(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】体外衝撃波を発生させるウェアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
A61N 7/00 20060101AFI20240718BHJP
A61B 8/02 20060101ALI20240718BHJP
A61B 8/08 20060101ALI20240718BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240718BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A61N7/00
A61B8/02
A61B8/08
A61B5/00 102A
A61B5/113
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500655
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022069521
(87)【国際公開番号】W WO2023285494
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524008993
【氏名又は名称】コーテリー エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ピーターズ,フィリップ ラドウィグ
(72)【発明者】
【氏名】ストケリー,クリストファー,リー
(72)【発明者】
【氏名】スタアフ,ラーズ,グンナー,ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ムラ,モハマド,ユスフ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,クリスター
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
4C160
4C601
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB33
4C038VC20
4C117XA01
4C117XB04
4C117XC11
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4C117XE57
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4C117XR20
4C160JJ33
4C160JJ36
4C160MM33
4C601DD07
4C601DD15
4C601DD27
4C601FF11
(57)【要約】
本発明は、ユーザの胸部領域に体外衝撃波を発生させるためのウェアラブルデバイスに関するものである。ウェアラブルデバイスは、体外衝撃波を発生させ、衝撃波治療を適用するためにユーザの皮膚上に配置されるように構成されている衝撃波変換器ユニットと、ユーザの皮膚に対する衝撃波変換器ユニットの近接度を測定するための少なくとも1つの近接センサと、衝撃波変換器ユニットを制御可能に位置決めするように構成された位置決め機構と、情報を衝撃波変換器ユニットに送信して体外衝撃波を発生させるように構成されたプロセッサとを備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの胸部領域において体外衝撃波を発生させるためのウェアラブルデバイスであって、
体外衝撃波を発生させ、衝撃波治療を適用するために前記ユーザの皮膚上に配置されるように構成された少なくとも1つの衝撃波変換器ユニットのアレイと、
前記1つ以上の衝撃波変換器ユニットの近接度を測定するための少なくとも1つの近接センサと、
を備え、
前記デバイスが、心臓の健康情報を受信し、前記衝撃波変換器ユニットのアレイに治療情報を送信して、体外衝撃波を発生させるように構成されている、前記ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記心臓の健康情報を生成するように構成された心臓センサを備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記心臓の健康情報は、心臓センサデータ及び/または自己報告された心臓の健康データを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記近接センサは、前記衝撃波変換器ユニットのアレイが前記ユーザの皮膚に加える圧力を測定するように構成された圧力センサを備える、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記心臓センサは、前記ユーザの心臓の心機能を測定するための超音波センサまたは電子聴診器を備える、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記心臓センサは、前記衝撃波変換器ユニットのアレイである、請求項2~5のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
前記ウェアラブルデバイスは、前記ユーザの前記胸部領域の様々な領域にわたって前記心臓センサを使用してデータを収集することによって心臓をスキャンするように構成され、
前記デバイスが、前記ユーザの前記心臓の心機能を分析し、前記衝撃波変換器ユニットのアレイが前記心臓センサデータに基づいて体外衝撃波を伝達すべき前記ユーザの胸部上の位置を決定するように構成されている、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記ウェアラブルデバイスが前記ユーザの皮膚に取り付けられることを可能にするために、前記ウェアラブルデバイスの底面に複数の固定パッドを備える、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
衝撃波治療中に使用するための音響インピーダンス整合液を収容するための容器を備える、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記変換器ユニットは、前記発生させた体外衝撃波の方向及び/または焦点距離を制御するために独立して制御可能である、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記アレイは、一次元または二次元である、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの衝撃波変換器ユニットのアレイは、前記心臓からの反射超音波に対する応答として電気信号を生成するように構成されている、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項13】
前記ウェアラブルデバイスは、20kHz未満または15kHz未満の音波を検出するための、マイクロホンのような、アクセロフォンのような音響変換器を備えるか、または
前記ウェアラブルデバイスは、前記衝撃波変換器ユニットを使用してキャビテーションを検出するように構成されている、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項14】
前記ウェアラブルデバイスは、体外衝撃波を放出して心臓再生療法を誘導するように構成されている、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項15】
前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上の心調律検出センサを備える、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上の呼吸検出センサを備える、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項17】
ユーザの胸部にフィットするベストと、先行請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイスとを備えるキットであって、前記ベストは、前記ウェアラブルデバイスを受容して取り付けるように構成されている、前記キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、心臓血管の健康状態を評価するための心機能の測定、及び治療用途のための超音波衝撃波の発生に関するものである。本開示は、より具体的には、ユーザの胸部領域での体外衝撃波を発生させるためのウェアラブルデバイスに関するものであるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
心臓血管疾患は、世界中で死亡及び身体障害の主要な原因である。抵抗性高血圧症及び心筋梗塞などの心臓血管疾患に対しては、多くの薬理学的治療法やデバイスベースの治療法が開発されてきたが、その多くは依然として期待外れの臨床結果にとどまっている。心臓血管の診断に超音波を使用することは、広く適用されており、その非侵襲性及び非電離性の特性によって、心臓血管療法の戦略としても同様に発展する可能性がある。超音波療法は、単独で、かつ/または他の治療法と組み合わせて、神経外科、がん、及び心臓病学におけるデバイスベースの治療のリソースとして使用されてきた。
【0003】
しかしながら、既存のシステム及び方法は、センサ/プローブの付着力に起因してコストがかかり、エラーが起こりやすい。本明細書は、ユーザ及び/またはアシスタントが、特殊な能力または訓練を必要とせずに、心機能を求めて測定し、体外衝撃波を発生させる携帯型で効率的なデバイスが必要であることを認識している。
【0004】
ヒトは各々、心臓運動、呼吸運動、及び血液循環が異なるため、超音波療法のターゲット精度と音響エネルギー蓄積とは低減し得る。音響経路における干渉は、必要とされるエネルギーを低減し、非ターゲット損傷を誘発し、治療目標の達成を妨げる可能性がある。ヒトの胸部領域への高強度の集束超音波の送達は、望ましくない病変を引き起こし、ターゲットに到達するエネルギーの強度を低下させる可能性がある。より長いセッション及び/または期間にわたって、より低い強度の超音波を施すことで、超音波療法をより安全に実施することができ、望ましくない副作用を最小限に抑えることができる。しかしながら、心臓血管疾患に罹患している患者は、多くの場合、健康に影響を及ぼす複数の併存疾患や誘発因子を抱えている。したがって、治療をより効果的にするために、適応的かつ/または個人化された治療が必要である。複数の心臓状態を同時に治療することは、ユーザの心臓健康状態に関する新しい情報に継続して適応し、それに応じて治療を適応させることができるデバイスをさらに必要とする。
【0005】
超音波療法は、通常、医療専門家及び臨床環境を訪問する必要がある。患者は、多くの場合、院内感染症により罹りやすい状態であり、患者が病院に入るのを防ぐことで、病気に罹るリスクを低減し得る。通院の必要性が低減することで、患者を治療するために必要とされる病院リソースの量をさらに低減し得る。
【0006】
したがって、上記を考慮すると、医療産業において、前述のような欠陥及び不具合性に対処するための長年のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の目的は、ユーザの心臓の心機能を評価し、心臓及び心臓周辺及び心臓上の血管の心疾患を治療するために体外衝撃波を発生させるウェアラブルデバイスを提供することである。
【0008】
本開示のさらなる目的は、各患者の身体的特徴及び/または疾患特性に応じて、各患者に個人化された超音波療法を提供することであり、それにより、有害作用を最小限に抑え、望ましくない副作用を低減するのに役立つ。
【0009】
一般に、低周波超音波は、より深いターゲットに到達可能である良好な浸透性を有し、ごくわずかな温度上昇(0.01℃未満)で細胞膜に主に力学的効果を及ぼし、それによって、出来る限り膜を脱分極させ、電位依存性ナトリウムチャネル及び電位依存性カルシウムチャネルを活性化し、細胞の興奮性に影響を与える。しかしながら、高周波超音波は、低周波超音波よりも短い波長及び良好な空間分解能を有する。高周波超音波は中央に集積され、これはイメージングに有用である。高周波超音波は減衰が早いため、皮膚治療の送達に適用される場合に、熱損失及び浸透不良を引き起こし得る。
【0010】
一般に、超音波が軟組織において広範囲の生物学的影響を誘発し得ることは既知である。本開示のアプローチの利点は、制御された生物学的影響を非侵襲的に生成する能力である。どの生体組織反応が求められるかに応じて、曝露パラメータの大きさ及び周波数を調整することができる。本開示のアプローチのさらなる利点は、適応超音波パルスシステムが、心臓血管超音波治療をコスト効率よく個人化するために使用され得ることである。
【0011】
本開示は、胸部領域に体外衝撃波を発生させるためのデバイスに関するものであり、好ましい実施形態は、ウェアラブルデバイスである。デバイスは、心臓の健康情報を受信するように構成されることが好ましい。デバイスは、心臓データを非侵襲的に取得するための超音波センサ、例えば超音波受信器などの少なくとも1つの心臓センサを含むことができ、かつ/または侵襲的心臓センサ、例えばペースメーカから情報を受信するように構成され得る。体外衝撃波を発生させるために、衝撃波変換器ユニットまたは複数の衝撃波変換器ユニットを設けることができる。デバイスの制御を介して、衝撃波変換器ユニット(複数可)をユーザの皮膚上に配置し、例えば超音波治療の形態で衝撃波治療を適用することができる。
【0012】
衝撃波変換器ユニットは、衝撃波変換器ユニットのアレイに配列され得る。
【0013】
衝撃波変換器ユニットのアレイは、ユーザの心臓の健康情報を得るための心臓センサとして機能することができる。衝撃波変換器ユニットのアレイは、心臓センサとして機能することができるので、心臓センサは、ウェアラブルデバイスを移動させることなく、心臓の様々な部分に関する心臓の健康情報を得ることができる。衝撃波変換器ユニットのアレイは、平面アレイ及び/または位相アレイ変換器ユニット用のリニアアレイであり得る。
【0014】
ウェアラブルデバイスは、少なくとも1つの近接センサをさらに備え得る。近接センサは、ユーザの皮膚に対する衝撃波変換器ユニットの近接度を測定することができる。測定された近接度は、衝撃波変換器ユニットとユーザの皮膚との間の距離のことであり、ユーザの皮膚に対する変換器のフィットの程度がどのくらいのきつさなのかを判定し、ひいては衝撃波変換器ユニットと心臓または心臓の様々な部分との間の実際の距離を判定する。ウェアラブルデバイスは、衝撃波変換器ユニット及び少なくとも1つの心臓センサをユーザの皮膚に対して制御可能に位置決めするように構成された位置決め機構をさらに備え得る。少なくとも1つの心臓センサは、好ましくは、衝撃波変換器ユニットの一部である。
【0015】
ウェアラブルデバイスは、体外衝撃波を発生させるための衝撃波変換器ユニットに情報を送信するように構成されたプロセッサを備え得る。情報は、衝撃波治療の位置、周波数、空間平均時間平均、デューティサイクル及び/または持続時間に関する情報を含むが、これらに限定されない治療パラメータに関する情報を備え得る。
【0016】
圧力センサは近接センサの一例であり、ユーザの皮膚に対する衝撃波変換器の近接度を測定するように構成され得る。このことは、衝撃波変換器ユニットとユーザの皮膚との接触状態を検出可能なセンサが使用可能であることを意味する。圧力センサは、センサに加えられる物理的圧力の大きさを、圧力の定量値を確定するために使用され得る出力信号に変換する任意の機器またはデバイスであり得る。
