または可撓性であり得る。いくつかの実施形態において例えば、基板113はポリメチルメタクリレート(PMMA)または他の電気絶縁性ポリマー(例えば、UV硬化性ポリマーを含む)を含むことができ、一方、他の実施形態において基板113は、高分子材料を含むことができる複合材料を含む電気絶縁性セラミックおよび/または金属材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、アレイのスパイクマイクロニードル111は、400μM~4,000μMの範囲の全高(底部基部から先端まで)を有する。いくつかの実施形態において、スパイクマイクロニードルの少なくともいくつかのスパイクマイクロニードル構造111は以下を有する:(i)スパイクマイクロニードル本体が円筒形状となるような1つの円筒側壁を有する本体領域、(ii)スパイクマイクロニードル先端が円錐形状となるような1つの円錐側壁を有する先端領域。スパイクマイクロニードル111の本体領域の下側は、基板113に対して結合され、本体領域の下側は少なくとも部分的に、封止されたベース構造115によって包囲され得る。いくつかの実施形態において例えば、スパイクマイクロニードル構造111は機能層116によって少なくとも部分的に機能化される。例えば、いくつかの実施形態において機能層116は、スパイクマイクロニードル構造111の一部分のみ、例えば、先端などの上に堆積させることができ、または他の実施形態において機能層116は、スパイクマイクロニードル構造111の本体の先端および外壁上にコーティングすることができる。様々な実施形態において、機能層116は、電気化学的に検出可能な標的分析物との反応を化学的に促進するように構成される。
【0070】
いくつかの実施形態において、マイクロニードルセンサユニット110はカバーユニット119を含む。スパイクマイクロニードル111を特徴とする基板113は、カバーユニット119の表面上に配置された開口部のアレイを備えるカバーユニット119に対して結合可能であり、これにより、基板113上のスパイクマイクロニードル111のアレイと整列し、これによりさらに、カバーユニット119と基板113とが一緒に結合されるとき、スパイクマイクロニードル111がカバーユニット119の開口部のアレイを通って嵌合する。このようにして、カバーユニット119は、スパイクマイクロニードル111およびその下にある構成要素のアレイを、望ましくない物質が装置100に入るのを防ぎ、封止することができる。
【0071】
いくつかの任意の実施形態において例えば、マイクロニードルセンサユニット110は、基板113内に埋め込まれたマイクロ流体チャネル117のネットワークを含む。そのような任意選択のいくつかの実装形態において、マイクロ流体チャネル117は、最適な粘度および毛管特性を有するカスタム樹脂材料を、1つまたは複数の入口点(複数可)から、マイクロ流体チャネルのネットワークを通って、スパイクマイクロニードル111およびカバーユニット119を特徴とする基板が接触するインターフェースまで流動させる役割を果たす。例えば、このカバーユニット/スパイクマイクロニードルアレイ界面において、樹脂材料が(1)2つのスパイクマイクロニードル111-基板113構成要素およびカバーユニット119の両方を共に封止し、(2)スパイクマイクロニードル111を絶縁して、封止されたベース構造115を形成する。
【0072】
カスタム樹脂材料のいくつかの実施形態において、樹脂材料は、所望の粘度および毛管特性を与えるために、非イオン性界面活性剤および熱処理によって変性されたポリマーから形成される。例えば、カスタム樹脂材料は、アクリレートおよびメタクリレート系モノマーおよびオリゴマーと、光開始剤としてのベンジルケタール化合物、例えば、イルガキュア651との混合物から構成される生物医学ポリマーを含むことができ、ここで、ポリマーは、5Pa・sの初期粘性を有する。このポリマーは、熱処理された非イオン性界面活性剤(例えば、TritonX-100、0.1~1重量%)を添加して(例えば、65℃で20分間熱的に調達して)、粘度を著しく低下させることによって改質することができ、これにより、最終的な特注樹脂材料は0.01~0.5 Pa・sの範囲内の粘度を有する。例示的なカスタム樹脂材料の低粘度は、マイクロ流体チャネル117内のポリマー全体の動的流動性を大幅に向上させることができる。実施態様では例えば、粘度を低下させると、光樹脂のより効率的な架橋性能もたらされ、したがって、高度に化学的に耐性があり、生物学的に耐性の封止材材料が生成され、これはセンサの改変、滅菌、およびセンサの使用/アプリケーション(例えば、インビボおよびインビトロアプリケーション)の間の重要な因子である。カスタム樹脂材料のいくつかの実施形態において、樹脂材料は500nm未満の解像度(サイズ)を有するように構成され得る。
【0073】
図1Fは、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の電子ユニット120の例示的な実施形態のブロック図を示す。この例に示すように、電子ユニット120は、信号調整ユニット125、電源129、出力ユニット(例えば、無線通信ユニット127として具現化することができる)、および電気インターフェース(例えば、ピンなどの1つまたは複数の電気相互接続を含むことができる)を含む。電子機器ユニット120は、センサユニット110から取得された電気信号を(例えば、電気インターフェース126において)受信し、少なくとも部分的に(例えば、信号調整ユニット125において)処理するように構成される。いくつかの実施形態において、図1Fに示されるように、装置100の電子ユニット120は、少なくとも部分的に処理された信号をデータとして、例えば、デジタル形式で処理するためのデータ処理ユニット124を含む。例えば、いくつかの実装形態において、データ処理ユニット124は、電極からのデータチャネル上のデータ取得を管理する、マイクロコントローラおよびマルチプレクサを含む。電子機器ユニット120は、生信号または部分的に処理された電気信号および/または処理されたデータを出力するように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、電気インターフェース126は、センサユニット110の基板113内の電気導管に対して電気的に接続するマイクロニードルセンサユニット110の出力ポートに対して電気的に結合するように構成される;一方、いくつかの実施形態において例えば、電気インターフェース126は、電極のアレイを信号調整ユニット125および/または電子ユニット120の他の回路に対して電気的に結合する、センサユニット110(例えば、スパイクマイクロニードル111の)電極のアレイに接続する電気導管終端部位の対応するアレイに対して電気的に結合する、ピンなどの電子インターフェース構成要素のアレイとして構成され得る。
【0074】
電子機器ユニット120のいくつかの実施形態において、例えば、信号調整ユニット125は、1つまたは複数の増幅器およびフィルタを含む電気回路を含むことができ、これにより、センサユニット110の電極(例えば、スパイクマイクロニードル111および/または他の電極)からの未加工の検出電気信号を調整して、例えば、信号対雑音比を改善することができる。いくつかの実装形態において、信号調整ユニット125は、センサユニット110の電極(たとえば、スパイクマイクロニードル111のアレイ)で実行される電気化学的感知技法を動作させるための駆動回路を含み、これにより、バイオ流体から検体を検出するための所望の感知モードを実装することができる。
【0075】
電子機器ユニット120のいくつかの実施形態において例えば、出力ユニットは、データを外部回路またはデバイスに提供するために電気導管と電気的にインターフェースする電気接点を含むことができる。いくつかの実施形態においてたとえば、出力ユニットは、データ処理ユニット124からの生データ、部分的に処理されたデータ、または完全に処理されたデータを提供するために外部デバイスと通信することが可能な、たとえばRFフロントエンド(RFE)などのワイヤレス送信機またはトランシーバデバイスを含むワイヤレス通信ユニット127を含むことができる。例えば、RFEは、そのような例示的な実施形態において、出力ユニットのアンテナによって送信および/または受信される無線信号の通信プロトコルを管理することができる。例示的なトランシーバユニットは、スマートフォンなどのBLE対応デバイスと通信するためのBLEチップセットを含むことができる。電源129は、電子機器ユニット120および/またはセンサユニット110の構成要素に電力を供給するために、バッテリ、燃料電池、または他の電源を含むことができる。
【0076】
電子機器ユニット120のいくつかの実施形態において例えば、データ処理ユニット124は、データを処理するためのプロセッサ121と、データを記憶および/またはバッファリングするためにプロセッサ121と通信するメモリ122とを含むことができる。例えば、プロセッサ121は、中央処理装置(CPU)またはマイクロコントローラユニット(MCU)を含むことができる。たとえば、メモリ122は、プロセッサによって実行されたときに、たとえば、情報、コマンド、および/またはデータを受信し、情報およびデータを処理し、情報/データを別のデバイスに送信または提供するなど、様々な動作を実行するようにデータ処理ユニット124を構成する、プロセッサ実行可能コードを含み、記憶することができる。データ処理ユニット124の様々な機能をサポートするために、メモリ122は、命令、ソフトウェア、値、画像、およびプロセッサ121によって処理または参照される他のデータなどの情報およびデータを記憶することができる。例えば、様々なタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)装置、読み出し専用メモリ(ROM)装置、フラッシュメモリ装置、および他の適切な記憶媒体を使用して、メモリ122の記憶機能を実装することができる。いくつかの実装形態において、データ処理ユニット124は、プロセッサ121および/またはメモリ122を、たとえばモバイルデバイス130、リモートデータ処理システム140、および/または他の外部装置に関連付けられた他のモジュール、ユニット、または装置とインターフェースするための入力/出力(I/O)ユニット123を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ121、メモリ122、および/またはI/Oユニット123はたとえば、送信機(Tx)または送信機/受信機(Tx/Rx)ユニットなどのような、ワイヤレス通信ユニット127と通信する。たとえば、そのような実施形態において、I/Oユニット123は、プロセッサ121およびメモリ122をワイヤレス通信ユニット127とインターフェースすることができ、たとえば、クラウド内の1つまたは複数のコンピュータとユーザデバイスとの間など、他のデバイスとのデータ処理ユニット124の通信において使用され得る、典型的なデータ通信規格と互換性がある様々なタイプのワイヤレスインターフェースを利用することができる。データ通信規格は以下を含むがこれに限らない:Bluetooth、Bluetooth low energy(BLE)、Zigbee、IEEE 802.11、Wireless Local Area Network(WLAN)、Wireless Personal Area Network(WPAN)、Wireless Wide Area Network(WWAN)、WiMAX、IEEE 802.16(Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX))、3G/4G/LTEセルラ通信方法、パラレルインターフェース。いくつかの実装形態において、データ処理ユニット124は、I/Oユニット123を介した有線接続を使用して他のデバイスとインターフェースすることができる。データ処理ユニット120はまた、他の外部インターフェース、データ記憶源、および/またはビジュアルまたはオーディオディスプレイデバイスなどとインターフェースして、プロセッサ121によって処理され得る、メモリ122に記憶され得る、またはモバイルデバイス130(たとえば、スマートフォン)または外部デバイスの出力ユニット上に提示され得るデータおよび情報を取り出し、転送することができる。
【0077】
ウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100は、現在の最先端のマイクロニードルセンサシステムの複数の多面的な問題に対処する2コンポーネントウェアラブルセンサシステム(例えば、使い捨てセンサおよび再使用可能電子機器)を提供する。例えば、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の特別に設計されたスパイクマイクロニードル構造は、幾何学的形状、長さおよび囲み(例えばアスペクト比)、表面粗さ、およびユーザに実質的な痛みを引き起こさないように構成された材料を有するように構成されるとともに、電気化学電極システムの要件を満たすために従来の電極の必要な検出感度を依然として有する。例えば以下である:(i)ホストバイオ流体中の標的分析物との酸化還元または他の化学反応を容易にするための化学的官能化を可能にする、(ii)バイオ流体中の標的分析物のパラメータ(例えば濃度)を検出するために標的分析物とのそのような反応から生成される電気信号を伝導する、(iii)検出可能な電気信号の再現性および信頼性。
【0078】
例えば、スパイクマイクロニードル構造111は、従来のフォトリソグラフィベースのシリコンマイクロニードル構造および他の既存のマイクロニードルとは対照的に、特定の皮膚貫通アプリケーションに適した広範囲の形状で、例えば、ほとんどのポリマー、アルミニウムなどの金属、およびいくつかのクラスの鋼、ならびにいくつかのセラミックおよび半導体材料を含む広範囲の材料を使用して、製造することができる。さらに、スパイク付きマイクロニードル構造111は、高感度ならびに試薬防護および試薬レイヤの全般的な構造的完全性の向上を可能にする感知用途において非常に望ましい(それぞれセンサの長期安定性に寄与する)、独特かつ高い表面粗さ(例えば、50nm~400nmのピーク表面粗さ、例えば、開示されたマイクロコンピュータ数値制御(CNC)またはマイクロモールディング技術によって製造されたPMMAスパイク付きマイクロニードル構造など)を有するように構造化することができる。
【0079】
加えて、開示されたスパイクマイクロニードル構造111(以下で論じる)のいくつかの実施形態において、マイクロニードルの本体は、従来の平坦なマイクロニードル本体構造とは対照的に、独特のスパイラル構造を含むことができ、これは非スパイラル構造における単一せん断応力を回転させて、追加されたせん断応力およびねじり応力にすることによって、印加された浸透応力を増強し、例えば、皮膚を通って移動するために必要とされる浸透力の低減をもたらし、したがって、潜在的な痛みならびに着用者の皮膚に対する潜在的な外傷を低減させる。
【0080】
さらに、例えば、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100は、基板上のスパイクマイクロニードル構造に空間を空けて、典型的には多検体検出センサを悩ませる「クロストーク」を軽減または排除するように構成される。例えば、特に、オキシダーゼベースの酵素を検出するための多検体センサは、検出可能な信号応答、ひいては多重化センサの精度に大きく影響する化学的クロストークを被る可能性がある。化学的クロストークは、分析物センサの過酸化水素酵素生成物が別の分析物のための隣接するセンサへ拡散した結果である。本明細書に開示される例示的な実施形態において、クロストーク問題は、マイクロニードルセンサ間の間隔を最適化することと、クロストークの影響を受けやすい(すなわち、感度を緩和する)化学薬剤の量を緩和することとの組み合わせによって対処することができる。いくつかの例示的な実施形態において、マイクロニードルの個数を10nA・mm-1未満に減少させる(すなわち、活性表面積を減少させる)ことによって、多重化センサの感度を低下させることができ、および/または、任意の化学的クロストーク可能性を除去するために、間隔を5mm超に保つことができる。
【0081】
開示されたマイクロニードルセンサ技術のさらなる利点は、センサパッチデバイス全体の堅牢性を含む。例えば、ウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100は、スパイクマイクロニードル111の下側部分を囲むシールベース構造115を提供することによって、スパイクマイクロニードル構造111をセンサ基板113に対して安全に固定するように構造化することができ、これは、スパイクマイクロニードル111のアレイのためのこの安定化絶縁層を作り出すために、スケーラブルで、マスクフリーで、再現可能な、開示された技術による新しい製造技術によって製造することができる。
【0082】
図2Aおよび図2Bは、スパイクマイクロニードル111の例示的な実施形態の様々な態様を示す画像および図を示す。図2Aの画像および図は、スパイクマイクロニードル構造111の幾何学的形状、および封止されたベース構造115を介して基板113へそれらを固定した様子を示す。SEM画像201は、シールベース構造体115が追加される前の基板113上の例示的スパイクマイクロニードル111を示す;図202は、先端寸法の例(例えば、先端角80°、先端高さ119μM、および先端基部長さ200μM)を示す、例示的スパイクマイクロニードル先端を示す;図203および204は、様々な高さ(例えば、図203の高さ250μMおよび直径長さ250μM、図204の高さ450μMおよび直径長さ350μM)のシールベース構造体115を有するスパイクマイクロニードル111の例示的実施形態を示す。
【0083】
装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100のいくつかの実施形態において例えば、スパイクマイクロニードル構造111は、800μM~4,000μM(0.8mm~4mm)の範囲の高さ(本体基部から先端部まで)を有するように構成され得る。いくつかの実施形態において例えば、スパイクマイクロニードル構造111の先端は、以下を有するように構成され得る:(i)100μM~200μMの範囲の先端高さ、(ii)50μM~450μMの範囲の先端基部直径または厚さ、(iii)40°~85°の範囲の先端角度(頂点から先端基部)。いくつかの実施形態において、例えば、スパイクマイクロニードル構造111の本体は、50μM~450μMの範囲の直径または厚さ(例えば、水平方向の長さまたは周囲)を有するように構成され得る。いくつかの実施形態において例えば、スパイクマイクロニードル構造111は、4:1~20:1の範囲の全高対厚さアスペクト比を有するように構成することができる。
【0084】
また、図2Aに示されるように、スパイクマイクロニードル構造111は、「再現可能にランダム化されたスパイラル(RRS)」とも呼ばれる、特殊な非侵入性の無痛性皮膚貫通ジオメトリを有するように設計され、これは、スパイクマイクロニードルの先端において固体表面基板から所望の高さまで押し出される、薄い巻き付けスパイラル突起(スパイラル構造112)を有する円形断面を含む。スパイクマイクロニードル構造111は、マイクロニードル構造の基部(底部)から、先端の基部を画定する本体に沿った点まで、らせん状に広がる円形の本体を有するように構成され、そこからマイクロニードル構造は頂部の鋭い点に収束する。
【0085】
図2Bは、スパイク付きマイクロニードル構造体111の1例の先端領域と、スパイラル構造体112を有するスパイク付きマイクロニードル構造体111の1例の図とを示す別のSEM画像を示す。図2Aに示されるSEM図201および図2Bに示される図に示されるように、スパイク付きマイクロニードル構造111の本体(および外壁)は、少なくとも20°の螺旋角度および少なくとも25μMの谷からスパイクまでの高さを有することができる螺旋構造112を有する螺旋状であるように構成される。この構造は例えば、マイクロニードル本体の平坦で非スパイラルの表面と比較して、一定の圧力で、スパイクマイクロニードル111の追加のねじり応力を導入することによって、皮膚浸透を増強することができ、一方で、マイクロニードルパッチを皮膚に押し付けて、より滑らかな皮膚浸透をもたらす。加えて、スパイクマイクロニードル構造111の本体(および外壁)のスパイラル構造112は、マイクロニードル/皮膚界面における表面接触(2つの本体間の摩擦)を低減し、したがって、例えば、必要とされる挿入力を低減する。この表面力の低減はユーザに対する痛みの可能性を低減するだけでなく、マイクロニードルおよび/または皮膚組織を損傷して結果として生じる外傷性身体反応をもたらし得る有害な力を低減し、それによって、センサユニット110全体に、より堅牢で安定したスパイク付きマイクロニードル構造111、および感知能力を提供する。
【0086】
本開示は、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100および従来のマイクロニードルセンサの例示的な実施形態の例示的な比較データを提供し、実施例のスパイクマイクロニードルセンサデバイス100のエンドユーザが痛みをほとんどまたは全く経験しなかった(例えば、1~10のスケールで0、1または2の痛みレベル)一方で、従来のマイクロニードルセンサデバイスのエンドユーザが著しい痛み(例えば、1~10のスケールで4~8の痛みレベル)を経験したことを実証する。
【0087】
表1は例えば、異なる年齢、民族性、および性別を有するヒト被験体における異なる従来のマイクロニードルセンサデバイスと比較して、例えば、マイクロニードルの伸長本体上の螺旋巻き突起を含む、開示されたスパイクマイクロニードルセンサパッチデバイスの例示的実施形態を使用する定性的疼痛研究からの例示的データを示す。
【表1】
【0088】
いくつかの実施形態において例えば、センサ基板113上で、スパイクマイクロニードル構造111間の間隔は互いに少なくとも1.3mm離れるように構成され得る。また、例えば、複数の(多重化された)分析物センサの場合、異なる感知電極領域(例えば、グルコース、乳酸、アルコールなど)間の間隔は、少なくとも5mmであるように構成され得る。
【0089】
いくつかの実施形態において例えば、スパイクマイクロニードル111は、導電性材料によってコーティングされた剛性の絶縁性材料コアを含むように構造化され、これにより、スパイクマイクロニードル(電極として動作する)の先端における検出可能な電気信号が、導電性外側コーティングに沿って、基板113内または上に配置された電気導管に伝導されるようにする。例えば、いくつかの実施形態においてスパイクマイクロニードル構造111のコアまたは内部材料は例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、超高分子量ポリエチレン(UHMW)、および/または、ウレタンジメタクリレート、ビスフェニルグリシジルジメタクリレート、およびトリエチレングリコールジメタクリレートから得ることができる光硬化性共重合体を含むが、これらに限定されない1つまたは複数のポリマー材料を含む;いくつかの実施形態において例えば、導電性外側コーティングは、金、白金、銀、クロム、炭素材料(例えば、グラファイト、ホウ素ドープダイヤモンド、高配向熱分解グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、または他の炭素材料)および/または他の導電性金属もしくは合金のうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。例えば、スパイクマイクロニードル構造の第1セットは第1標的分析物の検出のための第1導電性外側コーティング(例えば、白金、金、銀など)を含むように構成することができ、スパイクマイクロニードル構造の第2セットはバイオ流体中に存在する第2(他の)標的分析物の検出のための第2導電性外側コーティング(例えば、グラファイトカーボン、Bドープダイヤモンドなど)を含むように構成することができる。いくつかの実施形態において、例えば、導電性材料の薄膜堆積は、Cr/Pt/Agをスパッタリングし、続いて、アレイのスパイクマイクロニードル111のうちの少なくとも1つまたはいくつかのすべてからAgをエッチングし(例えば、作用するように構成されたスパイクマイクロニードルおよび対向するマイクロニードルマイクロ電極上のAgのエッチング)、次いで、アレイのスパイクマイクロニードル111のうちの少なくとも1つまたはいくつか(例えば、基準マイクロニードルマイクロ電極であるように構成された)上でAgをAg-AgClに塩素化することを含む。基準マイクロニードル電極は、第1記載電極コーティング(例えば、NaCl飽和固体ポリマーマトリックス)によってさらにコーティングすることができ、その後、第2記載電極コーティング(例えば、TritonX-100界面活性剤を含有する外側PVCポリマー)によってコーティングすることができる。
【0090】
図3は、基板113の下部構造上のスパイク付きマイクロニードル111の例示的な配置および基板113の構造を含む、マイクロニードルセンサユニット110を示す画像および図のパネルを示す。図3の左側において、画像301はそれぞれ、単一(左)および複数(右)の分析物センサユニットの例を示す;画像302は、ステンレス鋼インスリン注入ナノペン(34ゲージ)の隣に直径150μMを有する例示的スパイクマイクロニードルアレイの光学顕微鏡写真を示す;SEM画像303は、スパイクマイクロニードル111の例のズームビューを示す。図3の右側において、上の一連の図は、基板113上のスパイク付きマイクロニードル111の例示的なアレイを示し、マイクロ流体チャネル117の例示的なネットワーク(絶縁材料を流して、スパイク付きマイクロニードル111を封止し、封止されたベース115を形成するために使用され得る)とともに、例示的なセンサユニット110を形成するために、これが例示的カバーユニット119とどのように結合するかを示す。中央の一連の図は、リングカバー319として構成された例示的なカバーユニット119の側面図を示す。下の一連の図は多重検体同時検出のためのスパイクマイクロニードルセンサユニット310の例示的な実施形態を示し、これは、スパイクマイクロニードルの2つのセンサ領域(それぞれ、スパイクマイクロニードル間に1.7mmの間隔を有する)、基準電極(例えば、Ag-AgCl)、対電極(例えば、Pt)、および電子接続孔を含む。下の一連の図はまた、毛髪の一本鎖上の個々のスパイクマイクロニードルおよびそれらの皮膚への浸透(例えば、指上の)を示す画像を含む。
【0091】