【0017】
有利には、衝撃波変換器ユニットは、体外衝撃波を発生させるように構成され、好ましくは衝撃波治療を最適化するように選択された付着力で、ユーザの皮膚に配置されるように構成される。付着力は、衝撃波変換器ユニットとユーザの皮膚との間の接触力である。有利には、当該接触力は、予め定義され、近接センサによって測定され得る。予め定義された値に基づいて、最適化された衝撃波治療ルーチンが提供され得る。
【0018】
衝撃波治療とは、電気的に刺激され、高周波音波を放出して組織内を伝播し、発生したエネルギーの一部が吸収され、別の一部が流体、細胞、及び/または結合組織によって反射されるように構成された圧電クリスタルを含む、あらゆる治療用超音波モダリティを意味する。超音波治療は、様々なパラメータ(周波数、振幅、及び/またはパルス持続時間を含むが、これらに限定されない)を使用して、臨床用途及び組織特性にしたがって調整することができ、治療用途を可能にするために吸収を最大化するように最適化することができる。本開示のデバイスは、好ましくは、複数の機能を実行するように構成され、それによって、専門医の訓練を必要とすることなく、長期の家庭内療法を提供することができる。
【0019】
ウェアラブルデバイスは、衝撃波変換器ユニットのアレイを備え得る。衝撃波変換器ユニットのアレイは、アレイから発生させた衝撃波の方向及び焦点が制御され得るように、独立して制御され得る。これにより、ウェアラブルデバイスの位置は、ユーザの胸部領域で十分であり、ウェアラブルデバイスを移動させることなく、ユーザの心臓及び心臓の任意の部分を治療することができる。
【0020】
位置決め機構は、衝撃波変換器ユニットをユーザの胸部領域内のエリア内に位置決めするように構成され得る。位置決め機構は、ユーザの皮膚上の衝撃波変換器の位置制御を向上させることができる。結果的に、衝撃波治療はガイド方式に沿って適用され得る。一実施形態では、位置決め機構は、ガイドチャネルを備える。ガイドチャネルは、衝撃波治療中にユーザの皮膚に面するデバイスの底面に設けることができる。ガイドチャネルは、デバイスの当該底面によって画定される平面内でユーザの皮膚に向けて衝撃波変換器ユニットをガイドすることができる。有利には、衝撃波変換器ユニットは、平面上のガイドチャネルを通してガイドされ得、衝撃波変換器ユニットのガイド及び位置決め制御を向上させる。デバイスの底面は、ユーザの皮膚に面するように構成されたデバイスの表面である。
【0021】
本開示のデバイスは、センサデータ、例えば心臓データを提供する複数のセンサが装備され得る。
【0022】
衝撃波変換器ユニットの継続的な位置決め及びセンサデータの取得は、自動化され、事例ベースエキスパートシステムなどの人工知能ベースの手法と結合され、かつ/またはファジー論理制御システムを実装することができる。
【0023】
個人化された衝撃波治療パラメータは、機械学習モデルによって計算され得る。その結果、デバイスは、治療が必要な心臓の領域を継続して識別し、スキャンし、領域ベースの衝撃波を適用するように構成され得る。
【0024】
衝撃波変換器ユニット(複数可)からの衝撃波は、0.02mJ/m2、またはそれを上回るエネルギーレベルを有し得る。
【0025】
本発明について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による、ユーザの胸部領域において体外衝撃波を発生させるためのウェアラブルデバイスの様々な構成要素間の接続を表すブロック図を示す。
【
図2】本開示の一実施形態による、ウェアラブルデバイスの底面図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、ウェアラブルデバイスの側面図を示す。
【
図4】本開示の一実施形態による、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス内にインストールされたモニタリングアプリケーションを示す。
【
図5】少なくとも1つの実施形態による、ユーザの身体または胸部に接して配置されたハンドヘルド型コンピューティングデバイスの斜視図を示す。
【
図6】少なくとも1つの実施形態による、超音波センサとユーザの心臓との間の相互作用の斜視図を示す。
【
図7】少なくとも1つの実施形態による、ユーザの胸部に接している配置されたウェアラブルデバイスの第1の分解図を示す。
【
図8】少なくとも1つの実施形態による、ユーザの胸部に接している配置されたウェアラブルデバイスの第2の分解図を示す。
【
図9】少なくとも1つの実施形態による、ユーザの胸部に接している配置されたウェアラブルデバイスの第3の分解図を示す。
【
図10】少なくとも1つの実施形態による、ベストのポケット内にウェアラブルデバイスを配置する斜視図を示す。
【
図11】少なくとも1つの実施形態による、超音波変換器のマトリックスまたはアレイの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一態様から、本開示は、プロセッサとメモリとを備え、本明細書に記載されるように構成されるように適合されたモバイルデバイスを備えるデバイスに関するものである。
【0028】
本開示はさらに、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスにユーザの胸部領域において体外衝撃波を発生させる命令のセットを実施するように構成されたウェアラブルデバイスに関するものである。
【0029】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、コンピューティングデバイスを備える。コンピューティングデバイスは、ハンドヘルド型のモバイルコンピューティングデバイス、例えばスマートフォンであり得る。このようにして、一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスを備える。さらなる実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ディスプレイスクリーンを備える。好ましくは、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスは、ディスプレイスクリーンを有し得る。
【0030】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ユーザのスマートフォンを制御するように構成されており、これにより電子RFノイズの発生が最小限に抑えられるように電話機の電力モードが調整されている。その結果、圧電変換器が正常に機能している際に電話による影響や中断されることが無くなるか、少なくとも軽減される。
【0031】
したがって、本開示の1つの利点は、ウェアラブルデバイスが、例えばドップラーシフトに基づく測定を行うために、スマートフォンのようなハンドヘルド型コンピューティングデバイスの処理及び電力の両方を使用することが可能であり、かつ安価な既存の炭素繊維技術と、側面ステッカー及び自動化されたセンサの位置決めとを併用することによって、超音波センサの正確な位置決めを保証し、血管の形状または直径が変形して誤差を引き起こし得る血管に対するあらゆる外圧を回避することにある。したがって、一態様からの観点によれば、ウェアラブルデバイスは、コンピューティングデバイスのためのガジェットとして機能することができる。
【0032】
一実施形態では、本開示のデバイスは、デバイスの電子部品、例えば、衝撃波変換器ユニット、センサ、位置決め機構、及び任意選択でプロセッサを接続するための、PCBなどの回路基板を備える。PCBとは、プリント配線基板、プリント配線カード、またはプリント回路基板(PCB)を指すことができ、非導電性基板のシート層上及び/またはシート層間に積層された銅の1つ以上のシート層からエッチングされた導電性トラック、パッド、及び他の特徴を使用して、本開示のデバイスの電気的または電子的構成要素を機械的に支持する。インタフェース回路基板(PCB)は、上述のハンドヘルド型コンピューティングデバイスに接続され得る。
【0033】
デバイスは、ユーザ生成またはシステム生成の要求を実行するためのプログラム構成要素を実行するための少なくとも1つのデータプロセッサを備える。プロセッサは、統合システム(バス)コントローラ、メモリ管理制御ユニット、浮動小数点ユニット、グラフィックス処理ユニット、デジタル信号処理ユニット等のような特殊化された処理ユニットを備え得る。プロセッサは、AMD(登録商標)ATHLON(登録商標)マイクロプロセッサ、DURON(登録商標)マイクロプロセッサもしくはOPTERON(登録商標)マイクロプロセッサ、ARMアプリケーション、埋め込みもしくはセキュアプロセッサ、IBM(登録商標)、POWERPC(登録商標)、INTEL’S CORE(登録商標)プロセッサ、ITANIUM(登録商標)プロセッサ、XEON(登録商標)プロセッサ、CELERON(登録商標)プロセッサまたは他のプロセッサラインなどのマイクロプロセッサを更に備え得る。プロセッサは、メインフレーム、分散プロセッサ、マルチコア、並列、グリッド、または他のアーキテクチャを使用して実装され得る。いくつかの実施形態は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、AlazarTechコントローラシステム等のような埋め込み技術を利用し得る。
【0034】
プロセッサは、入力/出力(I/O)インタフェースを介して1つ以上のI/Oデバイスと通信するように配置され得る。I/Oインタフェースは、オーディオ、アナログ、デジタル、RCA、ステレオ、IEEE-1394、シリアルバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、赤外線、PS/2、BNC、同軸、コンポーネント、コンポジット、デジタルビジュアルインタフェース(DVI)、高精細度マルチメディアインタフェース(HDMI)、RFアンテナ、S-ビデオ、VGA、IEEE802.n/b/g/n/x、Bluetooth、セルラー(例えば、符号分割多重アクセス(CDMA)、高速パケットアクセス(HSPA+)、移動体通信グローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、WiMAXなど)の通信プロトコル/方法を採用することができるが、これに限定されない。
【0035】
一実施形態では、PCBは、アナログ超音波データをデジタルデータに変換するためのアナログ-デジタル変換器(ADC)、電源及びデータ送信ポートを有するマイクロ制御ユニット、1つ以上の広帯域幅オペアンプ回路、複数のデジタルバッファ、精密ドップラー計算のための少なくとも2つの信号ミキサ、圧電超音波センサの動作範囲に適した複数のフィルタ、マイクロリニアアクチュエータ及びサーボモータのための複数の双方向ドライバ、マイクロリニアアクチュエータ及びサーボモータに電力を供給するための複数のヘッダ及び複数のPWMライン、のうちの1つ以上に接続される。
【0036】
一実施形態では、PCBは、データ線及び電力線を有するケーブル及び/またはインタフェースを介してハンドヘルド型コンピューティングデバイスに接続され、ケーブル/インタフェースは、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスから電力を受け取る。さらなる実施形態では、ウェアラブルデバイスは、外部電力システムからケーブルを介して電力を受け取る。
【0037】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、衝撃波変換器ユニットに給電を提供するためのブースト回路を備える。さらなる実施形態では、ブースト回路は、低等価直列抵抗(ESR)コンデンサを備え、高容量の蓄積電荷を利用する。蓄積電荷は、アイドル時間の間に電源及びデータ送信ケーブルを介してハンドヘルド型コンピューティングデバイスから取得され得る。
【0038】
一実施形態では、デバイスは、バッテリをさらに備える。したがって、ウェアラブルデバイスは、PCBに電力を供給することができる外部バッテリから電力を受け取ることができる。バッテリは、リチウムポリマー(Li-Poly)及びリチウムイオン(Li-Ion)をベースとすることができる。また、バッテリは、パワーMOSFET等の電力管理集積回路によって動作され得る。代替的に、ウェアラブルデバイスは、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスによって給電され得る。
【0039】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、電源によって給電することができ、この場合、電源は、1つ以上のバッテリ、AC主電源、物理的接触を伴わない電磁誘導電力伝送であり得る。電磁誘導電力伝送の場合は、例えば、AC主電源、光ファイバ電源によって給電される。光ファイバ電源の場合は、例えば、電気エネルギーを供給するための太陽電池のような光-電気変換器、電気エネルギーを供給するためのソーラーアレイ、例えば、巻き上げ手動システムによって駆動される発電機などの電気エネルギーを供給するための巻き上げ手動システム、または磁場から電気エネルギーを供給するためのエネルギーハーベスティングシステムを備え得る。電磁誘導電力伝送がAC主電源に依存する実施形態では、ウェアラブルデバイスは、高い周波数及び/または大きな大きさの出力過渡変動を遮断するためのフィルタを備え得る。
【0040】
ハンドヘルド型コンピューティングデバイス技術を採用することの大きな利点は、心機能測定を行うための安価で信頼性のあるアクセスを提供し、体外衝撃波の特徴を追加して、緩和及び可動性回復のために、高密度焦点式超音波(HIFU)及び体外衝撃波の熱的及び非熱的効果を利用して心不全治療をすることである。ウェアラブルデバイスは、自動化された精度センサ位置決めで動作可能であり、かつセンサ重量は無視できる誤差で動作可能である。
【0041】
一実施形態では、デバイスは、命令を提供するためのメモリ及び/またはサーバをさらに備える。メモリは、不揮発性メモリまたは揮発性メモリであり得る。不揮発性メモリの例は、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能なデューティサイクルLE ROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、及び電気的EPROM(EEPROM)メモリを含み得るが、これらに限定されない。揮発性メモリの例は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及びスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)を含み得るが、これらに限定されない。代替的に、デバイスは、プロセッサ及びメモリを備えることができ、複数のイベントを実施するように適合させることができる。
【0042】