図4Aは、例示的なスパイクマイクロニードル構造111およびベース構造115ならびに例示的なアレイ構成を含む、例示的なスパイクマイクロニードルセンサユニット110の様々な態様を示す例示的な図を示す。図4Aの左側において、図401は、絶縁および封止されたベース構造115およびマイクロ流体チャネルのネットワーク117を有するスパイクマイクロニードル111の例示的な実施形態を示し、その中を封止材/絶縁体材料が流れて、封止されたベース構造115を作り出すことができる。図4A図402は、基板113上のスパイクマイクロニードル構造111の例5×5アレイを示し、マイクロ流体流路117の異なるネットワークの様々な下部構造を特徴とし、例えば、各スパイクマイクロニードル構造111を包含する「チェス状」マイクロ流体流路構造417A、センサ領域を包含する「領域」マイクロ流体流路構造417B、および複数(または二重)検体検知に関連する特定のセンサ領域を包含する「マルチセンス」または「二重センス」マイクロ流体流路構造417Cを含む。図403は、例示的なスパイクマイクロニードルセンサアレイ基板(例えば、スパイクマイクロニードルアレイ基板414)上に例示的なカバーユニット119(例えば、リングカバー419)を挿入して、マイクロニードルセンサユニット410の例示的な実施形態を生成する、例示的な組み立て工程を示す。特に、この例において、基板へのスパイクマイクロニードルのベース領域を取り囲み支持する、封止されたベース構造は、リングカバー419をスパイクマイクロニードルアレイ基板414に対して挿入した後に、例えば、後述するように、樹脂材料のマイクロ流体移送および封止によって製造される。
【0092】
例えば、いくつかの実装形態において、スパイクマイクロニードルアレイ基板(例えば、スパイクマイクロニードルアレイ基板414)およびカバーユニット(例えば、リングカバー419)は、センサ基板の下部構造内に刻まれたマイクロ流体チャネルのネットワークを利用する新しい技法を使用して、一緒に封止される。マイクロ流体チャネルのネットワークは、最適な粘度および毛細管特性を有するカスタムメイド樹脂を、マイクロチャネルのネットワーク全体を通して単一入口点からカバーユニット/マイクロニードルアレイ-基板境界へ流す役割を有し、これは、ラインにおける樹脂ベースの封止材/絶縁材の毛細管流を停止するように設計されたカットオフ流体ラインまで流すことができる。この技術は自律的毛細管封止/絶縁方法と呼ばれ、これは、2つの構成要素(すなわち、スパイクマイクロニードルアレイ基板およびカバーユニット)を封止し、カットオフ流体ラインストッパにおいて、スパイクマイクロニードルの各々を高度に再現可能な様式で絶縁する。この方法は、少なくとも数十ミクロンから数百ミクロンの高さ(例えば、図2Aに示されるように250μMまたは450μM)の密封されたベース構造を製作することができ、その間、基板113の下部構造の再現性/毛細管カットオフラインは、2つの構成要素(カバーユニットおよびスパイクマイクロ構造構成要素)を共に密封する樹脂系封止材/絶縁材流体高分子の毛細管運動を止めることができ、露出スパイクマイクロニードル電極表面領域の所望の下部を囲むベース構造115の絶縁構造を作り出す。
【0093】
図4Bは、スパイクマイクロニードル構造411および基板413の下部構造(例えば、PMMA材料、または他のポリマー、金属および/またはセラミック材料の)の例示的な実施形態を示す断面図407を示す。マイクロ流体流路417の例示的なネットワークを有し、例示的なリングカバー419によって覆われ、これは、カスタム樹脂材料418を、マイクロ流体流路417を通して、下部構造413とカバー419との間の隙間を通って、カットオフライン421の外側に流すことができ、(例えば、樹脂418を光硬化させることによって)封止されたベース構造を作り出すことができる自律的な毛細管封止/絶縁方法を形成する。本方法の例示的な実装形態において、例えば、スパイク付きマイクロニードル構造411のカットオフライン421または領域は、(i)マイクロ流体封止材の自律的な流れが流れを止める場所を提供することができ、(ii)スパイク付きマイクロニードル構造が再現可能に絶縁されるべき場所を担う構造として働くことができる。
【0094】
図4Cは、スパイクマイクロニードル構造411の電極411Eを基板413(図示せず)上の電気導管412の終端または接触領域に対して電気的に結合するように構成された例示的な電気導管412を有するスパイクマイクロニードル構造411および基板413の下部構造の例示的な実施形態を示す、断面図451および452を示す。図451は、電気導管412が基板413上に構成され、または少なくとも部分的に基板内に構成される例示的な実施形態を示す;図452は、電気導管412が基板413内に構成される例示的な実施形態を示す。これらの実施例において、基板413は実施例のカバー419によって覆われる。
【0095】
図4A図403に戻ると、自律的毛細管封止/絶縁方法は自発的自律的なプロセスであり、以下を有する:(1)カバーユニットおよびマイクロニードルアレイ基板を組み立てるためのプロセス431、その後の複数のプロセス433。プロセス433は以下を含む:(2a)組み立てられたセンサパッチの接触側からマイクロ流体チャネルのネットワークを通してカスタム設計された光硬化性樹脂を接触および流入させる、(2b)その後の熱処理(例えば、70℃で5分間)、(2c)その後のUV硬化(例えば、90℃で1時間)。得られる装置、例えば、スパイクマイクロニードルセンサユニット410は、完全に密閉され、再現可能に絶縁された単一構成要素センサアレイである。特に、結果として得られるセンサユニット(例えば、単一部品)は、大幅に強化された機械的堅牢性を伴って著しく強靭になり、これは、例えば、空のマイクロ流体チャネルおよび/またはカバーユニット(例えば、カバーリング419)と下部構造との間の内側マイクロギャップを充填する特殊な樹脂、および、例えば、樹脂材料の機械的に強靭な特性に基づいて、カバーリング419の孔および個々のスパイクマイクロニードルの周囲に起因し得る。
【0096】
また、例えば、下部構造上および/または下部構造内に生成されるマイクロ流体流路(例えば、100~400μMの範囲の深さおよび/または幅を有することができる)は、製造方法の電気的絶縁プロセスステップのための電気的絶縁流路(例えば、マスクされるときまたは個々にアドレス可能な電気領域に刻まれるとき)としても機能することができ、これは以下を含む:(i)流路内にスパッタリングされた金属の機械的かき取りをガイドすること(基板の残りの部分を電気的に絶縁された島/領域に残すことができる)、または、(ii)金属薄膜成膜の前に流路内に嵌合し、金属薄膜成膜の後に除去することができる、固体または液体ベースのマスクを保持すること。これは図402の例によって示されるように、スパイクマイクロニードル領域の最終設計に従って、レーザ刻み、マイクロCNC機械加工、またはチャネルの内側の金属の手動スクレーピングによって実施することができ、これは互いに電気的に接続されるか、または電気的に絶縁される特定の領域を残すことができる。製造方法についてのさらなる詳細は、この特許文献において後述される。
【0097】
図5は、マイクロニードルセンサユニット110の下部構造および電子ユニット120の電気インターフェース126の例示的な実施形態を示す図を示し、電子インターフェース接点がセンサユニット110(例えば、使い捨て部品)から電子ユニット120(例えば、ポテンショスタットを提供することができる信号調整ユニット)への電気接点を横切る電気信号伝達の信頼性のためにどのように設計されるかを示す。基板113は、基板113の下部構造の開口部512内に配置された、複数の導電性の摩擦ベースの接点510(例えば、100nm未満の厚さ)を含む。例示的な導電性摩擦ベースの接点510は、スパイクマイクロニードル構造111の電極のアレイに結合する導電性導管(例えば、相互接続またはビア)に対して結合される。基板113の下部構造の例示的な開口部512は、導電性の摩擦ンベースの接点510と組み合わされて、電気インターフェース126の剛性の導電性ピン構造526の細長い領域を受容するように寸法決めされる。
【0098】
例えば、センサ/エレクトロニクス電気インターフェース設計の利点は、マイクロニードルセンサユニット110のシングルステップスパッタリング/金属膜堆積プロセスに関連し、これは、開口部512を導電性材料で充填して接点510を形成するトップダウンスパッタリングを可能にし、ここで、電子機器ユニット120(または中間インターフェース)の剛性導電ピン526が挿入される。結果として得られる導電性の摩擦ベースの接点510は、(ユーザによる)高強度の身体運動中でさえ、電気的ノイズのない信頼できるインターフェースを提供し、これは、(例えば、特に、表皮分析物ベースの電気化学的感知用途のためのナノアンペア検知システムのために)達成するのが困難な目的である。剛性の導電性ピン構造体526は、電子ユニット120のPCB層上に、対応する開口部512と機械的に整列するように構成される。このようなピン構造体526は、配向アライナ設計を使用して製作することができ、センサユニット110の開口部512への円滑な挿入のために、ピン構造体526の頂点に丸い先端を有するように構成することができる。また、例えば、開口部512内の接点510の底面は、開口部512内へ剛性ピン526をより容易にガイドするためのより広い入口ゾーンを提供するように、傾斜して設計および製作することができる。
【0099】
図6は、グルコース/乳酸塩およびグルコース/アルコールの連続モニタリングにおいて特定の分析物パラメータを測定するための多重化センサ設計を示す図を示す。例示的な実装は、少なくとも5mmの間隔(標的分析物1と標的分析物2のセンサ領域間)を有する下部構造上のスパイクマイクロニードル構造を有する複数の皮下分析物の同時多重感知が可能なクロストークフリー着用可能マイクロニードルセンサパッチデバイスを実証する、図6のような例示的センサを使用して実施された。例えば、例示的なスパイクマイクロニードルセンサパッチデバイスは、オキシダーゼベースのセンサ(感知分子としてのHに依存する)などのような、同一の検知機構を有する2つの作用電極センサ領域を提供するように構成される。センサパッチデバイスは、各感知領域に対して最大で10nA/mmの軽減されたセンサ感度範囲を提供することができた。センサパッチデバイスはまた、共通または個別にアドレス指定可能な補助/対電極の使用のために、および共通または個別にアドレス指定可能な基準電極の使用のために構成された。また、これらの例示的な実装形態において、少なくとも2つの埋め込まれた非侵入性皮膚挿入強化リングまたはリング状隆起表面を有する封止カバーが使用された。グルコース-乳酸塩の連続測定を、グルコース-アルコールの連続モニタリングと共に実証した。これらの例示的な実装形態における例示的な結果および技術は、この特許文献において後に詳細に説明される。この例の多重化された設計/戦略は、3つ以上の標的分析物について、および代謝産物、電解質、薬物、ホルモン、タンパク質、およびオリゴヌクレオチドなどの任意のタイプのバイオマーカについて、容易に一般化および拡大できることは、注目に値する。
【0100】
図7は、本技術によるマイクロCNC製造方法の例示的な実施によって製造された中間および最終コンポーネントを示す画像を示す。画像701は、基板上のスパイクマイクロニードル構造のCNC製造アレイを示す。画像702は、画像701におけるアレイのポリジメチルシロキサン(PDMS)ネガティブを示す。画像703aおよび703bは、マイクロキャスティングを使用して作製された、画像701におけるスパイクマイクロニードルアレイの複製を示す。SEM画像704は、画像703a、703bにおけるスパイクマイクロニードル構造体の先端の拡大図を示し、SEM画像705および706は、スパイクマイクロニードル構造体の超拡大図を示し、これは、CNC製造スパイクマイクロニードル構造体表面のナノスケールまたはマイクロスケール粗さ(例えば、500nm~5μM)、ならびに本方法のナノスケール精度を実証する。
【0101】
図7に示されるスパイクマイクロニードルアレイの例は、本技術に従って、非接着性、マイクロキャスティング、マイクロマシニング、射出成形、超高解像度3D印刷、および/または高分子系材料を使用する精密延伸マイクロニードル製造方法によって実施された。この製造方法は、スパイク付き微細構造アレイを製造するための、高度にスケーラブルで、安価で、高度に再現性のあるマイクロキャスティング技術である。この方法において、スパイク微細構造配列の非接着性ポリジメチルシロキサン(PDMS)ネガティブを、マイクロコンピュータ数値制御(マイクロCNC)法を用いて調製し、例えば、開発された方策、ツーリングおよび機械加工シーケンスを用いて、PMMAブロックを作成する。次に、カスタム開発された生体適合性のFDAグレードの光硬化性樹脂をPDMSネガティブに対して注ぎ、最終スパイク微細構造アレイを形成し、その後、複数の後処理工程を実施する。
【0102】
特に、この技術を改良する過程において、光硬化性樹脂ポリマーの後処理に関するいくつかの重要なパラメータが存在し、これが低温キャスティング法の一般的な問題を解決することが見出された。例えば、これらの問題は、樹脂の不完全な充填、低解像度およびナノスケールの表面粗さの形成の欠如、鋳型と最終微細構造との間の通常の接着問題、チップの鋭さの欠如、気泡生成および他の問題を含む:これらすべては、最適な特徴を有する新しく開発されたポリマー光硬化性樹脂の使用、ならびにカスタムメイドの樹脂に合わせた製造工程パラメータによってうまく対処される。
【0103】
ポリマー光硬化性樹脂材料のいくつかの実施形態において、例えば、樹脂は生物医学グレードの光硬化性ポリマー樹脂を含む生体適合性ポリマーに対して非イオン性界面活性剤(例えば、0.1~1重量%の濃度範囲のTritonX-100)を添加することによって、最適な粘度に調製された。界面活性剤添加剤は、ポリマー混合物の熱処理(例えば、65℃で20分間)と共に、樹脂の流動性の向上(例えば、粘度の低減および表面エネルギーの向上による)をもたらし、光架橋プロセスおよび完成材料の機械的ロバスト性に影響を及ぼすことなく、本方法のナノスケールの分解能をもたらした。
【0104】
特に、製造方法において高分子光硬化性樹脂材料を使用すると、最終的に製造されたスパイクマイクロニードル構造は、アセトン、イソオクタン、エタノール、漂白剤、濃NaOHおよびHCl溶液、過酸化水素(3%)および生理食塩水(3.5%NaCl)などの有機および無機の両方の過酷な溶液に対して、24時間まで優れた溶媒適合性を示した。さらに、製造されたスパイクマイクロニードル構造は、滅菌方法(例えば、ガンマ線、エチレンオキシド、125℃までの1時間のオートクレーブ処理、またはUVc処理)に対する顕著な適合性を実証した。開示された製造方法は、カスタマイズされた低粘度樹脂材料の組み合わせ使用、高温(例えば、70℃で6時間)でのカスタム樹脂の真空注入、その後のUV硬化(例えば、90℃で90分間のUV硬化)によって、不完全な充填、気泡形成、低解像度などのような様々な問題を軽減する製造プロセスパラメータを特定した。実施例の結果は、優れた機械的破壊靭性を有する、例えば、図7に示されるように<5ミクロンの先端鋭さを有する、ナノメートル精密レプリカを生成した。
【0105】
構造設計、機能的成果、ならびに製造および機能化層固定化のための独特の方法および材料に基づく独特の利点を提供する一方で、最高レベルの生体適合性、機械的堅牢性、再現性要件、センサ感度および選択性要件、ならびに連続検体(または多検体)オンボディセンシングのための寿命を維持する、着用可能で非侵入性のマイクロニードルセンサ技術の例示的な実施形態を実証する、いくつかの例示的な実施態様を以下に説明する。
【0106】
完全に一体化された着用可能なマイクロニードルプラットフォームを介したグルコース、乳酸塩、およびアルコールを含む単一および複数の分析物の連続的なリアルタイムモニタリングによる実施例
【0107】
生化学的マーカを監視することができる装着型センサは、個人化された医療、遠隔健康、および早期疾患診断における新たな革命を可能にするのに役立つ。ウェアラブルセンサを介してアクセス可能な潜在的な生体分子サンプリング生体液の中で、間質液(ISF)は血液に最も近い組成を有し、ほとんどの分析物の時間的プロファイルは、血液中で観察されるものに近づいている。加えて、直接的なISF測定は、長い遅延時間、可変分泌速度、試料汚染および希釈、ならびに最も重要な制限された相関などのような、センサの臨床的有用性を大幅に制限する、他の生体液に共通する主要な問題に影響されない。マイクロニードル(MN)ベースの感知技術は、ISFを絶えず活性化するために、痛みのない非侵入的な連続アクセスを提供する。
【0108】
以下の議論では、再使用可能かつ使い捨て可能な付随部品を含み、高度な微細機械加工技術を介して製造されたマイクロニードルの生体適合性アレイを利用する、完全に統合され、非侵入的で、着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実施形態が提示される。開示されたマイクロニードルセンサプラットフォームは、自由に行動するヒト被験者に対するリアルタイム、連続、および多重化生体分子測定のために最適化される。このプラットフォームは、システム統合、製造、パッケージング、生体適合性および滅菌、皮膚浸透、感度および安定性、ならびに低出力のような多面的な課題に対処するとともに、安価な方法でリアルタイムのバイオセンシングを提供する。
【0109】
再使用可能な電子機器および使い捨てセンサの2つの構成要素を含む、完全に統合された、非侵入型の、着用可能なマイクロニードルセンサアレイデバイスのいくつかの実施形態の例において、デバイスは、小型のワイヤレス対応の着用可能なものを介して、共通の日常活動中に、主要な代謝産物(例えば、乳酸、グルコース、およびアルコール)の動的プロファイルを追跡する際に顕著な能力を示し、結果はゴールドスタンダードメトリックによく相関する。また、プラットフォームの多重検知ポテンシャルは、乳酸グルコースおよびアルコールグルコースの同時体内モニタリングによって実証されるとともに、データキャプチャおよび視覚化のためのカスタム設計スマートフォンアプリを実証する。このシステム例は、臨床的に関連する生体分子の連続的、リアルタイム、および正確なモニタリングのための主要な新たなマイルストーンを達成すると考えられ、次世代ウェアラブル健康モニタのための主要な飛躍的進歩を提示する。
【0110】
身体に取り付けられる性質によって、ウェアラブルセンサは、自由に行動する被験者に対してリアルタイムで生理学的パラメータを連続的に監視する能力を提供し、臨床でまたはポイントオブケア装置によって実施されるスポット測定によっては提供されない、ヒトの健康および健康に対する興味深い新しい洞察を提供する。急速に成長する「オミクス」技術、モノのインターネット(IoT)装置、および人工知能(AI)とウェアラブルセンサを統合することは、潜在的に、個別化された健康管理、早期疾患検出、遠隔医療/遠隔監視、個別化された栄養もしくは健康状態、またはCOVID-19もしくは他のウイルス感染に関連する症状の検出において、革命的な進歩を提供することができる。
【0111】
しかし、ほとんどの市販ウェアラブルは、一般的な生理学的洞察のみを提供する、心拍数および運動などのような一握りの物理的パラメータのみを監視する。この問題に対処するために、最近の努力は、電気化学分析によって皮膚表面上の分子マーカをリアルタイムで検出することができるウェアラブル装置に移っている。最新の非侵襲的化学センサ研究は主に、刺激された汗または抽出された間質液(ISF)を利用する表皮センサを中心に展開してきた。しかしながら、これらの皮膚装着型センサは両方とも、バイオ流体への連続的なアクセス方法(例えば、運動または電気刺激を介して)、変動する流量、変動するパラメータ(例えば、汗pH、塩分、および温度)、試料混合、キャリーオーバー、希釈、または汚染を含む、重大な課題に直面している。これらの課題は、いくつかの汗バイオマーカとゴールドスタンダード血液アッセイとの間の限定された相関、および有意な遅延時間とともに、これらの表皮プラットフォームを臨床的に実行可能にするためのかなりの研究努力を必要とする。
【0112】
皮膚の表面上の生化学的マーカを分析する代わりに、皮膚下の分析(ISFを直接)は、多くの目的のバイオマーカについて、十分に確立された、血との高度の関連性を示した。実際、糖尿病管理のために米国食品医薬品局(FDA)によって使用が承認されている連続グルコースモニタ(CGM)は、血液と優れた相関関係を有するISFのグルコースを感知する。しかしながら、電流CGMは現在、侵襲的な針ベースのセンサに依存しており、単一の分析物のみを測定することに限定されている。
【0113】
対照的に、マイクロニードル(MN)技術は最近、ScientifIC AmerICAnおよび世界経済フォーラムによって、医療の将来を形作るための最高の新技術として支持されており、ISFにアクセスする痛みおよび不快感のない方法を提供するために、わずか数百ミクロンだけ皮膚を貫通するミクロンサイズの針を利用し、CGMに共通の5~11mmの長さの針の必要性を排除する。加えて、電流CGM装置の限定された単一検体検知能力は、単一プラットフォーム上の複数の個別にアドレス指定可能な空間的に分離された検知電極を利用することによって、MNプラットフォームにおいて容易にアドレス指定可能であり、これは、著しい新しい検知機会を可能にする。MNセンサのミクロンスケールの性質は、身体上の複数の位置へのそれらの適用を可能にし、リング、および表皮パッチなどの異なるフォームファクタに適応可能にする。MNによって提供される膨大な機会にもかかわらず、実際的なウェアラブル化学センシングのためのそれらの完全な可能性の実現は主に、それらに確実に対処するための全体論的アプローチを必要とするこれらの課題の集学的性質を反映して、未だ満たされていない課題であった。
【0114】
以下に記載されるように、ISFバイオマーカの連続的モニタリングのための完全に統合された、無線で操作されるスパイクマイクロニードルプラットフォームの例が、ヒト対象において実証される。開示されたマイクロニードルセンサデバイス技術の本例を示す例示的な実施形態および実装形態が説明される。
【0115】
図8は、図1B図1Dに示される装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の例示的な実施形態による、完全に統合された非侵入型ワイヤレス操作式装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実施形態の図を示す。図8(左パネル(a))に示されるように、皮膚装着型センサシステムは、リッチ分子データを連続的に収集する装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100を有することにより、日常活動に対する身体の応答のより大きな理解を容易にすることができる。ISFバイオマーカ(例えば、グルコース、乳酸、アルコール、ケトン体、ナトリウム、および他の分析物)のリアルタイムモニタリングは、個々に(単一の分析物)および同時に(多重化された)の両方の実施例で実証されたグルコース、乳酸、およびアルコールを用いて達成可能であり、その結果は、長期間にわたる対応するゴールドスタンダード(血液または呼気)測定の結果と十分に相関する。これを達成するために、システム統合(例えば、センサ、エレクトロニクス、ファームウェア、およびモバイルアプリ開発)、製造、皮膚浸透、ならびに安定で、正確で、クロストークのないバイオセンシングの分野における多面的な課題が、以下に詳述される全体論的アプローチを通してうまく対処される。
【0116】
図8に示すように、複数のセンサおよびカスタムエレクトロニクスのアレイを含むことができる、完全に統合されたスパイクマイクロニードルセンサシステムを設計し、製作し、開発し、試験した。統合されたシステムは、2つの主要部品(使い捨てセンサ構成要素110Cおよび再使用可能な電子機器ユニット120C)へ組み立てられる別個のサブ構成要素(例えば、図1Cに先に示される)を有することができる。図8の右側パネル(d)は、例示的な装置100がその機能寿命に従って、低コストの使い捨てセンサ構成要素110Cの便利な交換をどのように可能にするかを描写する、複数の概略図および画像を示す。着用者のISFからの分子レベルの電気化学信号は、表皮挿入スパイクマイクロニードルチップ(図8、パネル(diii)、スパイクマイクロニードルのチップ構成のSEM(スケールバー: 75μM)を示す)によって連続的かつ選択的に収集され、信号は使い捨てセンサ構成要素110Cと再使用可能電子回路ユニット120Cとの間の物理的インターフェースを介して低雑音再使用可能センサ電子回路(再使用可能電子回路ユニット120C)を通して搬送され、例えば、検体のリアルタイム監視の可視化および解析のために、例えば、モバイルデバイス130(図1Aおよび図8、パネル(dii))上で実行可能なソフトウェアアプリケーション(アプリ)を介して、遠隔データプロセッシングのためにモバイルデバイス130に対してワイヤレスで送信され得る。付属のアプリで操作全体を無線でコントロールできる。
【0117】
図9図11は例えば、例示的な実装形態で使用される、図8に示される使い捨てセンサ成分110Cおよび再使用可能な電子機器ユニット120Cの例示的な実施形態を示す概略図および画像を示す。図9は使い捨てセンサ構成要素110Cおよび再使用可能電子ユニット120Cの例示的な電子機器およびセンサアーキテクチャを示す概略図である。パネル(a)は、再使用可能電子ユニット120Cのアーキテクチャ構成における例示的な構成要素の機能ブロック図を示す;パネル(aii)は、例示的なAD5940電気化学AFE(部品のデータシートから再生した)の概略機能ブロック図を示す;パネル(aiii)は、電池への(例えば、薄型コネクタを通じた)および充電コイルへの(例えば、大型はんだパッドを通じた)電子システムPCB接続の例を示す画像を示す;パネル(aiv)は、使い捨てセンサ構成要素110C(すなわち、スパイクマイクロニードルアレイ171)への使い捨て電子ユニット120Cのインターフェースを示す、例示的な電子インターフェース接続ピン911およびブレークアウト図912を含む、再使用可能電子ユニットの例示的な構成要素を示す図を示す。この例において、接続ピン911をセンサベース上の導電性孔(図912「電子接続孔」)(例えば、CNCミル加工された孔内にスパッタ堆積された金属によってそのような孔を導電性にすることができる)へ挿入し、導電性ピン911のベースにおける機械的ガイドが、例示的な電子システムPCBに対して機械的保持を提供する。図10のパネル(b)は、例示的な個々のマイクロニードル(特定の実施例に対応する寸法を有する)を示し、パネル(bii)は、使い捨てセンサ部品110Cおよび再使用可能な電子機器ユニット120Cの例示的な実施形態の側面図を示し、パネル(biii)は、対応する対電極および基準電極を有する2つの分離された作用電極アレイとして構成されたマイクロニードル群を有する例示的な多重スパイクマイクロニードルセンサの斜視図を示す。図10(b)に示される例は、露出した延在本体を有するスパイクマイクロニードルを示す;一方、他の例(図2Aなど)において、スパイクマイクロニードルは、図2Aの例の巻き付け螺旋突起112などの巻き付け突起(巻き付け突部とも呼ばれる)を含むことができる。図11のパネル(c)と(cii)は、個々のマイクロニードルチップ(100μMのスケールバー)の側面および上面図を示し、パネル(ciii)は、多数のマイクロニードル(500μMのスケールバー)のSEM画像を示し、パネル(civ)および(c)は、薄膜金属(スケールバー:それぞれ2.5cmおよび2cm)のスパッタ環後の4つのマイクロマシンスパイクマイクロニードルアレイのバッチの画像を示し、パネル(cvi)と(cvii)は、単一および多数の感知のための組み立てられたマイクロニードルカバーリングの画像(1cmのスケールバー)を示すSEM画像を示す。
【0118】
図9図11の概略図および画像は、機能性、コンパクト性、および低電力動作のために設計された、開示されたウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイス100の例示的実施形態を実証する。例えば、電気化学信号データを取得し、続いてそれを送信するために、図9図11の装置の例示的な再利用可能な電子ユニット920は、2つの集積回路、すなわち、電気化学アナログフロントエンド(AFE)およびブルートゥース低エネルギー(BLE)システムインパッケージ(SiP)を利用する。この例においてAFEは、最大4つの独立した作用電極間の多重化、信号調整(増幅およびフィルタリング)、および信号デジタル化のための回路を提供し、BLE SiPは、デジタル化された信号を処理するための低電力マイクロコントローラ、ならびにデータ送信のためのBLE無線および埋め込みアンテナを提供する。これらの構成要素の給電はこの例において、ワイヤレス充電ICおよび充電コイル(例えば、図15参照)を通して誘導的に充電される、(電圧レギュレータを通して)リチウムポリマー電池によって達成される。さらに、AFEおよびBLE SiPのための電力最適化は、比較的小径のバッテリサイズを維持しながら、~30日間のバッテリ寿命を可能にする(例えば、図16参照)。電力最適化に加えて、必要なICの個数をわずか4個(信号取得/伝送のための2個、および電圧調整/再充電のための2個)に最小化することは、小型のデザインを可能にする(例えば、図9、パネル(AIv)参照)。電子機器を製造することは、本質的にスケーラブルであり、例えば、図15図18に示される。
【0119】
例示的な実装形態において、例示的なマイクロニードル微小電極は、最適化された幾何学的設計の3Dコンピュータ支援設計(CAD)モデルを、ポリ(メチルメタクリレート)ストック材料からのMN微小電極のマイクロコンピュータ数値制御(CNC)機械加工に使用されるコンピュータ支援製造(CAD)ファイルに移すことによって、本明細書にも開示される、スケーラブルで、非常に費用効率が高く、高度に再現性のある微小機械加工方法によって製造された(例えば、図19のプロセスフロー図を参照されたい)。例えば、図8~11に示される例示的な実施形態、例えば、微小電極の寸法、幾何学的形状、および構成、ならびに作用対抗基準電極比(例えば、図20を参照されたい)は、信頼性のある機械的ロバスト性および最大化された分析性能を達成するように慎重に最適化され、一方、生体適合性があり、5μM未満の微小針先端直径(例えば、図2Bおよび図11を参照されたい)を伴う無痛皮膚貫通を提供し、いくつかの実施形態において、スパイクマイクロニードル先端は2μM~5μMの間であるように構成され(例えば、図34Dを参照されたい)、いくつかの実施形態において、スパイクされた微小針先端は2μM未満(例えば、100nm~2μMの範囲内)であるように構成される。例えば、図11などのいくつかの実施形態において、100nm~5μMの間のマイクロニードル先端直径を有するスパイクマイクロニードル構造の本体領域は、突起構造(例えば、螺旋突起)を含まなくてもよく、一方、いくつかの実施形態において例えば、図2B~3および図34Dなどの、100nm~5μMの間のマイクロニードル先端直径を有するスパイクマイクロニードル構造の本体領域は、螺旋突起などの突起構造を含んでもよい。さらに、実施例のスパイクマイクロニードルセンサパッチを5時間装着した後に撮影された、ヒト対象の腕の経時的画像は、適用領域において皮膚刺激または炎症を示さなかった(例えば、図21を参照されたい)。例えば、例示的な2工程滅菌プロトコルと共に、例示的な生体適合性PMMAベースのスパイクマイクロニードルアレイは、ヒト被験体に対するインビボ試験のための組み立てられたスパイクマイクロニードルセンサパッチの安全な展開を確実にした(例えば、図22を参照されたい)。
【0120】
例示的な完全に統合されたウェアラブルセンサシステムは、乳酸塩、グルコース、およびアルコールの連続的モニタリングのための例示的な実施形態において利用され、これらの各々は疾患の早期診断、予後、および管理を含む複数の適用を伴う、身体の(病的)生理学に対する前例のない洞察を潜在的に提供し得る。例えば、血中乳酸レベルは、敗血症、臓器不全、外傷、および/または急性炎症反応症候群を有する重症患者の様々な群における罹患率および死亡率の最も信頼できる予測因子である。持続的な乳酸感知は、緊急の健康状態を有する患者における早期蘇生療法の指針と、これらの患者が治療される方法とにおいて、有意な直接的利益を提供する。例えば、連続的な乳酸感知はまた、運動選手が最大の身体能力に達し、損傷のリスクを低減するための価値のあるツールとなり得る(例えば、障害点まで漸増的に激化する運動の過程の間に急速に変化する乳酸レベルをプロットすることによって得られる、その乳酸閾値を識別し、監視することによって)。さらに、グルコースの連続的モニタリングは、世界中で増加し続ける糖尿病を有する人々のために糖尿病を管理するための不可欠な部分である。さらに、アルコール摂取の有病率は健康合併症の多さに関連しており、したがって、連続的なリアルタイムアルコールモニタリングは、一般的なアルコール使用障害を含むアルコール関連健康合併症の早期治療に対して機能的情報を提供することができる。
【0121】
スパイクマイクロニードルセンサデバイスの例示的な実施形態を使用する生体分子の連続的モニタリングは、同じデバイス上で可能にされる物理的パラメータおよびバイタルサインの連続的モニタリングと結合することができ、例えば、電子ユニット120は、スパイクマイクロニードルセンサユニット110および、物理的パラメータ、バイタルサイン、または他の健康関連情報の連続的または間欠モニタリングのための2次モニタリングデバイスと、インターフェース接続される。例えば、同じセンサデバイス上で乳酸モニタリングと心拍数を統合することは、トレーニングパフォーマンスを最適化することに関心がある運動競技者のための乳酸閾値のリアルタイムモニタリングを可能にすることができる。別の例は、飲酒エピソード中の人々の異なるグループに対するこれらの異なるパラメータ間のリアルタイム関係を理解するための、心拍数および皮膚温度センサを有する統合アルコール監視センサを含む。さらに、例えば、運動センサと共にレボドパなどの治療薬を監視することは、パーキンソン病を有する人々がその薬物用量摂取を正確に調整することを可能にし、したがって、頻繁な薬物関連オンおよびオフ期間を回避することを可能にする。
【0122】
例示的な実装形態において、乳酸塩、アルコール、およびグルコースバイオセンシング用付随部品(たとえば、センシング層)がスパイクマイクロニードルの先端上に開発された。スパイクマイクロニードル上にバイオセンシング付随部品を作り出すために、プロトコルは、最も内側の干渉除去ポリマー層、ポリ-o-フェニレンジアミン(PPD)を電着し、その後、キトサン高分子電解質層中に混合されたそれぞれのオキシダーゼ酵素を固定化し、最後に、拡散制限外側フィルムとして非イオン性界面活性剤含有ポリ塩化ビニル(PVC)を形成した。各ポリマー層の酵素負荷および厚さを注意深く最適化して、バイオファウリングおよび「酸素欠乏」を軽減しながら、優れた選択性および安定性を有する各バイオマーカの正確な連続モニタリングを可能にした。ヒト被験体に対するインビボ試験の前に、各バイオセンサのインビトロ分析性能を人工ISF溶液中で調査し、結果は生理学的に関連する濃度範囲内で、安定的かつ選択的に、各標的バイオマーカを検出する際のそれらの優れた性能を検証した(例えば、図23Bを参照されたい)。
【0123】
インビボ実装で使用されるスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイス例のオンボディ性能が、図12Aおよび12Bに示される。試験プロトコルは、5人の異なるヒト被験体上で各標的分析物バイオセンサについて実施された不変の単一事象(図12A、パネル(a)~(d))、および単一のヒト被験体上で各バイオセンサについて実施された様々な複数事象活動(図12B、パネル(e)~(h))を含む。不変のシングルイベント活動は全ての参加者に、それぞれ乳酸、グルコース、およびアルコールの濃度変動を誘発し、センサの性能を試験するためのトリガーとして働く、同一の運動プロトコルに従い、同一の食事を摂取し、そして等量のワインを摂取するように依頼することを含む。様々なマルチイベント活動は、様々な活動(例えば、低強度運動から高強度運動まで、フルミールを食べてデザートまで、およびワインのグラスをそれぞれ迅速に、次いで徐々に消費すること)に応答して、人間の被験者に対する各センサの性能を実証する。一体型ウェアラブルセンサ構成要素のアセンブリおよびそれを着用者の腕に取り付けることは、例示的なスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイスに関連するソフトウェアアプリケーション、例えば、例示的な実装形態で使用されるカスタム設計のモバイルアプリケーションを介して表示することができる。カスタム設計されたモバイルアプリのセットアップは、身体上のセンサの信号テストとともに、それぞれ図24および図25に示される。
【0124】
図12A~12Bは、図8~11に示される例示的な実施形態による、単一の分析物センサを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイスの例示的なオンボディ性能実装を示す図およびデータプロットを示す。図12Aパネル(a)は、被験体の腕に配置された例示的なスパイクマイクロニードルセンサデバイスの写真を示す;図12Aパネル(b)-(bii)-(biii)は、乳酸センサ性能試験プロトコルと、対応する乳酸血液バリデーションを伴う、4分間の高強度運動後の休止中の5人の被験体における例示的なデータとを示す;図12Aパネル(biv)は、センサによるISF乳酸データ測定値vs血液乳酸基準測定値のプロットを示す;図12Aパネル(c)-(cii)-(ciii)は、グルコースセンサ性能試験プロトコルと、対応する血糖バリデーションを伴う同一の食事摂取事象後の5人の被験体における例とを示す;図12Aパネル(civ)は、センサによるISFグルコースデータ点vs血糖基準測定値のプロットを示す;図12Aパネル(d)-(dii)-(diii)は、アルコールセンサ性能試験プロトコルと、アルコール測定器アルコール測定バリデーションをともなうワイン摂取事象中の5人の異なる被験体における例示的なデータとを示す;図12Aパネル(div)は、アルコール呼吸器基準測定値に対するセンサによるISFアルコールデータポイントのグラフを示す。図12Bのパネル(e)は、被験動物の腕に置かれた例示的なスパイクマイクロニードルセンサデバイスの写真を示す;図12Bのパネル(f)-(fii)-(fiii)は、1分の中強度バイク(fii-I)で始まり、続いて4分の高強度スクワットバイク複合セッション(fii-II)を実施する、様々な運動セッションにわたる乳酸センサの複数イベント試験の図を示し、これとともに、センサによる対応するISF乳酸測定vs乳酸血中ストリップ基準測定のプロットを、パネル(fiv)に示す;図12Bパネル(g)-(gii)-(giii)は、食事(gii-I)から開始し、ファスティングのインターバル、デザート(gii-II)の消費で終了する、様々な食物消費イベントに関するグルコースセンサの複数イベント試験の図を示すとともに、センサによる対応するISFグルコース測定vs血中乳酸ストリップ基準測定を、パネル(giv)に示す;図12Bパネル(h)-(hii)-(hiii)は、グラスワインの急速消費(hii-I)から始まり、続いて15分インターバルの間に同量のワインを徐々に消費する(hii-II)、様々なワイン消費イベントに関する複数イベントアルコールセンサ試験の図を示すとともに、センサによる対応するISFアルコール測定vsアルコール測定器測定を、パネル(hiv)に示す。
【0125】
12Aに示されるように、5分間隔で各対象についてモニタされるISF乳酸レベルは、高強度運動の4分後にバックグラウンド値(静止下で1~2mm)から急速に上昇し、次いでピークに達し、その後、元のベース値まで徐々に低下する。すべての被験者について、較正されたISF乳酸レベルは、無視できる遅延時間(<5分)で血中乳酸測定(10分毎に採取)を厳密に追跡する。2つのデータセットに対するピアソン相関係数(ピアソンのr)は0.94(105の対のデータ点)であることが分かり、体内の動的乳酸塩変動を正確かつ連続的に追跡する際の装着型スパイクマイクロニードルセンサパッチの強い性能を強調している。高度に個別化された応答が、乳酸塩ピーク強度(11.8~18.1mM)、乳酸塩生成速度(15~25分)、およびその消失速度(85~130分)に関して観察された。乳酸塩の曲線下面積(AUC)は、11.27~14.82mM-hの範囲であることが分かった。乳酸AUCは、重症患者における高乳酸血症の重症度および期間についての重要な洞察を提供することができ、救急室における敗血症性ショックの信頼できる予後マーカとして示されている。したがって、例示するスパイクマイクロニードルセンサは敗血症性ショック患者の命を救う影響を及ぼす可能性があり、介入を受けている患者の早期診断およびタイムリーなフィードバックを可能にすることによって、これらの患者の死亡率を実質的に低下させることができる。
【0126】
同様に、8.83%の平均絶対相対差(MARD)(95個の対データ点)を有する、5人の対象すべてのグルコース感知について高い性能が得られた(図12A、パネル(c)シリーズ)。グルコース取り込みおよび解糖の速度に関して、個別化された応答(すなわち、各対象が固有のベースグルコースレベル、ピークおよび減少速度を有する)が観察された。グルコースデータについてのAUC分析は、220~304mg-h/dLの範囲の値を生じる。グルコースのAUCは、糖尿病および耐糖能障害を検出し、糖尿病のリスクが高い人々を同定するためにHbA1cおよび空腹時血漿グルコースレベルよりも感度の高い予測因子であることが示されている。したがって、スパイクマイクロニードルセンサデータのAUC分析は、対象#5が糖尿病を発症するリスクが増加し得ることを示唆する。
【0127】
アルコール消費に対する瞬間的応答(図12A、パネル(d)シリーズ)は、アルコール感知のためのスパイクマイクロニードルセンサを用いて、0%の予想されるソフトバー値から始まり、その後、0.94のピアソンr(95のペアポイント)を有するゴールドスタンダードアルコール測定器からの測定を追跡することで見出された。得られたデータは、0.012%(2.6mm)から0.034%(7.4mm)の範囲のピーク値および3.29から9.25mm-hのAUC値を有する大きな被験者間変動性を示し、性別、体重、代謝、および年齢関連の相違、ならびに参加者間の遺伝的パラメータを反映した。特に、例えば、主に研究用途に承認されている既存の経皮アルコールモニタは、アルコール消費の半定量的測定を提供することしかできない。さらに、これらの従来のセンサは、かなりの遅延時間(数時間まで)、血液/呼吸アルコール含有量との相関関係が確立されていないこと、したがって検出性能の信頼性がないことなどのような、大きな問題を抱えている。対照的に、開示されたスパイク付きマイクロニードルセンサ技術は、非常に大きな臨床的および個別化された有用性を有する真に連続的なリアルタイムアルコールモニタリングを実証することに成功している。
【0128】
毎日の活動中において予想される様々なマルチイベント活動/刺激に対するセンサ応答を図12Bに示す。ここで、センサ応答は、各センサ型についてのイベント間の強度の相違を反映する。例えば、乳酸レベルはわずか5.8mmのピーク強度を示し、1分間の低強度運動に対応する~50分間のベースライン復帰時間は短いが、4分間の高強度運動の場合には~160分間のベースライン復帰時間を有する15mmの乳酸ピークを示した。同様に、グルコースの結果は、消費された食事を厳密に反映している(図12Bのパネル(g))。アルコールレベルの場合、対象に対するアルコール消費速度を変化させる効果が、より高い、より鋭いピークをもたらす急速なアルコール消費で捕捉されたが、より遅いピークはより低い、より広いピークをもたらした。AUC値は非常に類似しており(5.1対5.3mM-h)、両方の事象について消費されたアルコールの同一量を反映していた。スパイクマイクロニードルセンサの例を用いて3つの標的分析物(乳酸塩、グルコース、アルコール)について得られたマルチイベントプロファイルは、対応する参照方法(すなわち、血液、アルコール測定器)の結果と優れた一致を示す。特に注目すべきは、従来の指穿刺血液メーターを用いた検証実験に関連する疼痛および不快感の被験者指標であり、これは単回および複数回の事象試験のそれぞれが30回以上の毛細血管血液サンプリングを必要とするためである。
【0129】
図13は、図8図11に示される例示的な実施形態による、複数の分析物センサを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイバイオセンサデバイスの例示的なインビボ性能実装を描写する、図およびデータプロットを示す。図13のパネル(a)シリーズは、ワイン消費イベント(a)およびその後の食事消費(aii)における、アルコール-グルコース多重スパイクマイクロニードルセンサを使用した多検体検出試験において対象の腕に配置されたスパイクマイクロニードルセンサデバイスの図およびデータプロットを示すとともに、(aiii)センサによるISFアルコールおよびグルコース測定の対応するプロットvs血液アルコール測定器および血液グルコースストリップ基準測定値を示す;図13のパネル(b)シリーズは、4分間の高強度ワークアウトに続いて食事消費したときの、乳酸-グルコース多重スパイクマイクロニードルセンサを使用した多検体検出研究のために対象の腕に配置された装置スパイクマイクロニードルセンサデバイスの図およびデータプロットを示すとともに、(biii)センサによるISF乳酸およびグルコース測定値の対応するプロットvs血中乳酸およびグルコースストリップ基準測定値を示す。
【0130】
スパイクマイクロニードルセンサの多重モニタリング能力は、アルコール-グルコースと乳酸-グルコースの同時センシングに対して実証された。アルコール摂取がグルコース恒常性に及ぼす影響を考慮すると、アルコールモニタリングはグルコースと共に、2型糖尿病を発症するリスクを低減するために、個人にとって非常に貴重な個人化された情報を提供することができる。リアルタイムでの多重アルコール-グルコースモニタリングの能力はまた、糖新生の減少およびグリコーゲン貯蔵の枯渇のためにアルコール摂取後に通常起こる遅延性低血糖症を糖尿病患者が回避するのを助けることができる。一方、グルコースと共に乳酸をモニタリングすることは、メタボリックシンドロームのリスクに関するより包括的な診断促進情報を提供することができる。さらに、運動に対する糖尿病患者の異なる血糖反応を考慮すると、乳酸モニタリングは、これらの患者におけるより正確なインスリン送達調節を助けることができる。代謝産物のそのような多重モニタリングに対する高い要求にもかかわらず、今日まで、グルコース-乳酸をリアルタイムで連続的かつ同時に測定することができる装置は存在しない。
【0131】
図13パネル(a)は、アルコール消費、その後のグルコースが多い食事の消費に対するアルコール-グルコース感知の応答を示す。センサのラグフリー時間バイオマーカプロフィール(パネル(aii))は、個々のセンサ間の化学的または電子的クロストークなしに、呼気および血液に基づく検証計測(並行して実施される)に対応する。異なる分析物のセンサ間の過酸化水素の移動に起因して起こり得る化学的クロストークは特に、インビボ用途のためのオキシダーゼベースのマルチセンサを設計する際の主要な関心事である。分子クロストークは、2重感知領域(例えば、11mm)を空間的に分離することによる賢明な設計と、各分析物についてより少ない数の作用電極を利用することによって達成される最適化された緩和された感度との両方によって対処された。したがって、アルコールおよびグルコースに対するピアソンのrは、それぞれ0.98および0.86であることが見出され、2つのマーカの多重スパイクマイクロニードルモニタリングの高精度が強調された。さらに、乳酸塩およびグルコースの同時モニタリングは、2つの感知システム間のクロストークなしに、それぞれの刺激に応答して、各代謝物の追跡に成功した(パネル(b))(それぞれ、乳酸塩およびグルコースについて0.92および0.81のピアソンr)。
【0132】
上述のように、例示的な実装形態は、非常に低コストの方法で、間質液からの複数の生体分子の無痛で連続的なリアルタイムの同時測定のための、首尾よく統合された着用可能なマイクロニードルプラットフォームを首尾よく実証した。測定データはカスタム設計された電子機器を介して取得され、捕捉および視覚化のために、付属のスマートフォンアプリに対してワイヤレスで送信された。生化学的情報の豊富な供給源としてISFに依存することによって、ウェアラブルマイクロニードルプラットフォームはリアルタイムで、多様な日常活動の間、豊富な分子データを連続的に収集し、これは、現在、集中化された実験室試験による単一の測定としてのみ得ることができる。したがって、ウェアラブルマイクロニードルプラットフォームの性能は、乳酸、アルコール、グルコースの主要生化学的マーカの変動するISF濃度を監視することによって実証され(単一構成および多重構成)、これは、一般的な日常生活習慣、すなわち、運動、食物摂取、およびアルコール摂取に関連する刺激に対する応答として得られる。実施例は人被験体に対して実施され、各人被験体は標準的な参照方法を使用する並行測定によって検証された。開示されたウェアラブルマイクロニードルプラットフォームは、表皮汗測定ウェアラブルの基本的な実用性の問題、ならびにCGMの侵襲性および限定された単一分析物能力に対処し、それによって、身体からのバイオマーカの疼痛のない、非侵襲性の、多重化されたモニタリングを可能にする。さらに、プラットフォームは追加のバイオマーカの検出のために容易に再構成することができ、以前はアクセスできなかった臨床的に関連するデータの連続的な収集を容易にし、したがって、身体の生理学に対するより包括的なビューを潜在的に提供する。研究と商業化との間の現在のギャップを埋めることによって、ウェアラブルマイクロニードルプラットフォームの例示的な実施形態は技術分野において著しい飛躍的前進をもたらし、次世代の患者中心遠隔監視ウェアラブルセンサの出現を加速することができ、それによって、デジタルヘルスケアの現在の状態を変えるための経路を提供する。
【0133】
開示された完全に一体化された着用可能なマイクロニードルプラットフォームの製造および実装の例示的な方法
【0134】
使用材料例。グルコースオキシダーゼ(GOx、EC1.1.3.4,アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来)、D-(+)-グルコース無水アルコールオキシダーゼ(AOx、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)由来、10-40単位/mg)、キトサン(中分子量)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ウシ血液由来のγ-グロブリン、L-乳酸、アスコルビン酸(AA)、無水塩化カルシウム(CaCl)、氷酢酸(HOAc)、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(PEGDE)、塩酸(HCl)、ポリ塩化ビニル(PVC)、TritonX-100、o-フェニレンジアミン(oPD)、アセトアミノフェン、尿酸(UA)、硫酸ナトリウム(NaSO)、塩化鉄(III)(FeCl)、硫酸マグネシウム無水物(MgSO)、リン酸緩衝液(PBS)(1.0M、pH7.4)、塩化カリウム(KCl)、リン酸二水素ナトリウム(NAHPO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、塩化ナトリウム(NaCl)、グルコン酸塩、およびスクロースは、Sigma-Aldrichから入手した。乳酸オキシダーゼ(LOx、EC1.1.3.2、106U/mg)は、Toyobo、USAから入手した。エタノールは、Decon Laboratories(Austin、USA)から入手した。テトラヒドロフラン(THF)は、Millipore(Massachusetts、USA)によって提供された。生体適合性のBioMed光硬化性樹脂は、FormLabs(berlin、GermAny)から入手した。例えば、厚さ3.2mmのポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)シートは、McMAster-Carr(シカゴ、米国)から入手した。3M(商標)Medical Tapeは、Tekra(New Berlin、USA)から入手した。
【0135】