本明細書で使用される心臓の健康情報は、心臓センサデータ及び/または自己報告された心臓の健康データを含み得る。当該心臓センサデータは、心電図(ECG)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、超音波、心音図(PCG)、タリウム・シンチグラフィによる心筋灌流、及び/または駆出率に関するデータのような非侵襲的心臓センサデータを含むことができるが、この限りではない。当該心臓センサデータは、さらに、植え込み型心内圧センサ、ペースメーカ除細動器、及び/または他の任意の植え込み型心臓デバイスなどのセンサからの侵襲型心臓センサデータを含み得る。自己報告された心臓健康状態データは、狭心症、カナダ心臓血管学会のスコア、心臓病薬の使用程度、自己管理の6分間歩行試験、及び/または運動試験から生じる任意の身体的症状に関連する1つ以上の自己報告された症状アンケート(複数可)を含み得るが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される圧力センサは、電位差計圧力センサ、誘導式圧力センサ、容量式圧力センサ、圧電圧力センサ、ストレインゲージ圧力センサ、可変リラクタンス圧力センサ、アネロイド気圧計センサ、マノメータセンサ、ブルドン管圧力センサ、真空式圧力センサ、密閉式圧力センサであるが、これらに限定されない。
【0044】
前述したように、心臓センサは、ユーザの心臓の心機能を測定するための超音波センサであってもよい。超音波センサは、例えば、圧電超音波センサであり得る。超音波センサは、MEMS超音波センサを備え得る。
【0045】
心臓センサは、電子聴診器であってもよい。当該電子聴診器は、チェストピースを通して求められた音響変換音波を用いて身体音を電気信号に電子的に増幅するように構成された任意のデバイスであり得、次いで、最適な聴取のために増幅され得る。電子聴診器は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)マイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン(ECM)、アクセロフォン(accelerophone)及び/または圧電マイクロホンを含み得るが、これらに限定されない。
【0046】
デバイスは以下の群:フォトプレチスモグラフィ(PPG)センサ、心電図(ECG)センサ、慣性測定ユニット(IMU)センサから選択される1つ以上のセンサをさらに備えており、例えば、デバイスが正しく位置決めされたか否かを判定するように構成されている。これらは、心臓センサの一部であってもよい。
【0047】
衝撃波変換器ユニットは、体外衝撃波を発生させる超音波トランシーバを備えることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、体外衝撃波は、超低周波の周波数衝撃波であり得る。
【0048】
一実施形態では、本開示のデバイスは、ユーザからアナログデータを受信するように構成されている。
【0049】
近接センサは、デバイスが、衝撃波変換器ユニットのユーザの皮膚に対する所定の近接度及び/またはユーザの皮膚に加えられる圧力に関する情報を受信できることを保証する。これにより、衝撃波変換器ユニットで皮膚を押圧することによる誤差を最小限に抑えることができる。
【0050】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ユーザに対して個別にキャリブレーションされるように構成されている。
【0051】
本開示のデバイスは、超音波変換器などの、衝撃波変換器の1つ以上の列を備えることができる。当該変換器は、分析及び/または治療される心臓の領域に応じて起動させることが可能である。当該変換器は、ユーザの皮膚と良好にフィットすることを保証するために、電子的及び/または機械的に調整され得る。衝撃波変換器ユニットは、電気油圧電源、圧電源、フラットコイルを有する電磁源、及び/または円筒形コイルを有する電磁源をさらに備えることができる。さらに、衝撃波変換器ユニットは、1つ以上の固定された焦点距離で超音波が集束できるように、凹型変換器に取り付けられた信号発生器として構成されてもよい。当該構成は、最小の分解能で、表面とターゲットとの間の組織への影響を最小限に抑えながら、組織表面から予め定義された深さで、ターゲット組織にエネルギーを収束させるためのビームを放出または生成するために使用され得る。当該構成は、超音波の熱効果を利用する際にその使用を可能にし得る。
【0052】
本開示は、体外衝撃波治療を展開することを記載し、ユーザは、例えば冠動脈疾患及び/または心筋硬化などの治療が必要な疾患タイプを含む衝撃波治療指示を受け取る。これらの指示は、ユーザの特徴、例えば、体格、年齢、心臓病のタイプ、及び/または重症度、例えば、虚血性心疾患では、衝撃波治療パラメータを使用することによって達成され得る所望の血管新生効果に基づく予め定義された規則/指示であってもよい。
【0053】
一実施形態では、変換器ユニットは、発生させた体外衝撃波の方向及び/または焦点距離を制御するために独立して制御可能であり得る、先行する請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0054】
変換器ユニットは、衝撃波変換器ユニットであり得る。
【0055】
個々の変換器ユニットは、互いに対して位相シフトされ得る。変換器ユニット間の相対的な位相シフトに応じて、一次元または二次元アレイに対する平面における全重畳波の最大の位置は、アレイ内の変換器ユニットの各々に対する位相を調整することによって位置決めされ得る。この方法を用いることにより、可動機械部品を使用することなく、衝撃波を特定の角度(及び位置)に誘導することができる。同様に、変換器ユニットからの超音波は、心臓の特定の領域に集束され得、衝撃波は、心臓に対する角度及び焦点について制御され得る。
【0056】
一実施形態では、アレイは、一次元または二次元であり得る。
【0057】
アレイが一次元である場合、発生させた体外衝撃波は一次元で制御され得る。アレイが二次元である場合、発生させた体外衝撃波は二次元で制御され得る。
【0058】
一実施形態では、衝撃波変換器ユニットの少なくとも1つのアレイは、心臓からの反射超音波に対する応答として電気信号を生成するように構成され得る。
【0059】
変換器ユニットが双方向変換器であり得るということは、衝撃波変換器ユニットのアレイが、心臓を治療するための体外衝撃波に加えて、超音波も発生させ、心臓の画像、及び心臓の動画さえも生成するために反射された超音波を記録できることを意味する。この方式では、心臓を(さらに)診断することができ、及び診断を用いて、以下:
患者の心臓のどこに、変換器のアレイは集束されるべきであるか、
衝撃波にどれだけの電力を使用するべきか、
衝撃波をどの程度集束させるべきか、
心臓上の焦点領域をどのくらいの大きさにするべきか、
衝撃波が連続的であるべきかまたはパルス状であるべきか、かつパルス状である場合には、パルスの周波数及び/または各パルスの持続時間等、
を判定することができる。
【0060】
同じ衝撃波変換器ユニットで、心臓を治療するための体外衝撃波と、心臓をイメージングするための超音波とを発生させることができる。両波の違いは、波のエネルギー密度または強度であり、衝撃波は、超音波よりも高い強度を有する。
【0061】
反射された超音波が衝撃波変換器ユニットのアレイに入射すると、反射された超音波は、振動/圧力波の振幅の強度に応じて、衝撃波変換器ユニットから電圧/電流応答を作成する。これは、衝撃波変換器ユニットのアレイが、心臓の状態をモニタリングするためのアクティブセンサアレイとして使用され得ることを意味する。反射された超音波は、異なる時間に異なる変換器ユニットに到達するので、衝撃波変換器ユニットのアレイはその位相差を記録し、反射された超音波に基づいて心臓の画像を構築することができる。衝撃波変換器ユニットのアレイは、アレイ内の各センサ/アクチュエータ間の振幅及び時間遅延を使用することによって、外挿されたアクチュエータ/センサアレイ平面において心臓の位置を特定するために使用され得る。
【0062】
一般に、コントローラは、変換器ユニットを制御するための電気信号を送信し、電気信号は超音波に変換される。位相アレイシステムは、一次元または二次元アレイの変換器ユニットのアレイから構成され、異なる時間または変換器ユニット間の位相変化から独立して波を送信することができる。超音波を集束するため、またはステアリングするために、時間遅延または位相変化が、変換器ユニットに適用され、各変換器ユニットからの超音波の波面の強め合いの干渉を作成する。この効果により、超音波を特定の角度にステアリングすることができ、かつ/またはエネルギーを心臓の任意の位置に集束させることができる。
【0063】
超音波を送信した後、変換器ユニットは、心臓からの反射超音波もエコーとして受信する。変換器ユニットを逆に使用することによって、変換器ユニットは、受信した反射超音波を、コントローラによって登録可能な電気信号に変換することができる。変換器ユニットのアレイは、上述したように、発生した超音波をステアリングし、集束させることができるのと同様に、変換器ユニットのアレイは、反射超音波の方向及び原点を判定することができる。全ての受信波は、電気信号に変換され、心臓の健康状態及び/または心臓へ送信された衝撃波の有効性を求めるために、信号解析によって評価され得る。
【0064】
変換器ユニットのアレイのようなフェーズドアレイシステムの利点は、超音波のスキャンを実施する能力を含み、これは、変換器ユニットのアレイを機械的に移動させる必要性を無くす、または低減することによって、検査時間を短縮することである。
【0065】
変換器ユニットのアレイが心臓の画像を生成するために使用される場合、生成される超音波のエネルギーレベルは、0.02mJ/mm2より低いか、または、はるかに低い場合がある。
【0066】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、20kHz未満または15kHz未満の音波を検出するための、マイクロホンまたはアクセロフォン(accelerophone)のような音響変換器を備えることができ、またはウェアラブルデバイスは、衝撃波変換器ユニットを使用してキャビテーションを検出するように構成され得る。
【0067】
特定の物理的条件下で、流体(水など)中で超音波を使用すると、キャビテーションを起こす可能性があり、これは、副次的に大きな組織損傷を引き起こし得る。心臓組織でキャビテーションが生じた場合、心臓組織が損傷しないように、キャビテーションを直ちに停止しなければならない。キャビテーションには、5kHz~20kHzの周波数帯域でキャビテーションの存在を示す、ヒトが聞くことができる明瞭な音がある。キャビテーションは、破裂音が集まっているような音を発する。これは、明瞭かつ固有の音である。
【0068】
キャビテーションは、約5kHzを超える広帯域破裂音として検出され得る。信号処理によって、例えばフーリエ変換または任意の他の変換によって、かつ例えば、5kHzをわずかに上回るか、少なくともキャビテーションの周波数範囲内のある周波数における振幅と、キャビテーションの周波数範囲外の別の周波数(例えば、5kHz未満または20kHzを上回る)における振幅とを比較することによって、測定音響の時間窓は、周波数窓に変換される。キャビテーションが発生した場合に、キャビテーションの周波数範囲内の周波数の振幅と比較して、キャビテーションの周波数範囲内の周波数の振幅は比較的高い。このような高振幅が検出されると、衝撃波変換器ユニットのアレイのスイッチがオフに切り替えられる。
【0069】
音響変換器は、キャビテーションの周波数範囲に対してのみ感度を有するよう特別に作製され得る。音響変換器が、キャビテーションのサインとなるであろうノイズを記録すると、衝撃波変換器ユニットのアレイのスイッチはオフに切り替えられる。
【0070】
超音波の周波数は20kHzを上回るため、マイクロホンまたはアクセロフォン(accelerophone)のような音響変換器は、20kHz未満または15kHz未満の音波に対してしか反応せず、超音波を記録することができない。原則として、唯一のノイズは心臓からの拍動である。心拍の間の任意の記録されたピークは、キャビテーションの兆候であり得、その後、衝撃波変換器ユニットのアレイのスイッチはオフに切り替えられる。
【0071】
キャビテーションの周波数範囲は、人によって、及び/または衝撃波変換器ユニットによって異なる可能性があるため、音響変換器が最適に機能するように適合させ得る。これは単純な設計上の特徴である。
【0072】
キャビテーションは、様々なノイズや、どのノイズがキャビテーションであり、どのノイズが入力としてではないかを提供することによって、機械学習モデルが記録するように訓練できる、容易に認識可能なノイズを生成する。キャビテーションが記録されると、衝撃波変換器ユニットのアレイのスイッチはオフに切り替えられるか、または発生させた衝撃波の強度もしくは振幅が低減される。
【0073】
音響変換器は、好ましくは3~20kHzの範囲内、好ましくは4~20kHzの範囲内、最も好ましくは5~20kHzの範囲内の感度を有することができる。
【0074】
衝撃波変換器ユニットは、3~20kHz、4~20kHz、または5~20kHzの範囲内の周波数に対して感応可能であり、衝撃波変換器ユニットは、上述の音響変換器と同様にキャビテーションを記録し得る。衝撃波変換器ユニットによってキャビテーションが検出されると、衝撃波変換器ユニットは、超音波衝撃波の発生を停止して、心臓組織を保存し、損傷を回避する。
【0075】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、体外衝撃波を放出して心臓再生療法を誘導するように構成され得る。体外衝撃波を通して誘導される心臓再生療法は、非侵襲性、安全、非癌性であり、本明細書に記載されるウェアラブルデバイスの実施形態では、この形態の療法を施す既存のモダリティよりもリソース集約的でないという利点を有する。
【0076】
心臓再生療法は、血管新生及び生後血管新生の誘導によって虚血時の心機能にプラスの影響を与える療法が含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の心調律検出センサを備え得る。
【0078】
心調律検出センサは、心電図検査(ECG)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、心磁図(MCG)、振動性心臓図(SCG)、音電図(PCG)及び/または心エコー検査センサを含み得るが、これらに限定されない。これらの心調律検出センサを使用して、患者の心臓ゲーティングを可能にし、かつ/または有害な心臓事象を検出することができる。心調律検出センサを介して検出することができる有害事象の例としては、心不整脈、急性冠症候群、急性心不全、肺の健康状態、塞栓症、卒中等が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0079】
使用され得る心臓ゲーティングプロトコルには、プロスペクティブハイピッチデュアルソースプロトコル、プロスペクティブステップアンドシュートプロトコル、レトロスペクティブゲーティングヘリカルプロトコルが含まれ得るが、これらに限定されない。心臓ゲーティングの一般的な例は、ECGベースのR波ゲーティングプロトコルの下で心臓衝撃波治療をターゲットにすることを含む。
【0080】
心調律検出センサ(複数可)は、衝撃波変換器ユニットまたは心拍を聴く1つ以上の外部心調律検出センサ(複数可)であり得る。
【0081】