使い捨てMN部品の設計と製造例。シールのための基板上のキャピラリ流路を有するスパイクマイクロニードルアレイ、マイクロニードルカバー、エンクロージャおよびホルダ部品を、Fusion360ソフトウェアを使用して設計した。3Dプリンティング(Formlabs3)を使用してカバーリングを作製した;再現可能な高解像度(例えば、100μM解像度未満)マイクロマシニング工程を使用して、スパイクマイクロニードルアレイの基板上に封止マイクロ流体チャネルを有するスパイクマイクロニードルアレイ(例えば、図19参照)を、スケーラブルかつ費用効率の高い方法で作製した。超高解像度3D印刷は、5μM以下の解像度(例えば、100または100ナノメートル~5μMの解像度範囲)を有する構造体の超高解像度を提供することができるスパイクマイクロニードルアレイ基板およびカバー部品を、コンピュータベースの設計を介して製造するために使用することができることに留意されたい。次いで、カバー構成要素およびスパイクマイクロニードルアレイを組み立て、光硬化性樹脂を界面に導入し、続いて、スパイクマイクロニードル再現性カットオフラインまで、界面およびスパイクマイクロニードルの周囲に封止材層を自発的に形成した。簡潔には、単一の分析物センサ(例えば、乳酸塩、グルコース、アルコール)について、3電極電気化学システムを、16WE/8CE/1REの電極比で使用した(例えば、図19~20を参照されたい)。多重化センサ(例えば、乳酸-グルコース、アルコール-グルコース)は、6WE/8CE/1REの比率で、2つの物理的に隔離された作用電極、2つの相補的対電極、および2つの相補的基準電極を有する2つの3電極系に依存した(例えば、図10、パネル(biii)参照)。
【0136】
実施例バイオセンサの調製。酢酸緩衝液(I=0.2M、pH5.2)中でo-PD(5mM)溶液を調製し、0.65V(vsAg/AgCl)で15分間電着した。酵素溶液GOx(20mg/mL)、LOx(12mg/mL)、およびAOx(10mg/mL)を、それぞれ1:2、1:10、および1:1の最適化された体積比のキトサン(1%HOAc中1重量%)中で調製した。例えば、2mLの各酵素溶液を使用して、マイクロニードルアレイを覆い、続いて1mLのPEGDE(1%)で架橋することによって、対応するバイオセンサを修飾した。次いで、キトサン溶液(例えば、グルコース、乳酸、およびアルコールバイオセンサについてそれぞれ1mL、2mL、および1mL)をキャスティングすることによって電極を修飾した。最後に、THF溶媒中で調製され、1mm TritonX-100を含有する2%PVC溶液を、マイクロニードル(例えば、グルコースおよび乳酸塩バイオセンサについては1mL、アルコールバイオセンサについては1.5mL)上にキャストし、さらなる実験のために4℃で4時間冷却した。
【0137】
滅菌・細胞毒性試験。スパイクマイクロニードルアレイの細胞毒性を、DMEM培地(Thermo Fisher、Waltham、USA)中のJ774細胞のLive/Dead染色を通して、事前にスパイクマイクロニードルセンサパッチの使い捨て片を浸漬することによって試験した。例えば、J774マクロファージ細胞(例えば、2×105/mL)を6ウェルプレートに播種し、37℃で24時間培養した。試料は、UVcおよびオートクレーブによって滅菌された実施例のスパイクマイクロニードルセンサパッチを24時間浸漬することによって調製した。細胞含有ウェルをPBSで洗浄し、次いでLive/Dead染色キット(BioLegend、San Diego、USA)で処理した。蛍光画像を倒立蛍光顕微鏡によって撮影し、ImageJを用いて分析して、各試料(N=5)中の生細胞および死細胞のパーセンテージを決定した(例えば、図22を参照されたい)。体に対して適用する前に、各酵素固定化センサ(30分、レベルII)でさらなるUVc滅菌をした(例えば、図22を参照されたい)。
【0138】
例示的な電子システムのための例示的な製造および組み立て技術。例示的な実施形態(例えば、図8図13に関連して説明される)で使用される電子系の例示的な部品は例えば、高さ0.5mmおよび面積5.3cm(r=13mm)の4層FR4プリント基板(PCB)上に組み立てられた。製造および組み立ては、PCBminions(Princeton、NJ、USA & Shenzhen、ChinA)によって実施した。部品は、Digi-Key Electronics(Thief River Falls、MN、USA)から入手した。例示的な部品は以下を含む:AD5940電気化学的アナログフロントエンド(AD5940BCBZ-RL、Analog Devices、Inc.、Wilmington、MA、USA)、CYW20736S Bluetooth Low Energy(BLE)システムインパッケージ(SiP)モジュール(CYW20736S、Cypress Semiconductor Corporation、San Jose、USA)、2.8V低雑音低休止電流低ドロップアウト(LDO)レギュレータ(LP5907UVX-2.8/NOPB、Texas Instruments、TX、USA)、ワイヤレスリチウムイオンバッテリ充電器(LTC4124EV#TRMPBF、Analog Devices、Inc.、Wilmington、MA、USA)、ワイヤレス充電コイル(WR202020-18M8-G、TDK、Chuo City、Tokyo、JapAn)、110mAh Liイオンコインセルバッテリ(RJD2430C1ST1、Illinois CapAcito、Des Plaines, IL, USA)。電極接続は、直径0.508mmの5つの金めっきニッケル(0508-0-00-15-00-00-03-0, Mill-MAx MAnufacturing Corporation, Oyster Bay, NY, USA)を含む。
【0139】
電気化学的検出操作。AD5940電気化学アナログフロントエンド(AFE)は、電気化学分析を実行するための複数の回路を統合し、これらの回路は、多重化された入力選択、ポテンシオスタット動作、信号調整およびデジタル変換、ならびにデータ通信のための回路へ、機能的にグループ化される。AFEは、5つの金めっきピンを介してセンサアレイとインターフェースする。4つのピンは、2電極構成(WE1、WE2、WE3、およびWE4とラベル付けされている)で動作するとき、多重化入力チャネルとして使用され、5番目のピンは、対向/基準電極の組み合わせに使用される。3電極構成で動作するとき、3つの作用電極(WE1、WE2、WE3)が多重化のために利用可能であり、第4および第5ピンが対向電極および基準電極のために使用される。各作用電極入力は電気化学分析のために、電極をポテンショスタット回路に接続するように個別にアドレス指定することができる。
【0140】
ポテンショスタット回路は、制御増幅器(cA)と、トランスインピーダンス増幅器(TIA)と、コモンモード基準電極電位(VRE)および作用電極電位(VWE)を設定する12ビットデュアル出力コンバータ-アナログ変換器(DAC)とを含む。TIAは、入力電流IInを、ADCによって測定される電圧に変換する。電位差(VWE-VRE)(DACによって設定される)は、制御増幅器およびTIAを介して接続された電気化学セルに対して印加される。印加された電位の動作範囲は、0.537mV(12ビットDAC、VRef=2.2V)の分解能で+/-1.0Vである。
【0141】
TIAからの信号は、信号調整およびデジタル変換回路に対して供給される。同回路は、プログラマブルアナログRCフィルタ、差動マルチプレクサ(ADC MUXとラベル付けされている)、プログラマブルゲインアンプ(PGA)、信号をデジタル化して計測データにするための16ビットアナログデジタル変換器(ADC)、およびカスケード接続されたデジタルsincおよびsincフィルタを含む。TIAとPGAの両方は、プログラム可能なゲイン値を特徴とする。ADCは、ADC MUXを介して、増幅器出力とVWEとの間の差電圧を測定するように構成されている。
【0142】
AFEはまた、構成情報を記憶しADCまたはデジタルフィルタからの測定データを記憶するためのデータレジスタを含む。これらのデータレジスタとのデータ通信は、AFEのSPIインターフェースを介してなされる。
【0143】
ランダムな電子雑音および電気化学雑音を抑制するために使用されるAFE上の信号フィルタリングは、アナログ領域およびデジタル領域の両方において達成される。単極ローパスアナログフィルタは、プログラマブル抵抗器と、TIA/BUF増幅器の出力に位置する1μFコンデンサとによって形成される。抵抗器は20kΩに設定され、7.96Hzの3DBカットオフ周波数をもたらし、これは、フィルタの整定時間がアンペロメトリ試験で見られる容量性電流の測定不正確さを引き起こさないようにする一方で、雑音を抑制するように選択された。ADC出力は、デジタルsincフィルタと、それに続くsincフィルタへ接続する。これらのフィルタの帯域幅の設定は、sinc とsinc についてそれぞれ5 と1333 に設定されているオーバーサンプリング比をデジタル設定することによりなされる(AFEの最高設定値)。これにより、800kSPSのサンプリングレートで、38.32Hzの全体的なフィルタ3DB帯域幅が生成される(シミュレーションによって見つけられた)。デジタルsincフィルタの周波数応答は、電気化学分析において一般的に使用される平均化/積分方法の周波数応答と同様であることに留意されたい。追加の60Hz /50Hzのメインフィルタが、sincフィルタの後に使用される。
【0144】
信号増幅は、TIAおよびPGAによって実行され、それらのレベルが広範囲の入力電流にわたってADCの検出可能な限界内に常にあることを確実にする。試験中にTIAおよびPGAゲインを動的に調整するために、オートレンジシステムが採用される。システムアルゴリズムは、信号レベルがADCの全範囲の20%~80%以内になるまで、異なるトランスインピーダンス値を再帰的に試験する。各利得レベルは12.04dBの範囲をカバーし、ただし、16.2nAから3.6pAまで73.1dBをカバーする最高トランスインピーダンスレベル(例えば、電子システムの検出限界)と、8.3dBの範囲で0.83mAから2.15mAまでの最低トランスインピーダンス利得レベルを除く。オートレンジシステムにより、電子システムは2.15mAから3.6pA(175dBの範囲)の範囲をサポートすることができる。なお、TIAの帰還経路にはダイオード対が接続されており、RTIA値間で切り替えながらセルバイアスを乱さない(電流を流す)ようになっている。
【0145】
BLE操作。CYW20736S BLE SiPモジュールには、ARM Cortex-M3 マイクロコントローラ(MCU)、BLE無線、および埋め込み平面逆Fアンテナが搭載されている。モジュールはすべての電子システム機能を制御するように、すなわち、SPIバスを介したAFEの構成、電気化学測定データ取得の制御、およびBLEを介したモバイルデバイスとのワイヤレス通信を制御するようにプログラムされる。
【0146】
電子システムの無線BLE動作を例として説明する。いくつかの例示的な実装形態における電子システムは、Bluetooth Generic Attribute Profile(GATT)サーバとして構成され、GATTクライアント(スマートフォン)が対話することができるカスタムサービスおよび特性をホストする。BLE GATTは、「特性」と呼ばれるデータをまとめた「サービス」に編成することができる。電気化学的試験には、構成サービスと測定データサービスの2つのサービスが用いられた。構成サービスは、試験パラメータ(例えば、電流測定のための印加電位)を設定するための特性を含む。測定データサービスは、データを送信するための一意のデータチャネルとして機能することができ、測定データのための特性を自明に含む。送信前に、ADCを通して取得された測定データはアンペロメトリのために、関連する測定単位-電流(pA)へ変換される。
【0147】
電源管理とワイヤレス充電。電子システム上の電力管理およびワイヤレス再充電回路は、ワイヤレス再充電IC、2.8V LDO、およびワイヤレス充電受信コイルを含む。例えば、エレクトロニクス用の電源は充電式リチウムイオン電池-2430型(例えば、直径24mm、高さ3.0mm)コイン電池から供給された。例示的な電池、受信コイル、およびPCBは両面テープで互いに接着され、6mmの合計装置高さ(例えば、電池コネクタの上部から充電コイルの底部まで)および26mmの直径をもたらした。
【0148】
通常動作の下では、電源がバッテリから、ワイヤレス再充電ICを通って、LDOに対して供給される。LDOはバッテリ電圧(~3.7V) を2.8Vに調整し、AD5940 とCYW20736Sに対して供給する。電子システムは、送信機パッド上に配置されると、バッテリの誘導充電を開始する。充電はワイヤレス充電ICによって調整される。このICが過放電保護と定電流/定電圧充電機能を備えており、過充電せずにバッテリを素早く充電できる。
【0149】
電力の最適化。AD5940 AFEおよびCYW20736S BLEモジュールはともに、パワーゲーティングおよび/またはクロックゲーティング回路ブロックによる平均消費電力を低減するために、「スリープ」モードを備えている。これは、ADCおよびデジタルフィルタを、周期的なサンプリングイベントのためにのみオンにし、これらのイベント外でオフにすることによって、AFE上で活用される。さらに、CYW20736S上のマイクロコントローラおよびBLE無線は、サンプリングイベント間で決定的にゲート制御される。電気化学試験全体を通して、DAC、制御増幅器、およびTIA/BUF増幅器はオンのままにされ、基準電極電位を維持し、電位制御/電位差測定試験のために作用電極電位を維持/測定することに留意されたい。
【0150】
例示的な実装形態において、単一のサンプリングイベントの前、最中、および後の瞬間電流消費は以下を含む。t=0.4sで~10mAまでの電流の増加が観測され、マイクロコントローラ、ADC、およびデジタルフィルタがオンになってサンプリングイベントが始まったことを示した。直後に電流が低下し、データがサンプリングされたことおよび、マイクロコントローラ、ADC、デジタルフィルタがオフになったことを示す。次に、電流スパイクが~20-30mAになり、BLEラジオとマイクロコントローラがオンになったことを示す。これは、3つの連続したBLE接続イベントで発生する。1番目の間、データは、モバイルデバイスに対して送信された。次に、電子システムは、測定データが適切に受信されたことの確認をモバイルデバイスから受信した。最後に、電子システムはモバイルデバイスから空のBLEパケットを受信し、さらなるBLE通信がなされないことを電子システムに伝え、次のサンプリングイベントまでBLE無線をオフに保つことを可能にする。これらのイベントの前後で、「スリープ」とラベル付けされた低電流レベルは、ICが正常に低電力モードに配置されたことを検証する。100msごとに約5mAの小さなスパイクが現れる。これは、CYW20736Sが短時間起動して、電子システムのLEDの点滅、バッテリレベルの測定、BLE切断によるデータの再送信が必要かどうかの確認などの基本的なシステム操作を実行するためのものである。
【0151】
60sアンペロメトリ試験の平均電流消費(サンプリング間隔=1s)と、この試験中の3つのサンプリングイベントの瞬間電流を考慮した。電子システムは長いサンプリング間隔が与えられると主にスリープモードのままであるので、平均電流はサンプリングイベント間に見られる「スリープ」電流に近い。
【0152】
サンプリング間隔を1sに戻すと消費電流は1.06mAに戻り、電池寿命は4日と7.6時間となった。さらに、電子システムはBLEコマンドを介して超低電力モードにすることができ、それによって、すべての構成要素は、事前設定された持続時間の間、オフにされる。このモードでは、電子システムは53.5μAを消費する。連続サンプリングを用いてこの超低電力モードをデューティサイクルすることは、著しいバッテリ寿命の増加を可能にする。例えば、1分間の連続サンプリングモード(例えば、サンプリング間隔=1s)での10%デューティサイクルと、それに続く9分間の超低電力モードは、154μAの平均電流消費および約30日のバッテリ寿命をもたらす。
【0153】
ファームウェアのプログラミング。例示的な実装形態のうちの少なくともいくつかにおいて使用される電子システムのためのプログラミングおよび再プログラミング手順を説明する。プログラミングはUART接続(Tx、Rx、VCC、GND)を使用し、電子機器とファームウェアをホストするパーソナルコンピュータとの間の物理的接続を必要とした。これは、最初に6ピンMolex PicoBladeケーブルを介して電子機器をCypress BCM92073X_LE_KIT開発キットに接続し、マイクロUSBケーブルを使用してキットをパーソナルコンピュータに接続することによって達成された。開発キットは、シリアルUART信号をシリアルUSB信号に変換するオンボードFTDI USB-UARTインターフェースチップ専用に必要とされた。電子機器の初期プログラミングは、ファームウェアを構築し、それをエレクトロニクスにダウンロードするためのEclipseベースの統合開発環境(IDE)を提供するソフトウェア開発キット(SDK)であるCypress' WICED SMARTを使用して達成される。その後、電子機器のプログラミングヘッダ(能動部品を有していない)が遮断され、電子システムがセンサアレイと一体化される準備が整う。
【0154】
リプログラミングは、BLEを介したOTA(over-the-Air)アップデートによって実行できる。その後、OTA(Over-the-Air)アップデートを介してBLEを介してワイヤレスでプログラミングがなされる。これにより、今日の機敏なソフトウェア開発環境に合わせたファームウェア更新の迅速な展開が可能になる。
【0155】
例示的センサのインビトロ特性評価。各バイオセンサの性能を評価し、最適化するために、人工ISF溶液中でインビトロ特性評価を実施した。人工ISF溶液を調製した。各バイオマーカについて較正実験を実施し、各分析物の生理学的範囲をカバーした。0.6Vの印加電位で得られた電流測定反応(例えば、乳酸、アルコール、およびグルコースについてそれぞれ図23Bのパネル(aii)、(bii)、および(cii)を参照)、ならびに対応する検量線(例えば、図23Bのパネル(aiii)、(biii)、および(ciii)を参照)は、バイオセンサの優れた直線性を明らかにする。改変されたマイクロニードルデバイスを、含有溶液(例えば、1mL容量)の完全なシール、特定の標的分析物濃度(例えば、10mM乳酸塩、15mMアルコール、および10mMグルコース)でのスパイキング、および10分間隔での12時間のアンペロメトリ応答を記録するカスタム設計の電気化学チャンバーに取り付けることによって、バイオセンサの安定性を試験した。図23Bパネル(aiv)、(biv)、および(civ)に示すように、バイオセンサは、長期間にわたって顕著な安定性を示した。バイオセンサの選択性は、一般的な干渉種(例えば、アスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェン、トリプトファン、メチオニンおよびヒスチジン)を含む人工ISFに対して標的分析物の濃度を添加することによって検証した(例えば、図23Bのパネル(avi)、(bvi)、(cvi)を参照されたい)。
【0156】
センサのオンボディ特性評価。完全に滅菌されたセンサパッチを、両面医療テープおよび皮膚上のマイクロニードルパッチを覆うための追加のテープを使用して、各被験者の左腕または右腕上に配置した。試験は直ちに開始し、<6の初期データ点(例えば、<30分)を達成して安定したベースラインを形成し、その後、センサがバックグラウンドで動作している間に、活動(例えば、運動、食物、またはアルコール消費)を開始した。各活動のプロトコルは以下の通りである。
【0157】
乳酸連続検出:変化しない単一事象実験(図12A)において、各参加者は1分間の体スクワット(例えば、30回の反復)で始まる4分間の高強度運動を経て、直後に1分間のインターバルバイキング(例えば、3/10のレジスタンスを50RPMで30秒の低速低強度、続いて8/10のレジスタンスを50RPMで30秒の高速高強度)を実施し、その後、45秒の休止を経て、全て2回繰り返した。変化するマルチイベント乳酸塩実験(図12B)については、参加者は最初に、1分間の中程度の強度の自転車運動(すなわち、50 RPMおよび6/10のレジスタンス)を経て、次いで、上記の高強度運動セッションの4分間を経た。同様の4分間の高強度運動を、多重化乳酸-グルコース感知実験について実施した(図13)。
【0158】
グルコース連続検出:変化しない単一事象(図12A)について、各参加者は、コーラソーダポップの20オンスボトルとともにダブルクオーターポンドバーガーを消費した。変化するマルチイベントグルコース実験(図12B)については、参加者は最初に同じバーガーとコーラの組み合わせを消費し、次いでチーズケーキ(例えば、120g)と大きなリンゴ(例えば、200g)の1つのピースを消費した。両方の多重化感知実験について、両方の参加者が同じバーガーとコーラの組み合わせを消費した。
【0159】
アルコール連続検出:1グラスワイン(例えば、150mLの14.5%アルコール含有量)を、全てのアルコールモニタリング実験において消費した(図12A~13)。変化しない単一事象実験については、アルコールが急速な単一のショット(例えば、<5秒)で消費され、変化する複数事象実験については同じ1グラスワインが3回の機会に15分間の間隔で消費された(図12B)。5分間隔で60秒実施するアンペロメトリック実験はすべての実験について利用され、最後のデータ点は2点較正法を使用して、標準的な測定基準に対して較正された。
【0160】
乳酸、アルコールおよびグルコースのデータは、それぞれ市販の血中乳酸計(NOVA Biomedical)、アルコール検知器(BACtrack S80 Pro)および血中グルコース計(ACCU-CHEK)によって10分間隔で検証した。アルコールモニタリング試験の場合、および製造業者からの指示に従い、被験者は15分待ってから、呼気分析器によって彼らの呼気アルコール含有量を記録するように求められた。
【0161】
図14は、図8に示される、完全に統合された、非侵入型の、ワイヤレスで操作される、着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実施形態の分解画像を示す。例えば、センサの分解された構成要素は(左から右に)パッチエンクロージャキャップ、バッテリ、再充電コイル、PCB、ホルダB、スパイク付きマイクロニードル単一分析物5×5センサアレイ、複数の分析物センサアレイ(各センサアレイの下に各対応するカバーリングを有し、各センサアレイの上部に組み立てられた部品を有する)、ホルダA、および両面使い捨て医療テープを含む。
【0162】
図15は、例示的な電子サブシステムのための例示的なワイヤレス再充電ハードウェアの画像を示す。画像(a)は、無線電力伝送をサポートするためのコイルを有する、電子機器および送信機パッド(dC2771A-B WPT、Analog Devices、Inc、ウィルミントン、MA、USA)上の誘導結合コイルを示す。画像(b)は、充電性能を低下させることなく充電時にコイル間に空隙を提供する、電子機器上のプラスチックハウジングを示す。画像(c)は、接続されたマイクロUSBケーブルを介して電源を受け取る、送信機パッド上に配置された電子機器を示す。
【0163】
図16は、電子機器ユニットの例示的な実施形態の例示的な電力最適化実装のデータプロットを示す。図16のデータプロット(a)は、1回のサンプリングイベントに対する瞬間電流消費を示す。図16のデータプロット(b)は、最初の3つのサンプリングイベントにズームインされた60秒の試験(例えば、1sのサンプリング間隔)についての瞬間および平均電流消費(=1.06mA)を示す。図16の表(c)は、デューティサイクリングを介して平均電流消費を低減するために超低電力モード(例えば、電流消費=53.5μA)を利用するためのデータを提供する。
【0164】
図17は、本技術による装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実施形態のソフトウェア特徴に関連する図およびデータプロットを示す。図17パネル(ai)は、電子ユニットのプログラミングおよび再プログラミング工程を示す図を示し、例えば、ファームウェアをホストする外部コンピューティングデバイスからの初期プログラミング、プログラミングヘッダの除去、およびワイヤレスBLE通信によるOTA再プログラミングを含む。図17パネル(b)は、ダイナミックゲイン調節のために使用されるオートレンジシステムを示し、図(b)は本発明によるオートレンジアルゴリズム(方法)の流れ図を示し、データプロット(bii)はオートレンジシステムが利用可能な例示的な18レベルのそれぞれに対応する電流レンジを示す。図17のパネル(c)は、電子機器のための例示的なBLE動作を示す図である。BLE GATTサーバは、電気化学的試験を構成するためのBLEサービス、および試験測定データを含み、これにより、モバイルデバイスが電子機器の容易な制御のためのプロキシとして働くことを可能にする。
【0165】
図18は、電子ユニット120の例示的な実施形態(左上)についてのCWSボードと従来のポテンショスタット(左下)との間の比較研究に関連する図およびデータプロットを示す。PBS溶液中の30μM過酸化水素の標準添加に対するそれらのアンペロメトリック応答を含み、オーバーレイされた較正曲線(印加電位は600mVであった)を併せて示す。
【0166】
図19は、本技術によるスパイクマイクロニードルセンサアレイのための製造方法1900の例示的な実施形態の例示的なフロー図を示す。方法1900は、基板面上および/または基板面内にスパイクマイクロニードルおよびキャピラリマイクロ流体チャネルの配列をマイクロ加工する工程1910を含む(パネル(a)、(aii)、(aii)に示す)。例えば、キャピラリマイクロ流体チャネルを基板内にマイクロマシン加工するための工程1910を実施すると、以下が可能である:(i)基板上のスパイクマイクロニードル構造のシールを容易にするためのチャネル構造を作成する、(ii)例えば、方法1900の実施形態の後続工程において、スパイクマイクロニードル構造上に(例えば、露出した金属表面上に)誘電領域および/または絶縁領域を作成および画定する。例えば、カットオフラインは、誘電体および/または絶縁材料(例えば、ポリマー樹脂)の、カットオフラインで画定されたマイクロニードル構造体の本体領域に沿った所定の高さまでの流れを停止するように、マイクロニードル構造体のために設計することができ、それによって、感知領域(例えば、上部本体領域上の露出した導電性材料)の表面積が、スパイクマイクロニードル構造体の間で再現可能で均一であることを確実にする。
【0167】