衝撃波変換器ユニットが心臓を刺激すると考えられる場合、心拍周期の同じ位置で心臓を刺激することが有利な場合がある。これは、例えば、左心室を囲むエリアをターゲットとすることによって心筋虚血を治療する場合に有利である。このようなシナリオでは、細胞レベルで心筋を刺激して、細胞レベルで再生プログラムを開始したいと考えられるだろう。この治療の実施を同じ位置で制御することにより、より効果的な治療を実施することができ、衝撃波エネルギーが心臓の不要なエリアに漏れ出すことが少なくなる。この基本方式は、心不整脈、心不全及び心筋症の治療を含むが、これらに限定されない多くの心臓衝撃波治療モダリティに適用することができる。
【0082】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の呼吸検出センサを含み得る。
【0083】
呼吸検出センサ(複数可)は、肺に出入りする呼吸によって生じる音を聞く衝撃波変換器ユニットであり得る。
【0084】
呼吸検出センサは、呼吸ゲーティング下で衝撃波療法が実施されることを可能にするために使用され得る。呼吸ゲーティングは、より制御された方式で、例えば、患者の呼吸がそれほど激しくない場合、及び/または息を吐いている場合、及び/または悪影響を与える可能性がある動きをあまりしない患者の場合に、衝撃波療法を実施することを可能にし得る。
【0085】
当該呼吸検出センサは、心電図(ECG)、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、心磁図(MCG)、振動性心臓図(SCG)、音電図(PCG)、赤外線カメラ及び/または心エコー検査センサを含み得るが、これらに限定されない。
【0086】
呼吸検出モデルは、呼吸及び非呼吸のエピソードを識別するために、当該呼吸検出センサからのデータに適用され得る。当該呼吸検出モデルは、呼吸及び/または非呼吸のエピソードに基づいて、多数の注釈付き患者データポイントで訓練されたクラス分類モデルであり得る。
【0087】
一部の疾患、例えば、冠動脈症候群のような心筋の再生治療を目的とする疾患を治療するためには、衝撃波をユーザの呼吸と同期させることが有利である。胸部は呼吸周期中に動くので、ウェアラブルデバイスと心臓との間の距離は、呼吸周期中に変化し得る。呼吸周期と同時に衝撃波を発生させることによって、衝撃波の焦点が心臓の正確な位置となることになり、治療の効果を可能な限り局所化し、効果的にする。
【0088】
衝撃波変換器ユニットのアレイは、心臓の画像を生成するために使用され得、衝撃波変換器ユニットと心臓との間の距離は、呼吸周期における位置の関数として判定され得る。その知見を用い、呼吸検出センサ(複数可)を使用して、衝撃波変換器ユニットの焦点が常に心臓の正しい位置にあるように、衝撃波変換器ユニットの焦点を呼吸周期中に変化させることができる。
【0089】
超音波
体外衝撃波の一例は、超音波である。一般に、超音波は、エネルギーが1W/cm2未満であるか、またはそれを上回るかを判定することによって、低強度または高強度のいずれかとして定義される。また、低周波と高周波の超音波は、周波数が1MHz未満であるか、またはそれを上回るかを判定することによりクラス分類される。低周波超音波は、より深いターゲットに到達可能である良好な浸透性を有し、ごくわずかな温度上昇(0.01℃未満)で細胞膜に主に力学的効果を及ぼし、それによって、膜を脱分極させ、電位依存性ナトリウムチャネル及び電位依存性カルシウムチャネルを活性化し、細胞の興奮性に影響を与える。しかしながら、高周波超音波は、低周波超音波よりも短い波長及び良好な空間分解能を有する。高周波超音波は中央に集積され、これはイメージングに有用である。高周波超音波は減衰が速いため、皮膚治療の送達に適用される場合に、熱損失及び浸透不良を引き起こし得る。
【0090】
ウシの肝臓と心筋との音波特性を比較したある研究においては、速度、インピーダンス、及び心筋組織の密度は、20~40MHzの周波数範囲において肝臓のそれよりも低い。さらに、正常なコラーゲン及びエラスチン繊維支持体を欠く血栓またはアテロームなどの緩く組織化された構造物は、超音波によって容易に破壊され得るが、血管壁は、厚いコラーゲン及びエラスチンマトリックスを含むため、より高い強度及びより低い周波数の超音波に対する耐性がある。これらの特徴が、超音波血栓溶解療法の基礎である。
【0091】
本開示は、超音波治療を展開することを記載し、ユーザは、例えば冠動脈疾患及び/または心筋硬化などの治療が必要な疾患タイプを含む超音波治療指示を受け取る。これらの指示は、ユーザの特徴、例えば、体格、年齢、心臓病のタイプ、及び/または重症度、例えば、虚血性心臓病では、1/1875MHzの周波数;15/25mW/cm2の空間平均時間平均(SATA);20%のデューティサイクル、20分/1日、に設定された超音波治療パラメータを使用することによって達成され得る所望の血管新生効果に基づく予め定義された規則/指示であってもよい。
【0092】
別の例では、1.5/3MHzの周波数またはそれに近い周波数;30/200mW/cm2SATA;20%のデューティサイクル;15/20分/日に設定されたパラメータを使用して、抗炎症効果を実現したい場合がある。さらなる例では、1MHzの周波数またはそれに近い周波数;50/110mW/cm2SATA;20%/50%のデューティサイクル;10/15分/日に設定されたパラメータを使用して、抗変性効果を実現したい場合がある。さらなる例では、1.5/1.6MHzの周波数またはそれに近い周波数;30/50/90mW/cm2 SATA;20%のデューティサイクル;20分/日に設定されたパラメータを使用して、再生効果を実現したい場合がある。さらなる例では、1.5/1.6MHzの周波数またはそれに近い周波数;30/50/90mW/cm2 SATA;20%のデューティサイクル;20分/日に設定されたパラメータを使用して、分化効果を実現したい場合がある。
【0093】
本開示はまた、超音波治療を展開する半自動化された方法を記載する。さらに、本開示は、超音波治療を展開する自動化された方法を記載し、この場合、ユーザの心臓の位置及びサイズをマッピングするためのウェアラブルデバイスの自動キャリブレーションを初回使用するために、ユーザは、様々な工程を実施しなければならない。加えて、ユーザの心臓の位置及びサイズをマッピングするためのウェアラブルデバイスの手動キャリブレーションを初回使用するために、ユーザは様々な工程を実施しなければならない。
【0094】
好ましくは、衝撃波治療の位置及びパラメータを含むウェアラブルデバイスの自動キャリブレーションは、2つ以上のセンサからのセンサデータの同時取得を使用するマッピングプロセスを通じて判定することができ、この場合、センサデータはユーザから収集されている。対象となる特定の心臓信号の強度は、2つ以上のセンサ間で比較され得る。これは、その後、ヒートマップの形態で可視化され得る。対象となる特定の心臓領域は、最も強い心臓信号を受信しているセンサの位置に基づいてマッピングされ得る。患者についての知見、例えば性別やサイズを考慮して、心臓の様々な領域におけるサイズ及び位置は、人体の生理学的基本方式(例えば、特定の患者グループに対する心臓の平均寸法)から近似され得る。所望の処置領域に基づいて、衝撃波治療は、心臓の適切な領域に誘導され得る。
【0095】
例えば、患者の大動脈の位置が正しく判定されており、治療の所望の領域が左心室である場合、成人男性に対する衝撃波治療は、好ましくは、ユーザが探し当てた大動脈領域から5センチメートル離れた座標(患者が立っている場合は下方向)、及び患者に対面する人から見て、患者が探し当てた大動脈の位置に対して3センチメートル右である座標に基づいて実施され得る。
【0096】
心臓データは、代表的な患者群に基づくセンサデータから得ることができる。例えば、ある特定の心臓領域を表すことが既知であるセンサデータなどである。
【0097】
心臓データは、患者の胸部領域から発せられる任意のセンサデータであり得る。
【0098】
センサデータは、心電図、フォトプレチスモグラフィ、振動性心臓図、振動心電図検査、心音図、光音響、心臓イメージングモダリティ(心エコー検査、ピエゾカルジオグラフィ、CTスキャン、MRI、SPECTイメージング、PETスキャン等を含むが、これらに限定されない)からの第1のセンサデータを備え得るが、これらに限定されない。第1のセンサデータを測定するための対応するセンサは、当該分野において公知である。
【0099】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは手動でキャリブレーションされ得、それによって、医療専門家は、患者の治療を最適化するために衝撃波変換器の位置を決定する。衝撃波変換器の最適位置は、衝撃波治療が患者の最適領域内で実施されることを保証するために、心電図、フォトプレチスモグラフィ、振動性心臓図、振動心電図検査、心音図、光音響、心臓イメージングモダリティ(心エコー検査、ピエゾカルジオグラフィ、CTスキャン、MRI、SPECTイメージング、PETスキャン等を含むが、これらに限定されない)からのデータを含むが、これらに限定されない、1つ以上のイメージングモダリティに基づいて通知され得る。衝撃波変換器の最適な位置は、患者の体格を評価し、衝撃波が患者の皮膚を通して伝達され得るようにしっかりとフィットさせることを保証することによって判定され得る。これにより、患者がウェアラブルデバイスを装着するたびに、衝撃波変換器の位置が同じ領域内にあることが保証される。この場合、衝撃波変換器の位置決め機構は、ウェアラブルデバイスの次の手動キャリブレーション及び/または自動キャリブレーションが行われるまで固定され得る。
【0100】
位置決め機構
本開示のデバイスは、衝撃波変換器ユニット及び/または心臓センサ(複数可)が、位置決め機構によって制御可能に移動できるように構成され得、これにより、例えば、衝撃波変換器ユニットが超音波センサを伴って、ユーザの胸部領域の様々な領域を横切って移動することができるようになる。
【0101】
位置決め機構は、衝撃波変換器ユニットの移動をガイドするための、所定の移動経路を画定するガイドチャネルを備えてもよい。その利点の1つは、チャネルが、移動経路を通じて最適な信号を探索する自動制御装置を介して衝撃波変換器ユニットを移動させることを可能にすることである。
【0102】
一実施形態では、位置決め機構は、衝撃波変換器ユニットと係合するためのモータと、場合によってはモータと係合するプーリとを備えることができる。好ましい実施形態では、デバイスは、モータ及びプーリが制御可能に移動して衝撃波変換器ユニットを位置決めするように構成され得る。
【0103】
一実施形態では、位置決め機構は、マイクロリニアアクチュエータを備え、このマイクロリニアアクチュエータは、駆動側及び従動側を備えてもよく、従動側は駆動側からモータと係合し、かつ従動側から衝撃波変換器ユニットと係合する。加えて、位置決め機構は、衝撃波変換器ユニットと係合するためのばねベースの機構を備え得る。
【0104】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、位置決め機構が衝撃波変換器ユニットのパルス幅変調(PWM)制御を提供するように構成されている。デバイスへの平均送達電力は、PWMを介して制御され得る。PWMは、マイクロリニアアクチュエータによって取得可能なオンモード及びオフモードでモータを駆動することができる。
【0105】
衝撃波治療
デバイスは、複数のイベントを実行するように構成され得る。ウェアラブルデバイスは、例えば、(心臓センサ(複数可)を利用して)ユーザの心臓をスキャンし、ユーザの心臓の1つ以上の領域を識別し、場合によっては1つ以上の心疾患を検出するように構成され得る。ウェアラブルデバイスは、超音波治療を最適化するために、心臓血管及び体外組織の複数の音響特性を検出するようにさらに構成され得る。したがって、ウェアラブルデバイスは、音響特性及び/または人口統計学的特性に基づいて、ユーザの胸部領域の1つ以上の領域におけるユーザに対する有効な超音波治療を判定するように構成され得る。ウェアラブルデバイスは、例えば、衝撃波変換器ユニットを1つ以上の識別された領域に移動させ、当該1つ以上の領域において超音波治療を実行するように構成され得る。代替的には、衝撃波治療のための最適な位置及び最適なパラメータで、超音波治療が実施され得る。
【0106】
一実施形態では、本開示のデバイスは、ユーザの心臓の心機能を分析し、非侵襲的に取得された心臓センサデータに基づいて、衝撃波変換器ユニットが位置決めされるユーザの胸部上の位置を決定するように構成されている。
【0107】
心機能データは、ユーザの心機能を判定するために収集することができる。例えば、患者が冠動脈疾患を患っていることが既知である場合、ET ECG運動試験、CPET心肺運動試験、DSEドブタミン負荷心エコー検査、PET陽電子放出断層撮影、SPECT単一光子放出コンピュータ断層撮影などのイメージングモダリティを使用して、関連する心機能データを得ることができる。これらのモニタリング方法に加えて、観察アンケートと、カナダ心臓血管学会狭心症クラス(Canadian Cardiovascular Society Angina Class、CCS)の狭心症クラス、ニトログリセリン消費量(1日当たりの錠剤数として表される)、ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association、NYHA)のクラス、及びシアトルの狭心症アンケートなどの患者の特性とを使用して、ユーザの心臓の心機能を判定することができる。患者が、例えば収縮機能が保たれた心不全(HFpEF)に罹患していることが既知である場合には、駆出率を評価するための心エコー検査及び/またはその患者の心機能を評価するためのNT-proBNP及び/またはBNPのような血液サンプル検査などのモダリティを使用する。同様に、心筋症に罹患している患者にとっては、心筋炎症の兆候が最大の関心の対象となる可能性がある。
【0108】
衝撃波変換器ユニットが、位置決めされるべきユーザの胸部上の最適な位置及び送信されるべき衝撃波パラメータを判定することができるように、衝撃波出力及び各スポットに実施されるショット数に関しては、Tohoku University of Japanからの予め定義された治療プロトコル、ならびにUniversity of Essen,Germanyによって開発されたプロトコルを使用することができる。
【0109】
本明細書に記載されるように、デバイスは、ユーザの心臓のマップを作成するように構成され得、マップは、メモリに記憶され、後に心臓センサ(複数可)及び/または衝撃波変換器ユニットをより効率的に位置決めするために使用される。
【0110】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、例えば心臓センサ(複数可)を備えた衝撃波変換器ユニットを、ユーザの胸部領域の様々な領域にわたって移動させることによって心臓をスキャンし、そこからデータを収集するように構成されている。
【0111】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、例えば心臓センサ(複数可)を備えた衝撃波変換器ユニットを使用して、ユーザの胸部領域の様々な領域にわたってデータを収集し、そこからデータを収集することによって、心臓をスキャンするように構成されている。
【0112】
心臓をスキャンする工程は、ユーザの胸部領域の様々な領域から心機能データを収集することを意味することができ、心機能データは、第1のセンサデータ及び第1のセンサデータを測定するための技法を含むことができるが、これらに限定されない。
【0113】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の領域におけるユーザの心臓健康状態を比較して、経時的な超音波治療の有効性を判定するように構成されている。次いで、ウェアラブルデバイスは、経時的に観察された超音波治療の有効性に基づいて超音波治療を更新するように構成され得る。
【0114】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ユーザの心臓のマップを作成するように構成され、マップは、例えば、デバイスのメモリに記憶される。
【0115】
一実施形態では、体外衝撃波変換器ユニットは、超音波治療の非熱特性を利用するように構成されている。
【0116】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、アンケート及び/または患者の健康データベースを通じてユーザの健康状態に関する情報を収集するように構成されている。
【0117】
本開示は、超音波治療を展開する既存の手動方法に関するものである。例えば、ユーザは、冠動脈疾患及び/または心筋硬化といった治療される必要がある疾患タイプを含む超音波治療情報を受信することができる。次いで、ユーザは、衝撃波発生器または本明細書に開示されるデバイスを治療領域(治療領域は、ユーザの体格及び人口統計学から概算され得、例えば、小柄な人であれば、ユーザは、ウェアラブルデバイスを所定の位置に保持するための小型のウェアラブル構造物(例えば、ベスト)が与えられ得る)を超音波治療指示に基づいて位置決めし得る。ウェアラブル構造物及び/またはデバイスは、より長い期間にわたってユーザによって装着され得、ユーザ自身によってユーザの胸部に配置され得、かつ/またはユーザによって30秒を超える時間にわたって所定の位置に保持することができる任意のデバイスを含むことができる。最後に、ユーザは、指示に基づいて衝撃波治療を適用(施す)ことができる。これらの指示は、ユーザの特徴、例えば、体格、年齢、心疾患のタイプ、及び/または重症度に基づく所定の規則/指示であってもよい。さらなる実施形態では、ユーザは、ユーザの皮膚に対する衝撃波変換器ユニットの圧力を手動で調整して、最適な超音波透過のためにユーザの皮膚との接触を最適化することができる。当該圧力調整は、衝撃波変換器ユニットを上下に動かす圧力調整ノブを用いて実施され得る。圧力調整ノブは、場合によっては、臨床研究において一般的に使用されている従来の顕微鏡の粗動調整ノブと同様に構成されると理解され得る。
【0118】
本開示はさらに、半自動化された超音波治療を提供するように構成されたデバイスに関するものである。初めに、ユーザは、例えば、冠動脈疾患及び/または心筋硬化といった治療される必要がある疾患タイプや治療領域などの超音波治療情報を受信することができる。ユーザは、初回使用のキャリブレーションプロセスから以前にマッピングされた心臓領域を使用して、治療領域にデバイスを位置決めすることができる。次いで、デバイスは、超音波データ及び/または電子聴診器データ(及び/またはユーザの他の非侵襲性心臓データ)を治療領域からユーザに提供することができる。したがって、ユーザは、疾患の重症度を分析することができる。リスク分析は、リスク評価機械学習モデル及び/または駆出率等の心機能の測定及び/または患者の自己報告アンケート等により評価することができる。次いで、ユーザは、ユーザの特徴、例えば、体格、年齢、心疾患のタイプ及び/または重症度に基づいて、1つ以上の領域における強度、持続時間、及び/または脈動周波数などの超音波治療パラメータを特定する(心筋硬化では筋肉を弛緩させる超音波治療が、及び冠動脈疾患ではプラークを除去する超音波治療が必要となる場合がある)ことができる。最後に、ユーザは、特定された治療ニーズに基づいて衝撃波治療を施すことができる。
【0119】
超音波治療情報は、例えば、ET ECG運動試験、CPET心肺運動試験、DSEドブタミン負荷心エコー検査、PET陽電子放出断層撮影、またはSPECT単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して、患者から得ることができる。これらのモニタリング方法に加えて、観察アンケートと、カナダ心臓血管学会狭心症クラス(Canadian Cardiovascular Society Angina Class、CCS)の狭心症クラス、ニトログリセリン消費量(1日当たりの錠剤数として表される)、ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association、NYHA)のクラス、及びシアトルの狭心症アンケートなどの患者の特性とが使用され得る。超音波治療情報は、患者の心臓に関する情報を提供することになる。
【0120】
得られた超音波治療情報は、患者の心臓の疾患または疾患タイプを判定するために使用され得る。患者の心臓の疾患または疾患タイプに関する得られた超音波治療情報は、以下の情報:
患者の心臓のどこに、変換器のアレイは集束されるべきであるか、
衝撃波にどれだけの電力を使用するべきか、
衝撃波をどの程度集束させるべきか、
心臓上の焦点領域をどのくらいの大きさにするべきか、
衝撃波が連続的であるべきかまたはパルス状であるべきか、かつパルス状である場合には、パルスの周波数及び/または各パルスの持続時間等、
を提供することができる。
【0121】
例えば、疾患タイプが末期の冠動脈疾患であると判明した場合、左心室の基底部、中間部、及び先端部に1回当たり最大1200インパルスを患者に照射して、0.09mJ/mm2のエネルギー束で1か所に100インパルス未満のインパルスを当てる治療を週3回、3週間行えば、虚血負荷が軽減される。
【0122】
疾患タイプが例えば慢性虚血性心不全であることが判明した場合、好ましくは300インパルスが4Hzの周波数で0.38mJ/mm2のエネルギー束密度を伴って虚血部位に送達され得る。
【0123】
疾患タイプが例えば石灰化大動脈弁尖であると判明した場合、硬化した塊は、6秒の時間間隔で、それぞれ100kHzと3MHzとの2つの衝撃波を使用する結石砕石術によって破壊され得る。異なる周波数の組み合わせにより、大動脈弁尖内のカルシウム沈着物を破壊し、熱損傷を回避することになる。
【0124】
得られた超音波治療情報は、患者の心臓の疾患または疾患タイプの代わりに、以下の情報:
患者の心臓のどこに、変換器のアレイは集束されるべきであるか、
衝撃波にどれだけの電力を使用するべきか、
衝撃波をどの程度集束させるべきか、
心臓上の焦点領域をどのくらいの大きさにするべきか、
衝撃波が連続的であるべきかまたはパルス状であるべきか、かつパルス状である場合には、パルスの周波数及び/または各パルスの持続時間等、
を直接提供することができる。
【0125】
本開示はさらに、自動化された超音波治療を提供するように構成されたデバイスに関するものである。ユーザは、ユーザの複数の領域から、超音波データ及び/または電子聴診器データ(及び/またはユーザの他の非侵襲性心臓データ)などのセンサデータにアクセスすることができる。したがって、ユーザは、1つ以上の疾患を識別することができ、1つ以上の領域における当該1つ以上の疾患の重症度を分析することができる。これは、疾患タイプ及び重症度機械学習モデル、例えば、石灰化指数、冠動脈におけるプラークの蓄積、駆出率のような心機能の測定、患者の自己報告による健康上のアウトカム/幸福度質問等のような黄金律で訓練された分類モデルを採用することによって行うことができる。次いで、ユーザは、ユーザの特徴、例えば、体格、年齢、心臓病のタイプ、及び/または重症度に基づいて、1つ以上の領域における衝撃波治療パラメータ(強度、持続時間、及び/または脈動周波数)を特定する(心筋硬化は、筋肉を弛緩させるために超音波治療を必要とし得、冠動脈疾患は、プラークを切り取るために超音波治療を必要とし得る)ことができる。最後に、ユーザは、特定された治療ニーズに基づいて衝撃波治療を施すことができる。
【0126】
ウェアラブルデバイスの自動キャリブレーションの初回使用のために、ユーザの心臓の位置及びサイズをマッピングする場合、ユーザは、通常、様々な工程を実施する。ユーザは、複数の領域から超音波センサ及び/または電子聴診器のデータにアクセスすることができる(データ収集領域は、ランダム化及び/または事前設定され得る)。さらに、ユーザは、例えば、機械学習モデルを訓練して各領域を識別することによって、各領域の固有のマーカ及び/またはパターンを識別することができる。好ましくは、クラスタリング法を用いて、データを異なる群/領域にセグメント化することができる。さらに、各領域に対するセンサ及び/または衝撃波変換器ユニットの位置決めに対応する位置データは、後の時点でデータにアクセスできるように、メモリ及び/またはクラウドに記憶することができる。
【0127】
ウェアラブルデバイスの手動キャリブレーションの初回使用のために、ユーザの心臓の位置及びサイズをマッピングする場合、ユーザは、通常、様々な工程を実施する。ユーザ特性(例えば、性別や体格)に基づいて、デバイスは、予め設定された式/決定ルールによって所望の領域にナビゲートされ得る。例えば、ユーザが55kgで70歳の女性である場合、治療する疾患が僧帽弁逆流である際には、デバイスを四分円状で表した場合の右下に衝撃波変換器ユニットを位置決めする。
【0128】
本明細書に開示されるデバイスは、虚血性心疾患及び/または線維症を含むが、これらに限定されない複数の疾患の治療として、幹細胞分化、血管新生及び抗炎症効果が生じるように超音波治療の非熱特性を利用するように構成され得る。非熱的特性は、圧力及び/または振幅を増大させることにより、マイクロストリーミング(これによって、流体運動が増すことにより内皮せん断応力を促進可能にする)、ジェット噴射(これによって、血管透過性が増加可能になる)、気泡膨張及び/または圧縮(これによって、血管透過性が増加可能になる)を発生させることにより実現され得る。
【0129】
具体的には、ウェアラブルデバイスは、液化性壊死を引き起こし得る局所組織温度を上昇させることができるように、衝撃波変換器ユニットによって照射されるパルス長及び/または電力の増大を通して、超音波の熱効果を利用するように構成され得る。
【0130】
さらに、ウェアラブルデバイスは、分子効果を利用するように構成され得る。当該分子効果は、血管形成因子のアップレギュレーション、一酸化窒素合成酵素活性の増加、抗炎症特性、筋細胞、内皮細胞、及び/または血管平滑筋細胞の分化の促進を含み得るが、これらに限定されない。
【0131】
衝撃波変換器の脈動周波数及び強度は、肥大性心筋症及び/または心筋間質性線維症の抑制を目的とすることができる。
【0132】
衝撃波治療は、心臓ペーシングを可能にすることを目的とすることができる。代替的に、本開示のデバイスは、血圧を制御する神経に影響を及ぼすことによって、非侵襲的に高血圧を低減するために使用され得る。さらに、低強度の超音波パルスを使用して、抗炎症効果を生み出すことができる。超音波パルスはまた、全身の微小血管の炎症をターゲットとする抗炎症効果が発生するように構成され得る。
【0133】
低強度の超音波パルスを使用して、血管新生を増強し、左心室機能不全が低減され得る。加えて、低強度の超音波パルスを使用して、血管新生を増強して心筋梗塞を改善することができる。
【0134】
本開示のデバイスは、単独で、または気泡及び抗凝固剤と組み合わせて、血餅を液化するために超音波を照射するために使用され得、場合によっては、脳卒中によって影響を受けた脳の領域への血流を回復させるために、及び/または動脈血栓症及び/または深部静脈血栓症を処置するために使用され得る。
【0135】
さらに、本開示のデバイスは、虚血心筋細胞及び心臓内皮細胞における心筋血流を増加させることに焦点を当てることができる。超音波は組織に対して心保護作用のある直接的な影響を与えるが、これは超音波によって誘発される組織血流の増加、及び/または血流を増加させることによって心保護をもたらす可能性のある内皮細胞から放出される代謝物から生じる可能性がある。
【0136】
本明細書に開示されるデバイスはまた、虚血性心疾患及び/または線維症を含むが、これらに限定されない複数の疾患の治療として、幹細胞分化、血管新生及び抗炎症効果を生じるように、超音波治療の非熱特性を利用することに焦点を当てることができる。
【0137】
いくつかの例では、本開示のデバイスは、線維芽細胞の増殖を抑制する抗炎症効果を生じさせるために、超音波療法の非熱特性を利用することに焦点を当てている。
【0138】
本開示のデバイスは、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸器症候群、及び/または肺塞栓症を含むが、これらに限定されない複数の疾患の治療として、幹細胞分化、血管新生、及び抗炎症効果を生じさせる超音波療法の非熱特性を利用することに焦点を合わせることができる。
【0139】
一実施形態では、本開示のデバイスは、腫瘍細胞をターゲットとし、破壊するために超音波療法の熱特性を利用することに焦点を当てている。
【0140】
一実施形態では、本開示のデバイスは、下肢領域を含むがこれに限定されないユーザの複数の身体領域中の血栓をターゲットとし、破壊するために超音波治療を利用することに焦点を当てている。
【0141】
一実施形態では、本開示のデバイスは、深部静脈血栓症を特定及び/または治療するために使用される。
【0142】
本明細書に開示されるデバイスは、1つ以上の心臓血管疾患領域に適用され得、以下の、動静脈奇形(AVM)、アテローム性動脈硬化症、心房細動、心臓ペーシング、心臓肥大症、大動脈瘤、うっ血性心不全、深部静脈血栓症(DVT)、心臓弁の石灰化、血腫管理、高血圧、低可塑性左心症候群、僧帽弁閉鎖不全症、末梢動脈疾患、中隔穿孔、下肢静脈瘤、心室頻脈、ならびに細動及び収縮機能が保たれた心不全(HFpEF)が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0143】
機械学習モデル
機械学習システムの基礎をなす機械学習モデルは、デバイスのメモリ及び/またはハンドヘルド型コンピューティングデバイスに記憶され得る。機械学習モデルは、適応的臨床設定によって訓練され得る。機械学習システムは、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスと統合され得る。さらに、機械学習システムは、補助的なハンドヘルド型コンピューティングデバイスから遠隔で実行され得る。加えて、機械学習システムは、患者の臨床医がアクセス可能な推奨治療を提案し得る。臨床医は、治療の位置、強度、及び/または頻度を含むが、これらに限定されない1つ以上の推奨治療を確認することができる。
【0144】
一実施形態では、機械学習システムは、ユーザに対して個人化された超音波治療を生成する。各ユーザ(患者)に対して、機械学習システムは、周期「A」における疾患重症度データと、周期「B」における疾患重症度データとを比較することによって、疾患の進行を測定することができる。全患者及び/または複数の周期からの全患者を含むデータセットに基づいて、機械学習システムは、x-変数(患者データ及び超音波治療仕様など)をy-変数(疾患進行)と相関させるための機械学習モデルを訓練することができる。訓練された機械学習モデルに基づいて、(患者の特性などの他のx変数を一定に保ちながら)超音波治療仕様は、予測される疾患進行を最小限に抑えるように(または言い換えれば、治療の有効性が最大化するように)調整される。機械学習システムは、決定木に基づく機械学習モデル、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ロジスティック回帰、単純ベイズ、最近傍、サポートベクターマシン、ブースト木学習法、及び/または生成ニューラルネットワークを含み得る。