工程1910のいくつかの実施態様において例えば、基板(例えば、矩形状PMMAブロック)[パネル(ai)]は中間状態[パネル(aii)]および最終状態[パネル(aiii)]となるように彫り込まれる。例えば、そのような中間状態は、円錐形状を有するスパイクマイクロニードル構造を含むことができ、これは、10°~85°の範囲の所望の先端角度を有するV溝CNCマイクロビットを使用して刻むことによって、および、(I)3~6krpmのスピンドル速度、(II)100~157m/分の表面速度、(III)700~1000mm/分の切削送り速度を使用することを含む2D輪郭CNC戦略を使用することによって、達成できる。さらに、例えば、細孔構造は、上記の例示的な機械加工パラメータを使用して、コーン形状の表面上のV溝CNCマイクロビットの先端によって作り出すことができる。さらに、例えば、巻き付け突起構造を含むマイクロニードル構造の実施形態において、スパイク付きマイクロニードルのスパイラル体は例えば、上述の例示的な機械加工パラメータにおいて、スパイク体のスパイラル構造を形成するために、2フルートマイクロCNCマイクロビットと、それに続く逆Tマイクロビットとを使用することによって形成され得る。また、例えば、工程1910における微細機械加工技術は、スパイク構造の外周に沿って下部本体内に微細流体流路を形成するためにドリルビットを使用することを含むことができる。方法1900の後続の絶縁材料工程中に、これらの機械加工された流路は、カットオフ領域まで、例えば再現性ラインまで硬化性樹脂ポリマーを運ぶことを担う。方法1900のいくつかの実施形態において、工程1910は、図33Aに関連して後述するマイクロマシニング方法3310の間の工程を含む。
【0168】
方法1900は、スパイクマイクロニードルのアレイを生成するために薄膜成膜およびエッチングを実行する工程1920を含む。プロセス1920のいくつかの実施態様では、例えば、プロセス1920は以下を含む:(i)パネル(bi)に示されるように、第1材料(例えば、PMMA)を薄膜堆積させて、清浄なスパイクマイクロニードルのバッチ(例えば、スパイクマイクロニードルのPMMAアレイ)を形成する、(ii)次に、パネル(bii)に示されるように、例えば、Cr/Pt/Agをスパッタリングして、スパイクマイクロニードルのCr/Pt/Agコーティングされたアレイを形成することによって、清浄なスパイクマイクロニードルのバッチに第2材料を薄膜堆積させて、スパイクマイクロニードル上に第1コーティングを形成する、(iii)続いて、パネル(biii)に示されるように、作業および対極マイクロニードルマイクロ電極として指定されるスパイクマイクロニードルから導電性材料(例えば、Ag)をエッチングし、その後、例えば、導電性材料の塩素化(例えば、基準微小電極としてAg-AgClへAgを塩素化する)などのように基準電極を準備する。
【0169】
工程1900はパネル(biv)に示されるように、1つ以上の作用微小電極領域(例えば、1つ以上のWE微小針のセット)、少なくとも1つの対微小電極領域(例えば、1つ以上のCE微小針のセット)、および少なくとも1つの基準微小電極領域(例えば、1つ以上のRE微小針のセット)を電気的に絶縁するための工程1930を含む。工程1930のいくつかの実装形態において、電気的に絶縁された微小電極領域の形成は、トレース上の機械的摩耗を使用して(たとえば、手動またはCNCを使用して)薄膜金属を除去すること、および/またはレーザ機械を使用して薄膜金属を除去することによって達成され得る。工程1930の実施形態は、スパイクマイクロニードルアレイの製造を完了することができる。
【0170】
いくつかの実施形態において、例えば、方法1900は製造されたスパイク付きマイクロニードルアレイ上にカバー(例えば、リングカバー)を組み立てるための工程1940を含み、その後、スパイク付きマイクロニードル電極構造を画定し、封止することができる。例えば、工程1940のいくつかの実装形態において、工程1940は、結合を形成することと、カバーおよびマイクロニードルアレイを封止することとを含み、封止工程は感知領域を画定する。そのような実施形態において、例えば、カバー片はまず、光硬化性樹脂の薄層を含有する浴中に浸漬することができる;次いで、カバーをマイクロニードルアレイに押し付け、続いて、UV硬化させて、2つの構成要素間に結合を形成することができる。また、そのような実装形態において例えば、結合されたピースを封止するために、光硬化性樹脂は最初に、カバーピースとマイクロニードルアレイピースとの間の界面を取り囲むマイクロ流体流路に対して導入され、これはマイクロ流体流路を通ってマイクロニードルの本体に向かってカットオフラインまでの光硬化性樹脂の自発的な毛細管駆動流を引き起こし、樹脂はその後、硬化されて、マイクロニードルの基部に封止構造を作り出すことができる。
【0171】
図20は、本技術による着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実装のための、WE/CE/RE比研究に関連する図および例示的なデータを提示する図を示す。図20のパネル(ai)および(aii)は、0(PBS)、30、60、および90μMの過酸化水素の存在下で、それぞれ12/12/1の比率のWE/CE/REおよびその対応するアンペロメトリックシグナルを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイの図を示す。図20のパネル(bi)および(bii)は、0(PBS)、30、60、および90μMの過酸化水素の存在下で、それぞれ12/8/1の比率のWE/CE/REおよびその対応するアンペロメトリックシグナルを有する例示的なスパイクマイクロニードルアレイの図を示す。図20のパネル(ci)および(cii)は、0(PBS)、30、60、および90μMの過酸化水素の存在下で、それぞれ12/5/1のWE/CE/REおよびその対応するアンペロメトリシグナルを有する例示的なスパイクドマイクロニードルアレイの図を示す。図20のパネル(di)および(dii)は、0(PBS)、30、60、および90μMの過酸化水素の存在下で、それぞれ12/3/1のWE/CE/REおよびその対応するアンペロメトリシグナルを有する例示的なスパイクドマイクロニードルアレイの図を示す。図20のパネル(e)は、感知媒体中の過酸化水素濃度に対する3つ全ての微小電極比およびそれらのアンペロメトリック応答の重ね合わせた結果を示すデータプロットを示す。
【0172】
図21は、例示的な個々の使い捨てスパイクマイクロニードルアレイ(例えば、5×5スパイクマイクロニードルを有する)を個々の対象の皮膚に適用することの視覚的影響を示す一連の画像を示す。画像(b)~(g)は、それぞれ、除去時間の0分後、3分後、30分後、1時間後、3時間後、および24時間後のセンサパッチの除去後の対象の皮膚に対する例示的なセンサの視覚的影響を示す。
【0173】
図22は、本技術による装着型マイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実装形態における、例示的なセンサ滅菌プロセスおよび細胞毒性研究からの例示的なデータを示す。図22パネル(ai)は、使い捨てマイクロニードルセンサ構成要素および再使用可能な電子構成要素を有するスパイクマイクロニードルアレイセンサデバイスの例示的な実施形態を示す図を示す。図22パネル(aii)は、J774セルを用いた対応するインビトロセル毒性試験を伴う、24時間のオートクレーブおよびUVc工程によって開始する、センサ装置の使い捨て構成要素の滅菌工程を示す。図22パネル(bi)は、紫外線(A)およびオートクレーブ(B)によって滅菌されたスパイクマイクロニードルパッチセンサとのインキュベーション後の生細胞および死細胞の典型的な顕微鏡画像を示し、ここで、BFは明視野画像を指し、GFPは蛍光顕微鏡画像における緑色蛍光タンパク質を指し、ここで、GFP:カルセインAM標識生細胞、およびRFP:ヨウ化プロピジウム標識死細胞(スケールバー:50μM)である。図22パネル(bii)は、J774マクロファージと共にインキュベートされた場合の紫外線およびオートクレーブによって滅菌されたスパイクマイクロニードルパッチの細胞毒性を示す棒グラフを示す。図22のパネル(ci)は、感知層の固定化後の使い捨てセンサ構成要素のレベルII UVc滅菌処理を示す図を示す。図22(cii)は、それぞれのセンサに対するレベルII滅菌の影響を、それらの感受性の低下に関して示す棒グラフを示す。図22(ciii)は、使い捨てセンサが完全に滅菌されている、人間の対象皮膚上の滅菌された完全に一体化されたセンサのイメージを示す。
【0174】
図23Aは、例示的なインビトロ研究において乳酸、グルコース、およびアルコールを測定するように構成された、本技術によるスパイクマイクロニードルアレイセンサデバイスの例示的な実施形態の図を示す。
【0175】
図23Bは、図23Aに示されるスパイクマイクロニードルアレイセンサデバイスの例を使用したインビトロ研究からのデータの例のデータプロットを示す。図23Bパネル(aii)~(aiii)は、乳酸塩センサのアンペロメトリ検量線および外挿された線形反応を示す。図23Bパネル(avi)~(av)は、12時間の乳酸センサの安定性に関するデータを示す。図23Bパネル(avi)~(avii)は、(A)アスコルビン酸(200mM)、尿酸(500mM)、アセトアミノフェン(100mM)、トリプトファン(500mM)、メチオニン(500mM)、およびヒスチジン(500mM)をそれぞれB~Gに添加した際の、人工液中の乳酸塩センサの妨害試験からの結果を示す。図23Bパネル(bii)~(biii)は、グルコースセンサのアンペロメトリ検量線および外挿線形反応を示す。図23B(biv)~(bv)は、12時間のグルコースセンサの安定性に関するデータを示す。図23Bパネル(bvi)~(bvii)は、(A)アスコルビン酸(200mM)、尿酸(500mM)、アセトアミノフェン(100mM)、トリプトファン(500mM)、メチオニン(500mM)、およびヒスチジン(500mM)をそれぞれB~Gに添加した際の、人工液中のグルコースセンサの妨害試験からの結果を示す。図23Bパネル(cii)~(ciii)は、アルコールセンサの電流測定検量線および外挿線形反応を示す。図23Bパネル(civ)~(cv)は、アルコールセンサの12時間安定性に関するデータを示す。図23Bパネル(cvi)~(cvii)は、(A)アスコルビン酸(200μM)、尿酸(500μM)、アセトアミノフェン(100μM)、トリプトファン(500μM)、メチオニン(500μM)、およびヒスチジン(500μM)をそれぞれB~Gに添加した際の、人工液中のアルコールセンサの妨害試験からのデータを示す。
【0176】
図24は、本技術による装着型スパイク付きマイクロニードルアレイセンサデバイスのための特徴を制御し、データを表示するためのソフトウェアアプリケーション(アプリ)の例示的な実施形態のための例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の図を示す。パネル(a)は、アプリがセンサパッチデバイスを検索し、センサパッチデバイスに接続する例示的なBluetooth接続ページを示す。パネル(b)は、アンペロメトリ実験、その時間、各試験間の遅延間隔が定義される例示的な試験設定ページを示す。パネル(c)は、テストパラメータが挿入される、例示的な個々のテスト構成ページを示す。パネル(d)は、最大4つのセンサが独立して動作するように定義され得る例示的な電極選択ページを示す。パネル(e)は、例示的な複合ビューページを示し、特定の試験のアンペロメトリ結果がすべて示される。パネル(f)は、例示的なサマリービューページを示し、特定の試験期間にわたる検知プロファイルが表示される。
【0177】
図25は、例示的な使い捨てセンサ構成要素および例示的な再使用可能構成要素が組み立てられ、対象の腕に配置され、その後信号品質試験が実施されることを示す画像を示す。
【0178】
図26は、対象の皮膚にセンサを適用した後に実施するための例示的な信号品質試験ページを示す、ソフトウェアアプリケーション(アプリ)の例示的な実施形態のための例示的なGUIの図を示す。
【0179】
完全に一体化された着用可能なマイクロニードルプラットフォームを介したグルコース、乳酸塩、およびアルコールを含む単一および複数の分析物の連続的なリアルタイムモニタリングによる実施例
【0180】
開示されたスパイクマイクロニードルセンサ技術は、コンパクトで非侵襲的なウェアラブルセンサプラットフォームにおいて、複数の個々のISFバイオマーカの連続的なモニタリングを提供することができる。乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体、およびナトリウム(例えば、モデル分析物として)の連続モニタリングを含む、例えば人被験体上での実施形態スパイクマイクロニードルウェアラブルセンサパッチを説明し、実施形態結果は、長期間における分析物の標準測定値に対して十分に相関する。
【0181】
記載されたコンパクトで非侵襲性の着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームを使用して、皮膚ISFからの分子レベルの電気化学信号は、(i)スパイクマイクロニードルの表皮挿入先端によって連続的かつ選択的に収集され、(ii)電子機器(例えば、工学的に再使用可能な電子機器ユニットであるか、または市販のポテンショスタットである)を介してノイズのないセンサ-電子機器インターフェースから運ばれ、(iii)ユーザが受信された信号を見て、それに応じて潜在的に行動するために、ディスプレイ(例えば、スマートフォン、および/またはパーソナルコンピュータ)上に表示される。乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸塩)、およびナトリウムのリアルタイムで非侵襲的な連続モニタリングのための例示的な小型の着用可能なマイクロニードルセンサプラットフォームの例示的な実装が、以下で論じられる。
【0182】
図27は、本技術による、例示的な装着型非侵襲性電気化学センサパッチデバイスの模式図を示す。概略図は、マイクロニードルパッチ(上-右、下-左、および下-右)上に配置されたスパイクマイクロニードルのアレイのスパイクマイクロニードルジオメトリ(上-左)の例を示す。
【0183】
図28Aは、乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体、およびナトリウムのリアルタイムで非侵襲的な連続モニタリングのための例示的な実装形態において実装される、ユーザの皮膚に挿入される例示的な装着型非侵入型電気化学センサパッチのスパイクマイクロニードルのアレイの図を示す。例示的な装着型非侵入型マイクロニードル電気化学センサパッチは、以下を含むように構成された:(i)スパイクマイクロニードル微小電極設計、これを用いて、(ii)単一または多検体検知のための1つまたは複数の試薬検知層(マイクロニードル微小電極センサ上)を収容する、(iii)マイクロニードルアレイ基板をカバーに対して効果的に封止して、高い信号対雑音信号検出を確実にし、再使用可能な電子部品とインターフェース接続することができる使い捨て検知構成要素を容易にする、新しい費用効果的でスケーラブルな製造技術。
【0184】
図28Bは例えば、対象の皮膚のISFにおける乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸塩)、および/またはナトリウムのモニタリングのための実施例において使用された、図28Aの図に示される装置のスパイクマイクロニードルアレイを含む、例示的な装着型非侵入型電気化学センサパッチの画像を示す。図28Bは、スパイクマイクロニードルチップの例、ならびにスパイクマイクロニードルアレイを有する基板表面およびスパイクマイクロニードルセンサアレイの引き抜き後の対象の皮膚の画像の拡大画像を示す。
【0185】
例示的なウェアラブルで非侵入性のスパイクマイクロニードル電気化学センサパッチは、試薬感知層(複数可)の変更のためにアレイで設計された円錐形状の固体スパイクマイクロニードルを有するように構成され、単一のパッチにおいて特定の幾何学的範囲および構成を有する。例えば、円錐形の固体マイクロニードルは、850μM~1,000μMの高さおよび150~250μMの直径を含むように構造化することができる。スパイクマイクロニードルはデュアルおよびシングルセンシングのためのシングルパッチに配置することができ、デュアルセンサのためのセンシング領域間の間隔は、センサ間のクロストークを最小限にするために7~20mmに調整することができる。スパイクマイクロニードルアレイパッチは、マイクロニードルカバーとマイクロニードルベースとの間にドロップキャストされる生体適合性の光硬化性樹脂によって封止することができる。例えば、樹脂は再現可能な様式で微小電極をラインまで絶縁するラインへの毛細管力のシフトによって、分離ライン(例えば、350~250ミクロンまたは350~150ミクロンの直径シフト)へ自然に移動される。対象の皮膚のISF中の乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸塩)、および/または塩イオン(例えば、ナトリウム)のモニタリングのための例示的な実装形態において、スパイクされた微小針は、図2Aに先に示された例示的なスパイクされた微小針微小電極などの巻き突起(例えば、スパイラル巻き突起)を有する。
【0186】
マイクロニードルカバーは、円形状のマイクロニードルアレイ基板用のリングカバーとして構成することができる。マイクロニードルカバーの使用は、装着型スパイク付きマイクロニードルアレイセンサデバイスを実装するときに、スパイク付きマイクロニードルの皮膚への無痛挿入を促進するのを助ける。例えば、マイクロニードルカバーは、マイクロニードルセンサアレイ上に設計され、一体化され得る。リングカバーの例示的な実施形態において、マイクロニードルカバーは、マイクロニードルのより良好な貫通のための皮膚のための湾曲、ならびに皮膚との電子的接触からのマイクロニードルアレイベースの保護を提供することができる。皮膚上のリングカバーの湾曲はマイクロニードルの貫通の容易さを増強し、貫通の感触は無視できる。グルコース、乳酸塩、アルコール、ケトン体、および塩イオンの単一および/または多検体モニタリングのための実施例で使用されるリングカバーの例を図27に示す。
【0187】
例示的な装着型非侵入型スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチは、スパイクマイクロニードル電極構造体のまたはこれに接続された導電性接点と、例えば摩擦E-接続システムを介して電子ユニットの対応する導電性接点との間の工学的電子インターフェースを含む。例えば、摩擦ベースのピンおよび対応するピンホールは、センサと電子部品との間の堅牢でノイズのない接触を可能にする。いくつかの実施形態において例えば、摩擦ベースのピンは、カスタム設計されたPCB/ピンはんだ付け方法を使用して、例示的なPCBに対して垂直交差して機械的に位置合わせされる。摩擦E-接続システムの例示的な実施形態は、図4A図4Cおよび図5に関連する前述の説明において説明される。
【0188】
例示的な装着型非侵入型マイクロニードル電気化学センサパッチは、単検体または多検体検知のための1つ以上の試薬検知層(マイクロニードル微小電極センサ上)を含むように構成される。これは、乳酸塩/グルコース、アルコール/グルコース、乳酸塩/グルコース/アルコール、グルコース/ケトン体、乳酸塩/ケトン体、乳酸塩/ナトリウム、または乳酸塩、グルコース、アルコール、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸塩)、もしくは塩イオン(例えば、ナトリウム)の任意の個々のもしくは組み合わせを含むが、これらに限定されず、連続的な単検体または多検体監視のためのものである。グルコース監視のための例示的な実施形態において、例示的な装着型非侵入性スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチは、センサの内層としてポリ-o-フェニレンジアミン(PPD)を電着し、続いて混合グルコースオキシダーゼ(GOx)-キトサンおよびグルタルアルデヒド架橋剤(および/またはポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDE)架橋剤)の最適化された組成物を滴下することによって構成される;最終ステップは、最適化された量の非イニオン性界面活性剤(例えば、TritonX-100)を含有するポリ塩化ビニル(PVC)の外側ポリマー層でセンサをコーティングすることを含む。乳酸モニタリングのための例示的な実施形態において、例示的な装着型非侵入性スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチは、センサの内層としてポリ-o-フェニレンジアミン(PPD)を電着し、続いて、最適化された量の酵素乳酸オキシダーゼ(LOx)および架橋剤(例えば、PEGDEまたはグルタルアルデヒド)をドロップキャスティングし、続いてキトサンおよびPVC-界面活性剤ポリマー膜を順次ドロップキャスティングすることによって構成された。アルコールモニタリングのための例示的な実施形態において、例示的な装着型非侵入性スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチは、センサの内層としてPPDを電着し、続いて混合アルコールオキシダーゼ(AOx)-キトサンの最適化された組成物をドロップキャストすることによって構成され、最終ステップはTritonX-100界面活性剤を含有するPVCの外側ポリマー層でセンサをコーティングすることを含む。
【0189】
ケトンモニタリングのための例示的な実装形態において、例示的な着用可能な非侵入スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチが以下によって構成された。ベータ-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(HBD)酵素およびフェロセン誘導体分子は両方とも、炭素被覆スパイクマイクロニードル構造の表面上の分岐ポリエチレンイミン(PEI)に共有結合し、続いてグルタルアルデヒド架橋し、そして特定の濃度の非イオン性界面活性剤トリトンX-100を含む、生物付着耐性外側ポリマー層、PVCによって被覆する。
【0190】
標的塩イオン(例えば、ナトリウム)を介した水和監視のための例示的な実装形態において、例示的な装着型非侵入性スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチが以下によって構成された。ナトリウムイオノフォア、イオン交換体、可塑剤およびPVCポリマーを、調整された最適化された比率で混合し、テトラヒドロフラン溶媒に溶解して、炭素被覆スパイクマイクロニードル構造体の表面上にナトリウム感受性カクテル層を形成する。
【0191】
図28Cは、特定のバイオマーカに対するセンサの感度を可能にする、特定のスパイクマイクロニードル上に堆積され得る感知層を示す図を示す。例えば、スパイクマイクロニードル構造は、(i)連続グルコースモニタリング、(ii)連続乳酸塩モニタリング、(iii)連続アルコールモニタリングに関して、上記で概説された特定のバイオマーカの電気化学的センシングのための各々の独特の組成/配列を作り出すための、特定の酵素およびポリマーの再現可能なコーティングプロセスによって、電極として構成される。図28Cの図は、そのようなコーティングプロセスの例示的な概略図を示す。例えば、スパイクマイクロニードルセンサの例の各々において、酵素負荷およびポリマー層の厚さと架橋度は、それらの生理学的範囲内で高感度で選択的な検体検知を可能にする一方で、バイオファウリングおよび異物応答の問題を最小限にし、したがってセンサの動作寿命を最大限にするように、慎重に最適化される。連続グルコースモニタリング、乳酸モニタリング、およびアルコールモニタリングのために構成された微小電極のための変形例スキームも、上記で論じた図23Aに示されている。
【0192】
グルコース、乳酸塩、アルコール、ケトン体、および/または塩イオンの単一および/または複数検体検知の例示的な実装形態について、例示的なウェアラブル非侵入スパイクマイクロニードル電気化学センサパッチは例えば、図19で論じられた例示的な方法1900を使用することができる、微細機械加工、3D印刷、および/または微細射出成形技術、例えば、製造戦略シーケンス、パラメータ、およびツールを使用して、開示された費用効率の高いマイクロニードルセンサ製造方法に基づいて製造された。
【0193】
図29は、図28A~28Bに示される例示的な装着型非侵入型電気化学センサ装置を使用した、グルコース(左のプロット)、乳酸(中央のプロット)、およびアルコール(右のプロット)の連続モニタリングのための例示的なヒト試験結果を示すデータプロットを示し、データプロットはまた、それぞれ(例えば、対照として)血糖計、血中乳酸計、および呼吸分析器を含む従来の機器によって記録された、これらの分析物についての検証データを示す。図29のデータプロットが示すように、着用可能な非侵入型電気化学センサ装置によって測定されたデータは、従来の機器によって測定されたデータ、特にグルコースおよび乳酸塩の測定値と一致する。
【0194】
図30は、図28A~28Bの例示的な着用可能な非侵入型電気化学センサパッチを使用した、2人のヒト被験体上の(A)グルコースおよび乳酸、ならびに(B)グルコースおよびアルコールについての、それぞれ、例示的な身体上の多重感知を示すデータプロットを示す。例示的な実装形態において、センサが標的分析物グルコースおよび乳酸を連続的に測定している間に、ヒト被験者Aは、運動、摂食、およびより多くの運動(トップデータセット)を実施した。また、実施例において、センサが標的分析物グルコースおよびアルコールを連続的に測定している間に、ヒト被験者Bは、アルコールおよび食事(底部データセット)を摂取した。
【0195】
図31は、図28A~28Bの例示的な装着型非侵入型電気化学センサパッチを使用してケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸塩)を連続的にモニタリングするための例示的なヒト試験結果を示すデータプロットを示す。データプロットにおいて、ベータ-ヒドロキシ酪酸塩データは、暗い色の連結(青色)ドットおよび左軸によって示され、明るい色の連結されていない(オレンジ色)ドットおよび右軸によって示される従来の市販の機器を使用して実施された検証データと共に示される。この実施例のデータは、実施例のケトン体モニタリング研究において使用された、着用可能で非侵入性の電気化学センサパッチの実施例が、ヒト被験体におけるβ-ヒドロキシ酪酸の量を効果的に特徴付けたことを実証する。
【0196】
図32は、図28A~28Bの例示的な着用可能な非侵入型電気化学センサパッチを使用した、(ナトリウムイオンレベルのモニタリングを介して)身体の水和レベルの連続モニタリングのための例示的なヒト試験結果を示すデータプロットを示す。データプロットにおいて、矢印は、ヒト被験者が特定の量の塩味のあるチキンスープを経口摂取した時点、次いで水を摂取した時点を示す。この実施例データは例えば、被験者の水和レベルについてのリアルタイム情報を提供する、例えば、ナトリウムモニタリングを介して、ヒト被験者における水和レベルをモニタリングするために、例示的な装着型非侵入型電気化学センサパッチを使用できることを実証する。