【0145】
本開示のデバイスは、ユーザの生体試料データを受信するように構成され得る。動作において、ユーザは、唾液腺から唾液の形態で自分の生体試料を受け取ることができる。次いで、ユーザは、ユーザの身体の化学情報に関連する1つ以上の反応特性を有する反応物質上に生体試料を配置することができる。その後、ユーザは生体試料を配置する際に反応物質の画像を撮影し、生体試料データを求めることができる。次いで、デバイスは、個人化された衝撃波治療を生成するための決定ポイントの1つとして作用する生体試料データを処理するように構成され得る。代替の実施形態では、デバイスは、ユーザの医学データに基づいて個人化された衝撃波治療を生成するように構成されている。
【0146】
デバイスは、ユーザのハンドヘルド型コンピューティングデバイスのメモリに記憶された機械学習システムの基礎をなす機械学習モデルを利用するように構成され得る。機械学習モデルは、例えば、適応的臨床設定によって訓練され得る。さらに、機械学習システムは、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスと統合され得る。加えて、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスは、アンケート及び/または他の患者の健康状態データベースを介して、ユーザの健康状態に関する情報を収集することもできる。
【0147】
補助的なハンドヘルド型コンピューティングデバイスをウェアラブルデバイスに接続して、ウェアラブルデバイスの遠隔制御を可能にしてもよい。機械学習システムは、補助的なハンドヘルド型コンピューティングデバイスから遠隔で実行され得る。さらに、補助的なハンドヘルド型コンピューティングデバイスなどの外部コンピューティングデバイスは、ビデオファイルとして記録される超音波センサデータを表すデータを受信することができる。
【0148】
機械学習は、本質的に、応答変数A、B、C、D、E、...と呼ばれる入力変数の未知の数学的組み合わせに基づいて、できるだけ正確に数学的に近似されるべきデータのターゲット変数Tとして表すことができ、この場合、T=f(A、B、C、D、E、...)であり、関数fはアプリオリに既知ではない。これは、データフィッティングプログラムを使用するのと類似するが、フィッテイングすべき式の関数形式について既知でなければならない。関数fは、機械学習モデルと呼ばれ、関数fは、手元の問題に基づいて異なるアルゴリズムのレシピを慎重に選択することによって、または多種多様な機械学習アルゴリズムを試験し、アルゴリズムのクラスごとにそれらの精度をランク付けすることによって判定されるべきである。機械学習は、可能な限り少ないデータ要件でモデルを見つけるべきであり、新しいデータシナリオを正確に推定または推測することができるモデルを生成するべきで、モデルは、分析、再フィッテイング、及び再使用を行うために単純であるべきであり、モデルの構造は、問題に対する洞察を与えるべきである。さらに、モデルは、制御可能な方式でターゲット変数Tを調整するために、どのように入力変数に影響を与えるかについて提案を提供可能でなければならない。調整可能な入力変数はレバー(lever)と呼ばれ、影響を与えたり、変更したりすることができるものである。
【0149】
ケーシング
一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、衝撃波変換器ユニット、近接センサ、位置決め機構、心臓センサ(複数可)、及び任意選択でプロセッサの少なくとも一部を収容するためのハウジングをさらに備え、ハウジングは、炭素繊維材料で作製される。有利には、デバイスの重量によって引き起こされる測定誤差を最小限に抑えることができる。
【0150】
さらなる実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがユーザの皮膚に取り付けられることを可能にするために、ウェアラブルデバイスの底面に複数の固定パッドを備えることができる。
【0151】
有利な実施形態では、ウェアラブルデバイスは、音響インピーダンス整合材料または超音波ゲルなどの音響インピーダンス整合液を有する容器を備える。ハウジングの側面に超音波ゲルの小さなシートを入れるための開口部を有するようにハウジングは設計され得る。音響インピーダンス整合材料または音響インピーダンス整合液の量は、1回使用するのに十分な量であればよい。好ましくは、音響インピーダンス整合材料または音響インピーダンス整合液は、超音波治療の、ある特定の強度及び/または持続時間に最適化され得る。さらに、デバイスには、ブラシ及び洗浄用洗剤が設けられ、音響インピーダンス整合材料または音響インピーダンス整合液を変換器から外して洗浄することが可能である。
【0152】
加えて、デバイスは、衝撃波変換器ユニットに接続する薄い正方形シートを備えることができる。当該薄い正方形のシートは、1回限りの使用のために構成され、接着剤によって接続されるか、または変換器と機械的に取り付けられてもよく、音響インピーダンス整合材料または音響インピーダンス整合液は、シートの底部にあってもよい。当該薄い正方形シートは、使用後に取り外せるように構成され得る。
【0153】
当該音響インピーダンス整合材料または音響インピーダンス整合液は、ユーザの組織への衝撃波の伝達を最適化するために、超音波ゲルを含み得る。一実施形態では、当該音響インピーダンス整合ゲルは、衝撃波変換器とユーザの皮膚との間がしっかりとフィットすることを促進する接着性の材料をさらに含む。
【0154】
さらなる実施形態では、デバイスは、超音波治療を開始する前に、胸部領域にわたって音響インピーダンス整合液を均一に塗布するようユーザに促すように構成されている。
【0155】
ウェアラブルデバイスは、ベストに取り付け可能である。当該ベストは、ユーザの胸部と良好にフィットすることを保証するように構成され得る。当該ベストは、様々な患者集団にわたって良好にフィットすることを保証するために、様々なサイズで入手可能である。これにより、ウェアラブルデバイスが様々なユーザ集団にわたってユーザの領域に適用されることを促進することができる。当該ベストは、圧力を増加させ、及び/またはセンサ及び/または変換器と患者の皮膚との接触を改善するように調整され得る。したがって、このようなベストは、本開示のベスト及び本開示のデバイスを含むキットの一部であり得る。
【0156】
図面の詳細な説明
本説明は、本明細書に記載された図面及び説明を参照して最も良く理解される。本システム及び方法の様々な実施形態は、図面を参照して説明される。しかしながら、当業者であれば、図に関して本明細書に提供された詳細な説明は、単に説明のためのものであり、本システム及び方法は、説明された実施形態を越えて拡張され得ることを容易に理解するであろう。例えば、提示される教示及び特定の用途の必要性は、本明細書に記載される本システム及び方法の任意の詳細の機能を実装するための複数の代替的及び好適な手法をもたらし得る。したがって、本システム及び方法を実装する任意の手法は、以下の実施形態における特定の実装選択肢を超えて拡張し得る。
【0157】
本明細書の実施形態によれば、本開示の方法は、手動、自動、及び/またはそれらの組み合わせを実施または完了することによって実装され得る。「方法」という用語は、任意のタスクを達成するための方式、手段、技術、及び手順を指し、これらの方式、手段、技術および手順は、当業者に知られているか、または本開示が属する技術の実践者によって既存の方式、手段、技術及び手順から容易に開発されるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載の本システム及び方法の範囲内で、他の多くの可能な変形例を想定するであろう。
【0158】
図1は、ユーザの胸部領域に体外衝撃波を発生させるための、本開示デバイス100の1つの例示的な実施形態の様々な構成要素間を接続するブロック
図101(
図2~
図4と共に示され、説明される組立図)を示す。ウェアラブルデバイス100は、ガイドチャネル104と、回路基板(PCB)106と、超音波センサの形態の心臓センサ108と、マイクロリニアアクチュエータ110と、サーボモータ111と、プロセッサ132とを含む。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスのガジェットとして機能する。ガジェットの例としては、ケーシング、カバー、ハウジング、または電気ハウジングを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100、または少なくともそのハウジング/本体は、炭素繊維材料で作られる。ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112の例としては、コンピューティングデバイス、スマートフォン、モバイルデバイス、ファブレット、タブレット等を含むが、これらに限定されない。
【0159】
ガイドチャネル104は、ウェアラブルデバイス100の本体内に配置される。PCB106は、1つ以上の圧力センサ、衝撃波変換器ユニット114、及びプロセッサ132に接続される。圧力センサは、ユーザの皮膚に対する衝撃波変換器の近接度を測定するように構成されている。圧力センサは、センサ上に加えられる物理的圧力の大きさを、圧力の定量値を確立するために使用され得る出力信号に変換する任意の機器またはデバイスを含み得る。圧力センサは、電位差圧力センサ、誘導式圧力センサ、容量式圧力センサ、圧電圧力センサ、ストレインゲージ圧力センサ、可変リラクタンス圧力センサ、アネロイド気圧計センサ、マノメータセンサ、ブルドン管圧力センサ、真空式圧力センサ、密閉式圧力センサを含み得るが、これらに限定されない。
【0160】
衝撃波変換器ユニット114は、体外衝撃波を発生させるように構成され、衝撃波治療を最適化するように選択された付着力で、ユーザの皮膚に配置されるように構成されている。プロセッサ132は、複数の命令を実行するように構成され、プロセッサ132は、体外衝撃波を発生させるための命令を衝撃波変換器ユニットに送信するように構成されている。
【0161】
ガイドチャネル104は、ユーザの胸部領域のエリア内に音波変換器ユニットを位置決めするように構成されている。一実施形態では、PCB106は、アナログセンサケーブル126を介して回路基板(PCB)106に接続される超音波センサ108の形態の心臓センサをさらに含む。一実施形態では、超音波センサ108は、MEMS超音波センサを含む。一実施形態では、超音波センサ108は、圧電超音波センサである。
【0162】
衝撃波変換器ユニット114は、体外衝撃波を発生させるために、ばねベースの機構を介してPCB106に取り付けられる。圧力センサは、衝撃波変換器ユニット及び/または超音波センサ108の皮膚に対する近接度を測定する。超音波センサ108は、ユーザの心臓の様々な領域を検出し、衝撃波変換器ユニット114が配置される胸部上の位置を決定するように構成されている。マイクロリニアアクチュエータ110は、超音波センサ108に取り付けられ、インタフェース回路基板106からパルス幅変調(PWM)制御を取得する。マイクロリニアアクチュエータ110は、超音波センサ108をユーザの皮膚上に配置して、超音波センサ108で皮膚を押すことから生じる誤差を最小限に抑えるように選択された付着力のアナログデータを求めるように構成されている。
【0163】
サーボモータ111は、マイクロリニアアクチュエータ110に取り付けられ、インタフェース回路基板106上の双方向PWMドライバを介してインタフェース回路基板106からPWM制御を取得する。いくつかの実施形態では、マイクロリニアアクチュエータ110は、静止側と移動ストロークとを含み、静止側からサーボモータ111に取り付けられ、超音波センサ108は、マイクロリニアアクチュエータ110の移動ストロークに取り付けられる。いくつかの実施形態では、圧力センサ、衝撃波変換器114、及び圧電超音波センサは、スリムなプリント回路基板(PCB)にはんだ付けされる。
【0164】
いくつかの実施形態では、サーボモータ111は、ウェアラブルデバイス100の本体に形成された複数のチャネル内を移動する。いくつかの実施形態では、サーボモータ111の機能は、ステッピングモータによって実施され得る。サーボモータ111は、インタフェース回路基板(PCB)106によって給電され、制御される。いくつかの実施形態では、サーボモータ111は、マイクロリニアアクチュエータ110に取り付けられ、インタフェース回路基板106上に配置された双方向PWMドライバを介してインタフェース回路基板106からPWM制御を取得する。いくつかの実施形態では、中空ガイドチャネル104が、サーボモータ111の移動をガイド及び制限するために、ウェアラブルデバイス100の本体内に組み込まれる。
【0165】
プロセッサ132は、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112のメモリ130に記憶された複数の命令を実行するように構成されている。メモリ130は、不揮発性メモリまたは揮発性メモリであり得る。
【0166】
プロセッサ132は、心臓センサ108の測定値から心機能を推定し、体外衝撃波を発生させるための命令を衝撃波変換器ユニット114に送信するように構成されている。本明細書の実施形態によれば、プロセッサ132は、ユーザの心臓の領域を識別し、超音波療法を制御し、超音波療法の浸透及び有効性を最適化するように心臓血管組織の複数の音波特性を調整し、ユーザの心臓をスキャンして1つ以上の心疾患を検出し、ユーザの身体の1つ以上の領域におけるユーザに対する有効な超音波療法を判定し、1つ以上の衝撃波発生器を1つ以上の領域に移動させ、当該1つ以上の領域において超音波療法を実行し、ユーザの胸部領域の様々な領域にわたって超音波センサ及び/または電子聴診器を移動させ、そこからデータを収集することによって心臓をスキャンし、ユーザの生理学的及び/または人口統計学的特性に基づいて超音波療法を調整し、1つ以上の領域におけるユーザの心臓健康状態を比較して、経時的な超音波療法の有効性を判定し、経時的に観察された超音波療法の有効性に基づいて超音波療法を更新するように構成されている。
【0167】
いくつかの実施形態では、インタフェース回路基板106は、アナログデータをデジタルデータに変換するためのアナログ-デジタル変換器(ADC)、電源及びデータ送信ポートを有するマイクロ制御ユニット、1つ以上の広帯域幅オペアンプ回路、複数のデジタルバッファ、精密ドップラー計算のための少なくとも2つの信号ミキサ、圧電超音波センサ108の動作範囲に適した複数のフィルタ、マイクロリニアアクチュエータ110及びサーボモータ111のための複数の双方向ドライバ、マイクロリニアアクチュエータ110及びサーボモータ111に電力を供給するための複数のヘッダ及び複数のPWMラインを含む。いくつかの実施形態では、インタフェース回路基板(PCB)は、データ線及び電力線を有する電力及びデータ送信ケーブル120を介してハンドヘルド型コンピューティングデバイス112に接続される。電力及びデータ送信ケーブル120は、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112から電力を受け取る。
【0168】
いくつかの実施形態では、衝撃波変換器114は、ブースト回路116から給電を得る。いくつかの実施形態では、ブースト回路116は、高容量及び低等価直列抵抗(ESR)コンデンサ118の蓄積電荷を利用する。蓄積電荷は、アイドル時間の間に電源及びデータ送信ケーブル120を介してハンドヘルド型コンピューティングデバイス112から取得される。
【0169】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、ウェアラブルデバイスの本体内の中空ガイドチャネル104内で衝撃波変換器ユニットを移動させるために、サーボモータ111に取り付けられたプーリ122を含む。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、ケース102の底部に取り付けられた固定パッド124を有する複数のアームを含み、ガジェットまたはデバイス100をユーザの皮膚に取り付けることを可能にする。
【0170】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112によって給電されるか、またはPCB106に電力を供給することができる外部バッテリから電力を得ることができる。
【0171】
動脈内皮機能の障害は、心臓血管疾患が始まったことを示す可能性があるので、上腕動脈は、血管収縮または血管弛緩のいずれかの数分前及び数分後に直径が測定され、超音波信号が超音波センサ108のPCBで送信及び受信されると、血液の流速を示す送波及び受波の両方の間でドップラーシフトが生じ、その速度のあらゆる変化が、対応する動脈直径の変化を反映する。パルスの印加と検出との間の遅延は、信号ミキサを使用して測定することができる。この場合、信号の乗算結果のRMS値が、2つの信号間のシフトを示し、積分回路を使用してドップラーシフトの変化を測定するために使用することができる。この場合、定常流の積分結果は線形でなければならないが、この非線形性は流速の変化に比例するので、非線形性の程度によってドップラーシフトが測定される。
【0172】
測定デバイスの重量に起因する測定誤差を回避するために、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスと同様の炭素繊維から作製された中空ケースを使用して、センサの周囲に中空空間を形成し、センサと動脈の間の皮膚上にウェアラブルデバイスによる余分な重量がないことを保証する。したがって正確な結果を保証することができるため、ウェアラブルデバイス100によって皮膚に加えられる圧力は、動脈から遠い点で及ぼされ、動脈の直径または形状に影響を及ぼさない。
【0173】
図2は、本開示の一実施形態によるウェアラブルデバイスの底面図である。
図2を、
図1に関連させて説明する。固定パッド124を有するアームは、患者の身体に配置されるように構成されている。中空ガイドチャネル104は、ウェアラブルデバイス100の本体内に配置され、ステッピングモータまたはサーボモータ111と、それに取り付けられた超音波センサ108のリニアアクチュエータ110及びPCBとの動きを介して、衝撃波変換器ユニットをガイドする。超音波センサ108のPCBは、リニアアクチュエータ110を介してステッピングモータ111に取り付けられている。
【0174】
図3は、本開示の一実施形態によるウェアラブルデバイスの側面
図300を示す。
図3を、
図1に関連させて説明する。圧電超音波トランシーバ108の形態の心臓センサ、指向性の高い体外超音波衝撃波変換器を備える衝撃波変換器ユニット、及び1つ以上の圧力センサが、スリムなPCB(好ましくは0.4ミリメートル以下のPCB)にはんだ付けされている。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100は、リニアアクチュエータ用の駆動モータ302を含む。プーリ122は、ステッピング/サーボモータ111に取り付けられ、ウェアラブルデバイス100の本体内の中空ガイドチャネル104内でのみ移動するように意図される。
【0175】
図4は、本開示の一実施形態による、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112内にインストールされたモニタリングアプリケーション400を示す。
図4を、
図1に関連させて説明する。モニタリングアプリケーション400は、Android(登録商標)及びiOS(登録商標)を含む1つ以上のオペレーティングシステムに基づくことができる。ウェアラブルデバイス100は、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112内にインストールまたは構成されたモニタリングアプリケーション400にユーザが登録することを要求する。メモリ130は、モニタリングアプリケーション400へのアクセスを提供するための1つ以上の認証情報をユーザから受信することによって、モニタリングアプリケーション400を介してユーザを登録するように構成されている。認証情報の例としては、ユーザ名、パスワード、年齢、性別、電話番号、電子メールアドレス、住所等を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、モニタリングアプリケーション400は、心臓の健康評価のためのソフトウェアアプリケーションもしくはモバイルアプリケーション、またはウェブアプリケーションとして商業化されている。ユーザは、患者、本発明に含まれるもの等のハンドヘルド型コンピューティングデバイス112を使用するモニタリングアプリケーションを使用する患者、またはハンドヘルド型コンピューティングデバイス112自体を含み得る。いくつかの実施形態では、モニタリングアプリケーション400は、ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112で実行されているグラフィカルユーザインタフェース(GUI)128(
図1に示す)を有するソフトウェアプログラムの組み合わせであり、これは、名前、住所、年齢、性別、身長、体重、周期的なターゲット強度などの結果データを提示し、結果データに基づいてユーザが適切な調整を行うことを可能にする。結果として得られるデータは、ウェアラブルデバイス100と共に構成された1つ以上の超音波センサ108によって得られる。
【0176】
本明細書の実施形態によれば、プロセッサ132は、捕捉された/求められたデータを処理し、それを外部のコンピューティングデバイスに、またはネットワークを介してさらに処理するためのサーバとして送信する。ユーザの心臓の健康に関連する処理されたデータは、モニタリングアプリケーション400上に提示される。ネットワークは、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよく、例としては、インターネット、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、Wi-Fi、ロングタームエボリューション(LTE)、マイクロ波を用いた世界標準規格の通信方式(WiMAX)、及び汎用パケット無線サービス(GPRS)が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0177】
モニタリングアプリケーション400は、ユーザが心不全の可能性を継続的にモニタリングすることを可能にし、収縮機能が保たれた心不全(HFpEF)の治療に役立つ。典型的には、HFpEFは、拡張(充填)期の間に左室下部(左心室)が血液で適切に満たされない場合に生じる。身体に送り出される血液の量は、正常より少ない。拡張期心不全とも呼ばれる。さらに、モニタリングアプリケーション400は、自動位置決め及び超音波変換器の強度の判定のために機械学習を利用する。
【0178】
図5は、少なくとも1つの実施形態による、ユーザの身体または胸部に接して配置されたハンドヘルド型コンピューティングデバイス500の斜視図を示す。
図5を、
図4に関連させて説明する。モニタリングアプリケーション400は、GUIを通じてユーザに心機能の測定を開始するように指示する。次に、ユーザは、
図5に示すように、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスを自分の胸部に置く。ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112は、ユーザの胸部にしっかりとフィットするように適合された形状を有することができる。ハンドヘルド型コンピューティングデバイス112の形状は、患者の胸部に完全にフィットするように曲げられているかまたは湾曲されている。
【0179】
いくつかの実施形態では、心臓センサ108は、圧力センサなどの1つ以上の近接センサと組み合わされ、リニアアクチュエータが、プローブを用いて皮膚を押すことから生じる誤差を最小限に抑えるために、最小かつ一定の付着力で、衝撃波変換器ユニット及び/または心臓センサを皮膚上に正しく配置することを可能にする。本明細書の一実施形態によれば、ウェアラブルデバイス100は、皮膚に加えられる力が測定プロセスに付加的な誤差を引き起こさないよう保証するために、デジタルPIDアルゴリズムを使用する閉ループ制御を利用する。さらに、ウェアラブルデバイス100は、デジタルPIDアルゴリズムを用いた閉ループ制御を利用して、センサの位置が自動的に最適化され、適用された測定値がそれ以上に最適化されないことを確実にする。
【0180】
圧力センサから来る信号は、デジタル化され、MCUに送信されて、その全処理能力を使用し、フーリエライブラリまたは他のデジタル処理ライブラリを使用して、追加のハードウェアまたはコストを最小限に抑えて、ドップラーシフトを正確かつリアルタイム方式で判定する。好ましい有効化におけるアレイ信号の信号処理には、直交表現を使用して信号を複素数として処理することを含み、これはまた、位相配列の最適処理及び制御に必要な解析信号を生成するため、及び整合フィルタリングに必要なヒルベルト変換も含むべきである。最後に、指向性の高い体外超音波衝撃波変換器は、精密な超音波トランシーバによって高精度で使用され得、したがって、ウェアラブルデバイス100は、検出または測定だけではなく、治療も提供することができる。波に対するドップラーシフトの精度は波の周波数に比例するので、最適な周波数は8MHz付近であるが、標準的なドップラー計算は、センサ間の距離を脈拍通過時間で割ることによって、脈拍の速度を推定する。
【0181】
いくつかの実施形態では、心臓センサ108が超音波計算回路の一部として積分器を使用する。これは、出力波形が正確な波形を持たないため、直接出力波形のサンプリングが多くの問題を引き起こす可能性がある場合に理想的な解決策である。一方で積分器は、積分器から得られる波形の非線形性を判定することによって変化の測定を可能にする。最後に、アナログフィルタの使用は、積分器の入力が積分器入力における周囲EM波ではなく超音波読み取り値から保証されるように、外部ソースからのノイズが無視されることを確実にするために欠かせない。
図6は、少なくとも1つの実施形態による、超音波センサ108とユーザの心臓602との間の相互作用の斜視
図600を示す。動作中、インタフェース回路基板(PCB)106は、超音波センサ108のPCBから音声信号を取り出す。音声信号は、自動制御がセンサの最適化された位置を選択する手段として音声レベルを使用する際に、超音波センサ108を配置する最適なX-Y位置について、インタフェース回路基板(PCB)106のマイクロ制御ユニット(MCU)に通知し、この場合、動脈パルスの音声認識から得られるフィードバックは、MCUがパルスの最大音声検索を可能にする位置を認識するのに役立ち、かつ音声信号からのフィードバックに基づいてサーボ/ステッピングモータを制御するためのPWM電力を生成する。超音波センサ108を皮膚に付着させるプロセスは、ステッピングモータ/サーボモータに取り付けられたリニアアクチュエータを使用する位置決め機構によって提供され、位置決めプロセスは、動脈の直径または形状に影響を与える可能性のある皮膚への余分な圧力に起因する誤差を低減するために、付着力を固定値に制限するように設計された圧力センサの助けを借りて行われる。インタフェース回路基板(PCB)106は、近接センサからの測定値に基づいてリニアアクチュエータを制御するためのPWM電力パルスを生成する。衝撃波治療を最適化することは、衝撃波変換器で皮膚を押すことから生じる誤差を最小限に抑えるように選択された付着力で衝撃波変換器ユニットをユーザの皮膚上に配置することを含み得る。
【0182】
さらなる実施形態では、超音波治療パラメータが、ターゲットとされる1つ以上の疾患、ユーザの人口統計学的情報、ユーザの健康情報、ユーザの皮膚、組織、骨、及び/または臓器に対する超音波603の透過性、超音波治療が実施される環境、超音波治療が実施される時刻、及び/またはユーザに有害な健康事象が発生するリスクを含むが、これらに限定されない、多くの要因に基づいて判定されるように、ウェアラブルデバイスは、各ユーザに対して個別にキャリブレーションされてもよい。ウェアラブルデバイスの個々のキャリブレーションは、異なる体格及び/または異なる性別の異なる生理学的特性に適合するようにデバイスのサイズを調整することをさらに含み得る。
【0183】
心臓センサ及び衝撃波変換器は、分離された固体物であってもよいし、衝撃波変換器ユニットに組み込まれてもよい。心臓センサは、高電圧の超音波トランシーバを備え、指向性の高い衝撃波を発生させることができ、この衝撃波は衝撃波変換器を介してユーザに送達される。ハンドヘルド型コンピューティングデバイスの電力は、5Vレベルのみに制限された電圧を提供し得るが、高効率のブースト回路がPCB106に追加され得、ブースト回路が低ESRで高容量コンデンサ、すなわち、スーパーコンデンサを使用する場合に、ブースト回路が非常に短い期間(すなわち、1または2ミリ秒)で、つまり衝撃波には十分な高電圧の高電流を提供することを可能にする。衝撃波変換器は、圧力をかけずに皮膚に正確に貼り付けられる必要がないので、衝撃波変換器は、心臓センサ108の移動軌跡と衝突しない方式で中空ケースの底部に静的に取り付けられた独立したPCBとすることができ、単純なばね機構を使用して、十分な圧力で皮膚に貼り付けられることを確実にすることができる。
【0184】
インタフェース回路基板(PCB)106は、超音波パルスを送信するために使用される信号を、超音波感知中に取り出された信号とフィルタリングして混合し、その結果を積分し、サンプリング/デジタル化された結果を電力及びデータ送信ケーブルを介してハンドヘルド型コンピューティングデバイスのCPUに送信し、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスのCPUに対して、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスは、安価で既存のデジタル信号処理ライブラリ、すなわち、Android(登録商標)、IOS(登録商標)、Windows(登録商標)及びLinux(登録商標)用の高速フーリエ変換ライブラリを使用することで、プログラミング開発コストを最小限に抑え、積分信号の非直線性に基づいてドップラーシフトを計算し、その結果、流速及び変化を判定することができる。
【0185】
インタフェース回路基板(PCB)106は、超音波センサ108からデータを収集し、それをハンドヘルド型コンピューティングデバイスに送り返す。最後に、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスは、デジタル化された形態で超音波データを取り戻し、ドップラーシフトを分析するためにこのデータを使用して、血液の流速や、いわゆる動脈の変化を判定し、その結果として得られるデータを読み取り可能形態、グラフィック形態、または音声形態、すなわちGUIで提示する。このように、本ウェアラブルデバイス100は、心疾患を治療するために、高密度焦点式超音波(HIFU)及び体外衝撃波の熱効果及び非熱効果を利用する。