【0197】
図33Aは、本技術によるスパイクマイクロニードルセンサアレイの微細加工のための製造方法3310の例示的な実施形態の例示的なフロー図を示す。方法3310のいくつかの実装形態において、方法3310は、基板上または基板内に形成されたマイクロチャネルのアレイを有する基板から突出するスパイクマイクロニードルのアレイをマイクロ加工するために使用される。方法3310は、スパイクマイクロニードル(および任意選択でマイクロチャネル)を含む3D構造体を含むスパイクマイクロニードルアレイのためのコンピュータ支援モデル/設計(たとえば、Fusion 360、Solidworksなどの3DモデリングソフトウェアにおけるCAM/CAD設計)を作成または取得する工程3311を含む。方法3310は、設計に従って、マイクロコンピュータ数値制御(CNC)マシン内に機械加工される基板(例えば、PMMAなどのバルク材料)を配置する工程3312を含むことができる。方法3310は例えば、各シーケンスで適宜CNCビットおよび/またはドリルを使用して、基板上にスパイクマイクロニードル構造のアレイを形成するための一連の刻みおよび/または切断工程を実行する(CNC機械加工を実施するための)工程3313を含むことができる。
【0198】
方法3310のいくつかの実装形態においてたとえば、(工程3313における)穴の刻み/切断は50~1,000μMの範囲のドリルビットを使用することができ、CNC機械による刻み/切断は1μM~1mmの範囲のステップサイズで500~25,000rpmのスピンドル速度を適用する。また、工程3310のいくつかの実装形態において、例えば、(工程3313での)バルク材料除去のために、穿孔手順は、500rpm~12,000rpmのスピンドル速度、40~120m/分の表面速度、50~1,000mm/分のプランジ連合体、および0.01~0.1mmの回転当たりの送り、および50~1,000mm/分の後退速度を含むことができる。
【0199】
方法3310のいくつかの実装形態において例えば、工程3313は微細化マイクロ刻み工程を含む;微細化マイクロ刻み工程のいくつかの実施形態において、刻みステップのための2D適応(または2Dポケット)クリアリングまたは3D適応(または3Dポケット)クリアリング手順は、100~500μMの直径、500~15,000rpmのスピンドル速度、および20~100mm/分の送り速度を有するCNCビットフラット2~4フルートを使用することを含むことができる。
【0200】
図33Bは、本技術によるスパイクマイクロニードルセンサアレイのマイクロキャスティングのための製造方法3320の例示的な実施形態の例示的なフロー図を示す。方法3320のいくつかの実装形態において、方法3320は、表面上または基板内に形成されたマイクロチャネルのアレイを有する、基板構造から突出するスパイクマイクロニードルのアレイをマイクロキャストするために使用され、これは、スパイクマイクロニードルアレイの鋳型のためのマスタ構造を作成する第1段階と、反復可能なマイクロキャスト製造のためのスパイクマイクロニードルアレイの鋳型を作成する第2段階と、鋳型からのマイクロキャストを介してスパイクマイクロニードルアレイのユニットを生成する第3段階とを含む、3フェーズプロセスを有する。
【0201】
方法3320は、スパイクマイクロニードル(および任意選択でマイクロチャネル)を含む3D構造体を含むスパイクマイクロニードルアレイのためのコンピュータ支援モデル/設計(たとえば、Fusion 360、Solidworksなどの3DモデリングソフトウェアにおけるCAM/CAD設計)を作成または取得する工程3321を含む。方法3320は、コンピュータ支援モデル/設計に従ってスパイクマイクロニードルアレイのためのマスタ構造を作成する工程3322を含むことができる。工程3322のいくつかの実装形態において、例えば、スパイクマイクロニードルアレイの特徴が高解像度特徴(例えば、5μM以下)を含む場合、工程3322は、超高解像度3D印刷技術、CNC技術(例えば、工程3312におけるよう)、または2光子リソグラフィ技術を利用して、アレイのためのマスタ構造を作成することを含むことができる。工程3322のいくつかの実装形態において例えば、スパイクマイクロニードルアレイの特徴が超高解像度特徴を含まない場合、工程3322は、マイクロマシニング技法またはフォトリソグラフィ技法を利用することを含むことができる。
【0202】
方法3320は、スパイクマイクロニードルアレイのマスタ構造を使用して、スパイクマイクロニードルアレイのためのモールドを作成する工程3324を含む。工程3324のいくつかの実装形態においてたとえば、工程3324は、マスタ構造上および/または中に成形材料を堆積させることによって、成形材料(たとえば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)またはシリコーン系エラストマーを含むが、これらに限定されない)を使用して型を作製すること;スパイクマイクロニードルアレイの金型を作製するために、マスタ構造上/中で成形材料を脱気および熱処理し、作製された金型からマスタ構造を除去すること;を含む。方法3320の実施態様では、例えば、工程3324を繰り返して、工程3322で製造された単一のマスタ構造から複数の金型を作製することができる。
【0203】
方法3320は、基板上にスパイクマイクロニードル構造のアレイを形成するために、作製されたモールド内に基板構造をキャストする工程3326を含む。工程3326のいくつかの実装形態において、例えば、工程3326は、生体適合性材料を鋳型内に堆積させること、堆積された生体適合性材料を鋳型内で脱気すること、および脱気された生体適合性材料を、例えばUV光および/または加熱によって硬化させることによって、生体適合性ポリマー材料(例えば、UV硬化性樹脂)を鋳造することを含む。方法3320の実装形態において、例えば、工程3326を繰り返して、工程3324で製造された単一の型から複数のスパイクマイクロニードルアレイユニットを作製することができる。
【0204】
細孔チップ、ボディチャネル、および/または相互係止エッジを有するスパイクマイクロニードルセンサアレイの実施例
【0205】
開示されたスパイクマイクロニードルセンサ技術は、コンパクトで非侵襲的なウェアラブルセンサプラットフォームにおいて、対象のユーザの皮膚からのマイクロニードルセンサの挿入、装着、および/または除去から対象ユーザに引き起こされる痛みを低減しながら、(例えば、皮膚-電極界面において典型的に引き起こされる電気的ノイズを低減することによって)信号対雑音比を増加させるように、複数の個別のISFバイオマーカの連続的なモニタリングを提供することができる。本技術に従って、スパイクマイクロニードル構造例の特定の特徴がスパイクマイクロニードルアレイセンサデバイスのためのこれらの能力をどのように提供することができるかを、例えば、ヒト被験者について実証するさらなる例示的な実施形態および例示的な実装について説明する。
【0206】
図34Aは、装置100の開示された実施形態のいずれかのスパイクマイクロニードルアレイにおいて使用され得る、3411とラベル付けされたスパイクマイクロニードル構造の例示的な実施形態の様々な態様を示す例示的な図を示す。スパイク付きマイクロニードル構造体3411の例は、終端部(頂点3411A)を有する先端領域3411Tに達する本体領域3411Bを含む。この例において、本体領域3411Bは円筒形状を含み、先端領域3411Tは円錐形の先端を含む。いくつかの実施形態において、円錐形先端部は頂点3411Aにおいて28°の先端角度を含む(例えば、200μMの直径および355μMの高さを有する)が、先端領域3411Tおよび/または頂点3411Aのサイズは(例えば、所望の用途に応じて)異なり得ることが理解される。本体領域は、境界領域3411BBで接合された上部セグメント3411BUおよび下部セグメント3411BLを含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、スパイクマイクロニードル構造3411は、本体領域3411Bの上部セグメント3411BUの少なくとも一部分の周りに巻き付く突起3412を含むことができる。図34に示す例において、スパイクマイクロニードル構造3411の突出部3412は例えば、上側セグメント3411BUの上部から上側セグメント3411BUの底部まで、例えば、境界領域3411BBまで連続的に巻き付く螺旋状の突出部を含む。一方、いくつかの実施形態において例えば、突出部3412は、上部セグメント3411BUの少なくとも一部分の周りに巻き付く複数の突出部の間に1つまたは複数の隙間を有する不連続突出部であってもよい。また、いくつかの実施形態において例えば、突出部3412は様々な螺旋角度の螺旋構成であってもよい。例えば、突起3412は、それ自体がマイクロニードルセンサアレイを受容する所望の用途または対象に基づくマイクロニードル構造のサイズに依存して、少なくとも10°、または少なくとも20°、または少なくとも30°、または少なくとも40°、または少なくとも50°、または少なくとも60°など~89°の螺旋角度を有する螺旋突起であり得る。例えば、人間の被験者のためのいくつかの実施形態において、突出部3412は、少なくとも10°~60°の範囲の螺旋角度を有する螺旋突出部であってもよい。スパイクマイクロニードル構造3411のいくつかの実施形態において例えば、突出部3412は1つまたは複数の鉛直突出部(図示せず)を含み、これは例えば、上側セグメント3411BUの上部から上側セグメント3411BUの底部まで、例えば、境界領域3411BBまで、連続的に(または不連続的に)下方に及ぶ。スパイクマイクロニードル構造3411のいくつかの実施形態において、例えば、突出部3412は1つまたは複数の側方突出部(図示せず)を含み、例えば、側方突出部は上側セグメント3411BUの円周に沿って広がることができ、複数の側方突出部は上側セグメント3411BUの上部から上側セグメント3411BUの底部まで、例えば、境界領域3411BBまで、上側セグメント3411BUの外壁に沿って分配される同心状突出部として構成され得る。スパイクマイクロニードル構造3411のいくつかの実施形態において、例えば、先端領域3411Tは5μM以下、または2μM以下の寸法(例えば、直径または長さ)を有する頂点3411Aを有する円錐形状を含む。
【0208】
いくつかの実施形態において、スパイクマイクロニードル構造3411は、先端領域3411上に分布された複数の細孔3411TP(例えば、マイクロスケールサイズの細孔、「マイクロ細孔」、0.5μM~20μMの範囲内、または0.5μM~10μMの範囲内であり得る)を含むことができる。いくつかの実装形態において、細孔3411は、1つまたは複数の化学化合物を付着させて、生体液中の標的分析物と相互作用するように構成された機能層116を提供するように構成される。例えば、細孔3411は1つまたは複数の化学化合物(例えば、試薬)を付着させて、スパイクマイクロニードル構造3411に対して曝露された生体液中の標的分析物を含む電気化学反応を促進し、スパイクマイクロニードル構造3411の電極部分(例えば、先端領域3411Tまたは先端領域3411Tおよび本体領域3411Bの上部セグメント3411BUにおいて導電性材料を含むセンサ電極部分)で検出可能な電気信号を生成することができる。
【0209】
いくつかの実施形態において、スパイクマイクロニードル構造3411は、下側セグメント3411BLの底部と境界領域3411BBとの間に延在する、例えば、垂直方向、傾斜方向、または他の方向に延在することができる複数のチャネル3414を含むことができる。図34Aに示す例において、複数のチャネル3414が垂直チャネルとして構成される。複数の流路3414のいくつかの実施形態において、例えば、流路は断面挿入部3499に例示されるように、流路3414の外面3414SOから流路槽3414CBまで、少なくとも1つの内向きに先細る側壁を含むように構成される。
【0210】
スパイクマイクロニードル構造3411のいくつかの実装形態において、境界領域3411BBは、(例えば、上側セグメント3411BUおよび下側セグメント3411BLの界面直径よりも小さい直径を有する)円周方向凹部を含み、これはマイクロ流体封止材(例えば、ポリマー樹脂)の自律的な流れが流れを停止する場所を提供するカットオフライン(例えば、カットオフライン421)を提供することができ、封止材を硬化させて、スパイクマイクロニードル構造3411の密封ベース3415を形成することを可能にする。左側の図は例示的なスパイクマイクロニードル構造3411の下にある構造を示し、例えば、硬化されて封止基板3415を形成するためのマイクロ流体チャネル3414を通る樹脂の毛細管流の前である;図34Aの右側の図は、本体領域3411Bの下側セグメント3411BL上に封止基板3415を形成した後の例示的なスパイクマイクロニードル構造3411を示す。様々な実装形態において、例えば、マイクロ流体流路3414は、マイクロ流体流路3414の深さ、幅、および間隔を含む、毛細管流れの制御を容易にするようにサイズ決定され得る。これは、例えば、異なる直径に変えることができる、封止された基板3415の厚さの制御も可能にする。カットオフラインの位置は、異なる高さに構成されるように封止基板3415の高さを制御することができる。
【0211】
例えば、実装形態において、スパイク付きマイクロニードル構造3411は感知安定性および表面積を向上させることができ、本体領域3411B上の例示的なスパイラル突出部3412(例えば、裸の金属部分)は、スパイク付きマイクロニードルアレイセンサデバイスの例示的な実施形態のスパイク付きマイクロニードルアレイの無痛皮膚挿入を、例えば、再現性を伴って容易にすることができる。さらに、例えば、境界領域3411BBにおける例示的なカットオフラインは、カットオフラインに向かう自発的な封止材吸引のために、例示的な鉛直マイクロ流体チャネル3414によって促進される封止された基板3415を作り出すための再現可能な封止を提供することができる。
【0212】
図34Bは、図34Aに示されるスパイクマイクロニードル構造3411の実施形態による、例示的な単一スパイクマイクロニードル構造の画像を示し、本体領域の上部セグメントにおける螺旋状突出部、カットオフライン境界、および本体領域の下部セグメントにおける複数の垂直マイクロ流体チャネルを描写する。図34Bの例において、スパイクマイクロニードル構造は、鉛直マイクロ流体チャネルのための100μMチャネル深さを含む。
【0213】
図34Cは、図34Aに示されるスパイク付きマイクロニードル構造体3411の実施形態によるスパイク付きマイクロニードル構造体の例示的な実施形態を示す図を示し、スパイク付きマイクロニードル構造体3411の突起3412は、頂点3411Aから離れるように下方に向けられた終端部分3412Xを含み、突起上に相互係止エッジ3412Eを形成する。図34Cに示される例示的なスパイクマイクロニードル構造を備えるマイクロニードルセンサ装置の実装形態において、装置はノイズを低減することができ、それによって、検出されるべき生体液中の標的分析物に関連する検出可能な電気信号を増強することができる。図34Cに示される例示的な突出部3412は螺旋状の突出部であるが、鉛直突出部または横方向突出部を含む突出部3412の他の実施形態は、頂点3411Aから下方に向けられて突出部3412上に連動縁部3412Eを形成する終端部分3412Xを含むように構成され得ることが理解される。例えば、末端部分3412Xを有する連結エッジ3412Eの構造は、皮膚に挿入されている間、スパイクマイクロニードル構造3411を支持することができ、その結果、検出された測定におけるノイズを低減することができる。また、例えば、連結縁部3412Eの終端部分3412Xとの構造は、低減されたまたは痛みのない挿入、装着、および/または除去プロセスを容易にし得る。
【0214】
図34Dは、図34Aに示されるスパイクマイクロニードル構造体3411の実施形態による例示的な単一スパイクマイクロニードル構造体の画像およびその先端領域を示し、SEM挿入画像は2μMの寸法(例えば、先端点の直径)を有する先端領域の頂点を描写する。
【0215】
図35Aおよび35Bは、測定開始から経過した時間に対する電流信号の比較データプロットを示し、対象の皮膚に挿入された、例示的なスパイラル突起(「螺旋本体」マイクロニードル)および例示的なフラット体スパイクドマイクロニードル構造アレイ(「平坦本体」マイクロニードル)をそれぞれ含むスパイクマイクロニードル構造3411の例示的な実施形態からの測定されたノイズを示す。データプロットはX軸上の経過時間(秒)に対するY軸上のμA(例えば、20秒ごとに記録された)でのリアルタイム電流信号データを示し、スパイラルボディマイクロニードルは、ノイズによる実質的な変動を示さず(図35A)、一方、フラットボディマイクロニードルはナノスケールレベル、例えば、2~20nAのノイズを示した(図35B)。
【0216】
図36は、図35Aの例示的なスパイラルボディマイクロニードルと図35Bのフラットボディマイクロニードルとを比較する、摩耗安定性研究からのデータを示すデータプロットを示す。本研究では、スパイクマイクロニードルアレイをヒト被験者の皮膚に繰り返し挿入し、各挿入後に、過酸化水素溶液の濃度の500μM変さらに起因する電気化学的電流信号を測定した。y軸の数字は最初の信号Iに対する正規化された電流信号を示し、一方、x軸の数字は皮膚挿入時間を示す。
【0217】
図37は、スパイクマイクロニードルセンサユニット110による、3700とラベル付けされたスパイクマイクロニードルセンサユニットの例示的な実施形態の様々な構造態様を示す概略図を示す。スパイクマイクロニードルセンサユニット3700はスパイクマイクロニードル構造体3711のアレイを含み、これは図34A~34Cに示されるスパイクマイクロニードル構造体3411、または本明細書に開示されるスパイクマイクロニードル構造体の他の実施形態を含むことができ、これは基板3701上に配置される。図37の右上側に、絶縁された密封された基部3415を有するスパイク付きマイクロニードル構造3411の例示的な実施形態と、マイクロ流体カバー構造3720内に構造化されたマイクロ流体チャネルのネットワーク3727とを示し、その中を封止材/絶縁体材料が流れて、密封されたベース構造3715を生成することができる。図37は、基板3701上のスパイク付きマイクロニードル構造体3711の例示的な3×3アレイと、個々のスパイク付きマイクロニードル構造体3711と導電性終端または接続パッド3729との間にまたがる基板3701上に配置された電気的相互接続(例えば、導電性トレース、線材)とを示す。特に、この例において、マイクロ流体カバー構造3720は、少なくとも1つのマイクロ流体入口と、マイクロ流体チャネル3727とインターフェースする少なくとも1つのマイクロ流体出口とを含み、これにより例えば、樹脂材料のマイクロ流体移送を可能にし、露出した金属を含む再現可能に画定された感知先端を有する密封ベース3415を形成する。カバー/スパイクマイクロニードルアレイ成分のこの例示的な設計において、光硬化性樹脂の自然毛細管力駆動流は、光硬化性樹脂の薄層上に、マイクロ流体入口1および2を通して、マイクロ流体流路3727まで、2つのピース(すなわち、マイクロ流体カバーおよびマイクロニードルアレイベース)の間に、マイクロニードル身体流路(例えば、身体領域の下部セグメント3411BLに沿って、垂直で、傾斜した、上向きのマイクロ流体流路3414)を通して、境界領域3411BBに位置付けられたカットオフラインまで、浸漬すると、起こる。
【0218】
実施例
【0219】
本技術によるいくつかの例示的な実施形態(例A1)において、装着型非侵入型マイクロニードルセンサデバイスは、マイクロニードルセンサユニットと、電子機器ユニットとを含む。マイクロニードルセンサユニットは、電気絶縁材料を含む基板と、基板上に配置されたスパイクマイクロニードル構造のアレイとを含み、スパイクマイクロニードル構造の少なくともいくつかは、スパイクマイクロニードル構造のアレイに曝露されたバイオ流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、バイオ流体中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成し、スパイクマイクロニードル構造のアレイの各スパイクマイクロニードル構造は、本体領域と先端領域とを含み、本体領域は本体領域の少なくとも一部の周りに巻き付く螺旋突起を有する円筒形状を含み、先端領域は円錐形状を含み、ベース構造のアレイは電気絶縁体材料を含み、各ベース構造は対応するスパイクマイクロニードル構造の本体領域の下部を包み、基板の中または上に配置された複数の電気相互接続とを含み、各マイクロニードル構造は、電気化学センサ電極として構成されたスパイクマイクロニードル構造のうちの1つまたは複数と、基板上の接触終端構造とに結合される。電子機器ユニットはマイクロニードルセンサユニットの複数の電気的相互接続と電気的に通信し、電子機器ユニットは、回路基板と、回路基板上に構成された信号処理回路と、信号処理回路と電気的に通信する電源と、剛性導電ピンの細長い領域と対応する電気的相互接続の終端領域との間の接触を可能にすることによって、マイクロニードルセンサユニットを電子機器ユニットに電気的に結合する複数の剛性導電ピンとを備える。
【0220】
実施例A2は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットは基板と結合するカバーユニットをさらに備え、カバーユニットは基板上のスパイクマイクロニードル構造のアレイと整列するように構成された開口のアレイを有する電気絶縁材料から形成されたセンサカバー部品を備え、これにより、スパイクマイクロニードルの本体領域の先端領域および少なくとも遠位部分はカバーユニットのセンサカバー部品の開口のアレイを通過し、センサカバー部品は、デバイスを汚染する望ましくない物質からマイクロニードルセンサユニットの下にある構造を保護するように構成される。
【0221】
実施例A3は実施例A2または実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、マイクロニードルセンサユニットおよびカバーユニットは、標的検体を連続的に監視するために使用される非侵入性のウェアラブルマイクロニードルセンサデバイスのユーザによる少なくとも第1使用後に使い捨て可能であるように構成され、電子回路ユニットは少なくとも第1使用後に再使用可能であるように構成される。
【0222】
実施例A4は実施例A2または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットのセンサカバー部品は、内部領域を囲み、カバーユニットが基板に結合されたときに基板の側面を包囲するように構成された、側壁を含み、カバーユニットは、センサカバー部品の側壁と接続し、基板の背面と接触するように構成された、背面カバー部品を含む。
【0223】
実施例A5は実施例A4または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットはカバーユニットの側壁に結合する周辺側壁を有するホルダをさらに含み、ホルダは、ホルダがマイクロニードルセンサユニットの側壁に結合されるとき、スパイクマイクロニードル構造のアレイが開口を越えて外側に拡張するように、開口を有する。
【0224】
実施例A6は実施例A5または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、さらに、カバーユニットのホルダに接続し、ホルダの開口部を越えてスパイクマイクロニードル構造のアレイを露出させながら、電子ユニットおよびマイクロニードルセンサユニットを収容するように構成された外側ケーシングを備える。
【0225】
実施例A7は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、各スパイクマイクロニードル構造は、スパイクマイクロニードル構造の導電層が対応する電気相互接続に接触するように、本体領域の下部に対する先端領域の少なくとも頂点を連続的に覆う導電層によって少なくとも部分的にコーティングされた、電気絶縁性コアを含む。
【0226】
実施例A8は実施例A7または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、電気絶縁コアはPMMAを含む。
【0227】
実施例A9は実施例A7または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、導電層は、白金、金、銀、クロム、炭素、または他の導電性金属もしくは合金、またはこれらの組み合わせを含む。
【0228】
実施例A10は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、アレイのスパイクマイクロニードル構造の少なくともいくつかの先端領域は、40°~85°の範囲の先端領域の頂点に角度を有する。
【0229】
実施例A11は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、スパイクマイクロニードル構造の少なくともいくつかは、4:1~20:1の範囲の高さ対厚さのアスペクト比を有する。
【0230】
実施例A12は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットの基板は基板の表面内または表面上に配置された複数の流路を含み、複数の流路の少なくとも一部は、複数の電気相互接続によって少なくとも部分的に充填される。
【0231】
実施例A13は実施例A12または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、スパイクマイクロニードル構造のアレイはアレイからのスパイクマイクロニードル構造の2つ以上のサブグループに配置され、スパイクマイクロニードル構造の第1サブグループはバイオ流体中の第1標的分析物と相互作用するための第1化学層を含み、スパイクマイクロニードル構造の第2サブグループはバイオ流体中の第2標的分析物と相互作用するための第2化学層を含み、複数のチャネルはスパイクマイクロニードル構造の第1サブグループへの電気的相互接続の第1サブグループおよびスパイクマイクロニードル構造の第2サブグループへの電気的相互接続の第2サブグループを提供するように構成される。
【0232】
実施例A14は実施例A13または実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、第1標的分析物はグルコースおよび乳酸塩の一方または両方を含み、第2標的分析物はグルコースおよびアルコールの一方または両方を含む。
【0233】
実施例A15は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、それぞれの電気的相互接続部に結合する接触終端構造は、電子ユニットからの剛性導電ピンの細長い領域が対応する電気的相互接続部の終端領域の導電性および機械的摩擦接触パッドと接触するように、導電性および機械的摩擦接触パッドを含む基板内の孔内に構造化される。
【0234】
実施例A16は実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、電子ユニットは信号調整ユニットと通信するデータ処理ユニットをさらに含み、データ処理ユニットはプロセッサおよびメモリを含み、電気信号を、標的分析物の1つ以上のパラメータを表すデータとして処理するように構成される。
【0235】
実施例A17は実施例A16または実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、信号調整ユニットは、電気信号を増幅すること、電気信号をフィルタリングすること、または電気信号をアナログからデジタルに変換することのうちの1つまたは複数によって電気信号を処理するように構成され、データ処理ユニットは信号調整ユニットによる処理後に電気信号を処理するように構成される。
【0236】
実施例A18は実施例A16の装置または実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、電子ユニットは信号調整ユニットおよびデータ処理ユニットの一方または両方と通信する無線通信ユニットをさらに含み、無線通信ユニットは、電気信号およびデータの一方または両方を外部コンピューティング装置に少なくとも送信する無線送信器または無線トランシーバを含む。
【0237】
実施例A19は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は、代謝産物、イオノフォア、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、または治療薬、合法薬物、もしくは違法薬物を含む薬物のうちの1つ以上を含む。
【0238】
実施例A20は実施例A19または実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は、酵素、ペプチドベースのアプタマー、抗体、またはホルモンのうちの1つ以上を含むタンパク質を含む。
【0239】
実施例A21は実施例A19の装置または実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、標的分析物は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドベースのアプタマー、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはその一部、またはリボ核酸(RNA)もしくはその一部のうちの1つ以上を含む核酸を含む。
【0240】
実施例A22は実施例A1~A24のいずれかのデバイスを含み、スパイク微細構造のうちの少なくとも1つは、酵素、イオノフォア、抗体、ペプチド核酸(PNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または細胞のうちの1つ以上を含む生物学的または化学的認識要素を含む。
【0241】
実施例A23は実施例A1~A24のいずれかの装置を含み、装置は、皮下生体液のいずれかを含む、生体液中の標的分析物を測定するように構成される。
【0242】
実施例A24は、皮下生物学的流体が間質液、細胞外液、脳脊髄液、または血液を含む、実施例A23または実施例A1~A22のいずれかのデバイスを含む。
【0243】
本技術によるいくつかの例示的な実施形態(例B1)において、装着型非侵入型マイクロニードルセンサデバイスは、マイクロニードルセンサユニットと、マイクロニードルセンサユニットと電気的に通信する電子回路ユニットとを含む。マイクロニードルセンサユニットは以下を備える:(i)電気的に絶縁性の材料を含む基板;(ii)スパイクされたマイクロニードル構造のアレイであって、スパイクされたマイクロニードル構造の少なくともいくつかはスパイクされたマイクロニードル構造のアレイに曝されたバイオ流体中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、バイオ流体中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成し、スパイクされたマイクロニードル構造のアレイの各スパイクされたマイクロニードル構造は本体領域と先端領域とを含み、本体領域は本体領域の少なくとも一部の周りに巻き付く螺旋突起を有する円筒形状を含み、先端領域は円錐形状を含む、マイクロニードル構造のアレイ;(iii)電気絶縁体材料を含む基部構造のアレイであって、各基部構造は対応するスパイクされたマイクロニードル構造の本体領域の下部を包む、基部構造のアレイ;(iv)複数の電気を含む 基板内または基板上に配置された相互接続部であって、各電気相互接続部は電気化学センサ電極として構成されたスパイクマイクロニードル構造のうちの1つまたは複数と、基板上の接触終端構造とに結合される、相互接続部。電子ユニットは、複数の電気相互接続と電気的に接続されており、電子ユニットは、回路基板と、回路基板上に構成された信号処理回路と、信号処理回路と電気的に接続された電源と、複数の導電性回路とを備える。ピンは、導電性ピンの細長い領域と対応する電気的相互接続の終端領域との間の接触を可能にすることによって、マイクロニードルセンサユニットを電子機器ユニットに電気的に接続する。
【0244】
実施例B2は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットは基板と結合するカバーユニットをさらに含み、カバーユニットは基板上のスパイクマイクロニードル構造のアレイと整列するように構成された開口のアレイを有する電気絶縁材料から形成されたセンサカバー部品を含み、これにより、スパイクマイクロニードルの本体領域の先端領域および少なくとも遠位部分はカバーユニットのセンサカバー部品の開口のアレイを通過し、センサカバー部品は、デバイスを汚染する望ましくない物質からマイクロニードルセンサユニットの下にある構造を保護するように構成される。
【0245】
実施例B3は実施例B2の装置または実施例B1~B33のいずれかを含み、マイクロニードルセンサユニットおよびカバーユニットは、標的検体を連続的に監視するために使用される装着型非侵入型マイクロニードルセンサ装置のユーザによる少なくとも最初の使用後に使い捨てであるように構成され、電子ユニットは少なくとも最初の使用後に再使用可能であるように構成される。
【0246】
実施例B4は実施例B2または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットは、硬化性ポリマー樹脂を、光架橋される基板の下または表面上に配置されたマイクロ流体チャネルに供給するように構成された開口部を含み、これにより、基板ベースおよびスパイクマイクロニードル構造の一部を特定の高さに電気的に絶縁するように動作可能な電気絶縁体材料を含むベース構造のアレイを形成する。
【0247】
実施例B5は実施例B2または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットのセンサカバー部品は、内部領域を囲み、カバーユニットが基板に結合されたときに基板の側面を包囲するように構成された側壁を含み、カバーユニットは、センサカバー部品の側壁と接続し、基板の背面と接触するように構成された背面カバー部品を含む。
【0248】
実施例B6は実施例B5または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットはカバーユニットの側壁に結合する周辺側壁を有するホルダをさらに含み、ホルダは、ホルダがマイクロニードルセンサユニットの側壁に結合されると、スパイクマイクロニードル構造のアレイが開口を越えて外側に拡張するように開口を有する。
【0249】
実施例B7は実施例B6または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、さらに、カバーユニットのホルダに接続し、ホルダの開口部を越えてスパイクマイクロニードル構造のアレイを露出させながら、電子ユニットおよびマイクロニードルセンサユニットを収容するように構成された外側ケーシングを含む。
【0250】
実施例B8は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、各スパイクマイクロニードル構造は、スパイクマイクロニードル構造の導電層が対応する電気相互接続に接触するように、本体領域の下部に対する先端領域の少なくとも頂点を連続的に覆う導電層によって少なくとも部分的に被覆された電気絶縁性コアを含む。
【0251】
実施例B9は実施例B8または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、電気絶縁コアはPMMAを含む。
【0252】
実施例B10は実施例B8または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、導電層は、白金、金、銀、クロム、カーボンもしくは他の導電性金属もしくは合金、またはこれらの組み合わせを含む。
【0253】
実施例B11は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、螺旋状突出部は少なくとも20°の螺旋角度を含み、および/または螺旋状突出部は、少なくとも25μMの本体領域から突出する高さを含む。
【0254】
実施例B12は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、螺旋状突出部は、下方に向けられて突出部螺旋上に相互係止縁部を形成する外側末端部分を含む。
【0255】
実施例B13は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、アレイのスパイクマイクロニードル構造の少なくとも一部の先端領域は、先端領域の頂点において40°~85°の範囲の角度を有する。
【0256】
実施例B14は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、先端領域は5μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を含み、または先端領域は、2μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を含む。
【0257】
実施例B15は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、先端領域は複数の細孔を含み、先端領域の複数の細孔は、少なくとも1つの電気化学センサ電極上に構成され、1つ以上の化合物を固定して、生体液中の標的分析物と相互作用するように構成された化学層を生成する。
【0258】
実施例B16は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、本体領域は、本体領域の下側と本体領域の上部との間の境界まで本体領域の下側に延びる複数のチャネルを含む。
【0259】
実施例B17は実施例B16または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、本体領域の複数の流路は、垂直流路または傾斜流路のうちの少なくとも1つを含む。
【0260】
実施例B18は実施例B16または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、本体領域の複数の流路は、硬化性ポリマー樹脂が複数の流路内にあるときに光架橋されるように動作可能な基板上または基板内の1つ以上のマイクロ流体流路から硬化性ポリマー樹脂を流し、電気絶縁材料を形成し、対応するマイクロニードル構造の本体領域の下側を包むベース構造のアレイを形成するように構成される。
【0261】
実施例B19は、スパイクマイクロニードル構造の少なくとも一部は、4:1~20:1の範囲の高さ対厚さのアスペクト比を有する、実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含む。
【0262】
実施例B20は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットの基板は基板の表面内または表面上に配置された複数の流路を含み、複数の流路の少なくとも一部は、複数の電気相互接続によって少なくとも部分的に充填される。
【0263】
実施例B21は実施例B20または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、スパイクマイクロニードル構造のアレイはアレイからのスパイクマイクロニードル構造の2つ以上のサブグループに配置され、スパイクマイクロニードル構造の第1サブグループはバイオ流体中の第1標的分析物と相互作用するための第1化学層を含み、スパイクマイクロニードル構造の第2サブグループはバイオ流体中の第2標的分析物と相互作用するための第2化学層を含み、複数のチャネルはスパイクマイクロニードル構造の第1サブグループへの電気的相互接続の第1サブグループおよびスパイクマイクロニードル構造の第2サブグループへの電気的相互接続の第2サブグループを提供するように構成される。
【0264】
実施例B22は実施例B21または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、第1標的分析物は第2標的分析物とは異なり、第1標的分析物および第2標的分析物は、グルコース、ケトン体、乳酸塩、塩イオン、またはアルコールのうちの少なくとも1つを含む。
【0265】
実施例B23は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、それぞれの電気的相互接続に結合する接触終端構造は、電子ユニットからの導電性ピンの細長い領域が対応する電気的相互接続の終端領域の導電性かつ機械的摩擦接触パッドと接触するように、導電性かつ機械的摩擦接触パッドを含む基板内の孔内に構造化される。
【0266】
例B24は例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは剛性金属導電性ピンを含み、または複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは可撓性高分子ベースの導電性ピンを含み、または複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは剛性金属導電性ピンを含み、複数の導電性ピンのうちの少なくとも別の導電性ピンは、可撓性高分子ベースの導電性ピンを含む。
【0267】
実施例B25は実施例B1~B33のいずれかの装置を含み、電子ユニットは信号調整ユニットと通信するデータ処理ユニットをさらに含み、データ処理ユニットはプロセッサおよびメモリを含み、標的分析物の1つ以上のパラメータを表すデータとして電気信号を処理するように構成される。
【0268】
実施例B26は実施例B25または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、信号調整ユニットは、電気信号を増幅すること、電気信号をフィルタリングすること、または電気信号をアナログからデジタルに変換することのうちの1つまたは複数によって電気信号を処理するように構成され、データ処理ユニットは信号調整ユニットによる処理後に電気信号を処理するように構成される。
【0269】
実施例B27は実施例B25または実施例B1~B33のいずれかの装置を含み、電子ユニットは信号調整ユニットおよびデータ処理ユニットの一方または両方と通信する無線通信ユニットをさらに含み、無線通信ユニットは、電気信号およびデータの一方または両方を外部コンピューティング装置に少なくとも送信する無線送信器または無線トランシーバを含む。
【0270】
実施例B28は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は、代謝産物、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、または薬物のうちの1つ以上を含む。
【0271】
実施例B29は実施例B28または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は、酵素、ペプチドベースのアプタマー、抗体、またはホルモンのうちの1つ以上を含むタンパク質を含む。
【0272】
実施例B30は実施例B28または実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドベースのアプタマー、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはその一部、またはリボ核酸(RNA)もしくはその一部のうちの1つ以上を含む核酸を含む。
【0273】
実施例B31は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、スパイクされた微細構造のうちの少なくとも1つは、酵素、イオノフォア、抗体、ペプチド核酸(PNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または細胞のうちの1つ以上を含む生物学的または化学的認識要素を含む。
【0274】
実施例B32は実施例B1~B33のいずれかのデバイスを含み、デバイスは、皮下生体液のいずれかを含む、生体液中の標的分析物を測定するように構成される。
【0275】
実施例B33は、皮下生物学的流体が間質液、細胞外液、脳脊髄液、または血液を含む、実施例B32または実施例B1~B31のいずれかのデバイスを含む。
【0276】
本技術によるいくつかの例示的な実施形態(例B34)において、装着型非侵入型マイクロニードルセンサデバイスは、マイクロニードルセンサユニットと、マイクロニードルセンサユニットと電気通信する電子回路ユニットとを含む。マイクロニードルセンサユニットは以下を備える:(i)電気絶縁材料を含む基板;(ii)基板上に配置され、本体領域および先端領域を含むマイクロニードル構造のアレイ、本体領域は本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起を含み、マイクロニードル構造の少なくともいくつかは、マイクロニードル構造のアレイに曝露された生体液中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、生体液中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成する。電子機器ユニットはマイクロニードルセンサユニットと電気的に通信し、電子機器ユニットは、回路基板と、導電性ピンの細長い領域とマイクロニードルセンサユニットの導電性部分との間の接触を可能にすることによってマイクロニードルセンサユニットを電子機器ユニットの回路基板に電気的に結合する複数の導電性ピンとを備える。
【0277】
実施例B35は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードル構造の本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突出部は、螺旋状突出部を含む。
【0278】
実施例B36は実施例B35または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、螺旋状突出部は少なくとも20°の螺旋角度を含み、および/または螺旋状突出部は、少なくとも25μMの本体領域から突出する高さを含む。
【0279】
実施例B37は実施例B34~B36のいずれかの装置または実施例B33~B60のいずれかの装置を含み、突出部は、下方に向けられて突出部上に連動縁部を形成する外側末端部を含む。
【0280】
実施例B38は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、先端領域は5μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を含み、または先端領域は、2μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を含む。
【0281】
実施例B39は、先端領域が複数の細孔を含む、実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含む。
【0282】
実施例B40は実施例B39または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、先端領域の複数の細孔は、少なくとも1つの電気化学センサ電極上に構成され、1つ以上の化合物を固定して、生体液中の標的分析物と相互作用するように構成された化学層を生成する。
【0283】
実施例B41は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、本体領域は、本体領域の下側と本体領域の上部との間の境界まで本体領域の下側に延びる複数のチャネルを含む。
【0284】
実施例B42は実施例B41または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、本体領域の複数のチャネルは、垂直チャネルを含む。
【0285】
実施例B43は実施例B41または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、本体領域の複数の流路は、硬化性ポリマー樹脂が複数の流路内にあるときに光架橋されるように動作可能な基板上または基板内の1つ以上のマイクロ流体流路から硬化性ポリマー樹脂を流し、電気絶縁材料を形成し、対応するマイクロニードル構造の本体領域の下側を包むベース構造のアレイを形成するように構成される。
【0286】
実施例B44は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、本体領域は少なくとも2つのセグメントを有する円筒形状を含み、マイクロニードル構造の本体領域の下部セグメントは電気絶縁性ベース構造によって包み込まれ、複数の垂直に整列したマイクロ流体チャネルを含み、マイクロニードル構造の本体領域の上部セグメントは、突出部が配置される本体領域の上部を含む。
【0287】
実施例B45は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードル構造のアレイは電気絶縁体材料を含むベース構造のアレイを含み、各ベース構造は、対応するマイクロニードル構造の本体領域の下側を包み込む。
【0288】
実施例B46は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットは、基板上の複数の接触末端構造と、基板内または基板上に配置された複数の電気相互接続とを含み、電気相互接続の各々は、電気化学センサ電極として構成されたマイクロニードル構造のうちの1つまたは複数と、複数の接触末端構造のうちの少なくとも1つの接触末端構造とに結合される。
【0289】
実施例B47は実施例B46または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、各マイクロニードル構造は、少なくとも先端領域の頂点を本体領域の下側まで連続的に覆う導電層によって少なくとも部分的に被覆された電気絶縁コアを含み、マイクロニードル構造の導電層は、複数の電気相互接続の対応する電気相互接続に接触する。
【0290】
実施例B48は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットは基板と結合するカバーユニットをさらに含み、カバーユニットは基板上のマイクロニードル構造のアレイと整列するように構成された開口のアレイを有する電気絶縁材料から形成されたセンサカバー部品を含み、これにより、マイクロニードルの本体領域の先端領域および少なくとも遠位部分は、カバーユニットのセンサカバー部品の開口のアレイを通過する。
【0291】
実施例B49は実施例B48の装置または実施例B34-B60のいずれかを含み、マイクロニードルセンサユニットおよびカバーユニットは、標的検体を連続的に監視するために使用される非侵入性のウェアラブルマイクロニードルセンサデバイスのユーザによる少なくとも第1使用後に使い捨て可能であるように構成され、電子回路ユニットは少なくとも第1使用後に再使用可能であるように構成される。
【0292】
実施例B50は実施例B48または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットのセンサカバー部品は、内部領域を囲み、カバーユニットが基板に結合されたときに基板の側面を包囲するように構成された側壁を含み、カバーユニットは、センサカバー部品の側壁と接続し、基板の背面と接触するように構成された背面カバー部品を含む。
【0293】
実施例B51は実施例B50または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットはカバーユニットの側壁に結合する周辺側壁を有するホルダをさらに含み、ホルダは、ホルダがマイクロニードルセンサユニットの側壁に結合されるとき、マイクロニードル構造のアレイが開口を越えて外向きに拡張するように開口を有する。
【0294】
実施例B52は実施例B51または実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、さらに、カバーユニットのホルダに接続し、ホルダの開口部を越えてマイクロニードル構造のアレイを露出させながら、電子機器ユニットおよびマイクロニードルセンサユニットを収容するように構成された外側ケーシングを含む。
【0295】
実施例B53は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードル構造のアレイはアレイからのマイクロニードル構造の2つ以上のサブグループに配置され、マイクロニードル構造の第1サブグループはバイオ流体中の第1標的分析物と相互作用する第1化学層を含み、マイクロニードル構造の第2サブグループはバイオ流体中の第2標的分析物と相互作用する第2化学層を含む。
【0296】