【0186】
図7は、少なくとも1つの実施形態による、ユーザの胸部に接している配置されたウェアラブルデバイス100の第1の分解
図700を示す。本明細書の実施形態によれば、ウェアラブルデバイス100は、音響インピーダンス整合液を貯蔵する容器702を含む。
【0187】
図8は、少なくとも1つの実施形態による、ユーザの胸部に接している配置されたデバイスの第2の分解
図800を示す。衝撃波変換器ユニット114によって発生した衝撃波の脈動周波数及び強度は、肥大性心筋症及び/または心筋間質性線維症の抑制に向けられる。
【0188】
図9は、少なくとも1つの実施形態による、ユーザの胸部に接している配置されたウェアラブルデバイスの第3の分解
図900を示す。一実施形態では、衝撃波変換器ユニット114は、電気油圧電源、及び/または圧電源、及び/またはフラットコイルを有する電磁源、及び/または円筒形コイルを有する電磁源を含む。
【0189】
図10は、少なくとも1つの実施形態による、ハンドヘルド型コンピューティングデバイスと共にウェアラブルデバイスをベスト1002のポケット内に配置する斜視
図1000を示す。ウェアラブルデバイス100がベスト1002のポケットに入れられることにより、超音波治療中にウェアラブルデバイス100は制御され、配置を安定させることを可能にすることができる。一実施形態では、ベスト1002は、ユーザの胸部と良好にフィットすることを保証するように構成されている。ベスト1002は、様々な患者集団にわたって良好にフィットすることを保証するために、様々なサイズで入手される。様々なサイズのベスト1002は、様々なユーザ集団にわたってユーザの領域にウェアラブルデバイス100が使用されることを促進する。さらにベスト1002は、圧力を上昇させ、センサ及び/または変換器と患者の皮膚との接触を改善するように調整され得る。
【0190】
図11は、少なくとも1つの実施形態による、超音波変換器または変換器ユニット1102のマトリックスまたはアレイの斜視
図1100を示す。別の実施形態では、本ウェアラブルデバイス100のウェアラブルデバイス100は、リニアアクチュエータ及びガイドチャネルの代わりに、超音波変換器1102のマトリックスを含む。本明細書の実施形態によれば、心臓のどの領域が治療を必要とするかに応じて、異なる変換器1102が起動される。一実施形態では、衝撃波変換器は、分析及び/または治療される心臓の領域にしたがって起動される。衝撃波変換器は、ユーザの皮膚と良好にフィットすることを保証するために、電子的及び/または機械的に調整され得る。
【0191】
一実施形態では、変換器ユニットのアレイは、超音波治療のための超音波信号またはパルスを生成するように構成され得、加えて、入力される超音波信号またはパルスに応答して電気信号を提供するように構成され得る。
【0192】
前述の明細書では、本発明の実施形態は、実装例ごとに異なり得る多数の具体的詳細を参照して説明されている。したがって、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で見なされる。本発明の範囲の唯一の及び排他的な指標、ならびに本出願人が本発明の範囲とすることを意図するものは、かかる特許請求の範囲が発行する、任意のその後の補正を含む特定の形式において、本出願から発行される特許請求の範囲のセットの文字どおりの範囲および同等の範囲である。
【0193】
条項
条項1.
ユーザの胸部領域において体外衝撃波を発生させるためのウェアラブルデバイスであって、
体外衝撃波を発生させ、衝撃波治療を適用するために前記ユーザの皮膚上に配置されるように構成された衝撃波変換器ユニットと、
前記衝撃波変換器ユニットの近接度を測定する少なくとも1つの近接センサと、を備え、
前記1つ以上の衝撃波変換器ユニットがアレイ状に配列されているか、または前記ウェアラブルデバイスが、前記衝撃波変換器ユニットを制御可能に位置決めするように構成された位置決め機構をさらに備えており、
前記デバイスが、心臓の健康情報を受信し、前記衝撃波変換器ユニットに情報を送信して、体外衝撃波を発生させるように構成されている、前記ウェアラブルデバイス。
【0194】
条項2.
心臓センサを備える、条項1に記載のウェアラブルデバイス。
【0195】
条項3.
前記心臓センサは、前記ユーザの心臓データを非侵襲的に取得するように構成されている、条項2に記載のウェアラブルデバイス。
【0196】
条項4.
前記心臓センサは、侵襲性心臓センサである、条項2に記載のウェアラブルデバイス。
【0197】
条項5.
前記心臓の健康情報は、心臓センサデータ及び/または自己報告された心臓の健康データを含む、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0198】
条項6.
前記位置決め機構は、前記デバイスの底面によって画定される平面内で、前記衝撃波変換器ユニット及び/または前記心臓センサを前記ユーザの皮膚に向かってガイドするためのガイドチャネルを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0199】
条項7.
前記衝撃波変換器ユニット、前記近接センサ(複数可)、前記心臓センサ(複数可)、前記位置決め機構、及びプロセッサを接続するための、PCBなどの回路基板をさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0200】
条項8.
前記近接センサは、前記衝撃波変換器が前記ユーザの皮膚に加える圧力を測定するための圧力センサである、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0201】
条項9.
前記心臓センサは、前記ユーザの前記心臓の心機能を測定するための超音波センサを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0202】
条項10.
前記心臓センサは、電子聴診器を備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0203】
条項11.
フォトプレチスモグラフィ(PPG)センサをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0204】
条項12.
心電図(ECG)センサをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0205】
条項13.
慣性測定ユニット(IMU)センサをさらに備え、
前記デバイスが正しく位置決めされたか否かを判定するように構成される、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0206】
条項14.
前記位置決め機構は、前記衝撃波変換器ユニットと係合するためのばねベースの機構を備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0207】
条項15.
前記位置決め機構は、前記衝撃波変換器ユニットと係合するためのモータを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0208】
条項16.
前記位置決め機構は、前記モータと係合するプーリを備える、条項15に記載のウェアラブルデバイス。
【0209】
条項17.
前記デバイスは、前記モータ及び前記プーリが前記衝撃波変換器ユニット及び/または前記心臓センサ(複数可)を位置決めするように制御可能に移動するように構成されている、条項16に記載のウェアラブルデバイス。
【0210】
条項18.
前記位置決め機構は、マイクロリニアアクチュエータを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0211】
条項19.
前記マイクロリニアアクチュエータは、駆動側と従動側とを備え、前記駆動側からモータと係合し、かつ前記従動側から前記衝撃波ユニットと係合する、条項18に記載のウェアラブルデバイス。
【0212】
条項20.
前記位置決め機構は、前記衝撃波変換ユニットのパルス幅変調(PWM)制御を提供するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0213】
条項21.
前記PWM制御のための双方向PWMドライバをさらに備える、条項20に記載のウェアラブルデバイス。
【0214】
条項22.
前記衝撃波変換器ユニット、前記近接センサ、前記位置決め機構、及び前記プロセッサの少なくとも一部を収容するためのハウジングをさらに備え、
前記ハウジングは、炭素繊維材料で作製されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0215】
条項23.
前記デバイスは、前記ユーザからアナログデータを受信するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0216】
条項24.
前記デバイスは、前記ユーザの前記心臓の心機能を分析し、前記衝撃波変換器ユニットのセンサデータに基づいて、前記衝撃波変換器ユニットが位置決めされる前記ユーザの胸部上の位置を決定するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0217】
条項25.
前記PCBが、
アナログ超音波データをデジタルデータに変換するためのアナログ-デジタル変換器(ADC)、
電源及びデータ送信ポートを有するマイクロ制御ユニット、
1つ以上の広帯域幅オペアンプ回路、
複数のデジタルバッファ、
精密ドップラー計算のための少なくとも2つの信号ミキサ、
圧電超音波センサの動作範囲に適した複数のフィルタ、
マイクロリニアアクチュエータ及びサーボモータのための複数の双方向ドライバ、
前記マイクロリニアアクチュエータ及び前記サーボモータに前記電源を供給するための複数のヘッダ及び複数のPWMライン、
のうちの1つ以上に接続される、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0218】
条項26.
前記インタフェース回路基板(PCB)が、データ線及び電力線を有するケーブルを介してモバイルコンピューティングデバイスに接続され、
前記ケーブルが前記モバイルコンピューティングデバイスから電力を受け取る、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0219】
条項27.
前記衝撃波変換器ユニットに給電を提供するためのブースト回路を備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0220】
条項28.
前記ブースト回路は、低等価直列抵抗(ESR)コンデンサを備え、高容量の蓄積電荷を利用する、条項27に記載のウェアラブルデバイス。
【0221】
条項29.
前記ウェアラブルデバイスが前記ユーザの皮膚に取り付けられることを可能にするために、前記ウェアラブルデバイスの前記底面に複数の固定パッドを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0222】
条項30.
音響インピーダンス整合液を有する容器を備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0223】
条項31.
前記デバイスに命令を提供するためのメモリ及び/またはサーバをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0224】
条項32.
前記情報は、治療の位置、周波数、空間平均時間平均、デューティサイクル及び/または持続時間に関する情報を含むが、これらに限定されない超音波治療パラメータに関する情報を備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0225】
条項33.
ディスプレイスクリーンを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0226】
条項34.
バッテリを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0227】
条項35.
前記ユーザに対して個別にキャリブレーションされるように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0228】
条項36.
前記ユーザの心臓をスキャンし、前記ユーザの心臓の1つ以上の領域を識別し、1つ以上の心疾患を検出するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0229】
条項37.
前記ユーザの胸部領域の1つ以上の領域における前記ユーザに対する有効な超音波治療を判定するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0230】
条項38.
前記衝撃波変換器ユニットを前記1つ以上の領域に移動させ、前記1つ以上の領域において前記超音波治療を実行するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0231】
条項39.
前記超音波センサ及び/または前記電子聴診器を前記ユーザの胸部領域の様々な領域にわたって移動させ、前記超音波センサ及び/または前記電子聴診器からデータを収集することによって前記心臓をスキャンするように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0232】
条項40.
前記1つ以上の領域における前記ユーザの心臓健康を比較して、経時的な前記超音波治療の有効性を判定するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0233】
条項41.
前記経時的に観察された前記超音波治療の有効性に基づいて前記超音波治療を更新するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0234】
条項42.
前記ユーザの心臓のマップを作成するように構成され、前記マップは、前記メモリに記憶される、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0235】
条項43.
前記ウェアラブルデバイスは、アンケート及び/または患者の健康データベースを通じて前記ユーザの健康状態に関する情報を収集するように構成されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0236】
条項44.
前記ウェアラブルデバイスは、ベストに接続されている、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0237】
条項45.
前記ウェアラブルデバイスは、前記衝撃波変換器ユニットを上下に移動させるように構成された手動圧力調整ノブを備える、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【0238】
条項46.
前記ウェアラブルデバイスは、外部電力システムからケーブルを介して電力を受け取る、先行条項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【図】
【国際調査報告】