実施例B54は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードルセンサユニットは複数の電気相互接続に結合する複数の接触終端構造を含み、複数の接触終端構造の各々は、電子ユニットからの複数の導電性ピンの導電性ピンの細長い領域が対応する電気相互接続の接触終端領域の導電性および機械的摩擦接触パッドと接触するように、導電性および機械的摩擦接触パッドを含む基板内の孔内に構造化される。
【0297】
例B55は例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは剛性金属導電性ピンを含み、または複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは可撓性高分子ベースの導電性ピンを含み、または複数の導電性ピンのうちの少なくとも1つの導電性ピンは剛性金属導電性ピンを含み、複数の導電性ピンのうちの少なくとも別の導電性ピンは、可撓性高分子ベースの導電性ピンを含む。
【0298】
例B56は例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、電子ユニットは信号調整ユニットと、信号調整ユニットと通信するデータ処理ユニットとをさらに備え、データ処理ユニットはプロセッサとメモリとを備え、電気信号を、標的分析物の1つまたは複数のパラメータを表すデータとして処理するように構成される。
【0299】
実施例B57は実施例B56または実施例B34~B60のいずれかの装置を含み、信号調整ユニットは、電気信号を増幅すること、電気信号をフィルタリングすること、または電気信号をアナログからデジタルに変換することのうちの1つまたは複数によって電気信号を処理するように構成され、データ処理ユニットは信号調整ユニットによる処理後に電気信号を処理するように構成される。
【0300】
実施例B58は実施例B57または実施例B34~B60のいずれかの装置を含み、電子ユニットは信号調整ユニットおよびデータ処理ユニットの一方または両方と通信する無線通信ユニットをさらに含み、無線通信ユニットは、電気信号およびデータの一方または両方を外部コンピューティング装置に少なくとも送信する無線送信器または無線トランシーバを含む。
【0301】
実施例B59は実施例B34~B60のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は代謝産物、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、または薬物のうちの1つ以上を含み、スパイクされた微細構造のうちの少なくとも1つは、酵素、イオノフォア、抗体、ペプチド核酸(PNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または細胞のうちの1つ以上を含む生物学的または化学的認識要素を含む。
【0302】
実施例B60は実施例B34~B59のいずれかの装置を含み、装置は、間質液、細胞外液、脳脊髄液、または血液を含む皮下生物学的液のいずれかを含む、生体液中の標的分析物を測定するように構成される。
【0303】
本技術(例B61)によるいくつかの例示的な実施形態において、ウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイスは、電気絶縁材料を含む基板と、基板上に配置され、本体領域および先端領域を含むマイクロニードル構造のアレイとを含み、本体領域は本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起を含み、マイクロニードル構造の少なくともいくつかはマイクロニードル構造のアレイに曝露された生体液中の標的分析物との反応からの電気信号を検出するための電気化学センサ電極として構成され、少なくとも1つの電気化学センサ電極は化学層によって機能化されて、生体液中の標的分析物と相互作用し、少なくとも1つの電気化学センサ電極において電気信号を生成する。
【0304】
実施例B62は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードル構造の本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突出部は、螺旋状突出部を含む。
【0305】
実施例B63は実施例B62または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、螺旋状突出部は少なくとも20°の螺旋角度を含み、および/または螺旋状突出部は、少なくとも25μMの本体領域から突出する高さを含む。
【0306】
実施例B64は実施例B61~B63のいずれかの装置または実施例B61~B82のいずれかの装置を含み、突出部は下方に向いた外側末端部分を含み、突出部上に相互係止エッジを形成する。
【0307】
実施例B65は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、先端領域は5μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を含み、または先端領域は、2μM以下の寸法を有する頂点を有する円錐形状を含む。
【0308】
実施例B66は、先端領域が複数の細孔を含む、実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含む。
【0309】
実施例B67は実施例B66または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、先端領域の複数の細孔は、少なくとも1つの電気化学センサ電極上に構成され、1つ以上の化合物を固定して、生体液中の標的分析物と相互作用するように構成された化学層を生成する。
【0310】
実施例B68は実施例B61~B82のいずれかの装置を含み、本体領域は、本体領域の下側と本体領域の上部との間の境界まで本体領域の下側に延びる複数のチャネルを含む。
【0311】
実施例B69は実施例B68または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、本体領域の複数のチャネルは、垂直チャネルを含む。
【0312】
実施例B70は実施例B68または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、本体領域の複数の流路は、硬化性ポリマー樹脂が複数の流路内にあるときに光架橋されるように動作可能な基板上または基板内の1つ以上のマイクロ流体流路から硬化性ポリマー樹脂を流して、電気絶縁材料を形成し、対応するマイクロニードル構造の本体領域の下側を包むベース構造のアレイを形成するように構成される。
【0313】
実施例B71は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、本体領域は少なくとも2つのセグメントを有する円筒形状を含み、マイクロニードル構造の本体領域の下部セグメントは電気絶縁性ベース構造によって包み込まれ、複数の垂直に整列したマイクロ流体チャネルを含み、マイクロニードル構造の本体領域の上部セグメントは、突出部が配置される本体領域の上部を含む。
【0314】
実施例B72は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードル構造のアレイは電気絶縁体材料を含むベース構造のアレイを含み、各ベース構造は、対応するマイクロニードル構造の本体領域の下側を包み込む。
【0315】
実施例B73は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、さらに、基板上の複数の接触末端構造と、基板内または基板上に配置された複数の電気相互接続とを含み、電気相互接続の各々は、電気化学センサ電極として構成されたマイクロニードル構造のうちの1つまたは複数と、複数の接触末端構造のうちの少なくとも1つの接触末端構造とに結合される。
【0316】
実施例B74は実施例B73または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、各マイクロニードル構造は、少なくとも先端領域の頂点を本体領域の下側まで連続的に覆う導電層によって少なくとも部分的に被覆された電気絶縁コアを含み、マイクロニードル構造の導電層は、複数の電気相互接続の対応する電気相互接続に接触する。
【0317】
実施例B75は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、マイクロニードル構造のアレイはアレイからのマイクロニードル構造の2つ以上のサブグループに配置され、マイクロニードル構造の第1サブグループはバイオ流体中の第1標的分析物と相互作用する第1化学層を含み、マイクロニードル構造の第2サブグループはバイオ流体中の第2標的分析物と相互作用する第2化学層を含む。
【0318】
実施例B76は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、基板と結合するカバーユニットをさらに含み、カバーユニットは基板上のマイクロニードル構造のアレイと整列するように構成された開口のアレイを有する電気絶縁材料から形成されたセンサカバー部品を含み、マイクロニードルの本体領域の先端領域および少なくとも遠位部分は、カバーユニットのセンサカバー部品の開口のアレイを通過する。
【0319】
実施例B77は実施例B76または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットのセンサカバー部品は、内部領域を囲み、カバーユニットが基板に結合されたときに基板の側面を包囲するように構成された側壁を含み、カバーユニットは、センサカバー部品の側壁と接続し、基板の背面と接触するように構成された背面カバー部品を含む。
【0320】
実施例B78は実施例B77または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、カバーユニットはカバーユニットの側壁に結合する周辺側壁を有するホルダをさらに含み、ホルダは、ホルダがマイクロニードルセンサユニットの側壁に結合されると、マイクロニードル構造のアレイが開口を越えて外側に拡張するように開口を有する。
【0321】
実施例B79は実施例B61~B78のいずれか、または実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、デバイスは、標的分析物を連続的に監視するために使用される装着型非侵入型マイクロニードルセンサデバイスのユーザによる少なくとも最初の使用後に使い捨てであるように構成される。
【0322】
実施例B80は実施例B61~B82のいずれかのデバイスを含み、標的分析物は代謝産物、電解質、タンパク質、アミノ酸、核酸、脂質、リポソーム、ナノ粒子、または薬物のうちの1つ以上を含み、スパイクされた微細構造のうちの少なくとも1つは、酵素、イオノフォア、抗体、ペプチド核酸(PNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または細胞のうちの1つ以上を含む生物学的または化学的認識要素を含む。
【0323】
実施例B81は実施例B61~B82のいずれかの装置を含み、装置は、間質液、細胞外液、脳脊髄液、または血液を含む皮下生物学的液のいずれかを含む、生体液中の標的分析物を測定するように構成される。
【0324】
実施例B82は実施例B61~B81のいずれかのデバイスを含み、装着型非侵入型マイクロニードルセンサパッチデバイスは、実施例B1~B60のいずれかによる電子機器ユニットとインターフェースするように構成される。
【0325】
本技術(例B83)によるいくつかの例示的な実施形態において、ウェアラブル非侵入型マイクロニードルセンサデバイスを製造するための方法は以下を有する:基板上に配置された複数のマイクロニードル構造を含むマイクロニードルセンサアレイのコンピュータ支援設計を作成または取得することを含み、複数のマイクロニードル構造は、本体領域と、先端領域と、本体領域の少なくとも上部の周りに巻き付く突起と、を備えるステップ;マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を生成するステップであって、マイクロニードルセンサアレイの生成された物理的構造のうちの少なくともいくつかは複数のマイクロニードル構造のうちの少なくともいくつかのマイクロ電極を形成するための導電性領域を含む、ステップ;マイクロニードルセンサアレイの物理的構造にカバーを取り付けることであって、カバーは基板上の複数のマイクロニードル構造と整列するように構成された複数の開口部を有する電気絶縁材料を備え、これにより、マイクロニードル構造の先端領域および本体領域の少なくとも遠位部分がカバーの開口部を通過するようにする、ステップ。
【0326】
実施例B84は実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を生成することは、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工プロセスを開始して、マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を形成するように、刻み工程および/または切断工程のプログラムされたシーケンスを実行することを含む。
【0327】
実施例B85は実施例B84または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、刻み工程および/または切断工程のプログラムされたシーケンスは、(i)50μM~1mmの範囲のドリルビットを利用すること、および(ii)500~25,000rpmの範囲のスピンドル速度を適用することの一方または両方を含む。
【0328】
実施例B86は実施例B85または実施例B83-B102のいずれかの方法を含み、プログラムされた一連の刻み工程および/または切削工程は以下を含む:(i)1μM~1mmの範囲の工程サイズ;(ii)[a]500rpm~12,000rpmのスピンドル速度、[b]40~120m/分の表面速度、[c]50~1,000mm/分のプランジ連合体、[d]1回転当たりの送り量0.01~0.1mm、および/または[e]50~1,000mm/分の後退速度のうちの1つ以上を含むパラメータを用いて動作を実施すること。
【0329】
実施例B87は実施例B85または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、刻み工程および/または切断工程のプログラムされたシーケンスは、[a]CNCビットフラット2~4フルート、[b]500~15,000rpmのスピンドル速度、および/または[c]20~100mm/分の送り速度のうちの1つ以上を使用することを含む刻み工程のための2Dまたは3D適応またはポケット手順を含む微細刻みプロセスを含む。
【0330】
実施例B88は実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を生成することは以下を含む:コンピュータ支援設計に従って、マイクロニードルセンサアレイのためのマスタ構造を生成することであって、基板上に配置された複数のマイクロニードル構造の物理的構造を含む、ステップ;マイクロニードルセンサアレイのためのマスタ構造に基づいてモールドを作成するステップ;マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を形成するために、作成されたモールド内に少なくとも1つの材料を鋳造するステップ。
【0331】
実施例B89は実施例B88または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、マイクロニードルセンサアレイのマスタ構造化を生成することは、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工プロセスを開始して、プログラムされた一連の刻み工程および/または切断工程を実行して、マイクロニードルセンサアレイの物理的モデルを形成すること、またはフォトリソグラフィ技術を開始することを含む。
【0332】
実施例B90は実施例B88または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、マイクロニードルセンサアレイのマスタ構造はマイクロニードル構造の超高解像度特徴を含み、マイクロニードルセンサアレイのマスタ構造を生成することは、超高解像度3D印刷技術、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工技術、または2光子リソグラフィ技術を使用することを含む。
【0333】
実施例B91は実施例B88または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、金型を作製することは、成形材料をマスタ構造上および/またはマスタ構造内に堆積させること、成形材料をマスタ構造上/中で脱気および熱処理して金型を作製すること、および作製された金型からマスタ構造を除去することを含む。
【0334】
実施例B92は実施例B88または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、キャスティングは、ポリマー材料を含む少なくとも1つの材料を堆積させることと、ポリマー材料を硬化させて、基板と、基板上に配置された複数のマイクロニードル構造とを形成することとを含む。
【0335】
実施例B93は実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、マイクロニードルセンサアレイの物理的構造を生成することは以下を含む:電気的に絶縁性である第1材料を使用して、基板と、基板上に配置された複数のマイクロニードル構造体とを生成すること;複数のマイクロニードル構造体および基板上に導電性領域を生成して、それぞれ、マイクロ電極および電気相互接続線を生成すること。
【0336】
実施例B94は実施例B93または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、導電性領域を形成することは以下を含む:第1コーティングを形成するために、マイクロニードル構造体の特定の部分上に導電性材料を薄膜堆積すること:作用電極および/または対電極として指定されるマイクロニードル構造体の少なくとも1つ上に導電性材料の少なくとも一部をエッチングすること;基準電極として指定されるマイクロニードル構造体の少なくとも別の1つ上に導電性材料の少なくとも一部を準備すること。
【0337】
実施例B95は実施例B83-B102の方法を含み、マイクロニードルの本体領域の下側にベース構造を形成することをさらに含む。
【0338】
実施例B96は実施例B95または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、ベース構造を作製することは以下を含む:樹脂材料を、マイクロニードル構造の本体領域の底部に近接して配置された基板の表面上または表面下の複数のマイクロ流体流路に流すステップであって、樹脂材料が毛管力を介してマイクロ流体流路を通って流れる、ステップ;樹脂材料を、本体領域の下部上を上方に流れる樹脂材料を硬化させることによって、マイクロニードル構造の本体領域の下部上に封止されたベース構造を作製するステップ。
【0339】
実施例B97は実施例B96または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、密封されたベース構造は、マイクロニードルセンサアレイの物理的描写のために、マイクロニードル構造の本体領域の非被覆部分を含む感知領域を画定する。
【0340】
実施例B98は実施例B96または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、樹脂材料は、0.01~0.5 Pa・sの粘性特性を与えるように非イオン性界面活性剤および熱処理によって変性された重合体を含む。
【0341】
実施例B99は実施例B98または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、樹脂材料は、アクリレートおよびメタクリレート系モノマーおよびオリゴマーの混合物と、光開始剤としてのベンジルケタール化合物とから構成される生物医学グレードのポリマーを含む。
【0342】
実施例B100は実施例B99または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、バイオメディカルグレードポリマーは、熱処理によって非イオン性界面活性剤によって低下する5 Pa・sの初期粘性を有する。
【0343】
実施例B101は実施例B96または実施例B83~B102のいずれかの方法を含み、樹脂材料は、500nm未満の解像度サイズを有するように構成される。
【0344】
実施例B102は実施例B96または実施例B83~B101のいずれかの方法を含み、樹脂材料を硬化させることは、樹脂材料内に光架橋を生じさせて固体電気絶縁材料を形成し、封止されたベース構造を形成するように光エネルギーを印加することを含む。
【0345】
実施例B103は実施例B83~B101のいずれかの方法を含み、方法は、例B1~B82のいずれかのデバイス上で実装される。
【0346】
本特許文書に記載される主題および機能的動作の実装は、本明細書に開示される構造およびそれらの構造的等価物を含む、様々なシステム、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて、またはそれらのうちの1つもしくは複数の組合せにおいて実装され得る。本明細書で説明する主題の実装形態は1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、有形かつ非一時的なコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号をもたらす物質の組成、またはそれらのうちの1つまたは複数の組合せであり得る。「データ処理ユニット」または「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および機械を包含する。装置はハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらのうちの1つまたは複数の組合せを構成するコードを含むことができる。
【0347】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)はコンパイルまたは解釈された言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境での使用に適したモジュール、成分、サブルーチン、または他のユニットとしてを含む、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応しない。プログラムは他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一ファイル、または複数の協調ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに位置するか、または複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0348】
本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは入力データ上で動作し、出力を生成することによって機能を実行するために、1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実行され得る。プロセスおよび論理フローはまた、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することができ、装置はまた、特殊目的論理回路として実装することができる。
【0349】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データ、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイスからデータを受信するか、それらにデータを転送するか、またはそれらの両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのような装置を有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は例として、半導体メモリ装置、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置を含む、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリ装置を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足されるか、または専用論理回路に組み込まれ得る。
【0350】
この特許文献は多くの詳細を含むが、これらは任意の発明の範囲または特許請求され得るもの限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈で本特許文献に記載されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は複数の実施形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴は特定の組合せで作用するものとして上述されてもよく、最初にそのように特許請求されたものとしてさえも、特許請求された組合せからの1つまたは複数の特徴は場合によっては組合せから切り出すことができ、特許請求された組合せはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形形態を対象とすることができる。
【0351】
同様に、動作が特定の順序で図面に描かれているが、これは所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続的な順序で実行されること、またはすべての図示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。さらに、本特許文書に記載される実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではない。
【0352】
いくつかの実装形態および例のみが説明され、他の実装形態、拡張形態、および変形形態は、本特許文書に記載および図示されるものに基づいて行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図28C
図29
図30
図31
図32
図33A
図33B
図34A
図34B
図34C
図34D
図35
図36
図37
【国際調査報告】